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【咲SS】菫先輩、テルに告白しないの?【レズ注意】
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「菫先輩、テルに告白しないの?」
「は?」
「え?」
「……」
少しばかり冷えた昼下がり、久しぶりの休日という事で部のメンバーとカフェでお茶を飲んでいると
急に淡がおかしな事を言い始めたので、私と亦野はとぼけた声を出してしまった、尭深は変わらず静かだが
「どうした淡、頭でも打ったのか?」
「なんだか厳しいですよ、先輩」
照がお手洗いに行っていたのが幸いだった、聞かれていたらどうなっていたか……
「弘世先輩は宮永先輩の事が好きなんですか?」
少しばかり声を高くして亦野が聞いてくる、案外こいつは恋愛話が好きだからな
「何を言ってるんだ亦野も……」
「どうしたの菫?」
肩が小さく震える、苦笑いしながら後ろを振り向くと照が不思議そうに首を傾げていた
「あぁ……いや……」
「えっとね、ただ私が暇だから適当な冗談言っただけだよ、テル」
「そうなんだ、ちょっと驚いちゃった」
……適当な冗談っていうのは嘘だろう、まぁともかくなんとなって良かった……
しかしなんで淡は聞いてきたんだろう……何か裏が
「菫先輩、何考えてるんでしょう?」
……いや多分本当に適当に言ったんだろう、思ったことを
「なんでもない、さて何か注文しようか」
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帰り道、私は淡の言葉を思い出した
「告白……」
わざわざ淡があんな事を言ったという事は、周りから見れば
私が照に好意を持っているように見えるという訳だ
……確かに私は照に好意を持っている、だがそれは隠そうとはしている
なぜ隠してるかは……ただ私が臆病なだけだ
今の関係が壊れてしまうのでは無いかという不安に恐れて
「そんな私が好意を持って接してるようにみえるのか……?」
小さく声に出し、自問する、だが自分の態度だとかそんな物は他人から言われて気づくものだ
気をつけるべきだろう、まぁ淡にどう思われても問題はないはずだ
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家に帰ればさっさと風呂に入る、やることなんて勉強以外無いからな
腰に届くほど長い髪の毛を洗う、たまに「そんな長くて大変でしょ」なんて言われる髪の毛
私も長すぎるとは思っている、だが
「菫の長い髪の毛好きだよ」
たった一言、照にそう言われただけで私は髪を切ることに億劫になってしまった
いつ照に匂いを嗅がれても良いように私は毛先まで丁寧に洗う
この作業は気だるい物だが照の事を思えばもっと綺麗にしようとすら考える
……ずいぶん私も照に惚れたな
シャワーを止めて風呂からあがる、照もこの時間は風呂に入ってるのだろうか
体を拭きながら照の事を想う、次はドライヤーを髪に掛ける作業だ
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紅茶を入れたカップを片手に自室のベットに腰掛ける、さてこれからどうするか
ちらりと携帯を見ると通知が来ていた、亦野からだ
「弘世先輩って宮永先輩の事好きなんですか?」
まったく……無視したら逆に図星だと思われるかもしれないな……
「そんな事無いぞ」
それから数分後さっそく返信が帰ってきた
「ほんとうですか〜?」
…………
「あんまり調子に乗ってるとお前と麻雀を打つときに露骨に狙うぞ」
「すいません許してください!!!」
亦野はこの様子だからきっと私が照に好意を持ってることは知らないんだろう
とにかくやることがない、取り敢えず勉強をするか……
熱心にはしない、私は特待で大学に行けるからだ
もちろん照と一緒の大学に……
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しばらく勉強をしてると疲れてしまい手を休めた、紅茶はもう冷えている
……目をつむりなんとなく照の事を想う
思えばあの入部当時から照の事は気にかけていた
中学ではそれなり活躍した私、自信と誇りを持って麻雀部に入った
軽く同級生上級生をあしらい2軍、1軍へと上がろうと考えていた
しかしだ……そこに宮永照が現れた
今でもその衝撃は覚えている、たった3局だけで格の違いというものを見せつけられた
狙い撃っても狙い撃っても当たらず、ただ点数を削られた
照には完敗したが、なんとか照と共に2軍、1軍へと1年生にして上がる事が出来た
……私は照に複雑な感情を抱いた
憧憬、敵意、恭敬、憎悪、信用、畏怖……
最初は照を越えようと懸命に努力を続けた、何がなんでも超えてやろうと
しかしどう足掻いても照には勝てない、たった数ヶ月で照は雲の存在となった
私は私と考えれば良かったんだろう、だが同世代の人間として照を意識せざるえなかった
それでも多少は仲良くしていた、しかし距離は一定に保ち
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改行しよう(提案)
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もう始まっ照!
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うーん今から改行した方が良さそうでしょうか?
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……今でも覚えている、2年の夏だ
照のチームが全国で華々しく優勝したのをテレビ越しに見た瞬間、
複雑に絡んでいた感情がまとめられ、諦めに変わってしまった
これ以上麻雀をやっても照には敵わないだろう……
しかし麻雀をやめるのは躊躇った、麻雀自体は好きだったからだ
……しかし目標や向上心があるからこそ物事を楽しめる
私は漠然と麻雀をした、ただ機械のように面白みも無く
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そんなある日、照に呼び出しを食らった
私は照と2人きりになった、考えてみればそれは初めての事で
椅子に座り「何を言うつもりなんだろう」、そう考えていると
「つらいなら麻雀やめたらいいよ」
目の前がパッと明るくなったのを覚えている
あの無口な照が、原因である照が一言目にこんな事を言うもんだから私は怒り
「何ふざけた事を!」と立ちながら叫んだ
あの一言が嫌味だったのか同情だったのか分からない
感情を露わにして照を睨みつける、しかし照は無表情に私の目を覗く
奇妙、不思議な照に私は怯え、椅子に座り小さな塊になった
私の肩を撫でる照、私は何も言えずただ涙を流す
照はずっと私を撫で続けた
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数分後、やっと泣き止み照を覗く
「大丈夫?」
「大丈夫だ……」
それから私はゆっくりと自分語りを始めた
照に対する嫉妬、麻雀に対する気持ち
照は静かに私の話を聞いていた
そして私が語り終えると照が小さく呟いた
「麻雀やめたい?」
今まで誰にも言わなかった私の感情を照にぶつけると
なんだか今までの自分がバカに思えて
……答えは一つしかなかった
「馬鹿をいうな、続けてやるさ……全国にでも行ってやる」
照の前で泣いた事によって歪んだプライドが崩れたのだろうか
私の話を真面目に聞いてくれたからだろうか
照は目指すべき相手でもあり、そして素晴らしき友人だとやっと気づいた
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その日以来、照に対して敵意はなくなった
もちろん立ち向かう事を諦めたわけではない、
目指す目標ではあるが共に切磋琢磨する友人として
……私生活も共にするようになった、良き相談相手として友人として
友人として過ごしていくと色々な事に気づいた
お菓子に目が無いことだとか、案外お茶目なところだとか……
……照を親しい人として意識するようになって……
気が付けば照に好意を持つようになった、人を好きになるなんて案外こんなものだ
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思い出に浸っているといきなり携帯が鳴り始めた
照からだ
「もしもし、どうした照」
「淡が菫の様子がおかしいから電話してあげてって」
「はぁ?」
私は思わず苦笑してしまう
「大丈夫なの?」
「なんでもないさ、大丈夫だ」
「相談乗るよ?」
「ありがとう……」
それから数十分私は照と話し合い、
照が「寝るね」と言うまで私は電話を切ろうとしなかった
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思い出と直後の照との会話、そして淡のあの言葉
すべてがきっかけとなり私はベットに寝転びながら呟いた
「明日告白しよう」
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次の日、学校に着いて直ぐに照に放課後教室に残るように伝えると
照はなんの疑いを持つことなく応じた
……告白までの数時間、あっという間に過ぎてい
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クラスメイトが家に帰る中、私と照は教室に居残った
照が私の席の前の椅子を借りて、私と机を挟み向かい合うように座る
「どうしたの急に」
「あっいや……」
いざ告白しようとすると言葉に詰まる、こういう時は……
「な、なぁ照、もう私達も卒業だな」
しまった……話が遠くになってしまった……
「うん、早いよね」
どうやってこの話から告白に繋げるか、脳を回転させる
「色々あった…が、何か心残りはあるか?」
何を言ってるんだ私は!
「……あるよ」
目を細めた照が小さな声で呟く
「……優勝できなかった事」
浮いた気持ちが沈んだ
それは……私も心残りだ、結局私達はあの大会で負けてしまって……
「で、でも照は2回も優勝を経験したじゃないか」
私がなんとか励まそうとすると照は私をじっと見つめた
「菫と一緒に優勝したかった」
唇を噛みしめる、私だって照と一緒に優勝したかったさ……
「菫はあるの?」
私は正直に照に伝えた
「照と一緒に優勝したかった……」
夕焼けが薄暗い教室を黄金色に照らす、私達はしばらく沈黙の中を漂った
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「じゃ、じゃあやり残してる事はないか?」
私がそう聞くと照は、少しばかり考えた素振りをしてみせ
「あるよ」
と言い、続けて照は「菫はあるの?」と尋ねた
「もちろんあるさ……」
……告白、それをしなければ
「……今からそれをやって良いか?」
照の瞳を一心に見つめながら言うと照は小さく頷いた
私の小さな心臓が胸を内側から叩き上げる、今にも倒れてしまいそうだ
「て、照は好きな人はいるか?」
「……いるよ」
私はドキリとした、しかしこのまま一気に続けてしまおう
「私もいる……」
生唾を飲み込んで想いを伝える
「単刀直入に言う、私は宮永照……貴方が好きだ」
今まで溜めていた想いを伝えると周りの光景がはっきりとして
校庭の声だとか風の音、雑音が急にはっきりと聞こえるようになり
そしてすぐに元に戻って身が浮くような感覚に襲われる
照は目を丸くするが、すぐにいつもの表情に戻りはっきりと言った
「私も好きだよ菫」
浮いた体の感触がはっきりとし、椅子の感触をしっかりと感じ始め
私はしっかりと空気を吸い込み落ち着きながら言う
「ありがとう照」
顔を照に近づけると、照は一瞬躊躇ったが少しばかり寄せる
私は照の上気した頬に軽く触れると、照の心地よい吐息を吸い込みながら唇をそっと重ね合わせ、
互いがキスをやめるタイミングを見失うほどに私達はキスを続けた
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口づけを終えてお互いが見つめ合い、また沈黙が生まれる
私は何か話題が無いかと探り、先程の事を思い出しそれとなく言った
「これで私はやり残した事はなくなった、照のやり残した事はなんだ?」
照は笑みを浮かべて囁く
「もうないよ」
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カン
やっぱり改行した方が良いですかねぇ……
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レス数増やして行間空けた方が見やすい
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ん、おかのした
これからは気をつけます
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咲のレズスレには変なの湧く事あるから気を付けて
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スレタイに注意があるから大丈夫でしょう
乙です
一つ一つの文を短くしたほうが読みやすいかもです
あと句点を使わないのであれば改行したほうがいいかもしれない
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感想ありがとナス!
やっぱり読みやすさは大事ですね、意識します
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書き方ばっかじゃねぇかお前んちぃ!
面白かったゾ
また書いてくれよな〜頼むよ〜
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今回も良かったゾ
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あら^��靴いい任垢錣���
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