ウチは死ぬほど嬉しかった。何せ夢にまで見たお肉さんや。
もやし祭り開催中のウチにもついに脂でぎっとぎっとなお夕飯が食べられる。
そしておうどんさんを買って焼肉をして〆に焼きおうどんさんができる。
そんなことを一瞬にして考えたんよ。
でも、お肉さんは「米はどこ？米どこにいるの？」
って言うんよ。ウチのことは見向きもせずに。
そのとき分かったんや。お肉さんはお米と食べるべきやって。
だからウチはお米を炊いてあげた。
やっぱりお肉さんはウチ一人で食べるよりお米と一緒に食べたほうが美味しいやん。
ウチは二人が幸せになってほしいと願いながらお肉さんをオカズにお米を貪った。
そんな夢を見た。
起きて冷蔵庫をみた。
もやし(\10)があった。
目から涙がこぼれた。
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そこに立っていたのは、夢にまで見ていたお肉さんやった。
もう、うち嬉しくなってしまってな。気づいたらギューッと抱き〆ていたんよ。
これで、お肉さんが食べられる。うちに残っていたのはその一心やった。
と、いうわけで〆たてのお肉さんをおいしーくいただくためにな、今日のお夜食はシンプルにステーキに決めたんよ！
まずは、お肉さんを解体せなあかんね。ほんまは地下に暫く監禁して、ワタヌキとシオヌキをするんやけど、〆てもうたからしゃーないわ。ま、お米の匂いがついとるお肉さんやから、ワタヌキしたら匂いが薄まるしちょうどよかったかもな。
お腹をずっぱりと切り裂いてな、中の腸やら胆やらをひっぱりだして純粋なお肉さんだけにしたんよ。頭は、切り離して明日からのお楽しみにしとく。
そんなこんなで、じゃじゃーん！立派な、もものお肉さんが手に入りました！
じゃ、早速ステーキを焼こか！
まずはな、お肉さんの筋をすこーし切るんよ。こうしないと、焼いたときに反り返って見栄えがせんからね。それから片面に塩、胡椒を、もう片面には胡椒だけをふって、手で伸ばしてあげる。
ここで、フライパンさんの出番や！強火にかけてな、表面から「チリチリッ」って音が聴こえたらオッケーや！脂さんを入れて、フライパンの隅々まで脂さんをゆきわたらせるんよ。
脂さんの次はスライスしたにんにくさんをいれるんよ。にんにくさんから、ええにおいがしてきたら、やっとお肉さんの出番やで！
塩、胡椒をした面を下にしてフライパンに入れる…あぁ〜ん！この音！たまらんわぁ〜！…あ、いかんいかん。ステーキさんはタイミング命！心を乱したらあかんね、下の方に焼き色がついてきたからここからは弱火や。
…お！上の方に肉汁ちゃんがういてきたから、ひっくり返さんとね。今日はレアやからここでさっとひっくり返す。あぁ〜ん！めっちゃうまそー！おっとと、ここでフランベせんと、赤ワインを入れて、うわっちち！でもまけへんで！お肉さんのためやもの！
よし！ええ頃合いやね。ステーキさんを取り出してお皿に移したら、さっと付け合わせを作るで！もやしをフライパンに入れて、脂さんとにんにくさんでさっと炒めて…完成や！
じゃ、早速ステーキさんをいただきまーす！
おぉ、きれいな赤身さんが見えておいしそうやん！あむっ！
お肉さんのお米みたいな旨味がぎゅっと出てきて……炊きたてのお米さんの甘味と合わさって……スピリチュア〜〜ン！！
やっぱり、ステーキさんにして正解やったわ！お肉さんの一番美味しい食べ方はこれやね！
あ！そうや、明日は大和煮にしてご飯さんと食べよ！
絶対にご飯さんとの相性バツグンやで！
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腹減りまくったデブネキが、遊びに来た友達を肉として捉えて食ったかのように見える