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アニメキャラ・バトルロワイアル4th
1 ◆777Wt6LHaA:2015/04/25(土) 23:31:39 ID:xcsJxaPA0
アニメキャラ・バトルロワイアル4thの本スレです。
企画の性質上残酷な内容を含みますので、閲覧の際には十分ご注意ください。

専用したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17116/

2 ◆777Wt6LHaA:2015/04/25(土) 23:32:25 ID:xcsJxaPA0
《参加者》

6/6【ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
○空条承太郎/○ジャン=ピエール・ポルナレフ/○ホル・ホース/○J・ガイル/○エンヤ婆/○ラバーソール
6/6【こちら葛飾区亀有公園前派出所】
○両津勘吉/○大原大次郎/○本田速人/○ボルボ西郷/○日暮熟睡男/○海パン刑事
6/6【Fate/Zero】
○衛宮切嗣/○遠坂時臣/○バーサーカー/○ライダー/○雨生龍之介/○キャスター
6/6【遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
○武藤遊戯/○海馬瀬人/○獏良了/○インセクター羽蛾/○マリク・イシュタール/○ペガサス・J・クロフォード
6/6【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○美樹さやか/○巴マミ/○暁美ほむら/○佐倉杏子 /○シャルロッテ
5/5【THE IDOLM@STER】
○天海春香/○如月千早/○我那覇響/○プロデューサー/○天ヶ瀬冬馬
5/5【デュラララ!!】
○セルティ・ストゥルルソン/○竜ヶ峰帝人/○園原杏里/○平和島静雄/○折原臨也
5/5【カードキャプターさくら】
○木之本桜/○李小狼/○大道寺知世/○柊沢エリオル/○李苺鈴
5/5【結城友奈は勇者である】
○結城友奈/○東郷美森/○犬吠埼風/○犬吠埼樹/○三好夏凜
5/5【ラブライブ!】
○高坂穂乃果/○園田海未 /○矢澤にこ/○絢瀬絵里/○東條希
4/4【艦隊これくしょん -艦これ-】
○吹雪/○金剛/○加賀/○空母ヲ級
2/2【闘牌伝説アカギ ~闇に舞い降りた天才~】
○赤木しげる/○鷲巣巌

61/61

3 ◆777Wt6LHaA:2015/04/25(土) 23:33:02 ID:xcsJxaPA0
《バトルロワイアルの会場》

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org281565.png

青の印が核爆弾が設置されたアンテナ
赤の印が防災試験センター


《バトルロワイアルのルール》

【原則】
 61名の参加者が金属製の球体に入れられ、放射性物質に汚染された島で最後の一人になるまで殺し合う。

【スタート時の持ち物】
 各人に支給されたデイパックの中身は以下の通り。
 2Lの水と三食分の非常食、メタルマッチ、方位磁針、タブレット、ホイッスル、左記の共通支給品が書かれたリスト、デイパック内に入る範囲のランダム支給品1~3。
 デイパックは所謂四次元構造ではない普通のデイパック。
 共通支給品だけで最低でもデイパックは4kg。デイパックの推奨される耐荷重は12kg。

【歴史の修正力について】
 会場の島には参加者を殺し合わせようとする修正力が働いている。
 しかし、参加者の人格や性格を無視して操る力は無い(自我の無い参加者を無意識の内に動かすのは可能)。
 現在は参加者同士を殺し合わせようとする力は働いていないが、放射能の汚染が浄化され、島のどこかのエリアにある8カ所の核が全て無力化された時、参加者を殺し合わせようとする修正力が働く。

【放射線の影響について】
 会場内のものは、防災試験センターなどの地下にあるもの以外全て放射線の汚染により、著しい減衰を受けます。
 無線は1km以上通じない。
 ただし、放射線は歴史の修正力によって徐々に浄化されていく。

【首輪について】
 参加者全員に装着されている。
 生きている者が着けると特殊な力場によりある程度の放射線に耐えられるようになっている。力場の範囲は首輪の半径3m以内。
 ただし、アンテナから1km以内でないとその機能は停止する。また、首輪が外れたり、首輪のエネルギーが無くなっても機能停止する。首輪のエネルギーは24時間分。
 力場の影響を受けていない生物は一時間以内に放射性障害で死亡する。

【アンテナについて】
 会場の各所に配置されていて、1km以内にある首輪にエネルギーを発信している。
 その内8ヶ所のアンテナには核爆弾が一発ずつ設置されており、一時間ごとに島の端にある核爆弾から一発ずつ起爆する。範囲は1km。

【防災試験センターについて】
 島の中央に存在する施設。
 アンテナが設置されており、島の各部のアンテナにエネルギーを供給している。出力が通常のものより強いので、1km以内に進入すると首輪が耐えられずに爆発する可能性がある。
 23:50からゲートが開けられ、進入可能になる。

【タブレットについて】
 島の詳細な地図や参加者名簿、その他の情報、また核爆弾の起爆時間などがpdfとしてまとめられている。

【作中での時間表記】 (0時スタート)
 【深夜:0:00~1:59】
 【黎明:2:00~3:59】
 【早朝:4:00~5;59】
 
 【朝:6:00~7:59】
 【午前:8:00~9:59】
 【昼:10:00~11:59】
 
 【日中:12:00~13:59】
 【午後:14:00~15:59】
 【夕方:16:00~17:59】
 
 【夜:18:00~19:59】
 【夜中:20:00~21:59】
 【真夜中:22:00~23:59】

4 ◆777Wt6LHaA:2015/04/25(土) 23:33:29 ID:xcsJxaPA0
《書き手向けルール》

【状態表について】
SSの最後には下記の状態表をつけてください(服装と備考の欄は、必要なければ省略してください)


【エリア/場所/経過日数/時間】

【キャラクター名@作品名】
[状態]:
[服装]:
[装備]:
[道具]:
[思考]
基本:
1:
2:
3:
[備考]


【予約について】
予約をしたい場合はしたらばの予約スレ(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17116/1429970078/)にトリップをつけて予約したいキャラ名を書き込んでください。

予約期限は3日(72時間)です。3作品以上投下した方のみ2日(48時間)の延長が出来ます。
予約の延長は、一回の予約につき一度だけ利用できます。

あるキャラの予約が行われた時点で、他の書き手はそのキャラを含んだ予約または作品投下が出来なくなります。
予約は予約期限切れ、予約破棄宣言、対応する作品投下のいずれかを持って解除されます。
予約期限切れ、予約破棄宣言の場合、その時点を持って予約されていたキャラの予約が可能になります。
対応する作品投下の場合、その作品に対して24時間以内に修正・破棄の要求がなければ、その作品のキャラの予約が可能になります。

5 ◆777Wt6LHaA:2015/04/25(土) 23:35:58 ID:xcsJxaPA0
◆qB2O9LoFeA氏のOPを代理投下します

6メーデー 代理投下:2015/04/25(土) 23:36:37 ID:xcsJxaPA0



『■■■■、■■■■、■■■‥‥』


 耳障りな雑音が響く。


『■ー■ー、■ー■ー、■ー■ー‥‥』


 ノイズ混じりの音声通信。それが衛宮切嗣の意識を覚醒させた。


『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■』


(ここはいったい‥‥)

 まだはっきりしない頭で周囲を見渡そうとする。だが、動かない。首が何かに固定されているのだ。よく神経を張れば、椅子に座らされて両手両足が拘束され、胴体には圧迫感がある。そして妙な浮遊感。

(落ちている、のか‥‥?)

 微かな揺れとシートベルトのような胸部と腹部の感覚からそう判断する。やがて、ごく小さい音と衝撃とともにそれらの感覚と拘束が無くなった。

「うっ‥‥!」

 慎重に立ち上がろうとしたものの、立ちくらみのような頭痛に襲われ再び席に着いた。と、同時に首にだけ違和感があることに気づく。どういうわけか、首の戒めだけ首輪という形で体から離れないようだ。強引に引っ張ると『ミシり』と音がしたのでひとまずそれ以上手を出さないことにした。


『‥‥デー、メーデー、メー‥‥』


 どうやら、自分は球状の小部屋のようなものにいるらしい。切嗣はおそるおそる手を伸ばしてそう判断すると自分の足元になにかあることに気がついた。
 大きさと形からしてデイパックだろうか。手探りでジッパーを開けると僅かに光点が見える。電子的なその光から通信機器の類いのものだと判断すると、その板のようなそれを取り出した。


『メーデー、メーデー、メーデー、こちらは防災試験センター、 防災試験センター、防災試験センター。 メーデー、防災試験センター。位置 は■■島。島全土が放射性物質に汚染されていてセンターから出られない。電子回路も破壊されている。すぐに救助を。センターには現在1名。メーデー、防災試験センター。オーバー。』

7メーデー 代理投下:2015/04/25(土) 23:37:10 ID:xcsJxaPA0


 デイパックから取り出したことでいくらか音声がクリアになる。どうやら声の主は若い女のようだ。切嗣は、その内容をいぶかしんだ。

 パアッと、突然板が青白い光を発する。驚ろきと眩しさで取り落としかけるのを堪えると、その板、いわゆるタブレットにはワープロのようなものが表示されていた。


『メーデー、メーデー、メーデー、こちらは防災試験センター、 防災試験センター、防災試験センター。 メーデー、防災試験センター。位置 は■■島。島全土が放射性物質に汚染されていてセンターから出られない。電子回路も破壊されている。すぐに救助を。センターには現在1名。メーデー、防災試験センター。オー バー』


「音声を文字として出力するのか‥‥」
 呟きながら、文字に目を通す。まだはっきりしない頭には、早口な通信よりも文字で起こされたほうがありがたかった。もっとも、すぐにその内容に困惑することになるのだが。

(放射性物質に汚染?電子回路が使えない?核でも落ちたのか?)

 そこに書かれた通信内容が、あまりにも切嗣の人生とは無縁のものだったからだ。
 確かに、一部の紛争地帯では劣化ウラン弾などの広義の意味での核兵器が使われることはある。だが、通信はまるで核戦争でも起きたかのようなことを言っている。これらは切嗣の知らない謎の機械と相まって次々と疑問符を生んでいた。

(通信に答えるか‥‥いや、迂闊な行動はよそう。それに、この機械にはマイクらしきものがない。)
『ん?!生存者がいるのか!返事をしてくれ!もっとはっきりゆっくり!』
(!バレたか?)

 切嗣は思わず身を固くする。

『‥‥駄目か‥‥やはり、この放射線では通信は無理か‥‥いや、一応言っておく。もしかしたら、ラジオかなにかで聞いてる者がいるかもしないからな。』

 どうやらバレたわけではないらしい。安堵のため息を吐いた切嗣をよそに、通信は続く。

8メーデー 代理投下:2015/04/25(土) 23:37:54 ID:xcsJxaPA0

『こちらは、防災試験センター。現在この島は非常に高い放射線の影響下にある。そのため、通信ができるのはアンテナから1kmの範囲内でしかない。』

『この通信が聞こえるということは、首輪が起動している生存者だろう。現在こちらでは、約60の首輪の起動を確認している。その首輪は、生きている者が着けると特殊な力場によりある程度の放射線に耐えられるようになっている。』

『もっとも、その機能はアンテナから1km以内でないと使えないようだ。アンテナから発信されるエネルギーをそれ以上は受信できないようだな。くれぐれもその首輪を外さないでくれ。その首輪が機能しなくなれば、一時間と経たずに放射性障害で死ぬだろう。』

『今その首輪のエネルギーは、全員できっかり24時間分ある。今日の2350から、防災試験センターのゲートを開けるのでその間に入ってくれ。ただ、2350までセンターの周囲1kmに入らないでくれ。センターのアンテナは島の各部のアンテナにエネルギーを供給している。出力が通常のものより強いので、首輪が耐えられずに爆発する可能性があるようだ。気をつけてくれ。』

『それと、島の各所にあるアンテナには核爆弾が仕掛けられているようだ。起爆と同時に中性子を発する。範囲は1kmと狭いが、首輪では防ぎきれないうえに首輪そのものを破壊してしまう。なにかのひょうしに暴発させてしまう可能性もあるので、なるべくアンテナには近づかないようにしてくれ。』

『核爆弾の起爆の順番と時間は■■■■■、また通信が‥‥また六時間後に■■■■■。詳細は、回線から島の電子機器に送っておく。地図なども添付するので参考にしてくれ。それと機器には名前をつけておいてもらえると助かる。■■■■■■■■■■■■いいな、2350に島の中央の防災試験センターに来てくれ。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■』

9メーデー 代理投下:2015/04/25(土) 23:38:31 ID:xcsJxaPA0


 耳障りなノイズと画面の文字化けを残して通信は途絶えた。その内容を吟味しようとして、切嗣はまた眩しさに目をとられる。ゆっくりと四角い光が拡がっていき、それが飛行機のハッチのようなものだとわかると外を伺う。

(‥‥どうやら、そうとう面倒なことになったみたいだね。)


 それは虫だった。
 一匹や二匹ではない。何匹かの虫がひっくり反っていた。

 離れたところ見る。一羽のカラスが落ちている。少し離れたところだが、外傷はないように見えた。

 後ろを振り返る。自分が入っていたのは無骨な金属製の球体だったようだ。さきほどデイパックのようだと思ったものは予想どうりデイパックだったが、オレンジ色に反射材の持ち手なのを見ると非常用の物なのだろう。中には非常食や水やメタルマッチなどに方位磁針などが入っていた。それと内容物のリストもあったが、なぜかいくつかリストに無いものもある。そのことに違和感を覚えていると。手が振動を感じた。

(バイブレーション機能か。)

 手に持っていた板、タブレットを見る。画面を何気なく触ると、ワープロ画面は消え、いくつかのアイコンのある画面が出てきた。そのうちの『New!』とあるアイコンをタッチすると地図などが記されたpdfファイルが開かれた。

(なるほど、島の端から起爆していくのか。しかし、なぜこんな情報が載ってるんだ。それに、この板じたいも随分と先進的だ。)

 扱い方に困りながらページをなんとかめくっていく。その手が一つのページで止まった。

(この仕様を見ると、複数首輪を着けても一つしか首輪は作動しないのか。まて、作動していない方の首輪は、エネルギーを溜めておける?。これだと、24時間が過ぎたときに生き残るためには‥‥)



 アアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ‥‥

 どこからかサイレンが鳴り響く。タブレットの隅には『00:00』と表示されていた。

「━━まずは、この球をもう一度確認しよう。」
 切嗣はタブレットをデイパックにしまうと球体の内側をあらためる。

10メーデー 代理投下:2015/04/25(土) 23:39:06 ID:xcsJxaPA0



 生けるものは約60名。死地と化した孤島で、誰も『殺し合え』などとは言わない。
 それでも、戦いを広めようという悪意は既に動き出した。

 そして、その悪意は。

「‥‥な、なぜ‥‥」

 防災試験センター。核攻撃にも耐えられる巨大なその建物の一室で、一人の少女がコンソールに突っ伏している。
 目や鼻や口から血を吐きながら、必死に手を伸ばし。

「‥‥これも‥‥なにか考えが、あっての‥‥そうか!私がこの役目になったのは‥‥」

 誰に看取られることもなく、悲しみと絶望で凝り固まった鬼の形相で、その少女は息することをやめた。


 コンソールだけが、目に悪い光で彼女を照らしていた。

11メーデー 代理投下:2015/04/25(土) 23:39:40 ID:xcsJxaPA0



【???@???????? 死亡】

【主催、後援】
不明。



※首輪が外れる、首輪が機能しなくなる、首輪にエネルギーを送るアンテナがなんらかの事情で働かなくなるとあらゆる生物は一時間以内に放射性障害で死亡します。また電子機器も高い放射線により確実に破壊されます。
※2Lの水と三食分の非常食、メタルマッチ、方位磁針、タブレット、ホイッスル、左記の共通支給品が書かれたリスト、デイパック内に入る範囲のランダム支給品1~3が入っています。共通支給品だけで最低でもデイパックは4kgあります。またデイパックの推奨される耐荷重は12kgです。
※タブレットには島の詳細な地図やその他の情報、また核爆弾の起爆時間などがpdfとしてまとめられています。核爆弾は1時間に一発ずつ起爆します。
※会場内のものは防災試験センターなどの地下にあるもの以外全て放射線による汚染を受けています。
※放射線の影響であらゆるものが著しい減衰を受けます。
※放射線の影響で無線は1km以上通じません。
※首輪が放射線の影響を押さえられるのは首輪の半径3m以内です。

12名無しさん:2015/04/25(土) 23:41:26 ID:xcsJxaPA0
代理投下終了です

続いて◆/ebAZhNPSM氏の作品を代理投下します

13代理投下:2015/04/25(土) 23:42:09 ID:xcsJxaPA0
○月○日

この日、鎮守府に極秘任務が下された。
軍上層部はある島において、何者かによる不穏な実験がされているという情報を掴んだ。
どうやら核を用いた実験をしているらしく核実験を止めさせ、解体して無力化するが我々に与えられた。
メンバーは機械工作に長けた技術者16名、護衛の海軍中隊24名
深海凄艦の出現に備えて長門、陸奥、大井、北上、赤城、睦月の小隊6名
それを指揮する役割として選ばれた提督、合わせて47名が目的の島に向け旅立つことになった。
場所は艦娘の燃料では到底たどり着くことの出来ない場所にあるため
長距離移動用の大型船を用いて移動する。
非常時に備えて水や食料、補給用の燃料や弾薬は多めに用意された。


○月×日

出発してから二週間後、目的地である島に到着した。
報告者の通り、大気は放射能によって汚染されていたので、防護服を装備して上陸した。
艦装を外すことになるが、それでも軍人として勤めを果たすために艦娘の同行も許可された。
島を探索している内に、戦闘が起こったと思われる形跡が至る所に発見する。

民宿を発見した我々は内部への調査を始めた。
そこでも戦闘の傷跡が残されており、窓ガラスがいくつも割れ、一部の壁が破壊されていた。
一室にて白骨死体を発見、胸元に銃創の痕あり。
衣類はぼろきれのように朽ちており、死後から相当の年月が経っていると推測される。
遺体の傍で落ちていたバッグからは何かの名簿と地図が記されていた。
両方とも風化が進んでおり、名簿は読み取れなかったが地図はこの島の物であることが分かった。

民宿での調査を終えた頃、日が沈みかけていたので今日の調査は中断し船に帰還した。
明日から地図の情報を頼りに他の施設の調査を進める。
銃殺された死体を見たせいか、同行者の中に不安の声を出す者もいる。
迅速に調査を終える必要があるだろう。
この島に来てからというもの、なんだか空気が非常に重苦しい。

14代理投下:2015/04/25(土) 23:42:30 ID:xcsJxaPA0
○月△日

廃村へ調査を行った所、白骨死体が三つも発見された。
一つはナイフを持った死体、もう一つは拳銃を持った死体、最後は首を吊って自殺した死体。
自殺した死体の近くで放置されていたバッグにはメモ帳が発見された。
『ころすのもころされるのもぼくはいやだ さきにあのよへいってきます みなさんさよなら』と書かれていた。
もしや、この島で人間同士の殺し合いを強要されていたのだろうか?

次々と死体を見たショックで睦月と軍人二人がホームシックにかかった。
睦月はまだ幼く、軍人二人もまだ10代の若い人間である。
凄惨な光景を見て、不安で心が押しつぶされたのだろう。
提督の配慮により、三人は調査が終わるまで船内での休息を命じられた。

島にいくつも点在しているアンテナを調査した所、恐るべき事が分かった。
アンテナには核が仕込まれていた。
もし島に点在するアンテナ全てに核が仕掛けられているとしたらかなりの数である。
我々はいつ爆発するかも分からない核の排除を迅速に進めた。

一つめの核は無事に無力化出来た。
解除した技術者の話では設置した人物の技術不足か、それとも急いで設置したのか。
非常にシンプルな構造であり、それほど時間を労せずして解除が可能だという。

核の解除は技術者と軍人達に任せ、提督と艦娘は島の謎を解き明かすための調査をする事になった。
技術的知識の無い艦娘は未探索エリアの調査に回した方が効率が良いとの提督の考えだ。
その案に隊員達は納得し、二手に分かれて行動することになった。


○月□日

船で待機している三人の容体はまだ安定していない。
本人達は大丈夫だと言って皆を心配させないよう振る舞っているが
ろくに眠っていないのか目の下にくまが出来ており、若干やつれ気味だ。

島の中央にある防災試験センターへの調査を開始した我々は
電子機器が生きており、使用できる事に気が付いた。
この島で何が起きていたか残されているデータを一つ一つ読み上げた。

『第1回バトルロワイアル 参加者72名 優勝者○○○○○ 一族の永遠の繁栄を願いとし帰還する』
『第2回バトルロワイアル 参加者68名 優勝者無し 最後に生き残った一人が隠し持った爆弾を使い主催者を道連れに自爆』
『第3回バトルロワイアル 参加者56名 優勝者○○○○ この技術力を全て自分の物にしたいと願い、次の企画の主催者となる』
『第4回バトルロワイアル―――』

『バトルロワイアル』という単語がデータの中にいくつも浮かび上がった。
このバトルロワイアルによって島の中で殺し合いを続けられていたのだ、それも何度も繰り返されて。
ページを進めていくと、最後に作成された項目に『この島に連れてこられた者たちへ』と書かれたファイルを見つけた。
そのファイルを開くと殺し合いで生き残った人間らしき者のメッセージが記されていた。

15代理投下:2015/04/25(土) 23:42:58 ID:xcsJxaPA0
『俺たちはバトルロワイアルという糞ったれな殺し合いゲームに巻き込まれた人間だ。
 みんなで力を合わせて、殺し合いを企てた連中を何とか打倒する事に成功した。
 だけどそれだけではバトルロワイアルは止まらないんだ。よく聞いてほしい』

『この島にはバトルロワイアルを繰り返してきた歴史がある。
 その歴史は運命による力で強制されていたんだ。
 突拍子も無い話で信じられないかもしれない。
 それでもバトルロワイアルを繰り返させようとする力は確実に働いているんだ』

『主催者を殺害してバトルロワイアルは一度終了させた。
 俺たちは10人生き残った。そして脱出するための算段も付いた。その時だ
 この島に眠る超技術を見つけた仲間の一人が突然狂いだして、他の仲間たちを殺しまわった。
 島はバトルロワイアルの破壊を許さなかった。生き残った10人で再び殺し合わせようとした』

『……結局生き残ったのは俺一人だ。
 この異常な技術を使って、逆に殺し合いを妨害してやる。それが俺に出来る運命に対する復讐だ。
 超技術を使い核を作り出した俺は島全土を放射能で覆った。
 参加者同士の殺し合いがお望みなら、参加者以外によって死をもたらされる環境に変えてしまうんだ。
 こんな発想が思いついて実行してしまう時点でもう俺の正気は失っているのかもしれないな』

『いいか?この島に来た人間は一刻も早く立ち去るんだ。
 核が残っている限り、殺し合わせようとする修正力は弱いはずだ。
 殺し合いを望む運命は核の脅威を取り除くために修正が働く。
 体内の免疫が進入した病原菌を除去しようと活動するようにね。
 もし、核の脅威が全て取り除かれたらその時、再びバトルロワイアルは必ず始まる。
 まるで初めから殺し合いを目論んでいたかのように、誰かがバトルロワイアルを運営するだろう。
 そういう運命を背負わされてしまうんだ』

『俺はもう限界だ……。
 沢山の人間の血が見たい。絶望が見たい。死が見たい。
 そんな心の闇が俺の精神を徐々に蝕んでいくのが分かるんだ。
 俺はそんな悪鬼になりたくない。
 人の命を弄びながら生きる怪物になるぐらいなら俺は人間として死を受け入れることにした。
 どうか、こんな悲劇が二度と起こらないよう祈りを込めながら引き金を引こう。
 さよなら愛する者よ。愛する故郷よ。最期にもう一度会いたかった……』

16代理投下:2015/04/25(土) 23:43:24 ID:xcsJxaPA0
非常に信じがたい内容であった。
もしや核を解除させないようにと夢物語を並べているのでは?とも思える。
だが妙に信憑性があった。
過去に参加したMI作戦でも歴史通りに繰り返そうとする修正力は確かに感じ取れたからだ。
このバトルロワイアルを繰り返す島の話も本当なのかもしれない。
我々は一通り室内を調べた後、船内にて隊員達にこの情報を伝える事にした。


○月▽日

隊員達を防災試験センターへ集合させた。
実際に彼らにデータを見せることで島の現状をより理解してもらうためだ。
半信半疑だった隊員達も監視カメラによって撮影された過去の殺し合いの映像をモニター越しで目の当たりにして
実際に行われていたことは全員理解できた。
だが歴史の修正力という存在に関しては馬鹿馬鹿しい迷信であると否定する者も少なくなかった。
引き続き核の機能停止を行うべきだと主張する意見と
殺し合いが再び始まる可能性があるから迂闊に解除するべきでないと主張する意見に別れた。

それぞれの意見を聞き入れた提督は、核の無力化を行った後に、回収したデータと共に速やかに本部に帰還する方針を立てた。
軍人として、物理的証拠の無い現状で歴史の修正力を真に受けるわけにはいかない。
仮に歴史の修正力が真実であったとしても素早く撤退すれば、殺し合いが始まるより早く抜け出すことが可能だろう。
きっと提督はそう考えていたのだろう。

倉庫の中にある首輪が発見された。
本来は参加者の首に装着され、中に仕込まれた爆薬で従わない人間を殺害する為に作られていたらしいが
この首輪は爆薬を取り外され、放射能から身を守る力場を発すると説明書に書かれていた。
島に点在するアンテナの一キロ以内にいる限り効力を発揮し、核の機能を解除してもそれは失われないという事が分かった。

これがあれば防護服無しでも活動が可能となり、我々艦娘は艦装を装着する事ができる。
だがもしそれが偽りであった場合、放射能が自らの体を蝕み死が訪れる。
あまりにもリスクが大きい行為であるため、装着を見送ろうとした時
提督は首輪を手に取ると、防護服を外し自らの首へと装着した。
周囲が危険だと静止の声をかけるが、提督は一切迷うことなく地上へと出ていった。
放射能に汚染された大地にその身を晒した提督は大きく深呼吸を数回繰り返す。
軍人達は冷や汗を掻きながら提督の姿を見守った。

数分の時間が流れた、提督の体に一切の変化は見られない。
首輪の効果は真実であった、提督が自ら体を張って真偽を確かめたのだ。
その提督の覚悟に報いるために艦娘達も後に続いて首輪を装着した。
軍人達は最初は拒否を続けたが数十分の時間が流れても
誰一人不調を訴える者がいないと知るや、殆どの人間が首輪を付けての行動を選んだ。
防護服の窮屈さから解放されたのが嬉しいのか、笑顔を取り戻す兵は少なくなかった。
4人ほど警戒を解かず、防護服を徹底して脱ぎたがらない技術者もいたが強要するべきでは無いと彼らの意思を優先させた。

17代理投下:2015/04/25(土) 23:43:52 ID:xcsJxaPA0
△月○日

それから二日が経ち、島に設置されたアンテナの核全てを無力化する事に成功した。
艦装が装着可能になったことで水上にあるアンテナも
艦娘達の引率により技術者を効率良く運び出せるようになり短時間で核の解除が可能になった。
その甲斐もあって予定より早く任務を終える事ができた。

あとはこの島から脱出し、得られた情報を本部に報告するだけだ。
島から帰れると知ると、ホームシックにかかった軍人二名と睦月は随分と喜んでいた。
それだけ心細い思いをしていたのだろう。

船が動き出し島から遠ざかり始めたその時、激しい爆発音が起きて船が火の海に包まれた。
弾薬庫に積まれた火薬の数々が爆発を起こしたらしい。
船内の破壊や浸水が激しく、船は1時間足らずで海の底へと沈んだ。
決死の救助を行ったが技術者2名、軍人4名が事故により命を落とした。
提督も人命救助のために単独で燃え盛る通路を突き進んだまま行方不明に。

あの提督が死んだとは思えない。
提督がいつでも戻ってこられるよう最善の行動を取り迎え入れられるように。
生き残った我々は島に再上陸して救難信号を出して、救助を待つことになった。

軍人達の精神状態が非常に不安定になっている。
核を解除したせいで自分たちはこの島に閉じ込められた。
バトルロワイアルが始まろうとしているんだと、嘆く者が後を絶たない。
特に帰りを楽しみにしていた睦月と若い軍人二人は涙を流しながら帰りたいと呟いていた。


△月X日

次の日、一人の技術者が案を持ち出した。
核の解除が原因でバトルロワイアルが始まろうとしているなら
もう一度、装置を起動させれば殺し合いが起こらずに済むのではないだろうか?と。
生き残りたい一心で賛同する者と、迷信のために更に危険を犯すべきでないと否定する者に二分された。
提案した技術者は装置の起動を行うのは自分一人でも構わないと話した。

無力化した核の装置を再起動する案は賛同しかねるが
このままでは隊員達の精神はどんどん悪化するのみだ。
彼らの精神の安定を兼ねて脱出の目途が立つまで、エリア一つ分のみの核を再起動する方針で進められた。

18代理投下:2015/04/25(土) 23:44:15 ID:xcsJxaPA0
不慮の事故が起こった場合を想定して、陸地から離れた海上であるМ1の核を再起動する方向へ話が進められた。
起動を行うのは、先ほど案を考えた技術者1名と目的地へと引率するために北上が自ら立候補を挙げた。
大井は北上の動向を強く反対したが、北上本人による真摯な説得を受け渋々と了承した。

我々は海岸にて待機し目的地であるМ1へ向かう二人を見送った。
船内事故で既に6名の命が失われている。
これ以上の犠牲者が出ないようにと神頼みしている兵達もいた。
息の詰まるような緊張状態の中でひたすら二人の返りを待った。
一瞬、思わず目を覆うほどの眩い光が水上から放たれた。
光の後に続いて轟音が響き渡り、押し寄せてくる大波が海岸を飲み込んだ。

М1で設置されたアンテナが消滅している。
核の起動に失敗し爆発が起こったのだ。
死体を確認するまでもなく既に二人の命が失われたのは明白だった。
大井は北上の名を何度も呼びながら、爆心地へ向かおうとした。
М1のアンテナが消滅した今、あそこへ向かえば首輪の効果が発揮されずに放射能をその身に受けることになる。
我々は大井を押さえつけ、冷静さを取り戻すよう説得をした。
大切なパートナーを失ったのは分かるが、だからこそ今は落ち着いて対処しなければならない。
隊員達も落ち着いて考えようと言葉に出して周りをなだめている。
いや、正確には自分自身に言い聞かせているのだろう。
この場にいる全ての人間が恐怖と不安で押しつぶされそうになっているのだ。

船が沈んだ今、寝泊りする場所を失った我々は、廃村へ向かいそこで寝泊りすることになった。
建築物は古いが雨風を凌げる場所はここが一番近く、心身共に疲弊した状態で遠出するべきではないと判断された。
大井は一人にしてほしい。と小さな一軒家に閉じこもった。
一人で落ち着く時間が必要なのだと考え、我々は彼女の意思を尊重した。
現在の死者は8名、これ以上増やすわけにはいかない。
必ず生きて帰らなければ。


△月□日

黎明まで時間が経った時、次々と銃声が鳴り響き、隊員達が目を覚ました。
外へ出ると何者かが銃を乱射して隊員を一人、また一人と命を刈り取っているのを発見した。
暗闇で顔がよく見えない、誰が撃っているのか。
銃口から放たれる一瞬の火が持ち主の顔を僅かに照らし、その謎を明かした。

それは返り血を浴び、狂気の笑みを宿した大井だった。
彼女は対応の遅れた兵士達を次々と射殺し続けた。
凶行を止めるべく威嚇射撃をして説得しようとするが
大井は高笑いを繰り返し、こちらに向けて銃を放った。

陸奥は私を庇い、銃弾をその身に大量に浴びながら艦砲射撃を放ち
大井の胸に風穴を空け、彼女の行動は停止した。
陸奥は致命傷を受けていた、涙を流す私の手を優しく握ると
自分の分まで長く生きてほしいと言い残して、息を引き取った。

多大な犠牲が起こった。
外では大井に射殺された軍人11名、技術者2名と
大井の泊まっていた一軒家に一番近い家の中には
眠っている状態で射殺された軍人8名の死体が発見された。
大井、陸奥を合わせて23名が闇の中で命を失った。

19代理投下:2015/04/25(土) 23:44:40 ID:xcsJxaPA0
だがこれで終わりでは無かった。
狂気はまるで流行り病のように伝染していった。
一人の軍人が叫んだ。バトルロワイアルは始まっている。相手を殺さなければ俺たちは殺されると。
銃口を私に向けた。大井の凶行を目の当たりにして、人間よりも力を持った艦娘を恐れたのだ。
赤城は狂乱に満ちた空気を静めるべく説得を始めた。
皆さん運命に負けないで、呪われた歴史を繰り返してはいけない、そう懇願するように叫んだ。

しかし無常にも軍人達の心には届かなかった。
軍人の放った銃弾が赤城の体を撃ち抜いた。
撃たれてもなお赤城は抵抗することなく、説得を続けた。
銃弾が赤城の頭に命中した。脳漿を撒き散らしながら赤城が倒れた。

他の軍人が雄叫びをあげながら赤城を射殺した軍人を撃ち殺した。
それに呼応するように軍人達が次々と銃を構えて無差別な撃ち合いが始まった。
説得が不可能な状態だと察した私は、泣き叫ぶ睦月の腕を掴み逃走しようとすると
一軒家の隅で震えている二人の人間を発見した。
彼らはホームシックにかかった若い軍人達だった。
大井の銃声を聞いてからずっと室内で震えていたのだ。

彼らを見捨てるわけにはいかない。
私が声をかけると最初は警戒していたがなんとか説得に応じて、行動を共にすることが出来た。
二人の若い軍人を連れて廃村から脱出しようとしたところで、背後から銃声が響いた。
廃村で殺し合っていた軍人の一人が私たちを追撃に来たのだ。
このままでは睦月達が危ない。
私が殿として相手を引きつけてる間に、三人は先に逃走するよう指示を出した。
灯台を待ち合わせ場所として伝えた後、威嚇射撃を逃走の合図にして撃ち放った。

威嚇射撃に怯むも軍人は攻撃を止めようとはしなかった。
こちらに戦う意思は無いと伝えるも、全く聞き入れようとしない。
命を奪うしかないのか、決断を迫られた時、軍人が背後からの銃撃で倒れた。
軍人が息絶えるのを確認してから、撃った人物が姿を現した。
彼らは生き残りの技術者だった。
廃村から脱出した技術者の一人が長門を探して追いかけていたのだ。

技術者は、首輪だけでは危険だと言って防護服を渡し着る様に薦められた。
私は技術者の言う通りに艦装を外して防護服を着ると、技術者は伝えたい事があると言って
防災試験センターへと連れてこられた。
睦月達の事も伝えるが技術者が言うには緊急の用事なので最優先して欲しいとのことだった。

20代理投下:2015/04/25(土) 23:45:00 ID:xcsJxaPA0
防災試験センターのモニターを覗くと新たな事実が発見された。
地上の大気が時間が経つごとに徐々に浄化されていくのがデータで明らかになっていた。
現段階では首輪や防護服が無ければ、すぐに命が奪われる状況だが
そう遠くない未来で放射能の消えた島になるのは確実であった。

だが良い情報ばかりではなかった。
そんな嬉しいニュースを台無しにして絶望を与えるほどのデータも映し出された。

『第○○回 バトルロワイアル 開始予定 参加者 61名』

今まで無かった項目である。
参加者の欄を覗くとそこには吹雪、金剛、加賀の名前があった。
今までの出来事からして情報は偽りでないと分かる。
この三人が次の殺し合いの参加者に選ばれたのは明白であった。
なんとか止める手立ては無いのか。

核を出来るだけ再起動させよう、と技術者が言い出した。
また爆発を起こすかもしれないが、起きないかもしれない。
どの道、脱出が不可能ならやれるだけのことをやってみたい。
技術者は強い意志で私に言い聞かせた。

私もそれに賛同をした。
途中で諦めていては歴史の流れを止める事など絶対に不可能だ。
私はバトルロワイアルの打破に全力を注ぐ。
このレポートを見ている者は絶対に殺し合いに乗らないでほしい。
そして出来れば、この情報を軍に伝えてほしい。
君たちの無事と勝利を願っている。


「レポートの作成はこれで終わりにしよう。あとは生きて帰れたら続きを……ん?」

新たな情報がモニターに表示された。
そこにはこう書かれていた。

『参加者1名 先行投下開始 世界の意思を阻もうとする者を速やかに排除せよ』

「なんだ……これは……?」

不穏な文章が流れると同時に近くから落下音が響いた。
外へ出た長門が目にした者は巨大な球状の金属の塊であった。

(世界の意思を阻もうとする者、それは私達のことか?ならば、あれは……敵)

防護服を脱いだ長門は艦装を取り付けて戦闘態勢に入り様子を伺う。
すると金属の塊の扉らしき物が開かれ、内部が露わになった。
内部には椅子が有り、それに座っている人物がいる。
その者がゆっくりと起き上がると長門を睨みつけて、憎しみに満ちた唸り声をあげた。

21代理投下:2015/04/25(土) 23:45:23 ID:xcsJxaPA0
「――――――■■■■■■■■■■!!!!」
「これは……!?」

全身から邪気に満ちたオーラを放つその者は、黒いフルプレートを全身に着込んでおり
頭部にある視界を確保するスペースからは赤い光を発していた。
明らかに普通の人間ではない。

「■■■■■!!」

言葉にならない唸り声と共に鎧の男は、大地を蹴り一瞬にて長門の眼前にまで迫る。
右腕を使って思いっきりぶん殴る。それは何の技術も込められてない単純な暴力。
ただ圧倒的な身体能力の差によって長門はその攻撃を防ぎきれない。
辛うじて間に合った両腕でのガードすら弾いて腹部へとめり込ませた。

「ガハッ!……くっ、こんなところで私はァ!!」

戦艦級を遥かに凌駕するパワーを持つ存在。
今まで出会ったことの無い強敵だが諦める訳にはいかない。
この負の連鎖を断ち切るまで絶対に倒れない。
砲撃を鎧の男に向けて撃ち放った。

鎧の男は機敏な動きで砲撃を次々と回避した。
相手は力だけではない。
スピードも圧倒的であった。

砲撃を避けながら鎧の男は、球体へと下がっていった。
逃亡を図ろうとするのかと長門は一瞬思った。
それは間違いであるとすぐに気付いた。

「……ッ!?まずい!!」
「――――■■■■!!!!」

鎧の男が球体から取り出したのはМ202ロケットランチャー。
手に取ったそれは、徐々にどす黒く変色していった。
長門は直感で、黒いロケットランチャーは異常であると理解した。
ロケットランチャーが長門に向けられるよりも速く、森の奥へ向かって駆け出した。
木々に囲まれた場所なら、直撃だけは避けられる、そう判断しての行動だった。
間違った判断では無い、普通のロケットランチャーであればの話だが。

放たれたロケット弾は障害物に当たる事無く、慣性を無視した変則的な動きで
木々を躱しながら長門に向かって突き進む。
その弾道は持ち主の意思によって自在に動き回る。
回避しようとも、目標に当たるまで追い続けるのをやめない。
なぜロケットランチャーにそんな超常的な力が備わっているのか。

全ては鎧の男による能力によってもたらされた力であった。
彼は聖杯戦争によってバーサーカーのクラスで召喚されたサーヴァントである。
サーヴァントには宝具と呼ばれる切り札がある。
このバーサーカーが持つ宝具の一つに『騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)』がある
その効果は自らが手にした物を、己の宝具として支配する事で通常の武器ですら常軌を逸した力を与えることが出来る。

22代理投下:2015/04/25(土) 23:45:49 ID:xcsJxaPA0
ロケット弾が木々の隙間を縫うような動きで長門の眼前へと迫った。
直撃は避けられない、と長門が心の中でつぶやいた。
その瞬間、弾頭は空中で爆ぜた。
爆風が長門を包み、衝撃に煽られて彼女の体は吹き飛ばされた。
ロケット弾が長門に直撃することなく、爆発した原因は第三者からによる襲撃だった。

「くたばれぇッ!!!!」

廃村から生き延びた軍人が視界に移ったバーサーカーを敵と見なして銃弾を撃ち放ち
鎧に被弾してバーサーカーの集中力を阻害し、ロケット弾の制御力を奪ったのだ。
軍人は長門支援したのではない。
もし先に見かけたのが長門だったら彼女に銃口を向けていたであろう。

「■■■■■■――!!」

軍人の方へと視線を向けたバーサーカーは攻撃対象を変えた。
銃弾を浴びつつも傷一つ付かないバーサーカーは軍人のいる方向へゆっくりと歩く。

「銃が効かねぇ!?く、くるな化け物ォオオ!!!」

懇願に近い叫び声を挙げながら銃弾をバラめくが、弾薬が空となり
バーサーカーの進行を止める手立ては無くなった。
男は背を向けて逃げようとするがバーサーカーの左手が彼の肩を押さえつけ
強制的にうつ伏せにされる。

「おねがいだぁ……命だけは助けてくれ……殺さないでぎ、ぎゃああああああああ!!!!」

バーサーカーの右腕は軍人の頭部を鷲掴みにして。そのまま上に引き上げた。
頭部は脊髄ごと、胴体から引き抜かれて首から大量の血が噴出した。
右腕に持った頭部を道端に投げ捨てると、長門が逃走した方角を見つめたあと立ち去った。
長門の殺害は後回しにされたようだ。


数時間後……


日が沈み、辺りが薄暗くなっていく中でアンテナに設置された核を再起動している人物がいた。
防災試験センターにて長門と別れて行動していた技術者である。
今の所、核の暴発が起こる事なく一人でいくつもの核の起動に成功していた。

23代理投下:2015/04/25(土) 23:46:13 ID:xcsJxaPA0
「これで8カ所目か。これでバトルロワイアルを封じる事が出来ればいいが……ん?」
「■■■■■■!!」
「誰だお前は!?来るな……うわああああああああああああ!!!!」

道中で角材を手にしたバーサーカーは技術者の頭部に向かって振り下ろし
頭蓋骨を砕き、肉片を地べたにバラまいた。
バーサーカーは長門よりも核の再起動を進めている技術者の命を優先して狙わせたのだ。
もっともバーサーカー本人からすれば闘争本能に身を任せているだけに過ぎないのだが
この島でバトルロワイアルを繰り返そうとする歴史の修正力が
無意識の内に、バーサーカーを突き動かしていた。

核を暴発させれば汚染の浄化に更に時間を費やす事になり
参加者同士を殺し合わせる時間が長引いてしまう。
それを解決するためのテコ入れとして一足先にバーサーカーをこの島に投入した。
本能で動き回るバーサーカーは、歴史通りに事を進めるのに御しやすく。
不要な行為を働こうとする人間の駆除を優先させた。
自我の無い怪物達が参加者として呼ばれたのも、それが理由となっている。

「■■■■■■」

技術者を殺害したバーサーカーは歩きだす。
残りの邪魔者を始末させようとする歴史の修正力の流れに引きずられて。


その頃、長門は森の中で意識を取り戻した。
ロケット弾の爆発を受けて吹き飛んだ長門は、後頭部を強く打って
数時間ほど眠っていたのだ。

「……くっ、頭が痛い……意識を失っていたのか」

長門が辺りを見渡すと日が沈みかけていた。
周辺には襲撃者の姿は無い。
何とか逃げ切れたのだと理解は出来た。

肉体の負傷状況を確かめる。
中破しているが艦装は正常に働く。
戦闘の続行は可能だ。

「―――!?睦月達が危ない……」

もし、あの襲撃者が灯台に向かえば待機している若い軍人と睦月の命が狙われる。
長門は急ぎ、灯台へと向かった。
無事でいてほしいと心の中で強く願いながら。

24代理投下:2015/04/25(土) 23:46:36 ID:xcsJxaPA0
「はぁ……はぁ……よかった………無事か……」

息を切らしながらも灯台へと着いた長門は
灯台で戦闘が行われた形跡が一切無い所を見て安心した。
睦月達がロケットランチャーを持った鎧の男と遭遇せずに済んだのは不幸中の幸いだった。

彼らの無事を直接確かめるべく、長門は灯台へと入った。
ドアを開けても三人の姿は見えない。
どこかへ行ったのか?それとも奥の部屋で待機しているのか?

「心配するな長門だ!お前たち無事か!?」

返事は無い。
一階にはいないようだ。上の階へ向かい探す。
室内の明かりが二階の部屋にある隙間から漏れている。
三人はそこにいるのか?長門はドアをゆっくりと押して部屋の中へ入った。

「―――ッ!?お……お前たちぃ!!」

そこは無残な光景が広がっていた。
若い軍人二人は、全裸になって睦月を犯していた。
一人は睦月の膣内に挿入して、ひたすら腰を振り続け
もう一人は自らの陰茎を睦月の口内に向け喉元まで押し当てていた。
睦月の意識は朦朧としていて、セーラー服はビリビリに引き裂かれており
服としての役目を果たしておらず
体中に擦り傷や痣が見られ
陰部には大量の血と精液が溢れた跡が惨たらしく残っていた。

彼らは嫌がる睦月にひたすら暴行を加えて
抵抗する気力を奪ってから強姦を繰り返していた。
その睦月の変わり果てた姿を見て、長門は怒りに震えた。

「お前たちが何をやったか分かっているのかァ!!!!」

長門は二人の軍人を思いっきり殴りつけた。
戦艦級の拳をまともに受けた二人は意識を失って倒れる。
怒りに飲まれながらもぎりぎりの所で理性を残していた長門は
彼らを殺さずに気絶させるだけに留めた。

25代理投下:2015/04/25(土) 23:46:59 ID:xcsJxaPA0
「すまない睦月……私がもっと速く駆けつけていれば……」
「……………………」

睦月は答えない。
光を失った瞳は、彼らが装備していたアサルトライフルを見つめていた。

「……?何をしている睦月!?」

アサルトライフルを拾い上げた睦月は
気絶している軍人二人に銃口を向けると、そのまま引き金を引いた。
放たれた銃弾は軍人達の体に着弾して命を奪った。

「止めるんだ睦月!!……ぐっ」
「…………うごかないでください」

睦月は牽制するように長門に銃を向けた。
長門に銃を向けたままゆっくりと睦月は部屋を出た。
睦月の後を追う長門、睦月の行き先は灯台の屋上だった。
まさか……と不安がよぎる。
長門は屋上への扉を開けた。
足元にはアサルトライフルが捨ててあった。
睦月は屋上の柵を越えて身を乗り出していた。

「死んでは駄目だッ!!睦月!!!!」
「…………ごめんね………吹雪ちゃん…………」

睦月は柵を握っていた手を放して、身を投げ捨てた。



「………さよ…………なら………」



どさりと命を散らす小さな音が、長門の心に深く大きく突き刺さった。

26代理投下:2015/04/25(土) 23:47:21 ID:xcsJxaPA0
「うぐっ……うわああああああああああああ!!!!!!!!
 どうして……どうしてこんなことになってしまうんだぁ!!
 私は……私は皆をたすけたかっただけのにぃいいい!!!!」

今まで気丈に振る舞っていた長門だったが、ついに心に限界がきた。
守ろうとしてきた仲間たちが次々と死んでいく地獄のような世界に
長門の精神も崩壊寸前であった。

「たすけて……たすけてください提督………うう……
 ……まだ挫折するわけにはいかない……吹雪たちを助けなければ……」

涙を流し続けたあと、まだ守らなければならない人物がいる事を思い出した長門は
防災試験センターに向かった。



23時30分 バトルロワイアル開始まであと30分


防災試験センターに到着した長門は、新たなメッセージが届いてるのに気づきそれを開いた。

「まさか……これは提督の……」

メッセージの送信者に提督の名があった。
内容は0時00分にバトルロワイアルの参加者がこの島に搬送されてくる。
私は参加者達に指示を与えて、導いてほしいとのこと。
伝える指示は同封されたメッセージの中に記されている。
そのあとは提督が引き続き、私に指令を出すと書かれていた。

「さすが提督だ。我々から離れた所でそこまでの考えを張り巡らしていたとは……」

もうすぐで0時になる。
今度こそ守り抜いて見せる。


0時00分 バトルロワイアル開始

27代理投下:2015/04/25(土) 23:47:54 ID:xcsJxaPA0
「……ふう、彼らに通信は届いたのだろうか?いや、提督の指示に間違いはない。必ず上手く行くはずだ」

今の長門にとって唯一の心の支えは提督だった。
提督を信じることで、精神のバランスが保っていられる状況だった。
長門はもう己のみの力を全く信じられなくなっていた。

その時、防災センターのゲートが轟音と共に破壊された。

「なにごとだ!?」
「――――■■■■■■!!!!」

ロケット弾を撃ち、ゲートを破壊したバーサーカーが現れた。
歴史の修正力が長門を抹消させようとしていた。

「貴様ぁあああああああああ!!!!」

バーサーカーの姿を見た長門は憎しみを露わにして艦砲射撃を放った。
宝具と化した角材を使って、バーサーカーは砲撃を受け止めるも直撃と共に粉砕され吹き飛ぶ。

「お前さえいなければッ!!睦月は死なずに済んだぁああああああああ!!」

バーサーカーが起き上がる隙も与えずに次々と砲撃を放ち続けた。
長門はこの島で初めて、本気で相手を殺害しようとしている。
殺意を込めた攻撃がバーサーカーの肉体に傷を増やしていく。
このままおめおめと倒されてくれるバーサーカーでは無かった。
ダメージを受けつつも起き上がると、長門へ向け走り出し
長門の喉元へ向けて手刀を放った。

長門は体を反らす事で首を掠める程度に抑え
カウンターでバーサーカーの頭部を殴りつけて怯ませた。
これが原因となり勝敗が決まった。

「ぐぐっ……ごほっ!!」

長門の敗北である。
バーサーカーの手刀が長門の首輪に掠り、機能を停止させたのだ。
目や鼻や口から血が溢れ、零れ落ちる。

その時、新たなメッセージが届いた。
提督からである。
長門は助けを求めるようにコンソールに向かい、メッセージを開いて目を通した。

『長門よ 任務ご苦労 ゆっくりおやすみ』

「‥‥な、なぜ‥‥」

提督は知っていたのか?
私があいつと戦い、命を落とすのも。
そんなはずは無い、提督は私たちを助けるために奮闘しているはずだ。

「‥‥これも‥‥なにか考えが、あっての‥‥そうか!私がこの役目になったのは‥‥」

まさか提督はこのバトルロワイアルの主催者になったのか?
主催者である提督に捨て駒として切り捨てられて殺されたのか……。

 誰に看取られることもなく、悲しみと絶望で凝り固まった鬼の形相で、その少女は息することをやめた。


 コンソールだけが、目に悪い光で彼女を照らしていた。

28代理投下:2015/04/25(土) 23:48:21 ID:xcsJxaPA0
バーサーカーはゆっくりと長門の死体に近づいた。
長門の体を起こすと、指を長門の胸から体内へと差し込み
ある物を掴み取って引き抜いた。
それは長門の心臓だった。
バーサーカーは長門の心臓を食らい、魔力を補充した。
そして艦装を引き剥がすと、自らの武器として持ち出し
防災試験センターから立ち去った。

【G-5/防災試験センター/1日目/深夜】

【バーサーカー@Fate/Zero】
[状態]:魔力消費(小)、ダメージ(小)
[装備]:М202ロケットランチャー2/4 長門の艦装
[道具]:無し
[思考]
1:本能のままに行動する
※歴史の修正力によって無意識の内に動かされています。
核の脅威が完全に消えない限りは本格的な殺し合いは制限されます。
ただしバトルロワイアルの破綻に関わる行為をした参加者は積極的に狙います。

【主催】

【提督@艦隊これくしょん -艦これ-】

※舞台は『歴史の修正力@艦隊これくしょん -艦これ-』によって殺し合いの歴史を繰り返している島です。
※島には超常的な技術力が眠っており、誰もが主催者になりうる可能性をもっています。
※現在は参加者同士を殺し合わせようとする力は働いていませんが、放射能の汚染が浄化され
島のどこかのエリアにある8カ所の核が全て無力化された時、参加者を殺し合わせようとする修正力が働きます。
※前回バトルロワイアルの参加者及び調査に向かった軍人達の死体が島に放置されています。

 技術者16名 死亡
 海軍中隊24名 死亡

【長門@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】
【陸奥@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】
【大井@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】
【北上@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】
【赤城@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】
【睦月@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】

29名無しさん:2015/04/25(土) 23:50:40 ID:xcsJxaPA0
代理投下終了です

26日の00:00から専用したらばの予約スレにて予約開始です

30名無しさん:2015/04/26(日) 00:11:09 ID:b7OYjEfM0
スレ建て乙です

31名無しさん:2015/04/26(日) 00:30:13 ID:yWhEqXVI0
代理投下乙です

これまでのパロロワのOPにしてはなんというかホラー色の濃い内容だわ
これはこれで不気味で面白いわあ
放射能とか歴史の修正力とかもまた・・・どうなるんだろう

32名無しさん:2015/04/26(日) 11:49:44 ID:YpzIQGbM0
スレ建て&代理投下乙です

33 ◆E99IJGMFXs:2015/04/26(日) 14:02:31 ID:D0ud03/Q0
予約分投下します。

34赤と赤の衝撃:2015/04/26(日) 14:03:33 ID:D0ud03/Q0
夏凜「‥‥なんなのよ、いったい」

金属製の球体から出て、辺りを見回す。
まわりには木が沢山生えていて。いわゆる森に私はいるみたい。

夏凜「放射線?中性子?‥‥ここはもしかして神樹様の結界の外なの?死のウィルスが蔓延って、こういうことなの‥‥?」

シートの隣に合った袋には、タブレットとは別に、自分のスマホも入っていた。
必死で友奈達全員に電話をする。が、電波の届かない場所にいるらしい。メッセージを送っても何の反応もない。

夏凜「一体どうなってんのよ、みんなは無事なの!?」

今度は支給されたタブレットの方を確認してみる。
そこには、この島に連れて来られた人間の名簿が書かれていた。

夏凜「友奈、東郷、風、樹‥‥みんないる」

勇者部のみんながいる。それは悪いことであるはずなのに、心のどこかで安心していた。

夏凜「バッ、バカね。みんながいてほっとするなんて、あるわけないじゃない。仕方ないわね、私が探してあげないと」

フン、と独りごとを言って気合いを入れる。

夏凜「変身は‥‥と」

スマホをタッチして、無事勇者に変身できることを確認した。精霊もちゃんと出てきてくれた。

義輝「ショギョウムジョウ‥‥」
夏凜「良かった、大丈夫みたいね」

いつ変身できなくなるか分からないし、義輝を残して変身を解除した。

夏凜「と言っても。アンテナの1km以内でないと首輪の機能が停止する。アンテナは1時間毎に爆破されていく‥‥のよね?」
夏凜「確か友奈は満開した時成層圏外まで行っていたわよね?なら変身すれば放射線にも耐えられるのかしら‥‥流石に試す気にはなれないけど」

タブレットにあるルールをよく読みこむ。見落としの無いように。

夏凜「1時間毎に島の端から爆破‥‥ってことは、この軍事基地の辺りが最初ってことでいいのかしら。今は‥‥F-3の位置にいるから、しばらくは安全なのかしら」

誰も保証してくれる相手などなく。義輝と顔を見合わせる。

義輝「ショギョウムジョウ‥‥」
夏凜「‥‥あ、でもそうすると今のアンテナ範囲外の他の地域にはいけない‥‥?駄目ね、冷静になれていない気がする。東郷辺りと話し合って、きちんと情報を整理しないと」

何でも一人で出来ると思っていた自分が、他人の存在を頼るなどと、数ヵ月前の自分が見たら笑うだろうか。

夏凜「まずはこのアンテナの範囲で生存者を探しましょ。そこで集まって対応策を話し合ってみましょう」
義輝「シュツジン!」
夏凜「ええ、出発よ!」

35赤と赤の衝撃:2015/04/26(日) 14:04:21 ID:D0ud03/Q0
森の中。数十分は人を探して歩いているが、まだ出会えていない。
変身して森の上へジャンプしてみたが、下は木々に覆われていて人を発見できそうにはなかった。

すると。頭上から声が聞こえた。

杏子「よう、そこのアンタ。誰かお探しかい」

声のした方向へと目を向ける。そこには、木の太い枝の上で気楽に座っている少女が見えた。
赤い髪をポニーテールにした、パーカーとホットパンツのラフな格好の、同じくらいの年の女の子だろうか。

夏凜「こ、こんばんは‥‥でいいのかしら。あなたもこの島に連れてこられたの?」

こちらも木の上の少女に声をかける。

杏子「そーみたいだな。どうせキュゥべえ辺りの仕業なんだろうけど」
夏凜「キュゥべえ‥‥?」
杏子「よっと」

木の上から颯爽と降りて地面に着地をする少女。やけに身のこなしがいい。もしかして‥‥。

夏凜「私は三好夏凜。四国の勇者をやっているわ。あなたもしかして、島外に残っている勇者だったりする‥‥?」

四国以外の状況がどうなっているのか、大赦でも分からないらしい。
あの瀬戸大橋の先。本島の陸地は見えているから、核に汚染されていても、四国のようにある特定の地域は無事なのかもしれない。

杏子「ユウシャ?なんだそりゃ。そんなことよりさ、あんたメシと水持ってるだろ?」
夏凜「え?ええ。そりゃ持ってるけど」

袋の中に三食分の非常食と、2Lのペットボトルの水が入っていたのを確認してある。

杏子「あたしのバッグの中さ、食も水も入ってないみたいなんだ。すまねえけど分けてくれないか」
夏凜「えっ?本当?」

じっと赤髪の少女を見つめる。
首輪には3m以内の安全な力場を形成できるらしい。つまり、身につけている物以外は放射線によって汚染されてしまうということ。
物を隠しておく、などはできないということだ。

夏凜「ごめんなさい、あなたを疑うわけじゃないけれど、まずそのバッグを見させてもらっていいかしら」
杏子「へぇー。それって疑ってることになるんじゃないの、ユウシャさん」

赤い子はそう言うと、袋を渡してくる代わりに急に蹴りを放ってきた!
私は咄嗟に腕でガードしつつ、後ろへ飛んで威力を殺した。
赤い子は口笛を鳴らす。

杏子「やっぱりね。食物連鎖って知ってるよね。弱い奴は強い奴に喰われる。この島は要はそういう場ってこったろ」
夏凜「何を言ってんのよ!」
杏子「核なんてよくわかんねーけどさ。要は無事な食糧はこのバッグの中にあるだけなんだろ」
夏凜「そうだけど、今日の23時50分に防災試験センターに行けば救助がくるかもしれないでしょ!」
杏子「来なかったら?」

36赤と赤の衝撃:2015/04/26(日) 14:05:05 ID:D0ud03/Q0
そうだ。何も分からず連れてこられて、まわりは放射能で汚染されています。今日の夜に助けが来ます。
そんなものが本当のことだと保証する方法はなにもない。
3m以内は無事だという保証だって何もない。試すなら、アンテナの外に出て、身体がどうなるかを調べるくらいしかない。
3m以内は無事ということを信じて、その汚染されているかもしれない食物を食べ、救助がくるかもしれない深夜まで生きていくしかないのだ。

夏凜「‥‥」
杏子「分かったみたいだね。じゃ、あんたが参ったと言ったら戦闘はやめてやる。その代わりメシ全部と水一回分飲ませて貰うよ」
夏凜「は?なにそれ。水だけは残すの?」
杏子「ああ。水さえありゃまあ数日は持つからな。別にあんたに恨みがあるわけでもねえし」

なんだか変なところで律儀‥‥で表現合ってるかしら。
場に似合わずちょっとクスっと笑ってしまった。

杏子「なんだ、その表情。チッ、やりにくいな」

少女は手に宝石のようなものを持つと、赤い衣装を纏い、大きな槍を持った勇者のように変身をした。

夏凜「別の場所だったら、なんとなくあなたとは友人になれたかもしれないわ」

私も、スマホをタッチし、勇者に変身をする。

杏子「やっぱりあんたも魔法少女みたいなモンか。‥‥それじゃ、いっちょ始めようじゃない!」
夏凜「その前に、あなたの名前を教えてよ」
杏子「きょーこだ。佐倉杏子。覚えておきなっ!」

杏子は木に向かってジャンプし、その木に足を向け、三角飛びでこちらに槍を向けて突進してくる。
私は前にダッシュしてかわし、二本の刀を手に装備する。

杏子はこちらに振り向くと、風のような速さで連続で槍を突いてくる。
それを二本の刀で捌く!
カキン!カキン!と槍と刀が交錯しあい、その衝撃波で辺りの草が撒き散らされた。

杏子「ハッ!なかなかやるじゃないか、カリン!」
夏凛「お互い様でしょ!」


■ ■ ■ ■ ■

37赤と赤の衝撃:2015/04/26(日) 14:05:39 ID:D0ud03/Q0
エンヤ婆「ヒッヒッヒ、これは僥倖」

草むらから出ないように注意して、赤い女の戦士二人が戦っている様子を観察する。
二人ともスタンド使いではないようだが、どちらも肉弾戦特化のスタンドと同じような実力を持っていそうだ。

エンヤ婆「ああ、J・ガイル。わしの宝。まさか心の清い誠実で凛々しいお前が生きていようとは」

タブレットを四苦八苦して操作した中で出てきた名前。J・ガイル。
死んだと聞いていたが、なんと無事だったのだ!
ならばJ・ガイルのために、あの子の戦力として味方を整えておかなければならない。

エンヤ婆「あの娘達の実力なら申し分がない。きっとお前の戦力として活躍してくれるじゃろうて」

その為にはあの娘達がほんの少しでも傷を負う必要がある。

エンヤ婆「そしてその時はこのジャスティスによってあやつらを操ってみせようて!!」

背中に王冠を被った巨大な骸骨を現出させる。

杏子「‥‥なにを操るって?婆さん」
夏凛「そしてその骸骨は何?」

そしていつの間にか二人の娘が近くに来ていた。

エンヤ婆「な、なんじゃ‥‥どうしたんじゃ?」

ば、馬鹿な!?彼奴らにはスタンドが見えているとでも言うのか!?

エンヤ婆「お、お嬢さん方、落ち着いて話を聞いてくだされ‥‥ひぃ」

髪を一つに縛っている娘の方が槍を鼻先に突きつけてきた。

夏凛「ちょ、ちょっと。話くらい聞いてあげましょうよ」
杏子「ああん?甘いんだよ、カリン。婆だから全員が善良だと思ったら大間違いだよ」

揉めているこの時がチャンス!わしは懐に忍ばせていたナイフを―――

38赤と赤の衝撃:2015/04/26(日) 14:07:09 ID:D0ud03/Q0
そして、その時。眩いばかりの閃光があたりに走った。


佐倉杏子のソウルジェムも。
三好夏凜のスマートフォンも。
エンヤ婆の頭蓋さえ。


全てを光が覆い。


そして、全てを消失せしめた。



これが、核。



人が作りし魔法を越えた科学の結晶。
全てのエネルギーを作り出し、全てを無に帰す魔法の産物。


魔法少女も、勇者も、スタンド使いも。


誰もが核に逆らうことなど、できはしないのだ。



【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ 死亡】
【三好夏凜@結城友奈は勇者である 死亡】
【エンヤ婆@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 死亡】


※【01:00】にF-3/F-4の境界にあるアンテナの核が起動・爆破しました。
 半径1kmに存在する物質は全て核により消失しました。
 なお『島の端から爆破』は島の外周部のアンテナから爆破という意味で、外周部であれば順番はランダムになります。

39 ◆E99IJGMFXs:2015/04/26(日) 14:07:40 ID:D0ud03/Q0
投下終了です

40 ◆hmzCHPdKNs:2015/04/26(日) 14:12:36 ID:9X23ZwNM0
投下乙です
ではこちらも投下します

41 ◆hmzCHPdKNs:2015/04/26(日) 14:15:20 ID:9X23ZwNM0
「あ、あはは……これで、みんなにみつけて……もらえる、かな……」

我那覇響。
765プロ所属のアイドル。
南国の沖縄出身でその性格は明るく元気で、また動物好きで一緒に住んでいるペットはペットではなく家族だ。
小麦色の肌と時折口元から覗かせる八重歯からもその快活さは見て取れる。
だが今の響には普段のアイドルらしい姿が見えない。
全体的に暗い雰囲気を漂わせているが、なによりも顕著なのは目の前で広がる炎に照らされて映し出された虚ろな瞳だ。

「ああ、あったかいなぁ」

響は不憫だった。
ふとしたすれ違いから犬のいぬ美達と喧嘩したまま番組収録に向かった先で961プロの策略で一人置き去りにされた。
さらに運が悪く崖の下に落ちて雨に降られている最中にここに連れて来られたのだ。
孤独による極度の不安と雨による体温低下は響の精神を不安定なものにしていた。
こんな島に来なければ家族が助けに来てくれてハッピーエンドだったのかもしれないが、現実は非情だ。
そんな状況からさらに悲惨な状況に叩き落とされた事で響の精神は限界を超えてしまった。
もうまともな精神状態を維持できるわけもなく、思考能力はかなり低下していた。

そのため自分を誰かに発見してもらいたいという願いから生まれたのが今目の前に広がる炎というわけだ。

幸いな事に火を起こす道具は何気なく見てみたデイパックの中に入っていたので苦労しなかった。
さっきまでは雨が降っていて無理だったが、今は雨が降っていなくて夜だから火が上がればすぐに誰か気付いてくれる。
しかも火に当たれば冷えた身体も多少は温まるはずだ。
そんな藁にも縋る思いで目の前に広がる森に火を放って今に至る。

「はやく、たすけにきてよ……ぷろでゅーさー……」

実のところ折からの海風で火の勢いは響自身を飲み込みかねないレベルで増すばかりだった。
だが響はそんな事には気付きもしないで、ただ天高く立ち昇る火炎を見つめるばかりだった。

【6-Dの東端/ 森と海岸の境目/ 1日目/ 深夜】
【我那覇響@THE IDOLM@STER】
[状態]:疲労(中)、精神不安定
[服装]:「とびだせ!動物ワールド」収録時の服装
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2
[思考]
基本:だれか、たすけて……。
1:はやく、たすけにきてよ、ぷろでゅーさー。
[備考]
※第16話でいぬ美達が助けに来る直前からの参戦。
※火付けに使ったのは火炎瓶×数本@デュラララ!!です。

※6-Eで火災が発生しました。現在の延焼範囲は6-E西部。以降風向きにより順次広がっていきます。

42 ◆hmzCHPdKNs:2015/04/26(日) 14:16:32 ID:9X23ZwNM0
投下終了です

43 ◆hmzCHPdKNs:2015/04/26(日) 15:03:00 ID:9X23ZwNM0
エリア表記をそれぞれD-6、E-6に変更します
タイトルはひとりぼっちのきもちです

44 ◆a/jktCkNQY:2015/04/26(日) 16:09:22 ID:PSvijmLw0
鷲巣巌 投下します

45帝王君臨 ◆a/jktCkNQY:2015/04/26(日) 16:10:40 ID:PSvijmLw0
「何故、当たらない!?」

提督は軍人だ。
射撃の訓練も一通り受けている。
例え、動く的であろうとそう簡単に外すことはない。
だが提督の放った銃弾は、全て目の前の老人に当たることはなかった。
既に十発以上撃っただろうか、あの老人は未だ笑みを浮かべ弾に掠りすらしない。
提督は弾切れになった銃の弾倉を入れ替えリロードする。
老人はその隙をついて来るかと思いきや、ただ淡々と歩いてこちらに向かってくるのみ。
再び銃を構え発砲。老人の眉間、胸、足、腕。何処にでも良い。当たって欲しいと祈りながら、射撃を続けるもやはり当たらない。

「カカカ・・・! やはり儂こそが王なのだ・・・!!」

提督の手が吹き飛んだ。

暴発。
銃の中で弾が詰まったのか、何か火薬に問題があったのか。
銃身が破裂し、提督の手ごと弾けとんだ。
老人はまるで確信していたかのように懐に手を伸ばし、黒光りする銃を取り出した。
その構えは、提督に比べればあまりにも雑。これで撃ったところで当たりなどするはずがない。
しかし、老人の放つ銃弾はまるで吸い寄せられるかのように、提督の胸を貫きその心臓を貫通した。
まさに神業、奇跡としかいえない。
提督は力なく倒れる。

「―――吹雪……愛してる……」

死の瞬間、思い浮かべた愛する女の名を呼び。
誇り高き軍人は天寿を全うした。

「ここが主催本部じゃな」

老人、いや昭和の怪物鷲巣巌は提督が管理していた主催本部を見て回る。
見たことのない機械、設備に驚かされるがすぐに扱い方も理解していく。

「この程度・・・儂が見つけた超常技術に比べれば子供の遊具に過ぎん・・・!」

鷲巣は会場に飛ばされてから運良く会場に隠された超常技術を発見した。
使い方が分からなかった鷲巣は適当にそれらを弄繰り回すと自身の体が透けていくことに気づく。
そして意識は反転し、この本部へと飛ばされていた。

「最初は何が何だか分からなかったが理解したぞ・・・。これは殺し合い・・・!
 カカカ・・・! そして儂は、その愚かな参加者共を支配する主催者(おう)だということが・・・!」

歴史の修正力により鷲巣は導かれたのだ。
この場に殺し合いを巻き起こす主催者として。
否、鷲巣の剛運が、王たる鷲巣が歴史の修正力そのものを従わせたのだ。

「そうとなれば、早速放送を開始せねば。
 ここに居るボンクラ共は誰一人として、ここが闘争の場だとは理解しておらん。
 放送機器はこれか・・・よし」

『カカカ・・・! 聞こえるか諸君?
 今から・・・貴様達には殺し合い・・・バトルロワイアルをして貰う・・・!
 ルールは簡単じゃ・・・何でもいいから殺せば良い・・・!
 殺して殺して・・・最後の一人まで生き延びろ・・・!
 殺しあうのに必要な道具はそのディバックに入っているはず・・・!
 そうそう・・・放送・・・死亡者は儂が六時間置きに放送で呼んでやろう。感謝するが良い。
 それと忘れるところだったが、逆らったものはその首輪が爆発する仕組みになっている。
 どんな者でも絶対に死ぬ爆弾・・・。
 首輪は放射線を無効化すると同時に爆弾も仕組まれている・・・逆らおうとは考えんことだ・・・!
 では精々、殺し合え』



【提督@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】

【新主催】
【鷲巣巌@闘牌伝説アカギ~闇に舞い降りた天才~】

※鷲巣の放送が全会場に流れました。

46帝王君臨 ◆a/jktCkNQY:2015/04/26(日) 16:10:51 ID:PSvijmLw0
投下終了です

47名無しさん:2015/04/26(日) 18:59:06 ID:19GNiLsE0
投下乙です

感想付けようと思ったが・・・
展開が早いなあ

48名無しさん:2015/04/26(日) 20:46:43 ID:WjMSCISg0
投下乙

ロワ史上最速の主催交代じゃないかこれwwwww
しかし鷲巣様ならしょうがないと思えてくる不思議

49 ◆qB2O9LoFeA:2015/04/26(日) 21:39:27 ID:YpzIQGbM0
投下乙です

>赤と赤の衝撃
王道な夏凜とリアリストな杏子、二人の戦闘をうかがっていたエンヤ婆からの核爆発
スピーディーな展開がクールです。
ただ、現在最初の核爆発について書き手さん同士でコンセンサンスがとれておらず、したらばの議論スレで話し合う必要があるかと思います。

>ひとりぼっちのきもち
核で死の森となり更に追い討ちをかけるように火。響は見つけてもらえるのか、それとも自殺枠になるのか、他の参加者はどう動くのか。
後への影響が気になります。

>帝王君臨
圧倒的豪運。鷲巣の素早い主催乗っ取りと素早い死亡フラグ立てです。
ただ、会場内のあらゆるものは放射線により著しい減衰を受けており超常現象としても本部への転移は不可能であり、また本部というものの存在もOP、補完話のどちらでも言及されておらず他の書き手さんの了承を得る必要があります。
同時に、首輪に爆弾としての機能があるかについてもOP、補完話からは言及されておらず、その気になれば力づくで解体できることも示唆されており不自然かと思います。
この二点に関しては議論が必要であるので氏にはお手数ですが修正または破棄してください。


それと、本スレへの投下前に仮投下スレへと投下して頂けると議論による修正破棄にも対応できると思います。
是非、皆さま方には順序は逆になりますが、一度仮投下スレに投下して頂けないでしょうか?

50名無しさん:2015/04/26(日) 22:47:55 ID:UDIq6WxE0
超技術で転送不可能なんて誰が決めたんですか?
主催本部がないというのも同様です
これはリレーですよ? 設定の後付けになんの問題もないと思いますが
それに何様でしょう? たかだか一介の書き手風情が

51名無しさん:2015/04/26(日) 22:51:21 ID:q.wefa.I0
このジャンルのロワで勢いを無くしたら何が残るんだ?君が全部書くなら話は別だが

52名無しさん:2015/04/26(日) 22:57:43 ID:qiOAqXFI0
>超技術で転送不可能なんて誰が決めたんですか?

>また電子機器も高い放射線により確実に破壊されます。
>※放射線の影響であらゆるものが著しい減衰を受けます。
>※放射線の影響で無線は1km以上通じません。

53 ◆qB2O9LoFeA:2015/04/26(日) 23:24:18 ID:YpzIQGbM0
>>50
それは私のOPで決めました。>>11を参照してください。
設定の後付けは前のものと矛盾しないことが前提です。OPと矛盾している以上後付けとして成り立たないのも明らかです。
そしてなぜ、あなたはトリップを着けないのですか?

>>51
なぜ、あなたは書かないのですか?

54 ◆0STfKvIzq6:2015/04/26(日) 23:38:01 ID:vxDMBOJs0
仮投下に投下したものを投下します
核の爆発タイミングについての言及を消しました

55 ◆0STfKvIzq6:2015/04/26(日) 23:38:42 ID:vxDMBOJs0
プロデューサー.1
「あの、すいません。ここがどこか知りませんか?」
「……………………………」
「………あの…」
「……………………………」

懐中電灯片手に深夜に少女にしつこく話しかける男性とそれを無視して歩き続ける少女
まるで悪質なスカウトマンかナンパのような光景だが、話しかけているスーツにメガネの男性
通称「プロデューサー」はいたって真面目であった。
記憶では事務所で仕事を片付けていてそろそろ帰ろうとしていた気がする。
その時、うたた寝でもしてしまったのか一瞬意識が暗転してしまったと思ったら、
気が付け見知らぬ丘に飛ばされていた。見える範囲の周囲には建物はない。標高は低く、遠くに海が見える。
まるで冗談のような現象。自分自身でもこれが現実なのか信じられない。自分は夢でも見ているのか。
あの一瞬のうたた寝のように感じたのは実はもっと長い時間でその間ここまで連れてこられたのか?
現実感が湧かず、酔っているわけでも眠いわけでもないのに、足元はふわふわと感じ、
眼は冷めているのに思考は鈍くなっている。

タブレットを見ると様々な情報が映し出された。曰く「時間になると核爆弾が爆発」だの
「近くにいると放射性障害で死に至る」だの、現実離れした言葉も頭によく入ってこない。
ただ首につけられた、外し方もわからない「首輪」だけは妙に冷たい感触を伝えてくる。
そしてタブレットに表示された名簿に載っている765プロのアイドルたちと、かつて961プロにいた天ヶ瀬冬馬。
本当にこんな状況にアイドルたちも巻き込まれているのか?だとしたらなんとかして会って安心させなければ。
すぐにポケットに入っていた携帯も使ってみたが…圏外で全くどうにもならない。
出会う方法も分からず、ふらふらと夜の島(なのだろうか。)の道を歩いていると、
最近流行りの青い街夜灯のような光を見つけ、誘われるようにふらふらと引き寄せられていった。
そこにいたのは、真っ白な顔に鬼火のような光を左目に灯した少女だった。

空母ヲ級.1
彼女の最後の記憶は轟音と光、そして直後に訪れる静寂と闇だった。
彼女は沈んだ。艦を憎悪し沈めることが使命の彼女はその役割を果たせることなく沈んた。
ただ沈む瞬間は憎悪も後悔も、達成感も満足感も彼女は感じなかった。
的確に打ち込まれた駆逐艦の魚雷は、苦しみも伝わる間もなく彼女の意識を暗い海の底へと沈めた。
もしかしたら最早何もできずに沈みながら、苦しむ必要も無くなった彼女はある意味救われたのかもしれない。

意識が戻る
昏い静寂から叩き起こされたにも関わらず、頭は事務的に周囲の状況から拾い集めた情報を処理していき、
ここは島らしいことや、放射能というものが蔓延していることを理解する。
おそらく他の深海棲艦達との通信が通じないのもそれが原因だろう。
だが、そのように拾い集めた情報の他に、彼女はある確信を持っている。
「艦むす」はどこかにいる。
なぜ轟沈したはずの自分が修復しているのか分からないが、自分が再び存在している以上、倒すべき艦むすもどこかにいる。
それは根拠も理屈も何もない、盲信とでも言えるようなものだったが、とにかく彼女はその前提を行動に組み込んだ。

海上戦闘に特化した自分の体は陸上では十分な性能を発揮できない
艦むすを沈めるために彼女は海へ向かって進路をとった。
海では艦むすも陸地より性能が向上するので単純に有利になるわけではないのだが、
これは殆ど海に棲むモノの本能による選択だった。そういうものなのだ。
その彼女に接近する何かを発見し、彼女は一瞥だけする。
「あの、すいません。ここがどこか知りませんか?」
発見した時から感じていたがやはり艦むすではない。艦むすに宿る艦艇の魂を感じない。
 人類。おそらく成体。多分オス。艤装・武装の類なし。
 結論―――脅威なし
彼女は気に留めることなく歩き続ける。
海上を制圧し人類社会にとっての脅威である彼女達だが人間自体に特に興味はない。
彼女達が憎悪(興味)を向け沈めようとするのは艦やその魂を持つ艦むす、その基地等のみ。
彼女達はそういう存在だった。

56 ◆0STfKvIzq6:2015/04/26(日) 23:39:20 ID:vxDMBOJs0
プロデューサー.2
(もしかして俺、勘違いしてる?この子、恰好が変なだけでこの状況とは関係ないのか?)
そう。勘違いである。
例えばデパートや量販店の売り場で、スーツ姿の客を店員と間違えて声をかけてしまった経験はないだろうか。
また、京都で街中を歩いてる舞妓におおはしゃぎして写真を撮ると、実は舞妓体験をしているただの一般人だったりする。
人は服装や外見に惑わされやすい生き物であり、特に馴れない場所でそれっぽい人をその場に関係ある人物として思い込む事がある。
異常な状況に奇抜な格好で現れた少女に対し、何か知っているのではないかと過剰な期待を抱いてしまったのだ。
少女が無口で迷いもなく歩いていることも、ここに慣れた地元住民のようなものだと思っていたのだが…。
(それにしてもすごい格好の子だなこの子。水着みたいなスーツ着て、顔も真っ白で、油の匂いがするし
 めちゃくちゃ大きな帽子被ってて、目のあたりがライトみたいなので光ってて…。何かのコスプレかな。
 というかこの状況、俺すごく不審者っぽいな…夜だし、警察に会ったら捕まるかも…。)
何も返事をせずズンズン進んでいくヲ級に、今まで5分ほど熱心に、時にはたどたどしい英語も使って話しかけ続けていたのだ。
普段なら最初に無視された時点で話しかけるのを諦めただろう。
だがあまりに異常な状況に彼女を唯一見つけた手がかりのように思って必死になってしまったのだ。
冷静に考えれば単に気味悪がられて無視されているのかもしれない。知らない土地で動揺していたとはいえ、恥ずかしくなる。
もし彼女も自分と同じように巻き込まれたのだとしたらなおさらだ。
他の人を探すか、明るくなるまで待つか、どこか街にまで行く方法はないか…と足を止めて距離をとったところで
少女も、ピタリと立ち止まった。

そしてふらり、とよろけると、
そのまま路上に倒れこんだ。

「どうしました!」

少女の帽子が地面に当たると「ゴン!」という硬い音が鳴り響いた。
どうやら帽子だと思っていたものはヘルメットのようなものだったらしい。
慌てて傍にかけより声をかけるが呻き声がするだけで、懐中電灯で照らされた少女は片側しかない表情で
苦しげな表情を浮かべていた。

空母ヲ級.2
海を目指し歩行していると人類のオスがついてきて何か話しかけてきたが、彼女の眼中にはなかった。
こういうことは海上でもよくあることで、背びれのついた哺乳類が並走してきたり音波を飛ばしたりしてきたものだ。
移動を妨げるべく前に立ちはだかるわけでもないので、特に何もせずに放置して思考に没頭する。

彼女は考える。
海に辿り着くにはまだ時間がかかる。
それまでに自分の身を守るために艦載機の製造を始めるべきだと。

空母ヲ級型の深海棲艦は体内の各種資源を原料に、武装を持ったドローンを帽子のような部分で生み出す能力をもつ。
それぞれ自動的に戦闘や索敵をこなす便利な兵器だが、一体一体は非常に弱いため通常の戦闘では何十体も製造する必要がある。
製造した艦載機は頭上に溜めておき、戦闘時には出撃させるのだ。

艦載機の製造を開始して、まず製造速度が遅いことに気づいた。
一度轟沈した影響がまだ残っているのかもしれない。それでもまず一体を生み出す。
続いて二体目の製造を開始。一体目の時より更に製造速度が遅い。
やはり艦載機を生み出す部位になんらかの障害が発生しているのだろうか?
その時、彼女は何かに気づいた。何か、が具体的に何かは分からない。
おそらく身体に異常が発生しているのだろうが、一体どのような異常が発生しているのか全く判断できない
今までに体感したことのない未知の感覚だった。
二体目が、一体目より時間をかけて完成する。
僅かな時間だけ彼女は違和感の原因のわからないまま三体目の製造を始めるか否かについて逡巡する。
原因も不明、体の不調も多数で対応もできない
この感覚の正体を掴もうとする。艦載機が製造や艤装での移動の際に資源や燃料が枯渇した時の感覚に似ている気がするが、
艦載機の原料は20体は製造できるほどあり、艤装はそもそもこの地に来てまだ使っておらず、燃料の消費などない。

彼女は、得体のしれない違和感より、艦載機が足りないという確実に存在するリスクを減らすことを選んだ。
彼女は知らなかった。その初めての感覚が、一体どのような意味を持つのか。
どれほど危険なサインだったのかということを。

三体目の製造を開始
まるで徐々に体が締め付けられ潰れるような感覚と同時に体の内側が空っぽになっていくような、矛盾した不快感が彼女を襲う
二体目より更に時間をかけて三体目の製造が完了したとき、
浮上と轟沈の感覚が混ざったような感覚が加わり
彼女の意識は飛んだ

57 ◆0STfKvIzq6:2015/04/26(日) 23:39:58 ID:vxDMBOJs0
プロデューサー.3
「もしもし!大丈夫ですか!」
突然倒れた目の前の少女を道の端に寄せ声をかける。
息はしている。動悸もある。だが突然倒れてぐったりとしたままだ。
少女の体調に対応するかのように、左目の位置で輝く光も遭遇した時と比べて弱弱しくなっている。
貧血だろうか。寝かせた方がいいと思い頭の帽子を外そうとしたが、
どうしても外れないので仕方なくそのまま地面に寝かせる。
携帯で救急車を呼ぼうとするが、
「やっぱり圏外か…。」
その時、うっすらと少女が目を開ける。
「大丈夫ですか?今から人を呼びに行きにいくので、ここでじっとしててください。」
こんな夜中に女の子を一人放置していいか少し迷ったが、この少女、服のせいかもしれないがかなり重い。背負ることは無理だし、
自分1人で誰かを呼びに行ったほうがすぐに人と出会えるだろう。

そうして立ち上がろうとしたプロデューサーの腕を、いきなり少女はガシッと掴んだ。
「痛っ!?」
その力は倒れている少女と思えないほど強い。ひょっとしたら大人の男ぐらいあるかもしれない。
道路脇の乏しい街灯以外に光源の無い闇の中、まるで顔の片側が存在しないように見える少女の眼光を直視し
プロデューサーは一瞬その眼差しになぜかゾクッとした悪寒を感じる。
まるでこの世のものではない、幽霊のような存在を見たような。バカバカしいが例えるならそんな感じ。
目を逸らせなくなったプロデューサーと少女はそのまま見つめ合い


 ぐーーーーー

少女の腹の音が盛大に鳴った
先ほどからの気まずい沈黙(気まずさを感じているのはプロデューサーだけなのだが)は依然そのままだが

 ぐーーーーーーーーーーーーーーー

多分気のせいだと思うのだが、少女の無表情の瞳が何かを訴えているように感じるのは全くの気のせいだろうか。
なんとなーく、事務所に帰ったらラーメンがなくて落ち込んでいる貴音を思い出す。

 ぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

空母ヲ級.3
なぜその人類の手を掴んだのか
おそらく、未体験の感覚に対する不安から咄嗟に近くにある何かに縋りたくなったのだろう。
ただ、もし彼女が言葉を話せたら、こう言っていたかもしれない。

 ハラ…ヘッタ
 ナニカ…クワセロ…

【深夜:L4。なだらかな丘で北、東に海が見える】
【プロデューサー@THE IDOLM@STER】
[状態]:健康。いまいち状況を理解しきれていない。
[服装]:いつものスーツ姿
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 ポケットに入ってた携帯(通話機能使用不可。首輪のおかげで故障はしていない)
[思考]
基本:765のアイドル達と合流して元の場所に帰る。
1:倒れた少女(ヲ級)を心配。
2:誰か状況がわかる人に会いたい。
3:アイドル達と元の場所に帰る
[備考]時期はアニメ終了後

【空母ヲ級@艦隊これくしょん -艦これ-】
[状態]:無理やり艦載機を製造し、空腹のあまり倒れる。隻眼、初めて感じる「空腹」に困惑、制限に困惑
[服装]:なし(杖、艤装は体の一部)
[装備]:杖、艤装(体の一部)、艦載機×3(上に収納)、艤装の燃料満タン、艦載機の材料約20体分
    無理をして艦載機を製造したため、早朝まで製造ができません。
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:艦むすを沈める
1:空腹に困惑
2:海に行く(深海棲艦の本能)
3:艦むすを沈める
[備考]時期は吹雪に轟沈させられた後
制限:艦載機の製造は1時間に1つ程度。数は最大で約20まで。
   肉体に制限がかかり、艦載機の製造に大きく体力を消耗し、空腹になる。

58 ◆0STfKvIzq6:2015/04/26(日) 23:40:54 ID:vxDMBOJs0
投下終了です

59名無しさん:2015/04/27(月) 00:18:53 ID:Sjl0V4Dg0
投下乙です
ヲ級は無差別マーダーかと思いきや対象限定マーダーか
艦娘勢に会ったら襲いかかる事を考えるとPはバクダン抱えちゃったなぁ

60 ◆qB2O9LoFeA:2015/04/27(月) 00:33:23 ID:D/lvub/20
本投下乙です

いまのところは安全そうなヲ級
艦載機の数も少ないしむしろ狙われる側かも
艦むすと遭遇したときが楽しみです。
一方のプロデューサーはこの出逢いが吉と出るのか凶と出るのか
アイドル達と合流できたときにどうなるのか。

61 ◆dKv6nbYMB.:2015/04/27(月) 01:52:57 ID:Hj.9GUFg0
投下します

62ホル・ホースと暁美ほむら:2015/04/27(月) 01:55:20 ID:Hj.9GUFg0
「なんでこんな目に遭わなきゃならねえんだよ」
この俺、ホルホースが溜め息と共に発した第一声はこれだった。
『バステト女神』のマライアと『セト神』のアレッシーがジョースター一行に敗北したことをDIOに報告しに行き、奴にいい加減にジョースター一行を殺しに行ってこいと脅され、奴らのもとへと向かうために準備して眠りについたらこの様だ。
暗殺しに出かけようとしたらいつの間にか放射能だらけの島に隔離されていた。
確たる証拠はねえが、こんなこと出来るのはDIOの野郎くらいしか心当たりはねえ。
殺しに行けと命令された奴にこんなことされりゃ、文句の一つは出るさ。
とにもかくにも、どうやら生き残るためにはこの首輪が必要となるわけで。もし24時間誰も救助に来なければ確実にオダブツで。
「いったいぜんたい、どうしろっつーんだよ」
あまりのどうしようもなさに、またも溜め息をついちまった。

いくら愚痴を零しても仕方ないので、配られたデイパックの中身を確認する。
(非常食と水に、メタルマッチに方位磁針、それにホイッスルと...なんだこりゃ、板?)
この薄っぺらい板は何に使うんだ?機械みてえだが
とりあえず適当にイジッてみると、急に板が光りだした。
「うおっ!な、なんだこりゃ?」
なんだかよくわからないので、しばらく触らずに観察していると、やがて明かりは消えてしまった。
「なんだ、ただのライトか。こんな形にするなら、普通の懐中電灯でも配ればいいものを」
光る板は置いておき、もう一度デイパックの中身を探ってみる。
「おっ、こいつは」
デイパックの奥底で見つけたのは、一本の禁煙パイプ。
ラッキー、ちょうど気分的に禁煙してみようかと思っていたんだ。
「...とはならねえよなぁ。せめて、もう少し食糧があればなぁ」
荷物を詰め直し、何度目かの溜め息をつき、この建物を捜索することにした。

63ホル・ホースと暁美ほむら:2015/04/27(月) 01:58:48 ID:Hj.9GUFg0
(ちぃ、こうも暗くちゃロクに捜索もできねえぜ)
先の板盤のようなライトを使ってみるが、精々見えるのは手元くらいだ。
ちと勿体ない気もするが、メタルマッチを擦り合わせ、火を起こす。
普段はライター派だからあまり使うことは無いが、一回で無事成功した。
俺の部屋は最上階の三階だったようで、階段は下りしかねえ。
とりあえず片っ端から部屋を探し回っているが、あるのは精々医療器具だけ。その医療器具も放射線のことがあるので、使い道はなさそうだ。傷口に包帯巻いたら放射能に感染なんざシャレにならねえ。
そして、どの部屋も電気が通っていないようで、スイッチを押してもウンともスンともいわない。
そうこうしている内に、俺が辿りついたのは一階の院長室。
そしてこの部屋も探し回るが、やはりなにも無し。
諦めてここから出ようと、火を消そうとしたときだった。



ギシ...ギシ...

床の軋む音が聞こえる。
おいおい、俺以外にも誰かいるってのか?
俺としたことが、考え無しに火を使ったのは迂闊だったか。
反射的に、右手から『皇帝』...拳銃のスタンドの像を出す。
床の軋む音は、院長室の前でピタリと止まった。
考えられるのはふたつ。一つは、俺と同じような被害者。もう一つは、俺をこんなところに連れてきやがった野郎ってことだ。
この際、どっちでも構わねえ。とっ捕まえて情報を手に入れてやる。
扉に向けて『皇帝』を構え、扉が開くのを待つ。
しかし、来訪者は一向に扉を開けない。
気のせいだったのか?いや、そんなはずはないと気を入れなおす。
(なぜ出てこねえ...いいぜ、出てこねえならこっちから向かってやらぁ)
俺が引き金にかけた指に力を込めた時





「あ、あの、誰かいるんですか?私、暁美ほむらって言います。わけがわからないうちにこんなところにきてて、その..」
コンコンと、ドアを叩く音と共に聞こえたのは、可愛らしく幼い声だった。

64ホル・ホースと暁美ほむら:2015/04/27(月) 02:00:28 ID:Hj.9GUFg0


「暁美ほむらちゃんね。お互い災難だったな」
長い黒髪で、丸眼鏡をかけたこの女の子は暁美ほむらというそうだ。
ふむ、子供とはいえ、なかなかの別嬪さんじゃあねえか。こりゃ、将来に期待だな。
「はい。わ、わたし、病院で寝てたはずなんですけど、いつのまにかあんな球の中に」
「俺も似たようなもんさ。けどまあ、他にも人がいるってのは安心できるぜ」
「そ、そうですよね。友達も巻き込まれてしまったのは残念ですけど、みんなで力を合わせればなんとかなりますよね」
「おおそうさ。だからなにも心配はいらねえよ」
彼女を安心させるための言葉とは裏腹に、俺はとてつもない不安感に駆られていた。

(他に人間がいるだけでなく、この子には知り合いが巻き込まれていただとぉ?いよいよもって胡散臭くなってきたぜ)
もしも自分一人だけなら、最初の通信の言葉から判断して、なにかの事故であることが、納得はできないが理解はできる。
だが、こうも何人も、それも人によっては知り合いが巻き込まれているとなると、もはやただの事故とは思えなくなる。
おまけに、ご丁寧に俺たちを一人ずつあの球体に押し込めた挙句、食糧やらを配る始末。どう考えても人為的なものだ。
それだけじゃあねえ。この首輪、こいつは確かに俺たちの生命線だが、これがまた厄介なシロモノだ。
この首輪は外せば機能を停止する。24時間ぶんしかエネルギーが無いコイツだが、言い方を変えれば、外しちまえば24時間ぶんのエネルギーを確保できるっつーことだ。
と、なるとだ。もし時間切れが迫っても状況が好転しなかった場合、他にいる人間の首輪を奪っちまえば、残った時間だけ生き延びることができるわけだ。
もちろん、時間ギリギリだといくら首輪を回収しても、一分や二分じゃ焼石に水だ。他の首輪が必要かどうかはなるべく早く決断した方がいい。
この島にいったい何人送り込まれてきたのかは知らねえが、俺のような勘のいいやつはこの事実に気付いているころだろう。
ほんと、とんでもねえことに巻き込まれたもんだぜ。

65ホル・ホースと暁美ほむら:2015/04/27(月) 02:01:51 ID:Hj.9GUFg0
ここまで思考重ねていると、ふと、一つの疑問が生じた。
「ところでほむらちゃん。なんで、友達がここにいるってわかったんだ?」
冷静に考えれば当然の疑問だ。俺も彼女も全く別のところで目が覚めた。なら、なぜ友人がこの島にいると言い切れるのだろうか。
「デイパックにタブレットが入っていたので、それでわかりました。ホル・ホースさんのデイパックにはありませんでしたか?」
「タブレット?」
「これです、これ」
ほむらちゃんが取り出したのは、俺のと同じ機械の板。
「ああ、そいつか。あるにはあるんだが、俺のはただのライトらしいんだ。ほら見てくれよこれ」
横のボタンをカチリと押し、光をつける。その行程を何度か見せつけると、ほむらちゃんは理解したかのように、ポンと手をうった。
「ひょっとして、タブレットを知らないんですか?」
「...えっ?」


「これをこうすれば...はい」
俺のタブレットなるものを、彼女は説明を加えながらいとも簡単に使いこなしてみせた。
「すげえな。ほむらちゃん、こういうものには強いのか」
「そういうわけじゃないんですけどね。結構流行ってますし」
彼女の手際には素直に感心したが、同時にまた些細な問題が浮かんできた。
(妙だな...いくら最新の機械とはいえ、俺が知らないはずはないんだがな)
そう、俺はホルホース。世界中にガールフレンドがいるし、殺し屋なんてやってるもんだから、かなりの情報網はあると自負している。
なのに、この少女が知っていて、俺が知らないとはどういうことだろうか。
「えと、この名簿ってファイルにみんなの名前があったんですけど」
「どれどれ」
そんな疑問も、名簿を見た瞬間に見事に吹き飛んでしまった。

66ホル・ホースと暁美ほむら:2015/04/27(月) 02:03:31 ID:Hj.9GUFg0



「なんじゃあこりゃああ!?どうなってんだよこいつはよぉ!?」



思わず、そんな叫び越声を上げてしまったほどのびっくり仰天ニュース。
「ど、どうしたんですか?」
「い、いやあ、慣れない機械だからよ、つい驚いちまって...最近の機械はスゲエんだなぁ~」
「は、はぁ...」
なんとか誤魔化したが、内心はめちゃくちゃビビッてた。
この名簿を見る限り、俺の知る名前は全部で5人。
空条承太郎とJ.P.ポルナレフ。
まさか、俺が狙うべき敵であるこいつらも巻き込まれていたとは。この二人、特にポルナレフには会いたくねえ。
生きていたとはいえ、目の前でアヴドゥルを撃ったことは忘れてねえだろうし、なんといっても、俺はポルナレフの妹を殺した男の相棒だった。ポルナレフは俺と出会えば、即座に殺す気でかかってくるだろう。
ラバーソウル。
確かこいつは、承太郎に再起不能にされたはずだが、なんでいやがるんだ。
こいつは強さは本物だが、まず信用できねえ。奴も殺し屋の端くれだ。おそらく首輪のことは勘づいているだろう。一時的には協力できるにしても、俺たちの首輪やら食糧やらを奪うために、隙を突いて殺しに来ることはほぼ間違いない。
そして、最もここにいちゃいけねえ奴らがいる。
それは、俺の元相棒J・ガイルの旦那とその母親エンヤ婆だ。
J・ガイルは強姦だの殺人だのを好き放題やる男だ。そんな奴と組んでいたことが知れれば、俺の立場はかなり悪くなる。それに、奴の性格上、助けに行くのが間に合わなかったことを逆恨みして俺を殺しにきても不思議じゃねえ。
エンヤ婆に至っては、俺がJ・ガイルの手助けをしなかったと勘違いしているため、俺を必ず殺そうとする。事実、一度殺されかけたし、疑いを晴らそうにも話が通じねえ。
だが、J・ガイルは既にポルナレフに殺され、エンヤ婆も肉の芽の暴走で死んだはずだ。
それがここにいるってことは...間違いねえ。疑惑は確信に変わった。
なにが目的かは知らねえが、この件に関してDIOは必ず一枚噛んでいる。

67ホル・ホースと暁美ほむら:2015/04/27(月) 02:11:19 ID:Hj.9GUFg0
奴は吸血鬼だ。今はほとんどやっていないが、昔は屍生人を作っていたと聞かされたことがある。館にいた"ヌケサク"とかいうあだ名の自称吸血鬼がいるが、おそらくやつがそうだ。
J・ガイルとエンヤ婆がその屍生人ならば、ここにいることも矛盾はない。だが、"ヌケサク"がそうであるように、自我までは完全には無くならないようだ。
結論、俺の知り合いはほぼ全て敵。協力なんてできるわけがねえ!
ほむらちゃんと違って信頼できるお友達がいねえんだよ、俺には!
かといって、奴らと遭遇し戦うことになれば俺は勝てるか?いや、無理だ。
タイマンならほぼ無敵といっていい承太郎。肉を己の身に纏わりつかせれば物理攻撃に対して実質無敵のラバーソウル。光速で動くスタンドを使うJ・ガイル。実体の捉えられない霧のスタンドを使うエンヤ婆。
どいつもこいつも俺とは相性が最悪だ!かろうじてポルナレフには勝機があるが、奴も奴でかなり手強い。接近されればまず勝てないし、俺のスタンドのタネも見られちまってるしで、少なくとも無傷ですむとは考えにくい。
こういう状況をなんつーんだっけ?ああ、そうだ。昔の言葉でいう、四面楚歌ってやつだ。
...い、いや、まだ希望がないわけじゃあねえ。
こうなれば、俺が生き残る手段はひとつ。どうにか周囲を利用して、目立たず地道に行動し、23時50分を待つしかねえ。放射能さえやりすごせば、あとは正義感の強い奴らを言いくるめればなんとか...
とはいえ、連れが女の子一人じゃ心もとない。なにより、俺は女には誰よりも優しい男。美人だろうがブスだろうが尊敬しているからだ。利用もするし、嘘もつくが、なるべく女は死なせたくはない。
災難に縁も所縁もない砂漠のオアシスなら喜んでエスコートするところだが、生憎この島は猛獣だらけのジャングルでさえ裸足で逃げ出すほどに危険な島だ。女の子を矢面に立たせるのは論外だが、俺が先導するのもマズイ。
どうにか頼れる男を探し出し、俺たち二人のリーダーとしたい。行動しているのはあくまでそいつで、俺たちはついて行っているだけ。そうすりゃ、あまり目立つこともないだろう。
俺は誰かと組んで初めて真価を発揮できる男。ナンバー1よりナンバー2。それが俺の人生哲学だ。文句あっか!


「あ、あの、ホル・ホースさん」
「どうした?」
「ここ、病院なんですけど、近くにアンテナがありますよね」
「そうだな」
「一時間ごとに島の端からアンテナが爆発するって書いてあるんですけど、ここが一番最初みたいです」
「...にゃにいいいい!?」


あ、危なかった。タブレットの使い方を教えて貰ってなけりゃ何も知らずにうろついてオダブツの可能性は大だったぜ。
まったく、ツイてるのかツイてねえのか...ああ、どうにか生き延びてえなぁ。



【I-8/病院/一日目/深夜】

【ホル・ホース@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]健康
[服装]普段のカウボーイスタイル
[装備]禁煙パイプ(支給品)
[道具]支給品一式
[思考]
基本:どうにかして生き延びてこんな島からオサラバしたい。死にたくねえんだよ、俺は!
1.知り合いには遭遇したくない。(特に承太郎、ポルナレフ、エンヤ婆)
2.ほむらと共に、頼れる『相棒』を探す。また、ほむらと行動することによって自分は無害であることを周囲にアピールする
3.余裕があればほむらの知り合いも探す
4.最悪の場合、首輪の補充(他者の殺害)も考慮にいれる
5.女はなるべく死なせたくない。


※参戦時期は、DIOの能力を見せつけられてから、ジョースター一行を倒しにいくために移動している最中からです。
※この島での出来事は、DIOが一枚噛んでると疑っています。
※J・ガイルとエンヤ婆については二人とも屍生人だと思っています。

68ホル・ホースと暁美ほむら:2015/04/27(月) 02:12:44 ID:Hj.9GUFg0
魔女...それは絶望を撒き散らす災厄の使い。そして、絶望に沈んだ魔法少女たちが最後に成り果てる呪われた姿。
かつて私は幾度となく同じ時間を繰り返し、その残酷な運命に抗おうと戦った。
そして最後は
一人の少女の犠牲によって
希望と絶望を巡る残酷な連鎖は断ち切られ
世界は新しい理へと導かれた
...そう、導かれたはず、だったのに...




ど う し て こ う な っ た。


気が付いたら、いつの間にか黒い球体に押し込まれていて、核がどうのとか首輪がどうのとかわけのわからないことになっていた。
消える直前に、まどかがリボンを託してくれたのは憶えている。そしてまた会おうと約束したことも憶えている。
その結果がこの様だ。
とりあえず状況整理をするために、荷物の整理をして、入っていたタブレットを弄ってみれば、上がってきたのは多くの名前。
調べてみると、なんとこの島には61人もの人間が集められていた。
そして、その中には見知った名前が4つ。
美樹さやか、巴マミ、佐倉杏子...そして、鹿目まどか。
まどかがここにいることは、胸が締め付けられる想いだったが、同時に疑問も湧いてきた。

69ホル・ホースと暁美ほむら:2015/04/27(月) 02:14:18 ID:Hj.9GUFg0
世界の改変が進む最中、インキュベーターの声は、『まどかは全ての時間軸から消え去り、誰も認識できないし干渉することもできない』と告げた。
つまり、誰もまどかを知るものはいないはずなのだ。
なのに、ここにいるというのはどう考えても矛盾している。
...いや、この『鹿目まどか』が私の知る『鹿目まどか』と同一人物だとは限らない。
魔法少女とも見滝原市ともなんの関係もない『鹿目まどか』という同姓同名の人間かもしれない。むしろ、そちらの方が可能性は高い。


とにかく、いまは情報がほしい。
とりあえず辺りを散策すること約10分。見えてきたのは、年季が入った古病院。
MAPを見返してみると、ここの近くにはアンテナがあるようだ。
一時間ごとに島の端からアンテナは爆発を起こすと書いてあるが、どうやらここが一番最初に爆発するらしい。
とはいえ、この情報を信じれば、爆発までにはまだ時間があり、15分もあれば余裕で爆発圏外に出れるので、今の内に調べれることは調べておくことにした。
だが、病院へと入る前に気付いたのだが、棟内三階がわずかに明るくなった。
どうやら、中にいる何者かが火を使ったようだ。
私は近くの木に身を潜めながら、その灯りの主のあとを目で追うことにした。



灯りの主は、どうやら片っ端から部屋を探し回っているようだ。
と、すると、あの通信の主が生存者を探し回っているのか、それとも他に巻き込まれた被害者の60人の内の一人か...
なんにせよ、接触する価値はありそうだ。灯りの主が一階に下りた頃合いを見て、私も病院へと足を踏み入れる。
とはいえ、今までの時間軸とは一味もふた味も違う。今までの接し方だと、あの優しいまどかにさえ警戒されていた。今までで一番警戒されなかったのは...
その結論に辿りつき、溜め息をつきながらデイパックを探る。
(まさか、またあの頃に戻る必要があるなんてね)
取り出したのは、誰の物かは知らない丸眼鏡。掛けてみると眩暈がした。度が合っていないぶんは、魔力で補おう。
今の私は、無力でなにもできない、大嫌いなあの頃の私だ。
意を決して、院長室のドアを叩く。

「あ、あの、誰かいるんですか?私、暁美ほむらって言います。わけがわからないうちにこんなところにきてて、その..」



【I-8/病院/一日目/深夜】



【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:健康
[服装]:見滝原中学の制服
[装備]:ソウルジェム(指輪形態) 寺井洋一の眼鏡@こちら葛飾区亀有公園前派出所
[道具]:支給品一式  その他不明支給品1~2
[思考]
基本:とにかく情報を集める
1.とりあえずまどかを保護する
2.無力な少女を装い、ホル・ホースを利用してとにかく情報を集める。



※参戦時期は、最終話で概念となったまどかにリボンを託された直後からです。世界が改変しきる前です。
※現在、まどかのリボンは持っていません。会場内のどこかにあるか、他者の支給品に紛れている可能性はあります。
※まどかの存在に疑問を抱いています。シャルロッテに関しては、名前を『お菓子の魔女』と認識しているため、魔女だということに気付いていません。
※使える魔法は時間停止の盾です。制限の為、時間を撒き戻す能力は使えません。また、停止できる時間にも限界があります。

70 ◆dKv6nbYMB.:2015/04/27(月) 02:18:19 ID:Hj.9GUFg0
投下終了です。
仮投下スレに投下したものに微修正を加えました。
あってもなくてもいい程度の修正ですので、気にしないでください。
例)ホル・ホースの状態表の追加
などです

71名無しさん:2015/04/27(月) 16:05:33 ID:fW8qqKe.0
おお投下が来てる、乙

P&ヲ級のペアも、ホルホルほむほむペアも面白い組み合わせで今後が楽しみ
二つとも一見仲良さげなコンビなのに不穏な気配を残してる所は修正力さんの影響なのか

72名無しさん:2015/04/28(火) 00:01:29 ID:AV/hiv7U0
投下乙です

73 ◆fuYuujilTw:2015/04/28(火) 23:26:18 ID:ccb.Y4KU0
投下します。

74オリンピックにゃまだ早い ◆fuYuujilTw:2015/04/28(火) 23:27:18 ID:ccb.Y4KU0
「なんなんだよ……」

日暮熟睡男はこの状況に戸惑いを覚えていた。

目が覚めたら民宿のような建物の中にいて、首には首輪がつけられている。
確か最後の記憶は、火星で眠りについたものだ。
両さんだったら、中川さんの力を借りて自分を起こしにくることは容易いだろう。
とりあえず、今の状況を知ることが先だ。

「……おかしいな」

うまくいかない。
起きたばかりだから、なまっているのだろうか。
気を取り直し、ディパックの中を確認する。

「なんだこれ……」

見覚えのない機械。
透視を試みたところ、非常に複雑な構造をしているようだ。

「よく分かんないや……」

水に食料、メタルマッチ、方位磁石、紙切れ。
まるで遭難したみたいだと思った。

そしてなぜか週刊誌。随分と美人な人が表紙を飾っている。
どうやら歌手のインタビューらしい。
中身を見てみる。
自分が知らない間に政権も交代したらしい。

「!!」

ある箇所に目が止まる。

75オリンピックにゃまだ早い ◆fuYuujilTw:2015/04/28(火) 23:29:57 ID:ccb.Y4KU0

「……またか……」

怒りがふつふつと湧き起こる。
ここがどこなのか、そんなことはどうでもよくなった。
ただ怒りだけが心を塗りつぶしていくのだった。
オーラが体を包んでいく。
大きな音と共に、日暮のいる部屋が滅茶苦茶になっていった。


つけるだけで治る?新薬認証まであと半年!本当に効くか、と題された記事は
日暮に大きな勘違いを生んだ。
今が2011年であるという勘違いを。

【G-3/民宿内部 /一日目/深夜】

【日暮熟睡男@こちら葛飾区亀有公園前派出所】
[状態]:暴走
[服装]:パジャマ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、週刊現代の真実@THE IDOLM@STER
[思考]
基本:怒り
1:怒り
2:怒り
3:怒り
[備考]
*参戦時期はアニメ第357話以降。
*火を見ると瞬間移動します。
*ギャグ補正は解除されています。

能力の制限について
・修正力の影響で未来の予知は出来ませんが、
 誰かが近づいてくることを察知する程度の能力はあります。
・テレポーテーションは最大5m程度です。
・念力は本気を出せば人をバラバラにすることの出来る程度の威力です。
・エネルギー光線の射程は10m程度。雷に撃たれる程度の威力があります。
・地面から最大で1m程度浮くことが出来ます。

作中の年代について
アイマス第1話では2011年のカレンダーが登場しており、第22話がクリスマスの話であることから、
「週刊現代の真実」が登場した第21話時点ではまだ2011年であることが分かります。

76 ◆fuYuujilTw:2015/04/28(火) 23:31:06 ID:ccb.Y4KU0
投下を終了します。

77名無しさん:2015/04/28(火) 23:43:40 ID:BDk9Zfw60
投下乙です。

日暮がプッツンするのは、オリンピックの年以外で起こした時でしたっけ?

78 ◆fuYuujilTw:2015/04/28(火) 23:48:27 ID:ccb.Y4KU0
そうだったはずです。ただ、最後にアニメに登場したのは作中時期で2004年ですから、
7年寝ていることになるのですが、オリンピックの年には必ず登場しているので、
寝すぎた場合どうなるかは厳密には不明です。

79 ◆FnPM52EPHI:2015/04/29(水) 00:36:51 ID:x7bFXeCg0
投下します

80 ◆FnPM52EPHI:2015/04/29(水) 00:38:21 ID:x7bFXeCg0
人は自分の許容範囲を越える状況に置かれると現実から逃避する事がある。
それは精神的に未成熟なものほど陥りやすい。
そしてそれは艦娘も変わらない。

「核爆弾なんて、本当なんですか、 長門さん!?」

特型駆逐艦の1番艦、吹雪。
この時点で現状は吹雪の理解の範疇を越えていた。
まず謎の金属製の球体に閉じ込められているかと思いきや、いきなり放射線や核爆弾などの通信による説明。
しかもその通信してきた声が秘書艦の長門であった点も吹雪の混乱に拍車を掛けた。
いや逆に合点がいったのかもしれない。
つい数日前、憧れの赤城や仲の良い睦月が長門と共に極秘任務に赴いた。
その内容を聞いてみたいと思ったが結局睦月に聞いても答えてくれる事はなかった。

(もしかしてこれが極秘任務……ん、なんだろう、これ? デイパック?)

ふと足元に置いてあったデイパックを調べてみると水や食料や方位磁石などサバイバルに役立つ物が入っていた。
さらに生存者の詳細を記したと思われる名簿や首輪を探知するレーダーや自分の艦装も入っていた。

(とりあえず他に誰がいるか確認した方が……あれ、あそこに誰か、倒れている!?)

吹雪の視線の先にある灯台。
月明かりに照らされたその下に誰か倒れているのが見えた。
急いで駆け寄って、そこで吹雪は頭が真っ白になった。

「え、睦月、ちゃん……」

それは見るも無残な姿と化した睦月の死体であった。
灯台から落下したせいか首はへし曲がり、身体も所々通常ではありえない方向に曲がっている。
さらに衣服は乱暴に引き裂かれ、その身体は酷く汚れている。
睦月に何があったかは一目瞭然だった。

「い、いやああああああああああ!!!!!!!!!!」

そしてその光景を目の当たりにした吹雪は踵を返してその場から逃げた。
まるで今目にした光景が何か悪い夢であってほしいと願うように。
悪夢を振り払うかのように一心不乱に目の前に伸びる森の中の道を走り続けた。

「はぁ、はぁ、は――きゃ!?」

どれだけ走っただろうか。
吹雪の逃走は足元に倒れた何かに躓くという形で終わりを迎えた。
そして自分が何に躓いたのか確認するために吹雪はそこで振り向いて、絶望した。

「お、大井さんッ!?」

そこにあったのは胸に風穴を空けて転がっている大井の死体だった。
そこで吹雪は気付いていしまった。
大井の近くには陸奥を初め多くの死体が転がっている事に。

「そんな、赤城さん、そんな、うそだああああああああああ!!!!!!!!!!」

そしてその中には吹雪が憧れている赤城の姿もあった。

「い、いやああああああああああ!!!!!!!!!!」

81 ◆FnPM52EPHI:2015/04/29(水) 00:40:11 ID:x7bFXeCg0
吹雪はまた走った。
今見た悪夢が現実でないと願って。
走って走って走って。
 
「えっ」
 
吹雪は気付いていなかった。
いつのまにか廃村を抜けて墓地も通り抜けて裏手の崖まで来ていた事に。
そして我武者羅に走ってきた吹雪がそれに気付いてももう自分で止まる術はなかった。
吹雪は死を覚悟した。
 
「ブッキィィィィィイイイイイ!!!!!」
 
 ▼
 
金剛が吹雪の危機に気付いたのは偶然だった。
吹雪と同じくこの地に降り立った金剛だったが、そこは吹雪と重ねてきた経験の違いで幾分落ち着いていた。
ともかく誰か他の生存者と出会えないか移動している最中に吹雪の悲鳴を聞きつけて追いついたのだ。
だが残念ながら追いつけたが間に合わなかった。
かなりの勢いで崖へと走っていた吹雪を止める事は不可能で、結果金剛は吹雪諸共崖下に落ちる事になった。
しかも崖下には岩肌が見えていて、このままでは二人とも即死確実だ。
デイパックの中に自分の艦装があったが、もう展開している余裕はない。
だから金剛はとっさに吹雪を抱えて自分が先に落ちるように身体を捻った。
 
(提督、ブッキー…どうか武運長久を…私…ヴァルハラから見ているネ…)
 
 ▼
 
(睦月ちゃん、陸奥さん、赤城さん、金剛さん、みんな死んじゃった……)
 
吹雪の行く先々で仲間の艦娘が死んでいった。
まるで吹雪が死神であると呪われているかのように。
しかも睦月に赤城に金剛と吹雪と特に関係が深かった艦娘の死を短時間で目にしたのだ。
もう吹雪に生きる気力は残っていなかった。
合計8kg以上の重量となる2つのデイパックは吹雪を深海へと誘って行った。
 
(そうだよ、このまま死んじゃった方が……)
 
そして吹雪の意識は静かに深い海の中に消えていった。
 
(提督、あの時の言葉嬉しかったです。私も、提督を――)
 
最期に吹雪の脳裏に浮かんだ光景。
それは真っ白なドレスに身を包んだ自分と提督。
それはまるで今までの事は嘘のようにただただ幸せな光景だった。
 
【I-2/沖合/一日目/黎明】
 
【金剛@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】
【吹雪@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】

82 ◆FnPM52EPHI:2015/04/29(水) 00:43:18 ID:x7bFXeCg0
投下終了しました
タイトル「暁の水平線に何を刻むのか?」

83 ◆a/jktCkNQY:2015/04/29(水) 00:46:15 ID:7bl5aOvM0
投下乙です
吹雪と金剛は脱落か
この無慈悲な世界で幕を自ら降ろすのは間違いではないのかもしれない

それと指摘があったので修正することにします
今執筆中ですのでお待ちください

84 ◆a/jktCkNQY:2015/04/29(水) 01:52:13 ID:7bl5aOvM0
修正版投下しますね

85帝王君臨 ◆a/jktCkNQY:2015/04/29(水) 01:53:42 ID:7bl5aOvM0
「何故、当たらない!?」

提督は軍人だ。
射撃の訓練も一通り受けている。
例え、動く的であろうとそう簡単に外すことはない。
だが提督の放った銃弾は、全て目の前の老人に当たることはなかった。
既に十発以上撃っただろうか、あの老人は未だ笑みを浮かべ弾に掠りすらしない。
提督は弾切れになった銃の弾倉を入れ替えリロードする。
老人はその隙をついて来るかと思いきや、ただ淡々と歩いてこちらに向かってくるのみ。
再び銃を構え発砲。老人の眉間、胸、足、腕。何処にでも良い。当たって欲しいと祈りながら、射撃を続けるもやはり当たらない。

「カカカ・・・! やはりわしこそが王なのだ・・・!! 銃弾など・・・通用しませーんっ・・・!」

提督の手が吹き飛んだ。

暴発。
銃の中で弾が詰まったのか、何か火薬に問題があったのか。
銃身が破裂し、提督の手ごと弾けとんだ。
老人はまるで確信していたかのように懐に手を伸ばし、黒光りする銃を取り出した。
その構えは、提督に比べればあまりにも雑。これで撃ったところで当たりなどするはずがない。
しかし、老人の放つ銃弾はまるで吸い寄せられるかのように、提督の胸を貫きその心臓を貫通した。
まさに神業、奇跡としかいえない。
提督は力なく倒れる。

「―――吹雪……愛してる……」

死の瞬間、思い浮かべた愛する女の名を呼び。
誇り高き軍人は天寿を全うした。

「ここに主催本部を作り上げる」

老人、いや昭和の怪物鷲巣巌は提督を殺すと、死体を蹴飛ばしながら目もくれず主催本部を作り始めた。
もちろん老人一人で主催本部を作り上げるなど不可能だ。
だが、今ここには複数の黒服が居た。
それはただの人間ではなく、人の形をした使い魔(サーヴァント)のような存在。
まともな生物でない為、放射線の影響をまるで受けない。
更に異能も使えるので、一時間足らずで主催本部が完成した。

「カカカ・・・。これが・・・これが今のわしの城か・・・!!」

鷲巣は会場に飛ばされてから運良く会場に隠された超常技術を発見した。
魔術をベースとした超技術。魔術をベースとしている為、放射線の影響は皆無であった。
如何に放射能といえども異能の存在にまでは干渉できない。
サーヴァント、魔法少女、魔女のように制限され、放射線に汚染される参加者とは違うのだ。
使い方が分からなかった鷲巣は適当にそれらを弄繰り回すと自身の体が透けていくことに気づく。
そして意識は反転し、提督の元へと飛ばされていた。

「最初は何が何だか分からなかったが理解したぞ・・・。これは殺し合い・・・!
 カカカ・・・! そしてわしは、その愚かな参加者共を支配する主催者(おう)だということが・・・!」

歴史の修正力により鷲巣は導かれたのだ。
この場に殺し合いを巻き起こす主催者として。
否、鷲巣の剛運が、王たる鷲巣が歴史の修正力そのものを従わせたのだ。
本来ならば見つけ得ないだろう、その超技術もその豪運があってこそだ。
何より、これはバトル・ロワイアルである。主催となるものが存在しなければ成り立たないのだ。

「そうとなれば、早速放送を開始せねば。
 ここに居るボンクラ共は誰一人として、ここが闘争の場だとは理解しておらん。
 放送機器はこれか・・・よし」

その放送機器も魔術がベースになっているので放射線の影響を受けない。

『カカカ・・・! 聞こえるか諸君? わしは鷲巣巌・・・。
 今から・・・貴様達には殺し合い・・・バトルロワイアルをして貰う・・・!
 ルールは簡単じゃ・・・何でもいいから殺せば良い・・・!
 殺して殺して・・・最後の一人まで生き延びろ・・・!
 殺しあうのに必要な道具はそのディバックに入っているはず・・・!
 そうそう・・・放送・・・死亡者はわしが六時間置きに放送で呼んでやろう。感謝するが良い』

この場に呼ばれた参加者からすれば、あまりにも唐突過ぎる殺し合いの開始宣言。
反発するものは当然のごとく現れる。
何より、ここに参加者を縛る為の首輪の爆弾は存在せず、むしろ首輪が放射線から守護っているほどだ。

86帝王君臨 ◆a/jktCkNQY:2015/04/29(水) 01:54:51 ID:7bl5aOvM0

『それと忘れるところだったが、逆らったものには・・・そうじゃな、制裁・・・制裁を加えることにする・・・!
 空から・・・打ち込む・・・ミサイルを・・・どんな者でも絶対に死ぬミサイル・・・。
 手始めに、手頃なエリアを消し飛ばす・・・!!』

鷲巣がスイッチを押す。
その瞬間、H-6にミサイルが降り注ぎ消し飛んだ。
このミサイルもまた特殊性であり、例え不死の存在であろうと殺す超技術のミサイルである。
そして放射線の影響は受けない。

『カカカ・・・! わしは・・・いつでもお前らを殺せるという事だ・・・。わしは・・・君らとは違うんです!
 掌・・・いわば貴様らはわしの掌の上・・・!
 わしの気分しだいでいつでも殺せるのだ・・・。逆らおうとは考えんことだ・・・! 精々、殺し合え・・・。
 最後にアカギ・・・。赤木しげるを殺した者には褒美を・・・いや、やはりわしが殺す・・・!!!』

そう言うとミサイルを発射しまくる。
何処にいるとも知れない、赤木しげるへと向けて。


『死ねっ・・・死ねっ・・・アカギ・・・!!!』



【提督@艦隊これくしょん -艦これ- 死亡】

【新主催】
【鷲巣巌@闘牌伝説アカギ~闇に舞い降りた天才~】

※鷲巣の放送が全会場に流れました。
※H-6がミサイルで消し飛びました。
※逆らったものはミサイルをぶちこまれます。当たれば何であろうと絶対に死にます
※主催本部およびその機器、設備、そこで働く黒服(使い魔)、鷲巣の手にした超技術には一切の放射線の影響を受けません。
※黒服は超技術で作られました。
※主催本部は一から作りました。
※主催本部内は放射線が浄化されています。
※ランダムにミサイルが発射されました。

87 ◆a/jktCkNQY:2015/04/29(水) 01:55:47 ID:7bl5aOvM0
投下終了します

88 ◆cZObXJ6KeA:2015/04/29(水) 05:08:52 ID:N25jghFE0
投下します。

89 ◆cZObXJ6KeA:2015/04/29(水) 05:09:25 ID:N25jghFE0
――両津の仕業だ。

その警官――大原大次郎は確信していた。
自らが思い浮かべる人物こそが、この、今現在大原が巻き込まれている意味不明な事態の原因である、と。

両津。
両津勘吉――。
大原の知る限りに於いて、両津勘吉は警察史上最悪の警官、いや、戦後史上最低の日本国民、いやいや、地球史上最低最悪の人類と言ってもいいと思う。
そこに関しては異論反論は全部却下だ。
そもそも検査をしてみたら縄文人だかゴリラだかの遺伝子が混じっているというような話も聞いた。
人間じゃないのだ、あれは。

いや、そうは言っても、両津は決して悪人ではないのである。
そこのところは大原にも解っている。
ある意味で多才で、有能な面を持っている事も承知している。
まるで認めていない訳ではない。ないけれど。
それでも大原は、あの繋がった太い眉毛を目にすると――。
いや、目になんかせずとも脳裏に思い浮かべただけで――。
我慢が出来なくなるのである。

欲深くてこすっ辛くて、スケールだけは大きいのに思慮が浅く、がさつで大雑把なのにやたらと細かく、だらしがなくて怠け者のくせにしぶとくてマメで、
騒々しくて、乱暴で、凶暴で、非常識で、バカで、マヌケで、
「うがあああああッ」
吠えた。
大原は吠えた。

――こんな訳の分からない事を仕出かすような大馬鹿は、両津に違いない。
大原の周囲には両津の他にも変人は腐るほどいるし、かく言う大原本人にも非常識な部分は無くはないのだが、ここまでスケールの大きい事をやる馬鹿は、両津の他にない。

――この名簿だって。
本田速人、ボルボ西郷、日暮熟睡男、海パン刑事。
両津の知り合い揃いだ。
狡猾な事に、中川や麗子、寺井――いつもの派出所メンバーは大原の他にはいない。だが。

――吹雪、金剛、加賀。
これは軍艦じゃないか。
両津は――その類のものが大好きなのだ。正確には、数多く存在する趣味の一つ、なのだが。
プロデューサーとかキャスターとか、個人名ではなく、両津が関わった職業もある。
ライダーも、確か車や馬のレースに出た事があるだろう。バーサーカー。それは両津そのものだ。

――それに鞄の中身。
これまた両津が好きな、カードがあった。
トランプやウノではない、いわゆるトレカという奴だ。ゲーム用の。よく知らないのだが。
他にもコスプレ用と思われる衣装もある。
ふざけている。

大体、放射能程度で死なないのだ、奴は。
と言うか、仮に死んでも生き返るだろう。生きたまま天国に行って帰ってきた事さえある。
ともかく――。
全部両津が悪い。
大原はそう断じた。

――許さん。
今回ばかりは許さん。毎度の騒ぎだって大抵は許していないのだが。特に許さん。
で。

キレた。

90 ◆cZObXJ6KeA:2015/04/29(水) 05:10:31 ID:N25jghFE0

■ ■ ■


――DIOの仕業だ。

と――断言する事は、J・P・ポルナレフには出来なかった。
この状況は――夢でないのならば、新手のスタンド使いによる何らかの『攻撃』と考えた方が自然ではある。
あるのだけれども、それはそれとして意味不明にすぎるのである。

『なにが核だバカバカしいッ! おい喋ってるヤツ! 聞こえてるんならさっさと元の場所に返しやがれチクショー!』

――と叫びたいところではあったが、何が何だか分からない内に謎の機械から聞こえる声も途絶えてしまった。
当然、操作方法など理解できている筈も無い。
放置して外に出た後、『もしかしたら必要になったりするかなァ~』などと考えてみて球体まで戻って機械を拾い、色々弄ってみたがうんともすんとも言わなかった。
速攻で壊れたようだった。

(ウーム、本当にスタンド攻撃なのか、こりゃあ……あの『太陽』みたくこっちの消耗を待っているって可能性もある……しかしそれにしちゃあまわりくどいし……)

わからん。
いくら考えてみたところで、現在の状況を理解する事など不可能なのであった。
できねえよ普通。

――ともかくだ。
何が起こっているのか一切合切全然まったくこれっぽっちも1ミリたりとも理解できないが、一つだけ確かな事はある。
何処か知らない場所に飛ばされ、仲間ともはぐれている――本当にあるかどうかも分からない放射線や核爆弾以前に、こんな状況に陥っている時点で、既に危機的状況なのだ。
誰の仕業だとか、スタンド攻撃であるかどうかだとか、そんな事は関係無しに。
ならばやるべき事は――一刻も早く仲間を探し、合流する。
それしかないだろう。

そうと決めたら行動が早いのがポルナレフという男である。
さっさとジョセフ・ジョースターら仲間達を探そうと歩みだそうとした――その時。

がしゃん。

(ム……!)

がしゃん。がしゃん、がしゃん。ガシャンガシャンガシャンガシャン。

その音――それのペースは徐々に早く、大きくなってゆく……接近してくる。
「チ……」
敵か。断定はできないが、警戒するに越した事はない。
月明かりの下、目を凝らす――。

接近しているもの――それは『黄金の鎧』だった。
(なるほどな……音は『足音』だったというわけか)
鎧を着ているヤツがどういうヤツかは知らないが、仮に敵だとしたら厄介だ。
どんなスタンドの持ち主でも、本体を狙えばいい――そのセオリーが通用しない可能性がある。
鎧そのものがスタンド、という事だってあるだろう。

今なお前進を続けている、その相手。
「――テメー止まりやがれッ!」
ポルナレフが怒号を発する。
相手は停止せず。ずんずん近づいてくる、今やハッキリと見えるその顔は――日本人顔の中年の親爺だった。
全然似合っていない。しかしどうもこういう甲冑を着るのは慣れているというか、そんな印象も受ける。

「ええい――!」

どのように対処するべきか明確ではない――そう判断したポルナレフは『銀の戦車』を展開しつつ茂みに横っ飛びして退避。
(ヤツはどう出る……!)
金ピカの親爺はスタンドを目の当たりにしても動じる様子は一切ない。
イカれた一般人か――それとも相当な修羅場をくぐってきた歴戦の戦士というわけか。
どちらにも見える。
親爺はポルナレフの側を向いて、口を開いた。

91 ◆cZObXJ6KeA:2015/04/29(水) 05:11:37 ID:N25jghFE0
「――はどこだ」

「な……なに?」

「両津のバカはどこだ!!」

知らねえよ。
誰だよ。
泣きたくなった。

「知らんのならいいわッ、私はな、あいつを捕まえなきゃならんのだ一刻も早く。
 何が核だバカバカしい、どうせこんな企画アレが始めたに違いないんだからこれ以上醜態晒す前に私の手で終わらせてくれるわあああッ」
勝手にしろよもう。

親爺は痙攣しつつ奇声を発しながら恐ろしい表情で走って行って――視界から去った。


この状況も真面目に考えられない事もないのだろうが、なんかもうこの際どうでもいいかなあと。
ポルナレフは投げやりな気分になった。


【A-7/野外/一日目/深夜】

【ジャン=ピエール・ポルナレフ@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]放心
[装備]無し
[道具]支給品一式、端末破壊
[思考]
基本:もう勝手にやってくれ


【大原大次郎@こちら葛飾区亀有公園前派出所】
[状態]オチ
[装備]黄金の鎧@Fate/Zero
[道具]支給品一式、ラーの翼神竜(コピー)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[思考]
基本:対両津



【黄金の鎧@Fate/Zero】
我様のアレ。CCCだと歩く時いちいちめっちゃうるさい。

【ラーの翼神竜(コピー)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
神のカード。のコピー。
デュエルに使うと神の怒りに触れて大きな肉体的・精神的ダメージを負う。
一般人のグールズ団員が被害に遭っているので闇のゲームでなくても効果はあるらしい。

92 ◆cZObXJ6KeA:2015/04/29(水) 05:12:18 ID:N25jghFE0
投下を終了します。

93 ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:19:06 ID:orWqWrkc0
投下します。

94さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:20:06 ID:orWqWrkc0

「ん……っ、う……ぇ……」

呻きにも似た、それは声だった。
声を漏らすのは、可憐な少女だ。
少女と、かろうじてそう呼べる年頃に差し掛かったその薄めの唇の奥、
口腔を分け入った先の喉から、その声は漏れていた。

「は……ぁ、んむ、ぅ……」

苦しげなその吐息に混じって、奇妙な水音も聞こえる。
ちゅく、と濡れたもの同士が触れ合う微かな音。

「……ふ、ぁ……」

濡れた音と吐息とを絡ませているのは、少女の舌先だった。
健康的な桃色の、少し厚ぼったい舌が、何かを舐めている。
赤黒く反り返り、時折ぴくりと蠢くそれは男根だった。
可憐な少女が、おぞましい男根に舌を這わせている。
目尻に涙を浮かべ、えづき、しゃくり上げながら、それでも懸命にその小さな舌先を
ちろちろと動かしながら男根に奉仕している。
それはどこか無私の精神で患者に尽くす白衣の天使を思わせる光景のようでもあり、
同時にまたその貴い精神を穢し、踏み躙る暗い悦びをもたらす絵面でもあった。
少女は上着をはだけ、胸を露わにしている。
黒地の制服の下から覗く白い鎖骨、うすい窪みから流れる曲線を辿れば、ほんの僅かに膨らみかけた双丘と、
その淡い薄桃色の頂点が見えた。
まだ乳首とも呼べぬその突起が衣服と擦れ、次第に朱鷺色に色味を帯びていくのにも気付かず、
少女は男根を舐め上げている。

95さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:20:27 ID:orWqWrkc0

「んぅ……はぁ……、んっ……」

青筋を浮かせて反り返る男根の持ち主は、細身の男性のようだった。
着衣からして警察官。その形状や頑丈そうなライディングブーツから、見るものが見れば
交通機動隊に所属する男だとわかるだろう。
その警察官が、ズボンと下着だけを下ろして局部を露出させ、少女に奉仕させている。
反道徳の極地のような情景であったが、しかし男は何の感慨も浮かべずに、ただ横たわっている。
目を閉じ、指先すら動かすことなく大地に身を預ける男には、意識がないようだった。
安らかな眠り、というものでは到底あるまい。
拙いとはいえ男根を少女の口技に任せる刺激に一切の反応もなく目を閉じている男は、異様である。
その男の性器に、しゃくり上げながらも丹念に唾液を絡めていく少女もまた、異様であった。

「ヒッヒヒヒ……たまらないねえ、さくらちゃん」
「……っ!?」

甲高い声に、少女がびくりと顔を上げる。
その拍子にぶるりと跳ねた男根から唾液が飛んで、桜と呼ばれた少女の頬を汚した。

「……」
「んん~? どうしたのさ、続きをしなよ」
「……もう、」
「さくら、おちんちん大好き! おいしくておしゃぶりやめらんない! って言ってたじゃないか」
「もう、やめて……」
「はぁぁ~? なんだってぇ~?」

きんきんと癇に障る声が、少女の耳朶をねぶるように包む。
声の主は、眼鏡を掛けた少年だ。
レンズの奥でいやらしく目を細める少年は、この異様を作り上げた主でもある。

96さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:20:46 ID:orWqWrkc0

「さっき約束したばかりだよねえ、さくらちゃん?」
「……」
「なんでもします、羽蛾さまの命令は全部聞きます、ってさぁ!」
「それ、は……」
「約束破っちゃう悪い子なのかなあ、木之本桜ちゃんは!」
「……!」
「ああ……なんかもう、疲れちゃったなあ、ボク」

言って大袈裟に天を仰いだ少年が、ぶらぶらと片手を振る。

「じゃ、これはさくらちゃんのせいね」

にまりと笑った少年が、もう片方の手をゆっくりと動かした。
握るのは、銀色の刃。小ぶりの、ナイフだった。

「……! やめて、羽蛾くん!」
「羽蛾さま、だろうがぁっ!」

羽蛾と呼ばれた少年が、怒鳴りながらナイフを振る。
その先には、やはり横たわる一つの影があった。
桜の掻き抱く男と同じく昏々と眠り続けるのは、少女である。
目を閉じたその顔はやや肉付きがいい。
歳は桜よりも上、少女という段階を卒業しようかという頃合いの少女が、羽蛾の前に無防備に倒れている。
ナイフが、走った。

「いやっ……!」

思わず悲鳴を上げた桜の眼前。
ナイフが切り裂いたのは、布地である。
少女の纏う、紺色のブレザー。
そして純白のブラウスが、無惨に切り裂かれていた。

97さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:21:28 ID:orWqWrkc0

「ひひっ……いい声だねぇ、さくらちゃん。おかげで手元が狂っちゃったよ」
「……っ!」
「なんだいその目は? また疲れちゃいそうだなあ、ボク」
「……ごめん、なさい……」

下卑た笑いを浮かべながらナイフの腹で少女の肌をぴたぴたと叩く羽蛾に、桜が謝罪を口にする。
無抵抗な少女の、豊満な胸を覆う群青色のブラジャーが、裂かれたシャツの下から覗いていた。
目を逸らして唇を噛みしめる桜に、羽蛾がにまにまと笑いながら言う。

「わかればいいんだよ! ボクは心が広いからねえ!」
「……ありがとう、ございます……」
「さ、じゃあ続きをしてよ! さくらちゃんの大好きなおちんちんばっくんショーの続きをさ!」
「……っ……!」

ぽろ、と。
一滴の涙が、桜の瞳から零れた。

「泣いてるの、さくらちゃん? ひゃっははは! 悔しいよねえ! 恥ずかしいよねえ!」
「……っ、ぅ……」
「でもやんなきゃねえ! 間抜けなコイツらがさくらちゃんのせいで死んじゃったら可哀想だもんねえ!」

言いながら、羽蛾がナイフの先端を横たわる少女の下着へと近づけていく。

「しっかしこいつら、マジで間抜けだよねえ! ちょ~っと下手に出たらすぐ騙されてさ!
 あっという間にクスリでコロリだもんな! ヒ、ヒヒヒ!」

思い出し笑いに興じる羽蛾の手が震え、刃先が揺れる。
フロントホックがナイフに当たって立てる微かな音が、桜の耳に突き刺さった。

98さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:21:53 ID:orWqWrkc0

「やり、ます……」
「え? 聞こえないなあぁ~?」
「わたし、ちゃんとやる、やりますから……だから、希さんには、何も、しないでください……」
「わかってるよ、さくらちゃん! ボク、こんなデブは好みじゃないんだ!」
「……っ」
「さくらちゃんがちゃんと約束を守ってくれれば、ボクもつまんないことはしなくて済むからね!
 いやあ、それにしてもこの『超強力!睡眠剤』なんてテキトーな名前のクスリがこんなに効くとはねえ。
 まったく支給品様々だね、さくらちゃん!」
「は、い……」
「じゃ、ちゃんと何をするのか言ってみようか!」
「え……」

戸惑ったように顔を上げた桜に、羽蛾が顔を歪ませる。

「え、じゃないだろ? さくらちゃん、さっき教えたこともう忘れちゃったの?」
「それ、は……」
「あ~……そういう忘れっぽい子の相手、ボク嫌いなんだよねえ。疲れちゃうなあ~」

ぷつり。
希と呼ばれた横たわる少女の下着の、ラベンター色のレースの付いた肩紐が、あっさりと切れた。

「や……、やめて!」
「ええ~? ああ、間違えて切れちゃったよ。さくらちゃんがボクのこと疲れさせるからさあ」

けひひ、と笑った羽蛾が、ナイフの先で紐を辿ると、刃先でカップを持ち上げてみせる。

「うわあ、デブの乳首見えちゃいそうなんだけど。気持ち悪いなあ」
「やめて! 言うから! ちゃんと言いますから、もうやめて!」
「……最初っからそう言えばいいのに、焦らすねえ~。はい、それじゃよろしく!」

映画監督がキューを出すようにおどけてみせた羽蛾の前で、桜が身を縮こまらせる。

99さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:22:18 ID:orWqWrkc0

「う……」

今更ながら半裸の胸を隠すように俯いた桜の頬はひどく紅潮している。
改めて強制される恥辱には、夢中になって口淫を施すのとは別種の重みがあるようだった。

「は~や~く~!」
「……さ、さくら……は、お、お……おち……おちん、……っ」

消え入るような声は、そこまでを形にするのが精一杯だった。
何度も口を開こうとして、桜が音にならない吐息だけを漏らす。
沈黙の中、目尻に一杯の涙を溜める少女の恥じらいを見る羽蛾の目から、温度が失われていく。

「……あ、やべ」
「!?」

唐突に羽蛾が漏らした声にさくらがびくりと肩を震わせる。

「乳首、ちょっと切れちゃった」
「……っ!?」
「あーあ。血ぃ出てるじゃん。きもっ」

ひひ、と笑う羽蛾の細められた目の冷たさは、ともすれば希の乳房から実際にぷくりと浮き出た血の珠よりも
的確に桜を打ちのめしたのかもしれなかった。
桜の喉の奥から吐き気とともに言葉が競り上がり、声となって嘔吐された。

「さ、さくら! さくら、お、お……おちんちん、おちんちん大好きなんです! おしゃぶりしたいです!
 羽蛾さま、さくらの、さくらのおしゃぶり見ててください、お願いします! お願いします……!」
「よくできましたぁ」

昨日までの人生で一度も発したことのなかった単語を、木之本桜はぽろぽろと涙を流しながら口にする。
顔をくしゃくしゃにしながらしゃくり上げる少女に向かって、しかし羽蛾はぞんざいに地面を指すと言う。

「じゃ、有言実行しなきゃダメだろ」
「……ぅ、う……」

100さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:22:38 ID:orWqWrkc0

改めて目にする男根は、涙に滲む少女の眼にはひどくおぞましく映る。
それでも桜は羽蛾と、その足元に眠る希をちらりと見やると、おずおずとその名の通り桜色の唇を
男の腰へと近づけていく。
すっかり勢いを失って小さくなったそれへと、桜の白い指がそっと触れた。
途端、むくりと男根が蠢いた。

「やっ……」

芋虫のようなその動きに本能的な嫌悪感を覚え、桜が小さく悲鳴を上げる。
上げたがしかし指は離さず、震えの残るその爪の先でカリ、と鈴口を掻いた。
効果は如実だった。少女の怯えた指で掻かれた刺激は苦痛には至らない。
むくむくと海綿体に血が集まり、半ばまで皮に包まれた亀頭が外気に晒される。
ひどく幼い頃に父と兄のそれを見ただけの少女には預かり知れぬことではあったが、
男のものは標準的なそれよりも細く、長い。
文字通り亀が首を伸ばすように膨らんでいくそれを、少女の指が撫で擦る。
やわらかい指の腹を使って、先端から撫で下ろすように、根本まで。
無造作に生えた陰毛が恐ろしいのか、毛に触れる少し手前で指を止め、また先端へと滑らせていく。
普段は鉛筆や、色のついたペンや、あるいは甘い菓子を摘んでいる小さな指が、
誰とも知れぬ男の醜い男根を、擦っている。
先端へと戻ろうとする、微かに熱を帯びた指が、奇妙な感触に揺れた。

「あ……」
「そこを強めに擦るんだよ……ヒヒッ」

羽蛾の言葉に押されるように、桜の指が男の雁首を握る。
ぐねりとした柔軟な粘膜が、こわごわとした少女の力を押し返す。
押し返された分だけ力を増すと、雁首は泥粘土のように少女の指で形を歪めた。
と思えば敏感な部位を刺激された男根はその硬度を増して反り返る。
寝転んだままの男の臍のあたりまで反ったそれを、少女が両手で捧げ持つようにそっと包むと、
ゆっくりと天へと向けていく。

101さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:23:37 ID:orWqWrkc0

「いいぞ……そら、また舐めてやるんだよ」
「……ふ、う……ぅん……」

言われるがまま、桜がその顔を男根へと近づけていく。
桜の吐息は、想像を越えた恥辱を前にして燃えるように熱い。
少女の熱い息を至近に浴びて最高潮に達した男根が男の腹に密着するように反ろうとするのを
慌てて抑え、桜が小さく口を開いた。

「んむぅ……、っ」

ちろりと、舌先が唇から覗いた。
固く目を閉じたまま少女の震える舌がそっと男根へと這わされようとする。
恥じらいに満ちたその仕草は、あけすけに舐め上げるよりよほど男性の劣情を掻き立てるものであったが、
幼い少女にはそのようなおぞましい想像などできようはずもなかった。

「ふ……ぅん」

れろ、と触れるのはまず亀頭の先端、鈴口である。
それが男の最も敏感な部位の一つであると知るはずもない少女の、それは本能であっただろうか。
薄い唇に比べて少し厚みのある舌先が、内臓に直結するスリットをこじ開けるように突く。
塩気と苦味の混じった、奇妙な味が舌を刺激する。
同時に、嗅いだことのない饐えた臭いが少女の鼻孔を襲った。
むせ返るような男の臭いに、少女の喉がこくりと唾を飲み込んだ。
そうしなければ吐いてしまいそうだった。

「さくらちゃんさあ、ヨダレは飲むんじゃなくて、そいつに塗ってあげなきゃ」
「え……」
「口の中に溜めて、れろれろしてあげればいいんだって」
「……っ、……はい……」

にたりにたりと笑いながらナイフをちらつかせる羽蛾のそれがアドバイスではなく命令なのだと、
聡明な少女は既に理解していた。

102さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:23:57 ID:orWqWrkc0

「はぁ……んっ、ぁ……」

言われた通りにたっぷりと唾液を乗せた桜の舌が、男根に絡められた。
少女の口から排泄された液体がとろりと泡立ち、陰茎を伝って根元に垂れる。

「いいぞ、そのまま……次はそのタマを指でモミモミしちゃってよ」
「……」

唾液を塗りつけるには舌先だけでは足りず、舌の腹までを使って男根を舐め上げる桜の片手は
反り返る陰茎を押さえるために先端を握っている。
空いた手が指示通り、男の陰嚢に伸びていく。

「……っ!」
「モミモミだってば。キシシ、多少ひっかくくらいでも大丈夫だからさぁ」

指先に感じた陰毛の硬さに反射的に手を引いた桜に飛ぶ羽蛾の言葉はどこまでも軽く、容赦がない。
薄く目を開けた少女が、極力目の前の代物を直視しないように男の腰へと視線を滑らせる。
黒い剛毛の向こうに、ぶよぶよとした皺だらけのそれが見えた。
それが同級生たちの嬉しそうに連呼する『キンタマ』だという程度の知識は、かろうじて少女にもあった。
かたかたと震える奥歯を噛みしめるようにしながら、白い指が、剛毛をかき分ける。
熱と臭いとが、もわりと立ち上った。

「……っ……う、ぅ……」

それに触れると、男根が今までと違う蠢き方をした。
気色の悪さに、軽く撫で擦っただけだった。
それでも男根は亀頭を押さえる少女の手から逃れるように、暴れた。
慌てて亀頭ごと握りしめる小さな掌の中で、熱い肉の塊がどくりと脈打つ。
ぬるりとした感触が、桜の手を汚した。

「ヒャヒャ、スゴい我慢汁じゃないか!」
「が、ま……?」
「気持ちいいってことだよ、さくらちゃんにしてもらってさ」
「……っ」

103さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:24:14 ID:orWqWrkc0

今すぐに手を放して、何時間でも冷たい水で洗い流したかった。
それをすればどうなるのか、羽蛾の冷たい目とナイフを見れば嫌でも理解できた。

「よおし、それじゃそろそろフィニッシュと行こうか」
「……」
「しゃぶってやるんだよ。ぱくっとさ」

言われて桜が、手の中で熱を持った男根を見た。
大きく張った雁首の縁だけが鬱血したように紫じみて黒く、先端に向かうと共に
鮮やかな肉の赤に染まっていく。
ねじれた茸のような、オーブンに入れる前のパン生地のような、丸みを帯びて
奇妙に現実感の薄い形状。
小便の出るはずのスリットからは粘り気のある透明な液体がじわりと滲んで、
桜のやわらかい手にねっとりと絡みついていた。

「入ら……ないよ」
「大丈夫だって! こう見えてボク、フェミニストだからね。先っぽだけで許してあげるよ」
「そん……な、こと……、」
「ガタガタうるさいなあ!」

唐突に表情を変えた羽蛾が、足元に横たわる希の横顔を、思い切り蹴飛ばした。
眠る少女の首が、祭りの屋台で売られているゴムのヨーヨーのように跳ね、可動域の限界で
骨と筋肉と靭帯に引き戻される。

「ひっ……」
「ああ! もう! 面倒だな! 早く! やれって! 言ってんの!」

言葉を区切るごとに、ガツ、ガツと羽蛾の足が希の顔を、腹を、身体中を蹴り飛ばす。
一蹴りされる度に少女の肢体が震え、ねじれ、それでも希は目を覚まさない。

「も、もうやめて! やるから、わたし、やるから! だから、もう!」
「はぁ……ったく、早くそう言えよ。足、痛くなっちゃったじゃないか」

104さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:24:41 ID:orWqWrkc0

息を荒らげた羽蛾の眼には人間味の欠片もない。
その眼に睨まれて、桜は下腹に冷水を流し込まれたような錯覚を覚える。
男の怒気に触れる恐怖が、幼い少女を縛り付けていた。
逆らう気力もなくし、桜が手にした男根へと顔を近づける。

「そうだ、あーんして、先っぽを唇で擦るんだ……ヒャハハ、上手いじゃないかさくらちゃん」
「う……、ぇ……んぅ……」

言われるがまま、桜が薄桃色の唇を男の亀頭へとなすりつけるようにして、先端を口に含む。
口腔内に広がるすえた臭いをできるだけ鼻に通さないように、同時に肺に深く吸い込まないようにしながら、
桜の舌が男根をねちゃりと撫でる。
滲む粘液の苦味に、反射的に涙が零れて桜の頬を伝う。
淡い産毛を濡らしながら流れた涙がまだ子供らしい丸みを帯びた顎から落ちて、男の陰毛の中に染みていった。

「ぅえ……んん……っ、む、は、……ぁ……」

幼い唇が男の雁首を出し入れする度にめくれ上がり、粘膜の赤を覗かせる。
まだ蕾のような薄桃色の向こうに、女としての肉が確かに存在するのだと思わせる、
それはひどく淫靡な光景だった。

「は……ぶ、……うぁ……んぅ……」

少女の浅い呼吸が、異物のもたらす熱と臭いに侵されて、次第に荒くなっていく。
口の端から漏れる空気が時折放屁のような音を立てるのに恥じらいを感じていた桜だったが、
やがて目の前に靄がかかったように何も考えられなくなっていく。
乏しい酸素と、単調で苦痛に満ちた作業からの解放とを求めて、脳が思考を放棄するかのようだった。
男の陰毛の黒と汚らしい肌の色を映さないように細められた少女の視界は、滲む涙で半分がた塞がれている。
口腔の中のねちゃねちゃとした肉と、ふす、ふすと奇妙に漏れる吐息の熱とが、桜の口をいっぱいに満たして、
瞬間、かり、と。まだ生え変わりも終わっていない白く小さな歯が、何かを引っ掛けた。

105さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:25:05 ID:orWqWrkc0

「……? ……っ! ……っっ!!」

最初は喉の奥を叩くような衝撃。
苦味が、後から来た。
最後に桜の幼い口を満たしたのは、獣の臭いだった。

「……う、うええ……っ! え、えぇえ……っ!!」

喉が、舌が、反射的に口の中の異物を吐き出すように動く。
ぶるりと跳ねた男根がえづく桜の口から飛び出して、その先端から精の残りを放った。
白濁液が、短く切り揃えられた栗色の髪を汚した。
きらきらと輝いていた瞳に飛んで、しみひとつない瞼に垂れた。
白く泡立つ粘液は真っ直ぐに伸びる鼻筋と、指の先で押せばどこまでも沈むようなやわらかい頬に貼り付き、
花びらのような唇をぬらりと流れ丸みを帯びた顎の輪郭を伝って、可憐な少女の顔のあらゆる部位を、
取り返しのつかない穢れで犯した。

「ぎゃは! ぎゃヒャヒャ! 夢精完了!! ぎゃヒャヒャヒャ!!」

精に塗れた少女の顔を見て、羽蛾が狂ったように笑う。

「顔射! 顔射! 最っ高だ! 最っっ高にエロいよ! さくらちゃん! げヒャはハハハ!」

笑いながら、手にしたナイフを振り上げ、下ろす。

「げ、げほ、……ぅえ、……。……、え……?」

喉に絡みつく粘液を吐き出そうと咳き込む桜の目に、赤が写った。
血飛沫は、飛ばなかった。
ただ地面にじわりと広がって止まらずに、土の上をどこまでも伝っていく。

「こんなデブ、もういらないや!」
「あ……、え……?」

106さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:25:32 ID:orWqWrkc0

状況に思考が追いつかず呆然とする少女に、手が伸びた。
ナイフを捨てた羽蛾の、鮮血に濡れた手だった。

「ひ……!」

反射的に押し返そうとした手が、掴まれた。
ぬるりと血に滑る手が桜の細い腕に鮮やかな赤い跡を残しながら、華奢な関節を捻り上げる。
羽蛾は背の低い、痩せぎすの少年だった。
それでも桜の幼い身体は、少年の欲情を跳ね除けるには、あまりにも非力だった。

「いた……痛い……や、痛い、いた……!」

加減を知らない力で肘を捻られ、悲鳴を上げる桜に羽蛾が体重を乗せていく。
羽蛾と自身、二人分の重みを支えきれずに桜の膝が落ちた。
剥き出しの地面に膝が擦りむけ、傷口からはじわりと血が滲む。
鈍痛を感じる間もなく、羽蛾が桜の肩を押すようにして、土の上に押し倒した。

「や……っ」

逃れようと身を捩る桜の頬に、羽蛾の生温かい吐息がかかった。
きひひと笑って、幼い少女の抵抗を楽しんでいるようだった。
捻り上げた片腕は桜の頭の上でがっちりと掴まれて動けない。
空いた手で羽蛾の胸を押しのけようと力を込めても、骨ばった少年の身体は小揺るぎもしなかった。

「く……ぅ……」
「ヒヒ、もう終わりでいいのかな? じゃ……今度はこっちのターンだよねえ」

べろりと舌なめずりをした羽蛾が、桜の身体に顔を寄せる。
思わず顔を背けた桜だったが、奇妙な感触は頬や唇ではなく、胸からやってきた。
男根への奉仕の間に黒い制服の上着はすっかりはだけ、白の肌着は肩からずり落ちて、
桜の乳房は、無防備だった。

107さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:26:03 ID:orWqWrkc0

「や……なん、で……」
「ゲヒャヒャ、おっぱい吸いたいのは赤ちゃんだけじゃないんだぜ?」

ほんの僅かに膨らみを帯びただけの幼い双丘に頬ずりしながら、羽蛾がニタリと笑う。

「ふぅ……ん、やめ……て……」
「やめるわけないよねえ! さくらちゃんはバカだなあ!」

れろり、と羽蛾の舌が、淡い桜色をした膨らみの頂点をねぶる。
くすぐったさと嫌悪感に桜が歯を噛み締めて堪えるのをニタニタと至近で眺めた羽蛾の舌が、
更なる悦楽を求めて蠢いた。
舌先でやわやわと乳首を突いたかと思えば、広い舌の腹で乳頭全体を覆うように舐め上げ、
あるいはパクリと口を開けると、微かに乗った乳房の薄肉を吸い上げて集めるように口をすぼめる。

「ひ……や、あぁ……」

ちゅぶ、ちゅぶ、とわざと音を立てて乳を吸う羽蛾の頭を、桜の手が弱々しく押さえる。
白くやわらかな手の些細な抵抗など、羽蛾の快楽を高めるだけだと気付けるはずもなかった。

「ヒ、ヒヒ……さくらちゃんのおっぱい、初めて吸ったのはボクだよ。忘れないでよね」
「や、だぁ……」

自らの唾液でぬらぬらと照り光る純白の肌と花の色の突起に、吹き出物の目立つ頬を摺り寄せて
べとべとと顔を汚しながら、羽蛾がケヒヒと笑う。
戯れるように乳首を甘咬みされ、桜が何度も首を振る。
犬歯が可愛らしい突起を押すように刺さり、刺激は生理現象としての充血を招いた。

「おやあ? さくらちゃん、胸ボッキしちゃってるじゃん、やらしいなあ……!」
「う……ぅ……ぃやぁ……」

少しだけ硬くなった歯ごたえに、けくくと喉の奥から不気味な唸りを上げた羽蛾が舌を使って少女の胸を弄る。
淡い朱鷺色に染まった乳首が、不健康な舌のざらつきに何度も擦られては歪み、形を変え、
その度に羽蛾は嬉しそうに目尻を垂らして桜の真っ赤な泣き顔を見やるのだった。

108さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:26:21 ID:orWqWrkc0

「ひぁ……う、ふ……くぁ、……うぅ……ん……」

幼い乳房と薄い柔肉を蹂躙し尽くした羽蛾が、やがてちゅぷ、と汚らしい水音を立てて顔を上げる。
れろりと伸びた舌が膨らみの描く緩やかな坂を辿って降りるのは、片腕を頭上で押さえられたまま空いた脇だった。
皮一枚の下に肋の浮いた上を、つつ、と舌先が掠め、桜がぶるりと身を震わせる。
まだ縮れ毛の一本とてない無毛の脇を護るものは何もなかった。
羽蛾の舌が、荒れてざらついた口唇が、未踏の領域を存分に蹂躙する。

「う、くぅ……ぁ……」

恐怖か、緊張か、あるいは汚辱の故か、汗が珠になって浮かぶその窪みを、羽蛾は丹念に舐めとっていく。
蛞蝓が肌の上を這うような嫌悪感に、桜の目からは真新しい涙がぽろぽろと落ちていた。

「しょっぱくてマズいよ、さくらちゃん」

濾し取った汗の粒を口の中で転がしながら、うっとりとした顔で言う羽蛾。

「それに、ほら。臭くてたまんないよ」
「やだ……やだ、やだぁ……」

汗の代わりに涎でべっとりと濡れた桜の脇の下は紅潮して薄紅色に染め上げられている。
その桃肌のくぼみに鼻面を押し付けて胸いっぱいに息を吸い、羽蛾はにへりと口の端を歪ませる。
肺の中に桜の匂いを染み込ませ、獣欲と混ぜて吐き出す羽蛾。
どろりと濁った呼気が桜の、肋の浮いた胸を疼かせた。

「う……うぅ……ぇ、もう……やだ……やめ、て……」

ほろほろと、透き通った涙が溢れる。
きらきらと輝いていた瞳は、いまや何もかもを拒絶するように固く閉じられていた。
その閉ざされた瞼を、羽蛾がべろりと舐めた。

109さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:26:43 ID:orWqWrkc0

「ひっ……!?」

感じたことのない部位に、感じたことのない感触。
恐怖と嫌悪に、桜は眼を開くこともできないまま、無遠慮な陵辱を受け続ける。
べちゃりと、白い瞼に羽蛾の舌が乗せられ、たっぷりと唾液を刷り込まれていく。
薄く引きつった瞼を口唇でぐちゅりと吸い混んではねっとりと舌で擦り、熱く臭う吐息を上塗りする。
闇の中、ただ震えることしかできない桜の小さな身体が、嫌悪に痙攣した。
細くすらりと伸びた腿が攣るように曲がり、足が跳ね上がる。

「……!」

跳ねた足が、何かを蹴った。
羽蛾の身体を捉えたと思った途端、足が更に動いた。
仕立てのいい革靴の底が重い肉を何度も蹴り、ぼすり、ぼすりと音がした。
何度目かに、片方の革靴が脱げて飛んだ。
それほどの勢いだった。
懸命の抵抗だった。
せめてもの痛手を与えたつもりだった。
しかし、

「いけないなァ~、さくらちゃん」
「え……?」

薄目を開けた桜の、文字通り吐息を感じるような距離に、ニタニタと笑ったままの羽蛾の顔があった。
何の痛痒も感じた様子もないその締まりのない口が、甲高い声を吐き出す。

「いくらおっさんが嫌いでも、そんなに蹴ったら可哀想だぜ? ほら」
「……っ、あ……、」

誘導されるがままに視線を動かした桜が、小さく息を呑む。
靴の脱げた白いソックスの先、見えたのは、警官の青い制服。
局部を剥き出しにしたまま昏々と眠り続ける男の姿だった。
桜が懸命に蹴っていたのは、男の腹のあたりだった。
自らに伸し掛かる羽蛾には、ただの一度も打撃は届いていなかった。

110さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:27:08 ID:orWqWrkc0

「や……そ、ん……っ」
「キヒッ、癖の悪い足は、こうだ」

無抵抗の男を何度も蹴った、その罪悪感に混乱する桜の足を、羽蛾が無造作に掴む。
こびりついた血はすっかり乾いていて、黒っぽい粒がボロリと落ちた。
羽蛾の両手にそれぞれの足を掴まれて、桜の自由になった両手がまず行ったのは、際どい部分まで
まくれ上がりそうになっていたスカートを押さえることだった。
薄手の白地に赤いラインの入ったプリーツスカートが、本来の役割通りに少女の秘所をふわりと包む。
必死にそこだけを押さえる少女の幼い胸はその淡い桃色の突起までが露わで、アンバランスな姿に
喉を鳴らした羽蛾が、何を思ったかすんすんと鼻を鳴らす。
次の瞬間、しゃぶりついたのは靴の脱げた方の足先だった。
純白の三つ折りソックスに包まれた小さく可憐な足を、まるで先端から噛み千切るように口に含む羽蛾。
溢れた涎がじわりとソックスに滲んで、桜の足の指をじっとりと湿らせる。

「蒸れ蒸れじゃないか……こっちもすっごく臭いよ。さくらちゃん、体臭強いねえ」
「ぅ……わた、わたし、そんな、こと……ひぁ!」
「むぐ……これは、臭いな……フヒ、フヒヒ……」

ソックスの上から、羽蛾の舌が桜の右の足指を一本ずつ舐めしゃぶる。
ふっくらとした親指が、少し長い人差し指が、内側に曲がっているのが密かなコンプレックスの中指が、
爪の形が気に入っている薬指が、すぐ皮の剥ける丸い小指が、羽蛾の唾液で湿らされ、少女の汗と
微かな匂いとを溶かした汚辱の汁としてじゅぶじゅぶと吸い上げられていく。

「ちょっと爪伸びてるねえ……駄目だよ、ちゃんと切らないと……どれ、次の指はどうかな……」
「ぁぁ……やだぁ……」

おぞましさに、桜の全身に鳥肌が立つ。
ぎゅっと握る形にした足指が、偏執的なまでに蠢く歯と舌とでこじ開けられ、味わわれていく。
小指までをしゃぶった羽蛾の口は、そしてまた薬指から親指へと逆に辿り、ふやけた桜の足指を
更にゆっくりと転がし、ソックスの布地の網目までを舌に刻むようにねちゃねちゃと粘膜を押し付ける。

「ヒャハハ、不っ味ぃ~」
「う、ぅ……やめ……てぇ……」

111さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:27:25 ID:orWqWrkc0

真白い布の半ばまでを唾液で汚してからようやく小さな足を解放した羽蛾がそう言ってニヤつくのを、
桜はもはや直視することはなかった。
ただ力なく両手で顔を覆い、指の間から嗚咽を漏らすのみだった。
そんな桜の足を抱えたまま、羽蛾はその手を進める。
三つ折ソックスの中に指を突っ込むと、くるぶしの凹凸を指の腹でゆっくりと撫で回す羽蛾。
くるり、くるりと円を描くように関節を撫でたかと思えば、軽く爪を立てて筋をこりこりと嬲る。
気色の悪さにぞわりと硬直した桜の細い足を、羽蛾の指が輪郭をなぞるように遡っていく。
ぷよぷよと脂の乗った健康的なふくらはぎを掌で弄ぶと、土と擦り傷に汚れた膝小僧は指先で掻くようにして
滲んだ血泥を爪の間に溜める。
黒く汚れた己の爪を見やった羽蛾が、おもむろにそれをべろりとしゃぶった。

「ヒ、ヒヒ……」

剥がれた桜の皮膚と血と泥を長い舌に乗せたまま眼鏡の奥の目を細める羽蛾。
と、汚らしいままの舌を押し付けたのは、桜の白い太腿の内側だった。

「は、ぁ、や……ゃ、ぁ……」

脂ではなくしなやかな筋肉で構成される、健やかな腿。
それを包むきめの細かいつやのある肌を、唾液に溶かれた汚泥の赤黒い筋が汚していく。
緊張と混乱に固く強張った桜の太腿が弾力をもって舌を押し返すのを楽しむように、
羽蛾はゆっくりとその醜い粘膜を動かしていた。
と、瞬間。強張っていた太腿が、ふるりと緩んだ。
同時、匂い立つのは強い異臭だった。

「おや? おやおや? これは、おや、まさか、さくらちゃん? ヒヒ、ヒヒヒ……ヒヒヒヒ!」
「あ、あ……や、だ……」
「おもらしだ! おもらしだねさくらちゃん! 恥ずかしい~!」
「やぁ……も、や、ぁ……う……」

嗚咽は言葉にならない。
一度滲み出した液体は、止まることを知らなかった。
少女の股を包む白い清潔な布は瞬く間に淡黄色の染みに汚れ、すぐにその保水力の限界を露呈して
ちょろりちょろりと引き締まった尻やしなやかな腿へと雫を溢れさせていった。
地面に広がる白いプリーツスカートも瞬く間にその色を変えていく。
もわりと、一瞬だけ立った湯気を、羽蛾は見逃さなかった。
ほんの僅かでも逃すまいとするかのように大きく息を吸い込んで、喉と鼻を灼くアンモニア臭を堪能する。

112さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:28:01 ID:orWqWrkc0

「くっせえ……くっせえ……キヒ、キヒャヒャ……!」
「……っ、……ぅっ……」

声もなく泣く桜を見下ろして、恍惚としたまま呟く羽蛾。
底知れない恥辱に震える少女を更なる絶望へと叩き落とすべく、、耳障りな声が言葉を形作る。

「おもらしするなんて悪い子は、お尻ペンペンだね」
「……!」
「ほら、お尻……、こっちに向けるんだよ……早く!」
「やっ……!」

足首が乱暴に掴まれ、引きずられ、桜が力任せにうつ伏せにさせられる。
羽蛾の姿が視界から消えた。
生温く湿った気配が、見えない背中側から迫ってくる。
根源的な恐怖に暴れ出しそうになる桜を押さえつけたのは、熱のような痛みだった。
ぱぁん、と響いた音は、後から桜の中にこだました。

「い、ぎ……っ!」

思わず歯を食い縛った桜の尻が、もう一発、弾けるように音を立てた。
幼児のように尻を叩かれて、抵抗の意思は、あっという間に霧散した。
痛みに押し出されるように、大きな瞳からまた涙が零れた。
うつ伏せの顔は、腕一本を挟んで剥き出しの土に近い。
頬にこびりついて乾きかけた男の白濁液が一筋、涙でふやけて地面に落ちた。
湿った土と腐った肉の臭いが跳ね返って、桜の鼻孔を刺激する。
くたりと、力が抜けた。
そんな桜の背後で、羽蛾が可笑しそうに肩を震わせる。

「クシシ、お仕置き大好きなのかなあ、さくらちゃん? すっかり可愛くなっちゃって」
「……」
「いい子のさくらちゃんが風邪を引いたら可哀想だねえ。濡れたパンツは脱がないとねえ」
「……っ!」
「暴れないでね……、暴れんなって、言ってるだろ!」

濡れた布地に手をかけられた途端、桜が我に返ったように動き出す。
先手を打った羽蛾が、容赦の無い一撃を、桜の尻へと打ち込んだ。
快音は響かない。むしろ、ぼむりと鈍い音がした。
痛みは、先ほどの比ではなかった。
平手ではなく拳で殴られたのだと桜が気付く頃には、痛みは全身に広がって一切の動きを封じていた。
声も出せず、ただ口の側にあった腕を強く噛んで、痛みが一秒でも早く消えるように祈るのが精一杯だった。
ずるりと、濡れた布が下ろされる。
汚れた布はそのまま膝を通り過ぎ、片足を抜かれ、もう片方の足首で靴に引っかかって止まった。
ひやりとした感触は、秘所が剥き出されて外気に晒されたことを示していた。
殴られた痛みの尾がようやく消えようとする頃には、もう取り返しがつかなかった。

113さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:28:22 ID:orWqWrkc0

「ヒヒ……! お尻の穴も、可愛いあそこも、全部見えちゃってるよ、さくらちゃん」
「……」
「恥ずかしくないのかなあ! 恥ずかしくないんだねえ! 偉いねさくらちゃんは!」

笑い声が、ひとしきり響く。
笑いながら羽蛾が掴んだのは、尻の肉だった。
骨盤が発達する前の桜の尻は、まだ肉付きが薄い。
腹と腰と足との境目すらはっきりしないその薄い肉を、羽蛾はこね回すように掴み、捻り、摘む。
撫でるでも、触るでもなく、まるで合い挽きの肉でも丹念に混ぜるかのように尻を嬲るのだった。
シミ一つ、腫れ物一つない白い柔肉が、羽蛾の骨ばった指の隙間からはみ出して赤く腫れる。
指の形の跡が幾つも残り、まるで手形で描かれる絵のように桜の尻が染め上げられた。
最後に残った深い溝に一番乗りを果たしたのは、れろりと尖らせた舌先だった。
すぼめられた蕾を、ぬめぬめと照る粘膜が叩き、閉じられた扉をそっと撫で上げる。

「あ……ぁ、ぅ……や、や、ぅ……あぁ……」
「苦いなあ、臭いなあ、さくらちゃんのうんちの穴はちゃんとお掃除されてないね」
「やだ……や、やめ……ひ、いやぁあ……っ」

皺を伸ばすように丹念に、執拗に羽蛾の舌が滑る。
ふるふると桜の腰が震えるのは快楽では無論なく、絶望的な恥辱のためだった。
ちょろりと、一筋の雫が白い太腿を流れ落ちた。
いまや防ぐもののない秘所から再び零れた、黄金色の汁だった。
垂れた雫を、羽蛾が指ですくって、口に含んだ。

「ヒャヒャ、後ろ押したら前から出てきたよ、さくらちゃん。面白いねえ」
「あ……あ……」
「じゃ、そろそろいいかなあ」

一人で何かを納得したように頷いた羽蛾が、ぺしぺしと桜の尻を叩いてからおもむろにポケットをまさぐる。

「これ、な~んだ? って言っても見えないか。ちょっと待っててね、ヒント上げるから」
「……? ひぁっ!」

羽蛾の言葉が終わるやいなや、桜が尻に冷たい異物の感触を覚えて悲鳴を上げる。

「ヒント、さくらちゃんに与えられた支給品です。ヒント2、こんなこともあろうかとボクが預かっていました」
「やだ、なに、あ、ぁあ……これ、やだぁ……」
「じゃーん! 答えはただのローションでした!」

114さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:28:48 ID:orWqWrkc0

嬉しげに言った羽蛾が、手にしたプラスチックの瓶からどろりとした透明な粘液を桜の尻に垂らす。
粘り気の強い液体が桜の蕾を覆うとあっという間に溢れ、股の溝を伝って身体の前側へと流れていく。
黄金色の雫がまだ珠になって残る初々しいスリットが、ローションの冷たさに包まれた。

「さくらちゃん、全然濡れてないんだもん。ボク、痛くなっちゃうとこだったよ」
「……?」

あまりに身勝手な羽蛾の言葉の意味を、だが桜は理解できない。
女性としての機能を知るよりも早く、この日は訪れてしまった。

「じゃ、さくらちゃん。こっち向いて」
「……」
「向かないと、また痛いことするよ」
「や……だぁ……」
「いい子だねえ、さくらちゃんは」

もはや今の桜に正常な判断力は残っていなかった。
苦痛への恐怖と恥辱から目を背けたい一心で、耳に入る言葉に従っていた。
微かに膨らんだ胸も、下着を脱がされた秘所も、隠すことを忘れていた。

「じゃあ、足を開いてね」
「ぅ……」
「こうするんだよ」

羽蛾の手が、仰向けに寝転んだ桜の細い足首を掴むと、両側に割り広げる。

「さくらちゃん、まだ全然生えてないんだねえ。綺麗だよ、可愛いよ、キヒ、キヒヒ」
「……」

透明なローションの向こうに、桜の恥丘が晒されている。
抜けるように白い周囲の肌に比べてほんのりと赤みを帯びた部位は、放尿の余韻か、
あるいは粘液の冷感によるものか、ぱっくりと裂けた縦筋を微かにひくつかせている。
ぷくりと僅かに土手の高い、丸みを帯びたその未踏の地を守るものは誰もいない。
ただ無防備に、こじ開けられるのを待っているかのようだった。

115さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:29:17 ID:orWqWrkc0

「じゃ、ちゅーしようか。こう見えても儀式の手順はきっちり守るタイプなんだ、ボク」
「……?」

言われたことを理解するには、遅すぎた。
桜の視界を覆い尽くすように羽蛾のニヤついた顔が近づいて、粘膜同士が、触れた。

「……! ……っ、……ッッ!!」

目を見開いた桜の悲鳴は、その小さな顔を栗色の髪ごと抱えるように吸い付いた羽蛾の口に流れていく。
キスというにはあまりに稚拙で強引な、それは一方的な口腔の侵食だった。
流れこんできたのは粘つく唾液と、奇妙に長い舌。
桜の薄い唇が、べろりと無遠慮に舐められた。
思わず引き結んだ口唇を、ねっとりとした舌が無理にめくり、並びのいい前歯と健やかに紅い歯茎を
擦り上げるように粘膜を擦りつけていく。
咄嗟に歯を噛み締めた桜だったが、途端に頬を指で抉るように思い切り掴まれた。
頬の内側の肉を歯に押し付けて刻まれるような痛みに、桜は白い歯を無理やりに開かれていく。
薄く開いた隙間から唾液を流し込まれた桜の舌に、苦味が走る。
その正体を考えるよりも早く、異臭が鼻を突いた。
その臭いは、知っていた。同時、浮かんだのは尻をべろべろと舐められる感触と、笑い声だった。
胃の中のものが競り上がるのを堪えることはできなかった。
焼けるような痛みが食道を駆け上がり、ツンとした刺激臭が桜の鼻孔を満たしたその瞬間、
桜の胃液が、羽蛾の舌とその向こうの口に逆流した。

「……ご、ぇ……げ、うぇ……ぇぇぇ、ぇ……っ」
「……ッ!? ……、……ぅく、く……」

羽蛾が驚いたような表情を浮かべたのは、ほんの僅かな時間だった。
瞬き一つの間に、羽蛾は恍惚とした笑みを浮かべると、口の中の刺激物を飲み下していた。
くは、と吐いた息から、桜の吐瀉物の臭いが立ち上った。

116さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:29:42 ID:orWqWrkc0

「……っ」

想像を絶する光景に蒼白となる桜に、羽蛾が笑ってみせた。
優しさや労りや慈しみといったものが、微塵も含まれない笑みだった。
じい、と下の方から奇妙な音がした。
羽蛾が、ジッパーを下ろす音だった。
ぼろりと、肉の塊がズボンの隙間から零れた。
それが、つい先ほどまで自身が奉仕していたものと同じ代物だと、桜は理解できなかった。
羽蛾のものは、それほど矮小だった。
それでも、それは男根だった。
笑ったまま、羽蛾が男根を手に持つと、狙いを定め、おもむろに桜を貫いた。

117さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:29:54 ID:orWqWrkc0

「……、……、……ッッ!?」
「キャ、ヒュヒュヒュ、ヒャヒャ、ヒャハ、ヒャハハハハ、ヒャヒャ、ヒャ!」

羽蛾の笑いは、人の口から発せられているとは到底思えない音として、桜の耳にじわりと滲んだ。

「あー……これがさくらちゃんのお腹の中かあ……」
「ぁ……、え……? い、いや……ぁ……」

自分が何をされているのか、桜にはわからない。
それでも下腹の鈍い痛みと本能的な嫌悪感、そしてに何よりも羽蛾の嬉しそうな顔が、
今されている行為がよくないことだと桜に直感させた。
ふるふると首を振る。
セミショートに切り揃えられた栗色の髪がさらりと揺れた。
こびりついた白濁液の成れの果ても、髪と一緒にぶるぶると揺れた。

「や……やぁ……う、ぁ……やめ、やめて……やめてよぉ……」
「だーかーらー、やめないっての! ボクたちセックスしてるんだからさあ」

桜といえど、セックスという言葉を耳にしたことくらいはある。
それが実際にはどんなことなのかはわからないが、男女の愛の結果の行為だと。
愛の結果。羽蛾という少年の醜く引きつった笑顔が目の前にあった。
いまだに眠り続ける警官の男の剥き出しの男根と、血だまりの中で色を失った希の横顔があった。
愛など、どこにもなかった。

「してない……わたし、そんなの、して……あ、くぅ……」
「してるじゃん! ほら! おちんちん入れてヒーヒー言ってんじゃん、さくらちゃん!」
「あ……! ひ、ぃ……やぁ……や、ぁ、うぅ……んぅ!」

桜の両足首を掴んで揺さぶるようにしながら、羽蛾が激しく腰を前後させる。
ローションが泡立ってぐちゅぐちゅと汚い音を立てた。
粘膜同士の擦れ合いに快感を覚えられるまでには、桜の幼い肢体は成長を遂げていない。
ただ下腹部全体に広がる違和感と、矮小な男根で膣口の付近を擦られる鈍痛、そして羽蛾が体を揺する度に
地面に擦れる背中の痛みだけが桜に与えられる感覚の全てだった。
それでも、そんな桜の涙を湛えた瞳と苦痛に歪む表情は、羽蛾を興奮させるには充分だった。

118さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:30:10 ID:orWqWrkc0

「はあッ……はあッ……! ああ……ボク、セックスしちゃってる……イヒ、イヒヒ……」

目の前で、可憐な少女が犯されて泣いている。
綺麗な栗色の髪はこびりついた精液でそこかしこが白く固まっていた。
小さな丸い顔は紅潮し、荒い息をついている。
腰を振る度に花びらのような唇から上がる喘ぎは、羽蛾の獣欲をいやが上にも高めていく。
乳房とも呼べないような膨らみは唾液塗れで、淡い乳輪に残る歯型は征服の証だ。
薄く肋の浮いた胴は少女の呼吸と同調して荒く動き、ぽっこりとくびれのない腹は
未発達の膣と子宮をその内側に秘めて、今まさに自分に蹂躙されている。
上品な革靴は泥にまみれて見る影もなく、白い三つ折の靴下に包まれた小さな足指は
強姦の苦痛に開かれ、また閉じてどこまでも可愛らしい。
ふっくらと伸びるふくらはぎと健康的な膝、まだ肉の薄い腿はしなやかで活力に満ち、
その健やかな身体の可能性をこの瞬間、この世の中で自分一人だけが独占している。
腿の付け根には尻穴と、女の中心があった。
充血して鮮やかに紅い裂け目はおそらく生まれて初めてめくれ上がり、その襞も揃わぬ内側を
外気に晒して揺れている。
泡立つ白い粘液と紅い裂け目とをかき混ぜるのは、自身の男根だ。
男の象徴が、女の中心を犯しぬいている。
矮小で卑屈で醜い男に、可憐で健やかで真っ直ぐな女の子が、犯されている。
泣いている。喘いでいる。胸を露わにしている。尻穴を見せている。
女を、貫かれている。
無限の可能性が、この卑小な男根に蹂躙され、穢されている。
冒涜的で、取り返しの付かない傷を受け、可能性が失われていく。
腰のひと振りごとに、少女の尊厳が壊れていく。
それは紛れもなく、至福だった。
男根の根元に、熱を感じた。

119さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:30:21 ID:orWqWrkc0

「ああ……出すよ……出しちゃうよ、さくらちゃん……」
「ぅ、くぁ……ぅん、んぁ……っ! え……? だ、す……?」
「出してやる……さくらちゃんの中、ボクの精子でいっぱいにしてやる……」
「は、ぁ……うん……っ、ゃ……!」
「赤ちゃん、できちゃうぜ……さくらちゃん、赤ちゃんできちゃうぜ……」
「……ッ!?」

ぼんやりと、熱に浮かされたように羽蛾の言葉を聞いていた桜が、その一言には激烈に反応した。

「あか……ちゃん……?」
「そうだ……ボクとさくらちゃんの赤ちゃん、お腹にできちゃうんだ……ボクの精子ぶちまけて、
 さくらちゃんのお腹に赤ちゃん作っちゃうんだ……ヒャ、ヒャヒャ……!」
「い、や……! 赤ちゃん、いや……! いや、いや、いやぁぁぁ!!」

火が着いたように泣き叫ぶ桜の悲鳴も、羽蛾にとっては快楽の促進剤でしかない。

「ほら……ア、アヒャヒャ、赤ちゃんの部屋に……ボクの精液いっぱい出してあげるよ、さくらちゃん!」
「いや、だめ、やめて……やめて、やだやだ、やめて、わたし、やだ……やめて、やめてえぇぇ!」

大きな瞳から宝石のような涙をぽろぽろと零しながら、桜が何度も首を振る。
それを見た羽蛾の腰の動きが、いよいよ激しくなった。
力任せに叩きつけるストロークから小刻みな、ピッチの早い動きへとその質が変わっていく。

「いくよさくらちゃん、受け取って……ボクとセックスして、ボクの赤ちゃん作るために、
 ボクの精子、ぜんぶお腹で受け取って……! う、ふぅ、はぁ……ッ」
「やだ、や、やだ……や、っ……! あ、ああああっっ……!!」

一際高い悲鳴を、桜が上げると同時。
矮小な男根が、その劣情を、少女の膣内に吐き出した。

120さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:30:51 ID:orWqWrkc0

「あ……、ぁ……」
「……ふぅ」

ようやく男根が引き抜かれたのは、それから何時間経ってからのことだっただろうか。
存分に少女の幼い身体を堪能した羽蛾が、呆然と宙空をみつめる桜の身体からまとわりついている
制服の上着を剥ぎ取り、男根の汚れを拭っていく。
拭い終えると粗末な男根をジッパーの中にしまい込み、汚れた制服を桜の裸体に向かって放り捨てる。
そして何事もなかったかのように言った。

「ああそうだ、さくらちゃん」
「……」

返事はない。

「言い忘れてたんだけど、もうすぐここらへん、焼け野原になるらしいよ」
「……」
「君たち、誰もタブレットの情報見てなかったらしいからねえ。本当にダメだなあ」

光のない目で宙を見つめる桜と、局部を剥き出したまま倒れている男、そして自分が刺殺した少女を
それぞれちらりと眺め、羽蛾は笑う。

「キヒ! 核! 核だって! いまどきバカじゃないのって感じだよね!
 まあでも、たぶん本当なんだよね。 そこら辺の草とか枯れてるし」
「……」

淡々と告げる羽蛾の表情に曇りはなかったが、桜はそちらを見ようともしなかった。

「なら、どうせ僕らに逃げ場なんてないさ。シェルター?
 バカどもと閉じこもって死ぬなら、好き放題やって死んだほうがずっとマシさ」
「……」
「キミだって最後にいい思い出ができてよかっただろ? ヒヒ」
「……」

人としての尊厳を徹底的に踏み躙られた少女は、身勝手な言い分に怒りを覚えることもなく、
ただじっと遠いところを見つめたままでいた。

「あと……何分くらいかな。もうすぐだと思うけど」

呟いた羽蛾が、タブレットを収納したバッグを見やって手を伸ばしかけ、やめる。
代わりにずれた眼鏡の位置を直し、両腕を天に向けて伸びをする。

「あー……、楽しかった」

121さくらと不思議ないもむし  ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:31:06 ID:orWqWrkc0

それが、最期の言葉になった。
白い光が、ありとあらゆるものを灼き尽くした。



【I-8/一日目/12時】


【インセクター羽蛾@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 死亡】
【木之本桜@カードキャプターさくら 死亡】
【本田速人@こちら葛飾区亀有公園前派出所 死亡】
【東條希@ラブライブ! 死亡】

122 ◆LUVj7B934M:2015/04/29(水) 12:31:21 ID:orWqWrkc0
投下終了です。

123名無しさん:2015/04/29(水) 12:33:25 ID:Fr1fLRwk0
なにこれ

124名無しさん:2015/04/29(水) 12:44:48 ID:m.zM9yls0
投下乙です
この蟲野郎!

125名無しさん:2015/04/29(水) 12:46:22 ID:IlDolnHw0
投下乙

パロロワに相応しい内容かはともかく
バトロワらしい凄惨な状況が再現されててよかったと思います

126 ◆vUP9qhTOWQ:2015/04/29(水) 13:22:05 ID:BkCXFDok0
加賀投下します

127 ◆vUP9qhTOWQ:2015/04/29(水) 13:22:26 ID:BkCXFDok0
加賀にとっては驚きの連続だった。
目が覚めてみれば見覚えのない場所。
突然かかる放送。 聞きなじみのない単語。 
そして声の主は紛れもなく秘書艦のもの。
長らく共に戦ってきた、友とも呼べる存在は加賀の知らない事をとうとうと語り、そして放送は終わった。

核や放射線など加賀にとっては馴染みの薄い言葉だ。
しかし長門の緊迫した態度や、なにより放送の内容からそれが危険な代物であることは感じ取れる。
ではあるが、それらがどの程度の危険度なのかは理解できない。
理解できぬのなら試すまでと艦載機を放ってみたが、機体はすぐに迷走をはじめ、おおよそ二○米飛んだあたりで墜落となった。
駆け寄ってみてみれば、妖精さんは鼻から血を流して既に絶命していた。
彼女が用いる艦載機、その操縦士である妖精さんは新人ばかりの五航戦ではない。 百戦錬磨の一航戦である。
それがものの二○米で不時着など、これは尋常ではない。
いや、まともに飛んだのはものの一○米。
首輪の効力を考えれば7米、時間にして1秒もない刹那の間に妖精さんの意識は消えたと予想できる。
恐ろしいまでの即効性である。
そしてそれは加賀の持つ最大の武器であり、ほぼ唯一の戦力である航空戦力の無力化を意味した。
手持ちでなんとかするにしても、背嚢の中にも武器になるようなものは入っていない。

しかし幸いにして放送の主である長門秘書艦と、名簿に吹雪と金剛の名が見える。
この島から脱出するにも、とりあえずは彼女たちとの合流が先決であろう。
なにより名簿には彼女たちの天敵であるヲ級の名もある。
あの深海生物がこの島に、しかも陸上に居る可能性が高いというのは危機的状況だ。
だが逆に考えてみれば、この上ない好機ともいえる。
陸上に上がってしまえば逃げ場はほぼないと言ってもいい。
戦艦二隻に正規空母、駆逐艦各一隻の戦力をもってすれば正面衝突したとしても撃破できる。
そうすれば現戦況を多少なりとも好転出来るだろう。

128 ◆vUP9qhTOWQ:2015/04/29(水) 13:22:36 ID:BkCXFDok0
ただ、合流するのが先決としても結局は脱出が最終目的となる。
首輪によって現環境でも生存は可能とはいえ、燃料は二四時間しか持たない。
食料にしても一日分。
偵察が飛ばせない事を考えると探索時間としては短すぎると言わざるを得ない。
おりよく合流したとしても島から出た後に原隊復帰するまで食料がもつはずもない。
海は広大で艦隊総出で出撃しても偵察網に引っかかるかどうかは運しだいだ。
首輪と食料に関しては現地調達も視野に入れる必要がある。
供給源には事欠かないが、調達できるかどうかといえば、今の加賀ではやや戦力的に心もとない。
だが国の興亡には艦娘の存在は不可欠。
生きて帰ること。

「これだけは譲れません」

一言、呟いて加賀は出撃した。

【F-1/深夜】

【加賀@艦隊これくしょん-艦これ-】
[状態]:健康
[装備]:艤装状態。戦闘機16偵察機16攻撃機28。同数の妖精さん。
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:脱出
1:他の艦娘との合流
2:ヲ級の撃沈
3:首輪・食料の調達
[備考]
首輪の有効範囲から離れると妖精さんは即気絶します。
首輪の現地調達とは要するに他参加者の殺害を意味します。

129 ◆vUP9qhTOWQ:2015/04/29(水) 13:22:54 ID:BkCXFDok0
投下終了です

130名無しさん:2015/04/29(水) 19:08:11 ID:edsPbXbg0
投下乙です

[状態]オチ に不覚にも笑った
こんな異常事態に放り込まれたらこうなるのも言わば当然か…

>さくらと不思議ないもむし
な、なんて濃厚なSSなんだ……
予約の時点で薄々嫌な予感はしてたけどここまでの展開は予想出来なかった……
ただ、核は深夜1時から8時までにしか起爆しないので12時の時間設定は変えた方がいいですね
もしくは鷲巣様の打った核ミサイルに被弾したとか

まさか加賀が艦娘最後の希望になるとは
しかし加賀ならやってくれる筈と思わせる程の冷静沈着っぷり
これが他の艦娘達の無残の死体も見ても保てればいいのだが……


あと>>3の地図が消えてたので取り敢えず別ロダに移動
ttp://download4.getuploader.com/g/spark/173/地図.png

131 ◆a/jktCkNQY:2015/04/30(木) 00:53:13 ID:akMboNcc0
投下します

132ティマイオス発動せず ◆a/jktCkNQY:2015/04/30(木) 00:54:07 ID:akMboNcc0
「相棒おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

それは悲鳴にも似た泣き声。
紫と金に染まった逆立った髪の毛。
並みの逆立ちではなく、最早凶器として使えるのではないかとすら思えるほど、鋭利な髪が特徴的な少年だった。
涙で汚れ泣き崩れた顔は、本来ならば強い意志をその眼に感じさせていたが、今は哀れみ以外の何物も浮かばない。

「俺が……俺が……うわあああああああああああああああ!!!!
 相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

相棒。
少年が呼び泣きじゃくり、顔を汚しているこの肉体の本来の主。
名は武藤遊戯。ゲームが得意な心優しい少年だ。
ある時、千年パズルを完成させた遊戯はもう一人の自分と対面することとなる。
そして、もう一人の遊戯は遊戯の体を借りながら数々の強豪をゲームで打破し、その正体が3000年前の名も無きファラオだということ。
1000年の時を超えた宿敵と戦いに身を投じることとなる。
もう一人の遊戯、名も無きファラオがこの場に呼ばれたのはその真っ只中であった。

「俺がラフェールに負けなければ……俺が闇の力に捕らわれなければ……。
 相棒は魂を囚われる事なんて無かった……うわああああああああああああああああああああ!!!」

膝を突き両手を地面に叩きつけながらまた泣き叫ぶ。
もう一人の遊戯はデュエルに敗北し、魂を奪われるはずだった。
だが、かわりに遊戯がその魂を差し出すことで、もう一人の遊戯の魂は肉体に留まることが出来た。
その後、遊戯の魂を取り戻す為に、羽蛾とのデュエルに挑む遊戯だったが、その最中にこのような場に来てしまっては意味が無い。
あそこで羽蛾を仕留められなければ遊戯は……。

「あああああああああああああああ!!!!
 どうすればいい……!? ああああああああああ!!!! 俺は一体どうすれば……。ん? 何だ?」

全く見向きもしていなかったが、横に置かれたティバックからタブレットが顔を覗かせていた。
もう一人の遊戯は手に取り指で画面を適当に撫でてみる。
どうやら、指で触れることで機能が作動し、画面に情報が映し出されるようだ。

「それが何だって言うんだ……。相棒はもう……うわあああああああああああああああああ!!!!!」

タブレットを適当に放り出し、また腹に力を込め渾身の限り叫びだす。
その時、偶然もう一人の遊戯の指がタブレットをタッチし参加者名簿の欄を開いた。
カラカラと音を立て、転がりながら光るタブレット。叫びながら遊戯は目を奪われ、泣くのを止めた。

「ああああああああああああああ!!!! ……さ、参加者、名簿だと……?」

少ししゃっくりをあげながらも冷静になり涙を拭い、再びタブレットを手に取る。
60名近くの名前が、そこには記載されている。もう一人の遊戯は、これで初めてここは大多数を集めて行われるゲームなのだと把握した。

「海馬、バクラ……あいつらも居るのか……それに羽蛾まで!?」

もう一人の遊戯はタブレットをディバックに放り込んだ。
考えてみれば、羽蛾がこの場に居てもおかしくはない。
ついさっきまで、もう一人の遊戯ととデュエルをしていたのは他でもない羽蛾なのだ。
同じように、この場に連れてこられてもいいはず。

「あいつを見つけて、相棒の魂を封じられたカードを取り戻すぜ!」

羽蛾があのデュエルの最中にこの場に来たのなら、遊戯の魂が封じられたカードをそのまま持っている可能性は高い。
至急見つけ、あのカードを強奪し遊戯を取り戻さなければ。
その使命感に燃え、もう一人の遊戯は辺りを散策し始める。

それから、数分走っただろうか。
ふと目の前に小さくだが人影が見えてきた。
あれが羽蛾ならば良し。そうでなくても何か有力な情報が得られる可能性は高い。
もう一人の遊戯は駆け足で近寄ってみる。

「何をやっているんだあれは……」

開けた場所であったのが幸いし、距離は数キロほど離れているが、何が起こっているのかある程度理解できた。
二人の男女が倒れ、更に羽蛾と思わしき少年が女の子の上に跨っている。
これが意味することは、もう一人の遊戯にはすぐに分かった。

「馬鹿げてるぜ! あの蟲野郎!!」

あんな非人道的行為は止めるべきだと、もう一人の遊戯の正義感が強く命令してくる。
だが全力で走っても数分は掛かる。今すぐ止める事は出来ない。
もう一人の遊戯は走りながら、二枚のカードを取り出した。

133ティマイオス発動せず ◆a/jktCkNQY:2015/04/30(木) 00:54:47 ID:akMboNcc0

「ティマイオスの眼発動!」

カードから感じる波動で理解できる。
少なくとも、ティマイオスのカードは闇のゲームに関係なくこの場でその力を発揮できると。

「俺に支給されたポイズンバタフライと一体化し、未知なるモンスターを―――何!?」

ティマイオス発動せず。
カードは実体化しかけた瞬間消滅した。

「うわああああああああああああああ!!? 何故だ!? また裏切るのか!?」

視界のずっと先に居る羽蛾が、こちらに気づき笑っているような気がした。まるでとても満足そうに。
見ればもう行為が終わっている。もう一人の遊戯は間に合わなかった。

「だが、相棒だけは……!」

遅れた自分を責めながらも、せめて報いを受けさせ遊戯の魂を取り戻そうともう一人の遊戯は走り続ける。
羽蛾達を白い光が包み込み、もう一人遊戯の視力を奪った。



幸いなことに、もう一人の遊戯の居た場所はギリギリ核の炎が伸びないラインだった。
爆風に煽られ吹っ飛ばされ、体を打ち付けて鈍い痛みに耐えながら立ち上がり、視力が回復した時、そこにはもう何も無かった。

「………………羽蛾……?」

何も無い。
倒れていた男女も犯されていた少女も羽蛾も。
つまり、遊戯の魂が封じられたカードも。

「あっ……あああ……ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
 あああああああああああ羽蛾あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!
 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
 あああああああああああああうわっはあっああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
 相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
 相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! 相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
 相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

堪らず、崩れ落ちる。
最後の希望は、いともたやすく崩れ去った。
もう一人の遊戯はただそこで泣き叫ぶしかなかった。


【H-8/一日目/12時】

【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:精神不安定
[服装]:高校の制服
[装備]:千年パズル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0 
    DMカード(ティマイオスの眼&ポイズンバタフライ)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[思考]
基本:相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
1:羽蛾あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
2:うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
[備考]
※羽蛾にゴキボールを破られる前からの参戦です。
※表遊戯は封印されています。

134 ◆a/jktCkNQY:2015/04/30(木) 00:55:14 ID:akMboNcc0
投下終了です

135名無しさん:2015/04/30(木) 05:48:24 ID:/3wXS9LE0
投下乙です。

何故ティマイオスの効果が発動できなかったか?教えてください。

136名無しさん:2015/04/30(木) 09:15:52 ID:b20I12Hw0
原作からしてこの時期の遊戯はティマイオス使えないでしょ

137 ◆vcc/eWAkMI:2015/04/30(木) 18:24:44 ID:FA7EGxU.0
投下します

138 ◆vcc/eWAkMI:2015/04/30(木) 18:25:26 ID:FA7EGxU.0
竜ヶ峰帝人は白髪の鋭い印象を与える顔つきの青年とざっ、ざっ、と、薄暗いコンクリートの上を歩いていた
電燈も壊れているのか電源がきていないのか、光は2人のもつ懐中電灯だけだった

竜ヶ峰帝人はトンネル前で赤木しげると出会った
彼の目指す目的地は島中央の(廃校舎でないほうの)学校と警察署
このような非常事態が起きた場合、避難所として使われている可能性が高いだろう。
もしかしたら知り合いや事情を知る者と出会えるかもしれないと期待してのことだった
赤木を見つけた帝人はこの島で誰かと出会わなかったか尋ねたが、赤木は誰とも会っていないと言った
赤木は今のところ特にどこに行くという目的もなかったが、同じ方向に進むことにしたようだった

「放射能って、こういう首輪で防げるの。」

「普通、体全体を覆う防護服とかじゃないと防げないと思いますけど…。」

「難しい?」

「難しいっていうか、無理だと思います。」

帝人は普通の高校生だが、放射能汚染などの脅威をニュースや歴史などで知っているため、どうしても不可能に思えてしまう。
昭和を生きている赤木にとって全く未知の板を普通に使いこなす帝人を眺めつつ、赤木は呟く

「ハッタリかもな」

「ハッタリ…?」

「誇張、嘘、牽制…実際に外そうとしたり、聞こえたルールを破ると、本当は電気だか、毒だかで死ぬのかも」

(僕たちに首輪を外させないため?)

帝人は考える。それなら普通に首輪を外そうとすると爆発するとか、そういうのでいいのではないか。
なぜ、核爆弾だの放射能だの、あまりに突拍子もない脅しを使うのか。
もしも「核」がハッタリだとしたら……一体、それは何に対するハッタリなのか。

赤木が薄く笑う

「いっそアンテナとかいうの、登って片っ端から壊してみるか。慌てて誰か出てくるかもしれない」

「ええっ、それは…やめたほうがいいですよ。これからまだ何が起こるか、わからないんですから!」

「ああ。そうするのは何が起こるのか…見極めてからでいい。」

(この人、ただあの音声に従おうって気はないんだな…。

 こんな怪しい状況なら、疑り深くなるのも無理はないのかもしれない

 でも…なんだろう。この人の…まるで普段から非日常に生きているような感じは…。)

帝人が赤木の佇まいに奇妙なものを感じている時、赤木も帝人の先ほどの態度について妙なものを感じていた

(アンテナを壊すことによる自分の身の危険を恐れるのではなく…

 これから起こる何かを期待している…?)

ククク…と小さく笑う
十分足りるようで、ギリギリしかない不安を煽るような首輪のタイムリミット
赤木も、これから何が起きるのか、静かに期待が高まるのを感じていた。

139 ◆vcc/eWAkMI:2015/04/30(木) 18:26:04 ID:FA7EGxU.0
【H-5/トンネル中間地点/1日目/深夜】
【竜ヶ峰帝人@デュラララ!!】
[状態]:健康
[服装]:学校の制服
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 支給品×3
[思考]
基本:状況の確認、無意識に非日常への僅かな期待
1:核はハッタリ…?
2:G-7の学校や近くの警察署に人がいることを期待
3:セルティ、杏里、静雄、臨也などの知り合いを探す
[備考] 時期はお任せします

【赤木しげる@闘牌伝説アカギ ~闇に舞い降りた天才~】
[状態]:健康
[服装]:普通の服
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 支給品×3
[思考]
基本:状況の確認。核はハッタリじゃないかと疑っている
1:これから起こることに少し期待
[備考] 青年期(アニメ第8話 復活の前兆以降)のいずれかの時期から

140名無しさん:2015/04/30(木) 18:26:40 ID:FA7EGxU.0
投下終了です

141 ◆LUVj7B934M:2015/04/30(木) 19:23:47 ID:d7Pr9lmo0
>>121を以下の通り修正します。

修正前:【I-8/一日目/12時】
修正後:【I-8/一日目/1時】

>>130
ご指摘ありがとうございました。

142名無しさん:2015/04/30(木) 19:36:15 ID:/EbtbgiIO
修正乙です

143名無しさん:2015/04/30(木) 22:28:57 ID:.lY4fNWM0
投下乙です

ところでしたらばの議論スレで作品の矛盾を指摘されて反応も修正も無い状態
が続いてるんだが

さすがに投下しただけで後は放置は無責任すぎるぞ

144名無しさん:2015/05/01(金) 21:17:43 ID:.z8FEV86O
反応がない作品は没と見なして、新たに没作品登場キャラの新作を書けばいいでしょ

145 ◆777Wt6LHaA:2015/05/02(土) 18:52:52 ID:KhwkJJjI0
投下作品が増えてきたのでまとめwikiを作りました
ttp://www8.atwiki.jp/animerowa-4th/

146名無しさん:2015/05/02(土) 19:26:04 ID:YxH/MLAw0
wiki制作乙です!

147 ◆a/jktCkNQY:2015/05/03(日) 17:08:46 ID:kYIPLVoQ0
>>133
【H-8/一日目/12時】を【H-8/一日目/深夜】に修正
あと備考に
※今はティマイオスが使えません。を追加で

指摘されたティマイオスに関してですが
理由は不明ですが
この頃の遊戯はティマイオスが使えませんでした

後にまた使えるようになりますが今は無理です

148 ◆JdI4UF1wGo:2015/05/04(月) 02:18:25 ID:20WzHr1s0
本スレに投下します。

149First Contact ◆JdI4UF1wGo:2015/05/04(月) 02:19:46 ID:20WzHr1s0
「殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す……。」

静かに呪詛のように繰り返されるその言葉には、殺意と苛立ちが渦巻いている。
平和島静雄は先程まで自身を拘留していた球体の傍らで、
鬼の形相を浮かべながら、タブレットを操作していた。

「訳わかんねえとこ連れてきて、核だ、首輪だ突拍子もねえ事ゴチャゴチャ抜かしやがって!
 しかも俺だけじゃなく、セルティまで巻き込みやがって……。
 どこの阿呆か知らねえが、この落とし前はきっちりとつけてもらうからなぁああーーー!」

獣のような雄叫びを上げて、金属の球体を蹴り飛ばす。
人一人を納めるには十分すぎるほどの容積を持ち、相応の重量を持つ金属球体ではあったが、
彼にとってはサッカーボールも同然の存在である。
激しい衝突音とともに、蹴り上げられた球体はロケットのように吹き飛び、
ロングシュートは夜空の闇の中へと吸い込まれていく。

- 歩く『暴力』
- 池袋で最も「喧嘩を売ってはいけない男」
- 自動喧嘩人形
- 怪物
- 最強


平和島静雄を揶揄する言葉はどれも破壊的かつ物騒なものばかりであるが、
静雄本人は、周囲からの第一印象とは異なり、争いとは無縁の平穏な生活を望んでいる。

だからこそ彼は怒っている。
自分が置かれている圧倒的理不尽な状況に対して。
その理不尽な状況に数少ない友人であるセルティが巻き込まれていることに対して。
そして…。

「つまりこれはアレだろ?自分が生き残るために、この名簿に載ってる他の人間の首輪を奪えって事だろう。
 舐めやがって!誰が手前らの思惑通りに動くかよぉ!」

自身への生存への必須アイテムである首輪を奪い合えと、遠回しに示唆する第三者の存在。
その悪意に対して反逆を宣言する。

タブレットの情報によると、現在自分のいるG7エリアは核爆発の対象外ということがわかった。
また、名簿にはセルティの他にも見知った名前が二つあった。

・園原杏里 - 確か新羅のとこにいた眼鏡を掛けた女の子だっけか……?
・折原臨也 - …………とりあえず見つけたら、殺しとくか。

150First Contact ◆JdI4UF1wGo:2015/05/04(月) 02:20:41 ID:20WzHr1s0



「何にせよ、まずはこのエリアでセルティの奴を探すか。」

とりあえずの行動方針を口にしたその瞬間、

♪♪♪~♪♪♪~

軽快な音と共に、自分が手にするタブレットが突然発光した。
目を丸くし、タブレットにタッチすると、TOP画面に先程までは存在していなかった
新しいアイコンが表示されていた。

「何だこりゃ…メールか…?」

アイコンをクリックすると、「New」というポップアップとともに
1件のメッセージが表示された。


----------------------------------
Title: No Tilte

突然のメールごめんなさい!

私、高坂穂乃果って言います。
音ノ木坂学院の2年生で、スクールアイドルをやっています。

今私はG-7の学校に一人でいます。
説明書によると、このメッセージは同じエリアにいる人、
皆に届くみたいです。

私の友達がこのメッセージを見ていると期待して、
メッセージを送ります。

海未ちゃん!、絵里ちゃん!、にこちゃん!、希ちゃん!
もしこのメッセージを見ていたら、学校まで来て!
穂乃果は学校にいるよ!

何だかよくわかんないことに巻き込まれちゃったみたいだけど、
皆で、皆で…一緒に帰ろう!

------------------------------------


「学校か……。」

スクールアイドルという単語は聞き慣れないが、どうやら女子学生が同じエリアの学校に一人でいるらしい。

内容から察するにこのメールは身内に宛てたもののようなので、
赤の他人である自分が学校に行く義理はどこにもない。

しかし、セルティなら…。
世話好きな彼女ならこのメールを受信したら、
発信者を保護しに学校に向かう可能性は大いに考えられる。

それに、首輪の強奪を考えているどこぞの馬鹿がメッセージを見て、
この発信者を襲撃する可能性もある。
そう考えると、放置するにはばつが悪い。

「行ってみるか…。」

池袋最強の男は進行方向を学校へと定め、その歩を進める。

【G-7/ 南端 / 1日目/ 深夜】
【平和島静雄@デュラララ!!】
[状態]: 健康、
[服装]: いつものバーテン服、いつものサングラス
[装備]:
[道具]: 支給品一式、不明支給品(1~3)
[思考]
基本: この島に拉致してきた犯人を見つけてぶっ殺す!
1: 学校に向かう。
2: セルティを探す。
3: ノミ蟲野郎(臨也)はぶっ殺す!

[備考] 参戦時期はアニメ1期終了後からとなります。

151First Contact ◆JdI4UF1wGo:2015/05/04(月) 02:22:09 ID:20WzHr1s0




--- 同時刻 G7 学校3階教室 


「これで…送れたのかな?」

薄暗い教室の中、椅子に座りながら高坂穂乃果は発光するタブレットを見つめる。
その机の上には説明書とUSBメモリが置いてある。
このUSBメモリは彼女の支給品の一つである。
USBメモリに同梱されている説明書には以下の内容が記載されていた。

・メール送信ソフト利用方法
- このソフトウェアは同梱のUSBメモリをタブレットの端子に接続することで、
 自動的にインストールされます。
- インストールされた当該ソフトを利用することで、利用者と同じエリア内にある
 全てのタブレットにメッセージを送信することが出来ます。
- メッセージは3時間に1回しか送信できません。

・メール閲覧ソフトについて
- メールの閲覧ソフトに関しては、予めタブレットにインストールされていますが、
 通常はTOP画面でソフトを確認することは出来ません。
 メッセージを受信することで、TOP画面に表示される仕様となっております。
- メッセージの受信者は、メールに返信することは出来ません。

「はぁ~………どうしてこんなことになっちゃったんだろう………。」

大きく溜め息をつき、机にうつ伏せる。


「絵里ちゃん…。にこちゃん…。希ちゃん…。
 海未ちゃん…。誰か来て…淋しいよぉ…。」


【G-7/ 学校3階教室 / 1日目/ 深夜】
【高坂穂乃果@ラブライブ!】
[状態]: 健康
[服装]: 音ノ木坂学院制服
[装備]:
[道具]: 支給品一式、USBメモリ(メール送信ソフト)、その他不明支給品(1~2)
[思考]
基本: μ'sのメンバーと合流して島から脱出する。
1: 怖い…淋しい…。
2: 学校でμ'sのメンバーを待つ。
[備考] 参戦時期はアニメ第2期、ラブライブ予選の直前からとなります。

※ 穂乃果のメッセージはG7にいる全ての参加者のタブレットに送信されました。

152 ◆JdI4UF1wGo:2015/05/04(月) 02:22:52 ID:20WzHr1s0
投下終了です。

153 ◆dKv6nbYMB.:2015/05/04(月) 17:27:13 ID:Tvbg2OuI0
投下します。

154人魚姫の涙:2015/05/04(月) 17:29:22 ID:Tvbg2OuI0


どうしてこんなことになったんだろう。
決まっている。これは、あたしへの罰だ。

『あなたは、その人を助けたいの?それとも、その人を助けた恩人になりたいの?他人の願いを叶えるのなら、尚のこと自分の望みをはっきりさせておくべきだわ』

先輩からの忠告を蔑ろにして、勝手に奇跡を願ってしまった。

『私、もう自分に嘘はつかないって決めたんですの。さやかさん、あなたはどうですか?本当の気持ちを向き合えますか?』

勝手に嫉妬して、自分の身体を言い訳にして、本当の気持ちに向き合うことから逃げ出した。

『痛くないから傷ついていいなんて、そんなの駄目だよ。...それで勝っても、さやかちゃんのためにならないよ』
『...だったら、あんたが戦ってよ』


勝手に自暴自棄になって...大切な友達を傷付けた。


あたしはマミさんみたいにはなれない。あたしには正義の味方なんて無理だったんだ。
あたしなんか、消えちゃえば...


「なぜそんなに悲しんでいるんだね、お嬢さん」

155人魚姫の涙:2015/05/04(月) 17:30:58 ID:Tvbg2OuI0

背後から声をかけられた。その低い声音からして、男性のようだ。
「怖がらなくてもいい。私は見ての通り刑事だ。さあ、こちらを向いて事情を話してくれたまえ」
「刑事...?」
刑事。それは、市民の味方...つまりは、正義の味方だ。あたしが憧れて...でも手の届かない人たちだ。
その事実が、心優しくも心配してくれる人に対して、あたしを強く反発させてしまう。
「うるさい...放っておいて」
「そうもいかない。こんな危険な状況だ。一般市民を見捨てるわけにはいかない」
だというのに、刑事さんは一歩もひいてくれない。それどころか、あたしを見捨てないとまで言ってくれている。
「あはは、なら大丈夫だよ。だってあたし人間じゃないもん。あたしなんかに構ってるひまがあるなら他の人を探しに行ってあげてよ」
「...いまの私の目には、か弱い女子中学生しかうつっていないがな」
刑事さんの優しい言葉が、あたしの心を抉ってくる。そして、そのぶんだけあたしの心は妬みで汚れていく。
人の都合も知らずに―――!
そう言いかけてふりむいたとき、あたしは言葉を失った。
なんでかって?だって考えてもごらんよ。刑事さんだと思って振り向いたらさ


海 パ ン 一 丁 の 変 態



がいたんだよ?そりゃ思考の一つや二つ、フリーズもするわ。

156人魚姫の涙:2015/05/04(月) 17:33:30 ID:Tvbg2OuI0

い...いやいや。落ち着け美樹さやか。ここは島だよ。ひょっとして、海水浴かなんかでたまたま来てて巻き込まれただけかもしれない。
それで、着替える時にネクタイから先に着けちゃったうっかりさんなだけかもしれない。
そんな事情も考えずに変態扱いするのは...

「む。そういえば自己紹介をしていなかったかな。私としたことが、これは失礼した。では改めて名乗らせていただこう。
股間のモッコリ伊達じゃない!
陸に事件が起きた時、
海パン一つで全て解決!
特殊刑事課三羽烏の一人
海パン刑事、ここに参上!」


どうやらこれがデフォらしいよチクショウ。どうみても変態です、本当にありがとうございました。


「さあ、きみが悲しんでいた理由を話してくれるかね?」
変態のかけてくる言葉で、ハッと我に返る。同時に、またも心が歪んでいくのがわかる。
ああ見えても、この人は刑事なんだ(本当かどうかはわからないけど)。あたしなんかとは違う、本当の正義の味方なんだ...
「何度も言わせないで。あたしなんか放っておいてよ」
「言葉を返すようだが、それは無理だ。私は市民の安全を守る刑事なのだからな」
(違うんだよ、刑事さん。あたしは卑怯で、汚くて、どうしようもない屑なんだよ)
あたしたちの間に、沈黙が流れ、代わりに風が木々をざわめかせる。
「...どうやら、警戒は解いてもらえないようだ」
しばらくすると、刑事さんは両手を腰に当て
―――スルルルル
あまりに自然な流れで、何の躊躇いもなく海パンをずりおろした。
あたしがその行為を認識できるまでにかかった時間、約3秒。
「!?」
「恐れることはない。これで私は、正真正銘の無防備状態だ」


海パンが下ろされ、露わになった男の勲章。
普段は見慣れないそれを見たあたしは叫んだ。
「ぎゃあああああああああああああぁぁぁぁぁ!!」
...ええ、それはもう清々しいくらい叫びましたとも。

157人魚姫の涙:2015/05/04(月) 17:35:38 ID:Tvbg2OuI0
なにが刑事よ!こんな正義の味方がいてたまるか!
「いいかい、今からそちらに行くが...落ち着いて私の話をきいてくれないか?」
股ぐらのキノコをぶらつかせながら、変態はあたしにゆっくりと歩みよってくる。なんかもう色んな意味で泣きたくなってきた。
「むかし...むか~しのことじゃった。あるところにお爺さんとお婆さんが...」
人はどうやって産まれるかって話!?この状況にかこつけて手を出そうなんて...この変態ロリコン刑事!
「こ、来ないで!」
あたしは、魔法で剣を作り、変態を牽制する。
「......」
「ち、近づいたら、その粗末なものブッた斬るからね。この変態!」
言葉に出して、馬鹿らしく思う。
(あたし、この期に及んでまだ自分が可愛いの?...ほんと、どうしようもないよ)
あたしが一瞬目を伏せた瞬間、変態が信じられない速さで駆けだしてきた。
「とうっ!」
そのまま、空高くジャンプ!あたしは反射的に剣をふるってしまう。
だが、変態は空中で開脚し、あたしの両手首を蹴りつける。その衝撃であたしはつい剣を落としてしまう。
(こ、この体勢は...)
変態のカメさんがあたしとコンニチワする。おそらく1秒後には、この子とキスすることになるだろう。
(おわった...)
全てを諦め、目を閉じる。あたしに押し付けられるのは、変態の生暖かいキノコ


「ようやく、わかってくれたようだね」


ではなかった。

158人魚姫の涙:2015/05/04(月) 17:36:58 ID:Tvbg2OuI0
変態のゴツゴツとした逞しい手の平が、あたしの頭に乗せられる。
フルチン丸出しの変態なのに、不思議と嫌悪感がわかなかった。むしろ、優しい温もりに包まれているかのようだ。
この人は、やましい心無しに、あたしを純粋に心配してくれていたんだ
だからこそ、疑問に思う。
「...して」
「ん?」
あたしは、この人に対して剣を向けた。罵声も浴びせた。なのに、この人は憶せず裸で向き合ってくれた。
「どうして...あたしなんかを気にかけてくれるの?」
彼は、大人の渋みを漂わせる笑顔で答えた。
「私は特殊刑事課三羽烏の一人、海パン刑事だ。刑事たるもの、困っている市民は見捨てれん」
もう三度目になるこの返答。でも、今までとは違い、彼の言葉を素直に受け止めることができた。
「何も隠すことはない。さあ、心を裸にして全てを吐きだせばいい。そのための私だ」
何も隠すことは無い。全てを吐きだせばいい。その言葉で、あたしの溜まっていたものが蠢いていく。
気が付けば、涙が頬を伝っていた。
「あ、あれ?なんで...」
目を擦り、涙を止めようとするが、その手を刑事さんに止められる。
刑事さんは、それでいいと言わんばかりに、微笑んでくれた。


―――気が付けば、あたしは、涙と共に刑事さんに全てを吐きだしていた。
その行為になんの気恥ずかしさも感じず、むしろ、全裸でお風呂へ跳びこんだときのような清々しい解放感すら感じていた。

159人魚姫の涙:2015/05/04(月) 17:39:33 ID:Tvbg2OuI0

刑事さんは、あたしの独白を同情も批難もせず、ただ黙って聞いてくれていた。
いまのあたしには、それがとてもありがたかった。
「...よく、話してくれたな」
再び、頭に手を乗せられる。
なんだか、自分が思ったより子供だってことを思い知らされてこそばゆく感じた。
「それで、きみはこれからどうしたい?」
「あ、あたし...」
さっきまでは、なにをどうすればいいのか頭の中でこんがらがってた。
でも、全部吐き出してからは強く思える。
「あたし...みんなに謝りたい。謝って、みんなと一緒にいたい」
自分勝手に皆を振り回してきたのは自分だ。そんなことが許されるはずもないかもしれない。
でも、刑事さんは力強く答えてくれた。
「ならば、私が力になろう。きみを必ずこの島から脱出させると約束する」
「あ、ありがとう...みんなとまた、仲直りできるかな」
「なあに、最初はわかってもらえなくても、このように裸になって伝えれば、必ず解りあえるさ」
「それはちょっと勘弁」


あたしがやるべきことは決まった。
まずは、この場を生き延びることを考えよう。生きて、ちゃんとみんなに謝るんだ。
そして、もう一度あの日常へ...



「ところで、刑事さん。そろそろアレを...」
「むっ?ああ、すまない。ネクタイが緩んでいたか」
「そっちじゃなくてもっと下!」


【B-7/一日目/深夜】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:健康、だいぶスッキリ
[装備]: 制服、ソウルジェム
[道具]: 支給品一式、その他不明支給品1~3
[思考・行動]
基本方針: 生きて帰って、みんなに謝る。
1: 海パン刑事と行動する。
2: とりあえずパンツを穿いて

※支給品一式には目を通していません。そのため、まどかたちがいることを知りません。
※魔法少女のことについてだいたい話しました。
※心を裸にすることに喜びを憶えました。ただ、全裸自体にはまだ抵抗があります。
※参戦時期は、8話でまどかを罵倒して別れた後です。

160人魚姫の涙:2015/05/04(月) 17:41:45 ID:Tvbg2OuI0
うむ、いつも通りうまくいったようだ。
検挙率100%の私にかかれば、傷心の少女を説得することなど容易い。
まずは全裸になって全てを曝け出すことにより、誠意を持って相手と接する。
そして、この全身に塗りたくった、我が汚野家に伝わる秘伝のオイルの匂いで相手の気持ちを落ち着かせる。
やはり私のやり方は合理的だな。
(それにしても、魔法少女か...)
両津が聞いたら利用して金儲けに使おうと考えるかもしれんが、私は違う。
いくら不思議な力を持っていようと、やはり彼女は一般市民なのだ。保護しないわけにはいくまい。
そう...私は、刑事として市民を保護しなければならないのだ。
おそらく、巻き込まれた者の中には、この異常事態に錯乱してしまう者もいるだろう。
そんな状況で皆を纏めあげることは普通の刑事には不可能かもしれない。
だが、この島には私と両津たちがいる。
私と奴らが力を合わせれば、どんな困難もたちどころに解決できる。
しかし、私としたことが、ネクタイが緩んでいたことに気が付かなかったとはな。
気が緩んでいた証拠だ。反省しなければ。



【海パン刑事@こちら葛飾区亀有公園前派出所】
[状態]: 健康、全裸
[装備]: いい匂いのするオイル@こちら葛飾区亀有公園前派出所(支給品)
[道具]: 支給品一式、その他不明支給品0~2、海パン
[思考・行動]
基本方針: 島からの脱出。
1:刑事として市民を守る。
2:怯える者・錯乱する者には全てを曝け出して語り合う。
3:両津たちと合流する。
4:気を引き締める

※支給品には目を通してあります。
※海パンからは何も出せません。
※魔法少女のことはだいたい把握しました

161人魚姫の涙:2015/05/04(月) 17:42:20 ID:Tvbg2OuI0
投下完了です。

162名無しさん:2015/05/04(月) 20:37:14 ID:Y1YcdvK20
投下乙です

あの服装の時点でこうなると思ってたが予想以上だわw

163 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:48:26 ID:NgA.1bxo0
本スレに投下します。

164魔術師とスクールアイドルの夜 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:49:43 ID:NgA.1bxo0


夜の森が平気な人間は、あまりいないだろう。
あの通信の内容が確かならば、ここは放射能によって生物が全て死に絶えている静寂の森。
時折吹く風によって、葉の擦れる音がするだけで、後は自分が踏みしめる足音だけ。
彼女、園田海未は暗い森の中を一人歩いていた。

(こ、怖すぎます)

自分の記憶が確かならば、いつもと同じようにμ'sの仲間達との練習を終えて帰宅し、
パジャマに着替えて、眠ったはずである。
それが気づけば、狭い球の中に入れられ、放射性物質に汚染されたという島にいるのだ。
おまけに、一定時間ごとに核爆弾が起爆するとのこと。
古典的に海未は頬をつねり、夢かどうか確かめてみたが………痛かった。
首に付けられている首輪の存在もあり、紛れもない現実であることに絶望した。

ゆっくりと足元や周りを探りながら海未は歩いていく。
さて、何故彼女は夜の森を歩いているのか?
彼女は実のところ、日が昇ってから、
通信にあった島の中心にあると言う防災センターに向かうつもりであった。
放送を聞いた限り、24時間で首輪の機能は失われるらしい。
助かるには、センターで放射能から身を守らなくてはならない。そう、海未は考えていた。

(ですが、あそこで火を起こしているのは誰でしょうか?)

つい先ほど、自分のバックの中身を確認し終わり、何気なく森の様子を体操座りで見ていた。
すると、凡そ五百メートルほど先だろうか。
木々の間で火が揺らいでいるような灯りが見えたのだ。
確認した名簿の中には、穂乃果を始めとしたμ'sの仲間達の名前もある。
もし、あそこで灯りをともしている人物が穂乃果達なら………
そんな期待をしつつ、海未は夜の森をゆっくりと歩いて近づいているのだ。

「きゃっ!」

近くの木から何かが飛びだした。
慌てて、その場で海未はしゃがみこむ。
ホゥーホゥーと、鳴きながら灯りの方へと飛んでいく何か…どうやらフクロウのようだ。
安心してから、彼女の目にうっすら涙が浮かぶ。
だが、同時に海未はある違和感に気づく。
なぜ、今のフクロウは放射能の影響を受けて動くことができたのか?
恐る恐る顔を上げてみる。
当然、フクロウは飛びさったあとで、目指していた火の灯りが見えるだけ………では、なかった。

「待っていたよ、君もこの島に連れてこられた内の一人だね?」

いつの間に目の前にいたのだろうか。二メートルほど先に赤い目立つスーツを着た男性が立っている。
ハーフだろうか?両目は碧眼だ。
彼が右手に持っていた松明の明かりで、その風貌を確認することができた。

「多分そうですけれど、あの…あなたは?」

海未は立ちあがり、声をかけた。
知らない男性ではあったが、彼の柔らかな頬笑みによって、
警戒心はあまり抱かなかった。

「私は遠坂家五代目当主の遠坂時臣という。君の名前を伺ってもいいだろうか?」
「あ、私の名前は園田海未といいます。その、音ノ木坂学院という高校の2年生です」

仰々しい肩書が付いていることに少々海未は委縮する。
そんな彼女の様子を気にしないで、遠坂時臣は彼女について考察する。

「ふむ、女子高生とは…どうやら私のような人間以外にも、ここには多種多様な参加者がいるようだ」

新たな発見を得た喜びから、時臣は僅かに抑揚を上げつつ語った。

「参加者とは…いったい何のことでしょうか?」
「知りたいかね?まだ私も全ての現状を理解はできていない。が、調べて分かったこともある」

ミステリアスな雰囲気のする時臣の話し方に、海未は次第に引き込まれてゆく。

「できれば、君と情報交換をしたいのだが構わないだろうか?」

時臣は松明を持っていた右手を後ろに向け、奥に見える火のある場所へと、
彼女の視線を誘導しながら問いかけた。どうやら海未が目指していた灯りは、彼の拠点のようであった。

「えっと…遠坂さん、こちらこそよろしくお願いします」

初めて出会えた同じ境遇の人。
ほっと一息ついた表情で、軽くお辞儀をして彼の誘いを了承した。

「ありがとう。園田嬢」
「…普通に海未と呼んで貰って結構ですよ」

165魔術師とスクールアイドルの夜 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:50:43 ID:NgA.1bxo0



***


連れられてきた場所は、森の中でも少し開けた空間だった。その空間の中心には焚き火があり、
このような状況でありながらも、海未はキャンプに来ているかのような場違いなことを思った。
地面に倒れていた倒木に座る海未、焚き火を間に挟み彼女の反対側に立つ時臣。
今更だが、海未は一度落ち着いたことで、かなり年上の男性と一対一で対面している状況に緊張する。

(こんなとき、穂乃果なら自分から話しかけられるのでしょうが………)

自分の友人を思いつつも、海未はなかなか自分から時臣に声を掛けることができず、悶々とする。
すると、彼女から見て背を向けていた時臣が振り向き、語りかける。

「さて、まず君は魔術について、どの程度聞いたことがあるだろうか?」
「ま、まじゅつ。ですか?」

正直戸惑った。もしかして遠坂さんなりの場を和ます冗談………では、ないようだ。目が真剣である。
スクールアイドルとして活動していることを除けば、一般的な女子高生である海未は反応に困った。

「ええっと、漫画やアニメに出てくる想像上の技術のことでしょうか?あ、もしくはオカルト的な…」
「いや、もう結構だ…秘匿が正しく為されているとわかっていても、頭が痛い」

時臣は、こめかみに手を当て嘆かわしいと言わんばかりに顔を歪める。
女子高生に聞いておいてこの態度である。その動作に不満げな表情の海未、
ふうっ。と、一息吐いた時臣は改めて彼女へと視線を合わせた。

「海未。これから話すことを理解する為には、まずは私のことを知ってもらう必要がある」

先ほど、森の中で使っていた松明を再び手に時臣は持つ。すでに火は消されていた。
いったい何をするのか?疑問に思う海未。
時臣は目を閉じ、何か呟いた様子であったが、彼女の耳にはなんと言ったのか、聞き取れなかった。

「えっ!?」

そんな彼女の目の前で、一瞬で松明に火が灯った。
松明の火は次第に強まり、時臣の頭を軽く越す。
そして、まるで意思を持った炎のように、時臣の体を回り始める。
時臣が、松明ごと焚き火の方へと向けると、
釣られるように回っていた炎は勢いよく焚き火の中へと飛び込んで行く。
一瞬、焚き火が激しく燃え上がった。

(今のは…火を操った…?)

海未は目の前でおきたことに驚きを隠せない。

「にわかには信じ難いだろうが、今見せたのが魔術のほんの一端。私は魔術師と呼ばれる人間なのだよ」
「魔術師………」

放心状態の海未に、時臣は松明を置き、魔術の説明を始める。
この島へと着いてから時臣は、魔術で強化した方位磁針を使って周辺の警戒をしていた。
凡そ1キロメートル程度にいる生物に反応するようにしたのだ。
だが、自身が得意とする宝石等の、魔術に使える触媒が無い状態の為、
自分の魔術回路と魔術刻印による魔力の精製で、魔術の行使をしなければならなかった。
時臣は数分おきに発動させることで、魔力の消費を抑えつつ周囲の様子を探っていた。

そして、反応があったのが海未であった。
ただ、この時点では、どういった生物であるのか詳細は分からなかったため、
放射能によって死んだフクロウの遺骸を利用して、これを使い魔として海未の下へと放った。
視覚の共有で監視を行い、海未が自分の方へと向かっていることが分かったので、
途中で人目につかなくする結界を張った上で待ち伏せていたのだ。

「ずっと、見られていたのですか…」
「何か不都合なことでもあったかね?」

いや、監視されていい気分のする女性はいないだろうが、
自分の魔術を語り聞かせることに少々熱くなった時臣には、察すことができなかったようだ。

「何でもありません!遠坂さんが魔術師だということは納得しました」
「うむ、海未は理解が早くて助かるよ」

166魔術師とスクールアイドルの夜 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:51:46 ID:NgA.1bxo0

満足した様子の時臣は、海未から見て右手にある金属球に近づく。
火の灯りに照らされることで初めて金属球の全体像が見えた。
それは思ったより大きく、周りの風景から浮いた異質な存在であった。
これはおそらく時臣が入っていた物のようである。
時臣は、左手でその球へと触れながら語り始めた。

「まず私が試みたのが、魔術による金属球の解析だ」

解析ということは、魔術を使って構造を読み取るということだろうか。

「魔術的に調べた限り、この金属製の球体には我々を転移や召喚、あるいは記憶操作を施すといった魔術は仕組まれていないことがわかった」
「…えっと、それはつまりどういうことでしょうか?」

海未は話を促す。

「つまり、この金属球には魔術の痕跡はなかった。参加者を入れるための、単なる入れ物に過ぎないというのが私の推測だ」

そこまで話を聞いても、ああ、そうかもしれませんね。と海未は思うくらいだった。
正直、あの通信にあった核、とか放射能が本当なのか?そちらの方が重要に思っていたからである。
しかし、時臣は金属球を擦りながら、自分の調べた成果を話すことに夢中な様子である。
ひょっとして、聞き役が欲しかっただけではないかと思う海未であったが、
次の質問で意識が変わった。

「では海未、質問だ。我々は“どうやって”この金属球に入った?」

どうやって?この金属球が単なる入れ物であるとするなら、
海未は自分から入った記憶など、もちろんありはしない。だから答えは、

「それは“誰か”が私達を入れたのではないでしょうか?この球の中に………あれ?」

一瞬、海未の中でカチリと何か意識がズレた気がした。
さっきまで、穂乃果達に会いたい気持ちや、生きて帰りたい気持ちで一杯だった心に、
別の視点が生まれた。いや、違う。目を背けていたことに気付かされたのだ。
海未の様子を観察するように目を向ける時臣。

「現状を正しく認識できたかね?」
「あれ、そうですよね……誰かって…いったい誰ですか?私、何をされてこの島に………」

寒気がした、なぜ、こんな簡単なことに気付かなかったのだろうか。

「無理もない、人は無意識のうちに理解が及ばないことから逃れようとするものだ」

決め手となったのはあの通信だと、時臣は言う。

「分かりやすい現状の説明と生存のための行動指針の提示、だが、その裏には参加者達から余裕を奪う思惑がある」
「余裕ですか?」
「生き残ることに必死にさせ、そもそも何故この島にいるのかという根源的問題から目を背けさせようとしているのだよ」

ごくりと、海未は唾を飲み込んだ。
時臣の語る推測が自分の状況にピタリと嵌まっていたからだ。
私達をこの現状に引き入れた何者かの思惑が、この島には存在している。
それが、私達の意志など関係なくこの金属球にいれ、この島へ連れてきたと、時臣は補足した。

「いいかね、私達は断じて、災害に巻き込まれただけなどという“生存者”ではない。何者かの思惑によってこの島へと連れてこられた“参加者”なのだ」

167魔術師とスクールアイドルの夜 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:53:10 ID:NgA.1bxo0

焚き火の中の炭が燃え尽き、甲高い爆ぜる音が響いた。
ここで一息ついた時臣は、海未の様子を観察しながら、
彼女を中心にゆっくり時計回りに歩きながら話を続ける。

「そして、魔術師である私からすると、この何者かはとても興味深い存在だ」
「興味深いですか?」

海未とは対照的に時臣は興奮した様子である。

「ああ、そうだとも。なぜなら、ここに来る直前の記憶では、私は殺されたはずなのだよ」
「えっ!?こ、殺されたってどういうことですか!?」

今度の発言には純粋に驚いた海未。
どうやら時臣は、ここに来る以前は、聖杯戦争と呼ばれる儀式に参加していたのだという。
概要を説明してもらったが、海未は恐ろしいと感じた。
本当にそんなことが日本で起きていたのか、と。
その聖杯戦争の終盤で彼は魔術の弟子に…裏切られ、
刺された所で意識を失い、気がつけばここにいた。ということらしい。
何といったらいいのか分からない海未だったが、
時臣の「君も死んでここに来たのかね?」という発言は、断固否定した。

「じゃあ、遠坂さんはこの島に連れてこられて………生き返った、ということになるのでしょうか」
「おそらくそうだろう。肉体、魂を含めた完全蘇生など最早魔法の領域だ。それを成した存在とは…矮小の我が身では測ることすら適わないだろう」

しかし、自分がその成功例だというのに、何も分からないというのは、
魔術師として腹立たしい。と、時臣は言う。
やはり、その観点は一般人からするとおかしい。そう海未は思わずにはいられなかった。

168魔術師とスクールアイドルの夜 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:53:49 ID:NgA.1bxo0


***


「…なるほど、君と同じ高校の友人達も、巻き込まれているとは…心中穏やかではないだろう」
「はい…私は遠坂さんと出会えて幸運でしたが、みんなも無事だといいのですけれど…」

あれから海未が友人を探していることを時臣に伝えると、
「なぜ、友人がこの島にいると分かったのかね?」と聞いてきた。
不思議に思いつつも、彼女はタブレットを操作し、名簿を見せると時臣はひどく驚いた様子だった。
………ひょっとして、時臣さんは機械が苦手な人かもしれない。そう思うと、海未はちょっとおかしかった。
魔術師で一見すると完璧人間に見えるこの人にも苦手なことがあるのだと、気が楽になる。
名簿を慣れない操作で動かしながら、時臣は確認していく。
すると、その手が止まった。
おそらく時臣さんの関係者ではないだろうか。海未はそう当たりをつけた。

「これは………まずいな」

名簿から目を離した時臣は鋭い目つきでそう呟いた。

「何か名簿を見て分かったのですか?」
「うむ、私が考えるに、この島の参加者達は大きくニ種類に分けられる」

右手の人差指を伸ばして、一つ目を示す時臣。

「一つ目は“生存”を第一に行動する者達だ」
「防災試験センターで救助を待つ人達ということでしょうか」

確かに、あの放送を聞いた人間ならまず考える選択肢であるといえるだろう。
それに島の中央ならば、仲間たちに遭遇する可能性が高くなる。

「大多数はそうだろう。ただ一部の人間は港や軍事基地等で、船などがあれば、独自にこの島を脱出しようとするかもしれない」
「なるほど」

問題なのはもう一つのグループということだろう。
右手の中指も伸ばして、二つ目を示した。
時臣はゆっくりと口を開く。

「二つ目は…自分の“願望”を第一に行動する者達だ」
「願望、ですか?それは、生きてこの島を出たい。ということではないのでしょうか?」

違う。と、時臣は否定する。
名簿を見て確信した者達を、時臣は指差した。

「キャスターとライダー、そしてバーサーカー。彼らは本来なら聖杯戦争にサーヴァントとして呼ばれる英霊達のクラス名だ」

先ほど聞いた聖杯戦争の情報を思い出しながら、
海未は名簿の名前を凝視した。

「最も重要なことは、英霊にとって、生きることよりも優先される願望をそれぞれが持っている可能性が高いということだ」
「生きることよりも優先される願い…ですか?」

大雑把にしか英霊と呼ばれる存在について、海未は理解ができていないが、
かつての英雄であるならば、逆に、私達を助けてくれないのか。
純粋にそんな感情を抱いていた。

「例えばだ、第四次聖杯戦争において召喚されたキャスターは、自分たちの存在を一般に隠そうともせず、児童の誘拐・殺人などの凶行を繰り返した」

断じて許されない行いだ。と、時臣の表情は苦虫を潰したかのように歪む。
海未もその情報に驚く。時臣が危惧しているのはこのことであった。

この島にいるとされるサーヴァントが、
自身の経験した第四次聖杯戦争に召喚されたサーヴァントであるという確証は時臣にはない。
しかし、キャスターを含め、サーヴァント達にはそれぞれが叶えたい願いがあって、
聖杯戦争に招かれるという共通点がある。
他者の魔術師と英霊を倒してでも叶えたい、死後の願い。
この島で彼らが行動を起こす際に基準となるのは、核や放射能から逃れるということではなく、
その願いにあるはずだと、時臣は判断した。

「海未。バーサーカーとはどんなクラスなのか想像がつくだろうか?」
「言葉どおりの意味なら狂戦士といった意味でしょうか」
「その通り、聖杯戦争においてバーサーカーとは、狂化のスキルによって全体の能力を上げる代償に、英霊の理性を狂わせ、ただ戦いのみに特化させたクラスだ」

理性が狂っている?
それはつまり、本能のみで動く存在ということなのだろうか。

「間違いなく危険な存在だ。普通の人間はおろか並みの魔術師では、襲われれば殺されるという選択肢しかない」
「そんな人物がこの島にいるのですか………」

海未にもようやく時臣の言いたいことがわかった。
つまり、この島には生存を求める者達とは別に、他者を害する可能性のある者がいるということだ。
タブレットに表示されている名簿の中の知らない人物達。
この人たちが何を考えて行動しているのか。
もし、μ'sの仲間達が、悪意ある人物に出会っていたとするならば………
想像すると、海未の不安はこれまで以上のものとなった。

169魔術師とスクールアイドルの夜 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:54:27 ID:NgA.1bxo0



***


時臣は焚き火に追加の薪を入れた。
火が爆ぜる音が再び鳴り、それが今の沈んだ気持ちの海未には少し心地よかった。

………色々な情報を聞いた。
私たちをこの島へと連れてきた何者かの思惑。魔術。参加者の中に危険人物がいること。
常人ならば尻込みしてしまうような事態に置かれていることを認識してなお、海未は絶望していなかった。
それは、スクールアイドルとして諦めず努力を続けた経験のおかげかもしれない。
事の大きさは違えども、決して自分が望んだ状況でなくとも、挫けたくはない。

(今、穂乃果は何を考えているのでしょうか…)

彼女の持ち前の明るさと行動力が、今、無性に羨ましく感じた…みんなに、会いたい。
一人ぼっちは嫌だった。結局、彼女の一番したいことは決まっている。
俯いていた顔を上げる。海未の覚悟を決めた表情を見て、時臣は感心したと同時に、望郷の念を抱く。

(高校生となれば凛も、きっとこんな表情をする日が来るのだろう)

魔術師である時臣は、この島からなんとしても帰還を果たさねばならない。
自身の体にある遠坂家の魔術刻印、これを娘である凛に継承して貰わなければ、
遠坂家は没落してしまうこととなる。
冬木の地で死んでいれば、凛に移植される可能性はあったが、この島でそれは叶わないからだ。
徹頭徹尾、自身の成すべきことは決まっていた。

「………遠坂さんはこれからどうされるおつもりですか」
「当面の目的は、この地の詳しい調査。そして別分野の知識、情報をもった参加者との接触が妥当なところだろう」

先に口を開いたのは、海未からだった。
時臣の返事には、やはりという気持ちが大きかった。
この人は私と違って一人でもきっと、前へ進める人なのだ。でも、私ではだめなのだ。
時臣に仲間探しを手伝ってもらうことは、迷惑、いや足手まといになると、
これまでの会話で海未は判断していた。

「そう…ですか………」
「ふむ。もしよければ、君の友人の保護と並行して行おうと考えていたのだが…何か都合が悪いだろうか?」

ところが、時臣の口から出た言葉に海未は意表を突かれた。
なぜ?そういった気持ちが強かった。
ただの高校生に過ぎず、何の役にも立たない人間をそばに置く理由が無いはずである。
しかし、当の本人は、顎に手を当てて、当てが外れたかな?と考えるしぐさをしていた。

「でも、私みたいな普通の高校生が、遠坂さんのお役には立てません。いいえ、むしろ迷惑なのでは…」

視線を泳がせながら海未は答える。
その答えを聞いた時臣は、ああ、と納得した様子で海未を見ていた。

170魔術師とスクールアイドルの夜 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:55:19 ID:NgA.1bxo0

「常に余裕を持って優雅たれ」
「え?」

流暢な声で目を瞑り微笑みながら、そう呟く。

「我が遠坂家の家訓だよ。このような危険な状況で普通の女子高生をそのまま放任するなど…遠坂の人間として恥ずべき行いだろう」

呆気に取られた表情の海未に対して、
まるで、娘に語りかけるような優しい口調であった。
確かに、多くの魔術師は、魔道を知らぬ一般人からすれば、
魔術の探求のために非道な行いをする人種にみえるだろう。
事実、時臣は聖杯戦争において、監督役の神父とともに、
巻き込まれた一般人の被害よりも魔術という神秘の秘匿に重点を置いていた。

だが、聖杯戦争とこの島で行われていることは違う。
海未は自分のことを一般人と言ったが、時臣にとっては同じ参加者であることに重点を置いていた。

(この島全体を使った61人による大規模儀式、集められた多様な参加者に何をさせたいのか。それを見極める必要がある)

だからこそ、普通の女子高生に自身の魔術の一端を見せ、彼女の状態を観察していた。
極端な話だが、彼女自身は何も特別ではないと思っていても、ここに送られた時点で、何か影響を受けている可能性があったからである。
もちろん家訓を理由に挙げたのも本当ではある、が。

「常に余裕を持って優雅たれ…ですか。ふふっ、素敵な言葉ですね」
「そうだろうとも。海未、君はなかなか聡明なようだ。この地で最初に君に出会えたことは、私にとっても僥倖だったようだ」

海未はもう遠慮はしなかった。それに今まで話した中で、
この人は自分の家名に誇りを持っていることはよく分かった。その家訓を理由にしたのだ。
信じられる。μ'sで作詞をしている海未からして、その言葉はあまりに綺麗で憧れた。
この紳士的な魔術師が言って初めて似合う言葉ということかもしれない。
一方で、家訓を賞賛された時臣は気分が良くなり、お互い笑顔になった。





―――夜の森に、焚き火の灯りが一つと、魔術師とスクールアイドルの影が一つずつ。
   混迷の夜は過ぎてゆく、やがて訪れる困難を覚悟しつつ、二人は語り合った―――

171魔術師とスクールアイドルの夜 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:57:57 ID:NgA.1bxo0

【J5/金属球近く/一日目/深夜】
【遠坂時臣@Fate/Zero】
[状態]:健康
[服装]:いつもの赤スーツ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、その他不明支給品1~2
[思考]
基本:自分達を連れてきた存在の調査。冬木市へ帰還して魔術刻印を娘の凛に継承させる。
1: 島と参加者の調査 
2: バーサーカーを含めた危険人物への対抗手段の確保
3: 園田海未と友人達の捜索と保護
[備考] アニメ第17話で殺された後からの参加、うっかり属性。


【園田海未@ラブライブ!】
[状態]:健康
[服装]:音乃木坂高校の制服
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、その他不明支給品1~2
[思考]
基本:μ'sの仲間達と生還する
1: 時臣さんに協力してもらい仲間達を探す
2: この島で起きていることを知りたい
3: ………魔術って私にもできるでしょうか?
[備考] 時期はお任せします

172 ◆YD4qd4xJMs:2015/05/04(月) 23:58:51 ID:NgA.1bxo0
投下終了です。

173 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/05(火) 00:50:11 ID:n3coWvwA0
仮投下したものを修正して投下します。
時間帯のミスを指摘してくれてありがとうございます。
タイトルは蘇生率Zero

174 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/05(火) 00:50:51 ID:n3coWvwA0
 衛宮切嗣は身近な岩陰に隠れながら情報の分析をしていた。
 己の限界を知り、出来ることと出来ないことを知っていれば戦いの中では強いアドバンテージとなる。

(体に異常はない。疲労もない。筋力も……)
 太い枯れ枝に力を入れる。すると、少ししなった後、音を立てて折れる。
(大丈夫だ。次は魔力)
 体に魔力を巡らせる。

(……やや、巡りが悪い。何かされたか? いや、この環境によるものか)

(原因は何にせよ、魔術に頼った戦いは今は避けるべきだ。武器を手に入れる必要がある)

 戦闘準備は急がねばならない。2350がセンターの入り口が開放される時間。そして2400が首輪のエネルギーが切れる時間。
 その間わずか10分。何かしらの不具合で首輪のエネルギーチャージ量が少なかったり、エネルギーの消費スピードが早まったら、そのわずか10分の振れ幅からこぼれ落ちてしまう。
 そうなると人間はどう考えるか? それは他人の物を奪おうとする。
 極限状態となったとき、1人では使い切ることの出来ない量の食料、武器、弾薬を頑なに得ようとする人間は沢山見てきた。
 
 今回もそんな奴は必ず出現する。
 
 ならば自衛の……時には他者から奪うための武器が必要だ。

 武器、手に入れる可能性はここにある。デイバッグだ。
(良い物が入っていてくれ)
 切嗣はささやかな願いを込めてデイバッグを開けた。

 まず最初に手にとったのは3枚のカードだった。
 サイズ的にはタロットカードに近い。
(っ! 1枚1枚に魔力が込められている。それも生半可な量ではない)

175 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/05(火) 00:52:33 ID:n3coWvwA0
 魔術師の切嗣はすぐにカードの価値を理解する。
 これは並の魔術師では一生を掛けてもつくり上げることの出来ない生きたカードだ。

(キャスターの宝具か? いや、これほどのものを作れる英霊は記憶に無い。誰だ……?)

 数秒悩み、考えを放棄した。どうあれ、このカードの所有権は今、切嗣にある。

(魔力はあまり使いたくないところに魔具か……)

 わがままは言ってられない。切嗣は使い方の把握を行う。
 カードの絵柄を読み精霊召喚魔法とすぐに当たりが付いた。

(「THE WATERY」、水の精霊か)

 島という環境下では海岸にたどり着けばすぐに水を得ることが出来る。活用する場面は多そうだ。

 そこまで確認した時、切嗣の耳に鈍い打撃音が届いた。

(――近い、崖の方だ)
 切嗣はカードを胸の内ポケットにしまうと、音の方へ向かった。

               〆

 切嗣が到着したと同時に勢い良く水柱が上がった。

(誰かが落ちたのか?)

 近くの岩肌には大量の血痕が付着している。
 おおよそ人一人が破裂した分の量だった。

(投身自殺か……? いや、待て)

 泡立った海が波で透明度を取り戻す。
 2人の女性の姿が目にはいってきた。

 1人は岩肌の血の持ち主だろう。頭部と腕部、背部が潰れ、大量の血を海に流している。
 だが、もう一人は目立った外傷は見られなかった。ただブクブクと海底へと誘われている。

(転落だ。恐らく1人がもう一人をかばって落ちたんだ)
 異様なまでの損傷の偏りはその証拠だ。

(まだ助かるかもしれない)

「来い、ウォーティ!」

176 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/05(火) 00:54:20 ID:n3coWvwA0
 切嗣は胸の内ポケットからカードを取り出すと魔力を込めてそれを掲げた。
 風が巻き起こり、ウォーティが実体化する。

 青い透明感のある人魚、それがウォーティの姿だった。

「ウォーティ、あの子を引き上げろ」

 ウォーティは頷くと手を前に掲げた。同時に少女の体が海面ごと持ち上がり、海岸へと運ばれた。

 すぐに切嗣は少女の脈を取る。
(――心肺停止。水を多く飲んでいる。呼吸が止まって既に5分は経っているだろう……くそっ!)

 呼吸が停止して3分で蘇生率は75%まで減少し、8分経過すると0%へ限りなく近くなる。
 切嗣は心臓マッサージを開始した。

(くそっ! 生き返れ!)

 切嗣の努力も虚しく、時計は吹雪が呼吸を止めてから8分を経過した。

               〆

 切嗣は手を合わせ、精一杯の追悼を行っていた。
 赤の他人であったが、目の前で少女の命が失われる。それが切嗣の大切なところに痛みを走らせる。

(――行こう)

 何が何でも聖杯を手に入れてこのような悲しいことが起こらない世界を作るために……
 最後にもう一度顔を見ておこう。そう思って振り返った時、少女の持っていた四角い箱がわずかに動いたことに気がつく。

(何だ?)

 胸の内ポケットからウォーティのカードを取り出し、身構える。
 箱が内部から小窓が開かれ何やら白いモノがもそもそと出てきた。

(――妖精!?)

177 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/05(火) 00:55:32 ID:n3coWvwA0
 体長わずか10cm足らずの2頭身の人だった。
 妖精は吹雪を悲しげに見つめている。

「お前のご主人は死んでしまった。すまない……」
 切嗣は謝ることしか出来なかった。
 すると妖精は首をブンブンとふった。どうやら許してくれるらしい。
 それどころかお辞儀をした。吹雪を助けようとしてくれたことに感謝しているようだ。

「だが、結果的に僕は彼女を助けることが出来なかった。そして、彼女の体を君たちの家に連れて行くことも出来ない。まだ戦いは続く」

 妖精は頷いた。妖精も現状を理解しているのだろう。

 妖精は覚悟を決めたかのように大きく頷くと、彼女の背後に着けられている装置を外した。
 そして、それを指さして切嗣に目で訴える。

「……それを僕に使えってことかい?」

 妖精は頷いた。

               〆

 妖精が入っていた箱をよく見るとこれは戦闘艦が搭載する砲によく似ている。
 足に付けられたヒレみたいなものも船の舵だ。
 太ももに着けられている箱なんて魚雷が見えている。
 間違いない、この子は船を模した兵器を身につけている。
 妖精曰くこれで海を滑ることが出来るらしい。半信半疑だった。

 切嗣は自分の体のサイズに合わせるべく、戦闘艦を模した兵器”艤装”の改造に着手する。
 少女の装備だけでは自分の体に合わせることは難しかったが、少女が持っていたデイバッグに似たようなものがもう一つあった。
 恐らくこの子をかばった女性のものだろう。

 工具はやたらと精巧なドライバーやニッパーが入った工具箱が支給されていたため、それを使った。

 作業は程なくして完了する。
 大型艤装の中の妖精たちが手伝ってくれたおかげだ。

 完成品のボイラーを腰に装着し、ストックと照準器を着けた12.7サンチ連装砲を右手に持つ。
 長い脚の腿の部分には鈍く輝く3連装魚雷があり、革と金属が混在するゴテゴテとした靴をはく。
 1基の2門の35.6サンチ連装砲の砲身が左肩から覗いている。

 これを動かすのは重油(燃料)と魔力のハイブリッドだ。

――魔導戦艦 切嗣。抜錨!

178 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/05(火) 00:59:18 ID:n3coWvwA0
【I-2/ 崖下 / 1日目/ 黎明】
【衛宮切嗣@Fate/Zero】
[状態]: 健康、魔力消費(微)
[服装]: 魔導戦艦切嗣
[装備]: 吹雪&金剛近代化改修艤装、クロウカード(ウォーティ)
[道具]: 支給品一式 X3、不明支給品(1~7)、クロウカード X2
     両津勘吉のプラモ作成工具
[思考]
基本: 正義の味方
1: 己の力を把握する。
2: 情報収集を行う。

※クロウカード残り2枚は不明です。
※吹雪&金剛の艤装を無理やり改造し、切嗣に合わせました。
 よって本来のスペックを出すのは難しく、魔力で補っています。
 (海を航行したり魚雷管を動かすときに魔力を消費します。ただし砲や魚雷を発射するだけならば魔力は不要です)
 兵装は金剛主砲1基(背部)、吹雪主砲1基[ストック+照準器](右腕)
 3連装魚雷発射管 X2(脚部)です。

179 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/05(火) 01:00:06 ID:n3coWvwA0
投下終了です。

180名無しさん:2015/05/05(火) 18:02:07 ID:jmNATDwM0
投下乙です

181 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/06(水) 00:16:53 ID:Wm7g4yII0
投下します。
タイトルは「ハイエナのブルース」です。

182 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/06(水) 00:20:48 ID:Wm7g4yII0
「ッチ……勝手なことばかり吐かしやがって……」
 盗賊王バクラの魂に支配された獏良了は『鷲巣巌の放送』を物陰に隠れながら聞いていた。
 その獏良の首には『首輪がなかった』

 時間は30分ほど巻き戻る。

「カカカ……! 手に入れたぞ……! 超常技術! 王を追放する力……! 超常技術!!」
 鷲巣巌はその強運で超常技術を発見した。
 そして王を倒すために防災試験センターへ飛んだ。

 誰もいなくなったその場所。その天井に人がぶら下がっていた。
 それが獏良了だった。

 獏良了は天井から飛び降りると装置の前に立ち、コマンドを打ち込む。
「ッチ……無理にでも仕掛けておけばよかったぜ」
 装置に備わっていた魔術をベースとした超技術。その魔力のほとんどが失われていた。
 盗賊王の嗅覚で超常技術を見つけたは良かったが、調べる前に鷲巣巌が来てしまった。

183 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/06(水) 00:22:21 ID:Wm7g4yII0
 奇襲を行うために天井に隠れたまでは良かったが、鷲巣巌は元警察官僚。そうやすやすと隙を見せなかった。

「お宝を持ち逃げされて指をくわえてるだけのオレ様じゃ無いぜ!」
 残された魔力の全てを体に宿すと、鷲巣巌の後を追った。

          〆

 魔力のほとんどを身に宿した鷲巣巌ならば、食い残しを得た程度の獏良了を排除するなど造作も無い。

 だが、鷲巣巌はまだ獏良了にまだ気がついていない。
 そしてしばらくはバトルロワイアルの運営に追われるはずだ。
 おまけに赤木しげるという天敵に注意が向いている。
 今はトラップを仕掛ける絶好の機会だ。

(今は身を隠すぜ。つかの間の天下に酔ってな、ジジイ!)

184 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/06(水) 00:22:57 ID:Wm7g4yII0
【不明/ 主催本部 / 不明】
【獏良了@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]: 健康
[服装]: 童実野高校制服
[装備]: 千年リング
[道具]: 支給品一式、その他不明支給品(1~3)
[思考]
基本: 鷲巣巌を殺し、ゲームマスターになる
1: 鷲巣巌を殺す手段を得る。
[備考] 超技術の一部を手に入れました。

185 ◆/BLqsN1tl6:2015/05/06(水) 00:23:47 ID:Wm7g4yII0
投下終了です

186名無しさん:2015/05/06(水) 00:40:36 ID:ybwgfGuI0
乙です
本編では憎らしい悪役なのにこの話のバクラは応援したくなってしまいました

187 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:27:00 ID:5bR5.EfY0
投下します

188 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:27:28 ID:5bR5.EfY0
目が覚めると犬吠埼樹は謎の乗り物に乗せられて島に運ばれていた。
思考を働かせるが、自宅のベッドで眠りに付いた所までは覚えているが
それからの記憶は無い、気づいたら乗り物の中に乗せられていた。

(どうして私はここに入れられてるんだろう?)

何かの目的を果たすために大赦が与えた指令なのだろうか?
乗り物の中を見回すとデイバッグが収納されており
中を見てみるとさまざまな道具が入っていた。
道具の一つから光っている物を見つけるとそれはタブレットだった。
からの情報では島が放射能に汚染されていて
アンテナには核が設置されていると書かれていた。

どうしてこんな事になっているのか。
樹には到底理解出来なかった。
タブレットには島に集められた人達の情報も載っていた。
その中には勇者部の仲間達の名前も記載されていた。
会いたい、皆と会いたい。
しばらくすると外部へ出るための扉が開かれた。
乗り物から抜け出した樹は皆に会いたい一心で歩み始めた。

(……そうだ!携帯で連絡を……)

制服のポケットに手を入れると、樹が普段愛用している携帯電話が入っていた。
さっそくお姉ちゃんに向けて電話をかけるが一向に繋がる気配が無い。
他の部員へかけても同様に繋がらなかった。
この島では携帯での連絡のやり取りが出来ないようだ。

(どうしても繋がらない……それにこれは……)

携帯を操作している時にあるアプリがダウンロードされているのに気付いた。
勇者アプリ、樹が勇者へと変身する時に必要になるシステム。
これはバーテックスとの戦いが終わり、勇者を引退した時に削除されたはず。
なぜこの機能が追加されているのか。
謎は解けない、けど連絡が取れない今はお姉ちゃん達との合流を優先したい。
携帯を制服のポケットへ入れた樹は再び歩いた。

189 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:28:08 ID:5bR5.EfY0
「ここは………学校……?」

夜道を進んでいった先に木造の大きな建築物が視界に入った。
明かりが点いていない所から、今は使われていないのだろうか。
でももしかしたら中に誰かがいるかもしれない。
不安と期待が入り混じった不安定な感情を胸に秘め
樹は廃校舎の入口へと入っていった。

(く……暗いよ……)

犬吠埼樹は人一倍怖がりであった。
夏休みの合宿中に怪談話を聞かされた時は、真っ先に姉のいる布団の中に潜り込んでしまうほどに。
それだけ今の廃校舎は不気味だった。

校内は非常灯すら付いておらず、窓から差す月明かりによって
辛うじて明るさが保たれている薄暗さ。
床はかなり古く、歩くだけでギシ……ギシ……と木が軋む音が
静寂に包まれた旧校舎に鳴り響く。
まさに肝試しをするにはうってつけのホラースポットと呼べるだろう。

「すいませーん!誰かいませんかー!?」

今すぐにでも逃げ出したい怖さだが、それ以上に誰かに会いたい想いが強い。
樹はデイバッグから懐中電灯を取り出してライトを付けた。
怪我をしないよう周囲を明かりで照らしながら廃校舎の探索を開始した。

教室を一室ずつライトで照らして確認していく。
机と椅子が散乱したまま放置されていて凄く荒れていた。
誰かが暴れていたのか砕かれている物もある。
4つ目の教室に入り、明かりを照らす。
そこには窓の方を向いて椅子に座っている人の姿がライトに映った。
校内に人間は残っていたのだ。

「……あ、あのー!………」

樹は心臓のドキドキを抑えながら声をかけるが反応は無い。
座ったまま眠っているのか、頭が下へ向いたまま動かない。

「すみません……聞きたいことがあるんですが………」

樹は椅子に座る人物にゆっくりと近づく。
申し訳ないと思いつつも背中を擦って起こそうとした。

ドサリ……。

ほんの少しの力で背中に触れただけで相手は椅子から倒れた。
床に叩きつけられた衝撃で顔の向きが変わり
相手の顔が樹の視界に入った。

190 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:28:36 ID:5bR5.EfY0
「ひっ……いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

恐怖で一瞬青ざめた後、樹は悲鳴を出して教室から飛び出した。
教室に座っていたのは腐敗した死体だった。

「うう……お姉ちゃん、お姉ちゃん……会いたいよぉ……」

涙目になりながら廊下を走っていると樹の体に生理現象が襲い掛かる。
恐怖のせいで体が縮み上がり、急に尿意が催してきた。
丁度目の前に女子トイレを発見した樹は迷わずトイレの中に向かった。

「……はぁ」

和式トイレの便座の上で屈んで下着を下げると
秘所からチョロチョロ……と黄金色の尿を放出した。
最後の一滴まで出し切り、一呼吸置いてから紙へと手を伸ばした。

「な、ない……」

ここは廃校舎、とっくに使われていない学び舎である。
そんな場所にトイレットペーパーの補充などあるはずも無く
とっくに紙など切らしていた。

紙で秘所を吹くのを渋々諦め、下着の位置を戻した樹。
だがそれだけではない。
トイレのレバーを押しても反応が無かった。

もちろん水道もとっくに止められている。
樹が出した黄金水は流される事なく、便器の中に留まり続けるのだ。
自分のおしっこが流せずに放置するのはとても恥ずかしい。
しかし水道が使えないなら諦めるしかない。
樹は羞恥心で顔を赤くしながら便器から離れた。

「……はぁ、やっぱり出ない……」

試しに手洗い場の蛇口を捻るが水は出ない。
トイレの後の手を洗う事すら出来なかった。
年頃の少女には酷な環境である。

樹は暗い気分で手洗い場の鏡を見た。
落ち込んだ自分と、背後から近づくミイラ男の姿……ミイラ男!?

191 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:29:10 ID:5bR5.EfY0
「―――ッ!!?」

鏡に映るミイラ男に驚き、樹は後ろへと振り返った。
そこには誰もいない、気のせいだったのか。
教室で死体を見たショックで幻覚を見ていたのだろうか。
落ち着くよう自分に言い聞かせた樹は振り返るのをやめて再び鏡を見た。

「きゃあッ!!」

幻覚ではなかった。
鏡に映るミイラ男は樹のすぐ傍まで迫っていた。
現実の世界ではミイラ男の姿を認識できない。
鏡の中でのみ、その姿が映し出されていたのだ。

『おまえ……おれの姿が見えているのか?スタンド使いか?』
「だ、誰なの……?」

鏡の中からミイラ男が語りかける。
聞きなれない単語が出てくる。
バーテックスとは全く質の違う怪物の出現に、樹の理解は超えていた。

『まあいい……どのみち、おまえはここで死ぬのだからなぁ~~~ッ』
「―――ッ!?」

ミイラ男の手首に装着されたナイフが樹の胸元に向かって振り下ろされる。
ナイフが胸に突き刺さる瞬間、植物の種を連想させる精霊が出現した。

『なに……ッ!?スタンドだと……いや、腕から伝わるこの感じはそれとは別、この能力は……』

自らが盾となってミイラ男のナイフを受け止める精霊。
それは勇者になった樹が与えられた『木霊』と呼ばれる精霊であった。
勇者の身に危険が訪れた時、本人の意思とは関係無く自動的に精霊が命を守ろうと行動する。

(……今のうちに逃げないと)

空中で攻撃を受け止めて、火花を散らしながら防ぎ続けている隙に
女子トイレから出ようとする。

『させるかッ!!』

精霊の防御を強引に突破したミイラ男は樹に向かって飛びかかった。
ナイフが背中に届く寸前で樹は女子トイレから抜け出す。
ミイラ男は自分がいる鏡に映らない場所までは攻撃できなかった。

192 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:30:00 ID:5bR5.EfY0
(はぁはぁ……早く学校から出ないと……ッ!!)

ミイラ男の襲撃から逃れようと樹は玄関に向かって走る。
すると鋭い痛みが足に伝わり、バランスを崩して倒れる。
右足のふくらはぎが、刃物でぱっくりと抉られていた。
これでは走ることが出来ない。

『クククッ……逃げられると思ったかぁ~~~?』
「ひぃっ!」

廊下のガラスにミイラ男の姿があった。
鏡だけではない。
光が反射する物、全てが鏡の中の世界でありミイラ男が行動できる範囲内である。

「……逃げ………ないと、はやく……」

目の前に保健室がある。
片足を引きずりながらも体勢を整えなおした樹は
保健室の中に入り、急いでドアを閉じて鍵をかけた。

「これで……きゃぁぁぁ!!」

ミイラ男が保健室の窓に張り付き樹の様子を伺っていた。
樹はドアの鍵を外して廊下に出ようとするが
ミイラ男の歩みの方が速い。

『おまえはもうここから生きて出られることは無いッ!!』

樹は反射的にデイバッグを盾代わりにしてかざす。
ミイラ男のナイフがデイバッグを切り裂いて中身をぶちまける。
樹に支給された愛用のタロットカードが勢いよくバラまかれ
カードの一枚がミイラ男の傍に映るように舞った。

それは『吊るされた男』

暗示は『無意味な犠牲』 『無駄な我慢』 『固定概念に縛られる』

193 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:30:19 ID:5bR5.EfY0
ミイラ男が樹の喉元を掴んだ。
樹の両足が床から離れて、首の締め上げが強くなる。

「ぐぐっ……お姉ちゃん……」
『んんっ?おまえ、姉がいるのか?なら丁度いい。おまえを殺したあとで、姉の方も殺しといてやるよ』
「……いや……おねえ……ちゃんは……やめ、て……」
『あの世で姉妹仲良く報告するんだなぁ~~~おれにどうやって殺してもらったかをなぁ~~~ヒャハハハッ!!』

殺される?
お姉ちゃんが殺される?
私の大事なお姉ちゃんがあの怪物に?
……それだけはさせない。
世界で一番大切なお姉ちゃんをあんな怪物なんかにッ!!

『なんだッ!?』

樹の体から緑色の輝きを放ち、ミイラ男を怯ませた。
緑の花びらが舞い散り、樹の姿が変化した。
一度は勇者システムを手放し、引退をした。
だが新たな地で、最も大切な人達を守るべく
犬吠埼樹は再び勇者になる。

「あなたなんかにィ――ッ!!お姉ちゃんをッ!!殺させないッ!!」

樹の腕に装着された武器からワイヤーを飛ばして保健室の窓ガラスを全て切り裂く。
廊下のガラスに移動したミイラ男は一瞬、呆気にとられた表情をしたがすぐににやけ面へと変わる。

『ククク……驚いたぞ。まさかそんな力を隠し持っていたとはな
 だがおまえは鏡の中に入れない。鏡を壊すことは出来てもおれに攻撃することは不可能なのさ』

ミイラ男のナイフが樹の右肩に突き刺さる。
以前、樹が劣勢であることには変わりない。
それでも樹の瞳には闘志が消えていなかった。

勇者部五箇条『なるべく諦めない』

例えどんな困難が目の前にあろうとも最後まで足掻けばきっと乗り越えることが出来る。
勇者として活動してきた樹は臆病だが、その信念は本物である。

194 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:30:43 ID:5bR5.EfY0
樹の放たれたワイヤーが廊下のガラスを次々と破壊する。
それでもミイラ男の体には傷一つ付かない。

『ハァッ!!』
「くうっ……まだまだァ!!」

左脇腹が切られる。
反撃にワイヤーを飛ばすもガラスが細かく砕けるのみ。
ミイラ男の居場所が増え続けるだけであった。

『もう、諦めて大人しく―――ッ!?』

樹の体が再び輝きだす。
先ほど変身した時とは大違いの輝きで。
樹の背後に巨大なユリの花が咲き誇り、更に進化を遂げた。
樹は満開ゲージが溜まるのを待っていた。

満開、それは勇者が使う最強の切り札。
溜まったゲージを消費して新たな姿に変わり
更なる力を得る事ができる。

『何度も姿を変えようが結果はかわらんぞッ!!』
「そんなのやってみなくちゃ分からない!!」
『は、速いッ!?』

樹はミイラ男のスピードを凌駕した動きで攻撃を躱し校舎の外へ出た。
上空へ飛んだ樹は大量のワイヤーを放出し、廃校舎全体を包み込んだ。

『おまえッ!!まさか~~~ッ!!?』
「これでぇぇぇ!!終わりぃぃぃぃぃ!!!!」

大量のワイヤーが廃校舎を内部まで切り刻み、倒壊が始まる。
校内にある全てのガラスが砕け散り、ミイラ男の頭上に瓦礫が降り注いだ。

『ぐぅおおおおおおおおおおおッ!!!』

樹の目の前で廃校舎が崩れ落ち
空高く舞い上がる粉塵が瓦礫の山を覆い尽くした。

195 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:43:24 ID:5bR5.EfY0
「………………………………」
(やったよ……お姉ちゃん……)

変身が解除されて元の制服姿に戻った樹は
廃校舎跡からゆっくりと立ち去った。

満開を使った者は代償を支払うことになる。
それは満開を使用した後に散華と呼ばれる現象が起こり
身体の機能の一部を失うことになる。

それでも樹は悲しみはしない。
姉の命を狙う怪物を倒すことが出来たのだから。

【J3/廃校舎跡/一日目/深夜】

【犬吠埼樹@結城友奈は勇者である】
[状態]:疲労(大) 声帯の機能の損失、右肩裂傷、左脇腹裂傷、右ふくらはぎの一部欠損
[装備]: 無し
[道具]: 樹の携帯
[思考]
基本: 勇者部の皆に会いたい
[備考]
※アニメ最終回終了後からの参戦です。
※散華によって声帯の機能を失いました。
※樹の所持品は廃校舎跡の中で埋まっています。
※制限により精霊の自動防御は連続で行えません。
※散華の後に精霊の追加はありません。
※バトルロワイアル中での散華の回復は不可能です。







廃校舎跡の瓦礫の中で
砕け散ったガラスに映るミイラ男はほくそ笑む。
死んだはずである己が、今こうして存在し
少女の身体をナイフで切り付けた感触を思い出し、悦に浸っていた。

『ククク……』

まさか俺が再び生を受けるとはな。
板のような機械から『君を生き返らせた。好きなだけ殺戮を行え』と命令されたのは癇に障るが
せっかく貰った命だ、やりたいことを楽しませてもらうぜ。
だが俺を殺した連中には用心をしておこう。
あの時は油断した俺が独断専行をしたから敗れたのだ。

この島には相棒やお袋が来ているらしい。
連中と組んで共同で仕掛ければ俺たちが負けることは無いだろう。
今度は逆に俺たちがてめえらを地獄に送ってやるぜ。

『ククク……ハハハ……ハァーハッハッハッハッハッハッ!!!!』


【?????@??????????】
[状態]:???
[装備]:???
[道具]:???
[思考]
基本:殺戮を楽しむ。
1: 逃げた少女(犬吠埼樹)を追い詰めて殺害する。
2: 相棒(?????)やお袋(?????)と合流する
3: 自分を殺した連中には用心して挑む。
[備考]
※本体は離れた場所にいるために状態表の一部が隠されています。
※本体の存在や能力を看破することで隠された情報が提示されます。
※主催者から個別で指示を与えられています。

196 ◆/ebAZhNPSM:2015/05/06(水) 16:44:30 ID:5bR5.EfY0
投下終了です
タイトルは『犬吠埼樹は再び勇者になる』です

197名無しさん:2015/05/06(水) 16:44:38 ID:9Bqp7t0U0
投下乙です。

超技術めっちゃ気になるな〜。

198名無しさん:2015/05/06(水) 17:44:17 ID:Wm7g4yII0
投下乙です
満開するの早かったな

状態表はできるだけリレーしやすいように詳しく書くといいですよ

199名無しさん:2015/05/09(土) 10:22:11 ID:jVuJpYiY0
投下乙です

200 ◆qB2O9LoFeA:2015/05/18(月) 23:49:04 ID:yG/b6nk20
本投下します

201 ◆qB2O9LoFeA:2015/05/18(月) 23:49:35 ID:yG/b6nk20




 李小狼は頭を振った。

 気絶していたのか寝過ぎたのか、それはわからないが、微かな衝撃と音を感じて目覚めたとき自分が真っ暗い空間にいることに気づいた。
 立ち上がろうとしてよろける。立ち眩みのような体のダルさと自分がおかれている状況をいぶかしんでいると、今度は扉のようなものが開かれた。

(‥‥なんだ‥‥これ‥‥?)

 意味不明。

 全くわけのわからない状況にとりあえず自分の頬をつねってみる。痛い。

(‥‥夢じゃない、のか、それなら。)
「クロウカード‥‥?」

 とりあえず最初にクロウカードを疑ってみる。意識を集中させれば、幻や結界の類いに近いものは感じる気がする。だがしかし、同時に何かが違うとも感じた。

(周りを調べるか。)

 足下にあったハデなデイパックを掴んでドアから外に出る。オレンジ色のそれはいかにも『非常用』という感じがして、なにか災害にでも巻き込まれたかのような感じがした。

 と、そのときだった。
 足にあたるデイパックの感覚に思わず足を止める。そのまま外側から確かめると、それが一度は触れたことのあるもののように思われた。独特なラッパのような形のそれに、足を止めてしばし考える。頭に思い浮かんだのはある道具だ。もしこれが小狼の想像どうりの物ならば、それはこの状況にうってつけのアイテムと言える。

「開けていい、よな‥‥?」

 しかし小狼は迷った。
 気がつけば見知らぬところにいた自分。その側にあったそれは、あまりにも怪しかった。ハデなオレンジ色もどことなく毒キノコや毒ヘビを連想させる。そもそも自分の物でもないカバンを開けるのはどうかというのもある。

 手に取り考えること一分弱。「非常時だから」と自分を納得させて、意を決して開けた。

「ふぅ‥‥やっぱりこれか。」

 どことなく声に安堵が交じる。予想どうりの形をしたそれ━━拡声器を手に取ると、小狼はトリガーを引いた。

202 ◆qB2O9LoFeA:2015/05/18(月) 23:57:41 ID:yG/b6nk20




(使わなきゃ良かった‥‥)
「少年、怖がらなくていい。私もこのような異常な状況には少し心得がある。今は、あの声の言うとうり島の中央へと向かうのが賢明だろう。」

 廃村で拡声器を使い周囲に呼びかけた小狼。それから数分で一人の男に遭遇した。長身でオールバック、それと目と目が離れすぎている独特な顔。そしてなりより剣呑で異様な雰囲気の、男。

「おお、名乗りを忘れていた‥‥私は、青髭。こちらの名前で呼ばれるほうが多いので、君もこの名で呼んでくれたまえ。」
「‥‥リ‥‥レイ・シウラァン。」
「レイ‥‥いや、東洋なのでシウラァンが名前か‥‥よろしく、シウラァン。」
「よ、よろしく‥‥」

 青髭、ことジル・ド・レェ。第四次聖杯戦争においてキャスターのクラスで召喚され、中盤で脱落しながらも冬木市を混乱に追いやったサーヴァント。
 その男が小狼が、この不可思議な状況で巡りあった人物だった。

(なんなんだコイツ‥‥人間か?)

 思わず小狼は心の中で愚痴を言った。否、それは本人にもわからない嫌悪感の現れだった。男からでる雰囲気、佇まい。その全てが小狼に、最大限の警戒を強いていた。
 突発的に偽名を名乗る━━もっともそれは、単に読み方の違いではあるが━━という、普段ならまずしないような行動。
 それをせずにはいられないほど、全身全霊をかけて男に相対していた。

203 ◆qB2O9LoFeA:2015/05/19(火) 00:03:15 ID:pJ1o1Qic0




(こんなに怯えて‥‥まあこのようことになっては無理もないか‥‥)

 一方のキャスターは怯えている理由が自分にあるとは気づかずそんなことを考えていた。
 もちろん、普段の彼ならば自分に向けられるその感情を察しないはずがない。その『道』のプロなのだから。だが、それは小狼に対しては当てはまらなかった。

 理由はいくつかある。

 一つはキャスターから見れば、肉付きから小狼が子供という範疇に入らないと判断されたこと。彼から見れば既に従士足るという判断。
 一つはやはりキャスターから見れば、その精神性が子供とは言いがたいものがあるということ。幼子にはない気風を感じとったこと。

 つまるところようするにストライクゾーンから微妙に外れているのである。

(しかし、常人なら震えて何もできなくなるのか‥‥?それなら、仮のパートナーとしては、合格か‥‥私の目も曇ってはいないようだ‥‥)
「シウラァン、実は私はまだこの鞄を改めていないのだ。互いに何を持っているかを、ここで確認するというのはどうだろう?」
「(何が狙いだ)!‥‥いや‥‥(断るのは怪しいよな)‥‥わかった。やろう‥‥」
「うむ、それではさっそく。」
(ここは年長者が先導せねばな。)

 小狼が自分を警戒していることに気づかず、キャスターは話を進める。
 小狼もキャスターの言っていること事態はおかしいと言えるようなものはなく、従うしかない。

(落ち着け‥‥怪しいけど、怪しいけどいい人かも‥‥)
(リュウノスケ、あなたも巻き込まれているかもしれませんね‥‥確認する手がないのがつらい‥‥)

 全く心が噛み合わないまま、二人は手近な廃屋に入り支給品を確認し始めた。


 と、その時だ。

 小狼とキャスターはほぼ同時にあるアイテムを手に取った。見覚えのないそれに、思わず互いに顔を見合わせる。

「あの、これって‥‥」
「シウラァン、一ついいかね?」
「「この板はなんだ?」」

 同時に取り出したタブレット。
 それについての疑問が、二人が初めて心を通じさせたものだった。

204 ◆qB2O9LoFeA:2015/05/19(火) 00:05:21 ID:pJ1o1Qic0




【I3/廃村/1日/深夜】

【李小狼@カードキャプターさくら】
[状態]:キャスターへの生理的な嫌悪と無自覚な怯え、強いストレス。
[服装]:制服。
[装備]:なし。
[道具]:デイパック一式(内ランダム支給品の一つは拡声器)
[思考]
基本:この男(キャスター)は信用できない‥‥
1:どうしてこんなことに‥‥
2:出来ればキャスターと離れたい。
[備考]
●出展時期は少なくとも四年生の頃よりあとです。
●キャスターとの接触が心理的な悪影響をもたらしています。
●キャスターの名前を『青髭』で認識しています。
●タブレットがなんなのかがわかりません。
●最初の放送を聞き逃しました。

【キャスター@fate/zero】
[状態]:魔力パスなし
[服装]:いつものアレ
[装備]:なし
[道具]:デイパック一式
[思考]
基本:まずは状況確認。
1:これ(タブレット)は一体?
2:リュウノスケが巻き込まれていないといいのですが‥‥
3:とりあえず、島の中央へ行きますか。
4:李小狼はとりあえずの同行者たりえると判断。
[備考]
●李小狼の名前をレイ・シウラァンと発音します。
●タブレットがなんなのかがわかりません。

205 ◆qB2O9LoFeA:2015/05/19(火) 00:05:47 ID:pJ1o1Qic0
投下終了です

206名無しさん:2015/05/20(水) 20:52:26 ID:/RAMyQLw0
投下乙です

一波乱起きると思ッたが意外といまは小康状態か
続きが気になる

207名無しさん:2015/05/22(金) 02:05:59 ID:kKISOxi20
ジャンプアニメ3作品もだな

208 ◆11MEKbPvno:2015/07/25(土) 18:18:09 ID:at0dirIs0
投下します

209 ◆11MEKbPvno:2015/07/25(土) 18:19:24 ID:at0dirIs0
「死ねっ・・・死ねっ・・・アカギ・・・!!!」

鷲巣が発射した無数のミサイルが次々と島に降り注ぐ。
それに巻き込まれてアカギに加えて何人もの参加者が何も分らぬまま散っていった。
皆それぞれ何かを為そうとしていた。
この状況下で何とかしようと模索していた。
だがそれは全て爆発に消えていった。
そしてミサイルの爆発は核爆弾の爆発を誘発していき--。

ドンッ

――ついには島の火山を噴火させるまでに至った。
この島は火山の影響で出来た島であり、島の中央の山はまさにそれだった。
もう長い間休火山化していたが、今回の多大な爆発で火が付いてしまった。
その二次災害によって辛うじて生き残っていた参加者達も、島の地下に本拠を置いていた鷲巣達も、全て死んでいった。
元々島の監視・緊急時の干渉を目的に本拠地は島の地下にあったが、それが裏目に出た結果となった。
誰にも何も出来ぬまま人の作りだした兵器と自然の脅威によって島は跡形もなく消え去った。

こうして歴史の修正力に踊らされたバトルロワイアルは島ごと消滅した。

宇宙の中に浮かぶ一つの星。
地球という名の星の何処かの島で起きた出来事。
奇妙で不可思議とも言える最後を知る者はいない。
理由なき見えざる意思によってもたらされた結果がただそこにあった。

【全参加者 死亡】
【全主催者 死亡】

【アニメキャラ・バトルロワイアル4th 完結】

210 ◆11MEKbPvno:2015/07/25(土) 18:20:33 ID:at0dirIs0
投下終了します

211名無しさん:2015/07/25(土) 18:46:11 ID:PNsXRbPw0
乙!
いい最終回だったな

212名無しさん:2015/07/25(土) 19:48:09 ID:4RNnmtp20
呪!完結

213名無しさん:2015/07/26(日) 02:31:14 ID:FSWp/2H2O
投下乙でした
このロワを見て二度と核を放たれてはいけないと思える程の凄惨さを改めて理解出来ました
また自然の脅威や非常時において性暴力に走る子供など他のロワには見られない人間の醜さが描写されているのも面白かったです
色々な意味で教訓になるロワでした次回作も無事完結出来るよう応援しています

214名無しさん:2015/07/26(日) 12:50:45 ID:4S.Az.Ic0
やったぜ

215名無しさん:2015/07/26(日) 21:50:18 ID:YHy/ozcU0
じゃけんアニロワ5thやりましょうね~

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