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【SS】武内P「過度なスキンシップは駄目です
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【注意】
地の文あり
ちょっとした下ネタ有り
多大なるキャラ崩壊あり
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あくしろよ
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最近、私は困っていることがあります。
……それは、アイドルからのスキンシップが激しい、ということです。
女性だったらセクハラで訴えられるのでは無いか、というぐらいのスキンシップを最近私は受けています。
とは言え、彼女たちも悪気があるわけでは無いのでしょう。
わかっています。
――はぁ。
思わず溜息が出ていまいました。
幾ら注意しても彼女たちは一向にスキンシップを止める気配がありません。
しかし、どうせ一過性のブームのようなものでしょう。
私は、彼女たちが飽きるまで、私が耐え忍ぶしかありませんね。
ととっ、もうこんな時間です。
先ずは、恐らくもうそろそろ収録を終えたであろう新田さんとアナスタシアさんを向かいに行かなければいけません。
私は椅子から立ち上がって、ハンガーに掛けてあるコートを羽織り、机の横に置いてあるスーツバックを手にして、そのまま少しだけ早足で車へと向います。
……新田さんがアナスタシアさんに変なことを吹き込んでいなければいいのですけれど。
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いきなりスキンシップがヤバそうな二人ですね…
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「プロデューサーっ!!!!!!!! Ты мне очень нравишься!!」
「っとと」
収録現場に到着し、玄関にて二人を待っていると、アナスタシアさんがこちらに走ってきて、そのままこちらに飛び込んできました。
避けるのも危ないので、私は受け止めます。
「アナスタシアさん、危ないですよ」
「ンフフっ、プロデューサーが、受けて止めてくれるので、安心です」
屈託の無い笑顔でそう言ってくる私は、改めてアナスタシアさんがまだ15歳であることを再確認します。
そして、私はそこに寂寥感なるものを見出しました。
……そうですよね。
親元から離れて一人東京にいるのは、寂しいことです。
きっとアナスタシアさんのお父さんの面影を私に重ねているのかもしれません。
ただ、こういう接触を好まない人たちもいることも事実です。
「アナスタシアさん……こういう接触は、あまりよろしくないかと」
「……? 何で、ですか?」
「その……あなたはアイドルですので、やはり男性との積極的な接触は、スキャンダルになりかねません」
私がそう忠告をすると、アナスタシアさんは頬を膨らまして拗ねたような表情をしました。
「プロデューサー……私のこと、嫌い、ですか?」
「あ、いえ、決してそのようなことは……」
「じゃあ、大丈夫、ですっ」
私が返答に窮していると、彼女はそう言ってまた私に抱き付いて嬉しそうに私の胸板に顔を擦り付けるのです。
その様子は懐いた子犬みたいなもので、何だか邪魔をするのも憚られます。
とは言え、彼女はアイドル。
私は心を鬼にして、彼女を引き剥がしました。
「アナスタシアさん、ここでは、お止めください」
「ここでは……じゃあ、ここじゃなければ、『何でも』して、いいですか?」
本来ならばそれもいけないことだけれど、今は致し方がありません。
渋々私が頷くと、ぱぁーっと彼女は笑顔を浮かべました。
そして、聞き分けの良いアナスタシアさんはそのまま離れて下さいました。
……問題は、もう一人の方です。
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「あ、プロデューサーさん!!」
私の名前を呼ぶ聞き覚えのある声が聞こえたので、私は振り向きます。
そこには、お手洗いから出てきたのか、ハンカチで手を拭いて歩いてきている新田さんがいました。
彼女もアナスタシアさんと同じようにこちらに掛けてきて……。
「ナイスチンチン!!」
「ぬぉっ!?」
そのまま勢いを乗せて私の股間をタッチしてきたのです。
無駄にキレの良い腕の動きに私は対応出来ず、彼女が私の股間へ触れることを許してしまいました。
「に、新田さん、これは流石にマズイですよ!!」
「大丈夫です。私こと新田美波はドスケベチン○大好きアイドルとして大活躍中ですので、プロデューサーさんにセクハラしても問題ありません!!!」
「その発言自体に問題があるのですが!!」
まぁ、女性の細い腕なので、すぐに私は彼女の手を退けました。
しかし、新田さんの度を越した行為はまだ終わりません。
今度は私の股間に当てがった手のひらを臭いを嗅ぎ始めたのです。
「スゥーーっ、ハァ、ハァ。プロデューサーさんの臭いがしますよ♡」
「やめて下さい。プロジェクトルームではまぁ許容しますが、さすがにここで変態的行為を行うのはやめて下さい」
「大丈夫です。気分が昂らないようにアーニャちゃんをオカズにさっきトイレで3回ほどしてきましたから」
「……敢えて、『何を』とは聞きません」
「そりゃ、オナ――」
「帰りましょう!!早く、帰りましょう!!」
もうこんな場所でこの人に発言をさせてはいけない。
私は直感的にそう判断し、新田さんの背中を押して社用の車へと連れて行きました。
「ハイエース!!」
「車種が違います!!」
「楽しそう、ですね。プロデューサー?」
「これが楽しいのであれば、私は毎日ハッピー×2デイズです!」
「えっ、ハメ×2デイズですって!!やっぱプロデューサーもドスケベじゃないですか!!」
「新田さんは黙って下さい!!」
私はことある毎に小学生低学年男子レベルの下ネタを叫ぶ新田さんの背中を押しながら、車へと乗り込みました。
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この新田さんは完全に中の人が滲み出てきてますね…
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*
ふぅ、疲れました。
新田さんとアナスタシアさんを取り敢えずレッスン場まで送り届けました。
車内でもセクハラをしてこようとする新田さんと攻防を続けながらの運転ですので、気が休まることはありませんでした。
私と新田さんの飽くなき攻防を見て無邪気に笑っているアナスタシアさんだけがエネルギーの補給源です。
……助けて欲しかったですが、新田さんの行う行動全てを許容するアナスタシアさんに助けを求めても仕方ないことは分かってるので、まぁいいですね。
さて、次のスケジュールはNGsの三人ですね。
ライブハウスにて握手会とライブがあります。
では、三人に会いに行きましょう。
「それで……何でこんなことになってるんですか?」
「あ、あはははは、は、は……」
「面白いですね!!」
私は今日、何度目かの溜息を吐かなければならなかった。
何故ならば……。
「プロデューサーぁぁぁ、切ないよぉ」
「誰ですか!! 一ノ瀬さんが作った媚薬をアイスティーに入れたのは!?――って止めてください、渋谷さんっ。股を足に擦り付けないでください!!」
「凄いですね。凛ちゃんが発情した雌犬みたいになってます!!」
「ちょっとしまむー。今のしぶりん見てその感想は酷いんじゃないかなー」
「見てくださいよ。アヘ顔ですよっ、アヘ顔!! エロビデオでもあんまり見ないドスケベな顔ですよ!!」
「私はしまむーがエッチなビデオを見てることに驚愕なんだけど……」
「と、取り敢えず、渋谷さんを取り押さえてください!!」
さて、そんなこんなが有って、今渋谷さんは寝ています。
何で寝ているかですか?
島村さんが力加減を間違えて眠らせてしまったのです。
私も目を見張るほどの締め技ですので、今度護身術として習ってもいいかもしれません。
「それで……どうするの? あと数時間後だよ、ライブ」
「もう一層のことプロデューサーさん、雌犬ワンワン凛ちゃんとセックスでもすればいいんじゃないですか」
「しまむーは口を閉ざして」
……最近、島村さんが辛口になってきました。
何でしょうか。
元々こんな性格でしたでしょうか。
まぁ、人は変わるということですね。
取り敢えず、話を戻しましょう。
「……解毒剤は無いんでしょうか?」
「ここにありますよ」
……は?
「いやだから、ホラこれですっ」
島村さんはそう言ってジャージのポケットから何気なく、緑色の液体が入っている瓶を取り出し、机の上に置きました。
これが、解毒剤?
しかし、では何故島村さんが渋谷さんにこれを与えなかったのでしょうか。
「あの、島村さん。何でこれを……?」
「ごめんなさい……凛ちゃんが雌犬に成り下がるところを見たかったんです」
「……それはまた凄い理由ですね」
「万年プロデューサーの前で雌犬みたいな凛ちゃんですけど、もっと凛ちゃんの落ちぶれた姿を見て、自分を元気付けたいって」
「……元気になりましたか?」
「はいっ、とっても元気付けられました」
「……なら、良かったです」
「ちょっとプロデューサー!? もっとしまむーのことを叱った方が良くない!?」
本田さんがそう指摘します。
いや、もうなんかいいかなって思いまして。
「取り敢えず、島村さん。渋谷さんにそれをお与えになって下さい」
このあとのライブは、無事に成功しました。
ただ、一ノ瀬さんの作った媚薬が何でアイスティーに入っていて、それを何故渋谷さんが飲んで、解毒剤を島村さんが持っていたのか謎です。
最初は島村さんがアイスティーに媚薬を入れたのかと思っていたのですけれど、どうやら違うようでした。
全くの謎です。
……謎でいいでしょう。
今までの経験上、深く関わるとろくな事が起きない気がします。
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次は緒方さんと三村さんのロケのミューティングです。
さて、確か彼女たちはスケジュールだとレッスンが終わっているはずですが……プロジェクトルームで待ちましょう。
それから10分と数分後、二人がやってきました。
「あ、プロデューサーさん。すみません、お待たせして」
「ご、ごめんなさい」
二人はそう頭を下げながら入室してきました。
やはり、お二人は穏やかな性格なので、落ち着きますね。
「いえ、大丈夫です。それではお二人ともロケの説明をするのでお座りください」
「「はい」」
そう言って、お二人は、私の両隣に腰掛けました。
……何ででしょう?
まぁ、いつものことなのでもういいです。
このことに言及したら緒方さんが危なげな気配を醸し出し、神崎さんがピーピー泣いて以降あまり深入りしてはいません。
「さて、では今回のロケの概要――」
「そ、それよりも、ぷ、プロデューサーさん、いつもの、お願いしますっ!!」
「……いつもの、ですか」
私が本題に入ろうとした瞬間に、緒方さんがそう言って身をこちらに寄せて、そう呟きました。
いつもの……やはりやらなければいけないのでしょうか。
「あの、やはりあのような行為は控えた方がよいのでは……」
「で、でも……アレをやると、私、物凄く安心できて……駄目ですか?」
……さすがに上目遣いでお願いされると、私として断りづらいものです。
けれど、やはり、これは何というか、アブノーマルなのではないでしょうか。
――ワンワンアイドルごっこなんて。
「首輪を付けて、私がリードを引っ張るなどやはり、これは」
「だ、大丈夫ですよっ。ね、かな子ちゃん」
「美味しいから大丈夫なんじゃないかな?」
「……かな子ちゃんも、こう言ってます」
「すみません。三村さんの返答は質問の意図と全く異なったもので……わかりました」
さすがに涙目になられてしまえば、折れるしかありません。
私が了承すると、緒方さんは先ほどの泣きそうな表情からとても明るい笑顔を浮かべました。
この笑顔を浮かべた経過や状況を考えなければ、手放しに賞賛出来たのですけれども……いけません。
笑顔はどんな状況であっても素晴らしいものなのです。
良い悪いの問題ではありません。
たぶん、きっと、おそらく……。
「それでは、緒方さん。いつものを」
私がそう言って手を差し出すと、緒方さんは彼女が持っているポーチから可愛らしい首輪とリードを手渡しました。
「顔を上げてください」
「はい////」
緒方さんは顔を真っ赤にしながら私の指示に従って顔を上げました。
すると、白く細い首が露わになります。
私はそこに優しくなるべく彼女の肌が傷つかないように首輪を付けました。
「あっ」
「……勘違いされるような声を出さないで頂けると、ありがたいです」
「ごめんなさ、ひゃ♡」
「……」
きっと反射的に出てしまう声なので抑えようも無いのでしょう。
私はただただ無心に首輪の緩さを調節し、そしてリードを付けました。
「はい、緒方さん。首輪を付け終わりました」
「……ありがとうございます」
本当ですね。
この状況を他人から見れば明らかに不審者ですよ。
片桐さんに見つかれば、私は釈明の余地なく現行犯で逮捕されてしまうかもしれません。
ただ、これで彼女の情報の吞み込みも早くなるので、仕方がありません。
私は喉元まで出掛かった言葉を飲み込み、資料と向き合いました。
「さて、では話を進めていきます。この資料から……」
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ミーティングは順調に進みました。
途中で三村さんが食べているスイーツを頂きながらも、ほんわかとした雰囲気で話は進み、緒方さんがしている可愛らしい首輪とそれに繋がるリードを持っている私という存在を除けば、とても素晴らしい空間だったのではないでしょうか。
あ、そう言えば、トレーナーさんから三村さんに伝言を頼まれていたのでした。
伝えなければいけませんね。
私は三村さんと向き合いました。
因みに、三村さんは今、何ともカロリーが高そうなカップケーキを可愛らしくほおばってる最中です。
「三村さん」
「ふぁい……んくっ、何でしょうか」
「トレーナーさんからの伝言です」
「え……何ですか?」
「『痩せろ』。以上になります」
「……もしも、皆んなが太ったら、相対的に私が痩せたことに――」
「なりません」
「……ですよね」
「……頑張ってください」
「……はい」
ミーティングは気まずい雰囲気で終わりました。
因みに、この時の緒方さんを見た渋谷さんが『ふーん、私にもワンワン雌犬プレイしてほしいな』と言ってきたのは、別のお話です。
……もちろん、断りました。
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すみません、もう眠たいので残りは明日投下します。
取り敢えずCPメンバーはやるつもりです。
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代わりに寝といてやるからあく書けよ
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Co勢がイかれる反動でPa勢が常識人枠と化すのはもはや伝統芸能ですね…
続き早くしろ〜
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武内P受難系のSS、特にスケベ系の物は苦手なんですけどここまでぶっ飛んでると普通に面白いですね(やや上から目線)
多分文章力がいいと思うんですけど
しまむーの畜生加減が凄まじい
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すごくハードボイルドっぽい文体してるけど、なにかスポーツとかやってたの?
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素晴らしいスレを見つけてしまった
続きに期待
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次は、双葉さんと諸星さんです。
とときら学園の人気コーナー、あんきらんきんぐの打ち合わせとなります。
「Pちゃんオッスオッス☆今日も頑張っていこうにぃー☆」
「うへぇー、杏は家に帰りたいよぉ」
さて、いつものように諸星さんが杏さんを片脇に抱えてルームへと入室しました。
双葉さんは成されるがままと言った感じです。
「こんにちわ、諸星さん、双葉さん。取り敢えず、お座りください」
そう言うと、諸星さんは私の膝の上に双葉さんを乗っけて、私の隣に座りました。
「これで皆んなでウキャウキャ☆できるにぃー☆」
「……プロデューサー、なんかごめんね」
「いえ……アイドルとの交流も、大事ですので」
私の膝の上で申し訳なさそうにしている双葉さんに、私は努めて明るい口調でそう言いました。
諸星さんは恐らく、この行動を故意でやっているわけではありません。
本当に、私たちの仲を取り持つために、このようなコミュニケーションの方法を取っているのでしょう。
何とも外国的な発想ですが、体の距離は心の距離でもあるのです。
そう考えると、こんなに密着しているのに関わらず大人しくしてくれている諸星さんと双葉さんは、思いの外私のことを信頼してくれているのでしょうか?
……そうだったら、嬉しいですね。
「……それでは、改めて仕事の話を」
「おっすおっす、頑張るにぃ!」
むにゅ、とした妙に柔らかい感覚が腕に当たります。
果てさて、この感覚の正体は何でしょうか?
私はそう思って該当部へと視線を向けてみると……原因が一目でわかりました。
……諸星さんの豊満な胸が、私の腕に当たっていたのです。
これはさすがに、先ほどの言葉を前言撤回しなければいけません。
確かにここまで無防備になられるぐらいに気を許して頂けるのは光栄ですけれど……。
「あの、諸星さん。……もう少し離れて頂くことができませんでしょうか」
私は控えめにそう言いました。
すると……。
「……え」
諸星さんは先ほどの楽しげな笑顔は何処へやら、一気に悲しそうに顔を歪めました。
私は何が何やらわかりません。
双葉さんは分かっているようで嘆息をしていましたが、敢えて私には何も告げませんでした。
「そ、そうだよにぃ……。きらりみたいな、大っきな女の子に抱き着かれたら……Pちゃんでも、気持ち悪い、よね」
私は諸星さんが何故、悲壮な顔をしたのか、今わかりました。
それは彼女の『身長が高い』というコンプレックスを刺激し、勘違いをされてしまったことです。
私はそれを彼女の素敵な魅力の一つであると考えているのですが、やはりコンプレックスがコンプレックスたる所以は本人にしか分かりません。
ただ、確かなのは、まずは彼女の誤解を解かなければいけない、ということでしょう。
「諸星さんっ」
私は彼女の名前を呼びました。
「う、うきゅ……」と諸星さんは目を見開いて私を見返しました。
「諸星さん。私はあなたのことを気持ち悪いなどとは思ったことはありません。……確かに、あなたは他の人たちよりも多少は身長が大きいかもしれませんが、それは私にとっては些細なことです」
「ぴ、Pちゃん?」
「大丈夫です。私はあなたを、シンデレラであると、思っています」
そう、彼女は姿形がどうであれ、今をときめくシンデレラなのです。
己を卑下するような言動は似合いませんし、それに彼女は彼女の輝きを持っています。
「う、うきゃー……きらりんーっあたーっく☆」
「おわっ」
「ぐへっ」
ちょっと俯いて沈黙を保ち続けていた彼女でしたけれども、突然顔を上げたと思いきや、まさかの私に勢い良く抱きついてきました。
不意打ちに近い行動に、情けない声を出しながら倒れるしかありません。
「も、諸星さん!?」
「Pちゃん……きらり、とーっても、うれすぃんだにぃー☆」
諸星さんはそう言って嬉しそうに笑います。
良い笑顔です。
良い笑顔なんですが……。
諸星さんの豊満な胸が私の顔に当たって息が出来ません。
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「プロデューサー、よかったじゃん。ラッキースケベだよ」
「うへへへー☆」
「――っ」
段々と意識が遠退いてきました……。
普通の男の人であれば魅惑的なシュチュエーションなのでしょうが……それよりも、まだ私には仕事が……。
「あ、死んだ」
「ってえっ!? にょわーっ!? Pちゃん、Pちゃん!?」
「」
因みに、無事に意識を取り戻した私たちは、ちゃんと打ち合わせをしました。
ただ、終始諸星さんが顔を赤くさせて俯いていたり、先ほどの写真の写真を双葉さんがいつの間にか撮影をし、飴をせびられると、多少のハプニングはありましたけれど。
打ち合わせが無事に終了した後、諸星さんは私にこう言いました。
「きらりはっちゃんと選んだ人にしか、こういうことしないよぉ☆ そ、それに……こんなこと、する人は……Pちゃんしか、いないにぃ! だ、だから――うきゃっ!! 恥ずかしぃ☆」
しかし、言葉の途中で諸星さんは照れ臭くなったのか、そのまま走り去ってしまいました。
私が呆然としていると、ソファーでダラケきっている双葉さんが問いかけてきました。
「プロデューサー、きらりが言った言葉の意味わかってる?」
もちろんです。
「スキャンダルを起こす心配は無いので安心してほしい、ということですよね」
「……きらりぃ、これはちょっと難攻不落かな?」
双葉さんが何故か頭を抱えます。
……はてさて、私の認識が間違っていたりするのでしょうか?
よくわかりませんね。
「……典型的なライトノベルものの主人公みたいだ」
双葉さんはそう呟いて「ぐへぇー」となって眠ってしまいました。
取り敢えず、私も仕事をしましょうか。
-
*
「絶対、この*のマークはア○ルだって!!」
「止めるにゃ!! 自分たちのユニットを自分たちで汚すのは止めるにゃ!!」
「いやでも、ア○ルでしょ!! 絶対星じゃなくてア○ルだって!! ☆じゃなくて*だって!!」
「字面的にはどっちも星だにゃ!!」
「ア○ル!!」
「☆!!」
「「むむーっ、解散だ」にゃ!!!!!」
……何ともしょうもないことをで争っておられるのは、アスタリスク……*というユニットを組んでいる多田さんと前川さんです。
どうやら、ユニット名で言い合いになっているようで、私が出た方がいいのでしょうか?
その、先ほどから多田さんがかなり下品な言葉を口に出しているのは、女子だけの空間であるからであり、私が聞いていたと知れば彼女は傷つくかもしれません。
とは言え、日常的な解散の危機を見逃すわけにもいかないのも事実。
私は席を立って、パーティションで隔たれた自分のオフィスルームから顔を出しました。
「あの……」
「あ、Pちゃん!!」
「プロデューサーさん!!」
「「*ってア○ルだよね」じゃないにゃ!!!!」
……どうやら、目の前の二人は、男性がいるとかそういうのは関係ないようです。
はぁ、もっと女性には慎みを持って欲しい……そう思うのは傲慢なのでしょうか。
最近、アイドルと接していると、女性とは慎しみ深いものという幻想が剥がれ落ちていきそうです。
いや、というか、もう剥がれているのですが。
取り敢えず、忠告しましょう。
「前川さん、多田さん。……あまり、そのような下品な言葉は人前で使うようなものではありません」
そう言うと、前川さんと多田さんはカァーッと顔が下からコミックみたいな感じで紅潮していきます。
よかったと心底思いました。
これで恥じないでそのまま「ア○ルア○ル」言ってたら、さすがの私でも本気で頭を抱えていたことでしょう。
「……うぅぅぅ、ごめんなさいにゃ。ちょっと熱くなりすぎてたにゃ」
「……うぅ、ちょっと今までの自分が恥ずかしいよ」
分かったのであればよろしいのです。
「それでは、私はまた仕事に戻りますので」
「うん、わざわざ言いに来てくれてありがとね」
「このままデリカシーの無い女だと思われて……いや、待て? デリカシーが無いってロックじゃ無い?」
「「は?」」
私と前川さんは唐突に飛躍した多田さんの発言に思わず言葉を失いました。
「な、何を言っておられるのでしょうか。多田さん?」
「そうですよ。ロックって言ったらセックスアンドドラックですよ!!」
「ちょ、ちょっと!? 李衣菜ちゃん!? それはアイドルとして――」
しかし、私たちの戸惑いの言葉も聞かず、多田さんは大きく息を吸い込んで……。
「☆☆★!!!!!!!」「〔ロックな発言に〕!!!!!!」「『閲覧することは出来ません』!!!!!!」
「ひ、ひどい……新田さんよりも酷いことを言ってます!!」
「み、美波ちゃんよりも!? それはまずいにゃ!! アイドル生命が絶たれてしまうにゃ!!」
私たちは新田さんのことをどう認識しているのでしょうか。
自分で言っておいて何なのですが、ちょっと可哀想です。
まぁ……普段の言動からしてだいぶトチ狂っているようなので、仕方ないですね。
取り敢えず、今は多田さんを止めることが先です。
「ははっ!! これ最高にロックだね!!」
「違うにゃ!! 李衣菜ちゃんがやってることは明らかに、中学生が初めてエッチな本を読んだ時に溢れるパトスを抑え切れなくて口に出してしまう言葉にゃ!! そして両親に聞かれて悶え苦しむやつだにゃ!!」
「何で前川さんが中学生男子のデリケートな事情について知っているか理解しかねますが、その通りです!! 後で改めて思い返したら、悶える苦しむことになりますよ!!」
「そうですね」
「「は?」」
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突如、乱入した声に、私と前川さんは間の抜けた声を上げました。
第三者の声は背後から、そっと、這い寄るように聞こえます。
……しかし、それは先ほど聞いた声で……。
私と前川さんはゆっくりと後ろに振り向いて、口を大きくあんぐりと開きました。
恐らく、その時の私たちの顔は、とても阿呆のようになっていたかもしれません。
ただ、それほどに恐ろしい人物だったのです。
それは……。
「し、島村さん」
「ふふっ、李衣菜ちゃんの声をバッチリ録音しました!! これを今から社内放送で流してきますね!!」
「え」
島村さんの人の心を感じない発言に、多田さんは直様正気に戻りました。
「私、頑張ってる人を見ると手伝いたくなっちゃうんです!! ですから、島村卯月っ、頑張ってる李衣菜ちゃんのために、頑張りますっ!!」
ただ、もう時は遅く、そう言った島村さんは「それではっ」と言って外へ行ってしまいました。
「……李衣菜ちゃん」
「多田さん」
「え、え? 今の本気で流したりしないよね? 幾ら外道の卯月ちゃんだからってそんなことは……」
前川さんは戸惑ってる多田さんの肩にぽんっと手を置きました。
私も同じように、もう一方の肩へ手を置きます。
そして、私たち二人の気持ちは一緒だったのでしょう。
……多田さんへの同情の気持ちが。
「「ご愁傷様です」にゃ」
「え?」
数分後、無事に社内に多田さんの非常に猥褻な発言が響き渡りました。
……やはり、人間は、慎しみ深いのがいいですね。
私的にも、客観的にも。
今回の一件は、そんなことを思わせるものでした。
「救いは無いんですか!?」
「多田さん、残念ながら救いはないです」
「ふぇぇ」
諸行無常ですね。
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書き終わってないんで、夜になったらまた投下します
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なんだこれは…なんだこれは…
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ドスケベチンコ大好きアイドルと公衆の面前で自分から行ってるんだから大丈夫なんじゃなんですかね(適当)
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地の文が田中ロミオっぽい
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すみません
熊本弁に時間が掛かって投稿が遅れそうです
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「あ、プロデューサー!!」
「Pくんじゃない!!」
中々ハードなスケジュールで昼食を摂ることを忘れていた私は、仕事もひと段落しました。
なので、私はこの敷地内に設営されているカフェテリアへと足を運ぼうとしたのですが、呼び止められてしまいました。
声を掛けられた方へ視線を向けると、そこには庭園で少女が二人います。
赤城さんと城ヶ崎さんです。
勿論、城ヶ崎さんと言っても、カリスマJKアイドルで一世を風靡している城ヶ崎美嘉さんのほうではなく、その妹である城ヶ崎莉嘉さんです。
「Pくんこっち来て☆」
城ヶ崎さんがそう言ってきました。
正直、お腹空いてしょうがないのですが、わざわざ彼女たちから呼び止められたのです。
無視する、若しくは断るという選択肢はあり得ないでしょう。
なので、自分の空腹を無視する形で、私はお二人へと歩み寄って行きました。
近づいて改めてわかったことなのですが、どうやらお二人は何か緑色の植物を集めているようです。
「何をしていらっしゃるのですか?」
「うっふっふーっ、見て驚かないでよね!!」
城ヶ崎さんはそうおっしゃると、皿の形に組み合わせた両手をこちらへ見せてくれました。
私はそれを覗き込みます。
すると、そこには二つか三つの四つ葉のクローバーがありました。
「四つ葉のクローバーだよっ。私は二つ見つけたの」
「アタシはまだ一つだけど、みりあちゃんよりもいっぱい取るんだから☆」
どうやらお二人は四つ葉のクローバーをどれくらい見つけることができるかを競争しているみたいでした。
しかし、何故そんなことをしているのでしょうか。
子供特有の気紛れ……お二人の場合だとその方が高いかもしれませんが、一応聞いてみましょう。
「あの、お二人は何故、四つ葉のクローバーを探しているのでしょうか」
「うーん、智恵理ちゃんが困ってたから……かな?」
「緒方さんが……でしょうか」
「うんっ、なんかねー、犬のお散歩用のピンク色のリードを見て溜息吐いてたの☆」
「そうそうっ。それで、何かあるの? って聞いたら『この首輪を四つ葉のクローバーで飾りたい』って」
「それで、私たちの出番なわけ☆ ふふーん、それでアタシたちはこうやって四つ葉のクローバー集めてるんだ!! 偉いでしょー」
「えへへ、偉いでしょー」
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お二人はそう言って、とても良い笑顔を浮かべました。
……ただ、私はその純粋な好意に対して何とも複雑な感情を抱いていたのは間違いないでしょう。
緒方さんが持っていたリードは恐らく――よしましょう。
純粋な悩みに純粋な好意に答えてくれる。
その事実があるだけで十分ではないでしょうか。
そこに多少変わった性癖が介在していても、彼女たちの純粋な好意は変わることはありません。
「お二人とも、素晴らしいことをしていますね」
「えへへーっ、じゃあご褒美頂戴☆」
「ご、ご褒美、ですか?」
「あ、私アレやりたい!! 腕にぶら下がってぐるぐるーってするやつ!!」
「いいねいいね☆ ねぇPくん。私たちにぐるぐるーってするやつやってよ!!ぐるぐるーって!!」
これは困りましたね。
相手はまだ子供であれど、私がプロデュースするアイドルです。
故に、彼女たちが私に要求するのは、あまりにも彼女たちとの接触があります。
……しかし。
「「早く早く!!」」
とても透き通った期待の籠った視線をお二人は私に注いできます。
きっとこれを断れば、彼女たちの瞳の光は失われ、そこには失望が充満するでしょう。
ならば、私は彼女たちの要求に応える義務があります。
それこそがプロデューサーの仕事というものではないのでしょうか?
「わかりました。では、お二人とも私の腕に捕まってください」
「やったね☆」
「やったーっ」
お二人はそう言って、嬉しそうにハイタッチをします。
何だかその光景は和むものがありますね。
私にも結婚して子供がいたら、このような純粋無垢な少女に育ってくれるでしょうか。
……まぁ、私のような人間を貰ってくれるような人がいてくれればの話ですが。
「では、どうぞ」
私は片膝立ちをして、腕を上げます。
そこにお二人は嬉々とした様子でぶら下がってきました。
「いきますよ」
「「おおっ」」
私はそのまま立ち上がりました。
お二人はかなり体重が軽いようなので、インドアな私でも容易に持ち上げることができました。
そして、私はそのままぐるぐると回り始めます。
「おぉぉっ、Pくん凄い凄い!!」
「ぐるぐる回るよっ!!」
お二人のとても愉快な声が聞こえます。
それで私は調子を上げて、ちょっと回転する速度を上げてみたりしました。
一回転
二回転
三回転
「うっはー!!これすっごい☆」
「遊園地のアトラクションみたい!!」
四回転
五回転
六回転
「何をしているのかしらー?」
ぐぐっっと私は体を急停止しました。
「うわっ」
「きゃーっ」
その反動で、二人は地面に落ちてしまいます。
「もうっしっかりしてよ、Pくん!!」
「そうだよー」
確かに、本来であればこのような行動はしてはいけなかったでしょう。
そして、並大抵の出来事であれば、私も彼女たちの身に危険を及ぼすようなことはしませんでした。
では、何で体を急停止させてしまったか。
「か、片桐……さん」
私の視線の先には、私服姿で何とも言えない笑みを湛えている片桐さんがいました。
そして、彼女は手で銃を形作って、それを私へと向けました。
「……即決ギルティー」
どうやら、私は釈明すらさせて貰えないようです。
世知辛い世の中ですね。
この後、締め技を食らったのちに、飲み会に来いと命令されてしまいました。
やはり、アイドルと自分の距離感を考えなければいけませんね。
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「わがともーわがともー」
私がパソコンへ向かい合っていると、何とも可愛らしい子犬のような声が聞こえてきました。
「むふーっむふーっわがともー」
声の方へと視線を移せば、やはりそこには神崎さんがおられました。
私が気がついたことに嬉しいのか、彼女はスキップで私の横まで来ました。
「我が友よ、今宵は我が親愛なる友から授かれし秘儀を、さ、さずけ、ましょう」
いつも通りの難解な言葉で話す神崎さんでしたけれど、途中から言葉尻に掛けてどんどんと尻すぼみになっていきました。
はてさて、どうしてでしょうか。
私が疑問に思い首を傾げていると、神崎さんの白いウールのように綺麗な肌が真っ赤になっていきました。
「わっがっとっもっ!!」
そう叫ぶように言って、神崎さんは恥じらいながらも、所謂セクシーポーズというものをしたのです。
よく見てみれば、胸元に胸襟が開いており、そこから豊かな乳房の谷間がさりげなく見えて、なおかつ両腕で胸を外側から内側へと圧迫することにより谷間を強調しています。
普通の男性であれば、扇情的に思えるかもしれないそのようなポージング。
しかし、神崎さんは私の子どものような存在であり、いやらしい気持ちなど少しも湧いてきませんでした。
それよりも、私は懐疑的な疑問が頭の中に浮かんでいました。
普段の彼女がこのようなことをするはずがない、ということです。
極論から述べれば、神崎さんにこのような行動をさせる何かを吹き込んだ人物がいるのかもしれません。
純粋無垢な彼女を、誑かすような、性獣が……。
……私は訳もなく、一人の女性の姿を思い浮かべました。
「プロデューサーさん、私のことを呼びましたか!?」
「呼んでませ……何で競泳水着何ですかあなたは!?」
すると、パーティションの影からタイミングを計ったかのように顔を出した女性。
新田さんが、いつの間にかここにいました。
……まぁ、いいでしょう。
これから説教に行くつもりだったので好都合だったのですが……なんで競泳水着なんかを着ているのでしょうか。
本当に何をしでかすかわからない人です。
もしかしてその内、コート一枚で露出プレイとかしそうで怖いです。
……しないですよね?
「色欲の聖女!!」
神崎さんは目をキラキラと光らせて、新田さんへそう呼びかけました。
どうやら新田さんは神崎さんからは色欲の悪魔なる名前を授かっているようです。
名は体を表すって諺、本当なんですね。
しかし、色欲と聖女って矛盾しているような気がしてなりません。
そんなどうでもよいことを考えていると、新田さんは無言でこちらに近づいてきました。
そして、私の前まで着て、先ほどの神崎さんと同じようなポーズを取りました。
胸を強調するセクシーポーズです。
何だか新田さんは本当に水着を着用しているので、写真を撮ったらこのままグラビア誌に掲載できるのではないか、そう思わせる魅力が溢れていました。
ただ……。
「チ○ポにきますか」
第一声がそれですか。
-
「ぴ、ピィッ」
ほら、神崎さんも顔を真っ赤にしていらっしゃるではないですか。
思わず、私はため息を吐いてしまいました。
「新田さん。その、あなたも淑女なのですから、もう少し言動に気をつけた方が良いと思うのですが」
「なるほど、普段は淑女として振舞っておいて、ベットの上ではただの雌犬に成り下がって淫らな言葉を連発する方が股間に来ると」
「私はそこまで深い意図を以っていったわけではありません」
「え、じゃあ、私に下ネタを封印しろと言うんですか!? そんな……恥ずかしいことできません」
「私は下ネタを口に出すほうが酷く恥ずかしいと思います」
「そ、そうよ。プロデューサーさんっ、私は枕営業とかだったらこのキャラも遺憾なく発揮できると思うの!! 汚いおじいさまの上に跨って――」
「あなたに枕営業などはさせません」
何とも爆弾発言が溢れてくる人だと私は思います。
ただ、私は知っています。
新田さんは世間一般からは酷いあだ名を付けられていますが、その心と体は純粋無垢であることを……。
まぁ、だからなんだと言う話なんですけれども。
「それで、神崎さんにおかしなことを吹き込んだのは新田さんでしょうか?」
「変なことなんて吹き込んでませんよっ。蘭子ちゃんが『我が友との深層を共有したいの』って言われたから、必殺技を教えてあげたんです」
「……で、さっきのですか」
「はい。普段蘭子ちゃんは結構肌を隠してますから、胸元を露出させた蘭子ちゃんだったら、そのギャップでプロデューサーさんのpもPになると思ったんですけど」
「暗喩をふんだんにばらまいているからといって許されると思わないでくださいね」
「てへっ」
新田さんはそう言って、いわゆるてへぺろという仕草を取ります。
可愛いじゃないですか。
そんなことはもちろん口には出しませんけれど。
それにしても、神崎さんが私との距離感に悩んでいたとは驚きでした。
最近、彼女が私に積極的に接していたのは、その感情の裏返しだったというわけですね。
ならば、私も彼女に歩み寄らなければいけません。
私は神崎さんの目を見ながら、口を開きました。
「神崎さん。あなたがそのような行動をしなくても、私はあなたを……魂を共有すべき友であると、思っております」
「わがとも……」
「それに、新田さんから教えてもらったであろうその行為は、関係そのものを不純にしてしまいます。心の距離を近づけたかった……大いに結構ですので。しかし、心の距離は健全なるものでなくてはいけません。わかりますか?」
「ふんっ、ふんっ」
神崎さんは物凄い勢いで首を縦にぶんぶん振ります。
結んでる髪がぶんぶん揺れていて、少しだけシュールです。
取り敢えず、私が言いたいことは理解しているようなので、話を進めます。
「……ですので、今日はあなたと私の深層を共有するために、ハンバーグを食べに行きましょう」
「ハンバーグ!! やったーっ!!」
神崎さんはそう言って、両手を挙げて喜んでいます。
そこにはやはり中学生というか、子どもらしさが垣間見えていました。
私はふと、新田さんの方を見ます。
彼女も、何だかんだ言って神崎さんが喜んでいる姿を微笑ましそうに眺めていますね。
口を閉ざしていれば、本当に清純派な人なんですけれども……。
いやまぁ、競泳水着何ですけれども。
……ここで、仲間外れはさすがに可哀想ですね。
「新田さんも来ますか?」
「え、わ、私がですか?」
「えぇ、美味しいハンバーグがある店を知っているんです。神崎さん一人と並んで歩いていたら、職質される可能性があるので、新田さんに同行をお願いできればな、と……」
「え、でも」
「都合が悪いのであれば、断ってもいいです」
「つ、都合が悪いなんてありませんっ。で、でもいいんですか?」
どうやら新田さんは新田さんで、罪悪感は感じているようです。
罪悪感を感じるのであれば、最初からやらなければいいのになんて思ってしまいます。
まぁ、しかたがありませんね。
-
一度思考を下ネタの方面へ向けてしまえば、彼女はそのまま突っ走ってしまう人ですから。
「神崎さんも、いいですか?」
「ふむっ」
「だそうです。では、今日の反省会と称して、三人で行きましょうか」
「「はいっ」」
ということで、新田さんと神崎さんと私で、ハンバーグを食べに行きました。
……あれ?
おかしいですね。
新田さんがいるのに、あまり大変ではありませんでした。
まぁ、人は変わるということでしょう。
これを機に新田さんも清純派アイドル路線に……ならないですよね。
-
「ふーんっ、美波と蘭子とで、外食行ってきたんだ」
「はい、そうです。それはともかく何で私の家にいるのでしょうか」
「え、いや、普通に鍵を開けて入っただけだけど?」
「私はあなたに鍵を渡した記憶が無いのですが」
「ふふっ、この間蝋を溶かしてそれで型を取って作ったんだ」
「そうですか。なるほど、だからこの間鍵穴の調子がよくなかったんですね」
「ふふっ、そういうこと。あ、部屋は片付けておいたから大丈夫だよ」
「何が大丈夫なのかどうか私にはさっぱりわかりませんけれど、ありがとうございます」
「ふふっ、これも正妻の務めだしね。あ、喉渇かない?」
「ふむ、では頂きます」
サッー!(迫真)
「お待たせ!アイスティーしかなかったけど、いいかな?」
「構いません。いや、勝手に家に入るのは止して頂きたいところですけれども」ゴクゴクッ
「大丈夫だよ。今度からはちゃんと一緒に帰ろうね」
「自宅にはお送りいたしま――」バンッ
すーっ、すーっ。
「ふふっ、やっと……眠ったか。これでいいの? アーニャ?」
すっ
「はい、великий、です。きっとプロデューサーも、悦びます」
「でも、これって」
「大丈夫、です。プロデューサー、言いました。『何でもしていい』と。つまりは……そういうこと、です」
「なるほどなるほど。ふーん、ふーん。じゃあ、皆んな呼ぶ?」
「はいっ、楽しみは、皆んなで、楽しむべき、ですね?」
「だよね」ピッポッパ
プルルルループルルルルピッ
ア、モシモシーワタシダケド
「うふふ、プロデューサー。Любимые люди……」チュッ
「一通り集まるみたいだよ」
「楽しみ、ですね?」
「じゃあ、残していこうか、(プロデューサーの体に)私たちの足跡……!」
「はいっ」
〜HAPPY END〜
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終わりです
見切り発車は、だめみたいですね(諦観)
熊本弁は結局法則性を掴めませんでした、すみません。
取り敢えず、書きたかったギャグも書いたんで、いやらしい卯月の続きでも書きたいと思います
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>>32乙倉くんまた君か壊れるなぁ…
ご自愛UDKといいお見舞い美嘉といい引き出し多すぎませんかね
スッゲー面白かったゾまた気が向いたらコメディ路線も書いて、どうぞ
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ホモコロリENDとはたまげたなあ・・・(賞賛)
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直球下ネタの嵐で草生える
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しかし新田さんだけキャラがおかしすぎませんかね
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最後のブン投げっぱなしな〆に草生えました
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新田さんは氏家世界に移住したのかな?
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新田ちゃんは洲崎なだけでUDKは畜生さが天元突破してる
ナチュ畜卯月流行らせコラ!しぶりんは…よし普通だな!
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智絵里のキャラも十分におかしいだろ!
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ちゃんみおが唯一の良心ですね…
次はクローネ勢で、書こう!(提案)
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次回またコメディものを書くんだったら、クローネ勢でも書きます
武文とか武ありとか書いてみたかったんで
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レズじゃないアーニャ久しぶりに見た気がしますね…すごくかわいくていいゾ��これ
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>>39
洲崎なだけとかいう言い方酷すぎて草
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