言わなければえりちもウチも普通の生活を続けていくことができるんや。今までどおりにな。
でも、やっぱりそれじゃだめなんよ。偽りのなかで生きていてはだめなんよ。
それに、もう時間がないんや。
今、ウチはえりちに真実を告げる。
回転寿司のイクラを
本物と思っているのは
えりちだけや。
驚いたかな？当然やね。だがそれが真実なんよ。
辛かった。えりちがイクラを食べるずっと前から、
ウチは何百回も回転寿司で毎日豚丼を食べてきた。
だから、あのクルマエビも、あのアワビも、すべて偽者だったんよ。
えりちが初めて回転寿司でイクラを満面の笑みで食べたとき、ウチは人生であれほど嬉しかったことはなかったで。
時には食べすぎで苦しいながらもえりちのトイレ待ちに割り込んだりもした。許してくれんかな。
もうすべてを知るときが来てしまったんよ
心の準備をさせる暇も与えることのできなかったウチをできるなら恨まないでなぁ…。
えりちかわいい
初めて知ったゾ