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綾「そ、その、猪熊くん?」 猪熊陽太「ん?」
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乱立してしまい、ご迷惑をお掛けしました。本当に申し訳ありません。
綾「いや……授業は、もう少しマジメに受けた方がいいかなって」
陽太「小路がそう言うのもわかるけど……やっぱり、キツいんだよなぁ……」
陽太「ほら。さっきの国語とか、先生の言葉がゆっくりすぎて……」
綾「それは、そうね。さすがに私も、少し眠くなっちゃったかも」
陽太「そういう時って、無性に弁当を食べたくなるよな」
綾「どうしてそうなるの!?」
陽太「ああ……」
陽太「早く中学生活とか終わってほしいって」
綾「え、どうして?」
陽太「そりゃ、まぁ……」
陽太「終わってくれれば、朝昼夜ってランニングし放題だし」
綾「高校生になったら、少なくとも昼はムリよね……」
陽太「……あれ? 小路って、俺が高校に行けるって思ってるのか?」
綾「……」
陽太「うわ。目、反らされた……」
綾「ま、まあ……赤点科目が、1、2……5つくらい減ったら、もしかしたら」
陽太「それ、目立つ教科全部ってことだよな……」
忍「ええ、そうですね」
陽太「……忍」
忍「私も同じなんですよ、陽太くん」
忍「たとえば……私は、英語が全然できません」
忍「あと、数学もできません。他教科も決して得意ではありません」
忍「でも……ほとんどの高校は、英語も数学も試験科目です」
忍「というわけで、陽太くん。私も一緒に、中学生活が終わったら……」
陽太「そうだな。高校進学は諦めるか」
忍「綾ちゃんには、申し訳ありませんが……」
綾「……二人とも、当たり前のように高校生活を諦めてるのね」
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陽太「俺たちは、小路みたいにハイスペックじゃないからな」
忍「はい。綾ちゃんは、私たちの憧れなんです」
綾「え、えっと……ありがとう?」
陽太「まあ、こういうのは全部おいといて」
綾「ここまで話したのに、なかったことにしちゃうのね……」
陽太「とりあえずだ、小路。放課後、図書館に付き合ってくれないか?」
綾「……図書館?」
忍「はい。そこで、私たちに……今日の授業内容を教えてほしいです」
忍「――って、陽太くんが言ってます」
陽太「って、忍も言ってるらしい」
綾「……よくわからないコンビネーションね」
綾「まぁ、いいわ」
綾「隣の席で、いきなりお弁当を食べ始められたら私も困るし」
陽太「そうだな。俺も結構、先生にバレないように食べるのは困る」
綾「困る立場じゃないわよね、それ……」
忍「あ。私も、先生に気付かれないように居眠りするの困ります」
綾「し、しの……あなたも」
綾「――それじゃ放課後、行きましょうか」
陽太「おう、頼む。小路先生」
忍「綾ちゃん先生、お願いします」
綾「あ、綾ちゃん先生、って……」
綾「まあ、いいわ。ちょっと私、お手洗いに」
忍「あ。私もいいですか、綾ちゃん先生?」
綾「……しの。その呼び方、ちょっと厳しいかなって」
忍「あ、そうですか。綾先生」
綾「そ、そういう問題じゃなくてっ!」
陽太「それじゃ俺、どこの板書が抜けてたのかメモっとくから、後で頼む」
綾「……そ、その労力こそ、板書写しに活かしてほしいと思うけど」
-
――廊下
忍「幼なじみながら」
忍「私も、陽太くんの授業態度は心配ですね……」
綾「し、しの……あなたがそれを言うの?」
忍「私、陽太くんよりは真面目ですから」
綾「……ああ見えて、猪熊くんはポイントだけは写してるみたいだけど」
忍「……わ、私の方が、マーカー引いてる部分は多いです」
綾「それとこれとは話が別じゃないかしら……」
忍「……でも」
忍「私、ちょっとだけビックリしてます」
綾「……ビックリ?」
忍「はい」
忍「綾ちゃんが、陽太くんと……あんな風に話せるようになるなんて思ってませんでしたから」
綾「……しのの、お友達だし」
忍「陽太くんは、ああ見えて……いい人ですから」
忍「おせっかい焼きな所もありますが」
綾「ええ……まさか、いきなり学校案内を強行されるとは思ってなかったわ」
忍「それで綾ちゃんも、色んな場所を知れたんじゃないですか?」
綾「……ま、まあね」
忍「陽太くん、年下の弟さんや妹さんがいますから」
忍「面倒見がいいんでしょうね……私も、昔から面倒見てもらってましたし」
綾「……そうだったのね」
忍「はい」
忍「まあ、私の場合……『一人じゃ心配』って理由で、お姉ちゃんにちょっと」
綾「し、しの! 悲しい話はやめましょう!」
忍「……綾ちゃん」
綾「なに、しの?」
忍「陽太くんって……きっと、いい人です」
綾「……」
忍「一応、幼なじみの私が言うので……きっと、おそらく、多分、間違いなく、い、いい人」
綾「いや、その言い方は不安だけど……」
忍「あ。それなら……多分、いい人です」
綾「チョイスの問題じゃなくてっ!」
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――教室
陽太(二人とも、帰り遅いな……)
陽太(しょうがない、待つか)
陽太(……)
陽太(小路って)
陽太(やっぱり、まだ……どっか、ぎこちなかったりするのかな)
陽太(最初に比べたら、全然会話できるようになったけど……やっぱり)
陽太(ま、忍と仲良くなれてるなら、別にいっか……)
陽太「……」
忍「お待たせしました、陽太くん」
綾「お、おまたせ?」
陽太「……俺、ここにいていいのかなって」
忍「ああ……陽太くんがよくわかりませんが、いじけてます」
綾「よくわからないのね……」
陽太「大丈夫、小路。俺も忍のこと……よくわからないままだから」
綾「ず、随分、悲しい幼なじみなのね……」
忍「はい」
陽太「うん」
綾「そ、そこはタイミングぴったりなの!?」
-
――図書室
陽太「……やる気、なくした」
綾「い、いや。今、着いたばかりよね?」
忍「二人ともー。『金髪美女名鑑』という魅力的なご本が――」
綾「……幼なじみっていうのは、似ているものなの?」
陽太「それは違う。俺は金髪も好きだけど、別の……」
綾「そういう話じゃなくてっ!」
綾「二人とも、ホントに勉強キライなのね……」
陽太「小路は好きなのか?」
綾「ま、まあ……特に好きじゃないけど、キライというわけでもないというか」
陽太「……ツンデレ?」
綾「そ、そういうのとは違うから!」
忍「何にせよ、勉強はしないといけませんね」
忍「えっと、金髪の種類は……」
綾「しの? 金髪の数はテストには出ないと思うわよ?」
忍「綾ちゃん。私、雑学というのも立派な教養だと……」
陽太「……なあ、小路? 認めたくないけど、俺と忍って似てるか?」
綾「……さ、さすがに私も、ちょっと困るわね」
忍「わっ! お二人で同盟を組まれてます……」
陽太「……いや、でもビックリした」
綾「ビックリ?」
陽太「うん」
陽太「小路が、俺たちに付き合ってくれるなんて思ってなかったから」
綾「……わ、私、そんなに頼りなく見える?」
忍「いえ。陽太くんの言葉が足りないだけです」
陽太「……さり気なく、バカにされてるよな」
忍「綾ちゃんが、私たちに付き合って、勉強を教えてくれる……」
忍「そんなことが嬉しいんだと思います、陽太くんは」
陽太「いや、それ俺の言ったことと変わらないよな……?」
綾「――私」
綾「最初に声をかけてくれた、あなたたちが……凄く印象深くて」
綾「だから、きっと……そうね」
綾「えっと、猪熊くんが男子だからっていうこととか、あまり意識しないで話せるんだと思うの」
陽太「さすが、小路……」
忍「私の言いたかったこと……全部、綾ちゃんに言われちゃいました」
陽太「いや、そもそも忍、考えてたのか?」
忍「……ま、まあ」
陽太「そっか。考えてなかったんだ……」
忍「そ、そういうわけでは……」
-
綾「……」
綾(そうね)
綾(目の前の二人は、凄く仲良しで……)
綾(きっと、私も……そんな二人といるのが楽しくて)
陽太「……小路?」
綾「な、なに?」
忍「どうかしました?」
陽太「俺たちの方、ずっと見てた気がするけど……」
綾「……いえ」
綾「――何にせよ」
綾「二人を、高校入試レベルにまで持っていかないとね、って思っただけ」
忍「わ、綾ちゃんが……」
陽太「先生のような目に……」
綾「ちゃ、茶化さないで!」
綾「ほら? そろそろ、ちゃんと始めましょう?」
忍「……そうですね」
忍「ああ。愛しの金髪少女が名残惜しいですが……」
陽太「忍ってホームステイ行ってから、そればっかりだよな……」
綾「そうね……それなのに、まだ使える英語が『ハロー!』だけって」
陽太「そうだよな。せめて『グッドモーニング』くらい使えてほしいよな」
綾「それって、どっちも似たようなものじゃないかしら……」
――帰り道
忍「……それでは、お疲れ様でした」
綾「お、お疲れ様……しの」
陽太「あれだな、ゾンビみたいな動きだな……」
忍「それを言うなら、陽太くんは……えっと」
忍「なんでしょう?」
陽太「……思いつかないなら聞かない方がいいんじゃないか?」
忍「ごめんなさい。もう少し、精進します」
綾「謝る必要もないんじゃないかしら……」
忍「それでは、さよならっ」
綾「……行っちゃったわね」
陽太「忍、昔から分が悪くなると、走って行っちゃうから」
綾「さすがに、詳しいのね」
陽太「一応……小1からの幼なじみだし」
陽太「……小路?」
綾「なに?」
陽太「なんていうか……ホント、ありがとな」
綾「い、いきなり?」
陽太「だって」
陽太「……ずっと、忍の幼なじみで。まあそれなりに仲良くしてきたけど」
陽太「忍の友達だからって、俺と仲良くしてくれるのも……それは嬉しいけどさ」
綾「……」
陽太「ム、ムリしてないかなって。ちょっと思って」
-
綾「……猪熊くん?」
陽太「な、なに?」
綾「そ、その……実は私が」
綾「そ、それなりにちゃんと会話できる男子が……猪熊くんだけって言ったらどう思う?」
陽太「ああ。何となく、そう思ってた」
綾「ちょ、直球ね……まあ、いいわ。事実だし」
綾「それでね。たしかにそれって、しのが間に入ってくれているってことが大きいと思うの」
綾「さっきみたいに、しのと……間の抜けた? やり取りしてるのを見てて、安心できるし」
陽太「そっか。小路は、俺と忍が『間抜け』だって思ってるんだな……」
綾「い、今のは語弊でっ!」
陽太「ごへい? ……吾平?」
綾「人名じゃなくて……まあ、いいわ」
綾「……ね、猪熊くん?」
陽太「何だ?」
綾「猪熊くんって……しののこと、好き?」
陽太「……」
陽太「好きっていうか……一緒にいて、楽しいと思うよ」
綾「そっか……そうよね」
陽太「……小路?」
綾「ううん、なんでもないわ」
綾「ただ、ちょっとだけ羨ましくなっちゃった」
綾「二人とも、凄く仲良しだから」
陽太「……」
綾「その二人の中に私が入っていっていいのかって」
綾「最初ね、凄く悩んだの。でも、しのや猪熊くんが引っ張っていってくれて……だから」
陽太「小路」
綾「い、猪熊くん?」
陽太「……」
陽太「俺も忍も、小路が一緒にいてくれて凄く嬉しい」
綾「……!」
陽太「ってことを、前に忍が言ってた」
陽太「これ、ホントだからな。俺も忍も、それは同じ」
陽太「小路と一緒にいると楽しいってことは――」
綾「い、猪熊くん!」
陽太「こ、小路?」
綾「ス、ストップ……いい?」
陽太「……悪い。小路、赤くしちゃって」
綾「も、もう……」
綾「これだから、猪熊くんも、しのも」
綾「一緒にいると……楽しいけど、すぐに恥ずかしくなっちゃうんだから」
陽太「……小路」
綾「な、なに?」
陽太「小路の目指してるトコって、どこだっけ?」
綾「……そ、それは」
陽太「まあ、いいや。後で、忍と聞きたいし」
陽太「……あのさ、小路」
綾「猪熊くん……?」
陽太「明日辺りから」
陽太「放課後、しばらく予定空いてるかなって」
綾「……!」
陽太「俺も忍も」
陽太「やっぱり……小路と一緒にいたいって思うから」
綾「……あ、あなたね」
綾「しのはともかく……い、猪熊くんが、そういうこと言うのは」
陽太「え? 何かマズかったか?」
綾「べ、別に、マズくはないけど……」
-
綾「――まあ」
綾「正直、私も……しのや猪熊くんと離れちゃうのって寂しいわ」
綾「今度は、あなたたちみたいに話しかけてくれる人もいないかもしれないし」
陽太「……それじゃ、小路?」
綾「ええ。いいわ」
綾「明日から、少しだけ大変かもって」
綾「しのにも伝えてもらえる?」
陽太「……わかった」
――それから
忍「……わっ!」
忍「あ、ありました……受かってます!」
綾「あ、ホント! しの、凄いわ!」
忍「ありがとうございます!」
陽太「えっと、俺の番号は……」
綾「あ。それなら――」
陽太「あ、そっか。ありがとな、小路」
綾「あ、あなたは、もう少し、しっかりと……」
忍「……やっぱり、お二人は仲良しですね」
綾「な、仲良しというか……いくらなんでも、だらしなさすぎるから」
陽太「ついつい、小路に甘えちゃって……そうだな。入試までのことも」
綾「い、猪熊くん……」
忍「綾ちゃん、陽太くんを教えるのに苦労してましたもの……」
陽太「おい、忍。それは、そっちもだろ?」
綾「い、猪熊くん。そういうやり取りの前に、早く番号を確認しましょうっ」
陽太「……それも、そうだな」
綾「まったく、もう」
忍「……綾ちゃん、まるでお母さんみたいですね」
綾「べ、別に、そんなことないからっ!」
陽太「……小路が親とか、俺が困るかも」
綾「い、猪熊くんは早く、番号確認っ!」
陽太「そ、そうだった……悪い」
綾「もう……」
-
忍「――ねえ、綾ちゃん?」
綾「しの?」
忍「私……綾ちゃんと一緒に高校生活を送れることが、とても嬉しいです」
忍「中学からずっと一緒の綾ちゃんと……」
綾「ありがとね、しの。私も、凄く嬉しいわ」
忍「はい、私もです!」
綾「……ところで、猪熊くんは」
忍「綾ちゃん、どう思いますか?」
綾「私? そうね……」
綾「猪熊くんって、どっちかって言うと単純だから」
綾「ホントに自信がないなら……あんな風な態度じゃないのかなって」
忍「……さすが綾ちゃんです」
忍「もしかしたら、私より陽太くんのことを分かってしまっているのかもしれませんね……」
綾「……しの?」
忍「……綾ちゃん」
陽太「よし、番号あったよ。二人とも」
忍「あ、陽太くん。良かったですね」
綾「……少し、不安だったんだけどね」
忍「陽太くん? 綾ちゃんは、陽太くんが合格してるって信じてました」
綾「し、しの!?」
陽太「……それ、忍もじゃないのか」
忍「……私が信じてるのは、当たり前ですし」
陽太「そっか。そうだよな」
陽太「いや、えっと……ホントにありがとな、小路」
綾「……」
陽太「おかげで、一緒の所に行けるから」
綾「――猪熊くん」
陽太「小路?」
綾「……え、えっと」
綾「いい? 高校は、中学とは違って義務教育じゃないから」
綾「遅刻は、しちゃいけないんだからね?」
綾「あと、お弁当を授業中に食べたりすることとか、居眠りとかも……」
忍「……綾ちゃん、照れちゃってますね」
陽太「あ。忍も、そう思うか」
綾「……こ、こういう時は、息ピッタリね?」
忍「はい」
陽太「うん」
綾「ま、また、タイミングまでピッタリ……」
-
――それから
忍「今日は、私の学校に編入生が来るみたいですっ」
陽太「え?」
綾「しの、知ってるの?」
忍「はい」
忍「このハガキに、色々書いてあります……英語なので読めなかったのですが」
陽太「どれどれ……あのさ、小路?」
綾「ええ、これって……ローマ字ね」
忍「もう、綾ちゃん? 私だってローマ字くらい読めますよ?」
陽太「……なぁ、小路? 俺って忍と同レベルなのか?」
綾「そうね……さすがに、猪熊くんよりも、えっと……」
忍「……陽太くんと綾ちゃん、仲良しですね」
綾「な、仲良し……って」
陽太「仲良し、なのかな……これ」
忍「はい。息の合わせ方とか、本当に……」
陽太「……まあ、何となく」
陽太「小路の言いたいこととかは、分かるようになったかも」
綾「い、猪熊くん……?」
陽太「小路は?」
綾「……ま、まあ」
綾「何となく、分かるようになったかなって……」
陽太「小路も同じか」
綾「そ、それを言うなら猪熊くんだって……」
忍「……息ぴったりですね」
陽太「――それじゃ、教室いくか」
綾「そうね……」
忍「ふふっ、どんな風になってるんでしょう……?」
陽太「そうだなぁ……俺より背が高くはないと思うけどなぁ」
綾「……猪熊くん、身長気にしてるの?」
陽太「ま、まあ……ちょっと、な」
陽太「たとえば、女子にしては高い小路の身長を……分けてほしいかなっておもうくらいには」
綾「軽い調子だけど、それ結構、怖い言葉よね……」
忍「大丈夫です、綾ちゃん。消えた身長は、私が分けてあげますから」
綾「それも怖いわよ……」
陽太「……小路」
綾「な、なに?」
陽太「何となくだけど……このグループの人数、ちょっと増えるかも」
綾「……そうかもね」
陽太「それでもさ」
陽太「なんていうか……俺と小路と忍は、友達だと思うから」
綾「……」
陽太「だ、だから……」
綾「猪熊くんって、そんなに私が不安そうに見えたの?」
陽太「……ま」
綾「私からすれば、そっちこそ不安そうだけどね」
陽太「……」
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綾「ねえ、猪熊くん?」
陽太「な、なに?」
綾「……やっぱり、しののこと、好き?」
陽太「……忍は好きだし」
陽太「小路だって、好きだよ」
綾「……もう」
綾「あ、あなたは、そういうことを軽々しく言えちゃうのがマズいかもね」
陽太「マズい……?」
綾「……そのことは、編入生がやってきてから考えましょう」
陽太「何か、引っかかるなぁ……それ」
忍「……ふふっ」
忍「お二人とも、本当に仲良しですね」
綾「そ、そういうわけじゃ……!」
陽太「まあ、仲良しかもな。色んな意味で」
綾「さ、最後が余計でしょ!」
忍「ふふっ。まさか綾ちゃんが陽太くんと、こんなに仲良しになるなんて思っても……」
綾「し、しの? 教室に行きましょう?」
忍「あ、そうですね」
陽太「……仲良し、かぁ」
綾「つ、呟かないで……」
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陽太(――何というか、結局)
綾「い、猪熊くん……?」
陽太(こうして、忍や小路といた時間が……)
陽太(きっと、これからも続くんじゃないかって……)
忍「あ。陽太くん、何か考え事してますね」
綾「……やっぱり、わかるのね」
陽太(――だから)
忍「一応、幼なじみですし……」
綾「……そうよね」
綾「幼なじみ、ね……」
忍「綾ちゃんだって、もう幼なじみだと思いますよ?」
綾「わ、私は、しのほど、猪熊くんとの時間は……」
陽太(きっと、しばらくは……この二人と、一緒にいると思う)
陽太(もしかしたら、今日来る編入生も入れて……)
忍「行きましょう。綾ちゃん、陽太くん」
綾「そうね。しの、猪熊くん」
陽太「……そうだな」
陽太「行くか、二人ともっ」
終わり
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ここまでです。
何となく思いついたネタを書こうと思ったら、長くなってしまった感があります。
続き等は、もう書けないと思います。ありがとうございました。
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いいゾ〜コレ
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普通に面白かった。お疲れさま
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