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ξ゚ー゚)ξ雨ざらしは軽快に踊るようです

1 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 17:58:16 0uleaALo0
花嫁が逃げた。
連れ去られるわけでもなく、ひとりでに。

教会の前に集う参列者は、各々で反応をしながら雨に打たれていた。

物静かそうで、髪を一つに結んだ女性は、活発そうな、ショートカットの女性に、
「見た!? 見た!?」と、どこか嬉しそうに問いかけられ、それを窘めている。

新郎は、ただ花嫁が去って行った道筋を見続けているが、暗い影は感じさせない。

痩せ型の男は、どうすればいいんだといった様子で、長髪の女性に話しかけている。

騒ぎは収まりそうになかった。皆、場内に入ることすら忘れてしまっている。
その場から離れようとする者は、ほとんどいなかった。しかし、ほとんどであって、全員ではない。

一人の青年が、式場の外へ駆け出して行った。

ブーケはまだ投げられていない。


2 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 17:59:13 0uleaALo0
(゚、゚トソン


ミセ*゚ー゚)リ「こりゃ明日も雨だね」

ミセリは再び持ってきたビーフシチューをテーブルに乗せると、
そのまま座りもせずに、透明な壁から外の景色を眺め始めた。私も釣られて、同じ方向に目をやった。

ホテルの上層から見える街はくすんでいた。
雨雲は増長の一途を辿り、昼下がりをモノクロに染め上げてゆく。
とはいえ、視線を戻すと、鮮やかなレストランの内装が視界を塗り替えた。

これではまるで、住む世界が違うかのようだった。
建物の仕切りが、物理的な意味以外も持ち合わせているようにすら思える。
実際、このホテルはかなりの高級志向で、宿泊客からすれば、窓から見下ろせる人々の大体は、
色々な意味で下々の民なのかもしれない。同じ階にいても、食事をしに来ただけの私達も例外ではなく。

ミセ*゚ー゚)リ「今日も明日もめでたい日なのにねー」

ミセリは、私の向かいに腰を下ろした。
テーブルの上の八割ほどは、ミセリが持ってきた料理に占領されていた。
残りの二割は、私のコーヒーと、申し訳程度の隙間で一割ずつ分け合っている。

(゚、゚トソン「別に今日はめでたくないでしょう」

ミセ*゚ー゚)リ「えー、だって前夜祭だよ? ツンちゃんの結婚式の」

(゚、゚トソン「まず一つ目に、今は夜ではありません。午後の二時四十七分です。
次に二つ目に、結婚式の前夜祭というのに、肝心のツンさん本人がいません。
最後に三つ目。あなたは食べ過ぎです。私の記憶だと、そのビーフシチューを持ってきたのはこれで三回目です」

ミセ;゚ー゚)リ「相変わらず神経質だねー……。そんなんだからツンちゃんに先を越されるんだよ」

(゚、゚トソン「あなたが言いますか」

ミセ*゚ー゚)リ「ま、まあ私は相手自体はいるし……別に焦ってないだけというか……機を伺っているというか……」

(゚、゚トソン「まあ、ブーケトスより食べ物を優先するぐらいの余裕はありそうですよね」

ミセ*゚ー゚)リ「うるさいなあ! もう!」

ミセリは乱暴にステーキを切り分けて、勢い良く口に運んだ。
この子も変わらないな、と少し微笑ましくなり、頬を緩めた。
表情が硬いと良く言われる私だから、見られても伝わるかどうかは怪しいものだったが。

ミセ*゚ー゚)リ「そういえばさー」

(゚、゚トソン「はい?」

ミセリは唐突に、動かし続けていた手を止めた。


3 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 17:59:54 0uleaALo0
ミセ*゚ー゚)リ「なんでジューンブライドって六月なんだろうね?」

(゚、゚トソン「六月の花嫁ですからね。言いたいことは分かりますけど」

ミセリはナプキンで口を拭きながら、窓の外へ首を向けた。

ミセ*゚ー゚)リ「どう考えても梅雨とか気が滅入っちゃうと思うんだけど」

(゚、゚トソン「だからじゃないですか?」

ミセ*゚ー゚)リ「えっ」

(゚、゚トソン「六月は気が滅入るから、きっと式を挙げる客を取りにくかったんですよ」

私はテーブルの上のカップを取り、少しぬるくなっていたコーヒーを口に運んだ。
冷めきらない内に飲み干し、カップを元の位置に戻した。

(゚、゚トソン「だからそういうキャンペーンでも打ったんじゃないですか。当てずっぽうですけど」

ミセ*゚ー゚)リ「なるほど! しかもそれならマリッジブルーも誘発させやすいし、再婚でリサイクルも出来るね! 一石二鳥じゃん!」

(゚、゚;トソン「そこまであくどい事は考えてませんし、リサイクルという言い方はやめましょう」

こういうところも変わらないな、と少し背筋が冷たくなり、今度は頬が引き攣った。
表情が硬いと良く言われる私ですら、見られたら明白に伝わるぐらいに。
悪意はないのだろうが、この子は時々無神経な時がある。だから神経質なぐらいな私と波長が合うのかもしれない。


4 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:00:37 0uleaALo0
ミセ*゚ー゚)リ「ただなー」

私の気持ちなどお構いなしに、ミセリは呑気な声を発し、
窮屈なテーブルの上に器用にスペースを作り、そこに肘を置くと、
頬杖をつき、視線を再び窓の外へ向けた。私もそれを追った。
錯覚かもしれないが、雨足が強くなっているように感じる。

ミセ*゚ー゚)リ「ツンちゃん雨大好きなんだよね。だから気が滅入らなそう」

(゚、゚トソン「そうでしたっけ?」

ミセ*゚ー゚)リ「外で運動するのが大っ嫌いだったからかなー」

(゚、゚トソン「ああ、それは覚えています」

ミセ*゚ー゚)リ「たださ、苦手じゃなくて、嫌いっていうのが妬ましいよね」

(゚、゚トソン「陸上部さんに同意を求められても困りますよ」

高校の県大会でそれなりの所まで行った彼女が、本気で言っているとは思わなかった。
運動がからっきしで、陰気な私からすれば、ミセリのこともツンさんのことも羨ましかった。
彼女たちが駆ける姿は、大仰に言えば命の盛りを感じさせたから。
とは言っても、ツンさんが走っている姿など、そんなに見たことはないが。
しかし、それでもはっきりと思い出せる程、焼き付いているのはどうしてなのか。
見てくれが良かったから? 速さが想定外だったから? 走る姿が珍しかったから?
ここまで考えて分かったことが一つあった。ミセリの『妬ましい』という言葉には、本音も混じっている。


5 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:01:26 0uleaALo0
( ・∀・)


僕はホテルのベッドで寝っ転がり、テレビを流し見していた。
奮発しただけあって弾力が心地いい。欠伸を一つした。

結婚前日の昼間にも関わらず、なぜこんなにのんびりとしているのかと言うと、
どうせ、明日は騒々しくなるのだから、今の内にだらけておこうという算段だ。
僕の隣のベッドで眠りについている、似た者同士の彼女も同じだろう。

液晶に映っているのは、マラソンの中継だったから、余計に呑気なものだったが、
道路を行く選手は雨粒に濡れ、苦しそうに表情を歪めている。歩道からの声援は、彼の耳に届いているのか怪しいが、
目には届いていればいいなと、ぼんやりと、薄れてゆく意識の中で思った。

うたた寝していた僕が目を覚ましたころには、丁度先頭の選手が競技場に入って来ていた。
独走態勢に入った彼は大歓声を受け、トラックを回っていく。
そして、一歩一歩、ゆっくりと、地面の感触を確かめ、腕を勢い良く天にかざし、ゴールテープを……。

ξ゚⊿゚)ξ「あーあ、切れちゃった」

そっけなく、ツンは言った。
いつの間にか目を覚ましていた彼女は、ベッドの上で脚を崩して座り込んでいた。

( ・∀・)「起きてたの?」

ξ゚⊿゚)ξ「さっきよ。ちょっと水でも飲むわね。あんたもいる?」

( ・∀・)「ああ、うん。ありがとう」

気だるそうに立ち上がったツンは、冷やしてあるミネラルウォーターのボトルを二本取り、
一本を僕の膝の方へ投げてきた。表面の水滴が少し服に染みる。

ξ゚⊿゚)ξ「私達も、明日はああいう風に祝福されるのかしらね」

ツンはテレビを一瞥した後、キャップを開けて水を喉に流し込んだ。

( ・∀・)「ゴールインとも言うしね」

ξ゚⊿゚)ξ「それ、あんまり好きじゃないのよね」

( ・∀・)「僕も二十六歳でゴールはしたくないなぁ。ちょっと早い」

ξ゚⊿゚)ξ「なにそれ。とにかくさ、切れちゃったでしょ、あれ」

ツンは蓋を閉めたペットボトルを、サイドテーブルに置いた。


6 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:02:13 0uleaALo0
ξ゚⊿゚)ξ「ただ、祝福されるっていうのは一緒なのよね。変な話よね。
あの選手は今にも倒れそうになりながらも走ってたのに、私達と来たら体力が有り余っているのに怠惰を貪ってるのよ」

彼女の言いたいことは良く分かった。
ツンは、今に限った話をしていない。

ξ゚⊿゚)ξ「あんたって、人生楽そうよね」

ツンは仰向けになるように、ベッドに身体を投げ出した。
彼女の淀んだ瞳は虚空を追っているかのようで、僕の方には向かないだろうなという確信すら持てた。

ξ゚⊿゚)ξ「あんたって、人生楽しい?」

この場にいる全員に、ツンは問いかけた。




騒然となる人々の中で、おかしなことに新郎の僕だけが落ち着き払っていた。
ウェディングドレスの両端とブーケを持ちながら、ツンは雨の中へ入り、教会に背を向けていく。
印象的だったのは、走り去っていく彼女が、右手に持つ花束を振り回しているように見えたことだった。
そんなミュージックビデオがあった気がするなぁ。


7 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:03:16 0uleaALo0
  _
( ゚∀゚)


歌を聴いてくれるリスナーなんて、最初は数人いたらいい方なんだ。
まずは一歩目を踏み出すことが重要だ。始まりはこじんまりとしたライブハウスだっていい。
俺なんて、ライブハウスどころか廃工場だったからな。しかも相手は数人どころじゃない。正真正銘のお一人様だ。
伴奏も、壊れかけの、ケースにすら入っていないアコースティックギター一本さ。
それでも俺は歌った。客に向かって歌ったんだ。聴いてくれたあいつを喜ばせることも出来た。
あの日、確実に俺は一歩目を踏み出した。

今じゃ背負っているギターも外気に晒していないし、値段も数十万円にまで跳ねあがった。
要は、底からどれだけ上を向けるか、どれだけ上を見られるかなんだよ。

だから、傘を差し、俯いて歩き、濡れたアスファルトを視界に映している俺は、
スタートラインすら前方に見える位置にいるんだろうな。

足を進め、右手側にある、コンビニを通り過ぎた。
店舗こそ違うが、俺がアルバイトをしているのと一緒の系列だった。
どの系列でも同じではあるが、あの看板を見ると、余計に自分の現状を認識させられる。

コンビニなんてどれも一緒だと思っていた。違う色に入っても大体商品も内装も同じ。
挙句の果てに店員まで多様性が無くて、機能の一部と化してしまったかのようで、
中学生ぐらいから薄気味悪さを感じざるを得なかった。ここで働いて、歯車になるのだけは嫌だと強く感じていた。
にもかかわらず、アルバイトをしている今の俺はほとんどコンビニの一機能と化している。

考え方は変わったさ。寧ろ、昔は歯車と呼んでいた彼らを、羨むことすらある。
けれど、モラトリアムを修了しきれない俺は、どう足掻こうが、
無知な子供が揶揄して使う、『歯車』という存在にしか成りえないのだ。

……ああ、今日の音出しも最低だったな。
他人のフレーズの真似しか出来ないならさっさと帰れだってよ。
バカスカガタガタと叩いて気取りだけは一人前のドラマーが良く言うなと返してやったら、
屁理屈並べてやんの。どこがパンクなんだよ、うるさければパンクか? 舌の肥えた俺には分かんないわ。

広い交差点の信号待ちで一度足を止めると、一気に不満が溢れてきて、
腸が煮えくり返った。しかし、隣でスマートフォンをいじっている女子高生に、
ギターケースが当たってしまうと、一瞬で頭が冷えて、平謝りをしてしまった。
……ああ、もう。やめようかな。早々に見切りをつけた仲間は、今じゃ上場企業の出世頭らしいじゃないか。
一応俺だって同じ大学を出ているんだし、高くは望まないから、安定した暮らしを目指してもいいじゃないか。
たまに、ライブハウスで演奏して、大きいロックフェスをリスナーとして楽しんで、それでいいじゃないか。


8 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:04:19 0uleaALo0
この信号が青になったら、きっぱりと切り替えよう。
目の前の横断歩道を渡り始める時が、俺の新しい一歩目だ。
赤色のランプを凝視し続け、今か今かと、その時を待った。

……最初は、小さな声だった。
反対車線側の、左斜め前から、妙な声が聞こえて来る。
どうせ、大したことではないと思った。中学生同士が、些細な事で諍いを起こしているのだとか、
そんな程度のことだと。だから、無視を決め込んだ。けれど、徐々に声は大きくなってゆく。
遂にはざわめきと化していき、流石に無視が出来なくなり、はす向かいの歩道を見ると、
俺の喉から、言葉にならない音が出た。……そうか、そりゃ騒がれるよな。

花嫁が立っている。
ブーケだけを持ち、ウェディングドレスを雨にさらす彼女は、
身じろぎ一つもせずに、その場にただ佇んでいた。

俺はざわめきの合唱には参加出来ず、ただ茫然と、信号待ちをする非日常を眺めていた。

信号が、青に変わった。
なのに俺は、一歩目を踏み出せなかった。

対照的に、花嫁はあっさりと一歩目を踏み出した。
彼女は軽く微笑み、薄汚れたドレスの裾を、両手で持ち上げ、右へ左へひらひらと振り、
時には回転を交えながら、あるいはステップを踏むようにしながらも、
誰とも接触せず、戸惑う人々の群れを縫うように進み、横断歩道を渡り切った。

明らかに異常な光景なのに、誰も声を上げる事が出来なかった。
一連の動作が軽やかすぎて、非日常をあっさりと日常に浸食させてしまった。
俺も含む、一定数の戻って来られない人間は、その場に立ち尽くし、未だに花嫁の背中を追っていた。

通常の歩道に戻っても、花嫁は華やかに道のりを飾り、通った路面が色づくかのようだった。

やがて花嫁の姿は見えなくなり、立ち尽くしていた人間の硬直も徐々に解けていったが、
俺は未だに夢から醒めることが出来なかった。丁度、一歩目を踏み出そうとした横断歩道も、
信号が青に変わっているのに、渡る気が微塵も起きない。まんまと、現実から引き戻されてしまったらしい。
夢の住人からは、当分卒業出来そうになかった。……スタジオまだ開いてるかな。

( ^ω^)「おっ! ジョルジュかお!?」
  _
( ゚∀゚)「……ブーンか?」

後ろから聞こえた声に振り向き、半信半疑で応対すると、懐かしい面が拝めた。
俺の最初のリスナー。お一人様だったブーンだ。


9 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:05:14 0uleaALo0
( ^ω^)「そうだお! 久しぶりだお! あっ、それギターかお!?」

ブーンが俺が背負っているものを指さした。
  _
( ゚∀゚)「ああ。そろそろ区切りにしようと思ってたんだけどな」

( ^ω^)「えっ……。もったいないお! 僕はあの時確信したんだお! 絶対ジョルジュはスターになるって」
  _
( ゚∀゚)「そうだな、そういう勘違いをてめーにさせられたんだ」

廃工場の光景が、やたらと鮮明に浮かんでくる。
  _
( ゚∀゚)「だから、もう一回勘違いしてくるよ。まだ諦めきれねぇから」

( ^ω^)「ほんとかお! 約束だお!」

そう言うと、ブーンは右腕を俺に向けて差し出した。
  _
( ;゚∀゚)「お前割と無責任だよなー、言葉が合ってるのかわかんねぇけど」

なんだかんだで空いてる右手で取ってしまい、俺はブーンを握手を交わした。
  _
( ゚∀゚)「そういやさ」

( ^ω^)「お?」
  _
( ゚∀゚)「お前はなんでいつもずぶ濡れなの」

( ^ω^)「……あ!」

ブーンは急に何かを思い出したようで、目をパチクリとさせた。

( ^ω^)「花嫁とか見かけなかったかお!?」
  _
( ゚∀゚)「見た見た。あっちな」

頓珍漢な質問だったが、あっさり返せる質問だった。
俺は、花嫁が去って行った方を指さした。


10 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:05:56 0uleaALo0
( ^ω^)「マジかお! サンキューだお! この恩は忘れないお!」
  _
( ゚∀゚)「ああ、またライブとか来てくれればいいよ」

( ^ω^)「絶対行くお! じゃあ」
  _
( ゚∀゚)「……あっ、ちょっと待て」

俺に背を向けて、去って行こうとするブーンを呼び止めた。
  _
( ゚∀゚)「そろそろ雨ざらしからは卒業するんだな」

俺は自分が持っていた傘を、ブーンの右手に握らせた。

( ;^ω^)「えっ、ちょ」
  _
( ゚∀゚)「じゃあ俺用あるから! またな!」

押し問答になるのも面倒なので、ブーンの反対方向へ俺は駆け出していた。
新たな一歩は踏まず、いつもの一歩を踏んで。
  _
( ゚∀゚)「……さーてと、久々にモララーにでも連絡するかな」

駆けながら、モララーが刻むビートを思い出す。
勘違いかもしれないが、あいつがバックでドラムを叩いてくれたら、
絶対に何かを変えられる気がするんだけどな。というか、勘違いでも別にいいさ。
まだ、俺は夢の中に居られるんだから。


11 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:07:03 0uleaALo0
('A`)


喫煙所には先客がいた。
背筋をピンと立て、ほつれの一つも感じさせない黒髪を、
真っ直ぐと背中まで伸ばしている彼女は、なんら昔と変わらないなと思った。

川 ゚ -゚)「まさかお前が煙草を吸うようになるとはな。変わったな、ドクオ」

入り口付近にいる俺から見て、左奥にいる彼女は、口から紫煙を焚き続ける棒を離し、
細く、しなやかな指に挟んだ煙草を下に向け、灰皿へ吸殻を落とした。

('A`)「こんな時に喫煙所に来るお前の図太さは変わらないな、クー」

真っ直ぐと歩き、俺は右奥の壁に背を向け、ライターと煙草一本を取り出した。
カチリと音が鳴り、ささやかな灯火に、俺は棒の先端を持っていった。

川 ゚ -゚)「それはお互い様ではないのか?」

クーは軽く微笑んだ。高校の頃よりも、幾分か柔らかい表情だった。
なんだ、こいつも変わっているじゃないか。

('A`)「俺は臆病だから、ニコチンでも取ってないとやってられないんだよ」

川 ゚ -゚)「成る程な」

ふぅ、と俺は煙を吐きだした。

川 ゚ -゚)「しかし、なぜツンは逃げて行ったんだ?」

('A`)「俺に訊かれてもな」

川 ゚ -゚)「新郎に問題があったとも思えないが」

('A`)「ああ、あの人な。嫌味もないし、気さくでいい人だったよ。
その上容姿も収入も文句の付けようがないんじゃないか。上場企業の出世頭らしいし」

川 ゚ -゚)「職場の後輩にも慕われていたしな」

('A`)「なにがスイッチなのかなんて分からないもんだよな」

川 ゚ -゚)「ああ、ジョルジュに突っ掛かって行ったお前と一緒だな」

(;'A`)「なんでそんなこと覚えてんだよ」

川 ゚ -゚)「いかにも貧弱なお前があいつに楯突いたんだ、そりゃ印象的だったさ」

クーは、吸い終わった煙草を灰皿へ捨てた。


12 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:07:49 0uleaALo0
川 ゚ -゚)「だから、余計にお前が煙草を吸っているのが分からないがな」

('A`)「いいんだよ。俺はマナーを守っているから」

川 ゚ -゚)「公共の場で吸われるのが嫌なのか」

('A`)「そりゃあな。ましてや教室の中でなんて論外だろ?
自習時間というのは自由ではあるが、流石に煙草を吸っていいことにはならない」

川 ゚ -゚)「それで、逆に胸ぐらを掴まれて、半べそをかくはめになったのか」

('A`)「……昔の話だろ」

大きく吸った煙草を口から離し、息を吐いて、紫煙を室内に充満させた。

川 ゚ -゚)「ブーンには感謝しないとな」

('A`)「当たり前だろ。今だってし続けてるよ」

喧嘩とも俺とも無縁のブーンが仲裁に入ってくれたお陰で、
ジョルジュが俺に加えた危害は、精々シャツをよれさせるぐらいで済んだ。
思えばあれからだったな、ブーンと仲良くなったのは。
まさか今に至るまでになるとは、予想していなかったが。
……もっと予想していなかったのが、あの出来事の後にこいつが話しかけてきたことだったが。

川 ゚ -゚)「しかし、良くもまあブーンもジョルジュに向かっていったものだったな」

('A`)「多分、ブーンはなにも考えてないんだよ。だから助けてくれた」

川 ゚ -゚)「恐らく語弊があるな」

('A`)「……そうだな。ちょっと違う」

川 ゚ -゚)「ブーンは身体が先に動いてしまう人間なんだ」

('A`)「似た者同士だな」

川 ゚ -゚)「ああ」

足りない言葉を交わして、共通の認識を確かめた。


13 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:08:38 0uleaALo0
( ^ω^)


あてもなく、傘もなく、雨の中を駆け巡るのは、
僕にとってはノスタルジーを強く感じさせる行為だった。
あの日のことを、否が応でも思い出させるから。
そろそろ、十年近く前の話になってしまうのかな。





その日の授業を終え、部活にも入っていない僕は、
早々に帰宅の準備を進め、ドクオとクーに挨拶をした後、
教室から出て行った。廊下を進む速度は、早足になっていた。
今日は早く帰宅して、昨日買った話題作のゲームを進めたいのだ。
運動部にとっては悪天候だけど、僕にとってはこれ以上ない天候だ。
ゲームに一番没頭出来る場所は、雨の音が聞こえる、薄暗い部屋だから。

昇降口まで辿り着くと、僕の心臓は二回鳴った。
一回目の要因は、先客がいるということへの驚きで、
二回目の要因は、その先客がツンだったということだ。

靴だけを足元に投げ出し、ツンは立ち尽くしていた。
僕も同様に、下駄箱の手前で、立ち尽くすはめになった。急ぎ足になっていたのが嘘のようだ。

足音が途絶えたのが気になったのか、ツンは二つに結った髪を揺らしながら、こちらへ振り向いた。

ξ゚⊿゚)ξ「なんだ、あんたか」

僕の顔を見ると、ツンの仏頂面が少し緩んだ。
無性に、息が苦しくなる。


14 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:09:28 0uleaALo0
( ^ω^)「えっと、どうしたんだお?」

必死に取り繕って、僕は言葉を紡いだ。

ξ゚⊿゚)ξ「見ての通りよ。傘を忘れちゃったの。六月なのにね、馬鹿みたい」

軽快な声で自嘲しながら、ツンが苦笑した。
普段は気を張りっぱなしの彼女は、口数は多くなくても、
強気な姿勢を崩さないものだから、こういう姿は珍しいものだった。

難しかった。僕に取れる選択肢があまりにも少なすぎる。
僕がツンみたいに、器用な人間なら良かったのにと思った。
そつなく万事をこなせて、自分に自信を持てたら、それならば、
片想いをしている相手の前でも、もっと見える選択肢が、取れる選択肢が増えるはずなのに。

生憎、僕は凡人だった。
けれど凡人は凡人なりに、やれることをやってみようじゃないか。
大丈夫。嫌われるなんてリスクはないから、勇気すらいらない。

僕は取り出した靴を履き、ツンの横を通り過ぎた。


15 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:10:09 0uleaALo0
ξ゚⊿゚)ξ「……意外と冷たいのね」

( ^ω^)「寧ろ冷たくなるのはこれからだお」

ξ゚⊿゚)ξ「……えっ?」

差してあった僕の傘を取り出し、ツンの足元に軽く放った。

( ^ω^)「じゃ、また明日だお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっとあんた!」

驚愕の声を上げる声を尻目に、僕は外へ駆け出した。
あっという間に校門を抜け、でたらめなルートをなぞって行く。
僕とツンの家は近いから、高校への通学路も似たようなもので、
彼女が追いかけてきたらたまったものではない。ただでさえ足の速さでは敵わないのに。

雨粒が目に入り、右手でそれを拭った。
ああ、これが涙だったとしたら、それは多分悔し涙だ、意気地なしめ。


16 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:11:21 0uleaALo0
無我夢中に走り、息も絶え絶えになったころにたどり着いたのは、
寂れた住宅街だった。くたびれた足は地面を強く蹴ることも出来ず、
僕はひび割れたアスファルトを、とぼとぼと歩き続けた。

しばらくすると、色褪せた大きな土地が二つ見えた。

左手側には、大きな砂利の駐車場があったけど、広さ以外は酷いものだった。
伸び放題の雑草は、雨に濡れて鼻につくにおいを発して来るし、停められている数台ぐらいは、
今にもスクラップにかけられそうな状態で、まともに使われているのかどうかも怪しい。

右手側には、大きな廃工場がある。
なにを作っていたのかは分からないものの、とうの昔に役目を終えていそうだ。
だけど、僕はまだ終えて欲しくなかった。雨宿りには、絶好の建物じゃないか。

恐る恐る廃工場の中へ入ると、巨大な空洞があった。
僕が周りを眺めながら中心へ足を進めていくと、一歩一歩の音が、強く反響した。

だから、気づかれたのもすぐだった。


17 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:12:06 0uleaALo0
  _
( ゚∀゚)「あ? なんでてめぇがいんだよ」

声が聞こえた、工場の左奥の方を見ると、どこかから拾ってきたのか、
ボロボロのソファがあり、ジョルジュはそこに座っていた。

ジョルジュの口調は威圧するようだったけど、こちらに向かってくる気配はない。
あまり敵意がないのか、それとも膝元にある物をどけるのが面倒なのか。

なんとなく恐怖心より好奇心が勝ってしまい、ギターを持っているジョルジュに近づいて行った。
  _
( ;゚∀゚)「なんで近づいて来るかねぇ……。つーかてめぇ濡れすぎだろ。傘持ってねぇのかよ」

( ^ω^)「傘なら最高の仕事をしてるお。僕には手に余ったけど」
  _
( ;゚∀゚)「よくわかんねぇやつだなお前。この前もそうだったけど」

( ^ω^)「そういえば、今日学校サボったのかお?」
  _
( ゚∀゚)「まあな。ちょっと気が乗らなかった」

( ;^ω^)「なんでそんなんでテストの点数とれるんだお?」
  _
( ゚∀゚)「カンニングに決まってんだろ。あっチクんなよ」

( ^ω^)「冤罪はかけないお」
  _
( ;゚∀゚)「喰えねぇなぁ」

僕は、ソファの後ろにあった丸椅子を、ジョルジュから見て三歩前に置き、
そこに腰を掛けた。特にジョルジュも文句はつけず、しばらく沈黙が続いた。


18 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:13:01 0uleaALo0
僕は気まずさを感じるよりも先に、雨音に耳を傾けた。
眠れない夜にも、鬱屈とした気分にも、寄り添ってくれたのはこの音だ。

更に深くまで溶け込もうとし、瞼を閉じた。
こうしてしまえば、あっという間に没頭出来るのが、いつもの僕だった。
だけど、今日は下がった体温に気を取られ、寒気を感じ、肌を擦ってしまう。

上手くいかない原因は一つだった。目を瞑ると、昇降口の彼女がいたからだ。
惨めだ。惨めでしょうがない。こんなにも胸が痛くて、息が苦しいのに、目を開けることが出来ない。
もはや雨音すら牙を剥き、僕を責め立てているかのようだった。

いっそのこと、耳を塞ごうかと思った時だった。
刺々しい環境音に混ざり、温かみのある音色が聴こえた。

目を開けると、ジョルジュが軽くギターを触っていた。
安物の音だと素人から見ても分かったけど、奏者の手捌きが滑らかだと素人から見ても分かった。
僕はその光景に釘付けになってしまい、その音色に聴き入ってしまっていた。

そのことに気が付いたのか、ジョルジュは単音ではなく、複数の弦を鳴らし、
良く分からないけど、伴奏のような形に切り替えた。

聴こえたのは、英語だった。
ジョルジュが歌い出したのは、僕でもどこか聴き覚えがあるような曲だった。
おそらくは有名な洋楽なんだろう。

大きさだけを言えば広いホールに、ジョルジュは声を響かせ、
雨音を塗り替えるように世界を構築していく。
  _
( ゚∀゚)「……どうだった?」

歌い終えたジョルジュは、真顔で訊いて来た。


19 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:14:13 0uleaALo0
( ^ω^)「凄かったお……」
  _
( ゚∀゚)「世辞だったらぶっ殺すからな」

( ^ω^)「お世辞なんかじゃないお! 凄いお! ミリオン歌手も目じゃないお!」
  _
( ;゚∀゚)「余計世辞くせぇんだけどちげぇんだろうなぁ。まあありがとよ」

珍しくジョルジュは感謝の言葉を使った。
僕が言ったのは紛れもなく本心だった。煙草のせいか、少し掠れ気味の声が、更に歌の深みを増していた。
不思議なものだった。この前は、煙草のせいで散々冷や汗を掻かせられたのに、今日は温かみすら覚えさせられた。
丁度、冷え切った身体を包むような錯覚すら感じる。実際、なぜだか顔の表面が熱い気がして……。
  _
( ;゚∀゚)「なんで泣いてんだよ。褒め殺しにも程があるわ」

( ;ω;)「え」

頬を右手でなぞると、明らかに雨粒とは違う水滴が伝っていた。

( ;ω;)「……多分、情けなくなったんだお」
  _
( ;゚∀゚)「確かに暗い曲だけどさ、お前英語わかんの?」

( ;ω;)「からっきしだお。いつもツンに教えてもらってるのに……ああツン……うぅ」
  _
( ;゚∀゚)「失恋でもしたのかお前は」

( ;ω;)「恋に敗れるならまだいいんだお! でも僕は自分に負けたんだお!」
  _
( ;゚∀゚)「あーあー、泣くなって。生きてりゃいいことあるよ」





あの奇妙な出来事がきっかけで、僕と仲良くなったジョルジュは、
まだ音楽を続けていたらしい。最近はライブの連絡も来なかったから心配だったけど、
さっき偶然会った時は、本当に良い目をしていた。まるで、あの日に戻ったみたいに。
あれなら大丈夫だ。僕にとって一番のシンガーは、いつまでたってもあの日のジョルジュだったから。

ジョルジュが指さした方へ足を進め、聞き込みを繰り返し、時には転びながら、
灰色の空の下を、僕は駆け巡り続けた。折角貸してくれた傘も、走りにくいから途中で畳んでしまった。

ツンを見つけ出した頃には、既に足が痙攣を始めてしまいそうになっていた。
大通りならともかく、脇道にそれて、物静かな住宅街にいたものだから、手間が余計にかかった。


20 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:14:57 0uleaALo0
( ;^ω^)「ツン!」

ツンの背中に声を掛けた途端だった。無意識に膝に手をつけ、僕は中腰になっていた。
ようやく足を止められるという安堵感だろうか。ツンを見つけ出した達成感だろうか。
どちらにせよ、一気に気が抜け、濡れた路面に荒い息を吐き、俯いた僕は、
今更、頭部に降り注ぐものの冷たさを感じた。そして、今更、アスファルトを打ち付ける音を聞いた。

ノイズのような音が、すっと耳に溶け込んで心地がいいな。
……そう、昔はこんな感じだったはずだ。

あの日から、僕は雨音が苦手になってしまっていたけど、今は以前と同じように、
この天候を楽しめていた。こうなった元凶は、目の前にいるというのに。

いや、目の前にはいないか。僕の視線の先にあるのはただの路面だ。
もう、いいだろう。十分に休みは取れた。

僕は上半身を起こし、六月の花嫁を真っ直ぐと見据えた。

ツンは下ろした髪を揺らしながら、こちらへ振り向いた。
もう、二つには結っていなかった。


21 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:15:52 0uleaALo0
ξ゚⊿゚)ξ「来ると思った」

彼女の姿は、式場から変わり果てていた。化粧などとうに落とし切り、
解いた濡れた髪を肌にまとわりつかせ、挙句の果てには、ウェディングドレスをくすんだ雨の色に染め上げ、
ところどころに泥を跳ねさせ、既に純白と呼ぶには値しない代物にしてしまっていた。
花嫁の面影を残している部分と言えば、右手に持つブーケぐらいだった。

それでも、ツンが空いている左手で、視界を遮る、乱れ切った前髪を耳に掛け、
一片の淀みもない、澄んだ瞳を露わにすると、目の前の光景が綺麗にしか見えなくなった。

この眼差しこそが、僕のノスタルジーそのものだったから。

ξ゚⊿゚)ξ「あんたこんなことしてたのね。結構楽しかったわ」

( ;^ω^)「結婚式から逃げた花嫁と一緒にしないで欲しいお」

ξ゚⊿゚)ξ「あら、逃げたのは一緒じゃない」

( ;^ω^)「……まあ、その通りだお」

ξ゚ー゚)ξ「まあ、終わった話だけどね。さーてと、明日からどうしようかなー」

ツンの声色は旅行の計画を立てるかのようだった。
始末をつけるべきことは山のように重なっているのに。

ξ゚⊿゚)ξ「まずは、このドレスをどうするかよね」

ツンは、ひらひらと、水を吸ったドレスの裾を揺らした。


22 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:17:01 0uleaALo0
( ^ω^)「……その前に、自分をどうにかしろお」

ξ゚⊿゚)ξ「えっ?」

僕はツンの近くまで歩き、持っている傘を広げ、差し出した。
今度は放り投げたりせずに、右手に持ったままで。

( ^ω^)「気が済んだなら、さっさと式場まで戻るお」

ξ゚⊿゚)ξ「……私、借りは作りたくないタイプなの」

( ^ω^)「別に借りとかじゃ」

ξ゚⊿゚)ξ「増してや返済もしてないのに負債を増やす真似なんて御免だわ」

ツンは、僕の右手を、軽く左手で払った。
不意を突かれて落としてしまった傘は、あっけなく地面に転がり、円を描いた。

呆然としている僕に背を向け、ツンはゆっくりと歩み始めた。

ξ゚ー゚)ξ「だから、これでちゃらね」

ツンが右手を振り上げ、持っていたものを放り投げた。

一瞬、ツンがなにをしているのかが分からなかった。
宙を舞うものが、最高到達点に達した時、僕はやっとその意味に気が付いた。

ツンがしていることは、たった一人に向けた、予定調和のブーケトスだった。

空中に打ち上げられた、雨粒を浴び、滲んでいるラナンキュラスは、
色とりどりの水性の絵具を、灰色の空に塗りたくるようにして回っている。

僕は無意識に落下地点に入り、ブーケをキャッチした。

ξ゚ー゚)ξ「じゃあね。いい人生を」

あの日と立場を入れ替えたツンは、最後に一度だけ振り向き、
再び駆け出して行った。通った路面に、一輪の黄色い花を残して。

取り残された僕は、手元にある花束に視線を落とした。

( ^ω^)「……こんなん男が取ってもしょうがないお」

両手で持っていたブーケを左手に移し、払い落された傘を右手で差した。

( ^ω^)「これで雨ざらしからは卒業だお」

さあ、さっさと帰って風呂にでも入ろう。


23 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:17:36 0uleaALo0










 ξ゚ー゚)ξ雨ざらしは軽快に踊るようです



            END


24 : ◆ABzdo6kBrI :2016/03/30(水) 18:18:13 0uleaALo0
ありがとうございました


25 : 名無しさん :2016/03/30(水) 18:25:05 myHhBYhk0

好きな文体だった


26 : 名無しさん :2016/03/30(水) 19:59:44 u5.O.vhU0
乙!


27 : 名無しさん :2016/03/31(木) 16:12:38 eTMR05uQO
乙!こういう群像劇、好きだああ
ツンちゃんええなあ、ミセトソのキャラも好き


28 : ◆mQ0JrMCe2Y :2016/04/04(月) 01:31:34 vfbDwYX.0
【連絡事項】
主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。

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29 : 名無しさん :2016/04/05(火) 23:21:15 BMkcsFbU0

これからみんなどうなるんだろうなぁ


30 : 名無しさん :2016/04/07(木) 05:16:38 PLcRiG1Q0
洋楽の似合いそうな雰囲気だったなあ


31 : ◆ABzdo6kBrI :2016/04/23(土) 18:58:01 oj6sd93M0
『o川*゚ー゚)o青に溶けきれないようです』
『(*゚ー゚)哀の逃避行のようです』
『ζ(゚ー゚*ζ夢遊病と、朝焼けの話』
『ξ゚ー゚)ξ雨ざらしは軽快に踊るようです』
を投下した作者です。


過去ログに送られる前にここでご挨拶をさせていただこうと思います。
自己満足的なものですが、上げておいた方が良いと感じる理由もあるのでsageは外しました。

まず、読んで下さった方、乙を下さった方、感想を下さった方、絵を下さった方、好きな作品に挙げて下さった方、票を投じて下さった方、MVPを下さった方。
まとめてお礼を申し上げるのも心苦しいのですが、感謝に優劣をつけるのも良くないと思いますので、ここで皆さまに感謝の念をお伝えます。
本当にありがとうございました。嬉しくて嬉しくてしょうがありませんでした。
個人表影を頂けた際には心臓の鳴り方がおかしくなりました。
なので結果には大変満足しています。

しかし同時に、これでいいのかと感じる部分もあるのです。

高い壁というものを錯視して、ここが限界だと感じているのかもしれません。
ですが、ここで終わるつもりもありません。

自称的に名乗っている部分が多々ありますが、いつか『雨ざらし』という名前を塗り替えるぐらいの作品を作り上げ、投下したいと思います。
もしこの酉を見かけることがあったら、気が向いたら読んでみてください。

以上です。長ったらしい文、失礼しました。


32 : 名無しさん :2016/04/23(土) 20:50:23 rucesJ0gO
昨日も言ったが改めて

やったな


33 : 名無しさん :2016/04/25(月) 08:16:26 3/nQS9F20
おっめでとー


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