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【淫夢SS】天国まで一番臭う男
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‐12:30-
野獣「クゥーン……」zzz
ピピピッ ピピピッ ピピピッ
野獣「ファッ!?」
野獣「もう朝か……とても気持ちのいい目覚めだってハッキリ分かんだね」
野獣「昼から約束があるし、取り敢えず時間を確認して……ヌッ!」
時計【12:30】
野獣「ンアッー! 寝過ごしちゃったヤバイヤバイ」
野獣「約束の時間とっくに過ぎてるじゃないか(憤怒) あーあもうめちゃくちゃだよ」
野獣「…………」
野獣「もう一眠りするか」
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野獣「どうせ約束といっても相手は池沼。向こうも忘れてるでしょ」
野獣「また今度改めて話して……ん?」ブーッブーッ
野獣「スマホか。呼び出しかな?」
件名:なし
本文:お前の人生、それでいいのか?
野獣「えっなにこれは……未来ガジェットか何か?」
野獣「いや、ただのチェンメだな(確信)」
野獣「じゃけんこんなクッソくだらないメール削除して寝ましょうね〜」ブーッブーッ
野獣「なんだよ……」
件名:あ〜冷えてるかー?
本文:おい起きろぃ。肝心な約束忘れてるゾ
野獣「……しょうがねぇな〜(悟空)」
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〜喫茶店『悶絶少年』〜
野獣「あー面倒くせぇマジで。約束ってなんだよ(哲学)」
野獣「ん?」
看板【お前の人生、それでいいのか?】
野獣「流行ってるのかな?」
ウィーン カランカラン
店員「あらいらっしゃい! お一人様ですか?」
野獣「24歳、待ち合わせです。身長は170cmで、体重は74kg……」
店員「かしこまり! ご案内しナス!」
MUR「おっ田所ォ! 遅いゾ〜」
KMR「もう僕帰ろうかと……」
野獣「すいませぇ〜ん。ちょっと道が混んでましてぇ〜」
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MUR「嘘つけ絶対寝てたゾ」
KMR「顔も洗って無さそうですね……嫌だ、汚い……」
野獣「スルーしてくれよな〜頼むよ〜。それで、何の話だっけ?」
MUR「おっそうだな。お前この前大学やめただろ? でも働いてはいないみたいだし、今何してるのか気になってな」
野獣「何だよそんな事か。大丈夫っすよ、ばっちぇニートっすよ」
KMR「えっ」
MUR「おい待てぃ。お金とかどうしてるんだ」
野獣「親にはやめたって言ってないんで。学費の仕送りがあるからそれで、ま、多少はね?」
KMR「やめてくれよ……(絶望)」
MUR「人間の屑がこの野郎……」
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野獣「大丈夫でしょ。飽きたら実家帰って親父の仕事手伝うかなんかすればいいから」
KMR「そんなんじゃ勘当されてもおかしくないですよ」
MUR「そうだよ(便乗)」
野獣「うるせーな……大体今から仕事探したって間に合わないんだよね。それ一番言われてるから」
MUR「俺の知り合いの職場紹介するか? 今ちょっと人手不足らしいからすぐ雇って貰えるかも知れないゾ」
野獣「いいっすかぁ? oh〜 ところでどんな職場なんです?」
MUR「建設関係だゾ」
野獣「(底辺の仕事はしたく)ないです」
KMR「選べる立場じゃないでしょう……」
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野獣「俺みたいなさ、才溢れる若者はさ……もっと楽して生きなきゃね?」
KMR「ダメですよそんなんじゃ。先輩ただでさえ汚い外見なんですから、もっと積極的にならなきゃ」
MUR「そうだゾ。遠野だって心配してるんだゾ」
野獣「まじっすかぁ? じゃあいっその事遠野に養って貰おうかなー」
KMR「最低でも催眠術くらいは会得しないと先輩に靡く人間なんて居ないでしょうね」
MUR「さっきの店員さんプライベートで「愛染」って名前の媚薬売ってるらしいゾ」
野獣「頭にきますよー!」
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野獣「話はそれで終わりっすかぁ? あんま楽しくないんで俺もう帰るっすよー」
MUR「あっおい、待てぃ。お前トッチャマやカッチャマに申し訳ないとは……」
野獣「だから飽きたら実家帰りますって。じゃ、そういう事で」
KMR「どこに行くんですか、先輩?」
野獣「帰って寝ますよ〜今日は。では諸君、サラダバー!」
ウィーン カランカラン
KMR「……行っちゃいましたね」
MUR「以前はもっと精力に溢れた男だったんだけどなぁ……」
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-13:30-
野獣「ったく、MURもKMRも偉そうに……こっちだってちゃんと考えて生きてるんだよなぁ……」
野獣「今は本気出してないだけ。いつか必ずチャンスが来るってハッキリ分かんだね」
野獣「いらない説教もらってムラムラしてきちゃったよ。ヤバイヤバイ……ホモビでも借りようかな」
スカウトマン「あっすいませーん。ちょっといいですか」
野獣「ん?」
スカウトマン「僕ら今、そこでホモビ男優の個展開いてるんですけど」
野獣「えっなにそれは(興味津々)」
スカウトマン「ここに地図書いてあるんでぇ。良かったら来てください」ガサガサ
野獣「いきますねぇ! 行きます行きます」
スカウトマン「あざーっす! それじゃ失礼しゃーす」
野獣「Foo↑! ホモビ男優の個展って言葉聞いただけで勃ってきちゃったよ……」
野獣「今すぐいかなきゃ(使命感) 場所は……ん?」
チラシ【お前の人生、それでいいのか?】
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野獣「えっなにこれは……」
野獣「渡し間違えたとか? それともただの宗教?」
野獣「でも朝から何度もこの一文見てる気がするんだよなぁ……」
野獣「…………」
トントンッ
野獣「ん?」
GO「どもこんちわーす」
野獣「なんだこのお兄さん!?(驚愕)」
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GO「まぁまぁ、そう焦んないで……俺はこういうもんなんだけど」スッ
野獣「あ、どうも……えーっと」
名刺【唯一神:GO】
野獣「えぇ……(ドン引き」
GO「大丈夫だって安心しろよー。別に怪しいもんじゃねぇって」
野獣「この上なく胡散臭いんですがそれは大丈夫なんですかね……?」
GO「そう警戒すんなって。お前にちょっと用があるだけだからさ」
野獣「で、なんなんですか」
GO「俺は、お前の人生を変えに来た」
野獣「逃げなきゃ(使命感)」
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野獣「ンアッーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
GO「あっおいちょっと」
〜下北沢駅〜
野獣「アッ ハッ アッ アッ アッ アッ ハァッ ハァッ ンアッ ハァッ ハァッ アッ!」
〜あずま寿司〜
野獣「ンアッ ハッ ハッ アァッ アッ ハッ アッ アッ ハッ ハァッ ハァッンアッ!」
〜さくらんぼ小学校〜
野獣「ハァッ ハァッ アァッ ハァッ イキスギィッ イクッ イクイクイク アッ ンアッー!」
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新しすぎて怖い
続けて、どうぞ
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-16:00-
〜野獣邸〜
野獣「アーイキソ……イキソ……ぬわああああああん疲れたもおおおおおん」
野獣「くっそ遠回りして全速力で逃げてきたし、これで安心だってハッキリ分かんだね」
野獣「久々に全力で走って辞めたの後悔しますよ〜、部っ活ぅ〜……」
野獣「シャツがもう、びしょびしょだよ……風呂入ってさっぱりしましょうね〜」
ガチャン ゴン!
GO「入って、どうぞ」
野獣「ファッ!?」
GO「もしかして結構走って来た? 遅かったんでビールも頼もうかと思ったんだけど」
野獣「どっ……もうわけ分かんねぇよもう!」
GO「田所浩治。年齢は24。身長は170cm、体重は74kg。以前は太っていたが、少しずつ落としていって今の重量になる。愛称は野獣」
野獣「ヌッ!?」
-
GO「名刺に書いてあるだろ? 俺、神だからさ。お前のことはなんでも知ってるって訳」
野獣「えっなっえっどっあういうぅえぇっ!?」
GO「うわっ君口臭いなぁー!」
野獣「…………」
GO「ちゃんと説明してやるからちょっと距離取ってくれる? そうそうそうそう……」
GO「改めて自己紹介だ。俺はGO。神様。わかる? 神様って」
野獣「えーっと……俺のストーカーの別称ですかね?」
GO「寝言はイボ取ってから言うんだな。正真正銘の神様だよ」
野獣「ンッソデスカ」
GO「そのツラは信用してねぇってツラだな?」
野獣「仮に本当の神様だったとしても、一体俺になんの用があるんですかねぇ」
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GO「仮にじゃなくて神様だって。最初に言った通り、俺はお前の人生を変えに来たんだよ」
野獣「頼んでないんだよなぁ」
GO「おいおい良いのかそんな事言っちゃって。俺が見放せばお前死んじゃうんだぜ?」
野獣「はいはい、押し売りの常套手段だってハッキリ分かんだね。壺とかブロマイドなら買わないっすよ」
GO「お前から金取るくらいならMURって方から取るよ、いかにもカモって感じだし」
野獣「カモというよりはペンギンなんですがそれは」
GO「このままじゃ話が進まねえな。おい、ちょっと来い。神様っぽいとこ見せてやるから」
野獣「オッスお願いしま〜す!」
野獣(適当に理由つけてホモコップに突き出して、終わりでいいんじゃない?)
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-下北沢駅-
野獣「こんなとこまで連れてきてどうする気なんですかね」
GO「人が多いほうが都合がいいんだよ……おっいたいた。おい、ちょっとアイツ見てみろ」
野獣「あいつ?」
ひで「いちねんせーになったーら♪ いちねんせーになったーら♪」
おじさん「周りの迷惑になるから歌うな。歌うなって言ってんの。わかる?」
GO「そう。あそこに居る小学生な」
野獣「あんな小学生居るわけないだろ、いい加減にしろ」
GO「居るだろあそこに。あの小学生な……もうすぐ死ぬぞ」
野獣「は?」
ひで「おじさん電車まだ来ないの〜? やだ! 小生もう待つのやだ!」
おじさん「暴れると(周りの視線が)痛いぞ。もうちょっとだから我慢しなさい」
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野獣「あっ待って下さいよぉ。全然話が見えてこないんすけど……」
GO「大丈夫だから、大丈夫大丈夫。間違ってもお前は巻き込まれないからさ」
野獣「いやそういう事じゃなくて……」
ひで「あっ電車来た! あぁ^〜乗っちゃう〜」
おじさん「これひで! あの電車はここに止まるやつじゃない! 危ないぞ!」
ひで「ぼくもしゅr―――」
キキキキィィィィィィーーーーーーーーーーー!!!!!!!
グシャァァァッ!!!!
野獣「ファファファファファッ!!!!?!?!?」
GO「な?」
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おじさん「ひでええええええええええええ!!!!!!!」
DB「やべぇよやべぇよ……朝飯食ったから……」
SNJ「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ痛ぁぁぁぁぁぁいいいいいいい!!! 痛い痛い痛い痛い!」
HTN「ア゚ーーーー……」
TDN「ワン! ワン! ワン!」
AOK「ああああああああああああああああああ!!!!!!」
おじさん「ふざけんじゃねぇよオイ! 誰が死んでいいっつったオラァ!! YO!!」
野獣「で……出ますよ……」ブッチッパ!
GO「こんなトコで漏らすんじゃねえ。でもこれで分かったろ?」
野獣「何がですかね……?」
GO「だからさぁ、俺に人の人生見えてるって事。ついでに言うと、俺が見放したらあぁなるのはお前かも知れないって事」
野獣「…………」
GO「まだ分かんないってんならあと2、3人死ぬ予定の人探しまわってもいいけど」
野獣「(理解)できますねぇ! 出来ます出来ます!」
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GO「お〜いいね! それじゃ一旦お前んち帰ろうか。ゆっくり話したいだろ?」
野獣「オッス……」
TNOK「おいゴルァ! 止まれよ! こっから先は警察来るまで進んじゃいけねーぞ!」
おじさん「離せよオイ!!」
-21:00-
〜野獣邸〜
GO「なんか腹減ってきたなー。出前とっていい?」
野獣「(食欲)ないです……勝手にとって、どうぞ」
GO「あ、そ? じゃ自分の分だけとっとくわ」
野獣「ウン」
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ガチャン ゴン
配達員「まいどー出前でーす」
GO「はいどーも……あれ? いなりが入ってないやん!」
配達員「すいません、注文はカツ丼だったので……」
GO「あ、そうなの。じゃいいよ、これお金ね」
配達員「頂きます」
GO「はいおつかれさーん」
野獣「……それで、俺の人生を変えるとか言ってた話だけど」
GO「せっかちだねー。コレ食べ終わるまで待ってよ」モグモグ
野獣「あくしろよ」
GO「しょうがねーな。食いながら説明してあげるよ」
GO「まぁ大した説明は必要ないんだけどな。お前はこのまま放っといたら確実に死ぬ、だから俺が生き残るチャンスを与えに来た。そんだけ」
野獣「それは有難いんだけど……何で俺だけなんすかね?」
GO「ん、何でって?」
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野獣「いや、だって……さっきの小学生の格好してたオッサンみたいに、死ぬ予定の人は一杯居るわけっすよね?」
GO「だな。お前が納得しなかった場合にもう少し見繕う用意も出来てたよ」
GO「いやーやっぱ死を身近に感じさせるには人死にを見せるのが一番だな」
野獣「お前精神状態おかしいよ……とりあえず、そこがまず気になるんだけど」
野獣「他に死ぬ予定の人間は居るだろうに、なんで俺だけ生き残るチャンスがもらえたんですかね? 日頃の行いとか?」
GO「あん? お前もしかして自分には『延命のチャンスを貰える程の価値がある』とか思ってんの?」
野獣「えっ違うんすか」
GO「バーカ。逆だよ逆。お前には『生きる価値が無い』からこそ俺が来たの」
野獣「は?」
-
BB劇場の絵面がハッキリと頭に浮かぶんだよなあ…
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GO「は? じゃないでしょ。タマに手を当ててよーく考えてみろよ、自分がどんな人間か」
GO「くさいし汚い、24歳で働きもしない、勉強もしない、自分勝手でプライドは高い、声も高いし枕もでかい」
GO「もう絵に描いたような人間の屑って訳だな」
野獣「クゥーン……」
GO「さっきの小学生みたいなのはな、どう足掻いても死ぬ予定だった訳だ。それが運命、何をしたって届かぬ想いな訳」
GO「でもお前はあぁいうのとは逆。お前な、本来ならもっと長生きする予定なんだよ」
野獣「えっなにそれは」
GO「そのまんまの意味だよ。お前はまだまだ寿命があるし、本来なら今日明日で死にはしない。真人間だったらの話だけど」
GO「でもさっきも言ったように、お前には生きる価値なし。もうさっさと殺しちゃえばいいんじゃね? って意見で満場一致なんだよ」
野獣「やめてくれよ……(絶望) ていうかそれなら俺なんかよりよっぽど死んだほうがいい人間居ませんかね……?」
野獣「ほら、犯罪者とかそういう……」
GO「あー、その辺は色々複雑なんだよ天界も。人間の裁量じゃ計れない部分もあるし。大半は長生き出来ないけどさ」
GO「まぁ安心してよ、うん。ただ生きる価値無いからって唐突に死なせちゃうってのも筋が通らないからさ」
GO「天界の方でも、お前に最後のチャンスを与えてやろうって話になったって訳よ」
野獣「いいっすかぁ? oh〜」
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GO「調子のいいヤツだな〜。これからお前には、生き残るための『課題』が天から送られてくる」
野獣「課題?」
GO「そそ。いわゆる神の試練って訳だ。これをクリア出来なかった場合は、問答無用の死が待っている」
野獣「オォン……そんな急に言われても困るんだよなぁ」
GO「急にって程でもねーって。現に課題が届く前に俺が教えに来てやっただろ?」
野獣「その登場からして結構急だと思うんですけど……」
GO「ちゃんと段階踏んでやったろ。俺はお前が起きてから、ずーっと人生を考えるタイミングを与えようとしたじゃねえか」
野獣「(身に覚えが)ないです」
GO「お前今日何度か目にしてたろーが。『お前の人生、それでいいのか?』って一文を」
野獣「あっ……(察し)」
GO「それなのにお前ときたら、ことごとくスルーしてくれちゃってさぁ。嫌だね〜自分に自信を持ってるクズって」
野獣「あんなので人生省みるはずないだろ、いい加減にしろ!」
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GO「そう思うのはお前がクズだからだよ…………ふわ〜ぁ、なんか腹一杯になったら眠くなってきたな」
GO「風呂借りるわ。上がったらすぐ寝るから邪魔しないでくれよ」
野獣「あっ待って下さいよ! その『課題』とやらは一体何をすればいいんですかね!」
GO「あー内容はまだ分かんないな。天界から届いてないから。ま、お前が全力を尽くせば絶対にクリア出来る内容だよ」
野獣「心の準備とかありますねぇ! 早く届けるよう頼んで、どうぞ」
GO「こっちから言ったって無駄だよ。遅くても明日の昼までには届くんじゃない? ついでに言えば期限もそん時書かれてるはずだよ」
野獣「期限って何だよお前の彼か?」
GO「課題クリアの時間制限だよ。それを過ぎてもアウトっつー訳。とにかく明日は早起きして届くの待ってりゃいいんじゃない? ハハハ!」
ガチャン!
野獣「…………」
野獣「勘弁してくれよな〜頼むよ〜……」
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-翌日 7:30-
〜下北沢駅〜
野獣「……結局ロクに眠れなかった。アーイキソ」
野獣「大体あんな話聞かされてグッスリとかありえないんだよなぁ……」
野獣「そもそもアイツの言うことは本当なんですかね? 全部作り話だって可能性は……」
野獣「…………」
野獣「いや、多分本当だ。仕込みで人身事故なんて起こさないだろうし、そんな大掛かりな事をしてまで俺を騙す意味はない」
野獣「やってやるよ! 俺はまだ死にたくない! どんな課題だってクリアしてみせる!」
野獣「そして生き抜きィ!! ンアッー!」
遠野「先輩!?」
野獣「ん?」
-
遠野「先輩! なにやってんすかこんなとこで!」
野獣「ファッ!? 遠野!? いや、俺は、別に……」
遠野「心配したんですよ! 急に大学辞めて、その後何もしてないって聞いてたから……」
遠野「でも、良かったです。元気そうで」
野獣「遠野……」
遠野「良かったら少しお話しませんか? 大学に向かうまでの間でいいですから」
野獣「いいよ、来いよ! 胸を借りて胸を!」
野獣「遠野、水泳頑張ってるか?」
遠野「はい! 今は大会に向けて特に力を入れてるトコロなんですよ」
野獣「アーイイ! アーイイヨイイヨイイヨー! 遠野ならいつも通り泳ぐだけで優勝不可避ってそれ一番言われてるから」
遠野「あ、ありがとうございます!」
遠野「先輩……どうして大学、辞めちゃったんですか?」
野獣「…………」
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遠野「僕、先輩との付き合いは長くないですけど……それでも後輩である僕のことを、よく気にかけてくれて嬉しかったです」
遠野「言いにくい事情があったのかも知れませんが、せめて辞める前に相談してくれれば……」
野獣(3浪確定しちゃったんで勢いで辞めちゃったとか言えないんだよなぁ……)
野獣「ま、まぁその話はまた今度な! それよりあまり根を詰めすぎんなよ〜」
野獣「プレッシャーに負けて潰れちゃったら元も子もないからね。体調管理も大事大事」
遠野「はい、心配してくれてありがとうございます」
遠野「まだフォームで納得いかない部分もあるので、ちょっと不安なんですよね……あ、そうだ!」
野獣「ん?」
遠野「今日、午後4時くらいに先輩の家にお邪魔してもいいですか?」
野獣「ファッ!?」
-
野獣「べ、別にいいけど……何で?」
遠野「さっき僕に相談して欲しいなんて偉そうに言っちゃいましたけど……僕も水泳に関してはちょっと悩みが多くて」
遠野「先輩から何かアドバイスが貰えれば嬉しいなって」
野獣「俺に的確なアドバイスなんて出来ないと思うんですけどそれは……」
遠野「そんな事ないですよ! それに話してるだけでも緊張ほぐれそうな気がしますし……」
野獣「そういう事なら、まぁ……」
遠野「本当ですか!? ありがとうございます!」
野獣「いいっていいって。遠野の力になれるなら何でもしますから!」
遠野「えっとじゃあ、水泳の練習終わった後にどこかで待ち合わせを……」
野獣「時間になったら俺が直接大学行って、遠野が終わるの待つよ。その方が早いでしょ」
遠野「先輩……本当にありがとうございます!」
野獣「スイマーは助け合いだってハッキリ分かんだね」
遠野「あ、大学付いちゃったみたいですね……それじゃ、先輩! またあとで!」
野獣「ウン。がんばれ!」
-
野獣「…………イっちゃったか」
野獣「遠野と約束したからには、間違っても死ぬわけにはいかないな」
野獣「どんとこい超常現象、神の試練なんて余裕で乗り越えてみせる!」
野獣「そうと決まればさっさと家いきますよ〜、イクイク」
-8:30-
〜野獣邸〜
GO「あ、おはよーさん。早起きだね〜、何してたの?」モグモグ
野獣「別に何も……そっちは朝っぱらから寿司とか豪勢ですね……」
GO「まま、気にしないでよ。ほら、お前もどうだ?」
野獣「Foo↑! いいんすかぁ〜?」
GO「全然良いよ。だってお前のお金でとった寿司だもん」
野獣「は?」
GO「こっちも急に堕天したもんだからさぁ、お金とか用意してなかったんだよね。だからちょっと使わせてもらったの」
GO「もちろん昨日のカツ丼もお前の金だよ。ごちそーさん」
野獣「ふざけんな!!」
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GO「そう怒んないで。試練を乗り越えるなら余裕も大事だよ」
野獣「誰のせいだと思ってるんだクォラ」
GO「知wwらwwなwwいwwよwww ともかく気を落ち着けとけって、今から重要な話あんだからさ」
野獣「重要な話……ってのは、ウェイトトレーニングみたいな?」
GO「何言ってんだお前。違うよ」
GO「届いたんだよ。『課題』がな」
野獣「ファッ!?」
GO「ついさっき、お前が帰ってくる直前に着払いで。金は払っといたから心配すんな」
野獣「それも俺の金なんだよなぁ……天界の人間は人の迷惑を考えないのか(偏見)」
GO「細かいこと気にしないでよ。ハゲるぞ?」
野獣「誰がハゲだってオォン!?」
GO「気にしてたのか……(困惑)」
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GO「お前の頭髪については今後考えるとして、今は『課題』の方に集中しとこうぜ。な?」
野獣「俺としては一刻も早くどうにかしたい問題でもあるんだよなぁ……」
野獣「でも命には変えられないってハッキリ分かんだね。それで、何をすればいいんスかね?」
GO「お前が帰ってから開けようと思って、まだ確かめてないよ。気が利くだろ?」
野獣「先に確認して対策錬っといて下さいよぉ」
GO「あくまでお前への試練なんだから俺が考えたって仕方ないだろ。じゃ、開けるぜ」ビリビリ
野獣「普通の封筒じゃないか……天界からの課題にしてはみみっちいですね」
GO「形には拘らない派でね。えーっと、どれどれ」
GO「『田所浩治は本日19:00までに、後輩と幸せなキスが出来なければ即死亡』!!」
野獣「ファッ!?」
-
GO「おいおい、これはかなーり難題だなぁ。お前なんかと幸せなキスをしてくれるヤツなんているのか?」
野獣「ちょ、待てよ! なんなんだこの課題、ふざけんじゃねぇよ」
GO「ふざけてなんかないよ。これがお前が生き残るためにやらなきゃいけないことだよ」
GO「もっと言えば人間として成長するために必要な事だ」
野獣「いくらなんでも悪ふざけがすぎるだろ、いい加減にしろ!!」
GO「あーもううっせぇヤツだな。文句だけは一人前なんだからよぉ」
野獣「どう考えたっておかしいだろそれよぉ! こんな下らない試練の言いなりにはぜってぇならねぇ」
GO「じゃ、死ぬか?」
野獣「ヌッ」
GO「俺が見放さなくても、本人がやらないってんじゃどうしようもないしな」
野獣「……」
GO「どんなふざけた内容だろうと、やらなきゃ死ぬだけだよ。それだけは確実」
GO「で、どうすんの? やるの、やらないの?」
野獣「……ポイテーロ……! やるよ、やりますよ!」
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陣内松岡で再生される……
-
GO「お〜いいね! それじゃどうやって後輩と幸せなキスをするか考えようか!」
野獣「命に関わることだし、適当に見繕ってパパパッと唇奪って、おしまいっ!」
GO「ダメだよそんなんじゃ。わざわざ『幸せな』と限定してる以上、普通にやってもクリアと見なされないよ」
野獣「面倒くせぇマジで……何でそんな限定的なんですかね」
GO「さぁねぇ、そこに意味があるのかも知れないけど……」
GO「どっちにしろお前みたいな人間のクズと相思相愛になってキスをするような真似してくれる人はそういねえだろうしなぁ」
GO「こりゃ超能力でも身に付けろってゆう天啓かもな、ハハハ!」
野獣「頭にきますよ! ……ん?」
野獣「昨日似たような会話した気が……あっ(察し)」
====================================
KMR「最低でも催眠術くらいは会得しないと先輩に靡く人間なんて居ないでしょうね」
MUR「さっきの店員さんプライベートで「愛染」って名前の媚薬売ってるらしいゾ
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野獣「あっそうだ(唐突) 相手を快楽漬けにして、心も身体も落としたトコロでキスすればいいじゃん!」
GO「えぇ……(ドン引き)」
野獣「そうと決まればちょっと薬仕入れてくる! 行きますよぉ……行きますよぉ……!」
ガチャン! バタン!
GO「……まぁ手段は問わないけど、さすがの俺もそれは引くわ……」
-
-9:00-
〜喫茶店『悶絶少年』〜
野獣「昨日の店員さんは……居た! Foo↑ 天は俺に味方してる〜気持ち〜わぁ〜」
野獣「……って、その天に酷い目にあわされてるんじゃないか(憤慨)」
野獣「とにかく行きますよ〜イクイク」
ウィーン カランカラン
店員「あらいらっしゃい!」
野獣「はい、おはよぉー!」
店員「あら^〜いい返事ね! さっき開店したばかりで客入り少ないけど、ゆっくりしてって!」
野獣「あ、すいまっせぇん。今日はちょっと店員さんの方に用事があってぇ……」
店員「用事? 何かしら?」
野獣「『愛染』って媚薬……売って欲しいんすけどぉ……」
店員「なん……だと……!?」
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店員「……ちょっと、こっちいらっしゃい。人目につくとマズいから」
野獣「あっいいっすよ」
〜店裏〜
店員「君、よくこの薬の事知ってたね。基本的に外部にゎ漏らさないようにしてるんだけど」
野獣「そうなんすかぁ? 知り合いが噂を知ってただけなんだよなぁ」
店員「薬の名前もピンポイントとゎ、その友達只者じゃないかも……」
野獣「んなことないですよ、ただの池沼っすよ。それより薬売ってくれよな〜頼むよ〜」
店員「いいょ。810万ね」
野獣「高すぎィ!」
店員「当たり前だょ。これは架空の薬と違ってね、本当に効く媚薬なりね。それなりに値も張っちゃうのよね」
店員「……と、言いたいトコロだけど。実は最近こんなのが無くても結ばれるホモも多くて。買う人もすっかり居なくなっちゃったのよね」
店員「アナタは久々のお客さんだし、一万円でいいゎ。ついでにしゃぶってあげるよ?」
野獣「いいっすかぁ? oh〜 でもしゃぶるのはいいです」
野獣「それじゃあ早速現金を……ん?」
野獣「ファッ!? 財布に810円しかない!?」
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男とキスは実際ドラマにあった命題なんだよなぁ…
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店員「あら、お金ないの?」
野獣「そ、そんな……確かに最近遊び呆けてたけど、ここまで減るような事は……ん?」
野獣「そういえばGOの野郎が俺の金で勝手に色々してやがった! 鼻くそがぁ!(暴言)」
店員「良くゎからないけど、お金無いと売るゎけにもいかないね……」
野獣「ンアッー! ちょ、ちょっと待ってて! すぐ稼いでくる!」
店員「お待ちしてナス! そう急がずともすぐにゎ無くならないし、ゆっくりでいいょ〜」
野獣「こっちは急がないと命がヤバイヤバイ! 後で絶対買いに来るから! サラダバー!」
〜大通り〜
野獣「くっそ、何が俺の人生を変えるだ。肝心な時に足引っ張りやがって……」
野獣「仕送りの金をおろせば……いや、ダメだ。次にくるのは二日後、だからこそ豪遊しちゃったんだ」
野獣「どうする、どうすれば……何か手軽に一万くらい稼ぐ方法ないのか……!?」
GO「よう、困ってる?」
野獣「ファッ!? GO!?」
-
GO「一応お前のための神だからね、俺。後つけてたんだけど、いきなり躓くとは運がないね〜」
野獣「お前のせいだろ! どうしてくれんだよこれ!」
GO「まぁ安心してよ、うん。すげ〜いいバイト知ってるからさ」
野獣「バイト?」
GO「そ。30分でぇ……5万のバイトなんだけど」
野獣「怪しすぎィ! (お前の世話にはなら)ないです。絶対ろくな事にならないってハッキリ分かんだね」
GO「なんだつれないな〜。無理強いはしないけどね」
GO「でもそれなら、知り合いにでも頼ってみりゃいいんじゃない?」
野獣「尻愛?」
GO「そそ。運が良ければお金を貸してくれるって事もあるかもよ」
野獣「チョーイイネ! 先に思いつけばよかった! MURとか踏み倒しても気づかなそうだし!」
野獣「そうと決まれば早速大学の空手部イクイクイク……ンアッー!」
ダダダダッ
GO「ハハハ、忙しねぇな〜」
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-9:30-
〜大学・空手道場〜
バァン!
野獣「センパァイ! 俺に(金)入れて下さい!」
KMR「えっなに……?」
野獣「あれ、KMRだけ? MURどうしたんだ? 今は朝練の時間だよな?」
KMR「なんかちょっと用事があるから遅れるって言って、まだ来てませんけど」
野獣「なんだよ、こっちは急いでんのに……」
KMR「多分もうすぐ来ると思いますし、待ってたらどうです?」
野獣「ンッソデスネ」
野獣「…………」
野獣(待てよ? そういえば媚薬を手に入れたら遠野かKMRに使うつもりだったけど……)
野獣(よくよく考えたら媚薬を使わなくても、俺のことが好きである可能性は191.9%の確率で存在してるんじゃないですかね……)
野獣(つまり媚薬なんて買わなくても、今この場でKMRと幸せなキスが出来れば、それで終わりっ)
KMR「先輩? どうかしましたか」
-
野獣「え、なに? 俺とセックスしたいって?」
KMR「えっ」
野獣「KMRァ。お前俺のことが好きなんだろ?」
KMR「ヤバイ……!」
野獣「ほら口だせ口。舌使ってやるよ舌」
KMR「やめてくれよ……(絶望) 嫌だ……!」
MUR「オルルァ!」 バキィッ!
野獣「ンアッー!!!」
MUR「おい田所、嫌がってる後輩を無理やりレイプしようとするなんて最低だゾ」
野獣「MURさん!? な、なんの事ですかね?」
MUR「何トボケてんだよ」
MUR「大丈夫か、KMR?」
KMR「ありがとうございます……」
-
野獣「ち、違うんすよ先輩。俺ちょっと命が今危険で危なくてヤバイんすよ……」
野獣「それでKMRとちょっとキスしようかなって」
MUR「あっそっかぁ。それなら仕方ないゾ」
KMR「えぇ……(困惑)」
MUR「でもKMRが嫌がってるのを無理やりってのはダメだゾ。どうせなら俺がしてやるよ」
野獣「えっそれは……」
MUR「嬉しいダルルォ!?」
野獣「いやーキツイっす(素)」
MUR「おっそうか……」
野獣(後輩じゃないと意味ないだろうし。多分)
KMR「それで先輩、さっきの行動はともかくとして……MUR先輩に用があったんじゃないんですか」
野獣「そういえばそうだった。MURさん、金貸して下さぁい! 一万円!」
MUR「嫌だゾ」
野獣「ファッ!?」
-
MUR「週末にゲーセンでポッチャマのぬいぐるみを取り尽くすんだゾ。その為に今お金貯めてるんだ」
KMR「急にお昼ご飯をオランジーナだけにしたと思ったらそういう事だったんですね……」
MUR「お〜。今度こそあの矢印ボタンの意味を理解してUFOキャッチャー名人になるゾ〜」
野獣「あっ待って下さいよぉ! 俺ホントにヤバイんですよ! そんな下らない事にお金使ってないで……」
MUR「下らない……? 有意義ダルルォ!?」
野獣「クゥーン……」
野獣「あ、なんならKMR! KMRでも良いんだ、な! 必ず返すからさ、今すぐ一万円貸してくれよ! 頼むよ〜」
KMR「い、いやそんな事……急に言われても」
MUR「田所、事情は分からないけど俺達は貸してやれないゾ」
野獣「先輩!?」
MUR「お金のやりとりって凄くデリケートだゾ。どんな親友同士でもたった一度の貸し借りで関係が台無しになる事があるゾ」
MUR「そんな問題を上手く乗り回せる自信があるほど、俺達は出来た人間じゃないゾ。ごめんな」
野獣「オォン……アォン……」
野獣「でも俺、本当に今日中……いや、最悪夕方までに一万稼げないとヤバイんすよ……」
KMR「先輩……」
MUR「……そうだなぁ。任してくれ」
野獣「え?」
-
MUR「お金を貸してやることは出来ないけど、お前がすぐに金を稼げるように手助けはしてやれるかも知れないゾ」
野獣「それは本当か!?」
MUR「ホモは嘘付かないゾ〜。確実とはいえないけど、便宜をはかってやれるかもな」
野獣「先輩! アリシャス! 俺先輩の事見直しましたよ〜」
MUR「今まで見下してたのか……(悲哀) ちょっと電話してみるゾ、待っててくれ」
野獣「うぁ気持ち〜わ〜。すんでのとこで首の皮一枚つながると射精感ヤバイヤバイ……」
KMR「先輩、ふざけてないでMUR先輩には感謝した方がいいですよ」
野獣「してるしてる。ホント助かったよ。今回ばかりはホント役に立ったと思うってね」
KMR「もう……先輩の事を一番気にかけてくれてたのはMUR先輩なんですからね」
野獣「そういえば迫真空手を学んでた時によく組手をしてくれてたなぁ……」
MUR「おい田所ォ! 今知り合いに電話してみたけど、そんなに切羽詰まってるなら是非とも来てくれだとよ」
野獣「マジっすかぁ!? 行きます行きます、何時くらいにどこに行けばいいんすかね?」
MUR「話は通しておいた。今すぐ来て欲しいらしいゾ。場所は描いてやるから、そこの責任者にフルネームを伝えてくれ」
野獣「何から何までありがとナス! ちなみに何するんすか?」
MUR「昨日言ったけど建設関係だゾ」
野獣「オォン……しょうがねぇなぁ(悟空)」
-
MUR「それじゃ、ココに向かってくれ。人手不足の上にちょっとしたトラブルで忙しいらしいから、きっと喜ぶゾ〜」カキカキ
野獣「なんか不安っすけどホモビに出るよりはマシだろうし……我慢しよう」
MUR「オッス。多分5時間くらいぶっ通しで働かされると思うが、大丈夫か?」
野獣「大丈夫っすよ、バッチェ間に合うっすよ。というか金の方なんすけど……」
MUR「お〜、それも話しておいたゾ〜。急な話だしあっちとしてもすぐに人出が欲しかったらしいから、多少は融通してくれるんだと」
MUR「終わったら現金でくれるそうだから、頑張ってこいよ」
野獣「Foo↑! 善は急げ、今から行ってくるっすよ〜! いろいろありがとな〜!」ダダダダッ
バァン!
KMR「MUR先輩、よくあんな話通りましたね」
MUR「あの知り合いには今日の朝会ってすぐだったからな。本当にタイミングが良かっただけだゾ」
KMR「それにしても先輩の話も詳しく聞かないで、すぐ協力してあげたなぁって」
MUR「良く分かんないけど、今日のアイツ久々に全力で生きてる感じがしたからな。つい力になりたくなったんだ」
KMR「……そうですね。僕なんか犯されそうになったし」
MUR「頑張れよ、田所」
-
-10:00-
〜野獣邸の反対側〜
野獣「MURさんの地図に従って来てみたけど……こ↑こ↓俺んちの後ろじゃねえか!」
野獣「これだったらこんなん描かなくてもすぐ来れたんだよなぁ……やっぱり池沼ですね」
野獣「まさか地図間違えてたりしねぇよなぁ……? 一応工事はやってるみたいだけど」
野獣「まぁ試しに向こうの人に声かけてみるか。聞くだけならタダでしょ」
野獣「あの〜すいまっせぇん。ちょっとこ↑こ↓で働けるって聞いて来たんすけどぉ」
おじさん「おや、君がMURくんの話していた、空手部の後輩かい?」
野獣「ファッ!? アナタ昨日の!?」
おじさん「ん、どうした。俺の顔に何かついてるか?」
野獣「い、いや何でもないです。えっと、田所浩治、24歳。身長は170cm、体重は74kg……」
おじさん「おぉ、やっぱりMURくんが言ってた子か! いやぁ早かったねぇ、待ってたよ!」
おじさん「それじゃちょっとこっち来て、着替えてくれるかな? いやー助かった。人手が足りなくてねぇホントに」
野獣「オッスお願いしま〜す!」
野獣(やっぱ昨日小学生の格好した男と一緒に居たオッサンだよなぁ……)
野獣(ちょっとビビったけど考えてみれば俺は何もしてないし、向こうも俺を知ってるはずない)
野獣(自然体で問題ないってそれ一番言われてるから)
-
野獣「うわっなんか汗クセェなこの作業着……着ろって言われたからには着るしかないけど」
おじさん「着替えましたか……(小声)」
野獣「着替えました……(小声)」
おじさん「じゃオラオラ来いよオラァ!!!!!!!!!!(豹変)」
野獣「ファッ!?」
おじさん「このセメントの袋、あっちからあっちまで運んで。分かる? 運べって言ってんの」
野獣「重いですね……これは重い」
おじさん「誰が一個ずつ運べっつったオラァ!! 二個三個同時に持ってくんだよぉ!!!!」
野獣「オォン!」
おじさん「おじさんこの道具片付けとけっつったよなぁ? そうだよなぁ?」
野獣「はい……」
おじさん「片付けるってお前言ったのに片付けられてねぇっておかしいだろソレよぉ。違うかおい?」
野獣「オッス……」
おじさん「じゃさっさと持ってけよコゾー!!!」
野獣「アォン! どこに置いとけばいいか分からないです!」
おじさん「分かんねぇのか……(落胆)」
-
-13:00-
野獣「キツすぎィ!! 逃げたくなりますよぉ〜、バイトォ〜……」
野獣「MURの野郎ふざけやがって……絶対嫌がらせのためにこの仕事押し付けたんだ……」
おじさん「おい田所!! この鉄骨邪魔にならないよう避けとくから手伝え!」
野獣「オッス……」
野獣(くそっだからこんな底辺の仕事やりたくなかったんだ! こうなったら手抜いてやる!)
野獣(どうせ今回限りのバイトなんだ、後から何が起こったって俺のせいじゃない。後腐れも何もないんだよね)
野獣(じゃけんこんな鉄骨も幾つか適当な場所に避けておきましょうね〜)
おじさん「……」
野獣「ヌッ!?」
野獣(こっち見てる!? ヤバイヤバイ……手抜いてるのバレたか?)
野獣(いや、そういう訳じゃ無さそうだ。むしろ俺を見て笑ってる……?)
野獣(俺を馬鹿にしてるのか!? 人間のクズがこの野郎……!)
-
-15:00-
野獣「ぬわあああああん疲れたもおおおおおおおおおん!」
おじさん「お疲れー。よく頑張ったね、田所くん」
野獣「こんなん毎日続いたらやめたくなりますよぉ……」
おじさん「喉乾いて疲れたろう? こっちきて、ジュースでも飲みなさい」
野獣「あ^〜いいっすね〜。飲みます飲みます」
野獣「あ〜生き返るわぁ^〜」ジュポッ ジュッ ズチュイッ
おじさん「いや、今回は本当に助かったよ。素人なのに君は筋がいい、今後も頼みたいくらいだ」
野獣「ちょ……っと勘弁して欲しいっていうか」
おじさん「ハハハ、そうかい。いやぁ最近も君のような骨のある若者を育てていてね……」
おじさん「君を見てると、その子の事を思い出すよ」
おじさん「実はその子はね……昨日、俺の目の前で亡くなったんだ」
野獣「あっ……(察し)」
野獣(あんなのと一緒にされるとか腹立ってきちゃったよ、ヤバイヤバイ)
-
BB先輩劇場か何か?
-
おじさん「その子はねぇ……おじさんが誘拐して、虐待してから一緒に住むようになった子なんだ」
野獣「えぇ……(ドン引き)」
おじさん「最初は全てが終わった後に、ベランダに放置して凍死したら捨てようと思ったんだよ」
おじさん「そしたら予想以上に頑丈でね。翌朝見ると、風邪一つ引かずにそこに居たんだ」
野獣「耐久極振りですね、間違いない……」
おじさん「そのあまりに強靭な肉体に興味を持ってね。部屋に入れてゆっくり話したんだよ」
おじさん「その子は、小学校にもう一度入学し直したい。でも世間がそれを許してくれなかった」
おじさん「ただちょっと年齢が高くて、見た目も完璧に大人だからって受け入れて貰えなかったという現実に、苦しんでたんだ」
おじさん「俺もその子の話を聞いて思ったんだよ。そんな世の中は間違ってるんじゃないかと」
野獣「この上なく正しくないですかね?」
おじさん「俺は行くあてが無いというその子を養子に迎え入れた。いつかこの子を小学校に通わせてやろうと誓って……」
野獣「教育委員会壊れちゃ〜↑う」
おじさん「そしてこの強靭な肉体を遊ばせておくのは勿体無いと、自分の職場にも招き入れた」
おじさん「最初はそれこそムチで叩いて分からせてたが、メキメキと腕を上げていったものさ……」
おじさん「ちなみに君が来ているそれが、その子の来ていた作業着だ」
野獣「ヴォエッ!」
-
おじさん「何もかもが軌道に乗り、俺達は夢に向かって幸せに暮らしていたんだ……」
おじさん「それなのに、どうしてあんなことに……ひで……」
野獣「……」
おじさん「湿っぽい話をして悪かったね」
野獣「いや、そんな……」
おじさん「見ての通り、ただでさえ人出が少ないのに一番の力持ちだったその子が、不幸なことになってしまってね」
おじさん「本当なら休むべきだったのかも知れないが……職場が心配で無理を言って来てしまったよ」
おじさん「でも、今日は来てよかった。君を見ていると少し元気が出たよ。ありがとう」
野獣「おじさん……」
おじさん「これ、今日のお礼だ。少し色を付けてある、受け取りなさい」
野獣「お、オッス! ありがとうございます!」
おじさん「こちらこそ。また会おうな、田所くん」
野獣「…………手抜いて作業して悪かったな……」
野獣「冷静に考えると頭のおかしい話だったけど、雰囲気に押されちゃったんだよなぁ」
野獣「まぁ金も入った事だし、気持ちを切り替えて……ファッ!? 二万も入ってるじゃないか!」
野獣「これなら余裕で買える! あの店員さんとこにダッシュっすよ〜!」
-
〜喫茶店『悶絶少年』〜
野獣「店員さぁん! 一万円持ってきたっすよぉ!」
店員「かしこまり! 約束守れるいい子にゎサービスしちゃおうね」
野獣「(しゃぶってくれるって話ならいら)ないです」
店員「しょうがないにゃあ……じゃあこっちをサービスで付けとこうね」
店員「睡眠薬『鏡花水月』。効きも早いし後遺症も少ない、とっても良心的な睡眠薬よ〜」
野獣「いいね〜。これも使えばもう俺のヤりたい放題っすよ〜。それじゃ貰っていきナス!」
店員「ありがとナス! またのご来店お待ちしてナス!」
野獣「よーっし、遠野との約束の時間に何とか間に合った!」
野獣「後は家に連れ込んだ後、自然な流れで遠野に睡眠薬を飲ませて……」
野獣「野獣のようにその身体を快楽に落とした後、相思相愛になったところでキス!」
野獣「完璧すぎる流れってそれ一番言われてるから」
野獣「じゃけん遠野の水泳してる姿でも眺めつつ待ってましょうね〜」
-
-15:30-
〜大学・プール前〜
野獣「結構ギリギリかと思ったけど、時間にちょっと余裕あるみたいっすね〜」
野獣「これも俺の超人スペックの成せる技かな? 嫉妬されちゃうヤバイヤバイ」
野獣「遠野は……お、いたいた。タイム測ってるっぽいっすね」
遠野「アンッ↑ アンッ↑ アンッ↑ アッー↑(息継ぎ)」
遠野「プハーッ はぁ、はぁ……」
ヒゲクマ「遠野ォ! 殿ォ!!!」
遠野「あっはい!」
ヒゲクマ「昨日のタイムと、今日のタイム……どっちが早い?」
遠野「昨日の方が早いです……」
ヒゲクマ「昨日の方が早いのか!?」
遠野「はい……」
ヒゲクマ「そっか。あったまきた……(冷静)」
-
ヒゲクマ「後、1919回往復してきなさい。返事ィ!!」
遠野「はい!!」
ヒゲクマ「いいね〜すっげー可愛い」
野獣「……遠野、頑張ってるな」
野獣「…………」
野獣(遠野は本気で水泳に打ち込んでるし、今日俺の家に来るのも水泳について話したいからだ)
野獣(俺はそんな遠野の気持ちを利用して、昏睡レイプなんかに及んでしまっていいのか?)
野獣(今日知り合ったおじさんだってそうだ。理由はどうあれ、彼は自分なりの人生を一生懸命生きていた)
野獣(それなのに俺ときたら、自分が死にたくない死にたくないと、そればかり考えて行動して……)
野獣(ひでとかいうヤツだって、もしかしたら俺に比べても生きる価値は十分にあったのかも知れない)
野獣(俺は本当にこんな事をしてまで生き残っていい人間なのか?)
野獣「……」
GO「よう、どうした。お悩みか?」
野獣「ファッ!?」
-
GO「俺の顔を見る度そんな顔射されたみたいな声だしてさぁ……恥ずかしくないのかよ?」
野獣「だったら急に出てこないでくれよな〜、頼むよ〜」
GO「昏睡レイプの計画だけどよぉ」
GO「嫌ならやめてもいいんだぜ?」
野獣「えっそれは……」
GO「悩んでたろ? 生きたいからってこんな最低な手段取っていいものかと」
野獣「ンッソデスネ」
GO「別にやりたくなきゃやらなくていいと思うぜ。案外素直に告白して、真摯に想いを伝えりゃキスなんて簡単かも知れない」
GO「それこそ博打かも知れねえが、まぁ玉砕して死ぬなら悔いは無いんじゃねえの」
野獣「…………」
野獣「やりますねぇ!」
GO「おっどしたどした」
野獣「考えてみれば命あってのポジ種、美談の為にわざわざ死ぬ確率高い方法選ぶ事ないんだよなぁ……」
GO「倫理観すげぇ事になってんぞ〜」
野獣「大丈夫でしょ。まぁ多少はね? まずは生き残ることに全力尽くすっすよ〜」
野獣「それに、生きてさえ居ればいつか遠野に謝る機会もあるだろうし」
GO「そう思えるようになっただけ、少しはマシになったか」
-
-16:00-
遠野「先輩! お待たせしました!」
野獣「大丈夫大丈夫、俺も今来たトコだから」
野獣「じゃあGO、俺は遠野と一緒に帰るから……あれ?」
野獣(居なくなってる?)
遠野「先輩?」
野獣「あ、いやなんでもない。それじゃいこっか」
遠野「はい!」
〜野獣邸〜
野獣「ん〜いい時には結構イクね」
野獣「結構楽だった……」
野獣「こ↑こ↓」
遠野「はぇ^〜 すっごいおっきい……」
-
ガチャン! ゴン!
野獣「入って、どうぞ」
遠野「お邪魔しま〜す」
野獣「†悔い改めて†」
遠野「あっ……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
野獣「まずうちさぁ……屋上、あんだけど……焼いてかない?」
遠野「あ^〜いいっすね〜」
野獣「ウン」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
野獣「喉乾いた……喉乾かない?」
遠野「あ〜喉乾きましたね……」
野獣「なんか飲み物取ってくる。ちょっと待ってて」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ジョロロロロ…… コトン
カッ
サッー!(迫真)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
-
野獣「お待たせ! アイスティーしか無かったけど、いいかな?」
遠野「いただきまーす」
野獣「どぞー」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
野獣「曇ってきたな……そろそろ中はいるか」
フラッ
野獣「おっ大丈夫か大丈夫か」
遠野「大丈夫です……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
-18:00-
〜野獣邸・地下〜
野獣「チュパッ チュッ チュピッ」
遠野「先輩!? 何してんすか! やめてくださいよ本当に!!」
野獣「暴れんなよ、暴れんな……」
遠野「田所さん!? ちょ……マズいですよ!」
野獣「いいだろ遠野!」
-
本編になるのか…(困惑)
-
トントントントン
遠野「何してんすか! ちょっとホントに……!」
遠野「う、羽毛!」
野獣「遠野気持ちいいかぁ……? 気持ちいいだろぉ……?」
遠野「ウーン!」
野獣「お前の事が好きだったんだよ!」
遠野「オッウーン!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
-18:50-
野獣「オォン! アォン!」
遠野「フゥン! ホォン! ホォン!」
野獣「イキスギィ! イクゥイクイクイク……アッハァッ……ンアッー!!!」
遠野「イキソ!」
野獣「いいよ! こいよ! 胸にかけて胸に!」
野獣「ファッ!?」
遠野「ウーン……」
-
本編に入っていくのか・・・(困惑)
-
-18:59-
ヾシヾ⌒シヾ-‐ヽ
ー丿 ヾヽ
シ ,,,α
ξ ゞシヾ" ヽ ,,,....,,,、、...,,,....,,
! 彡 ヽ::: ..i'´. ヾ'''、、、,,,
シ 彡 ,j::: ..,/ヾ, ヽ
!シ ,,彡 :シ ,;'''' ヾ ,___ ヽ
j ,-‐-、 i ッ三ミ:;j i、' j-‐ `, , ‐'' = ) ヽ:
し { !⌒- ヽ! j ‐-‐'j ヽ、...' ' .,_//, !;::
ヾ丶`-' ! ! {__,__,!' -‐' ヾ ノ:::
,ヾ ' 、 ,' ....,) :: ヽ ノ::::::
_...-‐‐'''´ ::: ´::( _... ´ ヽ /:::::::
:: ! .... -‐´ ヽ /::::: __,....,,-‐-、
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-
-同時刻-
〜野獣邸(外)〜
GO「アイツ、上手くやってるかな〜」
おじさん「あ、すみません。君、田所くんの知り合いかい?」
GO「おっ……あぁ、アナタは。はいはい、そーっすよー」
おじさん「あぁ、よかった。MURくんにこの辺りが彼の家だと聞いたんだけど、表札も見当たらないしどうしようかとね」
GO「どうしたんすか? アイツ何か粗相でも?」
おじさん「いやー彼バイトの後にスマホを忘れていったみたいでね……届けてあげようかと思って持ってきたんだ」
GO「あ、そーっすか。わざわざサーセンでしたね、あの馬鹿には俺の方から言っときますよ」
おじさん「それじゃ、これ渡しておいてくれ。それにしてもこんなに近かったなんてなぁ、彼の家」
おじさん「……ん?」
GO「どーかしたっすか?」
おじさん「いや、あんなとこに鉄骨置いてあったかなって……」
GO(あぁ、あの馬鹿が面倒くさがって適当に置いといたヤツか)
おじさん「あ……危ない、崩れる!!」
GO「あの方向は……やべっアイツんちだ!!」
-
〜野獣邸・地下〜
チュッ……ンチュッ……ムチュッ……
遠野(……ん?)
遠野(く、臭い!! 物凄く臭い!!!!)
遠野「やめてくださいよ本当に!!」ドンッ!
野獣「ヌッ!?」ドサッ
野獣「クゥーン……」
遠野「あ、す、すみません先輩、突き飛ばしたりなんかして! あんまりにも口が臭くて……」
野獣「オォン……ま、まぁどこも打ってないから多少は――――」
ガラガラガラガラ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドッガァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
野獣「ンアッー!?」
遠野「アッー↑!」
-
ファッ!?
-
遠野「せ、先輩!? 大丈夫ですか!?」
野獣「い、一体何が……ファッ!?」
野獣(俺の座ってた場所に大量の鉄骨が!?)
野獣(もし遠野が突き飛ばしてくれなかったら、俺はあれの下敷きに……)
GO「はいカーーーーーーーーーット!!!!!!!!!!」
野獣「ファファファファッ!?」
GO「いやーギリッギリだったよお前! みろ、18時59分57秒! あと三秒でお陀仏だったぜ〜」
野獣「えっなっえっどっあういうぅえぇっ!?」
GO「それにしてもまさかこんな事になるなんてなぁ〜……ま、今回はお前の適当さが招いた結果でもあるけどな」
野獣「い、一体何を言って……」
おじさん「田所くん!!!」
野獣「ヌッ! おじさん!? ってことは、この鉄骨……」
-
GO「そ。お前がバイトで『適当に』避けたせいで、バランス崩して落っこちてきたヤツ。つまり完全に自業自得だな」
野獣「アォン……」
おじさん「田所くん、大丈夫だったか!?」
野獣「お、おじさん……」
おじさん「おや、君どうして裸……よく見たらそっちの子も……」
遠野「あ、その、僕は……」
おじさん「……田所くん、もしかして君……」
おじさん「あれだけバイトで体力を使ったくせに、ホモセックスに及んでたのか……!?」
野獣「んと……ホモセックスってか……伸縮性のある、ボクサー型の……みたいな……(困惑)」
おじさん「ハッハッハッハッハ!!!! アッハッハッハッハッハ!!!!」
野獣「ファッ!?」
おじさん「いや恐れいった! 君はなんて精力旺盛なクソホモなんだ! ハッハッハ!!」
野獣「いや、それほどでも無いっていうか……ドゥフフ」
GO「褒めてないぞ」
-
おじさん「あぁ、田所くん。この件に関しては君は気にしなくていいよ。全責任は俺が負おう」
野獣「ヌッ!? でもそれじゃおじさんが……」
おじさん「なぁに気にするな。バイトがやったことは上司の責任でもある。こうなったのも俺の管理のせいだ」
おじさん「それにどうせ辞めるつもりだったしな。生きがいを失った俺じゃ、長続きしないのは分かりきってた」
野獣「で、でも……」
おじさん「なに、あてがない訳じゃない。実は『悶絶少年調教師免許一級』の資格を持ってるんだがね」
おじさん「その関係で、ちょっと旧友に一緒に働かないかと誘われていたのさ」
野獣「とんでもない資格なんですがそれはどこで取れるんですかね……」
おじさん「まぁそういう訳で、新しい人生を探しに行こうと思ってたんだが……負債からスタートか。むしろやりがいがあるだろうね」
野獣「なんてポジ種……じゃなくてポジティブなんだ。たまげたなぁ」
おじさん「せっかくだ、君にも連絡先を渡しておこう。気が向いたら連絡してくれ」
おじさん「俺は君を気に入った。もし良ければその旧友に口利きしてやってもいい。まぁ考えててくれ」
野獣「ちょっと話についてけないんで、考える時間をくれるなら……」
おじさん「おう、いいさいいさ。思う存分考えろ!」
おじさん「それじゃおじさんはちょっとあちこちに連絡してくるよ。出来ればまた会おうな、田所くん!」
-
野獣「……なんてパワフルな人なんだ。不安が壊れるなぁ……」
GO「もっと感謝しとけよお前? いくら人間のクズでもこれがどれだけ有難いことかは分かるだろ?」
野獣「そー……ですねぇ」
遠野「あの、先輩……」
野獣「遠野……ありがとう」
遠野「え?」
野獣「お前が突き飛ばしてくれなければ、俺はきっと死んでいた。本当にありが遠野」
遠野「先輩……」
GO「さむっ」
野獣「今日は帰った方がいい、遠野。こんな事になってしまったんだ、ゆっくり休め」
遠野「あ、は、ハイ!」
野獣「それから、えーっと……あれ?」
GO「あぁ、お前のスマホならホレ。お前バイトの帰りに忘れていったんだとよ」
野獣「だからおじさんが来てたのか……遠野」
野獣「これ、俺の連絡先だ。これからはいつでも連絡してくれ」
遠野「先輩……ありがとうございます! これからも宜しくお願いします!」
-
野獣「それじゃあな、遠野」
遠野「はい!」
タッタッタ……
野獣「…………」
GO「改めて生還おつかれさん。どうだったよ、生き抜くために必死こいてみて」
野獣「ぬわあああああん疲れたもおおおおおおおおおん!」
GO「うるせえな」
野獣「もう二度とゴメンっすよーこんなの……」
GO「でもいざ終わってみれば、色々学ぶものもあったろう?」
野獣「学ぶもの……?」
GO「結果だけ見れば死にかけはしたものの、就職先のあても出来て、恋人まで出来た」
GO「これから先のお前の人生も、ちょっとはマシになってくんじゃねえか?」
野獣「あっ……」
-
GO「自覚してねえだろうけどな、相当恵まれた環境にいるんだよ。お前は」
GO「お前自身はどうしようもないクズだけど、どういう訳かお前の周りには良い人ばっかりなのさ」
GO「そんな環境で、とにかく前向きに頑張ろうとしてるやつが居たら、まず盛大にコケたりしねえ」
野獣「…………」
GO「まずは行動あるのみさ。周りの人間を頼ってみて悪いことはない」
GO「本人が真摯になってさえいれば、例え先が見えなくったって周りが助けてくれるさ」
GO「今日、それを実感できたろ?」
野獣「……ま、多少はね」
GO「おいおい多少かよ。素直じゃねえな〜。ま、分かったならいいさ。今回のお前の努力、記録しとくぜ」ボフンッ!
野獣「ファッ!? 手帳がGOの手に!?」
GO「『行動力』クリア……っと」サラサラ
野獣「最初に出会ったときにそれ見せてくれれば俺も信用したんじゃないですかね?」
GO「どうせ手品だなんだと騒ぐだろ」
野獣「あっそっかぁ……」
-
GO「それはともかくよ。この事故の処理おわったらさ、ラーメン食いに行こうぜラーメン。おごってやるよ」
野獣「どうせ俺の金でしょ」
GO「神様なめんな。一日もあればどんな準備も整うさ。正真正銘俺の金でおごってやる」
GO「ま、お前のためには滅多に使ってやんねーけど」
野獣「いいっすかぁ!? GO is GOD! じゃけん食いに行きましょうね〜」
GO「そうそう、その意気だ! この調子で残りの課題もパパパッと乗り越えてくれよな!」
野獣「任せてくれよな〜頼むよ〜!」
野獣「ん?」
-
野獣「あっ待って下さいよぉ! 残りの課題って一体何のことですかね!?」
GO「あれ、言ってなかったっけ? 普通のクズなら確かに一個の課題で良いんだけどさぁ、お前はそれじゃ全然足りなくて」
GO「全部で7つ、つまりあと6つの課題をクリアしなきゃならないわけ」
野獣「ふざけんな! 聞いてないぞそんな事!」
GO「そうだっけ。ワリーワリー。まぁあと6つくらい大丈夫だろ? 大丈夫だよな?」
野獣「いや、ホントもう無理っす。勘弁して下さい」
GO「大丈夫だって安心しろよ〜。終わる頃にはビューティーになってるかもしれないし、枕だって小さくなってるぜきっと」
野獣「枕は新しいの買うから許して貰えませんかね?」
GO「ダメに決まってんだろ。ほれ、諦めて気合入れろ」
GO「多分後半になるほど難易度高くなると思うけど、俺もついててやるからさ。仲良くやろうぜ」
野獣「ンアッー!!!!!!!!(≧Д≦)」
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lヽ i i ,
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` ̄ ヽ_
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-
おつ
-
お疲れナス!
-
ホントはもっと汚いのが書きたかったけど元ネタにそって無駄に教訓っぽくなった。結局やってることは昏睡レイプです
(続きは書か)ないです。落としてくれよな〜頼むよ〜
-
スゲ〜面白かったゾ〜
-
お疲れナス!
-
原作を踏襲しながらも大胆なアレンジを加えた名作 114514点
-
たまげた文才だなあ…
淫夢以外にも活かして、どうぞ
-
語録使いが多彩でよかった(小並感)もっと次作って次作ってホラ…
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これは大作1145141919810点
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ちょっとテンポが良すぎんよ〜
溢れる原作愛と巧みな文章力、これはホモの仕事ですね
間違いない
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すばらでしたっ!
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よく語録ばっかりでここまで話回せますね…いいはなしでおもしろかった(小並感)
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元ネタは何なんですかね…世にも奇妙な物語か何か?(無知)
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>>88
天国に一番近い男ってドラマやで
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ホモの親友とかいうセンセーショナルな展開
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感動しました、今日はこれで抜きます
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>>91
エロはダイジェストになってるんだから、本編で抜いたほうが早いんじゃないですかね…?
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思わず読みふけってしまった
文章力高すぎぃ!
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無関係だと思ってた話が伏線になってて面白かった(小学生並の感想)
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