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葉鍵月猫揚ロワイアル!
1 名前: ナナシサソダヨモソ(仮) 投稿日: 2002/12/05(木) 17:06
名簿よろ

2 名前: ナナシサソダヨモソ(仮) 投稿日: 2002/12/05(木) 17:29
他力本願な1だな。

3 名前: ナナシサソダヨモソ(仮) 投稿日: 2002/12/05(木) 17:38
壮大だ。誰かが頑張りだすと活気つくかもしれない。
だがそうでなければ淘汰されていく運命のスレだ。

4 名前: ナナシサソダヨモソ(仮) 投稿日: 2002/12/05(木) 18:09
というか、全キャラ把握しなきゃなんないな、このスレを楽しむためには。

5 名前: ナナシサソダヨモソ(仮) 投稿日: 2002/12/06(金) 19:36
2ch板対抗バトルロワイアルです
みんなも参加しましょう
会場:http://www005.upp.so-net.ne.jp/br-2ch/
オフィシャルページ :武器装備・ローカルルールは読め!
http://www005.upp.so-net.ne.jp/br-2ch/
未実装:製作スレに批判・要望書き込め!
製作スレ
http://game.2ch.net/test/read.cgi/gamedev/1032068282

葉鍵軍の避難所スレです。
http://corn.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1039090451/l50

6 名前: ナナシサソダヨモソ(仮) 投稿日: 2002/12/27(金) 16:27
どれが参加するの? 葉鍵も全部入れるのか?

7 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2002/12/27(金) 16:31
バトロワは正直もういい

8 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2002/12/27(金) 18:22
バトロワの舞台はアインナッシュにすると面白いかも(w

9 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2002/12/29(日) 03:00
つーか吸血猫娘に勝てるキャラいるのか?

10 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/06(月) 02:10
いっそ、試合形式を「吸血鬼ごっこ」にしてみるというのはどうだろう。

11 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/06(月) 06:41
ヽ(´▽`)ゞ良いかも、ソレ。

12 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/06(月) 14:49
その場合、最初に鬼になる奴が重要だな。

鬼になっちゃって誰も捕まえられない遥萌え。

13 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/07(火) 03:10
>>12
まさしく、歌月のごとく、鬼の性質が問題だな。

パワーゲームにすると淘汰される奴が多数出るので、やはり今回もコン・ゲームだろうか。

14 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/10(金) 19:36
>>13
頭脳派となると、琥珀さんや教授以外に誰が居る?

15 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/11(土) 01:31
葉鍵だとKanonの香里とか東鳩のセリオ(というかサテライトシステム)がいけそう。
君望は水月、茜が運動能力は高そうだが、頭脳派ってあんまりいなそうな。

16 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/11(土) 02:06
>>15
こういうゲームに必要な頭脳は権謀術数的なものだからねえ・・・。
委員長はどうだろうな。華音だったら佐祐理さんも案外行けるかもしれん。

個人的にはセリオは中継役やると非常にハマってると思う。サテライトで全会場をカバーできそうだし。

17 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/11(土) 04:24
さゆりんは葉鍵板的には完全に権謀術数キャラで通ってるけど、
本編だと本人自体は権謀術数っぽくないからどっち設定いくかによって違うよね。
むしろ、久瀬なんか本編でも舞をだしにして佐祐理を生徒会にひきこもうとしたり
策士っぽいところを見せてるけど、詰めが甘い(特にラジオ設定)から、
琥珀とかにあっさりしてやられそうな。

18 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/11(土) 04:49
みずいろのキャラは全員あっさり負けると確信

19 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/11(土) 07:43
オフィシャルで権謀術数なキャラってあんまりいないよね

20 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/11(土) 11:40
>19
「AIR」の裏葉はどうだろうか。
というか、それでも駄目ならもう後は割烹着の悪魔しかいなくなるのだが・・・。

21 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/11(土) 16:33
裏葉は気配を消したりするのも上手いし、なかなかよさげ

22 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/01/12(日) 01:51
へっぽこは開始直後に捕まると予言してみる

23 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/12(日) 14:53
琥珀さんばりの権謀術数キャラが浮かばないので、
いっそ発想を転換させて、椎名繭あたりを鬼にしてみるというのはどうだろうか、と言ってみる。
見るからに無力なキャラが鬼という所から始まったら、戦闘力も知謀もないキャラでも脇役にならずにすむのでは。

24 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/12(日) 20:15
葉のうたわれるものには陰謀に負けなさそうなキャラが
幾人か。
ウィツ抜きでもバランス壊れるかもしれんが(笑

微妙に来栖川姉妹が対抗できそうな気もする>琥珀

25 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/13(月) 00:35
ハクオロとカルラ、ディーくらいかな。
トウカは・・・言うまでもない、か(w

26 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/13(月) 19:09
家計の寛と劉なら琥珀さんにも負けないと思う。

なんかエロゲ鬼ごっこって感じだな。

27 名前: 地獄車(X37bL3LM) 投稿日: 2003/01/13(月) 23:50
人外を排除してバトロってみたいなあ…
まあそうすると月姫キャラはほとんど参戦できないけど。

28 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/14(火) 13:08
で、結局鬼は誰がいいんだろう。
そろそろ票でも採ってみるか。

29 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/14(火) 13:41
琥珀は月世界でのジョーカーだけど、同人設定含めれば対抗できそうな
キャラも他作品にもいるかと。

葉 楓、綾香、瑠璃子、ハクオロ、ベナウィ、光岡
鍵 秋子さん、佐祐理さん、少年(Airラスト)、裏葉
揚 あゆ、マナマナ、マヴラヴキャラの誰か

・・・なんか適当だけどキニシナイ
それに琥珀さんの場合、翡翠を人質に取ってしまえばなんどでも操れr

30 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/14(火) 14:32
おにか・・・。
誰がいいかな。
ジャンケン弱そうな奴とか(w

31 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/14(火) 17:35
>>23のような理由で椎名繭に一票入れてみる。
原作の「コンゲーム」ともパワーゲームとも違った新鮮な展開が期待できそうな気がする。

32 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/15(水) 01:32
えいえんのみずかにおにをやって貰うってのはどう?
スリリングなおにごっこになると思うぞ。
捕まったら片っ端からえいえん逝き(w
しかしこれだと吸血鬼ごっこの面白さが半減してしまう罠。
突っ込まれる前に自分で却下だ。

33 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/15(水) 09:36
>>32
なんというか……それはどんどん殺られて逝きそうなので、すんなりゲームが終わってしまいそうな気がするが……、
一話のSSとかとしてなら見てみたい。

34 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/16(木) 12:55
「うたわれ」やってないんで伽羅が分からない…。

35 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/16(木) 14:34
>>34そんなこと言われても・・・
やってみれば?
面白かったし。

36 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/17(金) 11:31
他に「鬼」にキャラ推すヤツはいないのか?

あと、「吸血鬼ごっこ」だったら差し出す「宝物」のリストも作らなきゃならんのだよな…。

37 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/17(金) 13:59
>「宝物」

あー、忘れてた。
遥なら絵本とかかな、それともタカユキ?
そういや人もオッケーだったな。
それともタカユキなんかだれもいらんか(非道い

38 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/17(金) 15:09
とりあえず
・『雫』
長瀬祐介……授業中につけてた、件の妄想落書きノート
月島瑠璃子…???(回想CGでヌイグルミ抱いてたような気がするんで、あったらそれ)
新城沙織……???(なにかオリジナルなもの?)
藍原瑞穂……父親の形見のオルゴール
太田加奈子…???(消化器?)
月島拓也……瑠璃子

時間ないんでとりあえず『雫』だけ、適当に。「鬼」候補はもう挙げたから黙っておく。

39 名前: 38 投稿日: 2003/01/17(金) 15:11
>>38
×消化器
○消火器
あ、焦った。

40 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/20(月) 11:22
華音キャラの宝物はかなりが食べ物でもいいような気がする。
あ、でもカレーパンもだめっぽかったしな。

ところで、吸血鬼ごっこの舞台は>>8の通りアインナッシュだったりするのだろうか。流石に鍵とか君望のキャラには危険すぎるような気もするが。あ、あそこじゃ魔法も使えないな。

41 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/20(月) 11:39
>>40
いや、流石にあそこで生き残れるのは数人しかいないかと(w
場所は遠野の庭でもいいし、みんなの分かりやすい所がいいな。
別に月姫に限定する必要ないと思う。

42 名前: 名簿(仮)Leaf 投稿日: 2003/01/21(火) 13:38
■雫
長瀬祐介
月島瑠璃子
新城沙織
藍原瑞穂
太田香奈子
月島拓也

■痕
柏木耕一
柏木千鶴
柏木梓
柏木楓
柏木初音
柳川裕也
日吉かおり

■ToHeart
藤田浩之
神岸あかり
長岡志保
保科智子
宮内レミィ
来栖川芹香
来栖川綾香
松原葵
姫川琴音
HMX-12 マルチ
HMX-13 セリオ
雛山理緒
佐藤雅史

■WhiteAlbum
藤井冬弥
森川 由綺
緒方 理奈
澤倉 美咲
河島 はるか
観月 マナ
篠塚 弥生
七瀬彰
緒方英二

■こみっくパーティー
千堂和樹
高瀬 瑞希
大庭 詠美
牧村 南
猪名川 由宇
長谷部 彩
芳賀 玲子
塚本 千紗
立川 郁美
桜井 あさひ
御影すばる
九品仏大志

■まじかるアンティーク
宮田健太郎
リアン
スフィー
江藤 結花
高倉 みどり
牧部 なつみ
長瀬源之助

■誰彼
坂上蝉丸
三井寺月代
砧夕霧
桑嶋高子
石原麗子
岩切花枝
杜若きよみ
御堂

「うたわれ」はまだやってないので名簿ができない。補足&間違いの指摘&意見頼む。

43 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/21(火) 23:18
立川兄を入れろ。いいから入れろ。

44 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/21(火) 23:29
フランク長瀬を入れろ。いいから入れろ。

というかコレ全部参加じゃないよね?
この名簿からセンバツってところ?

45 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/22(水) 09:01
そうじゃないかな。>センバツ
参加ゲーム数が多いんで、ゲーム一つあたりの参加キャラ絞った方がいいとは思うけれど。

46 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/22(水) 10:10
本気でやる気か?
でっかい企画になるといいなぁ!
…むりっぽいけど(つд`)

47 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/22(水) 10:50
気長にやるさ、
少しづつな・・・

48 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/22(水) 11:01
>>46
まあ、「吸血鬼ごっこ」などというほんわかした内容ですし、楽しむ事をメインにマターリと逝きましょうぞ。

49 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/22(水) 11:11
とりあえず名簿完成させる?
その後各作品毎に出したいキャラを提案するとか。

50 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/22(水) 11:12
>>49
了承。
「宝物」も挙げていった方がいいかも。

51 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/22(水) 13:24
折原浩平/
長森瑞佳/バニ山バニ夫
七瀬留美/浩平に贈られたドレス
椎名繭/
里村茜/主ぬいぐるみ
川名みさき/浩平の年賀状……でいいか?
上月澪/思い出のスケッチブック
氷上シュン/
住井護/
広瀬真希/画鋲(?)
深山雪見/
柚木詩子/

とりあえず「One」書いてみたけど、宝物がどうしても浮かばないの多数。支援求ム。というか、大体が浩平に贈られたものというのは拙かったかも知れないと少し後悔。
いっそ宝物が浮かばなくてサブ伽羅な奴は出さなくていいか?
個人的には浩平に無理やり「宝物」として押し出された瑞佳が「わあっ、こ、浩平っ! 何てこというんだよっ!」とか真っ赤になって慌てると激しく萌えるんだが。

52 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/22(水) 18:36
正直な所、本当に大切な物はゲームに賭けたりしない…
と、最近歌月をやったばかりのget you初心者がほざいてみる。

吸血鬼ごっこのシステム自体はいいと思うんだがどうも違和感感じまくりなんだよなぁ…

53 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/22(水) 18:47
まあ、そう感じたら手加減して宝物を選考えるという事で。
あるいは大切なものをかける位に大層な背景を……そんなもんつくのだろうか。

ところで、鬼は誰がやるのかまだ決まってないよな。

54 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/23(木) 01:12
<ゴスッ>
孝之「っ!誰かいるのか!?」
『ぐ、ぐおぉ〜』
孝之「・・・ははっ、なんだ玉野さんか、おーい、大丈夫かー?」
<がしっ!>
孝之「え・・・!?」
『鳴海さん、つかまえました。』
孝之「君は、末莉・・・ちゃん??」
末莉「はい、高屋敷末莉です。」
孝之「物真似、上手いね・・・」

<鳴海孝之、つかまえた>

思い付きで書いてみた。
なんつーか落ちてないし、末莉キャラちょっとヘンだし。

55 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/23(木) 15:40
>>54
【No■■ 鳴海孝之 鬼】
【残り○○人】
という書き方はどうだろう。
本編を書く事になったら、これを途中に挿入してもいいな。

>>52
まあ、そもそもがギャグだし、あまり気にしないようにするのがいいと思われ。

56 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/23(木) 16:07
国崎往人/人形
神尾観鈴/恐竜ぬいぐるみ
遠野美凪/お米券
霧島佳乃/バンダナ
神尾晴子/バイク
みちる/シャボン玉セット
霧島聖/メス

こんな感じでどう?

57 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/23(木) 16:09
名簿が葉鍵メインなのはなんでだろう…

58 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/23(木) 16:12
月姫はいちおうだが既にあるし、葉鍵はまあ葉鍵ですし。
なんだったら葉鍵以外の名簿書いてくれ。

俺、「君望」はやってないんでまだ出来ない。

59 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/23(木) 18:36
>>40
パロディな話っぽいし舞台はバトロワ風の無人島でいいと思う。んで、廃棄されたカレー工場とか牛丼屋とか、どろり濃厚の自販とか置いてある。
あと、死徒の皆さんのために天候は曇り空。

60 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/24(金) 13:44
相沢祐一/
月宮あゆ/羽リュック
水瀬名雪/けろぴー
美坂栞/ストール
沢渡真琴/漫画
川澄舞/剣
倉田佐祐理/お弁当
水瀬秋子/ジャム
美坂香里/
天野美汐/
北川潤/香里

>>52の意見を見て緩めにしてみた。
こんなんでどう? ……というか、誰か残った奴の宝物考えて。

61 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/24(金) 18:49
鍵ばっかだな。じゃ漏れは葉の名簿でも作ってみようかな。それとも「空境」もアリなのか?

ところで、どんなシチュがいいだろうな。漏れは来栖川先輩とシエル先輩の魔術先輩対決が見てみてえ。シエル先輩VSみさき先輩というのもアリかも知れんが。

62 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/24(金) 18:53
ウィツ様対アルクとか見てみたいな…
と、いうか鬼ごっこじゃくなってしまう。

63 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/25(土) 16:15
>>51
椎名繭の「宝物」はエピローグの日記とか。というかそのぐらいしかねえだろ、と逝って見る。

>>62
原作というか元ネタでも戦闘シーンは一応あった罠。
しかしエルクゥとか死徒が暴走したりしたら雫とか痕とか月とかの人外で対処するしかねえな。

>>40
>どろり濃厚の自販
ワラタ。

64 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/26(日) 13:57
>>60
美坂香里/栞
天野美汐/真琴
はどう?
祐一は名雪ENDなら名雪みたいにヒロインでw

65 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/26(日) 17:41
>>64
人を賞品にするのは安易に流れやすいんで控えた方がいいとは思うが、どうせ他に宝物もないし、その組み合わせだったらオッケーな気もするな(笑)。
ただマルチエンディングのゲームに、主人公が特定のヒロインを「賞品」にするのは避けた方がいいかと。

66 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/27(月) 00:16
先輩sのカレー対決は見てみたいな、確かに。
同人切り離して考えれば芹香が本当に魔法を使えるとは思えないのだが(スマソ

…つーか、吸血鬼ごっこから離れてしまってるような(w

67 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/27(月) 15:39
まあ、同人的設定が同人の間で半ばオフィシャル化するのはよくある事で。少なくとも秋子アークデーモンよりは本編に近いと思われ。
というか、本編でも一応、術は使ってたっぽいからな。ロアから知識を受け継いだシエル先輩とタメ張れるぐらいかはおいといて。

「痕」名簿考えてみた。

柏木耕一/おまけシナリオの人形?
柏木千鶴/特製リゾット……が泣いて止められたので『鶴木屋』一日会長の座
柏木梓/
柏木楓/
柏木初音/お守り
柳川裕也/貴之はアパートで壊れてるので、例の薬&拘束グッズ
日吉かおり/言うまでもない

梓と楓はまだ浮かばない…。

68 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/28(火) 11:12
志貴と、祐介か月島のバトルきぼん。
志貴なら電波も見れるし対処もできるからいい勝負になるだろう。

69 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/29(水) 13:11
らっきょとかメルブラとかもアリなのか、と聞いて見る。収拾つかなくなりそうな気が果てしなくするんだけど。

それにしても名簿がなかなか完成しねえな。このスレに来る人間はゲームの数あまりこなしてないのか?

70 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/29(水) 13:44
葉鍵月猫揚はほぼ全部やりましたよ。
でも説明みたけどあまり興味持てなかったから。

ここにカキコしているのってハカロワ経験者だけじゃないのかなぁ?

71 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/29(水) 13:45
ハカロワ全然知らないです。

72 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/29(水) 16:16
漏れも知らないなあ。
まあ>>10以来、すでにハカロワとはかなり違うものになりつつあるような気もするが(笑)。

73 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/29(水) 16:20
好きなキャラが殺し合いするってのは抵抗感がある訳で…

74 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/29(水) 16:26
>>73
いや、だからすでに葉鍵月猫揚総合の連鎖的鬼ごっこ大会と化しつつある訳で…
「歌月十夜」の「遠野家のコン・ゲーム」参照。

75 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/30(木) 12:57
これって「君望」もあるんだよな。いったい誰が出るんだ?

それよか、参加させるゲームの選別がまだ完了してない訳だが。

76 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/31(金) 00:37
>>60
祐一は天使人形かな?

77 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/31(金) 12:31
>>76
あゆとの絆に関わるアイテムだからな。>>65のように、特定のヒロインに関わるのは避けたほうがいいかも。
とはいえ、他に何もないし、久弥シナリオ全部の「奇跡」に関わるキーアイテムと考えれば、いいかも知れない。

「特定のヒロインに関わるのは……」と、考えると主人公の宝物が一番決めにくい。特に、曲がりなりにも平凡な生活送ってるやつは。
浩平だったら何やってもおかしくないが。

78 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/31(金) 19:34
何だかんだいって、結構そろいつつあるような気がする……>名簿

>>38、痕>>67
One>>51、Kanon>>60、Air>>56

79 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/01/31(金) 23:01
>>78
葉鍵だけなw

80 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/01(土) 18:16
>>79
それ以外は誰も挙げないのかな……。

81 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/01(土) 19:34
>>80
お 前 が あ げ れ

そういやSNOWの扱いはどうなるんだろ…

82 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/01(土) 22:49
「家族計画」

高屋敷 司/?
青葉/高屋敷家?竹とんぼ、スケッチブック
準/お金、カロリーメイト
春花/自転車?、母親の写真
末莉 /秘蔵801同人誌、麦わら帽子
真純/300万の預金通帳
寛/大宇宙なんたら曼荼羅、ひよひよファクトリー


どーかな?

83 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/03(月) 14:10
>>82
ディーオーだっけか?
宝物の内容が手頃でイイね。

まあ、挙げた所で全員参加と決まった訳でもないし(人数多い)、好きに挙げて行ってみるのでもいいのでは、と言ってみるテスト。

84 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/05(水) 17:46
>>51
柚木詩子/バッテン型の髪留め

つーかそのぐらいしか浮かばん……。

85 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/12(水) 14:01
回転が遅いな……。
というか、「宝物」を出せるほど設定とか描かれてるキャラも多いわけだし、
>>52のような意見もあるわけだし、「宝物」は無しでもいいんじゃないだろうか。
賞金が死ぬほどとか、賞品を工夫するとか、あるいは買った側が負けた側に言う事を聞いてもらう、という感じで。

86 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/13(木) 14:54
月宮あゆと大空寺あゆの対面、バトル(鬼ごっこ)が見たい…いや、なんでもないよ。


なかなか脱力な話になりそうな気はするが。

87 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/18(火) 12:48
>>85
同意。

88 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/18(火) 14:49
優勝した者の言うことをひとつだけ 
何でもきく。

これがいいかと。

89 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/19(水) 15:00
>>88
いいね、それ。

で、ほのぼのした展開になるのが望ましいかと。

と言う事は、優勝者を誰にするかにも気を配らなければなるまい。

90 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/20(木) 16:42
ところで、昔の話を蒸し返すような気もするが、
 鬼 は 誰 だ ?

91 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/23(日) 20:30
変な夢を見た。
自分がシラズミリオになって鬼ごっこの鬼から逃げる夢。
鬼は秋葉アンド藤乃の最凶コンビ、
街に向かって全速力で逃げているところを前方で道を阻まれる。
でも大丈夫、俺にはこの脚が、脅威のジャンプ力がある(なんかそういう設定らしい。
地面を蹴って二人を飛び越える俺。
やった、このまま逃げ切れ……
と思いながら着地した時点で略奪と歪曲を喰らってシボンヌ、目が覚めた。

ああ、そう、結果は最初から見えていたよ……!

と、いうわけで鬼はふじのんに……
するとダーク性がはね上がるから却下か。

92 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/24(月) 12:28
>>91
すげえな、おい。ちょっと羨ましいぞ。

93 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/26(水) 12:16
秋葉と千鶴さんの鬼ごっこを見てみたくなったよ。

……どっちも鬼だけど。

94 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/02/28(金) 15:18
無痛症状態で能力を発現してないふじのんだったら、一転してほのぼの系になってしまいそうだな。

95 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/10(月) 00:18
ハカロワって連続リレー小説だったんだな。

96 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/10(月) 16:48
>>95
どんなんだと思ってたの?

97 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/13(木) 16:29
月姫(含む歌月メルブラ)
遠野志貴、アルクェイド、シエル、遠野秋葉、翡翠、琥珀、弓塚さつき、乾有彦
青崎蒼子、レン、瀬尾晶、月姫蒼香、三澤羽居、シオン
ネロ(ギャグ)、ロア(ギャグ)、遠野四季(ギャグ)
乾一子、時南宗玄、時南朱鷺絵、有間都古、軋間紅摩、四条つかさ
久我峰斗波、ワラキアの夜

空の境界
両義式、黒桐幹也、黒桐鮮花、青崎橙子、臙条巴
荒耶宗蓮、アルバ、巫条霧絵、浅上藤乃、玄霧皐月、白純里緒
秋巳大輔

月が存外に多いのね……
高田陽一みたいな詳細不明のと、アンバーみたいなバリエーションキャラは抜いときました
多分に漏れあるんで書き込みよろ

98 名前: ねこねこ系 投稿日: 2003/03/13(木) 16:46
みずいろ
片瀬雪希、早坂日和、小野崎清香、進藤むつき、進藤さつき、神津麻美

銀色
名無し(あやめ)、狭霧、佐々井朝奈、佐々井夕奈、篠崎あやめ

White
宮原和泉、宮原めぐみ、仁科まどか、倉島みかな、杉崇千波、三枝葉月

ほぼコピペですが
Whiteなんて全く知らない...ねこねこオフィシャル行って調べたがさ

99 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/14(金) 19:02
寧ろ俺はWhiteしかやってないよ。
あの頃はいろいろ片端からプレイしてたもんだ

100 名前: age系 投稿日: 2003/03/14(金) 19:54
【マブラヴ】
白銀武、鑑純夏、御剣冥夜、榊千鶴、彩峰慧、球瀬壬姫
鎧衣尊人、香月夕呼、神宮司まりも、月詠真那、神代巽、巴雪乃、夷美凪

【君が望む永遠】
鳴海孝之、平慎二、涼宮遥、涼宮茜、早瀬水月、穂村愛美、玉野まゆ
香月モトコ、大空寺あゆ、星乃文緒、天川蛍、崎山健三

【君が望む季節】
伊隅やよい、伊隅みちる、伊隅まりか、伊隅あきら

【化石の歌】
プリエ、ヴェールカ 、マリーツィア、アメリア、クルル、シエル、カルム
エレディア、アスターナ、イスファーナ、グラーフ

君が望む永遠〜しかやった事ないなあ。相変わらずコp(中略)さい
月猫揚はこれで全部かな?

101 名前: 葉系その1 投稿日: 2003/03/15(土) 12:42
【雫】>>38
【痕】>>60
【トゥハート】
藤田浩之、佐藤雅史、神岸あかり、長岡志保、保科智子、宮内レミィ
来栖川芹香、来栖川綾香、マルチ、セリオ、雛山理緒、姫川琴音、松原葵
セバスチャン、長瀬源五郎(長瀬主任)

【ホワイトアルバム】
藤井冬弥、森崎由綺、緒方理奈、澤倉美咲、河島はるか、観月マナ、篠塚弥生
緒方英二、七瀬彰、フランク長瀬

【こみっくパーティ】
千堂和樹、高瀬瑞希、大庭詠美、牧村南、猪名川由宇、長谷部彩、芳賀玲子、
塚本千紗、桜井あさひ、立川郁美、御影すばる
澤田真紀子、月城夕香、星野美穂、夢路まゆ、風見鈴香
九品仏大志、立川雄蔵、縦王子鶴彦[タテ]、横蔵院蔕麿[ヨコ]

【まじかるアンティーク】
宮田健太郎、スフィー、リアン、江藤結花、高倉みどり、牧部なつみ、長瀬源之助

102 名前: 葉系その2 投稿日: 2003/03/15(土) 13:04
【ナイトライター】(猪名川でいこう!より)
城戸芳晴、コリン、ユンナ、ルミラ、アレイ、たま、エビル、イビル
メイフィア、フランソワーヌ、ショップ屋ねーちゃん

【フィルスノーン】(LF97準拠)
ティリア、サラ、エリア

【誰彼】
坂上蝉丸、三井寺月夜、砧夕霧、桑島高子、石原麗子、坂上老人
御堂、光岡悟、石切花枝

【うたわれるもの】
ハクオロ、エルルゥ、アルルゥ、ユズハ、カミュ、ウルトリィ、カルラ、トウカ
ドリィ、グラァ、ヌワンギ、ベナウィ、オボロ、ムツミ、サクヤ、ミコト、クーヤ

われものは追いきれませんですた。有志の補完求む
後、routesは発売後間もないので外した方が宜しいかと

103 名前: 鍵系 投稿日: 2003/03/15(土) 13:13
【One】>>51
【Kanon】>>60
【Air】>>56
【Moon.】
天沢郁未、巳間晴香、名倉由依、鹿沼葉子、名倉友里、天沢未夜子
高槻、少年、巳間良祐

流石に同棲はイランと思うのだがどうなんだろうか
ともあれ葉鍵月猫揚のリストアップ完了。後は抜けの補足と参加絞込みか

104 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/15(土) 16:00
お、久しぶりに大進展したな。このスレ。
あげ。

まあ、そんなメンツでいいんじゃないのか。かなり多いけど。

105 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/15(土) 17:09
コレをどう動かして行くかだよな……。

106 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/16(日) 06:39
今のところの問題点

・人大杉
・公式のままでは吸血鬼ごっこのルールが不完全
・何より書き手がいない・・・etc

∧‖∧企画続行不可・・・?

107 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/16(日) 19:28
>>106
>人多すぎ
葉鍵月のみにしぼってしまうって手はある。スレタイに反するが
>吸血鬼ルール
最初の一人を決めるのがとかく難航しそうですな
鬼複数にしたら勝利条件があいまいになっちゃうし
>書き手うんぬん
ジャンルが広くなれば把握しきれなくなるからなあ
自分も知らないのも多いし

板人口が少なさげなのも問題か?

108 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/17(月) 03:28
>>82
の家計も個人的に追加して欲しい。
でもこれ以上人数増やすのもきついかな。

109 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/17(月) 04:45
葉鍵猫揚が月の引き立て役になる悪寒

110 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/17(月) 12:39
>>106-107
こんなんでどうだろう…?

>人多すぎ
脇役っぽいやつは極力はずすようにしてみる。
『雫』より前の葉伽羅は知名度も低そうなんで、はずしてみる。

>公式のままでは吸血鬼ごっこのルールが不完全
勝った側が負けた側に言う事を聞かせる、でいいんじゃないかな…。原作でもなんか曖昧だったし。
鬼候補は三人ぐらい候補が出揃ったら、投票で決めるというのは。

>何より書き手がいない
しばらく「どのゲームをやったか?」というのをアンケートして、ここにくる人がやってないゲームは外してみる。要望があった場合には、飛び入り参加の可能性を模索する。
そうすればいくらか書きやすくなるかと。

ちなみに漏れがやった(読んだ)のは
葉…雫、痕(旧版)、ToHeart、LF97
鍵…One、Kanon、Air
月…月姫、歌月十夜、空の境界
スマヌ、猫揚やってないわ。

111 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/17(月) 12:58
>>110
おおむね同意、脇役は外した方がいい。
じゃあ俺も便乗してみるか。
葉…雫、痕(旧)、東鳩、初ない、WA、コミパ、猪名川、まじアン
鍵…ONE、KANON、AIR
月…月姫、閑話月姫、歌月十夜、メルブラ
猫揚はなし。それと、
D.O…加奈、家族計画
その他…アトラク
念のためこれらも書いておく。
メジャーキャラ(特に人外がいるゲーム)はなるべく出した方が面白くなるんじゃないかと…。

112 名前: リスト書いた奴 投稿日: 2003/03/17(月) 17:40
>>110
>『雫』より前の葉伽羅は知名度も低そうなんで、はずしてみる。
フィルスノーン&ナイト雀鬼がそれに該当するんだが
LF97やNWで再登場している罠

【葉】フィルスノーン、雫、痕(旧)、東鳩、WA、こみパ、まじアン、初ない、猪名川
【鍵】One、Kanon、Air、Moon.
【月】月姫、歌月、空の境界
【猫】みずいろ、銀色
【揚】君が望む永遠
付記…家族計画未プレイ

113 名前: 調査に参加してみる 投稿日: 2003/03/17(月) 22:09
【葉】痕(新)、東鳩中途、うたわれ
【鍵】One、Kanon、Air
【月】月姫、プラス、歌月、メルブラ
【猫】みずいろ
【揚】君望積み
【他】家計中途、モエかん中途、SNOW

※その他はこの板で語れそうなものを記述。

114 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/18(火) 00:49
人外編とパンピー編に分けたら

115 名前: 110 投稿日: 2003/03/18(火) 11:13
>>114
話の中で、なるべく人外同士とパンピー同士を絡ませるようにするのがいいのでは。


ところで、「アトラク」その他になるけどやったゲームに追加します。
ちなみに、漏れの「鬼候補」は椎名繭。全然鬼に似合ってそうにないがゆえに。

116 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/18(火) 15:20
やっぱり葉鍵月、君望、みずいろが多いな。

117 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/18(火) 23:46
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1047869873/l50

腐っても葉鍵板・・・ってところか。

118 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/19(水) 09:00
>>117
人の数が圧倒的に違うからなあ
ま、ここの試金石としてヲチしよっと。サンクス

119 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/19(水) 09:58
>>117-118
腐ってもどころかド腐れじゃん。このスレか、少なくとも歌月のパクリ。
あっち逝ってネタばらして来ようかな……。

120 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/19(水) 10:17
>>119
負け惜しみにしかならんからやめときなさいってばさ(苦笑

121 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/19(水) 10:48
葉鍵板はもうだめぽ。

122 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/19(水) 11:26
この板ももうだm(ry

123 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/19(水) 11:34
で、やったゲームについてこれ以上のカキコは出ないのか?
鬼候補にいたっては一人しか出てないが……。

124 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/19(水) 12:45
3人一組のサバゲーなんぞよいかもしらんと思ったがスレ違いだな

鬼候補ねえ
じゃあ葉候補として宮内レミィを推してみる

125 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/19(水) 13:57
>>119
少なくとも>>117に参加しているヤシラの半数は元ネタわかっていると思われ。ここの存在は知らんかもしれんが…
途中で「柏木家コンゲーム」なんて発言してるヤシもいるしな。

ま、マターリしませう( ´ー`)y−~~

126 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/24(月) 01:19
とりあえず、鬼候補として
椎名繭>>115
宮内レミィ>>124
が挙がってるわけだが。

もう候補挙げる人はいないか?

127 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/24(月) 20:34
一応ネタとして出た鬼候補も。
みずか>>32
末莉>>54
藤乃、秋葉>>91

誰でもいいからどんどん挙げていったら?
その中から面白そうな鬼を選べばいいかと。
俺はレンを鬼候補に推すぞ。
夢の使い方とか、何考えてるか分からない辺り、予想外の活躍をするかも。


そして俺も調査参加。
【葉】痕(旧)、WA、東鳩、こみパ、猪名川、まじアン、誰彼、うたわれ
【鍵】One、Kanon、Air
【月】月姫、プラス、歌月、メルブラ、(あとらっきょ
【猫】なし
【揚】君のぞ
【他】家計、アトラク、夜来る、行殺新選組

128 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/25(火) 01:26
いっそのこと葉鍵をメンバーから外せば「葉鍵鬼ごっこ」との差別化が図れるんだが…
駄目かね?
過疎化する可能性高いけど。

129 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/25(火) 01:28
考えてみたんだが……
別に鬼を一人に絞ることはないんじゃないかと。
例えば遠野家(秋葉)主催の鬼ごっこという事にして、
追う側(鬼、遠野家が雇った者複数)と逃げる側(参加者)に分けてやるとか。

【追う側のメンバー(主催者側】
・秋葉(隊長
・琥珀、翡翠(補佐
・シエル
・柏木千鶴
・水瀬秋子
・ネロ・カオス
・その他(鬼に捕まった人達がここに入る。

【逃げる側のメンバー(参加者達】
・遠野志貴(強制参加
・アルク
・弓塚さつき
・その他大勢(葉鍵月猫揚キャラ達。

とこんな感じで適当に分けてみたわけだけど、どうかな?
意見求む。

ちなみに賞品、報酬とかの条件も考えてみる。
『逃げ切った者には遠野家が望みの報酬を与える、
そのかわり捕まってしまったものは鬼(主催者側)の言う事を何でも聞かなくてはならない。』
だから秋葉が志貴を捕まえればもうやりたい放題しちゃうぜ!みたいな。(だから志貴は強制参加w

130 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/25(火) 03:19
>>128
むしろそうしないとあちらの二番煎じとなって即企画あぼーんだろうな。
ま、他ゲームの追加候補ならいくらでもあるわけだし、葉鍵は切るのには俺も賛成だ。

131 名前: 130 投稿日: 2003/03/25(火) 03:19
葉鍵を、な。

132 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/25(火) 11:34
葉鍵は省かないとネタ的に進行しないだろうとして、
月姫と他のゲームのキャラをいかに絡めるかだな。

133 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/26(水) 14:01
切ってしまうと、ネタが減ったり、過疎化する危険性が高いと思うので、キャラ数を制限するぐらいでいいと思う。葉鍵板を気にする必要もないだろうし。
むしろ、>>129の意見に賛成だ。

・鬼候補
椎名繭>>115
宮内レミィ>>124
みずか>>32
末莉>>54
藤乃、秋葉>>91
レン>>127

134 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/28(金) 01:54
何人かは運営管理者という立場で出してはどうだろうか?
遠野家のコンゲームの翡翠みたいな立場。
こみパの南さん、うたわれのベナウィ&クロウ、MOONの巳間良祐、君望の健さん
あと入るならマブラヴの月詠真那&3バカとか。
これで参加者を何人か上手い具合に減らせないかな?

135 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/28(金) 10:04
>>134
 スタッフかね? それならうまいこと、かなり減らせそうですな。実況中継とか、監視役とか。

136 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/03/31(月) 14:41
 会場から逃げようとするとスタッフに攻撃されたりとか。


 ……バトロワよりは吸血鬼ごっこだったよな。

137 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/04/02(水) 08:23
鬼はやっぱり貧乳偽善者千鶴s

138 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/07/03(木) 22:11
ttp://dto-battle.hp.infoseek.co.jp/

今さらだが、実在するんだよね、葉鍵月猫ロワイアルって。

139 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/07/04(金) 11:45
>>138
あったのか。

もっともこのスレ、すでに「葉鍵月猫揚の吸血鬼ごっこ」スレになってたと思うけど。

140 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/07/04(金) 20:02
まんまパクリで泣けてくるな。

141 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/07/14(月) 03:57
>>137>>138の間の月日に泣いた

142 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/07/16(水) 20:59
>>138
そこの更新ずいぶん長いこと止まってるんだが。
・・・・・投げたか。

143 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/08/01(金) 18:16
だめぽ

144 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/01(月) 14:37
>>134
南さん「会場内は走らないでくださいね」

  無 理 で つ 。

145 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/04(木) 15:26
>>144
後ろから鬼だの吸血鬼だのエクソシスターだのが追っかけてきてたら無理だよな。

146 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/05(金) 20:43
>>145
>エクソシスター
わらた。シエルのいい相棒になりそうだな。

147 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/16(火) 13:54
葉鍵月猫揚で、単純に考えていちばん鬼ごっこが得意そうな奴って誰だ?

148 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/16(火) 19:18
混血にも気づかれず隠行できる七夜黄理が、隠れるだけなら最強かと
ただし千里眼とか使われるとすぐばれる

149 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/16(火) 23:35
>>148
逃げるのも追うのも得意そうだな

150 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/17(水) 01:24
>>148
たしかに、パワーゲーム的に強そうなキャラだのそういうゲームは多いが、混血をも欺く隠行となるとなかなかいないな。

151 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/17(水) 21:15
黄理と千鶴とおいかけっこならどっちが早いんだろ?

152 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/19(金) 01:23
>>151
速さもようわからんね。
雰囲気的にはとっつぁんが年の功と七夜の秘技とかで勝りそうな気がするんだが。

153 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/09/19(金) 01:33
柏木家も、型月世界的には「混血」なんだろうから、それを凌ぐための何らかの方策をすでに持ってそうな気もする。

154 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/20(月) 17:24
>>151
痕で公園で闘った千鶴さんがかなり早く戻って来てたから、千鶴さんの方が早いような気にもなるんだけどなぁ…。

ところで、電波使いとかロボット組って、レーダー使って隠れてるやつを探知できたりとかしない?

155 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/20(月) 17:46
電波使いって、レーダーできたっけ?

156 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/20(月) 18:46
電波使いは体術が無いからなあ

157 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/20(月) 21:21
ハカロワみたく特殊能力を封印するというアイデアはここでは却下?

158 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/20(月) 21:25
バトロワではなく追いかけっこをやるという結論になりつつあったから、やっぱ封印したほうがいいよな。

159 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/20(月) 21:42
殺人ではなくおいかけっこだと、真剣味が薄れるような・・・
捕まった側にも何らかのペナルティが必要なのでは?

それに鬼が常に同じキャラだと色々と問題も出るでしょうし
捕まった人間が次々鬼になるのなら、それこそ収拾がつかなくなるしね

160 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/21(火) 10:04
ハカロワは鍵に加えて、東鳩、WA、こみパとかが多くを占めて、それほど特殊能力のある伽羅の割合が多くなかったから封印でもよかったと思うが、月伽羅とか特殊能力を封印してしまうと、伽羅自体が立たなくなってしまう奴がたくさん出ると思うので、やめた方が無難だと思う。志貴とか秋葉はまだしもとして、アルクやネロなんかは登場自体意味がなくなりそうだし。
檻髪結界とか創世の土とか極端なのは禁止としても、ある程度は残しておくべきかと。何だったら人外同士でずっと闘わせればいいし。

捕まった側は…元ネタ同様何か取り上げられるでいいのでは。あるいはもうちょっと条件を厳しくするとかして。

161 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/21(火) 20:27
封印を無くす場合、人外を全員鬼にして、常人を逃げ役に回せばよい。
「いや、無理だろ」って突っ込みが入るほど逃げ役が不利でガンガン捕まると思うけど、緊張感は出ると思う。

162 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/22(水) 00:01
だとしたら1番大切なものを奪われる・・とかかなあ

163 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/22(水) 00:14
ついでに言うなら旧家に過ぎない遠野家よりも規模がでかい
来栖川や御剣財閥あたりの方が主催に向いてるだろうね

ついでに俺がやったゲーム
葉…痕(旧)、東鳩、コミパ、まじアン、うたわれ、天12
鍵…MOON、ONE、KANON、AIR
月…月姫、メルブラ
猫…なし
揚…君望、マブラヴ

アトラクが入るなら是非初音姉様を鬼に推薦したいな
でもその他のゲームはいれたくないな
あくまでも葉鍵月猫揚で絞るべき

それと今思ったんだけど
奪われる代償として、誰かを愛した記憶、恋する心を全て消去される
というのはどうだろう?

例えば冥夜が捕まった場合、幼い頃からの武を想う心が
全て消去されてしまう
あかりの場合だと浩之への想いが全て消されてしまう、とか

164 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/22(水) 11:07
特殊能力が無いネロやアルクというのも、
それはそれで味があるように思う。

165 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/22(水) 13:20
>>161
それもいいなぁ。ノーマルでも、全力と頭の限りを尽くして、集団でかかれば鬼やら死徒やらに一泡吹かせるぐらいはできそうだ。
…ところで、電波とか超能力者とかロボットって、どっち側?

166 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/22(水) 13:26
>>163
>奪われる代償として、誰かを愛した記憶、恋する心を全て消去される
恋愛が主体となるゲームのパロディとしてはイカス設定かも知れんが、話が鬼ごっこになってるので、そういうシリアスな設定よりも「コン・ゲーム」みたいなマターリな雰囲気の方がいいんでない?
捕まった奴は、自分を直接捕まえた鬼の言う事をなんでも聞かなければならない、とか(血を吸わせる、ファーストフードおごり一年分、素直に早起きして登校する、実験台になる等々)。
個人的には、捕まった奴から地下王国に送られるというのでも構わんと思うが。

しかし、捕まった奴のイカス処置という点でも、初音姉様の存在は惜しいな。

167 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/22(水) 20:55
イメージ的には鉄腕DASHでやってる缶蹴りみたいなもんか

でも、もうちょい緊張感を出したいので、>>163に同意かな
とりあえずルール面を2.3考えてみた

1 舞台は絶海の孤島

2 勝利条件は島からの脱出or鬼の全滅

3 鬼は基本的に人外

4 鬼はアイテムを持てない

5 鬼は参加者を殺傷できないが、参加者は鬼を殺傷してもかまわない

6 鬼を倒す、もしくは確保する事で、その参加者は自分を含む最大2名までを
  救出することが出来る、(すでに捕まった参加者もこれに含まれる)
  ただし、そのルールが適用できるのは1名のみ、つまり10人で鬼を倒したとしても
  ルールの恩恵に与れるのは1人だけ

7 全参加者の約1/3が脱出に成功した時点で、ゲームは終了となる
  鬼側の勝利条件は全滅のみ

168 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/22(水) 21:05
8 参加者同士の殺傷行為もあり

9 救出条件があるので、参加者のペナルティはゲーム(作品)終了後に行われる
  それまでは収容所にて確保

10 鬼が参加者を死に至らしめた場合、その鬼は失格となり
   ランダムで数名の参加者が無条件に解放される 


捕まった場合のペナルティは・・・
心を消去するというのも魅力的だけどね
エロゲーらしく監禁陵辱でもいいんじゃないかなぁ

鬼の強さだけど、多少は制限すべきだろうね
特殊能力全開だとアルクェイドに勝てる相手はいないんじゃ・・・
身体能力もさることながら、空想具現化もあるし

169 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/22(水) 22:09
そういやらっきょの人達はどっちにはいるの?

170 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 00:46
式と橙子は鬼で幹弥と鮮花は逃げる側ってことで。
幹弥が鬼側にいるとみんなみつかってしまうw

171 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 01:30
参加人数・参加作品はどれくらいが妥当ですかね
とりあえず猫月揚を優先、葉と鍵はその補充に当てるのがいいかも
参加100名として、猫月揚で70名、葉鍵で30名くらい
んで鬼が5〜10名

鬼候補
鹿沼葉子 アルクェイド シエル 青崎橙子 両義式 
柏木千鶴 月島拓也 セリオ 柳川裕也 石切花枝

鍵の戦闘能力が低いな
秋子さんと舞は逃げる側に回ってもらうことにした

172 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 02:45
>>171
参加者100+鬼10人でいいのかな?
やっぱり葉と月に戦闘系が集中してるね

ルーツ・天使12・朱は今回は不参加でいいよね
発売されて間もないし

173 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 13:15
>>166,167
ルールセテーイ(・∀・)イイ!

つかまった場合は…監禁陵辱というところから妄想して、悪夢の世界にでも放り込まれることになってるとか。あるいはタタリの発生してる中に放り込まれるとか。

どうでもいいが、主催者は来栖川や御剣とかみたいに一応マトモな組織じゃなくて、協会とかFARGOとか謎な存在の方がいいような気が。
なにせこのゲームの意義その他が謎なんだし。何人かのヒロインがこの隙に乗じてライバルを始末するために仕組んだというオチでもいいとは思うけど。

174 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 17:39
>何人かのヒロインがこの隙に乗じてライバルを始末〜
孤島の中を逃げ惑う水月と茜
それを病室のモニターで眺めながらほくそ笑む遙・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

俺もルールと参加者について考えて見た

11 参加者はアイテムの他に鬼の接近を感知できる小型レーダーを
   もれなく所持する事が出来る

12 参加者の捕縛は彼らの身体につけられている認識票(首輪?)
   が奪われることにより成立する、それらはあくまでも認識用で
   トラップ等は仕掛けられてはいないが、参加者の物は鬼にしか外せず
   鬼の物は参加者にしか外せない

13 一人の鬼が参加者を捕えられる人数は限られており、
   その数に到達した時点で、鬼はゲームから退場する
   

で、参加者を月猫揚で考えてみた


月姫(含む歌月メルブラ、ただし空の境界はゲームではないので除外)
遠野志貴、遠野秋葉、翡翠、琥珀、弓塚さつき、乾有彦
瀬尾晶、シオン、乾一子、軋間紅摩、ワラキアの夜


みずいろ
片瀬健二、片瀬雪希、早坂日和、小野崎清香、進藤むつき、進藤さつき、神津麻美
銀色
名無し(あやめ)、狭霧、佐々井朝奈、佐々井夕奈、篠崎あやめ
White
宮原和泉、宮原めぐみ、仁科まどか、倉島みかな、杉崇千波、三枝葉月

揚(化石の歌に付いては未プレイなのでノーコメント)
【マブラヴ】(除くアンリミテッド)
白銀武、鑑純夏、御剣冥夜、榊千鶴、彩峰慧、球瀬壬姫、鎧衣尊人
【君が望む永遠】
鳴海孝之、平慎二、涼宮遥、涼宮茜、速瀬水月、穂村愛美、玉野まゆ
大空寺あゆ、天川蛍
【君が望む季節】
伊隅やよい、伊隅みちる、伊隅まりか、伊隅あきら

これで猫月揚で合計49名
実際は60名程度で収まると思う
これに葉と鍵を50名程加えて参加者合計100〜120名ぐらいで収まればいいかと
ちなみに鬼については数に入れておりません

参加者120名の場合は鬼がだいたい12名いればいいのかな?

175 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 17:54
>>174
お疲れ、しかし葉鍵の登場人物は主要キャラだけで100名くらいはいると思う
それをどうやって半分まで削るかだなぁ
投票でもやる?
俺はあくまでも葉鍵鬼ごっこやハカロワとの差別化のため
月や揚を優先すべきだとは思ってる

いっそ月猫揚ロワでもやる?
月の一人勝ちのような気もするけど

176 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 18:43
葉鍵抜きぐらいでよろしいのでは?
あっちは一回やってますし。

177 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 19:34
作品ごとではなく
葉鍵全体で投票して上位60名くらいでいいのでは?
比率としては葉35 鍵25くらいが妥当かな

>>176
月猫揚のみだとやっぱり猫と揚の弱さ、いや月の異常さが目立ち過ぎる
月に対抗するには葉が必要だし、となると鍵も欲しいよな

178 名前: あなたを、名無しです。 投稿日: 2003/10/23(木) 22:42
百人は多すぎ。かといって、脇役削ると詰まんなくなる。
ハカロワは三枚目男脇役(御堂、北川、彰)がいたからこそ面白かったし。

だから、やっぱり、葉鍵は削ってもいいかな、と思う。
もしくは、Tactics作品を除いて、葉は最初の三部作オンリー(雫、痕、東鳩)とかどう?

179 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 22:44
>>174
小型レーダー持たせても人外が鬼になったら
普通の人達は持ってる意味なくないか?

180 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 23:06
それなら初期3部作(雫、痕、東鳩)を抜く方がいいな
WA、こみパ、まじアン、誰彼、うたわれの 5作品

鍵は作品数が少ないので、制限は無くてもいいと思う
まぁ、本当にバランスを取ろうと思うなら月を抜くことをオススメする

月猫揚で1度試しにやってみるのも悪くないかもね
ただし特殊能力は完全に制限した上での話で

181 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/23(木) 23:08
捕足
月というのはTYPE−MOONのことで
MOONのことじゃないですよ、むしろ不可視の力がないと
アルクを止められん

182 名前: あなたを、名無しです。 投稿日: 2003/10/23(木) 23:15
>179
人外との差を埋めるために必要では?
実際、アルクなら、常人に悟られず音を消して接近出来ると思う。つーか、遥とかなら気付かん。
正確な場所がわかんなくとも、近くに鬼がいると知れば隠れる事も出来る。
そう言う風に解釈したんだけど。

あと、なんか適当な理由をつけて、最後は皆生き返るみたいなのダメ? 予め決めていたら、唐突とは言われないだろうし。
しかし、そのことは参加者には告げられないと。そしたら、緊張感も失われない。
そうしないと、鬼側も最後は躍起になってルールなんて守らないと思う。

183 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/24(金) 01:02
>>182
鬼と自分との距離によって警戒用のアラームが鳴り響く、そんな感じかな
それともドラゴンレーダー方式かも

前述のルールを読む限り、鬼側の方が条件的には厳しいみたいですし
大丈夫なのでは、しかし参加者にも軋間や秋葉、御堂(誰彼) 
少年(MOON)ら、危険人物が多くなりそう。
むしろアルクやシエル、千鶴さんとかのように鬼側の方が良識ありそうだ

でそろそろ参加者決めてかない?

184 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/24(金) 12:56
とりあえずやってみるが吉
ただし人口が少ないので、頓挫する可能性は高いけど・・・
でも俺は読みたい

185 名前: あなたを、名無しです。 投稿日: 2003/10/24(金) 18:38
だね。みんなの書く気が失せてもまずいし。

186 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/24(金) 19:51
個人的にはFateが出てからにしたいが・・・
このスレに活気がある今やっといたほうがいいな。

187 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/24(金) 21:36
友達の月スタッフに見せたところ
アルク絶対優勢とのコメントが。

188 名前: あなたを、名無しです。 投稿日: 2003/10/24(金) 21:38
とりあえず、試験的にプロローグ前半を作ってみたが、今、投下したらダメ?
無駄に長く、ルール設定の段階すら行っていないが。

189 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/24(金) 22:32
>>188
どうぞどうぞ。
ある程度やってみてからルールの調整したほうがいいだろうし。

190 名前: 長いです、スマソ(1/3) 投稿日: 2003/10/24(金) 23:06
 まだ蝉が鳴きやまぬ夏の終わり、照々と光を降り注ぐ太陽を背に、遠野志貴は干乾びていた。
「死ぬ……」
 アスファルトの上に横たわったまま、志貴は弱弱しく呟いた。
「志貴さーん、大丈夫ですかー?」
 俺の体か、それとも背中の荷物を心配しているのか、琥珀さんが耳元で叫んでいる。この暑さの中、やたら元気がいい。まるで、求愛中の蝉のように。
「でも、琥珀さん。蝉は夏の間しか生きられないんだぜ?」
「志貴さん、大丈夫ですか? ……頭が」
 そっちかい。いや、正直、どっちも危険信号だが。
「放っときなさい、琥珀。遠野たるもの、この程度がなんですか」
 秋葉が相変わらず、ドスの聞いた声で言う。
 だって、秋葉は身軽じゃん。俺は三人分の荷物を背負っているんだぜ。
 と、心の中だけで悪態をつく。口ではとても言えない、恐いから。
「兄さんが言い出したんでしょ」
 お前はシオンかよ、と突っ込みながら、確かに秋葉の言うとおりだと思った。
 そして、この島に来るまでのいきさつを思い出した。

 たまたま懸賞で当たった四人組の旅行券。
 夏休みもあとわずかということで、それを使って、俺は遠野家の皆を誘った。
 アルクたちは連れて来ていない。たまにあることだが、連絡が取れなかったのだ。
 まあ、アルクには温泉でなくとも、そこの土産でも喜ぶだろう。
 シエル先輩は……温泉に似合いすぎてて、逆に恐い。
 レンの姿も見えなかったので、結局、翡翠、琥珀、秋葉を連れてこの島までやってきた。
 島に温泉があるのか、そこはかとなく疑問を持ったけれど。

191 名前: 長いです、スマソ(2/5) 投稿日: 2003/10/24(金) 23:11

 なお、港で船長に『島に行く』と言われた時、
「海底火山……?」
 思わずボケた俺の肩を琥珀さんが笑いながら叩き、視線で人を殺せそうな冷たい目で俺を睨む秋葉がいて、翡翠はその秋葉をビクビクしながらも抑えていた。
 しかし、意外と俺のボケは的を得ていたようだ。
 海底の熱を利用した最新のエネルギー技術の結晶、この島の温泉は温泉のくせに時代の最先端を走っているらしい。
 大空寺財閥を中心とした日本の様々な大企業(外国勢も混じっているらしい)が資本となっている、とか何とか説明された。
 おかげで、ここまで気乗りのしなかった秋葉が途端に上機嫌になった。古臭い家の反動か、最先端などの言葉に弱いらしい。

「なのに、どうして歩きかなぁ」
 島に着いたところまでは良かったが、そこから山の麓にあるホテルまでは歩いて行けと言われた。
 春や秋ならともかく、今は夏だ。髪がちょっと赤っぽい秋葉を抑えて、まあ、所詮は懸賞だしなと諦める。
 船長の説明にも多少の誇張があったかもしれない。
 ここで、俺は男としての義務感を発揮し、秋葉と琥珀の荷物も担いだのだ。翡翠はどうしても持たせてくれなかった。
「メイドですので」
 それだけ言うと、自分の荷物を担いだまま秋葉の隣に並んだ。
 本音を言うとありがたかった。格好つけたが、四人分はきつかった。

192 名前: 長いです、スマソ(3/5) 投稿日: 2003/10/24(金) 23:15
 訂正。三人分でもきつかったです。
 硫黄島で玉砕した旧日本兵の如く、命をかけたほふく前進で山を登る。見かねた秋葉達をなだめながら、男の意地を張り続ける。
 腕が焼けるように痛い。本当に焼けてるかも、と幻想に囚われる。思わず、『泳げタイヤキくん』を歌いたくなる。
(毎日、毎日、僕らは鉄板の〜)
 架空の存在に親近感を覚える。
 うぐっ
 幻聴まで聞こえてきた。

「お目覚めですか?」
 翡翠が俺の額に冷たいタオルを当てている。
「ここは宿泊部屋か?」
 頭だけ動かし、辺りを見回す。和風で落ち着いた雰囲気の部屋だ。
「はい、志貴さまが倒られた後、近くにいた宿泊客の皆様の協力で、ここまで連れてきました」
「そうか、迷惑をかけた、すまない」
 俺は素直に謝罪した。今から考えたら、どうしてあんなに躍起になっていたのだろう?
 あの時の俺はどうにかしていたかもしれない。
 一つのことに気をとられて、周りが見えず正確な判断が出来ていなかった。
 まるで、殺意の衝動のような。

193 名前: 長いです、スマソ(3/5) 投稿日: 2003/10/24(金) 23:17
「いえ、私は構いませんが、その、秋葉様は」
 翡翠は、チラッと視線をずらす。そこには、すーと寝息を立てて布団にしがみついた秋葉がいた。
「ごめんな、秋葉」
 秋葉を起こさぬよう、頭をなでなでする。心地よさそうに身をよじる秋葉。クスッと翡翠が笑う。新鮮だ。
「なあ、琥珀さんは……」
 どこにいる、と言葉を続く事は出来なかった。
ガーガ―ガー、ガガガッッガッガッガー!!!!!!
 突然、部屋に大音量のノイズが響き渡った。翡翠と俺は思わず耳を抑える。
 同時に、とてつもない違和感、気色の悪い不快感が体を侵食する。これは。
「し、志貴様……」
 翡翠が恐る恐る指差した先には、一体のテレビがあった。いつのまにか電源がついている。
 俺は、素早くテレビに近付き、スイッチを押す。だが、何も変わらない。
「消えない!? くそ!」
 スイッチが通じないのなら、コンセントを抜けばいい。そう思ったが、
「は、外れている……」
 コンセントは初めから抜いてあった。

194 名前: 長いです、スマソ(5/5) 投稿日: 2003/10/24(金) 23:18
「ガ、ガガガッガガ、ひ、ひ、久しいな、なななな」
 テレビの画面に見覚えのある顔が映る。
 ある程度、予感はしていた。おそらく、俺が荷物運びに熱中している頃から、こいつのテリトリーに入り込んでいたのだろう。
「ああ、そうだな」
 だから、落ち着きを取り戻した。相手が未知でない以上、闘いようはある。
 人々の噂や意思など形なきものを具現化する存在、いや、その現象に住まう怪奇、かつて滅ぼしたはずの敵の姿が映っている。
 ワラキアの夜。二十七祖が一人。

「さあ、ゲームを始めようか」
 そいつは厳かに告げた。

195 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/24(金) 23:25
ワラキアを主催側にするの?
だったら何故アルクやシエルがなぜ彼の下につくのかも考えないと・・・
ああ、ワラキアによって具現化された偽りの存在ってことにすればいいのかな
だったら劣化コピーということで鬼の能力の調整もできるし

196 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/24(金) 23:26
スマソ、初心者ゆえ、上手く投下できなかった。次は頑張る。
このSS、リレーに使えないと思ったら、スルーしてくれ。

一応、参加キャラは各メンバーごと部屋で分かれていて、全員がワラキアにルール説明を受ける、という感じで書いた。
とは言っても、ただ、鬼役が宿敵に宣戦布告しに来ただけ、とかでもよさそう。
次に書く人に任せます。

197 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 00:41
参加者候補一覧


月姫(含む歌月メルブラ、ただし空の境界はゲームではないので除外)
遠野志貴、遠野秋葉、翡翠、琥珀、弓塚さつき、乾有彦
瀬尾晶、シオン、乾一子、軋間紅摩、


みずいろ
片瀬健二、片瀬雪希、早坂日和、小野崎清香、進藤むつき、進藤さつき、神津麻美
銀色
名無し(あやめ)、狭霧、佐々井朝奈、佐々井夕奈、篠崎あやめ
White
宮原和泉、宮原めぐみ、仁科まどか、倉島みかな、杉崇千波、三枝葉月


【マブラヴ】(除くアンリミテッド)
白銀武、鑑純夏、御剣冥夜、榊千鶴、彩峰慧、球瀬壬姫、鎧衣尊人
【君が望む永遠】
鳴海孝之、平慎二、涼宮遥、涼宮茜、速瀬水月、穂村愛美、玉野まゆ
大空寺あゆ、天川蛍
【君が望む季節】
伊隅やよい、伊隅みちる、伊隅まりか、伊隅あきら
【化石の歌】
エミール、プリエ、ヴェールカ 、マリーツィア、アメリア、イスファーナ


【ホワイトアルバム】
藤井冬弥、森崎由綺、緒方理奈、澤倉美咲、河島はるか、観月マナ、篠塚弥生
緒方英二、七瀬彰、
【こみっくパーティ】
千堂和樹、高瀬瑞希、大庭詠美、牧村南、猪名川由宇、長谷部彩、芳賀玲子、
塚本千紗、桜井あさひ、立川郁美、御影すばる、九品仏大志、
【まじかるアンティーク】
宮田健太郎、スフィー、リアン、江藤結花、高倉みどり、牧部なつみ、
【誰彼】
坂上蝉丸、三井寺月夜、砧夕霧、桑島高子、石原麗子、御堂、
【うたわれるもの】
ハクオロ、エルルゥ、アルルゥ、ユズハ、カルラ、トウカ、オボロ、


【MOON】
天沢郁未、 巳間晴香、 名倉由依 、 名倉友里、 巳間良祐、少年 
【ONE】
折原浩平、長森瑞佳、七瀬留美、椎名繭、里村茜、川名みさき、上月澪
住井護
【KANON】
相沢祐一、月宮あゆ、水瀬名雪、美坂栞、沢渡真琴、川澄舞、倉田佐祐理
水瀬秋子、美坂香里、天野美汐、北川潤
【Air】
国崎往人、神尾観鈴、遠野美凪、霧島佳乃、神尾晴子、みちる、霧島聖

合計129名
プラス追跡者を以下10名
鹿沼葉子 アルクェイド シエル 青崎橙子 柏木耕一
柏木千鶴 月島拓也 セリオ 柳川裕也 石切花枝

198 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 00:48
>>196
タタリ使うっていうのはいいアイデアだと思うぞ。
ただメルブラではタタリのアルクとかはわりかし壊れた性格してたけどあのへんどうする?
ここでも壊すか、それとも素のままでいくか。
>>197
らっきょは含まないと書いてるのに追跡者に橙子さんがいるのは何故。

199 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 01:22
>>198
それに関してですが・・・
どうも原行作品のみでは小粒な印象が強かったので、
今回選に漏れた作品から何人かを鬼として出場させてみようかと、
千鶴さんや月島兄とかね
でも今思ったんだけど青崎橙子よりは両儀式だね、橙子の強さは分かりにくい強さなので
式なら、作品を知らなくてもある程度の情報があれば書ける強さだから
それと鬼が3人いるので、耕一か柳川を削って変わりに藤乃か白純を
入れるべきかなと、まぁ暫定版ですし
岩切は特殊能力を買いました、セリオは色々と便利なので

200 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 01:42
>>195
タタリはタタリなんで、結局本当は鬼組は不登場って事になってしまう気もする。
鬼組も何らかの条件を提示されて、ルールに従わざるを得なくされている、とすれば、鬼組が葛藤したり、ルールを密かにやぶって鬼組と逃げ組が共謀したり、なんて奥行きの深い話もできそうだし。完全にタタリだけで話を進めると、単なる鬼ごっこになってしまいそうな気がする。

あと、ワラキアの他にも何らかの黒幕(できれば月作品以外で)がいるとすれば、その作品のキャラとの絡みとかで、面白くなるかと。

>>196
なかなかいい感じの書き方ですた。乙カレー。

201 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 02:11
>>200
タタリにはタタリの自我があってもいいと思うな
基本的には創造主に逆らえないけど・・・でも
って感じかな

アルクとシエルに関してはワラキアの言う事を聞くという理由が存在しそうにないので
タタリでも仕方ないかと、他はそれぞれ連れてこられた本物で大丈夫そうだけどね
ところで化石の歌って誰かやったことあるのかな?

それ以外なら何とか書けると思うんだけど・・・

202 名前: 導入案 投稿日: 2003/10/25(土) 03:29
ざわめきと、瞼の外から瞳を照らす強烈な光によって彼らは目を覚ます。
ホテルに到着し、部屋についた途端妖しい光に包まれて…それから?
彼らはきょろきょろと周囲を見渡す、どうやら何処かの大ホールのようだった。

と、そこに一人の男が入ってくる、いかにも貴公子然とした金髪の男だ。
「私の名前はズェピア・エルトナム・オベローン、通り名はワラキアの夜だ」
「今日、今この時より君たちには少々スケールの大きい鬼ごっこをしてもらう」
 
「はぁ?アンタ頭がイカレてんのとちゃうん?」
そこですかさず金髪の勝気そうな少女が立ちあがり、口汚く悪態をつく。
「大体、どこの金持ちだか知らないけど、お金というものはさ…」
だが、彼女の悪態はそこで中断する、何故なら彼らの目の前のいる男が軽く指を振っただけで、
少女の身体ははるか背後の壁に叩きつけられていたからである。

さらに男はその場にいながらにして、少女をいたぶり続ける、その様子はまるで出来の悪い
格闘マンガのようだった。
いつしかざわめきは収まり、ただ少女を殴打する、しなった空気の音だけが会場に響いていた。
もはや参加者一同は否応無しに悟るしかなかった、従うしかないと言うことを。
(コイツはイカレた金持ち野郎なんかじゃない、それよりももっとヤバイ何かだ)
そしてもう一つ悟ったことがある。
(ただの鬼ごっこで終わるはずが無い…)
やがて見えない殴打は終わり、ボロ雑巾のようになった少女が残される。

「水を刺されてしまったが、では早速…」
そこでまたざわめき、ワラキアの夜は面倒臭げにそちらに視線を向ける、
先ほどの少女が立ち上がったのである。
少女の身体は青痣でいっぱいだったが、その瞳だけは異様なまでの光を放っている。
「蚊が…刺したほどにも…感じないさ…お前なんか…お前なんか…猫のう…ん…」
そこから先の言葉を、彼女は放つことは出来なかった。
何故ならワラキアの夜が、最前列にいた一人の少女の首を掴み、ギリギリと締め上げはじめたからである。

203 名前: 導入案 投稿日: 2003/10/25(土) 03:30
「自分でもあきれるほどの下衆な趣向だが、静粛にしてもらうためだ、悪く思うな」
ワラキアの夜はさらに少女の首を締め上げる。
「君の名前は大空寺あゆだったか?どうするね?私とて奪った命は容易く戻せんぞ」
暫しの沈黙、だが結果は明白だった。
「わかったさ…もうやめるがいいさ…」
あゆが力無くうなだれたのを見て、ようやくワラキアの夜は少女の戒めを解いた。

こうしてようやく彼が望む環境が整ったのを見て、ワラキアの夜は説明を開始する。
「君たちの勝利条件は〜」
この島から脱出すること
我々の指定する制限時間内まで捕まらないこと
参加者の1/3、つまり合計43名が島外に脱出できた時点でこの催しは終了となること
その他、鬼を全員倒すことetc

「どこまで逃げれば、逃げたことになるのかしら?」
説明の途中だったが、青い髪のおっとりとした女性が挙手して質問する。
「それは、これから君たちに付けてもらうこの首輪が教えてくれる」
ワラキアの夜は手に持った、金属製の首輪を参加者たちに見せる。
「これが自動的に外れれば、脱出成功、またはゲーム終了だ、ただし言っておくが、
 勝手に外そうなどと試みようと思うなよ」
 
これら細々としたルールを説明し終わると、
「そして捕縛されることも、脱出することもなく最後まで「残った」1人には、
 あらゆる願いをかなえると約束しよう…そう、例えば」
そこで彼はわざと言葉を一旦切る。
「時計の針を巻き戻し、君の失われた時を取り戻す、などというのはどうかな?涼宮遙よ」
名前を呼ばれた長い髪の少女は、驚き以外のリアクションを取ることができず、ただうろたえるばかりだ。
「そしてもし私の手の物に捕まった場合は、君たちの心の中にある1番大切で、
 そして最も美しい記憶を永遠に抹消させてもらう」
ワラキアの夜の非情なまでの言葉に、会場のあちらこちらから悲痛な呟きが漏れ始めていた。

そんな中、壁にもたれていた一人の少年が皮肉な表情を見せる。
(残った、と言ったよな?逃げ切った…ではなく…)
そこで彼は気がついてしまった、その「残った」の意味が何を意味しているのかと言うのを、
(自分が捕まる前に、残りの参加者が全員捕まるか、逃げるかを待つよりも、
もっと確実な方法がある…というわけか)

「では、名前を呼ばれた順にアイテムを受け取り〜」

204 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 03:33
とりあえず化石の歌は俺もやったことないな・・・・
しかも2次創作すら見かけないので、キャラを掴むことも難しいし

ちなみにこのルールだと殺人は多分下の下策だろうね。
我ながら書いていて思った。

205 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 03:41
Whiteと君がいた季節と化石の歌ははずしてもいいんじゃないかなあ。
あとうたわれと銀色の過去組連中が居るのに違和感。

206 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 05:22
>>205
確かに時間軸のこともあるし、キャラの見た目からしてヤバイので、かなりのこじ付けが必要だろうから
今回はパスしたほうがいいだろうね・・・>うたわれ&銀色
ちなみにその5作品を抜くと丁度100人になるが、どうするよ?
THくらいなら追加できるかもよ?

207 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 11:32
>>204
ハカロワとの差別化を計るため殺人はなるべくしない方向でいった方がいいからいいんじゃない。

208 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 12:55
「うむ」
とりあえず周りを見回してみる。目に入るのは木と木と木と木。あと落ち葉。つまり、ここは森の中。
「ううむ」
次に自分の体をチェックしてみる。眠る、というか気絶させられる前に着ていた服装そのままで、
一見何も変わっていないように思える。しかし、携帯・財布などは取り上げられてて、その代わりに
見覚えのないリュックが背負わされている。なにが入っているのかわからないが、けっこう重い。
「つまりだ」
折原浩平は結論を出した。
「あれはとんでもなく愉快な夢だったわけじゃないと」
通学路の帰り道に急に意識を失い、目覚めるとホテルの部屋みたいなところに押し込められてて、
そこのテレビに写ったやたら目の細い貴族みたいな格好してたやつに鬼ごっこをしてもらうとか言われて
ルールを一方的に告げられた後、また意識を失って今にいたる。
あまりに常識を逸脱した内容であったために、夢を見てるのかもしれないと心の片隅で思っていたのだが、
それはこの状況で完全に否定された。
「とりあえず、リュックの中見てみるか」
浩平は地面にあぐらをかいて、リュックの中身をぶちまけてみた。
出てきたのは、簡易食料と水、時計、コンパス、地図、それから携帯ぐらいの大きさの機械と
「うわっ!」
日本刀だった。時代劇に出てくる侍が差しているやつそのままで、おそるおそる抜いてみると
木漏れ日をぎらりと反射していかにも切れそうである。
「これがおれの武器か」
鬼から逃げ切るために、なにか武器が一人一つ支給されるとあの男は言っていた。

209 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 12:56
次に機械を手に取ってみる。裏面に紙が貼り付けてあり、はがしてみるとこの機械の説明書だった。
機械は鬼センサーとでも言うべきもので、鬼が半径五十メートル以内に入ると振動して知らせてくれる。
鬼がさらに近づくと振動はどんどん激しくなっていく。それだけの装置だった。
とりあえず、ポケットに入れておくことにした。
食料と水は二日分。時計とコンパスは市販のもので、浩平でも知ってるメーカーの名前が入っていた。
「あとはこれだけか」
地図を開けると、海に囲まれた島が書かれていた。北の外れにある森に赤ペンで丸がつけられていて、
横に君のスタート地点と書かれている。
ちょっとずつ、男の話していたことを思い出してきた。参加者はいったん説明を受けた後、
眠らされてランダムにこの島のばらばらな地点に運ばれる。全員が目覚めるのを管理者が確認してから一時間後に、
鬼がこの島の中心にある建物から出撃してゲームスタート。
地図には他にも書き込みがされていて、市街地らしき場所の横には、食料・雑貨品・薬それなりに有り、とあった。
「まずはここに行ってみるか」
このゲーム(というにはちょっと物騒だが)が何日続くかわからないが、食料の確保は必須だろう。
腹が減ってのこのこと食料所に行ったところを待ち伏せしてた鬼に捕まえられるのは間抜けすぎる。
それが優先の第一。第二は
「長森たち探さなきゃな」
テレビに映った名簿には、浩平の知ってる名前が何人もあった。彼女たちと合流するのが、この右も左も誰がいるかも
わからない島では得策だろう。なにより、目の見えないみさきや幼い繭はこのゲーム圧倒的に不利だ。探して守ってやらなければ。
荷物をリュックにしまいなおして、浩平は立ち上がった。
日本刀は腰に差そうとしたが、重くてバランスが悪いのと、別に殺し合いするわけじゃないと思ってリュックに入れた。
「街まで西に行って森を出て海岸線沿いに歩くのが早いな」

浩平は気づいていない。このゲームは、どういう形で終わらせるかが一番大事だということを。
そして、鬼がどれほど人を外れた存在かも。

210 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 12:57
持ち物やらルールやらをちょっと書かせてもらいました。おかしなところがあれば変更してください。
スタートの仕方が違うのは、おにごっこで一緒の場所から順番にスタートだと殺される危険がないので、
出た場所で待っていてその場で全員合流ということになってしまうんで。

あと、鬼でふじのんを出すという話がありましたけど、その場合千里眼だけにしておいた方がいいような気が。

211 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 13:45
今のところ上っている参加者候補

月姫(含む歌月メルブラ、ただし空の境界はゲームではないので除外)
遠野志貴、遠野秋葉、翡翠、琥珀、弓塚さつき、乾有彦
瀬尾晶、シオン、乾一子、軋間紅摩、


みずいろ
片瀬健二、片瀬雪希、早坂日和、小野崎清香、進藤むつき、進藤さつき、神津麻美


【マブラヴ】(除くアンリミテッド)
白銀武、鑑純夏、御剣冥夜、榊千鶴、彩峰慧、球瀬壬姫、鎧衣尊人
【君が望む永遠】
鳴海孝之、平慎二、涼宮遥、涼宮茜、速瀬水月、穂村愛美、玉野まゆ
大空寺あゆ、天川蛍



【ホワイトアルバム】
藤井冬弥、森崎由綺、緒方理奈、澤倉美咲、河島はるか、観月マナ、篠塚弥生
緒方英二、七瀬彰、
【こみっくパーティ】
千堂和樹、高瀬瑞希、大庭詠美、牧村南、猪名川由宇、長谷部彩、芳賀玲子、
塚本千紗、桜井あさひ、立川郁美、御影すばる、九品仏大志、
【まじかるアンティーク】
宮田健太郎、スフィー、リアン、江藤結花、高倉みどり、牧部なつみ、
【誰彼】
坂上蝉丸、三井寺月夜、砧夕霧、桑島高子、石原麗子、御堂、



【MOON】
天沢郁未、 巳間晴香、 名倉由依 、 名倉友里、 巳間良祐、少年 
【ONE】
折原浩平、長森瑞佳、七瀬留美、椎名繭、里村茜、川名みさき、上月澪
住井護
【KANON】
相沢祐一、月宮あゆ、水瀬名雪、美坂栞、沢渡真琴、川澄舞、倉田佐祐理
水瀬秋子、美坂香里、天野美汐、北川潤
【Air】
国崎往人、神尾観鈴、遠野美凪、霧島佳乃、神尾晴子、みちる、霧島聖

とりあえず反対意見がなければ、
White、君がいた季節、化石の歌、うたわれ、銀色の5作品は今回参加者としては
除外でいいでしょうか?
THはどうします?

んで鬼候補はこの10人(葉鍵月猫揚作品なら全て参戦可能)
鹿沼葉子 アルクェイド シエル 両儀式 ?
柏木千鶴 月島拓也 セリオ 柳川裕也 石切花枝

今考えたけど>>174の13にしたがって話を進めれば
鬼1人につき10人捕まえればちょうど数的にもいいと思った
ただしアルクだけは能力が段違いなので、数を10人から7人に減らすとか

それと、参加者の反撃で鬼の数が減りすぎた場合は、参加者から鬼を選ぶとか
で、能力のセーブは必要だろうか?
アルクに関しては劣化コピーの方がいいと思うが。

212 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 15:47
今のところのルールまとめ

1 舞台は絶海の孤島

2 勝利条件は島からの脱出or鬼の全滅

3 鬼は基本的に人外

4 鬼はアイテムを持てない

5 鬼は参加者を殺傷できないが、参加者は鬼を殺傷してもかまわない

6 鬼を倒す、もしくは確保する事で、その参加者は自分を含む最大2名までを
  救出することが出来る、(すでに捕まった参加者もこれに含まれる)
  ただし、そのルールが適用できるのは1名のみ、つまり10人で鬼を倒したとしても
  ルールの恩恵に与れるのは1人だけ

7 全参加者の約1/3が脱出に成功した時点で、ゲームは終了となる
  鬼側の勝利条件は参加者の全滅のみ

8 参加者同士の殺傷行為もあり

9 救出条件があるので、参加者のペナルティはゲーム(作品)終了後に行われる
  それまでは収容所にて確保

10 鬼が参加者を死に至らしめた場合、その鬼は失格となり
   ランダムで数名の参加者が無条件に解放される 

11 参加者はアイテムの他に鬼の接近を感知できる小型レーダーを
   もれなく所持する事が出来る

12 参加者の捕縛は彼らの身体につけられている認識票(首輪?)
   が奪われることにより成立する、それらはあくまでも認識用で
   トラップ等は仕掛けられてはいないが、参加者の物は鬼にしか外せず
   鬼の物は参加者にしか外せない

13 一人の鬼が参加者を捕えられる人数は限られており、(10人前後)
   その数に到達した時点で、その鬼はゲームから退場する

14 脱出することなく、最後まで「生き残った」参加者は商品として
  あらゆる願いを1つだけかなえられる

213 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 17:42
 よろよろと大空寺あゆは歩いている。足取りはとても重い。
 リュックはすぐに捨ててある。このゲームのために必要なことは承知だが、それ以上に担いでいたら体力が持たない。
 あの成金ぽい悪趣味な服装の腐れ貴族にボコられたので、歩くだけで精一杯なのだ。
「必ず、ブチ殺して、縛り首にしながら猫のうんこを踏ませてやるから覚悟するがいいさ」
 物理的不可能な復讐法を考えながら、あゆは進む。

「あ、くぅ……!」
 その場の石につまづく。あゆは勢いよく地面と激突する。
「はあ、はあ、はあ」
 立ち上がろうとするが、体が思うように動かない。しかたなしに、その場で横になる。視界一杯に青空が広がっていた。
(なんなのさ、一体)
 頭の中が冷静になってきたので、多少は危険だが、そのまま状況分析を試みた。
 あの腐れ野郎は、参加者が捕まった場合、そいつの最も美しい記憶を抹消すると言った。
 その言が正しくとも、後で訴えられないようにこの島での記憶も確実に消しておくだろう。
 いや、そんなもので済めばいいのだが。まあ、現実的に考えれば、間違いなく殺される。あの腐れが約束を守る道理は無い。
 そして、超常現象の類を信じないあゆは、他人と協力して敵を倒すよりは、出来るだけ長く己の身を隠すのを優先すべきと判断した。
 自分は令嬢だ。姿が見えなくなったら、確実に捜索隊を用意するはずだ。その時こそ、あの腐れに引導を渡す。

 だが、その見通しはあまりに甘すぎるということを、大空寺あゆはすぐに実感する事になる。

214 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 17:44
 ――目の前を金色の獣が通り過ぎる。

 それが、人の姿をしていることにあゆが気付いたのは、既にその姿が見えなくなってから数分後のことだった。
 その間、理性が現実を認めようとしなかった。あゆの視界は青空で覆われている。つまり、その金色の髪をした女性は空を飛んでいたのだ。
 真実を言うと、その女性はただ跳躍をしただけなのだが、あゆには飛んでいるように見えた。
 
 そして、遠くで銃声。闘いが始まっている事を察する。
 逃げないといけない。あの女は自分にも気付いていた。あと少しすれば、こちらにもやってくるはずだ。既に、何人もの獲物を携えて。
 あれこそ、用意された鬼役。それが人外の化け物であることをあゆは無意識に感じ取っていた。理性を恐怖がねじ伏せる。
 あちこちガタのきている体を無理やり動かし、あゆは立ち上がる。本人も気付かぬ内に、涙を流していた。

「なんなのさ、なんなのさ……」
 震えた体で、あゆは歩く。涙は止まらない。

215 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 17:58
THを入れるよりかは、脇役キャラを入れた方がいいと思う。
ONEのシュンとか、歌月の出てきた秋葉の友達とか。

216 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/25(土) 18:01
誰彼、御堂を入れるより、光岡を入れたいな。
御堂はハカロワの影響が強すぎて、どうしても良い人になってしまう。でも、それじゃあ芸が無いしね。

217 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 00:42
>211
あの、ルーツは?
いや、入れなくても構わないけど、いつの間に除外されたか解らなくてさ。

218 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 00:51
>>217
>>172
しかし何故急にこんなに賑わいだしたんだ。良いことだけど。

219 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 01:23
今は良いけど、本編が進むに連れてやっぱり動きが少なくはなると思う
でも、エロゲー系は裾野が広いので、宣伝すればまぁ最低限の維持は出来るかと

ところで鬼役の最後の一人は誰がいい?
うたわれのトゥカあたりでもいいと思うけど、もちろんワラキアに生み出された
存在としてね。

で、少し腑に落ちないところがあったので、そこらへんをSS風に補完

少年は息を潜め瓦礫の下で這いつくばっている。
彼の手に握られたレーダーは、すでに凄まじい勢いで振動している。
いわゆる”鬼”が近くにいることは明白だ。
と、そこに一人の少女が現れる、まさか?彼女が…
いや、どうやら違うようだ。

と、その時だった、彼の頭上の瓦礫が軋んだと同時に
黒い修道服を着こんだ女性が少女の目の前へとダイブする、突然のことに
少女は身動き一つできず、簡単に鬼であろう修道女の手に落ちた。

そして、修道女が少女の首輪に手をかけた瞬間、
少女の身体は青い光に包まれ、そのままどこか彼方へと飛び去って、
いや、吹き飛ばされてしまっていた。
そしてその場に残されたのは修道女一人…。

というわけで、
まぁ、獲物をぶら下げて狩りも出来ないでしょうから…
首輪を鬼の手で外された瞬間、収容所なりどこかへと転送されるって仕掛けにしました。

220 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 02:34
あと、書き込んだ人は、話の最後に、キャラの状態(装備品、体力、キャラの今後の目的)とかを軽く書いて欲しいな。
そしたら、次も書きやすいと思う。

>鬼
ネロさん、希望。

221 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 06:47
「むむむ…微妙ではあるな」
九品仏大志は目の前の小船を見て嘆息する。
漁港に行けば、漁船が見つかるかと思い、ここまで何とか辿りついたのだが、
船らしい船は1隻も浮かんでおらず、ただ堤防の片隅に数人乗りの小船が浮かんでいるのみであった。

それでも大志は安堵した、これで戻れる、もちろん和樹たちのことも心配だが、
(マイ同志たちの他にも、何か大切なことを忘れているような気がするのは我輩の気のせいか?)
この船に仲間全員を載せる事など不可能だ、ならば最悪、自分だけでも帰還して、
その後、しかるべき筋に連絡する事の方が肝心だろう、というよりそれ以外何が出来るというのだ?

安堵と罪悪感を抱きながら船に乗りこんだ大志だったが、その時、船の中に誰かの気配を感じ、
その足が止まる。
レーダーに反応は無い、ということは味方か…?
「誰かいるのか?」
自分では虚勢を張ったつもりでも、その声は情けなく裏返っていた。

「ふふ、私はそなたの敵ではない、そう緊張するな」
操縦席の中から声が返ってくる。
大志が恐る恐るその中を覗くと、一人の少女がイスに持たれかかり、彼に向かって不敵な微笑を向ける。
焦り震える大志とは正反対に、その態度はまさに余裕だった。

「これは…」
2人はコクピットの有様をみて、顔を見合わせる。
すでに何者かの手によって操縦席はぐちゃぐちゃに荒らされていたのだ、
しかもその破壊具合がまた絶妙だった、壊れてはいるが、直らないわけではなさそうというのが、
素人目に見ても判断がつくようになっている。

「どう思う?」
「足止めだな…これを直せれば逃げる事は容易い。だが直すにはかなりの手間がかかる
 その手間は致命傷にもなりかねぬな」
そこまで話したところで少女の身体がぐらりと揺れる、その肩には血が滲んでいた。

「怪我をしているではないか!」
「かすり傷だ…、一応そなたにも話しておくか」
少女はつい数時間前のことをゆっくりと語り始めた。

222 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 06:48
「鶴来屋グル―プの若き女会長がまさか"化け物"であったとはな」
柏木千鶴はやや驚きの表情を見せる。
その右腕はすでに黒々とした鍵爪に変化している。

「かの御剣財閥の姫君の口から鶴来屋の名前が出るとは思いませんでした」
「なかなか堅実な経営だと、観光業界ではもっぱらの評判だ、となれば自然、
 私の耳にも届く」

「そうですか…誉めていただいたのはうれしいんですけど、でもここは大人しく捕まっては、
 いただけませんか?」
千鶴はにこやかな笑みを浮かべると、ゆっくりと標的へと近づいていく。
「これはたわけたことを申す、大人しく鬼に捕まる鬼ごっこがあるか?」
「殺してはいけないというルールがありますけど、ここだけの話、命に別状なければ、
 手足の1、2本は、潰しても構わないといわれているもので」
「と、言うわけで貴方を…捕らえます、御剣冥夜さん」
「そなたにも事情があるのであろうが、私も狩られるわけにはいかぬのでな、逃げさせてもらおう」

千鶴の爪が閃くのと同時に、冥夜は自らに支給されたアイテム、スタングレネードを、
思いきり地面に叩きつける。
強烈な光が周囲を包むが、千鶴は構わず爪を振るう、僅かな手応え…
しかし冥夜はその僅かな感触のみを残して、すでに逃げ去っていた。

「それにタケルのことを忘れるくらいならば、殺されたほうがまだマシなのでな」
と、捨て台詞を残して。

その場に残された千鶴は、閃光に灼かれた目を瞬かせながらぽつりと呟く。
「言われた通りね…力が若干だけど弱くなってる」
本調子なら千鶴の爪は、確実に冥夜の身体を捉らえていただろう。
「耕一さん…私は必ず貴方を救い出します…ですからもう少しだけ待っていてください」
その目には涙が光っていた。


「私の話はこれで終わりだ、いわゆる"鬼"は全て魔物か…それに類するものに違いなかろう」
「と、自己紹介が遅れたな、私の名は御剣冥夜だ、よろしく頼む」
「我輩の名前は九品仏大志 こちらこそよろしく頼む、マイ同志冥夜よ」
キツネに包まれたような表情をしていた、大志だったが、冥夜の言葉を受けて、その手を差し出す。

「そなたが思うのは自由だが、私はまだそなたを仲間と、まして友と認めたわけではない…
 名前で呼ぶのはやめてもらおうか」
「す、すまないマイ同志御剣よ」
一瞬、ひややかな目で大志を睨んだ冥夜だったが、差し出された手を握る事は忘れてはいなかった。

【御剣冥夜 所持アイテム スタングレネードx3 現在位置 漁港】
【九品仏大志 所持アイテム不明 現在位置 漁港】

223 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 06:49
書いてみた、ちゃんとタイトルも考えんとなぁ
とりあえずもう1本短いのを後でUP予定。

224 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 09:28
>>222
千鶴だけタタリで生み出されたのじゃないのか?

225 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 10:22
>>218
ルーツってマブラヴと同時期じゃ?・・・

226 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 11:13
大空寺あゆが金髪の女性を目撃するしばし前。
その女性、アルクェイドはベッドの上ですぅすぅと寝息を立てて眠っていた。
ベッドの傍らの椅子には、茶髪の少女が目を閉じて行儀よく座っている。こちらも眠っているのかと思いきや、
その口からはまったく呼吸音というものが聞こえない。それどころか、皮膚の表面が微動だにしていない。
この少女が動くのは、ドアの隙間から流れ込んでくる風が髪の毛に触るときだけである。
そのとき、唐突にテレビがついた。
「姫君、機械人形。狩りの時間だ」
テレビの中のワラキアがおごそかに告げると、アルクェイドはぱちりと目を開けた。
同時に、椅子の少女ーセリオも動き出す。
「はい、了解しました。それでわたしが頼んでいたものは準備できているでしょうか?」
「ああ、予備のバッテリーやオプションパーツは島の各所に置いてある。場所はあとでダウンロードして知ればよい。
それではせいぜい楽しませてくれたまえ」
ついたとき同様に、何の前触れもなくテレビは消えた。
そのテレビに軽く頭を下げて、セリオは部屋を出ようとして、
「ちょっと。あなた起きてたならなんでわたしが声かけたときは無視したのよ」
振り向くとアルクェイドが機嫌の悪そうな顔でにらんでいた。
アルクェイドがこの部屋に入ったとき、すでにセリオは椅子に腰掛けていた。始まるまでの時間つぶしの話し相手にしようと
思ったのだが、呼んでもゆすってもあげくに頭を軽くどついてもセリオはなんの反応もしなかったので、寝ていたのだ。
「申し訳ありませんアルクェイド様。あのときはサテライトシステムよりデータをダウンロード中だったので、
それ以外の機能はほとんど動かせない状態だったのです」
「ふぅん、なにをダウンロードしていたの?」
「この競技では私たち鬼は相手を捕獲か無力化させるのが重要であるため、柔道、合気道、太極拳などの
それらに向いている武術と棒術の動きをインプットしておりました」
「へー、便利だね」
感心しながら、アルクェイドは窓際に歩み寄って窓を開け放った。
「早く行かないと、ワラキア様に怒られますが・・・」
「大丈夫大丈夫。わたしこっちから行くから・・・・・ん?」
アルクェイドの超人的な視力に、人影が映った。二人の少女が、この建物に続く道を歩いてくる。
「ギブアップかな?まあ、なんだっていいか」
窓枠に足をかけて狙いを定め、
白い凶弾は放たれた。

227 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 11:14
「大丈夫ですか?」
「ハァハァ・・・大丈夫です。お気遣いなく・・・ハァハァ」
そんなしんどそうな顔色してそんなこと言われても説得力がない。
「休みましょうか?」
「でもあと少しですから・・・」
「そんなこといって無理して、倒れたりしたら大変ですよ」
美坂栞の言葉に、立川郁美はしばし躊躇した後、うなずいて座り込んだ。言葉に反して体調はそうとう厳しかったようだ。
この三十分前に出会った少女は、心臓に持病があって激しい運動はできないそうだ。
自分も最近まで似たような体だった栞は同情して、郁美はこのゲームを離脱させてくれないか主催者に掛け合うことにしたのだ。
まさか死ぬかもしれない重病患者をこのまま鬼ごっこに参加させることもあるまい。
栞はそんな甘いことを考えていた。
その甘い認識のつけは、次の瞬間払わされることになった。
ズドォォォォン!
レーダーが振動したと知覚する暇もなかった。轟音とともに土煙が舞い上がり、視界が消える。
なにが起きたかわからぬまま、二人はぽかんと間抜けに口を開けっ放しで硬直していた。
土煙が収まったあとには、金髪の女性が二人を紅い瞳に嬉しそうな色を宿らせながら立っていた。
「まず一人」
女性がつぶやくのと、その姿が消えるのと、郁美の体が光に包まれるのとは、まったく同時だった。
「え?」
栞の頭が視覚から送られてきたそれらの情報を認識した時には、その場にいるのは手に首輪をぶら下げた金髪の女性だけだった。
「二人目」
女性がこちらに近づいてくる。しかし、完全にパニックを起こしている栞はそれが鬼なのだということもわからず、
ただへたりこんでいるだけだった。
女性の手が首輪にかかろうとした瞬間、
ダンダンダンダンダン!
その体が横殴りに吹っ飛んだ。
「逃げなさい!」
女性のものとは全く違う見知らぬ声が視界の外から栞を叱咤した。
「早く立って!これぐらいでは真祖は死にません!」
怒鳴る間も、その声の主は躊躇なく銃弾を女性に打ち込んでいく。すぐに全弾打ちきってしまったのかカチカチと二、三度空撃ちの
音がし舌打ちが聞こえる。
「逃げなさいと言ったでしょう!」
最後にもう一度だけ怒鳴って、声の主はどこかに駆け去っていった。
その言葉よりも、
「あ、あ、あ・・・・」
目の前のぐちゃぐちゃに砕かれた死体が怖くて
「ああああああああああ!」
栞は必死で逃げた。

【立川郁美 ゲームオーバー 所持品不明 その場に放置】
【美坂栞 所持品不明 現在位置島中央建物付近】

228 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 11:15
物音が一切しなくなって数秒後、むくりとアルクェイドは起き上がろうとして、足が二本とも砕かれていたためにすっ転んだ。
「まいったなあ・・・」
空を仰いで嘆息する。回復能力が落ちている。自分は本物の四割程度の力しかでないのだから当然といえば当然なのだが、
記憶は本物と全く同じなのでついつい今までどおりのガードなしな戦い方をしてしまう。
それでも、撃たれたのが普通の銃なら数分で回復できた。しかし撃ちこまれたのは概念武装のかかったバレルレプリカの銃弾である。
あれでここまでされると、元に復元するまで半日はかかる。
「あの錬金術師、絶対ぶち殺す」
参加者を殺すなと言われているが、そんなこと知ったこっちゃない。獲物を逃がされた屈辱は絶対に晴らす。
心に誓って、アルクェイドは目を閉じて再び眠りについた。

【シオン 所持品バレルレプリカ(予備弾あり) 現在位置島中央建物付近】
【アルクェイド(鬼) 現在位置島中央建物付近 半日行動不能】

229 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 14:03
>224
あまり、タタリに拘らなくとも良いんじゃない?
ワラキアはあくまで司会役の中間管理職に過ぎないかも知れないし。
まあ、展開次第でどうとでもなるから。

230 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 14:35
>>225
発売日同じだった気がする。

231 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 15:10
スタート地点からそれほど遠くない雑居ビルの中にある、トイレの中で高瀬瑞希は頭を抱えていた。
「何よ、何よ…こんなのって」
悪い冗談だと思いたかった…だが、どうしてもそうは思えなかった。
捕まれば記憶を消すと、あの男は宣言していた。
なら、もしも捕まれば、自分の中にある和樹への思いも消えてしまうのであろうか?
そして和樹が捕まった時は、和樹の心の中にいる、高瀬瑞希がいなくなってしまうのだろうか…。

「どっちもいやだよう…かずきぃ」
抱えた膝に、ぽたぽたと涙がこぼれ落ちる、とそこでぱさりと物音、背負っていたリュックが
肩からずりおちたのだ。

「そうだ…アイテム」
瑞希は肝心なことを忘れていたといわんばかりに、リュックを開封する…だが。
「…」
出てきたのは、来栖川のメイドロボたちが着用してるレオタードだった。
ただしパッケージには軍事用と書かれており、さらに説明書きには、
防弾・防刃・耐熱・耐衝撃レオタードとも書かれていた。

バカにされている、という思いが一瞬浮かんだが、一応あの来栖川の製品である以上、
信頼はできるかもしれない。
とりあえず、瑞希は洗面台に飾られていた花瓶を割ると、その破片で、
レオタードを思いきり引っ掻いてみる…傷一つついてない、どうやら信じてもよさそうだ、
どういう素材なのかはさっぱり謎だが…。

とにかくここで泣いていても何の進展もない、
気分を切り返えると、瑞希は早速レオタードを自分の身体に装着する。
レオタードは瑞希の成熟した身体には、かなり窮屈な上、鏡に移すと、薄手の素地は瑞希の身体の細部までも
透かしてしまっていたが、それでも一応防具をまとったという、安心感は得ることが出来た。

とりあえずレオタードの上に、さらに普段着を着込んで着替えを済ませると、瑞希はトイレを出て
外に向かった。

232 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 15:12
外に出た途端、人影が現れる。
レーダーには反応が無い…なら鬼ではなさそうだ。
そのまま、影の方へ向かう、そこには杖をついた大人しそうな少女が、ふらふらとおぼつかない足取りで歩いていた。
何度か転んでいるのだろう、その足にはいくつかの擦り傷があり、またかなり疲れている様子だった。

ふぅっ、瑞希は安堵の溜息をつく、多少元気が出たとはいえ、やはり一人では不安だ。
「ねぇ!あなたも一人なの?」
だが瑞希はこの時点で気がつくべきだった、彼女の杖をつく仕草が明らかに特有の動きをしていることを。

「私は高瀬瑞希、あなたは?」
「川名みさきです、こちらこそ」
ベンチに腰を下ろす瑞希、それにややおくれてみさきが腰を掛けようとして、芝生に尻もちをつく。
「疲れてるの?」
「そういうワケではないんだけど」
一瞬、手探りでベンチの位置を確かめてから、みさきはようやくベンチに腰掛ける。
「でも、ありがとう、まさか私を助けてくれる人がいるなんて思ってなかったものだから」
「そんな、こんな状況だからこそ助け合わないと…?」、

そこで瑞希は初めて気がつく、感謝の言葉を言うみさきの顔の方向が微妙にずれていることに、
さらに、みさきの目が明らかに光を放っていないことにも、だとすれば足の傷や、ぎこちない動きにも説明がつく。
(まさかこの子…目が見えないの!ちょっと待ってよ)
瑞希は自分の軽率さを後悔していた、自分一人で手一杯な状態で、とんだ足手まといを引きうけてしまった。
だが、それでも(目が見えないあなたを連れて逃げるのはジャマだから、他を当たって)
と、口に出すことは流石になかったが…。

完全に安心しきっているであろうみさきが、安堵の表情を浮かべるのを見ながら、瑞希は溜息をつく。
(どうしよう…私こんな子を連れたまま、逃げることなんてできないよ)

【高瀬瑞希 所持アイテム メイドロボ用レオタード(防弾・防刃・耐熱・耐衝撃効果あり)
 現在位置 スタート地点近くの公園】
【川名みさき 所持アイテム? 現在位置 スタート地点近くの公園】

233 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 15:42
「お姉ちゃん、何処に行ったのよ」
 涼宮茜の思考は常に姉である涼宮遥を中心に動いていた。
 事故に会い、数年眠り続けていた姉は、明らかにこのゲームでは不利だ。
 体力面は言うに及ばず、精神的な面でも脆いのであろう。
(すぐに、見つけ出して護ってあげないと。だけど、この島は広いし……)
 茜は街下を見下ろす。眩暈がしそうである。島一周するのに何日かかることやら。
 まあ、闇雲に探したところでどうにもなるまい。
(鳴海さん、平さん、先輩。あの三人はお姉ちゃんの友達。見付けたら、保護してくれるかな?)
 一瞬他力本願になった自分を責める。あの三人、いや、正確には二人は、一度お姉ちゃんを裏切っている。信用できるはずがない。
(でも……)
 それでも、心の片隅で信頼している自分がいるようで。自己嫌悪に陥る。

 茜の選んだ選択は、ホテルの宿泊客専用のプールで姉を待つ事だった。
 あの大ホールを連れて行かれる前は、ここで姉と泳ぎの練習をしていた。
 つまり、ここには自分たちが元々持っていた荷物があるのだ。
 案の定あった。もっとも、財布や着替えの服、水着などゲームに役に立ちそうなものはなかったが。
 どちらにしても、姉の心理だとここに赴く可能性が高い。推測に過ぎないのは承知の上だ。
 だから、茜はここで姉を待っている。その間にリュックの中身も確かめておく。
(リュックにあったのは、スタンガンね。護身用にはなると思うけど)

「茜!」
 はっと、茜は振り向く。そこには、かつての水泳部の先輩、速瀬水月がいた。姉の彼氏を寝取った男。
「せ、先輩……」
 普段は、意地を張って他人行儀にさん付けをするが、この状況ではそこまで頭が回らなかった。
 見ると、先輩は左手にナイフを持っていた。決して調理用で無い、ごついナイフだ。
「ホテルの窓から見かけた時は、まさかと思ったけど。無事でよかった」
 先輩は、心底安心したように胸を撫で下ろす。そして、微笑んだ。私は止まり、じっと先輩の顔を見つめる。
「遥はいないみたいね。とりあえず、二人で知り合いを探しましょ?」
 穏やかな笑顔で、先輩は右手を差し伸べる。ここで、ようやく私の硬直が解ける。
「来ないで下さい」
「あ、茜?」
「お願いですから、近寄らないで。私に話し掛けてこないで」
 恐かった。先輩が。いや、過去を忘れてまで、先輩に頼ってしまいそうな情けない自分が。
 だから、拒絶する。
 すると、先輩は自嘲のような、諦観のような、まるで、ダダをこねる子供を見るような母性に満ちた不思議な笑みを浮かべた。
「茜……」
 先輩は私の両手をそっと己の胸元まで引き寄せる。そして、ゆっくりと諭すように言葉を紡ぐ。
「私は……」
 ブーブーブー!
 先輩の笑顔が瞬時に強張る。
 私達の持っているレーダーが振動していた。

 それはじょじょに大きくなっていき、次の瞬間、私はプールに引きずりこまれていた。

234 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 15:43
ガボ、ガボガボガボボ……!!!!
 口の中に水が入り込む。あまりに唐突で、息が出来ない。体が、駒のようにグルグルと回転する。
 私は目を開いた。部活で慣れ親しんだ痛みがする。
 そして、何者かによってプールの中に引きずり込まれたと判断する。それを行った相手は、プロポーションの良い若い女性だと知って少し驚いた。
 彼女の白髪は今は青く染まっているように見え、その眼は……。
 ゾクッ!!
 見たことも無い冷徹な光を放っていた。
 私は抵抗をやめた。彼女にしてみれば、私は罠に掛かった哀れな小ウサギに過ぎない事が、直感だが悟った。
 だけど、次の瞬間、私にとって信じられない事が起きた。
「……!!!」
 誰とも解らない掛け声ともに、プールに衝撃を走る。私を捕えていた鮫のような女性は、プールの底に何かと一緒に落ちていく。
 すると、体に力が戻った。後ろを振り向かず、全力で端まで泳ぐ。本当に一度も振り向かず逃げ続けた。
 
(助かった)
 私は泳ぎきった。地上に戻れた。
 また、引きずり込まれるかもしれない。すぐに、ここから離れようと思って、ふと気付く。
「先輩……?」
 先輩の姿が見えない。あの時、引きずり込まれたのは私だけなのは解っている。逃げたんだろうか?
カッ!!!
 後ろで何かが起きた。思わず振り向くと、プール一面が青い光を放ち、その後、その光がどこか彼方へと飛び去った。
 残ったのは、プールにぽつんと浮かぶ見覚えのあるナイフ。先輩が手に持っていたナイフだ。
「あ、ああ、ああああ」
 あの時、私を助けてくれたのが誰なのか、私はようやく悟った。
 先輩は身を呈して私を助けてくれたのだ。
 私は慟哭した。

 しかし、その慟哭も長くは無かった。先輩のナイフがプールに沈んでいったのが見えたのだ。
 いる。先輩を倒した奴はまだ生きている。今もプールに潜んで機会を待っている。
 私は二人分のリュックを持って走り出す。

 目の前に仇がいながら、手を出せない無力な自分を憎んで。

【速瀬水月    ゲームオーバー】
【涼宮茜     所持品スタンガン・レーダー二人分 現在位置ホテル】
【岩切花枝(鬼) 所持品軍用ナイフ 現在位置プール(ホテルの)】

235 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 15:54
>231
メイドロボ用レオタード……。
漏れの想像を遥かに越えた新感覚の商品だ……。しかも、防弾仕様。
欲しいな。
いや、着せる相手はおらんけどw

236 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 16:24
「・・・逃げ切れた?」
潜んでいた草むらから顔だけ出して、シオンはつぶやいた。
アルクェイドが顔と眼の色を変えて追いかけてくるかと思い、少しでも抗おうとこうして待ち伏せの体勢を整えていたのだが、
意に反してその気配はない。センサーにもなんの反応もない。
ひょっとすると、あの腰を抜かしていた少女を追いかけたのかもしれない。
「だとしたら、あの行為はまったくの無駄だったということになりますね」
テレビに映った名簿には、鬼の名前は書かれていなかった。
それで鬼の顔を確認しといた方がよいだろうとシオンは島中央部の建物付近に潜伏していたのだが、
まさかアルクェイドがその中にいることはもちろん、無防備に建物に近づく少女たちがいるとは
予測していなかった。
目の前で二人が襲われるのを見て咄嗟にアルクェイドに銃を撃ってしまい、今にいたる。
「なんにせよ、移動する必要がありますね」
この辺りにはまだ鬼がうようよいるはずだ。アルクェイドより強いものはいるはずもないが、
かなりの実力者が揃ってると推測できる。
そう思い立ち上がったとたん、センサーが振動した。
「っ!」
バレルレプリカを構えて周囲を見回す。それらしき人影はみあたらない。
地形は平坦な道の両側にシオンが隠れていた草むらが広がっており、三十メートルほど離れたところに
木が一本だけ生えている。
シオンの首輪を奪い取ろうとすれば、絶対に視界に入るはずだ。
(ほふく前進で草むらの中を移動している?)
それしか考えられない。そう推測して草むらに眼をこらそうとしたとき、
「あなた、運がいいですよ」
喉笛を背後から万力のような力で締められた。

237 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 16:25
「・・・・・・!」
声がでないどころか呼吸もできない。ただ、腰のセンサーが激しく振動していることから、
自分の首を締めているのが鬼だということがわかる。
肘打ちを喰らわせようとした腕は、あっさりつかまってねじり上げられた。
「抵抗しないでくれませんか。わたしは鬼ですが、あなたを今捕まえようとは思っていませんから」
涼やかな声でそんな信じられないことを言いながら、鬼はシオンの喉の手を外した。
しかし関節を極めた腕は外していないから、シオンには鬼の姿は見えない。
シオンが咳き込むのが収まるのを待って、鬼は続きを口にした。
「ある人に伝言をしてほしいのです。その人の名前は天沢郁美。顔はこれです」
シオンの前の地面に写真が一枚落とされる。青い髪の毛をした、芯の強そうな少女の写真だった。
「・・・なにを伝えればいいのですか」
「今から二十四時間後、ですから明日の午後一時ですね。その時刻に南西にある神社に来てくださいと。
もしこなかった場合には」
女は何の抑揚もない声で続けた。
「あなたのお友達、見つけ次第殺させてもらいます。そう、鹿沼葉子が言っていたと伝えてください」
「鬼が参加者を殺すのは禁止されているのでは」
「一人ぐらいなら大目に見てくれるそうです」
ようやく腕が解放された。それでやっとシオンは鬼の顔を見ることができた。
金髪の理知的な顔をした華奢な少女で、とてもあの強力が出せたとは思えない。
痛む手首をさすりながら、シオンは尋ねた。
「なぜ、私を伝言係に選んだのですか」
「最初に言ったでしょう。あなたは運がいいと。ゲームが始まって三人目に出会う人までは、
捕まえずに伝言を託そうと決めていたのですよ。ちなみにあなたが一人目です」
「もう一つだけ聞かせてください。どうやって私の背後に回りこみました?」
鹿沼葉子はすっと手を上げて、木を指差した。
「あそこに隠れていったんあなたの視線をかわし、離れた隙に近づいただけです」
「バカな・・・」
それが本当だとすると、葉子は二秒かそこらで三十メートルの距離を詰めたことになる。
アルクェイドに勝るとも劣らないスピードだ。
「それでは、わたしはあちらに行きますから。次に会ったときは問答無用で捕まえますよ」
葉子はすたすたとアルクェイドがいた方向に去っていく。
その背中に銃弾を打ち込もうかと思ったがやめた。シオンが構えてトリガーを引くよりも、
葉子がシオンの首輪を引きちぎる方が早いに決まっている。
「鬼はあんなのばかりですか」
ぎり、と歯を鳴らして、シオンは葉子の姿が消えるまで、その場に立ち尽くした。

【鹿沼葉子(鬼) 現在位置島中央部を少し離れたところ】

238 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 16:27
長いことMOON関連に触れてなかったから、葉子の口調がなんかおかしいような・・・

>>234
参加者の持ってるアイテムを鬼が使うのって禁止されてませんでしたっけ?

239 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 16:40
>参加者の持ってるアイテムを鬼が使うのって禁止
グハァ!!
仰るとおりです。そこのところは脳内訂正しておいて下さい。

240 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 18:43
じゃあ?どうする
Routesも加えようか?その場合宗一が10人目の鬼になるのかな・・・?
俺としては、でも葉をこれ以上加えるのはどうかなとも思う。

241 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 18:51
石原麗子は林の中にいた。
(奇妙ね。この草は日本には存在しないはず)
麗子の本来の職は医者だ。しかし、薬学にも多少の造詣がある。多少と言っても医学に比べてのことであり、並みの薬剤師よりは遥かに知識も経験も深い。
それに加えて、サバイバル技術なども修得しており、世界中いかなる場所でも患者を治療できる凄腕である。
(まあ、だからといって、天才とは言えないけどね)
自嘲気味に笑う。所詮は、生きる時間の差。仙命樹によって、年をとることを禁じられた人間。いや、もう化け物の類かもしれない。

麗子は今、木々の観察を行っている。そこで、奇妙な点を見つけていた。
(この昆虫も日本のものじゃない。アマゾンにしか生殖していない)
動植物問わず、様々な国のもので形成された国際色豊かな島に自分はいる。環境系が明らかに破壊されている。
(人口的に作られたとしたら、そのメリットは? こんなことが可能なら、普通に無人島をレンタルした方が早いはず)
麗子は思考に没頭していた。
(もしかしたら、私たち参加者の敵は鬼役だけでは無いかも知れない)
それは不吉な妄想。だが、この状況では信憑性があった。

ガサガサガサ……!!
近くで繁みが揺れる音がした。見ると、全身ボロボロの痛々しい少女がいる。
見覚えがある。大ホールで、主催者と思しき人間に突っかかっていた少女だ。
その少女は麗子に気付くと、踵を返して逃げようとして倒れた。
「大丈夫!?」
麗子は倒れた少女に近付こうとして、踏みとどまる。
「……。そこに隠れている人、出てきなさい」
少女の傍に何者かがいる。気配を消していないことから、素人であると推測するが、油断はならない。
「その少女を早急な治療を要するわ。邪魔するなら、本気であなたを倒す」
「すまなかった」
両手を現れたのは、奇妙な男だった。長身で銀髪、目つきは悪いが、まあ、整ったと言える顔。
(なのに、どうして、恐竜のペイントTシャツ? しかも、薄汚い人形を口でくわえているし)
結論。変な男。または、悪趣味な男。

242 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 18:52
その男の名は国崎住人というらしい。
ちなみに、倒れた少女は大空寺あゆというそうだ。
「あんたが鬼かどうか判断できないからな。逃げるにも、そいつのことがあるし、隠れていたんだ」
「で、どうして、私が鬼役じゃないとわかったの?」
「知り合いにあんたぐらいの医者がいてな。眼が一緒だったんだよ。本気でそいつを心配していた」
己の直感を信じるタイプ、頭使うより体を先に動かす人間ね。麗子はそう往人を分析した。
「え……、あぐっ!」
あゆが何ごとか喋ろうとする。しかし、先ほどどこか痛めたのか、上手く喋れなさそうだ。
「喋らないで、安静にしてなさい。ごめんなさいね、消毒液も包帯もないから、応急処置すら満足に出来なくて」
もし、骨折か脱臼をしていたら、添え木を作るつもりだったが、不幸中の幸いか全身打撲で済んでいた。ギリギリでゲームに参加できる程度に。
(もし、これを狙って暴力をふるっていたのなら、最低だけど、とても狡猾ね)
一瞬、麗子の感情が怒りに染まった。

「そういや、あんたの武器はなんだ?」
住人は麗子に尋ねた。麗子は無言で傍の金属バットを見せた。
「あなたは?」
「この、パイナップルみたいなものだ」
「手榴弾に見えるけど。貸してみて」
受け取ると、振ったり、叩いたりしてみる。
「爆発するんじゃなく、ただ、音と光が発するだけの物ね。さすがに、本物は危険と判断されたみたい」
「詳しいな、まあ、金属バットよりかは使えるかな」
「ふふふ、そうでも無いわよ?」
麗子は悪戯気に笑うと、ポケットから何かを取りだす。それをリュックの中にあった水筒と一緒に、あゆに渡す。
「これは薬草よ。これを飲めば少しは良くなるわ」
あゆはこくんと無言で頷き、それらを受け取る。薬草は飲みやすいように粉状にしてあった。
「その薬はもしかして……」
往人の言葉を麗子が続ける。
「そう、このバットですり潰したのよ」
(逞しいというか、柔軟と言うか)
往人は目の前の女性を頼もしく思った。
逞しさなら、オイル缶を枕代わりにする自分も負けていないことには気付いていない。

【石原麗子 所持品金属バット 現在位置島南西部の森】
【国崎往人 所持品閃光弾 現在位置上に同じく】
【大空寺あゆ 所持品無一文 現在位置上に同じく】

243 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 18:53
その男の名は国崎住人というらしい。
ちなみに、倒れた少女は大空寺あゆというそうだ。
「あんたが鬼かどうか判断できないからな。逃げるにも、そいつのことがあるし、隠れていたんだ」
「で、どうして、私が鬼役じゃないとわかったの?」
「知り合いにあんたぐらいの医者がいてな。眼が一緒だったんだよ。本気でそいつを心配していた」
己の直感を信じるタイプ、頭使うより体を先に動かす人間ね。麗子はそう往人を分析した。
「え……、あぐっ!」
あゆが何ごとか喋ろうとする。しかし、先ほどどこか痛めたのか、上手く喋れなさそうだ。
「喋らないで、安静にしてなさい。ごめんなさいね、消毒液も包帯もないから、応急処置すら満足に出来なくて」
もし、骨折か脱臼をしていたら、添え木を作るつもりだったが、不幸中の幸いか全身打撲で済んでいた。ギリギリでゲームに参加できる程度に。
(もし、これを狙って暴力をふるっていたのなら、最低だけど、とても狡猾ね)
一瞬、麗子の感情が怒りに染まった。

「そういや、あんたの武器はなんだ?」
住人は麗子に尋ねた。麗子は無言で傍の金属バットを見せた。
「あなたは?」
「この、パイナップルみたいなものだ」
「手榴弾に見えるけど。貸してみて」
受け取ると、振ったり、叩いたりしてみる。
「爆発するんじゃなく、ただ、音と光が発するだけの物ね。さすがに、本物は危険と判断されたみたい」
「詳しいな、まあ、金属バットよりかは使えるかな」
「ふふふ、そうでも無いわよ?」
麗子は悪戯気に笑うと、ポケットから何かを取りだす。それをリュックの中にあった水筒と一緒に、あゆに渡す。
「これは薬草よ。これを飲めば少しは良くなるわ」
あゆはこくんと無言で頷き、それらを受け取る。薬草は飲みやすいように粉状にしてあった。
「その薬はもしかして……」
往人の言葉を麗子が続ける。
「そう、このバットですり潰したのよ」
(逞しいというか、柔軟と言うか)
往人は目の前の女性を頼もしく思った。
逞しさなら、オイル缶を枕代わりにする自分も負けていないことには気付いていない。

【石原麗子 所持品金属バット 現在位置島南西部の森】
【国崎往人 所持品閃光弾 現在位置上に同じく】
【大空寺あゆ 所持品無一文 現在位置上に同じく】

244 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 18:56
二重カキコ、ゴメン。

245 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 19:33
ビルの屋上で河島はるかは呆然と空を見上げていた。
夢みたいだ…まだ、今の状況が信じられない。
屋上には腐った金網が申し訳程度に設置されているだけで、危険極まりないが、
その分、見晴らしだけは抜群だった。

「あーあ、なんかばかばかしいな」
この切迫した状況でこんな言葉まで飛び出してくる。
その現状認識の甘さが、彼女の命取りとなった、そう…敵は鬼だけではなかったのだ。

ふわぁ…と背伸びをした、その刹那だった。
彼女の背中を何者かが強く押す。
「!!」
ふわりと空中につんのめったはるかは、すんでの所でさびた金網を掴む。
だが、金網ははるかの体重を支えきれず鈍い音を立てて崩れていく。
「あ、あ、あああ」
青空を背景に赤い錆が彼女の視界に飛び散っていく、不思議なことに彼女はそれをきれいだと感じていた。

……ぐしゃり。
青空が真紅に染まり、はるかの意識はそこで永遠の闇に閉ざされた。


鳴海孝之は無表情に屋上から地上を見つめる。
そこにははるかが脳漿をぶちまけ、無残な屍を晒していた。

何だよ…簡単じゃないか…。
孝之はあの大ホールでの言葉を思い出す、最後まで逃げることなく、また捕まることなく生き残った一人には、
あらゆる願いをかなえると、そしてそれは時計の針を戻すことすら可能だと言う。
こんなたわごとを何故信じるつもりになったのかは分からないが、それでも、
何もかもがあの頃に…3年前に戻れるのなら、今、ここで何をしたって別にかまわしない。
他の誰かが捕まるのをおとなしく待ってるだけじゃ能がないというものだ。
生き残るという言葉、そして武器…その答えは明らかだ。
「本音を言うと面倒なんだよ…遙も水月も、今の俺には」
今でも愛していないわけではない、だがそれでも…

と、その時背後から物音、怪訝な顔で降り向くと、そこには黄色いリボンをつけた短髪の少女が立っていた。
「あ…あの私っ…そのお」
孝之はリュックから武器を取り出す、グルカナイフ…、刺してよし、斬ってよし、投げてよしの万能武器だ。
少女が踵を返すのと、空気が唸りを上げるのは同時、グルカナイフが屋上の扉に突き刺さる。
かんかんかんかんと、階段を駆け下りる音を聞きながら、無表情でナイフを引きぬき
その後を追う孝之だった。

【河島はるか   死亡】
【鳴海孝之    所持品 グルカナイフ  現在位置 廃ビル】
【片瀬雪希    所持品 不明      現在位置 廃ビル】
(はるかのリュックは回収済みです)

246 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 19:35
鬼はアイテムを持てない…・
それなんだけど、それだとシエルと式がちょっと厳しくないかな?
初期武装程度なら持たせてもいいような

247 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 20:24
鬼の初期装備
式 ナイフ一本  シエル 黒鍵十本
ってことでいい?他の奴らはあんまり武器持つ必要なさそうだし。

248 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 20:38
>245
ぶっちゃけ完全に予想外の展開だ。いや、良い意味でな。
これで、キャラも書き手も気合いが入るなw

>247
良いと思う。
ただ、鬼の連中も、本当に命の危険が迫ったら、その場の武器は使ったりする話を書いても良いよね?
もちろん、ゲームルール上は違反だけど。

249 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 20:55
>>248
そりゃいいだろ。
おれも勢いで「一人ぐらい殺すのは大目に見てくれる」なんて書いちゃったし(苦笑)
ところでこのスレageかsageかどっちでいく?

250 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 21:13
>>249
まぁ、あれは単なる葉子さんの脅しかもしれないし
でも殺さなければ多分何やってもいいんだろうね

251 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 21:14
最初はageて行こうか
それである程度順調に進むようになってからsageると

252 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 21:22
宗一の鬼は微妙。
エージェントはあくまで情報屋で、暗殺者でも傭兵でもない。
ぶっちゃけ、あまり戦闘は得意そうには見えない。
実際、リサに負けそうになったり、プロの武闘派なら殺されているとか言っていたし。
逃げ役にしたら、おそらく最も手強いだろうけど。

とかいう俺は、ルーツはまだ途中までしかプレイしていないので間違っているかもしれん。
なんか、最後は人外になるとかいう噂も聞いているので。

まあ、ルーツを加えるなら、エディを忘れんといてね。

253 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 22:18
那須宗一、湯浅皐月、伏見ゆかり、リサ・ヴィクセン、立田七海、梶原夕菜、エディ

Routes加えるなら逃げ手はこんな所か?
いとっぷや長瀬館長はとりあえず外しておいたが、これだけじゃ少ないかな?
あと醍醐は参加者より鬼の方が似合ってそう。

254 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/26(日) 22:23
意外と、リサなんて鬼に似合っていない?
原作でも、麻薬王を待ち伏せの末に殺したとか言っているし。

255 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 00:12
「・・・・・・んっ?!み、水っ水〜」
「あわてすぎなんだよお前は」
苦笑しながら、折原浩平は柚木詩子にウーロン茶を渡してやった。
「(ごくごくごく)・・・・・あ〜死ぬかと思った」
「飯はちゃんとゆっくり食えって」
「でもさあ、いつそこらへんから鬼が出てくるかわかんないじゃない。
だったらさっさと食べた方がいいでしょ?」
「そりゃそうだけどな。でも飯のときくらい肩の力抜こうぜ。
そんなんじゃ何日続くかわからないこのゲームやってらんないぞ」
「それもそうかな」
しゃべりながら、詩子はぱくぱくアンパンを口に運んでいく。
ただ、その速度はさっきよりわずかに遅いような気がする。
時刻は午後の三時。昼食というには遅いが、腹が減っていたので
二人は公園のベンチで食事を取っていた。
「しかし本当にラッキーだったよね。折原君とあたし出会えたのは」
「ああ、欲を言うならもう二、三人知り合いと会いたかったけどな」
森を出て目当ての市街地に入った浩平は、そこにあったデパートで
同じく食料調達目的の詩子や何人かの参加者に出会った。
そこで作戦会議を開いていくつかのことを決められた。
一つは、それぞれの知り合いの名前と特徴を教えあい、
それらしき人物に出会ったら決めておいた集合場所と集合時間を伝えること。
ちなみに浩平の場合は、明日の正午に東の海岸に突き出てる岬に集合である。
二つ目は、道具の融通。剣道の心得のない浩平が日本刀など持っていてもしかたがない。
そこで剣を使い慣れているという川澄舞という少女に渡して、自分は彼女の
持っていた警棒をもらった。
詩子の武器はフライパンで、これは詩子でも使えるし調理の役に立ちそうなので
そのまま持っていることにした。
(デパートの中はかなりの品揃えがあったが、フライパンやバットというような
武器になりそうなものだけは排除されていた)

256 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 00:14
「それにしてもさあ、やっぱりみんなで行動した方がよかったんじゃない?」
「だからそれは一網打尽にされる可能性があるからやめとけって
琥珀さんが言ってたろ」
「だけどさ、川澄さんとか霧島さんとかだれも知り合いがいなかったじゃない。
こんなわけわからないところで一人ぼっちで行動ってすごくさびしいよ」
「まあな・・・でももう戻ってもとっくに行っちゃってるよな」
「うん・・・そうだね」
やや沈痛な表情でウーロン茶を飲んでいた詩子の表情が、いきなり変わった。
「・・・・・・・折原君」
「ん?」
「このウーロン茶、口つけてたでしょ」
「そうだけど・・・あっ」
これは世に言う間接キスというものではないか、と浩平は遅まきながら気がついた。
「・・・」
「・・・」
気まずい沈黙。子供ではあるまいしそんなことを意識するのは馬鹿げていると
わかってはいるのだが、どうにも言葉がかけずらい。
「・・・いこっか」
「・・・うん」
結局、その雰囲気のまま二人は後始末をして歩き出した。
「・・・でもちょっとラッキーだったな」
「柚木、なんか言ったか?」
「え?な、なにも言ってないよ。げ、幻聴よきっと」
「そうか」
深く聞かずに歩き出す浩平に、詩子はほっと胸をなでおろした。

【折原浩平  所持品 警棒(舞と日本刀を交換) 現在位置島西部市街地公園】
【柚木詩子  所持品 フライパン  現在位置島西部市街地公園】

257 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 00:17
これがそれぞれの集合場所と時間の一覧表です」
「ごくろうさま」
琥珀が差し出した数枚の紙を、月島拓也は受け取った。


中途半端なところでぶった切ってスマソ。
でもここからちょっと長くなるんで書く時間がない・・・数日中にはうpする予定です。
できたらこの二人は動かさないでくれるとうれしいです。

258 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 01:15
そう言う予約行為はちと感心しないなあ……

259 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 01:23
>257
二人ってどっち? 琥珀&月島? それとも、折原&柚木?

まあ、了解。どっちにしろ、こっちの予定では動かす気はなかったから。
ただ、一応リレーだからね。気持ちは十分過ぎるほど解るけど。
偉そうでスマソ。
って、琥珀さん、早速、寝返ってる!w
さすがだ。

あと、柚木は>211の表に入ってなかったけど、どないしましょ?
俺は別にオーケーだと思うが。まだ、参加メンバーは確定していないし。

260 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 02:03
「ここまで…来れば」
涼宮茜は荒い息を吐きながら、草むらに腰を降ろす。
落ちつきを取り戻すと、またあの時の光景が甦ってくる。
「先輩…」

だが、まだチャンスはある…。
茜は金髪の男の言葉を思い出していた。

「と、いうわけで単に物理的に脱出する以外にも、鬼の首輪を奪うことによっても、ここから脱出することができる
 その際だが、自分の他にもう1人だけ連れて脱出することも認めよう」
それを聞いて不満の声が会場から漏れ始める、大きなリスクを負って、鬼を倒すのだ。
その見返りが自分プラス1人だけでは、不満も出るというものだ。

「甘えるな!!」
だが、男の一喝がざわめきをかき消す。
「自分すら容易く持ち崩す人間風情が…貴様らがその生涯を掛けて守れるのは、せいぜい人一人程度であろうが、
 思いあがるな!」
そして男は、少し間を置いてルールの補足を行い、話を締めくくった。
「それと、このルールの恩恵に与かれるのは、鬼から首輪を奪う事が出来た1人だけだ。例え10人がかりで
 鬼を倒せたとしても…1人だけだ…もしそういうことになったときは、せいぜい悩むがいい」
 
ここで回想は終わる、しかし茜の顔をさらに憂いの色を濃くしていた。
「だからといって…あんな化け物たちとどう戦えばいいのよ!!」
それによしんば勝てたとして、その時自分は何を…誰の自由を願えばいいのだ…。
生半可な希望は、時として絶望にも勝る苦悩を生み出す…そんな言葉を茜は思い出していた。
鳴海さん…お姉ちゃん…先輩…
「順位なんてつけられないよ…無理だよ…」

【涼宮茜    所持品 スタンガン・レーダー二人分 現在位置 町外れ】

261 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 02:22
>>257-259
確かにリレー小説である以上、予約行為は推奨できないな
時間が無いのなら、本当に自分の書きたいものだけを書いて
あとはある程度成り行きに任せるのも必要だと思う

まぁその成り行きをコントロールできるのもリレー小説の醍醐味ですけどね

で、そろそろ参加メンバーも確定させないとね
今のところ挙がっているのは
誰彼の御堂を光岡に変更するか否か
ルーツを入れるか入れないか
だけど、どうしましょう

262 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 02:49
ちょっとだけ修正、せっかくだし

「ここまで…来れば」
涼宮茜は荒い息を吐きながら、草むらに腰を降ろす。
落ちつきを取り戻すと、またあの時の光景が甦ってくる。
「先輩…」
彼女の脳裏にかつての情景が甦る、寒々とした病院の廊下、そこにいたのは憎悪と嫉妬に支配された
かつての自分。
(飾る価値が無いからです、この人が選んだものなんて)
(呼び捨てやめてもらえませんか?それだけで腹が立ってきます)

「ちゃんと謝ってもいなかったのに……」
だが、まだチャンスはある…。
茜は金髪の男の言葉を思い出していた。

「と、いうわけで単に物理的に脱出する以外にも、鬼の首輪を奪うことによっても、ここから脱出することができる
 その際だが、自分の他にもう1人だけ連れて脱出することも認めよう」
それを聞いて不満の声が会場から漏れ始める、大きなリスクを負って、鬼を倒すのだ。
その見返りが自分プラス1人だけでは、不満も出るというものだ。

「甘えるな!!」
だが、男の一喝がざわめきをかき消す。
「自分すら容易く持ち崩す人間風情が…貴様らがその生涯を掛けて守れるのは、せいぜい人一人程度であろうが、
 思いあがるな!」
そして男は、少し間を置いてルールの補足を行い、話を締めくくった。
「それと、このルールの恩恵に与かれるのは、鬼から首輪を奪う事が出来た1人だけだ。例え10人がかりで
 鬼を倒せたとしても…1人だけだ…もしそういうことになったときは、せいぜい悩むがいい」
 
ここで回想は終わる、しかし茜の顔はさらに憂いの色を濃くしていた。
「だからといって…あんな化け物たちとどう戦えばいいのよ!!」
それによしんば勝てたとして、その時自分は何を…誰の自由を願えばいいのだ…。
生半可な希望は、時として絶望にも勝る苦悩を生み出す…そんな言葉を茜は思い出していた。
鳴海さん…お姉ちゃん…先輩…
「順位なんてつけられないよ…無理だよ…」

【涼宮茜    所持品 スタンガン・レーダー二人分 現在位置 町外れ】

263 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 03:40
 七瀬留美は迷っていた。
 
 手元にあるのは明らかにモノホンの拳銃。試しに一発撃ってみて、あまりの衝撃にちょっとだけチビってしまったのは一生の秘密だ。
 まあ、鬼役は、おそらく軍人か格闘家だと推測できた。傭兵と軍人の違いはわからない。
 だとしたら、拳銃は一番の当たりだと思う。素人が使っても、牽制程度にはなると思う。軍人なんて、プライベートライアンぐらいでしか見たこと無いから、確かなことは言えないけれど。
 しかも、さまよっている内に、いつのまにか小屋のような所に着いた。隠れるには絶好の場所である。
 自分はついてる。そう思った。

 なのに、迷う。正直に言うと、心配なのだ。
 自分の身も、もちろん心配だ。出来れば、このままここに隠れていたい。
 しかし、知り合いの身も心配だ。
 その知り合いを探すためにここを出るかどうかを迷っている。
 住井君、里村さんとはクラスメートだが、ほとんど話したことはない。
 だからと言って、知らぬ仲では無い。
 瑞佳は友達だ。まあ、大抵、間に折原を挟む時しか話さないが。
(って、よく考えたら、あたしって友達全然いないんじゃ……)
 ちょっと鬱になる。言い訳かもしれないが、転校する前はもうちょっといたと思う。いや、本当よ。
(そう、全て折原が悪いのよ! こっちは迷惑してるのに、初日から絡んでは絡んでは絡みまくる)
 でも、たぶん、それは、
(あいつはお節介だから……)
 あたしが寂しそうにしているから。
 そう、あいつは友達だ。絶対に本人の前では言わないけど。
 あいつもそう思ってくれている、と信じている。
(もしかしたら、もうちょっと別の感情も混じってくれてるかも。そしたら、嬉しいな……って、今、あたしは何をー!?)
 あたしはあたしの思考に自爆した。顔が沸騰したやかんのように熱い。

 そして、心配なのはもう一人。
『にゅー』
 変な口癖を持った女の子。椎名繭。
 好きではないかもしれない。いつも、髪を引っ張るし。瑞佳も含めて折原達はいつも笑っているが、あれは本当に痛いのだ。
 そう、椎名繭は、何歳か知らないが、折原の差し金であたしたちの教室に紛れ込んだ奴。ハンバーガーをたくさん買っては残すわがままな奴。
 でも、純粋な奴。たぶん、根は優しい奴。
 ペットの死に本気で悲しんでいたと、瑞佳は言っていた。
 泣いていた幼い男の子のために必死で奔走したと、折原は言っていた。
 そんな子が、拳銃を持った軍人に追われる? マッチョな格闘家にボコられる?
 たった一人、孤独と恐怖に怯え続ける?
「んなこと、放っとけるわけないじゃない……!」
 心の底から、怒りが込み上げてきた。
 あたしは立ち上がる。何を迷っていたのか。
「待ってなさい、繭!!!」
(絶対に、助けてあげるから!)

 七瀬留美は知らなかった。
 繭がどうして自分にあそこまで懐くのか。
 どうして、中学時代、剣道部で部長をやれ遂げたのか。
 まあ、要するに、姉御肌なのだ、七瀬は。

――一方その頃、当の繭本人は
「みゅー♪」
「にょわー!!」
「何故? 何故、私はこんな所で子守りなんかしているのでしょう……? 教えて下さい、兄さん! 温泉は!? 最先端は何処へ!?」
「現実逃避は良くないですの、遠野さん」
 結構、楽しくやっていた。


【七瀬留美  所持品デザートイーグル 現在位置 廃工場】
【椎名繭   所持品未定 現在位置 町外れの小屋】
【御影すばる 所持品未定 現在位置 町外れの小屋】
【遠野秋葉  所持品未定 現在位置 町外れの小屋】
【みちる   所持品未定 現在位置 町外れの小屋】

264 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 03:45
>>263
>さまよっている内に、いつのまにか小屋のような所に着いた。
ここの小屋は廃工場に変更です。ミスって、スマソ。

265 名前: ちょっとだけ訂正。本当にスマソ 投稿日: 2003/10/27(月) 04:02
――一方その頃、当の繭本人は
「みゅー♪」
「にょわー!!」
「何故? 何故、私はこんな所で子守りなんかしているのでしょう……? 教えて下さい、兄さん! 温泉は!? 最先端はいずこへ!?」
「現実逃避は良くないですの、遠野さん」
「漫画家が言わないで下さい!」
「ガーンですの! 心が傷ついたですの! 胸がキュンと痛みましたですの!」
「それは恋愛表現です!」
「みゅー♪ まんが好き」
 結構、楽しくやっていた。


【七瀬留美  所持品デザートイーグル 現在位置 廃工場】
【椎名繭   所持品未定 現在位置 町外れの小屋】
【御影すばる 所持品未定 現在位置 町外れの小屋】
【遠野秋葉  所持品未定 現在位置 町外れの小屋】
【みちる   所持品未定 現在位置 町外れの小屋】

266 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 04:32
>261
誰彼は御堂で良いと思う。
理由は単純で、知名度は御堂が上だから。だから、口調とかが解りやすい。
光岡は刀を使うことしか知らないんだ。

ルーツキャラは、エージェントとして様々な特技を持っているので、入れるとしたら話の幅は広がりそう。
だけど、正直、これ以上、キャラを増やしたら収拾がつかなくなる可能性がある。
悩んだ挙句、やや賛成気味で。ハッキング勝負など、セリオとのハイテク戦なども出来そうだし。
キャラが増えすぎたら、ガンガン鬼に捕まえさせれば良いし。

または、宗一、醍醐、リサ、エディのどれか一人を鬼に入れることを提案してみる。

267 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 07:21
俺も賛成気味かな。
キャラの特性上いろいろやれそうだし。

268 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 11:55
話にタイトルつけない?
これからでも。

あと、長い話は終わったかどうかが解りづらいので、所持品表示だけでなく、 (3/5)こんな感じの奴をタイトルの横につけない?

269 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 13:59
>>268
タイトルと、何分の一を表示しておくの賛成。
今までの話も、改めてタイトル付け直してもいいんじゃない?

270 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 14:14
ところで、>>197なんだが、さっちんは人間なのか、死徒なのか?
死徒ならさっちんスレの好みから考えて、この板では鬼の側に加わってそうだが。
さっちんルートの概要を憶測して決めるか、さっちんルートの情報が入るまで未登場ってのもありか?

271 名前: タイトル未定  1/2 投稿日: 2003/10/27(月) 15:37

「猪名川さんの絵、すごく上手だね」
「遙はんかて、絵本作家を目指しているだけはあるで」

あれから涼宮遙は何処にも逃げようとはしなかった。
皆が我先にと出口に向かう中、たった1人、ホテルの屋上に上がり、そこでぼんやりと考え事をしていた。
本当は捕まりたくは無かった、だが病み上がりの自分では、たとえ妹や友人たちと合流できても、
足手まといになるのが関の山だ、自分のために孝之や水月や茜を危険に晒すことはしたくない。
(捕まりたくない…でもみんなを危ない目に逢わせるわけにはいかないよ…どうしたらいいの?)
八方塞りの精神状態の中で泣きながら、何時の間にか眠ってしまったらしい、
気がつくと彼女はベッドの上に寝かされていた。
慣れ親しんだシーツの感触、しかしふかふかのスプリングがここが病室でないことを思い出させてくれる。
(やっぱり…夢じゃないんだ)

「お、やっと目ェ覚めたか…なんや自殺しそうな雰囲気やったから気になっとったんや、
 そしたらいきなり倒れるやろ?毒でも飲んだんか思うて、びっくりしたで」
視線を横に向けると、そこにはメガネを掛けた元気そうな女の子がいた。
(あ、穂村さんと同じ髪型だ…)
まだ覚醒しきってない頭で、そんなことを思いながら起きあがろうとすると、

「まだ起きたらあかん…しばらく休んどきぃや」
「で…でも」
「大丈夫や、灯台もと暗しやな…あちこち調べてんけど、ホテルの中にはもうウチらしかおらへんから」
そう言って少女は傍らのソファーに腰を下ろす。
「おっと、自己紹介がまだやったな、ウチは猪名川由宇や、よろしゅうな」
「え…あ、涼宮遙…です」

それから2人は色々なことを話した、出身地から始まり、好きな食べ物と来て、それから趣味…。
「おお、遙はんは絵本作家になりたいんか…ええこと聞いたで」
そう言うと由宇は何やら意味深に微笑み、ペンとメモ紙を取り出す
「ウチもな、こう見えて少しは知られた存在なんやで」

272 名前: タイトル未定  2/2 投稿日: 2003/10/27(月) 15:39
そして冒頭のシーンにもどる。
2人は身の上話をしながら、なごやかな雰囲気でメモ紙に絵を描きつづけている。

「仲間がおらん?ほたらウチらの所にくればええんや」
「こみパかぁ…本当に元気になれたら…行ってみようかな」
まぶしそうに呟く遙。
「3年も眠ってしまったっていう苦しみの気持ちは、ウチらにはようわからへんけど…でも遙はんの
 時間を取り返す手伝いくらいなら出来る思うんや、だから必ずここから逃げて、こみパに行こうな」
ここから逃げて、という言葉に少し戸惑った風を見せる遙、それを見てまた何かを言い出そうとした由宇だったが、
その時、部屋のドアが開きワラキアの夜がその姿を現したのであった。
遙をかばうように身構える由宇、しかしワラキアの夜はそこから動く事なく淡々と用件を伝える。
「お楽しみのところ失礼する、私は君たちを捕えるつもりは無い、ただここ一帯はもうすぐ立ち入り禁止となる、
 それを知らせに来ただけだ」
そう言って腕を振るうと、そこに青いゲートのような空間が現れる。
「そこをくぐるが良い…その子の足ではもう安全圏まで逃げ切れまい」

何故?という顔の2人に、少し苦笑しながら彼は説明を続ける。
「参加者の一部に個人的な怨恨が無いわけでもないが、基本的に私は君たちの敵でもなければ味方でもない、
 ただ執行するのみだ」
「重ねて言えば、待ち伏せを防ぐ措置として、ここを出た瞬間から君たちはプレイヤーとして認識される、
 つまり我々としても、君らは予定外の存在なのだよ」
「ほー、そやったらここにおる限り、だれもウチらには手をだせんいうこっちゃな」
「それも手段の一つだが、ここはもうあと数分で侵入禁止となる、その時ここに残っていればどうなるか
 身をもって経験する事になるが、どうするね?」

今度は由宇が苦笑する番だった、これ以上食い下がるのは時間の浪費だ。
「しゃあないな…ほな行くで、遙はん」
 由宇は遙の手を引き、ゲートに入ろうとするが、遙はまるで石になってしまったかのように
その場から動こうとしない。
「阿呆ぅ!ここで捕まったら全部忘れてしまうんやで!夢も何もかんもやで!アンタにも好きな人かておるんやろ!
 そないなことウチは絶対にいやや!アンタに逃げるつもりが無いんやったら」
由宇は遙の手を持ったまま、その場に座りこむ。
「ウチも逃げへんで、さぁ…どないする?」
それを見た遙の顔色が一変する…ううう…ううううっ…と唇から唸り声が漏れる。
時間にしてほんの数瞬の出来事だったが、その間にどれほどの葛藤があったのだろう?
遙は由宇の手を引き、ゲートの中に飛び込んでいった。

【涼宮遙      所持品 不明   現在位置 ホテルから転移中】
【猪名川由宇   所持品 不明   現在位置 ホテルから転移中】

273 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 15:45
タイトル思い浮かびませんでした
まず最初にタイトルありきですね・・・とりあえずいいのがあれば
どなたでもいいので付けてください。

あと基本的な参加者は>>211
それに何人か追加があるか無いかでいいんだよね?

274 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 20:02
ワラキアに願いをかなえて貰うと曲解されて結局は血を吸われるとかいうインチキじゃなかったっけ?

275 名前: 257 投稿日: 2003/10/27(月) 21:12
>>258>>261
失礼しました。そのとおりですね。
>>257の部分はなかったことにしてください。
あの続きが書きおわったときに矛盾がなければ改めて投下します。
ごめいわくかけました。

276 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 21:19
>274
確かに。しかし、それを知るのはシオンと志貴のみ。
広めようにも、争わせないための嘘をついていると思われるかも。
まあ、ワラキアの言うことをまともに信じている奴も少ないだろうけど。

277 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/27(月) 21:53
>>275
前編・後編という形でもよかったと思う
まぁ、話の切り方が悪かったかもしれないね・・・・
けど別に月島兄と琥珀さんの密会シーンのみで
話を切っても違和感ないとは思うけど。

ところで質問なんだが、今回、毒電波の有効射程・有効人数ってどれくらいだ?

278 名前: 両儀式 投稿日: 2003/10/28(火) 00:05
「両儀式。もうすでにゲームは始まったというのに、なぜまだここにいる」
ワラキアの声に、ホテルの一室のベッドに寝そべっていた式は目も開けずに答えた。
「興味がないからに決まってるだろ」
「お前は戦闘行為を非常に好むとあの魔術師は言っていたのだがな」
「それは相手が本気で殺しあえるぐらい強いやつの場合だけだ。一般人を追い回してとっ捕まえるなんていう七面鳥狩りみたいなのはやりたくない」
さっきまでこの部屋にいた柏木という女はかなり強そうだったが、式と同じく鬼の役割であるため戦いあうことは禁止されていた。
「強いやつというと、君がこの間戦ったアサガミフジノとかいう相手ぐらいのものかね?」
「ああ、あいつぐらいなら大歓迎だな」
なんでこいつが藤乃のことを知ってるのかちょっと疑問に思ったが、たぶん橙子がしゃべったのだろう。
「あのおしゃべり」
自分をうまく言いくるめてここに連れてきた魔術師に、何度目かの舌打ちを式はした。
「それなら、うってつけの相手がここにはいくらでもいるぞ」
ばさり、と式の顔の横に書類の束が投げられた。
それでようやく式は目を開けて、その中から適当に一枚紙を抜き取って見た。
「その男は蝉丸といって、身体の力を常人の何倍にもあげた強化兵・・・」
「お前、うるさい」
ワラキアを黙らせて、式は書類に貼り付けられている写真を凝視した。
「ク・・・」
唇の端を吊り上げて笑う。書類に書かれていることや説明を聞くまでもない。橙子や藤乃と出会ったときと同じだ。
顔を見ただけで、こいつが自分と同じで外れているやつだと分かった。生で顔を付き合わせれば、それはもっとはっきりするだろう。
「ククク」
他の書類のやつも、同じ匂いを放つ顔をしている。
「やる気になったかね」
「ああ、こいつらなら十分だ」
さっきとは打って変わって晴れ晴れとした顔で、勢いよく式は起き上がった。

279 名前: 両儀式 投稿日: 2003/10/28(火) 00:06
ホテルを出てから約一時間、式はぶらぶらと道なりに歩いていた。
早くあいつらと戦いたいという気持ちはあったが、その前にこの環境に慣らしておく必要があった。
どうも直死の魔眼の調子がおかしい。いつもなら少し気を抜いただけで見えてしまう「線」が、目に力をこめないと見れない。
ありったけ集中して、中天をにらみつけた。すると青空に透明な薄い幕がしかれたようになり、そこに線が走る。
「結界か」
魔眼のような超常的な力を弱める結界が、島全体に張られているようだ。
「おれがいた病院のやつと似てるな」
誰にともなくつぶやいた時、たったったと走り去る足音を聴覚が捕らえた。
即座に式はその方向に走り出す。相手もそれなりに足が速いが、下駄を履いているにもかかわらず式の疾走速度はそれを軽く上回った。
あっさりと手の届く距離まで追いついた。
相手もそれがわかったのかさらに速度を上げようとして・・・・・・・・・・・・すべって転んだ。
「うぐぅ!」
顔面から派手に転んで動かなくなった少女の背中を容赦なく踏んづけて、式はその姿を魔眼で見た。
「違う」
あきらかに人とは違う力を少女は持っているのがわかる。だがそれは戦闘に向くようなものではなさそうだ。
だいたい、逃げようとして転ぶやつが式と互角の戦いができるはずがない。
「誰か他のやつに捕まえてもらえ」
言い捨てて、式は動かない少女を残してその場を立ち去った。

 【両儀式  所持品 ナイフ  現在位置 島東北部】
 【月宮あゆ  所持品不明  現在位置 島東北部】

280 名前: 傍観者達の戯言 投稿日: 2003/10/28(火) 00:07
「あいつも勝手なやつだ。鬼なんだから、参加者を捕まえないでどうする」
いくつものモニターが並んだ部屋。その中の式を映すモニターを見て紫煙を吐きながら苦言を言う蒼崎橙子の隣で、荒耶宗蓮は椅子から立ち上がった。
「なんだ、帰るのかアラヤ」
「この島に結界を張り巡らせるという我の仕事は終わった故に」
「そう言わずにもう少し見ていったらどうだ」
「このような下衆の見世物に興味はない」
「お前の目当ての式もいるというのに?」
「ここは不確定な要素が多すぎる。魔術師もどきも超能力者もいる上に、模造とはいえ抑止力の一つの形である真祖までいる。ここで両義の娘を捕らえたとしても邪魔をされる可能性は高い」
「そうか、なら好きにしろ。私は最後まで見ていく」
参加する気はさらさらないがね、と言った後、橙子はちょっと考えるしぐさをした。
「なあ、アラヤ。わたしたちにこの島に色々と仕掛けをさせた張本人はなにを考えてこんなことしでかしたと思う」
「壷毒のたぐいであろう。これだけの人間を閉鎖空間で緊迫状態に置けば、いやでもそれぞれの垂れ流す意識が交わってなんらかの魔術効果が生まれる。それを仔細に計測するだけでも貴重な記録になる」
「わたしもそうじゃないかと思っていたんだがな、ちょっと気になることがある。ワラキアの夜が参加者になにを言ってるか知っているかね」
「知らぬ」
「脱出せずに最後まで島に残ったものは、なんでも願い事がかなうと言うんだよ。これでなにか気づくものはないか」
「聖杯か。だがサーヴァントが召還された気配はない。ましてこれの参加者は七人どころではないぞ」
「聖杯はもともとは聖杯戦争なしで手に入る代物だったじゃないか。もし聖杯とまったく同じ効果をもたらすマジックアイテムがこの島にあったとしたら・・・」
「我の考えもそうだが憶測に過ぎんな。そのようなものに貴重な時間をかけるわけにはいかん。さらばだアオザキ」
声が消えたときには、荒耶の姿も一緒に消えていた。
橙子はもうしばし考えていたが結局それを放棄して再びモニターに視線をやった。

281 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 00:10
ワラキアの言葉がウソか本当かという話があったんでこんなんにしてみました。
まだ出てないゲームの設定出してどうすんだおれ。
というわけでこれはあくまで橙子さんの考えですから別に変えてくれても全然けっこうです。
橙子さんと荒耶は当然鬼ごっこには参加しません。
あと、両儀式というのはタイトルです。

282 名前: 逃亡不可能? 投稿日: 2003/10/28(火) 00:19
ごりごりごりと、木を削る音が聞こえる。
もう何時間取り組んでいるだろう?相沢祐一の手には早くもマメが出来ていた。

あれから祐一は考えた、
こういう脱出ものの話だと、かならず最後はイカダで脱出なんだよな…
と、いうことは何も考えなくてもイカダを作って帰ればいいだけじゃないか?
自分の支給品は幸い大工道具一式だった。これこそ天の配剤。

こうしてイカダ作りに励む祐一だったが、
しかし、木を切るという行為は思った以上の重労働だった。
もう太陽はほぼ頂点に達しているというのに、未だに1本しか切り倒すことが出来ないでいるのだ。

汗だくになった額を袖口でこすっていると、自分の方へと近づく男が見える。
レーダーには反応が無い、鬼ではなさそうだ。
やがて祐一の近くまでやってきた、その大学生風の男はその様子をみて、いきなり眉を顰める。

「お前?何やってんだ?」
「見れば分かるだろ、イカダ作ってんだよ」
「イカダぁ?」

男は溜息をついて呆れ顔で祐一を見る。
「お前…地図みたか?」
リュックから地図を取り出し、それを眺める祐一、海岸線がやたらとぎざぎざなのが、
少し気になったが、それ以外のことはわからない。

理解できないのなら見せてやる、そう言って男はデジカメの電源を入れて、
液晶画面を祐一に見せつける。
「あ…」
そこに映っていたのは、人を拒絶するかのような絶壁だった。
彼が言うには、自分の目で全てを確かめたわけではないが、地図の情報通りなら、
島の海岸線のほとんどをこんな絶壁が占めており、イカダを降ろす場所なんてどこにもなく、
一応ここから南にいけば入り江が、東に行けば漁港があるが、
南に行く場合は山を越えて、さらに何の遮蔽物のない平野を抜けていかなければならず、
港に向かう場合は島をほぼ横断するほどの移動をしなければならない上に、
途中で市街地を通らなければならない。

「たとえここでイカダを作っても…お前、港まで持っていけるか?」
男の言葉にへたりこむ祐一、ここまでの苦労は何だったんだろうか?

「じゃあな…俺は行くぜ」
それからしばらくして祐一が落ちつきを取り戻したのを見てから、男はその場を立ち去ろうとする。
が、しばらく何かを考えたようなそぶりを見せると、頼みたいことがあるんだ、
と、もう1度祐一の方へと振り向いた。
「速瀬水月、鳴海孝之、涼宮遙…もしこの3人に出会うことがあったら平慎二が
ここで待っていると伝えてくれないか?」
慎二は祐一の持っている地図に赤丸をつけると、必ず頼む、と言い残し、
そのまま林の奥に消えていった。

【相沢祐一  所持品大工道具一式  現在位置 島西部の森】
【平慎二   所持品デジタルカメラ 現在位置 島西部の森】

283 名前: 再会と出会い(1/2) 投稿日: 2003/10/28(火) 01:27
「さて、どうしようか」
 いかだ作りを放棄した相沢は今後の方針に悩んでいた。
 今、自分は島の西にいる。南は山、東は市街地。
 まあ、普通に考えたら、市街地で食料調達だが、他の参加者もそう考えるだろうし、その思考は鬼に読まれている可能性が高い。
 この際、さっきの平さんについていけばよかったと思った。後の祭りだが。
 散々に迷った後に結論を下す。島を横断し、港に向かおう。そこでいかだを作り直す。
 鬼の危険は強いが、やはり持っている物は活用しなければいけない。
 また、知り合いに会う可能性も高い。親友の香里や北川、舞などなら戦力になるし、あゆや真琴は守ってあげないと危なっかしい。
 そう思い、歩きはじめる。心の底に不安を抱えながら。

 しかし、その不安はすぐに払拭される。知り合いを見つけたのだ。
「祐一〜!」
 水瀬名雪は同居人の相沢祐一を見つけるやいなや、全速力で駆け寄った。仮にも陸上部の部長なので、やたら速い。
 名雪の声に反応して振り返る祐一。途端に、顔を綻ばせる。
「よかった。無事だったのか!」
「うん!」
「花子!」
「違うよ〜」
「太郎!」
「私、女の子」
「……」
「……」
二人が無言のまま互いに見つめあい、その後、くすくすと笑いあった。
「冗談だ、名雪」
「解っているよ、祐一」

 二人は歩きながら、お互いの情報を交換する。
「それじゃあ、舞はその集合場所で待っているって言っていたのか?」
「うん、佐祐理さん、たぶん倉田先輩のことだと思うけど、その人をしばらく探してから、って」
 名雪は既に舞に会っていた。名雪も舞も、祐一と同じ島の西部にいたのだ。その時、舞と明日の正午に集合しようと伝えられたのだ。
「でも、お前って、舞と面識あったっけ?」
「ないよ〜。だから、ちょっと恐かったよ。でも、『祐一のお友達?』って聞いてきたし」
「舞は良い奴だぜ。まあ、学校じゃ色々言われているが。信用できる」
「うん、祐一がそう言うなら、私は信じるよ。でも、どうして一緒に来てくれなかったのかな?」
「う、まあ、照れ屋だし、人見知りもする奴だからな……。よし、当面は、俺達は俺達で知り合いを探すか」
「そうだよね。また、会えるよね。舞さんにも、皆にも」
 その時、突如、前方に人影が現れた。
「隠れろ、名雪!」
 素早く名雪に指示を出すと、祐一はリュックから大工道具のトンかちを取り出す。全然頼りないが、無いよりはましだ。
 しかし、人影は、自分たちに警戒することなく悠然と近付いてきた。
「おい、そこの二人。参加者か?」
 その人影はいかにも普通そうで穏やかな顔をした青年だった。

284 名前: 再会と出会い(2/2) 投稿日: 2003/10/28(火) 01:28
「もうすぐだ。もうちょっと歩いたら、アジトに着く」
 もう一時間以上、南の山に向けて歩きっぱなしだ。前を歩く男、宮田健太郎に従ったのは間違いだったかもしれない。
 宮田健太郎、彼は仲間を集めていると言っていた。
 このゲームは、いかに参加者同士の同盟を大きくするかにかかっていると健太郎は言う。
 鬼役がどれほどのものか解らないが、数の優位さえ保っていたら逃げることぐらいは出来る。そう、健太郎は言った。
 祐一はその点で同意し、名雪とともに、健太郎についていくことを決めた。
 如何せん、今の装備では心細過ぎる。自分の命も含めて、名雪を守りきれるかどうかは解らない。
 健太郎には一人仲間がおり、その仲間も人を集めているらしい。
「今は二人だけだけどね、いや、君たちが入ってくれると四人だけど」と、健太郎は気さくに笑った。
 つられて二人も笑う。健太郎の仲間の人が連れてくるであろう人間が、知り合いである事を祈りながら。

「これは遺跡ですか?」
「うわぁ……」
 名雪は驚きの声をあげた。しばし二人とも呆然とする。
 山の麓に雄大にそびえ立つ巨大な遺跡。あちこちに石で出来た階段がある。
 また至る所で崩れた跡があり、少し離れないと全体は見えないが、中央に向かって段が高くなっている。
 航空写真から見たら、ピラミットに見えるかもしれない。だけど、細かく見ていくと、ここはお墓と言うより街の跡に見える。人が住んでいた名残のように、井戸や、広場や、家々が並んでいた。
「ペルーの空中都市、マチュピチュ……。ちょうど、こんな感じだよ。もっとも、こんな紛い物とは違うけどね。第一、日本にこのタイプの遺跡があるはずがない。それに……」
 そこから健太郎は口を紡ぐ。二人は先を促さなかった。
(これは明らかに人工的に作られたもの。確かに、家の中や石の成分を見る限り、この遺跡の外観は本物の年代物。しかし、中に入るとすぐに違和感が生じる)
 宮田健太郎は職業柄、考古学にも詳しい。その健太郎も、外から眺めている分にはこの遺跡が偽物だとは気付かなかった。だが、遺跡内のシュールさにしばし絶句した。あくまで、健太郎はだが。
(解らない。何故、このようなものを作るのか解らない。ゲームのため? それにしてはあまりに杜撰な作りだ。意味がまるで読めない。くそ、なんのためにあれだけ考古学を学んだのか)
 健太郎は内心、苦悩する。だが、後ろの二人にそれを悟らせないところは、さすがに年長者である。

「誰です!?」
 少年の声が、かつての住居と思しき建物から発せられる。その中は陽がまるで当たらず暗いため、姿は確認できなかった。
「俺だよ、尊人君」
「よかった、宮田さんか」
 少年の声に警戒の色が薄れた。そして、ゆっくりと建物から出てくる。
 綺麗な顔をした少年だった。雰囲気からおそらく年は同じくらいと思うが、童顔のせいで祐一達より幼く見える。
「知り合いなの?」
 その少年の後ろから声がする。見ると、抜群の美少女がいた。
 見覚えのある顔である。だが、知り合いではなかった。
「あんた、緒方理奈か? あのトップアイドルの……」
 祐一が口をぽかんと開けて、理奈の顔をまじまじと見る。祐一の言葉で、健太郎もようやく気付いたようだ。
 尊人と言う名の少年はきょとんとした顔をしていた。話しについていけないみたい。
 
 そして、名雪はぶすっと頬が膨らんでいた。


【相沢祐一   所持品大工道具一式  現在位置 島南部の遺跡】
【緒方理奈   所持品未定 現在位置 上に同じく】
【水瀬名雪   所持品未定 現在位置 上に同じく】
【鎧衣尊人   所持品未定 現在位置 上に同じく】
【宮田健太郎  所持品未定 現在位置 上に同じく】

285 名前: ブレイカーズ(1/2) 投稿日: 2003/10/28(火) 02:25
「おい!兄ちゃんよう…リュック置いていけや」
のっそりと歩く男の背中に声を掛けたのは、まるで鮫のようなぎらついた目を持ち、
禍禍しい雰囲気をたたえた男、纏ったぼろぼろの兵隊服がそれをより際立たせている。
「命まではとりゃしねぇよ、安心しな」

しかし男はそれには構わず、さらに進もうとする。
「おい!耳ぃついてんのか、話聞け!」
兵隊服は手に持った短銃を、相手の足元向けて発砲する。
そこまでして、ようやくもう1人の男が振り向く。
こちらは兵隊服の男とは対照的に、胡乱な雰囲気を纏った隻眼の男だ。
「なんで…」
ぇ!?と最後まで叫ぶ前に兵隊服は隻眼によって瞬時にぶっ飛ばされていた。

だが隻眼の男は自分の拳を見て、何やら不思議そうな顔をしている。
まるで、普段の自分とは違うようなそんな表情で。

「やりゃあがったな、でもよう…この距離ならしくじらないぜ」
兵隊服は距離を取ると、短銃を構えなおす。
隻眼の男は相変わらず胡乱な雰囲気をたたえたままだ。
だが、2人は気がついていなかった、彼らの足元に置かれたレーダーが、
僅かながら振動してるということに。

その発信源である柳川裕也は、レーダーの有効範囲ギリギリの場所で、対峙する2人
隻眼―――軋間紅摩と兵隊服―――御堂の様子を眺めていた。

286 名前: ブレイカーズ(2/2) 投稿日: 2003/10/28(火) 02:28
ホテルの一室、そこで9人の男女が顔を見合わせていた。
言葉は無く、殺伐とした雰囲気が場を支配している。
「とりあえず揃っているようだな」

そんな中、ワラキアは平然とパイプイスに腰掛ける。
そこで両儀式が呟く。
「最後の1人はどうした?」
「さあな?」
空とぼけるワラキア。

さて、と口に出してワラキアは話を切り出していく。

「基本的な事は今回は省くが、これだけは繰り返して言っておく、
 お前たちのノルマは10人だ、とりあえず10人捕えればそこでお役御免、だ」
ワラキアは一旦言葉を切る。
「ただし、途中でお前たちの中の誰かがリタイヤした場合、そのリタイヤした者のノルマが
 残った者たちに割り振られることになる」

「つまり、そこの機械人形が1人も捕まえられずにぶっ壊された場合、俺たちにそのツケが
回ってくることになるというわけか?」 
「それはどういう意味ですか」
「2人ともやめないか…」
にらみ合う式とセリオをなだめて、またワラキアは話を続ける。

「そして、ゲ―ム終了時までにノルマを達成できなかった場合」
そこでワラキアは千鶴の方を見る。
「柏木耕一も」
セリオを見る。
「来栖川綾香も」
月島拓也を見る。
「月島瑠璃子も」
「もう2度とお前たちの元には戻らないと思え、話は以上だ」

なるほどな…2人の対峙を見ながら柳川は呟く。
ぐずぐずしていれば"共食い"ですぐに数は減っていく、それを見越してのノルマか…
柳川はそのまま砂浜を離れ、また内陸部に向かう。新たな標的を見つけるために。
「弱い奴から先に喰われる…か」


【軋間紅摩  所持品?          現在位置 島南部 入り江】
【御堂     所持品コルトガバメント  現在位置 島南部 入り江】

【柳川裕也(鬼)  現在位置 島南部入り江から内陸部へ 残りノルマ10人】

287 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 02:43
ところで、葉鍵月については多分大丈夫だと思うんだけど
猫と揚を書ける人ってどれくらいいる?

君望は大丈夫そうだけど
みずいろとマブラヴはどうでしょ?
特にマブラヴについては結構不安だったり

288 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 12:43
これがそれぞれの集合場所と時間の一覧表です」
「ごくろうさま」
琥珀が差し出した数枚の紙を、月島拓也は受け取った。
市街地の中のビルの一つ。会社のオフィスのような場所のことである。当然ながら社員などいない。
紙に目をやって、月島は眉をしかめた。
「なにも書いてないように見えるのは僕の目の錯覚かな?」
「ちゃんと書いてますよー」
ごそごそと袂をさぐって琥珀はペンを取り出した。
「簡単マジックセットって知ってますか?デパートのおもちゃ売り場にあったんですけどその中のこのペンで
書いた文字は、一緒に入ってた粉薬を溶かした水につけないと見えないようになってるんですよ。粉薬はある
場所に隠しておきました。わたしがこの建物の出口についたときに月島さんの姿がこの階の窓から見えれば
その場で隠し場所を紙に書いて置いていきます」
「用心深いね君は」
「テレビだと、わたしみたいな裏切り者は情報渡した時点で消されちゃうじゃないですか。それを防ぐのは
当然のことだと思いますよー」
あはー、と笑う琥珀に、月島は改めて警戒心を抱いた。
他の参加者の集合場所と時間を探り出してくるから見逃してほしい。
ろくな抵抗もせずに捕まったこの少女がこんな提案をしてきたときには、単に助かりたいがだけのその場
しのぎな考えからきたのかと思ったが、よく考えてみるとこの提案には色々と裏がある。
これで集合場所と時間を知った月島は、当然その時間になればその場所へ向かう。
つまり、それによって琥珀はこの島のどこにいるかわからない鬼の一人が、どの時間にどの場所にいるのか
知りえることになる。
その時間にその付近にいなければ、捕まる可能性はわずかだが減る。いや、これからも捕まえられたときに
これを交換条件として提示していけば、鬼はさらにその場所に集まり可能性はどんどん増えていく。
こんな狡猾なことを考え付く少女を野放しにするのは危険だ。

289 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 12:44
「君は用心深いけど、さすがにこれは気づかなかっただろうな」
琥珀の額に、すっと手を伸ばす。
「僕は他人の精神を操って人形にすることができる。君には人形になってもらってこれからもこういう情報を
もっと集めてもらおうか」
琥珀は一瞬怪訝な顔をしたが、すぐにさっきまでの微笑をたたえた顔に戻って首を振った。
「やめたほうがいいですよ。月島さん死んじゃいますから」
「なんだと?」
再びたもとに手を入れて、琥珀はリモコンスイッチを取り出した。
「わたしのアイテムは、ダイナマイトとその起爆装置だったんです。説明書に書いてあったとおりなら、
このビル爆破できるぐらいの威力だそうですよー」
「それをこのビルにしかけておいたと」
「はい、それもちょうどこのフロアの真下です。月島さんがわたしを人形にするのとわたしがスイッチ押すのと
どっちが早いですかねー」
「・・・ふん、負けたよ。早く行け」
「爆弾回収していきますから十分ぐらい待っててくださいね」
ぱたぱたと琥珀が階段に消えると、月島は盛大に舌打ちをした。
「捕まえたときにすぐに人形にしておくべきだったな。今度からはそうしよう」

「念のため用意しといて助かりました」
ビルが見えなくなると、琥珀は手に持っていたおもちゃのリモコンをぽいっと捨てた。
マジックセットと一緒におもちゃ売り場で手に入れたものだ。
「最近のおもちゃってほんとに外見そっくりに作ってありますねー」

290 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 12:45
(そういうことだったとはな。あのくわせもの)
机の影に身を潜めながら、霧島聖は心の中で琥珀をののしった。
琥珀や浩平と別れた後、早めにねぐらを確保しておこうと建物の中に入って休んでいるとセンサーが
振動した。
机に隠れて気配をうかがっていると、月島、続いて琥珀が入ってきてなにか話をしていた。
かなり離れていたため二人の会話はよく聞こえなかったが、琥珀が他の参加者を鬼に売ったのは明らかだ。
(とりあえず、今はこの建物を脱出することだ)
月島はその場を動こうとしない。下に下りる階段にはどうやってもその面前を通らなければたどり着けない。
もうしばらく、ここでじっとしていよう。

 【琥珀  所持品 不明 場所島西部市街地】
 【月島拓也(鬼)  場所島西部市街地ビル内】
 【霧島聖  所持品 不明  場所島西部市街地ビル内】

291 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 12:47
>>257の続きです。
>>287
ごめん、おれ猫揚は全滅・・・
申し訳ない。

292 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 12:57
葉月しかやってないや
ぶっちゃけ猫はいらんと思うがな

293 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 13:42
>>277
毒電波は便利だからなあ。
有効射程は四十メートル。(センサー外からできるのはさすがにまずい)
操れる人数は最大二人。三人目を操ると自動的に一人目は解除ってことでどう?

294 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 16:18
俺も猫揚は無理。ただ、紹介サイトなどで情報を集めようとはしてるが。
なかなか集まらんけど。

295 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 16:39
「ジャンケンポンっ!」
「あ・・・」
「えへへ、わたしの勝ちっ!」
Vサインをする三井寺月夜に対して、天野美汐は憮然とした顔でパーを出した自分の手をみつめた。
もっとも、彼女の場合表情の変化に乏しいためそれほど悔しそうには見えないが。
「それじゃあ、天野さんお願いね〜」
「はい」
月夜が差し出したヘルメットを持って、美汐はとぼとぼと歩き出した。
二人が気づいたのは島南部の山中で、スタートからずっとさまよっていた。
二人が出会ったのは一時間前で相談してとりあえず山から出ようということになったのだが、地図では最短距離に見えた北への道は勾配のきつい悪路でなかなかはかどらなかった。
(実は二人が出会った場所から西に進めばすぐに健太郎たちの遺跡についたのだが、もちろん二人は知らない)
いいかげん体力の限界が近いと感じたとき、眼下に川が見えた。
最初に渡された水は半分以上飲んでしまっていたので水の補給をすることにしたが、川は二人のいる道からかなり下らなければいけない。
互いに疲れきっていてこれ以上余計な距離を歩きたくなかったのでジャンケンで負けたほうが水汲みに行くことになり、美汐はみごとに負けてしまった。
ヘルメットは月夜のアイテムで、ないよりはまし(本当にないよりは、だ)と言われて持たされた。
えっちらおっちら道を下って川についた美汐は、靴と靴下を脱いでくたびれた足を清流にひたす。
「ふぅ」
骨まで届くような冷たさがかえって心地よい。
川は途中までは浅いが中ほどは深くなっており、流れも急だ。足を滑らせれば流されて溺死する危険は高い。
(でももう少しだけこうしていましょう)
待たせる月夜には悪いが、これぐらいは役得だ。
そう思ったとき、ポケットのレーダーが振動した。
「! ど、どこに・・・」
それらしき姿は周囲にない。それでも振動は急速に強くなり、鬼がすごい速度で近づいていることを示している。
ヘルメットはあくまで防具だ。武器にはならない。
「そうだ、小石を投げれば武器に・・・・・・!!」
そう思って石を拾おうとかがんだ美汐が見たものは、水中から彼女を見上げる青い目の女性だった。

296 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 16:40
「これで二人」
石切花枝は空に飛んでいく青い光につぶやいた。
水中でしか能力が発揮できない彼女は鬼の中では最弱と思われているが、一つ利点があった。
普通鬼が迫っていると知れば遠くを見る。ために足元の水中が手薄になって下から接近する彼女に気づきにくい。
「さて次は」
鬼に配られた参加者のよりも詳細な地図によれば、このまま川の中を行けば途中に大きな池に出る。
そこの近くに遺跡があり、そこをアジトにするものにはその池が水のみ場になるはずだ。
そこでしばらく張っておけば何人か捕まえられそうだ。
そう思い水中に没しようとしたとき、視界の端に人影が現れた。

「天野さんどうしちゃったんだろう」
いつまで待っても戻ってこない美汐を心配して、月夜は美汐のアイテムであった斧を片手に水辺まで下りてきたのだ。
月夜のいた位置からは、光は木が邪魔していて見えなかったのだ。
川について真っ先に目に入ったのは、川に浮いている美汐に貸したヘルメットだった。
「天野さん!?」
美汐が川におぼれたと勘違いした月夜は、斧を放り出してヘルメットに向かった。
なぜ流れのある川でヘルメットが同じ場所で漂っているかも考えず。

「おや」
ほぼ同じ場所から立て続けに光が飛ぶのを、鹿沼葉子は遠くから見た。
「これはわたしも急がないといけませんね」
言うが早いが、葉子は走り出した。
一本道の先、豆粒ほどだった人影がどんどん大きくなる。
葉子の接近にレーダーで気づいたのか、あわててなにか構えようとしているがもう遅い。
すれ違いざま、首輪を引きちぎった。
「運が悪いですね。もう五分前に出会っていれば三人目だったのに」

 【天野美汐 ゲームオーバー  所持品斧(河原に放置)】
 【三井寺月夜 ゲームオーバー  所持品ヘルメット(河原に放置)】
 【石切花枝(鬼) 南部山中の池に移動中  残りノルマ七人】
 【鹿沼葉子(鬼) 南東部  残りノルマ九人】
 【天川蛍 ゲームオーバー  所持品 その場に放置】

297 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 17:04
kanon君望痕雫THこみぱうたわれ天いな月姫らっきょしかやったことない。

298 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 18:12
>>287
俺が書けるのは葉(ルーツ除く)月鍵と君望
みずいろとマブラヴはやってない、ただしマブラヴは結構情報が多いし
キャラの個性も強いので、知らなくても大丈夫だとは思う
(無論、ネタバレをいとわない情報収集ありきですが)

問題はみずいろだなぁ・・・・これは序盤の生贄役決定か

299 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 18:15
俺は葉月君望だけならおk

300 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 18:16
>>293
人数はそれでもいいけど、射程40メートルでもまだ強いかもね
最大射程が40メートル、んで確実に成功するには25メートルまで近づく必要があり
それ以上離れると、成功率が落ちていく、こんなもんでどうでしょう?

301 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 18:27
ふと思ったけど
祐介の破壊爆弾って凄まじく強いんだな・・・

302 名前: 再会と出会い(2/2) 投稿日: 2003/10/28(火) 18:51
御堂は出たから、光岡に代えるという案は無しね。

ルーツは結局、参加決定?
だとしたら、鬼は誰にするの?
醍醐、宗一、リサと三つの案が出てるけど。

303 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 19:10
宗一は逃げる方が得意そうだからリサとか?

304 名前: あなたを、名無しです。 投稿日: 2003/10/28(火) 20:01
>302
スマソ、今気付いたが、ミスっていたな。

305 名前: 脇役哀歌 投稿日: 2003/10/28(火) 21:13
「おれのダチなんか上は居候先のおばさんから下は病弱な後輩までだぞ?信じられるか」
「うわっ負けた。おれの友人はせいぜい学校の先輩までだ。そのかわり人数が七人だ」
「ふふふ、甘いな住井。おれの友人などは両手の数でも数え切れん!」
「なにぃ!」
「それは許せん。男の敵だ!」
「さあ、今こそ立ち上がれ国民!独裁者を打ち倒すのだ!」
「「「おー!」」」
三人で拳を突き上げて、ふと我に帰る。
「なんでおれらは友人の女の数を教えあっているんだ」
「「さあ・・・」」
これまた三人一緒に首をひねる。作戦会議のはずがどうしてこうなったのやら。
「本題に戻ろう、本題に。たしかこれから一緒に行動するかどうかってとこまでいってたよな」
「いや、まだそれぞれが何をもらったか確かめてなかった」
「そうだったな」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
なぜか全員黙り込む。
「・・・北川、お前から見せてくれ」
「そういう住井からお先にどうぞ」
「いやいや、やっぱりここは世慣れてそうな乾から」
「世慣れてるのとなんの関係があるんだよ」
くだらないことでごたついた後、いっせいに見せることにした。
「見ても笑うなよ・・・いっせいのーで!」

306 名前: 脇役哀歌 投稿日: 2003/10/28(火) 21:14
「!!」
「!!・・・くっ」
「!!ぶわはははははははは!」
「笑うなって言ったじゃないか!」
「お前だって顔にやけてるだろ!あははははははは」
三人は腹を抱えて転げまわった。
住井護が出したのは、夜店で売っていそうな特撮ヒーローのお面。
北川潤のは手のひらサイズの青色をしたスライムのようなもの。丁寧に目までついている。
乾有彦にいたっては納豆とでっかく表に書かれた一抱えはある袋だった。
「わははは、おまえらなんだよそれは」
「外見で馬鹿にするなよ。このお面はライフル弾が当たってもひび一つ入らないしろものだぞ」
「それならおれのスライムもすごいぞ。十メートルは伸ばせるし、そこに大人がぶら下がっても切れないんだぞ」
「ふふふ、納豆を甘く見るなよ凡人。こいつはトリモチぐらいの粘着力がある。おまけに」
「「おまけに?」」
「無添加だから食ってもうまい!」
「・・・・・・なあ、乾。そんなもの食ったら顎が引っ付いて口開けれなくなるんじゃないか」
「おお!言われてみればそのとおり!」
「「「わはははははは」」」
また三人で馬鹿笑いする。
が、すぐにその笑いは小さくなっていった。
「・・・・・・・・・・・・・・・要はおれたちの持ち物、そろってスカ?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・言うな」」
うすら寒い風がヒューと吹いた。

【住井護  所持品 お面(耐弾性)  現在位置 島東部岬付近】
【北川潤  所持品 スライム  現在位置 上に同じ】
【乾有彦  所持品 強力粘着納豆  現在位置 上に同じ】

307 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 21:16
十人目の鬼は500getした人が決めるってどう?

308 名前: Battle Without Honor or Humanity(1/3) 投稿日: 2003/10/28(火) 21:19
ピーッピーッ、小屋に潜む秋葉たち4人のレーダーが激しく振動する。
4人の顔に緊張が走る…。
今、4人は小屋の中に身を潜め、鬼が通り過ぎるのを待っている。
何とか気付かないでくれと祈りながら。

(そう思っていても無駄ですよ)
セリオは小屋を無機質な瞳で見つめる、その瞳に映るのは小屋の中に潜む4人の体温。
それが彼女の視覚センサーにはくっきりと像を結んでいた。
「機械である私にかくれんぼは通用しません」
セリオはゆっくりと小屋に向かって歩いていった。

おかしい…
先程からけたたましく警報が鳴っているのに、未だに鬼が襲いかかってくる様子が無い。
と、言うよりこの音が示す情報が正しければ、すでに鬼は彼女らの目前に迫っているはずだ…。
一体どこに?その時屋根が僅かに軋んだ。

「上ですの!」
すばるの言葉に全員が天井に注目する。
と、同時に天井が蹴破られ、弾丸のようなスピードで何者かが着地する。
その正体は一見すると女子校生といった感じだが、耳のヘッドギアがその表情が、
彼女が人間ではない異質の存在だということを証明していた。
「鬼…」
呟きと同時に秋葉の髪の毛が赤く変わっていく、だが。
「ぐふっ」
瞬時にセリオの回し蹴りを受け、能力を発揮できずに吹っ飛ぶ秋葉。
「収奪結界・檻髪は確かに強力な能力ですが、戦いの素人である貴方には宝の持ち腐れです」
確かに秋葉の髪に捕らえられれば、ほぼ脱出は不可能だ、しかし髪を伸ばすには、
秋葉自身が確実に目標を視認し、なおかつ相手を捕獲するイメージを明確に思い浮かばせなければならない。

そして秋葉も気がついていた、それに加えて普段に比べて力がやや落ちていることを。
「まずは貴方からです」
そのまま間髪入れずに、巧妙に秋葉の死角から彼女に襲いかかろうとしたセリオだったが、
今度は彼女が横合いからの飛び蹴りで吹っ飛ぶ番だった。
床に叩きつけられる前にひらりと着地するセリオだったが、そこにすばるが立ちふさがる。

「秋葉さん振り向いては駄目ですの!それからここに戻るのもだめですの!逃げて!」
秋葉はやや迷った風な表情をみせたが、すぐに立ちすくんだままの繭とみちるの手を引いて小屋から逃げ出す。

そして小屋に残されたのは、すばるとセリオ2人だけとなった。
まずはすばるが先に口を開く
「秋葉さんたちをわざと逃がしたのはどうしてですの?」
セリオは微笑を浮かべて答える。
「逃がしたのではなく、先にあの3人を捕らえてから貴方と戦うつもりだったのですが
 予想以上に素早い対応でした、流石です」

セリオはそのまますばるに向かい構えを取る。
「その構え…」
「おわかりですね?…影の実力No1といわれた貴方との対戦を綾香様は熱望してやみませんでした」
「そして嘆いておられました、その力を捨てて何故、マンガを選んだのかと」
「本来、こんなムダな事はしていられないですのが、相手が貴方なら別です…私を来栖川綾香と思って
 戦ってください」

309 名前: Battle Without Honor or Humanity(2/3) 投稿日: 2003/10/28(火) 21:19
「来栖川さんには悪いと思っていたですの…でも」
「貴方の同意はこの際必要ありません、私はあくまでも綾香様の戦闘データを持って戦うと、
 宣言したに過ぎませんよ」
「選択の余地はないということですのね…」
すばるもまた構えを取る。
「御影すばる、参る!」

無人の小屋の中で2人の拳の音が木霊する。

めまぐるしい攻防の中、セリオの上段蹴りがすばるの目の前で変化し、
そのまま足刀となってすばるの膝元に叩きこまれようとする。
それをすばるは両手で受けとめ、セリオの体勢がぐらついたのをみて、みぞおちめがけ掌底を放ったが、
セリオは素早く飛びのいて回避し、今度は軸足をわずかに浮かせて上段左回し蹴り。
これもすばるは首をわずかに反らせて避けると、同じく左回し蹴りを放つ、2人の蹴り足が空中で交差する。
一瞬の間…2人は閃光に打たれたように同時に飛び退き、間合いを取る。

ここまではまったく互角。
学年こそ違え、かつて攻めの来栖川、守りの御影と学生格闘技界では並び称されていた。
それゆえにもし戦えばその勝敗は予測不可能とも…。

だが、すばるは気がついていた、この戦い、長引けば自分の負けだ。
機械であるセリオは当然、疲れるということを知らない、しかもこの正確極まりない攻撃を、
何時までもさばききれる自信もなかった。

(勝負をかける必要があるですの)
今度はすばるから仕掛ける、地を滑るような動きと共に肘打ちがセリオの胸元へ肉薄する。
ガードの姿勢を取るセリオだったが、肘はセリオの目前で停止する。
「!!」
その一瞬のスキをすばるは見逃さなかった。
「流牙旋風投げ!」
まともにすばるの技を受け、空中に浮きあがったセリオ、それを見て一気に勝負をかけるすばる。
「大影流奥義!地龍走破…」
だが、その時セリオの動きがありえない軌道を描く。
(空中制御…)
そう思ったときには遅く、セリオの連続蹴りが、スキだらけのすばるの肩と背中に叩き込まれていた。

310 名前: Battle Without Honor or Humanity(3/3) 投稿日: 2003/10/28(火) 21:20
そのころ、命からがら小屋から逃げ出した秋葉たちだが、重大な問題が発生していた。
みちるちゃんがいない!?
繭は泣いてばかりでまるで要領を得ない、慌ててその場を探す秋葉だったが、
その時青い光が小屋の方から空へと舞い上がっていく。
あれはすばるなのか…みちるなのか?
いずれにしても、こうなるともう後戻りはできない。
秋葉は泣きつづける繭の手をしっかりと握って、そのまま逃げつづける。
心の中で2人に謝りながら。

そして小屋の中では…。
「ずるい…ですの」
未だに起きあがれないすばるがセリオへと悪態をつく。
「データは収集できました、少なくとも100回中、51回は綾香様が勝たれるであろうということを…
 ともかくこれで綾香様にご報告が出来ます、それに」
「今の私には敗北は許されないのです…では失礼」

セリオが倒れ伏したすばるの首輪を回収しようとした時だった。
「にょわーっ」
元気な掛け声と同時に鉄パイプの一撃がセリオの後頭部に炸裂した。
無論、ダメージは皆無だったが、勝利の余韻をジャマされたセリオは面白く無さ気に振り向く。
「目触りです」
その冷たい眼光に一瞬ひるんだみちるだったが、それでも鉄パイプは手放さない。

「やめる…ですの」
蚊の鳴くようなすばるの声、だが届くはずもない。
セリオは容易くみちるの身体を取り押さえ、その首輪を引きちぎる。
同時に青い閃光、それが晴れたときにはみちるの姿はどこにも無かった。

「とんだジャマが入りましたが…続きを始めま!?」
振り向くセリオだが、その瞬間思わず硬直する。
しばらく起きあがれないであろうダメージを与えたはずのすばるが、立ちあがっているのである。
その顔に憤怒の表情を浮かべて…。

(完全にKOしたはずだというのに、身体データがさらに上昇している…ありえません)
負けるはずはないが、手痛いダメージを受ける可能性が高い…ここは退却するか…。
「勝負は預けました、先程の少女に感謝することですね」
そう言い残しセリオは引き上げていった。

そして残されたすばるの口から安堵の言葉が漏れる。
「ごまかせた…ようですの」
いかに自分でも瞬間的な怒りの力だけではどうしようもない。
幸い機械には人間の持つ「気力」「根性」を理解する事はできなかったらしい。
実際、来栖川綾香ならば、いやそうでなくとも、今の彼女が立っているだけの力しか、
残していないことを察知していたに違いない。

視界が暗くなっていく…
(みちるちゃん…後で必ず敵は取るです…の)
そう心の中で呟いて御影すばるは気絶した。

【遠野秋葉      所持品 不明   現在位置  街外れの小屋から逃走中】
【椎名繭       所持品 不明   現在位置  街外れの小屋から逃走中】
【御影すばる(気絶) 所持品 不明   現在位置  街外れの小屋】

【セリオ(鬼)             現在位置  移動中  残りノルマ9人】
【みちる ゲームオーバー  所持品不明(小屋に放置)】

311 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 21:27
>>310
みちるの所持品不明ということは、鉄パイプはそのへんに落ちてたということか?

312 名前: Battle Without Honor or Humanity(3/3) 投稿日: 2003/10/28(火) 21:35
そういうことにしておいてください
説明不足でした

313 名前: 惨劇の始まり(1/3) 投稿日: 2003/10/28(火) 21:39
「さて、自己紹介を終えたところで、まずしなくちゃいけないことがある」
遺跡にあった住居の中に五人は隠れていた。
この建物、窓は一つしかなく、それもすごく小さい。そのため、中はとても薄暗く、隣の相手の顔さえもよくは見えなかった。だが、同時に鬼にも見付かりにくい。
ここで、お互い、自分の名前と知り合いの特徴を伝えあった。その際、健太郎がスフィーの特徴について「実は魔法使いなんだ」と馬鹿正直に言ったため、四人にちょっと引かれたりもした。
「何です、健太郎さん?」
祐一が健太郎に尋ねた。この五人の中で、自然と健太郎はリーダー扱いされていた。一番年長だし、頭が良さそうだ。半分、錯覚だが。
「お互いの武器を見せ合うことですね」
先んじて、尊人が言った。見た目はいかにも気弱な美少年だが、実は冒険家の父親がいる。その父親にいつも拉致同然で冒険につきあわせられているため、根は結構タフであった。加えて、サバイバルに対して、知識も経験も豊富だ。
すると、健太郎はチッチッと指を鳴らした。
「いや、それも大事だが、まずは場所の把握だ。自分たちがどんなところに隠れているか、敵に遭遇した場合、どうやって逃げればいいのか、それを知っているか知らないとでは俄然動きに違いが出る」
「ここはただの遺跡でしょ。逃げるって言ったって、周囲の森に走るしか無いと思うわ」
異議を唱えたのは、トップアイドルの緒方理奈だった。尊人が連れてきた新たな仲間である。もっとも、これまで尊人と面識は無かったそうだが。まあ、いかにも人の良さそうな顔を尊人はしていた。
すると、健太郎は得意げに笑った。
「それがそうでもないんだな。皆、ここの遺跡は本物だと思うか?」
祐一、名雪、理奈の三人は頷いた。
「おや、尊人君は気づいたか?」
「父が冒険家でしてね。いかにも怪しい箇所には自然と目がいくんです」
かすかに笑うと、尊人は部屋の一角を指差す。暗いためよく解らないが、女性の姿をした石像があった。
「あれは、マリア像?」
理奈は呟いた。健太郎は頷き、
「調べてみると、奇妙なくぼみがあってね。少し丹念に調べたら、驚くわ、驚くわ。口で言うより、実際に見せた方が早いな」
そう言うやいなや、健太郎はマリア像に近付く。手で四人に指示を出し、像から離れさせた。
健太郎はマリア像に手を当てた。すると、
ゴゴゴゴゴゴ……!
地響きの音がして、床の一部分がスライドのように消えていった。そこに新しく現れたものは、底の見えない地下まで繋がっている螺旋階段であった。

「すげえ……」
「すごいね……」
祐一と名雪は思わず感嘆の声をあげる。理奈は絶句している。
しかし、尊人はいぶかしんだ顔で、螺旋階段の先をみつめていた。
「これは、カタコンベですか?」
尊人は固い声で疑問を口にした。健太郎は首を横に振った。
カタコンベとは、古代ローマ時代、まだキリスト教が国教とされる前、つまり、まだ弾圧されてきた頃に作られた、言わば信教者のための避難所である。地下墓地でもあり、ミイラやら壁画などがある。蟻の巣のような通路で、迷うと出て帰れなくなるという迷信まである。
「断言は出来ない。如何せん、この遺跡そのものが矛盾しているからね」
そう、この遺跡はおかしい。外観と内部で時代が食い違っている。
「ただの水路の可能性もあるんだ。一度、下に降りてみた時、かすかに水音がしたからな」
健太郎は言葉をつなげた。ここがどんな遺跡だろうと、キリスト教がある以上、水路の発達は済んでいるはずだ。

314 名前: 惨劇の始まり(2/3) 投稿日: 2003/10/28(火) 21:42
健太郎は黙って皆の反応を見る。
尊人はしばらく難しい顔で悩んでいたが、途端にかぶりを振ると笑顔に戻った。
「ダメですね、色々考えましたが、ここが何処だか解りません。日本じゃないのは確かだろうけど」
すると、健太郎は言った。ある意味、一番恐ろしい想像を。
「もしかしたら、俺たちはまだ日本にいて、この遺跡はつい最近に作られたとしたらどうする? ただ、ゲームを盛り上げるための趣向として」
そう、この遺跡には意思が感じられない。古代の人々が、生活するために作ったという意思がない。
ただ、どこかの遺跡を模倣、または移植したとしても、少しはそれが感じられるはずだ。
この遺跡は、実は考古学のこの字も知らぬ者がただ戯れで作ったに過ぎず、そのため、有名どころの部分部分があわさっている。そんな気が、健太郎はしていた。

健太郎の声色は真剣そのもので、自然と場が緊張する。尊人の笑顔も固まった。
もし、そんなことが出来る奴が主催者なら、同時にそれに類する鬼もとんでもない奴らの集まり。
そして、主催者の言う『罰ゲームで、一番美しい記憶を奪う』という言葉がはったりでもなんでもない。
この場の五人は別々の思考ながら、同時にそんなことを頭に浮かべていた。
しばらくすると、健太郎は己の失敗を悟った。
「す、すまん! んなわけないよな! 俺がこの遺跡のことを知らないだけだな! 俺、バカだし。わははは」
緊張した場を無理やり笑いで誤魔化そうとするが、無茶だった。
すると、ボソリと理奈が何ごとか呟く。
「私、ここを出る……」
「え?」
名雪が虚をつかれたような表情で理奈の横顔を眺めた。
「こんな薄気味悪いところにいたくないわ! お兄ちゃんも、由綺も、冬弥もいないのに!」
言うが早いか、リュックを持って部屋を飛び出す理奈。理奈にとって、今の状況は酷だった。元々、尊人に従ったのも、そこに来る仲間に知り合いが混じっているか確かめたかっただけなのだ。
「待って、一人は危険だよ!」
尊人は、理奈の後ろ姿に向けてそう叫んだが、理奈は止まらない。尊人は舌打ちすると、理奈の後を追って急いで建物を出た。
「くそ! 俺のバカ!!!」自己嫌悪しながら、健太郎も荷物を持って二人を追った。祐一、名雪もそれに習う。
この時、部屋を飛び出す順番が違ったら、悲劇は避けられたかもしれない。
いや、尊人、祐一が己の荷物忘れさえしなければ。
もっとも、どちらにしても後の祭りである。

315 名前: 惨劇の始まり(3/3) 投稿日: 2003/10/28(火) 21:45
潜んでいた建物のすぐ先で、尊人は理奈に追いついた。
「放して!」
「落ち着くんだ、緒方さん!」
興奮状態の理奈を、尊人は必死で宥める。理奈は尊人の手を振り解こうとするが、如何せん女と男では力が違う。
すると、二人の元に健太郎、祐一も追いついた。しかし、陸上部であるはずの名雪はなかなか追いつけない。その筈だった。名雪は尊人と祐一が置いてきた荷物を併せて、三人分のリュックを持っていたからである。

「いや、変態、スケベ!」
理奈は、バシ、バシと、リュックで尊人達の顔を叩く。結構痛い。ふと思い、祐一は振り向いて名雪を見た。重そうな荷物を三人分持って、ゆっくりと近付いてくる。祐一は自分のミスに気付き、離れている名雪に苦笑交じりに頭をさげて、
固まった。

―――プシュッ!
それが何の音であるか、名雪、健太郎、尊人、理奈は解らなかった。銃弾の音ではない。
ただ、祐一だけが、解った。視界に映る幼馴染の太ももから、血が吹き出る音だ。
名雪は呆然とした顔のままその場に倒れた。

「なゆきいいいいいいー!」
絶叫して、名雪に近付こうとする祐一を尊人が素早く取り押さえる。この時、さんざん父に連れられて経験した冒険で培った勘が、尊人の体を動かしていた。そして、その勘が無ければ、祐一は死んでいただろう。
――ヒュン!!
風切り音がして、祐一の目の前を何かが通過した。見えたわけではない。幽かな風圧を祐一の頬が感じ取ったのだ。
それは銃弾。
今、五人は敵に狙撃されていた。

しばらく時間が経つが、誰も名雪に近づけない。
銃弾が、二発、三発と名雪の太ももに吸い込まれ、その箇所から血が流れ出していた。
そして、その度に、名雪は悲鳴をあげた。すぐに痛みで気絶するが。それを繰り返していた。
建物の影に隠れ、緒方理奈は恐怖のあまり失神し、祐一は名雪を凝視しながら押さえを解こうともがき、鎧衣尊人と健太郎は祐一を必死で取り押さえていた。祐一以外、一様に恐怖に怯えながら。
尊人と健太郎は、敵の目的をおぼろげながら悟っていた。
敵はあえて急所をはずし、名雪を執拗に痛め続けている。名雪に仲間がいることが解っているのだろう。決して、姿を現さなかった。
健太郎は震える声で呟いた。
「狙われている……」
俺たち全員が、そこまでは口にしなかった。

そう、敵の狙いは名雪ではない。それを助けようと近付く人間。
これは罠。名雪を餌にした罠。仲間を見殺しにするという精神的拷問をスパイスした極悪な罠。

――惨劇が始まる。

316 名前: あなたを、名無しです。 投稿日: 2003/10/28(火) 21:50
【相沢祐一  所持品 大工道具一式(リュックはなし) 現在位置  街南部の遺跡】
【水瀬名雪(太もも損傷)  所持品 不明(リュック三人分)   現在位置  街南部の遺跡】
【宮田健太郎 所持品 不明  現在位置  街南部の遺跡】
【鎧衣尊人 所持品 不明   現在位置  街南部の遺跡】
【緒方理奈 所持品 不明   現在位置  街南部の遺跡】

>315
書き忘れた、スマソ

317 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 21:55
>>313-316
せっかく書いてくれてごめん・・だけど・思ったんだけど流石に下駄預けすぎ
せめて誰が狙撃しているかまでは書いて欲しいな。

318 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 21:58
>>317
別にいいんじゃないか?
狙撃主がだれなのか他の人が好きに決められるっていうのもリレー小説の醍醐味だろ。

319 名前: あなたを、名無しです。 投稿日: 2003/10/28(火) 22:00
>317
スマソ、鬼のリサが狙撃したという話は作ったんだが、なんやら500ゲットの人が最後の鬼を決めるとかいう話が出てきたので、急遽省いたんだ。
まあ、リサじゃなかったら、やる気になったエディとかにしようかな、と。

とりあえず、急いで続きを書きます。
他に書きたい人がいれば気にしないで書いて下さい。

320 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 22:03
>>319
500get云々言い出したおれの方こそスマソ。

321 名前: あなたを、名無しです。 投稿日: 2003/10/28(火) 22:30
遺跡の中央に位置する高台の上に、巳間良祐はいた。

肩で固定し両手で照準を合わせている狙撃銃、そのスコープを覗き込みながら、苦虫を噛み締めるような表情をしていた。
この銃は参加者から奪ったものでも、主催者から配付されたものでもない。配付されたものは別にある。
そう、この狙撃銃は良祐が自分で組み立てたものである。その部品はバラバラにして、服のあちこちに隠してあった。たまに力が暴走する人間が現れるFARGOの研究員だからこそだ。
所詮は即席なので、射程距離は短い。だからだろう、しくじった。
FARGOで鍛えた自分の腕、本来のまともな銃なら、ピンポイントで的に当てる自信がある。やはり、即席銃はいけない。
少女の持つリュックを狙って牽制させるつもりが、そのふとももに当たった。

(あそこに当たれば、もう助けられないな……)
銃に撃たれた内では、たいした怪我ではない。しかし、体内に弾が残っている。この即席銃に貫通力なんて無いも同然。
このゲームの間、摘出は不可能だろう。なら、結局は衰弱死か出血死か、その二択しかない。
(なら、せめて、ここで楽にしてやる……)
そして、ふと思いついたように続ける。
(でも、まだダメだ)
もともと、最終的には殺すつもりだった。一度目で、牽制。そこから、五人全員の動きを探る。それが、プランだ。
だが、今は狙うにしても、リュックが上手く少女の心臓の上にある。この即席銃では狙えない。
だから、少女を楽にするには、直接手にかける必要がある。
しかし、名雪の仲間はまだ生きていた。
(だから、少女。悪いが、もう少し痛めつけさせて貰う)
良祐の表情はあまりに冷たく見える。それは目的のために人として大切なものを失った顔。
良祐の心の内は誰もわからない。おそらく、良祐自身も。

良祐の選んだ道はたった一人生き残る道。不可視の力を求めたときと同じ、圧倒的な力への飽くなき欲求。
世界に絶望した男の破滅的な願いだった。そのためにFARGOに赴き、今は一人の少女をいたぶっている。
だが、それでも、男には救いでもあり、枷でもある存在がいる。
(晴香……? 俺は狂っているのだろうか?)
もし、晴香と出会ったら殺せるのか?

その疑問が良祐の頭を離れることは無かった。

【巳間良祐 所持品 即席狙撃銃+不明(リュック) 現在位置 遺跡中央の高台】

322 名前: あなたを、名無しです。 投稿日: 2003/10/28(火) 22:43
>>320
いや、先走った俺の方が悪い。本当にスマソ。
リサが鬼どころか、ルーツ参戦も正式に決まってなかったし。

>>317
こんなものでいい?

323 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 22:51
>322
いちいち人に聞かんでもいいと思うが。

ルーツはもう参戦決定かな。

324 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/28(火) 23:06
>>322
わざわざ申し訳無いです、
でも、どこまで他人に預けるかというもの難しいものですね

325 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 00:18
>>292みたいにみずいろはいらんと言う説に賛成。
変わりにルーツを入れるってことで。
これの問題点は>>245に出てる片瀬雪希をどうするかだ。

326 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 00:41
>325
>>245の作者さんの意見次第じゃない?
必要と言われたなれば、入れておくしかないとも思う。リレーだしね。

327 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 01:34
でもここは葉鍵月猫揚掲示板なんだよね・・・・
猫を外すことは板の主旨に反しないか?
まぁロクに関連スレッド立ってないから、名ばかりなんだろうし
だれも書けないのなら仕方ないけど・・・・
で、ルーツは皆問題なく書けるの?

328 名前: 惨劇の終わり。そして、(1/5) 投稿日: 2003/10/29(水) 01:44
 私は、ただ、元気になって貰いたかった。
 ただ、好きな人の笑顔が見たいだけだった。悲しい顔なんて見たくなかった、
 本当にそれだけだった。
 でも、私は嫌われた。
 だから、もう、私を愛してくれることはない。

 名雪の体に激痛が走る。だが、だんだんと痛みが慣れてきた。
 名雪は今、自分がどう言う状況にあるか、少しずつだが理解してきた。自分は敵に襲われている。
 立ち上がろうとするが、足に力が入らない。喉に何か熱いものは押し寄せて、思わず吐いてしまう。
 それは、血であった。

――プシュッ!
 足にまた銃弾が当たった。もう痛みを感じる事はない。どうやら、感覚が麻痺しているようだ。
 意識がおぼろげになる。
 そんな中、名雪の思考を占めていたのは、自分の身ではなく、幼馴染で、同居人で、好きな人でもある相沢祐一のことだった。
(祐一。ゴメン、私、謝れなかったよね)
 名雪には、やり残したことがある。
 それは祐一に謝ること。七年前、祐一を怒らせた、その償いをすることだ。
 ただ、名雪は、好きな子に元気になって貰いたかった。それが、祐一の心の傷に不用意に触っていると気付かずに。
 だから、自分は祐一に嫌われている。
 祐一は、きっと自分ではなく、他に好きな人がいるだろう。
 舞さんか、あゆちゃんか、それとも、香里の妹さんか、正確に誰かは解らないけれど。

「なゆきいいいいいいー!」
 祐一の絶叫が耳を届いた。
 私を心配してくれている。不謹慎かもしれないが、ちょっと嬉しかった。
 名雪は祐一に助けを求めようと思って、やめた。
(祐一は私を助けてくれるかな? ううん、ありえないよね)
 だって、祐一は私のことが嫌いだから。それに、好きな人を道連れにしたくはない。

 だから、その時に名雪が感じたものは、喜びでも、悲しみでもなく、ただ、驚きであった。

329 名前: 惨劇の終わり。そして、(2/5) 投稿日: 2003/10/29(水) 01:47
「名雪! 今、助けるから、それまで頑張るんだ!」
 二人にとりおさえられているのにも関わらず、祐一は二人を引っ張ってまで名雪に近付こうとする。
 三人の叫び声が空中を乱雑に飛び回り、何を言っているのか名雪にはわからなくなった。
 健太郎と尊人は必死で祐一を抑えていた。もちろん、その間、ずっと祐一を説得していた。
 だが、それでも祐一は止まらず、ズルズルと三人まとめて建物の影から出かかっていく。
「落ち着くんだ、祐一君。ここは焦らず、他の手段を考えるんだ!」
「健太郎さんの言うとおりだって。このままだと皆、殺されてしまうよ!」
 尊人の言葉は失言だった。この状況でそんな気配りなど不可能だろうが。
 『殺される』その言葉に反応し、祐一は更に力を入れる。所謂、火事場の馬鹿力というやつである。
 緒方理奈は隅でぐったりしている。誰も構う余裕は無いが、緊張感のあまりいつのまにか気を失っていた。
(やむを終えない。ここは殴ってでも、止めるしかないな)
 健太郎はそう考えたが、如何せん片手でも離したらすぐに祐一を止めきれなくなる。
 それに、喧嘩もほとんどしたことのない素人のパンチ一発で、ドラマのように人を沈められるか疑問である。

 ――チュイン!
 名雪ではなく、それは建物に被弾した音。
 その音は健太郎達のすぐ近くで聞こえてきた。
 敵の狙いがこちらに向いたのだろうか。
 健太郎がそんなことを考えたほんの僅かな間、思わず、祐一を抑える力が緩んだ。

――ビリリリ!
 それは、祐一のシャツが破ける音だった。
 尊人はそれを見るや否や、苦渋の選択をする。
 祐一を抑える腕をほどき、健太郎を建物の方に連れ戻したのだ。
 
 自由になった祐一は、名雪の元に駆ける。
 それが敵の思う壺であるということに、おそらく気付いていながら。
 それでも名雪の身を案じ、見殺しにする選択肢をとらなかった。
 そして、祐一は腹を撃たれ、倒れた。
(見殺しには出来ない。たとえ、危険でも、殺されても、名雪の元まで辿り着ければ、俺の体が盾になる。また、好きな人が目の前で亡くなるなんて、そんなこと絶対に享受できるはずがない。……また?)
 そんなことを考えながら。

 名雪は驚いている。心底意外だという目で倒れた祐一を見ていた。
(どうして? どうして? 祐一は私のことを嫌っているし、怒っているし、他の好きな子がいるし)
 疑問が頭を巡り、支離滅裂な思考になる。同時に、祐一の身を案ずる。
(ダメ、こっちに来たらダメ。危ないよ〜。私のことが嫌いなんだから、放っておいてよ〜)
 祐一が助けに来てくれることに喜びはしなかった。むしろ、悲しんだ。自分だけならともかく、祐一が死ぬのは絶対に嫌だ。嬉しい筈があるわけなかった。
(来ないでよ、祐一)

330 名前: 惨劇の終わり。そして、(3/5) 投稿日: 2003/10/29(水) 01:51
 だが、祐一はその場に倒れながらも、なお、ほふく前進で名雪に近付く。
 その足や腕は一定間隔で被弾する。血しぶきを辺りに撒き散らす。
「やめろおおおお!!!! やめてくれえええええ!!!」
 健太郎は大声で見えぬ敵に必死の懇願をする。これはあまりに残酷な所業だ。
 視界が歪もうとも、敵に位置を探られようとも構わない。何度も、何度も懇願した。決して聞き入れられることの無い懇願を。
 
 しかし、尊人の姿はいつの間にか消えていた。理奈のリュックが開いている。

 祐一は、体中が血だらけになりながらも、祐一はとうとう名雪のすぐ傍まで辿り着く。迎えたのは、呆然としている名雪の顔。
「ど、どうして、だって祐一は七年前……」
 祐一は、名雪が何を言っているのか解らなかった。正確に言えば、思い出せなかった。
 だけど、名雪が求めている答えは解る。
「馬鹿。好きだぜ、名雪。お前もそうだろ?」
 言葉と共に、祐一は全身の力をこめて這いずり、名雪に親愛の口付けをした。
 血の味がするキス。それでも、祐一の心は確かに名雪に届いていた。
 名雪は目を丸くして祐一を見つめた後、本当に嬉しそうに、慎ましく微笑んだ。
 赤く染まった土に一粒の水滴が落ちる。
 そして、言葉を返す。雪の降るベンチで再会した時のように。
「うん!」
(綺麗だ。この笑顔を見れただけでも……)
――悪い最後じゃなかったな

 青い閃光が祐一を包み飛んでいく。
 参加者は知らされていなかったが、光に飛ばされる条件は、ゲームオーバーか死亡した時のみである。この場合、どちらかは明白だった。
 最後まで目を離さなかった健太郎の視界に、名雪の姿が映った。まだ、生きている。
――チュイン!!
 銃弾が名雪のすぐ傍を吹き飛ばす。敵のいたぶりはまだ続いていた。
 どうしようもならないもどかしさと、激しい悲しみに包まれている健太郎。気を失ったままの理奈。
 名雪を助けないといけない。だが、手が思いつかない。
 自分は無力だ。健太郎はふがいない自分を憎んだ。

331 名前: 惨劇の終わり。そして、(4/4) 投稿日: 2003/10/29(水) 01:57
 次の瞬間、状況は大きく変化した。
 ズドオオオオオオオオオオッッン!
 凄まじい衝撃が遺跡中に響き渡り、地面が激しく揺れ、砂埃が一面に舞った。ガラガラと、何処かで建物が崩れる音がする。

「今です! 二人を!」
 遠くで、尊人の叫ぶ声がする。
 健太郎は弾かれるように建物の影から飛び出し、ボロボロの名雪を回収した。リュックは置いてきた。そんな暇はない。
「何!? 何なの!?」
 この衝撃で、気を失っていた理奈が目覚めたようだ。そして、何処からか尊人が走り寄ってきた。
「緒方さんのリュックの中身がプラスチック爆弾で助かりました。今の内にここから離れましょう。あれ? 相沢君は……」
 尊人は健太郎の顔を覗き込んだ。事情を悟り、口を閉じた。
 健太郎は、尊人の言葉に頷いた。すると、尊人から目を離し、視線を後ろの高台に向けたまま指示を出した。
「そうだな、君は理奈ちゃんと名雪ちゃんを連れて急いでここから離れろ。そして、三人で市街地に向かうんだ。そこなら、もしかしたら、名雪ちゃんの治療が可能かもしれない」
 尊人は反射的に頷こうとして、健太郎の言葉に奇妙な点を見つけた。
 三人で?
「敵は俺たちを逃す気はないだろう。絶対に追ってくるはずだ。だから……」
 既に、健太郎の目に涙は浮かんでいなかった。だが、決意の炎が浮かんでいた。
「俺が倒す」
 健太郎は、砂埃のせいで歪んで見える高台を睨みながら、迷い無くきっぱりと宣言した。

「待ってください。相手が悪すぎます!」
 尊人は食い下がる。ここで止めないと健太郎は間違いなく死ぬ。プロの恐ろしさは知っている。絶対に素人は勝てない。それは犬死だ。相手は、あんな遠くから正確に狙撃が出来る。勝てるはずがないじゃないか。
 だが、健太郎の目をもう一度見た時、
「尊人君、君は二人を守ってくれ。必ず、戻る」
 尊人は説得をやめた。
 健太郎の目には見覚えがある。
 自分の父も、たまに、本当にたまにだが、こんな目をすることがある。
 その目には覚悟が映っていた。
 怒りでも、悲しみでもなく。そして、憎悪。悪を憎む正しき憎悪。
 だから、止めても無駄だと悟った。なら、自分に出来ることは一つだ。
 この出会って間もない、だが、尊敬に値する勇気を持ったこの男を、信じることだ。どんなに心配でも、不安でも、最後まで。
「ご無事で。二人は僕が守ります」
「ああ」
 健太郎は短く答えた。

 銃器を持ったプロ相手に、素人が立ち向かう。それは勇気を通り越して、無謀に近いことである。
 それでも、彼は、命を捨ててまで少女を守ろうとした少年の意志を受け継ぐ。そう、心に誓った。

――かくして、惨劇は終わり、死闘が幕をあけた。

【相沢祐一 死亡】
【水瀬名雪(太もも損傷)  所持品 なし   現在位置  街南部の遺跡】
【宮田健太郎 所持品 不明  現在位置  街南部の遺跡】
【鎧衣尊人 所持品 なし   現在位置  街南部の遺跡】
【緒方理奈 所持品 なし   現在位置  街南部の遺跡】

332 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 02:00
Routesを入れる場合は
那須宗一、湯浅皐月、伏見ゆかり、立田七海、梶原夕菜
リサ・ヴィクセン(鬼)
こんな感じかな。
宗一はもちろん通常状態

とりあえずもし差し変えるのなら雪希を七海か皐月に変更する予定です
こちらとしてはやはり書き手の絶対量が多い方を優先すべきだと思いますので
総人口もそれほど多く無さそうだし

333 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 02:08
>332
エディは? いや、なんでもないです。

334 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 02:11
エディは仲間をかばってやられてエピローグで青空笑顔
…というイメージしか浮かばないッすぞ

335 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 02:12
やっぱエディいる?葉の勢力が40人超えちゃうんですこし抑え目にした
本当なら醍醐もいれたいところだけど

336 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 02:21
んじゃ、いらないか。
キャラが増えすぎたら、困るし。

337 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 02:31
みちる……『にょわー』しかセリフなかったな。
まあ、瞬殺された蛍よりマシと思うけどw

あ、石切じゃなくて岩切じゃなかったっけ?

338 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 02:36
岩切で正解。石切では銀色になってしまう(w

339 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 03:10
現在の生き残り(ここの死亡はゲームオーバーも含んでいます)


月姫
登場済み(遠野秋葉、琥珀、乾有彦、シオン、軋間紅摩)
未登場(遠野志貴、翡翠、弓塚さつき、瀬尾晶、乾一子)


みずいろ
登場済み(片瀬雪希)
未登場(片瀬健二、早坂日和、小野崎清香、進藤むつき、進藤さつき、神津麻美)


【マブラヴ】(除くアンリミテッド)
登場済み(御剣冥夜、鎧衣尊人)
未登場(白銀武、鑑純夏、榊千鶴、彩峰慧、球瀬壬姫)

【君が望む永遠】
登場済み(鳴海孝之、平慎二、涼宮遥、涼宮茜、大空寺あゆ)
未登場(穂村愛美、玉野まゆ)
死亡(天川蛍、速瀬水月)


【ホワイトアルバム】
登場済み(緒方理奈)
未登場(藤井冬弥、森崎由綺、澤倉美咲、観月マナ、篠塚弥生,緒方英二、七瀬彰)
死亡(河島はるか)

【こみっくパーティ】
登場済み(高瀬瑞希、御影すばる、九品仏大志、猪名川由宇)
未登場(千堂和樹、大庭詠美、牧村南、長谷部彩、芳賀玲子、塚本千紗、桜井あさひ)
死亡(立川郁美)

【まじかるアンティーク】
登場済み(宮田健太郎)
未登場(スフィー、リアン、江藤結花、高倉みどり、牧部なつみ)

【誰彼】
登場済み(石原麗子、御堂)
未登場(坂上蝉丸、砧夕霧、桑島高子)
死亡(三井寺月夜)


【MOON】
登場済み(巳間良祐)
未登場(天沢郁未、巳間晴香、名倉由依、名倉友里、少年)

【ONE】
登場済み(折原浩平、七瀬留美、椎名繭、川名みさき、住井護)
未登場(長森瑞佳、里村茜、上月澪)

【KANON】
登場済み(月宮あゆ、水瀬名雪、美坂栞、北川潤)
未登場(沢渡真琴、川澄舞、倉田佐祐理、水瀬秋子、美坂香里)
死亡(相沢祐一、天野美汐)
注.舞は名前だけ何度か出ています。

【Air】
登場済み(国崎往人、霧島聖)
未登場(神尾観鈴、遠野美凪、霧島佳乃、神尾晴子)
死亡(みちる)

340 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 03:12
>339
詩子を忘れてた。
すんません。

341 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 03:36
死亡とゲームオーバーは分けておいたほうが
ゲームオーバーは復活のチャンスがあるので

342 名前: One of Tenthousand 2nd 投稿日: 2003/10/29(水) 03:54
渇く…
弓塚さつきは、はぁはぁと身体を引きずるように地下街をさ迷い歩いていた。
(最近吸ってないから…だけど…)
死徒…いわゆる吸血鬼である彼女にとって吸血行為は命綱。
気を抜けば彼女の身体は自然の摂理に従い、ただの土くれに成り果てる。
だが限界まで渇きに耐えて後、餌の喉に喰らいつくというのは何事にも代えがたい快楽でもあった。
(でもっ…いつもより身体が重いよ、なにか空気がのしかかっているみたい)

もう駄目だ、さつきはその場にへたり込む。
(わたしもう駄目みたい…)
意識が遠のく、視界が暗黒に包まれる…だがその時声が聞こえた。
「……じょうぶ」
「大丈夫ですか?」
薄目を開ける、そこには穏やかな雰囲気の美女、でもどこかでみたような気がする。
(まぁいいや…いただきまーす)

こうして満腹したさつきは、よほど気持ち良かったのか歯茎むきだしで、だらけきった笑顔を浮かべたままだ。
やはり応えられない快楽だ、この快楽を知っただけでも人間をやめてよかったと思う。
一方の哀れな被害者はただでさえ白い顔をさらに白くして冷たい通路に横たわっている。
(この人ってアイドルの森川由綺に似てるなぁ…わたしファンだったんだよ、
 だから、バラバラにしてごみ箱に捨てるのは我慢するね)
「えへへへ、ごちそーさま」
そう、うわ言のように呟き、どこに通じているかも知れない地下鉄の線路をふらふらと歩き去る
さつきだった。

そしてそこに残されたのは哀れな少女の死体…のはずだった。
だが…。
ちなみに、通常グールから死徒になれるのは一万人に一人、それも数十年の歳月を経なければならない。
それを僅かな期間で成し遂げたさつきのポテンシャルは並外れたものがあるのだが…。
上には上がいたのだ。

森川由綺は、もちろん似ているどころではなく紛れも無い本物――はゆっくりと目を空ける。
そして教えられずとも本能で悟る、自分がもう人間では無くなってしまったことを。

【弓塚さつき(死徒)   所持品 不明    現在位置  地下街】
【森川由綺(死徒)   所持品 不明    現在位置  地下街】

343 名前: One of Tenthousand 2nd 投稿日: 2003/10/29(水) 03:58
えー、実は観鈴ちんを死徒にしようかな、と思ったのですが
翼人の血と吸血鬼の血が混じると後々とんでもないことになりそうなのでやめました。

で、壬姫か由綺かで迷って由綺にしました。
壬姫はああ見えて戦闘力は高いので。

でも独断でさっちんを死徒にしてよかったのかな・・・・。

344 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 04:30
>>343
リレーは基本的に、設定も話も早い者勝ちだし構わないかと。
話し自体もおかしいとこはなかったし。

てか、由綺が吸血樹鬼になったら、男勢は色仕掛けで全滅させられそうな気が。特に、脇役三人組w
いや、さっちんに魅力が無いと言っているわけじゃないよw

345 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 04:39

月姫
登場済み(遠野秋葉、琥珀、乾有彦、シオン、軋間紅摩)
未登場(遠野志貴、翡翠、弓塚さつき、瀬尾晶、乾一子)

みずいろ
登場済み(片瀬雪希)
未登場(片瀬健二、早坂日和、小野崎清香、進藤むつき、進藤さつき、神津麻美)

【マブラヴ】(除くアンリミテッド)
登場済み(御剣冥夜、鎧衣尊人)
未登場(白銀武、鑑純夏、榊千鶴、彩峰慧、球瀬壬姫)
【君が望む永遠】
登場済み(鳴海孝之、平慎二、涼宮遥、涼宮茜、大空寺あゆ)
未登場(穂村愛美、玉野まゆ)
ゲームオーバー(天川蛍、速瀬水月)

【Routes】
未登場(那須宗一、湯浅皐月、伏見ゆかり、立田七海、梶原夕菜)
リサ・ヴィクセンは鬼候補なので保留。
【ホワイトアルバム】
登場済み(緒方理奈)
未登場(藤井冬弥、森崎由綺、澤倉美咲、観月マナ、篠塚弥生,緒方英二、七瀬彰)
【こみっくパーティ】
登場済み(高瀬瑞希、御影すばる、九品仏大志、猪名川由宇)
未登場(千堂和樹、大庭詠美、牧村南、長谷部彩、芳賀玲子、塚本千紗、桜井あさひ)
ゲームオーバー(立川郁美)
【まじかるアンティーク】
登場済み(宮田健太郎)
未登場(スフィー、リアン、江藤結花、高倉みどり、牧部なつみ)
【誰彼】
登場済み(石原麗子、御堂)
未登場(坂上蝉丸、砧夕霧、桑島高子)
ゲームオーバー(三井寺月夜)

【MOON】
登場済み(巳間良祐)
未登場(天沢郁未、巳間晴香、名倉由依、名倉友里、少年)
【ONE】
登場済み(折原浩平、七瀬留美、椎名繭、川名みさき、住井護、柚木詩子)
未登場(長森瑞佳、里村茜、上月澪)
【KANON】
登場済み(月宮あゆ、水瀬名雪、美坂栞、北川潤)
未登場(沢渡真琴、川澄舞、倉田佐祐理、水瀬秋子、美坂香里)
ゲームオーバー(天野美汐)
注.舞は名前だけ何度か出ています。
【Air】
登場済み(国崎往人、霧島聖)
未登場(神尾観鈴、遠野美凪、霧島佳乃、神尾晴子)
ゲームオーバー(みちる)
全体
死亡者(河島はるか、相沢祐一)
鬼(鹿沼葉子、アルクェイド、シエル、両儀式、柏木千鶴、月島拓也、セリオ、柳川裕也、岩切花枝、リサ?)
主催者側(ワラキアの夜)
傍観者(蒼崎橙子、荒耶宗蓮)
人質(柏木耕一、来栖川綾香、月島瑠璃子、阿部貴久?)

346 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 05:24
由綺タンはたぶん冬弥の血しか吸いたくないんじゃないかな?
でもどうなるか期待

347 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 05:27
流れに任せるのも良いけどとりあえず
・みずいろをRoutesと差し替えるか
・Routesのメンバー
・最後の鬼
この辺そろそろ決めないか?

とりあえず俺は345でいいと思うのだが。
差し替えはなしでみずいろメンバーも参加、Routesからは5人参戦、鬼はリサで。

348 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 05:37
俺はルーツを入れるならみずいろと差し替えるべきだと思う
本来書き手のいるいないで、ここまで話が大きくなったわけだし。

349 名前: 突っ込み、求む。 投稿日: 2003/10/29(水) 06:25
【追加ルール】
1.死亡者、もしくは鬼に捕まった人間は青い光をどこかに放ち飛んでいく。
2.鬼は一人ぐらい殺しても多めに見てくれる(鹿沼談。嘘の可能性あり)
3.中心部が立ち入り禁止になる。時にホテルは不可侵(少し時間が経って)
4.鬼には人質をとられている者もいる
5.鬼のノルマは10人。基本的に個人差は無い。ただ、他がリタイヤした分のノルマは追加される。
6.鬼の地図は参加者より詳細。
7.鬼の中には武器が使用可能なものもいる(参加者のアイテムは引き続き全員ダメ)
【出だし】
参加者はばらばらに島の色んな地点から出発。
全員が目覚めるのを管理者が確認してから一時間後に、鬼がこの島の中心にある建物から出撃してゲームスタート。
【舞台設定】
基本的に舞台は絶海の孤島。
ただ、志貴達が疑問に思わなかったことから、あまり日本から離れすぎている事は無い。
結界が張られている。
海底の熱を利用した温泉がある。そのための施設もどこかにあるだろう(未登場)
動植物問わず、様々な国のもので形成されている。
島の海岸線のほとんどは絶壁が占めている。例外は、南端の入り江、東端の漁港。
島西部の中央寄りに市街地。南西部から南部にかけて山がある。(以下、南の山と称する)
南の山よりさらに南側は、入り江までに何の遮蔽物のない平野がある。
南の山で、遺跡より東にある道を一直線に北に進むと、勾配のきつい悪路がある。その道から川が見えるが、行くためにはかなり下なければならない。
その川の中を行けば、途中で大きな池に出て、その池近くに遺跡がある。
南の山の遺跡は外観と内部で時代が食い違っている。
内部に秘密通路があり。地下墓地とも、水路とも考えられる。通路は複雑らしい。
雑居ビルと公園が、どこか同じ場所にある。
大ホールが何処にあるのかは不明。
南の山とは別にプール付きのホテルがある山が島中央にあると思う。文章で断言はされていない。
また、これらはあくまで参加者に配布された地図からの情報が主である。嘘の可能性もないことはない。

【参加者位置情報】(時間などは考えてません。あくまで参考程度に捉え、信じすぎないで下さい)
1.公園
【高瀬瑞希・川名みさき 公園】
2.公園(島西部市街地近く)
【折原・柚木 公園のベンチ】(午後三時)
この二つの公園が同じかどうかは不明。時間差で同じにも出来ます。
3.島西部
【舞 市街地から移動。最後に名雪と遭遇】【平慎二 島西部の森】
【琥珀・月島(鬼)・聖 島西部市街地】【涼宮茜  町外れ】
【遠野秋葉・椎名繭 街外れの小屋から逃走中】 【御影すばる(気絶) 街外れの小屋】
【セリオ(鬼) 街外れの小屋から立ち去る】
4.島東部
【御剣冥夜・九品仏大志 漁港】【両儀式(鬼)・月宮あゆ 島東北部】
【住井護・北川潤・乾有彦  島東部岬付近】
5.島南部
【石原麗子 国崎往人 大空寺あゆ 島南西部の森】
【軋間紅摩・御堂 島南部 入り江】 【柳川裕也(鬼) 島南部入り江から内陸部へ】
【岩切花枝(鬼) 南部山中の池に移動中】(ホテルが立ち入り禁止なり移動したと推測)
【鹿沼葉子(鬼) 南東部  残りノルマ九人】
6.遺跡(島南西部)
【巳間良祐 所持品 遺跡中央の高台】
【水瀬名雪(太もも損傷)・宮田健太郎・鎧衣尊人・緒方理奈 遺跡の端っこ】
7.島中央付近
【美坂栞・シオン 島中央建物近】【アルクェイド(鬼) 島中央建物付近 半日行動不能】
7.不明
【鳴海孝之・片瀬雪希 廃ビル】 【七瀬留美 廃工場】
【涼宮遙 ホテルから転移中】 【猪名川由宇 ホテルから転移中】
【弓塚さつき(死徒)・森川由綺(死徒) 地下街】

350 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 11:44
>>349
正直、殺すのは、よっぽど話の必要性があるときにした方がいいと思う。鬼ごっこながら、展開的にバトロワに近い雰囲気になってきてるんだし、あまり殺しを増やすと加速度的にバトロワ化して、ハカロワの二番煎じ以上のものでなくなるよ。
独特のものにするには、バトロワを否定するキャラクターを目立たせ、もっとバラエティ番組みたいな「ゲーム」の要素を強調した方がいいんじゃないかと思う。

もっとも、死んで転送された先で何らかの処置を受けて生きてるって設定にするなら、もうちょっとやっていいと思うけどね。

351 名前: XXX PARTY(1/3) 投稿日: 2003/10/29(水) 11:50
「和樹さん、川の音がします!」
 かすかな音を聞きつけた牧村南が、突然声をあげた。
「地図だと、このあたりには細い川が二本流れていたはずです。私たちの位置から遠い側の川は港へと流れていましたから、川を渡って、その向こうの川を下れば……」
「南さん、どうして分かるんだ? 地図はずっと見てないだろ?」
 千堂和樹が驚くのも無理はない。この島の気候などはよくわからないが、日光は生い茂った木々の枝葉を通してなお激しく照りつけ、険しい坂を登る疲労を増す。足元はおろか、顔の高さにまで草木が生い茂り、歩みを阻む。
 その悪路を登るのに、さっきから二人とも必死で、重いリュックサックを下ろして地図を取り出し、のんびり眺める余裕などなかったはずだ。
「島のだいたいの地理は覚えていたんです。ですから」
「すごいな。やっぱり南さんは頼りになるよ」
 和樹は純粋に感心する。ぼんやりした所もある南だが、即売会の準備事務所で一目置かれている彼女は、肝心な所は外さない。

「とにかく、早くみんな見つけて、ここから脱出しないとな」
 南に語りかけるだけではない。己に堅く誓うかのようにつぶやいた。
 自分が青春を賭けた同人誌創作活動と、その舞台である巨大即売会『こみっくパーティ』。
その中で出会い、切磋し、支えあってきた仲間達。自分を支えてくれたかけがえのない存在。彼女達の名を画面に見つけたときから、彼の第一目的は、その捜索に向けられていた。
「ゲーム」の開始からある程度の時間は経ったが、今のところ見つけられたのは牧村南だけ。和樹の心は、ずっと焦燥と不安に覆われていた。

352 名前: XXX PARTY(2/3) 投稿日: 2003/10/29(水) 11:51
「これは……」
 川の音を必死にたどり、その方向に向かう山道を必死にすすんだ二人は、急に広がった視界にたちすくんだ。
 確かに、その位置には川があった。だが、「そこ」にはない。
川は、切り立った谷のはるか下、尖った岩の間を、白波を立てて流れているのだ。
「これじゃ、川を渡るのは無理ですね……」
 落胆と疲労とで、南の声は弱々しい。たしかに、この崖を降りるのも登るのもまず不可能、失敗して谷川に落ちた場合はまず命はないだろう。
「いや、あれを見て!」
 何か川を渡る手段はないか。そう願いながら、あてもなく周囲を見回していた和樹が、喜びに満ちた声をあげた。
 彼の指さす先、ここからほんの数メートルほど上流に、かなり古そうだが、吊り橋がかかっている。
「た、助かりましたね……」
 安堵のせいか、南はその場にへたりこんでしまった。よく見ると、形のいい脚は泥と枝葉に汚れてしまっている。さらに、ストッキングの一部が破れ、白い肌が覗いていた。
(う……)
 妙な色っぽさを醸し出す思いがけない光景に、和樹は目をそらす。
「さ、さぁ。早くいこう」
「あっ、和樹さん……」
 とまどう南に肩を貸して、和樹は歩きだす。近づくにつれて、吊り橋はたしかに古いものの、何とか丈夫そうだと見えた。これなら渡れそうだな、と足を速めたとき、

「あ、危ないっ!!」

 突然、どこからか響いた大声に、おもわず足を竦める。それが和樹と南の命を救った。

 叫び声がした次の瞬間、吊り橋が不気味に揺れたかと思うと、ひどく呆気なく崩れ、谷底へと落ちてゆく。橋の両岸の地面もつられて、崩れながら白い本流へと、はるか下の岩場へと落ちてゆく。

 和樹の爪先のほんの1メートルほどの地面までが、跡形もなく消え去って、奈落へ続く崖と化していた。

353 名前: XXX PARTY(3/3) 投稿日: 2003/10/29(水) 11:54
 二人の目の前に現れた希望の道は、可笑しなぐらいあっけなく消え、後に絶望だけを残した。
 和樹は毒づく気力もなく立ち尽くし、南はふたたび座り込んでしまう。

「あ、あの……大丈夫でしたか!?」
 さっきの叫び声の主らしい、小さな人影が駆け寄ってくる。見ると、短い髪をした、中学生ぐらいの少女だった。すこし吊り気味な目が愛らしい。
 心配そうな少女の様子に、絶望に打ちのめされていた和樹も、応えて安心させてやれずにはいられなかった。
「ああ、大丈夫だよ。……どうやら、君のおかげかな」
「い、いえ……。そ、それより怪我してませんか?」
 不安な小動物のような動きで近寄ってくる少女の姿を認めて、南が意外そうな声をあげた。
「あなた……瀬尾さん?」
「え? あ、牧村さん?」
 面識があるらしい二人が、思わぬ再開に意外さを隠せない様子に、和樹も意外さを露わにする。
「南さん、この子を知ってるの?」
「ええ。瀬尾晶ちゃんって言って、こみパで知り合ったんですよ。学校の都合であまり頻繁には来られないから、和樹さんは知らないでしょうけど……」
 和樹の名が出た途端、
「和樹さん……って、……ま、まさか『ブラザー2』の千堂かずきさん!?」
 目を丸くして、戸惑うほど純真に驚く少女に、和樹も驚く。
「君、俺を知ってるの?」
「知ってるも何も、うちの学校の同人仲間も最近、千堂さんの噂で持ちきりですよ。突如同人界に現れた新星だって……」
「い、いや、それほどのもんじゃ……」
「謙遜することはありませんよ、和樹さん最近また、ずいぶん腕があがりましたし」

 いつの間にか、三人の間からは、疲労と絶望は影をひそめ、つかの間の安息が訪れていた――。

「ところで晶ちゃん、さっきは本当にありがとう。よくあの橋が危ないってわかったね」
「晶ちゃんって、時々とっても勘がいいんですよ。会場のトラブルとか、開催日の天気とか……」
「い、いえ。それは……はい……(汗)」

【千堂和樹  所持品未定  現在位置 島南部の山地】
【牧村南  所持品未定  現在位置 島南部の山地】
【瀬尾晶  所持品未定  現在位置 島南部の山地】

354 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 12:00
>>306
こういう組み合わせの話っていいよな。「脇役哀歌」タイトルからしてワロタ。

355 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 12:17
>>347
Routesメンバー参戦には賛成。
最後の鬼はリサを望む。

問題は、みずいろだけど、確かに建前で猫は必要。それに、リレーの原則は出来るだけ守りたい。
でも、書ける奴が少ない。
だから、妥協案として、主人公と片瀬雪希だけを参加メンバーにして、後は排除という形にしたら?

>>350
了解。出来るだけ控えると。

356 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 12:56
うーん、ただしルールの特性上、殺人を行えばその分自分が捕まる可能性が
高くなるっていうのは参加者も気がついているような気がするし
何人かマーダーは必要だと思うけど、自然その数は少なくなっていくんじゃないかな

でもバラエティ的な雰囲気を優先してしまえば、やっぱり緊張感がなくなってしまうんじゃ
ないかって心配はある
殺しは控えつつも、殺伐さは失わないようにって所かな

357 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 12:59
殺伐さじゃなく緊迫感ね、多分本気で逃げるだけの理由
捕まえる理由、殺すべき理由がないと
やっぱり馴れ合い、出来レースになってしまうと思うし

358 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 13:11
基本設定がシリアスであるからには緊迫感は不可欠だが、まあ、せっかく「鬼ごっこ」なんだし、>>265>>306のようなマターリな味が、少しあってもいいんじゃないかと思ったり。

359 名前: Hunting!(1/4) 投稿日: 2003/10/29(水) 13:35
「あう〜っ!」
 商店街を必死に逃げていた。
 商店街といっても、住んでいる町のおしゃれで賑わっている商店街じゃない。通りには誰もいない。窓はぜんぶ真っ暗だ。なのに、まるで住民がいきなり消えたとでも言うかのように、どの店も開け放しになっている。漫画で読んだ「ゴーストタウン」ってこういうのを言うんだろうか。
(あうー、「ゴーストタウン」って、幽霊の町って意味だよね)
 要らない事を思い出してしまい、泣きそうになる。小さな親友を抱きかかえている腕に、思わず知らず力が入り、相手は参ったような声をあげた。

 高く上った太陽が町を明るく照らしてはいるが、怖さはまったく薄れない。いや、白く照らされた無人の街路は、むしろ不気味だ。
 うす白く光るその道路の上を、不意に黒い影が走る。
 と、影の主は鳥のように、上空から街路に、彼女の前に立ちはだかった。
(あうぅ。う、嘘よぅ。こんなのマンガだけの話だもん……)
 だが、目の前にいる相手――このゲームの鬼は、神父のような服に何本もの細い剣というそれこそ漫画じみた姿ながらも、漫画の中でしかお目にかかれない非現実的な動きを見せながらも、紛れもない現実だった。

「いかに力を抑えられているとは言え、私の手をこれほど煩わせるとは、貴女やはりただの人間ではないようですね。どうやら、幻想種のたぐいとお見受けしますが」
 相手は若い女性、少女の居候先の娘やその友人たちとそう変わらない年齢のようだ。だが、その声と眼差しは、比較にならないほどに冷たく、鋭い。
「げ、げんそーすって何よぅ。真琴は真琴よぅ。ソースじゃないんだから!」
「……ソ、ソースではありません。幻想種です」
 沢渡真琴の返事に相手は少々毒気を抜かれたようだった。青いショートヘアが若干乱れたように見える。
「貴女、自分の正体に関する記憶がないのですか。東アジアに分布する妖狐の一種……それも、日本の北部に住み、奇跡と災いを司ると言われる一族のようですね」

 日本に赴任するにあたって調査した幻想種の伝説によると、日本の北部の丘に住む妖狐の一族は人に災いをもたらし、またある時は奇跡とも言うべき力を発揮するという。油断できる相手ではない。
――だが、どうやらこの少女はほんの子供、それも、変身の際に起こるという記憶喪失の状態のようだ。
 そこまで考えて、吐き気を催す。昔と同じ、相手の弱み、それも幼さや記憶喪失につけこんで、冷血に事をなそうとしている。いかに大切なものがかかっていようとも、それは許される事なのか?
 だが、現在、彼女に選択肢はなかった。悪趣味きわまるこの「ゲーム」が進めば、ひょっとすれば逆襲の機会を掴めるかも知れない。その時がくるのを伺いながら、今は主催者の手駒として踊るのみ。
 哀しい色の過ぎった瞳が再び冷徹に満ち、シエルは黒鍵を構えた。
 もっとも殺すつもりは皆目ない。殺人狂の上司なら、人にあらざる「化物」を「狩る」のに何のためらいもないだろうが、例えそれと大差なくとも、捕らえるだけで済むならそれに越したことはない。
「あ、あうぅ……」
 真琴は完全に怯えきっていた。どんなに贔屓目に見ても、化物抹殺を目的とする埋葬機関の代行者シエル相手に、瞬殺を免れるとは思えない。それでも、じりじりと黒いショルダーバッグに手を伸ばしてゆく。
 いつの間にか真琴の腕を抜けて足元に移動していたぴろが、場違いにもマイペースな鳴き声をあげた。

360 名前: Hunting!(2/4) 投稿日: 2003/10/29(水) 13:36
 真琴の手がバッグに伸びるのを、シエルは止めなかった。
 どう見てもこの相手には、一矢報いる目すら乏しい。ならば、せめて対等の対決という形を整えてやりたかった。
 偽善? 慢心? 確かに然り。だが、非力で、しかも不安定な状態にある相手を非情に追い詰めているのだ。このまま全力を持って相手を襲う卑劣さは、それ以上に許されざる行為ではないか?
 だが、次の瞬間、シエルは自分の予想する展開を、見事にを裏切られることになる。

「な……なんですか、それは」
 シエルの声は引きつっている。
「あうぅ、ねずみ花火よぅ! 知らないのっ!?」
 ヤケクソ気味に絶叫する真琴はほとんど半泣きだ。

 これが、沢渡真琴の支給された「武器」だった。かつて、これを使って憎い相手に悪戯を仕掛けたこともあったが、この状況ではあまりに皮肉な運命のブラックジョークとしか言いようがない。
 怖くて直視できなかったシエルの顔を恐る恐る観察すると、茫然自失の態だった。無理もなかろう。
(あうぅ……。で、でも、ひょっとしたら見逃してくれないかな? 真琴戦えないから後で捕まえてもいい、とか……)
 情けなさと抱き合わせで見えた微かな希望はしかし、次の瞬間に粉砕される。
「事実上、戦闘は不能ですね。……恐怖をいたずらに長引かせることもありません。一思いに終わらせてあげます」
「あうぅ〜っ!! 卑怯よぅ、ズルよぅ、アンフェアよぅっ!」

 絶望的というにも悲惨な展開に泣き声をあげたその瞬間、それが起こった。


「なっ……!?」
 何が起こったのか、シエルは、いや、その場に誰かが居合わせていても、全く理解できなかっただろう。
 妖狐の少女に向かって跳んだその瞬間、彼女の周りに、一瞬だが光の膜が現れたのだ。眩しさと驚きで、一瞬目を細める。
 だが、次の瞬間、全身に焼けつく苦痛を感じ、目を見はる。
(狐火……?)
 真琴の周囲に一瞬浮かんだ炎の壁の正体を、シエルは瞬時にそう推測した。妖狐の一部があやつると言われる魔火だ。
 だが、信じられない。この少女にはそんな力も感じられないし、今は知識すらろくにないはずだ。それがどうして……。
 考える暇はなかった。次の瞬間、足と肩に弾けるような衝撃が走った。少女の投げたネズミ花火に狐火らしきものが引火したらしい、と、今度は納得がいく。しかし、炎の方はますます納得がいかない。花火に引火したなら、これは幻覚のたぐいではない、現実の炎だ。

361 名前: Hunting!(3/4) 投稿日: 2003/10/29(水) 13:37
「あ、あぅ?」
 真琴は、安堵する間もなく困惑していた。もう駄目かと思ったとたん、まぶしい光がさし、気がつくと相手は随所から薄煙をあげて地面に転がっている。
 誰か助けてくれた? とも考えたが、あたりは相変わらず無人の町だった。
「にゃー」
 真琴を正気づかせたのはぴろの声だ。すぐに恐怖と危機を思い出し、近くにあったコンビニ風の店に駆け込んだ。

「ま、待ちなさい!」
 冷静さを若干失ってはいるが、埋葬機関のエージェントが見逃すはずもない。地面を転がって火を完全に消すと、自身の回復能力で軽い火傷を完治し、体制を立て直して暗い店内に飛び込む。

「くっ……!」
 店の中は薄暗かった。おまけに、いたる場所に食品の箱がうず高く積んであり、視界が利かない。参加者なら貴重な食糧の調達に色めき立つだろうが、鬼役であるシエルはホテルに帰れば食糧ぐらいはいつでも支給されるのだ。
 だが、それも次の瞬間までだった。
「真琴さん……でしたか」
「そ、そうよぅ……」
「そんなものを抱えて悠々逃亡しようとは、私もなめられたものです」
 箱の陰に隠れて逃げようとしていた所を見つかって凍り付いている真琴の腕には、ダンボールの箱が抱えられていた。
 表面には「中華まんセット、肉、あん……」などとかかれている。
「残念ですが、それ食べるためには蒸さなきゃ駄目なんです。この町には電気も水道もほとんどありません。――だいたい、そんなものを抱えて制限時間内に逃げ回っていられるとでも思ったんですか」
「あ、あぅー。だって……あっ!」
「え? ……って、なっ!?」
 真琴の声に反応して頭上を見上げたシエルが目にしたのは、自分めがけて落下してくる、何十という箱の雪崩だった。

362 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 13:45
今思ったんだけどリサを鬼にするなら
そういう殺人者、あるいはルールを破った鬼専門の狩人にするのはどうでしょうか?
それなら存在が伏せられていた説明もつくし

・殺人等を犯した参加者、または重大なルール違反を犯した鬼専門。
・その場合、任務を遂行するためのあらゆる武装が認められている。
・参加者扱い、レーダーには反応しない、したがって彼女が狩られる可能性もある
・彼女が狩ることが出来るのはそれらの条件を満たした者のみ
 したがって違反者が10人以上出なければノルマを達成できない
 (そのための仕込みは黙認される)

こんな感じで考えてみたが いかがかな。

363 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 13:50
ごめん・・・割りこんじゃった
というか、完結してるのかな?

364 名前: 359 投稿日: 2003/10/29(水) 14:03
>>363
ごめん、もうちょっとだけ待って!

365 名前: Hunting!(4/4) 投稿日: 2003/10/29(水) 14:22
「鬼」をうずめた箱の山の前、何が起こったのやらわからず、真琴は立ちすくんでいた。その頭に、小さなものが飛び乗る。
「にゃー」
「ぴろっ!」
 シエルと真琴の会話の隙を突いて、不安定に林立する箱の柱の間を飛び回って崩し、シエルの上に降り注がせたのはぴろだった。
 そのまま店の裏口へと出、真琴を促すように鳴く。
「う、あぅ……。分かった。あの恐い女、すぐに起き上がってくるよね……」
 前方を疾駆する親友を追って、沢渡真琴はふたたび無人の街路を走り出した。肉まんの山に少しだけ後ろ髪を引かれながら。

 箱の山を押しのけて自由になると、そこには誰もいなかった。
 いや、それは問題ではない。どのみち、彼女はそう遠くまで逃げられないし、自分の目を逃れて隠れることも不可能だ。だが、シエルは真琴を追いかけようとしなかった。
「なんて――無様」
 無様だ。何の言い訳もなく、ただ無様だ。
 あんな非力な少女に梃子摺らされた挙句、まんまと逃げられてしまった。まったく予想外の出来事に不意を突かれはしたが、本来ならば、それでも微塵も堪えなかった筈だ。それを不可能にし、かくなる醜態を晒さしめたのは、慢心か、未熟か、甘さか。
 シエルは薄暗い店内にただ、座り込む。ようやく気づいたのだ。いや、最初から気づいていたはずだ。彼女の弓先をかくまで鈍らせた、拭い去れないその気持ちに。
「ほんとうに、昔と同じ――。勝手な大義名分に執着して、力のない人を苦しめ、害し、――一番大切な人を失おうとしている……」
 このゲームに乗っていれば、彼女が解放される可能性は非常に高い。自分自身の戦闘力と技能は他の鬼に劣るものではなく、経験と知識は豊富と言ってよい。さらに、彼女をこのゲームに縛り付けている枷は、あまり認めたくはないが、最強の「鬼」の一人との共有だ。
 ……だが。
「こんな悪趣味で悲惨なゲームの中で踊って、一体、何になるって言うんですか――!」
 戦いの中で思っていた。殺すことはないとは言え、怯える少女を襲えば、これからもさらに非力な一般人を襲いつづけていれば、例えゲームから解放されたとしても、自分は大切な人の前に立てるのか。彼が手を差し伸べてくれたあの悪夢と同様の世界に、ふたたび足を踏み入れてしまったら。
 アルクェイドはどう考えているのだろうか。やはり同じ境遇にあるであろう、他の「鬼」たちは?

 両手で抱え、床に叩きつけるその頭の中には、ゲームの開始前に「ワラキアの夜」が自分とアルクェイドに語った言葉がぐるぐると回っていた。
(基本的に「人質」はゲームの中で命を落とさないよう、安全の保障される場所に監禁してある。遠野志貴も本来ならばそう扱うはずだ。だが、卓越した戦闘技能と特殊能力を持つことから、参加者として生存できる可能性、監禁場所から脱走される可能性、双方ともに高いことを考慮し、特別に「参加者」としてゲームに参加してもらう――)
(理屈を捏ねても誤魔化されないわよ! 志貴に殺されたのが悔しいだけでしょ!?)
(確かに、彼に対する若干の怨恨も否定はせんさ。「鬼」はいずれも人知を超えた存在ばかりだ。遠野志貴とて無事に生き残れるかどうか……)
(――読めました。「鬼」の中でも以前に貴方と戦った私たち二人は、貴方の性質、そして性格を知っている危険分子。でも遠野君を危険に晒しておけば私たちはそちらに注意を向けざるを得ず、万が一にも叛旗を翻す余裕はなくなる……)
(ただし、当然だが「鬼」が参加者を直接的に保護・救出するのは禁止だ。となると、君たちが遠野志貴を制限時間中守護しつづけるのは合理的ではないな。結局、なるべく非力な者を捕まえて短時間で解放条件を満たすのが、もっとも安全な道なのは違いない――)
「一体、どうすればいいの? 遠野君――!!」

366 名前: Hunting!(4+1/4) 投稿日: 2003/10/29(水) 14:42
「……解せんな」
 埋葬機関の代行者と妖狐の少女の戦いを観察し終わった橙子は、紫煙を吐き出しながらつぶやいた。

 日本の北のとある丘に住まう妖狐の一族は、奇跡を現出する力を秘めていると伝説は伝え、太古には死者をも蘇らせたこともあるという。このゲームの中で、その化身にお目にかかるとは思っていなかったが。
「だが、奇跡は一族のすべてが力を結集し、数年分の力を結集しなければ実現できないという。本来ならば、一人だけでは人に化身するだけでその力の全てと記憶を失い、さらにその反動で遠からず消滅を迎えるはずだ。すなわち、あの娘――真琴と言ったか――が狐火を操るには力も知識すらもなく、奇跡など望むべくもない。だが、それならあの炎は一体何だと言うのだ?」
 もっとも、シエルという代行者が大きな迷いを抱えていなければ、時間の引き延ばしすら望めなかったであろう程度のものではあった。だが、完全に無視し去るには不可解に過ぎる現象だ。

「あの妖狐が妖力を振るうことはどう考えても不可能な筈。この島を包んでいる結界が副作用を起こしたとも考えられない。考えられるとすれば、この島に秘密が――?」
 先ほどの(>>280)荒耶宗蓮との会話を思い出す。このゲームの背後にあるのは一体何なのか? ゲームの黒幕の目的とは、一体何か?
 橙子は吸いかけの煙草を灰皿におくって新たな一本に火をつけると、ふたたびモニターの群れを、不可解な趣向の実況中継を眺め始めた。

【沢渡真琴  所持品 ネズミ花火 現在位置  島西部市街地】
【シエル  所持品 黒鍵 現在位置  島西部市街地】

367 名前: 359 投稿日: 2003/10/29(水) 14:49
ごめんなさい。シエルに(鬼)つけるの忘れてました。
【シエル(鬼)  所持品 黒鍵 現在位置  島西部市街地】

368 名前: MAD 投稿日: 2003/10/29(水) 15:09
「怖いよ…助けてよ、お兄ちゃん」
ここには日和も清香もいない、頼れるのは兄であり、恋人でもある兄だけだ。
しかし追跡者は容赦なく、彼女を追い詰めていく。
女子トイレの個室の端、用具入れの中で震えながら隠れる雪希、そこにタイルを踏む乾いた足音。
と、同時にドアをナイフで突き破る音が響く、何度も何度も。
そのたびに小さな悲鳴をあげてうずくまる雪希、不意に静かになる…あきらめてくれたのだろうか?
ふぅーっと息を吐いたその時だった。
ドアの板を突き破りナイフの切っ先が彼女の鼻先を掠めた。
「ひっ…」

太股を…足元を生暖かい液体が流れていく。ドア越しに声が聞こえる。
「安心しろよ…俺が最後まで生き残れれば全てをチャラにしてやるからさ」
「あんなこと…本気で信じているんですか?」
「信じちゃいないさ…まぁ俺の話を聞け」
孝之の声がやや沈んだ感じになる。

「俺さ…何度考えても結論が出なくてさ、だからコインを投げて決める事にしたんだ」
「表が出たら信じない、裏が出たら信じる…けどさ裏が出たんだ、だからやりなおした」
「何度も何度もさ…でも何十回やっても裏しかでねぇんだよ!」
ドア越しに話を続ける孝之。
「それで俺思ったんだ、あの時俺が遅刻してもしなくても、結局遙は事故にあったんじゃないかって」
「何やったって結局世の中は全部なるようにしかならないんだよ、今俺が、あんたが、ここにいるのも!
 こうやって俺があんたを殺そうとしているのも決められた必然なんだよ!」

「それでわたしを殺すんですか?ふざけないでください!」
孝之は雪希の言葉など聞いてないかのように、一方的にまくしたてる。
「そうさ!俺は必然ってやつに徹底的に流されて生きてやる!その果てに何があるのかをこの目でみてやる!」
「そんなことっ!自分の優柔不断を運命のせいにしてるだけじゃないですか!」
優柔不断…その言葉を聞いた途端、孝之の表情がここまでの確信犯的なものから一変する。
「あんたが死ぬのも必然なんだろ?いずれ俺じゃないだれかに殺されるのさ…あばよ」

孝之は個室のドアをナイフで叩き壊し、そのまま間髪いれず雪希の胸元にナイフを突きたてた。
「かわいそうな…人」
雪希はそれでも孝之にしがみつき、最後の抵抗を試みようとする。
孝之は胸からナイフを引きぬき、それを彼女の右目に深々と突きたてる。
「おにいちゃ…」
雪季の身体が数回、がくがくと痙攣し…そして動かなくなった。
溢れる血潮がタイルを染めていく、それを無表情に暫しみつめて、孝之はその場を後にした。
ズボンが破れてしまったとぼやきながら。

だが、彼は気がつかなかった、タイルの血溜まりにとんだ忘れ物をしていたことを。
血に染まったリボンの傍らで光るそれにはこう記されていた。
【すかいてんぷる 入店証 鳴海孝之】

【鳴海孝之    所持品 グルカナイフ  現在位置 廃ビル】
【片瀬雪希    死亡】
(雪希のリュックは回収)

369 名前: MAD 投稿日: 2003/10/29(水) 15:12
>>355の案に乗っ取って自分で続きを書いてみた
これでほぼ決まりかな。

370 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 17:02
>362
良いと思います。てか、予想外で面白い。

ただ、『あらゆる武装は認められる』はやめて、鬼の原則である『参加者のアイテムは使用できない』は守らせたい。
リサなら、武器の現地調達はいくらでも可能だろうし。なにより、参加者とリサとの間に、何らかの差異を持たせたくて。

あと、『殺人等を犯した参加者』は基本的にルール違反はしていない。
だから、そういう奴らを狩る専門にさせるとしたら、主催者側の動機が難しい。

全体的には賛成です。上の二つはただ、気になっただけだから。

371 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 17:05
今更いうのも何だが、鬼が少なすぎるような気がする。
一つの集団が最大で5人ぐらいなので、参加者の数の五分の一から十分の一ぐらいの数に増やしてもいいような気もするんだが。
鬼が駄目なら、参加者の攪乱や妨害の任を負っているトラップ的な役回りとかどうだろう。

372 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 20:40
>>370
彼女自身がそういう方針にしたがって動いているとかではどうだろう?
書き手さん次第ですが>殺人等を犯した参加者〜

>>371
現在参加者約100人で鬼が10人 しかも全員人外
しかも参加者は減少していくことを考えればこれくらいで妥当かもね。

373 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 22:36
>371
参加者の敵は、鬼十名とマーダー考之と巳間良祐。
また、死徒化したさっちん&由綺もいる。
彼女らによって、吸血鬼の数も増えるかもしれない。

また、これら以外の敵役を出してはいけないという決まりはない。
主催者側との戦いも可能。
さらに、俺が書いたんだが、麗子の示唆している通り、動植物にてこずる話を作るつもり。
ライオンとか、軍隊アリとか。

こんだけあれば何とかなると思うんだが。
バトロワと違い、最後は総力戦でもいいと思うし。

374 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 22:49
「気がついたか?」
御影すばるが目を覚ますと、見知らぬ男が顔を覗き込んでいた。
反射的に立ち上がろうとしたが、ずきりと足首が痛んでうずくまってしまった。
「いたたたた・・・」
「軽い捻挫になっている。湿布を貼っておいたから明日には治ってるだろうが、動かさないほうがいい」
「あなたは誰ですの?」
「おれは蝉丸。あいつは遠野志貴だ」
蝉丸にそう言われて、初めてすばるはもう一人小屋の中に人がいるのに気がついた。
壁に背をもたれさせて座っていたその男、遠野志貴は軽く手を上げて答えた。
「わたしは御影すばると言いますの。・・・あ、志貴さんってひょっとして秋葉さんのお兄さんですか?」
「秋葉に会ったのか?・・・っ」
志貴は壁際から立ち上がろうとしたが、急激なめまいに襲われてずるずると座り込んでしまった。
「遠野、まだ動くな。お前の体調はお前が思っている以上に悪い」
「でも秋葉って・・・」
「別にそこからこの子の話が聞けないってわけでもないだろ」
蝉丸はすばるに向き直って、
「あのとおり焦れてるんで、あんたがどうやって遠野の妹と会ったかしゃべってくれないか」
言われたとおり、すばるはここで秋葉たち三人と出会い、そこをセリオに襲われた経緯を話した。
「なるほど、入り口に落ちてたリュックはそのみちるっていう子のものか。それにしても、そのメイドロボットといいあの女といい鬼はずいぶんと化け物ぞろいだな」
「鬼に会ったことがあるんですの?」
「遠くから見ただけだ。とんでもない速度で走ってたよな、遠野・・・・遠野?」
すばるの話に集中していて気づかないうちに、志貴は床に倒れこんでいた。
「だ、大丈夫ですか」
すばるの言葉に、志貴は顔を上げて血の気の失せた顔でつぶやいた。
「やばいやつが近づいてる」

375 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 22:50
志貴の体調不良は、いつもの貧血によるものではなくその体に流れる七夜の血にあった。
島全体に張られた結界に加えて、アルクェイドにエルクゥの二人、魔神の細胞を移植した不可視の力の使い手と、この島にはトップクラスの魔が集結していた。
それらによって七夜の血が活発化しすぎて一時的な体調不良となっていたのである。
しかしその分だけ魔の気配を感知する力も強くなっていた。
「やばいやつって、鬼か?」
「わからない。けど、すごく強いことはたしか・・・」
志貴の言葉に反応したかのように、三人のレーダーが一斉に鬼の接近を告げた。
「・・・どうやら鬼みたいだな」
ゆらりと立ち上がりながら、志貴はポケットから愛刀の七夜の短刀を出した。
「おれが足止めします。蝉丸さんは御影さんを連れて逃げてください」
「待て。そんな体調で戦えるわけない。ここはおれが」
「御影さんは歩けません。おれには御影さん背負って長距離移動できるだけの体力はないですよ」
「だったら二人で戦えば・・・」
「大丈夫です。おれ、逃げ足は速いから適当に戦ったら撒いて追いつきますから」
「・・・・わかった」
蝉丸は自分のリュックを開けて鉄製のクナイを二本取り出した。
「気休めにしかならないだろうが持っておけ」
すばるを背中に背負い、さらにリュック三個を腕からぶら下げて蝉丸は立ち上がった。
「おれと出会った三叉路への道は覚えてるな?あそこで明日の明け方まで待っている。・・・絶対にやられず追いつけ」
「はい・・・・・・蝉丸さん」
「なんだ」
「もし秋葉や翡翠に出会ったら、守ってやってください」
「わかった」
入り口とは反対側の窓から蝉丸は飛び出した。
最後にちらりと見えた志貴の顔は、不吉なまでに穏やかだった。

376 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 22:50
小屋までかなり近づいた。さっきまで聞こえていた話し声は今はしない。
「逃げられた?」
柏木千鶴がそう思った矢先、ドアが開いて中から少年が出てきた。
「あの子は・・・」
千鶴は思わず息を呑んだ。少年の顔に見覚えがあったからだ。
共に異形の血を引く遠野と柏木はかなり親密な関係にある。だから千鶴は秋葉と面識があるし、その兄が勘当されていたことも知っていた。
もちろん、当主の代替わりによって最近帰ってきたことも。
それを聞いた千鶴は、好奇心からパーティーで出会った時に秋葉に兄の写真を見せてもらった。
夕日に照らされて立っているのは、その写真の少年だった。
(やっと帰ってきたのに、ふらふら出歩いて迷惑をかける兄です)
秋葉が苦笑しながらも楽しそうに兄について語る姿が、脳裏に浮かんだ。
もし遠野志貴を捕まえれば、なんの記憶を失ってしまうのだろう。妹や家族との蜜月の記憶か。それとも、千鶴の知らない恋人との記憶か。
千鶴は頭を強く振って、それらの感傷を振り払った。
(ごめんなさい、遠野君。わたしは、わたしの幸せのために、あなたの幸せを奪います)
何の慰めにもならないと知りながら、心の中で千鶴は志貴に謝って、目を開けた。
そのときには、千鶴は冷徹な狩猟者の顔になっていた。
「あなたを・・・捕まえます」

「やっぱり、戻って一緒に戦うのがいいですの!」
「黙ってろ舌かむぞ!」
「でも・・・」
「あいつを信じろ。あいつはおれが出会った誰よりも強い!」
何ができるかと問うた蝉丸に、志貴が見せた「眼」と「体技」。
あれは、水中戦でも岩切花枝に勝てるほどの能力だ。だから、蝉丸は志貴に後を託して逃げた。
「だから、大丈夫だ」
後から後から湧いてくる不吉な予感から逃れるように、蝉丸は強く言った。


【蝉丸  所持品 クナイ(残り八本) 不明(みちるのリュック) 現在位置 町外れから北に移動中】
【御影すばる  所持品 不明  現在位置 上に同じ】
【遠野志貴  所持品 七夜の短刀  現在位置 町外れの小屋】
【柏木千鶴(鬼)  現在位置上に同じ】

377 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 22:57
千鶴のノルマ書き忘れてたけど十人な。

378 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/29(水) 23:54
「これからどうするの? 瑞希ちゃん」
「え? ええと、どうしましょう、川名さん」

(あう〜、頼られてる……)
 高瀬瑞希は、みさきの信頼しきった声色の問いに、内心、頭を抱えた。
 自分はどちらかというと受動的な人間だ。和樹のこみパ道を食い止めようとして、何時の間にかコスプレをさせられたことを思い出す。
 人に指示を出したり、責任をもてるほど、自分の判断に自信が無い。
 何より、目の前の少女は盲目である。実質、瑞希は一人で二人分の身を守らないといけない。

(このまま逃げ出しちゃえば追われないかな)
 頭に浮かんだ人でなしの妄想を慌てて消す。いくらなんでも、それはみさきが可哀想だ。
「瑞希ちゃん、良い匂いがするよ」
「え?」
 苦悩していた瑞希は、みさきの言葉で顔を上げた。
 すると、みさきがフラフラと公園のベンチに近付いていた。
 そのベンチには、何かパン製品のようなこぼれカスが落ちていた。
「これはアンパンだね。察するに、まだ、食べてから一時間も経っていないよ」
 凄い嗅覚だ。視覚の分を他の感覚器で補っているせいか、みさきの感覚は鋭敏であった。
「だとしたら、まだ、近くにいる?」
 アンパンを食べた人間が、さっきまでこのベンチに座っていたということだ。
「たぶん。でも、瑞希ちゃん。それが参加者かどうかは解らないから」
 そう、鬼だって食事はするだろう。
「鬼がすぐ近くにいる?」
 だとしたら、ここは危険かもしれない。
「瑞希ちゃんは一時間前は何処にいたの? 私は街を散策してたけど」
 その言葉で気付く。私は、スタートからずっと廃ビルのトイレにうずくっていた。
「ううん、この食べかすは鬼のものじゃないわ。私のセンサーは反応してなかったもの」
 廃ビルとここの公園は目と鼻の先だ。
「そんなんだ。なら、鬼さんたちはまだ何も食べてないのかもしれないね。かわいそうだね」
 もうゲーム開始から結構な時間が経っている。
「鬼が食料を求めて、ここに集まる可能性が高い。だから、早くここを離れた方がいい。そういうことね」
「逃げるとしたら、どっちがいいかな? 私は目が見えないし」
 なら、南の悪路は危険。目指すは北か。
「北に行きましょう。私が手を繋ぐから。これでいいわよね?」
 すると、みさきは、何故かくすっと笑う。
「うん、瑞希ちゃんの言う通りだと思うよ」
 瑞希は気付いた。
 目の前の女性はとても頭がいい。自分は、上手く誘導されたと感じた。
 そして、自分のように状況に怯えて恐れてばかりではなく、あくまで冷静だった。

 瑞希の不安はほんの僅かだが払拭される。
(何とかなるかもしれない)
 この危なっかしい二人組みでも。

「行きましょう、みさきさん」

【高瀬瑞希 所持アイテム メイドロボ用レオタード(防弾・防刃・耐熱・耐衝撃効果あり)現在位置 街外れの公園から北へ】
【川名みさき 所持アイテム? 現在位置 街外れの公園から北へ】

379 名前: 不可視の邂逅 投稿日: 2003/10/30(木) 00:41
「まったく、あなたいったい何者?」
「それはおれが聞きたい。昨今の女子高生はそんな物騒なものを振り回せるのか」
「その物騒なものを、片手で軽々受け止めているあなたはなによ」
右手のモーニングスターの構えを崩さず、己間晴香は柳川裕也と言い合いを繰り広げていた。
その軽口とは裏腹に、晴香の内心は冷や汗でびっしょりだった。
(なんなのよこいつ)
不可視の力全開で逃げる晴香に追いつき、さらに渾身の力で殴りつけた鉄球の一撃を片手で防いで手が痺れた様子もない。
力の差は歴然としており、こいつには勝てる気がしない。
(とりあえず、ちょっとでも時間稼ぎをしなきゃ)
ひょっとしたら、こいつより強い参加者が現れてこいつを倒してくれるかもしれない。
そんな神頼みな状況にまで晴香は追い詰められていた。
しかし、柳川はじりじりと間合いを詰めてくる。
晴香も下がるが、すぐに背中が木にぶつかってしまった。
絶体絶命。危急存亡。四面楚歌。
そんな単語が次々に頭に浮かんだときだった。
胸の奥に、言いようのない感触が生じた。痛むような、開放されるような、安堵するような気持ち。
(これは)
「いやぁぁぁぁ!!!」
大気を裂いて、裂帛の気合が響き渡った。

思わず振り向いた柳川の顔面に鉄拳が突き刺さる。
ドゴンッ!
壁をハンマーでぶち抜いたような音と共に、柳川の頭が地面にめりこむ。
さらにとどめとばかりに、腹のど真ん中を足が踏み抜く。内臓がつぶれ骨が砕ける音がはっきりと聞こえた。
「ふぅ、よかった、間に合ったわね」
「郁美!」
晴香の窮地を救ったのは、かってFARGOに潜入して共に戦った戦友にして親友、天沢郁美だった。
「久しぶりね晴香。あなたとこいつの姿を遠くで見つけて追いかけて来たのよ」
「助かったわ。こいつ、わたし一人じゃやられてたところだったから」
「そんなに強かったの?確かに殴った感触は変だったけど」
地面に倒れる柳川に眼をやった二人の顔が、凍りついた。
陥没したはずの顔と腹が、ものすごい速度で回復し始めている。
さらに筋肉が異様に盛り上がり、服がはちきれんばかりになっている。
「たしかに・・・手ごわそうね」
顔を見合わせた二人は、うなずいて逃げ出した。
「郁美もっと速度上げて。あいつこれぐらいの速度じゃ簡単に追いつく」
「それじゃ、あなたがついてこれないでしょ。・・・そうだ!こっちに来て」
急に方向転換した郁美に晴香は必死でついていく。
すぐに、遠くから水音が聞こえてきた。
「まさか・・・」
「これならあいつも追いつけないでしょ」
「あんたねぇ、無謀すぎるわよ!」
「今更なに言ってるの。ほら!」
「ちょちょっと・・・きゃああああああ!!!」
はるか眼下に見える川。そこに、晴香は郁美に服を引っ張られる形で落下した。

380 名前: 不可視の邂逅 投稿日: 2003/10/30(木) 00:42
「し、死ぬかと思った」
しばし後、流れ着いた川原で二人はぜぇぜぇ息を荒げながらひっくり返っていた。
「ここ、どこ?」
「さあ?荷物ほとんど流れちゃったしわからない。ま、どうにかなるわよ」
「・・・あんた、昔に比べてやたら豪快な性格になったわね」
「色々あったからね」
とりあえず立ち上がろうとした晴香の指に、なにかが触れた。
「靴?なんでこんなところに・・・」
きちんとそろえられた靴の隣には、これまた丁寧に折られた靴下がある。
川原。靴。靴下。そして周りに、持ち主らしき人影なし。
「・・・・・・自殺かな」
「・・・かもね。一般人には、こんな状況耐え切れなくなってもおかしくないわ」
ここで美汐の身に何が起こったかなど知る由もない二人が、そう考えてもおかしくない状況であった。
「斧があるわね。これもその人の持ち主だったのかしら」
「ちょうどいいからもらっておきましょ」
モーニングスターをなくした晴香は、斧を手にとって素振りした。ちょうどいい使い心地だ。
「郁美、あなたの武器ってなんだったの?」
「武器っていうか、これなんだけどね」
一つだけ流されずに残っていたもの。腕にはめられた金色の腕輪を指差した。
「これ、ワイヤーみたいなのが出るようになってるの。鋼糸ってやつ?」
「わたしたちにはあんまり役に立たないわね」
二人なら、首に鋼糸巻きつけて窒息させるより頚椎へし折った方が早い。
「トラップに使えるかもしれないし、持ってはおきましょ」
ヘルメットもそばに転がっていたが、かぶると間抜けすぎるので石を詰めて川に捨てた。
その後、どっちに進むか相談したがこれといった策もないので木の枝を放り投げて向いた方向に進むことにした。
枝が向いたのは、西だった。

【天沢郁美  所持品 エーテライト  現在位置南部山中川原】
【己間晴香  所持品 斧  現在位置南部山中川原】
【柳川裕也(鬼) エルクゥ化  現在位置南部山中  残りノルマ十人】

381 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 00:58
×天沢郁美→○天沢郁未
×己間晴香→○巳間晴香

な。人物の名前間違いは萎える。

382 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 04:59
>>373
未登場だと少年・秋子さん・舞といったあたりも要注意だね
とりあえず
志貴 秋葉 シオン 軋間 さっちん 冥夜 すばる 蝉丸 御堂 舞
郁未 晴香 少年
戦闘力に秀でているといえるのはこのクラスかな、壬姫は能力こそ高いけど
性格が戦闘向きじゃない

秋子さんは書き手次第、ただの勘の鋭い人で終わるかも
ハカロワでは千鶴と互角の勝負を繰り広げてましたが
個人的に注目は死徒と化した由綺 それからマジアンの2人かな

383 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 05:29
まさかそんなことをする奴はいないだろうが、とりあえず最強秋子さんはやめてほしい。
橙子さえ首を傾げている事柄をペラペラと解説し始めたり、リサも足元に及ばない元伝説の
エージェントだったり、埋葬機関のメンバーだったり、遠野や柏木の事情に精通してたり、
アルクェイドや式を片手でひねったり、あまつさえ実は黒幕だったり。
そう言うのはマジ勘弁願います。

384 名前: 秋子さん家の出張編 投稿日: 2003/10/30(木) 11:15
 水瀬秋子、霧島佳乃は広大な草原を歩いていた。
「佳乃ちゃん、少し休憩しましょうか?」
 秋子が傍らを歩く佳乃にそう言った。
「え? ま、まだ、大丈夫だよ!」
 とてもそうには見えない。足はふらつき、目もうつろだ。
 この炎天下の中、数時間歩きっぱなしなのだ。普通の女子高生には酷なのかもしれない。
(まあ、私も人のことは言えないけど)
 秋子は人の大きさぐらいの岩を見つけ、その影に座った。それを見て、佳乃もしぶしぶ後にならった。

 お互い、無言が続く。会話する余力がないのだ。
「涼しいわね……」
 秋子がぼそっと呟いた。
 ただ、日陰と言うだけでこれほど違うのか。正直、驚きだった。
(ずっと家の中に閉じこもっていたから、忘れていたのね。こんな当たり前のことを)
 名雪が生まれて、主人が亡くなって、それからは、がむしゃらに生きてきた。
 外に出て遊ぶこともほとんど無かった。名雪にはつらい思いをさせたのかもしれない。
 自分の趣味といえば、ジャム作りぐらいしかない。皆に不評だが。
(いや、いつか皆もわかってくれるわ。真の芸術こそ、今の人たちにはなかなか評価されにくいものよ)
 とりあえず、ここを生きて逃げのびたら佳乃ちゃんに食べさせよう、そう固く心に誓った。
 霧島佳乃はどこからかやってきた寒気に震えた。

「むにゃ」
 しばらくすると、突然、佳乃が奇声を発した。
 驚いて横を見る秋子の肩に、ずるずると佳乃の頭が落ちてきた。
 秋子は、それを優しく受け止め、己の膝を誘導した。
「お休みなさい、佳乃ちゃん」
 その声色はとて穏やかで、佳乃の寝顔は微笑みに変わる。
(お母さん……)
 佳乃はきっと良い夢を見ているんだろう、秋子も自然と微笑む。
 
 まるで本物の家族のように微笑みあっていた。

【水瀬秋子  所持品 不明  現在位置南部平野】
【霧島佳乃  所持品 不明  現在位置南部平野】

385 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 13:30

月姫
登場済み(遠野志貴、遠野秋葉、琥珀、乾有彦、シオン、軋間紅摩、弓塚さつき、瀬尾晶)
未登場(翡翠、乾一子)

みずいろ
未登場(片瀬健二)

【マブラヴ】(除くアンリミテッド)
登場済み(御剣冥夜、鎧衣尊人)
未登場(白銀武、鑑純夏、榊千鶴、彩峰慧、球瀬壬姫)
【君が望む永遠】
登場済み(鳴海孝之、平慎二、涼宮遥、涼宮茜、大空寺あゆ)
未登場(穂村愛美、玉野まゆ)
ゲームオーバー(天川蛍、速瀬水月)

【Routes】
未登場(那須宗一、湯浅皐月、伏見ゆかり、立田七海、梶原夕菜)
リサ・ヴィクセンは鬼候補なので保留。
【ホワイトアルバム】
登場済み(緒方理奈、森川由綺)
未登場(藤井冬弥、澤倉美咲、観月マナ、篠塚弥生,緒方英二、七瀬彰)
【こみっくパーティ】
登場済み(高瀬瑞希、千堂和樹、御影すばる、九品仏大志、猪名川由宇、牧村南)
未登場(大庭詠美、長谷部彩、芳賀玲子、塚本千紗、桜井あさひ)
ゲームオーバー(立川郁美)
【まじかるアンティーク】
登場済み(宮田健太郎)
未登場(スフィー、リアン、江藤結花、高倉みどり、牧部なつみ)
【誰彼】
登場済み(石原麗子、御堂、坂上蝉丸)
未登場(砧夕霧、桑島高子)
ゲームオーバー(三井寺月夜)

【MOON】
登場済み(巳間良祐、天沢郁未、巳間晴香)
未登場(名倉由依、名倉友里、少年)
【ONE】
登場済み(折原浩平、七瀬留美、椎名繭、川名みさき、住井護、柚木詩子)
未登場(長森瑞佳、里村茜、上月澪)
【KANON】
登場済み(月宮あゆ、水瀬名雪、美坂栞、北川潤、沢渡真琴、水瀬秋子)
未登場(川澄舞、倉田佐祐理、美坂香里)
ゲームオーバー(天野美汐)
注.舞は名前だけ何度か出ています。
【Air】
登場済み(国崎往人、霧島聖、霧島佳乃)
未登場(神尾観鈴、遠野美凪、神尾晴子)
ゲームオーバー(みちる)
全体
死亡者(河島はるか、相沢祐一、片瀬雪希)
鬼(鹿沼葉子、アルクェイド、シエル、両儀式、柏木千鶴、月島拓也、セリオ、柳川裕也、岩切花枝、リサ?)
主催者側(ワラキアの夜)
傍観者(蒼崎橙子、荒耶宗蓮)
人質(柏木耕一、来栖川綾香、月島瑠璃子、阿部貴久?)

参加者総数98人 
死亡者3人 捕虜6人

参加者についてはこれが最終稿でいいよね

386 名前: Beast Arm 投稿日: 2003/10/30(木) 14:33
「へへへ…ころしゃあしねぇ、ただよう…逃げれねぇように足ぃ穴空けさせてもらうぜ」
御堂は相変わらずの下卑た笑顔のまま、軋間に銃口を構える。
だが、彼は気がついていなかった…自分が対峙している男の正体を。
軋間は相変わらず無造作にこちらに向かってくる、その態度がさらに御堂を苛立たせた。
「警告はしたぜ!」
迷うことなく御堂は引金を引く、だが。
「嘘だろ…」
弾丸は軋間の手ですべて受けとめられていた、もっとも究極の魔人といわれる彼の身体を9mm弾程度で
傷つけることなどもとより不可能なのだが。

「く…くるな…くるなぁぁぁぁ」
恐慌状態に陥った御堂は、狂ったように銃を乱射するが、
軋間は今度は受け止めようともせず、身体の軸をずらすだけで弾丸を回避する。
「うわぁぁぁぁぁ!」
御堂は絶叫しながら引金を引きつづけるが、もう弾丸は無い。
そしてついに軋間の魔腕が御堂の身体を捉らえる時が来た。
まずは無造作なボディーブロー、それは御堂の腹部を一撃で貫通した。
「うぶぅ…」
くぐもった叫びと同時に大量の血が御堂の口から漏れる。
一方の軋間は未だに戸惑ったような表情をしている、まるでこれでも本調子ではないといわんばかりに。
ともかく自分の右腕に突き刺さったままの御堂の身体を左手でつかみ、彼はその恐るべき握力で、
御堂の身体そのものを握りつぶしにかかる。

「死にたくねェ…よ」
自分の肉体が次々と音を立てて弾ける音、それを聞きながら御堂は息絶えていった。


「な…なんやねんな、あいつは」
神尾晴子は草むらでへたりこみ、激しく鼓動を続ける自分の胸を押さえる。
(あんな化け物連中が何人もこの島にはおるんか…)
あんな連中に襲われれば観鈴はひとたまりもないだろう、しかも観鈴は仲間を作ることが出来ない。
守れるのは自分と…あの居候くらいのものだ。
「はよ行かんと、でも腰が…」
よろよろと起きあがろうとする晴子だったが、その時自分の背中の影にようやく気がつく。
いつの間にか、その「あいつ」こと軋間紅摩が自分のすぐ背後に立っていたのである。
「!!」
だが、軋間はまるで晴子には関心を示さず、そのまま彼女を置いて何処かへとまたふらふら歩いていく。
後に残された晴子は、がたがたと震えることしかできなかった。

一方そのころ神尾観鈴は、
「こんにちは!でっかい焼きそばパンですねっ!」
母の苦労も知らず、どこぞのビルの屋上で彩峰慧に話しかけていた。

【軋間紅摩    所持品不明  現在位置 南の入り江から移動】
【神尾晴子    所持品不明  現在位置 南の入り江】
【神尾観鈴    所持品不明  現在位置 ビルの屋上】
【彩峰慧     所持品不明  現在位置 ビルの屋上】
(やきそばパンは現地調達です)

【御堂  死亡】
御堂の荷物は放置

387 名前: Beast Arm 投稿日: 2003/10/30(木) 14:35
軋間はこんな感じでいいでしょうか?

388 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 14:58
あっけない
御堂哀れ

389 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 15:12
>>388
というか、軋間って原作からして強すぎるからなぁ。アルクェイドより強いと言われても驚かんし。
正直、この鬼ごっこに参加させるには桁外れに強力すぎた気すらする。

390 名前: 果てしなく未知なこの空の下で(1/3) 投稿日: 2003/10/30(木) 16:15
 ビルの屋上、遠からぬ場所に、海がどこまでも広がっている。
 吹き付ける潮風に向かって、少女はいっぱいに手を広げる。
 故郷の町でよく感じる、風に乗ってくる香りが、彼女は好きだった。ずっと前から、その香りに憧れていたような気がするのだ。

「……子供」

 後ろからの容赦ない声に、こけた。
「ヒ、ヒドイ……。どうしてそういうこと言うかなぁ……」
「……本当のこと」
「が、がぉ……」
 彩峰慧の容赦ないツッコミに、神尾観鈴はただ涙ぐんだ。
 さきほど屋上で偶然にであったこの二人だが、観鈴の度重なるアプローチと慧のそっけない対応という応酬が続いていた。だが、同様に無愛想で、おまけに奇行の目立つ男を居候にしている観鈴は、あまり堪えていなかった。
 しかし、流石に慧相手にコミュニケーションを取りつづけるのは難しく、いつのまにか観鈴は両手を広げて潮風を浴びたり、空を飛ぶカモメに手を振ったりしていた。慧は慧で、屋上に腰掛けながら、一階の食糧庫で発見された焼きそばパンをぱくついていた。どちらにせよ、危険なゲームに巻き込まれた当事者とはとても思えない姿である。

 だが……。
 不意に、焼きそばパンを齧っていた慧の表情が鋭いものになった。
 半分ぐらい残っていた焼きそばパンを慌てて口に詰め込むと、身構える。
「が、がぉ……。慧さん、どうしたの?」
「……何か来た」
 ソースのついた口でそう言うと、武器――小刀を構えた。ある意味使い慣れている武器なのが幸いか。
「が、がぉ……」
 観鈴は、慌ててポケットを探ると、トランプを取り出した。
 これもある意味使い慣れている品だが、戦闘にはからきし役に立たない。いや、正確に言うと本来なら立つはずなのだ。
 このトランプは軽くて超硬質の特殊金属で作られており、縁が鋭い刃になっている。つまりトランプを模した手裏剣なのだが、そんなハッタリじみた扱いの難しい武器を、戦闘どころか喧嘩の経験すらない観鈴が持っていても、トランプの役割しか果たさない。つまるところどのみち意味はない。

 やがて、屋上の入り口、暗い階段室の戸口に人影が立った。
 二つの人影は、微妙に雰囲気は違うが、不気味なほどに寸分たがわぬ姿をしている。

「………………」
「が、がぉ……」

391 名前: 果てしなく未知なこの空の下で(2/3) 投稿日: 2003/10/30(木) 16:49
「……誰」
 慧の鋭い声に、観鈴の方がびくりと身を震わせた。
 相手の片方がかすかに動いたようだ。もう一人が、それを片手で押しとどめる。

「申し訳ありません。皆様からただならぬ気配を感じたような気がしましたので、武器を用意して参りました。首輪をつけていらっしゃる所を見ると、『鬼』の方ではないようですね」
 相手はややおずおずと、硬く異様に丁寧で硬い口調で答えながら歩いてきた。

「……コスプレ?」
「い、いえ。これは仕事着です」
 恐縮しながら答える彼女の姿はしかし、そう見られても仕方がないものだった。何しろ絵に描いたような「メイド服」を纏っているのだから。頭には歴然とホワイトブリムをつけている。

「よかった。鬼さんかと思った……。あ……」
 観鈴の目が、翡翠のポケットに注がれる。
「そのジュース、どこにあったの?」
「はい、このビルの一回の倉庫に食料庫らしき場所がありまして……」
「わたし、そのジュース大好き。一個くれない?」
 かしこまりました、と、翡翠はポケットから一個、リュックから二個、『どろり濃厚 ピーチ味』と書かれたジュースのパックを取り出し、観鈴、ついでに慧に配り、自分でもストローを刺して咥える。

 いままで人形のようだった翡翠の顔が、本当にかすかにだが、綻んだ。
「とても……、美味しいですね」
「にはは。そう言ってくれたの、今まで翡翠さんだけ。観鈴ちん、うれしい」

 ……ちなみに、翡翠の差し出したパックにストローを指して咥えた慧が異議を差し挟んでいないのは、ゲルルンジュースの正しい飲み方がわからず必死で中身を吸い上げようとしていたからである。

392 名前: 果てしなく未知なこの空の下で(3/3) 投稿日: 2003/10/30(木) 17:11
 三人の少女が何とか支度を整え、出発したのは、それから一時間後になった。
「……下手くそ」
「メイドだから」という理由で昼食を担当した翡翠が作ったヤキソバを食べた慧が、恨めしげな顔で翡翠をにらむ。隠し味と称して妙なジュースを混ぜたヤキソバを食べさせられたからには無理もない。
「……ヤキソバへの全き冒涜」
「に、にはは……」
 笑っている観鈴の顔色も若干青ざめている。常人とは味覚がズレている翡翠はいまいち納得がいかないながらも、味音痴を自覚しているため、小さくなっている。完璧な旅立ちとはいかないかも知れない。

「と、ところで、どこへ行くんですかっ?」
「当てはありません。ただ、なるべく早く主たちと姉を見つけなければ……」
 翡翠の声は不安げだ。戦闘になれば、彼女の仕える人は卓越した技能と能力をもっている。だが、彼は身体に致命的な弱点を抱えている。自分が側についていれば、その弱点を覆うことが出来るのだ。その妹たる女主人も破壊的な戦闘能力を有しているが、技能と経験に関してはやや不安だ。
 だが、翡翠がもっとも気にかけているのは、姉の事だった。かつて自分を庇って言いがたい痛みに晒された双子の姉は、心に大きな傷を受けた。姉は、他人に笑顔しか見せない。欲望とエゴの犠牲として少女時代を送った彼女は、笑顔の仮面をかぶり、その下で、世間の良識とかけ離れた策謀の世界に生きるようになってしまった。
 自分と同様、あの人のおかげで最近、急速に癒されて、いたずら好きでにこやかな少女という姿になってきたが、こんな不条理で危険な状況に置かれ続けたら、また傷が開いてしまいかねない。

 ここに来る途中、廃ビルの前の地面に、血の染みが大きく広がっているのを見つけた。死体は何故か見当たらなかったが、怪我をした程度では到底流れないであろう血の量だ。「ワラキアの夜」の説明によると、鬼の行為は基本的に参加者を捕らえるだけのようだから、考えられるのは、参加者の誰かが自分の手で「生き残り」になる可能性を高めているだけということだ。
 それを行なっている鳴海孝之という青年の名も、河島はるかという犠牲者の名も翡翠には知る由もないが、そのぐらいは何となく察しがついた(>>245)。

(早く姉さんを、今度は私が守ってあげなければいけない。姉さんがまた人形の道へと傾いているのなら、私が救ってあげなきゃいけない。姉さんがあんな辛い目に遭ったのは私のせいなのだから。姉さん――)

 と、ぽん、と肩に手が置かれた。
「……元気出せ」
 肩に手を置いたのは、無愛想で無口な黒髪の少女だ。
「……思いつめると何もうまく行かない」
「彩峰様……」
 思わぬ態度に、無表情な翡翠の顔が、驚きと、そして――喜びを帯びる。
「あ、よかった。二人とも仲良し、にはは」
「……違う」
 顔をすこし赤くして、慧は観鈴をにらむ。
「……ヤキソバを冒涜した輩は許さない」
「……も、申し訳ありません」
「が、がぉ……。彩峰さん、どうしてそういうこと言うかなぁ……」

【神尾観鈴  所持品 殺人トランプ  現在位置 ビルの屋上】
【彩峰慧   所持品 短刀      現在位置 ビルの屋上】
【翡翠    所持品 未定    現在位置 ビルの屋上】

393 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 19:12
>>389
強い反面、知性が皆無だからね、それに自分からは多分手を出さないタイプだと思うし
気が向いたら本土まで泳いで帰るんじゃないのかな?
むしろ少年の方が不気味。

394 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 19:20
>>393
>気が向いたら本土まで泳いで帰るんじゃないのかな?

やつなら江田島平八のごとく自力で大気圏突破だって可能だ!
もし本土まで泳いで帰って助けを呼んできたら笑えるけど。

395 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 19:49
>>393
いや、知性は人並み以上。喋ることに意味を見出せないだけ。
でも、銃で撃たれても平気かなぁ?

396 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 20:08
>>395
狙撃されるも銃弾程度では傷さえつかなかったらしい
またそれがきっかけで軋間家は全滅した。
もし能力抑制結界がなければ御堂なんか数秒でミンチだ。

多分ここでなら概念武装とかで倒せるんじゃないかな。

それに晴子を見逃したり、最初は御堂を無視したりと
今回はあんまり好戦的じゃなさそうだし

397 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 20:39
軋間ってそんなに強かったっけ?
元は人間なんだからいくら起源にもどってもアルクや27祖には及ばないと思うけど

398 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 20:41
まぁ、展開を急ぐ必要はないですし
今の投稿ペースを維持(本音はもう少し多いほうがいいかも)
しつつ、まったりとやりましょう、でも自分は来月から仕事が忙しくなるのと
コミケの原稿等があるので、あまり投下することはできなくなるだろうけど
皆には頑張って欲しいな。

死んだ、捕まったばかりでも華がないですし
かといってほのぼのばかりでも緊迫感がないですし、そこらへんはバランスですね。

399 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 20:46
アルクよりは間違いなく弱い、だが27祖とはほぼ互角と考えてもいい
基本的に直接攻撃しか使えないけどね、
あと灼熱という熱を自在に操る能力もある。

軋間家はただひたすら魔との混血を繰り返すことで、究極の強さを得ようとした一族で
さらにその積み重なったハイブリッドに加えて先祖帰りを起こしたのが紅摩
これで正しかったよね?

400 名前: 優先順位(1/2) 投稿日: 2003/10/30(木) 21:00
「首輪ちょうだい」
「そんなこと言われても」


青い光となって飛んでいく砧夕霧。
それをバックに、アルクェイドは草原に佇んでいた。


「後八人。先は長いなーっと」
面倒臭そうに顔をしかめ、アルクェイドは歩き出した。だが、すぐに立ち止まって、鼻をクンクンさせる。
「ツキが回ってきたかな?」
複数の人間の匂い。そして、その中には、かすかに人とは違う匂いが混じっている。
自分の体をズタズタにしてくれた忌まわしき死徒もどき。シオンの顔を思い出す。
アルクェイド、ぺロリと唇をなめ、次の瞬間には地を蹴っていた。
白い弾丸と化して、草原を駆けていく。


「どんな望みでも叶えてくれる……」
里村茜は迷っていた。
具体的に言うと、生き残りを目指すか、それともこの島から逃げ出すか、のどちらを選択するかで迷っている。
さすがに、参加者を殺すなんて真似は出来ない。自分にはそんな技量も度胸もない。
しかし、このままどこかに隠れていれば運がよければ最後まで残れるかもしれない。
(司……)
茜の脳裏に好きだった幼馴染の顔が浮かぶ。
ワラキアの夜の言葉を非現実だと疑わないのは、司のことがあるから。司があの場所で消えていったのを見た事があるから。
その司を取り戻すことが出来るかもしれない。
(どうしましょう)
いっそ、コインの裏表で決めようかと考える。
(表が出たら信じない、裏が出たら信じる)
「えいっ!」
十円玉が宙を待った。
――チャリン!
十円玉は転がっていった。地面を。
「……。意外と難しいですね」
気を取り直してもう一度挑戦してみる。
「えい!」
――バシッ!
「痛い……」
焦りすぎたか、コインが到着する前に手を思いっきり叩いてしまった。
だんだんと苛ついてきた。そして、意地になる。
「えい!」
――チャリン!
「えい!」
――バシッ!
茜の不毛な行動は、財布の中身が空になるまで続いた。

401 名前: 優先順位(2/2) 投稿日: 2003/10/30(木) 21:01
そんな茜を遠くから観察しているものが一人。
(何をやっているのかしら?)
名倉友里は茜のやっていることに意味を推測できずに困っていた。
そして、その場を離れるべきか判断に迷っていた。
友里はこのゲームに参加者の裏切り者が出るかもしれないということを理解していた。
頭が特別良いわけではない。ただ、他人を一切に信じないからである。
過去、友里は世界で最も信用していた人間に裏切られた。だからこそ、今の友里は人間不信に陥っているのである。
それでも、この島を出るには仲間が必要だ。なら、できるだけ少数で、かつ有能でないといけない。
そのため、茜の行動を判定しているのである。仲間に相応しいかどうか。
結局、その悩みは無駄に終わるが。


いつのまにか、茜の目の前に白い女性が立っていた。
ポケットのセンサーが振動している。その女性は鬼だ。
「違ったわ」
女性はゆっくりと茜に歩み寄ってくる。茜は何故か動けなかった。その女性の目を見た瞬間から。
女性は茜の傍まで行くと、その首輪を引き千切った。
茜の体が青い光に包まれる。


その女性、アルクェイドは空を見上げ、呟く。
「後七人。いや……六人」
遠くの気配がすぐさま離れようとする。その方向を一瞬睨むと、再び駆け出した。


「化け物……!!」
友里は、不可視の力全開で逃げている自分に着々と距離を詰める女性を見て、そういう感想を抱いた。
三分もしないうちに、アルクェイドに追いつかれる。すぐさま、その爪で背中を攻撃される。
かすり傷だが、衝撃で足が絡み合い、その場に転んでしまった。
「安心しなさい、殺しはしないから」
「あああああ!!」
アルクェイドの言葉は耳に入らず、友里は、残った力全てをアルクェイドにぶつけた。
とっさのことでガードできず、アルクェイドは数メートル先まで吹き飛ばされる。

そして、幸運にも、友里は逃げ延びる事が出来た。


アルクェイドは意識があるまま、草原で横になっていた。友里の力程度では、気絶までもってはいけない。
それなのに、アルクェイドは友里を追わなかった。地面に臥した時に、地中を伝わる強い振動を感じ取ったからだ。
(地震ではないわね。近くで強い爆発でも起きたのかしら)
その際のわずかな躊躇い。それに囚われて、友里を追うという思考が思いつかなかった。
(まさか、志貴が巻き込まれたんじゃ)
志貴の能力、使いようによっては学校ぐらいの大きさの建物すら破壊できる。
(予定変更ね)
アルクェイドは進路を北へと変えた。
憎むべき相手より、愛しき相手。
それが、アルクェイドの優先順位だった。

【 アルクェイド 現在位置 島南部の草原 残り七人】
【里村茜 ゲームオーバー】
【砧夕霧 ゲームオーバー】
【名倉友里 所持品 未定 現在位置 島南部の草原】

402 名前: 離散(1/3) 投稿日: 2003/10/30(木) 22:38
「よし、こっちに行けばホテルがある。近くに食い物屋もあるからちょうどいいな」
「営業してるのか?食い物屋」
「やってなくても厨房でなんか作ればいいだろ。ちなみにおれはチャーハンしか作れないからな」
住井、北川、有彦の三人は、相談の末にとりあえず街に行ってみようというありきたりな結論に達し、
こうして市街地マップの前でああだこうだと話し合っていた。
「あのぴりっとした辛さがいいんだって。わからないやつだな」
「お前こそ納豆が武器のくせに納豆チャーハンが外道とはわからんやつだ」
キムチチャーハンと納豆チャーハンのどっちがうまいかの議論を始めた有彦と住井に、キムチも納豆も嫌いな
北川は加わらずにそこらのビルをぼうっと眺めていた。すると、
「うん?」
ビルの窓に人影が通り過ぎた。注意して隣の窓を見てみると、やはり同一人物と思われる影が通った。
今度は一瞬だが顔も見えた。
「おい、あの人影森崎由綺じゃないか?」
「「え?」」
議論をやめて二人も北川が指差すビルを見る。しかし、人影はもう窓に写らなかった。
「気のせいだろ。なんで森崎由綺がこんなところにいるんだよ」
三人とも、名簿は自分の知り合いの名前しか見てなかったために、由綺の名前を見落としていたのだ。
「いいや、たしかにそうだった。おれちょっと見てくる」
「お、おい・・・」
住井が呼び止めるのも聞かず、北川はビルに走っていこうとする。
「わかったよ、じゃあお前は確認して来い。乾は先に行ってホテルとかの様子を見てきてくれ。
おれはここで荷物番してるから」
「「わかった」」
二人はそれぞれ別の方向に荷物を置いて走り出す。住井も自分の荷物を置いてその場に座り込んだ。

自分が適当に下した決断が、三人のこれからを大きく変えることになったなど、住井には知るはずもない。

403 名前: 離散(2/3) 投稿日: 2003/10/30(木) 22:39
喉が、渇く。
からからとかひりつくとかそういう表現じゃとても表せない。
持っている水は全部飲んでしまったというのに、喉の中に真っ赤に焼けた石炭を詰められたみたいに痛くて熱い。
この渇きは水じゃ静められないと、頭じゃなくて本能が知っている。
だからそれの匂いがする方向に、ふらつきながら向かった。
廃ビルのトイレ、そこの一番奥の扉が破られた個室の中。それは床一面にぶちまけられていた。
膝をついて、生乾きのそれを指で一すくいなめる。
それが喉を落ちていったとたん、あんなにひどかった渇きは消えた。
ああ、なんておいしい。どんな澄んだ水よりも気持ちよくて、高級料理よりもおいしい。
これが、もっと飲みたい。
靴音がして、だれかがトイレに入ってきた。顔を上げると、見知らぬ男の子がなにか言っている。
でも言葉は聞こえない。聞きたくもない。
この男の子の体の中には、あれがいっぱい詰まっている。だから、少しぐらいすすらせてもらってもいいだろう。
立ち上がろうとすると、男の子は手を伸ばしてくれた。好都合。手をとって立ち上がり、よろけたふりをして
男の子にしだれかかった。
目の前に首筋がある。そこにゆっくりと牙を突きたてた。


シエルがその光景を眼にしたとき、まさしく死徒は血をすすろうとしているところだった。
「あぶない!」
ろくに狙いもせずに速射した黒鍵は、運良く死徒の顔面に命中した。
衝撃で吹っ飛ぶ死徒。噛まれかけていた少年は、なにが起きたかもわからずに呆然としている。
「下がってください。その女は人間じゃありません」
強引に押しのけてトイレに入る。
死徒の気配を感じてシオンかと思い駆けつけたのだが、女に見覚えはない。
その女の死徒は、黒鍵をくらいながらもよろよろと立ち上がろうとしている。
そこにさらに三本黒鍵を打ち込むシエル。
相手が人であればともかく、参加者といえども死徒に手加減する気はまったくない。
とどめの火葬式典を発動させようとするシエルだったが、意外な存在に邪魔をされた。
「やめろっ!」
助けた少年が、体当たりをかましてきたのだ。不意打ちに体制を崩して転ぶシエル。
「お前、鬼だからってこんなひどいことしていいのかよ!」
「それは・・・」
少年の罵倒に、死徒のことを説明すべきかどうか一瞬迷った。
それが致命的な隙になった。
女は体から黒鍵を抜くと、壁に体当たりして壊して飛び降りた。
「しまった!」
あれだけ黒鍵をくらってなお動けるとは予想外だった。相当強力な死徒だ。
壁の穴から見下ろすと、女はもう走り出すところだった。
ここはビルの六階。さすがのシエルでも飛び降りることはできない。
もう少年にはかまわず、黒鍵を回収したシエルは階段に向かって駆けた。

404 名前: 離散(3/3) 投稿日: 2003/10/30(木) 22:40
「な、なんだ?!」
北川の入ったビルの壁が急に崩れ、さらにそこから女の人が飛び出してきて、住井はパニックに陥った。
そんな住井を見つけた由希は、当身を食らわせて昏倒させた。
血がほしい。これからいつ他の人間に会えるかわからないから、この少年を捕獲しておこうという考えだった。
しかしあの黒い長剣を投げてきた女が追ってくる。急いでここを離れなければ。
住井を肩に担ぎ上げて、由綺は走り出した。


「飯屋、飯屋・・・これか」
有彦が食い物屋を見つけて中に入ると、先客がいた。
「よっ、あんたもここで飯食うつもりだったのか?」
テーブルに座って簡易食料をもそもそと食っていた男は、有彦を見つめるだけで返事をしない。
(陰気なやつだなー)
そのとき、有彦が来た方角からなにか大きなものが落下する音がした。
「なんだ?」
振り向いたことが、有彦の命を救った。
カッ!
乾いた音に顔の横の壁を見ると、ナイフが刺さっていた。
「な、なんだぁ!?」
テーブルに座っていた男、鳴海孝之は舌打ちすると、河島はるかの武器だった出刃包丁を机の下から取り出した。

また、殺戮が始まろうとしていた。

【北川潤  所持品 なし  現在位置 市街地ビル】
【シエル(鬼) 所持品 黒鍵(十本)  現在位置 市街地】
【森崎由綺  所持品 なし  現在位置 市街地から逃亡中】
【住井護  所持品 なし  現在位置 上に同じ】
【乾有彦  所持品 なし  現在位置 市街地定食屋】
【鳴海孝之  所持品 出刃包丁  現在位置 上に同じ】

405 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 22:41
提案
シエルの黒鍵だが、毎度毎度回収するというのはしんどいんで、
一日十本で翌日になれば補給できるというのでどうだ?

406 名前: ドブネズミの唄(1/2) 投稿日: 2003/10/30(木) 22:57
「離してくださいですぅ、これだけあれば借金完済できて自己資金で事業も拡大できるんですぅ」
「だめだよう〜こんなことしちゃあ」
路上で言い争うのは塚本千紗と長森瑞佳、その周囲には何故か一万円札が散乱していた。

ホテルの入口のゲートをくぐり、塚本千紗が転移した先は銀行の中だった。
初めて見る銀行の窓口の中…
ATMの裏側ってこんなふうになってるですかぁ、などといいながら、
興味津々で視線をあちこちに巡らせる千紗の前に決定的なものが飛びこんでくる。
「あれは…お金?」
金庫へと続く廊下の片隅に、何処かから集金していたのであろう札束が、
いくつかの布袋に入って置かれていた。

千紗はまるで魅入られたように、布袋へと近づく、脳裏には資金繰りに悩む両親の姿と、
お小遣いも満足に貰えぬ自分の境遇。
「1枚くらいならわからないですよね?」
「1枚で大丈夫なら10枚でも大丈夫…」
「1束くらいあれば家計が…」
こうして数時間が経過し、銀行から出てきた千紗の姿は、ジェラルミンケースを両手に持ち、
さらにそれをもう一つ背中に背負った、まさに銀行強盗そのものだった。
そして札束の重さにひぃひぃ言いながらも、1歩を踏み出したところに瑞佳が通りがかったのだ。

「おねえさんに恨みはないですが、これも塚本印刷の未来のためですぅ」
力任せにジェラルミンケースを思いきり振りまわすと、それが瑞佳のみぞおちに当たる。
「うううっ」
思いがけない攻撃にうずくまる瑞佳を置いて千紗はそのまま走り去った。

407 名前: ドブネズミの唄(2/2) 投稿日: 2003/10/30(木) 22:58
どれくらい走っただろうか?目の前には何故か地下鉄の入り口がある。
「もうあの人…追いかけてこないですよね」
ここまで来ればという思いで、千紗は階段を降りていく…が。
「!?」
異様な光景に千紗は絶句する。
何と地下鉄の入り口から構内に至るまでの間に、十数匹の鼠と野良猫の死体が転がっていたのである。
どの死体も干からびており、さらにその首筋に2本の牙の跡がある。
これらが導き出すところによる結論、この先にいるであろう何かは…つまり…
「にゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
脱兎のごとく地上に逃げ出す千紗、それでもケースは手放そうとはしなかった。

そのまま街に逆戻りする千紗の目の前に先程の少女、まだ諦めずここまで追いかけてきたのだ。
「お金はちゃんと返さないといけないんだよ〜ってどうしたの!?」
「にゃあぁぁぁぁぁぁぁ〜おねえさんおねえさん、千紗とっても怖かったですうぅぅぅぅ」
瑞佳の胸の中に飛び込み、泣きじゃくる千紗だった。

「?」
地下街に響き渡る千紗の絶叫、それを聞いて振り向く人影、その口元には鋭い牙が生えている。
そう、トップアイドル森川由綺の成れの果てであった。

わざと地下街の入り口に獲物の死体を置いていたのは、今の自分に近づいて欲しくないという思いから。
でなければ飢えと渇きに耐えられず、その牙をいとも簡単に突きたててしまうだろう。
事実、逃げてくれた、との思いと惜しかったとの思いが頭の中で今現在でもぐちゃぐちゃに交差している。

「私…負けない…冬弥くん…理奈ちゃん」
由綺は心の中で恋人や友人の姿を思い描く、だが愛情も友情もみるみる間に食欲へと変わっていく。
「冬弥くんの血は、理奈ちゃんの血はどんな味がするんだろ…」

無意識の呟きに思わず口を押さえる由綺、その目から止めど無く涙がこぼれる。
愛する者の血肉を思う様啜れるのならば、人の心など捨てても構わない、という思いと、
例えこの肉体は浅ましき化け物に成り果てても心だけは人でいたい、まして最愛の人を
毒牙にはかけたくない、との思いが彼女の中でせめぎあっていた。

と、そこでめまいがする、まだこの身体を使いこなすには時間が足りない。
もう一眠りして夜になればきっと新しい身体にもなじむはず、それからまた考えよう。
そう思いつつ由綺は暫しの眠りについた。

【塚本千紗      所持品 不明(現金多数所持)  現在位置 街の路上】
【長森瑞佳      所持品 不明          現在位置 街の路上】
【森川由綺(睡眠中) 所持品 未定          現在位置 地下街】

408 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 23:02
まさかこんな過疎板でかぶりが出るとは・・・

409 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 23:02
「離散」の作者さんへ
森崎じゃなく森川ね・・・
といいますか死徒は日中外を歩けないです、
真祖であるアルクェイドでも日中の活動は避けたいとか言うくらいだから

まだ夜にはなってないよね?
で、話が重なっていますがどうしましょう?

410 名前: 407 投稿日: 2003/10/30(木) 23:13
失礼しました。
実はホワルバやってないんで(汗
上の方の人物紹介で森崎になってたんでそのまま使ってしまいました。これからはちゃんと調べます。
あと夜になってないのことですが、東の岬にいた三人が西の市街地まで来るにはけっこう時間が掛かるだろうと思って
もう日が暮れているとしてたのですが説明書いてませんでしたね。こちらもすいません。

重なっているのですが、本当にどうしましょう?

411 名前: 410 投稿日: 2003/10/30(木) 23:13
名前間違えてました。407じゃなくて404です。
ほんますいません。

412 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 23:20
そういえば!時間の経過を示すために放送入れないとね
とりあえず夜にはまだなっていないと思うよ。

それと街といいましても一つだけじゃないんじゃないかな
今が夜だとするなら、404さんに優先権が
夜じゃないなら406さんに優先権があると思う

朝スタートだと俺は思ってたんだが、だとすると昼過ぎくらいじゃないのかな?
んでそろそろ夕方と

413 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/30(木) 23:24
時間軸がかなりばらばらだからな・・・
明言されてるのは公園に浩平と詩子がいた3時ぐらいか。
志貴と千鶴が対峙してるのが夕方ぐらい。
遺跡の方とかまだ昼過ぎなような気がする。

414 名前: 406 投稿日: 2003/10/30(木) 23:24
とりあえず皆様の裁定に従います
こちらはまぁ後半部分を削るだけですむんですけどね。

正直、まだ昼間だと思ってました。

415 名前: 404 投稿日: 2003/10/30(木) 23:27
406さんに同じくみなさんに決定をおまかせします。

416 名前: 突撃ラブハート(1/2) 投稿日: 2003/10/31(金) 00:57
健太郎は細く入り組んだ遺跡の構内を進んでいく。
このまま進めば男の背後をつけるはず…だがその時、凄まじい勢いでレーダーが危険を知らせる、
みると男はすでに逃げ出した後だった。
慌てて自分も逃げようとする健太郎だったが。
「なあんだ、志貴じゃないじゃない」
そこに立ちふさがったのは白い服を着た金髪の女だった。

「ま、いいかこれでノルマ1つ達成ね、あと6つ」
攻撃体勢をとろうとしたアルクェイドだったが、そこで慌てて飛びのく、健太郎のいる右方向、
うっそうとした茂みの中から突如、光弾が射ち出されたからだ。
そして続けざまに茂みから飛び出す影、それは健太郎を守るようにちょうど健太郎とアルクェイドの
目の前に着地する。

「ああ…」
目の前に広がるピンクの髪、間違い無い…それは彼の最愛の恋人である証。
「スフィー!いつの間に…」

健太郎の声にスフィーは振り向きざまのサムズアップとウィンクで応じる。
「それはこっちのセリフだよ!!せっかく私が後ろから回りこんであのライフル魔をやっつけようと思ってたのに」
「考えることは同じってことか」
「でもでもけんたろっ!逢いたかったよ」
そのまま健太郎の胸の中に飛び込もうとするスフィーだったが、背後の冷たい目線にようやく気がつく。
「もういいのかしら?お2人さん?」
「ええと、もう少しだけ…といいたいけど無理みたいね」
「ええ」
そういうなりアルクェイドは爪を振るいスフィーに突進する
その爪をバリアでガードするスフィー、だが…じりじりとスフィーは後退していく。
「私が…押されてる、そんな…まさか真祖!?」

相手の正体を悟った時には遅過ぎた、だが後ろには健太郎がいる、
自分が倒れれば全てが終わってしまうのだ。
「まけられないよーっ!」
絶叫と同時に自分の魔力全てを解放する、まばゆい黄金色の輝きが周囲を包む。
「何ですって!」
驚きの叫びを上げるアルクェイド、と同時に彼女の身体は遺跡の奥深くへと吹き飛ばされていた。

417 名前: 突撃ラブハート(2/2) 投稿日: 2003/10/31(金) 01:07
輝きが晴れ、決めポーズを取るスフィー、だがその身体はLV1にまで退化してしまっていた。
「よかっ・・・た」
ふらりとゆらめき、倒れるスフィー、と同時に服が破け散り全裸になってしまう。
裸になってしまったスフィーを見て思わず顔を赤らめる健太郎、夜毎何度も愛し合っているのに、
少し体形が変わるだけでも、どうも気恥ずかしい。
「とりあえず何か着せるもん…着せるもん」
と、そこに見覚えのある紫の布がひらひらと舞い降りてくる。
「スクール水着?」
それを見た健太郎の顔がますます赤くなる。
スフィー(LV5)にむりやり例のスクール水着を着せてたっぷり可愛がった夜の記憶が甦ってきたのだ。
(何考えてるんだ…俺は、でもあの夜のスフィーは凄かった)
そんなことを思いながらあせあせとスフィーの身体に水着を着せていく健太郎だった。

着替えが終わり目を覚ましたスフィーが呟く。
「けんたろ…お願いがあるの」
「もうしゃべるな」
「あれは真祖と言ってこの世界そのものが生み出した存在、だから並みのやり方じゃ倒せないんだよ」
「だからここを離れて…あいつはすぐに甦るから」
「じゃあ何をやっても俺たちに勝機は無いのか…」
「ううん…あれは多分まがい物だから、何とかなると思うよ…でも」
最後の力を振り絞りスフィーは声を出す。
「早く逃げて、もうすぐ夜になるから…西にも町があるからそこに…それから」
「けんたろ、リアンを探してきて…あともう一つ…」
それ以上の言葉は発されることはなく、変わりに安らかな寝息が聞こえてきた。
「眠っちまったか…」

一方、遺跡の奥底で起き上がろうとするアルクェイドだったが、身体が痺れて動かない。
まるで太陽の中に落とされたような不快感が走る。
まぁ、あせることは無い、あともう少しで夜だ。
「またやられちゃったなぁ…また休憩かぁ」


【巳間良祐 所持品 即席狙撃銃    現在位置 遺跡から逃走】
【宮田健太郎      所持品 不明  現在位置  南部の遺跡】
【スフィー(睡眠中)   所持品 不明  現在位置  南部の遺跡】
(スクール水着は良祐の荷物でした)

【アルクェイド 現在位置 南部の遺跡最深部  残り七人】

418 名前: ドブネズミの唄:修正版(1/2) 投稿日: 2003/10/31(金) 03:49
「離してくださいですぅ、これだけあれば借金完済できて自己資金で事業も拡大できるんですぅ」
「だめだよう〜こんなことしちゃあ」
路上で言い争うのは塚本千紗と長森瑞佳、その周囲には何故か一万円札が散乱していた。

ホテルの入口のゲートをくぐり、塚本千紗が転移した先は銀行の中だった。
初めて見る銀行の窓口の中…
ATMの裏側ってこんなふうになってるですかぁ、などといいながら、
興味津々で視線をあちこちに巡らせる千紗の前に決定的なものが飛びこんでくる。
「あれは…お金?」
金庫へと続く廊下の片隅に、何処かから集金していたのであろう札束が、
いくつかの布袋に入って置かれていた。

千紗はまるで魅入られたように、布袋へと近づく、脳裏には資金繰りに悩む両親の姿と、
お小遣いも満足に貰えぬ自分の境遇。
「1枚くらいならわからないですよね?」
「1枚で大丈夫なら10枚でも大丈夫…」
「1束くらいあれば家計が…」
こうして数時間が経過し、銀行から出てきた千紗の姿は、ジェラルミンケースを両手に持ち、
さらにそれをもう一つ背中に背負った、まさに銀行強盗そのものだった。
そして札束の重さにひぃひぃ言いながらも、1歩を踏み出したところに瑞佳が通りがかったのだ。

「おねえさんに恨みはないですが、これも塚本印刷の未来のためですぅ」
力任せにジェラルミンケースを思いきり振りまわすと、それが瑞佳のみぞおちに当たる。
「うううっ」
思いがけない攻撃にうずくまる瑞佳を置いて千紗はそのまま走り去った。

どれくらい走っただろうか?目の前には何故か地下鉄の入り口がある。
「もうあの人…追いかけてこないですよね」
ここまで来ればという思いで、千紗は階段を降りていく…が。
「!?」
異様な光景に千紗は絶句する。
何と地下鉄の入り口から構内に至るまでの間に、十数匹の鼠と野良猫の死体が転がっていたのである。
どの死体も干からびており、さらにその首筋に2本の牙の跡がある。
これらが導き出すところによる結論、この先にいるであろう何かは…つまり…
「にゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
脱兎のごとく地上に逃げ出す千紗、それでもケースは手放そうとはしなかった。

419 名前: ドブネズミの唄:修正版(2/2) 投稿日: 2003/10/31(金) 03:53
そのまま街に逆戻りする千紗の目の前に先程の少女、まだ諦めずここまで追いかけてきたのだ。
「お金はちゃんと返さないといけないんだよ〜ってどうしたの!?」
「にゃあぁぁぁぁぁぁぁ〜おねえさんおねえさん、千紗とっても怖かったですうぅぅぅぅ」
瑞佳の胸の中に飛び込み、泣きじゃくる千紗だった。

「?」
地下街に響き渡る千紗の絶叫、それを聞いて振り向く人影、その口元には鋭い牙が生えている。
そう、トップアイドル森川由綺の成れの果てであった。

わざと地下街の入り口に獲物の死体を置いていたのは、今の自分に近づいて欲しくないという思いから。
でなければ飢えと渇きに耐えられず、その牙をいとも簡単に突きたててしまうだろう。
事実、逃げてくれた、との思いと惜しかったとの思いが頭の中で今現在でもぐちゃぐちゃに交差している。

「私…負けない…冬弥くん…理奈ちゃん」
由綺は心の中で恋人や友人の姿を思い描く、だが愛情も友情もみるみる間に食欲へと変わっていく。
「でも冬弥くんの血は、理奈ちゃんの血はどんな味がするんだろ…」
そう呟く笑顔は凄惨なまでの魔性の美しさに満ちていた。
「欲しいな…」
所詮、欲望には、いや生存本能には抗えない。
もう鼠や猫では満足できない…私が本当に飲みたいのは…
「冬弥くん…私。人間やめるね、ごめんね」
由綺は女子トイレのマンホールのフタをこじ開けて、下水道を進んで行く、まだ陽光が残ってる、
外には出れない。

道中、渇けば鼠を捕まえて血を啜り、鼠がいなければ平気で汚水を喉を鳴らして飲みこんだ。
まさにその様はドブネズミそのものだった。
行き止まりのハシゴを登ればそこはビルの中だった、有り難い事にきちんと窓にシャッターがしまっている。
試しに一つだけそっと窓を開けてみる、もう陽光は落ちている…いよいよだ。

【塚本千紗      所持品 不明(現金多数所持)  現在位置 街の路上】
【長森瑞佳      所持品 不明             現在位置 街の路上】
【森川由綺      所持品 不明             現在位置 廃ビル】

420 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 04:01
中途半端な時間に目が覚めたので修正しました
これで>>402-404に繋がるはずです。

とりあえず千鶴vs志貴に決着がつけば放送を入れて夜にしましょう

と、最後に
>>406-407は無効とさせていただきます。

421 名前: レティクル座展望 投稿日: 2003/10/31(金) 06:25
すでに太陽は沈み、夜空には星が瞬き始めている、時間はまだ5時30分だというのに。
と、星空を眺めていた冥夜がふいに立ちあがる。
「予定変更だ、我らの退路すでに絶たれたと考えよ」

その言葉に怪訝な顔をする大志、ついさっきまで率先して船を直そうと色々とやっていたではないか?
理由をと問われ、冥夜は明快に答える。
「かなり分かりにくいが、あの東の空の端にある星座、レティクル座は南半球でしか見ることができない星座だ…
だが、北の空には北斗七星が燦然と輝いている…つまり」

「そのような場所はこの地球上に存在しえないと言う事か、だが何故?」
「おそらく何者かが何らかの力でまやかしを見せているのだろうな」
仮定で物事を語るなどしたくないが、実際魔物連中が跳梁跋扈しているだから仕方ない。

「それほど悲観せずとも御剣財閥の力なら、ここを抜け出しさえすればどうにでもなるのではないか?」
大志の言葉に冥夜は苦笑する。
「私はそこまで楽観的ではない、それに相手がこういう形でヒントを与えてくれているのだ、
 このまま海原に漕ぎ出せば、間違いなくえらい事になるだろう…ゲーム的には脱出成功となるのだろうがな」

「しかし奴らも人が悪い、素直にカノープスやアルケナルでも輝かせれば皆気がつくものを…」

【御剣冥夜 所持アイテム スタングレネードx3 現在位置 漁港】
【九品仏大志 所持アイテム不明 現在位置 漁港】

422 名前: 尋ね人 投稿日: 2003/10/31(金) 08:05
 同時刻、遠野美凪も冥夜と同じ結論に達していた。
「まさか、UFO……?」
 自分たちは宇宙人に誘拐されたと考える美凪。それとも、
「何かの妖術……?」
 言ってて、自分が変に思えてきた。普段からというツッコミは認めない。
「みちる……」
 愛しき少女の姿が脳裏に浮かぶ。心配で胸が張り裂けそうだ。
「それにしても重い……」
 先ほどから美凪の思考が断片的なのは、あまり深く考えている余裕が無いからである。
 何しろ、リュックにはみだすほど大きな武器を担いでいる。その武器の名は第七法典と言った。

「あ……」
 今、近くで人の声がしたような気がする。空耳かもしれないが。
「ちょっと、そこの貴方」
 私は相当疲れているかもしれない。見渡しても誰の姿も確認できない。
「ねえ、無視しないでよ!」
 えらく気の短い空耳さんだ。
「空耳じゃないわよ! 私は木の上にいるのよ!」
 顔を上げてもう一度周囲を見る。木の上に可愛らしい女の子がいた。
(可愛い……)
 内心、思わずうっとりする。
(浮気な私を許してください、みちる)
 心の中で、みちるに謝る。
「だから、無視しないでよ!」
 あ、少し涙声になっている。急いで事情を聞く。

 その子は観月マナちゃんというらしい。
 スタート地点が木の上で、それから半日近く下に降りられず途方にくれていたとか。
(やっぱり可愛い)
 そのお間抜けぶりとか特に。

 さすがにこれ以上の放置は可哀想なので、武器の第七法典にしがみつかせて、木からおろしてあげた。
 マナちゃんは「有難う」と小さく呟いた。結構、恥ずかしがり屋のようだ。
 そして、私の方から同行を希望した。
 「旅は道連れ、世は情けだな……。ところで、これ、どう言う意味だ?」とアンポンタンなことをのたまっていた国崎さんを思い出す。
「さあ、行きましょう、マナちゃん」
 そう言って、私はマナちゃんの手を握る。
「ちゃん付けはやめて」
 手を離された。残念。

 観月マナが自分より年上だという事実を、いまだ美凪は知らない。

【遠野美凪 所持品第七法典 現在位置 島東北部】
【観月マナ 所持不明 現在位置 島東北部】

423 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 09:00
放送だったら、あまりにバトロワのまんまなので、それ以外の方法で参加者に伝えたいな。
もしくは、放送をいれずに、書き手が一番最後に時刻も表示するとか。

424 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 12:06
>>423
それをやっちゃうと書き手の間で統一が取れなくなる
だから放送が妥当だと思う
あるいはこんな感じか?

島中にどこからともなく鐘が鳴り響く。
と、同時にこれまでとは違う異様な振動を感じ、参加者一同はレーダーを見る
そこにはこれまでの捕獲者と死亡者、脱出者が表示されていた。
(島内統一時刻:PM6:00)

425 名前: 404 投稿日: 2003/10/31(金) 20:50
>>420
ごくろうさまでした。こちらを優先させてもらいありがとうございます。
それで時間軸の話ですが、これからは話の最後にだいたい何時ごろなのか入れるようにするというのはどうでしょう。
大雑把に昼頃とか明け方とかそういうのでもいいので。

426 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 20:56
いちいち時間を書き手ごとに設定していけば、たぶんかえって破綻が
生まれると思う、足枷は少ない方がいい。
それに時間を決めると今度は距離も決めないと正確な移動が出来なくなる。

やはりきりのいいところで時報を入れる&脱落者発表
これくらいのゆるさが妥当。

427 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 21:01
したがって時間に関する描写は"気が向けば"程度でいいと思う
まぁ、あまりにも時間が飛びすぎる(今の状況だといきなり午後9時だったりとか)
のは考え物だが・・・・
いや、時間と距離を厳密に考えようとして破綻した企画を知っているものだから
あいまいでいい部分はあいまいにしておいた方が、穴はあっても
上手く回転はすると思う。

428 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 22:12
>424
おお、鐘は雰囲気に合っていて良いと思います。
その案に一票。

あと、脱落者、死亡者は絶対に参加者に知らせないとだめですか?
何処かの掲示板とかに移っていて、運の良い限られた人しか無理とかいけません?
いや、放送を聞いて、復讐を誓う奴とか、キャラが死んで悲しむ奴っていうのハカロワで見飽きたから。
キャラを殺すなって言っているんじゃないよ。

429 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 22:53
>>428
それもいいかもね、では最初はそういう方針でいきましょうか

430 名前: 不可視の者たち 投稿日: 2003/10/31(金) 22:54
「わたしが近づいてくるのが感じられた?」
「正確に言うとちょっと違うけど、変な予感みたいなのがしたのは確かよ」
現在、郁未と晴香の二人は真西に向かって進んでいる。
山中ゆえまっすぐ進もうとすると木々が邪魔するので、晴香の斧でなぎ払いながら進むことになるため中々行程ははかどらない。
「たしかに、不可視の力同士が感じあえるっていうのはあるわね」
FARGOでも遠くに離れた名無しの少年がどうなっているかわかることがあった。
「晴香、ちょっと離れて。やってみる」
郁未は眼を閉じて意識を集中させ、全身から触覚を伸ばして島全体に張り巡らせるのをイメージし続ける。
(・・・・・・わかる)
自分と同じ力を持つものが、この島にいるのが感じられる。だが、
(四つある?)
一つはそばにいる晴香のものだ。他の二つは、名簿にあった少年と名倉有里のものだろう。
なら、残りの一つは、
「葉子さんなの?」
二つの気配よりもはるかに大きなそれは、ここから東北に進んだ方角で感じられる。
不可視の力を使いなおかつこれだけ強いとなると、鹿沼葉子しかいない。
「それに、なにこれ・・・」
郁未たちの進む方角で、まったく異質であるがなによりも強い力の波動がある。
不可視の力ではないことは確かだが、不可視の力より強いことも確かだ。
「・・・晴香、こっちに進むのやめましょ。なにかいる」
「さっきのやつが追ってきたの?」
「違うと思う。けど、絶対にそいつに会わないほうがいい」
いつになく青ざめた顔の郁未の言葉に、晴香は思わずうなずいていた。

二人が南に針路変更して数分後、同じ場所を遺跡から逃げてきた巳間良祐が通過した。
「だれか通った跡があるな」
草がなぎ払われた跡が、南と東に分かれて続いている。
良祐は、南に進むほうをたどることにした。
期せずして、兄妹はまったく同じ方角に進むことになった。

431 名前: 不可視の者たち 投稿日: 2003/10/31(金) 22:55
郁未が伸ばした不可視の力の網は、存在を察知した四人にも感じられていた。

「これは・・・郁未?」
少年は、空を見上げた。懐かしい感触が一瞬自分に触れていたような気がしたのだ。
少年もすぐに不可視の力でその出所を探る。
「南のほうか。それもけっこう離れてる・・・」
まいったな、とつぶやいて、少年は眼前の人物に視線を戻した。
「会わなくちゃいけない人の居所がわかったんだけど、通してくれる?・・・わけないか」
「当たり前だ」
着物に赤い革ジャンという奇妙な格好をした男とも女とも区別のつかない人物、両儀式はナイフを構えて答えた。
「一日歩き回ってやっと見つけた手ごたえありそうなやつを逃がすわけないだろ」
「そうだね」
少年も、不可視の力を集中させる。
「やるしかないよね」

「これは・・・郁未さんですね」
FARGOにいたときの癖で瞑想をしていた鹿沼葉子は、そのままの姿勢でつぶやいた。
「こっちには向かってないようですね。まだ時間がありますからいいですけど」
眼を開けて、部屋の隅に眼をやる。
「時間通りに来なかったら、本当にあなたの友達を殺してしまうかもしれませんよ?」
神社のご神体を祀る建物の部屋の隅。そこには葉子によって気絶させられた名倉由依が転がされていた。

「だれかわたしのこと探したかな?」
遺跡の奥で、アルクェイドは首をひねった。
「けっこう近くにいるみたいだけど、捕まえにいこうかな?」
もう日は西の水平線に沈みかけており、アルクェイドの力は戻っている。
「それともあの魔術師を追っかけようかな」
シオンに続いてぶっ殺すリストにランクインしたあのピンクの髪の毛の魔術師を思い出す。
「う〜〜ん・・・・・・やっぱり志貴を探そうっと」
元気よく立ち上がって体の埃を払う。
ここから北に行けば街があった。虚弱体質の志貴に野宿は辛いだろうから、街のどこかで泊まっているだろう。
勢いよく、アルクェイドは走り出した。

 【天沢郁未  所持品 エーテライト  現在位置 南部山中を南に移動中】
 【巳間晴香  所持品 斧  現在位置 上に同じ】
 【巳間良祐  所持品 小型狙撃銃  現在位置 上に同じ】
 【鹿沼葉子(鬼)  現在位置 神社建物内  残りノルマ九人】
 【名倉由依  所持品 なし 現在位置 上に同じ】
 【アルクェイド(鬼)  現在位置 遺跡から街に移動中  残りノルマ七人】

432 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 23:00
そういえばルーツ組はどしたのかな?

433 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 23:01
おれが今書いてるのに出てくる。
明日の今ごろには出せるはず。

434 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 23:06
少年と式のこと書き忘れてた。

【少年  所持品 不明  現在位置 島北部】
【両儀式(鬼) 所持品 ナイフ  現在位置 上に同じ】

435 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 23:07
>431
一応、少し出番があったから、少年と式の居場所も書いてくれない?
まあ、北の方ってのは解るけど。

436 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/10/31(金) 23:09
>434
あ、スマソ。被ったね。
>428
一応、人数だけは参加者に教えない? そしたら、三分の一に近付くと皆焦ると思う。

437 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 00:01
鐘を鳴らして時間を区切り。
残り人数 それから脱出者の有無を教える
これでいいかも

タイミングはどうします
とりあえず千鶴vs志貴、式vs少年が終わったあたりでいいかな?

438 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 00:04
 芳賀玲子と倉田佐祐理のスタート地点は、二人にとって意外とも馴染みの場所と言えた。
「うわぁ、佐祐理ちゃんってゲーム強いね。また、私負けちゃったよ」
「そんな、佐祐理は、巷のゲーセンで『ゲーマーお嬢』と恐れられているだけのただの女の子ですから」
 彼らがワラキアの夜の説明を受けた後に転送された場所、それはゲームセンターであった。
 だから、彼らはゲームをやっている。
 かなり説明が省かれた感がするが、真のゲーマ野郎共に言葉は不要だ。いや、彼女らは共に女性だけど。
「何故ゲームをするかって? そこにゲーセンがあるからさ」玲子はそう佐祐理に告げた。
 幸い、佐祐理は唐突なセリフに対して、舞という耐性がついていた。

「それで、いい加減、ここを離れませんか?」
「今日だけで、十回目……。で、返す言葉も同じだけど、どうしようか? いや、どうやって、ここから出るの?」
 彼女らは牢獄に囚われていた。それは、ゲームセンターを包む大きな遊園地のことである。
 西洋風のメルヘンチックな建物で囲まれており、正直ゲームセンターは全体の外観を損ねている気がする。
 親友の舞や、信頼できる祐一と合流したい佐祐理は、この遊園地を即刻出て、二人を探しに行こうとした。たとえ、一人でもだ。
 しかし、この遊園地は全体を西洋の町に見られるような大きな城壁に囲まれていた。大きな木製の扉は鍵こそ掛かっていないものも、女二人の力で開くものではない。
「それを考えましょう……」
 佐祐理の言葉は暗い。一日中、この閉ざされた空間を歩いていたのだ。
「私はこのままここでゲームをしていても良いと思うんだ。隠れる場所には困らないし。それに、音で私達の居場所がばれる事もないもの」
 そう、ゲームセンターだけでなく、遊園地のどの施設にも電気が通っていて、ボタン一つで動かせるもの、常に動き続けているものもある。
 二人の今いるゲームセンターも周囲の雑音が激しい。
 佐祐理は無言のまま俯いた。それを見て、玲子は溜息を吐く。
 二人の心は外の環境に比べて遥かに暗い。

 確かに、ここでは、二人の存在が他人に見付かりにくい。
 しかし、同時に、他人の存在を二人が探るのも難しいということは気付いていなかった。

 沈黙している二人のすぐ傍、プリクラの中に隠れている二人組がいた。
 上月澪と桜井あさひ。ある意味対照的な二人である。

 あさひたちが隠れている理由は単純だ。
 懐のセンサーが微弱だが、反応しているのである。
 よって、あさひたちは、顔見知りの玲子を除き、その向かいでゲームをしている佐祐理を鬼だと勘違いしていた。
 声優と無口な少女は、もしかしてセンサーを落としたかもしれない芳賀玲子に危機を伝える機会を待っている。ただ、ひっそりと。
 
 一方、遊園地のすぐ近くの森で、式と少年が激突している。

【上月澪  所持品 不明  現在位置 島北東部の遊園地】
【倉田佐祐理 所持品 不明  現在位置 上に同じ】
【芳賀玲子  所持品 不明  現在位置 上に同じ】
【桜井あさひ 所持品 不明  現在位置 上に同じ】
【少年  所持品 不明  現在位置 島北東部の森】
【両儀式(鬼) 所持品 ナイフ  現在位置 島北東部の森】

439 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 00:11
>>437
脱走者の有無を知らせる手段はレーダに表示?
というより、それなら鐘の鳴る時だけでなく、随時表示でもいい気がする。
もしくは、ボタンを押したら表示されるとか。

まあ、放送だけはやめてね。
ワラキアの夜がマイクに声を当てるところは想像できんw

440 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 01:17
>>428
>あと、脱落者、死亡者は絶対に参加者に知らせないとだめですか?
>何処かの掲示板とかに移っていて、運の良い限られた人しか無理とかいけません?
>いや、放送を聞いて、復讐を誓う奴とか、キャラが死んで悲しむ奴っていうのハカロワで見飽きたから。

この意見に賛成。ハカロワはよく知らない漏れだけど、死んだり消えたりしたキャラはすでに沢山いるんだから、これからその関係者を登場させる話を書くたびに悲しんだり怒ったりするのを書くとなると、ゲーム的要素を取り入れた企画なのに暗くなるし、何より、葉鍵板より参加社が少ないこのスレの回転が遅くなると思う。
友や愛する人の脱落や死を知ってのドラマは、書く話の都合に応じてにした方がいいかと。

441 名前: 440 投稿日: 2003/11/01(土) 01:31
上の文を少し訂正。別に雰囲気が暗くなるのはいいんだ。ただ、バトロワそのままの雰囲気に近くなるのは、わざわざ鬼ごっこと言う凝ったルールにした意味がなくなってしまうと思ったので。

442 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 01:50
誰が死んで、捕まったのかまではわからなくとも、
何人残っていて、何人捕まって・死んで・逃げられたのかまでは
オープンに提示してもいいと思う
それと死体は残るようにして欲しいな、できれば

443 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 02:15
http://www25.tok2.com/home2/nanashi/

とりあえず暫定版ログサイト作ってみますた。
番号クリックで読めます。

444 名前: 戦いと憤怒と苦悩 投稿日: 2003/11/01(土) 02:21
>>402-404より

(どうする…?)
 そうマジに考えた乾有彦は、思わず苦笑した。

 敵は本気だ。すでに、このふざけたゲームを死闘と読み、その路線での覚悟を決めているに違いない。何かが壊れたような目つきを見るまでもなく、いきなり刃物で攻撃をかけてきた事だけでそれは簡単に分かる。
 自分はたった今まで、このゲームを文字どおりのゲームのような感覚で過ごしてきた。ただ事ではないと十分理解してはいるものの、偶然出会って意気投合した連中とバカをやりながら島の中をさまよい歩き、たった今もメシを食おうというつもりだけでここに入ってきたのだ。
 それが間違っているなどとはかけらも思っていない。こいつのやり方に賛同するわけでもない。…だが、客観的に、その違いがこの状況にどう作用するか考えると、自分の身はかなりヤバい状況にあると断言していい。

 おまけに…。自分の口から、思わず笑い声が漏れてくるのを聞いても有彦は、無理もないと思った。
 出刃包丁対「強力粘着納豆」! 何の冗談だよ? カンベンしてくれ。

「ふざけ…るなっ!」
 相手は自分の笑いを、何か別の意味に取ったらしい。つっても、今のこの、絶望的というにもアホらしい状況にブチ当たった心境がどんなもんかなんて、俺にだってよくわからねえんだから、相手の誤解を自信をもって避難できる訳でもないんだが。

 まあ、冷静さをうしなった相手の放った第二撃がやぶれかぶれじみたもんになって、何とかかわせたのはありがたかったか。
 黒髪を振り乱して、包丁を力任せに突き出してきた相手は、バランスを崩してよろけた。冷静さを失っている事を割り引いても、喧嘩の経験は俺より少なそうだ。
(…行けるか? ひょっとして)
 あまり絶望に浸って惨めに終わる訳にはいかなかった。何せ、小学校以来の最大のライバルに笑われちまう。
 自分の頭のすぐ脇をかすめて壁に突き刺さった妙なナイフを抜こうとする。これがあれば五分ぐらいには持ち込めるかもしれない…が、残念! あまりに堅く刺さっていて抜けやしねぇ。
 同時に慄然とする。これが俺とあいつの差だ。喧嘩慣れしてなかろうが、力や気合いがどうだろうが関係ない。壁に突き刺さったナイフのこの深さが奴の出した「結果」で、俺はそれを破れなかった。つまり、この戦いの結果も見えようというものだ。

 ほら、敵は俺がナイフを抜けないのを尻目に、完全に体勢を立て直してまたこちらに狙いをつけやがった。
(…って所だが、な)
 意外に思う。
(…止めを刺そうとする殺人鬼の目、って感じじゃないよな)
 獲物を狙う補食動物の目、邪悪な悦楽に輝く異常者の目。こいつの目は、そんなものじゃない。迷い、自分の限界に打ちのめされ、自分なりに苦悩した挙げ句、歪んだ欲望と狂った理屈に逃避するしかなくなってしまった哀れな奴……そんな目だ。
 これなら、あいつの秘めている恐ろしさには、遠く及ばない。
(…あいつなら、こんな状況でもこいつに勝てたろうけど。……な、…遠野)
 敵は再び鋭く光る刃先を向け、渾身の力でこっちに飛びかかってきた。

445 名前: 戦いと憤怒と苦悩  2 投稿日: 2003/11/01(土) 03:33
「待ちなさいっ!」
 階段を駆けおり、三階の踊り場から飛び下りたシエルは、近くの樹の枝に着地すると、少年を抱えて逃げてゆく死徒に向かって飛翔した。

 勇姿。その飛翔を見た者なら、十人中十人がそう言うだろう。非力な少女に過ぎない沢渡真琴を捕らえられなかった先刻の惨状は微塵も残っていない。
 今、シエルは望まぬながら無力な獲物を追い回さざるを得ない鬼ではない。かつて
自分の人生を破壊し、自分がその一員として罪を犯した怪物、死徒を断罪する戦士だ。図らずも、この呪われたゲームからやや離れ、あるべき姿に戻った彼女の動きに、曇りも迷いもなかった。

 ひねりを加えて黒鍵を、投げるのではなく「撃つ」。矢、いや弾丸のように、黒い刃は遠ざかる死徒の影に向かって、黒い光線のように吸い込まれてゆく。
 だが、躱された。さきほどのようには行かず、死徒は疾駆を一向にゆるめる気配はない。やはり強力な死徒のようだ。ただでさえ、相手が「人質」を抱えている以上、「人質」に当たらないようにこの距離射撃するのは非常に困難だと言うのに。
 射撃でカタをつけるのは諦め、全てを跳躍に集中する。夜空を舞う蒼い影はみるみる内に、地上を疾駆する影に追い付いた。

(何よ…あいつ…)
 森川由綺は、死徒の力を持ってしてもの疲労、そして焦燥と、何より恐怖におびえていた。
 自分は文字通り血に飢えている。また、それを癒すために捕らえた獲物が、かなりの
負担として肩にのしかかっている。だが、それを差し引いても、あの女の動きは異常だ。
 すっかり忘れていたが、ポケットにしまっていたレーダーが、さっきから振動を続けている。あいつも「鬼」なのか。あんなとんでもない奴が「鬼」だというのか。
(くっ…)
 苦しい。体が少しずつ蝕まれてゆく。血によって辛うじて偽りのかたちを保っている、すでに死んだ肉体が崩れてゆく。
(もう時間がないね。どのみち助からないのかな…)
 死者と化しても、餓えだけは人間だった頃よりも遥かに厳しく肉体を責め苛む。最も激しい本能の疼きは、すでに人でなくなった由綺を、獣の衝動に屈させようとしていた。
 肩にかついでいた獲物を地面に叩き付けるように下ろし、首筋をあらわにする。
 本当に、何ひとつ考えられないほどに餓えているのに。
 なぜか、涙が止まらないのは、魔物に近付いた心の中でも、唯一暖かい鼓動を刻みつづける思い出のせいだろうか。
(冬弥……くん………!)

(…しまった!)
 シエルは舌打ちする。あれほど強力な力を垣間見せる死徒が、そこまで餓えた状態にあるとは思っていなかった。
(この島を包んでいる結界の作用ですか。強力な超常の力を減じ、その消耗を早める結界)
 だが、今回はそれが皮肉にも逆の方向に働いた。あまりに急速に餓えた死徒は、シエルの予想よりも早く己を失い、少年を餌食にしたのだ。そして今、本来の力を取り戻した死徒は、用済となった獲物を棄てて、瞬く間に闇へと、彼方に広がる夜の森へと消えてゆく。
 シエルの力を持ってすれば、追いつめて捕らえるなどさほどの困難ではなかったが、あいにくと、今のシエルには、さらに優先する事があった。跳躍した先は、死徒の消えた闇の中ではなく、打ち捨てられた犠牲のもとだった。

446 名前: 戦いと憤怒と苦悩  3 投稿日: 2003/11/01(土) 03:44
「酷い…」
 致命的。ひと事で言えばそういう状態だった。
 餓えきった死徒には慎重さなど発揮する余裕はなかったのだろう。少年―住井は首筋を傷つけられ、そこから血を流し続けている。
 もっとも、本来ならば一刻を争うほどの傷ではない。が、すでに少年の肉体からは相当の血が失われている。このままだと、数刻を待たずして彼の失血量は致命的な段階に達するだろう。
 その傷口に手をかざしたシエルの表情がさらに苦渋に満ちたものとなった。魔力が足りない。いまいましい結界は、こんな事態を招いただけでは満足せず、癒しに必要な力までも彼女から奪っているのだ。かつてロアから受け継いだ魔術の技を使えば一命を取り留めることもできたかも知れないのに。

 万策尽きてひたすら立ち尽くすシエルの頭に、ワラキアの夜から聞いた情報の一つが蘇ったのは、神の導きか、悪魔の陥穽か。
(「鬼」に捕らえられて回収された参加者は、生命を保証する措置を受け、参加者が「鬼」を倒した時に備えて待機する…、と言っていましたね)

 どこまで本当かなど、わからない。このゲームの主催者側に全ての約束を守るような高いモラルを期待できる訳がない。
 だが、今、この少年を救うには、今までさんざん忌んできた行為に手を染めるしかないようだった。

(そんな事をして意味があるんですか? ゲームの主催側の思う壷に嵌まるだけじゃないですか。そもそも、鬼に捕われた参加者は、もっとも大切で、美しい記憶を永遠に奪われると言うルールを忘れたんですか?)
(私はこの人の何を知っているというんですか? 何も知らない人の運命を左右する権利がどこにあると?)
 いかに苦しもうと、その苦しみは無駄だった。消え行くべき命を前にしているとき、他にどのような選択肢があるだろうか?

 あっけないほどに簡単だった。少年の姿は一瞬にして消え去り、首輪だけが重く、自分の手に残る。
 首輪の重みに耐えかねたかのように、シエルは地面に膝をついた。

 自分たちだけではない。この島のあちこちで、理由もわからずこのゲームに投げ込まれた者達が同じように苦しみ、迷い、悲劇に陥ってゆくのだろう。
(このままじゃ、終わらせない。絶対に……)
 この時、シエルの目に燃えていたものは、このゲームの転換を告げる一つの予兆だったのかもしれない。

【シエル(鬼) 所持品 黒鍵   現在位置 市街地外れ 残りノルマ9人】
【森崎由綺   所持品 なし   現在位置 市街地から逃亡中】
【住井護    ゲームオーバー  所持品 なし】

447 名前: エクソダス 投稿日: 2003/11/01(土) 03:57
夕暮れ時、数十メートルの断崖絶壁をロープを使ってじりじりと下の海へと降りていく二人の男の姿があった。
男たちは時折吹く強風に煽られつつも、すこしずつ時間を掛けて崖を下っていく。
ようやく下り終えたときにはすでに日は沈みはじめていた。

男たちはそれでも手を休めることなく、今度はあらかじめ下に落としておいた荷物を広げ、
また何やら作業を始める。
全てが終わったときにはもう日は暮れていた。

「ふぅ……」
完成したエンジン付きゴムボートの上にちょこんと乗っかっているのは美しい顔立ちの少年だ。
「じゃあ…頼んだよ」
「一緒には行かないんですね…」
少年は不安そうに傍らの男性に話しかける、こちらはメガネを掛けた、
どことなくキザな雰囲気の男性だ。

「俺は逃げられないよ…理奈を置いてはいけない」
「英二さん…」
「君だけでも逃げてくれ…そしてこの電話で必ず救援を呼んできてくれ」
英二は自分の支給品であるイリジウム携帯を彰に渡す、島の中では何故かまったく通じなかったが。
これがあれば基本的に世界中何処へでも連絡する事ができるはずだ。

ちなみに2人は運良く開始直後に出会う事ができたのだが、
結局、それぞれ探している相手には巡り会うことが出来なかった。
2人は考えた結果、どちらか1人が脱出し助けを呼んでくる、今の状況でさまよい歩くよりも、
これが1番確実ではないかとの結論に達したのだった。

アウトドア専門店で見つけたゴムボート、さらに食料…救援を呼ぶための連絡手段と、
全ての条件は整っていた。
脱出を拒むような断崖絶壁も、彰の支給品であったワイヤーロープのおかげで、
何とか攻略することが出来た。

あとは彰次第だ、英二は彰の肩に手を置き、もう1度頼んだぞ、と声を掛ける。
彰も英二さんこそどうかご無事でと答える。

ゴムボートのエンジンを掛ける、心地よい振動と音が周囲を揺らす。
食料や燃料、方位磁石といったサバイバル用のキットもきちんと詰みこんでいる、
多分いける…大丈夫だ。
2人は祈るような表情で見詰め合うが、ではお先にとにこやかに彰が頭を下げ、
と、同時にゴムボートは外海へと船出していった。

ゴムボートが見えなくなるまで手を振っていた英二だが、
ふと、自分の頭上数十メートルの絶壁を見て、ふぅと息を吐く。
降りるのはよかったが、流石に登ることなど不可能だ。
だが島の周囲は基本的に浅瀬のようだ、これなら歩いてどこか登れる場所を見つける事が出来るだろう。
懐中電灯を照らして地図を見ると東に漁港、南に入り江がある。
さて、どちらを目指すか…。

【緒方英二   所持品 懐中電灯  現在位置 島北西部の岩場】
(彼に接触する場合、断崖を下らなければなりません)
【七瀬彰    脱出成功】

448 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 03:59
まっとうな脱出者を書いてみました
ただし冥夜の言うとおり、脱出=生還とは言いきれないんですよね
少なくともそのつもりで書きましたが、いかがでしょう

それとまた森川が森崎に・・・・

449 名前: 戦いと憤怒と苦悩 4 投稿日: 2003/11/01(土) 04:19
 話は変わって、廃ビルのレストラン内。

 乾有彦は、相手の庖丁が脇腹を切り裂いた時にも、何とか冷静を保つことに成功した。
 痛い。だが、その痛みに反射するように、蹴りをなんとか相手にぶつける。体勢を崩していた敵は、蹴りを食らってよろけながら下がる。

 だが、庖丁と、それを食らってから放った蹴りとじゃ、ダメージに差がありすぎる。
 有彦は蹴りを放ったきり、壁に背をついて床に座り込んだ。痛みは、彼から思うように動けるだけの力を奪っている。
 相手は、それを見て安心したのか、ゆっくりと立ち、庖丁を握ったままこちらに向かってくる。
(これで……終わり…か)
 怖くない訳がない、納得できる訳がない。だが、どうしようもないという状況はあるものだ。
(そう言えば、死ぬときは、さんざん迷惑かけてきた世の中の全てに謝ってから…なんて考えてたよな)
 それを実行するのも、悪くはないかも知れない。そう思いながら、自分の人生に幕を下ろしに来る相手を見つめる。殺す側と殺される側。だが、どちらも同じなのは、首枷のように、ゲームの参加者の証たる首輪がついていること。
 それを見ると、何だか無性に悲しかった。

 そして、そう感じるのは、有彦だけではないようだった。


「このドアホっ! 一体何やっとんねんっ!」
 悲しい気分に、関西弁の怒鳴り声と言うのはいささかミスマッチだったかもしれない。
 それと、殺人者の頭に降りおろされた、金属製のハリセンも。
 予期しない攻撃と罵声を背後から食らった殺人者は、もろくも床に倒れふした。
 その向こうに立っていたのは、髪を二つにわけてむすんだ眼鏡の女性だった。その顔は、怒りと嫌悪、そして――悲しみに満ちている。

 殺人者の手からは、庖丁がどこかに飛んでいた。失った武器を探るかのように手をじたばたと動かす殺人者の頭上から、さらに罵声が浴びせかけられる。
「どういうつもりや! 自分だけが生き残るつもりか? 自分だけ助かろ思て、何を―何ちゅうことしとるんや!」
 殺人者は、何か言おうとしたようにも見えたが、彼女―猪名川由宇の剣幕に押されたか、動こうともしない。
「由宇さん、いったい何があっ――」
 そう言ってレストランの戸口にあらわれた短い髪の女性は、レストランの中を目にして、そして、床に倒れている殺人者の姿を見て、凍り付いた。
「孝之―さん…」
 その声に、殺人者は弾かれたように顔を上げ、女性を見た。その顔を恐怖と驚愕が覆っているのも。
 そして、彼女の手に握られている小さなものも。
 血塗れのそれには、小さい字ながら、明らかに書かれているのが見て取れた。
【すかいてんぷる 入店証 鳴海孝之】
 
「うわあああああぁぁぁぁっっっ!」

 まるで爆発したかのように、人ののどから迸ったと信じられないほどの声で喚き、戸口の涼宮遥に向かって突進する殺人者―孝之を、由宇でさえ押しとどめる事はできなかった。
 遥は、戸口から一歩も動かない。…動けないのか、動こうとしないのか。
 次の瞬間、遥を突き飛ばし、孝之は外の闇へと消えていった。

450 名前: 戦いと憤怒と苦悩 5 投稿日: 2003/11/01(土) 04:41
「あんた、大丈夫か!?」
 どうやら、有彦の惨状をあらためて認識したらしく、由宇が近寄ってくるのに、有彦は片手をあげて応える。

「あー、大丈夫っす、姐さん。ただ、人が悲劇の最期を迎えようとしてた時に、ハリセン持った関西女が乱入、なんてシチュに精神打撃受けてるだけげげぼっ!!」
「ほな責任もってその悲劇の最期っちゅうんを迎えさしたろかい!」
 あの金属のハリセンで頭を殴りつけられ、有彦はのけぞる。
「何すんだよ。俺はこんな怪我して… 」
「あー大丈夫や。そないにアホやれる元気あったら、そのまんまで修羅場二、三日続けたかて死なへんわ」
 そう言いながら、出口の方へ踵を返す。
「ま、このあたり探したら、応急処置するぐらいのもんは見つかるやろ。それまで大人しぃ…」
 そこまで言って、由宇の足が立ち止まった。
「遙はん…」
 遙はさっき、孝之に店内の隅までつきとばされた状態から、一歩も動いていなかった。
 ただ、床に崩れ落ちた姿勢のまま、小刻みに体を震わせているだけだ。
 由宇がしゃがみ込んで話し掛けても、心はここにないようだった。

「なるほど…」
 何となく事情を察した有彦は、とりあえず一旦その場を離れようと立ち上がった。傷は思ったよりも浅いようで、今でも歩く分には支障はないようだ。
 この場はしばらくそっとしておいた方が良さそうだし、仲間達も呼んでこなければならないだろう。


 北川に会ったのは、ちょうど集合場所に着いた差し掛かったときだった。
 北川が無言で差し出したのは、住井をさらった奴を追い掛けていった先でただ一つだけ見つけたもの、引きちぎられ、そして血に汚れた、彼の襟だった。 

【乾有彦    所持品 なし      現在位置 市街地定食屋前】
【北川潤    所持品 なし      現在位置 市街地定食屋前】
【涼宮遙    所持品 不明      現在位置 市街地定食屋】
【猪名川由宇  所持品 金属ハリセン  現在位置 市街地定食屋】
【鳴海孝之   所持品 なし      現在位置 市街地を逃走中】

451 名前: 444 投稿日: 2003/11/01(土) 04:44
>>447
すみません。投稿が遅れて、紛らわしい形になってしまいました。

よく考えたら、このパートって時間が夜なんだよね。他のパートがまだ日が暮れてないのに、進めるのはまずかったかも。

452 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 04:46
>>442
>誰が死んで、捕まったのかまではわからなくとも、
>何人残っていて、何人捕まって・死んで・逃げられたのかまでは
>オープンに提示してもいいと思う

そのぐらいでちょうどいいんじゃない?

453 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 05:35
ちょっとだけツッコミを・・・・現在(第二章)だと遙の髪は長いのです。
短いとまだ孝之と付き合い出した学生の頃と言う事になってしまいます・・・・
それにそのころだと孝之はバイトやってないし。
まぁネタバレになってしまうので、そこらへんの事を詳しく書いたサイトは
少ないだろうけど・・・・

454 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 12:25
>443
乙カレ〜。
やる気が増してくるわ。
>447
意外だw
彰にももうちょっと苦労させたい自分がいたりして。
続き書いたらまずい? いや、脱出成功という事実は変えないままで。

>450
姐さんと部下の男たちの組み合わせは良いと思う。
色々とシチュエーションが浮かびそうな組み合わせだ。
まあ、どっちかというと、悪党っぽいがw

>452
死んだ奴と捕まった奴は一緒でもよくない?
そうしないと、マーダーの存在がすぐにばれちゃう。
もしくは、鬼が殺したと思われて、ルールを信用しないようになるかも。
何より、疑心暗鬼に陥ったら、仲間が固まりにくい。
バトロワと違って、総力戦が出来るのがこの鬼ごっこの良い点だと思う。

455 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 13:38
>>454
脱出者の行末みたいなのをあくまでも外伝として書いてくれるとうれしいかな。

456 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 14:59
MOON勢の中に高槻がいないのは何故?

457 名前: 悲しき嘘 投稿日: 2003/11/01(土) 15:04
6時を継げる鐘の音を聞きながら、薄暗い夜の街を歩く北川と有彦。
「何であの人たちと一緒に行かないんだよ」
「色々あるんだよ…」
北川のぼやきに言葉少なげに言い返す有彦。
(色々とな…)
「それより探さなきゃいけない奴が出来た、協力してくれないか?」

「森川由綺か?」
「だから、それはお前の見間違いだっての…だいたいあの森川由綺がこんなところにいるか?
それでその森川由綺がトイレで誰かの血をぴちゃぴちゃ舐めていたって?お前悪いものでも食べたんじゃないのか?」

「そうかなぁ…」
有彦の言葉に渋々頷く北川、だがそれでもあれは森川由綺だという思いが彼の中にはあった。
だが、肝心のトイレで血を舐める姿を見てからの…その前後の記憶がほとんど無いのだ。
それが由綺の無意識に放った魔眼のためだと言う事に、彼が気がつくことはなかった。


話はその少し前に戻る。
定食屋のカウンターを挟んで向かい合う由宇と有彦、有彦の後ろのテーブルには、
結局気絶してしまった遙が寝かされている。
「本当の事かぁ…言えないよなぁ」
遙を起こさないよう由宇へと囁く有彦、
「当たり前や、言ってもうたら自殺しよるで…」
由宇の言葉に頷く有彦、遙の境遇についてはさっき聞いた、確かにそんな事情がある以上、
あんたの恋人は人殺しですとはとても言えない。

「この子が…」
と言いかけて有彦は一旦口を止める、考えて見れば遙は自分よりも年上だ、とてもそうは見えないが。
その白い顔をまじまじと眺める……胸が高鳴る。
こんな綺麗な人がどうしてこんな辛い目にばかり…という思いが胸を灼く。
俺だったら…と思ったところで遙の唇から寝言が漏れる。
「孝之君…ずっと…そばに」
それを聞いてうなだれる有彦。
(俺が割りこむ余地なんかどこにもないんだろうな…でも…)

458 名前: 悲しき嘘(2/2) 投稿日: 2003/11/01(土) 15:04
「頼みがある」
有彦は妙に改まった口調で由宇の方へと向き直る。
「この人が目を覚ましたら言ってくれないか…俺が先に手を出したって」
「何やと!」
驚きを隠せない由宇に有彦は続ける。
「それしかないだろ!…でなきゃどうすんだよ!いまさら夢でしたなんてのは無理があるぜ」
「あんた…遙はんのことを、でもそれはな1時の感情や、そんなんで動いてもうたら絶対後悔しよんで」
(それにアンタの入りこむ場所なんてこの子には無いんや…)と言いかけて由宇は口をつぐむ。
そんなことは全て承知なのだろう。

「ええんやな…」
有彦に背中を向け、確認を取る由宇…その肩が小刻みに震えていた。
「それに多分あいつの様子なら、まだ何とかなると思う、だから俺はこれからその孝之って奴を探してみるつもりだ
じゃあ後は任せたから」
「待ちぃや、そやったらもうちょっと考えな」
「考えるのは苦手なんだよ、あんたマンガ描くんだろ、細かい筋書きは適当に考えてくれ」
由宇の制止も聞かず、有彦は外へと飛び出していった…。
(知得留先輩の時といい、チクショーどうして俺ばかり)と思いながら。

そしてそれから間を置かず目覚めた遙に、由宇は頭の中で考えたストーリーを必死で説明する。
「だからあんたの恋人は悪ぅないんや…悪いんはあのヤンキーの兄ちゃんや」
遙も最初はまだ恐慌状態が残っていたが、由宇の迫真の説明に納得したのか落ちつきを取り戻す。
「孝之君…孝之君、良かった…まだ私生きていられる…」
嬉し涙をぽろぽろとこぼす遙、それを由宇は複雑な表情で見つめていた。
(これでええんか…乾はん)

【乾有彦    所持品 なし      現在位置 市街地】
【北川潤    所持品 なし      現在位置 市街地】
【涼宮遙    所持品 不明      現在位置 市街地定食屋】
【猪名川由宇 所持品 金属ハリセン  現在位置 市街地定食屋】

459 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 15:06
>>454
作品に関して影響を及ぼさなければいいんじゃないの?

>>456
高槻いるかなぁ・・・・でもそれを言い出すと結構いない人多いよ

460 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 15:43
いや、巳間良祐出てるのに高槻出てないのには違和感があって。

461 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 15:54
>455
外伝というより、対主催者戦の布石みたいなものを書きたかったんだ。脱出者も結局の所、主催者の手に落ちるみたいな形で。
ただ、どちらにしてもまだ先の話だな。鬼すら全員出ていないのに。
忘れてくれ、スマソ。

462 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 16:08
軋間はなんでいるんだろうね。
特に握られる弱みも無いし、確か歌月の話では結構好戦的、というか戦闘マシーン的に描かれていたから、参加目的も闘争だと思ってたんだが、何故か非好戦的な人物にされてる。
非好戦的なら、島に来る理由無いと思うんだが。

463 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 16:11
>460
高槻は要らないでしょ。
悪党役は巳間に先を越されたし。
あ、でも、そっちがどうしても使いたいなら構わないと思う。
ヒロインを(ピー)とかしない限り。したら、さすがに、雰囲気が悪くなりすぎるw

464 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 16:18
>462
ていうか、
普段からどうやって生活しているか激しく疑問。

ワンルームマンションに一人で住んで、朝のニュースをコーヒー飲みながら見ていたりしてんのかな。
自分で弁当作って、公園にお散歩。日向ぼっこをしながら、はるかとお茶。
その時、ポケットの携帯から仕事の依頼。スーツに着替えて、銀座の高級寿司屋で打ち合わせ。


いや、ゴメン。

465 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 16:19
いや、出す出さないじゃ無しに、このスレ見たときに真っ先になんで参加者リストに高槻の名前が無いんだろ?(良祐いるのに)って思ったのでなんとなく聞いてみただけです。
一応あいつが作品内で一番の悪役だったのになあ・・

466 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 16:21
>464
どっかに森で獣の群れと共存してるって書いてあったような気がする。
うろ覚えだから間違ってるかもしれんが、確か、公式のはず。

467 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 16:21
来たというより何故か連れてこられた、このへんは他の参加者と同じじゃないの?
非好戦的というより自分からは売らない、興味が無い奴とは戦わない
これは基本設定でもそうだったはず、紅verじゃないみたいだし
こんな感じじゃないの
まぁ、嫌になれば勝手に泳いで帰るでしょう。

それとこれ以上参加者は増やさない方が・・・もう動いてるわけだし

468 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 16:28
じゃあルーツも出さないほうがいいな、と揚げ足取ってみる。

469 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 16:39
>>465
というより、宅も含めた鍵作品で唯一の悪役かも。
久瀬は立ち絵すらないから置いておく。
敬介は……どうなんだろ?
俺は違うと思うが、人によってはそうだという奴もいたような。

そういや、敬介もおらんな。要らんけど。

470 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 16:58
>>465
MOONなんだしいいじゃん

471 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 17:25
高槻、ハカロワと同じ役どころで無ければ個人的には可かな。
名前の出て無い人間も出せるようにすればいいんじゃないですか?

472 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 17:46
だからこのままだと際限なくキャラが増えていくよ。
こみパでいうならおたく縦横とか、玲子のコスプレ仲間や立川兄だとか・・・・
増やすより絞ることを考えないと、それに今見るとまじアンとホワルバのキャラが
あきらかに動いていないし・・・マブラヴはまぁ仕方が無いとしても
(マヴラヴまで削ったら葉鍵板でやるのとほとんど変わらん)
とにかく今いるキャラでも過剰気味なのに、これ以上増やしてどうするの?

追加キャラを出すなら出すで最終決定の期限を決めよう
それとルーツは俺も微妙なライン・・・葉がかなり過剰気味だし
まぁ決定した以上、従うけどね。

473 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 18:09
>>472
同意、増やしてもあと数人、際限なくはやめた方がいい
いきなり結界破ってセバスチャンが現れたりしたら寒過ぎる。

というか高槻の役どころってすごく限定されるぞ・・・・
というか同じ事しかできないし、やれないと思うんだわ。
実際他のSS読んでても、またかよと思うことが多かったりね。

でももし今までと違う新しい高槻をきちんと書ける自信があるのなら読みたいとは思う。

で、今のところ参加98人で鬼が10人
もし100人超える場合は、鬼をもう1人追加したほうがいいかも。
鬼を含めると108人か・・・

474 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 18:16
>>473
同意
高槻はどうしてもワンパターンになりそうでもういいやって思っちゃう。

475 名前: 444 投稿日: 2003/11/01(土) 20:52
>>453
すいません。君望やってませんでした。
適当に脳内変換しといて下さいませ。

476 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 20:55
>>462
正直、やたら強すぎてかえって使いにくいし、設定も感情描写もほとんどないし、特に人気がある訳でもない軋間がなんで数少ない参加者に入ってるの?
軋間をいれるぐらいなら、月キャラだけでもネロ、シキ、都古、ふじのんあたりを入れた方が動かしやすいし、人気もあると思うが。

477 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 20:57
>>476
だなあ
軋間ははっきりいってうざい

478 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:00
強すぎだと御堂みたいにあっけなさすぎで楽しめないしねえ。
弱いながらでも対抗する工夫がつくりしにくな。

479 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:04
>>472-473
キャラが多過ぎると言うより、キャラの選別を誤ったような気がするんだが。動かせないキャラがやたら多くなって、持て余し状態になってる。
まじアンは魔法絡みの話なんだからまだしもとして、ホワルバ入れるはよりは無理せず東鳩以前の作品とかを参加させた方がよかったんじゃないだろうか。

あと、いずれはこのゲームの黒幕に触れる事になるんじゃないかと思うが、そうなるとそれ用のキャラが入るのは避けられなくなるかと。ワラキアだけが黒幕じゃないだろうし。

480 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:05
ネロとかシキは欲しい気がするなぁ。
少なくとも軋間よりは。

481 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:08
鍵の一般人チームもいい加減マンネリな気がするね・・・
月がどうしても強いメンバー多いから
バランス的に他の一般人メインの作品が動かしにくいと思うし

482 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:10
>>480
ネロなら強いけど軋間みたいに攻撃ノーダメージですって程じゃないからね。
軋間程全く抵抗できないって事はなさそう。

483 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:13
軋間はエルクゥ化した柳川の相手になるために必要だと思うんだが。
でも、それ以外はとことん使いにくいな。

484 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:14
>>481
鍵キャラはキャラ立ってるのが多いから、その気になれば「非力な一般人が知恵と勇気で強大な鬼を倒す」という展開が出来ると思う、というか、ここらで一回やってもいいんじゃないか?
ただ、そのためには祐一が早々に死んだのはなんか痛い気がするが。

ところで、捕まったキャラの広報は、参加者が鬼を倒したら、その参加者の持つレーダーに表示されるってのはどう? 知ってる人が捕まってたのを気付かずにせっかくの賞品を無駄にしたら、無意味に間抜けだ。

485 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:16
>>483
志貴や秋葉だけで十分だと思う。苦戦するかもしれないが、鬼相手に苦戦するのは当然かと。
あるいは耕一を入れるべきだったのかもしれない。

486 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:35
>>484
それがマンネリって事じゃないのかな?

487 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 21:37
一般人除いたロワってのも一度見てみたいな・・・

488 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 22:32
軋間の最大の問題は、鬼としての役割を全く実行できないこと。
上のほうに適当に連れてこられたって書いてるけど、それだとルールも把握してないし、キャラ的に考えて、参加者を殺さず捕縛するという根本的なルールを守るとはとても思えない。つまり事実上軋間を書くとすれば鬼対鬼以外無いわけで、そんなんもう鬼でも何でも無いわけで。
ネロを戦闘行為以外(索敵、捕など)の獣使用禁止とかにして鬼にしたほうが使えたような・・・
しいていうなら参加者側に放り込んだ方が面白かったような気がするよ。


かといってもう御堂を殺してる以上、中途半端に離脱させて御堂の死を無意味化させるのは止めて欲しい。

489 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 22:45
つーか御堂殺す必要あったのか?
どう考えても軋間よりは使えそうな気がするのに、もったいない。
仮にも軍人の御堂が引き際を間違えてあっさり錯乱するってのも何か違和感があったし。
それと「○○やってない」と言っている人。やってないなら書くな、とは言わないが
最低限調べるなりなんなりしてくれ。

490 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 22:54
絶対殺さなければならないバトロワなら多少の瞬殺には耐えるが、このスレでわざわざああいう殺し方する必要は無かったよなあとは思う。

>仮にも軍人の御堂が引き際を間違えてあっさり錯乱するってのも何か違和感があったし。
この部分は凄く同意。
そういう冷静さは持ち合わせてるキャラなはずだし、逃げるだけなら十分可能な身体能力も持ってる。
つーか個人的にはあんな正体不明のやばいオーラを周囲に撒き散らしてるっぽい奴の目の前にいきなり体を晒してるのも納得できない。
まずは観察から入るだろうに

491 名前: 退魔と鬼人(1 /5) 投稿日: 2003/11/01(土) 23:34
頭痛、目眩、吐き気、関節の痛み。
さっきまで志貴を苦しめていたそれらは、鬼の姿を見た瞬間きれいに吹き飛んだ。
鬼は、きれいな黒髪をした大人の女性だった。
けれど、それは外見だけだ。中身は人じゃない。魔の者だ。
それを七夜の血は敏感に感じ取っていた。だから、戦闘に無用な痛覚などの神経を切り捨て、
戦闘状態に体を切り替えた。
一気にクリアになった視界で、眼鏡を取ってもう一度志貴は鬼を見る。
先ほどまで迷いが見えた鬼の表情は一変しており、感情というものが微塵もなくなっている。
向こうは、腹をくくった。ならおれも覚悟を決めて
(殺せ)
あの鬼を
(殺せ・・・殺せ)
このナイフで
(殺せ殺せ殺せ殺せころせころせころせころせころせころせ)
「違う。殺しちゃだめだ」
(どうしてだ?あれは魔の者だ。魔を狩るのが七夜の努め。なぜそれをお前は嫌がる)
頭に響く声が集中を乱す。
「おれは・・・遠野志貴だ。七夜志貴じゃない。それに・・・」
唇の端を噛み破る。口の中に広がった鉄さびの味が、わずかに理性を後押ししてくれた。
「あの人を人じゃないと言うのなら、秋葉もシオンも人でなくなる。二人も殺さなくちゃならなくなる。
そんなのはまっぴらごめんだ」
(ふん、ならば殺さずにあれを止めてみろ)
あざ笑いを残して、声は消えた。
「言われなくても、最初からそのつもりだ」
志貴は右手に七夜の短刀を、左手に蝉丸にもらったクナイを構えた。
鬼も、鋭利な爪が数十センチに伸びた手を振り上げている。
一瞬、二人の殺気に押されて風が凪いだ。
風が再び吹くのと同時に、志貴の姿が消えた。

492 名前: 退魔と鬼人(2/5) 投稿日: 2003/11/01(土) 23:35
消えた?!)
そうとしか、千鶴には思えなかった。
いや、志貴は消えてなどいなかった。体勢を低くして疾走したために視界から視界から一瞬消えただけである。
だが、その姿勢は膝よりも低く、速さは風を超えた。
千鶴がようやく反応できたときには、10m以上あった間合いは完全に詰められていた。
右足の膝を走る死の線。その上の腿を志貴は切りつけた。
いつもの線を切るときとは違って、肉をえぐる感触が手に伝わってくる。
血が吹き出るより先に、千鶴の右手がアッパーで志貴を迎撃する。
クナイで受けたが、その力はあまりに強すぎた。
ビュッ!
クナイは志貴の手から飛んでいき、耳元を豪腕がかする。
間一髪でよけた志貴は、そのまま走って間合いを取ってから振り向いた。
これで移動力は殺した。あとはあの馬鹿力に気をつけながらけん制しているだけで出血多量で戦闘力をを失って・・・
「!」
殺せてなどいなかった。破れたスカートからのぞく足には傷一つない。
(死徒と一緒で再生力が段違いか。なら気絶させれば!)
再び、疾走を開始する志貴。
今度は千鶴もはっきりと志貴が見えている。蹴りで迎え撃とうと右足を引く。
その蹴りの射程ぎりぎり。そこに踏み入るのと同時に志貴は跳躍した。
意表をつかれた千鶴は対応できない。その頭上を飛び越えざま、七夜の短刀の柄を後頭部に叩きつけた。
ぐらりとよろめく千鶴。しかし、倒れはしない。
(もう一発!)
着地しざま反転し、後頭部にハイキックでもう一撃加えようとした。
だがその攻撃はしゃがんでかわされ、逆に後ろ殴りな一撃が飛んできた。
軸足一本で飛んでかわす。間合いが開く。
志貴のほうに向き直った千鶴の様子に変化はない。あれだけ頭を強打すれば、脳震盪で眼が泳いでいるはずである。
そちらの回復力も高いようだ。
(怪我は回復される。気絶も無理。やっぱり・・・)
直死の魔眼を使うしかないのか。
体に走る線は、五本。そのうち一番命に関わりのないのは・・・
その線を見定めると、志貴は背後の小屋の戸を開けた。

493 名前: 退魔と鬼人(3/5) 投稿日: 2003/11/01(土) 23:36
「逃げた?」
小屋の中に消えた志貴を、あわてて千鶴は追いかける。
閉められた戸を殴り壊すと、
「いない?!」
小屋の中は無人だった。ただ、奥にある窓が開いている。
あそこから逃げ・・・・
ボトンッ
肉も骨も断つ音はなかった。小屋に響いた音は、千鶴の手首が落ちた音である。
足元に転がる自分の手首。それを視認して初めて、激烈な痛みがやってきた。
「つぅっ!」
残った左手で背後を殴るが、志貴はもう飛び退っていた。
小屋に入った志貴は、すぐに屋根のセリオの開けた穴から出て千鶴の背後に降り立ち、右手首の線を切ったのだ。
「終わりです」
志貴は静かに宣言する。
「あなたの回復力でも、その傷は絶対に治りません。でも止血するだけなら、中央に戻ればできるはずです。
早くしないと命に関わりますよ」
「・・・」
千鶴は黙って手首を押さえている。きつく切り口を握っているが、血は壊れた蛇口のように血を流し続ける。
「止血しても、片手ではもう鬼はできないでしょうから、そのまま・・・!!!」
志貴の顔が強張る。千鶴は、止血していた手を離したのだ。
そう思うやいなや、千鶴の左手が一閃した。
ボトンッ
手首に続いて、肘から先が床に転がる。
「あなたなにを考えて・・・」
はっと、志貴は千鶴の意図を悟った。
直死の魔眼で傷つけた傷は治らない。だが、これは千鶴がつけた傷だ。
予想通り、肘の辺りの肉が盛り上がって傷を消す。右腕が生えてくることまではいかないが、血は止まった。
「負けられないんです・・・!」
痛みと失血で蒼白になった顔で、千鶴は志貴ではないなにかをにらむ。
「絶対に・・・負けるわけにはいかないんです!」

494 名前: 退魔と鬼人(4/5) 投稿日: 2003/11/01(土) 23:37
(どうすればいい?)
千鶴はまだ戦う気だ。
今度は右足を切るか?いや、そうすれば失血で手当てする前に確実に死ぬ。
それ以外の線は全て直接命にかかわる所しか走っていない。
なら志貴が逃げるか?
それも無理だ。志貴が小屋に入ってから千鶴が小屋に入ってくるまでの時間からして、
瞬発力ではかなわない。
つまり
(あいつを殺すか、お前が捕まるか。そのどちらかしかないな)
また、声がする。
「おれだって、捕まるわけにはいかない」
(なら殺せ)
「殺せるわけないだろ!」
(なら捕まれ)
「だから・・・」
(なら殺せ)
冷や汗が全身を流れる。消えていた頭痛が戻ってくる。
(どっちもできないというのなら、いい方法があるぞ)
「なんだ・・・」
(おれに代われ。そうすれば、お前はどちらも選ばなくてすむ)
その言葉と同時に、かってない激烈な頭痛が来た。
「がっ!」
頭を抱えて、地面に倒れる志貴。
突然の志貴の異変に、千鶴は呆然として首輪を奪うことも忘れている。
「に・・・げ・・・ろ」
「え?」
「逃げろ・・・でないと・・・おれはあなたを殺してしまう!」
鬼気迫る表情でどなる志貴の言葉に、思わず千鶴は従ってしまった。
その姿が消えるのを見送ってから、志貴はどさりとその場に倒れ伏した。

495 名前: 退魔と鬼人(5/5) 投稿日: 2003/11/01(土) 23:39
夕日が完全に沈み、月が輝く。
月の光を浴びる草原に、一つの体が横たわっている。
それは、急に行動を再開した。
むくりと起き上がり、間接をこきこきと鳴らして体をならす。
「逃げたか。当然といえば当然だな。こちらも意識がなかったから好都合だしな」
つぶやく男の名前は、遠野志貴ではなく、七夜志貴だった。

荒耶宗蓮がこの島に張った結界の効果の一つに、タタリの力を増幅させるというものがあった。
元々は、タタリで具現化させたアルクェイドを日中も行動させるためのものだが、それが意外な副作用をもたらした。
タタリは本来人の心の負の部分を具現化させる。しかしそれを忠実にこの島で再現させると、
島中に参加者の想像したモノがあふれてゲームにならない。
そこで荒耶はアルクェイド以外は具現化できないように結界を調整していたが、それでも影響は出る。
それに加えて、七夜志貴は遠野志貴の中に常に存在するものであり、想像や記憶の範疇を出ない
他のタタリ現象とは一線を画す。
つまり遠野志貴という憑代がある分、表に出やすいのだ。
結界の影響に加えて、大量の魔による七夜の血の活性化。
それで表面近くまで出てきた七夜が、志貴の心の迷いの一瞬の隙を突いて体の支配権を奪い取ったのだ。
「しかし、長時間というわけにはいかんようだな」
死徒であるワラキアの力を基にした結界だけに、昼になると効力はやや弱まる。
深層意識にすぎない七夜志貴がきちんとした思考体として肉体を使用できるのは明け方までだろう。
「まあいい。それまでは十分に楽しませてもらおうか」
南東のあたりに、強い魔の力を感じる。地図で神社があったあたりか。
唇をなめて濡らして、退魔の男は走り出した。

 【遠野志貴  所持品 七夜の短刀 クナイ(一本)  現在位置 町外れから神社に移動中】
 【柏木千鶴(鬼) 右腕負傷  現在位置 町外れから逃走  残りノルマ十人】

496 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 23:41
千鶴弱すぎ、修正しる!

497 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 23:51
>消えた?!)
そうとしか、千鶴には思えなかった。
いや、志貴は消えてなどいなかった。体勢を低くして疾走したために視界から視界から一瞬消えただけである。
だが、その姿勢は膝よりも低く、速さは風を超えた。
千鶴がようやく反応できたときには、10m以上あった間合いは完全に詰められていた。

千鶴が志貴の動きを反応どころか目視すらできないってどういうネタだよw

498 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/01(土) 23:57
千鶴って空想具現化除けば、
アルクみたいにスピード&爪の攻撃力で勝負するタイプなんだから
志貴がちょっと速すぎるな。

499 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 00:02
なんか497程度の突っ込みは煽りと変わらないと思うので追記。

10mも離れたところにいる人間が、体勢を膝より低くした所で、視界から消えるなんてまずありえまへん。
つまり解釈するとするなら、志貴の瞬発力の凄まじさに反応できなかったぐらいがぎりぎりだが、10m・・・・瞬発力でどうこうなる距離じゃねーっての。
しかも相手は鬼化した千鶴だよ?それが反応できないって・・もうなんといいますか・・・

500 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 00:14
ちなみに俺は志貴が千鶴を倒せないとは思わないが、戦法はあくまで相手の大ぶりな攻撃を予測しつつ、致命傷を負わない程度に回避しつつ、機を見て一撃で仕留める以外方寸は無いと思う。
だから失敗して死ぬ可能性のほうが当然高いし、むしろそうなるほうが自然。
後、七夜志貴が出てきておりますが、それにしても、過度な戦闘能力を持つキャラではない。
遠野志貴と互角に闘ってたし、軋間に瞬殺されてるし、しかも体は志貴ですから。


つーか原作の闘いも化け物との闘いは紙一重な描写ばっかだった事は記憶に無いのだろうか書いた人は・・・

501 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 00:20
志貴はスピードタイプに弱いからねえ。
ロアみたいな耐久力が桁違いで
避けるって何みたいな化け物には滅法強いけど。

502 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 00:22
間違えたネロだ。

503 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 00:29
ネロもそうだよね。
ついでに軋間も、あくまで重い、キャラであって速いキャラじゃなかったりする。
攻撃速度と破壊力は凄まじいが、移動速度とモーションがとろいタイプ。
桁違いな身体能力を武器とする相手と戦闘するときは、きちんと吸血鬼化して闘わせてるし。
志貴は基本的には運動って何よ見たいな病弱人間で、戦闘時に、人間の限界を外せるにしても刹那の力が限度。
一応シナリオ書いてる人はそこらへんきちんと考えて相手を選んでるし、戦闘描写も書いてる。

余りプレイする側には伝わっていないようだが。

504 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 00:49
ついでに軋間が強すぎという意見が多いので、一応書いておくけど、連打し続けた結果とはいえ人間の力で貫かれてるんだよね、あの肉体。
後上にも書いたが、攻撃自体は速いが、腕をふりかざして・・・・ブン!!ばっかなのでこのスレの化け物達なら十分打倒可能です。
御堂の死が軋間が強すぎるの一言で流されましたが、御堂自身化け物なのに相手が弾丸弾くぐらいで錯乱するのはいくらなんでも・・

505 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 01:02
で、結局ルートキャラって出るの?

506 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 01:04
ルーツだろ
一般人じゃないから出してもいいと思うけど
むしろWAとかが困るな

507 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 01:07
エディさんは駄目、鬼がリサだったよね、確か。

508 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 01:14
まぁ、そういったことを糧にしながら、やっていきましょう。

509 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 01:28
軋間をリストに入れたものです、当初はああいう鈍重な戦闘系も必要かと
思っていたのですが、どうも意図したのとは違う方向に進んでしまっている
ようですね・・・・なんか責任を感じてしまいます。

510 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 03:33
>>509
いや、それは全員の責任
だから全員で何とかすることこそ大切だよね、ちょっと変な方向へ
議論が進みかけてるけどやっぱりそれでも今は書いていくことが
大切だと思うわけで・・・

511 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 03:35
月姫信者は冷静にキャラの戦闘能力を把握して欲しい。
既にありえない瞬殺(千鶴は死んで無いが)が二度も起ってる。
特に志貴はゲーム内で限界突端な動きをした後は体(特に足)にがたがくる描写があったので、それはきちんと反映して欲しい。
三度リミッタ―を外した超人的な動きをすれば、足が壊れるとか。
志貴はあくまで体は一般人なんだから、なんのリスクも無しで化け物と張り合われても困る。

少なくとも千鶴戦での動きは明らかに異常なので、その分体に負担が生じる描写は必要だと思われ

512 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 03:37
>>509
変な方向かなあ?
月姫以外のゲームのファンからすれば当然の反応なんだが。

513 名前: Iron-Meiden(1/3) 投稿日: 2003/11/02(日) 04:00
もうどれくらい歩いただろうか、あの化け物と出会ったのが昼過ぎなので、
今はもう夕暮れだ…かれこれ3時間くらいだろうか。
しかし行けども行けども何も無い、山道と野原と林があるくらいだ。
そんな晴子の前にようやく建物が見える、納屋のようだ…周りにも畑がある。

とりあえず納屋の中に入ってみる。
中は見た目よりもずっと広く、また整理整頓も行き届いていた。
「いやーうちとはえらいちがいやなーなんや気に入らんわ」
と入り口の端に見覚えのある何かの影が見える、間違い無い…あれはバイクだ。
そばによって確認する晴子、だがそれは自分が普段乗っているバイクに比べるとあまりにも小さかった。

「排気量125cc、うちのバイクの1/10やがな…うーん、ちんまいなぁ、けどしゃあないか…
 キーは…ついとるわけ無いな」
晴子は納屋の暗がりへとわざとらしく声をかける。
「誰かいませんかー誰もおらへんなー」
「このバイク借りてもいいですかー、返事が無いのはいいってことやなー、よっしゃ!」
一応了承は取った、晴子は早速工具を取り出すとバイクを触り始めた。

「この線とこの線をつなげてー、ちょろいちょろい」
嬉々としてバイクを触る晴子、だが不意に後ろから声が聞こえる。
「ちょっと!、入り口で声がしたから起きてみれば何やってるのよ!」
「うーん、色々悪さしとったころ思い出すわー、さらば青春のひかーりー♪あの時俺とおまえっは〜♪」
「ねえってば!」
「ふたりは信じて〜一瞬に賭けた〜♪」
らちがあかないと見るや声の主は何時の間にか晴子の背後まで忍び寄っていた、すぅと息を吸いこむ。
「人の話をききなさい!このどろぼー!」
「わああああ」

514 名前: Iron-Meiden(2/3) 投稿日: 2003/11/02(日) 04:01
自分の世界に没頭していた晴子は不意打ちに思わず転んでしまう。
起きあがると、いかにも委員長なメガネ娘が腰に手を当てて立っていた。
「あんた、ここの家のもんか?」
「違いますけど」
「なら放っといてんか」
晴子はメガネ娘には構わず作業を続ける。
「だからやめなさいっての!ドロボードロボー!みなさーん、ここにドロボーがいます!」
メガネ娘の胸倉を掴み言い返す晴子。
「あのな!非常時やねん、ちょっと借りるだけやないか」
メガネ娘も負けてはいない。
「そんなの言い訳よ!いい大人が人のものを勝手に盗んでいいと思ってるの!」
「潔癖やなぁ…今からそんなんやったら社会に出てから苦労すんでー」
「いいかげんなのよりはマシよ!」

と、その時だった、2人のレーダーが反応を始めた。
慌てて口を閉じる2人だが、反応はさらに強くなる一方だ…このままだと。
そこで晴子がそっとバイクに手をやる、もう作業は完了した、いつでも出せる。
「あんた名前は?」
「え…あ、榊千鶴」
「ええか、うちがあいつを引きつける…その間に逃げるんや、出来るだけ遠くに」
そんでもしうちの娘に、観鈴に逢ったらよろしくしたってくれんか?あんたマジメやから
信じたるさかいに、な…頼む」
千鶴はやや戸惑いながらもきちんと返事を返す。
「観鈴さんって言うんですね…分かりました」
「そうや年齢はあんたと同じくらいで、長い金髪が特徴や…んですぐにがおっ!とかいいよるから
すぐに分かると思うわ」
レーダーはますますその反応を大きくしている、もう猶予は無い。
「ほたらウチはいくで、アンタは捕まったらあかんでー」
千鶴に自分の荷物を投げ渡し、そう言い残すと晴子はバイクのエンジンをかけた。

「赤外線による有効探知範囲まであと7M」
セリオはゆっくりと納屋へと接近していた、この周囲に隠れられる場所は他には無い。
必ず潜んでいるはず、その時納屋のドアが破られ一台のバイクが闇の中を走っていく。
「標的確認…」

そして闇の中、まさに追いかけっこが始まった。
「あかんなー、やっぱやりにくう」
晴子は必死で逃げつつもぼやく、慣れぬバイクの上、見知らぬ山道だ…もうこれ以上スピードは出せない。
だがセリオはスピードこそ及ばないが、猟犬のように正確に晴子の後を追いかけてくる。
それでもこの追いかけっこは晴子の方に分があるように思えた。
事実セリオは少しずつだが引き離されつつあった。

515 名前: Iron-Meiden(3/3) 投稿日: 2003/11/02(日) 04:02
「逃げ切った…ここまで来ればあの子も大丈夫やろ」
だが、勝利に浸るのも束の間だった、晴子の目の前に断崖が立ちはだかったのである。
(誘い込まれた!)
「うーん、地の利は向こうにありか、肝心なことを忘れとった」
その視界に追っ手の姿が入る。
「もう逃げられんか…でもなぁうちも只ではつかまらへんでぇ!」
晴子はセリオめがけバイクで突進する、めいっぱいスピードを上げて、身構えるセリオ
その冷めた瞳には冷徹な計算が渦巻いている。
セリオは自分の計算結果に従い、回避姿勢をとる。
(このタイミングならば最も効率的に回避かつ確保が可能です)
だが、その瞬間だった。
晴子がバイクを捨てて飛び降りる、結果タイミングにズレが乗じる。
あわてて誤差を計算するセリオだがわずかに遅い、しかも…
「この空気成分は!?」
バイクのガソリンタンクのふたが開けられ、中から燃料が漏れだしている、そして空中を舞う
晴子が投じたジッポーライター。

どばぁん!
爆音と共にセリオの身体は炎に包まれた。

「やったか…」
草むらで晴子は呟く、柔らかそうな草むらが目に入ったのでとっさに考え出した作戦、
上手くいったようだ。
仰向けのため、状況がよく分からない、起きようとすると痛みが走る。
何箇所か骨折しているようだ。
それでも晴子は力を振り絞り起きあがる、そして見たものは今だ燃え続けるバイクの残骸。
そして、足元に転がるのは、ひび割れたあのメイドロボの付けていたアンテナ。
それを見てようやく晴子の顔に笑顔が戻る。
勝った…自分は勝ったのだ、これで帰れる、観鈴も助かる。
「ふふふふ、やった!やったでぇ、なぁ観鈴お母ちゃんやったでぇ…あははは、いてて」
笑い過ぎて骨折しているのを忘れてしまっていた、腰をさする晴子だったがその時だった。
自分の隣で轟音、何事かと振り向くと、そこにはようやく鎮火した例のバイクの残骸が
地面に突き刺っていた。
と…いうことは…おそるおそる、ぎくしゃくと振り向く晴子。
そこにはセリオが…いやセリオだったものが立っていた、まるで死神のようなフォルムで。

彼女は寸でのところで直撃を免れたのだ、だが…その姿は無残にも焼け爛れ
纏っていた衣服はおろか、人工皮膚までもが焼け落ち、その下の機械のボディを露出させ、
所によってはそれすらも剥がれ、骨格と配線のみが見えている、そんな状態だった。

「やっ…て…くガーガーガーピー」
壊れかけのラジオのような声しか出せないセリオ、そのことに気がつくと、
彼女は焼け残った自分の顔面の皮膚を自らの手で引き剥がし、露に見える無数のコード配線を、
自分の手で組み替えていく。
その凄惨な眺めに思わず顔をそむける晴子。
「やってくれますね…」
ようやく声がマトモに出るようになったセリオはよろめきながら晴子へと近づく。
露出した禍禍しい頭蓋骨からもれる愛らしい少女の声、そのミスマッチが帰って恐怖を増幅させる。

後ろ去る晴子だったが機先を制される、晴子の顔をかすめるようにバイクのハンドルが投げつけられたのだ。
「逃げようとは思わないほうがいいですよ…今の私は力の加減ができません」
粉々に砕けたバイクのハンドルを見て晴子は抵抗を諦める……。

(観鈴…苦労かけてまうけど、堪忍な)
今ここで死ねば可能性はゼロだ、だが生きてさえいれば……
肉体の死か、それとも記憶の略奪か…究極の選択、結局晴子は囚われる道を選んだのだった。
そして青い閃光が夜空へと飛び去っていった。

捕獲終了後、セリオは自身の損害状況のチェックを開始する。
「損傷率48%…戦闘継続は可能なれど非推奨」
今の状況でセリオには選択肢が2つある、1つは島の所々に置いてある使い捨てのリペアキットを使用すること
これにより約2時間で損傷を15%回復させる事が出来る。
もう1つは一旦退却し、完全なオーバーホールを施す事、これなら損傷は完全回復できるが、
ソフトウェアの再インストールなどが必要になるため、出撃まで最低でも8時間は必要になる。
時間を取るか、それとも完全回復を取るか、彼女もまた重大な岐路に立たされていた。


【セリオ(鬼)          現在位置 島中央部 残りノルマ8人】
【榊千鶴    所持品不明    現在位置 島中央西部から逃走中】
(晴子の荷物も所有)
【神尾晴子   ゲームオーバー】

516 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 04:04
>>512
いや、そうじゃなくって何か書き手への攻撃みたいな感じに思えたから
ともかく新作UPしますた。

517 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 04:15
ttp://members.jcom.home.ne.jp/1558380002/
ちなみにこういうサイトがあるけど参考にしてみたら?

518 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 04:51
>>479
うーん、雫や痕をいれてしまうともう鬼ごっこじゃなく完全な戦闘ものに
なってしまうような・・・・
やはり俺は強大な敵にアイデアと団結でなんとか立ち向かう一般ピープルの姿を
見たいと思う。
もちろん悲惨な運命にのたうちまわり
押し潰されていく過程を描くのもありだと思うし、そういう意味では
今の人選でいいと思う。

それこそ戦闘とは何ら関係の無いところで
まったり話をひたすら展開しててもいいわけだし

ところで千鶴さんは以前閃光弾喰らったとはいえ、
冥夜を逃がしているのだがこれについてはどうよ?
ああでも冥夜と志貴では戦闘能力もスタイルもまるで違うから参考にならないか

519 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 05:10
まあ、議論はいいでしょ。
そした方が、話も面白くなると思う。
話自体を貶しているわけじゃないし。ってか、全体的に面白かったし。

520 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 05:13
千鶴さんって、人殺し疑惑があるが、一応、一般ピープルじゃなかったっけ?
前世の記憶も確か無かったような……。
いかん、忘れとる。痕、やり直せば。

521 名前: 人として(1/3) 投稿日: 2003/11/02(日) 07:27
(想像以上にガタがきてるな、この体)
 七夜志貴は、己が宿る体の状態を確認し、忌々しげに舌打ちした。
(軟弱だ、あまりに軟弱だ)
 これでは、魔を討つ時はよほど慎重にやらねば、と志貴は思う。
 諦める、一旦退くという選択肢は頭に浮かばない。かといって、愚かでも無謀でもない。
 退魔を行う。それが七夜志貴という人格の唯一の行動原理であり全てであった。

「あ、あの」
 目の前に立ちふさがる一人の女。志貴が知りようもなかったが、高倉みどりという名の参加者だ。
 志貴の感覚はただの人間だと知らせている。
 無視して、先に進む志貴。進行方向にいるみどりは、力づくでどかせた。
「あ!」
 みどりは、その衝撃で転ぶ。気にせず、志貴は先に進んでいく。
 志貴の後を追おうとも声をかけようともせず、ただ、呆然と背中を見つめるみどり。
 すると、数メートル離れた所で、志貴の背中が動きを止めた。

 志貴は常に考えていた。どうやったら、魔を倒せるか。慢心はしない。敵は強大であると見ていい。
 真っ向から力ずくで闘りあうほど、七夜の血を否定することは無い。
 七夜は、あくまで超能力という異能の戦場に投げ込まれる小石。その技巧は闇からの暗殺が主である。
 志貴の記憶には無いが、志貴の父親が唯一の例外だったのだ。あれほど強靭な体を志貴は持っていない。

(要は、いかに相手に隙を作らせるか、その一点のみ)
 志貴は振り向いて、みどりの顔を凝視する。
 話を聞いて貰えると思い、みどりは安堵したように胸を撫で下ろした。
 そして、意識を失った。志貴が、みどりに素早く当て身を食らわせたのだ。
 志貴の格闘技術は拙い。
 努力は認めるが、如何せん体力が無い。すぐにトレーニングをやめてしまう。
 それでも、当て身ぐらいは出来る。
 ぐったり気絶しているみどりの顔を見て、志貴は邪悪に微笑んだ。

 鹿沼葉子は神社で瞑想を行っていた。バックに神社ののご神体が祀られている。
 そして、その部屋の隅には名倉由依が寝かされていた。
 葉子はここで郁未を持っている。ただ、ひたすら時間が来るまで、ここで瞑想を続けるつもりだ。
 すると、突然、建物がきしむ音と共に、前方の扉が開く。
 鍵をかけられるようには出来ていない。かといって、独りでに開くわけでもない。
 ドサッ!
 扉の先には一人の女性が倒れていた。どうやら気絶しているようだ。
 その女性の名が高倉みどりであることが、鬼である葉子には解った。


(さあ、動け。その時こそ、勝機)
 志貴は神社すぐの木の上にいる。ここから扉まで、わずかな距離しかない。
 志貴のプランは単純だ。倒れたみどりの首輪に葉子が手をかけようと隙が出来た瞬間、木の上から急襲する。
 ただ、それだけだ。ここから飛び降りたら自分の体もただじゃすまないだろう。ただでさえ、ガタがきている。
 しかし、七夜志貴の望みは魔を討つことのみである。それさえ行えば、後のことは知ったことではない。
 結果、己が死のうとも構わない。あくまで、望みが叶えばの話だが。 

だが、葉子は動かなかった。七夜の存在に気付いたわけではない。
約束の時間が来るまで、瞑想を続ける。先ほど、そう決めたからだ。
女性が起き上がって自分を攻撃してきたら相手をする。逃げ出したら、放っておく。
単純なことだ。些細な出来事で瞑想をやめるのは凡人のすることだ。敬虔な信者である自分は違う。

522 名前: 人として(2/3) 投稿日: 2003/11/02(日) 07:29
(動かないな。勘付かれたか)
 志貴は驚きも焦りもしなかった。そんな感情は暗殺には不要だ。
 体を木に同化させて、動きを静める。ただ、葉が揺れる音だけがあたりを包む。
(奴が鬼である以上、いつかは動く。それまで待つだけだ)
 結局は我慢比べになりそうだ。その場合、明らかに体力の落ちている自分は不利だが。
(飛び降りれる体力さえ残っていればいい)
 その後、自分がどうなろうとも知ったことではない。魔さえ討てれば。

 二人とも動かない。そのまま場が静寂に支配されそうになる。
 その時、奇妙な不快感が志貴を襲った。
 それは一瞬で消えたが、その間状況は一変した。
「これは・・・郁未さんですね」
 葉子は瞑想を止めて、そう呟く。さらに二言か呟いて隅の由依を見る。
 そして、気付く。一瞬、確かに、由依の腕が動いた。
(起きてる!?)
 葉子は由依に歩み寄る。一歩一歩慎重に。
「起きているのなら、素直にそう告げたほうがいいですよ。痛い目にあいたくはないでしょう?」
 これは脅しだ。人質である以上、本音では傷つける気は無かった。
 由依の傍まで来ると、まず足を使って仰向けにしようとする。
 もちろん、奇襲をされる可能性を考えての慎重策だ。

 由依は、案の定、数時間前から起きていてずっと機会を待っていた。
 その機会とは、瞑想をしていた葉子がすぐ近くまでやってくることだ。
「えい!」
 仰向けにされた瞬間、後ろ手に隠していた何かを葉子の顔に投げる。
 すかさず、その何かを不可視の力で破壊する葉子。
 瞬間、コショウの粉塵が宙を舞った。
 葉子が一つだけ失念していた事がある。それは、由依が不可視の力の存在を知っていることだ。
 配付武器であるコショウの瓶を投げたら力でガードされる、そこまで由依は考えていた。

 目と鼻を押さえている葉子を尻目に、由依は入り口まで走る。
 しかし、そこに倒れているみどりを見て、一瞬逡巡する。
 その隙を見逃すまいと、涙目のまま葉子は由依を全力で押さえ込もうとした。
 三人まとめて、入り口付近で転がる。床がぎしぎしと僅かにきしんだ。
 とうとう由依を葉子が押さえ込んだ。ちょうど体ごと上に乗っかっている。
 つまり、葉子の背中は上から見たら丸出しである。

 そして、死神が飛翔した。

523 名前: 人として(3/3) 投稿日: 2003/11/02(日) 07:42
 頭が割れるような激しい頭痛を戦いながら、志貴は葉子の死線を見る。
 その線上にどこか一点にナイフを突き刺せばよい。斬るまでには至らなくとも、落ちる衝撃もプラスしたら魔を絶てるだろう。

 葉子は志貴の存在に気付かない。本来、彼女は戦闘訓練など護身術ぐらいしか習っていない。
 彼女が鬼をこなせるのは、ただでさえ強力な不可視の力をコントロールする術が並外れているからゆえである。
 つまり、生身で、研ぎ澄まされた殺気を感じ取る程の芸当は出来ない。不可視の力なら可能だが、今は意識も力も由依に集中させていた。
 よって、志貴はこのまま葉子を殺せる。そのはずだった。

「上です!」
 葉子に抑えられて、なすすべもなく空を眺めていた由依が突然叫んだ。
 葉子がその言葉を戯言とみなさなかったのは、その声色があまりに真剣だから。
 頭上を見上げ、次の瞬間、志貴のいる空間まるごとに向けて不可視の力を放出した。

「くっ!」
 志貴は遠くの方に飛ばされていく。
 不可視の力の塊にも死線は見えていたが、そこを切り裂くほどの力は残っていなかった。
 意識が、体同様に飛んでいく。
(ちくしょう……)
 意識が閉じる最後の瞬間、七夜志貴は、まるで喧嘩に負けて家に帰ってきた子供のように、ただ素直に悔しがっていた。

 高倉みどりが光となって飛んでいく。
 背中を向けたまま、葉子は由依に尋ねた。
「なぜ、私を助けたんです?」
 志貴の姿は見えない。かなり遠くまで飛ばされたようだ。追う気は無い。
「わかりません。とっさのことですから」
 本当はわかっていた。あの少年の目が、かつて自分を襲った人の目とダブったのだ。
 あれは、狂気に落ちた人間の目。それでいて、どこか冷静なところがある人間の目だった。
「借りが出来ましたね。行きなさい」
「え?」
 信じられないことを葉子は言った。
「聞こえませんでしたか? 行きなさい。もし、郁未さんに会ったら、私はここで待っていると伝えておいて下さい」
「で、でも、私は人質では?」
「……」
 答えず、葉子は神社の中に入っていく。
 その背中を黙ってみていた由依だが、しばらくすると神社から離れる。
 もちろん、志貴が飛ばされた場所とは違う方向だ。


 葉子はご神託の前に正座する。
 そして、再び瞑想を開始した。


――数秒後
「目、目が……」
 痛みは忘れた頃にやってきた。


【鹿沼葉子(鬼)  現在位置 神社建物内  残りノルマ八人】
【高倉みどり ゲームオーバー】
【遠野志貴 所持品 七夜の短刀 クナイ(一本) 現在地島北東部(木に引っ掛かっている)】
【名倉由依 所持品 なし 現在位置 神社から南方へ】

524 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 07:52
>>522
由依の配付武器はなしとなってたね。
コショウはリュックの中に入った食料の一つで、それを由依が配布武器だと勘違いしたと脳内訂正をお願いします。
つまり、由依に配付された武器はコショウ以下だと。
間違えて、スマソ。

525 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 09:43
しっかしみどりはどんな企画でもいい目見ないなあ……
ここでもあっと言う間に退場か(苦笑)

526 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 09:44
しっかしみどりはどんな企画でもいい目見ないなあ……
ここでもあっと言う間に退場か(苦笑)

527 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 12:21
>>479
それを言うなら、スレの流れてきにもっとも先に上げるべきは月姫だろ。

528 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 13:13
>>520
戦闘技術の問題じゃないんだって
劣化アルクみたいなキャラを普通にスピードで圧倒してどうすると
相性悪いタイプを手加減して叩きのめしてるんですよ?
ちなみにスピード自体は柳川と千鶴はそう変わらないんで(パワー、体力が段違いだけど)
この描写の志貴なら柳川も楽勝だと思われ

529 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 14:11
乾一子 片瀬健二 白銀武 鑑純夏 球瀬壬姫 穂村愛美、玉野まゆ
藤井冬弥 澤倉美咲 篠塚弥生 大庭詠美 長谷部彩 リアン 江藤結花 牧部なつみ
桑島高子 川澄舞 美坂香里

以上 現在未登場キャラ

530 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 14:51
>>528
まあ過ぎた事だし、既に戦闘能力修正された描写がある話が投稿されてるからあんまりしつこく叩いてやるな。
それに、どーせもう千鶴戦の無茶な動き+不可視の力で吹っ飛ばされた衝撃でまともに体を動かすのは不可能だろうからさ。

531 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 14:52
>>491からの話を書いた人の考えも聞きたいところ
基本的に自分から攻めに行く、例の部分さえ修正すれば大丈夫だと思うけどね

532 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 14:59
しかし520はてっきり千鶴が鬼か一般人かという根本的な問題を度忘れしてたのかと思ってたんだが、3行目辺りを見ると全然論旨を理解してなかったことがよくわかるな。

533 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 15:01
>>529
書く準備はあるけど・・・・もう少し話が進んでから出したいキャラが
何人かいる

ところでもう夜にしていいよね。
あ、式vs名無しが終わってないか

534 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 15:09
>>531
あんま書き手攻撃したくは無いが、あの部分は記述が特に明確におかしいから指摘の対象となっただけで、全体的に、志貴と千鶴の身体能力を互角か志貴が上という、悪く言えば書き手の思い込みを元にあの話は書かれてるんで端々に無茶な描写がある。
だから修正するなら一から戦闘を構成しなおす必要があるわけで、流したほうがいい。

535 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 15:32
流すってスルーとかそういう意味じゃなくて、あの話はあれで仕方ないとして次から気をつけると、そういうことね。

536 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 15:34
だよな。もう続きが投稿されてるから
軋間と御堂もそういうことでいく?

537 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 15:45
御堂は、軋間の次の行動がまだ書かれてない点と、死んでしまった点から考えて、できればスルーにして欲しい。
ただあくまで個人的な意見だし、いいだしたらきりが無いということもわかるんで、全体の総意に従うよ俺は。

538 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 16:00
俺もできればスルーにそてほしいかな。
御堂は強すぎず弱すぎず動かしやすいキャラだと思うし・・・

539 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 16:26
>537 >538
言いたいことは解るし、俺も違和感があったが、スルーは駄目だと思う。
リレーだしね。
プロの軍人だからと言って、錯乱しないというとも慎重とも限らない。
今の特殊部隊とかならともかく、元が五十年前という人間だし。
無防備に前に出たのも、強化兵としてのおごりもあったかもしれん。
怯えたのは、同じ戦いに生きる者として、軋間の強さを直感で感じ取ったかもしれん。
まあ、こじつけだけど。

ボケたかもしれんし。いや、これは忘れてくれ。

540 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 16:27
匿名掲示板に『全体の総意』なんてもの存在しない事に気づこう。

541 名前: 月触 投稿日: 2003/11/02(日) 18:32
――ふと、目が覚めた。

叢に体を投げ出しながら、生い茂る草木の狭間から、ぼんやりと月を見ていた。
体はぴくりとも動かない。
何故自分がこうなってしまったのかもわからない。
だが、おそらくは、遠野志貴は七夜志貴に体を奪われていたのだということだけは
ぼんやりとした意識の中で
何故か忌々しい程はっきりと理解していた。

首をわずかに傾け、肉体の主導権を譲らなければならぬ程の損傷を受けて尚――あいつが手放すことなく握り締めていた―七夜の短刀を見た。

そして、そこ付着した血の痕が、自らが敵の足を切り裂いた時の物だと確認し、ほっと一息ついて、再び月を見た。

――偽りの安堵

己が瞳の力を使えば、武器に血などつけずとも殺せる――

だが、今遠野志貴には、短刀と己が身に返り血が無いこと、そして、己の肉体の損傷から

どうやら、七夜の犠牲者は己だけで済んだらしいと、祈りにも似た推測を行う事しかできなかった。

「……なんて、無様――――」

喉の奥からそんな言葉が漏れた。

その時、がさっ、と右側の茂みから音がした。

542 名前: 月触 投稿日: 2003/11/02(日) 18:33
茂みの中から現れたのは、草木の間からこぼれる月の光に照らされ、一種荘厳なまでの美しさを感じさせる女性――の姿をした、隻腕の鬼だった。

「探しました」

その鬼―柏木千鶴は遠野志貴をしばし眺め、抵抗する力が無いことを確かめた後、静かに口を開いた。

「あなたが空を舞う姿を見て、大体の落下地点も割り出したのですが・・・思ったよりも分かりにくい場所に落ちてくれたものですね。随分手間取りました」

遠野志貴は、千鶴の方に視線を向けない。
だが、その言葉聞いて、ああ、だから自分の全身はこんな交通事故にでもあったかのような酷いダメージを被っているんだな、と妙な事を志貴は考えた。

意識が、混濁している。

「あなたを――捕えます」

そう、鬼は言った。
強固な意志に満ちた表情であった。
最早逃げる事など叶わない、志貴は全てを諦めて、再び月を眺めた。
「嗚呼・・・」

月を見ながら、遠野志貴は最後の言葉を発した。

「こんやはこんなにも つきが、きれい――――だ―――――」

【柏木千鶴(鬼) 右腕負傷  現在位置 南方の森の中  残りノルマ九人】
【遠野志貴   ゲームオーバー】

543 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 19:11
志貴早々とゲームオーバーか。
これでアルクやシエル、秋葉たちが果たしてどう動くかな。

544 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 19:25
誰が志貴を捕まえたかまではわからないんだよな。
誰がとばっちり食らうやら。

545 名前: 月触 一部修正 投稿日: 2003/11/02(日) 19:40
どさっ、と自らの体に鈍い衝撃を感じ

――それで、目が覚めた。

叢に体を投げ出しながら、生い茂る草木の中、へし折れた一本の枝の隙間から、ぼんやりと月を見ていた。
体はぴくりとも動かない。
何故自分がこうなってしまったのかもわからない。
だが、おそらくは、遠野志貴は七夜志貴に体を奪われていたのだということだけは
ぼんやりとした意識の中で
何故か忌々しい程はっきりと理解していた。

どうやら、木から落ちたらしい。
状況を何とはなしに把握して、思わず志貴は嘆息した。
そして、その行為だけで胸に痛みを感じ、わずかに顔をしかしめた。

「(敗れた、のか・・・?)」

そんな瑣末な意識を頭から追いやり、痛みをこらえながら首をわずかに傾け、肉体の主導権を譲らなければならぬ程の損傷を受けて尚――あいつが手放すことなく握り締めていた―七夜の短刀を見た。

そして、そこ付着した血の痕が、自らが敵の足を切り裂いた時の物だと確認し、ほっと一息ついて、再び月を見た。

――偽りの安堵

己が瞳の力を使えば、武器に血などつけずとも殺せる――

だが、今遠野志貴には、短刀と己が身に返り血が無いこと、そして、己の肉体の損傷から

どうやら、七夜の犠牲者は己だけで済んだらしいと、祈りにも似た推測を行う事しかできなかった。

「……なんて、無様――――」

喉の奥からそんな言葉が漏れた。

その時、がさっ、と右側の茂みから音がした。

546 名前: 月触 一部修正 投稿日: 2003/11/02(日) 19:41
その時、がさっ、と右側の茂みから音がした。

茂みの中から現れたのは、草木の間からこぼれる月の光に照らされ、一種荘厳なまでの美しさを感じさせる女性――の姿をした、隻腕の鬼だった。

「探しました」

その鬼―柏木千鶴は遠野志貴をしばし眺め、抵抗する力が無いことを確かめた後、静かに口を開いた。

「あなたが空を舞う姿を見て、大体の落下地点も割り出したのですが・・・思ったよりも分かりにくい場所に落ちてくれたものですね。随分手間取りました」

遠野志貴は、千鶴の方に視線を向けない。
だが、その言葉聞いて、ああ、だから自分の全身はこんな交通事故にでもあったかのような酷いダメージを被っているんだな、と妙な事を志貴は考えた。

意識が、混濁している。

「あなたを――捕えます」

そう、鬼は言った。
強固な意志に満ちた表情であった。
最早逃げる事など叶わない、志貴は全てを諦めて、再び月を眺めた。
「嗚呼・・・」

月を見ながら、遠野志貴は最後の言葉を発した。

「こんやはこんなにも つきが、きれい――――だ―――――」

【柏木千鶴(鬼) 右腕負傷  現在位置 島北東部の森の中  残りノルマ九人】
【遠野志貴   ゲームオーバー】

547 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 19:45
志貴おつかれー

548 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 19:58
捕まったことすらわからないんじゃ・・・・
分かるのは残り人数と脱出成功者の数のみってことになるんじゃないの

ただアルクやシエルは知っていてもいいかも
んで秋葉あたりを上手く動かし(そそのかし?)て千鶴を間接的に殺害させるとか

549 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 20:02
別に鬼同士の戦闘が不許可じゃないんだから、わざわざそんな真似する必要ない。

だけど、そうなると今度はアルクやシエルが千鶴集中狙いになるから、主催者側からすればゲームの意図と反するので、アルクやシエルに漏らすとは考えにくいんだが・・・

550 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 20:12
志貴を捕まえたのが千鶴だとわかるやつがいるとすればシオンだろ。
郁未と合流できてエーテライト渡してもらえば、それで千鶴の思考が読める。

551 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 20:55
志貴ちん、綺麗に捕まったな。
とりあえず、お疲れさんと言おう。
また、出番がありそうだが。

552 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 21:06
もし秋葉と命を共融している状態なら、志貴がこの場から消えたことに
秋葉が気付いてもおかしくはないな。
……ないよな? やべ、月姫やってからかなり経つから曖昧だ。

553 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 21:21
それ秋葉ルート限定だろ。しかも死んだわけでもないし、島から出てるわけでもないのにそこまで詳細にわかるわけねーだろ。
どーでもいいが、他の参加者は死のうと捕まろうとほとんどリアクション薄か皆無なのに、志貴のゲームオーバーでのこの騒ぎっぷりはなんだろうね・・・しかも捕まえただけなのに千鶴に報復させようとしたり、出番がどうとかいいだしたり。

愛されてるねえ、半分ぐらい裕一にも分けてやって欲しいもんだ。

554 名前: Howling Edge(1/2) 投稿日: 2003/11/02(日) 21:23
悲鳴が聞こえる…佐祐理の声ではないことを確認し舞はその場を去ろうとする。
レーダーには未だに反応がない。
戦って佐祐理を救う、それが舞の出した答え。
だから皆が逃げる中、彼女は鬼を探しつづけているのだが…。

悲鳴はこちらに近づいている、と林の中から一人の少女が転がり出てくる。
「助けてくださいですう、大庭さんが大庭さんがぁ」
構わず先を急ぐ舞、しかし少女はその足にすがり付こうとして…頭から転ぶ。
「大きな刀を持っているってことはきっともののふでござろう?もののふは困っている人を
 見捨ててはならぬゆえに、助けてくださいですぅ」

奇怪な言葉遣いの少女の声に反応する舞。
「困っているの?」
舞の脳裏に佐祐理の言葉が甦る。
(舞、困っている人がいたらそれが佐祐理じゃなくっても助けてあげないといけませんよ)
「そう」
舞は片手に持っていた日本刀を抜き放とうとする、だが抜けない。
先程からずっとそうだ、抜こうとするとまるで、拒絶の意志を示すかのように刀身ががたがたと震え出す。
それでも舞は構わず抜こうとする、震えはますます大きくなる一方だ。
「静まって……」
舞は刀に意識を集中しやさしく諭すように話しかける、ほんの僅かな時間だったが時が止まったかのような
感覚がしたかと思ったその時、舞の手には抜き放たれた刀が握られていた。

「いやぁ〜たすけてぇたすけてよう…パンダぁ〜」
その頃、林の中で泣き叫ぶ大庭詠美、それを追い掛け回す弓塚さつき、さつきの表情は小動物をいたぶる。
幼き少年を彷彿とさせる。
逃げ回る獲物を嬲って狩る…なんて楽しいのだろうか?
都会の片隅で人目と陽光を避け、鼠のように生きる普段の鬱憤を晴らすかのように、ことさらさつきは
詠美を怖がらせ泣かせていく。

とその時、詠美をかばうように舞がさつきの目の前に立ちはだかる。
それを見てもさつきの表情は変わらない、いや先程よりも凶悪な笑顔を浮かべている。
「障害が多いほうがたのしいんだもんね、そうでしょう?それにあなたもおいしそうだぁ、
 いっぱい吸ってあげるねっ」
ぎらついたケダモノの視線に嫌悪の表情を見せる舞、よだれをたらしてニタつくさつき。
好対照の2人のにらみ合い、先に動いたのはさつきだった、空中から威力充分の爪の一撃。
だが、当たらない、なんで?という顔をしたさつきだがまた爪を繰り出す、だがそれも当たらない。
「バカにしてんじゃないわよう!!」
さつきは次々と攻撃を繰り出していくが、舞にはかすりもしない。

ちなみに後ろにいる詠美の目には攻撃するさつきの姿はほとんど見えていない、
それほどまでに鋭い動きだというのに何故?

555 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 21:26
俺が愛着あるのは月と葉キャラくらいかなあ

556 名前: Howling Edge(2/2) 投稿日: 2003/11/02(日) 21:30
常人を越える死徒の運動能力は確かに脅威だ。だがさつきの行動はあまりにも無駄が多すぎる、
ただ身体能力のみで戦っているに過ぎない、しかもその動きは人間の延長線でしかない。
したがって腕を振るう筋肉の動き、地面を蹴る関節の方向、見え見えだ。
それらさえ分かれば舞にとっては、回避することなど容易い話だ。

それにかつて夜の校舎で相対した、得体の知れぬ魔物たちに比べればはるかに戦いやすい。
しかも、魔物の正体は自分自身の生み出した負の感情だったのである、その恐怖に比べれば、
目の前にいる敵など…いや目に見える恐怖など恐るるに足りない。
まして人語を話す以上、その精神は人間だ…ならば自分が負けるはずがないのだ。

だが、それでも避けるばかりでは意味が無い、それにいいかげん飽きてきた、終わらせよう。
舞は刀を構え振りかぶる、その構えは素人同然だ、それをさつきは嘲笑する。
「そんなゆっくりの攻撃であたるわけ!!」
だが、その言葉を最後まで言い終わる前にさつきは袈裟懸けに叩き斬られていたのだった。
「え?」

人間の動きには必ずどこか遊びが生まれる…ただ手を上に上げるだけでも2割から3割の無駄が生まれる。
しかしその無駄を完全にシャットアウトできるのならば、たとえ速度が遅くとも、先程の予測と組みあわせることで,
百パーセント最適化された最短距離での攻撃を行う事が可能となる。
つまり結果的にさつきは自分からあらかじめ設置された舞の斬撃に飛びこんだということになる。

しかし最も恐るべきはそれらの熟練の戦士が膨大な時間をかけて辿りつくであろう境地を、
彼女は天性の勘のみで成し得ていることだった。
川澄舞…まさに生まれながらの戦士だった。

しかしさつきは平然と立ちあがる。
舞の顔色が僅かに悪くなる、あの攻撃は肉体にかかる負担が大きい、長引けばまずい。
後退する舞だったが、さつきの追撃はいつまでたってもやってこなかった…何故なら。

傷が治らない!、立ちあがったのはいいが、痛みにのたうちまわるさつき。
舞の持つ刀、本来は御剣冥夜の愛刀でもある皆流神威は霊験あらたかな名刀、さらに舞自身の霊力も加わっている。
それをマトモに受けてしまったのだ、ただではすまない。
「いたいよういたいよう〜志貴くぅん」
復元呪詛が上手く働かない、傷口から血が溢れ、それがみるみる灰になっていく…このままでは保たない。

さつきは今自分が持つ最大限の力を使い、この場からの逃走を試みる。
愛しい想い人の名を心の中で呼びながら。
(志貴くん志貴くん志貴くん志貴くん志貴くん志貴くん、助けてよ助けてよ助けてよ助けて……)

舞はそんなさつきを追おうともせず、無言で刀の返り血を振り払う。
その凄惨な光景に詠美は最後まで一言も口を利くことができなかった。

【川澄舞      所持品 日本刀(皆流神威)    現在位置 北西部森林】
【大庭詠美    所持品 不明             現在位置 北西部森林】
【玉野まゆ    所持品 不明             現在位置 北西部森林】
【弓塚さつき   所持品 不明             現在位置 北西部森林より逃走】

557 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 21:34
割り込みごめんよ

558 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 21:35
>551
9 救出条件があるので、参加者のペナルティはゲーム(作品)終了後に行われる
  それまでは収容所にて確保

こんなルールもあるんで、ゲーム中の出番はもう無い。
残念だけどね。他のキャラも同じリスク背負ってるわけだからしょうがないべ。

559 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 21:37
まあ志貴は対千鶴に全てのエネルギーを使っちゃったって事だね。

560 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 21:39
あ、でも鬼を倒した人間が志貴を脱出ペアに選べば脱出時にちらっとでることはできるね。
よかったよかった。

561 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 21:41
>558
俺は秋葉か誰かが鬼を捕まえて救出されるかもという意味合いで書いたんだけど。
てか、あまり深い意味は無いのから、気にせんといて。
変なこと書いてスマソ。

562 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 22:43
何で舞がこんなに強いんだよ……舞が戦っていた魔物っていうのは舞自身の負の感情であったから相手できたんだろ?
いわば自分が壁に投げたボールがどう返ってくるか分かるようなもの。別に化け物相手の戦い方を心得てるわけじゃない。
なんか皆流神威が宝刀扱いだし、舞も霊力なんてものを持った退魔師扱いだし、いくら何でも俺設定詰め込みすぎちゃうんか。

563 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 22:56
鍵の2次の影響が強いのは元から・・・
鍵のパワーアップ問題は困るねえ

564 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:10
とりあえず前例(志貴対千鶴)を参考に、さつきのダメージはそのままで武器と技量を落す方向にすればいいんでない?
ただ剣の技量に関してはゲーム内の動きを見ると、それほど俺設定だとは思わんが・・・実際誰に習ったわけでも無いのに体捌きは凄いし。
後さつきも油断モードだという描写もあることだし。

問題は霊力だな。武器に関してはよくわからんが。

ちなみになんか混乱してるけど、誰が捕まったのかはちゃんと全員にわかるんだよな?つーかわからんと脱出のペアに捕まった人間を指名できるというルール意味無いし。

565 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:20
舞の霊力ってのは死者蘇生が出来るくらい高いですよ
自分自身の負の感情だからあそこまでてこずったという考えもある
自分で自分を傷つけるのは難しいし
事実舞が魔物を斬るたびに舞も同じダメージを受けていた。

566 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:32
当たり前だけど
戦闘とか何も考えてない香具師が鍵の原作だからなあ・・・
例えばサクラ大戦で
さくらが機関銃の連射を刀ではじくとこがあるんだが
考えた香具師は見栄えがするという理由だけでやってるつもりだろうが
そこから強さをはじきだすと他の隊員と比べて桁違いの強さになってたり
生身のが強いじゃんとか矛盾が生じてくる
舞だとたしかなまくら刀で机かなんかすぱっと切るシーンがあるけど
真面目に考えると切
れない剣でこれやるのってどんな凄い腕してるんだってことになる
あと曖昧な能力?描写のせいで
二次創作でのパワーアップが著しいキャラにもなってる・・・

567 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:37
>>564
だからその人間が生きてさえいれば指定できるんだろ
捕まっている奴だけを救出できるわけじゃない、それに限らない
例えば秋葉ならたとえどんな状態であろうとも志貴を選ぶだろうし
舞も佐祐理を選ぶと思う、だから分からなくてもいいんじゃないの?
ようするにその人間が1番助けたい大切な人を選べばすむ話

>>565
俺もその説に一票
でも読む限りそこまでトンデモな強さで書かれてはいないよ。
さっちんだからああなったのであって

568 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:40
>>563
まあ、秋子さんは今回まともだからまだまし。
あとはあゆか。

569 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:45
>>565
だからその霊力って何よ?
それさえあれば死徒の復元呪詛すら容易に断ち切れると?
望めば死者蘇生だろうとなんだろうと実現する、空想具現化もビックリな能力を舞は持ってるとでも?
そんなのがまかり通るようなら、魔物召還してそれを自在に操りながら戦うトンデモ戦士になってしまう
可能性もあるわけで。
そんな馬鹿げたファンタジーなんかいらないと思うんだがな、俺は。

570 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:46
>>566
あのさ、そんな細かい事ぐだぐだ書き出したらどのゲームにも矛盾がでてくるよ。

月姫の遠野志貴にしたってガキの頃に訓練受けていただけで、そこから先なんの修練も積んでないのに、血が目覚めただけでいきなり十七分割してまっせ。

とりあえず周りが最強クラスの化け物ばっかなんだから、多少現実的な矛盾があっても別に度が過ぎない限り構わないだろ、少なくともゲーム内での真夜中の学校での戦闘描写があるわけだし。

571 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:49
>556
このぐらいなら許容範囲だと思う。
上に書いてある通り、さっちん相手だからこうなったからであって。
原作でも、一応、屋上から飛び降りたりして無傷、躊躇無く切腹する根性があるし。

ただ、文章自体が舞を誉めすぎの方向に書いているね。だから、舞が相当強いように読者は捉えてしまう。
もうちっと客観的な描写を増やして、敵にも華を持たせたら?
したら、意見は出ないと思う。文章自体は上手いし、話も面白いから。

572 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:50
一応結界でそういう能力弱められてるんだから、死者蘇生とかいうとんでもないことはできないわけだし、
ある程度死徒に効力があるくらいに考えとけばいいじゃん。

573 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:52
>>570
きのこの設定はまわりにそーいうの多いから
世界観として納得しやすいけど
普通の人間ってほとんどいないしね

574 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:55
>>567
望めば死者蘇生だろうとなんだろうと実現する、空想具現化もビックリな能力を舞は持ってるとでも?

持ってるんだよ、残念なことに。
ただそれはそう容易くできることではないし、別にコントロールできるわけでもない。
今回のあの話では、死者を蘇らせるほどの強い舞の力を、剣が媒体となって偶発的に発動させたってことだから、問題視するのは、武器。

あの刀にそういう力の媒体としての役割がゲーム内で描写されてるなら(なんかされてないっぽいけど)OKだが、そうでないならもうああいう霊力を使う描写はよっぽどのことが無い限り使うなってことで。
霊力使いこなせるわけじゃないんだからな。

575 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:58
>>569
霊力ってのはただの便宜上の言葉でしょ、実際舞の力ってそういう言葉で言い表せるものじゃ無いし
それを額面通りに捉えるからややこしくなるのであって
皆流神威の力+舞の能力で一種の概念武装を喰らったような感じになっただけでしょ
ただ皆流神威にそういう力があるかどうかはマブラヴでは語られていないが
そこまで否定することもないと思う。

576 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/02(日) 23:59
>>573
納得しやすいだけで納得すべきことではないと思うんだがな。
周りが超人なだけで、志貴は普通人だしさ。
つーかそういう思い込みが間違い無くこのスレに投影されてるな。
まあ、というか月、鍵、葉、総じて二次の影響を受けすぎなわけだが。

577 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:01
そんなにびっくり能力の使い手なのか?
葉鍵のVSスレでは舞関連の話は荒れまくってたけど・・

578 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:02
>>576
七夜って普通人じゃないよ。
化け物殺すための一族だよ?

579 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:03
>>577
ここの月VS他作品スレでは舞はそんなに強くないという結論になっていたが。
これぐらいは許容範囲だとおれは思うよ。

580 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:06
>>577
使い手です…でもあの話を書いた人は上手く強さの説明は出来てる
少なくとも不可思議な強さの持ち主としては書いてはいない。
強い事は強いけど戦闘のプロには勝てないかもって事も何となくわかるし。

刀についてはあの冥夜がこれみよがしに持ってる刀だしなぁ・・・
鈍なはずはないと思うが

581 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:07
書き手になんらかの見解を言ってもらうのがいいんだろうが・・・
この流れじゃ出てきにくいわな。

582 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:09
>>576
おそらく一生理解してくれなさそうだが、俺が言ってるのは肉体の問題だ。

七夜は確かに化け物殺すための一族、それはOK。
でもな、だからといって身体能力が先天的に並外れて高いとかそういう描写は無いのよ。
あくまで実学の徒なわけ。
だから、訓練の記憶が残ってるだけで、禄に運動もできず錆付いた体で、七夜の技術を再現するのは不可能だと、そういいたいわけ。
特に十七分割なんて、頭で理解できても体が実行できるわけないだろうし、できるのなら訓練の意味無いから。

583 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:09
>>576
月葉は元から化け物ぞろい。
電波は真っ向勝負じゃない限りかなり強いし、
暴走祐介の破壊爆弾は27祖みたいに町一個の範囲で人ぶっこわせる。
鬼もとんでなく速い。
アルクシエルは言うまでもなく、
さっちんは27祖並のポテンシャル。
原作の一年後だか
志貴なんかアインナッシュの森を軽装で移動してるし、
2次創作以前に馬鹿強い。
月葉にはバトル要素があって強い敵キャラもいるしね。

584 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:12
>>582
志貴はちゃんと人外の動きをすると体に負荷がかかっているわけだけど
大体17分割なんて志貴が制御してやったもんじゃないだろ。
全然使いこなせないっしょ。

585 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:16
>>582
別に好き勝手につかいこなしてるわけじゃないでしょ。
志貴の親父はもっと凄いし。

586 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:18
論点がずれてきてるな。
これは、舞の力(霊力)と刀についてのことを議論してんだろ。
志貴の体術に関してはもういいだろ。ゲームオーバーになってこれから出番ないわけだし。

587 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:19
舞の力についてだけど
分かりやすく考察されてるサイトってある?

588 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:20
あのね、御二方とも俺の書いてること曲解しすぎだから。
俺は十七分割一点にしぼって、ああいう凄まじい技術の再現は不可能だろ?って書いてるわけで、しかも制御がどうとかじゃなくて、日々練磨してるわけでもない肉体での再現が不可能だって書いてるのにねえ・・

589 名前: Howling Edge 作者 投稿日: 2003/11/03(月) 00:20
舞の強さについてですが
あれはさっちんクラスだから圧倒できたと考えてください
例えば千鶴さんならエルクゥとしての身体能力や機能をフルに使いこなしてくるでしょうし。
人間でも蝉丸やシオン級なら舞の予測を読んでさらにその裏を突いたり
予測そのものを狂わせたりしてくるでしょう。
少なくとも自分が書くならそうします

結局野球のピッチャーに例えればさっちんはスピードはやたら早いけど
ど真ん中にしかボールがいかないタイプだと考えて書きました。
その潜在能力を発揮できるにはまだ日が浅いでしょうし

それと、霊力というのはやはり便宜上で使っただけです、
それくらいしか思いつかなかったもので
刀は…>>580と同意です。

590 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:24
毒電波や空想具現化がありのバトルなら舞のとんでも能力ぐらい十分許容できるっしょ。

591 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:25
>>588
いやなんで不可能って言い切れるの?
転生魔術吸血鬼混血とかなんでもありの世界だよ?
志貴が才能あったってだけでしょ。
さっちんなんてポテンシャル27祖だぞ。

592 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:25
>>589
シオンと蝉丸は微妙に人間じゃないわけだが・・・
要は、舞はさっちんより実戦経験があったから勝てたんであって、
もっと強い相手(例えば武術をマスターしているセリオ)だと簡単に負けてしまうかもしれないということでいいかな?

593 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:26
俺も志貴千鶴戦ほど違和感もたなかったしおk

594 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:28
>>580
まあ弓塚は作品内のでのテンションを考えると明らかに才能に溺れるタイプだからね。
俺は特に問題ないと思うよ。

595 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:31
>>588
訓練して練磨したら常時志貴の父親以上の動きできたんだろ
でも訓練期間が短かったから
いざという時しか七夜を使えない+使う体に反動がくると

596 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:32
「これは…なんていいかげんな」
「なにが?」
遺跡を見て顔をしかめるシオンに、美坂香里は訊ねた。
「ベースはアフリカのものなのに、仏教が混じっています。それにこれはマリア像の顔?ああ、こんなところに中国古代文字まで書かれている。おまけに…」
「あの〜、シオン?」
なおもそのあたりを調べながらぶつぶつ独り言を言うシオンだったが、香里の言葉で我に返った。
「つまり、何カ国もの国の文化を適当にあわせて作られたものだということです」
「作られたもの?」
「はい、この遺跡は出来てから長くて十年、ひょっとすると半年もたっていないかもしれません」
「なんのためにこんなもの作ったんでしょうか?」
「たぶん、このゲームのためですね」
宮田健太郎とほぼ同じ結論をシオンも下した。
それを聞いた香里と桑島高子は顔を見合わせる。
「つまり、これだけ大きな遺跡を作れるくらいの財力があるってこと?どれだけの大物なのよ」
「わかりません。想像するには材料が乏しすぎます。…とりあえず日も落ちてきましたし、今晩はここで泊まりましょう」
「そうね。野宿にならないのはうれしいわ」
逃げ隠れできる遮蔽物の多い山中にいるのが有利だろうと三人で相談してここまでやってきたのだが、慣れているシオン以外は野宿はきついだろうなと思い閉口していたのだ。

しかし遺跡は爆発やなにかが衝突した跡があり、無事な建物はぱっと見では皆無だ。
とりあえず奥に進もうとするが、瓦礫が道を塞いでいる。三人でどける作業をしていると、
「地下通路?」
「ですね」
瓦礫の下から階段が出てきた。
入ってみると、真っ暗で水音がする。街で取ってきた懐中電灯を点けると、
「これは…ずいぶんと広い」
水路が縦横無尽に走っており、おまけにいりくんでいる。奥に進んでみると、地下室がいくつか見つかった。
「ここで寝るのがいいわね」
これまた街で持ってきた毛布を敷いてそれぞれの場所を確保する。続いて夕食をとろうとしている時、一番入り口近くにいた高子の耳になにかが聞こえた。
(水音?)
天井から水滴が垂れたのだろうと、高子はそれ以上深く考えなかった。

597 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:33
(三人か。少し人数が多いな)
水路の中で、岩切花枝は思案していた。
目的地の池に着くと、あきらかに人の手による水路が池の中にあった。
試みにそれをたどってみるとこの地下通路に出た。
地上では爆発音や激突音がして何者かが交戦中だったようなので地下でおとなしくしていると、あの三人が入ってきた。
(一人は見張りに立つだろうから、わたしが接近すればセンサーで気づく。さて、どうしたものか)
ゆっくり考えればいい。人が寝静まる夜はまだまだ始まったばかりなのだから。


【シオン  所持品 バレルレプリカ  現在地 遺跡地下】
【美坂香里  所持品 不明  現在地 上に同じ】
【桑島高子  所持品 不明  現在地 上に同じ】
【岩切花枝(鬼)  現在地 上に同じ  残りノルマ七人】

598 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:33
>>591
いや、もう一生理解できないと予測はしてたし、別にもう理解せんでええよ。
妙なこと書いてすみませんでした、と。

599 名前: Howling Edge 作者 投稿日: 2003/11/03(月) 00:34
>>592
ですね、舞の強さは訓練や修行の強さではなく、生まれもった才能として
書いたつもりですから、ただ鬼でもセリオや柳川クラスでは舞には勝てないんじゃないかな?
少なくとも互角以上にはならないと思う。
特にセリオなんて臨機応変な対応が出来なくって、」
この私が何故!とかいいながら真っ二つにされそう。

600 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:36
あーた柳川侮りすぎですわ・・

601 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:37
>>598
きのこは血統マンセーだから七夜も普通の一族だと考えないほうがいいよ。
肉体へついての疑問は
そもそもリアルで考えるといくら訓練しても志貴親父みたいに動けないし。

602 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:37
ちょっと待て、舞>柳川ってのはいくら何でも……

603 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:38
>>601
もう終わっとけ
みてると考え方の違いだから一生結論はでない。
きのこにきくしかないw

604 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:40
セリオにしてもインプットされてるのは達人クラスの武術家のはずなんだから、そこまであっさりとはいかんだろ。

605 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:43
あの、議論が盛り上がってるとこ悪いですが、作品投下したら駄目?

知略を尽くした戦いを作ろうとしたら、えらく長くなったけど。

606 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:44
柳川クラスに勝てるってそれはもう舞じゃない。

607 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:45
じゃあ今から作品投下に備えてみんなレス一時停止ってことで。

608 名前: Howling Edge 作者 投稿日: 2003/11/03(月) 00:45
>>600-602
ごめん、そのとおりだ、後で気がついた・・・
じゃ、そろそろ名無しに戻るわ。

セリオについてはその達人の動きを再現できるだけで
達人そのものの戦闘経験や思考パターン、
そこから導き出される最適な行動までも再現できるわけじゃないと思うんだけどね。
臨機応変に欠けると思ったのはそういう考えがあるので

609 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:46
>>605
どうぞー
番号があればだいじょぶでしょ
しかしこの過疎板でこう盛り上がるとは思わなかったな

610 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:49
三人くらいしかいない気がするがw

611 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:50
5人はたぶんいる

612 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:50
いや、今の志貴議論で少なくとも六人はいるとわかったぞ・・変わらんかw

613 名前: 正しき勇気を 1 投稿日: 2003/11/03(月) 00:51
「ふう、これでよし、と。あら……?」
 石原麗子が水瀬名雪に応急処置を施している。今、ようやく体内の弾丸を摘出したところだ。
 あとは、包帯代わりに服の切れ端を使えばよい。
 そして、それを貰おうと、往人の方を見た麗子は驚いた。皆、ぐったりしている。
「どうしたの?」
「どうしたもこうしたもあるか……。傷口に直接手を入れやがって。う、口に出したら思い出してしまったぜ」
 口元を抑える国崎往人と大空寺あゆ。名雪を背負っていた鎧衣尊人、緒方理奈も同様に気分が悪そうだ。
「弾丸が体に残っているのは一番危険だからね」
 平然と言い放ち、名雪の治療を再開する麗子。その表情は悪戯気に微笑んでいながらも、影がうっすらと差していた。
(このままだと、どちらにしても両足は壊死する。急いで、市街地で本格的な治療をしないと)
「皆、疲れているところ悪いけど、すぐに市街地に向かうわ」
 皆は真剣な表情で頷いた。誰も不平不満を言わないし、顔にも浮かべない。
 この四人は本気で名雪のことを心配している。ほんのわずかだが、胸が熱くなった。
(最近、私、仲間運は恵まれているかも)
 そして、高子達のことを思う。彼女達はまだ生きているだろうか。
「どうした? 俺がそいつを背負うから、そこをどいてくれ」
 名雪を背負ってここまで走ってきた尊人は、相当に疲れている。見かねて、往人が代わりを名乗りでた。
 五人がその場から立ち上がる。いまだ傷の癒えぬあゆには、理奈が肩を貸している。

 名雪を背負った尊人達を見つけたのは麗子だ。曰く、「患者が助けを求める声が聞こえた」らしいが。
 実は、麗子は血の匂いを嗅ぎ取っただけだった。
 ただ、その超人的な嗅覚は出来るだけ隠しておきたい。
 下手に伝えて、不審がられても、恐がられてもまずいからだ。
 でも、伝えても大丈夫な気もしていた。この人たちなら。

 ある程度すると、奇妙な場所についた。
 森の中にあって、ここだけ木が植えていない。地面は砂で覆われ、その上に三角錐の大きな石がいくつか立っている。
「ここは……」
 麗子の顔が青ざめた。
 同じく、尊人も合点のいった顔になると、表情に恐怖の色を浮かべた。
「な、なんて恐ろしいもんを仕掛けてるのよ、主催者の阿呆ども!」
 麗子は憤りを覚え、傍の木に拳を叩きつけようとするが、慌てて尊人に止められる。
「引き返して遠回りするわよ」
 麗子の鬼気迫った表情に、四人は問うことも出来ないまま頷くしかなかった。

 瞬間、森の中に凄まじい雄叫びが響き渡った。遺跡の爆発に負けないほどの音量である。
「逃げなさい!!!」
 麗子は、山の方角から圧倒的な力量を持った存在がこちらに近付いてくるのを感じる。速い、あまりに速すぎる。
 五人は急いで、道を引き返す。麗子も少し遅れて走り出す。
 
 だが、黒い影、ようはエルクゥと化した柳川裕也が、あゆと理奈の正面に落ちてくる。激しい砂埃がその場に舞った。
 その影は何の躊躇もなしに、二人に牙を振るおうとする。硬直して動けない二人。
 しかし、後ろから誰かに突き飛ばされた。
 ――ズシャッ!!!
 血しぶきが二人の顔に落ちてくる。何が起こったのか、瞬時に二人は理解できなかった。
「れ、麗子さん……」
 石原麗子が腹を貫かれていた。貫いているのは、鬼の右腕。
 麗子が口から血を吐きながらも、叫んだ。
「国崎! 尊人! 早くしろ!!!」
 何を、とは言わず、麗子は率直に命令した。
 あゆたちと同じく恐怖で硬直していた往人と尊人は、その言葉で我に返る。
 すぐさま、二人を連れてその場から逃げようとした。
 しかし、鬼は逃すつもりはなく、右腕に麗子を貫いたまま、左腕で攻撃しようとする。
 すかさず、往人が閃光弾を投げる。一瞬の激しい音と光。転んだあゆを尊人が担ぎ、五人は森の中へ逃げようとした。
 だが、甘かった。
 鬼が光に目がくらんでいた時間に稼いだ距離、これは鬼のたった一回の跳躍で越されてしまう。
 森の入り口に鬼が立ちふさがった。

614 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:51
>>609
笛スレ加速時は毎回こんなもん。
もっともあっちは議論じゃなくて妄想だが。

615 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 00:54
問題は2スレ目もこの勢いを持続できるかだろうね。
最初はどのリレーだって盛り上がる。

616 名前: 正しき勇気を 2 投稿日: 2003/11/03(月) 00:56
「やめてください!」
 鬼の背中から少女の声がした。
 すると、鬼の体のあちこちの光が走り、次に見ると倒れていた。電撃を浴び、体が痺れたようだ。
「今です。こっちに!」
 少女の声に連れられ、森の中に入っていく五人。後ろを向きたい気持ちを必死でおさえて。
 だが、四人の目に涙が浮かぶのはどうしようもなかった。

(私は、まだ生きてる)
 麗子は腹を貫けながらも生きていた。仙命樹の恩恵ゆえだ。
(いや、これは呪いね)
 麗子は自重気味に笑い、地面に倒れたまま空を見上げる。下半身は動きそうに無い。
 耳元に嫌な足音が聞こえてきた。
 これは、恐らくここのトラップ。参加者に生き地獄を味あわせる最悪のトラップ。あまりにも下劣な趣向だ。
 すると、麗子の傍にヒラヒラと何かが落ちる。それは写真だった。
 映っているのは頭が固そうな青年と、長髪の暗そうな青年。二人とも似合わぬ笑顔で、だけど、幸福そうにカメラの前に立っている。
(もしかして、鬼も犠牲者なのかしら? もし、そうなら)
 鬼が動き出す。いまだ、その目は残忍な光を浮かべている。
(戦って。あの子達のように協力して。こんなゲームを許さないで)
 麗子は自らの力で首輪を引き千切り、それを鬼に投げた。
 麗子の体が青い光に包まれる。

「リアンさんですか、有難うございます」
 あゆを担いだまま、尊人は、先ほど助けてくれたリアンに礼を言った。
 しばらく走った先、リアンを含め六人は休んでいた。
 名雪はいまだに意識を取り戻さず、あゆも今は気を失っている。先ほどの戦闘で、傷が開いたようだ。
 往人は肩で大きく息をしていた。
 理奈は泣いている。己を助けてくれた麗子のことを思って。
「どうやって、あの化け物を倒したんだ?」
「ああ、あれは魔法です」
 リアンは大真面目に答えた。理奈と尊人はぽかんと口を開けている。
「そうか、魔法か」
 だが、法術師である往人は動じなかった。それもどうかと思うが。
 リアンの言う事だと、姉の波動を捜索魔法で感じ取って、ここまで歩いていたらしい。
 すると、化け物が人を襲っていたため、とっさに自分の使える最大魔法で攻撃したということだ。
「ま、魔法ですか。世界中、あちこち旅したけど、本当に使える人がいるとは初耳です」
「芸能界に来ない? ちょっと地味っぽいけど見栄えも悪くないし。お兄ちゃんに紹介してあげる」
 あの化け物を見た後である。二人とも自棄気味になっていた。

 すると、逃げてきた方角から、青い光が飛んでいくのが見えた。
 四人は押し黙る。そして、再び雄叫びが聞こえると、顔が青ざめる。
「もう起き上がったのか……」
 往人が絶望的な表情をする。いや、四人全員がだ。
 すると、僅かに震えながら、リアンが提案した。
「私が食い止めます。大丈夫、魔法がありますから。あなたたちは先に……」
「嫌だ」「嫌よ」「嫌だね」
 往人達三人がリアンの言葉を遮り、きっぱりと拒否する。
 リアンが驚いて三人の顔を見ると、すでにそこに怯えは見られなかった。
 そして、理奈が涙を拭って、リアンを抱き寄せた。
「そんなに震えている娘を一人置いて、私たちだけ逃げられるわけないでしょ?」
 理奈には大きな後悔がある。
 もし、遺跡で自分が錯乱しなければ相沢君は死ななかったかもしれない。尊人は決してそのことで自分を責めなかったが。
 同じ間違えはしない。どんな時でも冷静になって、考える。
 すると、リアンの心の底に潜む自己犠牲の精神に気付いた。
「で、でも、このままだと皆、殺されてしまいます! わ、私はあと一、二回の攻撃魔法しか魔力が残ってのに!」
 リアンは涙を流しながら、思わず真実を語った。
 武器は往人の閃光弾と、リアンの投げ縄。攻撃魔法はたった二回。
 勝ち目はほとんど無い。
「手はあるよ」
 それでも、尊人はきっぱりと断定した。

617 名前: 正しき勇気を 2 投稿日: 2003/11/03(月) 01:01
 尊人の前には鬼がいた。右腕は麗子の血で染まっている。

 尊人はすかさず閃光弾を投げて、逃げの一手を繰り返す。しかし、鬼は何度も同じ手に怯まなかった。
 光に気をとられずに、尊人を追い、その背中に爪を振り下ろそうとして、途端に体に浮力がかかった。
 尊人は父から様々なトラップを習っている。冒険の際、不手際から食料が現地調達になることはよくある。
 リアンの所持武器である投げ縄野一部を使って、簡単な網を作ったのだ。その網に鬼は捕らえれている。数秒で、引き裂かれたが。
 その間、尊人は更に逃げる。鬼はその後を追い、次は落とし穴に掛かった。
 また、尊人は逃げる。意外と鬼の足は遅かった。
 
 そして、目指す地点に辿り着いた。
 そこは崖だった。断崖と言うほどものではない。下には川が流れている。流れる先は、遺跡の方角。
 尊人が前に向き直すと、鬼はすぐに追いついていた。
 急ぎながら作ったものの本場仕込みの罠の数々。それでも、すぐさま追いついてきた。
(やはり、ただの野獣じゃない)
 あの時、最初に理奈達女性を狙ったのも偶然ではないようだ。
 鬼はなかなか襲ってこない。
 トラップを警戒しているのだろう。それでも着々と少しずつ距離を縮めている。
(お前達、鬼のせいで、祐一さん、名雪さん、麗子さん、あゆさん、そして、もしかしたら、健太郎さんも苦しめられた)
「いつまでも……」
 気付いたら、声が出ていた。憤怒の感情かも知れない。自分では解らなかった。
「いつまでも、やられてばかりだと思うなよ、化け物!」
 半分は恐怖から、もう半分は怒りから生まれた尊人の叫びだ。
 すると、鬼が弾かれるように飛んだ。尊人如き少年に怖気づいたわけではない。
 だが、内の狩猟本能がうずいたのだ。
 鬼は、より強く、より気高い獲物を求める。図らずとも、尊人は、鬼、柳川裕也に認められた。
 そして、その動きに合わせるように、地面が崩れた。
 鬼と尊人は川に落ちていった。

 川に叩き込まれる鬼と尊人。
 あまりの恐怖のためか、叩き込まれた衝撃のためか、尊人は気を失っている。
 そんな尊人に投げ縄が投げ込まれる。
 それは尊人の腕を掴み損ねる。川の流れは急だ。だが、
「カウボーイ往人をなめるな!」
 その投げ縄は空中で独りでに動き出し、尊人を追って捕まえた。
「今だ、リアン!」
「はい!」
 リアンの残った全ての魔力が掌に集結する。そして、光弾は放つ。
 それは川に当たり、水面が電気が飛び交った。
 鬼は悲鳴を挙げながら、流されていった。

 尊人の計画はこうだ。
 まず、尊人が崖まで鬼を誘い込む。鬼が襲い掛かったら、リアンの光弾で地面を破壊。
 鬼と尊人が川に落ちる。落ちた尊人は往人が投げ縄で回収。一度、尊人を掴み損ねたら、法術で投げ縄を操ればいい。
 そして、鬼だけになった川にリアンの電撃でとどめ。痺れた鬼は川に流され溺死する。
 そういうものだった。
 ちなみに、理奈は、名雪とあゆの保護と一緒に、伝令役も行っていた。
 リアンと往人は役割上、絶対に持ち場を離れられなかったからだ。
 急造メンバーだが、すでに信頼し合っている。だからこそ、出来た。

618 名前: 正しき勇気を 4 投稿日: 2003/11/03(月) 01:07
「やったわね、リアン!」
「はい!」
 リアンと理奈は歓喜の涙を流して抱き合っている。
 もっとも、往人はそこまで楽観視していない。
 リーダーとしての自覚ゆえか、先のことを考えている。
(気絶者二人。重傷一人。ボロボロだな)
 まだ、この島に鬼はいる。あゆが語った金髪の女。
(俺達は生き残れるのだろうか?)
 空を見上げる。全てを飲み込むような暗く深い黒が見えた。
 もうすぐ夜が来る。

 この時、気絶している尊人を含め、誰も気付いていないことがある。
 あれほどのスピードを誇った鬼がどうして尊人を追いつけなかったのか?
 常に逃げていた尊人は見ていないが、鬼が掛かった罠は最初の二つだけである。
 麗子と尊人が恐れた砂地のトラップ。彼らの気付かないまま、それは発動していた。
 仙命樹という劇薬を飲んだトラップ。それが、鬼に襲い掛かっていたことに気付かなかった。
 だからこそ、尊人は逃げ切られた事も。
 そのトラップは生物だ。アマゾンではこう呼ばれて恐れられている。
 軍隊アリ、と。

 そして、なにより鬼は生きている。
 この戦いは、まだまだ序章に過ぎなかった。
 
【国崎往人  所持品閃光弾 現在場所 島南部山中の川付近】
【鎧衣尊人  所持品投げ縄 現在場所 上に同じく】
【大空寺あゆ 所持品なし 現在場所上に同じく】
【緒方理奈 所持品なし 現在場所上に同じく】
【リアン 所持品なし 現在場所上に同じく】
【水瀬名雪(太もも損傷)所持品なし 現在場所上に同じく】
【石原麗子 ゲームオーバー】
【柳川裕也(鬼)現在場所 島南部遺跡に流されている 残りノルマ 十人】

619 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:08
首輪は自分で外せないんじゃ・・・と思ったら、カットマンは外すなよといってるだけで外れないとは言ってないな。

620 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:09
>>615
人数が半分に減るまで進められばなんとかなりそうな気もする。

621 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:09
スマソ、長すぎた。
作戦とかあると、どうしても長くしてしまう。
次に書く時があれば、もうちょっと短くするよう頑張りますので勘弁を。

622 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:12
すまないが俺はこの連休が明けると投稿ペースががた落ちするかもしれん
仕事が忙しくなるので
まぁ書き手が分散しないって利点はあるから、
まったりやっていければいいんでない?でもみんな頑張ってくれ俺の分まで

623 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:13
おれもこれから二週間ぐらいは最高でも二日に一本ぐらいになるな。
正月までがこのスレの正念場か。

624 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:15
一応聞きたいことがある
仙命樹を飲んだ軍隊アリ・・・・実際にはどんな感じになるのかな?
個人的な考えでいいので教えて欲しい、当方誰彼未プレイ

625 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:16
このスレで驚くべき事は
>>1-153に約9ヶ月
>>154-624に14日という落差だ

626 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:21
生命力が増し、食欲が旺盛になり、積極的に生物を襲うようになる、という風に考えています。

軍隊アリについての、私のイメージは、
アリが集団で固まり、黒い塊(人の大きさ程度)になって、進軍する。
進軍した跡には草の根一つ生えずに全て食べられている。
燃やしても、燃やされたアリの死体を中のアリが食べるか踏むかして進軍を続ける。
それでも、一番対抗するのに有利なのは、火炎放射器など炎系。
こんな一般イメージしかないです。

627 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:21
>624

628 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:25
>>625
さっちんスレを軽く追い越す勢いだな。
>>626
鬼の中でもシエルとかセリオじゃ逃げるしかないな。
花枝は水中に逃げれば大丈夫か?

629 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 01:27
>>626
了解です

630 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 02:50
戦闘ばかりではなく、まったり話や友情・恋愛も読みたいな
それこそ大作ではなく小品でいいから

631 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 03:28
心配せんでもそういう小ねたの種は既に蒔かれている。

恋愛なら浩平×詩子とか、両手に花の和樹
他ゲーム間カップルありなら個人的にはなんとなく冥夜と大志辺りがいいコンビになりそう。

友情なら瑞希とみさき、観鈴、慧、翡翠の三人など。

632 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 16:18
机の下で立ち往生したまま、聖は困っていた。月島がこの部屋をなかなか動かないのだ。
一度だけ出て行ったが、すぐに戻ってきてコップにくんだ水を紙にかけるという意味不明な行動をし、
それからは紙とにらめっこしている。
(待つよりも自分から動いたほうがいいか?)
聖のアイテムは煙幕弾で、煙が出るだけで殺傷能力はないが逃走にはうってつけのものだ。
決断して、それを手に握って行動に出ようと机の下から顔を出すと、
四つ隣の机の下に男がいた。
聖が机の下に入ったときには、こんなやつはいなかった。
おもわず身構える聖に、男は自分を指差してから顔の前で手を振る。敵ではないと言いたいらしい。
現にセンサーはそこまで強く振動していないから、こいつは鬼ではないだろう。
男は這いながら近づいてくると、床に指で「那須宗一」と書いてまた自分を指差した。

話は一時間ほど前にさかのぼる。
「これは、暗号文か?」
宗一に渡されたものは一枚のフロッピーだったので、中身を見ようとパソコンを探して
このオフィスにやってきたのだ。
フロッピーの中身はメモ帳で、開けると六桁のアルファベットと数字の入り混じったものが書かれていた。
「それにしては短すぎる。なにかのパスワードだろうな」
他にはなにも入っていない。
とりあえずそれを紙に書き写しパソコンをシャットダウンして出ようとすると、誰かが階段を上ってくる
足音がした。
センサーで鬼ではないことはわかっていたが、宗一は机の下に隠れた。
このゲームは参加者同士が殺しあうことは禁止されていないことは、宗一も気づいていた。
宗一にその気はないが、自暴自棄になって見境なく殺しだすやつがいないとも限らない。
そのため隠れてある程度行動を見てから判断しようと思ったのだが、続いて月島と琥珀が入ってきたために
接触の機会が失われてしまった。
鬼がいるこの部屋から出るには、同じ参加者どうしで協力したほうがいい。
そう思い、月島が部屋を出た間になんとか聖の近くの机の下まで移動したのだ。

633 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 16:18
「さすがに自分の集合場所までは書いてないな」
月島は、琥珀の渡した紙に書かれていることを別の紙に書き写している。
「いや、書かれていた方が迷うか」
あのしたたかな女のことだから、うその場所を教えてそこにあらかじめ罠を仕掛けておくぐらいのことは
やりかねない。
「だけどそれを言い出したらこれが全部うそだということもありえるな・・・深く考えるのはやめておこう。
どんどんあの女のたくらみにはまりそうだ。さて、」
書き終えた月島は机の一つ、聖と宗一が隠れているところに目をやる。
(あそこにいるやつをどうやって捕まえようか)
この部屋に入った当初や琥珀と話していたときは気づかなかったが、センサーの振動音というのは
意外にうるさい。とくに静かな部屋なら明確な位置までわかる。
(鬼をみつけるための機械で自分がみつかるというのも皮肉なことだね。しかしどうやろう?)
この島に来てから、月島の能力である電波は著しく弱まっている。射程は短くなっているうえ、
対象が見えていないとうまく相手の頭に送り込めない。
こんなことならナイフの一本も武器としてもらっておくべきだったと後悔するが遅い。
(だけど見えてしまえばこちらのものだ)
隠れている机の並びの横の通路に、足音を殺して移動する。
向こうはそれに気づいていないのか、センサーの音は動かない。
ここから相手までの距離は十メートルもない。見えればその瞬間に相手を操り人形にできる。
息を吸って呼吸を整え、心の中で数を数える。
(1・・・2・・・3!)
通路に飛び出した月島は、目を見張った。
参加者が隠れているはずの机の下。そこには、振動するセンサーが二つ落ちているだけだった。
「しまった!」
月島が怒鳴るのと、別の机から聖と宗一が飛び出すのは同時だった。
「くっ!」
電波を二人に飛ばす。
だがあせっていたのと距離が開いていたことで、操るまでにはいかなかった。
しかし食らった宗一は一瞬ぐらりとよろめいた。
「うわっ!」
そのまま足をもつれさせて、宗一は聖もろとも階段を転げ落ちた。

634 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 16:19
「いててて・・・」
下まで転げ落ちた宗一だが、すぐに立ち上がって走ろうとする。
だが、聖は動かない。
「なにやってるんですか!」
「・・・残念だが、私は動けない」
落ちたときにひねったのか、聖の足首は赤く腫れている。
「おれが背負いますから早く!」
「それでは二人とも捕まる。君だけいけ。そして琥珀のことをみんなに伝えろ」
煙幕弾を手渡す聖。それでも、宗一は躊躇する。
「早く行け!」
叱咤する聖。階段の上には月島の姿。
「・・・・・・すいません!」
宗一は、走り去った。自分の無力さを痛感しながら。

「あきらめがいいね」
「職業が医者だからな。自分でどれぐらいの怪我なのかわかる」
足首はどんどん腫れあがっていく。骨にひびぐらいは入っているだろう。
もう逃げられないとわかっている月島は、ゆっくりと階段を下りてくる。
(ここで終わりか。すまない、佳乃・・・)
だが月島は聖の首輪に手をかけず、かわりに手を頭にかざす。
「君はまだ捕まえない。けど」
悪魔の笑いを浮かべて、月島は宣告する。
「僕の思うがままに動いてもらう」

【那須宗一  所持品 フロッピー 煙幕弾(六発)  現在位置 ビルより逃走】
【霧島聖  所持品 なし  現在位置 市街地ビル  電波で人形化】
【月島拓也(鬼)  現在位置 上に同じ  残りノルマ十人】

635 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 16:20
はじまってるの?このスレ

636 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 16:25
二週間前からな。
>>160ぐらいからルール説明になってる。

637 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 16:27
agedeikou

638 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 16:29
鬼はあまりバラけてなく西の方に集まってるね。
とりあえず、このままいくと、序盤の主戦場は市街地になりそうだ。

>>635
ええ。
参加は自由のリレー小説なので、ルールと前の話を読んだら誰でも続きがかけます。

639 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 16:34
>>638
なら街は二つあることにするか?

640 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 16:51
東と西それぞれに街があると思ってた、慎二がちょろっと祐一に話していたし
とりあえず
茜 浩平 詩子 みさき 瑞希 翡翠 観鈴 慧 翡翠 琥珀 聖 宗一 月島兄
これらはただ街にいると記述されているだけなのでまだ割り振りが効きます

んでおそらく西市街にいると思われているのが
北川 有彦 遙 由宇 千紗 瑞佳ら

641 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 17:56
>>639
そりゃ良い案だ。賛成っす。
いや、俺は今まで街が一つだけと思っていたけど。

割り振りはそのキャラを書く奴が決めればいいね。

ただ、みさき、瑞佳はおそらく西の街にいると思う。
南に向かうと悪路があるって言っていたから。
つーか、そのつもりで書きました。スマソ。

642 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 17:57
スマソ、瑞佳じゃなくて、瑞希だ。

643 名前: 不可視を視るもの 投稿日: 2003/11/03(月) 20:32
島北東の森。そこの風景は一変していた。
何本もの木が倒れ、地面には大きな穴が開いている。
倒れた木のほとんどは巨人が殴り倒したようにへし折れているが、何本かは鋭利な刃物で一瞬で切断したような切り口になっている。
まだ無事な木の一本に身を隠しながら、少年は相手の様子をうかがった。
鬼はかなりの実力者だ。体の動きもいいし、あのナイフで触れただけで大木が簡単に切断されている。
(けど、なんとかならないことはないな)
身体能力に関してなら不可視の力を使う少年が上回るし、なにより遠距離攻撃の手段が相手にはない。
不可視の力で牽制しながらなら十分に逃げ切れるし、倒すことも可能かもしれない。
そう少年が確信したとき、鬼が隠れていた木から無防備に姿をさらした。そのまま、ゆっくりと少年に近づいてくる。
鬼の意図が読めずいぶかしむ少年だが、とりあえず間合いを取ろうと不可視の力を飛ばす。
だが、鬼の短刀の一振りで、不可視の力は四散した。
「!」
驚愕しながらも、もう一発飛ばす少年だがこれも同様に消される。
「もうちょっとなにか面白いことでもできるのかと思って粘ってみたけど、結局それだけか。浅上よりつまらないよお前」
さっきまでの高揚した顔から一変し、実にくだらなそうな顔で式は言う。
「そんな、不可視の力まで消せるナイフなんて・・・」
「不可視の力っていうのか、お前のそれ」
式は青い眼で少年を見る。
「おれには視えるけどな」
あわてて逃走しようとした少年だが、もう遅すぎた。
背中を向ける隙に一気に間合いを詰めた式のナイフが一閃し、両足が斬り飛ばされる。
足を失い倒れた少年に、式は冷たい眼差しを向けながら何事もなかったように続ける。
「それと、特別なのはナイフじゃない。おれのこの眼だ」
「眼・・・」
「そう、直死の魔眼とか言うらしい」
少年の背中のど真ん中にある点にナイフを振り下ろそうとする式だが、土壇場でワラキアの言葉を思い出した。
「殺すなとか言ってたな。・・・ああ、めんどくさい」
はき捨てるように言って、式は少年の首輪を切った。

644 名前: 不可視を視るもの 投稿日: 2003/11/03(月) 20:33
「やっと一人目か。先が思いやられるな」
やれやれと橙子が首を振っていると、ワラキアが入ってきた。
「魔術師、義手がほしいのだが」
「対象の正確な身長、体重、血液型のデータと材料と料金さえくれれば一ヶ月で作ってやるぞ」
「今すぐにだ」
「それは無茶というものだ」
「隣の部屋に転がっている君の作った人形の余りの腕。あれはどうだ?」
「それも無茶だ。動かせないことはないだろうが、まさに木に竹を接ぐようなものだぞ」
「動くことは確かなのだな。ならそれでいい」
「・・・待て」
マントを翻してきびすを返すワラキアを、橙子は鋭い声で呼び止めた。
「本気でやる気か。たしかに動かせることは動かせるが、そんなことしてもすぐに体が異物と判断して排除しようとする。つけ続ければ命に関わるぞ」
「つけるのは柏木千鶴だ。彼女の生命力ならそれでも数日は保つだろう」
「鬼のバックアップは事前に了承して用意したものしか認めないんじゃなかったのか」
「進行速度が遅いと愚痴るお方がいてね。鬼の戦力低下を防ぐため、今回だけは特別措置として治療してやることにしたんだよ」
「治療してやる?お前それ親切のつもりなのか?」
振り向いたワラキアは、耳まで口を裂いて笑う。
「もちろん親切だ」

【少年 ゲームオーバー】
【両儀式(鬼)  現在位置 島北東森  残りノルマ九人】

645 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 20:35
これでやっと夜にできる。
って、鬼には夜型の連中が大量にいるのか。
夜のほうが戦闘激しいかもな。

646 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 20:54
鐘を鳴らし、センサーに脱落者と残留者の人数が表示される。
二つを合わせた数が前より減ってることに気付いた勘の良い奴だけ、マーダーの存在に気付く。

こんな感じ?

647 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 21:24
まだ出てない参加者が2桁単位で居るのだがもう告知しちゃうのか?

乾一子 片瀬健二 白銀武 鑑純夏 球瀬壬姫 穂村愛美
藤井冬弥 澤倉美咲 篠塚弥生 長谷部彩 江藤結花 牧部なつみ
湯浅皐月 伏見ゆかり 立田七海 梶原夕菜

以上、現在未登場者16名

648 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 21:46
>>647
別にいいんでないの?

649 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 22:00
>>647
やっぱり戦闘系でないキャラはあぶれるな。

650 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 23:21
>>647
もともと人口が少ないであろうマブラヴとみずいろは仕方が無いし
ルーツは参戦が遅かった
まじアンとホワルバが問題。

651 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/03(月) 23:34
今日久しぶりにこっち来たんだが、なんか盛り上がってるな。
一気読みしたら結構面白かったんで自分も乗ります。

>>650
まじアンと白バムは書けるや。そのうちなんか投下します。

652 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 02:42
恋愛話か・・・
一応主役・ヒロインクラスには意中の想い人がちゃんといるので
そこらへんも考えてやってほしいかな。

653 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 02:57
これからマタ―リしそうなので、感想を書いていくかな。
全部書いたら己の作品が丸わかりで恥ずかしいので、バトル中心に。

>>202
記念すべき初バトル。あゆVSワラキアの夜
良いですな、ワラキア。ほどよく悪党で、かつ、貴族っぽく気取ってて。
読んでる最中はあゆちんが殺されてしまうかとハラハラしたけどw
>>222
鬼の初バトル。千鶴VS冥夜
会話だけなら、冥夜の気品が光ったバトル。
しかし、節々の描写が良い。千鶴が、最初はにこやかに、最後は涙を流したところが彼女の心情を物語っているようで。
>>227
参加者の初反撃。アルクVSシオン
郁美の脱落、というより、栞の行動が理に適っている割に予想外だったので面白い。
シオンの銃撃もちゃんとリレーしているところが、作者の堅実っぷりが伺える。アルクの強さっぷりを見事に表したバトル。
>>237
ビバ、葉子さん! 葉子VSシオン
初反撃したシオンが、鬼の恐ろしさを再確認する話。
葉子さんの脅し文句が効果的で上手いと思った。そして、鬼に別の目的を与えたことも。
>>245
バトルとはちょっと違うが、はるかVS考之
衝撃だった。これは驚いた。しかも、前にもちゃんと伏線張ってたし。巧いとしか言えん。
今から考えると予想はできたが、ここでこのリレーの方向性に多少の変更が見られたような気がする。
>>289
初の謀略戦 琥珀VS月島
巧いですな。書いた人、頭良いですな。腹黒琥珀さん、萌えですな。そう思わせる話。
ダイナマイトというところまでは「ふーん、そうなの」と思っていたのに、まさかおもちゃとは。場所すら利用した見事な話。
>>296
初の団体戦? 葉子&岩切VS参加者三人娘
一見、鬼の圧勝に見えるが、実は芸の細かい話。しかも、脱落者不足の悩みを解消するかのような三連チャン。
これは隠れた良作だと勝手に認知しております。
>>308
激突! すばるチーム&セリオ
現在、私的ナンバー1のバトル。特に、屋根から急襲するセリオは格好良すぎる。
マタ―リ組に突如襲いかかる鬼。意外と弱っちい秋葉。綾香とすばるの因縁。ロボットゆえのセリオの力と弱点。「にょわー」しかセリフの無いみちるw
面白かったです。

キリが良いので、とりあえずここまでで。

654 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 06:54
>>653
感想おつかれさまです!やはり励みになりますね。

655 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 13:58
>>654
そう言って貰えると、感想を書く方も励みになる。

>>331
健太郎チームVS良祐
叩かれるのを覚悟して書いたが、無反応なのはホッとしたような拍子抜けしたようなw
>>342
さっちん登場! さっちんVS由綺
バトルと言える程ではないかもしれないが、個人的に好きなので。
「成る程。こういう敵役の増やし方もあるのか」と感嘆した作品。もちろん、「いただきまーす♪」のさっちんに萌えたことは言うまでも無い。
>>360
やっぱり良いコンビ。シエルVS真琴&ピロ
ユーモアあり、葛藤あり、激しい攻防あり、予想外の展開あり、知恵を使った反撃あり、大活躍のピロ、と目に見えるような良作。
幻想種を使ったギャグには笑ったし、真琴のセリフがどれも原作に忠実に書いてあると個人的な感想も持った。
>>368
ナンバー1ホラー 雪希VS孝之
マーダー孝之のキャラを固めた作品。そういう意味では繋ぎといえる。ちゃんと伏線も張っている。
そして、何より「何十回も裏が出るコイン」これが、彼も犠牲者である事、主催者の悪意、この島の異常性などを見事に凝縮して表していると思う。
>>380
ごめん、似合いすぎ 晴香&郁未VS柳川
晴香にモーニングスターは反則ですよ。はまりすぎ、恐すぎだわ!w 郁未はやっぱり格好いいな。原作どおりで。
これもなかなか芸が細かい作品。月代のヘルメットや鋼糸など。そして、木の枝で進路を決めるというのは、豪胆というか大雑把と言うか。単身、FARGOに乗り込むだけのことはあるw
>>386
御堂よ、安らかに 御堂VS軋間
恐らく参加者の中でも、最も異色な存在である軋間。彼の強さとキャラ性を如実に表した話。引き合いに挙げた御堂のチョイスも良いと思う。
扱いが相当むずいので、書き手の誰もが書くのを敬遠したキャラを書いた根性が凄い。そして、たださえ厄介なキャラなのに、原作どおりの不気味さ、残酷さを表現できてる。首を傾げた姿に、ちょっと萌え……たわきゃないか、さすがにw
>>406
千紗……君って子は…… 千紗VS瑞佳
いや、笑った。つい魔が差した千紗に持ち前の常識で諭そうとする瑞佳。その瑞佳にボディブローとは。
つい、とりすぎてしまい、引きずりながらお金を運ぶ千紗など、ギャグだけでなく表現も上手い。ちゃんと天罰も食らうしw
>>416
スクール水着は反則です。 スフィーVSアルク
話自体は激しいシリアスバトルなのに、スクール水着のインパクトがあまりに大きすぎた作品。しかも、ロリ。
スフィーは魔法使いの中でも優秀なためアルクを激破できたなど、意外と理に適った好バトル。「まけられないよー」はスフィーっぽくて良かった。
てか、己間は何故、後生大事に水着を持っていたのだろう?

続きは、明日にでも書きます。

656 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 15:36
>>655
>>>368
>そして、何より「何十回も裏が出るコイン」これが、彼も犠牲者である事、主催者の悪意、この島の異常性などを見事に凝縮して表していると思う。

あー気づかんかった。そういう訳ね。

657 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 15:37
>>655
>>>368
>そして、何より「何十回も裏が出るコイン」これが、彼も犠牲者である事、主催者の悪意、この島の異常性などを見事に凝縮して表していると思う。

あー気づかんかった。そういう訳ね。

658 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 21:22
>>655
ほんま感想ありがとうございます。
自分は文章ひょぼいんで投下するたびに「こんなんでいいのか」と思ってるんですが、
これからも続けていく励みになりました。

659 名前: 高瀬瑞希メイドロボ化計画(1/2) 投稿日: 2003/11/04(火) 21:41
「みさきちゃん、気をつけてね」
瑞希はみさきの手を引いてやって倒木を乗り越えさせてやる。
「あわ」
だが後ろ足が倒木に引っ掛かり、ぐらつくみさき、それを慌てて支える瑞希。
「ごめんねー」
あまり緊張感の無い声で謝るみさき、ここまでかなりの距離を歩いているのに汗一つかいていない。
一方の瑞希が汗だくだというのに。
「ここらで休憩にしようか」
倒木を乗り越えてしばらく歩くとすぐに草むらが目に入る、たまらずその場に座りこむ瑞希だった。

とりあえずようやく一息つけた瑞希は、何ともいえない視線でみさきの方を見る。
おしとやかそうに見えて、その体力ときたらどうだ、自他ともに認めるスポーツ少女である自分が、
息を切らせているというのに、まるで平然としている。

「そういえばみさきちゃんの荷物って何が入ってるの?開けていいよね」
みさきが頷くのを見て、リュックを開ける瑞希…そこから出てきた物は…。

「またこんなの!?」
瑞希が驚くのも無理は無い、先程のレオタードに続き、
今度のアイテムはメイドロボが両耳に付けているアンテナだったのだから。
そのままリュックに戻そうとした瑞希だったが…。
「でもまぁ…付けて見るくらいなら、それに折角のアイテムを試さないというのは…ねぇ」
自分で自分に言い訳をする瑞希。
幸いなことに相方は目が見えないのだ…バレやしない、ちょっとくらいなら…。
瑞希は両耳にアンテナを装着する、別に何も起こらない…期待していたわけではないが、
少し残念そうにアンテナを外そうとする瑞希だったが、耳元にコードがあるのに気がつく。
引っ張って見ると掃除機のコードのようにスルスルと伸びていく…その先端は何かの差込口に
挿入できるようになっていた。

(この形って…)
瑞希はレーダーを取り出すと、耳元から伸びるコードをJackInと書かれてある場所に差しこんで見る。
と、それまで音以外を発する事がなかったレーダーだったのが、突然、
【探知システムをアップグレードします、お待ち下さい】との表示が浮かび上がる。
「え…これって画面ついていたんだ」
瑞希が驚いている間にも処理は進んでいき、終了すると同時に画面上に座標が表示される。
「ええと…中心の矢印が多分私よね」
立ちあがってくるくると回ってみる、それにあわせて矢印も方向を変えていく、どうやらそのようだ。
ついでにもう一つ確認しておこう。
「みさきちゃん、ちょっとだけ…10Mだけ向こうの方に歩いてくれないかな?」

660 名前: 高瀬瑞希メイドロボ化計画(2/2) 投稿日: 2003/11/04(火) 21:45
「うん」
と、言うなりみさきはダッシュで瑞希から離れていく、その先には例の倒木がある。
危ないと叫ぼうとした瑞希だが、その瞬間信じられないものを見る。
なんと、目が見えて無いはずのみさきがまるで見えているかのように、鮮やかに倒木を飛び越えたのだ。
「これでいいのー」
「え…ああ、うん」
その姿に唖然としたままの瑞希だったが、本来の目的を思いだしレーダーの画面を見る。
「うーん、他の参加者は表示されないのかぁ…残念」
範囲が広がれば仲間たちを探せると思っていたのだが…まぁそれでも探知範囲は2倍に広がったし
相手の場所が目に見えるようになったので、かなり危険は減るはずだ。

しかし…それにしても、またまた倒木をひょいと乗り越えて戻ってきたみさきに、
瑞希は先程の事について問いただす。
「うーん、そうだね…1度歩いた道だったら丸1日くらいなら何があるのかとか覚えてられるし
それから歩いた距離もわかるよ、歩幅もわかってるし数もちゃんと頭の中で数えてるから」
平然とそう答えられ、瑞希はぐぅの音も出なかった。
(恥ずかしいな…最初はみさきちゃんのことを足手まといだと思っていたんだよね、私)

とりあえず今のところは危険はなさそうだ、しばらくはここで落ちつこう。
荷物を降ろし、草むらにごろりと横になる瑞希、しかしたった一つだけ気に入らない事があった。
「でもどうして、耳につけないと機能しないのよ!」
耳にアンテナ、下着はレオタード…刻一刻とメイドロボに近づいていく瑞希だった。

【高瀬瑞希 所持アイテム メイドロボ用レオタード(防弾・防刃・耐熱・耐衝撃効果あり)
                 メイドロボ用耳アンテナ(索敵範囲上昇)  現在位置 島北部の森】
【川名みさき 所持アイテム なし  現在位置 島北部の森】

661 名前: 確かな光(1 /3) 投稿日: 2003/11/04(火) 22:46
完全に陽が落ちて星が見えるようになって、やっと冬弥はオールを漕ぐ手を止めた。
丸半日漕ぎ続けた腕は筋肉痛になっており、指に至っては関節が硬直してしまって
引っぺがすようにしなければオールから離れなかった。
大きく息をついて、島のある方角に目をやる。うまく海流に乗れたようで、まだ日があるうちに見たときは
島は豆粒ぐらいの大きさになっていた。
(まってろよ、理奈、由綺。絶対に陸地について助けを呼んでくるからな)
固く心に言い聞かせて、冬弥はごろりとゴムボートに寝そべった。
夜は方角がわからないので休むことにしていた。コンパスはあるのだが、波が高くてボートが
大きく揺れるため針が安定しなくて使えない。
船乗りは星を見て方角がわかると言うが、天体には素人の冬弥にはどれが北極星かもわからない。
「それにしても、すごい星空だな」
明かりなどなにもないため、都会では絶対に見れない満天の星空だった。
これを理奈も見ながら寝ているのかな、などと考えたとき、ばしゃりと大きな水音がした。
びくりと冬弥は起き上がる。昼間は考えもしなかったが、この辺の海域にサメが出ないという可能性は
どこにもない。
ただの大きな魚であることを祈りながらオールを握り締めたとき、ボートが大きく傾いた。
「ぷはー!ごめんねー、遅くなっちゃってー」
「に、に、人魚?」
冬弥がそう思ったのも無理はない。
ボートのへりに手を突いて乗り込んできたのは、人語をしゃべる人型の生物だったのだ。
「人魚?あー、うれしいなー。長生きしてきたけどそう呼ばれたのは初めてよ。
みんな酔っ払い酔っ払いって呼ぶばっかりだからねー」
けらけら陽気に笑うそいつには、よく見ると足があった。
「とりあえず自己紹介するわね、ってお互いの顔が見えないのは不便よねー」
そいつが冬弥にはわからない言葉で一声唱えると、野球ボールくらいの大きさの光球が二人の間に浮かんだ。
光に照らされたそいつは、美人で年上な女性だった。篠塚弥生と同じぐらいの年齢に見えた。
「改めて今晩は、わたしはスミレ」

662 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 22:46
もうすぐ夜なので。


月姫
登場済み(遠野秋葉、翡翠、琥珀、乾有彦、シオン、軋間紅摩、弓塚さつき、瀬尾晶)
未登場(乾一子)
ゲームオーバー(遠野志貴)

みずいろ
未登場(片瀬健二)

【マブラヴ】(除くアンリミテッド)
登場済み(御剣冥夜、鎧衣尊人、榊千鶴、彩峰慧)
未登場(白銀武、鑑純夏、球瀬壬姫)
【君が望む永遠】
登場済み(鳴海孝之、平慎二、涼宮遥、涼宮茜、大空寺あゆ、玉野まゆ)
未登場(穂村愛美)
ゲームオーバー(天川蛍、速瀬水月)

【Routes】
登場(那須宗一)
未登場(湯浅皐月、伏見ゆかり、立田七海、梶原夕菜)
【ホワイトアルバム】
登場済み(緒方理奈、森川由綺、観月マナ、緒方英二)
未登場(藤井冬弥、澤倉美咲、篠塚弥生)
【こみっくパーティ】
登場済み(高瀬瑞希、千堂和樹、御影すばる、九品仏大志、猪名川由宇、牧村南、大庭詠美、塚本千紗、桜井あさひ、芳賀玲子)
未登場(長谷部彩)
ゲームオーバー(立川郁美)
【まじかるアンティーク】
登場済み(宮田健太郎、スフィー、リアン)
未登場(江藤結花、牧部なつみ)
ゲームオーバー(高倉みどり)
【誰彼】
登場済み(坂上蝉丸、桑島高子)
ゲームオーバー(三井寺月夜、石原麗子、御堂、砧夕霧)

【MOON】
登場済み(巳間良祐、天沢郁未、巳間晴香、名倉由依、名倉友里)
ゲームオーバー(少年)
【ONE】
登場済み(折原浩平、七瀬留美、椎名繭、川名みさき、上月澪、柚木詩子)
未登場(長森瑞佳)
ゲームオーバー(里村茜、住井護)
【KANON】
登場済み(月宮あゆ、水瀬名雪、美坂栞、北川潤、沢渡真琴、水瀬秋子、川澄舞、倉田佐祐理、美坂香里)
ゲームオーバー(天野美汐)
【Air】
登場済み(国崎往人、霧島聖、霧島佳乃、神尾観鈴、遠野美凪)
ゲームオーバー(みちる、神尾晴子)
全体
死亡者(河島はるか、相沢祐一、片瀬雪希、御堂)
脱出者(七瀬彰)
鬼(鹿沼葉子、アルクェイド、シエル、両儀式、柏木千鶴、月島拓也、セリオ、柳川裕也、岩切花枝、リサ)
主催者側(ワラキアの夜)
傍観者(蒼崎橙子、荒耶宗蓮)
人質(柏木耕一、来栖川綾香、月島瑠璃子、阿部貴久、他不明)

663 名前: 確かな光(2/3) 投稿日: 2003/11/04(火) 22:47
「スミレさん・・・ですか」
「やーねー、呼び捨てでいいわよ」
「そのスミレさ・・・スミレも参加者なんですか」
「ううん。わたしは主催者の側よ」
はっと、冬弥は握ったオールを構えかける。
「そんなに警戒しないでよー。別の君をどうこうしようってわけじゃないんだからー。
アドバイスしにきただけよ」
「アドバイス?」
「そ、君の首輪まだ外れてないでしょ。ということは、君はまだ脱出したと主催者には認められてないわけ。
どうやれば認められるかっていうとー」
スミレは沖を指差す。つられて冬弥も見るが、闇夜でなにも見えない。
「あっちにずーっと行くと小島があって、そこを超えたら脱出できたと認められるわ」
「そこまでどれくらいかかるんですか?」
「君の今日半日の移動距離からいくとー、四日はかかるかな」
「そんなに・・・」
愕然とする冬弥。そこにスミレが追い討ちをかける。
「ショック受けてるところに悪いけどー、もう一つ伝えておくことがあるの。この島の周囲の海流は、
最初は島から離れるほうに流れてるんだけど、途中で反転してまた島に戻されるように流れてるのよねー。
だから、君が漕いでない夜のうちに島に戻されちゃうってわけ」
「・・・」
声もない冬弥。
「君みたいにボートでがんばって漕いでる人にこのこと教えるためにわたしは島の周り回ってるんだけど、
昼寝しちゃってて君を見つけるのが遅れちゃったわけ。そのおわびといっちゃなんだけど、とっておきの
情報教えちゃうわ」
「とっておき?」
「この島の正しい脱出の仕方」

664 名前: 確かな光(3/3) 投稿日: 2003/11/04(火) 22:47
「一つは説明されたとおり鬼を倒すこと。まあ、君じゃ無理だろなー。真祖の姫君とか教会の代行者とかが
鬼だから、って言ってもわかんないか」
「一つって言いましたね。なら、二つ目はなんですか」
「お、鋭い鋭い。二つ目は、港にあるモーターボートを使うこと」
「モーターボートがあるんですか?!」
「あることはあるけど、使おうとするのは難しいわよー。う〜ん、出血大サービスで教えちゃお。
始まるときに道具を一つ持たされたわよね。それがフロッピーだった参加者が一人だけいるの。
そのフロッピーに入ってるパスワードを港にあるロックされてる倉庫に打ち込めば、モーターボートが
手に入るってわけ」
一瞬だけ見えた希望の光はとんでもなく遠かった。
名簿を見る限り、参加者は百人ぐらいいる。その中から一人だけを探し出すのは不可能に近い。
(・・・いや、それでもやるしかない)
鬼を倒せたとしても、脱出できるのは自分を含めて二人までだ。でもモーターボートなら何人も乗れる。
「やる気になったみたいね。そういう前向きな顔大好きよー」
にこりと笑うと、スミレは海に飛び込んだ。
「じゃ、わたしが島への海流まで運んでいってあげるから君はゆっくり休んでなさい。脱出できたら
また会いましょうね」
そう言うと、スミレの頭は海中に消えた。
待つまでもなく、ボートが方向を変えて動き出す。
「とりあえず、緒方さんともう一回合流することからだな」
探し手は一人でも多いほうがいい。他の参加者にも知らせれば、見つかる可能性はさらに上がる。
光はまだ遠い。だが、けっして届かないわけではなかった。

【藤井冬弥  所持品 不明  現在位置 島に帰還中】

665 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 22:50
>>664
割り込んでスマソ。

ところでスミレってどのゲームのキャラ?
あと、冬弥じゃなくて、彰じゃない?

666 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 22:51
だー!冬弥じゃねえ。彰だった!
馬鹿ミススマソ。
あとエンジンつきボートと書かれてますね。途中でエンストしたと思ってください。

667 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 22:54
スミレというのは、月姫の設定上のキャラクターで水中の死徒。酔っ払い。

668 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 23:00
混乱するといけないから出来れば修正版のせてほしいかな。
しかしフロッピーか……個人的にはそういうアイテムは好きくないな。
どうしてもハカロワのCD関連思いだしちまう。

669 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 23:01
ああ、二十七祖の一人ね。
ありがとね。
てか、噛み疲れないように気をつけないとな、彰w

一応、彰と冬弥だと思考パターンや口調、女の趣味にけっこう違いがあるから、今の内に訂正版を書くことを提案する。
設定決めの大事な話しだし。

670 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 23:08
あと一旦脱出成功扱いになったキャラを島に呼び戻すのもどうかと
それが認められるのなら
実は死んでないや実は捕まっていなかったが多発する可能性が出てくる。

671 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 23:12
>>670
同感、それなら彰ではなく冬弥として話を書いたほうがいい
でも冬弥が由綺を捨てて脱出するとは思えないけどね

672 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 23:17
>668
俺はリアルタイムでは知らないから間違っているかもしれないけど、ハカロワのCD関連での問題は、

1.CDが何の目的のものか決めていなかった。最終的には結界破壊に。
2.数枚出てくることで混乱。ダミーがあったり、途中で割られたりして分けわかんなくなる。
3.CDを持ったキャラが優遇され死ににくくなる?
4.CD関連の話は最初からあり、上の123の理由から様々な矛盾した伏線が存在した。それでも纏め上げようとした作者もいたが、熟知していない作者もいて、その人達が書いていくうちに、更なる混乱の渦に。

この四つじゃなかった?
だから、上の話だと大丈夫な気がする。やばくなったら、割ればいい。極論だけど。

途中でフロッピーが割られても、「モーターボートが港にある」という事実は残るし、パスワード以外でも扉を開けたりできるかも知れない。たぶん、力づくで。

673 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 23:19
あと冥夜や美凪が指摘していた星座の話も触れられていない
せっかく星空うんぬんの話が出ているんだから
そのあたりの事もスミレに説明させて欲しかった。

674 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 23:28
話そのものに矛盾はないし、展開的にも文句なし。
だけど、一度彰に【脱出成功】の文字が出た以上、それは守らないといけないか。
彰はエンジンつきだから、小島に到着。
彰出発後、英二と会い説得された冬弥は、エンジンなしボートで彰の後を追うが島に舞い戻らされる。
こうしたら、どう?

星座云々の話はスミレのキャラ立てに関係してくるから、まあ好きなように。
気乗りしないなら、入れなくてもいいと思う。

675 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 23:35
つーか、俺も危なかったな。
彰の前にちびみずかが現れて、島にいる英二に心の中で警告しながら、彰が永遠の世界に連れて行かれる話を考えていたから。

676 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/04(火) 23:41
島に戻らなきゃいいと思うんだけどね・・・・

677 名前: 661 投稿日: 2003/11/05(水) 00:05
これから忙しくなるんで数日後になるでしょうが訂正版投下します。

678 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 01:31
>>677
頑張れ。期待しておくよ。
あまり気に病む必要もないよ。文章は上手いし。
訂正版が出るまで、他の作者は、緒方、冬弥は動かさない方がいいね。

絶対の訂正箇所は『彰が島に戻る』
これを無くしてくれたらいい。
理由は、上に記述。
他の意見は、まあ考慮に入れてくれたら嬉しいけど、別に入れなくてもいいと思う。

679 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 04:44
http://www25.tok2.com/home2/nanashi/

ちょこちょこ更新してますが、間違いあったら指摘をおながいします。

680 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 12:13
>679
柳川裕也のノルマは九人じゃない? 麗子の分があるので

681 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 18:34
前から気になってたんでちょっと聞きたい。
結局、アルクェイドはタタリなのか、それとも本人なのか?

>>228だと

>回復能力が落ちている。自分は本物の四割程度の力しかでないのだから
>当然といえば当然なのだが、記憶は本物と全く同じなので
>ついつい今までどおりのガードなしな戦い方をしてしまう。

>>495でも
>タタリで具現化させたアルクェイド
 と言う描写がある。

だけど>>365だとシエル先輩視点で

>両手で抱え、床に叩きつけるその頭の中には、ゲームの開始前に
>「ワラキアの夜」が自分とアルクェイドに語った言葉がぐるぐると回っていた。
>(基本的に「人質」はゲームの中で命を落とさないよう、安全の保障される
>場所に監禁してある。遠野志貴も本来ならばそう扱うはずだ。
>だが、卓越した戦闘技能と特殊能力を持つことから、参加者として生存できる
>可能性、監禁場所から脱走される可能性、双方ともに高いことを考慮し、
>特別に「参加者」としてゲームに参加してもらう――)

>(理屈を捏ねても誤魔化されないわよ! 志貴に殺されたのが悔しいだけでしょ!?)

と、アルクェイド本人も望まずに志貴のために参戦してるように見える。
これ、どっちなのか決めておかないとあとあと困らない?

682 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 19:45
記憶・経験もトレスされていると見ればいいんじゃないの?

683 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 20:32
記憶・経験に加えて思考もコピーされているんだろうね。
ところで式ってあんなに強いのかな?
底知れぬ強さを誇っていた名無しの少年を屠れるくらいに
空の境界は知らないのでだれか解説よろしく

684 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 20:48
>>683
シエルに勝てるんじゃないかというぐらい強いです。
さらに日本刀を持たせるともう二段階ほどパワーアップ

685 名前: 661 投稿日: 2003/11/05(水) 21:24
だいたい訂正内容固まりました。あとは書くだけ。
冬弥とスミレしか出さないんで、緒方は好きに使ってもらってけっこうです。

686 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 21:28
タタリだけど自己があるから、ワラキアの夜が命令するには人質をとるしかない。

上の作品二つを読んで、俺なりの解釈。

687 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 21:44
>>685
了解。頑張れ。

>>681
少なくとも、今、鬼として参加しているのはタタリやね。
本人が思考で『本物の四割程度』と語っているから。
そういう方向で進めたほうが良いと思う。

>>684
俺も空の境界読んだこと無いんだけど、
基本的に、式は弱点の無くなった志貴と見ていいの? 体力と技術、経験がプラスされた、と。
弱点とか、魔眼以外の能力とかあったら教えて欲しい。

688 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 22:22
すんまそん、ログサイト移転しました。
http://f10.aaacafe.ne.jp/~nanashi/

>>680
助かりました。ありがとうございまっする。

689 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 22:44
>>687
友達曰く、
式の魔眼は始まりと終わりを見れる
切るものの意味を理解するだけの頭が
あれば呪文や時間まで切れる。
志貴のはできそこないだ。

690 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 22:53
>>687
志貴と違ってほぼ完璧に魔眼を使いこなしていて、魔眼自体の力も志貴より上。
身体能力も志貴と互角ぐらいで、さらに家伝の武芸で日本刀を持つと数倍強くなれる。(なんでかは長くなるんで省略)
他に根源の式というさらにすごい存在にもなれるが、これは出さない方が無難だな。

691 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/05(水) 23:03
返答サンクス。

ちなみに、原作の少年は、意外と強くないね。弱くもないが。まあ、この島同様、FARGOでも結界みたいなもんがあるからかもしれないけど。
設定上、格闘経験も無い。不可視の力の威力と扱いは相当だろうから、まあ、一番相性の悪い敵に遭遇してしまったための敗北かな。

692 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/06(木) 14:07
結局は相性問題だと思う。
直死の魔眼使いはその性質上、
人間の限界を余裕で超えられるスピードを持った敵にはへぼい。
ふじのんとかあーいうタイプにもやばいな。
そのせいかガンナータイプは大抵素人として登場して
なんとかできるように設定されてるのが多いけど。

693 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/06(木) 15:35
当てないと話にならないからな

694 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/06(木) 20:06
冬弥の漂流話だけど、島の周囲は断崖絶壁で
そう簡単には海辺まで出れない事も考慮に入れておいてね
一応東に漁港と、南に入り江があるんだっけ?

695 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/06(木) 22:14
南に入り江。そこから北に行くと、平野が広がっている。
東に漁港。そこから西に向かうと市街地の一つがあるかな。

696 名前: 確かな光(1 /3) 改訂版 投稿日: 2003/11/07(金) 00:21
とっぷりと、日は暮れてしまった。
藤井冬弥は、はぁとため息をついてがっくりとうなだれた。
ゲームの開始に青いゲートをくぐった冬弥が出た場所は、木が一本しか生えていない教室ぐらいの
大きさのこの離れ小島だった。
あわてて戻ろうとしたが、そのときにはゲートはすでに消滅してしまっていた。
数百メートル先にもっと大きな島が見え、そこが本来の鬼ごっこの行われている場所なのだろう。
なにかの手違いなのか、それともここも鬼ごっこの舞台に含まれるのかは冬弥にはわからない。
泳いで島に渡ろうかと思ったが、波が高くサメがいるかもしれないと思ってやめた。
それにここにいる限りはめったなことでは鬼には見つからない。うまくすれば最後の一人の生き残りに
なれるかもしれないと思い、案外ラッキーだったのかもなとも考えたものだ。
だが、すぐにとんでもない問題に気づいた。
食料も水も、手に入れるすべがない。
手持ちの分はちびちび食べれば五日はもちそうだが、そこから先はどうにもならない。
飢えのあまり、木の根っこを掘り返してかじっている自分を想像して冬弥はぞっとした。
主催者でも参加者でも鬼でもいいからだれか来ないかと一日木の下で待っていたのだが、結局誰も
来なかった。
「木があっただけましだと思うか」
この木がなければ、今頃日干しのミイラになっていたところだろう。
あと二日待って事態に変化がなければいちかばちか島に泳いでいくことにし、冬弥はごろりと寝転がった。
見上げた空は、満点の星空だった。天体に興味のない冬弥にはどれが何座なのかよくわからないが、
都会ではそうそう御覧になれないものである。
(理奈もこれを見てたりしながら寝てるのかな)
そんなとりとめのないことを考えたとき、ぺたんと砂浜に足音がした。
がばっと起き上がる冬弥。その足元に、人影が立っていた。
「ごめんねー、遅くなっちゃってー」
「・・・誰ですか」
センサーで鬼でないのはわかる。声からすると女性だ。
「君のお迎え。とりあえず自己紹介するわね、ってお互いの顔が見えないのは不便よねー」
そいつが冬弥にはわからない言葉で一声唱えると、野球ボールくらいの大きさの光球が二人の間に浮かんだ。
光に照らされたそいつは、美人で年上な女性だった。篠塚弥生と同じぐらいの年齢に見えた。
「改めて今晩は、わたしはスミレ」

697 名前: 確かな光(2/3) 改訂版 投稿日: 2003/11/07(金) 00:23
「スミレさん・・・ですか」
「やーねー、呼び捨てでいいわよ」
「そのスミレさ・・・スミレも参加者なんですか」
「ううん。わたしは主催者の側よ」
はっと、冬弥は身構えかける。
「そんなに警戒しないでよー。別に君をどうこうしようってわけじゃないんだからー。
君を島に戻しに来だけよ」
ぽりぽりと頬をかきながらスミレは言った。
「この島、っていうか暗礁はフィールドには含まれてないのよねー。だけどこっちのミスで、転送ゲート
にはこの場所も登録されてたわけ。それでもここに飛ばされる確立なんてものすごく低いんだけどなー。
宝くじで三等以内に入るぐらいかな?君バカみたいなとこで運使っちゃったねー」
けらけら陽気に笑うスミレ。他人からすれば笑い事かもしれないが、一日待たされた冬弥にしてみれば
怒るやらあきれるやら。
「さっき言ったとおり、ここフィールドじゃないから管理してる側のレーダーの探知範囲からも
外れてるわけね。だから君に気づくのが遅れたわけ。夜になったから参加者の数を確認してみたら
一人どうしても足りなくって。それでわたしがひょっとしたらここかなーって出張ってきたら
みごとに君がいた。そーいうこと。わかった?」
「はあ」
やっぱり主催者のミスによるものだった。
「そんなあきれた顔しないでよー。おわびと言っちゃなんだけど、とっておきの情報教えたげるから」
「とっておき?」
「この島の正しい脱出の仕方」

698 名前: 確かな光(3/3) 改訂版 投稿日: 2003/11/07(金) 00:26
「一つは説明されたとおり鬼を倒すこと。まあ、君じゃ無理だろなー。真祖の姫君とか教会の代行者とかが
鬼だから、って言ってもわかんないか」
「一つって言いましたね。なら、二つ目はなんですか」
「お、鋭い鋭い。二つ目は、普通にボート使って脱出する方法。これはさらに二つの方法があるわ」
スミレは指を二本ずいっと突き出す。
「ボートの調達方法は二種類。街の店のを持ってくるか、港にあるのを使うか。ま、前者はもう無理かな」
「どうしてですか?」
「昼過ぎにもう一人その方法で脱出しちゃったから。たしか店のエンジンつきボートって一台か二台しかなかったのよねー。
このへん海流が複雑に流れてるから、エンジンつきのでないととても脱出したと認められる場所までいけないから。
だから必然的に港のを使うことになるわ。こっちはモーターボートなんだけど手に入れるのがずいぶん難しいのよねー」
「どうすればいいんですか?」
「う〜ん、教えたらワラキアがうるさそうだけど、出血大サービスで教えちゃお。始まるときに道具を一つ
持たされたわよね。それがフロッピーだった参加者が一人だけいるの。そのフロッピーに入ってるパスワードを
港にあるロックされてる倉庫に打ち込めば、モーターボートが手に入るってわけ」
一瞬だけ見えた希望の光はとんでもなく遠かった。
名簿を見る限り、参加者は百人ぐらいいる。その中から一人だけを探し出すのは不可能に近い。
(・・・いや、それでもやるしかない)
鬼を倒せたとしても、脱出できるのは自分を含めて二人までだ。でもモーターボートなら何人も乗れる。
「やる気になったみたいね。そういう前向きな顔大好きよー」
にこりと笑うと、スミレは片手を振った。すると、冬弥がここに来たのとまったく同じゲートが現れた。
「はい、これをくぐったら島のどこかに出るわ。今度こそこんなとこには出ないから安心してね。
じゃ、脱出できたらまた会いましょうねー」
手を振って、スミレはばしゃばしゃと海の中に入っていった。
頭が海中に没する寸前、一つ大きく跳ねて躍り上がると空中で反転して頭から海面に飛び込んだ。
その姿は、おとぎ話の中の人魚そっくりだった。
「よし」
顔を叩いて気合を入れる。
島に戻ったら、このことを参加者に言って回ろう。探し手は一人でも多いほうがいい。
光はまだ遠い。だが、けっして届かないわけではない。
たしかな意思を持って、冬弥はゲートをくぐった。

【藤井冬弥  所持品 不明  現在位置 島に帰還中】

699 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 00:26
遅くなりました、改訂版です。
基本的に前回と話の内容は変わってません。
今度はミスってないといいな・・・

700 名前: Wicked Child (1/3) 投稿日: 2003/11/07(金) 00:46
「タケルちゃんに出会えて本当によかったよう〜すっごく怖かったんだからぁ」
鑑純夏は白銀武の腕にすがりつきえぐえぐと泣きじゃくる。
「わ、わかったからもう泣くな」
武は照れたような表情で純夏を引き剥がそうとするが、それでも純夏は離れようとしない。
「やだよ…もう離れないんだからぁ!」
武もそれ以上は何も言おうとせず、純夏の気が済むままにさせてやっていた。

それにしても…
武は腰のホルスターに下げた自分の支給武器、デザートイーグルを服の上から触ってみる。
ただでさえ大仰な大口径の銃だというのに、何故か弾丸は銀でできていた。
まるで気分は吸血鬼ハンターだ。
(まさか敵は吸血鬼だって言うのかよ…ゲームじゃあるまいし)
「どしたの?タケルちゃん」
心配そうに顔を覗きこむ純夏に武は目線を逸らすように返事をする。
「いや…なんでもねぇよ、それよりも冥夜を探そう、あいつなら脱出方法を知っているかも」


「冬弥くぅん、どこ〜」
その頃、森川由綺は森の中で恋人を探しつづけていた。
もうすでに彼女の心に吸血の罪悪感などなく、すでに他の人間は自分にとって餌でしかなくなっている。
だが、それでも藤井冬弥だけは特別な存在のだろう、もっとも特別な餌なのかもしれないが……。

それにしても夜の暗さの何と心地よいことか、心が騒いで仕方が無い。
そろそろまた渇いてきた…飲みたい。
あのシスターにこっぴどく痛めつけられたこともあり、さっきの男の血だけでは足りそうにない。
「でも他の男の人の血はもう飲まないから…私が飲みたいのは冬弥君の血だけだから」
「さっきはとても渇いていたの、だから我慢できなかったの…冬弥君ごめんね」
怪しげな独り言をぶつぶつといいながら森の中をさまよう由綺だったが、
その時不意に人の気配…今では昼間よりもよく見える闇の中、じっと目を凝らすと、
森の中を進むカップルの姿がはっきりと見えた。

「ねね!タケルちゃん、この人森川由綺だよ!本物だよ!」
「んなこたぁわかってるっての!そんなじろじろ見るなよ、迷惑だろ」
「えーでもぉ」
意外な邂逅に純夏は興味を隠しきれず、木にもたれかかりにこやかに微笑む由綺を、
じろじろと見つめている、たまらず嗜める武だったが。
「いいんです、慣れていますから」

701 名前: Wicked Child (2/3) 投稿日: 2003/11/07(金) 00:46
吸血鬼道における先輩である弓塚さつきと比べると、森川由綺ははるかに狡猾だった、
自分はアイドルだ、黙っていても獲物は向こうから寄ってくる、事実今だってそうだ。
獣の心をひた隠し、微笑む由綺。
「ほら、タケルちゃんいいって言ってるよ」
その言葉でさらに調子に乗る純夏、仕方ないといった感じで好きにさせる武だったが、 
彼自身も生でみるトップアイドルの魅力に絡め取られつつあった。

しかし…由綺はちらりと武の方を見る。
冬弥以外の男の血は吸わないと誓った以上、武の存在は彼女にとってジャマ以外の何者でもない。
殺すか…いや、後始末が面倒だし、殺したら殺したでまたお腹が空いてしまうかもしれない。
ならどうするか。

その時、由綺の耳に水音が聞こえる、もちろん死徒と化けた彼女の鋭敏な感覚によるものだが。
この手で行くか…、由綺は一計を思いつくとそのまま2人に何やら話しかけるのであった。

「本当!きれいな泉!」
しばらく歩いた先にあった泉に、純夏は感嘆の声を上げる。
ここへは、ずいぶん汗をかいているみたいなので、泉で水浴びでもされてはと由綺が2人を誘ったのだ。
無論その目的は他にあるのだが…。

「タケルちゃんは覗いちゃだめだよ、絶対!」
純夏は早くも服のボタンを外しながらも、武に釘をさす。
「覗いたらどりるみるきぃぱんちだかんね」
「いまさらお前の裸なんか見たくもねーよ、あ…森川さんどうか気にしないで」
そう言い残し、武は奥の方へ消えていった。

これで邪魔は無くなった…由綺はその本性を今こそ剥き出しにして、ついに純夏へと襲いかかったのであった。

(アイドルの裸…水浴び)
一応、泉から少し離れた場所で見張りをしている武だったが、やはり気になって仕方が無い。
「こんな機会…もう2度とないよな」
身体を低くして闇にまぎれるように泉の方へ歩き出す武。
「俺は純夏の裸を見るんじゃない、森川由綺のヌードを見るんだ」
と呟きながら、匍匐前進する武の目に映ったもの、それは純夏の首筋に牙を突き立てる、由綺の姿だった。

702 名前: Wicked Child (3/3) 投稿日: 2003/11/07(金) 00:57
(な…なんで何故だよ、わかんねぇよ)
自分の幼馴染の喉に噛みつく、人気絶頂のアイドル…その光景に頭が混乱する武。
だが、偶然手に触れた冷たい銃の感触が彼を平常へと戻す。
「てめぇ…動くんじゃねぇぞ」
武は由綺に向かって、震るえながらもデザートイーグルを構える。
それを見て由綺は純夏の首筋からようやく口を外す、その唇はルージュを引いたように鮮やかだ。

由綺は純夏の身体を盾のようにして武を牽制する、その唇が悪戯っぽく動く。
「ねね、君、この子のことが好きなの?」
一瞬、口篭もった武、それが致命的な結果を招き寄せた。
由綺は純夏の身体を武の方へと軽く突き押す、慌ててそれを受け止めようと両手を広げる武。
そしてその時、由綺の爪が一閃した。

「え…」
武の腕の中にふわりと収まっていく純夏の身体…だけど何かがおかしい。
こんなに冷たいはずもないし、それに…どうして首から上が無いんだ?
「……」
彼が自分の目の前で起こった事実を理解するのには数秒の時間を必要とした。
そして全てを悟った瞬間、彼の口から獣の叫びが発せられた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
叫びながら武は銃を乱射する、しかしその時には由綺の姿はどこにもなかった。

どれくらい時間が経過しただろう。
武は純夏の首を抱いてぶつぶつと呟き続けていた。
「俺さ…無事に帰れたら、今度こそちゃんと言うつもりだったんだぜ…今ここで言ってしまったら…
 もう最後になっちまうような気がしてさ…だから…」
「なあ…返事しろよ…みるきぃぱんちはどうしたんだよ…なあおい」

武は自分のこめかみにデザートイーグルを押し当て、引金を引こうとするが、途中で思いとどまる。
だが…まだだ、まだやらないといけない事が残っている。
武はデザートイーグルを握り締める…思えばこれを手に入れたのも何かの運命だったのかもしれない。
「純夏…敵を取るまでの間だけ待っててくれ、いや、そんなに待たせはしないからさ」
武は純夏の首に話しかけると、それをリュックの中に入れる。
もう彼に迷いは無かった。
「森川由綺…殺す」


【白銀武  所持品 デザートイーグル&銀の弾丸(残り18発) 純夏の首  現在位置 島西部の森】
【森川由綺 所持品 不明       現在位置 島西部の森  】
【鑑純夏:死亡】

703 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 00:59
由綺がすごい勢いでダークサイドに落ちていくw
展開的に難しいけどさっちんと組ませてみたい。

704 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 01:52
>>698
ミスってないどころか、おもしろい。
つーか、ごめん。てっきり、冬弥を彰に変えるだけだろうと勝手に決め付けてた。良い意味で予想を裏切られたよw

>>702
由綺さーん!w

705 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 03:24
「彰君、僕の分まで頑張ってくれ。理奈、お兄ちゃんは頑張ったぞ、一応……」

 いきなりだが、緒方英二は溺れかけていた。
 格好よく彰を脱出させるところまでは良かった。それから、南の入り江に向かった判断も悪くはない。
 ただ、一つ見当違いだったのは、島の面積を甘く見ていたことだ。
 入り江に辿り着く前に、すっかりと暗くなり、潮が満ちて足元まで水が掛かっている。
 右は海、左は断崖絶壁。逃げ道など無かった。
「いや、僕は最後まで諦めん。こうなったら、この崖を登って……」
 左を見た。後頭部が首に当たる。それで、ようやく崖のてっぺんが視界に映る。
「無茶言うなよ……」
 自分で言って、自分で突っ込んだ。
――ガラッ
 崖の上から石が落ちてきた。見上げると、うっすらと人影があった。暗いため、顔はわからない。
 チャンスとばかりに、英二は叫んだ。
「おーい! 助けて下さーい!!!」
 すると、上から返事があった。
「どうしたんですかー!?」
 まだ若い少女の声だ。英二は知る由も無かったが、霧島佳乃である。
 千載一遇のチャンスと思い、英二は現状の危機を簡単に説明する。
「下に降りたら、登れなくなったんです!」
「うわぁ、お間抜けさんだぁ!」
 放っといてくれ、と思わず叫びそうになる自分を抑える。
「君をお間抜けさん2号に任命するよー!」
 ちなみに、一号は国崎往人なのだが、そのことを英二は知らない。
「すいませーん! 助けて貰えますかー!」
 己の命が掛かっているので、英二は焦っていた。
「もうちょっと進んだら、入り江があるよー!」 
 佳乃はそう言った。佳乃の左腕が、英二から見て右を指差している。

「いや、有難う。君のお陰で助かったよ」
 入り江において、英二は佳乃に礼を言った。
 厳密に言うと、別に助けて貰ったわけではない。
 どちらにせよ、潮が満ちるまでには入り江に辿りついていただろう。
 それでも、礼を言わないほど英二は不義理ではなかった。少なくとも、入り江までの不安は消えたのだ。
「お礼なんて要らないよ。どうしてもと言うなら、流しソーメンでね、英二君」
 年上に君付け、お礼要らんとかいいながら早速要求する、それより何故流しソーメンなのか、と様々な突っ込みが頭に浮かぶ。
 もちろん、助けて貰った身でそんな無礼ことは言わないが。

「ほら、英二君こっちだよ!」
 何時の間にか、同行が決定づけられたみたいだ。
 手を引かれながら、英二は平野にぽつんと存在している大きな岩に連れてこられた。
 誰か人がいる。
「しっ……。秋子さんは寝てるから、静かに近付いてよ」
 口元に手を当てながら、小声で佳乃は言った。
 英二は岩まで辿り着くと、佳乃の言う“秋子さん”の顔を覗き込んだ。

――そこには女神がいた。

(お、お美しい……)
 年はおそらく二十代前半。
 その年の割には地味な服装をしているが、そんなものは彼女からあふれ出る美しさを引き立てるに過ぎない。
 すーと寝息を立てて岩に座っているそのお姿、まるでメロのヴィ―ナスのように神々しく、扇情的……はっ、いかん、僕はなんて卑猥な想像を。
「英二君、どうしたの?」
 横の佳乃が不思議そうに自分を見ていた。ようやく、思考が正常に戻る。
「い、いや、この貴婦人はどなたかな?」
 どもりながら、英二は佳乃に尋ねた。胸が何故か熱い。
 おかしい、自分は恋愛に初な中学生ではない。なのに、彼女の名前を聞くだけでこんなに混乱している。
「この人は水瀬秋子さんって言う人で、とっても優しくて良い人だよ」
 水瀬秋子さん、素晴らしい名だ。
 水のように清純で、秋のようなわびさびの心を持つ大和撫子に違いない。
 英二は、こじつけ、かつ強引に秋子の性格を決め付けた。

 英二は色々と競争の激しい芸能界で生きているため、由綺のような清純派に弱かった。
 本人に自覚は無いが。

(この人を僕は絶対に守る。そして、脱出の際、夕日をバックにプロポーズしよう。幸せの涙が止まらない彼女の方をそっと掴み、誓いの口付けを……)
 英二の妄想は加速する。
「娘さんもこの島にいるみたいで、とっても心配してるんだ」
 佳乃の言葉で、英二は石になった。

【水瀬秋子 所持品 不明    現在位置南部平野】
【霧島佳乃 所持品 不明    現在位置南部平野】
【緒方英二 所持品 懐中電灯  現在位置南部平野】

706 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 04:29
>>696
>(理奈もこれを見てたりしながら寝てるのかな)
ここで由綺じゃなく理奈を思い出すということは冬弥の心は既に……
これを由綺が知ったりしたらさらに墜ちていってしまうのかw

>>702
銃と言えばやっぱりデザートイーグルが出てきてしまうものなのかなあ。
七瀬留美のに続いて二挺目か。別にいいんだけどね。なるべくアイテムの
かぶりは少ない方がいいと思うんだけど。

707 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 04:52
今のところ、ホワルバとKanonとこみパが、数の割には脱落者が少ないね。
ホワルバ以外の二つは、キャラが立っていて知名度があるため、消すのが勿体ないからかな。

708 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 13:25
バトロワになってしまったなぁ。
鬼ごっこだったら、そろそろ誰か反撃してもいい頃じゃなかろうか。

709 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 15:50
確かに、ちょっと死人が出すぎている気がする。
とは言っても、参加者同士の戦いでキャラ数を減らすには殺すしかないという罠。

鬼、もっと頑張れよ!w

710 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 15:59
やっぱり鬼が少なすぎるような気がする。
しかも、原作での悪役が少なく、むしろヒロインが多いんで、参加者を追いまわすとなると葛藤を書き込まねばならなかったり、違和感が出たり。
原作での悪役のリターンマッチとかならすんなり書けるんだろうが。

711 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 16:01
これは鬼ごっこだから、敵は基本的に鬼。
マーダーはあくまでイレギュラーだから、あまり活躍させたりたくさん登場させたりするのはマズイね。
今のところ、孝之、良祐、由綺、さつきの四人かな。
これから、マーダ―も死亡者も増やす場合は慎重にやって欲しいな。

712 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 20:37
鬼に頑張らせるための提案。
進行が遅いのに業を煮やしたワラキアが、一日最低二人は捕まえないと鬼の人質を殺すと言い出す。
問題点は、おにが逆にワラキアにはむかうことになりかねないのと人質のいないキャラには効果がないことか。

713 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 21:07
スマソ、それはやめた方がいい。
ワラキアの夜はあくまで傍観役で、あまり鬼と参加者との戦いに干渉させたくないんだ。
そうしないと、ご都合主義になってしまう。約束はどうした? って言う風に。あまりに書き手の都合の良いようにワラキアが動いているように感じてしまう。
ワラキアの夜は外道でも大いに結構だけど、最低限の約束すら守れないのなら読み手が引くと思う。

基本的に、今のままでも鬼はシオン以外はやる気になってる。書き手が頑張ればいいと思う。

でも、少し時間が経つと、その命令は訂正されるとかならいいかも。

まあ、一番の問題はハカロワと被るからなんだけど。

714 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 21:12
シオンは鬼じゃないぞ。
しかしリサを出すタイミングが難しいな。

715 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 21:16
スマソ、シオンじゃなくてシエルだな。

リサはどないしよ。正直、普通の鬼として出したいんだけど。
違反者専門の鬼としてって、いざ書こうと思っても書けない。

716 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 21:33
普通の鬼だが他の鬼がルール違反したときのみ鬼を狩る立場に回るというのにしようか。

717 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 21:52
まぁバトロワに乗っ取った亜種という感じで見てるけど・・・・
リサについては出したい人が最初にその立ち位置を決めちゃっていいんじゃない?

718 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 22:08
これから先死亡者が増えてくると、わざと捕まる事で命の保証を得ようとする連中も
出てきそう、さらに鬼との間で何らかの裏取引とか・・・・

719 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 22:09
もうすでに裏取引したコハッキーさんとかいるけどなw

720 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 22:23
さっちんと由綺は本能にしたがっているだけだし
本気で乗ったといえるのは良祐と孝之だけじゃないのかな?
何度も出てるけど参加者が減れば減るほど自分が捕まる可能性が高くなるんだから

721 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/07(金) 22:39
>>708
まぁバトロワ化を食いとめたければそれなりの展開を自分で投下するのが
1番なんじゃない?
でもここまでの流れを見る限り、みんな戦いが好きなんだなぁと思ってしまう

今のところお気に入りの話はIron MeidenとHowling Edgeかな。
というわけでかく言う俺も戦闘話が好きなんだな・・・やっぱり

722 名前: Destiny Maker (1/2) 投稿日: 2003/11/08(土) 03:43
「違う違う!カップ焼きそばは先にソースを入れてはだめだ!同志御剣よ!」
「そ…そうか」
無人のコンビニの軒先で座りこみ、夕食を取る大志と冥夜。
「しかし何故、中で食べようとせぬのだ?」
「甘いな!同志御剣よ!コンビニで買ったものは自宅や職場にもって帰るのでもないのならば、
 その軒先で座り喰いするのが定石というものだ!」
「…いくら私でもそなたの言う事が口からでまかせなのは分かるぞ…」


あれから2人は結局脱出をあきらめ、港そのものの探索に乗り出していた。
と、いっても特に怪しいものなどなかったのだが、…いや一つだけあった、鍵穴の変わりに、
何かケ―ブルの差込口のようなものが取りつけられていた倉庫が。
「これはLANケーブルの挿入用だな、恐らくパソコンが必要だろう」
「ならば…街に向かう必要があるということか…」
こうして2人は街に向かおうと港を出、しばらく歩いたところで、
シャッターの閉まったコンビニを発見したのだった。 

冥夜がシャッターをこじ開けようとするが、シャッターはびくともしない。
「鍵がかかっているな、我が愛刀があれば一太刀なのだが…」
「我輩にまかせておけ」
大志はリュックから鍵を取り出すとそれをシャッターの鍵穴に差しこむ、かちゃりと渇いた音がして
シャッターが開いた。
「万能キーだそうだ、5回までならどんな鍵でも開けることが出来るらしい」

2人が入ったコンビニの中は、当たり前のように無人だったが、
不思議な事に中にはきちんと品々が揃えられており、
肉まん用の保温機や冷凍食品用のフリーザーまでもきちんと動いていた。


こうして冒頭の場面に戻る。
冥夜がふーふーとカップ味噌汁を冷ましている隣で大志は雑誌を座り読みしている。
何でも無いマンガ雑誌だったが、その中のグラビアに目を奪われる大志。
そこに掲載されていた少女の写真を眺めながら、呟く大志。
「まさかな…こんなところに我が女神がいるはずが無い」
渡されたアイテムがいわゆる"当たり"だったためか、彼ら2人は参加者リストを持っていなかった。
したがって、その女神こと桜井あさひが同じ島にいる事など彼には思いもつかない。

723 名前: Destiny Maker (2/2) 投稿日: 2003/11/08(土) 03:47
「ほう…そなたはその娘に想いを寄せてでもいるのか?」
いつの間にか後ろから覗きこんでいた冥夜が耳元で尋ねてくる。
「な…何を突然言うのだ!そ…それは否定できるものでもないが、だからと言ってだな…その」
あきらかに狼狽する大志、それをにやにやと笑いながら見つめる冥夜。
「正直に申すがよい、そなたさえ望めば逢わせてやっても良いのだがな」
二の句が継げず、カクカクと口を動かすだけの大志。
「お互い無事に帰れればの話だが、ここに連絡するがよい」
大志には構わず、冥夜はメモ用紙に連絡先を書いて大志に手渡す。

「本当に逢わせてくれるのか?」
「我が御剣を過小評価してもらってはこまるな…」
どうも冥夜にはそういう成り上がりチックな部分がある。
犬猿の仲でもある大空寺あゆに言わせれば「金の使い方が下品なんじゃボケェ!」ということらしいが。
本人はまるで気にしていない。
「財力もまた生まれ持った才能であろ?、腕力や知恵が認められてそれを認めないという話もあるまいて」
といった感じで平然としているし、嫌味も無ければ下心も無く純粋な好意として行っている事なので、
負い目を感じる事もなかった。

「出来ないことなどないのだな…凄過ぎる」
「いや我が御剣とて世界全体でみればまだまだだな…例えばだ」
冥夜は陳列棚の蛍光灯を大志に見せる、そこには来栖川電工と記されていた。

「極端な例だがこの来栖川と御剣では桁が違いすぎる…我が御剣といえども来栖川にはまったく太刀打ちできぬ」
以前はそうではなかった、やはり歴然とした差こそあれど、及ばぬ相手ではなかったはずだ。
しかし数年前、謎の交代劇によりまだ20歳そこそこの来栖川芹香が総帥となって以来、
数年で来栖川の規模は凄まじいまでの成長率で膨れ上がっていった。
来栖川芹香は未来を知っている、いや来栖川芹香が未来を造っている……。
そんな畏怖の囁きが企業家たちの間で広がるころには、すでに来栖川は世界経済の覇者の座を確実にし、
その規模はもはや世界の中の来栖川ではなく、世界をも内包する巨大存在といってもよかった。

その来栖川芹香だが、総帥就任以後、公の場所にまったく姿を見せてはいないことも噂を広げる一端となっている。
はっきりとしているのは例の交代劇に伴って彼女の双子の妹である来栖川綾香が、謎の理由により、
一族としての一切の権限を剥奪された挙句、追放されたということくらいだ。
聞くところによると、その時彼女に従ったのは試作型メイドロボ一体のみだったという。

「参考までにそなたにも教えておこう、そなたが今着用している靴・靴下・ズボン・シャツ・ジャケット・
 メガネ…すべて来栖川の傘下にある企業の製品だ、それからそなたの今食しているビスケットも
 私が食べておるインスタント味噌汁もだな…」

ここで冥夜は電撃に打たれたような表情で自分の後ろにある陳列棚に目をやると、
片っ端から商品をひっくり返し始める。
「お…おい」
止めようとした大志だったが、冥夜の鬼気迫る表情に圧倒されて声を出せない。
「バカな…この店の商品はどれもこれも皆来栖川製ではないか!」
まさかこの1件…来栖川が1枚噛んでいるというのか……。
(だとすれば、もはや戦って血路を斬り開く以外に道はあるまい、問題は何と、そして誰と戦うか…)

【御剣冥夜  所持品 スタングレネードx3      現在位置 東部漁港近くのコンビニ】
【九品仏大志 所持品 万能キー(残り回数4回)  現在位置 東部漁港近くのコンビニ】

724 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/08(土) 21:05
主催者は来栖川と死徒二十七祖の一部か。
もうちょっと入れたいな。

725 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/08(土) 23:37
高槻、篁辺りを主催者にして、実働要員に醍醐とA棟巡回員でもすればいいんでない?
真面目な話、設定だけの二十七祖はこれ以上出されるとちょっと厳しい。
まあでないだろうけど、念の為。

726 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 05:21
柳川の追撃をなんとか振りきった往人たちは、一旦平野部に出て休息の最中だった。
苦しげな寝息を立てる名雪の傷口にリアンは手をかざす…すると名雪の傷がみるみるふさがっていく
だが、それでも名雪は目を覚まそうとはしなかった。
「だめです…傷は治っても本人に目覚める意志が無いみたい…よほど辛い想いをしたのですね」
その言葉に言葉少なげにうつむく理奈と尊人。

リアンはそれ以上追求することなく、今度はあゆの治療を開始する。
こちらはすぐに目を覚ますと、やかましく状況を聞きたがる。
うう、苦手なタイプ…と思いながらもリアンは自分のわかる限りの情報をあゆへと説明していった。

「だったらこんなとこ、魔法でとっとと逃げるのさ!」
リアンが魔法使いであることを知ったあゆは、催促するようにリアンの手を握る。
手を握られて困惑気味のリアンは、あゆと同じように自分を見つめる一同の期待の視線にも気がつく…だが。
リアンは少し迷った風な表情をした後、言いにくそうに一同に宣告する。
「逃げるのは…おそらく無理です」

「あんですと〜!、どういうことかさっ!」
手を握ったまま、リアンに迫るあゆ。涙目になりながらもリアンは説明する。
「かなり強力な魔力結界によってこの島近辺は封鎖されています…その上ここが何処なのか
 まるで分かりません、つまりこの島から逃げることが出来ても、その先に何があるのか
 ぶっちゃけて言えば、その先にあるのは私たちの常識が一切通用しない異世界なのかもしれないんです」
「どうりで嫌な感じがすると思ったぜ、身をもって確かめるにはリスクがでか過ぎるな」
納得の表情で頷く往人、尊人も星空を見て気がついていたのだろう、内面はともかく、
見た目では特に動揺はしていなかった。

一方のあゆだったが、先程からその肩がふるふると震えている、心配そうにその顔を覗きこむリアンだったが、
その瞬間あゆの目からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
「つまりあんたも役立たずってことかさっ!期待だけさせんなや、ぼけっ!」
取り乱し、泣きながらリアンを詰るあゆ。
「ごめんなさい、ごめんなさい…わたし、わたし」
あゆの聞くに耐えない罵倒の言葉に、ついに泣き出してしまうリアン。
それでもあゆの言葉は止まらない、星空の下であゆの罵りとリアンのすすり泣く声だけが周囲に響いていた、
が、その時ぱぁんと何かを叩くような渇いた音が鳴った。

「理奈ちゃん…」
尊人は自分の傍らにいた少女の取った思わぬ行動に、呆気に取られている。
あゆは自分がどうして…という表情で赤くなった頬を押さえている。
「そんなこと言うもんじゃないわ!だいたいあなたが何をしたって言うのよ!」
「自分が怖いからって八つ当たりなんかしないでよ!みっともない!」
理奈の言葉に一瞬凍りついたようになったあゆだったが、
「お前らなんか…全員猫のうんこ踏めっ!」
そう言い捨ててその場から走り去っていく、それをただ見ているだけの往人たちだったが、
いち早く尊人があわててその後を追いかけていった。。

「何さ…何さ…」
木にもたれかかり呟くあゆ。
理奈が言っている事は正しい…自分はどうしようも無い事を誰かに押しつける事で、
楽になろうとしていただけだ。
「ひとりぼっち…か」
もう彼らのもとには戻れない…あれだけのことをしでかしたのだ、いまさら許してもらえるとは思えない。
「君も辛いんだね…怖いんだね」
不意の言葉に振り向くあゆ、そこには尊人が立っていた、まるで少女のような美しい笑顔で。
「少し…お話していいかな?」

【国崎往人  所持品閃光弾 現在場所 島南部平野】
【緒方理奈  所持品なし  現在場所 島南部平野】
【リアン   所持品なし  現在場所 島南部平野】
【水瀬名雪(意識不明)所持品なし  島南部平野】

【鎧衣尊人  所持品投げ縄 現在場所 島南部平野】
【大空寺あゆ 所持品なし  現在場所 島南部平野】

727 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 05:22
なんかあゆと理奈の役割が逆転してしまったような・・・
と書いていて思った。

728 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 11:28
両儀式は強いな。さすが銃口の向きとかじゃなく
銃弾を見てからでも回避できるような奴が反応できないぐらいの
速度で動けるだけの事はある。

729 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 17:20
今週は少なめだったね・・・
僕も2話しかあげられなかったし・・・・皆さんお互い頑張りましょう。

730 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 17:42
まあ、マターリいこうぜ。

731 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 19:27
でも、マターリしすぎて風化してしまうこともありえるしね
まぁ鉄は熱い内に打てとも言うし
果たしてどうなるのかな、今後

732 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 20:51
スマソ、今週は私生活が忙しかった。
俺以外にも二人ほど、忙しいとカキコしてたし。

733 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 21:27
流れが思いついている話は三本ほどあるんだが、いかんせん時間がない・・・
一本でもでけたら今晩中に投下します。

734 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 22:19
コミケ当落確定まであと2時間・・・・
もし受かってたらまじで週1ペースになると思います、
でもなんとか週1本は上げたいところ。

735 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/09(日) 22:33
受かってました・・・・

736 名前: 鬼というもの(1/3) 投稿日: 2003/11/09(日) 23:44
 ズズズズズと音を立てて、木製の扉が真っ二つに分かれていく。
 この扉は、中世において、城の正門を守る盾の役割も果たしていた。
 この扉は大勢の兵士の力でようやく開いた。それをたった一振りで切断し、両儀式は遊園地の中に足を踏み入れる。
 式は、足元の扉の残骸を飛び越えながら、人気のいないサービスセンターの横で少しの間立ち止まった。
 周囲を見渡し、一人呟く。
「さて、いるかね」
 おれを楽しませてくれる相手が。

 桜井あさひは、静かに倉田佐祐理と芳賀玲子を観察していた。
 思わず隠れてしまったが、もし佐祐理が鬼なら、玲子はとっくに捕まっている。
 足にしがみついている澪と顔をあわせる。互いにアイコンタクトで意思を伝え合う。
 澪も佐祐理は白の可能性が高いと思っているようだ。
 意を決してプリクラから飛び出した瞬間、懐のセンサーが大きく振動した。

 この場の四人とも、鬼との遭遇経験はまだない。そのため、振動の度合いなどおぼろげにしか解らない。
 タイミング的に、あさひと澪が誤解する事も無理は無かった。
 玲子と佐祐理もとっさの乱入者を前に逃げ腰になる。

 玲子がすぐさま裏口へ駆け出そうとし、あさひの顔を認識して一瞬固まる。
 あさひは慣れぬ手つきで佐祐理に拳銃を向ける。もっとも、これはモデルガンであるが。
「う、ううう、動か、か、なな、ないで下さい!!」
 あさひはモデルガンを握る手を震わせながら、どもりながら言った。
「あさひちゃん、……鬼なの?」
 玲子は冷静にそう聞いた。佐祐理は後ろで沈黙している。
「あ、あああ、あたしじゃないです! う、うう、後ろの女性が鬼なんです!」
 あさひは動揺していた。自分は、人を傷つける武器を同い年くらいの少女に向けているのだ。現実感がない。
 声も肩も震えている。歯がかみ合わず、カチカチと鳴る。
 すると、玲子は安心したように笑顔で誤解を解く。
「それは違うって。あたし、センサーを持っているしさ。にゃはは、よかった、勘違いで」
 ゲームに邪魔だから、玲子と佐祐理のセンサーはリュックの奥底に眠っている。
「え? そうなんですか……」
 ドッと疲れたように、あさひはモデルガンをおろした。
 言葉だけで信用したのは、この緊迫状態に精神が耐え切れなかったからである。

「すいません、あたしったらドジで」
 あさひは安堵の溜息と共に、佐祐理に謝ろうとした。澪も無言で頭を下げる。
「いえ、佐祐理は全然気にしてま……」
 佐祐理は笑顔で二人を許そうとし、突如、真剣な表情に変貌した。
 そして、素早く懐から44マグナムを取り出し、あさひと澪に向ける。
 少なくとも、二人にはそう見えた。実際はマグナムの重さのせいで非常にゆっくりだったのだが。
 だから、反射的にあさひは撃ってしまった。

「はう!」
 あさひは、とっさの判断で銃を持つ指先を狙ったが、その狙いは幸か不幸か逸れて佐祐理の右瞼に当たる。
 その衝撃か佐祐理も引き金を引くが、あまりの反動で銃を手放してしまう。銃弾は見当違いの方向に飛んでしまい、ゲーム機の一つを破壊した。
 壊れたゲーム機の煙に反応し、天井のスプリンクラーが作動する。辺りが途端に水浸しになる。
 あさひはしばらく呆然としていたが、その冷たい水のお陰で冷静になる。
(あ、あたしは……な、何をしたの……)
 見ると、玲子は倒れた佐祐理は抱きかかえており、澪はその横に立っている。二人とも自分を見ている。
 その目は自分を責めておらず、むしろ恐れているような。
 いや、二人の目に自分は映っていない。後ろだ。
 あさひはそのことに気付き、振り向いた。
「宝の持ち腐れだな。参加者ども」
 そこには、圧倒的な威圧感を身に纏いナイフを構えている両儀式の姿があった。

737 名前: 鬼というもの(2/3) 投稿日: 2003/11/09(日) 23:54
「皆! 裏口はこっち!」
 抱えていた佐祐理を立ち上がらせて、玲子は二人に指示する。
 あさひは状況の変化についていけず、ただ言われるまま忠実に動く。
 澪は逃げ出しながらも、佐祐理の44マグナムを回収する。意外と重く、一瞬顔をしかめた。
 佐祐理は起き上がると、血を流した右目を抑えながら走る。
 そして、四人は裏口から建物を逃げ出す事に成功した。
 式は、追わずに入り口に立ち止まったまま、四人の動きを注意深く観察していた。
(全員素人だな。つまらん)
 半分は勘によって、彼女らの実力を推測する。興奮しかけた心が急激に冷めていく。
 せめて牽制に銃弾でも撃ってくれたら、まだ闘る気になったのに。
(追うのも面倒だが)
 式は踵を返して、入り口から外に出た。
 着物に染みこんだ水が気持ち悪いし、何より夜風が寒い。
 その場で式は考える。このまま島を回って強い奴を探すか、それとも……
「ノルマを達成するか」
 己だけに与えられる成功報酬、それはある強者との戦い。そう、主催者の一人たるあの魔女の忠実な従者との。
 式は獰猛な笑みを抑えて、外回りに裏口まで歩いた。

「逃げられたのかな?」
 玲子は、裏口から離れたゴーカート用の道路で、後ろを振り返りながら言った。
「追ってくるんじゃないでしょうか」
 いまだ血が止まらない佐祐理が返した。口調はこうだが、声色から疑問ではなく断言だとわかる。
 本当は玲子自身も悟っていたが、それでもどうしても逃げ切れたという望みを捨てられない。
「で、でも、どうしようか。あんなの相手に」
 ここはゲームの世界ではない。一度失敗したらアウト。コンティニューは出来ない。
 あいつは素人目でも格が違うのがわかる。何ていうか、格ゲーの世界に出てきそうな人間だ。
 こんな所で着物を着ているが、こみパにいるコスプレ仲間たちとは纏っている雰囲気が違う。
 やはり、言葉では上手く説明できない。ただ、あの目に見られた時、自分の心臓が鷲掴みにされた気がした。
 仲間を確認する。
 あさひは顔色以外は大丈夫だ。佐祐理の出血も収まってきている。
 しかし、澪の体がふらついている。それでも懸命に走っている
 澪はリュックに加え、44マグナムを抱えるように両手で持っている。そのため、バランスが崩れやすいのだ。
「ここで休もうよ」
 玲子は提案した。

 近くのゴーカート乗り場で四人はどっと座り込んだ。
 一度、佐祐理と来た時確かめたら、ゴーカートにガソリンは入っていた。それでも動かなかったが。
 横を見ると、澪が近くにあった身長制限表示用の看板に背を置こうとして看板ごと地面に激突した。
 一応、澪は部活をやっているためそこそこ体力はある。それほどマグナムが重かったのだ。そして、リュックも。
 佐祐理は赤く濡れた手を目から離す。血は止まったようだ。
「ごめんなさい。あたしのせいで……」
「ペコリ(ごめんなさいなの)」
 佐祐理の腫れた右目を見て、あさひは謝罪する。澪もそれに習い、再び頭を下げた。
「何も言わずに武器を構えた佐祐理がいけなかったんですから、謝らないで下さい」
 佐祐理は痛々しい笑顔で首を振った。
「いや、それでもあたしが」
「ペコリペコリ(本当にごめんなさいなの)」
「いやいや、やはり佐祐理が悪いんですから」
 三人はそのまま謝罪を繰り返している。平行線だ。

738 名前: 鬼というもの(3/3) 投稿日: 2003/11/09(日) 23:56
「ねえ、その子、もしかして喋れないのかな?」
 玲子が三人の間に割って入る。澪は頷いた。スケッチブックが手元に無いため、会話が出来ない。
「え、本当に? 悪いこと聞いちゃった?」
『気にしないでなの』
 玲子の謝罪に対し、澪はジェスチャーで、気配り不要と告げた。
「澪ちゃん、武器を見せてくれないかな?」
 謝罪と共に、玲子は澪を促す。
 鬼はすぐにでも追ってくるはずだ。悠長にしてられない。
 澪はおどおどしながら、リュックから四角い箱を取り出す。端に、銀色の長い棒がついてある。
「これはラジオですね」
 あさひが言った。声優の自分には馴染み深いものである。
 全体的に黒い旧世代のデザインで、防水仕様と書いてある。乾電池ではなく、バッテリー式だ。だから、えらく重い。
 はっきり言って、戦闘では使えないだろう。鈍器くらいにはなるかもしれないが。
「あたしのはこれ」
 次は玲子の番だった。リュックから取り出したのはまたもや箱。
 上面中央に小さな穴が開いてある。その穴から中身が見えた。
「これってもしかして……」
 全員が呆然とした。
 澪が中から何かを取り出した。オレンジ色の糸より太いリングがブランと垂れている。
「うん、輪ゴム。って、どこが武器なのー!?」
 思わず、玲子は叫んだ。
 確かに、輪ゴムは武器になる。小学校の教室限定だが。

 式はゆっくりと歩く。参加者の逃げる先は、地面にポツポツと落ちている水滴が示してくれる。
 ここの道路はゴーカート走行用のものなので、綺麗に整備されている。そのため、水滴も目立つ。
「ん?」
 しばらく歩くと、水滴が妙に集まっている場所に出た。
(まだ、この先にも水滴が続いている。一度、ここで休んだのか?)
 だとしたら余裕だな、と内心笑った。
 式としてはそっちの方が好ましい。弱い奴をいたぶるのは趣味云々の前につまらない。
 この場所から続いている水滴に沿って、再び式は進んだ。
 途中、ふと違和感に気付く。
(水滴が以前より僅かに多くなっている。まさか!?)
 式はすかさず後ろを振り向いた。あの場所に人影がいる。かすかにだが見えた。
(この水滴は囮か!)
 参加者達は、おそらくこの道を途中まで行くと引き返したのだ。水滴の先は途切れているだろう。
「ちっ!」
 式のナイフを握り締める力が強くなる。

「確かに、ここで見たはず」
 水滴が集まっている場所で、式は周囲を見渡す。先ほど見た人影は消えている。
 下を見る。平らな道路にあるのは水滴と木造の看板だけだ。
(看板?)
 式は地面に倒れている看板を起き上がらせてみる。それはジェットコースターなどでよく見られる身長制限用の人絵だった。首の方に輪ゴムの跡が残っている。
「先ほどの人影がこれだとすると、敵の狙いは」
――この場所、正確には看板がある場所に誘い込むこと。
(なら、次に来るのは、攻撃)
 激しいエンジン音がどこからか聞こえてくる。
 音の先を見ると、屋根の無いゴーカートが式に向けて猛スピードで接近する。
 少し離れて、佐祐理と玲子が逃亡しているのが見えた。
 突進してくるゴーカートのアクセルは輪ゴムで固定されている。
 レース用のため、乗用車並みの速度で迫ってきている。
 それでも、式は小さく溜息を吐くと、失望したように呟いた。
「所詮、この程度か……」
 一閃する。

739 名前: 鬼というもの(3/3)+1 投稿日: 2003/11/09(日) 23:57
 玲子達は、初めから鬼と戦う気がなかった。ゴーカートの攻撃は、あくまで時間稼ぎである。
 ゴーカートにガソリンはあったが、バッテリーが無かった。そのバッテリーをラジオのもので代用したのである。
 ゴーカートに乗っての逃亡は無理だった。あのバッテリー量だと、動かして数秒だからだ。四人も乗れないし。
 玲子は後ろを見ずに一心不乱に走る。佐祐理も続く。
「れ、玲子さん……」
 後ろから、怯えるような佐祐理の声がする。
 玲子は悟り、思わず唇を噛んだ。
 佐祐理の視界に映ったもの、それは、炎上した建物と、二つに分断されたゴーカートの残骸、そして、炎をバックに無傷で佇んでいる式の姿であった。
「服が乾いた。礼を言おう」
 二人に逃げられる術は無かった。
 それでも、二人は最後まで粘った。あさひたちが逃げるための時間を稼ぐために。

(美穂、夕香、まゆ。あたし、こみパでの皆との思い出を忘れたくないよ。助けて、千堂く……)
(舞、ゴメンね。祐一さん、どうか舞を助けてやって下さい。本当にお願いし……)
 佐祐理と玲子が光となって飛んで行く。
 式はしばらくその場に留まり、炎上した建物を眺める。
 そして、飽きると進路を変更した。

 向かうは水滴が途切れた先。
 そこに、獲物が二人残っている。

【上月澪 所持品ラジオ(バッテリーなし。乾電池でも動きます)現在位置 島北東部の遊園地】
【桜井あさひ 所持品モデルガン&44マグナム   現在位置 上に同じ】
【両儀式(鬼)  現在位置 上に同じ  残りノルマ7人】
【倉田佐祐理 ゲームオーバー】
【芳賀玲子  ゲームオーバー】

740 名前: eternal girls(1/3) 投稿日: 2003/11/10(月) 00:50
島の夜はさほど寒くない。屋外だとやや肌寒いが、室内に入ってしまえばなにもかぶらずに寝ても
風邪をひく心配はなさそうだ。これなら野宿もきつくないだろう。
浩平は、そんなことを考えながらうつらうつらとしていた。
見張り番なのだから起きていなければならないとわかってはいるのだが、夜になって一日の疲れが
出てきてどうしてもまぶたが落ちてくる。
「折原君、寝ちゃった?」
そんな浩平を起こしたのは、詩子の声だった。
「ああ、悪い。寝かけるとこだった」
「やっぱり、わたしも一緒に見張り番しようか?」
「大丈夫だって。柚木の方が疲れてるんだからおとなしく寝てろ」
昼に西の市街地を出てから、日が暮れる直前にもうひとつの市街地に着くまでずっと歩きっぱなしだった。
男の浩平でも疲労を感じるほどだから、詩子にはもっときつかっただろう。
「それが疲れてるんだけど、なんか眼がさえちゃって。ちょっと話しててもいいかな」
言って、毛布を羽織ったまま詩子は奥の部屋から出てきた。
「寝れないっていうんなら別にいいけどな」
だが話をすると言ったくせに、詩子しばらく黙ってペットボトルのお茶を飲んでいるだけだった。
なんか昼間もこんなことあったなと浩平が思ったとき、詩子はぽつりと言った。
「折原君は強いよね」
「強い?別に喧嘩とかで勝ったようなことはないぞ」
「そういう強いじゃなくて、なんていうかな・・・」
ちょっと言葉を選ぶ詩子。
「わたしなんかこれからどうなるのかなとか、お父さんとお母さん心配してるだろなとか考えちゃって寝れないけど、
折原君は平気で寝てるしあんまり悩んでる風にも見えないし。心が強いっていうのかな。そういう感じ」
いつもはやかましいまでによくしゃべる詩子が、今日の道中はあまり口を開かなかった。
あれは心配事が多くて気楽にしゃべれるような状況ではなかったからだったようだ。
「なんかにぶくて考えなしだと言われてるような気がするぞ」
「そ、そういうわけじゃ・・・」
「でもそれで当たってるかもな」
「え?」
「いきなりこんなわけわかんない島に連れてこられて鬼ごっこやれなんて言われたけどさ、別に今日一日鬼に会ったわけでもなにか危ない目に
あったわけでもないからな。捕まったやつはいるっていうのもわかるんだけど・・・なんか現実感湧かないんだよな」
戸惑っているうちに一日がすぎて、気がついたらこの状況に慣れてしまっていたというのが正直なところだ。
「それに柚木がいるのも大きいな」
「え?」
まったく予期せぬ言葉に、詩子は思わず赤面した。
「知り合いが一人いるおかげで、ずいぶんと気が楽だぜ。お前と出会えたのは本当にラッキーだったぞ」
笑いながらぽんぽんと詩子の肩をたたく浩平。
「ま、そんなに深刻に考えるなよ。なんとかなるって。おれたちの知り合いあわせれば九人はいるんだぜ。それだけで力をあわせれば脱出ぐらい
簡単にできるって」
「・・・うん、そうだよね。きっとみんなで中崎町に帰れるよね」
やっと、詩子の顔にいつもの笑顔が戻った。
「ねえ折原君の知り合いのこと話してくれないかな。わたしは茜のことしか知らないから。けっこう異性の友達が多いって聞いたよ」
「まあ多いほうだろうな。誰から話そうかな・・・いっこ上にみさき先輩って人がいてさ・・・」

741 名前: eternal girls(2/3) 投稿日: 2003/11/10(月) 00:52
「くしょんっ」
「みさきちゃん寒い?」
「ううん。これはたぶん浩平君が噂したからだと思うよ」
「浩平君?」
「わたしの友達でとってもおもしろい人だよ」
「そう、その人のことちょっと話してくれないかな?」
「うん、浩平君と出会ったのは屋上でね・・・」


背中の繭が、くしゅんとくしゃみをした。が、すぐにまたすやすやと寝息を立てて眠った。
秋葉も早く眠りたかったが、街はまだ遠い。
逃げ出した二人はしばらく闇雲に走り続けたが、夕方ごろから寝床を求めて街に向かって移動をしていた。
繭は疲れきっており歩くのも辛そうだったので秋葉が背負うと、すぐに寝入ってしまった。
「はあ、とんだお荷物をまかされてしまいましたね」
愚痴る秋葉だが、内心では世話のかかる妹ができたようでうれしく思ってたりもした。
とぼとぼと闇の中を歩いていると、三叉路に出た。
地図では、左に行くと元いた小屋。右に行くと街に出る。
小屋のほうが近いしすばるとみちるがどうなったか知りたくもあるが、それ以上に鬼が待ち伏せしているかと思うと怖くて戻れなかった。
(街なら建物もいっぱいあるでしょうし、姿を隠しやすいですね)
右に進路をとりかけたとき、唐突に顔がライトで照らされた。
「遠野か?」
道のわきの草むらから出てきたのは、見知らぬ白髪の男だった。
「たしかにわたしは遠野秋葉ですが、あなたは誰ですか?」
「おれの名前は坂神蝉丸だが、秋葉ということは遠野志貴の妹か?」


「はっくしょん!」
「お姉さん風邪ですか?」
「そうじゃないと思うけど・・・はくしょん!」
またくしゃみが出た。寒気はとくにしない。
(浩平か七瀬さんがわたしのことでも誰かにしゃべってるのかな?)
ずずっと鼻をすすりながら、瑞佳は思った。
(早く浩平に会いたいな)
実は昼過ぎに浩平と詩子がこの街を出たのとすれ違いに瑞佳は街に入ったのだが、そんなこと瑞佳にはわからない。
「朝になったらこの街しらみつぶしに人がいないか探してみようね」
「はい!お姉さんや千紗の知り合いに会えたらいいですね」


「へっくしょい!」
七瀬は豪快なくしゃみをした。
「なんでこんなに・・・へっくしょん!・・・さっきからくしゃみが・・・うぇっくしゅい!・・・出るのよ!」
「おれに八つ当たりされても困る」
唾が服にかかった那須宗一は、顔をしかめてハンカチで拭き取った。
「花粉症か?」
「そんなこと今までなかったけど・・・くしょい!」
「早く止めろよ。鬼が寝ないで近くをうろついてるかもしれないんだからな。くしゃみで捕まったとかいうまぬけなのはごめんこうむるぞ」
「わたしだってそんなの嫌に決まってるわよ」
それでもくしゃみは止まらない。
「ぶぇっくしゅん!」


「なんかさっきからくしゃみが聞こえない?」
「いいや全然」
「わたしの気のせいかな」
「だろうな。それで七瀬の髪の毛を結んでだな・・・」
隣のビルの同じ階に当の本人がいるとも知らず、浩平は七瀬の話を延々続けるのだった。

742 名前: eternal girls(3/3) 投稿日: 2003/11/10(月) 00:53
「七瀬のことはこんなもんかな・・・柚木?」
詩子は、こっくりこっくりと船をこいでいた。
時計を見ると日付が変わっている。話続けていた浩平は目がばっちり覚めてきたが、聞く一方だった詩子は逆に眠くなってきたようだ。
「眠いんだったらちゃんとベッドで寝て来い」
「・・・うん」
ゆすっても生返事が帰ってくるだけで、いっこうに詩子は立ち上がろうとしない。
「しかたないな」
詩子を抱きかかえてベッドに運ぶ。
そうしてみると、詩子は予想以上に華奢で軽い。
寝かせてもとの部屋に戻ろうとすると、
「・・・折原君」
「うん?」
振り向くが、返事はない。寝言のようだ。ドアを閉めてその前に座り込む。
(日の出ぐらいまでは起きていて、それから仮眠を取って出発するか。まずは港に行って・・・)
地図を見ながら明日の予定を考えていると、ふとさっき詩子を抱きかかえたときのこと思い出した。
(柔らかかったな)
布越しの詩子の体の感触を思い出してしまい、一人赤面する。
「なに考えてんだおれは」

「聞けないよね」
そっとシーツの端を握り締めて、詩子はつぶやいた。
「折原君が誰と帰りたいだかなんて」
鬼を倒せば、自分を含めて二人までを脱出させることができる。
もし浩平がそうなれば、いったい誰を選ぶのだろうか。たぶん一番大切な人を選ぶのだろう。
「・・・わたしのわけないよね」
自分みたいな他校であんまり顔もあわせないうるさい女が、浩平の一番大切な人なわけがない。
「バカなこと考えてないで早く寝よ」
眼をつむると、すぐに睡魔が襲ってきた。それに抗うことなく眠りに落ちながら、うろんな頭で詩子はもう一つだけ思った。
(わたしが鬼を倒しちゃったりしたときは・・・折原君と茜、どっちを選ぶのかな・・・)


 【折原浩平  所持品 警棒  現在地 島東部市街地】
 【柚木詩子  所持品 フライパン  現在地 上に同じ】
 【七瀬留美  所持品 拳銃  現在地 上に同じ】
 【那須宗一  所持品 フロッピー・煙幕弾(六発)  現在地 上に同じ】
 
 【高瀬瑞希 所持アイテム メイドロボ用レオタード(防弾・防刃・耐熱・耐衝撃効果あり)
                 メイドロボ用耳アンテナ(索敵範囲上昇)  現在位置 島北部の森】
 【川名みさき 所持アイテム なし  現在位置 島北部の森】
 
 【塚本千紗  所持品 不明(現金多数所持) 現在位置 西部市街地】
 【長森瑞佳  所持品 不明 現在位置 上に同じ】

 【椎名繭  所持品 不明  現在地 西部市街地郊外】
 【遠野秋葉  所持品 不明  現在地 上に同じ】
 【坂神蝉丸  所持品 クナイ(八本)・不明(みちるのリュック)  現在地 上に同じ】
 【御影すばる  所持品 不明  現在地 上に同じ】

743 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/10(月) 01:41
>>742
となると、月島・聖も島東部市街地となるね。

744 名前: 邂逅 投稿日: 2003/11/10(月) 01:50
「ここは…」
どうやら気を失ってしまっていたらしい、柳川裕也は戸惑いながら身体を起こす、夜風の冷たさが身にしみる。
あの黒山のような蟻の集団に襲われ、追撃を断念し、命からがら川に飛び込んだのだ。

「こっぴどくやられてしまったな」
あの蟻どもめ…振り払っても振り払っても無駄だった…しかも人の血の味を覚えているらしい。
あの時、川に飛びこまなければこんなものではすまなかっただろう。
そこでようやく柳川は気がつく、自分の身体にきっちりと包帯が巻かれているのを、
この島で自分を助けるような人間など想像がつかない、一体誰が…

「気がつきましたか」
声の方向に目をやると、20代前半くらいの大人しい女性が紙コップを持ってやってくる。
何故俺を…と言いかけて柳川は気がつく、女の腰にぶら下げているレーダーがまるで無反応だ。
(レーダーが壊れているのか、なるほど)
「お水を汲んできました、どうぞ」

女性はおずおずとコップを差し出す、柳川はそれを受け取り軽く飲み干すと、
そのまま女性の腰のレーダーを取る。
「このレーダーは壊れているな…代わりを準備させよう」
「代わり…?」
そう言いかけて女性は悟った、目の前の男の正体を。
「あなたが鬼…なんですか?」
「ああ」
女性は逃げようともしない、逃げてもムダな事を分かっているのだろう。
だが、柳川は女性を捕らえようとはしなかった。
「私を捕まえないと何か困ることになるんじゃないのですか?」
「いや、君には恩がある、だから今回は見逃す…だが次は容赦はしない」
女性の言葉に即答する柳川。
適度に血を流したのがよかったらしい…鬼の血が目覚めるまでにはまだ余裕がある、
だからその前に言っておかなければ…。
柳川は背中越しに女性に話し続ける。

「とりあえず遺跡には行くな…とりあえず助かりたいなら北に行け、まだ比較的安全だ」
「それから連絡しておいた、しばらくここで待てば使いの者が新しいレーダーをもって来るだろう」
「君の名前は?」
「長谷部彩です」
「俺は柳川裕也、出来れば君が無事逃げられる事を祈ってる、この恩は忘れない…だが」
そこで振り向く柳川、その鬼気迫る表情に彩は息を呑む、まるで人間以外の何かのようだ。
「次に俺を見たら絶対に逃げろ」

こうして彩から別れた柳川は、スタッフから新しいレーダーを受け取った彩が言いつけ通り
北に向かうのを確認してから、自分は南へと向かう。
「これでいいんだろ?貴之」

【柳川裕也(鬼)   現在場所 島南部山中麓から南に 残りノルマ 十人】
【長谷部彩   所持品 医薬品全般  現在場所 島南部山中の麓付近から北に】

745 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/10(月) 01:51
連続投稿お疲れ様でした、短めですが僕もUPさせていただきました。

746 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/10(月) 02:03
>>744
意外と、紳士だ、柳川w

あと、柳川裕也のノルマは九人だよ。
まあ、前の話を書いた人のミスだけど。

747 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/10(月) 06:58
>>723 Destiny Maker (2/2)
今更だが指摘。
>彼女の双子の妹である来栖川綾香が、
よく間違えられるが、芹香と綾香は双子ではなく普通の姉妹。

748 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/10(月) 19:53
石原麗子はあくまでも自爆だから、柳川のノルマにはカウントされないだろ?

749 名前: 魔弾の射手 投稿日: 2003/11/10(月) 20:58
事務所の中で肩を寄せ合い震える澪とあさひ、式はそんな2人へと無造作に近寄る。
その時、式はふと背後に気配を感じた。
だが、式はその気配の主を嘲笑する、なぜなら気配を絶っているとはとうてい思えぬほどの
みえみえの気配だったからである、しかも彼女が望むところの強敵特有の闘気も大して感じなかった。
(まぁいい、こいつらを狩ってから始末してやる)

式は背後には構わず、先へ先へと進む、もう獲物はすぐそこだ…だがその時だった。
風切る音とほぼ同時に自分の側面で爆音、と同時に月明かりに照らされた路面に映る影がぐらりとゆらめいたのだ。
(今の音は弓の音…だが)
式は何が起こったのかも分からず、爆音の方角を見、そして爆音と影が揺らめいたわけを知った。
矢は彼のちょうど側面の高台にあった、観覧車の老朽化した柱に命中したのだ、
しかも鏃に爆薬が仕掛けられていたらしい。
爆発が収まると同時に観覧車がぐらりと揺れて、式の方へとばらばらと崩れていく。
無論、容易く回避する式だったが、埃が晴れたときにはすでに2人の姿は見失っていた。

「逃がしたか、だがしょせん雑魚だ…」
それにしても…式は気配の方向と実際の着弾位置を確認して困惑の表情を浮かべる。
自分に間違いがなければ、常識では理解できない弾道で矢が飛んできたことになる、
まさかあの位置から射ってきたと言うのか…信じられない。

「面白い…まだ俺の見知らぬ使い手がいるようだな」
式は禍禍しく唇を歪めて笑う、この少女にとって強敵の出現は脅威などではなく
まさに喜びといってもよかった。
「なかなか面白いものをみせてもらった、この次まで勝負は預けた」
遊園地中に響き渡るような大声で言い放つと、式は悠然とその場を立ち去る。
満面の笑みを浮かべて。

一方、それからしばらく遅れて、遊園地を脱出した澪とあさひは不思議そうに顔を見合わせる。
「助かったの…かな?」
「あ、大丈夫だったんですか」
声の方向を見て2人は言葉を失う、そこにいたのはまるで猫耳のような奇妙な髪型、
そして何故か尻尾を生やした女の子だった。
「私は皆瀬珠姫っていいますう」
そう言ってぺこりと頭を下げる珠姫、首にかけられた鈴がちりんと鳴った。

「何か光が見えたからこっちに来てみると、お2人が追われてたから、助太刀しちゃいました」
「ありがとう…ございます」
(この制服白陵柊だよね…白陵柊ってかなりの進学校だったような気がするけど、やっぱりコスプレかな?)
まんまコスプレの珠姫の姿に圧倒されながらもあさひは何とか彼女とコミュニケーションを取ろうと努力している。
澪は口が利けないし、それに今の彼女は話を聞きながらも、珠姫の尻尾の興味津々といった感じで、
おちつきなく視線を動かしている。
(私ががんばるしかないのか…)

「でもすごいですね…あんな場所から…というより」
あさひは何かに気がついたらしく、あきらかに戸惑いの表情を見せる。
珠姫の言う位置は命中した観覧車からみて、ほぼ直角といってもいい所だった。
いくらなんでも弓で狙うには無理がありすぎる。
「私あがり症で、相手の足元を狙うつもりが失敗しちゃったです」
照れ隠しに笑う珠姫、それを見ながらあさひと澪は首をかしげる。
どう失敗すればあんな場所に当たるのだろうか?
「ねぇ…」
(いい人だと思うけどあんまり弓の腕は信用しないほうがいいと思うの) 
「そうだね…」

【皆瀬珠姫 所持品 爆薬つき弓矢(残り9本・爆薬は取り外し・調節可能) 現在位置 島北東部の遊園地外】
【上月澪   所持品 ラジオ(バッテリーなし。乾電池でも動きます)現在位置 上に同じ】
【桜井あさひ 所持品モ デルガン&44マグナム   現在位置 上に同じ】
【両儀式(鬼)  現在位置 遊園地を出た後は不明  残りノルマ7人】

750 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/10(月) 21:41
>>748
微妙だ、かなり微妙だ。
『正しき勇気を』を書いた俺としては、『鬼に投げた』という表現などで示したように、カウントするつもりで書いた。
なのに、ノルマ十人とミスって書いたのは正直ゴメン。
次に柳川を書いた人に任せましょう。どっちで良いと思います。

751 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/10(月) 23:30
>>749
皆瀬珠姫じゃなくて珠瀬壬姫。
どういう間違え方だ。

752 名前: 魔弾の射手(修正) 投稿日: 2003/11/10(月) 23:48
事務所の中で肩を寄せ合い震える澪とあさひ、式はそんな2人へと無造作に近寄る。
その時、式はふと背後に気配を感じた。
だが、式はその気配の主を嘲笑する、なぜなら気配を絶っているとはとうてい思えぬほどの
みえみえの気配だったからである、しかも彼女が望むところの強敵特有の闘気も大して感じなかった。
(まぁいい、こいつらを狩ってから始末してやる)

式は背後には構わず、先へ先へと進む、もう獲物はすぐそこだ…だがその時だった。
風切る音とほぼ同時に自分の側面で爆音、と同時に月明かりに照らされた路面に映る影がぐらりとゆらめいたのだ。
(今の音は弓の音…だが)
式は何が起こったのかも分からず、爆音の方角を見、そして爆音と影が揺らめいたわけを知った。
矢は彼のちょうど側面の高台にあった、観覧車の老朽化した柱に命中したのだ、
しかも鏃に爆薬が仕掛けられていたらしい。
爆発が収まると同時に観覧車がぐらりと揺れて、式の方へとばらばらと崩れていく。
無論、容易く回避する式だったが、埃が晴れたときにはすでに2人の姿は見失っていた。

「逃がしたか、だがしょせん雑魚だ…」
それにしても…式は気配の方向と実際の着弾位置を確認して困惑の表情を浮かべる。
自分に間違いがなければ、常識では理解できない弾道で矢が飛んできたことになる、
まさかあの位置から射ってきたと言うのか…信じられない。

「面白い…まだ俺の見知らぬ使い手がいるようだな」
式は禍禍しく唇を歪めて笑う、この少女にとって強敵の出現は脅威などではなく
まさに喜びといってもよかった。
「なかなか面白いものをみせてもらった、この次まで勝負は預けた」
遊園地中に響き渡るような大声で言い放つと、式は悠然とその場を立ち去る。
満面の笑みを浮かべて。

一方、それからしばらく遅れて、遊園地を脱出した澪とあさひは不思議そうに顔を見合わせる。
「助かったの…かな?」
「あ、大丈夫だったんですか」
不意にかけられた声の方向を見て2人は言葉を失う、そこにいたのはまるで猫耳のような奇妙な髪型、
そして何故か尻尾を生やした女の子だったからだ。
「私は珠瀬壬姫っていいます」
そう言ってぺこりと頭を下げる壬姫、首にかけられた鈴がちりんと鳴った。

「何か光が見えたからこっちに来てみると、お2人が追われてたから、助太刀しちゃいました」
「ありがとう…ございます」
(この制服、白陵柊だよね…白陵柊ってかなりの進学校だったような気がするけど、やっぱりコスプレかな?)
まんまコスプレの壬姫の姿に圧倒されながらも、あさひは何とか彼女とコミュニケーションを取ろうと努力している。
澪は口が利けないし、それに今の彼女は話を聞きながらも、珠姫の尻尾に興味津々といった感じで、
おちつきなく視線を動かしている。
(私ががんばるしかないのか…)

「でもすごいですね…あんな場所から…というより…」
あさひは何かに気がついたらしく、あきらかに戸惑いの表情を見せる。
壬姫の言う位置は実際に矢が命中した観覧車からみて、ほぼ直角といってもいい所だった。
いくらなんでも弓で狙うには無理がありすぎる。
「私あがり症で、相手の足元を狙うつもりが失敗しちゃったんです」
照れ隠しに笑う壬姫、それを見ながらあさひと澪は首をかしげる。
どう失敗すればあんな場所に当たるのだろうか?
「ねぇ…」
澪がそっとメモ帳をあさひに見せる。
(怪しい人じゃないと思うけど、あんまり弓の腕は信用しないほうがいいと思うの) 
「そうだね…」

【珠瀬壬姫 所持品 爆薬つき弓矢(残り9本・爆薬は取り外し・調節可能) 現在位置 島北東部の遊園地外】
【上月澪   所持品 ラジオ(バッテリーなし。乾電池でも動きます)現在位置 上に同じ】
【桜井あさひ 所持品モ デルガン&44マグナム   現在位置 上に同じ】
【両儀式(鬼)  現在位置 遊園地を出た後は不明  残りノルマ7人】

753 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/10(月) 23:48
>>751
すまん・・・

754 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/11(火) 20:46
>>743
おれはそのつもりで書いたけど、宗一が西から東に移動したというのもありだな。
次に月島・聖を書く人にまかせる。

755 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/11(火) 21:17
尊人とあゆのその後が気になる・・・・

756 名前: 彼女の理由 投稿日: 2003/11/11(火) 23:59
「そんなことがあったんですか。災難でしたねー」
感心したような口調で琥珀は何度もうなずいた。
「でも今日一日鬼に出会わずにすんだっていうのはやっぱり幸運ですよ」
「そうかな?」
「はい、わたしなんか一度危うく捕まるところでした」
「逃げられたんですか?」
「逃げれなかったら、わたしこんなところで冬弥さんとお話してませんよー」
「そりゃそうですね。それにしても、ゲートを出てすぐに琥珀さんに会えたのは本当に幸運ですよ。
だってここがどこなのかもさっぱりわからなかったんだから」
「それを言うなら、わたしもラッキーですよ。冬弥さんに会えたおかげで島の脱出の仕方が
わかったんですから」
くすくすと琥珀はおかしそうに笑う。
「さ、お茶が入りましたからどうぞ」
焚き火の上にかけた手鍋でわかした茶をコップに入れて、琥珀は差し出す。
普通の茶より緑がきつくてどろっとしている。
一口すすって、冬弥は顔をしかめた。
「苦っ・・・あ、すいません」
「やっぱりちょっと苦かったですか。元気が出るようにここら辺に生えてるお薬になる
野草を混ぜてみたんですけど」
「薬草の区別ができるんですか?」
「はい、こう見えてわたし薬剤師の資格もってますし、お屋敷でも家庭菜園を作ったりしてますから」
こういうサバイバルなことで役に立つとは思いませんでしたけど、と言いながら、
琥珀は鍋をおろして火の勢いを弱める。
「この森は食べられるキノコがけっこうありますよ。明日になったらお教えしましょうか。毒キノコも
いっぱいありますけどねー」
「・・・遠慮しときます」
「冗談ですよ。キノコは生えてません。あるのはワラビとかで・・・」
また、琥珀は楽しそうに笑いながら野草の説明をする。
その顔を見ていると、なんだか知らず知らずのうちにまぶたが落ちてきた。
まだ九時ぐらいなのだから眠くならないはずなのにおかしい。
(なんだかんだで疲れてるのかな)
ことんと、冬弥は頭を垂れた。

757 名前: 彼女の理由 投稿日: 2003/11/12(水) 00:00
「冬弥さん、冬弥さん」
揺すられて冬弥は目覚めた。
「毛布もかけないでうたたねしたら風邪ひいちゃいますよ。寝床作っておきましたから、
寝るならこちらでどうぞ」
木の根元に、落ち葉を集めて作った敷布団のようなものがある。
「どうもすいません」
あくびをして冬弥はそこに寝転がる。琥珀がそれに毛布をかけてくれた。
もう一度お礼を言おうとしたとき、冬弥はふと違和感を覚えた。
目に入る景色のなにかがおかしい。
(月ってあんなところにあったっけ?)
ほとんど真上まで満月が昇っている。だとすると、数時間はうたたねしていたことになる。
(気のせいだよな)
違和感をそうすませて眠りにつこうとした冬弥に琥珀が声をかけた。
「変なこと聞きますけど、さっき何を話してたか冬弥さん覚えてます?」
「そりゃ覚えてます・・・あれ?」
薬剤師の話は覚えている。だが、その前の記憶がすっぽりと抜けている。なにか大切なことを
話したはずなのに。
(こういうときは朝から順番に記憶をたどっていけば・・・)
この島に連れてこられて、鬼ごっこをやらされた。飛ばされた先は離島でそこで誰かに会って・・・
「・・・なに話したっけ」
「やっぱり熱があってちょっと記憶が混乱してるみたいですね。今晩はぐっすり眠って休んでくださいな。
見張り番はわたしがしておきますから」
記憶を戻したいという気持ちより、眠りたいという欲求が強かった。
眼をつぶると、すぐに冬弥は深い眠りに落ちた。

758 名前: 彼女の理由 投稿日: 2003/11/12(水) 00:00
冬弥が寝息を立てるのを確認すると、琥珀は荷物をまとめだした。
「けっこううまくいきましたね」
冬弥に飲ませた茶には、街の薬局で見つけた薬を調合して作った強力な睡眠薬と精神不安定剤を入れていた。
それで寝入った冬弥に、かって志貴にしたように暗示をかけて港にモーターボートがあることと、
暗証番号の入ったフロッピーが存在することを忘れさせた。
冬弥は片っ端からみんなに声をかけてフロッピーを探すべきだと言ったが、琥珀は逆の考えだった。
モーターボートに乗れる人数には、当然制限があるはずだ。もしモーターボートを見つけたとき
その場にいるのがそれをはるかに超える人数だったらどうなるか。
話し合いですんなり決まるとは考えにくい。だれだってこんな島からは一刻も早く逃げ出したいはずだ。
最悪、もめて参加者同士で殺し合いが始まりかねない。
だから、フロッピーの捜索はこの島に来る前からの知り合いだけの少数人数で行うべきなのだ。
「即席の薬ですしそんなに長い時間暗示もかけてないですから一日ぐらいで思い出すでしょうけど、
時間稼ぎにはなりますね」
それを話した琥珀が間近にいるとなると記憶の回復はなお早まるかもしれない。
だから琥珀はそっと立ち去ろうとしていた。
冬弥への置き書きとして、わけあって先に立ちます。ごめんなさいと紙に書いて枕元に残しておく。
具体的な理由を書くより、こうしたほうがあちらで勝手に理由を考えて納得してくれるだろう。
焚き火を消してリュックを背負うと、気持ちよさそうに寝息を立てる冬弥の顔を、もう一度眺める。
ここで琥珀が記憶を消したことが致命的な差になって、冬弥は島を脱出できないかもしれない。
そうなったとき、冬弥はどんな顔をするだろうか。泣くのだろうか。わめくのだろうか。
それとも、かっての自分のように何の感情もなくなった顔で静かに絶望するのだろうか。
琥珀は、冬弥に深々と頭を下げた。
「本当にごめんなさい。けど、やっと生きるのが楽しいとかうれしいって思えるようになってきたんです。
わたしはなにをやっても、翡翠ちゃんと志貴さんと秋葉さまと四人で暮らすあの生活に絶対に戻ると
決めたんです」
冬弥だけでなく、昼間にあざむいた浩平や舞・聖たちにも心の中で琥珀は謝っていた。
それになんの意味もないことなど、琥珀自身がわかっていた。それでも、謝らずにはいられなかった。
言い終わると、もう振り向かずに琥珀は立ち去った。


【琥珀  所持品 不明  現在位置  北部森】
【藤井冬弥  所持品 不明  現在地  北部森】

759 名前: 涙の跡(1/2) 投稿日: 2003/11/12(水) 03:08
「すー」
 自分の寝息が蝉の大合唱に包まれ溶けていく。
(だめだわ、眠れない……)
 高瀬瑞希は、緊張のあまり眠れない自分が歯がゆがった。

 瑞希と川名みさきの両名は、森の中で横たわっている。
 歩き疲れたので、今日の散策は終わりにしたのだ。枕代わりにリュックを使っている。
 思ったより虫がいなくて助かった。それでも、夏だから蝉の鳴き声は五月蝿いが。

 横になった後も、みさきさんは、しばらくの間『浩平君』という人間のことを嬉々として話してくれた。
 それだけでも数時間ぶっ通し。
 いい加減ネタが尽きると、次は極悪人の親友について話してくれた。
 まあ、面白かったのは認める。延々聞きっぱなしなのは耳が疲れたが。
 みさきさんは口が上手いなと思う。常に冷静だし。
 みさきさんの元気さは、知らず知らずの内に何度か勇気付けられた。
 こんな状況、しかも盲目、それでも笑顔であり続ける。相当の度胸がないと出来ないと思う。
 それに比べて、あたしは……。
 眠る事さえ恐くて不可能だった。
 もはや情けないとさえ思わない。ちょっと諦めモードに入っている。
 ただ、みさきさんを頼もしく思う。


(神様、和樹と会わせて下さい。いや、そこまで贅沢は言いませんから、大志ぐらいにはせめて……)
 ついには神頼み。しかも、これも弱気である。
(ああ、もう。早く寝よう)
 考えるのも嫌になって、寝返りをうつ。頭の中の不安を無理やり追い出した。
 でも、やっぱり眠れない。
(助けて、和樹)
 徹夜になりそうだ。瑞希はげんなりする。

――ぎゅっ
 (!?)
 いきなり、誰かに手を握られる。
 驚きで声をあげてしまいそうになった。
 でも、目を開けないままその手を握り返す。握った主は想像がつく。
(たぶん、みさきさん。心配かけたのかな?)
 おそらく、あたしの不安を見抜いたんだろう。みさきさんならあり得る。

 でも、変だ。
(何で……?)
 もし、あたしを安心させるのなら、
(どうして、こんなに震えているの?)
 あたしは目を開けた。

760 名前: 涙の跡(2/2) 投稿日: 2003/11/12(水) 03:11
 みさきさんは怯えていた。
 たぶん、トイレの時のあたしなんかよりはるかに。
 顔は汗がだらだらと流れ、手はガタガタと震え、口はブツブツと小声で何かを呟いていた。
「嫌だよ、恐いよ、こんなとこいたくないよ、助けて、嫌、雪ちゃん、浩平君、嫌、浩平君、嫌、嫌、嫌だよ」
 元から焦点の合わない目に涙を浮かべ、みさきさんはずっと呟き続けていた。
 尋常でない怯えよう。
 鬼の存在とか、独りだとか、盲目だとか、そんな簡単な原因じゃないと悟る。
 たぶん、みさきさんはあたしの知らない何かが原因で怯えている。

 そして、気付いた。
 知り合ってから今まで。あたしは、自分から彼女について知ろうとしたことが一度もない。
 知っているのは名前と二人の親友。それらは向こうが勝手に喋ったことだ。
(あたしは無意識に避けていた……?)
 自分に怯える。
 もしかして、あたしは最後には見捨てる気でいたかもしれない。
 それはとても恐ろしい想像だけど、何故か否定できなかった。

「みさきさん……」
 あたしは思わず呟いていた。
 みさきさんがハッと驚いたように手を離す。
 そして、素早く笑顔に切り替える。その動きがあまりに自然で手馴れていて、だからこそ余計に痛々しかった。
「ん? まだ、起きているのかな?」
 笑顔で聞いてくる。
 あたしは何も答えなかった。
「どうしたの? 瑞希ちゃんだよね? 意地悪しないで答えてよ。浩平君じゃあるまいし」
 あたしは何も答えない。
「寝言だったのかな……」
 彼女は音でしか周囲を認識できない。
 だから、人の目なんて気にしないと、勝手にそう決めつけていた。
 素直で、正直で、全然恐がっていないと思っていた。
 彼女は不審そうな顔をする。その表情に先ほどの怯えの面影は見られない。
 でも、私は確信する。
 今まで、あたしに向けていた笑顔は全て偽りだったかもしれない。
 だって、みさきさんの目には涙の跡が残っている。
 あたしの葛藤はたぶん筒抜け。見捨てられる恐怖と戦いながら、みさきさんは笑い続けていた。
 本当に、みさきさんはあたしなんかより強かった。

 気付いたら、あたしはみさきさんを力一杯抱きしめた。
「うわっ……! 瑞希ちゃん?」
 みさきさんが驚いたように声をあげた。構わず、腕に力をいれる。
 そして、ただ名前を呟く。
「みさきさん」
 いつのまにか、私も涙を流していた。
「瑞希ちゃん、恐いの?」
 みさきさんが優しく尋ねてきた。
「ええ」
 あたしは短く答える。涙は止まらない。
 みさきさんはあたしの背中をさすりながら、諭すように言う。
「恐がらないでいいよ。私は足手まといにしかならないけど、傍にいてあげることぐらいは出来るから」
 その言葉で心を抑えていた枷が外れた。
 形容しがたい感情が胸のうちから湧き出てくる。
 あたしは首を横に振る。見えてないことは承知の上だ。
「み、みさきさん、は……」
「なに?」
 言葉にならない。でも、絶対に言っておきたかった。
「あ、足手まといなんか、か、じゃないっ!」
 あたしは泣きながら叫んだ。否定するように激しく首を左右に振り続ける。
 みさきさんの顔は驚きの表情でいっぱいになる。
 その顔も視界が滲んで見えなくなっていく。


 荘厳な鐘の音が島に響き渡る。参加者のセンサーが静かに淡い光を放っている。
 そんな中、嗚咽を繰り返す少女、その少女を何とか宥めようとするもう一人の少女がいた。
 彼女は、困ったように顔をしかめ、アタフタと手を動かしていた。腕の中の少女を泣き止ませようと必死である。
 鐘の音も、今の彼女の耳に届くことはない。
 ただ泣き続ける少女のことを想う。

 その目にはもう涙の跡は残っていなかった。

【高瀬瑞希 所持アイテム メイドロボ用レオタード(防弾・防刃・耐熱・耐衝撃効果あり)
                 メイドロボ用耳アンテナ(索敵範囲上昇)  現在位置 島北部の森】
【川名みさき 所持アイテム なし  現在位置 島北部の森】

761 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/12(水) 07:25
乾一子 片瀬健二 穂村愛美
澤倉美咲 篠塚弥生 江藤結花 牧部なつみ
湯浅皐月 伏見ゆかり 立田七海 梶原夕菜

現在、未登場キャラ

762 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/13(木) 00:40
七瀬といるの宗一以外のルーツキャラにすればよかった。

763 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/13(木) 01:34
>>756-758
こはっきーさんがいい感じ出してる!

764 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/13(木) 18:55
琥珀さん良いな。
参加者としては、イマイチパッとしない月勢のホープとして頑張って欲しい。


……謀略を(ボソッ

765 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/13(木) 23:16
構想してる話はあれど時間が無い・・・
週末に1話くらいはUPできたらいいかな・・・・

766 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/13(木) 23:45
>>765
がんがってください。

767 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 03:14
あゆの続きプリーズ!!

いや、続きが気になってね。

768 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 06:25
>>767
月宮か大空寺かどっちなんだろう・・・?

769 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 06:29
もっとがんがん殺しあってくれないとつまらんよ・・・

770 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 06:47
おはようございます
大空寺と尊人についてはかなり無責任なバトンの回し方を
してしまったなと、今にしては思います・・・・
一応構想はあるんだけどね。

でも、次に書くのは別のキャラの話になると思います。
未登場キャラ・・・・う〜ん、出ないなぁ。

771 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 06:50
まぁ・・・とりあえず
他に書いてくださる人がいればありがたいのですけど・・・>大空寺&尊人

772 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 08:57
>>703
さっちんが親だから森川はさっちんに逆らえないので
くむこと自体は可能
ただし対等のコンビネーションではなく
主従関係だがな

773 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 13:33
親殺しとか親に反抗する吸血鬼もいるから別にこだわなくてもいいと思うけどね

774 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 18:11
そんな成り立てで逆らわれてもなあ・・・

775 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 18:20
でもこのリレーでの由綺の死徒設定はさっちん以上のポテンシャルらしいから。
しかし、捏造固有結界とかもでちゃうんかねぇ……

776 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 20:13
>>775
ごめん、おれ思いっきり出すつもりだった。

777 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 20:16
名前だけのニ十七祖だす奴がいるぐらいだからねえ・・・
枯渇庭園とか出す奴が出ない事を祈る。
どでーもいいが、駄目展開全てに月が絡んでる気がするんだが・・

778 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 20:17
>>776
アホ

779 名前: 778 投稿日: 2003/11/14(金) 20:22
ごめん、ほとんど条件反射で書き込んでしまった。
不穏当な言葉書き込んですみませんでした。

でもな、ただでさえ由綺がさつき以上のポテンシャルとかいう超俺設定に付合わされてるのに、その上をいくオリジナル設定に付合わされるほかの書き手の事を少しは考えてくれないかね?

780 名前: 776 投稿日: 2003/11/14(金) 20:43
出すと思ってたと言っても
「さっちん以上のポテンシャルか〜。だったら固有結界も使えるのかな〜。なんかアイデア浮かんでみたら出そうかな〜」
程度のものなんでなんも決まっちゃいないんで。出すなというなら出しません。

781 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 20:52
結局、由綺の能力は超人的な体力と簡単な魔眼だけってことで進めるんだよな?

782 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 21:44
まぁ、十万人に一人だからね、確率的には
これ以上増えなければいいと思うよ、逆に一人くらいならいてもおかしくない。
でも、固有結界についてはねぇ・・・
枯渇庭園にしても詳細が不明なわけで、その上オリジナルの固有結界なんて
出そうものなら、結果は言わずと知れたことになるだろうね。

783 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 22:54
それ以前に、枯渇庭園が何なのかも解らない俺は駄目っぽい?

月姫はプレイ済みのはずなのに……(;´Д`)

784 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/14(金) 23:02
>>783
普通は知らない。さっちんシナリオでさっちんが使ってる固有結界で効果はたしか範囲内の水分を吸い取るだったかな?
第二回人気投票のさっちんの紹介で名前だけ出てる。
旧BBSで考察の果てにこの正解に至ってしまい奈須が大慌てしたとか。

785 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 00:11
イメージ的にはワンピースのクロコダイルらしい。

786 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 00:37
ニトロさえ入ってれば戦力で月に対抗できるたのになあ・・・
電磁発剄とかヴェドゴニアとかファントムとかロボとか・・う〜んやぱ殺伐としすぎて駄目か・・

てか何故混沌でなくて朱鬼神なのか、東鳩でなくて、根源なのか。

特に根源、誰もだせないのなら素直に東鳩にしとけばいいのに・・

787 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 00:59
根源は希望者が多かったので
でもその割りに誰も書かない・・・自分は知らないとたしか宣言してたように思う
だから根源に関しては他の人に書いてもらうしかない。
というわけでこれから新作書きます

788 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 02:06
根源は主人公と鬼以外は無しにすればいい。みずいろみたいに。
今ならまだ間に合うかも。

789 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 02:13
根源ってなに?

790 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 02:15
ああルーツのことか。

791 名前: Stay With Me(その1) 投稿日: 2003/11/15(土) 02:41
「ん…っ」
鳴り止まない虫の声に起こされるようにスフィーはゆっくりと目を開ける。
「あれ?」
スフィーは不思議そうに周囲を見る。
おかしい…こんなに早く目覚めるはずはない、少なくとも深夜までは目が覚めることはありえないはずだ。
失った魔力を補充でもしない限りは。
補充…その言葉を思い出すと同時に、自分の腕に見覚えのある黒い腕輪が嵌っているのを確認するスフィー、
この腕輪は魔力、いわば生命や精神のエネルギーを対象の相手に供給する能力がある。
そして自分に嵌っているのは、かつて健太郎が嵌めていた…そう、受ける側の腕輪だった。

「けんたろ!けんたろ!」
自分とそして健太郎の身に何が起こっているかを完全に理解したスフィーは、泣きながら恋人の名前を呼ぶ。
すると先程まで動かなかった足が動くようになる。

スフィーの顔色がますます悪くなっていく、消耗しきった今の自分は、乾いたスポンジが水を吸うかのように
健太郎の生命力を吸い取っていってる、早くやめさせないと。
ずるずると地べたを這いずりながら、必死で健太郎の姿を探すスフィー。
と、しばらく進むと木陰にうずくまる人影が見えた。
「けんたろ?…」

「やぁ…起きたか、水汲みに行こうと思ったら気分が悪くなっちまってさ」
口調だけは元気だが健太郎の顔面は蒼白で、まるで今にも倒れてしまいそうだ。
その腕には、やはりスフィーの物とおそろいの黒いリングが嵌められていた。
「やめてっ!こんなのしなくってもいいからっ!」
スフィーは慌てて健太郎からリングを取り外す。
健太郎はぽろぽろと涙をこぼすスフィーの髪を、やさしく撫でながら話し出す。
「貰った命を返しただけさ…それに俺うれしいんだ、俺の命がスフィーに流れこんでいるってことは
 俺たちは文字通り命を分け合っているってことなんだ…から」

792 名前: Stay With Me(その2) 投稿日: 2003/11/15(土) 02:47
「そんなのいらないよ!けんたろの命はけんたろの物なんだよ!こんなの期待して生き返らせたわけじゃないよ!」
「だからもうこんなことしちゃだめだよ!けんたろが死んだら、その時は今度は私も一緒に死ぬ!
 本当なんだからぁ!離れ離れになるくらいならその方がマシだもの」
健太郎の胸の中で泣きつづけるスフィー、健太郎はそんなスフィーを強く抱きしめてやる。
「それに…けんたろの力じゃ焼け石に水なんだよ…今から説明するね」

「気を失う前に言いかけたことなんだけど、今度はわたしが力を分けてもらうことになるんだよ
 今、けんたろが私にやったみたいに」
「今やったみたいにって…」
「あ、大丈夫大丈夫、ここには何故か人間だけどすごいエネルギーを秘めた子がたくさんいるから」
スフィーは参加者リストを開き、一人の少女の写真を示す、その下に神尾観鈴と名前が記録されていた。
この子を見つけてきて欲しかったんだ、あのホールですれ違っただけでも凄いエネルギーを感じたから」
「この子ならいいのか?」
「うん、むしろこの子の中にあるエネルギーは人間の肉体では支えきれないの、多分もう精神には
何らかの負荷がかかっているはずだし、肉体もいつ崩壊してもおかしくない状態なんだよ」
「だからこのままだと、この子は長くないと思うからその前に少しでもエネルギーを抜いてあげないと」

「あと、この子も凄い力を秘めてるような感じがしたよ」
別の少女の写真を指差すスフィー、今度の少女の名前は月宮あゆと書かれている。
「なんかここにはそんな不思議な何かを秘めた人達が多く集められているみたい、どういうことなんだろ?」
考え込むスフィー、考えたところで分かるはずも無いのだが…。

「ところで、もう大丈夫なのか?」
話が一段落したところで健太郎がスフィーに尋ねる。
「うん、ここまで来れば、多分もう一眠りすれば普通に動けるくらいにはなれると思うよ」
「じゃあ…寝るか」
その言葉を聞いたスフィーはいつも通り、健太郎に“お休み”のキスをねだる。
そしていつも通りそれに応じる健太郎、しかも今のスフィーの外見は少女…いや幼女といってもいい。
スフィーもまたそれを意識しているのだろう、キスは自然濃厚なものとなっていった。
そして2人は抱き合ったまま、至福の表情で眠りにつく。
だが、幼女状態でしかもスクール水着のスフィーを抱きしめて眠る健太郎の姿は、
何も知らない人が見た場合、性の悪いペド野郎と思われても仕方がなかった。

【宮田健太郎【睡眠中)    所持品 不明  現在位置  島南西部の森】
【スフィー(睡眠中)       所持品 不明 スクール水着  現在位置 島南西部の森】

793 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 05:27
>>782
10万に一人ってふつうのグール過程へての死徒だろ?
さっちん達みたいにすっ飛ばせるぐらいの資質もちは
もっと果てしなく少ないと思われまづ。

794 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 10:39
根源とか言う香具師初めて見たよ・・・

795 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 19:29
>>786
ネロはコンゲームと同じ理由で出しにくい。

796 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/15(土) 23:59
根源はだせんなら鬼のリサも含めて東鳩と総入れ替えすれば?

鬼の代わりは柳也かDにでもしてさ。

後乾一子も除外じゃね?エディにあんだけクレームついてたのに登場回数一桁のこの人が参加者に含まれてるのは不思議。
実際だれもかきゃしないし。

797 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 00:38
じゃあ、一子のかわりに都古タンでと言ってみる。

798 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 01:07
誰か知らないけど、みんなが書けるキャラか、そうじゃなくても一人で全部書く覚悟があるのならそれでいいんじゃね?

話は変わるが、何気に秋葉と蝉丸のコンビは最強の一角だと思う。
砲台と警備兵って感じ。

799 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 01:07
でも出したいって人があれだけいた以上、どうするのかは
ちゃんと決めるべきだろうね。
それに今の時点でキャラ追加は場が混乱する可能性がある。
もし東鳩を出すならここまでの未登場キャラ全員と入れ替えでなおかつ
多くても5人までという形でいくしかないだろうね。

ルーツ参戦不可となると、今登場している宗一は仕方ないとして
最後の鬼をどうするかだね。
柳也を入れると時間軸の問題がややこしくなる
それとDって誰だっけ?

まぁ、文句言う前に作品投下すべきだろうね、それによって状況も変わるだろうし

800 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 01:14
つーか根源関係の作品キャラが、出したいと言うだけでまったく投下されないからこんな問題が提議されてるわけなんだが・・

801 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 01:20
いずれにせよ出したいと言った人が何らかの形で答えるしかないだろうね
自分はまぁこれだけいるのなら投下されないってことはないだろうって
感じで静観してた。
ちなみにゲーム自体はやってないけど、ある程度ここで活躍して
キャラ情報が出揃えば書けないことはないと思う、自分はね。

802 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 02:06
Dはたぶんうたわれるものに出てきたディーのことだと思われる。
あれは心理描写が難しいと思う。
うたわれやった俺でさえ、何を考えてるのかイマイチ解らんかった。

803 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 02:19
この際、未登場キャラは、片瀬健二以外全部排除は駄目?
美咲さんは彰が脱出した今、絡みは少ないだろうし、弥生さんも由綺が吸血鬼化したので、やられ役以外難しい。
まじアンキャラは健太郎にスフィーフラグが立っているので、無理に使う必要なし。
ルーツキャラと一子&愛美も同じ。
東鳩キャラを入れるかどうかは考え中。

804 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 02:23
書き手の数から考えて
未登場キャラを排除しても、増やすのは反対だなぁ・・・・
増やすにしてもそれほど多くは増やさない方がいいと思う。

805 名前: Under moon 投稿日: 2003/11/16(日) 02:46
「志貴くん・・・」
どのくらい走っただろうか?
弓塚さつきは痛みに顔を引きつらせながら愛しい人のことを考えた。
「志貴くん、志貴くん・・・」
先ほど斬られた傷の痛みはいつまでたっても癒えない
それどころか徐々にカラダを蝕んでいくような気さえする。
「志貴くん、志貴くん、志貴くん・・・」
死ぬ・・?
いや、死ぬわけがない、だって・・・・
「又ピンチになったら助けてくれるって、約束したもんね・・志貴くん・・?」
死なない、きっともう少ししたらどこからともなく現れて彼が助けてくれる。
それだけを心の支えに、さつきは走り続けていた。
そうして、しばらく走り続け、森の出口が見えてきたほどで、ふと、思った。
――志貴くんが助けてくれるのなら、わざわざ逃げる必要なんかないじゃない。
止まる
止まった拍子に、糸が切れた様にさつきは地面に倒れ込んだ。
空には目が覚めるように眩い光を放つ月が出ていた。
「うわぁ・・・・・・」
思わず口から感嘆の声が出た。
「綺麗な・・月・・・・」
魅入られたように月を見た。
辺り一面を照らす月夜
人の気配がまったく無い静寂
なんとなく、さつきは今からちょっと前のこと、自らが吸血鬼になったときのことを思い出した。
そう、あの時も、こんな月明かりの中を歩いていた。
暗かった
寂しかった
寒かった
そして、なにより
お腹が減った。

806 名前: Under moon 投稿日: 2003/11/16(日) 02:46
だから、人を食らった

いけないことだってわかってたけど、一度血の味を覚えたら、後はどうにもならなかった。
たまらなく甘美で、背徳的な感じがして、生きる為だと自己弁護しながらも吸血行為に溺れていった。
徐々に自分が心まで怪物になっていくのをさつきは苦しみながらも心のどこかで喜んでいた。
なぜなら、弓塚さつきにとって、日常とは遠野志貴を眺める以外喜びというものが欠落した世界だったから、そして、自らが怪物となることでようやく、彼女は、ずっと知りたかった、でも解らなかった、遠野志貴に纏わりつく怖さを理解することができたのだから。
それは、死。
そして、弓塚さつきは志貴に纏わりつく死の気配を、理解することによって、一つの結論に達した。
――遠野志貴は自分と同じで、人を殺さないと生きていけない、殺人鬼なのだと
(そうだ、そして私は自然に志貴くんを求めて、志貴くんは自分から私の所へ来てくれて・・そう、今と同じような月明かりの中で―――
「あれ・・?」
記憶が、そこで途切れた
「志貴くんと会って、それで・・・・そうだよ、血を吸って、仲間になってもらったんだ」
今でも覚えている、志貴くんの血の味
とっても、他の食料なんかより、おいしかった――
「それで、終わりだっけ・・?」
―――どくん。
その   瞬間
ワタシの頭の中を、ナニカ嫌な記憶が駆巡った。
ワタシと志貴くんは
暗闇の中で
たたかって
血がいっぱいでて
そして
そして――!
―――どくん!
「違うっ・・・・・!!」
駄目だ、思い出してはいけない、ここから先を思い出したら私は、弓塚さつきは・・・・!
「いたい・・」
急に痛みがぶり返してきた。
「いたいよ・・助けてよ、志貴くん・・・」
既に斬られた部分からどんどん体の灰化は進行おり、回復が追いつかなくなっていた。
己の胸を抑えながら、弓塚は愛しい人の名を呟く。
「志貴くん志貴くん志貴くん志貴くん、助けてよ助けてよ助けてよ助けて……」
その思いは、呪詛に似ていた。

807 名前: Under moon 投稿日: 2003/11/16(日) 02:47
「誰か、いるのか・・?」
不意に、声が聞えた。
はっとなって、そちらを見た。
顔は影になってよく見えないが、その男が着ていたのは、彼女が通う学校の学生服だった。
「志貴くん――!!」
来てくれた
やっぱり志貴くんは私を助けに来てくれたんだ――!
全身を、歓喜が駆巡った。
がばっと、上半身を起こし、最高の笑顔で、彼を迎え入れる。
男子の制服なんざどこも余り変わらない、とか
そいつのシャツのボタンが二つも外された、だらしないものだったとか
左耳に、月の光を受けてキラリとピアスが光り輝いたとか
そういった細かいことは、不幸なことに今の消耗した弓塚さつきの目には、入らなかった。
ただ、嬉しくて、嬉しくてしょうがなかった。
だから
「へ?遠野・・・・?」
その声を聞いた瞬間―弓塚の顔は見るも無残に歪んだ。
「な、んで・・・?」
震える声で、弓塚さつきは怨嗟の言葉を吐いた。
「なんで、あなたなの・・?」
その声音は、低く、空に流れた。
「お前、弓塚、か?」
驚愕に近い響きが含まれた声で、男は言った。
今や男の全身は、月明かりの元に晒されている。
オレンジ色に染めた髪、耳元のピアス。
いつでもだれでもケンカ上等、といった目付きの悪さと反社会的な服装。
学校内の、異端児。
――乾有彦である。

808 名前: Under moon 投稿日: 2003/11/16(日) 02:49

確か去年の秋頃だったか
例の連続猟奇殺人事件の真っ最中。
弓塚さつきが失踪したのは。
前の日が、遠野が有間の家から元の屋敷へ帰った日だからよく覚えてる。
遠野はいつもと変わらず聖人君子よろしくまるで自分の事のように心配していたっけ
その後のことは何も知らない。
ただ週明けに
首筋に熱烈なキスマークをつけ、そして全身打撲だらけで、妙に達観したような顔の遠野を見て
もう全部終わったんだなと、推測しただだけだ。
だから俺が遠野に二度と弓塚の話をすることはなかったし、遠野も俺の前では一度もあの女の名を口にすることはなかった。
俺にとってはそれだけの話だった。

さて、じゃあ今目の前にいるのは一体どういうアレなんだろうな?


「なんで・・志貴くんじゃなくてあなたが出てくるのよ!!!」
半ば、悲鳴に近い絶叫であった。
八つ当たりともいう。
「はあ?」
怨嗟すら篭められた声に有彦は、思わず間抜けな声をあげてから
「そーいうことは遠野に直接抗議してくれ」
と、言った。
自分でも呆れるぐらい、今の状況にそぐわぬ、いつもどおりの態度だった。
もちろん目の前の弓塚の尋常ならぬ怪我と、こちらを見据える赤い瞳にはすでに気がついている。
気がついてはいるが、だからといって怯えたり騒いだりする気にはならなかった。
何故かといわれれば、それが俺だから、としか答えようがない。
まあ、あの時の猟奇殺人騒ぎが『本当に』吸血鬼の仕業だったんだということは、よく実感できたが。
「(足は、生えてるな)」
どうやら幽霊とかそういうたぐいではないらしい
少しだけほっとした。
じゃあなんだろうと考えて、わからないからすぐに止めた。
――どうせ、もう死にかけてることだしな
酷薄な思考ではあるが、口元に残る赤い『食事の跡』を見れば、誰だって同情心なぞわかんだろう。
「(いや、そうでもない、か)」
あの底無しのお人よしなら、おそらくはその膨大な感情量を持って弓塚を許してしまったかもしれない。
いや、あるいは、本当に許した結果がこれなのか?
思わずため息が零れる。
志貴くん 志貴くん 志貴くん 志貴くん 
呪文のようにさつきは志貴の名を呟き続けていた。
「(ま、特に変わったわけでもないか)」
内か外か
視覚か聴覚か
苗字か名前か
変わったのはその程度
本質は、数年間、遠野とその身に纏わりつく死気を食い入るように見つめ続けた。
内気で一途なクラスメートと何も変わりはしなかった。
そして、だからこそ、性質が悪い。
「で?」
――もう何人殺した?
そんな質問をこらえて、ひたすら遠野の名を呟き続けるさつきに向かって有彦は言った。
「今更遠野に会って、どうする気なんだお前」

809 名前: Under moon 投稿日: 2003/11/16(日) 02:51

「え・・?」
不意に掛けられた言葉に、さつきは過敏に反応した。
「今更って。どういう意味?」
どくん、と心臓が嫌な音を立てた。
聞いてはいけない、そう思う自分がいる。
「どういう意味、と来たか」
有彦は僅かに嘆息して、視線を宙に浮かせた。
「何が、いいたいのよ・・」
はあ、はあ、はあ、と荒い息を吐く。
体の灰化も、胸のざわつきも収まらない。
わからない
自分は何を忘れている?
苛立ちが、増す。
「さて、な・・」
腕を組み、真剣に困った表情を有彦は顔に浮かべた。
何をどういえばいいのかわかりかねる、そんな感じだった。
どくん どくん どくん
鼓動が加速する。
数秒ののち、有彦はようやく口を開いた。
「だってお前もう半年以上前に遠野に殺されてんだろ?」
とても、平淡な声音であった。
そして、かちっ、とさ心の欠けていた場所に、ピースがはめ込まれたような
そんな、不快な感触とともに、弓塚さつきは全てを自覚した。

810 名前: Under moon 投稿日: 2003/11/16(日) 02:57
「ああ・・」
本当は、覚えていた。
「そ、う、だよ・・」」
ただ、認めることが怖くて、辛くて、そして寂しかった。
「はは・・」
自嘲的な笑いが漏れる。

志貴くんは助けに来てなんてくれない、だって

――ごめん俺は弓塚を助けられない

弓塚さつきは、とっくの昔に遠野志貴にふられていたんだから

「バカみたい・・」
憑き物が落ちたようだった。
今や、彼女の精神はあの時遠野志貴に抱かれて逝った時に戻ってきていた。
ぐらりと、視界がゆれた。
そして、肉体がしたたかに地面に叩きつけられた。
どうやら―体を斜めに切り裂いたその傷が、ついに体を二つに裂いたらしいが、もうさつきにとってどうでもいいことだった。
急速に体の崩壊がはやまりつつあることを自覚しながら、さつきは言った。

「こんなのって、ないよ・・」

「そりゃあお前に殺された人間のセリフだろうな」
平淡な声で、有彦は言った。
当たり前の話だ。
今日弓塚さつきは単なる食欲で一人の人間を壊した。
だから、もう自分一人不幸面するなんて、許される事ではない。
でも
「酷い」
この現実うことをやめる事は
「酷すぎる・・」
できるわけない
「私は、なんで生きてるの?」

811 名前: Under moon 投稿日: 2003/11/16(日) 03:04
こんな時、あいつならどうしただろうか?
目の前で朽ちていく少女が、無邪気な殺戮者ではなく、どうやら空っぽの抜け殻だったと知ってしまったときに有彦が思ったのはそのことだった。
何も、かける言葉は見つからなかい。
それが、何の意味も持たないと、わかっているから。
彼女が求めているのは、唯一遠野志貴だけなのだから
だから、ただじっと、朽ちていく彼女を見ている。
子供の頃、自分の目の前で舌を噛んだ祖母が死に行く様を眺めていたときと同じように、ただひたすらじっと―
おそらくは、ここらへんが自分と遠野志貴の違いなんだろうな、と、意識の端で実感した。


「これは、夢ね・・」
最早首だけとなった彼女が、言った。
言った、というのは正確では無い。
口の動きを見て、有彦が理解しただけだ。
「全部、悪い夢・・」
何も、言うべきことはないはずだった。
そのまま、見ていれば、全て終わり
でも
「違う」
自然に、有彦の口からは言葉が吐き出されていた
「全部、現実だ」
もう耳は聞えていないはずなのに、弓塚はその言葉に一瞬ぽかんとした表情をして
そして
口を開いた。
ありひこくんは   い、ね
「―――!?」
初めて驚愕の表情を浮かべた有彦を見て
弓塚さつきは満足そうな笑みを浮かべて、散った。
最初から何もなかったかのように、衣服すらも残さず消え去ってしまった。
ただ、夥しい数の文字が刻み込まれた、動物の角が、月の明かりを浴びて、そこに今まで弓塚さつきがいたという痕跡をきっちりと残していた。

【乾有彦  所持品 第七聖典  現在位置 北西部森林の入り口付近】
【弓塚さつき 消滅】

812 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 03:31
有彦と一緒にいたはずの北川はどうしたのか?
まぁ幾らでもフォローは出来るから別に良いけど・・・

それにしても見事だ、緻密なまでの心理描写は俺には到底真似できない。
すばらしい作品です。
ありがとう

813 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 04:00
上手いアル! 凄いアル!
最高アルよ〜!

いや、ゴメン。興奮しすぎた。

814 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 04:07
何故有彦が第七聖典を持っているんだ?
ちゃんと他の作品を読んでからにしてほしかったな
力作なだけに惜しいよ。

815 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 04:09
美凪から貰ったことにすればいい。北川とまとめて。
というわけで、補完話をプリーズ!

816 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 04:20
>だから、もう自分一人不幸面するなんて、許される事ではない

これがいいな。
どうもこういう風に考えてる人が少なくてね。
月姫世界にも、現実のさっちんスキーにもw

817 名前: Stay With Me part2(その1) 投稿日: 2003/11/16(日) 05:52
レーダーが小刻みに震え警報を鳴らす。
もうどれくらいここにいるだのろう?倉庫の中で観鈴たち3人は身を寄せ合い、鬼をやり過ごそうとしていた。
「……リボン」
慧が指摘するかしないかの間に観鈴の金髪がふわぁっと闇に広がる、
懐中電灯だけの暗がりでも、その金髪はとても美しかった。
そして観鈴が解け落ちたリボンを拾おうとしたときには、もう慧がリボンを拾い、
翡翠が観鈴の髪を結い上げる体勢に入っていた。
「神尾様の髪は本当におきれいですね、秋葉様がみたらうらやましがられますよ、きっと」
「ええ…そうかなぁ」
翡翠の言葉に顔を赤らめる観鈴。
「ですよね、彩峰様」
慧も無言で頷く。、
「秋葉さんか…会えるといいなぁ」
「ええ、きっと、もし良ければ遠野家に是非いらしてください」

そんな他愛もない、だが平和な会話の中、慧は観鈴の様子がおかしいことに気がつく。

先程から受け答えをする観鈴の声が震えていた、そしてその目からは涙がこぼれていた。
いや、声だけでない、その全身が震え始めている。
「神尾様?」
心配げに観鈴の顔を覗きこむ翡翠。
「泣いちゃだめ……泣いちゃ、だめ…」
「大丈夫?」
慧も心配そうに観鈴を見る。
観鈴は自分の肩を抱いて、必死になにかを我慢していた、しかし運の悪いことは重なるもので、
その時レーダーの警報音がひときわ大きくなったのだ、と同時に
「うううっ……ううっ、うわぁぁぁぁぁぁぁーーーん」
観鈴は大声を上げて泣き始めたのであった。

その泣きっぷりは凄まじく、その声はおそらく倉庫の外にも聞こえているだろう。
まるで獣のように泣き叫ぶ観鈴。
「落ちついて」
慧はそんな観鈴を抱き締め、その耳元で優しく囁く。
一方の翡翠は心配そうに、レーダーと外をかわるがわる見ている。
「離せーっ」
だが観鈴は慧の顔を思い切り引っ掻く、慧の顔に観鈴の爪が食いこみ、ぽたぽたと血が観鈴の顔に落ちる
それでも観鈴の癇癪は収まらず、慧の顔は傷だらけになっていく、
だが、慧はそれでも観鈴の身体を離そうとはしなかった。

818 名前: Stay With Me part2(その2) 投稿日: 2003/11/16(日) 05:53
「大丈夫だから…」
「彩峰様、レーダーの反応がまた大きくなって…!」
翡翠が注意を呼びかけるが2人の耳には届かない。
結局、観鈴が泣きやんだのはそれからかなりの時間が経った後だった、そして慧は傷だらけになりながらも
決して観鈴を離そうとはしなかった、そしてレーダーの反応も何時も間にか消えていた。

「わたしね……病気なの。小さい頃からずっと」
「病気?」
「うん。わたし、友達ができたり、誰かと一緒に遊べたりすると、ああやって癇癪を起こして泣き出しちゃうの……」
ようやく落ちついた観鈴はぽつぽつと慧に向かって語り始めた。
「なんでそうなっちゃうのか、自分でもわからない、ただ、誰かと一緒に楽しいことができるんだーって思ったら、
 わけがわからなくなって……それで」

「この島で彩峰さんと翡翠さんに出会ったとき、本当はとても怖かった…また泣き出してしまうんじゃないかって
でも大丈夫だった」
観鈴は妙にさばけた、でも悲しげな笑顔で話を続ける。
「一緒に焼きそば作って食べたのとても楽しかった……もしかしてこのまま行けるんじゃないかって思ってた
……けどやっぱり直ってなかった」

「もう迷惑かけないから、ごめんね…私もう行くから」
観鈴は2人に背中を向け、立ち去ろうとする、が、その背中を慧の両腕が捕まえて離さない。
「私は…神尾さんと一緒に行く、そばに近づくのがつらいなら少し離れてでもいいから」
慧の言葉に小刻みに肩を震わせながら応える観鈴。
「私、また泣く……かもしれないよ、そしたら…見つかっ…ちゃうかもしないよ」
「大丈夫…私の友達に大金持ちの子がいるから、いいお医者さんを教えてもらおう」
観鈴の目から再び涙が溢れ始めた。
「これは違うから……嬉しいから、こんなの初めてだから……」
倉庫の暗がりにすすり泣く観鈴の声が響いていた。

819 名前: Stay With Me part2(その3) 投稿日: 2003/11/16(日) 05:54
「彩峰様、ひどい傷です…治療を」
先程から姿が見えなかった翡翠が何時の間にか彼女らのそばにやってきていた。
その手には救急箱があった、どうやら薬を探していたらしい。
翡翠は早速脱脂綿に消毒液を浸し、慧の傷を拭き取ろうとする、だが。
「触らないで…」

慧は翡翠の治療を拒絶する。
「あんた…神尾さんよりも自分が捕まらないかって心配してた」
「…!」
翡翠の顔が図星を突かれて青ざめる。
この場合、翡翠を責める事はもちろん出来ない、だが慧のような人間にとって翡翠の取った行動は
到底許せるものではなかった。
「そんな人と一緒には行けないよ」

今度は翡翠が泣き出す番だった、もちろん彼女も観鈴を心配していたことは心配していたのである。
だが、彼女は目の前の異常な状況に飛びこんでいくだけの覚悟がなかった、それだけである。
「私…わたしだって……怖かったんです…だから……」
泣きじゃくる翡翠、そんな翡翠をしばらく見てから、慧はその肩に手をやる。
「……いいよ、わかったから、傷…お願い」
その言葉で翡翠はようやく救われたような気がした。

だが、彼らは知らなかった
翼人にかけられた呪いはその末裔たる観鈴本人ではなく、その愛する者の命を奪うことが、
目的だということを。
そしてその兆候は早くも慧の身体に現れつつあった。
「…背中が…」
翡翠に傷を拭いてもらいながらも、慧はひりひりと妙な違和感を感じていた。


【神尾観鈴  所持品 殺人トランプ  現在位置 ビルの屋上】
【彩峰慧   所持品 短刀      現在位置 ビルの屋上】
【翡翠    所持品 未定      現在位置 ビルの屋上】

820 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 05:55
本来はスフィーの話と並行して書くつもりだったんだけど
整理する時間がなくって2話に分けました。
でもあんな凄い話の後にUPするのって結構キツイです。

821 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 07:33
>>805-811
Σ(゚д゚lll)ガーン、深夜さっちん半発狂させる方向で書いてて、
もっとダークサイド・殺人鬼側に引き寄せようかと思ったら消滅させられちまったよ…。
チクショウ……、デオクレタ…_| ̄|○

822 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 08:33
まぁ気落ちせずに頑張ってくれ・・・リレーではよくあることさ
でも出し惜しみは本当に禁物だね、やりたいことがあるのなら
それに対しての伏線的な展開も書くべきだろうとおもうし。

823 名前: Undermoon ラスト部分修正 投稿日: 2003/11/16(日) 13:55
こんな時、あいつならどうしただろうか?
目の前で朽ちていく少女が、無邪気な殺戮者ではなく、どうやら空っぽの抜け殻だったと知ってしまったときに有彦が思ったのはそのことだった。
何も、かける言葉は見つからなかい。
それが、何の意味も持たないと、わかっているから。
彼女が求めているのは、唯一遠野志貴だけなのだから
だから、ただじっと、朽ちていく彼女を見ている。
子供の頃、自分の目の前で舌を噛んだ祖母が死に行く様を眺めていたときと同じように、ただひたすらじっと―
おそらくは、ここらへんが自分と遠野志貴の違いなんだろうな、と、意識の端で実感した。


「これは、夢ね・・」
最早首だけとなった彼女が、言った。
言った、というのは正確では無い。
口の動きを見て、有彦が理解しただけだ。
「全部、悪い夢・・」
何も、言うべきことはないはずだった。
そのまま、見ていれば、全て終わり
でも
「違う」
自然に、有彦の口からは言葉が吐き出されていた
「全部、現実だ」
もう耳は聞えていないはずなのに、弓塚はその言葉に一瞬ぽかんとした表情をして
そして
口を開いた。
ありひこくんは   い、ね
「―――!?」
初めて驚愕の表情を浮かべた有彦を見て
弓塚さつきは満足そうな笑みを浮かべて、散った。
最初から何もなかったかのように、衣服すらも残さず消え去ってしまった。
ただ、夥しい数の文字が刻み込まれた、動物の角が、月の明かりを浴びて、そこに今まで弓塚さつきがいたという痕跡をきっちりと残していた。
それが、かつて自分が拾ってきたよくわからない物体の先についていたものだと理解して、自然に有彦はそれを拾っていた。
第七聖典、かつてシエルによって改造を施されたものの原型である、一角獣の角であった。
自らにとって最大の脅威ともいえるその疑念武装を何故弓塚さつきが身につけていたのか
そのことを考え、有彦は無意識的に角を握る手に力を込めていた。

有彦さんいたいですよ〜

そんな声が角から聞えてきたような気がして、思わず有彦はため息をついた。
「雰囲気ぶっこわしてんじゃねーよ、バカ馬」
そう言って有彦は、ポケットに角を突っ込み、周囲の探索のため別れていた北川との合流する為、再び街のほうに歩き出した。

目が覚めるほどのすばらしい月の下での、出来事であった。


【乾有彦  所持品 第七聖典  現在位置 北西部森林の入り口付近→再び街のほうへ】
【弓塚さつき 消滅】

824 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 14:05
第七聖典もうもってる人いることに今更気がついた・・すんません。
もう一回修正します。

825 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 14:16
こんな時、あいつならどうしただろうか?
目の前で朽ちていく少女が、無邪気な殺戮者ではなく、どうやら空っぽの抜け殻だったと知ってしまったときに有彦が思ったのはそのことだった。
何も、かける言葉は見つからなかい。
それが、何の意味も持たないと、わかっているから。
彼女が求めているのは、唯一遠野志貴だけなのだから
だから、ただじっと、朽ちていく彼女を見ている。
子供の頃、自分の目の前で舌を噛んだ祖母が死に行く様を眺めていたときと同じように、ただひたすらじっと―
おそらくは、ここらへんが自分と遠野志貴の違いなんだろうな、と、意識の端で実感した。


「これは、夢ね・・」
最早首だけとなった彼女が、言った。
言った、というのは正確では無い。
口の動きを見て、有彦が理解しただけだ。
「全部、悪い夢・・」
何も、言うべきことはないはずだった。
そのまま、見ていれば、全て終わり
でも
「違う」
自然に、有彦の口からは言葉が吐き出されていた
「全部、現実だ」
もう耳は聞えていないはずなのに、弓塚はその言葉に一瞬ぽかんとした表情をして
そして
口を開いた。
ありひこくんは   い、ね
「―――!?」
初めて驚愕の表情を浮かべた有彦を見て
弓塚さつきは満足そうな笑みを浮かべて、散った。
最初から何もなかったかのように、衣服すらも残さず消え去ってしまった。
「――」
有彦はしばし彫像のように、何も無い虚空を凝視した後、その場に唯一残されたナイフを、少しだけ躊躇した後ポケットに仕舞ってから、周囲の探索のため別れていた北川と合流する為、再び街のほうに歩き出した。

目が覚めるほどのすばらしい月の下での、出来事であった。


【乾有彦  所持品 スペツナズナイフ  現在位置 北西部森林の入り口付近→再び街のほうへ】
【弓塚さつき 消滅】

826 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 16:42
できたらなんで北川がいないのかも書いて欲しいな。
別にトイレ行ってたからでもいいけど。

827 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 16:50
よく読んだら最後にちゃんと書いてありますね、すいませんでした。
おれの目は節穴だ。

828 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 19:14
誰彼やった人に質問。
岩切花枝ってどういうことができるの?
水中を自在に動けるっぽいのはわかったんだが
それ以外の身体能力とか回復力がよくわからない。

829 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 22:30
通常水を嫌う仙命樹を、逆に水の中で能力がフルに発揮されるように改良したのを宿している以外は他の強化兵と変わらない。
最大限に力を発揮できるのが水中なだけで、地上でもそれなりにやれる。
本人が特化しているのはスピード。
格闘技能は軍隊出なのでかなり高いと思われ。

ちなみに仙命樹の能力は
回復力 頭蓋を破壊されないかぎりは仙命樹の力で再生可能。だが痛みはある。
身体能力 常人をはるかに凌ぐ
陽の下では常人と同じになる。

後、個人のポテンシャルとして、軍人であるというのは凄く大きいと思う。

830 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/16(日) 22:46
>>829
どうもありがとう。

831 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 00:05
>>795
コンゲームと同じぐらいの強さにしとけば十分なんじゃない?
少なくとも軋間よりは扱いやすいだろ。

832 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 00:55
十人目の鬼だが、タタリで具現化した七夜ってのはだめかいな。

833 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 01:07
一応リサで決まってるんだから、書く奴でるまで待てば?
もし入れ替えならネロか柳也(さつきが蘇るんだから柳也が出てきても構わないだろ)
まあネロだろ。
七夜は・・月関連の瞬殺話が増えまくりそうで嫌すぎ。

ところで七夜って架空の人間だろ?タタリで具現化とかするもんなの?

834 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 01:08
う〜ん、ちと弱すぎな気がする。
歌月十夜では瞬殺されたし、同じ鬼の式と能力が被るから。

志貴の親父は駄目?

835 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 01:18
>>833
メルブラでおもいっきり具現化しとりましたがな。
>>834
もし親父を出すとするなら、体術は志貴以上で直死の魔眼なし。
状況判断とかもすごく適切。こういう感じか。

836 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 01:26
親父は止めようぜ・・
性格と技量を適切に描写できる人間少ないというか今までの月の話の数々を見てるとむしろいないと思うし・・

わかりやすいネロでいきゃいいじゃん。
代えるなら、の話だけど。

837 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 01:27
親父は止めようぜ・・
性格と技量を適切に描写するのが難しすぎる

わかりやすいネロでいきゃいいじゃん。
代えるなら、の話だけど。

838 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 06:22
>>829
仙命樹を改良した反動のせいで火に致命的に弱い、ってのも付け加えておいてくれ。

839 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 07:38
もういっそのこと10人目の鬼は無しという方向はどうか?
確かに数字的にきりはいいが無理にそれにこだわることもあるまい。
ついでにRoutesキャラも宗一以外出さなくてもいいんじゃないか?
もう完璧に出場する機会を逸していると思うのだが。ただでさえ同日発売の
マブラヴキャラが持て余し気味だし。

840 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 10:54
>>839
Routesキャラはともかくとして、鬼が無しというのはあまりに少なすぎると思う。
只でさえ鬼が参加者に間に合わなくて、鬼ごっこじゃなく破瓜露和の焼き直しになりつつあるのに。鬼を倒せば脱落者返還というルールが実行されてないのも、鬼が少なくてデフレを起こしてるからかと。
むしろ、マーダー以外の敵を(鬼追加でもいいから)増やした方がいいんじゃないかと思う。

841 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 13:11
月島に関してだが、電波で操った参加者が他の参加者の首輪を奪った場合は
月島のノルマは減るんだよな?

842 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 15:43
>841
どっちでもいいと思う。
減らないので何とかして参加者を生け捕りにしないといけない、という設定でも面白そうだし。

書きたい人の都合の良い方にしたらよいかも。

843 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 20:04
Routesはいてもいなくてもいい
でもマヴラヴは建前上、やはり必要かなぁ・・・
いっそ期限でも決めるか?ここまで未搭乗のキャラを含めて
たとえば今から上げるキャラについてのストーリーが
今日から2週間待ってもない場合は、不参加と見なされるとか

乾一子 片瀬健二 穂村愛美
澤倉美咲 篠塚弥生 江藤結花 牧部なつみ
湯浅皐月 伏見ゆかり 立田七海 梶原夕菜

844 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 20:06
>>843
賛成。まだ二桁いるもんな。

845 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 20:15
乾一子 片瀬健二 穂村愛美
澤倉美咲 篠塚弥生 江藤結花 牧部なつみ
湯浅皐月 伏見ゆかり 立田七海 梶原夕菜

健二は抜いてもいいんじゃないのか?猫は建前で必要
それ以外は同意
一応、ホワルバとまじアン君望のキャラについては書けるけど・・・・
どうしようかな。
でもマナマナは書きたくねぇな・・・あのシナリオは思いだしたくもない

846 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 21:17
>>838
あ〜そうだ、なんか弱点無いからおかしいなあと思ってたけど完璧に忘れてたわ。
指摘ありがとう。

847 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 22:22
>>843
賛成。

848 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 23:03
>>843
俺も賛成。二週間後って丁度12月1日か。
締め切りは今月末と言うことで。

>>838
あと岩切は日光にも弱い。日中は厚手のレインコートを着て日の光を浴びないようにしていたくらい。

849 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 23:15
>>843
う〜ん、やっぱり全員出して欲しいかなあ
不参加ってのは変でしょ?

850 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 23:17
もう、欲しいは通用しない世界です。

851 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/17(月) 23:23
>>849
出して欲しいじゃなく、自分で出す、これが1番大切
別に難しく考えずにやりたいことを書けばいいと思う
ただ自分の書いた作品に関しての責任だけは取らないといけないだろうけど

852 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 00:34
濡れタオルで冷やすこと数分、やっと眼の痛みは消えた。
「さて、これからどうしましょう」
鹿沼葉子はタオルをしぼりながらつぶやいた。
人質にしてあった名倉由依は逃がした。新しい人質を捕まえてこなければならない。
残る郁未の知り合いは四人。そのうちの三人は不可視の力の使い手。
特に名無しの少年は葉子に匹敵するほどの力を持っている。
捕まえて明日の昼までおとなしくさせておくというのは難しいだろう。
なら残る一人の巳間良祐ということになるが、こちらは不可視の力を使って位置を探ることが出来ない。
やはりここは、ちゃんと居場所のわかる不可視の使い手を捕まえることにするのが確実か。
「時間ぎりぎりに捕まえてここに運んでくる。それがいいですね」
とりあえず位置を確認しようと葉子は不可視の力を解放する。
その瞬間、ぞくりと肌が粟立った。
神社のすぐ近くに、とんでもなく強大な気配がある。
葉子をもってしても桁が違うとしか言いようのない気配が。
それは葉子が自分のことを探ったのに気づいたのか、まっしぐらにこっちに近づいてくる。
逃げるべきなのかもしれないが、足がすくんで動けなかった。
気配が境内に入るのと、社殿の扉が轟音を立ててぶち壊されるのはほとんど同時だった。
「なんだ、あなたか」
入り口には、金髪紅眼の外人美女が仁王立ちになっていた。
鬼の一人で、たしかアルクェイドとか名乗っていた。
「どこの誰だか知らないけど何度も何度も人の神経にちくちく触れてくるからとっちめてやろうと思ったけど、
鬼同士じゃしかたないわね」
不機嫌そうな顔を隠そうともせず、アルクェイドは足元の扉の残骸を蹴り飛ばした。
風切音をたてて飛んだ破片は、同じ木製の壁に突き刺さった。
「ねえ、あなた遠野志貴って知らない」
「たしか参加者の一人でしたね」
名前に聞き覚えがある。めずらしい名前なのと、鬼に同音の名前を持つ人物がいたため覚えていたのだ。
「そう。眼鏡かけててくせ毛でちょっとぼうっとしてる優しそうな顔の貧血持ちの男の子。
ひょっとしたらナイフ持ってるかも」
「知りません」
葉子は即答した。
さっき襲ってきた人物はナイフを持ってたが、眼鏡はかけてなかったし顔はお世辞にも優しそうとは言えなかった。
だいたい貧血持ちにあんな離れ業が出来るはずがない。
「あっそ、ならいいわ。まったくこのへんで匂いはするのに志貴ったらどこいっちゃったのかしら」
どうもアルクェイドのいらつきは、志貴という人物が見つからないことにあるようだ。
「まさかバカシエルが先に見つけて保護してるんじゃないでしょうね」
ぶつぶつとつぶやきながらアルクェイドはでていこうとして、
「そうだ、言い忘れてたけど、あなた志貴を捕まえたりしたら殺すからね」
おどしをかけてアルクェイドは入ってきたときと同様に疾風のように駆け去っていった。

853 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 00:36
「ふぅ」
額にびっしょりとかいた汗をぬぐって葉子は座り込んだ。
(出会ったときに強いというのはわかってましたけど、あそこまでとは・・・)
遠野志貴とアルクェイドの関係がどんなものだか知らないが、探し回られる志貴は大変だろうと、
葉子は見知らぬ相手に同情した。
汗が完全に乾いてから、葉子は立ち上がった。
さっき気配を探ったとき、アルクェイドの気配に圧倒されはしたが不可視の使い手の位置は感知できていた。
南西に郁未ともう一人。南東にもう一つ。一人足らないのはすでに捕まったからなのか。
両方ともかなり距離は遠いが、行って帰ってこればちょうど明日の一時ごろになるだろう。
「郁未さんといる人が別れるというのは考えにくいですから、ここは南西の方ですね」
昼から半日過ごした社殿から出る。すると、鳥居の下に人影があった。
「鹿沼さん、でしたね」
「あなた・・・」
葉子は息を呑む。
人影は、ぼろぼろの柏木千鶴だった。
服がところどころ破けており、顔色が夜目にもわかるほど青ざめている。
右手にいたっては、肘の辺りから先がなくなっている。
「少し休ませてもらえませんか。血を流しすぎました」
「ここはわたしの家というわけではありませんからかまいませんが、大丈夫ですか?」
「ご心配なく。一晩寝れば直ります」
とてもそうには見えないが、だからといって医療技術のない葉子になにかできるわけでもない。
軽く会釈して行こうとすると、
「鹿沼さん、あなたなんのためにこのゲームに参加していますか?」
「理由ですか」
誰かの手先らしい黒服の男たちにこの話を持ちかけられたとき、葉子に乗る気はまったくなかった。
参加するのを決めたのは、天沢郁未が参加しているということを知ったからだ。
「因縁ですかね。運命と言い換えてもいいでしょう。どちらも好きな言葉ではありませんが」
「わたしも、その言葉は嫌いです」
「柏木さんは、なんのために?」
葉子の問いに、千鶴は答えなかった。
「すいません、聞いてはいけませんでしたか」
「いえ」
首は振ったが、千鶴はそれ以上続けようとはしなかった。
葉子が行こうとしたとき、また階段を人影が上がってきた。

854 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 00:37
「今晩はやたらと鬼に会いますね」
「え?」
葉子の言葉に振り向いた千鶴が見たものは、足を引きずるようにして歩くセリオだった。
こちらも服が焼け焦げて人工皮膚が剥がれ落ちて金属がのぞいており、ダメージは大きい。
「あなたも柏木さんと一緒で休憩ですか?」
「はい、ここにあるリペアパーツを取りに来ました」
セリオが首を回して千鶴のほうを向くとき、ぎぎぎといやな音がした。
「それと柏木様に主催者より伝言です。右手に義手をつけるので、中央のホテルにきてくださいとのことです」
「義手?」
「はい、一流の人形師が作ったもので自在に動かせるものだそうです。
戦力を下げるのを防ぐための特例措置だとか」
医者ではなく人形師というのがひっかかったが、千鶴は行くことにした。
まだノルマは九人も残っている。使えるものならなんでも使うしかなかった。
「わかりました、すぐに行きます」
重い体を引きずって、千鶴は神社を出た。

去っていく千鶴を背中を見送りながら、ふと鹿沼葉子は訊ねた。
「セリオさん、あなたがこれに参加した理由はなんですか?」
「主人のためです」
そういえば、何人かからは人質を取っているようなことをワラキアが言っていた。
「他に人質を取られている人と協力して主催者に抵抗して、その主人を助け出そうとは思わなかったのですか?」
「・・・・・・それがたとえ三割でも確率のあることならとっくにしています」
葉子を見るセリオの瞳には、機械にはないはずの怒りのような感情が一瞬走ったように見えた。
(これも聞いてはいけないことだったみたいですね)
小さく嘆息して、葉子は今度こそ鳥居をくぐった。


【鹿沼葉子  現在地 神社より南東へ移動  残りノルマ八人】
【アルクェイド  現在地 神社近辺  残りノルマ七人】
【柏木千鶴  現在地 神社より中央に移動  残りノルマ九人】
【セリオ  現在地 神社(修理中)  残りノルマ八人】

855 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 00:41
読オンリーは口出すなって事かな?
書けるなら書くんだけどねえ・・・

856 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 00:44
書けねえやつはいらねえ

857 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 00:46
まあ、意見を言うのは悪いことではないけど。
現在出すかどうか検討中のキャラはやっぱり出しても扱い難いから検討されてるわけでして。
書き手としてはこれ以上一般人増やされるとまとめ処理みたいな形にせざるをえなくなるから・・・

858 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 06:53
>>855
意見は大歓迎
でも一人でも多く参加してくれればモアベターってところかな?
別に文章力とかが求められるわけでもないしね

859 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 20:53
書き手が一人でも増えてくれれば、また選択肢が広がるんだけどね

860 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 21:47
過疎板だからな。
一回でも書いたことあるやつって五人以下だろうな。

861 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 23:46
アルクェイドって周囲の自然から情報吸い上げる事できたっけ?

862 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 23:52
本編でそんな描写あったか?
確かネロ一人ろくに見つけられなかった気がするけど。

で、よしんば本体ができたとしても今は本物の40%程度のタタリだから無理っしょ。

863 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 23:53
ネロじゃない、ロアだった。

864 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/18(火) 23:57
>>861
歌月十夜でやってるって難民の月姫スレの人たちが言ってるよ

865 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 00:02
>>864
「翡翠ちゃん反転衝動」のフラグ立てるときのシーンだな。
世界から情報を集めると感情が失われるから辞書引いて言葉調べてるとか。

866 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 00:03
まあ細かい情報にもいろいろあるし別にできなくても問題ないと思われ。

867 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 00:15
つーかどうやって倒すんだろうなアルクェイド。

わざわざタタリにしたのに、妙に力落ちてないし(ちょっとは落そうよマジで)
10人捕まえてとっとと離脱させるよりかはやっぱり倒したいなあ・・相手がこちらを殺せないというルールを利用して秋葉の援護つきで蝉丸に第七聖典搭載して突っ込ますぐらいしないと無理っぽいか。

耕一でもいれば昼に闘えばまだなんとかなったんだろうけど・・

868 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 00:24
>>867
確かに回復速度遅い以外はあんまり変わってないな。
倒すとしたら蝉丸・琥珀付きの秋葉・シオン・郁未・晴香あたりで袋叩きか。
それでも二三人はやられるな。

869 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 00:31
昔見たバトロワ企画の呂○対その他大勢やらセフィ○ス対その他大勢を思い出すな・・・

中盤辺りの山場になりそうだ。

870 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 01:13
アルクのような地上最強級よりも、一番弱そうな奴を選んで、まず一機沈める事が先決。
一番弱い奴は、どのあたりだろうね?

871 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 01:23
だんとつで両義式。
身体能力、鍛えられてはいるが、所詮女性、人外キャラの的だし、通常の銃弾ならともかく散弾銃やマシンガンの的になったらあっさり死ぬ。
しかもあの人戦闘者として致命的な矛盾抱えてるし

872 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 01:46
「鬼を倒す」事の定義って何? やっぱり頃すのか?

873 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 03:35
鬼にも専用の首輪があったと思う、たしか。
それを取ればよかったと。

874 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 09:23
でもアルクって所詮搦め手に弱いアマチュアでしょ?
一番のネックは回復速度なわけで
地上最強地上最強と騒ぐほどじゃない

875 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 10:36
>>874
しかし、参加者側の陣営を考えれば、それでもあまりに強すぎる訳で。人外ばっかならまだしも。
鬼と参加者とのパワーバランスを考えれば、まずは一番弱い奴を沈めるのが重要かと。

しかし、本当に力の差あり過ぎだよな。反撃が難しすぎる。ていうかまず不可能。
一般人メンバーは鍵と君望限定にしといて、葉と月は一般人禁止、んで人外メンバーを多数、参加者サイドにやっとけばよかったかも。
それとも参加者全滅するよりは無茶路線覚悟で、ここらで何か新設定出してパンピーを強化するか?

876 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 11:29
アルクって何が凄かったんだっけ?
志貴に17分割されるくらいだから
吸血鬼以外の殺気には反応できないんだろうし。
犠牲はでても絶対に勝てないというわけじゃないと思う。
よーいドンの勝負じゃないし。

877 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 11:32
鬼同士ぶつけて殺しちゃったらいいんじゃない?
式ならいけると思うし。

878 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 12:22
 式、岩切、葉子、負傷千鶴、損壊セリオあたりを今夜中に沈めて、アルクは明日の日中にしなきゃ倒せんかと。
 ていうか、このまま黒幕の手の平で踊って終わるのか? 黒幕に反逆とかしないの?

879 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 12:25
式一人で行けるよ
本スレでもアルクは式に勝てないっていう結論だったし

880 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 12:27
じゃあ式は今夜は残すか?
しかし、アルクはいいとして、柳川や月島はどうだ? いや、柳川はアルクより弱いだけだろうが、月島の電波はどう対処するよ?

881 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 12:32
鬼柳川とアルクの戦力さもイマイチわかんね
アルクのパワーって具体的な描写あったっけ?

882 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 13:20
確か学校から公園までの距離の移動時間から計算すると
屋根の上を飛ぶなどのショートカット無しだった場合
秒速100メートルぐらいで走れるとか。
でもこれはシエルルートでの話だからかなり17分割の傷が癒えてる状態だな
あとシエルはどっかで凄い跳躍をしてたな。

883 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 13:32
ネロの獣をボロボロの状態で一撃で殺した、ロアを一瞬で足首だけにした、
くらいかね。

884 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 13:33
鬼のほうがパワーはありそうだな。

885 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 13:37
ぶっちゃけた話アルクは死ににくさが最も重要なだけで
身体能力は千鶴柳川と同じくらい
パワーは謎、わかってるのは爪とかの攻撃力
純粋な力はどの程度はさっぱり分からん

886 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 13:37
>>883
たしかロアは空想具現化だったよな。廊下の大氣の層を真空状態にしたと。
みじん切りにされていく大氣を避けられるはずもなく足首だけが残った。

887 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 13:39
設定じゃどうかは知らんが、作中だと意外に戦ってないから
どのくらい強いのかよく分からないんだよね。

888 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 13:43
速いとか爪は切れそうだという鬼と同じような印象はあるんだけど
力はよく分からない
まあ回復速度落としたのは正解だと思うよ

889 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 15:15
志貴は壁けって天井けった後相手を切れるぐらいの運動能力だな。
七夜さんは人の首根っこつかんで引っこ抜く技が使えるぐらいの運動能力。
式は銃弾を発射後に避けられるような奴が一切反応できずに真正面から
斬られるぐらいの速度をだすが無意識のうちに「」を使ってた可能性も
無きにしも非ず。

890 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 15:21
でもその程度の運動能力じゃ
志貴や七夜じゃスピードタイプには勝てないがなあ。
体が弱い志貴じゃ防御に専念するだけで勝てるんだよね。
式とは違い直死の魔眼の負担があるのも痛い。

891 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 15:23
やはり志貴より式のほうが桁違いだな

892 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 15:50
奇襲からの暗殺が七夜っていうか暗殺者の基本だからねぇ。
真っ向勝負だとやっぱり分が悪いのでは。

893 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 17:57
>>878
別に今夜中とせんでもいいだろ。
まだ参加者半分以上も残ってるんだからそんなに鬼を焦って減らすこともないと思う。
まあ、そろそろ一人ぐらい減る時期に来てるとは思うが。

894 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 19:58
相性とかはどうなってるだろうな?弱点というか能力の傾向を把握したいな。
葉子さんは式に勝てないのははっきりした訳だが。
式は近距離戦仕様の癖に特殊な遠距離攻撃を無効化できるのが強みなんだよな。多分電波も喰らってくれない。
機銃掃射なら武器がナイフである都合上回避できないと思うんだけどな………。
セリオに電波は効くか、とか、不可視の力は鬼のパワーと頑健さに対抗できるクラスなのか、とか。
シエルの弱点はなんだろうな?水中から出ることは殆ど無さそうな岩切はどうやれば引きずり出せるか?

本音を言えば鬼同士潰しあう展開を期待するより、俺個人としては一般人に力を合わせて勝って欲しいんだけどさ。

895 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 20:05
無効化は無理だろ
志貴だって対略奪戦で髪きってたけどまともにはくらわないようにしてただけだし・・・
それに電波を切れるって言うのは無理じゃないのか?
電波って電子飛ばすんだから速度は尋常じゃないと思うし。
妖術とかではなく物理的な技だからな。

896 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 20:13
人間相手なら月島が強いかなあ。
さすがに祐介の破壊爆弾みたいに町一個は無理だろうけど
自分の周りくらいは電波発生させられるだろうし・・・

897 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 20:20
岩切に関しては一応倒す方法は考え付いているけどね
岩切絡みの話を誰も書く人がいなくて、方法に矛盾がなければ週末にUP予定。

898 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 20:27
肝心なこと聞くの忘れてた
岩切って高圧電流には耐えられるのかな?これを平気で凌いでしまうほどの
耐久力があるのなら僕の方法では倒せないです。

電気で倒すわけではないけどね

899 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 20:46
成る程。電波は種類が違うんだな。返信サンクス。
なんか葉鍵板のアカデミーだと水溶性だの何だのと話してたしw
電波は視界に入れていないと照準できない、射程を短くする方向で決まってたっけ?
常識的の範囲内の人間なら確かに回避できないよな。でも、月島兄って身体能力はおかしくないよな、多分。なら、不意をつけば寧ろ弱い方か?
セリオはサテライトって使用可能だっけか、今。使えれば探査とか使ってそうなイメージだが。
アルクは防御をあんまり意識しない戦い方をするっぽいし、オリジナルとは差があるだろうからそこが隙になるか。
勝利条件は相手の首輪の奪取でも達成できる訳だし。

柳川の鬼化に耐えられるんだから伸縮性は高そうだ………w

900 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 21:02
>>897
今晩辺り岩切話うp予定なんだが・・・
まだ倒さないけど。

いきなり話はそれまくるが、今のアルクェイドの格好ってすごいよな。
蜂の巣にされたうえに魔術で吹っ飛ばされて服ぼろぼろのはず。
柳川も彩に拾われた当初は全裸。よく助けたな彩w

901 名前: 897 投稿日: 2003/11/19(水) 21:41
それはもちろんOKです
というよりむしろじゃんじゃん書いてくださいな、別にそういう方法を
考えているというだけですので・・・・

ま、そちらの話を見てからどうするか改めて考えます。

902 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 21:53
>>878
うわ・・微妙な質問だなそれ・・
火が弱点だからなあ・・でも基本的に仙命樹の再生能力が桁違いだから、電気食らっても長時間浴びでもしない限りは大丈夫。
頭蓋破壊といっても一瞬で消滅でもさせない限りしなないから。

つーか単純に失血多量させれば死ぬよ強化兵は。

903 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 21:56
ぶっちゃけ式あっさり殺せ過ぎてかえって迷うわ。

特に島にいる絶対的理由も無いしね。

904 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:23
>>899
どうでもいいけどこういうリレー小説だとセリオのサテライトって
もの凄く万能な物として書かれることが多いんだよな。
それこそ鍵(つーかKanon)の理不尽パワーアップと同じくらい。
個人的には確かに便利だが万能ではないと思うんだが、そういや
セリオには何か制約とかあったっけ? ダウンロードできるデータに限りがあるとか。

905 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:28
鍵のパワーアップ程じゃないでしょ。
最強秋子には勝てん。

906 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:33
では、新たな能力を得るためにはあらかじめ本拠に戻ってDLしなおす必要があるってのはどう?
出撃中は追加のDLは出来ないって感じで

907 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:37
>>904
今までなんも言わんかったが、格闘技のダウンロードとか、無理。
どんな格闘技にも対応できるボディ作る苦労もさることながら、本気で動きの入力なんかしようと思ったら普通に億いくぞ。

しかもダウンロードしてる格闘技が又合気とか大極拳とかデータ化なんざ不可能なもんばっかだしね。
上のほうで舞がセリオをあっさり殺せるってのも納得できる。

908 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:38
>>904
一応このスレに話は限定しような。

909 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:44
>>907
んなリアルに照らしてもなあ・・・
言いたい事は分かるけど
式が人間の癖に異常スピードで動いたり10階から飛び降りたりするのも有りえない話だよ?
弾丸以上の速度で生身だと反動でやばいし

910 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:47
それは小説内で描写があっただろ?
セリオが格闘技の動きをダウンロードして実際の格闘家と同レベルの闘いができるなんてどこに書いてあった?
どこにも書いてないことを都合のいいように解釈するのは基本的には最強秋子と何も変わらない。

911 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:47
>>907
お前あほだろ。
魔術や奇跡や吸血鬼や鬼や直死の魔眼や「」や不可視がある世界なんだぞ?
正しくはできるかどうか分からないであって不可能かどうかなんて決められない。
舞がよくてセリオが駄目つうのもよく分からんし。

912 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:49
>>910
できるとは言ってないが
物理法則が狂ってる世界でリアルで不可能とか言っても無駄だという事
できると言い切れないと同じようにできないと言い切れない

913 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:53
>>912
いや・・それをいったら終わりだけどさ。
俺はこのスレは舞の能力やら鮎の能力を都合よく解釈するのを露骨に嫌ってるのに、セリオだけそういう曖昧な誤魔化しを可にしてるのはどうかと思ったんだが・・
じゃあ鮎が死人生き返らせたり、舞がそれをしたりしてもいいってことになるのか?

914 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:55
>>910
一応返答。
舞は、無茶ではあるが、ゲーム内できっちり剣の技術がとんでもないという描写があった。
セリオは格闘技をダウンロードできるなんて描写は無い、その違い。

915 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:56
想像の膨らませる土台の違いだよ。

916 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 22:58
それがどのみち二次的妄想じゃねーの?ってことなんだが。

物理法則が狂ってる世界で、空想具現化なんてもんが存在する世界だからという理屈でセリオのとんでも設定が可なら鍵にも文句はつけられないと思うんだが?

917 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:01
舞が嫌われるのは過去に色々暴れたから・・・
月姫だけなんで荒らされるんだよって主張してると一緒。
あと鍵は二次創作でエルクゥをよくかませにしてる。
他にも殺し屋から神までなんでもござれの祐一を筆頭に
二次創作でのパワーアップはとんでもない。
SSも数も桁違いなのと鍵っ子の痛さも原因になってる。

918 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:04
つまり結局他の場所での偏見と個人的嫌悪感で斜にものを見てるだけだとそういうわけだろ?

919 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:04
>>916
エキスパートのデータはダウンロードできるんだろ?
格闘技だけ無理って言われてもなあ。

920 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:07
いい加減改行してくれよ

921 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:10
色んな職業のデータはダウンロードできるんだから、
格闘技のデータをダウンロードできても凄い妄想とは思えない。
科学で無理っていうがセリオ自体が科学の域超えてるし・・・

922 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:13
一応907を見て欲しいんだけど・・いや、見てもそう思うなら別にいい・・

データをダウンロードするのと実際にやるのとが一致するものとそうでないものがあるって話。
感情表現すらできないのに技能や動きを再現するなんて不可能だと思うんだがな・・

923 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:14
舞ねえ。
こいつが揉めるのは描写が凄くあやふやだからと思うよ。
マジメに議論したかったらそこのテキストコピペしてやってください。
剣の技術がとんでもないとは俺には思えません。

924 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:17
あのなあ・・今までのスレの流れ見て本気で舞の話してると思ったのかあんたは?

925 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:18
>今までなんも言わんかったが、格闘技のダウンロードとか、無理。
>どんな格闘技にも対応できるボディ作る苦労もさることながら、本気で動きの入力なんかしようと思ったら普通に億いくぞ。
億なら安いもんだろ

926 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:19
舞が絡んで揉めてるでしょ。
例に出してるでしょ。

927 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:22
もうコテ名乗ったら?
改行無視とその煽りっぽいしゃべり方だとすぐだれだかバレるぞ。

928 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:22
論の主旨把握してからそういうレスは打って欲しい。

929 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:26
既存のプログラムにあてられても仕方ない
セリオ自体オーバースペックの塊
タタリって事でイメージ重視かもしれない

930 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:28
思い出したように荒れるスレだ。

931 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:29
今更のツッコミ
改行の人はレスアンカーのつけかた変じゃない?
分かりにくいんだけど

932 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:30
うむ、てか全部俺のせいだわな。

こんなことぐだぐだ論じてもしゃーないので
そろそろ引っ込みます。
一人でぎゃーぎゃー喚いてすんませんでした。

933 名前: 地下迷宮の水魔 1 投稿日: 2003/11/19(水) 23:45
あの部屋から引きずり出さないことにはどうにもならないな)
遺跡の地下水路。岩切花枝は食料を取りながら思案していた。
この迷宮の通路は狭い。二人並んで歩くことはできず、水路から手を伸ばせばたやすく足首をつかんで水中に引きずり込める。
だが、部屋にいる相手を捕まえるとなると逆に狭い通路が仇になる。
部屋の入り口は通路と同じ広さ。相手が飛び道具でも持っていれば、入り口に照準を合わせて引き金を引くだけで体のどこかに弾丸は当たる。
銃がなくても、入ったところで待ち伏せされていれば苦戦は必至だ。
相手が戦闘の経験もない一般人だけでだから近接戦に持ち込めばなんとかなる、などという甘い希望は花枝は持たなかった。
自分や蝉丸、御堂のような連中だという証拠はないが、でないという証拠もない。
いっそあきらめようかとも思ったが、こんな自分に絶好の地形にまた人がくるという保証はない。
「やはり、朝になって出立するところを狙うしか・・・うん?」
足音がする。入り口の方向だ。また、新たな参加者がやってきたか。
そのとき、花枝の脳裏に妙案が浮かんだ。
「これは好都合だ」
にやりと笑うと花枝は水中に潜り込んだ。
ここの水路は、部屋にいる参加者のレーダーに引っかからない範囲はほとんど全部調べて頭に叩き込んである。
それで部屋の付近の水路もだいたい推測はできる。
入り口から部屋に向かって流れる水路に、花枝は泳いだ。


地下に入ってきたのは、美坂栞だった。
アルクェイドのぼろぼろの体を見て半狂乱になった栞は、息が切れて倒れるまでひたすら走り続けた。
なんとか冷静になったときには回りは森の中で、荷物もポケットに入れていたセンサー以外はどこかに落としてしまっており右も左もわからない状況だった。
そのままふらふらと歩き続け、なにかに導かれるように夜になってこの遺跡にたどり着いたのだ。
「お姉ちゃん・・・祐一さん・・・」
一人はすでに死に、もう一人はすぐ近くにいるとも知らず、栞は半べそかきながらもっとも頼りにしている二人の名前を呼んでいた。
そのとき、突如としてポケットのセンサーが音を立てた。
「あ・・・」
振り向いた栞に聞こえたのは、背後からひたひたと近づいてくる足音だった。
「ああ・・・」
あの金髪の女性の姿が脳裏に甦る。あの人と似たような人がわたしを捕まえに・・・
「いやっ!」
記憶と共に恐怖も思い出した栞は、あのときと同じようになにも考えず全力で走った。


「これでいい」
栞が部屋の方向に走るのを確認した花枝は、もう一度笑って水音を立てないように注意しながら水路に入った。
追いつくことはなんないことだったが、わざと同速度で泳いで背後3メートルほどの距離を保つ。
(さあ、引っかかれ、部屋の参加者共)

934 名前: 地下迷宮の水魔 2 投稿日: 2003/11/19(水) 23:48
「この場所は、あまりよくないですね」
見張りのシオンはひとりごちた。
シオンの死徒化は進んでいる。まだ痛烈に血が欲しいと感じることはないが、こうして夜になると力がみなぎってくるのがわかる。
そして、ここは死徒の弱点である流水に満ちている。
水路に落ちたら即死するということはないが、衰弱してしまうことは避けられない。
野宿にならずにすやすやと眠っている二人には悪いが、朝になったら当初の予定通り山中に潜むべきか。
「いえ、ここはまず鬼に見つからないでしょうから二人はここに残してわたしだけ・・・」
シオンの思索は止まった。レーダーに反応があり足音が聞こえる。それはどんどん近づいてくる。
無言で二人を起こす。
「なによシオン・・・」
「しっ!」
二人もすぐにセンサーの振動に気づいた。香里は自分の武器である銛を手に握り、シオンはバレルレプリカを入り口に向ける。
足音は一つ。近づいてくるのは鬼に間違いない。
いったんは人間の腹の高さに照準を合わせたシオンだが、考え直して足のあたりにした。
鬼だとはいえ、殺すのは本意ではない。行動不能にして首輪だけ奪えばいいのだ。
アルクェイドなら腹に全弾ぶちこんでも死なないだろうが、移動速度からしてアルクェイドではない。
ごくりと誰かが唾を飲む音が聞こえたような気がした。
明かりは最初から消しているため、周りはなにも見えない闇。だが死徒のシオンの夜目には、はっきりと走ってくる人影が写っていた。
人影の顔が見えた瞬間、シオンは引き金を二度引いた。
ダンダン!
狙いあやまたず、銃弾は鬼の太ももを打ち抜いた。
声もなく倒れる鬼。痛みで即座に気絶したようだ。
しん、と再び闇は静寂に戻る。
「・・・やったの」
「おそらく。高子、懐中電灯で照らしてください」
やられたのはふりだけかもしれない。近づくより、この距離から首輪を打ち抜くのがいいだろう。
ぱちりと、ライトがつく。鬼の顔が照らされる。
「え?」
あまりの予想外の事態に、シオンは思わず間抜けな声を上げた。
鬼は、昼間にアルクェイドから救った少女だった。

935 名前: 地下迷宮の水魔 3 投稿日: 2003/11/19(水) 23:49
「栞!」
香里が絶叫して部屋を飛び出す。
(しおり?ということは香里の妹でアイスクリームが好きだという・・・)
硬直したまま、シオンの思考は余計なことだけを考えていた。
「きゃっ!」
栞に駆け寄った香里が、バランスを崩して水路に落ちた。
「香里さん!」
高子の悲鳴で、ようやくシオンは我に帰った。あわてて香里を救出しようと部屋を出た。
そのとき、かっ、と水路が青く光った。
光の塊は、そのまま入り口に向かって飛んでいく。その光で、一瞬だけ水中にいる女が見えた。
女は、手に首輪の切れ端を持っていた。
「しまっ・・・」
あわてて銃口を向けたときには、香里と同じように足首を引っ張られて水中に引きずり込まれていた。
閉じるのが間に合わなかった口から、水が入ってくる。
手首がねじり上げられ、激痛に銃を手放しそうになるのを必死にこらえる。
足首を離した手は、シオンの首輪に伸ばされる。
首輪に指が触れる寸前、なんとかシオンも空いた手で手首をつかんで阻止した。
女の力はすさまじい。死徒のシオンとほぼ互角だ。
だが徹底的な差があった。ここは水中。シオンの力も空気もどんどん失われていく。
手の力が抜けていくのがわかる。肺に水が浸入してきて視界がくらむ。
なのに、なぜか女の笑う顔だけははっきり見えた。
(この・・・)
首輪めがけて伸びている指。その一本に、シオンは最後の力で噛みついた。
がきりと骨を噛み切った感触があり、指がちぎれた。
女の顔がゆがんで、手が離れる。その隙にシオンは水底を蹴って浮上した。
通路のふちに手をかけて一気に体を引っ張り上げる。
「げほっ!ごほっ!」
指と一緒に大量の水をシオンは吐き出した。
「シオンさん!」
「早く・・・部屋の中へ」
自分も転がるようにして部屋に入る。
高子が部屋に入るのと、栞の体が水路に落ちるのは同時だった。
また、水路が輝いて光が飛んでいった。
そのとき、怒気に満ちた顔でシオンをにらんでいる女が見えた。
だが、すぐにその顔がぐにゃりとゆがむ。水路に落ちたことでシオンの体力は限界にきていた。
「これを、入り口に向けて撃ってください。・・・おどしにはなります・・・替えの弾はわたしの荷物・・・」
バレルレプリカを高子に渡して、シオンは意識を失った。


鬼はいったん撤退したようだ。
だが、シオンは気絶して目覚める気配がない。
香里は鬼に捕まってしまった。
実質上、高子は一人ぼっちだ。
「どうすれば、どうすればいいんですか蝉丸さん・・・」
銃を入り口に向けたまま高子は震えていた。


【シオン  所持品 バレルレプリカ  現在位置 遺跡地下】
【桑島高子  所持品 不明  現在位置 上に同じ】
【岩切花枝  現在位置 上に同じ  残りノルマ五人】
【美坂香里  ゲームオーバー(銛は部屋に放置)】
【美坂栞  ゲームオーバー】

936 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:50
ごっつ使いにくい展開でごめんよ>>897

937 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/19(水) 23:53
いや、高子の所持品が不明なのが有り難い
シオンの気絶は・・・まぁ岩切からしかけてこないだろうから別に問題なっしんぐ

938 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/20(木) 00:06
あともう一つ、エーテライトは少量なら持っていてもいい?
服を解いて取り出すとかそういう方法で

939 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/20(木) 00:10
栞が捕まった描写が無いんだけど?
俺が読み落としているのかな?

940 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/20(木) 00:11
何に使うのかは知らないけど、いいんじゃない?
量にもよるけど、そこらへんは装飾品と変わらないと思う。

941 名前: 935 投稿日: 2003/11/20(木) 00:20
>>939
>高子が部屋に入るのと、栞の体が水路に落ちるのは同時だった。
>また、水路が輝いて光が飛んでいった。

ここんとこです。分かり難くてスマソ。

942 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/20(木) 09:28
二日ばかり寝込んでいる間に話し合いがあったのね。
タイミングが悪い俺……。

勉強のため、マブラヴの漫画一巻を購入。
これで、マブラヴキャラを書ける!

>>935
お疲れです。
シリアスバトルなのに、最後のセリフで吹いちまった俺は葉鍵板住民。

943 名前: Fake&Doubt (その1) 投稿日: 2003/11/20(木) 21:31
「っ…」
うめきと共にシオンは目を覚ます、まだ夜になって時間が浅かったのが幸いした。
だが意識は覚醒しているものの、その身体はピクリとも動かすことができなかった。

「良かったぁ…気がついたんだ」
よほど心細かったのだろう、泣きべそをかきながらシオンにすがりつく高子
「喜んでもいられませんよ…体が動きません」
シオンは事務的な口調で淡々と告げる、それじゃあとシオンの身体をかついで逃げ出そうとした高子だが
「私を担いで奴から逃げるのもおそらく無理ですね…」
「じゃあ、どうしたらいいのよ!」
自分の行動の揚げ足を取ってばかりのシオンに業を煮やし、その場でわめく高子
弾みでリュックの中の荷物がごとんと落ちる。
「これは…?」
落ちた中身を見て怪訝な顔をするシオン、すかさずそれが何であるのかを確認する。
その箱状の物体には『業務用強力バッテリー』と書かれていた。
それを見て何かを考えていたシオンだったが、やがて高子をなだめるように耳元で呟く。
「もしかしたら助かるかもしれないです」
「え?」
「あの相手はかなり慎重な性格のようです、今襲い掛かれば私たちなど完全に屠れるものを
 動こうとはしていない…ですが、同時に常に自分の優位を確認してなければ安心できない
 小心者でもあると私は推測しております」
「おそらくこの近くの水路に潜んでいるのでしょう…ですがそこに付け目があります」
また意識が遠くなってきた、余りしゃべり過ぎるのは良くないようだ。

「高子さん、私の代わりにこの近辺の通路を歩いてみてくださいませんか
大丈夫…水路にさえ近づかなければ安全ですから、それと、必ずメモを取っておいてください」
高子は頷くとそのまま部屋を出ていく、そして十数分後、高子はシオンのもとにもどってきた。
シオンは高子の書いてきた見取り図を確認し終わると、自分の被っている帽子の裏地を破くように
高子に頼む、言われたとおり裏地を破くと、そこには数個の糸車が隠されていた。
「この糸を使って…」
シオンは高子に2.3指示すると再び苦しげに眼を閉じた。


一方、水中の岩切は迷っていた。
手強そうだが手負いの娘といかにも素人な娘…今襲えば勝てる…だが、自分の優位を、
これまでのやり方を変えてまでチャレンジすることか?
ノルマはあと5人、あせらずとも十分達成可能だ。
しかし、参加者の数はそれに伴い減っているだろうし、自分は隠密性こそ優れてはいるが
”鬼”の中ではもっとも弱い部類であることも自覚している。

944 名前: Fake&Doubt (その2) 投稿日: 2003/11/20(木) 21:31
捕らえられるものは今の間に…
そう思いかけた矢先に、彼女の目に飛び込んできたもの、それはシオンを抱え通路を移動する
高子の姿。その行く手は確か何かの大広間だったような…。

好都合なことに大広間までは水路も続いている、少々水深は浅いが、奴らの手が届くわけでもない、
そこで隙を見て…
岩切はほくそえみながら、ゆっくりと2人の後を追った。

大広間についた高子とシオン。
「思ったとおりです」
彼女の目の前には巨大な祭壇とそれに続く噴水があった、
どこかの民間信仰に関しての文献でこれと同じ様式を見た事がある、今いる遺跡は、
ありとあらゆる文明、宗教のごった煮だが、実際は混沌と混ざり合っているのではなく
ブロックごとに整然と区分けされている、つまりシオンは通路の構造や壁の装飾品などで、
すでに最初から広間の場所を、ある程度把握しており、高子に先行させたのはその確認と
仕込みのために他ならない。

「来るかな」
「来ます…というよりすでに来ているはずです、私の推測が確かならば」
高子の腕の中で青い顔をしつつも、自信に満ちた表情で応じるシオン、その手には先程の糸、
エーテライトと呼ばれる鋼線が握られていた。

シオンの予想通り岩切はすでに噴水のそばにまで到着していた。
岩切の目からみた2人は、出口とは逆方向で身体を寄せ合い眠っているようだ。
(他愛ない)
もはや待ち伏せる必要もない、そう思い水面に浮かび上がろうとしたその時だった。
何かが岩切の頭に触れる、とその時、あらかじめ仕掛けられてたバッテリーからの高圧電流が
糸を伝わり岩切の潜む水中へと流れ込む、
「ぐおおおおっ」
水面が泡立ち、苦悶の声が広間に響く。
強化されているとはいえ、感電の痛み、苦しみは人間のそれと変わりがない。

945 名前: Fake&Doubt (その3) 投稿日: 2003/11/20(木) 21:32
声にならない叫びと同時に岩切の身体が水面から飛び出し、一直線に高子らの方へと向かう
圧倒的優位を保っていたはずの自分が意外な反撃を受けた。
このことが彼女の抑圧されていた強化兵としてのプライドに火をつけたのだった。

それを見て待ち構えてたかのように、手にしていた短銃を放つ高子、だが
弾丸は岩切には掠りもしない。
「あれ?」
さらに引金を引く高子、だがやはり岩切には当たらない。
半泣きになる高子、それを見てにやりと微笑む岩切。
「勝負ありのようだな」
「こ…こないで…」
高子の制止の声を軽く聞き流し、そのまま足を進める岩切だったが。

ぷつん
また足元に変な感触、続いて
どしゅっ
嫌な音と同時に激痛、見ると1本の銛が自分の背中から肉体を貫通し床まで届いていた。
「そうか…全てはこのための」
高圧電流、弾丸、全ては囮、頭に血が上っていたとはいえ、ここまでされれば、騙されて当然ともいえた。
だが…。
「残念だが、私はこの程度では死ねない」
激痛で思うように体が動かないのと、出血を抑えるため銛は引き抜かず
串刺し状態のまま、じりじりと高子に迫る岩切。

高子は未だに動けないシオンを抱えとっさに壁に空いている横穴にもぐりこむ。
後を追う岩切だが、横穴は狭く銛がつかえて入れない、
それでも銛を抜くことも忘れ、がつがつと音をたてて横穴に入ろうとする岩切。
その凄まじい憎悪の表情は高子はもとよりシオンでさえも震え上がらせるに十分だった。

946 名前: Fake&Doubt (その4) 投稿日: 2003/11/20(木) 21:32
そんな一瞬の沈黙に気押されるように先に動いたのは岩切だった。
振り向きざまに隻眼の男、軋間紅摩へと向かい貫通していた銛の刃先を折って投げつける。
スピード、狙いともに充分、だが軋間にとってそんなものは避けるまでもないことだった。
渾身の一撃が通用しないのを悟り、よろよろと水中に逃げ込もうとする岩切だったが、
その体が突如炎に包まれる。
「ああああ…火っ…ひぃ…」
炎に対して致命的な弱点を持つ岩切にとって、熱を自在に操る男、軋間紅摩に出会った時点で、
もはや助かる道は無かった。
紙のようにめらめらと燃えていく岩切、その亡骸は骨すら残らず、ただ黒ずんだ灰の山と
首輪だけが残されていた。

残った首輪に駆け寄ろうとする高子、帰れる…あれさえ手に入れれば…
しかし。
「いけません…今回は諦めましょう」
手を伸ばそうとした途端にかけられた、シオンの制止の声にあからさまに不快な顔をする高子。
「あの男は多分…今まで私が戦った相手と比べても最強といってもいい力の持ち主と思われます」
「したがって今争えば、私たちは殺されます…それに」
まだ不満げな高子に説明を続けるシオン。
「大切な人全てを救うことは出来ません…例え私やあなたがここを逃れることが出来ても…」
そこからの意味は高子にも理解できた。
確かに自分が助かっても、あのような危険分子がのさばる島に、残りの仲間たちを残しては置けない。
まだチャンスはある…シオンのいう通り、今は目の前の脅威を永久に退去させる方が得策と思えた。
そして軋間は何気なしに首輪を手に取る、と同時に彼の身体は赤い光に包まれそのままいずこかヘ
飛び去っていった。

【シオン(全身麻痺) 所持品 バレルレプリカ  現在位置 遺跡地下】
【桑島高子  所持品 業務用強力バッテリー  現在位置 上に同じ】
【軋間紅摩:脱出権利獲得】
【岩切花枝:死亡】
岩切の残りノルマ5が 残りの鬼たちに追加として割り振られます。
割り振られる鬼は残りノルマが少ない順になり、それによるノルマは10以上にはならないものとします。

947 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/20(木) 21:34
ちょっと早いけど時間が出来たので上げました
軋間を出さないバージョンも一応考えてますがどうでしょう?
僕としては彼を退場させるいい機会だと思ってますが

948 名前: Fake&Doubt (その3.5) 投稿日: 2003/11/20(木) 22:57
だが、そのとき明らかに異質な気配が周囲を包む。
たまらず振り向く岩切、そこには隻眼の男がいつのまにか立っていた。
これほどまでに異質な気配、とっくに察知してなければならないはずなのに…この男何者!?
何が何だかな表情の高子を挟むように、愕然とするシオンと岩切。

949 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/20(木) 22:59
抜けてました、申し訳無いです

950 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/21(金) 00:34
>947
お疲れです。

斬間はこのままでもいい気がします。
正直、斬間は書き手として使いにくいですしね。

951 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/21(金) 07:20
そろそろテンプレ考えようか。

952 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/21(金) 11:00
「あなたを、捕えます」


参加自由型リレー小説です。
島から脱出を図る参加者達とそれを捕まえようとする鬼との『鬼ごっこ』が基本です。
ルール 、設定等は前スレを熟読して下さい。

・書き手のマナー
 キャラの死を扱う際は最大限の注意をしましょう。
 誰にでも納得いくものを目指して下さい。
 また過去ログを精読し、NGを出さないように勤めてください。
 なお、同人作品からの引用はキャラ、ネタにかかわらず
 全面的に禁止します。 (月姫は元が同人ですので例外です)
 続きの話が書かれていない限り、訂正は可能です。
 ですが、出来るだけ一回で納得して下さい。
 
・読み手のマナー
 自分の贔屓しているキャラがあまりにもぞんざいな扱いだった場合だけ、
 理性的に意見してください。
 頻繁にNGを唱えてはいけません。
 また苛烈な書き手叩きは控えましょう。
 感想、要望は書き込んでも全然構いません。 
 意見をする時は煽りのような口調は控えて、言葉を選んで下さい。

前スレ
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=3290&KEY=1039075596

過去ログ作品編集
http://www25.tok2.com/home2/nanashi/

訂正、よろ。

953 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/21(金) 11:04
一部、訂正。


書き手のマナー
 キャラの死を扱う際は最大限の注意をしましょう。
 誰にでも納得いくものを目指して下さい。
 また過去ログを精読し、NGを出さないように勤めてください。
 なお、同人作品からの引用はキャラ、ネタにかかわらず
 全面的に禁止します。 (月姫は元が同人なので例外です)
 続きの話が書かれていない限り、訂正は可能です。
 ですが、出来るだけ一回で納得できるように作って下さい。

954 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/21(金) 11:04
あなたを捕らえますって何?

955 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/21(金) 11:09
>954

深い意味はないです。
出だし文句みたいなものを考えて、これがしっくりくるかなと思って。

956 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/21(金) 14:11
>>955
まぁそれでええんじゃないの?

957 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/21(金) 14:34
スレタイも変えたほうがいいな。
葉鍵月猫揚鬼ごっこでいいか?
猫いないも同然だけど。

958 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/23(日) 02:01
週末なのに止まってる あげとくか

959 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/23(日) 02:31
ものすげえミスに気付いてなんとか辻褄あわせようと画策中。
日曜日中にあげれるかな・・・

960 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/23(日) 04:15
リレー小説を成功させるこつとしては、まずは人材
話を展開させる人、展開されたものを動かす人、そしてそれによる話の綻びを
訂正する人、そして展開を収束させる人
この4種類の役割を確立させることと、むやみに新展開に走らず
今あるものを地道に消化していくことかな。

まぁ大前提は自分の書いたものにたいしてのオトシマエはきちっと
つけることかな

961 名前: 黒幕たちの夕べ 投稿日: 2003/11/23(日) 05:31
軋間が飛ばされた先、そこは何も家具や調度が置かれていない暗い部屋、いや空間だった。
蒼い光に照らされた床には魔方陣が描かれており、その中心に黒い帽子とマントを羽織った女性と
その執事と思えるダンディな老人、それからワラキアの姿があった。

ワラキアの姿を見るなり軋間はその魔腕を振るい、一撃を見舞おうとするが、
その拳が届く瞬間、女性が何事かを呟く、と軋間の身体は魔方陣の外に弾き飛ばされていった。
「……」
女性が執事に何事かを伝える、と執事は素早く手にした杖を女性に手渡す
女性がそれを頭上にかざし、わずかに口を動かすと、赤い扉がちょうど立ち上った、
軋間の前に出現した。

それに続いてワラキアが軋間に必要事項を告げていく。
「一応確認しておく、この首輪を手にしたものはここから脱出する権利を得ることができる
またその際、一人だけ自分以外の誰かを連れていく事が可能だ、それと自分が脱出するのを
放棄することで自分の代わりにさらに一人脱出させるという選択もある、さあどうするかね?」

しかし軋間は相変わらず何とも形容し難い表情でただ立っているだけだ。
「だれか救いたい人間はいないのか?」
ワラキアはもう1度問いかけるが、返ってきたのは沈黙だけだった。
「愚問だったな…もういい、好きにするがよい」

それだけを言い残し、ワラキアも魔方陣の外から出る。
軋間はまだ突っ立ったままだったが、やがてのっそりと扉をくぐっていった。

「…」
「お嬢様からのお言葉です、進捗はどうかとのこと」
執事は女性の口元に耳を近づけ、その言葉をワラキアに伝える。
ワラキアは分かっているといわんばかりに手を振って応じたのみで、そのまま空間を出ようとする。
去り際に辛辣な言葉を残して。
「ご苦労なことだな、もう貴様が忠誠を誓うべき存在はどこにもいないというのに」

「それは来栖川芹香の…かつての貴様の飼い主の抜け殻にすぎんというのにな、
 まったく大した忠犬ぶりだよ…フフ、ハッハッハッ…」
執事を、セバスチャンこと長瀬源四郎をあざ笑いながらその場を去るワラキア、
セバスチャンはそれを聞きながら悲痛な表情で、生きているとも死んでいるともつかない
まさに無表情な来栖川芹香の…いや、かつて来栖川芹香であった得体の知れぬ何者かの顔を、
ぼんやりと眺めるのであった。

(わずかでもお嬢様の心がお戻りになる可能性があるのならば、このセバスチャン
何処までも御供させていただく所存であります、お目覚めになられたときにお一人では
お嬢様が寂しがるかもしれませんからな)

【軋間紅摩:脱出】

962 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/25(火) 01:05
人少ないな、期末テスト?

963 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/25(火) 02:58
大学のテスト。
なのに、なんで書き込んでんだよ、俺…

964 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/25(火) 21:30
今晩もまーにーあーわーねー。
いつになったら上げれるんだ・・・

965 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/26(水) 00:01
うーん書きこみが少ないと
自分の作品が受け入れられたのかがちょっと気になる・・・・

966 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/26(水) 00:46
文句がつかなければ大丈夫です。

967 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/26(水) 13:17
>>961
軋間が使えないという理由で離脱と相成ったというのがそもそもの原因だが、
それを逆手にとって、ほとんど出ていない舞台裏を垣間見させる手法に感心した。巧いな。

968 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/27(木) 20:51
>>961での芹香って
何者かに肉体を乗っ取られているって解釈でいいのかな?

969 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/27(木) 22:11
何者かが二十七祖のだれかさんとかやめてくれよ。

970 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/27(木) 22:31
>>953
なお、同人作品からの引用はキャラ、ネタにかかわらず
全面的に禁止します。 (月姫は元が同人なので例外です)

これゲームと小説(空の境界)の設定のみってちゃんと明言
したほうがいいんでは?
膨大な裏設定をありにされるとちょっときつい。

971 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/27(木) 23:19
二十七祖でそんなことできる奴いたっけ?

972 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/27(木) 23:46
>>970
この場合で気になるのは
書き手の想像による部分がどこまで許されるのかって所かな

例えば綾香とすばるの因縁や、来栖川と御剣の関係とかね

973 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/28(金) 00:08
俺はあくまで前提のルールを問題視しているので
ゲーム内での駒の取り扱いについてはあんまり関係無い。
ようは月姫は同人だから例外、とするとじゃあ裏設定もじゃんじゃん使っていいし、
メレムやらもだしていいじゃん、と考える人が出てくるのが困るということ。

971で書いて有るような事柄については、違和感があるのなら他の問題として取り扱ってくれ。

974 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/28(金) 00:09
ごめん、971じゃなくて972ね。

975 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/28(金) 22:17
そろそろ締めきりだけど、どうすんのよ?
俺はここで出してもその後が続かないと思うので書かないことに決めたけど

乾一子 片瀬健二 穂村愛美
澤倉美咲 篠塚弥生 江藤結花 牧部なつみ
湯浅皐月 伏見ゆかり 立田七海 梶原夕菜

976 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/28(金) 23:12
おれも書かないな。
ルーツキャラは知らないし一子は出そうとしたけどいまいち動かなかったんでやめた。

977 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/29(土) 03:38
WAと君望くらいきっちりだしてほしいなあ

978 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/29(土) 04:51
>>977
君望は数少ない揚作品だから仕方ないとして、WAは正直、無理にきっちり出すのはどうかと思う。
今出ているキャラさえ持て余し気味なのに。

979 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/29(土) 22:37
(どうすればいい・・・)
巳間良祐は煩悶していた。
ほんの数十メートル先に、妹である晴香がいる。
晴香は、たった一人の肉親だ。
FARGO地下施設で悲劇的な別れ方をして以来、その行方を八方手を尽くして捜したが
見つけることはできなかった。
本当なら、すぐにでも駆け寄って再開の喜びを分かち合いたいところだ。
だが、
(できない!)
良祐はこのゲームの最後の勝利者になるために、他の参加者を排除する道を選んだ。
すでに一人、いや、もう一人の少女も死んだだろうから二人も殺めてしまっている。
そんな殺人者が、どの面下げて妹と会えるというのか。
それに、しゃべり声から判断して晴香には連れが一人いるようだ。
良祐が選んだ道を進むならば、その連れも殺さなければいけない。
晴香を守ってくれたかもしれない恩人さえ自分は手にかけるのか。自分の欲望のために。
(そんなのじゃ、おれはあの高槻となにが違うって言うんだ!)
欲望のままに己以外の全ての他者を利用し踏みつけにした、かっての同僚の顔が脳裏に浮かぶ。
それを必死で消そうと良祐は激しく頭を振った。
最初は南に進んでいた二人だが、今は西に進行方向がずれつつある。
だったら自分はこのまま南に進もう。
良祐は決断して、コンパスを出して方角を確認して進みだした。
それがただの逃げでしかないとわかっていながら。

980 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/29(土) 22:37
良祐が苦悩の末にそういう決断を選んだとも知らず、二人は山道を相変わらず歩き続けていた。
「ねえ郁未、いつになったらわたしたち寝られるのかしらね」
「そんなのこの山道に聞いてちょうだい」
とりあえず開けた場所に出たら寝ようと決めて、すでに一時間ぐらいたつ。
二人が進んでいるのはまさに獣道ともいえないような道で、腰までの丈のある草が一面に生えていて
寝転がることはおろか、座ることさえできそうにない。
すでに周りは闇に包まれており、互いの顔を見分けることも不可能だ。
「晴香、ちょっと待って。もう一回方向確かめてみる」
郁未は、集中して不可視の力を飛ばした。
やはり、二人が進む方向に微弱だが同じ力を感じる。
不可視の力の使い手同士の位置が分かるということが判明してから、二人は南に移動するのをやめて
一番近くにいる名倉友里と合流することに決めた。
やはり知り合いと一緒に行動するほうが心強い。
ただ気にかかることがあった。少年の気配が全く感知できなくなっているのだ。
(まさか捕まったわけじゃないわよね)
心にのしかかる不安を振り払って、郁未は再び歩き始めた。
道はどんどん登り斜面になっていく。まさかこのまま山頂まで続いているのではないかと思ったとき、
いきなり地面が消えた。
「うわっ!」
「郁未!?」
体が落下する。とっさに手を伸ばして、なんとか崖のふちに指をひっかけた。
そこをすかさず晴香が引っ張りあげてくれた。
「危なかった・・・」
足元からは水が流れる轟音が聞こえてくる。
そこは、地面に巨大な斧で切り込みを入れたかのような谷になっており、はるか下には川が流れていた。
川までの高さは十メートル以上ありそうで、落ちればいかな郁未といえどもただではすまなかっただろう。
「昼間わたしたちが流された川と同じ川みたいね」
「もう一回流される?山は脱出できるわよ」
「・・・冗談よね」
「ちょっと本気」
もう山道を歩くのには正直こりごりしていた。
「とにかく、川伝いに橋を探すしかないわね・・・ん?」
周囲を見回していた晴香が、なにかを見つけた。
「あれ、火じゃない?」

981 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/29(土) 22:38
(なんか有名人目白押しだな)
徹夜には慣れているが、暇には慣れていない。
そこで千堂和樹は暇つぶしに名簿に一通り眼を通すことにした。
明かりは、自分のアイテムであるジッポライターを使っている。一見すると普通のものとかわりはないが、
つまみをねじって火力を調整できるようになっており、最大出力だと火炎放射器ぐらいの威力になるそうだ。
そんなことすれば持っている手がどうなるか怖くてやってないが。
(アイドルに有名財閥の跡取りに代議士の娘。どういうつながりだ?)
なにか参加者に共通点でもないかあれこれ考えてみたが、さっぱりわからない。
(強いて言うなら、知り合いが多いってぐらいか)
和樹の知り合いはほとんど参加させられているし、兄弟姉妹とおぼしき同姓の人物も多い。
(ま、考えたってわかるわけないよな)
名簿をしまって時計を見てみると、そろそろ見張りを変わる時間になっていた。
次はあきらの番だが、すやすやとよく眠っていて起こすには忍びない。
あと一時間ぐらいは起こさないでおこうと思ったとき。
「ちょっと、そっちに誰かいる?」
川の向こうから声がした。
いきなりなことにそばの二人を起こすことも忘れて反射的に和樹は返事した。
「おれは千堂和樹。そっちの名前は?」
「天沢郁未と巳間晴香」
名簿にあった名前だ。
「他にこっちには牧村南と瀬尾あきらがいる。どっちかの知り合いか?」
「二人とも知らないわ」
「そっちに合流したいんだけど、この先に橋はある?」
さっきとは違う声がたずねてきた。
「残念だけどない。一日探したけど、ここより上流には橋はない」
「だったら、飛んでいくわ」
「飛ぶ?」
川幅は、少なく見積もっても四メートルはある。棒幅跳びの選手でもないと無理だろう。
そう言うと、
「大丈夫。わたしたちそれぐらいなら飛べるから」
なんていう返事が返ってきた。
「夜は足元見えないから、朝になったらそっちに行くわね」
そう言い残して、二人は去っていった。
「飛ぶねえ?」
和樹が首をひねっていると、声で眼を覚ましたのかあきらがむくりと起き上がった。
「千堂さん、なにかあったんですか」
「対岸に二人参加者がいたんだけど・・・」
「ひょっとして、紫のウェーブかかった髪の毛の人ですか?」
「さあ?暗くてよく見えなかったけど、あきらちゃん知り合いなのか?」
「・・・いえなんでもありません」
あきらにはたった今、未来視で見えたのだ。その髪の毛の人物がなにか叫んでいる様子が。
(二人って言ってるけど、じゃあもう一人はどうしたんだろう?)
そのとき、夜の静寂を裂いて悲鳴が響き渡った。

982 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/29(土) 22:41
「なによこれ!」
郁未は怒鳴って、地面を踏みつけた。ぐじゅりと靴の底で大量の虫を踏み潰した感触が伝わってくる。
だが、すぐさま踏み潰した以上の数の虫が足を這い上がり、早いものはすでに膝にまで達している。
そいつらが皮膚に噛み付くたびに激痛が走る。
晴香も必死で虫を払い落とそうとしているが、逆に手に食いつかれている。
仙命樹の力を得た蟻。それが二人を襲ったものの正体だった。
「このっ!!」
不可視の力を集めて、郁未は地面に叩きつけた。
轟音と共に大量の土がえぐれ、一瞬だが蟻たちの進行が止まった。
「晴香!」
郁未が言うより先に、晴香は背を向けて元来た道を走りだしていた。郁未も後を追う。
川さえ越えてしまえば、蟻は追ってこれないはずだ。
さすがに不可視の使い手の二人には強化された蟻といえども追いつけない。
すぐに、さっきまでいた位置に戻った。対岸では、ライターを持った男が何事かとこちらを見ている。
「ライターつけたままにしておいて!」
正確な距離を測っている時間はない。
晴香は火の横二メートルを目標に、跳躍した。
「痛いっ!」
着地したときだれかの足を踏んづけたが、そんなことは気にしている場合ではない。
続いて郁未も飛ぼうと足に力を込めた。
その瞬間、アキレス腱に張り付いていた蟻が、牙を突きたてた。
「!!」
ひときわ強烈な激痛に、蹴り足の右足から力が抜けた。
体勢を崩した郁未は、頭からまっさかさまに谷に墜落した。
「郁未!」
絶叫した晴香が手を伸ばす。だが、さっきと違ってその距離は絶望的に遠かった。
晴香の叫びの残響が消えるのとほとんど同時に、今度は水音が闇に響いた。

【天沢郁未  所持品 エーテライト  現在位置 山中谷川に落下】
【巳間良祐  所持品 即席狙撃銃  現在位置 山中を南に移動】
【巳間晴香  所持品 斧  現在位置 山中谷川付近】
【千堂和樹  所持品 ライター型火炎放射器(予備燃料あり)  現在位置 上に同じ】
【牧村南  所持品 不明  現在位置 上に同じ】
【瀬尾あきら  所持品 不明  現在位置 上に同じ】

983 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/29(土) 23:43
どうして晶が平仮名表記なの?
それだけ少し気になった

984 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/11/30(日) 01:31
>>983
おれが24時間ばかし寝てなかったから。
年取ったなぁ。

985 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/01(月) 01:47
参加者名簿ってアイテムが当たり以外の人は貰えるんだっけ?

986 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/01(月) 07:12
俺はさらにその中でもランダムで、しかも書いている内容もそれぞれ
違うと考えている。

ある参加者のものは名前しか掲載されてないけど
別の参加者のものにはそれよりも少し詳細なデーターが掲載されているとか

987 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/01(月) 16:14
おれは最初にもらえるアイテムの一つとして、全参加者(鬼含む)のデータ
および現在捕まったか死亡したかが表示される携帯機械みたいなのを出そうかと考えてたんだが。

988 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/01(月) 19:42
>>987
いいんじゃないの
情報も武器だと思うし

にしても動きがちと止まり気味だね
こちらは仕事のピークとコミケが重なってそちらまで手が回りそうにないです
すまぬ

989 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/01(月) 20:53
さすがにそろそろ次スレ立てた方がいいと思う。
こっちにはもう作品は書き込まないということでいいかな?

990 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/01(月) 23:26
ダイムリミットまであと30分ですが
覚悟はよろしいか?

991 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/01(月) 23:27
おれはOk。

992 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/01(月) 23:47
新スレ建てました。
スレタイは変えたほうがいいという意見があったんで「葉鍵月猫揚鬼ごっこ!」に変えました。

993 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/01(月) 23:49
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/3290/1070289957/

一応誘導。

994 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/02(火) 00:01
タイムアップ。以下の人物については出さないことが決定されました。

乾一子 片瀬健二 穂村愛美
澤倉美咲 篠塚弥生 江藤結花 牧部なつみ
湯浅皐月 伏見ゆかり 立田七海 梶原夕菜

995 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/02(火) 00:27
>>994
彼らに関してはどうする?
最初からいなかった事にするのか、それとも何らかの理由で
強制送還という形にするのか?

996 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/02(火) 11:06
いなかった事にするのでええんちゃう?

997 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/03(水) 11:13
とうとうこのスレも終焉間近・・・
             ,1^i^lヽ, 
       _    {/´  `、}ト
    r‐,.'´   ヽ  〈((ハヾ!l !  
    L_lミ!レノノ)))〉 li、´<_` リil l  埋めましょうか
    く_l从´_ゝ`リ   {卯}⌒i    
     /lトソ ノ\  ノ    |
    /ヽ  / ̄ ̄ ̄ ̄/ | 
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|___
      \/____/ (u⊃

998 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/03(水) 11:13
別に意味ないんですけどね
             ,1^i^lヽ, 
       _    {/´  `、}ト
    r‐,.'´   ヽ  〈((ハヾ!l !  
    L_lミ!レノノ)))〉 li、´<_` リil l  流石ですね私ら
    く_l从´_ゝ`リ   {卯}⌒i    
     /lトソ ノ\  ノ    |
    /ヽ  / ̄ ̄ ̄ ̄/ | 
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|___
      \/____/ (u⊃

999 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/03(水) 11:16
流石だよな、漏れ等。誰も板にいないからってやりたい放題なんて。
   ∧
  /: ヽ
_/::  ヽ
::::::::::   \            ∧        ∧
:::::::    /|            / :ヽ       / :ヽ
:::::::     ゝ ______ / :::ヽ_____/  ::ヽ
::::::     _| .| ____ /          ::::::::::::\
::::::::      ノ  | | ∧_∧ / /      \   ::::::::::::::|
:::::::::    く  | | ( ´_ゝ`)|  く          :::::::::::::|
:::::::      \ | |/   \|             ::::::::::|
:::::       \    / ̄|.     ̄    .....:::::::::::::::::::/   まあな。
:::::         |____ ヽ     .....:::::::::::::::::::::::<
:::::         |.____/ ̄ ̄      :::::::::::::::::::::::::|
:::::         |    |           :::::::::::::::::::::::|
:::::         | \  \___      ::::::::::::::::::::::::|

1000 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/03(水) 11:18

    〃 ̄  ̄ヽ
   ∠/ ノノノ )))       __________________________
    /| ヘ| l  l ハ     /
   ん| `|、 ワノリ    < あはー、今作も女郎蜘蛛役の琥珀さんが1000GETですよー
     ,�堯�_ y_,ゞ ̄〕つ  \
     |__,|/    | ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ヽつ    |
      |__∧l
      |__l|
      ( y) y)

1001 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/03(水) 11:36
.    \    ヽヽ   、     |       //     //
.      \\  ヽヽ   ゙、           //    .///
      \    ヽ         ,〜'~`〜'~`〜'~`〜'~`〜'~`〜'~`〜'~`〜'~`〜'~`〜'~`〜'^、  
   `-、,,  \       _   ( 全部、全部お前の思い通りって訳なのかっ! 琥珀っ! )
      `-、,, \,    '´    ヽ `ν〜、_,〜、_,〜、_,〜、_, 〜、_, 〜、_, 〜、_, 〜、_, 〜、_, 〜、_, '
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  ,〜'~`〜'~`〜'~`〜'~` 、  。L_lミ!レノノ)))〉 。゚
 (  聖さん〜!     )  ゚ く_l;゚ ヮ゚ノリ ゚
  (  落ち着いてぇ〜!!! >  (つ   /つ
  `、_,〜、_,〜 、_,〜 、_,〜'     |  (⌒)
                   し⌒^

1002 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/03(水) 11:49
.    \    ヽヽ   、     |       //     //
.      \\  ヽヽ   ゙、           //    .///
      \    ヽ         ,〜'~`〜'~`〜'~`〜'~`〜'~`〜'^、  
   `-、,,  \        鬼   (  お前らの胸分けてクレー )
      `-、,, \,    '´ M ヽ. `ν〜、_,〜、_,〜、_,〜、_, 〜、_, '
   ,,,,,,___   `    ノ! ノ从 リ))〉 )   /        ___,,,,--
      ''''''--,,,,,,,(((ノノ! #゚Д゚人))/ ) / l l   ,,,,,,,--''''''
       / l l    ))(  )千(  ヽ | / ̄ / l l
────/ ̄─/ l l   l /鶴ヽ  |_)   ./ ̄─/ l l──────
       __  / ̄   (n)   | .| ,,|        / ̄ ・・・
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     ,.- '`     /    ...| |:::::.. \   `-、
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  ,〜'~`〜'~`〜'~`〜'~` 、 。 L_lミ!レノノ)))〉 。゚          。 ,! ノリノ ))〉 。゚ 
 (  分けるほど     ) ゚ く_l;゚ ヮ゚ノリ ゚               ゚ l| |l;゚ д゚ノリ ゚
 (  余ってません〜!!! >  (つlトソ ノ/つ               (つ{卯} /つ
 `、_,〜、_,〜 、_,〜 、_,〜    |  (⌒)                |   (⌒)
                   し⌒                  し⌒

1003 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/03(水) 12:04
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  .        / / /!レノノ)))〉./ / ひゃっほ−う 
            / /从´_ゝ`リ´/  翡翠ちゃーん、
          / |   lトソ ノ /     脱出用フロッピー入手しましたよー!
            |    /
            |   /⌒l
             ヽ   | /      __________
           / | ゙ー'| L                      \
        /     |  /(__ヽ     ナイスです、姉さん!    >
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     /   (_ヽ

 
さぁとっとと脱出!
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動かない!
             ,1^i^lヽ,
      _    {/´  `、}ト
    r‐,.'´   ヽ 〈((ハヾ!l ! よく見ると内蔵チップセット型は対象外って書いてありますね    
    L_lミ!レノノ)))〉 li、´<_` リil l 
バン  く_从´_ゝ`リ  {卯}/ ⌒i
 バン ∩ トソ ノ\ ノ    | |
    / /ミ  / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

1004 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/18(木) 13:06
次スレ完全に停止してますね。
             ,1^i^lヽ, 
       _    {/´  `、}ト
    r‐,.'´   ヽ  〈((ハヾ!l !  
    L_lミ!レノノ)))〉 li、´<_` リil l  ・・・スレ頭で揉めてますからね。
    く_l从 ´_ゝリ    {卯}⌒i           
     /lトソ ノ\_/つ   |
    /ヽ  / ̄ ̄ ̄ ̄/ | 
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|___
      \/____/ (u⊃

1005 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/19(金) 10:49


もう埋まったのになんで密かに続いてるんですか。
             ,1^i^lヽ, 
       _    {/´  `、}ト
    r‐,.'´   ヽ  〈((ハヾ!l !  
    L_lミ!レノノ)))〉 li、´<_` リil l  そんな事気にする人をカットです。
    く_l从 ´_ゝリ    {卯}⌒i           
     /lトソ ノ\_/つ   |
    /ヽ  / ̄ ̄ ̄ ̄/ | 
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|___
      \/____/ (u⊃

1006 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/19(金) 13:53
鬼が少ないと言う意見がありますけど
            ,1^i^lヽ, 
       _    {/´  `、}ト
    r‐,.'´   ヽ  〈((ハヾ!l ! 
    L_lミ!レノノ)))〉 li、´<_` リill 品乳鬼二匹だけで間に合ってるっつの
    く_l从´_ゝ`リ   {卯}⌒i    
     /lトソ ノ\  ノ    |   
    /ヽ  / ̄ ̄ ̄ ̄/ | 
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|___
      \/____/ (u⊃

1007 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/19(金) 14:16
          ___      ___            |  \ \
    /    / ))))     / ))))           |
   /    /_ ⊂ノ   /_ ⊂ノ            | ヽヽ |\
  /   / /   '´ M ヽ. , ´f二コヽ   i 、、 | ヽヽ |\   |  \
 / / \ \  ! ノ从 リ))〉 ! 〈ノノ)))〉  ド ド |ヽ   |\  |    |
/ /    \ \||lゝ゚ ‐゚ノ| ノ! # ゚ ‐゚人
/ /     ヽ   千  ⌒\ 秋  ⌒\
/       ノ     / > >/ > >
        /     / 6三ノ/  6三ノ
       /  / \ \ \ \
―    /  ん、  \ \ \ \
――  (__ (    >  )  >  )       _       ,ィ^i^!1
⌒ヽ   ’ ・`し' / /  / /     r‐,.'´   ヽ.   ,'{レ'´  ヽ} 、
  人, ’ ’, ( ̄ /  ( ̄ /       L_lミ!レノノ)))〉   ,! ノリノ ))〉
Y⌒ヽ)⌒ヽ、 )  |      |        く_l´_ゝ`ノリ    l| |l´_ゝ`ノリ 
         \_つ  \_つ      (つlトソ ノ/つ   (つ{卯} /つ
                          |  (⌒)    |   (⌒)
                          し⌒      し⌒

1008 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/19(金) 14:43
     |  遠野君〜          |
     |あなたを・・・捕まえます〜! |
     \_____ ______/        |  \ \
          ___ ∨                  |  \ \
    /    / ))))                    |
   /    /_ ⊂ノ               | ヽヽ |\
  /   / /   '´ M ヽ.    i 、、| ヽヽ |\   |  \
 / / \ \  ! ノ从 リ))〉   ド ド |ヽ   |\  |    |
/ /    \ \||lゝ´_ゝ`ノ|
/ /     ヽ      ⌒\
/       ノ     /> >
        /     / 6三ノ

       /  / \ \ ` ̄
―    /  ん、  \ \
――  (__ (   >  )
⌒ヽ   ’ ・`し' / /            __
  人, ’ ’, ( ̄ /             , ´   ゙ヾ
Y⌒ヽ)⌒ヽ、 )  |               i ノレノ)〉ソ
         \_つ          ・゚・゙(トOДOノ・゚・  ナンデコンナコトニナルンダッ!
                         / つ_つ=lニ>   ワカラナイ、ワカラナイィッ!!
                         人  Y
                        .し'(_)

1009 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/19(金) 14:44
                       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                       | お、おいっ!こんな真っ昼間から飲みすぎだぞ?!
                       \
                   __      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   r E)              ∧藁∧
         ∧セバス∧   / ./              (●Д●; )
         ( #ΘmゝΘ) //         ⊂二二二      ̄\
         /     二 ,r'  曰              \     「\二二つ
       ./  |    .|     | |                \   \
       .( ( i  /7 . |     ノ__ヽ               . )    )
        ヽ、二つ  .|     ||  ||              / / /
          |/´ l /⌒l!  ||喝||            / / /
     (  ̄ ̄/〜/ ノ|  |!  ||  ||            ( (  <
      \ ヽ\/ ̄ .|  | (<二:彡)          \\ .\
        \`ヽ   i__⌒) `ー‐‐‐´           (⌒_(⌒__ヽ
        (_/


   お嬢様が???になった時の儂の気持ちが貴様に分かるかぁっ!
                              ヽ\((人⌒从*)) /
               _ー ̄_ ̄)’,  ・ ∴.'  ,⌒; )lll(・) >
          ∧ --_- ― = ̄  ̄`:, .∴ '   ( ⌒ ζ>∵))ヽ 
         , -'' ̄  = __――=', ・,‘ r⌒>/・(( 从 人・ヽ\
        /  _-―  ̄=_  )":" .  ’ | y'⌒  ⌒i  ∵
       /   ノ  ̄ ̄=_  ` )),∴.   |  /  ノ |   V
      /  , イ )        ̄=       , ー'  /´ヾ_ノ
      /   _, \               / ,  ノ
      |  / \  `、            / / /
      j  /  ヽ  |           / / ,'
    / ノ   {  |          /  /|  |
   / /     | (_         !、_/ /   〉
  `、_〉      ー‐‐`            |_/    カットカットカットォォーーーッ!!

1010 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/19(金) 14:56
                      _      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                          /´〃 `ヽ,   /一番殺り易いと言われたんで
                          i 〃 ,/'''i ハ <  鬼分倍増してリボーン!!
                        川(! ゚ ‐゚ノハ  \__________
                    /  式 ヽ
             /´ ̄`⌒       ⌒ヽ
            /  ┘└ ´    `´    ヽ
           /ヽ ┐┌   ★      ★ |
          /       ヽ     人    ノ
          |      |ヽ  ` ー 人`  ノ
        / ̄i     /  \   / ´,ヽノ──/⌒l ̄)
      /       /    ノ   / ⌒ ⌒ |  , ` ∪  )
  ( ̄l⌒´      __/    /     ⌒ ⌒ ノ_   _(  )
  (  し ,____ノ      | ノ  ヽ ⌒ ⌒丿 \ ̄
   (__ノ          /     \  /    \
                /  ,      llll        \
               /  ´     /`l        ハ
              /   ,    /   ヽ   ヽ    |
              |,  |    /      \      ヽ
             ノ   ヽ__,/         \_  _ |
           /      /              |      \
         /     ´ /               | `    .\
        /    /  /               \       \
       /     ,_/                   \_i    ヽ
      /   /                           \   i
     /    〈                             )   \
    ノ     ヽ                            (_,ヘ、_`つ
   ( (_(_(_人__)

1011 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/19(金) 14:57
                      _      
                          /´〃 `ヽ,   
                          i 〃 ,/'''i ハ    根源に通じるこの肉体の美を見よ!!
                        川(! ゚ ‐゚ノハ  
                    /  式 ヽ
             /´ ̄`⌒       ⌒ヽ
            /  ┘└ ´    `´    ヽ
           /ヽ ┐┌   ★      ★ |
          /       ヽ     人    ノ
          |      |ヽ  ` ー 人`  ノ
        / ̄i     /  \   / ´,ヽノ──/⌒l ̄)
      /       /    ノ   / ⌒ ⌒ |  , ` ∪  )
  ( ̄l⌒´      __/    /     ⌒ ⌒ ノ_   _(  )
  (  し ,____ノ      | ノ  ヽ ⌒ ⌒丿 \ ̄
   (__ノ          /     \  /    \
                /  ,      満        \
               /  ´     /`l        ハ
              /   ,    /   ヽ   ヽ    |
              |,  |    /      \      ヽ
             ノ   ヽ__,/         \_  _ |
           /      /              |      \
         /     ´ /               | `    .\
        /    /  /               \       \
       /     ,_/                   \_i    ヽ
      /   /                           \   i
     /    〈                             )   \
    ノ     ヽ                            (_,ヘ、_`つ
   ( (_(_(_人__)

1012 名前: あなたを、名無しさんです。 投稿日: 2003/12/20(土) 01:04
ハゲワラ

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