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小松伊吹「プロデューサー、明日オフだよね?」P「あー…」
-
伊吹「もしよかったらなんだけど…さ…」
P「悪い伊吹、明日は朝一番で地方に出張なんだ。帰りは日を跨ぐと思う」
伊吹「え…?」
P「安心しろ、伊吹のオフは変わりない」
伊吹「あ、うん…」
P「せっかくの誕生日だ、思う存分羽を伸ばすと良い」
伊吹「ありがと…」
-
ガチャ
柚「おはよーございまーす」
伊吹「おはよー。って柚、今日はオフじゃなかった?」
P「俺が呼んだんだ。悪いな柚」
柚「おもしろそ…いや、プロデューサーサンの頼みごとなら聞いてあげちゃうよ?」
P「…まあいい。この件は柚が適任だからな。早速行こうか」
柚「はいはーい」
-
伊吹「ちょ、ちょっと待って。その用事ってアタシじゃ駄目なのかな?」
P「お前はこれからレッスンだろ?」
伊吹「あ…」
P「明日が誕生日だからって気を抜くなよ?それじゃ出かけてくる」
柚「それじゃ伊吹サン、またね〜」
ガチャ バタン
伊吹「行っちゃった…」
伊吹「…なんかもやもやするなー」
-
―レッスンルーム
ベテラントレーナー「ストーップ!小松、また同じところでミスしてるぞ」
伊吹「す、すみません」
ベテラントレーナー「らしくないぞ。…少し休憩を入れよう」
伊吹「ア、アタシはまだやれます!」
アヤ「やめとけ。いったん休憩、な?」
伊吹「う、うん…」
志保「きっと疲れてるんですよ。疲れてる時には甘いものが…」
ベテラントレーナー「ま〜き〜は〜ら〜?」
志保「き、今日の所はガマンしましょうか…」
-
―レッスン後 ファミレス
伊吹「はぁー…」
アヤ「どうしたんだよ?トレーナーさんも言ってたけどらしくないぞ?」
伊吹「うーん…なんかこう…モヤモヤするというか…心にポッカリ穴が開いた感じがするというか…」
志保「…なんだか恋愛小説の女の子みたいな言い方ですね」
伊吹「…へぇっ!?」
アヤ「あー確かに。また恋愛映画に影響でもされたか?」
伊吹「そ、そ、そ、そんなわけないじゃん!え?でも、あれ?」カァァァ
志保「あ、みるみる真っ赤に」
アヤ「こりゃ図星か?」
-
貴重ないぶきちスレかな?
期待ゾ
-
アヤ「お、そういやぁ明日誕生日だったよな、伊吹」
伊吹「あー覚えてたんだ」
志保「覚えてたも何も、明日私たちがオフなのって伊吹ちゃんの誕生日だからですよね?」
アヤ「そうそう、プロデューサがそうしたんだよな。ま、そんなの無くてもダチの誕生日くらい覚えてるけどな」
伊吹「そういやそうだね…」
アヤ「…よし!明日は三人で遊ぼうぜ!」
志保「そうしましょう!行ってみたいスイーツカフェがあるんですよ〜」
伊吹「二人とも…オッケー!明日は思いっきり羽伸ばそう!」
-
〜♪
伊吹「ん?メールだ」
アヤ「今時メール使ってくるヤツといったら…」
志保「プロデューサーさんくらいですね」
伊吹「…ごめんちょっと行ってくる」
アヤ「どうした?」
伊吹「ちょっと事務所行ってくる。出張行く前に用事があるんだってさ。それじゃ」
志保「気をつけてね〜」
-
―レッスンルーム
伊吹「こんな時間にこんなとこに呼び出して何の用?」
P「まあ、ちょっと話がしたくてな」
伊吹「出張で明日朝早いんでしょ?なのに話って…」
伊吹「もしかして出張でアタシと会えないのが寂しかったりする〜?」
P「…初めて会った時のこと覚えてるか?」
伊吹「ん?アタシが養成所でアルバイトしてた時だよね?そこにアンタが来て…」
P「実はな、俺はそれ以前に伊吹のことを知ってたんだ」
伊吹「ええっ!?そうなの!?」
-
P「お前アルバイトとしてここに来たことあったろ?」
伊吹「あー、そう言えば何回か来たことあったね」
伊吹「見た目がお城みたいだし施設も充実しててですごい事務所だなーって思ってたな」
P「その時たまたまレッスンルームの前を通りがかってな。伊吹を初めて見たのはその時だ」
伊吹「へー、そうだったんだ」
P「その日のうちに伊吹がアルバイトだと知って、後日スカウトしに行ったんだ」
-
伊吹「え、そうだったの?アタシてっきりたまたま養成所に来たのかと思ってた」
P「流石に手回しはしておいた。アルバイトとは言え従業員を引き抜こうとしてるわけだからな」
P「そしてスカウトしに行ったら逆に売り込みをかけられてな」
伊吹「あー、そういやそうだったね」
P「なかなかない経験だったぞ。スカウトしようと思った娘が売り込んできたってのは」
伊吹「なら先にアタシに言ってくれたらよかったのに」
P「物事には順序って物があるんだ」
伊吹「ふーん」
-
P「その時近くで見て、思ってた通りダンスは良いと感じた」
伊吹「ダンスは?」
P「当たり前だろ。その時は歌ってなかったしメイクもプロ仕様からは程遠いものだったしな」
伊吹「し、仕方ないじゃん!」
P「レッスンでもだいぶ苦労したみたいだし、最初の頃はイベント出演も困惑してたな」
伊吹「いや、だってもう19歳なのに学生服着ることになってその次はバレンタインチョコ作ったんだよ?」
伊吹「ダンス関係ないじゃん!って思ってた」
P「アイドルとしての活動に慣れてもらおうと思ってな。それと…」
伊吹「それと?」
P「事前に恋愛映画好きという情報をもらっててな、学園祭やバレンタインといったイベントは入り口としてはいいと思ったんだ」
伊吹「はぇ!?」
P「あの時のチョコ美味かったぞ」
伊吹「あ、ありがと…///」
-
P「その次の仕事では思う存分踊れただろ?」
伊吹「しかもその舞台が海外とはね」
P「そこでアヤや志保と初めて仕事したんだよな」
伊吹「そう言えばそうだったねー」
P「そこでたまたま気付いたことが次の仕事に繋がったんだ」
伊吹「え?そうなの?」
P「バリ島での仕事中たまたま新婚旅行中の夫妻を見かけてな」
伊吹「次の仕事…あ、ブライダル!」
P「そうだ。あの時はバレンタインでも一緒に仕事してた奏との仕事だったな」
伊吹「今じゃCD出したりユニットリーダーしたりしてて遠くに行っちゃった感じがするなー…」
P「追いつけ追い越せだ、頑張ろうな」
伊吹「…うん!」
-
伊吹「その後のお仕事は自然体でできた感じがしたな」
P「それを狙ってたからな。それまでの仕事は割とチャレンジしてもらうものが多かった」
P「だから伊吹自身のパーソナルな部分が出るような仕事をとってきたつもりだ」
伊吹「なんだか自分の成長を感じたお仕事だったかな。ずいぶんやってなかったのにスケボーも上手くなってたし」
P「成長については同意するが、犬に勝てるほどにスケボーが上達してるとは想像すらできなかった」
伊吹「わんこ…ごめん…」
-
伊吹「あ!」
P「どうした?」
伊吹「その次のお仕事だよ!」
P「あースポーツ祭な。バトミントン楽しかったか?」
伊吹「楽しかったけどそっちじゃなくて!その…体操服の話!」
P「あそこまで照れてたのは伊吹くらいだったと思うが?」
伊吹「ほ、他の娘は関係ないの!ハーフパンツかと思ったらブルマだったんだよ!?」
P「芽衣子だってノリノリだったぞ?」
伊吹「それを言われたら…うぅ…」
P「あと今更だがバトミントンとフェンシングじゃ戦いにならないと思うぞ」
伊吹「あれは…その…変なノリになって…」
-
P「その分次の仕事はダンスのにしといただろ?」
伊吹「そうだけどさー」
P「この時の衣装が後のフランメ・ルージュの活動に繋がったな」
伊吹「最近は軌道に乗ってきたし、今日も三人でのレッスンだったよ」
-
伊吹「でもその次のお仕事とのギャップがね…」
P「サバゲーか、ノリノリだったと思ったんだが?」
伊吹「いやまあそうだけどさ…」
P「ただ追い詰められたからと言って木に登って跳んで移動するとは思わなかった。改めて伊吹の凄さを思い知ったよ」
伊吹「あ、あれはとっさに体が動いて…」
P「まあ亜季や清良さんに負けず劣らずとなるとそうなるか」
伊吹「アタシはサバゲーを通じて清良さんの恐ろしさの一片を感じた気がするよ…」
-
伊吹「次の…というかこの前のお仕事はお月見だったね。ススキ野に満月、綺麗だったなー」
P「ああ。今日みたいに月が綺麗な夜だったな」
伊吹「えっ!?」
P「ん?どうかしたか?」
伊吹「い、いや、なんでもない…///」カァァァ
P「あの時はバニーガールの衣装だったけどノリノリだったよな」
伊吹「え?だったけどって?」
P「ブルマより露出が激しいと思うんだが…」
伊吹「そ、それは話が別なの!」
P「それとススキ野での撮影の時もそうだったが、伊吹はああいうシチュエーションに弱いんだよな」
伊吹「だ、誰だってそうでしょ!?」
-
P「そう言えば志保から聞いた話なんだが…」
伊吹「何よ…」
P「お前アイドルになった頃のことを、お城に連れて来られたシンデレラの気分だったとか言ってたらしいな」
伊吹「い、いやぁそんなことも言ったかな〜?(志保なんてことを…)」
P「まあまあ、そういう乙女な所も伊吹の良い所だから…」
伊吹「うぅ…」
-
P「しかしシンデレラか…」
伊吹「まぁ、この事務所もお城みたいだったし…」
P「シンデレラだとすると…12時には魔法が解けてしまうな」
伊吹「まあ、お話の中ではね」
P「それなら12時を過ぎればアイドルではなくなるわけだ」
伊吹「は?何言って…」
P「そして伊吹がアイドルでなくなるなら俺もプロデューサーでなくなる」
伊吹「ちょっとどういうこと!?」
P「仕事も関係ない。もちろん明日の出張も…だから」
伊吹「…だから?」
-
P「誕生日おめでとう、伊吹」
伊吹「へ?」
P「時計見てみろ」
伊吹「あ…12時…」
P「それと…これはプレゼントだ」
伊吹「2つも?えっとこっちは…あ、パーカー?」
P「ああ、今日柚に付き合ってもらって買ってきた」
伊吹「あーそれで柚が来てたんだ」
P「パーカーのことは柚に聞いておけば間違いないと思ってな」
伊吹「あの娘もパーカー好きだもんねー」
P「それともう一つは…」
-
伊吹「…お、マフラーだ」
P「寒い季節になってきたしな」
伊吹「ありがとう…でもなんで2つも?」
P「本当はマフラーだけにしようと思ったんだが、伊吹の趣味に合わなかったらまずいと思ってな」
P「念のためにパーカーも用意した。そのマフラーとも合うパーカーを選んだつもりだ」
伊吹「そっか…えへへ」
-
伊吹「ところでこんな時間にここにいて大丈夫なの?」
P「プロデューサーとしては良くない…が」
伊吹「が?」
P「12時で魔法が解けた後なら問題ないだろ?」
伊吹「本音は?」
P「…明日は出張で会えないが直接会って渡したかったからな」
伊吹「そっか…ありがと」
P「とは言えもう遅い。送っていく」
伊吹「…うん!」
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―帰り道
P「一つ、言い忘れてた」
伊吹「んー?なにー?」
P「これまで伊吹と一緒に仕事ができて本当に良かったと思ってる」
P「そしてこれからも二人三脚で一緒に前に進んでいきたいとも思ってる」
P「一緒に歩いていってくれるか?」
伊吹「もちろん!」
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―翌日
志保「へープロデューサーさんがそんなことを」
アヤ「で、そのパーカーとマフラーがそれか」
伊吹「えへへー似合うー?」
アヤ「完全にデレてやがる…」
志保「うーん…」
アヤ「志保、どうした?」
志保「そのマフラーどこかで見た気が…」
伊吹「そうなの?」
アヤ「…あ!」
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伊吹「アヤ?」
アヤ「なるほど、そういうことか!」
志保「あーわかりました!」
伊吹「なになに!?教えてよ!」
アヤ「それは秘密…」志保「プロデューサーさんとお揃いです!」
アヤ「あ…」伊吹「へ?」
伊吹「じ、じゃあペアルック!?…///」カァァァァ
アヤ「あーあ…」
志保「あれ?言ったらまずかったですか?」
アヤ「これじゃあ今日遊んでも上の空だろうな…」
志保「あー…でも伊吹ちゃん幸せそうだしいいんじゃないですか?」
アヤ「…それもそうだな」
伊吹「///」
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以上、終わり!閉廷!
拙文でしたが呼んでいただいてありがとうございます
そして伊吹誕生日おめでとう!
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乙ゥ〜
現実時間と連動してるとか粋スギィ!!いぶきちオメシャス
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オメシャス!声聞いたことある気がするのに実は声がついてなくてびっくりしました
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おお〜ええやん
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オメシャス!
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いぶきちかわいいなあ
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愛が籠っててええSSやこれは……
オツシャス!
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担当の事を知ってもらうためにSS書く文化ええぞ!ええぞ!
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これはいいものだ…
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思い出振り返りええぞ!
古参は覚えていても新しく入った人は知らないからね、時々思い出さないとね
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現実との連動という粋っぷりとSSのクオリティの高さに伊吹ちゃんすきになっちゃう
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>>37見るまで全く気づかなかった無能がここにいるらしい
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現実時間と合わせるのすごいですねこれ
こんないいSS見せられたらまた担当増えちゃう、ヤバイヤバイ…
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いいゾ〜これ
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ええやん…
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