ほら、もう八月も半ばだよね？
それなのにことりたち、ずーっと家にいるでしょ？
だから、たまにはおでかけしたいの。
新幹線とかに乗って、ちょっとだけ遠くにね。
もちろん、海未ちゃんと二人きりで。
綺麗な景色を見たり、温泉に入ったり。
お買い物をして、美味しいものもたくさん食べるの。
ほら、素敵でしょ？
どこに行くか、これから二人で考えよう？
ふふっ、想像したらお腹空いてきちゃった。
ごはんには早いし、おやつの時間だね。
冷蔵庫にあれがあるんだぁ。
海未ちゃーん、お待たせしましたー。
今日のおやつはプリンです！
それも普通のプリンじゃないよ。
ことり特製のいちごプリン。
ふふっ、材料奮発しちゃったんだー。
ではでは〜、いただきまーす。
ふわ〜、甘酸っぱくて美味しいね。
海未ちゃん、美味しい？
ああっ、なんで急いで食べるのー？
ちょっと貸して…ほら、あーん。
…うん、えらいえらい。
えー、そんなに恥ずかしい？
ことりはそんなことないのになぁ。
…えっとね、海未ちゃん。
ことり、ときどき怖くなるの。
海未ちゃんって、小さい頃は人見知りだったでしょ？
いいの、ことりもそうだったから。
出会った頃は、お互い恥ずかしがっちゃって。
誰かが間に居ないと、話すことすらできなかったもんね。
…それが今では嘘みたい。
それくらい、海未ちゃんは強くなっちゃったから。
自分の意見はズバズバ言うし、上級生にも物怖じしない。
大勢の前に出るのは慣れないけど…それでもね。
それなのに、ことりったら。
ことりはいっつも逃げちゃうの。
つまらない失敗もたくさんするの。
海未ちゃんに助けられてばっかりなの。
それがことりは、とっても怖い。
置いてかれちゃったみたいで、とっても怖いの。
ことりも強くなりたいの。
ことりも助けになりたいの。
ことりも…隣に並びたいの。
小さい頃から考えてるのに。
答えがぜんぜんわからないの。
海未ちゃん、ことりはどうしたらいいの？
おねがぁい…答えて。
http://i.imgur.com/Em7Aje3.jpg
あっ…（察し）