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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 三冊目【SS】
1 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/12(日) 20:55:51 [ QS1Cbi/M ]
書いた赤石サイドストーリーをひたすら揚げていくスレッドです。
技量ではなく、頑張って書いたというふいんき(ry)が何より大事だと思われます。
短編長編はもちろん関係ありませんし、改変やRS内で本当に起こったネタ話などもOKです。
エロ、グロ系はなるべく書き込まないこと。エロ系については別スレがあります。
職人の皆さん、前スレに続き大いに腕を奮ってください。

【重要】
このスレッドは基本的にsage進行です。
下記のことをしっかり頭にいれておきましょう。
※激しくSな鞭叩きは厳禁!
※煽り・荒らしはもの凄い勢いで放置!
※煽り・荒らしを放置できない人は同類!
※職人さんたちを直接的に急かすような書き込みはなるべく控えること。
※どうしてもageなければならないようなときには、時間帯などを考えてageること。
※sageの方法が分からない初心者の方は↓へ。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1117795323/r562

【過去のスレッド】
一冊目 【ノベール】REDSTONE小説うpスレッド【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1117795323/

【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 二冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1127802779/l50

エロ、グロはこちら
+避難用BBSinRS+
http://jbbs.livedoor.jp/game/27750/#top

2 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/12(日) 21:39:48 [ 21yg.VmU ]
この逆レイプ動画、最後まで持ってる人うpしてください!!
http://moe-tan.com/10-minutes/02.mpg
http://moe-tan.com/10-minutes/01.mpg

3 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/12(日) 22:15:00 [ l2DQtdhM ]
業者に2をとられるとはorz

4 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/12(日) 22:16:51 [ PJ6i01rY ]
ワロタw

5 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/12(日) 23:27:51 [ sf4viEvI ]
最悪

6 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/13(月) 01:21:04 [ 5p6eusyA ]
建てるの早くね?
それとエロ、グロ読みたい人は過去ログ倉庫から探して
行ってもらうようにしたかったな。

7 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/13(月) 20:25:06 [ nEAwmKFM ]



某時刻

俺がINすると、俺の名前が赤になっている。

バグか?と思いリログしようとするが、 できない。

叫んでみた。

! 名前が赤くなってしまった方、いませんか?

8人から耳が来た。


だれかが意図的に仕組んでいる・・・


次の瞬間、いきなり見たこともないMAPに移動した。



そして耳が来た。


「おめでとうございます、あなた方8人は選ばれました。私たちはゲームオンのプログラムをハッキングしたので、あなた方の装備、Lv、アカウントを自由に閲覧し、剥奪できます。
しかし、全ての人を消してしまうのは・・・
ということで、あなたがた8人の中から1人だけ、生き残らせてあげます。
ためしにAさん、あなたの装備している指輪を当ててみましょう。」

Aは愕然とした。すべての装備を当てられてしまったからだ。

「お分かりいただけたでしょうか?私に逆らえば、全てが消えるのです。」


「いまからルール説明を致します。戦い、最後まで生き残った方がアカウント剥奪を免れられます。」




「このゲームの名前は、survive」


〜surivive ルール・詳細説明〜


・選ばれた8人はばらばらに飛ばされている。

・見たことも聞いたこともないMAPである。

・スキル、装備等、何を使用しても良い。

・氷柱などの危険なスキルも使用して良い。

・ダメージはギルド戦と同じように√される。

・チームを組んでも良いが、生き残れるのは一人である。

8 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/13(月) 21:04:53 [ 1WUf/.tQ ]
>>7
ツマンネ

9 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/13(月) 21:33:55 [ Ojst3LLk ]
>>7
バトロワ?

10 名前:初心者 投稿日:2006/02/14(火) 14:22:32 [ 3h32TdpI ]
現在、普段と違う場所から書き込んでいるので、IDが変わっていますが気にしないでください。

俺の名はプレナン。今、俺は聖騎士認定試験を受けている。
聖騎士承認試験とは、ブルネンシュティング騎士団の中で、多くの功績を上げたり、戦闘力の高さが認められた者のみが受けられるものだ。
聖騎士を名乗ることを認められるということは、騎士達にとって最も名誉なことで、同時に中級の貴族と同等以上の権力を得るということだ。
今、聖騎士と名乗ることを認められているものは、8人だ。
その中に、俺の師匠、ケイルンもいる。
その聖騎士認定試験だが、8人しか居ないことからも分かるとおり、とても難しい。
今まで、これを受ける事ができた騎士達は、100人を超えるそうだ。
その中で、生きて帰ってくる者が半分程度。
上の人間も、さすがにこれでは貴重な人材がどんどん減っていってしまうので、単独では無く、2人組みでこれを行うことにした。
その分、難易度も上がっているらしい。
「このあたりに、そこへ続く道があるはずだな。」
そして、こいつがそのパートナーである、ベノン。
「その筈だ」
俺たちは、廃坑の地下2階にいる。
此処は以前、ティレンドという者の依頼を受けた時に通った事がある道だったので、地図にも記録してある。
案の定、すぐに見つかった。
「此処だな・・・よし、行くぞ。」
敵も大して強くない・・・というより、今の俺にとっては雑魚だった。
だから、そこへ行くのは容易だった。
俺の経験では、此処みたいに雑魚が多い場所の近くの所は殆ど雑魚しか居ない。
ただ、たまに飛びぬけて強い敵が居る場合もあるので、そいつだけを警戒していれば良いと思っていた。
だが・・・
「ぐ・・・こいつら・・・ただの雑魚じゃない・・・!」
クリーパーの攻撃を盾で防ぐ。
しかし・・・
「うぁっ!」
何が起こったのか、一瞬分からなかった。
「大丈夫かっ! ぐ・・・てぁっっ!」
ベノンがクリーパーを袈裟切りで真っ二つに切断する。
気づくと、俺は少し離れた場所に飛ばされていた。
「どうやら、クリーパーの攻撃で弾き飛ばされたようだな・・・」
そういえば、最近一部のモンスターが特殊な能力を使うようになったと聞いた事があった・・・。
「そうらしいな・・・ただの雑魚では無いらしい。気をつけるよ。」
「あぁ」
此処は、異様に大量のモンスターが居た。
大量のモンスターと遭遇するたびに、いちいち倒しては進むと時間が掛かってしまうので、俺達は依頼者の元まで、出来るだけモンスターを避けながら行くことにした。(基本的に依頼をこなす事が、試験の内容だ。難易度は他のクエストの比では無い物が選ばれるが)
そうしているうちに、依頼者の元へ辿り着いた。
その男は、平静を装っているつもりで、どこか怯えているような雰囲気で俺達に依頼内容を伝え、早く行くように促した。
結局、何をすれば良いのか聞いただけで、どんな攻撃をしてくるのかなど、比較的重要な情報は得られなかった。
しかし、何もしない訳には行かないので、早々に最初のターゲット、デビルガードの元へ向かった。

11 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/14(火) 15:42:23 [ 8H3v6EOU ]
前スレ使い切れよボケ

12 名前:初心者 投稿日:2006/02/14(火) 15:55:29 [ BjmG50gY ]
「あいつか・・・。」
ベノムの視線の先には、黒いマントをなびかせた、赤いモンスターが立っていた。
「見たことの無いモンスターだな・・・。」
依頼者は、何をすれば良いかを教えただけで、そいつがどんな攻撃をするのかなど、詳細な情報は教えてくれなかった。
「あれがどんな攻撃をしてくるか分からない以上、背後から近づいて、速攻で倒してしまうのが良いだろう。」
「いや・・・正体が分からないからこそ、慎重に近づいて、攻撃を防いで隙を作ってから、確実に攻撃を入れたほうが良いと思う。」
一理あるが・・・。
「しかし、中には盾で防げない攻撃をしてくるものも居るらしい・・・やはり、気づかれる前に・・・。」
「そうだな・・・。」
会話を打ち切った後、壁に隠れながら、敵の隙を伺う。
敵が背を見せた瞬間・・・
「今だ!」
俺達は、背後に回り、パラレルスティングを撃とうとした・・・。
その時
「!!」
敵が振り向いた・・・すると、体に激痛が走った。
「ぐぅ・・・一体・・・?」
「フハハハハ!貴様ら小童が、この私に敵うとでも思ったか!貴様らがそこに隠れていたのは、とっくに気づいておったわ!」
敵が高笑いをした。
思わず怯んでしまう2人。
そこを・・・
「愚か者め!」
顔を笑みに歪め、腕を高く掲げ・・・振り下ろした。
すると・・・
ドバァァァァ
すさまじい炎が生まれた・・・
その炎から生まれる風だけでも、相当の威力がある・・・。
「うあぁぁぁぁぁぁっ」
炎と、それが巻き起こす風に巻き込まれ、壁に叩きつけられた。
「う・・・うぅ・・・」
気を失いかけた・・・その時、
「プレナン・・・これを・・・使え・・・」
息も絶え絶えに、ベノンが巻物を差し出してきた・・・。
帰還の巻物。
スマグで作られる魔法のアイテムで、使用すると一瞬で町に帰ることが出来る。
「すまない・・・。」
そういうと、それを開いた。ベノンも同時に開く。
「逃すかぁ!!」
敵が腕を振り上げた瞬間・・・
体がほのかに光る光に包まれ、軽い浮遊感がした・・・

13 名前:初心者 投稿日:2006/02/14(火) 15:57:24 [ BjmG50gY ]
申し訳ありません・・・
新しくスレが立っていたので、前のスレはもう埋まったのかと思ったのですが・・・
>>11さん
ご指摘、有難うございました;
あちらに続きを書かせていただきます
失礼しましたm(_ _)m

14 名前:前スレ989 投稿日:2006/02/15(水) 13:58:09 [ OnBW7owU ]
前スレ>>990
自分の書き込みを見直してきたら、確かにそういう意味に取れることを書いてた。
なんだか他の職人様達を貶してるようなことを書いてしまって悪かった。
次からもう少し考えてから書き込むことにするよ。

ちょっと口出しするんだけど、前スレは埋める必要あったのか?
こういうスレに埋めは必要ないように感じる。

15 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/15(水) 16:12:58 [ XZnVkVF6 ]
age

16 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/15(水) 17:44:05 [ Y6Ja1Mr6 ]
>>14
確かに埋める必要無かったような気がするね。
前みたいにまとめる必要も無いけどな。
どうせリンクできなくなるし

17 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/15(水) 22:01:37 [ i7gVGvTg ]
キラキラのVIP☆STAR♪君をもっと夢中にさせてあげるからね
チリチリのVIP☆STAR♪羽を広げ、ブーンをさせてあげよう♪ヘイストで〜
ブラー拾えた喜びと(≧▽≦)
石に付いてた寂しさの(´・ω・)
両方を手に入れて、チリは走り出す⊂二二二( ^ω^)二⊃
空も飛べるよレビテトで
知識ばかりの僕だけど
紙ペッツにアースヒール与えられたなら♪
初めてギル戦に臨んだ瞬間に、ダメオンが何故か放ったマジックは緊急のメンテヽ(`Д´)ノ
テラワロスVIP☆STAR♪君がずっと夢中なそのアチャ実はネカマm9(^Д^)
うはwおkwうっ・・うっ・・失恋ツラス(;ω;)引退するお♪今すぐに⊂二二二( ^ω^)二⊃

うん。すれ違いなのはわかってる。でもKOBARYUの「VIP☆STAR」を聞いてしまってから、ずっとこの歌詞が俺の頭の中でループ再生してるんだ。助けてください

18 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/16(木) 02:48:19 [ iPcyGfsE ]
【多数vs多数 最強!】始源魔サキエル参戦だおwww【VIPくおりてぃ】
1 サキたんだお。
 ここの筋肉馬鹿やっつけるお!!
2 名無し
 2get
3 名無し
 2get
4 名無し
 3getじゃなかったら半裸で古都特攻。
5 名無し
 4GETオメ。
6 名無し
 >>4 kwsk!!!
7 4
 OTL
8 名無し
 うpうpっ!!!!
9 七誌
 どうせわしら外見同じなわけだが
10 七氏
 >>9
 だが、それがいい。
11 名無し
>>10
( ・∀・)人(・∀・ )
12 4
_| ̄|O

13 サキたんo
 3分で全滅させたら全裸うpするお。

 mjd?!

ksk ksk ksk
どうせ1の中の人は天使ナわけだがwww
 100げっつ
 だがそれがいい。
 ウホッ!
 みwなwぎw(ry
 恥ずかしいので言わないでください >w<

  サキたんだお。
 上の「サキたんo」は偽者だおっ!!

 うん、何となくそうじゃないかって言うのは薄々気付いてはいたんだけどね。
でもやっぱりあの赤翼出した姉さんにグワシってされたくて・・・・・・
(´・ω・`)キエトキマスネ
(´・ω:;.:...
(´:;....::;.:. :::;.. .....

( ・∀・)人(・∀・ )
( ・∀・)人(・∀・ )人(・∀・ )
(´:;....::;.:. :::;.. .....
(´・ω:;.:...
( ・∀・)人(´・ω・`)フッカツシマスタ

ksk   ksk  200get 200get ⊂二二二( ^ω^)二⊃ 200get!
ksk  (≧▽≦)

19 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/16(木) 02:49:58 [ iPcyGfsE ]

  サキた人。
 かわいそーだから あちしが脱ぐお。

 mjd?!

ksk ksk ksk VIPから来ますタ。 ksk ksk ksk
 梅 産め 膿め
 きんもー☆
  ksk
ksk ksk 協力感謝。
kskksk ksk kskksk ksk kskksk ksk kskksk ksk k
ksk ksk kskksk ksk ksk
ksk  燃料plz!!   ksk ksk ksk ksk
 あぼーん :あぼーん
 GPGP! GP! もっとGP!
 マルチポスト乙。


 「 流 石 だ よ な 俺 ら ( ´_ゝ`) (´<_` )」
   ∧_∧   ∧_∧
   /__´_ゝ`ヽ /´<_` ヽ OKブラゲット〜♪
  〃/ハ)ヽヽ (从ハ从 ) 
  リハ´ワ`ノゝ ノヽ´ワ`从ゝま、全滅は確実だよな俺ら♪
   <ヽVノフつ ⊂[i V i]つ
   ∠ソバゝ  /_」_L_ノつ
   (_/ ∪     ヽ_)



・・・V (バーチャル/ヴァルキリー) I (イメージ) P (プロジェクター・・・・・・

すまぬ・・・丁度、↑な人が居たので便乗させていただいたーo



   オマケ

 「だ、だめだお。 そんなコトしたらこわれちゃうぉ・・・」

 一匹だけはぐれたらしい分身――777号らしい――を捕獲、連れ帰る漏れ。

トイウか、蟻の群れの怠ける割合、みたいな。

20 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/16(木) 13:00:00 [ dqYqhQCM ]
>>18-19
気色悪いのでお帰りください

21 名前:FAT 投稿日:2006/02/16(木) 18:13:28 [ TKRnzKAI ]
キャラ紹介

主人公

【名前】エイミー=ベルツリー
【身長/体重】168cm/49kg
【性別/年齢】女(28)
【出身】トラヴィス
:穏やかで熱くならない。レンダル、デルタの教育係。黒髪白肌。


【名前】ラス=ベルツリー
【身長/体重】189cm/85kg
【性別/年齢】男(7)(21)
【出身】トラヴィス
:エイミーの子。一年に3つ歳をとる。下半身は毛むくじゃらで尻尾も生えて
いる。人間離れした運動能力を誇る。精神的にまだ成長途中であり、すぐに切
れる。感情の起伏が激しい。茶色のウェスタンハット。茶色のマントに白のジ
ャケット、ダボダボの黒ズボン姿。黒髪。


メインキャラ

【名前】レンダル=ヒューストン
【身長/体重】156cm/47kg
【性別/年齢】女(28)
【出身】トラヴィス
:男女。快活な性格で女らしさは0。エイミー、デルタの大親友。


【名前】デルタ=ゴッドレム
【身長/体重】150cm/41kg
【性別/年齢】女(16)
【出身】アウグスタ
:ロリっ子。歳が離れているため、エイミー、レンダルに愛嬌される。


【名前】ランクーイ=ベアウーネ
【身長/体重】158cm/47kg
【性別/年齢】男/(15)
【出身】バリアート
:気は強いがいざとなると逃げ腰のダメ男。魔法剣士を目指すが素質は0。
両親は2年前に病死。宿屋の息子。黒髪ツンツン、一重瞼。猫舌


【名前】レルロンド=アラジャラン
【身長/体重】173cm/60kg
【性別/年齢】男(17)
【出身】バリアート
:ランクーイの親友兼保護者。冷静で集中力の高い弓の達人。短髪茶髪。たれ目。



キーワード


「エンチャット」
:強力な魔力で、「物」に半永続的な魔力を持たせること。優秀な術者の場合、
術者が死んでも効果は残る。

「トラヴィス」
:スマグに隣接する小さな町。エイミーたちの故郷。

22 名前:FAT 投稿日:2006/02/16(木) 18:20:08 [ TKRnzKAI ]
『水面鏡』


―田舎の朝―

―1―

 水溜りが映した青空が、鳥が、雲が歪む。地を這う無邪気な振動が鏡を割った。

「おはようございますっ!! お姉さま!!」
 淡い桃色の服を着た小柄な女の子が勢い良く走り寄り、お尻を突き出す。両手を腰に当
て、大きなあくびをしていた「お姉さま」はこの尻撃であごが外れそうな程強かに家の壁
に顔を打ちつけた。

「って!! …こら、デルタ!! 挨拶代わりにヒップアタックするんじゃねぇ! あご
が外れるとこだったろうが!!」
 デルタ=ゴッドレムは首を35度斜めに傾け、
「あら、レンダルお姉さまったらご冗談を。お姉さまの強靭なあごがそのくらいで外れる
はずがありませんわ」とくすくす笑った。
 
 レンダル=ヒューストンは呆れた顔でぼさぼさの髪を掻き揚げ、眠たそうな半目を擦っ
てデルタに背を向けた。
「久しぶりに街に出れるからってあんまり浮かれるなよ。俺は正直アウグスタには興味が
ないんだ。どうせならブリッジヘッドまで行って異国の武器を…」
「もうっ! お姉さまはどうしていつもそうおっかないものに興味を惹かれるの? たま
にはおしゃれをしましょうよ!」
よれた肌着を捲りながらレンダルの目が鋭く光る。
「おしゃれだぁ? デルタ、お前それがおしゃれだと思ってるのか? 俺から言わせても
らえばピンク一色に揃えた気狂いとしか思えないぞ。おしゃれっていうのはエイミーみた
いな奴のことを言うんだよ」
「な、なによ〜! レンダルお姉さまにだけは気狂いだなんて言われたくないわよ! こ
の男女ぁ!!」

 むすっとしたデルタを横目に、レンダルは密かに笑いながら着替えを済ます。開けっ放
しのカーテンからは爽やかな春の陽が射り、木製のタンスが主役になったかのようにライ
トアップされる。その中の一段を引き出し、乱雑に畳んだ寝巻きを押し込むとデルタの頭
を掴み、
「誰が男女だって? こ の く そ ガ キ が !!」と力を込めた。同時に耳を劈
くような高音の悲鳴が家中を轟かす。

「おい! レン! 朝っぱらから騒がしいぞ! デルちゃん連れてとっとと出てけ!」
上階から父親の迷惑そうな叫びが届いたのでデルタの背中を蹴り、野外へと引き摺り出
す。「ふんっ!」っと鼻息を鳴らし、枕元の銭入れを懐に仕舞うと、錆び付いた曲刀と小
さな丸い木の盾を背中に括りつけ、瞳を潤ませているデルタに一言かける。
「すねてんなよ。もう嘘泣きなんて通用しない歳だぜ? そんな気持ち悪いことしてない
でとっととエイミー起こしに行こうぜ」

 父親譲りの男口調が彼女を本物の男のように印象付ける。セットなどする気のないぼさ
ぼさの髪、起伏の見られない胸、短い脚、勝気な目。どれをとっても女らしさが見られず、
周囲の人たちも彼女を男のように扱っている。これに対しデルタは細くほわほわした髪質
に加え童顔、ピンクを好むせいか全体にふんわりとふくよかな印象を受ける。

「お姉さま! 今朝は暴言の嵐ですわ! 気狂いだの、くそガキだの、気持ち悪いだのっ
て!! 私がどれだけ傷ついたか分かっていらっしゃるの!? 胸が痛んでもう歩けませ
んわ」
 座り込んだままレンダルの気を惹こうと派手な手振り身振りで熱演する。セリフを言い
終えた後で反応を心待ちにするが時間が止まってしまったかのように静寂がデルタを包む。
おや、と頭を上げてみると遠くの方にちんまりとレンダルの姿が見える。

「もうぅぅぅ! お姉さまぁ〜! 私をもっとかまってぇ〜!!」

23 名前:FAT 投稿日:2006/02/16(木) 18:31:37 [ TKRnzKAI ]
皆様お久しぶりです。

もうじきプリンセス/リトルウィッチ実装とのことで、ようやく新作に着手し始めました。
前作とは大分書き方を変えたので、違和感を感じるかも知れませんが、どうかスルーでお願い
致します。

>>戦士のようださん
ジンシリーズの連載お疲れさまでした。悲しくもどこか勇気が出るような、そんな終わり方
でした。ジンの苦悶と失望の念が解き放たれてよかったです。
一度長編書き終えると少しSSから離れたくなりますが(自分だけでしょうか)また、戻ってきて
下さいね。お待ちしております。

24 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/02/16(木) 20:05:42 [ QS1Cbi/M ]
>>FATさん
新連載ですね〜
SS離れは起きてるのか起きてないのかはよくわからないです
ただ、次に投稿するときはもっと丁寧に作品を作ろうと思ってます

25 名前:FAT 投稿日:2006/02/17(金) 21:59:38 [ TKRnzKAI ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21

―田舎の朝―
―1―>>22



―2―
「なんだ、エイミー、起きてたのか」
 レンダルは庭先の畑に水を差しているエイミーを物珍しい顔で見た。
「やだ、そんな顔しないでよ。私だってたまには一人で起きれるわよ」
 エイミー=ベルツリーは少しはにかんだように笑い、水の半分入ったブリキのじょうろ
をレンダルに向けた。
「うわっ! ばか! 濡れるだろっ!! っとわ!」
 突然の攻撃に慌て、足をもつれさせてしまったレンダルは今しがた水やりを終えた畑に
尻餅をついてしまった。吸収途中だった水は飛び込んできたレンダルのズボンに新たな逃
げ場を見つけ、一瞬で沁みこんだ。
「あひゃあ!! つめてーー!! パンツまでぐちょぐちょだよ…。やってくれたな! 
このぉ!!」
 急いで立ち上がるとエイミーの手にしていたじょうろを分捕りその突先をエイミーに向
ける。
「レン、落ち着いて。あなたが勝手に転んだだけでしょう? 私、まだ水を飛ばしてなか
ったわよ?」
「知るかー!」
 いたずらっ子のような快活な笑みと共にじょうろを振りかざす。と、そこに、
「おはようございますっ! お姉さまっ!!」
 再び勢い良くデルタが飛び込んできた。彼女は得意のヒップアタックを繰り出そうとし
たがその前に盛り上がった土に足を取られ、エイミーのちょうどへその辺りに頭突きを見
舞う形になった。
「きゃああぁ」
 突然の衝撃に耐え切れず、二人は折り重なってじょうろをかざしているレンダルの方に
よろめいた。
「あ゛…」
 避けようにも距離が近すぎた。二人に押し潰される形でレンダルはまたも吸水の手伝い
をすることとなった。更には無意識に空へ放り投げたじょうろが絡まっている三人に冷や
やかな朝の洗礼をもたらす。
「あはははははは!」
「きゃははははは!」
 レンダルとデルタの明るい笑い声が山々にこだまする。そんな二人をエイミーは満足そ
うな笑みでみつめる。彼女はあまり声に出して大笑いをするということがない。もしかし
たら出来ないのかもしれない。しかし、彼女の微笑みは見る人の心を温める不思議な魅力
を持っている。この笑みを独占できることにレンダルとデルタは幸せを感じていた。

26 名前:FAT 投稿日:2006/02/17(金) 22:00:04 [ TKRnzKAI ]
「さぁ、エイミー、アウグスタへ行こうか」
 笑いを満喫したレンダルが出発を催促する。
「え? 着替えないの? レン」
 キョトンと目を丸くしてレンダルの顔を見張る。
「ん…もう慣れたしな。気持ち悪くないからいけるだろ?」
「…あなたらしいわね。私は着替えるからもうちょっと待ってて。デルタも着替えるでし
ょう?」
「はい!着替えてきまっす」
「じゃあね、レン。風邪引いても知らないわよ」
 わざと冷たくレンダルをあしらい、エイミーは家の中に消えていった。デルタも飛ぶよ
うに家に帰り、レンダルは独り庭に立ち呆けた。独りになると急に濡れた箇所がむずむず
と疼き出した。それと共に朝の冷たい空気が身震いを起こさせる。
 エイミーが着替えを終え庭に出るとそこにはレンダルの姿はなかった。思い通りになっ
たことで今日はいい一日になるような気がした。鼻歌混じりにエイミーは紅茶を沸かし始
め、ちょうど良い色が出る頃に例の二人が戻ってきた。
「ささ、お出掛けの前に体を温めておきましょう」
 二人をテーブルに誘導し、熱い紅茶とクッキーを添えた。
「そういやラスの野郎は元気にしてるのか?」
 レンダルが一口にクッキーを頬張りながら思いついたように言う。
「さぁ?まだ出て行ってから一ヶ月も経っていないから…。でもあの子なら何も心配はな
いわよ。向かうところ敵無しっていうのはきっとあの子のことを言うのよね」
「でたでた、この親ばかが」
「エイミーお姉さまはラスちゃんラブですものね。でもあの子の性格的に危険なことに首
を突っ込んでそうで恐いですわ」
「大丈夫よ。私の子ですもの。教育はしっかりとしたつもりよ?」
「でもなぁ…あいつまだ七歳だろ? 色々感化されてそうだなぁ…」
「それにけっこう怒りっぽいですしねぇ。まだ早かったのではないですか? ラスちゃん
を冒険に出すのは」
「でも…どうしてもって言ってたから…親としてはね…心配だけど行かせてあげたいって
思って…」
 徐々に無口になっていくエイミーに付き合いの長い二人は口を紡いだ。窓の外を放牧さ
れている牛がのっそりと通り過ぎ、レンダルが奮起する。
「ごちそうさまっと。んじゃ、今度こそ出発と行こうぜ!!」
 大きな声をあげ、せかせかと椅子から立ち上がる。連れてデルタも立ち上がり、置きっ
ぱなしにされているレンダルのカップと小皿を自分のものに重ねてキッチンへ運ぶ。ちら
りとエイミーに目配せをし、二人は戸を開いた。
「ラス…元気にしてるわよね…。手紙くらいくれてもいいのに…」
ぬるくなった紅茶を飲み干し、齧りかけのクッキーを小皿に乗せたまま、キッチンへと
運ぶ。水を溜めておいたタライを覗き込むとそこには白い顔があった。黒い瞳が何か物憂
げに映え、深い闇のようでもある。そんな視線に気付かずに、クッキーを乗せたままカッ
プと小皿を水に漬け込むと少し急ぎ足で二人の下に向かった。

27 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/02/19(日) 11:50:39 [ QS1Cbi/M ]
100万回生きたレッドストーン

じゃあ君は不死が望みなんだね?
赤い石が一人の男に話しかけた。男はそれに肯く。
俺は死にたくないんだ。今まで恐ろしい死に方を何度も見てきたから。
じゃあ、私が願いをかなえる前に、君に100万の生を与えてあげよう。
石が光った。男は死んだ。

男はそれなりに可愛い女の子に生まれ変わった。でも、男だった女の子は、
何時も何かに怯えていた。女の子の住んでいる村は、常にモンスターの恐怖に晒されている。
そして街にモンスターが現れた。モンスターは村の人々を襲い、建物を壊した。
モンスターが現れてからしばらくすると、今度はケイルンが率いる討伐隊が現れた。
討伐隊はモンスターを退治してくれた。女の子はケイルンにお礼を言った。

それから男はケイルンになった。ケイルンは古都に戻ってから、鎧を脱いで共同墓地へと向かった。
共同墓地には妻の骨が眠っている。今日は命日で、墓には既に花が供えられている。
すまなかったな、とケイルンは呟いた。ケイルンが戦に出ている間に妻は病死した。
オヤジ、と後ろから声が聞こえた。成人を迎えた息子が後ろに立っていた。
母さんの命日だな。
ああ。
もっと大事にしてやればよかったのに。
そうだな。
ケイルンと息子の間でぎこちないボールのやり取りがあった。
妻が死んだことが原因で、むすことは仲が悪くなっていた。
兵士という職業を憎んでいた息子だが、それでも息子は騎士になった。

男は息子になった。息子は古都をぶらぶらと歩きながら雑貨屋へと行った。
ドロシーがいつものように店番をしていた。
ポーションを一つだけかった。それは二人だけが知る合図。
昼頃になると、店がいったん閉まった。息子とドロシーが裏通りへと並んで歩く。
息子とドロシーは裏通りでキスをした。毎日行われる確認作業。
二人はお互いに愛し合っていると信じている。
あ。
ドロシーがぼうっと立っている若いランサーを見た。
ランサーは顔を赤らめて二人を見ている。
ごめんなさい、覗くつもりはなかったの。
いいんです、けどお婆様には秘密にしていてください。
本当にごめんなさいね。

男はランサーになった。
ランサーは裏通りで見たドロシー達を、過去の自分と重ね合わせた。
昔、自分にも恋人が居た。だが、恋人は悪魔に殺され、自分もその悪魔の汚れを受けている。
ランサーは泣きたくなった。それでも涙は出てこない。
彼女は色々なことを経験していたし、世の中には涙にならない悲しみがある。

めぐりめぐって男は男になった。
どうだい?これでも不死がいいだろうか?
もういい、もういいんだ。
じゃあ何が欲しい?
男はじっと黙っていた。男は自分の人生を振り返り、
亡くしたもの、見捨ててしまったもの、失ったもの、磨り減ったものを考えていた。
男は実に努力をして様々な物を失っていったのだ。
男は悲しくなった。色々なものを亡くしてきたのに、何が欲しいのかわからない。
自分が空っぽだと思った。そして、それはその通りだった。
眠るんだよ。全ては夢だったんだ。朝になればまた元に戻るさ。
レッドストーンが光った。
男は眠り、それから朝が来た。
男は目が覚めたときに、何か不思議と死ぬことが怖くなかった。
久しぶりに故郷に帰ろうと思った。妹と母にも久しく会っていない。
妹と母と一緒に美味い飯を食べよう。それから犬の首を撫でてやるのだ。
久しぶりに釣りでもしよう。故郷の水は何処よりも澄んでいる。
男は久しぶりに穏やかな気持ちになれた。

28 名前:FAT 投稿日:2006/02/19(日) 22:32:37 [ TKRnzKAI ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21

―田舎の朝―
―1―>>22
―2―>>25-26


―子供と子供―
―1―

 やたらとしつこい蟲の群れを焼き尽くし、茶色のウェスタンハット、茶色のマントに白
のジャケット、ダボダボの黒ズボン姿のラス=ベルツリーは田舎町、バリアートに足を踏
み入れた。珍しいこの訪問者を出迎えてくれたのは人ではなくブタだった。
「よぅ、ブタさん。こんにちは」
 放し飼いにされているよく肥えたブタの鼻先を軽く撫で、ラスは宿を探そうと茶色のウ
ェスタンハットの唾を上げ、辺りを見回す。

「おい…ばれたんじゃないか?」
「いや、気づかれてはいない。見ろよ、あいつまたブタにかまってやがるぜ。見るからに
間抜けそうじゃないか」
「見た目がか? お前はよっぽど見る目がないな。あの背中の大剣を見ろよ。あんなもの
担いでるんだ。気を抜いたら真っ二つにされるぞ」
「けっ、どうせ飾り物さ。大丈夫。お前のあれが決まればいつも通りにうまくいくさ」
 
 木陰でこそこそと耳打ちをする二人の少年。一人は背が小さく、つんつんと黒髪を立て
た気の強そうな一重瞼が特徴で、もう一人は短髪茶髪、おっとりとしていそうなたれ目が
特徴である。その不穏な空気にラスは気づく気配もない。ただ、どこにも宿屋の看板がな
いことに多少の不安を抱き始めているだけである。
「ブタさん、この町には泊まるところがないのかい?」
 膝をつき、親しげに近付いてくるブタに話しかけたその時、急に何かが飛んできたかと
思うと次の瞬間、謎の粉が巻き上がった。
「なんだ? これ…っう!! げっほげっほ!! ぐっほ!!!」
 激しい痛みが喉と目に走る。地面をのた打ち回るようにもがいていると、何者かの手が
ラスの愛刀に伸び、抜き去っていった。
「いやっほーい!! 成功だ!! レルロンド!! ずらかるぞーー!!」
 意気揚々と駆ける背の低い方の少年。しかし、その逃走は意外なものによって阻止され
た。
「ぴぎぃぃぃぃぃ」
 粉塵によって猛ブタと化したそれはでたらめに野を暴走していた。運悪く、少年の逃げ
るコースとブタの突進するコースが重なってしまったため、少年は跳ね飛ばされた。放物
線を見事に描き、少年は地面に叩きつけられた。

29 名前:FAT 投稿日:2006/02/19(日) 22:33:13 [ TKRnzKAI ]
「ランクーイ!!」
 レルロンド=アラジャランは身を隠していた木陰から勢いよく飛び出し、地に潰れてい
るランクーイの様子を確かめる。衝突時の衝撃こそ強烈だったが、幸い落下地点は草の生
えた柔らかな地質だったので目立った外傷はない。ほっと一息付くと背後からのおぞまし
い程の殺気が皮膚を刺した。
「許さねぇぞ…お前ら!!」
 沁みる目を懸命にこじ開け、潰れた喉からなんとか言葉を発する。まだ幼いラスは自我
の制御がうまくできず、無意識のうちに上空に火の玉を六つ作り出していた。見たことも
ない火の玉の数にレルロンドはまばたきを忘れた。若干十七歳のレルロンドと十五歳のラ
ンクーイ。二人の少年はたった七歳の少年に今、その芽を摘まれようとしていた。

「ぷぎぃぃぃぃぃ」
 しかしまた、暴徒と化したブタが今度はランクーイたちを救う体当たりをラスにかまし
た。頑丈なラスは微動だにしなかったが、それがきっかけである言いつけを思い出した。

(いい、ラス。旅に出るのは許すけど、一つだけ約束をして。どんなことがあっても、人
を殺めてはダメよ。いいわね。私からのたった一つのお願いよ。守れるわよね?)
 
 炎の群れを直視し、震えているレルロンドの頭上を掠めるように火は飛んでいき、地中
に潜った。ラスは無言で大刀を奪い返すと足元で気を失っているブタの頭を優しく撫で、
レルロンドたちに背を向けて当てもなく歩みだした。
 
 去り行く恐怖に対してレルロンドは不思議ともったいない気がしていた。
 
 ――この田舎町でやんちゃをしているレルロンドとランクーイ。二人がこんな盗賊まが
いなことをしているのは刺激がほしいから、ただそれだけである。別に盗った物をどうこ
うするつもりは毛頭ない。いつものパターンならレルロンドが調合した強刺激の粉塵の入
った袋を矢につけ被害者の近くで破裂させ、相手が苦しんでいる隙にランクーイが獲物を
盗り、二人してオロインの森に逃げ込むという手順であった。盗った獲物は逃走コース上
の納屋の近くで、きまって投げ捨てた。森で落ち合い、互いの無事を称えあう瞬間、その
一時が楽しくて、何度も何度も繰り返した。もちろん犯罪のあと一週間程は町には帰れな
かった。しかし、親のいない二人にとってはそんなことは問題ではなかった。

 今、初めて狩りをしくじり、更に、死の危機にも直面した。しかし、何故かレルロンド
の心は燃えていた。目は、輝きに満ちていた。

「待ってください!!」
 ラスは言われるがままに立ち止まった。
「僕らの非礼を詫びます! ですから…僕の家で謝罪をさせてはいただけませんか?」
 ラスの顔が僅かに明るくなる。宿が、見つかった。

30 名前:FAT 投稿日:2006/02/19(日) 22:38:23 [ TKRnzKAI ]
>> 戦士のようだ さん
なんと言いますか、こう……考えさせられる作品ですね。
難しいことは言えませんが、一言でまとめると「人間って素晴しい」ですね。

31 名前:南東方不勝 投稿日:2006/02/20(月) 03:06:23 [ gowBXNz6 ]
ども、MT車の教習でヒイヒイ言ってる南東です。坂道発進が難しいよ、グランママン…orz
前スレ分も含めた感想を置いていきますね。

>>ドリームさん
着飾ったミレル嬢はさぞや、眼福者でしょうねぇ・・・。
さて、バースがやんごとなき身分の方だったとは驚きです。
名前からして、某Uの関係者ですかね?

>>復讐の女神さん
弓殴りでこそ泥こと、イゾルデを撃退してしまったジェシ嬢。
なるほど、彼女は正統派物理弓ですか。
盗賊組合に売られ(ryもとい、しょっ引かれていったイゾルデの運命は如何に?

>>初心者さん
プレナンさん、試験に挑戦するの巻き、ですかね。
って、試験内容がバフォクエってかなりハードっすねorz
そしてゲンマの爺ちゃん、あんた好きやわぁ。

>>リ・クロスさん
初めまして^^
簡潔に纏まっていて、個人的には良作でした。
また、気が向いたら書きにいらしてくださいね。

>>FATさん
おぉ、お帰りなさいです。先輩。
前回に引き続き、魅力的なキャラばかりで素敵です。
個人的には・・・、レンダルさんが一番萌え(ぇ ましたかね。

>>戦士のようださん
有名な童話の改変モノでしたが・・・、感動しました。
GJです。

32 名前:南東方不勝 投稿日:2006/02/20(月) 17:13:57 [ gowBXNz6 ]
前スレ>>968

―――東バヘル上流―――

ドゴォォォォォォ・・・、ズズゥゥゥン・・・!

強烈な衝撃を受け、巨木が音を立て倒れていく。
兄貴が放った真空波で片腕を吹き飛ばされても尚、あの巨人は膝を折ることはなかった。
「オォォォォォォォッッッ!!!!」
巨人が己の左の足を天高く振り上げる。その行き着く先は兄貴の腹部・・・!
「そう、簡単に・・・、当たってはやれんよ!」

ヒュオウ・・・、ザッッ!

巨人の足が腹に届く一歩手前で、兄貴がバックステップで「一撃目」をやりすごす。
巨人は未だに、足を振り上げた状態で止まっている。だが、この技はこれだけではない。
兄貴だってそのことは、充分に知っているはずだ。それなのに・・・、

ザリッ・・・、ドンッッッッ!

兄貴は戸惑いもせずに、一直線に走り出した。
「ジャック・・・!」リリィが、その光景に声を荒げる。
一頭の狼が岩肌がむき出しの荒れた台地を、巨大な獲物に向かって疾走する。
両者の距離が、瞬く間に縮められていく。手にする武器の特性上、先に間合いをとるは狼。
あの間合いからならば、巨人の「二撃目」が届く前に狼(兄貴)の牙(ハリケーンショック)が巨人を捕らえられる。
だが、狼は止まらない。さらに一歩、獲物(巨人)との距離を縮める。しかし、その踏み込んだ領域こそ巨人の間合い・・・!
「オアァァァァァァァッァァ!!!」
天高く振り上げられていた鉄槌(左足)が、兄貴に向かって振り下ろされる。

ドガァァァァァァ!!!

「がぁぁぁぁぁぁぁ・・・!」

ベコッッ・・・メキメキメキ、ゴキャッッッ!

あまりの衝撃に周りの地面が爆ぜる。
振り下ろされた鉄槌は、その狙い通りに狼の体を粉砕した。
いや、したはずだった。
「・・・ッ!?」
巨人の左足が動かない・・・いや、動かせない。
何故ならば、その左足は何かに掴まれているのだから・・・!
「はぁ・・・はぁ・・・、残念だったなぁ・・・。生憎、搾取(盗ってた)魔力は・・・防具にも回せんだよ!」
土煙の切れ目から、その掴んでいた何かが姿を現す。
振り下ろされた踵を左肩で受け止め、左手はその肩に食い込んだものをしっかりと掴んでいた。
「そんな不安定な体勢じゃあ・・・、流水撃は打てねぇよな・・・!」
狼の姿が重なり、牙(斧)を振り上げ・・・、
「まぁ、あんたがあっちで部下達と再会できることを祈ってるよ・・・。」
巨人の体にその牙を突き立てた。

33 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/02/20(月) 17:29:14 [ QS1Cbi/M ]
元ネタって童話だったんですね
自分は「百万回生きたブーン」を見て思いつきました
嗚呼ハズカシイ

34 名前:ドリーム 投稿日:2006/02/20(月) 17:37:46 [ C5V/QrjM ]
久し振りに書き込み遅いけどキャラ紹介でも・・

主人公
レイド(21) 腕、顔共に一級品の腕利きシーフこの物語の主人公なのだが・・・?


ミレル(20) 腕は一流顔は・・・・ご想像に(ぁ 職はランサー、記憶喪失の女性ツンデレツンデレ

ヴィード(22) 変態戦士(ぁ 腕っ節が強い。ミレルに片思いの予感

バース・ロマ・シュトラディバリ(23) ロマで王子であり、古都の王の名を継ぐ男。

その他何人か(ぇ

>>FATさん
お初ですーそしておかえりなさい。魅力的なキャラの数々でどんな冒険が待ち受けているのでしょう
期待です

>>南東方不勝さん
坂道運転ガンバです・・・
そうですねドレス姿のミレルにドキドキです(ぇ
某Uの関係者です(笑

35 名前:ドリーム 投稿日:2006/02/20(月) 19:08:20 [ C5V/QrjM ]
1時間30分もたってようやく気がついた・・・坂道発進だね・・・(ぁ

36 名前:FAT 投稿日:2006/02/20(月) 21:09:54 [ TKRnzKAI ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21

―田舎の朝―

―1―>>22
―2―>>25-26

―子供と子供―
―1―>>28-29



―2―

 比較的新しい、しっかりとした家だ。おそらく築十年も経っていないだろう。窓が大き
めに作られており、家の中には光が充満している。だが、どこか寂しさを感じるのは何故
だろう。

 ラスは寝込んでいるランクーイの額に冷たく濡れたおしぼりを乗せ、部屋を見回す。小
奇麗に整理整頓された室内。まるで誰も生活していないかのような、不気味さを感じる。
「お待たせしました。こんな物しかありませんが…」
 レルロンドがトレイに甘いハチミツティーと七色のキャンディーを乗せて現れた。それ
らをラスに献上すると、深く頭を下げた。
「先程は本当に申し訳ありませんでした。…その、おかしな言い方かも知れませんが、命
を救っていただき、ありがとうございました」
 まだ痛む喉を癒すため、ハチミツティーを一気に飲み込む。今度はその甘さにむせ返る。
「…なんで盗賊なんてやってるんだ?」
「僕らは決して物が欲しくてあんなことをしているわけではありません! 盗ったものは
すぐに返します」
「はぁ? 何考えてんだよ」
「…スリルです。僕らはスリルを求めているんです」
「そうだ、俺たちは退屈なんだよ…」
 青白い顔のランクーイが口を挟む。
「ランクーイ、寝てなきゃダメだ。顔が病気のゴブリン並に青いぞ」
「どういう状況なのかわかんないけど…こいつがなぜここにいる?」
「後でゆっくり話す。すみません旅のお方、こいつは口のきき方も知らない愚か者でして
…」
 ラスは関心なしといった様子で、
「スリルを求めて盗みか…迷惑だぞ。もっと別のことにスリルを見出せよ」と助言した。
 この瞬間、レルロンドの瞳が力強くラスの瞳を捉えた。
「そこでお願い致します!! 僕ら二名を弟子にしてください!! 一緒に、旅をさせて
ください!!」
 突然の懇願にラスはもちろんのこと、ランクーイも唖然とせざるをえなかった。
「レルロンド、何言ってるんだ! 見ず知らずのこんなやつに弟子入りだなんて…どうか
しちまったのか?」
「ランクーイ、お前は魔法剣士になりたいんじゃないのか? だったら文句を言わずにこ
の方に付いていくのが一番の近道だぞ」
「…こいつ、そんなに強いのか?」
 ラスに対し、挑戦的な眼差しを向けるランクーイ。だがその視線は巨大な刃によって二
つに断たれた。
 …反応すらできない、いや、見えてすらいない。
ラスが、今度はゆっくりと刃物を背中に納めた。硬直した顔が全てを物語っている。ラ
ンクーイは無意識に流れ出る涙が布団に深く沁みこんでから、ようやく股が温かくなって
いることに気づいた。

37 名前:FAT 投稿日:2006/02/20(月) 21:23:40 [ TKRnzKAI ]
>> 南東方不勝 さん
ROM中に思ったことですが、戦闘UMEEEEEEEEEE
正に死闘といった緊迫感のある戦闘シーンはもはや南東さんの専売特許ですね。
そして免許取得、この時期は前期で受かった学生もたくさんいて混雑しているだろうと
思われますが、がんばって下さい。

>> ドリームさん
初めまして、ただいまです。
ツンデレは良いですね。顔は…ご想像にということで私の中ではミレルはロリに設定
しておきますね^^

>>戦士のようださん
私は童話も「百万回生きたブーン」も見たことありませんでした。後で検索してみます

38 名前:リ・クロス 投稿日:2006/02/20(月) 21:24:25 [ LR2h4YPA ]
>>南東方不勝さん
こんなので良ければ書かせていただきます。

>>初心者さん
バフォクエですか・・・ ああ、苦い思い出が・・・。

ここでクイズです。(え
青年がが戦闘していた相手は何でしょう。
1 魔法師を吸収したシャドウソウル
2 巨大化したバンシー
3 ネクロマンサー


とりあえずキャラ紹介でも・・・

【名前】スコール=エトレシア
【身長/体重】174cm/65kg
【性別/年齢】男/20歳(見た目から)
【髪/瞳】深紅が主で一部漆黒/深紅色

無愛想で無表情な上無感情な性格をしているので
時折、怒っているのかと誤解される事がある。
過去の記憶が無く、雨のエルベルク山脈で倒れていたのを
セリスが助けて、雨が降っていたのと付近の木でこの名前になった。
魔法と剣術に長けているので、自分は魔法傭兵の生き残りと思っている。

【名前】セリス=アルクェイト
【身長/体重】156cm/46kg
【性別/年齢】女/20歳
【髪/瞳】ゴールド/瑠璃色

非常に行動的な性格でメンバーを纏めている良きリーダーで
常に迅速で的確な判断の出来る戦略家でもある。
巨大なクロスボウガンによる遠距離戦も、ランスによる近接戦も可能で
多少の治療魔法や、補助魔法も使用する事が出来る。
料理が趣味であり、彼女の腕の評判は非常に良い。

【名前】スィフィー=エトランザ
【身長/体重】144cm/36kg
【性別/年齢】女/16歳
【髪/瞳】アッシュグレー/朱色

レッドアイの研究施設から、スコールが救出した少女。
救出された当初は、獣の様な凶暴さだったが今では良い意味で凶暴な性格となっている。
小さい体を活かした素早い武術を得意としているが、本人の前で言ってしまうと
相手が男だと問答無用で、回し蹴りが飛んでくる。

【名前】エリシア=アルクェイト
【身長/体重】148cm/41kg
【性別/年齢】女/14歳
【髪/瞳】シルバー/瑠璃色

セリスの妹の不思議な雰囲気の漂う愛らしい少女。
数人しか成功していない、四段階の召喚獣の召喚に成功した天才召喚術師。
調教術も腕が良く、ダイアーウルフとホーンドを捕獲して、飼っているほどであり
外では常に4体と一緒に居るので、男が近づくと彼らに威嚇されてしまう。
笛を改造して製作した、魔弾笛での射撃も得意である。

【名前】イルム=クレイサー
【身長/体重】176cm/62kg
【性別/年齢】男/18歳
【髪/瞳】ダークブルー/エメラルドグリーン

既に廃絶している、風と闇の魔法を使う珍しい人物で
範囲魔法による対多数時に活躍するがソードロッドに雷を宿した物で
近接戦闘も出来るという、多彩な魔法師である。
性格は冷静な皮肉屋だが、時に拍子抜けする様な行動に出るので
その度に皆で大笑いするのだが、本人は気づいていない。

39 名前:リ・クロス 投稿日:2006/02/21(火) 07:45:55 [ WnG8iqaE ]
「森に被害が広がる前に、食い止めろって言っただろう!
って聞いてるのかこの朴念仁野朗!!」

「・・・ああ、聞いている。」

やれやれと大きなため息をすると、目の前で怒号を発しながら怒っている
短髪の少女に深紅の目を向ける赤と黒の髪の青年――――スコール。

「(かれこれ三十分経つのか・・・、何所にそんな体力が有るのだろうか・・・。)」


古都ブルネンシュティング・・・。
フランデル大陸極東部最大の都市であり、冒険者達が最も多く集まる都市である。


帰還の巻物に宿された力――――ポータルによって戻って来たスコールは
中央通を歩いて行き、しばらく進んだところの建物で足を止め
そこに有るドアを開いて、中に入っていった。
ドアに掛けてあるプレートには【ギルド クリムゾンインパルス】と書かれている。
ソファーの方に目を向けると、銀色の髪をした少女が座っている。

「あ、スコールさんお帰りなさい。」

見た目どおりの澄んだ声で、黒いローブを着ている少女――――エリシアは
戦闘用に特化したグローブ――――マスグリップを外したスコールに話しかけた。

「マスターに任務の報告をしたいのだがここに居ないのか?。」

外したマスグリップを、ロッカーに入れてニーパッドとショルダーパットも
同じくロッカーに入れると、チェーングローブを装着する。

「姉さ・・・ マスターならトンキンさんの所にアレを取りに行ってますよ?」

一瞬、姉さんと言い掛けたエリシアに、内心苦笑しながらも
表情には出さずに一言返事を返すと踵を返そうとしたが
ドアが先に開き、紺色の髪の青年が入ってくる。

「おい、何か忘れてないか?」

紺色の髪の青年――――イルムはニヤニヤとしながら
目の前で突っ立っているスコールに詰め寄った。

「・・・?、・・・・・・あ。」

「ん? ・・・グハァ!!・・・街中に・・・何故デビ様が・・・。」

突然、ドアが物凄い勢いで開かれてその範囲内に居たイルムが
文字通り吹き飛んで気を失ったのを見届けると
今仕方、イルムを吹き飛ばした人物に視線を向ける。
妙な音が聞こえた気がするが、気のせいだろう。

「おい、スコール!!ちょっと来い!!」

そう言い放った黒い服を着た朱色の目をした少女は
スコールの腕を引っつかむと、奥の方に連れて行った。

「待て、俺に拒否権は・・・。」

その様子を見ていたエリシアは1人、微笑みを浮かべた。


大理石の床に顎を強打したイルムは、このあとしばらく放置される。

アーメン

40 名前:FAT 投稿日:2006/02/21(火) 18:09:31 [ TKRnzKAI ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21

―田舎の朝―

―1―>>22
―2―>>25-26

―子供と子供―
―1―>>28-29
―2―>>36



―3―

「なぁ」
 ラスが食後のデザートを平らげ、まだフォークを動かしているレルロンドに話しかける。
「はい、なんでしょう」
 慌ててフォークを置き、真面目な顔で向き合う。
「歳いくつ?」
「十七です」
「だったら俺に敬語なんて使うなよ。情けないぜ」
 レルロンドは首を傾げる。ラスは大柄で精悍な顔つきの青年である。どう見積もっても
自分よりは歳上なのは間違いがなかった。
「え? では、ラスさんは何歳なのですか?」
「なな」
 レルロンドは聴き間違えたものと思い、こう言った。
「なんだ、じゅうなな歳ならば同じ歳ですね。ランクーイはまだ十五歳なので二人で面倒
を見てあげましょう」
 この特異な男が自分と同じ歳だと思い込んだレルロンドは少しばかり悔しい気持ちにな
ったが、次の一言が彼の世界観を根底から変えた。
「いや、七。まだ七年しか生きてない。産まれてから、七年しか経ってない」
「――――」
 言葉が出なかった。彼の目は空を泳ぎながらもその画面の中にラスを捉え続けた。経験
したことのない震えが体の隅々までを支配し、腿の上に置いた手は感覚を失う。彼にはこ
の発言を冗談と取ることも出来たはずなのにそれをしなかった。この男を、常識という枠
の中に収めることが出来なかったのである。
「俺だって不思議でならないよ。なんでこんなにでかくなっちまったのか、こんなに魔力
を秘めているのか」
 レルロンドは揺さぶられた世界の揺れをしだいに快感へと変えつつあった。それは今日、
去ろうとしたラスの背中をなんとか繋ぎとめたあのときと同じような熱い胸の躍動が起こ
させたものだった。
「ラスさん、僕はこれからもあなたに敬語を使い続けさせていただきます。歳なんて関係
ありません。あなたが慕うに値する人物である限りはそうさせていただきます」
 ラスは何か摘もうとテーブルの上に手を伸ばしたが何もなかった。
「あ、何か取ってきます。しばしお待ちを」
 レルロンドの顔は興奮で赤紫になっていた。椅子から立ち上がった瞬間、意思に反して
脚が折れ、床に膝をぶつけた。ラスは声もかけずにただ赤くなっているレルロンドの顔を
不思議そうに眺める。レルロンドも何も言わずに急いで立ち上がると戸を開け、食べ物を
取りにいった。戸は開いたままになっていた。 

「なんなんだ、あいつは…」
 ラスにはレルロンドの思考が読めなかった。まだ幼すぎるラスの心はレルロンドがラス
をどのように見ているのかが分からなかった。ただ、純粋に彼の言った「慕うに値する人
物」というものがどういう物なのかをぼんやりと考えてみた。彼の言うそれがただ単に「力」
を意味するのならば自分にとって「慕うに値する人物」とは母エイミー以外には思いつか
なかった。

(しかし…)

 赤子のときから可愛がってくれているレンダルやデルタにも同様の尊敬心を持っている。
となれば、「慕うに値する人物」というものは決して「力」だけを問うものではないらしい。
では、自分は何を基準に「慕うに値する人物」を決定しているのだろうか…

41 名前:FAT 投稿日:2006/02/21(火) 18:12:17 [ TKRnzKAI ]
「お待たせしました」
 答えを探していると折り悪くレルロンドが小さな果実を大皿いっぱいに乗せて戻ってき
た。
「ああ…悪い、腹は別に空いてないんだ。それよりお前、早く自分の分喰っちまえよ」
 テーブルの上のレルロンドの皿にはまだ主食のステーキが二欠片残されていた。慌てて
置かれたフォークは皿から転げ落ち、テーブルに肉汁が跳ねている。
「あ、すみません。でもラスさんが何か食べたそうにしていたので…」
「あのなあ、今後のために言っとくけど、そういう接し方はストレスが溜まるんだ。俺に
気なんか使うなよ」
「はい」
 レルロンドは少しうつむき、大皿を慎重にテーブルに置いた。音を立てずに置かれた皿
の上には鮮やかな赤色をした艶のある果実が敷き詰められている。彼はそのまま椅子に腰
掛けると汚れたフォークを拭いもせず、肉片を口に放り込んだ。
 運ばれてきた果実を無視し、ラスはレルロンドの食事姿をじっくりと観察した。肉を刺
すとき、器用に中程で止め皿との衝突を避け、口に入れてからもくちゃくちゃと不快な音
を漏らさぬように器用に噛み潰し、飲み込む。どうやらこの男に気を使うなと言うのは無
理らしい。その視線に気付いたからか、全てを胃に収めるとまたもラスと向き合った。

「お前、親はどうしているんだ?」
 突如、レルロンドの表情が変わった。それは先程までのなよなよとした少年とは違った
顔であった。
「父は四年前から帰っていません」
 無神経にラスは
「母親は?」
「そのせいで二年前に過労死しました」
「そうか、大変だな」
 感心のなさそうなラスの返答にレルロンドはまたも顔を赤くした。その色は先程のもの
とは真逆のものである。
「あなたのご両親は?」
「両親なんてものはいない。俺には母親だけだ。母親から俺は産まれたんだよ」
 レルロンドは腕組みをし、深く瞬きをしてもう一度ラスを見直した。
「僕も母親から産まれました。それは当然のことでは?」
 言ってからラスがまだ七歳だということを思い出した。もしかしたらまだ、命のサイク
ルの定義を知らないのかもしれない。
「そうだ、当然のことだけれども…俺には、父親がいないんだ。母親だけなんだよ」
「あなたが産まれたときにはもういなくなっていたのですか?」
「産まれる前からずっとだ。母さんは一人で俺を産んだんだ」
「そういえば、産まれはどこなのですか?」
 レルロンドはこれ以上その話題を続けることを拒んだ。延々と続く終わりのないループ
に足を踏み入れていることに気がついた。
「魔法都市スマグの隣町、トラヴィス。町っていっても村みたいなもんだけどな」
「まぁ、ここも同じようなものですがね」
「いや、ここよりはましさ。宿はあるからな」
 終始冷めた口調で会話をしていたラスは真正面に座っている男の異変に思わず刀に手を
伸ばしそうになった。

42 名前:FAT 投稿日:2006/02/21(火) 18:12:48 [ TKRnzKAI ]
「宿がないなんて絶対にランクーイの前では言わないで下さい! あいつは!!」
急に声を荒らげ、テーブルを両の掌で叩きつける。慎重に置いた大皿から赤い実が二、
三個こぼれた。
「なんだよ急に。やつがどうかしたのか?」
 動かしてしまった手を刀に回す代わりに耳の裏を掻く。
「…あいつの家は宿屋だったんです。でも両親が死んでしまって…。だから、絶対にあい
つの前で宿が無いだなんて言わないで下さい!!」
「だからって急に大声だすこたぁーねーだろーが!! そんなことまで俺が知ってるわけ
ねーだろ!!」
 レルロンドは一瞬で冷静になった。それは彼と出会ったあのときと同じ状況になった光
景が脳裏に浮かび上がったからである。
「す、すみませんでした、つい…」
 気弱に頭を精一杯下げる。ラスも今回はそれほど興奮していなかったらしく、かゆくも
ない耳の裏をもう一度強く掻きむしった。無意味に赤く腫れた面に血が滲んだ。
沈黙が始まり、物音一つしない無の時間が過ぎていく。

「どこで寝たらいい?」
 寝るという選択肢を使ってラスはこの重圧から逃げた。仕掛けるわけにはいかなかった
レルロンドは笑顔で
「ベッドに案内させていただきます。こちらへどうぞ」と戸を開けようとし、そこでよう
やく戸が開きっぱなしになっていたことに気がついた。平素、なんでも几帳面にする癖の
ある彼がそんな初歩的なミスを犯すとは彼自身ある事実を受け入れざるを得なかった。
「すみません、戸がずっと開きっぱなしだったようで…」
「ああ、ちょっと寒かったな」
 レルロンドは意外そうな顔でラスを見た。季節は晩春。最近は長袖など不要なほどの気
温で夜でも薄い毛布一枚あれば充分なほどである。当のラスはといえば厚手の長袖の上に
ジャケット、さらにはマントも纏っているのに寒かったとは……
「なんだ? 案内してくれるんじゃなかったのか?」
「え? あ、すみません。こちらです」
 廊下を挟んだ戸の取っ手を回す。
「どうぞ、二つベッドがありますが好きなほうを使ってください」
「お前はどこで寝るんだ?」
「僕は自分の部屋で寝ます。それともここで寝ましょうか?」
「斬られてもいいならそうしろよ」
「す、すみませんでした、おやすみなさい」
 戸に隠れるようにしてそっと閉める。彼との仕切りが完全に閉まろうかというとき、ラ
スは「すみませんって、寒いぜ」と漏らした。
 この日、レルロンドは寝付けなかった。

43 名前:FAT 投稿日:2006/02/21(火) 18:24:36 [ TKRnzKAI ]
>> リ・クロス さん
私は1だと思います。そういう設定も新鮮で良さげですし。
イルムさんどまいです。
キャラ設定がしっかりしていて自分が恥ずかしくなりました。
どんな話になるのか、楽しみにしております。

44 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/02/21(火) 22:03:01 [ QS1Cbi/M ]
あー新しいのが、とりあえず完成しました。
今回は「人が誰も死なない」し「激しいバトル」もしない。
「男と女がイチャイチャする話」です。
ah-これ、前置きです。ええ、前置き。
何だか文がメチャクチャですね。柄にもなくイチャイチャを書いたからでしょう。
きっとそうですね。皆さん、おやすみなさい。

45 名前:ドリーム 投稿日:2006/02/22(水) 17:55:43 [ cbWf/WqI ]
前スレ
>>971


「バース・・・・ロマ・・・シュトラディバリ?どういうことなのバース?」
ミレルは不思議でしょうがないいきなりそんな事を言われても困惑する一方だった

「コソ泥が紛れ込んでおったか」ベスペンはさっきの表情とは裏腹に気性を荒立て今にも殺そうとしているような目をしている
このままでは行けない、そう直感したミレルはバースとヴィードの首の根っこを持ちすぐに退散した
「ふん・・・・」ベスペンき苛立ちを隠せないのかすぐにその場を後にした

「はぁはぁ・・・どういうことか説明してもらうわよ?バース」ベスペンの屋敷から少しばかり離れた場所で手を離し問い掛けた
ヴィードは何がなんだかわからないようで混乱しているようだった
「ヴィード・・・言いたい事はわかるわ・・・せめて口にほうばったその大量の物を飲み込んでからにして頂戴」
ヴィードはモゴモゴ言っており何を言っているのかさっぱりわからない

「そう言えば言ってなかったか?俺はバース・ロマ・シュトラディバリだと言う事を」
開き直ったようにつーんと付き返すバース
「言ってないわよ!まったく・・・・」やれやれと言った感じで私はため息をつく

そんな事を繰り返している最中ベスペン邸では・・・・・・・

「な・・・なぜ・・貴様がそこにいる」ベスペンは酷くおびえていた
「今一度聞く・・・貴様が持っている赤い魔石・・・レッドストーンを渡せ」
その人物は強く・・・はっきりとそう言った
「な・・・なんの事だか私には・・・・」そう口走った時にはすでにベスペンに語る手段が残されてなかった
だが彼は心の中でこう叫んだ
レ・・・・イ・・・・・・・・・・・・・・

「ただのガセネタか・・・・ちっ、無駄足を踏んだな・・・そろそろミレル達と合流するか」
そう言うとその影は消えた
そこに小さな男の子が現れた、その子はもう動かないベスペンを揺すりしばらくの間こう呟いていた
「パパー、オキテ、パパー」しかし返事をするはずもない・・・・

46 名前:ドリーム 投稿日:2006/02/22(水) 18:36:27 [ cbWf/WqI ]
「つまり・・・貴方はロマの王子で古都の王の名を継ぐ人で家出中なわけね」とりあえず淡々と纏める
バースは指を振りチッチッと言いたそうにやる
「ロマの王子で古都の王の名を継ぐ人で家出中でイケメンなわけだ」自慢気に胸を貼りそう言い張る

             ガッ☆

その大きく鈍い音はバースの頭の上にある星から想像できるだろう
「痛いな・・・大体俺が王子と知れたからなんだ?俺をロマに帰すか?まったくどいつもこいつも王子王子もううんざりだ」
バースはかなり怒っている様子だ。まぁ確かに私には王子という立場の人とは話したことはないけど色々と大変なんだなぁ・・
「別に・・帰したりしないよ」短くそういうとバースは少し驚いているようだった

「バースは王子である前に・・私達の仲間・・でしょ」少し恥ずかしかったがそれが自分が言いたいことだった
バースはきょとんとしたまま動かない
「どうでもいいけどさーこれからどうすんだよ」待ちかねたようにヴィードが突然口を開く
ミレルもそれを考えていた
ベスペンの屋敷に行ったは良い物の赤い魔石は見つからずレイドにも今だ会えない
彼らには少しベスペンの所にレイドが居ると言ってここまで来たが正直その可能性も無かったため自分でも何をしていいかわからなかった

「レイドの奴もベスペンの野郎のとこには居なかったしなぁ・・・」
そういえばと要った感じでバースが不思議そうに聞く
「そういえば・・・レイドって何者なんだ?」
「何よ・・いきなりやぶから棒に」
「私の・・・・とても大切な人・・・かな」突然聞かれたのでどうしようか少々迷ったがそう答えた

少しヴィードは複雑な気持ちだった

チャリーン・・・チャリーン

突然聞き覚えのある音が聞こえた・・・・そうこれは前も聞いたことがある
「レイド・・・・・?」そう問い掛けるとその音はだんだん近づいてきた
次に姿を現した時にはもう何も見えなかった

目からは涙が零れ落ち思い切りレイドの胸の中に飛び込んだ
「レイド・・エ・グッ・・・バカ・・心配・・かけて・・・本当にグッ・・・」
ミレルは涙を抑えようとしても収まらない抑えようとしてもそれが逆にまた涙を流す
「ミレル・・・・」レイドは落ち着いた目でミレルと見合う
「ただいま・・・」そう短く言うとミレルを包み込むように抱きしめた
「おか・・・グッ・・えり・・・・」

47 名前:南東方不勝 投稿日:2006/02/23(木) 01:18:46 [ gowBXNz6 ]
>>FATさん
パッと見、ヘタレキャラのランクーイのご登場・・・。
って、設定にも書かれていましたがラスさん7歳ってorz
果てさて、これは新手のロリ嗜好ですかね(殴

>>リ・クロスさん
ス、スコールぅぅぅぅぅぅ!!
いきなりの放置プレイだなんて、なんて美味しい状況なんだ(違

さて、個人的にはクイズの答えは
2で行きましょうかね、骨系が大好きなもので。

>>ドリームさん
レイド合流・・・。すいません、ミレル嬢で萌え死んでもよろしいでしょうか?(ぇ
ヴィードもライバル登場で大変ですな。是非、ムッツリを磨いてもらいたいものですw
あと、王子という窮屈な身分に嫌気がさして家出中のバースさん。
その内、彼を中心とした騒動にミレル嬢達が巻き込まれそうな気がしますなぁ・・・。

48 名前:南東方不勝 投稿日:2006/02/23(木) 02:25:05 [ gowBXNz6 ]
>>32
―――バヘル台地―――

そうして、自分達の戦闘は終わりを告げた。
最も、後半においては彼女の独壇場であった。
彼女に肉薄しようとしていた隊長の姿はなく、その隊長が最期に立っていた地面は未だに、シュウシュウと不気味な音色を奏でている。
「あ〜あ、まだほんの少ししかあびせてないのに・・・。最近の巨人族は軟弱だお」

ズボッ・・・

己が身から槍を引き抜きながら、サキエルはつまらなそうに呟いた。
「まったく、正に『出血』サービスしてあげたのに。・・・もまだ、・・・じゃないのかな?」
何か独り言を言っているようだが、詳しくは聞き取れない。
「じゃ、片付けるものは片付けたし・・・。ボクちゃんはもう行くお。」
それじゃ、とでも言うように周りの分身を消去し、サキエルは自分達に背を向け、歩き出した。
だが、彼女がそれを許さなかった。
「待ちや、アンタ」
ぐっと、アニーがサキエルの肩を掴む。肩を掴まれたサキエルはおもむろに振り返り、
「・・・、死にたいのなら手伝ってあげてもいいお。」
そう言い放った。その言葉は協力を申し出た時とは違い、純粋な殺気で覆われていた。
だが、アニーはそれに怯むことなく言った。
「別に今ここでアンタに喧嘩を売る気はあらへん。仮にも、協力した間柄やし・・・。お礼の一つくらい、言うてもいいやろ?」
「フフフ・・・、実にお前らしい意見だな。そうだな、アニーの言うとおり・・・」
実に彼女らしい意見を聞いて、自分もほほが緩むのを感じた。
そう、仮にも今だけとはいえ共に戦ったモノ。ならば、それなりの言葉をかけてやりたい。
「お前達、馬鹿かお?」
だが、その共に戦った彼女は実にあっさりと拒絶した。
「オイ、ワレ・・・。今なんて・・・」
「馬鹿、そう言ったんだお。いいかい、ボクちゃんが君達に協力してあげたのは、こいつらがボクちゃんにとっても邪魔だったから。
更にもう一つ言わせてもらえば、イスランを殺した時点で君達はもう、ボクちゃん達の敵なのさ・・・。
次に出会う時は殺し合うことが確実な相手からのお礼?そんなものをもらってやれるほど、ボクちゃんは酔狂じゃない。」
サキエルの言葉には、きっぱりと「馴れ合いはここまで」という意思が詰め込まれていた。
二の句は告がせぬ、はっきりとした言葉だった。自分もアニーも、喉から出掛かった言葉を飲み込むしかなかった
そして彼女は去り際に、かつての口調でこう言った。
「ヒース・・・。貴方が何を考えてるかは知らないし、知りたくも無い。だが、かつての戦友として一つ忠告する。
 無駄だ。私に天界に戻る意思は無い 、あの時の事を忘れることなど出来はしない。大人しく天界へ帰れ。
どうせ、私『達』を説得しに降りてきたのだろう?お前ほどの者なら、至天使への復位は造作も無いだろう。
だからもう二度と、私の前に姿を見せるな」
それだけを言い残し彼女は、その姿をくらませた。

サキエルの姿が見えんようになった時、ウチは隣にいたヒースにどうしても聞きたいことがあった。
「なぁ、ヒース・・・。あの時の事、ってのは何や。天界でなんかあったんか?」
天使っちゅう生き物は、ウチら人間に比較にならんほどに長命な存在。
ヒースかて、ウチらの基準で言ったら28歳やけど、実際は800歳っちゅうキチガイ沙汰や。
あぁ、ウチがヒースの天寿を看取るのは無理そうやなぁ・・・。って、話が脱線しとるがな。
「アニー・・・。すまんが、今は言えん。だが一つだけ言えるとしたら、その出来事を境に自分と彼女の道は別たれたのだよ」
そう言うたヒースの瞳からは、後悔とか悲しみとか暗い感情しか見えへんかった。
「わぁーったわ・・・。今は詳しく聞かへん、でも・・・」
「分かっている、必ず話すよ・・・。さて、ジャック達の後を追いかけよう」
そう言うてヒースは歩き出した。前を歩いていくヒースが、ちぃっとばかり小さく見えた。

49 名前:南東方不勝 投稿日:2006/02/23(木) 03:26:54 [ gowBXNz6 ]
閑話・「虚無」

東バヘルの熱帯雨林に、その少女はいた。歳は15歳程度であろうか・・・?
目を瞑り、静かに笛を奏でている。
その装飾品から、ビーストテイマーと呼ばれる冒険者出るあることが伺える。
だが、その少女はこの世のものとは思えない美しい容姿を持っていた。
透けるような銀髪、均整が取れており尚且つ初々しさを失わない顔、未だに幼さを残しそれでいて女の魅力を持った身体。
なぜこのような見目麗しい少女が、このような泥臭い場所にいるのだろう?
しばらくして少女は演奏をやめ、こう呟いた。
「ふむ・・・、やはり全滅かえ。まぁ、サキエルが相手では致し方が無かろう。」
少女は優雅に、それでいてどこか寒気がする気配を発散しながら呟き続ける。
「あちらの隊長ももう限界じゃな、血を流しすぎた。まったく、わらわというものがついていながら情けないのう」
少女は腰掛けていた岩より降りて、周りを見渡した後また笛を吹く。
少女の笛の音色に反応するかのように、サタンとトリトンが姿を現す。
「さて、体を乗り換えたばかりじゃしな・・・。すぐに本調子、というわけには問屋が卸さぬか」
雅に現状に対する愚痴をこぼし、二体の僕の姿を確認するや否や、
「いつまで・・・『無い』つもりじゃ、サキエル?」
誰かに言うでもなく、ただ静かに少女は呼びかける。少女の背後にはいつの間にか、髑髏の面を付けている女性が立っていた。
「ウヒョヒョヒョ、よく分かったねぇシャム。」
黒の女性はあくまで陽気に少女に話しかける。
「なにを寝言を申しておる。『虚無』を発動させているお主の気配を認知することなど誰も出来ぬ。
 さて、お主は影か、それともサキエル本人か・・・。」
少女が訝しげに目の前の女性を凝視する。
「ご心配なく。中継体も回収したからね、正真正銘、ずばりサキエルそのものだお」
「中継体とな・・・。なるほど、お主はお主で目的があったのか。そして、わらわがわらわ自身の
 調子を図るために、戯れで『支配』した巨人共が邪魔になったと・・・。」

ここで説明せねばなるまい。サキエルのもう一つの象徴である「虚無」。
これが表す能力は、かなり他の始原魔達の能力とは異なる。その効果は、発動者の存在を零・・・すなわち、消してしまうのだ。
世界から自身の存在を零にすることにより、あらゆる干渉を無効化する。それこそが「虚無」という名の能力。
だが、この能力は鉄壁の守りを持つ反面、発動者自身も世界から消えている状態であるために攻撃を行うことが出来ない。
それを防ぐために、サキエルは「虚無」以外の能力を一体の分身に移している。
その分身は他の分身とは違い、耐久度もオリジナルと同等である。中継体とは、この分身のことを指す

「そういうことだお。あぁ、そういえばシャム。爺やとガギさんがボクちゃん達になにやら用があるらしいんだお」
「ふむ、実に丁度よい時にわらわは目覚めたのじゃな。して、場所は・・・?」
「アウグスタ・・・、ガギさんの本拠地だお」

50 名前:サマナの人 投稿日:2006/02/23(木) 12:19:15 [ b6Gnz/6I ]
今回メンテでナクリエマ共和国・タートクラフト国王等の公式設定が判明したため、今まで暖めていたネタが使えなくなりました。
ちくしょう……_| ̄|○

51 名前:ほげお 投稿日:2006/02/23(木) 15:13:08 [ f0SX/jL6 ]
初めて書いてみました。
前編通して、ゲームの設定と一部違うかも知れませんがご容赦を。




フランデル大陸の極東地方では、
魔法の中、4大元素である火、水、風、大地の精霊を利用した魔法が発達している。
フランデル極東のウィザードの中、もっとも注目すべき者は、
他ならぬ古の魔法都市スマグの辺りを根拠地としているウィザード達である。
彼らの魔法能力は昔のブルンネンシュティグの宮中ウィザードや
ブリッジヘッドの上級ウィザードに近いレベルで、
相当専門的で学問的な魔法を扱う傾向がいる。

スマグはタトバとハンヒ山脈の中間に位置し、周囲は深い森林群に覆われている。
日照時間の少ないこの地では本来、作物も育ちにくく、決して暮らし易い土地ではないのだが、
周囲の森林群が有する養分に富んだ土壌と、山脈側から脈々と
流れてくる清らかな水が、それを補って有り余る恵みをこの地にもたらし、
一大魔法都市を築かせるまでに至った。
・・・それも、今では過去の栄光となりつつあるが・・・・

日も暮れかけたある日の夕刻。時と共に一層その暗さを増し、
獣の遠吠えがかすかにこだまする深い森を、さ迷う一人の少年の姿があった。

彼は数歩進んでは立ち止まり、あたりを見回してはまた進み、ともすれば引き返して
別の方角へ、といったことをもう何時間も繰り返していた。立ち止まっては、
どちらに進むべきか思案しているのだろう、きれいに切りそろえられた
茶色のくせ毛をくるくると指に絡めては眉間にしわを寄せていた。
その顔にはまだあどけなさが残っている。
ひとしきり思案した様子の彼は、腰からぶら下げた水筒のキャップをはずし、
近くの川で汲んだ水を一口飲むと、コートの袖口で口をぬぐった。
カーキ色のコートに黄色のネクタイ、紺色のパンツはスマグ魔法学校の
制服である。彼の胸元には名札がピンで留められていた。

彼の名はエルリッヒ・アイゼン。周りからはエディと呼ばれている。
学校では勇敢な男の子と評される彼は、そろそろ女の子にちやほやされたいお年頃だが
つい母に甘えてしまう、スマグ魔法学校の3年生だ。

52 名前:ほげお 投稿日:2006/02/23(木) 15:16:21 [ f0SX/jL6 ]
エディは独り、深い森の中をさ迷っていた。
「・・・もう何時間歩いたんだろう・・・」
ちょうど今、エディの通う魔法学校は、ある「儀式」の話題で持ちきりだった。
スマグ東の森に居る年老いた大きなトレントから、彼らの髪の毛、つまり
「木の葉」をそっと取ってくるというものである。

スマグ魔法学校では、15歳の誕生日を迎えると東の森で
土の精霊・風の精霊と友好の誓いを立てなければならないという掟があり、
友好の誓いを立てることがすなわち、魔法学校の卒業試験にあたるのだ。
この儀式がウィザードとしての第一歩となる。もちろん、誓いを立てられなかった場合は
「落第」が待ち構えているわけだが。

さて、この掟と例の「儀式」に何の関係があるのか、ということだが
本来この掟、どのような内容をさせられるかは伏せられていて、
生徒は学校側から、掟についての一切が伝えられない。
しかし、この掟が定められた当初しばらくは落第者が後を絶たなかったため
学校側が、掟を達成するための訓練の一環として「儀式」を
発案した、と言われている。結局のところ真偽は分からないが、
とにかくスマグ魔法学校に通う「年頃」の少年少女にとって、
「儀式」が話題に上るのは当然だった。


「母さん怒るだろうな・・・おなかすいたな・・」
エディは深いため息をつき、木陰に腰を下ろした。
もう日が暮れかけている。スマグの森はとても深い。
目の前の森は鬱蒼と暗く、高い木々が周りを多いつくし、
見上げればまるで井戸の中から見上げるような、狭い空がわずかに見えるだけだった。
「やっぱり独りで来るんじゃなかったなあ・・ふぅ・・・」

1週間後に15歳の誕生日を控えたエディは、独り「儀式」のため
森に来ていた。何人かで連れ立って来ようと思っていたのだが、
クラスの女子の前でいいところを見せようとした結果、誰を誘うこともできず独りで来ることに
なってしまったのだ。
そのうえ、目的のトレントにたどり着くどころか地元の森で迷ってしまった彼は
目下、必死で家路を探しているところなのである。

53 名前:ほげお 投稿日:2006/02/23(木) 15:18:44 [ f0SX/jL6 ]
あたりはどんどん暗くなっていく。のんびりしていられない。
エディは気を取り直し、立ち上がると適当な棒切れを広い、
切れっ端の片方を右手で包み込んだ。
そして右手に魔力を込めると、周囲に霧散していた火の元素が、
エディの掌に吸い込まれるように集まり、小さなともし火を形作る。
「・・・これでよし」

急ごしらえの松明を掲げ、エディは歩き出した。
「おなか空いたな・・・魔法でパンでも作れればいいのに・・・」
とつぶやいて、エディはすぐにかぶりをかぶった。
こんなこと下手に口にしたら、マダム・カリン・デイズにまたお小言貰っちゃうよ・・

マダム・カリン・デイズとはエディの通うクラスの担任である。
切れ長の目に長く突き出た鼻、身長は高くつや光する長い黒髪が自慢の「ご婦人」だ。
正確には未婚なのだが、得てして世の中において御局様とは
その辺の扱いが非常に難しく、年相応の呼び名として(ある種のシニカルさも含め)
マダムが定着しているのである。
もし、さきほどのエディのつぶやきを彼女が聞こうものなら、彼女は間違いなく
お気に入りの、これまたご自慢のとがっためがねを中指で押し上げながら
「魔法は、無から有を生み出すものではありません。
そこかしこに存在する元素を精霊から必要な分だけ拝借し、自分の魔力でそれを美しく整えるものです。
ですからわれらスマグのウィザードは紳士淑女であらねばならず、また芸術家としての心構えも必要なのです。
決して、パンやミルクを作れたらなどと卑しいことを考えてはなりません!!」
と、(魔法が美しくなければならないかは甚だ疑問だが)彼女は
持論をひとしきり展開したあと、罰として魔法の芸術性についての
レポートを命じるであろう。

しかし今なら、例えどんなにうるさいマダムの小言でも、たった独りで
森をさ迷い歩くエディには心強いかもしれない。

普段は勇敢で通っているエディも、さすがに泣きそうになってきた。

何度進む方向を変えただろう、急に眼前の景色が変わり、
開けた風景が目に飛び込んできた。

54 名前:ほげお 投稿日:2006/02/23(木) 15:19:42 [ f0SX/jL6 ]
・・・やっと抜けた!・・・そう思いかけてエディははっとした。
よく見ると、そこはまだ森の中である。しかもなぜかこの場だけ
ぽっかりと穴が開いたように開けているのである。よく周囲を
見回してみると、このあたりの木々だけが、まるで局所的な
竜巻にでもあったかのようになぎ倒されているのだ。
木々の折れ目はまだ新しい。折れてまだ間もないのだろう。

・・・ブラウンベアーだ・・・・

エディは懐から折りたたみ式の杖を取り出し、素早く振り下ろした。
「カシャン」という乾いた金属音が響き渡り、思った以上に長い杖が
姿を現す。

スマグ北側に生息する雄のブラウンベアーは、発情期に入ると力を誇示するために
さまざまな方法を取るが、中には巣の近くに生い茂る木々を折って回るものもあり、
大抵、そのようなことをするブラウンベアーは非常に力強く危険だ。
森を延々さ迷い歩いた彼は、知らぬ間にスマグの北側に位置する
ブラウンベアーの巣に近づいてしまっていたのである。

エディは、杖を前に構えると慎重にあたりを見回した。
ブラウンベアーなんかが襲い掛かってきたらひとたまりも無い。
早くここを離れなければ。
エディはじりじりとあとずさりを始めた。


グルルル・・・


エディは、体中の毛が一気に逆立ったように感じた。
振り返るとそこには、普通より一回りも二回りも大きなブラウンベアーが
エディを睨んでいたのである。
大きな瞳は爛々と光を放ち、まっすぐにエディを見つめていた。
どうやらエディの存在は、この獣にとっても予想外だったらしく
エディを睨みつけたまま動こうとしない。ただ、低くうなっている。

二者の間はほとんど距離がない。ブラウンベアーにとっては一投足の間合いだ。
しばらくの間、両者は全く動かず、ただにらみ合う状態が続いた。
エディにとっては、永久にも似た、長い長い時間であったに違いない。

エディの背中を冷たい汗が伝う。

下手に背中を向ければ一瞬で襲い掛かってくるかも知れない。
でも、このままにらみ合っているわけにもいかない。

とにかく、逃げなければ。

勇敢にも意を決したエディは、ゆっくりと杖を構えなおすと
両手に魔力を込め始めた−

続く

55 名前:ほげお 投稿日:2006/02/23(木) 15:41:23 [ f0SX/jL6 ]
小説を書くのは初めてですが、難しいですね・・・
こちらのスレッドは全部読ませていただきました。
皆さんの書かれた作品を参考に励ませていただこうと思います。

56 名前:リ・クロス 投稿日:2006/02/23(木) 20:47:10 [ o6GgUsHI ]
前スレ>>986 >>39 キャラ紹介>>38

「大体、一体ぐらい残しとけよ!!」
「おい、話す事が変わっていないか?」

未だに怒号をあげている、グレーの髪の少女――――スィフィーに
呆れ果てたスコールは、少し棘を含ませた声で呟いた。

「う、五月蝿いな!はぁ・・・はぁ・・・。」
「・・・・・・大丈夫か?」

肩で大きく息をしている少女の小さな背中を
チェーングローブを外した手で上下にゆっくり撫でてやる。
いきなりスコールに、至近距離に接近されたせいだろうか
頬を淡い紅色に染めたスィフィーは、恥ずかしそうに呟いた。

「あ、ありがとう・・・ もう大丈夫・・・。」

その変りように、スコールは怪訝そうな表情をして
スィフィーの両頬を掴むと、目をじっと見つめるスコール。
まるで火が付いた様に、少女の顔が耳まで真っ赤になっている。

「スコール、顔が近いぞ。」
「そうだ、この色男め!グフゥ!またですか・・・。」

何時の間にか復活したイルムが杖で殴りかかってきたが
その勢いを利用して、床に叩き付けた。
不気味な音がしたようだが、恐らく気のせいだろう。
そう判断し、先に声をあげた人物に顔を向けるスコール。

「あのシャドウソウルは、行方不明の魔術師を“食っている”。
奴らの骨格部の物とは違う物体を発見したからな。」

腰の鞄から骨のような物を取り出して
それを、目の前のマスター――――セリスに手渡す。
それを受け取ったセリスは、しばらく考える様な仕草をすると
その物体を丹念に観察して、口を開いた。

「ふむ、これは恐らく肋骨だろうね。エリシア、これはアイツらの骨格部では無いでしょ?」

何時の間にかこっちに来ていたエリシアに
骨の様な物を見せながら尋ねるセリス。

「はい、彼らの骨格部の表面部には魔法によってバリアーが有りますが
これにはそういう物が無いので、恐らく・・・。」
「大抵の魔法師だったら、皮膚の表面か服の周りに張る。
これは、内部が異常に硬質しているから妙だ。」

エリシアのが説明している途中にだろうか
何時の間にやら復活したイルムが発した発言を受けた
皆の視線が一斉に、彼のエメラルドグリーンの目に殺到する。

「どういう事だ?」

スコールが沈黙を破って、イルムに疑問をぶつけた。
彼は、額から大量に油汗を掻きながら
手をを強く握り締めて、震える声で口を開いた。

「あ、在り得ない話だがこれは、恐らくそうだろう・・・。
闇の魔法によって脱魂、憑依、侵食させたんだ・・・つまり・・・。」

イルムは、つばを飲み込んで、こう続けた。

「誰が復活させてやったのかは分からないが・・・
こいつを化け物にしたのは・・・



暗黒鬼神“ビビットブラック”だ。」

57 名前:FAT 投稿日:2006/02/23(木) 22:54:35 [ TKRnzKAI ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21

―田舎の朝―

―1―>>22
―2―>>25-26

―子供と子供―
―1―>>28-29
―2―>>36
―3―>>40-42



―4―

 ばしゃばしゃと水の弾ける音が通路や開け放してある部屋にこだまする。その衝突音は
上階の隅の部屋の隅までも顔を出すほどこの家と一体化していた。
 風呂場で震えながらも懸命に、むしゃくしゃと洗濯板で下着とズボンを擦り合わせてい
るランクーイの目元はあかぎれしたように荒れ、厚みをつけている。下半身を露にしたま
ま、もちろんそんなことは気にせずに、ただ本日の奇行を思い返していた。
「まさか俺たちがしくじるなんて…あんなやつに…」
 まず、彼は自らの失態を思い出し、それがなければ「あんなやつ」とは関わらずに済ん
だかも知れないと思うと、板を擦る腕に力が入った。同時に、つい先程の恐怖も強制的に
付属し、力んだ腕は板の脇に逸れタライに溜めた水を彼の顔に飛ばした。
「レルロンド…あいつ、どうしちまったんだ?」
 一度標的を外した手を荒々しく細い板の波の上に戻し、水と衣類とを混ぜ合わせ、ばし
ゃばしゃと音を立てる。ランクーイの知る限り、レルロンドはもっと知的で冷静な男であ
る。それがあのような見ず知らずの男にぺこぺこと自らの人生を預けるような愚かな行為
に出たことが理解出来なかった。
「俺のため…なのか?」
 レルロンドの言った「ランクーイ、お前は魔法剣士になりたいんじゃないのか? だっ
たら文句を言わずにこの方に付いていくのが一番の近道だぞ」という一言が彼の頑固な心
にひびを生じさせていた。
 両親がまだ生きていた頃、ランクーイは世界で一番強い剣士になりたいという平凡だが
無謀な夢を抱いていた。そこでおねだりをし、泊まりに来ていた商人から木のナイフを買
って貰った。それは果物も切れない、紙も裂くことも出来ないほどの粗悪品であったが、
まだ幼かった彼にとっては正に世界で一番強い勇者の剣そのものだった。
彼が平凡で無謀な夢を持ってから数年後、更に無謀な願いを持つきっかけとなる人物に
出会う。

58 名前:FAT 投稿日:2006/02/23(木) 22:57:35 [ TKRnzKAI ]
 ―――まだランクーイは九歳。いつものようにレルロンドとはしゃぎ、調子に乗りすぎ
て大人に行ってはダメだと言いつけられていたオカー三角州へと探検に出てしまった。一
面に広がる背の高い黄金色の穂の軽快な踊りに二人は夢中になって駆け回った。なびく穂
の行進は二人を妖しい力で惹きつけ、気がつけば四方を作物の茎が塞ぎ、空は穂に取って
代わられていた。

 心地よい穂のざわめきは二人に安息を与えた。それが終わるとき、そこには涎を垂らす
赤い犬が汚い牙を剥いて茎の壁をなぎ倒し、進んでいた。
「おい! ランクーイ!! 野犬だ、起きろ!!」
 心地よい自然の音楽を壊す、生き物の生み出す不協和音にレルロンドは危険を察知し、
その肉食獣を見つけた。彼の発した声によってランクーイが目を覚ましたとき、捕食者は
既に眼前に牙を突きたてようと口を開けていた。偶然ランクーイが驚いて足を振り上げる
と、野犬の柔らかな腹を蹴り、飛び込んできた勢いと相まって頭上を飛行していった。
「走れ! 振り向くなよ!!」
 ランクーイは手を引かれ、黄金色の森をよたよたと走った。背後から迫っているはずの
野獣の息遣いは聴こえない。代わりに、やかましい穂の擦れあう雑音が聴覚を支配する。

 空がまだ見えない。陸がまだ見えない。生がまだ見えない。

 ランクーイの背中に熱い物が触れ、先を走っているレルロンドを追い越した。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ」
 レルロンドの目にはっきりと映った、白と対照の赤。そして金と赤茶色。それは悲しむ
べきなのか、喜ぶべきなのか、あるいは両方を一度に取るべきなのか、彼を悩ませた。
「ランクーイ! しっかりしろ!!」
 彼は一瞬手を伸ばしたかに見えたがそれはランクーイの手を掴むのではなく、腰に携帯
している薄い布の袋を掴み取り、抜けたばかりで穴の空いている金の森に投げ込んだ。折
れた茎の先に運よく当たり、赤い犬は巻き上がった粉塵にむせ、穴から転がりながら赤茶
色の大地に出てきた。
 レルロンドは赤に染まりつつあるランクーイの白いシャツを見て、のろしをあげる必要
を悟り、急いで乾燥した麦を掻き集め、マッチで火をつける。
 レルロンドは欲張ってしまった。いや、選択を誤ってしまった。
 ランクーイを助けようとしたために、そのことに集中したために重要なことを忘れてし
まっていた。
「あっ…」
 赤い目が彼の足に根を張らせる。迫り来る捕食の瞬間をレルロンドはただ待つしかなか
った。
「…ロンド……」
 眠い目を何とか開けてランクーイは友が調理される様を見届けようとしていた。しかし、
ぎりぎりであがった火と煙に、臆病者は安全な被食者であるランクーイを最初の獲物に選
び、姿勢を低くしてにじり寄る。ランクーイの顔は蒼白、「おいしくないから食べないで」
とでも語っているようである。手足の先が冷たく、背中の熱さと反比例している。
 ランクーイは体中から出るもの全てを出していた。恐怖という名の長年の友に初めて負
けたと自覚した瞬間だった。
 用心者は紫色の舌を垂らし、立ち止まる。どうやら食事の準備が終わったようだ。ラン
クーイは声にならぬ声と共に貴重な水分を溢した。そして、見えるもの全てが黒くなった。

59 名前:FAT 投稿日:2006/02/23(木) 22:58:03 [ TKRnzKAI ]
「大丈夫か? 坊主」
 瞼を誰かが布でノックする。それに応じてもう一度目を開くと赤い壁と動物の顔とがあ
った。視界の端ぎりぎりのところに立派な鋼鉄のブーツが光る。その上を見ようと首を回
そうとすると激が飛ぶ。
「まだ動くな!」
 だがランクーイには聴こえない。息を荒くしていつ消えるかもわからぬ自分と闘い、救
援者を仰ぐ。そこで、ランクーイは不思議なものを見た。勇者の両手が薄緑色に光ってい
たのだ。その明かりを眺めているとどうしてか、ボロ負けした恐怖に今度は負ける気がし
なくなっていた。
「よし、動けるか? 坊主」
 ランクーイは試しに寝返りをしてみた。あんなに熱かった背中はその熱を失い、失って
いた熱を繊細な部分が取り戻していた。
「あれ? おれは…」
「よかった、生気が戻ったな」
 天に届くかと思われるほどの青年の姿をランクーイはようやくその両目に映した。まだ
余韻の残る希望の光を眺め、その光を掴んだ。
「よくがんばったな、ほら、そこの坊主もこっち来いよ」
 その一言にレルロンドの根が地中から抜ける。無言でランクーイに抱きつき、生を確か
めた。
「さぁ、家まで送ってやるよ。坊主、おぶってやろうか?」
 ランクーイは素直に勇者の肩に腕を回し、飛び乗った。その背中は父親の何倍も大きか
った―――
 
 それからである。ランクーイは奇跡の正体を突き止め、自身も魔法という非常識なもの
を欲するようになった。そう、彼はあの英雄のように人を守れる魔法剣士になることを決
意したのだ。
「あいつ、強いけど魔法も使えるのか…」
 そんなランクーイの気持ちをよく知るレルロンドの推薦である。あの大男が夢に近付く
ための力になるのならば…
 ランクーイはすすぎを済ませ、水を吸って重くなった下着とズボンを干しに外へ出た。
衣服はところどころ糸がほつれ、使い物にならなくなっていた。そんな失態も、彼の下半
身が露なままになっていることの前では然程問題ではなかった。

60 名前:FAT 投稿日:2006/02/23(木) 23:20:36 [ TKRnzKAI ]
>> 戦士のようだ さん
イチャイチャですか。いいですね、イチャイチャは。どんなイチャイチャに仕上がって
いるのか楽しみにしてます。

>> ドリーム さん
>レ・・・・イ・・・・・・・・・・・・・・

これは危険な流れですね。腹黒恐いです。

>> 南東方不勝さん
サキエルの能力恐るべしですね。てか反則では(ry
それとどうしても言いたいことが一つ。
>透けるような銀髪……
すごく艶めかしいイメージが湧きました。この表現最高です。

>> サマナの人さん
公式を無視し続けている私は勝ち組ですね。気にすることはないと思いますよ。

>> ほげお さん
初めまして。マダムの持論がいいですね、惚れます。魔法は芸術だとは考えつきませんでした。
エディの路頭に迷う姿がありありと頭の中に浮かんできて不安な気持ちがすごく伝わってきました。
クマーからどう逃げるのか、楽しみです。

>> リ・クロス さん
やった!1が当たりでしたね。
暗黒鬼神“ビビットブラック”なんていう仰々しい名前が出てきましたが、一体
どんなヤツなのか、想像もつきません。神獣系ですかね…?

61 名前:南東方不勝 投稿日:2006/02/23(木) 23:59:13 [ gowBXNz6 ]
>>サマナの人さん
同じく公式をある程度無視してる感のある自分も勝ち組なのですね。
少しくらい、公式と違ってもご愛嬌ですよ。

>>ほげおさん
初めまして^^
森の中でクマーに遭ってしまったエディ君。
あそこのクマー、適正Lvだとそれなりに痛かったような気がしますねぇ・・・。
あとマダムの持論、中々に素敵です。

>>リ・クロスさん
うーむ、自分の答えははずれでしたか・・・。まぁ、その答え自体間違ってしまったのですがorz
確か、ビビットブラックってディムジェスター系のボスだったはず・・・。
まぁ、メインの戦士でも見たことはありませんなぁ。一体、どこで遭えるのやら・・・。

>>FATさん
今回はランクーイのちょっとした昔話ですね。
恐怖の前に何もできなかった彼は、この物語の中で少しはヘタレを克服することができるのでしょうか?
あぁ、そういえば最近の野犬は火属性な噛みつきをしてきますよね。

62 名前:南東方不勝 投稿日:2006/02/24(金) 00:46:28 [ gowBXNz6 ]
>>48
―――東バヘル上流―――

ギ、ギィィィィィィィィ・・・、バタン・・・!

戦闘が終わると同時に、内なる門を閉じ能力を封印する。
(しかし・・・、どうにもあの野郎と遭遇してから、能力を少しずつではあるが制御出来始めているな)
鉄鉱山におけるイスラフェルとの戦闘から、俺は日増しにこの厄介な能力を制御できるようになってきている。
今までなら封印したとしてもしばらくは搾取は止まらなかったが、今では封印すると同時に止まる。
そう、俺は不本意ながらもこの能力をモノにし始めているのだ。
今回の選択も、ここまで能力を制御できていなかったのなら決して実行はしなかっただろう。
搾取した魔力を武器以外に回すことは、以前からできることはできた。
だが今回のように短時間で、さらに最低限の魔力であるにも拘らず最大限の鎧の防御力向上に使えた事は無かった。
(気にいらねぇ・・・。)俺の意思に関係なく、身体に馴染んで行く細菌(能力)。
いつか俺の体は、この細菌の大元に支配されるのではないか?
そんな身も蓋もなく、それでもなぜか現実味のある不安が脳裏を掠める。
だが、この能力があったからこそ生き延びてきた戦いがあったのも、また事実。
結局俺という人間は、心のどこかで頼っているのだ。この、得体の知れない能力に・・・。
「っつ・・・。鎧だけで済んだかと思えば・・・、こりゃ骨に皹が入ってるな」
巨人の一撃を受けた左肩が痛みを訴える。まったく、愛用のコンポジットアーマーの肩部分を砕いただけじゃ足りないってか。
それ以外にも、流水撃による顎の痛みも脳震盪も完全には治っていない。
「っあぁ・・・、ゲイル達のところに歩くだけでも一苦労だな・・・」
そうして俺は、おぼつかない足取りでゲイル達の元に向かっていた。





―――ほぅ、既に「搾取」の第1段階はモノにしたか・・・。それでこそ、某がよりしろだ―――

63 名前:南東方不勝 投稿日:2006/02/24(金) 01:59:32 [ gowBXNz6 ]
>>62
ふらふらと頼りない足取りで、ウルフェンがこっちに向かってきている。
まったく、あんな無茶をするからそんな酔っ払いみたいな歩き方になるのよ。
「レナさん・・・、姉さん達の手当てはもう済みましたか?」
補充術式でアースヒールに必要な魔力を生成しながら、ミネルヴァが話しかけてきた。
「えぇ、あらかた済んでるわよ。もっとも、貴方の魔法と私の手当てで治るのは傷だけだけど・・・」
回復魔法・・・、ウィザード達が使用するアースヒールや、ビショップ達が使用する数々の癒しの奇跡などが有名なとこかしら。
一見、とっても便利そうに見えるんだけど、実はこの方法では「傷」しか直せないのよ。
早い話が出血した分の血までは面倒を見てくれないの。
まぁ、そこまで魔法に面倒見てもらっちゃったら、人間なんて近い将来絶滅しちゃうでしょうね。
っと、話が逸れたわね。
「さて、それじゃ今度はウルフェンの手当てでもしましょうか・・・」

兄貴の手当てに向かう二人の背中を見つめながら、オイラはぼんやりとあの隊長のことを考えていた。
隊長・・・いや、カルナバレクは武人としては非の打ち所がない存在だった。
だからこそ、オイラは兄貴と戦っていた時の姿に違和感を感じずにはいられない。
「・・・ル」
ただただ、壊すことを求めて暴走する。
「・・・すの、・・・ル?」
果たしてあれは、彼自身の意思だったのだろうか?
もし、彼のあの状態が第3者の介入によってのせいだったら・・・、
「いい加減に・・・、私の話をお聞きなさぁぁぁぁい!」
「うぉぉぉ!ご、ごめんよリリィ。ちょっと考え事してた」
突然のリリィの怒鳴り声によって、さっきまでのオイラの思考はハンヒ山脈の遥か彼方まですっ飛んでいった。
「まったく、いくら私が話しかけても一向に返事をしてくれないのものですから・・・」
う〜っ、とでも唸るような目でオイラを睨み付けてくるリリィ。
「だから、ちゃんと謝ったじゃないか。それで、リリィがオイラに対して怒鳴りたくなるほどに話したいことって?」
「そ、それは・・・。」
えーと、なんでそこで貴女が赤くなるんですか?
「あの、その・・・。さっきの言葉ってそういう意味で受け取ってよろしいものなんですの・・・?」
「さっきの言葉・・・って、えぇぇぇぇぇ!」
あぁ、確かに今更ながら恥ずかしいことを口走っていたかもしれない・・・。
「あ、あれはねぇ・・・。」
突然のことで口をパクパクさせながら、言葉を必死に探すオイラ。
そんなオイラの様子を頬を染め上目遣いで見つめるリリィ。
う〜む、確かにリリィに対して惚れてはいるけれど・・・。
「あぁもう、じれったいですわね!」
痺れを切らしたのか、ずかずかとオイラに近寄ってくるリリィ。
「お、落ち着けってリリィ・・・むっ!?」
突然のことで世界が止まる。よし、まずは状況確認だ。
まず一つ、今オイラの口は動かせない。何か柔らかい物を押し付けれているのが原因だ。
二つ、リリィの顔がものすごく近くにある。あと、心なしかさっきより顔が赤い。
以上のことを踏まえての結論。オイラは只今、緊急事態に陥っている。盛大に。
しばらくして、口に押し付けれていた柔らかい物が離れていく。
「あーと、リリィ・・・?」
「・・・、私じゃダメですか・・・?」
リリィは瞳を潤ませながら、じっとオイラの事を見つめている。
結論訂正、我ガ軍(理性)ハ全滅寸前ナリ。でも、そのお陰ではっきりと言えそうだ。
「・・・じゃない」
「えっ・・・?」
「ダメじゃない。むしろ、嬉しいよ」
そうオイラが応えると、リリィは満面の笑みを浮かべ抱きついてきた。

64 名前:無貌 投稿日:2006/02/24(金) 23:15:16 [ muR9RFkc ]
初めてここに書き込みます。授業の合間に暇つぶしで書いていたものが形になってきたので思い切って書いてみます

ー旅立ちの日ー

「この村はね、この星を壊そうとしていたデビ・ロンってモンスターを倒した場所なんだよ。
あそこにある祠にある赤い石は、デビ・ロンのお腹の中に入っていたもので
あの戦いを忘れないようにって祀ってあるんだよ。」
お母さんはよくそんなことを教えてくれた。当時の私は幼くてそのときはよくわかっていなかった。

それから一年後、それは突然におきた
私は祠の戸が開いているのを偶然にも見つけてしまった。
当時の私は14歳で、祠の扉は開けてはならないと何度も言われていたので中にとても興味をもった。
お母さんの話で赤い石というものがとても見たかったんだと思う。
夕日が沈みそうな時間帯で周りには誰もいなかった。
『ギィ・・・』
戸を開けると、小さな箱があった
祠から出して、中を見ようとしたら文字の書いている紙が張ってあって開けれなかった。
「こんなの取っちゃえ」
『ベリベリ・・・』
剥いだ紙は風に乗ってどこかへ飛んでいった。後で知ったがこれは御札だったらしい
そんなことは知らず、私は箱を開けた。
「きれい・・・」
思わず言葉が漏れた。それほどの輝きを放っていたのだった。
・・・『汝の望みは何だ』
「え?」
どこからか声が聞こえて振り返ってみたが誰もいない。
『汝の望みは何だ』
よく見ると、この石から響いているようだ。いま考えれば不気味なのによく逃げ出さなかったと思う。
「望みってなぁに?」
『汝の願っていることだ』
この村には、人が少なかった。そのため友達と呼べる人が2人しかいなかった私は
「友達がほしい!」
と、言ってしまった
『そうか、承諾した。汝が大好きなものはなんだ』
「お母さんが一番大好き!おじいちゃんも隣のおばあちゃんも大好きだよ!」
『そうか。祠の中にいる雛と力を汝に授けよう』
祠の中を覗いてみると、そこには一羽の雛がいた。おなかに赤い十字のあざがついているのが特徴的だった。
「この子をもらっていいの?」
『汝に授けたのだ。思うように育てるといい』
そのときの私はとてもうれしかった。友達が増えたからである。
「わ〜い。ありがとう!」
そのとき、遠くから村の人の声が聞こえた。
「たくさんのモンスターがこの村目指して襲ってくるぞ!早く逃げろ!!」
いままでモンスターなどが村を襲うなんてことはなかった。なんでいきなり。
ふと、お母さんが心配になって家に走った。石をポケットに入れて・・・

とりえず、こんな感じです。(ここに書き込んでる人のと比べるとしょぼくて恥ずかしい・・
できればご指導のほどよろしくお願いします

65 名前:ドリーム 投稿日:2006/02/25(土) 07:50:20 [ rxe4zHYI ]
>>リ・クロスさん
先の見えない展開・・ビビットブラック・・ナイスなネーミンg(ry

>>FATさん
ふむむ、迫力のシーンが満載でついつい魅入ってしまいましたこれからも頑張ってください

>>南東方不勝さん
萌え死んだらきけn(ry リリィとのキス・・・あまーい(謎

>>無貌さん
奇妙な赤い石中々そそるストーリですね、私も良く言われますがテーマをもっと強調して充実させてみればより一層深い作品になると思いますお互い頑張りましょうー

66 名前:ドリーム 投稿日:2006/02/25(土) 08:01:20 [ rxe4zHYI ]
>>34キャラ紹介

>>45-46
↓前スレ
>>892-893-894 ☆秋空☆

>>904

>>923-924 新たなる出発&仲間

>>943-944-954

>>969-971

67 名前:ドリーム 投稿日:2006/02/25(土) 08:28:14 [ rxe4zHYI ]
うが・・アンカーミスorz
>>943-944

>>954
です




私達はこれからをどうするかを話し合うため旅路の途中にある宿に泊まった
「ベスペンの所には赤い魔石は無かった、すみずみまで探したんだがな」
レイドは皆と別れてからずーとベスペンの屋敷を下見していたらしい隅々まで詳細を知っていた
「じゃあこれでまた振り出しに戻ったわけね・・・・」
私はそうは言った物の赤い魔石なんてどうでも良かったただレイドが無事でさえ居てくれただけでもう十分うれしい

「そういえば思ったんだが・・・赤い魔石とはもしやREDSTONEのことか?」
突然バースが話しに割り込み不思議な疑問を問い掛ける、レイドは昔戦った事を思い出して罰の悪そうな顔をする
思ってみればそんな仕草をするレイドはかわいかった
「うん。そうだよバース」レイドの変わりに返事をする
ヴィードは何故かそっぽを向いてツーンとしている何むくれてんだか・・
「お前らあれを探してるのか?」意外な一声に私はキョトンとした
「何か知ってるの?」しばし頭の中を整理しながらバースに問い掛ける
「知ってるも何もあのREDSTONEは俺の王位の証だからな」

え・・・・・・・?

「じゃ・・じゃあバース・・貴方赤い魔石を持ってるの?」
見たところそんな物は持っていない
「んにゃ・・ロマだ」きっぱり否定する
ここぞとばかりにレイドが話す
「良し・・・ロマに行こう」突然の話題転換にバースが切れる
「ふざけるな!俺はもうあんなところ・・・・・・と言いたい所だが」
突然バースが大人しくなる珍しい事もあるものね
私は会話を頭に入れるため喋られない
「もう母上にも心配を掛けているだろうしな・・・そろっと帰らないと殺されそうって感じがしてきたんでな」
私はこのとき一瞬でこう思った

         バースが怖がるお母さんって・・・・ガクブル

「そうと決まればロマに向かいましょ、ほらヴィードむくれてないで支度するよ、私先シャワー浴びてくるね」
ヴィードはむくれたままそっぽ向いたままだがすぐにその場を後にする

キュ・・キュ・・シャァアァァ
シャワーが全身の疲れを落としていくその時・・・

ガラァァァァそう言って突然ドアが開くそこにはレイドが立っていた・・・

「えーと・・・とりあえず槍でも投げようか?」そう威嚇するつもりが
「もう投げてるじゃんか・・・」
本能的に投げてしまったようだ、まぁいいか
「見ての通り私が入ってるからまた後にしてよ」またシャワーに集中する

             ギュ

え・・・・?
突然の事で何がなんだか分からない分かるのは・・レイドがすぐ後ろに居て
腕を私に巻きつかせている
「どどどどどどどうしたの・・・・?」突然の事で慌てて聞く

「ミレル・・・・・・・」ロイドは綺麗な目をしている今にも私を飲み込んでしまうような純粋な黒い瞳
おもわずドキッとしてしまう端正に整えられた顔、艶かしい程の綺麗な銀髪、それを合わせ持つ俗に言う色気という物だろうか

「レイ・・・んっ・・」何かを言おうとしたが柔らかい物が私の口の押し当てられ喋る事を拒む
あぁ・・今はこの心地よさに身を任せてしまいたい
レイドは私の足に手を滑らせ快感を燻るそんな仕草に私はハッと気が戻った
ドンッ

精一杯の力で押し返す
「い・・いきなり何するのよ!バカッ!」とりあえずこの状況を打ち破るべく声を張り上げる
「お前が欲しい」
突然短くそう言い放つ
「・・・今なんて・・?」

「お・ま・え・が・ほ・し・い」その瞳に何時もの輝きは無かったあるのは・・泥の様な私を求める瞳
反射的にすぐに風呂場から立ち去る
「一体どうしたって言うのよ・・レイド!」今私にこの後起こることが想像出来たはずもない

68 名前:ドリーム 投稿日:2006/02/25(土) 08:30:50 [ rxe4zHYI ]
少しアレ系なのを入れてみたけどこれは大丈夫かな・・ちょっと心配orz

69 名前:リ・クロス 投稿日:2006/02/25(土) 18:15:16 [ XVB9BPJ6 ]
前スレ>>986 >>39 >>56 キャラ紹介>>38


「ビビットブラック・・・
闇の世界の中において、最強の闇の神獣種だったが
“赤い悪魔”によって瘴気を注入されたために暴走させられてしまった。
その中でもっとも脅威だった一体、まあ自分の意思だったようだが
そいつの通称が暗黒鬼神ビビットブラックって言うんだ。」

イルムが説明をし終えると、この場に沈黙が流れたが
その雰囲気に耐え切れなくなくなったセリスが
ふと、腰の鞄から紙を取り出すと、テーブルの上に置いた。

「関連性は不明だけど、アルパス第一地下監獄の奴らが
外をうろついていたらしくって、それの調査依頼よ。」

一斉に紙に目をやる、クリムゾンインパルスのメンバー。

「集合時刻は今日の夜中だからね。
スコールは今帰ってきたところだから良いんだけど
残りはもう一つの依頼を私とやってもらうからね。」

まるで、それ自体が光り輝いている様な金糸雀の髪を
手串で梳きながら、悪戯っぽい声でそう言った。


「雷神トールよ、罪深き俗物達に裁きの鉄槌を!!
受けてみよ、ライトニングスプライトォォォォォー!!」

ライトニングスプライトとは、魔力で雷のハンマーを召喚して
それを媒介にして、雷の嵐を巻き起こすという
風属性魔法における、究極魔法の一つである。
逃げ遅れた比較的速度の遅いクローラーとオーガが
雷の嵐に巻き込まれて、吹き飛んでいった。

「ケルビー、It shifts to the 4th form!!
スウェルファー、It shifts to the 4th form!!」

魔神形態の二体が、それぞれ炎と水に包み込まれて
眩い光が辺りに満ちた瞬間、神々しい咆哮が響いた。
天空に飛翔した炎の翼竜は、その口から巨大な火球を放った。
まるで、メテオシャワーの如きファイアーボルトによって
クリーパーが跡形も無く消し飛び、余波によってイリュージョンも虚空に消え去る。

「えらく、ヤバいのも混じってるじゃねえか!!」

デビルガードらしき悪魔が放ってきた嵐を横に飛んで避けると
拳に圧縮した炎エネルギーで、烈風撃を撃ち放った。
命中はしたが、軽傷だったのだろうか炎を発生させて
再び巨大なフレイムストームを放とうとする。

「おっと、油断しすぎだよ。」

横から殺到した凄まじい数の矢が一気に爆裂し
吹き飛ばされた悪魔は、崖の中に消え去った。


「ほう・・・中々やるようだな。」

戦場から遠く離れた木の上にひとりの少女が佇んでいる。
まるで作られた人形のような愛らしい顔立ちをしており
水晶の如き輝きを放つ銀髪、ルビーの様な色をしている
やや釣り上がっている眼、透き通るような白い柔肌が
黒い外套の間から、チラチラと見え隠れする。

「本調子で無いとはいえ、我が製造したモノを倒すとはな。」

少女が指を鳴らすと、傍らに二体の暗黒騎士が現れ
少女を守護するように、巨大なクレイモアとランスを構えた。

「宴はこれからだぞ?もっと踊ってくれ、下衆たちよ。」

無邪気さの中に、妖艶さを含ませた微笑を浮かべると
次の瞬間には、少女と黒騎士は居なくなっていた。
辺りには少女の楽しそうな笑い声が響いていた。

70 名前:リ・クロス 投稿日:2006/02/25(土) 18:41:25 [ XVB9BPJ6 ]
>>南東方不勝さん
ツンデレ娘は凄く良いですね(ぁ
スィフィーもツンデレな子なんですよねw

>>FATさん
ランクーイ、モロ出しはやめるんだ(マテ

>> ドリーム さん
レイドは正気じゃない気がしますね。
これぐらいなら良いのでは?
最近のTVはもっと危ないですしw


さて、またまた問題です。
最後に出てきた少女は、実は仲間になるのですが
一体この子は、何者でしょうか?


正解だったとしても賞品は

○ございません(ぁ

71 名前:南東方不勝 投稿日:2006/02/26(日) 14:57:10 [ gowBXNz6 ]
ふふ、俺もサマナの人と同じような状況になってしまったとですorz
まさか、正史(公式設定)で彼が生きていたとは・・・。

>>無貌さん
初めまして^^
う〜む、少女の無邪気さが赤石の封印を解いてしまったようですね。
そして、それに呼応するかのようにモンスターの襲来・・・。
続きをお待ちしています。

>>ドリームさん
まぁ、このくらいなら大丈夫ではないでしょうか?
なにやら微妙に正気ではなさそうなレイドさん・・・。
このまま3人VSレイドなんていう、展開を望んd(ry ジョウダンデスヨ

>>リ・クロスさん
や、やばい・・・。俺のつぼを突きそうな匂いが、黒い少女からぷんぷんと・・・。
この少女は、なにかオリジナルなモンスターを作ることができるようですね。
そういった特徴から考えて・・・、この少女の正体はネクロマンサーだと言い張ってみます。

72 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/02/26(日) 16:48:52 [ W8BAcf5I ]
ゲーム本編と設定を合わせているわけでも、実際の史実やシステムに合わせているわけでは
○ございません
一度に投下するとあまりに膨大な量になるので前後編に分割して投稿させていただきます。

……ここに書かせていただくのは初めてなので、ひとつよろしくお願いします。長編です。長いです。
お目を通していただければこれ幸いです。全部投下し終えてから感想もらえると嬉しいな。

73 名前:ウィッチ・ハント(前)1/8 投稿日:2006/02/26(日) 16:49:54 [ W8BAcf5I ]
/古都ブルンネンシュティグ

 9月も20日、もう月の中旬を回った。
 夏が終わり秋の足音を確かに感じさせる現在。年内でもっとも過ごしやすい時期に入っている
とはいえ、人が集まる場所はやはり気温が高いのか、すこし暑い。
 古都ブルンネンシュティグ。大陸でも指折りの大規模都市の人込みの中に私はいた。
 かつては貿易都市として栄えて現在に至るこの街はほかに点在する神聖都市や砂漠村とは
比較するまでもないほど巨大な都市へと成長した――いや、いまでも成長し続けている。
 私がいま腰を落ち着けている古都東の通行用ポータル(といっても早い話が検問だ)にも、
古都から出よう入ろうという人間、人間、人間の数々が後を絶たない。私がここブルンネンシュティグ
に拠点を置いてそろそろ半年になるのだが、この半年の間、この人の往来が途絶えた光景を
見たことがない。反対側の西のポータルも似たようなものだろう。この無統治国家の繁栄っぷりを
如実に体言している場景の典型といえる。

 さて私ことクラレット=フィージェはここで仲間を待っている。私のことは親しみを込めてクリフと
呼んでいただこう。仲間……小規模ギルド『昼飯時』(ランチタイムとも読める)のメンバーは皆
私のことをそう呼ぶ。名前でもファミリーネームでも呼んでもらって構わないが、通称で呼んだ
ほうが絶対に呼びやすいのでそちらを推奨する。
 私はここ古都ブルンネンシュティグ東の小橋の手すりの上に腰かけて仲間を待っている。
 集合の時間には、少々早いか。現在時刻1322時。言い渡された時刻は1330時だから、まぁ
誤差の範囲内といえなくもないだろう。ギルドのメンバーは比較的時間にルーズなわけでもないので
そろそろ誰かひとりくらいは現れても良さそうなものだが。

74 名前:ウィッチ・ハント(前)2/8 投稿日:2006/02/26(日) 16:50:48 [ W8BAcf5I ]
 今日のミッション……というほど大層なものでもないかも知れないが、とにかく今日の
仕事は、ウィッチ・ハントだ。魔女狩り。いや、「女」ではなかったか? とりあえず、魔法
が何らかの形で関わってくるだろうということは間違いない。
 ……ハノブ高台望楼の地下に、強大な力を持つ魔法使いが現れたそうなのだ。
 たまたまそちらの視察に向かっていたハノブ自警団の兵士フラムベル青年の証言から
発覚したこのモンスターの存在は、当初はそれほど重く見られてはいなかった。
 まぁ放っておくのもアレだし倒しておこうか、という感じで派遣されたブルンネンシュティグ
の歩兵一個小隊がハノブ望楼に行ったっきり帰って来なかったあたりから事態はにわかに
深刻さを増した。
 ハノブに住む住民からは何かと不安の声が強くなってきているようだし、満を持して投入した
ブルンネンシュティグの精鋭剣士団とアウグスタの戦闘アコライト隊も全滅こそ免れたものの
部隊の数はいずれも半分以下。肝心の魔法使いも打倒できずに終わっているときている。
 生き残った者の話を聞くと、その魔法使いは“死体を起き上がらせて”くるらしい。
 実際に存在するとは思っていなかったが、……ネクロマンサーだ。
 この報告により事態はさらに深刻さを増した。いまはまだ望楼の地下に引き篭もっているから
いいものの、そのネクロマンサーがもし望楼から出てくるような事態が起これば? 魔法使い
自身もそうとうの高い力を有していると聞く。それに“元”人間の手下まで操ってけしかけてくる
ようなヤツだ。ハノブ高台望楼と鉱山町ハノブは目と鼻の先。このまま彼を放置した先に
待ち受けている事態は……考えるまでもないだろう。

75 名前:ウィッチ・ハント(前)3/8 投稿日:2006/02/26(日) 16:51:48 [ W8BAcf5I ]
 そこでブルンネンシュティグとハノブが頼った先が、旅人や冒険者、傭兵などと
いった者が所属する先――冒険者ギルドというわけだ。確固とした『国家』というものを
持たないブルンネンシュティグの頼みの綱である。
 これまでも数多くのギルドがこれの討伐に向かい……そして、目立った戦果を挙げる
ことができないでいた。逆にネクロマンサーに討たれ、哀れ彼の配下になってしまった者も
多いと聞く。
 そして今回、この闇の魔法使い討伐作戦の指名を受けたギルドが、私の所属するギルド
『昼飯時』であったということだ。


   Chapter No.1 「ウィッチ・ハント」 from 古都ブルンネンシュティグ   原:ゲーム『RED STONE』クエスト「闇の魔法使い」


 ふとトントン、と遠慮がちに肩を叩かれて私はそちらを振り向く。
「くリフ・さン」
 そこに立っていたのは、褐色の肌を持つ体躯のいい偉丈夫だった。乾いた砂色の髪を後頭部で1つに束ね、
その立派な体格にはちょっと不釣合いな神官服を着込んでいる。背中にはいかめしい盾と棍棒が
1つにまとめて吊るされている。
 彼と目が合うと、彼は目許と口元を少しだけ緩めてうなずいてくれた。つられて、私も微笑み返す。
「早いね。マスターはいっしょじゃないの?」
「はイ。今日、わタシ・ひとリ」
 それだけ言うと、彼は背中の武器防具を橋の手すりに立てかけ、私の隣にどかりと座り込む。人の往来の
絶えないブルンネンシュティグ東口の通行用ポータル手前で座り込むというのはどうかと思うが、私もさきほど
からずっと立ちっぱなしで動かないので他人のことはとやかく言えない。

76 名前:ウィッチ・ハント(前)4/8 投稿日:2006/02/26(日) 16:52:42 [ W8BAcf5I ]
 彼、ローンダミス=ディザーテイズ=ル=セルバンテスは『昼飯時』専属のメディカルサポーター
にして敬虔なビショップ。そして……かつて、伝説の秘宝RED STONEにまつわる事件により
天界を追われた“元”天使だ。それゆえ、人の話す共通語が苦手だったりする。
 前者はともかく、後半のほうはにわかには受け入れがたい事実であると思うが、現に私を
含むこのギルドのメンバーは彼の持つ不思議な力が起こす奇跡を幾度と無くこの目で見て
きている。彼の持つ力は自然と私の中に溶け込んでいる……。
「ところで、他のみんなは? 誰か知ってる?」
「スぐ・キまス。まスたー、わるツ、ヒメさン・も」
「そっか」
 ゴツい僧侶と、美少女(自分で言うのもアレだが)。
 人通りの多い場所で堂々と座り込み&立ち、イヤでも目立ってしまう取り合わせであるが、
彼、ロンはそんなことはまったく気にならない様子で目を閉じて座っている。
 ちょっと、いや、かなり恥ずかしいのだが、その気に負けて場所を移動しては彼の気持ちを
傷つけてしまうような気がしてどうにも落ち着かない。あぁどうすれば。
 しかし、もっと恥ずかしいヤツが来てくれたおかげでその懸念は完璧に払拭された。
『フ……ッ………! 待たせたね、ボクの……』
「……う」
 橋の向こう側、街の中心部の方向からひとりの男が歩いてきた。
 違う、あれは……あれは。
 変態だ。

77 名前:ウィッチ・ハント(前)5/8 投稿日:2006/02/26(日) 16:53:27 [ W8BAcf5I ]
 だってあいつは……どういう手品を使っているのか、背景に薔薇を従えて……
それでいて、口にも一輪の薔薇を横に加えて片目を閉じて……いま貴族の婦人の間で
流行のキャットウォークというやつを完全にマスターしていて……なぜか逆光でこちらに
歩いてきているのだからたまらない。
 そこらを行き交う人間も思わず足を止めて彼を……彼に……釘付けになっている……。
 あっけに取られているうちに彼はいつの間にか私の目の前までやってきていて……。
「ハニィ。ボクの、無限に等しい情熱の、愛を。そのたったわずかばかりの片鱗に過ぎないが……。
 受け取ってくれたまえ」
 口にくわえた薔薇を、差し出してくる。
 それでもまだ彼は飽き足らない様子で、続ける。
「あァ、フィージェ。今日のキミはまた一段と美しい。ヤ、いつものキミは美しくないというわけじゃないんだヨ?
 キミのそのシルエットは常にこのボクのハートをつかんで放さない。むしろ日々、少しずつ少しずつ、
 キミへの想いは大きく強く、高くなっていく。昨日のキミはおとといのキミよりも美しい。
 そして今日のキミは昨日のキミより美しいっ。それなら明日は? 明後日は? 一週間後は!?
 今日と言う日が長く感じられてしかたがないヨ。早くあ……」
「Go,」
 しかし私は、彼のセリフを最後まで言わせない。言わせてたまるか。
 近くに立てかけてあった大型の槍を慎重な手つきで手に取る。
「To,Hell……!」
 地獄に落ちろ。
 その小さな呟きと共に槍を振り上げた時には、すでに彼のひょろ長い体躯はあの世への
片道切符を受け取りかけていた。

78 名前:ウィッチ・ハント(前)6/8 投稿日:2006/02/26(日) 16:54:19 [ W8BAcf5I ]
/東プラトン街道・道の中間地点

「そうか。そいつはまぁ、大変だったな」
「ホント。あのド変態、あんな人込みであんなマネして……。恥ずかしくてしょーがないって」
「そうか。そいつはまぁ、大変だったな」
「色んなひとに見られたし……もぉ私古都にいられないかも………」
「そうか。そいつはまぁ、大変だったな」
「……私の話、ちゃんと聞いてる?」
「そうか。そいつはまぁ、大変だったな」
「ダメだコイツも……」
「? なんの話題だ?」
「もぅいいです……」
 あのあと、ド変態ウィザードを槍の一撃で突き落としたあとは比較的スムーズに事は進んだ。
 『昼飯時』のギルドマスター、戦士カリン・調教師ヒメと合流した私を含む4人は、ハノブ高台望楼を
目指してプラトン街道を東に進んでいる。
 ちなみに、あの変態ウィザード……名をワルツというのだが、彼も『昼飯時』のメンバーで、
もしかすると仲間……もしかしなくても仲間なのだが……いや、深く悩んだところで始まるまい。
 どうせ殺してもいつの間にか復活しているので、川の冷水を浴びたところで死ぬわけもないし。
「まぁ、奴もモテようと必死なんだろう。お前にその気がない限りは、永遠の徒労に終わりそうだがな」
「ちゃんと聞いてるし……」
 そうジャッジするカリンはビショップのロンと並んでみても決して引けを取らない立派な体躯の持ち主だ。
 加えて、2mはあろうかという巨大な大剣を背に背負っているおかげで迫力も満点である。遠くから
見ればなかなかハンサムでもあるので、隠れファンもけっこういそうなのだが……。所々が致命的に
抜けている面があるので、細かい点に気付けない。

79 名前:ウィッチ・ハント(前)7/8 投稿日:2006/02/26(日) 16:55:09 [ W8BAcf5I ]
「まぁ、それが奴の子供の頃からの夢であるというなら俺はそれを応援してやりたいところだがな」
「応援してもらわなくてけっこうです……」
 高台望楼に行く前にハノブで装備を整えようという方針になったので、とりあえずはこの街道を
ひたすら東へ歩くのが当面の“すること”だ。途中に路上強盗団の出没地域があるのが懸念の
1つであるが、古都ブルンネンシュティグから鉱山町ハノブへ行くにはこのプラトン街道を通るしか
道がないので仕方がない。
「そういえば、ヒメちゃんはいいね……乗り物があって」
「……ん」
 集団――といっても4人だけであるが――その最後方でちょこちょこと歩く犬に、これまたちょこんと
座っているのはギルド最年少でありながら調教師の資格を持つロマ村出身のビーストテイマー、
ヒメ=K=ユウマだ。服についてるフードをすっぽりと目のあたりまで被っている。
 実は彼女、対人恐怖症……いや、人間恐怖症? とにかく、人と接するのが苦手で、聞かれない
限りは答えないし喋らない。友達は自らのペットと召喚獣。はっきり言って、暗い。
 しかし、何かと鈍感なギルドマスターに無言ビショップ、変態魔術師と他のメンバーがアレなもの
だから、ギルド内では比較的冷静で的確な判断ができる人物でもある。彼女の客観的な状況判断と
助言に命を助けられたことは、一度や二度ではすまされない。他のメンバーにしてもそれは同じだろう。
「本当は…………みなさ………の…………乗せてあげたかった……けど…………」
 どうしようもなく小声でボソボソ喋るのも欠点といえば欠点か。この彼女の言葉をリスニングするのは
少々骨である。
「みーちゃんは………人に…………慣れない……で…………」
「み、みーちゃん? あの、その動物って猫………」
「ぁ………犬……です……けど…………。ぁ、みーちゃんというのは………この子の…………名……」
「う、うん、わかってるから」
 私がそう言うと、彼女はよりいっそうフードを目深にかぶってうつむいてしまった。く、暗い。
 ケルビーはわん、と軽く吠えた。

80 名前:ウィッチ・ハント(前)8/8 投稿日:2006/02/26(日) 16:56:01 [ W8BAcf5I ]
/鉱山町ハノブ

「じゃぁ、1930時には各自宿に戻っているように。それまではフリーだから観光でもしてきてくれ」
 こんな田舎に観光できる場所があるはずないじゃないか。
 というツッコミは胸の奥にしまっておいて……。せっかくの遠出なのだから、楽しもう。ポジティヴ。
 ロンは祈りを捧げる時間らしく、既にとってあった宿の一室に入って出てこない。さすが敬虔な
ビショップ、どんなときでも神への信仰は忘れない。
 カリンはカリンで情報収集に出るといって町へ繰り出していった。どこか間抜けな彼の“収集”が
どれほどの成果を上げることができるのかは正直疑問だったが、わざわざ自分がその役を買って
出てやる、という気も起きないので彼に任せることにした。間抜けだが馬鹿ではないカリンだ、たぶん
大丈夫……だ………と…………思う。
 やることがないのでその辺をぶらぶらしてみるが、本ッ当に何も無い。田舎だから仕方ないのだろうが、
ここまで何も無いとは。娯楽施設だのといったものには最初から期待してはいないが、せめてキラキラ
光る飾り物といった類いのものを扱う宝飾品店とか、郷土料理を出す食堂とか、そういったものはないのか。
 結論→ない。
「1732時……」
 もう陽もだいぶ短くなってきた。夕暮れ時の冷たい風が私の身体にぶつかる。
 あと約2時間。中途半端なイヤな時間である……。
 こんなとき、いつもの自分ならどうするか? いまの自分に、できるコト……。
「……寝よ」


しかし、彼女はこのとき気付いていなかった。
彼女のはるか後方から、刺すような視線で彼女を見つめる、1つの影があったことを……。

81 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/02/26(日) 16:57:07 [ W8BAcf5I ]
○簡単なキャラクター紹介

クラレット=フィージェ(Lv84ランサー/アーチャー)
槍と弓を巧みに使いこなす傭兵。ギルド『昼飯時』のメンバー。愛称クリフ。

ローンダミス=ディザーテイズ=ル=セルバンテス(Lv121ビショップ/追放天使)
かつて天界を追放された天使にして敬虔なビショップ。愛称ロン。
ギルドに必ず1人はいてほしい「いいビショップ」。無口。

ワルツ(Lv111ウィザード)
ひたすらクリフに対するアプローチをかけまくる変態魔術師。普段の素行はアレだが実は有能。
ギルドに必ず1人はいるセクハラウィザード。

カリン(Lv133戦士/剣士)
ギルド『昼飯時』の党首。普段は馬鹿っぽいがたまに名案を思いつく。
ギルドに必ず1人はいる『勇者様』。

ヒメ=K=ユウマ(Lv75ビーストテイマー/サマナー)
無言テイマ。召喚獣とペットをこよなく愛するいい子。実は折檻のプロ。
ギルドに1人はいてほしい「癒し系」テイマ。

82 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/02/26(日) 17:00:41 [ W8BAcf5I ]
前編はこれにて終わりです。後編はハードボイルドになります。本当です。
イラストコンテストだけでなく、SSコンテストとか開催してもらえれば喜んで挑戦するんですけどねぇ。
……スクリーンショットコンテストではございません。ショート・ストーリーコンテスト。

83 名前:名無しさん 投稿日:2006/02/27(月) 14:27:43 [ 2G14qfcI ]
age

84 名前:ドリーム 投稿日:2006/02/27(月) 19:53:56 [ PpFueImY ]
>>34

>>45-46

>>名無し物書き@赤石中さん
ワルツがつぼに来ました(ぁ 変態魔術師ガンバレー

>>リ・クロスさん
んーおそらくテレポをやってそうな女ウィザードでドS系なキャラと予想しておきます(ぁ

「さて・・・じゃあロマに向かうとするか・・・」そうレイドが皆に声をかける
まったく・・・さっきあんな事しておいて良くそんなスースーした顔してられるわね・・蹴っ飛ばしたろか
心底そう思っていたが一応忘れる事にした。
バリアートからはロマはそう遠くない、少し歩いてしまえば付くぐらいだろう
と・・そうこうしてる内にソゴム山脈ね此処は周りの視界も悪く正直薄気味悪い
「まったく・・薄気味悪いわね・・・」そうボソと呟くとバースが肩に手を優しく置きこう呟いた
「安心しろ・・・その時は俺が守ってやる、このバース・ロマ・シュトラディバリの名に懸けてな」
そこまで自信満々に言われると安心できる
「さて・・・実はこのソゴム山脈には近道があるんだ、だからすぐ付くぞ」
そう言うと山脈とは別方向の森へと歩いていく
やはり此処の王子であるからにはここらの地理は知り尽くしているんだろう、迷い事無くずんずん進んで行くと森の中に獣道があった

あっという間にロマの目の前についてしまった。
バースは少し躊躇ったが諦めたらしく胸を張りずんずんと進んで行く皆はその後を追った
「貴方は・・・・王子!?バース王子ではありませんか!」警備の兵らしき者がそう呼んだ
やっぱり本物の王子様なんだぁ〜・・・結婚すれば玉の輿よね・・おっと勘違いしないでよ私はそんな気はないわよ

って・・ずいぶんと騒ぎが広まってるなぁ・・・大丈夫かな・・
そんな心配を他所に何処かから大きな声が聞こえた
「バースーーーーーーーーーーーーーーー!!」大きな声はどんどん近づいて来る
「ゲッ・・・・」そう言うとバースは突然人ごみに隠れる・・・がその人の身体能力すさまじくすぐに捕まってしまった

「バース・・・おかえりぃぃぃぃぃ」そう言うと突然バースに抱きついた・・・こんな人の前で・・ずいぶんと大胆な人ね誰なんだろ
「ただいま・・・リマ」苦しそうにバースがそう呼ぶ
見た感じかなり幼げだが出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでいるボンキュボンだ(ぇ
髪は私とほぼ同じ栗色だろう。その性か自分の幼少時代もこんな感じだった気がする・・まっ記憶がないから定かではないけど
まぁそんなわけで私から見れば元気で陽気なお嬢さんって感じかな
「バース・・その子知り合い?」とりあえず妥当な質問だろうと思う
バースは乗り気で無いらしく少し嫌な顔をしてこう言った
「俺の・・・その・・・・」
「私はバースの許婚です!」バースが困っているのも関わらずいきなり叫ぶ少女
えーと・・・・
「あのねお嬢ちゃん、おままごとまた今度ね」ふざけたつもりは無かったのだが実際そういう風に見えたのだから仕方がない
だが相手のほうはかなり起こったようだ眉間にしわを寄せて必死に怒っていることをアピールしているようだ
「いや・・ホントだ・・こいつは・・リマ・ファールデナントは俺の許婚・・そしてシュトラセトの王女なんだ、と言っても俺の親父がロマを発展化させるために無理矢理許婚にされたわけだがな」
よっぽど誤解してほしくないらしく長ったらしい説明をするバース
「なぁ・・・とりあえず俺ら獣道を歩いてきてさ・・疲れてんだから中に入れて休ましてくれ・・」
情けない声でヴィードが剣を杖変わりに使って必死に歩く
「ああ・・俺も少し休みたいな」レイドも額の汗を拭いそう言う
「そうだな・・すまないリマ、皆に部屋を用意してやってくれ」
そう言うと元気な声でリマは皆を先導していった

85 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/03/01(水) 21:11:22 [ QS1Cbi/M ]
いやぁ皆さん指が軽快なリズムでキーボードを弾んでいるようですね〜
え?自分?ああ、なんだか操作をミスって
駄文を全部消してしまいましたよっと


・・・orz

86 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/02(木) 03:30:07 [ gowBXNz6 ]
閑話・宴、終幕

海の神殿・・・。
ブリッジヘッドの西方に位置し、フランデル大陸で最も古い海の神を奉りし場所。
入り口は小さな洞窟の奥深くにあり、その内装は奥に向かえば向かうほど仰々しさを増すばかりである。
その奥地にて、たった一人の主賓により開かれた宴が終わりを告げていた・・・。

周りは一面の赤。海を彷彿とさせる深い蒼に染められた壁も、もはやその荘厳たる優麗さを見せ付けることは不可能であろう。
周りには大量の供物。御神体を守護するべくその命を散らした神殿騎士や魚人の戦士、彼らを狩りに来た冒険者、なんと無節操な物であろう。
中心には隻眼の人狼。もはやこの地下4階において命有るモノは彼、ただ一人であろう。
そう・・・。全ての生命の母たる海を崇めた聖域は、彼という存在によって全ての命の終わりたる地獄へとその姿を変えた・・・。
「くくくくっ・・・、くはははははは・・・」
人狼が嗤う。人と人外の返り血をその身に浴びたまま、ただただ嗤う。
それは強者だけの特権。あらゆる弱者を叩き潰した、暴君のみに許される権利。

――ソウダ、コノ高揚感・・・。アァ、ナント甘美ナコノ「風景」――

「久遠」とも取れる時の中で、数多の「罪」を「断」ってきた故の惨殺嗜好・・・。
(我は罪を断ずるもの、大義の元に切り捨てる・・・。)
本来なら抑えるべきであるそれを、今この場でおいてのみ曝け出す。サァ、新タナ玩具ヲ探シニ行コウ・・・。
(我ハ命ヲ奪ウモノ、己ノ為ニ殺シ尽クス・・・。)
「ここにいたのね・・・。まったく、よくもまぁここまで無節操に殺せること・・・。ゼルエル、貴方また反転したわね」
人狼の行動を諌めるかのように、女の声が響く。
かつかつと音を立てながら、その女性は人狼に近づく。
「あ、あるみさえるカ・・・。失セロ・・・、吾身ハ血ニ餓エテイル」
「貴方の都合は関係ないわ。ラミエルが私たちのことを呼んでいるの、さっさと反転しなおしなさい」
そうして女はおもむろにローブの中より布切れを取り出し、
「これを使って身体を拭いなさい・・・。血の匂いが薄まれば、貴方も落ち着くでしょう?」

87 名前:ほげお 投稿日:2006/03/02(木) 16:11:48 [ f0SX/jL6 ]
あああ、書き込んでから放置している間に皆様から
暖かいレスポンスが・・・!orz

只今出先からなので、帰ってから皆さんの作品をじっくり読ませて
いただきたいと思います。

とりあえず、ちまちま書いたものだけ先に投稿;;;;

>>51-54

エディは両手に魔力を込めると、左手の杖をゆっくりと掲げた。
すると、あたりに漂っていた水の元素がうっすらと光を放ち、
あたりに濃い霧を醸し始めた。暫くすると両者も互いの姿が
確認できないほどの濃い霧が両者を覆いつくした。

あたりは真っ白に覆われ、一寸先ですらまともに見えない状態である。
エディは息を殺し、耳を澄ました。
・・・・かすかにだが、はっ、はっ、という呼吸音が聞こえてくる。
恐らく相手もまた、こちらの出方を警戒しているのだろう。

ここまではきっと正解だ。次は・・・

エディは音を立てずにゆっくりと後ずさりを始めた。真っ白な闇の向こうからも
ずず・・・ずずず・・・ず・・と、ゆっくりとこちらに向かう「何か」の音がする。

やっぱりばれちゃうか・・・でも、いきなり襲ってくる感じはしない。利口な奴だ。

恐らく相手は自分の「におい」を辿っているのだろう。エディはそう確信した。
だったらどう逃げたところでこの利口な熊は自分を追いかけてくる。

だったら・・・

エディはゆっくりと右手の人差し指で一本の線を描いた。
すると、指の軌跡をなぞるように火の元素が集まり始め、一本の炎の矢を
形取った。

うまくびびってくれよ・・・!!

エディは左手に持った杖を素早くブラウンベアーのに向けた。
エディの傍らで待機するように浮かんでいた炎の矢が、一直線に
ブラウンベアーの頭上を掠め、ドンッという鈍く大きな音と共に、後方の木にぶつかって炸裂した。

88 名前:ほげお 投稿日:2006/03/02(木) 16:12:37 [ f0SX/jL6 ]
あたりに焦げ臭い香りが立ち込める。
直後、敵意むき出しのうなり声とともに木々がへし折られる音と、鳥が鳴きながら一斉に羽ばたく音が聞こえた。
あたりには焦げ臭い匂いが立ちこめ、騒然となった。

今だ!!

エディは後ろを振り返ると一目散に走り出した!後ろからはまだ、木々の悲鳴と、
森の暴君の怒声が聞こえてくる。

大丈夫だ、落ち着け・・・!

エディは自分にそう言い聞かせながらひたすらに走った。
地面から這い出ている根っこや、木々の枝がエディの邪魔をしてくる。
まるで、言われもない暴力を受けた木々の恨みつらみの表れのようだ。
足がもつれ、何度となく転びそうになりながらも、エディは必死で、走り続けた。
そのときだった。かなり離れてはいるが、確かにこちらに向かってくる暴君の
足音がどすっ、どすっ、という鈍い地鳴りと共に聞こえてきたのである。

このときのエディの心境を想像して欲しい。圧倒的に強大で、獰猛な
獣に独り追われる少年の心境を。
のどは渇き、足はもつれ、空気が重く纏わりつくように感じるほど、自分の
動きが鈍く感じ、なぜもっと速く走れないのかと気持ちばかりが先に出る、
そう、ちょうど怖い夢を見ているかのような、あの感覚。恐らく誰にでも
一度は経験があるだろう。

そんな恐怖と戦いつつ、エディは(ここが、彼が”勇敢と評される”所以なのだが)
次の一手を思い描いていた。

僕の記憶さえ間違っていなければ、この先は湖のはず・・
逃げ切るにはこれしかない・・・!

「地鳴り」はあっという間にエディに迫ってくる。エディは残りの力を
振り絞ってひた走った。

89 名前:ほげお 投稿日:2006/03/02(木) 16:13:12 [ f0SX/jL6 ]
−湖だ!−

森を抜けると、眼前には大きな湖が広がっていた。
休火山に雨が溜まり、湖と化した、スマグの観光名所のひとつである。
既に火は沈み、夜空がビロードの幕のように広がり、
細い月が、夜空を切り裂いて薄明かりを差し込んでいるように見える。
水面には波も無く、まさに空の「写し絵」が広がっていた。
ちょっと粋な大人ならばこの美しい風景に見入ったり、
景色を肴に一杯、とでも言うところであろうが、追われる身のエディにはそんなゆとりが
あるはずもない。
エディは迷いも無く湖に走りこんだ。そのときである。ついに暴君がその姿を現した!

暴君はエディを確認すると、恐ろしいうなり声をあげながら突進してきた。
その口は裂けんばかりに開き、鋭い牙と、血の色の様に真っ赤な舌が覗いている。

エディはありったけの魔力を杖に流し込み、真冬の湖を強く思い描くと
杖を湖に突っ込んだ。

「凍れ!!!」

すると、杖を差し込んだあたりから瞬く間に水面が凍りつき、エディの前に
細長い氷の道が現れた。エディは氷の道を一気に駆け抜けると、
湖岸を見やった。怒り狂った暴君は水も意に介さず
エディに向かって突進してくる−−そのときだった。
唐突に暴君の体が水面に吸い込まれ、もがくように暴れ始めたのである。

うまくいった!!

この湖は休火山に水が溜まり湖と化したものである。
そのため、湖岸から少し離れただけで足場が一気になくなる。
体の大きなブラウンベアーにとっても、その深さは相当のものだったということだ。

どうにかこうにか湖岸に這い出た暴君は、悔しそうにエディを見つめると
その場でうずくまってしまった。

続く

90 名前:復讐の女神 投稿日:2006/03/02(木) 16:33:38 [ 1jnG73FA ]
古都の中心部よりすこし外れた場所。
そこには、白亜の建物が立っている。
太い柱に支えられた天井は高く、巨人すらも通ることが出来るだろう。
正面入り口は常時開放されていて、真っ直ぐと伸びた道の先には、女神像が祈りをささげている。
壁にかかっているステンドグラスからさす日差しが女神像にあたり、幻想的な雰囲気をかもし出している。
「本当、これなら天使も舞い降りてきそうね」
今日は特に天気がいいため、幻想に磨きがかかって見える。
ジェシの小さなつぶやきも、どこまでも響いていきそうだ。
「はは、お前がそんなセリフを吐くとはな」
声は、女神像の右手にある扉から響いた。
白亜のなかに自分を主張する木製の扉は、その前に一人の男を現していた。
長身の筋肉質な体。
日に焼けた肌は浅黒く、健康的なつやを放っている。
緑の服に鉄製の靴を履いている姿は、もはや名物の一つだろう。
後ろに縛った髪が、ゆらゆらとゆれている。
「お帰り、ジェシ」
「ただいま、おじ様」
彼がジェシに向かって歩いてくると同時、ジェシもまた彼に向かって歩き出し、抱きついた。
「髪がぱさぱさだな、砂漠に行ってきたのか」
「ええ、暑くて大変だったわ!」
ゆっくりと、慈愛に満ちた手で頭を撫でられ、気持ちよさに目をつぶる。
「ははは、ジェシは相変わらずだな。さぁ、旅の話を聞かせておくれ」
撫でていた手を止めて、彼はジェシを離し、扉へと向かう。
ジェシも当然とばかりに、彼の横に着く。
ジェシは女性としては背が高いほうだが、彼はさらに高く、見上げる様になってしまう
腕を組んでみるが、年齢を感じさせない張りがある。
本当にこの人は、私の両親と同じ年なのだろうか。
会うたびに、この若さの秘訣を解きほぐそうと誓うのだが、いまだ成功していない。
「ねえおじ様、今日も当たり?」
「む? ああ、そうだな。今日も当たりだ」
扉をくぐると、中庭に出る。
中央には井戸があり、その周りには緑に茂った芝が生えている。
中庭を囲むようにして廊下があり、右は治療部屋、正面が調理部屋、左手に宿舎がある。
宿舎へ向かう途中、調理部屋からいい香りがにおってくる。
「いい香り…今日も期待できそう」
「ははは。まったく、ジェシは食いしん坊だな。ああ、期待しなさい、今日もいい出来だ」
この男、私が来る日は連絡もしていないはずなのに毎回2人分の料理を作ってご馳走してくれる。

91 名前:復讐の女神 投稿日:2006/03/02(木) 16:34:08 [ 1jnG73FA ]
毎日2人前作っているのかとも思ったけど、それは無いみたいだし。
まったく、不思議な人よね。
「おや、フェリル司祭。その隣の女性は…ああ、ジェシさんでしたか」
「ええ、お久しぶりです」
「はは、なるほど。フェリル司祭が、張り切って料理をしているわけだ」
「うふふ、ここにくる楽しみの一つよね」
彼は、おかしそうに笑って手を振り、去っていった。
宿舎のドアを開ければ、急に生活感のある世界が開かれる。
といっても、その姿は質素だ。
部屋の中心に添えられた木の机に、木の椅子。
棚にはお酒が飾られているが、減っている様子は無い。
「さあ、聞かせておくれ、砂漠の話を」

フェリル司祭は、もともと冒険者だった。
戦士と弓使いの2人の仲間とともに、世界中を歩き回った。
彼の癒しの力はとても強力で、癒せぬものなどないとすら言われた。
死者すらも蘇生したと、聞いたこともある。
旅の話を聞くときの彼は、本当に楽しそうだった。
前に、聞いたことがある。
なぜ、冒険をやめたのかと。
彼は、笑って答えてくれなかった。
ただ、いつか解かる日が来ると、寂しそうにつぶやくだけだった。

「と、いうわけなの」
「なるほど、あの砂漠にはそんな場所があったのか」
ジェシとフェリルは、机に向かい合って座っていた。
机の上には料理が並べられている。
スープにパンにサラダ。
簡単な食事だが、これがもう本当においしい。
「これが、その隕石の欠片」
そういって、ジェシは黒い石を取り出す。
表面が滑らかで、光りを反射している。
「おいおい、それは依頼人に渡すものだろう」
「いいのよ、だってそこらじゅうに転がっていたんだもの。それに、依頼人にはもう届けたわ」
そう、これは隕石の欠片。
私が見た一番大きい石は、とてもではないが持ち運ぶようなことはできそうになかった。

92 名前:復讐の女神 投稿日:2006/03/02(木) 16:34:40 [ 1jnG73FA ]
「やれやれ。しかしこんな石、どこか…そう、そこの中庭にでも転がってそうに見えるがな」
「本当、私もがっかりしたわ」
今回の依頼、隕石の調査ということだったけど、私にはその重要性とかさっぱりわからない。
伝説の、ウィザードが使うというメテオシャワーで落ちてきたものと、どう違うのだろうか。
「こんな石に大金を出すなんて、気が知れないわ」
肩をすくめて、スープを飲む。
「金払いのいい客か…」
「私のお得意様よ」
最初の依頼は、確か病気になったコボルトの服を剥ぎ取って来いだったかな?
昔のできごとを思い出そうとする。
「…ジェシ」
フェリルが話しかけ、ジェシの思考がとまる。
「気をつけなさい」
「な、なに急に。もちろん気をつけているわよ」
「そうじゃない…」
フェリルは、言うべきか迷っている様子だ。
その様子を見て、ジェシは驚いていた。
この男は、今まで迷った姿を見せず、その口から出た言葉全てがいままで正しかった。
それが、迷っている。
いったい、どれほど重大なことだろうか。
「ジェシ、東の村が焼かれたのは知っているか?」
「え、えぇ。昼間、食堂で聞いたわ。私と同じ、弓使いの女の仕業でしょ?」
「うむ…」
心配しているのだろうか?
「大丈夫よ、私がそんなことするわけないでしょ。大体、犯人は一人でそれをやってのけたんでしょ?
出来ることとそうでないことの区別はつくわ。仮に出来るのだとしても、私には考えも付かない方法よ」
「ああ…そうだな、うむ、私の考えすぎだろう。いや、すまなかった。疑っていたわけじゃないんだ。
この神殿にもその知らせが届いてな、弓使いの女で怪しいものがいたら通報するように、と言われてな」
「私?」
「ばかを言うんじゃない、そんなことあるわけ無いだろう」
フェリルは頭に手をやって、困った顔をする。
これは、よほど心配しているようだ。
「安心して、私の腕を知っているでしょ?いざとなったら逃げるわよ」
「はは、そうだったな。ジェシは昔から逃げ足が速かった」
フェリルは困った顔から一転して、お腹を抱えて笑い出した。
「あぁ、思い出した。昔、よくいたずらをしては逃げ回っていたな」
「………昔のことよ」
目から涙を流して笑うこの人。
あなたこそ、人を見つける名人だったじゃ無い…と、ジェシは心の中で思う。
幼い頃、ジェシは子供たちの中でもとりわけ元気でやんちゃだった。
街の中を走り回り、いたずらをしてはその素早さで逃げ回る日々。
いいところまでは逃げられるのだが、このフェリル司祭がかならず最初にやってきてつかまってしまう。
「ねぇ、どうして私のいる場所が分かったの?」
「ん?」
「昔、私はあなたから逃げきることが出来なかったわ」
「ははは、そうだな…子供の行けそうな場所など、たかが知れているということだ」
また嘘ばっかり…。
「本当、分からない人…」
この笑顔が曲者なのだ。
人を優しい気持ちにさせてしまう、この笑顔。
子供のような、屈託の無い笑い。
不思議な…本当に不思議な人だ。
この日、ジェシとフェリルは夜遅くまで語り合ったのだった。

93 名前:ドリーム 投稿日:2006/03/04(土) 21:38:23 [ GHt5QE9c ]
>>34

>>45-46





「ふぅ・・・」レイドはとりあえずため息をついた、この頃自分の様子がおかしい事もわかっている
だが、ミレルを見ると無償に彼女を求めてしまう。
「欲求不満なのかな・・・なんてね」とりあえず彼女がいない場所ならば特に異常も無いし、軽口を叩く事もできる
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
突然耳鳴りのような現象が彼を襲った
「うっ・・・何だこれは・・・・」頭の中に妙な光景が浮かんで来る
周りには男二人が倒れている、そして男と女がお互いを見合っている・・・と言ってもそんなに初々しい光景ではない
男二人は死んでいるようだ。
「き・・・・・・い」何かを話しているようだ・・・だが良く聞き取れない







ハッ!周りは空に舞っている星々に埋め尽くされている。かなり長い間倒れてしまっていたようだ

コンコン

突然ドアがノックされる、「誰だ?」もちろん無用心に開けたりはしない
「俺だ、バースだ」短く聞き覚えのある声がする。
「鍵は開いてる勝手に入ってくれ」そう言うと少し重い顔をしたバースが目にはいった
何時もはあんなに元気なのに・・・どうしたんだ?疑問に思ったがとりあえず口には出さない事にした
「ぁぁ・・ちょっとリマと話すのに疲れた・・」そんな事を気がついたのかとりあえず説明した
「そうか・・・・」


無言・・・

だが・・そんな時突然鐘がなった

カーンカーンカーンカーン!!!!!
甲高い音を出す鐘はおそらくこの城全体に響き渡っただろう
「一体どうした!!」レイドは外に出て走っている剣士に聞いた
「ブリッジの・・・ブリッジの軍勢が攻めてきたのです!!」
大きな声でそう答えるとすぐに走り去ってしまった
「一体どういう事なんだ!!」

94 名前:ドリーム 投稿日:2006/03/04(土) 21:59:33 [ GHt5QE9c ]
レイドとバースは急いで城の城壁の上に行った
そこには武装をしたブリッジヘッドの者達と思われる人々が居た
「バース一体どういう事なんだ!」ヴィードも急いで来たらしく息を荒げながら来た
「此処ロマ城とブリッジヘッド城とは犬猿の仲でな・・・今までは話し合いを設けてお互いを貶し合う程度だったのだが・・・まさかギルド戦争を仕掛けて来るとはな」
状況を説明してる間に敵の幹部的な者が叫んできた
「ロマに所属する愚かな愚民に告ぐ、すぐに投稿しREDSTONEを渡せ。そうすれば命だけは助けてやろう」
ちっ・・・こいつらもREDSTONEが狙いか・・・レイドは心の中で舌打ちをした
「REDSTONEは俺の王家の証!そんな物を貴様らに渡すわけには行かんな(ホントは上げたいんだけどね)」
「ならばいた仕方ない!即刻その首を取ってくれるわ!全軍進めーーーー!!」
その号令と共に前衛の剣士と戦士達が一気に攻めてきた、それを援護するように後方に待機しているウィザード達が一声に魔法を放つ
「ちっ・・・敵を中に入れるな!皆まだ準備は出来ていないそれまで時間を稼ぐんだ!」
バースは指揮官となりロマの将校達に激を飛ばす
此処はバースに任せても良いだろう俺は・・・雑魚共を殺るか!
レイドは城壁から城内に飛び降り今にも入ってこようとしてる剣士に次々とダガーを投げつける
その攻撃は常に急所を狙っており一人、また一人と倒れて行くだがレイドの神々しいまでの綺麗な銀髪を汚す事はない
「中々やるな」そこにはいかにも強気な猛将がいた
お互い無駄に手を出さず相手の出方を伺う・・・と思われたがレイドは速攻で蹴りを付けに入った
毒を塗ったダガーを急所に向かって着実に投げる相手もそれを剣でいなしながら迎撃に備えている

がくっ・・・・・!突然レイドのバランスが崩れる、↓に僅かな段差が合ったためそれに躓いたようだ
「もらったぁ!!」そこにすかさず剣士の突きが襲うその突きはあまりの速さか分身して見える
ドドドドドッ
やった・・!そう確信した・・・・が次の瞬間彼の目は光を失った
「分身ぐらい見抜いてくれよ・・・まったく」実力の差はあきらかだった
僅か数?の差で剣を分身で交わし目をダガーで突いた、そのダガーは着実に脳も打ち抜いていた

そしてすぐにレイドは走りだすだが・・彼はこう思っていた・・・

「この・・・・・欲に目が眩んだ糞共がぁぁぁぁぁぁ!!」
相手の目に覇気はない・・あるのは欲望・・それだけだ

95 名前:SHIBA 投稿日:2006/03/04(土) 22:55:42 [ hYX0Pv0. ]
 【ネトゲ型バトルロワイヤル ダメオン式】

 20XX年、日本国は異例のオンラインゲームブームを迎えた。 本場韓国を超すネトゲ人口を生み出したのである。
 その人数、実に7000万人。(つまり、十人に七人はやっている計算である) 
 老若男女を問わずの大ブレイク中である。 
 このブームに便乗して、日本のネットゲームの数は爆発的に増えたが、やはり環境の整った古参のネットゲームほど新参者受けが良かった。
 それは、我々のレッドストーンも同じ事である。

 しかし、この人口率の大幅アップに対し管理会社ダメオンのとった行動には目を疑った。
 人員の多くを新たなネトゲに回していたダメオンに、底の見えようとしていたレッドストーンは二の次とされていたのである。
それ故、今までに16個あった貧弱サーバーの全ては人数の許容数が限界を迎えており、ラグの連続だった。  

「赤石完全放置?」  

「サービス終了?」  

「課金制に移行?」  

 数々の噂が飛び交うようになった。そんな中、ダメオンのとった行動は、今までに――いや、これからも類を見ないことだろう。  

 今日から公式HP及びゲームの待ち受け画面に以下の文が写されるようになった。そりゃ、誰もが我が目を疑ったことだろうさ。


『サーバーが許容数が限界を迎え、満足にプレイをすることの出来ないプレイヤーが増えております。
 当ダメオンも、INが少ないプレイヤーの削除など迅速な対応を心がけておりますが、人口の増幅に追いついていけない次第です。
 つきましては、苦肉の策として、【レッドストーン】ゲーム内に置いて以下のイベントを起こすことにしました。        

  ☆バトルロワイヤル☆ 
 ・簡単なルール説明
 ・今日から三日後の○月×日、午後8時より各サーバーに置いて、バトルロワイヤルを開始します。参加者は、5分前にはINしておいてください。
 ・死亡してから三分間以上経過した場合、そのキャラクターはデリートされます。
 ・未参加の場合は、IDの消失です。
 ・参加出来るキャラクターは1キャラに限ります。他のキャラクターは削除されてしまいますが、人数削減のためです。ご了承ください。
 ・不正なプレイを行った場合は、ID消失です。
 ・各サーバーごとに参加している人数が四分の一になったら終了です。
 ・デリートされたキャラクターの持ち物は、死体の周りにバラまかられます。獲得権利は、止めを刺したキャラクター又はそのパーティとします。
 ・午後0時までに、終了条件を満たしていないサーバーは、全てのキャラクターが削除とされます。
 ・原則として、パーティチャット、ギルドチャット、ささやきチャット、叫びは禁止です。
 ・装備中の武器、防具等を除き、特別サーバーに持ち運べるアイテムは10個までです。ゴールドは自由とする。
 ・期間中は、課金アイテムの使用を禁止します。
 ・期間中は、常に他プレイヤーに攻撃出来るようになっております。
 ・特別サーバーは、通常のサーバーに比べて強力ですので、どんどんスキルを使ってください。
 ・最後に、レベル差、職業差などがありますが、人間というものは生まれついてから不平等なのです。あきらめてください。逃げるが勝ちとも言いますし。


「あのダメオンのことだ……」
 そういって信じるもの。諦めるもの。信じぬもの……。様々な奴がいた。
 だが、確実なのはそれからの三日間、各サーバーは狂ったかのように――いや、実際狂っていた。
 働き蟻のごとく、キャラクターが動いていた。
 特に、俺たちのレッドエメラルドは……。



ラルグ 剣士 Lv511 生存



新参者です。バトロワっぽいのを書きたいのですが……。なんか冒頭でお察しですね(´A`)
一応書き始めたのだから最後まで頑張ってみたいです。

96 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/04(土) 23:41:51 [ gowBXNz6 ]
>>名無し物書き@赤石中さん
どうも初めまして^^
ネクロ狩りをするためにハノブへ向かったクラレット一行。
個性的な仲間達が非常に気に入りました。
ギャグ担当は、ワルツとカリンの予感がします・・・w

>>ドリームさん
バースには許婚がいたんですねぇ・・・。
まぁ、王子という身分から考えれば政略結婚は当たり前かもしれませんね。
そして、突如としてロマに攻め込むブリッジヘッド軍。
しかし彼らの様子を見ていると、本当に正気なのでしょうか?

>>戦士のようださん
あぁ、自分も一回ミスって途中まで書いた奴を飛ばしてしまいましたねぇ・・・orz
でも、くじけずに頑張ってください

>>ほげおさん
いや、ほんとにエディは勇敢で知恵が回りますね。
火口湖に誘い込んで、そのまま溺れさせるとは・・・。
GJでした。

>>復讐の女神さん
ジェシの身を心配してくれているフェリル司祭、非常に優しい方ですなぁ。
そして地味にレーダー天使として、優秀だったようですね。
続きを待ってます。

>>SHIBAさん
原作は結構好きでしたなぁ、自分は。
さてさて、裏切りやら騙し合いやら、もはや無法地帯と化した赤石の世界の中で生き残れるのは・・・!?
ほそぼそと続きをお待ちしています。

97 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/05(日) 16:09:17 [ gowBXNz6 ]
前スレ:>>680,>>693-694,>>725,>>736,>>756,>>761,>>797,>>821,>>826-827,>>842,>>856,>>864,>>901,>>921,>>940,>>968
現スレ:>>32,>>48-49,>>62-63,
閑話集:前スレ>>680,>>843
現スレ>>49,>>86

(来たか・・・!)
俺の両手に納まっている相棒が、相手がこちらの誘いにのってくれた事を如実に伝えてくる。
奴と相対することおよそ10分・・・。これまでに戦って来た奴らとも比べても、こいつは5本の指に入る大物だ。
ギリギリと持てる力の限りを尽くして、俺の相棒を引っ張っていく。俺も負けじと、奴を俺のほうへ引き寄せる。

ギリリリリリリリッッッ・・・!

(このっ・・・、いい加減に諦めやがれ!)
しかし、奴の力はあまりにも強大だった。
「貴様の力はその程度か!」と嘲笑うかのように、更に力強く相棒を自身のほうに引き寄せる。
(だが、甘く見たな・・・、俺の底はまだついちゃいねぇ!)
さっきよりも相棒に力を込め、奴を一気に俺の方へと引き寄せる・・・!
じたばたと奴は抵抗するが、その程度の力で俺が負けることは有りはしない。
・・・しないのだが、俺の相棒は耐え切れなかったようだ。

ギリリリリ、プツンっ・・・

「あっ・・・!?」
俺と奴との力勝負に耐え切れず、相棒の片割れ…釣り糸は己の限界を迎えた。
俺と10分ばかりの死闘を演じていた奴…魚は、これ幸いといわんばかりの勢いで水の中へと消えていった。
そしてその場に残ったのは、魚に逃げられちょっとやるせない気持ちなった俺と・・・、
「ジャックさん、逃した魚は申し分なく大物だったんでしょうね・・・」
地味に小物を着々と釣り上げているゲイルからの実に素直な意見だった。

東バヘルの一件から半月後、俺達はここ1週間ブリッジヘッドに滞在している。
滞在している理由は、我らがマスターの実に公私混同な理由によるものだ。
ブリッジヘッドは毎年、初秋を迎えると街を挙げての豊漁祭が催される。
その人気は広く、わざわざアリアンから見学しに来る奴もざらにいる。
それだけ大規模な祭なのだから当然、相当な準備期間を要することは想像し難くないだろう。
で、我らがマスターは毎年、この準備を手伝っているのだ。
理由は簡単、リリィがこの街の出身だからだ。
更に今年は、リリィの実家が祭の幹事を務めるらしく物資のなどの手配など、面倒な仕事が山積みだ。
そのことについて両親から相談を受けたリリィは
「それじゃあ、ギルドの皆さんで手伝いに行って差し上げますわ」と、二つ返事で了承してしまった。
(あぁ、権力というものはこのように歪んでいくのだな・・・)と、匿名希望のビショップH氏は語ってくれた。
だが意外と、こういった準備事には冒険者は重宝されている。
力仕事は言うまでもなく、少しばかり「難所」にある材料の採取や、遠方に買出しに行く商隊の護衛などと様々だ。
仕事の種類が多い分、自分の実力に見合った手伝いができる・・・。奇しくもそれは、事務所設立時の利点と同じようなものだった。
意外と考えてるんだよ、我らがマスターは。
ちなみに俺達がこうして釣りに興じているのも、立派な仕事だ。祭期間中における食材の確保。うん、実に地味だ。
だが、たまにはこういのも悪くはない。
「ジャックさん、これだけ釣ればもう充分ですよね?」
ゲイルがそういってびくを俺に見せる。多種多様な小魚がぎっしりと詰まっている。
「ん・・・?あぁ、それだけ釣れれば充分だろ。しかし、ほんとに小物ばっかだな。」
「ジャックさんこそ、釣り上げた数は少なくとも大物ばかりじゃないですか。流石に、マーマンとトライアングルを釣り上げたのは驚きましたけど」
「あぁ、あれは釣り上げた本人ながら驚いたな」
まぁ、その2体も今じゃ切り身になっているがな。さすがにそのままじゃ、持ち帰るのが辛い。
「うし、それじゃ街に戻るか。で、その後はアルシェさんの手料理で晩飯と洒落込むか」
「もうそんな時間ですか・・・。でも、今日は母さんじゃなくて姉さんが作ると思いますよ」
海に沈む夕日を背に、俺達は街へと戻っていった。

98 名前:FAT 投稿日:2006/03/05(日) 23:22:19 [ TKRnzKAI ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21

―田舎の朝―

―1―>>22
―2―>>25-26

―子供と子供―
―1―>>28-29
―2―>>36
―3―>>40-42
―4―>>57-59



―5―

 しけた朝がやってくる。まだ薄暗いなか、レルロンドは火薬やらスパイスやらを丁寧に
一つずつ小分けし、袋に詰めていた。もうこんな作業を数時間延々と繰り返している。ラ
スに言われた「寒いぜ」という言葉を反芻すると、さらさらと粉が机にこぼれる。一つ大
きく溜め息を付き、気分を変えようと部屋を出ると、獣が立っていた。
「うわぁ! え? ラ、ラスさん!?」
 やけに細長い足指。茶色の体毛に覆われた脚、下着からはみ出している細長い尻尾。腰
の辺りでこれらの特徴は消え、その上は屈強な肉体美が飾られている。
「なんだ、朝早いんだな」
「ええ、まぁ。…ラスさんってウルフマンだったのですか?」
 レルロンドはもう一度足の先から腰までをゆっくりと観察した。太ももなどは彼の倍は
あるだろう。
「いや、ウルフマンとは別物だぜ。俺、狼にはなれないからな。やつらは人間か、獣か、
どちらかにしかなれないんだろ? 俺みたいな中途半端なのはどっちでもないんじゃない
かな」
 ラスが魔法使いの類であることは判明している。現在彼の故郷、魔法使い都市スマグの
近辺で突然変異による人間のウルフマン化は稀ではなく、全世界に認知され、中には完全
なウルフマンでありながら富を得、人々の憧れになっている者もある。だが、ラスは中途
半端なのだ。下半身にのみ現れたウルフマンの特徴。ラスは自分自身をウルフマンの突然
変異種と位置づけ、特に深い考えは持っていなかった。
「ではラスさんはウルフマンと人間のハーフなのですか?」
「俺の母親は人間だ。ハーフだのなんて話は聴いたことがない」
 レルロンドは再びあのループに入りかけていることに気づき、慌てて話題を切り返す。
「この町にはどの程度滞在なさる予定ですか?」
「考えてないなぁ…。お前、あの話は本気か?」
 あの話、と聴かれて一瞬考えるも、すぐにレルロンドの顔が明るくなる。
「はい! 本気です! ラスさん、ついて行かせて下さい!」
 ラスは冷たく目を尖らせ、
「なら死を覚悟しておくんだな。スリルが欲しいだなんて安易な考えで俺についてこれる
ほどお前たち二人が優れているとは思えないからな」
「はい。僕ら二人とも死んで失うものはもうありません。ですからその覚悟はとうに決め
ております」
 ラスはレルロンドから視線を外し、徐々に光量を増している窓の外を見た。やはりこいつは子供だと、七歳のラスは感じた。

99 名前:FAT 投稿日:2006/03/05(日) 23:23:01 [ TKRnzKAI ]
 ランクーイがレルロンドの家に入ると、香ばしいパンの焼けた匂いが開けたドアから逃
げ出すように彼の全身を通り抜けていった。その匂いがランクーイの頭の中でパンを具現
化させ、腹が大きく鳴った。
「お! きたか、ランクーイ」
その大きすぎる音が家主に訪問者があることを告げる。テーブルに置かれた四枚のトー
ストのうち、二枚をラスに、もう二枚をランクーイに差し出した。側にはマーガリンとマ
ーマレイドのジャムが添えられている。ラスはそれを不服そうに、
「バターはないのか? マーガリンは正直好きじゃないんだ」
「あっ、すみません、すぐに取ってきます」
 とまたもレルロンドは謝り、ばたばたとキッチンに向かった。
「なぁ、あいつっていつもああなのか?」
「いいや。お前が来てからだ」
 明らかな敵対心を剥き出しに、ランクーイはラスを睨み付ける。だが、そこには攻撃的
な意図は全く見えなかった。その目を、ラスは「若い」と思った。
「お待たせしました、どうぞ」
 差し出された良質なバターを豪快に割り、トーストを平らげる。二枚をあっという間に
飲み込み、おかわりを催促する。どうやらここのバターはラス好みのようだ。その豪傑っ
ぷりを見たランクーイも負けじとマーマレイドをたっぷり塗ったトーストを放り込む。が、
喉でつっかえあえなく敗退。マメなレルロンドにしては珍しく飲み物を忘れていたのでラ
ンクーイは少ない唾液で苦しみながら飲み込む。今の危機によってあんなに空いていた腹
は食欲を失った。

「今日も盗賊ごっこをするのか?」
 ようやく出されたミルクティーを一口に、ラスが二人を交互に見る。
「いえ、もうしません」
 レルロンドは丹念にミルクティーをかき混ぜている最中だ。
「早く稽古をつけてくれ」
 ランクーイはミルクティーの温度が下がるのを待っていた。
「…お前ら、この町になんで人が来ないか分かるか?」
「え? なんでって…」
「女がいないからだろ」
 ランクーイがませたことを言う。
「ここに来る間の道に変な蟲が大量発生してるんだよ。そいつらが恐ろしく攻撃的でな、
港町の人間にきいたところだと死人もえらいでてるそうだ」
「軟弱な奴らだなー。俺たちならあんな虫共簡単に握り潰せるのに」
「…ランクーイ、多分お前は勘違いしてる」
 レルロンドはラスの意図を汲み、
「では、その蟲を駆除しましょうか」
「ああ、行こうぜ」
 多少の緊迫感を感じているレルロンド、まだ弱々しい虫と勘違いをしているランクーイ、
真意を隠すラス。少しばかりのずれを持って、三人は町を出た。

100 名前:リ・クロス 投稿日:2006/03/06(月) 17:42:09 [ o6GgUsHI ]
前スレ>>986 >>39 >>56 >>69 キャラ紹介>>38

ブルネンシュティング英霊騎士団――――シャープホワイト。
その中でも最強と謳われている、ホワイトベル隊こと
第三特殊戦闘部隊は、東口の警護を命令されていた。

「いつ襲って来るか判らない。各自警戒を怠らないように。」

凛とした声を張り上げて、他の騎士達に喝を入れている騎士は
部隊長であるアルメリア=ナギスだ。
彼女は炎のブロードソードと、風のバスタードソードを持っており
両の剣によって繰り出す剣舞から、双剣の戦天使と言われている。

「ところで・・・、何故貴方が居るのですか?」

木に凭れ掛かりながら、パンと干し肉を齧っているスコールの
何を考えているか判らない仏頂面を横目で見つつ尋ねた。
スコールは、残ったパンと干し肉を口に放り込むと
鞄から水筒を取り出して、中身の水を口に流し込む。

「瑣末事だ、別に邪魔をしようと思っていない。」

鞄に水筒を戻しながら、何時もの様にそっけない声で言うスコールに
諦めた様にため息をつくと、金糸の様な髪の毛をかきあげて
視線を前に戻して、周囲の草むらを凝視する。

「何だ、こいつ――――」

目の前に居た一人の騎士が、何かを言いかけたが
刹那に襲ってきた真空斬によって絶命する。

「くぅ!何も感じないなんてっ!!」

突然、目の前から現れた黒い鎧騎士が振り下ろした大剣を
背中のバスタードソードによってアルメリアが防ぐ。

「チッ!何時の間に回りこんだっ!!」

木を引き裂いて襲ってきたランスを、ショルダーパッドによって往なして
それを放ってきた襲撃者を血の様な瞳で睨みつけるスコール。
二体の黒い鎧騎士は巨体に似合わない速度で間合いを開けて
中段の構えを取ると、二人も構えろと言わんばかりに顔を振る。

「殺気を全く発していない・・・。」
「感じるものはどこまでも広がる虚無ってところだ。」

スコールは、背中に背負ったクリスタルのツヴァイハンダーを掴むと
黒い槍騎士に向かって跳び、上段から斬り付けるが
槍騎士が素早いサイドステップによって避けると、反撃に突きを放った。
それを横飛びで避けたスコールは、崖に跳び上がり黒い鎧が追いかける。
それを、見送ったアルメリアは黒い鎧騎士にこう呟いた。

「Doesn't it dance with me?(私と踊りませんか?)」

了承するかのように、黒い鎧騎士が剣に魔力を纏わせる。
戦天使が羽ばたく刹那に、暗黒騎士の咆哮が響き渡った。

「ですが・・・



My body is made of sword.(私の体は剣で出来ています)」

彼女の体に光の鎧が纏われ、一本の大剣の柄がが現れて
中央のサファイアが、青白い閃光を辺り一面に広げた。
それが、少女が背負った『誓い』であって『呪い』であるが故に
『彼』は、一本の剣となって人の為に我が身を振るった。

101 名前:SHIBA 投稿日:2006/03/07(火) 16:07:58 [ hYX0Pv0. ]
プロローグ>>95

1−1 「ラルグ・L・ノーマン」

 彼、ラルグ――長いし、ラルグで良いよ。と、彼曰く――は元々は戦士をしていたのだが、今は剣士に落ち着いている。
 戦士という職業はとても気に入っていたのだが、彼には変わらなければいけない理由があったからだ。
 それは些細なことだったのかもしれないけど、ラルグにとっては、とても大事なことだった。
 
 Lvが200となって一段落ついたある日、特に意味は無いのだが、彼はこの広大なマップを隅々まで見てみたいという衝動に駆られた。いや、Lv的には少し遅いくらいだったろう。
 その日は丸一日暇だったし、ギル戦も時間帯的に深夜で、狩りをする気にもなれなかったことから、一人アリアンからバリアートまで無造作に、思うがままに駆け回っていた。
 それから、1時間ほどたって、午前十時頃だったかな? 彼はバリアートにたどり着いた。
 特に何もない町だったが、世が世なので百人近くの人はいた。何となく、わらわらとした人混みが嫌だったので彼は町の中心から少しずれたところで、この見慣れぬ町をSSでも取りながら渡り歩くことにした。
 と、そこに瞬きの一瞬、画面に三人組のPTが現れた。そのウチの一人が高レベルそうな天使で、残りが若葉アチャ二人だった。
 が、それから数秒もしないうちに天使がいきなり画面から消えたかと思うと、続いてもう一人のアチャも画面から姿を消した。
 当然もう一人は取り残されたわけだが……。
 少しの沈黙の後、そのアチャは「…………」と打ち、数秒後には「ははw騙されたかな?w」と陽気に語り出した。
「最近多いですよね^^;」
 なんだろう。和んでいたからかな? 独り言だったのだろうけど、不思議とラルグはそのアチャに返事をしてしまった。
「まあ、ボクみたいに引っかかる方も引っかかる方ですけどね^^;」
「騙す方が悪いに決まってますよ!」
「ふふ、慰めてくれて有り難う御座います」
「いえいえ、友達とかいないんで、誰かと話がしたかっただけなんですよw」
 ラルグがそう言うと、その若葉アチャは、彼に友録を申し込んできてくれた。
 ラルグは今までに友録というものをしたことがなかった訳ではないが、いつも何も進展がないままメンテで消えていた。これも同じようなんだろうと思いつつも。
「有り難う御座います^^」




 この後もどうも、この若葉アチャ……じゃなくて、そう、名前を『紅葉鳥』。いや、これはこのアチャのメインの名前らしいが。(メインもアチャだったがな)
 結局若葉アチャは、バリアートからでられずに削除したらしい。
 また、紅葉鳥が友達いないと言っていたのも真実らしく、俺たちのIN時間、レベル帯も一致していたことから、この日を境に俺たちは良き親友となれた。
 
 んで、この日からはもっぱらペア狩りばっかりだったかな? 効率がアレだったから、今はもう普通に狩ってるけどサ。
 あ、そうそう。だから、紅葉鳥を守るために俺は剣士になったってわけよ。OK?

 1−2に続く。




なんかネトゲだと、色々書けない部分が多いんですよねぇ。難しすぎでふorz

102 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/08(水) 14:07:46 [ 8ltJWqW2 ]
 私はレティ、ロマ村から来たサマナー。


 ふぅ……
 応接間の椅子に腰掛け、やっと一息。
 買い出しを終え、ここ滞在中の宿に戻ってきたのはつい先程。
 くつろげる程度に馴染んだ空間。改めて人心地。
 来た当初は落ち着かなかったんだけど。
 しみじみと思いながら、テーブルの上に投げ出された買い物袋を眺める。
 四人分だけあって結構な量だなあ、等痛む腕をさすりつつ。
 と、そこで目に止まったのは一冊の本。
 置いた荷物の下に隠れて、すぐ気付かなかったみたい。

 上に載っていた袋を除け、目の前まで持ってくる。
 飾り気のない厚めの外装で、やや使い古された感があった。
「……なんの本だろう」
 手に取り、じっと見つめる。背表紙、裏。そしてまた表。
 何も書いてないので分からない。
 今度は本を開き、パラパラとめくってみた。
 ページを追う毎に、書き込まれている日付が進んでいく。
 これは……どうやら日記のようだ。
 勝手に納得したわたしは、ぱたんとそれを閉じ元の場所に戻そうと…手を止めた。
 この宿は貸し切りなので、わたし達しかいない。
 つまり所有者は限られてくる。
 ……
 持ち主の名前を確認するだけ、分かったらすぐに届けよう。
 そう自分に言い聞かせ、そっと日記を開いた……。 


『新月×日。

 今日は、他のみんなが出かけていたので、
 この前仲まになったレティてやつと出かけました。
 町を出てギルティル川の近くを歩いたのですが、
 なんと、目の前に赤い犬の化け物が出てきたのです。
 赤い悪ま! 俺はまよわずとびかかりました。
 俺のひっ殺技を思いきりくらわせたら、動かなくなりました。
 やはり俺は強い。最強の剣士だ。
 仲まの女はさっきから下手くそなふえをふいていてなにもしてないから
もんくをいってやろうと近ずいたとたんいきなりなぐってきました。
 あの女は頭がおかしいです。
 なにするんだ、このブス!とさけんだらけられました。
 俺はふきとびました。いたかった。あいつは化け物にちがいない。

 あとけられた時にパンツがみえました。白かったです。
 化け物がパンツはくなんておかしい!
 そのことをみんなに言ったら、よろこんでいました。
 仲ま以外のやつも集まってきたので、どんどん教えてやりました。
 なぜかこうふ
「フ、フフフ……」
 ぐしゃり、何かの潰れる音が手から聞こえたが、然したる問題ではない。
 それよりも、何よりも。
 何故か笑いが止まらない。冷静? ええ、わたしは冷静ですとも。
 まずはあの阿呆剣士の部屋に行こう。
 話をする時間はいくらでもある。たっぷりと。
 丸めた紙のようになった本を投げ捨て、わたしは立ち上がった。

103 名前:黄鯖雑魚 投稿日:2006/03/08(水) 23:11:39 [ ImRHj6uc ]
ある日、古都ブルンネンシュティグにハンターの家族がやってきた。
「お父さん、本当にここなの?」と心配そうに長女が尋ねる。
「ああ、間違いない。ここだ、ここ」と胸をどんと叩いて言い張る父親。
「父さん、僕に地図を見せて」と冷静な長男。
「早く早く!ファーとミーが知らない人ばっかりでビクビクしてる!」と次女。
「もう何なんだよ!父さん!早くしてくれよ!」と苛立つ次男。
「……眠い…」と三男。

彼らはどこにでもありそうなごく普通のハンター一家。
父親ビショップ、長男ウィザード、長女ランサー、次男剣士
次女ビーストテイマー、三男シーフという面子だ。
地図にも載ってないとある田舎から
一儲け狙って古都にやってきたこの一家。
さて、どうなるのか……?

「こ、ここが新居…?」
あまりにもぼろぼろの家にあきれた声を出す長女ミア。
そんなことも気にせず父親クーファンが中に入って荷物を降ろす。
「父さん…暖炉もないのかい?冬場は?雨の日は…屋根の隙間がひどいな…」
と冷静に家の状態を解析し始める長男のクリス。
「お前ら、ゴキブリが住むようなボロ家っていうけどな」
「そこまでは言ってねぇよ」と父親をさえぎって突っ込む次男ティム。
「いや、同じじゃねぇか」とクーファンが言うが長女と長男のやれやれという視線にちょっと後ずさり。
「あれ?お父さん!ファーとミーの小屋は?」と次女ミレナが叫ぶ。
「ん、ああ、いいじゃねぇか」
「父さん…いい加減にしろ…」とクリスとミア、ティムが揃う。
「あのなぁ、父さんだって少ない金でこの家を買ったんだ。ほら、スティーブを見習え
 文句の一つも言わずに…」
「スティーブは寝てるんだよ、いつもどおりじゃん」
三男スティーブは、家の外の木の間にハンモックをかけ
ブラブラとゆれながら眠っていた。
「まぁ、どうにかなるだろ! 天国の母さんだってきっと見てくれてるってな!」
「「「「この、ダメ親父!」」」」

子ども4人の叫び声がこだまする古都ブルンネンシュティグのはずれ。
これから彼らは予想だにしなかった生活を送ることになる。

104 名前:黄鯖雑魚 投稿日:2006/03/08(水) 23:12:42 [ ImRHj6uc ]
さげわすれ。吊ってきます

105 名前:FAT 投稿日:2006/03/09(木) 11:00:31 [ TKRnzKAI ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21

―田舎の朝―

―1―>>22
―2―>>25-26

―子供と子供―
―1―>>28-29
―2―>>36
―3―>>40-42
―4―>>57-59
―5―>>98-99



―6―

……ぶぶぶぶぶ

………ぶぶぶぶぶぶぶ

 至る所から耳障りな羽音が聞こえてくる。予想以上の大群にランクーイは言葉を失った。
「来るぞ! ランクーイ、構えろ!」
 レルロンドの呼びかけで無意識に細身の剣を右手に握り締める。だが、想定していたも
のと余りにもかけ離れた敵の姿に戦意が湧かない。
「おい! レルロンド! これどうすりゃ斬れるんだ?」
「斬れるわけないだろ! 燃やせ!」
 と爆薬を詰めた小包みをいくつかランクーイに支給する。レルロンドは自分の足元で煙
球を破裂させ、姿を晦ます。蟲が煙に巻かれている間に矢に例の小包を括りつけ、火をつ
けて放つ。空中で矢は爆発し、焼けた蟲の残骸が散らばる。
「いてっ、いって! いたたたた」
 素早い蟲の群れに捕まってしまったランクーイはなす術なく、全身を突きまわされる。
爆薬に火をつけようにも、痛みがそれを妨げる。
「ランクーイ!」
 レルロンドの支援でランクーイの周りに煙が立つ。やっとのことで開放されたランクー
イも小包に火を付け、憎しみを込めて蟲の群れに投げつける。
「ふぅ、こりゃ死人がでるのも分かる気がするぜ」
「軟弱だな」
 ラスがぼそりと漏らしたのを、ランクーイは聞き逃さなかった。
「なんだと…」
 そこで怒りの言葉は途切れる。怒りは憧れに変わり、少年は体を包む温かな、あの光を
愛おしそうに抱きしめる。ラスの周りには焦げた蟲の塊が無数に転がっていた。それはラ
ンクーイとラスの力の差を知らしめるには十分であったし、何よりも、ラスが自分の憧れ
であるあの魔法をかけてくれたことに、ランクーイのラスに対する印象が逆転した。
「…ありがとう」
 ランクーイは少し恥ずかしそうに顔を背けたまま、ラスに誠意を見せた。子供はちょっ
としたことがきっかけですぐに自分の考えを変えられる、天才である。この柔軟さをいつ
までも失わずにいられるなら、人はどれだけ賢くなれるだろうか。
「まだだ。巣を燃やそうぜ。でないと毎日繰り返すはめになっちまう」
 見当がついているのか、ラスは北に向け、歩き始めた。
「なぜこちらの方角に?」
 歩幅の大きなラスに必死についていきながら、レルロンドが顔を見る。
「あの手の蟲は水辺に巣を作るって教わったんだ。だったらあの滝のあたりが怪しいだ
ろ?」
 どうやらラスは良い教育を受けていたようだ。生物と地理の知識の高さが伺える。

106 名前:FAT 投稿日:2006/03/09(木) 11:02:17 [ TKRnzKAI ]
 あからさまに異常である。滝から水が激しく落ちていると思いきや、それは水ではなく
蟲だった。水の流れに乗り、滝つぼに吸収されたかと思うと羽ばたき、再び水の流れに乗
り滝つぼへ。まるで子供が遊んでいるかのようなその不思議な習性に博学のラスも舌を巻
いた。
「なんだこりゃあ」
「遊んでいるようにも見えますね」
「溺れてんじゃねーの?」
 今度は水の中にいるのだから爆薬では役不足だろう。レルロンドはごそごそとバッグを
漁ってみるも、良い代用品が思い当たらない。と、突然雷が滝つぼに落ち、電光が滝を登
った。滝つぼにはもう飛び立てない蟲の死骸がループし、川辺には焦香が蔓延る。
「お前らじゃ役不足だろ?今回は特別だ」
 雷はラスの産物だった。あれほどの電力を放ったというのに、当のラスは平然である。
二人の少年は一段とラスに惚れ込んだ。
 
…ぎぐぎぎぐぐがぎ

 低く、重たい金属が擦れるような音が滝の水を四散させる。滝裏に姿を現したのは、ラ
スよりも巨大な一匹の羽虫だった。
「化け物だな…」
 ランクーイが一番に剣を構える。遅れてレルロンドも弓に矢をあてがう。そしてラスは
腕組みをした。
「な…一緒に戦わないのか?」
 ランクーイが急に弱腰になる。そんな腰抜けにラスは、
「俺についてきたいんだろ? さっきの蟲は相性が悪かったが、こいつならでかいし、お
前らだけで何とかしてみろ。無理なら一生盗賊ごっこでもしてるんだな」
「ふん、いいぜ。あんたに認めさせてやるよ、俺たちを。そしたら、魔法…教えてくれる
か?」
 にかっと大口をあけてラスがランクーイの背中を押す。
「ああ! 約束してやる! そら、とっとと行けっ!」
 
 虫は茶褐色で、羽が4枚ついている。尻からはあからさまに威嚇しているぬめった棘が
獲物を捉えようと頻繁に収縮を繰り返す。まるで蜂のような印象を受ける。

107 名前:FAT 投稿日:2006/03/09(木) 11:03:21 [ TKRnzKAI ]
…ぎぐぎぎぐぐがぎ

 どこから出ているのか、脳を揺さぶるほどの衝撃音が空気を脅かす。数匹生き残ってい
た蟲がその音に飲まれ空中で弾けた。巨大な羽音が、奇妙な超音波がランクーイを恐怖と
勇気の板ばさみ状態にさせる。睨み付ける目と前に出ない足、力む腕と荒い呼吸。虫が頭
を大きく一度振るうと、次の瞬間レルロンドの頭に牙が掠る。
「レルロンド!」
 虫が瞬間移動したように見えた。だがレルロンドにはその軌道が見えていた。ラスにも
当然見えていた。ただ、緊張のあまりランクーイに時間錯誤が起こっただけのことである。
 レルロンドは頭を牙が掠めながらも冷静に、弓を腹部に突き立てた。レルロンドの愛用
する弓は両端に刃がついた遠近両用の珍しいものである。が、それゆえ弓の柔軟性は損な
われ、矢の威力は期待できない。レルロンドが爆薬等を持ち歩いているのはこういった理
由からである。
 濃緑色の粘っこい液体が弓先にこびり付く。空気に触れた瞬間に硬質化し、弓の柔軟性
を更に低下させる。無論、傷口は瘡蓋によって即座に塞がれた。なんとも生命力の強い血
液だ。相手の動きに注意しながら、レルロンドはこびり付いた血の塊をぱぎぱぎと剥ぎ取
る。血液どうしの結束力は強いが、異物との結合力はさほどではないらしい。
 微妙な距離を置いて空を舞う虫と、弓についた異物と削ぐレルロンドと、刺すような氷
の目を向けるラスの三者の間をランクーイの目はきょろきょろと行ったり来たりしている。
戦わねば夢は夢のまま、憧れは妄想に、希望は再び手の届かぬ場所へ……。いつまでレル
ロンドの背中に隠れているつもりだ、いつまで「あの日」を引きずっていくつもりだ! 
「うぉおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
 射程外である宙の敵に剣を振るう。ヒュンヒョンと何も斬れない虚音が滝の濁音に飲ま
れる。
「ちぃ! ランクーイ!!」
 七割ほどしか塊を除去出来ていない不出来の弓を構え、虫の急降下に合わせて爆矢を射
掛ける。ランクーイが剣を左から右に振り切った瞬間、虫は棘を彼の腹部に深々と差し込
んだ。
「う…はあぁ」
 体がまるでランクーイの戦意を拒むかのように、するりと崩れた。それとほぼ同時に、
数メートル先の地面が爆発を起こす。レルロンドの放った矢は的を外れた。しかし、矢を
放った際の反動振動により、邪魔をしていた血は全て砕けた。虫の飛行が速いか、レルロ
ンドの充填が速いか、微妙な差ではあったが、空中で虫の腹が弾けた。
「ランクーイ!!」
 腹部から赤と緑の反発する液体が漏れている。側に立つラスが珍しく優しい笑顔を見せ
る。
「大丈夫だ。もう傷口は塞いどいた。毒もたいしたことなさそうだしな。それにしてもお
前、すげえな! 魔法なしであんなに素早く矢打てるやつそうはいないぜ! こいつはま
だまだだが、お前さんに免じて特別合格だ」
 レルロンドの顔がにわかに赤らむ。ややたれ気味の目には嬉々としたきらめきが姿を見
せる。ランクーイを大事そうに抱えて、レルロンドは改めてラスに熱い眼を送った。

108 名前:FAT 投稿日:2006/03/09(木) 12:51:45 [ TKRnzKAI ]
>> 南東方不勝さん
またえらく強そうな敵が出てきましたね。裏でなにが動いてるのか…
ところでリリィの作る料理ってどうなんでしょ?ケチつけたら大惨事になりそうですね

>> 無貌さん
祠が開いていたのは誰かの仕業でしょうか?雛と押し寄せてきたモンスターたち
とも関係がありそうですね。続きをお待ちしています。

>> ドリーム さん
レイド怪しいですねぇ…。彼が裏切りに出るのか、改心(?)するのか、楽しみです。

>> リ・クロス さん
独創的な技が素敵です。あの少女はなんでしょう…悪魔とかですかね?

>> 名無し物書き@赤石中さん
キャラの個性がはっきりしていて読みやすかったです。後編にも期待です。
SSコンテストって審査員があれですからめんどくさがって原稿読まなさそう…

>> 戦士のようだ さん
災難でしたね…。影ながらあちらでの活躍期待しています。

>> ほげお さん
くまー
ほげおさんの描写はこう、面白いですね。

>地面から這い出ている根っこや、木々の枝がエディの邪魔をしてくる。
まるで、言われもない暴力を受けた木々の恨みつらみの表れのようだ。

↑この表現大好きです。

>> 復讐の女神さん
フェリルおじ様が胡散臭いと思ってしまったのは私だけでしょうか?
ジェシが厄介ごとに巻き込まれてしまいそうな臭いがぷんぷんしている気が…

>> SHIBA さん
原作では一人しか生き残れないというルールでしたが、こちらは四分の一ということ
で多少は易しい…のでしょうか。

>>102さん
これはよいツンデレ(?)ですね。どんな話になるのか、楽しみです。

>> 黄鯖雑魚さん
へたれ親父良いですね。愉快な家族にどんなストーリーがあるのでしょう。
これからに期待しています。

109 名前:ドリーム 投稿日:2006/03/09(木) 15:11:20 [ GWUlqWK6 ]
>>南東方不勝さん

リムちゃん出てきて早速なんですがもう少しで最終回(ry


>>FATさん
乞うご期待ください^^

>>SHIBAさん
とりあえず511ってのに目が行きました(ぁ

>>黄鯖雑魚さん
家族物ってのは初かも・・・?頑張ってください

>>リ・クロスさん
迫力の戦闘シーンにはドキドキです・・・黒騎士良くあるパターn(ry

>>復讐の女神さん
ジェシはオジサマ好き(ぁ








       〜儚き夢☆尊き夢〜
>>94

あきらかに見た目を凌駕する怪力で敵兵達を薙ぎ倒していくリム。
こんな光景はすでに何度目も目にしているので私は差ほど驚かないが敵兵はドタバタだ
まぁ正直私が敵兵の立場だったら同じだと思う
「まったくもう・・ヴィードとレイドはどこなのよ!」バースは塀の上で陣を仕切っているのは見えただが肝心の二人の姿がない
一方ヴィードは・・・

こんなでかい戦も久し振りだな・・血が騒ぐ!
持ち前の大斧を生かし敵を蹴散らす、が
「でやぁぁー!」戦場に響く男とはかけ離れた高い女の声・・・しかも美人なぽい
「どわっと・・・女ぁ!?」振り向きその顔を確認する・・・うむ・・思った通り美人だ
鋭い眼光を放ち命を射止めようと一気に間合いを詰める、だがヴィードにはこの程度の相手に苦戦はしない

ムニュ・・・かわした瞬間相手の胸を弄る・・・うん・・・でかい(ぁ
相手は相当怒ったようですぐに反転し切りかかる・・・がヴィードのゲンコ一撃で気絶してしまった
「もっと育てよー」アホな捨てゼリフを残し次の戦場へと走っ・・・ろうとした

次の瞬間目の前が明るくなった、「な・・なんだこりゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ」吸い込まれるような感覚を覚えまるで水に濁流のうねりに巻き込まれたように意識が遠くなる

110 名前:ドリーム 投稿日:2006/03/09(木) 15:30:59 [ GWUlqWK6 ]
「ん・・・・・」目を覚ましたのはミレルだった。彼女もまた光の渦に飲まれていたのであろう
周りにはヴィード、バース、リム意外は見あたらない
とりあえずミレルは周りを警戒しながら仲間達のほうに寄って行く
幸い全員命に別状は無さそうだ、だが・・・此処はどこなのだろう
「私は・・・城の外にでたら急に光が・・・」とりあえず状況を整理する
だが今の状況では推測すら困難だろう
「そういえば・・・レイドは・・?」彼だけは姿が見当たらない
ミレルはレイドを探しにとりあえずその場を後にした。
「なんでだろう・・・こっちにレイドが居る気がする・・・」確信はない、だが本能・・とでも言う物が彼女を動かしているのだろう
何時しか意識を失っていた

「ル・・・ミ・・・ミレル!!」その言葉に私は気がつく。
近くにはレイドが居た・・・ああ・・無事だったんだ・・・
「レイド・・・無事・・だったのね」少し体がだるかったが気にしない
「ミレル・・・・君が好きだ」

え・・・・?
突然の言葉に私は沈黙する・・が考える暇も無くレイドはいきなり顔を押し付け唇を押し付ける
「ん・・んんっ・・んぁ」甘いミレルの吐息がこぼれる
「な・・にっすんのよぉ!!」精一杯の力でレイドを殴り倒す
が・・何時もならレイドは軽く倒れるのだが今回は違った
「ミレル・・俺はすべてを悟ったんだよ・・・」いきなりレイドの目が悲しみに満ちる
「どういう・・・こと?」まだレイドがミレルを押し倒した状態が続いているが今はそれどころではないらしい
少し困った顔をしたがレイドは語りだした「俺は・・あの戦の最中・・REDSTONEを手に入れたんだ」いきなりそう口にする
「そして俺は見た・・・俺の過去を・・・そしてお前の過去を」レイドはミレルに質問をさせないように間髪を居れずに重要な事だけを喋る
「だから・・・俺には君が必要なんだ」そういうとふたたび軽くキスをし快感を燻る
な・・何言ってるのよレイドは・・・何かおかしい・・「それ・・じゃ・・全然説明になってな・・いわ」

バチンッ!!
突然レイドがミレルのほっぺたを叩く「ツッ!!」私は少し叩かれた箇所を押さえた
「お前は黙って俺に良い様されてればいいんだ!!」レイドは無理矢理ミレルの手を引っ張り押さえつける
おかしい・・・レイドは・・こんなことしない・・・
「やめなさい!!」ミレルは手を解きすぐに距離を取る
「誰なのあなたは!!」こんなことするはずがないそう思いたかった

・・・・
「わかった・・・ならば教えてやる!!」
「俺の名は!!レイド・オブ・アダム、そしてお前の名はミレル・フォーラシオ・イヴだ!!」
「この世界を作った!!俺達はアダムとイヴなんだ!!」

111 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/09(木) 22:27:35 [ gowBXNz6 ]
>>FATさん
う〜む、蟲ごときと侮って実に情けない結果になってしまったランクーイ。
確かにゲーム内では普通に攻撃が当たっている様に見えますが、こちらでは爆薬ですか。
テクニカルでGJです。

>>リ・クロスさん
おぉっと、女性ながら中々に燃えさせてくれるじゃないですか。アルメリア嬢はw
彼女が出現させた剣はどのくらい強いんでしょうか?

>>SHIBAさん
知り合ったアーチャー、紅葉鳥を守るために剣士に転向したラルグさん。
元ネタが元ネタだけに、かなり切ない展開になるかもしれないとガクブルしながら続きを待っています。

>>102さん
逃げて厨剣士逃げてー・・・、っとうわべだけの心配は置いといて(オイ
いや、実にレティさんの憤りが伝わってきますね。
でも、素手で日記帳を潰すのはやりすぎ…あれ、レティさんなぜ此処に・・・。

―その後、彼の行方を知るものはいなかった―

>>黄鯖雑魚さん
幸先悪いスタートですね、この一家^^;
まぁ、住めば都の精神で乗り切ってもらいましょう。

>>ドリームさん
レイド曰く、二人は世界の始祖たる存在ということですが・・・。
さてさて、物語は一体どのような結末を迎えるのでしょうか?
そして地味に、リム嬢の戦闘力が高いんですけど・・・w

112 名前:黄鯖雑魚 投稿日:2006/03/09(木) 23:05:02 [ ImRHj6uc ]
一話目 >>103       調子に乗って続き書いてみようと思う。

クーファンとティムが家の修理をすることになった。
幸い、自然に囲まれた家だったために修理に使う木材には不自由しなかった。
ミア、クリス、ミレナの三人は古都に食材の買出しに出かけた。
「なんか…すごい所だね〜」とミレナが兄姉に言いながら歩く。
彼らが住んでいた村よりは遥かに人口が多く、商業も盛んだ。
三人は古都の広さに少しばかり感動していた。
「さ、早く買い物すませて帰ろう?きっとお父さん手伝ってないからティム疲れてるよ」
ミアの考えが伝わったのか他の二人も「そうだった…」という顔をして買出しを始めたのだった。

その頃、居残り組みはちゃんと屋根を修復していた。
クーファンを除いて。
ダメ親父クーファンは道行く人々に挨拶をしている。
「そこに引っ越してきました、俺はクーファンって言います。今後よろしくお願いします」
なんて、挨拶を笑顔とともに振りまいている。
「親父手伝え!」とティムが怒鳴るも、スティーブが「…うるせぇ…」というだけで
クーファンには何ら影響を及ぼさなかった。
ティムがハァァ…と大きくため息をつく。
ぺこぺこ挨拶するクーファンは道行く若いハンターたちに笑われていた。

「ただいまー!」
ミレナの元気な声が家に響く。
三人が家に戻った頃には屋根はマシなものになっていた。
「また親父の奴手伝わなかったんだぜ」とティムが愚痴るが
「いつものことでしょ?…はい、晩飯作るの手伝って。包丁捌きはアンタが一番なんだから」とミアが言う。
彼らの能力があれば料理なんてたいした難しくも無い。
「うん、さすがティムだね」とミアが笑いながら自分よりも大きい弟の頭を
クシャクシャッと撫でる。
ティムはそれを払いながら「わかったから早く飯作ってくれ。疲れて疲れて…」と
グッ…と大きく伸びをした。
家の中を歩き回ってたミレナがクーファンがいないのに気づく。
「あれ?お父さんは?ティム兄、知らない?」
「さぁな、さっきまでそこら辺通る人全員に挨拶してたよ?」
「ふぅん…どうしたんだろ?」

「ミク…確かに…お前の言葉どおりに古都に来たよ。
 もうあいつらには家族を失わせたくないしな…」
森の東にある墓地で涙を流している、クーファンの姿を見た者はいなかった。

113 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/10(金) 01:08:31 [ gowBXNz6 ]
>>97
港から実に潮くさい風が、私の頬を撫ぜていく。
アウグスタより旅馬車を雇い、それに揺られること2週間。
ゆっくりと流れていく景色を眺めているのは思いの外心地よいものだったが、体の節々がなまっている。
(長く生きた日々に少しばかりの変化を求めてみたものの…、馬車は性に合いませんな)
これだから私は、仲間内から「変わり者」と揶揄されるのであろう。
「じゃ、あっしはこれで…。またのご利用をお待ちしておりますだ、ジャギド様」
「あぁ、ご苦労でしたな。貴方の道に神の祝福があらんことを…」
ありがとうごぜぇます、と御者は私に向かって礼を申した後に街の入り口に止めた馬車へと引き返して行った。
その背中を見送りながら私は
「今更ではありますが…この『姿』、旅の足を確保するには便利ですな」
と、本音をごちた。
さて、目的地に着いたのならこの姿でいる必要は皆無。
むしろ名の知れた姿は便利なだけではなく、時と場合によれば私の行動を著しく制限する枷となる。
「どこかに適当な物陰は…。」

「しかしながら…、もう少し遅くに出発した方が良かったかも知れませんな」
程なくして丁度よい物陰を見つけた私は、今となっては利点を生かしきれないこの姿を脱ぎさった。
今の私の姿は、どこにでもいるような平凡な剣士である。
「ふむむ。毎年この街では祭が催され、それの時期が近いことは知ってはいましたが…」
忙しなく祭の準備に駆け回る人間達を見わたす限り、中々に大掛かりな祭なのであろう。
「これならばサキエルの言うとおり、もう少し待ってから行動に乗り出したほうが良かったですな」
流石は我らの中で最も若い者である、生の空費の仕方をよく存じている。
ですが、今は目先の堕落(豊漁祭)より不安要素の排除。偉大な魔法師の忘れ形見を破壊せねば…。
「タブリス殿の懸念、当たらなければ良いのですが……」
そうして私は、2週間前の出来事を思い返した。

114 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/10(金) 02:35:55 [ gowBXNz6 ]
>>113

―――2週間前、神聖都市アウグスタ・中央大礼拝堂応接室にて―――

開け放たれた出窓から、涼しい風が室内を駆け回っていく。
今現在、この部屋にいるのは見事な白髪を持った老練なウィザードと彼らを招いた張本人ジャギドだけだった。
老魔術師は窓際の長いすに座り読書に勤しんでいる。
ジャギドは部屋の最奥のいすに腰掛け、じっと下を向いている。

たったったっ……
かつかつかつ……

足音が二つ、この部屋に近づいてきている。
「ガギエル…、ゼルエルとアルミサエルが来たようじゃぞ」
老魔術師は書物から目線を離さずに、奥にいるジャギドに声をかける。
「あぁ、そのようですな。ラミエル殿」
ジャギドが応えてから程なくして、応接室の扉が開かれる。

ガチャリ…

先に部屋の中に入ってきたのは隻眼の人狼、その後ろに菫色の髪を持った死霊術師の女が入ってきた。
「すまんのう、ゼルエルにアルミサエル。急に呼び出して…」
老魔術師が好々爺然とした態度で、入室してきた二人を労う。
「ラミエル老、吾に対する労いは不要…。この身は託された事象を遂行するのみ」
「何を言っているのやら…。神殿でのこと、もう忘れたの?それはともかく、他の皆は?」
「他の方々はまだ着いてはおりませぬな。」
死霊術師の問いにジャギドが丁寧に対応する。
ジャギドの答えが終わると同時に人狼が
「故人曰く、『噂をすれば影』。彼の者、どうやらこの地に至れり」
話題の人物の来訪を告げた。

ガチャーン!!

豪快に扉を開き
「ウヒョヒョヒョ、遅くなってメンゴだお。途中でシャムにあったからね〜」
「このたわけめが。お主が道を間違えなければもっと早ように着いておったわ。
何が楽しくて、わらわがモリネルくんだりまで行かねばならんのじゃ!?」
「ウヒョヒョヒョヒョヒョ」
悪びれる様子もなく笑い続ける黒の女性と、その女性に対し激昂している銀髪の少女が姿を現した。
「サキエルに…、そのお嬢ちゃんはシャムシェル?」
「ほぅ、これはまた可愛らしいよりしろで」
「小柄にして矮躯。さして、理想的なよりしろとは言えぬ」
「なんじゃ、ワシに孫ができた感じじゃのう。フォッフォッフォッ」
「いかにもわらわじゃ。久しいのう、アルミサエル。ガギエル、お主もこのよりしろに興味があるのか?
ゼルエル、わらわはお主のような戦闘型じゃありはせぬ。ラミエル、何を気色の悪いことを申しておる!」
二人が部屋の中に入ると同時に、黒の女性に人狼が問う。
「サキエル…、実の無い言葉は無意味。彼の裏切り者、所在は何処か?」
「古都周辺」
女は要望通り、人狼の問いに簡潔に答えた。
「ゼルエル、分かっているとは思うが…」
「皆まで言うな、ラミエル老。汝の許しが得られるまでは…な」
にわかに騒がしくなる室内に
「ふふふ、ようやく皆揃ったみたいだね」
7人目の声が木霊した。

115 名前:ウォルガング 投稿日:2006/03/11(土) 10:32:22 [ dIe8V.vU ]
「一話」
風に吹かれて揺れる植物を見ながら、俺は木陰で座っている。
しかし、風の涼しさや植物の匂いは感じられない。

当然だ、これはゲーム、架空の世界である。
「RED STONE」というMMOだ。
ここは、REDSTONEのマップ、「オカー三角州」
地図上では、一番端っこに位置する普段誰も居ないマップだ。
人が来ないのは遠いところにあるせいでもあるが、
ここは、クエストも無いし、特別なモンスターが出る訳でもない。

なら、なぜ俺はここで座っているのか。
理由は分からないが、ここに座っているとなぜか落ちつく。
一人で居たい時や、予約までの待ち時間などはここで座っている。
・・・そういえばリアル(現実世界)にも同じ様な場所がある。
小さい頃でもう忘れたが、ここと同じような雰囲気で、
親に聞くといつも木陰で座っていたらしい。

予約していたのを思い出したので、何番目か確認することにした。
俺はインベントリを開き、一番上に置いてあるポータルスフィアーを右クリックして、
記憶してある狩場え飛んだ。
「自分何番目ですか?」
「三番目ですよ〜」
「あい^^」
三番目か・・・時間が来るまで座っておくか・・・
俺はまたインベントリを開きスフィアーを右クリックして
オカー三角州を選んだ・・・・
(続)

不意に思いついたストーリーをつらつら書いてみました。
タイトルは考えてな(ry

116 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/12(日) 12:21:56 [ 0MNwcPoU ]
21RさんとFATさんのまとめサイトって、誰か作ってないですか?
もしあったらURL教えてください

117 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/12(日) 12:35:51 [ QS1Cbi/M ]
>>116
前スレに21Rさんのサイトは載っていますよ
FATさんの小説は、運営公式サイトに登録されていますので
そちらからどうぞ。「FAT」で検索すれば出ると思います

118 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/12(日) 14:31:27 [ zWOkifZk ]
皆さんの小説を見て影響され、駄ネタ&駄文ですが思い切って投稿・・・。
小説はあまり書くほうじゃないので文章とかネタとか下手糞ですが目を通して
頂ければと思います。





 真っ青なぐらいの澄み切った空、わたあめのようにふわふわな真っ白い雲、青々とした林。
林は夜のように静かで、そよ風でゆれる木々と鳥のさえずりしか聞こえない。

 その林の少し開けたところに、二人の人間が居た。
右側の人間はキャラメル色のダッフルコートを着て、首にクリーム色の長いマフラーをして
いた。長めの艶やかな黒髪が、マフラーのあまりと共にそよ風にゆったりと靡いている。手
には使い込まれた、金属のようなものでできた鈍く光る笛が握られていた。背にはこげ茶色
の皮でできたリュックを背負い、肩には可愛らしい柄の皮製ショルダーバッグが掛けられて
いた。その人間の周りには、得体の知れない赤と水色の物体が二つ、地面から少し浮いて
二人を囲っていた。
 左側の人間も同じ色のPコートに茶色のストールを首にたっぷり巻いている。背には黒髪の
人間と同じのこげ茶色の皮でできたリュックを背負い、その右脇に矢が入った長い筒と小さ
めの厳つい弓が掛けられていた。木々の木漏れ日で右手に持っている大きく太い槍の刃
が鈍く光った。
「綺麗だね、ここ」
左側の人間が呟いた。さっきよりやや強めの風で、さらさらの短い金髪が激しくばたついた。
「エリん家の前庭のほうが綺麗じゃないかい?」
エリと呼ばれた人間はプッと吹きだし、笑い始めた。その子供らしい笑い声は林に轟いた。
「・・・・・なんでそんなに笑うのさ」金髪の人間がふて腐れた。
「わ──わかんない」
エリはそれだけ言うとさらに笑い声をあげ、ついに草の上を大の字になってしまった。
「にしても・・・・」
「ん?」
「もう、戻れないのかな」エリの笑いはいつの間にか収まっていた。
「──それって、家に?それとも・・・・あっちの方に?」金髪の人間の目がエリに行った。
「どっちも。どっちもだよ。でもまぁ、ずっとここに居るしかないなら、」
「ないなら?」
「この世界で自分を極めるかな」エリは宙を見たまま言った。
「極める、か」
「ってかさ、今この状態で戻ったらサツに銃刀法違反とか言って逮捕されそうじゃね?」
「あたしが逮捕されるだけでエリは逮捕されなくない?」
「そうかな?神獣とペット出してる時点でOUTだと思うけど」
「それありえる」
「東京都なんとかなんとかなんとか地区にて大きな刃物を持った少女と得体の知れない
ものに囲まれた少女を発見、早急に現場に急行せよ!」
エリがトランシーバーを持っている振りをして渋い声で言った。
「で、そこで大勢の警官とタイマン?」金髪の人間がニヤニヤする。
「だろうね。もちろんサキのオーサムとエントラと火雨と氷雨で壊滅だろうけど」
「そんな事したらあたし達犯罪者になっちゃうじゃん」
「どうだろ?向こうの人たちは火雨氷雨なんて見ても信じるかどうか・・・・」
「そっちかよ」
サキと呼ばれた人間がそう言うと、二人は笑った。
その途端、金髪の人間は素早く立ち上がって槍を構えた。
「サキどうしたの?敵でも発見?」エリが途中で笑いを抑えた。
「うん、何か居るみたい───」
サキが途中で言葉を切り、槍を捨ててカバンから弓をもぎ取った。


シュンシュンシュンシュンッ


サキが猛烈な速さで矢を次々に放つ。


ドドドドッ!!


矢が数本突き刺さる音がしたかと思うと、木々の茂みからこちらに向かっていたエルフの
急所から鮮血が宙に迸り、仰向けに倒れた。エリの顔から笑みが消える。
「・・・・あざーっす!」
エリはサキ向かってそう会釈しながらリュックから赤い本を取り出し二冊地面に放り投げた。
カバンの蓋を閉めると本に両手を翳し、目を瞑りながら何と言っているか理解できない言葉を唱えた。
すると、二冊の本からエリより小さい槍を持った、黄緑色のマントを羽織った生き物が光と共に二匹
飛び出し、エリの下へするすると歩み寄った。
「ここも危ないね。早く行こっか」
「危ないも何もあんたがあんなに笑うからじゃん・・・」
「しょうがないじゃん面白すぎたんだもん───ごめんごめん、次誰かが襲ってきたら今度はあ
たしがサキを力強くこの拳でガッチリ守るからさぁ」辛苦の表情でエリが弁解する。
「はいはい、分かりましたよ」
「ってかエルフの血ぃ服に付かなくて良かったぁー・・」
「そっちの心配かよ」
二人はそう言い合いながら、エルフの亡骸と鮮血を残して林を去った。


それは、空がさっきと変わらず、真っ青なぐらい澄み切った昼間の出来事だった。

119 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/12(日) 17:12:24 [ zWOkifZk ]
ぎゃぁぁあ
読み返してみたら思いっきり間違っているところが・・・・
もうスルー方面でお願いしますorz

120 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/03/12(日) 21:48:54 [ W8BAcf5I ]
さぁ、大変長らくお待たせしました。
中編の投下です。
え、前後編の2部作じゃなかったのかって?
いざ書き始めたら?でもない長さになってしまったのです。
よって、3部作へと分割です。はい。長いです。本当です。実は推敲してません。


………ではどうぞ↓

121 名前:ウィッチ・ハント(中)1/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:50:05 [ W8BAcf5I ]
/ハノブ高台望楼

 快適でも寝苦しくもないベッドに一晩横たわってから向かった先は例の望楼である。
 鉱山町ハノブを出てエルベルグ山脈の南側をぐるっと回って山登りした先にそれはあった。
「ここは簡単な天体の観測所も兼ねていてな。学者センセイやそのタマゴみたいな連中も
 ここでしばらく逗留することがあるそうだ」
「ふーん……」
「俺も何回か来たことがあるんだがな。あの夜空はわるくなかった。空気もうまいしな」
「え? ……天体観測なんてしたことあるんだ」
「いや。体作りにマラソンに来ただけだ。気付いたら夜になってしまっていたが」
「……ですよねー……」
 そんな会話をしながら1階の通路を4人で進む。この建物、1階は常駐の兵士の詰所、
2階から上は休憩室や訓練所などの生活空間その他が整ったスペース、地下は武器や魔道書
などが保管されている倉庫と区分けされているそうだ。観測所は別棟で、1階から渡り廊下を
通って往復できる形になっているらしい。
 ネクロマンサーが現れた階層は地下3階。いま私たちがいるこのフロアはまだ安全らしく、
慌ただしい空気や危険な臭いが漂っている気配はない。そう感じるのは私以外のメンバーも
同じなのか、みんなリラックスした様子で先頭のカリンに続いている。
 細く入り組んだ通路の角を何回か曲がったところで、別のフロアに続く階段が見えた。両端を
斧槍を持った兵士が守っているのも。

 彼らもこちらに気付くと背筋を伸ばして敬礼してきた。
「ご苦労様です。ギルド“昼飯時”の皆様ですね?」
「あぁ。党首カリン以下ローンダミス、ヒメ、フィージェの4人だ。書状は来ているな?」
 カリンは一歩前に出ると片方の兵士と何やら話しこみ始めてしまった。お互い顔見知りなのか、
事務的なああだこうだの手続きの中にもときおり談笑が交じっているのが見える。
 そちらの会話が一通り済んだのか、兵士はカリン越しにこちらを覗き込んで、
「既にネクロマンサーの勢力圏は地下1階、すぐそこまで広がってきています。ご武運を」
「行くぞ」
 カリンが促して私たちは階段に足をつけた。
 すれ違いざまに二人の兵士がこちらを向いて改めて敬礼をしてくれたのが見えた。
 私は視界の端で彼らを捉えると、右手の親指を軽く立てて横に突き出してみせた。
「なんのまじないだ?」
 カリンは不思議そうにそう訊ねてきた。

122 名前:ウィッチ・ハント(中)2/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:50:54 [ W8BAcf5I ]
「ヒメちゃん。だいじょぶ?」
 相変わらずみーちゃん(ケルビー)の背中にちょこんと腰を落ち着けてとてちてとてちて、と
動くヒメに私は聞いてみた。
 著名な調教師を数多く輩出するロマ村出身の彼女は、ビーストテイマー特有の、“悪い気”を
感知するセンスに特に長けている。殺気や魔物が放つ瘴気はもちろんのこと、果ては人間の
悪意にすら敏感に反応してくる。ときに過剰なまでの反応を示す彼女のそういった才能は、こと
ダンジョン探索や潜入任務のときにはその効果を特に強く発揮する。
 そういうわけで、この場合の『大丈夫』とは健康がどうとかという意味合いではなく、敵の気配は
あるかないか、ということなのだ。
「は、はい……今のところは……一応は…………」
「そっか」
 ならとりあえずは大丈夫かとほっと一安心だ。みーちゃんもべつだん変わった様子はないし、
ヒメ本人もなにかの気配に怯えているとかいう感じでもない。
 それに私自身も……一応は、それなりの場数を踏んだ傭兵だ。ヒメのような敏感な反応こそ
できなくとも、漠然とした殺気や不安感くらいは感じ取ることができる。そのいわば“第六感”に
働きかけてくるものがないということは、まだこのあたりは安全であるということだろう。
「そうだクリフ。ちょっと前までおまえはシングル・クラッカーだったんだろう」
「え? まぁ、2ヶ月とちょっとくらい前まではね。いきなりナニ?」
「うむ……恥ずかしい話だが、うちのギルドにはそういった方面に長けているシーフがいないもんでな。
 ヒメもロンも単体戦力としてはたいしたもんだが、こういったダンジョンへのクラックというのは、な」
 悪い予感が背筋のあたりを駆けていった気がした……が、彼がそんな私の様子に気付いてくれる
ハズもない。だってカリン……果実男、だ。コイツはダメなのだ。
「よし。ここはおまえに先頭を譲ろう。唐突で悪いが、アテにしているからな」
 予感的中。
「はぁ!? ちょっ、そんな勝手な……」
「期待しているぞ」
 そう言って彼はヒメの後ろ、隊列の最後尾へとすたすた歩いていってしまった。ちっちっと舌を
鳴らしてケルビーとじゃれあい始めてしまったあたり、聞く耳持ちませーん……ということか。
 私は恨みの篭もった横殴りの視線をヒメとロンに向けるが――
「も、もうしわ………ぁりませ………」「おマカせ・しマス」
 私にとってはまことに迷惑な、返答しか聞くことができなかった。

123 名前:ウィッチ・ハント(中)3/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:51:33 [ W8BAcf5I ]
/ハノブ高台望楼・BF2

 そもそもなぜ私がつい最近までシングル・クラッカーをやっているのか。まずはその理由から
お話することにしよう。
 ここゴドム共和国古都ブルンネンシュティグといえば大陸でも最大規模を誇る大都市である。
 その規模の大きさは、最近になってようやく独立した国家ビガプールや港町ブリッジヘッドなどの
比ではない。軍事力、経済力、所有地、人口。どれをとってみても、それは小国1つぶんくらいの
規模をはるかに凌駕しているといえる。いまブルンネンシュティグと戦争を起こして軍配を挙げる
ことができる勢力はおそらく、ない。その恐ろしいくらいの肥大化が今なお続いているというのだから
驚きである。
 世界の商売人が集まり、世界中の食べ物が、武器が、防具が手に入るこの古都。
 そんな場所に来さえすれば、なにか足取りがつかめるかと思っていた。
 レッドストーン。世界中の冒険家が、傭兵が、政治家が、魔法使いが追い求め、その中も誰もが
手に入れることのできなかった、言い伝えと呼ぶにはあまりにも有名すぎる伝説。
 救国の剣。不老不死の薬。別の天体。天上界の秘宝。ありとあらゆるウワサが常につきまとう
この赤い石を追い求め、私もまたブルンネンシュティグへと足を運んだのだ。
 自分なりに色々と情報収集をし、魔物を狩って彼らの身につけている武具を現金に換えて食い
扶持を稼ぎ、時には一般市民の頼みを引き受けて強大な魔物に立ち向かったりしていた――1人で。
 もちろん、独力による限界は感じていた。致命傷を受ければそれは即明日の食事に関わってくる
わけだし、時には深い傷を負って獲物を倒すことができないままむざむざと逃走して赤字一方
な日々を送ることもあった。
 自分の無力さが悔しいとその都度そう思っていた。しかし、心のどこかではまぁそんなものだろう
と諦めている自分がいたことも確かだ。どうせ戦死者・1で片付けられてしまう存在が自分なのだ。
そんな私が、レッドストーン? 傲慢だ。不遜極まりない。どうせ私では無理なのだ。どう訓練しても
腕力はつかないし、体力もない。小動物じみた敏捷さには若干の自身アリだが、それでもその方面の
プロには敵わない。ちょっと指先が器用で弓と槍が使えて、すばしっこい。それだけだ。
 そんな、あまりにも弱すぎる自分を見せるのが恥ずかしかった。嫌だった。煩わしい人間関係。
 友情? 信頼? 努力? 義理? 仲間?
 ――ばかばかしい。
 人との接触は最低限にとどめておきたかった。だから、1人でダンジョンに潜っていた。

124 名前:ウィッチ・ハント(中)4/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:52:15 [ W8BAcf5I ]
 しかしひょんな事情からいまは『昼飯時』の一員として活動しているわけで、単独での
ダンジョン侵入を試みることは滅多になくなっていた。消滅しかけているとさえ言っていい。
 その既に錆び付いて久しいクラッカーとしての技術をいま、ここで披露しなければならない
なんてことになろうとは。唐突だ。ホントに。世の中こんなものか?
 ハノブ高台望楼地下2階はそれより上の階層と比べて明らかに様相が違っていた。
 まず、明かりがない。この辺り一帯がネクロマンサーの縄張りになる以前はこのフロアも
なんてことはない倉庫として活用されていたらしい。当然、そこを歩くには明かりが必要な
わけだが、備え付けの燭台やたいまつには一切かがり火が灯されていない。すれ違うついで
にそっと指先で触れてみると、冷たかった。もう長い間使用されていないのか、マッチを擦って
近づけてみてもまるで反応がない。
 そしてもう1つ気になる点は、この辺りで戦闘が起こったとみられる痕跡があちこちに残されて
いることだ。人が3人並んで通れる程度の細い通路は片側だけが崩されていたり、床、壁、天井と
実に様々な場所に人間のものと思われる血痕がついていたり。そしてそれについて気になる
ことがじつはもう1つ。
 激しい戦闘が行われていたにも関わらず、“死体が、残っていないのだ”。
 人間のものも、魔物のものも。対立2つの勢力がやりあえば必ずどちらかが勝利する。仮に
相打ちになったにせよ、どっちにぢろ死体はその場に放置されるハズだ。街を巡回して回る
清掃おばさんがこんな場所にまで来るとは思えない。理由は、あえて考えるまでもないだろう。
「それにしても、長いな」
 小声でそう言うカリンの目には錬金術師組合――アルケミストたちが作った特製暗視ゴーグル
が装着されている。
 そう、視界の保証がいっさいと言っていいほど無いこの暗闇の中でなぜ私たちが普段どおりに
歩くことができているか? コイツのおかげだったりする。カリンは当然のこと、ヒメも、私も、ロンも、
このゴーグル越しに辺りの景色を見ているのだ。少々値は張るし視界が狭くなるのが欠点で
あるが、故障も少なく性能もきわめて高水準。蛍の光くらいの明るさで真昼のような視界が確保
できるというこの性能がどの冒険者にも広く愛用されているイチバンの要因だろう。
「もうだいぶ長いあいだ曲がってない気がするぞ。俺の気のせいだといいんだがな。ヒメ、どうだ?」
「は、はぃ……」
 話を振られたヒメはその場にしゃがみ込むとケルビーになにやら小声で耳打ちした。
 みーちゃんはわん、としっぽを振って答えると今まで私たちが歩いてきた道をものすごいスピードで
引き返していく。

125 名前:ウィッチ・ハント(中)5/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:52:51 [ W8BAcf5I ]
「クリフ、止まってくれ。みーちゃんが戻って来るのを待とう」
「りょ、了解」
 何をするのか知らないが、カリンとヒメになんらかの考えがあってのことだろう。素直に足を止める。
 心の中で28を数えたあたりでケルビーが戻って来た。このケルビー、パッと外見はただのペットに
しか見えないが、じつは力のあるごく一部の実力者しか呼び出すことのできない火の召喚獣なのだ。
人間のように道具に頼ってまで視界を確保する必要は無い。身体のつくり自体がそもそもペットとは
違うらしく、犬や猫で言う『目』が精霊では耳に相当する部位だったり……。詳しいことは知らないが。
 みーちゃんは、口に一振りの短剣をくわえて戻ってきていた。
 ヒメがきちんとなでなでしてあげた後に優しく短剣を受け取り、それをカリンに渡す。
「これは…………」
「なにそれ?」
 私も彼の肩越しにひょいと覗き込んで視る。反り返った刀身を持つ短刀だ。
 カリンは上から下までそれを舐めるようにじっくりと観察する。裏返したり、上下をひっくり返したり、
刀身を指でなぞったり、匂いを嗅いでみたり。
 彼は目を細めてその短剣を虚空にかざし、無駄に重々しく頷き、一言。
「やっぱり、よくわからんな」
「だと思った……」
「ロン、わかるか?」
 カリンから短刀を受け取った元天使のビショップはカリンと同じようにじっくりとその短刀を鑑定する。
 やがて、何か閃いたように顔を上げた彼は、腰の革袋に手を突っ込んで中から出したそれを振り撒いた。
「この粉……」
「ポータルクリスタルの…………粉末ですね…………」
 どこか特定の場所への片道切符の役割を果たすポータルクリスタル。有名どころでは蟲の巣窟の
隠された通路や旧レッドアイ研究所の監査官ファイガンの研究所への入り口か。このポータルクリスタル
の性質は長い間謎のままであったが、つい最近になってようやくおおよその原理がスマグの研究者達の
手によって明らかになってきた。
 それのいわば応用品の試作型がこの粉末だ。

126 名前:ウィッチ・ハント(中)6/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:53:25 [ W8BAcf5I ]
 まだまだオリジナルのクリスタルにはその力は及ばないが、それでも似たようなマネは
できるらしい。即ち、どこか別の場所への一方通行が不安定ながら可能なのだ。
 未だ実験段階の品で量産もされていないレア物だ。なぜロンがそれを持っているのかは
いまは置いておいて、彼はなにをするつもりなのか。
 ロンはその粉末を円形に振り撒き、こんどは四方の床や壁にもおおまかに撒いていく。
 それが済んだら今度は短刀のほうに粉末をふんだんに塗りつけると、
「離れテ」
 と距離を取らせた。拒む理由も無く少し後ろに下がる。
 カリンの前方5メートルくらいにロンがいる。そのカリンの後ろに私とヒメが隠れるような形だ。
 ロンは自ら振り撒いた粉末で作った円形に立ち、なにやらボソボソと呟き始める。
『天tiノmE神が我RA二ユRうsIをコう』
 ところどころの言葉のアクセントがちょっと共通語と似ている。それがビショップ特有の
聖なるミサの言葉であることに気付かない私ではない。
 彼はそのまま小声で詠唱を続け……何の前触れもなく、短剣を自らの手の平に突き刺した。
「っ………う」
 そう呻いたのはロンではない。カリンでもなければ、ヒメでもなかった。
 私の声だった。
 だって、あの短刀はロンの手の平から手の甲にかけてを完璧に貫通しているではないか。
 血もドバドバ出ているし、痛いどころで済む問題ではないのではないか、コレは?
 しかし、肝心のロンはちょっと眉根をひそめてみせただけで別段痛そうには見えない。
 そして彼は、短刀を引き抜く。いわば“栓”の役割を果たしていた短刀が抜かれたことで
出血はさらにひどくなる。もうロンの左手の手首から先は血だるま状態だ。
 それにも構わず、彼はその左腕を傷口のある手の平から地面に叩きつけた。
 するとどうだろう。ロンが振り撒いたポータルクリスタルの粉末がにわかに発光を始め、ついには
宙に浮く光り輝くひし形へと変化していったではないか。
 それはほんとうに、巨大で真っ黒なひし形に見えた。あんなに接地面積が狭いのにどうして倒壊
してしまわないのだろう。近付くと、さらに驚かされた。

127 名前:ウィッチ・ハント(中)7/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:53:50 [ W8BAcf5I ]
「うむ。タウンポータルの応用形か」
 薄い。まるで紙のようだ。ひし形に見えるのではない。それは事実、ひし形以外の何物でも
なかった。
「ここをくぐればいいんだな?」
「はイ」
「え。……コレくぐるの?」
「おかしいか?」
「絶対入れないってこれ」
 私はひし形の裏側に回ってみたが、やはりひし形だ。真横からだと直線に見える。
 外界でこれをくぐれば別の場所に行けるヨと言われても、コイツ気が狂ってるんじゃないかって
思われるに違いない。
 表面が湖面に波打つ波紋のように揺れているその様子はいかにも、“異次元への扉”といった風情だが……。
「まぁ騙されたと思って入ってみることだ。どうせここで思い悩んでいても状況は変わらん」
「それはそうだけどサ……」
「先に行かせてもらうぞ」
 彼はひし形の中へと消えた。そのポータルを開いたロンがそれに続き、そうなってくると条件反射的に
ヒメや私も続く。
 部隊の先導を私に任せておいてイザとなったらコイツは……。
 それに続く愚痴不満を口の中に押し込んでおくのには、大変な労力を費やした。

128 名前:ウィッチ・ハント(中)8/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:54:21 [ W8BAcf5I ]
/ハノブ高台望楼・BF3

「…………ん」
 固く冷たい石床の感触に当てられて私は身を起こした。
 どのくらい気を失っていたのだろうか。5秒か、10秒か。20秒とか30秒なんてことはないだろう。
 見知らぬ場所だった。私はたしか、ロンが開いた一方通行用のポータルを仲間といっしょに
くぐり――その後だ。
 で、辿り付いた先が、ここか。軽くぐるっと見回したところ、けっこう大きい部屋のようだ。
 正方形の角っちょのあたりに私がいて、対角線を伸ばした先にアーチのかかった別の部屋に
続く通路が見える。殺風景な部屋で、ここには私以外に誰もいないし何もない。
 ……ちょっと待った。
 “誰も”、“いない”?
「ヒメ?」
 返答なし。
「ロン?」
 応答なし。
「カリン?」
 無反応。
「ちょっと……こんなときにふざけてんの? 怒るよ?」
 今度は声を荒げて叫んでみる。しかし、仲間からの返事は、ない。まぁヒメの場合ならあまりの
小声すぎて聞き取れなかったというパターンもあるだろうが……。
「ヒメ、ロン、カリン! 返事は!?」
 真面目にそう言ってみてもやはり仲間の声はない。
 それぞれが別々の場所に飛ばされたのか。ロンがタウンポータルの触媒に使った粉末は試作品の
試作品、不安定なシロモノだ。あの短剣がどういう役割を果たしたのかはわからないが……。元々
初めて来る場所だし、自身の記憶を頼りに使う追放天使のタウンポータルを粗く使った代償がこれらしい。
 まぁ、別々の場所に飛ばされたということは必ずどこかに他のみんなはいる。
 そう思うことにした。そうでも思わなければやってられない。
 立ち上がり、ちゃっちゃと身体の点検を行う。
 腕。手首。指オッケ。骨も大丈夫。臓器に異常なし。脳の変調もとくにみられない。足も問題なし。
「さて、迷子のみなさんの捜索に行きましょうか」
 とりあえずアーチをくぐって先のほうの細い通路へ。典型的なT字路だ。
 左か?
「いや、ここは右でいこう」
 困ったときは利き腕の方向だ。

129 名前:ウィッチ・ハント(中)9/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:55:00 [ W8BAcf5I ]
 それ以外に論理的な根拠はない。
 腰に吊った弓を左手に持ち、右手は背中の矢筒にかけていつでも弓を引けるようにする。
 背に壁をつけ、首だけを出してばっと通路の奥を見る。
 いた。
 両手にぐにゃぐにゃに歪んだ曲刀を持つガイコツが、1匹。耐久性のほうはともかくとして、
あの刃で斬られたらかなり痛そうだ。傷も治りにくいだろう。確実に痕も残る。
 ――思えば、純粋な1対1の斬り合いなんて。長いこと経験していない気がする。
 『昼飯時』のみんなと一緒にいたおかげだ。集団戦は集団戦で良いところもおもしろいところも
あるのだが、やはり1人でこういったサバイバルを行うのもいい。ほどよい緊張感と身体中を
駆け巡るこの高揚感は悪くない。
 敵の力量がどれほどのものかわからない以上、低く見積もるのは危険だ。しかし、相手の
得物は長さ1メートルくらいの中剣だ。斬られれば痛そうだし、両手に1本ずつも持っている。
完全な接近戦仕様だ。弓を使って遠距離から封殺できれば。
 ガイコツと私の距離は20メートルほど。敵の剣の間合いに入ってしまう前に3発は撃てそうだ。
 壁から左半身のみを出し、弓を構える。
「Fu――!」
 気合と共に1発目を撃つ。弦を引き、狙いを定めて……射る。
 頭部を狙った。相手が骨のカタマリなので人間と同様の効果が得られるかはわからない。
 攻撃の成否を見もせずに2発目。ぎりぎり。木製の弓が鈍い音を立ててしなるのがわかる。
 射る。
 と、そこでようやく1発目の矢があのガイコツにどんな傷を負わせたのかがわかった。
 矢は狙い通りに頭部に突き刺さり、勢いを失わずにピアシングした。
 ガイコツの首から上もろとも。
「AAAHHHHHH…………」
 気味の悪い呻き声を上げながらバラバラと音を立ててその場に崩れ落ちるガイコツ兵士。
 なんだ、意外と……ヤワい?
 それとも、私が強いのかな? うはは。

130 名前:ウィッチ・ハント(中)10/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:55:34 [ W8BAcf5I ]
 しかし、私はその認識が完全に私の勘違いであることをすぐに思い知らされた。
 具体的には、後者のほうが。
 油断しきって弓を下ろした私の背後から近寄ってくるガイコツがいたのだ。
 それに気付いて振り向きざまに後ろに跳躍したときには、すでに背中に灼熱の痛みを
負ってしまっていた。
「……ッ……」
 見ると、いま倒したガイコツと同じ見た目のガイコツが剣を構えて突っ立っているのが見えた。
 その口は、まるでこちらをあざけるようにケタケタと揺れている。
「このっ……」
 ちょっと頭にきた。弓はとりあえずそのへんに放って、腰の後ろにぶら下げた槍をつかむ。
 こちらの闘志に反応したわけではあるまいが、ガイコツのほうも両手の剣を構えて戦闘の
体勢を取った。持っている得物も、さっきのガイコツとまったくいっしょだ。
 どちらが先に動いただろう。たぶんほとんど同時だったに違いない。
「うらァっ!」
 私の持つフィルルムは槍としてはかなり短めの1.2メートル。刃は穂先にしかつけられていない。
 元々力のない私だ。パイクやハルヴァードのような重量級武器は残念ながら扱えない。その
代わり、こういった小型の槍を器用に振り回してかく乱する戦法なら任せろ。
 もっとも、通路が細いので実際に振り回すことはできないのだが……。
 純粋な“突き”のみの勝負だ。
 そして、軍配が上がったのは……なんとガイコツ側だった。
 素早く正確に突き出したハズのフィルルムの先端は、『×』印に交差された曲刀の交差点で
見事なまでに受け止められていた。コイツ、本当にアンデッドか?
 そう色々考える余裕は残念ながらいまはない。槍を弾いたガイコツが双剣を巧みに振り回して
私に向かってきたからだ。不自然な体勢で攻撃を中断された私は若干体勢を崩し、攻撃を
避けるのに必死で反撃に出られない。
 それに、さっき斬られた背中の傷が痛むのだ。

131 名前:ウィッチ・ハント(中)11/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:56:07 [ W8BAcf5I ]
 たぶん、直撃ではないだろう。
 あの波打つ刀身を持つ剣による直撃をもらってこの程度の痛みで済むワケがない。
「こいつッ……」
 このまま避けているばかりでは勝てない。
 そう思い、奴の右手による斬り降ろしを靴の一番堅いところ、踵のあたりで蹴り上げた。
 続いて左手による突きを、身体を捻って最低限の動作で避ける。
 明らかに不自然な体勢だ。自分でもそれは自覚している。
 しかし、このおかげでガイコツ側にも若干ながら隙が生まれた。単なる武道家のマネごと
なのだが、奴の一瞬の狼狽を誘うことはできたらしい。
 その隙を見逃すほどノロマな私ではない。素早くガイコツの懐に入り込み、剥き出しの
鎖骨をつかんで引きずり倒す。
 うつ伏せに倒れたガイコツの無防備な喉(のあたりの骨)を――ざっくり。
「――Ga……」
 彼は完全に絶命した。
 念のため肘、肩、膝、股関節を槍の先端でバラしておく。万が一起き上がりでもされたら
大変だ。死体を焼却するのがこういったアンデッドに対する最も有効な事後処理法なのだが、
マッチ何本かでオイルもないのでは少々無理がある。
 さっき捨てた弓を拾って腰に吊るす。いまのような急な接近戦にいつでも対応できるよう
弓でなく槍を常用することにした。背中の傷は……我慢しよう。
 しかしこれは、由々しき事態かもしれない。昔の、1人でダンジョン侵入をしていた頃の私は
この程度の敵にてこずりはしなかった。少なくとも傷を負わされるようなことは。よほどクラッカー
としての私の技量が鈍り、低下している証拠といえる。
 少しはソロ活動の時間も取らなくては。手痛い教訓を意外なところでもらうことになってしまった。

132 名前:ウィッチ・ハント(中)12/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:56:30 [ W8BAcf5I ]
 それから先も何体かのガイコツにでくわしはしたものの、急襲に遭遇することはなかった。
 遠距離からの射撃で始末できるものばかり。
 そして細い通路を行ったり来たりしているうちに、大部屋に辿り着いた。
 正確には、大部屋に続いているだろう、巨大な扉に。
 どれくらいの大きさがあろうか。軽く10メートルくらいはあるだろう巨大な鉄扉だ。
 おそらく、私が生涯見たなかでこれが扉としてはおそらく最大の大きさを誇るだろう……。
 それくらい大きい。もうでかいでかい。もしかしてこれは壁の一部なんじゃないか? と思える
くらいでかい。
 無論、そのくらいの大きさなので押して開けることはできないだろう。実際押してみても、
やはりというか当然というか、ビクともしない。押してダメなら引いてみろというが、取っ手なんて
ないし。ノックしても開けてくれそうにはない。
 他の場所に向かうか? 何やら危険な匂いがするし、他の仲間と合流してから行ったほうが……。
 という私の考えを打ち砕く夢のような事態が起きた。
 なんと、扉のほうが勝手に開いてきたのだ。ズズズ、という轟音と共に中央から左右にわかれて
いくように鋼鉄の扉はあっけなくその口を開けた。拍子抜けだ。だが、こういった事態こそがダンジョン
であるともいえる。
 ――進もう。槍を構えて一歩を踏み出す。床に罠が仕掛けられていることだってある。慎重に
慎重を重ねて動く者こそがダンジョンでは生存することができるのだ。
 しかし、そういった私の考えをまたも打ち砕く素敵な事件がその部屋では起きていた。
 その部屋はドーム状の天井を持つ、いわば巨大なホールだった(ビショップの使う鈍器ではない)。
 異質な空気の漂うその部屋の中央にそびえ立つのは……全長、これまた5メートルはあろうかという
巨大な人間……に似た生物。
 ナマで見るのは初めてだ。そして、できれば2度目は来ないでほしい。
 ――人は、それをネクロマンサーと呼ぶ。
 てっきり、陰気な感じで、魔道士っぽくフードをかぶった老人のような風采を想像していたのだが。
 そして、巨大なネクロマンサーの足元で必死になって魔兵を率いて戦っている少女が1人いた。

133 名前:ウィッチ・ハント(中)13/13 投稿日:2006/03/12(日) 21:57:39 [ W8BAcf5I ]
 『昼飯時』最年少と思われる召喚士であり調教術士。
「――ヒメェっ!」
 その姿を見るや私は駆け出した。だってヒメときたら、いつも目深にかぶっているフードは
ぼろぼろに破け、自身も身体中に大なり小なりさまざまな傷を負っている。召喚獣のヘッジャーと
スウェルファーは戦闘不能。残っているのはみーちゃん1匹のみ。
 いますぐ助太刀してやりたいところだが、いかんせん距離がありすぎる。大まかな目測で
私とヒメ及びネクロマンサーとの距離は100メートル。全力疾走で軽く10秒以上はかかる距離だ。
 ヒメはちょこまかと動いてネクロマンサーになんとか踏み潰されまいと立ち回っている。ケルビーは
その主人の危機をなんとか助けよう支援しようと、爪、牙、尻尾。全身をフルに使って駆け回り、
ネクロマンサーの左足首のあたりに必死に噛み付いている。
 しかしながら、あの巨体に犬くらいの大きさの攻撃が果たして効いているのか。
 例えるなら、人間のつまさきにアリが這ったところで人は死ぬのか。死なないだろう。
 そしてあのネクロマンサーはそのヒメたちの姿を見て、楽しんでいる。
 異形の表情など読み取れるハズもないが、いまの私には少なくともそう見えた。
 しかし、彼本人もそろそろこの遊びに飽きてきたのだろう。何か呪文を唱え始めた。
『浄炎――――――気化syyyyyyyyyyyOh』
 魔法使いの使う魔法の詠唱特有の発音だったので何が言いたいのか、およそどのような魔法が
放たれるのかは私には想像がつかない。
 使い終わった道具は……捨てられるだけ。
「がああっ……」
 無我夢中だった。夢中で走った。私が他人のためにここまで必死になれるとは。
 ネクロマンサーの……人間でいう右手の人差し指のあたりに大気が収束していくのがわかる。
 あと2秒。ああ、ネクロ。お願いだ。あと2秒だけ待ってほしい。2秒だけ待ってくれれば、あとで
魔法でも爆発でも花火でもなんでもやればいい。だが、あと2秒。
 私の中でその2秒が引き伸ばされていくのがわかる。私にとって、その2秒は永遠だった。




                                                                      〜後編に続く!〜

134 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/03/12(日) 22:02:20 [ W8BAcf5I ]
○簡単なキャラクター紹介

クラレット=フィージェ(Lv84ランサー/アーチャー)
槍と弓を巧みに使いこなす傭兵。ギルド『昼飯時』のメンバー。愛称クリフ。
何故かお金が貯まらない貧乏クラッカー。

ローンダミス=ディザーテイズ=ル=セルバンテス(Lv121ビショップ/追放天使)
かつて天界を追放された天使にして敬虔なビショップ。愛称ロン。
ギルドに必ず1人はいてほしい「いいビショップ」。無口。
基本的にいい人だが追放天使の不安定な魔力はパーティメンバーに何らかの被害を与えることも。

ワルツ(Lv111ウィザード)
ひたすらクリフに対するアプローチをかけまくる変態魔術師。普段の素行はアレだが実は有能。
ギルドに必ず1人はいるセクハラウィザード。
今回出番がなかった寂しい方。きっとどこかで格好良く登場できる機会を狙っているハズ。

カリン(Lv133戦士/剣士)
ギルド『昼飯時』の党首。普段は馬鹿っぽいがたまに名案を思いつく。
ギルドに必ず1人はいる『勇者様』。
パーティメンバーの迷惑の原因を作るナイスなギルドマスター。

ヒメ=K=ユウマ(Lv75ビーストテイマー/サマナー)
無言テイマ。召喚獣とペットをこよなく愛するいい子。実は折檻のプロ。
ギルドに1人はいてほしい「癒し系」テイマ。
ケルビーをみーちゃんと呼んで溺愛するその姿はすこし微笑ましい。

135 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/03/12(日) 22:16:57 [ W8BAcf5I ]
マズいです。他の方々へのレスに回していたら本格的に量が(後略


>>ドリーム氏
え。ここってエロっておっけ(…略
過激なまでの“いいようにされろ”発言。ウチのワルツでもこんな台詞言いません。
斬新な主人公ぶりであります。レイドと聞くとホラ、ランサーのサプライジング……が思い浮かぶのは自分だけでしょうか。

>>黄鯖雑魚氏
まぁなんだ、おそらくこのファミリーの行く末には山と谷しか待ち受けてないでしょうねw
ちなみに、自分が書くストーリーに登場する人物はたいてい家族が既に死んでいる場合がほとんどです。

>>リ・クロス氏
や、やべぇ!『英霊騎士団』って自分が考えてた『幽鬼隊』とかなりセンスが被っ(…以下略
干し肉を食すスコール。い、意外とワイルドだ。アウトドア派?

>>FAT氏
「溺れてんじゃねーの?」のあまりにもそれなりな対応に惚れました。

>>南東方不敗
何やら天使ちっくな名前のキャラがいっぱいです。なんかメインクエストで通せそうな展開です。
そしてここから物語は核心へとッ!くーっ、燃える展開だぜぇ!


一部返し忘れがあったらごめんなさいorz
……SSコンテストぉ……。完結編は20レスぶんとかに及んじゃいそうです。

136 名前:魔道書を捨てたWIZ 投稿日:2006/03/14(火) 21:45:14 [ e2OBf3xs ]
しばらく見てないので亀感想かもしれませんが…
主人公が最後に時のダンジョンに転送された小説を書かれた方、非常に楽しく読ませてもらいました。
南東方不勝さん、たびたび自作をまとめて非常に読みやすく、感謝しています。
で、悪乗り(?)して書いてみたものをUPして見ます。
---------------------------------------------------------------
〜ログアウト〜
プレイヤーたちは次々とログアウトしていく。
その後の様子を描いてみました。

〜ギル戦後〜
WIZ「あー終わった終わった。今日もマスター手荒かったな。」
自慢のロングヘアーも縮れている。メテオを至近距離に放ったらしい。
戦士「お前はまだいいよ。俺なんかディレイしすぎで肩がいてぇ」
この戦士、鎧の下にはなんと、湿布を貼っていた。
WIZ「うわ…お前そんなんつけてんのか……おっさんくさいぞ…」
BIS「おっさんって言わないでほしいな、まだ20代だ。」
WIZ「おや、失礼。そうは見えなかったもので。」
BIS「皮肉を言うな、薬物中毒。」
(WIZは荷物に残っていた「青POT」を飲み込んだ)
WIZ「なにをーこにょふけがおーあひゃあひゃ」
どうやら、使用しすぎで副作用が強烈に出る体質になったらしい。
BIS「勝手にわめいてろ…っと、これ、新しく仕入れた薬物だが、飲むか?」
そういって、荷物袋から青いビンを取り出す。
WIZ「お…おぉ…よこせ…(ごくごく)……ぐは…」
倒れるWIZ。ビンには「POTION」の文字が。
戦士「あーあ…勘違いで一人犠牲者が…ま、いいか…」
〜唐辛子〜
少女「あら…このコ、ご飯食べないわ…唐辛子あげすぎたかしら?
   これだから唐辛子使わないでって言ってるのに…マスターったら…」
姫 「それでしたら、これを使ってみてはいかがです?」
そういい、なにやら怪しげなにおいのするビンをだす。
少女「それは…今話題のアレ?やめておくわ。病気になったら困るじゃない。」
姫 「せっかくの…好意でしたのに…ぐすん…ぐすん…」
少女「うそ泣きでしょ。だまされないわよ。」
姫 「………ばたっ…」
少女「ふぁみ、ご飯よー」 (もしゃもしゃもしゃ…)
〜転売人〜
天使「あー今日もまた、危ない橋を渡り終えました…
   儲けはいいですが、すべてマスターのものですからね…
   いい加減、危ない仕事はやめてもらいたいものです…」
ぼやきながら食事を取ろうと青い鯨亭に入る天使。
槍子「あっ!私が同情して格安で売ってあげた天井を
   高額転売しやがった天使!」
ウェイトレスをして、食費を稼いでいるランサー。
彼女は天井を10Mでこの天使に売ったが、天使は12Mで転売したのだった。
天使「あー…それはもう、仕方の無いことです…
   安く仕入れ、高く売る。この店もそうしてあなたの給料を出しているのですから…」
いつも言われるため、言い訳は慣れている天使。
しかし、良心と、翼の傷はこの台詞を言うたびに痛み、傷つき、彼を蝕んでいく。
もう、彼は天界へとは戻れない。

137 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/14(火) 23:40:21 [ gowBXNz6 ]
>>黄鯖雑魚さん
子ども達にいい感じに呆れられているクーファンさんですが、なにかちょっと悲しい過去の持ち主っぽいですね。
さて、この墓の中にいる人にいつかスポットライトが照らされるのでしょうか/

>>ウォルガングさん
ん〜、渋い主人公ですなぁ。
オカー三角州って一度も行った事無いんですよねぇw
今度行ってみようかと思います。

>>118さん
こういう軽いノリのキャラは好きですよ^^
また、気が向いたら投下してみてください。お待ちしてます。

>>名無し物書き@赤石中さん
ずぅーっとソロばっかりしてると、たまにPT狩りが恋しくなる時ってありますよねぇ…。
さて、クリフ嬢は無事にヒメ嬢を助けることができるのでしょうか?
それとも満を持して、変態(ry が大活躍するのか?
後編をお待ちしています。

>>魔道書を捨てたWIZさん
巷で噂の某回復薬…。兄の話によれば、「炭酸の抜けきったオロナミンC」と想像しておけば間違いは無いとか何とか…^^;
>たびたび自作……
そういってもらえると、書き手としても嬉しいです^^

138 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/15(水) 01:06:44 [ gowBXNz6 ]
>>114
応接室の奥、ジャギドが座っていた椅子の後ろにあった扉が開かれる。
扉の中から出てきたのは一人の天使、その背に両翼は健在。そう、彼は追放天使ではない。
「皆、久しぶりだね。相変わらず君たちの声(歌)は、聞いていて心が暖まるよ」
人懐っこい笑みを浮かべ、天使が部屋の中にいる人外達に微笑みかける。
「タブリス…、吾らが終末なる者よ。うぬは地下聖堂で何をしておった?」
人狼が天使に問いかける。
「うん、ちょっとRED STONE(アダム)の様子が不安定でね。間に合わせだけど、鎮静結界を張ってきたんだ」
天使がやれやれと言わんばかりに肩をすくめる。
「不安定って…。もしかしてアダムがRED STONE(雛)に侵食されているの?それとも、その逆?」
死霊術師が深刻そうな面持ちで、天使を問い詰める。
「どちらも正解であり、不正解だよ、アルミサエル。双方の力が拮抗しているからこそ、今のRED STONEは不安定なんだ」
そしてそのことが君達を呼び寄せた理由だよ、天使の声は静かに室内に響いた。

始原第1位魔アダム、彼は正規の生命ではない。尤もそれは、彼を作り出した技術者(天使)達の弁である。
それを語るには神代の時代、まだ地上に生命は無く天上にしか文明が無かった時のまで遡る。
ある時、一人の天使がある壮大な計画を立案した。何も無い地上に文明を築かせよう、文明は競い合ってこそ成長する。
天上の更なる発展のために、我等が子等にして兄弟を生み出そう。独力で発展の限りを尽くした天使達は、すぐに飛びついた。
かくして、計画は実行される。地上は瞬く間に緑に溢れ、様々な生物が歩き回っていた。
だが第3段階、「知的生命」創造において計画史上始めての失敗作が生まれた。
それは混沌なるモノだった。
理性を得るということはそれと同時に、「善」と「悪」を生み出すこと同意である。
無論、天使達もそのことは知っていた。「悪」を知りながらそれに溺れず、「善」を遂行できる生命…。
しかし、目の前の存在はあまりにも理想からかけ離れていた。
「善」を知りながらも、「悪」としてか行動できない。いや、其れは其れなりに「善」を行おうとしたのだろう。
されど其れは過ち、理想とは程遠い混沌なるモノ、処分(抹殺)されるのは日の目を見るより明らかだった。
だが、そんな其れにも救いはあった。
「行こう。君はここで消えていく可能性じゃない。失敗だからって、大人しく消される必要は無いんだよ」
その救い主…タブリスは彼の存在を認めてくれた。「今日から、君の名前はアダム。新たな可能性の始まりさ」
かくて二つの存在は、天上より地上に堕り立つ。
アダムは混沌(あらゆる可能性の集合体)なるモノ、それ故に不純なる生命を生み出すことができ、不完全ながら命を同化させることができた。
これ即ち、後の天使により抹消された始原たる魔の始まり。

「ボクちゃん達で、本格的な鎮静結界を設置するつもりだね。タブ兄は」
タブリスの意図を察してサキエルが声を上げる。
「あぁその通りだよ、サキエル。ここにいる6人の内、3人は僕と一緒に結界陣作成、2人は媒介となる再生核の配置を…」
「待たれよタブリス、それだと1人ほどあまりがでるぞ?」
タブリスの言葉を遮りシャムシェルが発言する。
「慌てることはないよ、シャムシェル。その余った1人にはブリッジヘッドに行ってもらうんだよ」
「ブリッジヘッド…、人間共を捕獲して再生核でも量産するつもりかのう。タブリス?」
ラミエルが今一解せんと言わんばかりに声を上げる。
「違うよラミエル。『有得ざる』希望が近々この街にやって来るんだよ」
「………、ゴーファの血脈か」
ゼルエルが唸るように言葉を紡ぐ。
「うん。あれが僕たちの存在に気づけば十中八九、良くて計画は頓挫。最悪、永久的に実行不能になるだろうね」
「ならばその『希望』の破壊、私が承りましょうぞ」
そういうと同時にガギエルは、座っていた椅子から立ち上がる。
「私はこの7人の中では、最も瘴気のキャパシティが小さいですからな。結界作成には、手も足も出ません
 適材適所とはずばりこのことですな」
室内に誰も彼を止めるものはいない。
「それじゃ、お願いするわ。ガギエル」
「わらわもお主を信じよう、しくじりは許さんぞえ」
「あぁでもガギさん、もうちょっと遅れて行った方が面白いと思うお」
「吉報、期待している」
「頼んだぞ、ガギエルよ」
「悪いね、ガギエル。君だってここ(神聖都市)でやることがあるだろうに」
6者6様の見送りを背に
「お気になさらずに、皆さん。では、行って来ますかな」ガギエルは部屋を後にした。

139 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/18(土) 00:29:01 [ A22EieZU ]
小説書こうと思ってたが中止したので
NPCやらメインクエから集めた情報をまとめた資料だけ参考のため公開。
ほぼフランデル大陸の史実通りだと思う。


ゴドム共和国中等学校歴史教科書より抜粋、『旧ブルン暦、フランデル大陸興亡史』。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
4423年 「赤き空の日」 RED STONE降臨
4556年 追放天使の流した、RED STONEの噂。
       その真相調査を開始したエリプト帝国が悪魔の襲撃により崩壊。
4658年 帝国崩壊後、エリプト帝国の元傭兵等を集め、
       ブルン王室が王室直轄機関『レッドアイ』を設立。
4805年 『レッドアイ』会長失踪。ロムストグバイルの書記にて詳細判明。※資料1
       同年、ブルン国王アラドン失踪。
4807年 『レッドアイ』RED STONEを遂に発見。
       しかし同年、バルヘリ・シュトラディヴァディ主導による『シュトラディヴァディ家の反乱』
       が勃発。ブルン王国は崩壊。
4828年 共和国主義を唱えるバルヘリに対し、自らの地位を危惧した貴族らがバルヘリの母方
       ストラウム主導による再反乱を起こす。
       しかし戦況の不味により貴族らはビガプールに亡命、トラウザーを王に立て王国
       ナクリエマを設立。混乱のまま戦争は終結。
       バルヘリは古都ブルンネンシュティグに残り、ゴドム共和国を設立する。議会政治開始。
4850年 ナクリエマ王権を息子バルンロプトへ移しバルヘリ隠居、後年死亡。
4854年 バルンロプトは貴族の政治介入を疎んじ、貴族に対し『絶対的弾圧』を行う。
4856年 貴族は絶対的弾圧に対しバルンロプトの王権解除を望み、バルンロプトの息子が王にな
       る様企む。
       しかしバルンロプトを恐れた一部の貴族がそれを暴露し、企んだ貴族は反乱罪で処刑、
       当の息子は王にならないよう、バルンロプトにより幽閉される。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
4931年 現代。レッドアイ狂信者によるスマグ襲撃事件発生。狂信者はスマグ地下道を占拠。
       現ナクリエマ国王タートクラフト・カイザー・ストラウスがビックアイに傭兵を送り込み、
       謎の警戒態勢に入る。


※資料1 レッドアイ会長の失踪直前に記された、『補佐官スロムトグバイルの手記』 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「汝らの求めるREDSTONEは、汝らが思うような至高の宝ではない。
天空から複数略奪された、盗品の1つに過ぎぬのだ。
だからもしや、汝はあの宝をその手に入れ、富と名誉をも掴む事になるやも知れぬ。
だが忘るな!あれは至高の宝ではないのだ。それを忘れ暴走すれば、必ず汝を破滅に引導するだろう。
―――あの、ブルン終末の王と、●●●●●●●。」

 ブルン暦4805年12月8日 王室直轄機関『レッドアイ』会長 アイノ・ガスピル

 口頭筆記 会長補佐官スロムトグバイル
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●部分は黒で塗りつぶされている。

140 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/18(土) 00:33:10 [ A22EieZU ]

※追記
 
年代の一部はNPCの発言より創作
そのほか、『補佐官スロムトグバイルの手記』は公式より推敲

141 名前:ウォルガング 投稿日:2006/03/18(土) 15:00:22 [ sfJddLfY ]
「1話」>>115

「2話」
あれ?
いつもの場所に剣士が座っている。
飛ばされた低Lvかな?と思ったが鎧からして違うみたいだ。
今までここで人なんてみたことが無かったので声をかけてみた。
「何をしてるんですか?」
そう尋ねると、剣士は
「何を〜と言われると、困っちゃいますねw」
「リアルにも似たような場所があるんです、それでここに座っているとなぜか落ちつくので。」
どうやら俺と同じらしい。とりあえず
「同じですね、自分もこの場所好きなんですよ。」
と、返した。

それから、予約がくるまで色々と話をした。
「リアルでも似たような場所」には触れないように。

しばらく話をしているうちに予約がきたので、友録をしてその場を去った。

それから、たまにその場所で会うようになった。
彼とはLvが近いので狩場でも会うようになった。
さらにはリアルの歳も近いみたいだ。
彼も俺もギルドに入ってなかったので、一緒にギルドを作ったりもした。
今まで友達と言えるような人が居なかったので、とても楽しかった。








しかし、そんな楽しい日々はいつまでも続かなかった・・・・・・
(続)

142 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/21(火) 22:43:00 [ gowBXNz6 ]
当初の予定から遅れること2週間、ようやく自動車学校を卒業できた南東です。
でも、まだ免許センターでの学科が残ってるんですよねぇ(´・ω・`)

>>139さん
おぉ、現時点で分かる限りのフランデル大陸の正史(公式設定)ですか!
これは文字を書くときに貴重な資料になりますね、GJです!
あと、気が向いたら是非その資料を使って小説を書いてみてください。
自分も最初は設定だけを投下して、そこから書き始めたくちですから。

>>ウォルガングさん
孤独な主人公に、同じような境遇のプレイヤーとの出会いが…。
さて、楽しい日々を過ごしていた彼に訪れる事態とは?

143 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/22(水) 00:27:38 [ gowBXNz6 ]
>>138
夕暮れ時という時間にも関わらず、街のいたる所から聞こえる喧騒は未だに衰えてはいなかった。
やれ木材が足りないだの、その部品は別の場所に使う奴だの、依頼した冒険者が定刻に戻ってこないだの、港町らしい活気が溢れんばかりだ。
「噂に名高いブリッジヘッドの豊漁祭だが…、準備の時点で祭りと変わらねぇな」
間違ったパーツを持ってきた現場の監督に怒鳴りつけられ項垂れている見習いの後姿を見ながら、正直な感想を漏らす。
「仕方が無いですよ。祭りの時期には遠方からの観光客が多いですから、メインが豪華になればそれに比例して経済効果が得られますし」
未だやむことは無い喧騒を楽しそうに聞きながら、ゲイルが俺にここまでの準備をする理由を説明する。
まぁ、港湾事業以外で大量に金が手に入る機会があるのならば、最大限に利用したいのは当然か。
メインストリートをしばらく歩き、宿屋街に続く脇道に入る。
リリィ(ゲイル)の実家が宿屋を経営してるので、滞在中の宿代の心配は無い。尤も、こうやって積極的に宿屋の仕事なり準備なりを手伝うことが条件だが…。
その宿、「潮騒の華亭」に向かう道の途中で大量の洗濯物と格闘を繰り広げているギルドの仲間を見つけた。
アーチャーやサマナーの間に混じって、黒色の肌を持った大男が凄まじい速度かつ丁寧に次々とシーツを洗っていく。
その男の技量(洗濯に関してだが…)は正に魔法の領域と言っても過言ではないだろう。
「サリー嬢、その上着はぬるま湯で丁寧に洗った方が良い。その生地はあまり丈夫で無くてな、強引に洗うと直ぐに破ける。
 あぁ少し待ってくれツグミ嬢。
 その婦人服を洗うならこの洗剤を使うといい。灰汁2のオリーブ油3のオリジナル配合だ、その服の生地に良く馴染む。
 すまないがミリー嬢、そこの洗濯物の山から…あぁ、そのズボンだ。ありがとう」
ヒースの活躍によって、山のようにあった洗濯物が見る見る内に小さくなっていく。
「は、ははは…。いつ見てもヒースさんのあれは圧巻ですね…」
「あぁ。もう驚きを通り越して呆れるな…」
ごつい筋肉質の神官が嬉々として洗濯桶に向かっている…、まさにこの光景は違和感の極地。素人が下手に入っていい領域じゃない。
軽く魔境と化している横道を避け、表通りに面している入り口へと目的地を変更する。
しかしその入り口でも、かなり珍妙な格好をしたギルドメンバーを見かけることになった。
「な…なによ、私の顔に何かついてる?」
じろじろと俺達に見られるのが不快なのか、棘のある口調で話しかけてくるレナ。
「いや、それ以前にその格好はなんだ?」
「はぁ…。父さん、今年もやっぱりやるんだ…」
レナの言葉に俺は疑問で答え、ゲイルは心底呆れたような溜め息を吐きながらポツリと呟いた。
宿の入り口に立っていたのはレナ本人に間違いは無いのだが、何故にこの格好なのか?
港の海を意識してか、淡いブルーのワンピース。
そしてその上に、海の上に浮かぶ雲を連想させるようなフリル付きの白エプロン。
もちろん頭の上のカチューシャはお約束…、どこからどうみても典型的なメイドだった。
「し、仕方ないでしょう!?ガレフさんが『掻き入れ時だから、是非この格好で客寄せを頼む』って言うものだから…」
「すいません、レナさん。父さんの奇策に巻き込んでしまって…」
後にゲイルに尋ねたところ、準備に必要な資材を遠方から運んでくる業者が、本番の時は見物客が大量にこの街に流れ込む。
宿屋にとってはどちらも金の卵を産む鶏、是が非でも自分の宿に泊まっていって欲しい。
そこでこの宿の主人、ミネルヴァ姉弟の父たるガレフさんが宿の従業員の綺麗処にメイド服を着せて、客寄せを行うという荒業を敢行した。
結果は大成功。長い旅路で身も心も疲れた商団の野郎共には、どんな酒よりもこれは喜ばしいものだった。
以降、この時期になるとこの宿屋は若い女性従業員の制服はこれが定番となったらしい。
「おぉ、ゲイルにジャック。戻ってきてたんか。厨房でリリィとアルシェさんと助手一名が待っとったで」
カランカランと、音を立て宿の扉が開かれる。中から出てきた女性もこれまたメイド服。
背中の半ばまである真紅の頭髪を、無造作に後ろに纏めて俗に言うポニーテール。もちろん、子憎たらしい程に似合っている。
少しキツイ感じの印象を受ける瞳と丸メガネが見事に混ざり合い、理知的な美人、という雰囲気をかもし出している。
体型は俗に言う、ボン・キュッ・ボン(他に例えようがないとはいえ、この表現はな…)というやつだろうか?
まぁ、正体は最初の口調で分りきっているだろうが…。

144 名前:黄鯖雑魚 投稿日:2006/03/23(木) 21:52:33 [ AkFk/XuA ]
一話目>>103 二話目>>112  さらに調子に乗ってみる('A`)

日付が変わり、うっすらと朝日が差し込んでくる。
「いでっ!」
ティムの悲鳴が6人が寝ている寝室に響く。
「ってぇなぁ…あ、そうか。部屋がないからみんな同じ部屋で寝てるのか…」
かわいい妹の寝返り際のエルボーで目覚めたティムは頭をくしゃくしゃとかく。
リビング、台所、トイレ、寝室(それなりに広い応客間)、物置(少し狭い部屋)にロフトがあるだけの
小さな家に6人も住むならば、致し方ないことかもしれない。
(早く起きちまった…古都にでも行って時間つぶすか)
と、古い羊皮紙に書置きをして、古都へと歩いていく。

朝の古都は人が少なく、装飾が施された建物が朝日を反射して
なんとも幻想的な都になっている。
噴水なんかは良い例だろう。装飾のみならず水も朝日を反射して宝石のように輝いている。
(静かでキレイだな…日が昇れば賑やかになるんだろうけど)
生活に役立ちそうな要所をまわる。
百貨店、公園、武器屋、防具屋などなど、古都にはさまざまな施設が多い。
(やっぱし広い。こりゃスティーブ、道に迷いそうだな…)
と頼りない弟のことを心配していると、路地裏から幼い悲鳴が聞こえる。
こんな朝早くにそんなところから悲鳴がするなんて、ただ事ではない。
盾は家に置いてきたうえに、剣も護身用の頼りない剣しかない。
剣を構えながら、悲鳴のした場所へと向かう。
「どうした!?」
「あ?なんだ、お前は?」
いかにも柄の悪そうな、同業者が小さい女の子に絡んでいる。
「おいおい、そんな小さな娘に何してんだ?あんたも剣士なら己の剣に恥じぬ行為をしろよな」
「あ、あの…」と、小さな女の子が潤んだ瞳でティムを見る。
するとティムの表情が一変した。
「き、君は…!」
なぜだろうか、この時のティムの顔を見ていた二人は
一生をかけて見る分の恐怖、邪念、憎悪を一瞬で見てしまったかのように汗をたらし凍っていた。

145 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/03/23(木) 22:39:06 [ W8BAcf5I ]
>>139,140氏
その歴史年表、イエスだね! まとめサンクスです。
よもやこのゲームにこんなオモい公式設定があったとは……いやはやビックリ。

……ええ。
後編書き直しじゃあ(`Д´)ノ

146 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/24(金) 18:55:06 [ gowBXNz6 ]
>>黄鯖雑魚さん
なにやらティム関連で一波乱ありそうな予感ですね。
あと、同じ部屋で雑魚寝って結構ほのぼのとしたシチュですよね。

>>名無し物書き@赤石中さん
あれ、どこかで見たことある言い回しが…。元ネタは、某ブレンのパイロットですか?
とまぁ、ネタはさておいて後編の書き直し頑張ってください。

147 名前:リ・クロス 投稿日:2006/03/24(金) 19:16:57 [ r1jmaOxM ]
前スレ>>986 >>39 >>56 >>69 キャラ紹介>>38
>>100


まるで、初めからそこに居たように現れた
巨大な紺色の鎧の怪物と、大剣を持っている骸骨など
様々なモンスターが、ブルネンシュティング英霊騎士団と戦闘している。

「くそっ!何故こんな事に成っているんだ!!」

目の前から現れた骸骨に、タンクラッシュを食らわして吹き飛ばし
横から来た斬撃を盾で防ぎ、反撃に突きを放った。

「そこの騎士!伏せなさい!!」

自分に対して言われたのかは分からなかったが
体が本能的に動き、コンプリートプロテクションを発動する。
空気を裂く様な音と共に、一本のランスが飛んでいき
斜線上に居た骸骨達を粉砕し、さらに放射に撃たれた矢によって
空中に浮遊していたディムジェスターを撃ち落した。

「残存兵をまとめて西通りと南通りを守護して、後はここで食い止める。」

どういう仕掛けか、戻ってきた大型ランス――――スクリュードライバーを
やや小柄な槍弓兵――――セリスが掴み取った。
夕焼けの光に照らされて、艶やかに髪が輝いている。

「了解した、ここは任せるぞ。」

苦笑しながら騎士は返事を返すと、盾を構えながら南西に走っていった。

「エリシア、今のってもしかして・・・。」

「ブルネンシュティング英霊騎士団元帥、ケイルン=ハートレットだな。」

言おうとしていた事を、イルムに言われてしまったエリシアが
頬を膨らめて怒ると、傍らのホーンドがイルムを睨みつける。

「彼があんなにやられてるなんて・・・、姉さん後ろに三体居ます!!」

即座に弓を放り投げると、ランスを大きく振り回して間合いを取り
素早く手近な骸骨に狙いを付けると、頭部を突いて倒して
空中に浮かんだ弓から、大量の矢が骸骨に殺到して粉砕する。

「神の怒りを汝の身で受けよ!今こそ裁きの歌を奏でる!
ライトニングシンフォニー!!」

イルムが呪文を唱えると、杖から凄まじい量の光が発せられて雷撃と化し
紫電を放つ巨大な槍となって、モンスター達に降り注いだ。
まともにそれを食らったシャドウス達が、炭の様になり
付近に居た骸骨やジャイアントも、余波の雷撃で同じように炭になった。

「面倒だな、一気にぶっ潰してやる!!」

スィフィーは、鞄の中から大量の投げ短剣を手に取ると
跳び上がると、回転しながら一気に投げ放った。
無防備に体を出していた者は勿論、壁から跳ね返った短剣で
死角で潜んでいた者も、短剣が突き刺さった。

「エリシアは、生存者の保護をお願いね。スィフィーとイルムは、一緒に来てね。
残りは英霊騎士団と合流して、そこのケイルンの指示に従って。」

「「「了解!!」」」




「貴様の目的は何だ?」

「・・・・・・・・・。」

もう何度目か忘れてしまうほどの回数尋ねたことを
イラついた口調で黒い騎士に尋ねるスコール。
しかし、騎士は何も言わずただこちらに突きかかってる。

「答えろ!!」

突き込まれたランスを蹴り上げて、大剣を横に振るうが
分厚い篭手によって受け止められて弾かれる。
その勢いによってよろめいたところに放たれた槍が
スコールの右肩をショルダーパッドごと貫いた。

「ぐぁっ!!」

「冷静さを欠いた人間など、他愛も無いものよ。」

「・・・――――!?」

突然出現した黒い槍が、スコールの腹を貫通し
虚空から黒い外套を纏った少女が微笑みながら現れた。

「くぅ・・・これまでか・・・。」

少女が指を鳴らした刹那に、ランスが心臓を貫いた。

148 名前:リ・クロス 投稿日:2006/03/24(金) 19:24:22 [ r1jmaOxM ]
感想をわざわざ書いていただいてるのに
全く返せなくてすいませんOTL
こんな雑文で良ければ読んで頂けたら有難いです。

149 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/24(金) 19:52:07 [ gowBXNz6 ]
>>143
「えぇ、今戻ったところですよア……」
「オイオイオイ、なんだよゲイル。こんな美人と知り合いなら俺に紹介してくれよ!」
突然の乱入者にゲイルの言葉がかき消される。声の主は、ギルドメンバーである剣士のものだった。
「あぁ、毎度の事だが…。おめぇはいつでも突然だな、ダニエル」
「おっとそう言って下さんな、ジャックの旦那。俺に隠れてこんな美人と顔見知りになっているダチを見かけたら、ねぇ?」
「俺に同意を求めるな…」
どうにも、こいつは今しがた戻ってきたようだな。
「さ、というわけでゲイル君。俺にもその美女とお近づきにならせてくれ」
「え…、でも…」
「えぇい、いいからどいてくれ!大体お前は恵まれすぎなんだよ、ゲイル!マスターみたいに可愛い姉だけじゃなく、こんな眼鏡美人まで…!」
まぁ正体を知っているゲイルからすれば、ここは純粋に友のためを思って止めているのだろう。
だが、準備中とはいえ折角の祭り。ハプニングの一つや二つあった方が盛り上がるだろう。
「良いじゃねぇか、ゲイル。思う存分、そいつの気が済むまで相手させりゃあ」
「流石旦那!俺の気持ちを分ってらっしゃる、やっぱアンタにはかなわねぇな」
そういうや否や、グイっとゲイルを押しのけ赤毛の女の前に乗り出す生贄(ダニエル)。
あぁ、ゲイル。そう俺を睨むな。祭りなのだから、物事には寛容に行こうじゃないか。
「初めまして、美しい人。このギルドに貴女のような女性が所属していたなんて…、どうです?お近づきのしるしにお茶を一杯…」
「なに、阿呆な事言ってるん。ダニエル?」
「は?」
見知らぬ女性の口から飛び出す、聞き知った口調。よし、ナイスリアクションだ。ダニエル君!本当に目が点になってるぞ。
「え…、いや…、ちょ…、も…もしかして……」
「そかそか。アンタはウチの事を獣化を解いても、獣じみた野生的で見苦しい女やと思ってたんやな…」
それってむっちゃ傷つくわぁ、と凄みのある微笑を浮かべながら赤毛の女…アニーがダニエルの肩に両手を置く。
「は、ははははははは…。そ、そんなわけ無いっすよ……って、ゲイルに旦那!見てないで助けてくれよ〜〜!!」
目の幅涙を流しながら、必死に俺達に助けを請うダニエル。自分から振っておいてなんだが、そんな命知らずな事はごめん被りたい。
「ま、ダチの制止は真摯に受け止めろって事だな。じゃ、頑張って生き残ってくれ。」
そう無責任に言い残して、足早に宿屋の中へと消えて行く俺。
「だ、旦那の薄情者〜〜!ゲイル、お前は俺を助けてくれるよな、な!?」
「ごめんよ、ゲイル。助け出したいのは山々だけど…、恨むならジャックさんを恨んでくれると嬉しいな」
心底残念そうに友に自分の意見を伝え、そそくさと俺の背中を追うように宿の中へと消えていくゲイル。
「うおぉぉぉぉぉぉい!そりゃねぇだろぉぉぉぉぉぉ!!!!????」
「さぁ、ちょっと裏行こか?アンタの意見、詳しく聞きたいわぁ」
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜……!!」

150 名前:黄鯖雑魚 投稿日:2006/03/24(金) 20:49:37 [ AkFk/XuA ]
一話目>>103 二話目>>112 三話目>>144 最近、調子に乗ってる俺ガイル('A`)

「君は…君は…!」
ティムの目つきが豹変する。
「な、なんなんだよ、てめぇはぁ…!」
女の子は、視線を定められずおどおどしている。
「許さねぇ…そこの女!」
突然、呼ばれたために「え?私?」という驚いた表情でティムを見る。
「お前には…死んでもらうぞ…忘れもしない…」
「うるせぇ!何ごちゃごちゃ話してん…」
野郎が言い終わるか否かのタイミングでティムの拳が野郎の意識を持っていく。
「え?あ、あの私…」
ティムの剣が女の子の首にピタッと当てられる。
「お前は…忘れたわけじゃないな…『魔女』…」
「…え?…」
未だに状況を飲み込めないのか、相変わらずのなみだ目でティムの鬼の形相を見ている。
「死ね…これだけは、俺の中で決められていたことだ…」
首に当てていた剣を持ち替えて、大きく振り上げる。
「悪く思うな。これだけは…これだけは…」
細身の剣が音をたてながら、空を切る。
「ティム!」
すんでのところでティムの剣がとまる。
「姉さん、起きたのか…」
「どうしたの!? …あなた、怖い顔してるわ…」
「…聞かないでくれ」
姉の声にも聞く耳を持たず、もう一度剣を振り上げ、「次こそは」という表情をして女の子の方に向きなおす。
「終わりだ…」
二度目の空を切る音が、人気の無い路地裏に響く。


そして次にティムが目を覚ましたのはおよそ2時間後の自宅、リビングである。

151 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/03/24(金) 21:57:57 [ W8BAcf5I ]
>>南当方不勝
『イエスだね!』で勘付いてくれましたか? そのツッコミを待ってました。
それではこれからはわかる人にはわかるネタを存分に盛り込んでお送りしますね。ふふふ。

152 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/28(火) 19:17:59 [ IL2fAdgQ ]
私、サラ。
今日の夜10時にビショップさんとかの武器を売っている
チョキーさんと待ち合わせしてるんです。
1)いく
2)いかない

153 名前:ちょwww名無しwww 投稿日:2006/03/28(火) 20:16:53 [ gFnezeBM ]
勇者様は何をする?
⇒サザンクロス
 スウィングインフィニティー
 パラレルスティング
 ファイナルチャージング

154 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/03/28(火) 21:16:12 [ QS1Cbi/M ]
タイトル:たぶんこれより、白くて綺麗
――――――――――
最初に症状が出始めたのは六ヶ月くらい前だった。

モンスターの退治を終えると何時もよりも体が重たい。

それがはじめは10回に1回、そして具合が良くなり、また少しするとだるさを感じる。

段々とだるさを感じるペースが短くなり、慢性的なだるさを感じるようになる。

だいたい、それと同じ時期に微熱が現れ始める。

微熱、倦怠感、かすり傷から出る血が止まらない。

段々と不自然になった体を思い、医者に見せると「原因不明の奇病」と言われた。

どうやら古都に行けば解決法があるらしい、そんなわけで俺は古都に来た。

ブリジヘッドとは違う、騒々しさのある街だった。

古都の医者に体を見てもらった。医者は採決をして、それから顔をゆがめて言った。

「今の医学では残念ながら治せない病気です。これから詳しくお話しましょう。」

ドラマみたいだと思った。

「モンスターの種があなたには埋め込まれています。」

「はい?」

頭の悪い自分には良くわからない比喩表現だと思った。

医者や科学者が比喩表現を使うのは、おかしいと思う。

「先生、わかりやすいように教えてください。比喩抜きで。」

コホン、と医者は咳払いをした。

「比喩ではないです。本当にモンスターの種です。」

155 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/03/28(火) 21:16:45 [ QS1Cbi/M ]
今度は俺が咳払いをしてみた。自分を支えている地面が、少しだけ傾いた気がする。微熱――

「あなたはモンスターの種に蝕まれているのです。もの凄く稀なことですが、
人がモンスターに触れたり、返り血を浴びたりすると、モンスターの種を植え付けられることがあります。
細かい、細胞単位のタネです。普通の人は蝕まれません。ただ、たまに蝕まれる人もいます」

「それで、俺は死ぬんですか?」

とりあえず聴いてみた。まぁ、死ぬ覚悟は昔から出来ていた。

「死にはしません。ただ、生まれ変わります。細胞が一つ一つ、着実にモンスターのものに変わっていきます。」

「いずれ、俺はモンスターになると。」

「はい」

「期間は?」

「わかりません、ただ体力と精神力の問題です。体が種に負ければ、死ぬかモンスターになります。
いずれは気が狂ってモンスターです。意識を強く持てば、気が狂うまでの時間は長くなります。」

よく解らない説明を聞いてから、病院を出てた。そういえばこの医者はコボルトの服を集めているらしい。

俺はコボルトにでもなるのだろうか。

考えても仕方がない、ただ、体が着実に腐っていくことは事実だった。

その日、バーで酒を飲んでいると一人の男に声をかけられた。
「うん?」

「あんた、逃げられないよ。」

男は言った。宗教勧誘みたいだった。

「逃げられない?」

「遅かれ早かれ気が狂うんだ。まず体が動かなくなる。それから頭をやられるんだ。体よりも、頭は弱いからね。
そうすると段々と精神が疲れてくる。そこまでくればあとは秒読みだよ。もう止まらない。
体が動かない分だけ、色々なことを考えるんだ。そして糸が切れる。プツン、終わりだ。」

「ふうん。よく知ってるね。」

「鼻が利くんだ。人が他人を自分より強いか弱いかを見分けるみたいに。」

「案内したい所があるんだ。運命の分かれ道。死ぬか、生きるかなんだ。」

156 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/03/28(火) 21:17:17 [ QS1Cbi/M ]
男に言われるままにバーを出て、古都を出て、よくわからない洞窟に入った。

大した不信感も抱かなかった。世の中、どうしようもないことがあれば人は諦める。

洞窟を入って少し歩くと、たいまつの灯が見えた。男たちが5,6人固まっていた。

「あなたも、種ですね」

グループから一人が出てきて言った。

「よくわかるね。」

「私たちは鼻が利きます。医者が病状を見極めるように。」

「ふうむ。」

世の中、色々なセリフが存在する。

「種、その仕組みを知っていますか?」

「医者から少し聞いたけど。」

「あんなものは説明じゃない。」

案内した男が言った。

「詳しく説明します。」

別の男が言った。

「種はモンスターに触れたりすると感染します。逃れる方法は一つです。まぁそれは置いておきましょう。
種は細胞をどんどん組み替えて、モンスターの物にしていきます。逃れる術はありません。
種は生きています。あなたの血を吸い、肉を食んで成長していきます。でも、それだけではありません。
この病は一つの呪いです。あなたはおそらく、これから悩むことになります。その悩みは体の中で石になり、
種は石を食べて、さらに大きくなります。あなたはその成長を感じるでしょう。
日常の中に段々と陰りがさし、その陰りはやがて一つのシステムとしてあなたを飲み込みます。
この病の恐ろしいところは、その陰りが人々にも自然に伝わることです。陰りは広がって、別の形を取って、
別の人を飲み込みます。別の人はそれに気がつきません、肉体的な症状も出ません。
でも、いつか陰に飲み込まれます。それがこの呪いの厄介な所です。この呪いは、まったく別の形を取って、
他の人にのりうつります。」

「ふうむ。」

それ以外言うべき言葉はあまり思いつかなかった。

どうも、俺の理解の範疇を超えているみたいだと思った。

157 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/03/28(火) 21:17:59 [ QS1Cbi/M ]
それからよくわからないけども、宿に戻って寝た。寝るときに嫌な夢を見た。

綺麗な草原を歩いていると、俺は転んでしまう。ちょっとした擦り傷が出来る。

傷を見ると、傷からは絶え間なく、黄色い汁が溢れ出す。

そんな夢だった。嫌な夢だった。せめて綺麗な草原でなく、暗い洞窟で転べばいいのだ。

起きてから、やることもないのでゴロゴロしていた。それから怖くなったので、街に出て、

道行く人々を眺めた。太陽が出て、人々が忙しなく動いているのは幸せだと思った。

「よう。」

後ろから声が聞こえたので、振り返った。昨日バーで会った男だった。

よくわかったものだ。鼻が利くのだろう。

「あんた、生き残りたいか?」

「そりゃね。」

「方法はあるんだ。」

「なに?」

「人の生き血を吸って、生の肉を食べるんだ。」

「まっぴらゴメンだね。あんたは食ったのか?」

「食わなきゃ生きていけないもの。食ったよ。」

「じゃああんたはモンスターだ。」

「あんただってモンスターだよ。」

その通りだった。

「あそこの洞窟は種にかかった人が住み着くんだ。体はモンスターだが、意識はしっかりと人間だよ。」

「みんな何してるんだ?」

「レッドストーンを探してるんだよ。」

「何で?」

「人間に戻るために。」

「はかない望みだと思うけどな。」

「儚くないよ。血を吸って、肉を食えば死ななくなるから。」

「そうなの?」

「そうだよ。肉体が変わってしまうんだ。体そのものが癌細胞に変化するようなもんだよ。

人によっては、日光に弱くなったり、タメネギやニンニクにアレルギーが出るけどね」

「まるで吸血鬼だな。」

「吸血鬼だよ。そのものだね、まさに。」

「死んだ方がましだ。」

158 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/03/28(火) 21:18:29 [ QS1Cbi/M ]
そう言ってから宿に戻った。宿に戻ると猛烈な吐き気がして、洗面場で血を吐いた。

鼻につく匂いのする血だった。

それから口を拭いて、近所の酒屋で酒を買って、飲んだ。

出来ればこのまま酒に溺れて死にたいと思った。でも、意識はハッキリしていた。

モンスターになると酔わなくなるかもしれない。

酒に飽きると、段々と恐怖が襲ってきた。昔から死ぬことは覚悟していた。

モンスターと戦って死に掛けたこともあった。

でも、どの恐怖とも違っていた。最悪だと思った。

自分ひとりで責任を取らなければいけない死に方だった。

モンスターを殺したという、罪と憎悪に溺れることは、本当に最悪だった。

俺は今まで、モンスターを殺して、金を稼ぎ、生きてきた。感謝されたこともあった。

それが何だというのだろう。どんどんと体は深い渦に飲み込まれていった。

それから窓を開けて、人々が行きかう道を眺めた。

宿を飛び出して、昨日の洞窟へと向かった。まだ死にたくないと思った。

洞窟手前の草原を走っていると、転んで足に大きな傷が出来た。

運悪く、石に膝をぶつけたのだ。緑色の血が肉体から出て来た。

モンスターの血とも、人間の血とも違っていた。夢と同じような光景だった。

それから、再び血を吐いた、やはり緑色だった。

グルルルという唸り声が聞こえた。狼がいつの間にか現れていた。

足に痛みが走った。狼が噛み付いたのだ。それを合図に、他の狼も一斉に襲い掛かってきた。

痛みは、既に痛みではなかった。めまいがするだけだった。視界に緑色のフィルターがかかった。

それからある光景が脳裏に浮かんだ。

俺の死体から、一本の眼が萌え、それが樹に成長していった。

緑色の血と、草原の見分けがうまくつかなかった。

―Fin―

159 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/29(水) 00:12:16 [ gowBXNz6 ]
4月の頭から、遠出をする南東です。あぁ、荷造りが面どいですよorz

>>リ・クロスさん
お、アルクェイト姉妹が参戦しましたね。
って…、スコールぅぅぅぅぅぅ!!!
黒の少女強いですね。
あと今更ながら気づいたのですが…。騎士団の名前とかの元ネタは、某戦争からですかね?

>>黄鯖雑魚さん
う〜むティム君、実に少女に対してお冠ですね…。一体、彼女と間に何があったのか?
あと、路地裏でティム君を気絶させたのはやっぱり姉さんですかね?
続き、お待ちしてますね。

>>戦士のようださん
おぉ、お久しぶりです。
今回もシリアスなお話ですねぇ。自分もこのくらいうまく書けたらいいんですが…。

追伸:あちらでの活動も頑張ってください。

160 名前:黄鯖雑魚 投稿日:2006/03/29(水) 21:11:33 [ AkFk/XuA ]
一話目>>103 二話目>>112 三話目>>144 四話目>>150

「?」
目覚めたティムはなぜ自分がここにいるんだ?という顔であたりを見渡す。
自分を心配そうに見ている家族。そして──『魔女』──
「あ、あの…」
自分を殺そうとしていた相手にも、心配している『魔女』。
「ティム、あなたどうしたの?」
ミアが心配そうに聞く。
今まで人に剣を向けることがなかった弟が、こんな小さい女の子に剣を向けたことが
よっぽど不安だったのだろう。複雑な表情である。
「え?あぁ、うん、まぁその、なんだ…」
ティムはどうすればいいのか、と目を泳がす。
「ティム兄、無理しなくていいんだよ?」と兄を気遣うミレナ。
「…………なんだ、話す気ないのか……」と兄を突き放すスティーブ。
しばらくの沈黙の後、ティムがようやく口を開く。
「あのさ…こんなことしておいて、ことを大げさにしてなんだけどさ…
 今回のことは、聞かないでくれるかな。俺、その子と話がしたいんだ…」
あの時とは打って変わって冷静になったティムを見てミアは少しばかり安心した。
「ま、今回のことはティム、お前が好きにしろ」
珍しく厳格な顔のクーファンにティムは戸惑いながらも頷いた。
「えと、さっきはごめんね。許してくれるかな…?」
刃を向け、殺意をぶつけた相手が許してくれるなんてそう無いが、一応許しを請う。
「え?あ、はい…私は大丈夫です」
許してくれると思ってなかったので、思わず素っ頓狂な声を出す。
「へあ?…あ、そっか、ありがとう。名前は?」
「フィーユです」
「そうか、フィーユさん…でいいかな、少し話がしたいんだけど」
「…はい、わかりました」

剣を置いて、フィーユをつれて家を出るティム。
それを見て家族は思い思いに話し出す。
まず父親を横目で見てクリスが「父さん、思ったより真面目だったね」とため息をつきながら言う。
「なぁに言ってんだ、俺だってなぁ親父のはしくれだぞ?当たり前だろうが」
豪快に笑い飛ばして言うクーファンを見て「やれやれ」という手振りをする。
「でも…ティム、何があったんだろう?」と、やはり心配そうにミアが切り出す。
ミレナが悪いことを思いついた子どもの様に笑って「ティム兄、ロリコ…」と言いかけて
「なんでもない、ごめんごめん」と、失言だったかな、という表情で家族に言う。
「……まぁ、兄貴のことだから…任せておけばいいんじゃない?」
一番年下のはずのスティーブが、一番ティムのことを理解していたことに
家族みんなが少し頬を赤らめて散った。
「ふん……」
スティーブの少し満足げな表情が、誰も見ていない時、咲いていた。

161 名前:黄鯖雑魚 投稿日:2006/03/29(水) 21:14:33 [ AkFk/XuA ]
ま、また!

吊ってくる

162 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/29(水) 22:17:01 [ QS1Cbi/M ]
ロマサガ2をレッドストーンで煮込んでみた話…

―――――プロローグ―――――

七天使・・・かつて悪しき悪魔を屠り、赤石の欠片を集め

いずこかへ消え去った七人の英雄…七人はそして伝説へ

世が平和になると、人々は英雄を忘れた

だが、再び世界は乱れ、人々は七英雄の伝説を語った

彼らは来た…だが……

―――――――――――――――

ロマサガ2のパロです。ネタのにおいがゲロ並にぷんぷんしますが
まじめに話を進めるつもりです
ちなみにラストは原作と違ってどんでん返しの予定です
まぁ、簡単に言えば、元ネタ知ってる人は生暖かく見守って欲しい
そんなわけです。はい(´・ω・`)

163 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/29(水) 22:54:20 [ QS1Cbi/M ]
ロマサガ2をレッドストーンで煮込んでみた話 ?


ガヤガヤとにぎやかな酒場で、緑色と黄色をメインにした服を着ている詩人は詠い始めた。
その酒場には色々な人が居た。戦士や、商人や、老いぼれや、青年も…
その中に一人だけ、雰囲気の違う女性が居た。その女性は静かにミルクを飲みながら、
詩人が奏でる琴の音色と、艶のある男詩人の声に耳を傾けていた。
その女は、若くて綺麗で、どこか抒情詩を連想させる運命的な儚さをそなえていた。


~~~~~~~~~~


ここに始まるは はるかなる戦いの詩  偉大な帝国と うるわしきブルネンシュティングの詩

そして 代々の皇帝とその仲間達の詩   この詩をうたい終えられるよう  精霊よ、我に力をあたえよ!

今は昔、皇帝レオンの時 帝国は大陸の小さな国に 成り下がっていた。

大陸は麻のように乱れ 争いは絶えなかった。
レオンは統一の志を立て 日々戦いに明け暮れた。

彼には二人の息子があった。 雄々しきヴィクトールと 優しきジェラール。

その日 レオンはジェラールを連れ モンスターの討伐に出た‥‥


~~~~~~~~~~


「よいかジェラール われわれは陣形を作って戦う 私が中心に立ち、 防御力の高いベアが先頭、
両サイドをジェイムズと テレーズが固める。 お前は私の後ろに立つ。 お前のポジションが一番安全だ。
安心して戦え。 ここのモンスターには 付近の住民も苦しめられている。
モンスターを追い払い、 このダンジョンを封印するのだ。 皆も頼むぞ!」

「はい。」
「では、いくぞ。」
コボルトの洞窟を十字架のような形になって戦闘のベア、中心位置にいる皇帝のレオン、
その両脇につくジェイムズとテレーズ、そして後衛のジェラールは、ゆっくりと歩きながら進んだ。

コボルトを少し蹴散らしては、また進み。また蹴散らしては進んだ。
後衛のジェラールは、最初は緊張していたが、次第に気持ちが緩み始めていた。
戦闘の大半は、勇敢な兵士と、父が始末していたからだった。
ジェラールは本の続きが読みたかった。あくびも少し出そうだった。

「ジェラール、どうだ?」
父のレオンがジェラールに話しかけた。ジェラールはただ首を振った。
感想は特になかった。
「モンスターもあらかた消えたし、城に戻ろう。」
「はい。」
コボルトの洞窟を出てから、入り口を厳重に封印した。

 ――帝国令第772――
――この地を封印する――

  ――レオン――

コボルトの洞窟を封印してから古都へとレオン達は凱旋した。
城へ帰ると兵士たちは宿舎に戻り。レオンとジェラールは玉座の間へと戻った。

164 名前:ドリーム 投稿日:2006/03/29(水) 22:55:08 [ wBvbm9gI ]
自分の書いた奴を終えるのをすっかり忘れてましたorz


とりあえず返信・・
>>南東方不勝さん
リムの戦闘能力は仕様でs(ry

>>名無し物書き@赤石中さん
とりあえずエロのほうはスルースキルONでお願いします(ぇ




「な・・なんですって・・?」ミレルは驚きを隠せない。突然の事にめまいすらしてきた
突然言われたら誰でも戸惑うであろう。
「嘘ではない、俺は見たんだ!赤い魔石に見せてもらった・・俺の記憶を」
レイドは確かに見ていた。そう・・・自分の過去、そしてミレルの過去を
だがそれは・・・今と同じだった、今とまったく同じの過去だった。
そしてこれから起こることもレイドは知っていた、しかしとめられない。
運命の歯車は止まる事を知らない。
「お前ら・・何してるんだ・・?」そこにリムを背負いながらのバースとヴィードが居た
「皆・・・私・・・私」涙が出そうだった。でも出なかった、まるで次に起こることを最初から知っていたためなのかはわからない
だがこれだけは確実だ。

バースの胸をレイドのダガーが貫き心の臓を止める。そしてリムの心の臓も止まった。
「な・・・レイド・・・お前・・・」ヴィードはわからなかった。
親友に殺される、仲間が親友に殺される、そして自分も今死んだ。

「え・・・?皆・・・バース・・?リムちゃん・・?ヴィードォォォォォォォォ」
私は叫んだ。けど・・涙は出ない・・何故?こうなる事を知っていたから?
「ミレル・・・いや・・イヴ、また二人で世界を作ろう、そしたらまたあいつらと会える」
ミレルの心に憎しみが満ちた。
「違う・・違うわ、バースもリムちゃんもヴィードも・・・彼らは一人しかいない、私の確かな記憶にのこってる彼らは彼らしかいないのよ!!」
そのときだった。

お互いは見ただろう。レイドには赤い炎を、ミレルには青い炎を纏っていることを。

165 名前:ドリーム 投稿日:2006/03/29(水) 23:07:57 [ wBvbm9gI ]
「レイド貴方だけは・・・貴方だけは許せないの!!」ミレルはこのとき初めて涙が出た
仲間が死んだときは泣かなかったのに、何故レイドと戦うと私は泣くの?
もう何も考えたくない、今はこの怒りに、悲しみに、憎しみに体を任せて居たい
「やめろ!俺が死んだら世界がかわる!俺もお前も死んでしまうぞ」
レイドの言葉は嘘ではないだろう、しかしミレルはそんなことはどうでもよかった。
「もう皆はいない・・・こんなことが永遠に運命として続くなら、私が此処でとめる!!」
お互いの心と心がぶつかり合う、空間は捩れ、そして空気すら歪む。








もう何時間戦っただろう・・・しかし戦いは終わらない・・・


レイド・・・貴方だけは・・・貴方だけは!!!!
この気合が一瞬レイドを上回った。レイドの炎は消え失せミレルの青く悲しい炎にレイドは焼かれた。
もちろん体は焼かれない、心が焼ききれた。
まるで・・最初からそこには無かったように・・・・



はっ!!
ミレルが気がついたときには周りは白くなにもない。あるのは物が3個とレイドが倒れている
もう息はない・・・
「ねぇ・・・私分かったの・・・私達は踊らされていたのよね・・・」
何も無い空白の空に問いただす。
「そうでしょう・・リムちゃん・・バース・・・ヴィード・・レイド・・・」
「皆引き寄せられていたのよね・・・赤い・・・果実(魔石)に・・・・ね」











小鳥が囀り、川の流れが耳を満たす。そんな朝の事・・・そう歯車は止まらない




彼らという存在・・・そして




赤い果実がある限り







END・・・

166 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/30(木) 01:09:03 [ gowBXNz6 ]
>>149
背後から聞こえる憐れな子羊の断末魔を極力気にしないようにしながら、ゆったりとしたエントランスを抜け
一階の奥にある厨房へと向かって歩く。
「潮騒の華」亭は三階建ての宿屋で、一階は厨房等の裏方の仕事場と店主家族の居住スペース。
二階から三階は全て客室になっている。総部屋数は二十、夫婦で経営している宿屋としては充分すぎるほどだ。
ちなみに、その部屋の内の半分は俺達ギルド員の仮住まいとなっている。
カウンター横の従業員専用通路に入って程なくして、厨房の扉の前に辿り着く。
少し大きめの木製のドアを押し、更に奥へと足を踏み入れる。
「あらあら、ジャックさんにゲイル君。お魚は沢山釣れましたか?」
「遅いですわよ、ジャックにゲイル。急がないと夕食の時間に間に合いませんわ!」
「お、兄貴にゲイル。おかえり〜」
まったく温かみが違う親子(+1)の声が俺とゲイルにかけられる。
最初に聞こえてきたおっとりとした出迎えの言葉が、ミネルヴァ姉弟の母であるアルシェさん。
少しウェーブのかかった肩ほどの長さのブロンドヘアーの持ち主で、自他共に認めるマイペースな人である。
あぁ、服装はメイド服じゃないから安心しろ。ワンピースに腰エプロンをつけてるだけだから。
二番目のきつめの出迎えは言わずもがな、リリィのものである。
親の手伝いで帰郷しているため、服装はもちろん父親の意向に従って外にいたレナやアニーと同じデザインのメイド服。
ちなみにリリィがこの服を着た時のギルの反応が面白かった事については、胸に止めておこう。
最期に聞こえてきた暢気な声は、その面白い反応をやってくれたギルだ。
東バヘルの一件後リリィとくっついたようだが、最初の頃は二人揃ってアニーにからかわれていた。
まぁ、あんな何も無いところでからかわれるような行動をしたわけだから自業自得だな。
「アルシェさんにリリィ、遅れてすまんな…っと、ギルもいたのか」
アニーが言っていた助手とは、こいつの事か。
「まぁ、その分沢山釣れましたから…ね」
厨房の中ほどにあるテーブルにどさりと、本日の成果を並べる。
「沢山釣れたんですねぇ。あら、この切り身は…?」
「マーマンですよ、アルシェさん。何故か釣れちまって…」
「どんな出鱈目な釣りをしてるんですの、貴方は…」
「まぁ、ジャックさんらしいといえばらしいですよね」
「確かに兄貴らしいや。ゲイルの言うとおりだね」
あーっ…俺、軽く馬鹿にされてないか?いや、気のせいだろう。
「さぁてと、お魚も届いた事だし急いでお夕飯の準備をしなくちゃね。リリスちゃん、お友達の方の分はお願いするわね」
「任せれますわ、母様。ギル、準備手伝ってくださる?」
「オーケーだよ、リリス。約束してたからねぇ」
待ち望んでいた材料が届いた事により、厨房組みが本格的に仕事に取り掛かろうとしている。
言い忘れていたが、くっついてからギルはリリィの事を名前で呼び捨てにしている。なんでも、リリィ本人からの願いだそうだ。
「あらあら、ギル君にリリスちゃん。二人で仲良くお料理だなんて、新婚さんみたいね」
が、突如として落とされた爆弾により三人中二人の動きが止まる。
おうおう二人とも、一気に顔が赤くなってやがる。こんなときでも、息がぴったりとはな…。
「な…なにをおっしゃっているんですか、母様!私とギルはまだ…」
「そ…そうっすよアルシェさん!オイラとリリスはその…」
「あらあら、二人とも恥ずかしがっちゃって…。お母さんもお父さんも吃驚したのよ。
 久しぶりにリリスちゃんが帰ってきたと思ったら、彼氏と一緒なんだもの。
 あっ、もしかしてお手伝いはついで、ギル君を私達に紹介するのが目的だったのかしら?
 それにギル君、アルシェさんだなんてかしこまって呼ばなくていいわ。気軽にお義母さんって呼んでもいいのよ?」
「「なぁっ…!」」
さて、こうなるとこの場はアルシェさんの独壇場。まだまだ若い二人には、この爆撃に耐えることは無理な事だろう。
実際、顔をこれでもかと赤くして固まっているしな。
「母さん、姉さん達で遊ぶのも程々にしてよ。二人とも、ほんとに固まってるよ」
「あらあら、本当ねぇ。ちょっとやりすぎっちゃったかしら?二人とも、落ち着いてからお料理してね。包丁は危ないのよ」
どうにも、俺達の晩飯が出来上がるのはもう少し後になりそうだ。
「ゲイル、時間がかかりそうだから酒を買いに行こうと思うんだが…」
「あ…じゃあ、お付き合いしますよ。僕もデクストラルさんに用がありますし」
ゲイルの言葉に首を縦に振って、またも二人で夕暮れの港町へと繰り出す。
この夕暮れの港で、「あいつ」と出会う事をこのときの俺は知る由もなかった…。

167 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/30(木) 01:59:50 [ gowBXNz6 ]
閑話・後にも先にも必要なもの

「おらぁ〜、待ちやがれこのくそ餓鬼ぃぃぃ!!」
ケルビーに乗って逃げるアタシの背中を、執拗に追いかけてくる武道家。
何よ、こんなアタシみたいな小娘から財布をすられるようなアンタが悪いんじゃない。
「待ってて言われて、待つ泥棒はいないよ。そんな事も分らないの、お・じ・さ・ん・☆」
「だ…誰がおじさんだぁ!!!俺はまだ29だぁぁぁぁ!!!」
うわ、意外と若かったんだねぇ。じゃ、老け顔なんだ。で、それを気にしてるからあそこまで激昂してると…。
「餓鬼が…!俺を怒らせたことを後悔させてやるぜ…!!」
そう言った途端、老け顔の武道家は走るのをやめ、はあぁぁぁぁっと、気合をためる。
まぁ、なにをやってくるかは大体想像できるんだけど…。
「心してくらえぇぇぇぇ、古きよき時代の近所の頑固お兄さんによる教育的指導をぉぉぉぉぉぉ!!!」
そんな叫び声と共に、武道家の足が地を蹴り空を飛ぶ。やっぱり跳び蹴りじゃん、つまんないの。
予想通りの動きしかしない武道家に目を向けることも無く、アタシはカバンの中から一冊の本を取り出した。

「ひぃ…ふぅ…みぃ…よ…っと。むぅ、大して持ってなかったわねぇ。ちぇっ、ほんとにつまんない奴」
しつこい武道家を適当にあしらった後、アタシは資材入れのテントの上で戦利品の確認をしていた。
「主殿、人の物を盗んだ上にそのような事を言っては…」
アタシの言動を諌めるかのように、ヴァンパイアのヴォイドが話しかけてきた。
「事実だからいいのよ。それにこうでもして稼がないと、孤児院潰されちゃうんだよ!あんただって、紅爺に世話になったでしょ!?」
アタシの怒鳴り声でヴォイドはそれきり黙りこくってしまった。
カッ…カッ…カッ。下の方から渇いた音が響く。
「何、ラグル。ウィンディでも戻ってきたの?」
こくり、とラグルが首を振ると同時に次のカモを探していたウィンディが空から戻ってきた。
「お疲れ様、ウィンディ。で、いい感じのカモは見つかった?」
ウィンディの喉を擽ってやりながら、肝心の結果を聞いてみる。
クルルルゥ、と気持ちよさそうに声を上げてから、アタシのことをまっすぐと見つめる。
アタシの魔力でこの世界にいる以上、それだけでウィンディの言いたい事は頭の中に流れ込んでくる。
「ふぅん、戦士にウィザードの二人組みね…。宿屋街のほうから来てるのね」
となれば、それなりに財布は重たい事だろう。
「よっし、そいつらにしよう。んふふ〜、今日はツイてる☆」
テントの上で夕暮れの磯風に吹かれながら、私はまだ見ぬカモ(の財布)に思いを馳せていた。
そのカモと関わる事が、私にとっての新たな旅立ちであるとは知らずに…。

168 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/30(木) 11:24:03 [ gowBXNz6 ]
>>黄鯖雑魚さん
とりあえず、この場では和解の方向で固まったようですね。
さてさて、なぜティムはフィーユのことを魔女と言ったのか…。
今後の展開に期待しています。

>>162-163さん
サガシリーズはサガフロくらいしか詳しくないですねぇ^^;
まぁ、新鮮な気持ちで読めますからこれはこれで。
あと、IDから察するに戦士さんですよね?
間違ってたらすいません。

>>ドリームさん
執筆、お疲れ様でした。
ちょっと悲しい結末でしたが、楽しく読ませていただきました。
また機会がありましたら、この板でお会いしましょう。

169 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/03/30(木) 11:51:06 [ QS1Cbi/M ]
コテ忘れてたorz
>>162-163はおいらでごぜえます

170 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/30(木) 12:50:48 [ QS1Cbi/M ]
1:>>163 原作:ロマサガ2

2話:新宿からの襲撃

玉座の間は長男のヴィクトールが父に代わって守っていた。ヴィクトールは父に玉座を交代してから口を開いた。
「父上、弟は戦いよりも学問に秀でています。その力は内政に活かすべきではないでしょうか?」
「お前たち二人はこれからこの国を守っていかねばならん。」
「ですが…」
衛兵が現れて連絡を告げた。
「アイオーブという魔術師が謁見を願っております。」
「またあの魔術師か、毎日ご苦労だな。仕方ない、通してやれ。」
ジェラールとヴィクトールは玉座の間を出た。
「あの魔道士、ラッキーだったな。父上が話を打ち切るのにつかったわけだ。」
ヴィクトールが噂をしていると、衛兵に案内されて、赤いローブを纏った女が玉座の間へと入っていった。
「お前も疲れただろう。部屋で休めよ。」
ヴィクトールとジェラールは自分の部屋へと戻っていった。

それから少しして、ビクトールとジェラールはレオンに会いに行った。
「父上、魔道士は何と?」
ヴィクトールが聞いた。
「七英雄のクジンシーが復活したらしい。奴等は危険だから気をつけろと、言っておった。」
「七英雄がですか?」
「うむ、まぁ気を許す相手ではないが、奴等も英雄だ。危害はないだろう。」
「どうだジェラール、狩りにでも行かぬか?」
「はい。」
「ヴィクトール、城は任せたぞ。」
ジェラールとレオンはお供を連れて狩りへと出かけていった。


しばらくしてからレオンとジェラールが戻ると、城下町は酷い有様だった。
兵士や門番が倒れ、所々では火の手も上がっていた。
ジェラールとレオン達は急いで城に戻ろうと、走った。
城に戻る途中でヴィクトールが倒れていた。
「ヴィクトール?!どうした!何があった。」
「父上…シューティングスター→オルターリングカッターは完全にきまったのに…」


~~~数時間前~~~

「貴様!何者だ!」
城下町を襲っている。紫色の肌をした戦士にヴィクトールは詰問した。
「黙れ小僧。刀の錆にしてやろうか?」
「なめるな!」
ヴィクトールは持っていた盾を力一杯に投げつけた。
盾は戦士に命中して、戦士は少し下がった。
「ぬるい。」
「ならば!」
ヴィクトールは持っていた鋼の剣を投げつけ、武器をクレイモアに持ち替えてから、オルターリングヒッターを放った。
「なかなかやるが、このクジンシーからみれば赤子同然。」
「死ね矢。」
そう言ってクジンシーはヴィクトールにヴァンパイアリックバイトを放った。


~~~~~~~~

「たしかにクジンシターと言ったのだな?」
「・・・qw…c」
かすかに口から空気を漏らして、ヴィクトールは切れた。

その日は雨が降った。古都には珍しいくらいの土砂降りだった。

レオンはそれから魔道士のアイオーブに会った。ジェラールは泣いていた。
「・・・伝承法・・・」
「・・・・・・はい・・・引き換えに・・・」
「クジンシー・・・七英雄・・・」
「某環状線・・・・・・・・・逆さから・・・」
「新・・・宿・・・」
「クジンシーはハノブ望遠楼を根城にしています。」
「わかった。」
アイオーブとの話を終えてから、レオンはジェラールに告げた。
「ヴィクトールの弔い合戦だ!行くぞ!」

171 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/30(木) 20:30:46 [ yG6hfiPA ]
俺は竜鱗の盾と竜鱗の鎧が好きだ!
そんでもって七星剣を片手にベルカの空へ上がるのだ!!
XLAMをQAAMもディフレクトで全て弾くぜ!!!
音速でサイレントラインを超えるZEEEEEEEEEEEE!!!!!
俺は面倒が嫌いなんだ。

172 名前:黄鯖雑魚 投稿日:2006/03/30(木) 23:44:57 [ AkFk/XuA ]
一話目>>103 二話目>>112 三話目>>144 四話目>>150 五話目>>160

「さっきは本当にごめんなさい。俺、できる限り償いますから」
古都のベンチでフィーユに向かって頭を下げるティム。
「わ、私は大丈夫ですっ。そんなことより助けていただいて感謝してるくらいですよ」
なぜだろうか、まだティムよりもずっと背の小さいはずの女の子から漂う大人の雰囲気。
「でも!…その、俺はあなたを殺そうとした。それはそれでけじめをつけたいんです!」
──自分はなんてことをしてしまったんだ── という罪悪感。
それがティムに『償いたい』という純粋な謝罪の気持ちを与えた。
「そ、そうですか…?……じゃあ、一つだけ、聞きたいことがあるんです。それを聞いてもいいですか?」
尚やさしく問うフィーユ。
「もちろんです! ……それで、俺に何を?」
「ティムさん、『魔女』…に何かあるみたいですが、教えていただけませんか?私にもちょっといろいろあって…」
ティムの過去の辛い部分に触れないようにゆっくりとティムの反応を見ながらフィーユは聞く。
「え?…ああ、そのことです…か。 長く…なりますよ?」
「ええ、大丈夫ですよ」
それじゃあ、と口をゆっくりと開くティム。
その目はどこか、寂しそうで辛そうで、何より悲しそうだった。

───一家が古都へ来る1年ほど前のこと───
ティムはとある集落から依頼を受け、そこへ向かっていた。
家計が火の車だったのもあり、とにかく無茶をしてでも高額な報酬が設定された依頼をこなす必要があった。
「なんだってこんなに遠いんだ…くそっ!」
あまりの距離に愚痴をこぼすティム。だが大切な家族を思うとそんなことも言ってられない。
あのダメ親父や、女でありながらも家族を支える姉や妹だって依頼を受け、家計に貢献している。
そう考えると、そんなことを言うのは恥というものだ。
村を出発してから二日ほどでその集落にたどり着いた。

「あなたがティムさん…ですね。話は聞いています。さ、長旅でお疲れでしょう。こちらへ」
その集落の長の家へ向かう。この集落、物資的には充実していそうなのだが
なぜだか、みんなの顔には生気がない。 かなりの不安や恐怖に包まれている顔だ。
「依頼の内容なんですが、代理人に聞きましたよね?」
「え?ああ、はい。たしか『魔女狩り』…」
軽く咳払いをして、深刻な面持ちで長は話しかける。
「実はここ数週間で『魔女』によって数十人という数の民が襲われ時には命を落としているのです。
 その『魔女』…話によれば複数名いるそうですが彼女らを撃退してほしいのです」
「捕らえますか?…それとも」
「ええ、確実に。二度と被害が広がらないように」
「…わかりました」
「ありがとうございます。報酬は確かに弾ませてもらいますよ」

長の家から出たティムを冷たい風が撫ぜる。
ヒュウウウゥゥゥ。
「なんだか…嫌な風だな」
鎧を着ていたティムにも冷たさを感じさせるその風はこの後の未来の酷な運命を
そのままティムに伝えていたのかもしれない。

173 名前:FAT 投稿日:2006/03/31(金) 07:47:20 [ xkNMQw.U ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21

―田舎の朝―

―1―>>22
―2―>>25-26

―子供と子供―

―1―>>28-29
―2―>>36
―3―>>40-42
―4―>>57-59
―5―>>98-99
―6―>>105-107



―双子と娘と―
―1―

 大聖堂の照り返すような色の壁、家々の歪むことのない実直な白の壁、地を覆い隠す敷
石の薄い色、それら全てが街を浄化しているようにも思える。
「まぁ、今日はいいお天気ね。いつもより街全体が白く見えるわ」
 月に一度、田舎町トラヴィスに転移魔法師が訪れ、無料で町人を様々な都市に送ってく
れる。今日はその日だった。ちなみに転移してくれるのは片道だけで、帰りは自力で戻ら
ねばならないので、大抵の人はトラヴィスに近い鉱山町ハノブか神聖都市アウグスタ行き
を希望する。
 エイミーら三人はこの転移魔法師が来るときは決まってアウグスタに遊びに来ていた。
以前、古都ブルネンシュティグに遊びに行ったことがあったが、人の多さと、帰り道の遠
さに泣いたので、懲り懲りだった。

「おい! ばあさん! 今月も来てやったぞ!!」
 レンダルが葡萄畑で大声を張り上げる。しかし反応は無い。
「シャロルおばあさまぁ〜! デルタですよぅ〜! あなたのカワイイデルタですよ〜
ぅ!」
 デルタがロリっと呼びかけてみる。しかし反応は無い。
「今日はおやすみかしら? まだまだ収穫まで時間があるから畑には来ていないのかも」
「ばぁっ!」
 突如若い葡萄林から萎びた老婆が飛び出し、レンダルの腰を両手で突く。それは完璧に
体の重心を捉え、レンダルは葡萄の蔦をあわあわと掴み、未熟な葡萄たちと共に地面にひ
しゃげた。 
「くそばばぁがっ! いきなり何しやがる!」とレンダルが言うより先にシャロルが、
「これゴリ子! 私の子供たちになにしやる!!」
 これにはレンダルも呆気にとられ、「へい、すんません」と素っ気無い謝辞を送った。
「おばぁさまぁ〜」
「おやおや、デルちゃん、また大きくなったんじゃないかね〜。胸が」
「いゃん、シャロルおばあさまのえっち!」
「いいじゃないかい、若いんだから。私のように歳喰っちまえばこんなもの荷物に過ぎな
いからねぇ。なぁ、エイミー」
 エイミーはぎょっとした表情のままでシャロルを見た。エイミーに話を振ったのは彼女
もまた、既に「荷物」になってしまうような時限まで達してしまっていると思われてしま
っているのだろうか。まだ二十台。しかし子供は一人立ちした。子の父親は不明。もはや
今後、子供を授かることなどないかも知れない。そう思うとエイミーの答えは自然と
「そうね、元気な子をすくすく育てるにはおっきいおっぱいのほうがいいかも知れないわ
ね。あなたは将来有望よ? ねえ、シャロルおばあさん」
「ふん、餓鬼をどうこうするために胸は膨らんでるんじゃないんだよ。いいかい、デルち
ゃん。そのおっきな果実は男を興奮させるために膨らんでいるのさ」
「おい、エロババァ、何吹き込んでんだよ」
「ゴリ子は黙ってな! あんたには縁がない話だ! 洗濯板め! で、いいかい、デルち
ゃん。男ってのはな………」
 何故かハイテンションなシャロルの雄テイムのイロハ講義は延々続き、終わったころに
はデルタの頭の中はおかしな考えで埋まっていた。ようやく開放されたデルタは戦利品の
アウグスタワイン(昨シーズン物)を手に、ふらふらと二人の元に帰ってきた。

174 名前:FAT 投稿日:2006/03/31(金) 07:48:01 [ xkNMQw.U ]
「あのばぁさん絶対頭おかしいって。おまえも災難だな、毎月毎月あんなんと係わらなき
ゃならないなんて」
「レン、そんなこと言うものじゃないわ。ほんとはシャロルおばあさん寂しいのよ。だか
ら……」
「ん、平気ですわっ! 今回は何故かディープなお話でしたが、独特のシャロルおばあさ
ま節は聴いていて面白いんですものっ」
 とは言うもののかわいらしい顔に似合わず疲労の線が出ている。ぐちぐち言いながらも
レンダルは涼しげな噴水までデルタをエスコートし、ひと時の安らぎを与えた。

「レン、あなたって本当に優しいわね。私、あなたに素敵な人が現れたらいいなって切に
願っているわ」
 噴水の水で濡らしたハンカチをはち切れんばかりに絞り、デルタの火照った瞼をまめに
冷やしていたレンダルは、ぱっぱっと腕を振るって雫を飛ばした。
「俺に男ねぇ…。そんな物好きがいるとは思えんがね」
 彼女の短く癖のある茶毛が噴水の水気を含み、梅雨入り前の大きな陽がそれを艶っぽく
見せる。エイミーの目にはレンダルがとても美々しく映っていた。
「あなたね、ぶっきらぼう過ぎるだけなのよ。お洋服だって良いものを着れば似合うだろ
うし、髪だって労れば今みたいに艶が出るわ」
 ふっと髪のような細い指がレンダルの髪を撫でる。優しく、穏やかな手だ。レンダルは
いつでも、エイミーの一挙一動に癒されている。それは、父同様ぶっきらぼうな母の持つ
「母性」ではなく、まだ知らぬ本当の「母性」というものをエイミーに感じるからだ。自
分を超越する「何か」を持ち、手の届かない存在のようで、何者よりも近くにいる。ふと
したときの心温まる心音はエイミーでしか鳴らされはしない。28年間を共にしてきたレ
ンダルはいつからかエイミーを上に立つ者のように思えてならなかった。
「…そうかぁ? じゃ、ちょっとおされなんかしてみるか」
「オシャレよオシャレ。そんな嫌がらなくったっていいじゃない! ほら、デルタもにや
けてないで起きなさい」
 そう言われてデルタは堪えていた笑いを一息に吐き出した。「きゃははははははははは」
と甲高い笑い声が鳩を飛び退かせた。その後で鈍い音がし、泣き声に変わった。
 三人が噴水を去るとほぼ同時に、暗い影を落とす三人の冒険者たちが涼しさを求めて噴
水に寄りすがった。まだ春と呼べる時期だが、この日の太陽は特別大きかった。何人分あ
るかも分からぬほどの大量の荷物をどかどかっと地面に投げ出し、鳩はまたも散った。

「あ、見て、お姉さま。これなんてお姉さまにぴったしではありませんか?」
「うん?どれどれ…」

【聖なるパンチィー】:光の魔法によって見たものの目を眩ませる色気たっぷりの下着。

「……これが オ シ ャ レ ?」
「あらレン、見えない部分のオシャレも大事よ。私も買おうかしら…」
「うみゅ、私も買うです。レンダルお姉さまはどうなさるの?」
 レンダルの頬がひくひくと引きつる。こいつらまじだ。本気で買う気だ。
「ほら、最近はスカートの中とか覗き込んでくる変態さんが多いじゃない。痴漢撃退にも
いいと思うわ」
「……買うよ、買いますよ! で、他には何買ったらいいんだ?」
 きゃっきゃ、きゃっきゃとレンダルを半ばおもちゃにして遊んでいると突然デルタが二
人の襟首を掴み、耳打ちした。
「ねぇ、お姉さま方、噴水に腰掛けている青い男性、すごく魅力的じゃありませんか?」
 見れば先程の三人組のうちの一人で、青い髪と漆黒の鎧とが相対して全体を絞って見せ
る。片目は眼帯で隠されており、開かれているもう片方の眼はやはり青であった。
「本当ね。レン、あんな男の人はどう?」
「ははは、あんな男前は鳥肌が立っちまうよ。俺にはあわなそうだな…」
「じゃあ、私がアタックしまぁす」
 若さを挙手でもってアピールし、青年の下へ向かおうとしたとき、今度はエイミーがデ
ルタの襟首を掴んだ。
「待ってデルタ。あの女の人が睨んでるわ」
 言われて見れば、紅一点のフードを被ったショートカットの女性……歳はデルタよりも
若干上といったところか……がじぃっとデルタたち三人を監視している。もう一人いる聖
職者風の男には誰も触れなかったし、気にならなかった。
「むむ……もしかして、愛人さんでしょうか?」
「愛人って意味分かってる? あんまり見るとトラブルの元よ。買うだけ買ったし、帰り
ましょうか」
 実際には、その女性はエイミーたちのことを親しみを込めた目で見ていたのだが、太陽
の加減で影が怒ったような目を作り出していた。足早に店を去ったエイミーたちとフラン
=サーヴェリーがこのとき接触していたなら、平和な時間はもっと早くに崩壊していたか
も知れない。今はまだ、知らなくていい………

175 名前:FAT 投稿日:2006/03/31(金) 09:47:23 [ xkNMQw.U ]
>> ドリーム さん
完結お疲れ様でした。続きがありそうな終わり方で、それから新たな物語が
生まれるのか楽しみなのですが…どうなのでしょう?

>> 南東方不勝さん
アニーネタで吹きました。いいですね、キレコワ。
物語的にはかなり加速してきて、ほんとに読んでておもしろいです。
次はどんな死闘が待っているのか、そしてどんな進展があるのか、ワクワクしちゃいます。

>> 黄鯖雑魚さん
ティムのあの豹変ぶりから察するに、これから語られることは決して穏やかなものではない
ですよね……
ガクブルして続きをお待ちしてます。

>> ウォルガング さん
ああ…ありますよね、こういう自分だけの場所みたいな所が。私にとっての
お気に入りの場所はギルドの溜まり場ですかね。理由もなくふらふらと漂着
していることが多いです。

>>118さん
間違えなんて気になさらないで下さい。文章自体は読みやすく、設定もリアル
と繋がっていて面白かったです。是非続きをっ!

>> 名無し物書き@赤石中 さん
なんてうまい話の切り方をするんですか!続きが気になるとはまさにこういう
時に使うのでしょうね。あと2秒!

>> 魔道書を捨てたWIZ さん
ふぁみ!
こういう短編物大好きです。また思い浮かんだら書いてみて下さい。

>>139さん
まさにGJです。いつか、歴史も交えた小説を書くことがあったら、そのときは
参考にさせていただきます。

>> リ・クロス さん
スコールピンチどころか絶命ですね。え?この後どうなってしまうんですか?

>> 戦士のようだ さん
>たぶんこれより、白くて綺麗
ぐっと来ました。やるせなくて、どうしようもない程の恐れが儚く、切なく
伝わってきました。

>ロマサガ2をレッドストーンで煮込んでみた話
私もサガシリーズはサガフロしかやったことないですねぇ。
なので、オリジナルの作品として読ませていただきますね。

176 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/31(金) 16:06:54 [ gowBXNz6 ]
>>166
宿屋街を西に抜け、歓楽街へと向かって歩いていく。
港の西側に倉庫を構えているシーフギルド関係者が、歓楽街の主な金づるのため
自然と酒場などはそちらの方へ固まって出店するのは当然だ。
まぁ、今はゲイルが魔法薬売りの女と喋っているので、空を見ながら一番星を探している。
「ジャックさん、お待たせしました」
どうやら、ゲイルの用事とやらが終わったらしい。
「おぉ、もういいのか?」
「えぇ。デクストラルさんもちゃんと覚えててくれたようで…」
そういうゲイルの手には、なにやら小難しい魔術書が抱えられていた。
「その本は…、アイノ編集の魔術書の第1巻か。俺も呼んだ事はあるが…、メテオシャワーでも覚えるつもりか?
確かその巻だと、火属性について詳しく書かれていたしな」
「よく分りますね、ジャックさん。この本、なかなか手に入らないものなんですよ。
それに、内容も難解ですし…」
「あぁ、ゲイル。俺は補充式(チャージ)が使えねぇだけだ。
ガキの頃は、親父に無理やり魔術書を読まさせられていたからな」
親父曰く、俺のウィザードとしての素質は補充式が使えない事を除けば、かのゲンマ老に匹敵するかも知れんらしい。
そのため実家にいたときは、親父に魔術書の類をよく読むよう言い聞かせられていた。
もっとも、長く戦士としてこの稼業を続けていたため、そんな初心者魔術を使う気は毛頭無い。
いや、使うためには「門」を開く必要がある。だからこそ、魔術は使わない…使えないのだ。
「そういえばジャックさんは、スマグ出身だったんですよね。しかも、かの『氷結狼』の…」
「『フェンリル』なんて大層な異名を持ってるが、ただの駄目親父だよ、発明狂の」
そんな事を話しながら、そろそろ本格的に活動しようとしている歓楽街に辿り着く。
さて、酒場の皆さんが店の酒を買い占める前に俺らも買いに急がねば…。
路地の奥のほうに酒屋を見つけ、そこに二人揃って向かって歩いていく。
だが、すぐ近くの脇道から
「あぁ〜、ちょっとどいて、どいてぇ〜!!」
「ん…のわぁっ!?」
「え…うわぁっ!?」

ドスンッ!!

ケルビーに乗って爆走していたサマナーの少女と激突した。
3人揃って、盛大に石畳の上を転がる。
「ってぇ…。おい、嬢ちゃん。危ねぇじゃねぇか!!」
「ったた…。ちゃんと前を見て、ケルビーに指示を送らないと危ないですよ」
突然の衝突事故だったが、いつもの癖でちゃんと受身を取ったいたらしく、俺もゲイルも怪我は無かった。
「ったぁ…。ごめんね、あんた達。アタシ急いでるから、じゃあね。行くよ、ケルビー!」
対して、加害者である少女も大した怪我も無く、俺達への謝罪もおざなりにケルビーと共に走り去って行った。
「たくっ…。ぶつかっといて、なんだあの態度は…」
「まぁ、それだけ急いでいたんでしょう。彼女は。それよりも早くお酒を買わないと、売り切れちゃいますよ」
ゲイルの言うとおり、そろそろ酒場の最期の仕込みの時間だ。
従業員が足りない分をかき集めにそこらじゅうの酒場を蹂躙するのも、時間の問題…!
「なら、急ぐぞゲイル。…ん、なにか鞄が軽いような?」
「奇遇ですね、ジャックさん。僕もなぜか鞄が軽いような気がするんですよ」
一抹の不安を感じ、それぞれの鞄を調べる。
案の定…、そこにあるべき財布はその姿を眩ましていた。
「…。ゲイル、さっきのクソ餓鬼はどっちに逃げた?」
「…。東、ということは港ですね。隠れる場所も多いですし」
ゆらりと、幽鬼のように立ち上がる俺達。いつの間にか、ヘイストがこの身にかけられている。
「行くぞ…!」
「えぇ、すこしばかりお灸を据えに行きましょう…!」
かくして俺達は、酒屋を背に少女が消えた方角へと走り出した。

177 名前:南東方不勝 投稿日:2006/03/31(金) 16:31:28 [ gowBXNz6 ]
>>戦士のようださん
なにやら、七英雄という人達が危険だそうですが…。
英雄なのに危険とはこれ如何に?
続きを期待しています。

>>黄鯖雑魚さん
過去に依頼で「魔女狩り」を受けたティム。
魔女は複数いたようですので、フィーユ嬢はその魔女と呼ばれた人達の生き残りなのでしょうか?
そもそも、ビスルの人達は何をもってしてその人達を「魔女」と呼んだのか…?
なかなかにドキドキする展開です。

>>FATさん
おぉ、おかえりなさいです。
自分は4月から2週間ほど、ネットに接続できない状況になるんですよねぇorz
これからも頑張ってください

178 名前:リ・クロス 投稿日:2006/03/31(金) 18:05:43 [ kcso0oWI ]
前スレ>>986 >>39 >>56 >>69 キャラ紹介>>38
>>100 >>147

少女は人のために剣を取った
幼き少女の剣が人々を救うたびに、心が蝕まれていった
それでも彼女は剣を持っている
ひとりの少女は、我が身を剣として戦っている

My body is made of sword.(私の体は剣で出来ています)


やがて、青い光が収束していき
一本の美しい銀色の刀身を持った剣が現れた。

「覚悟は良いですか?」

黒騎士が振るった剣をバックステップで回避して
反撃に突きを放ったが、サイドステップで避けられた。
横から斬り込まれた剣を、篭手の盾で防ぎ
蹴りを入れて間合いを取り、突きの構えを取った。

「トルネード・・・、ストライク!!」

竜巻の如き速さで繰り出された突きは、精確に黒騎士を捉え深々と突き刺さった。

「パラレルスティング!!」

すべての攻撃を食らった黒騎士は、轟音と共に後ろに倒れこんだ。
同時にアルメリアも、糸が切れた人形の様に倒れ
纏っていた銀の鎧が、剣と共に消え去った。
少女の表情は、何時もより年相応の笑顔だった。


確かな手ごたえを感じた黒騎士は、黒い槍を抜き取り
目の前の黒い少女に、膝を着いて手渡した。

「少し暴れすぎではないか?“暗黒鬼神”よ。」

頭の中に響いてきた声に、少女は鬱陶しそうな表情になり
イラつきながらも、可愛らしい声で応える。

「その名で我を呼ぶなと言っているが?」

エルベルク山脈に視線を向けた少女は
そこに居るであろう人物を睨み付けた。

「私は私の仕事をするまでだ。」

その人物の気配が、ブルネンシュティングに移った。

「ッツ!我の屈指の製造物が破壊されただと・・・。」

轟音と共に、目の前の黒騎士が粉砕され
少女に真空斬が襲い掛かった。

「なっ!確かに殺害したはずだが!?」

真空斬を空中に飛び上がって回避すると
幽鬼の如く立ち上がった戦士を睨みつける。
先程貫いたはずの傷口が完全に塞がっている。

「記憶が蘇った、礼を言おう。」

言い終わったスコールの背中から、銀色の翼が二対出現し
白銀で出来ている大剣をとクローを持っている。

「汝はまさか龍騎士族の生き残りか・・・。」

「そうらしい、しかも・・・

聖霊神龍――――ニムラスの属性だ。」

179 名前:黄鯖雑魚 投稿日:2006/04/01(土) 09:38:23 [ Xm16/q52 ]
一話目>>103 二話目>>112 三話目>>144 四話目>>150 五話目>>160
六話目>>172

「あ、あの、ティムさん? 無理しなくても…いいんですよ?」
見るからに、辛そうなティムを見て、フィーユは気を遣う。
それでもティムは「大丈夫です」と無理に笑ってみせ話し続ける。

─────────────────………

「あの、少し調べたいことがあるので何か『魔女』に関する資料とかってありませんか?」
「ええ、かまいませんとも」
長に紹介された館は図書館、と言うには粗末なものだが
ティムが調べたいことは、どうにか調べられそうだった。
「ありがとうございます」
「何、構いませんよ。これで『魔女』が消えてくれるなら」
何か奥がある笑いにティムは嫌な感覚を覚えた。
(なんだろうな…この集落、不気味だ…)
本棚に収まっている本の背表紙を指でなぞりながらティムはそんなことを考える。

『魔女…普段は幼い娘、小動物、ときには武器などに化ける。
 だが、その正体を現したときの魔力は凄まじく、場合によっては狼の血を引く魔法使いにも匹敵する。』
『彼女らはもともとこの星の生物ではない、そういう説も学者によって唱えられている』
本によって構成されていると言っても過言ではない小さな館に、ページをめくる音だけが響く。
時計も無い。虫も飛んでいない。周りから動物の声もしない。
一度、文献を読み終えてティムは初めて月が出ていたことに気づく。
(もう…こんな時間か…)
久方ぶりに味わった静寂、そしてその妙な心地よさはティムに不快を与えはしなかった。
ぐぐっ、と屈伸をし、ティムが伸びきった時だった。
静寂を切り裂き、ティムの運命を狂わす悲鳴が聞こえたのは。
思わず体がビクッと反応する。
(ど、どうしたんだ? こんな時間に…)
付近にある森から聞こえたその悲鳴は、事態が決して良いものではないことをティムに知らせる。
(誰かを起こす暇も無い。俺が行くしかないか!)
盾と剣を素早く持ち、構え、全速力で悲鳴のした方へと走り出す。

「誰か!誰かいないのか!?」
今は魔物を引き寄せてしまうかもしれない、だとかそんなことを考える必要は無い。
とにかく人を救うんだ。いや、救わなければ。
どこかでザザザ、と茂みの上を走る音が聞こえるが
ここまで走ってきた自分の心音が見事に邪魔し音がする方向を特定できない。
(集中しろ…)
そう自分に言い聞かせ「スー、ハー」と深呼吸する。
するとふと気がつく。音が自分に近づいていることに。
(どっちだ…人か…それとも魔物か…?)
盾を構え、次第に緊張感が高まっていく。
ザザッ
「うわ!?」
音がしたほうとはまったく逆の方から何かがティムに飛び込んできた。
だがそれは魔物ではなかった。
「た、助けてください!お願いします!」
「いてて…大丈夫…そのつもりで来たから」
月明かりに照らされたその女性は、長い髪、大人びた容姿、キレイなスカイブルーの瞳をしていた。
一言で彼女を表現するなら  ───美しい───

「とりあえず近くにある集落まで逃げよう。そこまで行けば安全だから」
「え…いや、私は…その…あ、あの…」
「?」
状況がうまく理解できないティムは「とりあえず」と、その女性の手を引き集落へと向かった。
「大丈夫、あの集落にいる限り、俺が絶対に君たちを守るからさ」
「…」

彼女とティムが初めて出会ったときのことだった。
今思えば、全て定められたことだったのかもしれないし
全て逃れられないことだったのかもしれない。それは誰にも分からないし、知る由もない。

180 名前:復讐の女神 投稿日:2006/04/01(土) 16:15:36 [ VJwv03yU ]
赤い女だった。
真紅の鎧に包まれたその体は、しなやかで女性的だ。
黒の髪は、太陽の光を反射して、天使の輪を作り出す。
顔立ちも整っていて、白い肌がいっそう引き立っている。
表情は無いが十分魅力的であることは、道行く男が振り返ることで証明済みだ。
颯爽と進む姿にたじろぎ、ナンパの男たちは声もかけられない。
背に担がれた軽そうな弓に、手に持つ槍が一つの領域を作り出している。
不思議なことに、弓を持ちつつも矢筒が見当たらない。
しかし、彼女の雰囲気はそんな違和感を消しさっている。
そう、誰も彼女に違和感など覚えない。

冒険者とは、案外貧乏なものである。
とくに、仕事を選り好みしている人間は。
理由は簡単、それほど分のいい仕事などめったに無いからである。
腕のいい冒険者なら、大抵どこかのスポンサーが専属で雇っていたりするものだ。
そうすると、いわゆる普通の冒険者には利回りのいい仕事が回ってきにくい。
選り好みしないこと。
これが、冒険者が学ぶべきまず第一歩だろう。
「ただ…最大のパトロンがアイツだってのも、考え物よね」
ベットに入る前、机に向かって一日を振り返るのがジェシの日課である。
今日おわった仕事を、振り返る。
自分のたどった道筋や、とった行動。
そこにどれほどの無駄があったか、その無駄は自分にとってプラスか。
考えることはたくさんある。
必要経費とはいっても、その場で払うのは自分だ。
節約を心がけるのは当然だろう。
「今回はそれほど、へんな出費はなかったかな」
頭の中で算盤をはじく。
思い出したのは、あのお土産。
「…そういえば、あの代金も一緒に請求したんだっけ」

181 名前:復讐の女神 投稿日:2006/04/01(土) 16:16:16 [ VJwv03yU ]
自分のうかつな行動に、頭を抱える。
ボイルは、あんな性格ではあるが、賢く勘の鋭い男だ。
おそらく…というか、絶対に気づいているだろう。
そして、何も言わないに違いない。
「うぅ……また、借り作っちゃったなぁ」
あとで、代金を渡しておかなくては…と、深く考える。
彼は、受け取るだろうか。
ボイルと会うことを考えると、げんなりする。
また、ビシュカに頼もうか。
ジェシにはめずらしく、逃げの姿勢に思考が走る。
そのことに気づき、ほかの事に頭を働かせる。
「弓使いの女…か」
今日聞いた焼き討ちの話。
一人の力で、どれだけできるだろうか。
自分の頭でシミュレートしてみるが、やはり思いつかない。
「母さんなら…できたのかな」
父さんに聞いた、母さんの武勇伝。
子供に聞かせるような話じゃないが…それでも、ジェシは楽しく聞いていた。
私の知らない、母さんの行動。
私の知らない、母さんの言葉。
私の知らない、母さんの笑顔。
すべてが、ジェシにとって大切な話だった。
「あれ?」
父さんに聞いた話の中に、なにか覚えがある。
戦場の女神と謳われた、母さんの話。
「なんだったっけ?」
たしかに引っかかるものがあるのだが…思い出せない。
壁に飾ってある、今はもう使われていない弓を見る。
洗礼された、無駄の無い弓。
一目見てわかるほどの一品であり、不思議な力が宿っている。

182 名前:復讐の女神 投稿日:2006/04/01(土) 16:16:42 [ VJwv03yU ]
という話ではあるが。
「そんな力、本当に宿っているのかしら?」
いい弓であることは分かるのだが…どうにもしっくりこない。
ジェシの使う弓は、威力重視だ。
一撃一撃に力をこめ、一矢にて必殺をめざす。
父さんから教わった弓だ。
イスから立ち上がり、壁に飾ってある弓を手に取る。
「あら?」
妙な、違和感がある。
重さも、形も変わらないはずなのだが。
そう、埃がかぶっていない。
「おばさまが、掃除なさってくださってるのかしら?」
小さいころから、ジェシを可愛がってくれる人がいる。
その人は、父さんと母さんの昔からの知り合いで、私を娘のように可愛がってくれ、心配してくれる。
おまけに、定期的に家の掃除までしてくれて。
冒険で家を空けることの多いジェシとしては、嬉しいことこの上ない。
「さて、今日はこんなところかしらね」
冒険を振り返るといっても、仕事中も毎日やっていたのだ。
さし当たって目新しいものは思い浮かばない。
どうせ、明日にはまた仕事を探さないといけないんだ。
溝掃除なんて、やりたくないし。
ジェシは、ランタンに息を吹きかけ火を消した。
暗闇の中、衣擦れの音が響き、安らかな寝息が支配した。

183 名前:FAT 投稿日:2006/04/02(日) 11:48:32 [ 5jnKn.ko ]
『水面鏡』
          |
キャラ紹介>>21   |
          |
―田舎の朝―     |―双子と娘と―
          |
―1―>>22     |―1―>>173-174
―2―>>25-26    |
          |
―子供と子供―   |
          |  
―1―>>28-29    |
―2―>>36     |
―3―>>40-42    |
―4―>>57-59    |
―5―>>98-99    |
―6―>>105-107   |



―2―

 アウグスタを出るとすぐに、三人は両手いっぱいの購入物を地面に積み重ねた。
「今回もダメなのはワインだけね。風も無いし、それじゃ、やるわよ」
 エイミーが山積みの荷物に手をかざす。口では何かをぶつぶつと唱え、空に意味不明な
紋を描く。何度か同じ紋を繰り返し描くと、突如暗黒の空間が開き、地面が消えた。その
ホールの中で荷物は静かに、だが確実に小さくなっていく。もう何十回紋を描いただろう
か、エイミーが手を止めるころには荷物は従来の十分の一ほどに縮小されていた。それを
レンダルが素早く風呂敷に包む。見た目には小さくなったが、質量は圧縮前と変わらない。
不自然な重さをレンダルは感じる。
「さぁ、魔法が解けないうちに帰りましょう」
 間髪入れずに先程とは別の紋をなぞる。すると体が軽くなったように感じ、動きの全て
が通常の何倍もの速さになる。人はこの魔法を「天使の翼」と呼ぶ。魔法がかかった瞬間、
翼が生えたように見えるからである。術者の能力によってその形、大きさは異なり、これ
でその人物の魔法の質も分かってしまう。
「レンにはこれもね」
 仕上げに、と軽く指を振る。するとレンダルの背負っている荷が重さを失った。むしろ
レンダルを上に引っ張ろうとする力が働いているようだ。
「いやぁ、これくらいならそのままでもよかったんだけどな……まぁいいや。さ、町まで
競争だぜっ!」
「あ、お姉さまこのワインも……」
 デルタの声はもうレンダルには届かなかった。
「待ちなさい!」
 エイミーの柔らかな声でレンダルが立ち止まる。というよりは止められたといったほう
が正しい。レンダルの足下の土が盛り上がり、彼女の駆動を制御していた。
「なんだよ、急に」
 高速移動していたレンダルが一瞬で止まるには膨大な負荷が掛かるわけで、不快な感覚
が彼女を襲った。そんなレンダルをエイミーは得意の微笑でなだめ、ワインを託した。

184 名前:魔道書を捨てたWIZ 投稿日:2006/04/02(日) 23:50:31 [ lMnaRqdE ]
再びログアウト中を題材に書いてみました…
前作>>136
感想への返事>>137南東方不勝さん
憧れの方から返事が来ているとは思いもよりませんでした…感謝…
某回復薬(箱)買いました。金髪の盗賊のカードと、でかいふた…
味は「リポビタンD+香料」リポ好きな私はおいしくいただきました。

〜ランチタイム?〜
街に横たわる多数の屍。廃人の末路だ。
なぜか? キャラはプレイ中食事は出来ない。
数日ぶっとおしでプレイする廃人。
キャラは空腹を耐え、戦った。そして…逝った。
「あ〜食った食った。こう呼び出しがないと楽でいいねぇ…」
空腹で逝ったランサーを平然と椅子代わりにしている魔道師…ヴァレス。
魔道師は悪魔との契約などに名前を使うが、本名は別にある。
本名を知られる事は、魂の端を握られること。すなわち、逆服従させられることだ。
「ちょうどいい椅子になってくれた彼は…ふむ、シェリーか…」
廃人の癖に几帳面だったのだろう。鎧に名前が刻んである。
「よし、シェリー。起き上がって俺に従え。」
屍は先ほどまで硬直していたにかかわらず、しなやかに起き上がる。
しかし、餓死した屍に動く余裕はなかった。崩れ去る。
「やはり、屍は毒殺死体に限りますね…強度がなさすぎる…」
彼は、ネクロマンスにも手を出していた。もちろん、表向きはただのWIZとして。
「さて、今日も呼び出しが来ることはないでしょう。家のコープスを改造しますか…」
そういうと、人影の中に消えていった。

自分のキャラの設定を深くしすぎて、小説につなげそうなので、冒頭だけ書いてみました。

185 名前:FAT 投稿日:2006/04/05(水) 20:45:30 [ BxSk4Awo ]
『水面鏡』
          
キャラ紹介>>21
―田舎の朝―1>>22、2>>25-26 
―子供と子供―1>>28-29、2>>36、3>>40-42、4>>57-59、5>>98-99、6>>105-107
―双子と娘と―1>>173-174、2>>183



―3―

 風を切る音がどんどんと鋭くなっていく。向かい風だ。三人はまるで飛ぶ矢のような速
さで走っていた。時にすれ違う人が驚いた顔をして見送る。新手の魔物とでも思われてい
ることだろう。
 鉄の道をひたすらに北上し、中間地点と呼ばれる区間に入った時だった。先頭を走って
いたレンダルが手を伸ばし、後ろの二人を抑制した。その行為が何を示すのか、エイミー
もデルタも即座に理解した。
「団体さん? っていうわけでもないみたいね。どうするレン?」
「出来れば避けたいなぁ。ワイン割ったら怒られちまうし……」
 しかし迂回できるほど道は広くはない。そして、敵の索敵能力は予想以上に高いもので、
風に乗って高速の二連矢が射掛けられた。
「見つかっちゃいましたねぇ。お姉さま、ワイン割ったらシャロルおばあさまのとこにも
う一度行ってもらいますわよ。一人で」
「そりゃ勘弁。おら、さっさと片付けるから二人ともいつものよろしくな」
 ぁいっとデルタがぴょこんと飛び上がり宙で一回転する。すると煙に巻かれたようにデ
ルタが消え、代わりにピンク色の片手剣と、もこもこした盾がレンダルの両手に握られた。
「うへぇ、今日はピンクかよ。おまえ、相当さっきの男に惚れてるな」
「きゃっ」
 無機質なはずの剣から返答がある。中々気色の悪い感じだ。それを見てにやけながらエ
イミーが炎の加護をデルタにもたらす。素早さは既に常人の倍以上になっている。レンダ
ルが颯爽と風矢に立ち向かい、矢の出所を探す。
「お姉さま、左の木の上ですっ!!」
 そう言いつつ、レンダルの左腕を操作して盾と化したデルタは飛射物を弾く。もこもこ
した表面の割に硬いようだ。デルタが示した先には、耳の尖ったエルフが緑の目を見開い
て飛び掛らんとしている。レンダルが腰を落とし、デルタを脇に引いて居合いの姿勢をと
る。枝を蹴り、真っ直ぐに落下してくるエルフの剣先はレンダルの胸元を確実に捉えれる
軌道をとっていた。しかし、レンダルが剣――デルタを空に振ると、デルタを纏っていた
炎が次なる宿主を捜すように舞い、すぐにエルフを包んだ。炎が幾巻きにも重なったが、
エルフは首に括られていた乾物を食べることによってその熱波を耐え、更に戦意までも余
計に燃やした。
「レン! 人間狩りだわっ! 仲間が近くにいるかも!」
 エイミーに言われるまでもなく、レンダルも察した。そういえば近くにはエルフ達が棲
む藪森がある。敵の数は未知数、今は一匹でも増援はいくらでも来る。考えるより先に手
が出るのがレンダルという人間である。背を仰け反らせ、燃えるエルフに向かってデルタ
を投げつける。
「いっけぇい!」
 レンダルの手元を離れたデルタは意思のまま、エルフの体幹を貫く。避ける素振りを見
せなかったエルフは噴き出す滑らかな血を目を点にして眺めている。彼は、絶対の自信が
あった体の硬さに頼りすぎていた。相手を侮ったというよりは、己を過信しすぎたゆえの
結果だった。仲間に事を知らせる前に、彼は彼の誇りを生かし、死んだ。
「やっぱエルフを殺るのは気が引けるなぁ……。こいつら、ほとんど人間だもんな……」
「そうですわね。なんでエルフたちは人を好んで襲うのでしょう……?」
 投げた剣は自らの力でレンダルの手元に飛んで戻ってきた。それらが再び煙を撒き、か
わいらしいデルタに戻った。
「噂では人の肉が好物だとか、一部の心臓コレクターだけが好戦的とか、色々聞くわね」
「でも噂は噂だもんなぁ。どうだ、俺たちでその真相を確かめてみないか?」
「いやよ、早く町へワインを持って帰らなくっちゃ」
「お姉さまぁ、戦うのはデルタなのですよ? そんな恐いこといやですわ」
 好戦的、好奇的なレンダルはいつも二人に足を引っ張られる。いや、レンダルのほうが
足を引っ張っているのか。
「ほら、早く帰らないと魔法が解けてしまうわ。走って走って」
 しぶしぶ足を出すレンダルにデルタがこしょっと、
「今夜はお祭りですわ」
 急に思い出したようにレンダルの顔が明るくなった。そうして、誰よりも早く町へ辿り
着いた。

186 名前:初めて書いてみました。 投稿日:2006/04/07(金) 13:21:36 [ Fc.G4mTk ]
─悪魔が来たよ。短剣を持って─
─逃げろや逃げろ、悪魔に気づかれないうちに─
─ムダムダ、無駄だよ。悪魔からは逃げられない、お祈りしよう。─
(祈りのポーズに入る)
─せめてすぐ楽にしてくれますように!!─
(目を閉じにっこりと笑う。そこで照明が消え、ごとんと何かが落ちる音)



      歌劇〜フランデルの悪魔〜
      台本より、抜粋。


鮮やかな照明と赤い長絨毯。
そしてそれに全くそぐわない人々の怒号と叫び。
沢山の兵士の死体と血の痕を颯爽と走る男が一人。
「いたぞ!!逃がすな!!」
数人の兵士で男を取り囲む。男は軽く舌打ち、短刀を数本、右手に構える。
「喰らえ!!!」
兵士が一斉に剣で襲い掛かる。残ったのは硬い金属音。
「なっ!!これは・・・一体どうしたことだ!!」
兵士が斬ったと思った男の姿はなく、ただ金属の像が真ん中にあるだけ。
そして兵士は次々と、頭や首に短刀を突き刺され、絶えていった。

「良い夜を。」
男は薄く笑いを浮かべ、肉塊に言う。
そして男は城の中に消えていった。

ー同時刻ー
城の中に娘が一人。
豪華な部屋と素敵なシャンデリア。
鮮やかな橙のドレスと美しい羽飾り。
そしてそれとは対照的な、人形のように無表情な顔。
沢山の兵士の断末魔が遠くから聞こえていても、それは歪むことはなく、
ただ人形のように座り込んでいた。
「私はただのお人形、皆が笑えど私は笑わず、皆が泣けど私は泣けぬ。
私はただのお人形─」
無機的に歌い上げる娘の部屋に、場違いな男が一人。
「姫様!!!此処は危険ですお逃げく─」
言い切る前に、喉に短剣が突き刺さり。ドスンと大きな音を立て崩れていった。
そしてそこから現れたのは銀髪の、一人のシーフ。
「─ナクリマエ王国王女、ノアだな。」
男は冷たく言う、そしてその質問に、表情一つ変えずに頷く姫。
「俺と一緒に、来て貰おうか。」
男は手を差し出す。その手を無視し、娘が一言。
「その前に・・・名前を聞かせてくださいますか?」
「名前など無い」
ぴしゃりと言い放つ。
「そう・・・ですか・・・。では・・・私は貴方と一緒に行きましょう。」
男は冷たく笑い。皮肉交じりに言う。
「ほぉ、聞き分けのいいお嬢さんだ。まるで人形みたいだな。」
「その通りです、私はただのお人形・・・」
表情も変えずに、娘は言う。男は娘の手を握り。そのまま窓から夜の闇へと消えていった。

187 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/04/08(土) 22:38:28 [ W8BAcf5I ]
さぁさぁ後編の始まりです。
……どれくらいになってます?すごい量だ。いやまったく。

正直、ゲームではこんなんじゃなかったとか、
このへんの演出わけわかんねぇとか、

大丈夫です。ほとんど伏線です。たぶん。
それではどうぞ。果たしてどんな駄文が待っていることやら。

188 名前:ウィッチ・ハント(後)1/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:43:33 [ W8BAcf5I ]
 最初に四方から風が吹いた。
 次に炎が生まれた。
 炎は風に煽られて巻き上げられ、たちまちのうちに火炎旋風と化した。
 幸いだったのは、その火炎旋風がさして大きくなかったことだ。
 それでも、私とヒメは危なかった。あのまま私がヒメの首根っこをつかんで引き倒しながらガレキの
物陰に転がらなければ、火炎旋風の端っこなり直撃を受けて黒コゲになったうえ、空中に舞い上げられて
いただろう。
 物陰に飛び込んで安堵しつつ身を起こしたものの、不意に氷でできた死神の手で心臓をわしづかみに
されたような感覚を味わった。
 ヒメは確かに満身創痍だった。服はあちこちが破れたりすすけたりしてボロボロだし、召喚獣もその
ほとんどが戦闘不能状態に陥ってるワケで――しかし、ヒメ本人は命に関わる致命傷は負っていない。
 そう思っていた。
 違った。
 そうじゃなかった。
 ヒメの左腕は、肩のあたりからごっそりと、“消失”していた。完璧なロストだ。
 そしてその傷口からは、一目で致死量とわかるおびただしい量の血が溢れ出てきている。
「……ッなんかないの……!?」
 ギルドのメディカルサポーター役であるロンはここにはいない。しかしロマ村出身のビーストテイマーは
動物の扱いに慣れた獣医としての能力も持っている。こと人間に対してその治療術はまるで効果を発揮
しないが、人体の構造や傷の対処法に関してまるで無知ではないハズだ。もしかしたら使える特効薬が
あるかもしれない。
 彼女の腰のかわいらしいポーチをまさぐる。冷たい感触を感じて引き抜くと、傷の消毒用のモルヒネ
と呼ばれる薬品があった。ワルツが魔法の研究のときによく使っている試験管と同型のものだ。
 劣化は――していない、と思う。

189 名前:ウィッチ・ハント(後)2/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:44:13 [ W8BAcf5I ]
 手甲を外して試験管の中身を数滴垂らし、手の平でそれを伸ばして傷口に塗りつける。
「……ぃっ……」
「ガマンして」
 断固とした口調で私は言った。なぜかネクロマンサーはおとなしい。ただ単に遊んでいるのか、
私たちの姿を補足できていないのか。もし後者であるなら、うかつにネクロを挑発するのはおもしろくない。
 ヘタに声でもあげて見つかりでもしたら、それはイコール、死だ。
 包帯になるものがないので、ヒメのフードを破って傷口に巻く。少なくとも傷口の洗浄はできた。
「動ける? 動けるね、動いてもらわなきゃ困るんだからね」
「は、はぃ……」
 既に彼女の唇は紫色。瞳も目の前の私にさっぱり焦点が合ってないように見えるが……仕方ない。
 ロンさえいれば、うまい死に方さえすれば彼に蘇生してもらえる。さすがに脳が破壊されてしまうと神の
お力を持ってしても死の治療はできないそうだが。
 ネクロマンサーは……動かない。気付いてないのか。
「ロンとカリンは? どっかで会わなかったの?」
「わたしは……さいしょに……………の部屋に着い………めんなさ…………」
「そっか」
 やはり、それぞれが別の場所に飛ばされてしまったのか。
 死んでもロンに蘇生してもらえるという考えは、頭から消し去っておくべきだろう。えてして、そういった
気の緩みがツメの甘さに繋がるものだ。むしろロンが既に死んでいるという可能性も考慮しておかねば
ならない。常に最悪の事態を想定しておくべきだ。
 逃げるか? それこそムチャな話だ。たまたまガレキが多い一帯に滑り込めたからいまはいい。
 しかし、私が走ってきたこの若干100メートル。ネクロマンサーの一直線上であって、魔法の射程範囲内。
 ここに飛び込むのはまさに飛んで火に入る夏の虫だ。火に入った虫は、もれなく死ぬ。
「……ダメ。考えてても始まんないね。みーちゃんの傷くらいなら治せるね」
「は、はぃ……」
「上出来。ここでゆっくり、少しずつでいいから治したげて。ヤツに狙われたら、なにがなんでも逃げること」
「ゎかりました……」
 虚ろな表情で、しかし力強く愛用の笛を握り締めた彼女を見て微笑む。
「いい子。じゃ、ちょっと行ってくるから」
「ぁ、あの……」

190 名前:ウィッチ・ハント(後)3/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:44:44 [ W8BAcf5I ]
「Go……!」
 私ひとりでこの化物と渡り合えるとは思っていない。
 かといって、勝ち目のない戦いを挑もうとも思わない。
 ばっと物陰から飛び出すと、ヤツもこちらに気付いた。距離にして10メートル。近い。
 走ってヤツの足に飛びつく。ゾンビやコボルトの表皮みたいな、ぬるっとした感触はしなかった。
 渾身の力を込めて槍をヤツの足に突き立てる。
 緑色の血液だった。引く抜くと、どくどくとそいつが流れ出てきた。
『huuuuuuu』
 遥か上の高みのほうから、そんな呻き声が聞こえた気がした。割れ金を打ち鳴らしたようなひどい
ダミ声だ。
 その呻き声が呼び寄せたのか。
 ヤツの全身を取り巻くようにあらわれた赤っぽい燐光は、魔力、というやつなのか。
 それが、ヤツの身体に収束した。
 集中して、結実し、あふれだしたのは、火だった。
 何本もの炎の帯が渦巻いて、乱れ、私の身体を叩こうとした。
 おいおい――と思ったときにはすでに私の足は止まっていて。
 せめて来たるべき恐怖と衝撃を和らげるべく……などと我ながら馬鹿な考えにたどり着き、目をつむった。

「……?」
 しかし、まず間違いなく私の四肢を破裂させて焼却し、分解するであろう火炎の渦は……来なかった。
 おそるおそる目を開けると、そこには天使がいた。
 実際に生粋の天使などといったものを見たことはない。よって、私にとっての正解などありはしない
のだが……おそらく彼の今の姿こそが、万人にとって限りなく正解に近い“天使”の姿なのだろう。
 彼の名は、ローンダミス。ローンダミス=ディザーテイズ=ル=セルバンテス。
 『ローンダミス』とは天界の古い言葉で“殲滅する”“絶滅する”などといった言葉を意味する。
 彼がどうしてそのような呪われた名前を授かってしまったのかはわからないが、普段、一人の侍祭として
日々の生活を送る彼は、私たち仲間に対して優しすぎる。
 よって、ひそやかに平和すぎる。
 そんな彼を、“滅”などと物騒な。
「下がッテ」
「う、うん」

191 名前:ウィッチ・ハント(後)4/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:45:04 [ W8BAcf5I ]
 彼を、いや、私たちを包み込むこの白い、しかし透明な魔法の結界はそんな彼に残された幾ばくかの天使と
しての力。
 結界の外では激しい炎と旋風が結界に叩きつけられていた。その姿はさながら――
「シュツルム・ウント・ドランク。荒れ狂い、悶え叫ぶというやつだな」
「――うぉわっ!?」
「む。敵か?」
「い、いやそうじゃなくて。キミ、今までどこにいたの?」
「どこって、お前の後ろにだ。今もこうしてお前の背中を守ってやってるじゃないか」
「そうじゃなくて今まで……じゃない、じゃあさっき! ヒメが死にかけてたときキミはどこにいたの!」
「ヒメ? そういえばあいつの姿が見えんな。まったく、あれほど下校するときは寄り道せずにまっすぐ帰ってこいと
 言ったのに。しょうがない奴だな」
「……」
 時間の無駄だ。
 我らが“昼飯時”のマスターであるカリンは『実は頭ヤバいんじゃない?』と思ってしまいたくなるほどいい加減だ。
 どうでもいいお昼ご飯のメニューからギルドの行く末を決める重大な決議まで、今晩は何にしよう、カレーが
いいな、とかそんなノリであっさりと決めてしまう。それで物事が良い方向に運んでしまう――少なくとも、状況が
悪化するような事態を招いたことがないから不思議だ。しかし、そんな不足の事態がすぐ目の前に迫っていないとも
限らない。コイツの判断で命の危機に陥るような出来事が1分後に起きるかもしれないし、もしかしたら30秒後かも
わからない。
『我>>>>楯突>>>>>>愚御使』
「喋っ……?」
 ネクロマンサーの声とおぼしき音が響いてきた。同時に魔法の勢いがグンと加速し、魔法の障壁とぶつかり合って
ドンという鈍い音を残す。
 結界を張り続けるロンの体が大きく揺れた。
「ロン。保たないのか?」
 カリンの問いに、目を向けもせずに「長時間ハ」と答える。
「ふむ。このまま防戦していても死ぬだけだな。機を見て打って出るしかあるまい」
「機……って言っても……」

192 名前:ウィッチ・ハント(後)5/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:47:07 [ W8BAcf5I ]
 ロンの肩越しに前を覗こうとすると、
「前に出るなっ!」
 カリンが珍しく慌てて私の身体を後ろへ引き寄せるのと同時に、ドーンと重い音がして結界がネクロマンサーの
魔法を受け止める。
 結界に加わる力に、ロンはまだなんとか耐えていた。しかしその顔色は見る間に白くなっている。結界を支える
両腕にもぶるぶると震えが来ている。
「結界が決壊するのも時間の問題だな」
「……」
「む? 何かおかしなことでも言ったか?」
「……もういい……」
 今度は炎と風が入り混じった火炎旋風が結界を襲った。ロンは今度も耐え切った。だが、ネクロマンサーの魔法
のピークが過ぎて彼が次の魔法を起動させる精神集中に入った瞬間、ロンはガクリと膝をついた。
 結界が崩れて、火炎旋風の余韻が私とカリンを襲う。
 ネクロマンサーは勝利を確信したのか、チリチリとした空気の奥で顔を歪めていた。
 再びネクロマンサーの身体に魔力が収束し――
 彼の身体が、ボンと軽く爆発した。中途半端に蓄積された魔力が、外部からの衝撃により暴発したのか。
 何事かと視線を巡らせると、一匹の犬がネクロマンサーの、人間でいうなら胸の部分に噛み付いているのが見えた。
 続いて聞こえてきたのは、笛で奏でられる勇ましそうなメロディーの……突撃ソング。
「――クリフ、俺に続け!」
 名前を呼ばれてはっと我に帰った。そこで私は初めて、自分が槍を手にしているということに気付いた。汗ばんだ
両腕でフィルルムを握り直し、駆け出す。
 こうと決めた後のカリンの行動は素早かった。愛用の大剣を肩に担ぐようにして構え、勢いをつけて跳んだ後に、
「があああっ……!」
 盛大にぶった切ったのだ。
 彼の持つ剣、フランヴェルジュとは、フランス語のフランボワヤンが語源である。14世紀末から15世紀に
全盛したフランスの後期ゴシック建築の一種で、17〜18世紀には剣の形式名としても知られるようになった。
この形状の剣によって傷を付けられると傷口は肉片が飛び散り、直りにくい傷になる。また、刺突をして抜くときにも
傷口を広げることになるので、その美しさの裏には凶暴さを秘めた形状と言える。しかし、両手持ちの大型剣が
廃れた後には、その装飾的外見から儀式用剣として用いられ、近年までその名は知られていた。

193 名前:ウィッチ・ハント(後)6/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:47:28 [ W8BAcf5I ]
 と、なにかと物知りなワルツに教えられたような気がする。世紀だとかゴシックだとか……さっぱり意味不明だが。
 まぁ、彼の持つ剣の切れ味を見せ付けられれば、それが本物の『ふらんす』とやらで生産されたものかどうかの
真偽などどうでもよくなってくるというものだ。
 跳躍してその分厚い刀身を身体の動くままに振り回し、斬り、払い、薙ぎ、突く。最初の一撃で左足を膝から
切断されて体勢を崩したネクロマンサーには、どうすることもできなかった。
 私も駆け寄るまでの時間も惜しく弓に火矢をつがえた攻撃したが、これはもう完全にオマケでしかないだろう。
 カリンは一度地面に足をつけた後、また跳んで片膝をついたネクロマンサーの腰のあたりにフランヴェルジュを
突き刺した。
 深々とヤツの身体に埋め込まれた剣をカリンは“足がかりにして登り”、もう一度大きく跳ぶと今度は心臓のあたりに
真っ直ぐ伸びた刀身の短剣をずぶりとうずめた。
『u……』
 もちろん、まだネクロマンサーの胸に喰らいついてぶら下がったままだったワンちゃんを落ちてくる際にしっかりと
キャッチすることも忘れない。
『gu……gugugugu…………』
 ズン……という鈍い音と共にヤツの身体は床に吸い込まれるようにゆっくりと沈んでいった。魔力の気配だとか殺気
だとかも瞬く間に霧散し、そこは巨大なネクロマンサーが横たわっているということを覗けば何の変哲も無いただの
暗い部屋となった。
「……ふむ。まあ、こんなところか」
 カリンは両腕に抱えたケルビーをぞんざいな手つきで足元に下ろしてやった。故意か無意識かはわからないが、
腕と腕がケルビーの首周りをうまい形に絞め付けるような感じになってしまっていたので、わたし個人の感情としては
さっさと下ろしてやってほしいところだった。
 そして、その犬の飼い主はといえば。
「……死ぬか………ぃました…………」
「む? おお、いたのか」
 ガレキを押しのけて一歩一歩とヒメは出てきた。一応止血はしてあるものの(私がやったのだが)、滲むを通り越して
すでに染みてきたその新鮮な赤い血液は見るに堪えないものだった。
 そんな主人を気遣ってか、ケルビーはヒメの元にととと、っと駆け寄り彼女につけられた傷を自らの身長が届く範囲で
手当たり次第に舐め始めた。ぱっと見るとかなり感動的なシーンではあるが深く考えてみるとそうでもない。
 負傷者はまだ……

194 名前:ウィッチ・ハント(後)7/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:49:26 [ W8BAcf5I ]
「そうだ、ロンは」
「はイ」
 そこにはいつも通り、無口で無表情なビショップがいただけだった。無駄なくついた筋肉の上に羽織られた変わった
形状の僧衣は、ハッキリ言って、似合っていなかった。
 考えてみれば、彼がちょ〜っと神に祈りを捧げて回復の術式を発動させればたいていの傷や魔力は瞬時に回復できちゃう
わけで。私たちのように他人からの支援を期待するような立場ではないわけで。自己再生などというきわめて経済的で
合理的で効率的なマネができちゃうわけで。
「……ですよねー……」
「ダイジョウブ・デすカ」
「は、はぃ……い、いえ、痛い……ですけど…………」
 そりゃそうだ。
 ヒメは懐のポーチから、自分の右腕だったものを取り出した。だらんと力なくぶら下がったそれは、耐性のない者なら
見た瞬間に昼飯を吐いてしまいそうなほどグロテスクな代物だった。別段、自身が繊細な神経の持ち主であるとは思わないが、
私もしばらくの間は肉が食べられそうもない。
 というか、消し飛んだんじゃなかったのか。私の思い込みか。いつの間に回収したのやら。
 ロンはヒメの右肩、右腕の付け根があった場所に巻いてある包帯を解くと、傷口と“生腕”の傷口をくっつけて何やら
呪文を唱え始めた。ヒメは、きっと耐え難い痛みだったのだろう。必死に悲鳴を飲み込んで睫に涙を溜め込んで沈黙した。
 ロンの手元が淡く輝く。するとどうだろう、彼が手を離した瞬間には離婚したハズの二人がもう元通りだ。
「ふぅ……ま、ナニはともあれ、一件落着ってコト?」
「うむ、だといいがな」
 カリンは外套で顔をぬぐった。ネクロマンサーの身体を盛大にぶった切ったときに返り血を浴びたらしい。よく見ると、
その血は緑色だ。
 しかしその外套も返り血を浴びまくっているおかげであまりきれいな布とはいえない。
 やれやれと思って私はベルトについているポケットから清潔な布を取り出そうとした。その前に、イヤなものを見て
しまった。
 目の錯覚かとも思ったが、鋼鉄のごときクラレット=フィージェの理性はそれを見逃すことをよしとしなかった。
「カリン、それ……」
「む?」

195 名前:ウィッチ・ハント(後)8/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:49:54 [ W8BAcf5I ]
 彼の足元で蠢く、それを。
『uuuuuuuugaaaahhh』
「やば……」
 生きていたのか? 確かに、明確に“死んだ”なんて誰も明言はしなかったが。
 槍を手に夢中で駆け出したが、その行動がまったくの徒労であることは私自身わかっていた。
 ネクロマンサーの身体に魔力が収束する。赤っぽい燐光がヤツの身体を駆け巡る。
 ダメだ。間に合わない。距離がありすぎる。この若干20メートルがこれほど長い距離だとは思わなかった。仮に
間に合ったとしても、自分に何ができるのだろう――カリンは持ちうる刃物を2本ともネクロマンサーに叩き込んで
しまったし、ヒメの召喚獣は出現すらしていない、ロンの追放天使の魔力なら……? いや、いまの彼はビショップだ。
 もしかして……
 ジ・エンド?
 ビリビリと空気が振動してくるのが肌に伝わる。日頃からそれなりに折り合ってきた死神の手が、ついに私の肩を
叩いたような気がしてきた。
 いままでありがとよ、ずいぶん長い付き合いだったな。でもそれもいまこの瞬間で終わりだ。さあ、俺と一緒に
地獄へ行こうぜ。ネクロマンサーの顔は私にそう言っている気がした。
「殺すのかァい? その前に……保険金をかけたまえよ」
「……はい?」
 恐ろしく場違いで、ナルシストで、変態で、ストーカーな声が私を現実の世界へ引き戻した。
 と同時に、室内であるにも関わらずどこからか隕石が飛来してきた。
 一発。
 二発。三発、四発。そこで一息つくのかと思いきや、杖をブンブン振り回しながらポーズを決めてさらにもう一発。
 計5発の隕石がネクロマンサーの身体を直撃した。さすがにこの大技の応酬に立っていられなくなり、今度こそ
ヤツは大地にその巨体をうずめた。
「フ……ッ…………! キマった、ネ」
 ヤバい。あの変態鬼畜助平童貞ストーカーキ○ガイセクハラ魔術師が来てしまった。
 どこだ――どこにいる? 氷よりも冷たい汗が背中を伝っていった。視線を巡らせ、探す――いた。
 奴は、どういう手品を使っているのか、“天井に立っていた”。放り投げた石が自然に下に落ちていくというあの
原理、というか世界共通の一般常識を完全に無視したブラヴォーな立ち居振る舞いだ。

196 名前:ウィッチ・ハント(後)9/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:50:49 [ W8BAcf5I ]
 彼は体勢を反転させるとわずか数十センチの段差から飛び降りるかのように、普通に落ちてきた。もちろん背景には、
バラの花びらがこれでもかといった具合に散りばめられている。なぜか。
「お、おまえ……」
「キミのいるところにはボクがいる。いや、行く。なぜ? ――愛ゆえに。愛してるヨ、フィージェ」
 昼飯時に一番不必要な存在が来てしまった。どこからか取り出された一輪のバラの花は、私に向けられている。
「ボクがいなくてツラかったろう? でも、もう安心だよフィージェ? ボクがキミを寂しがらせることなく、辛い目に
 遭わせることもなく、――愛してあげるヨ。ボクの愛は無限大だ。いや、日々成長していると言ってもいい。キミ
 へのこの思いは、留まらず、止まらず、それでいて変わることなく、しかし、日を追うごとに強ま……」
「死ね」
 ムカついたので、駆け寄ってぐーで横っ面を殴ってやった。「げぱっ」という意味不明の擬態語と共に歯が数本
どこかに飛んでいった。少しスッキリした。
「フ……相変わらずつれないね」
「黙れ」
 涙目で頬をさする彼の股間を一蹴り。「ふだっ」。
「ワルツ。いたのか」
「むごおぉぉぉ……っと。フフ、いたさ、いるとも。フィージェのいるところにボクはいる。行く。先回りしてでもネ」
「そうか。ともかく、このネクロマンサーだ。倒した証を持っていかないとな」
 カリンはあごをさすりながら、倒れたネクロマンサーの全身をじっと眺めた。
「依頼主からは明確な指定がなかった。逆に困るんだよな、こういうの」
「そうだね。首を丸々持っていくにしても、斬り落とすのも大変そうだし、腐ってわからなくなっちゃうしね」
「これが人間なら指を斬って指紋を照会させるんだが、そうもいかんだろうしな。どうするべきか」
 うーむと考え込むカリン。もちろん私だって何かいいアイデアはないものかと思案を巡らせているのだが、なかなか
効率の良さそうな運び方が思い浮かばない。どの部位をどう包んで持って帰ろうか。
「――! あ、あの……」

197 名前:ウィッチ・ハント(後)10/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:51:37 [ W8BAcf5I ]
 遠慮しがちにそっと手を上げたのはヒメだった。足元では召喚獣のみーちゃんが行儀良くおすわりしている。
「おお、ヒメか。何かいい案はあったか?」
「そ、それなんですけど、実は致命的な問題が……」
『?』
 一同が首を傾げた。魔物の気配だとかには敏感な彼女であるが、ネクロマンサーが倒れた今、この部屋に敵はいない。
 彼女が気配を感じ取るべき対象はいないハズだ。
「あ、あれ……あそこにいるのって……」
『?』
 一同が首をひねってヒメが指差した方向を見やった。
 そしてその場にいた全員の顔色が青くなった。いや、青くなったというかなんというか。
 とにかく、その場の雰囲気が一種の“戦勝ムード”というものでなくなったということは確かか。
 ヒメが指差した先には、『半透明の少女が浮かんでいた』。うっすらと向こう側の壁の模様が透けて見える。
 歳の頃は、15〜17歳くらい。もしかするともっと上かも知れない。腰にまで届こうかというその長い髪が印象的な
少女だ。服……というよりは、布に穴を開けて袖と頭を通しただけ、といった感じの粗末な衣服を身にまとっている。
『ツァイス……ありがとう』
「……うっ……」
 耳から聞こえてくるのではない。頭の……脳に直接響いてくる、女の声だった。
『これで我が王国も終わりね。忌々しい……忌々しい悪魔ども。でも、我々エリプトは、彼らに及ばなかった。
 アリス。イライザ。シークス。エクサ。ジュリアン。タニス。グラント。皆、向こうに行ってしまいました。
 ご苦労様でした、ツァイス・シャノ・バルバロッサ。除隊を許可します』
「……なに……コイツ……」
 女がそう言うと、ネクロマンサーの死体は周囲の風景に溶けるように姿を消していった。
『私が最後の一人。どこで間違えたのかしらね……』
「……残念だがエリプト最後の女王よ。ここが貴女の墓標となる。もうエリプトはないんだ。
 ……貴女は、失敗したのです。女王」
 ワルツが一歩前に出て声高らかに言った。静かだが力強い――コイツ本当にあの――ワルツか?
 それに、コイツは、何を言ってるんだ?

198 名前:ウィッチ・ハント(後)11/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:52:12 [ W8BAcf5I ]
『歴史とは面白いものね……ふふ。貴方が自身の手でこの国の歴史を終わらせるなんて。
 自ら……過去の清算に、この愛憎の復讐劇に幕を降ろそうなんて』
「それが、私の役目です。陛下、お覚悟を」
『見逃してなんて……くれないのね。いいわ。浄化して? 貴方に浄化されるなら、私も嬉しいのよ』
「……身に余る光栄にございます」
 ワルツは振り返ると視線だけでロンを見た。ロンはそれで察しがついたのか、小さく頷くと懐から小さな短刀を
取り出してワルツが差し出した手の平に乗せた。
『あの時私は誓ったの。私の王国を滅ぼした、国民を蹂躙した、土地を焼き尽くしたあの悪魔を皆殺しにしようと。
 わかる? 悪魔がいるところには私がいて、いつも奴らを見ていた。国が大好きで……愛ゆえに』
「それでまた、エリプトを再興させようとしたのですか。転生に転生を繰り返し、身体まで失って……」
『人さえ集めれば、またできると思ったの。……ばかね、私ったら』
 くすくすと力なく笑う少女。
 ワルツは何も言わず少女へ向き直った。その手には、あの短刀が握られている。
「それでは……失礼します」
『どうぞ』
 ワルツが短刀を振り上げる。
 何故かみんなは、何も言わず、何も言えず、その光景を見つめていた。――私も。
 カッと眩しい光が巻き起こった。私はたまらず額に腕をあてて目をつむった。

『私の水を受け取って…………』

 どこからか、そんな声が聞こえた気がした。

199 名前:ウィッチ・ハント(後)12/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:52:48 [ W8BAcf5I ]
「う……」
 気付いたら、私は木製の床に横たわっていた。
 またどこかに飛ばされてしまったのだろうかと思って辺りを見回すと、今度はきちんと全員いるみたいだ。
 私が一番最初に意識を取り戻したらしく、皆はまだぐったりしている。しかたなく、一人一人を起こして回る
ことにした。
「しかし……」
 目が覚めたカリンの第一声はそれだった。
「ネクロマンサーは消えちまった。骨の欠片でも残っていればよかったんだがな……」
「その件なら心配はないヨ」
 ホラ、とワルツの手に短刀の代わりに握られていたのは、示し合わせたかのようにネクロマンサーのものと思われる
白骨のカケラだった。
「コレを持っていけば充分だろう。成分を調べればネクロマンサーのものと鑑別されるハズさ」
「そうか」
 よく見渡すと、ここはハノブ望楼1階の一室のようだ。あの光を浴びた後……私たちはここに飛ばされたらしい。
「……ふむ……」
 カリンは釈然としない顔だ。
「……これで任務完了、だな」
「はイ。帰りま・しョウ」
「悪いが、ボクはもう少しの間ここにいるとするヨ。急用を思い出した。フィージェ、君も来てくれ」
「断固拒否」
「そう言わずに。キミたちは先に行っててくれたまえヨ」
 唐突なワルツの台詞にみんな違和感を感じたようだが、カリンが「さあ、昼飯にするぞ」と歩き出すとパターンの
法則で他のメンバーも続いた。
「さて、邪魔者は消えた、か」
「キミの行動と言動如何によっては、殺すよ?」
「そう言わずに。ついてきてくれ」

200 名前:ウィッチ・ハント(後)13/13 投稿日:2006/04/08(土) 22:53:14 [ W8BAcf5I ]
 こっちだ、とワルツは勝手に歩き出してしまった。無理についていかなくても良いのだが、慣れない建物の中で
一人になるのは面白くないとしかたなく彼の後に続くとした。
 ワルツは建物の中をすいすいと迷うことなく進んでいく。
「この建物は天体観測所も兼ねていてネ。別棟には世界最大の望遠鏡があるんだ。
 知ってるかい? 望遠鏡、って。ここ、ボクたちが暮らす地上というのは……広い言い方をすると“天体”と
 言うのだがネ。ずっと遠く離れた別の場所には、ここによく似た天体が浮かんでいる。
 距離にして……いや、距離になんてできないな。とにかく、途方もない遠い場所に、天体はある。
 数にして、いったいいくつあるのだろう? いままで確認されているものですら、いくつあることか。
 ともかく、そういった“天体”……星、といえばわかりやすいかな?
 その星を探し、研究し、鑑賞するための道具が、天体望遠鏡なんだ」
 そんなことをワルツは歩きながら一方的に喋くっていた。正直、どうでもいい。
 中庭を抜けて望楼とは別の建物に入った。ここが、観測所というやつか。来るのは初めてだ。
 真っ昼間だというのにかなり薄暗い。そのぼんやりとした暗闇の中に浮かぶ巨大なシルエット……。
「これが天体望遠鏡だ。通常、昼間に星は見えないんだが、この望遠鏡はスマグの魔法使いどもの技術の粋を
 集めて作ってあるらしくてネ。太陽の昇っている日中でも、星を見ることができる」
「ふーん」
「ただし、決して太陽を直接覗いちゃダメだ。本物の目玉焼きが欲しいなら別だけど、ネ」
 ちょっと待っててくれ、と言うと彼は望遠鏡に飛びついて何やら作業を開始した。建物の天井を破って突き
出ているこの筒が、いったい何になるというのか。
 少しすると、「来てくれ」と手招きされた。仕方なく歩み寄ってみる。
「ここを、片目を閉じて覗いてみてくれ。左目を閉じたほうがいいかな?
 ただ、変にあっちこっちをいじって太陽を見てしまってはダメだ。これにだけは注意してくれ」
「はいはい……」
 さりげなく肩に回されようとしたワルツの手を払いのけ、腰を曲げてその小さな筒? みたいなものを覗いてみる。
 その瞬間、私の身体を何かが突き抜けていった。
 私が求めていたもの。
 私がここにいる理由。
 私が戦う理由。
 ――赤い石。レッドストーン。RED STONE。
「ワルツ、これ……!」
「これはボクの自論だヨ。
 ……ズバリ赤い石とは、あの星だ。あの星を……じゃあ、仮に火星と呼ぼうか。
 レッドアイの会長アイノ・ガスピルの言葉にこうある。
 “あれは至高の宝ではないのだ。それを忘れ暴走すれば、必ず汝を破滅に引導するだろう”……。
 さっきも言った通り、星とはとても大きい。それはこの火星だって例外じゃあない。
 ……キミは、流れ星とか、流星なんかは知っているネ」
「あの、3回願い事をすれば願いが叶うっていう……?」
「当たりだ。さすがボクのフィージェ。
 流れ星というのは、小さな星……言うなれば、星の出来損ないがボクたちの星に降ってくることを言うんだ。
 ということは、だヨ? 小さな小石ほどの星でなくとも……あの火星がここにぶつかってくるという可能性も
 否定できない」
「……何がなんだか、よくわからないんですけど」
「要点はただ一つ」
 ワルツは人差し指を立てて告げた。
「あれがレッドストーンかも知れない。
 そして何らかの行動が引き金となって、……全てを飲み込んでしまうかも知れない。ということサ」




                                                 〜「ウィッチ・ハント」〜END

201 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/04/08(土) 22:56:19 [ W8BAcf5I ]
○簡単なキャラクター紹介

クラレット=フィージェ(Lv84ランサー/アーチャー)
槍と弓を巧みに使いこなす傭兵。ギルド『昼飯時』のメンバー。愛称クリフ。
レベルが低いのですぐピンチになる。

ローンダミス=ディザーテイズ=ル=セルバンテス(Lv121ビショップ/追放天使)
かつて天界を追放された天使にして敬虔なビショップ。愛称ロン。
ギルドに必ず1人はいてほしい「いいビショップ」。無口。
守備的な動きが得意。彼がいなくなったらPT全滅します。

ワルツ(Lv111ウィザード)
ひたすらクリフに対するアプローチをかけまくる変態魔術師。普段の素行はアレだが実は有能。
ギルドに必ず1人はいるセクハラウィザード。
今回、書き直しの関係で出番がかなり削除されてしまったかわいそうなひと。

カリン(Lv133戦士/剣士)
ギルド『昼飯時』の党首。普段は馬鹿っぽいがたまに名案を思いつく。
ギルドに必ず1人はいる『勇者様』。
大剣をぶんぶん振り回す戦場の主役。

ヒメ=K=ユウマ(Lv75ビーストテイマー/サマナー)
無言テイマ。召喚獣とペットをこよなく愛するいい子。実は折檻のプロ。
ギルドに1人はいてほしい「癒し系」テイマ。
ペットは友達。

202 名前:名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/04/08(土) 23:30:37 [ W8BAcf5I ]
専用ブラウザの調整が甘いのか、ギコナビの動作が不安定な今日このごろ。
ちゃんと投稿…できてますよね?

>FAT氏
エルフには、
・美形
・剣と魔法が得意
・森を愛する
・人間と交流を持たない
・なんかの封印を守ってる

…という印象がありました。
……やってください(涙)。

>魔道書を捨てたWIZ氏
ひ、ひ、ひひひ、昼飯時ですかぁ!いい響きですよね。ランチタイム。
誰か、「昼飯時」でギルド作ってくれないですかねぇ。桃鯖にでも。
ネクロマンサーのヴァレス。
…昔、ネクロマンサーでありながらアルケミストでもあるという二足のわらじを履いた魔術師を見かけたような…。

>黄鯖雑魚氏
そう、これなんです。
この「そして運命の歯車は動き出す」みたいな感じのがやりたいのです。
しかし、自分の現行のストーリーではそんな壮大な物語は無理なわけで。
あぁ、スケールが…スケールが……。……メタルスケールアーマー!

>リ・クロス氏
ふぁ、ファンタジーだ。しかも…も、燃える展開だ!?
なんだか、NPCの皆さまが大活躍してますよねぇ。ケイルン強ぇ!
どうでもいい話ですが、自分はスィラパンダが好きです。ブルンネンシュティグのテレポーター。

>戦士のようだ氏
バイオハザード的展開ッ!ドラキュラになっちゃうのでしょうか。
間違って病気のコボルトになってしまったりしたら……。
そ、それはそれで嫌だ!

ロマサガはプレイしたことがないです。
代わりといってはなんですが、FFは1〜6までプレイ済みです。以降はプレイしてません(どうでもいい)。
しかし、コボルトの洞窟を制圧するのにこの規模の大部隊とは……w
昔の人ってのは面白いですよねぇ。自分も(後略

>ドリーム氏
エ(ry はスルーですかw
それではワルツくんにでもセクハラさせることにしましょうか。いや、それをやって困るのは自分だ。

それにしても、このバッドエンドは……レイド悪人じゃないか!レイドがラスボス!?

>南東方不勝
武道家(29)カワイソ(´・ω・)ス
跳び蹴りは好きです。
ですが跳び膝蹴りは嫌いで(後略


…最後に、ちょっと後書きを。
今回の「ウィッチ・ハント」はきちんとした一話完結モノのすっきりした、まあ、アレを予定していました。
メインクエ実装やら公式設定やらのおかげで台無しになってしまいましたが。
そうそう、最近、ようやく1stキャラで「クロマティガード名誉隊員」の称号を得ました。
まだそれしか進んでないのです。
物語の核心に迫れる、というか今回張った伏線が役に立つ時…来るのかなぁ、と。あぁ。

次回のタイトルは「死(私)闘! リュウィンズVSクリーパー 〜蟹の甲羅は渡さない〜」
です。たぶん。
クエスト「鉄の補給:軍備」ですね。どうせ、長くなってしまうことでしょう('A`)

203 名前:黒い人 投稿日:2006/04/09(日) 17:50:00 [ Gf1Vfgqw ]

皆様お久しぶりです。黒い人です。
皆様の達筆ぶりに圧巻されながらコッチョリ詩などを
落としていこうという魂胆であります。
感想等こちらには落としてはおりませんのは
読むのも書くのも遅いためであります…うう。

--------------------------------------------------------

-春夏秋冬-




若葉萌ゆる青空 大樹の陰で笑い合う
サンドウィッチのバスケット 草花に預けた オヒメサマ



片翼のない天使 白い砂浜で抱き合った
一つになって嬉しくて 星を数えた ハニカミ屋さん



夕暮れにかかる隊の声 ブーツが紅葉を踏みつけた
「帰るまでいい子でね」 初めて泣いた サミシガリ



こがらしが身にしみる 戦で焼けた人の国
片翼の倒木群をおしあげて
「いい子でいたのに」 ツヨガリ屋さん



桜舞い鳥ウタウ 大樹の陰のテルテル坊主
糸が切れたオニンギョウ 笑顔で叫んだ チャッカリ屋さん



「天使はオレだよ」 かっこつけ
「もういかないでね」 泣き虫さん




-------------------------------------------------------------Fin

204 名前:黒い人 投稿日:2006/04/09(日) 17:52:37 [ Gf1Vfgqw ]
抽象表現ダイスキです...。


>>202
自ブログで恐縮ですが、「アイノの報告書」と
もう一つの資料をまとめたものがございます。
こちらに公開するのが恐ろしいですが、
少しでも職人様たちのお役にたてれば公開したいと
思ってます...。

205 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/11(火) 06:47:44 [ nXPscqHY ]
>>118

登場人物紹介 参考資料:エリのプロフィール帳

大河内 エリ(14) 女 ビーストテイマー/サマナー
長めの黒髪に金春色と紺鉄の瞳を持つ(虹彩異色症)ギルド「ミックスピザ」メンバー。イギリス人のハーフ。
普段は笑い上戸、口が達者で陽気だが現実的・冷徹な面も。召喚獣を無詠唱で三体まで出せる奇才召喚士。調教術は優秀な割に放任主義。
また、幼少の時から習っている護身術で体を使った近距離の戦闘が得意。在学中は『喧嘩番長』の異名も持っていた。
黒いジャケットと揃いのカーゴパンツ、長い細身のダッフルコートがトレードマーク。秋冬にはこげ茶のキャップとクリーム色の襟巻きも愛用。
好きなことは運動、うたた寝、いたずら、格闘、夜更かし。嫌いなことは早寝早起き、数学の問題集。誕生日は12月24日。


竜神 サキ(15)  女 ランサー/アーチャー
短い金髪と瑠璃色の瞳を持つギルド「ミックスピザ」メンバー。アメリカ人のハーフ。
大人びた性格でおとなしかったが、エリと出会ってから段々と性格が似て来ている。
幼い頃からアーチェリーに興味を持ち、7歳の頃から弓に手をつける。他のランサー・アーチャーよりも魔法攻撃が優れている。
得意技はファイヤーアンドアイスとウォーターフォール、エターナルプロジェクター。エリと同色のキャラメル色のPコートと茶色のストールを愛用。
好きなことはアーチェリー、読書、勉強、夜更かし。嫌いなことは通常では考えられない異常事態、朝寝坊、口論、忘れ物。誕生日は7月7日。


トライバル・シーズ・シルヴェスキー(23) 男 シーフ/武道家
ブリッジヘッド出身、グレーの髪と赤茶色の瞳を持つギルド「ミックスピザ」ギルドマスター。
戦闘時は驚くほどの戦闘力とリード力、冷徹さを保ちでまるで別人になるが、基本的にお気楽で能天気、面倒くさがり屋なので
普段はナマケモノのようにぐうたらしている。シータよりギャップがかなり激しい。
最近は精神レベルが似ている?エリと格闘ごっこやいたずらを楽しんでいるが、ギルド資金を貯めるためか頻繁に宝箱漁りや露店に出される。
好きなことは宝箱漁り、露店、散歩、いたずら。嫌いなことは早寝早起き、ギルド管理。


オーガスト・シード・マクライアン(25) 男 ウィザード
魔法都市スマグ出身、長い縮れ毛の茶髪にエメラルド色の瞳を持つギルド「ミックスピザ」副ギルドマスター。
トライバルの管理嫌いをしっかりカバーする縁の下の力持ち。他のウィザードに比べ術に長けており、優しく礼儀正しい性格
とは裏腹に故郷では1,2を争うほどの実力の持ち主でもあったりする。ギルドのお母さん的存在。
メンバーのなかで一番長身。気も長い。勤勉。
好きなことは魔法4大元素の研究、読書、散歩。嫌いなことは誰かさん達のいたずらを叱ること。


ラルフ・クロウ(24) 男 戦士/剣士
古都ブルンネンシュティグ出身、蒼い髪に青色の瞳を持つ、ギルド「ミックスピザ」副ギルドマスター。
若くして「青嵐の剣闘士」と呼ばれるほどの腕前を持つ物理・魔法戦士/剣士。(メインは戦士)皆の様子をまったりと眺める、穏やかな性格。
以前は単身でダンジョンに潜り込んだりして腕を磨いていたが弟子にシータを迎えてからは稽古をする日々が続くがそれなりにいい様子。
得意技はドラゴンツイスター、ハリケーンショック、ディレイクラッシング、パラレルスティング。
好きなことは傍観、睡眠、シータの稽古、皆で食べる食事。嫌いなことは悪徳業、悪いこと。


シータ・エリシオン(14) 女 剣士/戦士
鉱山町ハノブ出身。短い黒髪に金色の瞳を持つギルド「ミックスピザ」メンバー。
普段は人一倍元気があるエネルギーの塊だが、一旦沈むととことん沈む。ギャップは激しめだが、トライバル程ではない。
訳ありでラルフに弟子入りして以来、「ラルフを守れる魔法剣士/戦士」を目標に日々稽古に励んでいる。
同い年のサキとエリとは大の仲良し。基本的に剣士だが魔法攻撃を習得する為戦士の技術もそこそこある。
好きな事はラルフの稽古、瞑想、お風呂。嫌いなことは無駄な争い、戦争(ギルド戦以外)。


セブロ・シルバ(26) 男 ビショップ/追放天使
神聖都市アウグスタ出身。茶髪に瞳を持つギルド「ミックスピザ」ギルド元老。
いつもみんなに支援を送り、キチンと叱れるギルドのお父さん的存在。追放天使よりビショップの歴が長い。
オーガストとは酒を一緒に飲みあう仲でもあったりする。
また、料理の腕前が何故か良く、彼が料理当番になるとみんな特に三人娘とトライバル)が歓声を上げるほど。
好きな事は支援、神への祈り、教会でまったりする事。嫌いなことは特になし?

206 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/11(火) 06:51:51 [ nXPscqHY ]
◆プロローグみたいなもの>>118
◆登場人物紹介>>205

空色の記憶







フランデル大陸の極東地域、ゴドム共和国──古都ブルンネンシュティグ。

そこは多くの冒険者が集まり、数々の膨大な情報が行き交うゴドム共和国最大にして数々の歴史ある都市である。


古都の空が朝焼けで赤い頃、古都の一角の空き地で、一人の人間が立っていた。


 人間の表情は若い。歳は十代前半から後半の中程か、鮮やかな金春色の右目と深い紺鉄の左目、長めの黒髪が印象的だ。
黒のジャケットを着て、腰を太く丈夫そうな皮ベルトで締めている。上に着たダッフルコートの長い裾が時々風で踊った。
 手には、金属のようなものでできた長くシンプルな笛が握られている。よく使い込まれているのか、微かな傷が至る所に付いていた。
 その人間は息を軽く息を吸うと、腕を持ち上げ笛を縦に持ち、端に口に当て吹き込んだ。美しく澄んだ音色が朝焼けの空に調和する。
「ねぇ」
 黒髪の人間が演奏を中断し右を向き呼びかける。しかしそこには誰も居なく、暖かい風と青々とした芝しかなかった。
「何?」
間を置いて少し低い声が、黒髪の人間が呼びかけたほうから聞こえた。
「ブラー取ってくんない?ホラー映画の悪役みたいだべ」
「悪役って・・・・エリだって出かけるときは持ってくくせに・・・・・・」
 声がぶつぶつ愚痴ると、さっき黒髪の人間が呼びかけた方の空間がぐにゃりと動いた。と、見る見るうちに黒髪の人間より少し背が高い
人間が姿を現した。歳は黒髪の人間よりも同じくらいか。瑠璃色の目と短い金髪が朝日に輝く。
格好は黒髪の人間より軽く、白いシャツに黒いズボン、短いこげ茶色の、底が厚いエンジニアブーツで決めていた。
「で、何」金髪の人間が話を戻す。
「一昨日テーブルに手紙が置いてあったんよ」エリと呼ばれた黒髪の人間が懐から封筒を取り出した。封は既に切ってある。
「手紙なんてたいして珍しくないじゃん」金髪の人間は事も無げに言った。
「いやいやいや」エリが否定した。「実はね・・・・・しばらく萎びてたうちのギルドにとうとう戦いの───」
「朝っぱらから何やってんだよ?」
 寝ぼけた、ぱっとしない声がエリの言葉を遮った。エリが後ろを向き、声の主をキッと睨む。

207 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/11(火) 06:52:56 [ nXPscqHY ]
>>206

 寝ぼけた、ぱっとしない声がエリの言葉を遮った。エリが後ろを向き、声の主をキッと睨む。
歳は十代前半から後半までの間ほど、短く切ったグレーの髪と奥二重の目に赤茶色の瞳が顔に似合っている。
まだ起きたばかりだったのか、格好はパジャマのままだった。髪には所々寝癖がついていた。
「トライバル、何の用?」金髪の人間が言った。
「おい、エリもサキもそんなに睨むなよ。俺が何したって言うんだ?それに萎びたギルドって何・・・・・」
「さぁね?あとで考えてみようか?」サキと呼ばれた金髪の人間の目が鋭くキラキラッと光った。
「遠慮しとく」トライバルと呼ばれた人間は肩をすくめる。「それより早く朝飯作れよ。今日サキが当番だぜ?」
「え?あたし?」サキの目が大きくなった。「当番表ちゃんと見た?」
「ちょ、今日あたしだよ?御前何言ってんの?」エリがニヤニヤしながらトライバルに向かって身を乗り出した。体が笑いで震えていた。
「あー・・・・・あぁ、今日はエリだったな、二人ともすまん、間違えた───エリ、そんなに笑うなよ。それなんだ?」
トライはくすくす笑いを起こしているエリの手から手紙をもぎ取った。
「何々?───おお、対戦の申し込みじゃないか!ってこれもう知ってる・・・・・今日の真昼にあるやつだろ?」
「今回は強制終了無さそうだねぇ」サキと呼ばれた金髪の人間が手紙を覗き込みながら自信なさげに言った。
「へー?」トライが目を吊り上げた。「今回もどうせ事務室に入りたての新米かなんかヘマで強制終了だろ・・・・」
 トライバルは半信半疑だった。今までギルド戦をしてきた中で、最後までまともに戦いぬいた例は数えるほどしかなかったからだ。いつも
良い所で事務室の管理人が「戦闘フィールドが重い」とかなんとか言って全員古都に強制帰還されるのが落ちじゃないか。
「今回は信じようよ。それにほら、申し込んだ相手の名前見てみ?この人、すごい強いのに礼儀正しいってんでここじゃ有名な人じゃん」
エリがくすくす笑いながら言った。しらねぇよ、とトライバルが毒づく。
「おま、知らないとかどんだけだよ」
「うっせぇな、俺は武道家でもあんだからそこまで知ってるわけないだろ」トライバルがイライラと言った。
「分かんないのを武道家のせいにすんなヘタレ」
「なんだとぉ?俺は多分ヘタレじゃないぞ!だいたい手紙だってたいして見ないで申し込みに答えたし・・・」
「はっ、手紙見てないとかそれはそれで問題だな。しかも多分かよ・・・・・まぁ、早くこれみんなに見せに行こう!」
「そこ話逸らすなよ!」
「はいはいはいはい、もうそこら辺でやめてお家に戻りましょうねー」
「おいサキ、まだ話は終わってな・・・・」
トライバルが発言を途中で止めた。止めざるを得なかった。見ると、トライバルの首にサキの護身用の投げ槍の刃が押し当ててあった。
「お首を掻っ切られたくなかったら早くお家に帰りましょ?」サキは微笑んでいたが、背後には恐ろしいオーラが漂っていた。
「な、なんで俺だけ・・・・」
 トライバルが不公平と訴えるようにサキを見つめたが、当然の如く無視された。トライバルの顔がうつむいた。
こうしてこの言い合いをサキは微笑みと武力で征し、二人を空き地のすぐ近くにある大きい一軒家へと強制送還させた。

208 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/11(火) 06:54:31 [ nXPscqHY ]
>>207

 「へぇ、なるほどね。で、この──真昼の戦いに参戦するのか?」
 カントリー調の広いダイニングで、パインテーブルに頬杖をついた蒼い髪の人間が片手で手紙をヒラヒラさせた。
紺色の瞳が朝光に映える。
「嫌ならいいけど・・・・」
エリは大きめのお皿に盛った出来立てのベーコンエッグとコーンポタージュをテーブルに置いた。いい香りが立ち込める。
「いや、俺は出るよ。最近単調で暇だしな。他は?」
 蒼い髪の人間はテーブルについている人間を見回した。
「ラルフが行くなら私も行きますよ」茶色い髪を後ろで縛った、精悍な顔の人間がテーブルの上にあるベーコンエッグに手を伸ばした。
「セブロ、ありがとうな────そちらの方々は?」
ラルフと呼ばれた蒼い髪の人間が、テーブルの横にあるソファーの背もたれにもたれかかっている短い黒髪の人間と、ソファーに
座ったままの背が高い、茶髪で縮れ毛の髪をした人間に目をやった。どちらも俯いたままびくともしない───ひどく爆睡しているようだ。
「可哀想だからやめとけば?」エリは二人を哀れむように横目でちらりと見た。
「それもそうだな。寝させたほうがいいかもしれん。そういえばサキとトライは?」
「2人は2階に上がりました」セブロと呼ばれた人間はホールをテーブルに置いたまま立ち上がる。「じゃあ、私は先に準備しておきます」
「んじゃー俺も行くわ」つられてラルフが立った。「御前は準備しなくていいのか?」
エリは何も言わず、顔を縦に振った。ラルフはわかったというように頷くと、セブロに続いて2階へ上がった。
 それを見届けた後、エリは玄関に置いてあったこげ茶色の皮製鞄をダイニングまで持っていき、口を開けて逆さまにした。ポーションや
霊薬が当たるカチャカチャといった音がダイニングに響く。
「万病7個に強化解毒剤5個・・・・青ポは6個でいいや。赤ポはポーチに入れておこ」
一人で物々いいながら、腰のベルトについている大小のポーチにポーションやら各々の物をきちんと並べて入れていく。
「・・・二人とも置いてっちゃうけどあとで怒ったりしないよね・・・・・・・」
なんとなくソファーの方に目をやった。オーガストさんは優しいから大丈夫だろうが、シータはどうだろう・・・・・。エリは頭が少し痛くなった。
「ねぇ、エリー」
 突然階段の方からサキの声がした。なに、とエリが返す。
「これからポーションとか消耗品買いに行くんだけど荷物持ち手伝ってくれる?」
「構わんけど」
「ありがと。これ、財布持ってて」
サキは階段を下りながらエリに財布を投げて預けると、右手に持っていたキャラメル色のPコートを羽織った。
「今日は何買うんだよ?」
「油とか万病とかいろいろ。あとドラゴンものは全部買うよ」
「ふーん・・・いつもより多くなりそうだね」
「そうだね」
エリは先に玄関に行き、勢いよく鉄のノブを回した。


春の暖かな天空の光が、2人の少女を照らした。

209 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/11(火) 06:56:50 [ nXPscqHY ]
>>208




 「サキ、これだけ買い込めば十分だよね?ってか頼むから十分だと言ってくれ。いくらなんでもこりゃ重すぎる・・・・・っ」
 エリにはさっきの勢いとはかけ離れた「疲れた」というオーラが漂っている。それは、右手にラージヒールポーションが沢山入った紙袋を
抱えているせいか、リュックの中に強化解毒剤やら万病治療薬が詰め込んであるせいか、または左手にドラゴンの心臓や牙、爪や鎧油、
刃油が入った箱をいくつも抱えてるせいかもしれない。
「ジャン負けで荷物もち決めるっつったのはあんたでしょーが」
「そうだけどこんなに長く持つなんて決めてない!」エリは間髪を入れずに反論する。
「あーあー聞こえなーい」サキが満足そうに口笛を吹いた。
「いやぁん、竜神さんったらいっけずぅ〜」
「大河内さん、ちょっと気持ち悪いですよ?」サキがさらりと言った。
「うっせぇ、知っとるわ」
エリが毒づきながら体制を持ち直した。
「ならやるなよ・・・・・あ、ほら、家に着いたよ」
サキは真鍮の表札に「ギルド・ミックスピザ」と書いてある家を指差した。エリはそれを見るや否や、ハヤブサもかくやというスピードで玄関
まで走り、家の中に駆け込んだ。

「まったく、私とシータに何も言わずに行こうとするなんて───エリ、おかえりなさい!・・・どうしたんですか、そんなに沢山買い込んで?」
 玄関で茶髪の、長い縮れ毛の男が荷物に埋もれているエリを助けた。歳は二十代の中ほど、白いYシャツの上に深い黄緑色の
ベストを着ている。
背格好は二人より断然高く、長身だ。右手に持っている長い杖がそれを引き立たせた。鼻には眼鏡を着用している。
「あ、オーガストさん・・・文句ならサキに言ってくれる?」
「文句って・・・・エリ一人で買いだしに行ったのではないのですか?」
オーガストと呼ばれた男は軽く眉間に皺を寄せる。エリはうん、とだけ答えた。
「しょうがないでしょ、今日は相手が強いんから消耗品買いまくっておかないと」
サキが面倒くさそうな顔をして家に入ってきた。顔がほんのり疲れていた。
「はぁ・・・・前誰かさんの失敗でボロ負けしたのにまた戦うんですか?」オーガストが情けないとでも言いたげな顔をした。
「ですよねぇ、まさかあのポカを忘れたって言うわけじゃ・・・・・そういえばシータは?」
「シータはさっき起きて散歩に出かけましたよ。戦争には出るそうです」
「うわぁ、出るんだ。確実に絞め殺されるじゃん・・・・」エリは苦い顔をした。
「ほらほら、二人とも喋る前に早く荷物運ぶの手伝って!」
二人は嫌そうな顔をしたが、逆らう理由が無かった。渋々と荷物を手分けして持つと、ダイニングの方に向かう廊下へと進んだ。

210 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/11(火) 06:57:36 [ nXPscqHY ]
>>209

 「買いだしご苦労──心臓結構買い込んだな?これなら今日は勝てるかも」ダイニングでトライが嬉しそうに微笑む。
「まったく、こんなに買い込んでお金がかかるったらありゃしない。トライバル、この分稼げよ?」
エリがトライの喜びに水を差した。途端にへこみ、暗さを出すトライバル。
「言っておくけど、またそんな風にしょぼくれたってびた一文貸さないからね」エリがトライバルに恐ろしい一瞥を投げた。
「あれは仕方ないだろ!お金が果てしなく無かったんだから」トライバルが反論する。
「だからって何も言わずにサイフから金抜き取るなんてどういう根性してんだおめーは」エリがイライラと言った。
「な、なんだと?やるか?」
「なんでそうなるんだよ───でもやりたいならかかって来いよ?」
エリがどんなもんでもかかって来いとでも言うように言った。トライバルの方もバトルチャクラムに手をかけ座りながら戦闘態勢に入った。
サキはいよいよ話題を危険水域から回避させるときが来たと思った。
「そうだ!戦争まであと何時間ある?できれば今のうちに腕試ししたいんだけど・・・・」
 サキが聞いた。準備を済ませテーブルに戻ったセブロは後ろを向き、壁に掛けてある振り子時計に目をやった。
「今9時半ですから・・・ギルド戦まではあと3時間半ありますね」
「セブロ、ありがとう──じゃあアルパスにでも行くかな」サキが両腕を回しながらはりきって言った。
「行くならお供しますよ」
「あら、わざわざいいのよ?気を使わなくても──」
「いえいえ、私も事前に腕試ししとかないと不安なので」セブロが苦笑いした。
「あ、じゃあ俺も行く!」いきなりトライバルが身を乗り出した。「みんな行くときに行っといたほうが良さげだし」
「じゃあ俺も追加で」ラルフが伸びをしながら言った。
「そんじゃ四人で行きますか!」
 四人は用意した各々の武器を持つと、後は宜しくねと爽やかに言いながらさっさと狩りに出かけてしまった。

 「さて、私は部屋で休みますね」オーガストが鼻眼鏡をはずしながら言った。
「あたしも寝るわ。早起きしすぎて瞼がダメだぁ・・・・・」二階への階段を上がりながらエリが目に手を当てる。
「はは、なんでそんなに早起きしたんです?」
オーガストの質問にエリが少しギクっとした。
「・・・・なんか、一人になれる時間が欲しくて。夜でも良かったんだけどチンピラとか変なの居そうだから・・・」
「ああ、それは分かります。みんなと居るときもそれなりに楽しいですけど、一人で居るときの時間も結構侮れないですよね」
オーガストが言葉を切り、遠い目をした。その顔はどこか儚げで、とても綺麗だった。自然とエリはその顔を黙ってジっと見つめた。
「! あ、ああ──自分に集中できる時間って、たたた大切ですよね、あっはっはっはっは───あぁ、もう部屋の前だ」
 オーガストを見つめていた自分に気付き、エリが慌てて言った。顔から火炎放射が出たような気がした。
 オーガストは隣の部屋の前でエリに向かって微笑みながら会釈をした。「では、私もこれで」
会釈を返すと、自分の部屋のドアを開けた。ギィィィイ、という古臭いドアが軋む音がした。

 エリはダッフルコートとジャケット、カーゴパンツを脱いでハンガーに掛けるた。ベルトも外し、イスに無造作に投げた。
「にしても、オーガストさんも同じこと考えてただなんて・・・・・偶然かな?」
 今までエリとオーガストは仲が悪いというわけでもなく、かといって良いというわけでもなかった。時々話を重ねるぐらいだったのに、
何故か今は彼のことが気になる。何でだろう・・・・・?
エリはしばらく悩んだ末、一つの考えに到達した。
「今はまず寝よう!考えるのは後!」
そう自分に言い聞かせると、エリはベッドにダイブし、毛布に包まった。

毛布はしばらくもぞもぞと動いていたが、やがて動かなくなった。

211 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/11(火) 07:00:43 [ nXPscqHY ]
どうも、>>118です

書き込んでから自爆したっきり掲示板はしばらく見れなかったんですが
早起きついでに来てみたら・・・・・

こんな駄作に感想を書いてくださる人が居るなんて!
わざわざ有難う御座います。随分励みになりました

今回のも前のと並び酷いもんですが、誤爆等あったらなんなりと指摘してください

にしてもこれ・・・・・人物紹介と1話2話だけなのに長すぎですね(´・ω・`)

長文&お目汚し失礼しましたorz

212 名前:FAT 投稿日:2006/04/11(火) 17:48:17 [ sUYBB5Jw ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21
―田舎の朝―1>>22、2>>25-26 
―子供と子供―1>>28-29、2>>36、3>>40-42、4>>57-59、5>>98-99、6>>105-107
―双子と娘と―1>>173-174、2>>183、3>>185




―4―

 静かな町の面影が今夜はどこにもない。あるとすればそれは民家の中だ。
 エイミーたちは一年間、毎月通って手に入れたアウグスタ産のレッドワインをちゃちな
薄いグラスに注ぎ、振舞っていた。
 今日はトラヴィスの数少ないお祭りの一つ『雨乞いの蛙祭り』の日である。町民らが昨
年収穫のあったものを取り溜めしておき、本年も昨年同様、いや、それ以上の豊作になる
ようにと天に上質の雨を乞う儀式であったものが、いつからか近辺の街町村の人々を招い
て取り溜めを振舞う祭りへと遷移したのである。この辺りでは魔法使い都市スマグからの
訪問者が多い。

「わぁ〜、見て、レニィ。あんなに火が高く昇っているわ」
 フプレ=サーヴェリーもそんなスマグからの訪問者のうちの一人である。レニィ=スト
ラフスの手を無邪気に引き、中央広場の巨大な木組みの焚き木の噴き出す炎を見上げる。
「あの炎が天に届けば、その年は豊作に、火の伸びが悪ければ不作になると言われている
んだ。どうやら今年は豊作になりそうだね」
 その炎を見上げて、レニィの言った炎が天に届くという言葉の意味がフプレにも理解で
きた。猛る炎が星空を隠している雲群を焼いているのである。天に近い山町だからこそ余
計に天は赤く、熟したように鼓動する。
「立派な炎だ。梅雨入りするのも時間の問題だね」
「ねぇ、色々まわりましょう。私、お腹が空いちゃって」
 炎に照らされたフプレの瞳はほんのりと赤く、潤んで見える。そんな恥じらいを汲んで
レニィは人ごみを捌いて道をつくり、ふわりと膨らんだパンを手に取った。パンだけでは
寂しいと思い、レニィは近くを見回した。その視線を赤いグラスが惹き止め、それを取ろ
うと二人分のパンをフプレに渡し、ワインを二杯さらおうとした。
「こんばんはー、おいしいアウグスタ産のワインですよ。どうぞお持ちになって下さい」
 レニィは白く、炎の赤を肌に乗せたこの女性を見たことがあるような気がしてならなか
った。しかし思い出せず、ワインの人気も高いようで女性は忙しく、レニィは何も言わず
に恋人の元に戻った。
 フプレはフプレでまだ心を通わせてから幾日も経っていない状況に、周りを見る余裕が
なかった。このときレニィと共にエイミーからワインを受け取っていたなら、話は進んだ
に違いなかった。
 パンを左右の手に一つずつ持ち、彼氏の帰りを待つフプレは誰の目にも愛おしげに映っ
ただろう。火照った頬は、炎のせいだけではなかった。


「ふぅ、大盛況だったわね」
「やっぱり俺たちの出し物は無くなるの早いな。あのエロばばぁにもっと催促しようぜ」
「それってやっぱり私の役目なのでしょうかぁ?」
「いいのよ、レン、これくらいで。さ、私たちもお祭りを楽しみましょう」
 十二本分のワインを配り終えた三人はまだ残っている振る舞い物を漁り始めた。
 そろそろ祭りもたけなわというところで何匹かの巨大な蛙が燻ってきた焚き木を取り囲
み始めた。
「親父はどれかな……おっ! いたいた。やっぱり似合うなぁ。蛙の格好」
 レンダルが小ばかに父親を指差す。そんな娘を知ってか知らないでか、当の本人は真剣
そのものであった。
「お姉さまよく分かりますわねぇ。どれがお父様か私には見分けがつきませんわ」
「あらそう? 私も一応父がどれかはわかるわ」
「ふぅん……」
 デルタはそうして、自分だけが肉親を見分けられないことに悔しさ、不安を抱いた。両
親と距離を感じている自分がいることに悲しくなった。
 蛙たちは燃え尽きようとしている残り火を囲み、よく分からない踊りを踊った。回った
り飛び上がったり、手を仰いだりしていた。一通り踊り終えると輪が小さくなった。そし
て、蛙たちが一斉に火の中に飛び込んだのである。火の粉が夜の空気に舞い上がり、見物
客たちに降りかかる前にはかなく消えた。火倉を掻き、火の雪が舞う。この祭り最大の見
せ場に不思議な縁がエイミーとフプレを引き合わせた。しかし悪戯にフプレは気付くこと
なく、二人は隣に居合わせながらその存在を大衆の一部程度にも思わなかった。
 フプレの目には刹那に消え行く煌きの雪だけが投影され、他に存在しているものはレニ
ィだけだった。

213 名前:FAT 投稿日:2006/04/11(火) 19:18:59 [ sUYBB5Jw ]
>>南東方不勝さん
素晴しい手癖の悪さですね。こんなサマナがいたらシーフも廃業ですね。
帰ってこられるのを、お待ちしております。

>> リ・クロスさん
ニムラスの髭というアイテムがなにかのRPGであった気が…思い違いですかね?
龍騎士族とはどんな種族なのか、気になります。

>> 黄鯖雑魚さん
妖しさいっぱいの女性ですね。なにか集落に行きたくない理由があるのでしょうか?
それと、次回に期待を持たせる終わらせ方が好きです。連載ものはこういう方が印象強いですね。

>> 復讐の女神さん
日常描写が素晴しいです。ジェシという女性が映像として私の頭の中で再生されています。
私もこういう生きたキャラを書けるようになりたいものです。

>> 魔道書を捨てたWIZ さん
すごい独創的で新鮮です。これから本編が始まると期待させていただきます。

>> 初めて書いてみました。さん
無機的な姫いいですね。さらいに来たシーフの目的はなんだったのでしょう?
姫がなぜ無感情なのかも気になるところです。

>> 名無し物書き@赤石中さん
やはりRSのSSを書くとなるとレッドストーンの存在が無視できないわけですが、
いやぁ、火星とは、意表を突かれました。キャラ全員が強い個性を持っていて、
使い分けが巧みだなと感心いたしました。次回作も期待してます。

>>黒い人さん
こちらの板では詩の作品が少ないので目が惹かれますね。
様々な管理など、大変でしょうが頑張ってください。陰ながら応援しています。

>>205-211さん
強い女性最高です。サキエリコンビのボケツッコミがこれからも見たいところです。
私も文が長くなってしまう傾向にあるので、もっと文を濃縮できる技能が欲しいです。

214 名前:(小ネタ) 名無し物書き@赤石中 投稿日:2006/04/11(火) 21:23:52 [ W8BAcf5I ]
『店商人個のンリカ』

 もう陽も暮れて夕焼け色がここ古都ブルンネンシュティグの街並みを支配しているこの時間になって。
 コイツはなにをしているのか。
「……ん? おお。よく来たなクリフ」
 ヤバい。見つかった。
 ここはなんのためらいもなく後ろに向かって前進……するのもなんだか気が引けたので仕方ない。
 彼が建物の瓦礫の後ろにもたれかかってどっかりと腰を下ろしている目の前に広げられた風呂敷には、
まああんなものやこんなもの……魔法都市スマグで生産されたマジック・アイテムやら傷口の応急処置に
使える一般品など、冒険者のはしくれなら一度は足を止めて手に取ってしまいたくなるほど魅力的な
品々が並べられていた。
「知っていたか? こういうマジックアイテムは一般的に魔具と呼ばれる。
 その由来はな……ス“マグ”で生産されるからなんだそうだ。はっはっは」
「……へーそーですか」
 ちなみに、立てかけられた看板にはひどく雑な字で「店商人個のンリカ」とある。
「っていうかさ、もうそろそろ溜まり場に戻ったよくない? もう日ぃ暮れかけてるしサ」
「いや、それがかれこれ36時間ほどここで粘ってるんだが、まだ一品も売れてなくてな。不思議だ」
 その原因は、私にもおよそ理解できる。
 値段はきわめて適正価格。高くもなければ安くもない。品そのものもきちんと手入れされているし、
薬品の質が劣化しているわけでもない。
 つまるところ、品々を並べる以前の根本的な問題なわけで。
「わけがわからん。どうしてこんなに売れないんだ?」
「それはね……」
 私は無駄にもったいつけて言った。
「ここが貧民街だからよ」
 気付くと私たち2人を囲むようにして、無数の乞食が食べ物くれ100ゴールドくれと手を伸ばしていた。



                                                                         〜END?〜

215 名前:南東方不勝 投稿日:2006/04/15(土) 02:35:48 [ JhC8sTQM ]
ども、忘れられてるかもしれない南東です。遠出から帰ってまいりました。
最近この名前で黄鯖に犬を作りましたので、見かけたらどうぞ罵って(マテ みて下さい。

>>リ・クロスさん
スコール、無事に復活&強化。
Uの名称にもなっているニムラスの力に、ワクテカしながら期待しています。

>>黄鯖雑魚さん
果たして、ティムが拾った彼女の正体は…。
波乱を匂わせる終わり方に、不覚にもトキメキが止まりません。

>>復讐の女神さん
うぉ、自分とは比べ物にならないほどに描写が素敵過ぎます。
話的にもまだまだ序盤のようですので、気長に期待しています。

>>魔道書を捨てたWIZさん
う〜む、中々にダークな主人公ですな。
それよりも廃人プレイって、リアルだけでなくそちらの世界にも悪影響が…w
それから、温かいお言葉ありがとうございます。

>>初めて書いてみましたさん
無機的なお姫様とその人形(姫様)を盗みにきたシーフとのお話し。
この劇が終わる頃には、お姫様は人形ではなくなっている事を祈っています。

>>名無し物書き@赤石中さん
むむ、ワルツ氏やはり侮れない。
今後の彼の活躍に期待しててもいいですよね?

>>黒い人さん
お久しぶりです。
また、気が向いたら詩の投下にいらしてください。

>>205-211さん
個性的で魅力の溢れるキャラの皆さんですね。
個人的には、ぐうたらシーフがいい感じです。

>>FATさん
道は一時交われども、それを互いに気づく事は無く…。
姉妹と彼女たちが出会った時、物語はどのような展開をみせるのかとても楽しみです。

216 名前:FAT 投稿日:2006/04/15(土) 11:14:19 [ DWOiFMv6 ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21
―田舎の朝―1>>22、2>>25-26 
―子供と子供―1>>28-29、2>>36、3>>40-42、4>>57-59、5>>98-99、6>>105-107
―双子と娘と―1>>173-174、2>>183、3>>185、4>>212

―境界線―
―1―

「お前ら、挨拶とかはしなくていいのか?」
 ラスは年上の二人に最後の確認をする。
「おう! 特に世話にもなってねえし! とっとといこうぜ! 師匠!」
 ランクーイはすっかりラスに馴れ、師と仰ぐようになっていた。
「僕も同様です。むしろいつ追い出されるか分からなかったくらい嫌われてますから」
 レルロンドはそう言って肩かけバッグの口を閉めたか確認する。二人は非常に軽装だ。
「じゃあ行くか。ランクーイ、お前は教えたことを実践しながら歩けよ。魔法は人が起こ
すものじゃない、精霊の加護を貰うんだ。自然を感じ、共感し、精霊を見つけられるよう
になるまでが第一ステップだ。いつどこで精霊が潜んでいるかなんて分からない。常に自
然の中に身を置き、チャンスを逃すな」
 ランクーイは深く頷く。ラス曰く、優秀な術者は生まれながらに精霊の加護を受けた状
態にあるという。世の中の魔法使いは九割がこのタイプであるが、自力で精霊を見つけ出
した残りの一割はこの普通の魔術師たちと比べてより強大な魔力を持つケースが多いとい
う。
 ランクーイは話の前半で落ち込み、後半で飛び上がった。自然と共感することが近道と
聴いて、彼はもう課題をクリアした気になっていた。
 町を出て、港都市ブリッジヘッドへと向かう二、三日の間、ランクーイは自然を不自然
に意識してみた。土の栄養を吸う木とそこになる果実の一連の流れだとか、さらさらと風
に吹かれる海岸の細砂の作り出す波模様だとか、そこに潜り隠れる蟹などを彼なりに感じ
てみた。だが、中々これが難しいことであった。自然を感じるというのはこうして自然の
中に自分を置くことだろう。自然を共感するというのはそこで共にする何かがあるという
ことだろう。
 ランクーイは自分なりに自然を感じもし、共感もしているつもりであった。だがちっと
も精霊の機運は感じられない。
 誰にもどうすることも出来ない。これはランクーイが己で解決しなければならない問題
なのだ。そんなことを気付いていながらも、何もしてくれない友と師に理不尽な憤りを募
らせ、港都市に入った。

217 名前:FAT 投稿日:2006/04/15(土) 11:26:29 [ DWOiFMv6 ]
>>名無し物書き@赤石中 さん
初めはンリカっていう新キャラが出てきたのかと思いましたw
彼のキャラをより一層深く知ることが出来ました。どうやら私の知能も彼並みらしいです。

>> 南東方不勝 さん
おかえりなさい。黄鯖ですか…キャラ残ってたら遊びに行ってみます^^

218 名前:南東方不勝 投稿日:2006/04/16(日) 00:35:48 [ JhC8sTQM ]
>>176
港に積み上げられた木箱の陰で、アタシはケルビーの肩から地面に降りた。
「さ〜て、あの子達はちゃんと拾ってこれたかな?」
コンコン、と手に持った笛で地面を叩く。
その音に呼応するかのように石畳の地面が盛り上がり、その中から2匹のモグラがひょっこり顔を出した。
2匹ともその口元に、重そうな財布を咥えている。
ケルビーに乗ったアタシが、カモが財布を落とすようにしながら激突し
地面の上に落ちた瞬間に、地中に待機させていたヘッジャーの「アイテム拾い」で気づかれないうちに回収…。
これが、アタシの常套手段。逃したカモは一人としていない。
「さっすがアタシのヘッジャー達。期待通りの働きね!」
感謝を込めて、2匹ともギュッと胸に抱きしめる。

アタシこと、ミシェル・フロウエンは変わったサマナーである。
本来サマナーは、火犬・風鳥・水魚・土竜の4体の召喚獣の内、異なる属性の召喚獣を最大二体まで同時行使が可能であるが
アタシの場合は少し違う。
同時に二属性の召喚獣しか扱えない事には変わりは無いが、同属性の召喚獣を最大二体まで同時行使が可能なのだ。
つまり、一般的なサマナーは火犬と風鳥を一体ずつしか召喚できない事に対し
アタシは火犬と風鳥を最大二体ずつ召喚する事ができるってわけ。
育ての親である紅爺も、アタシのこの能力については驚きを隠しきれてはいなかった。
もっとも紅爺が驚いた事はその召喚自体よりも、アタシがその際に発した呪文に対してのことであったらしいんだけどね。

「んふふ〜、こんなに重い財布が手に入るなんて…」
ヘッジャー達から受け取った財布の中身を確認しようとした時、こちらに走ってくる足音が聞こえてきた。
耳につけているファインウィスパーのお陰で、耳の良さには自信がある。
「…早い。もしかして、ヘイスト!?」
距離的には約100メートル。本来なら、ケルビーに乗ればなんて事は無い間隔だが
相手の速度が上昇しているのなら話は別。
「やっば。Zool Stärkung」 (ヘッジャー、パワーアップ)
呪文を唱えると同時に、ヘッジャーの姿が一回り逞しくなる。
でも、あの二人組みは凄腕だ。確実に逃げるためには神獣態まで強化する必要がある。
「Zool zwei Stufen Stärkung」 (ヘッジャー、ダブルパワーアップ)
アタシの中から汲み出される魔力量が爆発的に増えると同時に、目の前の2匹の土竜が
屈強な魔人へとその姿を変える。この形態なら一通りの作戦が取りやすくなる。
「ケルビー!」
アタシの声を聞くと同時に、ケルビーがアタシを自身の肩に担ぎ上げる。
足音はさっきよりも近い。恐らくアタシの姿は視認されているだろう。
「だからって…、素直に捕まるほどアタシはできた子じゃないもの…!」
何より、人間なんかに捕まったら何をされるか分ったものではない。
あいつらは、いくらでも残酷になれる悪魔だ。
「ケルビー、全速力であいつらを振り切って!ヘッジャー達はアタシの指示があるまで、地中からついて来てね」
さぁ、アタシを捕まえられるのなら捕まえて見なさいな。戦士と魔術師のお二人さん!

219 名前:南東方不勝 投稿日:2006/04/16(日) 01:29:27 [ JhC8sTQM ]
>>218
俺達が港に辿り着いた時には、サマナーのガキがケルビーに乗って走り出そうとしているところだった。
ガキが召喚しているのはケルビー一体のみ。ペットは連れていないようだ。
「ジャックさん、彼女はケルビーに乗って逃げる気ですよ!」
「分ってる。だが、ケルビーの足じゃお前のヘイストには敵わんよ!」
そのまま速度を落とさずに、少女を乗せたケルビーの背を追走する。
じりじりと、俺達とケルビーの距離が縮まっていく。
しかし、少女に慌てている様子は無い。恐らく、なんらかの策は用意しているのだろう。
「随分と落ち着いていますね、彼女…」
「とりあえず、このまま俺達とかけっこしている分にはあいつの思い通りに動かされているのかも知れんな」
「どうしますか?僕としては、魔術は牽制程度に止めたいですけど…」
「俺が仕掛けてみる」

ダンッ…!

そういうと同時に俺は地面を思い切り蹴り、目の前の少女に向かって跳躍した。
俺の影に気づいたのか、少女が後ろに振り仰ぐ。しかし、その手には見た事もない本が握られていた。
「Aufzeichnung Aufhebung」 (飼育記録、解放)
「なっ…!?」
少女が「有得ない」言語を持って手に持った本を開く。
開かれたページからは光が放たれ、その中から双剣を手にした骸骨が姿を現す。

ガキィン!

少女を捕まえようと伸ばされた手は、骸骨の双剣によって弾かれる。
相手の方も必要以上に傷つけるつもりは無いのか、剣の背を使用しての見事な防御だった。
「ちぃ…!」
空中で弾かれ不安定な体勢になりながらも、なんとか無事に着地する。
しかし、着地と同時に
「ZoolFesselung」 (ヘッジャーヘッジング)
地面の下から突然飛び出してきた屈強な腕に、足を掴まれる。
それと同時に、周りの石が俺の足元に集められ拘束具へとその姿を変えていく。
「ちぃ…。だがいいのか、お前を追いかけてるのは俺だけじゃ…」
「問題ない。あんたの連れもアタシのヘッジャーに捕まってるし」
「おいおい、何を言ってんだよ。現にお前のヘッジャーはここに…」
「すいません、ジャックさん。捕まってしまいました!」
それは、有得ない光景だった。
俺を拘束しているヘッジャーとは別にもう一体、別のヘッジャーがゲイルの足を拘束している。
本来なら、一体しかいないはずのヘッジャーがもう一体。流石のゲイルも、咄嗟にレビテイトを唱える事は無理だろう。
実に鮮やかな奇襲だった。
「お前は…何者だ?」
目の前にいる規格外の少女を凝視する。
「別に…。ただの手癖の悪い女よ」
少女は冷たく言い放つと、火犬と土竜と骸骨を伴い夜の闇へと消えていった。
「手癖の悪い女だと…。だったらなんでそんな女が、古代エルフ言語…『セーマ・エルヴン』を使ってるんだよ…!」
両足を岩で拘束された俺は、少女が去っていった路地を睨みながらそう呟いた。

220 名前:南東方不勝 投稿日:2006/04/16(日) 12:50:33 [ JhC8sTQM ]
追記 「古代エルフ言語」

遥か昔に存在していたとされる、古代エルフ文明で使用されていた言語。
発音も現在のものとは違い、習得するのは非常に困難。
現在では、一部のダークエルフしか使用していない。
この言語の特徴は、それ自体が現在の大魔術に匹敵する魔力を擁している所である。
この言語が話せると言う事は、それほどの魔力を受け入れられる容量と制御能力持ち主である。
本来の担い手であるエルフ族以外にこの言語を使用できたのは、最も有名な魔術師アンドレイ・オウギュスト・ゴーファ
ただ一人である。
また、古代エルフ文明は古代エリプト時代の古文書や遺跡の壁画などによってその存在を知られているが
古代エルフ文明自体の遺跡の発掘例などはただの一つも無く、謎の多い文明である。

221 名前:掃除屋さん★ 投稿日:削除 [ loZxviGc ]
削除

222 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/18(火) 15:32:03 [ CaH/D41s ]
保守age
http://xxz.jp/erurun
http://xxz.jp/eritan

223 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/18(火) 19:34:37 [ Rdk6QNpI ]
age

224 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/19(水) 15:58:34 [ Rdk6QNpI ]
age

225 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/04/19(水) 21:42:39 [ QS1Cbi/M ]
ノートパッドのデータが全部消し飛んでもうダメポ

感想はピックアップで・・・

>>東南方負勝様
エルフ語は気になる部分ですね〜、やはり彼女はエルフの子供でしょうか

226 名前:南東方不勝 投稿日:2006/04/22(土) 01:57:02 [ JhC8sTQM ]
>>FATさん
自力で精霊の加護を得るために、自然との共感を試みるランクーイ。
なにやら、既に課題を達成したつもりになっているようですが…。
これが原因で面倒事に巻き込まれそうですね。

>>戦士のようださん
エルフ語が気になっている戦士さんに解説を…w
気づいてる方もいらっしゃるかもしれませんが、まんまドイツ語の単語を並べてるだけなんですよねorz
確実に文法的におかしい部分はあると思いますが、生温かい目で見守ってください。

227 名前:南東方不勝 投稿日:2006/04/22(土) 03:14:16 [ JhC8sTQM ]
>>219
―――ジャック・ゲイル、ミシェルとの遭遇より4時間前―――

「ふむ…、この程度ですかな?」
最後のシーフを退け、奥にいるギルドマスターに向かって歩いていく。
「ば、馬鹿な…。我がギルドの精鋭達がこうも簡単に…!」
「いえいえ。中々に強力でしたよ、彼らは。私も、もう少しで危ないところでしたよ」
「化け物が…!」
相手のマスターは憎々しげに呟きながら、懐より短刀を取り出した。
ふむ…。やはり一つの組織の長たるもの、不戦敗は望みませぬか。
「部下達の仇…、取らせてもらうぞ!」

ヒュン…!

相手が駆け出すと同時に短刀が5本、私に向かって空を駆ける。
しかし、その軌道は直線的で見切るのはたやすいものでした。
「いくら私が『偽り』だとしても…、この程度は避けられますぞ」
投擲された短剣を、横に跳ぶ事で難なくやり過ごす。短剣はそのまま、柱へと突き刺さる。
しかし…、どうにも跳んだ方向が悪かったようですぞ。

カチリ…

「カチリ…、とな?」
着地と同時に、何かのスイッチを踏んだ様な音が耳に入る。
足元を見下ろせば、そこには爆薬をふんだんに使った罠が一つ…。
「は、慢心したな。剣士さんよぅ…。そのまま吹き飛びな!」
実に楽しそうな彼には悪いのですが…、私に属性攻撃は効きませぬぞ。
「抵抗擬態…、廃人。」 (レジストフェイク アヴェンジャー)

ドガァァァァァン

爆風が倉庫内に吹き荒れる。これが普通の人対人の勝負なら、彼の勝利で終わっていたでしょうな。
しかし残念、私のような人外が相手では…。
「無傷だと…!」
「これで分ってもらえましたかな?貴方では私には勝てませぬよ」
私としても、無駄に瘴気を使いたくありませんからなぁ。
これで、諦めてもらえるのなら助かるのですが…。
「…、ふざけるなぁぁぁぁぁ!!!!!!」

ヒュヒュヒュヒュ……!

絶叫と共に大量の短剣が放たれる。その数…およそ50本!
「これは…、防ぐしかないようですな」
迫り来る弾幕を、剣と盾を使って受け流す。

ガガガガガガガガガガ…ガッ!

「ぬぉ…!」
最後の短剣を弾いたところでバランスを崩す。
さっきの短剣はこの事が目的だったのでしょう。
「その首…貰って行く!」
その隙を逃さぬように、相手が私の体に肉薄する。
確かに、剣や盾で…「腕」で対処するには少々キツイ状態ですな。
ならば…、「尻尾」で対処することにしますかな。
「部位擬態、死針蠍」 (パーツフェイク デスピンサー)

ドスッッッ…!

「えっ…、な…んで……!?」
突然の出来事に、彼はそういうほか無かった。
彼の狙い通りに、目の前の剣士は投擲した短剣により体勢を崩し、彼はその首をナイフで切り裂くはずだったのだ。
そう…、目の前の剣士に突然「蠍の尻尾」が生えなければ…!
「あぁそういえば、まだ名前を言っていませんでしたな…」
毒針に腹を貫かれ、遠のく意識の中に剣士の声が響く…。
「私の名前はガギエル。『偽り』と『悪夢』を司る者です。ご心配なく、貴方の姿とギルドは有効に使わせてもらいますぞ」

228 名前:FAT 投稿日:2006/04/22(土) 11:16:48 [ iVsErTcI ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21
―田舎の朝―1>>22、2>>25-26 
―子供と子供―1>>28-29、2>>36、3>>40-42、4>>57-59、5>>98-99、6>>105-107
―双子と娘と―1>>173-174、2>>183、3>>185、4>>212
―境界線―1>>216



―2―

 宿を確保すると、ランクーイはレルロンドを連れて埠頭へ行った。途中で街に大規模な
破壊の後が見られたが、二人には関係なかった。
「どうしたんだ、ランクーイ。少しイライラしてるんじゃないのか?」
 潮風が西から東へと時折突風のように吹き抜ける。レルロンドのたれ気味の目が塵を拒
み細くなる。
「レルロンド。お前は自然を感じるか?」
 まるで憎い敵を見るようなランクーイの鋭い一重の目がレルロンドを刺す。だが、その
目は見慣れたものだった。
「ああ、潮の匂いがするな。風も強い」
 ランクーイの目が力を失い、防波堤の上に腰掛けた。
「やっぱり俺たちと師匠は違うんだろうなぁ……。師匠はこの自然を、どんな風に感じて
るんだろう」
 悲しげなランクーイの隣に腰掛けレルロンドは、
「僕と同じように感じてるんじゃないかな。いや、お前と同じようにかも知れない。僕は
魔法なんてわからないが、魔法を使える人が皆同じように感じているとは思えないな。人
それぞれの感じ方があって、その中から何かを掴み取るんじゃないかな。ま、僕には偉そ
うなことをいう資格などないけど」
 そう笑ったレルロンドの顔を、ランクーイは新鮮だと思った。生まれた時からの付き合
いで、色々な顔をお互い見てきた。きっとレルロンドの笑顔はいつもと変わらぬものだっ
ただろう。それを新鮮だと思ったのは、ランクーイの中で答えが出たからだったのか、た
だ単に疲れていたからなのか、非常に曖昧な線を二人の間に引いていた。レルロンドから
は見えないランクーイの引いた線は大人と子供の境界線であった。ラスがここに居合わせ
たなら、どちら側に属しただろうか。
 ランクーイの中で答えが出た。自らの引いた線を悔しく思い、レルロンドにすら引け目
を感じてしまう自分がどうしようもなく小さく、惨めだった。
 大人になりたいと、大人とは何かと考えるよい機会になった。

229 名前:FAT 投稿日:2006/04/22(土) 11:17:41 [ iVsErTcI ]
―3―

「こらっ! あんたなにしてるんだい!!」
 突如大声が上がる。果物売りの露店からだ。
「なにって、え? 俺?」
「そうだよ、あんただよ、あんた。今、この籠からお金をくすねただろう。早くお返しっ!!」
 ラスは両手を挙げて身の潔白を証明するが、店主は断固として信じようとはしない。そ
のうちに店主と口論に発展した。
「っせーなババァ! 俺はしらねぇっていってるだろう!! てめぇ、目はついてんの
か? あぁ!!」
「おい、お前はシーフギルドのものか?」
 騒ぎ立てるラスに、特徴のない市民風の男が近寄る。
「はぁ? んなもんしらねぇよ! この街のもんじゃないんでね」
「だろうな、消えろ」
 突然のことにラスは意表を突かれ、露店もろとも投げ飛ばされた。
「んだぁ、てめぇーー!!!」
「この街で俺たちのギルドに手を出すのがどういう意味を成すのか、知らないとは言わせ
んぞ」
「知るわけねーだろーーが!!!」
 ラスが剣を抜くと一閃、シーフの身体を剣が通り抜けた。
「な・・・小僧」
 シーフギルドの男が振り返ろうとした瞬間、彼の腹部から血が滴り落ちた。
「母さんの言いつけでね、殺しはしない。誰かこいつを運んでやりな」
 勝ち誇ったラスに青色の髪をした隻眼の戦士が興味津々と近付く。
「おいあんた、えらく強いじゃないか。俺とも手合わせ願いたいね」
「その眼帯・・・におうな。おっさん誰だい?」
「ジョーイ=ブレイズというものだ」
 ラスは家業柄、魔力には敏感である。ジョーイの眼帯から発せられる強い魔香を嗅ぎ、
過去に世話をした人々のリストを思い出してみる。
「・・・顧客リストにはなかったな。じゃ、ジム・モリのおっちゃんのもんか。いいぜ、
やろう。――――いくぞっ!!!」
 それは大鉈のような刃をした剣である。ラスは超重量級の剣を軽々と振り、ジョーイを
襲う。対するジョーイの剣は両刃の一般的な大剣である。光のような速さで振り下ろされ
る剣は眼帯の発する冷気により一瞬減速され、その間に大剣を滑り込ませ弾き返す。
「おお! 一撃で決まらなかったのは初めてだ! やるなぁ、おっさん」
「そりゃどうも」
 ラスの剣速はジョーイの経験外の速さであった。ラスはジョーイを褒めながらも勝利を
確信した。
 ジョーイが真っ直ぐにラスの喉下に狙いを定め、突撃する。全重量を剣に乗せて最後の
一歩を踏み込み、貫く――――――
「なぜだ!」
 ラスは避けることもせず、ジョーイの全力の一撃によりその身体に穴が開いた。
「なぜって? おっさん魔法に対する知識が全くないみたいだね」
 背後から声が掛かりジョーイはビクッと体を震わす。
「ダミーだよ。高位の魔法使いならみんな使えるぜ? 倒したと思って油断しちゃダメだ
ぜ?」
「・・・そうか、そういえばそんなことも出来るんだったな。いいよな、お前たちみたい
に魔法を使える奴は」
 抵抗を諦め、ジョーイは剣を握っている手を離す。ガシャンという重々しい金属音が虚
しく聞こえる。
「でもおっさんはいい線いってると思うよ! きぃ落とすなって!! あ、そだ、これ家
の店の紹介文。魔法に興味あるんなら行ってみてよ! これ持って、俺の名前出せばどん
な道具にも魔力を付加してもらえるからさ!!」
「魔力を付加? 好きなものをか? そんなことが・・・」
「あ、いい忘れてたけど最低一千万Gは必要だから・・・・おっさん金あるか?」
「い、一千万!! あるわけないだろ!!」
「じゃ、溜まったらおいでよ。俺の母さんすっげー美人なんだぜ、それ拝むだけでもいい
からさ」
 特に用があったわけではないがラスはせわしなくその場を去った。残されたジョーイは
渡された紙に目を通し、
「あいつラスっていうのか・・・今回のことが終わったら行ってみるかな」
 その直後にフラン=サーヴェリーがジョーイに抱きつき、紹介文は懐に仕舞われた。達
筆すぎる文字で、ジョーイには店主の名前が読めなかった。

230 名前:FAT 投稿日:2006/04/22(土) 11:35:03 [ iVsErTcI ]
>> 戦士のようだ さん
ご愁傷様です。私もデータバックアップとってないので危険ですね…

>> 南東方不勝さん
すごいお嬢さんですね…なるほど手癖の悪いのはヘッジャーでしたか。
スリにはもってこいのスキルですよね。

>>227
うほっ、これも良い能力ですね。体の一部を擬態させれるとは…
突然羽生やしたり、糸出したり出来るんですねっ
どんなアイデアが飛び出してくるのか、ワクワクしてます。

231 名前:変な生き物 投稿日:2006/04/24(月) 17:00:47 [ uRvfnWEY ]
まだだ、まだ私は終わらんよ
思い出になりかけたけどまだ終わらんよ多分

232 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/24(月) 18:48:28 [ Ry0Deqac ]
懐かしい人キタコレ。
まだ終わってはいけないと思った。

233 名前:サマナの人 投稿日:2006/04/25(火) 12:53:19 [ Ng2d6.WM ]
生物さん、そしてみなさまお久しぶりです。
最近ROM専となりつつありますが、一応生きてます。

234 名前:南東方不勝 投稿日:2006/04/25(火) 20:15:47 [ JhC8sTQM ]
サマナの人さんに変な生き物さん、お久しぶりです^^
自分は四月から就職しているので、週末に投稿するだけでもヒイヒイ言ってますよorz

235 名前:タルタル 投稿日:2006/04/26(水) 14:32:37 [ hfUQyDik ]
はじめまして、タルタルといいます。
wikiで小説書いていたらこの掲示板紹介されたんでやってきました
今まで書いたのはhttp://rs-wiki.main.jp/phpBB/viewtopic.php?t=3181
の四番目と十一番目です。
次の投稿は明日の予定。
駄文だと思いますがこれからよろしくお願いします

236 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/26(水) 18:35:21 [ U8WlNfyk ]
レス全然見て無いけどこのスレはキモいと思った

断言できる

237 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/26(水) 21:33:02 [ VSW7Q5Tw ]
>>235
次はsageてくださいね。

238 名前:ああああああああああ 投稿日:2006/04/27(木) 12:34:29 [ vs9Z.KrA ]
aaaaaaaa

239 名前:タルタル 投稿日:2006/04/28(金) 00:42:41 [ JhnVtCRU ]

「あのセスナがか?」
さすがの私も驚いて立ち上がる。男、職業は剣士。大柄ではないが鍛え上げられた強
靭な肉体と砂漠ならではの一年通しての強い日差しのために黒く日焼けした肌。いつ
でも明るさを失わないその性格と白い歯。そして余談になるが私とは俗にいう竹馬の
友だ、はそんな私など無視して続けた。
 「そう、あのセスナがだ、いろんな意味で最強。人類の母であるとともに敵である
、とまで言わしめたあのセスナがだ。」
驚きを隠せなかった。セスナといえば若くしてそのカリスマ性を持って優秀なテイマ
達を集め、疲れ知らずな召還獣を使い土地を開拓しアクアバンブーによって水路を
引くという方法でアリアン、リンケンと砂漠の土地を開拓していった砂漠の民にとっ
ては母たる人である。その後も警備兵墓など、さまざまな遺跡を発掘し、現在ではセ
スナの道と呼ばれるガディウス大砂漠に地下通路兼不死身のマミーというモンスター
を利用して冒険者達の訓練場をつくりさらにひと儲けしているようだ。それらのため
にアリアンではさらに人が増えている。
 そのセスナがである、現在はセスナの道の営業を愉快な仲間達とともにしていると
聞いたが、最近では狩場に鍵を無理やり壊し入っていく冒険者達が増え、どうにもな
らなくなっているらしい。
 「それで?何でこっちに仕事が回ってくるんだ?そういう警備はアリアンギルド
の仕事だろう?」
 「それがな、……」
彼は口ごもる、そもそもこのネタキャラギルドはその戦闘力のあまりの特殊性から
そういう警備やら討伐やらという正面から押すような仕事には向いていない。どち
らかというと間諜のような仕事の方があっている。
 「実は……、誰も……、」
 「何なんだ?」
彼は意を決したようにうなずいた。
 「誰もこのくそ暑い時に砂漠横切って行きたくないってよ、HAHAHAHAHA」
ひゅん、どこ。
 私の放った何かは的確に彼の頭を直撃した。
 「な、なんだよこれ、ネズミ捕りじゃないか」
彼はネズミ捕りを拾い上げ、そしてつかまった
 「いでっ、くそ、このとれねえ」
 「ネズミだけではなく人も捕まえられるとは便利だな、ま、とりあえずセスナに
ついてはこちらで何とかしよう。年老いたセスナ、か。興味もあることだしな、三日
後には連絡する、ではな」
私は悲鳴をあげながら、ネズミ捕りと奮闘する彼にそう言いながら部屋から押し出した。
そして、机に座った。
 「ヒル、三姉妹を呼んでくれ、今日中にな」
 「わかりました、ですが一時間で集めて見せます」
もともと姿を見せないが、いつも気配だけは感じる。
その気配も遠のいていくのがわかる。
 「さて、あとはどう説明するかな、あの三姉妹に」
期限は一時間か。

240 名前:タルタル 投稿日:2006/04/28(金) 00:43:37 [ JhnVtCRU ]
2
「暑いならカーペットに乗っていけばいいのに。ねえ? ムーン」
カーペットの中央に陣取るそのグラ・ランは年齢は20歳前半ショートカットの金髪碧眼
で整った顔立ちをしていて血気盛んな雰囲気を全面に押し出したような、生命力盛んな感
じを与える黒いシャツに赤いマントを羽織り、緑のジーパンをはいて、青のグローブと白
いスニーカーを履いていた。手に持っている槍はなんの変哲もない投げ槍、ついでにいう
なら彼女を覆うようにさしてある日傘は七色である。
 「うーん、たぶんあの人たち重いからカーペットに乗れないんじゃないかな?」
そう言う女性、ムーン・リトルは黒髪黒眼の美しい腰まで届くような長髪の持ち主で、元
来の性格、雰囲気がそうさせるのだろう顔は整ってはいるが美しいというよりは可愛らし
い。のほほんとした雰囲気を常に辺り構わず醸し出している。年齢はグラと同じように見
えるが、あくまで肉体的なものでその雰囲気は10歳にも満たない童女のようだ。服装は
白いワンピースを着て、その上にこれまた白いマントを羽織っていて、さらに白い帽子を
被っている。靴はなぜか黒いサンダルであり、しかもかわいらしい猿のキャラクター入り
だ。
 「……、たぶんこの前の宴会で資金を使ったから、カーペットに回す資金が無くなった
んでしょう。あれだけ無計画に、やっていれば当然です。そもそもあのギルドは中途半端
なんですよね」
カーペットの前部に座りそれを操っているのがヒト・テイである。彼女はムーンと対照的
に黒いシャツ、黒いコート、黒いグローブ、黒いスニーカー、黒いスボンを着ていた。髪
は鮮やかな赤色をしていて、肩あたりまである。今はゴムでしばっているようだ。雰囲気
は落ち着いていて、大人の女性という感じがある。年齢は二人よりも多少低く10代後半
である。


 「あ、でも! ……、そのお祭りは楽しかったよ?」
ムーン姉さんは申し訳なさそうに、そして弁論するようにそう言った。もしかして自分が
宴会にいったせいで、カーペットの資金が無くなり、私たちに仕事が回ってきたとでも思
ったんだろうか? 姉さんは、心配そうに私を見つめる。そう言う顔されると私が姉さん
をいじめたみたいじゃない。なにか言わないと。操縦もままならない。
 「あ、いやムーン姉さんが悪いわけじゃなくて。その、ただ私が言いたかったのは……」
 「言いたいのは?」
姉さんはさらに近づいてくる。ああ、それ以上近づくとカーペット揺れたときにキスしちゃ
う、なんか言わないと。姉さんが傷つかず、納得させる何かを。
 「ええと、だから、そうそうよ。さっき姉さんが言ったじゃない、重くて乗れないって、
あの人たちは食べ過ぎて重くなっちゃったの。だから乗れないのよ。ねえ、別に姉さんのせ
いじゃないわ、そうでしょう?」
 「よくわからないけど、この仕事で私たちが頑張れば罪は消されるってこと?」
 「だから罪じゃないんだけど……ええと、だから」
本当に姉さん相手だと狂ってしまういつもはこんなんじゃないはずなのに。
 「つまり、インガオウホウってやつよ、ムーン」
横からずっと沈黙を保っていた、グラ姉さんが入ってきた。
 「いんがおうほう? なにそれ」
 「知らないの? 私も知らない」
はっきりとして自信満々でそういうグラ姉さん。さすが世間知らずな姉さんだ。
 「説明は、ヒト、よろしく」
 「因果応報っていうのは、つまりいいことがあれば悪いこともあるってことよ。ムーン姉さ
んやアリアンギルドの人が楽しんだから、その分いやな仕事が回ってきたってこと」
て一応回答になって無くもない、本当に全然知らないで言ったならすごい、さすがはカンだけ
で生きてる姉さんだ。 
 「て、いうことはつまり私のせいってこと?」
エンドレス。もう止めるすべはない。
 「そっ、そういうことよ、ははははは。つまりこの仕事で取り返せってことね」
 「なんだ、やっぱりそうかぁ。よーし頑張るぞー」
えいえいおー、とか二人でやっていた。さて、セスナの道はもうすぐだ。そろそろ真面目にい
こう。

241 名前:タルタル 投稿日:2006/04/28(金) 00:50:43 [ QxvTMn3A ]
3
「よーし、ばあさんたちはいないな、鍵を壊して入ろうぜ」
俺がそう言うとPTの仲間たちは一斉に扉を攻撃し始めた。なにせ今回のPTはハーレムだ。ビショ
ップの俺以外全員女だ、うはうはだぜっ。ごほん、ではその素敵な女性たちを紹介しよう。
まず一人目ランサー。ここにくる道中でもほとんどしゃべらなかったが、笑うときにやさしくに
こって笑うの超萌。従順そうで最高。顔も美人だし、スタイルもいい。
二人目これもランサー。姉さん女房な雰囲気ばっちり、道中でも話しまくってた、楽しそうなの
で全然おっけい。美人ではないが、表情が明るいので問題なし。
三人目テイマ。二匹の召還獣と一匹の亀を見事に使いこなす、がそのときの命令はちょっと怖か
った。俺Mじゃないんだけどな、でも最近はやりのツンデレの可能性もある美人は美人。背は低
いからつれて歩くのはいいんだけどな。
四人目リトルウィッチ。俺より背高いのがちょっと、だがスタイル最高。胸もでかい。顔も萌系。
服装もあれなんで、メイドカフェで働いてるの?とか聞いたら、いやだなあ、そんなことありま
すよ、だって。もう夫婦漫才できそうなほどノリがいい。
五人目アーチャー。かなり気強いよ、ていうか男?みたいな性格。ちょっと苦手だなー。だって
ちょっかい出してきたシーフに「あん?てめえら、ぶっ殺すぞ、さっさと死ね」だもんな、こわ
いよ。一番目のランサーと友達だって聞いてびっくりして跳ね返った。
 ばぎんっ。どうやら壊れたらしい。
 「よっしゃあ、じゃあいこうぜ、みんな」
 「ちょっと待ったあぁぁぁぁぁぁ」
 「なんだ?」
そういって出てきたのはランサー、リトルウィッチ、テイマのPTだった。
 「うわぁ、声が響いておもしろい、私もやろ」
 「ムーン姉さん、やらないやらない」
 「えー、じゃあ後で一人できてやるもん」
 「そこっ、二人で話進めない。私がリーダーよ、私が。」
 「いつからグラ姉さんがリーダーに?」
 「私が長女だからよ」
 「でも、義兄弟なんだけど?」
 「えー?私もやりたーい」
俺たちを止めたのは幻だったのか、間違いだったのか、その三人は言い争いを始める。ええと、
いっていいのかな?
 「じゃあ、俺たちはいこうか」
俺がそういって歩きだそうとすると、そのリトルウィッチが気づいたようにこちらを指さした。
 「ねえ、あの人たち逃げちゃうよ?」
 「ふっ、あそこに逃げれば袋のネズミ、もう逃げられないわ、水攻めでもしてやろうかしら」
テイマは静かに首を横に振り、
 「そろそろ、真面目にやりましょう」
 「そうね、無視してやるのも飽きたわ」
 「私は真面目なんだけどなー」

242 名前:タルタル 投稿日:2006/04/28(金) 00:54:44 [ QxvTMn3A ]
4
なんだ?真面目にやるとかやらないとか、こいつらはいったい何者だ?何しにきた?
と俺が言う前に性格男アーチャーがきれた。
 「てめえら、うざいんだよ、どっかいけ、いかねえとぶっ殺すぞ?」
すでに弓を構え威嚇をした。
 「私たちはネタキャラギルドの者です、今はアリアンギルドからの要請で、お金を払わず鍵を
壊してセスナの道を利用する人々を取り締まりにきました。」
つまりこいつらは、警察ってことか。ふん、鍵壊しなんて相当前からなのにご苦労なこった、が
わざわざ俺のところでこなくてもいいものを。せっかくのハーレムをぶちこわす気か?
 「とりあえず、なにも言わないで帰ってくれませんか?取り締まるっていっても捕まえる権限
はないんですよ」
馬鹿正直にテイマが言った。そんなことするわけねえだろ?こちとら移動費だけで2万かかって
んだ。何もせず帰れるかよ。
 「ネタギルドっていったわね。あなたたちこそ帰ってくれないかしら? こっちのPTにはちょ
っと血気盛んな子がいてね、けがしないうちに帰った方がいいと思うわよ」
おう、さすが姉さんランサ。平和主義が一番だもんな。が、そんなことに答えない馬鹿がいた。
 「ネタだからって甘く見ない方がいいわよ?じゃそこのアチャ一騎打ちで勝負しましょう?」
その名はランサー。よく見るとこいつ、とんでもない服のセンスしてやがる。上から下までいろ
とりどりだ。信じられん、しかも鎧さえ着けていない。
 「はっ、いきがんのもいいかげんにしな、ぶっ殺してやる」
言い終わるやいなや放たれる一本の光の矢。マジカルアローだ。かなり正確だ、つっこんでくる
ランサーにそのまま吸い込まれると思ったら突然ランサーが消えた。
 「ちっ、やろうがっ」
ランサーは体を低くして回避したらしい。そのままアーチャーののど笛までせまる。
くっ。赤い鮮血が飛び散ると思った瞬間、俺は思わす眼を閉じてしまった。
 「やるじゃねえか。ネタキャラのくせによ」
 「あんたこそ、アーチャーのくせに接近戦に対応できるとは」
二人の声が聞こえる。俺がおそるおそる眼をあけると、ランサーの槍はアーチャーの喉に、アー
チャーはとっさに背中の弓を引き抜いたらしく、その先をランサーの喉に突きつけていた。
 「ちっ、どっちにしても引き分けか。どうするよ?」
 「次は総力戦っていうのはどう?」
敵とはいえあちらは女三人傷つけたくないんだけどな。
 「ちょっとまってください、私たちはただお金さえ払ってくれればいいんです」
 「はっ、いまさらできるかよ」
 「そうですね、みんな、仕方ありません、痛い目に遭ってもらいましょう」
姉さんランサが言った、みんないきなり戦闘態勢になる。まじかよ?ネタの女の子にか?これが
女の戦いってやつか?ちっ、しかたねえ、俺だってこのハーレムでうはうはして終わったら好き
な子決めてデートに誘う予定なんだ。邪魔されてたまっか。
 「ムーン、ヒト。準備はいい?先手必勝だからね」
 「はぁーい」
 「いつでもいいですよ姉さん」
なにを勝つ気でいるのやらネタキャラというのが本当なら負けるはずがない。そもそも六対三の
兵力の差がある。
だんっ。
アーチャーが大きく後退する。それを合図にランサー二人が前に、サマナのペットが敵のランサー
に向かって進む。が、ここで敵のランサーは思いがけないことに前進してきた。てっきり後退する
とおもったがあ!?
どどおおおおん。
な、何だ?くっ揺れるぅぅ、地面が揺れるうううううぅ。
 「ちい、なんだよ、時間稼ぎなんてしやがってぇぇぇぇ」
グラウドシェイカーって技か。ちっ、立っているのも精一杯だ。でもこれだけの揺れなら奴らでも
条件は同じはず、CPが切れるまで待つしかないか。
が、彼らは飛んでいた、というより浮遊していた。あのどうみても脳みそ足りてなさそうなリトル
ウィッチが変な踊りしているせいだ、確か名前はムーンウォーキングだったか?
……まずい、あっちにはあと一人いる、あのテイマ、ネタってことは殴りか?ちっあいつもよく見
ると信じられねえ、全身真っ黒だ。このままじゃなぶり殺される。だからMじゃないんだってよ。
 「では覚悟してください」
そのテイマは予想たがわず、懐から真っ黒な笛を取り出してそう言った。
 「くっくそやろう、ネタなんかに、ネタなんかにこの俺がっ」
ばぎ、ぶず、どす、どぅす、ばす、どすん、ばぎん。
ん?笛おれたか?
いつの間にか俺は天井を見ていた。うーんたたかれるのはやっぱりすきじゃないなー。あ、あそこ
にシミがっ。まったくそんぐらい掃除しろよな、ほらあっちには蜘蛛の巣が。ていうか結局俺一言
しかしゃべってないじゃん?せっかく性格考えた女たちも実質二人しかでてないし。

243 名前:タルタル 投稿日:2006/04/28(金) 00:55:30 [ QxvTMn3A ]

 「相変わらずお前は早いな」
 「いえ、それほどです」
 「それほどなのか、で報告は?」
 「はい、三姉妹は到着の際ちょうど違法のPTと遭遇。これを撃退、このまま三姉妹に防衛を任せ
てもいいでしょう。私見では一週間もいさせれば威嚇には十分だと思います。後はアリアンギルド
から三人程度の警備を。」
 「ふうん、さすが”いいのは顔だけ、貧乳三姉妹”だな」
 「それを本人たちの前で言わない方がいいですよ、ま今回の相手もしらなくて良かったと思いま
すよ、もし言ってたらあんなもんじゃなかったでしょうね」
 「どうなるんだ?」
 「それは長女は怒り狂い手がつけられなくなり、次女は泣き始めて手がつけられなくなり、三女
は正確に反論し始めて手がつけられなくなります」
 「……そうか、でセスナについては?」
 「あの人はすっかり、痴呆のおばあちゃんと化していました。現在アリアンに護送中。セスナの
道は同族のセスニが管理するようです。」
 「それと、三姉妹にはどう言うつもりだ? あんな砂漠の真ん中であと一週間もいるなんてな」
 「問題ありません。長女には男性ストリッパーを次女にはイケメン保育士さんを、三女にはこの
世界について語り合える人をそれぞれ三人ずつ用意し二十四時間体制で準備させています。」
 「よし、問題ないな。ではすまんがアリアンギルドにも同様の報告を頼む」
 「了解」

244 名前:名無しさん 投稿日:2006/04/28(金) 16:38:46 [ oRhtfOxo ]
-──- 、   _________
    /_____ \? >            |
    |/⌒ヽ ⌒ヽヽ | ヽ > _______  |
    |  / | ヽ  |─|  l   ̄ |/⌒ヽ ⌒ヽ\|  |
   / ー ヘ ー ′ ´^V  _ |  ^| ^   V⌒i
    l \    /  _丿  \ ̄ー ○ ー ′ _丿
.   \ ` ー ´  /     \        /
      >ー── く      / ____ く
    / |/\/ \       ̄/ |/\/ \    同じスレではこのままだけど
    l  l        |  l      l  l        |  l    違うスレにコピペするとスネ夫がドラえもん
    ヽ、|        | ノ      ヽ、|        | ノ

245 名前:南東方不勝 投稿日:2006/04/29(土) 00:57:57 [ JhC8sTQM ]
>>FATさん
おっと、ブリッジでジョーイとのガチンコバトルの回ですか。
さてさて、ラス曰く美人である母さんを楽しみに待ってますねw

>>タルタルさん
なんて素敵なネタキャラ…w
さて、怖いもの見たさであえてここで「貧乳」はつg
うわなにをあsdfgふじこlp

246 名前:南東方不勝 投稿日:2006/04/29(土) 02:28:42 [ JhC8sTQM ]
>>227
アタシを追ってきた二人組みを巻いた後、そのまま船の最終便に乗り
孤児院のあるシュトラセラトに戻るつもりだったんだけど…。
「ハァ…。いい歳した大人が、アタシみたいなか弱い美少女を大勢で囲って何か面白いの?」
船着場へと続く道の途中にある広場(テレポーターの人がいる所)で、アタシは沢山のシーフに囲まれていた。
ん〜、明日の朝までに帰らないとまずいのよね。紅爺達が心配するし。
「あんた達、アタシに何か恨みでもあるわけ?少なくとも、あんた達から盗った記憶は無いんだけど…。」
まぁ、この街でやってる事を考えればこういう事態になる可能性も大いにあり得るのは当然。
でも、一度も盗んでない奴らにこうやって囲まれるのはちょっと考えづらいかな。

ジャリ…

徐々に周りにいるシーフ達がアタシとの距離を詰めて来る。
今のアタシの戦力は、さっきの逃走の時に召喚したケルビー達。
ラグルを防御に徹せさせれば、ケルビーをもう一体召喚する時間は作れるだろうけど
強化するには少し足りない。でも、本からヴォイドを解放するには充分なのよね。
「かかれ…!損傷は最小限に…、マスターは生け捕りをお望みだ!!」

ダンッッ!!

アタシを囲っていた黒装束が、その号令と共に円の中央…アタシに向かって殺到する。
「ラグル、できるだけ長く弾いて!」
アタシの命令に、カッと乾いた音で応え古ぼけた双剣を構える。

シュシュシュシュシュ!

四方八方からシーフ達の攻撃が襲い掛かる。
ブーメランにボウラスを始めとする打撃投具が雨のように降り注ぐ。
その数はたかだか一体の骸骨にはとても防ぎきれない程に多かった。
でも、アタシの相棒をなめないで欲しい。
鎧爺曰く、ラグルは生前それなりに名の知れた剣士だったらしい。
彼の武勇伝には華々しい功績は唯の一つもない。
しかしそれでも彼に誇れるものがあるとすれば、それは…

カカカカカカカン…!

「…!」
向かい来る全ての殺気(攻撃)を、生前は元より死後も防ぎ続けた事に他ならない!
無数の投具が空しく夜空へと弾かれて行く。それを見送ることなくアタシはもう一人の相棒を解放する。
「Aufzeichnung Aufhebung」 (飼育記録、解放)
光を放ち開かれたページから、一体のヴァンパイアが現れる。
「主殿…」
「遠慮は要らない、やっちゃえヴォイド!」
「承知!」
目の前にいたシーフを殴り飛ばした後、ヴォイドは地面の上に紅爺仕込のルーンを刻む。
「我が声に応え…来たれ盟友…!」
ヴォイドの言葉に応えるようにルーンが光り輝く。その光の中から、無数の蝙蝠の群れが姿を現す!
「うわぁぁぁ!」周りのシーフ達がその光景に声を上げて驚く。
予想外の出来事の連続で彼らの包囲網にほんの僅かな隙間ができる。
「しめた…。ケルビー、ヘッジャー!」
アタシの声に応え駆け寄ってきたケルビーに飛び乗り、包囲網の隙間に向かって
「ZoolDrehung!」(アルマジロローリング!)
2体のヘッジャーを突撃させた。

247 名前:リ・クロス 投稿日:2006/05/01(月) 18:25:05 [ kcso0oWI ]
前スレ>>986 >>39 >>56 >>69 キャラ紹介>>38
>>100 >>147 >>178


「はっ!!」

血塗れになっていたナーガファイターの露出した皮膚に
正確に強烈な突きが命中して
その衝撃で吹き飛んだナーガファイターが水路に落下した。
ヘルナイトが横から切りかかってくるが
巨大なシールドが受け止めて弾き飛ばした。

「そうだ・・・、もっとこっちに来るんだ・・・。」

ケイルンに向かって奇声を上げながら
様々なモンスター達がにじり寄って来るが
ケイルンの表情は余裕の笑みを浮かべている。

「マルコム!今だ!!」

声を上げると同時に横にケイルンが跳び
その反対側から現れたマルコムが、黄金色のバスタードソードを振り回した。

「静かに眠りし氷の龍王よ、今こそ目覚め
闇に蠢くものの意思を氷結し打ち砕け
ドラゴン・・・ツイスターッッッ!!」

剣が振り回された軌跡の中から、青い皮膚を持っている龍が現れると
モンスター達に向かって、氷のブレスを吐き出した。
凍りついたモンスター達に、巨大な氷柱が降り注ぎ
氷結した彼らは、粉々に砕け散った。

「この辺の連中は片付いたようです。次は北西の方に。」

赤い十字架のペンダントを身に着けた天使が
瞑想を中断して、鬱陶しそうな声質呟いた。
彼の翼はまるで食いちぎられたように抉られており
もうひとつの翼は、傷が刻まれていて痛々しい。

「そうか・・・、マルコム行くぞ。」

「了解。」

天使が指示したとおりに北西に二人が走って行き
彼は再び目を瞑り、瞑想を再開する。

「・・・、ニムラスが目覚めたようだ。」


「げ・・・、ガーディアン2体とダークファイヤーにもう1体が・・・。」

「アヴェンジャーか・・・、模造品にしては凄まじいな・・・。」

三人の目の前には、石の様になっているモンスターが
動き出そうとしている光景が広がっている。

「ガーディアンは俺が倒すから、イルムはダークファイヤーな。」

「妥当だな。セリス、奴は君が相手をしてやれ。」

「分かったよ。荷が重いなぁ・・・。」

口とは裏腹に、楽しそうな表情をしながら呟き
ランスを構える手に力を込めるセリス。
完全に目を覚ました怪物らが、武器を手にする。

「殺・・・して・・・や・・・る、何もかもをなっ!!」

哀れな復讐者の、執念の叫びが木霊し
世界が悲鳴を上げたように、巨大な揺れが起こった。

248 名前:タルタル 投稿日:2006/05/02(火) 11:01:15 [ QvYPUbOo ]
 「あねさん武勇伝1 VS兄弟 第一話{全三話の(予定)} 

時刻は深夜、月明かりはあるが、それさえもいまにも消えそうにか弱い。音も立てず、姿も見えないその姿に一体誰が気づいた
であろうか?
「よーし、いい子だ。そのまま持って来な」
「了解です、あねさん」
一匹のへっじゃーが真っ赤な髪、真っ赤なジャケット、真っ赤なミニスカート、真っ赤なグローブ、真っ赤なスニーカー
に包まれた女性ーー背は年20代後半の割には低め、150cmぐらい、顔立ちは同じく童顔で一見すると子供の印象を受け
る、が、その性格を考えれば、ただの子供ではなく、まったく手に負えないいたずらっ子だということがわかるーに近づいていく。
女性はへっじゃーの持ってきた物を見て、にっこり笑って、立ち上がった。その表情はまるで欲しいものを買ってもらった子
供のようだ。
「じゃあ、いくわよ。さっさと逃げなきゃ」
「まてい」
「見つかった? この私が?」
「市民の血税から建てられたこのブリッジヘッド立博物館から闇夜に隠れ、こそこそと物を盗み出そうとは不届き千万。どんな
理由があるかわからんが、貴様の戦い、義ではない」
静寂の中、女性の前に二人の男が現れる。
「どんな悪も我がスピードの前には手も足もでず、速さの兄とは私のことよ」
「どんな悪も俺のパワーの前では叩き潰される、力の弟とは俺のことだ」
「どんな悪も我ら兄弟の前にはひれ伏すのみ。我ら兄弟義によって悪を討つ、盗賊よ、観念せよ」
二人はどちらも黒髪黒眼であり、着ている物も、鎧こそ着ていないが、あとは戦闘用と思われる黒を基調とした、動きやすそう
な物であった。
兄、と名乗ったほうは、職業はシーフ。その容貌の美しさとそのまさに自分こそが正義といわんばかりの表情、いや表情だけで
なく全身からあふれ出すそのオーラ。20代前半だが、そのオーラはまさに30代とも40代とも思われすでに完成されていた。
弟は職業は格闘家。その兄より2つほど年は低いが体は二回りは大きいと思われる。容貌は美しくはなく、口調も粗暴だが、そ
の眼から伝わるものは一途で実際に受ける印象は少なくとも悪い、怖いという感じはない。むしろ頼れる兄貴という雰囲気ある。
「その長ったらしい言い回し、もしかしてシーフギルドの脳筋兄弟?」
「人々がなんと言おうと関係はない、我らはただ義の道を貫くだけよ。いくぞ弟よ、いまこそ我らの力、見せるとき」
「おうよ、兄貴、あんな小娘俺達にとっては、ねずみよ」
そういうと兄は女性を指差して言った。
「普通の盗賊の約三倍のスピードで盗むといわれる、赤い貧乳の彗星め。覚悟せよ」
「貧乳は、よけいよっ、へっじ、行きなさい」
今にも動き出そうとした兄弟の前に、突然地面からへっじゃーが現れる。
「にゃー」
「なにっ、卑怯な、もぐら型猫だとっ!? いや猫型もぐらかっ?」
「ふんっ、こんな奴。兄貴任せてくれ」
「任せたぞ、弟よ、私は盗賊を捕まえる」
「ふっ、あねさんに一歩でも近づけるわけにはいかねえ。喰らえ、秘儀かく乱」
へっじゃーは兄弟の周りを地中にもぐったり、飛び出したりする。
「ちぃ、命中率が半分になる、あたらねえ」
「どこから出てくるかわからん、下手に動けんっ」
兄弟は下手に手が出せない、時間だけが過ぎていく。そして五分ほどたったころ、
「姉さんは逃げたか。じゃあ俺もそろそろ行くか」
へっじゃーは小さくそう言って地中を駆けて逃げ去っていく。
「兄貴、あの盗賊がいねえ、くそっ、あのもぐらはおとりかよ」
「くっ、この我らを出し抜くとは、信じられん」
「信じられんといえばあのもぐら、この石の床をもぐって行きやがった。ありえねえ」
弟は自分達の周りにあいたいくつもの穴のうち一つを見ていった。
「報告書には奴はネタキャラとある、それに木や石をも潜っていくというのはすでに各地で確認済みだ。科学者達に言わせると
おそらく、一つの技、この場合お宝探しだが、それを突き詰めることによりそれに特化し、さらにそれを補助するように別の能
力も付加してしまったということらしい。」
「ふうん、俺にはさっぱりわかんねえや、でも次のときは必ず捕まえてやらあ」
「その意気だ、弟よ」

249 名前:タルタル 投稿日:2006/05/02(火) 22:05:31 [ QxvTMn3A ]
「あねさん武勇伝1 VS兄弟 第二話{全三話(の予定)}」 

「あの脳筋兄弟を出してくるとは、世も末ですね」
私はあねさんに言ったつもりだが、返してきたのは馬鹿犬ケルビーだった。
「でも仕事の成功率なら、シーフギルド随一って聞いたけど?」
「それは誇張だ、あの悪名高いシーフギルドだ。彼らは世間体あげるためのただの顔だ」
「そうみたいね、でも実際、単純パワーは最強らしいわ。でも」
あねさんは上は白のタンクトップ一枚で、下は、下はよく水泳の着替えなどで使用されるゴム付きのタオル、だ。何でそんな格
好をしているのかと聞けば楽だから、という。ほかに人がいない自宅とはいえあねさん、もういい大人でしょうに。ちなみに下
着は着けていないはずだ、理由はめんどくさいから、らしい、あねさーん。あねさんは”入門盗賊〜三日でマスター〜”という
本を読んでいる、かはわからないが、とりあえず見ながらソファーに座っていた。そのあねさんは不敵な笑みをこちらに向けた
「この私には勝てなかったわね、おーほっほっほ」
そして楽しそうに笑った。
「さすがあねさん、いかすぜ」
「もっとほめなさい、全ては私のために。はーはっはっは」
この馬鹿犬は、あねさん調子づかせると朝まで続くって事を忘れたわけではないだろうな。あねさんは座っていたソファーに立
って報酬の二百万Gを散蒔きつつ踊っていた。いったいその服装のどこに持っていたんだ?周りにおいていた様子はなかったのに。
馬鹿犬もその周りをきゃんきゃん飛び回っていた。
「さて、この調子で次もいくわよ」
「おう、どこまでもついて行きますぜ、あねさん」
「ヘッジ、がんがんいけるような仕事ない?」
相変わらずなんと序列のない、が、今のあねさんの気分を壊したら大変だ。私は今ある依頼の中で一番のとっておきをひっぱり
だした。
「これはどうですか?ダメルで発掘され現在はブルネの博物館にある、”REDSTONEの刻印入りのスタリン”の奪取。このスタリ
ンは本来アリアンギルドが発掘し、アリアンギルドで管理されるはずでしたが、その歴史的、金銭的価値によりブルネギルドが
その政治力を背景に奪い取ったものです。もちろん表向きには、減税と引き替えに一時的な譲渡ということですが」
あねさんは落ち着いて、ソファーに座り直していた。散蒔かれた札はそのままだったが。後で私が片付けねばなるまい。
「事実、値段なんかつけられない価値があるからね、減税っていっても釣り合わない、か」
「その通りです、アリアンギルドも一応取引があった以上、表向きに動けず、私たちに依頼した、ということです」
「でも取り返しても、またブルネの奴らにとられるだけじゃねえの?」
馬鹿犬が、お前はただ聞いていればいいものを。が、あねさんの手前、黙ってろとはいえない。
「あのアリアンの人たちがまた同じ間違いをすると思ったか? 彼らはあくまで知らないの一点張りだ。今度はちゃんと隠して
おくか、あるいはあの人たちのことだからこれは新たに発見したものですっていうかもしれない。その場合でも二度ととられる
ことは無いだろう。彼らは馬鹿だがすることはする人たちだからな」
「要は、取り返してこいってことね、で、報酬は?」
あねさんはどうでもいい、というように話をまとめる、あねさんの最大の関心はいつもそこだ。あねさんも所詮人間だからな。
「赤い筋」
それを聞いた途端あねさんの表情がみるみるうちに変わっていく。
「……、くっくっく、ついに赤い筋が私の物になるのね、はーっはっはっは。これで真の赤い彗星になれる」
「やりましたね、あねさん」
赤い筋、その名の通り真っ赤な宝石である。その赤はほかのどの赤よりも濃く、そして洗練されている。あねさんは長い間探し
ていたが、それは唯一アリアンギルドにしかなかった。アリアンギルドといえば偏屈だが仕事は完璧で知られたギルドだ。こち
らがほしいといえばいうほど渡さず、あねさんの力でも盗み出すこともできなかった。
「ふーん、でもあのへっぽこブルネっていっても、手の抜いた警備しているわけじゃないし。実際二十四時間体制で守ってるら
しいじゃない? 結構盗むのもめんどくさそうね」
「それがこんな情報が」
私はあるところから十枚の紙を取り出しあねさんに渡す。
「多くて読むのめんどくさそうね、ってこれは」
ぶつぶつ言いながらもあねさんは目を通す。その顔が驚きに包まれる。
「博物館の警備の状況、しかもこんなに詳細に。アリアンギルドのはんこ付きで日付では一ヶ月前か、偽物ってことは、いやあの
アリアンギルドが偽物を情報として渡すわけ無いしね。おk、ヘッジ。よくやったわ。次はこれでいきましょう」
あねさんはまだ見ぬ赤い筋を思ってか、高笑いを始めた。馬鹿犬は一緒になってきゃんきゃんし始めた、馬鹿めが。

250 名前:リ・クロス 投稿日:2006/05/03(水) 18:24:19 [ kcso0oWI ]
龍騎士族について


赤い悪魔の軍勢と死闘を繰り広げた
天上界と地上界の戦闘部族の事を指し
六大元素の神獣の能力を持っている。

彼らの部族の殆どは、赤い悪魔たちによって殺害され
一部は降神術によって、悪魔らに操られ
生き残った者の殆ども、天上界に捕獲された。

捕獲した意図は不明だが、天使の追放と同じく
何らかの責任を取らされたと思われる。

彼らの生命力の強さは凄まじく、通常の人間の致命傷も
ほんの数分で再生してしまうほどであり
その上に魔法に対する抵抗も非常に戦ったが
悪魔側に裏切った神獣達によって無効にされた。

その他にも聖騎士に匹敵する剣の腕を持っており
魔法の方もスマグ魔法の中級の魔法も使用でき
一部の者は悪魔や天使たちの魔法も覚えれるようである。

外見の特徴は普段は人間たちと見間違うが
戦闘時には二対の翼と膨大なオーラが発生して
目には其々の属性の紋章が表れる。

251 名前:タルタル 投稿日:2006/05/03(水) 23:19:06 [ SD6rMzmg ]
>>249 最終話
しゅいん、ぼこ、どすん。
「あねさん。大丈夫ですか」
「曲がりなりにも砂漠の英雄セスナの第十五子の私がこんなことでやられはしない」
あねさん、腰をさすりながらじゃ説得力ないです。
「だから天井はやめようって言ったじゃないですか、地下ならこんな事は……」
「終わったことは気にしない、それより急ぐわよ、警備の交代所要時間は、十五分
なんだから」
「その前にあの音で気づいてなければいいですがね」
「そこは、外で暴れてる三匹に頼むしかないわね」
ウインディ、スウェ、馬鹿犬は陽動のために博物館の外で暴れているはずだ、警備の
トップが有能でないなら、平和慣れしたブルネの奴らなどそっちに引っかかるはずだ。
「これが噂のスタリンね」
あねさんはショーケースを開けて取り出すと、何故か左手の薬指にはめた。
「こんなのつけて歩いたら、世の男たちは私に釘付けね」
始まった、始まってしまった、あねさんの一人舞台が。
「その指に光る、見ることもできないほど輝かしい指輪、そしてそれに勝る輝きを放
つあなたは、まるで太陽のよう」
「そんなこと言って、つきあったら焼却するわよ?」
「そのときは土曜のごみの日に出してください。いや、私のこのあなたへの愛は燃え
尽きることはない、ともにあの太陽の如く、人類を照らす光となりましょう」
「いやーん素敵、でも本当に私なんかでいいの?」
「いいのなにもあなたを見たその瞬間から、ほかの女性なんて、あなたの光で見えま
せん。私をあなたの婿にしてください」
「私が婿派だって知ってるなんて、もう理性なんて関係ない、あなたと結婚します」
ばたばたばた。
「いまだ、包囲しろ」
あんなこと大声でしてるから。すっかり三十人ほどに囲まれている。
「しかし、天井を掘ってくるとは予想外だった、おかげで応援に時間がかかった」
指揮官と思しき背の高いやせた陰険そうな男、兵士ではないようだが帯剣はしていた。
服装も白い軍服以外は、グローブや靴は戦闘用のものをしている所を見ると、どうやら
戦えるらしい。襟章は副ギルドマスターとなっている。
「馬鹿めが、あの筋肉馬鹿ギルドの連中が取り返しにくることなどお見通しだ。つまり、
我々は無理矢理奪っておいて、不合法的に取り返そうとするところを一網打尽にし、社
会的に追い詰め、あのくそギルドを解散させ、アリアンの自治権を奪うつもりなのだ。
もちろんあの警備の情報も意図的に流した物だ。この完璧な作戦、どうだ参ったか」
はめられた、というわけか。が全てべらべらしゃべるこの男はただの馬鹿か。
が、入ってきた天井の方にも何人かいるようだ。床下に逃げる手もあるが、どうやらブ
ルネギルドの奴らのへっじゃーが数匹いるようだ。私一人なら逃げられるが、あねさん
も一緒だと無理だ。
「あねさん」
「さて、どうしましょうね」

「全員、かかれ」
「まてい」
まさにブルネギルドの者たちが盗賊に襲いかかろうとしたその瞬間だった。
「誰だ?」
ブルネギルドの者たちは一斉に後ろを向いた。声の主はそちらから現れた。
「たかが小娘一人にこれだけの数でかかり、小娘も義では無いとはいえだまし討ちなどで
捕らえようとするとは。どんな理由があるかわからんが、貴様らの戦い、義ではない」
静寂の中、二人の男があっけにとられるブルネギルドの者たちの中央を堂々と通って盗賊
達の方に向かった、そして盗賊達の前までくるとブルネギルドの者たちに対しこう言い放
った。
「どんな悪も我がスピードの前には手も足もでず、速さの兄とは私のことよ」
「どんな悪も俺のパワーの前では叩き潰される、力の弟とは俺のことだ」
「どんな悪も我ら兄弟の前にはひれ伏すのみ。我ら兄弟義によって悪を討つ、ブルネギル
ドよ、観念せよ」
呆然とする一同。最も早く現実に戻ったのは副ギルマスだった。
「貴様らは、シフギルドの兄弟か。なぜ我々の敵になる? あの盗賊こそが悪ではないか、
我々に敵対しようなどとそれこそ悪だ」
「だまれ、そもそもあのスタリンを政治力を盾にして奪い取ったことこそ悪である。今回
の事件全ての元凶はブルネギルドにあり」
その兄は圧倒的戦力を前にして臆することなく言う。
「こいつらも所詮逆賊か。それにたった二人でなにをしようとするのだ。我々の敵ではない」
が、そのとき兵士の一人がいつのまにか盗賊がいない事に気づく。
「副ギルマス、あの泥棒がいません」
「なに? この包囲網のどこを抜けたというのだ?」
「わかりません、が、どこにもいません」
「ちっ、まあいい、これだけでも十分くそギルドを追い詰められる。今はこの逆賊を捕まえ
るぞ」
「そうはさせるかよ、必殺急所突きぃ」
「どけい、ダーティスローイング」
ばぎ、ぶす、どす、……。

252 名前:タルタル 投稿日:2006/05/04(木) 15:49:26 [ U8bwHNNY ]
 一発ネタシリーズ 「リザリザ戦隊リザレンジャー」
廃人、それは高い攻撃力と耐久性を誇る、序盤最強のモンスターである。
それに苦戦するあるPTがあった。
「くそっ、あっちやらこっちやら同時に沸きやがって」
「ビショがいないと辛いですね」
突然の三匹同時沸きに、苦戦するPT。そこに一体のビショが通りかかった。表情は穏やかで胸には十字架。背は高めで、その鍛
え上げられた浅黒の肌はいかにも歴戦の戦士を思わせる使い古された鎧で隠されてあった。
「苦戦してますね、空いてたらいれてください」
「よし、お願いします」
ビショがPTに入った瞬間さらに四方から現れる、四人のビショ。その背後にはどこから連れてきたのか、と思うほどの廃人やら、
アサシンやらがくっついてきた。四人のビショはにこにこしながらうまくそのPTのあたりに捨てていく。当然彼らはそのPTに攻
撃を開始した。そんなPTを尻目にビショ達は逃げていった。
「なっ、捨てていくんじゃねえ。馬鹿が」
「やばい、この数は、いったん引かないと。うわっ」
「くそっ、回復が、赤ポがもう無くなるっ、うわー」
そしてPTは全滅した、ビショ以外。
ビショは、いつのまにか安全な所に避難していて、コールをかけた。
瞬時にしてPTのメンバーは集まる。
「うっ、ビショさん、逃げてたのか、良かった、リザ頼む、ん? そのビショ達はさっきの、何故?」
倒れるPTの周りには、PTに入ったビショだけでなく、あの死ぬほど捨てていった四人のビショもいて、彼らを見下ろしていた。
「我らリザリザ戦隊、リザレンジャー」
五人のビショ達は奇妙なポーズをとって言った。
「ではリザの前に、報酬を」
五人のビショは倒れているPTの懐から、ありったけのゴールドと高く売れそうなアイテムを奪い取った。
「な、何しやがる、返せよ」
「よし、このLVにしては十分だな。では、リザ開始」
リーダーらしきビショがそれぞれの成果を確認すると、こういい、ビショ達は一斉にリザを開始した。
「くっ、てめえら、最初からこれが目的とは。ぶっ殺してやる」
その剣がビショの一人に襲いかかろうとした瞬間、
「ATフィールド展開」
リーダーのかけ声を合図に全員天使になり、サンクチュアリを発動する、途端天使達は青い光に包まれた。
「くっそぉおおおお」
「我らリザレンジャーは常に君たちのそばにいるぞ、いつでもリザが欲しいときはこう呼んでくれ。’リザくれ〜’と。
君たちの全財産と引き替えにリザしてやろう」
”あうどlじゃおljぢlはいえゆお;えjl”、と騒ぎながら無駄な攻撃をするPTの面々を無視してさわやかな笑みで言った
「リーダー、もう時間が」
別の天使がそう耳打ちした。
「そうか、ではさらばだ。撤退」
一斉に帰還の巻物を取り出す、巻物を開くと同時に彼らは光に包まれ消えた。

253 名前:かりう 投稿日:2006/05/05(金) 23:22:48 [ 20jaX8ZM ]
お初です。かりうと申します。
今日プレイ中にふと思いついたので投下してみます。








いつの時代だってマトモな神経した奴は損ばかりして、
己の不幸を嘆きながらも道化にはなりきれない。

正直者がバカをみる。これは結構真理だ。







雫が、落ちる。
それは銀の鎧に当たって跳ね返り、少しだけ返り血を洗い流した。
その毒々しい緑は、「アレ」のもの。
鍾乳石の陰に隠れる俺に、嬲るかの様にゆっくりと近づいてくる、

化け物の血だ。


思えば俺たちは「アレ」を少し舐めすぎていたのかもしれない。
瓶の中の赤い液体を飲み干しながら、頭の片隅でそんな事を考える。
洞窟の奥底に住まう怪物を退治するために、
腕に覚えのある冒険者ばかりで編成されたはずのパーティ。


だが。




リーダーであった女は、俺の足元でぴくりともしない。
最後まで戦おうとしたのか。手だけが弓を強く握り締めて。


数々の罠を解除するために雇われたブリッジヘッドギルドのシーフは、
洞窟に流れる水のそばで仰のけに倒れている。


不思議な力でもって様々な術を使う少女は、
血に汚れ、冷たい石の床の上に投げ出されている。


冒険者たちを補助する役割を負う神の使いは、
誰でもひと目で致命傷と分かる傷を負い、血溜りに顔を伏せている。


赤いフードを被った少女は、怪物のすぐ傍に人形のように転がっている。
主人を最後まで守ろうとした、僕と共に。


スマグから派遣されてきた魔法使いは、
最後の力で俺に炎の魔術をかけ、そして動かなくなった。

254 名前:かりう 投稿日:2006/05/05(金) 23:23:31 [ 20jaX8ZM ]
>>253
もう一本赤い瓶を手に取り、中身を飲み干す。
死ぬわけにはいかない。たとえ一人だとしても、あの怪物を倒す義務がある。
俺が生き残る為に。
そして何より―――仲間たちの為に。



奴が近づいてくる。洞窟全体を震わす様な鳴き声が木霊する。
俺は意を決して、両手剣を構える。
灼熱の魔法壁が剣に力を与え、
そして――――仲間の声が聞こえる。
必ず倒せと。お前だけが頼りだと。




俺はその声に苦笑し、

そして力の限りに叫びながら、目の前の化け物――――


禍々しい色をした、巨大な芋虫へ向かっていった。













「蟲秘密なんて、嫌いだあああぁぁぁぁッ!!!!!」














都合により7人編成です(笑)
この場合最後まで残ってる人が一番お金を使ってるということでひとつ。

255 名前:復讐の女神 投稿日:2006/05/06(土) 05:12:08 [ 6XwJJ7KI ]
夜が太陽に溶かされ、世界に日の光が差し込んできた。
朝もやのなか、小鳥のさえずる音が聞こえる。
だが、窓からさし込む光はカーテンに締め出され、室内はいまだ静けさを保っていた。
響くのは、部屋の主の不規則な寝息のみ。
ぎいっ。
静かに、だが木製の扉独特の音が響いた。
この部屋にある扉は、一つのみ。
扉の開く音とともに、静かな足音が部屋へと侵入する。
侵入者の目には、布団がはだけて体を丸めている、下着姿のジェシの姿がはっきりと見えている。
健康的な足に、程よく膨らんだ胸。
くびれた腰に、安心しきった寝顔。
たとえ男でなくとも、その姿をみたらドキリとするだろう。
侵入者は迷いもなく、しかし出来るだけ音を出さぬようジェシへと近づく。
そして。
「ジェシお姉さま〜♪」
ジェシに向かってダイブするのだった。
ジェシはその行動が読めていたのか、眠っていたはずなのにヒラリとダイブをかわす。
そしてもちろん、ダイブした者はベットとキスをするのだった。
「ん〜、まだ暖かいですの♪」
侵入者はめげないもので、それはそれでとベットに残ったジェシの温もりをふんだんに味わい始める。
「はぁ…ビシュカ、いい加減にしときなさい。まったく、また勝手に家に上がりこんで」
侵入者…ビシュカは、悪びれた様子もなく、ベットにちょこんと座り、ジェシに向き合う。
「うふふ、お母様から鍵をくすねてきちゃいましたの」
「くすねてきちゃいましたの、じゃないでしょ。まったく、あんたは油断も隙もないんだから」
ジェシは呆れた声で文句を言うと、またベットへと横になる。
その際、ビシュカに当たらないように気をつけているあたり、ジェシもまだまだ甘いらしい。
ビシュカはその様子を嬉しそうに見て、自分も一緒に横になる。
「しっかし、あんたは相変わらず朝が早いわね。今日も朝のさんぽ?」
「はいですの。朝日の差す街を、新鮮な空気を吸いながら歩くのは、気持ちいいですの」
「じゃ、なんであんたは今ここで横になっているのかしら?」

256 名前:復讐の女神 投稿日:2006/05/06(土) 05:12:51 [ 6XwJJ7KI ]
「それはもちろん、誘惑に負けて」
ビシュカの言葉に、やってられないわとジェシは起き上がる。
窓の外を見る限りだと、そろそろ起きてもいい頃合だろう。
ジェシがベットから降りて服を選び始めると、ビシュカはベットに座ってジェシを見る。
「油断も隙もないのは、ジェシお姉さまの方ですの。今日も抱きつけませんでしたわ」
確かに寝ていたはずなのに〜と、ビシュカは頭の上に「?」をたくさん並べている。
そう、確かにジェシは寝ていた。
だが、それでいながら敵意の無い誰かが部屋の中に忍び込んでいることは分かっていた。
ジェシにしては、別になんら不思議なことではないのだが、ビシュカは変ですのとなぜか怒っている。
「あ、そうだ。ビシュカ、あとであんたの兄に渡して欲しいものがあるの」
「お金ですの?」
間髪いれずに帰ってきた答えに、ジェシはポカンとビシュカをみる。
「昨夜、兄様が受け取るだろうって言ってましたの」
そういって、にっこり笑うビシュカ。
…かなわないな。
ジェシは、ボイルの勘の鋭さにただただ感心するしかなかった。

ジェシは、料理が好きだ。
腕はさほどではないが、少なくとも食べられるものは作れる。
「ビシュカ、食べていくの?」
台所に立ち、エプロンを付けながらジェシは後ろを振り返る。
着ている服は、スカートの丈長い一般的な服だ。
動きやすさではなく見かけ重視なところは、ビシュカのリクエストだ。
「うふふ、ビシュカお姉さま綺麗」
「はいはい、ありがとう。で、どうするの?」
「まことに残念ですが、今日は帰って食べますの」
ジェシは台所で火を起こしつつ、あらそうと答える。
これは別に、寂しいとかではない。
ビシュカは、日によって食べていったり食べなかったりと色々とある。
今日は、たまたま食べない日なだけだ。

257 名前:復讐の女神 投稿日:2006/05/06(土) 05:13:25 [ 6XwJJ7KI ]
「じゃ、机の上においてあるの持っていってね」
はいですの。
その声とともに、足音が遠ざかっていく。
それにしても。
ジェシが思うのは、ビシュカ以外の気配が確かにあるのに誰もいないこと。
本当、不思議な子。
そう、まるで犬のような形の気配。
そんなことを考えつつ、ジェシは火のついたかまどを使い朝食を作り始めるのだった。

井戸から水を汲んでいると(なんと、この家のすぐ裏に井戸があるのだ!)近所の奥様方が集まり始める。
そこでできるコミュニケーションの輪。
ジェシの姿をみつけると、みながそこを中心に集まり始める。
話題はもちろん、彼女の冒険話。
そして、そろそろ男と…などという話題につながっていく。
ジェシは楽しそうに、でも困ったように受け答えしていく。
「あの、この後もやることがありますので」
そう言って、ジェシは奥様方の輪からなんとか逃げ出した。
ただし、やることがあるというのは嘘ではない。
冒険中の報告書などが、まだ完全にまとめきってはいないのだ。
なにが、どこで、どうなったか。
次に誰かが行くときのためにも、報告書の存在はかかせない。
「はやくまとめあげないとな」
冒険者だって、ただ単に歩き回っているだけではないのだ。
どうまとめあげようか。
ジェシの頭はすでにそっちへと回っていた。

258 名前:タルタル 投稿日:2006/05/06(土) 12:01:39 [ iBt6qxhU ]

「あねさんシリーズ 外伝1」 第一話(全二話)
 リンケン、私たちのネタキャラギルドがある場所である。かつては一人で活動していたあねさんもいろいろあって現在はここに
所属している。あねさんの家は東側の入り口付近の一軒である。そのあねさんの部屋は1LDKで一人+ペット二匹が暮らすには十分
な広さだ。リビングにはいるとまず中央にソファーがある。その脇に小さな机があり、扉から見て右側の壁は本棚で覆われており、
左側の飾り棚には、まあ、その、あねさんの性格的にあり得ないことだが、その、つまり、人形が大量においてある。長年あねさ
んと共にいるがこれだけはわからない。あのあねさんが何故、人形を大事にするのか。もちろん家事一切苦手で、細かいことがで
きないあねさんだから全て買ってきた物である。現在では二百体ほどにはなるだろうか。もちろん、なのか? 全てに名前がある。
動物ものがほとんどでその中でも亀、熊の割合は多い。そして、その飾り棚の端っこの方にはスウェルファーの飼われている水槽
がある。そして正面には小さめな窓を中心にして、左右には今大陸で人気の歌手グループ、タイシャニオズのポスターが貼られて
いる。部屋の方は完全に寝室と化しており、事実ベッドと衣装箪笥しかない。
 今日のあねさんは、服装は白いタンクトップとジャージのスボンでソファーの上で”ぶった切り。真面目キャラ”という本を眺
めていた。その脇にある小さなテーブルには南国を意識したようなフルーツの入りのジュースがある。そのグラスはかつてあねさ
んに好意を持っていたアリアンギルドのあるメンバーからもらった物で、材質はガラス、精巧に施された細工のために光を受ける
と七色に返す、そのため常に輝いていて、キラ物付きのあねさんのお気に入りの一つだ。
「あねさん、セスナさんのお葬式行かなくて本当にいいんですか、仮にも母親でしょうに」
病院に入ってからというもの砂漠の英雄といわれ、このリンケン、アリアンの発展に一番力を尽くしたセスナさんはすっかりボケ
が進んでしまい、すでにかつての片鱗さえも失っていた。そのセスナさんが亡くなったのはつい一週間前だ。当然アリアン、リン
ケンから大勢の人が詰めかけ、が、あまりの多さに対処が仕切れなくなりアリアンギルドは急遽葬式を決定。いま、まさにアリア
ン総手で葬式を行っているはずだ。が、実子であるあねさんは何故か行くことを断固拒否した。
「いいのよ、アリアン造って、その後死ぬほど好きな男どもとやって、子供作って、で晩年にはセスナの道でぼろもうけして、も
う十分満足でしょ。別に送ってあげなくても、勝手にあがってくって」
「あねさん……」
あねさんは本から目を離さずに言った、あねさんは十五番目、後ろから二番目の子だ。普通はあとからできた子の方がかわいいら
しいがセスナさんの場合、もう五人ぐらいで育てるのにも飽きてしまってらしい、あねさんなどはもう完全に別の親に育てられて
いる。そんな母親に怒りを感じているのはわかっていたつもりだった、が実際死んでしまうと、やはり悲しい。と思ったのは私だ
けだったか。
「実際ね、この砂漠で一カ所に砂漠中の人が集まったら、こっちが暑くて死んじゃうわ」
あねさんは真面目に言った、それかよっ、行きたくない理由は。ばしいっ、いでっ、思わず突っ込んでしまったじゃないですか。
……、ふう。あねさんはけらけら笑いながら本を読んでいた。

259 名前:タルタル 投稿日:2006/05/06(土) 12:03:38 [ SD6rMzmg ]
>>258「あねさんシリーズ 外伝1」 最終話
そんなことをしていると馬鹿犬ケルビーが入ってきて、いつもならあねさんの脇でおとなしく座るはずだが、今はあねさんの周り
をぐるぐる回り始めた、ん? 俗に言う狂犬病か? あねさんは本に夢中で、まったく気づいた様子はない。 
「あの、あねさん」
馬鹿犬はあねさんの前に座り、彼にしてはめずらしく、申し訳なさそうにあねさんに話しかけた。
「なに、ケルビ?」
いつもなら「この私の優雅な読書の時間を」とか言って、なにかするところだろうが、今日は何故か機嫌がいいようで目こそ本か
ら離さなかったが答えた。
「……お願いがあるんです、実は、実は、俺インシナが使いたいんです」
私は一瞬理解できなかった。今まで一度だってこの馬鹿犬がそんなこと言ったことはない。
「WHY?」
「だって今日仲間が使ってるのみたんですけど超かっこよくて超強いんです、なんかこうバァァァァニィィィィィングゥゥゥって」
馬鹿犬はひどく興奮した様子ではね回りながら言う、馬鹿犬でもそういうものに惹かれるということもあるらしい。
「ふーん、でも私、別に攻撃力いらないしね」
「でも、あの、護衛して、敵をやっつけてやりますよ」
「でもいつもヘッジで十分だしね、いざとなれば、スウェやウインディもいるし。しかも」
「しかも?」
「インシナって、あのLVあげるほど使えなくなるというっていう罠スキルじゃない。やるならゲイルパンチでしょ」
あねさんは相変わらず本から目を離してはいないまま答えた、ま、ゲイルパンチも半分ネタですけどね。
「そう、ゲイルパンチよっ、ゲェェェイルパァァァァンチ」
あねさんは突然なにを悟ったか、本を放り出して立ち上がり拳を固めて繰り出した。
「ああ、そのネタキャラとは思えない威力、範囲。そこらのへっぽこメテオなんて目じゃない」
「なんですか? あなたは?」
これは、一人芝居。何故こんなところで。
「ぜひ我がギルドに入ってください。その力を持って、全敗中の我がギルドに光を」
「そんなぁ、こんなネタキャラの私が?」
「遺憾ながら私は今までテイマといったらファミ。サマナだって、所詮LV差による強さだと思い、知識で威力を上げることもで
きないサマナの技なんて所詮ネタだと思ってました。が、今あなたを見てそんな考えは払拭されました。まさにあなたは我々に
とっての救世主」
「そんなことはないですよ、私はただ一介のネタキャラなんですから」
「またまた、そんな事言って、実は力がありながらもそれを認めてくれない世界に怒りを感じていたのではないですか? 我々
とともにその力を全ての者たちに見せつけようではありませんか」
「いやあ、でも」
「今こそ、この我々を導く光、いや女神となってください」
「そこまで言うなら、ネタキャラですがよろしくお願いします」 
「あ、あねさん、戻ってきてください、じゃあせめてフレームリングでもいいですから」
馬鹿犬は必死にあねさんの服の裾を引っ張っりながら言った。あねさんの一人芝居に割り込むとは、勇気があるな、馬鹿犬のく
せに。が、割り込まれた割にはあねさんは機嫌良く答える。
「フレームリングねぇ、同じでしょ」
あねさんは興味ないような様子でソファーに座り直した。
「くっ、でも、俺、あんまりあねさんの役に立ってないし、もっとあねさんの役に立ちたいんですよ」
ほう、馬鹿犬でもそういうことを考えているとは驚きだ、馬鹿犬のことだから何か別の理由があるとも思えない。単純にそう思
っているのだろう。その一途さが彼の唯一の取り柄だ。それより役に立っていないということを理解していたことの方が驚きだ。
「十分役に立ってるわよ」
あねさんは笑って、ソファーから降りる。
「え? でも俺犬乗りもできないし、攻撃もできないし」
「あなたの役目は私を笑わせること、どうでもいいこと言って、一緒に騒いで、それでいいのよ」
あねさんは言い聞かせるように馬鹿犬をなでながら言った、馬鹿犬にとっては身に余る光栄だろう。そしてさすがあねさんだ。
確かにそういう面では、馬鹿犬は四体の召還獣の中で一番優れている。
「で、でも。俺は」
「ほら、骨よ、とってきなさい」
あねさんはそこらにあった骨を部屋の隅の方へ投げた。馬鹿犬はわおんと可愛らしく鳴くと走っていく。そして口にくわえてから
はっと何かに気づいたように骨をおとす。あねさんは笑った、そして馬鹿犬は泣いた。
「俺だってあねさんの役にたちたいんだこのやろー、この、貧乳がー」
そして何故かとんでもないことを最後に言った、私は素早く部屋の外に逃げ出した。
「……、ウインディ、スウェ、いきなさい」
しゅべべべべ、どどどん、わおーん、ばた。

260 名前:南東方不勝 投稿日:2006/05/09(火) 21:46:07 [ JhC8sTQM ]
>>リ・クロスさん
燃える展開の連続でワクテカしっぱなしです。

>>タルタルさん
あねさん…、あんた最高だよw
作品の中にもネタが満載で大変楽しく読ませていただきました。

>>かりうさん
奇遇ですね、自分も蟲秘密は嫌いです…。
白ダメ固定80は凶悪すぎますorz

>>復讐の女神さん
お久しぶりです。ビシュカ嬢の百合っ気に不覚にもハァハァしてしまいましたorz
さてさて、報告書とはやはりメインクエのあれですか?
自分はそこで止まってるんですよねぇ…。鞄に余裕が無いので^^;

261 名前:南東方不勝 投稿日:2006/05/09(火) 22:46:36 [ JhC8sTQM ]
>>246

ドドドドドドドッッッッッ!!

2体のヘッジャーの突進によって、私共の包囲網に大きな穴が開いてしまいました。
(おやおや、乱暴なお嬢さんですな…。魔力の質は母君よりですが気性は父君よりですか)
まぁ、彼らだけで彼女を捕まえる事は難しい事は承知していましたし…。
やはり、姿を変えて現場に赴いたのは正解ですな。部下の不始末は、上司が片付けるのが常識らしいですし…
「ほらほらそこのアンタ、怪我したくなかったらさっさと退きなさい!」
屈強な土の魔人を盾にして、火犬の肩に乗った少女が叫ぶ。
「ご心配なく、私は怪我など致しませんよ。シェルフィミア・イリスアゲート・ゴーファ嬢…」
「は…、それって誰の事…!?」
少女の問いに答えるには時間がありませんな。もう、魔人は目の前まで来ていますし。
「部位擬態…聖盾」(ディバインフォートレス)
続いて、第2段階。
「技能擬態…絶対防御」(スキルフェイク…コンプリートプロテクション)

ドッッッッ、ガッッッッッッ…!

「う…そ…」
彼女の驚愕の声は当然のものでしょう。目の前のシーフの両手が、盾にその姿を変えたのですからな。
あまつさえ、2体がかりのアルマジロローリングを受けきったのなら尚更でしょう。
「くっ…。ヴォイド、ラグル!!」
ふむ、召喚獣でダメならペットですか…。
「甘いですぞ。技能擬態…浄化光」(デストロイングアンデッド)
私より放たれた聖なる光が、不浄なるモノの接近を拒む…!
「ぬぅ…、これでは近づけぬ!」
吸血鬼が忌々しげに言葉を吐く。「偽り」とはいえ、効果覿面ですな。
「い…一体なんなのよ、アンタ!」
いやはや、慌てていますな。どうやら、まだ覚醒はしていないようですな。
「いえ、名乗るほどの者ではありませんのでな。大人しく私に付いて来て下されば、仔細構いませんので…」
「ふざけんじゃ…ないわよ!」
そう言い放つと同時に少女が火犬の肩から私に向かって飛び掛ってまいりました。
いや…。よくよく見れば少女が手にしている笛は、風の魔力を封じ込めた魔笛「サイレントビブラ」ではありませんか。
なるほど、私を麻痺させる腹積もりですな…。ですが…、
「いっけぇぇぇぇぇ」
「抵抗擬態…盗賊鼠」(ラットシーフ)

ガシッッッ!

「な…なんで…、なんで効かないのよ!」
「相手が悪かったと思って諦めてくださいますかな?」
少女が振り下ろしてきた笛を掴み、静かに言い聞かせる。
「では、少しあちらの倉庫の中でお話しを…、っ!」

ブオンッッッ!

少女の笛を掴んでいた私の手を断つかのように、巨大な戦斧が振るわれる。
「あぁ、悪いな…。このクソ餓鬼には俺達っていう先客が入るんでな」
私と少女の間に割り込んできた戦士は、特に悪びれもせずにそう言い放った。

262 名前:タルタル 投稿日:2006/05/11(木) 15:29:38 [ hfUQyDik ]
「虹色の落書き」(長編)
 第一話 暗紅色の出会い 今回はコメディ系ではありません。(たぶん)
  
ロビーに死体が横たわっていた、その数六体。いずれもそれなりに鍛えられた肉体
を持つ男達。その全員が体中を切り裂かれ、さらに首は切断されていた。
ここはあの砂漠を移動する人々を見境なく襲うということで悪名高いスターヒール
盗賊団の根城であり、ガディウス大砂漠の地下にある。入り口は秘密だってさ。(←誰?)
「すまなかった。俺たちが悪かった、頼む命だけは、命だけは助けてくれ。お願い
だ」
凄惨なロビーを抜け、ある一室で十人ほどの男達の一人が震える声で眼前で鬼のよ
うな形相で自分たちを見下ろす男に言った。彼はどうやら剣士のようだが、剣は装
備していない。代わりに両手にはスパイクシールド、さらに背中にはイージスを装
備していた。年は二十代前半だろうか、がもっと大人の雰囲気がある。髪は短く黒
い。整った鼻筋、きりっとした目、細い眉、本来顔はなかなか男前であるが、今は
その鬼のような形相のためにただ恐ろしい。鎧を着けていない以外は普通の戦闘用
装備である、一メートル九十はあろうかという長身で、砂漠に生きるためか肌は黒
い。その手に持つスパイクシールドは血にぬれ、体も返り血なのか自身のものなの
かわからないほど血にまみれだった。
「弁明は聞かないと言ったはずだ、殺す」
そういって剣士は右手を振り上げる。
「やめなさい」
どこから現れたのか剣士がその声に反応したときにはその女性は剣士の前に立って
いた。
彼女の職業はプリンセス。十代後半、いや二十代前半か。髪は黒く長さは肩ぐらい。
身長は低め、一メートル四十ぐらい。その大きな瞳は真紅で強い意思を感じさせる。
上から下まで厚めの白いマントを羽織っている。特に武器は持っていない。代わり
なのかそのローブを着ていてもわかる厚い筋肉が内部でうごめいていた。その質、
量ともに半端ではなく、眼前の剣士以上である。もう異常である、ムキムキである。
そしてその胸は厚い筋肉に押しつぶされるように小さく、儚い。貧乳である。残念。(←だから誰?)
「邪魔だ」
剣士はただハエを追い払うが如く、右手のスパイクシールドをそのプリンセスに対
し振り下ろす。その一撃は当たればプリンセスの頭などかるくふっ飛ばしそうだ。
「なっ、ぐぅぅ」
「やめなさい、と言ったはずです」
プリンセスは振り下ろされた右腕を掴み取り、後ろにひねった。剣士は逃れようと
動くがプリンセスは力をこめ放さない。
「無駄です、私に勝てる男などいません、今のうちに逃げなさい。彼は私が説得し
ます」
プリンセスは震え上がっていた男達に言う。男達は何か騒ぎながら一目散に走り去る。
「てめえ、放せっ」
プリンセスは男達が逃げたのを確認すると剣士の腕を放す。そして扉を背にして立つ。
「どけろ、でないと殺すぞ」
「やめなさい、あなたでは勝てません」
「力だけで勝てると思うな」
剣士は左手のスパイクシールドを投げつけた、それは高速回転しつつプリンセスに
迫る。そして自身も右手のスパイクシールドを構えて突撃した。この狭い部屋の中
のこと、相当な自信がなければ自らも怪我をする攻撃である、あるいは捨て身なの
か。
「無駄といったはずです」
ばしゅいいいいいいん。
プリンセスは懐からスリングと思わせてスリングではないなにかを取り出した。そ
して飛んできたスパイクシールドをぶっ叩く。いかなる衝撃を受けたのかスパイク
シールドは叩き落され地面に埋没した。がそのとき剣士は目の前にいた。右手のス
パイクシールドがプリンセスの顔面に叩きつけられる、と思った瞬間、プリンセス
は驚異の反射神経で左側によけ、間髪いれずその拳を剣士の急所に叩き込んだ。
「dxzj5j9sgjvbん5くおぢsじぇえh43ぴさp;@わk」
言葉にならない絶叫、そのまま剣士は気を失った。

263 名前:高句麗 投稿日:2006/05/14(日) 12:16:59 [ K5tzLoLk ]
閑けりたいのに地上

「オラちょっと濃い!この野郎!」
新参者のくせに威張りまくった攻撃隊長の高句麗が叫ぶ
「いいか俺が毎日言っているように戦争は戦力だけ赤手ねエンだ
情報や仏師も重要な一因となる!ッてことでおれの振る光って来いレガシー」
いわれたのは天然のけを持ち合わせたBISのレガシーいつも言いようにこき使われていた
「でも戦争がはじまるまでもう5分もありません世高句麗産」
「おまえが5分以内に買ってきて戻って九りゃ問題ないだろ?さっさといけ」
この無茶な要求を何とかしてくれとギルマスノ蘭太郎を見やるレガシー
「レガさん、僕のぶんの刀油もお願い」
「私のdragonのちも」
ギルマス含ますたちにもレガシーの言外の視線などどこふく風
しょうがね絵から首都に会に戻ることにした
やっとこさ郊外に露天を発見したのだが
「振るひは5個セット40万刀油は1リットル40万dragonの血は80万打ね」
「ぼった栗じゃないですかそれは!」講義するレガシー
「ンじゃよそでかえよ」とそっけない承認
「! まだかこの野郎!もう戦争はじまるぞ!」個々まで聞こえてくるこうくりの叫び
「しょうがないそれください」観念するレガシー
「んじゃ包装するのにさらに1Gもらうぜ」
「最初からそのくらいやってないんですか!」
「織れは油やPOTは売るといったが外の袋や殻は別売りだぜ?」
「! この野郎!遅れたらこの世にも地獄が存在するってことを教えてやるぞ!」
もう時間がない慌てたレガシーは
「急いでいるんです!このポットにフルポ5個刀油3個dragonの地2回分お願いします」
戦争には余裕で負けた

264 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/15(月) 17:16:25 [ W5NOPE0k ]
毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒

265 名前:高句麗 投稿日:2006/05/17(水) 09:29:30 [ hfUQyDik ]
>>263
「おら、ちょっと来い! このくそ野郎 !」
新参者のくせに威張りまくった攻撃隊長の高句麗が叫ぶ。
「いいか俺が毎日言っているように戦争は戦力だけじゃ勝てねえんだ。
情報や仏師も重要な一因となる、ってことで、おれのフルヒ買って来いレガシー」
いわれたのは天然の気を持ったBISのレガシー。いつもみんなのいいようにこき使われていた。
「でも戦争がはじまるまでもう5分もありませんよ、高句麗さん」
「おまえが5分以内に買ってきて戻ってくりゃ問題ないだろ?さっさと逝け」
この無茶な要求を何とかしてくれとギルマスの蘭太郎を見るレガシー。
「レガさん、僕の分の刀油もお願い」
「私のドラ血も」
ギルマスも副マスたちにもレガシーの言外の思いなどどこふく風。
しかたないから首都に買いに戻ることにした。やっとこさ郊外に露天を発見したのだが。
「フルヒは5個セット40万。刀油は1リットル40万。ドラ血は80万ね」
「ぼったくりじゃないですか、それは!」
講義するレガシー。
「んじゃ、よそでかえよ」
そっけない返事。
「まだか? この野郎! もう戦争はじまるぞ! 」
町中に聞こえてくる高句麗の叫び。
「しょうがないそれください」
観念するレガシー
「んじゃ包装するのにさらに1万Gもらうぜ」
「最初からそのくらいやってないんですか!」
「俺は油やPOTは売るといったが外の袋や殻は別売りだぜ?」
「! この野郎!遅れたらこの世にも地獄が存在するってことを教えてやるぞ!」
もう時間がない慌てたレガシーは
「急いでいるんです!このポットにフルポ5個刀油3個、ドラ血2回分お願いします」
戦争には余裕で負けた。

266 名前:見学者 投稿日:2006/05/18(木) 23:00:01 [ ww4BM0IA ]
お初になります、コンバンハ。
某情報サイト様の掲示板にてRSネタを書いていた者です。
しかし実際にプロット立てるとこれが長い長い ノД`

というわけで此方に移って来ました。
文章力に長けた皆様に混じること、どうか暖かく見守ってくださると幸いです。

また、作品中に各キャラクターの名前はありません。
決して考えるのが面倒というわけではありませんよ、ええ断じて……。

デハデハ、駄文投下とさせていただきます。

267 名前:見学者 投稿日:2006/05/18(木) 23:00:34 [ ww4BM0IA ]
 古都、ブルンネンシュティグの王宮跡。シーフは重い足を引きずって姿を現した。別にケガや病気、というわけではない。気が重いのだ。
 過ぎ行く人々はあんなに明るい笑顔だというのに。私は一体どうしてこんなに暗い気持ちで歩いているのだろう。
 よく晴れた青空と心地よい風の吹き始めた、良い日柄の一日であった。

 ことの発端はこのシーフが秘密ダンジョン探索に同行した帰りである。
 投げる武器も無くなったし、新しい装備品も見たいしという簡単な思いからテレポーターに頼み古都から砂漠都市アリアン、港都市ブリッジヘッド、鉱山町ハノブへと足を運んでは露店めぐりを楽しんでいた。
 いずれも自分の技量や力不足で飾ることも着ることも出来ないが、それを眺めるだけでも満足できる。これを自分が扱えるように、もしくは探し当てるように出来るように出来れば。
 所狭しと並ぶ露店の一つに、無限弾丸の称号を持った短剣が並んでいた。見たことも無い形をしており、様々な付加能力が付いている……。と説明書が隣においてある。無限弾丸とは、確か使っても使っても決して無くならない投げ短剣のことか。
「(やはり無限弾丸ともなると高いですね……。値下げを頼んだトコで買えそうもない、か)」
 露店の主が時折首をカクンと揺らしているのを見ると、どうやら良い夢を見ているようだが。残念ながらこのシーフに『強奪』などという気の利いた技術は持ってないのだ。
 代わりに属性攻撃付きの指輪を一つ二つ、ハノブの露店で購入するとテレポーターに再度頼み込み古都へと送ってもらった。
 その直後である。ギルドマスターである戦士から耳打ちが届いたのは。
「よぉ、良い感じで稼いでくれてるかな?」
 ぎょっとした。ただでさえ賑やかな古都なのに耳元で男性の声がしたのだ。前触れというものがあると嬉しいのだが。それに滅多に使わないから音量を設定し忘れていたのが失敗だった。
 シーフは顔をしかめながら右手で耳元を押さえた。そうでもしないと耳打ち相手の声が外に聞こえてしまいそうだったからだ。
「稼いだって薬と投げる物で消えてしまいますから。ユニークアイテムとやらの欠片も私には来ませんでしたし」
 そういえば、あの初めて見た短剣はユニークアイテムだったなと今更ながらに思い出した。
 へぇ、ユニークなんて呼ばれてるからもっとネタを目指した物かと思ってたんだけどな。
「ハッハッハ! そのうち箱から拾えるよ。俺の剣も出してくれや」
「……私がそのような仕事が出来るようになるには、まだ程遠いと思いますから期待はしないでくださいね」
 秘密ダンジョンにいけるシーフは『ロックピック』『ディザームトラップ』『アンロックドア』『探知スキル』それぞれの技術が必要となる。
 また、ダンジョン内で行動不能になればパーティに迷惑が掛かるし、技術があってもそれをするだけの集中力がないといけない。武器の装備には何故か素早さが必要となってくる。
 ……つまりは、攻撃するだけの技術や体力を鍛えることが難しくなるのだ。
 シーフはため息をついた。
「私に何かご用ですか? マスターが私に連絡してくるなんて珍しいじゃないですか」
「ん。あぁ、今暇でしょ? ちょっと頼まれてほしいんだよねぇ」
「頼まれて……? はぁ、また扉にでも挟まりましたか。しかし私は貴方の狩場に行くのが、」
「いやいやそうじゃないのよ」
 戦士はシーフの言葉を遮った。嫌な予感がサッと風となって髪を揺らした気がした。
「おつかいなんだよね。まぁ、ちょっと王宮跡まで来てくんないかなぁ」

268 名前:見学者 投稿日:2006/05/18(木) 23:25:20 [ ww4BM0IA ]
 少々どころかかなりの無茶をする戦士は、豪快で快活で確かに憧れたり羨んだりすることが少なくないのだが。どうもあの人のやること言うことは、納得も理解も出来ないことが多すぎる。
 よりにもよってお使いとは……。あの人は私に何をさせる気なのだろう?
「おや? 元気がないね」
 王宮跡には戦士――ではなく追放天使がゆったりと腰を下ろして水路の流れを眺めていた。シーフの靴音にでも気付いただろうか。シーフとしては半人前かな。
「あ……天使様。お邪魔してしまいましたか?」
「いやいや、気にしないでくれ。私はあの"困ったさん"に呼ばれてしまったのだよ。おそらく『狩りに行こう』ということなのだろうけどね」
 "困ったさん"とは我等がギルドマスター、戦士のことである。
「気苦労お察しします」
「それは君も同じだろう? 互いに苦労ばかりだね。だがそれは必ず報われるよ」
 若き君に神のご加護を。追放天使は胸元で十字を切った。
 神聖な気分に穏やかになったムードも、シーフよりも遅くやってきた戦士によってぶち壊されるのは言うまでもない。我が物顔でかつての王宮へ向かうその姿はまるでここは我が国とでも言わんばかりだった。

 どっかどっかと足音をならし、古都の住人のしかめた顔もおそらくはその瞳に映ってはいまい。いつでも取り出せるよう、武器である大剣は背中に装備されていた。が、整備されているとは思えないくらい柄が汚れている。
 追放天使もシーフも、これが我がギルドマスターなのかと眉をひそめるばかりだ。
「なんだ、もう来てたのか。さすがはシーフだな。『その素早さは……』」
「からかうのはお止めくださいな。それよりなんですか、その頼みごとというのは?」
 シーフの言葉に反応して追放天使は片眉を吊り上げた。
「マスター殿。まさか貴方は自分の雑用をこのシーフ君に任せるつもりだったのか?」
「気にすんなよ。天使は俺と狩りをするって前から予約してたじゃねぇか」
「天使様は予約制なのですか……」
 追放天使はフッと儚げな笑顔を浮かべた。
「我が兄弟であるビショップがテイマーさんに連れて行かれたのだよ。でなくば私を呼びまい」
 そんなことを言ったのかこの無神経なマスターは。
 追放天使はぷい、とそっぽを向いた。
「私のことは気にせず用件を続けてどうぞ」
「うむ。すまないな!」
 いつか私が天使様と同じ地を踏めるよう努力いたします。密かに心に決め、シーフは戦士に向き直った。
「繰り返すようですが。私に頼みごととは何ですか」
「砂漠村リンケンに手紙を届けるのを手伝ってほしいんだ。居たろ? あのミカだかリカだかって名前の女の人」
「確かサラという方だったと思いますが。でも貴方はそれを済ませましたでしょう」
「別に名前はどうだって良いんだがな。俺じゃなくって新人ギルメンが頼まれたんだよ」
 新人? シーフは首を軽くかしげてみせた。自分も誘われて入ったクチで三日前に入ったばかりだ。
 もう勧誘をしてしまったのか……。そりゃぁ私では力不足でしょうよ。すいませんねぇ、非力で。
「もーすぐココに来るはずなんだけどなぁ。来ないなぁ」
 王宮跡を背に、戦士は自分が来た道をじぃっと眺めた。
 その時だ。王宮跡から衣擦れの音がかすかに耳に届いた。戦士と追放天使に視線を向けるが、彼等は聞こえてないようだ。
 まさか古都にまでモンスターが入り込んだのか?
 買ったばかりの武器にそっと手をかける。

269 名前:FAT 投稿日:2006/05/19(金) 07:22:36 [ eoxhJe/k ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21
―田舎の朝―1>>22、2>>25-26 
―子供と子供―1>>28-29、2>>36、3>>40-42、4>>57-59、5>>98-99、6>>105-107
―双子と娘と―1>>173-174、2>>183、3>>185、4>>212
―境界線―1>>216、2>>228、3>>229



―4―

 自室でレルロンドとランクーイが思い思いの時間を過ごしていると、窓が爆発音でかた
かた鳴った。なんとも物騒な街だな程度に思い、レルロンドは火薬の調合を、ランクーイ
は物思いを再開した。
「ちっ! しつけーな、おめーら! 殺しちまうぞ!」
 ラスは爆風の中から無傷で現れた。彼を取り囲むシーフたちに緊張が走る。
「この街で俺たちのギルドに手を出すのがどういう意味を成すのか、知らないとは言わせ
んぞ」
 もう何度目だろうか。これしか喋れないのではないかと思うほど執拗な繰り返しに感情
の幼いラスはもう自分を抑えることができなくなりつつあった。しかし、それ以上のしつ
こさで母エイミーの言葉が頭の中で掻き鳴り、力の制御が出来ぬうちは手が出せなかった。
「くそっ!!」
 不本意ではあるが街中に居ては危険だと考えたラスは高く跳躍し、シーフたちの頭上を
影が通った。その跳躍は建物二階立て分もの高さを飛び、ちょうどレルロンドの目に飛び
込んだ。
「ええっ!? おい、ランクーイ、大変だ。ラスさんが追われているぞ」
 隣室のランクーイへ壁越しに呼びかける。急いで窓際に駆け寄ったランクーイは小さく
なったラスの姿を確認した。
「なんかやばそうだな。荷物、持っていくか?」
「ああ!」
 明らかな緊迫感が二人を焦らせる。あの師匠が逃げなければならぬほどの敵なのかと考
えるとランクーイにはダメな震えが起こった。
 先に部屋を出たレルロンドがラスの荷物も持ってタイミングよくランクーイと出会う。
「遅いぞ! 早くしないと見失う!!」
 分かってはいる。体が、それを拒むのだ。ランクーイは自らが作り出した空想上の敵に
脅えて足がもつれた。宿を出るのを恐れ、レルロンドが振り向く。ランクーイは恐れを見
られてしまった。そして、レルロンドは手を差し伸べようともせず、走り去っていった。
見捨てられたとは思わなかった。むしろ、気が楽になった。
「お客さん、三名様でお代は一万Gになります」
 まだ一泊もしていない。滞在時間は数時間だ。それでも金を払えと言うのか……。

 ランクーイは素直に一万Gを支払った。彼はまた、自分とレルロンドとの境目を見た気
がした。
 変わりたい、大人になりたい。
 そんな彼の気持ちは少しずつ身になっているようだ。
 ラスとレルロンドはもう遠くへ行ってしまっていた。

270 名前:FAT 投稿日:2006/05/19(金) 07:24:39 [ eoxhJe/k ]
―5―

 街を北へ抜け、人気のない草原でラスは立ち止まった。
「はぁはぁ……こ、この街で俺たちのギルドに手を出すのがどういう意味を成すのか、知
らないとは言わせんぞぉ」
 ラスは「天使の翼」を自分に掛け、見失われない程度に速度を調節してシーフたちを釣
ってきた。いかに鍛えられたシーフたちとは言えど、魔法には敵わない。
「ここならいいよなぁ……てめぇら覚悟しろよ……!」
 ラスが小さく口を動かすとシーフたちの足、いや脚までを地中から噴き出した岩土が空
気すら入る隙間もないほどに密に締め付ける。
「二、二、二、二……八人か。そうだな、まずは……」
 ぼうっとラスの頭上に四つの火炎玉が発生する。それらの一つ一つに凝縮された魔力は
各々の役割を認知し、シーフ四人が悲鳴をあげた。残りの四人は唾を飲んだ。
「死ぬなよ。死なれると俺が困るからな」
 と、焼けたシーフたちにランクーイの憧れを掛ける。そして、無事な四人を氷柱漬けに
する。歪んだ醜い顔が透明な氷の中で芸術作品のように形を留める。生きているような作
品とはこんなもののことも指すのだろうか。ラスが笑った。
 氷を消し、適当に治癒を施しているとレルロンドが追いついた。しかしその姿はラスの
目には映らない。彼は彼の楽しみの虜になり、一心不乱に傷めては治す――の繰り返しを
何度も何度もした。
 ランクーイはそこに居た。ラスはもちろんのこと、レルロンドもそのことには気がつか
なかった。そこで彼は、レルロンドだけを円の外に出して線を引きなおした。
 何がラスをそこまでの狂気に誘うのか、ランクーイには理解し難かったが、しばらくそ
の光景を眺めているうちに、もう少し幼かった頃の自分の姿が重なった。
 子供だ。
 ラスはやはり子供なのだ。終始冷めた調子でいるのもそう教育された、言わば焼付けの
刃で本物はこちらなのだ。活発な七歳の子供が持つ好奇心――それを封じる断固としたし
つけ、あるいは魔法によりラスは偽の顔を持つようになってしまっているのではないだろ
うか。押さえつけられた感情の氾濫、閉じ込められた好奇の破裂。
 その光景は、子供が虫を弄んでいるのにそっくりだった。そしてその残虐な遊びを眺め
る大人の胸には大きな不安の腫瘍ができた。
 楽しげに、子供は虐待を繰り返した。

271 名前:FAT 投稿日:2006/05/19(金) 08:31:53 [ eoxhJe/k ]
>> 南東方不勝さん
おお、お仕事がんばってください。
これはまた良い強敵ですね、「偽り」ということは意外ともろい部分もあるので
しょうか?

>> タルタル さん
初めまして。あねさんシリーズに爆笑でした。いいキャラですね。
長編の方も楽しみにしています。

>> リ・クロス さん
龍騎士族かっこいいですね。悲運の種族という感じで。
更なるバトルの発展に期待です。

>> かりう さん
初めまして。私も蟲秘密には嫌な思い出が…
しかし残された戦士の苦悩や使命感がひしひしと伝わってきて面白かったです。

>> 復讐の女神さん
やっぱりうまいなぁと思いつつ、今回も楽しく読ませていただきました。
復讐の女神さんの作品は読んでいるというよりも、映像を見ているような錯覚を
起こさせるんですよね。私だけでしょうか?

>> 高句麗さん
これは酷い仕打ちですね。レガシーさんに同情です。

>> 見学者さん
初めまして。中々に傲慢なマスターですね。それでもギルドを抜けずに残っている
ということは、どこかに良い一面も持ち合わせているのでしょうか?

272 名前:( -_-) 投稿日:2006/05/19(金) 18:39:34 [ bPsFhPHk ]
いきなり余談ですいませんが
昼飯時ってギルド
赤鯖でメンバー募集してましたぞ

273 名前:( -_-) 投稿日:2006/05/19(金) 18:48:48 [ qlIUExqI ]
連続ですいませんが
どうやら最近できたギルドっぽいす
このスレのリクエストに答えたのかは知りませんが・・・・

274 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/19(金) 23:49:08 [ VSW7Q5Tw ]
>>272-273
晒すなバカ

275 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/20(土) 00:31:35 [ FQTlm242 ]
そういや小説スレで新しいキャラが作られるとすぐにそのがRS内でキャラ作られるな
明らかにフィクションで検索しても小説スレしかひっかからないような名前ですら
「その名前は現在使われております」だし

276 名前:sage 投稿日:2006/05/20(土) 12:07:56 [ AR91Qen2 ]
「なあ、なんでビーストテイマーって女性ばかりなんだ?」
 「・・・・・・ほぇ?」

唐突の疑問に目を点にしてなんとも間の抜けた声を少女は疑問を投げかけた青年に返した。

 「えっと・・・・・また、いつになくいきなりですけど・・・・・・藪から棒にどうしたんですか?」

いつになくと少女は言ったが、対象であるこの海のように深く澄んだ蒼い髪の青年は時たまに突拍子もないこと
を言ってくることが確かにある。だがそれは本当に時たまであり青年にしてみればぽけぽけな言動をする天然な
少女にだけは言われたくないだろう。

 「いや、ただ単純にテイマーは女性しか見たことが無かったからさ。んで、考えてみればなぜかなと」
 「う〜ん、なるほど!」

ポンッと納得がいった様子で手を叩きニコニコと笑顔を浮かべながら少女は青年の疑問に答える。

 「ビーストテイマーに女性しかいないというのは勘違いですよ。また、女性しかビーストテイマーになれない
  というのも間違いです」
 「へ〜そうなのか」
 「はい。サマナー同様、テイマーにも男の人はいます。ただ、サマナーとは違って圧倒的に少なくテイマー
 全体の一割にも満たないんです」

そう言った少女は少し寂しそうな表情をしたが、また。すぐに笑顔で説明を続けた。

 「それに男性のテイマーは一目でわかるような格好をしていませんから・・・」
 「・・・・・・は?」

意味不明。そう言外に言い、疑問の声を少女に投げかけた。
一般的にビーストテイマーの服装は防水・防寒のためにすっぽりと頭から肩を覆うフードか、頭巾を着用して民族衣装のような身軽な服装を好んで着けている思われがちだが実際はその限りではない。
確かにほとんどのテイマーはフードなどを被っているが、脚甲や手甲を装着している者や鎖帷子・胸当てなど女性剣士が装備する軽鎧を装着する者が大半を占めている。
だから、一目でわかるような格好というのも変な話なのだ。
唯一判断できる材料は証である笛かモンスターを象った魔法の加護がある肩刺青だけだろう。

 「えっと・・・・・・つまりですね。戦士と同じ格好をしてるってことです」
 「ああ・・・・そういうことか」

ペットであるモンスターがテイマーの証であったのは百十余年の昔こと。
今では、十分に調練されたモンスターであれば主であるビーストテイマーの任意の元、主以外の人間の手伝いをすることや命令を聞くことも可能となっているのだ。

 「じゃあ、外見以外にも違いはあるのか?」
 「はい。見分ける材料にはなりませんが、女性と男性ではペットに対する認識が少し違います」
 「ペットに対する認識?」
 「私達、女性テイマーにとってペットは友人というか家族のような存在なんです。でも、男性テイマーのほうは相棒もしくは戦友のような存在だと言っていました」
 「へぇぇ〜〜〜〜〜」
 「だから、男性テイマーはテイムしようと意識しているのではではなく力の限り闘い互いに認め合った時、仲間
としてペットにするのだそうです」
 「なるほどな〜行き当りばったりでペットにするってことか、要は」
 「うっ・・・・えっと、その〜まあ・・・・・・・客観的な意見としては・・・はい、そういうことになりますね・・・」

青年の鋭い突っ込みに気まずそうに視線をややずらして少女は言い難そうに肯定した。

 「ふ〜ん?まあ、理解はできたけどさ、納得はできたとは言いがたいな」
 「あぅ・・・・・・」

身も蓋もない言葉に少女はすまなさそうに肩をすくめた。

 「・・・っと。そろそろ時間だな」
 「あ、そうですね。もうすぐ依頼人との面会の時間ですね」
 「なかなか面白い話も聞けたしよい暇つぶしなったよ」
 「それはなによりです」

少女は笑顔でそう返して、鞄を開け青年も同様に鞄の中から巻物を取り出し、開くように目の前に放り投げた。

 「報酬、高いといいですね」

少女の呟きと空間移動時の独特の音を残して二人は光の中へ消えていった。


                                      fin

277 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/20(土) 12:20:58 [ AR91Qen2 ]
地面に両手をつけ、頭をさげて
ごめんなさいっ!!
捏造・妄想な自論をぶちまけて申し訳ないです。
勝手にイメージ崩すなとか設定変えるなとか言わずに暖かい目で見て欲しいです。
文章書くのが初めてというわけではないですが素敵な作者が多い中、つたない文だと
思っていますので指定とか書いてもらうと嬉しいです。
長々と失礼しました(_ _)

278 名前:海斗@新人# 投稿日:2006/05/20(土) 15:46:16 [ BCFeLq6c ]
俺の名は朝計育(ともばかり・すぐる)。私立赤石高校の体育教師をやってる。

誰だ!「あさはか」じゃねぇ!!と・も・ば・か・り!だっての!

トレードマークは赤のジャージ(っつっても教師は全員コレなんだが。--;)と肩から担いだ竹刀。生活指導担当の俺は、コイツで日々狂育的指導を行っているわけなんだが………


PHASE-1対(?)相馬槍子

相馬槍子「♪〜」(ブンブンと槍を回している)

朝墓(!!校庭で槍を振り回すとは…最近ご無沙汰だし、いっちょ狂育的指導を…)
「コラ、相馬!校庭でや…ゴファッ?!」

相馬「Σ?!す、すみません!!大丈夫ですか?(>д<」(トテテッ)
朝墓「やめ…近付くと…あつっ…あっ…つめt…」(カキーン)
相馬「やばっ(--;」
「急いで逃げなきゃ…」

朝墓×―○相馬


うーん…やっぱ難しいな(-д-)

279 名前: 投稿日:2006/05/20(土) 15:48:23 [ i0ue.rU6 ]
レッドストーン接続できず、、、無念

280 名前:海斗@新人 ◆Oamxnad08k 投稿日:2006/05/20(土) 15:48:52 [ BCFeLq6c ]
すんません・・・
#打ってENTER押してしまいました・・・orz


モノ書くのは初めてですが、感想とかもらえると嬉しいです。

281 名前: 投稿日:2006/05/20(土) 15:51:56 [ i0ue.rU6 ]
なんの感想?w

282 名前:( -_-) 投稿日:2006/05/20(土) 15:56:44 [ C/r1efxU ]
すまない
自分のアホさになえたよ・・・・
裸で名もない遺跡で逝ってくる・・・・

283 名前: 投稿日:2006/05/20(土) 16:00:37 [ i0ue.rU6 ]
レッドストーン接続できないです。。。
皆接続できてます>?

284 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/20(土) 19:17:00 [ ToGMbBDU ]
korehahidoi

職人さん来ないかしら

285 名前:復讐の女神 投稿日:2006/05/20(土) 21:35:36 [ ekccW9h6 ]
水瓶が満タンになり、ジェシは机に向かうことにする。
報告書などといった書類の類は、さっさと済ませないとどんどん後回しになってしまう。
過去、3件の報告書がたまってしまい、あせったことがある。
あれは、地獄だった…。
手に万年筆を持ち、インク瓶のふたを開けて筆先を軽く浸す。
ツンとした匂いが鼻を突くが、ジェシはこの匂いが嫌いではない。
羊皮紙の上に、筆を走らせる。
早い。
繊細であり、しかし迷いの無いしっかりした文字だ。
羊皮紙2枚分の手紙はすぐに書き終わる。
「んっ…」
ペンをおいて、誤字脱字を確認する。
「うん、上出来」
うなずき、旅の間に纏め上げた全ての書類を封筒に入れ、溶けた蝋で封をする。
封筒をそのままに、ジェシは部屋の隅においてある普段愛用している自分の鎧に向かう。
旅の間についた汚れは、昨日のうちにぬぐっておいた。
油のしみこんだ鉄の鎧は、太陽の光を浴びて鈍く光っている。
服を脱ぎ、鎧したを着る。
その上に鎧を着ると、着慣れた、体に吸い付くような重さを味わう。
もはや、これこそ普段着というべきか。
女らしくないと、鎧を着るたびに思う。
でも、戦場に女らしさなど必要ない。
最後に鎧のベルトを締め、壁に立てかけておいた弓と槍を手に取る。
いつもの鞄に封筒を入れ、矢筒を背負い。
「さて、いきますか」
家の戸締りをし、向かうは依頼人宅。
昨日のうちに、たまっていたダイレクトメールやらは取り除いたので、新たに何か放り込まれていないか確認する。
すると、一通の手紙があった。
手紙を取り出し、差出人を確認する。
「………ボイル・ゾルフィード」

286 名前:復讐の女神 投稿日:2006/05/20(土) 21:36:20 [ ekccW9h6 ]
そのまま破り捨てたい衝動に駆られるも、なんとか押さえつけて封をとき中身を取り出す。
時間がもったいないので、歩きながら読むことにする。

 拝啓・愛するジェシ
あぁ、君は僕にとってまさに女神。
その澄んだ瞳─────────

とばして、次の手紙に移る。

さて、私の愛が十分に伝わったと思うので、コレくらいにしようと思う。
愛しているよ、ジェシ。
 追伸
最近、街で君に関する妙な噂が流れている。
注意したまえ。

まったく、あの男はなぜこんな手紙の書き方しかできないのだ。
頭痛はするが、最後の3行には注目せざるを得ない。
妙な噂…女の弓使いの噂だろうか?
ボイルが気にするということは、よほど尾ひれが付いて広まっているのだろう。
これは、注意して行動しないといけないかもしれない。
色々な考えが頭の中をいったりきたりするうちに、道の途中にある神殿に着く。
「ジェシ」
すると、ちょうど神殿から出てきたフェリル司祭に呼び止められた。
「あらおじ様、おはよう」
「うん…あぁ、ジェシ。実は、頼みたいことがある」
フェリル司祭をみると、その姿は普段の法着ではなく鎧を着込んでいる。
「実は、旅に出ることになってな…しかし、私はどうも戦う力が乏しい」
「私の力を所望?」
「うむ、コレは依頼だから、報酬はでるぞ」
フェリル司祭は、ジェシの目を見て真剣な顔をしている。

287 名前:復讐の女神 投稿日:2006/05/20(土) 21:36:59 [ ekccW9h6 ]
ジェシには…その心のうちが、計り知れない。
「依頼はいいんだけど、やけに急ね」
「当てにしていた人が、出れなくなってな」
手を頭の後ろに当てて笑う。
「うん、この手紙を置いて来てからなら…いいかな。家も、大丈夫でしょうし」
「そうか、よかった」
考えてみれば、おじ様と旅をするのは初めてでは無いだろうか。
もしかしたら、この男の謎の一片を垣間見ることが出来るかもしれない。
ジェシは少なからず、期待していた。
「ところで、その手紙とやらは?」
「ん、報告書よ」
二人並んで歩き始める。
正直、冒険者である私にこの人が付いてこれるかどうか怪しかったのだが。
なかなかどうして、ジェシの足に余裕で付いてくる。
それどころか、こちらのペースにあわせているような気配さえある。
遠慮はいらないということか。
二人は、ペースを落とすことなく歩き続ける。
冒険者の足の速さは、かなりのものになる。
そのせいか、予定よりも早く目的地へついてしまった。

288 名前:独り語り 投稿日:2006/05/21(日) 09:10:10 [ dJvzaVb2 ]
長らくご無沙汰しておりました、独り語りです。
1話1話を人物の独白で綴る形式で、物語をつむぎ最後まで繋ごうとこの名前をつけましたが、
いまは若干の重圧を感じる、心痛の種ともなっています。
と、言いますのも小説スレッド2で投稿させていただいた作品の完結の見込みがなくなりました。
いまさら報告だけするのもおかしいうえ、私の自己満足でしかないのですが、
理由と解題だけ書き落としていくので、しばらくお付き合いください。

作品は剣士・ランサー・ビショップに続き、アチャ・ウィザードを予定していました。
話の題材に選んだのは、普通のPTや一般的な育て方と比べるとちょっと変わったメンバーの話。
5人それぞれが異なった価値観を持ち、それぞれに一つ象徴となるアイテムを設定しました。
また、それぞれに信念があることを伝え、すべての変り種に応援を……。

紹介します。

289 名前:独り語り 投稿日:2006/05/21(日) 09:10:41 [ dJvzaVb2 ]
1)火力皆無の壁剣士。
守ることの誇りを胸に、PT寄生の野次を受け、手にしたファビスに聖騎士の称号。
アリアン砂漠の露天商で見つけたちょっと怪しい王宮聖騎士の紋章。
見た瞬間に運命を感じ取り、財産をはたいて買い取った、守りと誇りの象徴。
傷つけず傷つかず剣を収められれば、ほっと小さく息をつく。「狩り」が苦手な壁剣士。

2)白ダメ無視の舞槍子
1stキャラの元弓子。弓子のはずが矢をケチっていつのまにやらアレ?槍子。
知恵振り、運振り、敏捷振って、趣味で覚えたボイドボー。気づけば強さが エタナ>>槍子。
初PTからの友達槍子が、見かねて渡した風属性攻撃Lv9二股槍。大事な大事な宝物。
好きなことは騒ぐこと!楽しい時間は一緒の時間!効率?なにそれおいしいの?

3)PT恐怖の殴りBIS
殴りBISは強い。条件さえ揃えば狩場最強も疑いない。ただし誰もそう思っていない。
彼は初めて力を認められ、メンバーとして認められ、彼自身に変化が生まれた。
このPTには頼まれ耳で呼ばれて入っている。尚、回想のアチャとPTのアチャは別人。
マント(※元・毛布代わり)は回想のアチャのお礼。彼にとっては記念品。火抵抗+CP効率の微良品。


4)紙装甲の知識弓
狩場に入って移動中に横沸きで死んでます。青い巨人の一蹴りでダブルクリ出て死んでます。
その代わり、デスペナでもPT最大火力を出すくらい強いです。PT内でLvも一番低いのに。
普段はソロ。このPTには道中スカウトで参戦。紙を気にして緊張しまくり&PTメンバが弱くてイライラ。
そして出会ったこのPT。壁剣士、妨害ランサ、殴りBIS、○○WIZみんな揃ってアチャを支援。
大事なのは役割分担。それがPT。そんな話でしたが、、、

290 名前:独り語り 投稿日:2006/05/21(日) 09:11:28 [ dJvzaVb2 ]
この4)のプロットではアイテムに軽い無限矢ドロップのはずが、今じゃその価値30万。
昔の無限矢の感動が伝えられない。シャープも安いし、神品ドロップさせてもリアリティがない。
紙マジアロの話で完全に行き詰りました。


5)器用貧乏の研究家wiz
使えるスキルは、メテオ、エンチャ、ヘイスト、アスヒ、レビテイト、テレポ、霧……
実用ランクのメテオを中心に、支援スキルは当然のように広く使いこなします。
お察しの通り、中途半端WIZです。しかし、事実広く使いこなします。
『メテオの単発威力が低くても対時間総合ダメで…、(後略)』だそうです。
アイテムは胸に光る赤いブローチ。ポケットに潜む青いブローチ。嵩張る荷物も努力の結晶。
まだまだ成長の途中の大魔道師の雛の話。

この後に、エピローグの形で解題を加えて終わるつもりでした。
1度PCが壊れ前のデータが飛んでいるせいもあって続行は難しくなりました。
中途半端ではありますが、未完のまま筆をおかせてください。
再びROMに戻ります。本当にありがとうございました。

291 名前:タルタル 投稿日:2006/05/22(月) 12:30:34 [ hfUQyDik ]
>>262子供の事情により長編は廃止となりました。ただ考えてたキャラは別の話
に出す予定です。

「ラン子さんシリーズ」1−1(全二話)
女性は深夜のブルネ内を走っていた。
ランサーである、体は大きく百八十はあるだろうか。年齢は三十代。ブロンド
の髪は肩ぐらいまであり、今はゴムで一まとめにされている。鼻筋が通った整
った顔をしているが美しい、というわけではない。眼は黒でどこか余裕のある
眼だ。まるで老人のような。服装は鎧は着けていないが戦闘用のものだ。手に
は普通のものよりも一回りは大きいランスが装備されていた。
「へっぽこギルドにしてはいいメンツそろえているようね」
囲まれた。すばやく相手を確認する。六人、剣士、戦士、ランサー、が二人ずつ。
二人の剣士が素早く前に出る。ランサーはその後ろに、戦士は横にまわった。
「でもこの程度じゃあね」
ラピットスティンガー。重いランスのはずなのに驚くべき速度で打ち出された
その矛先は剣士達を打ち倒し、戦士が近寄る暇を与えない。そのまま戦士達に
打ちかかると思ったが、反転し二人のランサーに近づき一撃で沈める。
「さあ、まだやる気? 人生楽あれば苦ありだよ」
「何を言いたいのかわかりませんが、美しい戦いですね、お嬢さん」
声のしたほうを向くと何もなかったところから突然ヴィザードが現れた。ブラ
ーものを付けていたのだろうが、信じられない。実はかなりの高LVであるラン
サーにこれまで見えなかったものなどない。そのヴィザード、黒いロングコー
トを身につけて手に高位魔法杖を持ってる以外はまるで一般人のようだった。
服も靴もむしろどこかの富豪を思わせる。表情は柔和だが眼には思慮深さがた
だよう。年は、わからない。見た目で言えば三十前半だが発する雰囲気は老齢
とも感じられる。重みがあった。
「あいつら逃げたようね」
仲間だとおもったのかランサーがヴィザードに気をとられている間に戦士達は
引き上げた。
「で、あんたは?」
「別に用というわけではないのですが。美しいものに惹かれるのは別におかし
い事ではないでしょう」
「ふうん、私の美しさがわかるなんていい男ね」
「例えるならバラのよう。バラは見るものをとりこにさせるがその茨のために
触れることはできない、孤高なるもの。触れなれないが故に美しい」
ヴィザードはどこからかバラを一本取り出した。
「それどこから出したのよ」
「このロングコートの内側の右ポケットからですが。なにか他にリクエストが
ありますか? 私が持っている物ならなんでも取り出せますよ。なにせ四次元
小物入れですから」
ヴィザードはポケットに手を入れ、いまにも”どこでも○ア”を出しそうな勢
いである。
「結構よ、とにかく馬鹿に付き合ってる暇はないの、じゃあね」
ランサーは歩き出した。慌てることもなくヴィザードはその後を続く。
「まってくださいよ。いいんですか? 秘密ばらしますよ」
「秘密?」
ランサーは仕方なく、というように振り向く。その眼は疑うようにヴィザード
に向けられた。
「とぼけたって無駄ですよ」
「なんで今あったばかりのあんたが私の秘密知ってるの? ていうかそもそも
あんたは誰よ」
「私の名はジョニー。人は私をジョニーと呼びます」
「まんまじゃん、で何が目的なの? 新手の詐欺? ナンパ?」
「ほう、いいつっこみですね、タイミングばっちりです。それならば相方にふ
さわしい」
「漫才をするつもりはないわ」
「いえ、人生のですよ」
にっこり笑って言った。
「プロポーズかよ」
「おお、さすがです。ではそろそろ真面目に行きましょうか。秘密というのは
他でもない。あなたが本当は女性ではなく男性だってことですよ」
一瞬ランサーの動きが止まる。眼はさらに厳しくジョニーに向けられる。
「……、なんでわかったの?」
「見ればわかります。これでも若いときはかなり遊びましたから。女性と男性
を間違えるはずがありません」
「今までばれなかたことはなかったんだけどね」
「経験が違うのですよ、そこらの七十年、八十年生きているものたちと一緒に
しないでください。なにせ自称千年いきる大魔術士ですから」
「自称なのね。まあいいわ。とにかく殺すから。じゃあね」
槍が突き出された。早い、まるで風の如く。並の人間にはまずよけられない。
「自慢じゃないですが、エンチャ、ヘイスト、アルヒ、と支援技は極めていま
す。大人の事情でバリアは覚えてませんが。あとテレポとネタとしてレビテイ
トも」
当たった、と思った瞬間にはジョニーの体は一メートルほど遠くに移動していた。

292 名前:タルタル 投稿日:2006/05/22(月) 12:37:31 [ hfUQyDik ]
>>291「ラン子さんシリーズ」1−2(全二話)
「まってください、別にばらそうと思ってるわけじゃないですから」
ジョニーはいきなり殺されかけてもあわてた口調ではない。
「言う順番間違ってるわよ」
「こんなときでもつっこみますか。さすがです」
ひゅん、しゅん。一瞬で距離をつめ再び槍が突き出される。ジョニーは今度は人二人分高く上
がる。
「普通鍛えるとレビテイトは持続時間があがるんですが、私の場合高さが上がってしまうんで
す。まったく恥ずかしい限りです」
「どうしても殺されないつもり? 」
「誰だって殺されたくはありません」
「そう、でも死んでね」
ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。
ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。
ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。
「いい加減やめません?」
「あなたが死んだらね」
ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。
ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。
ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。
「疲れてきません?一度休憩を」
「あなたが死んだらね」
ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。
ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。
ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。ひゅん、さっ。
「……。あきたわ」
「そうですか」
……。
……。
沈黙。
「どうすれば殺されないですむのでしょうか?」
「ばらさないという信用があれば」
ランサーはもう戦う気はないように構えをとく。
「いくらですか?」
「二千万G」
時をおかずランサーは返答する
「……。命には代えられないですしね。待ってください。四次元小物入れから出します」
ポケットに手を入れ、取り出そうとする。
「払うのかよ。もういいわ。代わりに私の相棒になりなさい」
手でジョニーの行動を制してあきれたように言う。
「ここにきてついにプロポーズの返事が、いや漫才の方ですか?」
「どっちでもないわ、私はブルネギルドの鼠どもを摘発しているのよ、それを手伝って」
「ほう鼠を。それはまたどうして」
「大切な人が奴らに殺されたから。単なる復讐よ」
「大切な人? それは男性ですか?」
「そうだけど」
「あああああ」
表情は変わっていない、ただへんな声がジョニーの口から出てきた。
「……その声はなに?ぶん殴るわよ」
「ビンタの方が好きです」
「……、なんでやねん」
疲れたように頭を抱える、それでもつっこみは忘れない。
「おお、なんですか、その微妙なつっこみは。つっこみクイーンの名が廃れますよ?」
ばしんっ。望みどうりビンタが打たれた。
「勝手にへんな名前付けないでよね」
「そうですね、面白そうですね。正義のヒーローって。このジョニー命を懸けて支援します」
ビンタされたことなど忘れたかのようにジョニーはいう。
「ところであなたの名前は?」
思い出したようにジョニーが尋ねる。
「ラン子よ」
「ラ、ラン子さんですか?」
「文句あるの? なんなら蘭子でもいいわよ」
「いえラン子さんでいいです」
ー終ー

相変わらず軽いだけのへっぽこ話ですが、どうせ駄文と思って笑ってもらえたら満足です。

293 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/22(月) 19:27:41 [ aGUbC6YA ]
黒鯖でギオと変な生き物見っけたお(^ω^ )
変な生き物とはコンタクト取れなかったけどギオとはとれたお(^ω^ )
「RSしてないで小説書けよサボリ」と言ったら他人のフリされたお(^ω^#)

294 名前:FAT 投稿日:2006/05/23(火) 08:25:41 [ 3AJaFvmw ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21
―田舎の朝―1>>22、2>>25-26 
―子供と子供―1>>28-29、2>>36、3>>40-42、4>>57-59、5>>98-99、6>>105-107
―双子と娘と―1>>173-174、2>>183、3>>185、4>>212
―境界線―1>>216、2>>228、3>>229、4>>269、5>>270



―エイミー=ベルツリー―
―1―

 こんこん、と戸をノックする乾いた音が響く。返事はない。それが返事だった。
「やぁやぁ、今晩もお疲れさま、エイミー」
 ボトルと小口なグラスを二つ手に、すらっとした男が入ってきた。
 エイミー=ベルツリーははにかんで、
「アリソンこそ、お疲れさま」
 と互いに酒を注ぎあう。

 ここは古都ブルネンシュティグにあるBar“lagwagon”の二階、従業員寝泊り場の一室
で、エイミーはもう八年もここで寝泊りをしている。昼間は店の準備を手伝い、夜はピア
ニストとしてlagwagonで働き、店が閉まるとよくこうして労をねぎらった。
「今日も言い寄られていたね、そろそろ夫を作ってもいいんじゃない?」
 アリソン=ディジィーズに酒がまわり始めた。酔えばいつもその話だ。
「意地悪な人ね。私がダメだって知ってるくせに」
「だって、もったいないだろ。君みたいなのが誰にも貰われないなんて。あぁ、一夫多妻
制が許されるなら君とも結婚したいよ」
「あなたでもダメよ。そういう気じゃないわ」
 エイミーのそういうはにかみが見たくて、アリソンはこの手の冗談をよく飛ばす。
「そういえばエイミー、最近はいい夢が見れてるんだろ?」
 コトン、とグラスを置いてエイミーは顔を輝かせて、
「そうなのよ! 夢にね、フランちゃんとフプレちゃんが出てきてくれるの! それでね、
無邪気にはしゃいで、笑って、それはもう愉快なものよ! 走って、飛んで、お酒も飲ん
で……おませちゃんね。そして、遊び疲れると私の膝の上で二人仲良く眠ってしまうの。
可愛い寝顔をしてたわ」
 エイミーは数週間前に故郷へ帰るといって古都を去った双子の姉妹を懐かしげに語った。
 アリソンはその笑顔を美しいと改めて思った。

 双子の姉妹と出会う前、エイミーには刺激的な出来事が一つもなく、毎晩悪夢を見た。
中でも八年前、アリソンに拾われたばかりの頃は酷かった。人間とは思えぬ恐圧を放つ人
間に似た獣、いや、人間という獣だったのかも知れない――に犯されるという夢である。
犯されることが恐いのではなく、それが放つ恐怖という圧が恐ろしくてよく目を覚ました。
 エイミーにはこの街に来る前の記憶がない。アリソンに拾われたのが人生初めての記憶
である。歳も知らない、故郷も知らない、何故か、名前は覚えていた。歳は大体二十歳前
後だろう(すなわち、今は二十六〜三十歳程度か)と推測された。
 アリソンに拾われた八ヶ月後に、エイミーは子供を産んだ。アリソンの子ではないかと
噂されたが、噂は噂だった。
 子供は、人間ではなかった。エイミーが子供を見る前に、子供は処分された。エイミー
のピアノの音は、悲しく、深く渦を巻いた。
 その頃から夢はより鮮明になり、目の前に赤く伏す老婆と、どこぞの洞窟が見えるよう
になった。それと共に画面の端に映る二人の女性……ぼんやりとしか見えないがとても、
とても大切な人たちのような気がして愛おしくなる。でも、そこまでだ。肝心の魔物の姿
が鮮明に浮かび上がり、獣の下半身と人の上半身を持ち合わせた中途半端な姿のものだっ
た。そして犯され、夢から覚める………
 何度も夢を見、何度も犯されたが妊娠したのは最初の一回だけだった。エイミーは男を
拒むようになった。しかし恩人のアリソンは特別であった。彼は冗談こそ言うが、決して
行動を共にしなかったし、満足に生活できるだけの仕事も与えてくれた。

「ねぇ、アリソン」
「ん?」
「私ね、あの子たちが遊びに来てくれたら一緒に出かけてもいいかしら?」
 アリソンの酔いが醒めた。しかし優しい顔をして
「ああ、いいよ。あの娘たちなら、ね」
「ありがとう」
 そう言ってゆっくり頭を傾けるエイミー。白い首が、小さな耳が、控えめな胸元が赤を
薄めたピンク色に染まって婀娜である。警戒心の欠片もなく、彼女は双子の姉妹に会いに
瞼を閉じた。
 アリソンは柔らかく毛布をエイミーに掛け、そっと照明を消した。出来ることなら、も
う双子の姉妹には訪ねてきて欲しくないとわがままを抱き、家族の待つ部屋に帰った。

295 名前:FAT 投稿日:2006/05/23(火) 08:27:33 [ 3AJaFvmw ]
―2―

 あの『雨乞いの蛙祭り』から一週間ほどが経っただろうか。トラヴィスでは連日雨が降
り、祭りの成功を人々はささやかに喜んだ。
「お姉さま、次はデルタの番ですよぉ!」
「はぁ? お前のボケは老人以上だな! 俺の番だろ!」
 ベルツリー家では今、トランプを用いた神経衰弱大会が行われているのだが、どうにも
この二人がやかましい。お喋りの片手間にやっているのだから勝ち負けなどどうでもいい
とエイミーは思っているのだが、二人は一歩も引かない。
「お姉さまは今さっきこことここをめくってハズレたじゃありませんかっ!」
「その後にお前がこれとそれとをめくって外したじゃねーか!」
「それはお姉さまがめくる前に私がめくったカードですわ!だから次はデルタの番なので
すっ!」
 耳がキンキン鳴るような喧騒だ。たたたたと鳴る雨も二人の前には虚無も同然で、暗い
空でさえその存在を忘れ去られている。
「じゃあ、私がめくったらいいのかしら?」
 涼しい顔をしてエイミーが手を伸ばす。
『ダメっ!!』
 珍しく息のあった抵抗にエイミーはびくっと背筋を伸ばした。
「エイミーお姉さま、さり気無くずるしようとしてぇ」
「エイミー、お前そんなにこの勝負に勝ちたいのか?」
 奇妙な連帯感で結ばれているレンダルとデルタ。戦友といったところだろう。
「そんなことないわ。ほら、どっちでもいいからめくっちゃいなさいよ」
「じゃ、俺が」
「だめぇぇぇぇぇぇぇぇええええええ! 私の番なのぉ!」
 全くもって騒がしい。ちょうどそのとき部屋をノックする音がかすかに聞こえたので、
誰もが怒られると固唾を飲んだ。
「エイミー、お客さんだよ。ラスの紹介だって」
 ひょいと顔を出したのは父親のデリック。エイミーはほっと胸を撫で下ろして、部屋を
出た。あの二人の頑固さも中々のものだ。

296 名前:FAT 投稿日:2006/05/23(火) 08:27:53 [ 3AJaFvmw ]
「すみません、お待たせしました」
 戸を開ける前から頭を下げ、誠意を尽くす。それから頭を上げると、両者共に驚いた。
「あれ、あんたは……」
 エイミーはアウグスタでデルタとレンダルが注視していたことを思い出し、それを覚え
られているのかと恥ずかしくなった。
「あら、アウグスタでお見かけしましたわね。まさかラスのお知り合いとは思いがけませ
んでしたわ」
「アウグスタ? 俺は古都であんたと会っている気がするんだけど……。エイミーさんだ
よね?」
「ええ、そうです」
「古都のバーでピアノなんか弾いてなかった?」
「いいえ、私は古都なんて何年も前に行ったきりですわ」
 じぃっと客人の独眼がエイミーを記憶の中の人と照らし合わせる。そうして、
「双子とか、もしくは姉妹がいたりは?」
「兄がいますが姉妹はいませんよ」
「じゃあさ、フラン=サーヴェリーとフプレ=サーヴェリーっていう双子は知ってる?」
「いいえ、知らないわ」
 個人的な質問を繰り返す……いや、少しずれている、誰かと勘違いしている、そんな風
だ。
「そうか……しかし、人違いとは思えないほど良く似ているものだな」
 まじまじと見られるのに少し照れて、
「その方のお名前はなんていうの?」
「エイミー」
 エイミーは驚いて目が大きくなった。似ているだけなら他人のそら似でいくらでもいそ
うなものだが、名前まで同じだと少し気味が悪い。
「ファミリーネームはご存知?」
「いんや。エイミーっていうのも愛称なのか本名なのか分からないけど、とにかくエイミ
ーだって言ってた」
 はぁ、とエイミーは大きく一つ溜め息をついた。それで、胸騒ぎが治まるかと期待した
がそんな浅いものではなかった。
「あ、ごめんなさい、まだ用件を聞いてなかったわ。ラスとはどういったお知り合いで?」
「えっと、なんて言ったらいいんかな? 決闘した仲です」
 ふうんといった様子でようやく彼の眼帯から発せられる魔の力に気付く。ラスが家を勧
めたのも納得がいってひとりで頷いた。
「なるほど。ところで、ジム=モリにその眼帯を賭けたのでしょう。あの人はダメよ、い
い加減で」
「知り合いかい?」
「私の兄です。家とは縁を切られてますけれど。で、」
 エイミーが身を乗り出して青髪の中に映える青い目に迫る。
「あなたのお名前は?」
「ジョーイ=ブレイズ」
「ではジョーイさん、何をお望みになりますか?」
 ジョーイは慌てて、
「え? いや、俺びんぼーだからむりだよ、その、魔法をくっつけるなんてのは」
「あら? そうなの?」
 エイミーはすっと身を引いて椅子に腰掛けた。が、少し考えてから、
「この季節は結構暇なの。あなたには興味深い話を聞かせていただいたからお礼にただに
しておくわ。どう? 本物のエンチャットをお試しになりません?」
 まぬけなほどジョーイの目が開いた。ラスは最低でも一千万だと言っていた。それがい
きなりただに……。
「うん。お願いしていいかな」
 ジョーイ独自の観念。恩を着せるでもなく、着せられるでもなく、全ては好奇のままに、
事は成り行きのままに。
 今、ジョーイは決していやしい心で返事をしたわけではなく、魔法を付加するという行
為がどのようなものか見たいが故にそう答えた。
「ええ、では、どれにどんな魔力をくっつけましょうか?」
 すっと左眼を隠していた龍紋の眼帯を外し、差し出す。
「こいつだ。もっとよく凍るようにしてもらえるかな?」
 窪んだ眼孔の奥にエイミーは真実を見た。一瞬で彼女はこの男を理解し、深く同情の念
を抱き、彼の望む最高級の仕上がりを約束した。
 暗い眼孔の奥にエイミーは彼の人生を見た。外では、灰色に濁った雨が落ちてきて、そ
の幾万個の眼がエイミーを映していた。

297 名前:南東方不勝 投稿日:2006/05/23(火) 21:08:19 [ ydq7157k ]
>>タルタルさん
うおっと、これはまたアクの強いキャラが…。
しかしながら、その強いアクを補って余りあるツッコミのセンスに頬が緩んでしまいました。

>>高句麗さん
あぁ、かくも世知辛い世の仕打ち。
そんな苦労人のレガシーさんを心から応援したいと思いました。

>>FATさん
ついに、前作キャラ達との絡みが…!
ジョーイとエイミーの出会いは、今後の物語にどう影響するのか気になります。

>>276さん
う〜ん、ほのぼのとしてて個人的には好きな小説です。
まぁ、また気が向きましたら投下にいらしてください。

>>復讐の女神さん
ジェシの元に参りこむ、突然の依頼…。
なにやら裏のありそうな展開になってきましたね。

>>独り語りさん
お久しぶりです^^
自分も大体の流れは構築しているものの…、完結するのはいつの日かorz
とりあえず、お疲れ様でした。

298 名前:南東方不勝 投稿日:2006/05/23(火) 22:16:18 [ ydq7157k ]
>>261
目の前の光景に、アタシは言葉を失った…。
わけの分らないシーフに、ついさっき財布を吸った戦士(カモ)。
どうせ、この戦士だってアタシから財布を奪い返したらあいつにアタシを引き渡すつもりだろうし…。
正に、前門の虎後門の狼。進退窮まるとは正に今の状況よね。
「そちらのお嬢さんに御用事…。あぁ、財布でもスラれましたかな。なら、お早く返してもらってくだされ
 私共も少々、用事が立て込んでおります故…」
流石はシーフ。アタシの行動くらいは調査済み、というわけね…。
あ〜あ、最悪…。変な奴に捕まる上に、折角の稼ぎも奪われる(?)なんて。
「あ〜…、お前耳が悪いのか?俺はこの『ガキ』自体に用事があるんだ。まぁ、財布の件は否定せんがな」
「えっ…!?」
「ふむ…?」
目の前の戦士の言った言葉にアタシは耳を疑った。
そう、あいつは曲がりなりにもアタシのことをこのシーフから助ける、と言い切ったのだ。
自分の財布をスッた張本人を…。
(って、ナニときめいてるのよアタシ。人間なんか信じられるわけないでしょ!)
そうだ、こいつもあいつも決して心を許してはいけない存在…人間なのだ。

―――卑しい子だねぇ…。お前なんかに食べさせるものなんてこの家には無いんだよ!―――
―――なぁに、これが欲しかったんでしょ?ほら、拾って食べなさいよ…食べなさいっていってるのよ!―――
―――なにを怯えてるのかな…?ほら、何もしないから義父さんのそばに…―――

(…っ!)
脳裏によぎった面影を頭を振って必死に吹き飛ばす。
そうだ、人間なんて表の皮を剥せばこんなろくでなしばかりなんだ…!
だから、さっきのはアタシの聞き間違い。弱気になったアタシのただの願望…。
「あぁつまり…、貴殿はこの少女を助ける、と?」
「結果的にはそうなる。だがな…」

助けると決めたのは俺の意思だ。

はっきりと目の前の戦士はそう言い切った。
恐らく17年ぽっちのアタシの人生の中でこの時以上に、一人の人間を見つめた事は無かっただろう。
人間なんかに心を許すつもりはない、そう決めたアタシの心にその言葉は深く染み込んだ。
捨てられて、拾われて、また捨てられた、ただの一度も「人間」に守られた事のないアタシの心に…。
「仕方ありませんな…。では、少々痛い目を…っと」

ピキッ…

ざわりとシーフの周りの空気が変わったかと思うと、その空気は霧散していった。
それと同時に、私を捕まえていたシーフの姿に皹が入り始める
「ふむ、今夜はこれ以上は限界のようですな。いいでしょう、お嬢さんは一旦貴殿に預けます。
 明日引き取りに伺います故、それなりの準備をしておいた方が身のためですぞ。
 …バルディエルのよりしろ殿」
そう言い終るや否や、そいつはアタシの腕から手を離し
「技能擬態…転送翼」(エヴァキュエイション)
少し歪な転送の光の中に消えていった。

299 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/25(木) 21:47:19 [ 75zpDNDs ]
ども、初めまして。
アイノの報告書を書き写してみました。
あまりに不自然なところは一番合っていると考えられる形(独断)に修正させて頂きました。
皆様の物語に役立てて頂ければと思います。

もしこれが既出なら…

本当にありそうなので、先に自分乙と言っておきますね。

300 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/25(木) 21:47:46 [ 75zpDNDs ]
序論:「RED STONE」の生成に関するレッドアイの報告書要約本

「RED STONE」。不死の霊薬、または富貴栄華を持ってくれる富と権力の源泉。空から落ちてきたというこの赤色の石を実際に見た人はほとんどいない。この石は人々がよく称する紅玉、ルビーではない。
我々レッドアイは長い間、ブルンネンシュティグ国王の勅命を受けて、いわば「神の目」とも呼ばれるこの石の行方を追ってきて、また、その結果を見た。ここに書かれている内容は、レッドアイの37つの支部で収集した資料を土台として、再編成したもので、レッドアイ研究の一番核心的な部分のみを選りすぐっておいた物だと言える。この文を読む人々が「RED STONE」に関する疑惑を明らかにできることと同時に、正しい判断の根拠にできることを願う。
ブルン暦4805年12月8日
レッドアイ39代会長アイノ・カスピル

301 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/25(木) 21:48:15 [ 75zpDNDs ]
第1章:「RED STONE」の存在可否

先に「RED STONE」の存在可否が、一番大きい関心事になるだろう。今まで「RED STONE」は、見た人が極めて少ないミステリーに包まれた物体だった。公信力のある機関や人物がこの品物の存在を認めなかったから、その存在可否に関する論争はいつも消耗的になるしかなかった。ここで、レッドアイでは、これに関する確かな証拠と証言を提示して、「RED STONE」の存在可否を明らかにしようとする。
追放天使という言葉を聞いてみたことがあるはずだ。我らが住んでいる地上界の上には、天上界があり、天上界で暮す住民たちが天使だ。この天子の中で、重罪を犯した者等は空の権勢によって、羽が折れたまま地上に追放される事がたびたびある。追放されて地上界に落ちた天使たちを普通追放天使と呼ぶが、これらは二度と高く飛ぶ事ができないように羽が折れたまま追い出されるのが一般的だ。

約400年前、ゴドム共和国にあった「赤い空の日」以後、このような追放天使を見つけたという報告が多数あった。しかし、そのとき堕ちた追放天使たちは、あの時まであった多くの人々とは違う面があった。まず大部分の追放天使たちが、以前の天使としての権能をとり上げられて、その象徴として、羽が丸ごと折れたまま追放されたり、少なくとも片方の羽が完全に消えるくらいの刑罰を受けた。しかし、「赤い空の日」以後現れた多くの追放天使たちは、彼らの羽、特に右羽半分だけが破れたままで、天使としての力も、ある程度は発揮できたようだ。また、以前の追放天使たちが平凡な住民か惨めな下層民として暮さなければならなかったのとは対照的に、彼らの大部分はビショップとして活発な活動をしていた。

302 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/25(木) 21:48:40 [ 75zpDNDs ]
第2章:追放された天使たち

400年という長い時間をビショップとして過ごしながら、天使だった時の記憶や力をまったく喪失した者等も多かったが、一部は400年前の事件を全て覚えている者もいて、自分らがどうして追放されたのかを分かっている人々もいた。ここで、私たちレッドアイでは、追放天使たちと直接接してさまざまな探問し、多くの情報を得ることができた。大部分の情報は「RED STONE」に関するものだった。
まず、この事実からレッドアイは次のような何種類かの事実を類推し出した。
「赤い空の日」以後に追放された多くの追放天使たちは、その日の事件と関連があり、彼らは地上界である任務を任されて追放されたのだ。また、地上界で活動をするために、彼らはビショップの姿を主に使って、「RED STONE」に関する各種のうわさを作る震源地の役目をしたと見られる。

これは天上界と地下界、または、少なくとも天上界がこの「RED STONE」と関係があるはずだという推測を生むようにした。天上界でどんな理由のため「RED STONE」を地上界に流布させて、その後、行方がはっきりしなくなったその「RED STONE」を捜すために人間たちに力を貸す事に決めた後、追放天使たちを通じて「RED STONE」に関するそのようなうわさを広めたのが一番適当な推理のようにみえた。
一つ異常な点は、なぜ既に地上界に投げつけられた「RED STONE」の回収のために、天上界でそんなにも努力するのかという点だった。それに、数多くの天使たちがどうして追放天使になって、天上界で追放されて、その姿を隠したままビショップとして地上界で生きていくのかも疑問だった。

303 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/25(木) 21:49:07 [ 75zpDNDs ]
第3章:「RED STONE」が地に落ちた理由

追放天使の一つ、「ルインルス・ナルミナス・イエ・アリエンカム」、地上界名「ゲール」は、その「赤い空の日」当時の状況に対して詳らかに覚えていて、レッドアイの調査員たちは、ガディウス砂漠にある「荒廃都市ダメル」でビショップの活動をしているこの追放天使と面談を通じて詳細な顛末を聞くことができた。
「RED STONE」というのは、天上界にいる六種の神獣の一つのフェニックスの卵のことを称する。天上界には火、水、風、大地、光、闇、六種の世の中の基本元素を支配する神獣たちが多く居住していて、これら神獣たちは、お互いに調和を成して地上界と天上界に不均衡が起きないように六種の元素を治めている。

今から400年前、そして地上界で称する「赤い空の日」という事件が起こる13日前、天上界に赤色の悪魔たちが大挙して進入する事態が起きた。この悪魔たちは天上界の神獣の中で、日の神獣の卵「RED STONE」を盗むために潜入し、彼らは自分らの卵を守っていた火の神獣、フェニックスの多数が消滅し、守護天使長を含めた守護天使の半分以上が死んだ。
この悪魔たちは「RED STONE」を持って、地下界ではない、地上界に隠れて、それは「RED STONE」の回収をもっと難しくした。各種の暗闘と憎しみの目がある地下界よりは安全で、「RED STONE」に関心がなかった地上界こそが犯罪をやらかした悪魔たちが隠れるには、ふさわしくよい場所だったということだ。

304 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/25(木) 21:49:28 [ 75zpDNDs ]
第4章:「RED STONE」の盗難それから

「RED STONE」の盗難は天上界を揺るがした。まず、先に事件の責任を問うことと、事件にどう結末をつけるかがカギだった。
事件の責任の所在については、厳しかった警備網をくぐって、どう悪魔たちが進入したのかが審判の対象になった。その頃、責任者であった「RED STONE」の守護天使長は、すでに死亡した状態で、その配下にあった守護天使たちも既に半分以上が死亡した状態だった。
そして、副指揮官クラスと上級天使に当たる天使3人がこの事に責任を負って、地上界に完全追放され、生き残った大部分の「RED STONE」守護天使たちも一緒に追放された。ただ、これら「RED STONE」守護天使たちは、完全追放を免れ、その代わりに片方の羽の半分を剥奪されたまま地上界でビショップの姿で奉仕活動をしながら、「RED STONE」を探索する任務を引き受けるようになった。

あまりにも多い数の天使たちだった為、皆を放逐する事は天上界にも大きい被害になったはずであり、何よりも地上に降りて「RED STONE」探索の適任者たちを選ぶ事ができなかった状況で、このような選択は賢明な決定だったと見られるはずだ。
責任の所在と事件の結末はうまく収めたが、結局「RED STONE」を探すことはできず、さらに400年余りの時間が流れた。その間、地上に降りた天使たちは、ビショップとして活動して、「RED STONE」に対する噂を流したり、情報をあかすなど、人間たちの協力を求めながら積極的な探索活動をしてきたが、「RED STONE」と悪魔たちを探すことは易しいことではなかった。

305 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/25(木) 21:49:58 [ 75zpDNDs ]
結論

悪魔たちがどうして「RED STONE」を盗んだのかは、いまだ明らかになっていない。地上界に落とされた一部の追放天使たちは、初期活動に「RED STONE」を盗む事件に加わった小さな悪魔の何人かを生け捕ることには成功したが、詳しい審問はまともにしなかったと知られている。怒りに満ちた追放天使たちが悪魔たちを捕まえるや即座に審判したからであるのに、それさえも、生き残った悪魔たちで信用するに値するものなど、信憑性のある情報を持っていなかった下級悪魔たちだけであった為、その真偽は迷宮に落ちたまま時間だけが過ぎてしまった。
ただ、審問に成功した小さな悪魔たちと天上界、追放天使たちの間で、彼らなりに推理した結論はある。「RED STONE」が発する火の機運を利用して悪魔たちが力を得るためという噂がそうだが、彼らなりにも理に適しているようであり、大部分の追放天使たちと人間たちはこの推定を信じている。

「RED STONE」がどのような力を持っている物か、我々としては想像もつかないが、神々が暮らす天上界と悪魔たちが住む地下界で扱うに値するものなら、人間が手をつけてはいけない物かも知れない。これに対する厳重な警告としてみたレッドアイは、「RED STONE」の探索を全面中断する事を要請して、以後、レッドアイの活動も制限的に行うことを明らかにする。
とりあえず、我々レッドアイは「RED STONE」の手がかりに非常に近づいていて、それに対する正体についても、殆ど明かしたことで、近い内にまた他の報告書を公開することを約束しながら短い文を終える。

306 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/25(木) 21:50:20 [ 75zpDNDs ]
メモ

こんな古文書にメモをすると言うことが、少々おこがましくはあるが、キミの記憶力がよくないため、どうしようもない。

この本に関心が多い者たちの仲で、購入希望を知らせてきた者たちは、古都ブルンネンシュティグのロングッシュ、港町ブリッジヘッドのケブティス、オアシス都市アリアンにいる隊員募集担当グレイツ!以上だ。

この三人の内、誰か一人を選択することはキミの自由だ。あ!今度もっとよい条件を出す人がいることもあるから持っていても構わないがね。

307 名前:名無しさん 投稿日:2006/05/25(木) 21:58:04 [ 75zpDNDs ]
投稿した後に見直しましたが、数箇所漏れた部分がありました。失礼しました。
それに非常に読み辛いですね。その点も反省します。

現在、自分の脳内で温めている設定等があります(とても小説と呼べるものではありませんが)。
今後それを投稿するようなことがあるかも知れませんが、そんな時には生暖かい目で見守っていただければと思います。

308 名前:見学者 投稿日:2006/05/26(金) 20:15:13 [ ww4BM0IA ]
ども、見学者です。
前スレ、前々スレの作品をコピペし、オフラインで拝読させてもらっております。
しかしリア事情と自分も書きたいのと遊びたいのとでなかなか進まず orz
とても楽しく読ませていただいてます。

>>299 [75zpDNDs]氏
 私の駄文は出来るだけゲーム内の『REDSTONE』に忠実にしたいと思っておりますので
 この投稿はかなり嬉しいものです。
 参考にさせていただきます *・・)
 メインキャラがまだLv100にも満たない鍵シフだとメインクエも辛い orz

>>297 南東方不勝氏
 まだ全部は読みきってませんが楽しく拝読させていただいてます。
 ……弟子になっても良いですか?

>>294 FAT氏
 これが大作というものなのですね!
 駆け出しの自分の憧れる作品でドキドキしっぱなしです。
 
>>292 タルタル氏
 最高です。この一言しか私には言えません。
 テンポの良い会話文。実は難しいのです。

>>288 独り語り氏
 >ROMに戻ります。 是非読んで見たかった。
 しかし作品は大切に保管させていただきます。お疲れ様でした。

>>285 復讐の女神氏
 まだ読みきってはないものの、先を楽しみについつい時間を忘れてしまいます。
 読ませる文章……人を惹きつける文章。勉強になります。

309 名前:見学者 投稿日:2006/05/26(金) 20:19:37 [ ww4BM0IA ]
1st>>267  2nd>>268

「きぁっ」
 予想外にも衣擦れの主は可愛らしい悲鳴を上げたかと思うと、王宮のテラスと思わしき場所から小さな影が滑り落ちてきた。露店を出したまま眠っている主にぶつかるが、彼はなんら問題なく夢を見ている。
 落ちてきた小さな影は笛を片手に握った少女であった。
 少女は頬をほのかに赤く染め、やや俯き加減でシーフを見上げた。
「ご、ごめんなさい! 突然お城が崩れちゃうから……」
「いや、その……。私でなくそちらの店の主人に言われた方が」
 こんな女の子に向かって武器を投げようとしたシーフ自身の方が罪の意識を感じていた。
「寝てるから良いじゃね?」
「本当にごめんなさい。……でも戦士さんをやっと見つけることが出来て良かったです」
 無邪気な満面の笑顔。
「そーかそーか、ウン! そりゃそうだな」
 嬉しそうに戦士は胸を張る。その後ろでシーフは追放天使と視線を交わした。もしや新人というのは?
 褐色のローブを頭から被り、深緑色の服を着た栗色の髪の年端もいかない少女。手には笛を持っており、どこか神秘的な雰囲気を持った子であった。黄緑色の大きな瞳が純粋さを感じさせる。
「あ、あの……マスター」
 恐々とシーフは戦士の腕を引っ張り少女に声が聞こえない程度の距離を置いて声をひそめた。
「新人さんというのはあのお嬢さんのことなのですか?」
「そそそ。可愛いっしょ?」
 あからさまに顔をしかめたシーフに戦士はチチチ、と指を立てる。
「あの子サマナっていう職業なんだってさ。遠い世界の住人を笛で呼び出し、そしてその力を操って――」
 サマナー? ――あぁ、召喚師のことか。
 ロマ族の多くが調教師――ビーストテイマーとも呼ばれている――ともう一つ、召喚師なのだと聞いたことがある。これまであちこちの場所へ出向いたことがあるが、その職に就いている人間を見たことがこのシーフにはなかった。
 ビーストテイマーならギルドにも居るので数回見たが、それだけだ。話したことなどはない。
「……聞いてる?」
 戦士は頷きも相槌もしないシーフの顔を覗き込んだ。
「ええ、聞いてますとも。よく理解できました。あのお嬢さんの職業と身の危険を」
 そういって踵を返すシーフの肩を戦士は慌てて掴んだ。重たい剣を振り回すだけあって力だけは敵わないな、と思いつつシーフは渋々振り返る。
「ちょっと待ってくれよ。手紙配達の手伝いくらいしてやれよ」
「貴方がすれば良いじゃないですか。貴方が声をかけたお方なのでしょう?」
「俺これから狩りだから」
「聞く耳もちません! ――あぁ、どうして貴方のギルドに私は居るのでしょうか。今すぐに脱退出来ませんか」
 ギルドに入るにはまず、そのギルドメンバーがどのような人間なのかを知る必要があるようだ。迂闊だった。
 内心、苦悩で頭を抱えるシーフなど戦士には全く気にしてはいないのだろう。得意気にふんぞり返る。
「残念。ギルドから脱退するには加入後二週間以上経過しないとダメなのだよ」
 ほォ、そう言いさえすればこの私が諦めるとでも思ったか。
「分かりました。二週間経ちましたら私は再び孤高の旅路を歩むことにいたします。それまでに貴方に会わぬことを切に願いましょう」
 シーフは戦士の腕を無理やりに引き剥がすと、素早くその場から身を引っ込めた。いくらギルドマスターとはいえ、少々勝手が過ぎるのではないか。
 ――私の一番嫌いで苦手なタイプの人間だ。もう少し分をわきまえたら憧れる人間だったろうに。
 目深に被った帽子の奥から戦士を睨みつつ、シーフは身を翻した。……その時だ。背から流したマントをキュッと後ろに引かれたのだ。踏まれた経験ならあるが、引っ張られたことは未だ無い。
 肩を持っていかれそうな感覚を抑えながら、このマスターはシツコイなと思いつつシーフはゆっくり振り返った。
 思わず目を瞠った。
 引っ張ったのは戦士じゃない。あのサマナーの女の子であった。

310 名前:見学者 投稿日:2006/05/26(金) 20:21:29 [ ww4BM0IA ]
1st>>267  2nd>>268

「え、えと……。わたし、何か悪いことしました……?」
 瞳を揺らしながら、サマナーはシーフを見上げた。
「え?」
「いえ! なんでもないです。お手紙の配達は多分、何とか出来ますから」
 シーフのマントを握り締めたまま、しどろもどろにサマナーは口ごもった。
「しつれい、しました……」
 マントを掴んでいた手を離し、今度は自分の頭を覆うローブをギュッと握り締め、まるで自分の顔を隠すように走って行ってしまった。
 泣き声……悲鳴にも似たサマナーの最後の言葉が耳に残る。
 呼び止めることも何も出来ず、シーフはただぽかんとその場に立ち尽くしてしまった。女性の――それもまだまだ幼さの残る若さの――涙を見るのは初めてだった。ただでさえ女性と関わったりしたことなどなかったのに。
「どうしたんだ、今の子は?」
 一歩下がった位置で現場を見ていた追放天使には場の展開についていけなかったようだ。
「泣かしたんだよ、このシフが」「喧嘩は自分の所為だと言って走ってったんです」
 戦士とシーフが殆ど同時に言った。一度互いに顔を見合わせ、そして再び追放天使に言い寄った。
「マジなんだって! こいつがちっともあの子のこと分かってやってなくってさ」
「天使様、マスターの言うことはデタラメです! 人のこと分かってないのはこの人の方で――」
「あぁ、分かった分かった。つまり二人ともあの子を気遣ってやらなかったわけだな」
 片翼の折れた翼を重そうに持ち上げながら、ゆっくりと追放天使は立ち上がった。大きな体が戦士とシーフの前に仁王立ちになる。
 神の神々しさとは違う、何かがプレッシャーとなって寄りかかってくる。
「あの子は見たところ君達よりも若い。良い手本になるはずの君達が一体何をしている」
「それは……だからこのシフが」「マスターが自分勝手だから……」
「ほら、またそれだ。いいか? マスターならマスターでメンバーのことも考えてやること。メンバーを束ねるのはお前なのだから。
 シーフの君もだ。入隊してまだ日が浅いが、あの子の先輩にあたるのは違いない。今すぐあの子を探しなさい。手紙配達のことは君自身が自由に決めると良い。やりたくないなら断る。いいね」
 不出来の弟子をたしなめるような言い方で追放天使は太い二の腕を組んで話した。
 ――確かに、少々大人気なかったかもしれない。
 シーフは帽子を外してペコリと頭を下げた。再び被りなおすと、今度こそその場から身を翻した。
 戦士の声が背後から聞こえた。
「どこ行くんだよ」
「あの子を探しに行くのです。先刻は失礼しました」
 シーフは振り返りもせず代わりに右手を振ることで挨拶すると、立ち止まることもなく古都の人ごみに紛れてしまった。あっという間に姿が見えなくなる。
「あ〜ぁ」
 戦士は肩をすくめた。カシャン、と身に着けた鎧までもが脱力した音を立てた。
「なんなのアイツは? アレの兄貴と全く違うじゃん」
「兄弟だからといって同じなはずはないだろう。……ちゃんと反省しているのかマスター?」
「俺だってさぁ。ギルドを大きく賑やかにしたいだけなのよ。悪気がないことは分かってくれるよな?」
 追放天使は黙って空を見上げた。
「君も若いようだな。もう少し人間というものを学びなさい。――ところで」
 えーっ、と戦士は子どものような弱々しい反抗を見せたが、すぐに追放天使の方に視線を向けた。
 この人(この場合は天使と言うべきか)は説教させると長くなりそうだ。質問にしろ長話にしろ言わせたいだけ言わせた方が良いだろう。
「あのシーフは誰だ?」
「シーフはシーフだけど」
「いやそうじゃなく……」
 少しばかり日が傾き始めた。だが空はまだ青く、夕方にはまだ少し早い。そんな時間帯になっていた。

311 名前:双月 投稿日:2006/05/27(土) 02:44:59 [ W7ci29Dk ]
初めまして。拙い文ですが、触発されて書きました。
続き物っぽくなってますが、続くかどうかはわかりません。ですがよろしかったら呼んでやってくださいませ。


 少女が泣いていた。
その頬は夕陽に染まり、その表情は悲痛な色に染まっている。
 少女は今、たった一人だった。
他の住人はまるでケモノに食い散らかされたかの様に引き裂かれ、ばら撒かれていた。
少女の両親も例外で無く、彼女の前に散らばっている。
数多くの悲鳴と、死の匂いと、引き裂かれる音を聞きながら、必死に逃げた少女を待っていたのは、産まれて初めての孤独だった。
 彼女はずっと、泣いていた。すぐ前に大剣を握った戦士が立っていても、気付く事無くずっと泣いていた。

/*双月・戦士と少女*/

 大地を揺るがさんばかりの轟音と衝撃が、堅い脳天に炸裂する。
大の男一人を丸呑みに出来そうなくらい巨大なサソリは、穿たれた頭部から体液を噴出させながらのたうった。
エルベルグ山脈ふもとの荒地は今、戦場と化していた。
たった二人を相手に、一族総出で迎え撃つサソリの群れ。
「きゃ〜!」
そんな巨大サソリを相手にしていた男の後ろで、その場に不釣合いなほど可愛らしい悲鳴が発せられる。
 見れば剣士の格好を真似た少女が、その剣をサソリに取り上げられようとしていた。
さらさらとした漆黒のセミロングが、剣を取られまいともがく度に揺れる。
一丁前に剣と盾を装備していても、その身体つきは華奢の一言。とても剣士の様に振舞えるとは思えない。
 舌打ちをした男が大剣を地につきたて、息を大きく吸い込んだ。
黒い鎧に太い腕。そして、怒髪天を体現するかのような髪型とその表情。
そこから凄まじい怒声が、空を引き裂かんとばかりに鳴り響く。その音量は先ほどサソリに叩きこんだ轟音の非ではない。
一種の魔力を帯びたその怒声は、並み居るサソリ達の動きを止め、その注意を一気に男に向けさせた。
 呆気に取られた剣士姿の娘へ、男が叫ぶ。
「ボサッとするな! 盾をしっかり構えてろ!」
男はそのまま引きぬいた大剣を持ち上げると大上段に構え、サソリを見据え精神を統一する。
 数多くのサソリが口を鳴らしながら近づいてくるが、それにも構わず男は精神を統一し続ける。
 掲げれらたその大剣は炎の形をしていたが、輪郭が揺らめき本物の炎のようだ。その剣を掲げた男はまるで、獲物を睨むサラマンダーを連想させるだろう。
 少女は信じられない光景でも見たかの様に目をこすった。その瞳には大上段で構えている男に重なる様に、脇に剣を構えた男と、正眼に構えている様な姿の男が見えていた。まるで、男が分裂でもしている様にも見えるし、3体のサラマンダーが狙いを付けている様にも見える。
 サソリが無遠慮に男の領域に侵入した時、それらが動いた。
 男は目にも止まらぬ速さでサソリと自分との距離を無にすると、その大剣をサソリの脳天めがけて打ちおろす。
それと同時に、重なった二人の男もそれぞれ水平斬りと突きを繰り出す。その大剣の旋風に巻き込まれたサソリの頭部は、あっという間にひしゃげ、無残に体液を吹き上げながら絶命した。
 しかし、男はそれだけでは止まらない。方向を変えると、尚も近づいてきた別のサソリに剣の旋風をお見舞いする。
その様はまるで斬撃の暴風雨。その切っ先の向く所、刃の豪雨が容赦なく降り注ぐ。
 少女にとって、それは正に圧巻だった。その技はハリケーンショックと呼ばれる、彼の様な戦士にとって極めて普遍的な技であった。
 しかし、それすらわからぬ彼女にとって、それを次々に繰り出しサソリを潰してゆく男は正に鬼神。
畏怖と恐怖とがない交ぜになった感情が、彼女を地面にへたり込ませた。

312 名前:双月 投稿日:2006/05/27(土) 02:46:14 [ W7ci29Dk ]
 荒涼とした荒地を風が吹きぬける。心地よささえ感じる風の音だけは平穏そのものだが、辺りの光景は平穏には程遠い。
先ほどの戦いの名残として地面に転がった死骸の脚が、風に揺れている。いや、まだかすかに息があるのかもしれないが、自然界に置いては死んだのと同義だろう。
「腰でも抜かしたのか?」
潰し終わったサソリの群れの真ん中で、戦士は少女に問いかけた。
 しかし、返事は無い。未だに放心している少女に近づくと、戦士は軽く頬を叩いた。
「痛い!」
「ったく、腰を抜かすのはいいが、そんなんじゃサソリの餌になるぞ」
やっと気がついた少女に、戦士は呆れたような顔をする。
「あっ……、終わっ……たの?」
「立て、小娘」
先ほどの戦闘のせいか、鈍い反応を返す少女に、イラついた戦士は舌打ちしながら肩を掴んで立たせる。
「小娘じゃない……、名前があるのに」
拗ねた様にうつむく少女を無視して、語りかける。
「歩けるか?」
「はい。でも、その……あの」
「どうした」
そのやり取りを戦士は、心底ウンザリしたように続けた。
「まさか小便でもちびったのか?」
「っ!」
うつむいた少女の顔が真っ赤になった。その手は生暖かく湿っているだろう内股と股布を押さえている。
 大きくため息をつくと、戦士は荷物袋から布を二枚取り出した。
「こっちで拭いてこい、それとこっちが股布だ。」
「えっ……、でも、これちょっと汚い……」
「ああなりたいのか?」
戦士が指差した先には、ひしゃげたサソリの頭があった。少女の顔がさぁっと青ざめる。それと共に堰を切ったように、辺りに水音が響いた。
「……糞餓鬼が」

「なぁ、考え直してもいいだろう?」
先ほどの荒地から離れた木陰に腰を降ろし、戦士は少女を見つめる。少女は依然うつむいたままだ。まるで頑なに何かを守っているかの様に、その口を堅く閉じて視線を地面に落している。垂れたセミロングの髪型のせいで表情は見えづらい。
 しかし、戦士の言葉を肯定する気は無いと言う雰囲気を、その華奢な身体から発している。
「俺について来るってのは、さっきよりもおっかない目に遭うんだぞ? それだったら、教会で暮らした方がいいだろう」
「いや……です」
消え入りそうな声でも、声音には決心の様な物が感じられる。
 数日前に壊滅した村で出会ってから、少女は戦士についてきたものの、厄介者扱いされているらしい。
それはそうだろう。戦士の旅はとてつもなく厳しい。それでも少女の身体を省みる事などできない。
綱渡りのような状況になれば、生き残る事だけに集中しなければならない。
それが出来なければ、生きては行けない。
「何故だ? 少なくとも教会で暮らせば身売りさせられる事も無い。ついでに食いっぱぐれる事もないぞ」
その少女の姿はまだ胸が膨らみ始めたばかりの、あどけないものだった。
そんな彼女に身売りという言葉事態が相応しくないはずなのだが、まだ不安定な時代。孤児のいる所、奴隷商人あり。そういった輩や、買い手にとって商品の年齢などそう問題になるものではない。そして、幼いからといって容赦もしない。
「もし、ついて来たとしてだ。俺の気が変わって奴隷商に売るなんて事になったらどうする?」
「売るんですか?」
少女が少し顔を上げ、伏目がちに恐る恐るといった表情で戦士を見つめる。
「気が変わって売っちまうかもな。それが嫌だったら、さっさと決めるんだ。ブルンネンシュティングでもナクエリマでも、アウグスタでも何処でもつれて行ってやる。アウグスタくらいは知ってるだろ」
「イヤです。そんな所知りません。教会で暮らすなんてイヤです」
「糞坊主どもが。きっちり布教しとけよな。」
少女とていくら故郷が田舎でも、それらの都市を知らないわけではなかった。
特にアウグスタは教会の総本山。何処の田舎者だろうが名前くらいは知っている。
半ば冗談めいた文句を言いながらも、それを察した戦士は更にゆっくりと語りかけた。
「もう一度聞く。お前はなんで俺について来るんだ? なんで剣を持ちたがるんだ?」
少女はゆっくりと顔を上げ、何かを決意するように息を大きく吐いた。
そして、戦士を見つめる。

313 名前:双月 投稿日:2006/05/27(土) 02:47:59 [ W7ci29Dk ]
「……自分で守りたいから」
「ああ?」
怪訝そうに戦士が聞き返す。
「誰かを自分で守りたいから。」
「お前……」
「お前じゃないです。ミルスです」
しばらく沈黙が流れた。二人の間を、蝶がゆっくりと横切る。
「ミルス。お前、身内どころか知り合いは全部死んだんだろう? 今更誰を守るんだ」
それは、数日前の残酷な情景を彼女に思いださせる事を、戦士が重々承知している事を感じさせる口調だった。
 戦いの中に置いて、具体的な目的を持たない者は弱い。弱い者、迷った者は死ぬ。だからこそ、あえて現実を見据えさせる為に、その残酷な言葉を選んだ。それは、様々なモノを失ってきた彼だからこそ、出来ることだろう。
「わからない。でも、少なくとも今は自分を守りたい。そして、いつか出会う大切な人を守りたいんです」
ミルスの瞳が濡れ、まぶたの淵から雫が流れる。
「もう、逃げるのはイヤなんです。何もできなくて、みんなが殺されるのを見る事しか出来なくて」
その表情は幼い彼女が見せるには不釣合いなほど、悲壮感が支配していた。
「私は、強くなりたいんです。守る為に」
細い手足に薄い身体。顔立ちはまだまだ幼さが残り、とても剣士になるどころか戦いが常となる世界で生き残れそうも無い。
そもそも剣と盾さえ、先ほどの戦闘やそれ以前から見たところ満足に構える事さえ出来ない。
 戦士はそんな彼女を見つめた後、視線をそらして頭を掻いた。
「あ〜、ったく。さっきも見ただろう。剣は何も守りはしない。ただ、壊すだけだ。斬り刻むだけだ。何にも守りはしないんだよ」
「それでも、大切な人を守るくらいは出来ます。……出来るはずです」
「それは、意味を判って言っているのか?」
戦士が険しい表情で、ミルスを見つめる。一方、見つめられるミルスも涙こそ流せど、その瞳の奥には芯の様な決意が確かにあった。
その表情も先ほどまで見せていた、恐る恐ると言った色合いは消え失せ、毅然として見える程だった。
「第一女に剣は扱えない。」
「そんなの、やって見なきゃわからない」
「女に剣なんて持たせたくないんだよ」
「だったら、私を女だと思わないで」
「そんな訳にならんだろう」
「そういう訳にして」
「無理を言うな。大体お前が何かを殺せるとは思えん」
「私はミルス。それに殺した事なら有ります。何回も豚や鶏をつめました」
「豚や鶏と……あ〜、もう!」
まるで、剣の攻防だった。斬りつければ、斬り返される。さすがの戦士も実際の剣に熟達していても、言葉と言う剣の扱いには慣れていないらしい。そして幼いとはいえ、女に無骨な男が舌戦を挑むのはやはり分が悪い。ついに戦士が折れた。
「わかった。それだけ言うならつれいってやる」
「本当ですか!?」
「ああ。だが、逃げ場はないと思え。へたり込んだら、そのまま置いていく。後は、狼の餌になるなり好きにするんだな」

「さっさと歩け!」
「うう……」
山脈の風が吹きぬける中、二つの影がそこにあった。
一つはがっしりとした戦士。そしてもう一つは大きなかばんを背負い、地べたに膝をついたミルス。
 その大きなかばんは垂れ下がり、ミルスを押し潰そうとしている。
それでももがき、何とか立ち上がった少女の額には汗が滲み、荒い息が吐かれると共に肩が揺れる。
「ま、待って……ください」
涙と汗を拭いながら、何とか声を出したミルスはすがるような視線を戦士に送る。
「……今日はやけに狼が騒ぐなぁ」
明後日の方向を向いて戦士が呟くと、そのまま歩きだした。
「あ、やっ、待って!」

314 名前:双月 投稿日:2006/05/27(土) 02:54:45 [ W7ci29Dk ]
「痛い!」
蹴りを受けて引っくり返ったミルスを、鞭が襲う。
ハノブの町の一角に、二人の姿が有った。
「立て」
ミルスを睨みつけたまま、戦士が言い放つ。右手には木刀、左手には鞭を持っている。
 ミルスは木刀と盾、皮鎧を身に付けている。だが、それらを充分に使いこなす事は出来ず、晒された肌には無数のみみず腫れが走っている。
 既にそんなやり取りを何回もしたのだろう、ふらふらになりながらも立ち上がり、木刀を構えた。
「であ〜!」
気合の掛け声と共に、自分よりも二回りも大きい戦士に向かってゆく。
 しかし、またも蹴り飛ばされ引っくり返った所に、容赦の無い鞭が飛んだ。
--カァン
しかし、辺りに金属を叩く乾いた音が響いた。
「よし、それでいい」
何回も転がりその度に鞭で叩かれた彼女は、無意識の内に盾で防いでいた。
「剣士は少しでも体勢を崩したら、すぐに相手の攻撃が飛んでくる。どんな時でも、防御を意識するんだ」
初めて褒められた事に戸惑いながらも、体勢を整え戦士に突進する。
だが、またもあっけなく尻餅をついたミルスに鞭が飛んだ。
--パァァァン!
「あっぐ、ああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」
肌を叩く音と共に辺りに響く悲鳴。盾こそ鞭に反応させたものの、今度は全く意味を成さなかった。
「真正面ばかりに気を取られるな!敵は一人でも、どこから攻撃するかわからんぞ!」
巻き付く様に回り込んだ鞭に、肌を晒した背中をしこたま叩かれたミルスは倒れ込み、そのまま目を閉じ動かなくなった。


そんな過酷な日々を半年も過ごした頃。

「はっ!」
辺りに気合の声と、木刀が風を切る音が鳴り響く。その声と音に戸惑いは無い。
怯えた子ウサギの様な少女は変わっていた。さらさらとしたセミロングの髪をばっさりと落し、短く揃えたその様は男と見間違える程。
 半年前とはまるで別人の様な表情には、少女らしい輪郭の中にもたくましさが根付いている。
細かった身体には、しなやかな筋肉が垣間見え、剣士としては小柄ながらも華奢では無くなっていた。
 そして、
「はぁっ! であっ!だぁっ!」
未だ流麗とはいかなくとも、剣を繰り出す動きが滑らかになっている。
 垂直、水平、様々な斬撃繰り出すミルス。
それを身体を傾けるだけでかわす戦士。
時折、斬撃を出し終わった隙を見つけた戦士が木刀を繰り出すも、ミルスはすかさず盾で弾いてその動きを攻撃に転じる。
 その姿に、半年前の少女の面影は消え失せ、未熟ながらも剣士のオーラを感じさせていた。
「よし、もういいだろう」
「あ、ありがとうございます」
肩で息をしながらも、何とか礼を言うミルス。
剣の扱いに慣れたと言っても、やはり体力の消耗は激しい。
膝に手をついた姿は、初々しさを感じさせる。
「明日、試験をしてやる」
「試験?」
額の汗を拭いながら聞き返したミルスに、赤いポーションを手渡しながら戦士が言った。
「これを飲んで今日はゆっくり休め」
そして戦士は背を向けて、ハノブの町中へ消えて行った。


 そして次の日。二人は小鳥がさえずる林の中に立っていた。
辺りには、幾つかの亡骸が地面に転がっている。そして、二人が見つめる先には、ある建物があった。
街道からうまく隠れる様に立てられたその建物は、とても公式な物とは思えない。
「この中にいる奴らが持っている得物を、5本持ってくるんだ」
戦士が亡骸近くに落ちている剣をミルスに手渡す。その亡骸は侵入者を迎撃しようとしたシーフのなれの果てだった。
「盗んでもいいし、気絶させてもいい。……もちろん殺して奪い取っても構わん」
ミルスの表情に緊張が走る。’殺す’と言う単語が、彼女にとって初めて現実味を帯びた瞬間だった。
「これが出来たら次に行く。出来なかったらお別れだ」
渡された剣を見つめた後、覚悟を決めた表情で投げ捨てると、ミルスは建物へ向かって行った。

 中は所々灯った明かりのお陰で、窓が無いにもかかわらず明るかった。
そこは最近、活動が活発化した路上強盗のアジトだが、そのアジト自体に関する幾つかの噂が以前から有った。
--人身売買や人体実験をしている。
--国の幹部が出入りしている。
--死人がたむろしている。
 盗賊のアジトにしては随分と大げさな噂であったが、歩を進めるたびにその噂が真実味を帯びるのを感じた。
湿った空気に乗って、生臭い匂いと、死臭の様な臭いが漂ってくる。明るいはずなのに何処かどす黒い物が身体に纏わりつく。
……何処からか悲鳴が聞こえたような気がした。
 ミルスは、剣と盾をしっかり構えると、泥の様なオーラの中へ進んで行った。

315 名前:南東方不勝 投稿日:2006/05/28(日) 22:22:47 [ ydq7157k ]
>>299-307さん
おぉ、メインクエストをサボっている自分にとってはとても助かります。
さていい加減、自分のキャラで報告書を集めましょうかね^^;

>>見学者さん
う〜ん、サマナーの少女が可愛いですね。
追放天使の人も影のマスターと言う感じで渋い方ですしw
>弟子になっても…
そんな滅相もないorz
ただ、自分の妄想を書きなぐってるだけですから^^;
でも書き手としては、大変励みになりました。お互いに頑張りましょうb

>>双月さん
初めまして。
なんとういうか、自分の書いている文よりすっきりしていて大変読みやすかったです。
戦士カッコイイヨ、戦士。ミルスカッコカワイイヨ、ミルス
個人的には続きが読みたいところです。

316 名前:タルタル 投稿日:2006/05/29(月) 14:19:09 [ hfUQyDik ]
みなさん感想書いているようなのでそろそろ私も書きますね
>>299-307さん
ここ最近RS自体飽きてやってないので本当に助かります。
ありがとうございます。さっそくコピペ、とw。
>>南東方不勝さん
あまりにも長く面倒なので(はぁ?ちゃんと読め)自分がここに来た
ときからしか呼んでませんが、途中から読んでもキャラクターがしっ
かりたっているし、一つ一つの文が短くわかりやすく書かれているので
非常に読みやすいです。プロットもしっかり書かれているようではっき
りとした矛盾も見られず、すばらしい技術だと思います。とても参考になります。
>>双月さん
冒頭は死体を転がせっていうセオリーどおりでどんな作品かな、と思いましたが、
なんということか、ストーリー自体は平凡なのにまったくあきさせず一気に読まされてしまいました。
すばらしい。やはり構造がきちっとしていて文章もわかりやすいと自分のように
コントみたいな馬鹿げた話でなくても読まれるんですね。尊敬します。
>>見学者さん
ええと、とりあえずサマナーが可愛い、とでも言っておきますかw
実際まだ事件(山)が始まってないのでなんとも;(始まってたりして)
文字が多く始めのつかみもないので読みずらそうだな、と思わせつつも最後
まで読ませる技術は圧巻です。どんな技術だよ。
とにかくこれからどうなるのかが楽しみです。

317 名前:双月 投稿日:2006/05/30(火) 01:52:56 [ W7ci29Dk ]
御感想ありがとうございます。 それでは残りをUPさせていただきます。
双月>>311

「いよう。こんな所で迷子かい?」
突然耳元に囁かれたミルスは身体を回転させ、バックナックルの要領で盾のヘリを後ろの誰かに叩き付けた。
それは、条件反射だったのだろうが、後ろの人物にとって見れば不運以外の何者でもない。
「がふっ!」
盾を側頭部に食らったその誰かは、呻き声をあげながら地面に頭部を叩き付ける。
「……もしも〜し?」
改めて確認したその誰かを、剣で突っついて見るも動かない。完全に気を失っているようだ。
もし、ミルスがあの戦士以外に鍛えられていたなら、もっと違った出会いになっていたかも知れない。
「これってラッキー?」
しかし、とうの彼女に取ってそんな事はどうでも良い事。
傍らに転がる剣をかばんに収めると何事も無かった様に歩みを進めた。
 だが、すぐさま立ち止まり盾を構える。
 音も無く暗がりから染み出す様に、シーフが何人か出てきた。そして後ろからも、足音が聞こえる。左右には壁がありミルスは今、完全に囲まれていた。
「おいおい。兄弟に酷い事してくれちゃって、覚悟はできてるんだろうなぁ?」
「お譲ちゃんが剣士の真似かい?かわいいねぇ」
「男じゃない無いのか?」
「俺はどっちでもいいぜ。どうせ掘るのは同じ穴だ」
「くぅ〜くっくっく……」
下卑た笑みを浮かべるシーフが5人。前に3人、後ろに2人。皆一様に剣を抜き、臨戦体勢に入っている。
 それが、一斉に飛び掛かってきた。
「いい子にしてな! 痛くしねぇからよぉ!」
剣がミルスに振り下ろされる。しかしそれは急所を狙ってはおらず、ミルスの得物を狙っていた。
 すかさず身をかわし、剣で弾き、盾で押し返す。計5人の連続攻撃であったが、戦士に鍛えられた彼女にとって、その攻撃は生ぬるいものだった。鞭ほど変則的な動きもしなければ、戦士の蹴りの様に鋭くも無い。
 その大人数の攻撃を防御で凌いだ後は、ミルスの独壇場だった。すぐ近くのシーフの顔を盾で殴打する。
「ぐふっ!」
そして股に蹴りを入れた後、その後ろの二人に突進した。
「な、なんだよぉ!」
あまりに素早い動きに、動揺したシーフ達はなす術も無く、得物を弾き飛ばされ、剣の峰で打たれる。
 それは、疾風に翻弄される枯葉のようだった。ミルスと言う名の疾風は三人のシーフを気絶させると、後ろの二人に向き直り剣を正眼に構えた。
「あ? な、なんなんだよぉ」
「身体が……」
ミルスに睨まれた二人は、ぎこちない動きで剣を構えミルスに向かってゆく。
剣士が使う魔法の一種デュエリング。それは剣士の内に眠る闘争本能を敵にぶつけ、決闘に持ち込む技をして知られている。男の中の闘争本能は比較的表面化させやすい。
 しかし、女であり剣士としての日も浅いミルスにとって闘争本能を表面化させるのは至難の業だ。
 だが、戦意を喪失したシーフ達はミルスに確実に迫っている。
「やめろぉ!」
「た、助けてくれぇ!」
先ほど述べたデュエリングの原理は一般的な俗説で、それは真理ではない。
 本来、ディエリングとは相手に暗示をかける技なのだ。睨んだ相手に決闘をしなければならないと言う暗示をかけてけしかける、邪眼に相当する技なのだ。そしてそれが、デュエリングが魔法と呼ばれる所以であった。
 だが、闘争本能に煽られず気分が高揚しないミルスのデュエリングは、何と非情なものだろうか。
 今や半泣きになりながらも剣を構えにじり寄るシーフ達を、哀れに思いながらミルスは一気に駆けた。
 自分の意思とは関係なく動かされていると言う事実。目の前の剣士に敵わないとわかっているにも関わらず、逃げられないと言う事実。その事実に苛まれるシーフ達の哀れな表情を見れば、思わず情けをかけたくなるだろうが、ミルスはあくまでも剣士だった。
「う、うああああああああ!」
二つの悲鳴が重なった時、ミルスの剣は二人の急所に峰を食い込ませていた。その太刀筋は無駄がなく、迷いも感じさせない。
ゆっくりと崩れ落ちるシーフ達。
 それを横目で見、肩で息をしながらも剣を構え辺りの様子を伺う。
「終わっ……た?」
辺りに誰もいない事を確かめると、ミルスは転がる五本の剣うち、4本を拾って出口へ走って行った。
あまりにも呆気ない。しかしそれは、彼女が今までどれほどの訓練を積んできたのかを、如実に物語っていた。

318 名前:双月 投稿日:2006/05/30(火) 01:53:37 [ W7ci29Dk ]
「随分早かったな」
「ええ。毎日の訓練の方がよっぽども辛いです」
呼吸を整えたミルスが、戦利品を見せ付けるように差し出す。その表情は満足げだ。
「殺して来なかったのか?」
驚いた表情で戦士が聞き返した。てっきり血に濡れていると思っていたのだろうが、その刀どころか差し出した手や、ミルスの身体さえ血に濡れていない。
「殺す必要すら感じなかったから」
「む……。その余裕が命取りにならなければ良いのだがな。まあ、いい」
まるで独りごとでも言う様に顎に手をあてて呟くと、背を向けて歩き出した。
「明日から本格的に鍛えてやる。覚悟して置け」
「ありがとうございます!」
戦士の口調はいつもと変わらず厳しいものだったが、それでもミルスの表情がより一層明るくなった。やっと認めてもらえた。そんな想いが霧の様に立ちこめる不安を一気に晴らしたから。
 ふと、ついて行こうとしたミルスの足が止まる。
「あの……。」
「なんだ?」
「名前は……、貴方の名前は何と言うのですか?」
立ち止まり、ゆっくりと戦士がミルスの方に顔を向ける。
「ザルクだ。」
そして、名乗るとまた歩き出した。
「ザルク……さん。」
今まで、名前すら教えてもらえなかった。それなのに今、教えてもらえた。
それは、ミルスが今まで認められていなかった事を表していた。
 しかし、今は違う。
「ザルクさん……か。」
やっと認めて貰えた。それだけでミルスの表情は生き生きとし、何処となく本来の少女らしい色合いを見せていた。
 ……彼女の旅はまだ、始まったばかり。突き抜けるような青空を見上げながら、ミルスは微笑んだ。

/*戦士のザルクと、ミルスと言う名の少女・終

319 名前:118 投稿日:2006/05/31(水) 19:09:50 [ MDeYNJzs ]
◆プロローグみたいなもの>>118
◆登場人物紹介>>205
◆1 >>206-207
◆2 >>209->>210

空色の記憶




 何時間立ったのだろうか。
空は先ほどとは違いすっかり明るくなり、太陽は真上で燦燦と古都を照らしていた。
「・・・・・・・!」
 ガバッという音がベッドからしたと思うと、物凄いスピードで中から長めの黒髪の少女──エリが飛び起きてきた。
表情は顔面蒼白、目はあちこちをギョロギョロと見回していた。
「今何時!?」
 エリは部屋のドアを勢いよく蹴り開け、階段を降りダイニングまで直行した。振り子時計は11時50分を差している。
確かギルド戦は真昼の12時からのはずだ。ということは──。
「ちょ、あと10分かよっ!!!」
 そう絶叫するなり、エリは部屋へと駆け戻り急いで服を着替えた。パジャマを脱ぎ捨て、トレードマークに慌てながら着替える。
「かなりやばいなぁ──あそこまで走っても5分はかかるのに!」ちらりとベルトポーチの中身を確認しながら言った。
 最後に両手にいくつも指輪を付け黒い皮のグローブをはめた。空いた手でリュックを持ち物凄い速さで駆け足で階段を下る。
いつも穏やかに踏まれる階段も、この時ばかりは少し悲鳴を上げた。耳に響く、結構な音がしたが、エリは気にしなかった。
 駆け足の勢いのまま玄関の扉をあけた。太陽の光が怠けたエリの体を照す。
「早く早く早くー!!」
エリはせかせかしながら玄関の鍵をかけ、ちゃんと閉まったか確認するためノブを回した。どうやら鍵はかかっている様だ。

 そこから事務室までは持久力の問題だった。
元々長距離走は苦手な(と、サキが以前トライバルにそう言っていた)エリにとって、正直言うと申し込事務室までの悪足掻きは
ギルド戦でリンチを受けた時よりもキツいと、エリは確信を持った。
路地の裏を回り抜け、
野良犬を踏みつけそうになり、 
露店に突っ込もうとしたところで、エリはふと思った。
「犬に乗っていけばいいんじゃ・・・?」
 思い立ったら吉日というのはこういう事を言うのだろうか。エリは既に一段階のケルビーに跨って古都を失踪していた。
民衆のどよめきの中、
「はいはい失礼失礼!!」
と溌剌に良いながら手を前に出して道をあけていた。もうすぐ表通りだ。もうすぐ・・・。
 やっとの事で表通りに出た。が、冒険者らしき人たちの姿があまり見えなかった。もしやもう始まってしまったのだろうか?
エリの額に冷や汗が一粒流れた。

 「──エリさん、やっぱり来ませんねぇ」
 申し込み事務室のフィールド転送魔方陣の上で、オーガストが言った。「寝かせたままなのがいけなかったかな・・・・」
「気にすること無いよ。今日の相手は強いから、次の戦争まで休ませてあげたほうがいいかもよ」
 短い黒髪の人間が少し皮肉を込めて言った。歳はエリと同じぐらいか、厳ついファビスに綺麗に光るクリスタルソードを抱えていた。
その場で待機していたラルフやサキもこの意見に大きく頷いた。
「そいえばサキ、槍変わったね?なんていうの?」
シータがサキの持っている長槍に目をやった。普通の長槍とは違い、けた違いに長い。実際天井に刃がスレスレだった。
刃の近くに細い旗のようなものが二枚靡いている。槍自体もピカピカと光っていて、いかにも高値が付きそうな感じだ。
シータはこの槍にちょっとばかし度肝を抜かれた。こんなんで突かれたら自分は即死するだろう。
「あぁ、これはホースキラーって言ってね。結構お気に入りなんだ・・・一昨日エンチャントしてもらって光りがちょっと増したけど」
「ふーん、そうなんだ・・・成功して良かった良かった。にしても綺麗に光るもんだね」
「そうですよね、似合ってますよ」セブロがにっこりした。
「そうかな?ありがと」サキは少しはにかんだ。
「みんな、」
 トライバルが急に6人を見据えて言った。全員が声の主に注目する。
「戦略と役割分担は行く途中に耳打ちしたのと同じだからちゃんと覚えておいてくれよ?」
「「「「うぃーっす」」」」
「あとサキ、」
「ん?」
「アレ使うんなら始めと最後に分けて使ってね」
「はいよー、っと」
 そう返事した瞬間、6人の身体がほのかな光を帯びた。その光は瞬く間に強くなり、個々の体を覆った。


 白い閃光が迸った。


 6人は、魔方陣の上から姿を消した。

320 名前:118 投稿日:2006/05/31(水) 19:11:13 [ MDeYNJzs ]
やべぇageちまったorz


吊って来ます

321 名前: ◆21RFz91GTE 投稿日:2006/06/01(木) 20:07:52 [ yaelVTy2 ]
ROM中 || ・_・)o)) ソーッ


皆さん、お久しぶりです〜…長いこと顔出さずに居て申し訳ないorz
始めましての人も居るので、今回は挨拶とさせていただきます


始めましての人…始めまして〜、以前の(?)このスレの十人21Rと申します;;


懐かしい方々、どうもお久しぶりです;;
少し落ち着いてきたので、また執筆始めようと思います。そのときはよろしゅ〜…

322 名前:名無しさん 投稿日:2006/06/05(月) 14:18:59 [ hfUQyDik ]
急かしてはいけないと思いつつも、
誰が書いてくれ。なぜ三日も誰も来ないんだ?
職人さん達、みんなスランプなのかな?

323 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/06/05(月) 21:35:23 [ QS1Cbi/M ]

(壁剣士)天使をどうする気だ。あのキャラも道連れにするつもりか

(ギルマス)いかにもパラ剣士らしい手前勝手な考えだな。天使はわがギルドの一員だ。

ギルドと生き、ギルドが死ぬ時はともに滅びる

(壁剣士)あの天使を解き放て。あの天使は回復枠だぞ

(ギルマス)黙れ厨房! お前にあの天使のネタが癒せるのか。上位狩場を侵した寄生厨が、晒しを逃れるために投げて寄越したネタキャラが天使だ。

ソロ用にもなれず、PT用にもなりきれぬ、哀れで醜い可愛いコール用だ。お前に天使を救えるか

(壁剣士)わからぬ。だがコロタクで金を稼ぐはできる

(ギルマス)どうやって稼ぐのだ。天使とともに厨房を運ぶというのか

(壁剣士)違う。それでは寄生厨を増やすだけだ

(ギルマス)剣士。もうお前にできる事は何もない。お前はじきにテイマーに食い殺される身だ。メンテ明けとともにここを立ち去れ




・・・ゴメンナサイ

324 名前:名無しさん 投稿日:2006/06/06(火) 00:40:42 [ W7ci29Dk ]

 もはや、天上の風を思いだせなくなって久しい。
今思いだせるのは、じめじめとして不快感を禁じえない洞窟の空気。
そして、死者の叫びと魂の嘆きが飛び交うモルグの臭い。
 今まで幾多もの不浄を消し去り、幾多もの亡者を救い、幾多もの嘲笑にさらされてきた。
そんな私には、もはや過去の威厳も力も無く、今日も蹴られ続ける。
 最近は人間の姿を借りて、「哀れな動く亡者」どもをまとめて浄化するも、
「狩場占拠してんじゃね〜よ厨TUBISが^^;;;;;;;;;;」
「キモイ黒○○はどっかいってくださいwwwwwwwwヤロウはお呼びじゃナスwwwwwwww」(※都合により一部表現を伏せてあります)
等と罵詈雑言をわめかれる事もしばしば。私は男であると共に女でもあるのに、何と言う物言いか。
 仕方なく、場所を空けてやれば繰り返されるは虐殺の嵐。死者とて魂もあれば心がある……。
いや、それらが縛り付けられていると言う事を、理解していないのだろうか?
その刃がきらめくたびに、杖が輝くたびに響く亡者の絶叫。それを聞くに耐え無くなり、涙ながらに逃げ帰る。
 そんな日々が続く。 私は常々思う。仕える主も無く、かといって自身に取り立てて力があるわけでも無し。
正直なところ、自分の存在意義でさえ疑わざるを得ない。
 いや、’天使’であるのだから、天に仕えていない時点で、存在意義など失われているのだろう。
「主よ。死者として御許へ赴く事をお許しください」

/*彼と彼女の事情*/

 そんな言葉が漏れ出た時、凄まじい衝撃が大地を揺らすのを感じた。
視線の先には、一人の戦士が亡者どもを相手取り、慈悲を感じさせぬ様子で次々と屠っている。
その行動には、私がする時のような哀れみも感じさせず、ただ、ただ破壊の為だけに振り下ろされる鉄塊。
 なんと。なんと、哀れなことか。彼の血に哀愁は無く、涙を流すような愛を感じる心もないのであろう。
その魔人の如き表情は、一体何が彼をそうさせているのか思わず聞いてしまいそうになる。
だが、振り下ろされる鉄槌のような大剣が、他者を拒んでいるかのようだ。
 半ば自暴自棄になり、周りと隔絶していた思考は、その姿によって一気に現実に引き戻される。
「なに見てやがる」
野太い声。その声は凄惨な情景な中でも冷静ささえ感じさせる。
「何故。貴方はその剣を振り下ろすのですか?」
目の前の戦士の眉間の皺が、更に深くなる。突然の質問に気を悪くしたのだろうか。
 しかし、考えて見れば彼は’戦士’なのだ。そのような者に戦う理由も聞くのは、この上なき愚問。
赤子が何故泣くのか。人は何故生きるのか。天使は何故天に仕えるのか。それを問うも同じ事。
「ついにイカれちまったのか? 元から堕天使ってのは、変わったヤツが多いってのは知ってるがな」
「堕天使ではありません。追放天使です」
「同じだ」
間髪入れずに入る反論は、先ほどと同じ冷静さを持った野太い声だったが、何処と無く怒りを含んでいるようだった。
「まぁ、いい。で、なんなんだお前は?」
「貴方は……、戦士とお見受けする」
「ああ? ……そりゃそうだ。俺が獣使いの小娘にでも見えるか?羽を生やしたどっかのアホ面にでも見えるのか?」
半ば呆れたように、戦士が漏らす。見かけに寄らず饒舌な彼は、案外他人との交流を求めているのかもしれない。
 聞くところに寄れば、戦士と言うのは私と同じく、待遇が良くないらしい。
ギルドにおいても使えないと言う声を何度も聞いた。パーティでは誘われることは決して無いとも聞いた。そんな彼ら戦士達は何故戦うのか。誰にも顧みられる事がないと言うのに、何故一人黙々と自身を鍛えるのか。
 そんな前々からの疑問が突如噴出し、思考を圧迫し始め、ついに口から漏れ出た。
「何故、一人で戦うのですか?貴方とて巷の評判が耳に入らぬわけでもあるまいに」
「あ? なんだそりゃ」
「信じるものも無く、顧みられる事も無い。時に嘲笑にさらされながらも、何故戦えるのですか?」
呆気に取られた彼は、後ろに現れた亡者を事も無げに打ち砕くと、私に問いかけた。
「逆に聞くが、神に見捨てられたらそれでお終いってのが、お前たち天使の考えなのか?」
「と、いうと……」
「俺は神がいるかも知れねぇとは思っている。だが、だからと言って救ってくれるとも思っちゃいねぇ」
その口調は、諦めか。いや違う。
「だから、神を信じねぇ。いる事にはいるだろう。だが、そんな事はどうでもいい」
悟っている。それは、僧がするものとは別種の物だ。

325 名前:名無しさん 投稿日:2006/06/06(火) 00:41:48 [ W7ci29Dk ]
「俺は、俺自身を信じている。俺の信奉者だ」
理解に苦しむ。その言葉は理解を超えていた。何故、自分などと言う物を信じられるのか。絶対的なモノで無い、極めてあやふや、それもすぐに散ってしまうような儚いものであるのに。
「戦いにおいては誰も信じねぇ。坊主の治療など当てにせん。小娘の手下に守って貰おうとも、盾を持ったお上品な坊ちゃんどもの影に隠れようとも思っちゃいねぇ。俺が死ぬ時は、俺自身の力が足りなかった時だ。俺自身の死に方や、死ぬ理由は俺自身によってのみ、俺が決める」
「何と言う……」
私とは根本的に考え方が違う。違いすぎる。例えば、山を山とするならば、兎をうなぎとする。そんなデタラメな事を言われている気分になった。
「しかし、貴方達戦士が嘲笑されているのは、戦士が力不足だからだ。貴方のいっている事は矛盾を……」
「お前はどこのお坊ちゃんだ? 何を見て力不足と言っているんだ?」
不思議な事に彼の表情からは、侮辱された事に対する怒りは感じない。だが、強い憐れみを抱いているように感じるのは気のせいか。
「詰まらん。言いたい奴には好きに言わせておけ。どうせ、てめぇだけじゃ何にも出来ねぇ腑抜けの戯言だ」
辺りはいつの間にか、シンとしていた。洞窟を吹きぬける風の音さえ聞こえない。
「俺は俺自身を信じる。俺自身しか信じねぇ。他人がどう言おうと関係ねぇ。俺はこの形を貫き通す。ずっとだ。くたばって骨になるまでだ。お前は違うのか?」
戦士の視線に、私の額が射貫かれた。そんな感じがした。
「 お 前 は 違 う の か ?」
その言葉共にいつの間にか懐から出した巻物を出した戦士は、最後の言葉と共に消え去った。
「あばよ」
突如として鳴り響く、骨を打ち合わせる音。そして、それに合奏するかのような、腐肉が地面に擦れる音。
 それは私を取り囲んだ。骨と不肉と虚ろな目と不快な呻きと悪臭と嘆きと伸ばされる手。
 ああ、そうか。シンとしてたのは影に隠れていたからなのか。
この亡者どもは私を殺すのか? 私を喰らうのか? 私はここで終わるのか?

「主よ。主の元へ逝かぬ私をお許しくださいとは、いいますまい」
力が、奔流となって身体中を駆け巡る。
「主よ。私はもはや悪魔と化す。この力、主の名の元にでは無く、自身の為に使おうぞ!」
20を超える亡者の群れ。それに目掛けて光速の光輪が打ち出される。
「哀れなる亡者達よ。安らかに眠れるかどうかはわからん!だが、その苦しみからは、確実に救ってくれる!」
亡者の口からは悲鳴が漏れるも。腐って汚物と化し、腐臭にまみれた身体から解放された魂は歓喜に打ち震えている。
「自身の信じるがままに!亡者ある限り、他者に何と言われようと浄化し続けてみせる!」
その表情に、戦士と会う前の絶望の色は無い。その表情は、先ほどの戦士と同じ険しい表情だった。

 全てが終わった時、彼女の第二の人生は始まっていた。
きっともう、彼女を止める事は誰にも出来ない。彼女を止める権利は、彼女しか持たないのだから。

終 ……ゴメンナサイorz ホントいろんな意味でゴメンナサイ

326 名前:タルタル 投稿日:2006/06/08(木) 15:03:54 [ Z7HCSd4g ]
「あねさんシリーズ」
一応前のをのせておきます。ただし別に物語上の時間順ではなく気のまま一話完結
で書いています。よって一話とかは書いた順です。
第一話 >>248 >>249 >>251
第二話 >>258 >>259

第三話 その1
男は突然現れ、何もいわず腕組してこちらを凝視して、そして近づいてきた。
上半身裸で、白いズボン一枚である。足は裸足。それがこの男の衣装だった。
武器はもちろん、グローブも帽子も指輪もつけていない。
奇妙なほどさわやかな笑顔。その口元には光り輝く白い歯。髪はスキンヘッドである。
身長は約百九十。眼は黒く自信に満ち合われていた。年は三十を超えた所か。
が、そんなことは一見しただけではわからない、というより気づかない。
その筋肉のためである。
言葉では言い表せず、ただ圧倒される筋肉である。
しかもうごめいていた、それ自体がひとつの生き物のように。
それだけに目がいってしまう。
暑いアリアンの大地にむさ苦しいほど暑苦しい男。
「なんで私に近づく男は馬鹿ばっかり」
私の隣にいる女性、真っ赤な髪、真っ赤なジャケット、真っ赤なミニスカート、真っ
赤なグローブ、真っ赤なスニーカーを着込んだサマナ。背は年20代後半の割には低め、
150cmぐらい、顔立ちは童顔。性格は、強欲で粗い。一応私の主人である。
あの砂漠の英雄、セスナの第十五子で、名はセスソ。がこう呼ばれるのは好まず、あねさんと呼ばれている。
一応正式にもア・ネサンとなっている。
が、あねさんの言うことももっともかもしれない。この前は正義馬鹿だった。今回はどうみても筋肉馬鹿だ。
しかも今回は別に物取りにきたわけではない。ただの買い物である。
「お嬢さん、あなたは素質がある」
あねさんは怪訝な顔で筋肉馬鹿を見返すが彼はその大きな両手をあねさんの肩において何か言い出した。
「あなたも私のようになれるといっているのですよ。今からでも遅くありません。一緒に厚い筋肉と
熱い汗の漢の道に進むつもりはありませんか?」
「ありません。ていうか女だし」
すばやくはっきりとあねさんは答えた。
「その貧乳ならば、と思ったのですが」
筋肉馬鹿は肩を落としていった。
「貧乳ねぇ……、ヘッジいきなさい」
ばぎばぎばぎばぎばぎばぎ。
その怒りは力になって私に降り注ぎ、私の体は一気に第三段階になる。
仕方ないな、私は筋肉馬鹿のみぞおちを殴る。
ネタキャラの召還獣とはいえ第一形態ならまだしも第三形態では戦える。とりあえず、というレベルだが。
故に一撃で決めるしかない。
「むっ、きかんわ」
その筋肉馬鹿の体はまさに鉄のようだった。感触がそうなのだ。人間の肌ではない。
「売られたけんかは買う、それが漢だっ、マッスルナックル」
筋肉馬鹿はそのままの体勢で右拳を繰り出す、そう確認した瞬間、私は吹き飛ばされていた。
そこらにあった壁に激突する。町を歩く人々が何事かとこちらを見ている。
「とどめだ、吹き出せっ夏の汗っ、盛り上がれ漢の筋肉っ、ひっさぁぁぁぁぁつぅぅぅぅ」
そして一瞬で近寄り右手で私の体をつかむ。
「ごぉぉぉぉぉぉぉるでんっまっするっ」
何か別の次元の技だった。マッスルナックルは正拳突きといえたが、これはこの世界では説明のつかない技だった。
気づいたときには仰向けに倒れていた。
「ふう、いい汗かきました。では貧乳のお嬢さん。我らのマッスルギルドに入りたければいつでも言ってください。
当分はアリアンにいるつもりですから。我がギルドの目印はこの筋肉です。紋章など必要ない。はぁーはっはっはー」
そう言って筋肉馬鹿は何事も無かったかのように歩き去る。
「まったくなによ、あれ」
あねさんは去り際に貧乳と言われたせいか多少不機嫌だ。
「ただの馬鹿でしょう。ああゆうのは気にするだけ無駄ですよ、あねさん」


「あれは、セスソか?」
見るからに裕福そうな雰囲気をかもし出す、その若く麗しい男は脇に控える黒服の男に尋ねた。
「おそらく、あんな真っ赤なサマナーなどそうそういませんので。念のため調べておきます」
「たぶん、まちがいないだろう。しかしアリアンに戻っていたとはな。こうしてはいられないな。戻るぞ」
「はい」
二人の男は足早に去る。

327 名前:変な生き物 ◆YRNj1tYA5I 投稿日:2006/06/08(木) 18:59:53 [ axISEIrA ]
こんばんは、変な生き物です
復活宣言をしたのはいいが、小説の再開は何かと大変でした。

何よりもまずは話の大筋を決めるための路線作り
そして小説では最も重要な事のひとつ「キャラを実在させる」という事もしました
物語の、路線の上に「キャラクター」達を置いて、彼らの動きを見る
あのキャラの性格ならここはこうするだろう、このキャラなら…といった具合です
これが思ったよりも難しく、何度も物語を書き直しました…ざっと10種類ぐらいボツにorz

まだしばらくかかりそうなのでとりあえず簡単な読み物でも…
オンラインゲームRS内のメインクエストで語られる話に
自分の小説を混ぜてみたものです、RSメインクエストの話とはズレてますがご了承を…

あーなんか腕にぶってそうで怖いよオガーザーン o.....rz

328 名前:追放天使からの手紙 ◆YRNj1tYA5I 投稿日:2006/06/08(木) 19:00:43 [ axISEIrA ]
― 親愛なる兄弟へ ―

ああ、お前の手紙はちゃんと届いたぞ、にしてもなかなか面白い事を聞くな。
俺達が追放されれた訳 か、まぁ大半の同士は既に忘れているだろうな
今から約500年前もの話だ、忘れてても仕方がないだろうな、あまりいい思い出でもないし。

 『赤き石』もとい『神獣フェニックスの卵』を天上界から奪われた時、俗に言う『RED STONEが落ちた日』だ。
男性天使の多くは天上界にいる『神獣』を守る仕事についていた、俺もその一人だ。

火、水、風、大地、光、闇、六種の世の中の基本元素を支配する存在、それが『神獣』
神獣は天上界に多く居住していて、お互いに調和を成して地上界と天上界に不均衡が起きないように六種の元素を治めている
故にこれが失われる事の無いように、天使が護衛にあたっていた、と言ったところか。

ある日、火の神獣フェニックスを守る守護天使長、こと第一大天使が大天使寺院やら俺達、守護天使やらに警戒を呼びかけていた
「近いうち、何らかの天変が起こる、各員、神獣の守り、もとい天上界に外部の者を入れぬよう守りを強化しろ」みたいな事を言っていた
だが誰一人それをまともに聞こうとはしなかった、まぁそれも仕方のない事だ
この天上界の平和が崩される事なぞありえない
もとい天上界に侵略するようなバカはいないと、誰もがそう思い警戒を強めなかった、俺もそう思っていた。

その次の日、その守護天使長は大天使間の会議に出席せず、行方不明となった
一部の者達が守護天使長を捜索しようとした矢先、事件は起きた。

そう、天上界に地下界の悪魔達が襲撃しやがったのさ、誰もが予期せぬ襲撃に面をくらったさ
俺達守護天使が慌てふためく隙に、フェニックスを祭る神殿に入り込み、フェニックスを殺して『フェニックスの卵』を奪った。
すぐに体勢を立て直して悪魔達を次々と始末し、ほぼ大半を葬ったが、結局卵は盗まれて地上界に隠されちまった。

その後、守護天使長の亡骸は発見されて葬られた、悪魔達の先発隊と交戦して命を落としたと聞いた
一部の上級天使達3人が完全に追放され、そして生き残った俺達、守護天使は完全追放を免れたがその代わりに片方の羽の半分を剥奪されて
地上界に放り込まれ、聖職者の姿で奉仕活動をしながら、「RED STONE」を探索する任務を押し付けられた。
全く、生きても死んでも結局地獄というわけだ、迷惑極まりない。

だが、今こう思い出すと謎だらけだ。
なぜ守護天使長は襲撃を知ったのだろうか、なぜ、守護天使長一人で、護衛も連れずに先発隊と戦ったのだろうか?
なによりも、悪魔達があえて「フェニックスの卵」を狙って奪い、それをなぜ地上に隠したのか
そしてそれの回収の為だけに、天使の多くを地上に追放したのかよくわからん。

あの卵は極めて強力だ、だが所詮は「界のひとつを支配する」程度の能力しかない
 はっきり言って、少々言葉は悪いが
『地上界だろうが地下界だろうが、滅ぼうが支配されようが知った事ではない』
というぐらいにしか考えられていない、なんせRED STONEと同じような力がまだ天上界には5種もあるからな
そしてフェニックスそのものは大量に殺されたが、まだ残っているから元素のバランスは極端には崩れていない
よって、それほど重要かつ危険な事態でもないのだ。

何か、あの卵以外に、天地を揺るがすとんでもないものも盗まれていたかもな

 もっとも、真実は500年前の闇の中だが。

ところでアンタの友のウルフマンは元気にしてるか?
お前の話によるとアイツのメシは美味いらしいからな、機会があったらご馳走させてくれ。

329 名前:名も無き作家 ◆zGQ0MrrHTw 投稿日:2006/06/09(金) 16:12:54 [ GgNBVrbs ]
私は生物を殺すのを躊躇したことがなかった。
死を間際にした生物は皆、哀れな顔をして命を乞う。
だがある日、私に天罰が下った。
私の中の魔力が暴走して私はウルフマンになってしまったのだ。

まあ、なってみれば、なってみたで不自由はない。
二足歩行だってできるし、走ろうと思えば四本の足で驚くほどの速さで走れる。
私があまり好きではなかった動物の血肉も美味く感じる。
これが狼というものか、とひそかに感心したものだ。

だが、私は世間で知られている一般的なウルフマンとは違った。
確かに私は魔法を操っていたときは周りの者の手の届かないところにいた。
ウルフマンになってもその魔力の影響か、そこらの者では足元にも及ばない
俊敏で、力が強く、屈強なウルフマンになっていた。

が、人間に戻れなくなったのだ。

何がどうなったのかはわからない。
あの時、魔力が暴走して体の中で何かが変わってしまったのかもしれない。
だがしかし、確かにあのときの事故の影響で元の姿には戻れなくなってしまった。


周りの人間は私を化け物扱いした。
完全なウルフマン、などと呼び私を見るときはいつも冷たい視線で見下していた。
そんな視線に耐えることができなくなった私は人気の少ない狼の巣窟付近で寝そべっていた。
寄ってくる狼など、腕の一振りで殺せてしまう。

気持ちがよかった。
人間の姿のときはしようとも思わなかった。
雲はあんなにも綺麗に流れていたのか。
太陽はあんなにも世界を照らしていたのか。
空はあんなにも透き通っていたのか。
風はこんなにも…心地よく私達をなでていたのか。
そんなことを考えながら私は深い眠りに落ちていった。

330 名前:名も無き作家 ◆zGQ0MrrHTw 投稿日:2006/06/09(金) 16:13:43 [ GgNBVrbs ]

目が覚めると夜だった。
少し欠けた月が、綺麗に私を照らしていた。
この体のせいか月光に当たると少し興奮する。
と、何か異変に気づいた。

尻尾の辺りが重い。何か乗っかっている。
上体を起こし尻尾のほうに目をやると、赤い頭巾をかぶったまだ15,6歳であろう少女が
私のフサフサの尻尾を枕にして眠っている。
「…」
その少女を起こしてはかわいそうだと私はもう一眠りすることにした。
なに、空腹などは気にならない。
この体のせいで魔物が喰えるのだから。起きたらそこらの狼でも食らえばいい。

再び目が覚めたとき、太陽が顔を出し始めていた。
私の尻尾を枕にしていた少女は目を覚ましていて、私の前に正座していた。
「狼さん、私の友達になって?」
彼女が言った一言目がこれだった。
「何を言っている。私はこの姿からもう元には戻れない体質だ。
 俺と居れば君は化け物呼ばわりされてしまうぞ。そんなことは俺が許さない」
俺は忠告して、その場を立ち去ろうとした。
「待って!」
少女も少女で引き下がろうとしない。
「私も変わった体質なの。私、世間じゃ魔物を使役する職に就くはずだったの。
 なのに私は16歳になった今でも魔物と話をすることはできない。
 召喚獣だって呼び出すことができないの。皆は私のことを出来損ないとかクズって言うの…」
少女の瞳にはうっすらと涙がたまっていた。
「…わかった。いいよ。友達になってあげる」
そんな涙のせいなのか、彼女の悲しい体のせいなのかはわからないが、
彼女を不憫に思った私は友達になると約束した。

それから私は彼女を背に乗せていろいろなところへ行った。
砂漠の中にある小さい村、鉱山で有名な町や、潮風が気持ちいい港町など
一人で旅をしているときはそれはそれで良かったが
二人で旅をしていると、なんというのかすごく落ち着く。やはり私は人間だ。狼などではない。
ちゃんと感情を持っている。

331 名前:名も無き作家 ◆zGQ0MrrHTw 投稿日:2006/06/09(金) 16:14:05 [ GgNBVrbs ]
だがある日、私が彼女を見かけたとき彼女の長く綺麗な金髪はずたずたに切られていた。
「な、何があった!?」
心配そうに慌てふためく私を見て彼女は涙を流しながら笑った。
「大丈夫…だよ、狼さん。いつものことだから…」
なぜそんな風に平気な顔をしていられる?
なぜ涙を流してまで辛いのに受け止めていられる?
なぜ…私のように現実から逃げ出そうとしない?
気づいたとき、私は彼女を抱きしめていた。
「ごめん、もう君から目を離したりはしない。ずっと俺が守る」
彼女を抱きしめた私の胸がちょっとだけ濡れた気がした。

次の日、私が鋭利な爪と、人間の頃からの持ち前の手先の器用さで
彼女の髪の毛をカットしてあげた。
ロングヘアーも似合っているが、ショートヘアーも彼女には似合っている。
我ながらいいできだな、とうんうん頷いていたら
「変な狼さん」と彼女が笑った。 笑顔を取り戻せてなんだか少しホッとした。
人の笑顔は何物にも変えがたい宝だ、と思った。

彼女がこんなことを言い出したのは彼女と友達になってから早3ヵ月後のことである。
「狼さん狼さん」
彼女はいつものように私を狼さんと呼び、トコトコと私の後をついてくる。
「どうかしたか?」
「私、狼さんの役に立ちたいの。狼さん、私を鍛えてくれない?」
彼女の目は、きらきらと輝いていた。
この世界は大変だ。血飛沫を浴び、屍をこえなければ死んでしまう。そういう世界だ。
私はできれば彼女をこの世界に巻き込みたくなかったが
彼女の本気の目を前に、「やめろ」などと無神経なことはいえない。
「辛い世界だけど大丈夫かい?」
「大丈夫よ、私には頼れる友達がいるもの」
そう言って私の腕をとる彼女をとても愛しく思えた。

332 名前:名も無き作家 ◆zGQ0MrrHTw 投稿日:2006/06/09(金) 16:14:34 [ GgNBVrbs ]
彼女は魔物を使役することができなかった。
召喚獣を呼び出すこともできなかった。
力が弱く、重い武器を持ち上げることもできなかった。
だが彼女には一つの才能があることに私は気づいた。
彼女の笛の音色は、もう音色の域をこえている。
これは魔法だ、と私は気づいた。

彼女に弓を持たせた。
彼女が持てるように軽くなるように私が細工した弓だ。
彼女は喜んで「狼さんが作ってくれた弓だ」と言ってとても大事そうにしていた。
私の考えは的中した。彼女は魔法に関しては天才だったのだ。
彼女はみるみる逞しくなっていった。
それは、辛い過去のせいか、不安定な部分もある。
だが、戦うものとして、彼女は立派に成長した。
私は彼女を、背中を預けても安心できるほど育て上げた。彼女も彼女でそれをとても誇らしく思っていた。

彼女はその才能を買ってもらい、ギルドに入った。
私は…入りたくはなかった。また化け物呼ばわりされるのが辛かった。
彼女は「狼さんが入らないなら私も」と言ったが私が無理やり加入させた。
「ここに居ればさらに友達ができる。君を認めてくれる人もできる。
 入っていても損はないよ」と言い訳をした。ごめん。君に嘘はつきたくなかった。

ある日、彼女と私は熟練の者でも苦戦する魔物が潜む場所に来ていた。
確かに魔物は今までのものとはレベルが違ったが戦えないほどではない。
私と彼女はお互いに背中を預けながら戦った。
だが、アクシデントが起きた。
彼女が魔物に不意打ちをくらい、倒れているではないか。
その肩にできた傷からは生々しくも血が流れ出ている。
彼女だけは死なせたくない。そう思った私は危険を顧みず、斧を降り下げんとする魔物と彼女の間に割って入った。
斧は私の屈強にできた体によって彼女に当たることはなかった。
だが血が止まらない。
魔物の肩を抑えているが、これも時間の問題。
周りからは魔物がいずれ湧いて出てくる。
私は彼女に逃げるように言った。
彼女は「私はまだ戦えるよ!?狼さんだけ残して行けないよ!」とそれを拒んだ。
「ありがとう、でも…君には生きてほしい。君は辛い過去の分、楽しい未来が待ってるはずだから。
 だからこんなところで死んでほしくないんだ…行ってくれ」
「お願いだから、そんなこと言わないで…お願い…私、まだ狼さんに恩返ししてないよ?」
彼女が涙を流しながら訴える。
「君からは大事なものをもらったよ…もう、大丈夫だから。……さあ行くんだ…」
「でも…」
「さあ!」
もう声にもならない叫びを彼女にぶつける。
彼女は涙をぬぐって出口に向かって走り出す。
去り際に「ごめんね…狼さん」と言う声が聞こえた気がした。

そうだ、それでいい。
君は生きるんだ。辛い過去と決別して…生き抜くんだ。
ああ、私も君に出会えてよかった。
ありがとう…私の大切な人…………さようなら……

体で抑えていた斧が私の体を撫ぜるように斬る。
私の胸に大きな切り傷ができる。
血が止まらない。ドクドクと、血が流れる。
視界がゆがんでくる。辺りから槍を持った魔物が現れる。
寄るな。最期くらい静かにしてくれ。もう何もしなくても死ぬんだから。やめてくれ。
もう体に感覚がない。痛みを感じない。何が起きてる…
目を閉じる間際、私の腹に数本の槍が刺さっているのが見えた。
それから私は静かに意識を失った。


……どこか とおくで かのじょが ないている きがした………

333 名前:名も無き作家 ◆zGQ0MrrHTw 投稿日:2006/06/09(金) 16:14:57 [ GgNBVrbs ]
目を覚ますと私は砂漠のオアシスの町にいた。
使われていないはずの建物の中のベッドに私は寝ていた。
体が包帯でぐるぐる巻きになっている。
「いっ!……つつ…」
体に傷がある。   私は生きている…?
「目を…覚ましましたか?」
部屋にいた聖職者が無理に体を起こそうとする私を諌めるように声をかけた。
「…ここは…?」
「私達のギルドが使っているアジト…のようなものと考えていただいて結構です」
その男はきびきびとした口調で淡々と話した。
「その…なんで私は生きてるんですか?」
そう言った私に、聖職者は眉間にしわを寄せて少し怒り口調で説明した。
「そんなこと、彼女が目を覚ましてから言わないでくださいよね」
聖職者が、私のベッドにもたれかかるようにして眠っている私の愛する人を指差して言った。
「彼女がこの町に戻ってきたとき、重傷を負っていました。
 私を含むギルドのメンバーがすぐに駆け寄り事情を聴こうとしましたが彼女は何をあわててるのか
 『私の大切な人を助けて…』とそれしか言わない。私達は彼女を抱えて彼女に道案内をしてもらいながら
 あなたが倒れているダンジョンまで行きました。 あなたは…もう息をしていなかった。
 メンバーであなたの周りにたむろっていた魔物を討伐した後、彼女はあなたに駆け寄り
 ただ『生きて』とそれだけつぶやいていました。
 私達が全力を尽くして治療したからか、それとも彼女の想いが伝わったからかはわかりませんが
 あなたは生きてる。  ……それでいいんじゃないですか?
 それともあなた、死ぬためにあそこに向かったのですか?」
私はその言葉を聴いて、生まれて初めて涙というものを流した。
こんな自分の身を案じて…ここまでしてくれる人がいる。その事実に私は声を上げて泣いた。

彼女が目を覚ました。
「狼…さん?」
彼女の目は泣き腫らしたのが良く分かる。
「その、ごめん。もう!…君だけ生きろとか言わない。
 ギルドの人から聞いたよ…君が俺のために走ってくれたこと。全部…聞いた」
「うん…」
「ありがとう…本当にありがとう…」
再び流れ出た私の涙を、彼女は拭い取って
「泣かないで、狼さん…やっと、一つ恩返しができたんだから…」と彼女も涙を流して言った。
「狼さん…ずっと私と一緒に居て…?……こんなこと認められないかもしれないけど…私と…」

334 名前:名も無き作家 ◆zGQ0MrrHTw 投稿日:2006/06/09(金) 16:19:45 [ GgNBVrbs ]
それから数年がたった。
私は未だに狼のままだが、私の隣には最愛の妻が居る。
かつて死にかけた私のために傷だらけの体を引きずりながら走ってくれた妻が。
もう彼女を突き放したりはしない。
彼女だけに生きてほしいとは思わない。

『ずっと一緒に、いつまでも笑って生きていたい』

そう心から思った。

                        FIN


──あとがき──
非常に長々と書いてしまって申し訳ない('A`)
まずこれを書こうと思ったのが「ウルフマンのフサフサ尻尾」
ええ、好きなんです。斜め後ろを向いて座ってるウルフマンの
フサフサの尻尾がたまらないんです(*´∀`)
ただそれだけが故にこんなに長々と…本当にゴメンチャイ。
楽しんでいただけたら嬉しいです。

ではでは!

335 名前:変な生き物 ◆YRNj1tYA5I 投稿日:2006/06/09(金) 20:04:35 [ Mfri0o4s ]
ってギャー書いた後すぐに小説打ち込んでそのまま寝ちゃったけど肝心な自己紹介忘れてるぅううううう

という訳でこんばんは
「ハァあんた誰」と思ってる貴方、始めまして
「お前サボリすぎだゴルァ」と前スレの思ってる方々、ごめんなさいコロに蹴られて反省してます

変な生き物です、コテつけたのはなんとなくです
前スレでは臭い漂う小説を書いてました、昨日書いた小説の手紙に書いてあるウルフマンも
前スレ内で「変な生き物」で検索をかけると出る、私の小説を読めばピンと来るかも
…今読み返すと序盤が物凄く雑なのであまり読んで欲しくなかったりゴニョゴミョ

今回は腹をくくって色々と下準備しました、デートの誘いが来ても断って小説書きます
最もデートの相手なんか ○おりません

今度こそ近いうちにRED STONEの小説をUPしたいと思います、では
○追伸:久々にPC起動してたらキャラ消えておりました、これが天罰というものですか神様

>> 名も無き作家 ◆zGQ0MrrHTw
楽しいというか…悲しくて切なくてそんでもって嬉しい
最高の物語をありがとうございます、というか弟子にしてください
あー、ウチのキャラ達と物語も、もっと作りこまないと…

336 名前:名無しさん 投稿日:2006/06/10(土) 03:00:32 [ W7ci29Dk ]
>>329 名も無き作家 ◆zGQ0MrrHTwさん
いいですね! 長いふさふさ尻尾!
短いながらも流れるようなストーリーに、哀愁と平穏などが色々織り込んであって引き込まれました。
テンポのいい話が書けるって、凄いと思います。

337 名前:名無しさん 投稿日:2006/06/10(土) 13:20:20 [ .ilUk8Ls ]
>>298
広場を照らしていた光が弱まり、広場には俺達以外誰も残ってはいなかった。
どうやら、さっきの光に紛れてシーフ共は撤退したようだ。
「一旦俺に預ける…か、得体の知れん奴だな」
奴が転送翼を使った時感じた魔力に似た濁った力の波動。
それは間違いなくあの時の廃坑に満ちていたもの同じ、それらが指し示す答えは唯一つ。
「始原魔…、どうにも俺はあいつらと縁があるみたいだな」
以前のハイランダー達の時も、ヒースが始原魔の一人に会っていたらしい。
もっともそいつはヒース達に協力し、ハイランダー達を操っていたのはまた別の奴らしい。
「まぁ、近いうちに実家の書庫でも漁って見るか」
古い魔術師の家系である俺の実家にはどこで手に入れたのか、禁書指定されている書物の写しが大量に保管されている。
その中の一冊くらいに、奴らに関する記述が有るかも知れん。
(さて、今はその事よりやるべき事があるがな)
そうして俺は、目の前のクソガキに視線を向けた。
月の光を受けて柔らかく輝くブロンドの髪、テイマーのトレードマークとも言ってもいいフードは被っていないようだ。
戸惑うように俺を捉えている瞳は、この地方では珍しい漆黒。
体つきは…まぁ、そのなんだ、全体的にコンパクトといったところか。
胸に関してはリリィよりは僅かにでかそうだが…。
まぁ、早い話が目の前のガキは上玉と言っても過言ではない容姿をしていたのだ。
財布をスラれた、という前置きがなければ素直に感心できただろうな。
「おい、とりあえずお前を預けられた身としては話を聞きたいところだが、
その前に俺とゲイルの財布を返してもらうか」
「……」
ジリッとガキが後ずさる。それと同時に、ペットと召喚獣もいつでも飛びかかれる姿勢をとる
いや、助けたのだから財布くらい素直に返してもらいたい。
「あぁ、逃げようとしても無駄だぞ。
 広場の出入り口に任意起動型のロックバウンティングが仕掛けてあるからな」
その仕掛けの調整のために、ゲイルはこの広場の中にはいない。
「…。少し、質問してもいい?」
戦闘体勢を崩さずに、ガキが俺に話しかける。
「あぁ、それで気が済むなら答えられる事なら答えてやる」
思った以上に長丁場になりそうなので、俺は石畳の上に腰を下ろした。
これなら、俺に喧嘩しあう意思が無いという事もガキに伝わるだろう。
「なんで…アタシを助けたの?」
「あぁ?」
「アタシを助けた理由、それを教えて…」

338 名前:南東方不勝 投稿日:2006/06/10(土) 13:20:54 [ .ilUk8Ls ]
「俺が自分で助けると決めた、さっきも言ったはずだがな」
「だから、そう決めた理由はなんなのよ!
 人間なんて、自分に利が無ければそんな事するわけないじゃない!」
「あぁ、なるほど。確かに財布を取り戻そうと考えたさ」
「…っ!」
俺のその答えが気に入らなかったのか、少女の笛が付き従う従者達に指令を送ろうとする。
「だがな!それ以上に、目の前で年端かもいかねぇガキを無理やり連れて行こうとする
 あいつらのやり方が気に入らなかった。俺は財布一つをスラれたくらいで、そんな状況を
 無視するほど、俺という人間は腐っちゃいねぇ!」
俺の声が夜の広場を震わせるように響く。
「なによ…それ、気に入らないから助けた、アタシはあんたの財布をスッタんだよ!?
 そんな相手をそんな理由で助けるなんて、あんた頭おかしいんじゃない!」
「財布をスラれたのは俺の落ち度だ。金なんざ、無くなればまた怪物共を狩って貯めればいい。
 だが、人の身はそうもいかんだろう?貯め直しが効く金と、やり直しが効かない命…。
 この二つを天秤にかけることすら俺としては馬鹿馬鹿しい」
そういった後、俺はおもむろに立ち上がり、ガキの目の前まで歩を進める。
ガキの戸惑った顔に向かって、俺はまたも自分の意思をあらわにする。
「お前が何をそんなに頑ななのかは知らんが、自分で決めた以上、俺はお前を裏切らん。それだけは絶対だ」
ガキが纏っていた刺々しい空気が僅かながらに緩んでいく。だが、その目には俺に対する疑いの色が多分に残っていた。
「…。あんたを心の底から信用した、って訳じゃないけど…。財布は返すし、あんたが知りたい事を話してもいいよ」
「これは珍しいですな。主殿が人間の言う事を聞くとは」
ガキの出した答えに、ペットの吸血鬼が驚いたような声を上げる。
吸血鬼に続いて骸骨も、カッカッ、っと笑い声のような渇いた音を出す。
だが、それらの声にはそれ以上に喜びの色が滲み出ていた。
「煩い、ヴォイド!ラグルも笑うな!ほら、あんたもぼうっとしてない!
 話してあげるんだから、せめて屋根のあるところを用意してよね!」
そう一頻り喚いた後、ガキ…少女は急ぎ足で歩き出す。
だが、何を思い出したのか急に立ち止まり俺のほうに振り向いた。
「自己紹介がまだだったわね。アタシの名前はミシェル、ミシェル・フロウエンよ」
「あぁ、そうかい。俺の名前はジャック・ウルフェンだ。
 連れの魔術師の名前はゲインハルト・S・ミネルヴァ、一応覚えておけ」
そうして俺達は、互いの名前(存在)を確認した。

波音響き月光降りたる広場にて、堕天の器は希望の一端と出会いたる。
器に潜みし堕天、未だ行く末を傍観す。

339 名前:南東方不勝 投稿日:2006/06/10(土) 13:43:32 [ .ilUk8Ls ]
やっとこ続きが書けた南東です。難産だった割には、やはり拙いorz
もう少し、寝かせた方が良かったかもしれません(´・ω・`)

>>双月さん
デュエリングにガクブルです^^;
何事も気が乗らないとろくな事にはなりませんからね

>>118さん
Gvの寝過ごしくらい日常茶飯事(ry
ジョウダンデスヨw
さてさて、エリ嬢は果たして間に合うのでしょうか?

>>21Rさん
おぉ、お久しぶりです。
また投下されに来るのを、まったりとお待ちしてます。

>>戦士のようださん
正直に言います

吹きましたwwGJwww

>>324-325
戦士と出会えた事で、少なくとも何かを得ることできたようですね。
彼女のこれから歩む道が、実り多き道であるといいですね。

>>タルタルさん
姐さん、その本名はどうかと…w
相変わらずの笑いをありがとうございました。

>>変な生き物さん
おぉ、相変わらず人を惹き付ける文章をお書きになって…
やはり、手紙の中のウルフマンは愉快なシーフを相棒にしているあの方ですか?

>>名も無き作家さん
あぁ、なんて素敵なハッピーエンド。
面白くて一気に読んでしまいました。
さて、ぜんぜん遊んでないウルフマンでも起動してこようかしらw

340 名前:名無しさん 投稿日:2006/06/11(日) 21:41:57 [ XR/ykI8A ]
SSスレと絵スレのコラボレーションなんてどうですかね?
希望者お待ちしてまする

341 名前:見学者 投稿日:2006/06/12(月) 18:35:53 [ ww4BM0IA ]
暫くぶりです コンニチハ。
お初の方には ハジメマシテ。

駄文投下の前に……。

>>340
 面白そうですね (・・*
 ですが具体的にこちらは何をすれば良いのかイマイチわかりません
 やるのでしたら是非、参加させてくださいな
 お暇があったら挿絵とかもくだs……

342 名前:見学者 投稿日:2006/06/12(月) 18:36:55 [ ww4BM0IA ]
 古都ブルンネンシュティグの中央、噴水広場にサマナーは居た。
広場のメインでもある噴水の縁に腰を下ろして、小さな手をギュッと結び膝の上に置いている。唇をキュッと一文字に結び、大きな瞳は涙を必死で堪えていた。
 古都とはいえ大きな街である。人通りの多い噴水広場には、サマナーを気にかける人間は居なかった。
 だからこそ、サマナーはここに居るのだ。ここに居れば気が紛れるから……。
 しかし声をかけてくる人間が居た。
「ここに居たのですか」
 ハッとサマナーは弾けるように顔を上げた。耳にまだ残っている声とその人物の顔が記憶に一致している。
 彼はちょっと困ったような顔で微笑んだ。
「探したんですよ、この大きな街中を……。見つかって良かった」
 隣、良いですかと言うシーフに頷きながら、サマナーは再び俯いた。
 悪いことをして親に叱られる、そんな子どものように見えた。
 さて、隣に座ったもののどうすれば良いか分からない。ただただ流れるだけの時間が、徐々に地平線を目指す太陽によって止められてしまったかのように思えた。
 先ほど戦士とやってしまった口論に比べたら随分長い時間に思える。
「あの……」
 いまだに人通りの絶えない賑やかな広場の中、聞こえるのがやっとの小さな声でサマナーがこの沈黙を破った。
「わたしを、探しに来たんですか?」
「突然走っていかれてしまいましたからね。天使様に怒られました」
 誤解しないでくださいね、決してストーカーなどではありませんから。などと冗談を口にする余裕はなかった。何とかこの子を笑わせないと。それだけで頭がいっぱいだった。
「怒られちゃったんですか?」
 そりゃもう、カミナリを落とされましたよ。
 心ではそう言えるが口には出来ない。意外と追放天使は地獄耳のような気がする。
「お厳しい方ですから。可愛い子を泣かすなと、ね」
 この一言に留まった。
 サマナーはクスリと笑ってくれた。照れたのか泣いたからなのか分からないが、頬が紅潮しているようだ。
 内心ホッとしたのは言うまでも無い。
「お手紙、サラさんでしたっけ? まだ持っているのですか?」
「えっ? は、はい。まだ持ってます」
 サマナーは荷物袋から封筒を一つ取り出した。宛先と差出人の名がきれいな文字で書かれた、水色の封筒だ。
「……でも」 
「でも?」
「お断りしようかなって」
「何故?」
 ちょっとしつこかったかな。
 シーフは口をつぐんだが、サマナーは特に気にした様子はなく続ける。
「遠そうで道に迷っちゃいそうで。まだそんなに強くないし……」
 困っているところへあのギルドマスターがやってきたわけか。あの傲慢で自己中心的な……。
 ――あぁ! ダメだダメだ! 暫くはあの人のことを忘れないと!
 気を改めてシーフは深呼吸した。なんだか首元の脈打ちが早くなってる気がする。
「私で宜しかったらご一緒しますよ。リンケンならアリアンから行った方が早いでしょうし」
「ありあん?」
「リンケンから最も近い都市です。テレポーターさんに頼めば送ってもらえますから」
「てれぽーたー……。あれ、でもお金かかるんじゃ」
 今度はシーフが小さく笑う番であった。
 外見に似合わずそういう所だけは気にかけるのだから。
「そのくらい出しますよ。さぁ、日が暮れてしまいます。行きましょうか」

343 名前:見学者 投稿日:2006/06/12(月) 18:45:43 [ ww4BM0IA ]
うぉぉぉぉ アンカー入れ忘れた orz
1st>>267  2nd>>268  3rd>>309  4th>>310

 テレポーターは古都のオベリスク付近にいつも立っている。二人はそのオベリスクに向かって歩いている。途中、露店に目を奪われ立ち止まってしまったり、まるで見当違いの方向へ歩いてしまうだけでもサマナーを連れて歩くのは大変だった。
 だが、それより何より歩幅から歩くスピードから全く違うのだ。気がついたらいつの間にか二人の間に距離が出来ている。
 本当にまだ古都に来て日が浅いようだ。そう認識するまでに時間はかからなかった。
 もうすぐにテレポーターのいる現場に辿りつく。サマナーの歩幅に合わせてゆっくりゆっくり歩いて来たこの道がやたら長い道のりに思えた。
 手紙を届けたらゆっくり体を休めよう。シーフの注意がサマナーから一瞬離れたその瞬間だった。
「うぉぁッ!?」「きゃっ!」
 突然街角から人影が飛び出して来たのだ。それは好奇心からシーフの前を走り出したサマナーにぶつかり、彼女は後ろにひっくり返ってしまった。
「痛ぁ……」
「大丈夫ですか? 突然走り出したりするからですよ」
 サマナーの腕を抱え、よっこらせと立ち上がらせる。
「危ねェな! ちゃんと前見て歩け!」
「何を言ってるんですか! 貴方こそ不注意だったのですから――」
 シーフはその人物に噛み付いたが、相手の顔を見るなり呆然としてしまった。相手もシーフ一点を見たまま黙り込んでいる。
 一瞬の間。
 サマナーはシーフと、そして目の前に立っている男とを見比べた。
 身長や服装こそ違うものの、その顔は殆ど一緒。その二人が互いの顔を信じられないとでも言うかのような表情で見ていた。
「兄さん……」
「お前、何してんだよこんなトコで?」
 どうやら彼はシーフの兄らしい。なるほど、よく見ればどこか似ている。しかし相手側の方が身長が高いし体つきもがっしりしているようだ。
 二人の違いはそれだけじゃない。シーフが白と黒の衣服なのに対して、兄の方はその衣服にオレンジのラインや黄色い装飾が施されていた。その衣服のデザインは同じだが兄の方が明るい彩色がされていた。
 シーフは兄と目を合わせたくないらしく、つい、と視線を逸らした。
「別に何だって良いじゃないですか。貴方こそ何故ここに? また誰かに振られて傷心でも癒していたのですか」
 シーフはトゲを含んだような言い分だったが、相手に言葉はまるで聞こえて居ないらしい。兄は興味津々な顔をしてシーフとサマナーを交互に眺めると、くつくつと笑い出す。
「何が可笑しいのです」
「え、なに、お前いつから幼女好きになったんだよ? モテないからってさァ」
「違いますよ……。頼まれたんです、彼女の請けた仕事を手伝ってくれとね。私は別に貴方みたく女性を追いかけたりしませんから」
「俺が追いかけてるんじゃねェよ。向こうが追いかけてくるんだよ」
「職業を『武道家』から『自信家』に変えた方が良さそうですね」
 どうやらこの兄弟は仲がよろしくないらしい。
 視線を合わせようとしなかったシーフも、元より喧嘩腰の武道家も、互いにギリギリとにらみ合っている。
 そんな二人に挟まれて、サマナーは居心地悪そうに身を縮めた。
「俺、お前のその生意気なトコ嫌いだよ」
「やぁ、気が合いますね。私も貴方のその自信過剰なトコが大嫌いです」
 シーフの手がこっそりと短剣の柄に触れた。と殆ど同じタイミングで武道家の装備された爪が夕日に反射した。
 このまま喧嘩させてはダメだ。
 おずおずとサマナーは口を開いた。
「あの……」
 この状況をなんとかせねば。だが不仲な兄弟に同時に振り向かれて、サマナーは再び口ごもってしまった。

344 名前:リ・クロス 投稿日:2006/06/13(火) 14:57:50 [ kcso0oWI ]
前スレ>>986 >>39 >>56 >>69 キャラ紹介>>38
>>100 >>147 >>178 >>247
スコールの周りに風が集まってくると
白いオーラに変わって体が包まれた。

「ニムラスか・・・、少しは楽しめそうだな。」

少女はそのクリスタルの様な髪を掻き揚げると
その可愛らしい容姿に似合わない甘美な笑みを浮かべた。
その気迫に押されながらも、睨みつけると、両手に持った大剣と爪を構える。

「汝の相手はこいつが良いだろう、shadow of the soul summoning」

少女の真上の空間に亀裂が走っていき、2本の骨の腕が空間を押し広げて姿を現す。
英霊騎士団が装備しているプレートメイルがそれにも装着されている。

「こいつは英霊騎士を取り込んだようだな。」

少女から目の前に現れた巨大な影に目を移した。
それは空間から血に染まった巨大な曲剣を取り出すと
自分の手から生み出した暗黒の炎でソレを包み込み、中段に構える。

「(シャドウソウルでこのプレッシャーだと・・・、そういうことか。)」

「気づいたようだな・・・、これはガイスターストックだ。」

少女がそう言った瞬間に古都の方角から爆音が響き地震が起こった。

「何だ!?」

「能書きはこの辺にしておこう、行けっ!」

シャドウソウルは空中に浮かび上がると、ガイスターストックを水平に薙ぎ払った。
その軌跡は刃となって、スコールに降り注いだ。

「ソニックブレードかっ!」

大量に殺到する風のの刃をサイドステップを使って回避しながら
シャドウソウルの真下に潜り込むと勢いよく切り上げる。
しかし寸前の所で避けられてしまい、空いた左腕が炎に包まれ
切り上げた反動で硬直しているスコールに殴りかかった。

「チッ!」

左腕のクローで受け止めると、そのまま突き飛ばして間合いを空けて
一歩足を大きく前に出して、思いっきり突きを放つ。
突き飛ばされた反動で硬直していたシャドウソウルは
回避できないと悟ったのだろうか、左腕で突きを受け止める。
だが勢いを相殺しきれずに腕が砕け散った。

「グァァァァ――――!」

垂直に振るわれたガイスターストックの横に回し蹴りをして軌道をずらし
そのままの勢いで回転して垂直に剣を振り上げる。

「はあぁぁぁぁ!!」

スコールが怒号を上げた瞬間に剣に眩いほどの光に包まれる。

「ディレイ――――グラッシングッ!!」

鈍い音を発しながら次々と大剣が何回も振り下ろされ
最後にコア部を突き刺して粉砕する。

「・・・――――!!!」

断末魔の叫び声を上げるとそのまま爆裂して
シャドウソウルの体から瘴気に汚染された水が噴出した。

「しまった!ク・・・アァ・・・ッ!」

汚染された水を浴びた足が動かなくなり、激痛が走った刹那
目の前から現れた黒い影に殴り飛ばされて岩に激突した。

「汝の驚異的な再生、浄化能力は排除させてもらったぞ?さぁ・・・もっと苦しむが良い。」

少女の表情は楽しそうに遊んでいる子供の様に無邪気で
またどこまでも非情で残酷であった。

345 名前:リ・クロス 投稿日:2006/06/13(火) 14:58:49 [ kcso0oWI ]
上げてしまったOTZ

346 名前:リ・クロス 投稿日:2006/06/13(火) 15:00:22 [ kcso0oWI ]
上げた上に間違ってるし・・・
裸でモリネル行って来ます・・・

347 名前:タルタル 投稿日:2006/06/14(水) 12:00:51 [ hfUQyDik ]
「あねさんシリーズ」
第一話 >>248 >>249 >>251
第二話 >>258 >>259
第三話 >>326

第三話 その2

「で?ヘッジじゃなくて私自身を呼び出すほどの依頼って?」
いつもならあねさんは自分で依頼を受けることはない。理由はめんどくさいからだそうだ。
いつもは私がアリアンギルドなどから依頼されるのだが、今回依頼した我がネタキャラギルド
副マスターは直接あねさんに頼みたいと言う。
いつものあねさんならそれでもめんどくさいといって行かないのだが、今日はたまたま機嫌が
よかったようで不満のひとつも言わなかった。
さて、そのネタキャラギルド副マスターは筋肉質ではなく、痩せているが二メートルぐらいはあ
るかという身長であるためひ弱に見える。(実際筋力はそう高くないらしい)性格は公明正大で実直で
口ぶりは誰にでも丁寧。職は追放天使。ネタ技はエバンジェリズム。
ぶらり気のまま一人旅に出たまま行方不明の二代目ギルドマスターに代わり、能力的にも性格的に
もアクの強いこのギルドで一切の雑用、もとい事務をしている。よく言えば誰にでも信用されるいい人で、
悪く言えばまじめちゃんだ。本名はなぜか不明でみんなからは職業上副マスと呼ばれる。
「アリアンのグレゴリー・ロッド、知っているな」
「ええ」
先代はかのセスナとともにアリアン開発の初期グループの一人で、町が大きくなるにつれて倉庫を銀行に発展させ、
それが今では、アリアン一の金持ちだ。今は二代目だがその手腕は先代もをこえ着々と私腹を肥やしている。
「そのグレゴリーがなにか? 莫大な財産でも盗んでこいと?」
「いや、別に悪いことはしていないからな。あの財産はあくまで彼の物だ。盗んでもらいたいのは彼の心だ」
「は?」
「つまり結婚しろということだ」
「……。はい?言っている意味がわからないのだけど」
さすがのあねさんも呆然と立ち尽くす。それは私も同様だった。そんなことなど露知らず彼は続けた。
「一応表向きにはアリアンとリンケンの同盟強化のための政略結婚となっている」
「この時代に表向きで政略結婚なのね。じゃあ裏向きは?」
「あまり大きな声では言えないが、はっきりいえば人身売買だ」
あんた、はっきり言いすぎだよ。普通本人の前でそういうこと言うか?しかも人身売買って、意味わかって言ってます?
「で、何で私が身売りされなきゃいけないの」
「あちらが君を気に入ったからだろう。性格は粗暴、全身赤とそして貧乳と、
信じられんことだがな。ともかく理由は純粋な愛だよ。問題あるまい」
と、普通の人は思うようでブルネなどに行っても特に見向きもされないが、
実はアリアンギルドの筋肉馬鹿たちにとってはあねさんは絶大なる人気を誇る。
おそらく細かいことを考えないさばさばした性格が馬鹿たちには好まれるのだろう。
「……まあいいわ。で、まさか私がそれを受けるとでも思っているんじゃないでしょうね」
あねさんに貧乳と言って被害を受けないとは。どうしたんだあねさん。やっぱりとんでもない依頼でおかしくなったのか。
「もう前金はもらってしまったからな。断れん。五億Gだぞ。さらに正式に決まったときはお祝い
と称してさらに二十億Gもらえる予定だ。ふっふっふ」
「私の体は二十五億Gなのね。ふうんけっこう高いわね」
違うだろ、ばしぃ。と思わず心の中で突っ込んじゃったじゃないですか。何納得しているんですか、あねさん。
「仕方ないのだ。知ってのとおりこのネタキャラギルドは人が少ない。財政面では常に問題がある。今でもアリアンと連携してなんとかという所だ」
このギルドの人数は今二十人といったところか。別に少なくはないと思うのだが。問題は能力だけでなく性格もネタキャラである人が多いためだ。
ギルドに入っているという自覚がない人も多く現ギルマスを筆頭に旅に出たまま行方不明の人も少なくない。みんな自由なのだ。
「そのために私に犠牲になれと?」
「ギルメンがギルドに尽くすのは当然だろう」
まさに当然といった面持ちで副マスは答える。
「……あんた、なんか性格変わった?」
確かに変わった。それだけ副マスにかかる負担が大きいということだろう。今のネタキャラギルドの中でこの人しかこういう事務はできまい。
まじめだけでは生きていけないということか。
「とにかく話はわかった。考えておくわ」
「決定事項だぞ、ネサン。もう貰ってしまったんだからな、もう借金返すのに使ってしまったんだからな」
副マスは去るあねさんの背中に必死に何か言っていた。
大変そうだね、管理職は。

348 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/06/14(水) 21:49:49 [ 2AEowAD2 ]
みなさん初めまして。最近このスレを見つけた者です。
自分はこういう書き物は大の苦手ですが、みなさんのSSを見て自分も書いてみたい
という衝動に耐え切れずお恥ずかしながら駄文を載せていただきます。

349 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/06/14(水) 22:01:56 [ 2AEowAD2 ]
すいません、載せようと思ったのですが自分のPCの性能が悪くて文章10行くらいでも
載せられません。もうちょっと軽い時間帯に出直します。
無駄にレス増やしてすいませんでした・・

350 名前:タルタル 投稿日:2006/06/16(金) 16:38:06 [ hfUQyDik ]
>>南東方不勝さん
いい人ですね戦士さん。人間ができてます。
この人がこの後どういう物語的役割するのか楽しみです。
どう見てもキーパーソンだったガギエルを差し置いてここに出すとは、自分にはできない芸当です。
相変わらず読みやすい構成で感心します。

>>名も無き作家さん
いい話ですね。無駄な設定がなく、わかりやすい。それにハッピーエンド。
あのまま狼死んだりしたらどんな批判書いてやろうかと思いましたが、心温まるハッピーエンド
で心が和みます。こういう単純だけどいい話、実は泣けます。

>>見学者さん
相変わらずかわいいですねサマナ。(w)いや別に書くことないわけじゃないですよ。
本当にかわいらしいです。純情そうで小さくて。自分もこんなキャラを書きたいな、うん書こう(パクリ?)
>>340
絵スレ見たいんですがどこに絵があるのかわかりません。教えてくれたらうれしいです。
コラボは面白そうですね。

>>ゆずみかんさん
がんばれPC。

351 名前:タルタル 投稿日:2006/06/16(金) 16:39:47 [ hfUQyDik ]
「一発ネタシリーズ」
ひゅん。
どごん。ばた。
「何だと?」
俺は量産型剣士。いつものようにアルバB2でPTに入り狩をしていたのだが。突然脇を何かが通り
抜け隣にいたビショに当たる。長身で浅黒い肌と普通だが、髪はビショにしては珍しく金髪だ。
厚い鎧の為、体形はわからなかったが腕や足を見ると筋肉質なのがわかる。装備は標準のもので使い古された物のようだ。
腕には盾のみが装備されている。表情は明るく、回復、支援を同時にしながら、ムードメーカー
もする、ありえない器用さで場を盛り上げていた。もちろん本職の回復は完璧だ。
俺が赤ポを使わなければならない事態になどならなかったのだから。
「ビショを一撃で倒すとは、ってこれは赤ポじゃないか」
彼は打たれ強かった。その自称防御効率LV9の鎧と手だけでなく足の指まで付けてあったクエレ
ザ、そして健康極を思わせる豊満な筋肉。
「俺ってさ、足までクエレザ付けてるから」
といって笑って靴脱いだそのビショは今、地に倒れていた。頭から血を流して。
そして彼の笑顔を奪った赤ポはその破片をばら撒いて、粉々になっていた。本来傷を回復させる
赤い液は今ビショの血と混ざっている。
「ああ、ビショさんが」
「早く戻ってきて」
PTの面々は自前の赤ポをかぶ飲みしながら言う。
その赤ポがビショの命を絶ったというのに。誰だ、一体誰が。
「ああ、間に合わなかったようですね、剣士様、私はまた、助けられなかった」
「小春さん、仕方ありません」
小春と呼ばれたプリンセスはビショの脇に座り、静かに祈る。彼女は兵士とは考えられない
ような装備をしていた。鎧は装備せず、俗にウェディングドレスというものを着ていた。
何故かビショと同じように首からは十字架をかけている。手だけは白い装飾がされているがガン
トレットを付けている。しかも背中にはウサギの形を模ったリュックを背負っ
ている。年は十代後半と思われる。背は低め、髪は黒、幼顔だが、異常に筋肉があり、それが成
長を遅らせているのではないかを思われるほどである。もうムキムキである。
剣士と言われた男は無表情でプリンセスの脇に立っていた。年は二十代前半だろうか、髪は短く
黒い。顔はなかなかに男前であるが、無表情故だろうか、怖いという雰囲気がある。
装備は鎧を着けていない以外は普通の装備である、そもそも狩場に鎧を着けてこないことは異常だが。
一メートル九十はあろうかという長身で、背の低いそのプリンセスと並ぶと巨人のように見える。
「あんたたちは、うおっ」
突然隣にモンスターが沸いた。二人に気を取られていたため一瞬気づくのが遅れ、その一撃をま
ともに受けてしまう。倒れた瞬間、そのモンスターは止めを刺すためその腕を俺に、っと味方
のランサーの一撃でモンスターは倒れる。何とか助かったか。しゅん、ぱこん。ん? なんだ?
「くっ、なんだ? これは赤ポ?」
ランサーの頭に直撃したその赤ポは音を立てて割れた。ランサーの頭に触れた右手は血で染まっていた。
ひゅゅゅゅゅゅゅ。ばこここここここぉぉぉ、ばたばたばたばたばた。
突如降り注ぐ赤ポの攻撃、それはマシンアロー以上の速度で降り注ぎ、次々とPTのメンバーを殲滅した。
「俺だけが助かったのか?」
瀕死のダメージを受けたPTの面々は町にワープする。残った赤い液体がまるでここが多くの人間
が惨殺された現場のように思わせた。
俺は立ち上がる。そして赤ポが飛んできた方を見た。
「また、間に合わなかった」
「大丈夫です、彼らは町にワープしましたから」
そこにいたのは先のプリンセスと剣士だ。プリンセスの手には赤ポの壷が。
「お前らか、お前らがやったのか」
俺は剣士に近づき、その胸倉を掴んだ。
「なにがだ?」
「赤ポで攻撃してきたのはお前らかって聞いてるんだっ」
「違います、私はただ回復しようとしただけです」
プリンセスが俺を止めようというのか俺の鎧をつかむ、っお、ばご、どがん。そういえば筋肉ムキムキ
だったっけ、俺は惨めにも片手で叩きつけられた。
「なんだと?」
助ける? 俺はとりあえず立ち上がる。プリンセスは今にも泣きそうな表情でいう。剣士は無表情
のままだ。
「ポーション投げだ」
剣士は俺に掴まれた事等なかったようにただ事実を伝えるように言った。
「ポーション投げだと?」
聞いたことがある、プリンセスの回復技だ。確かポーションを蒸気状態にして振りまくとか。
「……って、何でそのまま投げてんだよ、蒸気状態にして振りまくんだろ」
俺はプリンセスに詰め寄る、プリンセスは驚いたように俺を見て、そして剣士を見る。
「そうだったんですか?」
「そうだったらしいな」
剣士も多少驚いたように言った。
………………。

終わり

352 名前:名無しさん 投稿日:2006/06/16(金) 17:54:16 [ vAnUR8AI ]
http://heki.s54.xrea.com/item_asobi2.php?grfc=212&name=%83X%83e%83B%81%5B%83%8B%83%8A%83%8A%83B&u=1&el1=%8DU%8C%82%97%CD%81%40%7B%7B80%7E99%7D%7D%81i%7B%7B1.00%7D%7D%95b%81j&tx1=%82%C6%82%A0%82%E9%83M%83%8B%83h%82%CC%83%7D%83X%83%5E%81%5B%82%AA%8F%F1%90E%90l%82%C9%93%C1%92%8D%82%C5%8D%EC%82%E7%82%B9%82%BD%8D%7C%82%CC%8F%F1&lv1=%E1%92%E1%9B%81%40%5B%5B300%5D%5D&jo1=%5B%5B%94%AD%92%8D%82%B5%82%BD%96%7B%90l%5D%5D&el2=%8E%CB%92%F6%8B%97%97%A3%81%40%7B%7B90%7D%7D&tx2=%8F%F1%82%C9%82%A0%82%E9%82%DC%82%B6%82%AB%94j%89%F3%97%CD%82%F0%8E%9D%82%C2%82%AA%81A%82%BB%82%CC%95%AA%8Fd%97%CA%82%AA%92%CA%8F%ED%82%CC%8F%F1%82%C6%82%CD%94%E4%8Ar%82%C9%82%C8%82%E7%82%C8%82%A2%82%D9%82%C7%8Fd%82%A2%81B&el3=%83_%83%81%81%5B%83W%81%40%2B%7B%7B250%7D%7D%81%93&tx3=%82%BE%82%AA%81A%94%AD%92%8D%82%B5%82%BD%96%7B%90l%82%A9%82%E7%82%B7%82%EA%82%CE%82%B1%82%CC%8Fd%82%B3%82%C5%82%E0%93%C1%82%C9%96%E2%91%E8%82%AA%96%B3%82%A2%82%E7%82%B5%82%A2%81B&el4=%8C%88%92%E8%91%C5%94%AD%90%B6%8Am%97%A6%81%40%2B%7B%7B100%7D%7D%81%93&el5=%96%BD%92%86%97%A6%81%40%2B%7B%7B100%7D%7D%81%93&el6=%8DU%8C%82%91%AC%93x%81%40%2B%7B%7B150%7D%7D%81%93&

前スレにあったあのお方の杖を…
ごめんなさい、死にます

353 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/06/18(日) 12:55:54 [ lzLqKbOs ]
大陸の南東に位置するロマ村。そこには数々の優秀なビーストテイマーやサマナーの出身の地である。
その中でも飛び抜けて優秀な才能を持つ2人の夫婦がいた。
男の方の名はライアス=ノックス、銀色の髪の毛、整った容姿、がたいのいい体。職業は剣士で、
生まれつきの才能でテイマーの能力も持っている。ペットは人間に付くには珍しいエルフ暗殺者の
スナイ(冒険の途中で出会い戦いの中で男の友情というものが芽生え相棒になったらしい)
一方女の方の名はリリア=ノックス、綺麗な金色の髪の毛、整った容姿、細身の体。職業はテイマー/サマナーでペットは2匹のファミリアを連れている。
8年前この2人の間に1人の男の子が生まれ、その2年後に女の子が生まれた。
それから6年後―――今はその子どもも8歳、6歳と特に何の問題もなく健康に育った。
誰でさえこのような平和な日々で一生を過ごせると信じていた………



「父ちゃーん!たまには遊んでよお〜」「遊んでよぉ〜」
まず始めに声を弾ませて父親に遊ぼうとねだるのはライアス達の長男ルイス=ノックス、そしてルイスに続いてねだるのは長女エミル=ノックスである。
「なんだ朝っぱらから…今日はダメ〜、畑仕事するから」
そう朝食のパンを頬張りながらライアスが面倒臭そうに言う。
「えぇ〜父ちゃんいつもそればっかり!」「ばっかり!」
「そんなこと言ってもなぁ、ただえさえ家は貧乏なんだ。それに良く食うやつが俺を含めて3人…ちょっとは母さん見習って食う量減らせよ」
そうこのロマ村では金など必要ないのだ。いや、金がほとんどないのだ。ここは村長でさえ金をほとんど持っていない。
したがって生活方法は自給自足になる。
「まぁまぁ、たまには遊んであげなさいな。今日は私1人でやりますから」
そう言いながらおかずの野菜を持ってきたのはルイス達の母親、リリア=ノックスである。
「はぁ〜しょうがないなぁ…じゃあ午後から遊んでやるよ」
ライアスが面倒臭そうに言う。
『やったー!!』
珍しく2人声を合わせて言う。
「すまんな母さん…」
「いえいえ」
さすがのライアスもリリアには顔が上がらないみたいだ。
「よーしお前ら!何して遊びたい?」
「えーと、えーと…そうだな…じゃあ冒険ごっこ!」
ルイスが声を張り上げながら言う。
「そうか。エミルは何かしたいのあるか?」
「私も…それでいい」
今更言うのも何だがルイスはどこにでもうそうなヤンチャ坊主である。その対照的にエミルは人見知りが
激しく控え目である。顔はルイスはライアスの、エミルはリリアの血を引いているようだ。
「んー…じゃあ久しぶりに村の外行ってみるか」
『やったー!』
「よし!そうと決まったらお前ら今のうちに準備…」
「たたた、大変です!!!!!!!!!!!」

354 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/06/18(日) 13:33:13 [ q8nMzR1g ]
『!!!!!!!!』
ライアスが言いかけた途端、村の住民が大声を上げた。
「どうした!?」
ライアスがその村人に言い寄る。続いて他の村人も出てくる。
「モモモ、モンスターが!!村の近くに!!」
「まぁまぁ…まずは落ち着きなされ」
「村長…」
その村長と呼ばれた男は大きなローブを身にまとい、髪は白髪混じりで短く、長い髭を垂らしている。
年はおそらく40-50前後だろう。
「さて…何がどうしたのかな?落ち着いて言ってみなされ」
「それが………」
なにやらこの村の近くに大量のモンスターの群れが近付いているらしい。それにもうかなり近くまで寄ってきているそうだ。
「うむ…大変なことになったなぁ…それに今までこの村に近づこうともしなかったモンスターがなぜ今更…
仕方がない。君、このことを村中の住民に報告してくれんか?そして戦える者は戦闘の準備じゃ。そしてその内の半分は村の護衛をするよう頼んできてくれ。
大至急じゃ!」
「は・はい!!」
村人はそう言うと一目散に駆け出した。
「すまんがライアス。君はモンスターの方に回ってくれないか?それとリリアもじゃ。恥ずかしい話だが
君らがいないと話にならないのでな…」
「やっぱりそう来ると思いましたよ。了解!…すまんな2人とも。遊ぶのは明日だ」
『絶対だよ!』
「ああ!」
そう言うとライアスも駆け出した。いつもやる気のなさそうな顔をしているライアスも今は違った。相当一大事らしい。
この村ではライアスもリリアも村長も生まれる前に強大なモンスター達と村を上げて戦ったらしい。
結果はなんとかロマ村の優秀なテイマーやサマナー達の活躍もありモンスター達を追い払った。しかしその被害は少なくなかった。
そしてその中心であった巨大なモンスターを近くの洞窟で封印したらしい。
今でもそれはどこかに隠されているそうだ。それからというもの、モンスターは近付かなくなった。
「…………君達は、すぐに避難したまえ」
村長は前村長から聞いた代々伝わっているその話を思い出していたが、何が起こったのか
よく分からずに戸惑っていたルイス達を見てふと我に返った。
「でも……父ちゃんたちが…」
「大丈夫じゃ。ああ見えてもライアス達は村一番の戦士じゃ。心配は無用じゃ」
村長はその優しそうな声でルイス達に言った。
『う…うん!』
「それじゃあわしと一緒に行こう」

プロローグ1―親子 Fin

355 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/06/18(日) 13:37:37 [ 2AEowAD2 ]
PCでどうしても書き込めないので携帯からの書き込みになりました・・
なので誤字などが良くあるかもしれませんが許してください・・・
それにこんなくだらない文章載せてしまって後から後悔・・・(笑)みなさんの腕が羨ましいです。
いちようプロローグみたいなものですがものすごく長くなりそうな予感&本編考えてませんorz

356 名前:かーど 投稿日:2006/06/18(日) 17:27:54 [ qhlN9RpY ]
涙で視界が歪められても、息を切らしながら追い掛けるヴィジョンが消えない。




ここからは戦場だよ。そして君はもう脇役なんだよ。

もう一人の自分が、そう話し掛けてくるような暗示。
ここでは私は、主役じゃない。


先輩の大きな背中を、まじまじと見つめる。自分が小さいと自覚した。

風は程よく吹いていて、空気は春先のように柔らかく、重い。
太陽は照りつけるが暑くない、ここは競技場、隔離施設、墓地、復讐の戦場。
名を、クロスカウンター、崖と湖と気持ち程度の植物と小屋が存在する場所。


脳内へ直接叩き込まれるような開始の合図に、火、光、風、様々な魔法が唱えられそれぞれが元素の力を授かる。



「進軍」


マスターの言葉を皮切りにし、待ってましたとばかりに総勢20名超過の軍は動きだした。
最後尾につき、背中を追い掛ける。


足音が響く中、この時間が無限とも思われる緊張から来る錯覚。
しかし途端に空から、凍てつき身体を引き裂く矢が降り注ぐ。


敵襲だ。味方の中で視線が何重にも交差される。

私は素早くその場を離れ、一番前へ。目当ては混戦の中で活躍する事じゃない。




前には、彼女が居た。


四方八方へ、素早く機敏に飛び回り、敵兵を薙ぎ倒す。
白く光る刃に、研ぎ澄まされた眼光、その強さ、全てが想像以上だった。
この人が、自分と同じ武器を手にしているのか、とても信じがたい光景。
自然と、槍を持つ手に汗が滲む。

そうして、惚けている自分の後方から、自軍は次々と援護に駆け付けてきた。


ここは戦場だと自分自身を叩きなおすが、気がつくと、何故か涙が流れていた。
必死で、その姿を追った。周りの残骸に足をもつらせて転んだが、すぐに立ち上がる。
息が続かない、頭が回らない、汗が、涙が溢れて止まらない。
弱いだの、小さいだの、足手まといとか、そんな言葉しか浮かんでこない。


痛い。
振り向いた。





「遊びじゃないゲームでしたよ、やっぱりやられたし」

明るい口調だけれど、それはわざとで、凄く心配した電話の相手を心配させないためだ。

「でも、強くなって戻りますよ、しっかり勉強してきますね」

こっちの人には迷惑しかかけられないけどね。これは心の中の声。

受話器の向こうからは、分かった、期待して待ってるから、がんばれ。との事。
この応援は、心から言っているのだろうか。つい勘繰ってしまう癖がある。身内を信じられない自分に、少し自嘲した。

時計を確認し、そろそろ会議の時間だと告げて、会話は終了。

カチン、と受話器を置いて、部屋に向かうが、自然と足取りが重くなる。だって自分は今回一つも良い所が無かった。
それは実力以上の場所にいるのだから当たり前なのだろうけど、それでもあの様は無いだろう…。
頭を抱えたくなったが、ここは開き直って、修行するべきだ。
元々ネガティブな性格だけど、そんな我侭でギルド全体の士気を下げるわけにもいかない。

長いため息で、次への期待を取り戻す事にした。





---------
一応区切り線で、新参…というか気が向いたときにまたお邪魔させていただく気でいます。
誤字脱字あっても見逃して下さい。

357 名前:かーど 投稿日:2006/06/18(日) 17:32:47 [ qhlN9RpY ]
連投申し訳ないですが…表現直しを…orz

>凄く心配した電話の相手を心配させないためだ。
の部分を、

凄く心配していた電話の相手を、安心させるためだ。

に変更で。。。明らかに蛇足ですが、今度こそまた、ということで。

358 名前:南東方不勝 投稿日:2006/06/18(日) 21:52:31 [ .ilUk8Ls ]
>>97,>>113-114,>>138,>>143,>>149,>>166,>>176,>>218-219,>>227,>>246,>>261,>>298,>>337-338
閑話 >>167

広場でジャックさんと財布をスッた犯人…ミシェルさんと合流した後、彼女の要望に応えるために僕の実家に向かいました。
「へぇ…。アンタ、ここの宿屋の人だったんだ。わざわざ、冒険者やらなくても稼げるじゃない」
「貴女からすればその選択が最良でしょうね…」
「なんか棘のある言い方ねぇ…。自業自得だけどちょっとムカつく」
「…。人に激突した挙句、財布を取るような人にこれ以上の言葉がありますか?」
「とりあえず、中に入ってから罵り合え」
険悪な雰囲気になりつつあった僕達の間にジャックさんの呆れた声が割り込みます。
確かに、宿の入り口の前で言い争いをしてしまっていたら迷惑になってしまいます。
「えぇ…。そうですね、ここで言い争ったって何も得るものはありませんからね」
「アンタが望むなら、アタシはいつでも受けて立つわよ。ここでやり合わないってことは同じだけど」
彼女の挑発を無視して、ドアノブに手をかけ扉を開きます。
開いたドアから僕達の目に飛び込んできた光景は

ゴガシャァァァァァ!ズドドドドドドドド!!ガガガガガガガ!!!

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
宿屋の中とは思えない、3VS1の戦場でした。

「なんだぁ、この騒ぎは?」
宿屋のドアを開けたら、そこは爆音響く激しき戦場。
攻め手は3名。
「お待ちなさい、このスケベ!」一人は特注の杖を振るい、
「この…、エロガッパ!!」一人は精密すぎる照準で魔弾を打ち放ち、
「殺す、この出歯亀は絶対殺したる!!!」一人は己の爪で執拗に斬撃を繰り出していた。
それに対する守り手は一人、「不沈艦」の異名を持つ頑健な剣士。

ガッガッガッ!ドスドスドス!キィンキィンキィン!

「うおわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!????落ち着いてくださいって、お嬢さん方!?」
振り下ろされる杖と爪を盾と剣で弾き、迫り来る魔弾はあえてその身に受けていた。
「まぁ、避けたら壁に穴が空くもんなぁ…」
ここまでの集中砲火を受けて平気なあいつの硬さに脱帽だ。
「えぇっと…。これって、どういう状況?」
ミシェルが一番近くにいた俺に問いかける。
「あぁ、そうだなぁ…」
執拗に攻め立てる3人組の顔色は赤みを帯び、頭髪(一名は体毛)は水気を帯びて灯りを柔らかく反射している。
ギャラリーの声援、特に女の声援はリリィ達の方に向けられている。
対する男達は一応、リリィ達に声援を送っているようだがその場凌ぎの感が拭えない。
むしろ、彼らの瞳はダニエルの鞄へと向けられている。
よくよく見ればリリィ達も、隙有らば奪わん、とばかりの勢いで鞄を狙っている。
「そうだな、大方ダニエルが…」
俺がミシェルに答えを教える前に、
「騒がしいな、何かあったのか?」
「うわぁ、スティールリリィ振り回してるよ…」
今後の戦線を左右する二人が姿を現した。

359 名前:南東方不勝 投稿日:2006/06/18(日) 22:32:12 [ .ilUk8Ls ]
>>358
「おぉ…、ヒースにギル。風呂上りか?」
「ジャック、今戻ってきたのか」
「兄貴おかえり〜。でも、もうとっくに飯の時間すぎてるよ。リリスも怒ってたし…」
ヒースは頭をタオルでガシガシと拭きながら、ギルは手に牛乳を持ったまま俺に応える。
「で、この騒ぎは何だ?アニーがあそこまで怒る事は、そうはないだろう?」
「リリスの方も、あんな勢いであの杖を振り回すのは1週間に1,2回くらいだよ?」
いや、むしろレナの方に反応してやってくれ。自分の女が心配なのは分るが…。
「あ〜、ヒースさんにギル君。暢気に風呂上りの余韻を楽しんでる場合じゃないですよ〜」
ゆっくりとした口調で、ギルドメンバーのランサーが二人に話しかける。
「「なにがあった(あったんだい)?」」
「え〜っと、ダニエル君がマスター達のお風呂を覗いたんですよ〜。しかも〜、カメラ持参で」
「「!!!」」
ランサーの言葉を聞いた二人から、なにやら非常に冷たい空気が流れ始める。
「二人ともどうしたの?」
二人の尋常じゃない様子にランサーが不安げに声をかける。
「ふふふふふ。そうかぁ、覗いたんだぁ…。人の彼女の裸を見たんだぁ…」
「あ、あのギル君?」
「心配ないよジェージェーさん。うん、ノープロブレム」
実に晴れやかな笑顔で答えるギル。だが、その手に持っているブラックソーンはなんだ?
「ジェージェー嬢…」
「は、はいぃ!?」
いつもより低いヒースの声色にびっくりしながら彼女は応える。
「別にあの低脳な剣士を主の下に送っても構わないのだろう?」
「ふ、ふぇ!?た、確かに覗きはいけないと思いますけどぉ…」
「あぁ、それだけで充分だよ。行くぞ、ギル」
「行かれますか、ヒースの旦那」
かくして、漢の浪漫を実行した者が耐える戦場に二人の修羅が参戦した。
「行くぞ」
「えっ、まだ見ててもいいでしょう?ていうか、アタシは見たい!」
「見てても結末は見えてるだろ」
むぅ、と不満そうに頬を膨らませながらミシェルが俺の後についてくる。
「とりあえず奥の食堂にでも行くぞ。ゲイル、先に食堂に行ってるぞ!」
分りました、というゲイルの声を背に食堂へと続く扉を開け、中に入る。
扉が閉まる直前

「いや、ちょ…ま!?ホールドパーソンは勘弁してください!防御できないじゃないっすか!?
え、防御したら主の下に送れないだろうって?ははは、冗談っすよね…?OK、話し合おう!
だからギル、その物騒な手裏剣と構えを解いて…。ほら、お嬢さん方も話し合いましょうよ?
………。すいません!俺が悪うございました。だから、このまま緊縛で袋叩きだけは……




ぎにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

360 名前:闇鍋 ◆BJrn0PVLEM 投稿日:2006/06/19(月) 20:37:19 [ zK.vW4FU ]
自分の駄文がいかがなものか、ほんの少し投下しようと思います。
それでは、スレ汚しですがどうぞ。

「クエストPTはスリリング」(先行版)

 ・・ここに来たのは随分久しぶりになる。相変わらずこのすえた臭いは俺の鼻に容赦がない。
もっとも、ここでまともに狩りをしていたところで経験値が稼げるわけでもなく、
ほんの気まぐれ──そう、ほんの気まぐれでフラリと寄ってみただけだった。
 普段は呪いの墓(あそこも死臭が酷いもんだ)で狩りをしているせいか、
こっちのネクロマンサーは驚くほどヤワい。俺も経験が浅かった頃はこいつに
悪戦苦闘したんだが‥少しは成長出来たんだなぁと自分を誉めてやる。
 そんな日を思い出しながらしばらくネクロマンサーとじゃれていると、背後に人の気配がした。
若葉紋章こそ無いものの、ネクロマンサー(呪いの墓の方)の一発でウェルダンに
なれそうなシーフと、いかにも「私は強運よ」と言わんばかりのテイマーの二人組。
またクレブのオッサンが人を寄越したんだろうか?
「すいません、ネクロマンサーと戦っていますか?」自称強運テイマー(のような雰囲気)の、
予想に反して丁寧な態度に少し感心し俺は答えた。
「ネクロマンサーを懲らしめてくれってクレブのジィさんに言われたのかい?」
シーフが頷く。よく見ると二人とも随分ボロボロな状態だ。シーフの応急処置で
誤魔化してはいるが、あまり余裕は無さそうだ。
「あのオヤジも人が悪いな‥」苦笑して俺は狩場を二人に譲る。
元々ここにいるべきではない俺がいるのが変な話なのだ。
たまには他職の立ち回りを見ておこうと壁の隅でくつろいでいると、
二人はネクロマンサー一体にすらも押されているではないか。
 そうこうしているうちに盾役のケルビーが倒され、骸骨戦士を食い止めているシーフの背後に
ネクロマンサーがにじり寄る。テイマーがそれに気付く。
「危ない!」シーフが振り返る。クロマンサーの両手が火の玉を成形してゆく。
その瞬間、なんとテイマーがネクロマンサーの横っ面に笛で殴りだしたではないか。

361 名前:復讐の女神 投稿日:2006/06/20(火) 21:26:40 [ /ywm0G8I ]
「まっていたよ、ジェシ」
満面の笑みで迎えられてしまった。
それも、門を入ってすぐの場所で。
回れ右して逃げ帰りたい気持ちをぐっと押さえ込み、ジェシはなんとか笑みを浮かべる。
「はい、報告書。それじゃ、確かに渡したわ」
ジェシは報告書をボイルに無理やり渡すと、フェリルの腕を取り。
「それでは、次の依頼がありますので」
「お、おい…いいのかい、ジェシ」
ジェシのあまりの反応に、さすがのフェリルもたじろいでいる。
「そうそう、そんなに早く行っちゃうと、後悔するよ? うん、間違いない」
その一言。
その一言で、ジェシはボイルにつかまることになってしまった。
「な、なにを後悔するのかしら?」
ボイルは、ジェシには嘘はつかない。
今まで、出会ってから一度として嘘をつかれたことが無い。
であるならば、今の一言は絶対に無視してはならないのだ。
「おや、そこにいらっしゃるのはフェリル司祭ではありませんか。あぁ、これはお客人に失礼なことを。
どうぞ、屋敷にお入りください。すぐにお茶の用意をさせます」
「ですの!」
ボイルの後ろから、ピョコンとビシュカが現れる。
あぁ、兄妹仲の良いこと。
しかし、今のジェシには二人は悪魔にすら見えるのだから不思議だ。
「さぁさぁ、お入りください。すぐに使用人に用意させます」
ボイルが先にたち、ビシュカに腕をとられ。
ジェシとフェリルは二人にお茶会に招待されるのだった。

362 名前:復讐の女神 投稿日:2006/06/20(火) 21:29:40 [ /ywm0G8I ]
「で、後悔ってなんなのよ?」
場所はゾルフィード家テラス。
白亜のテーブルにイスが4つ。
そこに座るのは、先ほどの4人。
ボイルの後ろに専属メイドが控え、ビシュカを睨んでいるのがまたなんとも居づらいものである。
「これ、ジェシ。ボイル君に失礼だぞ」
「いいのですよ、フェリル司祭。他人行儀にされるほうが、私には悲しい」
関心しているのだろうか、フェリルは笑顔で頷いている。
「ビシュカ、あなたは知ってる?」
「いえ、知りませんの。私も初耳でしたので…」
じろりと、ジェシはボイルを睨む。
「ふむ。ところで、ジェシはこれからど───」
「あなたには関係ないわ」
ボイルの声をさえぎり、ジェシは言葉を出した。
冷たい声だ。
視線は真剣そのものであり、反論は許さないとその雰囲気が物語っている。
ジェシを睨んでいたメイドは、顔色を真っ青にしてしまっている。
手が震えているのは、ジェシが出す殺気の欠片を受けているからだろう。
「そう睨まないでくれ、メイドが怖がっている。わかっているとも、君の仕事に口出しはしないさ。でもね、コレは必要な
確認なんだよ。わかってくれ」
ボイルがすまなそうにそう言うと、ジェシはゆっくりと殺気を抑えていく。
それにともない、緊張が解けたメイドが倒れそうになる。
「おっと」
一瞬早くボイルが立ち上がり、メイドを支えた。
「すまなかったね、下がって休みなさい」
メイドがなんとか頷き、テラスから去る。
それを見送り、ボイルはもう一度イスに腰掛けた。
「ま、言いたくないならいい。おそらく、フェリル司祭からのものだろう? 私のところにも、届いている」
「…なぜ?」
ジェシは気持ちを落ち着けるため、軽くカップに口を付ける
先ほどのメイドが入れた紅茶だ。

363 名前:復讐の女神 投稿日:2006/06/20(火) 21:30:33 [ /ywm0G8I ]
ほのかに広がる香りが、気持ちを落ち着けてくれる。
おいしい…ジェシは、そう思った。
「ふふ、フェリル司祭は話していなかったか。もしや、今回の火力はジェシかな?」
「うむ、彼は別の用事があるようでな」
「…どういうこと?」
「ジェシは、知らなかったようだね。実は、私とフェリル司祭は何度か一緒に、外に仕事に出ているんだよ」
ボイルが楽しそうに笑い、ジェシはフェリルを睨む。
「別に、隠していたわけでは無いぞ。聞かれなかったからな」
フェリルは、堂々と言い放った。
確かに、ジェシはフェリルに、最近の冒険について聞いたことが無い。
いつも、昔の話か自分の冒険の話だ。
「お姉さま、聞いてください! お兄様達、私は絶対に連れて行ってくれないんですのよ」
ビシュカは、テーブルに勢い良く手を付いて立ち上がる。
その表情は、いかにも私怒っていますという顔だ。
「ビシュカ、落ち着きなさいな。そもそも、あなた戦う力が無いでしょう」
「そうだぞ、ビシュカ。そういうことは、お前のナイトに頼むんだな」
「彼とだと、すぐ外のお花畑が限界ですのよ? 私をばかにしてますわ!」
ビシュカが冒険に憧れていることを、ここにいる全員が知っている。
そして、ラディルに頼みこんでは、いつも嬉しそうに付いて行くことを、ここにいる全員が知っている。
「ねぇ、お兄様。今回は───」
「ダメだ」
「でしょうね…」
ダメといわれた割に落ち込んでいないのは、もともと帰ってくる答えが分かっていたからだろう。
残りの二人に助け舟を期待していないのは、答えが同じ事を理解しているからか。
ビシュカは大きなため息をつくと、イスに座りなおした。
「話が脱線してしまったな、元に戻そう。ともかく、今度の冒険は一緒になる。よろしく頼むよ、ジェシ」
「フェリル司祭、残念だけど今回の依頼は降りさせてもらうわ」
「なぜだね? 理由を聞いておきたい。君に限って、ボイル君と一緒だからというわけではあるまい」
ジェシは、プロだ。
仕事に関して、私情を挟んだりはしない。

364 名前:復讐の女神 投稿日:2006/06/20(火) 21:31:28 [ /ywm0G8I ]
「気に入らないのは、私とフェリル司祭の二人と思わせるような説明だったこと」
「ふむ、なるほど。それについては、私にも言い分がある。聞くが、私は君に依頼の詳しい内容を話したかね?
まだだろう? そもそも、依頼の内容すら話していない。私は、君に依頼をしたいと言っただけ。答えはまだ
もらっていないよ」
「あ…」
思い出す。
たしかに、ジェシは依頼があると聞いただけだ。
依頼を受けるとも、その内容もまだである。
「たしかに、そうね。ごめんなさい、少し興奮していたようだわ」
「では、依頼内容を話そうか。受けるかどうかはそれからでいい」
ジェシが頷くのを確認して、フェリルは話し始めた。

 モンスターの襲撃が、あるかもしれない。
 場所は、ここから5日の場所にある村だ。
 三日前の夜、犬がさわがしいので見に行ってみると、森の中から複数の動く気配があった。
 その場には、ゴブリンの毛と木に切り傷が見当たったという。

「というわけで、調査及び危険と判断したら駆除というわけだ」
「……そう」
「気が進まないなら、私とフェリル司祭で行くが?」
一通りの説明を受け、ジェシは考えた。
状況、戦力、報酬。
「ねぇ、なぜあなたが行くの?」
ジェシの目は、ボイルに向いていた。
彼は魔術を納めていると、聞いたことがある。
それが本当なら、不思議な話ではない。
フェリル司祭は強力な癒しの力を持っているし、魔術は使い方しだいでは一軍とすら対等に渡り合う。
「別に、他意はないんだがな。ただ、こう事務続きだと肩がこってね。たまにこうしてフェリル司祭と一緒に
冒険に出かけるのさ」
「………」
ジェシは、ボイルの目を見続ける。
そこに、嘘はない。
「いいでしょう、私も行きます」

365 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/06/20(火) 23:55:35 [ NTDZCwrY ]
その頃村の出口付近辺りでは20人近くのテイマーやサマナーが集まっていた。ペットや召還獣も合わせると数はその倍以上になるだろう。
「よし!みんな!準備はいいか?そろそろ行くぞ!」
『おおー!』
そう言うなりロマの兵達は村を出てモンスター達がいるところへ向かった。それから5分ほど歩くとモンスターの大群を発見した。
「おーおーいっぱいいるねぇ」
ライアスは余裕の表情を浮かべながら言う。軽く100匹は越すだろう。
「もう少し緊張感を持ったら?」
リリアが厳しく指摘する。
「へいへい、じゃ…行くぞ!」
そう言うと、ライアスは大量のモンスターの中に飛込んだ。ライアスは村で唯一の剣の使い手であった。
「はぁぁぁぁ!!」
そう気合いを入れながらライアスはズタズタとモンスターを切り捨てていく。片手の剣とは思えないほどの大きな剣だ。
モンスターもすかさず反撃するも、これもまた大きな盾によって防がれる。
「今のうちよ!」
リリアはライアスが突っ込むと同時に召還獣を召還した。他の兵達も次々と召還獣やペットを本から呼び出した。
「リム、リク、行きなさい!」
リリアはペットのファミリアに命令し、ペット達も敵陣に飛込む。続いてリリアのケルビーとウィンディも飛込んだ。
そして他の兵達のペットや召還獣達もそれに合わせて突っ込んだ。
「ぇあ!」
ライアスはそう言うと大きな盾から竜巻を召還した。その竜巻は次々と敵を飲み込む。
ライアスのペットのスナイも急所を突く攻撃で一撃で敵を倒していく。モンスター達は不意を突かれたのもあり、
既にその数は半分以下になっていた。
「へへ、大したことなかったな」
勝利を確信したライアスは、得意げに余裕の表情を浮かべる。しかし、その瞬間、敵陣の少し上空に
空間の切目が現れる。
「!!!なんだ?!!」
そう言った刹那、そこからものすごい光とともに激しい閃光が放たれた。
その光はロマまで届いた…

366 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/06/21(水) 00:24:02 [ SwvNQujo ]
「な、なんだぁー?」
「何が起こった!!」
「何よこの光…」
その頃ロマ村の集会所では、閃光とも言える光を見てパニックに陥っていた。
(これはライアス達の方から…しかしこのようなことはライアス達でもできぬはずじゃ…なら誰が…)
村長はぶつぶつと独り言を言っていた。
「と、とぉちゃん…かぁちゃん…」
ルイスが取り付かれたようにふらふら歩き出した。そして
「父ちゃん!!母ちゃん!!」
突然ルイスは集会所を飛び出した。
「ま、待って!」
続いてエミルも飛び出す。
「おい!待ちなさい!2人とも!」
集会所にいる村人が叫んで止めようとしたが止まる気配がない。
「くっ…君達はここで待機していなさい。ここはわしが行く。いざとなったら君らがこの村を守るのじゃ!」
村長はそう言い残し飛び出すように集会所を出ていった。
(きっとルイス達はあの場所へ…危険じゃ…早く止めねば)
「はぁっはぁっ…」
ルイスは一度も止まらずに走ってきたので2,3分で着いた。すると80メートルくらい遠くから
「待ってぇ〜…お兄ちゃん…」
エミルがヘロヘロになりながら近づいてきた。なんとかついてきたらしい。
「エ、エミル!!!何でお前までついてくるんだよ?」
「だって…お母さん達が…」
エミルは既に目に涙を溜めている。
「しょうがないなぁ…一緒に行くぞ」
ルイスは頭をポリポリ掻きながら言った。
「多分もう少しだ。血の臭いがプンプンする」
ルイスは生まれつき常人より嗅覚が優れているらしい。
「あっちだ!」
ルイスはそう言うと駆け出した。エミルもついていく。そして遂にその場所に辿り着いた。
『ぇ…………………………?』
2人はこの世とは思えない光景を目にした。―――悪夢 Fin

調子に乗ってまた投稿させていただきました。携帯からなので軽く40分は…
いちよう続きます。あと7,8話は続きそうです…いちよう前書きですが(汗)

367 名前:FAT 投稿日:2006/06/21(水) 18:35:32 [ 3AJaFvmw ]
『水面鏡』

キャラ紹介>>21
―田舎の朝―1>>22、2>>25-26 
―子供と子供―1>>28-29、2>>36、3>>40-42、4>>57-59、5>>98-99、6>>105-107
―双子と娘と―1>>173-174、2>>183、3>>185、4>>212
―境界線―1>>216、2>>228、3>>229、4>>269、5>>270
―エイミー=ベルツリー―1>>294、2>>295-296

―神を冒涜したもの―

―1―

 ラスはまた仮面を被りなおした。表情はウェスタンハットの陰に隠れ、レルロンドとラン
クーイはどんな角度からもその顔を見ることは出来ない。二人は出会う以前よりもラスが遠
い存在になってしまった気がしていた。
 あまり会話をしないのは変わらない。前からのことなのに今はそれが重く、淀んだ空が落
ちてきそうに灰色の空気を作り出している。あてもなく何となく神聖都市アウグスタを訪れ
た三人は、ほとんど無言のまま宿をとり、夜を迎えた。
 闇の中を流れるブンド川。月も星もない暗黒の中をとんとんと流れ、流れのぶつかる音
がそこに川があるという証明をする。聴覚で見る川の姿は清かった。
 空の頭でぼぅっと窓から眺めていたレルロンドは小さな松明の火で現実に戻り、映し出
された二つの影はラスとランクーイのものだと思った。気がつけば、レルロンドは灯り火
の近くの葡萄畑の中に声を殺して潜んでいた。
「……師匠、今、何て……」
 ランクーイが泣きそうに目と口とをぴくぴく動かす。松明の火で顔色はごちゃまぜの色
になっていて何だかレルロンドには分からなかった。
「そういうことだ。俺はどっちかっていうとお前に近いし、何より、俺は自分が嫌になっ
たんだ。俺が何で一人で旅なんかしてたか、お前等に言ってなかったよな。俺の家はさ、
有名なエンチャット屋なんだ。知ってるだろ? 魔法の力が物に付くっていうあれさ。…
で、俺はそこの跡取りなんだが、このとおり異常者だ。まだ七歳だぜ? なのに何だよこ
の老け方。体も魔力も並みの三倍くらいのスピードで育った。歩けるようになったのも馬
鹿みたいに早かった。でも……」
 レルロンドが唾を飲んだ。
「喋れなかったんだ、ずっと。……分かるか? 俺の体は三倍で時を駆ける、でも、脳は
そうじゃない、普通なんだ」
 レルロンドにはラスの言わんとすることが伝わった。しかし、ランクーイは、
「それでも師匠は俺たちより利口じゃないか。とても七歳には思えないぜ」
「ああ、そうだな。きっと、本来の姿のまま成長していたらこんなに不安定にもならなか
ったかも知れないな」
 とラスはウェスタンハットを脱ぎ、髪を鷲掴みにして引っ張るとそれがカツラであった
ことが知れた。晒された頭皮には、太く縫った後が前頭部から後頭部まで一直線にあり、
悲惨だった。
「これが何の傷かわかるか…? これはな、手術の痕なんだ。俺の脳をいじくりまわすた
めのな」
 眼前で見たランクーイ同様、草陰のレルロンドも思考が止まった。ラスの淡々とした口
調が重い。
「俺の異常に気付いていた親戚たちはこのままでは俺がおかしくなると思ったんだろう、
体と脳のバランスをとるために頭の中に仕掛けを埋め込んだのさ」
 爪の先ほどの小さな石粒を拾って、
「これくらいの精石が俺の脳をせかしてるんだ。母さんの魔法がいっぱい詰まってて、七
歳の性格を殺してる。今は二十一歳の俺が作られてて、俺はそれを演じるだけさ。俺が旅
をしてるのは完全に七歳の性格を殺すため、完全な二十一歳になるためさ」
「……師匠は母親を憎んでいるのか?」
 ラスは少し苦そうな顔をして、
「今の状況には不満さ、不安定すぎるからな。でも、もしこの手術を施してなかったら俺
は魔力の抑制が効かず、取り返しのつかない事態を幾つも起こしてしまったかも知れない。
仕方ないと思うしかないさ」
 本当にそう思っているのか、ラスは最後に笑みを見せた。曇りのない、今の天候に不似
合いの快活な笑顔であった。
「師匠! 俺、何の役にも立てないけど、あんたの気持ち、ありがたく受けさせてもらう
ぜ!」
「ああ、この間みたいに不安定になっちまった時は頼りにしてるぜ。……じゃあ早速、お
前に精霊を紹介するぜ」

368 名前:FAT 投稿日:2006/06/21(水) 18:36:21 [ 3AJaFvmw ]
―2―

 レルロンドは朝早く目覚めると無気力に歯を磨いた。昨晩、あの告白に自分が招かれな
かったのがショックでならなかったらしく、目が赤く腫れていた。しかし、話は聴いた。
そして、ラスに対して抱いていた疑問もある程度は解けた。あと気になる部分は何故半獣
なのかということだが、あれはラス自身も真相を知らないようなので迷宮入りだろうか。
 そんなことを考えているとノックもせずにランクーイが勢いよく部屋に飛び込んできた。
「うおぉおぉぉぉおぉ! 見てくれよ、レルロンドォ! 手! 俺の手が輝いてるぅ!!」
 ランクーイは昨晩のことをレルロンドが知らないと思っているらしく、わざと大袈裟に
はしゃいだ。レルロンドは薄緑に微光を発するランクーイの手を取って、
「うほぉぉおぉおぉ! やったな、ランクーイ! お前、ついにやったじゃないかっ!」
 とぶんぶん振り回した。ランクーイの本当に嬉しそうな顔にレルロンドの嫉妬は彼の心
から排除され、それこそ魔法の効果だったのかもしれない。

 ラスは何をするでもなく、ただ様々な建造物、作物、人物を見てまわっていた。他の街
に比べるとここアウグスタはエイミーやその友人たちと何度も来たことがあったので、ほ
ぼ素通りせざるを得なかったブリッジヘッドが悔やまれる。それでも新たな発見は幾らか
あるもので、葡萄畑と見せかけてキウイが栽培されている区間を見つけたり、ブンド川を
魚が遡上していくのに出会ったり、廃墟のようだった大きな館に人影を見たりと、どんな
ことでもラスには心の栄養になり、それがどうしてそうなっているのかを考えることによ
って作られた二十一歳ではなく、本物の二十一歳に近づける気がした。
 その廃墟のような館から一人の老婆が、いや、初老の女性が出てきた。先程の人影の者
だろうか、ラスは幼いころから無人だったこの大きな館が妙に気になっていたので話かけ
てみた。
「ええ? わたしゃ怪しいもんじゃないよ、この館に昔雇われてたもんさ。もう十五年前
になるかねぇ……」
 まあ、お入りと、ラスを館の中に招待し、応接間に通した。まるで脱皮した後に残った
抜け殻のようにぽっかりとあいたロビーが既にこの館は死んでいるのだと語りかける。家
具も照明器具も芸術品も全てがそのままに、魂だけが抜けて虚像となったかのように死ん
でいる。しかし、埃だの塵だのは目立たなかった。
「はぁ、見ての通り、この館はもぬけの殻でさぁ。お館主様がいた頃は何十人もわたしの
ようなのが働いていてね、それは皆誇りを持ってなんやかんやしていたんだよ。お館主の
ゲルシュ=アウテルシュ様はこの街の大聖司教の一人でね、光のようなお方だったのさ」
 初老の女性は遠い目で、
「しかしねぇ、あれはお嬢様が産まれてちょうど一年が経った日だったかねぇ。急に館の
中に変な男が押し入ったんでさぁ。警備の者もちっとはいたんですが全然ダメでお館主様
が直々に出てきてくだすったんでさぁ。でもお嬢様が人質に取られていて手がだせなくっ
てねぇ、男が何か言って、お館主様は言われるがままに黒い渦の中に入って消えたんでさ
ぁ」
 ラスは徐々に興味が乗ってきた。中々スリリングな話だ。
「お館主様が消えてしまうとその男は奥様に手を出してね、わたしらが見てる前で犯しや
がったのさ。わたしらの中にも若いやつが幾人もいてね、次は自分の番かと怖がってびく
びくしてたんでさぁ。もちろんわたしゃ安全でしたがね」
「で、どうなった?」
「奥様だけを犯すとそのまま奥様を連れて黒い渦に消えていきましたよ。それでこの館は
主がいなくなって、でも死んだとも限らないので当時のままにしてあるんでさぁ」
「娘は殺されたのか?」
「ああ、そうそう、お嬢様は孤児として山里に貰われていきましたよ。たしかグッドレム
とかいう家でしたねぇ」
 ラスの胸が急に圧迫された。それに似た響きの家をラスはよく知っていた。
「グッドレム? たしかにグッドレムなのか?」
「あいやぁ、ゲッドレムだかゴードレムだか、何にしろデルタという名前のかわいらしい
お子様でしたよ」
 ラスの顔から血の気が引き、あの無邪気なデルタの顔を思い浮かべた。彼女は孤児であ
ったということを知っているのだろうか、真の親が偉大な人物だということを知っている
のだろうか。
 女性との別れ際に、ラスはもう一度デルタの生まれた館を見上げた。底知れない空虚が、
そこにはあった。

369 名前:FAT 投稿日:2006/06/21(水) 18:36:54 [ 3AJaFvmw ]
―3―

 はつらつと胸を張り、大手を振って街を歩く。ランクーイが今日は見違えるほど大きく
見えた。ラスが与えてくれたきっかけを、彼は実に上手く物にした。元々知識が無かった
わけではなく、この少年に必要だったのは僅かなきっかけだけだったのだろう。
 その隣に付いているレルロンドは非常に穏やかであった。優しい垂れ目からは保護者と
して子の成長を喜ぶような安心があり、昨夜の出来事は消え去ってしまっているようだっ
た。何度も何度も意味も無く自分の手を見るランクーイは可愛かった。

「おい」
 噴水に腰掛けていると見慣れぬ男に声をかけられた。
「お前ら、人間狩りを知ってるか?」
 その男は大きな荷物を背負った、いかにもといった感じの商人であった。
「なんですか、それは?」
「凶暴なエルフたちの遊びさ。人間をとって喰っちまうんだとよ。これから行くハノブっ
て町までの鉄の道にしょっちゅう出没するらしい。お前さんらみたいな柔肉はいい標的に
されちまうぜ……気をつけるんだな」
 頭に来たランクーイではあったが、魔法を取得したことによって自分が大人になったと
思っているらしく、必死に怒りを抑え、黙した。商人が無言で立ち去ると、擦れ違いにラ
スが向かってきた。
「お前らなに険しい顔してんだよ。恐いぜ?」
 そういうラスの顔もどこか陰りがあった。そんなことには気が付かずに、
「師匠、師匠は人間狩りって知ってるかい?」
「ああ。エルフの一部の部族のことだろ。俺らもよく襲われたよ。まぁ、母さんたちがい
たから楽々返り討ちにしたが」
「何故、そんな恐ろしい奴らを野放しにしているのでしょうか…。討伐隊なんかを組んで
一掃したほうが良い気がしますが……」
「やってるぜ。だけどいくら派遣しても皆返り討ちにあって終わってるのさ。巣だって分
かってるけど中々攻め込めないでいる。何故か分かるか?」
「よええから?」
「弱いのはお前の頭だな。……迷路さ。この街とハノブを繋ぐ道の中間点辺りに藪の森が
ある。そこの奥にやつらの住家があると言われている」
「言われている?」
「辿り着けないんだ。まるで迷路のように、何度も何度も同じところを行ったり来たりで
そのうち諦めちまうんだとよ。で、なぜか帰るときは一瞬で藪から抜けれるらしい」
「魔法ですか?」
「だろうな。そうだ、ランクーイ、お前を鍛えるにもちょうどいいかも知れん。この街を
出たらちょっと寄ってみるか?」
 頭の弱いと言われたランクーイは腕をまくって、
「おぅ!師匠にいいとこ見せてやるぜ!」とやる気だ。
 そんなランクーイをレルロンドは微笑ましく思った。すっかりラスに心を開き、癖だっ
たツンツンさも、臆病さも消えているような壮快な身振りにそっとエールを送る。
 今にも旅立ちたそうなランクーイを抑え、彼らの出発はその三日後だった。

370 名前:南東方不勝 投稿日:2006/06/21(水) 20:24:58 [ .ilUk8Ls ]
>>340さん
それは面白そうですね。
具体的な内容は、絵師の方が描いた絵にこちらでストーリーなどをつけるとか
そういった感じでしょうか?
あと、私も挿絵が(ry

>>見学者さん
仁義無き兄弟喧嘩が勃発しそうな状況に弱りきっているサマナ嬢。
果たして、彼女の願いは彼らに届くのでしょうか?

追伸
サマナが可愛すぎて困りますw

>>リ・クロスさん
黒い少女TUEEEEEEE!
能力を封じられてしまったスコールが心配です。

>>ゆずみかんさん
どうも初めまして。
平穏な一家団欒を打ち砕くモンスターの襲撃。
果たして子供達の両親は無事なのでしょうか?

>>タルタルさん
あねさーん!?あんたはそんなんでいいんですかーw
まぁ、そんなあねさん以上に赤ポを瓶のまま投げまくる姫の方が恐かったですw

>>闇鍋さん
こちらも初めまして^^
笛殴り幼女キターw
個人的にはとても続きが気になります。

>>復讐の女神さん
お久しぶりです。
ひょんなことからボイルと一緒に依頼をすることになったジェシ嬢。
ゴブリンの群れの調査、とのことですが…、序盤の方にいた火雨アチャの存在が気になります。

>>FATさん
ラス、そしてデルタの暗い過去が明らかになった今回のお話。
彼の生い立ちが今後、どういう風に話に絡まっていくかとても楽しみです。

371 名前:FAT 投稿日:2006/06/21(水) 21:06:44 [ stICg8Pc ]
>>南東方不勝さん
ジャックのセリフがくさかっこいいです。漢ですね。
覗かれた狼状態のアニーを想像して激しく苗ました。ダニエル君もアニーに殺され
たら無念すぎるでしょうね…

>>名も無き作家 ◆zGQ0MrrHTwさん
切なくて、途中で泣きそうになりました。なんて読み手を惹きこむのが上手いんでしょう。
まだ胸が震えます。良い話をありがとうございました。

>>タルタルさん
毎度楽しいお話で一人PCの前で顔真っ赤にして笑ってます。赤いアネサン最高。
マッシンPOT投げ恐ろしすぎです。

>> ゆずみかん さん
携帯からご苦労様です。子供たちに待ち受けていたものとはなんなのでしょう。
どんな悪夢なのかびびりながら待ってます。

>> 闇鍋 ◆BJrn0PVLEM さん
おお!殴りテイマ!?
ネクロ相手にどれだけの威力なのでしょう。

>> かーどさん
無力感がつうと伝わってきます。がんばれとエールを送りたくなりますね。

>> 見学者さん
サマナのおずおず感がかわいいです。
さてさてどうやってこの兄弟喧嘩を止めるのでしょう。血の気多そうなので
一筋縄ではいかなそうですね。

>>戦士のようださん
良ネタGJです!

>> 変な生き物 ◆YRNj1tYA5I さん
お久しぶりです。キャラ消え…どんまいです、では済ませられませんね。
公式に文句言ったら帰ってきますよ。…たぶん。

>>324-325さん
戦士の力強い弁がとても印象に残りました。自分を持っている人は他人を影響
するものですね。

>> ◆21RFz91GTE さん
お久しぶりです。執筆の再開楽しみにしています。

>> リ・クロス さん
緊張の戦闘シーンの連続、これからも期待しています。

>>118さん
会場に行ったら誰もいないこと、あるある。
あの何ともいえない虚無感といったら……

>> 双月さん
いいです!ミルスの成長を自分も見守っている、そんな気持ちになります。
ザルクさんの渋さもいい味だしていました。また書いてくださいっ。

>> 復讐の女神さん
なんとなく怪しげな依頼ですが…ジェシの判断は正しかったのでしょうか。
どんな展開を迎えるのか、ドキワクです。

372 名前:闇鍋 ◆BJrn0PVLEM 投稿日:2006/06/23(金) 01:10:22 [ zK.vW4FU ]
>>360の続行です。
「クエストPTはスリリング」第二話

 獲物を仕留めようとほくそ笑んでいたネクロマンサーが憤怒の形相でテイマーに向き直る。
その瞬間にも俺はウィザードになり、アースヒールとエンチャ・ヘイストをフルセットで
二人に補助をする。いくらウルフスキル主体の鍛錬とはいえ、それがそのままウィザードへの
鍛錬にもなれる。ここのネクロマンサー程度なら充分に効果はあるはずだ。
「犬さんエンヘイだったんですか?」驚くテイマー。シーフの方は武道家としての修行も
ある程度は積んでいたらしく、未熟ながら三連を骸骨戦士に叩き込む。崩れ落ちる骸骨。
 俺は再び半狼の姿になるとまた壁際に戻りながら「悪いけどエンチャもヘイストも
マスターはしてないんだわ。本職には勝てないパチモンだよ。」とテイマーにおどけてみせる。
「えっ?」信じられないと言わんばかりの表情で俺を見るシーフ。お前は余所見してると
痛いのがくるぞ?さらに召還獣とペットをけしかけながらテイマーが言う。
「でもすごいですよね!一回のチャージで私達を完全補助できちゃうんですから‥」
そりゃそうだ。何せ俺はフォベガ犬。
 本職支援ウィザードが見たら笑える付加のエンチャとヘイストではあるが、
それでも何とか持ち直した二人。もはやネクロマンサーなど恐るるに足らないのか強気に攻め始める。
 何体目かのネクロマンサーを倒した瞬間、シーフが燃え尽きた骨の欠片を手に入れたようだ。
「おめでとう!」とテイマー、「良かったのぅ」と俺。
「それじゃありでしたー」と言いながら走り去るシーフ、そして何故か呆然とするテイマー。
「あら?テイマーさんはお手伝いじゃあないの?」不思議に思った俺が尋ねると、
今にも泣きそうな表情で首を横に振る。「おいおい‥まさか二人とも?」今度は首を縦に振る。
相方だったシーフはさっさとハノブに引き返したらしく、いくら呼びかけても
戻る気はさらさら無いようだ。
目の前で泣き崩れるテイマー。そのテイマーを気遣うように寄り添うケルビー。

373 名前:闇鍋 ◆BJrn0PVLEM 投稿日:2006/06/23(金) 01:15:13 [ zK.vW4FU ]
>>360 >>372の続編です。
「クエストPTはスリリング」第三話

「なぁ、俺がもう一回補助するから再挑戦しないか?」と提案してみる。テイマーは小さく呟いた。
「グスッ…私ね、見てのとおり…運っ子なの、だから、グズッ、ケルビーも強くなれないの、だから…」
これだから運テイマーは嫌いなんだ。
だから低マーなんて…なんて言ってる場合じゃあないな。
 「要は削り役がいればいいんだろう?俺がギリッギリまで削るからトドメの一発は任せるぞ。」
何故か無性に腹が立ってきた。とりあえず目の前のネクロマンサーをぶん殴る口実が欲しかった。
「え・・でも、犬さん・・」ためらうテイマー。俺はイライラをぶつけるべく思いっきり振りかぶり──
エンチャの代わりにイライラを乗せたチェーンクローが唸りをあげてネクロマンサーの脇腹に食い込む。
引き裂かれた法衣、飛び散る血飛沫。片膝をついてよろけるネクロマンサー。
「ケルビー、ウィンディ、ファミ、ゴー!」ふっきれたテイマーの号令で召還獣とペットが
弾けるように襲いかかる。初撃の一発が余程頭に来たのか、
ファミリア特有のタゲ取りすらも無視して俺にファイアストームを繰り出すネクロマンサー。
だが体力の無いテイマーにさえ当たらなけりゃ何の問題も無い。おまけにここのネクロマンサーの
ファイアストームなんて、俺からしてみりゃ火遊びに等しい。ネクロマンサーの延髄に笛が直撃する。
流石は運テイマー、それが致命打となったのか態勢を崩すネクロマンサーの喉笛に食らいつくケルビー。
 「あ!出た!」消滅するネクロマンサーの中から燃え尽きた骨の欠片を取り出すテイマー。
一発クリアですか、これだから運テイマーて奴は。
「有難うございました!お陰でフルヒも貰えちゃいましたよ!」満面の笑みでテイマー。
その顔はついさっきの泣き虫とは大違いだ。「あ、お礼なんですけどこれでいいですか?」
そう言って鞄の中から出したのが攻撃レベル10の金剛石牙。
「な‥なんだってぇーッ!?」正直欲しい。欲しいが貰っていいのか?
「犬さんなら多分装備できるんじゃないかなって。本当は攻撃レベル10に知識比率2の付いた金剛石牙が
あるんだけど、これは露店用だから‥」流石は運テイマー。俺は牙をありがたく頂き、テイマーと別れた。
たまにはテレポーターを使わずに徒歩で古都まで帰ってみよう。早速牙を装備してみる。
試しに目の前の盗賊団を軽く一咬み。こいつはすげぇ。気分爽快、愉快愉快。
そうだ、強盗団アジトにも寄ってみよう。何か面白い事があるかもしれない。

                    了

374 名前:ドリーム 投稿日:2006/06/23(金) 10:59:28 [ 2DHPKQNo ]
皆様お久し振りです
約三ヶ月ぶりのドリームです。

>>名無し物書き@赤石中さん
悲しい結果に終わらせてみました。元々のテーマで最後はアダムとイヴの話を出すのは決まっていたので
こういう展開になりました^^;

>>FATさん

続きも書こうと思ったのですが、この作品は初めて書いた作品ということで区切らせていただきました。
もし気がかわりましたら頑張ってみます。

>>南東方不勝さん
ありがとうございました。

もうすぐ今思ってる小説のテーマ、展開などが決まりそうなので近日またこの板でお世話になると思います。

375 名前:見学者 投稿日:2006/06/26(月) 23:25:53 [ ww4BM0IA ]
どうもコンニチハ。 見学者です。
忙しくて赤石が出来ない日々が続いております。遊びTEEEEE!
二倍期間? PCにすら触れられませんでしたよ。
17時からだと思ってたら19時からだったのね……。 チクショーッ!

>>リ・クロスさん
戦闘シーンが格好良すぎます。
自分、戦闘シーンが全く描写できないので思わずため息が……。

>>タルタルさん
あねさん……いいんスか;
ポーション投げって蒸気状態にしてぶつけるんですね。素で知りませんでした orz
あれを初めてもらった時は凄くビックリしたのを思い出しますw

>>ゆずみかんさん
携帯からの書き込みお疲れ様です。PC頑張って〜!
可愛らしい子どもたちのいるのどかな村がどうなってしまうのか、続きが楽しみです。

>>かーどさん
どこか寂しさを感じさせるお話でした。
戦争なのに静けさを感じるような……それでいて激しい。

>>南東方不勝さん
宿屋の中なのに戦場の如き熱い戦いが……w
最後の悲鳴が意味深ですなw めげずにここはガンバですよ(ぇ

>>闇鍋さん
運テイマさん、笛で殴るんですか……。
つか、さすがは運。良い品をもっていらっしゃる。
懐も広いみたいですな。

>>復讐の女神さん
シリアスな展開に時間を忘れて読み続けて徹夜しました。
どうしてくれるんですk(殴  続きに期待大、であります。

>>FATさん
エルフには殺されたor逃げ回った記憶しかありません。
是非カタキをとってくだs……。 ハッ
生い立ちの件、今後にも影響されていくのでしょうか?

>>ドリームさん
お初になります。
近日公開となる作品、楽しみに待っております。

376 名前:見学者 投稿日:2006/06/26(月) 23:33:11 [ ww4BM0IA ]
1st>>267  2nd>>268  3rd>>309  4th>>310 5th>>342 6th>>343

「悪いねェ、弟が面倒かけてよ」
 サマナーが言葉を紡ぐ前に武道家はシーフの腕からサマナーを引き取ると素早くその小さな肩を抱くように腕をまわした。
「この世には警戒しないといけないモノがある。
 そりゃぁ、外に居るモンスターとか盗賊だとかもそうだが、一番は身近にいるオトナだな。
 コイツだって男なんだ、なに考えてるか分からんぞ」
「失敬な」
 あからさまに顔をしかめ、サマナーを足元に取り戻そうとするが、
 武道家はヒョイとサマナーを抱き寄せてその手に触れさせようとしない。
 ため息をつきながらシーフはちらと空に目をやった。日が沈みかけている。
 早くしないとアリアンに到着することすら危うい。
「少なくとも貴方よりはマシな生き方してますよ。さぁ、その腕を離しなさい。これから行くところがあるのです」
「へェ、こんな小さい娘連れた盗賊がそう言うのか? なんなら今から警官でも呼んでやろうか。
 盗人が幼い女の子の大変なモノを奪おうとしているってよ」
「兄さん――」
 太陽は地平線ギリギリにまで傾いている。陽の光はいつの間にかオレンジから紅蓮に古都を照らし始めた。
 シーフさん、どうしよう?
 ますます気まずい雰囲気にサマナーはどうして良いかわからず、ゆっくりとシーフに視線を向けた。
 さっきまでの、ちょっと困ったような顔の微笑で返してくれるはずの人がそこには居なかった。

377 名前:見学者 投稿日:2006/06/26(月) 23:34:55 [ ww4BM0IA ]
1st>>267  2nd>>268  3rd>>309  4th>>310 5th>>342 6th>>343


 まるで相手を見下したかのような冷たい眼光が武道家を睨んでいる。さっきまであったはずの暖かなものは感じられない。
 ただただ無機質で、冷たい――。
 風も吹いていないのに肌が粟立つのをサマナーは感じた。

 こわい……。

「全く冗談のお好きな人ですね」
 顔を俯けると帽子を深く被りなおし、シーフは何事も無かったかのようにクスリと笑った。
 その表情を再び持ち上げたころには既に先ほどまでの形相がすっかり消え去っていて、微塵も残ってはいない。
「冗談ばかり言うのは良くないですよ。それがあなたともなれば尚更」
「……よく言うよ。お前の方が冗談ばっかりじゃねェか」
 夕日に照らされた、初めて見た時と変わらない優しい笑顔。「いえいえ、そんなことありません」と苦笑交じりに言うシーフのその顔はサマナーが初めて彼を見たときのものとまるで変わらない。
 なのに今はそれが本物かすら判断できない。
 小刻みに震えるサマナーに気付いたのか、武道家はローブの上からサマナーの頭をポンポンと叩いた。
「そう簡単にプッツンといったりしねェから心配すんな。ただちょっと煽りに慣れてないだけだ」
 シーフのそれとは違う、力強くて頼れる笑顔。
 武道家はサマナーの背をそっと押した。武道家から離れることに一瞬躊躇したが、あからさまにシーフを避けるのもなんだか悪い。
 あまり目を合わせようとしないサマナーにシーフは首をかしげた。が、それは不意に見せた武道家の真面目な顔ですっ飛んでしまった。
「なぁ、レッドアイって知ってるか」


===================================
文章が多くて見づらい、と以前にコメントを頂いたので
行数を減らしてみました。
一行に使う文字数も減らす……というより改行を使ってみましたがいかがでしょうか。

378 名前:タルタル 投稿日:2006/06/28(水) 10:29:39 [ hfUQyDik ]
「あねさんシリーズ」
第一話 >>248 >>249 >>251
第二話 >>258 >>259
第三話 >>326 >>347

第三話 3
「こんちにわ。セスソさん」
穏やかな笑みを添えてその男は言った。
それがグレゴリー・ロッドだった。白を基調としたスーツをラフに仕立てたような服装をしていて
首からは星を模ったネックレスをつけていた。年は三十代後半と聞いたが雰囲気だけみれば二十代ともいえる。
若若しかった。髪は長めの黒で眼はおだやかなやさしげな黒だ。
問題はなぜそのグレゴリーがあねさんの家にいるのかということだ。
結婚を申し込んできてはいるが、会ったのは初めてだ。それなのにグレゴリーはいかにもまるで友人のように
「ああ、上がって待ってたよ」的雰囲気で椅子に座り
”僕の冒険記4〜廃人。一番の強敵は古都からの距離。足は毎日筋肉痛”
を勝手に読んでいた。しかも一応だがあねさんも女性。勝手に部屋に上がるのはどうかと思いが。
「なんでここにいるのよ?」
「セスソさんはいつどこにいるのかわかりませんからね。会うためにはここで張り込むのが
一番だと思いましたので」
グレゴリーは本を置き部屋の中を歩き出す。
「それにしても意外にきれいな部屋ですね。粗暴で強欲。面倒臭がりやと三拍子そろった男のような性格と聞いていたのですが」
きれいなのは当然だ。まったくしないあねさんに代わり私が掃除、洗濯、食事と家事全般しているからな。他の召喚獣達は馬鹿犬と
通常は非常食(魚)と気の向くまま世界中を旅している鳥と、まったく手伝ってくれる様子はなく、一人でしているので多少骨が折れるが。
「あんた、そこまで言って本当に結婚する気あんの?」
「私にはあなたの心を一発で振り向かせることができるアイテムがあるのでね。それっ」
そう言ってグレゴリーは札をばらまいた。あねさんはすばやく床に落ちた札を拾い集めた。そしてこういった。
「結婚しなくてもこれは返さないからね」
あねさん。なんか違うと思います。
「私と結婚すればそんな僅かではなく札束の山に埋もれることだってできますよ」
「くっ、そんな誘惑には、くっ、心は否定しても体が、ああっ」
必死になにかに耐えているあねさん。まあ強欲なあねさんが目の前で桁の違う金の力を見せ付けられては仕方ないか。
「それそれっ」
グレゴリーはさらに金をばら撒いた。あねさんはまるで獲物にたかる獣のごとく金を集める。
「体が、体が勝手にっ」
そんなあねさんを相変わらず穏やかな笑みで見ていたが、少しだけ表情を硬くして言った。
「……さて、そろそろ前置きは終わりにしましょうか」
「前置き? 金さえあればついて行くわよって、ああすでに洗脳されてるっ。私としたことがぁぁ」
あねさんは頭を抱えて、苦しんでいた。それを解き放つ力は私にはない。つくづく力不足を感じる。所詮私は忠実なる下僕。
ただの召喚獣にすぎないのだ。ただひたすらあねさんの後ろを付いていくしかない。
「はっきり言いましょう。私はあなたに女性としての魅力は感じていない」
はっきり言いすぎだよ、あんた。
「あなたに感じられるのは英雄セスナより引継いだそのカリスマ性。そして運をも引き込むその胆力」
あねさんは金を懐にしまいつつ聞いていた。
グレゴリーはそんなあねさんに近づく。あねさんは金が取られる、とでも思ったか一歩引いた。
「いや、違いますよ。私が言いたかったのはその首にかけられた”赤い筋”です」
「これがなによ?」
が、それこそ取られると思ったのか、あねさんはさらに一歩引いた。グレゴリーも思わず微笑んだ。どう見ても馬鹿にされましたよ。あねさん。

379 名前:タルタル 投稿日:2006/06/28(水) 10:47:52 [ hfUQyDik ]
「あねさんシリーズ」
第一話 >>248 >>249 >>251
第二話 >>258 >>259
第三話 >>326 >>347 >>378
第三話 4
「そんなまがい物よりものよりレッドストーン。本当はあれが欲しいのではないですか?」
レッドストーン。悪魔たちが天界より盗み出したといわれる秘宝。とんでもなくすごいものらしいが実際どんなものかはわからない。今では数限りない噂が飛び交っていてはっきりいってもはや
何が正しいのかもわからない。ただ赤い色の宝石ということは事実らしい。
「あのねえ、私はあんなあるかどうかわからないような伝説上の代物には興味がないの」
伝説と割り切ってしまうには噂が多すぎるが、あねさんはとにかく現実主義で効率主義で怠慢だ。そこ、効率房とか言うな。もう三十間近だから。
どこにあるかわかならい秘宝よりは目の前の金、宝石なのだ。そもそも宝石は好きだけど汗水たらして危険な巣窟に狩にいくより人が必死に探した物を盗んだほうが早い、といって泥棒を始めたのだから。
「ありますよ。片翼のみもがれた追放天使達の登場。一部のヴィザード達の変身能力の獲得。野生動物たちの凶暴化と変体等、
これらは全てレッドストーンの存在を仮定すれば説明するのに難しくない。私はどうしてもレッドストーンの存在を確かめたいのですよ。
そのためにあなたを雇いたい。仕事の内容はとりあえず今までと変わりません。ブルネの高官達から機密情報盗んだり、モンスターの巣窟に行ったり」
「だいぶ違うんだけどね。まあいいわ。それより雇うだけなら別に結婚する必要はないんじゃない?」
「専属になって欲しいんですよ。そして片やセスナの子。片やアリアン一の金持ち。仕事とはいえちょくちょくあっていれば世間はどうみるでしょうか。スキャンダルのいい的ですよ」
「なるほど、なんだかんだ言われる前に結婚して先手を打っておくってことね。そうね……。うん。仕事を請け負うのも結婚するのも私を雇うということならいいわ。いくら払える?」
何簡単に言っているんですか?結婚するって、あねさんあんなに人や土地に縛られるのがいやだったのに。……洗脳されている。やはりグレゴリーの無限とも感じる資金があねさんの心を支配しているのか。
「とりあえず結婚に対しては十億。仕事は結果次第ですね。そしてレッドストーンを手に入れた暁にはあなたに差し上げますよ。私は存在を確認したいだけなので」
「わかったわ。成立ね」
あねさんはあまり考えることもせず言った、言ってしまった。なんでもないように言われた”とりあえず十億”があねさんの深層心理に何かしたに違いない。いわゆる催眠か。やるな。
「やはりあなたはわかってくれると思いましたよ。セスソさん」
二人は満足した表情で握手した。あねさん、グレゴリーにどうも乗せられたような気がするんですけど。
一応結婚するんですよ?わかってますか?あねさん。あねさん。あねさーん。

「私は見世物かっ」
そういってあねさんがグレゴリーにたたきつけた紙にはこうかかれてあった
「あねさんことセスソがついに結婚!!。
あのあねさんの赤以外の服装が見られる?。ありえないウエディングドレス姿も。
入場料三十万G。あのセスソのまともな(?)服装が見られるのはここだけ。
チケットやお問い合わせは預けて安心。引き出して危険。みんなのロッド銀行にて」
「いやだなあ、セスソさんが結婚なんて今アリアン中の話題じゃないですか。これを見世物にしないでいつ稼げと?」
グレゴリーは相変わらず微笑んでいった。悪気はまったくないようだ。
「あんたの結婚式でもあるのよ」
「これで数百万入ると思えば問題ないでいょう。”金を捨てるぐらいならプライドを捨てろ”が我が家の家訓ですから」
「あんた……そういうとこ嫌いじゃないわ」
嫌いじゃないのかよ。

結婚式は家財を売り払ってまで来る人もいて、アリアン、リンケン中のほとんどが見に来たといっても過言ではなかった。
入場料とともに便乗したあねさん饅頭やあねさんうちわ等の売り上げまでを足すと利益は数千万にも上がったらしい。
さすがあねさんです。

終わり
今回かなり会話分が長くなってしまい読みづらいと思いますが許してください。

380 名前:読者 投稿日:2006/06/28(水) 18:41:58 [ QvYPUbOo ]
いつもみなさんの作品楽しく拝見させてもらっています。
それでみなさんに提案があるのですがみなさんのいろいろなストーリーを読むのも
おもしろいのですが、あえて同じ設定にして(同じ世界観、テーマ、ストーリーということ)
にして書き比べる、というのはどうでしょうか。
いや自分が読み比べたいだけですし、書く側の人の大変さもわかりますので(自分も何度書こうとして
失敗し続けていることか)書いてない奴がわけわからんことほざくな、と一蹴してもらっても結構です。
やってみてもいいよという人は小説の後にでも書いてもらえば結構です。
もしやれるのであれば自分が責任を持って企画しますので。

381 名前:名無しさん 投稿日:2006/06/28(水) 23:35:48 [ W7ci29Dk ]
 面白いと思いますが「同じ設定」だと抽象的過ぎるので、「同じ時間軸」、「同じキャラクター」、「同じイベント」、「同じテーマ」と言う風に具体的に分けて頂けるとありがたいです。
 それとも読者さんが言うのは、元となる話を一つ作って、それをいろんな書き手さんに表現してもらおうという事でしょうか?

382 名前:名無しさん 投稿日:2006/06/29(木) 14:43:26 [ hfUQyDik ]
こんなこと職人さんに言うのもどうかと思いますが、
たまに文章作法の間違いを見つけるので、
http://matufude.hp.infoseek.co.jp/novelchk/
でチェックしてみたらいかがでしょうか?。

383 名前:ドリーム 投稿日:2006/06/30(金) 13:24:42 [ i/QKe6Zs ]
>>読者さん
381の方が言ってる
元となる話を一つ作って、それをいろんな書き手さんに表現してもらおうという事でしょうか?
ということならば参加したいですー。

>>382
ありがとうございます^^。早速使ってみます。


大体仕上がってきました来週中には参加できそうです

384 名前:タルタル 投稿日:2006/06/30(金) 14:12:03 [ hfUQyDik ]
いや〜ん。ミスっちゃった〜。(トリアエズカエレ)
入場料だけで三十万でアリアン、リンケン中の人が来たっていうのに利益数千万ってなによ?。
単純計算で300人入るだけで九千万じゃん。人口少ないなアリアン、リンケン。
やっぱり砂漠だからかな。って違ーう。違うんですよ奥さん。(ヤッパリカエレ)

……つまり、間違えました、すみません
>>379の後半のほうの所なんですが
一家ではなく一人三十万ということだったんですが(まずそこがありえない)
そうすると上に書いたようにどう見ても人数少なすぎですよね。
ということで
>>「これで数百万入ると思えば問題ないでいょう〜(いょうってなによ?しょうだろ)」
を数千万に
>>〜利益は数千万にも上がったらしい。
を数億に(実際は2億ぐらいか)
に訂正をしてください。お願いします。

ああ、もう恥ずかしい。
今すぐにでも「あねさんシリーズ」封印したいぐらいに。
でももう次の話の第一話書いてしまったからそれだけは書かないと。

385 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/01(土) 21:46:12 [ wt0TMFS. ]
第1話>>353>>354
第2話>>365>>366

2人は思わず絶句した。2人が見たもの……それは果てしない死と、死と、死と、死と、
死と、死と、死と、死と、死と、死であった。
「おーい!2人とも待つのじゃー!」
遠くから村長が走ってきた。
「2人とも無事かね…?…これは!!」
村長もこの光景を見て思わず絶句してしまった。村長の言葉でルイス達はふと我に返った。
そして我に返ると同時に激しい異臭がした。死の臭いだ…。この臭いやこの光景を目のあたりにし、
エミルは混乱し気を失ってしまった。
「エミル!!」
ルイスはエミルが地面に体がぶつかるスレスレでなんとかエミルをキャッチした。
「くっ…なんということじゃ…何があったというのじゃ…」
「ぅぅ……」
!!!!!!まだ生存者がいたらしい。村長はその者の元へと駆け出す。
ルイスもエミルをそっと地面に寝かせてその者へと向かう。
「おい!!大丈夫か?!一体何があったのじゃ?!」
さすがの村長も相当焦っているようだ。
「うぅ…ば…けも…のに……み…な…やら…れた……らい…あす…さんも…り…りあ…さんも……みんな…やられ……」
そこでその者は息を引き取った。
「くっ…………!」
(一体誰がこんなことを!)
ルイスは村長のこんなにも怒りにも満ちた表情を見るのは初めてであった。
(そ、そうだ!)
ルイスはあることを思い出した。それは危険を侵してでもここへ来た理由である。
「と、とぉちゃーん!かぁちゃーん!」
ルイスはもう生きていないと分かっていても…それでもほんの少しの希望を持って自分の父と母を見つけようと駆け出した。
地面は血で赤く染められていた。1人1人の顔を確認する。しかし自分の親の顔は見つからない。
途中で既に息絶えているモンスターを見つけた。
(スナイ…リク、リム…あんなに強かったのに…)
しかしその近くに主人はいない。そしてまた駆け出す。少し先に倒れている人がいた。しかも2人…
(もしかして…もしかして…もしかして…)
急いで倒れている人の顔を覗きこむ。しかし期待は裏切られ、それは自分の親ではなかった。
(くそっ!!)
そしてまた駆け出そうとするが、おかしなことに気がつく。

386 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/01(土) 22:25:43 [ pbbVJTG. ]
「あれ…………?」
自然に声が漏れる。この先には誰もいなかったのだ。
(そ、そんなバカな…)
自分が見落としていたのかと思うが、そんなはずはない。確にすばやくではあるがしっかりと1人1人の顔を確認したはずだ。
しかし見つからないのだ。いや“ない”のだ。そんなはずは……確かにあの男は“ライアスもリリアもやられた”と言ったはずだ。
ならなぜいない…?そしてもう一度周りをよく見渡す。すると、少し離れたところに
見慣れた剣と盾、そして笛が落ちていた。
(あれは父ちゃん達のだ!)
ルイスはそこへすばやく駆けつける。それにはべったりと生々しい血がついていた。返り血でついたのだろう。
ルイスは血の匂いをかぐ。確かにモンスターと思われる臭いもついていたがそれだけでなく人間の血の匂いもした。
(やっぱり父ちゃん達は…でも、なんで2人はいないんだろう…)
そんなことを考えていたら混乱してきた。8歳には限界だ。思わず涙がこぼれ落ちた…
ドカーーーーーーーン!!!!
近くで何かが爆発したような音がした。ルイスは泣いている暇もなかった。
(今度はなんだ!)
そして村長のところへ駆けつける。
「そ、村長さん!」
しかし村長はその声に反応しなかった。村長の顔を覗きこむと、村長の顔は怒り、悲しみ、絶望、不安…全てを一度に表したような表情をしていた。
「ど、どうしたの?」
ルイスは不安に思って聞いてみた。
(あの爆発音がした場所は…もしや…いや、それはないはずじゃ…)
「大丈夫じゃよ。念のため君はエミルを連れてそこで隠れていなさい。わしはあの爆発音がした場所へ行ってみる。心配無用じゃ」
そう言い村長は駆け出した。しかしその瞬間、またしても激しい爆発音が響いた。
2人は爆発音だけで吹き飛ばされそうになった。
「ぐ……なんだ…」
ルイスはもうなにがなんだか分からなくなっていた。近くで煙が上がっている。
そして“グオオオォォォォォォォ”という雄叫びとも言える轟音と共にその爆発を起こした張本人が姿をあらわにする。
(なんだ…あれは…?)
それは絶滅したかと思われていた“ドラゴン”であった。ルイスは昔ロマにあったモンスター図鑑を見たことがあるが、
こんなものは見たことがなかった。
「ルイス!!隠れるのじゃ!!」
村長に言われるも、ルイスは動くことができなかった。くそっ!と村長はルイスと倒れているエミルを
両脇に抱え岩陰に隠れた。ルイスは村長に運ばれているときドラゴンの背に人間を見つけた。
兜で顔は見えなかったものの、確かに2人の人間を見た。全身に黒い鎧を身にまとっている。
ルイスはその黒い鎧を着た2人を見たとき、今まで感じたこともない感情が体の中に入り込んできた。
ルイスは8歳にして初めて人を“憎む”ということを知った。

あいつらがむらのみんなを…
あいつらが…………
あいつらがとうちゃんたちを!!!!
そこでルイスは気を失った。――――憎しみ Fin

387 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/01(土) 22:49:43 [ NVjxcFUI ]
調子に乗って書いちゃいましたがやはりシリアスでドキドキさせるような文章を書くのは
自分には難しい…。

では感想までもらったんで感想を

>>タルタルさん
あねさんシリーズ楽しく読ませていただきました。中でも自分は馬鹿犬ことケルビがかわいくて仕方がないw
あねさんインシナ覚えさせてあげてください…。

>>南東方不勝さん
ただいま過去ログから楽しく愛読させていただいています。

>>FATさん
実は隠れファンですw自分が書き始めたきっかけはFATさんだったり…。
双子の話感動しました。

>>闇鍋さん
楽しく読ませていただきました。さすが運キャラ、すごいです。
そんな自分は貧乏剣士

>>見学者さん
サマナかわいいです。まさかシフに兄がいたとは…
そしてその兄からレッドアイの話が…新展開ですね

>>382さん
ありがたく使わせてもらおうと思ったんですが、自分のPC性能悪くて
チェックスタート→ページが表示されません

388 名前:タルタル 投稿日:2006/07/03(月) 23:08:42 [ U8bwHNNY ]
「あねさんシリーズ」
第一話 >>248 >>249 >>251
第二話 >>258 >>259
第三話 >>326 >>347 >>378 >>379

第四話  1
「ヘッジ、ケルビ。ペット捕まえにいくわよ」
突然あねさんは立ち上がってそういった。理由はわかっている。読んでいた”テイマ通信。〜ファミに疲れた人に。癒し系ペット特集〜”に感化されたに違いない。
「じゃあ手なずけるを覚えないと」
あねさんは面倒の一言で手なずけるすら覚えていなかった。
「そんなのはいらないわ。ぶん殴って力ずくで臣従させればいいのよ」
「さすがあねさん。それでこそです」
馬鹿犬ケルビーはそういうが手なずけるを覚えずしてモンスターをペットにできたテイマなど聞いたことが、……あった。そうあねさんの母親であるセスナさんは確かファミリア二体を気合でねじ伏せたという。あの親にしてこの子ありか。さすがはセスナさんの気質を一番受け継いでいると言われることはある。
「で、何を捕まえるんです?あねさん」
「亀よ。亀好きだから。面倒だからギルディル川にいる奴ね」
あねさんの亀好きは部屋中の人形を見ればわかる。その亀と熊が双璧をなし、そのコレクションの七割を超える。のんびりとした動きがいいらしい。
が、別にあねさんのLVなら手なずけるさえ覚えれば十分防御骸骨ぐらい捕まえられるはずなのだが。まあいまさら戦闘用のペット捕まえてもどうにもならないか。
「それに亀ならいざというとき非常食にもなるしね」
あねさんの場合それが冗談ではないから怖い。
私たちはギルディス川に向け出発した。

「そこの美しいお嬢さん。ちょっといいですか?」
「あら、美しいだなんて。もうっ」
ぼごっ、あねさんの一撃はまともに顔面にヒットし、その堕落宣教師はのけぞった。が次の瞬間には笑顔でこう続けた。
「うちの怪しい宗教にはいりませんか? ただですよ」
「ただ?」
堕落宣教師の眼が怪しく光り、あねさんの眼も輝きを増す。
あねさんがただに惹かれて感化される前に黙らせておくか。ばこっ。どす。
「あねさん。こういう人に関わるといいことありませんよ。それより亀捕まえるんでしょう?」
「そうだった。すっかりただに騙されたわ」
そしてまた少し歩くとまたなんかきた。
「そこの現在の流行を逆走した全身真っ赤な貧乳女。できるとみた。この兎ハン……」
言い終る前にあねさんは瞬殺していた。確かにあねさんの胸元は限りなく小さい。というかない。母親のセスナさんも貧乳だったが他の姉妹は普通だったのに。問題は普段は細かいことを気にしないあねさんがそれだけは異常に気にし、
そして初対面の人は必ずあねさんを貧乳と言うことだ。なぜだ?
やっと橋を渡り亀のいるエリアに移動した。
「さて。結構いるわね」
見たところでも五、六匹いる。それより本当に手なずけるなしで捕まえられるのかが心配だ。
「どの子がいいかなっと」
あねさんはそんな心配もよそに品定めをはじめた。自信家というか楽天家というか考えなしというか馬鹿というか。
「ああ、この気持ちはなに? ときめくような、きらめくこの感じは」
また始まったか、あねさんの一人芝居が。
「私の伴侶のなってくれて? よし子」
「グァァァ」
よし子ってだれ? そこらにいた一匹の亀はあねさんの差し出された手に自分の前足を乗せていた。
……。
どうやらこいつがよし子らしい。見たところ別に変わった様子もない普通の亀だ。
それでどうして伴侶なんですか? 伴侶って結婚てことですよね。あのーあねさん?一応世間的にはこの前グレゴリーという人と結婚したはずなんですけどね。もう浮気ですか?しかも亀と。しかもよし子って、雌ですか?
「そう、あなたもわかるのね。私たちの未来が」
にこっとあねさんらしからぬ女性らしい笑みでそのよし子たる亀に抱きつくあねさん。
馬鹿犬ケルビは呆然としていた。私も思考こそまともだが体はすっかり動けなくなっていた。
あねさんは幸せそうだった。

”DJジョニーの次回予想”
「ボケのジョニーことジョニーです」
>>291で一回出ただけで飽きた、の一言で闇に葬られたはずなのによくまた出てこれたわね』
「やっと作者も私の魅力に気づいたということでしょう。それよりらん子さんこそどうして来たんですか?」
『友情出演よ』
「またまた、らん子さんも出たいだけでしょう?」
『黙れ、死ね。ばぎっ』
「こ、殺されそうなんで次回予想行きます。
よし子とグレゴリー。二人の間で揺れるあねさんの気持ち。
愛を取るか金を取るか。
あねさんは自分を見つめ直す旅に出た」
次回「Love or Money」

389 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/04(火) 20:27:48 [ 9fA.ChUU ]
             【姫の瞳】
此処は古都ブルンネンシュティグ王国、昔はゴドム共和国とか言われてたみたい。
この世界には不思議な石があることは皆知ってる。
でもそれは悪魔の石なの。
レッドアイが宝石を見つけたその当年、ブルン暦で 4807年に‘シュトラディヴァディ家の反乱’が起きて、ブルンネンシュティグ王国自体が崩壊してしまったとか言う歴史もあるくらい
でも、それはそれ、私はかならずその魔石を見つけて、、、
世界征服するのよっ!

「姫様〜? どこに居られるのですかー?」
執事らしき人物がそう声を上げて姫を探しているようだ。
此処はどっからどうみても城だ、それもチリ一つ落ちてなく手入れが完璧に行き届いている。
「やれやれ、姫様には困ったものだ」
すっかり困り果てた様子の執事、それを横目にドアの隙間に隠れている影があった。
凛とした瞳に綺麗な亜麻色の髪を持った少女だった。
執事が通りすぎたのを確認し、窓のカーテンを柱に巻きつけ外にスルスルッと降りて行ってしまった。

「ルンルン♪」ご機嫌の様子で歩を進める。
だがやはり姫というご身分もあり、目立ってしまうのは当然だろう、住民が少し騒ぎ出した。
というのが普通だろう。
しかし何回も城を抜けてるせいか、それほど住民も驚かなくなかった、何事も無く挨拶を交わす。
「おや、ミルキーちゃんまた城抜け出したのかい? 執事さんがかわいそうだねぇ」
少し苦笑した様子のおばちゃんである。
「だってー、お城つまんないしーそれに私の野望のために色々とねー」
何時ものように軽い挨拶を交わし歩いて行く。
「そうだー、あいつも誘ってやるか」
そう小さく口ずさむと姫は走り出した。

向かった先は遠くもないし近くもない微妙な所にあるこれまた微妙な大きさの城があった。
城の門の前に立ち止まるやいなや、大きく息を吸った。
「おおおーい! リィニー!」
城中に響く大きな声、その声はたとえるなら、削岩機とでも言って置こう。
声が響き少し時間が経つと中から少し気弱そうな男の子が出てきた。
「シルビア、五月蝿いよぅ、、」
耳を塞ぎながらそう呟く、恐らく彼の耳の中では耳鳴りが発生していることだろう。
「うっさい! 一緒にお出かけしてあげるんだから感謝しなさい!」
胸を張り威張る。
少し迷惑そうに顔をしかめるリィニーだったが何時もの事なのでもう慣れてしまった。
「で、シルビア、今日は何処に行くの?」
「何時ものとこよ」
歩きながら喋る。



今日はそうは行かなかった。
「姫様! 見つけましたぞ!」
後ろから野太い声が聞こえたと思ったら執事の大群が押し寄せていた。
「げ、、」
さすがにこんだけ居る中を突っ切るのはさすがに無理であろう。そう悟ったのか少し涙目を見せ、泣いているポーズをとった。
「ごめんなさい、、だってだって、リィニーがどうしても私と会いたいって言うから」
「えっ」
リィニーは困り果てた表情しながら一応頷いた、それを否定するとどうなるかを彼は知っているからである。
しかし、その手は何時か使ったことがあり、その時まんまと逃げられているので執事達は首を横に振り無駄だという事をアピールした。
シルビアは観念したのかため息をつきながら顔を上げた。
「しょうがない、、、これだけはやりたくなかったけど」
そう、観念するはずがない。
「私の超必殺魔法で貴方達を私の愛の虜をしてあげる!」

・・・

もちろん全員沈黙。
「信じてないわね、、、?」
彼女は手を空に掲げ小さく詠唱を始めた。
「ケルキリエニウム・・・エウゲン!!」
彼女がそう叫ぶと煙がもくもくと立ち篭った。
「逃げるよ!」
リィニーはシルビアに引っ張られ煙の中から脱出した。

「ふひー」
少し少女らしくない声を上げ倒れこむ。
「シルビア、汚いよ」
そんなのお構いなしと言わんばかりに寝っ転がる
でもリィニーはこういう時のシルビアが好きだった。
「やっぱ、シルビア可愛いなぁ」
そんな事をしみじみ思うリィニーであった。

390 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/04(火) 20:29:45 [ 9fA.ChUU ]
とりあえず今は時間がないのでこれだけで。
姫ストーリーですけど頑張って書いて行きたいと思います;

391 名前:かーど 投稿日:2006/07/05(水) 00:16:38 [ qhlN9RpY ]
泣きたいほどに何も出来ない事を忘れたい。


合わせる顔が無い、とまでは行かないが流石に平気な顔で会いには行けない…。
ただ、暗い顔をして会いにいくべきではないのだから合わせる顔が無いというのはあながち間違いでは無いのかも知れない。
いやいや今はそんな言葉の仕組みについて思考してる間じゃないのに…、

「レーナーミーアー!」

ちょっと遠くから間延びした声で私の名を呼ぶ、見知った声…。
声は見えないのに見知ったというのも随分おかしな話だが、そんな事は今はどうでもいいのに!
これは現実逃避なんだろう。無理矢理思考に決着をつけた。

「…遅れました、すみません」

「いいよ気にしないから」

ラッセルという…、先輩剣士なのに、頼りないくせに、やっぱり先輩と感じさせるようなオーラがある。
無駄に優しすぎるのは問題だ。私の話を全部肯定されるのが少し気に食わない。
今だって待ち合わせの時間に遅れたのに、一つも怒る事無く全部を許容してしまう。

どうにもこうにも、この世界では自分の職の先輩より他職の先輩が多い。
同職だと、知っているという知識が先に憧れと云うモノを作り出してしまうからだろう。
何も知らない分、その人間性を優先して見れる。それが、嫌いだ。

「取り敢えず移動しよう。ここ人多いし」

苦笑して周りを見るように促す先輩。
ここはアリアンの露店商が犇く場所であり、確かに立ち話だけでも十分邪魔になる。

「じゃあ酒場ですね」

「人少ないといいねー」

無愛想(だと言われた、自覚は無い)な私に相対するように陽気な先輩は、あまりにも不釣合いだろう。
それが何だか、少し可笑しい。少し笑って頷いた。

酒場に向かう間はどちらも喋らない。
私は重たい武器やら防具やらを、如何に平気そうに持ち運ぶかに必死だし(少しでも重そうな素振りを見せたら手伝わせてしまう)、
先輩は至るところに出ている露店を興味津々といった顔で見ている。
(たまに何か言おうかとこちらを伺っているが全面無視。ごめんね)

酒場のひんやりとした扉を開けると、思ったほど人は居ない。
矢張り昼間から飲みに来るやつは居ないのか、しかしそれにしても少ない気がする。
その方が都合が良いのだけれど…、先輩は気にならないのか…。

店の一番左奥のテーブルに座る。
注文はせずに、早速持ってきた荷物をごそごそと広げる。

「・・・全部です」

手持ちの荷物を全て広げ終わって、壁に下げられたメニューを見ている先輩に声をかける。
すぐにメニューから目を離し、「ふむふむ」、などと頷きながら、私の広げた武器や防具を一つ一つ丁寧に見ていく。
一通り見終わるまで、今度は私がメニューを見る。
…パフェなんかあるのか…、ちょっと食べたいかも…。

「あれだね」

「はい」

先輩が話を切り出す。

「弓は軽いのにしてるんだね。それは感心なんだけど…」

そこまで言って、ごそごそとカバンから紙を取り出す。

「シャープベンダーって知ってる?凄い軽いんだよー」

「名前だけなら…」

「うんまぁ、そういう弓がある。物理的なダメージを与えないレナだったら、その弓を使ったほうがいいよ」

「っていうか、そんな弓どこにあるんですか?」

この職業について結構長いつもりだけれど、それなりに知らないことがあったらしい。
思ったより自分の知識はまだ浅いようだ。

「どこだろうね…。アリアンの露店とか伝言板使えばすぐ見つかると思うよ。最近は魔法をやめて物理に転向する人が居るみたいだし」
レナみたいにね。と付け加える。

「物理時代の事は良いんですよ。セリネさんみたいにはなれないの分かったわけですし、私は私の道を往くだけです」

「そうだねー。レナはそういう子だったね。余計な話してごめんね」

そういった先輩に、頭を撫でられた。畜生、またやられた。
弱い事を意識的に認めさせられるようで、同情や、ましてや頭を撫でられるなんて…。
涙目になって顔を上げられない私を察したのか、先輩は酒場の主人にパフェを2つ頼んでいた。

392 名前:かーど 投稿日:2006/07/05(水) 00:20:17 [ qhlN9RpY ]
再びやってきました。
ROMってようかとも思ったのですが、このスレに書き込んでいる方々のを見ていると
ついつい書きたい衝動が…。
皆さんの作品、ひっそりと楽しみにしております。
前回の作文の感想ありがとうございます。まだまだ力不足な感が否めませんが
これからもまたお邪魔させていただくことにします。
…というかシリーズ化しそうで怖い。

393 名前:タルタル 投稿日:2006/07/05(水) 12:32:19 [ hfUQyDik ]
「あねさんシリーズ」
第一話 >>248 >>249 >>251
第二話 >>258 >>259
第三話 >>326 >>347 >>378 >>379
第四話 >>388

第四話 2
「よし子、買い物行くわよ」
「グァァァ」
そんなことを言って朝からどこか行ってしまったあねさんとよし子だが、今の所はただの主人とペットの関係だ。
少なくともグレゴリーと離縁しようとはしていない。
問題は馬鹿犬ケルビーだ。
確かに元々能無しで一緒に騒ぐぐらいしか役割のなかった馬鹿犬はあねさんがよし子にぴったりとなった今は何もすることがないのは確かだが。
それでもよし子に対し怒ったりいじめたり悪く言わないのは人がいい、というより馬鹿だからだろう。
それで泣き寝入りし、私に泣きついてくるのは非常に迷惑だが。
「ヘッジ、ヘッジ。遊んでよー」
そして今日もきた。こっちはあねさんのいない間に洗濯と掃除をしなければならないというのに。私は洗濯物を干しながら答える。
「子供か、お前は。元凶はよし子だろう。なら奴に夜襲でもかければいいだろう」
「そんなことしたらあねさんが悲しむよ」
人は彼をやさしいというのだろう。だが私は馬鹿ただの馬鹿犬としか思えない。思うことは誰でもできる、実行してこそだ。
「ヘッジー、ヘッジー」
馬鹿犬は私の体にしがみついて来た。
「こっちは洗濯で忙しいんだ、一人で遊んでろ」
……母と子?

「ただいま〜」
夕方。あねさんはまた両手いっぱいに袋を持って帰ってきた。
「見てみてヘッジ。これがよし子のリボンで」
このリボンとか言ってるものだが、今もよし子は頭につけているが、
あねさんの場合そのまま紐として頭に結んであるだけ、つまりはちまきのようになっている。
……まあ、いいか。
「これが甲羅洗うためのたわしで、これがよし子にすごく似てるぬいぐるみで、これが亀の飼育マニュアルで、これがこち亀で」
最後の何?
まあ、これが俗に言う恋ボケか。
「もうね、どこいってもかわいいペットねって言われるのよ。ねえよし子」
「グァァァ」
自分では気づかずに言わせているのかも知れませんよ。
「とにかく今日はおなか減ったわ。ヘッジ、ご飯」
早い。まだ夕方なのに。よし子と一緒だから年甲斐もなくはしゃいだのだろう。
「はいはい、今作りますから。お風呂でも入っててください」
「はーい。じゃよし子いこっか」
……母と子?

今日の夕食はきのこパスタ。
あねさんとよし子と馬鹿犬と私。
平和な夕食の時間だった。
「でさあ、よし子がねえ」
またよし子ネタか。ま、私は別にひがみはしないが。
それよりよし子が来てからあねさんの性格が丸くなったような気がする。
恋をすると女性は変わるというが、ということはやはりあれは恋なのか。
うーん、まああねさんが幸せそうだからいいか。
終始不気味なほどににこにこしているあねさんを見るとそう思ってしまう。
ケルビはあれだがなんとかなるだろう。もう子供じゃないんだし。
「ねえヘッジ。今まで泥棒とかいろんなことしてきたけど、こんな生活もいいのかもね」
やさしく微笑んでらしからぬことを言った。
……。
あ、今わかった。
よし子を食べようとしているんだ。十分なつかせて、太らせて食べるつもりだ。
亀好きはたぶん食べるのが好きなんだ。熊もそうだ。どちらも美味らしいし。
今まで食べているところを見たことはないが、そうに違いない。
でなければこんな金にならないことにあねさんが興味を持つはずがない。
最初非常食になるって言ってたしな。
亀の料理か、勉強しとかないとな。


「ジョニーの次回予想始まるよ」
『ていうか全然内容違うじゃない』
「だから次回"予想"なんですよ。私が独断と偏見で勝手に次回を予想しているだけで」
『それ意味あるの?』
「ないです(はっきり)」
『じゃあなんでこんなコーナーできたの?』
「作者の気まぐれです(はっきり)」
『作者って、馬鹿』
「ひゃぁぁー。ラン子さん。何いってるんですか。作者に怒らせたらこのコーナー潰されますよ」
『まあ、あんたが馬鹿だから、その作り手の作者が馬鹿でもおかしくはないけどね』
「ひゃぁぁー。また言った。ああ、潰される間違いなく確実に潰される。完全抹消される」
『……もう時間だから次回予想行けば?』
「うう、じゃあ最後の次回予想いきます。
ついに真実の愛に目覚めたあねさん。ついにグレゴリーとの離婚を決意し離婚状を叩きつけた。残念そうだが受理するグレゴリー。が一週間後吹っ切れずついにストーカーとなってしまう。
何度ぶっ飛ばしてもついてくるグレゴリーに対し、あねさん一行は終わりなき逃避行を始めた。全てはよし子への愛のため」
次回「I Love よし子」

394 名前:双月・第二話 投稿日:2006/07/06(木) 17:22:51 [ W7ci29Dk ]
双月一話>>311 >>317


 己の意思を剣と為し、己の身を盾と為し、信念の従い敵を薙げ。信念に従い主を守れ。
 我は力なり。我は生命なり。我は意思なり。
 汝は荒ぶる豪腕なり。汝は健やかなる身体なり。汝は冷静なる思考なり。

「やっと泣き疲れたのか? 小娘」
それが、ザルクとミルスの最初の出会い。

双月・二話・少女と野獣


 あれから、二年が経った。
「なんで私の事、名前で呼んでくれないんですか〜?」
 ベッドに腰掛けたミルスが、いかにも不服そうに唇を尖らせて問いかける。
鎧を脱いで肌着になった彼女の胸は膨らみが見て取れたが、その身体は普通の少女とは違い筋肉の隆起を見せていた。
 最初の頃とは随分と印象が変わっていた。しかし、今の彼女の仕草は年頃の少女らしさを見せている。
「小娘だからだ」
 そんなミルスの質問を、ベットに寝転んだザルクがにべもなく返す。
 こちらは最初の頃と、そして鎧を着ている時とさして印象に変わりは無い。
短く刈りあげた黒髪。深い皺が刻まれた眉間。そして、鎧を脱いでいるからこそ改めてわかる、がっしりした身体。
「むぅ〜」
 最初の出会いからは考えられないような二人のやり取りだが、ミルスはもとよりザルクも特に気にしていないようだ。
ただミルスは、自分の事を小娘としか呼ばないザルクに不満を持っていたが、それ位の事しかなかった。
 ここはハノブの宿屋。抗夫の宿舎も兼ねたその部屋は実にそっけない。
 二年の間に随分と色々な場所を旅した二人だが、ここ数週間はハノブに滞在していた。
 ハノブは鉱山で有名な町だが、冒険者にとってワリの良い仕事が多い事でも有名だった。
「小娘小娘って……」
「なんなら、こんなのはどうだ? 可愛らしいお嬢ちゃ……ぐっ!」
 その口が閉じられる前に、枕がザルクの顔面に叩き付けられる。
 今のミルスは、鎧を脱げば少女らしい体付きを見せるものの、髪形は短く刈り、腕には幾つもの傷痕が走っている。
鎧を着込めば、その外見は小柄ながら男と変わらない。ミルス自身は仕方なく思っている節があるものの、女性らしい外見と

は程遠いと言う事を気にしていた。にも関わらず、今のミルスにとって’お嬢ちゃん’呼ばわりされるのは痛烈な皮肉だった


「もういいです……」
ミルスは拗ねた口調で言うと反対側を向き、仔猫のように背中を丸め不貞寝をした。
「ほれ、枕」
そんな彼女の傍に枕を差し出すも、無視される。ザルクは頭を掻き、そのまま枕を置いた。
「ところでだ、最近一つ問題があってな」
「なんですか?」
改まった口調で語りだすザルクに、ミルスが顔を向ける。
「最近の学者と言うのは、実に金持ちだ。お陰で金も随分と貯まった」
笑いかけながら話すザルクを、ミルスは怪訝そうに見つめる。だからどうしたとでも言いたげだ。
「が、知って通りハノブじゃあ金の使いどころがほとんどない。そこで、明日ブルンネンシュティングに向かおうと思うのだ

が、どうだ?」
「本当ですか!?」
途端にミルスの表情がパァッと輝いた。
 古都ブルンネンシュティング。そこは何度か足を運んだ事があるものの、田舎育ちの彼女には魅力的な物が沢山あった。
綺麗なアクセサリーに、甘いケーキ。整備された石畳に、勇壮な議事堂。
そんな事を思い描いているのだろう。彼女の表情は正に夢見る乙女。元のセミロングの髪型だったならもっと愛らしかっただ

ろう。
「やっぱり小娘じゃね〜か」
そんなミルスを見ながら、ザルクは呆れた顔でぼそりと呟いた。

395 名前:双月・第二話 投稿日:2006/07/06(木) 17:23:42 [ W7ci29Dk ]
 春の日差しに包まれるも、山脈の風はまだ冷たい。
日差しと暖かさをやっと感じられる気温も相まって、心地よい涼しさを際立たせる風は、油断すれば身震いをさせられる。
 そんな中、荷物を背負った二人がゆっくりとした歩調で歩いていた。
 ザルクの荷物はさっぱりしたものだ。炎をかたどった大剣に、その身体のワリには小さい荷物袋。
 一方のミルスは、一抱えもあるカバンを背負い、盾と剣を持っている。その剣はザルクのものより二回りも小さい印象を与えるが、少女が構えるには随分と大げさだ。盾もしかり。荷物のせいでその小柄な身体は、大きく膨らんで思える。
「春ですね〜」
 だが彼女の足取りはおろか、口調さえ荷物の重さを感じさせない。それどころか嬉々とした印象さえ感じられる。
「そういえば、ザルクさんはなんで旅をしているんですか?」
「……その質問は何度目だ?」
さもウンザリしたようにザルクが返す。この年頃の少女と言うのは、何かを喋らなければ気が済まないらしい。
 重い荷物を持っていようがお構い無しにおしゃべりを始めるミルスに、ザルク。
「だって、前も、この前もはぐらかしてばっかりじゃないですか」
「はぐらかすも何も、それが全てだからだ」
「嘘は良く無いですよ〜」
ただの傭兵だった。そして今は引退して放浪生活をしている。ザルクはいつもそう答えていた。
 しかしそれは、ミルスにとってはあまりにも詰まらない答えだった。
大剣のさばき、技のキレ。片手剣も使いこなし、剣士が使うとされる技も使いこなす。
いままでミルスが教えてもらった技は、全てザルクに叩きこまれてきたモノだ。そんな彼が凡庸な戦士だったとは考えにくい。きっと面白い話があるはずだ。そんな期待がミルスにあった。
「戦士が、剣士の技を使えるなんて変じゃないですか」
「お前は、剣士と戦士の違いを何だと思っているんだ?」
「え?」
きょとんとした表情でザルクを見つめる。
「え〜と、剣と盾を持っているのが剣士で、両手剣を持っているのが……」
「結局大剣というは、片手剣の延長でしかない。大剣は片手剣に手馴れた奴が持つモノだ。が、アウグスタの辺りの連中はそれをすっ飛ばして、いきなり大剣で訓練を始めるからそんな事を言われているんだろうが、剣士と戦士の違いはそんなものじゃない」
 正規の訓練を受けた事が無いミルスには、初めて聞くことだった。
「剣士と戦士。階級的などうこうは別として、精神的に言うとだな……、剣士は儀礼を重んじるお坊ちゃま。戦士は戦いを信条とする荒くれだ」
「むぅ……」
 眉間に皺を寄せたミルスが、腕を組んで考え込んだ。剣士にしても、戦士にしても得物が違うだけで、どちらも戦いを信条としている。それがミルスの常識だった。しかし、それをいきなりぶち壊された上に、ややこしい事を言われた彼女は理解しようと必死になっていた。
「剣士も戦士も、戦いを信条として剣を持っているんじゃないんですか?」
「剣士は言ってみれば貴族だ。自分のメンツを守ったり、体裁を繕う為に剣を振るい、盾で守る。当然、お坊ちゃま的にいう’卑劣な行い’はしない。だが、戦士は金の為だろうがなんだろうが、戦いが全てだ。そして勝つためには手段を選ばん。もっとも、貴族と違って戦場じゃあ、手段なんざ選んでられんがな」
「むぅ〜……」
 眉間の皺を更に寄せて、ミルスは息でも詰まったかのように呻く。新たな知識という洪水に巻き込まれて、溺れているようだ。すこし哀れなようだが、ザルクはそれ以上何も言わず、ただ安堵の溜息を吐くばかり。
 やっと黙ってくれたのだ。ザルクとしては、そのままもうしばらく黙っていて欲しいのだろう。
 相変わらず、涼しい風は二人を撫で続けていた。

396 名前:双月・第二話 投稿日:2006/07/06(木) 17:25:19 [ W7ci29Dk ]
 ハノブからブルンネンシュティングまで歩くとなれば、何日かはかかる。
 山脈で野宿した二人は今日もブルンネンシュティングを目指し歩いていた。
しかし突然、二人に向かって何かが飛び出してくる。
 目にも止まらぬ速さで抜刀したザルクが、向かってきた何かを大剣の平面で打ちつけた。だが、打撃音がしない。
 飛び出したそれは器用にも大剣に’着地’し、それを足場に飛び跳ねて反対側の地面に着地する。
 異常な運動神経。体毛に覆われた体躯。そして頬まで裂けた口とぎらつく瞳。
 それはウルフマンだったが、何かが違う。それはウィザードが変身するものと相場が決まっていたが、理知的な気配が全く無い。そればかりか、どんな者でも寸分残っているはずの理性さえ全く感じさせない。
 以前ミルスがアジトで感じたどす黒い感覚。それよりも更に暗く、こびりつくような不快感を催させる感覚。
それがウルフマンから放たれ、ミルス達を苛んだ。それは二人のみならず、周囲がその感覚に汚染されていくような感じさえする。
その感覚は、瘴気と表現してもいいかも知れない。その容姿は瘴気を振り撒く狂狼。正にそれだった。
 ミルスは、何処かでこの感覚を感じた気がした。強盗のアジトでは無く、もっと別の何処かで。
「死にたく無ければ、盾を構えていろ」
 瘴気に中てられ、呆然としているミルスにザルクは静かに言い放った。
ミルスが戦闘態勢を整えるのを横目で確認すると、ザルクは大剣を構えながら、目の前のウルフマンを睨みつける。
 構えは正眼。大剣の切っ先は、ザルクの視線とウルフマンを結ぶ線の上に位置し、攻撃にも防御にも即座に対応できるようにゆらゆらと揺れている。
 本来は攻防両立の極めて一般的な構えであるが、一撃必殺、攻撃こそ防御なりを体現する今までの彼の戦い方を鑑みれば、明らかに防御を意識した構えだった。つまりそれは、一撃で仕留めきれない可能性をザルクが感じている証拠ともいえた。
 事実、ミルスは実戦でザルクが攻撃最重視の大上段以外の構えで戦うのを、これまで見た事が無かった。
「喰ワセロ……喰ワセロ……」
ウルフマンが息を吐くたびに、言葉を発するたびにだらしなく伸びた舌から、涎が滴り落ちる。
 そのさまが、より一層恐怖を掻き立て、涎からも立ち昇る瘴気が景色を満たしていくようだ。
 だが、ザルクはあくまで戦士だった。
「来い」
平然とした口調でウルフマンを促すと、全身から殺気を放った。それはまるで目の前のウルフマンが、ただの毛玉に見える程の圧倒的な重圧で瘴気を塗り替えていく。瘴気と殺気。二つの禍々しい気がぶつかり奔流となってあたりを汚染していく。
 その奔流が最高潮に達した時、ウルフマンが飛び跳ねた。
 身体を丸め、ザルクに突進した毛玉。それはザルクの大剣に弾き返されると、そう遠くない地面に足をつけ両手を広げて再びザルクに襲いかかった。 一薙ぎで頭を弾き飛ばしそうな爪を、一回、二回、三回。それをワンセットとして、何回も繰り出す。腕の残像が次の残像に掻き消され、音が響くよりも早く音がなり始める程の速さで繰り出される。目にも止まらぬではまだ足りぬほどの凄まじい速さ。外見同様、正に人外の業がザルクに襲いかかっていた。
 だが、ザルクとて負けてはいない。先ほど殺気を放った時に既に織り込んでいた分身が、人外の所業たる怒涛の爪撃を順次、燃え盛る大剣で凌いでいた。ディレイクラッシングや、ハリケーンショックに代表される分身術。それを防御に応用した技であるが、そんな事をする戦士はザルク以外にいないであろう。
 爪を大剣の平面で弾き、ワンセット凌ぐとまた次の分身が相手をする。
 刃で受ければ、真っ二つになったその腕は速度を緩めること無くザルクを抉るだろう。
最初の突進も然り。平面で凌ぐのは情けをかけているように見えて、もっとも理に適った’攻撃’方法だった。
 事実、燃え盛る炎をエンチャントされたザルクの大剣は、爪が打ちつけられるたびに、その爪を、毛で覆われた掌を焦がしていった。
 人外の速度に対応するは、常識外の戦術。理性無き横暴に対するは、理性と経験に裏打ちされた匠の技。
 両者ともに、肉体的な差こそあれど、戦闘の優位性は拮抗していた。

397 名前:双月・第二話 投稿日:2006/07/06(木) 17:26:18 [ W7ci29Dk ]
「ウガウッ!」
 突如、打撃音が止むと同時に、ウルフマンがバックステップを刻む。それに追い討ちをかけるように、残っていた分身が一気に散開し大剣を振るう。
 しかし、並みの人間がするバックステップならまだしも、人外のするそれはとてつもなく鋭く、追いきれるものではなかった。跳ねたウルフマンが追い討ちを全てかわし切ると、瞬く間に’ザルクの間合い’の外に逃げた。
 だが、それはあくまで’ザルクの間合い’から逃げたに過ぎない。ウルフマンからすればその場所は間合いの内だった。一瞬にして遠距離を無距離にできる間合い。その計算もまた感性に裏打ちされた戦術。安全圏にして攻撃圏内のその場所で息を整え、鈍った殺意という名の爪を砥ぎはじめた。
「な……なんなんですかぁ?」
 震える声でミルスが問いかけるも、ザルクは何も答えない。ザルクはあれだけの事をしたものの、息一つ切らしていない。ただ、ただ眼前の毛玉を睨みつけ、殺気を放っていた。
 なんとかへたり込みそうになるのを押さえながら、ミルスは盾を構え続けた。
 この震えは瘴気に因るものではない。もっと恐ろしい、まるで何か巨大なものの睨み付けられているような感覚。
ザルクから発せられるその感覚は、禍々しさこそ無いものの、純粋な畏怖をミルスの心に満たしていった。
 ザルクの背中が脈動を始める。いや、実際はしていないのだろうが、波打った殺気がそんな幻影を見せた。
それと同時に、幾つモノ分身が織り込まれていく。今度はハッキリと数を数えられるほど、実体を持っている。
 十、いや二十……それよりももっと多くの分身が織り込まれ、脈動に共鳴するように揺れ動く。
 まるで、何かのタガが外れたように常識外の量の分身が、次々と作り出されている。
 そして、その背中の向こうの毛玉もまた、次の攻撃への準備を進めていた。

 互いに最後の刻を思わせる静寂が、辺りを包む。瘴気と殺気の激流が渦巻く中でも、静かに響く無音の調べ。
 だがしかし、いつでも静寂は突然破られるものだ。
「ウガァッ! 返セ! 石を返セ!」
 ウルフマンが跳ねた時、打撃音と爪と刃が擦れ合う音が木々を揺らし、風を切り裂いた。
 ただ、力任せに破壊する事のみを念頭に置いた爪撃。それに顎での攻撃も加わった。
 力任せと言いながらも、充分に鋭い攻撃が縦横無尽に襲いかかる。その速さ、先ほどの比ではない。
それに顎に並ぶ牙も織り込まれるのだ。さっきと同じ要領ではとてもではないが捌き切れないだろう。
しかし、ザルクはそれでも捌いていた。さっきよりも速く正確に爪を弾き、次の爪が振り下ろされる前に他の分身が大剣を振り下ろす。防御と攻撃を交互に行っているものの、ミルスはもとより一体どれほどの人間がその技を見極められるであろうか。ザルクとてその動きは人外であった。それは神技の域に達しているとさえ思わせる。
 百華繚乱、剣戟烈牙。
 舞い散る火花は華と咲き乱れ、双方の得物は必殺の牙と化す。爪が鳴り、剣が哭き、切り刻まれた哀れな風が大地を揺らす。
 互いに避け、攻め、防ぐ。その攻防、熾烈を極めた。
だが、その喧騒も突然破られた。
 ザルクが見せたほんの一瞬、針の先ほどの隙をウルフマンは見逃さなかった。
 刃を払い、ザルクの胴を薙ぎ払うと、そのまま前に飛び出し、ミルスの目の前で着地した。
 改めて近くで見るからこそわかる、禍々しい顔つき。そしてケモノ臭。
 その口から吐かれる生臭い息がミルスの鼻腔を犯し、その奥の脳髄に怯えの感情を染み渡らせる。
ぎらつく瞳に見つめられる。思ったより大きな顔が目の前に突き出される。ミルスの時間が止まった。
一瞬、本当に一瞬だったろうが、ミルスはウルフマンの顔を観察し、まぶたの奥に焼き付けた。それと同時にあの時の記憶が思い出される。
 切り裂かれるみんな。地面にはじけ飛ぶ血と肉塊。そして、毛むくじゃらなみんなを喰らう化け物。
忘れるはずも無いあの時と同じ感覚。同じ化け物。
「あ……い、いやぁ……」
 掠れた声がミルスの口から漏れた時、ウルフマンの口が大きく開かれた。
「グ……グアアアァァァァ〜〜!」
突如悲鳴を上げて身をよじるウルフマン。その影から、血に染まったザルクの顔が飛び出した。
「舐めるんじゃ……ねぇよ!」
大量の血に染まっていながらも、ザルクの声にはしっかりと力が篭っていた。そのまま、ザルクが力を込める。
「グウッ! グアウ! グアアアアア〜〜〜〜!!」
 攻撃の為では無く、ただもがくが為に振り回された腕で地面を掘ると、ウルフマンはそのまま飛び跳ねて行った。
「逃がしたか……」
 ウルフマンが逃げ行った方向を見つめ、ザルクは独りごちる。
いつもと変わらぬ風に立つザルクは、鎧こそ切り裂かれているものの、その中まで切られてはいないようだった。

398 名前:双月・第二話 投稿日:2006/07/06(木) 17:29:24 [ W7ci29Dk ]
つまり、彼が被っている血は全て、ウルフマンが流したものだった。
手にはいつもの大剣では無く、奇妙にくねったナイフを握っている。
「大丈夫か?」
いつもの顔でザルクがミルスに問いかけると、ミルスはそのまま膝を折って座りこんだ。
よほど怖かったのだろう、声を上げる事も無く、ただ愕然とした表情で涙を流している。
いくら修羅場を潜ったとはいえ、ミルスはまだ十四歳の少女にしか過ぎなかった。

 あのウルフマンに出会ってから、何日か後。古都ブルンネンシュティングを歩く二人の姿があった。
 ザルクはいつも通りであったが、ミルスの表情は浮かない。ハノブとは比べ物にならない程の人ごみ。
それに混じって、あのウルフマンが何処かでにいるかと思うといても立ってもいられない。そんな感覚にミルスは苛まれていた。
「って、おい……おい! 聞いているのか?」
「え、あ、はい?」
さっきまで、半ば我ここにあらずと言う風なミルスが、返事をした。
「大丈夫かよ……。ほら、これを受け取れ」
「え? 何ですか?」
受け取った金貨袋を見ながら、訝しむようにザルクを見つめる。
「十万ゴールドその中に入っている」
「えぇ?」
 十万ゴールドという大金を聞き、思わず耳を疑うミルス。
 だが、次の言葉にミルスは、更に耳を疑う事になった。
「それを元手に、ここで一ヶ月間独りで生き抜け」
「……」
ミルスの動きが完全に止まった。そして、
「あ、え、え、あぁ? ええ? ……ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜!!」
素っ頓狂な声が古都に響くも、その声は周囲の喧騒に掻き消されていった。


二話・少女と野獣/終
後書き・長くてスミマセン……orz 
 テンポのいい話に憧れるも書きたい物が多すぎて、ストーリーが足踏みしてしまいます。

399 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/07(金) 18:22:19 [ 3ebeVURg ]
第1話>>353>>354    第2話>>365>>366    第3話>>385>>386    ────ん……ここは……ルイスが目を覚ましたときそこは見慣れた自分の家のベットであった。
(何だ、ただの夢か…)
「かあちゃーん!腹減ったよう」
ベットから起き上がり母親に飯の催促をする。しかし誰も反応はしなかった。
それどころか家には誰もいなかった。なんでだろ…?そう思いふと窓から外を覗く。すると村の集会所に村人が数人入っていくのを見た。
なんだ、みんな集会所にいるのか。そしてルイスは素早く着替え自分も集会所に向かった。

集会所の扉をそっと開け、コソコソと入る。集会所にはほとんどの村人がいた。珍しいなと思いながらとりあえずエミルを探す。エミルは建物の端にいたのですぐに分かった。
「おーい!エミル〜、どうしたんだよ?みんなが集まるなんて。それにお前もいつも以上に暗い顔して。なにかあったのかよ?」
ルイスが気軽に声を掛ける。
「お、お兄ちゃん!!」
エミルのその声で村人達もルイスがいることに気づいた。ル、ルイス!大丈夫だったかい?怖かったろう?などと聞かれ、意味が分からずルイスは混乱した。
「どうしたんだよみんなして。俺はなんともないよ?それよかなんかあったの?」
「覚えてないのかい?一昨日のこと」
(一昨日?一昨日は確か俺は父ちゃんが遊んでくれないから村のみんなと遊んで…)
「君は2日間眠り続けていたんだよ」
(2日間!?何で俺が?)
ルイスはさらに混乱した。
「じゃ、じゃあ今何してるの?」
それを聞くと村人は気まずそうに顔を合わせ、少しの間の後ゆっくりと頷いた。
「君の父さん達の…葬儀さ」
(ぇ………?あれは夢じゃ……)
それを聞いてエミルは泣き出した。それを見てまた泣き出す者もいた。
「嘘だ!!父ちゃんに限ってそんなわけないよ!!確かにそんな夢も見たけど……」
そして村長がルイスに近づいてきた。
「ルイスよ、その夢は夢なんかじゃない。紛れもない事実なのじゃ。ライアス達のことも、君が2日間眠っていたことも、そして今葬儀をしていることも」
(嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!)
自然に涙が頬を伝った。
「……君はわしと一緒にきなさい」
そう言うと村長はルイスの腕を掴み個室へと連れていった。
「ふぅ……まずは何から話せばよいのやら…」
「……………………」
「大丈夫かい?」
「……………………」
「……まぁ、それが普通じゃろう。まずは…」
そして村長はすべてのことをルイスに伝えた。
あれからドラゴンは村を襲わずどこかへ消えていったこと。村人達が必死に探してもライアス達の遺体は見つからなかったこと。
そしてあのドラゴンは何十年も前にロマの戦士達に封印された古代龍だということも……。ルイスも村長に黒い鎧の2人組のことを教えた。
「ふむ…そうか…」
ルイスは出てきそうな涙をぐっと堪えた。
「君も……我慢しなくていいんだよ。悪いものは全部吐き出しなさい」
村長が優しい声で言うと、堪えていたはずの涙が急に溢れだした。
「う、うわあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
その泣き声は村中に響き渡り村中を一層切なくさせた。────悪夢の後 Fin

400 名前:復讐の女神 投稿日:2006/07/08(土) 00:56:53 [ o5cm4Aqs ]
三人で冒険に出ることになり、ジェシは少しワクワクしていた。
ジェシは、基本的に一人で全ての依頼をこなす。
誰かと一緒に冒険することは、めったに無いのだ。
「行くなら早くしましょう? 村の人たちを、いつまでも怯えさせるわけにはいかないわ」
「うむ」
「ということだ。ビシュカ、お兄様たちは行ってくる。留守は任せたぞ」
3人が揃って立ち上がると、ビシュカは寂しそうに顔を伏せた。
「えぇ、ご無事をお祈りしています」
ジェシは、ビシュカの髪の毛をくしゃっとして、テラスを後にした。

冒険者の準備というものは、そう時間がかかるものではない。
彼らは、現地で物資を調達することも少なくないからだ。
中には、お金と武器や鎧を持っただけで出るものもいるくらいである。
そして、お金持ちのボイルのことである、魔術の発動体である杖と軽い鎧を着るだけで、あとは現地で全て調達
するものとジェシは考えていた。
「…なんだい?」
しかし、この男にはそんな常識など通用しなかった。
いや、まさかここまでとは…。
「僕の魅力に気づいたのかい? ははは、照れることは無いよ」
ボイルは、普段着に杖という信じられないほどの軽装だった。
もっとも、彼の普段着というのはそれはそれで高価なものであるのだが。
「まさか、その格好で出る気? 死にたいの?」
「ははは、まさか。私だって、この格好で出るわけではないさ。ただ、私の鎧などは現在整備しててね。今から
取りに行かなければならないのさ」
肩をすくめ、ため息をつくボイル。
その格好が型にはまっているのは、鏡の前で練習しているからだろうか。
「あぁ、安心してくれ。修理はすでに終わっていると連絡はもらっている。受け取ったらすぐにでも出られるよ」
それならしょうがないと、ジェシは納得する。
ジェシは基本的に、相手の攻撃に当たらない戦法を取る。
そのため、鎧の修理はめったにしない。
フェリル司祭をみるが、別段文句はなさそうだ。

401 名前:復讐の女神 投稿日:2006/07/08(土) 00:57:45 [ o5cm4Aqs ]
「ん? あぁ、ボイル君はいつもこうだからな。修理に出すというより、物置にしているのだよ」
鍛冶屋を物置にする…ジェシには考えもつかないことだ。
鎧とは、自分の身を守るもの。
常に、自分の側においてあるべきものだ。
武器もまた、然りなのである。
「では、行って来る」
ボイルが背を向け門に向かって歩くと、屋敷中から。
「「「行ってらっしゃいませ、皆様道中お気をつけて」」」
訓練でもしているのだろうか、揃った声が響いた。
ジェシが驚いて振り返ると、家中の人間が3人に向かって頭を下げていた。
「は、はは…いつもこうなの?」
「あぁ、いつものことだよ。私は、特に何も言ってないのだがね…まぁ、止める理由も無いし、自由にさせているよ」
ジェシは、もう一度屋敷を振り返り、逃げるように屋敷を出たのだった。

大きな街には、かならず鍛冶屋ができる。
それも、大きなところから小さいところまで様々だ。
ジェシは、ボイルの言う鍛冶屋とはこの古都で一番大きな鍛冶屋だと思っていた。
「じゃあ、少し待っててくれ。すぐに戻る」
そう言ってボイルが入っていったのは、しかし小さな場所であった。
「ここが、ボイルの武器を直してる鍛冶屋?」
「うむ、私が昔からお世話になっている所だよ。腕は確かさ」
フェリル司祭が言うには、ボイルの武器防具は全てここで仕入れたという。
「彼は…最初、扱いきれそうに無い道具を持ち出してきたからね」
苦笑交じりに話すフェリル司祭の言葉は、ジェシには驚きだった。
ボイルは完璧な男というのが、ジェシの中での常識だった。
いきなりメテオを打ったとしても、あぁ彼なら…と、納得したかもしれない。
「ははは、それは違うよジェシ。完璧な人間など、存在しない。そう見えるのは、その人がそれまでに様々な失敗や
成功を繰り返してきた結果なのだからね」
「…そうね、認識を改めるわ」
「もっとも、君の言いたいことも分からなくも無いがね。なにせ、彼にはそういった雰囲気がある」
はははと、フェリル司祭は笑って言う。

402 名前:復讐の女神 投稿日:2006/07/08(土) 00:58:42 [ o5cm4Aqs ]
「ねぇ、ここは鍛冶だけじゃなくて、武器の販売もしているの?私も見たいわ、彼が出てくるまでいいかしら?」
「さて、女性の買い物は時間がかかるというが…そうだな。ついでだ、君のことも店主に話しておこう」
いたずらっぽく笑いながら、フェリル司祭はジェシを店の中へと案内する。
中に入ると、大小様々な武器が並んでいた。
一目見て、一品が揃っていることがわかる。
店の奥には、鎧もいくつか目に付く。
近寄ってつなぎ目などを確かめてみるが、量産品によくある雑な仕事ではなく、硬く補強されている。
これだけ丁寧な仕事ができる職人なら、腕は確かだろう。
「なんじゃ、客が来ていたのか。悪いが、あんたに売る品は……メルティシ…ア?」
ジェシが振り向いた先、そこには目を見開いてジェシを凝視する老人がいた。
日に焼けた顔に、煤で汚れたつなぎをつけている。
察するに、この店の職人だろう。
「トバリさん、違いますよ」
トバリと呼ばれた老人に答えたのは、フェリル司祭だった。
「彼女はジェシ、メルティシアの娘です」
「どういうこと、おじ様。母の知り合いなの?」
「あぁ、紹介しよう。ジェシ、こちらはこの鍛冶屋の店主であり職人でもあるトバリさんだ。昔から懇意にさせて
もらっている」
「わしの説明はいい、この姿を見りゃわかるじゃろうが。それより…」
「こちらはジェシ。メルティシアとSDの、忘れ形見です。現在は、冒険者として生活しています」
「ジェシです、はじめまして」
「あの二人の娘、か…わしの名はトバリ。見ての通り、鍛冶職人じゃ」
ゆっくりとジェシに頭を下げるトバリに、ジェシは戸惑った。
「あ、あの…?」
「お主の両親には、大変世話になった。彼らが生きているうちに、恩を返せなかったのが、心残りじゃったよ」
昔を懐かしむように、トバリはジェシの顔を眺める。
その瞳には、一体何が写っているのか。
「ほほう、その話は初耳ですな。なかなかに興味深い。ご老公、詳しい内容を教えていただけ無いだろうか?」
軽くて丈夫そうな鎧を着て、その上からマントを羽織ったボイルがやってきた。
マントで隠れているのもあるが、目立ちすぎず、しかし実用的なデザインだ。
なるほど、本当に遊びで冒険をしているわけではないようだ。
「ふん、お主には関係ないわい」
「ボイル君も、準備ができたようだね。それでは、出発しましょうか」
フェリル司祭の合図に、ジェシとボイルは頷く。
「それでは、トバリさん。行ってきます」
トバリは、3人を見回し、店の奥へともぐってしまった。
店を出て、フェリル司祭は荷物を降ろした。
何を始めるのかと思うと、急に祈りだす。

403 名前:復讐の女神 投稿日:2006/07/08(土) 00:59:16 [ o5cm4Aqs ]
その、朗々たる声は、この場が急に神殿になったと誤解してしまうほどである。
そして。
「おおおおおおお!」
気合一閃、フェリルの背中に光が収束し、固体化する。
空を自由に駆けるための翼だ。
白く輝く一枚一枚の羽に、太陽の光が金の輝きとなってほのかに宿っている。
だが、その羽は対では無い。
片翼が、まるで途中から切り取られたかのように、短くなっていて、その先からは血が滴り落ちているのだ。
「ふむ、この姿になるのも久しぶりだな」
フェリルは、羽をバサバサと開閉し、感触を確かめだす。
そうしていると、最初こそ翼から滴り落ちていた血も、赤き羽となって流れ落ちるのをやめた。
「おじ様、その姿は…」
ジェシの目は、驚きに開かれていた。
ジェシとて、冒険者である。
天使が地上での職業として、ビショップをやっている姿などいくらでもみてきた。
彼らとは、何度かいっしょに冒険をしたこともある。
しかし、フェリルとは幼少の頃から長い間一緒にいて、一度も天使の姿をみたことがなかったのだ。
ジェシは、てっきり純粋な人間のビショップだと思っていた。
「そういえば、ジェシには見せるのは初めてだったかな?ふむ、これだけ長い間一緒にいて、一度もなかった
というのも変な話であるな」
「そう…ね。考えてみれば、おじ様と一緒のときは大抵平和な時でしたものね、どちらでいようと関係ないなら、
負担の大きい天使の姿は取っていないはずだわ」
ジェシは、頭を振って切り替えることにした。
たしかに、今までこのことを勘違いしていたのはショックだった。
だが、ただそれだけ…隠されていたわけではなく、勘違いしていただけ。
「でも、そうなると移動がずいぶんと楽になるわね♪」
「ははは、まぁ私の力では7人までが限界だがね」
おろしていた荷物を再び手に取り、フェリルは二人を見る。
「さぁ、行こう。怯えから救いに」

404 名前:復讐の女神 投稿日:2006/07/08(土) 01:01:34 [ o5cm4Aqs ]
>ボイルの後ろに専属メイドが控え、ビシュカを睨んでいるのが
×ビシュカ
○ジェシ
です。
メイドが主人睨んでどうするんだ…orz
それにしても、何も考えずに小説書いていると、無駄に長くなるなぁ。

405 名前:復讐の女神 投稿日:2006/07/08(土) 01:07:07 [ o5cm4Aqs ]
↑の直しは>>362です。
焦っている自分乙。

>>ここに書かれている皆さん。
毎回、感想書いていなくて、申し訳ないですm(_ _)m
皆さんの小説は、全部読ませてもらっています。
ただ、昔から感想文とか…そういうものに弱くて…。
これからも、皆さんのすばらしいお話、期待しておりまする。

406 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/08(土) 09:03:58 [ TQwpk2X. ]
>ゆずみかんさん
オジい様渋くてカッコイイですね(ぇ、これからルイスは復讐に出るのでしょうか、小さい体で頑張って欲しいです。

>双月さん

ザルグいいですねぇ、戦場の男って感じです。ミルスはかわいすぎかもw
剣士に向いてないさらなるお坊ちゃんって感じです(ぁ

> 復讐の女神さん
フェリル様が良すぎですね、ジェシとのコンビがマッチングしていると思います。
ボイルにも頑張って欲しいです。

407 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/08(土) 09:16:42 [ TQwpk2X. ]
            姫の瞳

キャラクター紹介

●シルビア・ロール ?歳
この作品の主人公、一国の姫であり、容姿端麗であるが心は結構腹黒い。
世界征服のために毎日努力している。

●リィニー・マリネスク?歳 
一国の王子であるが気が弱い。けれど根はしっかりしていて頼りになるときなる。

●ガブリエル・ウィン・マックロード21歳
もうすぐ登場、この作品のプリンス(ぇ、圧倒的な強さを持ちその腕は神にも匹敵するとまで言われている人物本名は不明。
最初はウィン・マックロードと名乗っていたらしいが、道行く人にその強さからガブリエルという異名をつけられ今に至る。

408 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/08(土) 09:21:21 [ TQwpk2X. ]
第一話
>>389

あれからしばらくの時間経った。
彼女の話は何時もと同じ、世界征服の話だ。
この話はもう聞き飽きたけど僕は不思議と嫌な感じはしなかった。
べ・・別に彼女が好きとかそういうのじゃなくて、、、えーと。
そんな事はどうでもいいんだ。とりあえず嫌じゃないならとことん付き合うってことで。
「でねー、ってリィニー聞いてる?」
シルビアは体を乗り出して顔を覗く。
「ってうわぁっと」
少し驚いて距離を取る。
ちょっと不満そうな顔をするが特に気にはしてないようだ。
「それにしてもー」
シルビアはやれやれと言った感じで頭を振る
「私のフィアンセがこんな奴なんてなぁー、親同士の決めた結婚ってイヤよねー」
リィニーの心にズキッと小さな傷がついた。
「僕は別に、、、シルビアのことは嫌いじゃないし、、」
赤くなるリィニー。
「、、、私も、、ホントは、、」
お互い赤くなる。

・・・沈黙

「プッ、、」
と思いきやシルビアの口から以外な声が飛び出した。
「何赤くなってのよーマセガキめー」
くしゃくしゃと頭を擦る
リィニーはあっけに取られポケーとしていた。

ガサッ
小さな物音が立つ
もちろんシルビアは普段から逃げているだけあって感覚はするどい。
その音を聞きすぐに逃げる体制に入っている。
万が一執事だったら速攻で逃げないと捕まってしまうに決まっている。
リィニーもそういう経験も豊富?なのでとりあえず逃げる準備はする。
が想像とは違っていた。
そこにはするどい槍を持ったリザードマン達の群の姿があった。

409 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/08(土) 09:33:51 [ TQwpk2X. ]
「ありゃー、、良し、リィニー私のために逝ってくれ!」
「ええ、、」
 さすがにシルビアに真顔で言われてしまうと引くわけには行かない。
「よ、、よーし」
 ジリッジリッとお互いの距離を縮めて行く。
「え・・えーい!」
ドカッ。
短い音と共に吹っ飛ばされるリィニー。
「やっぱり敵うわけないか」
 きっぱり言ってしまう、シルビアだがその目に余裕があるわけではなかった。
やれやれ、どうしたもんか、リィニーも役に立ちそうにないし。
敵さんはどうやら考える時間をくれそうもない、ということはやっぱり。
「逃げる!」
 短くそう言い放つと速攻後ろを向きとりあえず走った。
 リィニーを置いて。
「ま、まってー」
 そんな声が聞こえた気がしたが、とりあえず気にしない。

 何分か走ったがとりあえず追ってくる気配はないようだ。
「やれやれ」
少し疲れたため木に寄り掛かり息使いを正す。
「はっはっ、、ふぅ」
何時も逃げてるだけ合って、体力は底なしのようだ、すぐに激しい鼓動は収まり冷静になった。
しかし所詮それは子供の中での話。
モンスターと比較するには訳が違ったようだ。
 湖の中に潜みながら進んできたリザードマンに気がつくはずもなかった。
ザプッ
その短い音が立った時ようやく気がついた。
しかし時すでに遅く、周りはリザードマンの群が一面広がっている。
 逃げ道はないだろう、そう彼女は直感した。
しかしここからが彼女の本領発揮だった。

410 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/08(土) 09:52:47 [ TQwpk2X. ]
 ふっふっふ、お前等良く聞け!、私は世界征服をするために自らを鍛え上げた!
鍛えて鍛えて鍛え上げた末にようやく分かったのだ!
 私には魔術しかないとな、、、クックック
しかと見るが良い!我が魔術の力を!
「ケルキリエニウム・・・あぅ!!」
 もちろんリザードマン達に人間の言葉が通用するはずもない。
詠唱?中に槍でツンツンと突かれてしまった。
「お、おのれ、、卑怯だぞ!ヒーローが必殺技を出す時は悪者は黙って喰らうものだ!」
 人間が聞いてもアホな事を言ってる思われるだろう、けれどリザードマン達には意味すら通じていない。
(私、だめなの?世界征服するのに、、こんなところで)
 そんな考えが過ぎった刹那だった。
 剣がシルビアの目の前を通った。いや、恐らくシルビアの目には通った事すら気がつかなかっただろう。
それと同時に青い髪をした、がたいの良い戦士がそこにいた。
 手には巨大な大剣を持っており、がっしりとした筋肉、まるで鎧とも取れるであろう。
顔は髪が乱れているため良く見えない、戦士にしては無駄に長い髪であろう。

 誰、、?あの人、とりあえず助けてくれたのかな?
「・・・」
 戦士は何も喋らず剣をしまい、背を向けて歩き出した。
(助けてくれたんじゃないんかい!)
 しかし、仲間がやられたとあってリザードマン達がそのまま帰すわけがなかった。
瞬く間に囲まれてしまった。
「邪魔だ、仲間を思う気持ちがあるのなら、彼の分まで長生きしろ」
 小さく、しかし力強い声はシルビアに安心感と同時に畏怖の心を感じさせた。
「クキャア!」
 人の言葉を知らないのが運を尽きというものであろう。
 次の瞬間リザードマン達は地に伏せていた。
恐らく彼らは自分が死んだ事すら分からなかったのだろう。
 シルビアはそれをじーっと見ているだけだった。
「また、罪を重ねた。お前等の分、俺が背負おう」
 小さくそう呟くと背を向け立ち去ろうとする。
「待ちなさいよ!」
しかしそれを静止する声が聞こえた。
 声の主は当たり前だがシルビアだった。
これが運命の始まりだった。


                            第一話長髪の剣士fin

411 名前:南東方不勝 投稿日:2006/07/08(土) 13:11:25 [ DJugzF9. ]
>>359
食堂に入った俺はミシェルに適当に席をあてがい、彼女の向かいの席に座った。
「さて…、お前を連れ去ろうとした奴の事はゲイルとヒースが来てから聞くとしてだ。
 俺個人として、お前に聞きたいことがある」
「ん…、あんたの個人的な質問?ハハァン。言っとくけど、スリーサイズは最重要機密よ」
「ガキの体に興味はねぇ」
「速攻で一刀両断!?少しはアタシのノリに合せなさいよ!
 アンタの聞きたいことを話してあげるんだからさ!!」
けらけらと、俺をからかうように返事を返してくるミシェルに対し俺は、
にべも無くその言葉を断った。目の前の少女は、俺のその反応が気に召さないようだが。
「俺にそういった事を聞かせたいなら、もう少し育ってからにしろ、小娘が。
 大体お前には色気が足んねぇんだよ、圧倒的にな」
「ムキー!!!」
おっと、少しばかりからかい過ぎたか。まぁ、財布をスラれたんだ。
この位の事なら罰は当たらんだろ。
「もういい、アタシ帰る!」
「あぁ、悪い悪い。そう気を悪くするな。
 それに、帰るといったって船の最終便はもうとっくに出ちまってるぞ」
肩を怒らせ食堂を去ろうとする少女を笑いながら引止める。
「うぐ…」
少女もその事実を突きつけられ、苦虫を潰したかのような顔つきで席に戻ってきた。
「さて、帰るのを思い止まってくれて感謝する。で、俺が個人的に聞きたいことについてだが…」
「フン。なによ…、改まって?」
そういって、ミシェルは不機嫌な表情を崩さずに俺を見据えた。
「簡潔に聞く。お前、どこで『古代エルフ言語(セーマエルヴン)』を習得した?」
「は、なんのこと?ていうか、そのせーま何とかってなに?」
「なっ…!?」
少女の反応に俺は驚愕した。
「何って…、お前が術を使う時に言ってる言葉のことだ」
「あぁ、あれのこと。あんなの、物心ついたときには普通に使えたわよ。
 そういえば、紅爺も驚いてたわねぇ。ねぇ、あの言葉ってそんなに値打ちのあるもんなの?」
「………」
開いた口が塞がらない。
目の前の少女は自身が扱っているモノに対して、一切の知識を持ち合わせていなかった。
いや、それどころか、現在の魔術師達が束になっても制御しきる事ができない程の魔力を
この少女は生まれつき自在に操っているのだ。
奴らが少女を狙ったのは、この類まれなる魔術の才をどうにかするためだったのだろうか?
「お前は…、本当に何も知らないのか?」
「だからそういってるでしょ、紅爺ならなんか知ってるかも知れないけどさ」
驚きに染まった俺の言葉に対して、ミシェルは自分の髪の毛を玩びながらうんざりした声色で応えた。
沈黙が俺とミシェルの間に訪れる。しかし、それも束の間。

ガチャリ…

食堂の扉が開き、
「お待たせしました、ジャックさん。事が事なので、姉さん達も一緒でいいですよね?」
「ジャック、遅くなるのなら遅くなるって一言言って欲しいですわ。
 夕飯の片づけが進まなくて大変ですのよ!」
「兄貴〜、その娘に財布スラれたんだって?」
「で、その娘が連れ去れそうになるのが見過ごせなくて助けた。ほんと、お人好しね。ウルフェンは」
「まぁ、それがジャックの性格やし。今更言うても変わらんやろ。実は、ジャックは年下好きとかなら
 おもろいんやけど」
「ジャック、事の顛末はゲイルから聞いた。しかし、またも始原魔か…」
頼りになる仲間(ダチ)が姿を見せた。
「まぁ、そんなところだ。しかし、なぁ…」
ゲイル以外の4人の姿を見て俺は一人、心の中でこう言った。
(せめて、返り血くらい拭いてきてくれ。っていうか、ほんとに殺ったのか…?)

412 名前:南東方不勝 投稿日:2006/07/08(土) 14:26:47 [ DJugzF9. ]
>>闇鍋さん
テイマさん、なにげにもんの凄い牙渡してらっしゃるorz
家の運極娘はそんな良品未だに出したことはありません

>>見学者さん
なんか、シーフのやばい面がちょっとばっかし表に出てしまった模様。
また、話しに関わってくるであろうレッドアイの影…。
続きはどうなるのでしょうか?

>>タルタルさん
姐さん、相も変わらずゴーウィングマイウェイですなぁw
さてさて、姐さんとよし子の生活はこのまま平穏に過ぎていくのでしょうか?
とりあえず、次回予想の彼らが好き勝手すぎて大好きですb

>>ドリームさん
新作キター
っと、これまたゴーウィング(ryな姫様ですなぁ。
続きを楽しみにしています

>>双月さん
お久しぶりです。
相変わらずの小説の上手さですね。
さて、突然の一ヶ月十万円生活に困惑するミルス嬢。
果たして、ザルク氏の思惑とは?

>>ゆずみかんさん
う〜む、ドラゴンの上に乗っていた黒鎧の二人組みが気になりますねぇ。
さて、両親を殺されてしまった兄妹はこれからどうしていくのでしょうか

>>復讐の女神
ボイル氏、意外と真面目な人なんですね。
そして、ジェシの両親を知る鍛冶屋のおっさん。
続きが気になって仕方がありません。

413 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/09(日) 23:51:31 [ 0Q3GCQU2 ]
第1話>>353>>354
第2話>>365>>366
第3話>>385>>386
第4話>>399

両親を失った俺達は近所に住むレベッカおばさんに引き取られた。おばさんはとても元気が良くて(良すぎて)
大雑把で母ちゃんとは正反対だった。その元気のお陰でエミルも少しずつだけど元気を取り戻してるみたい。
────それから5年後────
俺は13歳、エミルは11歳になった。ロマ村はあの事件以来特に変わったこともなくいつものように変わらない1日1日が過ぎていた。
しかし今日はいつもとは少し違った。

「おーい、みんなぁ〜誰かが村に向かって歩いてくるぞ〜」
「おーおー久しぶりの客人かぁ〜」
村人がそれを聞いて次々と集まってくる。このロマ村ではゾゴム山脈に探検しにくる冒険者が泊まりにきたりするのだ。
しかし今ではゾゴムにいるモンスターは強く、簡単には辿り着けないのでゾゴムに来る冒険者は減り、
ロマに来る冒険者はほとんどいなくなっていたのだ。
ルイスもエミルと一緒にそれを見に行った。エミルはレベッカおばさんの影響もあり前ほど人見知りをしなくなったばかりか気が強い女の子になっていた…。
ざわざわと人ごみが凄い中ルイスとエミルは背が低いのを利用してスルスルとみんなの体を抜けていった。遂には最前列まで来れた。全員わくわくしながら冒険者が訪れるのを待つ。そして遂に村の外から人影が現れた。
だんだん近づいてきて表情も見えるくらいまで来た。着ている鎧、そして背中に背負っている大きな剣からして職は戦士だろう。
その男は出迎える村人の数に圧倒されて苦笑いをしていた。
「み、みなさん初めまして…。」
男が一礼すると村人は一斉にどうやってここまで来れたんだ?どこから来たんだ?
などと男を質問攻めにした。ルイスはしばらくこの男がここから動けないのを悟りここから離れることにした。
「エミル行くか……」
「だね…」
2人は家に帰り自分達の仕事をすることにした。レベッカおばさんのところに来てから、2人は仕事を持たされた。
ただの雑用なのだが…。
しばらくしてレベッカおばさんが意気揚々と家に帰ってきた。その隣にはさっきの冒険者がいた。

414 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/09(日) 23:54:37 [ 3ebeVURg ]
「ああ、この人はさっき村に来た冒険者さんでね、話し合いの結果私のところに来ることになったんだよ」
ふふっと上機嫌なレベッカおばさん。恐らく強引に連れてきたのだろう。
でもいつも3人だし冒険の話など聞けるかもしれないということなどからルイス達も大歓迎であった。
「ささ、あんた達!自己紹介しなさい」
「初めまして、ルイス=ノックスです」
「エミル=ノックスです」
「初めまして。僕はロバートといいます。呼び捨てでいいよ」
とにっこり笑った。笑うととても爽やかであった。レベッカおばさんは昼食の準備をすると言ってキッチンに向かった。
おばさんが見えなくなるのを確認すると
「ロバート、何で家に来ることになったの?」
エミルが声を潜めて言う。
「あ、俺もそれ気になる!!」
『シーー!!』
エミルとロバートが声を合わせて言う。
「あ、ごめん……」
「そうだね、何か強引に決められたというか…。村のみんなも逆らえないみたいだったし」
ロバートは癖なのか苦笑いをする。
「やっぱりねぇ、レベッカおばさんには誰も逆らえないもの」
納得、とエミルが手を合わせて言う。
「ロバート、今日の夜にでも冒険の話聞かせてよ!」
ルイスが目を輝かせながら言った。
「分かったよ。でも僕は君のお父さん達ほどすごい武勇伝はないけどね」
「え?父ちゃんのこと知ってるの?」
「ああ、君のお父さんとお母さんは冒険者の間ではとても有名だよ。レベッカさんから君達があの2人の子供と聞いたときは正直驚いたよ」
『へぇ〜』
子どもの柔軟性とはすごいものだ。ものの3分でもう2人はロバートに打ち解けた。
「おーい、昼食ができたよー!早くおいで!」
「それじゃあ食べに行こうか」

その昼食はこの5年間、一度も食べたこともないような豪勢さであった。
(うわ……)
それには滅多に食卓に顔を出さない肉の料理が並んでいた。ルイス達はゴクリと唾を飲む。
「ちょっと張り切りすぎちゃったかね…」
確かに昼食には多すぎる量だ。
「いえいえ、こんなに豪勢に振る舞っていただくなんて、有りがたくいただきます」────幸せな日々 Fin

415 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/10(月) 00:16:25 [ SUGQUYhM ]
だんだん話が脱線してきた気もします…
では感想を

>>かーどさん
何だかとても悲しく切ない気持ちになる重いお話ですね…

>>タルタルさん
あねさんシリーズはいつも壺りますw
特に「よし子、行くわよ」「グアアア」の流れが好きです。

>>双月さん
戦闘シーンの描写がすばらしいです。
わんこが言っていた台詞は何か意味がありそうですね。

>>南東方不勝さん
まだ過去ログからの話全部読めてないですがとても面白いです。

>>復讐の女神さん
おじさんがとても渋くてイイですね。
いよいよ出発ですね。これからの展開が楽しみです。
>>ドリームさん
新しいお話ですね。
姫メインは斬新ですね…もう1人のリィニーがかわいいですw

416 名前:見学者 投稿日:2006/07/10(月) 09:41:00 [ ww4BM0IA ]
コンニチハ。
遊ぶ時間が欲しい見学者です。
 一日が24時間。長いと思えば長いし短いと思えば短し。

>>380
 面白そうですが私にはちと時間がなさそうです orz
 名の通り見学することになりそうであります。

>>382
 使わせていただきました。
 甘々自動感想になぜかホロリと涙が出たのは何故でしょうか……。

417 名前:見学者 投稿日:2006/07/10(月) 09:41:26 [ ww4BM0IA ]
1st>>267  2nd>>268  3rd>>309  4th>>310 5th>>342
6th>>343  7th>>376  8th>>377

 武道家は何気ない口調で言うと、シーフに視線を投げかけた。
 ただ単に世間話をしているような武道家の口調ではあったが、彼のその一言でシーフの様子が変わったのは目に見えていた。
「追放天使サマの言ってた『REDSTONE』に絡んだ集団らしいんだ。その連中は……えぇと? なんとかって国の援助か何かを貰いながら活動してたとかなんとか?」
「……」
 サマナーには難しい内容の話らしい。それに口出しできる雰囲気じゃない。
 先ほど消えたはずの"違和感"が再びサマナーの感覚を逆なでしている。
 感じるはずの無い、怖さという名の違和感が。
「このブルンネンシュティグにも妙な噂ばかり目立つし、やたらモンスターの連中が喧嘩っ早くなったのももしかしたら関係が、」
「さぁ? 知りませんね」
 武道家の言葉を遮ってシーフはそっけなく言い放った。
 瞬間に"違和感"がサッと吹き消された。
「まぁ噂の一つくらいなら耳にしたことがありますけどね。なんと言いましたっけ……。あぁ、そうだ」

 そのレッドアイの頂点に立つ者が死んだ、と

「へ?」
「まぁ機会がありましたらブリッジヘッドにでもまた戻って確認してきますよ」
 所詮は噂ですからね。
 シーフはそう付け加えると地面スレスレまで伸びたマントを翻し、踵を返した。
 立ち去ろうとするシーフの肩を慌てて武道家が追いかけ、引き寄せる。
「や、ちょっと待てよ。何、誰が死んだって?」
 迷惑そうな顔をあからさまに表に出しながらシーフはさも面倒くさそうな語調を目の前の兄にぶつけた。
「だからそのレッドアイの会長だかボスだか知りませんが……。その人物が、ですよ。一ヶ月だか二ヶ月だか前に聞いた話です」

418 名前:見学者 投稿日:2006/07/10(月) 09:41:51 [ ww4BM0IA ]
1st>>267  2nd>>268  3rd>>309  4th>>310 5th>>342
6th>>343  7th>>376  8th>>377

 怪訝な表情で武道家は何か言いかけたが、何を思ったか引っ込めてしまった。少し考える仕草を見せてから、武道家はふと口にした。
「で、こんな小さい娘連れてお前ドコ行くの」
「貴方の話はまるでツギハギみたいですね。――リンケンへちょっと配達物があるので届けに行くのですよ」
「ふぅん……。でももう日暮れだぜ?」
「アリアンの宿屋にお世話になるつもりです。翌日に午前中にはリンケンに着くかと」
「やっぱこの娘と同じ部屋なわけ?」
「貴方は一度、山へ篭って雑念を捨ててきなさい」
 ため息を洩らしながら呆れ顔で言った。
「私達はもう行きますよ、御機嫌よう。次に何かお話してくださるときは順序良くお願いしますね」
 シーフは帽子を外してペコリと頭を下げると、サマナーの肩に優しく手を置いてテレポーター前へと誘う。
 手が肩に触れたとき、サマナーはビクッと身体を一瞬強張らせた。
 なんだろう、この不安……?
 初めてシーフに会った時、噴水まで探しに来てくれた時。
 何も変わらないシーフの態度と穏やかな仕草だが、どうも武道家を睨むあの双眸が忘れられない。
 サマナーは肩越しに振り返った。武道家はまだ何かを考え込んでいるらしく、シーフの皮肉にすら耳を傾けずに俯けた顔を持ち上げようとはしなかった。
 二人が街角から姿を消した後になって、ようやく武道家は顔を上げた。
「妙だな……」

419 名前:タルタル 投稿日:2006/07/10(月) 14:24:58 [ hfUQyDik ]
「あねさんシリーズ」
第一話 >>248 >>249 >>251
第二話 >>258 >>259
第三話 >>326 >>347 >>378 >>379
第四話 >>388 >>393
第四話 3

「よし子、狩り行くわよ」
今日の仕事はグレゴリーから依頼されたもので、ハノブ高台望楼にいるネクロマンサー(以後ネクロ)を調べてきて欲しいということだ。
ネクロというのは、堕落召喚士が魔術によりモンスター化したものを言う。故に人間としての知能とモンスターとしての強さを持ち合わせる。
寿命も人間に比べれば長く、長く生きたネクロはそこらの魔物などよりはるかに強いといわれる。そのモンスター化の理由が魔術ではなくRSの力によるものではないか?という噂があるらしい。それを確認してきて欲しいそうだ。
が、確認ってネタキャラのあねさんじゃ力で太刀打ちできないのは眼に見えてるのにも関わらず、間違いなくあねさんの性格から言ってぶん殴って聞き出そうとするし。事実狩り行こうって言ってるし。
人々に話を聞くとか、過去の文献調べるとかいろいろあるでしょうに。
「さて、お弁当もって、お菓子もって、水筒もって〜」
それじゃ遠足だし。
「さあ、ネクロ狩りに行くか」
だから狩りじゃなくて調査なんですけどんですけど。

まあ、なんていうかさすがあねさんだ。ネタキャラでありながらネクロを倒してしまうのだから。
すでに四匹。問題は倒し方だ。
「グォォォ。仲間ノ仇トラセテモラウゾ。この貧乳女メ」
そのときどこからかネクロが現れた。
ぶぢっ。
あ、またあねさんがきれた。
「アアー!!、頭ガー」
「……あんた、RSって知ってる?」
あねさんが貧乳といわれながら瞬殺していないのがさすがだ。一応仕事だからな。
「知ラナイ、知ラナイ、ダカラ助ケテクレ。頼ム……」
ネクロは眼に涙を浮かべ、そう呟く。
ぐちゃり。いやな音とともにネクロマンサーの頭部は握り潰された。
まあ、そんな訳で虐殺しているわけだが、あねさん、あんまりきれると体に悪いですよ。
「まったくゆっくりお弁当も食べられないじゃないの、ねえ、よし子」
「グァァァ」
そう言ってあねさんはネクロやらその配下の骸骨やらがいるここにシートを敷き始めた。ここで食べるんですか?というよりネクロ握り潰した直後でよく食べようという気になりますね。
よし子もよし子で相変わらずゆっくりとシートに上がる。優しげな眼であねさんに擦り寄る。
「さあ、今日のお弁当は何かな〜」
今日は弁当の定番、サンドイッチだ。中身は卵とハムとレタス。
「はい、あーんして」
「グァァ」
よし子って亀のくせに雑食らしくあねさんと同じものを食べる。腹をこわしたした様子はない。
「オ前ラ、馬鹿ニスルノモイイ加減ニシロ、死ネ、人間ガ」
再び現れたネクロはこれまでのとは少し違っていた。まず大きい、二回りほど。それに雰囲気も今までの者とは違う。重みがある。おそらくリーダーだ。
そのネクロは言葉とともにその拳を振り下ろす。間一髪であねさんはよし子を抱え後退する。そして空を切った拳はそのままそこにあったサンドイッチを押しつぶした。ああ、朝早く起きて作ったのに。
「ふっ、なめんじゃないわよ」
そう言って体勢を崩したネクロの顔面をぶん殴った。
「キカンナ、人間ガ」
が逆にネクロにつかまってしまったあねさん。その大きな手はあねさんを簡単に握りつぶしそうだ。
私は反射的に飛び掛っていた。ネクロは驚いたようで一瞬対応が遅れる。私は迷うことなく顔面に飛び掛り眼に喰らい付いた。
「グァァァァ」
ネクロはあねさんを放し、眼を押さえる。
「ふう、助かったわ。ヘッジ、よし子をお願い。さあ仕切りなおしよ。見せてもらおうじゃないの、ネクロのリーダーの力をやらを」
あねさんはファイティングポーズを取る。
「私ヲ本気ニサセタナ。死ネ、虫ケラガ。ファイヤーストーム」
ネクロの手から火炎が噴出した。その火炎は一直線上に放たれた。超高温の炎は当ったものを焼き尽くす。しかも早い、あねさんの回避が一瞬でも遅れていれば危なかったかもしれない。
「当たらなければどうということはないわ」
あねさんは細かく動き回り、隙を見せない。焦ってネクロがファイヤーストームを放ったときは横面を殴りつけた。
が相変わらずきいた様子はない。あねさんは再びネクロから離れた。
それが数回続いた。お互い決め手がなかった。
「グゥ、コザカシイヤツメ」
「あんたも相当しぶといわね」
二人は中距離を保ちお互いの出方を伺っていた。


「ネクロマンサーのくせにネタキャラ一人殺せないとはな。役立たずは黙って見ているがいい。ディスプレイスメント」

420 名前:タルタル 投稿日:2006/07/10(月) 14:30:47 [ hfUQyDik ]
「グァァ」
突然ネクロマンサーが声を上げた。
そして静まり動かなくなる。どうしたのかとあねさんが近づくと突然あねさんを殴りつけた。あねさんの体はおもちゃの様に吹っ飛んだ。
「てめぇ、あねさんを」
馬鹿犬は飛び出していた。
が簡単に払い飛ばされる馬鹿犬。消滅はしないが動かなくなった。
あねさんも所に行きたいのは山々だが、私が飛び出しても同じ、か。
そんな私を尻目に止めを刺すためかあねさんの方に向かうネクロ。
「ここで死ね、セスソ」
「この化け物がっ」
どうすることができなくても、このまま見ているわけにはいかない。私はただ突っ込んだ。
ネクロの巨大な手が待ち構えていたように顔面に現れた。
どごぉぉん。低い重い音が響いた。
が気づくと、目の前にはよし子がいてネクロの拳を体中で受け止めていた。あまりの力のためかその甲羅にはひびが入り、割れかけていた。
確か亀は甲羅がないと死んでしまうはず。
「な、何だと?」
よし子の甲羅が割れどこに入っていたと思うような大きな二対の赤い翼が現れた。それはゆっくりと大きく広がっていく。
ネクロは驚いたように固まっていた、あねさんは動かず死んでいるのか気絶しているのかわからない。
よし子の変貌は止まらない。
「我らは成長するまでの間、亀の甲羅に入り力を蓄える。通常の生物と違い少しずつは大きくならない。力をため一気に変態する」
低い声だった、が重みがあり、力強い。
「変態の時期はそれぞれに異なる、私は今がそのときだと思った」
「こ、これは」
よし子は完全に甲羅から飛び出した。大きさは目の前のネクロとそう変わらない。翼がある分大きく見えるが。体形は人間と同じだ。だがその肌には真紅の鱗が一面に生えていた。
手や足のツメも人間に比べるととても大きい。なにより違うのは頭部だ。まっすぐ後ろに生える二本の角。大きく突き出した牙。眼は細く、睨み付けているようにも見える。
人型だが、その姿間違いなく竜だった。今までと同じなのは目元だけだ。赤い翼に真紅の体か、偶然か必然か。全身真っ赤のあねさんと似ている。
「よし子なのか?」
「ここは私に任せ彼女を連れて逃げろヘッジャー」
そういってよし子は片手でネクロの頭部をつかむ。
私は言われたとおりあねさんの所に行った。あねさんは見た目に怪我はない様だが、口から血を吐き、苦しそうに息をしていた。
今はとにかく安全な所に行かなければ。
「くっ、本来竜の力はこんなものではないが、幾分早く目覚めすぎたからか力が及ばん、そう時間はないぞ」
ネクロはよし子の腕を払い飛ばし逆に襲い掛かる。よし子は体でネクロをとめていた。私はその隙にあねさんを抱き上げた。
「うおお」
よし子はネクロの右腕に喰らい引き千切った。
「ぐぁぁ」
「さあ、行け」
よし子は馬乗りになって押さえつける。
「待て、よし子も一緒に、あねさんが悲しむ」
「無駄だ、もう死ぬ。早すぎた変態が体に無理をかけたらしい」
私のほうを向いたよし子の口からは血があふれ出していた。しかも大量に。赤い鮮血は真紅の鱗の上でも赤く輝いていた。
「一つだけ伝えてくれ。もうこんなネクロに挑むような無理はするな、と」
が、よし子はそう言った。そしてふっ、と笑ってこう続けた。
「もう三十なんだしな」
三十ってまだ十分若いだろ、……馬鹿犬に続き、もう一人馬鹿が増えたか。
「必ず」
私は必死に走った。馬鹿犬も置いてきたが、あねさんさえ無事ならいくらでも召喚できる。
何とか外に出ると夕焼けがきれいだった。

病院。あねさんはなんとか命は助かった。今はもう体も落ち着いた。がまだ入院が必要で、通常の生活に戻れるのは先だが。
馬鹿犬は相変わらず、あねさんの脇に座っていた。
「旅出たい、ほらよく失恋した女がやるでしょ、自分探しの旅とか言って」
あねさんはいつもどおりのような口調で言った。目覚めてからあねさんはいつもどおりだった。少なくとも私の前では。
「だめですよ、あねさん。旅なんて体を直してからですよ」
「そうね、わかったわ。じゃあ少しでも早く体直さないとね」
「そうですよ、あねさん」
私と馬鹿犬は病室をでた。いつも家なら一緒に寝るが、病院に来てからは一人で寝たがる。もう子供じゃないんだなって、もう三十か。
三十か、もう馬鹿だけやっていられるほど若くない、か。
外に出るとちょうど夕焼け空が広がっていた。
きれいだった。

日も落ち、暗闇が包む深夜。
「竜の出現は予想外だったな。おかげでネクロとの戦闘中に死ぬという予定が狂ったではないか」
男があねさんの病室に突然現れた。長身で杖を持っていた。
「が、問題あるまい、戦争が始まってしまえばな。さあギャグストーリーはここまでだ」
男の放った一撃は寝ているあねさんを叩き潰した。

421 名前:タルタル 投稿日:2006/07/10(月) 14:32:31 [ hfUQyDik ]
「ボケのジョニーの次回予告ぅぅ」
『コーナー続いてるじゃない。よかったわね。あと主人公突然死んだね』
「本当によかったですよ。でも本当に死んだんですか? 明確に書いてないからもしかしたら生きてるかも」
『いや、この次回の原稿によると死んでるし違う主人公になってるし』
「わああああああー!!なにネタばらししてるんですかー!!」
『別にここで言ってることなんて誰も信じないって』
「それも、そうですね。じゃあ次回予想行きます
グレゴリー・ロッドは何者かに殺されたパートナーであるあねさんを魔術で禁忌とされている人体再生によって蘇らせようと試み、失敗した。
グレゴリーはその代償として貯めに貯めこんだ資金を失ってしまう。金欠で腹ペコの中彼はレッドストーンは不老不死と'莫大なる富'を生み出すということを思い出し、
全てを取り戻すため、一人レッドストーンの捜索を開始するのであった」
 次回「金欠の錬金術士」

422 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/10(月) 17:05:36 [ b6Gnz/6I ]
物凄い久々に投下してみます。と言っても、前の続きじゃなくて突発的に新シリーズ。
多分中編くらいで終わります。メインのためのリハビリ兼、ネクロ実装間近記念って事で。

 ギルドには大きく分けて二種類ある。

 一つは普段から密な付き合いを持つギルド。
 メンバー同士の連帯感は強く、メンバー同士でパーティを組んで冒険をすることも多い。
 メンバーはギルドから濃密なサポートを受けることができる反面、自分の時間をギルドに裂く必要もあるため、義務や束縛も大きい。


 もう一つはもっと事務的なギルド。
 構成員は普段は完全にソロかあるいは野良のパーティで冒険を行う。
 仕事が無いときなどはギルドに連絡を取れば仕事の斡旋もしてくれるが、あくまで斡旋をしてくれるだけで前述のギルドのように皆で一つの仕事、と言うわけではない。

 自分の好き勝手にやれる反面、サポートも少ないのがこのタイプのギルドの特徴だ。


 そして、JJが所属しているギルドは後者に当たる。


 JJは基本的にソロで活動している剣士だ。
 野良と言えどもパーティを組むことなどめったに無く、ギルドメンバーとの交流もほとんどしていない。

 が、つい先日、ガタの来ていた武器防具一式を新調したため、一時的に資金がそこをついてしまった。
 そこで仕方なしに、手っ取り早く稼げる仕事の依頼が無いかと久々にギルドを訪れたのである。





「おう。何だ、生きてたのか」
「いきなり失礼な挨拶だな」
「いや、そんなことを言われてもな。半年以上連絡も無ければ死んだと思うのがこの業界だろう。
まあ、ウチのギルドはあまり連絡も取り合わないからな。死んだのか逃げたのか引退したのかの情報も入ってこないしな」


 案の定、久々に訪れたギルドではこんな会話がかわされる。
 とは言え相手もさすがはこんなギルドを仕切っているだけのことはあった。
 事情を話すと、即座に一つのクエストを斡旋してくれた。


「だが、な。ちょっと問題があって――」


 ギルドマスターは言いかけて口をつぐむ。
 JJは手元の依頼内容の書かれた羊皮紙に視線を落とし、彼が何を言いたいのか理解した。 


「既に一名確定。パートナー募集、か」


 どうやら、このクエストには先客がいるらしい。
 基本的にクエストは先着順だ。
 が、もし受けた人間が一人では手に余ると感じた場合は複数で挑むこともある。

 そして、先にも述べたがJJはソロメインの剣士。
 ギルドマスターが口を噤むのも無理は無い。
 が、JJとてプロの冒険者だ。その辺の事情は理解している。


「構わんさ。俺の方が遅かったわけだしな。その辺は文句言わない。
まあ、相手がどうにも気に入らないやつだったら、キャンセルして別のクエストを探せばいいだけのことだしな」
「なら良いんだが……
よし、じゃあ相手にも伝えておくから、そうだな……半日後にでも、いつもの酒場――じゃお前にはわからないか。南地区の踊るキクロ亭に来てくれ
店の前にその名の通りの看板が出てるからすぐわかるはずだ」
「わかった」


 そんな会話を交わし、JJはブレンギルド連合の詰合所を出る。
 とりあえずはポーションや解毒剤、食料などの買出しだ。

423 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/10(月) 17:07:27 [ b6Gnz/6I ]
 夕暮れの街に鐘の音が響く。
 ギルドマスターの元を訪れてからおよそ半日後、指定どおりの時間にJJは南地区へとやってきていた。


「キアンクロップスの看板……あったな」


 踊るキクロ、というからもっとワイルドな看板を予想していたが、そこにあったのはタキシードとドレスを着て、手を取り合いながら踊る二人(?)のキアンクロップスの絵の描かれた看板だった。
 確かに踊ってはいるが……何かが違う。


「ま、まあ、とにかく入ってみるか」


 気を取り直し、店内に入る。
 普段JJはもっと安い酒場兼宿屋に寝泊りしているし、食事はそこや立ち食いの露店で済ませることが多いため、この店にははじめて入る。
 待ち合わせの相手の名前は聞いていないが、ギルド名で席を取ってあるということで、ちょうど傍を通りがかったウエイトレスを捕まえ、聞いてみる。

 ――何故かそのウエイトレスは、メイドの格好をしていた。


「あー、ギルド『SW』で予約がしてあるはずなんだが……メンバーと待ち合わせなんだ」
「はい、承っております。少々お待ちください――っと、こちらへどうぞ」


 手にした皿を手際よくテーブルに並べ、ウエイトレスが踵を返す。その動きに、JJは密かに感心した。
 このウエイトレス、体術の基礎が非常にしっかりとできている。
 皿を運んでいるときもそうだが、一つ一つの動作の切れがよく、また上体がとても安定している。

 プロの冒険者でも、ここまで身体の基礎能力をきちんと鍛えている人間はそうはいない。


「お客様、ギルドの方がお見えになりましたよ」


 ウエイトレスに案内され、店の最奥のテーブルに案内される。
 だが、そこに待っていたのは、予想もしていなかった異形の姿だった。





 反射的に体が動く。
 街中ゆえ、普段愛用している曲刀こそ置いてきているものの、腰にはサブウエポンとしても使える左手剣が下げてある。
 即座にそれを引き抜こうとして、だがそこでJJの動きが止まる。


「あ、お客様。スープのおかわりはいかがですか?」


 のんびりとした口調でウエイトレスがテーブルの異形に問いかける。
 だが、今の今まで彼女はJJの左隣に立っていたはずだ。

 それがいつの間にか、ちょうど異形とJJの間に立っている。
 JJの位置からは彼女の後頭部しか見えないため、どんな表情をしているのか見ることはできないが、きっと先ほどと同じ微笑を浮かべているのだろう。


 ――気づかなかった。いつ動いたのかも、どうやって動いたのかも。


 静かに戦慄するJJの前で、テーブルの異形がウエイトレスに言葉を返す。


『彼に聞いて。彼がすぐにここを出るのなら、私もこのまま切り上げます。彼が何か食べてゆきたいと言うのなら、私ももうちょっと付き合います』


 それは、くぐもって聞き取りにくいが、間違いなく人間の言葉だ。

 半歩右にずれ、ちょっとは冷静になった頭でJJは目の前の異形をしげしげと見つめる。


 座っているせいで詳しくはわからないが、身長はおそらく5フィートほど。
 背は低いが横に長い。と言うか、どちらかと言えば丸に近い。
 まるで道化師のようなだぶだぶのレザーのズボンに、目の覚めるようなブルーのチョッキ。
 そして何より極め付けなのが、冷たい金属で形作られた、絡繰の様なパーツを組み合わせてできた頭だ。


「着ぐるみ……?」
『着ぐるみとは失敬ですね。これは、れっきとした私達の部族の伝統衣装です』


 憮然と――文脈からそう判断した。表情は見えないし、声もくぐもっているため感情が読みにくいのだ――したように、着ぐるみが言う。


『それで、どうしますか。出発の前に何か食べておきますか? それとも、すぐに出発しますか?』
「と言うことは、やっぱりあんたがギルマスの言っていた、今回のクエストのパートナーってわけか」
『はい。D=Oと言います。クラスはネクロマンサー。よろしく、JJ』

424 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/10(月) 17:08:00 [ b6Gnz/6I ]
 ちなみに、JJの本名はジャック=アンブロシア=ジュニアと言う。
 その名の通り、祖父であるジャック=アンブロシアの名前をもらっているわけで、本来はリトルJとでも言うべきなのだろうが、この年にもなってリトルも無いだろう、と言うことでJジュニア、即ちJJと名乗っている。

 このように、冒険者の中では本名ではなく通り名を使っているものも多い。
 それはJJの様に本名をちょっと変えたものであったり、「ウインド」や「ブリッツ」の様に名詞をそのまま通り名としたもの、果てには「せっちゃんファン」や「(・ω・)ω・)」の様にもはや訳がわからなくなっているものも存在する。

 察するところ、D=OもJJと同じく本名を略したものだろう。
 すると、Dはドニーかダニエル、あるいはダンと言ったところか。

 と、そこでJJの思考が止まる。
 名前の後、彼は妙なことを言っていなかったか?


「悪い、よく聞こえなかった。もう一度頼む」
『一度で覚えてください。私の名はD=O。クラスはネクロマンサーです』
「ネクロマンサーっ!?」


 あまりと言えばあまりの自己紹介に、JJも思わず声を上げた。





 しばらく後、ブルンネンシュティグ南大通り。


『まったく、貴方のせいで追い出されてしまったではないですか』
「悪かったよ。けど、いきなりネクロマンサーなんて言われたらなぁ」


 JJが不用意に叫んでしまったせいで、踊るキクロ亭の内部は騒然となった。
 一般に、ネクロマンサーといえばハノブ高台望楼等に住む、アンデットたちを統率している大型アンデットのことだ。
 冒険者たちの集まる酒場でそんな不穏な単語を言えば、それは大騒ぎになる。

 あのウエイトレスがとりなしてくれたおかげで何とか騒ぎは収まったが、雰囲気的にもはや食事を楽しむという感じではなくなってしまった。


「大体、俺はそもそも食うことすらできなかったんだぜ。あんたは俺が来る前に一通り食べてたんだろうが」
『貴方はまだお金を払っていなかったでしょう。私はせっかくスープおかわり自由の定食を頼んでいたのに、結局五回しかおかわりできなかったんですよ?』


 ぶつぶつ言いながらD=Oがずんずん進んでいく。
 その歩き方もどこか、喜劇チックというか、道化師めいている。


「で、そっちは準備はできてるのか? 俺はもうできてるから、あとは宿屋に寄って荷物を取ってくるだけだが」
『…………』
「飯は食ってたけど、準備はまだってことか」


 肩をすくめ嘆息する。


「じゃあ、適当に買出しに行っててくれ。俺は荷物取りに行きがてら宿屋で飯食ってくる」
『待ってください』


 言って宿屋に向かおうとするJJに、D=Oが制止の声をかける。
 その声は、相変わらずくぐもっており、表情も見えないままだが、どこか寂しさを含んだ声で、


『その、良いんですか? 私なんかと組んで。貴方は普段ソロで狩っていると聞きましたし……』
「別に。パーティを組まないのはめんどくさいから、ただそれだけだ」


 敢えてD=Oの意図とは違う答えを返し、そのまま宿屋へ向かって歩き出す。
 おそらく彼は、こう言いたいのだろう。

 自分なんかと組んでしまって良いのか、と。

 ネクロマンサーという自分の職業を気にしているのか。
 それでもクエストパーティで人待ちをしていたのは、やはり一人では心細かったのか。

 だったらまず、あのみょうちくりんな格好を何とかすればいい。
 まさか、中身はもっと見せられないようなものなのだろうか?
 ちょっと気になる。気になりはするが……


「本当、やれやれだぜ」


 肩をすくめ、誰にともなく言う。
 それは、あんなみょうちくりんな格好をしながらも寂しがりやなネクロマンサーに対してか、ソロ専門と言いながら今回のクエスト、久々のパーティにわくわくしている自分へか。

425 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/10(月) 17:10:47 [ b6Gnz/6I ]
主人公はJJです。決してジ○ジ○と呼んではいけません。
パートナーはD=Oです。決してデ○オと(ry
あと、メイドの人は皆さんおわかりの彼女です。ええ。

しばらくROMってるうちに新入りさんもどんどん増えて嬉しい限り。
また感想書きの方もおいおい再開しますねぃ。
ではっ(ノ>ヮ<)ノシ♪

426 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/10(月) 17:36:47 [ EKL7GJLU ]
>>ゆずみかんさん
成長した二人とロバートの出会い、これからが楽しみです。

>>見学者さん
武道家の「妙だな」って言葉が気がかりです(汗、どんな展開になるのか予想もつきません^^;

>>タルタルさん
あねさんも30、ついに固める時期でしょうか(ぇ。隠されたあねさんの素顔、以外と寂しがりやだったりして(ぇよし子〜!よし子〜!

>>名無しさん
文章は状況を良く見て取れるのですが、間の空白は別に入れなくても良いと思います。
私は沈黙する場面とかに空白を入れたりしていますけど。
孤独な剣士JJどうなることやらー。

427 名前:リ・クロス 投稿日:2006/07/10(月) 19:00:36 [ kcso0oWI ]
前スレ>>986 >>39 >>56 >>69 キャラ紹介>>38
>>100 >>147 >>178 >>247 >>344


漆黒の鎧の復讐者の咆哮によって発生した炎が
一気に爆裂して、凄まじい爆風となって襲い掛かった。

「ファウンテンバリア!!」

イルムはとっさの判断で二人の前に回りこむと
水の魔力を収束させて、手を中心にバリアを生み出した。
二つの魔力の衝突によって、辺りに地鳴りが響き渡る。

「うおおおおぉぉ!」

怒号を上げながら突進してきた復讐者は、勢いよく大斧を振り下ろした。

「この野朗っ!」

腰にぶら下げていた杖を取り出して剣に変形させて
振り下ろされた巨大な斧を受け止める。
刃が擦れ合い、摩擦音と共に火花が飛び散った。

「こいつは俺が引受ける・・・ッ!」

剣を蹴り上げることで斧を弾き間合いを空けると
剣を杖の形状に戻して、魔法石に手を翳して魔力を収束し
手を大きく回転させると、呪文を唱えるイルム。

「天空を駆ける風の精よ!我に自由の翼を授けよ!」

イルムの背中から、光を纏った翼が出現する。
復讐者は何かを悟ったように、イルムに向かって突進するが
イルムはソレを無関心な視線で捉えると、再び魔力を練り上げる。

「フォーベガ・チャージング!」

イルムの周りに四つの魔方陣が表れ、それぞれが光を発して収束する。

「死ねえええええええ!」

復讐者の執念が暗黒の炎に変異して大斧を包み込んだ。
イルムはさらに無感情に哀れな復讐者を見つめていた。

「黙れ、デカブツ。」

収束していった光が、剣に変形させられた杖に吸い込まれ
青い光となって剣を包み込み、意思を持ったように大斧と交差した。

「しまった・・・、イルムがまともに戦ってるぞ・・・。」

近づいてきたガーディアンに、短剣を投げつけながら
横から斧で切りかかって来た骸骨を、肘鉄を食らわせて斧ごと頭部を“粉砕”した。

「それは少し不味いな〜。」

ダークファイアを放射状に矢を放って牽制しながら
ガーディアンの周りを素早くステップしてかく乱させつつ骸骨を蹴り飛ばす。

「なんて不遇な扱いだああああああああ!」

イルムの感情に呼応し、より濃縮された魔力に包まれて入った剣で
うっぷんをぶつける様に、石畳を踏み込んで復讐者に切りかかって行った。

「面倒だからローストにしてやろうか。」

鞄から火炎を濃縮した短剣を、ニヤニヤしながら取り出すスィフィー。

「それってスコールが作ってくれたのだよね?好きな人から貰いたくないよね〜。」

「な、ななななな・・・、そんなんじゃないって!」

耳まで真っ赤にしながら必死に否定するスィフィーを見ながら
ダークファイアに光の矢を放って牽制しながらガーディアンの上に跳ぶセリス。

「ローストアーマーにされちゃ困るなぁ。」

七人の分身を生み出しながらガーディアンの後ろに着地して
風の魔力を付加させたランスで、すくい上げるようにガーディアンを吹き飛ばし
追い討ちのデザートブラストで飛んだガーディアンに、七人のセリスが突きを入れた。

「チェックメイト!」

スクリュードライバーがクロスボウで射出されて、豪風を纏いながら突き刺さり
守護神を冠する巨大な鎧霊を、木っ端微塵に引き裂いた。

428 名前:リ・クロス ◆7EZFkfmk/U 投稿日:2006/07/10(月) 19:11:41 [ kcso0oWI ]
トリ付けるのがミスってたようなので・・・

429 名前:サマナの人@422-425 投稿日:2006/07/11(火) 20:33:16 [ b6Gnz/6I ]
あははは、物凄い久々なので爽やかに名前入れ忘れましたよorz

>>ドリームさん
うぅ、掲示板書きは久々だったので、完全に行間とか忘れてました。
メモ帳ならともかく、掲示板に貼り付けてみると見辛いことこの上なしですね。
次から気をつけます;;

>>リ・クロスさん
イルムが無茶苦茶気にいりました。
こういう性格のWIZ&近接戦闘用術式の組み合わせは激しく燃えます。
そうか、守護鎧を燃やすとローストアーマーになるのか(違

430 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/11(火) 21:03:58 [ QZUGjB96 ]
>>389
>>408-409 410

「誰なの、、貴方は」
 あっちゃー、、呼び止めてもなんて言うか決めてなかった。
どうするかなぁ、とりあえず助けてもらったんだかせお礼よね、お礼。
「とりあえず、助けてくれてありがと」
 青い髪の男はそれをジッとただ見つめているだけだ。
ううー、、気まずい。
「な、なんとか言いなさいよ!」
 少し凄みを聞かせて言う物の男は黙ったままだ。
 今一調子の狂う人だなぁ。
「俺は、ウィン・マックロード、人はガブリエル・ウィン・マックロードと呼ぶ」
 また小さく、そして静かに呟く。
「礼はいらない、俺は君を助けたわけではない、こちらの道に用があっただけだからな」
そう言うとすぐに歩き出す。
 ちょ、それだけ!?普通こんなかわいい女の子がいるんだから口説くぐらいしなさいよ!
「あ、あのぅ」
 少し上目使いをし色気を出している、つもりだ
「それでも助けてもらったことには変わりありませんしぃ、良かったらお礼ぐらいさせてくださいぃ」
ふっ、見たか! これでこいつも。
「いらん」
速攻断られた!
「と、とりあえずお礼させろ」
 急に態度を変えて自己中ぷりをアピールしながら、お城まで引っ張るシルビアであった。

431 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/11(火) 21:07:07 [ QZUGjB96 ]
>>サマナの人さん
Σ、サマナの人さんでしたか、お久し振りですー、新作期待してます。

>>ゆずみかんさん
リィニーは基本的にかわいい系ですw

>>南東方不勝さん
ゴーウィングどころかすでに神の領域に(ry
頑張って続き書きたいと思います;

432 名前:382 投稿日:2006/07/14(金) 10:37:58 [ hfUQyDik ]
またおせっかいにきました。
ライトノベル研究所というサイトにわかりやすい小説の書き方(?)があったので
載せて置きます。
0 文章作法を守っている。誤字脱字なし
1 出始めで「引き」がある
2 キャラクターが「立って」いる
3 世界背景や描写がしっかり書かれている
4 ストーリーに破綻がない

【ちゃんとした小説だと見てもらうために】
1 小説を書くときに、空行を空けすぎないようにしましょう。全体的に白い部分が多いと、薄っぺらい印象を与えてしまいます。一文書くたびに一行の空行があると、結構指摘の的になってしまいます。空行は時間が経ったことを表現するときや、主人公を変更するとき程度にしておくといいです。
2 台本のように台詞の前に発言主を表記するのも、かなりの指摘の的になります。和幸「今日どこかに遊びに行かない?」などは注意を受けます。
3 顔文字や『♪』マーク、(笑)などのチャットやメールの記号はやめたほうがいいです。文章が書けないから手抜きしているように思われてしまいます。気分の良さや驚きを伝えたいなら、地の文で表情や仕草を書き込みましょう。「何か飲もうよ♪ 今日は気分がいいの(笑) え? 駄目なの?( ̄□ ̄;)」などは好ましくないです。

【文章作法】
1 地の文で改行した後は、行頭を一字下げてから書きましょう。ただし、カギカッコの場合は下げません。改行をせずに地の文を続けている場合は、文の行頭を下げる必要はありません。
2 『?』や『!』の後はスペースを一つ空けましょう。ただし、直後にカギカッコの閉じがくる場合は空けません。「何で逃げたの?どうして!教えてよ! 」ではなく、「何で逃げたの? どうして! 教えてよ!」という感じです。
3 『・・・』や『。。。』で沈黙や間を書かないようにしましょう。三点リーダ『…』を二つ並べて『……』とするのが正しい文章作法です。「…私が・・やりました・・・・違うんです。。。」ではなく、「……私が……やりました……違うんです……」という感じです。
4 数字は基本的に算数字ではなく、漢数字を用いましょう。ただし、爆撃機や銃器などの固有名詞の場合は例外です。固有名詞は分かりやすさを重視したほうがいいです。『?』『cm』などの記号を用いる場合も、ほとんどお目にかかりません。『彼は80?の体重だ。身長は180cmある。そんな彼はB二十九のパイロットだ』ではなく、『彼は八十キロの体重だ。身長は百八十センチある。そんな彼はB29のパイロットだ』という感じです。

【少しレベルを上げ、読者に混乱を与えないために】
1 主人公の性別や年齢は読者に分かるように明記しましょう。高校生か中学生かも分からないと大変です。高校生なのに、後々から感想で「主人公が小学生かと思っていた」と書かれる場合があります。簡単に書けることなのに、書かなかっただけで評価がさがる原因になるかもしれません。
2 表情や仕草は丁寧に書きましょう。笑っているか怒っているかも書かれていないと、登場人物の感情や状態が伝わらないです。台詞だけでは限界があります。
3 登場人物の状態は、はっきりと書いておいたほうがいいです。最低でも登場人物が立っているのか座っているのか、登場人物たちはどの場所(教室や自宅や道端や校庭)にいるのか、物語の季節がいつなのかは描写しておいたほうがいいです。
4 台詞ばかりに頼って、地の文を書かずに手抜きするのは危険です。感想で「台詞ばかりで場面のイメージができなかった」と指摘されてしまいます。点数のいい他の作者の作品と自作を見比べ、台詞が多くて地の文(描写)が少ないと思うなら、台詞の量を変えずに描写だけを増やして枚数を倍にする、などの試みをしてみましょう。必然的に風景描写や心理描写、表情描写を増やすことになります。読者に場面を思い浮かべてもらいやすくなります。描写だけで枚数を増やすという試みを勧めたのは、台詞も同時に増やそうとすると、再び台詞中心になってしまう危険性があるからです。
5 背景描写は丁寧にしましょう。『豪華な部屋だ』『普通の景色だ』とだけ書かれていても、個人個人で『豪華』『普通』のイメージが違うので、読者と作者のイメージがすれ違う場合もあります。どんな家具があるのか、何が見えるのか(平原か山か川か)などは必要です。特に異世界を書く場合は、現実とは違う世界なので、余計に風景や町並みの描写は重要になってきます。背景描写を書き込まないと、「世界観が分からない」と厳しい指摘を受けてしまいます。
6 作品の完成後はすぐに投稿せずに、少なくても一日は放置しましょう。冷静に作品を見直せるようになってから、誤字脱字のチェックをすれば、他の方に指摘される前に気づくことも多いはずです。誤字が多いと、見直し不足として評価が下がってしまいます。

433 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/14(金) 12:22:08 [ CO3n4996 ]
>>432
長い本文を引用して貼り付けるより、URLリンクを貼りシンプルにしたほうが良かった。

434 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/14(金) 23:30:02 [ UOtXQH62 ]
第1話>>353>>354
第2話>>365>>366
第3話>>385>>386
第4話>>399
第5話>>413>>414

――――約40分後
なんとか完食…。全員腹がはち切れそうになっていた。
「あたしは…ゲップ…食器の片付けするから…ゲップ…あんたたちはロバートさん連れて村の案内でもしてな…ゲップ…」
「分かったよ…ゲップ…」
3人は村中を回った。ロバートは話がうまいので楽しかった。そして夜が来る。
昼食が“あれ”だったこともあり、いつもより1時間ほど遅い夕食だった。間もなく村人達が入ってきた。
パーティーでもするらしい…。夕食も豪勢に出された。食欲がないのでルイス達はあまり食べなかったが、楽しかった。
パーティーが終わりルイスとエミルは酔っ払いのおっさん達を家まで送ることになった。

一通り終わり、あとは寝る支度だけだった。ロバートには空き部屋を1つ貸した。
布団の準備をし、レベッカおばさんが寝たのを確認した後、ルイス達はこっそりロバートのところに行った。
「やあ、待っていたよ」
ちゃんと約束を覚えていてくれたらしい。
「ねえねえ、その前にさ」
「なんだい?」
「ロバートはいつ帰っちゃうの?」
「ん〜明日には出ようかなって考えてるよ」
「そう……」
エミルが寂しそうに呟く。
「ロバート、もう1日ここにいてよ!」
ルイスが目を輝かせながら言う。
「あ、私からもお願い!」
エミルも目を輝かせながら言う。
「ん〜、困ったなぁ…。」
ロバートは苦笑いを浮かべた。
『お願い!!』
「あはは……」
その勝負はルイス達の圧勝だった。どうやらロバートは決断力に欠けるらしい…。
「しょうがないなぁ、じゃあおばさんがいいって言ったらもう1日ここにいることにするよ。でも1日だけだからね。更にもう1日とかはなしだよ」
『やったー!』
それから2人はロバートの様々な話を聞いた。他の町の話やら、モンスターに囲まれてピンチになった話やら、すごい強いウィザードに会った話やら…。
どれもルイス達は興味津々で黙ってロバートの話を聞いていた。
「それでね…ここを僕が…あれ?」
気がついたら2人はスヤスヤと眠っていた。ふと時計を見ると深夜の1時を回っていた。
(子どもにはもう遅い時間かな。まぁ今日はいろいろあって疲れていただろうししょうがないか )
ロバートは起こすのもかわいそうかな、とそのまま2人に布団を被せた。
――――次の日
「ん……」
エミルは寝ぼけた声を出しながら周りを見る。隣で兄がグッスリ寝ていた…。エミルは必死に思い出そうとするが思い出せない。
寝起きで思考が止まっているようだ。1分後ようやく思考が戻った。
「ああーーー!!」
「どうしたんだよエミルうるさいなぁ…」
ルイスもエミルの声で起きたらしい。
「あ、ごめんごめん。私昨日ロバートの話の途中で寝ちゃったみたい…」
「あ、俺もだ」
「あれ?ロバートは?」
ロバートはこの部屋にはいなかった。
「もしかして昨日俺達が途中で寝たから怒って帰っちゃったとか?!」
何とも子どもらしい発想。
「えぇ!とにかくおばさんに聞こう!」
バタバタとおばさんのところに駆け付ける。
「おばさん!!ロバートは?」
「なんだいあんた達朝からうるさいねぇ、ロバートならあんた達が寝てる間に起きてきて一宿の恩だとか言って今庭の掃除をしているよ。あたしはいいって言ったんだけどね」
『よかったぁ…』
2人は胸を撫で下ろした。そうだとエミルはおばさんにロバートをもう1日泊めてくれないかと聞いた。
おばさんは快くYESと言ってくれた。
『やったー!!』
「じゃあそのロバートを呼んできておくれ。もう朝食ができるから」
『はーい』
2人はロバートのところに向かった。
「ロバートオオォォ!!」
エミルが元気よく走りながら叫ぶ。
「なんだい?」
「んとね、おばさんにロバートをもう1日泊めてくれないかって頼んだらいいって!」
「それは良かった、じゃあ遠慮なく泊めさせてもらうよ」
「あ、それともうすぐ朝ごはんだからさっさと来いだって」
「了解」
「ん……?もしかしてこれ、全部ロバートがやったの?すごーい!」
ロバートが掃除をした後には今まで容赦なく生えていた雑草が跡形もなく、なくなっていた。
ロバートは我ながら完璧!というような表情で得意気に鼻を擦った。
「それじゃ、いこっか」
ロバートはそう言うと玄関に向かった。
「そうだね。いこ、お兄ちゃん」
「…お兄ちゃん?」
「あ?ああ、今行くよ」
(変なの…いつもはどんなことでも敏感に反応するのに…)
今思うと私はこの時点でお兄ちゃんの異変に気づくべきだったのかもしれない……

435 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/14(金) 23:33:36 [ zxbEYAI. ]
楽しい時間はあっという馬に過ぎ、もう夜が訪れてしまった。(昨日ほどおばさんは料理に手が込んでなかったが)
また寝る前にロバートと楽しく話していたがもう時間が来てロバートに子どもは早く寝ないと成長しないぞとうまく逃げられ部屋から追い出されてしまった。
その時もお兄ちゃんは何かを考え込んでいるような顔でいつもの明るさが欠けていた。
「どうしたのお兄ちゃん?暗い顔して」
「ん?いや、なんでもないよ」
「分かった!ロバートと離れるのが寂しいんでしょー?」
「そ、そんなことねぇよ!」
そう言うと、そそくさとベッドに入り込んですぐに寝てしまった。
(変なの……)
私も眠たかったのでさっさと寝ることにした。
いろいろと疲労が溜り込んでるせいかベッドに入って2分も経たないうちに寝てしまった。

ルイスはエミルが熟睡したのを確認するとベッドから抜けるとコッソリと部屋を出た。ルイスはコソコソと狭い廊下を歩く。
既に時計は深夜の12時を回っていた。おばさんに見つかったら怒られるだろう。
ルイスが向かうその先は、なんとロバートのいる部屋だった。そして部屋の前まで来ると立ち止まり、軽くノックを2回する。
「誰だい…?」
ルイスが近づいてくる音に気がついたのか、ロバートはすぐに返事をした。さすが冒険者ってところだろうか。
「お、俺です…」
「ルイスか、なんだい?まぁここでもなんだし入ってよ」
そしてルイスはそっとドアを開けると下にうつ向いたままロバートに近づいた。
「なんだい?それよりこんな時間に起きてきて大丈夫なのかい?」
ルイスはロバートの言葉を無視した。
「ロバートに…話があるんです」
「ぇ………?ん〜まあとりあえずその話を聞かせてみてよ」
「あの…お……俺を……」
「俺を……」
「俺を…俺を旅に連れていってください!!」
「えぇ!!」
ロバートは不意を突かれたような表情をした。
「………理由は?」
「…………父ちゃん達の仇を……」
「駄目だ」
ロバートは急に真剣な表情になり、ルイスが言い終わる前にそれを遮った。
「ど、どうして?」
「いいかい、まず1つ。君は敵討ちというものの重さを知らない。復讐者と名乗っている人を僕は旅の中で何度も見たが、
そのようなやつらの末路はいいものじゃない」
「………でも…」
「そして2つ目、君は旅というものを甘く見ている。旅は死と隣り合わせだ。少し誤った行動をしただけでも危険が待っている。僕は君を危険な目に遭わせたくない」
「それでも俺は……!」
ロバートは少し躊躇った後
「いいかいルイス?最後に3つ目だ。君は敵討ちと言っているが“あの”ライアスさん達をも倒した相手を君は倒すことができるのかい?
それには君はお父さんより強くならないといけない。それが君にできるのかい?」
「……………俺は、エミルと違ってテイマーの能力もサマナーになる才能もこれっぽっちもない。でもエミルはまだ一段階だけど召喚獣を召喚することもできるし、
動物や弱いモンスターくらいだったら会話だってできる。村のみんなには母ちゃん以来の天才なんて言われてる。でも俺は……」
それを聞いてロバートは困ったな、と頭を掻いた。そのままルイスが続け
「俺は…もう守られてるだけじゃ嫌なんだ!!別に旅でどうなったっていい!俺は誰かを守りたいんだ!!もう身の回りの人が傷付くのを見ているだけなんてのは嫌なんだ!!!!」
ルイスは必死にそれをいい放つと、泣き出してしまった。やはりルイスはまだ“子ども”なのである。
(まさかまだ13歳なのにここまで思いつめてるとは…何がここまでこの子を?)
「………分かったよ」
そう言うとロバートはにっこり笑いルイスの頭を優しく撫で下ろした。
「でも、村長や君のおばさんが駄目って言ったら諦めるんだ。分かったかい?」
「…………ありがとう」
そう言うとルイスは床に崩れ落ちた。ロバートがどうした?!と近づいてみたらルイスはグッスリと寝ていた。よほど精神的にも疲れていたのだろう。
(よほど今日1日中考え込んでいたんだな。妹より劣っているという焦り、両親の仇を取りたいという憎しみか…
はぁ、何で僕はこう子どもに弱いんだろ。考えてる事と逆な行動にいつも出ちゃう…意思が弱いのかなぁ…)
ロバートはそんなことを考えながらルイスに毛布をかけ自分も寝ることにした。
――――異変 Fin

―――――――――
PCで確認したらずれまくってたりしてる…
ちなみにパスワード変わってるのは携帯からということです。

436 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/15(土) 03:13:20 [ 27I1SfNU ]
>>432
まぁ言われてもそうそうすぐには直せない罠
直そうとして血吐いた人が言ってみる

人間だから文の粗さもまた個性、まぁまずは何でもいいから書いてみるこった(^ω^)

437 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/16(日) 00:54:38 [ tB8z8sSc ]
そろそろage

小説書くなら、予めプロが書いてる小説を読んでどんな書き方をしてるかとか勉強するのもいいかと

もし小説買う余裕がなければスレの21R氏とFAT氏の小説をよく読めば良い勉強になると思う。
特に21R氏の小説読み返せば背景の表現方法は良い勉強になると思う。
キャラが立つかどうかはその人の腕の見せ所。


っと、定期的に沸く21R氏とFAT氏の猛烈ファンより

438 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/16(日) 04:04:29 [ W7ci29Dk ]
>>432
テンプレ見ると「書きたい!」という気持ちが第一番っぽいので、有る程度文法を守れていればいいかと。
プロ志望の為のスレならともかく、あんまり敷居を高くしても益はありませんから。

ただ、ワンランク上のSSを書きたい人向けに、URI張っておきます。
ttp://www.raitonoveru.jp/

「カッコイイ文が書きたい!」とか、「このまま文を書いてていいのかな……」と引っかかった時が、そのサイトにお世話になる時かと思います。

439 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/16(日) 15:53:52 [ 9yr6zJ6w ]
test

440 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/07/17(月) 00:12:17 [ QS1Cbi/M ]
Wolf And Raven 僕と彼女の終末に

満月の夜。僕は今、コンクリートで出来た道路を必死に走っている。
後ろからはたくましい犬のような物が自分を追いかけている。僕が知っている犬とは何処か違う。
野生の鋭さのような、トンボを針で串刺しにするような、なにか生々しい気配を犬のようなものは身に纏っている。
息が切れる。体がひどく重い。脂汗が体中から噴出し、全身が薄い膜に包まれたかのような感覚に陥る。
それと同時に寒気も感じる。走りながら体が震える。震えるたびに脂汗が出てくる。
服はぴったりと体に張り付き、とても邪魔くさい。
心臓が裏返りそうなほど疲れた。走るのを止めたい。だが、一度立ち止まれば疲れのせいで二度と走れないだろう。
そう思いながらも頭に別の考えが浮かぶ。とても疲れた。
走るのを止めて後ろを振り返る。
犬のような物の姿は見えない。だいぶ引き離したのだろう。
僕は安心する。
両手を膝に置いて僕は荒く呼吸をする。
なにか悪い予感が胃に届く。顔を上げて満月を見上げる。
それと同時に鳥が空から襲い掛かってくる。
僕は鋭く息を吐き出して、その場に尻餅をつく。
鳥、カラスのような鳥だ。鳥の爪からはなんとか逃れた。
立ち上がろうとするが、腰が抜けて立ち上がれない。
背中に鈍い衝撃を感じ。僕はうつぶせに倒れてしまう。
コンクリートにあごをぶつけて頭がくらくらする。
何かが背中の上にのし上がった。四本足の動物。おそらくはさっきの犬のようなものだろう。
立ち上がろうとするが、犬のようなものが背中を押し付けているので立ち上がれない。
首にカラスがとまる。肉に爪が食い込む。皮が破け、血が少しずつ確実に出てくる。
犬のようなものが僕の背中に噛み付く。
激痛に僕は叫びを上げる。とても低い声で、僕の体から出た声とは思えない。
もしかしたらこの声は犬のようなものの声かもしれない。
牙から僕の体を通して出た声。
カラスが僕の肉をついばむ。肉がぶちぶちと体から離れるたびに、僕は少し仰け反る。
背中から出た血が体を伝って、コンクリートに広がる。
背中と血が酷く熱い。僕の血で僕の体は溶け爛れてしまいそうだ。
こつんという感覚がした。カラスのクチバシが背骨に当たったのだ。
体の痛みは消えた。犬のようなものは僕の体をあいかわらず貪っている。
僕は思った。何故こいつ等はこんなにも腹を減らしているのだろう。
背中の肉が段々と掘り下げられ、ついには腹にも穴が開いた。
不思議な感覚だ。僕は立ち上がろうとする。簡単に立ち上がれた。
カラスと犬のようなものは僕の体から離れる。
僕は僕の体を見た。
肋骨がむき出しになり、中でうごめく筋肉が見える。
腹と背中の肉は全てなくなり。肋骨から骨盤までの肉は何もない。
体はとても軽い。僕はまずカラスを捕まえる。カラスは何の抵抗もしない。
カラスの羽を折り、右の翼を引きちぎって咀嚼する。
バターのような味がする。食感はサトイモに似ている。
もの凄く腹が減っていた。そうなのだ。あれほど肉を食われたのだ。腹が減ってもおかしくはない。
いつの間にかカラスを全部食べ終えていた。カラスを食べ終えて僕は少し勿体無い気分になった。
あんなに旨いものはよく味わって食べるべきだった。
次に僕は犬のようなものを両手で捕まえて、空に高く掲げた。
そして腹に歯を立てる。血が噴出して、顔にかかる。
香ばしい血の香りと、肉のうまみが鼻腔をくすぐる。
僕は叫び声を上げる。

441 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/07/17(月) 00:12:51 [ QS1Cbi/M ]
急いで上半身をベットから起こす。いやな夢を見た。まだ頭が混乱している。
半そでのパジャマのボタンはほとんど外れ、胸には赤い引っかき傷が少しついている。
恐ろしい夢だ。震える心と体を落ち着けようと深呼吸をする。
体も心も落ち着かなかったが、深呼吸によってなにかショックを和らげるクッションのようなものを得る。
僕は悪夢を見ていた。犬のような物、夢ではわからなかったが、きっと狼だ。
狼とカラスが僕を食べ。そして僕は彼らを食べた。
軽く頭を振ると、ドアについているベルが鳴っていることに気がついた。
ベットから抜け出して、ドアを開けると、ロッテが立っていた。
彼女は笑いながら、おはようと言いかけて、顔をぎょっとさせる。
「どうしたの君?酷い顔よ。具合悪いの?」
「いや、ただ。」
続きを言おうとして僕は言いよどみ、それから首を横に振る。
「まあいいや。とりあえず上がって。」
僕は彼女を自分の部屋に入れる。
「ちょっと待ってて、顔洗ってくるから。」
そう言って僕は狭い洗面所へ行く。鏡に映る僕の顔はとてもやつれている。
肌は血の気を失って蒼白で、唇はすこし震えながら半開きになっている。
僕は蛇口を捻り、冷たい水で顔を丹念に洗う。
それから髪も水で濡らし、寝癖を押さえつけてからよく拭いて、ロッテが待つ茶の間へと戻る。
「ごめん、こんな早くに来ると思ってなかったんだ。」
「ねえ、そんなことよりも聞いてよ。私、こっちのほうへ転勤するの。だから一緒に暮らしましょうよ。」
「一緒に暮らすって言っても、そんな急に。それにこんな狭い借家じゃ。」
「いいじゃない。もう少し広い借家を借りれば。私のお給料とあなたので間に合うでしょう。」
でも、と僕は言った。その間にも彼女は手際よくお茶の準備をして、口を動かしながら紅茶を入れた。
「ねえシルヴァリン、私たち付き合ってもう長いのよ。そろそろ。」
「ねえ、転勤になったけども今度はどんな仕事?」
僕は話を変えた。彼女は少しむっとしたが、それでも答えてくれた。生真面目で優しいのだ。
「沼地に住むクラゲの観察よ。そうそうそれとペットも連れてきたの。広い部屋に住んだら封印を解いてもいいでしょ?」
「うん。ペットは元気?」
「元気元気。それより朝ごはん食べましょうよ。どうせ食べてないでしょう?」
「でも、食べ物何もないよ。」
「じゃあ、そこら辺の露店でなにかかって食べよう。それと古都案内してね。」
僕はお茶を飲んでからパジャマを脱ぎ捨てて着替え、財布の中身を確認してから外へ出た。
日曜日の古都は太陽のにおいがした。こんな路地裏にもやはり日曜日は優しい。
僕と彼女は露店でパンを買って食べ、それから噴水やアクセサリーを見て回った。
午前の太陽の光はとても温かく、悪夢の影響は、それこそ夢のように薄れていった。
ロッテは王宮跡を見たいといったので、一緒に見に行った。
王宮跡へ向かって一緒に歩いているときに、ロッテは急にくすくすと笑い出した。
それにつられて何故か僕も笑った。
王宮跡を目にすると彼女は瓦礫の中を歩いたり、ちょっと突き出しているところに上ったりした。
崩れた王宮跡を目にするのは久しぶりだった。大したものではないのだが、なにか人に訴えるものがあった。
彼女は十分と瓦礫を観察した跡に、僕のところへ戻ってきた。
「昔はここにあの石があったのね。」
「そうだね。」
「なんで人はあの石を探すのかしら?」
「あの石を見つければ救われると信じてるだよ。」
彼女は何も言わずにじっと僕を眺めた。
あなたってどこか変わってるわね。きっと私はそこが好きなのよ。でも、いつかそこが嫌いになるかもしれない。
と彼女は言った。僕は周りを見回して、誰も居ないことを確認してから彼女にキスをした。

442 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/07/17(月) 00:13:35 [ QS1Cbi/M ]
引越しの話は順調に進んで、ロッテが来てから二週間後には新しい借家で生活を始めた。
ロッテの他にも同居人は増えた。彼女のペットの狼とガーゴイルだ。
ロッテには内緒にしているが、結婚指輪を買おうと貯蓄をはじめた。
そして毎晩、僕は悪夢を見た。いつも同じ夢だ。
ある日曜日の夕方、ロッテと一緒に散歩をしていると、崩れた王宮近くの用水路に人だかりが出来ていた。
誰かの死体が会ったらしい。騎士団はすでに現場検証を始めていた。
休日だったが、やはり騎士団に所属している僕も現場検証に加わらざるを得なかった。
「ロッテ、今日は家に帰るんだ。事故死かも知れないけども殺人かもしれない。戸締りをしっかりするんだ。」
そう言ってから僕は人ごみを押しのけて、騎士団の輪に加わった。
現場にはやはり騎士団長が居た。
「シルヴァリン、これは殺人だ。どうもウルフマンによるものらしい。今、パトロールを組んでいる所だ。お前もそれに加わってくれ。」
僕は数人と一緒に地下水路を探索することになった。
地下水路には時折、点々と血の跡のような物がついていた。
ここにはモンスターや盗賊が住んでいて、よく血の跡が飛び散っている。
頭ではそれがわかっていても、今はその血がさっきの死体のものに見えた。
「あれ。」
と言って若い弓士が薄暗い暗闇の先を指差した。
その声をきっかけにか、暗闇の中から一人の赤いウルフマンが現れた。
ウルフマンの爪には生々しい血がこびりついていた。犯人だった。
撃て、と誰かが言った。若い弓士は矢をつがえ、ウルフマンへと放った。
矢がスローモーションで飛んだように見えた。ウルフマンに命中したからは、普通の速度に戻った。
ウルフマンが倒れる瞬間に、僕と彼は視線を交わらせた。強烈な吐き気と寒気が僕の体を襲った。
背筋が酷く重たかった。何かにのしかかられているみたいだった。
僕はその場で意識を失った。

やはりまた悪夢を見た。狼とカラスを貪っている最中に目が覚めた。
自分は病院にいるようだった。
目と頭が焼けるように熱かった。血の涙が流れそうなほどだ。
ベットから起き上がると、すぐそばにはロッテが居た。
ロッテは僕を見ると悲鳴を上げた。
僕は雄叫びを上げながらロッテを爪で切り裂いた。
体にはもさもさした毛が生えていた。ひどく腹が減っていた。
狼とカラスでは足りないくらいに。
僕は雄叫びを上げた。それから病室を抜け出し、病院の外へ出た。
満月の夜だ。なにか熱いものが体中を駆け巡っていた。
近くに誰かが居た。その人を切り裂いた後に僕は夢中で駆け出した。
僕はウルフマンへとなったのだ。
恋人も、婚約指環も、悪夢も全てを気にしない存在だ。

443 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/07/17(月) 00:14:53 [ QS1Cbi/M ]
なんだか思いつきで狂ったような小説を書いてしまいました。
よく考えるとあんまりレッドストーンと関係ない話ですね。

444 名前:独り語 投稿日:2006/07/17(月) 06:35:03 [ wU/FVwJY ]
>>440-442
>戦士のようだ
背筋がぞっとしました。夢の描写が怖いです。
救いのない物語はあまり好きじゃありません。
無感覚の怪物、エンドレスの連鎖を感じさせる陰惨な事件。悲しすぎます。
これが物語のプロローグで、騎士団長が主人公ならまだいいのに……。
というわけで、>>380の企画じゃないですが、勝手に続き書いてみました。
主人公は騎士団長の代わりに数行しか出番のない弓士です。
コメントからこれで終わりの読み切りと判断しましたが正規の続編があったら、
本気でごめんなさい。

445 名前:独り語 投稿日:2006/07/17(月) 06:35:42 [ wU/FVwJY ]
「シルヴァリンは真面目な男です。仕事熱心で生活態度もいたって真面目。
結婚資金と思われる貯蓄もあり、仲のいい関係でした。そんなことをする男じゃありません」

 騎士団長の声は開かれた窓を通してもはっきりと毅然と聞こえてくる。
抗議の相手は公安のお偉いさん連中だ。彼らの声は反響してくぐもって内容までは聞き取れない。
しばらくして、騎士団長が重い扉を自分の手であけて出てきた。
表情はいつもの毅然とした騎士団長のままだが、相当苛立っている様子。
具足が石畳を蹴る音が強く響き、声無き不満を代弁しているかのようだ。
「宿舎に戻る」
いつもより短い指令。この付き添いが私の今日最後の任務だ。

宿舎に戻り、巡回に行く同僚を見送ってから自室のベッドに腰を下ろした。
昼過ぎに回ってきた報告書に目を通す。普段より量が少ないのにやけに重たく感じた。
昨日、同僚の一人シルヴァリンの婚約者のロッテがウルフマンに襲われた。
まだ意識は戻らない。シルヴァリンは行方不明。公式の発表はこれだけ。
他に、同日未明にウルフマンによる通り魔事件も報告が上がっている。
昨日のウルフマンの連続通り魔事件として犯行の共通点が羅列されている。
 でも、そんな筈はない。
犯人のウルフマンは昨日、私が、射ち殺したのだから。
犯人の死体検分ももう終わっているし、生き返って消えたなんて報告書はない。
それなのに、目撃証言と証拠は同一犯を示唆している。
今回の犯人は連続通り魔事件と同じ体毛の色は赤みを帯びた黒毛で目は月に似た黄金。
体格も一致。右手で大きく下から切り上げる独特の傷跡も同じ。
跳ねるように走る足跡の特徴まで一致していると、報告書にある。
目で文字列を追いながらロッテのことを思い出していた。
ロッテは私の親友で、おしゃべりが大好きで一緒にいるといつも時間を忘れてしまう。
『カルディアにも幸せになって欲しいな』
ロッテと最後に話したとき、祝福を贈った私に照れながらそう答えた。
はにかんだ笑顔が可愛らしくて、幸せが溢れているようにまぶしかった。
……パタッパタッと涙が報告書を叩く音で我に返った。
ぐずる鼻を抑え自嘲するような笑い声をあげた。
「大丈夫、明日には目を覚ますはず。大丈夫、大丈夫……」
心の中で何度も繰り返し、声が響かないように枕に顔を埋めた。

446 名前:独り語 投稿日:2006/07/17(月) 06:36:27 [ wU/FVwJY ]
 翌日、午前の訓練を正式にさぼってロッテのお見舞いに出かけた。
届けを出すときに騎士団長に目が赤いと心配された。
寝不足と言い訳する私に優しい沈黙を返し見送ってくれた。
今朝は明け方近くに目が覚めたのだから、寝不足も嘘ではない。
少し遠回りをしてクッキーと小さな花籠を買う。ちょうど焼き立てで甘いいい香りがする。
病室はすぐに分かった。白いカーテンが窓辺でさらさらとゆれている。
ロッテはまだ眠っていた。頬は白く窓際に座った私の反対側に顔を向けている。
とりとめのないことを寝顔に話掛けながら、花籠を添えつけのテーブルに置く。
寝顔にかかった髪を指先で払い除けたとき、閉じたままの睫毛が震えた気がした。
改めて、まだ甘い香りのするクッキーの包みを手にとった。
「ロッテ、早く起きないと団のみんなでたべちゃうぞ」
独り言のように話しかけながら小さな寝息に耳を澄ます。
鳥の影が病室の床をよぎる。窓の外に目を移し、高くなりはじめた太陽を見つけた。
「そろそろ戻るね。また、お見舞いに来るよ」
「……」
クッキーを手に病室を出るとき、背後でロッテの身じろぎの気配を感じた。
足を止めてからゆっくりと振り向く。小さな瞼はまだ閉じている。
少し迷った挙句、花籠と一緒にクッキーも置いていくことにした。

 詰め所にもどるとすぐに騎士団長に呼び出された。
「失礼します」
「カルディア、中に入れ。いま話したカルディアだ。こちらは捜査に協力してくれるダムザ氏。スマグの魔法院からきたそうだ」
「よろしく、ダムザです。所属は名ばかりでほとんどフリーで活動しています」
差し出された右手を握り返しながら、年齢不詳とはこの男を指すのだと内心つぶやく。
部屋に入ったときに見た後姿の細いシルエットと、やけに綺麗な長い髪には若い印象をうけた。
正反対に、裾がぼろぼろになったコートのデザインは古く年季が入りすぎている。
整った顔立ちは若者そのものなのに、表情の作り方は落ち着いていてただの若作りかもしれない。
声は低く、落ち着いたしゃべり方と併せて威厳すら感じる。
自分が作った不自然な沈黙に気づき、あわてて返事をする。
「カルディアです。よろしくお願いします。ダムザさんはウィザードですね?」
「えぇ、ダムザで結構。純粋なウィザードです」
あわてて口をついた変な質問にも律儀に返すあたり、確かに生粋のウィザードだ。
「紹介は充分だな。そろそろ本題に入ろう。カルディアにさっきの説明を頼む。他に必要な物があったら用意しよう」
「ありがとうございます。歩きながら話しましょう、現場まで案内をお願いします」
「え?」
二人の視線を受けて、助け舟を求めて騎士団長を見る。
「あぁ、お前が彼の捜査の相棒だ。お前に聞きたいこともあるらしい。頼んだぞ」
いつも通りの騎士団長の独断で、私の午後の予定は昼食前に決定した。

447 名前:独り語 投稿日:2006/07/17(月) 06:37:32 [ wU/FVwJY ]
「騎士団長の言っていた、さっきの説明ってなんのことですか?」
太陽は高くのぼり日差しが暑く感じられる。木陰に入ったときに肩をなでる風が心地よい。
「わたしの研究の専門と事件の真相に迫る仮説のことですよ」
「もったいぶらないで教えてください」
「その前に、一件目の犯人は貴方が仕留めたそうですね」
「……はい、確かに私がやりました」
まるで自白。そんなことを考えながらサンドイッチを頬張る。
歩きながらで行儀が悪いが、”相棒”は昼食を済ませていたのだから仕方ない。
サンドイッチとそれぞれに飲み物を手に並んで歩いている姿はデート中にでも見えるかもしれない。
二人ともむっつりとしたまま歩いているので、或いは喧嘩の最中にでも見えるだろうか。
口がふさがった私の代わりにダムザがつらつらとしゃべり始めた。
「わたしの専門は肉体と精神の分離や独立の研究です。
アンデットに現れる霊体または肉体だけの存在や、生者の精神の伝播・感染・憑依の研究をしています。
生き物が他の生き物に与える影響の研究から入ってそんな所までのめり込んでしまいました」
ダムザが私に視線をなげかける。仕草でもうちょっとかかると合図をして先を促す。
「一昨日、通り魔が発生して犯人はすぐに仕留められた。
それにも関わらず、同じ日の深夜には発表もされていない犯行のコピーキャットが現れた。
同一犯であると証拠が語り、同一犯はありえないと死体が語る」
「ごちそう様!」
「味はどうでしたか?」
「美味しかったわ。随分と詳しいですね」
「貴方の手に渡った報告書と同じものを私も見ています」
「続きを聞かせて」
私の心に引っかかったもやもやを彼の口が代弁しているような気分になっていた。
同時に解きほぐしてはいけないもやもやを無理矢理引き回されるような気持ち悪さも感じる。
「今回のような事件は、特に犯人がウルフマンとはっきりしている例では、珍しくないのです。
研究者の間では度々認められることで、一般には珍しいでしょうか」
「もったいぶらないではっきり話してよ」
自分の声に棘があって驚いていた。平静を装い真相に迫る。
「犯人は誰だと思ってるの?」
「王宮近くの一件目、病室での二件目、病棟の傍での三件目。
三件の元凶は同じです。ウルフマンのディスプレイスメントで知られる精神転嫁技術による肉体の乗っ取り。
そして、二件目・三件目の犯人はシルヴァリン……」
「…………」
私からなんらかの反抗があると思ったのだろう、彼は言葉を切って沈黙を用意してくれた。
私は暗く沈んだ心に縛られ、俯いたまま足を進めるしかなかった。
初夏の日差しは私には冷たかった。

448 名前:独り語 投稿日:2006/07/17(月) 06:51:05 [ wU/FVwJY ]
>>444は批判にも読めるかもしれません。
ですが、誉め言葉と受け取ってくださいませ。恐怖も感動のうちです。
重ねて申し上げますが、勝手な行動は承知しております。
気分を害しましたら本当にごめんなさい。

449 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/17(月) 08:32:58 [ 653ggPUo ]
<jbbs font color="#0000FF">青文字うててるかな(?-_・)ン?

450 名前:戦士のようだ 投稿日:2006/07/19(水) 23:05:50 [ QS1Cbi/M ]
>>独り語さん
いえいえ、ほんとうにもう何をおっしゃいますやら、いやはや、そんな、
ええ、どうも、こちらこそ、ええその節は、まったく・・・云々
と言ってしまいそうなくらい嬉しいです。
こんなくだらない話の続きを書いていただけて本当に感激です。


話は変わりますが、前に一度投稿した作品を書き直して投稿するのはありでしょうか?
ストーリーも随分と変える予定なのですが。

451 名前:見学者 投稿日:2006/07/20(木) 09:32:28 [ ww4BM0IA ]
毎週決まった日に投稿しようとしても
なんだか頻繁に書き込んでいる気がして投稿できない私です。
どうもコンニチハ。

思ったよりも文章についてのレスが多く見られてドキドキです、ハイ。
「おかしいよ、ココ」とか思われる部分がありましたら
どうぞ何でも言ってくださいまし……。
最低限、読める文章くらいにはならなくてはいけない、と考えてますので。

>>戦士のようだ さん
 お初です。
 特に決まりも何もない(と思う)ので良いのでは?
 新参者が口出しできるモノとは思いませんが……。
 私はその書き直した方の作品も読んでみたいです。

452 名前:見学者 投稿日:2006/07/20(木) 09:32:56 [ ww4BM0IA ]
1st>>267  2nd>>268  3rd>>309  4th>>310 5th>>342
6th>>343  7th>>376  8th>>377  9th>>717 10th>>718

 砂漠は夕方頃から急に冷え始める。砂漠都市アリアンも例外ではない。
 日が地平線に近くなればなるほど、人通りは少なくなる。
 とはいえ、人が夜に到着することなんかごく当然のことである。
 露店こそ出したままにするが主人の方は睡魔によって深い眠りに落ちてる、なんて日常的な風景なのだ。
 まるで盗んでくださいとでも言っているかのようである。
 ブリッジヘッドのシーフとド田舎ロマ村のサマナーという変わった二人組みがアリアンに着く頃には、太陽の頭はすっかり地平線に隠れてしまっていた。
 冷たい風が乾いた砂を持ち上げて頬にぶつけてくる。
 アリアン旅館に砂漠の砂を持って入るな、と言われたらどうしようかと思いつつシーフは宿屋の扉を開けた。
「いらっしゃい」
 期待に反して砂の文句を付けられなかったが、代わりに旅館内は砂まみれだった。
 こちらを見ることも無く挨拶を投げたのは旅館の女将なのだろう。
 年老いた女性が椅子に腰掛けて膝に載せた宿帳の上にペンを走らせている。机は無い。
 間違いなく腰を痛めているだろう。かがむにしたってあの体勢を維持するのは苦痛だ。
 シーフはそんな老婆に帽子を外して一礼した。髪と帽子に積もった砂がサラサラと落ちる。
「こんばんは。日暮れ時にすいません」
「じゃぁ来ないでおくれ」
 下げたままの頭をクリッと横にかしげた。
「はい?」
「『すまない』というくらいならするもんじゃないだろう? だから来ないでおくれ」
 いや、言い分は尤もだが。あぁ、なるほど言い方を変えろと言ってるのか。
「これは失礼いたしました。『日暮れ時ですがお邪魔致します。』お部屋は空いてますか? 
 二人なのですが」
 初めて女将は顔を上げた。老眼鏡を装着したままの目をしょぼしょぼさせながら二人を見比べる。
「おや? ブリッジヘッドのシーフさんかい?」
「ええ、まぁ。大したことはやってませんが」
「へぇ……。でも生憎、部屋はどれも予約済みなんだよねぇ。困ったモンだねぇ」
 なんなんだこのヒネくれた婆さんは?

453 名前:見学者 投稿日:2006/07/20(木) 09:33:31 [ ww4BM0IA ]
1st>>267  2nd>>268  3rd>>309  4th>>310  5th>>342
6th>>343  7th>>376  8th>>377  9th>>717  10th>>718

 見たところ部屋の並ぶ廊下から足音どころか衣擦れの音すらしない。
 外は確かに夕闇色だが、寝る時間には少し早すぎる時間だ。
 宿泊客など、一人も居ないのではないか。あぁ、だから『予約済み』と言ったのか。
「でしたら、どこか他の宿泊施設はありませんか? 出来れば屋根と壁とベッドがあると良いのですが」
 言いながらチラとサマナーに視線を向けた。
 彼女に野宿をさせるのは酷というものだろう。
 一人部屋の一つ取ることが出来たら、自分はどこか適当な場所で身体を休める程度で充分だ。
「ウチよりも設備の整った宿はないと思うね。他のは多分、屋根も壁もベッドすらないよ」
 どんな宿だよ。
「では……なんとか部屋を空けられませんか。全て埋まってるのでしたら引き下がりますが」
「あ、あのシーフさん」
 苛ついたのか語調の強くなったシーフのマントをくいくい、とサマナーが引っ張る。
「空いてないならしょうがない……と思います。お宿がないなら、別にお外でもだいじょうぶですから」
「砂漠は寒いし風も強いのですよ。先ほども砂がまるで横殴りの大雨のようにぶつかってきたでしょう? 
 ――あぁ、そうだ。何も一人部屋でなくても良いのです。
 彼女の休む部屋一つあれば充分ですから、空いてませんか」
 サマナーは「えっ?」と声を上げた。
 シーフの言った意味を少し間を置いて理解すると、今度は激しく首を振ってマントをぐいぐいと引っ張る。
 右肩が少々、幼い力で痛くなってきた。
 その二人のやりとりを見ながら、老婆はふんと鼻を鳴らした。
「無理やりに作ってやっても良いよ。ただしお代は二倍頂きますけどね」
 どこまでも気に食わない婆さんだ。

454 名前:見学者 投稿日:2006/07/20(木) 09:42:53 [ ww4BM0IA ]
あとで見直してアンカーミスに気付いた……。
まだ>>700すらないのに……。

9th>>417 10th>>418

455 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/24(月) 23:05:56 [ i7EZP0vw ]
第1話>>353>>354第2話>>365>>366
第3話>>385>>386第4話>>399
第5話>>413>>414第6話>>434>>414

次の日、私は昨日一昨日と遅く寝たせいか、寝坊をしてしまった。
「んー…」
時計を見たら既に8時を回っていた。
「し、しまった!!あれ…?」
いつも私より遅く起きるはずのお兄ちゃんがいなかった。
「あ、そういえば今日はロバートが行っちゃう日じゃん!!」
私はすっかり忘れていて、素早く着替えておばさんに聞いたら、おばさんはロバートはルイスと一緒に村長の家に行ったということだ。
私はちゃんとロバートに別れを言えると思って安心した。
(でも何で村長のとこに?しかもお兄ちゃんと。変なの…)

「じっちゃん、お願い!!」
「むぅ……旅とは危険がつきものなんじゃぞ?」
「それは百も承知だよ!頼むよ…」
「はは、昨日僕も最初はそうやって止めたんですけどねぇ…聞かなくて」
村長の家ではルイスが例の件で交渉をしていた。
「ルイスよ、このままずっとこの村にいれば平和な日々が送れるのじゃよ?自ら自分の身を危険に晒さなくても…」
「でも、またあいつらがこの村を襲いに来ないって保障はないだろ?それに他のやつらだって」
「しかしのぉ……」
「じっちゃんだって俺がテイマーもサマナーも才能が最初からないのは知ってんだろ?俺はもう守られるだけは嫌なんだって!いざというときこの村を守りたいんだ!」
その目には固い決意と信念が込められている。村長はそれを悟ったのか
「しょうがないのぉ…まぁお前がいつかこう言ってくるとは前から思っていたが…」
ルイスの勝利。
「やったー!じゃあ早速準備だ!」
「待て、ルイス」
「なに?」
「分かっていると思うが、旅の間は村の者には会えない。もちろんエミルにもじゃ。少し寂しくなったからと言って来たらわしは許さんぞ?
それにたったの1年や2年じゃ強くはなれん。ロバート殿よ、どのくらい旅を続ける気かな?」
「そうですね……5年です」
「ご、5年!?」
「そうだよ。それくらいしないと強くなんてなれないさ。嫌だったら諦めるんだね」
「諦めるもんか!やってやるよ!!」
「そうか…じゃあそうと決まったら村中の住民に挨拶をしてくるのじゃ。出発は今日の午後1時。よろしいか?」
「分かったよ」
そう言ってルイスは家を出ていった。
「すまないのロバート殿…」
「いえいえ、構いませんよ。ルイスは僕が命わ賭けてでも守って見せますから」
そう言い一礼をしてからロバートも村長の家を出ていった。

ルイス達はレベッカおばさんの家に戻り朝食を食べた。ルイスは今まで以上にこの味をしっかりと味わいながら食べた。
ロバートは早めに食べ終わるとルイスに村の人に伝えるのは僕がするから君はこの2人に伝えておいてと耳打ちをし、ちょっと出てきますと家を出た。
「昨日からお兄ちゃん変よ。何かあったの?」
エミルが不思議そうにルイスの顔を覗き込む。
「きっとロバートと別れるのがつらいのよ」
レベッカおばさんがからかった。
(別れるのはロバートじゃなくてエミル達なのに…)
ルイスはそう思うと涙が出そうになったがぐっと堪えた。ルイスはエミルが産まれてからこの11年間、片時も離れた時なんてなかったのだ。
村では仲良し兄妹で有名だった。いざ離れるとなると辛いものだ。
「ご馳走様……」
そう言うとルイスは家の仕事を黙々と始めた。
「なんだいあの子…明日は雨でも降るんじゃないの?」
レベッカおばさんが不思議そうに言う。
その頃ロバートは村の住民にそのことを伝え回っていた…。

456 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/24(月) 23:07:05 [ X.oGVJTs ]
「本当かい!?あのルイスが…」
「はい、彼からの希望ということで…」
「あんた本当に大丈夫なんでしょうね?」
「はい、僕の命を賭けて彼を守ります」
「安心していいんだね?」
「はい、大丈夫です(たぶん)」
そんな会話がずっと繰り返されていた。
(はぁ、なんて嫌な役なんだ…)
ロバートは既に村の8割近く回っていた。(もうちょっと…さっさと回ってしまおう…)


その頃ルイスは自分の仕事を終わらせ旅の準備を始めていた。刻々と近づいてくる時間。
言おう言おうと思ってもなか言えない…。
(くそっくそっ!…言わないで出ていく方が後々後悔するぞ)
自分に言い聞かせる。
「あれ?もう終わったのかい?サボってないだろうね。ん…何してんだい?」
悩んでいるところにレベッカおばさんが来た。(せめておばさんだけにでも…)
「まぁあたしは昼食の準備をするよ」
「待っておばさん!!」
「なんだい?」
「あ、いや…その…」
「なんだい?変な子だね…まぁ後にしておくれ」
そう言っておばさんは出ていこうとした。
「待って!今じゃないといけない話なんだ…だから…」
「?……あたしゃ急いでるからさっさと済ましておくれ」
「あのさ…………実は……………お、俺!ロバートと旅に出ることにしたんだ!!」
少し躊躇ったが、決意を決めて一気に言い放った。
「……そうかい。気をつけて行ってきなさい」
「え?」
意外な反応だった。ルイスはこのことを言ったらおばさんは怒ると思っていたからだ。
「遂にこの時が来てしまったかい…村長もいつかこういう時が来るだろうと言っていたよ。さあ!そうと決まったら今日の昼食は豪勢に作るよ!
朝っぱらから村長のとこ行ってたということは昼にでも発つんだろう?村のみんなには伝えたのかい?」
「ありがとうおばさん。出発は1時の予定さ。村のみんなにはロバートが引き受けてくれたよ。俺はおばさんとエミルに伝えろって言われたんだ。
それと…おばさん……」
「なんだい?」
「エミルにこの事をおばさんから伝えてくれない?何かどうしても言えなくてさ」
「それはだめだね。あんたロバートからあたしとエミルだけは自分の口で言えって言われたんだろ?兄妹だったら自分の口で言いな。
それが出来なかったら何も言わずに勝手に旅立つんだね。もちろんそれでもエミルは傷付くと思うがね。あたしゃ知らないよ」
そう言っておばさんはキッチンへ向かってしまった。ルイスは見放された気分だった。やっぱり怒っちゃったんだとも思った。
(どうしよう…ええい!勇気を出せ!ルイス!)
心の中でそう言い聞かせルイスはエミルのところへ向かった。

457 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/24(月) 23:08:27 [ UOtXQH62 ]
その頃エミルは風呂の掃除をしていた。ルイスはその様子をそ〜っと気づかれないように見ていた。
「ふっふふふ〜ん♪」
鼻歌を歌いながら掃除をしている。
(なんかこの状況じゃ言いにくいなぁ…ん…悩んでたら急に鼻がムズムズと…)
「へ……………」
(まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい!!)
「へえぇぇ………」
(もう…無理…)
「ヘックショオン!!!!」
「キャ!!ってなんだお兄ちゃんか。驚かさないでよ」
「はは、ごめんごめん…」
そう言ってエミルに近づいていく。
「ん?どうしたの?手伝いにでもきてくれたのかな〜?」
「ば、バカ野郎!そんなんじゃねえよ」
「じゃあ何しに来たのよ?」
「そ、それは…」
「用がないならあっちに行って。掃除の邪魔だから」
「んー…用がないわけじゃ………」
「?…なによ?」
「それは……」
(言え!言うんだ俺!ここで言わなきゃ男じゃないぞ!!)
変なの…とエミルが不思議そうな顔でこちらを見ている。そしてルイスは遂に決意を決め、そのまま床に伏せ土下座の体勢になった。
「エミル、ごめん!!」
「はぁ?何か悪いことしたの?」
「いや…まだしてないけど、ごめん!!」
今度は気味が悪そうな顔でこちらを見ている。
「お、俺………ロバートの旅についていくことに決めたんだ……。それも5年…それまで俺…エミルとは会えない」
「ぇ………………?」
周りの空気がさっきとうって変わりとても深刻な雰囲気になった。
「う、嘘でしょ…?」
信じられないという面持ちでエミルが問う。
「……本当なんだそれに決めた。村長とももう話した。おばさんとも…もうこれは変わらない。だから……ごめん!!」
そう言うとルイスは逃げるように駆け出した。苦しかった。泣き出したかった。でも、泣けなかった。
苦しいのはエミルも同じだ。俺が泣いてどうする。
それから間もなくおばさんが昼食だと2人を呼んだ。
あまりエミルとは顔を合わしたくなかったが、おばさんが自分の為に腕をふるって作ってくれたのだから行かないわけにもいかない。そしてルイスは食卓へと向かった。

食器は4人分並べてあったが、ロバートは来なかった。村人達から解放されないのだろう。
無言のまま過ぎていく時間。誰も話そうとはしなかった。ルイスはとてもこの空気の中にはいられないと思ったので、さっさとたいらげ部屋を出ようとしたら急にエミルがこの均衡を破った。
「待ってお兄ちゃん!!」
「……なに?」
「私も…私も…私も旅に連れていって!!」
「は、はぁ!?」
これにはルイスもおばさんも驚いたようだ。
「あ、あんた何考えてるんだい?あんたのような弱い子が旅なんて…無茶だよ!」
「で、でも決めたの!」
「駄目だ。エミルはここに残れ。何しろ旅は危険が多すぎるんだ。俺が行くからといって一時の感情で行くなんて言うな。いつまでも俺に頼るな」
「わ、私の気持ちも知らないで!!!!お兄ちゃんなんて大嫌い!!」
エミルは急に泣き出し家を飛び出していった。
(これでよかったんだこれで……でも、最後がこんな別れなんて……)
「よく言い切ったねえ…偉い子だ。辛かったろう?」
柄にもなくおばさんが優しい声で慰めてくれた。ルイスはふと自分の母親を思い出した。自然と涙が溢れてくる。
旅立ち前は泣かないって決めたのに…。
「つらく…なんて……ないよ…」
涙が止まらない。それをなるべく見せないように部屋を出た。荷物をまとめ時計を見る。
少し早かったがもうここにはいられない気がしたのでもう出ることにした。古い自分の引き出しから何かを取り出した。
(これはもう必要ないか……)
そう呟いてポケットに突っ込んだ。玄関におばさんがいたが何も言わずにただ一礼だけして飛び出した。
礼をするとき涙がこぼれ落ちてしまった。
村の出口へと向かう。すると遠くからロバートが走ってきた。
「おお早かったね。みんなとは2人とはちゃんと話したかい?ちょっと待ってて、僕も荷物持ってくるからさ」
「うん……」
「あら、その様子だと言ったには言ったけど、あまりいい感じにはいかなかったみたいだね?まぁ、旅立ちなんてみんなそんなもんだよ」
ロバートはそう言うと家へと走り出した。2分後、ロバートが戻ってきた。
「それじゃ、行くよ」
「うん……」
ルイスはずっとうつむいたまま歩いていた。
「まあまあ、旅立ちなんだからもって元気にいこうよ。ん……?おっとぉ…」
村の出口まで来てロバートがそれを言った。ルイスはそれに反応して顔を上げた。
そこには信じられない光景が待っていた。

458 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/24(月) 23:30:28 [ dhRkGeXc ]
そこには、村中のみんなが先回りして村の出口に立っていた。レベッカおばさんもいた。しかし、そこにエミルはいなかった。
「ルイス!頑張って来いよ!」「気合い入れすぎて空回りするんじゃね〜ぞ〜」
「5年後待ってるからな!何か土産持ってこいよ!」「強くなって帰ってこいよ!」
なんと見送りに来てくれたのだ。ルイスは思わず今度は嬉し涙を流した。
「ありがとうみんな…」
しかし涙や鼻水でほとんど言葉になっていなかった。
(みんな怒ってなんかいなかったんだ。許してくれたんだ俺を。認めてくれたんだ)
そう思うと涙が止まらなくなった。
「ルイスよ…気を付けて来るんじゃよ、くれぐれもな」
「じっちゃん…」
「それと…ほれ、あっちをみてみぃ」
ルイスは村長に言われた方向を見てみると、そこにはなんとエミルが息を切らしてこちらを見つめていた。
「え、エミル……」
「お兄ちゃん!」
エミルはダッシュでルイスに近づくと抱きついた。
「お、おい!」
「お兄ちゃんのバカ……私と離れて困るのはお兄ちゃんの方なんだから。1人じゃ何もできない癖に」
「むむ………!」
「それと…5年後に絶対生きて帰ってきてね?」
「ああ!」
そう言うとエミルは兄から離れ、
「ブアァ〜〜〜〜〜カ!さっさと行ってしまえ!」
と精一杯の大声で言い放った。
「何だと!?ああ分かったよ!さっさと行けばいいんだろ?バカエミル!」
と言い、ロバートにいこ、と言い、て先導を切って歩いていった。
ロバートもありがとうございました、と頭を下げてからルイスのところに向かって走っていった。
「行ってしまったねぇ…大丈夫かい?エミル」
レベッカおばさんが優しい声で声を掛けた。
「正直、まだショックかも…急だったから…。でも、5年後にまたあえるよね?」
「ああ、あえるさ。なにせあいつはあたしが認める強い子だからね!」
「だよね…」
そこでエミルは強がっていたが、ここで声を上げて泣き出した。とても子供っぽく…。
10分は泣いただろうか、エミルはふと自分のポケットに何かが入っているのに気がついた。
取り出してみるとそれは兄からの手紙だった。
「ぁ………………」
「どうしたんだい?」
「お兄ちゃんからの…手紙…」
そして封を切って内容を見てみる。手紙にはルイスらしい汚い殴り書きで、エミルへの謝罪や皮肉が書き込まれていた。
そして最後に“5年後ぜったいにあおうな!”と書かれていた。
「お兄ちゃん………ありがとう」


「ロバートォ、疲れた。休もう」「まだまだ、これくらいでバテてちゃお父さんを越えられないぞ?」
「えぇーい!行くぞー!」「ちょっと!待ってよ、聞いてる?ルイス〜!」
こうしてルイスの修行も兼ねた旅が始まった…。
――――旅立ち THE END

――――――――――――――――――
とりあえずここで第一部は完ということにしてもらいました。
ああ、最後なのに文章ダメダメだ…。
文章の巧さについて書かれていて載せにくかったのですが頑張って投稿…。

それと調子に乗って第二部の予告のようなものを……
一回りも二回りも大きくなって帰ってきたルイスだが、間もなく再び旅立つことを決める。エミルと共に。
今度は強くなる為ではなく………。
旅の中で様々な仲間との出会い、そして別れ。
そして遂に鎧の2人と激突。様々なことが身の周りで起こるなか、ルイス達は乗り越えられることができれのか?

以上、予告でした(汗)

459 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/07/25(火) 00:05:50 [ 0Q3GCQU2 ]
>>タルタルさん
よし子あんたドラゴンだったのね…。ってあねさん死んじゃイヤァ!
生きているor生き返ることを祈っています。
>>サマナの人さん
初めまして。なんと!前作のキャラが…読まなくては…。
一足先にネクロ登場ですね。どんな戦いを見せてくれるか楽しみにしてます。
>>リ・クロスさん
イルムがいいキャラしてますねw
やばい、イルムがまともに戦ってるって…w
>>ドリームさん
姫さま今度はいいから礼させろとは…(汗)
次どんな台詞言ってくれるのか期待です。
>>戦士のようださん
初めまして。
とても怖い話ですね…。
ロッテのペットがガーゴイルとウルフと聞いてからビクビクしながら読んでいました。
>>独り語さん
初めまして。
他人が書いた話をうまく繋げて書けるなんて尊敬しました。
自分もそれ程の文才が欲しい…。
>>見学者さん
なんかいや〜な感じのおばあさん出てきましたね…。
それにシフがまた切れかって…うまく止めたサマナナイスですw

460 名前:リ・クロス ◆7EZFkfmk/U 投稿日:2006/07/26(水) 22:48:41 [ kcso0oWI ]
前スレ>>986 >>39 >>56 >>69 キャラ紹介>>38
>>100 >>147 >>178 >>247 >>344 >>427


スコールは全身を這う激痛に襲われつつも立ち上がり
光の紋章が浮き上がる赤い目を、黒い影を纏った少女に向ける。
黒い少女はスコールに、頬を赤くし熱っぽい視線を送りつける。

「そうだ・・・、もっと抵抗して貰わないと興奮しないでは無いか・・・。」

その台詞にスコールは、眉間に皺を寄せながら口を開く。

「そんな表情をされても貴様の体に興味は全く無い、皆無だ。」

言い切る手前からスコールは、少し顔を引きつらせながらも飛び上がり
そこし怒ったような顔をしている少女の背後にソニックブレードを放つ。
しかし、少女が手を振った瞬間に、軌道が脇にそれて岩を粉砕した。

「ほら、どうしたのだ? もっと我を楽しませてくれ。」

少女の背後の影が、黒い火の弾を大量に生み出してスコールに投げつける。
前にもこういう光景を見たなと思いながら、自分に当たりそうな物は切り捨て
そうで無いものは無視しながら飛び上がり、少女に向かって剣を突き出す。

「遅いな。」

「何!?」

スコールの剣を少女の小さな手が払いのけた瞬間に
もう片方の手が黒い波動を生み出し、スコールを吹き飛ばした。
空中で回転することで受身を取って着地したスコールに
少女の小さな手に収束した魔力が、光弾となって発射された。

「はは、踊れ、踊れ。」

一発目を横へのステップでかわし、追撃をバックステップでかわして
頭部へ放たれた光弾は、しゃがむ事でかわし、足元から現れた氷柱を飛び上がってかわす。

「しまったっ!」

瞬間移動で現れた黒い影が、暗黒の炎に包まれた両手で
跳び上がって隙の生まれたスコールに殴りかかる。

「・・・ッ!」

スコールの腹に命中して、そのまま勢いよく吹き飛んで行き
その先に回りこんだ黒い影は、両手を組んで思いっきり振り下ろした。

「ぐうっ!」

地面に叩きつけられて呻き声を上げて吐血しているスコールを
黒い影が見せしめのように掴み上げると、少女は片方の手に膨大な魔力を収束させる。

「つまらないでは無いか・・・、汝も我を満足させてはくれなかったな。」

高度に収束させた膨大な魔力を、未だに戦意を失わないスコールに放った。

「彼は貴女を慰めるために存在はしていませんよ。」

真横から飛んできた巨大な火球が、暗黒の火球とぶつかって派手に爆裂し
スコールを掴んでいた黒い影の手が、赤く光を放つ輪によって切り落とされる。

「スコールさん!その傷・・・大丈夫ですか?」

スコールを助け出した第三形態のヘッジャーが、ゆっくりとスコールを下ろし
ふらつきながらも立ち上がったスコールに駆け寄ったエリシアが尋ねる。

「瑣末な事だ・・・、大した事は無い。」

明らかに重傷と思われる傷を負っているが、無感情な声で応えたスコール。

「ブラッディーサークルだと?それに神龍形態の神獣・・・。」

スコールの前に立ちはだかった天使が、信じられないという表情をしている少女に
白銀の様な髪を整えながら、スコールよりもさらに無感情な声で口を開いた。

「そんなに驚く事では無いでしょう、今の媒介は・・・





メリア・アインツ・カスピル・・・、アイノ・カスピルの一族の娘ですね。」

461 名前:リ・クロス ◆7EZFkfmk/U 投稿日:2006/07/26(水) 22:56:06 [ kcso0oWI ]
>>サマナの人さん ゆずみかんさん

イルムは何時も大して活躍していないのに
格好付けてるのがスィフィーは面白くないんですよw
本当はスコールに助けてほしいわけです。

セリスはそんなスィフィーに便乗して
イルムを弄って面白がってるのです。

462 名前:幻影 投稿日:2006/07/28(金) 02:38:23 [ WCQCuaeM ]
初めまして。いつもワクワクしながらスレを覗いている者です。
今日、ふと小ネタを思いついたので投下させて頂きたく・・・。
お手柔らかにお願いします。

463 名前:幻影 投稿日:2006/07/28(金) 02:39:58 [ WCQCuaeM ]
ここは、ギルディル川の流れも涼しい古都南。様々なギルドのたまり場でもある。
その中の一角、マスターらしき戦士の周りに、沈んだ様子のテイマー、天使、武道家。
どうやら、ギルド戦が終わって戻ってきたところらしいが、彼らは一言も発しない。

「なぁ、・・・どうしたんだ?」

あまりの空気の重さに耐えかねた戦士が、仲間に尋ねた。
すると真っ赤な目をしたテイマーが、顔を上げて答えた。

「ギルド戦中に・・・相手の剣士さんが・・・『お前それ納骨堂のファミだろ、不具合利用者め』って言ってきたの・・・。
 違うもん・・・この子達は、アジト出身だもん・・・。わたしが60レベルくらいの頃から可愛がってきたんだもん・・・。
 骨ファミ使用ギルドだって晒されちゃったら私のせい・・・どうしよう・・・しくしく」

「泣くな、心配しなくてもいいから・・・。で、お前はどうしたんだ?」

次に戦士はこれもまた真っ赤な――元々真っ赤だが――目をした天使に尋ねた。

「さっき相手から耳打ちがきて・・・。
 『お前のディスペルのせいでCPがとんでもないことになってる。青POTよこせ、ディスペル卑怯』って・・・。
 我々天使は、戦ではディスペルしか手段がないのに・・・。攻撃職の方に『攻撃するな』とは誰も言わないのに・・・。
 でも私には耳打ちを返す勇気はありません・・・さめざめ」

「泣くなって・・・お前今年でいくつになると思ってるんだ・・・。で、お前は?」

今度は、目は通常の色だが、周りに傍目にも分かるほど暗いオーラの出ている武道家に尋ねた。

「今日もオレは倒れなかった・・・。だけど、誰も倒せなかった・・・。というか、オレは完全に避けられてた・・・。
 ちょっと仰け反っただけで、『武道家は無視でいいから』って、敵はみんなオレから去っていく・・・。えっぐえっぐ」

「いや、まぁ気持ちは分かるが・・・あぁ、もう」

戦士は、空を見上げて呟いた。


「俺、ギルド戦会場にすら入れなかったんだが・・・泣いてもいいかな?」

464 名前:幻影 投稿日:2006/07/28(金) 02:44:46 [ WCQCuaeM ]
以上です。
皆さんのような長編SSが書きたいと思っているのですが、
どうにもうまく書けないものですね・・・orz
お目汚し失礼しました ...λ

465 名前:名無しさん 投稿日:2006/07/30(日) 01:39:31 [ fWFUJsr6 ]
吹きましたw
最後の一行に、戦士さんの哀愁がぎゅっと凝縮してて、グゥ!です。
長編が、短編より優れているなんてことは、ありませんよ。
要は、内容に即した長さであるかどうか、
そして、心に残るか否かです。
幻影さんのお話、とっても面白かったので、次回作も期待してます!

466 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/30(日) 08:01:28 [ .5Se7UZ. ]
 さて、どうしたものか。。。
シルビアは深く考えていた、とりあえず城までついて来させる事には成功したが、こいつが私の下僕になりそうにないしな。。
「…」
 それにしてもこのマック・ロードとか言う男場の雰囲気が読めないのかしら、普通こういう場合男から話しかけてくるもんでしょ。
「おい」
突然その男を口を開いた。
「何よ」
 しかしそこに先ほどまでの厳しい顔ではないことに気がついた。
それ以上の憎悪に満ち溢れた今にも人を殺すような顔がそこにあった。
 私はその時彼が手に負えない男だと言う事を悟った。
殺気、その言葉で表現するにしても足りないぐらいだった
「奴が…来る!!」
そう言い放つといきなりシルビアを抱きかかえた。
 「え…な、何するのよ!」
シルビアは顔を赤らめながらそう言った、少女であることから急なのには慣れていないせいである。
 しかし、すぐに分かってしまった。
そこに禍々しい、いや、見る者に取って美しいとも言えるような人が立っていた。
 「ロード…探したよ」
顔でこそ笑っているがその奥に隠しきれない殺気を出していた。
 素人の私でも分かるくらいだ、マック・ロードには分かりたくなくても分かるはずだ。
「ふ、今更俺になんのようだ?マリア」
 その名前なら私も知ってる。でもやっぱりあのマリアなわけないよね。
「死んでもらうわ。愛する貴方のためにね」

467 名前:ドリーム 投稿日:2006/07/31(月) 22:18:29 [ 0PVEB/8k ]
 どういう事なのよ。
私は目の前で起きている光景を疑った。人間技ではない技の応酬一歩間違えれば命を落とす戦い。
 しかし二人は笑っている。
 まるで、デートをしているかのように…
「ねぇ、思い出さない?こんなに激しいのはあの夜くらいでしょう?」
「ふっ…そうだな、なら今度はもっと激しくイかせてやる!俺を二度と追ってこれないようにな!」
 子供の私には良くわからないことだが、そんな会話もこの命のやり取りの最中では冗談ではすまない状況だ。
ロードの剣がしなりマリアの肩を目掛けて突くその動作の中にも、お互い手の内を読みあっている。
 マリアは突かれた剣を弾く。
ギィィーン!そう高い音を上げロードの剣は宙を舞った。
 そう、ダンス(殺し合い)が終わったのである。
「私の勝ちね」マリアの顔には先ほどまでの殺気溢れる顔は無く、清らかに笑っていた。
ロードも同様である。
「ところで気になったんだけど」そう突然マリアが口を開いた。
「そこのお嬢様は?」
むかっ、人が口を出さず状況を必死で説明しているって言うのにその扱いか…
 「・・・知らん」
ロードどういうことよ!?

468 名前:リ・クロス ◆7EZFkfmk/U 投稿日:2006/08/06(日) 15:41:15 [ kcso0oWI ]
落ちそうなので上げときます。

469 名前:名無しさん 投稿日:2006/08/08(火) 01:39:08 [ 10ESWgag ]
SAGE

470 名前:名無しさん 投稿日:2006/08/22(火) 02:56:11 [ 6wDJ3gyY ]
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471 名前:名無しさん 投稿日:2006/08/28(月) 01:21:17 [ gs29gM6. ]
.

472 名前:サボり君 投稿日:2006/08/28(月) 21:03:09 [ rHcf4Vpk ]
お初ですが書いてみましょうかの
けっこうRSの知識は薄いので
んん?っと感じることもありましょうが、そこはおかーさんのような大きな心でw

473 名前:サボり君 投稿日:2006/08/28(月) 21:32:34 [ rHcf4Vpk ]
私はユリ。やっと旅をする事を許された14歳。
一応、ランサーだ。
幼馴染のカン(剣士)と一緒に、旅を始めた。

ユリ「一応、武器と回復アイテム持ってるし、狩り行く?」
カン「ん?おぉ、行くかの〜。」

カンは、剣士という職業に似合わない、ゆるゆるとした性格だ。
でも、しっかりしてる。私に気付かれないようにいつも頑張ってくれてるのを、私は知ってる。

西口の、ポータルに立つ。 暖かいような、冷たいような光が私たちを包む。

そして、コボルトを倒しては、小銭を拾い、キャンディーを拾う。
その作業に飽きた私たちは木陰に座り込み、どんな技を選ぶか、相談していた。
ユリ「やっぱり私は、おかーさんから貰ったこの風の魔法がかかったネックレスがあるし、
   とにかく速く敵を倒せるように、物理系にしよっかなー。
   カンはどうするの?」
カン「んん?あぁ、とにかく速く、強くなりたいし、俺も物理系かなー。」
などと会話をしていると、優しそうなビショップが声をかけてきた。」
ビショップ「あの、お二人さん?もしよければ、一緒に、あの洞窟の秘密、探りに行きませんか?」

あの洞窟、というのは、コボルト秘密の事だろうか。
今まで幾度と無く調査されたらしいが、いつも、洞窟の主が護っている
宝箱の開錠の方法が判らず、それまでの「過程のモンスターを狩ること」
が目的になりつつある洞窟だ。

ユリ「ねぇ、行こうよ。面白そうだし。」
カン「おぉ、じゃぁ行くかぁ。」
余り乗り気じゃない返事だったが、気にせずに行くことにした。

474 名前:サボり君 投稿日:2006/08/28(月) 22:02:36 [ rHcf4Vpk ]
洞窟の前で待機していたメンバーと挨拶を交わし、
洞窟の、大きな柱の前で、ビショップが仄かに光る宝石のようなものを取り出し、ゆっくりと砕いた。
ビショップ「行こうか。」
ビショップの後に続き、開かれた扉に入る。
そこは、入る前の洞窟とさほど変わりはしなかったが、少し嫌な雰囲気を感じさせる空気で満ちていた。
順調に洞窟内を進み、大きな扉を開けた。
会話が突然途切たかと思うと、目の前に一回り大きなコボルトが居た。
しかし、大きさだけじゃない。何かが違う。これは、コボルトじゃない
シーフ「気をつけなよ。コイツ、普通のと全然違うから。
    皆でかかんないと、やられちゃうよ」
ビショップ「よし、行くぞ」
その言葉を合図に、皆が一斉に飛び掛った。
少し恐怖は感じたが、これだけ人数がいれば、大丈夫だという安心感もあった。
2,3分立っただろうか。まだ戦闘に慣れてない私は、大したダメージも与えられなかったが、
こちらの傷も殆ど無く、無事、主を倒した。
すると突然、洞窟が激しく揺れ始めた。
シーフ「だーいじょうぶだよ。もうちょっとしたら外に出られるから。」
その言葉を信用していなかった訳ではなかったが、まだ不安だった。
ユリ「そういえば・・・カンは?剣士の。」
ビショップ「あれ?さっきまではいたよね?」
シーフ「もしかして迷っちゃったか〜? まぁ、どこに居ても、外には出られるから、大丈夫でしょ。
    ほら。もう出られる。」
西口でポータルに立った時のような感覚に包まれ、目を開けると、そこは洞窟の入り口だった。
シーフ「!!おっ、おいっ!オマエっ!」
何事かと思い、振り返ると、居なくなっていたカンに怒鳴っているシーフがいた。
ユリ「何何??どうしたの?」
シーフ「お、オマエっ、そ、その手袋っ!」
カン「ん?これ?さっき、変な宝箱こじ開けたら、入ってたんだ。」
シーフ「そ、それ、ただの手袋じゃないぞっ!!
    ほらっ、その十字架のエンブレムっ、それ、賢者カイトスの手袋だよ!」
カン「んん?誰よ?それ?」
その意見には私も賛成だった。そんなに驚くほどの人間は聞いたことが無い
シーフ「カイトスっていったら、その魔力は海を杖一振りで大陸に変えちまうっ程の魔法使いさ!」
カン「んん?」

475 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/08/29(火) 02:26:33 [ hJ7MfxA2 ]
元ネタ:ジョブに対する偏見とイメージを書くスレPart4
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1155817950/120
あまりにもツボに入ったので、2次(3次?)創作を試みました( ̄▽ ̄;

 ブルン高校野球部は最大のピンチを迎えていた。
 2−1で迎えた9回裏、駄目音高校3番のバフォメットをなんとか打ち取り、
最強の4番デビ・ロンを敬遠四球、5番レイスをキャッチャー・BISの冷静な
配球術で押さえ込んだ。そしてツーアウトから後1人でゲームセットの場面、
今までほぼ完璧に抑えていたエースピッチャー・アチャがまさかのアクシデント。
 6番コロッサスの打席、長打を警戒し深い守備体系(通称:コロシフト)を
取っていたところ、まさかのセーフティスクイズを敢行、焦ってファーストへ
ベースカバーに入ったアチャは、コロッサスの猛烈なキックに吹っ飛ばされ
ノックアウト、守備妨害も認められず、負傷退場となってしまったのだ。
 デビ・ロンはすかさずサードまで進塁、ファーストにコロを置き、次打者は
駄目音高校屈指の強打者、7番リッチ。控えピッチャー・天使の投球も通用
しないバケモノである。

 「タイム」 動揺を隠せないナインに、キャッチャー・BISは間を取った。
内外野からすべての選手がマウンドに集まってくる。
 「すまねぇ。俺のところに飛んでくるように、睨みつけてたんだが……」
 センター・剣士がうなだれる。今までコロの飛球は、全部抑えていたのだ。
 「やっちゃったものはしょうがないよ。リッチも敬遠で、古代と勝負する?」
 ショート・ランサーが剣士の肩を叩いて満塁策を提案するが、
 「いや、ここで終わらそう」
 寡黙なファースト・戦士が口を開き、みんなの目の色が変わった。
 「そうですそうです。あとOne Outなんですから、良い方に考えましょう」
 そういって1人バリアを張るサード・WIZは、「砂漠の疾走」球場の熱気に
ほとほと参っているという感じだ。実はスタミナがないのが彼の弱点である。
 「そんなこといって、WIZ先輩暑いの苦手だもんね(にぱ」
 ライト・サマナに見透かされて、思わずWIZ苦笑い。でも満更でもなさそう。
そんな会話をしつつ、召喚獣を再召還している辺り、サマナは抜かりがない。
 「で……どうする……アレで行くか?」
 セカンド・シーフ、必殺の隠し球を意識し、帽子の奥の瞳がキラリと光る。
 「バウバウバウ!」
 「そのとおり、やつ(コロ)には効かないよ」
 レフト・狼に賛同するBIS。
 「じゃぁ、どうするんだ? 俺の必殺ホリクロも、リッチには……」
 不安げな天使の言葉に、みんなが一斉にBISの方を向く。
 「大丈夫、作戦がある……それにはみんなの応援が必要だ」 
 BISは、頼もしい応援席の方を向いた。            (続く)

476 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/08/29(火) 02:29:16 [ hJ7MfxA2 ]
 「<!>うおお、あとワンナウトや! いてまえお前ら!
   <!>ブルン高、ブルン高、ファイッォー、オー!!
   <!>気合いだ、気合いだ、気合いだー! オイッオイッオイッ!
   ……う、ゲホッ、ごほ、ノ、ノドがかれた……」
 熱血応援団長・武闘家、守備側なのに声をからして大応援。そんなスタンドで、
転校生・悪魔と一般生徒・姫が試合を見つめていた。
 (ククク、リッチ相手では、天使の魔法投球なんて一溜まりもないわ……
素直に敬遠策でも取れば別だけど、これでブルン高も終わりね……)
 なんと悪魔は、駄目音高校からの転校生だったのである! しかしそんな
様子は微塵も見せない悪魔、努めて冷静を装い、試合を解説し始めた。
 「あぁ、これはもうダメね……」
 「な、なんでですの? 悪魔さん。天使先輩はまだ一球も投げてませんわ」
 野球(俗世間)には疎い姫、スリングを握りしめ、固唾を呑んで見つめていた。
 「フフ……あのリッチは、駄目音高校の中でも別格よ。ネクロやレイスなんか
目じゃないわ。何しろ全属性抵抗が100%だから、天使先輩のホリクロフォークも
ホリサクチェンジもジャッジ分裂魔球も、てんで効かないのよ。元々天使先輩の
魔法投球は制球が甘くなるから、物理投球って手もあるけど……それも球威不足ね」
 自校の絶望的な戦況を解説しながら、どこか楽しそうな悪魔。どうやら天使とは
少なからず因縁もありそうだ。そんなことはまったく気付かず、不安が募った姫は
 「あぁっ、そんなっ……ふぅ……」
 遂に失神してしまった様子。

 「諦めちゃダメ!」
 そんな2人に声をかける、チアリーダー・リトル。そのフリフリでギリギリの応援
衣装は、他校生徒からも人気が高いブルン高の華である。
 「今までだって、BIS先輩の冷静な状況判断で、どんなピンチでも乗り越えてきたわ!
それを信じて、私たちも一緒に勝利を祈らなきゃダメよ!」
 「フ……そうはいっても、この状きょ」
 「そのとおりですわ!」
 失神していたかに思えた姫、いきなり直角に身を起こす。
 「リトルさんのいうとおりですわ! 奇蹟は必ず起こりますっ、 私は信じてますわ!」
 (なっ……このアマ……)
 色々といいたいことがありそうな悪魔。どうにもこの手の子は苦手のようだ。その時
ふと、マウンドのBISと、応援席のリトルとの間で交わされる視線に気が付いた悪魔。
 「まっ、まさか……!?」                   (続く)

477 名前:名無しさん 投稿日:2006/08/29(火) 02:57:11 [ xJi8rg6E ]
>>476 GJ!!!!
野球のルールわからないけど雰囲気面白すぎる

478 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/08/29(火) 04:10:34 [ hJ7MfxA2 ]
 「あぁっ、こんな時、ベンチで見ていることしかできないなんて……」
 スコアラー兼マネージャー・テイマは気が気でない。双子の妹、サマナは
レギュラーの座を射止めているが、自身はまったく野球は出来ないのである。
 「私はこうやって、正確なスコアを書くだけ……」
 思わずスコアを握りしめるテイマ。いつも彼女の日記には、こういった日の
憂鬱な気分や、叫び出したいような心情が書き込まれるのだ。
 「ソンナコト ァリマセンョ」
 「きゃぁっ!?」
 いきなり後ろから呟く、控えキャッチャー・ネクロ。この男か女か、果ては
人間なのかどうかすら怪しい人物を、御多分に漏れずサマナも苦手だった。
 「ネ、ネクロ君、ビックリした……いきなり後ろに回り込まないでよぉ」
 「スィマセンスィマセン デモ さまな先輩ハ 立派ニ役ニ立ッテマスョ 自分
ナンテ ねくろダカラ根暗ダナンテ ィワレマスケド さまな先輩ハ ィツモ明ル
クテ べんちカラ励マサレルト 不思議トドンナぴんちデモ 頑張レマスョ」
 「ネクロ君……」
 ちょっとしゃべり方も怪しいけど、良い後輩には違いない。
 「ありがと、ネクロ君。でもね」
 「ハィ」
 「私、サマナじゃなくて、テイマ。サマナは双子の妹の方よ」
 「……Σ」
 妹のサマナが自分に間違われることはあるけど、そういえばその逆はあんまり
なかったなぁ……そんなことを考えながら、テイマの気は晴れていった。そう、
自分は自分に出来ることをすればいい、それがみんなのためにもなるんだ。
 「みんなー、ガンバってー! サマナー、おねぇちゃん付いてるよ〜!」
 マウンドの円陣で、姉の応援に気付いたサマナはにっこり笑顔。ベンチの奥
に引き籠もってしまったネクロは、ベンチのクーラー・スウェルフェー相手に、
体育座りで何事かブツブツ呟いていた。心なしか周囲の空気が黒い。何を考え
てるか判らないスウェルフェーも、この時ばかりはちょっぴり迷惑そう。

 「君たち、早くしなさい」 全身鎧のケイルン審判が、ブルン高ナインに促す。
 「あぁ、すいませんでした……みんな」 BISが引き締まった顔で向き直る。
 「あと1人だ。神の御加護がありますように」
 そうBISが賛美し、みんなの集中力を高めると、突如ブルン高ナインの頭上に
聖なるアーチが出現し、聖霊の加護が、そして六大元素の精霊達も召喚された。
 『『『ブルン高……オー!!』』』
 みんなの声が一つになり、守備に散っていった。         (続く)

479 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/08/29(火) 04:38:52 [ hJ7MfxA2 ]
>>478
ギャー! 10行目、テイマとサマナを間違えた……深夜に物書くとこれだから><
続きはまた午後にでも、書け次第アップ予定です〜

480 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/08/29(火) 18:32:08 [ hJ7MfxA2 ]
 それぞれの守備位置に戻っていったブルン高ナイン、彼らの胸には、この試合
に対する決意が秘められていた。

 寡黙な4番、戦士。一撃必殺の長打力を持ち、なおかつ分身打法も体得した、
ブルン高の頼れる4番であるが、意外にもブルン高の中では地味な存在であった。
ブルン高ナインは、センターラインを中心とした鉄壁の守備を誇るチームである。
 すなわち、大黒柱であるキャッチャー・BIS、エースピッチャー・アチャ、シーフ
とランサの二遊間、そしてセンター・剣士。彼らの存在があったからこそ、今ま
でも幾多の強敵を打ち負かしてきたのだ。加えていえば、WIZとランサの三遊間
も超高校級だ。反則すれすれのWIZの守備には、いつも舌を巻かされる。
 つまりブルン高は、ファースト・戦士、ライト・サマナ、レフト・狼が守備の
穴である。もっともサマナはチームの華であるし、召喚獣たちとの連係プレーに
は定評がある。狼は……いつもバウバウしかいわないので、戦士には何を考えて
いるのかイマイチ判らないが、三遊間とセンターで十分補っている。自らを鑑み
れば、シーフの守備範囲の広さに頼っているのが現状だ。
 だからこそ無駄口を叩かず、どんな時も1人で黙々とバットを振り続け、誰
よりも長打力を磨いたのだ。そんな戦士の姿に、ブルン高ナインはみな尊敬にも
似た気持ちを抱いていたのだが、当の戦士は気が付かなかった。彼は誰よりも
自分に厳しく、他人の評価などまったく気にしない人間だったからだ。
 ちなみに今日の試合の全得点は、戦士が叩き出した。必殺のドラツイ打法が
決まり、場外ツーランホームランを放ったのだ。しかし9回裏のコロシフトで、
アチャがコロッサスに吹っ飛ばされてしまったのは、明らかにファーストである
自分のミスだった。それが、人一倍責任感の強い戦士には堪えられない。自らの
不甲斐なさに、全身の血が沸き立つような怒りさえ覚えた。
 このミスは、俺が取り返す。いや、俺が取り返さなければならない―――
アチャのためにも―――戦士は、ファーストミットを強く叩いた。

 ブルン高の二遊間、シーフとランサは、このピンチをしのぐ術を考えていた。
 「やっばいなぁ……」
 誰にも聞こえないように一人ごちるランサ。彼女の両足は、爆弾を抱えたも
同然だった。いつ動かなくなっても不思議ではない。むしろ9回裏まで保った
のが奇蹟みたいなものだ。華麗なステップも、ボールに向かって突進していく
ような自慢の守備も、この局面で足が動かなくなったら―――頬に汗が伝う。
 (もう少しだけ保ってくれよ、アタシの足……)
 そうやって両足を気にするランサの姿を、シーフは誰よりも心配していた。
 (いつ限界が来てもおかしくない……オレがなんとかしなきゃな……)
 シーフの頭の中では、もちろん二ゴロに打ち取るのが最善である。そのために、
審判には気付かれないように、既に一二塁間には大量のブービートラップを設置
済みである。もし遊ゴロになって、ランサが打球処理に手間取るようなことが
あっても、それで少しは時間が稼げるだろう。
 (ランサさんの分まで、オレがやってみせるぜ)
 普段クールなシーフであったが、この時ばかりは燃えていた。     (続く)

481 名前:名無しさん 投稿日:2006/08/30(水) 04:04:54 [ L7m3sBnQ ]
殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 応援sage

482 名前:名無しさん 投稿日:2006/08/30(水) 12:19:56 [ EaxCfM8I ]
バントシフトのときはセカンドがベースカバーに入るはずだが・・・

そんなことは気にならないほど期待sage

483 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/08/30(水) 18:44:34 [ hJ7MfxA2 ]
 「ウォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!」
 「「!?」」
 外野から球場全体を揺るがすような、凄まじい咆哮が響く。狼の本気の姿だ。
肩を怒らせ全身の毛が逆立ち、まるで炎が立ち上っているかのように揺らめく。
その瞳はまさに野獣、外野からでもバッターを射すくめ、レフトに打球が飛んで
くることは少ないのだ。
 「グルルルルルル……」
 (BISさんのいったとおり、あと1人だ。何があってもここで終わらせる!)
 グローブをはめられない狼の両手は、鋼鉄のように引き締まった。

 「あは……ポチ先輩、すごいなぁ……」
 反対側の外野、サマナは第3段階のケルビーの肩に乗り、ビリビリとした気迫
を感じた。ちなみにポチ先輩というのは、サマナが呼ぶ狼の愛称である。
 (でもあの姿になると、フライあんまり捕れなくなっちゃうんだよねぇ……)
 狼の本気モードは、ミートや長打力が増し、俊足・強肩になる代わりに、肝心
の守備力が落ちてしまう、こうした局面では諸刃の刃なのだ。もっとも、割合
レフトに打球が飛んでいくことが少ないのは、サマナにとっては不思議だが。
 「私は私にできることをするだけ、だよね……おねぇちゃん」
 サマナの双子の姉、テイマのことを想った。誰よりも気配り上手で、ベンチで
いつも自分達を励ましてくれるおねぇちゃん。そんなおねぇちゃんの応援に応え
るためにも、絶対に負けられない。そのためにも、最高のプレーを―――。
 「ケルビー、ウィンディ、ヘッジャー……あと1人だよ。ガンバろうね!」
 『ガウッ! バウッ!』 『ピピルーィ!』 『……(無言でうなづく)』
 頼もしい召喚獣たちをライトに散らばらせ、サマナは引き締まった顔を向けた。

 「うぉっ!? ペロの野郎、気合い入ってやがんな……」
 センターでは剣士が、元プロ野球選手だった父親譲りのグローブをはめ直して
いた。自分が幼い頃に亡くなり、その手が優しいものだったか怖いものだったか、
もう覚えていないが……ちなみにペロというのは、剣士が呼ぶ狼の愛称である。
 (このピンチは俺の責任だ……俺がなんとかしなきゃ……)
 駄目音高校のコロッサスを抑えるのは、常に自分の役目だった。コロの破壊力
抜群の長打を警戒し、ナインは定位置より深い守備体系(通称:コロシフト)を
取る。そして打球は、常に自分のところに飛んでくる。そうやってコロを完璧に
打ち取っていたのだ。しかし9回裏、まさかの一二塁間へ向けたセーフティスク
イズ、必死にゴロを捕りに行き、そのままタッチアウトを狙ったアチャは、コロ
の猛烈なキックにやられてしまったのだ。
 (こんなんじゃ、天国の親父に顔向けできねぇ……)
 自他共に認める陽気なチームのムードメイカーも、この時ばかりは笑えない。
今日はバットでもまったく貢献出来ず、当たればクリーンヒット率80%↑とも
いわれている、WIZの巧打での出塁と、戦士の豪快なホームランで取った2点
だけだ。せめて守備で貢献しようと意気込んでみたが、この様(ざま)である。
 「俺に出来ることは……」
 もう、カッコイイだけのバッティングは、あいつら(駄目音高校)には通じない。
父親譲りといわれている、どんな時でも諦めないガッツ、これが最大の武器だった
はずだ―――剣士は、自分の持ち味を思い出した。
 「おおおっ、バッチコイやぁぁああ!!!」
 親父、俺に力を―――剣士は外野で雄叫びを上げた。           (続く)

484 名前:i 投稿日:2006/09/01(金) 18:14:28 [ LCokjZpI ]
野球のことは全く分かりませんが、すごく面白いです。
続きを楽しみにしています!(^^)

485 名前:i 投稿日:2006/09/01(金) 18:15:36 [ LCokjZpI ]
久しぶりに書き込んだら、sage忘れました・・・_n○
申し訳ありません><

486 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/01(金) 20:21:32 [ 95LPe4Fk ]


ハハハ                             イキデキネーヨ
   ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ハライテ-       ゲラゲラ
   ( ´∀`) < マジだよコイツラw      ∧_∧       〃´⌒ヽ       モウ カンベン
.  ( つ ⊂ )  \_______   (´∀` ,,)、      ( _ ;)        シテクダサイ
   .)  ) )   ○   ∧_∧      ,, へ,, へ⊂),     _(∨ ∨ )_     ∧_∧ ○,
  (__)_)  ⊂ ´⌒つ´∀`)つ    (_(__)_丿      し ̄ ̄し     ⊂(´∀`⊂ ⌒ヽつ
          タッテ ラレネーヨ

487 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/09/02(土) 01:13:02 [ hJ7MfxA2 ]
 「やれやれ……うちの外野はうるさいですね……」
 ブルン高ナインで女生徒人気No.2を誇る、サードのWIZ。彼のモットーは、いつ
いかなる時でもSmart(洗練された、利口な、素早く、等の意)に、である。その
頭脳的なバッティングと守備は、他のナインの追随を許さない。ちなみに彼は、
見栄えの良いプレーや、ファインプレーといったことを認めない。どんなに困難
な状況でも、それを感じさせない凡プレーにしてしまうのが、本当の名選手だと
信じているからである。
 (心はHotでも、頭はCoolに―――Smartに。それこそが勝利を呼び寄せる……
それにしても、ここは暑すぎるな……)
 砂漠のジリジリ灼けつくような熱気が骨身に応え、Smartさが信条のWIZも堪ら
ない。水壁を張って少しでも日差しを避けていたが、加えて周囲に風壁を起こし、
少しでも涼を取ることにした。これは守備力を高める効果もあり、一石二鳥である。
 (さて、一番の問題は……)
 WIZは、三塁走者のデビ・ロンをチラリと見た。駄目音高校最強の強打者にして
エース、デビ・ロンには、今日の試合すべて敬遠策を取ってきた。しかし、三塁
まで進めてしまったのはこれが初めてである。コロッサスのセーフティスクイズの
場面で、一塁から一気に三塁まで陥れたのには、さすがのWIZも嫌な汗をかいた。
 (この鳥顔、近くで見ると、ますます何を考えてるのか判らん……)
 次のバッター、リッチも、駄目音高校の中では別格の強打者には違いないが、
デビ・ロンはそれをも遙かにしのぐ存在である。自慢のチリング牽制タッチや
ロックも、まったく効きそうな気配がしてこない。なんとかゴロかフライで
終わらせて欲しいのが本音だが、もしそうならなかったら―――。
 (フッ、この私が運頼み・神頼みですか……頼みましたよ、BIS/天使バッテリー)
 頼れる大黒柱、BISの作戦を信じるしかない―――泡のように軽く、心地よい
着用感を誇るインナーグローブをはめ直し、WIZはマウンドを見つめた。

 9回裏、今日の試合最大のピンチを迎え、マウンド上の天使の心は揺れていた。
満塁策を取って古代と勝負するのではなく、リッチを抑える―――みんなでそう
決めたものの、今日の試合、ベストピッチといって過言でなかったアチャの後を
投げるとなると、普段よりも凄まじいプレッシャーであった。ミスは許されない。
 (ここでリッチを抑えられなかったら、良くて延長、悪くてサヨナラ負け……)
 天使の脳裏に、悪いイメージばかりが過ぎる。
 (ハッ! いかんいかん、弱気になったら終わりだ……!)
 天使は、胸にしまってある十字架を取り出した。以前、王立ダークエルフ高校と
の試合に勝利した時に、相手ナインの王(キャプテン)から手渡されたものだ。
 『我らを倒すとは見事……その証に、これを受け取られよ』
 その時の死闘が、ありありと想い起こされる。そうだ、自分はあの試合を投げ
切ったじゃないか、リッチ1人にこの弱気では、彼らに顔向け出来ない―――
十字架をしまうと、天使は、自分の力がぐんとみなぎってくるのを感じた。
 (勝つ……! それしかない……!)
 「プレイ!」 ケイルン審判の声が、マウンドにこだました。     (続く)

488 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/02(土) 19:57:08 [ vO/w8OUw ]


489 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/02(土) 20:50:48 [ y9QDGsHA ]
いい、すごくいい。読み手をぐいぐい読み進ませる力がある。続きが気になって仕方ないね。
ところどころに赤石にも話を絡ませてあるから、赤石やってると「剣士が装備しているグローブはパパ手か」
とか「お、犬がベルセ使ったな。どんな展開になるんだろ」みたいに色々妄想できて楽しい。

行き詰まったら、定期的に散歩するといいよ。体動かすと血の巡りが良くなるし、
気分転換になるから。

がんばれー。

490 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/04(月) 00:59:07 [ 7tncazGA ]
test

491 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/09/04(月) 03:53:25 [ hJ7MfxA2 ]
 まるで全身鎧のようなプロテクターに身を包み、無骨なマスクを被り直したBISは、
ブルン高ナイン全員を見渡した。この局面、キャプテンとしてもキャッチャーとして
も、本来ならばリッチは敬遠であった。そして満塁策を取り、古代ヴァンパイアと
勝負するのが定石といえよう。それがこの局面でベストだった。しかしBISは、ここ
で勝負というナインの意を汲んだ。
 (私もキャッチャーとしては、まだまだだな……)
 BISは内心苦笑した。しかしこれは、ナインの無謀な策に乗せられたというわけで
はない。BISもまた、心のどこかで、ここで勝負することを望んでいたのだ。BISは
守備の人である。ブルン高屈指の長打力を持つとはいえ、打率はかなり低い。その
活躍の場は、キャッチャーというポジションに限られるといっても過言ではない。
 ではBISにとって、「勝負」とはなにか。バッターが臆することなくピッチャーと
「勝負」するのと同じように、キャッチャーが臆することなく「勝負」することと
はなにか。その答えを、BISは自らの意志で選んだ。そして、ならば。
 (この「勝負」、負けたら私の責任だ。天使の100%の投球を引き出すのも、また
私の責任―――そして頼むぞ、リトル)
 勝つために―――キャッチャーとして、キャプテンとして、そしてブルン高ナイン
の一員として―――BISは天使にサインを送った。それを待ちかねていたかのように、
大きくうなづく天使。2人の意志は、完全に一致した。

 その時だった。砂漠の熱気にさらされていた球場に、突如として無数の光が降り
注いできた。それはまるで、実体を持たない流星群のような、あるいは超新星爆発
の光が地上に到達してきたかのような、無数のまばゆい光であった。
 「こっ、これは!?」
 悪魔は目が眩んで、思わず顔を覆った。応援席の最上段では、いつの間にかそこ
まで登っていたリトルが、応援用の指揮棒をくるくると回していた。その姿からは、
まるで女神のような神々しささえ感じられたが、みな光に気を取られて、誰もその
姿を見ていない。
 (こっ、この光は……! ぜ、全身の力が抜けていく……!)
 球場中の誰もが―――正確にはリトルとBIS以外であるが―――あっけに取られた
が、その光は身体を突き抜け、何事もなかったかのように地に吸い込まれていった。
しかし悪魔と駄目音高校ナインには、それでは済まなかった。
 (お、おのれぇっ……邪な心を持つ者にだけ―――悪魔の眷属にだけ降り注ぐ、
聖なる星の光かっ……!)
 「い、一体これはなんですの……!?」
 「うぉ、なんじゃこりゃ!?」
 驚きのあまり、思わずウサギ化してピョンピョン跳びはねる姫。光を避けるために、
分身したり左右に忙しく飛び回ったりする武道家。もちろん彼らに影響はない。
 「心配しなくても、無害よ……でもこの光、リッチには効くわね……」
 憎々しげに声をかける悪魔。この威力ならば、全属性抵抗100%のリッチでさえ、
その抵抗は半減してしまうだろう。そしてあの十字架―――。
 (ぬぅぅ、BISめ、リトルめ……こんな大技を本当に使ってくるとは……ハッ!?)
 「ぬぁ!」
 光の降り注ぐ球場で、天使が渾身の球を投じた。             (続く)

492 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/05(火) 00:33:18 [ /aCP4Cz6 ]
ブルン高校せけーw 
おもしろい(;´Д`)ハァハァ
続きおね

493 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/05(火) 00:39:32 [ OkWuaEiU ]
ネットで時給千円〜三千円のお小遣いをGET!!
http://web1.nazca.co.jp/jbbs/

494 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/09/05(火) 05:24:08 [ hJ7MfxA2 ]
 天使とBISが勝負に選んだ球―――それはまさに全身全霊、天使のすべての
力を込めた球であった。その右腕は弓のように引き絞られ、バネのように弾か
れる。そのあまりの威力に、天使の傷ついた羽からは血が飛び散り、自らを
痛めるほどの剛速球―――天使の最も得意とする、ブラッディストレートだ。
 「グォォオォォオ!!」
 リッチが巨体を震わせ、声にならない叫び声を上げる。まるで炎が吹き出す
かのようなスイングが空を切り、天使の初球はズバンとミットの中に収まった。

 「「「おおおおおおお!!」」」 ブルン高応援団は大歓声を上げた。
 「イけるぞ!」「天使先輩の球が効いてますわ!」「その調子!」
 勝利を予感し喜ぶ面々であったが、悪魔だけがギリリと爪を噛んだ。
 (リッチ……! 貴様の真の力を見せてみろ……!)

 「ふう……」
 天使は大きく息を吐き、本当の「天使」であった頃の力を懐かしんでいた。
 (あの頃だったら、まだまだこんなもんじゃなかったんだがな……しかし
今はこの「身体」で、全力を尽くすのみ……そうだろう、キャプテン)
 天使は、同じ境遇であるBISを見つめた。同じ境遇であるが故に、同じ堕天
された身であるが故に、2人は誰よりも解り合える仲である。またそれ故に、
配球で2人の意見が合わなかったことは、かつて一度としてない。BISの出す
サインに、また力強くうなづく天使。
 「ぬあ!」
 天使とBISが選んだ球、それはまたしてもブラッディストレートだった。速球に
射し込まれ、球はガキンと鈍い音を立てて真後ろに飛んだ。ファール。

 「「おおおっ!」」「きゃっ!」「ひっ」
 歓声の中にも一瞬悲鳴が混じるブルン高応援団。だがそれも、すぐに安堵の
溜息に変わる。
 「アブねぇ〜……」「でもこれで追い込んだぞ」「あと一球! あと一球!」
 みんなが天使の剛速球に期待を寄せる一方、悪魔だけは別の感想を持った。
 (真後ろに飛ぶファール……これは速球に圧されているとはいえ、タイミング
は合っているということ……ならばあの球、打てない球ではない……!)
 まったく同じことを、ベンチのネクロも感じていた。
 (マズィデスネ///天使先輩ハ 制球ガァマリ良クナイ///コノ二球ハ 悪クナカッタ
ケド 次モ良ィトハ限ラナィ///甘ィトコロヘ ァノ球ガィッタラ///)
 口元を歪め、にやりと嗤う悪魔。
 (フフ……駄目音高校の、勝機が見えたぞ……!)
 青く燃えたぎる炎を揺らめかせ、格子の奥の表情を曇らせるネクロ。
 (天使先輩///BIS先輩///ドウカ りっちヲ抑ェテ///頑張ッテ///)

 キャッチャーであるBISは、冷静にこの二球を振り返った。
 (初球、外角へのブラッディストレートには空振り、今の内角へ投げ込ませた
ブラッディストレートには、射し込まれながらもタイミングは合っていた……
リッチの頭の中には、直球の速さを刷り込ませたはず……ならば、次の球は……)
 天使にサインを出すBIS。そして当然のようにうなづく天使。
 (さぁ……ここへ投げ込んでこい!)

 その刹那―――シーフの第六感が、頭の中を貫いた。
 「やべぇ!」                           (続く)

495 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/09/06(水) 00:30:25 [ hJ7MfxA2 ]
 「ぬぁ!」
 天使が3球目に投じた球―――それは外角へのホリクロフォークだった。
ブラッディストレートとほぼ同じ球速で投じられるが、バッターの手元で
ストンと落ちる、空振りを狙える球である。外角へ落とすため、もしバット
に当たったとしても内野ゴロになることは必至である。しかし制球重視の
球であるが故に、直球ほどの球威はない。そして落ちきらなかった場合は
―――。
 (しまった……!)
 投じた瞬間、天使は失投を悔いたが、すでに遅い。リッチもまた、この
失投をみすみす見逃すようなバッターでもなかった。地獄の底から響いて
くるようなうなり声を上げ、リッチのバットが火を噴く。
 『ギィン!』
 落ちきらなかったホリクロフォークを捉え、詰まり気味ながらもライナー
性の球が、ピッチャー返しされた。
 「うぉお!」
 天使は咄嗟に双翼を大きく広げ、球を弾き落とそうとするが、その球は
傷つき折れた片翼の下をかすめる。後ろでは、その球に鋭く反応したランサ
が横っ飛びで球に喰らいつこうとするが、
 「ぐっ!!!(足が……!)」
 ここ一番でランサの両足を襲う激痛―――あと一歩足りず、グローブに球
は届かない。シーフの足も遙か及ばない。球はセンターに落ちていく。
 「うおおおおおおお!」
 剣士が猛烈な勢いで突進し、球に狙いを定め、グローブを突き出しながら
飛び込んだ。
 (頼む、届いてくれ―――!)
 球場中のすべての視線が、球に、剣士に、グローブに注がれる。しかし
無情にも、剣士の突進は届かず、球は外野の硬い土に高く跳ね上がった。

 (((ダメだ……1点入った……)))
 球場中の多くの者が、そう落胆し、嘆き、諦め、ある一部の者は驚喜し、
デビ・ロンとコロッサスもその姿を確認してから、走り出す。

 ここで 1点失う ? ここで 諦める ?
 認めるのか? それを 認めるのか? 諦めるのか? 諦めるのか?
 あきらめるのか―――?


 ―――否!!!


 最後まで勝負を諦めない者達が、動いた。           (続く)

496 名前:殴りBIS ◆1D.OIf0oIk 投稿日:2006/09/06(水) 03:11:24 [ hJ7MfxA2 ]
 「……ハッ!?」
 天使は球が打たれた瞬間、本塁に向かうデビ・ロンの姿が目に入った。
 (本塁には返せない……! 守りきる……!)
 考えるより先に、身体が動いた。
 「ホールドモンスター! ホールドモンスター! ホールドモンスター!」
 伝家の宝刀ともいうべき、天使の魔法守備。
 (みんな済まない……! なんとか、ボールを返してくれ!)

 「行かせん!」
 天使に遅れて、本塁に走るデビ・ロンに、WIZが渾身の魔法守備をかける。
 「ロック! ロック! ロック! グラビティ! グラビティ! グラビティ!」
 球が返ってくる保証はない。デビ・ロンにはほとんど効果もない。
 (しかし、私に出来るのはこれだけ……この命(CP)尽きるまで……!)

 外野の剣士は、腹這いになりながら、喝とボールを見上げた。硬い土に
跳ね返ったボールが、太陽の光と重なり、まるでスローモーションのように
浮かんで見えた。球場の歓声も聞こえない。砂漠の熱さも感じられない。
ただただ、光に照らされたボールと自分が「ある」だけ―――。
 (俺のせいで……点が入る……? 俺が取れなかったから……点が入る……?
俺は……ここまでなのか……? いや……いや……! 違うよな、親父……!!!)
 
 「ウィンディーーー!! リフトアーーーーップ!!!」
 『バタバタバタ!』
 剣士が大きな羽ばたき音を感じた瞬間、その身体は宙へと翔(かけ)上がった。
サマナの命令でウィンディが剣士の身体を掴み、空中に持ち上げたのだ。
 ((飛……飛んだ……!!?))
 その様にみな息を呑む。まるで翼が生えたかのようなその姿は、陽光に照ら
され、美しく、神々しくさえある―――そう、まるで、天使のように―――。
 (いくぜ……!)
 剣士は空中でボールを掴んだ。ランサやシーフは眼中にない。狙うは、本塁を
守るBISのみ。心臓はまるで龍の如く脈打ち、全身に血が駆け巡る。その指にも
ボールに喰い込むほどきつく力が入る。そして投げるは、この日のために磨いた、
シューティングバックホーム。
 「受け取れぇぇぇぇぇえええええ!!!!!」
 剣士は吼えた。その名のとおり、まるで流れ星のように、空中から投じられた
一球―――その球は、矢のように、レーザービームのように、BISのキャッチャー
ミット目がけて一直線に疾(はし)った。

 天使とWIZの魔法守備を振り切り、本塁へと突っ込むデビ・ロン。並の者なら、
一瞬でふっ飛ばされてしまいそうなその圧力―――BISは全身に力を込めた。
剣士の返球とのタイミングは、ほぼ同時。全体重を三塁側にかけ、デビ・ロンを
迎え撃つ。その様はまるで、要塞が立ち上がったかのよう―――。
 (((頼む……! 守ってくれ……!!!)))
 ブルン高ナインの祈りが、ブルン高応援団の祈りが、球場中にこだまする。
 「おおおおおおお!!!」
 「クワァァァーーーーーーー!」
 ボールとBISとデビ・ロンが交錯する。

 そして、閃光が走った。                      (続く)

497 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/06(水) 10:09:15 [ ns7qpNRQ ]
魔法守備ってwww
幾らなんでも走塁妨害www
笑わせて貰いましたb

498 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/12(火) 15:38:16 [ UxOEv5b2 ]
age

499 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/13(水) 23:09:41 [ SdNrc8sk ]
まとめサイトは無いのか?

500 名前:21R ◆21RFz91GTE 投稿日:2006/09/15(金) 23:57:58 [ zBpIIz/s ]
前作品まとめ
[冬の軌跡]
ttp://bokunatu.fc2web.com/SS/main2.htm

Act:1 青空 前スレ>>962-963





 数年前より遠くなく、先日より遠い過去の話。先の大戦と呼ばれる悪夢をこの星は記憶した。
何人者冒険者が死亡し、何人者一般市民の犠牲を伴った大戦が終わりを告げてから幾年が立とうとした頃。僕は一人、英雄達が眠るあの古都へと来ていた。



Act.2:意思を告ぐ者達



 「マスタ…」
何時ものように私を呼びに来る一人の男性。彼の名はクラウス、「クラウス・アルフォード」。古都ウィザード協会の会長であり、私の右腕の男性。通称「北風のアルフォード」。
彼は何時ものように私を起こしにやってきた、外見は赤い短めの髪の毛に、軽めな服装、紺色の長いブーツを履き、手には彼愛用の杖が握られている。
「…おはよう、クラウス。」
私はベッドのすぐ側においてあるメガネを取り、それからベッドを降りてカーテンを空ける。夏のまぶしい朝日が目に飛び込んでくる。
日の光は私の部屋を明るく照らし、そして少し寝ぼけている私の顔をよく照らしてくれる。
「マスタ、寝起き早々申し訳ございませんが、昨夜訪れてきた入隊希望の二名の件ですが…」
「クラウス、その話は昨日の内に済ませたはずです。」
「…断る理由が。」
「断る理由、あえてそれを私に聞くのですか?」
少ししかめっ面をした私の顔を緊張した顔でクラウスが覗く。私は手に取っていたメガネをつけて引き出しに入れてあった写真立てをもう片方の手で取る。
その写真立てに、昔一緒に冒険した二人の冒険者の写真を入れる。この部屋に越してきてから数日、忙しくて荷物の整理すらまともにできては居なかった。
「ただ強くなりたい、強さを見せしめたい…理由がこれでは拒むのも分かります。ですが…」
「…武装ギルド、「エルビ・アル・ステレプト」との直接対決…ですか?」
「そうです、今は戦力に集中し動員メンバーを増やすべきで…。」
「クラウス。」
クラウスは、分かりきっている事をあえて言おうとして私の声を聞いてその先の言葉を言うのを止めた。
「…あの二人のギルドを、このギルドを血に染めるわけには行かないのですよ…。」
「…。」
「…それと。」
私がゆっくりと右手に力を入れて力拳を作りながら右肩の所まで拳を持ってくる、私の顔は他の人が見れば鬼神のごときという言葉がよく似合うであろう顔をしている、多分…それは私自身がよく分かっていることだと思う。
「…えっと、何か?」
「貴方は…本当に前マスタによく似て天然ですね…。」
「…といいますと?」
「私の体を見て何か気づくことはありませんか…?」
私はそこまでヒントを与えてそれ以上何も言わなかった、クラウスは一度首を傾げて私の体を多分じっくりと、そしてすばやく見たと予想される。
そして、少しの沈黙が流れた後
「…し…失礼しました!」
多分顔を真っ赤にしているのだろうその声を聞いて私はようやく事がすんだものだと思った。その瞬間クラウスは私の部屋をあわてて飛び出した。
「…まったく。」
羞恥心が無いと言えば私が悪いのであると思う、しかし…もう一年以上も一緒に過ごしているのだからそろそろ気が付いて欲しいというのも事実であった。
「…そろそろ下着姿で寝るの止めようかしら…。」
そこまで言って、私は何時もの洋服に着替える。着慣れた袖に手を入れ、何時ものズボンを履き、その上から軽い甲冑を付けた。
「さてっと…。」
外に出ても大丈夫な服装に着替えた後、先ほど写真を入れた写真立ての位置を調整して
「行って来ます、ミルさん、アレンさん。」




 広渡る青くて綺麗な空、全て包み込んでしまいそうになるその壮大さに僕は少しあこがれていた。
僕にもあんな壮大な力があればと何度思ったことだろう。でもそれは、汚れ無き白い雲の様に静かで、気が付けば消えてしまいそうになる理想だった。
 本日は晴れ、少しの雲だけが自由な空を飛び、少量の鳥が飛びまわり、心地よくもじめっとした風が流れる。よく言えば気持ちのいい真夏日、悪く言えばただ蒸し暑いだけのお昼下がり。
お昼と言えばまだ朝から何も食べてなかった、近くの食堂で何か食べようにもお金が無い。強盗を働くか?そう思ったがすぐに止めた。

501 名前:21R ◆21RFz91GTE 投稿日:2006/09/15(金) 23:58:41 [ zBpIIz/s ]
僕に強盗が出来るほどの力は無いし、度胸も無い、強いて言うなら彼女も居ない。あるのは山を登るのに便利なその辺で売っている杖と、緑色の長いコート。そして皮で出来たごく普通の帽子に冒険者気取りの少し汚れた靴。一度ゆっくりと自分を見直すとなんともセンスの無い服装だろうと他の人は言うかもしれないけど、僕には今これしか無い。
 でも、それも昨日までの話。お金が無い事と強盗が出来る力と度胸。強いて言うなら服装も。これを抜かしては昨日とは少し違った感じもするかもしれない。
今隣に居るのは一人の女性。少し長めの金髪に赤い頭巾、身長は…ロリコンと言われたく無いので公開しない。
「…ねぇ。」
彼女は昨日、僕が一人で草原の丘に座っているところに隣にやってきた。何が目的なのだろう…金か?金なら無いぞ…。力か?もちろん僕にそんな力が無いのはこの二の腕をみれば一目瞭然だろう。
では何の目的で僕に近づいてきたのだろう…。
「…ねぇってば。」
こんなに可愛い女の子に声をかけられたからか、実は昨日この子の宿代まで支払ってしまった。最初に述べたとおり、お金が無いわけだが…これが男って生き物なのだろう…。
「…ねぇ、ユラン君ってば。」
見栄を張って、無い金を使って彼女を宿に止めた。もちろんの事ながら別室だ。最初は一緒の部屋にすれば宿代が浮くと思ったのだが、そこは男の子。紳士な態度で接し、男と女であれば部屋は別々。これ当然の事と人は言うだろう。
「…ユラン君ってば!」
だが僕は違った、宿代の為なら同じ部屋で泊まろうとも何も思わない。だがしかし、一緒の部屋で、一緒のベッドで一緒に寝ると言う行為…そう…僕にはそんな度胸が無かったわけで…。
「無視をするなぁぁぁ〜!」
と、あれこれ頭の中でぐるぐると考え事をしているところへ彼女の声がようやく届いた。それも鼓膜が破れるかと思うぐらいの声でだ。
「…ててて…そんなに大声を出さなくても十分聞こえるよ。」
「何言ってるのよー、全く持って聞こえて無かったくせに…。」
彼女の言うとおりなのだから仕方が無い。考え事をすると回りが目に入らないどころか、自分の中で無の空間に閉じこもったように音すら聞こえなくなる。悪い癖だ。
「…それで、如何したの?」
「…この状態でよくそんなのん気な事が言えるよねユラン君…。」
僕達は昨日と同じ場所でボーっとしていた、いや、ボーっとして居たのは実は僕だけで彼女は周りの変化にいち早く気が付いていたのかもしれない。
「…えーっと。」
「分かってくれた?」
「うん…。」
僕達が居るのは崖、目の前は断崖絶壁。後ろは緑色をした草が広がるいわば草原。
「えーっと…。」
僕の目に映るのは俗に言うゴブリンと呼ばれる種のモンスター、それが一匹であればなんて事は無いのだが…。
「…これ、何匹?」



Act:意思を告ぐ者達   END

502 名前:21R ◆21RFz91GTE 投稿日:2006/09/16(土) 00:00:11 [ zBpIIz/s ]
まず始めに…

ごめんなさいorz
というか…お久しぶりです皆さん&始めましての方々;;
前に投稿してからどれくらいの月日がたっているかは追求しないでください…

と言うわけで、執筆再開です。よろしければまたお付き合いくださいませ…
では、また次回の投稿まで〜…

503 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/17(日) 01:15:33 [ gYcYRacg ]
>>499 前スレより
【まとめサイト】
◆dGkqy8VIyg さん
http://ponkin.fc2web.com/matome/

>>494-496
スキルネタも混ぜ合わせていて面白いなぁ
リフトアップはアイコンそのまんまで笑いました

504 名前:タルタル 投稿日:2006/09/20(水) 10:26:51 [ hfUQyDik ]
ぐぅ、ぐぅ、はっ!!
ということで夏の間ずっと寝落ちしていたタルタルです。
お久しぶり、とはいいません。心機一転ダルダルと改名して書いていこうと思います。
(別に書き方を変えるつもりはありませんが)
前はセスナの道のセスナを中心とした話でしたが、
今回はブルネのドロシーを主体とした話を書いていくつもりです。
まだまったく考えていませんが、期待しないでください。自分としてはこのスレ保守のため
に書くのですからw。
では。

505 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 16:40:51 [ sMWXiguI ]
どうも、おはつです。
思いつきで書いた代物ですが投下します。
良ければ読んでやってください。


―狭間で―


1.
ガディウス砂漠・モリネルタワー付近。
かいた汗が瞬く間に蒸発してしまう灼熱地獄。
しかし、私にはそれも取るに足らぬものだ。
私が以前いた場所に比べれば…

ここには特殊な魔力場が存在しており、下手に足を踏み入れた者は行き先を見失い、モンスター達の餌食となる。
それゆえに、ここに近づく冒険者はごく稀だ。
喧噪を嫌う私にとっては好都合な狩り場である。
コツさえつかめば、魔力場によって行き先を見失うこともない。
今日も私はここで狩りをする。

と思ったが、今日は珍しく先客がいたようだ。
一対の純白の翼。
しかし、その片方は途中からもぎ取られ、血がにじんでいる。
…追放天使。
「赤い宝石」を探す任務を受け、天界から追放された天使。

しかし、押されている。
追放天使は必死でホーリーサークルを生み出し、モンスターにぶつける。
だが、モンスター…ボイドラスターにはほとんど効果がない。
そうこうしているうち、ボイドラスターは1匹2匹と増え、とうとう追放天使は完全に囲まれてしまった。
それを見てとった追放天使は、周囲のボイドラスター全てを巻き込むように、巨大な聖なる十字架を連続で召還した。
ホーリークロス。
周囲の敵に大きな光のダメージを与えつつ、自分の傷を癒す高等神術。
が、それでもボイドラスターたちを倒すには及ばない。
ボイドラスター達は何条もの光線を追放天使に向け放つ。
ホーリークロスの連続行使で神力を使い果たしたのか、もはや追放天使はボイドラスター達のなすがままだ。

ええい、見ちゃいられない!

506 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 16:42:44 [ sMWXiguI ]
2.
魔力を高めつつ、ボイドラスター達の中に突っ込む。
ボイドラスター達も追放天使も、予期せぬ乱入に驚き、一瞬動きを止める。
「鼻と口を塞ぎなさい!」
そう追放天使に向かって叫ぶ。
追放天使がそうしたか、確認している暇などない。
すぐに魔術を行使する。
「来たれ、魔界の障気!」
私の呼び声に応じ、地の底から致死性の毒ガスが吹き出してくる。
モータルクラウド。
周囲に致死性の毒ガス雲を形成し、中にいる敵の命を削り取る上級魔術。
この毒は遅効性なため、ボイドラスター達を即座に殲滅することはできないが、ボイドラスター達の注意を追放天使から引き剥がすには十分だ。
しかしそれは、今度は私がボイドラスター達の集中攻撃に晒されることを意味する。
周囲から光線が放たれ、私の身体に突き刺さる。
辛うじて急所は避けているが、ダメージは小さくない。
早めにケリをつける必要がある。

ボイドラスター達のうち1匹に狙いをつけ、鞭を伸ばす。
絡め取り、私の目の前―そこは最もガスが濃い場所でもある―に引き寄せる。
こうして密着すれば、光線は撃てない。
周囲のボイドラスター達も、同士討ちを恐れて一瞬怯んだ。
その隙に、他のボイドラスター達も次々と鞭で引き寄せる。
光線が撃てないならばと直接攻撃を仕掛けて来るボイドラスター達。
それこそ鞭のような触手が、何本も私に襲い掛かる。
その触手をかわし、受け止めながら、ついに全てのボイドラスターを引き寄せた。

…効果範囲内…入った!
「血塗られし呪いの十字架よ!」
先程追放天使が召喚したホーリークロスと形状は酷似した巨大な十字架。
だが、私の召喚する十字架は血に染まり、呪われている。
ブラッディークロス。
血に染まった呪いの十字架を召喚し、その力で周囲の敵から生命力を奪い取る魔術。
モータルクラウドの毒ガスによって体力を削られていたボイドラスター達は、この呪いの力に耐えられず、干からびて死んでいった。

「ふぅ…」
なんとかなった。
ブラッディークロスで吸い取った生命力で、負った傷も癒えた。
周囲を見回し、先程の追放天使を探す。
…いた。
どうやら、ちゃんと呼吸を止めていたらしく、生きている。
追放天使は呆然とした表情で私を見て、呟く。

「あ、くま…?」

507 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 16:45:06 [ sMWXiguI ]
3.
追放天使の首にかかっている十字架を見て、言う。
「あなたねぇ、何で光強化系の十字架なんか使っているのよ?
 せめてボイドラスターみたいなモンスターを相手にするときは弱化系を使いなさいよ」
もともと魔法攻撃に高い耐性を持つ神獣系モンスター。
まして、ボイドラスターは光の眷属である。
いくら光魔法の威力を増幅しても、大したダメージは期待できない。
そういう相手には、耐性を下げる弱化系の十字架の方が有効だ。
かく言う私も、十字架は強化系と弱化系、両方の十字架を常備している。

開口一番にそんな批判が来るとは思っていなかったのだろう。
追放天使はあっけに取られた様だ。
が、それも一瞬のこと。
すぐに反論してくる。
「それは! 
 私はもともと彼らと争いに来たわけじゃないからだ!」
…?
「じゃあ、何をしにここに来たって言うの?」
問いかける私。
「3日ほど前にこの付近で消息を絶ったという冒険者の捜索に来たんだ」
それって…
追放天使は続ける。
「冒険者の家族にそういう依頼を受けて、ここに来たんだ。
 神獣である彼らなら、話も通じると、そう思ったんだが…」
「問答無用で攻撃された、と?」
追放天使は苦々しく頷く。
「そう…」
しばし無言の時間が続く。
言うべきか、言わざるべきか。
迷った末に、言うことにした。
「ねえ、その冒険者の行き先、心当たりがあるんだけど、知りたいかしら?」
「っ!? 教えてくれ!」
血相を変えて知りたがる追放天使。
やっぱりそうくるか。
私は、人差し指をある場所に向ける。
その先にあるのは、先程倒したボイドラスターの死骸…の腹部。
「…まさか…?」
追放天使が青ざめる。
「このボイドラスターがそうかまでは分からないけどね。
 恐らくどこかのモンスターの腹の中よ」
追放天使は叫ぶ。
「っ! 馬鹿な! 
 神獣であるボイドラスター達が人間を殺すだけならまだしも…
 食べるなんて、そんな罪深いことをするはずが…」
「あるのよ、ここでは」
その言葉を遮る。
「神獣とは言え生物…食料がなければ生きていけないわ。
 そして、この何も無い砂漠で最大の食料と言えば、迷い込んだ冒険者なのよ」
「くっ…そんな…」
「3日も前じゃ、恐らく骨も残っていないわ。
 運がよければ、身に着けていた物の欠片ぐらいはあるかもしれないけど」
言葉に詰まる追放天使。

この砂漠は、灼熱の地獄。
そして、地に膝を突いた者はたちまち餌食となる。
共食いだろうがなんだろうが関係ない、弱肉強食の世界。
私が以前いた場所―魔界―に似ている。
だからかも知れない。
私がこの砂漠に魅かれるのは…

508 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 16:47:24 [ sMWXiguI ]
4.
夜になってしまった。
茫然自失とした追放天使を置いていくわけにもいかず、その場に留まり続けた結果だ。
この砂漠は灼熱の地獄。
だがそれは、日中だけに言えること。
日が沈んでからは一転、いる者を凍えさせる寒波地獄となる。

テントを張り、中で小さな魔界の炎を召喚する。
この魔界の炎ならば、薪が無くても燃え続け、火の番をせずとも消えることは無い。
この炎でスープを作り、ようやく立ち直り始めた様子の追放天使に1杯を差し出す。
「ほら、これでも飲みなさい。口に合うかどうかは分からないけど、体は温まるはずよ」
「あ? ああ…ありがとう」
追放天使は戸惑いながらもカップを受け取る。
が、口を付けようとはせず、自分のスープを飲む私のほうをじっと見ている。
「何よ? 別に毒なんか入って無いわよ?」
追放天使は慌てた。
「あ、いや、別にそんなことを疑ってるわけじゃないんだ…」
そうしてスープに口を付ける。
…って、そんな勢いで飲もうとしたら…
「ズ…ぅ熱っ?」
案の定、舌を火傷したようだ。
「プッ…」
私は思わず吹き出した。
悪魔という立場上、どうも追放天使たちは苦手な存在だった。
けれど、この追放天使は…
どうも、面白い。

509 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 16:50:43 [ sMWXiguI ]
5.
とまあ、ちょっとした騒ぎはあったものの、食事も終わり、人心地付いたところで追放天使が話しかけてきた。
「君は…どうして私を助けてくれたんだ?
 私は天使で、そして君は悪魔だというのに」
「私は、最後の戦争よりもだいぶ後に生まれたからね」
天界と魔界は、過去、何度も戦争を繰り返してきた。
しかし、ここ数百年、天界と魔界の間での争いは起こっていない。
私が生まれたのは最後の戦争よりも後のこと。
私自身が生まれる前のことなんか、知ったことじゃない。

「だが、昔はたしかに戦争をした相手なんだ。
 拭いきれない憎しみというものは無いのか?」
追放天使は更に聞いてくる。
「まあ、そういう悪魔も多いわ…。
 けど、少なくとも私はそんなことに興味は無いわ」
実際、過去のことで天使達を憎み続けている悪魔は多い。私のような悪魔の方が少数派なのだ。
「私にはあなた達を憎む理由なんて無いの…もっとも」
そこで言葉を切る。
「もっとも…何だ?」
先を促してくる追放天使。
「もっとも…あなた達からすれば、天界を追放された原因の同類である私達なんて、憎しみの対象でしかないのかも知れないけど?」
顔色を変える追放天使。
「そ、そんなことは…」
「無いの?」
言い切る前にこちらから問う。
「無いことは…無い」
苦虫を噛み潰したような表情で追放天使は言う。
「そうよね…」
これまで、町などですれ違った追放天使たちは、例外なく私の方を見てきた。
その瞳には、常に憎しみが宿っていた。

「だとしても、あの危険な状況になってまで助けてくれたのは何故だ?
 いや、それだけじゃない、茫然自失としていた私を見捨てずにその場にいてくれたことも、こうして食事を振舞ってくれることも、何故だ?」
「人間達に言わせれば、『困っている者を助けるのは当然の事』らしいわよ?」
答えると、追放天使は驚いた顔をした。
「そうか…いや、すまない。
 助けてもらった身でこういう事を言うのは失礼だと分かってはいるんだが…
 悪魔というのは、自分の都合さえよければ、肉親であろうと平気で見殺しにする、そんな風に思っていたから…」
申し訳なさそうにする追放天使。
「別に、失礼じゃないわ…
 あなたの言った通りの存在よ、悪魔は」
「え…?
 でも君は、私を助けてくれて…」

いけない。
今日の私はどうかしている。
言わなくていい事まで、この追放天使に言おうとしている。
神の徒である天使を前に、懺悔でもしようというの?
悪魔である、私が。

510 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 16:54:05 [ sMWXiguI ]
6.
「私は、自分の両親も兄弟も、全てこの手で殺したの」
追放天使が息を飲む、が、構わず続ける。

「魔界の環境って、すごく気まぐれなの。
 その環境の変化で、作物が全てダメになることも珍しくないのよ」

ああ本当、何を言っているのだ私は。

「そうなると、この砂漠と同じ。
 食料を得ようとしたら、目の前にいる者を殺すのが1番手っ取り早いの」

こんなこと、今ここで話してもどうにもならないのに。

「躊躇したら、食料になるのは自分。
 躊躇したら、生き残れない」

止めなさい、もうこれ以上言う必要はないわ。

「だから、殺した。
 そして、食べた。
 家族であったものの死肉を」

黙れ黙れ黙れ、私。

「美味しかったわ。
 それまでに食べたどんな肉よりも」

でも、私の唇は止まらない。

「環境が戻って、作物が作れるようになった頃、家で生き残っていたのは私一人。
 父も、母も、姉も、弟も、妹も、全て私が殺した。
 私が生き残るための食料にした」

止めなさい!舌を噛み切るわよ!

「こんなこと、魔界では珍しくないの。
 だから、あなたの言った通り…いいえ、それよりも更に酷い。
 自分のためなら、肉親でも平気で殺して喰らう。
 それが、悪魔なのよ」

…言ってしまった。
言わなくてもいい事なのに。

それまで黙って聞いていた追放天使が口を開く。
「なら尚更、どうして私を助けてくれたんだ?」

…もう今更何を隠す必要も無いか。
「…来て」
私はテントを出た。
追放天使も私に続いてテントを出てきた。

511 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 16:58:54 [ sMWXiguI ]
7.
知らないものも多いが、砂漠の夜は寒い。
日が隠れれば、熱をとどめるものの無い砂漠は極寒の地となる。
恐らく今の気温は零下だろう。
冷えた空気は澄み切っている。

「空を見てみて」
追放天使に言い、私自身も空を見上げる。
この澄んだ空気の中、空を見上げると…
「うわぁ…素晴らしい星空だな…」
他では考えられないほど、たくさんの星を見ることが出来る。

「この世界に出てきて、多くの人間を見てきたわ…」
「人間達は、小さなことにも喜び、悲しみ、楽しみ、苦しむ」
「こんな星空を見た人間は、『感動』というものを覚えるらしいわ」
「でも、私には『感動』がどんなものか分からない」

「…妬ましいわ…」

「この世界に来たときは、下らないものでしかなかったはずなのに…」
「人間も、その人間が感じ取る全てのものも、下らないものだったのに…」
「今は、妬ましくてどうしようもない」
「妬ましくて妬ましくて、全ての人間を殺してしまいたいくらい」

「この世界に来て、人間としての生き方を選ぶ悪魔も多いわ…」
「じゃあ、私はどう?」
「悪魔であるならば、人間を妬ましいとは思わないはず…」
「人間であるならば、妬ましさで全てを殺そうとは思わないはず…」

「私はどちらにもなりきれない、中途半端な存在…」

「あなたを助けた事だってそう…」
「以前は家族でさえ平気で殺した私なのに…」
「追放天使の1匹ぐらい放っておけばいいとも思うのに…」
「人間に近い『心』をもつ天使なんて、妬ましくて殺したいとも思うのに…」
「あなたを見殺しにすることが、出来なかった」

「最近、ずっとこんな調子」
「今になって、家族を殺したことを思い出すと、胸が痛い」
「殺した時は何も感じなかったはずなのに…」

息を吐く。
吐いた息は白い。
追放天使を見る。
追放天使は、真剣な表情でこちらを見ている。
ふと、問いかけた。
「ねえ、私は何なんだろう…?」

愚かな質問だ。
私自身でさえ分からないのに、彼に私が何であるかなど分かるはずがない。
彼が口を開いた。
「君が何なのか、私には分からないよ」
ほらね。
まったく、私も愚かな事を聞くものだ。
と、彼が続ける。

「けれど、これだけは言える」

…?

「私は、君が何であったとしても君に感謝している」

え…?

「君が人間か悪魔か、あるいはどちらでもないのか、それは分からない。
 けど、私が感謝している存在であることは間違いない」

ああ…

「私は君に感謝している。
 君がたとえ、人間であろうとも。
 君がたとえ、私の敵と言える悪魔であろうとも」

これが…

「君に感謝している、これだけは紛れもない事実だよ」

これが『感謝』の気持ちか…

「私に言えるのは、それだけだよ」

私の口を付いてひとつの言葉が出た。
それは、今まで私が口にしたことのない言葉だった。

「ありがとう…」

それを聞いた彼は…

「それは私の台詞だよ」

笑った。

512 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 17:01:37 [ sMWXiguI ]
8.
「ん…これじゃないかしら?」
翌朝。
せめて冒険者の遺品だけでも持って帰りたいという彼の希望もあり、私達は一緒にモンスター達を倒していた。
今日は弱化系の十字架を使っている彼は、ボイドラスター相手でも十分戦力になっていた。
ここは3つ目のボイドラスターの巣。
恐らく持ち主のものだろう、名前の彫られた鎧の破片が見つかった。
彫られた名前は、彼が探しているという冒険者の名前と一致している。
「ああ、間違いない。
 本人を連れて帰れないのは残念だが…
 遺品だけでも見つからないよりはずっといい」
「そうね…早く届けてあげないと」
…?
何だろう。
何か、自分の言葉に引っかかる。

彼は真剣な表情でこちらに向き直った。
「私一人ではこの遺品を見つけることも出来なかっただろう。
 君のお陰だ、ありがとう」
「そんなのお互い様よ。
 私だって楽させてもらったしね」
笑って言う。
が、彼は真剣な表情のままだ。
「君の言うとおり、これは早く届けてあげるべきだ…
 私はこれから遺品を届けに行く。
 残念だが、ここでさよならだ」
言って、右手を差し出す。
「また会おう」
私は彼の手を握る。
彼の右手は、私の右手よりもずっと大きく、ずっと温かかった。
「ええ、また会いましょう」
そして手を離すと、周囲の空間が歪み、彼の姿が消えた。
エバキュエイション。
依頼主のいる場所へと行ったのだろう。

握手した右手をそっと左手で包み込む。
まだわずかに温かかった。

513 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 17:03:22 [ sMWXiguI ]
9.
私は悪魔。
人間に影響され、悪魔らしさを失いかけた悪魔。
人間にも、悪魔にもなりきれない中途半端な存在。

でも、私はあり続ける。
あり続ける先に、私の存在が固まってゆくのだから。
今は人間も悪魔もどうでもいい。

もともと私は悪魔として、更なる力を求め、「赤い宝石」を得るためにこの世界に来た。
そして、この世界には、地位や名誉のために「赤い宝石」を求める人間達が数多くいる。
私が「赤い宝石」を得たとして、その時何を望むのか。
今は分からない。
だが、その時何らかの答えが得られるかも知れない。
いずれにせよ今の私が目標にするには十分なものだろう。

私はあり続ける。
自分が何者か分からずとも構わない。
ただ、「赤い宝石」を求め、日々を足掻き続ける。

―悪魔と人間の狭間で―

514 名前:病気のデビ・ロン 投稿日:2006/09/21(木) 17:05:34 [ sMWXiguI ]
以上です。
辛口批評とかでもどんどんお願いします。
自己評価では…戦闘シーンがちょっと説明くさい、かな?

515 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/21(木) 19:05:40 [ gnKSMgJ6 ]
6月12日午前2時40分、アウグスタ西部―
―逃げろ、急ぐんだ
何でまた、俺を?あんたはそっち側の人間だろう
―私も君と同じ経緯でここに入った、だからこういう事をやっているんだ
…わかった、古都まで逃げ延びればいいんだな
―頼む・・・

6月28日午後6時25分、古都ブルンネンシュティグ―
「今日も1人死んでいたわ、周りの状況からしてココ最近の殺人と
同一の人物がやったみたい。」
20代前半の女性―恐らくランサーだろう―が言った。
『抵抗した形跡が全くないのも気味が悪いが俺たちも全く手ががりが掴めないもんな」
彼は明らかにそれとわかるウィザードだった。
ここ最近古都ブルンネンシュティグで殺人がかなりの頻度で起きており、
一般の憲兵では無意味だったため、彼らがこの事件を担当することになった。

516 名前:名無しさん 投稿日:2006/09/27(水) 05:13:28 [ N1B0JemI ]
>>514
 人間もこれくらいのヒューマニズムを持てば、平和になるんでしょうね。でも、現実は……。

 批評できる立場ではありませんが、作者様がお気になさっている戦闘シーンについて。
 説明臭いとのことですが、「取扱説明書」臭い記述が、そう感じさせているのかもしれません。

・ホーリークロス…巨大な十字架を召喚し、周囲の敵に大打撃を与えると共に、味方の傷を癒す高等技術。
・ボイドラスター…ガディウス砂漠・モリネルタワー付近に棲息する光の眷属。光線を放って攻撃してくる。光属性の攻撃がほとんど効かない。

 例を出すと、こんな感じの文が、作中にでてくると感じました。モータルクラウドも然り。
 良く言えばまとまっている、悪く言えば無機質、躍動感がないように感じるのでしょう。
 また、これだけだと知らない人は場面をイメージしにくいと思います。
 なので、もう少し踏み込んで描くといいかもしれません。

>>506
 悪魔が天使を助けるくだりは、悪魔(一人称の語り手)が動いているので、もっとアクションに対する感情を描くと良いかもしれません。
>>505の時点では、悪魔は傍観者でした。しかし、>>506ではアクションの中心人物となっています)
 例えば、悪魔が思った事。モータルクラウドに対してどう思っているか。ボイドラスターに対してどう思ったのか。天使に対してどう思っているか。
 しかし、説明的な文が必要な時もありますし、感情を全面に出すと判り難い文になることもあります。
 なので、作者様のさじ加減と言うか、作風次第かと思います。

 それでは恐縮ですが、これにて失礼致します。
 これからも頑張ってください。

517 名前:ナナシ 投稿日:2006/10/08(日) 08:00:30 [ KIndcp6Q ]
野球の続き期待age

518 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/09(月) 01:09:54 [ GW1KA1dY ]
はじめまして。
流れをぶった斬る形の登場、すみません。

これからダラダラと小説を書いていく予定なので、
よろしくおねがいします。

519 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/09(月) 01:10:36 [ GW1KA1dY ]
↑sage忘れすいません

520 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/10(火) 00:53:29 [ 2SEKg0og ]
さて小説書きたいが主人公やらの名前が浮かばないんだぜ?
名前浮かぶまでなんか今考えた物でもいいかな?

コボルトの一生

○月○日

朝起きたら体がダルかった。

どうやら僕達コボルトの天敵とも言える魔の病気にかかったのだろう。

そう・・・この病気のせいで何万匹の仲間がこの世から消え去った・・・。

そして僕もその病気になってしまった。

しばらく孤独と何時殺されるか分からない恐怖に怯えないといけないのだろう・・・。

でもこの苦しみから1匹でも助かるために僕はやらなくてはならないことがある。

それはこの病気の治療法を探すことだ。

そこら辺に売ってる回復薬や解毒剤じゃあ治療なんてできやしない。

だから僕は一生懸命勉強をした。医学に関する本を街からこっそりと盗み出したこともあった。

地下水路に居る優しそうなお爺さんからも一杯教わった。

洞窟に居る友達からやボクの師であり父でもあるファミリアからも一杯教わった。

でも全く分からない。それにこの病気が何時感染するかも分からない・・・。

今日は一杯勉強をして疲れちゃった。明日生きてることを願いながら寝よう。

おやすみ父さん・・・。

521 名前:コボルトの一生 投稿日:2006/10/10(火) 00:54:23 [ 2SEKg0og ]
○月×日

朝起きたら突然の吐き気がした。

どうやらこれもあの病気の症状の1つなんだろう。

・・・そして今日は友達が殺された・・・。

寝ている所を襲われたそうだ。生意気なコボルトってあだ名だったけど

結構優しい一面もあり以外と良い奴だったのにな・・・。

何故殺されたかって?それはそこにある花を取るのに邪魔だったから。だってさ。

そう言いながら笑ってたよ。あの悪魔達が・・・。

別に殺さなくても花は取れたのに・・・・・・・。

僕は復習をしようと思った。あの人間と言う名の悪魔達を・・・

522 名前:コボルトの一生 投稿日:2006/10/10(火) 00:55:03 [ 2SEKg0og ]
○月□日

今日は血を吐いてしまった・・・。

僕もそこまで長くは無いのだろう。

でももうすぐ病気の原因が分かるはずなんだ。

僕が死ぬ前には必ず原因を・・・・・・

あれ・・・頭がクラクラしてきた・・・そろそろ寝よう・・・。

523 名前:コボルトの一生 投稿日:2006/10/10(火) 00:55:47 [ 2SEKg0og ]
○月△日

今日は殺されそうになった。

剣を持った男に追いかけられた。

怖かった。ここまで死を覚悟したことは無かった。

・・・でも仲間が殺されてしまった。

仲間を殺した後その剣を持った男が笑いながらどこかへ消えてしまった。

僕は仲間を見捨てて逃げてしまったのかと思うと悲しくなった。

・・・だが病気の原因がなんとなく分かった。

街に居る学者のような人間が昔洞窟に何か怪しげな花を植えたんだそうだ。

どうやらこの花が毒を撒いてるんだそうだ。

1人のコボルトが言っていた。けど僕に近付いてあのコボルトは大丈夫だったのだろうか。

でも元気そうにしてたし平気だろうな。

・・・よし明日には街に居る学者を殺して仲間の復習を・・・

だから今日は寝よう。

524 名前:コボルトの一生 投稿日:2006/10/10(火) 00:56:30 [ 2SEKg0og ]
○月♪日

今日は優しい旅人に助けられた。

どうやらこの人は旅の途中に弱った僕を見つけて治療をしてくれたようだ。

もしこの人が居なかったら僕は死んでいたかもしれないんだそうだ・・・。

人間にも優しい人が居たんだな・・・。

でもあの学者だけは許さない・・・。今日仲間と相談して全員で街を襲撃しよう。

そしたら皆が報われるだろうしね。

明日に備えて今日はもう寝よう・・・。

525 名前:コボルトの一生 投稿日:2006/10/10(火) 01:12:11 [ 2SEKg0og ]
○月・・・日

もう・・・駄・・・だ。

・・・間・・・殺・・・血が・・・・・

仲間が・・・・・学・・・

同・・・よ・・・もしこ・・・日・・・

・・・あの・・・者に・・・復習を・・・


日記はここで終わっている・・・。

僕が調べたのだがどうやらこの日記はコボルトによるものだと分かった。
まぁそう書いてあるしそうだよな。
大昔この街がコボルトに襲撃された。
だが大勢の旅人が居たこの街だ。コボルトが何万匹と居ようと勝ち目は無い。
・・・そしてこの病気の原因はたしかに学者のファーガソンのせいだ。
だが彼は本当はコボルトのことを助けたかったから薬を作った。
しかし薬の中にコボルトにはとても有害な物質が含まれていたそうだ。
その有害な物質をばら撒いたのが日記に書いてあるあの花だ。
・・・彼は自分の失敗を悔やみ自分の愚かさに絶望した。
そして彼はせめてもの罪滅ぼしのために・・・と言い
病気のコボルトのみを殺しさらにその花を処分した。
・・・だが洞窟内は既に毒で大変なことになっていた。
人間でも多く毒を体内に取り込んでしまうと大変なことになる。
そう思ったファーガソンはあの事件から数ヶ月後
コボルトの洞窟を爆破した。
そして彼も自殺した。こんな結末で終わらせたことをきっと怒っているだろう。
こんな結末で終わらせたことを怨んでいるだろう。
だがもうこうするしかなかったんだそうだ・・・。

旅人の独り言・・・と書かれた本はここで終わっている。

終了です。ベタベタです。感想もらえたら嬉しいです。
最後の旅人の独り言なんですが読み難いのは改行の問題ですorz
本当にすみませんでしたorz

526 名前:sage忘れ518 投稿日:2006/10/10(火) 22:57:56 [ p/M3OfZE ]
少女は、最強の獣使いと謳われたビーストテイマーと
平凡なウィザードの間に生まれた子供だった。
親の光はなんとやら、と言われたもので、少女に対する期待は大きかったが、
少女が5歳を過ぎたころから、そんな期待は薄れていった。


少女の奏でる音楽は、そこいらの凶悪なモンスターさえも聞き入るほど魅力的で、
体力、知識共に数多くのビーストテイマーのトップレベルだった。
それでも、彼女は期待されなかった。


なぜなら、どこをどう間違えたのか、
好戦的な両親とは真逆に、彼女は血を見る事を極端に嫌ったからだった。
獣を調教するのを生業とするビーストテイマーにとって、
それは致命的な欠陥だった。



それでも、獣を人の倍以上愛する事が出来た。
調教しなくても、心を通わせればいつかはペットに出来る。
少女は、そう信じていた。

527 名前:sage忘れ518 投稿日:2006/10/10(火) 23:18:09 [ p/M3OfZE ]
少女はいつも、
街を西に出たところの木の根元に座っていた。
比較的温厚な性格のコボルトを眺めるのが楽しかったからだ。

弱いうえに攻撃を仕掛けてこないため、
側を通り過ぎる、幻の赤い石を求める冒険者たちは
見向きもしなかった。
いつまでも、そんな平和な日々が続くと思っていた。


ところがある日、
少女がいつものように街を西に出ると、
小さめの立て看板がそばにあった。
昨日は無かったけど・・・、とつぶやきながら看板に書かれた文字を読む。
内容は、


「昨日、何者かによって大量のウイルスがプラトン街道に撒かれました。
その影響で多くのモンスター達が病気に感染し、
街に被害を及ぼす可能性が出てきました。
ワクチンを作成するため、手身近な病気のモンスターを倒し、
残った衣類等を、古都北東のブロームまでお届け下さい。」


というものだった。


「うそでしょ?!」


あわてて振り返ると、
そこには大柄な剣士に切り裂かれるコボルトが居た。
あちこちから、コボルトの弱い、「キエエックー」という声が聞こえる。
温厚でかわいかったコボルトが、何者かの手によって、
狩りの対象にされた。

血を見るのが嫌いだった少女は、
当然悲しみに暮れ、涙を流した。
何の躊躇いもなくコボルト達を切り裂く冒険者が、
急に醜く見えてきた。


許さない。
こんな頼みごとをしたブロームも、
ウイルスを撒いた犯人も、
そして、何の躊躇いもなく、罪の無いコボルト達を切り裂く冒険者を。



少女は、血を見るのが嫌いだった。
誰よりも平和を好んだ。
それでも、人一倍正義感は強かった。


頭のどこかで矛盾を感じながらも、
少女は決心した。


殺してやる。

528 名前:掃除屋さん★ 投稿日:削除 [ jDkDaZHo ]
削除

529 名前:露店放置の暇人 投稿日:2006/10/12(木) 15:42:07 [ Z2eQVQ5U ]
露店放置で暇人になったので書いてみました。内容は打ちながら考えてます。
では、スタート

題名:○○の冒険

突然の光につつまれ体が動かない。

 「・・・それがこいつの名前ですね?」
 「あぁ、そうだ。」

謎の声と共に体に感覚が戻り始めた。
 「ん・・んぁ・・・こ、此処は?」
見た目は20~23ほど、身長は180前後だろう。がっちりとした体系で、顔はなかなか男前だ。
目を覚ました彼は一人だった・・・周りには誰もいない。
 「いったい何が? 俺の名前は? 此処はどこなんだ・・・街? それに・・・それに・・・・」
彼はさまよい続けた。街はなかなかの広さを持っているようだ。
 「建物はあるが人はいない・・・いったいどうなっているんだ?」
しばらくすると街の出入り口と思われるところについた。
 「こ、これは・・・なんなんだ!?」
看板には【古都 ブルネンシュティグ】と書いてあった。街の名前はブルネンシュティグ。
しかし彼は看板には見向きもしなかった。なぜかというと出入り口と思われる黒い壁。
真っ黒で、そこに世界がないようであった。その黒い壁の前にぽつんと青い円状のエリアがあるだけ。
 「これは・・・いったい・・・何処まで続いているんだ・・・」
 「それは何処にも続いていないわ」
 「!?」
突然の声に彼は振り向いた。 そこにはまだ10歳であろう少女が立っていた。
 「君は何か知っているのか? 知っているなら教えてくれ!」
彼女は大きなため息を一つ。
 「いいわ、教えてあげる。此処はブルネンシュティグ。」
 「ブルネンシュティグ?」
 「ええ、この街の名前のことよ。今この街には私と貴方しか居ない。」
 「どうして?なんで!」
彼女は首を振りながら答えた。
 「今はその質問には答えられない。代わりに教えられるだけのことは教えるわ。」
彼女は青いエリアに指差した。
 「あれはポータル。この街と外をつなぐゲート」
 「ポータル・・・ゲート・・・」
 「そしてその黒い壁は何の意味も成さない、ただ[有るだけ]のもの。」
彼女は淡々とこの世界について語った。

 (この世界は別の世界。此処に居る人間は全て他の世界から送られてきたらしい。俺もその例外ではないようだ。
  そして、人間が極端に少ないということ。この街に人が居ないのはそのせいかもしれない。
  一番気になったのが街の外には[モンスターが居る]ということだった。)

530 名前:露店放置の暇人 投稿日:2006/10/12(木) 15:43:03 [ Z2eQVQ5U ]
 「外に出るときは十分に気をつけてね。武器を装備しなければ戦えないわよ。」
 「武器って・・・銃とかナイフとか?」
 「ええ・・・でもこの世界には銃は存在しないわ。有るのは剣や槍、斧くらい。」
 「へぇ、じゃぁ武器は何処にあるんだい?」
 「多分貴方が望めば手に入るかもね。」
そういわれて彼は両手を前に突き出し、念じてみた。
 (俺に剣を!・・・なんてな。後であの子がくれるんじゃないか?まぁ、思ったところで・・・ん?)
 「うわっ・・・く・・なんだいきなり・・・」
彼の手には少々重いが両手で持つほどではない大きさと重さの剣が握られていた。
 「・・・貴方は剣士ね。」
 「剣士?俺がかい?」
 「ええ、その剣は片手で扱う剣。片手に剣を持ち、片手に盾を持つ。それが剣士。」
 (俺が・・・あのゲームに出てくるような剣士だっていうのか?)
 「しかし・・・いったいこの世界はどうなっているんだ?」
彼は戸惑っていた。自分の名前もわからないのに、自分は剣士、外にはモンスターも居る。
 (まさかこれって・・・・ゲームの世界か!?・・・なんてな)
 「しかし・・・これってまさかこの世界って・・・ゲー」
少女がいきなり口を挟んだ。
 「とにかく、その剣で外の敵を倒すの。戦闘を積めば強くなるわ。」
 (いったい今のは?・・・まさか本当に!・・・・・そういえば)
 「そういえば、君の名前は?」
 「私? 私は・・・そうね、ドロシーでいいわ。ドロシーって呼んで。」
 「ドロシーか。これから、よろしく頼むよ。」
 「ええ・・・」
少女は少し悲しげな表情で返事をした。
 「あっそれから、これ、コンパス。方角を知っておくといいわ。あげるから。」
 「あぁ、ありがとう。」
 「西口から出るといいわ。出方はポータルの上に立つの。全てのポータルは同じ仕組みだから。」
 「何故西口から?」
 「敵が弱いからよ。街から離れれば離れるほど敵は強くなっていくの。コボルトって敵を倒しなさい。」
 「コボルト・・・わかったよ。やってみる。」
 「気をつけてね・・・私は傷を癒すアイテムを売っているから。
   お金が貯まったら買いなさい。お金はモンスターが落とすわ。」
 「あぁ・・・」
 (ゲームか・・・元の世界では俺もRPGというゲームをやってたのかな・・・
   脳波をそのままゲームの世界に送り込む・・・とか出来るかな? とにかく今できることをしよう。)

彼にとってドロシーと会った事は精神的によかったらしい。
特に他の人間の存在、この世界のことを知れたことはとても精神安定につながっていた。



此処まで書いて。疲れた、露店の物が売れてた等の理由でこの話は終わりを迎えました。
いつか続編書けないかな・・・

531 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/14(土) 06:39:53 [ N1B0JemI ]
Love song to give last (最後に捧げる愛の歌)

 ある日、天から光が落ちてきました。
 それはいくつもいくつも、流れ星の様に地へと降り注ぎました。
 ある人はそれを怖れ、ある人は物珍しさに光を見つめていました。
 しかし、それっきり何も起こらなかったので、大体の人々は何時も通りの平穏な日々を過ごしました。
 以前と比べて、唯一変わった事と言えば、旅人が増えたくらいでした。
 中でも紅い髪の異邦人の親子は、道行く人々の目を惹きましたが、だからといってどうと言う事もありませんでした。
 これは、まだまだ世界が平穏だった頃のお話。

 ある村に男の子がいました。
 その男の子の名前は有り触れていて、この話が人から人へ伝わる内にうやむやになってしまいました。
 だから、正確な名前を知っている人は、今は誰もいません。
 その子の父親は、随分と早くに亡くなっていました。だから、母親と二人きりで暮らしていました。
 その子は、村の他の子供達に比べて、随分とひ弱でした。力は、他の子と同じ位か、もしかしたら誰よりもあったのかもしれません。
 でも、誰よりも長続きしませんでした。
 飽きっぽい性格だったのではありません。堪え性と言いましょうか、スタミナが誰よりもなかったのです。
 みんなと鬼ごっこをすれば、一番に息を切らせて年少の女の子に捕まったり、お手伝いで荷物を持たせれば、誰よりも早く根をあげました。
 彼は、そんな自分の不甲斐なさを気にしていました。

 ある日、その男の子のお母さんが、風邪をひきました。風邪は一向に良くならず、毎晩せきをしては唸っていました。
 それを見かねた少年は、山に向かいました。
 山奥にあるお花畑に、風邪に良く効く花が咲いているのです。
 しかし、道中の坂は急で、何より距離がありました。
 お母さんは少年のスタミナのなさは知っていましたから、もちろん止めました。
 もう二〜三日すれば、狩から村の男たちが帰ってくるので、その時に頼むから良いと言いました。
 しかし、少年は聞きませんでした。
 「大丈夫だよ。僕だっていつまでも弱虫じゃないからさ」
山を登りきれる自信はありませんでした。しかし、お母さんを楽にしてあげたい一心で、強がってみせました。
 お母さんはついに観念したのか、止める事をやめました。
「無理せずゆっくりでいいから、気を付けて行って来るんだよ」
 
 鳥がさえずる山の中、少年は走りました。
 無理をしなくてもいいと言われましたが、走らずにはいられませんでした。
 何より、お母さんが苦しんでいると思うと、不思議と息が切れませんでした。
 そして視界が急に開けて、辺り一面に広がるお花畑が眼に飛び込んできました。
 少年はいつもの何倍もの早さで、そこに辿り着いたのでした。
 「やった!」
 それは初めての事でした。初めて山を休まずに走りきった事、お母さんに早く花を届けて上げられること。
 それらの事がいっぺんに思い浮かんで微笑んだ時、少年は転んでしまいました。
 身体が、なぜかぴくりとも動きません。息も、死んでしまうかと思うくらい苦しいのです。
 そのまま、泥沼で溺れるように呼吸を繰り返しました。
 息の苦しさと自分の情けなさに泣きそうになっていると、お花畑に人影が見えました。
 お花畑の真ん中に腰を降ろして、花輪を編んでいるのは、それは可愛らしい女の子でした。
 肩から流れる髪の毛は、陽に照らされて紅蓮に輝き、マシュマロの様なほっぺは、紅をさしたように薄っすらと赤らんでいました。
 彼女が立ち上がれば、さらさらと純白のスカートは風になびき、お人形さんの様な完成された愛らしさを引き立てました。
 そして、その娘がこちらの方を向いた時、少年は呼吸する事を忘れました。息が苦しかった事さえ忘れました。
 女の子が歩いてきて、少年の鼻っ柱に顔を近づけてこう言いました。
「はじめまして。私はラティア。あなたはだぁれ?」
 村にいるどんな女の子よりも綺麗な、琥珀色の瞳に見つめられ、少年は馬鹿みたいに口を開けるばかりでしたが、やっとの事で自分の名前を言ったのでした。そして、これまでのいきさつを話し、風邪に効く花を集めなければならない事。でも、息が死ぬほど苦しくして、身体が動かせない事などを伝えました。
 面白いもので、どんなに息が苦しくて、身体は動かなくても、なぜか口は回りました。どんなにひ弱でも、少年はやっぱり男の子でした。
 それを聞いたラティアという女の子は小首を傾げると、スカートのポッケから紅い小瓶を取り出しました。その中身を口に含むと、なんと口移しで少年に飲ませたのです。
 そして、悪戯っぽく微笑むとラティアは言いました。
「えへへ、楽になったでしょ?」

532 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/14(土) 06:40:42 [ N1B0JemI ]
 
 ラティアから薬を貰った少年は、言われたとおり不思議なくらい身体が楽になりました。
 そして、ラティアと一緒に花を摘みました。
 花を摘みながらお互いの事を、話しました。
 ラティアはこの先にある小屋で、お母さんと二人で暮らしている事。いつもこのお花畑で遊んでいる事。
 少年も、お母さんと二人で暮らしている事。村の男たちが狩に出ている事。そして堪え性が無くて、悩んでいる事。
 二人ともどんな話題になっても、楽しそうに話しました。
 花を充分に摘み終わった頃、礼を言って去ろうとする少年にラティアは言いました。
「ねぇ、堪え性がつくおまじないしてあげようか」
少年が意味を図りかねていると、続けていいました。
「私とずっと一緒にいるっていう約束をするの。そうすれば、どんなに苦しくても耐えられるんだよ」
「でも、僕は帰らなくちゃいけないし、第一お母さんと一緒にいなきゃいけないよ」
そう少年がいうとラティアは笑いました。
「もう、鈍いんだから。さっきのはファーストキスなんだからね」
少年は、気付きました。いくら少年が野暮でも、ファーストキスの意味を知らないはずはありませんでした。
「それって、結婚するってこと? まだ僕たち子供じゃないか」
「私とずっと一緒にいるのは、いや?」
そう言われると嫌とは言えません。何よりラティアは可愛かったですし、少年は彼女から目を離せなくなっていたのです。
 そのまま、二人はキスをしました。そして、子供ながらだったのですが、本気で将来を誓い合いました。

 それから、数年経ちました。少年は立派に成長していました。そして何より、以前のようにひ弱ではありませんでした。
 ラティアと、ちゃんとしたキスをして将来を誓いあった後、少年は山を全く休むこと無く降りることができました。
 そして、お母さんが元気になった後、すすんで狩から帰ってきた男たちの手伝いをしました。
 村の男たちは、少年の堪え性のなさを知っていましたので、たいして期待していませんでした。
 しかし、その期待は見事に裏切られました。少年は大人たちと同じ位か、それ以上に働いたのです。
 しかも、へとへとになった大人達に比べて、全く疲れた様子を見せません。
 それ以降、少年は村の誰よりも長く働き続ける事が出来ました。
 周りの人間が動けなくなっても、まだ少年は仕事を続けている事もあったくらいです。
 そして、実は村のどの子供達よりも力があったので、誰よりも荷物を多く運びました。
 人々は不思議がりました。しかし、きっと少年が並々ならぬ努力をし、短所を克服したのだろう言う事で、微笑ましく見守っていました。お母さんが風邪をひいた時に、一人で山へ花を取りいったと言う事を知っている人は、それがきっかけになって成長したのだろうとも言いました。

 それから、また数年経ち少年は青年へと成長していました。
 もうひ弱だった頃の頼りなさはありません。
 お嫁さんを貰える歳になったので、ぜひうちの娘を嫁にというお誘いは幾つもありました。
 しかし、村一番の良家の娘さんや、村一番の美人の娘さん、村で一番気立てのいい娘さんの話もことごとく断りました。
 何故ならラティアがいたからです。
 あの日以来、彼は暇を見つけては山を駆け登り、ラティアとおしゃべりしました。
 話す内容は村での出来事や、お手伝いに行った仕事場の親方に褒められたことや、お坊さんが最近村に教会を建て始めた事。
 それ以外にも沢山ありました。
 青年は立派になっていましたが、ラティアも負けないくらい美しく成長していました。
 紅蓮の髪は流れる滝の様に肩から腰に落ち、花を愛でる瞳は憂いを感じさせる程、切無く潤んでいました。
 少女の頃にはなかった胸も控えめながら膨らみ、胡蝶蘭のような可憐さがあわたっていました。
 そして、以前は丸くて可愛らしいかった顔立ちも、今は白刃の様にスッと伸び、陶器の様な肌の白さと相まって、名画の中に佇む婦人のようでした。
 そんなラティアが、あまりにも楽しそうに話を聞くので、青年は口が渇くのを忘れ、ずっと喋り続ける事も多々ありました。
 ある時、ラティアは言いました。

533 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/14(土) 06:41:58 [ N1B0JemI ]
「ねぇ、約束覚えているよね?」
さも意外だという様に、青年は言いました。
「覚えているも何も、今もずっと一緒じゃないか」
「そうじゃなくて。そろそろ私と一緒になってくれても、いいでしょ?」
「そうだね。一緒に暮らそう。母さんも、きっと君を気に入ってくれるよ」
嬉しそうに話す青年に、ラティアはかぶりを振って言いました。
「そうじゃなくて、二人きりで暮らしたいな。その方がいいと思うの」
寄り添い頭を預けてくるラティアに、青年は言いました。
「それは出来ないよ」
寄り添うラティアの髪を撫でながら続けました。
「最近、お母さんが変なんだ。急に年寄りみたいになってしまったし、ベッドから出れないことも多いんだ」
そうです。ずっと前から青年のお母さんは、老け込んだように元気がなくなっていました。
 そんなお母さんをほうっておけるはずはありません。
「だから、お母さんと離れる事は出来ないんだ。わかって欲しい」
「お母さんはそんなに悪いの?」
「ああ」
ラティアはスカートのポケットから、紅い小瓶と青い小瓶を取り出し、青年に手渡しました。
「これをお母さんに飲ませて上げて。少しは良くなるはずよ」
そう言うと、瞳を閉じてキスをしました。長いキスの後、二人はお花畑に沈み込みました。

 それから、一日に一本ずつラティアから貰った小瓶を、お母さんに飲ませました。 
 するとお母さんは有る程度元気になりましたが、それでも日に日に弱っていきました。
 そして、その日はやってきました。
 もう何も飲み込むことが出来ないほど弱ったお母さんの手を握り、青年は泣いていました。
 その横には、ラティアも一緒にいます。
「泣くんじゃ無いよ、女の子の前で。私はね、嬉しいよ。あんなだったお前が、こんなに立派になってくれて。それにこんな綺麗な人をお嫁さんに貰えるんだろ? もう、思い残す事は無いよ。あたしは幸せだったから、あんたも幸せにおなり。そして、そこのお嬢さんを幸せにして……やるんだよ」
途切れ途切れに言葉を放ち、最後にゆっくりと息を吸い込んで息子を見つめた後、お母さんは天に召されました。
 その一晩中、青年の泣き声が響きました。
 
 お母さんの葬儀が終わった後、二人はお花畑に寝転がっていました。満月が二人を照らします。
 青年が口を開きました。
「母さんは……、俺のせいで死んだのか?」
泣きながら、ラティアを見つめて続けました。
「村の坊さんに言われたんだ。俺は呪われていると。身体が疲れないかわりに、周りの人間に瘴気を振り撒いていると。俺のせいなのか?」
「違うわ。全部私が悪いの。あなたに呪いをかけたのは私だもの」
「違う! 全部俺が悪いんだ! 俺が弱かったから、不甲斐なかったから誘いに乗ってしまった! 俺が母さんを殺したんだ!」
泣きながらラティアを抱きしめた青年は震えていました。
「君の望みは何なんだ? なんでこんな事をしたんだ」
「私は、あなたとずっと一緒に居たかったから。だから、あなたがずっと一緒に居るって約束を……契約をしたの」
「ラティア……」
「あなたの話を聞いていて楽しかった。村の友達の事、大人たちの事、いろんな出来事。わたしの周りに無い事ばかり話してくれた。だから、何を聞いても楽しかった。私には、友達だって居ないから」
「友達になって欲しいから契約をしたのか?」
「あなたは友達なんかじゃないわ。ずっと一緒に居て欲しい人。一番大切な人。……一目見た時に、ずっと一緒に居たいって思ったわ。だから、契約してでも一緒に居たかった。あなたの為なら、私がどんな事になったって良かった。だから、契約したの」
「口ではどうとでも言える」
「ここでした事は、遊びじゃ無いわ」
ラティアは自分のお腹に、青年の手を導きました。
「そうか……。ごめんな」
「いいの」
二人は静かにキスをしました。青年は静かに囁きました。
「気付いているか? 囲まれてる」
「大丈夫。抜け道があるから。合図をしたら走って」
風が無いはずなのに、花々がそよぎました。そして、突然花びらが撒きあがると、二人を覆い隠しました。
 花びらが落ちた時、二人の姿は何処にもありませんでした。

534 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/14(土) 06:43:53 [ N1B0JemI ]
「何処に行った!?」
「こっちにはいない!」
「探せ! まだ遠くには行っていないはずだ!」
山に次々と、灯りがともりました。坊主に指示された村人達が、青年とラティアを浄化するために、山を駆け回っているのです。
 二人は村人の声を聞きながら、必死に山道を下りました。
 抜け道と言うだけあって、かなりの急勾配です。木々の枝が邪魔してなかなか進めません。
 そして、石が剥き出しになった坂にさしかかった時、それは起こりました。
 ラティアが足を滑らせてしまったのです。慌てて庇う様に青年はラティアを抱き、一緒に転げ落ちました。
 それが不運でした。ラティアは怪我をしていませんでしたが、血まみれでした。その血は青年のものでした。
 一緒に転がった青年は、運悪く太い木の幹に首を裂かれ、そこから鮮血を吹き上げていました。
「い、いやだ。いや、死なないでっ! いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!」
ラティアは半狂乱になりながら、青年の首を押さえました。しかし、動脈の血流は激しく、どんなに押さえても止まりません。
 首の傷も、契約により塞がろうとするのですが、吹き出る血に押されてなかなか塞がりませんでした。
「ここか! おい、見つけたぞ! ……っ! お前、そいつに何をしているんだ!?」
ついにラティアを見つけた村人達は、血まみれになりながら、青年の首を押さえている彼女を見て、激昂しました。
 当然でしょう、坊主に悪魔だと言われた女が、青年の首を締めているのですから。しかも、青年の血でずぶ濡れになりながらです。
 怒りにませるがまま、何人かの村人達が手にした手斧で、ラティアに切りかかりました。
 しかし、その切っ先が届く事はありませんでした。
 ラティアの周りに集った村人達は、突然地面から突き出た地竜虫に喰われてしまったからです。
 運良くか運悪くか、一飲みにされなかった者も咀嚼され、断末魔でさえ砕けた骨肉とともに飲み込まれてしまいました。
 辺りがしんと静まりかえっても尚、ラティアの叫びは止みませんでした。
 既に青年の血は止まっていました。同時に心の鼓動も止まっていました。

 夜が明けました。ラティアは青年の遺体に膝枕しながら、朝日を見つめていました。
 青年の身体は、腐る様子がありませんでした。首の傷もすっかり治っていました。
 しかし、一度抜けた魂は、二度と器に戻る事はありません。例え、契約や魔術によって身体の状態が完璧になったとしても、完全に元に戻ることなどありえないのです。
 抜け殻となった青年の身体を撫でながら、ラティアは静かに涙を流し続けました。
 半日過ぎた頃、ラティアは唄を謡い始めました。その声音は悲しく、どんな生き物も元気が無くなる様な歌声でした。
 その唄が謡われ始めてから、腐る様子すら見せなかった青年の身体は、ゆっくりと甘いような、酸いような臭いを発しはじめました。

 それから。
 半年後に花を採りに行った人によれば、腐った死体に膝枕をしながら、悲しげな唄を謡う女がいたという話があったそうです。
 その一年後、その場所には死体が白骨化しても尚、膝枕をしながら謡う女がいたという話もあったそうです。
 そして今、その場所には、二つのしゃれこうべが寄り添っていると聞きました。片方には小さな角が生えていたとも。

 これが、私が伝え聞いた話の全てです。
 私達は、冒涜する為にこの唄を、鎮魂歌を謡っているのではありません。
 あなた方の様な偽善者が、これ以上魂を冒涜できないように謡っているのです。
 私は、母の様に愛する人と出会う事はありませんでしたが、祖母から愛の何たるかは学んだつもりです。
 今はただ、ここで眠る人々の安らぎを約束したいだけなのです。
 だから、私の邪魔をしないで下さい。
 お願いしま…………



「愛を語るんなら、戦場以外で語るんだな」
                Love is over -終-

535 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/20(金) 17:17:06 [ xJi8rg6E ]
>>531 >>532 >>533 >>534
泣いた

536 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/22(日) 01:33:05 [ pW/IKbZM ]
さて今さっき見た夢の話から思いついた話だ。
ぶっちゃけ赤石関係無くなりそうだがそこはスルーだ。


・・・頭が痛い。二日酔いか?いや酒は飲まない。
ならなんでここまで頭が痛くなるんだ・・・。
「おーい」
誰だ?ってかどこに居る?周りを子供みたいに見回すが何も無い。
ってかここどこだ?
「おーいそっちじゃねぇよ。上だよ上」
なんだ上か。って・・・
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
上を向いたらいきなり空中浮遊してる奴が居る。
・・・ちょっとチビりそうになったのは永遠の秘密だ。
「おいおいそう驚くなよ。死神でもないしただのゴーストだ」
一瞬何を言ってるのか分からなかったが分かった瞬間体全体から汗が噴きだした。
ゴーストだぜ?お化けだぜお化け。死神のほうが怖いかもしれないが
いきなり「俺ゴースト」なんて言われたら吃驚するぜ?
「おっすオラゴースト!よろしくな!」って陽気なオッサンみたいに言われても驚くぜ?
・・・一通り落ち着いてからとりあえず質問をしてみた。
「お前がゴーストなのは分かった。とりあえずここはどこだ?」
今思えば俺は周りの景色よりゴーストのほうに数倍驚いてたようだ。
よく見ると俺が寝ていたはずの部屋ではなくなっている。
簡単に言えば草原に近い感じだ。
「ここは見たとおりの場所。草原だ」
・・・俺の質問のしかたが悪かったのか?まぁいいや。
「んでそのゴーストさんとやらはいったい俺に何か用でも?」
「あぁそういえば忘れてたな。こんな所で昼寝なんて何考えてるんだ?って言おうとしてたんだよ」
こんな所と言われてもな。ただの草原じゃないのか?
・・・と思ってたけど違うみたいだな。ゴーストとか言うのも俺の顔を見て
俺がここがどんな場所かを把握したのに気付いたようだ。
「・・・まぁあれだ。こんなとこで昼寝しててよく生きていられたな」
まぁ気付いたらここに居たんだ。しょうがないだろ。
とりあえず今すぐここから逃げたい。ってか俺の部屋に帰りたい。
明日新作のエロゲの発売日だし。しかも明後日は好きな子に告白する予定だし。
・・・そんなこと考えてる暇があったら足を動かそうかな。
物凄い勢いでこっちに向かってくる剣持ったムチムチボディの男が走ってくるんだもん。
たぶん・・・いや絶対にだ。捕まったら殺されるだろうな。
お前ら純粋に考えてみろ。剣持って何か物凄いニヤけたムチムチボディで殺すってオーラ出てたら
まず殺されるって思うよな。ってかそもそも剣持ってる時点でアウトだろ。
銃刀法違反で捕まるだろ。あぁあれか。警察もあんな奴に近付きたくないってか。
今俺の目の前で奇声上げながら剣振り回してる危険人物を捕まえてくれる奴。
明日買うエロゲ譲ってやってもいいから助けてくれ。
・・・神に願いが通じたのか一瞬で男が吹き飛ばされていた。
っておいおいおい。俺なんで剣なんて持ってるの?
ってか何時振り回した?俺こんな無駄にでかい剣持ってたっけ?
色々と思ったが考える暇はないようだ。気が付くと奇声男が喰われていた・・・。
ってはぁ?なんで犬とおっさんみたいなのが人喰ってるんだ?
と思ったがまぁいいや。これでも俺はバイオハザードのベリーハード的な奴をクリアしてるんだ。
・・・とりあえずどこか安全な場所へ避難するか。

537 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/22(日) 02:14:37 [ pW/IKbZM ]
とりあえず避難した。だってさ。流れ的に次俺が喰われるって感じじゃん。
そういえばゴーストとか言う奴は何処へ?
「ふぅ・・・助かった・・・」
一瞬殺意が芽生えたがとりあえず。
「ゴーストさん大丈夫かい?」
「あぁ大丈夫だよ。それにしても君以外と強いね」
こんなことを言われたのは10年ぶりだ。
10年ほど前に空手の大会かなんかで準優勝した後対戦相手から言われたっけかな。
まぁいいや。
「とりあえず俺って何時からこんな剣持ってた?」
「さぁ?そんなもん持ってたなんて気付かなかったぞ」
・・・とりあえずこの剣で殺そうか?ってオーラ出してみたけどスルーされた。
「えっとだ。俺は寝てたら何時の間にかこんなとこにきちゃったんだ」
「・・・お前この世界のことは知らないのか?」
はぁ?知らないに決まってるだろ。と言いたかったがとりあえず教えてくれるそうだから許す。
・・・話糞長いな。とりあえず簡単に説明すると
この世界はどうやら異世界のようで。んで俺は何かの拍子に異世界の扉を開いてしまったんだそうだ。
そしてこのゴーストとか言うのもそんな感じだそうだ。
んでこの異世界では自分が居た世界の体とは違う体になっているようだ。
ちなみにこの異世界では銃刀法違反も糞もなく
子供だろうが老人だろうが剣でも銃でも好きなだけ使っていいそうだ。
当然殺してもそこまで罪にはならない。しかもなんと魔法まで使えるんだそうだ。
ちなみに街には剣持ったムチムチ野郎とかモンスター引き連れたサーカス団とかも居るらしい。
魔法使いも宇宙人も狼男も天使だって居る。
・・・一言で言えばなんだこの世界。子供の想像の世界か?
それとも夢か?夢にしてはリアルだよな。もしかしたら色々出来るだろうな。
でもどっちかと言うとツンデレな女の子に召喚されて使い魔とやらをやらされてたほうが
何億倍も嬉しいだろうな。
「そういえばお前自分の体を見ても驚かないな」
たしかに俺はどんな感じになってるんだろうな。
早速見よう・・・ってなんじゃこりゃー!!!!
と言いたくなった。だってさ。
めっさ俺なんだもん。何一つ変わってない。
唯一変わったものはこの馬鹿力だろう。筋肉マンも吃驚なくらいだぜこれ。
もう今の俺ならあの陽気なオッサン倒せそうだな。
カカロットカカロット五月蝿いMハゲも倒せるくらい凄い。
いやこれは言いすぎか。でもそれくらい凄い。いやまじで。
「まぁあれだ。変わったのか変わってないのかは知らないがどちらにしてもどんまい」
「いやいやむしろこっちのほうが気楽でいいよ」
「ハハハ。まぁなんにせよ頑張ってくれ青年」
「ゴーストさんもね。とりあえず俺は街とやらに向かってみるよ」
「そうか。じゃあもし会いたくなったらこの場所まで来い。何時でも相手してやる」
「そりゃどうも」
ゴーストとか言うのは笑いながら俺の旅立ちを祝福してくれた。
旅立ちって言うのはおかしいか。
さてそろそろ行くか。さ〜て街でナンパしたり美女と遊びまくったりするぞ〜

538 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/22(日) 02:59:46 [ pW/IKbZM ]
・・・おぉ神よ。貴方は何故こんなにも純粋な青年を痛めつけるのですか?
あぁ面倒だ。なんだこの街は。暑いにもほどがあるだろ。
ぶっちゃけさっきの危ない草原に居たほうが安全だったかもしれない。
だってさっきのムチムチボディの奴が腐るほど居るんだもん。
ってかほとんどの人が武装している。子供ですら剣を持っている。
なんか半透明の奴まで居る。全くなんつー世界だここは。
とか思いながら歩いてたら人が少ない場所に着いた。
なんだここ?路地裏か?路地裏だ。
まぁそりゃそうだよな。路地裏には人が少ないとか常識だよな。
と思ったがそうでもなかったか。5~6人ほど人が居る。
一人はまた暑そうなコートを着た男。一人は雰囲気が暗殺者っぽい奴。
二人露出しすぎwwwって言いたくなるくらい凄い服を着た女性。
後は噂のサーカス団の団長らしき人が二人。ってかフードを被っててよく分からない。
身長からしてまだ子供だろうな。にしてもあんな子供がよく巨人とか引き連れてるよな。
・・・なんか話題がカオスだし近付くのはやめとこう。

とりあえず何をするか・・・。
まずは宿か?それとも飯か?それともナンパか?
ナンパはやめだ。武装してるし変に怒らせたら多分殺されるだろう。
飯はまだ腹へってないしいいや。と言うわけでまずは宿だな。
でも金ないから無理か。そういえばどうやって金を貯めるんだ?
俺NEETだぜ?バイトとかはっきり言えば面倒だぜ?
とか思ってたらいきなり話し掛けられた。
「あの・・・もしお暇でしたら・・・あの・・・その・・・」
あら?俺は何か怖がらせるようなことしちゃったのか?
まぁいいや。困ってるっぽいし。
「ん?どうしたのかな?」
「あ!・・・えぇっと・・・もし良かったら・・・手伝ってほしいことが・・・」
なるほど。ってか可愛いなおい。16歳前後の少女に話し掛けられるとは。
この世界。そこまで悪くないな。
「あ・・・すみません・・・無理ですよね・・・」
「そんなことないですよ。どんなことをすればいいのですか?」
「あ・・・ありがとうございます・・・。えぇっと・・・」
・・・つまりだ。母親が病気で薬草を探したいのだが一人では心細いと。
なるほどなるほど俺に任せてくれ。こう見えても俺は
夜コンタクトレンズを落としたとしても数秒で見つけられるほど物を探すのが得意なのだ。
「分かりました。では行きましょうか」
「あ・・・ありがとうございます。でも・・・モンスターとか・・・」
「あぁ平気ですよ。こんなんでも一応完全(?)武装した狂人を倒せるくらいですから」
そんなジョークを言って笑っていた俺が昔の俺。
今の俺。
ちょwwww何あいつwwwwwでけぇってwwwwwwwww
俺の目の前には身長約3mほどの巨人が居た。
ってかこの娘は一人でこんな怪物のところまで来ようとしてたのか?
まぁそりゃ心細くもなるよな。
だが今ここで俺がこの巨人をかっこよく倒したらきっと・・・フフフ考えただけで涎が・・・。
さてそんな余裕は無いよな。とりあえずこの馬鹿力でどうにかなるだろう。

・・・・・強いってか卑怯だぞ。そっちは五匹こちらは二人だぞ?
しかもお前らは巨人。こっちは生身の人間。
いくら武装してたとしても生身の人間がこんな巨人五匹を倒せるとでも?
と思ってたら襲っていきやがった。ちくしょう。
動きが鈍いのが唯一の救いか。棍棒のような物をあんま振り回すな。
岩を砕く破壊力。大木をも砕く破壊力。
あぁこの野郎。この少女は気絶するし抱えながら走るとなると結構きついぞ。
「だぁぁぁぁぁぁもう!!!!」
気合を入れて剣を振り回す。お!見事に命中。
腕を吹っ飛ばしただけか。だがもう武器は持てないだろうな。
でもまだ四匹か。とりあえず死ぬ気で行くか。この少女がどんなお礼をしてくれるのやら。

539 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/22(日) 03:19:11 [ pW/IKbZM ]
・・・なんかこうあっさりと終わっちゃった。
周りには巨人の死骸が五つ。
腕を切り飛ばした奴は抵抗のつもりなのかもう片方の手で岩とか投げてきやがった。
まぁなんつーか一発で仕留めないと駄目なんだな。
どうでもいいけどまだ気絶してるよこの娘。
あぁ・・・どうせならどんな薬草か聞いとけばよかった。
とりあえず起きるまで待つか。

「ん・・・あっ・・・大丈夫ですか・・・?」
やっと起きたか小娘が。さてお礼はタップリとしてもらうからな。
と言いたいがまずは・・・
「あの巨人みたいなのは倒しておきました。それで薬草はどんなもので?」
「あ・・・すみません・・・怖くて気絶してしまって・・・」
顔を赤くしながら言わないでくれ。これじゃあ襲いそうになる。
今襲ってしまったらお礼なんて受け取れないだろうしな。
「えっと・・・あれです・・・」
・・・この小娘は俺のことを怒らせたいのか?
なんでよりによって崖の上にあるんだよ。俺はてっきりこの巨人達が守ってる薬草かと・・・。
まぁいいや。今の俺に不可能は無いだろう。

・・・まぁ予想はしてたけど案外あっさりと終わった。
何がどうしたいのか俺はそのまま飛び降りた。
まぁ見事に足からグギッ!!と鈍い音が聞こえたわけで。
・・・とりあえず歩けるな。
「あの・・・大丈夫ですか・・・?」
「あぁこれくらいなら平気だよ。それよりはい薬草」
「あ・・・ありがとうございます・・・」
「さてじゃあ行こうか」

あ〜疲れた。さ〜ていよいよお礼を貰えるわけだな。
・・・なんて言えない。今目の前で少女が号泣してるのにこんなことなんて言えない。
感動の涙ではない。悲しみの涙だ。母親は俺達が帰ってきた時には既に亡くなっていた。
病気ではなく殺害されたようだ。しかもレイプされた後。
そうメモのようなものに書かれていた。
少女は半裸にされた血塗れの母親を見て泣いている。
俺はただ。抱きしめてあげることしか出来なかった。
その悲しみが少しでも癒えてくれるようにと願いながら。


・・・エロイ意味で抱いたんじゃないぜ?

540 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/22(日) 04:34:02 [ pW/IKbZM ]
少女は寝てしまった。
・・・もし目が覚めたら墓を作るのでも手伝うか。
とりあえず少女の母親の血を拭き取り服を着させてあげた。
・・・いや別にエロイ意味は全く無い。
さて・・・俺も寝るか。

・・・気が付くと朝だ。あれ?帰った時はもう夜だったのか?
まぁいいや。
・・・少女も起きたようだ。
「あ・・・昨日はすみません・・・」
「・・・残念でしたね・・・。でも酷いですね・・・」
「この辺りでは盗賊がよく出るんだそうです・・・」
「・・・行こうか」
「え・・・?どこへ・・・?」
「その盗賊とやらを殺しに」
「で・・・でも・・・」
俺は他人だろうとこんなにも酷いことをされていたと知ったら助ける。
それにこれも何かの縁だろう。人助けくらいさせてくれ。
「悪いね。これでも俺は巨人五匹くらいなら倒せるんだ。盗賊くらいなら負けないさ」
「で・・・でも・・・悪いですし・・・それに・・・もういいんです・・・」
「何がいいんだ・・・?」
「・・・?」
「親を殺されて・・・悔しくないのか・・・?」
「・・・・・」
「・・・ごめん・・・そりゃ悔しいよな。悲しいよな。分かってるみたいなこと言ってごめん」
「・・・私もごめんなさい・・・」
沈黙が続く。でも何も言えない。
・・・とりあえず墓作ってから行くか・・・。
目指す所も無しに旅に出るってのもまた馬鹿みたいだけどさ。

・・・でも待て。この少女は一人で暮らすことになるよな・・・。
ってことはまた盗賊とかがきたら大変じゃないか・・・。
それにこんな可愛いんだ。何をされるか分からない。
・・・ここは思い切って・・・。
「あの・・・今こんなこと言うのもあれだけどさ」
「?」
「もし良かったら一緒に旅に出ないか?行く先なんて何も考えて無いけどさ。
 それにもしまた盗賊とかがきたら大変だろ?だから一緒に行かないか?
 安全は俺が全て保証するしね」
「・・・分かりました・・・。でも迷惑じゃないですか・・・?」
「いやいやとんでもない。こちらこそ迷惑じゃなかったかな?」
「・・・嬉しいです・・・見ず知らずの人にここまで優しくされたのは初めてですから・・・」
「そうですか・・・。では準備が出来たら言ってください」
「はい・・・では準備してきます・・・」
そう言うと旅の準備を始めた。鞄に薬を入れたり武器を持ったりと色々大変そうだな。
そういえば俺はただ武装してるだけで薬とかは持ってないぞ?
ってか鞄すら持っていない。・・・どこかで買えばいいか。
そういえば名前聞くの忘れてたな。準備が終わった時に聞けばいいか。

しばらくした後に終わったようだ。では早速・・・。
「そういえばまだお名前をお聞きしてませんでしたね」
「あ・・・すみません・・・私の名前は「ドガガガァァァァァァァン!!!!」
ちょwwww何この物音wwwwwww名前聞けないってひでぇwwwwwww
なんて言ってられないか。昨日の巨人達がボスっぽい奴連れてきやがった。
今度は20匹・・・いや30匹か?とデカいのが1匹。どうやらこいつがボスのようで。
さてさて二人だけで30匹倒せとかふざけてるだろ。
ってかボスらしき奴5mはあるぞ。いや・・・遠くに居るからなだけで実際にはもっとありそうだな。
こんな可愛い少女と俺だけで勝てるのか?
・・・まぁ少女が気絶しなかっただけが唯一の救いか。
さて・・・こんな時はたしか誰かが助けてくれるはずだ。
主人公とヒロインのピンチだ!って時に物凄い速さで現れて敵を片付ける奴がくるはずだ!
・・・まぁそんな面白いことは無いよな。
よし!ここはヒロインのキスかなんかで主人公がパワーアップするって・・・
これも無理か。しょうがない。諦めて1匹づつ倒していくか。
お?どうやら少女は弓を使うようで。
とりあえずこれならいけそうか?俺がこの娘を補助しつつやればなんとかなるな。
「よし・・・じゃあ娘さん。準備はいいか?」
「・・・怖いけど・・・頑張ります・・・」
「じゃあ・・・死ぬんじゃないぜ?」
「・・・貴方も・・・」


なんかかっこいいな俺wwwwwwwwwwwwww

541 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/22(日) 06:33:35 [ pW/IKbZM ]
ね・・・眠れない・・・orz

さて5匹ほど倒したら「おっこれはいける!!」と思いました。
10匹目できつくなりました。15匹目でもう勘弁してください。
20匹目もう死ぬって俺死ぬって。後10匹。
相変わらずボスみたいな奴がデカくてうざい。
ってかお前戦えよ。部下に任せて自分は鼻歌ですか。
とか言ってる間に雑魚を全滅させたぜ。
・・・え?矢がもう無い?じゃあもうお前気絶してろよ。
ってか隠れててくれね?それか予備の矢あったらそれ使ってくんね?
「グワァァァァァァァァ!!!!」
うるせぇなこいつ。悪者の強い奴気取りですか?
所詮殺される運命のお前が何でしゃばってるんだよ。
あぁうざい。とりあえず矢が頭に刺さっても死なないってどういう体だ?
さっきから腕切ったりしてるのにすぐ再生しやがる。
ピンク色の自称恐怖の魔人と戦ってる感じがした。
それとも人造人間の虫みたいな奴か?まぁいいや。
あぁ周りがこの腐れ野郎の腐った腕で埋まりそうだ。
と思ったら土の中に消えていった。なんだこれ?
・・・そういえば再生する奴はどこかに弱点があるはずだ。
核を潰すとか再生出来ないくらい完全に消滅させるとか・・・。
無理だな。でもどこかに弱点があるはず。
まずは心臓を・・・ってもう既に矢が貫通してるよな。
頭をぶっ潰せば・・・そうだね矢が頭を貫通してるね。
腹を狙えば・・・そうだねもう矢が貫通してるね。
ちくしょう俺が狙ってるところを正確に狙い撃ちしてやがる。
これじゃあ俺は完全に腕を切り落とすだけじゃないか。
いやむしろそれでいいのか。何を言ってるんだ俺。
あぁうざい。しばらくこの巨人の顔は見たくない。終わったらもうこの少女の可愛い裸体でも(ry
「いっ・・・・・・・ってーーーーーーー!!!!!!」
棍棒が直撃しやがった。なんだこの痛さは。
あぁこれ死んだかもわからんね。
って痛っ!ちょっと待て馬鹿。瓶をこっちに投げるな。
と思ったがどうやらこれは回復薬のようだ。さて飲むか。
ゴックンと。あ〜美味い。これ結構いけるね。今度からこれを水の変わりに・・・って
やばいwwwww少女がやばいってwwwwwwww
俺は巨人の背中をおもいっきり斬った。
「グギャァァァァァァァァァ!!!!!!!」
「うるせぇ糞野郎!!!!」
もう一回やったら巨人がその場に崩れ去った。
なんだ。背中が弱点だったのか。俺は安心した顔で少女のほうを向いた。
おいおい今頃気絶するなよ馬鹿。
なんてことを思いながら近付こうとした瞬間。
「グガァァァァァァァァァァ!!!!」
またか?そろそろ消えろよ。と思ったが不意をつかれたことだけあって
さすがに腰が抜けてしまった。あぁもうだめだ。
巨人が最後の一撃を!!!!って顔でこっちに向かってくる。
あぁさようならこっちでの俺。まだ色々やりたかったな。
「グギャァァァァァァァ・・・」
ドダァァァァァァァン
物凄い音が周りに響いた。ってか最後までうるさい奴だったな。
どうやら頭を完全に吹っ飛ばされたようだ。
誰だよこんなことした奴。と思ってたら。
「おーい。上を向け青年」
この声・・・まさかと思ったけどゴーストだった。
「まさか君がオーガと戦うとはな。こりゃ面白いハハハ」
「うるさい!!俺が好きでこんな奴らと戦うとでも?」
「ハハハ。まぁよくもまぁここまでやれたなぁ」
・・・にしてもあれだ。なんでこんなギリギリなタイミングで助けたんだ?
そう問い掛けたら「そっちのほうがかっこいいから」とか抜かしやがった。
殺すぞゴースト。まぁ何はともあれ助かったわけだ。

しばらくゴーストと話していると少女も起きたようだ。

542 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/23(月) 01:47:32 [ pW/IKbZM ]
眠れない夜には考え事をすれば眠れるよと言うので>>541の続き書くぜ。

少女はすぐゴーストの存在に気付いたようで。
って何その顔。目の前にまるでモンスターが居るかのような顔をしている。
・・・ちょっと可愛いじゃないかこの野郎め。
「・・・何故ゴーストが・・・?」
・・・え?ゴーストが居ちゃやばいの?
「ゴーストが居ちゃ駄目かい?」
「!!!」
何この二人。壊れたのか?別にゴーストの1匹や2匹いいだろう。
って思ってたのが前の俺。今の俺は・・・
ちょwwwwゴーストってモンスターだったのかよwwwwww
俺はてっきり優しいお兄さんなのかと。
・・・まぁ違う世界からきた奴だし中身は普通の人間だって言ってたしな。
「・・・なるほど・・・でもモンスターが人に優しくしても平気なの・・・?」
え?駄目なの?別に全部のモンスターが酷い奴ってことじゃないだろ。
「ぼくわるいスライムじゃないよプルプル」って感じの奴と同じだろ。
「・・・まぁ多少は警戒されてるさ。けど別に俺の自由だろ?」
「・・・たしかに自由ですが・・・命を狙われたりとか・・・」
「心配してくれるのはとても嬉しい。だが俺は自由に生きたいんだ。ただそれだけ」
お前は自由に生きるためなら命を狙われてもいいのか?
・・・こいつ絶対ギャンブラーだな。うん。ギャンブラーの心得って本読んだ俺が言うんだ。
確実にこいつはギャンブラーだ。絶対。
そういえばこの少女も違う世界からきたのか?とりあえず聞いてみるか。
「そういえばちょっと聞きたいんだが・・・いいかい?」
「・・・なんでしょうか・・・?」
「えっと。君は違う世界からこの世界にきた人かな?」
「・・・?」
おっと質問のしかたがストレートすぎたか?とりあえずもう一回質問するか。
「おっと失礼。えーっと君は何時からこの世界に?」
「・・・?それはつまり私が産まれたのは何時か?と聞いてるのですか・・・?」
・・・あら?俺の質問のしかたはやっぱ駄目なのか?
なんて質問をすればいいのかって考えてたら急にゴーストが小声で
「(おい・・・お前はこの世界に居る生物全てがどこか違う世界からきたとでも思ってるのか?」
まぁ思ってるさ。お前がそんな感じに説明してたしな。
って言うと「あwwwごめんwwwww」って顔してきた。
・・・やっぱうざいなこいつ。
とりあえず謝っとくか。
「あ・・・変な質問をしてしまってすみません・・・」
「・・・間違えは誰にでもありますよ・・・」
あぁ・・・なんかすっげぇ恥ずかしい。この恥ずかしさを例えるなら・・・。
隠していたエロ本を妹か弟か母親に見られた時くらい恥ずかしい。
おいそこのゴーストニヤニヤするな殺すぞ。
・・・あぁ恥ずかしい。さて旅に出るぞ旅。
そう少女に言ったらゴーストが「俺も行っていいか?」とか抜かしやがる。
もうお前帰れ。な?たまに様子見とかしてやるからさ。
せっかくこんな可愛い娘と二人っきりで冒険が出来るのにさ。
おぉ神よ。何故貴方は俺の邪魔をするのです?
・・・まぁいいや。人が多いほうが何かと楽とか言ってたし。
少女も賛成しちゃったし。多数決やったら確実にゴーストきちゃうだろうし。
もういいや。さてさっさと行こうかな。またオーガとかがきたら最悪だしな。
いよいよ本格的に俺の冒険が始まろうとしている。
正直どきがむねむね。でも正直オーガ30匹とかは勘弁。まじ怖い。
さ〜て冒険の始まりだ〜いwwwwww


その前に鞄と回復薬買わせて。正直そのくらいは俺も持ってたいから。

543 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/23(月) 03:31:17 [ pW/IKbZM ]
鞄と回復薬・・・案外安いな。
さっきのオーガから出てきた変な物体売ったら結構な金になった。
うはwwwwいきなり金持ちwwwwwww

さ〜ていよいよ冒険の始まりだ。
街の外に出たらもうモンスターだらけで死体だらけ。
まさに地獄って感じのを期待してた時期が俺にもありました。
なんだよここ。すっげぇ平和。街より涼しいし。そして何よりお花畑がある。
楽園か?それとも天国か?まぁいいや。
「さ〜てここから結構歩くといっきにモンスターが凶暴になるぞ」
・・・ちょっと待て。何それ?ってことはつまりここは
ドラクエで言う最初の街の周りって意味か?
あ〜・・・まぁいいか。さ〜て旅だ〜凶暴なモンスターでもなんでもこい。

・・・あ〜・・・ごめん。さっき言ったことは無かったことにしてくれ。
何あれ?槍持ったあの狐と犬が合体した感じのあれはなんだ?
あとそこに居るミイラはなに?ゾンビはなんだ?そして周囲の砂漠はなんだ?
暑いし怖いしもうね。地獄だよ地獄。
「オラァァァァ!!!」
なんて言って剣振り回してるけど俺正直めっさ自信なくした。
槍持った変な奴怖い。ミイラ怖い。ゾンビ怖い。
あぁ泣きたい。もうね。泣きたい。周りでは火が飛んだり矢が飛んでる。
「ギャ!」とか「グワァ!」とか聞こえる。
たまに「キエエック!!!」とかも聞こえる。
なんか馬鹿にされてる気がして嫌になる。あぁもうゾンビ邪魔だっての。
・・・そういえば俺まだ1匹も倒してないな。
ほとんど焼け死んでるか急所に矢が刺さって死んでる。
気が付くとモンスターは全滅していた。
あぁ・・・二人ともそんな目で俺を見ないでくれ・・・。
「・・・疲れましたね・・・」
「そうだな・・・よし休憩しますか」
ゴーストだろうがやっぱ疲れるんだそうだ。
とりあえず二人にさっき買った回復薬を渡した。
「・・・夜になる前になるべく早く街か村に着きたいですね」
「そうですね・・・」
そんな会話をしながら休憩をしていた。

・・・え?もう休憩終わり?早くね?
そんなこと考えてたら笑われた。あ〜恥ずかしい。
砂漠を移動するのも大変だな。ゾンビが出てきたりするしさ。
あ〜暑いよ〜喉渇いた〜回復薬飲もうかな〜。
「・・・あっー!!!!」
うおっ誰だよ今大声で叫んだ奴。あぁゴーストか。
「何を騒いでるんだ?」
「やっと見つけたぜ!おい走るぞ!」
・・・あんたは浮いてるからいいけど俺らは歩きだぜ?
あ〜きつい・・・じゃねぇな。目的地がなんとなく分かった。
あそこに見える湖だな。ウッヒョー水浴びできるじゃないか。
気が付くと物凄い速さで走ってた。ゴーストも吃驚するほどの速さだったらしい。
「よっしゃー一番乗りだー!」
「・・・どこからそんな元気が・・・?」
「さぁ・・・」

あ〜・・・なんでモンスターが?
あぁモンスターの風呂場っぽい場所だったのか。もうね・・・。
ゴーストのことを軽く睨んだ。
「あ〜残念だったね〜」
「・・・ですね・・・」
なんでこんな冷静でいられるの?俺が短気なだけか?

とりあえず涼しそうな場所を探してそこでまた休憩することにした。
あ〜喉渇いた・・・。

544 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/24(火) 03:06:40 [ N1B0JemI ]
>>535
泣いてくれてサンクス。

>>536->>543
凄くノリがいいですね。続きを期待してしまう自分がいます。

545 名前:ageパン 投稿日:2006/10/24(火) 05:52:03 [ liMY2x9w ]

−古都ブルネンシュティグ クリムスン商店−

ギル戦後の集会が終わり、誰もいなくなった店内で私は一人品物をみていた。
特に目を引く物もなく、私は店の正面に並べられている小物を軽く一瞥し外に出た。
日の当らない店内とは違い外は明るく太陽はさんさんとしていた。私は眩しさに少し目を
細めた。

表通りではヒマそうなカオリンがケイルンと話をしている。店内を振り返ると店の裏手口
へ通じる狭い通路ではまだギルドマスターと新入りの問題児が話をしている。彼を待って
5〜6分たつのだがまだ終わりそうもない。ただ待つのもつまらない、おしゃべりでもし
ながら待つとしようか。

そう思い彼女らの方向へ歩き出した矢先、私の後ろから雷鳴のような怒鳴り声が聞こえて
きた。マスターの怒鳴り声だった。
「なんで命令が聞けないんだ!どうして自分の部隊メンバーのもとを離れた!?貴様の仕
事は自分の所属する部隊メンバーの後方支援だろうが!」
「・・・・・・・」
「勝ったとはいえ負けたらどうやって責任を取るつもりだったんだ!」
彼はマスターの怒号にもマユゲ一つ動かさず、壁に寄りかかり腕を組みながらうつむいて
いるだけだった。マスターの太い腕と握り締められた拳が震えている。
「黙っていては話がすすまん!いいかげん何とか言ったらどうなんだ!」
それでも彼は何も言わない。
業を煮やしたマスターは近くにあった椅子を蹴り飛ばし、立てかけておいた自分の斧を持
つと私の方へと歩いてきた。
「明後日のギルド戦でもその態度が直らないようならば追放もありえる・・・、そう伝え
ておけ!」
まるで私にでも言うかのようにすれ違いざまにそういい残すと、返事も待たずにマスター
は店を後にした。
私は軽く胸をなでおろした。
嵐の去った店内は静まり返り耳鳴りすら聞こえる。
カウンターでそろばんをいじりながら記帳しているクリムスンと目が合ったが、彼は何も
いわなかった。もうこういった出来事には慣れっこらしい。
「何してるの?」
ふと視線を移すと私のすぐ隣に新入りが立っていた。彼は右手に持った長い杖を肩にかけ
ながらそう言った。
私は言った。
「君を待ってたんだ、ここではなんだから少し場所を変えようか。」
「・・ああ、いいよ。」
彼は店の表に出ると外の明るさに一瞬眉をしかめていた。
私たちは水路沿いを歩き古都を南へと出た。

546 名前:ageパン 投稿日:2006/10/24(火) 05:54:01 [ liMY2x9w ]

−ギルディル川 ナス橋付近−

新入りの彼は、私の隣で欄干に肘をのせ左手で頬杖をつきながら右手の中指で落ちていた
小石を弾いていた。
私は欄干に背をもたれて、向かい側の欄干の間から見える水面を眺めていた。穏やかな水
面は昼下がりの暖かい太陽の日をうけ、美しい光を反射していた。私は煙草に火をつけ軽
く息を吐き、煙の行方を目で追った。

彼は言った。
「話って、なに?」
「なぜ命令に違反するような真似をしたのかと思ってさ。」
彼は手に残っていた小石を全て橋の下へ落とした。小石が水面を叩く音が聞こえた。
彼は私と同じように欄干に持たれ、立てかけていた長い杖を手に取ると杖の柄で靴のつま
先を軽く叩いた。
「なんでって・・・。」
私は続けた。
「マスターが言っていたよ、このままじゃ追放もありえるって。せっかくこのギルドに入
ったんだ、できることなら仲良くやっていきたいと誰もが思っている。君だってそうだろ
う。」
「・・・・・」
彼はまた黙っていた。
私は橋の下を見た。橋の影ではスッポンの親子が三匹戯れている。親の背中に乗ろうとし
た子のスッポンが足を滑らせてなかなか背に乗れずにいた。水面に映る煙草を吸っている
男が私を眺めていた。
その時ふと新入りの彼が口を開いた。
「俺とは違う部隊に所属していた赤髪のランサーいるだろ。」
「ああ、君と同期に入ってきた彼女か。彼女がどうかしたのか?」
彼は少し間を置くと軽く息を吸ってからこちらを見ずに言った。
「今日、彼女が敵に囲まれていたんだ。あのまま放っていたら確実にやられていた。彼女
がやられるのは負けるよりも嫌な事なんだ。」

彼はそう言い切ると鼻で溜め息をつき、安堵した表情を見せ私を一瞥し軽く笑って見せた。
その時私は彼の笑顔を初めて見た気がした。
私は言った。
「そうか。」
彼は言った。
「そうだ。」
私は吸いかけの煙草を川に投げた。ジュッと音がした。緩やかな流れの水面に波紋が広が
った。それに気がついたスッポンの親子が不思議そうに私を見上げていた。
「言うべきことは言ったぜ。俺は古都へ戻るよ。」
彼はそういうとナス橋を後にした。

私は二本目の煙草に火をつけた。
時折吹く優しい風が私の頬をなで木の葉をざわめかせた。
舞い散る木の葉の色づきが秋の訪れを告げていた。
私は彼の姿が見えなくなるまで彼の後姿を眺め続けていた。

            −fin−

547 名前:サマナの人 投稿日:2006/10/25(水) 00:07:20 [ b6Gnz/6I ]
>>ageパン氏
物凄い素敵な話ですね。
「そうか」「そうだ」と言う短い掛け合いの持つ雰囲気が、個人的に気に入りました。
なんとなく、大人の雰囲気、みたいなっ。
あと、すっぽんの親子にテラ和みす(´Д`*)

548 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/25(水) 00:42:46 [ pW/IKbZM ]
>>544
そのようなお言葉が貰えるとはありがたいです。
あなたの小説に泣かせていただきました。

続きを期待されると困っちゃいます・・・。
ですので何こいつwwwwきめぇwwwwwwって感じに見てくれると嬉しいです。


では>>543の続き書くぜ。
「あ〜つ〜い〜よ〜・・・」
「無駄に喋ると喉も渇く・・・だから静かにしろ・・・」
「でも暑いんだよ・・・誰かさんのせいで無駄に喉も渇くし・・・」
「だぁーもう!!五月蝿いな!!俺だって湖がモンスターの溜まり場だって分かってたら言わなかったさ!」
「・・・二人とも落ち着かないと・・・」
・・・少女に止められてなんとか俺とゴーストの口喧嘩は終わった。
でも暑い・・・。この娘だって暑かろうに・・・。
「暑い〜」って言いながら裸になったりとかしないかな〜・・・。
そうすりゃ少しは気持ちも落ち着くんだがな〜・・・。無理だよなうん。
さて・・・次の街までは後どのくらいなんだ・・・?
「そういえば次の街は後どのくらいで?」
「・・・街ではなく村ですね・・・」
「あぁ・・・村だったな・・・」
「どっちでもいいさ。んでどのくらい?」
「子供かお前は。えーっと・・・ってもうすぐだな。ほらそこだ」
へ?もうすぐ・・・ってうわもう目の前じゃね?
あ〜でもようやく村か〜。さ〜てまずは水だな。
次に飯か・・・?そういえば腹減ってきたな・・・。
ってか飯食ってなかったな。あ〜腹減った。
「ウッヒョーー!!一番乗りはまた貰っちゃうもんねー!」
「・・・こいつやっぱ子供か?」
「・・・精神年齢が低いのでしょう・・・」
うっ・・・ちょっとピクッっときたぞ・・・。まぁいいや。
村って言ってたけど結構広いな。それに涼しい・・・。
・・・あ〜腹減った。宿はどこだ〜?
「おーいどこ行ってるんだ?お前の探してる所はそっちじゃなくてこっちだぞ?」
うぉ!あぶねぇ・・・後もう少しで怪しい店に入りそうになった・・・。
ゴーストには後でお礼言っとかないとな・・・。

そんなこんなで宿に到着・・・。ってうわ客結構居るな・・・。
ってかここどこだよ。すっげぇ怪しい所から入っていった気がするぞ?
・・・まぁ素人にはわからない理由ってのがあるんだろうな。
「・・・ここですか・・・?」
そう思いたくなるよな。俺だってここか?って思ったもん。
「ここだ。ちょっと小汚いが結構良い場所だぞ?」
へぇ・・・でもこんくらいのほうが雰囲気出ていいな・・・
って待て。なんでこいつそんなこと知ってるんだよ。
「おいゴースト。なんでお前こんな隠れ家的な場所知ってるんだ?」
「モンスターやってると嫌でもこういう場所とかわかっちゃうんだよ」
モンスターも大変だねぇ。とでも言ってほしいのか?まぁいいや。
「じゃあ何頼むよ。ここは俺がおごるぜ」
ほぉおごることができるくらいの金があったのか。後で少し貰うかな・・・。
「ほぉ・・・ゴーストにも友達とやらが出来たのか?」
怖い声だな。誰だ・・・ってうわっこいつオーガか?
少女も結構吃驚してるみたいだな・・・。警戒してるみたいだ。
「ハハハ。大丈夫だって。こいつは人を襲ったりする奴じゃない」
・・・なんだゴーストと同じタイプの奴か。
「・・・なるほど・・・だからこんな場所に・・・」
「つまりそういうことだ」
へぇ。モンスターが居る店ってか。こりゃたしかに人に見られたらまずいよな。
・・・っておいおい。人すっげぇ居るじゃないか。平気なのか?
「・・・人が居ても平気なのか?」
「あぁ雰囲気をぶち壊すような奴じゃなければ全然OKだ」
いいのかよ。でもあれだな。以外と皆楽しそうだ。
「・・・こんな場所初めてです・・・」
まぁそりゃそうだよな。俺だって初めてだ。
「モンスターを手なずけて一緒に戦う人・・・なら知ってますが・・・」
「ここはそういうのは一切無い。酒を飲んだり飯を食ったりって場所だ。
 だから人もモンスターも関係無しってことだ」
それは既に分かってるって。あ〜・・・でも腹減ったなぁ・・・。
「あ〜俺腹減ったよ・・・喉も渇いたよ〜・・・」
「はいはい分かった分かった。じゃあオーガこいつに美味いもん持ってきてやってくれ」
「分かったじゃあ今すぐ美味いもん用意してやるから待ってろ」
お〜いよいよ飯だ〜wwwwさ〜てどんな料理が出るんだろうな〜・・・w

549 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/10/26(木) 02:18:49 [ Vy6vehBs ]
――――――もう、これで何回目だろう。

私はもう幾度となく殺され続けている。目の前の男に。
もう何度も殺されている私は、死ぬことに慣れさえ覚えた。しかし、それはあまり良い気分のことではない。
人は、自らの死の間際に己の人生を駆け抜けるようなスピードで思い出すというが、それは本当だ。
私は死ぬ度に己の人生が電光石火の如く頭の中を駆け巡り、その度に私の心は引き裂かれるように痛んだ。

――――――コロシテ

不意に、口からぽろりと溢れ出す雫のようにこぼれた。

しかし、それは切なる願いだった。
既に、私の半分は私ではない。残りの私ももうすぐ消えてしまうだろう。
どうせ消えるのなら、どうせ消えるのなら、せめて私のままで逝かせて。
「コロシテ、コロシテ」
ただ私は呪文のように繰り返した。
「コロシテ」


「朝だよ、あーーさッ!ほら、さっさと起きた!」
「ぅーん…あと、少しだけ…」
「あーもう!」
その声と同時に、少女の体を暖かく包んでいた衣がはぎ取られた。
窓を開け放たれ、肌寒い外気が肌に染み込む。
「ぅうん……」
「あんた昨日友達と約束あるって言ってたようだけど大丈夫なのかい?」
その言葉で完全に目が覚めた。素早く振り向き時計を確認。既に針は9時を回っていた。
完全に遅刻だ……。
「な、何で起こしてくれなかったのよ!」
「起こしたさ。起きないあんたが悪いんだからね」
「〜〜〜〜〜もうッ!」
私は素早く寝巻きから着替え、跳ねまくっている髪を大雑把にピンで止めると、階段を三段飛ばしで降りた。
食卓の前まで行き座りながらパンを頬張っているお父さんに挨拶すると皿の上に乗ってる食パンを片手で掴み無言で外を飛び出した。家を出るとお母さんが窓から顔を出した。
「神様の挨拶忘れずにしてから行くんだよ〜」
「分かってるって!」
私達の町アウグスタは神様だの仏様だのにうるさい町だ。一日二回のお祈りが風習である。
正直私はこの町には引っ越してきたせいか、神様とかは信じていない。しょうがなく遠くに見える教会の十字架に向かって軽く頭を下げた。町の外に出ると、遠くに5人ほどの人だかりを見つけた。
「ごめん!待った?」
私は両手を合わせて謝った。だが、友達の一人はきッと睨むと
「おーそーい!もう、何回寝坊すれば気が済むのよ!ルーシェ!」
「ごめんごめん…」
私はただただ何回もペコペコと頭を下げるばかりだった。
「ルーシェは朝弱いもんね〜」
違う友達がのほほんと笑い掛けた。
「もんね〜」
私も笑い返した。
「もんね〜。じゃぁない!!」
最初の子が怒鳴った。近くで怒鳴られた為にしばらく耳がキンキンした。
ところで、今日はみんなで近くの麻薬倉庫まで探険するという約束だ。それを私は遅刻した訳だが……
しばらく歩くとその子のほとぼりも冷め、いつものように楽しい会話が始まった。ふと、誰かが私に声を掛けた。
「ルーシェ〜。あの人とはうまくいってるー?」
「ななな、何もないわよ……」
私は音を立て顔が真っ赤に染まった。
「ルーシェはかわいくていいよねー。キャハハ」
「なっ…ほ、ほら、着いたわ。さっさと行くわよ!!」
そう言うと私はずかずかと歩き出した。
無論、今日来た麻薬倉庫にはモンスターがいる。私達だって承知の上だ。
別に、いざとなったらここくらいの敵なら倒すことだって可能だ。私だって伊達に小さいころ棒術を習っていた訳ではない。

「ふぃ〜、楽しかった〜」
皆それぞれ感想を言い合い倉庫を後にした。外に出ると既に太陽は沈んですったり夜だった。
――――? なんだか誰かに見られているような違和。
「どうしたのルーシェ?」

「ううん、何でもない」
やはり誰かに見られている。私は思い切って振り返ってみた。遠くに、誰かが立っていた。
私はそれを見た瞬間ゾッとした。本能がやめとけと言い続けている。
「みんな、遠くに逃げて!!」
「どうしたのさ?」
「いいから早く!!」
私の迫力に押されたのか、みんな遠くへ走っていった。
私はゆっくりと槍を構え、そいつに向かって走り出した。
「あれ?いない?……しまった!上に!」

「お、来た来た。どうしたんだよルーシェ。いきなり」
「ごめんごめん」
――――殺せ、全員殺せ
「な、何て顔してんだよ。ルーシェ……?」
私は数歩で友達の一人に近づき、その首を爪で掻き切った。大量の血が吹き出す。
「え?」
急な出来事に立ち尽くす友達を、一人、また一人と私は首を掻き切った。

辺りには私、そして五つの死体。
「血が……美味しい」
私は一人不適な笑みを浮かべた。

550 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/10/26(木) 02:20:15 [ wA1424Gk ]
「あら。遅かったわねルーシェ。おかえり」
「ただいま〜」
私は家に帰ってきていた。

「今日は友達と一緒じゃないのね。どうしたの?」
「ん?あれ、そういえば、そうだ。ま、みんな家に帰ったんでしょ」
適当なことを言ったが、正直どうなのか分からない。私は倉庫から出た後どうしたのか思い出せなかった。気づいたら家の前に立っていたのである。
「あら……どうしたのよその血!また変な遊びしてたわねぇ…」
「あ、ほんとだ」
「ほんとだじゃないわよ!洗うからさっさと脱いで風呂入りなさい」
「はぁ〜い」
気のない返事を返し、風呂に入った。服だけじゃなく体のあちこちにも飛び散っていたので早く洗い流したかった。
一番酷いのは口の中だった。血の味がして気持ちが悪い。
とりあえずシャワーを浴びながら考え事をした。

よく考えると、そろそろ私達はこの町に来て一年になる。だとするとあの彼とも出会って十ヶ月になるな。

彼とは、言葉通り彼である。私達はふとしたことで出会いお互い惹かれ合った。

彼は忙しいこともあり、逢えるのは週に二、三回程度だ。
だが、別に気にすることではない。
なにせ、彼は私がこの町に来て初めて私を認めてくれた人だし、この私の初恋の人だ。
私は髪の色などで当初は周りのみんなに馬鹿にされた。今は誰も気にしてないが、当時はつらかった。
そんな私を認めてくれたのが彼である。彼と出会った日のことは忘れない、蒼白い綺麗な月の夜だった。

「うッ!」
急に激しい頭痛が私を襲った。痛みは頭から全身に広がっていった。
そのまま私は風呂場に倒れた。


「――――――あれ……私…」
「気が付いたかい?」
目を開くとお母さんが私を見下ろしていた。
「もう、半日うなされてたんだよ。お父さん、すごく心配してたから帰ってきたら声掛けておきな」
「はぁい…」
気のない返事を返し、窓の外を覗いた。もう昼か。
「ぅ……」
またしても頭痛。なんだか今日の私は変だ。寝よう
それから一週間経つが、一向に頭痛は治らない。むしろ日に日に酷さは増していった。
日の光に浴びると、体中が熱くなるように痛む症状も出た。なので私は日の光との関係を絶った。
だが、不思議なことに夜になるとどれも引いたのだった。
私の寝たきり生活が始まり二週間の夜、私は外を眺めていた。すると家の近くに誰かが通った。
「あ、あれは裏のおばさん」
帰宅途中だろうか。手にいろいろ荷物を持っている。

――――――殺せ
………え?誰?誰なの?

――――――殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!
その声は耳鳴りのようにずっと頭の中になり響いた。

プツン。何かが私の中で切れ私は自我を失った。同時に体の自由も奪われた。
たちまち爪は鋭く伸び、二本の歯が伸び鋭くとがった。
「ふふ、良い気分だ。今なら世界でも乗っとれそうだよ」
そう独り言を言い私は窓を飛び降りおばさんの目の前に舞い降りた。

551 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/10/26(木) 02:21:31 [ z.PXktEo ]
「朝よーーッ!」
「おふぁょぅ…」
お母さんのいつものハイテンションで、大あくびをしながら私は起きた。
「朝からぼうっとしてないで、ほら」
……朝にぼうっとするのは普通ではないだろうか?まぁそれはさておき私はお母さんが手渡した朝食を受け取った。
部屋に閉じ籠ってからというもの、私は部屋から一歩も出ず、食事も部屋で食べるようになった。
「ねぇねぇルーシェ…」
「何?お母さん」
受け取ったパンを頬張りながら私は応えた。
「今日さ、すぐそこでね、裏のおばさんが死体で見付かったそうだよ。それもね、損傷が酷くて血がほとんどなくなってたそうだよ」
「へぇ……」
「前のあんたの友達のこともあるんだからあんた気を付けなさいよ」
「分かってるわよ……」
「あ…食事中にする話じゃなかったね。ごめん」
悪びれた表情でお母さんは部屋から出ていった。
この前医者に診てもらったのだが、友達の件での精神面も原因の一つではないだろうかということだ。
だが私はなぜか友達の死にあまりショックを受けなかった。
私はそんなに冷たい女なのだろうか?

今日は激しい頭痛も、日に当たると熱くなるような痛みも起きなかった。
ふぅと安心してそのまま寝ようとしたら、ふいにあの声が聞こえた。

――――――殺せ。全てを壊せ

またこれだ……私はそんなことしたくない。私はただ……血が飲みたいだけ。
え……?思った自分が一番驚いた。私ったら何てこと考えて…。
突如体の自由が奪われた。まただ……。そうすると私はゆっくりと自我を失うのだった。

次の日起きると、私はいつも口の中が血生臭いのに気が付くのだった。それが毎日続いた。
そして遂に私は抑えることが出来なくなった。
そして気づく。そうか、私が犯人だったのか……。前から疑問に思ってはいたが、怖くてそう思うことを避けていた。
既に私自身の意思で数人人を狩った。ああ、私は人殺しだ。そう思い悲しんでも飢えは収まらないのだった。

ある日の夜。私はいつもの飢えを押さえ付け苦しんでいた。
ドア越しから声が聞こえた。
「ご飯よー」
お母さんだ。しまった!夕食が来ることを忘れていた。来ないでお母さん!!
その思いも儚くドアを開けたお母さんは私に首を裂かれて死んだ。
お母さんを殺してしまった…お母さんを殺してしまった…お母さんを…
「ルーシェ!!何をしている!!!!」
この光景を見たお父さんが驚愕した表情をしながら私を見つめていた。
お父さんまで……。
私はお母さんの首から口を遠ざけ立ち上がり、右手で口についた血をを拭った。

こうなった私は止めることができず、お父さんをもこの手で殺してしまった。
殺した後、私は後悔と悲しみに包まれた。
明るく優しいお母さん。厳しくも私を思ってくれていたお父さん。その両方をこの手で失ってしまった。
どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう。このままじゃ見付かっちゃう。今度は私が殺されるよ……。
私は恐ろしいことを考えた。見つかるなら、消してしまえばいい。
私は二人の足を掴むと下の暖炉に二人を放り投げた。

これで私は無実だ。私は悪くない。私は……!

552 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/10/26(木) 02:22:47 [ 0Q3GCQU2 ]
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
その夜から私は一睡もできずただ家で自分のやったことに苦しんでいるばかりだった。
だが不思議と眠気もない。よく考えると何も食べていないが、腹も減らない。
私は、何なんだ?人間?それとも化け物?
何か食べてみたが、砂のような味がした。舌がおかしくなったのだろうか?
そんなことよるこの先のことを考えた。自力で飢えを抑えるのも、両親の血を飲んだとは言えそろそろ限界がある。
完全に自我が戻った私は、誰にも目の届かないところへ行くことを考えた。
その日の夜、私は一人町を出ようとした。
さよなら、いろんな思い出が詰まった町だけど……これもみんなの為よね。
そして、町を振り切り一歩を踏み出す。そのときだった。
私の背中だった場所に、いくつもの十字架が刺さった。思わずうつ伏せに倒れた。
「ちッ……まだ生きているか。貴様ヴァンパイアに感染された人間だな」
背後から男の声がした。…そうか。遂に全て繋がった。私はあの時立ち向かったのはヴァンパイアなのか。
更に私に十字架が降り注いだ。
「あぁぁぁああああ!!!!」
「すまない。これは俺達エクソシストの仕事なんだ。悪く思うな」
このまま殺されてたまるか。殺せ殺せ。邪魔する者は全て殺せ!
私は再びヴァンパイアになった。爪が伸び、歯が鋭くとがる。
傷は瞬時に癒えた。男に飛びかかったが、手前で十字架の雨を食らいまた倒れ伏せた。
蒸気を上げて傷は癒える。十字架が落ちる度に私は死に、気づくと生き返っている。
「くそ、中でも強力な古代の血か」
男は私の手足を光の縄で縛ると近付いてきた。
その顔は見覚えがあるもなにも、最も求めていた顔だった。
「……え?あなた……?」

「ルーシェ…?」
二人の間に長い沈黙が流れた。
「なぜ……君が」
彼の表情が苦痛に変わった。
「ねぇ、あなた。お願いがあるの」
「…………?」
「私を、殺して。せめてあなたの手で。私が私であるうちに」
「しかし………」
「お願い。いつ私が再び暴走するか分からないわ。だから、お願い」
その表情は一点の曇りもない、素直な表情だった。
「――――くそ!!」
彼は長く力強い永昌を唱えると、私の頭上に大きな十字架が現れた。
その十字架は光輝き、回りの物を浄化した。私の中の物も死んだ。つまり同一体である私も死ぬ。
最期に出てきた言葉は、彼を憎む言葉でも、中傷する言葉でもなかった。
「ありがとう」
半分自我が失いかけ、口だけ笑った気味が悪い顔で私は微笑んだ。
すると、彼は私に手を差しのべた。
私も、残り少ない力を振り絞り手を伸ばした。

意識が途切れる中それでもはっきりと見えた。今宵の月は、丸くて、蒼白く、そして、
――――――出会ったあの日のような、綺麗な、月だった。

――――END

553 名前:ゆずみかん 投稿日:2006/10/26(木) 02:24:04 [ Z/491TXs ]
みなさん、お久しぶりです。初めての方、こんばんわ。
どんなに書いても上達しないゆずみかんです。

この前ふと考えたものを書いてみました。赤石とほぼ関係ないのは気にしないで下さい。

自分は今、以前書いて載せていた下手くそな小説の続きを制作中なので、
近々載せたいと思います。
この小説を最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
つまらなくて途中でやめた方、すいませんでした。

これからまたお世話になりそうなのでよろしくお願いします。

それでは

554 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/28(土) 02:43:37 [ N1B0JemI ]
>>548
オーガのウェイター……裸エプロンが胸毛で浮いてキモスwww
と、凄いものを想像した自分に鬱 orz

>>549->>552
主人公が狂気に堕ちて行く様が生々しかったです。

555 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/28(土) 23:30:51 [ i3zjm4wM ]


556 名前:名無しさん 投稿日:2006/10/31(火) 02:50:29 [ vi17z.B. ]
1.ttp://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1127802779.html#960
ttp://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1127802779.html#961

 
 あと一つ。コレが最後。
 崖の上から古都を見下ろす。
 ブルンネンシュティグ…ここを陥落させてしまえば自分達の勝ち。
 ついにここまでやってきた、やっと辿り着いた。
 もう少し、もう少しで理想の世界を創ることが出来る。
「なぁ、みんな見えているか?ついにここまでやって来たんだ。理想の世界は目の前だ。
 あとは手を伸ばすだけ、そして邪魔な閂を外し扉を開けるだけ。」
 声が震える。あと少しで夢が叶うからなのか。
 それとも、この後に待ちかまえている戦いを想像し血が騒いでいるからなのか。
 おそらく両方だ。
 所詮自分は悪魔なのだ。どんなに抑えつけていても戦いが近づくと心が躍る。鼓動が高鳴る。
 そして今日、今まで体験したことがないような大規模な戦争が起こるのだ。
 もうすぐ太陽が昇る。朝日が昇り、世界がその光に包まれたとき最後の戦いが始まる。
「長かった…本当に長かった…」
 悪魔を騙し、天界から逃げ出してからどの位の月日が流れたのだろう。
 ここに来るまでに沢山の仲間を得た。
 それぞれが個々の理想の世界を心に描き、自分と共に行くと言ってくれた。
 誰にも受け入れられない理想。
 損をする人々の方が圧倒的に多い理想だとしても自分は実現させてみせる。
 たった一言。
「お前について行く」
 その言葉を言ってくれた仲間。その一言で心が救われた。
 間違った道を歩む自分に勇気をくれた。
 あとはこの戦いに勝利し、この力に耐えられるだけの体を手に入れ、理想を実現させるだけの力を行使するだけ。
 スマグやアリアンの時とは違う。それ以上の激しい戦いが待っている。
 古都には世界中からこの世界を維持しようとする者達が集まっているだろう。
 だが負ける気はしない。自分達は強いのだから。
 あまりに強すぎて、その強さ故に孤立していった者達。それが自分達なのだから。
「もうすぐ陽が昇る。古都の近くまで移動しようか。」
 声をかける。その声に従い全員が移動を始める。
  
 古都の入り口には多くの兵士達がいた。世界中の町から集まったのだろう。
 屈強な戦士達。精神を集中させている魔法師達。
 いったいどれ程の数が集まったのだろうか。思わずその数に圧倒させそうになる。
 しかし、数では劣勢とはいえ、こちらは一騎当千の実力をもつ者ばかり。
 戦力は五分と五分と言ったところだろうか。
 視線を古都の正門の方に向ける。
 いた。やはりあの二人。
 槍を持ち、女でありながら古都最強と言われる実力をもつランサー。
 翼を失い、天使としての力を失い、それでもなお巨大な盾を持ち、ランサーを補佐するように構えるビショップ。
 理想を見据えるといつもこの二人が視界に入ってくる。
 どこまで行っても立ちはだかる。なんて邪魔な存在なのだろう。
 二人は笑っていた。とても幸せそうに。負けることなど少しも想像していない。そんな表情。
 腹立たしい。恨めしい。そして羨ましい。
 もうすぐ陽が昇る。そのはずなのに時間が進まない。
 ゆっくりと流れる時間。気が狂いそうなくらいの静寂。
 ゆっくりと空に赤みがかかる。
 あと一呼吸。


 陽が昇る。

「勝利を我が手に!その先にある理想を我々の手に!」
 戦いが始まる。
 仲間達の声が聞こえる。
 狂気に満ちたような荒々しい声。歓喜の叫びのようにも聞こえてくる猛々しい声。
 自分を先頭に一直線にランサーとビショップのいる正門へと走っていく。
「うおおぉぉぉぉ!」
 両軍がぶつかる。
 頭の中には今まで歩んできた道程とこれから目にするであろう輝かしい世界が浮かんでいた。

557 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/01(水) 04:44:52 [ pW/IKbZM ]
眠い・・・死ぬ・・・>>548の続き・・・
ぶっちゃけ「・・・」より「・・・とか…のほうがよかったな」まぁどうでもいいけど。

皆はもし目の前に巨大な眼球とか腕が出てきたらどうする?
俺?俺はとりあえず・・・
「うわぁぁぁ!!!!!!!」
って叫んだよ。うん。いや気絶しそうになったけどさ。
気絶してる娘。そして目の前でニヤニヤしてるゴースト。
「お前・・・これ目玉だよな・・・。後この腕のような物は・・・」
「あぁ。それはドラゴンの眼球とサラマンダーの腕。結構高いんだぜ?」
いやさ。普通の人間が眼球と怪物の腕が目の前に置かれたら驚くだろ。
ってか元人間のお前のそのリアクションはなんなんだぜ?
「さっきも言ったけど高いんだから残さず食えよ?」
何言ってるんだお前。腕なら・・・いや腕も無理だ。眼球なんてもう・・・。
おぉ神よ・・・貴方は何故俺のことを苦しめるのですか?
・・・これも試練か。OKOK食ってやるさ。
とりあえず食えそうな腕とやらを・・・って熱っ!!!!!!
何このサラマンダーふざけてるの?
「なんだと?」って感じにこちらを見るなそこの目玉。
でも味は美味いな。うん美味い。でも熱すぎだろ・・・。
「火傷でもしたか?」
「うるせぇ。でも美味いなこれ」
「だろ?その眼球も美味いから食ってみろよ」
ほぉ。それじゃあ食ってみるか・・・。
グチャグチャしてる・・・そして何よりこの味。
苦いって。なんかすっげぇ苦いって。まじ吐きそう。うん吐く。ごめん。
「・・・バケツあるか・・・?それかトイレの場所教えろ・・・」
「ねーよ。我慢して食えって」
・・・この・・・なんつーか。噛む度にグチャって聞こえる・・・。
あぁもう死にたい。いっそ俺を殺せ。それかこの口の中にある物を吐かせてくれ。
「あ〜しょうがないな。これ飲め」
「あぁ・・・サンキュー・・・」
何このドロッっとした液体・・・。飲み物だよな?
「これはドラゴンの血だ。別に体に害は無いぞ。それにすっげぇ高いんだぜ?」
死ね。普通の水くれ。血ってなんだよ血って・・・。
・・・あ結構美味いな。

「あ〜・・・食った。なんか途中で食欲すっげぇ失せたけど食った」
「意味わからんって。まぁいい。そろそろ酒を持ってこい」
「・・・金は平気なんだろうな・・・?」
「大丈夫だって。ってかオーガに言われると怖いなおい」
・・・オーガと必死になって戦った俺から言わせてもらう。
その顔本当に怖い。よく目の前で言われて平気だな。流石ゴースト。流石お化け。
「・・・酒ってさっきみたいに血とかじゃない普通の酒だよな?」
「安心しろ。普通の酒だ。美味くてぶっ倒れるくらいの酒だからな?」
「何言ってるんだお前は。そんな酒がこの世にあるとでも?」
こんな会話をしながら待ってたら・・・これはまた凄い可愛い子が酒を運んできたんだが・・・。
ドンッ!!!!!!!!!!!
何今の音。いやこれは酒を置いた音だ。ずいぶんとまた乱暴だな。
そして何故黙って行く?この娘は俺達のことを挑発してるのか?
「おいおい。なんだその態度?客に向かってその態度は・・・」
「うるせぇな!!!!今忙しいんだよ!!!!!」
・・・礼儀って言葉を知らぬのかこの小娘は。
「相変わらず元気だなぁ〜。それにしてもここの酒は美味いなぁ〜」
ゴースト。お前酔ってるのか?それとも馬鹿にしてるのか?
「酒が美味いのは当たり前だ!!!!!!それよりこの糞ガキはなんだ?」
てめぇ・・・・・・。俺の性格が非情だったら殺してたぞこの糞女・・・。
・・・・・・・・・・・・あ酒美味いな。

558 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/05(日) 01:13:28 [ voKR2G42 ]
age

559 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/05(日) 14:02:29 [ x/hc0DlQ ]
やばい

560 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/09(木) 21:58:11 [ cT.XCe4g ]
ほしゆ

561 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/13(月) 19:47:29 [ 02Ivu1SA ]
age

562 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/17(金) 03:23:16 [ BNPIDZd6 ]
黒鯖 Lv450↑天使売ります。
装備 狩り用、Gv用等充実しております。
Gは3億G程銀行にあります。

詳細はメールにて
希望は35000RMです。
*****@yahoo.co.jpまで^^

◇タンク おい、みんな!昨日さ、RMTサイトで気になる垢売り見たんだよ!
ぎゃおす なんだよ? てかさ、俺しかインしてねーしw
◇タンク ww
◇タンク いやさ、450↑天使の垢売りって出てたんだけどよ・・・・・・
ぎゃおす ふーん・・・・・・・
◇タンク ・・・・・・・
ぎゃおす ・・・・・・・・・・・???!!!!!!!!!!
◇タンク ぉ? なんとなく言いたいこと判った?
ぎゃおす まさかな。ありえんべ?
ぎゃおす 確かに3週間程インしてねーけど、知り合い多すぎるべ?
◇タンク ・・・・・・・キンガーさん・・たまにインしてるんだよ・・・
ぎゃおす 昼間か?
◇タンク いや、朝方。
ぎゃおす で?
◇タンク 耳しても返事こない^^;
ぎゃおす いつから?
◇タンク 10日程前から・・
ぎゃおす 参ったな。仕事のシフト変わったとか言ってなかったしな。
ぎゃおす 俺も気付いたら耳してみるよ。
◇タンク 一番仲良かったもんね! 頼むわ〜 ノシ
ぎゃおす ノシ

 この後気になって、自分もRMTサイトを覗いてみることにした。

黒鯖 Lv450↑天使売ります。
装備 狩り用、Gv用等充実しております。
Gは3億G程銀行にあります。

詳細はメールにて
希望は35000RMです。
*****@yahoo.co.jpまで^^

*当方興味あります。ステ振りとかだけでも先に教えてもらえませんか?

-スキルはハイブリッドですね。ステは力300、健康500、知識700、カリ450等です。

*了解しました。メールさせて頂きます。


・・・このステ振りとかはキンガーさんに似てるかも・・・
3日後、そのサイトを覗いてみると例の垢は商談成立となっていた。


toタンク よう!
fromタンク やぁ!
toタンク 例の垢・・1週間前に売れたみたいだw なんだか気持ち悪いなw
fromタンク ぁ 消えてる
toタンク そりゃそうだろ。売れたんだからwww
fromタンク それじゃない。キンガーさんの友録!
toタンク ぉ?俺のもだ--------
fromタンク やっぱ、あれはキンガーさんだったのか?
toタンク ・・・かもな;;
fromタンク 今日は落ちるわ ノシ
toタンク 俺も・・・おやすみ〜

 と言いつつも、気になり、もう一度例のサイトを覗きに行った。
何度見ても、そのサイトはキャラの墓場のように見える。
・・・・商談成立かぁ・・・・?!
「なんだこれ?」
つい声を出してしまった。弟が不思議そうにこちらを見る。
4週間前にも同じようなキャラが商談成立してる!
Gは15億だけど、キャラの性能とかの文面は全く一緒だ!?
よくあることなんだろうか? 同じキャラが4週間以内で2回も取引されてるなんて。
キンガーさんのキャラは35000RMか・・・自分も同じ天使で、もう少しで400。
そんなことを考えながら、Gvぎりぎりで帰ってきたので
まだ落とせていない化粧やマニキュアを処理するために鏡に向かう。

鏡の向こうではニュース番組が今日も殺人事件を報道している。
「・・・・トカフェでの殺人事件が起こり・・・・」
全くいやな世の中ねぇ〜とかなんとか、姉は独り言をつぶやきながら
私の化粧水を横から奪っていった。

563 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/17(金) 10:06:36 [ 22.WAbfc ]
ホラーイイ!

564 名前:第2話 引退オーク 投稿日:2006/11/19(日) 04:12:23 [ HSY7B94c ]
RMTサイトを覗いてすぐに眠くなった私は、色々な事を想像しつつ
布団にもぐりこんだ。タンクとの付き合いはすでに7ヶ月。
キンガーさんにいたっては1年半。

・・・そういえば、メアドすら交換してなかったなぁ・・・・。
まっ、彼らは「ぎゃおす」が女性だなんて気付いてないし、
ましてやしがないOLだなんていえやしない。
 −朝5時−
ふと、思ったより早く起きてしまった私は、露店放置した「ぎゃおす」も
起こした。今日も売れず仕舞いか・・・。
だれか起きてないかしら? ギルチャで呼びかけてみる。

ぎゃおす おはよー!
◇デルモ ぉ? ぉはよー^^
ぎゃおす あららw
◇デルモ あららって、なにさ〜w
◇デルモ 珍しいね?ぎゃーさんがこんな時間w
ぎゃおす えへへw なんか目が覚めてさ〜 狩りはいつも
     この時間?
◇デルモ 明日ゎ、てか今日かw 日曜ですじゃ〜
ぎゃおす ぬ 忘れてたw
◇デルモ そういえばさ、今日はアウグで引退オークだね! 楽しみ〜
ぎゃおす 誰の?
◇デルモ 雪月さんの
ぎゃおす なんだぁ、テイマか てか、何回目さ?ww
◇デルモ 私には重要ですw 団長系統のいいもの出ないかな!
ぎゃおす 何時から〜? 俺もいくー
◇デルモ 夜9時です。
ぎゃおす おk。またそんときでも耳するねー
◇デルモ ぁぃ。
ぎゃおす では
◇デルモ //

二度寝することにした私はなんとなく耳してみた・・・朝だし・・・

toキンガー こん^^

・・・返事なし・・・??
つながった・・・・インしてる?

toキンガー 忙しいのかな? 暇あったら返事ちょーだぃ

やっぱり返事がない;; タンクの言うとおりだった。
ひとまず、露店放置して寝ることにした。

−夜9時−

toデルモ いるぅ? 今帰ってきたw
fromデルモ おそーぃw もぅアウグだしぃw

アウグまでエバキュで一っ飛びw
現地でタンクとも合流して3人でPTを組んだ。

◇タンク 遅かったねw
◇デルモ 一つ目は終わっちゃったけど、ゴミ品だからw
◇タンク この人の引退オークっていつも司会みたいな人いないねぇ
◇タンク なんかそっけない。
◇デルモ 余計なMCなんかいらないよ〜
ぎゃおす なんか目玉商品みたいのあるの?
◇タンク HP97%アンク出るみたい
◇デルモ 私それほしー!

・・・こんな感じでオークを堪能していた私達。
運命の6出品目までは私も楽しんでた。

−6出品目−
RSサクレLx 
HP97% 首飾りLx(125)
そして3品目が
スタリンLx 薬回復199% 致命打抵抗65% HP+7%

え?
このスタリン・・・・・・・私がキンガーさんにあげた奴じゃん・・・・・・
露店でなぜか100万で置いてあって、私がすかさずサブで買った奴だ・・・・・
自分じゃレベとカリスマ足りないからキンガーさんにあげた物・・・

565 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/20(月) 01:07:16 [ Kvc85hDk ]
少女は機械の中で生まれた
少女が育てられたのはどこかの施設の中だった。
そこではさまざまな実験をしていて、その実験の対象は機械で生まれた子供たちだった。
機械で生まれた子供は成長速度が速く、その分寿命が短かった。
毎日何十人の子供が製造され、最初の実験で約半分が死ぬ。
その実験で生き残った子供を数グループに分けて実験を行なうのがその施設でのやり方だった。

少女は3度目の実験のときに目が見えなくなった。
施設の者は実験する意味がないと判断したらしく、少女を無能者と呼んでいた。
その施設で実験に成功したものはさまざまな能力を身につけるらしかった。
火を自在に操るもの、治癒の能力を持つもの、毒を体で生成するものなど・・・
そのような能力を身に付けた子供は、スポンサーの人に売られていった。

少女のような無能者は慰め物として売られていたが、寿命が短いために処理が面倒らしく買い手はあまりいなかった。
ある日少女は施設の男に連れて行かれ、部屋に閉じ込められた。
その男は扉に鍵を閉め、少女に襲い掛かった。
少女程度の腕力でどうにかできるはずもなく、少女は男の暴行をただ受け続けるだけだった。
最初のうちは悲鳴をあげていたが、途中から悲鳴を上げてもどうにもならないと悟り痛みに耐えた。
男は殴るのに飽きたか、少女をその場に放置して部屋から出て行った。
出て行くのを音で確認すると、少女は黙って泣いた。
自分はどうせ作り物なんだと分かっていたはずなのに悔しさが湧き上がってきて止まらなかった。
10分くらい泣いていたか、また男が戻ってきた。
まず男は泣いている姿を笑い、泣いている顔を笑い、そして蹴って這いつくばっている姿を笑った。
そのとき、少女の何かが外れた。
見えないはずの目が見えるようになり、子供だった姿は二十歳くらいの姿まで成長を遂げた。
そしてその少女の後ろには、真っ赤に燃えさかる魔物の姿があった。
男がその魔物を見た途端、恐怖で顔を引きつらせて後ろを向いて逃げようとした。
その男の後ろにも魔物がいた。
目で捉えることはできないが、そこに存在を確認できるほどに存在感を漂わせていた。
次の瞬間には男は一風の風によって細切れにされ、炎に焼き尽くされて消滅した。
女は一言「壊して」というと二人の魔物はスッと消え、施設はあっという間に崩壊した。
魔物に立ち向かったものはすべて切られ、燃やされ、だれも抵抗はできなかった。
施設が完全に破壊され、動くものがなくなると少女は魔物2体に抱かれ、地に消えた。
その後同じような施設はすべて破壊され、人は女のことを召還者(Summoner)と呼んだ

多分これがサマナーが生まれた理由なんだ!
いつもテイマーの存在が強くて忘れられているが、きっと苛められていた過去があるから影に隠れているんだ!

566 名前:橙鯖某サマナ 投稿日:2006/11/23(木) 00:17:31 [ Fbp.QdF2 ]
夕焼けが、眩しかった。いつものように、眩しかった。
私は物心ついた頃から、毎日この場所で夕日を見ている。
よく、夕暮れ時は物悲しい、とか寂しい、とか言う人がいるが、私はそう感じたことはなかった。
美しいと思っていた、あなたがいなくなるまでは。

代々召喚師である私の家にはひとつの笛が伝わっていて、
一人っ子の私は幼くしてその笛を受け継いだ。
とても強力な魔力が備わっているという話だったけれど、
それを活用できる力も技術もまだなかった私は、ただ笛を楽器として音を奏でるだけだった。
やがて、ひとつふたつと吹ける曲が増えていき、あなたはそれを微笑みながら聞いてくれた。
綺麗な音だね、と。
そして、私の笛の音色にあわせて、歌を口ずさんでくれた。

あなたがいなくなってから、長い時間が経って、
吹けるようになった曲も随分と増えた。
私は毎日、あの場所で笛を吹いているよ。
毎日、沈んでいく夕日を見ながら。

笛は相変わらず、澄んだ音色で響く。

あなたは聞いているのだろうか、何処かの樹の下で。
あなたは聞いているのだろうか、泣きくたびれた笛の音を。

夕日はもうほとんど沈み、空が藍色に染まっていく。

あの時、坂道を一人で降りていくあなたを、私はただ見送るしかできなかった。

あなたは何処にいるのだろうか。
しばらくは届いた手紙もいつしか途絶え、風の噂も聞かなくなった。
あなたは何処に、いるのだろうか。
あなたの口ずさむ歌は、今でも聞こえるのに。

一人ぼっちで、影を見つめる。
なんて、寂しい夕暮れなんだろう。

笛を吹こう。
あなたに届くように。
あなたがまた、私の側で、歌を口ずさんでくれるように。

私の想いが、届くように。

567 名前:橙鯖某サマナ 投稿日:2006/11/23(木) 00:20:55 [ Fbp.QdF2 ]
初投稿です、初めまして。
元ネタは分かる人には分かるはずです…。
女がサマナなのは分かっていただけると思いますが、
『あなた』に関してはお好きなキャラを当てはめていただいて結構です。
個人的にはシーフをイメージしながら書きましたw
では、乱文失礼しました。


携帯からだと一行分の改行、反映されないのかな…?

568 名前:第3話 メールアドレス 投稿日:2006/11/23(木) 15:20:02 [ PSiqEF5s ]
先ほどの引退オークで異次元アンクを手に入れたデルモちゃん達と
ギルチャで盛り上がりながら、コンビニ弁当をほおばる私。
まだ化粧も落としていない。Gvまで@1時間・・・。
ぎゃおす どぉーなの?アンクの付け心地は?w
◇デルモ Gv用だから、まだ付けてないw
◇弁慶  なぬー!あれ競り落としたのかーw
◇デルモ えへへw
ぎゃおす こん^^
◇弁慶  おひさーww
◇デルモ 昨日ぶり〜w
◇弁慶  w
◇弁慶  BISには付けれんw
◇タルカス 戦士にも付けれんww
ぎゃおす タル〜! 今日はGv出れるんだろ?
◇タルカス 多分・・・・^^;
◇タンク なんだそれ〜w
◇弁慶  ぎるどHPに貼ってくれ>アンク
◇弁慶  ギルド
◇デルモ Gv用意終わってるから今貼って来る〜
◇タンク 俺まだだw 用意してくらー
ぎゃおす てらー
◇タルカス 花いくついるかなw
◇デルモ じゃGvで^^

ちゃっちゃとGv準備を終わらせてギルドHPにいってみた。
まだデルちゃんは貼ってないらしい。ちょっとさかのぼってHPを読んで見る。

あ!! 記憶の片隅から何かが蘇ってきた・・・。
−そうだ、以前記入しなくてもいいメールアドレス書いたことあったような−

キンガーさんも2.3度書いてたな・・・・ぁ、もぅ11:40か。
Gv行かなきゃね!今日の相手は強いはずだから、序盤はHP装備で様子みよっか。

−−−夜12:10−−−

〜〜〜〜〜〜〜〜
◇運ルパン 敵36.41 うじゃうじゃいる
◇タンク  ぎゃーコールおね
ぎゃおす  あい
◇タルカス ヘイおね
◇黒ハリー あいお
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ギルド ファブリーズ戦において勝利しました
         勝ち点2
         2連勝

ぎゃおす  おつ^^
◇デルモ  おっつー
◇弁慶   心臓使い切るとこだった^^;
◇タンク  おつ
◇タルカス 3回死んだー!
◇運ルパン ひぃ〜天使うぜぇw
◇大ハード みんなおつかれ〜 ゼンシで反省会ねー
◇弁慶   ファミ痛かったよ;;
ぎゃおす  俺今日は落ちるねー おつでしたー
◇タンク  おつー/
◇弁慶   おつ^^
◇大ハード おつかれさまー

どうしても、さっきのHPのことが頭から離れず、過去ログを漁る事にした。
HPが出来たのが4ヶ月ほど前。メルアドを書いたミスは最初の頃だから・・

―あった!―

連絡欄が記入されてる! ここをクリックすればメールソフトが動くはずだ。
そーっとクリックしてみる・・・・HDDが動き始めた!

あたり! メアドを見ると、律儀にもフリーメールでは無かった。
これは・・連絡を付けられるかも?

569 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/23(木) 20:39:21 [ E1qczXLw ]
x

570 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/29(水) 01:21:52 [ tNnphh2w ]
職人様支援age

571 名前:名無しさん 投稿日:2006/11/29(水) 01:25:13 [ NYjN67jg ]
>>568
続きが気になります

572 名前:第4話 通信手段 投稿日:2006/11/30(木) 00:35:32 [ NkCfTk02 ]
メールアドレスはゲットした。
でも・・・キンガーさんもこの位は気付いているはずなんだけどなぁ
忙しいならHPに書き込む位出来ないのかしら?
インしなくなって4週間強。
もぅ一月か
フリーメールを使ってメールしてみようかしら。

「姉貴!PCそろそろゆずってくれ!」
あ?もぅそんな時間か。そういえば・・・
「あんたさ、MMOやってたよね?」
「たまにね。姉貴ほどはやってないけどね」
悪かったわね!25にもなってPCばかりに向って!
そう怒鳴りにそうなったのを我慢して
「MMO内の友達と連絡とったことある?・・・・リアルで。」
「まったく、「リアル」とか言って、廃だな」
「あんたこそ「廃」なんて使ってるジャン! で?あんの?ないの?」
ニヤついて弟がこう答えた。
「相手が女なら携帯番号まで聞くよw」
「ちょwあんたw 個人情報を教えるの恐くないの?」
「最初はちと、とまどったけど・・・でもなんでそんな事聞くんだよ?」
「いやちょっとね・・・みんなどうなのかなって思って」

結局、PCを弟にゆずり、自分は眠ることにした。
これからレポートでも書いて、飽きたらゲームでもするんだろう。
キンガーさんにはプロバイダー設定のアドからメールしよう!
自分もHPにはそれで登録してたんだから。
そうこう考えてるうちに、うとうとしてきた。
あーーーーーーーーーーーーー!

・・・化粧落とすの忘れてた。


翌日、仕事から帰ってPCに向った。

-メールクライアントを立ち上げる-
Thunderbirdのアイコンをクリックし、受信が終わるまで待つ。
私はこの青い鳥がなんとも可愛くて仕方ない。

文面はもぅ考えてある

差出人(R): mikkori1216@xxx.ne.jp
   宛先 donki-konger@xxxx.ne.jp

件名(S): ぎゃおすです^^

やっほぃ^^ キンガーさん元気してっかな?
突然ごめんね〜w 
掲示板にも何も連絡ないし、Gvもこないから気になって
HPに書いてあったメアドにこうやってメールしましたよ!
気になることもあったので(RSで)良かったら返事下さい。

出来れば、下記アドまでお願いします。
     xxxx-xx-xxx@gmail.com
Gmailなら自分の携帯でいつでもメールに気付く事ができますので・・・
んじゃ、まったねーww



とまぁ、こんな風に文章作成は終了!
@は「送信」ボタンを押すだけb

祈るように送ってから、ふと我に戻って考えた。
私はこの一連の作業の中で、どれだけの情報を
キンガーさんに知られてしまうんだろう?

ネガティブな心配を無理やり頭の隅においやり、Gvの無い今日は
いつもより早めの晩御飯を食べることにした。

573 名前:ark 投稿日:2006/11/30(木) 02:07:57 [ aCJy4HC6 ]
こことは違う場所、今とは違う時代。
某小説のような書き出しと言う突っ込みは無しで。

チャプター0

朝から嫌な予感はしていた。黒猫は親子+ご近所さんで通るし、
下駄なんか持ってないのにわざわざ空から振ってきて鼻緒が切れた。つか下駄ってなんだ?
挙句の果てにはインチキ占い師に「あなたは今日世界一ラッキーです。」と言われた。
嫌な予感はしてたけど、まさかあんな厄介事に巻き込まれるなんて、な。

「おい、そこのアンタ。そう、男前のアンタだよ。」
道を歩いていた俺に声をかけて来る、知っている顔の中年のオッサン。
「あんだよ、ケイルンのオッサン。金なら持ってないし、クエスト受ける気もないぜ?」
いつもの会話だ。このオッサンはこの後決まってこう言う。
「まぁそう言うな、いい話がある。あの有名な・・・」
って感じ。んで、またひでぇんだ、この『いい話』ってのが。
こないだなんか死にかけたからなぁ。あ、聞く?オッサンの話ってのは、
「ゴールドスワンプ洞窟で金が取れるらしいんだよ。それも、かなり上等な金が。
しかも、そこにいる魔物はトカゲ程度らしいんだ。な?行きたくなっただろ?」
まぁ行ったんだけどさ。はぁ、美味い話にゃ裏があるんだと改めて思い知ったよ。
え?どんなに酷かったかって?聞きたい?しょうがねぇなぁ。
面倒だし心の傷が深いから簡単に説明するぞ。
まず、金は確かに上等だった。けど、オッサンの取り分がやたら多いってのと、
そこにいたトカゲはトカゲ種の中でも最上級クラスの大物だったって事。
で、金採掘して命からがら帰ってきたら、
「おいおい、冒険者ギルド随一のシーフがダセェなぁ。ま、いいから金くれや」
だぜぇ・・・。はぁ、毎度毎度付き合うこっちの身にもなれってんだ。
クエスト仲介屋は楽でいいよな。・・いつか毒もってやる。
しかし、その日はどうも様子がおかしかった。

あ、自己紹介がまだだったな。俺はクロウ。鴉って呼ばれる事が多いけどな。
一応冒険者ギルドってのに属してる。ま、まだまだ新米なんだけどね。
でも、一応腕には覚えもあるし、仕事も結構数をこなしてる。
その俺が、不吉な現象に怯えつつ歩いていると声をかけてきたのがケイルンのオッサンって訳。

「よう、鴉。今日もいい天気だな。」
目、あいてんのに寝てるのか?不吉なほどにどんよりと曇った空を見上げ考える。
「おっさん、俺はもう『田舎を体験しよう、バリアート散歩ツアー』
のガイドはこりごりだぜ?田舎まで歩いて、田舎で歩いて、田舎から歩いて・・・」
と愚痴をもらす。いや、本当に酷かったんだって。
「・・いや。今日は、上等な仕事だ。しかも、クエスト受諾料はタダの、な。」
ふむ、それは悩む。クエスト受諾料、言わば保証金のようなものだ。しかも結構高い。
しかし、帰ってこないのだ。まぁ、その分大抵のクエストの報酬は元金+α以上なのだが。
「へぇ・・いい話じゃないか。で、アンタの取り分はいくらなんだい?」
皮肉をたっぷりと込めて言う。すると、予想外の返答が帰ってきた。
「俺の取り分はナシだ。このクエストは特別でな・・・。
依頼人と直で交渉してもらう。先方がお前をご指名なんでな」
そこでようやくピンときた。要するに、ヤバイ仕事なのだ。・・多分シーフギルド絡みだろう。
「はーん・・・なるほどね。OK、たまにはアンタの顔も立ててやるよ。」
オッサンが暗いのが気になったが、シーフギルドからの仕事はとても報酬が良い。
結構貧ぼ・・じゃなくて無駄のない生活を送っている俺にはありがたいのだ。
「・・・すまねぇな、クロウ。」
がらにもなく感謝(?)してるオッサン。少し気味が悪いな。
「いいって事よ。で、どこで待ち合わせなんだい?」
走り出す準備をしながら聞く。
「崩れた王宮跡、夜に来いとさ。0時だそうだ。」
さすがシーフギルド、アレな雰囲気大好きってか。
「OK。ま、報酬貰いすぎたらオッサンにも少しやるよ。」
冗談のつもりでオッサンに言う。しかし、オッサンは微妙な反応を示した。
「あ、あぁ・・。クロウ、気をつけてな。」
オッサンが心配?珍しい、こりゃ氷の矢でもふってくるのかな?
・・この予想、あながち間違ってなかった事を後ほど知る。

574 名前:ark 投稿日:2006/11/30(木) 02:09:39 [ aCJy4HC6 ]
すいません、なんか書いてみたくなってしまい投下・・・
稚拙な文章力で恥ずかしいです。

感想とか意見とか書いてもらえるととても嬉しいです。

575 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/03(日) 10:23:22 [ aHRfUBQo ]
>>573
某小説ってフォーチュ○クエストかな?
個人的にシーフ絡みの話は好きだから続きに期待

自分も何回か書いてみようかとは思ったが職ごとの公式設定があるから自由な展開にできないんだよね。
ある程度自由なのがシーフとか剣士とかなんだけど、アチャとかネクロあたりは使いにくい。

576 名前:第5話 空白の一日 投稿日:2006/12/07(木) 03:25:27 [ 3mIoovkQ ]
少しソファで横になってから
ログインしてみた。時計は10:15を少し点滅してから10:16になった。

いつもどおりにギルメンに挨拶して、相場の情報交換をわいわいする。


その時だった。 Gmailがメールの着信を告げる。
差出人はキンガーさんじゃないみたいだ。

放って置こうと思ったけど、みんなに失礼してログアウトし、
メールの確認をすることにした私。



一番上に
□☆ DDO (無題)-            11月16日

私は開けてみることにした

書いてあるのは

来いよ、ぎゃおすw チャットのほうが速いwww
kinger.xxx1234@gmali.com

私はあわてて、googleTalkを立ち上げた。
間違いないわ!キンガーさんだ。
友達登録をして、ドキドキしながらモニターを凝視した。

いるのかな? いてちょうだい!



キンガーさんの名前の左にグリーンのランプが点ってる!いる!
!!!
アバターをご丁寧にもキンガーキャラのSSにしてある!

チャット欄を開き、メッセージを送る


ぎゃお
 いるの?

         キンガー
       いるよw
ぎゃお
 やっと発見だよ!w何してたんだよ?
         キンガー
       wwww
       久しぶりにあってそんなに責めるなよw
ぎゃお
 まったくもぅ!みんな心配してるぜ!
         キンガー
       まぁ聞いてくれよ。急にイン出来なくなったんだよ。
       運営に聞いても、対処無し;;
       垢停止なのか聞いたら、つい1週間前に返事きてさ
       パス変更してるって言うんだよ!
       俺してねーのによぉ!
ぎゃお
 え?嘘? だって朝方インしてるでしょ?
         キンガー
       はぁ? ログイン出来ないんだぞ?
ぎゃお
 みんな友録で確認してるよ? 耳も届いてた
 10日位前までだったかなぁ?
         キンガー
       まさかぁ! どうなってるんだ?
ぎゃお
 そして友録は消えた・・・・
         キンガー
       むぅ・・・・・・・どうなってるんだ?
ぎゃお
 さぁ・・
         キンガー
       とにかく、そいつは俺じゃねぇ
       垢盗まれたんかなぁ?
ぎゃお
 身に覚えはあるの?
         キンガー
       ねぇよ! おっかしぃな
ぎゃお
 でもさぁ、パス盗まれても、パス変更はそんな簡単だっけ?
         キンガー
       メールアドレスとそのパス無いと無理!!
       ・・・・・・・あ!!

577 名前:第6話 空白の一日part2 投稿日:2006/12/07(木) 03:28:29 [ 3mIoovkQ ]
ぎゃお
 ?
 待って! おかしいじゃんか! メールのパスは簡単にクラックできないよ!
         キンガー
       俺・・・・RSの登録メアド・・・yahooだ
ぎゃお
 だからって登録メアドがyahooって判って、その上でパスも必要なんだよ?
 ・・・・あ?
         キンガー
       RSにログイン出来なかった日・・・・・
       yahooにもログイン出来なかった・・・・・
       翌日にはyahooはログイン出来たけどさ
ぎゃお
 二つとも制御不能だったって・・・接点はRSのログイン情報のみじゃん
           キンガー
        ・・・・・・・・・・・

少し二人で考え込んだ。Gtalkの左下には「最終通信時刻 23:40」と表示。

           キンガー
        どうゆうことか、わからんけど
        クラックされたみたいだな
ぎゃお
 うーん・・てゆーか、HPに連絡くらいしろよなw
           キンガー
        すまん!仕事もちょうど忙しかったからなw
        ぎゃお・・・略すなw
ぎゃお
 w
 うるせー! また明日チャットする?
           キンガー
        おk! なんでこうなったか考えてみるよ
ぎゃお
 俺も考えてみる。おやすみ!
           キンガー
        おやすみ〜wまた明日


こうしてキンガーさんと連絡はついた。いつのまにかドキドキ感は消えていた。
それにしても腑に落ちない。
歯を磨きながら考えた。
・なぜIDがばれたのか?
・なぜパスが変更出来たのか?
・なぜyahooのメアドがばれたのか?
・なぜメアドのパスまでばれたのか?
判らないことばかりだわ。


私のIDはgyaosu・・・?
私って馬鹿だわ! キャラネームから推測できるじゃん!
大抵の人はキャラ名だと思って、ID入力の際に付けようとしている名前を
ローマ字で打ってしまうんじゃないだろうか?
それで、いざキャラ名入力の段階でカタカナとかで打ち直す?!
有り得るかも・・・・

578 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/11(月) 13:11:02 [ L9kz4Wg2 ]
続き、ドキドキしながら待ってます。
IDのあたりでは、ギクッてした人も多そう(笑)

579 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/11(月) 14:22:38 [ bCPa74Hs ]
こちらも続き待ってます〜なんか推理小説みたいで面白い。
それと>>573の続きも。

580 名前:第7話 謎 投稿日:2006/12/12(火) 20:07:02 [ 0o5OrbH2 ]
仕事も終わり、帰路につく中少し思い出した。
今日はGvがあったな・・・。
みんなにこの事を言うべきか迷っている。
理由は判らないけど何故かまだ言うべきではないような・・

最終時刻にGvがあることをキンガーさんにGmailで伝えて置くことにした。

返事が返って来たのは19:40。内容は

チャットは01:00でもいいよとのこと。
折り返し、遅くなるけどごめんなさいと入れておいた。

家に着くまでの間、疑問点をいくつか挙げてみた。
しかし一番の疑問はなぜRSのパスを変更できたか?だ。
変更出来るとゆうことは、登録メアドを利用するということだ。
yahooメアドのパス変更は元のメアドのパスが判らなくちゃいけない?
もぅ訳がわからなくなってきた;;

家に帰って実験することにした。

581 名前:第8話 実験 投稿日:2006/12/12(火) 20:35:37 [ 0o5OrbH2 ]
Gvまでの間、時間があるので実験してみることにした。
私もyahooのIDがあるのでパスワードを忘れた場合をチェック。
・・・生年月日や郵便番号を記入かぁ・・・

うーん、なんか違うなぁ。郵便番号まではもれないでしょ?
だいたい何故yahooID自体がばれたんだよぉ?
キンガーさんったら、何したんだろ?

23:40 Gvまで@少し。そろそろギルメンもイン率が
上がってくる時間だ。転送までみんなで
「POT忘れた!」「狩り装備で来ちゃったw」
「今日の相手は強い?メジャー?」
だのと、騒いでいた。私はみんなにあのことを
キンガーさんと連絡取れたことを言おうか迷っていた。
フィールドに転送された瞬間、そんなこと忘れてしまったけどねw

勝ち点1の圧勝Gvがあっという間に終わりみんなとチャットしてたら

クィンガー  やっほぃw 俺だよ! キンガーwww
ぎゃおす   びっくりしたよ!w
クィンガー  ギルメンに知られてないサブある?
ぎゃおす   あるw
クィンガー  じゃ、それでスバインビーチの左下へ
ぎゃおす   遠いなぁw まいっか。 耳するね。
クィンガー  耳はダメだ。ログが記録されてる。
ぎゃおす   へ? 判った。待ってて。
クィンガー  ごめんな。なんとなくインしたくてさw
ぎゃおす   おk 合図はいつものでw

私は急いでログアウトし念のために作っておいた別垢で
インすることにした。

582 名前:第9話 再会 投稿日:2006/12/13(水) 15:44:50 [ 0o5OrbH2 ]
スバインまでかなり遠い。途中ドラゴンカーペットに乗りながら急いだ。
左下、左下・・・と呟きながら該当マップの指定の場所へ向かった。

そこにはシフがちょこんと一人座っていた。きっとキンガーさんだろう。
ポインタを合わせて名前を見たときには吹き出したw

怪盗きんが・・・・判り易いw
私はいつもの合図をした。

ヒキダシ    ぉぃ! 邪魔だ
怪盗きんが   チネ
ヒキダシ    w
怪盗きんが   w

どうやら本人みたいだ。さっそく話し合うことに。

怪盗きんが   あれから色々考えた。
ヒキダシ    俺も考えた! 鍵はメアドのパスでしょ?
怪盗きんが   そそ。RSのパス変更はメアドが鍵で、そのパスもだ。
ヒキダシ    その上登録メアドがなぜ判ったのかもね。
怪盗きんが   そこで少し思いついたのが、スパイウェアなんだけど
怪盗きんが   RSのパスを盗む奴があるとは思えないんだ
ヒキダシ    あるってきいたことあるよ。
怪盗きんが   スパイウェアは小まめに排除してるからそれはない。
怪盗きんが   yahooのパス打ち込みを狙われたんじゃないかと思う。
ヒキダシ    でもそれは登録IDがyahooだと判ってないといけないでしょ?
ヒキダシ    しかもRSのためだけにスパイウェアをばらまくなんて・・
怪盗きんが   とりあえず、それが怖いから今回はRSで白チャすることにした。
ヒキダシ    耳が駄目なのは何故?
怪盗きんが   耳はログが会社側に記録されてると聞いた。
ヒキダシ    白チャは? 他のMMOは白も残るって・・・・
怪盗きんが   RSは耳だけらしい。それでこんな辺境で話すことにした。
ヒキダシ    ここなら大丈夫そうだけど・・・誰かきて聞き耳立ててるかも
怪盗きんが   w 大丈夫、お互いメインじゃないしね。
ヒキダシ    怪盗さんは、登録メアドがyahooであることを誰かに言った?
怪盗きんが   言ったことはないんだ。一度も。それで会社側も疑ってる。
ヒキダシ    俺ね、実験してみたんだよ。パス変更とか・・
怪盗きんが   どうだった?
ヒキダシ    生年月日やら郵便番号を判らないといけないんだよ
怪盗きんが   それも当然言ったことはないよ。
ヒキダシ    俺のyahooIDは盗まれたことないしなぁ・・・
ヒキダシ    そういえばこのID、みんなで将棋トーナメントやるときに
ヒキダシ    作ったんだっけw
怪盗きんが   w あん時はデルモが優勝したんだよな!
ヒキダシ    あ!
怪盗きんが   ああああああああああああああああ
怪盗きんが   あんときにIDをみんなに晒したよ俺・・・・・・
ヒキダシ    ・・・・・・・・・・
怪盗きんが   当時のギルメン覚えてる?
ヒキダシ    出入り激しかったからなぁ・・・・
ヒキダシ    当時誰かがyahooの将棋で遊ぼうといいだしてさ・・・
怪盗きんが   あちゃ〜。あんときか;;
怪盗きんが   でもパスまでわからんだろうに・・・
怪盗きんが   yahooの情報漏れた時あっただろ?
ヒキダシ    あったねぇ。何万人もの流出したときでしょ?
怪盗きんが   あんときちゃんと保全メールきて、指示に従ったしなぁ。
ヒキダシ    ? なにそれ?
怪盗きんが   いや情報流出の危険があるからユーザーはなんたらかんたらと
ヒキダシ    俺のとこ来てないよ? 
怪盗きんが   ?!

583 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/13(水) 16:54:54 [ LlQbaSRk ]
>>582
いい展開になってきましたね〜
続き楽しみに待ってます。
しかし、スバインではなく…

584 名前:第10話 間抜け 投稿日:2006/12/15(金) 02:45:38 [ 0o5OrbH2 ]
それから二人で色々と検討した結果、おおまかな部分が判明してきた。

・RSのパス変更は、登録(yahoo)メアドより変更されたらしい。
・メアドのパスは偽の保全メールでの打ち込みにより情報収集された。
・登録メアドはギルドのレクリエーション時に推測された。
問題はRSのIDだ。

ヒキダシ  ねぇ?ここまでは一応なんとなくつかめたけど・・
怪盗きんが ? 何?
ヒキダシ  RSのIDなんだけど・・・・
怪盗きんが それだよなぁ・・・
ヒキダシ  kinga- でしょ?
怪盗きんが ええええええええええええええ
怪盗きんが なんで判ったの?
ヒキダシ  ・・・やっぱりぃ
ヒキダシ  そうじゃないかと思ったよ
怪盗きんが メインの名前とIDが一緒の人多いのかなぁ〜
ヒキダシ  俺もそうだもんw 変えられないんだよね;;IDをさ。

ヒキダシ  これで人のIDを盗むことができる3個が揃った。

・RSのID
・登録メアドのID
・登録メアドのパス

怪盗きんが  後はRSのID打ち込んで、パス忘れた〜ってやれば
怪盗きんが  登録メアドにパス変更メールが届くかぁ・・・
ヒキダシ   きっとメールのぞくと、ゲームオンからのメールとかも
ヒキダシ   残ってるんでしょ?
怪盗きんが  残ってる・・・・
ヒキダシ   パス変更メールとかは削除してから
ヒキダシ   怪盗さんに返したと・・・何もなかったかのように
怪盗きんが  悔しいよ・・・俺だけなのかな?
ヒキダシ   ギルメンに聞いてみるかい?
怪盗きんが  意味ないよ。引っかかった俺が悪い。
怪盗きんが  間抜けだな・・・;;
怪盗きんが  ネットを甘く見てた。
ヒキダシ   見つけて懲らしめてやりたいよ!
ヒキダシ   てっきり垢売ったのかと思ってたし・・
怪盗きんが  まさか! なんで・・・
ヒキダシ   なんか良く似たキャラの取り引きがあったから・・・
怪盗きんが  売ってないさ。
ヒキダシ   こんな時にあれなんだけどさ
ヒキダシ   昔あげたスタリンLX覚えてる?
怪盗きんが  覚えてるも何もずーっと使ってたさ
ヒキダシ   雪月さんの引退オークで出てた
怪盗きんが  は? 俺じゃねーよ! 
怪盗きんが  雪月? あいつも中身違う人だからなー
怪盗きんが  俺みたく盗まれたIDだったりしてw
ヒキダシ   ?!
怪盗きんが  つながった!
ヒキダシ   同じ奴が関係してるんじゃないか?
ヒキダシ   ・・・・・・・・・お

怪盗きんが  どした?
ヒキダシ   テレビのニュース・・
ヒキダシ   また殺人だってさ
怪盗きんが  ほんとだ・・
怪盗きんが  なんだろね?

モニターの向こう、テレビでは
「・・・さんが殺されました。ネットカフェを利用した後
帰宅途中を狙われた模様です。警察はカフェで一緒だった
人物を参考人として・・・・・・・」

585 名前: ◆ACGhoST.hk 投稿日:2006/12/16(土) 17:08:04 [ LlQbaSRk ]
ブリッジヘッド↑にて。
姫が一人でテンプラと戦っている。
苦戦しているようだ。
「あぁ、もうだめ〜!」
姫はウサギに変身し、逃げた。
「ふぅ、助かった…。」
姫は道に出て、ほっと溜め息をついた。
そのときだった…
姫の体が、ひょいっと宙に浮いた。
(え、なに…!?)
どうも、姫は誰かに持ち上げられているようだ。
「ママ見て〜!可愛いウサギちゃんがいるよ〜!!」
姫は理解した。
ブリッジヘッドに住む少年に見つかり捕まってしまったと。
「あら可愛いウサギねぇ〜。迷子かしら?」
少年の母親が言った。
「このウサギちゃん連れて帰ってもいい?」
「いいわよ。飼いましょう。」

姫大ピンチ。
少年と母親に連れられ家に来たが、もうすぐ変身が切れてしまうのだ。
(あぁ、どうしようどうしよう…。)
姫は少年の膝の上で焦った。

あぁ…もう解ける…。
3、2、1…
ぼんっ!!

少年は、驚き姫の顔を見た。
「ま…ママ〜!!ウサギちゃんが…!!!!」
ああしまった…。
こうなったら手段は一つ。

「どうしたの坊や。」


【死んだフリ】

586 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/16(土) 17:30:53 [ .FroYhwA ]
>>585
短編系もいいね。

587 名前:第11話 捜査官 投稿日:2006/12/17(日) 01:10:40 [ Szc5ZNKM ]
その建物はあまり目だたないつくりで
普通に暮らす人は入ることもなく死んでいくだろう。

玄関を通り抜け、正面階段から2階に上がり突き当たりの部屋に向かう。
中肉中背の少し野暮ったいコートを着た男は部屋に入る前に大きく息を吐く。

中に入ると先に部下の佐々木が状況の整理を始めていた。
「おはようございます!」
「おすっ!」と田村刑事は応えた。
佐々木はここのところの事件の詳細を説明しはじめた
「まずはこれを見てください」といってホワイトボードを指した↓
http://www.google.co.jp/maps?hl=ja&lr=&rls=GGGL,GGGL:2006-45,GGGL:ja&q=%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7&near=%E6%96%B0%E5%AE%BF%E9%A7%85%EF%BC%88%E6%9D%B1%E4%BA%AC%EF%BC%89&sa=X&oi=local&ct=title
「これが一連の事件と思われる周辺地図か?」

「刑事の推定でいくと、ネットカフェが関係していると思われるので
カフェをピックアップしました。」

「しかしこの中からどの喫茶店を探すんだ?該当事件は4件で喫茶店は
すごい数になるんだぞ?」

「鍵は先ほどの地図の西口付近の喫茶店です。唯一、店内での犯行でした。」

「今からじゃ何も残ってないだろう?」

「そのときの該当PCと該当PCからの通信は全て押さえてあります」

588 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/18(月) 16:04:20 [ 73WOFiF2 ]
授業中にふと思いついた話を、実際の文章にしてたら、無性にこのスレに載せたくなってきたので、最初で最後であろう投稿をしてみます。


〜プロローグ〜
「来るんじゃなかった・・・」彼は後悔していた。
彼は、右手に棍棒を持ち、左手には小さめの盾を持っている、ビショップと呼ばれる職業である。
彼はさっきまでレイス―魔法傭兵の墓B2―で狩りをしていたのだが、今は砂漠に居る。
「やっぱりあいつの言う事を聞いておけばよかったかな・・・」
彼は、ここに来る前の事を思い出していた。

〜昨日〜
「レイスに行くつもりなんだって?」
「あぁ、明日にでも行ってみるつもりだよ」
ここは古都ブルンネンシュティグの一角、井戸の側である。
「そうか・・・俺は行った事が無いからなぁ」
彼はメテオWIZ。あるギルドのマスターをつとめている、私の親友だ。
「一応、火風抵抗は揃えてあるんだ」
私は彼に装備品を見せた。
「ほ〜、火・風共に90%以上じゃないか」
「まあね、少し前から意識的に集めてたし」
レイスでは、火・風の2つの属性を持った魔法攻撃をしてくる敵がいるらしい。
そのため、防御力を上げるよりもこれらの抵抗を揃えた方がいいのである。
「でも・・・やっぱり神殿に来ないか?何か、嫌な予感がするんだよ」
「大丈夫だよ、相変わらず心配性だなぁ」
彼の言う「神殿」とは、「海の神殿」と言うダンジョンの事である。
こちらはレイスと違い、物理攻撃をしてくる敵が多い。
「まぁ、大丈夫だとは思うけどさ・・・用心しすぎるって事は無いからね」
「それもそうだな・・・念のため、アイテムは多めに持っていく事にするよ」

〜今日〜
「結構遠い場所なんだなぁ」
レイスまで走ってきた私だが、途中が砂漠だった事もあり、少し疲れていた。
(少し休んでから、どういう場所か見て回ろう)
魔法B2に入ったばかりの場所には、私の他にも数人休んでいる人が居る。
時折「ゴウッ」という炎のような音が聞こえてくるのは、レイスの攻撃なんだろう。
(さてと・・・そろそろ行こうかな)
そう考えて道なりに進み、最初の角を左へ曲がった途端・・・
私の体は炎に包まれた。
「なっ・・・」
かなり驚いたが、ダメージ自体はそれほど無い様だ。
どうやら、火・風の抵抗を揃えて来たのは大正解だったらしい。
とはいえ、私は補助・回復を専門にしている、いわゆる「支援BIS」である。
BISの中には、神聖な力を付加させた武器で殴ったり、盾に神の光を宿したりして、アンデッドを倒す事が出来る人も居るが、私にはそういった行為はほぼ無理である。
減った体力は、回復魔法ですぐに回復できるので、死ぬような事は無いが、敵を倒す事も出来ない。
「さて、どうするか・・・」
不慣れではあるが、持っている武器を使って殴りかかろうかと考えた所で、レイスが急に反対を向いた。
「大丈夫ですか!?」
声の主は剣士だった。彼は、レイスを速攻で倒すと、唖然としている私に歩み寄ってきた。
「大丈夫・・・みたいですね、良かった」
「あ、えっと・・・」
「あぁ、とりあえずあちらへ行きましょう。話はそれからです」
彼に連れられ、B2の入り口へと引き返す。
「それにしても、あなたのような支援BISさんが、一人で何をしていたんですか?」
「実は、ここに来るのが初めてで、どんな場所なのか見て回ろうと思ったら、いきなりあのレイスに出くわしたんです」
「なるほどね・・・そうだ、もしよろしければ、私と一緒に狩りませんか?」
「え、いいんですか?」
「当然ですよ。見た所、抵抗もしっかりとお持ちのようですし」
「では、お願いします」
こんなやり取りがあって、私は彼とPTを組む事になった。
数匹レイスを倒しつつ、この狩場のルールを彼から教えてもらっていると、
「中央PTにて、火力さん、BISさん募集中です!」
という声が、フロア中に響き渡った。
「珍しいな・・・火力が足りないなんて」
「そうなんですか?」
「いつもは、10人前後予約して待ってる事が多いんだけどねぇ」
「へぇ・・・」
「そうだ、折角だし中央行ってみる?」
「そうですね、行ってみましょうか」
私はこの時(彼と一緒なら大丈夫だろう)という気持ちだった。
後で聞いた話だが、彼も(この人と一緒なら・・・)という気持ちだったらしい。

589 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/18(月) 16:05:26 [ 73WOFiF2 ]
〜中央〜
彼と一緒に中央へ行き、そこで狩っていた人達と一緒に狩る事になった。
「よろしく〜」「よろしくお願いします」
一通り挨拶をし、相方のBISさんとミラーを分担し、狩りが始まった。
元々、PTでの支援を目的としている私。今までの狩場でブレエビをかけていたのが、ブレミラーになっただけなので、特別大変とは思わなかった。
ワイトの大きさには少しびっくりしたが、攻撃方法は周りのレイスと同じなので、脅威ではなかった。
30分程した所で、相方のBISさんが抜ける事になった。
「お疲れ〜」「おつー」
この時点で、BISは私1人。だが、私を含めた7人全員が抵抗完備だったため、特に大変ではなかった。
その後、PTMが入れ替わり、最初から一緒だった彼も抜ける事になった。
この時に、私も抜けておけば良かったのだが、
「お疲れ、頑張ってね」
と、彼に励まされ、もう少し狩ってから抜けようと思った。
だが・・・
彼と交代で入ってきたのは、ランサーさんだった。
「よろしく〜」「・・・」
何故か無言。その時は(口下手な人なのかな?)と思い、特に気にしなかった。
この時点で、PTMの内抵抗無しの人が2人、そこそこの人が2人だった。
そして、彼女も抵抗無しの人だったのだ。
仕方なく、5人にミラーをかけて狩り始めたのだが・・・彼女は、しょっちゅう私のミラーの範囲から外れるのだった。
そして、恐れていた事態が起こった。
私にかかっていたヘイストが切れてしまい、PTMの場所に行くのが遅くなった時、丁度彼女のミラーも切れてしまったのだ。
ワイトの攻撃で大ダメージを受ける彼女。慌てて回復するが、傷が癒える前に次のダメージを受けてしまう。
そして、彼女は力尽きてしまった。その瞬間、目の前が真っ暗になり、不思議な感覚に襲われた・・・。

〜砂漠〜
気がつくと、私は砂漠に立っていた。周りには、先程のメンバーも居た。
「何で・・・いきなり外に?」
何が起こったのか、よく分からなかった私がつぶやくと、隣に居た支援WIZさんが教えてくれた。
「誰かがワイトに倒されると、そのPT全員がこうやって外に飛ばされるんだよ」
「そうだったんですか・・・そうだ、ランサーさんは?」
「ここです・・・」
後ろの方から、弱々しい声が聞こえてきた。
とりあえず、全員の体力を回復させたのだが・・・
「抵抗無しで中央に来るとか、馬鹿じゃないの?」
「そっちだって、抵抗持ってないじゃん!」
「死ななければいいだけの話。死んだあんたが悪い」
等と、抵抗無しの人達での言い合いが始まってしまった。
その間に、元々居たメンバーは次々と帰還の巻物で街に戻っていった。
私も居づらくなったため、そっとその場を離れた。
「来るんじゃなかった・・・」私はそう思った。
「やっぱりあいつの言う事を聞いておけばよかったかな・・・」そう思いながら、私も街へ戻った。

〜数日後〜
その後、しばらく経ってから、古都の噴水近くで彼と再会した。
「あ、お久しぶりです」
「お〜、久しぶり〜」
「そうだ、ちょっと時間ある?」
「はい、何ですか?」
「実はさ・・・」
彼の話の内容は、彼が入っているギルドに入らないか、というものだった。
私は、ギルドというものに入った事が無かったため、少し興味があったのだが、どうしても戸惑ってしまった。
「でも・・・私なんかが入って、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、体験って形でもいいからさ」
「そうですね・・・」
(彼の居るギルドなら、大丈夫だろう)そう思った私は、承諾する事にした。
「では、加入させていただけますか?」
「もちろん、喜んで!」
「じゃあ、ギルドのマスターに会わせるから、ついてきてくれる?」
彼について行くと、そこは古都南のつつじが咲いている場所だった。
「お、いたいた。あそこで座ってるのが俺のギルドのマスターなんだ」
彼の指す先に居る人物を見て・・・私は驚いた。
だって・・・そこに居たのは・・・
「あれ?2人とも知り合いだったの?」
私の親友のWIZだったんだから・・・

〜エピローグ〜
ギルドに所属した事が無かった彼は、今回の事を機に、このギルドに入る事となった。
現在、WIZ、BIS、剣士の3人は、ギルドのTOP3として頑張っている。
「2人共、いつも回復ありがとね」
「いえいえ、これがBISの仕事ですから」
「君こそ頑張ってくれてるじゃないか。今日のGvでも敵をかなり倒せたのは、君のおかげだよ」
「そんな事ないですよ〜」
ここは古都南。今日も楽しそうな会話が聞こえてくる・・・

590 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/18(月) 16:06:39 [ 73WOFiF2 ]
あとがき
少しでも読んで下さった方々、ありがとうございました。
登場するキャラに名前がついていないのは、思いつかなかったからです・・・
また、プロローグとエピローグは第3者目線で、それ以外はBIS目線で書いてあります。
よって、「彼」の指している人物が変わりまくっています。

本来は、2レスで終わらせるつもりでしたが・・・この後書き分がオーバーしました orz

では、この辺で。駄文失礼しました〜。

591 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/18(月) 22:51:19 [ LlQbaSRk ]
>>588-590
いい話ですね。
とても読みやすくてよかったです。
最初で最後だなんて言わずにまた書いてください。
次回作に期待してます^^

592 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/18(月) 23:06:53 [ 68hJrjtY ]
>>590
レイスって行った事ないんだけどもそんな自分にもとても分かりやすく読めました。
面白かったです〜。

593 名前:けいじ 投稿日:2006/12/22(金) 04:38:18 [ titSYi0M ]
こちらから↓
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594 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/25(月) 04:56:58 [ 5rZ/tZJs ]
きんがーさんの話の続きが気になるなあ
赤石のキャラを使っての話ではなく、現実の人間を使っての話は妙にリアリティーがあっておもろかた
期待ageしたいけどルールは守らんとな
続き待ってるぞー

595 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/25(月) 07:25:10 [ 6nDHbYLY ]
同じくきんがーさんその後気になる。

なんかリアル感ある小説もこうして読むと面白いな。
久しぶりに何か書きたくなってきたよ。

596 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/25(月) 14:13:52 [ THu/alug ]
<2006年度 Red Stoneベストセラー小説>

順位
1:火力職の品格
2:ブックウンボソックと謎のプリンセス(上・下)
3:即死狩り ネクロとBISと、時々、エルフ。
4:課金してメインクエスト
5:寄生にならない狩り方
6:おいでよ 即死狩場 かんぺきガイドブック
7:支援職は見た目が9割
8:新・狩場革命(15・16)
9:ロトボックスハッピーアドバイス(1・2・3)
10:完ソロに咲く
11:アリアンの鍛冶屋さん
12:超低マの壁
13:美しいRedStoneへ
14:物理火力Xの献身
15:狩場の裏側 みんな大好き超効率PT

寸評
 すべての火力職に誇りと自信を与える画期的提言、「火力職の品格」がダブル
ミリオンを記録する大ベストセラーに。火力職の高潔さを謳った本書に刺激され、
即死狩り全盛期に引退を決意した火力職も少なくなかった。
 2位には、上半期に話題をさらった「ブックウンボソックと謎のプリンセス」が。
新職にはバグ多しというお約束どおり、ボトル投げや花投げが話題を独占。
 「即死狩り ネクロとBISと〜」は下半期の一大トピックに。関連書の「おいでよ
即死狩場〜」と共に即死狩りのバイブル的存在となったが、既に店頭からは回収。
 フランデル大陸の端から端へと駆けずり回されるメインクエストを扱った「課金して
メインクエスト」は4位に。もっとも、無課金・3日で終わらせた猛者もいるとか。
 話題の書としては、「ロトボックスハッピーアドバイス」シリーズがランクイン。
お目当ての異次元やチケットを当てるための、様々な情報がしたらば板を賑わせた。
また、即死狩りどころか、PT狩りに見向きもせず、ひたすら完ソロに励む職業達の
悲哀を書いた連作短編小説集「完ソロに咲く」も多くの感動を呼んだ。

元ネタ:ttp://www.tohan.jp/tohan-news/06-12-05.html

597 名前:名無しさん 投稿日:2006/12/25(月) 17:12:31 [ irupNu6E ]
ふと思い立ったので書いてみる
文章オカシイ所は脳内変換ヨロシク

「報告します!西門を指揮していた狼男を武術師範殿が討ち取られました!」
『そうか。報告ご苦労』
「しかし・・・」
『どうした?』
「師範殿の傷も深くすぐには東門への救援には向かえそうにないとの事です」
『奴をそこまで追い詰めるとは相手もかなりの者だったと言うことか・・・』
『東門は俺に任せて後方で傷を癒す事にだけに専念しろと伝えてくれ』
「ハッ」

ブルンネンシュティグは戦争を仕掛けていた
多くの穀倉地帯を有するビガプールに対する侵略戦争である
世界の各地より冒険者を軍に募ったブルン軍にビガプール軍の防衛線は破られ
ついに首都への攻撃が開始されていた

『さて・・・派手に暴れるとするか』
相棒である大剣を握り締め男は戦場へと向かった

東門の制圧は容易なはず・・であった
ブルン正規軍に加え、多数の魔道士と魔女が軍に組み込まれていたからである
しかし戦況は予想外な展開に陥っていた
男が戦場に着いた時、魔道士の大半は討ち取られ、周りには無数の兎の屍が転がっていた
『これはいったい・・・』
「うぅ・・あい・あいつにみん・・」辛うじて生き長らえていた魔道士が口をひらく
『どいつだ?』
もう言葉を発する事も出来ないのか方角を指差し、そしてそのまま息絶えた
指差した先で一人の女戦士が戦っていた
身の倍はあろうかという長槍を振り回し屍の山を築いていた
『こいつは楽しめそうだな』 男は笑っているようだった

『うおぉぉぉぉ!!!』
男が咆哮を上げると周りの全ての人間が恐怖に怯え体を硬直させた
しかしやはりあの女戦士は微動だにしていない
男は腰に差している小剣を女戦士に投げつけ、睨みつけた。男なりの宣戦布告である
投げつけられた剣を槍の柄で受け止め、女は男に向き直った
そして男に向かって走りだした

『いざ!』「尋常に!」【勝負!!】
女が槍を突き出してくる。先端が見えないほどの速度で的確に左胸を狙って
男は体を捻り肩当で槍を受け止め、そのまま剣を突き出した