■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■

虐待・虐殺小説スレッドPART.2
1 名前: 管理団 投稿日: 2003/11/03(月) 01:25 [ btf06cwM ]
AAではない活字の並ぶ虐待・虐殺系の新しいスタイル。

「なかなか急所に当んねぇなぁ」
「でもそっちの方がじわじわ殺れていいモナ!」
空が紅く染まる頃、公園はしぃの悲鳴でうめ尽くされている。
「シイイィィィ!ヤメナサイヨォカワイイシィチャ…ジッ!?イイィ!!」
木に縛り付けられたそのしぃは、モナーとモララーの手裏剣投げの
的となっている。今も、深々と伊賀流の手裏剣がしぃの手の平に刺さる。
「やったモナ!手にクリーンヒットモナー!」
「お!よーしそれなら俺ぁ…耳!あの汚ぇ耳を狙うからな!」
「モウヤメテヨォォ!」
しぃの哀願なぞに二人は耳を傾けない。
むしろ攻撃は更に熱をあげた。
「なんかわめいてるぞ」
「ほっとくモナ。そうだ、あの頬の肛門印に手裏剣を刺すモナ!
先に刺さった方が負けた方に焼き鳥おごるモナ!」
「よーしパパがんばっちゃうぞー!」

空と同じように、しぃの体も紅に染まる。

  ∧_∧
 ( ・∀・)AAが描けなくても参加できるからな!___

前身スレ 虐殺小説総合スレ
ttp://jbbs.shitaraba.com/computer/bbs/read.cgi?BBS=1523&KEY=1043305597

前スレ  虐待・虐殺小説スレッド
ttp://jbbs.shitaraba.com/computer/bbs/read.cgi?BBS=5580&KEY=1048169233&LAST=50

2 名前: 管理団 投稿日: 2003/11/03(月) 01:25 [ btf06cwM ]

モラ山は、ダッコ映像に勤めている。
擬古田薬品との合同プロジェクトで記録映画を製作することになった。
政府の麻薬撲滅キャンペーンの一環らしい。
 確かに歌手やタレントが『だめ、絶対』なんて言っているポスターよりも
「麻薬に手を出すとこうなりますよ。」という実際の経過観察を見せたほうが、
 抑止力になるということなのだろう。

被験者は、ちびギコ・ちびしぃ・しぃ(妊娠しぃも含む)に決まっている。
問題は、どうやって研究所に連れてくるか、
悟られないようにするには、どうしたらいいか。
モラ山は悩んでいた。
「擬古田薬品さんとの合同プロジェクトって言ったってなぁ。
どうやってたくさんのしぃを集めて来いって言うんだよ・・・」

公園の中を歩いていたら、ちびしぃがベビしぃを売っていた。
*が見えない。少し色素が薄いのだろうか。
モラ山は彼女を見ていたら、ある閃きを感じた・・・・・


( ・∀・)ローカルルール(´∀` )

@感想・批評は下記の専用スレへ。本スレへの感想は禁止。
  (感想スレのアドレス)

@話の展開を急ぐ感想は嫌われます。気長にマターリと待ちませう。

@小説が面白かったとて他スレのAA職人さんに『小説をAA化して!』と
  言った言動はつつしみましょう。

4 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 01:55 [ /ZPgHFbA ]
       「復讐のモラ」


「お前が・・・・お前が・・・俺の・・・・俺の友人を殺したんだな・・・・?」
モララーは目に涙をためて言った。
「エエ・・・ソウヨナニカモンダイデモ?」
一匹のしぃは言い捨てるかのように言い放った
「な・・・何で・・・殺したんだ?」
モララーの白い頬に涙が這う───
「ソンナノカンタンヨ・・・・シィチャンガマターリデキナイカラ」
「マターリできない?・・・・そんな理由で・・・・モナーは・・・・死んだのか?」
涙が────・・・・止まらない──。
しかし、モララーはしぃの一言で涙を止める。
「ソウイウコト、ア・・・・シィチャンヲヨビダシタンダカラモチロンダッコネ」
何かがこみ上げた。胸の奥が痛い。
「なにが・・・・何がだっこだ!!!!」
モララーの体が一気にターボをかけしぃに突っ込んだ。
   グァン グキッ
いやな音と同時に、右手に大きな痛みが走った
「モギャァァァァァァァ!!??」
「コノサーボーグシィチャンノカラダニハドンナコウゲキモムイミヨ」
痛みをこらえモララーが言った
「・・・・サ・・・サイボーグだと?
ふざけるな!!!!」
今度は左で殴りかかったが、モララー体がしぃとは逆の方向へ飛んだ
「うぐっ」
モララーの肺から小さく息が漏れた。

痛い────・・・・どう・・・・なってんだ・・・・
「ドウ?イタイデショ?トドメヲサシテアゲ・・・・シィィィィィィィ」
モララーの左人差し指と、中指がしぃの目に食い込んだ。
モララーが指を引っこ抜くと、血とドロドロした液が目のあった場所から、飛び出た。
「目・・・・目は・・・・生身か・・・・」
完全に起き上がった。
このとき始めて自分が撃たれたことに気づく。
「けっ・・・・血がとまんねぇや」
でもな───モナー
俺、まだそっちに逝かないよ?
俺──、まだ──終わってない。

───復讐が──。

「さあ、ショータイムの始まりです。」
モララーは近くにあった木材を拾い上げた
痛みをこらえ振り上げた
ガン
「シィィィィィィィィィ?!!!!!!!」
しぃの丁度脛辺りに直撃し、肉が顔を覗かせた。
「ははーん。硬いのは皮膚だけで中はしぃか」
これならいける!お前の仇を取れる!
「うらぁ!」
もう一度振り下ろした。今度は、しぃの首に。
メキッ!  木材が折れる音がした。
・・・がしぃは何もいわなかった。いや、言わなかったのではなく言えなかった。
「ウ・・・・ウジィィィィィィィ!!!!!!」
遅れてしぃが悲鳴を上げた。


「ん?」
モララーの目があるものを捕らえた。
拳銃だ。モナーの命を奪った拳銃。そして自分の命も奪おうとした拳銃。
モララーは拳銃を拾い上げた。
「さ、君にいい物をプレゼントしてあげるよ。」
しかし、しぃはモララーの話を聞かず、苦しんでいるだけに見えた。少なくとも、モララーには。
「人の話を聞かない香具師はぁ〜〜」
カッ
モララーの手に刺激が伝わったと思うと、地べたに転げて苦しんでいたしぃの体が、バウンドして飛び上がり、地面に打ち付けられた。
どうやらこの拳銃には消音機が付いていたみたで発射音が変だった。
「シィ・・・ィィィィィ・・・!!」
弾があたったのは右腕の二の腕の下の辺り。もう右腕での攻撃は不可能だろう。
「さぁて。死んでもらいますよ。」
「ヤメテ・・・・・イノチダケハ・・・・・・・」
必死に命乞いをするしぃ。でも、
     「だめだ」

カッ

シィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!

5 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2003/11/05(水) 13:34 [ A7T015XQ ]
「モモラーとしぃ美」 =最終章= 

一瞬、しぃ対の面々、しぃ美の母親、そしてモモラーにも、事態は飲み込めなかった。
吹っ飛ばされたしぃ対の隊員の首が異様な方向に曲がり、壁にぶつかり二度三度痙攣すると、
そのまま動かなくなった。しぃ美の母親はこれを天佑と見たようだ。

「イイワヨ! ソノチョウシデ マターリヲコワスギャクサツチュウヲ ミナゴロシニシナサイ!!」

しぃ対も黙ってる訳が無い。

「ちっ! 死に損ないの化け物め! 今とどめを指してやる!」

しぃ対の面々は銃を一斉にしぃ美に向かって構えた。

「グ・・・・・グルル・・・・・・・・」

しぃ美は口から血を吐き、よろめきながらも自身の母親の前に立ちふさがり、守ろうとする。
そして・・・モモラーの目に、予想もしない事が写っていた。

「オ・・・・・カア・・・サ・・ン・・・・・ニ・・・・・・ゲ・・・・テ・・・」

「しぃ美・・・・さん? 意識を取り戻したのか!!」

このある筈も無い「奇跡」を、しぃ対の面々は見逃してしまっていた。

「死ね! この化け物めが!」

「やめろ!! しぃ美さんはもう意識をっっっ・・・・・・・!!!」



ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッッッ!!!!


しぃ対の銃より放たれた弾は、しぃ美の体を貫き、意識を彼方へと葬り去った。
しぃ美は前のめりに崩れ落ちると、そのまま動かなくなった。
しぃ美の母親は呆然とそこに立ちすくんでいた。

6 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2003/11/05(水) 13:34 [ A7T015XQ ]
・・・・・なぜ?
・・・・・なぜ意識を取り戻しても私を助けようとしたの?
・・・・・私は貴方を邪険に扱っていたのに?
・・・・・なぜ?

しぃ美の母親の思考にあらゆる考えが巡り、頭を抱え、膝から崩れ落ちた。
しぃ対の面々がその抜け殻と化したしぃ美の母親を始末しようと近づく。
だが、モモラーはそれを阻んだ。

「・・・待ちなさい。」

「・・・え?何ですか? このしぃはアフォしぃですよ?いまさら助けるなんて・・。」

「・・・いえ、このしぃは私が始末します。今日は有難うございました。これは謝礼です。」

「ええ・・。解りました。下のアフォしぃについては?」

「それは貴方達に任せます。」

「解りました。では・・・・・」

しぃ対の面々は、仲間の死体を担架に乗せると、その場を離れた。
しばらくして、下の階から甲高い癇に障る叫び声が聞こえてきた。恐らく仕事をこなしているのだろう。
モモラーは中腰になって座り込み、自問自答を繰り返しているしぃ美の母親に向かって近づいた。

「ナンデ・・・・? ドウシテ・・・・?」

「貴方は・・・我が子の愛に助けられたんですよ。」

「ソンナ・・ワタシハ、 ズイブンアノコニヒドイコトシタノヨ? ナンデアノコハワタシヲ マモッタノ?」

「しぃ美さんは、前、良く貴方の事を話していましたよ。自分の子にマターリに反発された、私に向かって
 随分と露骨な嫌がらせを受けたって・・。でも、貴方は生まれたばかりのしぃ美さんをものすごく
 可愛がったと言ってました。自分を酷く今は苛めていても、昔愛されていた記憶が残っていたの
 でしょう。貴方を確かに疎んじていた。恨んでいた。しかしそれ以上に・・・。






                    貴方を、愛していたんだ。

 

  


 ・・・しぃ美さんは最後に意識を取り戻したとき、貴方に笑いかけたの、気づいていましたか?」

7 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2003/11/05(水) 13:35 [ A7T015XQ ]
しぃ美の母親はモモラーの言葉が言い終わるか言い終わらないかの内に、呆然とした顔のまま
涙を流していた。そしてゆっくりと顔を上げると、モモラーに向かって、悲願の表情を投げかけた。
「ワタシヲコロシテ・・・」とでも言うように。

「どうやら、覚悟は出来たみたいですね。」

しぃ美の母親はいまだ止まらない涙を抑えようとも拭き取ろうともせず、そのまま頷いた。
モモラーはゆっくりとしぃ美の母親に近づくと、首に手を廻し、もう一方の手で頭を抑えた。
このままモモラーの腕力で締め上げれば、安々と首の骨は折れるだろう。
その時、しぃ美の母親が呟いた。

「サイゴニ・・・・オネガイガアルノ・・・・・。」

「なんですか? 言い残したいことでも?」

「ウウン、 サイゴニイッカイダケ・・ダッコシテクダサイ」

「・・・・わかりました。」

モモラーはしぃ美の母親を優しく、抱きかかえた。

「・・・・・・カイ・・・」

「え?なんですか?」

「アナタノテ・・・・・トテモアッタカイ。」

「・・・・貴方と違って、無理やりでは無い、お互い同意の上でダッコですからね。貴方が今まで
 してきたダッコとは違うでしょう?」

「エエ・・・ワタシ・・・サイゴニシンジツノ ダッコヲタイケンデキテ・・・ヨカッタ・・」

「では、さようなら。」

モモラーは、しぃ美の母親の首に手を掛ける。

「シィミ・・・・・ゴメンネ・・・イマイクワ・・・モモラートカイッタワネ・・・・・






                      『ありがとう。』」

8 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2003/11/05(水) 13:36 [ A7T015XQ ]


                ゴキッ


乾いたようで湿ったような音があたりに響いた。しぃ美の母親は、特に表情を変えるでも無く、
そのまま実に安らかな顔で息絶えた。

「貴方は・・・全角で喋れたのか。」

モモラーは一筋の涙を拭うと、しぃ美と、しぃ美の母親の死体を担ぎ、下の階へと向かった。

「ヴニャーン ヴニャーン!!」
「チィチィ! ミィミィ!」
「マァマァ! ナッコナッコ!」

ベビしぃの声が聞こえる。しぃ対の面々は約束を守ったようだ。モモラーは死体と残ったベビしぃを
アフォしぃによって作られた箱車に乗せ、帰路へとついた。

(一年後・・・・)

モモラーはいつもの朝に目を覚ます。
いや、目を覚まされると言ったほうが正しいか。

あの時に拾ったベビしぃはチビしぃに育ち、ちゃんとした躾の仕方で、特に知能にも問題は
無く、のびのびと育っていた。

そう、あのしぃ美の妹も・・。

「モモラーさん! おきておきて! はたけににんじんさんがなってるよ!」

「え!?もうなったんですか? そんな馬鹿な!」

モモラーが慌てて外に出てみると、畑には紙で細工した人参が其処彼処に散ばっていた。
モモラーは軽く苦笑いをした。悪戯癖はベビの頃から治っていないのか、と。
しかもそれ×6だ・・・。

「チビちゃん、貴方は一緒にみんなと遊んできなさい。人参さんは私がとっておきますから。」

「はーい!」

小さい手で挙手をすると、家の裏にある広場へと掛けていった。
モモラーはそこに有った紙でできた人参と、花を摘むと、家の東にある丘の上へと登っていった。
其処には、四角く形取られた墓が二つ有った。

「・・・しぃ美さん、貴方の妹が私を喜ばせようとこんな物を作ってくれたんですよ。」

と言い、一つの墓に、紙で出来た人参を添えた。

「・・・生まれてからずっと距離が遠かった親子の二人・・・。せめて墓くらいは一緒に作ってあげないとね。」

そう言うと、しぃ美の墓にはコスモスを。そして、しぃ美の母親の方の墓には、生前、しぃ美が

「コノハナハ、ハハガスキダッタノ・・・・。」

と言い、世話していた百合の花を添えた。

「貴方方のベビちゃん達も、立派に育っていますよ・・・。」

処分されてしまったベビの母親に向かって、静かに手を合わせる。
モモラーの戦いはひとまずは終わった。しかし、アフォしぃはいまだ生まれつづけ、人々を苦しめている。
しかし、今回のように、アフォしぃが改心し、しぃへと変わっていくこともあるのだ。
そうなるように、モモラーはチビをまともなしぃに育て、また孤児となったベビやアフォしぃのベビを
連れてきてしぃへとなるように育てる。その循環を続ければ、いつかはきっとしぃに対する被虐というイメージが
とれ、それこそしぃのいっているマターリとした世の中が来るかもしれないのだ。

モモラーは丘を降り、家へと戻った。
モモラー戦いは、まだ終わらない。

いつか、このAAという世界に平安が訪れるまで・・・・・。


「終わり」

9 名前: 1・会社にて 投稿日: 2003/11/05(水) 14:55 [ Q9ecaUgc ]
>>2の続き

公園でちびしぃを見た翌日、モラ山は上司のモナ川に相談した。
「え?*なしのしぃがベビを売っていたので、彼女にしぃ集め役を
 頼みたい?結構凄腕っぽいのか。でもなぁ・・・・うちみたいな
 弱小会社ではあまり彼女に金を払えそうにないモナ。」

「でも、逸材ですよ。口もうまそうだし。あれならアフォしぃも
 研究所まで楽に連れてこれそうなんだけどなぁ・・・」

モラ山とモナ川が頭を抱え込んでいると、社長のモラ谷が現れた。
「値切る方法ならいくらでもあるぞ。」

「ええええ??」

「彼女の生活パターンで、必要なものを支給する手法をとるんだ。
 擬古田薬品さんの許可が必要になるが、必要とするのが薬であれば、
 お金の面でのうちの負担は抑えられるかもしれない。」

「社長!それいいアイディアっす!!!」

「では、早速擬古田さんに連絡をとるモナね。」

モナ川は擬古田薬品に電話を入れた。
「擬古田さんですか?ダッコ映像です。いつもお世話になっております。
 実は折り入って相談がありまして・・・・」

モナ川は、モラ山が公園で見かけた*なしのベビ売りのしぃのこと、
彼女を被験者集め役にしたいこと、(彼女へ払うお金)をできるだけ
抑えたいこと、もし彼女が薬を必要としている状況にあれば、
擬古田薬品に提供をお願いしたいことを擬古田薬品の担当者に伝えた。

「担当者さんがこちらにいらっしゃるんですか?
 わかりました。伝えておきます。」

「擬古田さんの担当者がこちらに明日来るって。
 担当者と詳細は詰めてほしいって言っていたモナ。
 無償提供のことはOKが取れたモナよ。」

「忙しくなりそうですね。社長」

「そうだね、今日は飲みにいかないか?
 とりあえず、仕事の成功祈願ということで。」

3人は飲み屋街へと繰り出した。

10 名前: 2・擬古田側との打ち合わせ 投稿日: 2003/11/05(水) 14:58 [ Q9ecaUgc ]
翌日、擬古田薬品から2人の担当者が、ダッコ映像に来社した。

「はじめまして。擬古田薬品の、擬古矢と申します。」
「マーケティング タントウノ ジエン! ヨロシク。」
「お一人ずつに、名刺を渡したかったんですが、申し訳ありません。切らしておりまして・・・」

ジサクジエンは擬古矢の頭を一発叩き、ダッコ映像側にわびた。

「こちらこそ、ご足労をおかけしまして・・・しかもマーケティングの方まで。」
モラ谷が逆に恐縮すると、
ジエンは「キニスンナ! *ナシノ チビシィガ ホシイモノ サッソク サガソウ!」
と言い、早速「コウエン ドコダ?」と ダッコ映像側に聞いてきた。
「モラ山君。われわれを案内してくれないか?」
モラ谷に促され、モラ山は彼女を見かけた公園に皆で出かけた。

公園に着くと、もうベビを売り切ったらしく、彼女は帰宅するところだった。
結構量が売れたのか、帰りに鮭と、しぃフード、栄養剤、と結構買い込んでいた。
5人は、母娘宅を特定し、近所にて聞き込みを開始した。すると、
「母親の腹を蹴り、流産させた」「懲りずにママが妊娠しちゃったの・・・」と言っていた
という証言が聞き出せた。

証言を聞いた後、彼らは、ダッコ映像に戻った。
モラ谷はモラ山に、ジュースを買いに行くように命じ、彼はコンビニに出かけ、
モナ川、モラ谷、擬古矢の3人は
社内で和んでいたが、ジエンは一生懸命メモをとっていた。

「ピル(21錠型OR28錠型)、血液検査・堕胎/避妊手術・(ケイサツ モミケーシ?)」

疑問を感じたモラ谷は、ジエンに聞いてみた。
「ジエンさん?(警察 もみ消し?)ってなんすか?」

「ベビ リャクーシュ (ユウカイ?) シテタラ モミケーシ ヒツヨウ!」

「おお。そうモナね。それに、ピルの件もかなぁ。
(懲りずにママが妊娠しちゃった)って言ってた件も
気になるモナ。あまり母親の妊娠を喜んでいないように、
思えるモナ。」

「ちびちゃん一人が、またーりできる、と言うところをアピールしても
 彼女の心をくすぐるかもしれないね。」

「政府が絡んでいる点で、結構自由がきくんだゴルァ。」

「それに、もうひとつ・・・(ニヤニヤ)」

(何か裏を感じるなぁ・・・・)

でも社長のことだし、楽しめるに違いない。モナ川はそう思い直した。
モラ山がジュースを買って帰社し、5人でジュースを飲みながら、
スカウトについての話し合いを持った。

モラ山はジエンのメモを見ながら感心していた。
(彼女のニーズにあっているかも・・・・ジエンさんさすがだ。)

「ジエンさん。抗精神薬系も彼女に提供って可能ですかね?」
モラ山がきくと「ウチハ クスリヤ バカニ スンナ!」 と、怒られてしまった。

「ごめんなさい。弟が擬古田さんの研究所の所員で、
 被験者を探してるんですよ。抗精神薬の依存について調べていまして、
 検体を欲しがっているんです。」

「奇遇だなゴルァ。うちの兄もだ。」

四方山話をしていると、そろそろ終電に間に合うかどうかという時間であった。
「終電が・・・」
「今日は解散して、明日はスカウトに行くぞ」
「ヨロシーク!!!!」

5人はダッコ映像を後にした。

11 名前: 3・スカウト 投稿日: 2003/11/05(水) 15:02 [ Q9ecaUgc ]
朝になった。
母娘宅近くに集まった5人は、ちびしぃの尾行をはじめた。
略取している。もの凄い勢いで略取している。
母親が留守にして、ベビだけ残ったダンボールから。
ベビだけ残された乳母車から。
「ベビの失踪」の噂も母親しぃのところに入っていそうなものだが、
無用心なのか、「私だけは大丈夫」という妙な自信からなのか、
かなり、ベビだけ残っている状態を5人は見ていた。
その隙を狙ってベビを*無しのちびしぃは、略取していた。
ちびの身のこなしが早かったのか、子沢山のしぃから全員いただいたのか、
瞬く間にちびの乳母車はすし詰めになった。

お昼にはちょっと早いだろうか?
ちびが公園に着いて2〜3分後に、5人は公園に着き
物陰に隠れてベビ売りの様子を早めの弁当を食べながら見ていた。


「しかし、もの凄い勢いで略取していたモナ。
 なにか、復讐しているみたいな感じを受けるモナ。」

「復讐してるんじゃないか????」

「なぜだ ゴルァ???」

擬古矢がモラ山に聞いた。

「でぃを虐待している場所見たことあります?
しぃは、自分の違う姿のしぃ・傷ついた同族の姿を(醜い)と思っているみたいです。
彼女はおそらく、(奇形)とされて、陰口とか叩かれたことがあるんじゃないかな?」

「ああ、大耳のしぃが虐待されているところを助けたことがある。
 なんて連中だゴルァ、と思ったぞ。そうか、うん、納得できるな。」

「アノチビハ *ヲ アフォチビカラ ゴウダツ シタコトアル! 」

「怒りとか結構たまってるんじゃないすかね?」

2時間ほどたったころ、ちびしぃはベビを売り切った。

5人はちびに声をかけた。

「こんにちは。ちびちゃん。」

「ごめんなさい。もう売り切れなんです。
 お兄さんたちけっこう前から見てたでしょ?言ってくれれば、とっておいたのに。」

「全角でしゃべる賢いしぃちゃんは珍しいモナ。」

「これ、ママには言わないでくださいね。半角でしゃべらないとママに怒られるの。
 ところで、お兄さんたち、何の用ですか?」

「オマエラ ナニシテル メイシ ダセ!!」

ジエンに促され、5人は名刺を出した。

「ダッコ映像さんに、擬古田薬品さん?」

「ちびちゃんのセールストークを見込んで頼みがあるんだ。
 アフォしぃ(妊娠しぃも)、ちびギコ、ちびしぃをできるだけ多く集めたいんだよ。」

「彼らには記録映画に出てもらうモナ。」

モラ山、モナ川が言うと、「どんな映画ですか?」と彼女が聞くので、
擬古田薬品の2人が答えた。

「麻薬撲滅キャンペーンって知ってるか?
 ポスターだけじゃジャンキーは減らないって言うんで、記録映画を作ることになったんだ。
 (実際に麻薬に手を出すとこうなります)っていう具体例を出したほうが、わかりやすいって
 やっと政府も気づいたらしいんだ。遅いんだけどな。」

「ウチ ジッケンシセツ テイキョーウ!!」

「でも・・・・・・」

「お金は、ベビちゃんの売った日当よりちょっと多いくらいしか出せないけど、
ほかで、サービスするモナ。薬で必要なものがあれば、ちびちゃんにあげるモナ。
それと、略取したベビの、母親しぃが警察に訴えても、揉み消してあげるモナ。」

「お母さんの愛情がちびちゃんだけに注がれるように、
 避妊薬も出すぞゴルァ。」

避妊薬の言葉に、ベビの心は奪われてしまった。
「やらせて下さい!でも、情報がないと騙そうにも騙せないです。」
*のないちびしぃは、5人の申し出を受けることにした。

擬古田薬品の2人は感心して、
「ミアゲタ チビ イイ!!!」
「研修が必要か。明日朝10時に迎えに来る。 
研修期間中は、1日5000円出そう。それから、ダッコさんと
契約は詰めることにしよう。」

サイタマ色の太陽が沈むころ、6人は別れた。


ちびちゃんの研修編に続きます。
ヤッシさん。どうもありがとうございます。

12 名前: スイナ (8lqSv1fw) 投稿日: 2003/11/06(木) 16:14 [ L9mQa6bo ]
 前スレ >901-904 の続き

 「ああぁぁぁぁ・・・・。」

モラ絶の悲痛な叫び声が辺りを静寂にさせた。糞しぃ達は皆、その奇妙な叫び声に鳥肌がたっていた。

しぃ瑠は、モラ絶の尋常じゃない状態を見て、彼に近付こうとした。だが、

   ドボォッ......

 「あ・・・あ゙ぁ・・・っ・・・」

 「逃がさないよ。」

しぃ腐の振り放った警棒がしぃ瑠の腹にめり込んだ。彼女は血を吐き、どっと倒れこんでいっだ。


一方、モラ絶は土下座のような格好をしたまま、ずっと動かない。

糞しぃ達は、うかつには近付いてこなかった。少しずつ、モラ絶に向かって動いている。

しぃ腐も、しぃ瑠を気絶させた後、すぐさまモラ絶の居る方向へと向いた。倒れこんでいるしぃ瑠を、糞しぃ達が襲おうとしたが、しぃ腐が止めた。

 「こいつはまだ殺らなくてもいい。まずはあのモララーからにしろ・・・。」

糞しぃ達はしぶしぶとモラ絶の周りへ移動していく。しぃ腐も警棒を強く握り直し、糞しぃ達とは少し離れた位置で様子を見た。

張り詰めた空気が辺りを覆う。糞しぃ達はじりじりと近付くものの、状況は変わらぬままだった。

「・・・シィ腐殿、ワタシガ イッキニチカヅイテ ヨウスヲ ミテキマショウカ?」

緊迫した空気の中、1匹の糞しぃがしぃ腐に話し掛けた。

「そうしてみてくれ・・・。」

力なくしぃ腐は答える。糞しぃは、警戒もせず、早足でモラ絶に近付いていった。


やがて、糞しぃはモラ絶の目の前までやってきた。しかし、モラ絶は動く気配がない。

糞しぃは恐る恐る警棒で突いてみた。だが、それでもモラ絶は動かなかった。

 「シィ腐殿! オソラク イッキニチカヅイテモ ダイジョウブカト・・・。」

 「そうだな・・・よし、戻ってこい!」

そう聞くと、糞しぃは早足で戻ろうとした・・・が、その時、異変が起きた。

 「ア・・・!? ウ・・・ウシロ!!」

糞しぃ達が驚いて戻ろうとした糞しぃに叫んだ。

 「・・・エ?」

戻ろうとした糞しぃが後ろを振り向こうとした・・・。

13 名前: スイナ (8lqSv1fw) 投稿日: 2003/11/06(木) 16:15 [ L9mQa6bo ]

  ブシャッ

突然、生々しい音と共に、糞しぃの頭が握りつぶされた。頭を無くした糞しぃの胴体は、地面に倒れこむ。

 「・・・!!」

その光景に、糞しぃ達も、しぃ腐も声が出なかった。握りつぶしたのは・・・



                 ―――モラ絶。


しかし、様子はもう倒れこむ前とは別人だった。猟奇的な笑みを浮かべ、糞しぃ達を睨んでいる。


やがて糞しぃが持っていた警棒を取ったモラ絶は、音も無く歩き、糞しぃ達へ近付いていった。糞しぃ達は怖気づき、後退していく。

 「な・・・何を後退している!進め・・・!進むんだ!」

後退している様子を見たしぃ腐は怒鳴り、その声を聞いた糞しぃは驚き、一斉にモラ絶に向かって突っこんでいった。


  ブチュ、 グチュ....

一方、モラ絶は、握りつぶした糞しぃの飛び散った目玉や脳みそを踏み潰している。だが、何も感じていない様子でどんどん近付いていく。

モラ絶と糞しぃ達の間合いがAA2人分程になった時、

 「シ・・・シネ!! ギャ、ギャクサツチュウメ!」

震えた声で糞しぃ達が飛び掛ってきた。モラ絶も、微笑をしたまま走り出した。


  ゴッ.... ボキィッ.... ガッ.... 

モラ絶が警棒を振る度に、頭を失った糞しぃの胴体が血を噴出しながら宙を舞う・・・。

 「ははっ、はははははは!!」

狂ったような声を上げ、モラ絶は血まみれの警棒でどんどんと糞しぃ達の頭を吹き飛ばしていた・・・。


 「クラエ・・・!!」

糞しぃが必死に警棒を振り下ろすが、ことごとく外されてしまう。それどころか、攻撃を仕掛ければ仕掛けるほど、逆に糞しぃの死体が増えていった。

そんな状況が延々と続き、遂には生き残っていた糞しぃ達は、モラ絶に全員殺されていた。

14 名前: スイナ (8lqSv1fw) 投稿日: 2003/11/06(木) 16:15 [ L9mQa6bo ]

 「く、狂って・・・る・・・。」

モラ絶の猟奇的な殺し方に、しぃ腐は唖然としていた。モラ絶はしぃ腐の元へ歩き出している。

しぃ腐は逃げ出そうとした・・・が、恐怖で足が動かなくなっていた。


やがてモラ絶はしぃ腐の目の前までやってくると、すぐさま素手でしぃ腐の腹を軽く殴った。

 「あぁああぁ・・・!!」

しぃ腐は地面に倒れこみ、痛みにもがいている。

 「さてと・・・ダッコ革命党本部の場所を教えてくれないかな?」

 「だ・・・誰が・・・教えるか・・・。」

  ドボッ....

 「あぁあぁぁぁ!!!」

モラ絶はしぃ腐が質問に答えない度に腹を蹴った。何回も蹴っていく内にしぃ腐は血を吐き出した。

 「・・・ラストチャンスだ。ダッコ革命党本部の場所を教えろ。」

モラ絶の表情は笑っていなかった。鬼のような形相でしぃ腐を睨みつけていた。

 「ガ・・・・ガハッ・・・・・・・言・・・え・・・ない・・・。」

しぃ腐がそう答えると、モラ絶は警棒を取り、振り下ろす構えをした。

 「・・・ならば死ね。」

モラ絶が小声で呟き、警棒を振り下ろした・・・。


   「やめて・・・!!」


突如、声が張り詰めた空気の中を響かせた。その声に驚いたモラ絶は警棒をしぃ腐の顔に当たる手前で止めた。

声のした方向をモラ絶は振り向くと・・・。


      そこには腹を抑えているしぃ瑠が立っていた。





15 名前: hunt(1/4) 投稿日: 2003/11/06(木) 19:42 [ 8toOKb6c ]
 片耳こそなかったが、そのしぃは綺麗な毛並みをしていた。

 走り出した後ろ姿を、モララーは反射的に追いかけた。
 ここしばらくで一番大きな獲物に、彼の心拍数が跳ね上がる。

16 名前: hunt(2/4) 投稿日: 2003/11/06(木) 19:42 [ 8toOKb6c ]
 この見捨てられた町には、被虐AA達が住み着いている。
 最初にモナーに連れてきてもらった時は、アヒャるかと思うほど
狩り放題だった。
 モナーが何度も「狩りすぎはいけないモナ」と言っていたが、
目の前に被虐AAがいる状況でモララーとギコが加虐を押さえ
られるはずもなく、瞬く間に獲物の数は激減した。
(お耳はモナーの分なんだな)
 モララーは寛大にも、ひとつしか残っていない耳朶を友人に
譲ることに決めた。
 獲物の乱獲について悪いと思っているし、先週の狩りの時、彼の
銃を一つ壊してしまったお詫びでもあった。

 廃ビルがホコリっぽく建ち並ぶ大通りを抜けて、しぃは路地裏に
走っていった。土地勘で逃げ切るつもりらしい。
 しかしモララーは少しも慌てなかった。
 確かに、彼はあたりの地形は良く分からない。だが、身体能力に
おける種族の壁は厚く、彼は余裕を持ってしぃを追いかけた。

 久しぶりの鬼ごっこはすぐに終了し、モララーは内心物足りなく
思った。
 混乱に道を間違えたのか、しぃは路地の行き止まりに立っている。
 高い建物の影になって、路地は随分暗かった。
 被虐者に薄暗い場所はよく似合う。モララーはそう思った。
「そんなに逃げなくてもいいんだな」
 彼が笑うと、しぃは後ずさりして壁に背中をぶつけた。
 距離と光量不足で、表情はよく見えない。

17 名前: hunt(3/4) 投稿日: 2003/11/06(木) 19:43 [ 8toOKb6c ]
 傾きかけた太陽が金に染める世界から、彼は一歩路地に踏み込んだ。
 ただでさえ細い路地は、色あせたビールケースや室外機で一層狭く
なっている。
 路地を三分の一ほど行ったところで、モララーは一つ疑問に思った。
(最近、雨なんて降ったかな?)
 しぃと自分との、ちょうど中間位置に水たまりがある。
 水道は止まっているはずだから、水漏れということも無いはずだ。
 モララーは注意深く水たまりを観察した。
(……自動車のバッテリー?)
 それは室外機の影に隠すように置かれ、赤と黒のコードが延びている。
 モララーは薄く笑った。
 追いつめたのではなく、誘い込まれたというわけか。
「罠?」
 しぃがびくりと震えた。
 暗さに慣れた目が、そこに浮かぶ恐怖を捕らえる。
 モララーは軽く助走をつけて、水たまりを飛び越えた。
「こんな事して……。楽に逝けるとは、思わないんだな?」
 最初から、久しぶりの獲物はじっくりなぶる予定だったのだが、
彼は嗜虐心からそう言った。
 このしぃは後悔しなくてはならない。
 被虐AAの分際で、加虐AAのモララーを出し抜こうとしたのだから。
「友達が君を待ってるから、とりあえず移動するんだな」
 モララーが腰のホルダーに手をやると、しぃは息をのんだ。
「大丈夫、撃つのは足だよ。……口径は小さいし、ショックで逝けると
期待しないんだな?」

 路地に銃声が響いた。

18 名前: hunt(4/4) 投稿日: 2003/11/06(木) 19:44 [ 8toOKb6c ]
 全身をまさぐって武器の類を取り上げた後、建物の屋上に向かって
大きく手を振った。
 逆光になった彼が頷き、顔を引っ込める。やがて足音が、無人の
建物内を下り始めた。
 苦痛のこもったうめき声に、しぃは視線を下ろした。
「ゴメンネ アレニ ヒッカカレバ ラクニ イケタノニ」
 心から同情した声音で、バッテリーのトラップを示す。
 左肩から右の腰にかけて撃ち抜かれたモララーは、それでも、種族
の頑健さにより命を保っていた。
 浅い呼吸の合間に何か言おうとしているが、良く分からない。
「ナニ? ジュウ ノコト?」
 前回モララー達が帰った後、壊れて捨ててあった物を見つけ、
仲間が修理したのだ。
 そう教えてみたが、どうも違うらしい反応が返ってくる。
 注意して口の動きを追って見ると、彼は別のことをきいていた。
「チガウヨ。 フクシュウ ナンカ ジャナイ。 コレハ タダノ・・・」
 しぃはモララーの荷物の中から、小型のサバイバルナイフを選んだ。

 非力なしぃには、大きすぎては使いにくい。

 ライフルを背負ったレコが、一階の窓から出てきた。
「イソグゾ コゾウ」
 作業を続ける彼女の隣で、彼はマンホールのフタを開けた。
「リョウカイ」

 非力なレコには、大きすぎては運びにくい。

 必要な物は全て下水道に運び込んで、二人はマンホールのフタを閉めた。
 残ったのは血の跡だけだった。

19 名前: 4・葛藤 投稿日: 2003/11/08(土) 17:58 [ aZEDM6dY ]
>>2と、>>9-11の続き

夜、ダンボールの中でちびは一人葛藤していた。

(5人の申し出を受ければ、同族を売ることになる・・・・)

ちびの心の中で天使は囁いていた。
「ちびちゃんは、お友達を虐殺厨に売るなんてことはしないわよね?」

悪魔も囁いていた。
「友達なんていないじゃん。(キケイ) ってあんた、馬鹿にされてたでしょうが。
それに、あんたの母親、際限なく子供こさえるかもよ?あんたの姉妹に
愛情、取られるんじゃないのぉ?避妊薬くれるって言ってるんだからさぁ。
売っちゃえばいいのに。」

「キケイ キケイ キケイ キケイ キケイ キケイ キケイ・・・・・・・」

ちびの頭の中で、キケイの3文字が頭の中に渦を巻いていた。
*がないだけで、陰口をどれだけ叩かれたか。
同年代の、同族にどれだけ馬鹿にされたか。
母親は、弱弱しく微笑んだだけで、馬鹿にした同族たちに何もしてくれなかった・・・・

(復讐してやるんだ。同族に。)

心の中の悪魔が、天使の首を鎌で切り取り、彼女に微笑んだ。
安らかな寝息を立てている母親の横で
彼女は、邪悪な微笑を浮かべた。

20 名前: 5・迎えの車中で 投稿日: 2003/11/08(土) 17:59 [ aZEDM6dY ]
10時になる数分前に、ちびしぃは待ち合わせ場所の公園についた。
数分後、擬古田薬品の社名が書かれた乗用車に乗って、擬古田が現れた。

「おはよう、ちびちゃん。」
「おはようございます。擬古矢さん。」
「まぁ、乗って。中で内容を説明するから。」

ちびしぃが車に乗り込んでしばらく世間話をした後、
(彼女の愚痴をほとんど擬古矢が聞いているようなものであったが)
擬古矢は説明をした。

「研究所に着くのは、1〜2時くらいになるよ。それから軽い食事をしようね。
 ダッコさんたちは、先に研究所に着いてる。3時ぐらいに
 映画に関係の無い部署についての説明を始めるよ。妊娠しぃを扱ってる部署になる。
 実際に見てもらうことにもなるけど。」
 
「妊娠しぃたちの部署?」

「ちびちゃんのトークのネタに、そこも見学してもらおうと思うんだ。
妊娠しぃを連れてきてくれたら、1匹あたり2000円出そう。
ところで、ちびちゃんはグロいの平気?」

「ジシン ナイデス・・・・・」

「そうか。じゃあ、コンビニに行こうか。ビニール袋を置いてるんだよ。そこ。」

2〜3分後に、コンビニに着くと、擬古矢は、ビニール袋と、アイスクリーム・角砂糖を買ってきた。

「ここでも少し食べたほうがいいよ。あそこに行ったら、もしかしたら吐いちゃうかもしれないから。
向こうで食事しながら、詳しい妊娠しぃの部署の説明をするけど、あそこでは、奇形児を
見ることになるんだ。だいじょうぶかな?けっこうグロかも・・・・」

「スコシ カクゴスル ジカンヲ クダサイ・・・・」

「落ち着いたら言ってね。」

ちびは、少し擬古矢に待ってもらっていた。
パニックを起こしたのだろうか?呼吸が少し荒い。
擬古矢は、「パニック・アタックかな?」とビニールを渡し、
ちびに袋を口に当てて、呼吸をするようにいった。

(キケイって、どんなの?私みたいな*が無いベビちゃん?
そこのベビちゃんはママに捨てられたベビちゃん?)

(キケイのベビちゃんたちのママも、何にもしないのかな??
 ちびが馬鹿にされても弱弱しく微笑んでたママみたいに・・・・)

しばらく、ちびは気持ちが揺れていたが、
だんだん落ち着きを取り戻してきた。霧が少しづつ晴れてくるみたいに・・・・

(キケイ キケイ * ナシノ キケイ ・・・・)

弱弱しく微笑むだけで、私のことを馬鹿にした同族に何も言い返せなかった母、
コウビとダッコしか考えられない母。
助けてくれなかった。助けてくれなかった・・・・・・

また、ちびの心に囁く声が聞こえた。

(アフォしぃががよく使う「虐殺厨」が減るだけじゃん。
あいつらだって、でぃちゃんや(キケイ)を虐待や
虐殺してるし、あたしだって・・・・・
それにお金も入るし、一石二鳥だよねぇ。)

「覚悟は決まった?」

「はい」

「さっきは息苦しかったの?」

「少しめまいがしたんですが、落ち着きました。大丈夫です。
袋を口に当てて呼吸してるうちに、落ち着いてきました。」

「そう。社に戻ったら、抗不安剤を処方してもらおう。
じゃ、行こうか。」

車を走らせてから、2〜30分後、研究所に着いた。

21 名前: 6・研究所にて 投稿日: 2003/11/08(土) 18:01 [ aZEDM6dY ]
研究所につくと、ダッコ映像のモラ谷・モラ山・モナ川が二人を出迎えた。
擬古矢は「抗不安剤をもらいに行ってくる」と中座すると、
3人がちびに話し掛けてきた。

「体の調子でも悪いモナ?契約はすこしまったほうがいい?」
「擬古矢君から説明を受けて少しびっくりしちゃったかな?」

「大丈夫です。もう落ち着きました。」

「今日は妊娠しぃの部署の見学をするんだって。それと、焼却炉の説明も」

「焼却炉????」

「うん。麻薬中毒のとことか、妊娠しぃが頃しちゃったベビとかで
遺体が出るでしょ?それを焼却するんだ。」

「頃しちゃうの?自分の子なのに?」

「これから見る場所について、擬古矢君から説明を受けたよね?そこで生まれたベビを母親は
頃しちゃうんだよ。まず100%といっていい。育てている母親なんていないよ。」

「ちびちゃん。抗不安剤をもらってきたよ。1錠寝る前に飲んで寝てくれって。」

擬古矢が抗不安剤をもらって戻ってきた。
「食事にしないか?4人とも。」

「食事しながら、妊娠しぃについての説明やら、契約についての説明やら
話そうか?どうする?」

「食事しながらの妊娠しぃの部署の説明は、ちときついっす。社長。
契約を先にしましょうよ。」

「部署の説明は食休みしてからだ。普通でもきついと思うぞ。」
モラ山の意見に擬古矢が同意すると、

「そうモナね。擬古矢さん。食堂に連れて行って欲しいモナ。
いいかげん、腹が減ったモナ」

「モナ川さん。そうですね。行きましょう。」

5人は食堂へ向かった。

22 名前: 7・契約 投稿日: 2003/11/08(土) 18:05 [ aZEDM6dY ]
‐‐‐‐‐‐‐契約書‐‐‐‐‐‐‐

ちびギコ・ちびしぃ・しぃ  1人 1000円
妊娠しぃ    1人 2000円

もし、アフォしぃではないしぃを連れてきた場合
罰金  1500円

------------------------------------------------------

全員、食事をし終えて15分ほど経った頃であろうか。
モラ谷、擬古矢は、紙をちびしぃに差し出した。

「ちびちゃんは、アフォしぃではないしぃちゃんと会った事あるモナ?」

モナ川に聞かれたちびは、うなずいた。
「私が、*が無いのを同族に馬鹿にされたとき、お友達に助けてもらったの。
ちびにできた初めてのお友達。でもね、大勢のアフォに2人とも殴られちゃったけど。
お友達と一緒に家に帰ったの。お友達の家、しぃの家と近いのね。
お友達の家に着いたとき、彼女のお母さんがびっくりしてたから、
私がわけを話したのね。しぃちゃんに助けてもらいました。って。ありがとう。って。」

「お友達のママは、なんて言ってた?」

「当然のことをしただけだって。お友達は、いい子だってダッコされてたの。
こんな人がお母さんだったらなぁ。って、あの時思った。」

「そういう、優しいしぃちゃんを連れてきてはだめだよ。もし連れてきたら、罰金として
ちびちゃんに払うお金から、1人1500円づつ引くからね。誤魔化してもだめだよ。
ここに連れてくるときに、調べてから連れて行くからね。」

モラ山に念を押されて、ちびはうなずいた。

「モラ山君。そう、緊張させなくても。ちびちゃん、簡単なことモナ。
 ちびちゃんを馬鹿にした連中を全員連れてくればいいモナよ。」

モナ川に言われたちびは、安心したのだろう。笑顔が出てきたように見える。
「ちびちゃん。念のため、おテテに墨を塗ってここに押して欲しいんだ。
 僕たちと、ちびちゃんの、お仕事の契約書だよ。」

ちびは、即座に手のひらに墨を塗って手形を押した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次回、「施設内研修編」いきます。
推敲漏れがありました。すいませんです

5.迎えの車中で 擬古田が現れた→擬古矢が現れた。

23 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 01:15 [ kDrAg2.Y ]
注意:この作品は虐殺表現が少なめです。

「プロローグ」

「ここいら辺は異常が見当たらないや。早く皆の所へ戻ろう・・・。
 それにしてもお腹が空いたな・・・。」

暗闇の中、林道を一人の少年が歩いていた。
青白い素肌が月明かりに照らされてぼうっと光っている。

しばらく歩いていると彼はしぃ達に出くわした。
9匹の集団で、手には棍棒を持っている。

「ハニャ〜ン。ニンゲンノコドモガイルヨ!」
「ナニカシィチャンニタベルモノヲヨコシナサイヨ!」
「クレナカッタラギャクサツチュウトミナシテ アボ〜ンスルヨ!」
などと口々に自分勝手な事をまくし立てている。

少年はしぃ達を見てブツブツと独り言を言い始めた。

「人間は食べちゃ駄目って言われてたけど・・・・、しぃは、『人のごとく振舞う猫に似た種族』で
 人間じゃ無いから食べてもいいんだよね・・・・。それに・・・。
 博士のことを殺したヤツらの仲間だから。」

「ナニヒトリデシャベッテンノヨ! トットトナニカヨコシナサイ!」
そう言って一匹のしぃが少年に近づいた時だった。

ザグシュウ!!!!

そのしぃの頭が消し飛んだ。
頭を失った体からは血が噴水のように吹き出した。
よく見ると少年の背中から触手が飛び出ている。

「・・・・・いただきます。」

しぃ達を無数の触手が襲い始めた。
「イヤアアアア!!ダッコスルカラユルシテーー!」
ドシュ! ズバッ! メリメリ・・・ゴキャア!!
血飛沫があたり一面に飛び散り、しぃ達はなすすべも無く体を引き裂かれた。


グチョオッ……メシャアァァ………ゴリュウゥゥゥ……
「ギャアアァァアアアアァアアアァァァァッ!!!!!!」
…カリッコリッ…………クチャクチャ…………ポタッ…………ポタッ……


「ぜんぶ食べ終えちゃった。けどまだお腹が鳴っているよ・・・。」

 少年は口に付いた血を軽くふき取ると走り始めた。

駄文スマソ。まだ続きます。

24 名前: SCOOL DAYS 投稿日: 2003/11/09(日) 05:17 [ 9VlsB6fs ]
          SCOOL DAYS
                      その5

挨拶を終えた次の日、その日もまたモララーは定時にきちんと職員室にいた。
さっきから窓の外を見てはニヤニヤしている。
登校してくるチビたちの表情を見て楽しんでいるのだ。
楽しい学校。たくさんの友達。優しい先生。そんな生活が始まると思っていたのに。
登校してくる全員、顔にそんなことが書かれているような沈んだ顔だ。
モララーにはそれが楽しくてたまらなかった。
小さな希望を土足で踏みにじる下卑た快感。純白の心を泥で真っ黒に塗りつぶす喜び。
その感情が、普段クールなモララーの表情を崩していた。
心の中では逃げだしたいだろう。けれでもそれでも学校へとやってくる。
ペナルティを背負わないために。殺されないために。生き延びるために。

チャイムが大きく時を告げる。いよいよ始まろうとしていた。
チビたちにとっては試練の時が、モララーにとってはショウタイムが。

「みんなおはよー!」
モララーは元気にドアを開けた。やはりみな一様に暗い顔をしている。
それとは対照的に、モララーの顔は満面の笑みをたたえている。
教卓の前に立ち、教室を見渡しても、誰も目をあげようとはしなかった。
「はい、いきなりでなんですが、みんなに残念なお知らせがあります。」
全員すぐに顔を上げた。この上に何を言われるのか。それが恐かったから。
「実は、調査の結果、ここにいる皆さん全員のお母さんお父さんは、ひろゆき議会からみて
 俗に言う[アフォしぃ]に当てはまることがわかりました。
 議会はこの学校の設立された目的を失わないためにも、未来を担う君達に
 悪影響を多大に与える恐れの有る、社会のゴミどもを抹殺する事を決定しました。」
みなぽかんとしている。誰一人として話を飲み込めていないようだ。
「ちょっと難しく言い過ぎたかな?つまりねぇ、
 君達の親は今頃殺されちゃってるって事なんだよ。わかる?」
この一言は全員に衝撃を与えた。
「そんなことってないデチ!」
「ヒドシュギマシュ!」
「先生は嘘つきデチ!そんなこと、あるわけないデチ!」
「そこまで言うなら帰って確認してくれば?」
モララーは冷淡な声でさらりと言った。
「別にこっちは信用して欲しくて言ってるんじゃないんだぜ?
 ただ真実を述べただけだ。さっさと理解しろ。」
また、教室がしんとなった。誰一人として騒いだり泣き出すものはいない。
その行為は何ももたらさず、ただ死を近づけるだけだと知っていたから。
「みなさんは、そんな駄目な大人にならないためにもここにいるのです。
 何故私がポイントが0になると殺すと言ったかわかりますか?
 -1がつくだけ[アフォしぃ]に近づくからです。そして0になったという事は、
 学習能力が低く、適応性に欠け、貧困な発想しか持てない者になったという事です。
 これらはみな[アフォしぃ]の典型的な特徴です。つまり、そいつもまた、
 [アフォしぃ]になったという事になるんです。そんなもの生かしておいてもしかたありません。
 だから殺す。逆に言えば、+1がつくだけ聡明なしぃに近づいているという事になるわけです。
 意味がわかりますか?」
全ては理解していないだろう。だが、ぼんやりと輪郭だけはつかんでいるようだ。
それを見極めてから、モララーは続けた。 
「さて、これで君達は住み家を失ったわけですが、代わりは学校で用意してますので安心してください」
そこで、おずおずと一人のチビふさが手を上げた。
「代わりって、どういうことデチか・・・?」
「つまり、君達には学校寮に入ってもらう。これで24時間君らを監視できるわけだ」
チビフサは質問するんじゃなかったという顔で手を下ろした。
「ではこれから、自分の家に帰って、荷物を全て持って学校に戻ってきてください。
 今日の五時がリミットです。なぜなら、五時を過ぎると
 死体清掃班のおじさんがみんなの家に来るからです。もしその時、
 ぐずぐずして家に残ってたりすると、きっと産まれてきた事を後悔しますよ。」
もうチビ達は生きる気力を失いそうだった。
家族を殺され、自分まで殺される危機に何度も瀕しているからだ。
それでも、まだ死にたくはないようだ。それは、夕方五時に全員そろったことで証明された。


                                 続

25 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 20:36 [ kDrAg2.Y ]
>>23の続き


暗い。何も見えない。おまけに体中がズキズキする。
何でこんな事になったんだろう・・・・・。

そうだ、思い出した。私は自分の住んでた村をしぃ達に襲われて、
お父さんとお母さんを殺されて村から逃げ出したんだっけ・・・。
そしてしぃ達に追いつかれて・・・・。

その後は覚えていない・・・。
ずっと意識を無くしていたみたいだ・・。

それにしても何かあったかい。
少なくとも追いつかれた所では無いみたい。
今、私は何処にいるんだろう・・・・?

26 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 20:55 [ kDrAg2.Y ]

「気がついたみたいね。」

私が目を開けると、一人の女の子がいた。年は私とあまり離れてなく。
服はボロボロで顔や体中傷だらけだ。

「・・・・ここは?・・イタッ!」
「まだ痛むの?包帯巻くから少しお洋服切らしてもらいましたよ。」
「ありがとう。あなたは?」
「あ、私はディアナっていうんです。」

体を起こしてみると、何処かの森の中だという事が分かった。
近くには焚き火が燃えていて。串に刺さった肉が焼かれている。

「ここは貴方が襲われていた所の近くよ。今日はここで野宿することに
 なったから。」
「あ、あの、しぃ達はどうなったの?あと私の村は?」
「しぃは私達が始末したわ。村は残念だけど壊滅状態だった。」
「そう・・ですか・・。でも私達って言っていたよね。他にも
 貴方の仲間がいるの?」
「うん。今は周辺の見回りをしているからもうすぐ帰ってくると思う。」

27 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 21:39 [ kDrAg2.Y ]

「おーい!こっちは異常は無かったぞぉー!」
「こちらも異常は見当たらなかった。もうしぃ達は撤退していったみたいだ。」
暗闇から二人の人影が見えた。一方は男でもう一方は女。年は高校生位。
二人とも血の様な髪の色をしていた。
「あ、ご苦労様。紹介するね。今の二人は私の仲間で、男のほうがアヒャイエ、
 女の方がツヴァイって言う名前なの。」
「お!その女の子やっと目覚めたのか!」
「た、助けていただいて有難うございます。アヒャイエさん。ツヴァイさん。」
「そんなに恐縮すんなよ。俺のことはアヒャって呼んでいいよ。」
「俺も同じ考えだ。俺のことはツーでいいぞ。」

しばらくするとまた人影が見えてきた。今度は三人だ。

「Dさん!いったいぜんたい何処ほっつき歩いてたんですか!知らない間に
 いなくなちゃって!探したんですからね!」
「いてててて!!分かったから耳引っ張んな!やめてくれー!
 あたたたたたた!!」
「みぃちゃん、もう許して上げなよDさんも反省しているみたいだし。」

三人の内、女は一人、あとは男だった。

28 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 21:56 [ kDrAg2.Y ]

「ディアナー!こっちにはもうしぃはいないよー!」
「あ、助けた女の子意識が戻ったんですか。」
「ウホッ!よく見たらカワイ娘ちゃんじゃねーか!」

「ねぇディアナ。この人達も仲間なの?」
「そうだよ。みぃちゃんにモララーさん。あともう一人が
 私のお兄ちゃんで、Dって言うの。」
Dはディアナと同じで全身傷だらけで、背丈が2m近くある。

「おいディアナ。アイツはまだ帰ってないのか?」
「うん・・・・。お兄ちゃん達より早く見回りに行ったのに・・・。」

この様子を物陰から一匹のしぃが見ていた。
村を襲ったしぃ達の残党だ。

「アレガカワイイシィチャンタチヲコロシタギャクサツチュウノヤツラネ!
 ハヤクホンブニヤツラノトクチョウナンカヲシラセナキャ!」

29 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 22:00 [ kDrAg2.Y ]
    ::::::::::::::::::::::::._,,-‐"`
    :::::::::::::::::::::::,i´               ____   .、,,,,_、.-,,,,,,、
    :::::::::::::::::::::::,!              ,,,,,,,,,,――--- ゙゙゙゙̄"  ` ̄
    :::::::::::::::::::::゙l     .--、,,,,,,,二"'''''''''''' ゙゙̄"
    ::::::::::::::::::::::| ,,,_、 `'''''――           ,_ .,,_  、,,,,,_.、,
    :::::::::::::::::::::::゙l,,,,,,二二ニヽ_____,,,,,,,`'',!=iッ-_.^''ー二''ー-."''`
    ::::::::::::::::::::::::::'l/,!-,!/l,rrぃ,!:,x,,,'|'、V,,Zljレlzζー`''、  ″    ,
    :::::::::::::::::::::::::::|レ゙'歹''''il,lトi,,']`゙゙lア''x,|  ゙'i|i,判、i、      、.,,-l゙
    ::::::::::::::::::::::::::::│ |゙l /゙゙l .]゙i、 .|゙l,、|゙l、 ,!.巛,'j廴    ./ /丿
    :::::::::::::::::::::::::::::::゙r|:::゙r,!::::.|.,/::::゙l,l:::゙l,,l゙ ゙l_,│:::゙ |ミl.|゙l 、,l゙.,l゙,/   ,l゙
    :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.,,,二--,,〟:::″:::: ^:::.,。,,,,,,'ケトl゙ /./.".,、.,/,《
    :::::::::::::::::::::::::::::::::::,r‐'"`  .r、,i´:::::::::::::::::::_ヽ .゚'||ll,.|.l゙.ノ  | / ,l″
    :::::::::::::::::::::::::::_,,,/  ,,,,,,,巛゙/:::::::::::::::::::::::::゙ヽ~℃j'',l|ケ″ ,‐ | | "  l
    ::::::::::::::::::,r'"゙` ` `゙゙゙"   |-, .,,、::::::::,,,,,,,,,|,_,》゙l゚仆  │ .| "  ,i::
    :::::::::::::::,/`         ` ゙'!l,,ノ:::::::`''┐ ゙l、||,i´| .rl゙  l゙  /::::
    :::::::::::::,i´ .r‐i、          .,i´ヽ:::::゙゙ ゙゚̄巛フ『 │./ |  `  │:::
    ::::::::::丿  ゙'''"  .,r、_    ,/`  | .f,!‐゙ly,,l|リ| ,}| ,l゙ .|    .l゙:::::::
    :::::::::,!|''''''┐   .l゙  ゙^''''x,,,i´   |::::`lr,|i|レi|",l゙.!.l゙ ゙   丿::::::::
    :::::::::| |  |   ,/ 暴打 .,i°.  │::::::`j゙''"丿 `    .,,i´::::::::::::
    :::::::::!,.|, _) 丿  フォソ /  .  |:::::::::: ゙'-,,l゙_     .,,i´:::::::::::::::
    :::::::::::゙!ニ,,、 .,l゙,,,,,,,,,,_  .,l゙    ,ノ:::::::::::::::::::: `''ー--‐″:::::::::::::::::::
    :::::::::::::::::`゙'♂’   `゙'-゙.゙l  .,r‐'′:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    ::::::::::::::::::::.,!″      ,i" ._.|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    :::::::::::::::::::::l、      .,イ, ^ ^i、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


「ハヤクツナガッテ・・。」
バクッ!!!!
・・・・・・・・・・・・。

30 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 22:11 [ kDrAg2.Y ]

「危なかった・・・。ここにも居たなんて。」
現れたのは先ほど林道を走っていた少年だった。
「遅いぞぽろろ!どうしたんだよそんなに返り血を浴びて!」
「見回っていたらしぃに出くわして始末してきた。あとこの近くに一匹いたよ。
 危うく僕達のことが知られる所だったんだから!」
「そうか。これで全員そろったな。」
「じゃ、肉も焼けたころだし喰うとするか。」
「そうしましょう。もう僕もお腹ペコペコで。」
「そうだ!あなたまだ名前聞いて無かったよね。なんていうの?」

「・・・・シルク・・。それが私の名前よ。」

31 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 22:24 [ kDrAg2.Y ]

じゅう〜じゅう〜

「ほら、お前も逃げていて腹が減ったろ。喰え。」
そう言うとアヒャはシルクに肉を投げた。
「・・・・おいしい!これ何の肉なの?」
「何言ってるんだ!お前を襲った奴らだろ?」
「・・・・え?・・・・!ま、まさかこの肉って・・・。」
「そ、殺したしぃの肉さ!脂肪分が少ないから旨いんだ!」
「それよりも貴方、この後どうするの?村が焼けちゃったんだから。」
「え・・・・。お父さんもお母さんも二人とも殺されちゃったし・・・。
 行く所なんて何処にも・・・・。」
「だったら俺達の村に来いよ。住めるところもあるしさ!」
「え!いいの!?」
「あったりめえだろ!困ったやつは見捨てて置けない性質だからさ俺達。」
「明日の朝村に戻る。飯を食ったら早く寝ておけ。」

続きます。 お目汚しスマソ。

32 名前: 8・レモナ棟 投稿日: 2003/11/10(月) 13:44 [ hGDzyKlI ]
>>2 >>9-11 >>19-22 の続き。

「皆落ち着いた?レモナ棟について説明してもいい?」
擬古矢の問いに、みんなうなずいた。
少しの食休みの後に、擬古矢が説明を始めた。

「ちびちゃん。羊さんしってる?」

「馬鹿にしないでください。」

ちびが少し怒った口調で言うと、擬古矢は謝罪し、

「バイケイソウって言う植物があって、それを食べた羊たちにある奇形が見られたんだ。
これはアメリカの話で、日本では、そういった例はまだ出てないんだけど。
わが社はバイケイソウを北カリフォルニアから輸入して、
エキスを抽出することに成功したんだよ。で、そのエキスを妊娠しぃに注射したら、
同じ奇形がベビに発現した。バイケイソウエキスを錠剤にして、
すでにサンプルができているんで、経口投与する適量を実験したいんだ。」

「それで妊娠しぃが必要なんですね。ところで、奇形ってどんな?」

「まぁ見てもらえればわかるよ。それと、レモナ棟には、産婦人科のお医者さんもいるから、
お母さんの相談もするといいよ。ピルの件はすでに話をしてある。お医者さんの説明を受けてから
ピルを決めていいんじゃないかな。それと、堕胎手術、避妊手術が必要になったら俺に言ってくれ。
スケジュールを決める関係もあるんでね。」

「はい。」

「じゃあ、みんな行くモナ?」

モナ川の言葉にみなうなずき、エレベーターに乗った。

33 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 13:57 [ hGDzyKlI ]
7階の部屋に、レモナ棟があった。5人は、エレベーターから降りると、
タカラギコ&ジサクジエンが「分娩室」と書かれた部屋から、黒いビニールを持ち、
血まみれになって出てきた。タカラギコは
「ああ、あのちびちゃんですね。少ししたら会いましょう。」
と、挨拶をして出て行った。

分娩室からは母親しぃともう1人の女性の言い争う声が聞こえてくる。

「ベビちゃんに、なんてことしてるのよ!!!!」

「シィィィィィ アンナノ ワタシノ ベビチャンジャ ナイワヨ!!!!!!」

「現実を見なさい!!!自分のベビを床に投げつけて、頃してしまって。
あの子を育てることもできたのに、あなたは頃しちゃったの。
自分のことを棚にあげて(ギャクサツチュウ)ってよく言えたものね」

「ベビハ マタツクレバイイ。 ナンニンデモツクレルモン!!」

「もう無理よ。アハハハ。あなたは、ここから別の場所に移されるんだから。
もう、出られないんだから。だれか、この人を、MMG棟に移してね。
止血処置は済んでいます。ギコ君にモルヒネの経口投与をお願いしてください。」

「はい、レモナ先生」
「来なさい。」 

二人の看護士のモナーに母親(だった)しぃが連れて行かれる途中、
ちびたちとすれ違った。母親だったしぃはちびを見つけると、
「アハハハ キケイノ チビチャン イキテテ ハズカシク ナイノォ?」
と、ちびを馬鹿にした。ちびは殴り倒してやりたくなったが、我慢していた。
3人が見えなくなった頃、モラ山、モナ川は感心して、
「ちびちゃん。よく我慢できたモナね。」
「漏れなら、殴り倒したけどなぁ。ちびちゃん。よくがんばったね。」

34 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 13:59 [ hGDzyKlI ]
モラ山がちびをほめたすぐ後に、「擬古矢君?」という声が聞こえた。
「先生、お邪魔してま〜す。どこに案内すればいいですかね?」
「あら、かわいいちびちゃんじゃない。産婦人科医のレモナです。はじめまして。
握手はちょっと待ってね・・ちょっと身支度を整えてくるわね。擬古矢君、診療室で
待ってもらってて。そこで説明もしてね。」

分娩室の隣の部屋が診療室になっている。1人用、2〜3人用のソファーがあり、
ちびは一人用のソファーに座っていた。擬古矢は丸椅子に、ダッコ映像の3人は
2〜3人のソファーに座って待っていた。

医師の机には、ホルマリン漬けのベビの遺体が容器に入り、浮かんでいた。
まるで案内嬢のようだった。
観察してみると、ベビの目が1つしかなく、鼻や口もどこにあるかわからない。

「これが、ここで見られるベビの奇形。単眼症って言うんだ・・・」
「そうなんですか・・・・バイケイソウを食べてた羊も、こんな奇形があったんですか?」

擬古矢が答えを言う前にレモナが現れ、
「そうよ。サイクロパミンって言う毒素のせいなんだけどね。胎児期のコレステロールの
輸送を阻害することにより神経系に著しい障害を引き起こすんだって。
まだ、コレステロールの発生における役割は明らかではないんだけど、
マウスの研究によればsonic hedgehog という遺伝子がこれに関連しているみたいなの。
どうもしぃも、同じみたいね。」

「わかりました。ところで。バイケイソウの錠剤を見せてもらえます?」
レモナは緑色の錠剤を見せると、ちびは思わず「ベタベタかも・・・・」とつぶやいた。
「やっぱり??? ハハハ。素直ねぇこの子。
 擬古矢君。カプセルにするか、錠剤の色を変えるか検討したほうがいいわね。
 ちびちゃん。貴重な意見をありがとう。」
レモナは握手をちびと交わした。

「話は変わるけど、ピルについての説明をしましょうか。
ちびちゃんのママはお薬って、飲み忘れするほう?」

「飲みません。味が嫌なんだって。本当こどもみたいで嫌になります。」
「ハハハハ・・・」

これくらいの粒なのよ。と、レモナはちびにピルのシートを見せた。

「毎日飲む薬なんで、飲み忘れがあると困るの。
21錠型は21錠飲んで7日休むのね。休んでいる7日の間に消退出血がきます。
28錠型は、毎日飲み続けるの。
ここに1って書いてあるでしょう?ここから初めて、番号順に順番に飲ませてね。
ホルモンの量が薬の色によって違うのよ。最後の色にはホルモンがありません。
飲み忘れをしないための偽薬です。最後の色の錠剤を飲んでいる時に
消退出血が来ます。
 これは21錠型・28錠型両方ともなんだけど。必ず時間を決めて飲ませてね。
1日一回ね。今日は簡単に説明をしたけど、細かな説明はこの次でいいかしら?
どのピルがママの体に合うかまだわからないし。いろいろ試してママに合うものを
探しましょうか。」

レモナの説明にちびはうなずくと、
「今日は、いい意見をくれたお礼にプレゼントするわね。どっちがいい?」
「えっ?」
「お礼に今日はピルをあげる。」
「レモナ先生。ありがとう。でも、母が妊娠してるかもしれないんです。」
「そう、それなら、近いうち連れてきて頂戴。それから決めても
遅くないわね。」
「はい。」ちびはうなずいた。

そろそろ時間も時間ですしと、擬古矢がレモナに告げた。
「じゃあ。さようならかしらね。ちょっと名残惜しいけど。」
「レモナ先生。ご説明ありがとうございました。」
ちびが礼を言い、4人は頭を下げると、
レモナは「いつでもいらっしゃいね。お礼はさせて頂戴ね〜。」
とちびに言いながら、5人を手を振って見送った。

ちびは何度も、レモナに頭を下げて
4人とともに レモナ棟を あとにした。

35 名前: 9・焼却炉 投稿日: 2003/11/10(月) 14:01 [ hGDzyKlI ]
エレベーターの中でちびは、
「ウマレタダケ シアワセナノカナ・・・・」と呟いた。

モラ谷は、
「ちびちゃん。漏れは親になってないんでわからないけども、
親になるって言うことは、親になる責任もついてくるってことだと思うんだ。
ちびちゃんが馬鹿にされてるのを見てて、お母さんは君の同族に怒ってくれたか?
普通なら怒るぞ。丸耳の子とその子のお母さんを知っているけども、
自分の子供が丸耳なのををアフォしぃに馬鹿にされてるのを見つけた
その子のお母さんは、アフォしぃをぼこぼこにしていた。
漏れ、そのお母さんを見て母親の強さって言うのを感じたぞ。」

「それに、母は強しって言う言葉があるモナ。母親はいろんなものを背負って
 強くなっていくと思うモナ。」

「そろそろつくぞ。」擬古矢は到着を告げる。

チン。
地下1階に着いたことを知らせる音が鳴った。5人が降りると、
焼却炉とかかれたドアの向こうから、やけに陽気な歌声が聞こえる。

不謹慎で、陽気なレクイエムだ。

♪奇形を殺(や)ったの しぃちゃん しぃちゃん
 自分のベビなの  しぃちゃん しぃちゃん
キモイし ウザイし  はにゃにゃにゃにゃ〜ん
マターリ したいし はにゃにゃにゃにゃ〜ん♪

「カエウタ ハヤッ! ウマイカ ヘタカハ ベツ!」

「ジエンさん。 きびしいっすよ〜。」

能天気なやり取りも聞こえて来る。

擬古矢がノックすると、「ドゾー」という声がしたので、
5人は中に入った。
タカラギコは焼却炉の中に何かを入れていた手を休め、
ジサクジエンはペダルのようなものから降りた。

「作業中悪いな。」

「いいえ〜。一旦灰を集めようと思っていたんで、気にしないでください。」

「ソレニ イップク シタカッタ!」

焼却炉の隣に、休憩所がある。案内された5人は
椅子をタカラギコに勧められた。7人が着席すると、
擬古矢が説明を始めた。
「ここは、遺体を焼却している。今、燃やしてたのは、レモナさんのところの、
頃されたベビだよ。1回にベビ・ちびは20匹ぐらいまとめて焼却してるらしい。」

タカラギコが続けた。
「焼却炉なんだけど、冷蔵庫もあるんです。
 遺体を保存するんですって。変でしょ?ここ。」

「遺骨ってどうしてるんです?」ちびは疑問を口にした。

「コプーンニスル! 」

「MMG棟からの遺骨は粉にして、麻薬の増量剤にするようです。
MMG棟の人たちが詳しいんで、彼らの説明を聞いてもらえると
ありがたいんですけど。」

「ベビノ コプーン アツメタバカリ!」

「レモナさんの所のベビの遺骨は、まだ少量しか集まってないんです。
成分は、これから調べるらしいです。」

「じゃあ、遺骨はここから出ないモナ?」

「ベビの遺骨はわかりません。成分によりますね。MMG棟の遺骨は
 ここから出ることはありません。」

「そうなんですか。一種のリサイクルですね。」

擬古矢は外を見ると、もう夜になっていた。
「ちびちゃん。今日の研修は終わりだよ。ご飯はどうする?」

「車の中と、こっちで十分いただきました。お腹すいてないの。」

「そう。お薬を飲んで、早めにお休み。明日は
 MMG棟の研修になるからね。」

また、エレベータで移動し、3階に着いた。
ここは、宿舎になっているようだ。廊下を歩きながら
いろいろと説明を受けた。 売店、お風呂、各人の部屋・・・・

一室の鍵を擬古矢に渡された。
「今日はここで眠りなさい。」中に入ると、擬古矢はドアの向こうで
「じゃあ、明日迎えに来るから。」と言い、ちびと別れた。

ちびはふかふかのベッドの中でもらった薬を飲み、
電気を消し、眠りについた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バイケイソウ&単眼症に関する記述は
したらばの グロラボ掲示板・「奇形児を語ろう」スレの
5さんの書き込みを元に検索しました。

ピルに関する記述は
自分のかかりつけの医者の説明を
引用しています。(人間様ので申し訳ない)

増量剤に関する記述は
山口 椿さんの著書より引用しました。

幻冬舎 アウトロー文庫って
もしかして、成人指定?

次回、ちびちゃんの研修 2日目編にいきます。

36 名前: 三大珍味の作者 投稿日: 2003/11/10(月) 17:31 [ QXd1SD92 ]
 
「残響」

最近、野良となったちびギコ種が畑や作物を荒らし、農家の人々
が苦労して育て上げた農作物を奪いとっていくという被害が相次い
でいた。
 男はそういった農家の人からの願いを聞き入れ、狩りの為に身を
潜めていた。うっそうとした茂みの中で息を殺して目標が来るのを
じっと待つ。
 目標を捕らえやすいように照準機の倍率を調整し、最大の視界を
得られるようにする。
 男の正面には200メートル余りの広さを持つニラ茶畑が広がり、
どれも見事な出来映えを誇っている。
 と、照準機越しに見える茂みが微かに動くのを男は捉えた。側に
置いてある鞄から弾丸をニ発取り出すと、手際良くライフルに装弾
動作を行い、伏射姿勢を取る。
 茂みから姿を現したちびギコはフサフサした体毛を持っていた。
辺りを見渡して誰もいないことを確認するとちびしぃを手招きして
呼び寄せる。
 ちびしぃは、手に大きな布切れを抱えている。どうやら風呂敷の
ようだ。おそらく奪い取ったニラ茶を包んで持ち帰るつもりなのだ
ろう。
 男は表情一つかえずに、照準機を調整する。ちびという名前通り、
目標は標準男子の肩から腰までの大きさしかない。照準機の中央に
示されている十字線に従って撃っても弾着する位置が大きくずれる
事があるからだ。
 十字線の中央よりやや上にフサちびギコの頭部を捉えると、引鉄
に軽く指を乗せると、心臓の鼓動がライフルに伝わらないように、
慎重に息をゆっくりと吐きながら引鉄を引くと、反動が軽い振動と
なって男の肩にぶつかった。
 照準機の向こうにいるフサちびギコは見事に眉間を撃ち抜かれ、
後頭部は吹き飛び、脳漿が飛び散った。
 銃声が響き渡ると同時にちびしぃはフサちびギコに近寄り、肩を
両手で掴み、死体となったフサちびギコに何かを呼びかけている。

「 復 活 し て く だ さ い。」

 男はちびしぃの唇を読み取っていた。目前で起きた事を信じる事
が出来ないのか必死になってフサちびギコを起こそうとしている。
 無言のまま男はボルトを操作し排莢を行うと、次弾を装填する。
ちびしぃはこちらの気配には全く気付いていない。顔は涙で真っ赤
に染まっているようだ。
 男が引鉄に指をかけるのと同時にちびしぃが振り向く。男の視界
には小さな体を震わせ、辺りを見渡すちびしぃの姿があった。
 完全な偽装を行い、自然と一体化している男の姿はちびしぃには
見つける事は出来ない。
 ちびしぃが畑から逃げようと背を向けた時、車のタイヤがパンク
したかのような音がしてちびしぃの頭が弾け飛んだ。

 銃声の残響がこの日の狩りの終わりを告げていた。

37 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 22:08 [ fAA637OE ]
>>31から

「Dさーん。後どの位で村に着きますか?」
「このワゴン車であと20〜30分ぐらいだろ。」
シルクはディアナ達に誘われて、彼らの村に移り住む事になった。
焼け落ちた自分の家からは使えそうな物は殆ど残っておらず、
なんとか着替えが5〜6着と家族の写真だけは回収できた。
「そういえば、貴方達は一体何者なんですか?」
「しぃ達に対抗する為に結成した自衛団って言えばいいのかな。」
ツーが自分達の事について話し始めた。
「俺達は何かしらしぃに対して被害を受けているんだ。お前みたいに
 家族を殺された奴、住んでいた所を追い出された奴、虐殺厨と言われ
 リンチを受けた奴、そんな奴らが集まって出来たのがこの組織ってわけ。」
「そうなんだ・・・。どんな事をするの?」
「基本的にはしぃ達の始末。あとしぃの中にも考え方がまともな奴がいる。
 そいつ等を保護したりするのが俺達の役目なんだ。」
「へぇー。いろいろあるんだね。」
その時だった。
ガクン! ガタン! ガッタン! シュウウウウ・・・・。
「きゃっ!な、何が起こったの!?」
「・・・・・・エンストだ。」

「・・・・やれやれだぜ。」
アヒャがそうつぶやいた。

38 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 22:29 [ fAA637OE ]

「おーわー!煙出てるYO!直るのかこれ?」
「丁度修理用の道具箱持っといてよかった。しばらく時間かかるから
 待っててくれ。」
「まったく!こんな所で足止め食らうなんて!」
みぃが愚痴をこぼしている
「・・・ここって村の後じゃない?」
確かに言われてみればそうだ。住居の土台の石が敷いてあるし、井戸もある。
何とか家の原型を留めているのもあるが、何年たってるのかもうボロボロだ。
「きっとここもしぃの襲撃を受けた後なんだよ。たいていの場合こうなるもん。」
「この村も私の村と同じ・・・。」
シルクはそう言うと押し黙った。
「おーいみんなー!」
突然ぽろろが叫んだ。
「どうしたんだよ?」
「あそこから人が走ってくる!影の大きさからして子供だ!」
しばらくするとぽろろの言うとおり年端もいかない少年が走ってきた。
右腕が肘から下が切断されている。
「おいおい、足元ふらついてるぞ・・。大丈夫か?」

39 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 22:43 [ fAA637OE ]

「どうしたんだお前!何があった?」
少年は息も途切れ途切れにしゃべった。

「はあ・・・はあ・・・。自分の村へ帰ろうとしたら。ぜー。はー。
 しぃの群れに見つかって・・・・。ふう・・。自分達を村まで案内して
 食べ物をよこせって言われて・・・。村とは違う方向へ逃げていたんだ。
 もうすぐ追っ手が来るよ・・・。」

「なーるほどね。おいディアナ、その追っ手が見えるか?」
「うん。だいたい20〜30匹はいるよ。」
「え!?僕が見たときはもっといたよ!」
「じゃあ後続が来るかもしれないな・・・。全員戦闘準備!」
「はーっ二日ぶっ続けで戦闘か。ま、悪くは無いんだけどね!」
アヒャは腕を軽く振って気合を入れた。
「ねえ。シルクは銃持った事ある?」
いきなりディアナに聞かれたシルクはとまどった。
「え!無いよそんなの!」
「だったら丁度いい機会だから教えてあげるよ。」
「・・・全員気は抜くなよ・・。行くぞ!」

 続く。

40 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/13(木) 14:41 [ aHNoEdUk ]
「シィロイド」
AA暦2003年AA連邦政府は、惑星CR388で謎のAA生物を発見した。
その名は「シィロイド」。
シィロイドをAA政府の船が持ち帰っていたとき、ハニャーンパイレーツによって盗まれてしまった。
シィロイドはかなり危険であるX線を浴びるだけで増幅し、あらゆる生物に取り付いて、エネルギーを吸い取ってしまうのだ。
これを重く見たAA連邦政府は盗まれたシィロイドがある惑星シーベスに謎のスーツを着ている賞金稼ぎの「モナス・モナン」を単独で奪還させる任務を依頼した。
こうして惑星シーベスからシィロイドを奪還する作戦が始まった・・・
モナス専用宇宙船内、「惑星シーベスへ降下します」ナレーションの声と共にモナンは目覚めた「ん・・・モナ〜〜」
モナスは独特の声であくびをし、呟いた、「モナ〜、いくら装備は用意するって言っても一人じゃむずかしいモナ」
モナスは適当にそこらにあった缶コーヒーを飲むと、外に出る準備をした。
シュゥゥゥゥゥゥゥッッ
宇宙船が着陸すると同時に扉が開いた。
「さ〜て、行くモナ」
そう言ってモナス宇宙船から降りては地下室へ入っていった・・・
惑星シーベス地下内、モナスは走りながら辺りを見回している。
「見つけたモナ!」
モナスが見た方向にしぃが5匹いた。
「キョ〜モゲンキニシィ〜シィ〜シィ〜」
脳みそが腐るような歌を歌いながらこちらに向かっている
「プラズマビームを食らうモナ」
そう言ってモナスは右手のキャノンでしぃの腹をめがけて放った
「ジィィィィィィィ!!!!!」
絶叫を上げながら腹に穴があいて一匹死んだ。
「ハニャ!!ソコニイルノハ、モナス!!」
「ほう〜モナの名前を覚えてくれて光栄モナ」
そう言ってキャノンをしぃたちにに向けて威嚇している
「ユルサナイワ!!」
そう言って手に持っている棍棒を振り上げた
「アイスビームセット!!」
そう言ってモナスは棍棒を振り上げているしぃに向かって放った
「シィィィ!!」
そう言ったまましぃは凍って動かなくなった
「ニゲルハヨ!!」
そう言って残りのしぃたちは逃げ出した
「スーパーミサイルセット!!」
そう言ってモナスは、逃げているしぃたちに向けて放った
ドガァァァァン!!
「ガギャハアアアアアア!!」
「アジィィィィィィィィ!!」
「グキャアアアアアア!?」
しぃたちは最後の断末魔を上げ、絶命した。
「まだ何か聞こえるモナ」モナスは耳を澄ました。
チィチィ・・
ナッコ・・
確かに何か聞こえる。
「こっちモナ」
そこには隠し扉があった
中に入ると殺風景な部屋がある
しかしベビしぃが20匹はいる
「ナッコ」そういってちかずいたベビしぃを蹴り飛ばした
「ブギャアアアアア!!!」
ベビしぃは壁にぶち当たり潰れたトマトのようになった。
「パワーボム!!」
そう言ってモーフボール形態になって爆弾を放った
ゴォォォォォォォォォ!!!!
「jhdじょぽy!!」
「ウジャアアアアアアアアア!!」
「グギイイイイイイイイイイイ!!」
そう叫びながらベビしぃの大群はチリ一つ残らず消えた
「誰かいる!!」
そう思うと扉の方向にキャノンを向けた
はいってきたのはこいつらの親と思われるしぃが入ってきた
「ベビチャン!!!」
うるさかったのでグラップリングビームで首をしめた。
「ジィィ・・・ベ・・ビ・チャ・・・・ン」
などと言ってよだれを垂らしながら絶命した。
モナスは次の回廊を目指して走り出した・・・
続く
































こうして

41 名前: after hunt(1/6) 投稿日: 2003/11/14(金) 21:34 [ SsXTB6qg ]
(関連 >>15-18

 運びやすい大きさに分けた荷物は、ビニールシートで一つずつ
包んだ。丈夫で水気を通さないそれは、彼らの生活にとって大切な
道具である。

 片耳のしぃは一番大きな包みを抱いて、ふらつきながら下水道を
歩き始めた。
「コゾウ、 ヘイキカ?」
 残りの荷物を取りに来たレコが、心配そうにたずねる。
「ダイジョウブ」
 しぃは種族特有の微笑を浮かべて、残りの荷物を頼むと返した。
「マカセロ コゾウ」
 レコは奥へと走っていき、包みの一つを担ぎ上げた。

 被虐AAの中では、しぃは大柄な種族である。しかしさすがに、
自分の体重ほどもある荷物では運ぶのに手間取った。
 もう一分割すれば軽くはなるのだが、そうすると、中身がこぼれ
落ちてしまう危険があった。彼女には、そんなもったいないことは
できなかった。

42 名前: after hunt(2/6) 投稿日: 2003/11/14(金) 21:34 [ SsXTB6qg ]
 しぃがバックポイントについた時、あたりはすっかり夜だった。
 とっくに運び終えたレコが、積んだ荷物の前に座っている。
「ガンバッタナ コゾウ」
 しぃが荷物を下ろすと、彼はねぎらいの言葉をくれた。
「マアネ」
 かつて子供達が遊んでいたであろう公園は、今では雑草が茂り、
蔦に絡まれた遊具は奇妙なオブジェと化している。
「オリテコイ コゾウ」
 レコがジャングルジムに声をかけた。
「イマ イクデチ」
 ジャングルジムの骨格に板を渡してボロ布を引っかけて、そう
して作った簡易テントの中から、チビギコが答えた。
「フサタン ヤッパリ タベナイ デチカ?」
「いらない」
「ソウデチカ・・・」
 テントの中の仲間にあっさり断られて、チビギコは寂しそうに
下りてきた。
「チビフサクン ブキヲ シラベテ イルノ?」
 自分の運んできた荷物を開きながら、しぃがたずねた。
 チビギコがうなずく。
「ソウデチ。 ハッシンキ ガ ツイテタラ コマルカラ ッテ」

43 名前: after hunt(3/6) 投稿日: 2003/11/14(金) 21:35 [ SsXTB6qg ]
 彼らの仲間のチビフサは、少し異質なAAだった。
 彼は加虐者の気まぐれに拾われ、加虐者の気まぐれに可愛がられ、
そして加虐者の気まぐれに捨てられた。
 チビフサの価値観自体は加虐者に近いが、しぃ達を虐待するつもり
はないらしい。豹変の不安を差し引いても、知識の豊富な彼を仲間に
するのは有利だった。
 事実、今日の狩りが実現したのもチビフサのおかげだ。

 しぃはテントを見上げた。
 張り巡らされたボロ布は、内側からうっすら光っていた。
 十分な月光があるというのに、彼はライトを使っているのだ。
チビフサは、あまり夜目がきかないらしい。
 彼が育った加虐者達の町は夜でも明るいから、見る力が衰えて
しまったのだろうと、しぃは思う。
「キルゾ コゾウ」
 レコが愛用のナイフを突き立て、真っ直ぐ引いた。
 かたまりかけた血が、どろりとあふれる。
 チビギコが歓声を上げて口をつけた。行儀が悪いとレコが苦笑し、
しぃもくすりと笑った。
 傷口に指を差し入れ、とろみのある液体をすくい取る。
 含んだ瞬間、適度な塩気とうまみが広がり、一呼吸送れて鉄サビに
似た香りが追いかけてきた。物理的によく似た成分は、胃に落ちる
よりも早く体に吸収されるようだと、しぃは錯覚する。
「オイシイネ」
 しぃの呟きに、レコとチビギコが同意を示す。
 三人は各自のナイフで、それを切って口に運んだ。
 たっぷりとしたみずみずしい内臓は、狩りの日だけのごちそうだ。
 久しぶりの大きな獲物に、三人は存分に飢えをぶつけた。

44 名前: after hunt(4/6) 投稿日: 2003/11/14(金) 21:36 [ SsXTB6qg ]
 戦利品の点検が終わり、チビフサはジャングルジムのテントから
下りた。月光にぼんやり照らされて、凄惨な晩餐が見える。
 チビフサは吐き気を押さえて目をそらした。
「……要らない物、捨ててくる」
「フサタン タベナクテ ダイジョウブ デチカ?」
 チビギコが赤く染まった口できいてくる。
「僕の分はもらったからいい」
 彼は、戦利品の中にあった食品を見せた。
「デモ・・・」
 しぃが何か言いかけたが、チビフサは頭を振って遮った。
 このむせかえるような血の匂いから、早く離れたかった。

 気にかけているらしい視線を振り切って、チビフサはいつもの
投棄場所に移動した。
 そこはコンクリートで固められた川で、上流で大雨が降ると、
ゴミを一気に海まで流してくれるのだ。
 チビフサは橋の上から、短すぎる金属線や使えなくなった電池を
川に落とした。ゴミは川面に小さな輪を作り、すぐに流れがかき
消していく。
 何事もなかったように流れる水を見ていると、チビフサの心は
穏やかになり、吐き気もおさまった。

 綺麗な空気が流れてくる橋下に移動して、チビフサはコンビニの
店名が印刷された袋を開けた。
 おにぎり二つに飴の缶が一つ、そしてジュースの空パックと中身
を食べた後のビニール袋。
 ラベルから、彼の昼食はカフェオレとチーズバーガーだった事が
分かった。
「……ごめんなさい」
 チビフサは、仲間の腹に消えつつある彼に謝った。
 彼の夕飯を奪った事に対する謝罪なのか、彼の死の一因となった事
に対する謝罪なのか、チビフサ自身にも分からない。ただ、彼が
生きていた時の事を考えると、ひどく悲しくなった。
 彼はこの町に来る前にコンビニに寄ったのだろう。友達が一緒
だったかもしれない。くだらない話をしながら商品を選び、もしか
したら、この飴は、友達にも分けるつもりで選んだのかもしれない。

 チビフサはおにぎりのフィルムをはがしてかぶりついた。
 美味いとか不味いとか、そういった要素よりももっと重要な点に
おいて、これはチビフサの糧だった。
 これは血の味がしない。
 角耳種は、雑食の中でも肉食に近い生き物だ。血の味を不快に
思うほうがおかしいと、チビフサは自覚している。
 けれどあの日――仲間のでぃが命を落としたあの日――仲間達が
ためらいもなく、彼女だった肉を食らうのを見てから、動物性の
食べ物は一切だめになってしまった。

45 名前: after hunt(5/6) 投稿日: 2003/11/14(金) 21:36 [ SsXTB6qg ]
 おにぎりを食べ終わったチビフサは、コンビニ袋に石を入れ、
口を固く縛って川に沈めた。未だ町に残って彼を捜しているかも
しれない、彼の友達が、川に流れている袋をみつけて探しにくると
いけないからだ。
 きっと友達はまだ彼の事を探していると、チビフサは思った。
 しぃ達には実感できないようだが、加虐者は仲間を大切にする。
彼らにとって、仲間を見捨てる事は罪なのだ。
 だから彼らは、仲間を放って逃げる被虐者達を罪人だと言う。

 けれどチビフサは思う。
 仲間を守るには力が必要だ。
 それを持たない被虐者に、仲間に執着する権利はないのだ。

 あの日チビフサは、でぃを守らなかった仲間を糾弾していた。
 そのころは沢山いた角耳の仲間達が、困惑気味に彼を見ていた。
 やがて彼は、弱々しく自分を呼ぶ声に気付く。
 彼の頭を撫でて、彼女は微笑んだ。
 それがこの町のルールだと。
 悲しむ事ではないのだと。

 チビフサは仲間に執着する。
   だから彼には被虐者の資格がない。
 チビフサには仲間を守る力がない。
   だから彼は加虐者にもなれない。

46 名前: after hunt(6/6) 投稿日: 2003/11/14(金) 21:37 [ SsXTB6qg ]
 砂利を踏む音が聞こえて、チビフサは顔を上げた。
 いるはずのない相手を見つけ、思わず息を止める。
「ヤッパリ ココニイタ」
 彼女は笑って手を差し出してきた。
「……なんだ、しぃさんか」
 見間違えた事に気付き、チビフサは息をはいて脱力した。
「ナンダ ハ ナイデショウ」
 しぃが不服そうに言う。
「ごめん」
 素直に謝って、彼女の手にそれを乗せた。
「ナニ?」
 手の上に乗せられた楕円球を、しぃは不思議そうに見つめる。
「ドロップ。多分、それはイチゴ味」
 彼女はそれを口に入れて、甘い、と感想を述べた。

 あらためて彼女の手につかまり、チビフサは橋の下を出た。
 車道のアスファルト舗装はあちこちにひび割れができ、そこから
吹き出すように伸びたススキが、月光に綿毛を光らせている。
「ありがとう」
 唐突な感謝の言葉に、彼女はいぶかしげに彼を見下ろした。
「無事に帰ってきてくれて」
「・・・?」
 理解できないでいる彼女に笑いかけて、チビフサは手を引っ張る。
「言ってみたかっただけ。気にしないで」
 彼の要望通り、彼女は気にせず歩き出した。
 加虐者の倫理で話すチビフサの言葉が通じないのは、いつもの事
だったからだ。

 分かり合えない事を確認しあう関係でも、独りよりはましだった。
 けれど遠くない将来、彼はそれすら失う事になる。

47 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/16(日) 12:29 [ pQkT7AD6 ]
>>39より

「さーてと俺から先に突っ込むとしますか。おいぽろろ、荷台に積んである
 あれ出してくれ」
「分かった」
そういうとぽろろはワゴンから白い布に巻かれた長い板のようなものを
取り出した。血のようなにおいがぷんぷんしている。
「ハニャーン!コドモガアンナトコロニイルヨー。」
「ナンカナカマミタイナノモイッショダヨ。」
「ナンニンイヨウトカワイイシィチャンニハカテッコナイワ!」
棍棒を振りかざして五匹のしぃがアヒャに向かってきた。
しかし、アヒャは慌てもせず、ニヤリと笑った。
「まずは五匹・・・・。」

ダン!
アヒャが立っていた場所から消え、空に白い布がひらめいた。
と、同時に五匹のしぃの体が横半分に切断されていた。
アヒャの言うあれの正体は、自分の背丈をも超える巨大な刃だった。
「!な、何なのあの大きな武器!?」
『大刀『神風』。知り合いの鍛冶屋に頼んで作ってもらった特注品だ。」
アヒャの体に返り血が雨のように降りかかる。
斬られたしぃの断面を見ると、骨など小枝を折るかのごとく
綺麗な切断面になっていた。
「さ、俺たちも殺りますか。」
Dはワゴンの屋根に上ると持っていたマシンガンを後続のしぃ達に向けて
照準をあわせた。
「あ、シルクにはこれ渡しとくね。」
「・・・・・なにこれ?」
「ニューナンブM60、お巡りさんとかがよく使っているタイプの
 拳銃だよ。」
「いっくぜー!ファイヤー!」
Dのマシンガンが唸りをあげた。

ズガガガガガガガガッ!!!!
「シィィィィィ!? ヤダヨーコンナノマターリジャナイヨォォォォォ!!」
「イタイヨウ!!シィノアンヨガァァァーーッ!」
弾丸に耳や足などを吹き飛ばされたしぃ達が悲鳴を上げている。
「さっすがニ菱重工!威力が違うぜ!」

48 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/16(日) 12:56 [ pQkT7AD6 ]

ぽろろとみぃもアヒャと同じく敵前に突っ込んでいった。
「ギャクサツチュウハシニナサイ!シィチャンパーンチ!」
一匹が無謀にもみぃに特攻をしかけてきた。
しぃの拳はみぃの腹部に当たった。ところが・・・・。
その拳はみぃの体を突き抜け、背中の方まで貫通した
そして突き出した部分が引きちぎられ、地面に落ちた。
「シィィィィィ!イタイイタイ!!!」
「うるさいなぁ。そんなに痛いんだったらとっとと食べてあげるよ!」
みぃはしぃの頭を掴むと自分の腹部に引き込んだ。
するとしぃの体がだんだんとみぃに取り込まれていった。
ぽろろの方はご自慢の触手を操り、しぃ達をバリバリと引き裂いている。

シルクもディアナから借りた銃で戦いに加わった。
「シルクって拳銃の扱い結構うまいじゃん!」
「え、そ、そんな・・。ディアナほどじゃないよ。」
「よっしゃ!だいたい殺し終わったな。弾薬はまだあるかー?」
「まだたっぷり残ってますよー。」
「後続の部隊は大体どのくらいだボーズ?」
「うん。最初に見たときは80匹ぐらいだったよ。」
「少なくとも50匹ぐらいですね・・・・。どうするツヴァイ。
 全開で行きますか?」
「ザコ相手に無駄にエネルギー消費することもないだろう。
 せいぜい40%ぐらいに抑えておけ。」
「了解。」
「やっとこの二人が動くか。おーいシルク!」
「なんですかDさん?」
「この後面白いものが見れるぞー!見逃すなよー!」

続く

49 名前: 10・MMG棟 (薬物ミニ知識編) 投稿日: 2003/11/19(水) 13:11 [ 2XccdJxA ]
>>2 >>9-11 >>19-22 >>32-35の続き

ちびしぃは、MMG棟での研修が始まる時間よりも、かなり早くに目が覚めてしまった。
お風呂場で体と顔を洗い、自分の部屋で身支度を整えても、まだ時間があったので、
少し早い食事をとり、外の空気にあたっていた。
爽やか過ぎる、朝であった。

擬古矢がダッコ映像の3人と一緒にちびを呼びに来たので、
5人で一緒に、部屋を出た。エレベーターに乗り、6階に案内された。
ドアに(合同会議室)と書かれている。
4人は擬古矢に促され、会議室の中に入った。
(学校ってこんな感じなのかしら?)とちびしぃは思った。

会議室について、擬古矢が説明を始めた。
「ここはMMG棟・レモナ棟の合同会議室です。
 ダッコ映像さん。ちびちゃん。
 まずはここで、ちょっとした講義を受けてもらいますね。
 先生はMMG棟の責任者の3人です。モララー・モナー・ギコ
 この3人が責任者を勤めているので、頭文字を取ってMMG棟と呼ばれています。」

擬古矢の説明が終わって10分ほどしたあとにモララーが現れた。

「みなさん、おはよう。漏れが、モララーだ。
漏れの説明は、ここで扱っている麻薬についての説明だな。
すでにダッコさん達は知っていると思うがちびちゃんのために。」

モラ山、モナ川、モラ谷はうなずくと、
「ちびちゃん。麻薬の映画のことはすでにダッコさん達に聞いているね?
 ここで扱っている麻薬のことについて簡単に、説明をしようね。」

「麻薬というのは、麻酔作用のあるお薬のことです。
免許を持った人しか扱うことはできません。麻薬を輸入したり、製造したり、
処方したり、研究したりするのには免許が要ります。
お医者さんの中にも、麻薬取扱者の免許を持った人でないと使えません。」

「アッパーとかダウナーってあるじゃないですか。どういう違いがあるんですか?」

モラ山が尋ねると、モララーが、ニヤニヤしながら、
「それは、我々とは別の世界の言葉だね。簡単に解説すると、
アッパーは気分が高揚するタイプの薬、
ダウナーは、気分がまたーりとするタイプの薬のことだよ。
アッパーの例は覚せい剤、リタリン、
ダウナーはヘロイン、アヘン、睡眠薬とかかな。」

「リタリンと睡眠薬は、お医者さんで使ってる薬じゃないですか?」
ちびが尋ねると、モララーは少々沈んだ顔で、
「お医者さんは、本当に必要な人たちに処方したいんだけどね。
快楽目的で使うお馬鹿さんのおかげで、悲しい思いをしている
人たちがいるんだよ。それを忘れないでね。」

全員がうなずくと、続いて、撮影で紹介する薬物についての説明を始めた。
彼は、黒い塊を机の上に置き、「臭いでしょ。」といって窓を開けた。

「次に、あへん・モルヒネ・ヘロインについて話そうか。
3つとも親子みたいなものなんだけれど。で、これがあへん。
けしの実を傷つけて、そこから出た液を固め、天火で乾かした物だ。
これを、精製してモルヒネができる。モルヒネは、医薬品として厳重に管理されている。
主に、末期がんの患者さんに鎮痛剤として使用されている。
モルヒネを精製してできた物がヘロインだよ。」

ちびが、「使うとどんな症状になるんですか?」と聞くと、

「それは、モナーとギコの説明を受けながら、実際に見てもらったほうが
わかりやすいかもしれないな。漏れの時間はこれでお終い。少し待っててね。
モララーとギコが迎えに来るから。」

ちびと、ダッコ映像の4人は、モララーに礼をいい
モナーとギコを待った。

50 名前: 11・MMG棟 「見学(事前説明)」 投稿日: 2003/11/19(水) 13:17 [ 2XccdJxA ]
会議室のドアをノックする音に、モラ谷が応答すると、
白衣を着たモナーとギコが現れた。
彼らは全員と挨拶を交わし、説明を始めた。

「さて、被験者達の見学へ実験棟に行く前にちと説明するぞ。ゴルァ
まず、第一段階は、全員一部屋にまとめて、モルヒネを経口投与している。
大体2週間ぐらいかな?彼らの身体症状、
すなわち嘔吐とか、ふらつきとか、消える者が出てくる。薬に慣れてきたってことだ。
ただ、便秘は氏ぬまでずっと続くので、定期的に職員が浣腸をしてるんだ。」

「それから、吸引室へ移動モナ。ここで、しぃ・ちびしぃ・ちびギコを
分けるモナ。吸引室には2種類あって、増量剤入りのヘロインを吸わせる
グループ、そして100%の純度のヘロインを吸わせるグループに分けている。
部屋は6室あることになるモナね。」

「いや、8室だ。ベビどもの部屋もあるぞ。経口投与している最中に
コウビして、妊娠したしぃとちびしぃが産み落としたり、
吸入しながら、ボランティアの皆さんとコウビして、
妊娠し、出産したベビの部屋だ。個体差があるからな。妊娠能力が消えていると思われる時期
にコウビしても妊娠してしまっている者とかもいるんだ。
それと、吸引室の部屋の上に6ヶ月とか、3ヶ月とか期間の書かれた札が掛かっているが、
それは、初めてモルヒネを投与した日からの期間を考えてくれればいい。」

「おっと、もう1室はモニター室モナね。それぞれの部屋と、モニター室に
観察日記があるので、よかったら見てみるといいモナ。どっちかといえば、
モニター室のほうが、記録としては細かいね。何せしぃちゃんのすべてを知りたい人たちが
記録をとっているからね。」

「1年以上のグループは、注射をしているんだ。もう吸入方式じゃ
我慢ができなくなってるみたいだな。量も、被験者に任せているので、
下手すると死体を目撃するかもしれないぞ。ゴルァ」

ちびが、「いわゆるOVERDOSEってやつですか?」と質問すると、
モナーが「そのとおりモナ。鋭いモナね。」と答えた。

「どんな状態か見に行こうか。」ギコの声に皆同意し、実験棟に向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次回 MMG棟内・実験棟編 行きます。
ここでは警察関係のHPを参考にさせていただきました。

51 名前: 紅い月 1/8 投稿日: 2003/11/20(木) 23:04 [ mXavFtVk ]
ぴたり。
ぴたり。

手首から流れる紅いモノ
傷口は脈打つようにそれを吹き出す
壁に飛び散り、床に飛び散り、彼はそれを目で追った
不意にあるモノに目が停まる

埃を被った小さな箱
銀のリングがその中で彼を見つめていた

そっと手に取る
ぬるり、と滑り、それは音を立てて床に落ちた

なぜだったかな…
何時買ったのかも、誰の為に買ったのかも…

しぃ
僕は未だに君を忘れないでいる

ギコ
君は僕から奪ってしまった
僕の全てを。

52 名前: 紅い月 2/8 投稿日: 2003/11/20(木) 23:04 [ mXavFtVk ]

あの男…嗚呼、思い出しただけでも厭になる
私が心惹かれたあのヒト、彼はもう帰って来ない
誰のせい?私のせい?いえ違う、私は悪くない!

全てあの男のせいよ…

あの男が私から奪ったモノ
ええ、あのヒトよ!あの男さえいなければ…

今から行って殺してやろうかしら?
絞め殺して?刺し殺して?撃ち殺して?焼き殺して?

ああ、厭になる

この血。

53 名前: 紅い月 3/8 投稿日: 2003/11/20(木) 23:04 [ mXavFtVk ]

僕は何処に居るのだろう

古びたアパートは満月に照らされ、蒼く深く

手にはナイフ、滴る血
包帯を巻いても巻いても止まらない
いつもなら止まるのに

あの時もこうだった
彼女が部屋に入ってきて、ヒステリックに喚いて、僕の腹に包丁を突き立てた
何故だか分からなかったけど、ぼくはかのじょがかわいそうだとおもった

見覚えのある風景
見覚えのある匂い
僕の送ってあげた人形、まだあるかな

54 名前: 紅い月 4/8 投稿日: 2003/11/20(木) 23:05 [ mXavFtVk ]

あ…

『もしもし?僕だよ。今ドアの前に居る』

ああ…

あああああ…

あの男。あのヒトを奪っていったあの男。
殺しに来たんだ。私を。
あたしを怨んでいるんだ

あたしを怨んでいるんだ!!

逃げなきゃ、早く逃げなきゃ!
ま、窓が開かない!どうして!?
鉄格子が、どうしてこんなところに!

55 名前: 紅い月 5/8 投稿日: 2003/11/20(木) 23:05 [ mXavFtVk ]

彼が彼女と情緒に耽っている時に、僕がタイミング悪くノックしてしまった
彼女は悲鳴を上げ、病院中の人間に、彼女と彼が姦通している事がバレてしまった
ギコは解任され、しぃは脱走して僕を刺した。
僕は彼女と恋人同士だった。毎日見舞いに行っていた。
それなのに…それなのに!

彼は僕から彼女を奪った。
僕は彼女から彼を奪った。
そして彼女は、僕から愛を奪った。

僕は悪くない。
すべてはあのやぶ医者がわるいんだ。
ぼくをすてたあの女がわるいんだ。
ゆるせない。

56 名前: 紅い月 6/8 投稿日: 2003/11/20(木) 23:05 [ mXavFtVk ]

だ、誰か、助けて!
あの男が、あの男が!
ほら、もうこんなに血が出てる!

どうして誰も来てくれないの!?
私が何か悪い事でもしたの!?
私は被害者じゃないか!あの男の被害者じゃないか!

痛い、熱い、苦しい!
誰か助けて!

57 名前: 紅い月 7/8 投稿日: 2003/11/20(木) 23:06 [ mXavFtVk ]

「モララーさん、彼女はアレが来ると興奮するんですよ。気を付けてくださいね」
僕は深くうなずくと、その善良な看守から鍵を借りた。
何の疑いもなく、精神病棟の鍵を預けてしまった訳だ。

彼女の部屋は名札を見るまでも無かった。
僕は彼女を見て唖然とした。
頬はこけ、目の下に隈ができている。
枯れ枝のような腕はぶるぶると震え、鉄格子にしがみついている。

スカートの間からは、鮮血が滲み出ていた。
彼女はそれが僕にやられた傷だと、必死に僕に助けを求める。
僕は彼女を抱き締め、唇を塞いだ。
途端に僕は彼女を殺すのが惜しくなった。
でも、彼女が騒いだので、僕はナイフで彼女の腹を突き刺した。
口の中に生臭い血が溢れた。
僕はそれを一滴残らず飲んだけれど、きもちわるくてはいた。

58 名前: 紅い月 8/8 投稿日: 2003/11/20(木) 23:06 [ mXavFtVk ]

「これが僕の言える事の全てです」
若い医者は眉間に皺を寄せて、看護婦に耳打ちした。
「重度の精神異常者だな。弁護士に伝えてくれ」

彼はしぃの部屋にあった古びた人形を一瞥すると、それをゴミ箱に押し込めた。
「ふ、誰も損しない事件というのも珍しいものだ」
若い医者の名札にはこう書かれていた
「ギコ・ハニャーン」

モララーは精神病を患っているとの判決を下され、無罪が言い渡された。
彼は今、静岡郊外の精神病院に収容されている。

59 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:22 [ fP04/wmM ]

          【罰】      後編


       僕は歩き続けた

          ずっと

          ずっと


       背中の十字架は

     歩くたびに大きくなっていく

     歩くたびに重くなっていく


     それでも僕は歩き続けた

           ずっと

           ずっと
.

60 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:22 [ fP04/wmM ]



   断頭台にかけられるのを夢見ながら

.

61 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:23 [ fP04/wmM ]


 べシャ、と嫌な音が狭い部屋に響いた。

 薄汚れた壁にベビギコの真っ赤な血が飛び散る。


 不思議と当たりはしんと静まり返っていた。
まるで凍っているのかのように、
彼女たちも、そして俺も動くことが出来なかった。

ただ一点。
ベビギコがいたところをそろって見つめていた。

 「……アァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
突然、静かな小部屋の中に悲鳴が響き渡る。
つぶされたベビギコの親の悲鳴だ。

 そして、その悲鳴とともに凍っていた時が溶け出していく。

 心の中から、
悲しみと、憎悪と、怒りと、憎しみと、
たくさんの感情があふれ出てくる。

 そして、

 俺の手の中にある、

 すでに血で真っ黒になった刀の切っ先が、

 鈍く光った。


 切る力を失った刀は、
物を切ることはできなくとも、
物を砕くのには十分だった。

 頭を砕き、脳髄を撒き散らす。
 胸を砕き、血糊を噴出する。
 腕を砕き、脚を砕き、背を砕き、腹を、手を、腰を、

 全てを砕く。

.

62 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:23 [ fP04/wmM ]


 「ただいま。」
癖で誰にもいない部屋へと呼びかける。

 終わったんだ。
復讐も何もかも。


 家に帰ると風呂へと直行した。
返り血で真っ赤になった服を全て洗濯乾燥機に放り込む。
そしてじっくりと風呂につかる。
 湯船に浸かっているときは壁を見つめ続けた。
別に何かあるわけではない。
ただ、何も考えたくなかった。
だから壁を見続けることに集中した。

 風呂から上がったときには、
すでに洗濯は終わっていた。
乾いた洗濯物を手馴れた様子でたたむ。
 そして、今度は刀と靴を洗う。
 靴をドライヤーで乾かした後、
部屋をぐるっと見渡した。

 ワンルーム風呂トイレ付の部屋。
その部屋は、
一人暮らしの男が暮らしているとは思えないほど、
綺麗に片付けられていた。

 それを確認すると、
視線を部屋の中心にあるちゃぶ台に落とす。

 そこには、
白い封筒と、
真新しいカッターナイフが置かれていた。

63 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:23 [ fP04/wmM ]


 カッターナイフを手に取る。

カチリ…カチリ…。

 ゆっくりと指に力を加える。
それにあわせて鉛色の刃が押し出される。

 10cmほど刃が押し出されたところでその刃を眺める。
 灰色に鈍く光るその刃は、
つい先ほどまで振るってきた日本刀とは違い、
自分の顔すら映らないほど曇っていた。

 ゆっくり、ゆっくり、と、
まるでその動きをしっかりと確かめるような速度で、
カッターの刃を手首に当てる。
ひんやりとしたカッターの感触が手首を通して伝わってくる。

 俺はじっとそれを眺めていた。
そして、この手首を切ろうと、
カッターを持っている右手に力を入れた。

 怖い。

 突然体の奥から恐怖が地下水のようにあふれ出てくる。
 体中の全ての細胞が手を引くなと警告をしている。
全身の毛が逆立つ。
体中の筋肉が緊張で固まる。
 これは本能。
生命を維持しようとする自然の本能。
その本能が恐怖を発している。

 怖い、と。

だけど、俺の心は違った。
 腕を横に引け。
手首を切り裂け。
そして死ね。
そう言っている。
 けれど、俺の右腕は、
震えるのを抑えるので精一杯だった。

 きゅっ、と目を閉じる。
視覚からの刺激が無くなれば恐怖もなくなるはずだ。
 けれど、目を閉じたら閉じたで、
今度は手首に触れているカッターの刃の感触を意識してしまう。
ひんやりとしたカッターの感触。
そこからカッターナイフを想像し、
また恐怖があふれ出てくる。

 考えるな。
 考えるな。

 けれど恐怖は止まることは無い。

 考えるな。
 考えるな。

 目を閉じることに集中する。
目頭が痛くなるほど目に力を入れる。
歯を食いしばる。

 すると恐怖が少しだけ和らいだ。

 ゆっくりと、まるで天に掲げるかのように両手が上に上っていく。
そして、息を止めて腕を振り下ろした。


 鋭い痛みが左手首から体の中を走った。

.

64 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:24 [ fP04/wmM ]


 赤い雫が左手首から顔を見せる。
じわりじわりと大きくなり、
やがて重さに耐え切れず、
ぺちゃん、と潰れ腕から流れ落ちる。
赤い線が腕につくられる。
そして、まるで蟻の行列のように、
手首から溢れ出る血は、
最初に流れた血がつくった細い線をたどって流れ落ちた。

 落ち着いていた。
先ほどまでの恐怖が嘘のようだった。

 恐怖と言う名の壁の向こうには何も無かった。
感動も無かった。
悲しみも無かった。
苦しみも、しいて言えば、
手首が少し痛いくらいだった。

 俺は流れる血を静かに眺めていた。
やがて、眺めているうちに強い疲れを感じた。
 今日は朝から気がはっていた。
たくさん動き回った。
その疲れが今になって出たんだろう。
 そう思い俺はベッドの上で横になった。
すぐに深い、とても深い眠りに就いた。


 意識が朦朧とする中、

 二度と起きることは無いだろうと、

 俺は思った。

.

65 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:24 [ fP04/wmM ]



          夢
        
        
       駅の夢


    俺は急いでいる

  電車の時間が迫っている

 電車には恋人が乗っている

   だから急いでいる


       改札口

  俺は駅員に切符を手渡す

 そして改札口を抜けようとする

  けれど駅員の行く手をふさぐ

   突然後ろから少年の声


   この切符じゃ足らないよ

.

66 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:24 [ fP04/wmM ]


 肌寒さを感じ目が覚める。
殆ど無意識の中、エアコンのリモコンを手に取った。
スイッチを押すと、ピッと電子音が鳴った。
だが、すぐに部屋が暖かくなるわけではない。
 とりあえず時計を手にとって眺める。。
針は6時を少し回ったところを示していた。

 やがて、だんだん暖かくなるにつれて、
頭にも暖かい血が回り、
意識がしっかりとしてくる。

 …あれ?

 俺は驚いた。

 「生きてる。」

 ぺちぺちと頬を叩いてみる。
「痛い。」
 うにーっと頬を引っ張ってみる。
「いたひ。」

 今までのは夢だったのだろうか。
ちびギコを殺したことも。
手首を切ったことも。
 そう思って左手首を見てみた。
けれど、
そこには血が固まりかけた生々しい切り傷が存在した。
ちゃぶ台には茶色く変色した血がこびりついたカッターナイフが無造作に置かれていたし、
ベッドのシーツにも所々赤いしみが付いていた。

 ふと、頬に何かが流れる感触を覚えた。
それが自分の涙だと気づくのに、
少し時間が掛かった。

 悔しかった。
決心していたのに、
失敗した自分が惨めで、愚かで。
悲しくて。
そして、
悔しかった。

 涙があふれてしょうがなかった。

.

67 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:24 [ fP04/wmM ]


 一時間ほど泣き続けた後、
仕事のことを思い出した。
そういえば昨日は仕事を休んだんだ。
 重い体を動かし、仕事の準備をする。
しばらくして手首の傷をどうするか考えた。
2〜3分ほど考えた後、
手首から手の甲全体にかけて包帯をしっかりと巻きつけた。
巻きつけている内に、
自分が情けなくなって、
情けなくて、
また、泣いた。
 準備を終え外に出る。
外の、太陽の日の眩しさが悲しかった。
冬の、雲ひとつ無い高い空が恨めしく思えた。

 仕事中、同僚にその手はどうしたのかと聞かれた。
 俺は自然に手の甲を見せ、
「飯を作っているときに包丁で…。
 風邪ひいているときに作るもんじゃないね。」
と苦笑いしながら言った。
すると同僚は大丈夫か?と一声かけてその場を立ち去った。
 仕事に戻っていく同僚の背中を見ているとき、
突然、胸の奥から寂しさが染み出てきた。

68 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:24 [ fP04/wmM ]
10

 仕事からの帰り道。
朝からのことだが体が重い。
いっそこの場で倒れてしまいたい。
そう思いながら歩く。
けれどその思考もどこか曖昧だ。
まるでコールタールが頭の中にまとわり付いているようだ。
肩にかけているディパックも今日はどこか重い。
 ふと公園の前を通った。
比較的広く、
小さな林もある公園。
 俺はそこに入ると胸いっぱいに空気を吸ってみた。
草木の爽やかな香りと、
わずかな排気ガスの臭いが鼻を刺激する。
ふう、と一息つくと俺は手短なベンチに座り込んだ。
そして、ベンチの上でこれからどうするのか考え始めた。
ふと、頭の中にもういない彼女の姿が浮かんだ。

 『君』と一緒にいることが人生の希望だった。
でも、それはもう叶わない。
けれど僕は同時に一つの目的を見つけた。
それは復讐を果たすこと。
だが、それももう終わった。

 何も無い。
人も、
建物も、
道も、
天も地も。
真っ暗な世界。
俺を導いてくれる光すら指さない。
そこで俺はどうすればいいのだろうか。

 だが、考えはまったくはかどらなかった。
頭の周りを何かどろりとした黒いものが纏わりつき、
考えることを意識することで精一杯だった。
少しでも気を抜けばそのまま黒いものに包まれ何も出来なくなりそうだったから。

 けれど、
真っ暗な舞台に照明が照らされるように、
突如、俺の意識がはっきりした。
そして同時に頭の中で声が聞こえた。
それはとても悲しそうな少年の声だった。









      足りない





.

69 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:25 [ fP04/wmM ]
11

 意識がはっきりする瞬間視界に何かが映った。
それに焦点をあわせる。

 ちびギコだった。

 いや、やや毛が長いからちびフサだろうか。
まあ、どうでもいいことだが。
 俺はちびフサを確認するとすぐに視線を落とした。
とりあえず頭がすっきりした。
それ以上は考えないようにしようと思った。
そのまますっきりとした気持ちで帰りたかった。
 けれど突然、強い衝動が僕を襲った。

 チビフサヲコロセ

 あいつを殺したいと言う気持ちが体の奥から溢れ出てくる。。
だがそれは、火山の噴火のような爆発的ではなく、
まるで、水が湧き出すように、静かに、ゆっくりと、けれども力強く頭の中を占領していく。
 必死で理性で抑えようとする。
けれど、自暴自棄となっている今の俺の理性では、
あまりにも力が無さ過ぎた。

 ゆっくりと腰を上げベンチから立ち上がる。
そして、一歩一歩踏みしめるようにちびギコの方へ歩いた。
途中ディパックへ手を入れ中を探った。
 そのとき一つ疑問が浮かんだ。
 いつも仕事のときに使うのは『ブリーフケース』の鞄だ。
なのに何故いま『ディパック』を持っているのだろう。
 ふと、手に何かが当たった。
取り出してみると、
所々に黒い染みの付いた日本刀だった。
 なぜこんなものを持ってきてしまったのだろうか。

 だが、俺はすぐに考えるのをやめた。
そのほうが楽だった。
そして俺は衝動の赴くままに動き始めた。

 ふと、ちびフサのほうに目をやる。
あさってのほうを向いて何かやっている。
こちらには気づいていないようだった。
 俺はちびフサの後ろに立つと鞘から刀を抜いた。
カシャシャシャシャシャと摩擦音が響く。
それに反応してかちびフサが振り向く。
が、そのときにはもう遅かった。
俺は振り上げた刀を振り下ろした。

 ちびギコ特有の大きな瞳と目が合う。
その瞳の瞳孔が一杯に広がるのが分かった。

70 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:26 [ fP04/wmM ]
12

 ガッ。

 生き物の骨を砕く感触が、
腕から、肩、首、頭へと染み込んできた。
 それはいかなる麻薬よりも気持ちよく、
そして、蠢く蟲の大群以上に気持ち悪かった。
 ひと時がとても長く感じ取れた。
大きな息をつきながら、
俺はちびフサを撲ったままの体勢で動きを止めていた。
ただ、じっとちびフサを眺めていた。
 頭が半分潰れ寒天のような灰色の脳髄が少しはみ出ていた。
大きな瞳はと言うと、片目は飛び出て、
飛び出さずにすんだもう片目は虚空を見つめていた。
鼻と耳からはどす黒い血をだらだらと流していた。
 誰が見ていても死んでいるだろう。
 だが、突然片目がぎょろりと動き俺を捕らえた。
 冷たいものが背中を走る。
恐怖が体の中を駆け抜ける。
 僕はもう一度刀を振り下ろした。
今度は真っ赤な鮮血が当たりに飛び散った。
 更に刀を振り下ろす。
 もう一度。
 もう一度。
 服に血がかかる。
顔や手に血の赤いしみが出来ていく。
周りの草や木を赤く染め上げていく。
 それでも俺はやめずにちびギコを叩き続けた。
 何度も。
 何度も。

71 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:26 [ fP04/wmM ]
13

 止めて欲しかった。
この俺の狂気を察して警察か誰かに止めてもらいたかった。
 けれど、止めてくれる人は現れなかった。
 一人、主婦と思しき女性が現れたが、
軽蔑の眼差しを向けてその場を去っていった。
 それが当たり前だった。
 俺が今殺している相手、ちびギコには、

人権が無いから。


 1〜2年前、テレビのニュースでこんなことをやっていた。
爆発的な繁殖能力を持つレッサーギコ種により、
各地で食糧難が発生。
また、また殆どのちびギコは低階級のもののため、
様々な都市でスラムが作られ、
それが犯罪の温床になるなどの問題も発生した。
そのため政府はレッサーギコ種の人権を破棄することを決定。
また、政府はこのレッサーギコ種の殺戮を推奨した。
理由は、ストレス等の心理的フラストレーションを、
レッサーギコ種の殺戮により発散させるとか。

 だから、俺が今やっていることも、
傍から見ればごくありふれた事かもしれい。
そもそも人はろくに通らなかった。
仮に通ったとしても、
あの主婦のように止める気は無いだろうし、
止める理由も無いだろう。

 だから、俺はずっと叩き続けるしかなかった
ずっと、
ずっと。
 腕が疲れ、
持ち上がらなくなるまで。
ずっと、
 そして、指一本動かせないほど疲れたとき、
叩くのをやめた。
 そして、
泣いた。
 涙が溢れてしょうがなかった。

72 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:26 [ fP04/wmM ]
14


   僕は歩き続けた

      ずっと

      ずっと


  とてもとても長い時間

      歩き続けて

  脚の感覚がなくなるくらい

       歩き続けて


       そして

       やっと

    やっと僕は見つけた


       それは

     自らを裁く断頭台

.

73 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:27 [ fP04/wmM ]
15

 時。
 それは雲のよう。
注意しているときはとても遅く、
だけど、気が付けばとても遠くに行っている。


 生きる目的を失った俺は、
クラゲのようにただ流されるままに生きた。
仕事に流され。
環境に流され。
親に流され。
友人に流され。
 そして、
頭の奥から染み出してくる感情に流され…。

 いつの間にか、
桜が咲く春も過ぎ、
若葉が茂る季節になっていた。
それまでの間ずっと、
俺はちびギコを殺し続けた。
一応、死はいけないという誰でも持っている道徳観は持ち合わせている。
 だが、
それでこの感情を抑えきることは出来なかった。
 ちびギコを殺す。
これを行うたびに俺の良心はひどく傷つき、
そして、その後に沸き起こる罪悪感から、
感情を抑えきれない自分を恥じてから、
何度も、何度も、
俺は手首を切った。

74 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:27 [ fP04/wmM ]
17

 ちびギコを見るたびに沸き起こる衝動。
それは怒りでも快楽でもなく、
それは、

 悲しみ。

 恥、悔しさ、後悔、絶望。
たくさんの生きる気力を失わせるような感情。
そして、それから逃げるようにちびギコを殺したくなる。

 骨を砕き肉を切り裂く感触。
耳に残る苦悶に満ちた断末魔。
染み付いたら消えることの無い血の臭い。
 それから巻き起こる不快感、罪悪感が、
悲しみの洪水から逃げる唯一の方法だった。
 だけど、いくら逃げ回っても、
この衝動が消えることは無かった。
むしろ、その水位は上昇していた。

75 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:28 [ fP04/wmM ]
18

 あくる日のことだった。
 いつものように目覚め、
いつものように準備し、
いつものように仕事へ行く。
まったく代わり映えのない朝の風景、
の、はずだった。
 外へ出るといきなり万力でじわりじわりと締め付けるような、
悲しくも苦しい感覚を覚えた。
そしてすぐに、
それがいつもはちびギコへと向けられている衝動を、
縮小したものだと直感した。

 チビギコヲコロセと言う衝動が、
ちびギコ以外に向けられた。
 このときほど自分を恥じたことは無い。
俺は今、人として生きることすら危うい状況なのだ。
ちびギコを殺し、
自分の手首を切り、
それでも僅かに残った俺の最後の良心すら、
否定されようとしている。
 それはなんとしても食い止めなければならなかった。
 だが、衝動を抑えるのは用意ではない。
最初は真綿で首を締め付けるようなものだったが、
時が経つにつれて、
より強く、より激しいものへと変化していく。
 そして、それを押さえ込むのに毎日神経を使わなくてはならなかった。
 やがてその毎日に疲れた初夏のある日、
俺は決心した。

 それは、

 自首すること。

別に犯罪はしていない。
ちびギコ(レッサーギコ種)の殺傷も合法だ。
 でも、このままでは犯罪を犯してしまう。
人の命を奪うという大罪を。
 だから、
逮捕でもしてもらい、
拘置所にでも留置場にでも刑務所にでもつれてって欲しかった。
絶えず監視の目があるここならば、
大罪を犯さないですむ。
そう、俺は考えた。

76 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:28 [ fP04/wmM ]
19

 交番の前。
自分で選んだとはいえ、
逮捕されるとなると足がすくんでしまう。
 だけど、
これを拒否してしまったら、
逮捕されるだけではすまないことになってしまう。
 そう思い、足を出し、
交番の中に入る。

 「こんにちは。どうかしましたか?」
にこやかに中にいた警官が迎えてくれた。
だが、俺のただならぬ様子を察したのか、
すぐに表情がけわしくなる。
 「…っ、お、……。」
「お?」
 言葉が出ない。
逮捕されるのはいけないと言うたいていの人が持つ、
やや湾曲された感情のためか、
ただ警官に迷惑をかけたくないためか、
ある種狂言にも見えるから恥ずかしいのか、
それとも、それら全部が混ざったのか、
言葉が喉から出てこなかった。
 「重要の話ですよね。
  でしたらそこに座ってください。」
椅子に座るように進める。
断る理由も無いので座ることにする。
 「で、いったいなんでしょうか?」
前に警官が座り、
俺の目を見つめ問いかける。
 「…お…。」
片手で言葉を放つのをとがめようとする気持ちを必死に抑える。
そして、もう片方の腕で、
今話そうとしている言葉を引きずり出す。
だけど、それはそう簡単な作業ではない。
時間だけだ過ぎていく。
 「お・・俺を…。」
もう少しだ。
あと少しじゃないか。
でも、つい力んでしまい、
歯を食いしばってしまう。
 「俺を…。」
思考を『今思っている言葉を話す』でループさせる。
恥といったとがめようとする気持ちを考えないように。
 そして、

 「俺を…、逮捕してください。」

言い切った。

77 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:28 [ fP04/wmM ]
20

 警官の眉がピクリと動いた。
「それは、何か犯罪をしでかしたと言う意味ですか?」
「いえ、犯罪はやっていません。」
「では、何故自分を捕まえて欲しいと?」
「このままでは人を殺してしまいそうなんです。」
「……何故でしょうか。」
「…っ。」
 その言葉を聞いた途端、
胸がドキンとなり、
つい力んでしまった。
だから腹と胸と顎が痛くなった。
 言いたくない。
この衝動を他人に理解させるのは俺では不可能だろう。
中途半端に説明しても分かってもらえるとは思えない。
精神異常者と思われてしまうだろう。

 でも、
それ以外にどう説明すればいいんだ?
話をでっち上げると言う方法もあるけど、
0から話を作れるほど俺は想像力豊かじゃない。
それに、それで失敗したら地方紙の三面記事に載るような、
自作自演のお騒がせ事件やら何やらになり、
恥をかくだけだ。

 そして、
しばらく考えたあげく、
俺は決心した。
ありのままのことを話すことを。

 最愛の人がちびギコ殺されたことを。
その後毎日のようにちびギコを殺し続けたことを。
頭の奥からあふれ出す衝動のことを。
一つ一つ説明した。

78 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:29 [ fP04/wmM ]
21

 話し終えた後、
警官はしばし考えた後、
頭をぽりぽり掻きながら言った。
 「まあ、話は大体分かりました。
 ですが、あなたを逮捕することは出来ません。
 今は、ちびギコを殺すのは合法です。
 そのため、現在はたくさんの人がちびギコを虐殺しています。
 その人たちを、一々対象が人に移り変わる可能性があるので逮捕するのはできません。
 もししたとしたなら社会が混乱になる可能性があります。
 他にも、
 あなたには前科が…。」
 失望した。
最後の希望とも言うべきものは、
やんわりと僕を避けた。
 裏切られたと言う悲しみと、
頼れるものが無いという絶望がどっと押し寄せてきた。
涙をこらえ、
席を立ちたいという衝動をこらえるので精一杯で、
警官の話を途中から聞くことが出来なかった。

 「とりあえず自分をしっかりと持って、
 その、衝動に流されずにがんばってください。
 暇があったら病院の精神科に診てもらうといいでしょう。
 がんばってくださいね。」
そう言って、
警官は肩を落として出て行く俺を見送った。
外に出ると、
初夏の、じっとりと湿気を含んだ生ぬるい風が吹いた。

79 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:29 [ fP04/wmM ]
 22

 絶望の淵。
足が重い。
体がだるい。
考える気も起きなかった。
 交番から出るとすぐに近くの壁にもたれかかった。
空を見上げる。
空は静かに紫へと変わりつつあった。

 ため息をつくと同時に、
頭の中で言葉が響いた。
どこかで聞いたことのある、
悲しい、少年の声。

アトドレダケスレバイイノ?

 突然目が熱くなった。
それと同時に、
『僕』は悟った。
これからどうすればいいのか。

 そして僕は家に帰るといつものディパックを手にした。
中には前日よく磨いだ日本刀が入っていた。
いつの間にか全ての音が止んでいた。
周りの雑音もどこか遠くのように聞こえた。
家の戸を開けるとすでに日は傾きつつあった。
 家の扉を閉めると、
僕は自分に言い聞かせた。

大丈夫。
これで、最後だよ。

80 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:29 [ fP04/wmM ]
23

 夕日の差し込む商店街。
その中を行きかう沢山の人。

 その光景を、
僕は静かに、そして冷静に見ていた。
そしてなぜか、
いつものあの衝動が湧いてこなかった。
 悲しくて、
悔しくて、
自分を叩き、
周りを叩き、
暴れたくなるような悲しい衝動が。

 でも、
それはもう関係なかった。
これは自分で決めたことだから。

 そして僕は刀を抜いた。

 のこぎりの様にギザギザになった刃に浮かぶ波紋が印象に残った。
誰かの悲鳴。
この凶器を見たからだろうか。
でも、
僕はそれにかまわず、
近くの人に、
刀を振るった。

鮮血が辺りを染めた。

81 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:30 [ fP04/wmM ]
24

 目の前にいたモナー種の男の背中を切りつける。
肩甲骨を砕き、
その後ろの肺を切り裂き、
想像以上に血が噴出した。

 また悲鳴。
そして、周りにいる人たちは我先にと逃げ出す。
 その集団の中へ僕は突っ込んだ。
首を刎ね、
腕を切断し、
胸を抉り、
沢山の血を噴出して、
沢山の血を僕へ浴びせその場に崩れる。

 沢山の、本当に沢山の血を浴びせかけて。

82 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:30 [ fP04/wmM ]
25

 僕はただ、
罪を償いたかっただけだった。
僕が最初に行った罪。
ちびギコ…いや、
僕を見上げ微笑をくれたあのベビギコを殺した罪を。

 けれど、誰も罰してくれなかった。
罪を消すことが出来ずに、
償うことが出来ずに、
心の中に重りとしてつけられた。

 理由は、
その罪はあまりにも軽すぎたから。
 けれど、僕にとっては、
背負いきることすら出来ない重い罪だった。

 それを償うことが出来なかったから、
新しい罪を作った。
その罪を償うことが出来れば、
この心の重りも一緒に取れると思ったから。
 けれど、これも償うことが出来ず、
ただ、新しい枷として心につけられた。
 これでも、まだ軽かった。

 だから、
もっと、もっと重い罪を犯すため、
もっと重い罪ならば刑を課せられ、
罪を償えると思ったらから、
僕は、
刀を振るった。

83 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:30 [ fP04/wmM ]
26

 …五人…六人…七人…八人……。
僕は途中で数えるのをやめた。
 僕の心の大きな罪を、
新しい血で染め上げるのには途方も無い数に思えてきたから。

 地で手がすべり、
突きが下へそれた。
そのため切っ先は背中ではなくわき腹の後ろに突き刺さった。
腕を横へ動かすと、
いとも簡単にわき腹は裂けた。
 ずるりと血と一緒に黄色い海栗のような物を撒き散らしながら、
腸が裂けたわき腹からはみ出てきた。
 若いしぃ種の女の子だったからだろう。
その狂気の混ざった悲鳴は、
つい先ほどまで聞いていた群衆の叫び声よりもはっきりと聞こえた。
 垂れ下がった腸を臆すことなく持つと、
傷口へと押し込む。
だけど、手を離すとまたぬちゃぬちゃっ、と嫌な音を立ててはみ出てくる。
すると、また手でつかんで傷口へと押し込む。
 何度も、何度も。
恐怖と、狂気と、驚きと、悲しみの悲鳴を上げながら。
 僕はそのしぃを刀の背で2〜3撲った後、
今度は刃で胸を突き止めを刺した。
 そして、踵を返して、
また、殺戮のために走り出した。

84 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:31 [ fP04/wmM ]
27

 ハイヒールのためか、
一人のしぃが蹴躓き、転んだ。
すぐに立ち上がろうとするが、
腰が抜けたのか、
脚は辺りを引っ掻くだけだった。

 チャンス、と、僕は走るのをやめて、
ゆっくりと近づいた。

 体を捻り、
尻餅をつく格好で腕を使い後ろへと下がっていく。
足も動かすが、
アスファルトの地面に引っかかることなく空を切る。
 顔を恐怖で強張らせ、
涙をぽろぽろと流し、
言葉にもならない悲鳴を喉から吐き出しながら、
必死に後ろへと下がっていく。

 だが、その速度はあまりにも遅い。
ゆっくりとした僕の足取りでもすぐに追いついた。

 「 ヤァ。イヤァ。イヤァ。イヤァ イヤァ イヤァ ヤァ ヤァ ヤァァァァァァァァァァァァァァ!」
甲高い悲鳴を上げ、
反射なのか、片手で頭を覆う。
 その行為を眺めながら、
僕はゆっくりと刀を振り上げた。

 その頭を砕くために。

 生を奪うという大罪を犯すために。

 そして、

 その罪を背負い、

 その罪を償うと言う『形』で、


  自 分 を 殺 す た め に 。

.

85 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:31 [ fP04/wmM ]
28

 そうだ。
僕はただ、
夢で見た『君』の乗る電車に一緒に乗りたかっただけなんだ。
僕は、『君』のところへ行きたかっただけなんだ。
 けれど、
僕は自分で自分を殺すことが出来ないから。
そんな勇気を持っていなかったから。
 だから、
罪を犯し、
罪を償うということで、
死を求めていたんだ。


 そして、僕は振り上げた刀を振り下ろそうとした。
そのとき、
突然腹を何かが突き抜ける衝撃を受け、
同時に、

 パン!という乾いた音が聞こえた。

86 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:31 [ fP04/wmM ]
29

 2〜3歩ほどよろめく。
不恰好に体を捻り、
後ろを振り返る。
 青い制服を着た警官が立っていた。
拳銃を構えて。
やや遠くでその顔は分からなかったが、
紛れも無く昼に話をした警官だった。
 それを確認すると、
その警官へ向かい足を踏み出した。

 閃光、衝撃、銃声。

 左肩をハンマーで叩かれるような衝撃が襲った。
 でも、
まだ倒れることなく、
また、数歩よろめくだけで、
僕は立っていた。
 さらに、足を踏み出す。
勢いをつけ、
走り出すために。

 また、閃光。

 熱せられた鉛球が胸を貫く。
 倒れちゃ駄目だ。
 だけど、脚に力が入らず、
脚に力を入れてるはずなのに、
その脚は後ろに動くことなく、
後ろに行き、体を支えることなく、
地面から離れた。

87 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:31 [ fP04/wmM ]


30

 空が見える。
夕日で真っ赤に染まった空が。
雲ひとつ無く、
一面、朱色に染まった世界。

 倒れたことに気づくには少し時間が掛かった。
僕の体は銃の衝撃に耐えることが出来ず、
地面に倒れたみたいだ。
 頭の上のほうで走る音が聞こえた。
多分、ハイヒールを履いたしぃだろう。

 硝煙の匂いがあたりを漂う。
背中にあるアスファルトを、
僕の血が広がっていく。
 少し指を動かしてみる。
すると、ぴちゃりと血だまりに触れた。
 もうそこまで広がったのか。
出血は早いようだ。
 湧き水のように胸と背中の穴から血が出て行くのが分かった。
手首を切ったときに何度も感じた感覚、
体の先端からじわりじわりと温もりが無くなり、
次に、感覚がなくなり、
そして最後には、その中身すら、
中に入っている自分すら消えていくような感覚。
それを感じた。

88 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:32 [ fP04/wmM ]
31

 一年。
今日は君の命日だね。
長かった。
とても長かったよ。
でも、
もうすぐ、会えるよ。
もうすぐ、君のところに行けるよ。

 遠くのほうでサイレンの音が聞こえてくる。
だけど、もうどうだっていい。
それが、増援の警察のパトカーのサイレンでも、
負傷者を運ぶための救急車のサイレンでも。
 だって、

もう君のところにいけるのだから。

 ふと、
目の前に君が現れた気がした。
その白く細い腕を差し伸べている気がした。
だから、
その腕をつかもうと僕は腕に力を入れた。

 ありがとう
迎えに来てくれて。

いま行くよ。


 だけど、

腕は、



動かなかった。

.

89 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:32 [ fP04/wmM ]
32


     僕は歩き続けた

        ずっと

        ずっと


   そして見つけた断頭台

   僕の首を落とす断頭台


 そして僕は断頭台に掛けられる

   僕の背負う罪を裁くために

   僕の背負う罪を償うために


        だけど

        その刃は


     落ちることは無かった


.

90 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:32 [ fP04/wmM ]
33

 鉄格子の向こうに星空が見える。
あの星空の中に君はいるのだろうか。
でも、僕はもう君のところにはいけない。

 結局僕は死ぬことは無かった。
あの後僕は救急車に乗せられて、
治療を受けた。
 最初は絶望した。
 けれど、
僕はこれほどの重犯罪を行ったのだから、
極刑は免れることは無いと思った。
だって、
僕のような人間が生きていたら、
また、誰かを殺してしまうかもしれないから。
 でも裁判の結果は僕を裏切った。

 『責任能力が無いとして、無罪』

 責任能力が無いということは、
つまりは、精神異常者だということ。
 そして、僕は刑務所の代わりに、
精神病院へと入院した。


 ふと、外のほうで色とりどりの閃光が走った。
そして、数秒送れて、どーん、という音が聞こえてきた。
 君は、花火を見るのが好きだったね。
 そう思い体を起こして窓の外を見ようとする。
だけど、両手両足に着けられたベルトが閉まり、
体を十分に起こすことが出来なかった。

 鉄格子のはめられた窓の向こうで、
また、閃光が走った。
けれども、
僕はその花火を見ることが出来なかった。

91 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2003/11/23(日) 05:32 [ fP04/wmM ]
34

      僕が犯した罪は

         とても

        重い物だから

     死では償えないほど

        重い物だから


         だから

   断頭台に掛けられること無く

     別の罰が与えられた


    僕に課せられた本当の罰

         それは


    道化師の仮面をつけること

      手枷足枷をつけること

          そして

       歩き続けること

        いつまでも

          永遠に


     そして僕は歩き続ける

         ずっと

         ずっと


         ずっと

         ずっと


         これが

      僕が犯した罪への

         僕への

           罰




                    【終】

92 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/24(月) 08:36 [ HWXlPpCc ]
>>40の続き「シィロイド」
モナス視点、私は回廊目指して走っていた。
しかし、シィロイドのありかが何処にあるか分からない。
そんな事を考えている間に、大きい回廊についた。
とても殺風景な回廊だ。
奥に扉がある。
とりあえず私は扉に入ってみた。
中にはしぃが50匹ぐらい居た。
一匹が「ハニャーン!!ワナニヒッカカルナンテアンタバカネ!!」
こいつがリーダー格だな。私はそう直感した。
でもリーダー格ってサルでも分かるぞ。
まあとりあえずシィロイドのありかは知ってそうだし、拷問でもするか。
私は残りの雑魚どもを消す事に専念した。
「スーパーミサイルセット!!」
ドガアアアアアアン!!!!!!
「アギャアアアアア!!!!!!!」
「アジジジジジイイイイイイイイイ!!!」
「シィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!」
などと、とても美しいハーモニーを発しながら木っ端微塵になっている。
今ので三分の二は減っている。
とりあえずターゲットにちかずいていった。
え?残りのしぃはって?あいつらは口だけだから一匹殺せば戦意喪失して逃げるんだよ。
「ハ、ハニャァァァ・・・」
おーびびってるびびってる。
私は口を開いた。
「シィロイドは何処だ」
「イ、イワナイハヨ!」
「そうか・・・」
私は一番威力の弱いウエーブビームをしぃの腕に放った。
「ウゲエエエエエエエ!?」
しぃの腕も飛ばない弱い威力だがこいつの利点はしびれてダメージがしつこく残る事だ。
「ウ!!ウギィ!!ウジャア!?」
こいつの叫び声もうしぃじゃ無いなw
「さあ、シィロイドのありかを吐け」
「ウギャア!?シ、シィロイドハ・・・ココノ・・・トビ・・ラノ・・ナ・・・カ・・ニ」
そう言って絶命した。
ここか・・・私はしぃの言ったとうりに扉の中に入っていった。
続く

93 名前: ZOO 投稿日: 2003/11/24(月) 14:56 [ I6OPkJQU ]
ある街、(もっともただの廃墟の集まりだが、)の内の一つの屋敷は廃墟とは思え
ないほど綺麗だった。当たり前だ。人が住んでいるのだ。住んでいるのは、モララ
ー族のかなり年寄りだ。名を、「じぇの」と言う彼の住んでいる屋敷からは常に悲鳴
が聞こえる。何故かと言うと、彼は若い頃にある人からある所屋敷の管理を頼まれて
いるその内容は『常に、屋敷は壁も、床も、家具も、すべて血の色要するに赤色
で満たす様にする。またその色を塗るときはしいまたは、ちびギコに限る。後は好き
にして良し』だ。最初じぇの氏は、楽な仕事だと思っていたがコレが意外と重労働だっ
たいくらしっかり塗っても2、3日で色がどす黒くなってしまいその度に塗り変え
なければいけないし、その次にペンキの材料の補充だ。じぇの氏の老体には、かな
り苦しい仕事だ。いくらねているしいでもひとたび起きられたら「ハニャーンナニスン
ノヨコノギャクサツチュウ!!」と言って逃げていってしまうのだ。更に捕まえても
血を絞ったり死体の処理と言う仕事も待っている。(続きはまた・・・お目汚しスマソ

94 名前: ZOO 投稿日: 2003/11/25(火) 17:38 [ IzlJEY86 ]
>>93からの続き
しかし、彼には強力な仲間が2人いる。一人は,「*」のないしいだ。彼女は、し
いの居場所を教えてくれる。もう一人は、ぽろろだ。殺した死体を食べてくれる。
そんなある日の事だった。その日は、いつもの様に血を濡っていたら珍しくチャイ
ムがなった。ドアをあけると、そこにはモナ−族の若者がいた。「すいませんが、
一晩泊めてくれませんか?」と聞いてきた。ので少しビビらせてやろうと「いいで
すよと」泊まらせてageることにした。「どひゃー」若者が言った「こんなすごいと
ころは初めてですよ!!」若者は喜んでびながら言った。じぇの氏は少し首をかし
げていたが、「まあ、いいだろう」と言う事にした。一日後、若者は帰って行った
それからしばらくして、また血を濡っているとけたたましいドアを叩くをとがきこ
えてきた。驚きながら、ドアを開けると「ここが、家中すべて血にそまっている
と言う館でしょうか?」ギコ族の若者が聞いてきた。「あ、私はモラ川建設のギコ
田言う者です。実は我が社の雑誌記者があなたのお家を拝見しそれを雑誌に載せた
ら電話が大量にかかって来てすべて、「家もそういう家にしたいのですが、」
だったので会議の結果実際に作ることになったので、あなたのお家を詳しく見たい
のですが、もちろんお礼はしますので・・・」考えるより先に声がでた。「もちろ
んOKです。」その後、業者は大儲けじぇの氏は屋敷の見物人から見物料を取りこ
ちらも大もうけだったそうだ。
             以上・・・意見は感想スレで、(初投稿なのでビシビシと)

95 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/25(火) 19:35 [ nYuTdlrA ]

      ― モララー研究所 研究員の日記 ―

8月30日
我々はついに神へ至る道を見つけた

9月2日
研究はもうすぐ完成する
興奮で眠れない

9月6日
研究完成間近にしてトラブルが発生した
研究員が次々と倒れていく
原因がわからない

9月11日
この原因不明のトラブルで研究が中止している
歯痒くて仕方がない

9月13日
倒れた研究員達に原因不明の腫瘍がいくつも出来始めている
手術によって切除するも次々に出来てしまい手術が追いつかない
仕方なく殺害

9月14日
300人近くいた研究員も今や20人近くまで減っている
トラブルについては未だに原因不明

9月15日
上から研究の永久凍結命令が下った
納得がいかない
他の研究員達も同じようで猛講義したが
その瞬間、得体の知れない連中が乱入
研究員達を次々と殺していく
私は慌てて逃げ出した

9月16日
研究室地下の下水道に逃げ込んだ私は
得体の知れない襲撃者達に脅えながら
身篭っている

9月17日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

96 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/26(水) 09:24 [ 7J1AeaUM ]

      ― モララー研究所 研究員の日記 ―


9月17日
同じ研究員だったモナーと遭遇
モナーにこの研究所で何が起こっているのか
聞いてみたところ
何か知っている様子だったが
何一つ答えようとはしなかった

9月18日
非常用に懐に入れてあった食料も
もう無くなってしまった
このままでは死んでしまう
モナーと二人で出口を探して下水道を歩き回った
数十分後明かりを見つけた我々は
大喜びしながら明かりへと走った
そしてついに外へ出ることに成功する
久振りの太陽がたまらなく心地よかった
しかし、次の瞬間武装した集団に取り囲まれた
私は覚えている。
研究所を襲撃した連中だ
私は死を覚悟した・・・となりにいるモナーも
どうやら覚悟を決めたようだ
・・・が、襲撃者から銃弾が放たれることはなかった
銃をこちらに向けているが一向に撃とうとしない
何故だ・・・?
と思っていたら、襲撃者達の間から
ある男が現れた

モララー「あ・・・あなたは・・・!」

それは、「モララー神製造計画」の発案者にして
私達研究員の上司 モラ崎科学長 だった・・・

                ―続く―

97 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/26(水) 18:00 [ 7J1AeaUM ]

      ― モララー研究所 研究員の日記 ―

モラ崎「あれから二週間か・・・」
モラ崎「二人ともついてきなさい」

あまりのことに何も言葉が出なかった・・・
気がつくと私は科学長の後ろを歩いていた・・・
聞きたいことは山ほどあったが、
何から聞けばいいのかわからず
何も言い出せない・・・
・・・というよりまともな思考ができていなかった
数分後私たちはある部屋に入った
科学長室だ
そこにある自分の椅子に座ると、科学長はゆっくりと
口を開いた

                 ―続く―

98 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/27(木) 07:18 [ zlGBV4zk ]
92続き「シィロイド」
モナス視点、あのしぃの言った部屋に私は入っていった。
ウィィィンと言う自動扉の音と共に・・・
中にはベビしぃしか居なかった・・・
「奴のいった事は虚言か?」
私はそう思いながらこのベビしぃを消す事のした。
「ふんっ!!」
私はベビしぃを思いっきり蹴飛ばそうと右足を上げた
次の瞬間、触覚のようなものが私の右足をかすめた。
「う、うぐ!!」
その触覚を出したのは私の目の前に居るベビしぃだった
「チィ・・・」
「くそっ!!」
私は本気でかからなければ負けると直感した。
「アイスビームセット!!」
まずは足止めからだ!!
「チ、チィィィ!」
狙いどうりベビの足元にアイスビームが行きベビの足が凍りついている
「ハナァァァン!!」
        バリン!!!
ベビの叫び声と共に凍り付いていた氷が割れた。
「チッ!!スーパーミサイルセット!!」
こうなれば一撃で決めてやる!!
「ヂィィィィィィィィ!!!!!」
ベビしぃの腕が両方吹き飛んだ。
「ナッゴオオオオオオオオ!!ナゴオオオオオ!!!」
よし!効いている続く

99 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/29(土) 07:30 [ IVxx1Xd2 ]
「シィロイド」
両腕を失ったベビしぃ(シィロイド)は悲鳴をあげながらのた打ち回っている。
しかし、すぐ正気に戻ると背中から触覚を出して攻撃してきた。
「アイスビームセット!」
私は背中の触覚をアイスビームで凍らせた。
「ウビュギュギャアアアアア!!???」
未開の森の珍獣みたいな叫び声を上げながら転がりまわっているw
しかし足を上手く使って逃げているのでとりあえず足をもいだ。
「ブチッ!」と言う音と共に「ビュギェヒュウウウウウウ!!!」などと叫んでいる。
まだ元気だ、とりあえず蹴り飛ばす。
「グァニャアアアアアアアア!!!」
おーこの叫び声は多少まともだ。
そろそろ持って帰るか・・・続く

100 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/29(土) 10:35 [ uQK.2Vlk ]
「シィロイド」
ベビしぃ(シィロイド)を私は40センチぐらいのカプセルに入れて、宇宙船へ戻るためにもと来た道を走っていった。
途中で一つ大きい扉があったので入ってみると中にはしぃ達が40匹はいる。
その他にコンピューター類の機械がギッシリ置いてある。
「(ここが司令室か)」私はこのしぃ達を惑星ごと消そうと思い、団子のように集まっているしぃ達にスーパーミサイルを撃った。
大きい爆発音と共に、
「アヅィィィィィィィィ!!!!」
「ヒャゲジュヒュビュウウウウウウウ!!!!!!」
「ブベラァァァァァアアアアア!!!!!!」
などと叫んでいる
私はすぐに自爆装置を起動させた。
残りのしぃ達は「イヤァァァ!!」とか「コノギャクサツチュウ!」などと叫んでいる。
元気なしぃに回し蹴りを顔にぶち込むと「ンビャアアアア!!!」と叫んで顔が吹き飛んで絶命した
「そろそろ帰るか」私はそう呟くと、扉を出た。
「自爆まであと30秒速やかに避難して下さい」あ、やばい
私はすぐに宇宙船に乗って惑星シーベスを後にした・・・
4000光年ぐらい離れたときだった。
ものすごい音と光と共にシーベスが爆発した。
何か音が聞こえると思ったら宇宙船が脱出している、多分シーベスの残党だろう。
私は宇宙船をレーザーで撃ち落とした。
宇宙船をアップで見るとしぃ達が火達磨になって転がりまわっている。
その時一匹のしぃが自爆装置のスイッチを押した。
私はもう見るのをやめた、結果は分かってるし・・・
とっとと金貰って家で寝よう。
私はそう思うと宇宙船の速度を上げた・・・
終わり
注意、「惑星の爆発した距離を計算したらたぶん4000光年離れたぐらいでは消し炭になるかも知れない」
て言う事は言わないで下さい。私はそういうの詳しくないから。

101 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/29(土) 11:10 [ uQK.2Vlk ]
「アブ板進学塾」プロローグ
受験戦争、誰もがぶつかる戦い・・・受かるか落ちるかの紙一重の戦い
彼らは一つの進学塾に入ろうと必死である・・・
その進学塾の名前は「アブ板進学塾」
何故入る受験生が殺到しているかと言うと、この進学塾を出たものは・・・
          必ず希望校に受かるからである!!
だがそれには過酷な試練と共にある・・・
だが一つの悩みは・・・ここに入るAAの95%はしぃだからである
しかも・・・全員アフォしぃ!!
なぜアフォしぃが入るのかというと、かの悪名高い法律「虐殺禁止条例」があるからである。
この法律のせいで「アホォしぃお断り」の方針の店は法律で罰せられるのである。
アブ板進学塾も例外ではない、虐殺禁止条例が公布される前までは、
モナー族30%
ギコ族30%
モララー族35%
しぃ族(良しぃだけ)5%
 と言う風になっていたのである。
しかし虐殺禁止条例公布後は
しぃ族(アフォしぃだけ)95パーセント
モナー族〜モララー族5%(良しぃは含まない)
になったのだ!これを重く見たアブ板進学塾職員は塾に入ったアホォしぃを不慮の事故に見せかけて殺す作戦を発令したのである
・・・今、熱き男達の作戦が始まった・・・
プロローグ終わり

102 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/30(日) 00:03 [ BMFnsGgY ]
     【 鳥篭 】

「おはよう」
嫌な笑顔だね。いつもいつも、何故そんな鳥篭の中で笑っていられるの?
何故こんな事をした僕を嫌わないの?何故?何故?
そうか、君は弱虫だから。僕に話し掛けることが出来ないんだね。
だから、何もされないように、笑顔でいるんだね。
それでも・・・何故君の笑顔に僕はこんなにも心が揺らぐんだろう?

「・・・・んぐ・・・ふぐ・・うぅぅ・・・・」
君は喋るのが苦手だね。いつもいつも何言ってるかわからないもの。
それでも必死で何かを伝えようとしているよね。何故?
君は何がいいたいの?・・・あぁ・・・ごめんよ、喋れなくしたのは
僕だったよね。その君の可愛い口に、針と糸で縫いつけたのは僕だったね。
あぁ、でも手だけは残してあるんだから、よだれくらいは拭ってよ。
自分で鳥篭汚してたら、世話ないじゃないか。

「・・ふぉ・・・ひゃぁぁ・・ふぁぅ・・・」
なんだい?今日はいつもに増して発言が多いね?あぁ、お客さんがいるからか。
君も喋りたいんだ?でもダメだね、君はマナーがなっちゃないから。
え?違う?そう・・・じゃぁ何かな?・・・・水?あぁ、お水ね、どうかしたの?
・・・取り替えてくれ・・・?もう飲めないの?腐っちゃったのかな、最近変えてなかったし
でもそれよりか僕は君が水を飲めることが不思議だよ、口を縫ってあるのにね、器用だね

「・・・ひぇ・・・ひぇぁっふぉ・・・ひふぇ・・・」
ダッコ?ダッコしてって言ったの?・・・でもなぁ、君お風呂に入ってないじゃない。
僕が汚れてしまうよ、・・・・それでもいい?わがままだなぁ、そんなにわがままいうなら
今度は舌を切ってしまうよ、悪い子に舌は必要ないからね。
・・・・・・静かになったみたい。

酷い?僕が?・・・例えばどこが?・・・口を縫ってるから?
おいおい、冗談はよしてくれよ、これはただの躾だよ?
え・・・でも足を切ってしまうのは可哀相?それは君には分からないだろうね。
これは僕の支配感さ彼女は僕以外に微笑んではいけない。
彼女は僕以外のものになってはいけない。
彼女は僕以外のものに触れてもいけない。
彼女は僕以外の人と接してはいけない・・・・。
え?君?接している?・・・うん、まぁそうなるねw
だけどこれはいいんだ。・・・まだ気付かない?
君もこれから、僕のものになるんだよ。
そんなに怖がらないで、僕は虐殺厨みたいに酷い事はしないよ
ただ・・・僕をずっと見てて欲しい、
僕だけを、見てて欲しい、僕以外はだめ。
全部ダメ。

「・・・ただいま」
今日も僕の帰りを待つ、2匹のしぃがいる。
二人はいつも笑っている。
僕のために、僕のためだけに存在する。
僕は君たちの鳥篭。

永遠に外には出しはしない。

103 名前: great hunter(1/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:51 [ j96vbmEI ]
(関連 >>41-46

 夜が明けても、モララーは帰ってこなかった。

104 名前: great hunter(2/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:51 [ j96vbmEI ]
 小さな電子音に呼ばれて、モナーは腕時計を見た。設定が間違って
いたわけもなく、デジタル数字は予定時刻を示している。
 車の中で起き出す気配がし、ギコが出てきた。彼は軽くあたりを
見回して、状況に変化がないことを悟ったようだった。
「じゃ、そろそろコンビニ行くモナ」
 モナーはたき火を水で消して、努めて明るい声を出した。
「でも、コンビニが夜閉まるって、どういうことモナ?」
「田舎逝って良し。……まったく、やる気あんのか?」
 ゴルァ、と彼は種族特有の声で鳴いた。

 モナーは、彼のためにとっておいた食料を袋ごと持ち出した。
ジャムパンとペットボトルが、半透明の袋に透けている。
「何か書いておいたほうが良いモナ」
 筆記用具を持っていないかとたずね、彼自身も車のダッシュボード
をあさる。
「出ないかもしれないペンげとー」
 いつから入っていたのかモナー自身にも分からない、安っぽい
黒ボールペンが出てきた。試し書きする物もないので、彼は指で
触って確認した。
「あ、使えるみたいモナ。ギコは白い紙、持ってないモナ?」
「お前、持ってるだろ」
 心当たりがなかったので、モナーは首を傾げて彼を見る。
「レシート」
 ああ、とモナーはうなずき、財布の中から幅と長さのある物を
選んだ。裏返して、メッセージを走り書きする。

  ┌────────────────┐
  │ コンビニ行く                │
  │    すぐ帰ってくる     モナー     │
  └────────────────┘

 レシートを袋に入れ、軽く口を結んで、そこらに転がっていた
大ぶりの石を重石にする。
「案外、帰ってきたら普通にいたりして」
「かもな」
 モナーの希望的観測に、ギコは笑って同意した。

105 名前: great hunter(3/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:52 [ j96vbmEI ]
 車で三十分戻った所に、その小さな町はあった。
 町に住むAA達にとってあの廃墟は禁域であり、そこに踏み込む
モナー達に対する印象は、最悪と言ってよかった。
 コンビニに入ると、条件反射の笑顔で「いらっしゃいませ」と
言いかけた店長が、客がモナー達であるのに気付いて顔を歪めた。
販売拒否されるわけでもないので、彼らは大して気にしない。
 当座の食事と、長引いた場合に備えて、傷まない物を数食分
選んだ。
 モナーがカゴをレジに持っていき、店長がバーコードを読みとり機
に通し始めた。時々店外に目を向け、もう一人いるはずのモナーの
仲間を探しているようだった。

 彼が行方不明になっていると教えれば、店長は鬼の首を取ったよう
に勝ち誇るだろう。そして、あそこを壊滅させた怪物とやらが、彼を
襲ったと断定するのだ。

 店長から話しかけてくる事はないと踏んだモナーは、意味ありげに
こちらを見る彼を無視した。
「ギコ? 何か買うモナ?」
 勧められれば口にするものの、自発的に買うことなどなかった彼
が、菓子の棚の前にしゃがんでいる。
「いや。俺、案外食ってるな、って」
 隣にしゃがんだモナーも、棚の商品のかなりのものに見覚えが
あった。
「このへんとか、定番モナ」
 その棚には、缶入りの飴や紙筒に入ったマーブルチョコレートなど、
古風な印象の商品が置いてある。
「これだ……」
 ギコは飴の缶を指さした。
「ハッカしか出てこねぇ」
 モララーが缶を振って一粒くれるとき、ミント系が苦手なギコの
番を狙ったように、かなりの確立でそれが出るのだ。
 モナーは彼の言葉に笑って、棚に手を伸ばした。

106 名前: great hunter(4/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:52 [ j96vbmEI ]
 店を出たモナーは、買い物袋から飴の缶を出して、封をはがした。
 ギコに差し出す。
「なんだ?」
「ハッカが出たら、モララーと会える」
 過去の実績から考えると、それは分の良い占いだった。
 ギコは神妙な顔で缶を受け取ると、フタを開けて揺すった。

 二人は声に出して笑った。
「もうそれは才能モナ」
「って、要らねぇよ、そんな才能」
 しぶしぶギコは、その飴を口に運ぶ。
 嫌いなはずのその味に、彼はわずかに微笑んだ。

107 名前: great hunter(5/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:53 [ j96vbmEI ]
 山道を行くのは、モナー達の車だけだった。
 誰も使わなくなった車道は長らく管理されていないようで、土砂
や倒木といった障害物が多かったが、モナーの4WDは悠々と乗り
越えていく。
「結局。あそこで研究してたのって、何だったんだろうな」
 木々の向こうにたたずむ廃墟を眺めて、ギコが沈黙を破った。
「……モナは、やっぱり病原菌だと思うモナ」
 ここに居ない友人は核の研究だと主張し、ギコの持論ではそこは
猛毒の開発施設だった。

 あの町には、政府の研究施設があった。
 研究機材や書類が持ち去られてしまった現在、そこが扱っていた
内容は分からない。ただ、何か事故があり、結果ほとんどの町民が
死んだらしかった。
 山道を下ったふもとの町では、それは研究所から逃げ出した怪物
の仕業になっていた。その怪物は八頭身AAよりも巨大で、しかも、
被害者すらその姿を見ることは出来ないのだ。
 ……誰も見ていないのなら、それが「八頭身AAよりも巨大」
なんて分かるはずがない。馬鹿馬鹿しいと、モナーは思う。

 モナー達が出した結論は、そこで研究されていた非人道的な兵器が
流出し、一般市民に被害が出たというものだった。
 政府は公に出来ない事実を隠し、調査結果も発表せずにその町を
封鎖したのだ。そして、付近の住民を遠ざけるために、架空の怪物の
噂を流した。
 流出したのが病原菌でも核でも毒でも、時間はそれを浄化する。
そして、架空の怪物が守る廃墟は、被虐者達の楽園になったのだ。

108 名前: great hunter(6/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:53 [ j96vbmEI ]
 モララーは帰っていなかった。
 彼のための食料が触られた様子もなく、被虐者すら来てはいない
ようだ。
 ギコがトランシーバーのスイッチを入れて話しかける。やっぱり
返事はなかった。
「……ゴルァ」
 彼は小さく毒づいた。

 二人は静かに朝食を終えた。
 モララーが帰ってきた時のための食料を、ビスケット状の栄養補助
食品とミネラル水に差し替える。
「じゃあ、なるべく通信は切らない、ってことでいくモナ」
「おう。何かあったら連絡しろよ」
 二人は手分けしてモララーを探すことにした。
 モナーは川のこちら側の担当で、ギコは川のむこう側の担当だ。
「モララーがゴミに捕まってる可能性も考えとけよ」
 ないとは思うが、とギコは続ける。
 長短二本の刀をさした彼は、モナーに比べると随分軽装だった。
「モララーが?」
 あり得ない、というニュアンスを含ませてモナーは応えた。
「一応、念のため、だゴルァ」
 自動小銃のスライドを引いているモナーに、ギコは憮然とした様子
で言い捨てた。
「分かったモナ」
 準備の済んだモナーは、予備の銃や弾薬が入った袋を背負った。
体力のない被虐者なら、すぐに疲れてしまうだろう重さだ。
「でも、きっとどこかで動けなくなってるだけモナ」
 トランシーバーが壊れるかなにかして、連絡できないでいるのだ。
モナーはそう考えた。

109 名前: great hunter(7/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:54 [ j96vbmEI ]
 しばらくぶりに来た住宅地は、初めて見た時と同じように荒れて
いた。
「……そうだ、学校に行ってみるモナ」
 以前そこは、丸耳AA達のたまり場になっていた。
 日当たりの良い広い校庭は畑を作るのに適していたし、雨水が
溜まったプールは、水源としても魚の養殖場としても使える。教室
は、さすがに大きすぎて使いにくいようだったが、周囲には適当な
大きさの民家が立ち並んでいた。
 町を見つけた当時は、三週連続でそこを狩り場に選んだ。結果、
純粋な個体数の減少と、毎週末やってくる彼らに怯えた生き残りの
離散とで、そこは完全な無人になってしまったのだ。
 だが、条件自体は良いのだから、もしかしたら丸耳のいくらかが
戻っているかもしれない。
 モララーもそう考えたかもしれないと、モナーは思った。

 小学校の敷地に入ったモナーは、大きく友人の名前を呼んだ。
 驚いた雀が飛んで逃げた。
 モララーの返事はなかったが、モナーは中を見て回る事にした。
あり得ないとは思ったが、ギコが言うように、モララーが被虐者に
捕まっている可能性もゼロではない。
 グラウンドに作られた畑では、収穫期を過ぎた野菜達が花や種を
つけている。丸耳達が戻っている可能性は低いように感じられた。
(でも、モララーなら何か見つけたかもしれないモナ)
 モララーは被虐者を見つけるのが上手かった。
 ギコが殺気に敏感なように、彼は怯える者や逃げようとする者の
気配を感じ取れるのだ。
 三人の中ではモナーは鈍い方だった。
 だから、いとも容易く被虐者を見つけだす彼らは、まるで魔法使い
のように見えた。

110 名前: great hunter(8/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:54 [ j96vbmEI ]
 モナーが畑の脇を過ぎたころ、ギコから連絡が入った。
『そっちはどうだ?』
「まだ見つからないモナ」
 モナーが学校にいると言うと、彼はすぐに分かったようだった。
『こっちは角耳を見つけた。確認したのはしぃとレコとチビギコ』
「すごいモナ!」
 モララーの姿はないが、被虐者達は何か知っているかもしれないと、
ギコが言う。
『状況次第で瞬殺するから、そんときは諦めてくれ』
「むしろ、今は虐待する元気なんてないモナ」
 モナーが言うと、彼もそうだと苦笑した。
『これからゴミの家、入るから。こっちはいったん切るぞ』
 被虐者達を押さえたらあらためて繋ぐ、とギコが言った後、電源の
切れる雑音がした。
「……さて、モナも頑張るモナ」
 そこはもちろんモナーの母校ではなかったが、静かな校舎は彼に
郷愁を感じさせた。

 学校という場所は、基本的に親切にできている。
 職員室、多目的室、表示なし、保健室、階段を挟んで、図工室。
モナーは引き戸の上のプレートを確認しながら、一つ一つ部屋の中を
見ていった。
 丸耳達の生活用具として持ち出されたのか、各種備品が減っている
ようだった。特にカーテンは一枚も残っておらず、布地として利用
されたのだろうと、モナーは考えた。
 二階は五年生の教室、三階は六年生の教室になっていた。
「後は……」
 モナーは屋上に続く階段を見た。
 高い場所から周囲を確認しておくのも良いかもしれない。
 鍵のかかっていないドアを開けて、彼は屋上に出た。

 ぽつんと、大きなオリが置いてあった。

111 名前: great hunter(9/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:55 [ j96vbmEI ]
 オリの中で、彼は布を被って座っていた。
「モララー……?」
 声に反応して、それはこちらを向く。
(……じゃない)
 モナーはがっかりした。
 彼の顔はチビギコ族のそれだった。振り向いた拍子にずれた布の
隙間から、丸い耳がのぞく。
 モナーはオリの前に回り込んだ。オリの中の彼は、無表情に
モナーの動きを目で追った。
「聞きたいことがあるモナ」
 彼は侵入者を見上げたまま沈黙している。
「昨日、ここに誰か来なかった?」
 不審者の問いには答えたくないとか、知っているけど隠そうと
しているとか、そういう反抗的な意志は感じられなかった。彼は
ひどく無気力で、モナーの言葉が通じていないような感触すらある。
「……君、ここで何してるモナ?」
 モナーは困惑して問いかけた。
 どう見ても、彼は誰かに閉じこめられている。
 モナーは、初めてこの町に来た時の事を思い出した。

 道を間違えたモナーは、地図にもないこの廃墟にたどりついた。
 彼はどちらかと言えば穏健派の加虐者で、わざわざ被虐者の群を
探しにいくような性格ではなかった。もちろん、自分の町で被虐者を
見つければ迷わず殺すのだが、その時は、友人に教えれば喜ぶだろう
と思っただけだった。
 しかし、町を離れようとしたとき、彼はそれを見つけてしまう。
 被虐者達は、事故死したという丸耳チビギコの遺体を運んでいた。
それは埋葬するためにではなく、食うために、だった。仲間の死体を
食らうという、あまりにおぞましい行為をモナーは止めた。だが、
死ねば肉に過ぎないとの答えが返ってくる。その言葉は、哀れな
チビギコの母親が言ったのだ。
 モナーは銃を取った。
 発砲と同時に崩れ落ちる彼女を置いて、被虐者達は逃げ出した。

112 名前: great hunter(10/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:55 [ j96vbmEI ]
 オリの中の彼は、モナーが丁重に埋めてやった子供に似ていた。
 彼がオリの中にいる理由の、一番あってほしくない物を、モナーは
思いついてしまう。
 コミュニケーションが取れない異分子を、彼らは食うために育てた
のではないか、と。
「……お腹空いてないモナ?」
 モナーは彼に微笑みかけ、荷物を下ろした。栄養補助食品の黄色い
箱を取りだす。
 義憤は憐憫を強くした。
 箱を開け、個包装も破いて、オリの隙間から差し入れる。
「これ、チョコ味で結構美味しいモナ」
 毒など入っていないと教えるために、モナーは欠片を口に入れた。
 彼はしばらくモナーを見ていたが、ゆっくりと視線を下げた。自分
の前に置かれたビスケットを手に取り、のろのろと口に運ぶ。
 もはやモナーには、彼を虐待する気はなかった。

 モナーはオリの戸を調べた。そこには大ぶりの南京錠がはまって
いる。
「鍵のある場所、知らないモナ?」
 声をかけると、彼は食べるのを止めて顔を上げた。大きく綺麗な
黒い目が、無心にモナーを見つめる。
「あ、大丈夫、モナが探すから、君は食べてると良いモナ」
 モナーは周囲を見回して、積み上げられた木箱の方に向かった。
ガラクタがごちゃごちゃに詰まっていて、一緒に入っていたとしても
小さな鍵を見つけるのは難しそうだった。
「空き缶なんて、何に使うモナ……」
 白桃のイラストが印刷されたそれを、溜息をついて箱に戻す。
 モナーはオリの前に戻って銃を抜いた。
「ちょっとうるさいけど、我慢してほしいモナ」
 銃声が南京錠を撃ち抜いた。
 ビスケットを取り落として、彼は固まった。
「……ごめんモナ」
 ひどく怯えているように感じられて、モナーは彼に謝った。

113 名前: great hunter(11/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:56 [ j96vbmEI ]
 トランシーバーからギコの声がした。
 モナーはオリの戸を開けて、トランシーバーを拾いに戻った。
 銃声がギコのところまで届いて、心配してくれたらしい。
「こっちは大丈夫モナ。ギコの方は?」
 彼の方も問題はなく、これから人質にとった被虐者とモララーと
を交換しに行くとの事だった。
「見つかって良かったモナ……。そっち、行った方がいいモナ?」
 ギコは、どちらでもいいと答えた。
 モナーはちらりとオリに目をやった。
 彼は、恐る恐るそこから出ようとしている。
「えっと……ちょっと、連れて帰りたい子がいるモナ」
 不審そうな声を上げ、ギコはそれが被虐者でない事を確認した。
「あー……」
 言葉を濁すのは、肯定と変わらない。
 モナーの行動が理解できないと言いたげなギコに、必死に説得の
言葉を続ける。
「でも、とっても大人しい子モナ。それに、すごく可哀想な……」
 ギコは黙って聞いていたが、溜息をついて許容した。
 モナーが感謝を伝えようとした時、その背に何かがのしかかった。

 瞬間、オリから出た彼がおぶさったのかと、モナーは考える。
 けれど、それにしては背中にかかる力は大きく、直立するモナー
の頭よりも上に重心があるようだった。

 次の瞬間、頭部から背中にかけて発生した感覚を、熱だと思う。
 けれどすぐに、彼はそれが痛みである事に気付いた。
 体毛が、皮膚が、皮下組織が、音もなく酸に溶かされていく。

 悪寒に息を吸い込むように、モナーは声を上げた。
 反射的に銃を引き抜き、自分の背後に引き金を引いた。

114 名前: great hunter(12/12) 投稿日: 2003/11/30(日) 09:57 [ j96vbmEI ]
 彼は屋上にへたりこんだ。
 痛みが混乱を呼び、体は小刻みに震えている。
 やがて、先ほどモナーが取り落としたトランシーバーが、彼の
名前を呼んだ事に気付く。
 急速に現実に引き戻されて、彼は小さく返事をした。

115 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/03(水) 18:23 [ CFKhlYck ]
皆さん、こんばんは。
ストーリーテラーのモララーです
皆さんは「都市伝説」というものをご存知でしょうか?
都市伝説とは人から人へとまことかしやに伝えられている噂です
そのバリエーションは幅広く、探せばいくらでもでてきます
何故このような噂が流れるのか?それは人が感じる身近な恐怖によるものです。
そう、例えば暗闇。
暗闇とは恐ろしいものです。その暗闇を打ち払うため人は火を生み出しました。
しかし、心の中の闇は決して打ち払うことができません。
人が恐怖心を捨てない限り・・・・
今回、お話するのは有名な「下男」です。
では、どうぞ・・・


   
   「下男」

「アシタモゲンキニ、シィシィシィ〜♪」
街頭に照らされた夜道を一匹のしぃが楽しそうに歩いていた
「アッ!モウ、オウチニツイタヨ!」
彼女の家はしぃ族にしては珍しい、普通のマンションであった。
しぃの部屋は3階の一番端、しぃはエレベーターに乗り込むと慣れた手つきで3階のボタンを押した
3階につき、エレベーターを降りたしぃは、よほど機嫌がいいのかスキップのような軽い足取りで一番端の自分の部屋まで歩いて行った
「しぃちやんのお家♪」と書かれたプレートが掛かったドアを開け、しぃは部屋の中へ入った。
もちろん部屋の中は真っ暗、いくら能天気なしぃでも恐怖心を掻き立てられる。
手探りで照明のスイツチを押し、昼間のように明るくなった部屋を見て、安心したしぃはいつものように居間に荷物を置き、体の汚れを落とすため鼻歌まじりに風呂場へと向かった。

116 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/03(水) 18:24 [ CFKhlYck ]
体にかかる暖かいシャワーは冷え切った体には実に快感であった。
しかし、シャワーの流れる音に紛れて何かが割れた音に、しぃは気がつかなかった・・
体の汚れを落とし、風呂を上がったしぃは、バスタオルで体を拭きながら鏡を見つめた。
(フフフ・・・、イツミテモワタシッテカワイイワ〜)
鏡に映った自分の顔に見惚れれていると、何か違和感を感じた。
鏡に反射して映ったベットの下に黒い塊が見える
(ナニカシラ・・・?)
じっと見ているとその黒い塊は動いている。そして、ゆっくりとゆっくりと這い出てくる。
しぃは鏡に反射され映し出されている、その異様な光景をじっと凝視した
やがて、ベットの下から這い出てきたものは、人であった。
しぃは目を丸くした、風呂にはいって暖かくなったはずの体にも寒気が走る。
鏡に反射して映し出されるその「男」は、黒い帽子、黒い革ジャン、そしてなにより・・・



下半身、裸だった

しぃは叫んだ。

(シモ)
「下男ヨ―!!!」
バスタオルを投げ出し、しぃは部屋を飛び出した。
階段を駆け下り、マンションの外に出て、そのまま裏通りへと駆けて行く。
後ろを振り向くと、古時計のようにイチモツを振り回して8頭身もあろうかの大男が笑顔で追いかけてくる。時折、聞こえてくる「1さ〜ん、待ってよ〜!!ハァハァ」という声に怯えながらもしぃは必死で足を動かす。
しかし、それも長くは続かなかった。運が悪いのか、行き止まりに出てしまった。

117 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/03(水) 18:25 [ CFKhlYck ]

後ろを振り向くとニヤニヤと口を歪ませた大男が近づいてくる。
ドクン

ドクン

ドクン
大男が一歩近づくたびに心臓の鼓動が大きく鳴る
「ハァハァ、遂に追い詰めたよ1さん。まったく、外に行くなんて・・・。
野外プレイが好きなら素直に言えばいいのに〜」
そう呟きながら近づいてくる大男にしぃは叫んだ。
「ワタシハ「1サソ」ジャナイワヨ!!」
すると大男の動きが止まった。
「え・・・、1さんじゃなかったの?だって1さんは2階の一番端に住んでるはずなのに・・・」
「ワタシノヘヤハ「3階の一番端」ヨ!」
「なにっ〜!!階数を間違えたのか!クソ〜!」
大男はさぞ悔しそうに俯いた
「ワカッタナラ、サッサトキエナサイ!マッタク、ヒトチガイニモホドガアルノヨ!」
大男は顔を上げしぃの体をがっしりと掴んだ
「ハニャ!!ナニスンノヨ!!ハナシナサイ!」
「まぁ、このさいコイツでもいいか」
まったく人の話を聞いてない大男を見て、しぃは背筋に何か冷たいものが通った
「8頭身!突貫しまーす!」
「チ、チョットヤメナサイヨ!ヤメ、ヤメテェェェェッェ!!」


ドブスッ


「シィィィぃぃっっ・・・・・ ・ !



・・・・・いや、あの、今のはちょっとしたミスです。
ハハハハハ・・、僕がこんな話をするわけないじゃないですか〜・・
次回!次回こそ本当の恐怖があなたを待っています!
ではまた次回お会いしましょう!

118 名前: モラ作(1/7) 投稿日: 2003/12/03(水) 22:03 [ PlwzD0jk ]
「私立マターリ学園」
それはAAが通うAAの為の学園である。
そしてこの学園は、何故かアフォしぃも生徒として受け入れていた。

朝、学園の敷地内にある並木道を3匹のしぃが登校してきた。
「キョウモゲンキニ シィシィシィー! ミーンナナカヨク ハニャニャニャン!」
相変わらずのアフォな歌を歌っている。
いくら教育を受けいても、所詮はアフォしぃということか。

「ハニャ!?」
その内の1匹が何かを見つけた。
「アンナトコロニ ディガイルワ!」
そのしぃの指差す先、並木の根元に1匹のでぃが横たわっていた。
おそらく虐待されたしぃの成れの果てなのだろう。
まだ生きてはいるものの、手足は片方が根元からちぎれ
目は潰されて、耳はちぎれかけた状態でぶら下がっていた。
「ナンデ シィチャンノガクエンニ ディナンカガイルノヨ!」
「キット シィタチノマターリヲ ジャマスルツモリネ!」
「キタナイディハ アボーンシナキャ!」
しぃ達はかつての同族に向かって口々に叫んだ。
いくら教育されても、アフォしぃに思いやりの気持ちは身に付かないようだ。

しぃ達はでぃをぐるりと取り囲んだ。
その手には、いつの間にか虐殺棍棒が握られていた。

119 名前: モラ作(2/7) 投稿日: 2003/12/03(水) 22:04 [ PlwzD0jk ]
「キタナイディハ シニナサイ!」
しぃ達は一斉にでぃに向かって棍棒を振り下ろした。
ボゴォ!! グシャ!!
棍棒が残されていた手足を砕き、耳はちぎれて吹き飛んだ。
「キィ! キィィィ!!!」
でぃは精一杯の悲鳴を上げたが、しぃ達の手が緩むことはなかった。
「コレデトドメヨ!」
最後の一撃がでぃの脳天をグシャリと潰した。

「ハニャーン! スキーリシタワ!」
「マターリノショウリダネ!」
しぃ達は爽やかな汗を流しつつ、自らを称えあった。
「デモ コノゴミハドウスルノ?」
1匹が足元の肉塊を指す。
「ナンデシィチャンガ ゴミノソウジマデシナキャイケナイノヨ!」
「ソウヨ! コンナキタナイノハ モラサクニマカセレバイイノヨ!」
「ソレモソウダネ!」
しぃ達は肉塊を放置して歩き出した。
「ソウイエバモラサクッテサァ キモイトオモワナイ?」
「ウンウン モララーミタイナレットウシュノナカデモ トクニキモイヨネ!」
「ソレニフケツソウダシ オシッコノニオイトカシテキソウ・・・」
しぃ達はハニャハニャ笑いながら校舎の方へと去っていった。

だが。
木陰から今の会話を聞いていた者がいた。
ジャージ姿に汗で黄ばんだタオルを首にかけている。
彼の名はモラ作。この学園で住み込みの用務員をしていた。
「く、糞虫どもが! この俺を馬鹿にしやがって!!」
モラ作はわなわなと怒りに震えながら、しぃ達が去った方向を睨みつけていた。

120 名前: モラ作(3/7) 投稿日: 2003/12/03(水) 22:04 [ PlwzD0jk ]
その日の放課後、しぃ −今朝の3匹の内の1匹− は遅れて下校するところだった。
たまたま日直の仕事が残っていた為、他の友達は先に帰ってしまったのだ。
「マッタク ナンデシィチャンガ ニッチョクナンテザツヨウヲ シナクチャイケナイノヨ!?」
しぃはぶつぶつと文句を言いながら下駄箱のふたを開けた。
「ハニャ!? コレハ・・・」
下駄箱に入っていたのは、小奇麗な封筒だった。
表には「しぃへ」とだけ書かれていた。裏を見ると、差出人の名前はギコだった。
「コ、コレッテモシカシテ・・・ラブレター!? ハニャーン! ドウシヨウ!」
しぃは飛び上がって喜んだ後、はっとなって周囲を見回した。
「ダレモミテナイワネ・・・」
誰も見てないのを確認すると、しぃは封筒を開け手紙を読んだ。

「しぃへ
今までずっと黙っていたけど、俺はお前のことが好きだ!
お前と二人きりで話がしたい。もしよかったら
放課後に視聴覚準備室まで来てくれないか。
P.S.
誰にも見つかるんじゃねぇぞゴルァ! ギコより」

「ハニャーン! ホウカゴニフタリキリ・・・モシカシタラ ソノママコウビナンテ・・・キャーー!!」
しぃはあらぬことを想像しながら、視聴覚準備室へと向かった。
視聴覚室は校舎の最上階にあり、準備室はその隣だ。
既に生徒の殆どが下校しており、しぃは誰にも見つかることなく其処に到着した。
「ココナラダレニモミツカラナイワヨネ。 アァ・・・ドキドキシチャウ!」
しぃは一度小さくガッツポーズを取って気合をいれ、静かに扉を開けた。

部屋の中は真っ暗だった。
既に日は傾いているが、それだけが原因ではない。
窓に暗幕が引かれており、外からの光を遮断していた。
「ギコクン? シィダヨ・・・?」
しぃは恐る恐る部屋の中に入った。
部屋の中に人気は全く感じられなかった。
もしかして、手紙はただのいたずらだったのではないか。
しぃがそう落胆しかけたとき、背後で誰かの気配がした。
「ギコクン!?」
しぃは振り返ると同時に、ドスっと腹を殴られた。
「ウ・・・」
遠のく意識の中でしぃが見たのは…ギコではなくモラ作の醜い顔だった。

121 名前: モラ作(4/7) 投稿日: 2003/12/03(水) 22:05 [ PlwzD0jk ]
ぴたぴたと頬を叩かれる感触で、しぃは目を覚ました。
体が動かせなかった。両手足が荒縄で縛られたいたのだ。

「おぅ、目が覚めたか糞虫?」
目の前にモラ作のにやついた顔があった。
「ハニャ!? モラサク!? ナンデココニ・・・ ギコクンハ!? ギコクンハドコナノ!?」
「ハァ? 馬鹿かお前。あの手紙を書いたのは俺さ」
モラ作は手紙をしぃに見せ付けて笑った。
「こんな手紙で騙されるなんて、流石は糞虫の脳みそだよなぁ」
「ヒ、ヒドイ! シィヲダマスナンテ! セッカクギコクントコウビデキルトオモッタノニ!
コノナワヲホドキナサイ! アンタナンカコウチョウニイッテ クビニシテヤルワ!」
しぃはヒステリックにまくしたてた。

「おい、糞虫。お前状況ってもんが分かってないようだなぁ」
モラ作はニヤニヤ笑いながらしぃに近づいてきた。
「ナ、ナニヲスルツモリ!? シィチャンニナニカシタラ ユルサナイカラ! コノヘンタイ!!」
「ふん。何をするかって? お前の望みを叶えてやろうと思うんだがな」
モラ作はそう言って、太くて硬いモノを取り出した。
「ハニャ!? ソ、ソレハ・・・」
「どうだ、ギコのよりも大きいだろう?」
モラ作が取り出したモノ…
それは今朝しぃ達がでぃを殺したときに使った虐殺棍棒だった。
「ソ、ソレヲドウスルツモリ!?」
「お前コウビがしたいって言ったよなぁ?
これだけでかけりゃ、淫乱なお前でも満足できるだろう」

モラ作はしぃの身体をうつ伏せにし、尻を突き出すような格好にさせた。
「イヤァ! オナガイヤメテェェ!! ダレカタスケテェェーーー!!」
ようやく何をされるか理解したしぃは、大声で助けを求めた。
「いくら叫んでも無駄だぜ。この部屋は完全防音だからなぁ」
モラ作が棍棒の先端をしぃの恥部に当てた。
「ほれ、コウビコウビ〜って言ってみろ」
「イヤイヤァ!! ソンナノハイラナイヨゥ!!」
しぃはどうにか逃れようと、身体をくねらせる。
「そうやってケツを振って、ギコを誘惑してたんだな」
棍棒を握る手に力が入る。
「この糞虫が! いつも俺を馬鹿にしやがって!!」
「ハギャァァァァァァ!!!」

122 名前: モラ作(5/7) 投稿日: 2003/12/03(水) 22:05 [ PlwzD0jk ]
太くて硬い棍棒が、しぃの恥部に突き刺さった。
「どうだ、棍棒の味は?」
「イタイィィーー! イタイヨォォーー!! ヌイテェ!!」
しぃの顔は苦痛に歪み、目からは大粒の涙が溢れていた。
「なにが痛いだ。散々コウビしまくってガバガバなんじゃねぇのか?」
モラ作はいやらしい笑みを浮かべると、棍棒を更に奥まで入れようとする。
「ヒィィィィ!!!」
しぃの恥部は棍棒によって限界以上に押し広げられ、血がにじんでいた。

「オ、オナガイ! モウヤメテェェ!!」
「おい、糞虫ぃ」
モラ作は急にドスのきいた声になった。
「お前今朝、俺のことを小便臭いとか言ってたよな?」
しぃは応えることができずに、首を振ってイヤイヤをする。
「いつもしーしー小便臭ぇ声で鳴いてるのは、てめぇの方だろうがっ!!」
モラ作は怒りに任せて棍棒を押し込んだ。
「ギャァァァァァァ!!!!」
ブチブチィっと何かが裂ける音がした。
それと同時に棍棒に伝わる抵抗が緩くなった。
「ひひひ、裂けちまった」
血と体液にまみれた棍棒が引き抜かれると、しぃの恥部から大量の血が溢れ出た。

「ジ、ジィィ・・・シィノアソコ・・・ヘン・・ダヨォ・・・・」
「これじゃもう使い物にならねぇな。
俺も楽しもうかと思っていたが…まぁいい」
モラ作は引き抜いた棍棒を部屋の隅に投げ捨てると、しぃを縛っていた荒縄を解いた。
「ここからは虐待ショーの始まりだ!」

しぃの身体を無理矢理に立たせると、思いっきり顔を殴りつける。
「シィィィィィ!!」
しぃは吹き飛んで壁に激突し、そのまま崩れ落ちる。
「オラァ、どうした糞虫ぃ!」
モラ作の残忍な声が部屋の中に響いた。

123 名前: モラ作(6/7) 投稿日: 2003/12/03(水) 22:06 [ PlwzD0jk ]
「もう弱っちまったのかぁ? だったら元気にしてやるぜ!」
ブチィ!!
モラ作の手がしぃの片耳をもぎとった。
「シィィィィ!! シィノオミミィィィーーーー!!!!」
しぃはお約束の悲鳴をあげ、床を転がって悶絶した。
「おうおう、元気になりやがった」

今度はしぃの目に手をやり、一気に抉り出す。
「シィノオメメェェ!!」
「活きのいい目玉だ、精がつくぜぇ!」
抉り取った目玉をしぃの口に詰め込み、吐き出せないように口を押さえる。
「ヴヴッ、ヴヴヴヴヴーーーーーー!!!」
しぃは目のあった場所から、涙の代わりに血を流していた。

「よぉし、次は爪の手入れだ!」
モラ作はペンチを取り出すと、しぃの手を掴んで爪を力任せに引き抜く。
「ハギャァァァ!!! ハ、ハヒィィィ!!!」
「オラァ、もっと泣け、喚け、叫べ!!」
その後もモラ作は手を緩めず、しぃを痛めつけていった。
まるで今朝のでぃに対してしぃがやったように…

「キィ! キィィィ!!!!」
いつの間にか、しぃの悲鳴はでぃの奇声へと変わっていった。
「はぁはぁ…、殺さずに痛めつけるってのも難しいよな」
しぃがでぃと化したのを確認すると、モラ作はようやく手を止めた。
そして部屋に設置してあるAV機器を操作する。
キュルルルっとビデオテープの巻き戻される音が響いた。
モラ作は途中で巻き戻しを止め、再生ボタンを押す。

『どうだ、棍棒の味は?』
『イタイィィーー! イタイヨォォーー!! ヌイテェ!!』

室内のモニターに先程の様子が映し出された。
それは部屋の天井に設置してあるカメラで撮影したものだった。
「よしよし、うまく撮れているな」
モラ作は満足げにうなずいた。

124 名前: モラ作(7/7) 投稿日: 2003/12/03(水) 22:06 [ PlwzD0jk ]
「おい糞虫。冥土の土産に教えてやるぜ。
なんでお前ら糞虫がこの学園に入学できたか分かるか?
それはこうやって撮影した虐待ビデオを闇業者に売り飛ばす為よ。
結構儲かるらしいぜ。お前らが払う学費以上にな」

モラ作は笑いを堪えきれずにいる。

「それにな、俺のことを校長に言っても無駄だぜ。
なにせこの計画を考えたのは校長だからな。
まぁ俺はそのおかげで楽しい思いができるんだがな」

「ウ、ウジィィィ・・・」
足元で弱々しく奇声を漏らすでぃを見て、ふんと鼻で笑う。
「お前にはもう何を言っても理解できんか」
モラ作はそれだけが残念だと言わんばかりにため息をついた。

「さて、あとはお前をそこら辺に放置しておけば
明日の朝には糞虫どもが始末してくれる。
俺は自分の手を汚す必要もないって訳だ。頭良いだろ?」
モラ作はいそいそと撤収準備を始めた。

もう外は夜の闇に包まれていた。


次の日の朝。
「キョウモゲンキニ シィシィシィー!」
昨日の2匹のしぃが登校してきた。もう1匹のことは気にしてないらしい。
「ハニャ!? マタディガイルワ!」
「マタナノ!? ディノクセニ コリナイワネ!」
しぃ達が見つけたのは、もう1匹の成れの果てだった。
「マタアボーンシナキャ!」
しぃ達は昨日まで友達だった存在に残忍な目を向けた。

所詮アフォしぃはアフォのまま、その裏の陰謀に気づくことなく。
そして悲劇は繰り返される…。

−完−

125 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/05(金) 18:43 [ QzfPnmis ]
>>101続き「アブ板進学塾」
一時間目「アブ板進学塾、防音虐殺室にて」
塾長は生徒達の保護者(って言ってもほとんどアフォしぃ)宛に手紙を出していた
手紙の内容はこんなかんじ。
「前略。この度は親子懇談をしますのが、塾に入ってないお子様も○月△日の○○時に進学塾へ御出でください」
もちろんただの懇談ではない、アフォしぃ抹殺の最初の一歩である。
アフォしぃ以外のAAは無論普通の懇談だが、アフォしぃは親子ごと殺すのである。
塾長、ほか職員達の考えた作戦を実行するときが来たのである。
職員たちは日本刀やら拳銃やら虐殺棍棒HG改などを手入れしながら不敵な笑みを浮かべている。
        ・・・アフォしぃ抹殺を楽しもうとして・・・
そして、運命の日。
その日はとても青空が綺麗だった・・・最高の舞台を喜ぶかのように・・・
実はこの懇談午前と午後に分かれているのである。
午前はアフォしぃ以外の普通のAAだ。
そして午後・・・
一人目の犠牲者がやってきた・・・
続く

126 名前: ヨシキ (UZH7gF.E) 投稿日: 2003/12/05(金) 21:28 [ wmJzE6Bc ]
1/3
『プロローグ・新法案採決』

20XX年・冬
この年もあと1ヶ月余りとなり、年末に向けて人々に慌ただしい動きが見られるようになった。
だが、往年のように人々にはマターリとしているようには見えなかった。
近年犯罪の件数が急激に増加していき、今年は目も当てられない数字となったのだ。
かつて黄金時代というのが存在した2ちゃんねるは、今や日に日に勢いを落としていくのだった。
なぜ犯罪が増えているのか?ここにひとつの単語が出てくる。
『しぃ』
じつはこのAAが、さまざまな犯罪の口火となっているのだ。
なんとこの年の犯罪の4割はしぃに関連するものだったのだ。
だが、なぜしぃなのか。
かつてのしぃには、犯罪に関連するイメージはなかった。なのに、この有様はどういうことなのだろうか?

以前、しぃはただの2ちゃんねるの住人だった。2ちゃんねるには珍しい女性キャラとして、浸透していくのは早かった。人付き合いがとても上手く、すぐにいろんなAAと良い関係を築きあげていた。その中でも「ギコ」族と相性が良く、「しぃとギコ」のカップルは有名だった。
しかし、突如2ちゃんねるの中で「しぃは抵抗のできない糞蟲」というイメージが出回った。
しぃの虐殺がはじまった。
急速に虐殺の件数・種類は増えていき、このあたりからしぃたちの間で「虐殺厨」という言葉が広まった。
「しぃへ危害を加える連中」という意味、と解釈できるだろう。
その意味は浸透するのが早く、しぃの範囲に止まらず、もともとしぃを毛嫌う連中には「立候補する」といわんばかりに自分が自分がと名乗り上げてきた。
そしてついに恐ろしい事態をひきおこす。「警察」や「役所」にまで虐殺厨が出現し始めたのだ。
もはや街の中にしぃを助けるものはいなかった、いや助けることができなかった。いじめのように、自分も被害を受けることとなるからである。
虐殺厨はしぃを絶滅寸前まで追い込むこととなったのである。
そこで政府が動いた。すぐさましぃを保護生物に指定し、しぃへの虐待、虐殺などの対策法案を施行した。
親を殺され身寄りのないベビしぃやちびしぃ、虐待によって身体、言語能力が落ちた「でぃ」たちを保護するための施設、「ダッコハウス」等の建設物も一斉に建てられていった。
こうして再び平和を迎えることができたように思えた。しかし、この先政府が予測していた「平和」とはまるで違うことが待っていたのであった。
AAの生態系を研究する学者たちが、政府にある論文を発表した。
「今のしぃたちへそのような法を課すのは焦りすぎだ。もう少し時機を見て再び案を練ったほうがいい」
しぃには生活習慣によって変化する特殊な思想があり、この頃のしぃは過去のしぃとは生活の姿が変わってきていた。虐殺厨によって常に周りを警戒する生活を強いられたしぃたちは単独ですごすことが減り、身を寄せ合ってすごすことが多くなったことは、しぃたちに新たな思想が発生するのではないか、学者たちはそう訴えたのだ。
しかし残念ながら、この後の緊急事態を予見していたこの言葉には誰一人として耳を傾けていなかったのだ。

127 名前: ヨシキ (UZH7gF.E) 投稿日: 2003/12/05(金) 21:29 [ wmJzE6Bc ]
2/3
しぃに新しい法律が施行されて、すぐにあらわれた問題が「虐待キャラの犯罪増加」である。
モナーやモララーたちが「虐殺ができずストレスがたまる」「しぃがでかい顔をしているのに腹が立つ」と訴え、万引きや強盗、そのうえ「今の環境に耐えられない」と、多数の虐待キャラの自殺者が増加するという現象が起きた。
その程度の事態なら、まだ食い止めることは可能であった。虐待キャラは被虐キャラ以外にはおおきな態度を見せることが少なかったため、段々虐待キャラによる犯罪は減少していくのだった。
だが、ここで政府が予想していなかった事態が発生した。
しぃが数ヶ月で異常繁殖し、絶滅に瀕していたときの1000倍以上になったのだ。しぃは狂ったように「コウビ」を好むようになり、昔の清楚なイメージは微塵もなくなってしまったのである。当然政府はしぃの保護指定を解除し、法律の対象として大甘に見ていたしぃに規制を課すようになった。
だがそこで起こったのは「しぃの暴走」であった。
虐待されていた頃の復讐であったのか、他のAA二自分よがりな要求をするようになってきたのである。
「シィチャンニハマターリノカミサマガツイテルノヨ!」「シイチャンヲダッコシナイヤツハギャクサツチュウナノヨ!」「コンアキタナイアツカイヲスルナンテ、シィチャンハ2チャンネルノアイドルナノヨ!」
(虐殺厨とは前に記述したとおり、ただ虐待・虐殺を好むAA集団であり、決してしぃを大事にしないことではない)
といった「マターリ思想」と呼ばれる発言が目立つようになっていた。
そして減ることを知らないしぃの生態は1000倍どころか国の人口の2割まで占めるようになり、
しぃたちは調子に乗って、自分たちの「マターリ思想」に添わないAAたちを集団で「あぼーん」していき、もはや虐殺厨よりもひどい犯罪集団と化していったのである。
もはや政府がしぃをかばうわけもなく、しぃ保護案は却下、全国に建てられていたしぃ保護施設は民間の手で次々と崩壊していった。そして、虐殺厨たちは影ながらも以前のようにしぃを虐殺していくのであったが、いくら虐殺しても狂った生態系は止まらることなく、しぃたちの犯罪の増加は止まることはなかったのだ。

128 名前: ヨシキ (UZH7gF.E) 投稿日: 2003/12/05(金) 21:30 [ wmJzE6Bc ]
3/3
これを機に、しぃには「自己中」「マターリ思想《危険》」「ダッコやコウビばかりを要求する」「要するに関わってはいけない」というイメージがついた。
警察団もしぃには再び非協力的になり、危険思想を持つ「虫」と分別されていた。(俗称で「糞蟲ぃ」や「ゴミ虫」など差別用語も発生した)
現代のしぃはわがままで、誰でも殺意を覚えるほど最悪な存在となっていった。
現在までに、しぃは全AAの人口の3割までのぼり、かつてのしぃの純潔さは乏しくなり、武器を携帯するしぃが増えていた。
しかし、しぃはもともと人に自分の思想を押し付けるものではないし、自分のみに危険が降りかからない限りは攻撃することもなかった。
もともとしぃが社会に及ぼすだろうと訴え続けていた学者たちは、以前のしぃとの違いを調べていた。そこにはかつて学者たちが訴えてきた答えが存在した。
「集団思想」という言葉をご存知だろうか。標語では「赤信号 みんなでわたれば 怖くない」というものが有名である。「集団で犯す犯罪なら、一人の罪の意識は軽い」という意味もあるが、もうひとつある重要な意味は、「悪いことも、みんなが選ぶなら正しいこと」ということだ。
しぃたちは周りの状況から考えが変わっていき、危ない思想まで正当化されていくのだった。
学者たちはこのような思想を持つしぃを、被差別用語で「アフォしぃ」と呼んでいた。
たとえ知恵のあるしぃも、危険思想を持つ限りはその言葉でくくられるのだった。
学者たちの考える唯一の道は、「しぃの根絶」。それだけだった。
そこに一人の学者が意見した。「まだ、昔のようなしぃが残っているじゃないですか!そのしぃだけでも残すことは可能なはずです。それに先日、アフォしぃのマターリ思想は遺伝するものではない、教育や環境によるものであるという研究論文も発表されたじゃないですか!根絶なんて考えは良くない!」
多少感情的な意見であったが、無視することはできなかった。
そしてこの意見は、このさきの歴史を動かすこととなった。

たしかに昔のようなしぃは存在していた。しかし虐殺厨はお構いなしにアフォシィたちと一緒に殺していったのだった。さらにアフォシィたちもどんどん凶暴になってった。
最悪の事態を引き起こした政府は全て解散、そして新しい政党が作られた。その際、別の話だが、警視総監も交代した。
このとき誕生した「内閣総理大臣・ギコ泉」と「警視総監・モラ崎」。
この二人によって、しぃ達は

あの運命の日を迎えることとなった。

「議事堂内ノ皆様、
コノ度新法案を認定スルコトヲ発表イタシマス。
法律名ハ・・・
『しぃ完全改革特例案』。」

次はいつになるかわかりません。恐ろしく膨大なストーリーになると思います。
初心者ですので、おかしい点がございましたら、感想スレへお願いいたします。

129 名前: hunter in the box(1/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:41 [ LrPspEKY ]
(関連 >>103-114

 狩り慣れしていないのか、その殺気はあからさまだった。

130 名前: hunter in the box(2/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:41 [ LrPspEKY ]
 反射的に気配を消したギコは、足音を立てないように注意して、
殺気の方向に歩み寄った。
 伸び放題の生け垣の陰から様子をうかがう。

 狙われていたらしい小鳥は、もう空の高くを飛んでいた。
「アァ・・・」
 チビギコはがっくりと肩を落として座りこんでいる。
「モウヒトイキ ダッタゾ、コゾウ」
「オシカッタネ」
 レコと片耳のないしぃが、彼に慰めの言葉をかけた。
(どこがもう一息だ)
 ギコは内心ツッコミを入れた。
 狩りの現場は見ていないが、あれだけの殺気を向けられて、獲物
が気付かないはずはない。
 加虐種ならば、その卓越した身体能力で押し切ることも可能だが、
被虐種が狩りをする場合には、最低限、殺気を押さえる技術が必要
だった。
(さて……)
 いつもなら、さっさと出ていって足の腱でも切って連れ帰るのだが
今は、モララーの事を知らないか問い詰める必要がある。

 チビギコは立ち上がり、両手に付いた土埃を払った。
 しぃ達が、今は肉が沢山あるのだから気にするな、とフォローして
いる。
 食料に余裕があるのは結構な事だ。
 限りなくゼロに近いとはいえ、彼らがモララーの事を捕まえている
可能性があり、その場合、余剰があるならモララーにも食事が出て
いるだろう。
(あいつ、腹減らしてねぇといいけど)
 もしも彼らが、食事も与えずにモララーを監禁していたら……。
(……餓死だな。手足の腱切って、動けなくして。楽には死なせ
ねぇぞ)
 関わった被虐者全員を一つの部屋に閉じこめる。
 モララーに直接危害を加えなかった者は、口を縫い止めてやろう。
水分をとれない彼らはすぐに死に、部屋の中で腐り始めるはずだ。
 首謀者やモララーを殴ったりした者には、水を与えよう。絶える
ことのない空腹と、仲間達の腐る匂いの中で、彼らはじわじわと
弱っていくのだ。
 想像するとひどく愉快で、ギコは薄い笑みを浮かべた。

131 名前: hunter in the box(3/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:42 [ LrPspEKY ]
 被虐者達は、狩りを切り上げてすみかに帰ることにしたようだ。
(襲うか? ……いや、気付かれてからでも遅くねぇ)
 この被虐者達には、まだ仲間がいるかもしれない。情報源は多いに
越したことはなかった。
 とりあえず尾行、ばれたら捕獲、死なない程度に虐待、後に尋問。
(OK)
 計画に穴はなかった。
 帰路についた被虐者達を追って、ギコはそろりと生け垣の陰から
抜け出した。

 ギコはあまり尾行が得意ではなかった。
 彼は短気な性格だったので、被虐者を見たら、ひとまず刀を抜いて
しまうのだ。
(砂利道なんか行くんじゃねぇぞ)
 尾行が上手いのはモララーだった。
 彼はどんな場所でもほとんど物音を立てずに――そのわずかな音も
相手の音にまぎれさせて――被虐者を追いかけていくのだ。
 住居に押し入った時の、安堵が絶望に変わる瞬間がたまらないのだ
と、彼は言う。
(今、あいつがいたらなぁ。……いや、そもそもモララーがいたら、
こんなまどろっこしいマネしなくて済むんじゃねぇか)
 ギコは少し冷静さを欠いているようだった。

 幸い、彼らは舗装道路を通ってすみかに帰った。
 隠れる場所の多い住宅街では、ギコの稚拙な尾行でも通用した。
(……古い家だな、おい)
 時代遅れの町並みの中にあってなお、その家は異質だった。
 それは、随分旧式の木造家屋だった。
 さすがに茅葺き屋根ということはなかったが、戸や窓枠は全て木製
で、テレビでしか見たことのなかった縁側がついている。大きな平屋
と広い庭は、庄屋だとか名主だとか、もはや存在しない役職を連想
させた。

132 名前: hunter in the box(4/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:43 [ LrPspEKY ]
 被虐者達のすみかから少し離れて、ギコはトランシーバーの電源を
入れようとした。
(あ……入りっぱなしじゃねぇか)
 いつもは自分の方で用事がない限り電源を入れないので、切らなけ
ればならない事を思い出さなかった。
 尾行途中にモナーから連絡が入っていたなら、ここを突き止める
事は不可能になっていたかもしれない。
「ゴルァ」
 ギコは自身を叱責した。
 連絡を入れると、モナーはまだ手がかりも見つけていないようだ
った。
 ギコはこちらの状況を伝えた。これから被虐者達のすみかを襲撃
するのだが、モララーを盾にでもされたら、被虐者を殺さずにすむ
かどうか自信がない。
 獲物を連れ帰らなくてもいいと、モナーが答えたので、ギコは
ほっとして電源を切った。

 不用心なことに、裏口には鍵がかかっていなかった。
 全く警戒していないらしく、被虐者達の会話する声から部屋はすぐ
に特定できた。
 ギコはふすまに近寄り、薄目になって聴覚に集中する。
(声は三つ。こっち寄りにいるのはしぃだな。向こう側にチビギコと
レコ……すぐ庭だから、上手く捕まえねぇと逃げられる)
 彼らの会話の中に、モララーに関する情報はなかった。
(……ハズレか?)
 捕まえているのが彼らだとすれば、ギコ達に提示する条件の話し
合いくらいしているだろう。それは多分、モララーを解放するから
もう町にこないでくれとか、そういった類の話だ。
 しかし彼らの話している事といったら、肉の保存を乾燥にするのか
薫製にするのかという、いたって平和な内容だった。
(冷凍庫にでも入れとけよ)
 それがどんなに贅沢な選択肢なのか、加虐者は知らない。

133 名前: hunter in the box(5/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:43 [ LrPspEKY ]
 やがて話題は移り、そろそろ彼らの仲間のチビフサ種が帰って
くるだろうとの事だった。
(増えたらやっかいだな)
 ギコは行動を起こすことにした。
 計画を立てる。
 ふすまを開ける、しぃを押さえる、レコとチビギコに動かないよう
に命令する、全員縛る、帰ってきた仲間も捕らえる、モララーの居る
場所か、知らなければ、知っていそうな被虐者のいる場所を、心ゆく
までじっくり問い詰める。
(……いけるな)
 ギコは計画を三度見直しして、短刀を抜いた。
 モナーから借りた――というより押しつけられた――小銃もあった
が、こんな大事な場面で慣れない武器を使う気にはなれなかった。

 モララーの事が気になって、ギコは少し冷静さを欠いていた。
 彼は、計画の致命的な問題点に気付かなかった。

 乱暴に開かれたふすまが、敷居の突き当たりで大きな音を立てた。
 縁側に近い場所に座っていたレコとチビギコが、ギコの姿に目を
見開く。レコ達の視線を追って、しぃが振り向きかける。ギコは彼女
の肩を押さえて、畳に押し倒す。
 勢い良くぶつかったふすまが、反動で敷居の上を戻った。
 ギコは短刀をしぃの首に沿える。刃のきらめきに、しぃは小さく
息をのむ。レコとチビギコは外に向かって走り出す。
「動くんじゃねぇ!」
 二人は止まらない。障子を開け、縁側を下り、全力で庭を走る。
「待てって言ってんだ。止まれ、こいつ殺すぞ! ゴルァ!」
 彼らは振り向こうともしない。予想外の事態にギコの心に空白が
生まれる。しぃが怯えた様子でギコを見上げる。ギコは彼女から
手を離す。短刀を納める。長刀を抜く。
(……殺す)
 ギコの心の空白は、怒りで満たされた。

134 名前: hunter in the box(6/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:44 [ LrPspEKY ]
 ギコはやっと思い出した。
 被虐者達は自分のことしか考えない。

 大きく踏み出し、三歩で縁側の向こうに飛び降りる。
 着陸の衝撃は、全身を柔らかく屈伸させて受け流し、それを反動
にして初速を確保する。
(しぃが逃げる)
 心の中の冷静な部分がそう告げたが、それはこの際どうでも
良かった。
 別に、見捨てられた彼女を哀れに思ったわけではない。彼女は
被虐種だから、どんな不幸な状況に置かれたとしても、ギコは憐憫
など抱かない。
 問題は、今、背を見せて逃げているレコとチビギコだった。
(逆らいやがった……)
 ギコにはとうてい許せる事ではなかった。
 二人とギコとの距離はどんどん縮む。チビギコが足をもつれさせて
転ぶ。だからギコはレコを斬る。レコの体は一瞬宙に浮く。その背中
に鮮血が花開く。返り血がギコの右肩を濡らす。
(きたねぇ)
 とても不愉快だ。
 レコの体は慣性で地面を滑る。土煙がレコの体を包む。ギコは地面
を踏みしめて停止する。振り返る。
 目が合ったチビギコは、いかにも根性の座らない悲鳴を上げた。
 嗜虐を煽るその声音に、ギコは口の端を吊り上げた。

135 名前: hunter in the box(7/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:44 [ LrPspEKY ]
 転んだ拍子にどこか挫いたのか、あるいは腰でも抜けたのか、
チビギコは上手く立てないようだった。それでも彼は、加虐者から
逃れようと這いずった。
(逃げられるわけねぇだろ)
 ギコは彼の手を踏んで固定し、長刀を振った。
 その瞬間には、感触すらなかったであろうチビギコは、手首から
吹き出す血を不思議そうに見た。
 理解と痛みが同時に生まれ、彼は叫ぶ。
「チビタンノ オテテガァ!」
 さしたる意味を持たないその言葉を、ギコは無視した。
「モララーはどこだ?」
 足の下に手首を残したまま、チビギコは体を回転させてギコから
離れた。
 本能が知っているのか、彼は残された手で腕を強く握った。圧迫に
より出血がおさまり、したたる血はぽたりぽたりと断続的なものに
変わった。
 痛みと恐怖に、チビギコの口がわなわなと震える。
 やがて、少しは状況に慣れたらしい彼が、涙声で問い返してきた。
「モラ・・・?」
(聞いてたのか)
 自身の手首を切り落とされた直後に、質問された事を覚えていた
だけでも合格点だ。
「モララー、俺のダチだ。どこにいる?」
 ギコは質問を繰り返した。
「・・・シラナイ、チビタン ズット オルスバン デチ」
 彼は虚ろな目で答えた。
(嘘じゃねぇみてぇだけど……)
 友人の安否がかかっているのだ。
 ギコは念のためもう一押しすることにした。
 彼が足を踏みつけると、察したチビギコは、予防接種を嫌がる幼児
のようにわめいて制止した。

136 名前: hunter in the box(8/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:45 [ LrPspEKY ]
 もちろんギコは無視した。
「チビタンノ アンヨガァ!」
 もうギコから逃れようという無駄な努力は止めたのか、彼はその場
で、自身の足を強く抱きしめた。取り返しの付かない傷に、彼は泣き
じゃくり、言葉として成立しない声の連続を上げ続けた。
(……落ち着くまで待つか)
 ギコは彼から離れると、うつぶせに倒れているレコに近づいた。
血だまりに沈む彼を、足で蹴って仰向けにさせる。
(死んでるな)
 もしかしたらと思ったのだが、やはり話をきくのは無理だった。
 後ろから聞こえていたチビギコの嗚咽が、少し弱々しくなった。
 ギコは振り返る。
「どうして足切られたか、分かるか?」
 チビギコは呆然とした様子で、首を振った。心当たりなどないと、
そんな表情だ。
(本当、ってことでいいか)
 嘘をついている者は、虐待に罰を見いだし、何かしら後悔の色を
見せるものだ。
「分からねぇってんなら、それでもいい」
 ギコはチビギコの首もとの毛皮を掴んで立たせた。
 止血が中断し、傷口からの流れが勢いを取り戻す。
「チビタン、ホントニ モララー ナンテ ミテナイデチ」
 チビギコは、出血を気にしながらそう言った。だから離してくれと
そう言いたいのだろう。
「知らねぇって事にしといてやる。じゃあ、さっき一緒にいたしぃは
どこに逃げると思う?」
 チビギコは分からないと答えた。
「ここ以外に、おまえらみたいなゴミが住んでる場所は?」
「・・・シラナイデチ」
 虐待をちらつかせれば、彼らはすぐに秘密を喋る。だから、被虐者
は必要以上の情報を共有しないのだ。
(役に立たねぇ……)
 レコを生かしておけばよかったかもしれないと、ギコは少し後悔
した。

137 名前: hunter in the box(9/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:46 [ LrPspEKY ]
「じゃあ……チビフサだっけ? そいつは?」
 チビギコの視線が揺れた。
(知ってるな)
 ギコは長刀を彼の脇腹に当てた。
「どこだ?」
 初めてチビギコの表情に悩みが生まれた。
(そいつから別の集落が見つかるかもしれねぇ)
 ギコは期待して、髪の毛一本ほどの軽さで刀を引いた。
「セイビジョウ!」
 チビギコが叫ぶ。
 それは多分、ちりっとした程度の痛みだったろうけれど、答えな
ければ、そのまま刃を入れるというギコの意志は伝わったようだ。
「整備場? どこだ?」
 チビギコはすぐには答えなかった。どうやって説明しようか悩んで
いる風だったが、反抗の意志ととれなくもない。
 ギコはもう少し刀を引いた。
「アッチ!」
 やけになったように、彼は手首のない腕で方角を示した。勢い良く
振ったので、傷口から血が飛んだ。
「じゃあ、モララーは?」
 ループした質問に、彼は真実途方に暮れた様子で、知らないと
呟いた。
「そうか。じゃあお前、もう要らねぇ」
 当然の結論に、チビギコはひどく傷ついた目をした。けれど彼は
もう何も言わず、一度レコの死体を見てから、目を閉じた。
 彼の喉元を掴んでいたギコは、そのまま片手で投げ上げた。軽く
腰を落とし、落ちてきたチビギコを一刀で切り捨てる。
 チビギコの体は、ほとんど二つに分かれて地面に落ちた。
(失敗か……)
 ギコは舌打ちした。
 本当は、完全に切断するつもりだったのだ。

138 名前: hunter in the box(10/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:46 [ LrPspEKY ]
 チビギコの示した方に歩き始めたギコに、後ろから声がかかった。
「ドコニ イクノ?」
 振り向くと、片耳のない彼女が縁側に座っていた。
(……罠か?)
 ギコは注意深く周囲を観察した。特に不審な物は見あたらず、
ただ、しぃが微笑んでいるだけだ。
 何が起きても反応できるように、ギコは警戒しながら縁側に歩み
寄った。
「……なんのつもりだ?」
 その気になれば、心臓を一突きにできる距離まで近づいても、
これといった変化はない。
「ナニガ?」
 小首を傾げて、彼女は問い返した。
「なんで逃げねぇ?」
「アナタハ ワタシノ ウンメイ ダカラ。ワスレタ?」
 ギコは納得した。目の前で仲間を殺された彼女は……。
(狂ったのか)

 共通の言語を持っている以上、加虐者と被虐者がポジティブな交流
を持つことは珍しくない。少数派ではあるが、愛情を抱き、被虐者を
自宅に保護する者も存在する。
 しかし、ギコはむしろ逆ベクトルの少数派だ。
 どんなに清浄な精神を持っていたとしても、それが被虐種であれば
虐待を受けるのが当然であり、彼らはむごたらしく死ぬべきだった。
 この状況に運命が見えるという歪んだ解釈の原因を、ギコは想像
しようとも思わない。
 彼女が何を考えているかなど、彼にとってはわずかの価値もなく、
現在やるべきことは友人の現状確認だったからだ。
「質問がある」
 彼の尋問――というより拷問――は、電話の音に遮られた。

139 名前: hunter in the box(11/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:47 [ LrPspEKY ]
 携帯電話すら使えないこの死んだ町で、それは異常なことだった。
 電話機自体が異様な姿をしている。丸みのある灰色の親機の上に、
明らかに型違いの白い受話器が乗せてあった。しかも、受け入れ口
などないそれを無理に改造したらしく、受話器の側面から不自然に
コードが伸びて、親機と繋がっていた。
(感電なんてしねぇだろうな?)
 ギコは刀で、その不格好な電話を示した。
「出ろ、余計な事は言うな」
 背後に彼が立った状態で、彼女は受話器を持ち上げた。
「ウン・・・。ソウ、オメデトウ」
 狂気故か、彼女の声にはおびえによる不自然さはなかった。
 ギコは部屋の中を見回した。
 ハードカバーが十数冊、乱雑に積み上げられている。一番上の本の
表紙には、内部構造を晒す自動車のイラストが、精緻な画風で描かれ
ていた。
 四つ並んだ寝箱には、ご丁寧に各自の名前が書いてある。
「・・・ウン、カエッテ キテモ イイケド」
 ここには加虐者がいる、と彼女は電話の向こうに教えた。

 もしかすると、彼女はそれを余計な事だと認識しなかったのかも
しれない。
 しかし、そうだったとしても、ギコにとってそれは彼の責任では
なく、悪いのは狂っている彼女だった。

 ギコはしぃの腰に腕を回した。知らない者には、その仕草は恋人を
抱き寄せるように見えたかもしれない。
 ギコの長刀は、彼女のももの裏側から入り、骨の脇を抜け、ももの
表側から突き出した。
 腕の中で、彼女の体が大きく跳ねた。
 受話器を取り落とし、甲高い悲鳴を上げる。
「……余計なこと言うなって、言ったよな?」
 ギコは耳元でささやいた。
 ももから刃を抜くために、彼は無造作に彼女を突き飛ばした。
刺さったときとは違う角度で引かれたため、傷口が広くなる。
 今度の悲鳴は、さっきよりはいくらか大人しいものだった。
(これでもう、運命とか馬鹿なはこと言わねぇだろ)
 ギコは受話器を拾った。

140 名前: hunter in the box(12/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:48 [ LrPspEKY ]
「よお」
 ギコが声をかけると、彼はしぃを呼ぶのを止めた。
『……しぃさんを、どうしたんですか?』
 ギコは足元を見下ろした。
 ショックのためか、彼女の呼吸は震えていた。両目はぎゅっと
閉じられ、まつげの先に涙のしずくが光っている。
 抑えがちな苦痛の声は、電話の向こうにまでは届かないだろう。
「命に関わるような怪我じゃねぇよ。本人に聞くか?」
 返事も待たずに、ギコは受話器をしぃの方に向けた。
 傷の上に足を乗せ、体重をかける。
 彼女は、なかなか良い声で鳴いた。
「ほら、生きてる」
『止めて下さい!』
 まるでしぃと痛みを共有しているような、悲痛な声だった。
(いい反応じゃねぇか)
 ぞくりと、ギコの背を快楽が走った。
 電話の相手――おそらくチビフサ種の男性体――は、これまで
ギコが狩ってきた被虐者とは少し様子が違っていた。真っ当に、仲間
を心配している。
(こいつ、殺りてぇ……)
 きっと面白い死に様を見せてくれることだろう。
『交換しましょう』
 チビフサは早口にそう言った。
「交換?」
『そこにいる僕の仲間全員と、昨日そちらに帰らなかった加虐者を』
 あっさりと、モララーへの道が繋がった。
(交換、か)
 ギコは庭の死体に目を向けた。仲間全員と言われても、もう、しぃ
しか残っていない。
『どうかしましたか?』
 即答しないギコを不審に思ったのか、チビフサが少し不安げに
きいてきた。
「いや……」
(逆恨みされてモララーに何かあっても困るしな)
「部屋にはしぃしかいねぇ。こいつ一匹とでよければ」
 死体はこの部屋にはない。嘘ではなかった。
 ギコが意図した通り、チビフサは仲間の現状について誤解した。
『……わかりました。ただし、これから被虐種を見つけても、何も
しないでくれますね?』
 幸運にも難を逃れたと思いこみ、帰ってきた彼らがギコに殺され
ないようにと、もはや無意味な予防線を張る。
「おう。そっちもそれ以上、手出しすんじゃねぇぞ」
『もちろん』
 チビフサは、ギコに電話の置いてある棚の下を探すように言った。
彼の言葉通り、この町が生きていたころの地図が出てくる。チビフサ
が指定した交換場所は、チビギコが方角を示した整備場だった。

141 名前: hunter in the box(13/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:48 [ LrPspEKY ]
 ギコ一人でしぃを連れてくるように念押しして、電話は切れた。
 遠くで銃声がした。
(まさか、モララーを?)
 一瞬、チビフサが約束を破ったのかと考える。
(……いや、それにしては遠い)
 多分、発射されたのは川より向こうの地域だ。
 思い当たるふしがあり、ギコはトランシーバーの電源を入れた。
「モナー?」
 床にでも置いていたのか、近づく足音の後で、のんびりした返事が
帰ってきた。
「いや、今、撃たなかったか?」
 聞くと、彼は丸耳の被虐者が閉じこめられているオリの鍵を壊した
のだと答えた。
「オリ? なんで丸耳のゴミがオリなんかに?」
『分からないモナ』
「・・・マルミミ?」
 会話が気になったのか、しぃが問うような目でギコを見上げた。
(お前には関係ねぇよ)
 ギコは彼女に背を向けた。
「そうか。……ああ、こっちも平気だぞ。あいつも見つかったし。
いや、これから、捕まえたゴミと交換に行くんだ」
 モナーが、自分もギコのところに来た方が良いかと聞いてきた。
「一応、一人で行くことになってるからなぁ。……まあ、離れて
ついてきても構わねぇけど」
「オリニ マルミミガ・・・?」
 しぃはぶつぶつと呟き始めた。
 被虐者の――しかも狂人の――言うことなど、もちろんギコは気に
しない。
「連れて帰りたい奴って、獲物じゃなくて? あぁ? まさか、
それ、さっき言ってた丸ゴミか? ……あのなモナー、いや、だから
ちょっとまてって、俺の話を聞け……。……、……、……、・・・ハァ、
分かった。……だから、分かったっつったんだ! 二度も言わせるな
ゴルァ! 俺は殺らねぇから、好きに連れてこい」
 ぱっと笑顔に変わるモナーが、容易に想像できた。
 相手から見える訳ではないけれど、ギコは照れくさくてそっぽを
むいた。
 視界の端に、うずくまるしぃが見える。彼女の口が、耳慣れない
単語を紡ぎ出す。それは、何故かギコの注意を引いた。

142 名前: hunter in the box(14/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:49 [ LrPspEKY ]
 トランシーバーの向こうで、彼が叫んだ。
「モナー!?」
 ギコの呼びかけに答えたのは、がつんと固い音と雑音だった。
 ごめん落とした、とモナーがおっとり謝ってくれることを、ギコは
願った。
 立て続けに銃声が二発。
 一瞬遅れて、空気を伝わったかすれ気味の実音が部屋まで届く。
「モナー? おい、平気か?」
 返事どころか、向こうでは物音一つしなくなった。
(壊れたのか?)
 ギコは苛立って、トランシーバーを軽く叩いた。
 もし壊れていたとしても、それは多分モナーの側であって、ギコの
トランシーバーをどうこうしても仕方なかった。
「どうした? なあ、モナー?」
 しぃは呟き続ける。
「ドウシテ ハナッテ シマウノカシラ」
 それは、巫女の告げる神託に似ていた。
 ギコが聞いているかどうかなど、今の彼女には関係なかった。
「トジコメルノハ トテモ タイヘン ダッタノニ」
(……閉じこめる?)
 友人の名を呼ぶのを止めて、ギコは首だけ動かして彼女を見た。
「アソコニハ モウ ダレモイナイ。アレハ ヒドク ウエテイル」
「……飢えてるって、何がだ?」
「ヒギャクシャヲ コロシタ ヒギャクシャ」
 彼女はもう一度、その単語を口にした。
 オウム返しに、ギコはそれを繰り返す。
「ぽろろ?」
『ぃぇぁ』
 ギコは身を震わせて、トランシーバーを投げ捨てた。
 それは一度壁に当たり、畳の上に転がった。

(……なんだ?)
 頭蓋の中を無遠慮に撫で回されたような感覚だった。
 物理的には何の変哲もないトランシーバーが、途端にひどく不気味
な存在に変わる。
「コエガ キコエタノ?」
 彼女はぼんやりとトランシーバーを眺めた。
「あれは何だ! ゴルァ!」
 ギコは荒々しく彼女を掴んで吊り上げた。
 それは、自身の恐怖を何かにぶつけてごまかそうとしているよう
でもあった。

143 名前: hunter in the box(15/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:49 [ LrPspEKY ]
 共通の言語を持っている以上、加虐者と被虐者がポジティブな交流
を持つことは珍しくない。少数派ではあるが、愛情を抱き、被虐者を
自宅に保護する者も存在する。
 彼らはふと考える。
 虐待が存在するのは問題ない。けれど、自分の愛するこのAAが
虐待されなくてもいいのではないか?

 それは人為的に生み出されたAAだった。
 その体は、あらゆる加虐に傷つくし、死ぬこともできる。
だが、必要であれば、細胞の一個からでも再生しなければならない。
 小柄で愛らしい姿は、いかにも蹂躙しやすい。
だが、必要であれば、醜悪で巨大な姿もとらなければならない。
 ただおびえるだけの弱者であり、全力を尽くさなければ倒せない
強者でもある。
 そしてもちろん、彼は加虐者を傷つけたりはしない。
 あらゆる虐待状況に対応する、理想の被虐AAだった。

 唯一の誤算は、彼を哀れに思った研究員がいたことだ。

 手足はなくなり、内臓をぶちまけ、もはや痛みに叫びを上げる事も
できなくなった彼が、合図を受けて再生を始める。
 元通りの姿に戻った彼は、そのぬいぐるみのようなぽよぽよとした
足で、こちらに歩いてくる。
 目尻の涙を拭いながら、彼はたずねる。
「ぼく、じょーずにできた?」
 研究員が頷くと、本当に嬉しそうに彼は笑った。
 どんな痛みも苦しみも、それに加虐者達が喜ぶなら耐えられると。

 深夜の研究室で、研究員は彼の調整をしている。
 ガラスの円柱の中で、彼は目を閉じて浮かんでいた。
 その足元からは光の粒子がキラキラと立ち上り、穏やかな表情を
照らしている。
 研究員はエンターキーを押した。
 光の粒子は静止し、プログラムが確認を求める。
 指は一度「N」に動きかけた後、「Y」を選んだ。

 削除されたコードは、研究員達の間では愛と呼ばれていた。

144 名前: hunter in the box(16/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:50 [ LrPspEKY ]
 しぃは苦しそうに、眉間にしわを寄せた。
「シタデ キカナカッタノ?」
 その言葉に、ギコは思い出す。
 八頭身AAよりも巨大で、誰もその姿を見ることはできなくて、
しかし確実に、全ての命を食らう化け物。
「……そんなもん、いるわけねぇだろ」
 ギコは認めない。
「そんなのがいたら、お前らだって殺されるだろ!」
 被虐者が全員でおとりになって、オリに誘い込んで閉じこめたと、
しぃは答えた。
 ギコはゆっくり彼女を下ろし、手を離した。
 傷の痛みに、彼女は畳に座りこむ。
「……そいつに弱点は?」
 知らないと、彼女は答えた。
「ギャクサツニ イクノ?」
「いいや、ダチを助けに」
「・・・アナタモAAナラ キヅイテ イルデショウ?」
 彼女の言うとおり、ギコは気付いていた。
 トランシーバー越しに声を聞いた瞬間、ギコを構成するフォントの
一ピクセルまでもが恐怖に震えた。あれは被虐も加虐も超越した存在
で、具現化した絶望だった。居合わせたAAが生き残れるとは思え
ない。
 けれど彼は、受け入れたくなかった。
「モウ シンデルワ」
 不吉な予言を口にした巫女を、ギコは刀の柄で殴る。
 彼女は倒れて、小さくうめいた。
「……今のは、電話の前だ」
 側頭部を押さえて、彼女はギコの言葉を問い返した。
「俺は、電話を切ってからはお前を殴ってねぇ。分かったな?」
 ギコが電話の相手と交わした約束を知らないしぃは、意図が理解
できないようすではあったが、それでも力無くうなずいた。
 彼は部屋にあった紐でしぃを後ろ手に拘束し、口に布を噛ませた。
足の怪我で、どちらにしろ一人では歩けない彼女を、箱に放りこむ。
 彼は箱に紐を結んで、取引場所まで引っ張って行くことにした。

145 名前: hunter in the box(17/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:51 [ LrPspEKY ]
 道すがら、ギコは計画を立てた。
 モララーを取り戻し、彼と一緒にモナーを助けに行く。
 理性はモナーの死を訴えたが、ギコはそれを無視した。生存の
可能性はゼロではない。

 町の外れの整備場は、彼らの家にあった電話と同じく、不格好な
改造が加えられていた。どこから集めてきたのか、屋根一面に銀色
の板が貼られている。
 死んだ町で、太陽光発電パネルは唯一の電源らしい。
 大型車両も余裕で通れる広い入り口から、建物内に積み上げられた
ガラクタが見えた。まだ原型を留めている自動車や、解体されたそれ、
さらに各種家電が混沌と組み上がって一つの山を作っている。
 天井からは、頑丈そうなクレーンが何本か下りていた。

 かなりの数の家電に電源が入っているようで、大して騒がしくも
ないはずの稼働音が、妙にギコの気に障った。
 照明は消してあって――壊れているだけかもしれないが――、昼の
太陽光が差しこむとはいえ、場内は薄暗い。
「連れてきたぞ! ゴルァ!」 
 入り口で声をかけたが、返事はない。
 家電が立てる雑多な音に、相手の気配も見つからない。
「ゴルァ」
 ギコは視覚だけで周囲を確認した。
(黒板……?)
 床の上に、深緑のそれがおいてあった。少しいびつな四角形で、
どこかの教室から切り出してきたのかもしれない。
 水拭きしたつやつやの表面に、文字と矢印が白で書いてあった。
 ギコは箱を引きずって、それに近づいた。

 しぃをここに置いて、ガラクタの山の方に行けとのことだった。
 取引相手がどこからか見ているかもしれないので、彼は素直に
指示に従った。

146 名前: hunter in the box(18/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:51 [ LrPspEKY ]
 ガラクタ山のふもとまで来たが、次の指示は見あたらない。ギコは
手がかりを探して、周囲に目を動かした。
(箱、だな)
 金属やプラスチックでできた山の頂上に、一つだけ段ボールの箱が
おいてある。「愛媛みかん」の印刷が、周囲からひどく浮いていた。
「……あれか? 登れってのかよ」
 ギコの愚痴に、応えてくれる者はいなかった。

 ギコは溜息をついて、ガラクタ登山を開始した。
(崩れねぇだろうな?)
 実際に上がってみると、それは案外しっかり組み上がって安定
していた。べたべたと毛皮についてくる謎の黒い鉱物油さえ気になら
なければ、なかなか快適に移動できるだろうと、ギコは思う。
(ああああ、帰ったら風呂だ! 風呂! ゴルァ!)
 彼の種族は舐めて毛繕いすることもあるが、こんな物を口に入れ
たら、確実に腹が下る。
 さっさとモララーを助けて、分不相応にも加虐者に取引を持ちかけ
てきた愚かな被虐者を虐殺して、モナーを助けて、三人で帰って、
自宅の風呂でさっぱりして、ベッドでぐっすり眠るのだ。
 ギコは半ば投げやりに、みかんの箱を開けた。
 
 
 
 
 
 白い。
 
 
 
 
 
 いつものギコなら、逃げられないはずはなかった。

147 名前: hunter in the box(19/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:52 [ LrPspEKY ]
 箱の中にあったのは、全てギコには見慣れた物だった。
 何故か分解しかかった、ギコ達のと同型のトランシーバー。
 ハッカ味しか出てこない忌々しい飴の缶。
 小型のリボルバーは、ギコもモナーから渡されている。
 ホルスターと、それを固定する皮ベルト。
 迷彩模様の布袋。
 そして、緩衝剤のように隙間を埋める白いかけら。

 整備場内の、全ての電源が切れた。

 もちろん白いかけらも、ギコはしょっちゅう見かけている。
 だが、どうして一緒に入っているのかが分からない。
 その時モララーは、それを携帯していたのだろうか?
 ギコには、彼がそれを持ち歩く理由が思い当たらなかった。

 もともと電灯は消してあったので、場内にはほとんど変化がない。
 注意していれば、ガラクタ達の内部ファンが回転速度を落として
いくのに気付いただろうけれど、彼は箱の中身に気を取られていた。

(……嘘だ)
 ギコは箱の中に手を伸ばして、かけらを取った。

 この整備場には、町で一つしかない電磁石のクレーンがあった。
磁力でくっつけて持ち上げるので、いちいちロープをかけたり
フックを引っかけたりしなくてもすみ、一人で作業する被虐者には
便利だった。

(んなわけねぇだろ?)
 心の中で、かけらに問いかける。
 けれどかけらが答えてくれるはずはなかった。

 急な停電で電力が途絶えると、電磁石は鉄に戻ってしまう。だから
安全性を考えて、予備電源が充電されていなければ、そもそも動かせ
ないようになっているのだ。

148 名前: hunter in the box(20/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:52 [ LrPspEKY ]
 主電源を失ったクレーンは、自動的に副電源に切り替わった。
予備電源にはしっかりと電力が蓄えられていたが、それが通るはずの
回路はずっとまえから壊れていた。
 クレーンと廃車の間に、紙一枚ほどの隙間ができる。
 廃車は重力に従い、落下を開始した。

(絶対、死なさねぇ……)
 被虐者を殺したくないと思う日が来るとは、ギコは想像もしていな
かった。
 彼らはモララーを殺したのだ。そして、それだけでは飽きたらず、
皮を剥ぎ、肉をそぎ、こんな小さな骨片に砕いてしまった。
 友人の遺体を冒涜した彼らには、どんなに悲惨な死を与えたとして
も釣り合わない。苦痛を与え続けるのだ。死に解放されることを願い、
それでも生かされる絶望を知るべきだ。

 ギコの周囲が、ふっと薄暗くなった。
 その影を作っている物が廃車だとは分からなかったが、彼は間近に
迫った凶器の存在には気が付いた。
 もちろんギコは、愚かに頭上を見上げたりはしなかった。思考する
間もなく、反射的にその場を逃れる。
 いくら加虐種が身体能力に優れているといっても、それはほとんど
不可能なタイミングだった。加虐種の中で一番敏捷性に優れたギコ種
でなかったら、確実に頭を押し潰されていたことだろう。
 そうであれば、彼は幸せだったのかもしれない。

 ギコの背に車体が触れる。
(間に合わねぇ)
 車体は無慈悲に、ギコの右半身を押さえつける。車体の底に勢い
良くぶつけた右腕が、少し痛い。上から加えられた力に、ギコは体の
バランスを崩す。彼の体はガラクタの上に倒れる。ガラクタと車体に
挟まれて、ギコの肺から空気が押し出される。車体はなおも加重を
止めず、彼の体を押しつぶす。圧力に耐えきれず、毛皮に裂け目が
入る。つぶれた組織と血液の混合物が、熟れすぎた果肉のように
ぶちゅりと吹き出す。
(いってぇ……)
 過ぎる痛みに、ギコは声も出ない。

 車体は一瞬安定したように見えたが、すぐに、ガラクタ達の崩壊
が始まった。
 プラスチックが割れる音、金属がたわむ音、ネジがパーツを擦る
音。そんな耳障りな音の混合が、整備場内に大きくひびく。
 ギコの体は車体に巻き込まれて、ガラクタ達の中に落ちこんだ。

149 名前: hunter in the box(21/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:53 [ LrPspEKY ]
 意識が戻ったときには、既に崩壊は終わっていた。
 無事だったはずの左半身も、落ちる途中であちこちガラクタに
ぶつけたらしく、痛まない箇所がないという有様だ。
(電子レンジ……)
 ギコの頭を強打したその家電は、少し離れた場所に転がっていた。

 うつぶせに固定された自分の体を、彼はアゴを引いて確認した。
 ガラクタを積み上げるときの補強だったのか、サビの浮いた鉄骨が
横に張り出し、ギコの胸あたりを支えている。ガラクタの残骸の間
から鉄骨がもう一本突き出し、それは垂直にギコの腹を貫いていた。
だらりと下がる両足は、なんだか自分の体でないように感じられる。
 神経が切れたのか、右手はぴくりとも動かなかった。
 ギコは標本箱の昆虫を連想した。ピンに見立てるには太すぎる鉄骨
を、赤い流れがゆっくり伝っていく。
(死ぬな)
 それもじわじわと。
 楽とは言い難い部類の死に方だ。
(モララーは……)
 ギコはみかんの箱を探したが、動作に伴う痛みのせいで確認できる
領域は狭く、段ボール箱は見つからなかった。
 それが、少し悲しかった。

 顔を上げると、しぃの箱に走り寄るチビフサがいた。
 おそらく彼がこの罠の制作者なのだろう。
(……許さねぇ)
 ギコの左手が一度握り、また開いた。
 大丈夫、こっちの手は使える。

「レコさんとチビギコさんは、今どこに?」
 しぃの口から布を外して、チビフサがたずねた。
 彼女の答えは半角だったので、ギコのいる場所までは届いてこな
かった。
「そんな、だって……」
 けれど彼の様子から、レコ達の死を知ったのだと分かる。
 チビフサは耳を伏せ、悲しそうにうつむいた。
 彼は顔を上げると、憎々しげにこちらを睨んだ。多分、ギコが約束
を破ったと思ったのだ。
 チビフサは彼女の腕のロープを解き始めた。
(そっちだって嘘ついてたじゃねぇか)
 ギコはチビフサの態度を不快に思った。
 彼はモララーがまだ生きているような口振りで……。
(……いや、生きてるとは言わなかったか)
 遺品と一緒に箱に入れて、約束通り、しぃと引き替えに返して
くれた。

150 名前: hunter in the box(22/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:54 [ LrPspEKY ]
 ギコは左手をそろそろと動かして、ウエストバッグを開けた。
(ああ、もう、痛ぇな!)
 折れてはいないだろうに、まともに動こうとしない自分の手が、
腹立たしかった。

 しぃが何か言った。
「……彼はきっと、しぃさんの運命じゃなかったんだよ」
 チビフサは、懇願するような声音で言い聞かせた。

 ギコは弾丸を掴みだした。
 上手く手の中に残ったのは一つだけで、こぼれ落ちた残りが、
コンクリートの床をかつかつ叩いた。
(気付かれたか?)
 ギコは被虐者たちの方を確認した。

 ロープの外れたしぃが、擦り傷でもできたのだろう手首を擦って
いる。
「殺菌しよう。今日はちょうど消毒薬も手に入ったし、しぃさんは
本当に運がいい」
 冗談めかしたチビフサの言葉に、彼女は苦笑して何か応えた。

 一つだけの弾丸を銃に装填する。
(なんでちゃんと入れとかなかったんだよ、俺。ゴルァ)
 どうせ使わないだろうと、モナーから渡されたそのままで持ち
歩いていたのだ。
 ギコは銃を引き抜くと、慎重に体の前に持ってきた。
 彼の行動には気付かず、チビフサは彼女の足を手当てしている。
(射撃、もっと真剣に習っときゃよかったな)
 目標との距離は遠かった。
 これがモナーなら、この三倍離れた場所でも命中させるだろうが、、
ギコには今の半分の距離でも微妙だった。

 ギコは迷わずしぃに照準を合わせた。
 箱に頭をつっこんでいるチビフサは狙いにくかったこともあるし、
彼を殺しても、狂った彼女は大して悲しまないように思ったのだ。
(あたれ)
 力が抜けそうになる体を叱咤し、彼はそれだけを祈る。
 しぃと目があった。
 彼女は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに寂しそうに目を伏せた。彼女
の口が、なにごとか呟く。それはきっと、チビフサへの警告だった。
 射撃の反動は、予想よりも大きくギコを揺さぶった。
 苦痛にうめいて、彼はぐったりと鉄骨に体を預けた。

151 名前: hunter in the box(23/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:54 [ LrPspEKY ]
 痛みに乱れた呼吸が落ち着いた頃、ギコは彼の気配に気付いた。
「やあ」
 チビフサは、友人にするような軽い挨拶をして、ガラクタの残骸を
登り始めた。
「……よお」
 挨拶を返して、ギコは視線を上げた。
 しぃの箱は横倒しになり、こちらに底を向けていた。半ば投げ出さ
れるような形で、彼女は床に横たわっている。
「死んだのか?」
「うん」
 彼は感情のこもらない声で答えた。あまり傷ついた様子ではなく、
ギコは残念に思った。
 チビフサはギコの近くまで登ると、張り出した鉄骨に腰かけた。
「どうして撃たないの?」
 彼はギコの手の銃を見ている。
「死にてぇのか?」
「うん」
 ごく自然な仕草で、チビフサはうなずいた。

 ギコはしばらく考えた。
「お前、頭おかしくないか?」
「うん、多分」
(こいつもかよ……)
 ギコは小さく溜息をはいた。拍子に傷口が痛み、顔をしかめる。
「全然悲しくないんだ。……皆死んじゃったのに、なんともない」
 チビフサは彼女の死体を平然と見つめた。
「頭が治ったら、絶対苦しいから、今死んでもいい」
(……じゃあ、生きろ)
 慟哭する彼を、ギコは期待した。
 軽く銃を振ってみせる。
「弾切れだ」
 チビフサはギコの腰の刀に目を向けた。
「こんな状態で、まともに斬れるわけねぇだろ。死にたきゃ自分で
喉でも突け」
「だって……被虐者を殺していいのは、加虐者だけなんだ」

152 名前: hunter in the box(24/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:55 [ LrPspEKY ]
 チビフサは加虐者ではないから、自分を殺せないという。
「はぁ? お前ら、モララーを殺したじゃねぇか」
「君らは被虐種じゃない」
 加虐者を殺すのは、彼らの間では禁忌ではないらしい。
 彼はモララーだったのかと、チビフサは呟いた。
 ギコが視線で問うと、チビフサはしばらく口ごもってから答えた。
「僕が見たときには、もう頭がなかったから……」
 元がどんなAAだったのか、分からなかったのだと言う。
 聞かなければ良かったと、ギコは思った。
「……僕も、できれば君たちに手は出したくなかったんだけど。君ら
は家畜を逃がしたろ?」
 言い訳するように、チビフサは言った。
(オニーニ? 逃がしたけど、それが何の……)
 ぼんやりと、ギコの頭の中で両者が結びつく。
(……あいつは、食うために殺されたのか?)
 快楽のためでもなく、怨恨のためでもなく、ただの動物のように
肉を目的として狩られたのだ。彼を解体したのは呪詛ではなく、魚を
さばくのと変わらぬ作業だったのだ。
 モララーが哀れだった。
「恨んで殺された方がましだ」
 ギコがうめくと、しばらく考えたチビフサが理解を示した。

 流れ続ける血に、ギコの顔色は悪かった。
「君はそのうち死ぬと思うけど、何かしてほしいことは?」
「ねぇよ。お前の好きにしろ」
「分かった」
 チビフサは周囲を見回して、ギコの視界から消えた。
 戻ってきた手には、ギコのとよく似たリボルバーが握られている。
 モララーの所持品だった物だ。
(箱、持ってこさせりゃよかったな……)
 そうすれば、最期の瞬間まで友達といられる。
 らしくもない感傷に気付き、ギコは自嘲した。
「君、宗教は持ってる?」
 チビフサは残弾を確認しながら、そう言った。
「いいや?」
「じゃあ、ここの流儀でいいね」

153 名前: hunter in the box(25/25) 投稿日: 2003/12/05(金) 23:55 [ LrPspEKY ]
 銃口がギコのこめかみに押し当てられる。
「そこ撃つと、すぐ死ぬぞ?」
 親切にも、ギコはそう忠告した。
「殺すんだよ。人が痛そうにしてるのって、嫌だから」
(そりゃ、ダチが怪我してりゃ嫌だろうけど……)
 ギコは考えてみたが、仲間を殺したAAの苦しむ姿を不快と思う
心理状態は理解できなかった。
「……俺には分かりそうもねぇって事は、分かった」
「分かってくれてありがとう」
 チビフサは、口元だけで笑みを作った。
「さよなら。君の次の運命の日は、安らかでありますように」

 ギコの意識はそこで途絶えた。
 だから、チビフサの祈りが叶ったのかは分からない。

 けれど町は、いつもの夕暮れを迎えることだろう。
 昨日と同じ夜を過ぎ、変哲のない朝が来る。
 世界を変えるような事は、なにも起こっていないのだ。

154 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/06(土) 00:27 [ 7UAqUpKE ]
>>125続き「アブ板進学塾」
一時間目、後半・・・
一人目は・・・親に、有名公立小志望のちびしぃだ、それと保育所に行ってる位のベビしぃ、それと生まれたばかりのベビしぃだ。
とりあえず、防音虐殺室に入れる。
アフォしぃ達は。
「ハニャーン!!ココノ塾ハ茶菓子モダサナイノ!!」
「チィィィ!!チィハナッコガイイノーー!!」
「ウィィィーーー!!」
「httpレーザーアボーン!!」
などと喚いている。
うるせえやつらだ。
とりあえず茶菓子を出す
「どうぞ・・・」
そう言ってお茶と和菓子をのせた皿をだすと、親のほうが、引っ手繰る様に奪い取った。
「ワカレバイイノヨ!!」
そう言うとアフォしぃは和菓子を口に放り込んだ。
「シィィーー!!何コレ!?スッゴイ不味イジャナイ!!!」
この野朗もう切れたぞ・・・私は親しぃの顔めがけて蹴りを放った
「ウラァァァァ!!!」
ドゴ!!
「ジィィィ!!イダイヨォォォォォ!!」
喚いている親しぃを縛り上げると、私はポケットに隠してある拳銃を取り出し、親しぃに銃口を向けた。
「シィィィィ!!撃タナイデ!!オナガイ!」
そう悲願している親しぃに向かって私はこう言い放った
「撃たない代わりに条件がある」
そう言った瞬間に親しぃは態度を大きくしてこう言った
「ナニ?ダッコナラシテアゲルワヨ」
私は怒りを抑え平静を装いこう言った
「お前どうせコウビばっかりしてるだろ、だから俺が尻に銃をぶち込んで二度とコウビできないようにしてやるよ」
そう言うと私は、親しぃの尻に銃口を突きつけ放った
     ドガン!!!
「アギャアアアアアアア!!??」
訳の分からない悲鳴をあげ、のた打ち回っている。
私が虐殺ショーを楽しんでいる時に背中に軽い衝撃がきた。
見るとベビしぃ(小)が私に体当たりを食らわしていた。
(大)より勇気のある奴だ・・いや・・・ただ無謀なだけだが
「こんな時に邪魔をするとは、いい度胸だな!!」
そう言うと私はベビしぃ(小)をつかみ上げると床に投げつけた
        ドグシャ!!!
「ウjshjfjウェhf!!??」
と意味不明な宇宙語のような言葉を上げ、ベビしぃ(小)は潰れたトマトのように血飛沫を上げ絶命した
「イヤアアアア!!ベビチャーーーン!!!」
親しぃがうるさく喚くのでマウントパンチを食らわせた。
「ギャバァアア!!アゥゥ・・・ベビチャン・・・」
(大)のベビしぃはどうなったかと言うと
ちびしぃと共に「復活してください」などとブツブツ言っている
私はベビしぃ(小)の死体をベビしぃ(大)の口にぶち込むとコンバットナイフでベビしぃ(大)の腹を引き裂いた。
「ン!!ンブゥゥゥゥ!!!ングンゥゥゥゥゥ!!!」
と叫びながら白目をむいて絶命した。
私は残り一人のちびしぃを睨み付けた
そう言うとちびしぃはこう言った
「ダ、ダダ、ダッコスルカラア!!」
私は竦み上がっているちびしぃに向けてこう言った
「星座占いして欲しいなあ」
そう言うとちびしぃは
「ワ、ワカリマチタ・・・」
私はちびしぃの頭を鷲掴みにすると天井に投げつけこう言った
「お前が星になれ!!」
ちびしぃは天井にぶつかると唾液をたらしながらドサッと落ちた変な呼吸をしている、多分折れた骨が肺に突き刺さったのだろう。
私はちびしぃを銃で射殺すると親しぃの話を聞いてやった
すると親しぃは虫の息でこう言う
「ナンデ・・コ・・ンナコト・・ス・・・ルノ」
すると私はこう答えた
「うざいから!とりあえず、お前死ね!」
私は親しぃの頭に銃を突きつけた、親しぃはこう言っている
「イヤァ・・ヤブェデェェ・・・」
        バァン!!!
まず一組・・・続く

155 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/06(土) 01:19 [ 7UAqUpKE ]
>>154続き「アブ板進学塾」
最終時間「一気に・・・」
私は塾長に掛け合って緊急会議を開いた
私はこの作戦の盲点があるのにきずいた!!
それは・・・
       一気につぶせないから時間がかかると言う事だ・・・

と言う事を掛け合っているのだった。
すると塾長は一つの作戦変更をした・・・
      「一気に集めてつぶしてしまおう」
この作戦にのっとってアフォしぃ達が全員集まるのを待った・・・
そして運命に時
防音虐殺室はアフォしぃでギュウギュウだ。
口々に不満を漏らしている・・・
そして防音虐殺室に続く扉の前で各職員は武器の手入れをしている
すると一人の男がこう言った
「みんな、準備は良いか!!」
すると皆が
「おう!!!」
と気合を入れている。
そして扉をぶち破る!!!!
アフォしぃ達はポカンとしているがすぐに正気に戻り逃げ惑い始めた。
一人の男がサブマシンガンをぶっ放してこう叫んだ
「テメエら全員地獄行きだアアああ!!!」
それを合図に全職員が武器を持って襲い掛かる!
もうこの部屋は最高の地獄絵図になっている
日本刀で頭をぱっくり行ってるしぃの死体やら首をばっさり行ったベビの死体もある
もう殺すは殺す、サブマシンガンの餌食になって
「シィィィィィ!!!!イタイヨオオオ!!!!!!!」
やら
「ギュジュウウウウウウ!!!!」
などと叫びながら絶命している
挙句の果てに火炎放射までぶっ放している奴までいる
肉の焦げる匂いが漂ってくる
妊娠しぃの腹を引き裂いて中の未熟児を取り出し投げつけるは、ベビの背中を踏み潰して圧死させるは
もう最高の虐殺になっている。
最後に犯しに犯しまくって使えないくらいガバガバになったら蹴り殺すなど最強だった。
そして最後の一匹をこかして棍棒やら日本刀やらナックルなどで袋叩きにして殺した
こうしてしぃ抹殺計画は最終段階に入った
しぃの死体を出来るだけ細かく刻み、でぃやびぃの餌にしたり、死体の肉を使った料理をアフォしぃに食わせたりして
証拠隠滅を図る・・・そうして食えない骨などは人体模型として闇業者に売りさばく。
そして次の日ニュースにこんな報道が流れた・・・
「昨日しぃ達の集団失踪がありました。不思議なことに書置きなどをしていないので場所が特定できません一部では金銭トラブルと思われます」
 ハッ!笑える報道だ!!残ったアフォしぃ達の腹の中で消化されているか、でぃやびぃの腹の中に入ってるとも知らずに・・・
             終わり

156 名前:  SCOOL DAYS 投稿日: 2003/12/06(土) 05:03 [ WYmFKhGM ]
        SCOOL DAYS
                      その6


死にそうな顔だ。
それが校庭に整列させたチビたちを見た、モララーの印象だった。
モララーは思わず吹出しそうになった。指をさして、腹を抱えて大笑いしたかった。
何だそのツラは。少しは感謝しろよ。いい勉強になったろ?
アフォしぃの末路はどうなるかって事がよくわかったろ?
お前らの自分の親の死体を見ることでな!
そういいたかった。

 「みんなお帰り!それじゃ、今日から皆さんの家になります寮まで案内しますから、
  先生についてきてください。なに、歩いてすぐのとこですよ。」
そういって振り返った時、いつかのチビギコが叫びをあげた。
 「この人でなし!!」
その場の空気が、凍りついた。
モララーはゆっくりと、再びチビ達の方へ向き直った。
 「命が惜しくないの?」
モララーは笑っていた。手に持っていた書類ファイルをドサリと地面に落とす。
両手を自由にするために。
 「お前は、最低でち!あんなことが出来る奴なんて、生きてて良い訳無いでちー!!」
チビは、モララーの問いかけに答えずに、涙でグシャグシャになりながら叫んでいた。
そんなチビとの間合いを、モララーは一歩一歩縮めていく。
他の生徒はチビと一緒に文句を言ったりせず、ただ恐怖の顔でモララーに道をあけた。
 「何言ってんの。さっきも説明しただろ?お前らの親は社会のゴミなんだよ。
  本当に生きてちゃいけないのは、アフォしぃたるお前らの親だ。」
 「うるさいでち!そんな話聞きたくないでち!あんな殺し方をするなんて許せないでち!
  お母さんを帰せ!今すぐ返せ!」
まったく話を聞かずにチビはまくし立てた。しかし、それ程酷い死に方だったのだろうか?
モララーはやれやれ、と溜め息をつくと腰を落とし、チビの顔を両手でガッ!と鷲掴みにした。
 「?! ふぎゅうっ?!」
 「まぁその話は一旦置いといて、今度は先生の話を聞いてくれるかな?
  後で飯の時に言おうとしてたんだけどさ、そのデチデチ言うのは今日で禁止するつもりだったんだ。
  誰が聞いても不快なだけだからね。もちろん、一回言うごとにペナルティはしっかり付くよ」
チビの顔面を、モララーは満面の笑みで力一杯締め付けていく。
 「ふっ、ふーっ、ううー!」
 「いいから黙って聞けって。さっきから実は数えてたんだけどさ、君、5回デチっていったんだよね。
  それプラス反抗的態度や、人の話を聞かないダメッぷり。それに、君は確か以前にも
  ペナルティをもらってたよね?」
 「う、ぐ・・・」
みるみるチビの顔が青ざめていく。覚悟あっての行動の癖に、今更なんだ。
他の生徒も、この後何が起こるのか、もう予想は付いただろう。
 「そーんな持ち点ゼロの悪い子は、先生どうするって言ってたっけ?ん?
  はい、そこのチビフサ!」
急に話を振られて、チビフサはビクッ!とした。モララーは実に生き生きしている。
 「あ・・・あ・・・」
 「ほら、間違えてもいいから言ってご覧?あ、けどデチって言ったらー1ね。」
その一言でますますフサはガクガクになっている。汗だくで、言葉はしどろもどろ、
目もせわしなく動き、そのうち消えてしまいそうだった。
 「先生はっきりしない子嫌いだなぁ・・・あと10秒で答えろ」
 「え?!いや、あの・・・先生が、責任持って、その子をこ、殺す・・・って・・・」
つかまれているチビは震えが止まらないようだ。息遣いも懸命になっている。

157 名前:  SCOOL DAYS 投稿日: 2003/12/06(土) 05:04 [ WYmFKhGM ]
 「その通り。わかってるじゃない。はーいみんな、この子に何か、
  別れの挨拶とか、連絡事項とか無いですかー?」
いいながらモララーは立ち上がり、腕を伸ばしてチビを吊り上げた。
 「ん゛──!!ん゛ん゛───!!」
生徒一同呆然としている。もうすぐ、また一つ身近な命が消えていく。
 「特に無いのかな?そんじゃ、チビ君はこの世にお別れを告げてくださいね!
  短い間だったけど、また来世で会おうね!さようなら!」
 「ん"────────!!!」
天に向かって付き上げていた手を、チビをつかんだまま地面に向かって思い切り振り下ろした。
チビは後頭部から叩きつけられたため、地面には辺り一面血や脳しょうが飛び散り、
右目は眼窩から飛び出し、左目は空高くに上がっていった。
さまざまな音を立てながら壊れていくチビは、まさに芸術としか呼び様が無かった。
モララーが悦に入り、生徒はショックで固まっている。その為、音は何一つ起きなかった。
その静寂の中、左目は静かに着地して、潰れた。

その後、寮にて生徒全員にモララーは宿題を出した。
男子は全員、語尾にデチをつけないこと。
女子は全員、全角の言葉で喋ること。
さらに、今週末に試験を行うので、それまではいくらでも喋ってよいが、試験後にまだ喋るものは
−3とする。などなどの補足事項も付け足した。
 「さて、こんなもんかなぁ連絡は。みんな、今日はいろいろあって疲れたと思いますけど、
  明日も元気で学校に来てくださいね!部屋割りはそこの掲示板に貼ってますから、
  それ見て各自自分の部屋でやすんでください。それじゃ、きょうはここまで。またねー」
そういってモララーは一階の自分の部屋に引っ込んだ。そこでやっと、
堪えていた笑い声を出した。チビを殺してから、生徒は夕方以上に暗い顔をしていた。
もう人生にきっと夢や希望なんて無いんだ。そう目が語っていた。それがモララーには堪らなかった。
モララーの笑い声は、ロビーで誰一人一歩も動かず、呆然と立っている生徒達を包んでいった。
 
                                  続

158 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/06(土) 10:05 [ lQIIU/2M ]
一発小ネタ「アブ板進学塾」の>妊娠しぃの腹を引き裂いて中の未熟児を取り出し投げつける。からもっと詳しく
職員が武器を持ってしぃ達に襲い掛かっている間にその妊娠しぃは必死で死体の影に隠れていた
すると一人の職員がその妊娠しぃに気づいたのかどんどん近ずいていく。
職員が死体の影の妊娠しぃを引きずり出しながらこう言った。
「ダメだなあ〜隠れたら」
すると妊娠しぃはガタガタ震えながらこう言った
「オナガイ!オナカニ、ベビチャンガイルノ!!」
そう言うと職員はニコっと微笑んでこう言った。
      「じゃあ、中絶手術をしましようか」
そう言うと妊娠しぃを仰向けにさせるとコンバットナイフで胸から下腹部ぐらいまで一気に切り裂いた
「シィィィィィィィィ!!!!イダイィィィィィイアダアアィィィィ!!!!」
鬼気迫る迫力の叫び声を妊娠しぃは上げた。
職員はひるむことなく子宮を取り出し中の赤ちゃんを傷つけないように裂いた
そして血塗れの肉塊を次々に取り出していった。
全部でちょうど3個だ、妊娠しぃにそれを見せ付ける。
すると妊娠しぃはなきながらかすれた声でこう言う
「シィノベビチャンカエシテ・・・」
職員はこう言い返した
「じゃあ、返すね」
そう言うと肉塊を妊娠しぃの頭に投げつけた!!
ブシュ!!っと言う音と共に妊娠しぃは絶命した。
まだまだ虐殺は続いている・・・
      終わり

159 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2003/12/06(土) 19:39 [ lE0EBEJ6 ]
1/3
AA達が暮らしている町があった。
町の名は暗闇横町。
その町には一人のモナーがいた。

そして彼の腕は無かった。

幼児時代、町にやって来た猟奇的変質者に腕を刈り取られてしまったのだ。
それ以来、モナーの両腕は無い。
肩の辺りから、盛り上がった肉が少し残っているだけだ。
モナーは陰気な性格になってしまったが、友人がいないわけではなかった。
今日、モナーは友人のギコと縁側に座り、たわいのない雑談をしていた。
「そう言えば、聞いたか? しぃの噂」
モナーは首を横に振った。
「優しいんだぜ」
ギコの口元が緩んだ。モナーは首を傾げる。ギコはもどかしそうに、小声で言った。
「だから、さ。しぃは……すぐに犯らせてくれるんだと。
 それも、ヒッキーやらオシリスやら、モテない連中とも犯ったらしいぞ」
何て不埒で破廉恥な女だ、とモナーは顔をしかめた。
ギコがふざけて言った。
「まぁまぁ、お前にもチャンスがあるかも知れないしよ」
「止めろよ、ギコ。……俺の腕、見てくれよ。女が相手してくれるわけないだろ」
ギコはにやけた表情を元に戻した。
「あぁ、悪かったな」
済まなさそうに項垂れると、ギコは帰ってしまった。

「両腕の無い男を愛してくれる女がどこにいる? 
 例え不埒な淫売婦のしぃだろうと、この俺を見たら悲鳴を上げて逃げて行くさ」
夕日がモナーを照らしていた。
両腕の無いシルエットが伸びる。まるで不出来なこけしのように滑稽な影だった。

160 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2003/12/06(土) 19:39 [ lE0EBEJ6 ]
2/3
ある日、モナーの家にしぃがやって来た。
見た目は普通の少女なのに、醸し出す雰囲気は売女のそれであった。
「ネェ、私ト シナイ?」
整った顔の少女の笑みは、嫌らしく下卑ていて、醜かった。
「断るよ。不潔な香具師は嫌いだからね」
しぃに冷たく言い放つモナー。そして玄関の方を見ながら、帰りなさいと諭した。
「我慢強イノネ。中年男サン」
甘い息を吐きながら体をすり寄せてくる。モナーはしぃを見ない。
「欲シインデショ? 私ノ 若イ……」
「自分が魅力的だとでも思っているのかい? 今の君は汚いよ。
 まだ、君は若い。取り返しもつく。家に帰りなさい」
静かな声だが、大人の怒気が含まれていた。
しぃはビクッと身をすくめた。
今まで町中の男を誘ってきた。
断る相手もいるにはいたが、ここまで手厳しくはね除けられたのは初めてだった。
途端に、しぃは暴力的な行動に出た。
「何ダヨッ。コノ 達磨野郎!」
モナーを突き飛ばす。両腕のないモナーを。
よろめいたモナーは、タンスの角で頭を打った。
鈍い音がした。モナーが倒れた。タンスの上の小物が崩れ落ちる。
「ア……」
殺してしまった……? しぃは目を見開き、後ずさりした。
「かなり痛むが、生きてるよ」
頭を押さえながら、モナーが唸った。
しぃは罪悪感を少しでも消すために、倒れたモナーを抱き起こした。
「ゴメンナサイ」
「……もうこんなコトは止めなさい。自分の体を大事にするんだ」
モナーを抱き起こしているしぃの手に力が入った。
しぃの顔に、怒りの形相が浮かんだ。

161 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2003/12/06(土) 19:40 [ lE0EBEJ6 ]
3/3
「何モ 知ラナイ大人ガ、偽善的ナ コトバッカリ 言イヤガッテ!」
混沌とした歪んだ精神から吐き出された言葉。
「体ヲ 大事ニ? 馬鹿言ウナッ! 私ノ 体ナンテ」
そこで語気が弱まった。
「私ノ 体、赤チャン 産メナイノ」
モナーは真剣な顔つきでしぃの話に耳を傾けた。
「前ニ 狂ッタ モララーニ 誘拐サレタノ。
 私ヲ 手術台ニ 縛リツケテ 卵巣モ 子宮モ 取リ出シチャッタノ」
しぃは目を見開いて涙を流しながら、口を大きく開けて笑った。
「ソレヲ 口ニ 押シ込メラレタ。私ハ 女ノ 部分ヲ 切リ取ラレ、食ベサセラレタ」
笑いながら、泣きながら、床に座り込み、頭を掻きむしる。
「デモ、私ニ 赤チャンヲ 産マセテクレル 人ガ イルカモ知レナイ、ト思ッテ。
 闇雲ニ 男ト シテ来タノ」
モナーの部屋に、狂人の笑い声が響いた。
両腕のないモナーも、若い頃は腕が無いという事実を認められなかった。
いずれ、腕が生えてくるのではないか、と待ち続けた。
傷つけると、わずかに肉が盛り上げるので、何度も何度も自分を傷つけた。
失われた自分の一部を求めて、事実を認められずにいる。
しぃは昔のモナーにそっくりだった。
「ネェ、一緒ニ 死ナナイ?」

翌日、暗闇横町を流れるヘドロ川から、モナーの遺体が上がった。
運良く助かったしぃは完璧に狂ってしまい、病院に入れられてしまった。

モナーの腕を取った変質者と、しぃを誘拐したモララーは、
まだ普通の暮らしをし、一般の人々にとけ込んでいる。
罪の呵責に嘖むこともなく。

 暗闇横町・両腕の無いモナー 完

162 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2003/12/07(日) 00:01 [ K5uvEWNU ]
「 〜一億年間〜 」

「シィィィ・・・ モウオカネナイヨォ・・・ オナカスイタナァ・・・」

一匹のしぃが愚痴をこぼしている。
実はこのしぃ、度重なる豪勢な買い物のせいで、激しい金欠病に陥っていた。
バイトをやってはみるものの、自身が飽きっぽい性格の為、どのバイトも長続きしないでいた。

「ドコカニ イイバイトナイモノカシラ・・・・・」

そう言って、仕事斡旋情報誌に無駄な努力とわかっていても目を通すのである。
それが日課となっていた。
そのしぃの名はしぃ美。この日も、いつもの如く既に飽き飽きとした日課を行っていた。

「ハニャ!?」

すると、一行の記事が目に止まった。
それは、しぃ美にとって、天から零れ落ちたような話であった。

・・・・・非常に簡単!簡単な作業で、現金100万円が貴方の元に!・・・・・

「ナンカ チョットアヤシイワネ・・・」

しぃ美はそう思いつつも、そこに書かれている電話番号に電話をして見る事にした。

「モシモシ! アルバイトノキジヲ ミタモノデスガ。」

「はい、こんにちわ。営業担当のモラ則です。つきましては、ご説明会を行いたいと思いますので、XX広場までご足労
 願えませんか?」

「ワカリマシタ! ドンナアルバイトナンデスカ?」

「その事に関しましても、説明会できっちりと説明致しますのでご安心ください。では、お待ちしてますね。」

「エ? アノ・・・・」

そう言うと、電話はガチャリと切れた。
しぃ美はその対応に些か疑問を覚えつつも、指定された場所に向かってみることにした。
その場所には、もう一匹のしぃがいた。どうやら同じ情報誌を読んできたようである。

「コンニチワ! アナタモザッシヨンデキタノ?」

「ウン! デモ100マンエンッテ スゴイヨネ! ナニカオウカナ・・・・」

そのしぃの名前はしぃ瑠と言うそうである。二匹のしぃは出会いの印にダッコをかわすと、モラ則の到着を待った。
数十分後、手に小型の妙な機械を携えて、モラ則がやってきた。

「こんにちわ、今回はあなた方二人だけのようですね。では、さっそくですが、仕事の説明をさせて頂きたいと思います。
 今回、わが社が開発した、ある機械があるのですが、お二人には、その機械の実験台になってもらいたいのです。」

163 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2003/12/07(日) 00:01 [ K5uvEWNU ]
「ジッケンダイ?? イタクトカハ ナイヨネ・・・・」

「ご心配なく。なんの苦痛も『与えません。』なにも怖がることは無いのですよ。」

見たところ、その小さめの機械には、アースノーマッドのような形をしていて、中にかなり複雑な機械がそのスケルトン
状の胴体から見えている。
上の突起には小さな赤いボタンがついている。
しぃ美は、得体の知れないその機械に、少々の不安を覚え、さらに質問を続けた。

「ソノ ボタンヲオスト ドウナルノデスカ?」

「いい質問ですね。それが今回の仕事で一番重要な事なのです。実は、このボタンを押すと『何も無い空間』に飛ばされ
 ます。意識だけが飛んだ状態なので、もちろん死ぬことはありません。餓死することも、事故死することも。その空間
 で、『一億年間』何もせずに、何もしなくて良いです。ただ、其処にいさえすれば。無論、途中でやめる事は出来ません。
 そして、一億年経ち、帰ってくるときに特殊な電波を使い、記憶はリセットされます。」

「イチオクネンモ・・・・」

「デモー、 イタクモナイシシナナインデショ! ワカッタ! シィルヤッテミル!」

「わかりました。では、この機械の上のボタンを押してください。」

「ハーイ!」

しぃ美はしぃ瑠の行為が少し無謀に見えたが、本人が決めたことなので、黙ってみていることにした。

「コノボタンヲ オセバイイノネ・・・」

しぃ瑠の指が、突起上のボタンに掛かり、そのボタンがしぃ瑠の指の圧力によって沈み込んだ。「カチリ」






                      パチッ




乾いた、電流の音が響いた。しぃ瑠は一瞬目をパチクリさせ、

「アレ? ナンナノ? イマノ」

と、何が起こったのかわからないままでいた。
もちろん、しぃ美にも。この実験をやらせたモラ則を除いて。

164 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2003/12/07(日) 00:01 [ K5uvEWNU ]
「はい、お疲れ様でした。お約束の100万円です。お受け取りください。」

「エー! イマノデオワリ? ラックチーン! モウイッカイヤロット!」

「ええ、何回でも結構ですよ。どうぞどうぞ。」

「カチリ」        パチッ

「ン? アレ? オワッタ?」

「はいはい、お疲れ様。100万円です。お受け取りください。」

「ヤッタ! ホントーニイイノカナー コンダケデ100マンモラッチャッテ♪」

しぃ美はこのやりとりを見ていて、そんな危険でも無いのだろうと言う考えを持った。
そして、しぃ美も、モラ則に決心を打ち明けたのである。

「アノ・・・ ワタシモヤラセテクレマセンカ?」

「ええ、いいですよ。それではこのボタンを押してください。」

「ハイ」

しぃ美は突起上の赤いボタンに指を当てると、そのまま押し込んだ。実に軽い気持ちで。

「カチリ」


                   パチッ



一瞬、頭の中で静電気が鳴ったような感覚を覚えた。刹那、しぃ美は『何も無い空間』に立っていた。
足元は風呂場に良くあるタイルを大きくしたような物が敷き詰められている。
空は、ただ、白かった。何も無かった。それが永遠に、どこまでもどこまでも続いていた。
文字通りの、殺風景な地平線が果てしなく続いていた。
しぃ美は、一通り周りを見通した後、呟いた。

「コンナトコロデ イチオクネンモ クラスノタイクツソウダナ・・・」

しぃ美は、まだ『一億年間』という長さ、この空間の恐ろしさに、まだ気づいていなかった。

 (続く)

165 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/07(日) 08:26 [ a270YTXw ]
「地獄の12月24日」

雪の降る聖夜、一匹のしぃが夕方の町外れを歩いていた・・・
「ハニャーン、ギコ君ノクリスマスパーティーニ遅レチャウ」
ギコ・Hは街の外れにいる美形の大富豪だ。
実はしぃはギコに思いを寄せている・・・まあ、町中のしぃがギコに思いを寄せている。
町外れの丘を登って行くと大きな屋敷が見えた。
「ヤット見エタワ!!ココネ、オッキイー!」
しぃはそう言うと、大きな正門の扉へと入っていった・・・
屋敷の中はかなり豪華だった、シャンデリアにたくさんの大きいテーブル、
豪華な壁。
しぃはビックリした、はじめて見る風景だからだ。
それとパーティーに呼ばれたたくさんの人・・・あれ?。
しぃはきずいた、全員しぃしか居ないのである。
その時ギコが豪華な服を着てやってきた。
一斉に歓声が上がる。
するとギコはこう言った。
「皆さん、御出でくださって誠に有り難うございます!今日は楽しんでいってください」
全員笑顔だ、この日が地獄の一日になる事はギコと3人の男しか知らない・・・
            
 続く

166 名前: 投稿日: 2003/12/07(日) 14:56 [ YJZTUAMc ]
私の目の前には眠っている妊娠しぃがいる。
町外れのゴミ捨て場の傍らにある薄汚いダンボールに寝ていたところを麻酔銃で眠らせ、連行してきたのだ。
本人はこれから何をされるかも知らず、「ギコ君ダッコ」や「ベビチャン イッショニ マターリシヨウネ」等と、ねごとをいっている。
私は微笑み妊娠しぃに水をぶっ掛けた。
「ハニャーン ナニスルノヨ シィノ マターリヲ ジャマスルヤツハ 虐殺厨 ナンダカラネ!」
定番の反応が返ってくる、しかし私はそれに応じない。
代わりにしぃの腹を思い切り蹴飛ばすことで応じた。
「シィィィィィィィ-」「カハッ」
何度この悲鳴を聞いただろうか?そのたびに私は天にも昇るような恍惚感を得る。
けられたショックからであろう、しぃからベビしぃがはみ出している。
しぃはそれを自ら取り出し
「ベビチャン ダイジョウブ? ダッコシテアゲルカラネ」
といってダッコしようとした。
もちろん私がそんなことを許すはずがない、しぃがベビを抱く前にそのベビをシイの手からひったくった。
「ヤメテ! ワタシノ ベビチャンニ ナニヲスルノ?」
これもいつもどおりの反応、糞虫の分際で何を言っているのだろう?私は無償に腹が立った。
これはいつもどおりの ベビ瞬殺→しぃ絶叫→しぃ虐殺 というパターンでは腹の虫が収まりそうにない、
ここは一つじっくりとベビを虐殺し、しぃを発狂させてみようか。
そのためにはもう少ししぃとべびを一緒においてから虐殺し、より大きな精神的ダメージを与えることが大切だ。
私は微笑み、しぃにベビを返した。
「ハニャ? カエシテクレルノ?」
しぃは何も知らない。
これから自分の身に何がおきるかも知らないし、ベビがどうなるかについても知らない。
知らぬが仏とはまさにこのことではないか?まあ一週間ほど親子水入らずの日々を送るが良い・・・
私はしぃとベビをアクリル製のケージの中に、少量のしぃフードと共にいれ、部屋を出た。
一週間後を心待ちにして…。

167 名前: ㌧ 2 投稿日: 2003/12/07(日) 14:56 [ YJZTUAMc ]
3日後

私としたことがなんということであろう、家にしぃとベビを幽閉していたのをうっかり忘れ、2日間も餌抜きにしてしまった。
死んでいなければイイが…
死んでしまっては私の楽しみもそれで終わりだ・・・
私ははらはらしながら、地下室の防音ドアを開けた。
「シィィィィ・・・」「ナッコォォォ」
消え入るような声が聞こえる、どうやら生きているようだ、私はほっとした。
私はケージに近づき中をのぞき込んだ。
「ハニャ ドコイッテタノヨ コノ虐殺厨 ハヤクカワイイシィチャンニ ゴハンヲチョウダイヨ」
「ナッコ」「オナカチュイタヨー」
・・・ベビが5匹もいる。5つ子だったって分けか。おそらく残りの4匹は私がこの部屋を去ってから生んだのだろう。
しかし一匹はうずくまって動かない、どうやら死んでいるようだ。おそらく始めに出てきた奴は未熟児だったのであろう。
そんなことを考えているとまたしぃが言った。
「ハヤク ゴハンヲダシナサイ」
本物の馬鹿だこいつ等は、自分の立場というものをまるで分かっちゃいない。
私は冷たく言い放った。
そこで死んでいるのを食えばいいじゃないか? といったような内容のことを。
するとしぃはこう主張した、いや主張という高等な表現はあまり似つかわしくないかもしれない・・・
「ナニイッテルノヨ コンアモノヲ ニチャンネルノ アイドル シイチャン ガ タベラレルハズナイデショ」 
それにあわせてベビ達も
「ソウデチュヨー カワイイ チィハ コンナモノタベレマチェンヨー」
・・・私の中の虐殺心が燃え上がった。
糞虫の分際で何を考えているのだ!
私は彼らに特別のご馳走を与えることにした
そう
タバスコとからしを煮込んで作った特性ペーストを
私は よしよし とか何とか言いながら、
一匹のベビを抱き上げた
「ハヤクタベサセテクダチャイヨー」
相変わらず薄汚いこと言ってやがる。
私は特性ペーストをたっぷりとベビに食べさせてやった、もちろん下からだ。
「ナゴーナゴーーミュギヤ^−−−甥アwhgのxcl;易pは」
私はケージにベビを放り込んだ
意味不明の悲鳴を上げベビは肛門から体内のものを噴出した。
あっという間にケージ内は糞まみれになる。
ひどいにおいだ。
私はにおいに耐え切れず部屋を出た。

168 名前: ㌧ 3 投稿日: 2003/12/07(日) 14:57 [ YJZTUAMc ]
4日目

私が地下室に入ると、部屋にはまだ異臭が漂っていた。
ケージの中をのぞくとしぃとベビ(残り3)が隅にうずくまっている
一匹は端っこで骨になっている・・・例の未熟児であろう、おそらく空腹に耐え切れなかったしぃたちに食べられたのであろう。
もう一匹の姿が見当たらない・・・と
よく見るとケージの壁沿いに薄汚い塊が転がっている、
脆いベビの体は体内からの噴出に耐え切れなかったのであろう、下半身は破裂していた。
さすがにしぃ達は何も言わない、ようやく自分の立場というものが分かったのだろう、低脳も低脳なりに学習するらしい。
さて、そろそろ精神的虐待に取り掛かるか、
私は二匹のベビを取り出し、用意してあった鉄板の上に乗せた
「ミュ?」「ツメタイデチュヨー」
温めてあげるよ とばかりに、鉄板を火にかける、当然鉄板はだんだん熱くなっていくわけだ、
「アッタカクナッテキマチタ」「マターリデチュ」「ミュ-」
なんて馬鹿なんだ、私は火を強くする、
「ヤメテ シイノベビチャンガ ヤケチャウ」
何が起こるか察したしぃが止めにかかる、
がもちろん私が相手にするわけがない。
その間にも鉄板の温度はどんどん上がってゆく、
「アチューデチュヨー」「トメテクダチャイヨー」「ミュギー」
ベビ達は必死だ、
私は一枚の皿を鉄板の上に置いた、
ベビしい一匹がやっと乗れるくらいの大きさで、この上にのれば当面は熱さを免れる
ベビ達は予想通りその上に上がろうと試みた…
しかし乗れるのは一匹だけである、
「ウエニノボルノハチイデチュヨー」「チイガウエデチュヨー」
醜い争いが始まった、その間にも鉄板の温度はどんどん上がって行く、
そして勝者が決まった、片方がもう一方を突き飛ばしたのである、
「オカアタンタチュケテヨー アチュイデチュヨー」
ジューっと肉の焼ける音がして、ベビが焼けてゆく
しぃはその様子を目を覆って見ていた。
「ギジィィィ」
そして絶命、
「シィノベビチャンガ…」
このせりふ何度聞いただろうか?
私は爽快感と共に部屋を出た。    続?


何を書いても既存ネタに見える… 鬱だ。

169 名前: 管理団 投稿日: 2003/12/07(日) 15:03 [ lJc5X30c ]
【しぃ虐待・虐殺スレッド in アブ板 Part 4】より移動
610 名前: 高村 投稿日: 2003/12/07(日) 08:45 [ QAxK5owE ]

AAではありませんが、一応作品です。
君ならどうする?シリーズ

第一回
あなたはモララーです。
あなたの前に、しぃの幽霊が出てきました。
それは、あなたが昔虐殺したしぃの霊です。
ナイフなどは、すり抜けてしまいます。
さあ、あなたはどうする?
A悪霊退散!
Bにげろーー!
Cすいません、許してください!!

170 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/07(日) 15:16 [ /0beNy3E ]
>>165続き
「地獄の12月24日」
ギコ・Hのクリスマスパーティーは、終盤に差し掛かった。
甘いケーキやパイなどでお腹を膨らましている。
するとギコが笑いながらこう言った。
「皆さん、泊まっていきませんか?」
しぃ達は口を開けてポカンとした。しかし、すぐに笑顔を浮かべて笑い出した
「ハニャーン!!ヤッター!」
「クリスマスニ泊マルナンテロマンチックネー!」
「ギコクントコウビ・・・」
と口々に喜んでいる。
ギコに案内され部屋へ向かっている。どのしぃも一人一人の個室で泊まると思っていたが・・・
しかし、しぃ達の部屋は、一人一人の個室ではなく大きい一つの部屋だった。
普通なら文句を言うだろうが相手はなんて言ったって、金持ちで美形のギコなので、しぃ達は簡単に許せた。
部屋の様子は床も壁もは大理石のタイル、大きいシャンデリア、なぜかスピーカー、なかなか良い部屋だがベッドも何も無い。
少数のしぃ達が文句をいい始めた頃、スピーカーからギコの声が流れてきた。
「では皆さん一生ここに居てくださいね。」
しぃ達は耳を疑った「イッパクダケジャナイノ?」などといっていると、もう一度スピーカーからギコの声が聞こえてきた。
「なお、たまに三人のゲストが来ますますので、それではさようなら」
この放送の瞬間壁が壊れ、三人のモララーが来た。
          今、地獄がはじまった・・・
続く

171 名前:  SCOOL DAYS 投稿日: 2003/12/07(日) 20:54 [ nsM6pKnk ]
>>157の続き

         SCOOL DAYS
                      その6

突然、モララーの携帯がなった。
時刻は午前二時。チビたちの部屋からは小さな啜り泣きが聞こえてくる。
余談だが、モララーの着メロは「地獄の黙示録」だ。
「はい?」
「夜分すみません、モララーさん。
 私、ひろゆき委員会情報部、儀誇と申します。」
「あいさつはいい。何の用だ?」
睡眠を邪魔されたモララーは酷くいらだっている。

「実はですね、つい先ほどの会議で決まったことなのですが、
 すでに議会は、次の「しぃを絶滅させるための傾向と対策」
 というテーマに向けて動き始めています。もちろん、並行させて
 続けてもいいじゃないかという発言もありましたが、
 今現在モララーさんが取り組んでいるものとは正反対のものなので、
 流石に無理があるだろうということで、あの、非常に申し上げにくいのですが・・・」

三十分後、モララーはベットから抜け出し、いすに座って考え事をしていた。
思わぬ話ではない。うすうすは予測していた。
それほどこの計画が将来性がないからだ。確かに成功すればAA界に革新が起こるだろう。
しかし、それには金と時間が掛かり過ぎる。しかも、そこまでして成功しても1,2匹。
(これは、実際モララーが試したことなので間違いない。それに、この結果を議会に伝えたのはモララーだ)
そんなちんたらしたものより、社会の無駄が消え、爽快感をゲットできるものの方がいいだろう。
(やっと来たか・・・)
そうなることをモララーは待っていた。やっと本番だ。
議会はあと一ヶ月以内に結果を残せば、約束した報酬以上の金を払うと約束したそうだ。
そうなれば、モララーのする仕事は一つ。
結果を出し、報酬を受け取り、議長を殺し、姿を消す。
簡単だ。いつもしてきたことだ。残る問題は後一つ。
(さて・・・)
どうやってベビどもを調教するか。それだけなのだ。
明日からベビどもはもっと悲惨な生活になることだろう。
モララーは、気づくと声を漏らして笑っていた。
                          続

172 名前:  SCOOL DAYS 投稿日: 2003/12/07(日) 20:54 [ nsM6pKnk ]
>>157の続き

         SCOOL DAYS
                      その6

突然、モララーの携帯がなった。
時刻は午前二時。チビたちの部屋からは小さな啜り泣きが聞こえてくる。
余談だが、モララーの着メロは「地獄の黙示録」だ。
「はい?」
「夜分すみません、モララーさん。
 私、ひろゆき委員会情報部、儀誇と申します。」
「あいさつはいい。何の用だ?」
睡眠を邪魔されたモララーは酷くいらだっている。

「実はですね、つい先ほどの会議で決まったことなのですが、
 すでに議会は、次の「しぃを絶滅させるための傾向と対策」
 というテーマに向けて動き始めています。もちろん、並行させて
 続けてもいいじゃないかという発言もありましたが、
 今現在モララーさんが取り組んでいるものとは正反対のものなので、
 流石に無理があるだろうということで、あの、非常に申し上げにくいのですが・・・」

三十分後、モララーはベットから抜け出し、いすに座って考え事をしていた。
思わぬ話ではない。うすうすは予測していた。
それほどこの計画が将来性がないからだ。確かに成功すればAA界に革新が起こるだろう。
しかし、それには金と時間が掛かり過ぎる。しかも、そこまでして成功しても1,2匹。
(これは、実際モララーが試したことなので間違いない。それに、この結果を議会に伝えたのはモララーだ)
そんなちんたらしたものより、社会の無駄が消え、爽快感をゲットできるものの方がいいだろう。
(やっと来たか・・・)
そうなることをモララーは待っていた。やっと本番だ。
議会はあと一ヶ月以内に結果を残せば、約束した報酬以上の金を払うと約束したそうだ。
そうなれば、モララーのする仕事は一つ。
結果を出し、報酬を受け取り、議長を殺し、姿を消す。
簡単だ。いつもしてきたことだ。残る問題は後一つ。
(さて・・・)
どうやってベビどもを調教するか。それだけなのだ。
明日からベビどもはもっと悲惨な生活になることだろう。
モララーは、気づくと声を漏らして笑っていた。
                          続

173 名前: 12・実験棟(経口投与室) 投稿日: 2003/12/09(火) 09:59 [ BzRMHfQs ]
>>2 >>9-11 >>19-22 >>32-35 >>49-50の続き

5人は実験棟に通された。実験棟のある階の部屋は
階段に近い順に経口投与・ちびギコ部屋・ちびしぃ部屋
しぃ部屋・モニター室の順に並んでいる。

まず、(経口投与)と書かれた札が掛かっている部屋に入った。
ちび達がいる部屋と、被験者達の部屋はガラスの壁で隔てられていて、
被験者側の部屋には、監視カメラが設置されている。ちび達がいる部屋に
スピーカーが設置されている。スピーカーから被験者達の音声が聞こえてくるそうだ。
被験者の音声を聞くには、モニター室で機材の操作をしなければならず、
そのためにモニター室へ連絡を入れる必要があるそうだが。

この部屋には、ちびしぃ・しぃ・ちびギコ・フサギコが一緒にいた。
部屋の向こうには、頑丈な鉄のドアが見え、ドアの窓にはめ込まれた鉄格子
コンクリートの壁が覗いている。そこの部屋には
ちびしぃ・しぃは各10匹、ちびギコ・フサギコは各5匹、
それに、レモナ棟から連れてこられたしぃが1匹。
31の被験者がそこにいた。被験者達はそれぞれ小さな番号札つきの
耳飾りをつけている。個体を識別するためだそうだ。

「お腹の膨らんだしぃ達がいますね。妊娠?」とちびが聞くと、
「レモナさんとこで診てもらったら、一匹を除いて、全員便秘モナ。」
「そろそろ特殊な趣味を持ってる連中に頼んで、浣腸だな・・・・」
「特殊な趣味って??」とモラ山が聞くと、ギコは気持ち悪そうな表情で話し始めた。

ギコの言う(特殊な趣味を持ってる連中)とは、
しぃに対し、特別な感情をもっており、糞でも愛でることができる連中のことらしい。
浣腸の仕事やほかの仕事のために(ボランティア)で雇おうとして金額を提示したのだが、
(しぃちゃんのいろんな姿が見れるなら無料でもいい)と行ったつわものがいたそうだ。
ちびが開いた口がふさがらないといった表情をすると、
「しぃのウンコを掻き出したいと言ったやつもいたんだ。正直気持ち悪いぞ。」と
ギコは青ざめた表情で話していた。

モナ川は、なにか気まずい空気を読み取ったかのように、
「話を変えよう。観察日記を見せてもらっていいモナ?」とギコに聞き、
ギコが了解したので、日誌を見ることにした。この部屋の日誌は、
被験者達が自由に書き込み、その下に研究員が
一言書き込むという形式を取っているようである。

-----------------------------------
★月○日 

・今日は、ちびしぃちゃんとしぃちゃんと3pしたデチ。
 こういうのを「ハーレム」て言うんデチね。
 ちびちゃんのういういしいところもいいデチが、
 しぃちゃんの大人の色気もいいデチ
 よーしパパ明日もコウビしまくるぞー

・キョウハ チビギコト コウビシタ。
ホントハ ギコクント コウビ シタカッタケド 「タマニハ ショタモ イイカモ」
チビクンハ スグニ カイフクシテ ナンドデモ デキタ。
コウイウノモイイカモ・・・・・

・サイキン ウンチサン デナイヨォ
マスクノヒトニ カンチョウ シテモラエルノハ ウレシイケド ウンチサン タベラレナイヨォ
ウンチサン サベサセテクレナイノハ ギャクサツチュウダヨ!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★月○日 記入者 モララー

レモナ棟から連れてきた1匹を含む31匹の被験者が入った。
すぐに頃してやりたいが、まぁ、緩慢に頃しているようなもんだからいいか。
レモナ棟からの1匹は手術後ということもあり、モルヒネを点滴している。
もしかしたら、早めにこの部屋を出ることになるかもしれないな。

コウビを始めている者が早速いる。こいつらの頭の中にはコウビしかないのか
ダッコしかないのか、と小一時間問い詰めたい。漏れは問い詰めたい。
その上、ボランティアが食事としてしぃフードを出したら、
「甘くてやわらかい物しかしぃちゃんは食べないんだよ。」だの
「高級な物食わせろ」だのと行ったらしい・・・・それが、この書き込みかい!!!

(甘い物・柔らかい物・高級な物)しか食べないとぬかしておきながら、 
「ウンチサン タベサセテクレナイ」 と矛盾を言いやがる。漏れは、正直混乱している。

ボランティアが、被験者(便秘の者に対して)の摘便作業を希望したので、
「せいぜいグリセリンやお湯での浣腸にとどめておいてくれ」と頼んだ。
被験者達は凄く脆いので、便と一緒に、こてっちゃんまで出されると非常に困る。

174 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/09(火) 10:00 [ BzRMHfQs ]
「・・・・・・・・」
全員、コメントに困ってしまった。

モナ川は、
「えーと、ここ以外で多少楽そうなとこってどこモナ?」
と擬古矢に聞くと、擬古矢は考え込んでしまった。
「ベビ棟かなぁ。」モナー・ギコが同時に口にした。

「ベビ棟は、レモナさんとこの単眼症の子はいないんで
多少は大丈夫かもしれないけど、全員ドラッグ・ベビーだぞ?」

「でもここ以外は、全部同じような感じモナ。」

擬古矢の(大丈夫か?)という意味を含んだ問いに、
モナーが答えると、ちびが口をはさんだ。

「擬古矢さん。これは、ちびの個人的な感想なんだけど、
麻薬って、私達のいろいろな仮面を剥ぎ取っていくような物なのかな。
ここのお部屋は、すごろくで行ったらスタート地点みたいな物なのかもね。
ここから、順当に進んでいったほうがいいかもしれない。ベビ棟は後でもいいよ。」

「ちびちゃんがもっともなこと言ってるんだから、大人が泣き言を言うのもなぁ・・・」
モナ川が呟いた。

モラ谷は擬古矢に、
「擬古矢さん、増量剤の説明をしてもらって、純度100%のお部屋だけ見せてもらっていい?
増量剤のグループの方は、100%のグループの方と何か違いはある?」と聞いた。
「ありません。症状が悪くなっていく速度の違いだけですかね。」
ギコに即答され、モラ山は、
「じゃあ100%のほうだけ見せてもらおう。それと増量剤のことを焼却炉で聞いたんだが、
説明をお願いできるかな。」とギコにたのんだ。

ギコは、モラ山の申し出を了解し、モナーが説明を始めた。

「実は、しぃ達に渡すあへん系麻薬のコストが問題になったんだ。
100%の純度の物を渡すと、あまりにコストが掛かりすぎということで。
いかにして金を減らすかという話になって、ギコが戯れに買った本の中身を社の上の者
に話したら、実験を行い、結果を報告するようにというお達しが出て・・・・」

ギコが続ける。
「本に書かれているいろいろな物を試したら、一番いいのは中毒者の骨だったんだ。
金がかからないっていう点でも、ほかのいろいろな点でも。上の方に、
実験結果を報告したら、骨粉と、麻薬の割合を調べる様に言われて調べているんだ。
今回は骨粉を30%混ぜたグループ。どこまで純度を下げて大丈夫かっていうのを
現在調べているんだよ。」

ちびが「ある種のリサイクルですね」と、モナーに感想を言うと、
その場にいた全員が苦笑いを浮かべていた。
「じゃあ、少し仮面が剥がれた被験者達を見に行くかゴルァ?」
苦笑いを浮かべたギコが冗談交じりに皆に次の部屋へと促すと、
皆が困ったような笑みを浮かべてギコに同意し、
「経口投与」と書かれた札のある部屋を後にした。

175 名前: 13・実験棟(3ヶ月・ちびギコ&フサギコ部屋) 投稿日: 2003/12/09(火) 10:02 [ BzRMHfQs ]
続いて、3ヶ月という札の掛かった部屋の近くに来た。
まず入ったのは、ちびギコ&フサギコとかかれた部屋だった。
早めの昼食の時間だったらしい。ガラスの壁の向こうでは、
ボランティアが被験者達に食事を与えていた。

ここも、経口投与とかかれた部屋とだいたい同じつくりの部屋である。
違う点といえば、まるで留置所を思わせる鉄格子のドアの小部屋があるくらいだ。
小部屋に入室しているちびギコはいなかった。
また、部屋の一角ににあるテーブルの上には白い大きな塊と、
塊から粉を削り取るためと思われるナイフが人数分置かれ、吸引具・薬包紙なども点在している。

「この部屋は定期的に薬は投与してないんだ。いわゆる、頓服状態だな。
マターリしたいときとか、コウビ前やオナーニ前に粉薬を鼻から吸えば、マターリ感や
気持ちよさが倍増すると騙して吸入方法を教えたんだ。」

ちびが、「ちびギコ部屋なのに何でちびしぃがいるの?」と
耳の先に2番の番号札をつけたちびギコを指差すと、
モナーが「日誌を読んでみてよ。理由もわかるから。」とノートを差し出したので、
皆は、日誌を読むことにした。

----------------------------------------------------
ちびギコ部屋 ○月×日

・ちびしぃちゃんとコウビしまくりデチ。
毎日のごはんもおいしいし、白衣のフサギコたんが教えてくれた
お薬を鼻からすいこむと、ちびしぃちゃんやしぃちゃんとのコウビも
気持ちよさが倍増デチ。ここは天国デチね。

・白衣のフサたんがおしえてくれたお薬を鼻からすいこむと、
何回でもコウビができるでち。それにコウビが終わると何時間でも眠れるでち。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○月×日 ちびギコ部屋 記入者 フサギコ

まずは、某大人のおもちゃメーカーに感謝を。しぃ、ちびしぃの型の
いわゆる、(丈夫なリアルドール)を写真だけ渡して発注したら、
精巧な物を作ってくれた上、「連続一週間でも破れません」とニヤけて説明した。

ヘロインの吸入方法を教えておいた。
(コウビの気持ちよさが増す薬)とヘロインについて説明したら、
被験者達は熱心に説明に耳を傾けていた。欲望に忠実な連中だ。

被験者達の書き込みや、モニター室の日報によると、
疲労感が麻痺しだしている者が出始めているようである。
3時間超のオナーニ、3日間の睡眠・・・・・既に性欲の抑制が聞かなくなっているとも
考えられる。こんな状態の連中に、しぃやちびしぃを投げ込んだら、かくじつに
あぼーんだな。と妄想してみる。
食う、寝る、遊ぶの3種類揃って、さぞや彼らは幸せなことだろう。 
--------------------------------------------------------------------------

ちびギコ室の中に爆笑が響いた。
「人形だったんですか!しかしよくできてるなぁ・・・・」
「てゆーか、ちびギコが気付かないのがおかしいね。」
「ハハハハ」

ギコがおどけた。
「しぃちゃんやちびしぃちゃんとのセクースのつもりだろうが、実はただのオナーニだったとさ。
という落ちでした。ちゃんちゃん。」

モナーが続ける。
「それもただのオナーニではないよ。3時間4時間は当たり前、下手すると一日以上も
オナーニ漬けだったりするし。そして、体力の限界になると、泥のように眠るんだ。」

「もう、何回射精したかも自分でもわからないんだろうな。それに皆見てみろ。あれ。」
ギコに促され、皆がガラスの向こうの部屋を見ると、ちびギコが自分の腰を振らずに、
しぃの人形を腰のあたりを持って激しく振っている。人形は揺れまくり、今にも破れそうだ。
ちびギコの顔を見ると、よだれをたらし、恍惚の表情を浮かべている。
「相手のことを思いやるということは、性欲を抑える、理性で抑えるということにも
つながるんだよ。でも、もうあの被験者は、できなくなってる。」
モナーがさめた口調で皆に説明をした。

「オナーニを覚えたサル状態ですか?」「・・・・・・」
ちびの質問に、みな黙りこくってしまった。
「すいません。もうここはいいです。次いきませんか?」
沈黙の詫びを入れるような口調での、ちびの言葉に従い、
皆は、ちびギコ部屋を出た。

176 名前: 14.モニター室 投稿日: 2003/12/09(火) 10:04 [ BzRMHfQs ]
ちびギコ部屋を出たダッコ映像の面々と、ちびしぃ、擬古矢は
隣のちびしぃの部屋へ行こうとして、モナーとギコに止められた。
「モニター室に先に行くぞ。ゴルァ。」

「?????????」
「モニター室ですか?見るところあったっけ?」
5人が不思議がっていると、
「まぁまぁ。面白い物を見せるモナ。」とモナーが盛んに勧める。
二人に後ろをふさがれる形で、5人は一番奥のモニター室に入った。
ドアに「必ず最初に日誌を確認!!!!」と書かれた紙が貼られていた。

「ここでは、各部屋の被験者の行動を監視しているんだ。
ここの日誌は、行動記録みたいなもんだな。日誌に書かれてる
番号は被験者の耳の札だ。ちょっと古いけど」といってギコは日誌を見せた。
特記すべき事項を書き込んだり、ボランティア間の連絡に用いているようである。
-------------------------------------------------------------------

×月△日 経口投与部屋 記録者 ○△木 しゃぶ朗 AM8:00〜PM5:00

特記事項 2・5・8番が嘔吐。 

嘔吐した時刻 2番 AM10:00、 5番 PM12:00 8番 PM 3:00

食事は全員残さず食べていた。
前回浣腸時より14日以上経過しているため、ボランティアに呼びかけを行う。

-------------------------------------------------------------------

3ヶ月 (ちびギコ&フサギコ)

特記事項 2番がAM10:00よりオナーニ開始。PM4:35過ぎても続けているため、
     夜勤さん、継続して監視をお願いします。

7番がPM12:00より睡眠。

10番はAM8:00に私が入った時点で既に睡眠中でした。食事のときに
ボランティアに生死の確認をお願いしました。生きている、とのことです。
PM4:35過ぎても睡眠中のため、継続して監視をお願いします。

-------------------------------------------------------------------
(ちびしぃ)

特記事項 1番がAM9:35よりお祈り、9:40よりコウビ中。
PM12:00に終了  12:30より睡眠中のため 継続して監視をお願いします。

6番がPM3:00に目覚めました。24時間の睡眠です。

-------------------------------------------------------------------
(しぃ) 6番がAM9:00に陣痛?を訴えたため、レモナ先生を呼びに行かせる。
     AM11:00、6匹のベビを出産。即座にヘロインを吸引したため、
レモナ先生が育児放棄&ベビの治療が必要と判断し、ベビ棟に、ベビを連れて行った。

8番 PM4:26よりお祈り、PM4:30よりコウビ中。
継続して監視をお願いします。

177 名前: 14.モニター室 投稿日: 2003/12/09(火) 10:05 [ BzRMHfQs ]
「・・・・・????」
何でここに連れて来られたのだろうという表情の5人がいた。

モナーがモニター室の機械の操作をしながら、
「本当に見せたかったのはこれ!」とあるモニターを指差した。
モニターに移った画像を皆が見ると、しぃがなにやら祈りをささげている。
「音声を今聞かせるから、ちょっと待ってな。」とギコがなにやら
つまみを引くとしぃの祈りが聞こえてきた。

「マターリノ カミサマ マターリノ カミサマ シィノ トコロニ ギコクンヲ ツレテキテ クダサイ。
ギコクント コウビガ シタイデス。」

一番早くて2分ぐらい、遅くても5分以内に床の穴から棒のような物が生えてきた。
モニター室のボタンを操作しながら、モナーが説明した。

「ここの画面じゃ見づらいけど、あの棒はティンポだ。今は、モナーが連絡したけど
いつもは、この部屋の監視当番が、しぃやちびしぃの祈りを見つけたら、
ボランティアさんたちの詰め所に連絡を入れて、元気な人たちが、
ああやって抜いてもらってるんだよ。」

「ボランティアさんの顔も見てもらおうか。」
とギコがモニター室のボタンを操作し、床下の様子が映し出されると、
モニター室に爆笑が響いた。床下には恍惚の表情を浮かべた、
かなり顔の造作が不自由な男性が横たわっていたのだ。
「笑わせに来たのか!お前ら!」笑いをかみ殺しながら擬古矢が言うと、
「3ヶ月のグループの部屋を見終えると、地獄が待ち構えているので、笑い収めだから。」
と、冷静な顔のモナーが切り返した。

(地獄??)ちびには地獄の意味がわからなかった。
混乱が、ちびの顔を青ざめさせ、息も少々荒くさせていた。
「ちびちゃん。大丈夫?」擬古矢がちびを気遣った。
「ええ。ちょっと混乱しただけです。」

「ちびちゃん。百聞は一見にしかずモナ。後2部屋見終わると地獄の意味がわかるモナ。」
「そうだな。漏れ達も、下調べの意味もこめてちびちゃんと一緒に来てるんだからな。
 しっかり、地獄を見ておかないと駄目だな。」

モナ川とモラ谷に少々力づけられたのだろうか、ちびに少し開き直った感じが見えた。
「モラ谷さん。モナ川さんありがとう。
ギコさん。モナーさん。次はちびしぃの部屋に行きましょう」

ちびがモラ谷・モナ川に礼を言い終わった頃、ドアをノックする音がなった。
「そろそろよろしいですか?」という、ボランティアの問いに
「お。悪かったな。祈りの時間を記載をしたのと、ボランティアさんの連絡は済ませたので
続けて監視を頼むよ。」とモナーが答えた。

モナーとボランティアのやり取りと平行して、
ギコは、ダッコ映像の面々・ちび・擬古矢にそろそろ次の部屋に行こうと促していた。
5人がそれに同意すると、モナーに、「そろそろ次の部屋に行こう」と呼びかけた。
モナーが同意すると、監視当番のボランティアに、皆で礼を言い、モニター室を出た。

178 名前: 15・実験棟(3ヶ月・ちびしぃ部屋) 投稿日: 2003/12/09(火) 10:07 [ BzRMHfQs ]
ちびしぃの部屋に入ると、ガラスの壁の向こうで、ちびしぃもマターリの神様に祈りをささげていた。
(ヒョコッ)床の穴からばらばらにボランティアの男性のペニスが出てきた。
もぐら叩きを思わせる光景で、微笑ましく思えたらしい。ちびしぃが思わず微笑み、
思わず、「もぐら叩きみたい。」とガラスの向こうの様子を表現した。
「ちびちゃんは、面白い事言うなぁ。」「うまいね。どうも。」
モラ谷、モナ川が感心していると、ギコが釘を刺した。
「おいおい、みんな。あの状態が普通じゃない事は頭に入れてくれよ。」
ノートを数冊持ったモナーが続けた。
「ちびギコの部屋でも言ったけど、このグループの被験者は
もう相手を思いやることが出来なくなっているんだ。自制というものがきかなくなっているんだよ。」

「はーい。先生わかりましたぁ」おどけた擬古矢が返事をすると、
「じゃあ、このノートを見て確認しますね。ちょっと先生恥ずかしいけど見てください。」
とモナーもちょっとふざけながら、古い日記を持ってきたので、
モラ山・モナ川・モラ谷・ちび・擬古矢は「はーい。」と幼稚園の園児のような
返事をし、日記のページを開いた。
-------------------------------------------------------------------
★月△日 ちびしぃ部屋

・マターリノカミサマ イツモ アリガトウ ゴザイマス。
オイシィ ショクジニ ギコクンノ ティンポ。 シィハ トテモ シアワセデス。

・7バンノ ゙シィチャント コンド ナンニンノ ギコクンヲ イカセルカ
キョウソウ シマス。 カミサマ ドウカ シィヲ カタセテ クダサイ。 3バンノ シィ

・モナーサンガ「この穴の前でお祈りを捧げると、マターリの神様が、
シャイなギコを連れてきて、しぃちゃんとコウビさせてくれるモナ。」ト オシエテクレタ。
タメシニ オイノリシタラ ホントウニ ギコクンノ ティンポガ ハエテキタ。 ソレニ トッテモ オオキクテ ツヨカッタ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★月△日 ちびしぃ部屋 記入者 モナー

フサギコは、某おもちゃメーカーに感謝を捧げていたので、
モナは、ボランティアさんに感謝を。
よく、お祈りに合わせてタイミングよくティンポを出せるよな。しかも、たたせて・・・・
あるボランティアさんが言ってたっけ。
「1回じゃもったいないので、ためて最低2回は抜いてもらう」って。
もったいないって感覚を持ってること自体感服する。

モナは、とんでもない誤解をしていたことを告白しなければならない。
性欲の亢進が見られるのは、コカインや覚醒剤等のアッパー系麻薬だけだと思っていた。
ヘロインでも同じ状況が見られるとは思わなかった。反省。

ボランティアさんよりお祈りの頻度が上がっていると報告を受けた。
人数は被験者の5倍程度はいるので、お祈りには誰かしら応じられるだろう。
もし全員腎虚になったら、また募集をかければいいだろう。

モニター室の確認も必要になるが、疲労感が麻痺している者が出始めているようである。
日記の記述から推測すると、自制がきかなくなっているのだろうか?
それとも、もともと自己中心的な性格が、さらに増長しているのだろうか?

-------------------------------------------------------------------------
「モナーさん、両方。」ちびは思わず、日記に書かれた質問に答えていた。
「研究者でも、誤解することがあるモナ?」モナ川に突っ込まれると、
「お恥ずかしい・・・」とモナーが顔を赤らめていた。
しばしの沈黙の後、
「こうやって、研究は進んでいって、いろんな物が開発されていくんだね。」
とちびが、かなり強引なまとめと思われる言葉を口にした。
「ちびちゃん。フォローされるとかえって恥ずかしい。いっそ笑ってくれ。」
モナーがさらに顔を赤らめている。

「ちびちゃんがまとめてくれたんで、次行ってみるぞゴルァ。」
某○リフターズの●かりや氏を思わせるギコの一声に皆が背中を押され、
ちびしぃ部屋を後にした。

179 名前: 16・実験棟(3ヶ月・しぃ部屋) 投稿日: 2003/12/09(火) 10:09 [ BzRMHfQs ]
「コメディの最終幕だぞ。ゴルァ。」
ギコのそんな言葉に後押しされるかのように,ちび達はしぃの部屋に吸い込まれた。
ガラスの向こうを注視してみると、奇妙な光景を目にした。
小用を我慢していると思われるしぃがいたのである。
「モナーさん?ギコさん?あれ・・・・なんすか?」
「ションベンを我慢してるモナ?」

モナ川とモラ山の質問に、ギコが笑いながら答えた。
「ハハハ。あれか?見ての通り、ションベンを我慢してるんだ。
薬の効果をできるだけ長く持たせたいんだろうよ。顔を洗わなくなるのもいるし、
体を洗うのをやめるのもいるぞ。ま、ここは製薬会社なんで、
衛生面はきちんとしないといけないからな・・・・・」

モナーが続ける。
「ちなみに、洗顔と風呂の担当もボランティアさんだよ。
うちのボランティアさんは3Kどころじゃないよね。
きつい・汚い・暗い・キモイ・危険・・・・・・
あ!抜いてもらうんで気持ちイイだ。6Kだね。」
皆がいっせいに「モナーさん、最後の違う!!」と突っ込みを入れていた。

かなり場違いと思われる和んだ空気の中、モラ谷はある一点を凝視していた。
ボランティアの入口とは別の場所に鉄格子のドアがある小部屋があるのだ。
まるでペナルティボックスか留置所を思わせる小部屋である。
ちびしぃ部屋や、ちびギコ部屋にも、実は小部屋はあったのだが、入室者はいなかった。
この部屋で、初めて入室者を見つけたので質問することにした。

「あの檻は何ですか?何かの罰用ですか?」

モナーが答える。
「ああ、衛生面をきちんとしないとって、さっきギコが言ったでしょ?
もう、薬を長く持たせるためなら何でもやりますって言う感じで
小便まで飲んじゃうのがいるんだよ。糞は洗い流すから安心だけどさぁ。
小便までは・・・ってことでペナルティだな。」

「そうなんですか。でも、禁断症状がそろそろ・・・」

「おお、出てるぞ。見てみろあれを。」
ギコが指差した先を見ると、ペナルティボックスの中のしぃががくがくと震え出していた。
「音声も聞かせるか?」と言うギコの申し出にモラ谷は甘えることにした。
ギコがモニター室に連絡を入れて、数十秒後に音声が聞こえてきた。

「シィィィィィィィ サムイヨォ ギコクン タスケテヨォ・・・・」
しばらくすると、小部屋の中でしぃが暴れ始めた。
「イタイ イタイ カラダジュウノ ホネガ バラバラニ ナル!!!
タスケテ タスケテ オナガイ タスケテ!!」

「そろそろ ボランティアさんにもう一回連絡が必要だな。」
しぃがのた打ち回る光景を見ながら、モナーがだるそうに呟いた。
「え?」モナ川が思わず声をあげる。
「1人スカトロレースが始まる前に、ボランティアさんに入ってもらって
洗浄の準備をしてもらわないと。」と、モナーが続けた。
「スカトロレース????」
その場にいたダッコ映像の面々や、ちびの不思議そうな声に
今度はギコが説明した。
「モナー。連絡は頼んだぞ。そう、禁断症状の中の1つで下痢を繰り返すっていうのがある。
・・・・・っていってる間に始まったぞ。」

「しまった、遅かったか・・・」
連絡を終えたモナーが思わず呟いた。
「ほれ、あれが1人スカトロレースだ。」
ギコが指差す方向を見ると、しぃがもの凄い量の便を小部屋中に撒き散らしている。
勢いがついてしまったのか、体が車のスピンのように回転している。
回転が止まり、しぃがぐったりして倒れた。小部屋の床はまるで、
こげ茶色のじゅうたんが敷き詰められたようになっていた。
「ほら、前に便秘の話をしたでしょ?薬を飲んでいる間は便秘するって。
禁断症状が始まると、反対に下痢を繰り返すんだよな。溜まっていたから
量も物凄いし、それに臭いも・・・・・」
「・・・・・・・」
モナーの説明に、皆顔をしかめた。沈黙と気まずさが時間を長く感じさせる。

ガラスの壁の向こうでは、被験者のボランティアに対する罵声が響いていた。
「ナンデ オイシイ ウンチサン ステチャウノヨ!」
「コリコリノ ウンチサンガ マタ イイノニ ナンテコトスルノヨ!!!」
ボランティアは無言で小部屋の床と、
小部屋の入所者のしぃの体に水をかけて洗浄作業をしていた。

180 名前: 16・実験棟(3ヶ月・しぃ部屋) 投稿日: 2003/12/09(火) 10:11 [ BzRMHfQs ]
ギコは内線電話でモニター室と連絡をとっていた。
これ以上、この部屋にいる必要は無いと思ったのだろう。
ギコが電話を切って少しした後、ガラスの向こうの音声が切れたのだ。
付箋の貼ってあるノートを彼は持ってきて、
「妊娠しぃについての記述だ。読んでみるといい。記述者のレモナさんは
 レモナ棟で会った人だよ。」といってノートを差し出した。
ノートを見ると、彼女の前任者の医師の助手を彼女が務めていた頃に書かれたもののようである。

-------------------------------------------------------------------

◇月●×日 しぃ部屋

・ベビチャンガ ウマレタケド アンナ ブサイク イラナイヤ。
ギャクサツチュウガ ツレテイッテクレタ。 アシタカラ マタ オクスリ スッテ マターリダネ!

・アンナニ ギコクント アイシアッタノニ ナンデ ベビチャン デキナイノカナ?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇月●×日 しぃ部屋 記入者 レモナ

今日は、ガナー先生のお手伝いで、しぃ部屋の分娩と流産・死産の処置の手伝いをしました。
4匹出産。案の定4匹全員ドラッグ・ベビーです。
ガナー先生の指示で、ベビ棟の保育器に全員移しました。
彼らを使って、解毒治療の練習用にするそうです。
ここは、医師も育てている製薬会社だったのねと初めて実感。
解毒治療に成功した場合は、乳児院に出すそうです。
死産・流産した胎児は看護士に頼んで、焼却炉に運んでもらいました。
10数匹いたかな?

あれだけ、ヘロイン漬けなのに妊娠できる個体がいること自体驚きでした。
普通、生殖機能が低下し、流産・死産が普通なのに。
生まれたベビは血液中の麻薬も一緒に摂取しているため、生まれた時点で
禁断症状が出始めている状況です。母親はといえば、自分の体力を省みず、
早速ヘロインの吸引を始めています。

ベビ棟の日誌にも詳しく書く必要があるのですが、
生まれたベビはみな小さいです。レコ種?とかいう種類を
実際見たことがあるのですが、彼らと同じくらいか、それよりも小さい。
でぃなみの金切り声を上げている個体もいれば、虚脱状態になっている個体もいます。
解毒の実習の開始です。成功すればいいけど・・・・
ベビがあれだけ弱ってるとなぁ・・
-------------------------------------------------------------------------

「こういう実験していてこう言うのもなんだけどさ。
ドラッグの最大の被害者ってベビ達やちび達じゃないかと思うんだ。」
モナーが思わず声を漏らす。

ギコもぼやいていた。
「俺みたいな仕事の奴が言うことじゃないけども、
神様って、いたずら好きだろって思うときあるもんな。本当にベビが好きで
ベビを欲しがってる夫婦には子供ができないで、お前は子供を産むんじゃないよって
馬鹿どもが子沢山なの。全員に平等に愛情を注ぐべきなのに、虐待したりする馬鹿もいるじゃんか。」

「やるせなくなってくるモナ。」モナ川も困惑した表情をしていた。

「でも、ちびしぃやしぃ、ちびギコ・フサギコを連れてくるためのセールストークは
浮かびました。3ヶ月のグループを見せてもらってたら、釣るネタは満載でした。」
ちびが少々にやけながら話している。

「ちびちゃん。釣るネタを見つけたんなら、今度は釣られた連中の末路にも興味はある?」
「もちろんです。っていうか見とどける責任があるんだと思うんです。」
モナーの質問に少々びくつきながらも、ちびが答えを返した。

モナ川とモラ山の顔は青ざめ、震えていたが、モラ谷に一喝された。
「お前ら何を震えてるんだ。ちびちゃんがあんなにがんばってるのに。
ここをでて、6ヶ月のグループの所へ行くぞ。」

「はい・・・・」二人は力無い返事をする。
「じゃ、お願いします。」モラ谷の言葉を合図に皆はこの部屋を後にした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ちびちゃんの社内研修2日目 (パート1)です。
次回社内研修(パート2)行きます。

今回は、警察関係のホームページと、小説スレ(前々スレ?)保育日記ネタと、
山口椿さんの著書を参考にさせていただきました。

181 名前: 実験者 投稿日: 2003/12/09(火) 23:36 [ vU18C2/o ]
実験
実験目的
=よく「生まれたばかりのベビしぃは暖めておかないとすぐ死んでしまう」といわれているが、それが事実かどうかを確認するため。

実験概要
=子を産んだばかりのしぃからベビを取り上げ、ベビしぃをそのまま母親から離して放置する。

実験経過
①しぃからベビを5匹取り上げた
 →「シィノアカチャンカエシナサイヨ」としぃ切れる。実験の妨げになると困るため、腕と足を引き千切っておいた。

②ベビを調査する
 →薄ピンク色の皮膚にはまだ毛がほとんど生えていない。
 →「チィ」とか「ジィ」とか泣き声が聞こえる
 →まだ足も不自由で目も開いていない。もぞもぞとしている姿はまるで芋虫のようだ。 
 →軽く握ったら「ギヂィ」といってすぐにつぶれてしまった、手が真っ赤になり気持ちが悪い。
  →どのくらいの強度か試すために、追実験を行った、ベビしぃの上に錘を載せ何グラムまで耐えられるかというものだ。
    100g…流石に何もならない、もぞもぞと這い回る
    200g…「ギィ」とうなる、少し苦しそうだ。
    300g…「ギギギギ」と意味不明の音声を発し始める。もう駄目かもしれない
    400g…「ギチチチチチ」といってつぶれる。トマトをつぶした時のようだ。
     30gまでなら耐えられるらしい。
  →実験中しぃが「シィノアカチャン…」と言いうつむき何も言わなくなった。
 
③2体のベビを放置する
 →30秒ごとに計測した。
  30秒…寒そうに体を震わしている。
  60秒…いったいが既に死にそうな声で鳴いている、2引き寄り添う。
  90秒…弱弱しく「チィ」とないたのを最後に一匹が動かなくなった。(このときしぃは「シィノベビチャンイナクナッチャウヨー」と叫んだが放置)
  120秒…「キィキィ」となきながら、動き回っている。どうやら母親を探しているようだ。
  150秒…ここで母親を放してみた。手足のない母親ははいずりながらベビの元へと向かう。
  180秒…母親がベビの元にたどり着くが、ベビはその直前にやはり「チィ」とないたのを最後に動かなくなる
        しぃは「イママデイキテイタノニ ゴメンネベビチャン オカアサンガモットハヤクコレバヨカッタンダヨネ」と自分を責めている。

④最後のいったいを母親にわたし暖めてもらう。
 →一回冷えても暖めたらちゃんと生きていけるのか?それを試すために、30秒放置していたベビしぃを母親のそばに置いた。
  →「サイゴノベビチャン シィノベビチャン タイセツニソダテルンダカラネ」といいながらぺろぺろとベビをなめる
    しかし手足がないので抱くことができない、どうするのかと見ていると、
    「ハニャ? ダッコサン デキナイヨー アッ ソウダ カラダゼンタイデ ダッコシテアゲレバイインダワ」
といい、ベビしぃ上に覆いかぶさった。
    →「ペシャ」と音がし、しぃの下から赤い液体が流れ出てくる。何があったのだろう?
     おそらく、ベビしぃはしぃの体重に耐え切れなかったのではないか?全く予想外の出来事だった。ベビしぃが尽きたため実験はここで中断する

  →実験後しぃは「ベビチャン …ハニャンハニャン」といって踊り始めた。どうやら発狂したようだ。研究室を荒らされると困るため、胴体と首とを切断した後焼却処分した。
  

  感想 ベビしぃは肉体的に非常に脆いということが分かりよかった。

182 名前: 厨房 (XR97Y6Ho) 投稿日: 2003/12/10(水) 00:36 [ unayI4lc ]
小説物初めてしてみました

<1/3>
「  メリークリスマス!  」

12月24日クリスマスの夜 
3匹の仲のいいしぃたちが街を並んで歩いていた
それぞれが「クリスマス限定」などの品物を持って

 「ソロソロオナカガスイテキタワネェ」
一番左を歩いていたリボンをつけたしぃは言った
その相づちをうつように
 「ソウネ ソロソロジカンダシココラヘンデイイミセサガシマショウ」
と真ん中のひときわ目立つ服装をしたしぃは言った

しかしクリスマスというだけあってどこの店も家族連れやらカップルやらで混雑している
無論 3人に彼氏などいない
 「ドコノミセモスグタベレソウニナイワネ」
リボンをつけたしぃがそう言った矢先 3人のうち最も服が素朴で
頭に何もつけていないしぃは一軒の暗い店を見つけた
どうやら中には客はだれもいないようだ
 「アノミセナラスグニタベレソウジャナイ?」
3人はその店で食べることにした

中にはいってみると外から見た感じよりもかなり薄暗かった
どうやらこの店の明かりはろうそくだけのようだ
そして何より暗いのは店の中だけでなく
ウェイターは勿論のことそこにいる店員の顔も皆無表情で暗い顔をしていた
店内のそのような雰囲気に押されつつも
3人は「シェフお勧め 肉をふんだんに使ったスペシャルコース」を注文した

183 名前: 厨房 (XR97Y6Ho) 投稿日: 2003/12/10(水) 00:37 [ unayI4lc ]
<2/3>
一つ目の料理が終わり 頭にリボンをつけたしぃはトイレへと向かった
それから10分後 次の料理が来た
料理は百人に聞けば百人が絶賛するほどおいしいものだった

それから10分が経過した
リボンをつけたしぃがトイレに行ってから2つ目の料理が来ているというのに
まだそのしぃは帰ってこない
不思議に思った派手な服を着たしぃは 様子を確かめるためトイレへと向かった。

それから10分がたとうという頃 最後のメインディッシュであるステーキが来た
一人取り残されたしぃは3分ほど待ったが 2人の帰ってくる気配は全然ない
おかしいな? と思いつつ最後のしぃはトイレへと向かった

その店のトイレはその辺りの駅や映画館くらいの広さはあった
・・・が、人 もといしぃの気配はない
不思議に思いながらも そのしぃは席に戻り 冷めかけたステーキを頬張っていた

すべての料理が終わり しぃは一人連れの二人が帰ってくるのを待っていた
しばらくするとウェイターが「食後のデザート」を持ってきた
その皿に盛られている物・・・ しぃはそれを見て目を丸くした

そのデザートにかけられているソースは・・・ おそらく本物だろう
しかしその皿の中央に盛られている物・・・ それは
先ほどトイレに向かったはずの二人の生首だった
最後の生き残ったしぃは悲鳴を上げそうになったが
恐怖のあまり声が喉に詰まって出ない
ウェイターは無表情のまま振り向き 店の奥へと消えていった

184 名前: 厨房 (XR97Y6Ho) 投稿日: 2003/12/10(水) 00:37 [ unayI4lc ]
<3/3>
そのときしぃは恐るべきものを目にした
壁にかけられた鏡・・・ そこに映っているウェイターの顔は
口が耳まで裂け 真っ赤に染まった目に蛇のような瞳孔をぎらつかせていた
しばらく「何かの見間違いだ」と自分に言い聞かせていたが すぐにそれは打ち消された
厨房の奥から なにやら不気味な声と包丁を研ぐような音が聞こえてきたからだ

  このままここにいたら殺される・・・
そう思ったしぃは無我夢中で店の外へ飛び出した
 ・・・これを世間では「食い逃げ」というのだろうが・・・
しぃはすぐ近くにあった交番に駆け込み ちょうど今自分が体験したことを話した

しかし しぃは警官とその店に戻り 愕然とする
ついさっきまであったレストラン・・・ そこは柱までが脆く焼け焦げた廃屋となっていた
警官の話ではの1年前のちょうどこの日 ここで火災があったという
解体しようとした人は解体日前日に次々に原因不明の病で亡くなったという
都内でも有名な「心霊スポット」だったらしい

生き残ったしぃは ひとり雪の降る街を歩いていた
警察の調べでは 二人の死体など出てこなかったという

あのままあそこに残っていたら自分は一体どうなっていたんだろう・・・
そして あの二人は一体どこに行ってしまったんだろう・・・
すべての真相は 今となっては誰にもわからない・・・

185 名前: (4JopRUKA) 投稿日: 2003/12/11(木) 19:39 [ G40NytLw ]
1/2

 「はみ出した腸を元のように詰め直すのは、実に難儀だとは思わないかい?」

そんなことを言いながら、彼は泣きわめくちびギコの腹を綺麗に縦に裂いた。
それはそれは健康的なピンク色の腸がにゅるりと飛び出す。
彼はそれをじっくり眺め、それから腹からはみ出した部分をナイフで切り取った。
痛みのあまり声を失い、けれどそれでもまだ生きているちびギコ。
彼はそれに空恐ろしいほど優しい、慈愛に満ちた微笑みを向ける。
そして彼の手には、いつの間にかナイフではなくソーイング・セットが握られていた。
女の子が持っているような、可愛らしい花模様の付いたものだ。
中から、これまた可愛らしいパステルイエローの糸を通した針を取り出す。
彼が傷口に手を突っ込むと、ちびギコは小さく呻いた。
気にせず彼は、はみ出た部分を切り取ったせいでできた上下の切り口を探る。
そして器用な手つきでそこを縫い合わせた。
両手に付いた、これから排泄物になる予定の物体と血糊をタオルで拭い、
ちびギコの腹の傷口を、これはスカイブルーの刺繍糸で閉じる。
……まあ、血糊のせいで色なんてわからなくなっていたけれど。

 「僕は君のような被虐生物が大好きなんだ。それはもう、愛してると言ってもいいほどに」

切り取った腸を手際よくペットボトルの水で洗い清めながら彼は言う。

 「 だって、君たちはこんなにも脆いのに、
  はらわたをちょっと引っこ抜いて適当に縫い合わせたくらいじゃ死なないんだよ。
  それって実は凄いことだと僕は思うんだ」

虚ろな瞳で彼のことを見ていたちびギコの耳を軽く引っぱり、ちぎり取る。
背中にしょった大きなリュックからカセットコンロと小鍋を取り出し、彼はまた微笑んだ。

 「それに君たちはとても―――」

186 名前: (4JopRUKA) 投稿日: 2003/12/11(木) 19:39 [ G40NytLw ]
2/2

 「―――とても、美味しい」

小鍋にペットボトルの残りの水と、コンソメらしい塊を放り込み、コンロに火をつけて。
彼はまた、無造作にちびギコの耳をもいだ。

ちびギコは、静かに息をしながら、生きている。
生きて、顔をわずかに苦痛で歪ませ、けれどその瞳に既には生気が無い。

 「今はまだ、こうして火を通さないと食べられないんだ」

むせ返るような血の臭いの中、食欲をそそる香りが漂い出す。
すっかり白くゆで上がった腸を鍋から出し、
彼は代わりに先ほどむしった耳を放り込んだ。

 「でもきっといつか、僕は生でも君たちを美味しく食べられるようになると思う」

そうなったら僕はさっきみたいに引っぱり出した腸を、そのまま食べてみたいなぁ、
きっと、ちゅるちゅるっととても滑らかに僕の口の中に入ってくると思うんだ。
何かとんでもないことを言いながら、彼は湯気を立てる腸をナイフで一口大に切り、
美味しそうに口に含んだ。

ちびギコは、ただただぼんやりと、つい先ほどまで自分の腹の中にあったものが
彼に美味しそうに咀嚼されていく様を見つめていた。

コンソメの香りが、緩やかに部屋の中に流れている。


 「君も食べるかい?」

彼がつい、と腸の乗った皿を差し出す。

私は、遠慮します、とだけ言って、ちびギコに倣って彼の食事風景を見続けた。

187 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/11(木) 23:24 [ fNRJJ4Ag ]
>>170続き「地獄の12月24日」
いきなり入って来たモララー達は、手にスポイトのようなものを持っている。
モララーはしぃの生殖器に当てて、何かの液体を入れている。
すると入れ終わった後、スピーカーに向けてこう言った。
「アフォしぃ一匹に人工授精が成功した。どうぞ」
するとスピーカーからギコ・Hの声が聞こえてきた
「よくやった、今月の目標は5匹だから頑張ってくれ」
どんどんモララー達はしぃを捕まえて生殖器に液体を注入している。
しぃ達は「イヤァ!!ヤメテヨウ!!!」などと叫んでいる。
あっという間に五匹に液体を入れるとぶち破った壁を金属の壁で溶接して扉を出て、扉の鍵を閉めて帰っていった。
部屋の中では・・・
「ギャクサツチュウニ、ナニカサレチャッタヨウ・・・」
「安心シテ!マターリノ神様ガキットアボーンシテクレルワ!」
「コンナノイヤダヨォォォォ!!!ギコクンダッコオオオオオ!!!!」
などと言っている。
そうしている内にしぃ達はウトウトして寝てしまった。
      

     明日は何をされるか分からない不安を抱えて・・・

188 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/12(金) 21:54 [ UmM4pj6o ]

      ― モララー研究所 研究員の日記 ―

9月18日

科学長から真実を聞いたとき、言葉を失った・・・
例の奇病・・・
あれは、実験体に使用していたしぃの体内にある
ウィルスに感染した為だという・・・
「しぃウィルス」・・・
仮に「それ」はそう呼ばれた
しぃ達のおよそ1万匹に1匹が体内にそれを飼っているのだという・・・
それに感染すると体中に腫瘍ができ
どんどん肉体が変化して、1週間も経てば完全なしぃになってしまうという
恐ろしいウィルスだ
我々が実験体として使っていたしぃ達の中に
そのウィルスを持ったしぃがいたのだ
しかもそのウィルスは空気感染、接触感染、血液感染・・・
あらゆる方法で感染可能という
その為、感染の恐れのある者は全て殺した・・・

しかし・・・何故だ・・・
感染しているのなら何故漏れとモナーはしぃになっていない・・・?
それどころか初期症状すら出ていない・・・
何故・・・?

科学長が言うには、どうやらそのウィルスに対する免疫を持った者も
中にはいるという
我々がそうだというのか・・・?

混乱する中、科学長は突然あることを言い出した

189 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/12(金) 22:07 [ UmM4pj6o ]

      ― モララー研究所 研究員の日記 ―

科学長「まさか実験体の中にいるとはとんだ誤算だったが
    これで証明できたな」

モララー「・・・え?」

モナー「・・・」

科学長「モナー君、君に注入した神の細胞はどうやら
    ウィルス等ものともしないようだね
    最もそのくらいできなければ
    我々としても研究してきた甲斐が無いというものだがね」

モララー「・・・な!?」

モナー「・・・」

科学長「おお、そうだった。
    モララー君、君には教えてなかったね」

モララー「・・・・・・・・・・・」

科学長「実はモナー君には秘密裏に神の細胞の試作品を
    注入しておいたのだよ」

モララー「・・・!!」

科学長「計画遂行の第一歩としてね」

モララー「じゃ・・・じゃあ・・・」

科学長「おっと、勘違いしなでくれたまえ
    彼が自分から申し出たことなんだ
    それに彼に注入したのはあくまで試作品なのでね」

モララー「モナー・・・お前・・・」

モナー「・・・」

                    ―続く―

190 名前: 三大珍味の作者 投稿日: 2003/12/13(土) 16:09 [ vFI1VziE ]
「不老不死」

 降りしきる雨の中、一台の車がほとんど舗装されていない砂利道を進んでいく。車内には無言でハンド
ルを握る男と同じように無言でじっと前を見つめる男の二人がいるだけだ。
ラジオからは流行歌が雑音混じりに聞こえてくる。と、緊急ニュースを告げる男の声で歌が中断された。
『ニュースをお伝えします。旧虐殺党派の過激派分子二名が急進派勢力のマタ板党派の中心的存在だった
 議員数名を誘拐し、現在もその行方はわかっておりません。警察は・・・。』
ハンドルを握る男が無言のまま、ラジオのスイッチを切る。
「行方不明・・・か・・・。」
「あの世に送ってやったんじゃないか。俺と二人でな。死体はすぐ目のつくところに晒し上げたはずだぜ。
 多くの大衆はそれを見ているはずだ。」
「問題なのは生死ではなく、その存在だ。目撃者の証言なんてのはあとで都合のいいように解釈できる。」
「つまりは、後々の調査で死体が見つかり、ただ死んだのではなく、連中の言い方を借りれば我等の理想
 の為に盾となって散って行ったと誇張されて発表されるというわけさ。」
「今やマタ板党派による情報操作は議会全体にとどまってはいないから、当然と言えば当然だな。」

 彼等二人は昔虐殺党と呼ばれる超タカ派で知られる団体に所属していた。しぃ族やちびギコ種といった
被虐AA達の弾圧や排斥を主とする実行部隊の一員として。過去にこの国は経済的な繁栄を得るために高
度経済成長計画を発表した。一部では成功したものの、それは地方と都市部との経済的格差を深め、誰も
が平等に暮らせる社会を得る事は出来なかった。
そこに貧困層が主体となって被虐AA達による対虐殺党運動が展開されたのである。
 特に『ダッコを捨て、武器を抱こう』という思想をもった過激思想を持つしぃ族の集団は死をも恐れぬ
自爆攻撃を敢行し、虐殺党員を震えあがらせた。
 互いの戦闘はしばしば市街戦の様相をも呈し、一般市民にもそれに巻き込まれて死傷者が相次ぐように
さえなった。
 そんな折、対虐殺党運動の中核を担う組織と虐殺党との間で公式的な和平交渉が締結するという信じら
れないような出来事が起こった。
 対虐殺党組織は今までの非を詫びると共に全ての武装を解除し、対する虐殺党も実行部隊の解体に応じ
るという事態となった。

191 名前: 三大珍味の作者 投稿日: 2003/12/13(土) 16:14 [ vFI1VziE ]
「けど、めでたしめでたしってわけじゃなかったんだよな。」
助手席にいた男が沈黙を破って語り始めた。
「俺達みたいな過激な事しか知らない隊員なんてのは平和になればお払い箱。どいつもこいつもAA殺し
 という偏見の眼差しでしか見てくれやしない。おまけに昔殺された仲間の仇とかなんとかで命を狙われ
 る始末。おかげでゆっくりと眠る事すらできやしない。」
「そうだな・・・。だが、それは今も変わっちゃいない。殺るか殺られるかの表裏一体の世界。」

そう。彼等のように全てを潔しとせず、地下に潜伏して密かに抵抗運動を続けている者は数多くいた。
いつの時代も大局の流れにさからい、死をも辞せずに戦う者はいるのだ。

 やがて車は湖のほとりに立つ古城へと辿りついた。白亜の宮殿とも形象されるにふさわしい荘厳な作り
のそれは見る者を圧倒させるような雰囲気を醸し出している。
 車は橋げたを通り抜け、高さが10m近くあろう門を潜り、城内へと進んでいく。八頭身の彫像が置か
れている噴水を中央においた庭園に辿りつくと男は車を停めて表へと姿を現した。
 ハンドルを握っていた男は背広の上に袖口の擦れた多少年季の入った皮製のコートを着ている。目つき
は鋭く、左頬には刃物で斬り付けられたかのような傷跡が深く刻み込まれており、眼光の鋭さも手伝って
見る者を後ずさりさせるような強さに満ち溢れている。
 助手席にいた男も安全を確認したのか、ドアを開けて表へと出て来た。 最初に姿を現した男とは対照
的に瞳があるのかさえもわからないぐらい細目が特徴的で、服装もTシャツにGパンとラフな格好である。
「ここにいると風邪をひく。中に入ろう。」
「そうだな。」

木製の重厚な作りからなる扉を開けると、そこには覆面をつけ、白衣に身を包んだ男性の姿があった。
「ようこそ、二人とも。歓迎するよ。」
「あんたか、俺達に頼みたい事があるというのは。」
「その通りだ。玄関で立ち話もなんだ、奥でゆっくりと話そうじゃないか。」
「いいだろう。」

192 名前: 三大珍味の作者 投稿日: 2003/12/13(土) 16:15 [ vFI1VziE ]
二人が案内されたのは部屋の中央に大きな暖炉がある応接間だった。暖炉を中心にして大きめのソファー
が置かれており、そこに二人は腰掛けた。
テーブルを挟む形で目の前に男性が座る。
「それじゃあ手っ取り早く用件を話してくれよ。」
細目の男が身を乗り出すような体勢で白衣の男性に話しかける。
「わかった。そちらの男性には話したが、もう一度話そう。私はある実験を行っていてね。それに協力し
 てもらいたいんだ。」
男性の口調は穏やかだが、覆面越しに見える瞳は薄汚れた色に染まっており、それがどのような実験なの
かはだいたい想像がついた。
「それはいいとして、俺達に支払われる金はきちんと保証してもらえるんだろうな?」
「もちろんだとも。とりあえずこれに好きなだけ書くといい。」
そういうと白衣の男性は胸ポケットから一枚の紙切れを取り出すとテーブルの上に置いた。
「こりゃ(・∀・)イイ!! 」
細目の男は紙切れを見るとおどけたふりをして喜びを表した。
「ここで俺達に金を渡しておいて、俺達が逃げるということを考えないのか?」
二人のやり取りを黙って見ていたコートの男は白衣の男性に問い掛けた。
「それはない。君達が逃げる事など有り得ないからな。」
白衣の男性の自信に満ちた声の理由は後になって証明された。

 細目とコートの男性が白衣の男性に案内され、連れてこられた部屋の壁面には日本刀や長槍、ジャマダ
ハルにヌンチャク、はては柱時計からモップに胡椒といった様々なものが陳列されていた。
「ここにある武器は私が諸国を渡り歩いて収集してきたものだ。どれでも好きな物を使ってくれ。」
柱時計なら鈍器として使えるのだろうが、胡椒を武器と呼称する白衣の男性のセンスが理解できない。と、
コートの男は思った。
「それで俺達に何をしてくれっていうんだ?」
「簡単な事だ。これから私が被虐生物を出すから、適当に殺してくれればいい。」
「たったそれだけの事でわざわざ呼び寄せたのか?」
「そうだ。君達の過去の経歴を調べた上で、最も適任だと判断したんだ。」
「その前にあんたの名前を聞かせてもらいたいな。俺達の自己紹介は別にしなくても構わないだろう。」
「名前か、まあいいだろう。私の名前はシラー。」
「シラーさんか、じゃあとっとと始めてくれよ。」
細目の男は壁面にあったひとつの武器を手に取るとその感触を確かめるかのように素振りをしながら話し
かけた。
「わかったよモラ一(イチ)くん。そちらのほうも準備はかまわないね、モラ貴くん。」
「ああ・・・。」
シラーが部屋からでるとモラ一は素振りをやめ、モラ貴に話しかけた。
「どうもきなくせえなぁ。この部屋のつくりを見ろよ。天井だけじゃなく部屋の隅には一つずつカメラが
 設置されてる。しかも広域用の音声取得マイクまで装備されていやがる。」
モラ貴が周囲を見まわすとモラ一の言う通りの物が二人の姿を捉えている。
「いざとなったら俺は逃げるぜ。ここは・・・ヤバい。」

193 名前: 三大珍味の作者 投稿日: 2003/12/13(土) 16:17 [ vFI1VziE ]
と、会話を遮るように部屋の壁の一部が上へと開き、そこから4匹の小さな被虐生物が姿を現した。
「ミュー、ミュー?」
「ここはいったい・・・?」
妊婦ちびしぃとその子供達であろうちびベビは二人の様子に気付く事無く部屋の中を見回している。
「始まったようだな。」
モラ貴がそう言うと、モラ一は手にした武器を隠しもって彼等に近づいていく。妊婦ちびしぃが気付いた
のと同時にちびベビの一匹がモラ一に近づく。
「ミュウ!ミュウ!」
「いけません!危ない!」
妊婦ちびしぃはただならぬ雰囲気をモラ一から感じ取ったのか、ちびベビを呼びとめようとした瞬間。
「ミュギャ!」
モラ一の手にした武器がベビの頭部にぶつかると同時に衝撃でベビの頭部は弾け飛んだ。胴体のほうもそ
れに耐えきれずに四散し、腹部の内容物や骨などが飛び散った。
「イヤアアアア!!」
「この武器、面白いなあ。」
モラ一は子供のようにはしゃぎしながらベビとちびしぃへと近寄る。
「こないでください!あなたたちはなんなんですか!」
自分の子供を目の前で砕かれた妊婦ちびしぃは瞳に涙を浮かべながらも、小さな手を左右に広げ、背後に
いる子供たちを守ろうと懸命になっている。
「必死だなぁ。そんなに頑張ってる様を見てると俺も頑張らないといけないよねえ。」
武器が妊婦ちびしぃの頭上へと振り下ろされる瞬間、彼女は目を閉じた。
『私が守らなきゃ・・・死んでも守らなきゃいけないっ!!』
直後に肉が潰れる音が聞こえる。同時に彼女の背中になにかがぐちゃりと張り付いた。
 それはぬめっとした、暖かい何か。
感覚があるという事は自分が生きているということになる。
 妊婦ちびしぃはおそるおそる閉じていた瞳を開くと、目の前にはひきつるような狂気の笑みを浮かべて
いる男の姿があり、右手にもっている鉄の棒からは鎖が伸びている。
 鎖は妊婦ちびしぃの頭上を通り過ぎている。ゆっくりと背後を振り向くと、そこには鎖の先についた鉄
球の直撃を受け、先程のベビと同じように肉塊と化したベビの死体があった。
「グッドモーニングスターッ!!・・・なーんつってな!」
「ア・・・アアア・・・。」
背中に付着した暖かいものはかつて自分の子供だった肉片の一部だった。
 モラ一の使った武器は木の棒の先端に鎖がついていて、鎖の先には直径50cm程の鉄球が固定されてい
るものだ。 鉄球には無数の棘が突き出しており、その威力の程はちびベビの惨状を見れば明らかである。
「いやあ便利だ。糞ちびの命をぶっ殺すだけでなく、同時に 手前の無力さを痛感させちまうんだものなあ。」
そう言うとモラ一はケラケラと笑い声をあげた。
「ヒ・・・ヒアハ・・・ハッハ・・・ハハハ・・・。」
それに釣られるかのように、妊婦ちびしぃもまた笑い出した。狂ってしまったのだろう。
精神的ショックからか、ズルリッと彼女の股間からドス黒い血の色に染まった胎児が出てくる。
「おやおや、君の赤ちゃんだよ。ってももう流産した事にも気付いてないか・・・。親切な俺が戻してあげるよ。」
そういうとモラ一は胎児を掴むとちびしぃの股間に無理やり自分の腕ごとねじこんだ。
「ッヒアッハギャバァ・・・ヒィギ!!ギュワギャアグエエエエエエエエエッ!!」
「おうおう・・・肘の辺りまで赤ちゃんごと呑み込んでやがる。たいした糞虫だな。この淫売め!」
モラ一がその言葉を言い終わると同時に妊婦ちびしぃは白目を向き、生き絶えた。
 腕を引き抜くと、局部からは血がどろどろと流れ出してくる。死体は糸の切れた操り人形のようにモラ
一の手でコンクリの床へと投げ付けられた。
 腕についた血をポケットから取り出したタオルでふき取るとモラ一の顔はさっきとはうってかわって爽
やかな笑顔でモラ貴に話しかけた。
「もうちょっと楽しんでからでも遅くはないか・・・。なあ?」
「お前がそういうならそうしろ。」
「つれないなあ。」                     =続く=

194 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/14(日) 08:07 [ 34LXiTwI ]
>>187続き「地獄の12月24日」
朝・・・・
しぃ達がなにやら騒いでいる
「一人イナクナッチャッタヨウ・・・」
「ドコイッタノカナア・・・」
その一人・・・いや、一匹はギコ・Hの手によって地下のいろんな機械のある場所に
連れて行かれていた
しぃは盛りの猫のように騒いでいる。
「ヤメテエエエエエ!!!ナニスルノ!!ギコクン、クリスマスパーティーにヨンダンジャナカッタノオオオオオ!!!」
ギコ・Hはニヤニヤしながらこう答える
「ナンデお前らみたいなクズを呼んだか教えてやろうか!それはベビしぃを生ませて
金儲けするんだよ!それとなあ!俺はロボット工学もやってんだよ、お前らみたいなクズでも
強くなれるように改造するんだよ!!」
するとしぃは首を左右に振ってこう答える。
「イヤダヨオオオオオ!!!!アンタモギャクサツチュウネ!!!」
するとギコは呆れた様な顔をしてこう言った
「す〜ぐに「ギャクサツチュウ」だ・・・お前がその「ギャクサツチュウ」に勝てる
ように改造してやってんじゃねーか!!都合の良い事言ってんじゃねえやゴルァ!!」
そう言うとギコ・Hは手術台のような所にしぃを仰向けに乗せ手足を固定した。
「イヤダヨオオオオオ!!!!ヤメテエエエエエ!!!」
そうしぃが叫ぶとギコ・Hはこう言った
「俺なりの優しさとして麻酔は打ってやるよ!!」
そう言うと麻酔をしぃの左腕に打った。
・・・薄れ行く意識の中この声だけが聞こえた・・・
「さ〜てまずは骨から変えねえとな・・じゃあチタン製フレームを入れるか!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何時間寝ただろうか・・・しぃは目を開けた・・・・・
するとギコ・Hが喜んでいた。
「やった!成功だ!!」
続く

195 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/14(日) 08:37 [ 34LXiTwI ]
>>194続き「地獄の12月24日=シィライダーDAKKO=参上!」
ギコ・Hは目覚めたしぃに気がつくと冷静になって声をかけた。
「成功だ、お前は八頭身より・・いや、グレートカメモナーより強い戦闘能力を身に付けたし、
全角で喋る良しぃとして生まれ変わった・・・そしてお前の名は・・・」
ギコ・Hは一息ついて強く言った
     「今日からお前の名はシィライダーDAKKOだ!!」
しぃはこう言った
「私の名前・・・?何故だ、私は外見も変わってないはずだ」
ギコ・Hはこう答えた
「それはお前が発見する事だ・・・それと繁殖用に監禁してあるしぃを皆殺しにして来い」
しぃはコクンとうなずいて、この部屋を出て行った
・・・そしてしぃ達を監禁している部屋に着いた


ギコ・H施した良しぃに性格を変えた実験だが、しぃの性格は無理やり変えたのでは
なく、いったん記憶喪失状態にして良しぃの記憶にすり替えたのだ。
 
        アフォしぃを皆殺しするための殺人人形として・・・・
続く・・・

196 名前: 野モ 投稿日: 2003/12/14(日) 10:30 [ D0kxwtpA ]
モラ野のお話会。

…どうも、こんにちは。
 
今、このスレッドをご覧になられる貴方達には初めて出会いました。

放浪のモラ野です。通称、野モです。

私は、あちこちを歩き、どこかに留まっては血生臭い話をするのが趣味なんですよ。

今日からこの宿屋、つまりこのスレッドに居座って貴方たちにお話をしようと思います。

別に聞かなくても結構なんですけどね。ハッハッハ。

……さて被虐生物はご存知ですね?

そう、貴方たちが毎日のようにぶち殺しているちびギコ、しぃ達のことです。

私が聞いた被虐生物にまつわるちょっとした話を聞かせてあげましょう。

話によっては、相当長くなるかもしれませんが……

197 名前: 野モ 投稿日: 2003/12/14(日) 10:33 [ D0kxwtpA ]


                  深紅の怨念〜血吸い包丁〜


まずはある包丁のお話です。ここ(スレッド)にいる皆さんは何の為に、包丁を使いますか?
                    
当然皆さんなら、料理だけじゃなく、被虐生物をさばく為に使ったり、

あらゆる部分を斬り離すのに使用しますよね。斬るたびに辺りに響く悲鳴はたまりません。

ところで皆さん、包丁を深紅に染めたことって、ありますか?赤より深い赤色に。

これは私の叔父から聞いた話ですが、

包丁に深紅に染めるには、何百リットルという血を必要とするようですよ。

でも、ひょっとしたら、

              その血には何千リットルという怨みがこもってるかもしれませんね……

    〜序章〜「理由」

明朝6時のこと。
「大変デチ!大変デチ!モラ教ニ取リ囲マレタデチ!」
ちびギコ共和国 東方地方 チビタン砦のその日で聞こえた第一声だった。

3年前、モナー歴231年、
アブリア大陸制覇を目指すモララ教国(モラ教)は
主モララエルのみ信仰するモララ教の教えに反する
マターリ教を信仰するちびギコ共和国に対し、
「教えに反する異教徒は狩るべし」と理由をつけ、
教国最強の「アブノーマル軍」を派遣。共和国の中央を制圧。
王デチモアとその一家を惨殺し、共和国を自らの属国にする。
その後、「国が無理を強いる状況になったらどうなるか」
という心理学者の意見をとりいれ、
シミュレーション的に共和国を政治を大きく改革させた。
宗教の改宗、階級制度に更なる圧力を追加、
また、共和国が保護する難民のしぃの虐殺を命じさせる等、
共和国従来の文化に圧力をかけた。
そのため、自由を求めて集団で亡命する下級民や、

マターリ教の信仰が特に強い東方地方はこれに反対。
共和国から独立し、一人、モラ教に抵抗ののろしを上げるが、
1年後、その勢力は次第に衰え、東方軍は各地を敗退。
いつしか降伏も時間の問題となっていた…。

198 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/17(水) 07:34 [ tacBEVnQ ]
>>195続き「地獄の12月24日」最終章前編
私はアフォしぃ達の居る部屋のドアを蹴り倒した。
バタンッと大きな音に驚いたのかキョトンとしている
しかし奴らは私が無事に戻ってきたと思ったのだろう一斉に声をかけてきた
「モドッテキタノネ!!」
「ミテミテ!ベビチャンウンダンダヨ!」
後者の方のアフォしぃが4匹のベビしぃを見せる
「(こいつは・・・・ベビフサか・・・)」
私は戸惑った、アフォしぃを抹殺する命令が下ったが元の目的はベビしぃを産ませて
売り飛ばす作戦だったのだ。
ましてや、こいつは毛皮も肉も売れるフサベビだ。
私はトランシーバーで連絡を取った。
「ギコ・H!聞こえるか?ナンバー008がベビフサを四匹ほど産んでいる!!」
するとギコ・Hはこう言った。
「親は殺せ、ベビフサは生け捕りにしろ!」
私は了解!と言うとトランシーバーの電源を切った。
そしてベビフサの親、ナンバー008の虐殺に取り掛かった
続く

199 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2003/12/19(金) 16:00 [ wXrwQlUg ]
1/3
AA達が暮らしている町があった。
町の名は暗闇横町。
その町には一人のオシリスがいた。

そして彼は連続殺人犯だった。

オシリスは障害者のAAばかりを狙って殺していた。
精神病院や障害者のいる家に忍び込み、罪の無い彼らを殺すのだ。
それでも、今まで、一度たりともオシリスは罪の意識にとらわれなかった。
そう、一度たりとも。
今日のオシリスの獲物は、自宅で介護を受けている老人モナーだった。
痴呆が進み、介護している家族も疲れ果てていた。
家の者が留守の隙をつき、オシリスは老人モナーの家に忍び込んだ。
老人の部屋。老いた者独特の臭い。窓から差し込む明るい光が、宙に舞う埃を照らし出す。
そして白いシーツの上に寝かされた老人モナーは、子供のように無垢な笑みを浮かべていた。
オシリスに気付くと、ニコニコ笑いながら手招きをした。
「良い子だねぇ。お菓子をあげようね」
布団をまくり、綿くずが付着した茶色いリンゴを取り出した。
リンゴは柔らかい品種の物で、小さく切られた物だった。おそらく、老人のオヤツだろう。
「お食べ……」
オシリスを自分の孫だと思っているようだ。自分を殺しに来た者を最愛の孫と間違えている。
老人の笑顔がオシリスの目に飛び込み、血管を通り、心臓に突き刺さった。
連続殺人鬼、オシリスがほんの一瞬だけ、罪悪感に襲われた。
が、一瞬は一瞬だ。
オシリスは老人のシワクチャの手に握られたゴミの付いたリンゴを口に当てた。
心から嬉しそうな、老人の笑い顔。
オシリスはリンゴを飲み込んだ。
そして、それと同時に老人の息の根を止めた。
ハルペーと言うエジプト式の三日月型ナイフが老人の首を掻き斬ったのだ。
ゴロンと音を立てて首が床に落ちた。手持ち花火のように傷口から血が吹き出ている。
老人の部屋。老いた者独特の臭い。窓から差し込む明るい光が、宙に舞う埃を照らし出す。
そして、畳に染み込んだ血も太陽に照らされていた。

200 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2003/12/19(金) 16:00 [ wXrwQlUg ]
2/3
心の奥底にチクリとした痛みを感じつつも、数日後オシリスは次の標的を見つけた。
暗闇横町から少し離れた精神病院の、目の見えないしぃ。
オシリスは以前、この病院に忍び込んで殺人を働いたことがある。
ずさんな管理体制。忍び込むのは簡単だった。

夜。闇の世界。精神病院の、見つめるだけで正気の者も発狂しそうな原色の緑の壁。
鬱。躁。ボダ。依存。強迫観念。様々な狂気を内包する建物。
その建物の一室に、目の見えないしぃがいた。
目の病気ではない。彼女は自ら自分の目をえぐり出したのだ。
しぃは悪夢にうなされ、眠ることを恐れているのだ。
もっとも、目があるから眠るわけでもないのだが。
その日の晩も、悪夢を恐れてしぃは起きていた。
そして、夜の来訪者に気付いた。
「アナタハ 誰?」
目の見えないしぃは侵入者の気配に向かって尋ねた。
所詮あいては盲目の少女。と、オシリスは高をくくった。
冥土の土産に、質問に答えるくらいは構わないだろう。
「連続殺人鬼。お前を殺しに来た」
意外にも、しぃは驚かなかった。単調な声でまた問いかけてきた。
「何故?」
「赤い手帳……」
押し殺した声でオシリスは言った。赤い手帳、彼が連続殺人鬼になった原因。
「赤? ……アァ、私ハ 直接見タコトナイケド、アレネ。赤い手帳ッテ」
障害者手帳。オシリスは障害者ばかりを殺している。
しぃはちょっと怒っている。自分が殺されるかもしれないのに、強気だ。
「チョット、チョット! 何ヨ ソレ。差別ニ シテハ 行キ過ギジャナイ?
 何デ 私ガ ソンナ差別デ 命ヲ 取ラレナキャ イケナイノヨ?」
「単なる差別じゃないさ」
オシリスはハルペーを持つ手を下げた。
「聞かせてやるよ、私の過去を」
オシリスは静かに回想に入った。
しぃも、殺されるかもしれないと言う自分の立場を忘れ、いささか憤慨しながら話を聞くことにした。

201 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2003/12/19(金) 16:01 [ wXrwQlUg ]
3/3
数年前、暗闇横町を歩く幼いオシリスと、その妹の大耳。
本屋で幼児向け雑誌の付録を吟味している大耳がいた。
オシリスはちょっと離れたところで、『エジプトの歴史』を立ち読みしていた。
その時だった。
大耳とアヒャが狭い店内でぶつかってしまったのは。
店内で客同士がぶつかるのはよくあることだった。ただ、相手が悪かった。
アヒャ。精神障害を抱える者。
大耳はアヒャに突き飛ばされ、崩れた雑誌が大耳の上に降り注いだ。
アヒャは大耳に近付き、しゃがみ込むと、その拳を幼気な大耳の顔面に叩き付けた。
店主や大人の客達が何とかアヒャを大耳から引き離した頃には、大耳の顔は赤紫に腫れ上がっていた。
オシリスは恐怖のあまり動けなかった。
そして、アヒャは店主達を振り切ると、あの手帳を突き出した。
あの赤い色をオシリスは一生忘れないだろう。
障害者手帳の赤い色。
皆、どうすることも出来なかった。

妹はその後顔の腫れが引かず、中学時代に化け物と罵られ、イジメを苦に自殺未遂をした。
今でも精神的に安定せず、過食に陥ってしまった。

しぃは、溜め息を吐いた。
「ソレハ……。大変ダッタノネ」
オシリスはハルペーを握り直した。
「私の妹をあんなにしてしまったアヒャが憎い。
 あの手帳を持つ者には手出しできない。私は、許せない」
「ダカラ 精神ニ 障害ヲ 持ツAAバカリヲ 殺スノ?
 馬鹿ミタイネ」
オシリスはしぃに詰め寄った。怒りで刃物を持つ手が震えている。
「お前らが、私の妹にどれだけ深い傷を与えたことかっ……!」
しぃのマブタが開いた。空っぽの眼窩がオシリスを飲みこむように、見据えている。
「オ前ラ……カ。ソウヤッテ 一ククリニ シナイデ。
 妹サンニ 暴力ヲ 振ルッタノハ、確カニ 精神ニ 異常ヲ キタシタAAヨ。
 ダカラト言ッテ、全テノ 精神障害者ニ アナタガ 暴力ヲ 振ッテ 良イコトニハ ナラナイデショ」
小さな子供に言い聞かせるような口調だった。
オシリスは、黙って精神病院を抜け出した。
殺すはずだったしぃを殺さずに。

精神障害があるからと言って、何をしても許されるのだろうか。
妹の復讐のためなら、精神障害者を殺しても良いのだろうか。
オシリスとしぃは、今でもこのことについて、深く、静かに考えることがある。

 暗闇横町・殺人鬼オシリス 完

202 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/22(月) 19:10 [ gAWtH9lk ]
ある日、1匹のしぃが荷物を持って歩いていた。
毛の色は明るい緑色をしているオスのしぃである。名前はマシィ
「ここが新しい僕の町か…」
彼はどうやら引っ越してきたらしい。
「家はっと…どこにしようかな?」
ちょうどその時、近くに人がいたので彼は聞いてみた。
「ああ、そこの人…僕を泊めろ」
なんと運の悪い事に相手はモララーだったのだ。
「ん〜?って…てめえ!糞虫の分際で俺にタメ口か?いい度胸してんじゃないか」
相手はやる気満々なのにもかかわらず、マシィはまた相手を怒らすような事を言った。
「偉そうなこと言ってないでおまえんち、どこ?」
モララーが殴りかかろうとしたその瞬間…。
「イタワヨ ギャクサツチュウ シイチャンノパンチ ウケテミナサイ」
しぃが2、3匹走ってきたのだった。
「ウゼえのが増えたよ…死ねよ糞ども!」
モララーはまず、最初のしぃの喉元を掴み、身動きを取れなくしてから右側の耳を引きちぎった。
「ハニ゛ャアアアアアン シィノオミミガーー」
1匹目がなきわめく。
モララーはそのなきわめいているしぃを2匹目に投げつけた。
「ハニャ!?」
ひるんだ2匹目にどっかからか取り出したナイフを投げた。
「シギィィィィ…シィノ…オナカガ…」
モララーが近づいてナイフをひきぬくと2匹目の腹から腸がてできた。
「ハギャアアア!イダ…イヨオゥ」
そのしぃはそのまま生き絶えた。
モララーは最後のしぃの方を見て歩み寄った。
「……ダ…ダッコスルカラ…ユルシテ」
おびえて座り込んでいるしぃを見下ろしてモララーはニヤニヤしている。
「しぃちゃんパンチはどうしたのかな?」
しぃはそっと後ずさりしようとしたが、すぐにつかまり顔面から地面に叩きつけられた。
「ヘブゥッ!ヤベデ…イッジョニマダアリジヨウヨ…」
しかしモララーがそれを聞き入れるはずもなかった。
頭を踏み潰され即死した。
その光景を黙ってみていたマシィをモララーはジロリと睨んだ。
「誤るなら今のうちだぞ?ダッコか?マターリか?」
マシィはおびえさえせずうざそうにしていた。
その態度にイラついたのかモララーは怒鳴った。
「いい加減にしろ!ゴミの分際でさっきからバカにして!」
「君…短気だね」
その瞬間、モララーの持っていたナイフはマシィの腹部に刺さっていた。
「うっ…」
激痛にマシィは顔をゆがめた。
「オイ!いつものセリフはどうした?シィノオナカーーーだろ?」
モララーはナイフを乱暴に動かした。
絶叫、うめきすら聞こえない。不思議に思ったモララーは上を見た。
「え…?って、モギャーーーーー!!」
刺していたのは人形、そしてモララーの頭上には巨大な蝿がいたのだった。
『僕は本当は蝿の悪魔なんだよ…しぃは仮の姿……』
マシィは人間界に修行しにきていた悪魔だったのだ。


その後、そのモララーの姿を見たものはいない。

203 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2003/12/23(火) 22:21 [ Ujiha0b. ]
1/2
AA達が暮らしている町があった。
町の名は暗闇横町。
その町には一人のちびギコがいた。

そして彼は『家畜』を飼っていた。

暗闇横町には、一軒の八百屋がある。
その八百屋の息子、ちびギコは『家畜』の世話をしている。
今日も、八百屋の裏側にある『家畜』の薄汚い小屋の前で座り込んでいる。
ちびギコは意地の悪い笑みを浮かべた。
「明日はお前の仲間が沢山殺されマチね」
ちびギコの手が、『家畜』の秘められた場所にそっと触れた。
『家畜』は、ビクンと体を震わせた。
「おや? ちびタンに逆らうなんて。お前も仲間達みたいに皮を剥いで逆さ吊りにされたいんデチか?」
『家畜』の仲間達は、今頃、足も首を切り取られ、
かつて生き物であったことを感じさせない程、残酷な死骸を晒していることであろう。
どんなに抵抗しても、敵わない。敵うはずがない。
殺す者と殺される者、力の差が大きすぎる。
……ちびギコは空き缶を二つ取り出した。
中には、蠢くミミズが無数に入っていた。
もう一つには、ころころと太った青虫が入っている。
ミミズは庭で、青虫は八百屋の商品のキャベツから取ってきた物だ。
「汚い雌め。お前の餌は、このキモイ虫共で充分デチ」
『家畜』の糞にまみれた小屋に、虫をぶちまける。
「さぁ、食べろ」
ブリブリした体を動かしながら、虫達は小屋の床を這いずり回る。
「全部食べなきゃお仕置きデチよ」
『家畜』は口を直接虫に付けて、食事を始めた。
虫の体液が飛び散る。
ミミズの泥臭い匂い、青虫の青臭い匂いが小屋の中に漂う。

204 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2003/12/23(火) 22:22 [ Ujiha0b. ]
2/2
『家畜』が虫を全て食べ尽くすと、ちびギコは手を伸ばした。
手が、『家畜』の女の部分に触れる。
「ちびタンに……よこせっ!」
ちびギコは舌舐めずりをした。涎が厭らしく糸を引いた。
『家畜』は女の部分をゆっくりと押し広げた。
殺されないために。自分の命を守るために。

 ポトリ。

ちびギコの手に、白い卵が落ちた。
「はぁ、無事にキャッチ出来マチたね。
 この小屋の床、硬いから卵が時々割れちゃうんデチよね。
 近いうちに、おが屑でも撒かなきゃ」
ちびギコは生まれたての卵を手に、八百屋の店先の父の元へと駆けて行った。
「卵取ったデチよ」
「ありがとうな。あ、ちょっと横町の外れの肉屋に買い物に行ってくれないかゴルァ」
明日はクリスマスイブ、ローストチキンを食べるのだ。本当はターキーを食べたいところだが。
ちびギコは父親ギコの言いつけで、肉屋にチキンを買いに行くことにした。
卵を父親に手渡しながら、冗談を言う。
「ちびタンの家にもニワトリがいるデチよ」
「ギコハハハ。アイツは食べちゃダメだぞ。卵を産んでくれる」

暗闇横町の八百屋で飼われている『家畜』兼ペットの雌鶏は、
今日も元気に卵を産んでいることだろう。

 暗闇横町・八百屋のちびギコ 完

205 名前: FFTマニア…いや、FFT大好き 投稿日: 2003/12/24(水) 06:41 [ Pa5xkPgg ]
ぁりぇなぃ虐殺屋

とある板にそれはあった。アブ板。そこはAAがとめどなく虐殺される、いわばAAの墓場である。
そして、いつものように虐殺が繰り広げられていた。その中に虐殺を生業とする者達がいた。
彼らの名は────…
掃除屋(虐殺のことならお任せ!)
プルルルル、プルルルル
電話だ。また虐殺の依頼だろうか。
???「はい、掃除屋です。」
???「おう、モララーか」
モララーと呼ばれたAA「なんだ、ギコか。で、なに?もうアフォしぃを頃すのは飽きたぜ。
ギコと呼ばれたAA「まぁ落ち付け。今回はチビフサを頃してくれ。」
モララー「分かった。で、どこで頃せばいい?」
ギコ「そうだな…墓場…でいいかな?」
モララー「分かった。じゃあな」
カタン…
一方、今日のしぃは…
アフォしぃ「キョウモゲンキニs(ry」
しぃ「あんたたちなによ?モララー呼ぶわよ?」
アフォしぃ「ナニヨ!コノギャクサツチュウ!アンタコソモララーサンニギャクサツサレナサイヨ!!」
しぃ「口だけは達者ねぇ。五月蝿いのよ、ピィピィキィキィ騒いじゃって。あたしのグロックC17を受けたいの?」
パン!
アフォしぃ「シィィィィィィィィィ!シィノオメメガァァ!」
しぃ先生(山奥)「さーて、家に帰って2chでも見ようっと。」
あんた、来るなよ…(汗
掃除屋の様子は…
モララー「ここか…。」
チビフサ「ぎゃあ、モララーだ。」
ぷちっ(何かが切れた音)
モララー「てんめぇぇぇぇぇぇ!!」
チビフサ「ぎゃあ、怒ってる!」
モララー「ちょっと来い(怒。」
チビフサ「うわぁぁぁぁ!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
チビフサ「イ…イタイデチ」
モララー「おう、文句あっかこんにゃろう。」
チビフサ「…」
モララー「よし、氏んだな。さー帰ろ」
つづく(かも
今日はこんくらいにしとこ。

206 名前: FFTマニア…いや、FFT大好き 投稿日: 2003/12/24(水) 06:41 [ Pa5xkPgg ]
ぁりぇなぃ虐殺屋

とある板にそれはあった。アブ板。そこはAAがとめどなく虐殺される、いわばAAの墓場である。
そして、いつものように虐殺が繰り広げられていた。その中に虐殺を生業とする者達がいた。
彼らの名は────…
掃除屋(虐殺のことならお任せ!)
プルルルル、プルルルル
電話だ。また虐殺の依頼だろうか。
???「はい、掃除屋です。」
???「おう、モララーか」
モララーと呼ばれたAA「なんだ、ギコか。で、なに?もうアフォしぃを頃すのは飽きたぜ。
ギコと呼ばれたAA「まぁ落ち付け。今回はチビフサを頃してくれ。」
モララー「分かった。で、どこで頃せばいい?」
ギコ「そうだな…墓場…でいいかな?」
モララー「分かった。じゃあな」
カタン…
一方、今日のしぃは…
アフォしぃ「キョウモゲンキニs(ry」
しぃ「あんたたちなによ?モララー呼ぶわよ?」
アフォしぃ「ナニヨ!コノギャクサツチュウ!アンタコソモララーサンニギャクサツサレナサイヨ!!」
しぃ「口だけは達者ねぇ。五月蝿いのよ、ピィピィキィキィ騒いじゃって。あたしのグロックC17を受けたいの?」
パン!
アフォしぃ「シィィィィィィィィィ!シィノオメメガァァ!」
しぃ先生(山奥)「さーて、家に帰って2chでも見ようっと。」
あんた、来るなよ…(汗
掃除屋の様子は…
モララー「ここか…。」
チビフサ「ぎゃあ、モララーだ。」
ぷちっ(何かが切れた音)
モララー「てんめぇぇぇぇぇぇ!!」
チビフサ「ぎゃあ、怒ってる!」
モララー「ちょっと来い(怒。」
チビフサ「うわぁぁぁぁ!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
チビフサ「イ…イタイデチ」
モララー「おう、文句あっかこんにゃろう。」
チビフサ「…」
モララー「よし、氏んだな。さー帰ろ」
つづく(かも
今日はこんくらいにしとこ。

207 名前: 紅い夜【1/5】 投稿日: 2003/12/25(木) 11:29 [ Zw6nKFEU ]

ちらり、ほらりと雪が舞う
商店街の煉瓦に白い絨毯が敷かれ始める

ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る

彼は思う そのメロディを聞く度に
クリスマスなんて、日本人の俺には関係ない

赫く彩られた街とは対称的に、海は蒼く濁っていた
命を欲し、死を欲し、数多の触手が空を切る

彼の目に絨毯に刻まれた跡が留まる
目で先を追うと崖の端に白い封と長靴が残っていた

警察に寄ると、失恋を悲観しての飛び込みだと云う
彼は彼女を拝む事は無かった

結局彼は聖夜を一人で過ごした。

208 名前: 紅い夜【2/5】 投稿日: 2003/12/25(木) 11:29 [ Zw6nKFEU ]

彼方此方に芽生える息吹
ぬかるんだ地面には緑の絨毯が敷かれ始める

彼の目は目の前の、若い女性に向けられていた
書類を片していた彼女と不意に目が合う

彼女はにこりと微笑んだ
彼は彼女に心奪われていた

彼は彼女に交際を申し込んだ
彼女は快く受け入れた

209 名前: 紅い夜【3/5】 投稿日: 2003/12/25(木) 11:31 [ Zw6nKFEU ]

ぎらぎらと輝く太陽
焼けた砂浜に海の「死」が見える

彼の目は目の前の、若い女性に向けられていた
サングラス越しにも彼女は輝いて見えた

熱にやられたカーナビ
密室なのが悪かった
辺りは既に暗かった 彼は車の中で過ごす事を提案する
乙女の頬は赤く染まった

外の闇とは対称的に、密室の中は熱く、赫く
死の中にも、生は産まれる

その晩、彼等は初めて二人で夜を過ごした

210 名前: 紅い夜【4/5】 投稿日: 2003/12/25(木) 11:32 [ Zw6nKFEU ]

死の欠片はオーケストラを奏でる
かさりかさりと身を摺り合わせ

最後の大喧嘩の晩に彼女は黙って出ていった
彼が引き止める間もなく

翌日のオフィス 口を利くことも無く
書類を片していた彼女と不意に目が合う

彼は目を背けた。彼女の頬に一筋の涙が尾を引いた。
彼女は逃げるように立ち去った

彼女の涙とは対称的に、彼の恋は冷めきっていた

しかし彼女は今だ彼を忘れてはいなかった

211 名前: 紅い夜【5/5】 投稿日: 2003/12/25(木) 11:32 [ Zw6nKFEU ]

ちらり、ほらりと雪が舞う
商店街の煉瓦に白い絨毯が敷かれ始める

ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る

彼は会う そのメロディを聞きながら
彼女と最後のクリスマス 最初で最後のクリスマス

商店街の喧騒とは対称的に、海は蒼く、そして深く
まるで産まれる命をまた飲み込むかのように

彼女の目は彼が刃物を持っている事に気が付いた
彼女は逃げようと試みた
対する彼はそれを握りしめ、先を追う
崖の端に立たされた彼女 純白の雪景色は朱に染まる

彼は

彼は商店街を歩いていた
血濡れの包丁を携えて

道行く人の目線などどうでもいい
雪と血で冷えきった身体も気にしない

踏み切りの手前 耳を劈く汽笛の音
海 貝殻 落ち葉 血
彼が最後に咲かせたそれは、最後の死の美としても恥じない様だった

Merry Christmas!

212 名前: 性事家 (ljhgl5wM) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:15 [ VJ/enW8g ]
地下室で体を密着させる男女が一組。

「では、遠慮なく」
義故内がしぃ子を立たせ、彼女の背中に手を回す。

次の瞬間、彼女は脇腹に違和感を感じた。
いつもと違う感覚・・・・・・。

ふと目をやると、そこには鋭利な刃物が突き刺さっていた。

彼女は目の前の光景を理解できなかった。
だが、思考が現実を受け入れる前に突き刺さった刃は垂直に動かされ、それに合わせ激痛が襲ってくる。
「シイィィィィィィィ!」

彼が刃を抜いた後には細長い“穴”が出来上がっていた。
その傷口からは、止め処無く鮮血が溢れる。

彼女はその場に倒れこむ。

「ビョ、ビョウインニ・・・ビョウインニ・・・。」
自分をこんな目にあわせた男を罵る事もせずに、ひたすらに“病院”という単語を繰り返す・・・・・・。
先程までの高飛車な女がそこには無い事に、彼は少し落胆した様子で問いかける。
「あれ? 怒らないんですか? かわいいしぃちゃんをこんな目にあわせたのに・・・虐殺厨とかって罵らないんですか?」

その言葉は彼女の耳には届いていない様で、ただ、
「・・・・・・ビョウイン・・・シンジャ・・・。」
と、力無く呟くだけであった。

少し残念そうな表情を浮かべていたが、彼の男性自身は大きく隆起していた。
「まあ、いいでしょう・・・。私の方は大分興奮して来ましたよ・・・。」
彼女の傷口に手をあてると、彼に笑みがこぼれる。
「おやおや・・・貴女の方も大分濡れてきましたね。 互いに・・・準備は良いようですね。」

そう言うと彼は、大きく膨張したモノを彼女の傷口にあてがい、そして挿入し始めた。

彼女は、悲鳴を上げない。
ただ、小刻みに体を揺らすだけ。

「おや・・・・・・? 痙攣ですね・・・声も出ませんか?」
彼は、腰を前後に動かす運動を繰り返す。
「出来れば、喘ぎ声の一つでも出しては頂けませんか? 相手の女性が無言ですと寂しいのですよ。男として。」

「・・・・・・ナンデ・・・?」

「おや? 感覚に慣れてきましたか・・・。 さぁ・・・美しい声を・・・聞かせて下さい!」
言い終わると共に、彼の腰つきは激しさを増した。

彼女の絶叫がこだまする。

そして・・・静かになった。

「おや・・・限界の様ですね。」

213 名前: 性事家 (12AQRsvY) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:16 [ VJ/enW8g ]
キョウモ オトコヲ マツノ。

シィコハ コウビデ オカネ モラウノ。

シィコハ トッテモ カワイイカラ オカネモ タクサン モラウノ。
 
デモ ヨノナカニハ ビンボウニンガ オオイカラ ナカナカ オキャクガ イナイノ。

ビンボウニンハ ヒガンデ コウイウノ。

「お前なんぞにこんな金が払えるか! 鏡を見ろ!」

イヤネ ビンボウニンハ。

アラ? チョット コノミノ オトコガ・・・。

コエ カケヨウ!

「ネエ コウビ シヨウヨ!」

・・・・・・アレ?  ハンノウ ヘンネ。

「カワイイ シィチャンガ サソッテ アゲテルノヨ? ソレニ オウジナイノハ ギャクサツチュウト ホモヤロウ ダケヨ!」

214 名前: 性事家 (y7P56WJ2) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:16 [ VJ/enW8g ]
最近はやけに“あの”衝動に駆られる。
だが、あまり派手にやると足が付く可能性もある。
如何する・・・どうする・・・ドウスル・・・。

ン? 何だ・・・しぃか・・・。
コウビ・・・だと?

チャンスだ・・・だが、こんな者でも命ある者。
ここは自制・・・ナニィ? 虐殺厨? ホモ野郎?

それに自らをかわいいなどと・・・。
何と傲慢な女・・・いや、メスだろう。
このメスなら・・・良いか。

我が欲求不満・・・解消させて頂く!

215 名前: 性事家 (Y3.PrGQw) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:16 [ VJ/enW8g ]
さて、この後に彼女は様々な事を知る事になる。

自分が誘った相手の名は義故内だということ。

彼はその若さには不釣合な程の大金持ちで、大きな屋敷に住んでいること。

そこには一人で住んでいること。

通いの使用人がいること。

だが彼女が目を輝かせたこれ等の情報、実はさして重要でない事に彼女が気付くはずもなく、自らの運命を左右する話は半分聞き流し、肯定を意味する生返事を返すだけであった。
その質問とは、

彼は基本的に地下室でのプレイを好むこと。

彼には変わった性癖があり、それに応じてくれるなら謝礼ははずむということ。

そしてその結果は・・・最初に行き着くという訳だ。

さて、過去を顧みるだけでは面白くない。
ここで少々時間をとばしてみよう。

216 名前: 性事家 (mkg8RcNg) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:17 [ VJ/enW8g ]

「気が付いた?」

「・・・! オナカノ キズ!」

「大丈夫。ちゃんと治療されてるみたいよ。」

「ココハ ドコ?」

「地下牢。」

「アナタハ ダレ?」

「しぃ奈。 ここに居る理由は多分貴女と一緒よ。」

「ナンデ カワイイ シィコチャンガ コンナメニ アウノヨ!?」

「さぁ・・・? それは直接あいつに聞いてちょうだい。」

「アンナヤツ ギャクサツチュウニ・・・アラ? アナタノ オナカ・・・ニンプサン?」

「そうよ。」

「マサカ チチオヤハ・・・。」

「あいつの子じゃないわ。 レイプされたのよ。あいつの目の前でね。」

「エ・・・。」

「三人の男に・・・・・・何度もね。輪姦ってやつよ。 当然、父親は分からないわ。」

217 名前: 性事家 (gTmdtuFc) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:17 [ VJ/enW8g ]
突然、扉が開いた。
そこには義故内が立っていた。

「コノ ギャクサ・・・ッツ!」
猛然と襲い掛からんとするしぃ子は傷口を押さえ倒れ込む。

「ああ、縫合したばかりだから激しい動きは体に良くありませんよ。 安静にしていて下さい。まだ死なれては困りますから。」
義故内は余裕の笑みを浮かべながらしぃ子に語りかけた。

その直後しぃ奈に視線を向ける。
「御腹のお子さん、随分成長しましたね。 これぐらいならもう十分でしょう。」
そう言ってしぃ奈の腕を掴み、牢の外へと引っ張り出してゆく。

「私をどうするつもりなの?」
それまで黙って義故内を睨み付けていたしぃ奈が口を開く。

「なに、そう警戒しないで下さい。 最後のお勤めです。 終わったら開放して差し上げましょう。」
義故内の意外な言葉にも、しぃ奈は警戒を解こうとはしない。
「そんな言葉・・・信用出来ないわ。」

「だが、貴女に拒否権はありませんよ?」

有無を言わさずにしぃ奈を牢から連れ出し、扉を閉める。

険しい表情を和らげ、しぃ奈は語りかける。
「貴方は何故こんな馬鹿なことをするの?」
義故内の口元が軽く動いた感じがした後、彼は尋ねた。
「馬鹿・・・? 失礼だが君の最終学歴は?」

今更馬鹿か否かを学歴で判断する男にうんざりしつつ、表情一つ変えずに答える。
「・・・大卒よ。 残念だったわね。高卒や中卒じゃなくて。」
やや驚いたといった表情で、義故内は更に質問を続ける。
「ほう・・・他のしぃ族とどこか違うと思っていたが・・・で、どちらの? ちなみに私はゾヌボンヌ大です。」
一瞬、躊躇いの表情を浮べた後、
「・・・しぃ総合大学。」
と力なく答える。

その言葉を聞いた瞬間、こらえ切れぬばかりに表情を緩める。
「・・・ふふふ、学生達の低偏差値ワンダーランド。学び舎か遊び場か区別がつかない所から、ついた通称がシーソー台(大)・・・。」
「・・・仕方ないでしょ。 しぃ族が奨学金を貰えるのあそこだけなんですから。」
あくまで静かに抗議する。

「なるほど、そんな大学を出ても就職口などあるわけが無く、こうして娼婦に身をやつしたと・・・。」
義故内は、愉快で仕方ないといった表情で言葉を続けた。
「・・・・・・。」
しぃ奈は黙したままで彼を睨み付ける。
そんな詩しぃ奈を気に入ったのか、義故内は饒舌だ。
「貴女は中々面白い。 何か私に聞きたい事はありますか?」

しぃ奈は少し考えてから尋ねた。
「貴方、何故こんな事をするの?」
「快楽です。」
義故内の即答。

暫くあっけに取られた後、しぃ奈は搾り出すように言葉を発する。
「私たちは苦しいのよ?」
「それこそ快楽です。」
にやけながらの回答。

ついにしぃ奈の顔が険しくなる。
「・・・サディスト。」
「見くびらないで頂きたい・・・・・・そんな生易しいものじゃありません。」
義故内は余裕の表情のままである。

しぃ奈は遂に、落胆の表情を浮べる。
「私たちのことなんて全く考えていないのね。」
「そんなことはありませんよ。 私は貴女方で・・・失礼、貴女方と楽しむ時は常に貴女方を意識しています。」

しぃ奈は不思議そうな顔で尋ねる。
「・・・何故そんな嘘をつくの?」
「嘘じゃないですよ。 そうだ、私が大好きな詩を紹介しましょう。 私は貴女方と楽しむ時は常にこの詩を意識しているのです。」

218 名前: 性事家 (FpJIkmBA) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:18 [ VJ/enW8g ]
『歴史』  モナ島 モナ夫

気も狂わんばかりの母の痛みと共に

君はこの世に生を受けました

生まれたばかりの君は

自らの力では何一つ成せる事無く

父と母によって君の生命(いのち)は少しずつ育まれていきました

やがて少しずつ

そう

少しずつ

自分といふものの輪郭を

君は知っていきました

やがて君は表に出て

親の世界とは別の世界

自分自身の世界を作るようになりました

時には反抗しました

時には涙しました

少しずつ

少しずつ

君は成長していきました

その時間の重み

さまざまな出会い

さまざまな別れ

その積み重ねが

君が君であるために

目に見えないところで折り重なって存在する

歴史

219 名前: 性事家 (H5xNsZpc) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:18 [ VJ/enW8g ]
「その話を意識してるの?」
うんざりした様子でしぃ奈は口を開く。

「ええ。良い詩でしょう? モナ島モナ夫が嫁ぐ孫娘に贈った詩です。」
義故内は満足げだ。

「そんな詩を意識しながらよく殺せるわね。」
「やはり、理解なさって頂けていない様ですね。」
「してもらえると思ったのかしら?」

やれやれといった表情で義故内が語りだす。
「いいですか? 個人の歴史は決して金では買えない重いものです。」
一息ついて、背筋が寒くなる様な笑いを浮かべながら義故内が言葉を放つ。

「その全てが私のせいで・・・。」
徐々に口調が興奮をおびてくる。
「目の前で一瞬にして消滅するなんて・・・。」
目を細め、恍惚とした表情を浮べる。

次の瞬間、一気に目を見開き
「思わず精がこぼれそうになります!」

しぃ奈の顔に最早表情は無く、ただ一言
「本物の変態ね。」
と発するに留まった。

「さて、お話はこの辺にしておきましょう。 覚悟は出来ていますか?」
そう言うなり義故内は全ての着衣を脱ぐ。
彼のモノは、既に興奮状態に入っていた・。

しぃ奈は
「馬鹿にしないでよね。 覚悟くらいとっくにしてるわ。」
と強がりつつも体は後ずさりをする。

「実は、貴女は何もしなくていいのです。 楽に・・・していて下さい!」

言い始めると同時に腕を振り上げ、言い終わると同時にその腕は振り下ろされた。

しぃ奈の腹部に美しい線が現れ、そこから綺麗な赤い液体が溢れてくる。

「え・・・・・・?」

振り下ろされた義故内の手には短刀が握られていた。

しぃ奈の体から力が抜け、膝をつく。
それを義故内が優しく支える。

「失礼しますよ・・・せいっの!」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
義故内はしぃ奈の傷口に手を突っ込み、『べびしぃ』とすら呼べない成長途中の胎児の頭を掴み、傷口付近まで引っ張り出す。
そして、充分に興奮した男性自身を胎児の小さい小さい口へと挿入する。

「うぅぅぅ・・・締まるなぁ・・・。」
天を仰ぎ、恍惚とした表情で息を吐きながら義故内は呟く

義故内の腰つきは最初はゆっくりであったが、徐々に激しさを増してゆく。

欲望のはけ口となった胎児は、生きているか死んでいるかさえわからない。

しかし、血液とともに命が体外へと流れ出ていくしぃ奈にとって、それは最早どうでもいいことであった。

「覚悟は出来てる。」
それは強がりに過ぎなかった。
こうして命が確実に終わりを告げようとする中で、彼女の生へ執着は強まっていく。

220 名前: 性事家 (2Yq50MW6) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:19 [ VJ/enW8g ]
イキタイ?

いきたい・・・。

生きたい!

私が、こんなところで終わるはずが無い・・・。

私は、他のしぃ達と違って努力をしてきた・・・。

しぃ族に生まれたハンデを跳ね返してやりたかった・・・。

中学・高校と成績はトップだった・・・。

モナーやモララーといった多種族は私を生意気だと虐めた・・・。

同じ仲間であるはずのしぃ族からは嫉妬を受けて仲間外れにされた・・・。

それでも私は耐えてきた!

努力を怠った日は無かった!

まともな大学に行けば、きっと、まともな生活ができると信じていた。

でも、大学受験を目前に母が死んだ・・・。

今、私を苦しめているような奴に殺された・・・。

私は・・・シーソー台に行くしかなかった・・・。

・・・・・・。

でも、諦め切れなった・・・。

まともな大学へ行く為の学費を稼ぐ為に始めたこの仕事。

その最中にこんな事になるなんて・・・。

ああ・・・マターリの神さ・・・いや・・・止めよう。

私は、神なんかに祈った事は無い。

そんな暇があれば努力をした。

今更・・・現に、私の命は今終わろうとしているじゃないか。

マターリの神なんていない・・・。

居たとしても・・・・・・役立たずよ。

221 名前: 性事家 (ljhgl5wM) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:20 [ VJ/enW8g ]
義故内の吐息がどんどん荒くなる。
「キツイ・・・穴に・・・羊水の・・・ローション・・・タマリマセン・・・。」

既に胎児の口は裂け始めていた。
胎児の頭を掴む両手にも力が入る。

「ああ・・・で、出ますよ・・・はうっ!」
射精の瞬間、手にこれまでに無いほどの力が加わり、胎児の頭は砕け散った。

母子の血液、未完成のべびしぃの物、骨・脳・皮膚・目玉・舌・・・かつて頭部を構成していた部品たちがぐしゃぐしゃに潰れたもの、そして・・・精液。
それら全てが混ざり合った物が床に落ちる。

膝立ち状態で壁にもたれるしぃ奈は辛うじて生きている様である。
疲れて、壁に寄りかかり休んでいるように見えなくも無い。
血まみれで、腹部に穴が開き、そこから頭の潰れた胎児がへその緒によって吊られていなければの話であるが・・・。

一種の“返り血”で血まみれの義故内は、非常に穏やかな表情でしぃ奈に語りかける。
「長い間ご苦労様でした。貴女はもう、自由です。 どこへなりとご自由に・・・今から病院に向かえば助かるかも知れません。」

しぃ奈の中に微かな希望の光が生まれた瞬間であった。

「では、これでお別れです。 もうお会いすることもないでしょう。」
そう言うと義故内は地下室から出て行った。

222 名前: 性事家 (ljhgl5wM) 投稿日: 2003/12/27(土) 03:20 [ VJ/enW8g ]
神は居た。

私は助かった。

もう自由だ。

そうだとも。

いつも必死に努力してきた私がこんな所で死ぬはずないんだ。

・・・・・・え?

お別れって・・・助けてよ!

私を病院まで連れて行ってよ!

ああ・・・。

待って・・・。

行かないで!

行かないで!!

行かないでぇぇぇぇぇ・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・やっぱり、神は居なかった・・・。


第一部 完

223 名前: SCOOL DAYS 投稿日: 2003/12/27(土) 05:39 [ sqbb2WuE ]
172>>の続き

         SCOOL DAYS
                      その8

次の日から、モララーは慌しく準備を進めていった。
なにせ、残された時間はあと一ヶ月しかないのだ。
チラッと時計を見る。時間は午前7時半。そろそろチビどもを起こす時間だ。
モララーは耳栓をして、おもむろにあるスイッチを入れた。
このスイッチはモララー特製高音発生装置の電源スイッチだ。
スピーカーはチビどもに宛がわれた枕の中に入っている。無論、音量は最大だ。

               カチッ


キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!!
「フギャアア!!」
「何の音デチかぁ!?」
「シィィィィィ!!」

あちこちの部屋でチビどもが騒ぐ気配がする。
窓が震えているほどの音だ。
そりゃこんな音で起こされたほうは堪らないだろう。
モララーはスイッチを切って、マイクに切り替えた。
「みんな、爽やかな朝だね!起きた人はすぐ教室に移動しましょうね。」
さて、後は放っておいていいだろう。勝手に行くはずだ。
そんな事を思いながら、半角やデチ言葉を喋った奴に−1をつけていった。

八時。モララーは教室へと歩いていく。手には大量のプリントを持っていた。
ガラッと扉を足で開ける。全員目が真っ赤だった。泣いてた奴もいたんだろうな。
「これから皆さんにちょっとテストをしてもらいます。制限時間は一時間ですからね。」
いいながらプリントを配って歩いていった。
まったく、どいつもこいつも葬式みたいな顔しやがって。
まぁ、そのうちもっと暗くなるだろうけど。

その日から、モララーはありとあらゆるテストをチビどもにさせていった。
心理テスト、作法テスト、喋り方のテスト、一般教養、その他色々。
成績の悪いものには一応個別で「教育」してやった。


二週間後、毎日テスト漬けだったチビどもは、すっかり痩せ細っていた。
毎日集中力をギリギリまで使っていたのだから、それは無理はない。
「さてと……。」
教卓に手をついて、モララーは一息ついた。
「みなさん、お疲れ様でした。テストは、昨日の分で全て終了しました。」
「え?」
「もうしなくていいの?」
少しだけ、チビどもの顔に血の気が戻ったようだ。
「しかし」
そこでモララーは一喝する様に話を続けた。
「ご存知の通り、テストと言うのは皆さんの力を図るために存在します。
 その結果、やっぱり出来る人や出来ない人もわかります。
 えーぶっちゃけて言うと、出来ない人はいりません。何せ大人の事情で、
 もう皆さんに教育できる時間がないからです。そんな残り少ない時間で
 全員の面倒はとてもみれません。そんなワケで出来ない人は」
途端に教室のドアが蹴破られた。
チビどもは驚いて、悲鳴を上げて逃げ惑っている。あっという間に教室はパニックになった。
緊張で硬くなっていた所へこの登場だ。そりゃびっくりするだろう。
生徒達は、出来るだけ虐殺厨から離れようと、全員窓際へと逃げていった。
その喧騒の中で、誰かが叫んだ。
「虐殺厨だ!」

224 名前: SCOOL DAYS 投稿日: 2003/12/27(土) 05:40 [ sqbb2WuE ]
10人はいるだろうか、全員一目でわかる虐殺厨だ。顔もアヒャっている。
「おいおい、まだ早いだろうが。しょうがねぇな、少し待ってろ。」
モララーはクルッとチビのほうに向き直ると、手にしていたメモを見ながら言った。
「えーまぁそんなわけで、成績の悪い子は彼らの欲求を満たしてあげてください。
 簡単ですよ。ただ、悲鳴を上げて逃げてくれればいいだけですから。
 けど、しぃミちゃん、あなただけは生かしてあげます。トップの成績ですからね。
 さ、こっちおいで。」
「え・・・?」
しぃミと呼ばれたしぃは、クラスの中でも一際目を引くキレイなしぃだった。
幸か不幸かアフォしぃである親が早くに殺されたため、あまりその影響を受けておらず、
他に比べると更正出来る可能性は高かった。
しぃミは次々と起こる展開について行けてないようだ。ただ、死ななくて済む、と言う事は解っているらしい。
ふらふらとこちらへやってくる。
「待って!」
そのしぃミの腕をつかむしぃがいた。しぃミと仲のよかったしぃ子だ。
「しぃミ、私を追いてくの?いつも一緒だったじゃない!自分だけ助かるつもり?」
「しぃ子…」
しぃミは驚いていた。自分だけとか、そんな事をいう子じゃなかった。もっと優しさを持っている子だった。
けれど、こんな状況だ。いつもどうりの態度をとる方が難しいだろう。
「だめだよ。そんなの、先生が許してくれないよ…」
とたんにしぃ子が激昂した。
「なんですって?!あんた、あんな奴のいうことを聞いて、私のことを見捨てるの?最低ね!」
「そんな…」
しぃミは絶句してしまった。あのしぃ子が、自分に罵声を浴びせるなんて…。
そこで、ただニヤニヤしながらこのやりとりを聞いているだけだったモララーが口を挟んだ。
「ねぇねぇしぃ子ちゃん、先生、さっきなんて言ったか覚えてる?」
「え…」
「[出来る子だけ欲しい]って言ったんだよ。何でしぃミちゃんだけが選ばれたかって言うと、
 しぃミちゃんは[出来る子]で、君は[出来ない子]だったから。だから金と労力を考えたら
 君よりもしぃミちゃんを世話したほうが効率がいいだろ?
 …おい。何だその不満そうなツラは?
 何なら君の成績教えてあげようか?
 君はねぇ…えーと、40人中37位!アハハハハハ!おいおい、あんだけ騒いどいてこの成績かよ!?
 ましな成績なら考えてやろうと思ったのに、筋金入りのバカが勝手に熱吹いてんじゃねー!君、もう死ぬしかないね!(ハゲワラ」
一気にしぃ子の頭に血が上ってきた。心の回転が速くて追いつかない。怒り、恥ずかしさ、哀しみ、絶望。
次々に感情が浮かんでくる度、しぃ子の胸は張り裂けそうになった。
ぼーぜんと立ち竦んでいるしぃ子の腕を振り払い、しぃミは素早くモララーの側へ駆け寄った。
まだモララーは少し笑いがこぼれている。
「あー、笑った笑った…。さて、もういいか。別にこれ以上言う事もないし。」
虐殺厨達はとたんに色めき立つ。そろそろしびれも切れる頃だったのだろうか。
「そんじゃ、生徒の皆お疲れさん。後は残りわずかな人生を彼らの為に使ってください。
 おい、お前ら。待たせて悪かったな。一人残さず



                    殺 れ 」

225 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/27(土) 23:39 [ ubGVikmg ]
「この…糞虫がぁぁぁぁ」
モララーの怒鳴り声が響いた。続いて…
「シィィィィ!ナニスルノヨ コノギャクサツチュウ」
またモララーの手によってしぃが虐殺されている。
5〜6匹のしぃたちが次々と無残に殺されていく。
腸を引きずり出される奴。
顔をボコボコに殴られる奴。
「シィィィィィィ!!タスケテーーー」
次々と殺され、残り2匹になった。
「さーて…君達はどうしようかなー?」
じりっじりっと迫るモララー。
「コウナッタラ…ニゲルガカチーー」
1匹が隣のしぃをモララーの方に突き飛ばし、そのまま逃げ出した。
後ろの方で断末魔の絶叫が聞こえたが、振り返らずに走った。
「シンノアイドルハ アタマモイイモン」
しかし、すぐにモララーが追いかけてきた。
「シツコイギャクサツチュウネ」
どんっ
しぃは何者かにぶつかった。
緑毛のしぃ、マシィである。
「ア!ゴメンナサイ イソイデルノカクマッテ」
「……別にいいよ」
マシィは彼女を電柱の影に隠れさせた。
少ししてモララーが来た。
「おい!慌てて走ってきた糞虫はどこいった?」
「あっち」
マシィは遠くの方を指さした。
「サンキューな!お前は話がわかる奴だな」
嬉しそうにモララーはその場から走り去った。
モララーが完全に視界から見えなくなってからマシィはしぃに
出ていいよと声をかけた。
「ハニャ…ヤットギャクサツチュウガイッテクレタワ」
しぃはマシィを見て手を突き出した。
「コノカワイイシィチャンヲタスケタアナタハラッキーヨ」
しぃは得意げな顔をして話を続けた。
「トクベツニダッコシテアゲルカラアリガタクオモイナサイ」
マシィは黙っている。
「ナニヨ?ダッコシナイノ?ダッコシナイヤツハギャクサツチュウナノヨ?」
「………ウザい」
「シィチャンヲウザガルナンテアンタギャクサツチュウデショ?」
しぃは続けた。
「ダッコダッコダッコダッコーーーーーーーーー」
マシィはしぃを影に連れ込んでいった。
しぃの馬鹿な声が響き続けてる。
「ヤットダッコシテクレルキニナッタノネ?サア、ハヤクダッコ…シギィィィィィィィィィィ」
ぐちゃっと何かが引き裂かれる音がなり、しぃが悲鳴をあげた。
そのあと、羽音と肉をむさぼる音がなり静かになった。


「今日の肉は不味かったな・・・・」

226 名前: 房津パラレル 投稿日: 2003/12/28(日) 13:56 [ nprPhEqw ]
たとえばあいつの栗色のフサ毛とか、まんまるな目とか、低い声とか
あいつのものを独り占めにできたら って思う。

「オカアヒャン!」
甲高いかわいらしい声が部屋に響く。フーだ。
「アノネ・・・」
楽しそうに今日の出来事を話す、可愛いく憎たらしい子供。
たぶん、こいつがいなけりゃ、フサは俺のモンだと思う。
こいつは俺の子じゃない。フサの子供でもない。
どっかのしぃがレイプされて生んだんだと思う。捨て子だ。
たしか、雨の降る街角で親のしぃにフーを持たされ、あわてた口調で
親のしぃは言った。
「ワタシノ赤チャン 守ッテクダサイ。ワタシシィダカラ虐殺サレル
赤チャンダケデモ オネガイシマス!」
そういった直後、モララーが現れた。俺に目もくれずしぃの耳をつかみ
目をえぐり ナイフで心臓を刺した。笑った。
しぃは、無様に「シィィィィ!!」などと叫ばず 親らしく「アカチャンオネガイシマス」
と呟いて、逝った。
フーは俺の子供になった。

「オカアヒャン、ドウシタノ?」
フーが顔を覗き込んでくる。
黙っていたのが気になったらしい。

そうだ、こいつは俺の子じゃない。ジャマモノ、じゃねぇか

俺の心にムクムクと殺意が浮かんでくる。
フーハ、ジャマモノ。
フサハ、タイセツ。
フーハ、イラナイ。

気がつくと俺はフーを刺していた。
いつもの料理を作るあの包丁で。フーは口から汚く血を吐き、
ぴくりとも動かなくなった。

227 名前: 房津パラレル2 投稿日: 2003/12/28(日) 13:57 [ nprPhEqw ]
「ただいまピョーン」
フサだ。今日も飲んできたらしい。
大きな目がトロンとなっている
「あれー。フーは寝たの?」
フーはいねぇよ、と思いつついつもの顔で
「テメェガ 遅イカラダヨ」
と答えた。声が、震えた。
フサはちょっと不満のようだがそんなこと気にせず
俺はフサに飛びついた。と、いうより押し倒した。
「ちょっ・・・つーちゃんどうしたの?」
あわてた声で言った。酔いも吹っ飛んだようだ
「ナァ、フサ。オレ女ダト思ウカ?」
と聞いた。
「あ?」
「女、ジャナインダ   男ナンダヨ 俺」
フサはびっくりしていた。目を見開いて。
「じゃぁ、フーは・・・」
と言いかけたところで俺はフサにキスをした。
舌を入れ、熱いくらいの口の中を舌で犯した。
そして同時に小型のナイフを足に突き刺した。
「・・・ぁぐ・・・!?」
フサは痛みに体を捻じらせた。
「ナァ、フサ。俺男ダカラ オマエノソバニイレナイダロ?
子供モウメナイダロ?セックスモデキナイダロ?
俺、オマエニ必要、ネェンダロ?」
そう俺は言ってすばやくフサの目に今度はお箸を突き刺した。
ぶすり、とお箸は目にはいり その大きな右目は
床にぼとりと落ちて、血の海を作った。
「・・・うあ・・・ぐ・・・」
必死に叫ばないように防ぐフサ 叫んだって、二人しか居ないんだから問題ない。
「フーハ イネェヨ シンダカラ ダカラ、サケンデモイインダゾ?」
俺は思ったことを口にした。
フサの顔には絶望が浮かび、叫んだ。
「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
残った目には、もう何も残ってなかった。

228 名前: 房津パラレル3 投稿日: 2003/12/28(日) 13:57 [ nprPhEqw ]
3度目の腹への攻撃。もうフサは何もしなかった。
ごろんと寝転び、ただ俺を見つめていた。
俺が4度目の攻撃をしようとするそのとき
「俺さ、フーも、しぃも好きだけど  オマエは  愛してるから
男とか女とかじゃなくて、つーが好きだから」
その言葉に、俺はびっくりしたが 手は急には止まらない。
包丁はフサの腹へ一直線に



「     」


言いたかった言葉はのどに引っかかり言えないまま
フサは死んだ
俺のものになったけど もうしゃべらない。


コトコトコト
料理を作る。今日はフーの好きなハンバーグ。
そしてフサの好きなビールとおつまみを机に並べて
「ゴハンデキタゾ」
「ハヤクタベロヨ」
「キョウハ、ハンバーグダゾ」

俺の声は誰も居ない部屋に響き、そしてしばらくして消えた。

229 名前: scoo 投稿日: 2003/12/29(月) 03:06 [ zs/4m.fo ]
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ────────────!!!」
教室は地獄絵図と化した。
獲物を前にお預けを食らっていた虐殺厨は、もう我慢できない!というようにチビ達に襲い掛かった。

「オラ、チョロチョロするんじゃねぇ!」
包丁がチビに襲い掛かる。
ダンッ!
「ギャアー!チビタンのアンヨがー!」
「チビタン、しっかりするデチ!早く逃げ…!」
「アヒャー!」
助けようとしたフサの首が一瞬で中に舞う。
足を無くしたチビは、あっけにとられている間に頭から真っ二つにされた。

こちらでは、耳を鋏で切り離されたしぃが泣いてる。
「おながいもう止めてー!」
「あれー?シィィーってなかないぞ?もっかいやってみよう、それ!」
ズバン!ともう片方の耳も切られたしまった。
「いたぁぁー!!もうやだー!!誰かぁーー!!」
「ちっ、泣けって言ってんのに、いい加減むかついてきたぜ!
 たっぷり懲らしめてやる!」
「イヤァァァーーーーー!!!」

こっちのチビは、ダンッ、ダンッ、ダンッ、と断続的に
腹に包丁を刺されている。もう虫の息だ。
「アヒャ…まだまだ…しぶとい…」
「オガッ…グアッ…カハッ…」
加虐者の顔は恍惚で輝いていた。

「おい、こいつ抑えといて。スカトロレーサーになりたらしいんだ。」
「ほーう、そいつぁ見上げたチビだ。よし、いいだろう。」
「ちょっ、ちょっと待ってくだチャイ!チビタンはそんな事一言も…」
「いいから暴れんなって。ふんっ!」
ブスッ!とチビの肛門に「モナースペシャル・スカトロ使用」の新品が突き刺された。
「ヒギャア!新しい感触!」
「おら、新世界を体験して来い!」
あらん限りの握力で、チュ−ブの中身を全てチビの体内にぶちまけた。
一瞬、チビの呼吸が止まった。
「ヒギャァァァァァァァァァァ!!」
涅槃から血と糞尿を撒き散らしながら、チビは窓を突き破り、空彼方へと消えていった。
「おーおー、なかなかよく飛ぶ野郎だ」
「おしいなぁ、一流のレーサーになれてたかもしれないのに」

教室のあっちこっちで広げられる阿鼻叫喚の騒ぎを、モララーは教卓に手を付き、満足そうに眺めていた。
ふと目を落とすと、しぃミは顔を手で覆って震えていた。
ちっ、面白くない奴だ。
ガバッ!とモララーはしぃミの両手をつかみ、バンザイさせるように持ち上げた。
「先生!何を…」
「しぃミちゃん、ちゃんと見てなきゃダメじゃないか。いままで一緒に勉強してきた仲間だろ?
 そんな冷たい態度とっちゃいけないと思うなぁ。友達の最期くらい、看取ってあげなよw」
「そんな…それだけは…」
「言っとくけど、目を瞑ってたりしたら、どうなるかわからねぇからな」
「!!」
「おっ、おーい、そいつ持ってちょっとこっち来てー」
モララーは唐突に、虐殺厨の一人に声をかけた。
何故なら、なんとそいつの獲物は、さっきまで騒いでいたしぃ子だったからである。
「あーこのガキっすか?どうするんです?」
連れて来られたしぃ子は、今にも失神しそうなほど怯えていた。
さっきから口をパクパクさせている。何だと思えば、
すでに言葉を発する事も不可能になっているようだ。
やれやれ、さっきの威勢はどこへやら。
「しぃミちゃん、君としぃ子ちゃんは友達だったよねぇ?
 だったらなおさら彼女の最後を見ておくべきだと思うんだ。
 ああ、大丈夫だよ!心配しなくていい。彼女は特別に、ボクが引導を渡してあげるんだから!」
怯えつつも、何かを言い返そうとするしぃミを無視して虐殺厨に渡すと、
一瞬間をおいて、モララーはしぃ子の腹を思い切り蹴り上げた。
「破ァッ!」
ボキャ!
「ガバァッ!」
驚くほど簡単にしぃ子は飛び上がる。
ちょうどモララーの目線にまで浮いてきたしぃ子を、
モララーはさっき蹴りを食らわせた場所に、今度は右ストレートを叩き込んだ。
「逝って良しだモラァ!」
ズボッ!
やけに深くめり込んだ気がした。
「ウブォ!シ、シィィィィィィィィ!」
おお、半角のあの名台詞。何か久しぶりに聞いたな。
そんな事を考えながら、さらに高く舞い上がったしぃ子を追って、モララーも地面を蹴った。
「しぃミ!よく見ておけ!これがお前の親友の命を絶つ最後の攻撃だ!」
しぃ子と同じ高さまで飛び上がると、モララーはしぃ子の首に右足を乗せた。
モララーはその時見た。しぃ子の目を。すでに虚ろになっていたが、しっかりと語っていた。

「マダイキテイタイ    オネガイ    コロサナイデ」

モララーは背中の辺りがゾクゾクする感触を覚えた。
そういう顔をしてる奴を、あっさり踏みにじるはたまらない。

230 名前: SCOOL DAYS 投稿日: 2003/12/29(月) 03:07 [ zs/4m.fo ]
>>223の続き

       SCOOL DAYS
               その9

「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ────────────!!!」
教室は地獄絵図と化した。
獲物を前にお預けを食らっていた虐殺厨は、もう我慢できない!というようにチビ達に襲い掛かった。

「オラ、チョロチョロするんじゃねぇ!」
包丁がチビに襲い掛かる。
ダンッ!
「ギャアー!チビタンのアンヨがー!」
「チビタン、しっかりするデチ!早く逃げ…!」
「アヒャー!」
助けようとしたフサの首が一瞬で中に舞う。
足を無くしたチビは、あっけにとられている間に頭から真っ二つにされた。

こちらでは、耳を鋏で切り離されたしぃが泣いてる。
「おながいもう止めてー!」
「あれー?シィィーってなかないぞ?もっかいやってみよう、それ!」
ズバン!ともう片方の耳も切られたしまった。
「いたぁぁー!!もうやだー!!誰かぁーー!!」
「ちっ、泣けって言ってんのに、いい加減むかついてきたぜ!
 たっぷり懲らしめてやる!」
「イヤァァァーーーーー!!!」

こっちのチビは、ダンッ、ダンッ、ダンッ、と断続的に
腹に包丁を刺されている。もう虫の息だ。
「アヒャ…まだまだ…しぶとい…」
「オガッ…グアッ…カハッ…」
加虐者の顔は恍惚で輝いていた。

「おい、こいつ抑えといて。スカトロレーサーになりたらしいんだ。」
「ほーう、そいつぁ見上げたチビだ。よし、いいだろう。」
「ちょっ、ちょっと待ってくだチャイ!チビタンはそんな事一言も…」
「いいから暴れんなって。ふんっ!」
ブスッ!とチビの肛門に「モナースペシャル・スカトロ使用」の新品が突き刺された。
「ヒギャア!新しい感触!」
「おら、新世界を体験して来い!」
あらん限りの握力で、チュ−ブの中身を全てチビの体内にぶちまけた。
一瞬、チビの呼吸が止まった。
「ヒギャァァァァァァァァァァ!!」
涅槃から血と糞尿を撒き散らしながら、チビは窓を突き破り、空彼方へと消えていった。
「おーおー、なかなかよく飛ぶ野郎だ」
「おしいなぁ、一流のレーサーになれてたかもしれないのに」

教室のあっちこっちで広げられる阿鼻叫喚の騒ぎを、モララーは教卓に手を付き、満足そうに眺めていた。
ふと目を落とすと、しぃミは顔を手で覆って震えていた。
ちっ、面白くない奴だ。
ガバッ!とモララーはしぃミの両手をつかみ、バンザイさせるように持ち上げた。
「先生!何を…」
「しぃミちゃん、ちゃんと見てなきゃダメじゃないか。いままで一緒に勉強してきた仲間だろ?
 そんな冷たい態度とっちゃいけないと思うなぁ。友達の最期くらい、看取ってあげなよw」
「そんな…それだけは…」
「言っとくけど、目を瞑ってたりしたら、どうなるかわからねぇからな」
「!!」
「おっ、おーい、そいつ持ってちょっとこっち来てー」
モララーは唐突に、虐殺厨の一人に声をかけた。
何故なら、なんとそいつの獲物は、さっきまで騒いでいたしぃ子だったからである。
「あーこのガキっすか?どうするんです?」
連れて来られたしぃ子は、今にも失神しそうなほど怯えていた。
さっきから口をパクパクさせている。何だと思えば、
すでに言葉を発する事も不可能になっているようだ。
やれやれ、さっきの威勢はどこへやら。
「しぃミちゃん、君としぃ子ちゃんは友達だったよねぇ?
 だったらなおさら彼女の最後を見ておくべきだと思うんだ。
 ああ、大丈夫だよ!心配しなくていい。彼女は特別に、ボクが引導を渡してあげるんだから!」
怯えつつも、何かを言い返そうとするしぃミを無視して虐殺厨に渡すと、
一瞬間をおいて、モララーはしぃ子の腹を思い切り蹴り上げた。
「破ァッ!」
ボキャ!
「ガバァッ!」
驚くほど簡単にしぃ子は飛び上がる。
ちょうどモララーの目線にまで浮いてきたしぃ子を、
モララーはさっき蹴りを食らわせた場所に、今度は右ストレートを叩き込んだ。
「逝って良しだモラァ!」
ズボッ!
やけに深くめり込んだ気がした。
「ウブォ!シ、シィィィィィィィィ!」
おお、半角のあの名台詞。何か久しぶりに聞いたな。
そんな事を考えながら、さらに高く舞い上がったしぃ子を追って、モララーも地面を蹴った。
「しぃミ!よく見ておけ!これがお前の親友の命を絶つ最後の攻撃だ!」
しぃ子と同じ高さまで飛び上がると、モララーはしぃ子の首に右足を乗せた。
モララーはその時見た。しぃ子の目を。すでに虚ろになっていたが、しっかりと語っていた。

「マダイキテイタイ    オネガイ    コロサナイデ」

モララーは背中の辺りがゾクゾクする感触を覚えた。
そういう顔をしてる奴を、あっさり踏みにじるはたまらない。

231 名前: SCOOL DAYS 投稿日: 2003/12/29(月) 04:22 [ 9qmTn1HY ]
「いくぞ!」
モララーはしぃ子の両足を両手でつかんで落下していく。右足を首にかけたまま。
「シィミチャ──ン!!!」
その時、激しい降下の中、モララーの足下のしぃ子は絶叫した。
すでに声は半角に戻っていた。
何故断末魔が友を呼ぶ声だったのか。それは今でもモララーには判らない。
しぃミはすぐに理解した。しぃ子ちゃんはやっぱりしぃ子ちゃんだった。
あの時はちょっとパニックになっていただけだったんだ。
助けなければ。これがすぐにしぃミの頭に浮かんだ言葉だった。
けれど、虐殺厨に捕まっているしぃミにできることといったら、
せいぜい無駄にもがいてみるか、友の呼びかけに返事をするくらいしか出来なかった。
「しぃ子ちゃん!!」
一瞬だけ、しぃミはしぃ子が笑って見えた。

「必・殺!」
モララーはくるっと縦に回転した。遠心力を使うつもりだ。
「不・迷・直・行・天・国!!!」
「やめてぇぇぇぇ!!」

ズドォォン!!
しぃミの絶叫むなしく、物凄い音と共にモララーは達は着地した。
モララーは右足だけで床に立っている。
当然、右足の下にあったしぃ子の首は、
モララーの体重と、遠心力、落下の衝撃で粉々だ。
そして、宙を舞うしぃ子の首は、しぃミの体に一度当たり、床へ転がった。
「いやぁ、見事な技でした!さすがモララーさん!」
「勉強になるなー、あの体術!」
「俺等なんか、まだまだ勉強不足だったなー!」
「まったくいいもん見せてもらったよー」
気がつけば、もうチビ達の始末も全て終わっていた。
「何言ってんだ。お前らの仕事の速さにはまったく舌を巻くぜ」
血と肉片が床を埋め尽くす惨劇の教室で、男たちは和やかに語り合っている。
しぃミは………。

232 名前: SCOOL DAYS 投稿日: 2003/12/29(月) 04:25 [ 9qmTn1HY ]
一ヵ月後。
モララーの部屋に一人の男が尋ねてきた。
ひろゆき議会議長である。

「お邪魔するよ。久しぶりだね、モララー君。」

「ああ、あなたでしたか。突然訪問するなんて驚きましたね。」

「変に気を使われるのが嫌いな性分なんでね。気を悪くしないでくれたまえよ。」

「そんな事べつにかまいません。それより、一体何の用でいらしたんです?」

やにわに議長の顔が険しくなった。

「とぼけると言う事は計画は失敗したととってもいいのかね…?」

しばらくの沈黙の後、ふぅ、とモララーはわざとらしく溜め息をついた。

「ちょっと言って見ただけです。計画は成功してますよ。」

「ほう。ならば完成品はどこかね?」

「少しお待ちください、今連れてきましょう」

モララーはなるべく落ち着いた振りをして、部屋を出た。
廊下には厳つい顔をした男が二人立っていて、出て来たモララーを睨み付けた。
(おやおや、やっぱり護衛がいるか。こりゃ俺が殺るのはやっぱ無理だな)
モララーは素早くボディーガードの脇を滑りぬけた。

「おまたせしました。」

「この子が?」

「はい、名前はしぃミです。」

「ふむ……。」

議長が唸るのも仕方ないだろう。
しぃミは確かに完璧に躾されていた。立ち振る舞いから見てもそれは一目でわかる。
しかし、生気がなかった。無表情のままで、まるで人形の様だったのだ。

「ご理解ください。アフォしぃを更生させるのは大変な作業です。
 彼女らが持つ価値観を正すのは、並大抵の事では出来ません。
 そのため、彼女らを一旦空白の状態にするのです」

「空白?」

「はい。そして、我々の常識を教えていく。
 この工程を行わなければ、おそらく何倍もの時間と費用がかかることでしょう」

しばらく険しい顔でしぃミを見つめていた議長だが、ふと顔を上げて言った。
「よかろう、君の仕事は終わった。報酬はすぐに振り込ませよう。」

「ありがとうございます。それでは、私は出発の用意がありますのでこれで…」

「もうこの町を出るのかね?」

「はい。一つのところに留まるのは苦手なものですから。」

「なるほど。それでは、長い間ご苦労だった。ありがとう」

そういって二人は握手を交わした。
その後、議長はしぃミを連れ、満足げに帰っていった。
何はともあれ仕事はすませたのだ。もうここに留まる必要もない。
さっさと出て行くが無難だろう。モララーはその日にはもう町を出ていた。

二日後の朝。
とあるホテルの一室にモララーはいた。
テーブルには朝食がすでに用意されている。
しかし、モララーは一切手をつけず、
さっきから何度も、新聞の同じ記事を繰り返し繰り返し見ていた。

「ひろゆき議会議長、深夜の凶行にあい死亡!」
14(火)早朝、議長室で議長と一匹のしぃが殺害されているのを
出勤した秘書が発見、110番した。
警察の発表では、議長は首を爪等の鋭利な刃物で切られていて、
失血死による死亡としている。犯人は議長の傍らで死んでいたしぃ(4)。
調べによると、彼女の右手の爪から議長の血液が検出され、警察は犯人を
このしぃと断定した。また、爪からは彼女自身の血液も検出されたため、
警察は議長を殺害した後、自らも命を絶ったものと見ている。

目を皿にしてモララーはこの記事を見ていた。
上手くいったみたいだな。これであの議長がこの世から消えたと思うと、
今日から思い切り眠れそうだ。
しばしモララーは目を瞑って考え事をしたかと思うと、急に立ち上がり、
身支度を始めた。
「さて・・・」
またこれで退屈になってしまった。今度は何をして暇を潰そうか。
所詮モララーにとっては、この一大事も、あの一ヶ月も、
全ては退屈しのぎでしかなかった。
またモララーは旅立っていく。次なる遊びを求めて。
   
                           終

235 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/01/03(土) 03:34 [ xLNM7l5. ]
−何も無い空間に 放置され続けるという事 これに勝る 虐待は 無い。−

>>164よりの続き

しぃ美は、とりあえず暇を潰す為に簡単な遊びをやった。
足元のタイルの線を踏み外さないように歩いたり、タイルが何枚あるか数えたりもした。

しかし、20年もたつと、さすがに何もしなくなった。

「ハニャ・・・・ モウイヤダヨ!! コンナナニモナイトコロ! モウカエル!!」

しぃ美はこの何も無い、虚無の空間から逃げ出そうと、走り出した。何処へ行く当ても無く。
しかし、行けども行けども同じ景色。そのうち疲れて走ることも出来なくなった。

−無論、途中でやめる事は出来ません。−

モラ則の言葉が頭に響く。しぃ美は、やっとこの空間の恐ろしさに、恐怖し始めたのである。
しかし、何もかも遅かった。

「ハニャーン!! ギコクンタスケテー!! ダレカイナイノー!!」

必死に空間の中で叫び続けた。喉が枯れるほど叫び、喚き、慄き、騒ぎ散らそうとも、しぃ美の悲鳴は闇に吸い込まれていく
だけだった。
喉が枯れ、声が出せない。走り続けたのがいけないのか、足が痛くて動けない。
何も出来なくなってしまった。しぃ美は、ただ時間を何もしないまま過ごしていった。

236 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/01/03(土) 03:34 [ xLNM7l5. ]
空腹すらも感じない。便意も、眠気も、何も感じないのである。
死に直結する感情は全て閉ざされている。無論、死ねない為に。一億年間。
この空間に閉じ込められてから23年。しぃ美は幾度も後悔の念に晒された。

「ナン・・・デ・・・・・・オシチャ・・・ッタ・・・ノ・・カ・・・ナ・・」

既に後悔の念と助けを求める涙を流したせいで、涙は枯れ果てていた。
25年が過ぎた。
しぃ美の脳がゆっくりと閉じていく。常に、頭に薄い膜を貼ったような意識がずっと続いている。
既に、しぃ美にはまともな考えは浮かばなくなっていた。

「カエリタ・・・・アヒャヒャ・・・イ・・・ヒヒ・・・・ギコク・・・・アヒャヒ・・ヒ・・・・ヒ・・ン・・・ドウシテ・・・・シィハ・・ケケ・・・ケナニモ・・・ワワワルクナナイノニ・・・・
 ワルククックッククナイノニニニニニニニニニニニニ・・・・・・・・・・・・」

そして、ついに閉じ込められてから100年の歳月が過ぎた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ズ・・・・・イブン・・・・・ナガイコト・・・・・・・・・・・・・・イキタ・・・・ワ・・・・・・」

−後、どれくらい、こうしていたら、良いんだろう?−

何度そう思ったことか。しかし、思うだけで、帰れる訳は無かった。
しぃ美は、また無駄で虚無の時間を、永遠とも感じれる・・・いや、既に永遠と感じれるほど、時間を感じてはいなかった。
脳が殆ど閉じていたから。

237 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/01/03(土) 03:35 [ xLNM7l5. ]
そして、閉じ込められてから389年。
しぃ美は、既に考える事すら100年以上前にやめていた。

そして、閉じ込められてから621年が過ぎたある日・・・・・。

「・・・・・・ワタシ・・・シネナイノカナ?」

突然、そう思い始めた。そして、ありとあらゆる事をやり、自分の体を痛めつけ始めた。
自分の手を折り、歯を抜き、片目をくり抜き、足をもぎ、頭をかきむしり、頭蓋を削り、脳を救った。
しかし、苦痛も感じなかった。肉塊となっても、死ぬことは出来なかった。血も一滴も出なかった。
奇妙な事に、目玉をくり抜き、神経が切れてるのに、目は見えていた。床に落ちた目玉からは、床に落ちた視点が見えた。
血は血液の部分で止まっていた。脳みそを抉り出しているのに、思考はやけにはっきりとしていた。

しぃ美は悟った。

「・・・・・シヌコトモ・・・・デキナインダ・・・・」

そして、また考えるのを、やめた。また、虚無の時間が訪れた。

700年・・・・・

800年・・・・・

900年・・・・・

1000年・・・・・

2000年・・・・・

3000年・・・・・

そして、3927年が過ぎたある日、欠けた脳漿にまみれながら、しぃ美はある事を思った。

238 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/01/03(土) 03:35 [ xLNM7l5. ]
「ワタシハ・・・・イッタイ、ナニモノナノ?」

そんな突拍子も無い事を思った瞬間、次々と疑問が洪水を如く溢れてきた。

「ココハドコナノ? チキュウノドコ? ドウイウトコロナノ? ワタシハイキテルノ? シンデルノ? モシイキテルトシタラ、ドウシテココニキタノ?」

そんな普段どうでもいい事を、次々と自問自答していった。
そして、それについて、徹底的に考えてみることにした。
というか、しぃ美は今の途轍もなく長い時間を少しでも潰せれば良かった。
自分で抜いた歯を鉛筆かわりにして、地面のタイルに自分の血を使って書いていった。
自分で疑問し、答え、書き、また考え、重い、また、書く。
それを次々と繰り返していった。何度も、何度も。

時間は、淡々と過ぎていく。一匹の雌猫の自問自答を見守りながら。

5000年・・・・・

6000年・・・・・

8000年・・・・・

10000年・・・・・

20000年・・・・・

50000年・・・・・

そして、閉じ込められてから、ついに10万年が過ぎた。
しぃ美の考えは既に人智の及ぶ程では無い所にまで達していた。

239 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/01/03(土) 03:36 [ xLNM7l5. ]
あらゆる自問自答、考えを巡らしていく内、自分の中の考えはどんどん飛躍していき、ついに物事のあらゆる法則、摂理、論理・・・

何もかもが、しぃ美の・・・・いやしぃ族の貧相な脳でも、全てが理解出来てしまったのである。
とっくに、自分の歯は全て鉛筆として削り終えていた。体の骨を鉛筆代わりに使った。それも全て使い果たした。
しぃ美は、床をなめてへこましていった。途方も無い時間がかかった。しかし、しぃ美には時間という概念にたいする神経が
既に麻痺していたのだろう。何も感じなかった。一文字書くのに50年かかった。

そして、329万5689年が経過した時、しぃ美は宇宙を理解した。
しぃ美は既に麻痺している神経で、ほんのわずかな達成感を感じた。そして、また何も考えなくなった。

しぃ美は、残りの9670万4311年。空間と調和した。何も考えず、ただ、そこにいた。

−何もしなくて良いです。ただ、其処にいさえすれば。−

最後の意識・・・それはモララーの言葉だった。それを理解し、何も考えなかった。もう、何も。
全ての体の骨を削り取り、目玉は片方のみ。血管はむきだしになった状態で、何百万年も動いていた。脳の頭蓋は自分で鉛筆
がわりにし、無くしていた。そんな見るも無残になったしぃ美であったが、本人は苦痛に感じていなかった。
実際、苦痛を感じる感情は麻痺していた訳だが。

そして・・・・1億年経過。彼女は、元の世界へ、


還る。





                         パチッ


                 −・・・記憶はリセットされます。・・・−


「・・・・ウワァ! ナニモシテナイノニ ヒャクマンエンガデテキタヨ! モラッチャッテイイノカナ? ナンダカワルイミタイ!」

「ええ、お疲れ様でした。お受け取り下さい。」

「シィミ! コンドモウイッカイヤラセテ♪ ワタシモウヒャクマンエンホシイノ!」

しぃ瑠は目を輝かせ、しぃ美に頼み込んだ。

240 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/01/03(土) 03:36 [ xLNM7l5. ]
「ウン! イイヨ。」

「ワーイ! ソレポチットナ♪」



                         パチッ


「ア・・・・・オモイダシタ・・・ ヤバイ! コノカンカク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

                  〜一億年 経過〜

「はい、お疲れ様。報酬をお受け取りください。」

「・・・・ウワァ コノキカイコワレテルヨ! ドンドンオカネ タマリマクリダヨw」

「ワタシニモ ヤラセテ! ヨーシ! イイコトカンガエタ♪」
「ソレ! ボタンレンダシテイッキニ カセグワヨ!!」

カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ!!

                         パチッ

「ア・・・・・コノカンジ・・・・マズイ!! イマノナシ!」

叫んだが、時既に遅し。 一億年×16。

しぃ美は、途方も無い時間を折り返し16回繰り返す事になってしまった。

「シマッタ・・・・」

しぃ美は、ただ空間の中で、自分の愚行を悔やみ続けた。もっとも、その行動も10年たらずでやめてしまう訳だが。

(終)

241 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2004/01/06(火) 20:05 [ UwNPxpHM ]
1/3
AA達が暮らしている町があった。
町の名は暗闇横町。
その町には一人のモララーがいた。

そして彼女は虐殺が大好きだった。

暗闇横町の通行人の中に、彼女は混じっていた。
若い、女のモララーだ。
女好みの洒落た喫茶店も素通りし、センスのある雑貨店も通り過ぎた。
目指すのは、暗闇横町から離れた人通りの少ない空き地。
周りに民家もない、有刺鉄線で囲われた空き地。
そこを目指して歩いて行く。

空き地には、ダンボールハウスで暮らすホームレスのAA達がいた。
しぃの一家だ。
冬になり厳しい寒さと戦うしぃ達に、さらに暴力が襲いかかる。
モララーの理不尽な暴行に晒されるのだ。
今日も、空き地にモララーが姿を現した。
汚いダンボールの家。青いビニールシートでダンボールの一部が覆われている。
「おぉい。しぃちゃ〜ん」
いつもの男達の前での媚びるような声とは、打って変わった低い声でしぃを呼んだ。
「おい、早くしろよブースッ! ちんたらしてんじゃねぇよ」
ダンボールを右足で蹴る。中から子供の泣き声が聞こえた。
やがて、のそのそと毛艶のない中年のしぃが出て来た。
モララーは下卑た笑いを浮かべた。
男達が見たら、一目で幻滅するような笑いだった。
もちろん、同性が見ても友達付き合いを止めたくなるような笑いだ。

242 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2004/01/06(火) 20:06 [ UwNPxpHM ]
2/3
「臭ぇなぁ、このブスがよぉ」
モララーは中年しぃの頭に痰を吐いた。
しぃは唇を噛みしめて押し殺した声で静かに泣いている。
モララーはそんなしぃの鳴き声に煽られ、しぃの頭に足を乗せた。
「鼻水垂らしてんじゃねぇよ、バーカ」
足に力を込め、体重を乗せる。しぃはそれに耐える。
その僅かな抵抗が、モララーの気に触ったらしい。
いったん足をしぃの頭の上に上げ、勢いをつけて振り下ろした。
踵落としではなく、足裏全体で頭を押したので、痛みはそれ程ではない。
が、しぃの顔は地面に擦りつけられ、鼻血が出て、口には泥が入った。
足をどけられ、頭を上げたしぃの顔の醜いことと言ったらなかった。
小さな目には涙がいっぱい溜まっていて、鼻からは鼻水混じりの血が流れている。
口からは涎が垂れ、唇の端には土の塊が付いていた。
嬉しそうなモララーの声。
「おぇ〜、超ブスじゃ〜ん! キャハハ、不細工だねぇ、おばさ〜ん」
しぃの頬をきつくつねる。
ついに、しぃは鳴き声を上げた。ダンボールの中からも子供の泣き声が聞こえた。
モララーは舌打ちをすると、空き地に転がる石を拾い上げた。
石は、モララーの広げた手の平くらいの大きさだった。
「うるっせぇんだよ」
石がダンボール目掛けて投げられる。青いシートが乱れた。
「オ願イシマス。子供達ニハ 手ヲ 出サナイデクダサイ……」
次の石を拾い上げたモララーに、しぃは哀願した。
モララーは子供への暴力は止めた。代わりに、しぃにエスカレートする攻撃性の餌食となってもらう。
暴行が終わった時、薄いピンク色だったしぃの体は、赤茶色になっていた。

243 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2004/01/06(火) 20:06 [ UwNPxpHM ]
3/3
やがて、モララーは結婚し幸せな家庭を築いた。
誰も彼女が昔しぃにしたことを知らない。

優しい夫、可愛い息子、親切な隣人達……。
誰も彼女が昔しぃにしたことを知らない。

人生の最期まで、モララーは幸せに暮らした。皆に慕われ、見送られての安らかな死。
誰も彼女が昔しぃにしたことを知らない。

暗闇横町でもモララーの評判は良く、彼女の死は悔やまれた。
誰も彼女が昔しぃにしたことを知らない。

が、暗闇横町に変なしぃ達が現れた。成長したしぃの子だ。モララーの悪行を寄声混じりに叫んでいる。
誰も彼女が昔しぃにしたことを知らない。

誰一人、しぃ達の言葉を信じなかった。八百屋の店主はトマトをしぃ達に投げつけた。
誰も彼女が昔しぃにしたことを知らない。

正義という物は、すばらしく尊い物だ。
何故ならとても希少価値があるからだ。
そう、きっとダイヤモンドや黄金よりも珍しい物なのだろう。
だが、正義面したイミテーションならそこいら中に氾濫していることだろう。
そして正義の意味は、年々薄っぺらくなって行く。

  暗闇横町・牝モララー 完

244 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/07(水) 21:48 [ p0J2KRM. ]
私の持っているダンボールの中には、生まれたてのベビしぃが30匹入っている。
え?何でって?
そんな野暮なことはお聞きになさらないでください。
どちらにしろあなたが興味を持っているのは私がこれをどうするかでしょう。

私はダンボールからベビしぃをひとつつまみ出すと
ぺりぺりっ
っと 皮をはいだ

ほら、簡単に剥けるでしょう、
べびしぃの皮はトマトの皮みたいに薄く簡単に向けるんですよ。
この皮をむいたベビしぃ、ほっとくとどうなるか知ってますか?
凍え死ぬんですよ30秒くらいで、
赤ん坊で体温管理をする唯一の機関ですからね、皮は。
え?もう死んでる?
あぁ残念、きっと皮をはぐ時にショック死しちゃったんでしょうね、
残念無念、気を取り直してもう一匹行きましょうよ

私は「ピィピィ」泣いているべびしぃをもう一匹摘み上げた
ウヂィ
私が皮をむくとベビしぃはそんな声を上げた

おっ!
今度は成功したみたいですね、まだ生きてやがる。
おッと失礼、言葉が悪くなった。訂正訂正、まだ生きてる。
あ、
だんだん動かなくなってきた…
やぁやぁついに動きが止まりましたね。
どうでしたか?べびしぃが凍死する様子は?
見ててぞくぞくするでしょう。
何ですって?もっとたくさんやってほしい?
そうでしょうそうでしょう、そうこなくっちゃ困ります。
今度はチョット趣向を変えていきますよ。

私はベびしぃ8匹をまとめて網にすくいいれ、
熱湯のうえに浮かせた氷の上に重ねて置いた。

どうです?下はアツアツ上はコチコチ。いいでしょう
ほらご覧くださいこの一番下のベビたち3匹、氷の上に突然乗せられたもんだから、
体温で氷が解けて、それがまたすぐ固まって…(氷をほおばった時をご想像ください)
結局皮と氷が引っ付いちゃったんですね。
冷たいんでしょうねぇ、一生懸命はがそうとしてますよ…

245 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/07(水) 21:49 [ p0J2KRM. ]
突然「ぺしゃ」という音が私の耳に聞こえる、
おや?と見てみると、氷の上に積み重ねたベビしぃの重みで、
一番下にいたベビしぃの達がつぶれた音だった。

ははは、見てください、重さでつぶれちゃいましたよ
面白いですね、ははははははははははぎゃははは
はっ、失礼笑いすぎた。すみませんねぇ。
これで氷の上は残り5体しかいませんね、
おっ、潰れたべびしぃ達の血のぬくもりで、氷が解けて小さくなっていってますよ、
ああ、一匹落ちた熱湯の中にジャンピングだーーーー
うふふ、ギヂィ、ですって、素敵な断末魔ですね。
へへへ、真っ赤になって死んでやんの。

氷の上にいるべびしぃ達が、なにやらお互いの体を上りあうような動作をし始める…
どうやら冷たい氷から己の身を守りたいが為、仲間の体の上にのり寒さを防ごうという魂胆だということが分かった
よじ登っては落ち、よじ登っては落ち、べびしぃ達のいたちごっこは続く…

ばかですねぇこいつ等、何時までやってるんでしょうか?
くずならくずなりにあきらめてとっとと死ねばいいのに、
ねぇ、あなたもそう思うでしょう、
ん?なに、見てていらいらするからとっとと殺せですって?
そうですね、もう十分楽しみましたからね、

私は要望どおり、ベびしぃ達の頭上から、濃硫酸をかけた
ウヴブィーーーー、等と意味不明の奇声を上げベビしぃたちは絶命した。

うわぁ、どろどろになった、気持ちわりぃー。
え、あ、はぃ、そうですか。
もうお時間なんですね
…今日のところはこの辺にしておきましょうか、
じゃあ残りの、べびしぃはストックしておきますね、
でもそうするとチビしぃになっちゃいますけど?よろしいですか?
結構、ということですね、それではまたの来店をお待ちしております。

私は客が帰っていくのを見送る。
ここは虐殺バー、
私は金と引き換えに、汚い血で汚れるのを嫌う彼等の代わりに、虐殺をする。
私は今までに何匹のしぃやチビギコを殺しただろう…
グチュッ
気づくと私は片付け途中のベビしぃを握りつぶしてしまった、
手のひらには皮だけ残り、中身は床に飛び散った

しまった…大切な商売道具を…
いくら破格で売ってるったって、
安かないんだからねぇまったく…

私はぶつぶつひとりで文句を言いながら、モップをとりに店の奥へと進んだ…。

246 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/07(水) 21:50 [ p0J2KRM. ]
2度目の書き込みです…
感想・ご意見・苦情などございましたら、
感想スレにて受付いたします…。
シリーズの予感…

247 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/08(木) 18:18 [ 2igFfDNw ]
私の持っている段ボール箱の中には生後一週間ベビしぃが19匹入っている
え?どこから持ってきたって?
だからこの間も言ったったでしょう、どこから持ってきたかは関係ないって、
なに?違う。じゃあ何を質問しようとしたんですか?
あ、ああ!ベビしぃが一匹足りないことですね、
いやぁ、すみません当方の手違いで握りつぶしてしまいました、ははっ
ご安心くださいその分の代金は返品しますから、はぃ。

私は生後一週間をむかえ、
「ミュー」だとか「ハナーン」「ナッコ」とか言ってるベビしぃを無造作に3体つまみあげると、
机の上においた…

今日は特別なショーをお見せいたします、
はぃ、ゲストとしてこのべびしぃたちの母親を呼んでいますから、
それはそれはお楽しみいただけると思いますよ、

私はそういって、店の奥からしぃを一匹連れてきた、正真正銘ベビ達の親だ。
親と子の感動の対面!!
そうは問屋がおろさない。

ええとですね、これをこうして、ここをこうやって…
はい、できました。
いまベビしぃはギロチン台にかけられています。
その刃の紐を咥えているのは、手足を鎖で縛られた親しぃ、
つまり、もし親しぃが紐から口を離せば、ベビしぃは真っ二つです、
さぁどうなるんでしょうか?

私はしぃを見た
しぃは必死で歯を食いしばり、紐を離さないようにしている、
それに対し、ベびしぃのほうは「ママー ナッコシテクダチャイヨー」などとほざいている。
自分のおかれた状況をまるで理解していない。
しぃの歯がばきばき音を立て砕けた、
それでもしぃは残った歯で必死に紐に位ついている
まさに 必 死 だ な (w

どうです?必死でしょう?あんなに「ナッコナッコ」言っているべびのためにあんなにするなんて…
ぃやぁ!健気なモンですなぁ はは
おっ見てください、しぃがもう限界になったようですよ、
だんだん刃が下がってきて
あっ 落ちたー落ちたぞ落ちたぞチクショウオチタゾ!!!!!
いやーあ、残念しぃちゃん、わが子を助けることができなかったー

私がそう叫ぶと同時に
「ヂィィ」
とベビしぃが声を上げた、
刃はベビしぃを真っ二つにはせず、背骨のところで止まっている、
しかしどうということはない、
ただ苦しむ時間が長くなっただけだ。
べびは「ゲヒゲヒ」言いながら口から赤い泡を出し苦しんでいる、

あ、母しぃが瀕死のベビに駆け寄っていきましたね
何か話していますよ、聞いてみましょう
なになに?「シィノアカチャン…」…。
シィノアカチャンがどうかしたんですかね?不思議ですね(w

私はそこでひときわ大きな、
「ウヂィ」
という声を聞く、それに続く
「シィィィィィ」
という悲鳴、
どうやらベビしぃが息絶えたようだ、口から口から血交じりの唾液を吐き、
白い目をむいて頭を垂れている、
その前でうなだれる母親、
このシチュエーションでべびしぃが生きていたら、私は仰天しただろう。

どうですか?ご満足いただけたでしょうか?
何?もっと見せろ、はぃはぃ、そんなにお焦りになられないでくだい、
本日は特別なショーを用意しているといったでしょう、今のはほんの前座ですよ、
ははっ、それではこちらの部屋にいらしてください・・・

248 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/08(木) 18:19 [ 2igFfDNw ]
私は客を、透明なガラスで二分された大きな部屋へ案内した、
ガラスをはさんで反対側には客席が
もう一方の側にある檻には、中にゾヌがいるのが見える、
この部屋で何をやるかは一目瞭然である。
部屋の一方でべびしぃとゾヌを戦わせ、
それを我々はガラス越しに見物するのである。
客がニヤリと笑うのが見える、
おそらくこの部屋の意味を理解し、これから行われる虐殺劇を期待したのだろう。
とろとろしていられない、
私はテーブルの上に放置していたべびしぃ2体と親しぃを取りに戻った。

はぃはぃはぃしぃちゃんたち元気にしてたかな?
あらあら、親しぃちゃんたら「ママガマモッテアゲルカラ」なんてかっこいい事いうじゃないの、もぅ
あんたなんかに守れるはずないでしょう?とっととあきらめたらどう?(プゲラ
何?「虐殺厨」ガどうかしたの?
まぁいいわ、とっとといらっしゃい

私はべびしぃ2匹と親しぃ一体をつかみ上げ、ゾヌのいる部屋のほうへ放り込んだ、
「シィィ チョットイタイジャナイノ ナニスルノ」「ミギュー」「グギッ」
私はそんな声には耳を傾けない。
…これではチョット数が足りないかも知れない、
もう少し足そう、
私はべびしぃを入れてあるダンボールのふたを開けた、
べびしぃがひしめき合ってる(ウェ
何時見ても君の悪い光景だ、
「ナッコシテクダチャイヨー」「ミューミュウー」「オナカチュキマチタヨー」
べびしぃたちの必死のインシストに対し私は沈黙を持って答えた
代わりに2匹のベビしぃの首根っこを引っつかみ、
…ゾヌの部屋に放り込んだ。
二つの悲鳴
ゾヌの檻はまだ開いていない、
しかしその金属の格子越しに、しぃたちにはゾヌが見えている
その恐怖はどのようなものだろうか?(w
「ダイジョウブ オカアサンガマモッタアゲルヨ」
無理だよ君には(w
「オカアタンアシガイタイデチュヨー」
きっとさっき投げた時足を折ったのだろう、あさっての方向に左後ろ足が向いている。
「オカアタンコワイデチュヨー」
だろうね(w
「ナッコシテクダチャイヨー」
この緊急時に何を言っているんだ?これだから低脳は困る。
「」
私は檻を開くボタンを押した、
檻がゆっくり開く
ショータイムの始まりだ…。

249 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/08(木) 18:20 [ 2igFfDNw ]
続きです
最近人が少なくて寂しいな
コメント希望します…
苦情も…。

250 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/08(木) 22:38 [ 2igFfDNw ]
店主がボタンを押し、ゾヌの檻が開き…
そしてショーが始まった。

ゾヌが「ぞぬぞぬ」言いながら、檻から出てきた、
ほぅ、ぞぬぞぬ…とはずいぶんな鳴き方じゃないか、
どうりでゾヌな分けだ、
私は感心した、
しかしすぐにガラスの向こうに見入った、
親しぃがベビしぃ4匹をかばって部屋の隅に丸まっている
「アレニチズイチャダメヨ」「アレはギャクサツチュウナンダカラネ」
親しぃがベビたちに話しかける、
私になぜ声が聞こえるのかって?
それは高性能マイクがガラス越しのあちら側のいたるところに仕掛けられているからだよ、
伊達に高い会費を払っているだけではない、
ここの施設はその会費に見合った立派な調度を備えている。
私はしぃたちに目を戻した、
母親の忠告にもかかわらず、
「オカアタン、アレハナンデチュカ」「アレハナッコシテクレナインデチュカ」「ハナーン」
べびしぃ達は何も危険を感知していないらしい
いかにも糞虫といった感じだ、
私は不快感を覚えた。

「シズカニシナサイ、ミツカッチャウデショ」
母しいは必死にベビたちに説明するが、
ベビたちは我関せずといった感じにぺチャぺチャ御喋りをしている…
ゾヌの耳がぴくりと動いた、しぃたちに
気 づ い た よ う だ
私は背筋がぞくぞくするのを感じた、
もちろんこれから起こる素晴らしいショーを予測してである。

251 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/08(木) 22:38 [ 2igFfDNw ]
「ナッコ」
しぃたちに近づいてきたゾヌに向かって、一匹のベビしぃが這って進み始めた、
おそらくゾヌがダッコをしてくれるとでも考えているのだろう
「イッチャダメ、イッチャダメヨ」
母しぃの必死の説得も聞かず、
ベビしぃはついにゾヌの足元まで来た
「ナッコ」
全く低脳の恐ろしきことよ、このしぃはおそらくダッコ以外には何も考えていないだろう。
「ジャマゾヌ」
ゾヌはその進行上にあるベびしぃを何のためらいもなく踏み潰した
「ゾヌノ トオルノヲ ジャマスルナゾヌ」
ゾヌの全体重の半分がべびしぃの腹の上にかかる
「グルヂィデヅヨォ」「ナゴヅルガラ ダジュケデグダタイ」
べびしぃもはまさに必死(w
「オマエミタイナ キタナイヤツノダッコナンカ イラナイゾヌ」
「ソコノ オヤシィ ミテナイデ タスケニキタラドウナンダ」
ゾヌにも一定の知性がある…
虐殺するコトだってお手の物だ、
「ハッ ソウネタスケニイカナクチャ」
「オカアチャンガンバッテクダチャイヨ」
「アンアヤツタオシチャッテクダサイヨ」
親しぃは身の程をわきまえずに突進した
「チョットソコノゾヌ ゾヌノブンザイデ ナニカワイイシイチャンノ コドモノウエニノッテルノヨ オリナサイ」
「ドカシテミロゾヌ」
しかしどんなにしぃが押そうが引こうが、ゾヌが動く気配は全くない、
そりゃそうだ、体重が桁違いだ
「ハヤクシナイト コドモガシヌゾヌ」
ベビしぃはもう虫の息だ
「ソウダハ ゾヌヲドカサナイデ ベビチャンヲヒッパリダセバイインダハ!」
・・・と言うとしぃは思いっきりべびしぃの首を引っ張った
「ガマンシテネベビチャン スグニラクニナルカラネ」
しかしあのゾヌがのっているのである、ぜんぜん抜けない、
「チョットソコノベビチャンタチ コウビシテナイデ アナタタチモテツダイナサイヨ」
私は大きな蕪の話を思い出した、なるほど親子で引っ張り出そうってわけか、
「チィタチハ ウチロカラヒッパリマチュヨ」
ベビしぃの残り二匹は踏まれているベビしいの尻尾をつかんで引っ張り始めた
ブグチュ
いやな音がした
私にとっては快感を伴う音だが(w
なんとしっぽを引っ張った拍子に、ベびしぃの下半身が吹き飛んだのである、
ゾヌが上から強い圧力をかけていたので、一部に亀裂が入ったら、そこから体の中身が吹き出たのだろう。
「ツブレタゾヌ」
それはそうだろう、中身がないんだから(w
「シィィィィィ アナタタイナンテコトスルノ モウアナタタチモギャクサツチュウヨ」
「カオモミタクナイ ドッカイッテ!!」
しぃが叫んだ、なんて理不尽な奴だ

「キョウリョクスルゾヌ カオガミタクナインナラ ゾヌガタベテヤルゾヌ」
「ソウスレバ カオヲミナクテスムゾヌ」
ゾヌが言う、確かに一理ある(w
そう言うとゾヌはニ匹をつまみ上げ、丸呑みにした
「シィィィィ」
「シィノベビチャンがタベラレチャッタヨー モウイッピキモノコッテナイヨー」
ベビしぃが絶叫する

…そこへ店主がやってきた
どうやらゾヌには胃カメラが仕掛けてあり、
ベビたちが胃酸でやられる様子をじっくり見ることができるのだと言う
流石だな(w

252 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/08(木) 22:39 [ 2igFfDNw ]
疲れた…
コメント希望
苦情も殺到(w

残りは後で張ります…。

253 名前: дД (5VKMJ1Ek) 投稿日: 2004/01/09(金) 19:21 [ mhRa2XLQ ]
AAでまだ青二才なのに・・・
でも書いてみます。
           【しぃを買いたいんですが・・・】

「そこらへんに落ちてる奴を飼うからな!」
モララーはそこらへんを探した。まずは家の中だ。
ゴミ箱を見た。もう見つかった。
「・・・早杉だな・・・ヤパーリしぃはゴキブリと同じだな。」
まずは見つかったしぃ(大人)を、風呂に投げ込む。
そして、ゴシゴシと手荒に洗う。
「シィィィィィ!アイドルニナンテコトスルノヨ!」
しぃが叫ぶ。
「なんでアイドルがゴミ箱の中にいるんだよ!」
モララーが突っ込む。
きれいになった。
「糞モララーノクセシテイイコトスルジャナイノ」
しぃはニヤニヤしながらそう言った。
「糞はいらないぞ」
モララーはしぃを掴んで、壁に投げつけた。
「ハニャァァァァァァァァァァン!アンヨガァァァァァァ」
脆い、脆すぎる。投げただけだ。それなのにしぃのアンヨが取れた。
「ナニスルノヨ!ドコカヘイッテ!ギャクサツチュウ!」
しぃはもう必死だ。
「漏れはお前がうざくなったから投げただけだ。」
モララーは冷静だ。でも少し切れている。
「ソンナコト ハドウデモ イイカラ、ナニカ アマ〜イ タベモノ ヲダシテヨ!オナカ ペコペコ ナノ!」
しぃはもうアンヨのことなどどうでもいいらしい。
「をゐ、しぃ、アンヨはどうでもいいのか。血がダラダラだぞ。」
モララーは少し笑いながら言った。
「ハニャ?」
しぃはまったく気づいていない。
「アマ〜イタベモノガダメナラダッコ!」
もう、あの単純なダッコだ。しかし、モララーがダッコするはずが無い。
そんな時。
<ピンポ〜ン>
だれか来た。モララーは玄関へ行く。
「遊びに来たぞ!」
ギコ猫だ。
その声を聞いて、しぃが黙っているはずが無い。
「ギコクン!?ハヤクコッチヘキテ!クソモララーガイジメルノ!」
嗚呼、もうこれだ。
「糞しぃは黙ってろ。俺はモララーと遊ぼうと思って、ここに来たんだ。」
「エー!?ギコクン!ソノモララーハギャクサツチュウダヨ!クソナンテヒドイヨ!」
「てめぇも糞モララーって言っただろ!逝ってよし!」
「ギコクン・・・・ヒドイヨ・・・」

ものすごい言い争いだ。モララーも焦っている。

254 名前: дД (5VKMJ1Ek) 投稿日: 2004/01/09(金) 19:33 [ mhRa2XLQ ]
モララーは悩んだ。そしていい考えが思いついた!
「お互い様だから二人とも殺すからな」
モララーは二人を縛り付けて、風呂に連れて行った。
まずは水風呂で水攻めだ。
「おい!やめろ!」
「クソモララーノイウコトヲキイタカラダヨ!」
二人とも面白い事を言う。水攻めは飽きたから次はどうするか。
そうだ、塩漬けだ。
店に行って塩を15㌔買って来た。
風呂の中にはまだギコとしぃがいる。
さあ、塩を入れるか。
もう、ギコは反省したようだ。出してやった。
さあ、しぃはまだ怒っている。
「ギャクサツチュウ!サッサトダシテ!」
「うるせぇ」塩を入れた。しぃは砂糖だと勘違いしているようだ。
そのとき、モララーは気づいた。
「飼おうと思ってたんだ・・・やめとこ。」
モララーはしぃを出した。
「今日の食事はアンヨだからな!」

255 名前: дД (5VKMJ1Ek) 投稿日: 2004/01/09(金) 19:48 [ mhRa2XLQ ]
すみません。用事が出来たので書いてる途中ですが・・



「ヒドイヨ〜。」
しぃはアンヨを口に詰め込まれた。
「それ食ったらゴミ箱の中で寝てろ!」
「アイドルガゴミバコノナカニイルワケナイデショ」
「さっきまでいただろ」
「・・・」

256 名前: BAD DAY 投稿日: 2004/01/10(土) 13:00 [ 9oKcKJlo ]
BAD DAY

ついてない日ってあるよね?
朝から目覚ましが壊れて鳴らなくて、あせって着替えてもネクタイが見つからず、
10分くらい探して、そういえば昨日洗濯してそのままだったのを思い出して、
なんとか用意済まして走って駅に行くけど、間に合ったと思ったら電車が行った後・・・なんて。
ここまで行かなくても、誰しも大小ツキが無い日ってのは経験あると思うんだ。
そんな日はホント落ち込むよね。
けれど、人生不思議なもんで、かならず帳尻がつくようになってるんだよ。
結局は、+−0の状態に必ず戻る。
これは、ボクが体験した、そんな奇妙な話・・・。

その日、ぼくは依頼があった農園へ、しぃの駆除をしにいったんだ。
あ、いい忘れてけど、ぼくは「しぃ駆除総合センター」のエージェントをやってる。
エージェントなんて聞こえはいいけど、ホントはただの駆除係さ。
けど、人数のわりに駆除対象が多すぎるから、まだまだ人手は足りてないんだ。
だから結構給料はいいんだよ。
話を戻すと、その農園ではかなりの数がいるから、ボクのような経験豊富な人、
と言う依頼だったらしい。

「どうもー、しぃ駆除総合センターの者ですけどー」

ぼくは農園の東にある家に声をかけたんだけど、途中見かけただけでしぃはかなりの多さだった。

「ああ、よくいらっしゃいました。もう、困り果ててまして・・・」

出て来たのはおじいさんだった。けど、随分疲れた様子で、なんだか気の毒だったな。

「ご安心ください、私が来たからには、あのような輩どもに好き勝手はさせません。」

まずはおじいさんを安心させて、詳しい話を聞いてみた。
どうやら被害は、作物を荒らし、勝手に家を設け、フンを撒き散らし、さらには
家にまで侵入を試みると言う話だから相当のものだ。

「なるほど・・・これはかなりの大仕事になりそうですな」

「お金はいくら掛かってもかまいません。あいつらのおかげで収入は激減し、
 夜は満足に眠れず、挙句には罵声を浴びせてきて私が怒るのを見て楽しむ始末。
 こんなじじぃの体なので自ら制裁を加える事もかないません。
 私が後10年若ければあんな真似させないのですが、それを思うと、もう悔しくて・・・」

悔し涙を流すおじいさんを見て、僕の胸には義憤がわいて来た。
外からは、なるほどおじいさんをなじる声が聞こえてくる。
ぼくは、一刻も早く仕事に取り掛かりたくなった。

「おまかせください。あなたの農園は、必ず私が守って差し上げます」

「おねがいします。どうか、どうか・・・」

そして、ボクは腰の刀を抜いた。
みたところ、この農園はそれほど広くは無い。まぁ、おじいさんが一人でやってるから無理ないけど。
おそらくしぃたちは30匹前後だろうと当たりをつけた。
しぃ達は独占欲が非常に強い。自分だけよければそれでいいという考えだからだ。
なので、この広さでそれ以上仲間が増えれば、しぃたちはきっと追い出すなり殺すなりするだろう。
それは無論、自分の餌が減るかもしれないからだ。
はやければ、二時間程で終わるだろう。
まずは、窓の外でまだ喚いていやがるあの二匹からだ。
ぼくは素早く窓から躍り出た。

「ヤーイヤーイ、ノロマノジジィー」
「クヤシカッタラ、オイツイテ・・・ハニャ?」
スタッと奴等の前に着地する。素早く周りを見渡すが、他の仲間は見当たらない。
(好都合だ。)
「ナニヨアンタ、イキナリデテキテ」
「ソンナモンモッテ、ナニスルツモリヨ!マサカ、シィタチヲ」
ヒュン、と刀を一閃させた。
片方のしぃの喉を真一文字に切り開く。
切られたしぃは、何か言おうとしたが、ごぼごぼと喉から血が出ているため、ろくに喋れずに倒れた。
「エ?ナ、ナニガ・・・」
すかさず刀をひるがえし、もう一匹の首を切りつけた。
スパン、と子気味よい音がしてしぃの首は宙に舞う。
「ふー・・・」
ぼくはあっけにとられているおじいさんに一礼してから、素早く農園へ足を踏み入れた。
けど、その時はまだ、その先にある不幸に気づいてなかったんだ。

                               続く

257 名前: 257 投稿日: 2004/01/10(土) 19:36 [ N8ccUhYs ]
処女作投下。

1/5
その町には、一つの悩みがあった。
町中のいたるところに潜んでいるアフォしぃ達である。

アフォしぃ達は町を汚し、畑を荒らし、物を盗み、騒音を撒き散らし、
ひどい時にはでぃやAAの子供などを襲うこともあった。

それ以外は、他のどの町にも劣らないほどすばらしい町だった。

対策として、町長は何十人もの虐殺者を雇いアフォしぃを駆除した。
効率を上げるために、死体を片付ける役職も設けた。
当然、進んでやろうとする者はとても少なかったので、
自然に給料は上がり、財政が苦しくなってきた。

一方、アフォしぃも減り続ける一方で増え続け、
事態はほとんど進展しない。
町は相変わらず汚され、財政は苦しくなる一方。

見かねた町長は、それまでとは違った、虐殺のエキスパートを雇ってきた。
これには町の資金をほとんど使ってしまった。余分はなくなってしまった。

これは賭けだ。

258 名前: 257 投稿日: 2004/01/10(土) 19:37 [ N8ccUhYs ]
2/5

今回雇った虐殺者は二人。

一人はモララー。
『虐殺の神様』とまで呼ばれたプロ中のプロだ。

虐殺の効率は普通のAAの何倍も良い一方、その快感を味わうことも忘れない。
一度目をつけた獲物は絶対に逃さない。

もう一人はつーだ。
彼女には特殊なメイクを施し、どこから見てもでぃそっくりに見えるように変装してもらった。

最後に、アフォしい達の間に、噂を流す。
「○月×日、午後2時に町外れに住む大金持ち、モナ郎と同居しているでぃが公園を散歩する。」
噂を流すといっても、町全体に放送を流すだけでいい。
これだけでもざっと六十匹は集まるだろう。

259 名前: 257 投稿日: 2004/01/10(土) 19:37 [ N8ccUhYs ]
3/5

結果は予想以上だった。
百匹はいるだろうか。ああもう、うるさいな。
「ディノクセニ カネモチトイッショニ スンデルナンテ ナマイキダヨネ」
「シィガヤッツケテ、 ディノカワリニ リッチナセイカツヲ オクルンダカラ!」
などと言い合っている。殺し甲斐十分と見た。

しばらくして、変装したつーが公園の真ん中まで歩いてきた。茂みからはたくさんのアフォ面が覗いている。
アフォなりの知恵はあるようだ。
アフォしぃ達が一斉に茂みから出てきて、でぃに見える彼女を取り囲んだ。
「ソコノ ボロディ! カワイイシィチャンタチガ コロシテアゲルカラ、 カンシャシナサイ!」
「マターリノショウチョウデアル シィニコロサレルコトヲ アリガタクオモイナサイ」

彼女は・・・閉じていた口を大きく開け、叫んだ。
「アーーーッヒャヒャヒャ!ヒッカカッタナ、クソムシドモッ!」
それを合図に、八方から大量の虐殺者達が走ってきた。
アフォしぃ達は、突然現れた虐殺者達といきなり叫んだ『でぃ』に怯んでいた。
でぃを袋叩きにしようとしたしぃを袋叩きにする。市長のアイディアだった。

260 名前: 257 投稿日: 2004/01/10(土) 19:38 [ N8ccUhYs ]
4/5

一番速く走ってきたのは・・・モララー。
手始めに、たまたま近くにいたしぃの頭を思い切り蹴飛ばした。
「ジィィィィッ!?」などと叫びながら、いとも簡単に吹っ飛んでいき、
落ちるときに他の二・三匹の腕を落として、頭から潰れてしまった。
しぃ達の真ん中では、つーが隠し持っていた包丁を手にして思慮分別無く切り刻んでいる。

アフォしぃ達はもう、『でぃ』などどうでも良くなっていた。
何が何だか分からず、呆然と立ち尽くすもの。腰が抜けて動けない者。泣き出すもの。
命乞いをするもの。武器を手にして必死に抵抗するも、呆気なく首を刎ねられる者。
いろいろいたが、末路は皆一様だった。

その中に、モララーに話しかけてくる者がいた。
「マッテ!シィハ・・・ハギャ!」
「え?何かいった?」
何か言いたい事があったようだが、それより先に首を刎ねてしまった。
これでは、聞きたくても聞けない。
「まあ、いいか。」
糞虫の言うことだ。どうせ『最後に一度だけ抱っこして』ぐらいだろう。

261 名前: 257 投稿日: 2004/01/10(土) 19:38 [ N8ccUhYs ]
5/5

「ア、アノ・・・」
「ん?」
次に話しかけてきたのは、ちびしぃだった。後ろには妹であろう、ベビしぃがいる。
しかし、やはりそんなことは気にしなかった。
ボールを蹴る要領でちびを蹴飛ばす。

ベビしぃは・・・
「・・・・・・そうだ。いいことを思いついたぞ。」
モララーは生まれて間もないであろうベビしぃを左腕に抱えた。
後はなんら変わらない。

アフォしぃ達を殲滅した後、モララーはそのベビしぃを自宅に連れて帰った。



          とりあえずここまで。

262 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/10(土) 21:44 [ QpWUqZ/A ]
ゾヌの胃の中…
それはゾヌの一見穏やかな外見からは想像の着かないような場所である…
強力な胃酸
激しく脈動する胃壁
…おそらく「ゾヌの胃の中」
と知らない何者かがこの映像を見たら、
おそらく「地獄」とこの場所を表現するであろう…。

私は画面を食い入るように見つめた、
まだか?
まだべびたちは落ちてこないのか?
べび達がゾヌの食道を通過する1分間が長く感じられる
まだなのか?
早くしてくれ、こっちはギャクサツが見たくてうずうずしてるんだ、
さぁ!早くくるんだ!べびども!!
ぉっ…ついに
キターーーーーーーーーーーーーーーー(AA略
きたぞー

「アチュー デチュヨー」「カラダガ ヒリヒリシマチュヨー」
ベビたちが叫んでいる、
当然だ、周りは強酸、べびたちの毛皮ではおそらく5分ほどしか持たないだろう。
…?
一匹のべびがもう一匹のべびを持ち上げるようにしている。
なぜだろう?私は耳をすました。
「ナンカ ウマレマチュヨー」「ガンバッテクダチャイヨー」
何?
どうやら一匹が妊娠しているらしい、
べびにも関わらず…
べびしぃは生後3日でコウビ・妊娠が可能と聞いていたが、
実際に生後一週間のべびが妊娠しているのを見るのは初めてだ、
私のストックしているしぃは全員メスだ、
おそらくどこからか野良ギコが迷い込んで交尾したのだろう。
あとで店主に文句を言っておかなくてはな(w

必死で支えるべびの上でもう一匹がいきんでいる。
「ウマレマチュー」
にゅ…っとベビのベビしぃ(便宜上これからは「べびべび」で)の頭が見える
「ウマレマチタヨー」
下のベビしぃが喚起の声を上げる
「ウピー」
元気な声を上げて、ベビベビしぃが母親の体から出てきた。
ぽとっ
そしてそのまま落ちた
しゅーーーーーーーーーーーっと肉の焼ける音
「ウピィー ギビピピピピ」
ベビベビの悲鳴
産み落とされたところはゾヌの胃壁、
べびべびの薄い皮膚は一瞬にして溶かされ、…そしてどろどろになった
「チンジャイマチタヨー」上のべびが叫ぶ…
しかし下から反応はない…
下のベビは既に下半身が溶け、口をパクパクさせるだけであった。

263 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/10(土) 21:45 [ QpWUqZ/A ]
私は混乱した。
こんなに面白いことがいっぺんにおきるとは
今の状況を簡単に整理して伝えると…
下半身の溶けたべびしぃの上に妊娠したべびしぃがのり、
そして産み落とされたべびべびは既にどろどろ…
これから上の妊娠べびしぃはどうするのだろう?
私は再び画面に見入った。

「タチュケテクダチャイヨー」
「チィモ トケチャイマチュヨー」
「ハッ」
「モウイッピキウマレマチュヨー」
「ウーン」
強くいきんだためだろうか?
ポン
と 音がして、べびべびが3体いっぺんにべびしぃの体から飛び出した。
「ピー」「ウピー」「ピチィー」
じゅーじゅーしゅー
「ギヂヂヂd」「ウヂィ」「ギビ」
そして3体とも一瞬で溶け去った。

私は興奮していた、
生んだべびべびは全て一瞬で死に…
そして自分も今まさに胃酸に侵されようとしているべびしぃ
こんな最高ののシチュエーションがほかにあるだろうか?
後で店主にはチップをはずまないといけないな

「アカチャンガ ミンナ チンジャイマチタヨー」
「シカモ アシバノ チィチャンモ モウ アタマダケニナリマチタヨー」
……
そういっている間にもどんどん足場は溶ける
そして
ぐしゅ
ッという音と共に足場(=下にいたべびしぃ…の遺物w)が崩れ去った
ギシュー という音、
「アジューデチュヨー マ゙マ゙ ナゴー ナゴチテクダチャイヨー」
マンマー オカアタン オカアターン イッカイデイイカラナゴチテクダチャイヨー」
「アヂィ アヂィイイイィィィッィィィ マンマー ナゴ ナ n」

シュー
それが私の最後に聞いた音だった
その音と同時にべびしぃは崩れ、ジュウジュウ言いながら溶け始めた
その音以来、はゾヌの胃のごぽごぽ言う音以外なにも聞こえない
…なにも…。




私はいつもより多めに店主にチップを渡し店を出た、
限りない爽快感と共に
私はまたここにくるだろう、
金をもって…
虐殺を見に…
明日からの活力を得に…






264 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/10(土) 21:46 [ QpWUqZ/A ]
終わりました
いや
終わらせました。
初心者のためこれ以上続けるとアラがめだって…(w

苦情・感想希望します。

265 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/11(日) 12:08 [ n0Ke0csk ]
しぃの日記

1日目

ハニャーン シィノアカチャンガ ウマレタヨー
5ヒキモウンダンダヨー
スゴイダロー
ミンナ チィチィ イイナガラ シィノオッパイヲ
オイシソウニ チュウチュウト ノムノ
タクサンノンデ ゲンキニソダッテネ


2日目

ハニャーン シィノ アカチャンガ イッピキシンジャッタヨー
アサメヲサマシタラ イッピキ アカチャンガイナクテ、
ヨクサガシタラ スコシハナレタトコロニ コロガッテタノ
キット ネテルトキニ ネボケテ シィカラ ハナレチャッタンダネ
「サムイヨサムイヨ 」 ッテイイナガラ トウシ シテイッタンダロウネ、
ゴメンネ シィノアカチャン サムイオモイヲサセテゴメンネ

3日目

ハニャーン シィノアカチャンガ ベビシィ カラ チビシィニ ナッタヨー
ミンナ 「ナッコ」 トカ 「マンマー」トカ ハナセルヨウニナッタンダヨー
ウレシィヨー イッピキ アカチャンガ ヘッチャッタケド
シィガンバルヨー

4日目

ハニャーン キョウモララーニ チビチャンヲ 1ピキコロサレタヨー
ヒドイヨヒドイヨー
ネテイルトキニオソワレタノ
キヅイタラ シィハ シバラレテテ ベビチャンガ ギャクタイサレテルトコロダッタノ
モララーハ 「お前等みたいな糞虫は死んだほうがいいんだよ」 ッテ イッテ
シィノチビチャンノ ミミヲモイダノ
チビチャンイタガッテタ
「イチャーデチュヨー マンマータチュケテヨー」
ッテ サケンデタ …。
ソノアトチビチャンハ モララーニヨッテ ダルマニサレタノ
「マンマーナゴー ナゴチテクダチャイヨー」
ッテシバラクイッテタンダケド キラレタアシヤテカラ ドンドンアカイモノガデテキテ
ソノウチピクピクシハジメテ
「ナ・・・ゴ」
トイッタノヲ サイゴニ ウゴカナクナッタノ
ゴメンネシィノチビチャン オカアサン シバラレテテ ナニモデキナカッタンダヨ
ゴメンネチビチャン

5日目

ハニャーン キョウモ チビチャンガイッピキシンジャッタヨー
ドウロヲワタッテルトキニ クルマニヒカレチャッタノ
ドウロヲワタルトキハ アブナイカラ イツモ シィガ クワエテワタッテイタノニ
ソノチビチャンハ シィガ モドッテクルノヲ マチキレズニ ヒトリデワタッチャッタノ
…ヒカレタノハ ドウタイダッタ チビチャンノドウタイハ カワダケニナッテイテ、
ナカミハ ヒカレタショックデ ハジケトンデ ソノヘンニ  チラバッテタ
シィハ 「ハニャーン ダレカタスケテヨー ダレカワタシノチビチャンタスケテヨー ハニャーン」
ッテ タスケヲモトメタンダケド 「糞虫の子供なんか助けられるか」ッテ イッテ ダレモタスケテクレナカッタ
ヒカレタチビチャンハ シバラク クチヲ パクパクサセテタケド ソノウチ 「ギヂィ」 トイッタノヲサイゴニ ウゴカナクナッタ
ハニャーン ヒドイヨー チビチャンカエシテヨー

266 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/11(日) 12:09 [ n0Ke0csk ]
6日目

ハニャーン シィノアカチャンガアト1ピキニナッチャッタヨー
サミシイヨー
ミンナデナカヨク「ダッコ」をシナガラ クラスハズダッタノニ サミシィヨー
シカモキョウハ ゴハンヲタベテカラ イエニカエッタラ
イエガタキビニツカワレテタ…
「ハニャーン ソレハシィノイエダヨー ゴミジャナイヨー ホームレスノオジサン ヤメテヨー」
ッテ サケンダラ
「うるせぇゴミ虫 おまえなんかこうしてやる」
ッテ イッテ チビチャンノイッピキヲ ヒノナカニナゲコンダノ
「チィィィィ アチュウーデスヨー マンマータスケテクダチャイヨー」
「タチュケテヨー チイノケガワガ モエテマツヨー」
チビチャンハ ヒッシニ サケンデイタケド シィニハナニモデキナカッタノ
「オネガイタスケテアゲテ チビチャンタスケテアゲテ」
シィハ ヒッシニ ホームレスノオジサンニ オネガイシタノ
デモネ ホームレスノオジサンハ ヤッパリ
「うるせぇ」
ッテ ヒトコトイッタダケデ シィノコトヲ オモイキリケトバシタノ
ソノトキノショウゲキデ シィノ ミギノオテテト ヒダリノアンヨハ カラダカラハナレチャッタノ
ハニャーン コレジャア アシタカラ イキテイケナイヨー
……ソノウチ ホームレスノオジサンガ 「もう帰るか」
ッテ イッテ タキビニ ミズヲカケタノ
シューッテオトガシタ
シィハ チビチャンヲサガシニ モエアトニ ハッテイッタ
デモソコニイタノハチビチャンジャナクテ
チビチャンノ カタチヲシタ スミノカタマリ ダッタ
マックロニナッタチビチャンハ オテテヲ リョウテトモアゲ 
「タスケテタスケテ」 ッテサケンデイルヨウダッタ
ゴメンネ チビチャン ウンデシマッタバカリニ クルシメテシマッテ ゴメンネ
アツカッタンダネ ツラカッタンダネ キットサイゴハ ナッコシテ ホシカッタンダロウネ
ゴメンネ

7日目

ハニャーン テアシガ カタホウヅツ ナイカラ カリガデキナイヨー
エサガトレナイヨー チビチャンモ
「オナカチィタヨー」
シカイワナカッタ
シヨウガナイカラ「ダッコ」シテアゲタ
ゴメンネ チビチャン アシタハナニカタベサセテアゲルカラネ

8日目

ハニャーン アサヲキタラ シイノ ウデノトレタトコロガ クサッテタヨー
イタイヨーイタイヨー
ニッキヲカクノモツライヨー
キョウモヤッパリ エサハテニハイラナカッタ
ノロマナ オニーニモ ハイツクバッテタラ ヤッパリツカマラナイ
チビチャンハ クウフクノアマリ キョウハナニモハナサナカッタ
チビチャンノ オナカハ ズット 「キュルキュル」イッテタ

9日目

ハニャーン ハニャーン モウダメダヨー
アサオキテタラ チビチャンガウゴカナイノ
シィハ ヒッシデ ダッコヲ シタンダケモ
チビチャンハ ナニモイワナイ
ソシテツメタイノ 
ゴメンエチビチャン
オカアサンガエサヲトレナカッタセイダネ
ゴメンネ
オナカガスイテクルシカッタ?
ゴメンネ
ホントニゴメンネ

10日目

ハニャーン シィモモウダメダヨ
オナカガスイタヨー
ナニカタベタイヨー
モウ 3カモ ナニモタベテナイヨ
タスケテ

11日目

ゴメンネチビチャン
オカアサン イキルタメニハ
チビチャンヲ タベルシカナインダヨ
ゴメンネ
オカアサンモウウゴケニンダヨ ホトンド ダルマサンニ ナッチャッッタンダヨ
ゴメンネ…

日記はここで終わっている、そのしぃの死に顔は、恐怖に引きつったものだったという。
そのしぃが死ぬ直前に何を見たかはだれもしらない、
…そう だれも…



第3作目です 感想は感想版によろしく願います。

267 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/01/12(月) 08:37 [ oeRWdrr6 ]
テスト

268 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/12(月) 09:22 [ oeRWdrr6 ]
ある晴れた日
しぃの親子が道を散歩している。
「ハニャーン イイテンキダネー ベビチャンモゴゲンダヨー」
しぃの押しているベビーカーにはしぃのチビしぃが1匹乗っていた。
「チィチィ」「オカアタン ダッコチテクダチャイ」
どこにでもあるようなしぃ親子の平和な光景、
しかしこのような平和は些細なことですぐに奪われる。
些細なこと…このしぃ親子の場合、それは一羽のカラスの到来であった…

「オカアタン ノドカワキマチタ」「チィハ ナンカ ノミタイデチュヨー」
暑い中を散歩したせいだろうか?
チビしぃがのどの渇きをうったえた。
「チビチャンタチ ノドガカワイタノネ チョットマッテテ オカアサン ナニカカッテキテアゲルワ」
しぃはベビーカーから離れ、通りの向かいの自動販売機へ向かった
…しぃはこのとき、電線に止まり、様子を見ている一匹のカラスに気づいていなかった
しぃは車が来ないのを確認し、通りを渡った。

カラスはしぃがいなくなったのを確認し、ベビーカーに舞い降りてきた、
「アニャ?ナッコシテクレルンデチュカ?」
カラスに気づいたチビしぃがカラスにダッコをせがむ、
カラスはそれに答えない、ただ黒い目でちびしぃをを見つめるだけである。
ちびしぃはしばらく「ハニャーン」とカラスに向かって叫んでいたが、
しばらくしてカラスにかまうのに飽きたのだろう、カラスから目をそらした…。
カラスが行動に出たのはその瞬間であった、
ぱっと飛び立ったかと思うと、次の瞬間にはもう一匹のチビしぃの両目を咥えて飛び去っていった
突然の出来事に、両目を失ったちびしぃは痛みすら感じなかった。
「アニャ トツゼンマックラニナリマチタヨ タイヨウガ テイデンチタンデチュカ?」

しぃが戻ってきた
「オマタセチビチャン オサトウタップリノ Cドリンクダヨ」
しかし振り向いたチビしぃには両目が無かった
「ハニャ! ドウシタノチビチャン オメメドウシタノ」
しぃが叫ぶ
「ワカリマチェンヨー カラスガキタカトオモッタラ トツゼン オソラガマックラニナッタンデチュヨー ナニモミエマチェンヨー コワーデチュヨー」
チビしぃも何も見えないことに次第に恐怖を感じるようになったらしい…
しぃはチビしぃの目玉が、カラスによってえぐられた事をしった。
「トリアエズ オイシャサンニイコウネ」
そういうとしぃはベビーカーをしぃ病院に向かって押し始めた…。

しぃ病院…そこは病院と名こそ着いているものの、おおよそ病院とは呼べない代物である、
医者のモララーはしぃから金をふんだくることしか考えていなく、看護婦も隙あらば虐殺に興じるという恐ろしぃ病院であった。
しかしほかに行くところがないのだ、しぃは病院へと急ぎ足でベビーカーを押した。

269 名前: 実験者 投稿日: 2004/01/12(月) 09:24 [ oeRWdrr6 ]
…「ハァハァ ハニャーン ヤットツイタヨー ウケツケハドコー」
しぃ族でごった返す病院にしぃはようやく着いた、
チビしぃは相変わらず
「クライデチュヨー マックラデチュヨー」
と叫び続けている…

受付を済ませ、しぃは待合室で待機していた、
名前が呼ばれるのを、まだかまだかと待った。

「13番のしぃさん、」
しぃの番がきた、
「ハィ」
しぃは返事をして診療室へと向かった


「はいはい、それでチビちゃんの目が、カラスに食べられちゃったと…」
「あー、よく有るんだよね最近そういうの、親が目を話した隙に何かされちゃうっての、」
「もっと子供をよく見ておきなさいよ全く、これだからしぃは」
「はぃ、一応治療しとくから待合室で待っててね」
医者のモララーに言われ、
しぃはしゅんとしながら、待合室へと向かった。

「さーて、このちびはどうしようかなー」
「まったく、カラスに目を食われるなんてどうかしてるよな」
「これだからキモゴミは困るんだYo」
「それじゃあこっちの部屋に来い」
「ほら、早く!きいてんのか?」
モララーの呼びかけにチビしぃは全く答えようとしない
ただ
「オカアタンドコデチュカ ナッコチテクダチャイヨー オカアタンドコデチュカ オナカチュキマチタヨー」
と叫ぶだけである
「FUCK YOU♯ ぶっ殺す!!」
モララーが切れた
「こらきいてんのか?糞虫が、お前みたいな汚ねぇ糞を抱っこする奴なんかいねぇんだよ!!」
「ソンナコトアリマチェンヨー チィハカワイイッテ イツモオカアタンニホメラレルンデチュヨー」
「ダカラ ナッコチテクレナイノハ ギャクサツチュウデチュヨー」
「ナッコシテクダチャイヨー ナッコ ナッコ ナkk」
ぐじゃ っと音がし、ちびしぃが病室の壁にたたきつけられた、
モララーが思い切りキックをしたのだ。
グチャ ッと音がし、チビしぃが病室の床に落ちた、
モララーが首根っこを捕まえて、口から血を吐いているべびしぃに言う
「お前みたいな糞にできるのは、このモララー様の実験台になることだけなんだよ!わかったか?」
「ソンナコナイデチュヨ チィハ 糞ムシナンカジャアリマチェンヨー」
「まだ言うのかくずが!!」
モララーはちびしぃを病室の床にたたきつけた
ぱーーーん
といい音がし、チビしぃが病室の床に張り付いた。
「ギィィィィ」
チビが唸る
「これで分かったか、糞虫だって事が?」
チビしぃは何もいえない、ただ口から赤い泡をごぼごぼと出すだけである、
おそらくその体内の骨はことごとく砕かれ、内臓の一部も損傷しているのだろう。

…しばらくして
「13番のしぃさん」
再びしぃの名が呼ばれた、
「ハニャ? シイノチビチャン ナオッタノカナ?」
しぃは急いで診療室に行った
しかしそこでしぃが見たものは、
形が変わっていびつな形状をしたチビしぃであった。
「ハニャ? コレナァニ」
そのいびつな物体をしぃは我が子と認定できないらしい、
それくらいまでにチビしぃは形が変わっていた、
おそらくひどい虐待を受けたのだろう。
「マゥマ ナ゙ゴー ナゴヂデ マゥマー ドゴ?ドゴニイルノ゙」
ただそれだけをうわごとのように繰り返している、
「エッ チビチャン? チビチャンナノ? ドウシテコンナコトニ」
「いやぁ すみませんね 治療中暴れるもんで おさえつけてたらそんなになっちゃいました」
モララーが( ・∀・)ニヤニヤ しながら言う、
「ハニャ ワ、ワカリマシタ」
しぃは観念した、

家に帰って…
「ゴメンネ チビチャン オカアサンガ メヲハナシタバカリニ コンナコトニナッチャッタネ」
といいながら、歪んで凸凹になったチビしぃをなでる
チビシィはもうそれに答えることができない。
おそらく明日の朝あたりには、モララーに与えられた薬の影響で口から内臓を噴出して死ぬだろう。
きっと死体は泣く泣く親しぃのてによって公園の隅に埋められるのだろう、
そしてそのしぃは、これから子供から絶対目を離さないようにするだろう、
しかしもう遅すぎるのだ、明日の朝には…



中途半端な虐殺でスマン、
途中からワケワカランという人は、
気合で読んでください。

ジサク(・∀・)ジエーン疑惑の責任を取り、しばらくROMります。

270 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:46 [ r4xG97qk ]
       【確認】


      夜は嫌い

    一人になるから

      夜は怖い

     不安になるから


   押し寄せる不安の中で

   押し寄せる疑問の中で

   僕はただ一つだけ願った


 せめて僕は生きていますように

271 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:46 [ r4xG97qk ]


 夜の街。
人が溢れかえる中心地から少し離れた所。
まぶしいくらいの明かりが各々の建物を明るく照らす。
 ホテル街。
外観を照らす照明で、
昼のように明るくなった道の所々に、
しぃが立っていた。
何かを待つように、
じっと、
じっとしている。

 手近なかなしぃのところへ近づき、
声をかけた。
 「やぁ。一晩いくらかな?」
「ハニャ。オールデ 3マンダヨ。」
「わかった。」
そう言い、
財布から三枚の札を取り出し、
しぃに渡す。
しぃは三枚あることを確認したら私を手短なホテルへ引っ張っていく。
「ホテルダイハ ベツダヨ。」
まあ予想はしていたことだ。
気にはしない。

272 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:46 [ r4xG97qk ]


 ホテルに入る。
ロビーで展示してあるパネルから、
適当に部屋を選びキーをとる。

 薄汚れたカーペット。
しみが付いた壁紙。
中途半端に薄暗い廊下を通り部屋へと入る。

 廊下の惨状とは裏腹に、
曲がりなりにもホテルだけあって、
部屋はそれなりに綺麗にされていた。
 むやみにでかいベッドの上にしぃが座り、
これからどうするのかを訊ねてきた。
彼女に答える前に私はとりあえずフロントへ「宿泊です。」と、電話を入れた。
 「では、やろうか。」
向き直り上着を脱ぎ始める。
いきなりのことにしぃは顔をしかめた。
「シャワーニ ハイラナクテ イイノ?」
「ああ、べつにいい。」

 やがて、服を全て脱ぎ全裸になった私の体を見て、
しぃは小さな悲鳴を上げた。
当然だろう。
私の体には胸から腹にかけて大きな傷痕が付いていたのだから。
その部分だけは卵のように、
ほくろはおろか毛一本すら生えておらず、、
ピンクとも肌色とも取れる奇妙な色をしていた。
一瞬、しぃは異質なものを見るような目を見せたが、
すぐに営業スマイルに戻った。

273 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:47 [ r4xG97qk ]


 「では、始めるか。」
そう私は小さく呟き、
しぃに抱きついた。
 唇でしぃの耳をはさんだ。
ため息とも快感とも取れるような息がしぃから漏れる。
 そして、ゆっくりと横に移動しながら耳の周囲をたどる。
「…ンッ。」
小さく声を漏らす。
次に舌を使い彼女の耳を舐めまわす。
耳たぶを軽く舐め、
舌を耳の穴にねじ込み、
耳の裏を丹念に舐め上げる。
「……アッ…ン!……アン。」
ねっとりと、しつこいくらいにまで耳を攻め、
それにあわせて喘ぎ声をあげ、
その度に私の首筋に彼女の熱い吐息がかかった。
定期的に来るその息は、
まるで少女の手のように私の首筋を優しくなぞり、
その度にぞくぞくとした快感が首から全身へと波のように伝わっていった。
 耳を十分に弄ると、
舌を這わせながら首筋へ場所を下げていく。
首に来たところで舌を口の中に戻し、
代わりに唇で首をなぞっていく。
うなじを唇で吸い上げる。
唇から舌を少しだけ出し、
チロチロと小刻みに動かしながら顎を刺激する。
 さらに唇は下へ移動する。
鎖骨の間を通り過ぎたとき、
頬に緩やかな弾力を感じた。
その弾力と弾力の間へと顔を滑り込ませる。
 谷間の底で大きく息を吸った。
汗と香水と、わずかな私の唾液の混じった匂いがた。

274 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:47 [ r4xG97qk ]


 私は愛撫を行うのをやめた。
しぃの胸の中に頭をうずめたまま息を止め、
彼女の体を強く抱きしめ、
ただ、何かを待った。

 私は何もしゃべらなかった。
しぃも何がおきたのか分からないのか、何もしゃべらなかった。
だから何も音が無かった。
時計の音も、
暖房の音も、
冷蔵庫のクーラーの音も、
廊下からの人の足音も、
外からの自動車の音も、
何もかも無かった。

 完全なる無音の世界。
完全なる静寂の世界。
まるで音という物が綺麗さっぱりそこから抜け落ちたような空間の中で、
私はただひたすら待ち続けた。
 わずか数秒のこと。
だが、私にとっては十分にも一時間にも感じ取れた。

 そして、それは伝わってきた。
ほのかな温もりとともに。
ほのかな圧力とともに。
とても穏やかに。
だが、その存在を誇示するように。
その『音』は私に伝わってきた。
私が待っていた音。
それは……。

275 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:47 [ r4xG97qk ]










     トクン。









.

276 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:47 [ r4xG97qk ]


 トクン…トクン……。
音が聞こえる。
トクン…トクン……。
それはしぃの心臓の音。
心臓の鼓動の音。

 この音は、しぃが生きているという証拠。
この音は、しぃが存在しているという証拠。

 トクン…トクン……。
音はまだ聞こえている。

 「少し、話をしないか?」
鼓動を聞くために胸に顔を埋めているせいか、
声が低くぐもった。
「ハァ?」
怪訝な声を上げる。
私は左腕でしぃの体を強く抱きしめ、
彼女の言葉を無視して話し始めた。
トクン…トクン……。
音は止むことが無かった。

277 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:48 [ r4xG97qk ]
7

 「昔、私がまだ幼かったころの話だ…。」
 ふとしぃを顔を見てみると、
あたかも早く終われと言うような表情で、
あさっての方向を見ていた。
 「そのころのは私はとてもやんちゃだったんだ。
 曲がりなりにも男の子だからね。」
 話を続ける。
 「でも、ある日のことだった。
 私は事故にあったんだ。
 とても、とても大きな事故でね、
 出血がとてもひどくて、
 私はしばらくの間意識が戻らなかったんだ。」

 話の途中、
私は開いている右腕を奥にある私物が置いてあるテーブルへと、
しぃに気づかれないよう、
物音一つ立てないように静かに伸ばした。

 「胸に傷跡があっただろう。
 それはそのときの傷だ。」
 まあ、医者の懸命な治療で私は助かったわけだけどね。」

 「でも、話はこれで終わりじゃないんだ。」

 私は、ははっ、と自嘲的な笑いを漏らした。
 私の頭上にある彼女の口から、ゲッ、という声が聞こえてきたが気にはしない。

 「私はこの日以来、夜ひとりになるのが怖くなったんだ。
 何故だと思う?
 別に事故が夜に起こったわけじゃない。
 ただ…、」

 静かにテーブルの上で動かしていた右腕が何かに当たった。
恐る恐る手で触り確認してみると、
どうやら私の鞄のようだった。
私は、しぃに気づかれないように鞄に手を入れ、中を探った。

278 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:48 [ r4xG97qk ]


 「ただ、意識を失っている間、
 夢を見ていたんだ。
 どんな内容だったかは殆ど覚えていない。
 が、断言する。
 私は意識を失っていたとき夢を見ていたと。
 そしてその内容。
 私は夢の中で、

  生活をしていたんだ。」

 鞄の中を探っていた指に何かが触れた。
静かに握り確かめた後、
それを持って音を立てないようにそっと鞄の中から手を抜いた。

 「分かるかな?
 私は夢の中でこの現実世界と同じように生活を送っていたんだ。
 現実と同じように朝に起き、
 現実と同じように飯を食べ、
 現実と同じように友と遊び、
 現実と同じように眠る。
  靄のかかり、殆ど思い出すことの出来ない夢の記憶。
 だが、夜眠るとき。
 ベッドの上で一人になったとき、
 断片的では有るが思い出すんだ。
 そして、何度もその記憶を見るうちに、

  この世界が 本当に 現実なのかどうか 分からなくなってきたんだ。

  だって、
 私が見た夢はあまりにもリアリティがあったんだから。
 断片的で一部分しかなく靄がかかっていても、
 その記憶にある情景の、
 日の眩しさ、音、温もり、風、臭いにいたるまで、
 全てをまだ思い出すことが出来るのだからね。
  だから、
 もしかしたら私が見た夢こそが現実であり、
 この世界が夢じゃないのかと。
 本当は私はあの時事故にあったまま寝ているんじゃないかと。
 そう思えてきたんだ。
  馬鹿げていると思わないか。
 でも、その考えは止まることはなかったんだ。
 だって、
 この話を聞いてくれる相手はいなかったんだ。
 このことを考えるのはいつもベッドの中。
 部屋を明かりを消して、
 一人になったとき。
 だからこの問いに答えてくれる人は傍にはいない。
 そして、
 何度も自問自答を繰り返して、
 どんどんその疑問は大きくなったんだ。」

279 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:48 [ r4xG97qk ]


 トクン…トクン……。
彼女の心臓の鼓動が聞こえる。

 「やがて、
 こんなことまで考えてしまったんだ。

  僕 は 生 き て い る の で す か ? 、とね

 阿呆らしすぎて笑っちゃうよね。
 でも、そのときの私は必死だったんだ。
 自分の中の確かなものが、
 どんどん不確かになり、
 音を立てて崩れていくのだからね。
 とても不安だったんだ。
 誰も答えてくれないし、
 誰も聞いてもくれない。
 だからこんな馬鹿な考えまで浮かんだんだよ。
  でね、それ以来、
 夜、眠るのが、
 夜、独りになるのが怖くなったんだ。
 独りになるとこのことを考えちゃうからね。

  こういうものは普通は時間が解決してくれる物だよね。
 大人になれば、誰しもが忘れてしまうよね。
 でも、私のは時間では解決できなかった。
 大人になっても、この疑問は消えることは無かった。
 その一番の原因は、
 一度死にかけたからだろう。
 だからこそ、自分の生に自身が持てなかったんだ。
 この現実に自信がもてなかったんだ。」

 私はまた、ははっ、と自嘲的に笑った。
するとしぃから愛想笑いとも取れる渇いた笑い声が聞こえてきた。
笑い声にあわせて彼女の胸が大きく揺り動く。
でも、彼女の心臓の鼓動は聞こえていた。
トクン…トクン……、と。

 「でもね、
 私は一つの解決法を見つけたんだ。
 だから今もこうして笑ってられるんだ。
 それはね…。」

 私は右手に持ったものを強く握り締め、
そして、しぃの体を両手で強く抱きしめた。
 トクン…トクン……、と、
静かに定期的に鳴っていた彼女の心臓が、

 ドクン

と、大きく跳ねた。

280 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:49 [ r4xG97qk ]
10

 ぬるりと、生暖かい液体が右腕をつたい、
やがてぼたぼたっ、と垂れ落ち、
シーツに赤い斑点を作る。
 彼女の背中には、
私が鞄から静かに抜き取り、
抱きしめると同時に突き立てたナイフが刺さっていた。

 ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ……。
静かになっていた心臓の音が、
激しく、早くなる。
「… ア …… ァガ … ガッ …… ァァッ ……。」
苦しみに満ちた声が彼女の口から漏れ出してくる。
背中に軽い痛みが走った。
私の背に回したしぃの手が、
爪を立てて私を引っかいたようだ。

 私はいまだに彼女の胸に顔を埋めたまま、
刺さったナイフを抉るようにひねった。
グチュッ、という音が彼女の胸から聞こえてきた。

 ドクッ、ドクッ…ドクッ…ドクッ…トクッ…トクッ……。
腕をつたう血の量は増え、
彼女の心臓の鼓動はどんどんと弱くなっていく。
 私の背中に回された手の力が緩み、
ずりずりと、私の背中から滑り始める。
「… アッ …… アァッ …… アヒャカッ ………… ハァ ……。」
彼女の声も、
心臓の音と同じように弱っていく。

 そして、

 …トクッ…トクッ……トクン…トクン……。

彼女の腕も私の背中から力なく落ち、

 …トクン…トクン………トクン……トクン……。

彼女の苦悶に満ちた声も聞こえなくなり、

 ……トクン………トクン…………トクン………………トクン……。

やがて、彼女の心臓の音も……、

 …………トクン……

 ………………トクン……。


 ……………………………トクン……。

 ……。

 ……。


 聞こえなくなった。

 一瞬の間、完全な静寂があたりを包み込む。
だがすぐに、
何かの鼓動が、
何者かの心臓の音が伝わってきた。

 それは、
私の心臓の音。
私の心臓の鼓動。


   ド ク ン 。

.

281 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:49 [ r4xG97qk ]
11

 ドクン…ドクン……
私の心臓の鼓動が聞こえる。
この音にあわせて、
私の体がわずかに振動する。
この音にあわせて、
体の温もりが末端へと伝わる。


 これで十分だ。
この音が聞こえるだけで私は幸せだ。
もうそれ以上は何も望まない。

 ドクン…ドクン……。
これは私の心臓の鼓動。

 この音は、私が生きているという証拠。
この音は、私が命を持っているという証拠。
この音は、紛れも無く私が存在しているという証拠。

 それだけで十分だ。
たとえの世界が夢であってもいい。
まだ病院のベッドの上でもいい。

私は、

 私は生きているのだから。


 この鼓動を聞きながら、
私は安心し、心地よいまどろみの中へと落ちていった。
不安も、
恐怖も無かった。

282 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:49 [ r4xG97qk ]
12

 朝のカラスの鳴き声で目が覚める。
私は、すぐ傍らにある、
すでに死臭を放つしぃを死体をベッドの横へ落とした。
そして、しばらくの間まどろみを楽しむ。
やがで、準備しなくてはいけない時間になる。
シャワーを浴びて体についた腐臭を落とす。
きっちりと服装を整え、
しぃの財布から万札三枚と、
ホテルの料金分の金を抜き取る。
その金で部屋の中にある精算機に料金を払い外に出た。

 私は心地よい日差しの中、
街の喧騒の中へと溶け込んでいった。

 だが、昼の時間は短い。
仕事はすぐに終わり、
友人ともすぐに分かれなくてはならない。
独りになってしまう。
不安になってしまう。
昼間の間に埋もれていた生への疑問が、
またやってきてしまう。
 すると私はあるところへと向かう。
自分の生を確かめるために。
自分が生きているという証拠を得るために。

 街の中心地から離れた場所。
沢山のしぃたちが今夜の客を求めてじっと佇む場所。
そして、
そこで私はこう話しかける。

 「やぁ。一晩いくらかな?」

283 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/01/13(火) 04:50 [ r4xG97qk ]
13

          沢山の明かり

     まぶしいくらいの命の火の明かり


             でも

    まぶしすぎてときおりわからなくなる

    僕の火の明かりは輝いているかと


            だから

      僕はその命の明かりを消す

            すぐ傍の

     すぐ傍にある命の明かりを消す


          一瞬の暗闇

           でもすぐに

    自分の命のランプがあたりを照らす


         そのとき初めて

     自分の持つランプの火の明るさが

  自分の持つランプの火の温もりがわかるんだ
                      
                      
        もう僕は怖くありません

        もう僕は不安になりません
                        
                        
           夜は好きです

   自分の命の灯火の明るさを確かめれるから


            僕は幸せです

        僕は生きているのだから




                                         【終】

284 名前: 性事家 (k/eCiuJY) 投稿日: 2004/01/17(土) 00:43 [ e.jgJ2jg ]
しぃ奈が義故内の慰み物になったあの日からどれくらいの時間が過ぎたのか?
光が差し込む窓の存在しない無い部屋に閉じ込められていたしぃ子には既に分からなくなっていた。

この部屋でのしぃ子の拘束に仕方は“異常”としか言い様が無いものだった。

四肢をロープで縛られ、部屋の中央に大の字型に宙吊りにされていたのだ。
だからといって生命の危機にさらされていたわけでは無かった。
食事は口に繋がれたチューブから流動食が流し込まれ、排泄もお尻の辺りに妙な装置が付けられたお陰で不自由は感じない。
さらに筋肉が退化しないように定期的に電気刺激を送られ続けていたし、ロープで縛る位置も日によって微妙に変えられていた。

だからこの異常な状況意外は特に不自由は無い。
外の世界と違って衣食が保障された“極楽”と言ってしまっても良いかも知れない。

「ハニャーン! ナ、ナンナノ!?」

そんな生活が続いたある日、懐かしい刺激がしぃ子を襲う。
光である。
暫くぶりの光に目が全く対応できない。
それどころか目を開けることすら困難であった。
例えそれがドアを開けた隙間から漏れてきた僅かな光であったとしても・・・。

「お久しぶりです。 お元気でしたか?」

それは、この先永久に忘れることはないであろう義故内の声。

「コ、コノ ギャクサツチュウ! カワイイ シィコチャンニ コンナコトシテ ユルサレルト オモッテルノ!?」

しぃ子は声を張り上げ、体をバタつかせて必死に暴れようとする。
しかし、縄でしっかりと固定された四肢を自由に動かせるわけもなく、かえって滑稽な踊りの様であった。
その姿を見た義故内は満足そうな表情を浮べ、しぃ子に近づいて行く。

「おやおや、元気そうで何よりです。 質問に質問で返すのは無礼ですが、許されるって・・・何方からですか?」

「ドナタッテ・・・エート、エート・・・ワタシヨ! モウ ダッコシテ アゲナインダカラ!」

「それはそれは・・・こちらからも是非お願いします。」

「エ? ドウイウイミ??」

285 名前: 性事家 (k/eCiuJY) 投稿日: 2004/01/17(土) 00:44 [ e.jgJ2jg ]
突然、部屋の明かりがついた。
と同時に義故内の声とは明らかに別人の甲高い声が部屋に響く。

「おい、早くするニダ!」

「ああ、すいません。 紹介しましょう。 はるばるK国から来て下さったパク・ニダーさんです。」

「そんな事はどうでもいいニダ! 頼んでおいたものは・・・おお! 素晴しいニダ! けど、どうやって作ったか?」

しぃ子は何を言っているのか良く分からなかった。
そんなことよりもようやく光に慣れてきた目で事態を把握しようと必死だった。
ふと自分の体に目をやると、何だか違和感を覚える。

ぼやけていた視界がクリアになった途端、違和感の正体が分かった。

“耳”である。

手、足、胴、そして尻尾までもが無数の“耳”で覆われていたのだ。

「ナ、ナニコレ・・・。」

冷静に尋ねた訳ではない。
恐怖で声が出ないのだ。

その時、義故内は徐に口を開いた。

「丁度良い機会ですからパクさんにどうやって作ったかを御説明致します。
まあ説明と言いましても早い話がES細胞を使ったんです。」

「ES細胞・・・ってなんニダ?」

「これは失礼。
ES細胞は、受精卵が分化・・・あ、分化とは、ある細胞に変化するようにという指示を受けると特定の細胞に変身することだと思って下さい。
で、分化して胎児に発展するまでの状態である胚の初期段階から採り出されるものです。
実はこれ、身体のどのような細胞にも成長できる性質を持っている細胞です。
そのため多能性幹細胞とも呼ばれています。
つまりはそれで耳を作ったのです。
そうそう、ついでに言うとこれは実験室において無限に増殖させる事が可能なのでこれだけ沢山の耳が作れた訳です。
後は作った耳を移植するだけです。」

「ふむふむ。しかし、よく受精卵なんか手に入れられるものニダ。 それにあのしぃは全く気がついて居なかったみたいニダ・・・。なのにどうやって移植したニダ?」

「貴方がヘンダイ財閥内で我侭が言える様に、わたしも病院内では結構我侭が通るのですよ。 受精卵に関してはそういうことです。
オペに関しては、毎回の食事に睡眠薬を混ぜて眠らせてる間に何度かに分けてやりました。 当然、オペの前にしっかりした麻酔を施しましてね。」

「ナンデ・・・コンナコトシタノヨ!?」

「ふむ・・・そうですね、貴女にも知る権利くらいなら授けても良いでしょう。」

「アイゴー! 北の同胞には制限されている権利をしぃゴトキが・・・!」

「・・・まあ、それはさておきます。
こちらのパクさんは耳モギが大好きなんですが、一匹のしぃからは二つしかもぐ事が出来ません。
そこで、パクさんは、耳が沢山あれば長く楽しめて経済的だとお考えになられたわけです。
まあ、後は分かるでしょう?」

「下らないお喋りはもういいニダ! この日の為に二週間禁欲してるニダ! モウ辛抱たまらんニダ!」

「それはそれは・・・。」

そう言うと義故内は、しぃ子の体に繋がれたあらゆる物を外していき、残るは手足を縛るロープのみとなった。

「それで良いニダ。」

「しかし、体を洗わないと・・・。」

「ウリは体臭が嫌いではないニダ。」

「では、お楽しみ下さい。」

286 名前: 性事家 (k/eCiuJY) 投稿日: 2004/01/17(土) 00:45 [ e.jgJ2jg ]
義故内は部屋を後にすると、待ってましたとばかりにしぃ子の尻尾についた耳を掴む。

「さあ、存分に楽しませてもらうニダ! こっちは大金を払ってるニダ!」

「ダ・・・ダッコ シテアゲルカラ・・・。」

「そんなものに興味は無いニダ。」

「ジャア トクベツニ タダデ コウビ サセテアゲルカラ・・・。」

「チョパーリ糞虫の穴なぞに興味は無い・・・ニダ!」

言い終わると同時に、掴んだ耳を引きちぎる。

「ハニャッ!」

「良い感触ニダ・・・本物に遜色無いニダ。 何より引き千切った時の音が良いニダ!」

「オナガイ・・・ヤメ・・・ハニャーンッ!!」

ニダーはしぃ子の言葉など耳に入る状態では無かった。
今度は二枚同時に引き千切る。
顔は興奮のせいか赤みを帯びている。

「普段は贅沢で出来ない二枚千切りも、これなら気兼ねなく出来るニダ!
どれ、禁断の領域である三枚を・・・いよいよ体験できるニダ!」

そういうとニダーは左右の手で別々な耳を掴み、さらに口でもう一つの耳をしっかりと噛む。

「イタイヨォ・・・ハナシテ・・・シイィィィィィィッ!」

遂にしぃ子の発する声は、痛みを訴える泣き声から明確な悲鳴に変わった。
三枚の耳が尻尾から離れた瞬間であった。
これで既に六枚の耳が尻尾から引き千切られた。

「おや? 尻尾の方は大分少なくなってきたニダ。 一寸数えてみるニダ。
ひい・・・ふう・・・みい・・・。
・・・そうか、四肢と尻尾と頭が十枚づつ、胴体が二十枚。計八十枚。結構沢山付けてくれたものニダ。
じゃ、尻尾の残り四枚は・・・派手な千切り方するニダ!」

ベリベリベリブチッ!

「シイィィイィィイィィッ!!」

絶叫。
無理も無い。
ニダーは素早く四枚の耳を千切ったのだ。
それは、僅か二秒にも満たない時間であった。
完璧だったが、一つだけミスを犯した。
最後の一枚を千切ろうとした時、尻尾が抜けてしまったのだ。
従って、実際に千切った耳は三枚。

「アイゴー! しまったニダ! 耳千切ってるうちに尻尾まで千切れかかっていたいたニダ・・・。」

「ハニャーン! イタイヨォ! イタイヨォ!」

しぃ子は体を揺らしながら泣き叫んでいる
無論、揺らしたいのでは無くのた打ち回りたいのだ。
しかし、四肢を拘束されているしぃ子にはそれが出来ない。

「まあ、良いニダ。 耳の付いていない尻尾に用はないから丁度良いニダ。」

その後もニダーの趣向をこらした“ミミモギ”は続いた。

耳の真ん中の辺りを掴んで捻る。
捻る。
捻る。
捻る。
捻る。
捻る。
そして・・・千切れる。

親指と人差し指のツメで根元を挟んで、切る。
ちょっと横にずらして、切る。
またずらして、切る。
ずらして、切る。
これでまた一枚、体から離れていく。

あらゆる道具での切れ味も試した。
ハサミ・・・あっけなくて面白くない。ゆっくり切ると中々。
カッターナイフ・・・ふつう。楽しさは包丁とどっこい。
中華包丁・・・これはダメ。まな板の上でないと上手くいかない。
和包丁・・・中華に比べてやりやすく、西洋包丁に比べると切れない。
西洋包丁・・・流石に肉類は良く切れる。切れ過ぎてつまらない。
彫刻等・・・癖はあるが、慣れてくるとそれが楽しい。
ニッパー・・・よく切れるし、じっくり楽しめる。
ペーパーナイフ・・・これはちょっと力技との印象が否めない。
手・・・生の感触が伝わってくる。やっぱりこれ最強。

287 名前: 性事家 (k/eCiuJY) 投稿日: 2004/01/17(土) 00:46 [ e.jgJ2jg ]
気がつくと、両足の耳を全て千切り(?)落としてしまっていた。
しぃ子は口をパクパクさせて何か言おうとしている様だが言葉が出ていない。
もしかしたら、ずっと悲鳴を上げていたのかもしれない。
だが、夢中だったニダーには聞こえなかった。

「楽しかったニダ。 前戯はこれくらいにして、そろそろウリのいきり立った息子も楽しませるニダ!」

そう言うとニダーは床に散らばる耳を幾つか掴んでしぃ子の口に突っ込んだ。
そして、首元に包丁をつきつける。

「モゴゴゴゴガ・・・!」

「吐き出したら殺すニダ。」

しぃ子が抵抗しない事を確かめると、右手を繋ぐロープを切る。
体勢がやや崩れるが、当然落下はしない。
そして、何かビンの様な物を取り出す。
ビンの底をしぃ子の体に向けて中身をたらす。
・・・どうやらローションの様だ。
しぃ子の体と両腕に万遍無く塗られていく。

「では、楽しむニダ!」

そう言うとニダーは、自らの男性自身をしぃ子の右腕にある耳のうち二つの間に挟んで腰を動かし始めた。

「はあぁぁぁ・・・やっぱり耳ズリはたまらんニダ・・・。」

腰の動きが少し早くなった。

「そろそろ、究極の耳ズリ・・・ニダ!」

ニダーは、しぃ子の脇腹と右腕の間に興奮状態の男性自身を挟み込み、腰を激しく動かす。

「こ、これはたまらんニダ! 沢山の耳が・・・刺激に・・・イキそうニダ!」

慌てた様子でモノを引き抜き、そのまま大量の耳の詰まった口に突っ込む。

「モゴッ! モゴガガガッ!」

「はうぁ! 出る!」

ニダーに体が軽く痙攣する。

十秒程余韻を楽しんだ後、彼のモノは口から引き抜かれた。

「ウコォゲエッ! ゲッホ! ゲッホッ!」

しぃ子は吐しゃ物と共に口の中にあった全ての異物を吐き出した。
それを見ていたニダーはニヤニヤしながら口を開く。

「吐き出したら殺すといったニダ。」

「オナガイ・・・コロサナイデ・・・マダ シニタクナイヨォ・・・。」

恐怖と苦痛の極みが混在する表情で哀願するしぃ子。
それをとても愉快そうに眺めるニダー。
生殺与奪も自由自在。
そんな雰囲気。

「よし、助けてやるニダ。 ただし、条件があるニダ。」

「ナ・・・ナニ?」

「お願いします。助けて下さい。 と言うニダ。もし、間違えたら・・・。」

ニダーはしぃ子の胴の耳を一枚掴む。

「こいつを引き千切るニダ!」

「・・・ホ。 ソンナカンタンナ・・・ハニャ!」

ニダーは掴んでいた耳を引き千切った。

「間違えたニダ。」

「チガウノ! イマノハ・・・ハニャ!」

また耳が千切られる。

「また間違えたニダ。ダメな奴ニダ!」

「・・・。 ハニャ!」

千切られる。

「言えなくてもダメニダ。」

「オナガイシマス。タスケテクダサイ。」

「・・・。」

ニダーの顔がさらににやける。
そして・・・。

ブチッ!

「ハニャーン! ナ、ナンデ!?」

「また間違えたニダ。オナガイでは無く、お願いニダ。」

「ソンナノ・・・ハニャ!」

ブチッ!

「またまた間違えたニダ・・・本当にダメな糞虫ニダ。」

「オナガイ・・・ハニャ!」

ブチッ!

「オナガ・・・ハニャ!」

ブチッ!

終わらない。
まだ、終わらない。
残り三十七枚。

三十六枚、三十五枚、三十四枚・・・オナガイとミミモギは続く。
ニダーは知っている。
しぃは決してお願いとは言えない。

三十三・・・三十二・・・三十一・・・。

しぃ子の地獄は、終わらない。

288 名前: 木人 (enck4cmw) 投稿日: 2004/01/18(日) 03:13 [ mJYHTk8w ]
BAD DAY

農園の中に入ってみると、もはや見るも無残な景色が広がっていたんだ。
果物の腐ったものや、しぃ達のフン、挙句にはベビの死体まで見られた。
(これは酷い・・・)
一刻も早く奴らをここから一掃しなければ。
僕は、刀をさらに強く握り締めて駆けて行った。
少し奥に入ると、少しだけ開けた場所に出て来んだ。
ちょっと不恰好だけど、なんだか愛着の持てる手作りのベンチと、
丸いテーブルが一つ、そこにはおいてあった。
おそらく、荒らされる前はおじいさんの休憩所だったんだろうけど、
その時はしぃどもの集会所みたいになってたな。
そこにいたのは5匹前後。ぼくは、とりあえず様子を見ることにした。

「ココモダンダン、ショクリョウガ ナクナッテキタワネ」
「シンイリガ フエテキタカラヨ」
「ソウソウ、スコシオオスギルワ!」
「デモ、ダレヲオイダセバ イイノカナ?」
「ウーン・・・」
「ネェ、チョウロウニキイテミヨウヨ」
「ア、ソレイイカモ!サンセーイ!」
「チョウロウノ ケッテイナラ、ダレモサカラエナイネ!」」
「ジャア、イッテミヨウヨ!」

図々しい。出て行く気は無いらしい。
ぼくは茂みから飛び出した。
全員ぼくに背を向けて歩いている。
「ハニャ?」
まず切ったのは、一番後ろにいて、一番早くぼくに気付いたしぃから。
右肩から腰にかけて、袈裟切りにしてやった。
ズパン!!
「シィィィィ──!」
ひときわ甲高い声を出して、血飛沫をあげながらそのしぃは後ろに吹っ飛んでいった。
いつも思うけど、こいつらってもろすぎ。
そこでやっと他のしぃも気付いたらしく、こっちを一瞥してから
四散して行ったよ。一匹も逃がさなかったけどねw
次々切り殺していったけど、一匹だけロープで縛って捕まえておいたんだ。
何故って?長老とやらの居場所を聞くためさ。
「ハニャー!ハナシテヨー!」だの、
「シィハ2chノアイドルナンダヨー!」とかほざいてたけど、シカトして拷問を始めたよ。
「さっき話してたけど、君達の言ってた長老ってどこにいるの?」
質問したとたん、さっきまでべらべら喋ってた口がピタリと閉じちゃったんだ。
顔も青ざめてたよ。ふん、いくら黙ってたって無駄だね。
目が言ってたから。『聞かれてたんだ』って。
「おい、質問に答えろよ。ちゃんと教えてくれたら、縄を解いてあげるから」
ぼくが言ったとたん、
「ハニャ、ホント!? オシエルオシエル!」
としぃは答えた。
これだから、ミニマム脳味噌なんて言われちまうんだ。
駆け引きもへったくれも無いし、仲間の事も考えてちゃいない。
でもまぁ、簡単だったからよかったけどさ。
「よーし、いい子だ。さぁ喋ってもらおうか。ただし、嘘をつけば死ぬと思えよ」
「ハニャ、ワ、ワカッテルワヨ・・・」
そのしぃからは随分有意義な情報が引き出せたんだ。
具体的なしぃの人数、長老と名乗るしぃの居場所、最もしぃの密集している場所。
どうやら、思っていたより数はいないらしい。
そして、どうやら怠惰な生活に浸りきっているため、反撃も少ないように思えた。
それはさっきのしぃたちの逃げっぷりを見ても明らかだったよ。
「コレデゼンブダヨ。サァ、ナワヲホドイテヨ!」
「ん?ああ、そういう約束だったね。オッケーオッケー。そんじゃいっきまーす」
ぼくは言いながら、刀を両手で持って垂直に持ち上げた。
「チョ、チョット、マサカ・・・」
「当たりー♪」
そしてそのまま一直線に振り下ろした。
後は簡単だと思ったさ。残りのしぃたちを皆殺しにするだけなんだから。
数も居場所も知れてるし、何の問題も無い様に思えた。
けど、ぼくは失敗してた。
一部始終を見てた、目撃者がいたんだ。
それに気づけなかったのは、ホントに痛手だった。
ぼくは、何にも気付かずにノコノコ行ってしまった。

289 名前: 木人 (enck4cmw) 投稿日: 2004/01/18(日) 03:14 [ mJYHTk8w ]
結論から言おうか。
ぼくは、はめられた。
その目撃者が先に仲間の元へ行って、ぼくの事を全員に教えたからだ。
当然、向こうは武装して、こっちを待っている。
ぼくが罠にはまりに来るのをね。
(ここか・・・)
目的地に着いたぼくは、しぃがどこにいるのか探した。
けど、一匹も見当たらなかったんだ。
[いた]という痕跡は確認できた。けど、その姿は見当たらない。
今思えば、その時の違和感を頼りに逃げておけばよかったな。
グズグズしてる間に、ぼくは背中に矢を受けた。
痛いと感じる間もなかったよ。
なにせ、即効性の毒矢だったからね。

気づいた時は後ろ手に縄で木に縛られてた。
なんてドジを踏んだんだと、心底後悔したね。
見張りのしぃがぼくが気がづいたのを察知すると、仲間を呼んで詰問した。
「アンタヒトリデキタノ? ナカマハ?」
「俺一人だ。仲間はいない」
「ナゼココヲ オソッタノ?」
「特に理由は無い。ハンティングのつもりで来た」
「マダイキテイタイ?」
「無論だ。」
「ジャア、[オモチャ]トシテ イカシトイテ アゲル」
そういって、そいつはクスクス笑いながら虐殺棍棒を振り上げた。

それからの一週間は拷問の連続だった。
入れ替わり立ち代り、しぃ達はぼくを痛めつけた。
幸い、それは打撃だけですんだけどね。
けれど、詰めが甘いのと、思慮が足りないのがしぃの欠点。
一週間の激しい拷問で、縄は切れる寸前になっていた。
ぼくも、このままであいつらを済ませるつもりはさらさら無かったからね。
このチャンスを逃がすわけには行かなかった。
奴等の失敗は、きっちり縛り付けておかなかった事と、ぼくを生かしていたこと。

刀は、すぐに見つかった。
長老の住んでた洞穴に置いてあったよ。
(これがあれば、もっと早く片付いたのにな)
そう思いながら、ぼくはおじいさんの家に行った。

「何があったんです!?ボロボロじゃないですか!おまけに、凄い血だ!」
出迎えてくれたおじいさんは、さぞびっくりした様子でぼくを見た。
「ご心配なく。この血は全て返り血です。ボロボロなのは確かですが。」
「そうですか。それにしても、ヒドイ格好だ。とにかく風呂でもお入りなさい」
「すいません。お借りします」

ひとっぷろ浴びて、おじいさんの出してくれた料理を食べ終わった後、やっと人心地がつけた。
「一体、どうなさったんです?一週間も出てこないから、大変に心配していたとこです」
「すいません。実は奴らに捕まってしまい、身動きが取れなかったんです。
 まったく、お恥ずかしい限りです。」
「それはそれは・・・さぞ大変な思いをなさったでしょう?辛かったでしょうなー・・・」
おじいさんは大いに同情してくれた。ぼくは、それだけでもとても嬉しかった。
「しかし、こうして帰って来れて良かったです。安心すると何か眠くなってきたな・・・」
「かまいませんよ。一晩くらい泊まっていかれたら如何です?」
「すいません。じゃあ、ご好意に甘えさせてもらいます」
「どうぞどうぞ。こちらとしては、これぐらいじゃとても足りないくらいお世話になりましたから」
けど、おじいさんの言葉を最後まで聞く前に、ぼくは眠りに落ちてしまった。
猛烈に眠気が襲ってきたのだ。
「お世話に、ね・・・・・・」
まどろみの中で、おじいさんの声が聞こえた。

290 名前: 木人 (enck4cmw) 投稿日: 2004/01/18(日) 03:15 [ mJYHTk8w ]
そして、今に至るというわけさ。
またか。また縛られてやがる。
それが気がついた時の印象だったな。
どうやらぼくは、あっさり睡眠薬の効果にはまったらしい。
おそらくさっき出された料理の中に、それが入っていたのだろう。
犯人はやはりあのおじいさんだろうな。
自分がこれほど間抜けとは思わなかった。同じ手に二回もはまるなんて。
しかし、意図がわからない。何故こんな事をするのか。
「やあ。気がついたかい?」
後ろからあのジジィの声がした。

「何故こんな事をするのか、聞いておきたいな」

「聞いてどうする?」

「あの世の土産にするさ。」

じじぃはしばらく沈黙した後、小さな声で笑った。

「いいだろう、答えてやる。理由はいたってシンプルだ。そう、金だよ。
 私はな、かつては大会社の社長だったんだ。それが今じゃ、
 よわっちいただの非力な老いぼれジジィ。
 どこで間違えたかは判らない。しかし、私は前進する事に決めたんだ。過去の事は忘れてな」

「答えになってないな。何故俺を捕まえるのか、そう聞いたんだが」

刹那、後頭部に衝撃が走る。それも、しぃの拷問とは比べ物にならないとびきりの物だった。

「君は体ばかりで頭は使わんらしいな。少し頭をひねれば判るだろう?
 君が仕事に失敗したせいで、損害を被ったと言えば金になる。
 しかし、その[君]が役立たずでは話にならん。
 それはそいつが仕事が下手だから、当然ですよと言われればおしまいだからな。
 端金しか出ないだろう。
 そこでベテランを派遣するよう頼んだのさ。
 私は君達を信用したのに、この様か!これでベテランだなんて笑わせるな!」

本番の為に用意していたのだろう、激昂したような感情でジジイはその台詞を大声で言った。
その様子は、狂気すら感じさせた。

「上手いもんだろう?何度も練習したんだ。
 全て順調だ。後は君が死んでくれたらそれでいい。
 さて、まだ聞きたい事はあるかな?」

まずい。このままでは殺されてしまう。
なんとか、なんとかしなければ。脂汗が額ににじむ。

「俺を殺したって、必ずばれちまうぞ」

こんな程度の文句しか思い浮かばない、自分の脳みそを恨んだ。
案の定、ジジィは鼻で笑いやがった。畜生め。

「だから殺さないでという事か?笑わせてくれる。だが、ああ、それは心配無用だ。
 君がしぃに捕まっていたのは事実なんだろう?なら、それを利用するまでさ。
 そうだな、しぃに拷問されてそのまま死亡と言うのはどうかな?」

ぼくは精一杯頭を働かせる。少しでも時間稼ぎをしなければ・・・。

「そのシナリオじゃ、おかしいな。しぃは全員死んでるんだぜ?
 仮に脱走したあと、俺は相打ちで死んだ事にしても、爺さん、あんたに損害は無い。
 何の儲けにもならないってことだ」

「それならしぃの死体を全て片付ければいいだけの話じゃないか。
 大金のためさ、それぐらいはしよう。
 そして新たにしぃを連れて来れば、さっきの私の言い分も成り立つ」

ダメだ。もう論破のしようが無い。これ以上は引き伸ばせそうに無い。
今度はどんどん冷や汗が出る。

「もう話しつかれたな。さて、そろそろ殺すとするか。
 この後も予定が一杯なのでね。すまんが、私の未来の為にさっさと死んでくれ」

そして、首にロープがかけられた。万事休すか。ああ、なんてついてないんだぼくは。
くそ、来世で必ずこのジジィ殺してやる。
ぼくは硬く目を瞑った。

291 名前: 木人 (enck4cmw) 投稿日: 2004/01/18(日) 03:16 [ mJYHTk8w ]

「悪い爺さんもいたもんだな・・・」

後ろで声がしたかと思うと、バキッ!打撃音がした。
バタンバタンともみ合う音がする。
最後に、「おとなしくしやがれ、このボケ!」とあいつの声がして、またバキッと音がした。
ジジィの声がしない。どうやら気を失ったようだ。

「よう、災難だったな。」

アイツの声がする。やれやれ、どうやら危機は脱したようだ。

「まったくだ。この仕事してて命の危険にあうとは思わなかったよ」

アイツはぼくの手に結ばれた縄を解きながら、笑っていた。

「まぁ、そりゃ言えてるな。ほい、解けたぜ」

「ああ、ありがとう。助かった」

「しっかし、このジジィなに考えてんだかなー。
一週間も連絡ない奴を、ほっといたままにしとくわけ無いのに」

「このジジィがおきたら、教えてやるか。
 うちの会社のエージェントはペアを組んでて、定期連絡のない場合は
 相方が捜索に来るってな。」

「そりゃいい。そうしてやれ。そのときのジジィの顔が見たい」

それから、ぼくらはジジィを担いで本社に戻った。
社長に事情を説明した後、警察に連絡してもらい、ジジィはめでたく逮捕。
ぼくは特別に手当てを貰えた。ちょっとしたボーナスだ。
(けど、その金は相方が無理やり半分とっていった。)
まさか、自分があんな目にあうなんて、正直予想もしていなかった。
もしも自分があの爺さんの立場だったら、同じような事を企んだだろうか。
そんな事を考えていたら、相方が肩をたたいた。

「考え事してるとこ悪いけどよ、依頼が入ったぜ」

「どこから?」

「農園だ。しぃが住み着いたから、駆除して欲しいんだと」

野郎。どうりでニヤついてると思った。そういうことか。

「冗談じゃない、そんなとこはもうこりごりだ」

ぼくは両手を振って笑った。
                             終

292 名前: 指名手配 投稿日: 2004/01/21(水) 17:11 [ 7U8knDjQ ]
僕はしがないモララー。
虐殺厨として奮闘中さ
毎日自前の日本刀でちびギコやしぃを殺して充実な日々を送っている
でも、そんな日も長く続かなかった・・・
皆さんご存知の「虐殺禁止条例」ってあるでしょ。
まあ、長くは続かないわけなんだが。
虐殺禁止の日々が続いたんだ。
まあ、被虐キャラは大喜びだけど、僕たちモララー系はショックだよ。
僕も毎日ピリピリしてたんだ。
ある日公園で親子しぃに突っ掛かって来られたんだ。
今から話すのは、そんな話だよ。
思い起こせば三十五年前・・・
「ハニャーン!カワイイベビチゃンニブツカルナンテ、アンタナニサマノツモリ!!」
僕はムッとしながらも、
「いきなりこの子が飛び出してぶつかって来たんです!」
そしたらしぃが、
「ソンナコトハドウデモイイノ!!カワイイベビチャンガヒザヲ スリムイチャッタジャナイノ!!」
何て言って来たんだ、べビしぃの方はワンワン泣きながらひざを押さえていた。
僕もちょっと罪悪感を覚えたかな、でも次のしぃの一言で切れちゃった。
「アンタミタイナ バカガイルカラべビチャンガケガシチャウンデ・・シィィィィィ!!!」
僕の右手は自然にしぃの下腹部を殴っていた。
僕のパンチは弱いほうだけど、しぃにとっちゃボクサーに殴られるような衝撃だったみたいだね。
しぃはそのまま死んじゃったんだ。
禁止条例実施当時ならここでやめるはずだった。
しかし、切れた僕はべビの方も殺したんだ
爪をはいで、耳を引きちぎり、腕、足の骨を折って、蹴ったり殴ったり・・・
僕が我に帰った時はベビは既に肉の塊になっていた。
その日からだね、僕が指名手配されたのは・・・

293 名前: 17・6ヶ月 (ちびギコ&フサギコ) 投稿日: 2004/01/26(月) 10:01 [ Tlumu4ZM ]
>>2 >>9-11 >>19-22 >>32-35 >>49-50 >>172-180の続き

ちびギコ・フサギコの張り紙のあるドアを開け、中に入ると、ガラスの壁の向こうで
転げ回るフサギコが目に入った。ふさふさだった毛はあちこちに飛び散り、
皮膚が剥き出しになっている。引っかき傷とも縦に切り裂いた傷とも見ることのできる傷が
胸から腹にかけて見て取れた。

この部屋のテーブルには、ヘロインの塊、ヘロインを削り取るナイフ・薬包紙・吸引具の他に、
注射器・駆血帯代わりと思われる細いゴム管が加えられている。

ギコが説明を始めた。
「音声の前に、説明が必要だなゴルァ。ここは、モルヒネの経口投与を始めてから
6ヶ月以上たった部屋だ。実を言うと、被験者達の中で1年以上生存した個体はいない。
禁断症状に苦しんでいる連中もいるし、苦しんでいる様を見て、自分はああなりたくないと思って
吸入の使用量を増やし始めている連中もいる。それに幻覚とか・・・・」

説明を続けようとしているギコをモナーが遮り、
「ギコ、幻覚とかの説明は、音声聞かせながら説明した方がわかりやすいかも。
注射器と駆血帯は・・・6ヶ月もたつと吸入じゃ効かないって言っている連中が出始めてね。
静脈注射のやり方を教えたんだ。ギコ、音声を頼むよ。」

「ん、わかった。」ギコはモニター室に連絡を入れた。

一分ほど経った頃、音声が聞こえてきた。8番の札を耳につけているちびギコが、
「虫がいるデチ・・・キモイデチ・・・・」とぶつぶつ繰り返しながら、
自分の体をナイフで切り裂いていた。「ギ、ギ、ギ、ギャアアアアアアアアアア」
痛みに耐え切れなかったのか、禁断症状からくる全身の痛みなのかは図りかねるが、
悲鳴をあげながらちびギコは床を転げ回っている。

ガラスの向こうでギコが説明を始めた。
「8番のちびギコが「虫がいる」って言ってるでしょ?蟻走感っていうんだよね。
体中を蟻が蠢いている感じって言ったらわかるかなぁ・・・・
気持ち悪くて、体中をかきむしるんだよね。幻覚なんかも出始めてるかもしれない。
体の中にいる虫の幻覚を何とかしてえぐり出そうとしてるんだろうね。」

また、傍らでは1番の札を耳につけたちびギコが、人形とのコウビもどきにふけっていたが、
こちらは3ヶ月のグループの部屋にいたチビギコと勝手が違っていた。
彼の全身から必死さがにじみ出ているのが、ガラスの向こうの面々に感じられたのである。
「なぁんか、1番の被験者って必死モナね。」モナ川が思わず、声を漏らした。
「必死ですねぇ。」ちびが思わず相槌を打つ。

「禁断症状が性器に出てきてるんだよね。勃起しっぱなしってやつだ。
何とかして静めようとしてるんだろうねぇ・・・・でも静まらないんだよね。
何回やっても静まらないの。もう1番の寿命も長くないだろうな・・・・」

ギコの説明に、ちびが疑問を口にした。
「1番の寿命も長くないって?なぜです?」

「まぁ、被験者全員を見てごらんよ。全員痩せているだろ?
食事なんか、もうどうでもいいって状態になっちゃってるんだよね。
それに、薬で衰弱してしまうし。1番みたいに禁断症状が性器にきてしまうと、
ここでは人形のオナーニだけどさ、お姉ちゃんとのセクースでおさめようとする奴もいる。
それで、また衰弱と。薬を取る体力があれば、まだ回復するんだけどもさ。
回復って表現はごへいがあるな。死への延期って言う表現が正しいかな。」

294 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/01/26(月) 10:03 [ Tlumu4ZM ]
「ちびちゃん!あれ!」
ギコがちびの質問に答え終わるか終わらないかのうちにモラ山が絶叫した。
「モラ山君大声・・・・・」
出さなくてもわかるモナとモナ川が言おうとしたが、彼も息を飲み込んでしまった。
1番のちびギコがなんと、あちこちに精を撒き散らしている。
「ちびしぃたん、逝くデチ、逝くデチよ。ああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
彼が声を発した後、数十秒ほど精があちこちに放たれていたが、それも止まった。
1番のちびギコはその後、体を数回痙攣させたが、それも止まり、動かなくなった。

「モナー、モニター室に連絡頼むわ。」急にギコがモナーに告げる。

「り、臨終モナ?」「臨終?」「不謹慎だけど・・・・アハハハハ」
ダッコ映像の面々はそれぞれのリアクションを取っている。
ちびも、思わず笑い出してしまった。
「そう、臨終だよ。でも、笑い事じゃないんだよね。70年代じゃないけれど、
セックスとドラッグはここにあるからねぇ。死因の説明が必要かい?」
モニター室への連絡を終えたモナーの問いに、皆は首を横に振った。
「それよりももう少し落ち着くまで、時間をもらえませんか?」
ちびが笑いをかみ殺しながら頼むと、モナーとギコはうなずいた。
「ちびしぃやしぃの部屋に行くと、笑い事にならないから、今のうちに
笑っておくといい。ベビ棟なんかも、笑い事にはならないし・・・・・」
ギコの言葉に、ちび達の笑いは一斉に止まった。

「どう?そろそろ出る?」
顔が青ざめているダッコ映像の面々に、モナーが声をかけた頃と同じくして、
ボランティアが被験者の部屋に入室してきていた。彼はちびギコの首に触れ、
ガラスの向こうの面々に首を横に振ってみせた。臨終ですという彼なりの意思表示だろう。
すると、彼は盛んにちびギコの死体を指差し始めた。
「死体見るかって言ってるみたいだね。どうする?」
「お願いします。」
モナーの問いにちびは思わず返事をしてしまった。
「見るモナ?」「もしかして、ちびちゃん、ROTTENとかの常連さん?」
モナ川・モラ山の問いにちびは顔を真っ赤にして否定した。

「好奇心があるというのはいい事だね。」
と言いつつモナーは、ガラスの向こうのボランティアに「頼む。」というジェスチャーをした。
ボランティアは大きくうなずき、ちび達に、事切れた被験者の遺体を見せた。
彼は、首を握っている感じで、被験者を持っているため、ちび達には
死体が首吊りをしている状態に見えている。
詳細にちびは観察を始めた・・・・・・・・・

ちびギコやちびしぃは、ふっくらとしているイメージがあるのだが、
それがまったく感じられず、痩せてあばら骨が浮き出ている。
腕には注射のせいと見られる内出血だらけ。それに、縦に切ったと思われる傷跡も見える。
ナイフで切ったんだろうか?
体にも同じ様な縦の傷跡。ギコが言っていた蟻走感という奴に苦しんだのだろう。
股間のあたりを見てみると、毛が、整髪料で固めたように立っている。
先ほどの精子が固まった物だろう。

「モナーさん。手の縦の傷跡ってリスカ?」
「違うよ。血管を探したんだ。そこまでしてでも、薬が欲しかったんだよ。」

「もう、逝くとこまで逝っちゃったんですね・・・・・」
質問の答えを聞いたちびが思わずため息をつく。
「この被験者は1人で逝ったから、まだましな方だよ。
ちびちゃんには悪いが、しぃ族同士の争いは本当に凄まじいものがあるよ。
次の部屋に行ってみると運が良ければ、みられるかもね・・・・・」
ギコは、少し申し訳なさそうな口調でちびに話し掛けた。

しばらくして、急に部屋の中の連絡用の電話がなった。
「わかった。急いでちびしぃの部屋に行く。」
電話に出たモナーが電話を切ると、
「皆、急ごう。ギコが言った、ちびしぃ同士の争いが始まりそうなんだって。
ちょっとえげつないかもしれないけど、見ておく価値はあるよ。」
緊張した面持ちの皆は、モナーの言葉に従い、部屋を出た。

295 名前: 18・6ヶ月 (ちびしぃ) 投稿日: 2004/01/26(月) 10:04 [ Tlumu4ZM ]
ガタッ。
急いでドアを開けて中に入ると、モニター室のボランティアが気を利かせてくれたらしく、
被験者達の音声が聞こえている。
ガラスの向こうでは、3番と7番の小さな札を耳につけた
ちびしぃが互いにナイフを持って睨み合っていた。

「・・・カミサマハ シィチャンダケヲ アイシテ クダサルノ ・・・」
「・・・・ニセモノハ アボーンデス!!・・・・」

モナーは、「まただよ」と呟きながら、外国人の良くやる両手を広げるポーズをとった。
ギコもうんざりした表情をしている。

ちびは、ガラスの向こうの音声を聞きながら、あることを思い出していた・・・・・
いつの頃だったか、母親と母親の友人とともに、路地裏を歩いていたときのことである。
一匹のでぃが、ゴミ箱をあさっていた。
母親や母の友人は複数で、一匹のでぃを嬲り頃した。彼女らはでぃを殴りながら、
「マターリノ カミサマノ ナニオイテ シニナサイ」 と言うような言葉を連呼していた。
でぃが逝ってしまった時に、「キタナイノガ キエテ マターリダネ」と話していたのも、
ちびの脳裏に蘇ってきていた。

ちびの回想は、7番の札を耳につけたちびしぃの悲鳴によってかき消された。

296 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/01/26(月) 10:06 [ Tlumu4ZM ]
ガラスの向こうでは、3番のちびしぃが7番のちびしぃの耳を利き手でつかみ、
今まさに、(耳もぎ)をしようとしているところであった。
反対の手で、ナイフを持ち、切込みを入れた時に7番のちびしぃが悲鳴をあげたのだ。
「シィィィィィィ!!!! シィノ オミミガー!!!」
3番のちびしぃの力が弱かったのか、それとも筋肉繊維と逆らって切っている為なのかは不明だが、
耳もぎに、思いのほか時間がかかっている。それが、7番のちびしぃの苦痛を長引かせた。
「ギャアアアアアア ダッゴスルガラ モウ ヤベテェェェェェエエエ」
もう、7番のちびしぃは哀願口調になっているが、3番のちびしぃは無視している。
あろう事か、戦利品の耳を、口に放り込み噛み始めた!

「モウ ヤベテェェェ コンナノ マターリジャナイヨォ ・・・・ シィチャンノ オミミ カエジテェェェェェ」
7番のちびしぃが泣きながら3番のちびしぃに訴える。3番のちびしぃは、
「ウルサイワネ ニセモノノ クセニ。 ソンナニ イウナラ カエスワヨ」
と、口の中で噛んでいた(耳だったもの)を吐き出した。
彼女が噛んでいた耳は、もう繊維状の物に短い毛が絡まっている状態の
ガムもどきの物になってしまっていた。
「コンナンジャ モウ クッツカナイジャナイ! ナンテコト スルノヨ!」
さっき泣いたカラスがもう笑ったという言葉ではないが、
7番のちびしぃは3番のちびしぃに怒鳴っている。
「ダッコ スルカラ・・・・」と哀願していたのは、嘘だろうというくらいの変わり身の早さだ。

「モウ オミミモ アジガ ナクナッテ ダメネ。コンドハ、 ドコニ シヨウカシラ。」
「エ?」
凶器に満ちた笑みを浮かべ、3番のちびしぃが言った言葉に、7番のちびしぃが
面食らった表情をしている。
「ギュウタン ハ ウシサンダケド シィチャンノ シタハ ナニカシラネ。」
「コンナノ マターリ ジャナイヨ? マターリ シヨウヨ。 ミンナデ ナカヨク ハ・・・・グハァッ。 」
ボタボタボタボタッ。
7番のちびしぃがハニャニャニャニャンという前に3番のちびしぃが、
舌にナイフを入れたため、7番のちびしぃが吐血する。床にこぼれ落ちた血液に、
他の被験者が群がり、啜り、舐め尽くした。

「ボランティアサン イッテタヨ。 ニセモノノ シィチャンノ ホネハ マターリノ カミサマヘノ オソナエモノ ナンダッテ。」
「ニセモノノ シィチャンノ オニクハ マターリノカミサマカラ シィチャンヘノ オクリモノナンダッテ。 」
「ダカラ アンシンシテ シンデネ!」
痛みに転げ回る7番のちびしぃに、容赦なく他のちびしぃ達が言い放っている。
3番のちびしぃと5番のちびしぃが2人がかりで、7番のちびしぃの動きを止める。
「ジニダグ・・ゴボッ・・・・ナ・・・・グハァッ!!!!」

ボタボタボタボタッ。ザクッ。
吐血した血液が、床に流れ落ちる音と、
3番のちびしぃが、7番のちびしぃの腹にナイフを突き立てた音が、
ガラスの向こうにいる面々にも聞こえた・・・・・
「え?え?」「((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル 」「か、解体?」
ガラスの向こうのちび達に恐怖と、混乱が襲っている。被験者のちびしぃ達が、
頃したての遺体の肉や臓物を切り分けて、皆で食しているのだ。
ガッガッガッという水分を含んだ音がなんとも生々しい。

ピンクの臓物、灰白色っぽい色をした脳、見る見るうちに、ちびしぃの体が
食われ、血を飲まれ、骨と化していく。ガラスの向こうで見ている面々は
顔をしかめているのだが、被験者達はお構い無しだ。
中には勝ち誇ったような笑みを浮かべて食している者もいる。
「コレハ カミサマカラノ オクリモノダヨ」 と・・・・
それが、かえってちび達の心の中に、胸糞悪い何かを残していた。

「ギコ。すまないが、詰め所に連絡頼むわ。食い終わる頃だね。」
モナーが、ギコに事務的に頼んだ。

297 名前: 19・マターリの神様の中のしぃ 投稿日: 2004/01/26(月) 10:08 [ Tlumu4ZM ]
ちびしぃ達が、同族の遺体を食している一方、ガラスの向こうでは
モナーが、ちび・モラ谷・モラ山・モナ川に(ガラスの向こうの同族食い)の説明をしている。
ギコが気を利かせて、ちびしぃたちの食事の音のボリュームを下げるように頼んだようである。

「周辺の住民から、苦情が来たんだよねぇ。」
「苦情?」 
モナーの呟きにモラ谷が反応する。

「そう。異臭がするって。で、異臭の元を調査したの。
うちの焼却炉から出ている肉の焼けた臭いだったんだけど。で、照合作業をしたのね。
焼却炉のジエンとタカラギコには、日報をつけてもらった。」

「で、住民の方々には、何月何日の何時ごろの異臭がきつかったかって言うのを
聞き取ったモナね?」

モナ川の質問にモナーが答える。
「そう。結果、ちびしぃ、しぃ、ちびギコとフサギコらの遺体を燃やした日の
肉の焼ける臭いが周辺の住民の苦情の元みたいだって事だった。で、対処法を話し合ったんだ。
単純な話だよ。肉や臓物の部分をいかに燃やさないかってことなんだから。」

「で、食わせようかと?」
ちびの質問に、モナーは少し申し訳なさげに説明する。
「ちびちゃんには、胸糞悪い話だよね。でも、同族間の頃し合いも頻繁に起こっていてね、
遺体が激増したって問題も抱えてたんだよ。それと、焼却炉の方でも問題を抱えていた。
確か、時間がかかって困ってたんだったっけ?」

「変な油汚れがひどくて、掃除が大変だっていうのもだ。」
モナーの説明に、ギコが付け加えた。彼はそのまま説明を続ける。

「ボランティア・俺達・焼却炉のジエンとタカラギコでの話し合いの中で、
確かボランティアが、(食わせますか?)って言い出したんだよ。
死体の肉や臓物の部分を減らせば、臭いも減るだろうと。
現にレモナさんの所で氏んだベビたちの臭いについては、苦情が無いじゃないかと。」

震えているダッコ映像の面々やちびに、
ギコは追い討ちをかけるように続ける。

「ちびギコたちの場合は、血や生肉・生臓物の味を全員が勝手に覚えちゃったんだよね。
それで、ほっときゃ勝手に食うだろうと言う話になった。で、骨を片付ければいいと。
でも、さっきみたいな氏に方をした場合は、しょうがないんで、こっちで解体して、
肉の部分を食事に出すって事で落ち着いた。」

「問題は、しぃやちびしぃっスか?」
「モラ山君だったっけ?少し落ち着いた?」 モナーは少々モラ山をからかいつつ、話し始めた。
「うん。軟らかくて、甘くて、高級な物しか食わないとか当初言ってたから。
どうやって食わせるかって事で、マターリの神様のご登場となったんだ。
神様の贈り物とか言えば、同族でも食うだろうと。問題は、罪悪感だったけどね・・・」

298 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/01/26(月) 10:09 [ Tlumu4ZM ]
(マターリの神様)と言う言葉を聞いたとたん、ちびは顔をこわばらせた。
そして、少々興奮気味にモナーに話し始めた。
「モナーさん。あのね。マターリの神様ってあたし、いないと思うようにしているの。
あれは(マターリの神様の中のしぃ)だと思ってるの。」

「ん?」場にいた全員がちびの発言に興味を示し、耳を傾ける。

「あのね、私達がここに入ってきたとき、
ガラスの向こうでちびしぃたちが、 マターリノ カミサマハ ・・・・って言ってたじゃない。
その言葉を効いて思い出したことがあるの・・・・・」

「うん、続けて?」モラ谷に促され、ちびは続ける。

「1人のでぃちゃんが、ごみを漁ってたのね。そしたら、母さんと、母さんの友達が、
マターリの神様の名において氏ねっていいながら、でぃちゃんをぼこぼこにしてたの。
でぃちゃんは氏んじゃった。キタナイノガキエテ マターリダネ って母さん達が言ってたのも覚えてる。」

モラ谷は合いの手を入れた。「ちびちゃんはどう思ったの?」

「違うって。マターリの神様の名前を借りて、勝手なことをしてるだけじゃんって思った。
別の日に母さんに質問したことがあったのね。
(でぃちゃんがもし、しぃちゃんだったらマターリの神様は彼女を守ってくれるの?)って。
そしたら、母さんは答えてくれなかったの。そんなこと考えたら、ギャクサツチュウなんだって。」

「ちびちゃんは、それでどう思ったモナ?」

「マターリの神様の中のしぃが、あのしぃたちを増長させちゃったんだって思ってる。
本当は、でぃちゃんにだって優しくしなきゃいけないのに・・・・
いろんな人に優しくできて、初めてマターリってできるって思っているの。
だから、マターリの神様はいないって思うようにしたの。マターリの神様の名前を借りて、
でぃちゃんを平気で頃せるしぃがいる間は。」
ちびは歯を食いしばり、苦渋の表情を浮かべていた。
場にいた他の面々は彼女にかける言葉が見当たらなかった。

突然、電話の音がけたたましく鳴り響いた。
「・・・・・そこもか?・・・・頼むよ。うん、すぐ行く。」
「皆、隣でもけんかが始まったらしいよ。きっかけはこことは違うけど。
頃し合いに発展しそうだってさ。見に行ってみよう。」
電話に出ていたギコが全員に退出を促し、皆それに従った。

ガラスの向こうでは、同族の遺骨を一箇所にまとめた他の被験者達が、
全員体のどこかを血に染め、マターリの神様に祈りを捧げていた。

299 名前: 20・6ヶ月 (しぃ) 投稿日: 2004/01/26(月) 10:15 [ Tlumu4ZM ]
ドアを開けると、ガラスの向こうでは8番の札を耳につけたしぃと、
2番の札を耳につけたしぃが、言い争っている声が聞こえてきた。
「ギコクンノ アツーイマナザシハ ミンナ シィチャンノ モノナノ!!」
「チガウ。 ギコクンハ シィチャンノ モノナノ!!」
どうやら、床の向こうのシャイなギコ(実際はボランティア)は、誰の相手かで
けんかが起こったようである。
実際は、ギコがペニスを穴から出しているのではなく、ボランティアの
少々顔が不自由な男性なのだが。(アツーイ マナザシ)とやらも、
彼女らの幻覚であろう。
「今度は(ギコクン)か・・・・」モナーは少々にやけながら呟く。
「勘弁してくれ・・・・」ギコは顔を青ざめさせた。

ちびは少々あきれていた。薬で頭がいかれているとはいえ、
これは普段の同族の争いと変わらないではないか。「ギコクン」
「マターリの神様の愛とやらの独占」・・・・・・・・・・
すべて「自分だけの」物にしたいんだ。「相手のこと」なんか範疇に無いんだ・・・・

「あ〜あ、ちびちゃん。あれ。普段のしぃちゃん達と、あんま変わらないねぇ。」
のんびりとしている口調だが、鋭いモラ谷の指摘にちびは赤面した。
「恥ずかしいと思えることが大事だよ。ちびちゃん。彼女達よりもしっかりとした
考えを持ててるんじゃないのかな?」と、モラ谷はガラスの向こうを指差す。

一方、ガラスの向こうでは、「ニセモノ」 と、互いを罵り合う声が聞こえている。
8番の札を耳につけたしぃも、2番の札を耳につけたしぃも、薬のせいで痩せ細り、
彼女らの自称する(アイドル)的かわいらしさは、かけらも残っていない。
静脈をあちこち針で探した為と思われる内出血が腕のあちこちにできて、痛々しい。
ガラスの向こうでの、「シィチャンハ カワイイノ 」 という音声を聞いて思わず失笑が漏れる・・・

300 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/01/26(月) 10:19 [ Tlumu4ZM ]
突然、2番のしぃが、8番のしぃに向かって襲い掛かった。
8番のしぃも応戦し、殴り合いになっているのだが、どうもシリアスさに欠ける。
子供が2人で握りこぶしを作り、腕を振り回している見たいで、どうも滑稽であった。
またも失笑が漏れたが、その笑いが突然凍りついた。

突然、8番のしぃが、爪を立てて2番のしぃの顔を引っ掻く。
片目に爪が刺さったらしく、目から出血した2番のしぃは絶叫した。
「シィィィィ!!!!! オメメ オメメガァアアア!!!! シィノ オメメェェェェエエエエエ!!!!!」
怯んだ2番のしぃに容赦なく、8番のしぃはみぞおちを蹴り飛ばした。
「グハアッ!!」
転げ回る2番のしぃを8番のしぃは容赦なく踏みつけ、完璧に彼女の動きを止めた。
荒い息をさせながら、2番のしぃはあちこち目だけを動かし、
助けてくれそうな相手を探していたらしい。ガラスの向こうのギコを見つけて
助けを求めた。
「ギ、ギコクン シィヲ タスケナサイ 」
ギコは無言で、ガラスの向こうの2番のしぃに対し、さよならの動作をしている。
「ナ、ナンデ サヨナラナノ ギャクサツチュウニ センノウサレタノ?? 」
ギコは笑みを浮かべ、中指を立てるポーズをしぃにみせた。
2番のしぃは、ギコのほうに視線を向けていたが、ギコが助けてくれないのがわかると
顔を天井に向けた。「ギャクサツチュウ シンジャエ 」 と、最後の抵抗と思われる捨て台詞を残して。

ギコに対しては強気の姿勢の2番のしぃだったが、
すぐに卑屈な命乞いを始めることになった。8番のしぃがニヤけながら
粉まみれのナイフを持って近づいてきたのである。

「コンナノ マターリ ジャナイヨ?ネ? ダッコシテアゲルカラ タズケテ・・・」
「マタガミサマノ オツゲガ アッタノヨ。」
「エ? オツゲ?」
「アナタヲ コロシテ ホカノミンナデ マターリ シナサイッテ。 アナタハ イケニエダッテサ。」

「カミサマ ナンデ シィチャンヲ ミステ・・・ゲハァッ」
ブシュッ。2番のしぃが最期の台詞を言い終わらないうちに
首筋に粉だらけのナイフが突き刺さった。
驟雨のように首から噴き出す血の赤と、2番のしぃの毛の白が
奇妙な模様を描き出していた。他の被験者達は2番のしぃに群がり、血の雨を浴びている。
勝手な言葉を吐きながら。
「オオムカシニ コウヤッテ ケツエキヲ カラダニ アビタ オンナノヒトガイタンダヨ」
「シッテル。 ソノヒトハ ウツクシサト ワカサヲ タモチタカッタンダヨネ」
「シィチャンモ ソノヒトミタイニ ナレルヨネ」

勝者の8番のしぃが、かつての同族だった物の解体を始めている。
毛を剃り、皮をはぎ、肉を取り分け・・・・
とぼけたレクイエムを歌いながら。
「カミサマカラノ オクリモノ♪ シィチャンノ オニクデ ハニャニャニャニャン♪」
2番のしぃの肉を9等分し終えた8番のしぃは、
残りの全員を一箇所に集め、代表で祈りを捧げていた。
「マターリノカミサマ オクリモノヲ アリガトウ。 マターリデキマス。 ハニャニャニャニャン。」
「ハニャニャニャニャン」8番のしぃの祈りに続いて全員が唱和する。
祈りを終えた全員の被験者は、ちょっと早い食事をとり始めた。────

301 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/01/26(月) 10:20 [ Tlumu4ZM ]
ちびは気丈にも(顔は青ざめていたが、)ガラスの向こうの惨劇を注視できたが、
ダッコ映像の面々は、そうではなかった。
モラ山は持参していたスーパーのレジ袋の中に嘔吐していたし、
モラ谷は、めまいを起こしうずくまっていた。モナ川は失神しているという有様である。

モナーとギコ、そして眩暈がおさまったモラ谷は、失神しているモナ川を、
彼らがいる部屋の、長いソファーに寝かせた。
モナーとギコは、この状況を見慣れているらしく、流石に平然としている。

「ちびちゃん、よく見ていられたなぁ。」 モラ谷が感心した口調で言うと、
「怖かったですけど、見なくちゃいけないと思ったんです。」とちびが返した。

「モラ谷さん。どちらかというと女の子の方が、こういうの強いみたいだよ。
学生のとき、しぃの脳出しをやった事があるんだけどさ、俺も含めて、男性陣は皆、
今のダッコ映像の皆さんみたいになっちゃったもん。女子学生や、ナースは
比較的大丈夫だったんだよ。」
ギコが、モラ谷を慰めようとして昔話をすると、モラ谷は恐縮した。
「恥ずかしいですよ・・・ギコさん・・・いっそ笑ってください・・」

「モナ川さんが気がついたら、次の部屋に行きましょう。
次が最後の部屋です。ちびちゃんも、よく見ておいてね。」
モナーが皆に覚悟を促すと、失神しているモナ川以外の面々はうなずいた。
30分ほど後にモナ川が気がついたので、モナーが最後の部屋に行くことを彼に説明した。
彼が、気分が落ち着くまで15分くらい待ち、この部屋を出た。

302 名前: 21・ベビ棟 投稿日: 2004/01/26(月) 10:23 [ Tlumu4ZM ]
ベビ棟に入る前に入念に消毒をするように、看護師から言われたので、
手を消毒液で洗い、ベビ棟内で着用を義務付けられている白衣に着替え、棟内に入った。
「ベビたちが起きないように・・・・」というモナーの声を遮る女性の声がした。
「大丈夫。起きてるから。」診察に来ていたらしいレモナが、モナーに告げる。
「ちびちゃん。こんにちは。」レモナの挨拶に、ちびは丁寧なお辞儀で返す。

レモナが、皆に説明を始めた。
「この部屋は、ここにくる前に妊娠してたりとか、3ヶ月のお部屋で妊娠したしぃ・ちびしぃ達が
運良くって言っていいのかなぁ。出産したベビたちの部屋なの。全員生まれながらにして麻薬中毒。
ここで、解毒したり、食事で体力つけたりして、元気になった子達は乳児院に行きます。」

全員「生まれながらにして麻薬中毒」という言葉の意味が分からなかった。
最初にモラ谷が、レモナに尋ねた。「生まれながらにして麻薬中毒って???」

「赤ちゃんとママとは、胎盤とへその緒で繋がってるのはわかるわよね?
へその緒を通じて、お母さんから栄養をもらって育っているの。麻薬注射で
血液中に薬の成分が母体に入っていると、子供にもその成分は当然行くわよね・・・・」

「お母さんと一緒に、薬でマターリと言う訳ですか?・・・・」
ちびがレモナにおそるおそる聞く。

「そうよ。ちびちゃん。でもね、この子達は生まれたときに
麻薬の供給は断たれるの。で、生まれたときから禁断症状に苦しむと。
それに前のお部屋で、ママだった被験者達見てたでしょ?太ってた?」

全員レモナの問いに首を横に振る。
「そう。まともな食事なんて取ってない。あんまりぶくぶく太るのはまずいけど、
妊娠中ってある程度は太るべきなのよ。赤ちゃんのためにもね。
食事の代わりに麻薬じゃ、ここにいる子達みたいになるのもしょうがないでしょ。」

いらっしゃい、とレモナに促されベビ棟の一角を訪れたちび達は絶句した。
保育器に入れられたベビたちは、一様に毛が無く、ピンク色の肌が剥き出しになっている。
「ピィィィィ」と言うなんとも弱弱しい泣き声が、皆の顔を曇らせた。
「この子達は全員、超未熟児といわれる状態で生まれたのよ。」

看護士代わりのでぃがミルクをあげているのを見て、ちびがレモナに、
「ダッコしてあげてもいいですか?」と聞いたがやんわりと拒否された。
「ちびちゃん。ここら辺の子達はまだ、ダッコできるほど、強くないの。ごめんなさいね。
ただ、触るくらいなら大丈夫。触ってみる?」
ちびはうなずくと、でぃに抱えあげてもらい、保育器の中の手を入れる場所から
手を入れ、ベビに触れた。でぃに「ヤサシク・・ヤサシク・・」 と言われたので、
そのとおりにさすると、ベビの顔が少し微笑んでいるように見えた。

ちびはでぃに礼を言い、床に降ろしてもらうと、レモナは話を続ける。
「もう少し大きく生まれたベビちゃんたちもいるのよ。見る?」
皆でうなずき、棟内を移動し、また別の一角で止まった。そこの一角のベビたちは、
先ほどの「超未熟児」レベルのベビたちよりは大きかったが、保育器に入れられていた。

ちび、モラ谷、モナ川、モラ山は、なにか違和感をこのベビ達に感じていた。
保育器の中で、震えている者、荒い呼吸をしている者、
見かけはベビしぃだが、「キィィィィ キィィィ」と、でぃの様な金切り声を上げている者など、
さまざまな「禁断症状」を起こしているベビが大半を占めているのである。
「ここら辺の子達は、さっき私が言った、生まれたときから禁断症状を起こしてる子達ね。
できる限りのことはしているけど、最後はこの子達の体力次第になっちゃうのよね・・・」
レモナはため息混じりに呟いた。

「アフォが増殖するよりは、捨てられた方がまだましな方なのかもしれないですね。」
「ちびちゃん????」
意外なちびの発言にその場にいた全員は面食らった。
「ここで話すべきことではないですね。別の場所で話しませんか?」
ちびの申し出に、皆でうなずき、この部屋を出た。

303 名前: 22・申し出 投稿日: 2004/01/26(月) 10:25 [ Tlumu4ZM ]
ちび達は、薬物についての知識を学んだ部屋に、もう一度通された。
レモナが、「何か飲みながら話をしましょう」と、お茶を用意しに部屋を出る。
しばらくしてレモナがお茶とお菓子を持って戻り、皆に配り終えると
ちびは話し始めた。

「ベビちゃんたちの部屋にいてふと思ったんです。びっくりさせてすいませんでした。」

「いや、意外だったのよ。ちびちゃんがそんなことを言い出すなんて。
しぃ族って、母親のもとで子供を育ててるのって多いじゃない?
(捨てられた方が・・・)って考えるしぃって珍しいと思って。」

レモナがちびに、自分の考えを話す。
ちびはレモナに思わず、自分の心情を吐露した。

「乳児院に行くってレモナさんの言葉を聞いて、羨ましいなと思ったんです。
まともな教育が受けられるかもしれないチャンス・・・
(あやふやな物なのかもしれないけど・・・)がこの子達にはあるんだって。
全角で喋るのがギャクサツチュウなんて考えをすり込まれないですむかもしれないでしょ?」

「そうか。ちびちゃんはベビたちを見て、この子達はやり直しができるかも
って思ったモナね。羨ましかったんだ。」

モナ川の問いにちびはうなずいた。

「話を変えようか?」ギコの声に皆がうなずく。

「実は、6ヶ月の所でもそうだし、3ヶ月の所でもそうなんだけど、
被験者同士の頃し合いがあると、個体数が減って困るんだよね。
どうしたらいいか悩んでたりするんだけど。」

「既に、薬物中毒のしぃ・ちびしぃ・ちびギコをつれてくるって言うのは?」
ちびの提案に、モナーとギコが「おお!」と言う表情をした。

「それいいね。ちびちゃんやってくれる?」
モナーのお願いに、ちびが頷く。
「実は口上も考えてたりして・・・」
ちびが呟くと、「なおさらいいね。」ギコは喜んだ。

「今日で見学は終わりだけど、もう2日ほど、お家に帰る日を延ばしてもらえるかな?
作る物と、ちびちゃんに教えなければならないこともあるんだ。それと、もし
中毒状態の被験者を連れてくることができたら、一体あたり2000円出そう。
具体的な契約は擬古矢と詰めてくれる?」

モナーの話にちびは頷いた。
彼は続けて、ダッコ映像の面々に、
「ダッコ映像の皆さんは、見学は終わりです。ご苦労様でした。詳細はまた後日ということで・・・」

ダッコ映像の面々・擬古矢が部屋を出て行き、姿が見えなくなった頃、
会議室にはレモナとモナー・ギコ・ちびが残された。

ギコはちびに、
「明日は、擬古矢が起こしにくるからな。ここの部屋にくるように彼には話してある。
まず、擬古矢と契約の詳細を詰めてくれ。それから、ちびちゃんに渡す麻薬を作るからな。
ある程度の薬の量ができたら、ちびちゃんの研修はおしまいだよ。」
と明日の説明をすると、ちびは頷いた。
次にレモナが、
「今日は疲れたでしょう?お食事を取って早めにお休みなさい。また明日ね。」と声をかけると、
ちびは「また明日よろしくお願いします。」と、モナー・ギコ・レモナに声をかけ、部屋を出た。

食堂で、ちびは軽い食事をとり、自分の部屋に戻ると、
強烈な眠気に襲われたので、シャワーを軽く浴び、
擬古矢が起こしにくる時間の30分前に目覚ましをセットし、床についた。

304 名前: 23・本契約/金裏銀児 投稿日: 2004/01/26(月) 10:27 [ Tlumu4ZM ]
[ジリリリリー]
目覚ましの音でちびは目を覚ました。
今日か明日で、擬古田薬品での研究は終わる。顔を洗い、身支度を整え終えた頃、
ノックの音がした。擬古矢が起こしに来たのだ。
「おはようちびちゃん。よく眠れた?」
擬古矢の問いにちびはうなずく。
「じゃあ、会議室に行こう。」
擬古矢は、ちびを会議室に連れて行った。

会議室に着くと、擬古矢は早速契約書を取り出しちびに渡す。
条件が変わった旨をちびに説明した。

「前に契約書に、お手手のはんこ押してもらったよね?中毒にした被験者も連れてくるって
ちびちゃん言ったじゃない?それを上に話したら了承したんで、
新しい契約書作ったんだ。もう一度これを見て、ハンコを押してくれる?」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

契約書

妊娠しぃ・しぃ・ちびしぃ・ちびギコ&フサギコ 1人 2000円
     (既に薬物中毒であることが前提)

しぃ・ちびしぃ・ちびギコ&フサギコ  1人1000円
(薬物中毒ではないことが前提)

もし、アフォしぃではないしぃ族を連れてきた場合
罰金 1500円
                     (ハンコ)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ちびは、迷わず左手に朱肉をつけ、手形を押す。
「じゃあ、契約成立だね。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
互いに挨拶を交わし終えると、擬古矢は、ベンジンとティッシュペーパーをちびに渡し、
「これで、朱肉が落ちるといいけど。落としてみてね。」
ちびはベンジンをティッシュに浸し手を拭きながら、
「ギコさんが言ってた、作る物ってなんだろう・・・・」と呟いた。
擬古矢が、「なんかね〜。ミングオイルとか言ってた。俺も手伝えって。
モナーとギコが、後ね、ボランティアも2〜3人連れてくるらしいよ。」

305 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/01/26(月) 10:31 [ Tlumu4ZM ]
「ふうん・・・あ、擬古矢さん。朱肉落ちました。どうもありがとう。」
ちびが擬古矢に礼を言い終えた頃、モナーとギコが2人のボランティアを連れて入ってきた。
彼らは、小さな密封できるビニール袋・薬包紙をたくさん持ってきていた。
それに、秤、分銅、大きなあへんの塊、ヘロインの塊、ナイフ、使い捨て手袋・・・
かなりの大荷物である。

「やあ、ちびちゃんに擬古矢。よく眠れた?」
二人がモナーの問いに大きくうなずく。
モナーが会議室のホワイトボードに、大きく
「金裏銀児 ミングオイル」と書くと、ギコが説明を始めた。

「今日の作業は阿片のタバコ作りと、ヘロインを粉にして袋に詰める作業だ。」

モナーが続ける。
「これは、金裏銀児 (ミングオイル)といわれている方法の改良版だよ。
金は阿片、銀はモルヒネの隠し言葉なんだって。でも、今回は、モルヒネの変わりに
ヘロインを使うんだ。まずは、阿片のタバコを作ることから始めようか。」

ドン。
生阿片の塊をボランティアが机に置くと、
ギコが、ゴム手袋を手にはめ、作り方を説明し始めた。
「皮膚からも成分が吸収されてしまうんだ。まず、手袋をはめてくれ。
ここにいくらでもあるからな。」

へらを取り出し、少々の生阿片を取り分け、薬包紙の上に置く。
「粘土くらいの軟らかさだから、簡単に取れるぞ。
 そして紙の上に少し置いてくれ。薬包紙はいくらでもあるから、
失敗してもかまわない。こつをつかんでくれな。」

生阿片を乗せた薬包紙を筒状に巻き始める。
そして、両方の紙の端をキャンディの包み紙のようにねじった。
「これでタバコは出来上がり。乾かすのに少し時間がかかるから、
ちびちゃんがこれを使うのは、もう少し後になるな。」

「作り方はわかった?」 「はーい」
ギコが全員に聞くと返事が返ってきた。
「じゃあ、お昼まで作ろう。お昼をとってから、ヘロインの袋わけだよ。」
モナーの声が合図となって、皆タバコを作り始めた。

ちびは、最初の2〜30本ほどは要領がつかめず、
たばこのような形に巻かなければならない物が、キャンディ状に巻けてしまったりしたが、
徐々に要領がつかめてきた。流石にボランティアの青年二人は上手に巻けているようだ。
モナー・ギコは言わずもがなである。
擬古矢はまだ、要領を得ないらしく、へらで薬包紙についた阿片をこそぎ落としていた。
「なかなかうまくいかないなぁ・・・みんなうまいなぁ・・・」
擬古矢のぼやきに、ちびがアドバイスをする。
「擬古矢さん。割と、阿片の量、少なめでいい感じですよ。」

アドバイスが功を奏したのか、擬古矢のタバコを作るペースも上がり、
だんだん出来上がったタバコの量が増えていった。
お昼の30分前くらいには200本くらいは既に出来上がっていた。

「皆ペースが上がってきたな。後15分でとりあえず切り上げよう。」
モナーの言葉に皆でうなずいた。15分経つとギコが、
「今巻いているタバコで、終わってくれ。それから荷物を片付けて、
午後からはヘロインの袋詰めだからな。」
皆で荷物を片付け終えた頃、お昼の時間の3分前くらいになった。

306 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/01/26(月) 10:32 [ Tlumu4ZM ]
「食堂に行こう。」モナーの先導で、全員で部屋を出た。
食堂に着くといい匂いが立ち込めていた。

「カニグラタンと、プリン下さい。」「A定食」 「B定食ね」・・・

それぞれが好きな注文をとり、すぐに出された食事を持ってテーブルに移動した。
口々に「いただきます」の挨拶をし、食事をとり始めた。
あまり行儀のいい状態ではないが、食べながら、という状態で、
午後の予定の説明がモナーよりなされる。

「午後は、ヘロインの袋詰だよ。あの塊を削って、5gづつ量って袋に入れるの。
後で、マスクを持ってくるから少し待っててね。吸い込んじゃったら事だから。」

ちびが不安を口にする。
「いきなり5gも渡しちゃったら、すぐに使い切って、氏んじゃう予感がします。
少しずつ渡した方がいいかもしれない。それに、私、最初から大勢にばら撒こうって
思ってないんです。少しテストしたいの。」

ギコは、はっとした表情をし、
「そうか、そういう危険性もあるんだ。気付かなかったぞ。ゴルァ。
袋詰の方法を変える必要があるな。マジックが必要になるな。
でも、問題はテスト方法だぞ?」

モナーが口をはさんだ。
「袋詰のときにグラム数を記入しよう。一日量0・5g〜2gぐらいが妥当かも。
それから、ちびちゃんに、観察日記をつけてもらうのはどう?
ちびちゃんのテストの目安にもなるし、その日記が連絡帳代わりになるし。」

ちびが表情を曇らせながら言う。
「いいですね。やります。でも、筆記用具・・・」
モナーがちびの肩を叩いて言った。 
「筆記用具はあげるから、心配しないの。連絡帳の使い方は袋詰の後に教えるからね。」

ちびの顔に笑顔が戻った。40分ほど経ったあと、全員食事をとり終えた。
「会議室に先に行っててくれ。筆記用具と、マスクを忘れたんで持ってくる。」
ギコと別れ、モナー・ちび・擬古矢・ボランティアの青年2人は会議室に向かった。
会議室に着き、10分ほど経ったあと、ギコが戻って来た。
不職布で作られた精巧なマスク、サインペン・鉛筆・鉛筆削り・大学ノートを持って戻ってきた。

「さて、ヘロインの袋詰だぞ。俺が言った通りに真似してくれ。」説明をギコが始める。
「その前に・・・」マスクをギコが配り始めた。
「マスクを皆してくれよ。でないと、ミイラ取りがミイラになっちまうからな・・・」
全員がマスクをつけ終えると、説明をギコが始めた。

「サインペンは全員に渡っているな。まず、0・5gの袋から始めるぞ。
それぞれ、各70袋づつな。まずビニールに、0・5って書いてくれ。書いたか?
それから、秤の上に、薬包紙を置くんだ。そして、目盛りが0・5を示すまで
薬をけずって紙の上にのせてってくれ。」

全員、少々手間取りながらギコに言われた通りにする。
「のせたか?」ギコの質問に、全員うなずいた。
「よし、それを0・5って書いたビニール袋の中に入れるんだ。そして、チャックを閉じて、
ここにおいてくれ。」と目の前の小さなダンボールを指差した・・・・・
その後、ギコの号令に合わせ、袋詰の作業が4時間ほど続いた。
外は、もう暗くなり始めていた。

ダンボールの中に袋詰した麻薬の小袋が280包。
ギコが、終了の号令をかけると、皆、ほぼ同時ぐらいに伸びをしていた。
相当根を詰めての作業だったようだ。

「ちびちゃん、時間も時間だし、今日も泊まって行くといい。食事をとって
早めに休みなさい。明日のお昼で、ここでの打ち合わせはお終いだ。
擬古矢に、公園まで送らせよう。ゆっくり休んでね。」

モナーの言葉にちびは「はーい」と返事をする。
ちびはその後食事をとり、部屋へ戻る。軽くシャワーを浴び、
早めに床に着いた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次回、観察日記についての説明を受け、
いよいよ、町に出かけます。

今回は山口椿さんの著書と、
警察関係のHPより引用部分があります。

307 名前: 指名手配 投稿日: 2004/01/28(水) 17:06 [ QD3wR/36 ]
>>292続き
僕は家から刃渡り四十cm程の日本刀にキャンプ道具を持つと、急いで家を飛び出した。
そして新幹線で、かなり田舎まで行った。
途中警官に見つかりそうになったが、人ごみの中で隠れてやり過ごした
日本刀は昔使っていた野球のバットケースに入れた。
そして田舎に着き、僕は急いで降りた
着いたの場所は、かなり田舎で、一面田んぼと牧場と畑だらけだった
僕は警官に見つからないように山奥へと入っていった・・・
一時間ぐらい山道を歩くと小学校の様な施設が見えてきた。
「東モナー小学校第一分校」と書いてある。
昔は栄えていたようだが、今はもう廃校になっている様だ。
手入れが全くされていない。
僕は今日ここで疲れを癒す事にした。

308 名前: 指名手配 投稿日: 2004/01/29(木) 15:04 [ mXe/m3G2 ]
足元の草を切り払って行く・・・
僕は中庭に行く事にした。
中庭に行く途中、何か物音がしたが気にせず進んでいった。
中庭を見て回っている時、僕はハッとして物陰に隠れた。
すぐ近くに、レコとチビしぃにベビレコが歩いてきたのである。
「(そうか・・・あの時の物音はこいつ等だったのか)」
その時レコ達の動きが止まった。
「レコクンミテ、キレイナハナダネ」
「コドー!!」
「キレイダナ コゾウ デモチビシィノホウガキレイダゾコゾウ」
う〜ムカツク・・・僕はこんなキザなのが大嫌いなのである。
「もう我慢ならん!ぶっ殺す!!」
僕はレコ達の前に飛び出して日本刀を振り下ろした。
「ギャアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」
「レコクン!!ギャ、ギャクサツチュウ!!」
「コドー・・・・・」
レコは頭がパックリ割れて血が噴水のように流れ立ったまま絶命した。良いオブジェである。
「ナ、ナンデ・・・ギャクサツハ キンシノハズ ジャア・・・」
「そんなの知るか!ぶち殺すのに理由なんてイラネーヨ(ナンチャテ」
その時ベビレコがぶつかって来た。
「コドー!!コ、コドー!」
「ベビチャン!ニゲナサイ!」
僕は無言のまま、ベビレコの頭目掛けて日本刀を振り下ろした
ザシュッ!と言う音と共にベビレコは小さくて小汚い脳味噌を散らせて絶命した。
「コ、ギュガチュウウウウウウウウウウ!!!!!」
「ベビチャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!」
僕はチビしぃの動き見た。
「ベビチャン・・「コドー」ッテイッテ・・・ホラ・・オチチヨ・・・」
そう言って物凄く平坦な乳房をベビレコだった肉塊に押し付けている。
「あーーっもう!!小汚えんだよ!!お前のベビは死んでんだよ!!分かる?
死・ん・で・る・の!!」
そう言ってベビレコだった肉塊を取り上げて首の辺りを切り取った。
「ヤメテエエエエエエエエエエ!!!ベビチャンヲイジメナイデエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!」
僕はあまりに五月蝿いチビしぃを反射的に肩を切りつけた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!イダイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!」
チビしぃの右肩がパックリ開いてドクドクと血が出てきている。
そして跪くと、こういって絶命した。
「ウウウウ・・・・ミンナ・・・タ・・スケ・・ニ・・キ・・・テ」
「(他にまだ居るのか・・・)」
僕は警戒しながら校舎内に入っていった。
      
             続く

309 名前: 指名手配 投稿日: 2004/01/29(木) 16:14 [ mXe/m3G2 ]
校舎内は、かなりボロボロになっていた。
僕は爆弾を作る材料があるかもしれない理科室へと行った。
途中、給食室と書かれている場所から物音が聞こえてきた。
何かを焼く音や煮る音が聞こえている。
僕は日本刀を構えると扉をきずかれない様に少し開けて見た。
中ではチビしぃが三十匹ほど網で焼いたりなべで煮たりしているのは・・・・
         ・・・・ベビしぃだった・・・・!!
断末魔を上げながら「ママーママータスケテー!!」と叫んでいる
一匹のチビしぃがこう言った
「ヤッパリ タイイクカンノ「ショクリョウ」ハオイシイワネー」
「(体育館!?)」
僕は陸上選手の如く体育館へ行った
体育館の中に入ってみると、鎖につながれた良しぃと・・・モララーが居た・・・
「なんて事だ・・・」
その時一人のモララーが僕を呼んだ
「お前は・・・シガナイ!」
「お前・・・モラノか!?」
言い忘れたが僕の名前はシガナイ モララである
モラノとは、十年以上の付き合いだ。
僕は驚きながらこう言った。
「何故お前がこんな廃学校に!?」
「俺が刑事って事は知ってるだろ」
「ああ・・・」
「ここ最近、謎の失踪事件が起きているから怪しいしぃを、つけていたら・・・」
「そうだったのか・・・今助けるからな!」
僕は日本刀で鎖を切ろうとした。その時・・
「ハニャーン!!ソコマデヨ!!」
僕は驚いて後ろを向いた
そこには武装したしぃが40匹位いた。
「お前らは何が目的でこの人たちを監禁した!」
「コドモヲ パコン パコントウマセルツモリダッタノヨ!」
「そして罪も無い子供を・・・許さん!」
僕は日本刀を強く握ると武装しぃの軍団に向かって走り出した。
「バカネ!!ゼンインカマエ!ウテ!!」
赤い閃光と共に僕の体から血が噴出していた。
「ぐ!!うう・・・」
「シニナサイ!!!ゼンインウテ!!」
僕は死を悟った、だが・・・
「くたばれ!フライングキック!!」
謎の鎧男が武装しぃを蹴った
「シィィィィィ!!」
「ハニャ!オマエハ!」
「そうだ!警察特別部隊のAAライダーとは俺の事だ!」
     第一部完

310 名前: 死夜-シヨル- 投稿日: 2004/01/29(木) 18:50 [ vtYACJ1A ]
2人のしぃがいた。
1人はしぃ美といいとても美しい毛並みをしていた。
もう1匹はしぃ乃といい、ごく普通のしぃだった。
2人は家も隣同士で、両親も仲がよく、姉妹のように育ってきた。
しかし、その容姿の違いからか、それとも家庭環境か、同じしぃには育たなかった。
しぃ美は自分の美しさを知っていて、どんどん傲慢になり、一時全角で話せていたのにもかかわらず、いつしか半角で話すようになっていた。
しぃ乃はそれがとても不安で、よく、
「しぃ美ちゃん、全角で喋れないといじめられちゃうかもよ、直そうよ」
と言っていた。
しかししぃ美は
「シィミハキレイダカラダイジョウブヨ!ダレダッテダッコシタクナッチャウンダカラ!」
といつも口うるさいしぃ乃に内心(ウザイナ!)と思いつつそんなことを言っていた。

“ガラ"
「あれ?しぃ乃ちゃんモナー」
「あ、モナ志くんに、ギコ矢くんに、モラ太くん。」
放課後、少し日の暮れた教室で自分の席に座っていたしぃ乃はかけられた声に顔を上げると、クラスメートの3人の少年がいるのを見つけた。
「何やってんだよ、こんな時間まで。」
3人はしぃ乃の机まで来て、しぃ乃がなにやら書いている物を覗き込んだ。
それは『学級日誌』だった。
「学級日誌まだ書いてるモナー?」
「あれ?ちょっと待てよ?」
「そうだよ、今日の日直はしぃ美じゃなかったのかよ?」
しぃ乃はしまったという顔をする。
「お前また押しつけられたのかYO!」
誰ともなくため息をつく。それにしぃ乃は慌てて、
「しぃ美ちゃんは今日バレエのレッスンがあるの、それで忙しかっただけなの!」
と、説得を試みる。
「とか言って、この前も押し付けられていたモナー」
「そうだった、そうだった。前は確かダンスレッスンだった!」
「俺がガツンと言ってやるぜ!」
ギコ矢の発言に他の2人も頷いた。
「いいよ(><)だって、しぃ美ちゃんはアイドルになるっていう夢に向かって頑張ってるんだもん!私はその手伝いをしたいの!・・・ただ・・・。」
しぃ乃の表情が曇る。
「ただなんだよ?途中でやめたら気になるじゃん!」
「しぃ美ちゃんがアフォしぃに間違えられなきゃいいんだけど・・・。」
しょぼーんとなったしぃ乃を慰めようと思ったが、3人は
(間違うって言うか・・・アフォしぃだよ・・・)と言う共通の考えが頭を回りなかなか言葉が出なかった。
「・・・あ、まだ残ってる仕事手伝うモナー」
やっと出たモナ志の言葉に同じく言葉を探していた2人は必要以上に頷いた。
「でも、あと残ってるのは学級日誌とうさぎの餌やりなの。でも、今日ほんとは日直じゃなかったからうさぎのエサ持ってきてなくって、一回取りに行かないとだから、みんなは帰っていいよ。」
「だったら俺が持ってきてやるよ!俺のうちの方が近いからな」
「でも、何か用事があったんじゃないの?」
「!!そうモナ、今日の宿題のノート忘れたから取りに来たモナー」
「一緒に宿題もやっちゃうか!」
あはははは、と明るい笑い声が廊下にもこぼれた。
その日まではいつも通りの日常だった。

≪続く≫

-----------------------------------------------------------------

はじめまして
そして、初書き込みです。
冒頭だけなのに長いです。
お目汚しですが読んでいただけたらと思います。

311 名前: ブレイク 投稿日: 2004/01/30(金) 16:39 [ kz18KJUo ]
1/2
 アフォしぃ虐殺工業

虐殺 虐殺 あなたの町の
自己中 糞虫 アフォしぃどもをー
ギコをコウビで殺してく
畑の作物盗んでく
地球の平和を阻むやつらさ

 kile C!!

アフォしぃ虐殺工業
スチィルボール DADADA!!

アフォしぃ虐殺工業
ぞぬぞぬアンカー
大地を揺らし!!
アフォしぃ殺すぜ! ベビも殺すぜ!
楽しく殺すぜ!! 東へ 西へ!!
走るー! 走るーーー!!

アフォしぃ虐殺工業

312 名前: ブレイク 投稿日: 2004/01/30(金) 16:40 [ kz18KJUo ]
2/2

虐殺 虐殺 アフォしぃどもの
家を アジトを 隠れ家をー
死体処理などお手の物
強力サポートいたします
正義の制裁 ミサイル放てー

 kile C!!

アフォしぃ虐殺工業
クロウカッターDADADA!!

アフォしぃ虐殺工業
死体プレッサー 大地に響け!!
アフォしぃ殺すぜ! ベビも殺すぜ!
楽しく殺すぜ!! 東へ 西へ!!
走るー! 走るーーー!!

アフォしぃ虐殺工業

 kile C!!

313 名前: ブレイク 投稿日: 2004/01/30(金) 16:47 [ kz18KJUo ]
アフォしぃ虐殺工業
スチィルボール DADADA!! (チィ!!)

アフォしぃ虐殺工業
ぞぬぞぬアンカーDADADA!! (ぞぬ)

アフォしぃ虐殺工業
クロウカッターDADADA!! (Hei!!)

アフォしぃ虐殺工業
死体プレッサー 大地に響け!!
アフォしぃ殺すぜ! ベビも殺すぜ!
楽しく殺すぜ!! 東へ 西へ!!
走るー! 走るーーー!!

アフォしぃ虐殺工業

 kile C!!

今度は仕事のことを書きます

314 名前: 陽炎 投稿日: 2004/01/31(土) 17:39 [ gc66PTAk ]
俺も書くとしようか、

短編小説

ある日モララーが公園で散歩をしてました。
「あ〜くそ〜、退屈だな〜、なんかこー、糞偽しぃいないかな?」
と、独り言を言っていました、
すると、
「おっ!あれは?」
といい、双眼鏡を何処からとも無く出し、その気になる所を、双眼鏡で見ました。
と、モララーは、
「こりゃ驚いた、・・・しぃ共、あんな事してたのか、・・・・奴等らしい、(プ」
その近くに行ってきました。

「シィタチニオカネヲミツギナサイ、」
「ジャナイトアンタハギャクサツチュウダカラネ、」
と、2匹の偽しぃが、チビギコに、たかっていました。
「ボ、ボクチン・・・オカネモッテナイデチ・・・・・」
チビギコは、震えてました、声も、震えていました。
「ナンデスッテ!」
一匹のしぃが言いました。
「ジャァアンタハギャクサツチュウネ、アボーンシナキャネ、」
「ソウネ、」
二匹のしぃが、何処からとも無く、こん棒を出しました。
「一寸待ったぁ!!」
今丁度やって来たモララーが叫びました。
「ゲッ、モララー!」
「ギャクサツチュウシュウライヨ!」
2匹のしぃは、一歩引きました、その隙に、たかられていたチビギコは逃げました。
「おい手前等、金持ってないからって虐殺厨ってどういう神経してんだ!?つーかお前等ってほんとクズだな、弱い者にしかたからないって、つーかたかる事自体馬鹿の象徴なんだよバーカ!」
「ウルサイワネ!コノカワイイカワイイアイドルシィチャンニオカネヲミツガナイヤシハギャクサツチュウナンダカラ!」
「ソウヨソウヨ!」
ブチッ、
「て、て、手前等にゃ、・・・裁きの鉄槌くらわさせなきゃな、・・・・」


  ∧∧       ∧__∧
 (*゚ー゚)゚)     (・∀・#)
  U  |│     (    )
〜|  |│     ││ │
  し' JJ      (__(__)

315 名前: 陽炎@gc66PTAk (KjgMXATs) 投稿日: 2004/01/31(土) 19:08 [ gc66PTAk ]
「基本の耳もぎー!!!」
ブチィ!!ブチィ!!
「シィィィィィ!!!」
「ハニャァァァァン!!」
「うははははは!!!泣け!!喚け!!惨めに死んでいけ!!!お前等糞蟲共ぁ!!!」
ブチッ!!ブチャ!!
「シィィィ!!」
「シィノ・・・シィノカワイイオミミー!!!」
「さてと、お次は腕だな〜腕。」
ボコンッ!!ブッチィン!!
「シィィィ!!!」
「ッシィィィイイ!!」
「オラオラァ!!!」
メキャァ!!ブチョッ!!
「シィィィィイイイァ!!」
「ジィィィィィ!!!!」
「おーおー、一匹の糞はもう参ってるらしいな、だが、」
一息ついて、
「殺す!!!!!醜く!!そして優雅に!!!」
「シィィィ!!モウヤメテー!!!」
「コンナノマターリジャナイヨゥモウヤメテー!!!」
「うるせぇ!!真の虐殺厨がぁぁ!!!」
ボッコン!!!ドゥボン!!!
「ウジィィィィ!!!!」
「ッジィィィィィ!!!」
「さぁさぁさぁさぁ!!!どんどん行くぜぇ!!!
ズポン!!ズパァン!!
「ジィィィイイイイァァァァ!!!」
「ウッジィィィィィ!!!」
「おっしゃぁ!!!盛り上がってキター!!!」
「シィィィィ!!!モウヤメテー!!!」
「ナンテコトスルノヨコノギャクサツチュウ!!!」
「黙れ糞共、その姿で名誉挽回を果たしな、じゃーなー、いい運動になったぜ。」


  +
∧__∧ +
(・∀・*)        ,,,,_,,,,    ,,,,_,,,,
( + )       ・゚・>0<・゚・  (;T-T)
 Y 人        /@;:;:@   /@;;:;:@
(_)(_)      (;:@*:;@   (;:@*:;:@

316 名前: 陽炎@gc66PTAk (KjgMXATs) 投稿日: 2004/01/31(土) 19:09 [ gc66PTAk ]
やべー、
挿しAAがズレター!!

317 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/02/01(日) 03:44 [ YycF08Jo ]

          天国と地獄

ついにきたか。
うすうすは想像していた。昔そういうものが有ったとも聞いていたし。
しかし、まさかまた同じものがでて来るとは、正直思っていなかった。
これで私の一生は、灰色の人生になってしまうかもしれない。
なんてことだ。

「まったく、下らねぇことになった・・・」

三杯目のワイルド・ターキーを、やりきれない気持ちと一緒に喉に流し込んだ。
が、やはり酔いが私を取り巻くだけだった。

「お客さん、それ、さっきから20回ほどいってますよ」

心持ち暗い店内に比べ、明るいカウンター内でグラスを拭いていたマスターが
声をかけて来た。

「・・・声にだしてた?」

「ええ、大きな声ではありませんでしたけど」

初老に入ったころだろうか、正確な年齢はなぜか教えてくれないが、
いつも温和な笑顔を見せ、客を和ませるマスターも、最近はややイラついているように見える。
それも、しょうがない事だが。
この店、"The last bus stop"店内も溜め息であふれていた。
それに、ここ最近、客数も平常時よりもかなり多い。しばしばここに足を運ぶ私にはよくわかる。
今日に限って、ここに来る奴等の気持ちもよくわかる。
酒でも飲まねばやってられないのだ。

「気持ちはわかるだろう?見逃してくれ。まったく、世の中どうかしてる・・・」

「しょうがないって気持ちは有りますけどね。やはり釈然としない気持ちもあります。
自分たちのせいなんでしょうけど・・・」

そう、我々がこんなにも途方にくれているのは、我々が原因でもあるのだ。
我々が、虐殺をしすぎたせいで。

一週間ほど前、政府はメディアを通してこんな発表をした。
「虐殺対象の生物を、一時保護し、その後養殖させる」
無論、我々虐殺者達にとっては寝耳に水である。
全員一様にそんなばかな、と驚いただろう。私だってそうだ。
話では、我々が虐殺を行いすぎたため、被虐者の個体数が減少し、
絶滅の危機にさらされている為、安全な場所で一時確保し、数を増やそうと言う計画なのだそうだ。
虐殺を非難し散るわけではない。むしろ奨励している。
犯罪率は激減したし、国全体の無職者も減っているからだ。(これは、所構わず虐殺され、
町を汚して死んだものを片付ける人員が大幅に必要になった為だ)
養殖が成功した後は、再び国中に返していく。と、概ねこういう話だった。
所謂、「虐殺禁止条例」と言う奴だ。反吐がでる。
余談だが、この条例発表後、街頭アンケートを行った結果、
条例反対が98%、政府支持率が14%だったそうだ。
私だって反対と答え、ファッキン・ガバメントと答えただろう。

ふと気付くと、客が随分減っていた。
店内にいるのは、私を入れて、奥のテーブルで政府の愚痴を言っているグループの4人になっていしまっていた。
そうか、もうこんな時間か・・・。明日も早い事だ。私もそろそろ帰る事にするかな。
しかし、こんな気持ちのまま帰ったって、どうせ眠れないに決まっている。
わたしは、もう一杯だけ飲もうと決め、マスターにおかわりを頼んだ。

318 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/02/01(日) 03:45 [ YycF08Jo ]
何時間たっただろうか。さっきのグループは、もう姿を消していた。
(もう帰らなければ・・・)
私がそう思い、財布を捜しているその時だった。

「随分落胆なさってますね?」

声をかけてきた男がいた。

「当然でしょう?あんな事があったんじゃ、酒の力を借りねば生きていけませんよ」

男は、鞄を傍らに置いて私の横の席に腰掛け来た。
身なりはきちんとしているが、どこか隙のないような空気の男だった。

「なるほど。やはり、皆さん苦労なさってるんでしょうな。」

「そりゃそうです。私の友人なんて、賭け事に走ってしまい、
 50万の借金を抱え込んでしまった者だっているんですから」

「それはお気の毒に。そんな方にこそ、お会いしたかったものです」

私は、少しカチンと来た。友達が悲惨な目にあっているというのに、この言い様は何だ。

「随分と他人事でお話しするんですね。あなただって、明日はわが身かもしれませんよ?」

「ああ、誤解を招いたのなら謝ります。決してご友人を笑うつもりで言ったんじゃないんです。
 むしろ、お救いしたかったと言うか・・・」

「救う?」

「ええ。できれば、少しお時間いただけませんか?貴方だけでも、救う事が出来るかも」

何を言ってるんだこの男は。私を救うとはどういうことだろうか?友人の様にならないようにしてやるということか?
少し胡散臭いが、興味を引かれた。私は続きを聞いてみる事にした。

「いいですよ。なかなか、面白そうだ」

「それはよかった。・・・そうですね。まずは本題に入る前に少しだけ話しておかなければならない事があります。
 政府は一週間前、保護対象を施設に移しました。このことはご存知ですね?しかし、減少しているとは言っても、
 その数は半端のものではありませんでした。予定していた施設の限界入員数を大きく上回るものです。
 そのため、急遽施設数の増加を図りました。しかし、公に募れば、虐殺者が押しかけて来ないとも限りません。
 事は極秘裏で行われました。あー・・・北第二浄水所をご存知ですか?」

話に聞き入っていたところ、急に話を振られて少し困惑した。

「知ってます。ここから車で10分くらいの位置にある施設でしょう?
 しかし、もう随分使われていないと聞きますが」

「そうです。事実、放置されていました。だからこそ政府は、そこを新施設に選んだのです。」

この事実に私は少なからず驚いた。まさか、あんな近くに。だが・・・

「なるほど。それは驚きました。だが、だからどうと言うのです?忍び込んでさらってこいとでも?」

男は一口酒を飲んだ後、マスターが奥に引っ込んだままなのを確認して、微笑して話を続けた。

「ここからが本題です。いいですか?忍び込む必要はありません。正面から堂々と入っていただいて結構です。
 何せ、山の中ですからね。」

どんどん意味がわからなくなってくる。一体、この男は何者なのか。

「よろしいですか?何故こんな事をいうのか?それは、私がそこの施設の管理者だからですよ。
 すでに飼育は始まっています。我が施設の入員数は約500匹。一年後には、2000匹にする予定です。
 我々飼育者、管理者の中に虐殺者はいません。当然の配慮です。給料も桁が違います。
 黙秘料の意味があるんでしょう。これも当然ですね。しかし、世間は随分悲惨な目にあっている方もいます。
 私はそのような人をお救いしたいのですよ。・・・私が言いたい事が判りますか?」

すでに酔いは醒めていた。カッコいい事を言ってはいるが、要は金儲けできるアルバイトを考え付いただけだろう。
が、願っても無い話だ。私は激しく頷く。

「その秘密の代償として金を頂くのだな?貴方はその性分を満足させる事が出来るし、
 懐も暖まる。そして私は・・・」

「存分にお楽しみいただけるという算段ですよ。まさかとは思いますが、断ると言う考えはありませんか?」

「まさか。このご時世、そんな夢のような話を蹴る馬鹿はいないよ。喜んで乗らせてもらおう」

「それはよかった。では、明日の夜10時にこの店に。」

「わかった。明日が楽しみだよ。一つ、乾杯でもしたい気分だ」

「いいですね。それじゃあ、輝かしい未来に・・・」

「乾杯。」

二人は、グラスを掲げて、チン、と鳴らした。

                         続

319 名前: 死夜-シヨル- 投稿日: 2004/02/01(日) 03:59 [ RKxH7W92 ]


それは次の日のこと。
しぃ乃はお使いを頼まれ、近所のスーパーまで行った帰り道のことだ
「シイィィィィィッ!!」
薄暗い路地から聞き覚えのある悲鳴が聞こえてきた。
「この声は・・・しぃ美ちゃん・・・?」
恐る恐る路地を覗くとそこには大人のモララーとモナーが座り込んでいるしぃ美、しかもオシッコを漏らしているらしい、を挟みうちする形で立っていた。
モララーの手にはどこから取り出したのか警棒のような物が握られていた。
(しぃ美ちゃんアフォしぃに間違えられちゃったんだ!このままじゃ殺されちゃう)
≪殺されちゃう≫その言葉を思ったときしぃ乃の心臓がドクンと一回大きく高鳴った。
その瞬間、“バサッ"と言う音を立てて、しぃ乃が持っていたお使いの袋が落ちた。
「んー?」
その音に同時にモララーとモナーの顔が跳ね上がる。
その狂暴な目がしぃ乃を捕らえる。
しぃ乃はビクっと身体を震わせた。
モナーはしぃ乃を逃がさないように走り出した。
しぃ乃も走り出す。
ただ、モララーとモナーが思ったのと逆の方向に。
“ドン!!”
しぃ乃はモナーの胸に飛び込むような形になった。
「な、なんだモナー!気でも違ったモナ?」
モナーは胸に飛び込んできたしぃ乃を捕まえる。しかし、そんなことにはしぃ乃は動じなかった。
「おねがい!しぃ美ちゃんを殺さないで!おねがい!わたしはどうなってもいいから!」
しぃ乃の小さな目から涙がこぼれ落ちる。
「・・・アフォしぃじゃないみたいだな。」
モララーはモナーが捕まえている少女の前にきて、しゃがみ、目線を合わせる。
しぃ乃の身体は恐ろしさからかガクガク震えているが、気丈にもモララーの目を見返した。
「お嬢ちゃん、どうなってもいいって、ほんとに思ってるのかな?」
「・・・うん」
「これから、お嬢ちゃんは、腕は千切られ、足は千切られ、もしかしたら目をくりぬかれちゃうかもしれないなー。それから解剖されたかえるみたいにお腹を開けられちゃうかもしれない。しかも、生きたままね。それでもいいのかな〜?」
しぃ乃は息を呑んだ。やさしげには言っているが恐ろしいことを言われ、倒れそうだったが、それでも「うん」と頷く。
「どうしてだい?お嬢ちゃん死んじゃうかもしれないんだよ?」
「・・・だって・・・しぃ美ちゃんは、友達だから・・・。」
涙混じりの消え入るような声で、しかししっかりと言う。
モララーもモナーも言葉が出なかった。
その時、今まで黙っていたしぃ美が口を開いた。
「ソウヨ!ソウヨ!ギャクサツチュウ!
ギャクサツシタイダケナンデショ!
ダッタラソッチノミニクイノヲヤッテヨ!
シィミチャンハカワイインダカラ!ギャクサツシチャダメナノヨ!」
まくし立て、腰が抜けているのか、後ずさりして少しずつ逃げようとしている。
「・・・・・」
その発言を聞き、ゆっくりとモララーが立ち上がる。
「だめ!やだ!やめてぇ!」
しぃ乃は怒りによって硬直しているモナーの手を振り切り、モララーに縋りついた。
「おねがい!おねがい!わたしはどうなってもいいから・・・しぃ美ちゃんを殺さないで!」
すがりつくしぃ乃の頭をモララーは優しく撫でる。
「うん、わかったよ。君の言う通りにしよう。覚悟はいいかい?」
しぃ乃の身体がガクガクと震え出す。しかし、祈りをささげるシスターのポーズをとり、覚悟を決める。
モララーはそのしぃ乃の首筋めがけて警棒のような物を振り折らした。
“ガン”と言う音を聞き、次に“ズサ”と言う音を聞いて、しぃ乃の意識は奈落へと落ちていった。
「さて・・・。」
くるりとモララーは向きを変える。
そこには這いずって逃げようとしたしぃ美の顔を踏みつけ、逃がさないようにしているモナーの姿があった。
「ショータイムを始めようか、大丈夫、殺さないYO!この子との約束だからね。まー、死んだほうが楽かもしれないけどねー。」
モララーはにこやかにしぃ美に近付いていった。



≪続く≫

320 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/01(日) 23:19 [ hGDtK.hM ]
ここは糞虫ぃ(くそむしぃ)の巣穴の中…

「ハニャーン キョウモイイテンキダヨー」
糞虫達が抜け面をして巣穴から出てきた。
「ゴハンハドコカナー」
飯などあるわけは無い。ここはシィフルエンザウイルスが発生したため、廃棄された研究所なのだから…
ウイルスの影響でこの研究所には糞虫しか住めない、いわば糞虫の楽園のような環境なのである、
…そして研究用に巣穴で冬眠させられていた糞虫達が今おきだしたのである。
おそらく冬眠剤が切れたのだろう…
研究員達は逃げるのに必死で、おそらく巣穴の中の糞虫を殺している暇が無かったのだろう、
その他の施設にいた糞虫達は研究員の非難時に駆除され、殺されていたのだから…
実際研究所内には数多くの糞虫の死骸がまだ残っている。
これからこの無人の研究所で偶然にも生き延びてしまった糞虫達はどうするのだろうか?


「ハニャーン」「ハニャーン」
糞虫達が次々と巣穴から出てくる、
「チィチィ」「オカータンナコチテクダチャイ」
子供達もいる…
おや?体を重そうに引きずっている糞虫がいる?
「ハニャーン ウマレルー」
どうやら出産直前に冬眠剤を投与されたらしい、
「ガンバッテ ベビチャンタクサンウンデネ」
仲間に励まされている、
「ハ ハ ハニャー」
妊娠している糞虫が大きくいきんだ
「ア アタマガデタヨ モウスコシガンバッテー」
「ハニャーーー」
妊娠糞虫の体から、3引きのべび糞虫が産み落とされた。
「ウマレタヨー 3ヒキモイルヨー」
「アレ?」
「シンデル!!」
どうやら冬眠剤の影響は胎児には強すぎたらしい、うまれたべびは3対とも死んでいた。
「シィィィ ヒドイヨー タノシミニシテタノニー」
妊娠していた糞虫はそういうと、べびのs死体を抱え、歩き始めた。埋葬しに行くつもりなのだろう。

「ゴメンネベビチャン イキタママ ウンデアゲラレナクテ」
そういいながら妊娠していた糞虫は穴を掘り続けていた
…と
「ウビィー」
後ろで声がした…ヴィーだ!ビィが更に進化して生まれると言う最強最悪のクリーチャーである。
シィフルエンザウイルスがしぃの死骸に取り付いて発生したに違いない。
「ハニャ シィハナニモワルイコトシテナイヨ ダカラタベナイdxgfdgfrg」
「ガrgふおえrくぃvgんmjqろ」
糞虫はそれ以上いう暇も無く、あっという間にヴィーに食われた、
ヴィーは残っていたべびの死骸をくちゃくちゃと食べつくすと、
しぃの巣穴へと歩み始めた近づいていった

続く これから巣穴にヴィーが飛び込みエイリアン状態に・・・

321 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/01(日) 23:21 [ hGDtK.hM ]
訂正 歩みみ始めた近づいていった→歩み始め、近づいていった

322 名前: 陽炎 (KjgMXATs) 投稿日: 2004/02/02(月) 18:06 [ RazcOel. ]
やっぱAAも小説もここはレベル高いな〜、
っし、長短編を貼ろうかね、

「錬金術」

とある日の夕方、・・・・
「あ〜糞っ、ちり紙交換だしそこねた!!!」
と、一人悔しむモララーがいました。
「あ〜糞っ、もう一寸早く逝っていれば、・・・」
モララーは愚痴ってました、するとそこへ、
「ん?モララー、どうしたモナ?」
モナーが何処からとも無くやって来ました。
「おおモナー、今一寸な、」
「分かってるモナ、ちり紙交換出し損ねた、そうモナか?」
「うっ、何故、知っている?」
「さらに愚痴ってたモナ。」
「な、なんで俺が言ってたことを・・・」
「それは簡単モナ、ずっとあとつけてたモナ。」
「・・・・・・・・・」
一時の沈黙、
すると、モナーは、
「心配無いモナ、こういうときは、錬金術に頼るモナ、」
「れ、錬金術?確か、鉄を金にする(練成)とかのか?」
「正解モナ、でも錬金術は鉄を金にするだけじゃないモナ。」
「え?どゆk・・・あ〜そゆこと!あ〜」
「そうモナ、じゃぁ早速、やるモナ、」
モナモナ〜!!!
ボンッ!!
「おお!ちり紙がトイレットペーパーになった!」
「どうモナ?凄いモナか?」
「おおすごいすごい、でもな、」
「でも?」
「このトイレットペーパを、丈夫なロープにすることって、出来るか?」
「簡単モナ、」
モナモナ〜!!
ボンッ!
「!!!マジだ!!」
「どうモナ?他にやることは無いモナ?」
「もう無い、サンキューモナー!」
モララーは帰路につこうとした、
「待つモナ、」
「え?何?」
「錬金術の基本は等価交換モナ、よって、」
「よって?」
「モナにも糞しぃ虐殺をやらせろモナ。」
「うっ、気づいてたのか!?」
「当たり前モナ、モララーの考えはお見通しモナ。」
「はは、・・・まぁいい、いくぞ〜、モララ〜、」
「わかったモナ〜♪」
∧_∧   ∧_∧
(・∀・ )  (´∀` )
(    )  (    )
 Y 人     Y 人
(_)` )   (_)` )

323 名前: 陽炎 (KjgMXATs) 投稿日: 2004/02/02(月) 18:28 [ RazcOel. ]
続・錬金術

「等価交換」

「最近な、俺も達磨虐待や真っ二つに飽きてんだよ、」
「ふ〜ん、モナは飽きないモナ。」
「まぁ俺がだよ、俺が、」
「そんなにしつこく言わなくても分かるモナ、」
「しつこくないと思うが・・・まぁいい、」

いつも糞しぃの集まる、夕方の公園へ逝きました。
「やっぱ、次の殺し方はだな、・・・」
「何モナ何モナ?」
「ダッコだ。」
「へ?」
「ダッコだっての、」
「ダ、ダッコ?・・・・・まぁいいモナ、」
多少焦ったモナーだった。
「おっしゃ!糞しぃハケーン!!」
「4匹モナ!」
「しゃっ!2匹づつと逝くか!」
「そうするモナ、」

324 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/03(火) 00:44 [ Q1hKXR02 ]
「ナニモ タベルモノガ ナイヨー ハニャーン カワイイ シイチャンニ ナンテコトスルノヨー」
「ナニカ サガシニ イカナクチャ」
「ベビチャンタチハ スニノコッテテネ」
「チビチャンタチハ イッショニキテ テツダッテネ」
「ワタシノ チビチャンタチニハ ルスバンヲサセマショ」
そういうと親糞虫達は廃棄された研究所へ向かった。

…糞虫達が餌を探しに出かけた10分後、そこにヴぃーがたどり着いた
「ウヴィー クヴィヴィヴィー」
ベビ糞虫3体に親糞虫1体では代謝の激しい己の肉体を維持できないのだろう、
ヴィーは新たな餌を求め、糞虫の冬眠巣穴へ飛び込んだ

…まずヴィーを出迎えたのは、留守番約のチビたちであった
「アニャ ナンデチュカ コレハ?」
「キット ダッコ シテクレルンデチュヨ」
「アニャーン ダッコダッコダッコッダッコ」
「ダッコダッコダッコダッコダッコ」
チビたちが「ダッコ」を連呼する。
ヴィーはウイルスに乗っ取られたであったが、目の前にいる輩が行っている行為が不愉快なことである事を理解したらしい
「ウヴィー」の叫び声と共に、一匹のチビの腹をかっさばいた。
「チィィィィィィ イチャイデチュヨー アニャーン アニャーン」
「ナッコー ナゴチテー ママー」
ほかのチビたちは一目散に逃げ出した
ヴィーは腹を割かれたチビがもがき苦しむさまを何もせずに見守っている、
心なしか笑ってすらいるような気がする、
まさか?
まさかたかがウイルスが虐殺の喜びに目覚めたというのか?

「アニャーン」
腹から血を大量に流しているチビは徐々に衰弱していった、
「クルチイデチュヨー タチュケテクダチャイヨー」
もう、いっそ殺してといった具合だ。
それを察したのかヴィーは腕をふるい、チビの頭を叩き割った
「ギヂィ」
一声泣くとチビは体を痙攣させ、それっきり動かなくなった
それを確認してかどうか、ヴィーは巣穴真相部を目指し、活動を始めた。

325 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/03(火) 00:45 [ Q1hKXR02 ]
…「大丈夫ですよ」
半角でしゃべる声がする
「ここにはあの化け物は来ませんからね、安心して眠りなさい」
珍しい、全角でしゃべるちび糞虫が残っていたとは…
「チィチィ」
どうやらここはベビの育成所のうちのひとつのようだ、
するとこのチビは子守というわけか、

バキャ
っと音がして、ヴィーが乗り込んできた
「ウヴィィィィィィ」
雄叫びを上げる
その音に驚いてかベビ達がもそもそと動き始める
「チィチィ」「ウピィ」「ピィピィ」
それをチビがなだめる、
「びっくりしないの、びぃはほっとけば何もしないから」
このチビは巣穴入り口での惨事を知らないからこういうことが言えるのだ
このヴィーは一見しただけでは確かにびぃに見えないことも無い、しかし実際はびぃなどをはるかに凌駕する化け物なのだ。
ヴィーがニヤリと笑った
確かに笑った、今度は間違いない、ウイルスの集合体には確かな知性があったのだ!!
そして
「ウヴャーン」
と叫びベビの一匹を叩き潰した
「ウピッ」
トマトをつぶしたように一撃でベビはくたばった
「なんて事をするんですか、やめなさい」
チビが叫んだが、ヴィーはそんなことにお構いなしである
「ヴィヴィヴィー」
と叫んだかと思うと
なんと10余匹いるベビを
グチャ ベチャ ニチャ グチョ ゲチャ
えげつない効果音と共に
順順に叩き潰し始めた
「ウヴィー」
ヴィーは笑みを浮かべながら
ベビを一匹一匹つぶしている
「やめて!!やめてください、」
チビの制止に返事もせずヴィーはベビを殺してゆく
まるで子供が積み木を投げて遊ぶように、手を振り下ろし殺してゆく…
もぞもぞと這うだけのベビたちにヴィーの素早い攻撃が交せるはずも無い、
ベビたちはあっという間に残すところ一匹のみとなった。

「イヤーーーーーーーエゲチュ」
悲鳴を上げたチビを一撃で葬ると、ヴィーは育児室を出、巣穴入り口へ向かった
まだチビやベビが奥のほうに残っているのに、
なぜヴィーは巣を出ようとしているのだろう?
しかしウイルスの考えることが我々に分かるはずが無い
あくまで我々はヴィーが次に何をするのか想像するだけである

追伸→育児室に一匹のこったベビの30分後
    しばらく「ピィピィ」言いながら巣を這い回る
    生まれたばかりのベビ糞虫は常に成体の付き添いが必要である
    排便も体温調節も何もできないからである
    しかしこの部屋は暖かい臓器が散乱しているため、体温調節には何の問題も無い
    だが結局3時間後に糞詰まりで死んだ、
    体をパンパンに膨らまして…。
    糞から出たガスで膨れ上がった体は5時間後に「ボシュ」ッという音と共に裂け…
    生き残った幸運なベビはほかのベビたちと同じようになった。


もし希望があれば今後のしぃたちの運命について…

326 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/04(水) 08:06 [ lWDd6wr2 ]
巣穴に入ったヴィーが殺戮を繰り返しているころ…
糞虫たちは廃棄された研究所へ餌を探しにいっていた
糞虫達が研究所入り口に着き、一匹の糞虫がドアノブに手を触れたその瞬間
ビーーーーーーーーーーーーーーー
と赤い閃光がはしり、そのしぃの首が飛んだ
「シィィィ」
研究所は今もなお秘密保持の防衛機構を働かせていたのだ…
しかし、長年放置され電力が不足していたためだろうか?そのレーザー照射装置はそれっきり動かなくなった。
ほかの糞虫達はそれを確認すると
おずおずと所内へ入って言った、
食料を手に入れなければ死んでしまうのだ、
こんなところで躊躇している暇は無い


親子の糞虫が研究所の入り口付近で奥に通じるベルトコンベアを発見した
「ホラ チィチャン ベルトサン ダヨ」
「アニャーン ノッテモイイデチュカ」
「オモシロソウデチュ」
「イイワヨ チョットマッテネ スイッチイレテアゲルカラ」
糞虫は「電源」とかかれたレバーをおろした。
ガガガガガガッガガ
ベルトコンベアが動き出す
ガタンガタンガタンガタン
ベルトコンベアはチビ達をのせてどんどん進む
「チィチィ ハヤイデチュヨー オモチロイデチュヨ」
「オカータン ヨリモ ハヤイデチュヨ」
チビ達は母親からどんどん遠ざかってゆく
ガタガタガタガタ
チビ達は後ろを振り返り青ざめた
そこにあったのは巨大な二組のローラーであった。
どうやらこのベルトコンベアは採取した鉱石を砕くためのものだったらしい…
「タチュケテクダチャイ ナコチマツカラ」
「チニタクナイデチュヨー」
チビ達は必死でローラーと逆方向に走った
しかしどんどんローラーに近づいてゆく
「ハナーン チビチャンコッチヨ!!」
危険に気づいた親がベルトコンベアの脇から手を差し伸べた
…とそのとき
ツルン
と親が足を滑らせた
倒れこんだところはローラーのまん前
がyチャギャチャギャギャギャギャ
親は足から順位どんどんローラーにつぶされてゆく
「あsdgdgqrgは¥ガハァ」
しかししぃが挟まったため、抵抗が大きくなりベルトコンベアの速度は次第に遅くなり
ガギ っと親の肋骨の砕ける音がした後、動きを止めた
「マンマー」
チビたちがかけてくる、
親は事実上体の半分をローラーにぺしゃんこにされている状態である
「sdgrヂビジャン ハヤグ ハヤク ニゲナザイ」
「マンマー ハヤクニゲマチョウヨ ナコチテクダチャイヨー」
チビ達は逃げようともせず、半分つぶれてローラーに挟まっている親に声をかけ続けた
「チビチャン オカアサンハモウダメヨ ハヤクニゲナサイ」
「イヤーヨー マンマトイッチョニイルノ」
どどどどどどどどど
その時ベルトコンベアが再び動き始めた。硬い鉱石を砕くため、自動的にトルクを上昇させる機構が付いていたらしい。
「ガアアアアアアアア gばjろいう」
ブチュー という音と共に親の頭部から脳が撒き散らされた
「チィィィ コワイデチュヨ タチュケ lぎじゃうぃおがgjほ」
チビ達もローラーに巻き込まれる
「イチャーデチュヨー タユケテ オカータン ナコチテクdチャイ 課g費恩じゃdfn」
「マ、マンm」
ブチュルルルル



30分後…一匹の糞虫が研究所奥にできたてのしぃふーどを発見する。

これから施設内の設備でしばらく虐殺を? 何か殺し方に希望があればどうぞ

327 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/08(日) 21:33 [ p4K5Qdqs ]

短編。

「おーい、モナーはやくこいよー」
公園でモララが叫ぶ
「待ってモナ、モララは早すぎモナ」
ハァハァイイながらモナーが答える。
「いったい学校の帰りに公園なんかよって何するモナ?」
「まあ見てろって、お前今日学校の実験で空気鉄砲もらっただろ、だしてみろよ」
「空気鉄砲って、この注射器の親玉みたいなやつモナ?」
そういって、モナーがランドセルから空気鉄砲を取り出す。
「そうそうこれこれ、今日はこれを使ってチョット遊ぼうと思ってね、」
「これ…って、この空気鉄砲でモナか?」
「ああ、まぁ見てろって!」
そういって、モララは花壇へ向かって行き、なにやら土を掘り返し始めた。
「モララ?何やってるモナ、気になるモナ、いい加減に教えてくれモナ」
モナーがたずねる、しかしモララはそれに答えず、
「よし!捕まえたぞ!」
と言い、手につまんだものを、素早く空気鉄砲の中に入れ、ふたをした。
「ナニを入れたモナ?」
「ジャーン」
と、モララが得意そうに突きつけた空気鉄砲の中には、糞虫ぃ(昆虫族、しぃ科)が3匹入っていた。
「…モナ…。それで何するモナ?」
「全くおまえは鈍いなあ、見てろよ、こうやってな、、鉄砲の弾を抑えてピストンを引くと…」
「それじゃあ、玉は飛ばないモナ、第一玉を抑えて無くても、引いてちゃ玉は飛びっこないモナ」
「でもね…、内部の空気圧はどうなる?」
「下がるモナね」
「そうしたら、中の糞虫は?」
「苦しむモナ、そうか、モララは糞虫を虐殺しようと、しているモナね!、また新しい虐殺方法を考え出したモナ、流石モララ!」
「まぁまぁ、そんなほめられることの者じゃないよ(w」
そういいながら、モララはゆっくりとピストンを引いた…

ここから「糞虫視点」

管内気圧=1気圧
「ハニャーン、キモチヨク オヒルネシテタノニ ヘンナトコロニ ツレテコラレチャッタヨー」
「マッタク ヤンナッチャウワ ドウナッテルノヨ」
「オカアタンガ イナクナッチャイマチタヨー ココカラ ダチテクダチャイ」

管内気圧=0.8気圧
「ハニャ ナンカクルシィ」
「ウ ホントダワ ナンダカ クウキガ ウスクナッテイク」
「チィ クルチィ」

管内気圧=0.5気圧
「ハ、ハニャー、イ、イキガデキナイヨー」
「ナンナノヨー、ナンダカ カラダジュウガアツクナッテキタワ」
「チ チィ イチャーデチュヨー オメメガヘンデチュヨー」
(気圧が低くなりすぎると、血液が沸騰します。
 目玉もとびでます。w)

管内気圧=0.3
「シィィ ガブチュsdfgh89」
「ウウウウ アウワーー」
「オメメガ ドコカニトビダチマチタヨー ママー タチュケテクダチャイ」




「モララ、そろそろ戻してみないモナか?」
「なにいってんだよモナー?これからがたのしぃんだろ」
「学校の授業でやったモナ、急激に気圧を変えると…」
「なるほど!! よし!一気に戻すぞ!」
モララーは今まで引いていたピストンを、一気に元に戻す


「あhsぐいqwgふいqg」
「グルヂ  いsdgじおんh」
「」(ボチュン)

「モナー・・・」
「ナンカ…想像してたのよりもずっとえぐいモナ」
「ウワーン(つ´Д`)」


…またつまらぬものを張ってしまった…
正直スマソ

328 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/09(月) 23:38 [ 1KIze5WM ]
(´Д`)…。
何の気なしに書いたレスが波紋を呼びそうな予感。
お詫びついでに書き込み。
(・3・)
これからはもうチョットましな作品投稿しますYO。未熟者でスマンYQ
(-_-)
前に連載していた作品はアイディアが全く浮かばず、推敲中…(鬱
今しばらくお待ちを…(待ってる人がいればだが…)

しぃの一日
第三者視点

ある晴れた日の朝
薄汚れた段ボール箱、
(その箱の前にはチビギコの死体が横たわっている)
の中から、一匹のベビギコが這い出てくる
「ミューミュー」
と泣きながら、殺された親
(おそらくモララーに虐殺されたんじゃないだろうか?腸が引きずり出されている)
のところへと這っていった
「ミューミュー」
ベビギコは再び泣いた
しかしその親は返事をしない
そもそもできるはずは無い、
その頭はかち割られ(刃物にしては傷口が汚い、おそらく踏み潰されたのだろう)
その肛門からは長々と腸が引き出されているのだから…
「ミュギー」
再び大きな声で鳴くとベビギコは這い、餌を求めて動き始めた。

20分後

「アニャーン アニャーン」
ベビギコは街路で偶然であったベビしぃとコウビをしていた。
「ミューッ ミュッ ミュッ・・・・・・・・ ミュギーーーーーーーーー」
ベビギコの体がピクピクと震える
どうやらナカダーシしたらしい…
これが原因でまた世の中に虐殺対象が増える事を祈ろう(w

しかし
ベビギコの幸運もそう長く続くわけではなかった
コウビ後、余韻に浸っているところを、
運悪く虐殺好きのモララーに見つかってしまった
(間違いない、このモララーは絶対に虐殺好きだ、そうでなければこんな街中を包丁なんて持って歩いているものか)

329 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/09(月) 23:39 [ 1KIze5WM ]
「おぃおぃ、人が就職できなくて困っている時にいい気なもんだな、このくずが!」
モララーが理不尽に詰め寄る
「ミューミュー」
ベビギコが逃げ出す、
しかし生まれてまだ一週間もたっていないベビギコが草々な距離まで逃げれるはずが無い、
(まだ這うことしかできないのだ!!)
3mも行かないところで、つかまってしまった
(いや?つかまったわけではないな、正確には腹に包丁を突き立てられ、
 止まらざるを得ない状況に追い込まれた…といったところか。
 これ以上は進んでも引いても刺さっている包丁で、自らの体を傷つけるだけだからねw)
「ミュヂ〜〜」
ベビギコが叫ぶ
(当然だ、腹を包丁は貫通しているのだ、相当な苦しみだろうねw)
「よーし、まずはお決まりのコテッチャーンDA!!」
モララーは、包丁で動けなくなったベビギコの肛門に指を突っ込み…
そして一気に腸を引きずり出した!!
「ギヂィィィィーーー」
ベビギコがものすごい絶叫を上げる。
(当然だ、なんてったって内臓が体から引きずり出されてるんだからね、焼けるような痛さとはまさにこのこと
 ベビギコももし知ってたら、自分が痛みで失神できるような高等生物で無かった事を悔やむだろうね プゲラ)
「さーてこのあとどうしようかなー。このままコテッチャン引抜いて殺してももいいんだが、それだとありきたりだしなー」
「そうだ!!」
モララーはポケットからビンを取り出す
(”強酸”と書かれたラベルの貼ってある、ビンの中には緑色をした気味の悪い液体が入っている、
 このモララーいかにも悪知恵が働きそうな顔をしている、彼は今から何をしようとしているのか?)
そしてそのビンのふたを開けると…ベビギコの腸の中に一気に注ぎいれた
「ミュ?ギぢぢぢぢぢぢぢぢぢdddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddッヂイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」
よく分からない悲鳴をベビギコが上げる、
(当然だ、うっかり加熱したフライパンを触って、やけどした経験がある人なら分かるだろう。その痛みが体の内臓全体で起こっているのだ!!)
そして口から青紫色の煙をシューシュー上げ始めた。
「ミュギgあsg」
ベビギコはこれでもかといった悲鳴を上げ、右へ左へ転がりまわろうとし、結果自らに刺さっている包丁で、自らを上下二分した
「ウワー すげー、こんな面白いものが見れるとは思ってもいなかった!!これでこそ高価な酸を使った価値があるってもんだ!!」
モララーが絶賛する
(私からも賞賛の言葉を述べたい、こんな面白いものを見たのは久しぶりだ)

そして…強酸により肉塊となったベビギコから白い煙が立ち上るコロになり、ようやくモララーはそこを立ち去ることにしたらしい
「あーあ、いったいなんなんだこの爽快感!」
「さーて、もう行くか!!」
そのモララーは帰りがけの駄賃にかすかに息のあったベビギコの頭をふみつぶし去っていった
「ミギュハァ」
ベビギコは完全に絶命した。
その死体の有様は親よりもひどく、おそらくダスキソですら回収してくれないだろう。
(仕様が無い、私が片付けるか、久しぶりに良いものを見せてもらったお礼だ。)

糸冬? …ベビしぃの中に子供が生きてますね(w

330 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/10(火) 22:25 [ qxjcvKwg ]
あるところに、ギコとしぃのカップルがいた。
このしぃが虐殺されなかったのは、いわゆる「本物しぃ」だったからだ。

1話目  悲劇

331 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/10(火) 22:38 [ qxjcvKwg ]
ギコとしぃが町を歩いていると、1匹のでぃがいた。
「ダイジョウブ?」と、しぃが優しく声をかけた。「アウ・・ウ・・ダイジョブ・・ダヨ」
「デモケガシテルジャナイ。ビョウインニイコウ。」「アリガ・・ト」
ギコは、こういうしぃの優しさが大好きだった。だから付き合ったのだ。
 「ジャア、ワタシハコノコヲビョウインニツレテイクネ。」「分かったぞゴルァ」
そしてギコは家に帰ることにした。

    まさかこの後しぃにあんなことが起こるとも知らずに・・・

332 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/10(火) 22:52 [ qxjcvKwg ]
1週間後

「どうしたんだしぃ美・・1週間も連絡がないぞゴルァ。」

 しばらく歩くと、1匹のアフォしぃがいた。「ハニャーン!ギコクンコウビ!」
いきなりこんなことを言い出した・・全くアフォしぃはこれだから困る。ギコはため息をついた。(ダッコと交尾しか頭になく、半角でしゃべり、でぃは容赦なく頃すからだ。)
  
 「ネエネエソレヨリキイテ!1シュウカンマエニバッチィディヲセオッテビョウインヘイコウトシテルナマイキナシィヲアボーンシタヨ!」


ギコは一瞬その言葉を疑った。まさにしぃ美のことだったからだ。



  注 ギコの恋人の名前はしぃ美です。  自分的に、虐殺されるのはアフォしぃだけと思ってますので、あしからず。。。。

333 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/10(火) 23:09 [ qxjcvKwg ]
「ソレニウザカッタカラカライマモカンキンシテアルノ!」」

アフォしぃは続けて言った。「ナグリマクッタラ「オナジシュゾクドウシノアラソイハミニクイモノヨ。」ゼンカクデナンテワケノワカラナイコトヲイウカラ、シィチャンパンチヲクラワシテヤッタワ!マサニイイキミネ!サッハヤクギコクンコウビ!」

「おまえが殴りまくったというそのしぃは、まだ生きているのか?」ギコは聞いた。

 「ウン、シニカケダケドイキテイルヨ。」
  
  ギコはとてつもない大きな声で言った。「早くそのしぃをここにつれてこいっ!」
 その大きな声に驚いたのか、アフォしぃはすぐにそのしぃを連れてきた。 ・・・・しぃ美だった。しかし、以前の姿は消え、ぼろぼろになっていた。 
 そしてしぃ美はギコの方を向きながらよれよれの声でこういった。「ギコクン・・ゴメンネシィコンナスガタニナッチャタヨ。ソレニマエノディチャンコロサレチャッタヨ・・ホントニ・・ゴメンネ。」  そういいながら、最愛の人しぃ美はこの世を去った。

334 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/10(火) 23:10 [ qxjcvKwg ]
行がめちゃくちゃになってスマソ。

335 名前: 盲目な旅 1/8 投稿日: 2004/02/10(火) 23:20 [ IXMIi906 ]
 5年前、愛する人を僕は見つけた。
 4年前、愛する人が僕を愛してくれた。
 3年前、愛する人が僕らに増えた。
 2年前、愛する人は僕らを置いて消えてしまった。
 1年前、愛する人を求め、僕らは旅へ出た。

 僕らは彼女を求めて、今日も街から街へと彷徨いつづける。

336 名前: 盲目な旅 2/8 投稿日: 2004/02/10(火) 23:21 [ IXMIi906 ]
 冷たい風を受けて、僕は左手で自分のコートの襟をギュッと握り締めた。
「大丈夫かい?ベイビー??」
 僕は自分の左手を握る小さな手の主に語りかける。
 言葉を持たない彼女は『平気よ』というように頷いた。
「もうすぐ、次の街だよ…今度こそ、ママがいるとイイね…」
 その問いに対して、ベイビーは縦にも横にも首を振る事は無い。
 僕らを置いて消えた彼女を探しつづけて、明日でちょうど1年を迎えようとしていた。
 どの街にも彼女はいなくて、諦めてしまおうと思ったのも一度や二度じゃないはずなのに、僕らの歩みは止まらない。
 彼女が消えて以来、笑顔も言葉も忘れてしまったベイビーの手をひいて、今日も僕は一つの街を訪れた。

337 名前: 盲目な旅 3/8 投稿日: 2004/02/10(火) 23:23 [ IXMIi906 ]
「ベイビー、街外れに何処から流れてきたのか分からない、しぃの噂を聞いたよ??」
 あまり夜更けに子供を連れ歩くのもどうかと思い、僕は宿にベイビーを残し、屋台の並ぶ市場へ遅い夕飯を買いに出かけたのだが、そこで彼女の手がかりかも知れない情報を得て、慌てて宿へと戻ってきた。
「どうする?今からママかどうか確かめにいくかい?」
 ベイビーは少し考えた後、困ったような顔で僕の買ってきたパンを指差す。
「ああ、そうか。お腹が空いたのか…。歩き通しだったし、ベイビーは、もう疲れたよね…。噂によると、そのしぃは何処へも逝くあてがなくて、街外れに住み着いているというから、明日の朝、一番に訪ねようか?」
 僕の言葉に、ベイビーが静かに頷いた。

338 名前: 盲目な旅 4/8 投稿日: 2004/02/10(火) 23:24 [ IXMIi906 ]
 ベッドの中でスヤスヤと寝息を立てるベイビーの布団を直し、ソファーへ腰掛けると、僕は目の前にあるテレビではなく斜め左の小窓から見える真っ暗な外の景色をぼんやりと眺める。
「僕のしぃ…一体、君は何処にいるんだい?」
 ある霧雨の降る夜、虐待を受けてボロボロになっている、しぃを拾った。
 治療のため世話をやくうちに、僕には彼女に対する愛が芽生え、彼女も僕の愛に応えてくれた。
 そして、愛し合う二人の間にベイビーが生まれ、僕らは幸せだった。
 でも、僕には気がかりな事が一つあった。
 それは彼女の目の事だった。
 虐待の傷は全て綺麗に消えて、しぃはでぃのようにはならなかったけれど、僕らの目では見えないような細かい傷が眼についてしまったしぃには、視力が欠けていた。
 彼女はそれでも構わないと笑っていたけれど、僕はどうしても彼女に視力を取り戻して欲しくて、彼女の目を直してくれる医者を探した。
「僕は、君のためを思ったんだ…それが、まさかあんな事になるなんて…」
 手術は大変だったけれど、彼女は耐え、視力を取り戻す事が出来た。
『…モララー?? ヤメテ! コナイデ! モ、モウ…イタイノハ… イタイノハ イヤナノ! オネガイ! イヤァァァァ!コナイデ ギャクサツチュウ! シィニ… シィニ ヒドイコト シナイデェ! シィィィィィィィ!』
 視力を取り戻した彼女は、僕の顔を見るなり叫んで取り乱し、何処かへと消え去った。
 彼女の視力を奪うほどの虐待を与えたのが、僕と同じモララー種だったせいで、おそらく取り乱したのだろうというのが医者の憶測だった。
「いくら種が同じだったからって、彼女の目に、どうして一緒に暮らしてきた僕が、虐殺厨なんかに……」
 僕はその時、愛する妻に裏切られた気分で酷く悲しかったけれど、ベイビーの事や、そして彼女の受けた虐待の辛さが愛する相手を忘れるほどの物だったのだと気付いて、こうして彼女を探す旅に出る事にしたのだ。
「…雨が降ってきたな……」
 僕が彼女を拾った夜と同じような、霧雨が降り始める。
 きっと、今日の雨は冷たいだろうな…などとぼんやり思っている内に、僕の記憶は途切れた。

339 名前: 盲目な旅 5/8 投稿日: 2004/02/10(火) 23:25 [ IXMIi906 ]
「…ん??ベイビー??」
 ソファーで目を覚ますと、膝の上にベイビーが乗り、その上には布団が乗っている。
 僕が動いたせいだろか?ベイビーも目を覚まし、こちらをぼんやりと焦点の定まらない目で見ていた。
「ベイビー?もしかして、パパに布団をかけてくれたのかい?」
 今回の宿はシングルで、掛け布団は一枚しかない。
 ベイビーでは僕をベッドに運ぶ事が出来ないので、布団を引っ張って、ここに落ち着いたに違いなかった。
「ありがとうね、ベイビー…朝食を食べたら、すぐに出かけよう!」
 起き抜けのハッキリしない頭でワンテンポ遅れて頷いたベイビーの頭を撫で、僕らは朝食の準備に取り掛かる。
「どうしたんだい?雨が気になるのかい?大丈夫、カッパを着て、傘をさして、ママを迎えに逝こう??」
 朝食を食べながら、しきりに窓の外を気にするベイビーに、そう優しく語りかけると、彼女は小さく頷いた。

340 名前: 盲目な旅 6/8 投稿日: 2004/02/10(火) 23:26 [ IXMIi906 ]
「ごめんください、ちょっとお尋ねしたいんですが…」
 カッパを着たベイビーを連れ、傘をさした僕は、街外れのあばら家の扉を叩く。
「ハーイ カワイイ シィチャンノ オウチヘ ヨウコソ! アメデモ キニセズ ヤッテクルナンテ サテハ シィチャンノ ネツレツナ ファンカナ??」
 甲高い、耳障りな声を響かせながら扉が開いた。
「…すいません、どうやら人違いだったようです」
 その姿を確認するまでもなく、その言葉から妻でないのは明白である。
 僕とベイビーは、そのしぃを見ずにあばら家に背を向けた。
「ヒトチガイ デスッテ! シィチャンヲ ヨンデオイテ ダッコモセズニ カエル ナンテ アナタ サテハ ギャクサツチュウネ!」
 見知らぬしぃが僕を罵るが、ソレを気にせず、僕らは道を逝く。
「ベイビー、逝こう…次の街ではママが見つかるとイイね…」
 ベイビーは背中にかかる罵声を気にして振り返ろうとしているが、ソレをやんわりと止めて彼女の手をひいた。
「ベイビー?? ソノ チビシィガ シィチャンヨリ ダイジナノ?? バカニ シナイデ シィチャンノガ ダキゴコチ イイノヨ!」
 ベイビーに汚い言葉が聞こえないよう、彼女の耳を塞ぐように手の中へ抱きしめる。
「サテハ アナタ ロリコンネ! オトナノ オンナニ アイテニ サレナクテ チビシィ ナンカ ツレ アルイテルンデショ? シイチャンガ ダッコサセテ アゲルカラ ダッコ シナサイヨ! ホラ ダッコヨ ダッコ!」
 しぃが僕の手を取り、ベイビーを突き飛ばした。
「この、アフォしぃが!!!僕のベイビーに何するんだ!」
 水溜りに倒れこんだベイビーを助け起こそうと傘も放って駆けつけようとした時、しぃが僕の手の中に滑り込んでくる。
「ホラ ダッコ… キモチイイデショ?」
 僕はソレを突き飛ばして、ベイビーを抱き起こした。
 カッパのお蔭で特に水溜りに汚される事はなかったが、ベイビーは驚いたためか、いつも以上に表情が硬い。
「クソ!このアフォが!テメーみてぇのは!社会のゴミだ!クズだ!テメーなんか!とっと塵に帰れ!」
 水溜りに無様に倒れこみ、泥水を飲んだのか、しぃはゲホゲホとむせ、鼻水を垂らしながら僕を恐ろしい程の眼力で睨みつけてきた。
「何だよ、その目は!そんな目で僕を見るなぁ!!!!」
 僕は落とした傘を拾い上げ、しぃの目をさらうように真横に切りつける。
「シィィィィィィィィィ!!」
 目玉の肉片を散らしながら、しぃは水溜りを血黙りへと変えていった。

341 名前: 盲目な旅 7/8 投稿日: 2004/02/10(火) 23:27 [ IXMIi906 ]
「畜生…何で、そんな目で僕を見るんだ?何で、ベイビーを突き飛ばしたんだ?」
 ベイビーは泣いたんだぞ??
 ベイビーは僕らを呼びながら泣いたんだ!
 突き飛ばされて痛いからじゃない…僕を責めた君と、そんな君に絶望した僕を見て泣いたんだ!
 しぃ、しぃ、僕のしぃ、何処へ、あの君は何処へ逝ったんだ?
「偽物は必要ないよね??」
 僕の唇にのる、一年前の今日と同じ言葉。
 傘の先を偽しぃに突き立て、僕は笑った。
「シィィィィィィィィ! コロサナイデ! コロサナイデ! ダッコスル ダッコスルカラ! カワイイ シィチャンノ ダッコヨ! オネグァヒィ……」
 偽しぃが泥と血にまみれながら、さして深くない水溜りの中で溺死しようとしている。
 僕はソレを助けようと足で彼女の頭を踏みつけた。
 僕が踏む事で鼻や歯がミシミシと音を立てて軋み、崩れていく。
「このまま踏んだら、頭が割れるかな??」
 頭蓋骨を体重で割る事など無理なのは承知だけど、ベイビーを傷つけた偽しいになるべく恐怖を与えたくて、僕は煽るように笑った。
「…ジィィィィィィィィィィ」
 水の中で偽しぃが断末魔をあげる。
 僕のつきたてた傘か、踏みつけた頭か、それとも水溜りか、何かがコイツをただの肉塊へと変えた。
「ベイビー、大丈夫だった?とんだ偽物だったね…。ああ、本当にママは何処へ逝ったんだろうね…」
 ベイビーの顔に跳ねた泥と血を拭って、僕は血のしたたる壊れかけの傘をさす。
「次の街では消えたママが見つかるとイイね…」
 僕はしぃが消えて以来、笑う事も言葉を発する事を忘れたベイビーを連れて、彼女を探す旅を今日も続けるのだ。
 頭の何処かで、探しても僕のしぃは何処にもいないという声が聞こえるけれど、そんな幻聴を気にせず、歩いていく。

342 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/10(火) 23:27 [ qxjcvKwg ]
2話目虐殺

「サッ、ハヤクギコクンコウビ!」アフォしぃはマだあんなことを言っている。これから自分がどんな目に遭うかも知らずに。

 ギコはアフォしぃに近づき、まず耳をもぎ取った。「シィィィィーーーーーーーシィノオミミ!」まだこんなものじゃすまされねえよ。「地獄よりつらい苦しみを味あわせてやる。」
「ギコクンヤメテェェェーーーーダッコスルカララァァアアァァアーーーーー」「てめーのだっこなんていらねえよ。ただてめーの苦しみを味わいたいだけだ。」ギコの目は完全に虐殺者と化していた。
 次にしぃの手足をもぎ取った。「シィノオテテ・・・シィノアンヨガァアアアアアアアァーーーーーー」「いちいちうるせえよ!」ぎこはしぃの口を瞬間接着剤でくっつけた。
「モガフガモガハニャフガ・・」しぃはもう喋ることもできなくなった。
 「ほらよ!これでとどめだよ!」ギコはしぃの首を取ろうとした。しかし、そのしぃの奥にしぃのベビラしき物が見えた。そこで、ギコは手を止めた。

343 名前: 盲目な旅 8/8 投稿日: 2004/02/10(火) 23:28 [ IXMIi906 ]
 5年前、僕は霧雨の夜に傷ついたしぃを拾った。
 4年前、目の見えない彼女と僕の愛は順調だった。
 3年前、僕らにベイビーが生まれ、幸せは絶好調だった。
 2年前、突然しぃが消え、僕の元からベイビーが引き離された。
 1年前、僕は施設に預けられたベイビーを連れ出し旅に出た。

 僕らは彼女を求めて、今日も街から街へと彷徨いつづける。

344 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/11(水) 09:53 [ Ja2W2YSI ]
342からの続き
 「ベ、ビファン!バガクニベギャザフ。」分かりづらいが、どうやらあのベビしぃはそのアフォしぃの子供らしい。
 ギコはにやりと笑った。「おまえにいいもん見せてやるよ。」すると、ギコは猛スピードでベビしぃの方へ言った。「ナッコ!ナッコ!ナッコ!」やはりこいつもアフォしぃだ。だっこと交尾しか頭にない。
ギコはベビしぃの頭に足を乗せた。「チィィィィィィーーーーーーーーーイタイヨーーーーーーーナコスルカラタスケテヨウ!」「じゃあ、抱っこしてくれよ。そうすりゃ助けてやる。」「ワ・・ワカッタヨウ・・・ダカラタスケテ・・ネ」ベビしぃはギコを抱っこしようとした。しかし、当然ながら持ち上がるわけがない。
「ベビファンーーーーーーーーーガソビャデーーーーーーー!」アフォしぃが何かほざいているが気にしなかった。ベビしぃがもう死にかけのところでやめた。次にベビしぃのしっぽを引っ張った。「チィィィィーーーーーーヤクソクガチガウデチュヨーーーーーーイタイデチューーーーーーー。」
「(゚Д゚)ハァ?テメーラと約束する気なんて最初からねえよ。さーてどこまで伸びるかな。」「チィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」ブチッ。気持ちいい音が聞こえた。ベビしぃのしっぽが切れたのだ。「さてと、お前にはもう用はねえわ。」ギコはアフォしぃの○○コの中にベビしぃをつっこんだ。
 「ブェ・・ブェヂィヅワン・・・・キモチイイワ・・」もう狂ってしまったようだ。ギコはアフォしぃに言った。
「いいか・・おまえの虐殺したやつとはなあ・・・・俺の恋人だったんだよ!あいつはとても優じぐで・・その気もぢもぢをおまえがフみにじぃだんぐぁ。」ギコの言葉はとちゅうで涙言葉になっていた。そして、アフォしぃの首を取った。


 「あれからもう十年か、月日がたつのは早いもんだなあ。」今、ギコは害虫(アフォしぃ)駆除組織に入っている。アフォしぃたちによって、またあのしぃ美みたいな本物しぃや、ちびギコたちがどんどん虐殺されてているからだ。
 そんなことをさせてはいけない。絶対に。自分のような目に遭う人を見るのはもういやだから。だから今日も駆除し続ける。


      世界に平和をもたらすために・・・・・・・・


           END

345 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2004/02/11(水) 12:16 [ GDg79c8A ]
1/4
AA達が暮らしている町があった。
町の名は暗闇横町。
その町には一人の8頭身がいた。

そして彼は1さんが大好きだった。

今日も今日とて、愛する1さんのストーカーに勤しむ8頭身。
それで、8頭身は自分が1さんと相思相愛だと思っているから始末が悪い。
今日は1さんにプレゼントを渡そうと、暗闇横町のカバン専門店に向かった。
薄暗くて、なめし皮のムッとする臭いのする狭い店だが、品物の質は確かだ。
8頭身は店の奥の店主に声をかける。
すぐに、小さな体の店主が現れた。カニバルだ。
「あのぉ、好きな人へのプレゼントに上等のカバンが欲しいんですけど」
頬を赤く染めながら、くねくねとキモく体をしならせた。
「1サンッテ 人ハ 何カ 好キナ 動物ハ イルカナ?」
カバンの陳列された棚を見上げながら、カニバルがしわがれた声で言った。
8頭身は人差し指を頬に当てて考えた。少し首も傾げながら。
「そうだなぁ、可愛いウサギとか好きなんじゃないかな」
カニバルは棚にかけられた梯子を器用に登り、一つのカバンを持って来た。
白いウサギの毛皮に覆われたハンドバッグ。
「黒イ物モ ゴザイマスガ」
「いや、これにするよ。何円?」
8頭身はカニバルに代金を渡した。
ウサギの毛皮のカバンはフワフワで、触っているだけで心地よかった。
かつてはこの毛皮をまとって、白いウサギが野山を疾走していたのだろう。
そのウサギはもうおらず、その毛皮は引き剥がされてしまった。
そして、その毛皮は今8頭身の手にある。

346 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2004/02/11(水) 12:16 [ GDg79c8A ]
2/4
翌朝、1さんが目を覚ますと枕元に包みが置いてあった。
夜の内に8頭身が忍び込んで置いていった物だ。
1さんは包みを引き裂いた。
中から純白の毛皮のバッグが現れた。
1さんはその柔らかな毛皮をバッグから引き抜いた。むしり取られた毛が宙をゆっくり漂った。

 アイツがやって来たんだ。部屋の中に入ってきた。枕元まで近付いた。
 キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ。

狂ったように手が動く。白い毛が天使の羽みたいに1さんの周りに落ちる。
バッグから全ての毛がなくなるまで、1さんは目を見開いたままだった。
毛をむしり終えたバッグに、今度は台所から持ってきた包丁で何度も突き刺す。
高級なバッグ、素敵なプレゼント、8頭身の一方的な思い。全てが切り刻まれる。1さんの心も。

 キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ。

1さんのバッグに対する責め苦は、誤って自分の指を斬り付けるまで続いた。
「痛っ!」
血がボロボロのバッグと黄ばんだ畳に飛び散った。
1さんは俯き、包丁をちゃぶ台の上に置いた。

 キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ、キモイ。

バッグはなくなっても、ストーカーは消えない。

347 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2004/02/11(水) 12:17 [ GDg79c8A ]
3/4
「1さん、喜んでくれたかなぁ♪」
ウフフと笑いながら、8頭身は暗闇横町のスーパーで買い物をしていた。
バレンタインに向けてのチョコを女達に混じって買っていたのだ。
買い物が終わった後で、8頭身はスーパー内でカニバルに会った。
「こんにちわ」
「アァ プレゼントハ ドウダッタカネ?」
8頭身は微笑した。
「素敵なカバンでしたから、きっと気に入ってくれたと思います」
カニバルも牙の生えた口元を少しだけ緩めた。
「トコロデ アナタハ 何カ 好キナ モノッテ……」
全て言い終わらない内に、8頭身は元気良く答えた。
「1さんだYO☆」
「1サン? ソウカ、彼ガ……」
カニバルは少し黙って考えているようだった。
「アリガトウ。デハ 帰ルカラ」
去っていったカニバルが残した不気味な空気を、明るく元気な8頭身は感じ取ることが出来なかった。

数週間後、1さんが消えた。
8頭身はその能力を駆使して1さんを探し回ったが見つからなかった。
そんなある日、カニバルが8頭身に声をかけた。
今晩、自分の店に来いと言う。8頭身はカニバルに従った。

その日の晩、カニバルは茶色い大きな箱を店の奥から引っぱり出してきた。
丁度、3頭身AAがすっぽり収まるくらいの大きな箱だった。
8頭身の嗅覚が彼が求めている人物の所在を告げた。
しかし、8頭身は自分の嗅覚を信じようとはしなかった。
箱の蓋が開けられた。
今度は視覚がハッキリと1さんの居所を教えた。
それでも、8頭身は信じようとはしなかった。
自分の最愛の1さんが箱の中に入れられている。しかも、死んでいる。
そんなこと、信じられなかった。
「バッグヲ 作ッタンダ」
カニバルが重たい牙を動かして言った。
「アナタニ プレゼント」
箱を8頭身の方へ押しやる。
口や目を縫合された1さんの顔。
土気色に変色した皮膚。
四肢は切断され、切り口は黒く平たい皿のような物で塞がれている。
その皿からそれぞれ紐が伸びている。バッグの紐だ。
腹には切れ込みが入れられ、内臓は抜き出され、
中の肉は乾燥した後に特殊な防腐剤を塗られたようだ。
おぞましいことに、腹の切れ込みにはファスナーが付いていた。
1さんの肉とファスナーの布の部分とが丁寧に縫いつけられている。

348 名前: ナヒャ (yWVxXezQ) 投稿日: 2004/02/11(水) 12:17 [ GDg79c8A ]
4/4
8頭身は1さんのバッグを手に取り抱きしめた。
髪はボサボサで皮膚も荒れている。
「1サンガ 好キダッテ 言ッタカラ」
カニバルの声が聞こえる。
「気ニ入ッテ クレマシタカナ?」
「狂ってる」
「オ互イ様デショウ」
8頭身はバッグをカウンターの上にうやうやしく置くと、カニバルに向かっていった。
拳を小さなカニバルに叩き付けるように振り下ろす。
怒りの拳はカニバルに直撃した。ただし、口膣の中に。
鋭い牙が拳をガチリと挟み込んで放さない。
血飛沫が両者に降りかかる。
「1さんを、1さんをっ」
8頭身は右手に食らいついたカニバルを店の壁に叩き付けた。
その度に右手に激痛が走る。
カニバルが口を放したときには、右手は今にも手首から落ちそうな肉の塊となっていた。
血だらけの口でカニバルが言う。
「私ハ アナタガ 好キナノデス」
「バカなことを言うな」
「何故? アナタモ ソノバッグモ 男デショウ?」
「お前がしたことは異常だ」
「プレゼントガ? 異常?」
8頭身はカウンターのそばの椅子をいきなり持ち上げるとカニバルに振りかざした。
「狂っていやがる」
椅子を持った左手に、何かが潰れる感覚が伝わり、叩き付けられた椅子の脚の下に血溜まりが出来ていた。
潰れた肉とひしゃげた牙が椅子の下からチラと覗いた。
「1さん、1さぁん」
8頭身はバッグを左手に抱くと、バッグの名を呼びながら店の外に出た。
外には数人の野次馬がいたが、誰も8頭身を止めることが出来なかった。
8頭身は何も入っていない空のバッグだけを持って、どこかに消えてしまった。

果たして、誰が一番狂っているのだろうか。
行き過ぎたストーカーの8頭身か。
ストーカーのせいで心を病んでしまった1さんか。
1さんをカバンに加工したカニバルか。

それとも、そんな彼らを作り出し、放置した誰かだろうか。

 暗闇横町・夢見る8頭身 完

351 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/12(木) 15:36 [ H2PyZCkc ]
注 この作品はパクリがある可能性があります。

 12月の夜9時、モララーがある小さな家にすんでいた。その時に「あること」が起きた。
ドンドン!ドンドン!ドアを叩く音がする。「うるせえ!」寝ようと思っていたモララーは、ドアを開け怒鳴った。
「おながいします!しぃの仲間たちを助けてやってください!」そういってきたのは、かなり美人な1匹のしぃだった。その後ろには、3,40匹はいるだろうしぃがいた。その一瞬でモララーは悟った。
「こいつは本物しぃで後ろにいるのはアフォしぃだな。(小声)」すると、後ろのアフォしぃたちが言い出した。「ハニャーン!糞モララーハサッサトシィチャンタチニゴハンヲヨコシナサイヨ!」やはり・・とモララーは思った。すると、イイ!考えが思い浮かんだ。
「よーしそこの1番前のおまえが犯らせてくれたらいいよ。そしたら、ほかのやつは助けてやる。」本物しぃは1瞬とまどったが、すぐに言った。「ほかの仲間は・・絶対助けてくれるんですね・・」「ああ、俺もそこまで鬼じゃないからな。」
「じゃあ、お好きにどうぞ・・」「じゃあ、プレイルームへ行こうか!」モララーはその小一時間の中、今まで最高の快感を味わった。本物しぃはいままでセクースを一回もした事がなかったのか、あまりにも疲れ果て、最後に死んでしまった。「君の勇気をたたえ、立派なお墓を作ってあげるよ。」それが、モララーが最後にしぃに言った言葉だった。
しぃが最後にモララーに言った言葉は、「ありがとう・・」だった。

352 名前: 死夜-シヨル- 投稿日: 2004/02/12(木) 15:42 [ GedpR8qs ]
>>319
からの続きです。



「さて、どうしようかなー。まず耳もぎでもしてみようかなー。」
モララーはモナーが踏みつけているしぃ美の前にしゃがみこむ。モナーは顔を上げさせるために顔を踏んでいた足をしぃ美の背中に移す。
「おー、基本モナねー。」
その言葉を聞き、しぃ美は真っ青になる。
「イヤヨ、ヤメテヨ
オネガイ、ダッコスルカラー!!」
「お前のダッコなんていらないんだよ?」
にっこり、そして素早くしぃ美の右耳をもぎ取る。
一瞬の間
「シィィィイイィ!!シィミチャンノカワイイオミミガー!!」
痛がり、暴れるが、モナーの足が外れることはない。しぃ美は痛みを抑えるために、そしてもうひとつの耳を守るために、両手で耳を覆った。
「しまったな、俺としたことが頭にキて一気に毟ったYO」
「あざやかだったけど物足りたいモナー。もうひとつに期待モナー。」
「了解であります(藁)と、手が邪魔だな。」
「ほんとモナー、ちょっと待つモナ。」
“ドン”
「ッ!?・・・グゥ・・・」
モナーはしぃ美の背中に勢いよく腰をおろし、ショックでひるんだしぃ美の手を背中で押さえ付ける。
「これでいいモナー。」
「OK〜♪」
モモラーはしぃ美の左耳を掴み、少しずつ、少しずつ千切っていく。
痛みは先ほどの比ではない。
「イヤァ・・・アギャァ!ア・・・シィィイイィィィ!!・・・シィイ・・・ギィィイイィィィ!!」
「おやおや、君たちの嫌いなでぃみたいな悲鳴になっちゃってるぞ(藁」
押さえつけられ、身体を痙攣させ、足をばたつかせる以外しぃ美に痛みを紛らわせる術はない。
「うーん、やっぱり耳取っちゃかわいそうだよね、残しといてあげるね。」
「シィイ・・・タス・・・ケテクレル・・・ノ・・・?」
モモラーのにこやかな笑顔に、しぃ美は痛みで引きつった顔に期待で少し明るさが戻る。
「うーん、止血しなきゃね。」
モモラーは右手でしぃ美の千切れかかった左耳を掴んだまま、ポケット探り、ある物を取り出す。
それは銀光りするオイルライターだった。
「??」
しぃ美には止血とライターの関係がまったくわからなかった。
“シュボッ”
目の前で火がつくライター。チリチリとしぃ美の柔らかい毛を焦がす音がする。
「じゃ、いくよ。」
そして、おもむろにその火を千切れかかった耳に近づけた。
”ジュジュウ”
「シィ?!シィィイイイイッ!!!シィギャァアァァァァッッ!!!」
肉を焦がす嫌なにおいが鼻につく。
しぃ美はその痛みに耐えられず思い切り頭を振った。
すると、千切れかかっていた耳が千切れ、新たな血が噴き出した。
「何だよ、せっかく残してやったのに、人の好意を無にしやがったな。」
「シィ・・・アギャァ・・・ソンナ・・・」
痛みと、両耳を失った悲しみと、理不尽な言葉への怒りと、こんな複雑な思いをしたことのないしぃ美は言葉が出なかった。いや、なんていっていいのかその言葉すら知らなかった。
「そんなだから、自分を助けようとした友達を売ったりするような言葉が出るんだな、この糞しぃからはな!」
そう、そのことがモモラーは許せなかった。
あそこまで潔く自分を犠牲にしようとした彼女を、身代わりにして自分が助かろうとした腐った考え方が。
もしあの時、彼女に逃げてと言ったら、見逃そうと思ったのに・・・
「こんな怒ってるモララー初めてモナ、でも、次はモナーの番モナ。許せないには一緒モナ。」
「・・・わかった」
暗い声。
「選手交代といくか」
そして元の明るい声。
そして、呆然自失するしぃ美から手を離し、モナーと場所を交換した。



≪続く≫

354 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/02/16(月) 06:46 [ f0XjDJqY ]

天国と地獄       その2

私は時計を見た。
針は午後9時50分を指している。約束の時間まで、あと10分。
すでに店内には多くの客であふれていた。
むせ返るような、酒と、タバコの匂い。
週末のこの時間ならば、私も他の客と同様に、とっくに深酒を煽っていただろう。
しかし、今日は酔うわけにはいかなかった。
何せ、昨日の男が本当のことを言っていたのならば、私はこの後が本番なのだ。
おかげで昨日、今日は何をしても手につかなかった。
年甲斐も無く、明日が楽しみで眠れないという体験も、久しぶりにさせてもらった。
『カランカラーン』
店のドアに取り付けてあるカウベルが、店内に客の来訪を大きく告げた。
私は、反射的に時計を見る。ちょうど10時。胸が大きく高鳴った。

「お待たせ致しました。」

私の肩を叩いたのは、私が待ちわびていた昨日の男だった。



「本当だったんだな。実を言うと、少し疑っていたんだ」

「まぁ、それはそうでしょうね。無理もありません。虐殺者を狙った詐欺も横行してるそうですから。
 聞いた話では、闇ではチビギコが一匹20万くらいの相場で売買されているそうですよ」

男は、運転しながら苦笑している。
車はもう山道に入っていた。夜の山は不気味な雰囲気を放っている。

「他の飼育員達は、私の事を知っているのか?不審に思われないだろうか?」

「その点は大丈夫です。政府から派遣された研究員だと話していますから。
 あなたには、研究室を一室借り切っていますので、その中に入っていただきます。
 飼育員達は何かの研究だと思うはずです。もっとも、この時間まで残っているのは稀ですけどね。
 そうそう、ダッシュボードの中に研究員用のパスが入っていますから、首から提げていてください」

なるほど。すでに手回しされていたか。まぁそれも当然かな。
私が危なくなれば、コイツも危なくなるのだから。
私は、ダッシュボードの中にポツンとあったパスの紐に首を通そうとした。
が、手が震えてうまくいかない。二回ほどひざの上に落としてしまった。

「・・・大丈夫ですか?気分が悪いのなら、引き返しますが・・・」

その様子を見ていた男が、心配してか、声を掛けてきた。

「大丈夫だ。心配してくれなくてもいい。何、久しぶりの運動なのでね。少し興奮しているだけだ。
 君にはわからんだろうな。この気持ちが。当たり前と思っていたのが無くなるとこの様だ。
 もう、私も正常ではなくなっているのさ」

その後、車内は終始無言のままだった。窓に私の顔が映っている。
もし、町を歩いていてこんな顔をした奴が歩いていたら、誰しも異常者と思うだろう。そんな事を考えていた。

355 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/02/16(月) 06:50 [ f0XjDJqY ]
「着きましたよ。旧北第二浄水所です。」

ふいに木々の間からその姿が現れた。
暗闇の中に、不気味にその建物はそびえている。
車は裏手へと入ってエンジンを止めた。

「ここか・・・」

「パスはつけていますね?OKです、行きましょう」

私達は車から降りて、そのまま正面玄関へと歩いていった。
守衛にパスを見せて、中へと入る。怪しまれやしないかと、ヒヤヒヤした。
中は、想像していた物よりかなり綺麗だった。自動販売機まである。
壁は一面、真っ白だった。
ふと、人の姿は見えないが、『あいつら』の匂いをかいだ。声もかすかに聞こえる。
思わず、背筋が震えた。手のひらに汗がにじむ。もう、待てない。

「研究室はどこにあるんだ?一晩に何人までなら殺していい?」

あからさまに興奮している私を、男は笑ってなだめた。

「落ち着いてください。研究室は地下2階にあります。保護対象も、まとめてそこに。
 一日5匹までなら大丈夫です」

「早く案内してくれ。一刻も早く始めたい。」

「判りました。それでは、エレベーターで参りましょう」

男が先に立って、私を案内する。途中モニター室の前を通った時、
奴等の姿が私の目に飛び込んできた。久しぶりに見たあの姿。憎憎しい幸せそうなあの顔。
私は、全身が震える思いがした。
虐殺なんて、遠い昔の話と思っていやがる。
今からタップリ可愛がってやるからな。
少し大型のエレベーターに二人で乗り込む。
ゆっくりとしたドアの動きまでもが、もどかしかった。

「もう既にチビは研究室に入れてありますから、すぐに始められますよ。
 終わったら私の携帯に連絡をください。帰りもお送りします。」

エレベーターの中で男が口を開いた。私は、獲物の準備をしながら男を見ずに返事をした。

「わかった、ありがとう。だが、遅くなるかもしれないよ。
 久しぶりだし、タップリ遊びたいから。」

「結構です。いつでも構いませんから。さぁ、おりましょうか」

私達は、エレベータを降りて通路を左に折れた。
照明は少し薄暗かったが、清潔な感じはした。それ程部屋数も多くない。
廊下を観察しながら男の後に付いて行くと、突き当たりに大きなドアがある。
『研究室』
口の中はカラカラだった。

「では、私はこれで。後は存分にお楽しみ下さい。」

「ああ、ありがとう。」

礼もほどほどに、私はドアを勢いよく開けた。
部屋の中は何も置いてないに等しかった。真っ白な壁と、蛍光灯の光。
その下にある、革張りの大きなベッド。それだけだった。
その上に、私が待ちわびた奴らがいた。チビが三匹と、しぃの成体が二匹。素晴らしい取り合わせだ。
五匹仲良く身を寄せ合って眠っている。
会いたかった。それが私の第一の言葉だった。
その時、私の気配に気付いてか、しぃ二匹のうち一匹が、かすかに目を開けた。
私は奴らに視線を合わせたまま、後ろ手に鍵をかける。

356 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/02/16(月) 06:51 [ f0XjDJqY ]
「アニャ・・・アンタ、ダレ・・・?」

この声も久しぶりに聞いた。心臓が早鐘を打っている。
このままでは、悲鳴など聞いた日には私は死んでしまいそうだ。

「誰でもいいさ。君らには関係の無い事だ。」

私は極力優しい顔と声を出して、彼らに近づく。凶器を後ろに隠したまま。

「ゴハンナラ、モウイラナイヨ。アンタ、ナニシニキタノ?」

「いい質問だ。そうだな、その答えには言葉よりも、こっちのほうがよさそうだ」

不思議そうな顔をしていたのが印象的だった。
私は、その顔めがけて右手に構えていた釘バットを、思い切り横にスイングさせた。
ドガッッ!!

「ジィィィィィィィィ?!!」

しぃはこめかみ付近から血を流しながら、仲間をべッドから落としつつ吹き飛んでいった。
ああ…最高だ…最高だよ……。この感触、この血、この悲鳴、この表情。
どれをとっても素晴らしい…。私の体中を恍惚感か駆け巡る。やはり、虐殺はやめられない。

「アニャ・・・?」
「ナンデシュカ?」
「ナンデクルシンデルノ、アノヒト」
「ホットキナサイヨ。モウ、セッカク イイキモチデ ネムッテタノニ・・・」

目を覚ました糞虫どもは、各々勝手な事をほざいている。
少しイラついたが、まだ彼らの順番ではない。憎悪の矛先が向いている、まずはあいつからだ。

「イ、イタイヨオー!! カワイイ シィチャンノ オカオガ ダイナシダヨー! ミ、ミンナ キヲツケテ! コイツハ・・・ンンーー!!」

このままコイツに喋られると面倒なので、静かに口をふさいでやった。
どの道、奴らがそれを知った所で、何も変わらないのだが。
そしてなにより、私は獲物は静かなほうが好きなのだ。

「シー、シー・・・静かにして・・・私の話をよく聞くんだ・・・いいかい?
 私は、君達の対衝撃度を検査する為に呼ばれた検査員なんだ。これから検査を始めるけど、協力してくれるよね?
 いい子にしてれば、たくさんダッコしてあげるから。
 大丈夫、最後に必ず魔法で最初の姿に戻してあげるからね。
 私だって辛いんだ。だから、早く終わらそう。君が静かにしてればすぐ終わるからね。わかった?」

私は先ほどの凶行など、無かったような態度をよそおった。
ホントは、こんな事私もしたくないんだよ。でも、仕事だから仕方ないんだよ。そんな態度を。

「ホ、ホントニ スグオワルニノ? オワッタラ タクサン ダッコシテクレルノ?モトニ モドシテ クレルノ?」

かかった。ちょろいもんだな。まだまだ腕は衰えていないようだ。私は静かに微笑む。

「ああ、約束する。じゃあ、始めるよ」

そういって、私は新たな凶器を取り出した。

357 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/02/16(月) 06:52 [ f0XjDJqY ]
「ナニ、ソレ・・・」

コイツがおびえるのも無理は無い。この武器は、私が現役の頃、共に血の雨を降らせた相棒だ。
その際立つ禍々しき姿と、恐ろしい程の凶悪性ゆえ、あっという間に被虐者たちの畏怖の対象になってしまった。
全長1Mのその姿は、一見すれば巨大なフォークに見えるだろう。そして、使い方を知れば悪魔の矛に見えるだろう。
久しぶりに、血を吸わせてやるからな。私は愛おしげに刃先を撫でた。

「これはね、私にとっては天国を、君にとっては、地獄を思わせる場所へ連れて行ってくれるものさ」

そう言って、糞虫が私の言葉を理解し終わる前に、刃を右腕ごと地面に突き刺してやった。

ズドンッッ!!

三本あるフォークの先端の、真ん中の刃が腕の骨を断ち切った。

「ハ、ハギャアアァァァァ!!!イタイ、イタイヨォォォォォ!!」

ああ、なんてすばらしい絶叫なのだろうか。この世のすべての病を払ってくれそうな清い声だ。
もっと聞きたくなったので、ちょっとだけ抉ってやった。

「えいっ」

グリッ

「シギャ!!ギャアアアアァァァァ!!」

感無量である。まさに天使の歌声だ。心が洗われるようだ。
なんて悦に入っていたら、無意識にさらに抉っていたようで、腕は取れそうにふらふらしていた。
糞虫自身は、この苦痛から逃れようとしているのか、「アアアア〜〜」と口走りながら意味無く体をのたまわせている。
顔はグシャグシャな表情を作っていた。何がしたいのか、意味不明だ。
今度はなんとなくムカついたので、いっそ一思いに腕を切断してやった。

ズギャ!

一瞬呆然とした後、絶望した顔をして、走り回りながら切断面を抑えて泣いていた。

「アアアアアア!!ウオオォォ!!イタイィィィィ!!!モウヤメル──!!」

相変わらず知障じゃ無いかと言う位奇妙な行動をとる。稀にこんな奴がいるんだ。
そろそろコイツも飽きたし、次に移るか。右腕一本如きで騒いでるようじゃ、この先あまり楽しめそうも無い。

358 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/02/16(月) 06:54 [ f0XjDJqY ]
おーい、ゴメンゴメン。ちょっとやりすぎちゃったよ。元に戻してあげるから、戻っておいで」

糞虫は「あ、そっか。魔法で戻るんだっけ」と言う顔をして、やけにあっさり泣き止んで戻ってきた。
しかし、その表情は必死である。

「オナガイ、ハヤクモドシテ!イタクテ イタクテ シニソウナノ!」

「じゃあ死ねよ」

まっすぐに糞虫は私の目を見返してきた。今更ながら、糞虫の目は緑色だと言う事に気がついた。

「・・・・・・エ?」

「あのね、魔法なんてあるわけ無いでだろう。何普通に信じてんの?君の腕は元には戻らないし、
 その可愛いお顔も醜く歪んだまま治らない。この先永遠に、ね。わかったかい?」

全ての希望が絶望に変わった時だ。このときの糞虫の顔といったら、筆舌に尽くしがたい。
まるで、全ての悪夢をいっぺんに見たという顔をする。
そして一瞬笑った後、空っぽの顔になるのだ。私にとってまさに至福の時だ。

「わかってもらえたみたいで、嬉しいよ。じゃ、私は忙しいから。なにせ後四匹も後がつかえているんだ。それじゃね」

わたしは糞虫の首を片手でつかむと、残った手で握っている凶器を力の限り胸に突き立ててやった。
だが、凶器は背骨でいちどつっかえてしまう。フォークの刃の間に背骨が入り込むのだ。
カチン、と言う鈍い音を立てて攻撃は止まった。この時、糞虫は例外なく全員私の顔を見つめてくる。
そして私は、例外なく全てのその顔に笑顔を返してやるのだ。そして凶器は再び進撃を開始する。
さっきよりも強い力で押し込むと、刃は骨を寸断し、肉を破り、その顔を出した。
しぃは、口から一筋血を流した後、かくんと首をもたげて息絶えた。目をかっと見開いたまま。

「ふぅー・・・」

私は刃を引き抜き、ちらりと残りの奴らを見る。
全員ドアのところで固まっていた。ドアには引っかき傷が無数についている。
私はふっと笑って教えてやった。

「無駄無駄。そこのドアは、内側からもこの鍵を使って鍵をかける仕組みなんだ。
 ツマミが無いだろう?まぁつまり、この鍵さえあれば出れるわけなんだけど・・・」

わざと見せびらかすように鍵をチャリチャリを回す。
糞虫どもは、いかにも物欲しそうにその鍵を見つめていた。

「君達は、私から鍵を奪う事は出来ない。非力だし、無能だから。もう、ココから生きて出られないのさ」

血にぬれた凶器を携え、私は怯える彼らに一歩近づいた。

                                     続

359 名前: godless --- D(1/4) 投稿日: 2004/02/19(木) 21:52 [ 2JUaP4NY ]
NG博愛主義02

 でぃは神など信じない。

 神が創造したと考えるには、
 この世界はあまりに醜悪だったから。

360 名前: godless --- D(2/4) 投稿日: 2004/02/19(木) 21:53 [ 2JUaP4NY ]
NG博愛主義02

 三つ目のゴミ箱で、でぃはピザの箱を見つけた。
 それは、ただのピザの箱ではない。ほとんど手つかずの一切れが、
ティッシュに包まれて入っていたのだ。
「アウ・・・」
 屋外で落としたのであろうそのピザは、砂と土埃にまみれていた。
恵まれている者には生ゴミでしかないそれは、しかし、でぃにとって
はこの上ないごちそうだった。張り付いたティッシュも剥がさずに、
彼女はそれを口に入れようとする。
「マチナサイ」
 背後からかかった可愛らしい声に、でぃは動きを止めた。ピザを
迎え入れるために開いた口のまま、声の主に振り返る。
 片手に棒きれを持ったしぃが、口を笑みの形に結んで立っていた。
そのピザはでぃにはもったいないから、自分がもらってやろうと、
彼女は言う。
 でぃは口を閉じ、後数センチで自分の口に入っていたはずの食料を
しぃに差し出した。
 もちろん彼女は、せっかく見つけた食料を手放したくはなかった
けれど、逆らう事など出来るはずはなかった。

 この世界のルールは単純だ。強い者は弱い者に対して好きにすれば
いい。
 加虐者を頂点としたピラミッドの中で、しぃ族の位置は決して高く
はなかったけれど、それでも、最下層のでぃ族よりは上だったという
だけだ。

 でぃはピザを渡すと、しぃに背を向けて歩き始めた。
 未練がましく頼んだところで食料を分けてもらえるはずはないし、
それなら、さっさと次のゴミ箱に向かった方が有益だ。
 突然、でぃの右側頭部を衝撃が襲った。
 でぃは左肩からアスファルトに倒れ込んだ。くらくらする頭で、
何が起きたのか考える。
(殴られた?)
 じわりと、毛皮の下に熱が生まれる。
「オソイ」
 ひどく楽しげに、しぃが言った。
 自分は遅かっただろうか、とでぃは考える。しぃに比べれば、種族
的な鈍さはあるだろうけれど、反抗の意志を見いだされる程手間取った
つもりはない。
「アンタ ナマイキ」
 今度は背中を殴られた。肺の空気が強制的に押し出される。
 自分の動作は関係なかったのだと、彼女は気付いた。このしぃは
誰かを殴りたい気分だったという、それだけの事だ。理由は後から
ついてくる。
 打撃と一緒に、でぃを貶める言葉が振ってきた。

 お前は醜い。触れることすら躊躇うほどに。
 自分のせいではないのにと、でぃは思う。酸に焼かれたような
毛皮も、濁ったような灰色の目も、片方しかない耳も、全て生まれた
時からの種族の特徴だ。

 声を出すな。お前の声は耳に障る。
 殴るのを止めてくれれば、もう悲鳴など上げないのに。

 お前がいると世界が穢れる。だから、
 私もこの世界が嫌いだ。だから、

「シンジャエ」
(殺して)
 棒切れがでぃの左足首に当たった。
 電気を流されたような――と言っても、実際にはでぃはそんな経験
はなかったのだが――痛みとしびれが彼女を襲った。
 彼女の体は、それ以上の苦痛を拒否した。急速に、意識が遠のいて
いく。
「やめてやれよ」
 ぼんやりした頭で聞いた声は、幻聴に違いなかった。

361 名前: godless --- D(3/4) 投稿日: 2004/02/19(木) 21:54 [ 2JUaP4NY ]
NG博愛主義02

 空から落ちてきた雨粒に毛皮を叩かれて、でぃは目を開けた。
視界に入るのはさっきと同じ裏路地で、全身が痛む。残念なことに、
彼女は未だにこの、苦痛に満ちた世界に留まっているらしかった。
 打ち身に響かない程度の小さな溜息を、でぃは吐き出した。
 まだ生きているなら、少なくとも雨のしのげる寝床を探さなければ
ならない。欲を言えば、怪我が落ち着くまでの2〜3日を過ごせる
ような、安全な場所が必要だった。
「ヤメテヨ」
 泣き声が、でぃの耳に届いた。
 そろりとそちらに首を回すと、先ほど自分を殴っていたしぃが、
仰向けに寝かされていた。その細い胴の上にモララーが座り、彼女の
手首を掴んでいる。
「止めない」
 ぶつりと、彼は彼女の指を引きちぎった。
 一際大きな叫び声を上げ、しぃは掴まれていない方の手でモララー
の腕に爪を立てた。
「……だから、痛くもなんともねぇって言ってるだろ?」
 でぃがしぃに勝てないように、しぃはモララーには勝てない。
それでもなお、追いつめられた彼女はもがいていた。
「ひっかく、ってのは、こう」
 モララーは手本を見せる教師のような口調で言って、しぃの肩に
爪を立てた。そのまま、華奢な二の腕の中程まで傷を開く。
「分かった?」
 分かったも何も、しぃに足りない物は技術ではなく力なのだから、
教えられてどうにかなる物ではなかった。
 濡れた指先を一振りして血を払い、モララーは再びしぃの指を
ちぎり始めた。

 でぃの右手には中指がない。これは生来の物ではなく、虐待された
時の傷が元で、膿んで落ちたのだ。彼女はまだ、その時の痛みと恐怖
を覚えていた。だから、彼女は立とうとした。
 その瞬間、これほどの痛みという物が存在したのかと、一種感心
するほどの激痛が左足に生じた。後で知った事だが、でぃの左足首は
この時にはもう砕けていたらしい。
 物音にモララーがでぃの方を向いたが、うずくまって震える彼女
には興味を持たなかったらしく、すぐにしぃの方に向き直った。
「じゃあ、今度はこっちの手。……親指から? 小指から?」
「イヤ、ユルシテ。ダッコ スルカラ」
「脱骨? お前、マニアックだな」
 モララーは笑って、彼女の人差し指を付け根で折った。指先の肉を
爪で裂き、中の骨を引っぱり出す。
 悲鳴と嗚咽に混じって、しぃは何度も「違う」と叫んだ。モララー
はその言葉を理解したようだったけれど、分からないふりをした。
「血が? ああ、洗濯すれば落ちるから気にするな」
 どこか演技めいた声音でそう言って、しぃの指をつまむ。大して力
は入ってなさそうなのに、しぃはひどく痛がった。骨から剥がれた
ばかりの組織が、中でこすれ合うのだろう。
 モララーはしぃの指を手の平で包むように握って、力を入れたり
弱めたりを繰り返した。そのたびに、骨の抜けた部分にたまった血が
吹き出し、悪趣味な水鉄砲のようだった。
「次はどの指?」
 モララーはしばらく返事を待ったが、しぃはどの指を切って欲しい
のかを答えない。
「・・・ドウセ シィノコト コロスンデショ」
「全部要らないのか」
 彼はしぃの腕と手の平をそれぞれ掴んだ。じわじわとひねりを
加える。手首をねじ切ろうというモララーの意図に、しぃは涙を
こぼして制止した。
「ヤメテ。イヤ。オテテ トレチャウ」
「だって、要らないんだろ? だったら」
 モララーは言葉を切り、違和感の生じた足元に目を下ろした。

362 名前: godless --- D(4/4) 投稿日: 2004/02/19(木) 21:54 [ 2JUaP4NY ]
NG博愛主義02

 腕の力で這いずってきたでぃが、彼の足を掴んでいた。
「……何?」
「・・・メテ。ヤメ・・・テ」
「はぁ?」
 モララーがしぃの手を放したので、でぃは落ちている指を拾って
しぃに差し出した。
 しぃは自身の指を奪い取り、傷口に押し当てた。しぃ達の再生力
は強く、条件が良ければ着くこともあり得る。しかし。
「・・・クッツカナイ、トレチャウヨ」
 鋭利な刃物で切られた傷ならともかく、力任せにちぎられた荒れた
断面では、上手くいくはずがなかった。
 でぃが早く拾わなかったせいだと、しぃは責め立てる。
「アウ・・・ゴメン」
「この子は悪く・な・い・だ・ろ?」
 モララーが言葉に合わせて、しぃの肩の傷を握った。力が加わる
たびに苦痛の悲鳴があがる。
 でぃは彼の膝に縋り、止めてくれるように懇願した。
 彼は、実に意外そうな顔で、でぃの目を覗き込んでくる。
「何で? お前、こいつに殴られてたじゃねぇか」
 しぃが虐げられているのを見るのは嬉しいはずだと、彼は言う。
「ウレ、シイ?」
 これは嬉しいという感情なのだろうかと、でぃは考えた。

 嬉しいというのは、多分、ゴミ箱で食料が見つかった時の気持ち
だ。安全な寝床を見つけた時の気持ちだ。
「ウレシ・・・ナイヨ」
 これは、多分、悲しいという感情だ。
 泣いているAAを見ていると、自分まで悲しくなってくる。モララー
は、そんな事を感じたりしないのだろうか。
「カワリ・・・ワタシ、コロセバ イイ」
 彼が誰かを殺したいと思うのなら、その相手は自分にすればいいの
だ。しぃは死ぬ事を嫌がっているようだし、自分は生に未練などない
のだから。
「お前、変な奴だな」
 モララーはしぃの腹から下りた。
 しぃが慌てて逃げ出していく。
 でぃは目を閉じた。

 自分はこれから、しぃのように指をちぎられるのかもしれない。
耳をもがれたり、皮を剥がされたりするのかもしれない。
 けれど、脆弱なでぃ族はしぃ族ほど長くは保たないだろう。
 彼はすぐに、でぃの苦痛を終わらせてくれるに違いないのだ。

 でぃの脇腹に、モララーの両手がかかった。覚悟した事ではあった
が、さすがに恐怖が体を揺らす。
 でぃの体はそのまま持ち上げられ、モララーの肩の上に、うつぶせ
に乗せられた。腰と両膝を押さえられ、父親に運ばれる子供のような
姿勢に納まる。
 そして彼は、そのまま歩き出した。
 裏路地を出て、でぃが歩いたことなどない大通りに連れ出される。
「・・・ナ、ナニスル?」
 予想外の状況に、でぃは不安に耐え切れず質問した。
「保護」
 その瞬間、無表情なでぃ族の顔に、確かに驚愕が浮かんでいた。

363 名前: おし黙りの道 1/7 投稿日: 2004/02/20(金) 08:28 [ PAclKL/Q ]
>>335-343 盲目な旅 の続き


ママが死んでしまった。
パパは人殺しになってしまった。
皆が言うの。
私が泣いたせいだよ…って。
ねぇ、泣き虫のベイビーは悪い子なの??
じゃぁ、もし、ベイビーが泣かなかったら、もう一度幸せになれるのかな?
私、頑張るよ。
何があっても泣かないから、絶対に泣かないから
お願い、ココから私を助け出して…。
イイ子にするから、痛いのは、もうイヤなの…。

364 名前: おし黙りの道 2/7 投稿日: 2004/02/20(金) 08:30 [ PAclKL/Q ]
「ベイビー、大丈夫かい?」

 パパが心配そうにコチラを見つめている。
 その顔を見て、私は夢を見ていたのだと気が付いた。
 『大丈夫』と答えそうになって、慌てて口を噤み、頷いてパパに大丈夫だと教えてあげる。

「良かった。凄い苦しそうに息をしていたから、悪い夢でも見ているのじゃないかと心配でね…。
起こさない方が良かったかい?」

 パパが心配のし過ぎかな?というように首を傾げてコチラを見るので、
起こしてもらって丁度良かったのだというのを伝えるために首を振った。
 私は本当は喋れるし、表情だって動かせる。
 でもね、泣いちゃいけないから、泣かないために私は喋る事も笑う事も忘れたフリを続けていた。
 パパを騙しているのは悪い事かもしれないけど、私はもう、あの場所へは還りたくない。
 パパはママを探せば、私がもう一度笑うって信じて旅をしている。
 ママはもう、この世の何処にもいないのだから、私が笑わなければ、
この旅は終わる事なく永遠に続いてくれるはずなのだ。

365 名前: おし黙りの道 3/7 投稿日: 2004/02/20(金) 08:32 [ PAclKL/Q ]
 ママがパパに殺されて、私は施設に預けられた。
 パパに会わせてと私が泣くと、パパは病院に入れられて、もう会えないのだと
オトナの人が私に冷たく言い放った。
 私はキチガイの娘だからオカシイ可哀相な子なんだって。
 自分の夫と虐殺厨の区別のつかなくなったオカシイママと、
 虐殺厨呼ばわりされてキレて本当に虐殺厨になったパパと、
 そんな間に生まれた私は、嘘つきで本当の事を言わない上に
ジギャクヘキっていうのを持っているって言われた。
 ジギャクヘキって言うのは、自分で自分をイジメる事らしいけど…
私は今まで、一度だってそんな事をした事なんかなかった。

「この腕の傷はアノコに噛まれたの…。この足の傷はソノコに引っ掻かれたの…。
この頬の傷はコノコに叩かれたの…。このお腹の傷はドノコに蹴られたのか、もう分からない…」

 だけどね…。何を言っても、私は嘘つきで、他の子はイイ子なの。

「チビしぃちゃん。またイジメられたのかい?大丈夫…僕が治療してあげるよ?」

「先生、アリガトウ…。先生は私の味方になってくれるの?」

 施設の中にいる保健室の先生は、とっても優しくて、いつも私の話をちゃんと聞いてくれる。
 治療中にダッコばかりされるけど、でも、ココで私を大事にしてくれるのは先生だけだった。

「チビしぃちゃん…今日は、ちょっと痛い治療をするけど、我慢してね…」

 消毒を終えても、私をダッコしたままだった先生が、ベッドの上に私を連れていく。

「先生、ヤメテ!コレ、治療じゃない!これ、交尾だよ!私、こんな事したくないよー!」

 先生がハァハァしながら私にのしかかってきた。
 
「交尾を知っているなんて、チビしぃちゃんはおませだねぇ…もしかして、した事あるのかな?
まさかパパとしていたんだったりして…だからパパが恋しくて泣いてるんじゃないのかい?」

 先生は逃げようとするのを無理矢理押さえつけ、ジタバタと幾ら暴れても
逃げられない私を愉しそうに笑っている。

「パパがそんな事、する訳ないでしょ!ヤメテ、ヤメテ、ヤメテ!キモチワルイノ!タスケテ!」

 先生の指が、私の内臓をかき回すみたいに動くのが気持ち悪くて必死に蹴ったり叩いたりしているのに、
先生にはまるで効いてないみたいで、もっともっと愉しそうに笑いながら指をグチャグチャ動かしてきた。

「交尾はね…ダッコよりも、もっと近くにいられるから寂しい子には絶好の治療なんだ…。
おとなしくしていたら気持ち良くしてあげるから、イイ子にしなさい…」

 先生は私の中をかき回しているのとは別の手で、身体を撫で回してくる。

「ヤメテ ヤメテ ヤメテ コワイヨー タスケテ パパ ママ ベイビーヲ タスケテ ダレカァ!!」

 怖くて、怖くて、怖くて、必死に叫ぶほど、声は細切れの半角になっていった。

366 名前: おし黙りの道 4/7 投稿日: 2004/02/20(金) 08:35 [ PAclKL/Q ]
「鳴かれるのは好きだが、泣かれるのは嫌いなんだよ…おとなしく出来ない子は…痛い事をしちゃうよ?
チビしぃちゃんはイイ子だよね?先生の言う事聞けるだろ?」

 先生が私の頭を撫でながら、怖い顔で睨んでくる。

「コ、コンナ ヒドイコトシテ センセイナンテ… キライ! ヤメテ! ハナシテヨー! ホカノヒトニ イイツケルワヨ!」

 こんな酷い事をする人は警察につかまってしまえばイイのだと、思わず叫んだけれど、
ソレを聞いた先生は、気持ち悪いくらい歪んだ笑みで私を見下ろした。

「まだ、騒ぐのか?ガタガタうるせーチビだな…テメーの訴えなんて、誰が聞くんだ?
キチガイの母親と虐殺厨の父親の娘は嘘つきの自虐癖って有名だぜ?
お前はおとなしく、俺のお人形でいればイイんだよ?そうすりゃ可愛がってやるからさぁ??」

 先生の言う通り、私の訴えを聞いてくれる人はココにはいない。
 唯一、味方だと思っていた先生はコンナ人だったのだ。
 私は助けを求めるのを諦めて目を閉じる。

「やっと、おとなしくなったか…そうだ…イイ事を教えてやろうか?
お前の父親の弁護士な…妻を殺したのは、お前の泣き声がキッカケで狂ったせいだって訴えたんだぜ?
そして裁判所もソレを認めて、父親が子供の泣き声で狂ったって病院送りを決めたんだ。
つまり、お前さえ泣かなければ、あの事件は起きなかったって、世間は認めたんだよ…」

 先生が私の耳に囁いたのを聞いて、閉じた目から涙が溢れるのが、
いくら堪えようとしても止まらなかった。


 以来、私は泣かなくなった。
 誰に何を言っても信じてもらえないから喋るのもやめた。
 笑っても笑い返してくれる人がいないから、笑わなくなった。

「なぁ、お前、何で喋らないんだ?」
「そうデチ、口ついてるのに喋れないなんてオカシイんじゃないデチか?」
「喋らないのに開いてるなんて、オカシイよな…」
「シィチャン キョウ オサイホウヲ ガッコウデ ナラッタノヨ オサイホウッテ アナヲ フサゲルノ! ダカラ ソレデ
チビシィノ ムダナアナヲ トジチャイ マショウヨ! イラナイモノハ ナクナルシ オベンキョウノ フクシュウニモナルシ トッテモ イイコトヨネ!」

 私を囲む、沢山の声。
 ママや私と同じ種なのに、恐ろしいくらい残酷な笑みの、チビから
しぃになったばかりのお姉さんが、針と糸を持って私の前に立った。
 逃げようとすると、周りを囲んでいた他の子達が、私の手足を押さえる。

「ホソイ ハリダト オレチャウカラ コノ タタミバリヲ ツカッテ アゲルネ?」

 お姉さんは、親切でしょ?って言う感じで笑いながら私の唇に針を思い切りつきたてた。
 針を刺された所がジンジン痛む。
 でも、声を出しちゃいけない。
 声を出すと余計に悪い事が起きそうで、私は必死に声を堪えた。

「痛かったら叫べばイイデチ!叫ばないのは痛くないからデチ」

 口の中に鉄の味が広がる。
 痛みで息が荒くなるけれど、唇はどんどんギザギザに縫われていって、
鼻でしか息をする事が出来なかった。
 苦しい…痛い…助けて…パパ、ママ…ベイビーを助けて…。

「コラ!君たち、何をやってるんだ…。チビしぃちゃん大丈夫かい?すぐ治療してあげるからね…」
 
 唇を縫われてしまった私を助けてくれたのは、パパでもママでもなくて、
余計に酷い事をしそうな先生だった。
 だけど、私には逃げる所も無いから、先生の手の中に抱かれて、きっと今日も、
このまま保健室に連れて行かれてしまう。
 縫われた唇をもっと閉じるように噛みしめた時、部屋の外から大きな悲鳴が響いてきた。

367 名前: おし黙りの道 5/7 投稿日: 2004/02/20(金) 08:36 [ PAclKL/Q ]
「…ヤメ…イヤァー!」
「誰か…助け…」

 子供部屋に、施設の職員の人が血まみれで倒れる。

「な、何があったんだ?こんな残酷な…」

 先生は抱きかかえていた私を床に下ろすと、すでに死体となっている彼らに歩み寄り、
傷を確かめ、その残酷さに顔を背けた。
 私に酷い事はするくせに、そういうのは嫌なんだなぁ…とぼんやり見ていると、
さっきまで私をニヤニヤとイジメていた子達が怯えるように部屋の隅で丸くなっている。
 私を追い詰めるのは平気なくせに、自分が追い詰められるのは怖いようだった。
 私だって、もちろん怖いけれど、何だかココまで来ると死んでしまう方が楽な気がして、
誰だか分からないけれど、私を一思いに殺してくれないだろうかと、虐殺者を探すため部屋を出る。

「ベイビー、こんな所にいたんだね??」

 驚いた声を聞いて振り向いたけれど、どちらかというと、こんな所でベイビーと
名前を呼ばれた私の方が驚きだった。
 ガラスの破片を握って、血まみれで笑っているのは紛れもなくパパである。

「…その口、どうしたんだい?誰にやられたんだ??痛かっただろう?すぐに外してあげるからね…」

 パパはゆっくりと慎重な手つきで、鋭利な血まみれのガラスを使い、私の唇を縫い合わせた糸を
プチリ、プチリと切って、外してくれた。

「こんな事した奴は何処にいるんだ?大丈夫、そんな口で喋るのは痛いだろう?
指でさしてごらんパパがやっつけてやるから…。前に偽物のママをやっつけたみたいにね…」

 どうやらパパの中で、殺したママは偽物って事になっているらしい。
 私は、自分が指をさす事で何が起こるのか分かっていたけど、パパに言われるまま、
パパの手をひき、真っ直ぐに子供部屋へ向かった。


「シィィィィィ! イタイ! タスケテ! シィノ シィノ オミミガァ!」
「痛いデチ!助けて欲しいデチ!オテテを返して欲しいデチ!」

 パパの手から逃げ回ったせいで、半端に刺された子供達が部屋のいたる所で泣き叫ぶ。

「チビしぃちゃん…パパを止めておくれ…君なら、止められるだろう?」

 先生が私にすがり付いてくるけど、もう、下半身もないのに本当に止めて欲しいのだろうか?
 
『私が泣いたら、きっともっと、パパはおかしくなるんでしょ?先生??』

 先生に通じたかどうか分からないけれど、とにかく私は、そう、唇を動かした。
 私のその唇の動きを見た先生は、泣きそうな、何かに絶望したような顔をしたまま、
パパにメッタ刺しにされていく。

「もうちょっとで、ベイビーに酷い事した奴が皆、いなくなるよ?
さっき僕とベイビーを離れ離れにした奴らもやっつけたから、ママを探しに逝こうね?」

 パパがニッコリと微笑んで私に手を差し出した。
 何処を探したって、私たちのママなんかいない。
 パパの手は血まみれで、きっと、パパは病院に入っているのが本当は正しいのだ。
 だけど、私は…。

368 名前: おし黙りの道 6/7 投稿日: 2004/02/20(金) 08:37 [ PAclKL/Q ]
「ベイビー、大丈夫かい??ほら、これでも飲んで落ち着きなさい?」

 パパが渡してくれたのは、ホットココアで、私がベッドの上でボンヤリとしていた間に
宿の台所を借りて作ってくれたらしい。
 濁った茶色の液体は、空気に触れて腐敗を始めた血液みたいだったけれど、
私は気にせず、それを飲み干した。

「ベイビー、実はもう、朝なんだが、どうする、次の街へ出掛けるかい?
それとも、もう少し眠ろうか?」

 パパがカーテンを開けると、窓からは眩しい位の朝日が射し込んでくる。
 私はベッドから飛び降り、パパの手をひいた。

「分かった。逝きたいんだね…。じゃぁ出発しようか…」

 今日もまた、あてもなく、見つかるはずもないママを探して、私たちは道を逝く。
 握った手を離さないように、ただ黙って、私は何処までも歩いて逝く。
 終わりのない旅路を何処までも、何処までも、パパと2人で…。

369 名前: おし黙りの道 7/7 投稿日: 2004/02/20(金) 08:38 [ PAclKL/Q ]
ママは殺されてしまった。
パパは指名手配の大量殺人犯になった。
皆が言うの。
私が泣いたせいだよ…って。
ねぇ、泣かないベイビーはイイ子よね?
ベイビーが黙っているせいで殺されたなんてオカシイわ…
だって泣いたから事件は起こったはずなんでしょ?
私、頑張るわ。
このまま何があっても絶対に喋ったりしない。
このままパパと2人何処までもこの道を逝くの。
1人になるくらいなら、笑えない方がずっと、ずっと、マシだから…。

370 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/22(日) 19:47 [ AoeFzO82 ]
とあるチビギコ孤児院にて 最後に落ちあり、節操なネタですが…



はいはい皆さん、今日は昔話をしてあげますよ、
昔話といっても20年前の話、
みんなはまだ生まれてないかもしれないけど、そんな昔じゃないよね、
このお話は一人のモララーの女の子と、一匹のしぃちゃんのお話なんだよ、
え?
そんなことはイイから早く話をしろって?
もぅ、みんなせっかちなんだから。
流石チビギコね
幼稚園児なんだからもっとマターリとしなさいよぉ

はぃはぃ、それじゃあ始まり始まり~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

あるモララーの夫婦の家にね、
一人の子供がいたの
名前はモラー、そぅ、女の子よ。
それでね、その女の子は一匹のしぃちゃんをとてもかわいがってたの。
しぃってみんな知ってるわね?アノ有名な糞虫のことよ。
でもね、モラーちゃんはやさしい子でね、
しぃが妊娠していて出産前だったこともあってね、そのしぃの事をとてもかわいがっていたの、
それはそれは目に入れても痛くないくらい…
何?目に入れたらイタイに決まってる?そうやってちゃかさないの、静かに聴きなさい!
…でどのくらいかわいがっていたかというとね、
毎日お風呂に入れてやり、一緒の布団に寝て、一緒にご飯を食べ、…
信じられないでしょう?
アノ汚い糞虫と一緒に食事だナンテ、
でもモラーちゃんはそんなのを気にしないほどしぃのことをかわいがってたのよ、

…でもね…
ある夏休みのことだったわ、
モラーちゃんは町のおばさんの所に両親と共に遊びに行くことになったの、
…両親が出かける準備をしている間ずっとモラーちゃんはしぃの事をダッコしてあげたの
「すぐに帰ってくるから、ちゃんとおるすばんしてるんだからね!」っていいながら
イツモみたいにダッコしてあげてたの、背中をさすってやり、のどをなでてやり…
ほんとにいつもどおりにダッコしてあげてたの。
しぃも喜んで「ハニャーハニャーン」て鳴いて喜んでたんだって、
みんなどう思う?
そうでしょう不思議でしょう、みんなしぃと仲良くしようなんて考えたことも無かったでしょう?
世の中には不思議なことがたくさんあるのよ、
ゆっくり大人になりなさい、

…それで
モラーちゃんはイツモみたいにしぃにお出かけのKISSをして出かけたの、
しぃと少しでも分かれるのがつらいんでしょうね、
悲しそうな顔をして「すぐ戻ってくるからね バイバイ」って…
しぃもそれに「ハニャーン(イッチャヤダー)」って答えたのよ

お出かけは2日間だったの、立った二日よ?いい?ふ つ か。
でもこの二日間というのは時間にすると48時間
いいわね?一日は24時間よ?
たったの、本当にたったの48時間なんだけど…
モラーちゃんの心を変えるのには十分な48時間だったの。
…というのもね、モラーちゃんの両親は昔からずっとずっと
モラーちゃんが、しぃと仲良くする事を快く思っていなかったの、
だってそうでしょ?みんな、糞虫と一緒にいる人なんかと仲良くなりたくないモンね、
このままではとんでもない子供になってしまうって…
そう考えた両親は、モラーちゃんに虐殺心を与えるために…目ざまさせるために…
精神病院に連れて行って電気ショックにより無理やりそれを目ざまさせたの…
おばさんの家に遊びに行くなんてうそだったのよね…
みんなもオカアサン、オトウサンの言うことを鵜呑みにしたら駄目よ、
って幼稚園児に言っても駄目か…
まぁいいわ、それでね…
モラーちゃんも病院に入る前は、病院の入り口にいるチビしぃと握手してたのに…
病院から出る時はチビしぃを入ってきた時と同じしぃかどうかは分からないけれど…ものも言わずに踏みつけたの…
やっぱりモララーの血は争えないわよね…
ほんのチョットの電気ショックでこれだけ人を変えてしまうんだから…
モラーちゃんの両親は喜んだわよ、当然。
だって娘がみんなと同じように普通になったんだもの…

371 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/22(日) 19:49 [ AoeFzO82 ]
モラーちゃんが家に着いたのは夜の7時半ちょうどだった、
間違いない、玄関にある時計で確認したから…
それでね…部屋に入ったモラーちゃんに、しぃはイツモみたいに飛びついたの…
でもモラーちゃん、いつもなら「ただいましぃちゃん」ってただいまのKISSをしてくれるモラーちゃんは…
たった一言「触らないで、この糞虫、のみが移るわ!!」って言ったの、
しぃはそれはそれは驚いたわ、
だってそうでしょ、いつもならすぐさまダッコしてKISSしてくれる人が、
その日に限って「サワルナ!!」だなんて、
しぃは驚きのあまり「ハニャァ?(?)」としかいえなかったんだって、
そしたらモナーちゃんが「ハニャじゃないでしょ?この糞虫、ナンデ薄汚いあんたがこんな所にいるのよ!」
って、しぃを怒鳴りつけたの…
もうしぃは何がなんだか分からなくて…
何も言わなかったんだって。

そのときね…一回から声がしたの、「ご飯よー、降りてらっしゃい」って
そうそういい忘れてたけど、モラーちゃんの部屋は二回にあったのね、
それでね、そのしぃちゃんそれを聞いて、元気を取り戻し、いつもどおり下で食事をしようとしたの、
「ハニャンハニャン(シィィ!ゴハンダヨー、ウレシィナー)」って言いながら部屋を出て階段を降りようとしたの…
でもね…降りられなかったの。
ナンデかって?決してドアが閉まってたとかそういう落ちじゃないのよ、
ちゃんとした理由があるの…
その理由というのはね…モラーちゃんが
「チョット、ナンデ糞虫のアンタが下で私たちと一緒に食事をするの?身分をわきまえなさいこの『知障!』」
って言ったからなの、
そのときのしぃちゃんの顔と言ったら…
今でも忘れられないわ、目をパッチリ開けて、口はポカーン、
その顔は何も分かっていなかった顔だったの、
今までずっとひざの上に乗せてもらって、同じ箸で「あーん、しぃちゃんお口あけてー」ってご飯もらってたのに…
この突然の豹変振り、流石のしぃもこれはおかしいと思ったらしく、
「ハニャァ…」と言うと部屋の隅でうずくまったの、
…きっと「ドウシテ コンナニ ツメタインダロウ」と思ってたでしょうねぇ。

それから30分くらいして、モラーちゃん夕食を終えて二階へあがってきたの、
いつもならモラーちゃんが部屋に入ってきたら、すぐさま飛びつくしぃだけど、そのときは何もしなかったんだって、
いぇ、できなかったんでしょうね、
飼い主の豹変振りに驚きすぎていたのよ…
部屋の隅で入ってきたモラーちゃんをじっと見るだけだった、
するとその目つきがモラーちゃんの虐殺魂に火をつけたんでしょうね、
「あんた何見てンのヨ!!」
そういってモララーちゃんはしぃをつかむと、昔使っていた倉庫へ連れて行ったの、
そして
「ナンデあんたと同じ部屋にいなけりゃいけないの」
って言って、思いっきりしぃを倉庫の床にたたきつけたのよ…
コンクリートの固い床に
べしゃ!!って
「バニヤャーー」しぃは大声で泣いたの
「ハナーンハナーン(タスケテヨ ナンデ ソンアコトスルノ?)」
でもモラーちゃんはそれを聞いて
「ナニがハナーンよ!馬鹿じゃないの?やっぱ知障ね!」
とどなって、思い切り…力に任せてしぃのおなかをけりつけたの
「ハギャ」
しぃは倉庫の置くまで吹っ飛んだの、
そしておなかがものすごく痛いことに気がついたわ、
そしてしぃは思い出したのよ、
自分が今妊娠していることに…
「ハニャーンハニャーン(シィィィィ イタイヨー オナカガイタイヨー オネガイダヨ タスケテヨー)」
モラーちゃんしぃがおなかを押さえてのた打ち回るのを見て、しぃが妊娠している事を思い出したらしいの、
そして、何を思いついたのかは知らないけどニヤニヤし始めた…

372 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/22(日) 19:49 [ AoeFzO82 ]
名前入れ忘れスマン



しぃの出産はけられたせいで始まりかけてた、
モラーちゃんがしぃにゆっくりと歩み寄っている間に、しぃは一匹目の子供を産み落とそうとしていたの…
ぶちゅ えぐい音がして一匹目の子供が産み落とされた、アレだけおなかをけられたのに、
ベビは死んでいなかったの、不思議よね、
でもね、すぐに死んじゃった、
モラーちゃんが踏み潰したの…
しぃが「ハ、ハニャー(ヤッター ウマレタヨ シィノベビチャンダヨー)」って言って笑っているる間に
しぃの表情はあまりの出来事についていけず、ベビがつぶされても、しばらくは笑ったままだった。
そのショックのせいかしら?もう一匹のベビが
ポン と音を立てて出てきた、緩んだのかしらね?
…でもそのベビチャンが生まれたのを喜ぶ前に、そのベビもモラーちゃんに踏み潰された…
しぃは動かなかった、次々と起こる出来事…
今まで自分をさんざんかわいがってくれていたモラーちゃんがそんなことをするなんて…
きっとしぃの貧弱な脳では理解できなかったんでしょうね、
しぃは、ショックで全身の筋肉が緩んじゃったみたい、
ドバッ っと音がして、残りのベビが全部吐き出されたの…
胎盤がとてもグロかったって、
その後
モラーちゃんはもう一匹ベビを踏み潰した…
ぺシャッ いい音がしてベビはトマトがつぶれたみたいになった。
「シィィィ(ヤメテヤメテ オネガイ)」
「ハニャァナニャニャニャ(シィガ セッカク ウンダ ベビチャンナンダヨ)」
しぃは必死で主張したの、だって今までとても楽しみにしてたんだもん、
ベビたちとマターリして、ダッコする事を。
だから…無駄だと分かっていながらモラーちゃんの足にすがりついたの
モラーちゃんはもちろんそれを許さなかったわ、
しぃを思い切り蹴り上げて、壁にたたきつけた、
「ハニャ? ゲブゥ」
変な悲鳴を上げてしぃは床に落ちた、
でも死んではいなかった、ピクピク動いてたから…
モラーちゃんは足を上げて残りのベビを皆殺しにしようとした…
でもしなかった…
モラーちゃんは賢い子だったの、
今全部殺しチャウよりも、ゆっくりいたぶりながら殺したほうがいいと分かっていたのね…
「今日はこのくらいにしとこうか」
そういうと倉庫を出て行ったの。
もちろんドアに鍵をかけるのを忘れなかったわ…

==================================================================
一匹の少し、少しだけ他の者よりも賢いチビギコは気づいていた…
おかしい!何かがおかしい!
そのチビギコは少ない脳で必死に考えている…
だってそうだろう?
 「モラーちゃんが家に着いたのは夜の7時半ちょうどだった、間違いない、玄関にある時計で確認したから…」
このあたり…物語後半部から物語の視点がおかしい。
第三者の描写と言うよりも、さも自分の事を描写しているような箇所が増えている
 「でも死んではいなかった、ピクピク動いてたから…」
ちがうだろ!物語だったら「ピクピク動いていたらしいのね」とか「ピクピク動くのを見たから」と言うふうに、だれかの視点から描かれるはず!!
先生の話の語り方は、物語を語ると言うより…
間違いなく
体 験 談 を 語 る よ う な 口 調
になっているんだ!!
やばい!!
よく分からないけど…
なんだかとっても や  ば  い  ぞ。
そのような傾向が見られるのは一部分だけだが…
それでもやばい、
この先生はもしかすると…




先生はまだ話し続けている…
====================================================================

373 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/22(日) 19:50 [ AoeFzO82 ]
でねっ、
壁にたたきつけられ、全身の骨にひびが入ったしぃちゃんなんだけど、
必死でベビの所まで這っていこうとしたの、
だってそうでしょ、
しぃのベビって体温下がるとすぐ死んじゃうから、
必死で、必死で暗い中を手探りで這って行ったの
「ハニャーン ハニャーン(ドコ? シィノベビチャン ドコ?)」って鳴きながら、
そしたら「ミーミー」って返事が返ってきたの、
きっとベビ達にも声が届いたのね、
その声を聞いたとたん、しぃはその方向に必死で這っていったわ
ベビのためなら自分の体なんてどうでもいいって感じで…
それでようやくベビたちのところに着いたの…
でもそこでしぃが知ったのは悲しい現実だった、
既に三匹のベビはモラーちゃんに踏み潰されてぺしゃんこだったし、
残りの6匹…
…しぃは下等生物だから子供をたくさん生むのよ…
も体温が下がっていて危険な状態だったの。
それでもしぃはベビが生きていたことにとても喜んだ
ハニャンハニャン鳴きながら、ベビたちにミルクをやったわ、
…でも一匹が突然ぶるぶると震えだした
がたがたと震えながら「チィチィ」鳴いた、
きっと体温が下がりすぎていたのね、
こうなったベビはほぼ助からないわ…
しぃは「ハニャーハナー(ベビチャン ドウシタノ?ベビチャン)」って鳴いて
ぺろぺろなめてあげたの…
でもね、やっぱり駄目だった、
ビクンビクンて数回震えたっきり口から泡を吹いて死んじゃった、
「ハニャーンハニャーン(ベビチャン! ドウシタノ ヘンジシテ)」
しぃがいくら読んでもベビは二度と答えなかったわ、
「ハニャーン(ヒドイヨー シィノアカチャン)」
しぃは鳴いたけどどうにもならなかった…
しぃのベビはあと5ひきになっちゃった。

鳴きつかれてしぃはいつの間にか眠っていた。
そして6匹が自分のお腹のしたで寝ている事を確認した、
…その内の一匹は永眠してたけど…
そして泣いたわ。
だってそうでしょ、今までかわいがってくれた人があんなになっちゃって、
これからどうなるのかを考えたら心配で心配で心配でしょうがなかったんでしょうね、
でね…ハニャハニャ泣いてたら、ベビたちが目を覚ましたなの。
「ミー」「チィチィ」「ミューミュー」
ベビたちはそろってミルクを求めた…
しぃはそれを見て思ったの…
ガンバラナクチャ って
そしてベビたちにミルクをあげた、
ぺろぺろなめてあげながら…

374 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/22(日) 19:50 [ AoeFzO82 ]
ガラッ
音がして倉庫のドアが開いた、
しぃはビクンと身を震わした
そぅ、モラーちゃんが入ってきたの
「おはよう」 モラーちゃんはにっこり笑っていった、
「ハニャ?(あれ?)」しぃは驚いた、
だってそうでしょ、昨日あんなに乱暴にしてきたのに、いきなり笑っておはよう…だなんて
しぃは慎重に答えた
「ハニャァン(おはよう)」
モラーちゃんが近づいてきた、
そして
「昨日はゴメンネ?お礼にこれあげる。」
と言って、シィフードをくれた
「ハニャーン」
しぃは大喜びした、だってしぃの大好物だったんだもの
「それじゃぁね」
そういってモラーちゃんは学校へ出かけた…
しぃはモラーちゃんが許してくれたんだと思ったんでしょうね、
そのしぃフードを何の疑いもなく食べようとしたの…
そしたら…一匹のベビがそれを食べたそうに
「ミィ」
って鳴いたの、だからしぃは
「ハニャン(ベビチャン ホシィノ? アゲルヨ)」
って、ベビに一口シィフードをあげたの。
「アゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲッゲゲゲッゲ」
ベビが突然理解不能の言語をわめきながら
口から内臓を吐き出した…
出来たばかりの胃やら腸やら全部
「グgyェチェチェギヂヂヂヂヂ」
もぅベビの体の中が空っぽになるんじゃないかってくらい臓器を吐き出したの、
それでね、そのベビはまだ死ななかったの。
あっけにとられて見ているシィノ前で、
昨晩凍え死んだベビのところに行くと、
「ギュェプチュルルルル」
と叫んで、
食 べ 始 め た の。
胃も腸もないのに…
食べ始めたの…。
そして死んだベビの体の半分を食い尽くすと…
「ギィ」
と一声鳴いて動かなくなった。
しぃは身動きひとつ取れなかった、
仲直りしてくれたと思ったモラーちゃん…
でもアノ微笑みは嘘だったのね…
シィフードの中には薬が入ってたんでしょうね
しぃは泣くしかなかったわ…
でも…
しぃにとって泣くには悲しすぎる事件だった。
そうでしょ?だってさっきまでミィミィ鳴きながら、お腹の下でミルク飲んでたのに、
それが…おそらくシィフードに入っていた変な薬のせいで怪物みたいになって死んだんだから…
もしこれを自分が食べていたら…そう考えるとしぃは泣く事さえできないほどの恐怖に包まれた。

…夕方になった。
ベビは相変わらずシィのお腹の下でチィチィと這いずり回っていた、
しぃは必死で考えていたの、
そう、しぃの貧弱な脳をあらん限り使って考えていたの、
どうしたらベビを守れるのかって…
それで…ようやくひとつの解決策を見つけたの…
ベビを隠すという…。
しぃはベビを隠すことにした…
でも、全部隠すとばれちゃう、だから4匹の中の一匹だけにした。
倉庫においてあったつぼの中にこっそり隠してふたをしたの…。

375 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/22(日) 19:50 [ AoeFzO82 ]
夜になった…
ガラッ
ドアが開いてモラーちゃんが入ってきたの
しぃはびくびくしながら
「ハニャ?(エサ?)」って聞いた
モラーちゃんはニヤリとしたの、
グチャグチャになってるに引きの死体を見て…
それと同時にこういった
「ご飯はそこにあるごみで十分ね」
死体を指差しながら…
「ダイジョウブよ、もう毒は消えてるはずだから…」
しぃは何も言わなかった…
いえなかったんでしょうね、
だって自分の子供を食べろって言われたんだもん、
頭の中で何を考えてたのかしらね…

モラーちゃんが出て行った、
隠していた一匹は見つからなかった…
これで少なくとも、自分が死なない限り、一匹の生命は保証された…
あそこに隠しておけば、モラーちゃんに見つかることはない…
そうしぃは考えてたんでしょうね、
デも・・・
ベビを隠しておいたつぼを見て、唖然とした。
いつのまにか、つぼの上には、倉庫の上から落っこちてきたらしい辞書が 
ドン と乗っていたの…
しぃの力では、到底持ち上げられそうにない…
つぼの中からはかすかに声が聞こえたわ、
「ミーミー」
しぃがそれに答える、
「ハny-バニャー(待っててねベビチャン今助けるわ…)」
そういってしぃはつぼを割ろうとした…
しぃにしてはなかなか賢明な判断よね、
押して駄目なら引いてみろ…
中々だわ
それで、倉庫の奥のほうから鍬を持ってきて…
つぼの中にいるベビに刺さらないように気をつけながら、
鍬を振り下ろした…
つぼは割れたわ…
でも…しぃの力だったから、ほんの少ししか割れなかったの、
そう、ベビの頭が出るくらいしか…
しぃはもう少し穴を広げようとしたの…
そのとき
ガシャン  ギヂィ
ってて音がして、つぼが砕けた、
欠けた分強度が落ちて、つぼは辞書の重みに耐えられなかったのね、
つぼの破片から血がにじみ出てきた…
「ハ、ハハハハハナヤナynynyニャヤ(シィィィィ ベビチャン!)」
しぃは半狂乱になった、
だって今の半分自分のせいだったんだもの…
必死で呼びかけた
「(ハニュァーン ハニャニャニゃ)ベビチャン ベビチャン ヘンジシテ」
って…
するとかすかに
「ミ゙ー」
って声がしたの…
そしてベビがつぼの破片の隙間から這い出てきた…
血まみれだったけど…きっと破片の隙間に入っていたせいで、直撃は免れたのね、
しぃは泣いて喜んだ、
死んだと思っていたベビチャンが生きていたから…
そしてベビを抱きしめた………
そして 気 づ い た。
ベビの背中から腹に、つぼの破片が突き抜けていることが…
致命傷だった…
でも下等生物にありがちな生命力で、ベビは生きていたの



376 名前: モナ31部隊 投稿日: 2004/02/22(日) 19:51 [ AoeFzO82 ]
その光景を外で見ている少女がいた…
モラーちゃん
ニヤニヤしながら見てた…
ええ、面白かったわ…アレは見ていて
シィィィっていいながら
しぃはつぼの破片を抜いたの、
そしたら血が
プシューーーーーーーー
って…噴水みたいだった、
見たことある?みんな…血のハイドロポンプ
ないでしょう…今度見せてあげるからね…

=========================================================

賢いチビギコは考えていた。

やっぱりそうだ…
この先生…イコール モラーだ!!
この先生はさも自分の体験談を小説のように語って聞かせているんだ
「見てて面白かったわ」
だって?
明らかにもう自分の世界に入ってるよ
この先生…
「血のハイドロポンプ見せてあげる」
って事は…
こ の 話 が 終 わ っ た 時 俺 達 は 血 の 噴 水 を 見 ら れ る 。
俺が一番じゃなければだが…
=========================================================


…まだまだ続くのか?

377 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/22(日) 23:18 [ 9QJ3vADc ]
おじいちゃん

俺にはおじいちゃんがいる
少しボケてて、少し変で、そしてとても面白く、とても優しかった
そんなある日、おじいちゃんはジャスコへ買い物へ行った
俺が飼っているべびギコのギコ一郎の餌を買いに
元々俺が飼い始めたんだけど、途中で飽きてしまった・・・
そして、仕方なくおじいちゃんが世話をする事にした・・・
無論俺も時々ギコ一郎と遊んでやる
とにかくギコ一郎はおじいちゃんが大好きみたいだ
おじいちゃんは俺に向かって
「モラ輔、ギコ一郎の餌を買ってくるが、ほかになんかいるかい?」
俺は特に必要なものがなかったので
「うーん、特にいらねぇや」
と答えた、それがおじいちゃんとの最後の会話だった・・・

俺が寝転がってマンガを読んでいると電話が鳴った
俺が電話をとると
「はい、もしもし、竹岡ですが?」
「竹岡さんですね、あなたのおじいさんがお亡くなりになられました!」
へ、
「すぐ病院まで来てください!」
俺はボーゼンとした・・・
おじいちゃんが死んだ?
さっきまで生きていたんだぞ・・・
俺は少々混乱しながら病院に向かった
そして、俺の目の前に何も言わなくなったおじいちゃんがいた
しばらくして、親父とお袋がやって来た
そして、3人で何故おじいちゃんが死んだのかを聞いた

378 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/22(日) 23:19 [ 9QJ3vADc ]
事件はこういうことだ
おじいちゃんはハムスターの餌を買った後ATMに入った・・・
そのあと、一人のしぃが入ってきた
そのしぃは突然、おじいちゃんの胸倉を掴み、平手を喰らわせた
そして、その後おじいちゃんに向かって
「ドロボウヨ!」
と叫んだ!
おじいちゃんは瞬く間に店員と客に囲めて拘束、そして暴行された
おじいちゃんは必死に抵抗したが死んだ・・・
死因はストレス性の病気だったらしい
しかも、警察、店側は
「善意ある行動だったので、責められません」
と主張した・・・
しかも、そのしぃは今も逃走中らしい…

俺は、今まで怠けていたギコ一郎の世話をしっかりやるようになった・・・
おじいちゃん…
目をつぶればおじいちゃんの思い出か鮮やかに蘇ってくる・・・
子供の頃、カブトムシを捕まえた思い出・・・
反抗期の頃、俺が少しぐれても見放さなかったおじいちゃん・・・
どれをとってもおじいちゃんとの思い出は良いものばかりだった

事件から約一ヶ月
俺は、面白いものを手に入れた
拳銃だ・・・
この拳銃はとても良い物だ
どこが良いのかというと撃った弾が溶けてしまうものだ
これならいくら警察が必死で捜索しようとも決して見つからない
さあ、復讐の開始だ!

379 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/22(日) 23:19 [ 9QJ3vADc ]
全員殺すのは無理があるので事件を引き起こしたしぃを殺す事にした
目星はほとんどついている
俺はしぃの家へ向かう
足取りは思ったより重かった
やはり、緊張しているのか?
俺はしぃの家へ到着した
ピンポーン
「ハイ、ドチラサマ」
「……」
「???」
俺はこいつの顔を見ると全身から熱くなっていった・・・
コイツガコロシタンダ・・・
俺は持っていた拳銃をしぃの足をめがけて撃った
「シ、シィィ」
しぃが足を抱え逃げ回る
この光景を見て俺は嬉しかった・・・
おじいちゃん・・・
苦しまなくていいよ・・・
俺がそんな事を考えていると、3匹のべびしぃがこちらへ向かってきている
「ベビチャン、ニゲテ!」
そんな事で逃がす俺じゃない
パン、グシャ、ゴキ
一匹を撃ち殺し、もう一匹を踏み潰し、最後の1匹を砕き殺す
「イヤァァァ」
しぃは顔を伏せている
俺は聞いた
「お前、一ヶ月前にある老人を泥棒呼ばわりしただろう・・・」
「アア、アノコトネ、イイカモダッタワ」
かも?
「タイキンモッテイタカラ、ソノカネヲカワイイシィチャンニメグンデモイイジャナイ」
「………」
「オマケニアノジジイシンダンダッテシィチャンニトテオレイシコトダラケダワ」
「そうか」
「ソレガドウカシタノ?」
「俺はお前に泥棒呼ばわりされた老人の孫だ」
「エ」
パン、パン、パン
俺はシィの手、足、そして腹を撃った
「シ、シィィィィィィィィ」
カチッ、カチッ
どうやら弾が切れたようだ、その音を聞きしぃは喜んでいる
「ギャクサツチュウ、タマギレノヨウネ、ヤッパリマターリノカミサマハシィノミカタダネ」
弾なんてなくてもいい、お前を殺せれればいんだから・・・
俺はありったけの力を込めてしぃを殴った
ガスバキドカゴリ
「グベェウェ・・・」
しぃは死んだ
俺は逮捕されていい、復讐は終わったのだから・・・
そう思い、俺は帰路に着く、おじいちゃんとの思い出を胸に・・・

380 名前: 死夜-シヨル- 投稿日: 2004/02/23(月) 03:21 [ PC.kiHr6 ]
四、

「きれいな毛並みモナね。」
モナーはしぃ美の泥で汚れてはいるが柔らかく、光沢のある毛並みを撫でる。
「エ?」
そして、額のところに手をかけ、そして一気に引き抜いた。
「シイィィィ!!」
モナーの手からこぼれて少量の毛がふわふわとあたりに舞った。
モナーはまた別のところに手をかける、すると
「イヤァァァ!!ヤメテヤメテ!!ヤメテヨゥ!!」
思いがけないしぃ美の反抗にあう。
「シィミノケハ
マターリノカミサマニ
エラバレタトクベツセイナノヨ!
ソレイジョウヌイタラ
ユルサナインダカラ!
コノギャクサツチュウ!!」
喚き、暴れる。
そんなことでモララーの縛めから逃れることは出来ないが、さっきとうって変わっての暴れようだった。
どんどんと足跳ね上げて、モララーの背中も蹴る。無論押さえつけられているしぃ美の蹴る力などほとんど威力はないのだが、
「ウザイな・・・」
モララーはくるりと器用に向きだけ変えて、ひざの裏の関節めがけて、渾身の力を込めてこぶしを振り下ろした。
「・・・ゥガッッ!!!」
“ゴキ”っと嫌な音がして、しぃ美は痙攣した。
それに会わせてモナーは両頬の毛をむしりとった。
「邪魔してゴメンYO!あまりにもウザかったからさ」
「いいモナ、悪いのはこいつモナ!1人じゃ大変だから手伝って欲しいモナ」
「了解でーす。」
その言葉をかわきりに、あたりに白い毛が舞い始める。
「・・・シィィ・・・シィミノ・・・エラバレタケガ・・・ナクナッチャウ・・・
イヤダヨゥ・・・イヤダヨゥ・・・」
しぃ美は暴れたくても暴れられず、金縛りにあったような感じで、啜り泣きをはじめる。
「・・・ウウ・・・シイィ・・・ィイ・・・ギュウァ・・・アアア・・・」
ブチブチという音とともに痛みと悲しみが押し寄せる。
10分持ったったろうか、しぃ美は赤と白のまだら模様になっていた。
赤は毛を毟られた部分、白は所々毟り残された毛の部分だった。
「これで準備OKモナー♪」
その言葉に反応したのは2人。モララーはすっと背中から立ち上がり、足で抑える形になった。そしてしぃ美は
「・・・シィィ・・・ジュンビ・・・?」
と、弱弱しくモナーを見上げた。
「そうモナ。」
と、モナーはステンレスの入れ物を取り出したかと思うと、傾け、中に液体が肩のあたりに残された毛にかかった。
「ッ!?・・・?」
しぃ美は刺激のあるものかと思った。しかし、それは、跳ねてとんだ剥き出しの皮膚には染みたが、毛のある場所にはひんやりするくらいでそれほど刺激はない。
“シュボ“
モナーはマッチを1本擦った。
また火だとしぃ美が思った瞬間、モナーはそれを先ほど液体、オイルをかけた毛の上に落とした。
“ボワッ!“
「・・・!!?シ・・・シイィィイ!!・・・!?シィギャァアァアア!!」
火は瞬く間に大きくなった。
しぃ美の柔らかい毛はすぐに燃え、その下の皮膚を焦がしていく。
モナーはある程度やけどが酷くなるまで、その液体を少しずつ注いだ。そして見切りがついたら別の瓶の液体をかけた。
それはどうやら水らしく、一応火はおさまった。
しかし、やけどを癒すほど冷やしてはくれない。
「次はどこがいいモナかなー」
そういうと今度は太もも近くに残った毛にオイルをかける。
「イヤ・・・ヤメテ・・・・!!?シィィグアァァ!!」
そして同じ様にマッチを落とす。
「今度は2箇所同時にいくモナ。」
楽しげなモナーの火遊びは残る毛が顔だけになるまで続いた。




≪続く≫

381 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:05 [ TmqsLuMs ]

          【囚人】
                    
            鎖
                    
.         沢山の鎖
                    
     それは人を繋ぐ鎖
                    
.    人を捕らえるための鎖
                    
                    
            檻
                    
.         沢山の檻
                    
.    それは人を入れる檻
                   
.    人を捕らえるための檻
                    
                    
  沢山の繋がれた人達の前で
                    
.   .沢山の囚人達の前で
                    
                    
.  .鍵を持っている僕がいた

382 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:05 [ TmqsLuMs ]



 ぎゅむ、ぎゅむと小気味いい音が聞こえる。
前に出した足を純白の絨毯に乗せる。
また、ぎゅむ、と小気味いい音を立てて踝まで雪の中に埋まる。
雪の中を歩き続けていた僕の靴は十分なくらい湿っていて、
雪の冷たさを殆ど遮断せず、足の指一本一本をじっくりと冷やしていった。
もう感覚すらない足の指に力をいれ体を前に移動させる。
前に体が移動するのに合わせて、
相対的に空気が後ろに流れ鼻や耳の体温を奪いピリピリとそこに軽い痛みが走った。
 「はぁ。」
歩き始めてからもう何度目か分からないため息をつく。
それにあわせて視界を白い靄が覆った。
だがその靄もすぐに周りに溶け込み消える。
 俯いていた顔を上げ空を見る。
黒くどんよりとした空からは、
ちらりちらりと白い粒が舞っていた。
そして、鳥の羽のように音一つ立てず地上に舞い落ち、
静かに雪の層を重ねていく。

 「ここで倒れたら雪が解けるまで見つからないかな?」
自分の服装を見直し呟く。
白のダウンジャケットに白いズボン。
背中には登山用のこれまた白いバックパック。
雪が降ってる中で倒れたらすぐに同化してしまうだろう。
身に着けているもので白色をしていないものは、
白で固めた服装には似合わない黒く厚い手袋だけだった。

 重いものを背負い長時間歩くと喉が渇く。
だが、朝沸かした『何か』のお茶(雪の下に埋もれていた枯葉を煮詰めろ過したもの。)は、
清涼感が得られるくらい冷え切っているだろう。
暖かいものをコンビニで買えばいいとも思うが、
この身一つで旅をしている僕にはそれだけのお金は持っていない。
福沢諭吉、新渡戸稲造はおろか、夏目漱石ですら手にした回数は片手で数えられるほどだ。

 「はぁ。」
ひもじさか、寒さか、はたまた諦めか、
また深くため息をつく。
そのとき後ろで、
ぎゅむ、という雪を踏みしめる音がした。
振り返ってみると、
二人のしぃがこちらを見ていた。

383 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:06 [ TmqsLuMs ]


 がんがんに効いたエアーコンディショナーの暖房。
飲んでも腹を下したり最悪幻覚が見えたりすることのない熱々の緑茶。
素晴らしいじゃないか。

 正 座 さ せ ら れ て い な け れ ば の話だけど。

 ちらりと周りを見る。
綺麗に掃除された30畳くらいはありそうな畳張りの広間。
そこの真ん中に僕は正座させられている。
僕から見て左と後ろの壁は障子、
残りの前と右の壁は襖で区切られている。
説明しなくても分かるだろうが障子の向こうは廊下で、
襖の向こうは別の部屋だ。
そして、前の、おそらく上座だと思われる正面以外の三面の壁際には、
沢山のしぃたちが行儀良く正座している。

 雪が降る道で会ったしぃたちにより僕は半ば無理やりここにつれてこられた。
そして、しばらく待てと言われた。
何故かと何度も聞いたけど要領を得ない。
僕自身に何かの理由があるのかと考えたが、
まったく心当たりがない。


  ホ ン ト ウ ニ ナ イ ノ ?

 何者かが問いかけてくる。
いや、これは自分だ。
これはただの自分への疑問だ。

 ああ。心当たりはない。 
 ホントウニ?
 本当だ。
 彼女達は知らない。
 知っているわけがない。
 だから心配しなくてもいい。

無理やり結論を出し思考を中止する。
だが僕は、
自分の右手を手袋の上から無意識の内に強く握り締めていた。

384 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:06 [ TmqsLuMs ]


 わずかにしぃたちの喧騒の向こうから、
板張りの廊下を歩く音が聞こえた。
その音が聞こえたのかしぃたちのざわめきが急に静かになる。
やがて、殆ど音を立てずに障子が開いた。

 小奇麗な着物。
媚びるとは程遠い雰囲気。
この巨大な屋敷の主と思われる初老のしぃは、
後ろに二人ほどのしぃを引き連れてこの部屋に入り、
僕の目の前にある上座に座った。

 「始めまして。
 いきなりこのようなところに呼び出してすみません。」
そう言いいきなり頭を下げる。
「えっ、あっ、…はい。始めまして…。」
突然の行動と言動に僕はびっくりして声がどもってしまった。
だって、この身一つで旅をしていると言えば聞こえはいいが、
実質は浮浪者と変わりはないし、
また、声がしぃ特有の電話のコール音のような甲高く癇に障る半角の声ではなく、
年相応と言うか、足が地面を踏みしめているというな、
物静かでしっかりとした全角の声だったから。
 「確認のために聞きますが、
 貴方は旅の人ですよね?」
何の確認だ?と疑問に思う。
だが、言ったとしても別に困るものではない。
正直に答える。
「はい。ぶらりと当てもなく一人旅をしています。」
言い切った途端、辺りにどよめきが起きた。
 いったい何?
哂われている?
そう疑問に思い、あせって辺りを見回す。
だがどうも違う。
辺りのどよめきの種類が違うのだ。
嘲笑い、くすくす笑うようなどよめきじゃなく、
宝くじが当たったとか、おみくじで大吉を引いたとか、
ただ純粋な驚きのだった。
 「静かにしなさいっ。」
この館の主と思われる上座に座っている初老のしぃが、
静かに、だけど威圧感のある声でしぃ達を制する。
これを聞いて彼女達のどよめきはぴたりと納まった。
ざわめきが収まったのを確認してから、
視線を僕のほうへと戻した。
「そう、よかった。」
ポツリと呟く。
「では……。」


 彼女は知っていた。

 僕が何者かというのもも。

 何故一人旅をしているのというのも。

 全てを知っていたんだ。

 たからこそ僕を呼んだんだ。

 いや、呼ぶことが出来たんだ。


 そして彼女は僕の目を見つめながら、
その吸い込まれるような深い瞳を僕の瞳にに合わせながら、
子供に言い聞かせるような穏やかな声で言った。

「あなたの右手を見せてください。」

385 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:06 [ TmqsLuMs ]


 「なっ…」
言葉が出なかった。
そしてすぐに僕は理解した。
彼女が僕のことを知っていると言うことを。
静かに僕は俯いた。

 「……。」
沈黙。
うつむいた状態で口を閉ざす。
遠まわしな拒否。
それが僕の答えだった。
 だが、そんな僕を追い詰めるように、
静寂が辺りを包んだ。
周りにいるしぃたちも、目の前いにいる初老のしぃも、
一切声を、いや、音を発しなかった。
暖房が効いているのにその騒音も聞こえず、
時計もついていないから、秒針のが進む音も当然聞こえない。
深海のように時が重く圧縮され冷たく停止しているかのような静寂。
それが重苦しくぼくの背中にのしかかる。

 俯いていた顔を上げ、初老のしぃの顔を見る。
彼女と目が合った瞬間、
目の前の空間が揺らぎ、
4〜5メートルはある僕と彼女の空間を目に見えない何かが繋いだ。
突然体が強張り、自分の意思では動くことが出来なくなり、
自分の意思も動こうとすることが出来なくなった。
静かに僕のことを見つめる2つの目。
目じりでは微笑んでいた。
だが、そのすんだ瞳の向こうに何かが見え、
それが知覚できたときには、
それは僕と彼女を繋いでいる何かを通り僕の瞳の中に入っていた。
それは僕の頭の中を何かがスポンジに水がしみこんでいくように『浸食』していった。
だが、その『浸食』していく何かは何もしなかった。
僕の行動を制限しなかった。
僕の心を動かそうともしなかった。
ゆっくりと、タオルが水を吸っていくように、、
着実に、『侵食』という形で僕の奥へ奥へと進んでいった。

 「……分かりました。」
言い終えると同時に僕と彼女の間の空間を繋いでいた何かは一瞬で立ち消えた。
同時に、肩の力が抜け息を思いっきり吐いた。
その息と共に、僕の中を浸食していた何かが出て行った気がした。
 僕は負けた。
漠然とした概念が頭の中に浮かび上がる。
これは勝負でもなかったし、
屈辱感もなかった。
だが、僕は負けた。
負けたという言葉が頭の中を支配していた。
僕は完膚なく負けたのだった。

 「1つ聞いていいですか?」
彼女の目を見ながらおずおずと尋ねた。
その瞳に見え隠れしていた何かはもう見えなかった。
「なんでしょうか?」
穏やかに返してくる。
僕は言った。
「あなたは何者なんですか?」
彼女はこう答えた。
「あなたと同じ者です。」
わずかに微笑む。
僕と彼女の間の空間には、
もう、何も繋いでいるものものはなかった。

386 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:06 [ TmqsLuMs ]


 手袋のベルトを緩める。
しっかりと、手順を確かめるように。
だけど、その動作はとても遅かった。
負けた僕の最後の反抗だった。
まるで何かの儀式のように、
非常にゆっくりとした動きで左手の手袋を脱ぐ。
そして、裸になった左手を右手の手袋にかけた。
手袋の中にねじ込んだ親指が、
心地よい暖かさを感じた。

 この瞬間が嫌いだった。
目から涙を流し歓喜に体を震わす者。
身を乗り出し好奇の目で見る者。
疑惑の目で隙あらば罵声を飛ばそうとする者。
たくさんの目に囲まれる。
たくさんの目が僕を見つめる。
たくさんの目の中心に僕はいる。
それが嫌いだった。
だけど、これは僕の宿命。
逃れることは絶対に出来ない。
逃れる日は絶対に来ない。
これは、これも、これが、
僕なのだから。

 音もなく右手の手袋が畳の上に落ちた。
だが、誰もそんなことが気にも留めなかった。

 淡い光の共に。
慈悲を光と共に撒き散らすように。
優しさを光と共にあたりと包むように。
彼女達は、
涙を流し、
息を呑み、
驚愕の目を見せて。
辺りが全ての人々の悲しみを取り除くような、
母の様な優しい光に照らされて。
僕の、

淡く光る手が姿を現した。

387 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:07 [ TmqsLuMs ]


 「 マターリノ テ 」
誰かが言った。
「 マターリノ…テ 」
確認するように別の誰かがその言葉を繰り返す。
「 マターリノ…」
「 マタ…」
「 マターリノ テ 」
「 マターリノ…テ 」
バケツの中の透明な水が、
落ちた絵の具でつぎつぎと濁っていくように、
彼女達の言葉が回りに伝染していく。
やがて歌を歌うように「マターリの手」と言う言葉がこの部屋を包み込む。
その合唱の中で僕は目の高さまで右手を掲げる。
ぴたりと声は止む。
そして僕は口をあける。
「これが僕の手です。」
彼女は微笑んだまま頷いた。

 僕は立ち上がった。
そして、彼女のほうへ歩み始めた。
至極当然のごとく彼女も立ち上がる。
それをみて周りのしぃたちも立ち上がった。
ゆっくりと歩き、彼女の前にたどり着く。
彼女は一言だけ「お願いします。」と言い、
僕は「分かりました。」とだけ言った。
それ以外の言葉は、
それ以上の言葉は、必要なかった。

 そっと、手を彼女の顔の前に掲げる。
淡く優しい光が彼女の歳を感じさせない綺麗なピンク色の毛並みを照らす。
そしてゆっくりと彼女に近づける。
儀式の一つの様に、
異常なくらいゆっくりとした速度で手が彼女に額に向かっていく。
 やがて、
彼女のさらさらした毛並みを倒しながら、
てが、額にしっかりと触れた。
手の光が彼女の額へと伝わり、
女神のように神々しい光がいっぱいに広がった。
とても優しく、とても安らかで、全てのものを癒すような心地いい光。
その中に浸かるように、
彼女は目を閉じた。
目を閉じるのを待っていたように、
彼女から発せられ光が強くなる。
彼女の体から光る粉が立ち昇り始める。
周りで息を呑む音が聞こえた。
更に光が強くなる。

 そのとき、彼女の目がかっと開いた。
驚愕と恐怖が僕に伝わってきた。
だがすぐに、全てを理解したように、
全てを受け入れたように、
優しい目に戻り、
そして、
赤い焔が彼女を包んだ。

388 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:07 [ TmqsLuMs ]


 巨大な炎から逃げるように手を離す。、
その炎は彼女の残っているを生命を燃やしてしまうかのように激しかった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……。」
言葉にならない絶叫を上げ、
その場に膝をつく。
やがて悲鳴は途切れ、
彼女は横に倒れた。
油が焼ける音が聞こえた。

 彼女が倒れたと同時に僕は振り返った。
周りにいるしぃたちは魅入られたように炎を見ていて、
僕のことはまったく見ていなかった。
適当なしぃに目をつけ近づいていく。
だいぶ距離が近くなったときやっと彼女は気がついた。
あとずさろうとするが、
後ろのしぃに体をぶつけそれ以上はいけなかった。
口を大きく開き悲鳴を上げようとする。
だが、それよりも、僕の手が触れるほうが早かった。
脱力し、安らかな顔になる。
そして、彼女は弾けた。
風船が割れるように。
赤い液体が僕に降りかかり、
僕の白い服を真っ赤に染める。
小さなピンク色をした破片があたりに転がる。
僕の頬をかすった彼女の眼球がうつろに僕を捕らえる。 

 血は、僕以外にも降りかかり、
そこでやっと、炎を見ていたしぃたちが僕がやっていることに気がついた。
そして彼女達は理解した。
僕がこれから何をしようかということを。
それで何が起こるかということを。
彼女達の大きな悲鳴が巨大な屋敷を震わした。

389 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:07 [ TmqsLuMs ]


 そっと扉を開ける。
「 ヒィッ! 」
短い悲鳴が上がり、
白い毛並みの彼女を見つける。
「見つけた。」
確認するようにつぶやく。
そして、手を伸ばす。
淡い明かりが狭い納戸の中では十分だった。
「 イヤァ! ヤメテ! ヤメテ! コナイデェ! 」
納戸の中で彼女は必死に足掻き、暴れ、抵抗した。
恐怖と、悲しみと、絶望とが入り混じった視線を僕に向けた。

 この瞬間が嫌だった。
その目が、その言葉が、その行動が、
全てが僕の使命を否定し、
僕自身を否定する。
だから、嫌だった。
でも、これも僕の宿命。
これから逃れることはない。
これから逃れる日は来ない。
これも、これが、これは、
僕自身なのだから。

 だから、
少しでもなだめようと、
少しでも安心させようと声をかけた。
「大丈夫、これから行くところは虐殺厨はいないよ。
 餓えも、渇きも、虐待もないよ。
 苦しみも、悲しみも、恐怖もないよ。
 だから安心して……。」
「 イヤァァァァァァァァァァァァァァァ!!! 」
僕の静止を聞かず、
恐怖と絶望の悲鳴を上げる。
その中で僕は彼女に手を当てた。
悲鳴が収まり、
彼女の体が乾いた粘土のように乾燥し始め、
やがて、土塊のようにボロボロと崩れ始めた。

390 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:08 [ TmqsLuMs ]
10

 静かだった。
誰もいない巨大な屋敷。
それはとても静かだった。
この屋敷の住人はもういない。
住人達は皆消えた。
焼失し、破壊し、衰退し、崩れ落ち、
消滅した。

 開けっ放しになっていた障子から、
最初の広間に入る。
初老のしぃの焼け残りも、
破裂したしぃの欠片も、
いつの間にか最初から存在しなかったように消えていた。
畳には焦げあと一つ、血のしみ一つ残っていなかった。
それを見て僕の服も見る。
そこにも、最初から何もなかったように、
純白の繊維が天井の照明をわずかに反射していた。
「ふぅ……。」
大きく息を吐く。
そして、おいたままだった、
ダウンジャケットとバックパックと手袋を拾う。
ジャケットを着、バックパックを背負う。
そして、手袋をつける。
だが、手袋をつける前に僕の動きは止まった。

 淡く光る手。
それをじっと眺める。
これは僕の右手……。
これは僕の右手……。
なのに……。
頬を熱いものが伝う。
一呼吸遅れて僕が泣いているということに気づく。
右手首を強く握る。
鈍い痛みが伝わってくる。
 そして、僕は、
ゆっくりと自分の額へと近づけた。
これは誰の意思でもない。
これは僕自身の意思。
光る手が迫っていく。
その明かりがまぶしくて、
僕は目を硬く閉じた。
暖かい光が顔に当たる。
わずかに空気が揺らぐ。
安らぎが、癒しが、僅かな空間をもあふれ出してくる。

 そして、
右手が額に触れた。


 でも、そこには、

ひんやりとした感触以外何もなかった。

391 名前:(gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:08 [ TmqsLuMs ]
11
      
       僕が持っている鍵で
                         
        鎖をはずす
                         
                         
      僕が持っている鍵で
                        
  .        檻を開ける
                         
                        
.       解放される人々
                     
. . .    檻の外へと出て行く人々
                         
.     もう彼らは囚人ではない
                         
                         
  .   沢山の人々を解放する中で
                         
   沢山の人々たちを見送る中で
                         
                         
     鎖に繋がれた僕がいた
                         
                         
     .僕が持っている鍵では
                         
.  .この鎖を外すことがが出来ない
                         
     .僕が持っている鍵では
                         
   ここから出て行くことは出来ない
                         
                         
  .    僕こそが本当の囚人
                         
           永遠に
                         
 .    .解放されることはない
                  

                          【終】

392 名前: 虐待虐殺物語 投稿日: 2004/02/26(木) 16:53 [ LEZC3PdA ]
ある所にギコとしぃの夫婦が居た。
一見響きは普通の夫婦に見えるがそうではない、実は妻の方、しぃは俗に言うアフォしぃだったのだ
ギコの前では「良しぃ」の振りをしていたのだ。
さて、この夫婦にある日一人の子が生まれた。
何処にでも居る普通のベビしぃだ。
このベビしぃはニ歳までは、何不自由無く暮らしていたが、三歳になってから妻のアフォしぃの態度が急変した。
さて、これはある日の出来事・・・
「マーマー、ナッコ」
ベビしぃがいつもの様にダッコをねだったが・・・
「ウルサイワネ!!」
そう言って両手を突き出し、おぼつく足取りで歩いてくるベビしぃの腹を蹴り飛ばした。
「チィィィィ!?マァマーイチャーヨ!!」
ベビしぃが驚いているのも無理は無い、優しかった母が突然悪魔のようになったのだ。
アフォしぃは倒れているベビしぃの頭を踏みつけるとこう言った。
「イイ!?ワタシハ アナタノコトガ キライナノ!ギコクンガ コドモホシイッテ イッテルカラ、ソダテテキタノ!!」
そして涙で顔をグシャグシャにしているベビしぃの腹部目掛けて蹴りを放った。
「グフゥゥッ!!マ・・マ・・・ヤ・・メ・・・・テ」
ひ弱なベビしぃには体を丸めて痛みを受け止めるしかなかった。
そしてアフォしぃはこう言ってベビしぃを蹴り続けた。
「ナンデ!ナンデ アンタ ミタイナ「イラナイヤツ」ガ ウマレテキタノヨ!!」
ベビしぃはその言葉を聞いてプッツリと意識が途絶えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
そして夕方・・・
「ただいまー!帰ったぞゴルァ!」
夫・ギコの元気な声が玄関に響いた。
「オカエリー!ギコクン オイシイ ゴハン ツクッタヨ!!」
アフォしぃが元気に声を掛ける
「所で、ベビしぃは何処行ったんだ?」
この問いかけにアフォしぃはニッコリ微笑んでこう言った。
「ソトデ ゲンキニ アソンデ サキニ ゴハンタベテ ネテルワヨ」
「そうか、じゃあご飯にしようかゴルァ」
こうしてアフォしぃによる虐待が始まった。

393 名前: 虐待虐殺物語 投稿日: 2004/02/26(木) 17:19 [ LEZC3PdA ]
次の日・・・(ちなみにギコは既に仕事に行っている)
アフォしぃが寝ているベビしぃに向かって冷水をぶっ掛けた。
バシャア!
「ヂィィィィ!!??アフアヤsドゥクュイrゴplk???!!」
「ハヤク オキナサイ!!「クズ」!!」
あまりの冷たさにのた打ち回っているベビしぃをアフォしぃが蹴った。
バキ!!
「アギュエェェェェェェ!!??」
起きて行き成り蹴り飛ばされたのだ、ベビしぃにとっては、かなりこたえるだろう。
そして、アフォしぃはこう言って歯ブラシと洗面器とコップを乱雑に置いた。
「ハヤク!アオアラッテ ハミガキシナサイ!!!」
ベビしぃは言われた通りにしてアフォしぃにこう言った。
「マァマ・・・ナンデコンナコトスルンデチュカ・・・」
アフォしぃはベビしぃの頭を鷲掴みにしてこう言った
「ソンナコトヨリ カワイイ シィチャンニ オイシイ ゴハンヲツクリナサイ!!」
そう言って台所に連れてこられた。
「イイ?マズカッタラ コロスワヨ!!」
こうして料理が始まった・・・・続く

394 名前: 虐待虐殺物語 投稿日: 2004/02/26(木) 21:54 [ PbpVR7gI ]
「飯を作れ」と言われても三歳の知能では作り方が分からない。
取りあえずアフォしぃがいつも作っているように、玉子と砂糖と牛乳を取り出す
玉子を割り、砂糖と牛乳を混ぜ味をつける。
そしてフライパンの上にぶちまけ、火をつけて焼く・・・
こうして出来上がった、黄色の異臭を放つドロドロの物体を皿に乗せてアフォしぃに差し出す。
アフォしぃは食べるまでも無く、皿を振り上げてベビしぃの頭目掛けて振り下ろした。
ガシャン!!
「ギャアアアアアァァァァァ!!!!!」
頭から血を噴出し喚きまわるベビしぃにこう言った。
「フザケンジャナイワヨ!!コンナ「ドクブツ」ヲ シィチャンニ タベサセルツモリ!?」
こう叫んだがベビしぃには聞こえていない。
それを察したのか、冷蔵庫に入っていた焼酎を取り出すとそれをベビしぃの頭にぶっ掛けた。
ざばぁ!!
「グヒイイイイィィィ!!!ジミルウゥゥゥゥゥ!!!」
激痛で物凄い叫び声が聞こえる。
ベビしぃは窓に向かって目を血走らせ叫びだした
「ダヅゲデエエエエエエエエエ!!!!!ダヅゲデエエエエエエエ!!!!!」
それを見たアフォしぃは焦りながらこう言った。
「コノ!!ダマリナサイ!!」
そう言って近くに合った一升瓶でベビしぃの後頭部を殴った。
ドガシャン!
「ギャウッ!!」
そう言ってニ、三回痙攣しながら失神した。
「マッタク、ツカエナイ ヤツネ・・・」
そう言いながら冷蔵庫から固形栄養食品を取り出しポリポリと食べた・・・・

395 名前: 虐待虐殺物語 投稿日: 2004/02/26(木) 22:29 [ PbpVR7gI ]
その後、アフォしぃに「死んだほうが、まだ良い」生活を強いられてきたベビしぃは、チビしぃになった。
言葉も全角になり料理も上手くなって来た頃だった。
毎日増えるチビしぃの不審な痣が気になったギコは有給許可を取り、会社へ行く振りをして、
チビしぃの部屋の押入れに隠れて様子を窺った。
そして・・・ギコは見てしまった。
良しぃと思っていた妻が「カワイイシィチャン」と自分で言いながらチビしぃを痛めつける様子。
埃が残っていると言って木の棒でチビしぃを滅多打ちにしている様子。
「眠れない」と言う事で逆ギレしてナイフでチビしぃを斬りつける様子。
ギコは我慢できずに押入れから出た。
アフォしぃはとてもビックリして必死で弁明した。
「ギコクン、コ、コレハネ、リンゴヲ ムイテホシイッテイウカラ・ダ、ダ、ダカラ・・・グギュゥァァァ!!」
ギコはアフォしぃの頬目掛けて蹴りを放っていた。
「ジィィィィ・・・・ギコクン!チガウノ!!シンジテ!!」
必死で弁明しているアフォしぃの手にあるナイフを奪い取るとアフォしぃの右わき腹にナイフを突き刺した。
「ガァァァァァァ!!!・・・ギ・・コ・ク・・・ン・・・ナ・・ン・・・・デ・・・」
こう呟きながらアフォしぃは絶命した。

396 名前: 虐待虐殺物語 投稿日: 2004/02/26(木) 22:45 [ PbpVR7gI ]
・・・その後、警察が来たが、居たのは刺殺されたしぃの死体と血まみれのナイフだけだった。
警察は全力をあげて探し回った、そして見つかったのは身内のギコの首吊り死体だった。
娘のチビしぃの行方は誰にも分からなかった。
荒廃しきったスラム街で傷だらけの体で、ただ薄汚いチビギコの性欲を満たすための奴隷として、
扱われていた・・と言う噂も広がったが、結局居なかった。
・・・誰もチビしぃの居場所を知らない・・・

・・・誰もがこのチビしぃの存在を忘れていった・・・
                         

           「完」

397 名前: モナ31部隊専属実験者 投稿日: 2004/02/26(木) 22:54 [ cQdcLYpg ]
地味に「孤児院」の続き物・・・

余韻    作者 J=モラー


私は余韻を味わっている…

私は少し前まで虐殺をたしなんでいた、
「虐殺をたしなむ」とは変な表現に聞こえるかもしれない…
「たしなむ」…という言葉が、本来芸術的なものに用いられると考えられているからであろう。

しかしあえて私は「たしなむ」と言いたい
なぜなら、「虐殺」は、もはやただのストレス解消の手段ではなく
芸 術 の 域 
に達しているからである。

元来ただのストレス解消の手段だったものを、
職人はその手腕によって、芸術と呼ばれるまでに高めた。
金持ちはこぞって家に多くの虐殺職人を呼び、
一番残酷な・芸術的な・爽快感の伴う虐殺を行った虐殺師に、多額のチップを弾んでいる…
芸術の一ジャンルとしての「虐殺」がある今、
虐殺をたしなむ、という表現は決しておかしなものではないのだ。

398 名前: モナ31部隊専属実験者 投稿日: 2004/02/26(木) 22:55 [ cQdcLYpg ]



私は少し前まで虐殺をたしなんでいた、
私は少し前まで孤児院の保母を務めていた、
私は少し前に孤児院の保母から一変して、虐殺者となった、
私は少し前に今まで育て上げてきたちびぎこ達を虐殺した、
私は少し前に今まで虐殺用に飼っていたちびぎこを虐殺した、

…彼らの目は…最後まで私を信頼していた。
最初に私の正体に気づいたらしい「ちびぎこ」の首をはねたとき、
周りの者は首をかしげた、
次に私が別のちびぎこの腹にナタを突き立て、腸をひきずり出した時
一部のものが悲鳴を上げた、
彼らは不思議がっていた、
なぜなら彼らには、私が彼らを殺そうとしている理由を知らないのだから…
彼らにとって私は、やさしい…今まで育ててくれた孤児院の保母(先生)であり、決して虐殺者ではなかったのだから。
私は続いて、あるちびレコの兄弟にナタを振るった。
私は弟に狙いをつけてナタを振るった。
まだ幼く、ミューミュー鳴くだけのベビレコになたを振るった。
しかし死んだのは兄だった、
弟をかばっての死…
私がナタを振るった瞬間に、彼は弟と私の間に割り込んできた。
そして兄は上半身と下半身とを分断された…
しかし兄は笑っていた、
兄は弟が無事だったことを確認し微笑んでいた。

しかしすぐにその微笑みは 引 き つ っ た 。
私が足で弟を踏み潰したからだ、
最愛の先生…今までかわいがってくれた先生に…自分の目の前で…自分の命をなげうってまでようやく助けた弟を殺される…
二重・三重の苦しみ、
一気に天国から地獄へ突き落とされたかのように感じたであろう、深い絶望…。
私は兄の目からそれらの感情を読み取った…。
その後は覚えていない、
……


399 名前: モナ31部隊専属実験者 投稿日: 2004/02/26(木) 22:58 [ cQdcLYpg ]

私は血まみれの部屋にいる
私は無数のちびぎこの死骸が美しく散乱する部屋にいる。

ちびぎこ達は、自分達が虐殺用に飼われていたとなど思いもしなかっただろう…
その分そのことに気づいたときの絶望・苦しみは増す、
私の爽快感も増す
虐殺の、作品としての芸術性も増す…
私の満足感も増す。


私は余韻に浸っている、
抜けられないであろう深い余韻に浸っている、
私は…
私は…
私はJ=モラン、ちびぎこたちの保母、いつまでも優しく微笑み、彼らに最上の愛を与えていた、良き先生。
彼らから一瞬にして将来性と幸福を奪った張本人、
私は虐殺者
私は虐殺者であることを、ずっと隠し続けたあげく、ちびぎこ達を暗黒へと追いやった、

400 名前: モナ31部隊専属実験者 投稿日: 2004/02/26(木) 23:04 [ cQdcLYpg ]
しかし私は正しくなかったかもしれない
私には記憶がある、
しぃを抱き、えさを与え、一緒に遊んだ記憶が…
あのときの幸福感、今の私が浸っている余韻以上の幸福…
爽快感はないが、あふれんばかりの幸福…
私は爽快感と引き換えに何かを失ったのかもしれない、
私の中の失われた何か…。
私はもう死んでいたのかもしれない、
私は人生を踏み誤った
私は敗者だったかもしれない
私は、
私は
私は

何のためにいるのだろう



この後 J=モラーは自閉、
石となり血まみれの孤児院で夢の中でちびぎこ達と戯れる、
失った過去を求めて。


                          END

401 名前: 虐待虐殺物語② 投稿日: 2004/02/28(土) 10:15 [ fVqZmRAw ]
(この中に出てきているチビしぃは>>392の話とは関係有りません。)
薄汚れたダンボール、その中に小さな家族が居た・・・
「チビタン、アサヨ ベビチャン、オキナサイ・・・」
薄汚れたチビしぃがそう言ってチビギコとベビギコを起こした。
「ベビタン、オキルデチ」
目を擦りながら眠たそうにチビギコが言う。
「ミュー・・・」
起きたのは、死体のようにドス黒くなって、あからさまに痩せているベビギコだった。
恐らく栄養失調だろう、体中に「デキモノ」が出来ている。
「マァマ・・・オパ・・・イ」
もはや元気に喋る事が出来ないベビギコは声を絞り上げて話している。
それを見たチビしぃは、申し訳なさそうにこう言った。
「ゴメンネ、オパーイガデナイノ・・・」
それを聞いたベビギコは声を振り絞って泣いた。
「ウゥゥ・・・オ・・パ・・イ」
それを見たチビギコがこう言った。
「タベモノ ヲ サガシテクルデチ」
彼を動かしているのは、父親としての威厳だろうか?それともただ腹が減っているだけなのか?
どちらとも違う、彼を動かしている理由は・・・
チビギコは薄汚いダンボールから離れ、確りとした足取りで歩いて行く。
このチビギコには「デキモノ」が出来ていない。
それは何故だろうか?それはチビギコにしか分からない

402 名前: 虐待虐殺物語② 投稿日: 2004/02/28(土) 12:17 [ 9WH.q3/w ]
チビギコは住宅街へと入っていった。
生ゴミでも漁るのか?いや、違っていた。
ある家の前に立ってチャイムを押した。
やがてドアが開き、一匹のチビミケが出てきた。
「チビタン、マッテタワヨ」
そう言いながらチビギコの腕を引っ張って中に入っていった・・・
中はこざっぱりとした綺麗な内装であった。
チビミケはキッチンに行って何やら作っている。
チビギコは風呂に入って行った。
やがて、チビギコが風呂から上がると、チビミケが香ばしい匂いのステーキを持ってきた。
それを見たチビギコは待ってましたと言わんばかりに素手で貪りついた。
食事が終わるとチビミケがこう言った。
「イツ、アノ コギタナイ チビシィト ワカレテクレルノ?」
この問いかけにチビギコは微笑んでこう答えた。
「イマ、ヨワッテイルデチ アサガオノタネ ヲ クワセタラ オワリデチ」
そう言ってチビミケに抱擁を交わす。
そしてチビミケは朝顔の種が入った袋をチビギコに渡した。
チビギコはその袋を受け取ると笑いながら帰っていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
チビギコが薄汚いダンボールに戻ってきた。
「チビタン!タベモノハ?」
その問いかけにチビギコは笑ってこう答えた。
「ビタミンザイ ヲ テニイレタデチ!ハヤク ベビタン ト シィタン タベルデチ」
そう言って袋から朝顔の種を四十粒ぐらい取り出し、チビしぃに渡した
チビしぃはベビギコと一緒に一瞬で食べた。
・・・・・・・・・・・・・・・その夜・・・・・・・・・・・・・・・
「ミューミュー!!」
元気にベビギコが走り回っている
それを見てチビしぃはこう言った
「ゲンキニナッテ ヨカッタ・・・」
と喜びもつかの間
「サア、ベビチャン ネマショ」
もう就寝しようとしたとき・・・
「ビュ・・・ヂィィィィ!!」
突然ベビギコが叫び声を上げ、下痢を出した。
「ベビチャン!ゲリシテルワ!!」
チビしぃはとにかく暖めようとしてベビギコを抱いた・・・

403 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/02/28(土) 23:47 [ r1rdGv6Q ]
=「ドク」=

・・・・「ワタシ、モウスグアカチャン ウマレルノ!」

アフォしぃには、赤子を産むという行為がほぼ日常化しているがこの彼女にとっては、初めての事であった。
自分の脳内のみで愛していた、というだけで仲間を使い強姦したギコの子種により妊娠したのである。
それも、双子という事らしい。

「カワイイアカチャンガ ニヒキモ! キャータノシミー!!」

もうすぐ母親となるアフォしぃにとっては、今にも待ち遠しい出来事であった。
そして、妊娠してから十月十日の日、ついに

「ハニャ・・・・ ウマレルヨウ! オナカイタイヨウ!」

女子にしてみれば腹を突き刺すような激痛が、アフォしぃの腹を襲った後、無事に二匹の子供は生まれた。
しかし、顔を見た途端アフォしぃの母親は悲鳴を上げてしまった。

「ハニャア! ナンナノヨコノコ!」

一匹は普通の雌のベビしぃだった。しかし、もう一匹は生まれたての顔でも可愛いとは絶対に言えない、醜悪な
顔の形をしていたのであった。
アフォしぃは、自身の妄想から生まれてくる子供は皆天使のように可愛いベビしぃだったと思っていた。
しかし、その期待を見事に裏切ってくれたその醜悪なベビに、沸々と怒りの感情が沸いてきた。

「・・・・・コンナキモイ ベビチャン、ワタシノコジャナイワヨ!!」

そう言い捨て、そのベビをつかんで投げ捨てようとしたが、

「ミヴィ・・・・ミィィィィィ!」

という泣き声を聞いて、アフォしぃの母親はピタリとその手を止めた。

「ナアニ? キモイクセニカワイイシイチャンニ ソダテラレタイッテノ?? ショウガナイワネェ」

どうやら、この母親は、ただ腹が減って泣いたそのベビを、自分に助けを求めたと勝手に勘違いしたらしい。
結果はどうあれ、この醜悪なベビはアフォしぃという母親の手によって育てられる事になった。
ただ、このまま死んでいたほうがそのベビにとっては幸福だったのかもしれないが・・・。
もちろん、その醜悪なベビは赤ん坊として扱われることなど殆ど無かった。
姉弟で差別が行われる事など日常茶飯事である。
母親の機嫌が悪い時には飯すらも与えられず、暴力。ストレスの発散の対象に行われていた。

404 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/02/28(土) 23:48 [ r1rdGv6Q ]
「アンタミタイナ キモイベビ、イツコロシタッテカマワナインダカラネ!」

これが母親の口癖だった。
しかし不幸中の幸いか、まともなベビとして生まれてきた姉は好意的だった。そして、賢かったのである。
母親に隠れて弟にご飯を上げたり、遊んだりしてあげていたのである。
そして、母の虐待と姉の愛情の狭間を過ごし、半年が過ぎたある日の事・・・・。

いつもの如く、母親と二匹の非対称なベビは公園を散歩していた。
少し違っていたのは、醜悪なベビに大人のしぃが持つような荷物を背負わされていた事である。

「ホラハヤクキナサイヨ! マッタクキモイベビハ ノロマデグズナンダカラ・・・・。」
「ママ・・・ベビちゃん可哀想だよ。荷物くらい持てばいいのに・・」
「ウッサイワネ! イイノヨコンナキモイベビ。 カマウトアナタマデ「キモイキン」ガウツルワヨ! ダイタイ、ハナストキハハンカクデッテイツモイッテルデショ! シィカ!」
「・・・・・」
「ホラ! ハヤクキナサイヨ「ノロマ」!「キモベビ」!」

ご覧の通り、姉の方には「しぃ香」という名前がつけられているが、弟の方には名前すらつけてもらえて無かったのである。
時々、姉から全角の言葉を教えてもらっていたが母親の前で使うのを禁止されていた。
なぜなら使ってしまえば母親の逆鱗に触れ、殺されてしまう危険性があったからだ。
姉が使っていても殺されなかったのは、まだ外見がまともだったからであろう。
しかし、醜悪な弟が使えばどうなるかは、火を見るより明らかだったのである。
しぃ香は、時々母親が寝ている間に弟と話し、弟が言った言葉にいまだに時々胸が痛む思いを感じていた。

「お姉ちゃん、どうして僕には名前が無いの?」
「・・・・・ごめん、私にはわからないわ。」

しぃ香が弟に対して何も答えてやれないのが、しぃ香には歯がゆかった。
もし本当の事を話せば、弟の心をひどく傷つけてしまうだろう。
しぃ香は自分の弟が母親に虐待されている所を見ると、いつも目をそむけていた。
母親を止める力は自分には無いし、言葉で言っても拳と屁理屈で返されるだけだろう。
母親に逆らうことは出来なかったのである。

そして、この理不尽な親子を、ある「出来事」により、引き裂く事になる。

「あーあ、上司の野郎め、いちいちうるさいっつの。手前は能無しの癖によ。」

一人の不機嫌なモララーの出現。それは親子に対しても予想外の出来事であった。

405 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/02/28(土) 23:48 [ r1rdGv6Q ]
「お?あそこに糞虫がいやがるwストレス発散の良い材料だなw」

「ギャクサツチュウ! ニゲルワヨシィカ!」

そう言うと母親はしぃ香「のみ」を咥えて走り去った。

「チョットマッテ・・・! ママ! ママ!!! ワスレテルヨ!」
「ハァ? アンナノコロサレレバイイノヨ! モララー! ソノコアゲル! ギャクサツシテイイヨ♪」

取り残された弟は必死に追ってきたが、所詮ベビしぃの足、すぐに母親とその姉は見えなくなってしまった。
弟は深い絶望感に囚われると、その場に座り込んだ。

「おまえも悲しい赤ん坊だなぁ。母親に見捨てられるなんてよwま、その顔じゃ仕方ねえわな。
 しっかしむかつく母親だねぇ。あっちを探して殺す事にすっから、君消えて良いよ。」

幸か不幸か、その場は見逃されただけですんだ。
しかし、ベビ一匹で生きていけるはずも無く、三日間の家に衰弱し、歩くことも出来なくなってしまった。
このまま死を待つしかないのか?と思った矢先、一人の人物が通りがかった。
衰弱していて殆ど物の輪郭もわからない弟は、わずかに乾ききっている喉から声を絞り出した。

「おじさん・・・・誰?」

「私ですか?私が誰かというより、まず貴方を助けなくては・・・。」

輪郭は殆ど解らなかったが、その男は妙な頭をしていた。
全体的に桃色で、頭がそれこそ桃の形をしていたのである。
弟のベビは、それっきり、意識を失った。

(続く)

406 名前: 虐待虐殺物語② 投稿日: 2004/02/29(日) 08:50 [ 8i/N5uxs ]
>>402続き。
その夜、チビギコは「薬を探してくる」と言って何処かへ行ってしまった。
チビしぃはベビギコが下痢するごとに、水を与え、体を温めた。
しかし、所詮はチビしぃ、すぐに深く眠った・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
チビしぃは目を覚ました。
目が覚めて、ベビギコの様子を見て、チビしぃは、物凄い叫び声を上げた。
「シィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ベビギコは腕がブランと垂れ、涎をたらして絶命していた。
チビしぃはベビギコの死体の前で泣き崩れた
「ナンデ!ナンデ!ナ、ナンデ!!ナンデ コンナコトニィィィィィィィ!!!!」
泣き崩れるチビしぃの後ろで冷たい声が響いた。
「アサガオ テイドノ ドク ジャ ベビシカシナナイデチカ・・・」
その声は聞き覚えのある声だった・・・
チビギコである。しかも、右手には鈍く光るナイフを持っていた。
チビしぃはポカンとしていたが、すぐに顔が引き攣って怒り出した。
「アンタガベビチャンヲ・・・ユルサナイ!!!!!」
その問いかけに、チビギコは冷淡にこたえた。
「ユルサナクテ ケッコウデチ、ボクハ ミケタントケコーンスルデチ」
その声は、チビしぃには聞こえていなかった。
襲い掛かるチビしぃにチビギコはウンザリした顔でナイフを両手に持ち替え、突っ込んでいった。
           一瞬で決まった。
チビしぃは腹から血を噴出し、我が子の名前を呟きながら絶命した。
チビギコはその場からすぐに去った・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後、チビギコとチビミケは結婚したが、家に強盗目的で入って来たモララーに虐殺された。
死ぬ間際にチビギコはこう呟いたと言う。
「チビシィタン・・ゴメン・・・ナ・・チャ・・イ」と。
             
                完
(話の途中に出てきた「朝顔の種」は本当に毒があります。詳しくは、何処かのUGサイトで)

407 名前: 虐待虐殺物語③ 投稿日: 2004/02/29(日) 09:32 [ 8i/N5uxs ]
とある住宅街のゴミ捨ての近くに薄汚いダンボールがあった・・・
中には、妊娠したオニーニワッシィが居る
このワッシィ達はは一ヶ月前何処からとも無く、ゴキブリの様に湧いて来たと言う。
住民からはゴミを食い散らかすので、住民から立ち退きして欲しいと問い掛けたが。
「カワイイ ワッシィチャン ト オナカノベビチャンヲウエジニサセルツモリ!?」等と喚きたてて話にならないので保留になっている。
そして今日・・・
ワッシィは玉のような子を産んだ。
まだ、目が開いておらず、海苔も成形されていない、幼児だった。
全部で三匹、ワッシィは大変喜んだと言う。
しかし近隣住民からは、「またゴミを食い散らかす糞握りが増えた」等の声が有り、住民達の怒りが爆発した、そして・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一ヵ月後、ワッシィと子糞握り達が散歩に行っている間にある細工を仕掛けた。
そしてワッシィが散歩から戻ってきて、叫び声を上げた。
「シィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!ワッシィノオウチガアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
ワッシィ達が住んでいた薄汚いダンボールハウスが燃えていたのである。
ワッシィは必死で消火作業を行ったが既に時は遅し、真っ黒の灰になって燃え尽きた。
ワッシィは考えた、そう言えば、他の住民達から立ち退きを要請していた事を。
きっと、そうに違いない、立ち退きをしない自分達に嫌がらせをして、無理矢理、追い出そうと考えているのだ。
ワッシィは主犯格と思われるモララーの家に駆け込んでモララーに向かってこう叫んだ。
「コノ ホウカマ!ワッシィタチノオウチヲカエシテ!!」
モララーは近くにあったフライパンを手に取るとワッシィの顔目掛けて振り下ろした。
ゴツン!
「グェェェェェェェ!!?」
痛みで倒れこんだワッシィに向けてモララーはこう言った。
「ふざけるな!お前等糞握りがゴミを食い散らかすから迷惑しているんだよ!!」
そう言い放った後、ワッシィの腹に丸太の様な足で蹴りを放った。
「ヂュイイイyィkfジオジェファイjpvフィペ!!!!!!」
そしてモララーはゴミ置き場にワッシィを投げ捨てるとこう言った。
「早く立ち退かなければ、そこの薄汚い子糞握りと一緒に殺すからな!!」
そう言って家へ戻っていった。
痛みで動けなかったワッシィは涙を流して泣いた。
それを見て子糞握りことオニーニ達が心配そうに声を掛けた。
「オカァタン、ドウチタノ ワショーイ」
それを見てワッシィは泣き止みこう言った。
「ダイジョウブヨ・・・」
それからモララー達のイジメが始まった

408 名前: 虐待虐殺物語③ 投稿日: 2004/02/29(日) 09:57 [ 8i/N5uxs ]
それからと言うもの新しく用意したダンボールを壊されたり、オニーニ達をリンチに掛けたりされた。
そして今日・・・・・
怒りの頂点に達したワッシィ達は鉄パイプなどの武器でモララーの家を襲撃した。
ドアをぶち破ったときワッシィの顔が青ざめた。
何と町内全員の人がナイフや棍棒、はたまた拳銃を構えていた。
モララーが青ざめたワッシィに向かって言い放った。
「ドアの修理代、体で払ってもらおうか!」
一時間後。
モララーの庭の木に何かぶら下がっていた。
三匹のオニーニ達だった。
その隣にワッシィが縛られていた。
モララーは手にメリケンサックを入れるとこう言った。
「ケケケ・・・真っ白に燃え尽きてやるよ〜」
隣のモナーが叫んだ
「明日のための特訓その一!左ジャブは右わき腹に抉り込む様に打つべし!!」
「打つべし」と言う掛け声と共にモララーが一匹のオニーニを殴っていく。
モララーは「いいサンドバックだよコレ!なんたって本物だからナァ!!」と叫びつつメリケンでオニーニを殴っていく。
そしてワッシィは必死で「ベビチャン ニハ ナニモシナイデェェェ!!」と叫んでいるが。
モナーがこう言った
「ハハハ!!そう焦るな!順番だモナ!!」等と言って話にならなかった。
五分くらいパンチの嵐が続いた後、不意にモララーの動きが止まってこう言った。
「ありゃりゃ、死んでるよコレ」
死体になったオニーニを捨てると、モララーはこう言った。
「次はモナーだ!野球仕込みのタイヤ叩きをやってくれぇ!」
モナーは相槌を打つとバットを取り出しこう言った。
「ハハハ!分かったモナ、よーし大リー〇ボールを打つ訓練だモナ」
モナーがバットを次のオニーニに向けてバットを振るった。
町内中にオニーニの悲鳴が響き渡った・・・・

409 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/02/29(日) 15:00 [ Ew9alHKU ]
「モナーの仇」
ある所にモナーとモララーがいた
二人は居酒屋やからでて分かれ道で「じゃあなモナー」「モララーさよらなら
モナ」別れたモララーが家へ帰るったら電話がなった病院からだったモナーさん
が大怪我して病院にはこばれたと「な、なんっだて」急いで病院にいくとモナー
は頭の上から白い布がかぶせらていたすこし「遅かったですね・・・」
病院の人がいった家にかえって寝た次の日警察から電話がかかった「どうやら
これは殺人事件ですね」「犯人はわかってます」「しぃですねではさようなら」
そして襲われた公園についたモナーを殺したしぃを探したするとモナーの持ってた
財布と手帳があったモララーが無理やり取ろうとすると「ナニシイノテチョウトサイフトロウトスルノ」
としぃがいったモララーは「なんだとてめえモナーの仇だー」とモララーは言った
すかさずしぃは自分が悪くないようなことをいった「ナニアノクソモナーガダッコシナカッタカラワルノそれに
モララーが怒りが爆発してしぃの左の耳をもいだ「シイイイイイコノギャクサツチュウヤメナサイヨ」
モララーは手をもいだ「虐殺厨はおめえだ!!モナーにだっこしてもらえなかったからって
さいふと手帳を命をとったのはわがままお前だおめえは十分な虐殺厨だ!!」
するとしぃは「シイイイイイイイモウヤメテヨウカワイイ2chノアイドルシイチャンヲイジメルノハギャクサツチュウヨ」
「じゃあ手も足も命も全部取ってやる!!」「シイイイイイイイヤメテヨウ」「ふーん死ねよ自己中は」
「シイイイイイイイイイイタイヨウ」「シイチャンノカワイイオミミトオテテカエシテェ」「シイイイイイ」するとしぃは
死んだ「モナー仇は討ったぞ・・・・」しぃの死体は土に穴をあけて埋める
前に頭をもいだ体だけ穴にうめた頭はごみ袋に入れてごみステーションに捨てた
モララーはまたこういった「モナー仇は討った・・・・」完

410 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:26 [ YFbykUuQ ]
天国と地獄 その3



「そんなに怖がらなくていいよ。ちょっとした提案があるんだ。聞いてくれるかな?けして損は無いはずだから」

私は凶器の血を払いながら、しぃたちのほうを見ずに話しかけた。
床に、血のペインティングアートが描かれていく。

「テイ、アン・・・?」

成体しぃが恐る恐る私の問いに答えてくる。
彼女は今、怯えながらも必死に生き残る方法を考えている事だろう。
自分の為に。後ろのベビの為に。私の掌の上で。

「その通り。提案と言うのは、他でもない。私と少しゲームをしてみないか?賭けるは、お互いの命。
 もしも、君達が私に勝つ事が出来たなら、その時には君達をココから解放してあげようじゃないか。
 ゲームの試合は全部で4回。君達の人数分だ。仮に君達が全勝すれば、全員生還も夢じゃないぞ。どうする?」

しぃは驚いた顔をしていた。たしかに、彼女らにすれば願っても無い話だろう。
このままいれば殺されるに決まっている。反撃しても無駄に決まっている。
どっちに転んでも待つのは死。まさに棚から牡丹餅な訳だ。
実際、このシチュエーションに持ち込んだとき、この手の話をすれば、
全てのしぃは勝負を受けてきた。生き残れるという一縷の希望の光に、その命を賭けてきたのだ。
その光が、まやかしだとは気付かずに。

仲間の虐殺者達は、私のことを変わり者だと随分からかった。
被虐者たちに勝負を突きつけ、助かるチャンスを与え、その際に自分も死ぬリスクを背負うなんて、理解できないと。
それは当然そうだろう。彼らは正常なのだ。だが、私はもう常軌を逸している。
死に関わり過ぎたせいで、自らの命さえも、虐殺の対象として見始めているのだ。
命の危険の伴う駆け引きをしたがる程に。
しかし、この駆け引きの相手は当然見つからない。死にたがる酔狂ものなんて、滅多にいないからだ。
だからこそ、私は被虐者にこの話を持ちかける。彼らこそが、私の欲求を満たしてくれる、唯一の相手なのだから。

しぃは考え込む顔をした後、ちらりと怯えるチビたち方を見て、決意を固めたように言った。

「ウケルワ、ソノゲーム・・・」

411 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:27 [ YFbykUuQ ]
私はにやりと笑い、腰のベルトに凶器を引っ掛けて話し始めた。
相手がしぃと言えど、これは真剣勝負。しっかり説明しておかねばならない。私の哲学だ。

「OK。それじゃあ、ルールを説明しようか。勝負形式は、ロシアンルーレット。しっているだろう?
 弾倉に一発だけ弾を残して、交互に引き金を引く奴さ。
 まず初めの勝負は、私とチビのうち誰か一匹だ。次に、残ったチビのどちらか。
 その次は、最後まで残ったチビ。最後の勝負は、私と君だ。いいかい?」
 
流暢に口が動いていく。やはり、いまだに虐殺の時に得た経験は風化していないようだ。
しぃは自分が最後だと知って余裕が出来たのか、妙に自信の有る声で

「ソレデイイワ」

と答えた。最も、拒否などするわけないのだが。
それを聞いた後、私はさらに続けた。

「ただし、特別ルールがある。私は自分で引き金を引くが、チビの引き金は、君が引け。
 ガキ故に、何をしでかすかわからんからな。君も、余計な事は考えるんじゃないぞ。
 ああ、そしてその場合、注意がある。撃つ場所はけして頭じゃない。
 安心したまえ。私は頭に向けて撃つ。ただし君達は、太ももに向けて撃つんだ。
 私が負けた時は即死だが、君達はそうじゃない。これも安心したろ?」

しぃは不思議に思っただろう。何故、虐殺者の癖に殺すなと言うのか。
冗談じゃない。お前らはあっさり死ねてそれでいいのかもしれないが、私の楽しみは失せるじゃないか。
しぃはそんなことに気付きもせず、これも快諾した。これで、仕込みはOK。

「それじゃあ、一匹ベビを選んで、こっちにきたまえ。ゲームを始めよう」

私はベットのあるほうへ移動する。さっきの死体が、私を焦点の定まっていない目で見つめていた。
もう動かない君には興味は無いよ。死人に口なしだ。黙ってそこで傍観していろ。
しぃは言われたとおり、ベビの内から一匹を選び始めている。
どんどん素がでてきているな。自分勝手なあのアフォしぃのままだ。

「ジャア、ドッチニ シヨウカナ」

・・・『どっち』?
私は一瞬、聞き間違い、あるいはしぃの言い間違いかと思った。
だがそうではない。明らかに、一匹だけ平和な顔をして座っているベビがいる。
残り二匹は、選ばれまいと必死で片方を推薦しているのに。
あのしぃのガキか。恐らくそうだろう。これは後が楽しみというものだ。
なんて考えながら眺めていると、しぃは『コッチノホウガ カワイイカラ』という意味不明な理由で一匹をつまみあげた。
どうもこいつらの思考回路は理解できないな。
しぃは泣き叫ぶチビを、半ば引きずるようにしてつれてくる。実に滑稽な光景だ。

412 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:28 [ YFbykUuQ ]
ようやく主役が舞台に出揃った。
私と、しぃと、生贄のベビ。
私としぃはベットを挟んで立ち、チビはベットに寝かせている。
微妙に逃れようとしているらしいが、しぃの右腕がそれを許していなかった。

「一つ聞きたい事が有る」

「ナニ?」

「あのうち一匹は、君の子供か?」

「ソウヨ。 ワタシノ チビチャン。 ナマエハ ルーシィ ッテイウノ。 イイナマエデショ?」

「もう一つ。この子達と君は、知り合いなのか?」

「マァネ。 サッキ アンタガ コロシタ シィノ コドモヨ。 アノシィトハ トモダチダッタノ。 マ、モウ カンケイ ナイケドネ。」

なるほどなるほど。そういうことか。
この後のドラマの展開が非常に楽しみだ。
私は、もう一人の主役の愛用の拳銃をゆっくり取り出す。

「よくわかった。それじゃあ、そろそろ本番と行くか。
 不正が無いように、よく見ておきたまえ」

弾倉にあいている、六つの穴の一つに弾を込める。この弾が選ぶのは、私か、チビか。
そして、カラカラカラと10周ほどさせた後、再び弾倉を銃に収めた。

「では、始めよう。まずは、君達からどうぞ」

「イイワ」

しぃは恐れる様子も無く、軽く銃を受け取った。

「ヤダヤダ! オナガイ ウタナイデ! ダッコスルカラ! ナンデモ スルカラ!」

と、チビの太ももに銃を突き付けた途端、チビが又も喚きだす。
この期に及んで、まだ見苦しく足掻くつもりか。無駄だというのに。
まったくイライラさせられる。

413 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:30 [ YFbykUuQ ]
「言っておくが、これ以上遅らせるようなら、連帯責任で君も・・・」

ガチィィン!

「フン、イワレル マデモ ナイワヨ」

なんと、驚いた事に、しぃは既に引き金を引いていた。
うーむ、流石は自己中の代名詞。考え方が根本的に違う。
ハァッ、ハァッ、とチビは緊張で止めていた息を荒く吐き出した。
おやおや、もう涙ぐんでるじゃないか。後でいくらでも流せるのに、気が早い奴だ。

「いいだろう。テンポよくいこうか」

私は、にやりと笑うしぃの手から、ズシリと重い拳銃を受けとった。
心地よい緊張感が私を包む。手に汗がかすかににじんできた。

「君達には残念だが・・・」

私は銃口をゆっくりこめかみに近づけ、撃鉄をおこす。

「私はこの銃に嫌われているらしくてね・・・」

ガチィン!

乾いた金属音が、静かに響く。

「ほらね?」

私はにやりと笑い返して、しぃに銃を差し出した。

「ヤルジャナイノ」

しぃは私から奪い取るように銃を手にする。
しかし、どちらかと言えばチビのほうがはるかに残念がっているようだ。
というより、なんとなくショックを受けたような表情というか。ま、当然かな。

「さ、遠慮なくどうぞ」

「ウルサイ! ダマッテ ミテイナサイヨ!」

「ハニャー!モウヤメテヨー!!」

「アンタモ ウルサイ!」

ガチィン!

しぃは、激昂しつつも、再びためらい無く引き金を引いて見せた。
途端に、笑顔が再びしぃの顔に戻る。ころころと忙しい奴だ。

「ドウ? ツギハ アンタノ バンヨ。 ソロソロ アクウンモ ツキルカモネ」

「ふん、なかなか白熱してきたな」

414 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:31 [ YFbykUuQ ]
私は再びしぃから拳銃を受け取った。
徐々に、弾丸が発射される順番が近づいてきている。確率は三分の一。
しかし私は生き残るだろう。

「撃つ前に言わせてくれないか。私が生き残ってきたのには、ちゃんと理由があるんだ。
 それは、生まれながらに薄幸なしぃ如きの運が、私の運に勝るはず無いからさ」

ガチィン!

それを証明するように、銃は沈黙を守っていた。

「・・・言ったとおりだろう?この勝負は、始める前から既に決着はついている。
 次に弾が放たれる確率は二分の一だ。どうする?」

ポン、と銃をベットの上に放りながら言った。しぃは心底悔しそうに、

「フン、ソンナコト、 カンケイ ナイワヨ! ヤメサセヨウ ッタッテ、 ソウハ イカナイワ! コレデ ワタシタチガ カテバ、アンタハ シヌンダカラネ!」

と言いながら銃をつかみ、興奮した様子でいささか乱暴にチビに突きつける。
チビはといえば、もはや覚悟を決めたようで、目を硬く瞑って息を潜めていた。

「・・・ドウセ、 イタイノハ ワタシジャ ナインダシネ」

私が思わずしぃの方を向いくと、しぃは私に不気味に笑いかけてから、引き金を引いた。


ダ ン ッ ! !


その瞬間、拳銃が火を噴いた。ハズレを引いたようだ。
放たれた弾丸は、チビの太ももをメシャクシャにしながら通過して、ベットを貫通し、床に着弾した。

「イギャアアアアアァァァァ───!!!」

部屋中にベビの悲鳴がこだまする。銃口からは煙が立ち上がり、あたり一面に硝煙の匂いを立ち込めさせていた。
同時に、血と、火傷の匂いが鼻を突く。
この二つが織り成す懐かしい匂いは、どんな素晴らしい花の匂いにも勝るだろう。

「ア、アヒ!!アヒガ!!ウァアアァァアアアァ!!」

チビは血が吹出す右足を、必死に押さえながら涙を流してジタバタ喚きだす。
そんなもん、見れば分かるよ。せっかく浸っていたのに、うるさい奴だ。
制止しようと手を伸ばしかけたその時、私より先に伸びた手が、チビをベットから叩き落していた。

415 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:32 [ YFbykUuQ ]
バシィン!

「モウ!アンタガ ウダウダイウカラ ツキガ ニゲチャッタジャ ナイノ! バカナガキネ! セッカク アトチョットデ カテルトコ ダッタノニ!」

正直に言おう。私はこの時、一瞬呆気にとられた。
この勝負は、イカサマでも使わない限り、世界一公平な勝負だと私は思っている。
心理戦やちょっとした間違いで負けることも無い、純粋に運だけの勝負なのだ。
負けたとしても、それは誰のせいでもない。運が悪かった、と言うだけなのだ。
それを、責任をチビに擦り付け、自分は悪くないのに、ときた。
さらにこのしぃには余罪が有る。
さっきの一撃で、チビは頭から落ちてしまい、首を折って死んでしまっている。
これは私にとって、何にも勝る大罪だ。許しがたい。判決、死刑。

「ショウガナイワネ。ツギノベビヲ モッテコナイト。ワタシト ベビチャンマデ マワラナイヨウニ シテホシイノニ。マッタク、アシヲ ヒッパッテ クレルワ」

そう言って、しぃはチビたちのいるドアのほうへ振り向いた。
どこまでも愚かな奴だ。すっかり街にいた頃のハングリーさが消えている。
よりにもよって、殺気を放つ虐殺者に背を向けるとは。愚の骨頂だ。
もはや反射神経といっていいだろう。
いつのまにか私の右手は凶器へと伸び、しぃの左足首を床に串刺しにしていた。

ザグォッ!!

凶器が肉を貫通する音と、床をえぐる音が混じり、奇怪なシンフォニーを奏でる。
これはこれでいいのだが、未だ未完成だ。
この後の最高のスパイスによって、その音楽は至福のメロディーへと昇華するのだ。

「ヒガアアアアァァァァァ!!!」

しぃは倒れながら、今まで聞いたことも無いような声を出してくれた。
これだよ・・・。この高音が、私の求める音楽を完成させるのに、絶対に必要なのだ。
このしぃは中々いい声で歌ってくれるな。それなら、ただ殺すだけでは勿体無い。
極上の声を出してもらうとするか。
私は、凶器を引き抜こうと必死のしぃの背中に、馬乗りした。

ドン!

「グヘッ! チョ、チョット、シィハ サイゴ ナンデショ? ソウイウ ルール ダッタジャナイ! ナンデコンナ・・・」

私はしぃの耳を千切れるほど引っ張り、小さな声で囁いてやる。

(何でこんな事をするのかって?理由なんて無いさ。君は勘違いしているね。
 この部屋において、ルールと呼ばれるものは私が作るのさ。それはさっき更新された。
 順番が少し入れ替わったよ。次の勇敢なるチャレンジャーは、君の可愛いチビちゃんだ・・・)

416 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:34 [ YFbykUuQ ]
しぃの顔が恐怖に引きつっていく。哀願する顔とも言っていいだろう。
今更無駄な事だ。君には、より良い声で歌ってもらわなければならないんだから。

「オ、オナガイ!ワタシニハ ナニヲシテモ イイカラ、チビチャンダケハ・・・」

しぃは何かをほざこうとしている。これ以上聞いても胸糞悪いだけだ。
そう判断した私は、左足に刺さっている凶器を軽く抉ってやった。
このときのコツとしては、気持ち円を描くようにしてやればいい。そうすれば効果はより上がる。

グリリリリッ グリッ

「タスケテアゲ アガアアアァアアアァァァ!!」

しぃは半ばのけぞるように悲鳴を上げる。先ほどよりも数段いい声だ。
この声が、どこまでも私を楽しませてくれる。

「私の話を聞いていなかったのか?ルールブックは、私だ。
 君には逆らう権利など無い。黙って成り行きを見ておきたまえ」

そういって、私は立ち上がってチビのいる方へと歩いていく。
しぃのほうは放っておいても問題ないだろう。あの凶器は、奴の力では抜けはしまい。
チビ二匹は、部屋の隅で身を寄り添い、震えていた。
私を見るそのあどけない目は、畏怖の色しか浮かんでいない。
しかし、どっちがあのしぃの子供なのか、私にはさっぱり見当がつかない。
二匹とも同じに見えてしまう。しぃには見分けがつくらしいが。
しょうがない。直接本人に聞いてみるとするか。
私は腰を落とし、なるべくやさしい声で聞いてみた。

「どっちがあのママのチビちゃんだい?その子はここから出してあげるよ。どっち?」

その言葉でチビは元気を取り戻し、二匹仲良く

「ハイ!」

と答えた。
まいったな。まぁこうなるとは思ったが。あのしぃに聞いても本当のことは言わないだろうし。
さて、どうしたものか。
と、そういえばしぃが、名前を言っていたのを思い出した。たしか、ルーしぃとか何とかいってたような。

「お名前、教えてくれるかな?君の名前は?」

「シィニハ ナマエナンテ ナイヨ! カワイイ シィチャンデ イインダモン」

「なるほど。それじゃあ、君にはあるかな?」

「シィニハ アルヨ! ルーシィダヨ! トッテモ コウキナ ナマエ ナンダヨ!」

こいつだ。
私は、自ら祭壇へと行きたがる、この奇特なガキを摘まみあげだ。
もう一匹のガキが、そいつは違う、自分こそが本物なんだと主張していたが、平手を食らわせて黙らせる。
ガキの方は、「ハニャー! コレデマタ マターリダネ!」だとかほざいていた。やれやれだ。
そのままさっきのしぃの方へ持っていくと、
チビを見る目がどんどん絶望に変わっていくのが判った。
やはりコイツで間違いなさそうだ。

417 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:36 [ YFbykUuQ ]
「さあ、拍手でもしてもらおうか。彼女は、自ら進んで名乗り出たんだぞ?
 その勇気を称えたまえ」

しぃは私の言葉に舌打ちをして、歯を食いしばったまま、

「コノ、オニメ・・・ジゴクニ オチロ・・・!」

とだけ言った。
しぃ如きが私に暴言を吐くとは、分相応もいいとこだ。
ゲームを始める前に、身分の違いというものを教えておかねばならない。
私は、チビをそのまま床に落とすと、足で踏みつけた。もちろん、しぃには手の届かぬ距離で。

ドサッ ゴキッ!

「アゲェ!」

「ハニャアァァ!チビチャン!!チビチャンガ!!」

しぃは、わが身を省みずに必死にチビの元へ行こうとする。
左足からは、痛々しく血が流れていた。
私は構わず、チビを踏みにじり、力の限り蹴飛ばしてやった。

メキャ!

「ジィィィィ?!」

サッカーボールのように軽い奴らだ。
母しぃが何か叫んでいたが、反応せずにチビを執拗なまでに蹴りつける。

ゴッ! ドガッ! ゴキッ! ドガッ! メキッ!

チビの悲鳴は聞こえない。恐怖で体を縮め、震えているだけだった。
こんなもんで良いだろう。愕然としている母しぃに、注意を与えた。

「口には気をつけろよ。君は逆らう事なんかできないんだ。
 黙ってみているんだ。可愛いチビの死期を、早めたくなければな」

しぃは観念したように身を引いた。それでいい。それこそがしぃのあるべき姿だ。

「それじゃあ、始めるか。チビの死に様、よく見ておけよ」

私は、さっきと同じように拳銃に一発だけ弾をこめ、チビに向けて引き金を引こうとした。

418 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:37 [ YFbykUuQ ]
しかし、チビはこのゲームのルールを理解していない。
うかつだった。コイツは一切の説明を聞いていないのだ。

「ハギャ?! イヤアアァァコロサナイデ──!!」

すっかり殺されるものだと勘違いして、喚き散らしている。
せっかくの崇高なゲームが、こいつのせいで台無しだ。
やれやれ。しょうがない。今更一から説明するのも骨が折れる事だ。
もうこいつはいい。さっさと母親に掛かるとしよう。

「さらにルール変更だ。こいつは3発、私は3発、連続で撃つ。
 早く終わるし、いいだろう?まずは、チビから行こうか」

「ソ、ンナ・・・ナゼイキナリ・・・!」

「聞こえないね」

私は躊躇せず、チビに照準を合わせ、三回引き金を引いた。

ガチィン!!

「イヤァァァ!! シニタクナイ!! ナッコ!! ナッコスルカラァ!!」

ガチィン!!

「オナガイ タシュケテェ!! ママ!! ママァァァァァァ!!」



ダァン!!!!



「マブェ?!!」

「イヤァァァァァ?! チビチャ───ン!!」

チビは、頭から血と脳漿を流し、それきり動かなかった。
弾が貫いた反動か、頭が床に思いきり激突し、妙な形になっていた。
首の方向もおかしくなっている。醜い死に様だ。
そんな奴でも可愛いのか、しぃは勝手に必死になっている。
近寄れやしないのに、無理に行こうとするから、左足はもう取れかけだ。
それでも、涙を流し、爪がはがれるまで床を掻き、声の限りに我が子に呼びかける。

「イヤ! ウソデショ?! チビチャン!! オナガイ ヘンジシテ?! ママニ オヘンジ シテヨ!! チビチャン!!!!」

しぃの発した絶叫が、静かな部屋に悲しくこだまする。
・・・いい・・・なんていいんだ・・・。
こんな声、今まで聞いた事も無い声・・・これ以外に、私を絶頂へ誘ってくれる物などこの世にあろうか?
否。そんな物は無い。
私にとって、この声こそが唯一無二、絶対の安らぎの場なのだ。

419 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:38 [ YFbykUuQ ]
これ以上の声が聞きたい・・・。次第に欲求は高まっていく。
しかし、理性がそれを堰き止めた。これ以上の声。それを欲するならば、それはこのしぃを殺すほかに無い。
そう。そのしぃの積み重ねてきた人生が、まさに終わらんとする、その時に発する声。
断末魔だ。
しかし、このしぃを殺すのは勿体無い。
この先、こんな声の持ち主に再び会えるとは限らんからだ。
どうしたものか。私は、昔からこの手の欲望に弱いのだ。
思案していると、かすかにしぃの声が聞こえた。
チラッと見てみると、すすり泣きしつつも、何か話している。
しかし、私にはさっぱり聞こえない。声が小さすぎるのだ。

「・・・・・・」

「なんだって?」

「・・・コ・・・・・・テ・・・」

「聞こえないよ。もっとはっきり話せ」

「・・・・・・コロ・・・シ・・テ・・・」

その声言葉の意味を脳が理解した瞬間、私の理性は消し飛んだ。薄ら笑いを浮かべ、拳銃を捨てて凶器を握る。

「OKOK!そんなにお願いするなら、いますぐリクエストにお答えしようじゃないか!
 すぐにチビのとこに連れてってあげるよ。何かお好みはあるかい?
 どんな死に方がいいんだ?
 肢体をもがれて失血死か?!
 凶器に貫かれての惨死か?!
 チビを喰らって窒息死か?!
 さぁどれがいい?!選びたまえ!なんなら私のお勧めコースで逝くか?!」

凶器をしぃの左足から引き抜いた。痛みで小さく悲鳴を上げたが、
チビの元へと這いずって行っただけで、私の言葉には反応していない。
その態度に又もむかっ腹が立ったが、しぃが何かをチビに語りかけている。
耳を傾けてみると、良くわかった。
コイツ、既に狂っている。

「チビチャン、アシタニ ナレバ ナオルヨネ? アシタハ ユウエンチニ イコウヨ。 ズット イキタイッテ イッテタ モンネ?
ツレテイッテ アゲル。 ダカラ、 オメメ アケテ? ナニカ シャベッテ? チビチャン・・・? チビチャン・・・?」

すばらしい母の愛だ。胸が震える。私とて、このままボーっとしていてはいけない。
私にできる事をしなければ。そう、一刻も早く親子の再開を果たしてやるのだ。
凶器の狙いをゆっくりつける。目指すは、しぃの後頭部。

420 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/01(月) 23:40 [ YFbykUuQ ]
「期待してるよ・・・」

一気に、そのまま突き刺した。私の望むものを、手にするために。
凶器は、頭蓋を破り、脳を引き裂き、眼窩を粉砕し、顔皮を突き抜け、しぃに致命的な一撃を与えた。
一瞬の間。


「オギャアアアアァァァァァァァァアアアァァアァアアァア!!!」


瞬間、私の鼓膜に至福の音が響く。まさに女神の歌声・・・。歓喜の鐘・・・。天地の轟き・・・。
これだ・・・・・・。
私が長年探していたのは、この声だったんだ・・・。

「アアアアアアァァァァ・・・アァァ・・・ァ・・・」

しぃは顔面から血を流しながら、チビの上に横たわるように倒れた。
最後の断末魔を残して。
私は、このしぃのことを一生忘れないだろう。
人生最高の時を与えてくれたのだ。永延に心に刻んでいこう・・・。
かすかな敬意を共に、しぃの冥福を祈った。
私に殺される為に生きてきた、そのしぃの冥福を。

さて。
残るは後一匹か。
残ったチビは、何とかドアを開けようと試行錯誤している。
馬鹿な事を。二度も三度も私に言わせるつもりか。

「無能な奴らめ・・・」

私は凶器を手に取り、チビの方へ歩き出した。
奴は、私が一歩近づくごとに、その顔色を青くしていく。
しかし、何か隠してそうな表情だ。覚悟のある表情というか。
ふむ。それによっては、生かしてやっても良いかもしれない。
そして、私とチビとの距離が2mを切った瞬間、チビは勝負に出た。
だが、その勝負とは逃げるだけ。私の右を抜こうとしたのだ。
なんて奴だ。確かに勝てる見込みは無いとはいえ、向かってくる事すらしないのか。
その根性が気に入らない。こいつも、あの世に送ってやるか。
チビはまさに脱兎のごとく駆け抜ける。
だが、いかに早くとも兎は兎。捕食者たる私に勝てる道理は無い。
素早く私は右足を使い、チビの体を踏み、動きを止めた。

ダンッ!

「ミュギャ!」

こいつらは、この程度では死にはしない。面倒な奴だ。もう用は無いというのに。

「もう私は十分楽しんだ。後は帰って眠るだけなのさ。悪いが、さっさと死んでくれ」

チビに乗せた足に、じわじわ体重を乗せていく。
心地よい感触が、私の足を伝ってきた。

ボキッ・・・ メキッ・・・ ボキン・・・

「イヤダ・・・ジニダグ・・ナ」

血反吐を吐き、体の半身をつぶされて、それでもなお助かろうとする気か。
無駄な努力が好きな種族だ。いっそ一思いに潰してやるのが、こいつ等のためだな。

グシャッ

「アギャ!!」

床一面にチビの血が飛び散った。もはや、顔からは何も読み取れない。
私はチビの潰れた感触に、歓喜の溜め息を一息ついて、思わず身震いした。
この世に生を受けた喜びを、改めて噛み締める。
なんでもそうだが、何かをやり遂げた後、その成果を見て悦に浸るのは心地よいものだ。
私は、この時もそうした。
凄惨な様子の部屋を見渡し、私以外は誰もいない、その静かな部屋で呟いたのだ。

「ああ、素晴らしい・・・ここはまさに・・・・・・天国だ・・・」

と、一言だけ。


421 名前: 死夜-シヨル- 投稿日: 2004/03/03(水) 01:27 [ XA4u3mOk ]
>>310 >>319 >>352 >>380 の続きです。



「結構楽しかったモナー♪」
モナーは楽しげにマッチをしまった。
しぃ美は涙と涎でベちゃベちゃになった顔で低く喘いでいる。
「次は何がいいモナー?」
「刺すかな。」
「場所変わるモナ?」
「どうしようか、このままでもいいけど変わってもらうかな。」
「・・・ヒ・・・グェェ・・・」
また配置換え。それすらしぃ美には苦痛を与える。ドンと、自分より重い体重を胃のあたり目掛けて降ってくるのは見た目以上に苦しい。
「俺はねぇ、辛党で行儀正しいからこんな物待ってるんだよ」
今度しぃ美の目の前に現れたのは楊枝と豆板醤だった。
クルクルとふたを楽しげに開けるモララーに何をされるか解らず、しかし食べる物だということで、思い切り口を閉じ、歯を噛み閉める。
モララーは楊枝を1本取り出しそれで豆板醤を混ぜ始める。そして、
「んー、どこからがいいかな〜、ここにするか。」
しぃ美の腕を掴み、押さえつけ、そこに真っ赤になった楊枝を突き立てた。
「シィヤァァ・・・ギ・・ガ・・・アガァァアアァァ!!」
しぃ美は目を見開いた。
最初の痛みは突き立てられた痛み。それから豆板醤を擦り込まれる激痛が襲いかかった。
「楊枝はいっぱいあるからね」
1本、1本と腕に突き立てると新しい悲鳴が上がる。
「モナーもやるモナ♪」
「おう」
モナーは後ろ向きになり、柔らかい臀部や内腿に突き刺していく。
腕よりも痛みを感じる場所に突き立てられて、しぃ美は口から唾と共に悲鳴の断片を吐き出し、激しく身悶えする。
「今度はこうしよう」
楽しげな声と共に、しぃ美の反対の腕に渦巻きを書く様に突き立てていく。
25本くらい立て終わると、モララーは思い切りそこを踏みつけた。
「フギャァァァァァァァァァァァァ!!!」
しぃ美の口から一際大きな悲鳴が上がった。
モナーは今度は何も付けない楊枝を深く突き刺し、それを引き抜く。それを6回くらい繰り返した。
そしてそこに今度は赤い液体の入った瓶を2つ取り出した。
片一方は透明な赤い液。片一方は不透明な赤い液。
最初に開けたのは不透明な方だった。
ツンと特有なすっぱい刺激臭がする。
それはタバスコだった。
そしてそれを3つの傷に流し込む。
「アガァァァァ!!」
次はあまり特徴のある匂いのしない透明な液体、それはラー油だった。
それを残った3つの傷に流し込んだ。
「ヒギャァァァァ!!・・・・アガ・・・ァァ・・ァ」
「どれが痛い?」
痛みで身悶えているしぃ美にモララーが問い掛ける。
しかし、しぃ美はもう聞き取れていないらしく答えない。
「ふーん、解らないかー。じゃーわかるまでやるよ。」
毛のなくなった肌に硬質の毛が生え揃うとは言えないが、所々に生える。
「これも燃やしてみるか?」
「それは面白そうだモナー」
モナーが早速、先ほどのオイルを取り出した。


≪続く≫

422 名前: 虐待虐殺物語③ 投稿日: 2004/03/03(水) 17:22 [ uunECWU. ]
>>408続き
・・・モナーの手によって、バットで殴られたオニーニは、頭から血を流して気絶していた。
ワッシィは見るに見かねてこう叫んだ。
「モウヤメテェェェェェェ!!!ベビチャン ヲ イジメナイデェェェェェェ!!!!」
この苦痛の叫びにモナーはこう答えた。
「じゃあ、止めるモナ。」
この言葉を聞いた瞬間、ワッシィは急に態度がでかくなった。
「ジャア、ハヤク ナワヲ ホドキナサイ!!」
この態度にモナーは怒りを覚えたが、冷静になって、こう言った
「誰も、縄を解くとは言ってないモナ!」
そう言ってワッシィの後頭部に手刀を入れた。
「ジィィィッ!!」
この言葉を最後にワッシィは気を失った。
薄れ行く意識の中で、この言葉だけが微かに聞こえた。
「バ・ジ・ャ・・ン・プ」
ワッシィの意識がぷっつりと途絶えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ワッシィは妙な肌寒さに目が覚めた。
気が付いて、辺りを見回してみると、モララー達が居て、オニーニが隅っこでガタガタ震えていた。
一体どうなったかを聞きたいので、モララー達にワッシィはこう叫んだ。
「ココハ、ドコナノ!!!」
この声に気づいて、モララー達はニヤニヤしながらこう答えた。
「とある雑居ビルの屋上だよ。」
この答えに対してワッシィは暴れながらこう言った。
「ハヤク イエ ニ カエラセナサイ」
この言葉に切れたのか、モララーが前に出てワッシィの腹を殴った。
「グフゥゥゥッ!!」
しぃがくぐもった声を出して苦しんでいる間に、モララーはこう言った。
「糞握りが・・おい!今からバンジージャンプしろ!そうすりゃ、子糞握りも返してやる。」
この話にワッシィはポカンとしていたが、すぐに喚きだした。
「ホントウネ!?ジャア ヤルワ!!」
そして手元にあった縄を足に括る。
そして、手すりを越えて準備が整ったところで、ワッシィはこう呟いた。
「マッテタネ、ベビチャン」
そして一気に飛び降りた。
ワッシィからすれば、自由のためのジャンプと思うが、モララー達にとっては、地獄への入り口であった。
紐がどんどん減っていく、やがて限界が来たところで、ワッシィは大きく跳ねた。
「シィィィ!!」
ビックリして声を上げた、そして・・・・
ブチッ。
「シィィィィィィッ!!!ヒモガァァァァァァァ!!!」
この叫びを上げた瞬間には、ワッシィの体は地面擦れ擦れまで来ていた。
そして・・・
グチャッ!!!。
ワッシィは水から上がったクラゲの様になって、あっさりと死んだ
この光景にモララー達は、腹を抱えて笑っていた。
「ハハハハーッ!!荷造り用の紐でバンジーしやがったーーーーッ!!!!」
そう、ワッシィが足に巻いた紐は、荷造り用のビニール紐だったのだ。
オニーニ達が悲鳴を上げる。
「ヒイイイィィィィィィ!!!オカーターーーーンッ!!!!」
泣き叫んでいるオニーニ達を見て、モララーは、笑いを止めてこう答えた。
「よし、お母さんを蘇らせる方法を教えてあげよう。」
続く・・・

423 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/04(木) 17:46 [ 5/ISUlAM ]
「ナニスルノヨ!ハナシテ!ハナシナサイ!!」

 薄汚れたしぃが両腕を屈強な8頭身に掴まれて暴れている。

「ふむ、この者か。まあ、よかろう。準備を始めよ」

 扇で顔の下半分を覆った貴族風の1さんが、汚らわしいものを見るような目つきでしぃを見やると事もなげにそう命じる。
男の言葉に彼の背後に控えていたモナーがのっそりと前に出た。

「ナ、ナニヨ、ヤメテヨ、ナニスルキナノ!?」

 怯えた表情を浮かべて暴れるしぃの頭をがしっと掴み、モナーが短刀を抜く。
ひっと息を飲んだしぃの右目にぶすっと短刀が突き立てられた。

「ギャァァァァァ!!」

 右目で弾けた激痛に悲鳴を上げるしぃ。半面を血で染めて呻くしぃの左耳をモナーがつまみ、無造作に切り落とす。
更なる悲鳴を上げ、身体をのたうたせるしぃ。

「シィノオメメ!シイノオミミ!イ、イヤァァァァァァッ!!」

「うるさいのぉ。さっさと済ませよ。麿は宮中に出仕せねばならぬゆえ、あとは任せるぞよ」

 わずらわしそうにそう告げると1さんが苦痛に身悶えるしぃに背を向ける。
モナー、8頭身たちは身悶えるしぃの身体を地面に押さえ込むと、薪割りに使う斧を持ち出してきた。

「イ、イヤァ、ナ、ナニスルノヨ!ヤメテ!シィハナニモワルイコトシテナイヨ!ヤ、ヤメテッテバ、シィィィィィィィィ!!」

 身体を地面に押さえ込まれ、何とか逃れようと半狂乱になってもがくしぃの右腕を斧がばっさりと切り落とす。
目を見開き、身体を弓なりにのけぞらせて絶叫を上げるしぃのことを乱暴に引き起こすと、モナー8頭身たちは引きずるようにして彼女を都の大通りへと連れ出した。

「さあ、皆の衆。今年の鬼はこの娘モナ。見ての通りの隻眼隻腕、さあさ、災いをもたらす鬼を都より追放しようモナ!」

 大通りに集まっていたAAへとモナーがそう大声で呼ばわる。
状況を掴めずに傷の痛みに震えているしぃが背中を突き飛ばされ、大通りの中央へと追い出される。

「鬼よ、氏ね!」

 群衆の中から叫びが上がり、ひゅんと風を切って石が飛んでくる。
がつっと石がしぃの肩に当たり、鈍い痛みが広がる。

「マ、マッテ、シイハオニナンカジャ……シィィ!!」

「鬼よ、氏ね!」「災いよ、消えYO!」

 抗議の声を上げようとするしぃへと、更に群衆から石が投じられる。
がっ、がっと肩や身体に石が当たり、鈍い痛みが広がる。
恐怖の表情を浮かべて群衆に背を向け、逃げ出すしぃ。
しかし腕一本切り落とされた痛みと出血、片目をえぐられたことによる距離間の消失などの悪条件が重なり、足がもつれそうになる。

「皆の衆、鬼が逃げるモナ! さあさ、もっと石を。災いのもとを打ち殺すモナー!」

 モナーが群衆をあおる。ひゅんひゅんと石が飛び、少女の身体に降り注ぐ。

「ギャッ!ヤ、ヤメテ、シィハ、アグッ。キャァ!」

 握り拳大の石が、しぃの身体へと降り注ぐ。
しかも丸い石ばかりではなく、中には鋭く尖った石も混ざっている。
あちこちの肌が破れ、血まみれになって逃げ惑うしぃ。
容赦なく降り注ぐ石が彼女の身体を傷つけ、体力を奪う。
止血もされないままの腕の傷からは鮮血があふれ出し、更に彼女の命の火を弱めていく。

「ヤメテ、ユルシテ、オネガイ……キャァ、アウッ、ギャンッ」

 足をもつれさせ、倒れ込むしぃ。
身をひねり、群衆の方に顔を向けて哀願の声を上げる彼女の身体へと更なる投石が襲いかかる。
額に当たった石が肌を破り、胸や腹に当たった石が息を詰まらせ、更に尖った石が残った目に直撃して彼女から光を奪う。

「ヤメテ、シニタクナイ、シィハ、オニナンカジャ、アグゥゥ……」

 這いずって逃げようとするしぃの身体に石が降り注ぐ。
無数の投石によってあちこちの肌が破れ、肉が漬れ、無残な姿になったしぃ。
石に彼女の身体が埋もれ、そこからつきだした腕や足がぴくぴくと痙攣する。
ぱたんとその腕が力なく落ちたのを確認し、モナーが声を張り上げた。

「ようし、皆の衆。鬼は死んだモナ! 追難の儀式はこれで終わりモナー!」

 ざわめきながら群衆が引き上げていく。
モナー、8頭身たちが石の小山を崩し、気絶したしぃを引っ張り出すと馬の鞍に縄で繋いだ。
モナーが馬を走らせ、ぼろ屑のようになったしぃの身体を引きずっていく。
痛みに意識を取り戻したらしいしぃが弱々しい呻きを上げるが、馬を走らせるモナーの耳にすら届かない。
 投石によってぼろぼろになり、更に馬で都の中を引きずりまわされたしぃがいつ息絶えたのか、それを知るAAは居ない。
そもそも、気にするAAも居なかったが……。

424 名前: 虐殺党・666号 投稿日: 2004/03/04(木) 21:30 [ oWUN7x8w ]
俺には趣味がある。それも変わった趣味だ・・・。

俺はいつものように、勤め先の病院の帰り道を歩いていた。
研修員である俺は今日、ミスを犯し、先輩にこっぴどく叱られてしまい、とても不機嫌だった。
そんな時だった、「奴ら」が現れたのは。
「ソコノクソモララー!カワイイシイチャンニ アマクテヤワラカクテコウキュウナモノヲ ヨコシナサイ!!」
「ソウヨソウヨ! ヨコサナイトギャクサツチュウナンダカラネ!!」
そいつらは世間で「アフォしぃ」と呼ばれる害虫のようだ。俺は無言のまま、最初に喋った一匹を全力で蹴飛ばした。
「シィィィィィィィ・・・・・・グガッ アッ・・・ガッ・・・」
しぃは聞きなれたような叫び声を上げながら宙を舞い、そのままアスファルトの上に叩き付けられ、絶命した。
俺はそのまま、もう一匹の方を振り返った。
「俺は立派な虐殺厨ですが何か?」 と、言ってみた。
しぃは腰を抜かして失禁している。まったく・・・情けねぇ害虫だ。先程の威勢はどこに行ったのやら。
まあいい・・・こいつは俺の趣味のために使うことにしよう・・・。
俺はしぃのみぞおちを軽く殴り、気絶させた。


ここは俺の家の地下室・・・薄暗い部屋の中、俺はしぃを叩き起こした。
「ハニャッ!? ココドコ!? コレハナニ!?」
驚くにも無理はない、しぃの体は台に固定され、体中に鎖が取り付けられているのだから。
「ナニヨコレェ! サッサトトリナサイヨ コノギャクサ・・・」
しぃが喋り終わらないうちに、俺はしぃの首筋にナイフを突きつけた。
「俺は貴様のような害虫を見てると吐き気がする・・・ガタガタぬかすようなら、殺すぞ?」
ナイフに驚いたのか、しぃは無言でコクコク頷いた。
「よろしい、ではこれからお前を、俺の趣味のために利用させてもらう」
「「シュミ」ッテ ドンナ・・・?」
「いいから黙ってろ、このゴミ蟲が・・・」
俺はそう言うと、しぃの右腕にローションを塗りつけ、聴診器をあてた。
「ナニコレ・・・ナンデソンナモノヌッテルノ・・・?」
しぃがとても不安そうな顔をしていた。
「これはな・・・「音」を響きやすくするためさ・・・よっと!」
言い終わった瞬間、俺はしぃの右腕目掛け、カナズチを振り落とした。
ベキベキッ!!
聴診器を通じ、骨の砕ける音が俺の耳に響き渡る。これだ、これが俺の好きな音だ・・・。
「ギャァァァァァ シィノカワイイオテテガァ!!」
「かわいい・・・?どこが?」
俺は軽くしぃを挑発したが、しぃは右腕の痛みに苦しみ、体をよじらせ、まったく耳に入っていないようだ。
「イタイヨォ! シィノオテテ、イタイノナオッテヨォ!!」
「それじゃあ・・・お望み通りにしてやる・・・よっとぉ!」
骨の砕けた腕に用は無いと思い、俺はしぃの右腕をナイフで肩ごと切り落とした。
しっかし・・・脆い、簡単に切り落とせちまった・・・。
「ギィャアガァァァァ!!オデデガァァァァァァ!!」
「あぁ、悪ぃ悪ぃ・・・よけいに痛かったかなぁ?」
もちろんわざとだ。害虫などを助けてやる義務は、俺にはない。
「モウヤメテェェ・・・コンナノマターリジャナイヨ・・・」
「アフォか・・・害虫ごときが逆らってんじゃねぇよ・・・まだ続けるからな・・・」
しぃの表情が、絶望の色に染まっていく・・・。


俺は右腕と同じように、しぃの左腕、右足、左足の骨を砕き、骨の砕ける音を聞き続けた。
肋骨を一本一本砕いていったときには、しぃは既に虫の息だった。
「さぁて、だいぶ楽しませてもらったよ・・・」
そう言いながら、俺はしぃの額にローションを塗り、聴診器をあてた。
「んじゃ、来世でまた会おう!バイバイ」
そのまましぃの脳天に、カナズチを振り落とした。
メキッ!ベキベキボキバキッ!!
「アッ・・・ガァァァ・・・!」
しぃは小さく呻き、そのまま絶命した。
その後、俺はすぐに地下室を出て、自分の部屋に戻り、鍵をかけた。
「クッ・・・ククッ・・・!」
俺は突然、笑いたい衝動にかられた。
「ククッ・・・ヒャーッハハハーッ!!ハーハハッハー!!!」
自分でも驚くくらいに、俺は大笑いをした。

俺はそのままベッドに潜り、深い眠りについた。



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

初投稿っす。以後よろしくお願いします。結構練ってみたんですが・・・どうでしょう?
まだまだ書くつもりなんでどうぞご贔屓に。

425 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/03/04(木) 22:27 [ xqs1FUrU ]
>>403-405よりの続き

弟の意識が覚醒し、目を覚ました。

「・・・・・?」

弟は暫く辺りを見回すと、自分が布団の上で寝ている事に気がついた。
恐らく、あの後あの桃の人にここまで運び込まれたのだろう。しかし、何の為に?という思いがまず胸に浮かんだ。

「あら?気がついたの。」

背後で声がした。振り向くと、前身銀の体毛で覆われた女性が立っていた。
手にしたお盆の上には桃の香りがする茶が乗せてあった。

「おはよう、貴方ずいぶんうなされていたわよ?桃山さんから聞いたけど、貴方迷子になっていたのか捨てられていたのか
 わからないそうね。お母さんは何処にいるの?」

「・・・あの、お姉さんは誰ですか?」

「え?・・・あぁ、ごめん。自己紹介が遅れたわね。私はギン。幼い頃、桃山さんに助けてもらったのよ。
 今では桃山さんの家のお手伝いをさせてもらっているの。
 ・・・・ところでさ、貴方の体、随分傷だらけだったわ。それも殴られた傷・・・。貴方、もしかしたら・・。」

「・・・・・・・」

「・・・・・・やっぱり、そうみたいね。貴方のお母さん、アフォしぃでしょう?」

弟は無言で頷いた。弟は自分の姉、しぃ香よりアフォしぃについての説明を受けていたのだ。
自身の親がそうだとは最初は信じたくは無かったが、そうする他に無かったのである。
ギンは、頷いた弟を見ると、無言で部屋から出て行った。
しばらくすると、ボヤけて見えた景色でみた男、ギンが桃山と呼んでいた男が入ってきた。

「やあ、目が覚めたんですか?それは良かった。貴方が傷だらけで倒れていた時はびっくりしてしまいましたよ。」

「・・・・・」

「・・・・その傷からさっするに、貴方、母から虐待されていたんでしょう?」

「・・・・・」

426 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/03/04(木) 22:27 [ xqs1FUrU ]
「思い出したくない思い出であることはわかりますが、話してくれませんか?私は、貴方を助けてあげたいのです。
 貴方のお母さんに会い、アフォしぃとして洗脳されているかされていないか、見極め、そして処置を考えてみたいと
 思うのです。貴方が捨てられる前、住んでいた箱に案内してくれませんか?」

「・・・・箱なんて、入れさしてもらったこと無かったよ。」

「・・・・え?」

「お母さんは、僕の顔が醜いからって、いつも僕の事を苛めていたんだ。酷い時には、僕の頭を踏みつけながら
 生きてて恥ずかしくないの、だとか気持ち悪い、だとか・・・。御飯もいつもおこぼればっかりだった。
 お母さんの唾で汚れた御飯を無理矢理口に押し込まれるんだ・・・・。気持ち悪いけど、食べなくちゃ生きて
 いけないから、我慢して食べたよ。」

「・・・・話を聞いてると、改善の余地は無いようですね。というより、残された貴方の姉さんの方も心配です。
 利己的だそうですが、いつ洗脳されてしまうやもわかりませんので。一刻も早く、貴方のお母さんとお姉さんを
 引き離す必要がありますね。・・・・・案内してくれますね?」

「・・・・わかりました。」

「そうですか。では、今日はもう遅いので、明日出発しましょう。私が作った、ピーチティーでも如何ですか?
 ・・・・そうそう、いつまでも【弟さん】じゃちょっとおかしいですから、貴方に名前をつけてあげましょうか。」

「・・・僕の・・・名前?」

「ええ・・・独立し、一人で立つ心の強さを表した名前・・・・


               「ドク」なんていうのは、どうですか?」

ドクは、初めて自分に名前が出来た、という事に対し、体の中から不思議な感情が沸いてくるのを感じていた。
その奇妙な熱さを伴った感情は、「涙」という方法で排出されていた。
桃山(以下、モモラーとして呼ぶ)は、それをただ微笑みを上げて見ていた。
だが、内心は穏やかで無かった。まだ半年もたっていない子供を捨てた母親・・・。アフォしぃに対する、
冷たい怒りの感情でモモラーの心は満ちていたのである。   

(続く)

427 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/06(土) 00:55 [ 9TkMowlU ]
虐殺小説を書くのはこれが初めてです。
よろしかったら読んでみてください。
過去ログのa dayさんとdiaryさんをイメージさせてもらいました。

428 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/06(土) 00:56 [ 9TkMowlU ]
あるところに虐待・虐殺が何よりの趣味という一人の男(私)がいた。
ある休日。その日は行きつけの虐殺専門店に、私が自分で作った虐殺道具
を発明品として売り込みに行ったが相手にされず、トボトボと家に帰る途中だった。
帰る途中、運の悪いことに(本当はよかったのかもしれない)しぃ親子が現れた。
母親しぃと、双子のベビしぃだった。
いつもなら即手が出ているところだが、今日はそんな気分にはとても
なれなかったため、無視して通りすぎようとしたその時・・・
「コノクソモララー カワイイシィチャントベビチャンニタベモノカオカネヲヨコシナサイ!」
「チョウヨ チョウヨ!カワイイベビチャンガウエジニシタラアンタドウスルキヨ!」
「ナンデモイイカラサッサトヨコチナチャイ!ソレトモナッコチテクレル?」
・・・・お決まりのように聞き苦しい金切り声で自分たちの要求をまくし立てる。
聞いているだけで殺意がわいてくる。
私の沈んだ気分が吹き飛び、虐殺魂に火がついたのは言うまでもない。
「ああ、それじゃあ食べ物をあげるからとりあえずお母さんだけ来てくれないかな」
殺意を隠しながら笑みを浮かべて言う。
「トウゼンヨ! イットクケドシィハアマクテコウキュデヤワラカイモノシカタベナインダカラネ!」
「はいはい」(楽しみにしてろよ、今日お前にくれてやるのは俺の試作品だ!
相手にこそされなかったけど、威力は抜群なんだからな(多分)誰が食い物なんてやるか!)
準備ができたので、アフォ親を繁みのなかに連れ込んだ。
数分後・・・・。
「チョッ・・ナニス・・・!」「オナガイ! ヤメテ! オナガ・・・・・・・・」

「シ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ !!!!!!」

更に数分後・・・・
「ったくなんて悲鳴をだしやがるんだこの糞虫は! まだ耳鳴りがする・・・・。
まぁいいや! これで俺の試作品の威力がはっきり分かったわけだし。
我ながらすごいや!3分もかからずにピクリとも動かなくなったし、
その3分の間めちゃくちゃ苦しんでたしな!上出来 上出来♪
チビギコには試したけど、大人しぃにここまで効果があるとはね・・・。
え、その試作品って何かって? 後で言いますからお楽しみに♪
さてと・・・あとは二匹のアフォベビだな・・・」
動かなくなった親をほっといてベビどもの様子を見に行ってみた。
逃げてはいなかったが、最初は母親の悲鳴もあってさすがに警戒していた。
だが、一旦抱き上げてやると途端に警戒心を解く。
「アニャーン ナッコハヤッパリマターリデスネ!」「キモチイイデチュウ・・・モットナッコ ナッコ!」
この有様だ。呆れるのを通り越して笑えてくる。やはりこいつらの頭にはダッコ、コウビ、
マターリと言った単語ぐらいしかないのだろう。
とりあえずこの二匹のベビは家に連れて帰ることにした。ここで母親と一緒に殺すよりも、
家でじっくりとなぶり殺しにした方が面白そうだからな・・・・。
双子のベビは私の腕の中ですやすやと眠っている。
これからどんな目に遭わされるかも知らずに・・・・。
               続く

429 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/06(土) 01:56 [ 9TkMowlU ]
428の続き
家についた。ベビどもを寝かしつけたまま早速虐待の準備に取りかかった。

準備を終えてしばらくすると、ベビどもが起きだした。
両方ともそれぞれ、起きて私の姿を見るなりわがままを言い出す。
「オナカチュイタヨー! ハヤクゴハンモッテキナチャイヨー!」
「ナッコ! ナッコ! ナッコシテクレナイヤシハギャクサツチュウデチュヨウ!」
(やれやれ・・・。筋金入りだねこりゃ。
とりあえずナッコナッコうるさい方をかたずけるか・・・。)
私はナッコナッコうるさい方(どうやらこちらは妹らしい)を抱きかかえた。
「アニャ! ヤッパリナッコハイイデチュネ・・・ ズットナッコシテテクダチャイ!」
「いやいや、君のお姉ちゃんのゴハンも作らないといけないからずっとは無理だよ」
「ソンナノドウデモイイカラズットナッコシテクダチャイ!」
「・・・あ、そうだ。この子とダッコしてなよ。僕よりもずっと快適なはずだし、
好きなだけダッコしてくれるよ!」
「アニャ! ホントウ?・・・・・・・・・・ッチィィィィィィィィィィ!!!!!!」
妹ベビはそれに飛びついた瞬間、恐ろしいくらいの悲鳴を上げた。ベビ妹が飛びついたもの
それは・・・・

サ ボ テ ン 
「チィィィィィィ!!!!」
「あっはっはっは。気持ちいいだろう?どうよベビちゃん?」
ベビはサボテンから離れようと手足を賢明に動かしているが、いくらやっても無駄である。
何せこのサボテンの棘は少し特殊で、釣り針のように「返し」がついているのだ。
なので一旦刺さるとなかなか抜けない。ましてベビの貧弱な力ではとても無理だ。
ベビ妹はもはやパニックである。泣き叫びまくっている。あーうるさい。
「え? もっとダッコしてたい?しょうがないなぁ。」
私はベビ妹をサボテンごとロープで縛ってやった。多少は動けるように少しは緩めて
やったが、これはベビを心配しているからではない。
ベビが動けば動くほど、棘が深く深く刺さっていくからだ。
案の定、ベビに刺さった棘は、ベビが暴れるに連れどんどん深く刺さっていき、
終いには血がだらだら流れてきた。それでもまだ泣き叫ぶ。 タフだねぇ。
「まぁこれならしばらくはほっといても大丈夫だろう。さて次は・・・。」
ベビ姉のもとに向かう。
                続く

430 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/06(土) 03:44 [ 9TkMowlU ]
429の続き
ベビ姉はやっぱり怯えていた。そりゃそうだろう。妹が目の前であれだけ泣き叫べばな・・・。
怖くて腰が抜けているらしい。こりゃ下手すると恐怖で発狂するな。
(それじゃ困るので)私は今までしたことがないくらいの笑みを作って、言った。
「ベビちゃん、怖がらなくてもいいんだよ。妹のベビちゃんは、今とてもマターリしてるんだよ。」
「ウチョォ・・・」ベビ姉は弱々しく答える。
「ウソじゃないよ。ちょっとサボテンさんのダッコの力が強かったから、泣いてるだけだよ。」
「ジャア、アノナガレテルチハ・・・?」
「あれはベビちゃんのじゃないよ。サボテンさんの涙なんだよ。
 久しぶりにかわいいベビちゃんとダッコできたから、うれしくて泣いてるんだよ。
 僕たちは透明の涙を流すけど、サボテンさんの涙は真っ赤なんだよ! 知らなかった?」
「ジャア、アノグルグルマキノロープハ・・・?」
「サボテンさんの体はツルツル滑りやすいんだ。
 だからああやって固定しないと滑ってダッコできないんだ。」
「アニャ・・・ホントウナノ?」
「もちろんさ! 僕はベビちゃんにウソなんかつかないよ!」
「アニャァ・・・!」 ぎゅるるるる 安心したのか姉ベビの腹が急に鳴る。(こんなんでよく納得したな)
「ああ、そういやお腹減ってたんだっけね、何食べたい?」
「チィハ、アマクテ、ヤワラカクテ、コウキュウナモノシカタベナイノ!ハヤクチテ!」
さっきまで腰抜かして怯えとったのに、何という変わり身の早さだ。所詮アフォしぃだな。
私はキッチンに行き、あるものを取り出した。 ミキサーだ。
別にこいつでベビを切り刻んだりするわけじゃない。そんなことしたって面白くない。
ベビの要望に応えるべく用意したものだ。(まぁ感づいている人もいるかもしれないが)
早速調理を始めることにした。「えーと、甘くて、柔らかくて、高級なもの・・・ね。」
「ハヤクゴハンニチナチャイ!ウエジニスルデチョ!」何やらほざいている。
やれやれ・・・ 今にみてろよ、糞虫が・・・・。
10分後、料理ができた。
「オチョイデチュヨ! モットハヤクチナチャイヨ!」          
「悪い悪い。はい!どーぞ!」でてきたのはシチューのようなものであった。
「オイチチョウデチュ!」 
「待たせてごめんね、さあ召し上がれ!」
「イタダキマーチュ! パクッ・・・・・・・・・・・・・・・・ブフーーーーッ!!!」思いっきり吐き出してくれたよ。この糞虫。
「ナ、ナ、ナンデチュカコレハーーー!?」「何って、君の要望通りのモノ・・・甘く、高級で、柔らかいものだよ?
 なんならレシピを紹介しようか? これはね・・・
 メロン、スイカ、ウナギの蒲焼き、ケーキ、佃煮、あんこ、チョコレート、甘エビ、・・・etc つまり
「甘く」「柔らかく(一部)」「高級(一部)」なものをまとめてミキサーにぶち込んで混ぜた代物さ!
 どうだ? 確かに君の頼んだ通りのモノだぞ? 満足だろ?」(あーバ○殿思い出すなー)
 しかしベビしぃはそんなこと聞いてる暇はなさそうだ。吐き戻すことに精一杯のようだ。
「いかんなぁ、せっかく作ったものを」
 私は片手で残りをすべてやかんに流し込み、もう片手でベビしぃの体を無理矢理押さえつけた。
「ヤ・・ヤメテクダチャイ・・・ユルチテ・・・」涙のたまった、完全に怯えきった目で哀願してくる。
「何いってんだ。食べ物を残すなってお母さんに言われたろ? さ、食え」

一時間後、ようやく私はやかんの中身をカラにできた。もちろん、すべてベビの腹の中だが。
なにやら妊婦顔負けの腹の膨らみである。まぁ胃はおろか食道や腸まで満杯だろうからな。
この家の中を汚されちゃかなわんので、口に猿ぐつわ+ガムテープをかませておいた。
これなら吐き戻すことはないだろう。
さて、今日はもう寝るか。・・・と、サボテンダッコのほうは生きてるかな?
見に行ってみると、ぐったりと、かろうじて生きてはいた。
まぁ出血もそれほどでもないし、これならこのままでも大丈夫だろ。ほどくの面倒くさいし。
明日から本格的に虐待してやるから、楽しみにな ベビちゃん♪
動かない二匹をそのままに、私は寝室へと向かった。
                     続く

431 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/06(土) 03:50 [ 9TkMowlU ]
428-430の作者
虐殺・虐待表現少なくてスイマセン・・・
次書くときはたくさん入れますので・・・
というよりイメージできてないし・・・
(駄文スイマセン)

432 名前: 虐待虐殺物語③ 投稿日: 2004/03/06(土) 15:09 [ Lm.3xAxs ]
422続き。
「母を蘇らす方法が有る」この言葉を聞いた瞬間、オニーニ達は笑顔で微笑んだ。
そして兄らしきオニーニがこう言った。
「ドウヤッテ ヤルノ?ワショーイ」
するとモララーは、微笑んでこう答えた
「ちょっと舞台で踊ってもらうだけだよ」
この答えにオニーニ達は、物凄く喜んだ。
喜んでいるときにオニーニ達は、口を揃えてこう言った。
「オジチャン!ハヤク ジュンビシテ ワチョーイ!!」
モララーは一瞬顔が引き攣ったが、元の笑顔を取り戻してこう言った
「うん、じゃあ準備するから、その間に踊りの練習でもしてなよ」
そしてオニーニ達が、踊りの練習をしている間に、モララーが言う「舞台」をモナー達が準備していた。
そして・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「終わったよー!!」
モララーの陽気な声が聞こえてきた。
オニーニ達は、待ってましたと言わんばかりに、走ってきた。
其処にモララーが急に走ってきて、オニーニ弟を掴むと、凄い勢いで投げた。
「ワヂョォォォォォォォォォォォォォ!!???」
オニーニ弟の悲鳴が聞こえたのは、直ぐの事だった。
「オトートヨ!!ダイジョウブカ ワチョーイ?!」
兄が叫ぶ、その目線の先には・・・
「ワヂョォォッ!!ナ、ナンワチョーーーッ!!コノ「トゲトゲ」ワーーーーッ!!イタイワチョォォォォォォッ!!!」
「剣山」の上でオニーニ弟が叫ぶ。
オニーニ弟は暴れるが、剣山は全く動かなかった。
血塗れになりながら、泣き叫ぶオニーニ弟に向かってモララーはこう言った。
「瞬間接着剤で固めてあるから、動かないよ」
この答えに苛立ったのか、オニーニ兄がこう叫んだ。
「コンナ ヒドイ コトハ ナイデチィィィィィィィィッ!!!!オジチャン!!ドーシテーーーッ!!!」
泣き叫ぶオニーニ兄を蹴り飛ばすと、モララーはこう言った。
「俺はただ「舞台」で踊れと言っただけだろーがよーー!!」
こう叫ぶと、再びオニーニ弟に目を向けた。
・・・相変わらずオニーニ弟は、血塗れになりながら必死で、逃げようとしている。
そこでモララーはポケットから、ライターを取り出すと、こう言った。
「ククク・・・この剣山には、大量の灯油を塗ってある、だからこの俺が火をつけると・・・」
そしてライターに、火をつけると、剣山に向かって投げた。
ボォォォォオオオオオオオ!!!!
凄い業火がオニーニ弟を焼き尽くす。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!アヅイイイイイイイイイ!!!!ダヅゲデエエエエエエエエエ!!!!」
オニーニ弟は最後の断末魔を上げ、死んだ。
それを唖然とした表情で見るオニーニ兄、モララーはこう言った。
「俺が編み出した、新しい方法だアアア!!名づけて「火炎剣山地獄」!!」
こう叫ぶと次は、放心状態のオニーニ兄に向かってこう言った。
「それとね、蘇る方法なんて・・・無・い・の・」
それを聞いた瞬間、オニーニ兄は、狂った犬のように襲い掛かってきた。
「ダマシタナァァアアアアアア!!!!ユルサンワヂョーーーーーッ!!!!!」
オニーニ兄の攻撃をモララーはヒラリと回避すると、オニーニ兄の鳩尾(みぞおち)に拳をぶち込んだ。
「アガアアアッ!!!」
こう叫んで、オニーニ兄の体は地面に倒れた。
「じゃあ、フィナーレだ。」
モララーが、ポケットからナイフを取り出すと、こう言って、振り下ろした。
「グッド・バ〜〜イ」
グサ・・・
オニーニ兄は声を出すまでも無く、あっさりと御臨終した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次の日の朝刊には、こんな記事が乗っていた。
「雑居ビル屋上で謎の火災事故!!付近には、一体のオニギリワッシィと二体のオニーニの遺体が発見された。」

                       完

433 名前: 虐待虐殺物語③おまけ 投稿日: 2004/03/06(土) 15:35 [ Lm.3xAxs ]
ニュースの後に、CMが流れた、今話題のCMだ。
ベビしぃがモララーの近くにたって、こう言っている。
「カラダ ガ ダルイヨー」
モララーは優しく微笑んでこう言った。
「じゃあ、お熱を計るから、ジッとしててね。」
そしてモララーが、何やら短い棒の様な物を振っている。
ブンッブンッ!!。
「チェンチェ・・・ソレ・・・」
ベビしぃがガタガタ震えてそう言った。
「何って!体温計を振って目盛を戻してるんだよ!!わかんねーのか!この糞虫!!」
モララーがこう言った後に、すぐベビしぃから返答が来た。
「ダッテソレ・・・・マンネンヒツダヨ・・・」
モララーは怒り狂ったように叫びんだ。
「コレが万年筆に見えるなんて、目が悪いんだな!!!」
そう言って、ベビしぃの目に万年筆を付き立てた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ベビしぃが悲鳴を上げる、そしてモララーはこう言った。
「よ〜〜く見るんだ!!このクズ!!」
そこでナレーションの声が入った。
「よ〜く書けるよ!モララー万年筆!!」
そこでCMが終わった。
          今度こそ完

434 名前: がるく 投稿日: 2004/03/06(土) 15:48 [ NAsRNogI ]
カチリとスイッチに指がかかる
一点に向かって懐中電灯の光が浴びせられる
微かな腐臭と濃厚な血の匂い

そこには一人のしぃがいた

左耳と両腕がもいであり、腹がナイフで切り裂かれ、腸が光に反射して艶々と光っている
大量の血が身体を真っ赤に染めている
そのしぃはまだ呼吸をしており、ビクビクと痙攣している

「こりゃひどいな・・・ほら!まだ生きてんだから応急処置だ!」
懐中電灯を持っていた男とは違うもう一人の男が、あっけに取られていた他の者に命令する
その者たちはすぐに我にかえり、そのしぃに駆け寄る


 仮  面


「――――何?昨夜の事件について聞きたいと?」
持っていた新聞から視線を移す
「えぇ、是非お聞かせ下さりませんか?」
その新聞をパタリと閉じて、ため息をつく
「やめとけやめとけ。あれは悪魔の所業さ」
「そこまで言われたら余計に聞きたくなりますね」

しばらく黙り、ふと気がつく
「・・・・そうだ、あんたはどこの回し者だい?」

「ちょうど貴方が読んでいる新聞の記者です」
とにこやかに笑うがどこかに『事件の内容を聞きたい』という欲望が見える
「ふむ、名前は?」
とテーブルから置いてある煙草とライターを取り、火をつける

「エー・ラヴォンヌです 貴方は?」
持っていたバックからシャープペンシルとメモ帳を取り出す
「モナー・グレファンスだ おーいギコ!」
後ろを向き、大声で呼ぶ

呼ばれた相手はデスクに座り、熱心に何か考えている
モナーはチッと舌打ちをしてもう一度さっきよりは大声で呼ぶ
やっと呼ばれたことに気がつき、嫌そうに歩いてくる

「あ、こいつギコ・サウメントね。よし、ギコ、あの新聞記者頼むぞ」
と立ち上がり、肩を叩くと・・・・
「(゚Д゚)ハァ? 何お前・・・」
あっという間に走り去っていった

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

初投稿です あはははは。

虐待・虐殺表現もですが、ストーリーに力をいれてみますた
どうか暖かい目で見守ってくださいw

435 名前: モナ31部隊専属実験者 通称「モナ実(モナミ)」 投稿日: 2004/03/06(土) 21:15 [ yr60LpTU ]
なんかなー…いつもだよなー… 鬱



ある一匹のべびしぃがいる…

薄汚れたダンボール箱の中、
ふたを閉め、寄り添っていていても氷点下の箱の中
母親に抱きかかえられ兄弟とガタガタ震えていた、

でも幸せだった、
「ウンニョ」と鳴けば、すぐに母親が肛門を舐めてくれ、排便を促してくれる
夜中に一声でも「チィ」と鳴けば、母親が目を覚まし、「ダッコ?ソレトモ ミルクガ ホシイノカナ?」と聞いてくれ、
 自分の方に乳首をよせ、母乳を飲ませてくれた。

そして
『チュウチュウ』 と母乳を飲んでいると、「オイシイ? ベビチャン イクラデモノミナサイ」とやさしく微笑んでくれる…。

一緒に遊ぶ兄弟もいる…
「チィ」と鳴けば「チィ」と返してくれる兄弟が…

436 名前: モナ実 投稿日: 2004/03/06(土) 21:16 [ yr60LpTU ]




べビがちびしぃになりかけていた、ある日のことだった、

一人で歩けるようになったちびしぃは、母親の後を兄弟とともに『よたよた』と歩いていた。
「オカータンマッテヨー」とちびしぃの兄弟が泣くと
「ハイハイ サキニイッチャッテ ゴメンエ」と母親が戻ってきた
「アニャーン」とちびしぃはよろこんだ…

まさにマターリとしか言いようのない光景…

しかし破滅のときは近づいてきた
その破滅に真っ先に飲み込まれたのは兄弟だった


それは母親が公園でごみをあさっていた時…
しぃと兄弟は少しはなれたところで遊んでいた。

そこにカラスがやってきた
カラスは音も言わせずに近づいてきて…
兄弟の肛門をつつき始めた

「チィ!!アニャ?」
ちびしぃは兄弟が叫ぶのを聞いた、
しかし何もしなかった…できなかった。
「チィィィィ チィィィィッ」
カラスは兄弟の腸を引きずり出すと、それを咥えて立ち去った。
母親が叫び声に気づいて飛んできたからだ

…兄弟はまだ生きていた、
母親とちびしぃは兄弟を担いでダンボールへと戻った、
…兄弟は虫の息だった
肛門はパッカリと割れ、
口からは液体を流し続けた…
母親は兄弟を抱きかかえると、こう言った
「ダイジョウブヨ    」



その晩兄弟は一晩中うめいていた
「ギヂィィィィ ギヂィーー」
…ちびしぃは怖くて眠れなかった。

母親は何も言わずに兄弟を抱きかかえていた。


次の日の明け方…
兄弟は死んだ
口と肛門…割れて腐って…もはや肛門とはいえないような肛門から血を大量に噴出して、
「ギヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ」
「ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ」
「ヂヂ、ヂヂヂヂ」
「ギヂッ カハッ」
…それっきりだった。

437 名前: モナ実 投稿日: 2004/03/06(土) 21:16 [ yr60LpTU ]
朝…雨の降る朝…
ちびしぃは母親と埋めに行った。
目を見開き、痛みに引きつった顔をした兄弟を埋めに行った
腸を引き抜かれ、一晩苦しんだ挙句に何もされずに死んだ兄弟を…
最後に与えられたものは母親の愛だけだった、
満足な治療はいうまでもなく、満足なベッドすら得られずに死んだ
知りたがっていた「海」を一度も見ることなく死んだ





兄弟を公園に埋め帰る途中のこと…



母 親 も 死 ん だ

車 に 轢 か れ て 死 ん だ

突然角から飛び出してきたタクシーに…
一時停止もせずに飛び出してきたタクシーに轢かれてて死んだ

交わす間もなかった。
母親は頭だけをきれいにつぶされた

ちびしぃは何をしていいか分からなかった
目の前には頭をつぶされ…
下半身だけバタバタさせている…わが子への未練といわんばかりにばたつかせている体…
母親の残骸が転がっていた。

数分後
母親の体は、
数回『ピクン』
とはねると、……


それっきりだった。

ちびしぃは恐怖した
そしてわけも分からず走った
よたよたと走った
そして、ダンボールへと戻った

…何をしてよいか分からなかった
何もできなかった
怖くて外へは
出られなかった


その日は泣きながら寝た。

438 名前: モナ実 投稿日: 2004/03/06(土) 21:17 [ yr60LpTU ]
夜中…焼けるような目の痛みに、ちびしぃは目を覚ました
しかしその覚ました目は…もう何も見えなかった
「チュウチュウ」というねずみの声だけが聞こえた…

いつもは母親がねずみから守ってくれた…
でも今は…
ちびしぃを守るものは何もなかった

あくる朝になるとちびしぃはダルマになっていた
体と頭以外のパーツはすべてねずみに食いちぎられた…




ちびしぃは、残りの人生を「飢え」との戦いに費やした。

ちびしぃは残りの4日間を死ぬことに費やした




最後の日…
ちびしぃの死んだ日
飢えと戦い続けたがもうこれ以上はどうしようもない…
手足、目がないため何もできないまま、
ただ死だけを待っていた

「ィチィ ア、、ニャ」

鳴く気力もなく、
死へのカウントダウンだけが続いていた。




死ぬ最後の数分間…
ちびしぃは
自分の人生を見た
人生の走馬灯を見た

ちびしぃの顔は幸福そのものだった


温かい母親の腕に包まれ
何もする必要がなく
ただミルクだけを飲んでいたあのころ…
兄弟と一緒にマッタリし、
喧嘩することができたあのころ、
幸せだったあのころ
何も考えずに母親に抱かれているだけでよかった


ちびしぃの顔は幸福そのものだった

439 名前: モナ実 投稿日: 2004/03/06(土) 21:18 [ yr60LpTU ]
死ぬ数秒前
ちびしぃは実勢の走馬灯の最後に見た







血まみれの兄弟と首無しの母親を








そして飢えに苦しむ手足ない自分を…
























ちびしぃの顔は一瞬にして引きつった

…それっきりだった





Q.E.D?

440 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/07(日) 01:58 [ gBIkkj.M ]
天国と地獄       その3


私は、上着の中から携帯を取り出した。
もうここですべき事は全て終えた。後は家に帰ってゆっくり眠るだけだ。
あの男に、電話しなくては。

ピッ   ピッ   ピッ     トゥルルルル・・・   トゥルルルル・・・   カチャ

『はい、もしもし』

電話の奥であの男の声がする。少し、眠たそうな声だった。

「今終わったよ。帰り、送ってくれないか」

『ああ、判りました。すぐそちらに行くんで、そのままお待ちください。
 あ、部屋の鍵はあけておいてくださいね』

「ああ、わかった」

『では、後ほど』

ピッ   ツー・・・   ツー・・・   ツー・・・

簡潔に話を打ち切り、男から通話を断った。
さて、帰り支度を整えておくか。
明日の朝は気持ちよい目覚めになりそうだ。

もうすっかり帰り支度を終えた頃、男がやってきた。
白衣を翻し、眼鏡をかけた彼は、それなりに威厳を感じさせた。

「おや、また派手にやったもんですなぁ。連れて来た時の面影が、まるで無くなっている。
 さぞお疲れでしょう?」

「まぁね。やはり、鈍っているなとは自覚したよ。
 悪いけど、早いとこ送って欲しいんだが・・・」

「ああ、失礼しました。しかし、ちょっといいですか?」

「? ああ、何だ?」

「被虐者達を飼育する者たち。つまり私のような存在ですが、
 政府は彼らをどのように選んだか、ご存知ですか?」

ゆっくり、男はドアを閉める。
雰囲気がおかしい。さっきのチビからも感じた空気だ。
何かを、企んでいる・・・?一体何を?何故?

「さぁ、見当もつかないね。保健所の職員から引き抜いた、とか?」

危険な匂いだ。幾度もかいだ匂い。決まって、私に危害を加えようとしている者から感じる匂い。
マズいな・・・。凶器は鞄の中にしまってしまったし、銃は懐にあるが弾が入っていない。
肉弾戦でも負ける気はしないが、そもそも人を呼ばれていたとしたら、私はおしまいだ。

「半分は正解しています。元の職は、動物園の飼育員だったり、生物研究員だったり、
 警察犬の飼育員だったり。我々は、実に多種多様なところから引き抜かれているのですよ。
 では、残り半分はなんなのか?それは、その中から、正常な精神ではない者を選んだんです」

男は眼鏡を胸ポケットにしまい、その小さな目で私を見つめる。
なるほど、確かに狂気をはらんでいる眼だ。それも、とびきりの。

441 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/07(日) 02:03 [ eOX9WrGo ]
>>430続き
翌日、一石二鳥の案を思いついた。
ベビ虐待と、かねてからの我が家の問題の対策にもなるものだ。
早速、ベビどもの様子を見に行った。
両方とも昨日と様子は変わっていない。さて、どちらを使うか・・・。
やはり妹の方が良さそうだ。姉の方は無理に動かすと
いつ漏らしたりするか分からないからな。腹ン中満杯だし。
すぐに妹ベビをロープから解放、サボテンから引き剥がした。
その時棘が何本かベビから引き抜けたので、ベビが泣き出した。同時に出血。
「ヤーヨゥ! ヤーヨゥ! モウイヤァ! オウチイカエイタイヨゥ!! ママァ! ママァ!」うーん うざい。
一発はたいて静かにさせた後、ベビを片手に問題の場所  風呂場へと向かった。
風呂場の何が問題かというと、おなじみの(?)カビである。
何回、どれだけ磨いてもすぐにまた復活してくるのだ。
今回も、もうそろそろ掃除しようと思っていたところだ。
そこに運良くベビしぃを捕まえることができたのだ。これを利用しない手はない。
風呂場に着くと、私はベビの体に瞬間接着剤を塗りたくった。
だんだん体がゴワゴワしてくるのが嫌なのか、ベビは涙目になる。
「ヤーヨゥ ヤーヨゥ! ナニ コエェ! チィ ウゴケナイヨゥ!」
「当たり前だろ、接着剤塗ったんだから。静かにしてろよ。」
「ナンデ? ナンデチィニセッチャクザイナンカヌルノ?」
「今に分かるさ。・・・さて、そろそろ毛皮が固まったな、それっ!」
「ハニャッ?・・・・ヂィィィィィィィッ!!??」
私はベビをつかんで、床タイルをガシガシとこすり始めた。
要するに、ベビをたわしとして使っているのだ。
毛皮が固まっているから痛みはないものの、高速で揺さぶられて不快なのだろう
ベビはギャアギャア泣きわめいている。
「んー。やっぱりフツーのたわしよりもカビの落ちがいいねぇ。
使ってる素材がいいのかなぁ。」
実際、普通のたわしよりも効果があるとは思えない。
しかし、そんなことはどうだっていいのだ。
今回は掃除よりもベビ虐待がメインなのだから。
時間がたつに連れ、ベビの悲鳴はますます大きくなる。同時に血もにじむ。
(そーいや棘が何本か刺さったまんまだったな。接着剤で固定されてるのに
棘がくい込むのか。こりゃベビ地獄だね。)私はピッチを更に上げる。
しかしそれが災いしてか、数分後、ベビはゲロを吐き始めた。
ゲロは私の手にもかかった。こりゃちょっとお仕置きが必要だね。この糞虫。
私はベビに頭から洗剤をぶっかけてやった。塩素系の強力なやつである。
「アギャァァァァァァァァァ!!!!!」
洗剤が目に入ったり棘の傷にしみるのか ベビは一層激しい悲鳴を上げて泣き叫ぶ。
お仕置きとしては十分なようだね、これは。 さぁ、作業再開!
洗剤が加わったせいか、汚れの落ちがよくなった。もしかしたらベビたわしも
普通のたわしに劣らないかもしれない。
「こいつをダスキソに売り込んだら、いけるかもしれないなあ
でも所詮材料がベビしぃと接着剤だけだからなぁ。商品化は無理か・・・。」
磨き続けて数分後、ベビたわしの更なる欠点が明らかになった。
ベビが今までにないほどの激しい出血をしたのだ。
あわてて何事かよく見てみると、すぐに分かった。皮がはがれているのだ。
確かに、毛皮は接着剤でガチガチに固めて頑丈にはしたものの、その基盤の
皮膚はそうはいかない。体の脆さが有名のしぃ族だ。こんな無理をすれば
すぐにだめになるに決まっている。
こりゃ商品化は絶望だな。ダスキソの他の雑巾虫みたいにいけるかと思ったのに。
私は掃除を中止した。ベビの皮がほとんど剥け、真っ赤になったからだ。
皮のはがれたものと洗剤による痛みで、ベビは半狂乱だ。
「ヴァァァァァァァァァ!! ヴァァァァァァァァッ!! イチャイヨォォォ!! ママァ ナコ ナッコォォ!! タチュケテェェ!!」
「静かにしやがれ!! この糞虫が!!」
 私は冷水のシャワーを最大出力でベビに浴びせた。
「オgfvhgシウエンgvdljフォイlfdンlギンfd!!!」
むき出しの肉には最大出力の冷水シャワーは弾丸のように感じられただろう。
ベビは悲鳴を上げ10秒もしないうちに気絶した。
さすがにこれ以上続けると死にそうなので、手当をしてやった。
さて、次は姉だ。どんな虐待をしてやろうか・・・。
昨日腹一杯食らわせたから、体力は問題あるまい・・・。
                  続く

442 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/07(日) 02:05 [ gBIkkj.M ]
どういうことだ・・・?」

「簡単ですよ。さっきあげた職に就いているような、保護者的立場の者にも、
 弱者をいたぶる、虐殺者の顔を持っている者は当然いるのです。
 何故か?それが今の世の中、あたりまえだからです。虐殺してこそ正常なんです。
 虐殺しないなんて、ナンセンス。マターリ厨か、しぃオタか。わかりますか?
 世間で歪んでいると思われている者ではないと、この施設には必要ないのですよ」

今更何を言っているんだ?そんなことを説明する意味が、私にはわからない。
私に敵意があるのは感じ取れる。しかし、何かをする素振りさえ見せない。
分からない。コイツはこれから、何をしようとしてるんだ?

「続けますよ。しかし、ここには適任でも、その精神は基本的に曲がっているのです。
 つまり、虐殺、虐待をする対象が、被虐者達ではなく、我々モナーやモララーといった、
 『一般市民』が対象となっている者達なんですよ。
 よく聞きませんか?連続殺人犯Aは、人は殺すが被虐者は一切殺さなかった、なんて。
 貴方達は首をかしげるでしょう?不思議だと感じるでしょう?
 なぜ、同じ殺すなら罪にならない、死んでも誰も悲しまない被虐者を殺さないのかと思うでしょう?
 私は分かります。教えてあげましょうか。
 興味が無いんですよ。
 何のスリルもない、ただ一方的な虐殺に。
 そうじゃない。我々が望んでいる死は、弱者ではなく、強者の死。
 強いと勘違いしている蛙どもに、さらに上がいることを教えてやるのが楽しいんですよ。
 もうわかったでしょう?貴方は、虐殺をしにここに来て、虐殺されて出て行くんです」

だめだ。甘かった。
私は、見事彼に騙されてしまった。
勝てるだろうか。否、勝てても道は無い。
私は既に犯罪者なのだ。おまけに、殺人罪がついてしまう。

「貴方がここに来たという痕跡は、そこの死体と一緒に消しておきます。
 酒場の連中も、私の人相まで覚えちゃいないでしょう。なにか、言い残す事は?」

しかし、このまま黙って死ぬのも癪だ。
難しい事を考えるのは後にして、先ずはコイツを倒す事に集中しよう。
私は、奴が得意げにべらべら喋っている間に開けておいた鞄から、凶器を再び取り出した。

「・・・さっきから聞いていれば、手前勝手な事ばかり言いやがって・・・。
 言っておくが、こちとら虐殺で鍛えた腕があるんだ。みすみす殺されはしないぞ。
 『三叉の鬼』とは、私のことなんだ」

この名を出して反応しなかった奴はいない。
これまでは、名乗った途端に全員、私に尊敬と畏怖の入り乱れた視線を返してきた。
この男も、そうするはずだと思っていた。
しかし、男は意外にもニタニタ笑っている。
明らかに、馬鹿にした笑い。小物め。そう言われた気がした。

443 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/07(日) 02:06 [ gBIkkj.M ]
「ほほう。『三叉の鬼』?いやはや、それはまた物騒な二つ名ですな。しかし、聞いたことありませんねぇ。
 被虐者と虐殺者の間で名が知れたぐらいで、そんなに粋がっちゃいけませんな。
 偶然ですが、私にも二つ名がありましてね。もっとも、あだ名、と言っても良いでしょうが。
 きっと聞いたことあるはずですよ。」

話ながら、白衣のポケットから折りたたみナイフを取り出した。
でかい・・・。刃渡り30cmはありそうなナイフだ。
だが、圧倒的に私が有利。あんなものでは、勝負にならないはずだ。
しかし、この圧倒感はなんなのか。何故、それでも余裕で笑っていられるのか。
(なめやがって・・・)
無理やりに自分の心を奮い立たせる。再び、闘争心を目覚めさせる。
しかし。勝てる気が、しない。

「私に付けられたあだ名・・・神出鬼没のナイフを操る殺人鬼・・・」

微かに風を感じた。

       カラァン!

?! なんだ?何が起こった?
私は、凶器を床に落としている。馬鹿な!手は、しっかりと掴んだままなのに?
・・・ああ・・・なんて事だ・・・。男のナイフから血が滴り落ちている・・・。私の両手首が、切られている・・・!

「うああああぁぁあぁぁぁああ!!」

私はすっかりパニックに陥った。
へたりとその場に膝を着く。
手首があった場所からは、激しい出血がおきている。
傷口を押さえようも無い。こんな痛みがこの世にあったなんて。
まるで炎が着いたのような、恐ろしい痛み。
思考はすっかり恐慌状態になっている。
(いつ?!いつ切られた?!まったく気付かなかった!
こんな、こんな馬鹿な!こんな事が出来る奴なんていない・・・・・・?!)

「どうしたんです?随分痛がって。今まで貴方がしてきた事ですよ?」

「ああ・・・お、思い出した・・・うう・・・ニュースで・・・神出鬼没の、殺人鬼・・・・・・か、


             『 か ま い た ち 』・ ・ ・ 」


彼の名の由来は、運良く息絶える前に保護された、被害者の一人の証言だ。
『帰り道、暗がりの道に人がいた。巨大なナイフを取り出し、何が何だか分からない内に私を切り刻んだ。
 確かに、私とあいつの距離は、2m以上あったはずなのに・・・』
被害者はそのまま病院へ搬送する途中で亡くなった。
その後、彼の右手と下半身は、2日後に警察署へ送られてきた。全て、無数の穴が開いた状態で・・・。

444 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/07(日) 02:07 [ gBIkkj.M ]
浅はかだった。身の程知らずだった。真の愚か者は、私だった・・・!
一昔前、テレビで連日騒がれていた、連続殺人犯。
その猟奇的な手口で、実に26人もの被害者を作り上げた、今世紀最悪最凶の魔物。
そんなイカれた奴を前に、武器を構えていたなんて。
男は相変わらず、ニタニタ笑ったまま私を見ている。
恐い・・・逃げ出したい・・・死にたくない・・・
そんな私の感情を全て見透かし、踏みにじるかのような目をしていた。

「人にその名で呼ばれたのは、何年ぶりになりますかね。
 表向きまじめな顔をしていると、餌に不自由しなくて助かりますよ」

来た・・・ナイフを構えた・・・
今度は見切る!そして逃げ出すんだ!
ドアの鍵は掛かっていない!ぶち破れば出れるはず!
見逃してたまるか!死んでたまるか・・・逃げるんだ・・・逃げるんだ・・・!

            スパッ

「え・・・?」

光が消えた。突然真っ暗になった。目を、やられた・・・!

「うがああぁああぁあ!!」

痛い!痛い!痛い!!!
見えない!恐い!今にもナイフが刺さろうとしてるんじゃないか?
次は何をされるんだ?どこに、逃げればいい?!
私の心は、恐怖と不安に取り付かれた。
正常な思考などもはや出来ない。
いやだ・・・私は、逃げて見せるんだ・・・

        コツ・・・

!!
足音がした。近づいてくる!

「うわあああぁぁああぁ!!」

私は無我夢中で走り出した。
出来るだけ遠くへ!出来るだけ遠くへ!
死にたくない!殺されたくない!

ドンッ!

?!
壁?壁に当たったのか?くそっ!
逃げられない!もう、どこに行けばいいのか分からない!

  コツ・・・  コツ・・・

あ・・・足音・・・来る・・・近い・・・殺される・・・
あのナイフが目に浮かぶ・・・あれに、刺されてしまう・・・

「ああ・・・いやだ・・・死にたくない・・・頼む・・・殺さないで・・・」

私は、泣くように哀願した。
両手を引き、体を守るようにして、命乞いをした。
恐怖で震えが止まらない。もういやだ。こんな事、もう沢山だ。
せめて、生きてここから出たい。
しかし、彼の答えは無常だった。

「・・・貴方は、そんな命乞いをしてきた被虐者を助けましたか?
 一度も無いでしょう?私もありません。
 何故なら、楽しいからですよね?そんな情けない、醜い奴の頼みを一蹴して、止めをさすのが」

「!! ぎゃぁぁぁああああああ!!もう、もうやめてくれええぇ!!」

また体を切られた・・・!
今度はどこを?何箇所?足?手?体?
分からない・・・全身に痛みを感じる。
その後も痛覚は広がっていく。
男が切っているのか?意識が機能していないのか?
もう、何も分からない。何も見えない。痛い。痛い。いやだ。死にたくない・・・ ・ ・ ・    。

445 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/07(日) 02:09 [ gBIkkj.M ]
暗闇の中に、誰かが立っていた。
私は聞いた。

「君は誰だ?」

しかし、そいつは答えない。
私はもう一度奴に聞いた。

「何故答えない?」

やっとそいつは答えた。

「待ってたわ」

振り向いたそいつは、顔の鼻から上の無い、さっき私が殺したしぃだった。

「もう離さない」

私の体は動かなかった。
頭から血を流し、首の折れ曲がっているチビや、グシャグシャの体を引きずるチビ、
右手の無い、体から血を流すしぃが、私の体を掴んでいたからだ。

私は、声dの限sに絶叫しtf ・ ・ ・






446 名前: 虐殺党・666号 投稿日: 2004/03/07(日) 22:44 [ 4oULC7Lg ]
俺は、虐殺が好きだ。何年経っても止めることはできない・・・。

今日、俺は「遊び」に出かける予定だ。今日は珍しく仲間を連れて。
「今日は何しにいくモナ?」
俺の小さい頃からの親友、モナーが言った。俺は今日、モナーを家に呼び出した。
「決まってんだろ、しぃで『遊ぶ』んだよ」
俺は答える。モナーはそれを聞いて、ニヤリと笑う。
「それは楽しみモナ!何匹殺るモナ?」
「実はな・・・昨日、町外れの森でしぃ共の集落を見つけたんだよ・・・」
「本当モナ!?早く行くモナ!!」
モナーの目はキラキラ輝いている。よっぽど楽しみなんだな・・・。
「まあ、そう焦るな、まずは武器だ。・・・さあ、何にする?」
俺はバッグから、愛用している虐殺用の武器をすべて取り出した。
「すごいモナ!ナイフ、手裏剣、メリケンサック・・・何でもあるモナ!」
驚くのも無理はないな・・・コイツ、虐殺で自ら手を下すのは、初めてだからな
「よし、コレと、コレモナ!!」
モナーは、出刃包丁とナイフを選んだ。初めてにしては、上出来だ。
「決まったか・・・なら、出発だ!!」
俺は、ハンマーとメリケンサックを選び、モナーと共に、森へ向かった。
数十分後、俺達は森の中にある、しぃ族の集落の近くまで来ていた。
「さぁて、どうしようかな・・・ん?」
「どうしたモナ?」
「向こうから、声が聞こえる・・・チビ共だ」
「チィチィ、コッチデチュヨー!」
「マッテクダチャイヨー!」
鬼ごっこでもしているのか?まあいい、声を聞いただけでも吐き気がする・・・
俺は、二匹を捕獲した。ダッコしろだの、虐殺厨だの騒いでいる、ああうざい。
「おい、モナーその二匹、黙らせとけ」
「OKモナ」
モナーは素早く二匹のベビしぃを、自分のバッグに詰めた。
「よし、そいつらは後で殺すから・・・一暴れしてくんぞ」
俺達は集落の中へと入って行った。

447 名前: 虐殺党・666号 投稿日: 2004/03/07(日) 22:44 [ 4oULC7Lg ]
集落の入り口にいたしぃが、俺達に気づいた。
「ナ、ナニ!? ココハシィシカハイッチャキケナ・・・」
ゴシャッッ!!
しぃの言葉は、俺のハンマーによって途切れた。頭の潰れたしぃの死骸が転がっている。
辺りの空気は、一瞬にして凍りつく。次に、しぃの叫び声が聞こえた。
「ギャクサツチュウヨ!! タスケテー!!」
俺は、ニヤリと笑みを浮かべ、静かに言った。
「おい、モナー・・・」
「モナ?」
「存分に・・・殺すぞ・・・!」
俺達は、逃げようとするしぃ共に、駆けていった。
あれから、2時間は経っただろうか。
俺はメリケンサックを付けた右手で、しぃの脳天をカチ割りまくった。
「面白いモナ!虐殺って最高モナ!!」
モナーはしぃの生首を片手にぶら下げながら、興奮気味に言った。
「だろ?さて、お次は・・・おっと、コイツは楽しめそうだ」
俺が次に選んだのは、妊婦のしぃだった。
「オナガイ、ウマレソウナノ、タスケテ・・・!」
苦しんでる姿を見て、俺の虐殺の血が騒ぎ出してきた。
「・・・産まさせてやるよ・・・肉の塊をな!」
ドゴォッ!!

448 名前: 虐殺党・666号 投稿日: 2004/03/07(日) 22:45 [ 4oULC7Lg ]
俺はしぃの膨らんだ腹めがけ、ハンマーを振り下ろした。もちろん、手加減して。
「ギャァァガァァガァ!! シィノベビチャン、シンジャウゥ!!」
ドゴォッ!!
膨らんだ腹にもう一発、力をいれてハンマーを振り下ろした。
「ウッ・・・ガァ・・・ハァ!!」
どうやら今の衝撃で、しぃは子供を産み落としたようだ。
しかし、産まれたのは、原型をとどめていない肉の塊だった。
「シィィィィ!! シィノベビチャンガァァァ・・・」
しぃはそのまま、倒れた。ショック死というヤツだろう。あぁ弱っちい・・・。
さて、残すところしぃは後一匹のようだ。どうしてくれるか。
「さぁ、殺っちゃうモナー!!」
「シィィィ!! ホカノシィハ、ドウナッテモ、イイカラ、シィダケハタスケテー!!」
「もうテメェしかいねぇんだよ、この知障が!!」
すると、モナーがバッグから、先程捕獲したベビしぃを取り出した。
「こいつらはどうするモナ?」
「アァ!、ソレハシィノベビチャンヨ!! カエシテェ!!」
「コイツは面白いことを聞いたな・・・よぉし!」
俺の頭に、唐突にいいアイデアが浮かんだ。
「そんなに返してほしけりゃ、取り返してみろ糞蟲!!」
そういって俺はベビしぃを抱え、走り出した。
「シィィィィ!! マチナサイヨォ コノギャクサツチュウ!!」
親しぃが必死で追っかけてくる。ああ愉快だ。
「そーら、これでもくらいな!」
俺は右手に抱えていたベビしぃを、親しぃの足元に全力で投げつけた。
「ママー! コワイデチュヨー!! チィィィィィ・・・!! ママ! マ・・・グゲェッ!!」
ベビしぃは宙を舞い、走っていた親しぃの右足に激突し、内臓をぶちまけながら、死んだ。
「ハニャ!? シィノベビチャンガァァァァ!! アァァァァァ・・・」
親しぃは、失禁しながらグラリと倒れた。コイツもショック死か・・・精神まで脆いな・・・。
俺は残った一匹の首の骨をヘシ折り、殺した。あーホント脆い・・・。


「いや〜ホントにモララーは凄いモナ!」
「いや、あれくらいどーってことねぇよ。お前だって初めてにしてはやるじゃん」
「明日からはもっとがんばるモナ!!」
帰り道、俺達は笑いながら歩いていた。気づけばもう、朝だった。
俺達は一晩中、虐殺を楽しんでいたのか・・・。時間を忘れてしまうほど、虐殺は楽しい。

これだから・・・虐殺は止められないな・・・。
俺は心の中で、そう思い続けた。

449 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/08(月) 16:05 [ 03AD7kn2 ]
>>441続き
姉ベビの様子を見に行った。
相変わらず苦しそうに顔をゆがめ、うなっている。

「チィィィ・・・ポンポンイタイィ・・・」

いいもだえぶりである。やっぱり糞虫はこうでないと面白くない。
しかし同時に、妙なことに気がついた。
腹がはち切れそうになっているはずなのに、ゲロや糞を漏らしていないのである。
口はふさいであるからゲロは吐かないとしても、なぜ糞を漏らさない?

ベビに問いかけてみる。

「ねぇベビちゃん、どうしてウンチしないんだい? もしかして便秘かい?」

ベビは弱々しく答える。

「マァマガイイッテイウマデ ウンニョシチャダメダッテ チィニイッタノ・・・」

・・・・あの母しぃ、スカトロしぃでもあったのか?
おそらく、ベビの糞を10日ぐらいため、そこで一気に浣腸でもして
糞を出し、喰うつもりだったのだろう。
母親はアフォに加えてスカトロ・・・か。

そうこうしているうちに、ベビの様子がどんどんおかしくなる。
腹の音も私が聞けるくらいゴロゴロいいだし、
それに伴って、ベビの顔色も悪くなる。悲鳴も大きくなる。

「アニャァァァ・・・!! ポンポンイタイヨゥ!! モウチィガマンデキナイヨゥ!! タチュケテッ・・・!!」

このままほっとくと確実にベビ死ぬな。腹ン中の糞がはじけて。
そうでなくとも、便秘の糞が内蔵ごと腐ってあの世行きだ。
さて・・・となると、そろそろあの「試作品」を使うときが来たようだ。
まさかお母さんと同じ末路をたどることになるとはねぇ・・・。
とても楽しみだよ、ベビしぃに試すのは初めてだからね。ハハハハ。

私は「試作品」を取りに、姉ベビを監禁している部屋を出た。
(妹ベビは別の部屋に閉じこめてある)
              続く

450 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/08(月) 16:39 [ 03AD7kn2 ]
>>449続き
私は「試作品」やその他の小道具をカバンに入れ、次に姉ベビを外に連れ出した。
室内でやると、どうなるか目に見えているからだ。
近くの公園に来た。ここは昼間でも人気がない、絶好の場所だ。

私はカバンから「試作品」を取りだした。
それは、色が黄色で、太さは鉛筆を6,7本束ねたくらい、
長さは15センチ強で、
表面には刃のようなスパイクがいくつもついている。
まぁ童話に出てくる鬼の金棒を小さくしたようなものだ。

いよいよこれを使うのだ。
これを使ったときのベビの表情を想像すると、思わず笑えてくる。
ベビもそういう雰囲気を感じ取ったのだろうか、逃げ出そうとしている。
私はそんなベビを優しく掴んで、言った。
「ベビちゃん。怖がらなくてもいいんだよ?
これから僕はただ、ベビちゃんの便秘を治してあげるだけなんだから。」

しかし、今回は説得できなかったようだ。ベビはますます怯えだした。 
それもそうか。 
水たまりに映った僕の顔、まるで悪魔が笑ってるみたいだったもんなぁ!

姉ベビはもはや逃げ出そうとして、暴れ初めている。
私はベビを掴む力を強くする。

・・・・やれやれ、おとなしくしてたほうが楽なのに・・・。しょうがない奴だ。 
暴れるなら仕方がない。より痛い思いをしてもらおうか!

私はベビの肛門に、「試作品」を差し込んだ・・・・。
            続く

451 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/08(月) 16:43 [ 03AD7kn2 ]
>>450続き
肛門に入れた直後に

ア ギ ャ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ! ! !

母親顔負けのでかい悲鳴だ。それもそのはず
棒(試作品)の直径は肛門のそれより大きいのだから。
更にスパイクが直腸壁をずたずたに引き裂いているのだから。

HAHAHAHA! 実に愉快だ!
そんなに気持ちいいかい ベビちゃん?
それじゃぁセ○ースの時みたいに動かしてみよう!
もっと治療が効果的になるよ!

上下に棒を動かすと、ベビの悲鳴も一層大きくなる。
そりゃ当然、直腸壁が更に激しく傷つけられているのだから。

「アギャッ! ギャッ! モウヤメ・・・ ナッコ・・・グギャッ!!」

ふふふ、ベビちゃん、悪いけどこれからもっと痛くなるよ?
この試作品の真価が発揮されるのはこれからなんだから!

その言葉通り、数分後、ベビの悲鳴や苦しみ方が急に激しくなる。
別に今まで通り棒を上下に動かしているだけなのに。
棒の「真価」が現れ始めたのだ。

種明かしをすれば、この試作品の名前は
「カラシの虐待アイスキャンディー」なのだ。(オリジナル)
虐待の定番「肛門練りカラシ」をアレンジしたものだ。
作り方は、カラシを少量の水で溶き、型に流し込み、冷凍庫で固める
という とてもシンプルなもの。
ただそれだけのシロモノなのだが、これがなかなかのものなのだ。
まず言うまでもなく、スパイクが直腸を引き裂く。
この時点で、大概のベビは狂ったように泣き叫ぶ。
そして追い打ちをかけるように第二の効果が現れる。
ベビの直腸温度で溶けたカラシが、直腸の傷にしみこむのだ。
これはただ肛門にカラシをぶち込むよりも数倍の苦痛を与えることができる。
冒頭の、チビギコやこの双子の母しぃで既に証明済みである。

そうそう、母親しぃには肛門だけじゃなくて、マソコにもプレゼントしてあげたんだっけ。
それもケツより入りそうだったから、スペシャル・バーを。(ガバガバだったからな)
(スペシャル・バー= カラシ、唐辛子、ワサビ、塩、の虐待アイスを一つに会わせたもの。
当然太さも4倍 苦痛も4倍)

あの母親、血と糞をこれでもかというくらいまき散らしてのたくってたっけ。
最後にゃ下半身吹っ飛んでたっけ。糞の噴出で。
アッハッハ! 今でもあの光景が目に浮かぶよ! サイコーだよ! このアイス!
(でもこれスカトロレースには使えねぇんだよなぁ。惜しいことに。
上に書いた通り、刺激が強すぎるのかスパイクのせいか知らんけど、いっつもケツの穴が
バリバリと巨大な切れ痔みたく割れて、その結果噴出時にあぼーん。レースになりゃしない。
これさえうまくいきゃぁ、商品化のめども立ったのに・・・・。クソッ)

そんなことを考えていると、姉ベビの様子がおかしい。 限界のようだ。
やれやれ、ここまでは楽しいんだけど、こっから先は糞まみれになる危険性大だからな。 
後は押しつけるか・・・・。

そういって、私はカバンの中からあるものを取りだした。
他でもない、妹ベビだ。
(アフォな妹ベビちゃん、汚れ役はよろしくね♪)
                  続く

452 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/08(月) 16:46 [ 03AD7kn2 ]
>>451続き
カバンから取りだしたとき、妹ベビはこれ以上ないくらい怯えていた。
目をギュッとつむり、体を丸めてガタガタ震えている。

やれやれ、脅すとよけい動かなくなりそうだな。要説得か。

早速昨日姉にしたような無理矢理なこじつけ説得を始める。

「ベビちゃーん。悪いけど、ちょっとお手伝いしてくれないかな?」
気持ち悪いくらいの猫なで声で言う。

「・・・・・アニャァ ・・・・ナァニヲ?」

「お姉ちゃん便秘だってことは知ってるよね。で、今から治療を始めるんだ。
お姉ちゃんのお尻に棒が刺さっているのが見えるかな? 実はあれ便秘のお薬でね
ベビちゃんに頼みたいことっていうのはあの棒を動かすことなんだ。
あのお薬は動かすと効果が出るんだけど、僕が動かすと、ちょっと強すぎるみたいでね、
ベビちゃんならちょうどいい力加減ができるだろ? 頼むよ、ベビちゃん。
お姉ちゃんを治せるのはベビちゃんだけなんだよ!
・・・あぁ、それとね、動かしてるとお姉ちゃん痛がるかもしれないけど、それは仕方がないんだ。
お姉ちゃんの便秘はとてもひどくてね、強いお薬を使わないと治らないんだ。
さぁ、やってくれるよね?」

しばらく黙ってうつむいた後・・・

「・・・・・・アニャァ! チィニマカチェナチャイ! チィガンガイマチュ!」

・・・・少しは疑うって事を知った方がいいよ、ベビちゃん。(苦笑)

妹ベビによる、姉ベビの治療が始まった。(いや、拷問と読んだ方がいいかな?)
妹はこれでもかといわんぐらいに姉の肛門の棒をグリグリと動かしている。
すぐそばで姉が狂ったように泣き叫んでいるのに。

「アギャァァァァ!!! ヤメテ!! ヤーヨゥ!! モウヤメテェ!! オナガィィィィィ!!!!」

「オネエチャン! モウチョットダカラ! モウチョットデベンピサンナオルカラ! ガマンチテ!」

全く、こうまで一途にやっているのを見ると、微笑ましくなってくるよ。
そんな治療法、嘘に決まっているのに、疑いもせず必死に信じて・・・・
そんなに君はお姉ちゃんが大事なんだねぇ。
本当に君たちしぃ族は、単細胞で救いようがないね! HAHAHAHA!
・・・・おやおや、頼んでもいないのに、治療を強化してくれている。手間が省けるよ。

ベビ妹の「治療」は激しさを増している。
棒を上下に動かすだけでなく、ぐるぐると横に回し始めたのだ。
グチャグチャ ミチミチ と嫌な音がする。
姉ベビの悲鳴もそれに乗じて大きくなる。

「ヴァァァァァッ!! ヴァァァァァッ!! ママァ タチュケテェ!! ナコ ナッゴォォォ!!!」

「アトチョット・・・! アトチョットダカラ・・・!」

・・・直腸壁、絶対巻き込まれてるね、スパゲッティーみたいに。
だって見てると、何か妹ベビちゃん、棒回すの重そうだもん。
まだ死ぬなよ お姉ちゃん♪
             
「・・・・さて、そろそろ時間だな。」
「治療」が再会されてから、10分くらいたった。
姉ベビの腹の音も数メートル離れていても聞こえるくらい大きくなっている。
体のふるえも、もはや痙攣といえるほど激しくなっている。

母親しぃでも、下半身が破裂したんだ。
あれだけ腹の中に糞が詰まっている場合、一体どうなるのだろう?
ドキドキドキドキ・・・・・

そうやって見守って(?)いると、妹ベビも腕力が限界に来たらしい。

「チィ モウオテテツカレタカラ コンドハアンヨデウゴカチュヨ!!」

なんと蹴りを入れ始めた。
この行動はまさしく起爆剤に等しい行為だった。
よって次の瞬間・・・・・
               続く

453 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/08(月) 16:54 [ 03AD7kn2 ]
>>452続き
 
ブ ッ シ ャ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ! ! !

まるで缶コーラを振って開けたときのようなすさまじい音と勢いで、
姉ベビはねずみ花火のように糞をまき散らした。

わずか3秒にも満たない時間のことだったが、その後も私はしばし呆然としていた。

やっぱりあれだけ詰まってると違うねぇ ものすごいよ、これ。

感動すら覚えた。


私が呆然としている一方、ベビたちは大変なことになっていた。

まず妹は、言うまでもなく姉の糞に飲み込まれた。
更にその中には、便秘故に、石のように固まった糞が大量に混じっていたため、
それらによるダメージで妹ベビは全身を骨折した。
体のもろいベビしぃがくらったこのダメージは、
人間に換算すれば土石流や雪崩に巻き込まれたダメージに等しいのだ。


またもう一方の姉の方は、下半身どころか、上半身 アバラまで吹き飛ばされていた。
肺と心臓はまだ機能しているようだが、もうほとんど、虫の息だ。
苦しそうに息をしている。

こんなになっても、まだいきてるのか。
苦しいだろう? 楽にして・・・・ん?

なんと、妹が姉の方ににじり寄ってくる。何という根性。
お姉ちゃんお姉ちゃんと連呼しながら。

・・・・・
ようやく妹が姉の元にたどり着いた。感動の再会ってやつか? これ。
なにやら妹が懸命に話しかけている。

妹「オ・・ネェチャ・・ ダイ・・ジョ・・ブ? チッカイ・・・チテ」

姉「・・・・・・・・・・チュウ・・」

妹「エッ・・・ナァ・・ニ? ナン・・テ・・イッタノ・・ オネエチャ・・」
 
姉「コノ・・・・・・・サツチュ・・・」

妹「ナァ・・ニ? チィ・・・キコエ・・ナァイ」

姉「コノギャクサツチュウ」

妹「エッ・・・・?」

姉「コノギャクサツチュウ!!」
 
瀕死の姉が、力を振り絞って叫ぶ。
おやおやおや? 予想外の展開になってきたな。
               続く

454 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/08(月) 16:57 [ 03AD7kn2 ]
>>453続き
妹「エッ・・・? ナ ナァニ? チィ ギャクサツチュウナンカジャ ナイヨ?」

姉「ナニ イッテルノ・・・イッショニ・・・ゴホッ! オネエチャンヲ・・イジメテタ・・グフッ!! ジャナイ!!
  アッチノ・・アノ・・・ゲボッ! ニンゲンノ・・・ギャクサツチュウト・・・イッショニ!!」

おそらく先ほどの「治療」のことだろう。
こっちも見ていて少し寒気がしたからな、あのベビ妹の「治療」。

妹「ソ・・ソンナ・・ ア・アレハオネエ・・チャンノ・・ベンピサンヲ・・・
ナオス・・ナオスタメニ・・ヤッタンダヨ?」

姉「ウチョヨ!! ソンナ・・ハズ・・・ナイモン!!
  チィ マエモ・・・ベンピサン・・ナッタ・・ケド
  マァマハ・・・・・モット・・・ヤサシク・・ヤッテ・・・クレタモン!!! ゲホッ! ゴボッ!」 

そりゃ当然だ。僕と奴らの母しぃじゃ目的が違うからな。
僕は虐殺 あっちはベビの腹の中の糞だもんな。
僕は別にベビが死んでも一向にかまわんけど
母(スカトロ)しぃにとってみりゃ、ベビは貴重な食料生産機だもの
手荒に扱うわけないじゃん。
そんな簡単なことも区別できんのかね、こいつらの脳味噌は。
・・・・・・おっ そろそろ断末魔か。

妹「オネエチャン・・・・! チガウヨ!!
  チィ ホントニ・・・ホントニ・・オネエチャンニ・・ゲンキニナッテ
  ホチカッタ・・・ダカラ・・ヤッタンダヨゥ!!
  ダカラ・・・チィノコト・・シンジテ・・・オナガイ・・・!!」
  チィ ギャクサツチュウナンカジャ・・・ナイヨウ!!

姉「ギャク・・サツ・・・チュウ・・コノ・・ギャクサツチュウ・・!!
  ゼッタイ・・ゼッタイ・・・ユルチャナイ・・・!! ゲボッ!! 
  アンタナンカ・・モウ・・キョウダイ・・ナンカ・・ジャ・・ナイ・・!
  マターリノ・・クニ・・カラ・・モ・・イッチョウ・・・イッチョウ・・・ウランデ・・・ヤ・・ル・・・・・
  ・・・・・・・・・・ガハァッ!!!!!」


あ、くたばった。
ははは、聞く耳持たずか。ま、仕方ないか。瀕死だったんだし。
それにしても、僕もさんざん虐待したのに恨まれずにすんだよ。ラッキー!
しっかし何だ?「マターリの国」ってのは。
まぁ多分、天国の意味なんだろうけど。

・・・・・さてと、いいもん見れたし、そろそろ帰るか。なぁ妹ベビちゃん?
君とはまだ遊び足りな・・・・・あれ?

「オネエチャ・・・ウチョ・・ヨネ・・?
 チィ・・・ギャクサツチュウナンカジャ・・ナイヨ?
 デモ・・オネエチャ・・チィニ・・オコッテタ・・
 チィ・・アヤマラナクッチャ・・マターリノクニニイッテ・・・アヤマラナクッチャ・・・」

ブシュッ!!(妹ベビ、喉を姉の骨の破片で一突きで貫く)

あーーー!! このバカヤロー!!
自殺なんかしてんじゃねぇぇーーーー!!!
まだてめぇは嬲るつもりだったのにーーー!!
ちきしょぉーーー!!!



夜、私は一人でテレビを見ながら考えていた。

「まったく、あの姉妹ベビは惜しかった。少し目を離していたばっかりに・・・!
・・・・まぁ、いい。どうせ今から悔やんだところで戻ってきたりはしないしな。

・・・・・それにしても、あのベビども、なかなかいいデータを提供してくれたな。
もう少し改良すれば、今度こそ売り込みができるぞ!
今度こそあの店主が驚くようなものにしてやるぞ!!
よーし、明日はとりあえず実験台を見つけにいくか!」 
今度は何で試そうかな? ベビギコにしようか、それともチビしぃにしようか・・・・。

ベビ姉妹のことなど忘れたかのような晴れ晴れした気分で、私は寝床に向かった。
今夜は、いい夢が見れそうだ。
                終わり

455 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/09(火) 13:17 [ c8TlV4hc ]
俺はギコだ。
どこにでもいる、普通のギコ猫だ。
驚くかもしれんが、俺はしぃと結婚している。悪名高いあのしぃ族と。
うるせぇよ。今考えるとあのころは頭に霞がかかってたんだ。
だからアフォしぃでも天使みてぇに見えちまったんだよ、ゴルァ。

まぁ当然、俺の女房も天使どころか、まともですらなかったんだ。アフォしぃなんだから。
まともなしぃなんかいやしないこのご時世だからな。当たり前か。


で、あの馬鹿(女房しぃ)のまともじゃないところってのは、
アフォである点、こっちはまだいい。
問題は、それに伴った異常な浮気癖なんだゴルァ。

最初はしぃ族だから仕方ねえか、って見て見ぬ振りしてたんだよ。
そしたらあの馬鹿、調子にのりやがって
浮気相手どもとそれ以上に頻繁に、堂々と会うようになりやがったのさ。
(ちなみに複数いたんだよ。相手が。)

さすがに俺も怒ってな、何度殺してやろうと思ったか。でもな、だめなんだよ。
ただ殺すだけや、セオリー通りの殺し方じゃ、俺の怒りは静まらねえ。
あいつが苦しみ、後悔と絶望の淵にたたき落とされるようなものでないと・・・。


まぁそんな殺し方が一朝一夕に思い浮かぶはずもねえ。
だから、あいつに頼むことにした。
独身時代、一緒に虐殺をしまくった、あいつ モララーに・・・・。


ピピピピピ・・・・・ ガチャ

「HAHAHAHA!! モララーだYO!! で、誰だYO?」

「相変わらず変な出方をしやがるなゴルァ」

「おお、ギコかYO!! 久しぶりだな! で、何の用だYO?」

「お前に電話かけるっつたら用件は一つしかねぇだろ?」

「でも結婚してからはしばらく虐殺辞めるんじゃなかったのかYO?」

「それなんだがよ、そういうわけにもいかなくなったんだ。」

「ほーー どういうわけだ?」

「実はな・・・・」 経緯をモララーに話した。

「なーるほど。分かった分かった。」

「セオリーにない殺し方をしてえんだ。」

「HAHAHAHA!! お安いご用だYO!! 」

「それじゃあ頼むぜゴルァ。」

「OK!! じゃあ今からそっちに行くYO!!」
                   続く

456 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/09(火) 13:19 [ c8TlV4hc ]
>>455続き

ピンポーン

モララーが来た。

「他に誰かいないか?」

「俺一人だけだよ。さっさと上がってくれ。」


=ギコの部屋=

「で、どんなやつを持ってきたんだ?」

「これだYO!!」

モララーから渡された紙袋を開ける。すると中には・・・・。



コンドームが入っていた。

「・・・・・・なんだこりゃ? こんなのどこでだって手に入るぞ?」

「HAHAHAHA!! 早とちりすんな!! これでもちゃんとしたものだYO!!」

「しかしどこからどう見ても、ただの新品のコンドームだぞゴルァ・・・・。」

「だから早とちりすんなって!! まぁいーや んじゃ使い方教えるぞ。
まず、嫌だろうけどお馬鹿ちゃん(ギコの女房しぃ)を今夜セクースに誘え!!
どーせすぐに乗ってくるだろ? それしか頭にないんだし。

「いや、あっちから毎日誘ってきやがるから、誘う必要ねえよ。」

で、次に挿入の際、このコンドームをつけてくれ。
で、ここで注意! 装着する際には根本だけもって装着しろ!!
先っぽのほうに仕掛けがあるんだ。
でもって次に、先端に液体が溜まってんのが分かるだろ? そいつが仕掛けその2だ。
そいつを効率よく効かせるためにも、体位はバックでやってくれ!
後処理方法は、そいつをきれいに洗ってからはずして、捨ててくれ。」

「体位にも注文つけるのかよゴルァ・・・・」

「で、最後に忠告!! これを使ったセクースの後、
絶対にお馬鹿ちゃんとセクースするなよ!
仕掛けの効果は2日くらいたってから現れるからな!」

「頼まれたってやりたくねーよゴルァ! というより近づきたくもねーし。」

「それでいいんだYO!! で、何か質問は?」

「モララー まさかこの仕掛け・・・・毒とかじゃねーよな?」

「HAHAHAHA!! 自分で頼んだんだろ? セオリーに無いものを!
安心しろ! その仕掛けで直接死ぬことはねーからYO!!」

「じゃあ一体何なんだ? これ。」

「秘密だYO!! あらかじめ知ってると、面白さ半減しちゃうYO!!」

「確かに・・・・ じゃあ、早速今夜使ってみるぞゴルァ!」

「HAHAHA!! じゃあ2日後を楽しみにしてるYO!」

一体どんなことになるんだ? これ使うと。
まぁ今夜使ってみれば分かるか・・・・。
              続く

457 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/09(火) 13:23 [ c8TlV4hc ]
>>456続き

その日の夜・・・・。

「ネエ・・ギコクン・・・・」

「あん?」

「コンヤ・・・・シナイ?」

「いいぜゴルァ。」

「ハニャーン!! シィ トッテモウレシイーー!!」

やれやれ・・・これからコウビ虫とでも呼んでやるかな・・・・。


IN ベッド

「さて、そろそろか・・・・。」

モララーにもらった「例のモノ」の準備をする。

破いて広げてみる。 たしか根本の部分だけもって装着しろとか言ってたな。
ありゃ、ちょっと上の方(仕掛けその1)触っちまった。何かヌルヌルするな・・・。
まあ後で洗っときゃいいか・・・・。

さて、装着完了。後はバックで・・・・。
パコパコパコパコ・・・・・・


セクース終了後、モララーの忠告通り、つけたままコンドームを洗っていると、
先端がはじけていることに気づく。
いつの間に・・・・? まぁ、いい,それにしても2日後が楽しみだ。
一体どうなるのやら・・・・・。


朝になった。
特にしぃに変化は見られない。
効果が出るのは2日後だとか言ってたから、当然か・・・・。
早く効果の程を見てみたいものだ。

夜、またしぃが誘ってきやがった。 
日中もどうせやりまくってきたくせに!
モララーの忠告もあったし、第一やりたくなかったので断ると
虐殺厨だのなんだのとほざいてやがった。
ギコハハハ そんな大口がたたけるのも今のうちだけだぞ・・・・ゴルァ!!


2日目の朝

おいおい、全然様子が変わってねーじゃねーか。
どーいうことだよモララー!! 
急いでモララーに電話をかける。

「おいおいモララー! 効果が現れねーぞ!」

「当たり前だYO!! あれの効果が出るのは2日後は2日後でも、
 48時間後の意味なんだYO!!
 だから今日の夕方から夜にかけて効果が現れるはずだYO!
 今はまだ早すぎるYO!!」

「・・・・ああ、そうなのか。悪かったなモララー こんな朝っぱらから。」

「HAHAHAHA! いいんだYO!!
それよりも、異常が起こったらすぐ教えてくれYO!!」


その日は、まるで仕事にならなかった。
当然、何が起こるか楽しみで仕方がなかったからだ。
今までさんざん好き勝手やっていたあいつが、苦しむ姿を見れる日がとうとう来たのだ。
この日をどれだけ待ちわびたことか。

退社時刻。 同僚の誘いも耳に入らず、一直線に家に向かう。

あああ楽しみだ。 一体どんな顔して苦しんでいるんだ?
一体どんな顔してもだえているんだ? 
早く君のその顔が見たいよ。

はやる気持ちを抑え、俺は家のドアを開けた。
                 続く

458 名前: 虐待虐殺物語④ 投稿日: 2004/03/09(火) 17:10 [ YvNVrrPw ]
四月、麗らかな日差しと、心地良い風が吹く優しい季節。
とある町の小高い丘の、桜の木の下に、小さいダンボールがあった。
其処に住んでいるのは、フサしぃと二匹のベビフサ。
まあ、俗に言う「アフォしぃ」と言うヤツである。
子供を生んでから、直ぐここに引っ越してきた。
これが、彼らの言う「マターリ」と言う物らしい。
しかし、そんな平和は、長く続かない。


「マァマーオナカチュイター」
一匹のベビフサがこう言った。
それに釣られて他のベビフサ達も一斉に腹が減ったと言う。
一家の大黒柱のフサしぃは優しく微笑みかけこう言った。
「イマカラ タベモノ トッテクルカラ、マッテテネ」
この言葉にベビフサ達は納得したらしく、静かになった。
そしてフサしぃは食べ物を取りに、町に出かけた。
  

フサしぃが町のゴミ置き場についた時は、昼下がりになっていた。
「ハヤク ベビチャン ニ オイシイ タベモノアゲナクチャ」
そう呟き、ゴミ置き場の袋を開けていく・・・
しかし中には、ペットボトルや瓶などしかなかった。
「タベモノガナイヨウ・・・」
フサしぃが困った声を上げる。
しかし、フサしぃは直ぐに「ある者」を見つけてしまう。
「ア・・ゥゥ・・」
でぃだ、しかもその手には、真新しく、大きいパンが握られている。
これはチャンスと思ったフサしぃは、有無を言わさず、でぃを後ろから蹴り飛ばした。
「キィィィッ!!!」
でぃはバランスを崩し、前に倒れた。
フサしぃはパンを奪い取ると、でぃに蹴りを入れながら、こう言った。
「キタナイ「ディ」ナンカガ ナニパンナンカモッテンノヨ!!!」
でぃは必死に体を丸めながら、痛みに耐えている、そしてかすれた声でこう言った。
「アゥゥ・・・ベビチャ・・・ニ・・・ゴハン・・ヲ」
コレを聞いた時、フサしぃは真っ赤に怒って、そばにあった瓶で、でぃの頭を殴った。
「ギィィィィッ!!!!」
口から血を吐いて、でぃは悶え苦しんだ。
フサしぃの手の動きは、一向に収まらず、こう言いながら、でぃを殴り続けている。
「アンタ ナンカガ コドモ ヲ ウムジタイ イケナイノヨ!!!!!」
五分くらい殴り続けたとき、でぃは血を噴出し真っ赤になっていた、そして二、三回痙攣すると、そのまま動かなくなった。
フサしぃは、スカッとした気持ちで、ベビフサの元へ帰ろうとした、ところが・・・
「キョーモゲンキニシィーシィーシィー」
呑気に歌を歌っていると、後ろから途轍もない衝撃が来た。
「シィィィィ!?」
うつ伏せになって扱けたまま、後ろを見ると、鬼のような形相のモララーが居た。
フサしぃは真っ青になりながらも、こう言った。
「ナ、ナニスンノヨ・・・・」
この言葉を聞いた瞬間、モララーはこう言った。
「お前だろ・・・あの「でぃ」を殺したのはッ!!!」
フサしぃは、殺されると思い、必死に逃げようとしたが、モララーに、取り押さえられた。

         続く

459 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/10(水) 03:21 [ 8ZhTGBEo ]
「ァゥ・・・ビィチャ、ソレ、タベルナイヨ・・・」

「ゥビィ?」

暖かい日差し、緑の草の匂い、土のむせ返るような匂い。
しぃ保護センターからは、朝なのに騒がしい音を立てて数匹のしぃが、
走りよってくる。看護帽をつけている所から、ナースしぃだろう。
でぃとびぃの前まで走りよると、周りをきょろきょろと見渡して、
そそくさと二人をひきずり、しぃ保護センターまでとつれて行った。
いや、今やもう、しぃ保護センター跡地と言った方がいいだろうか。

「まったくもう!!二人はすぐに外に出て行っちゃうんだから!!」

珍しく全角を喋るしぃが、腰に手をつけ、ため息をもらした。
キラリと看護帽の中心にバッジがつけてある。
恐らく、このしぃがナースしぃ達のリーダーであろう。
今、でぃやびぃが多数都市内に徘徊している。
それは、最近のアフォしぃの増殖と、そのアフォしぃによる、集団的な虐待からきた
被害者であるしぃが、びぃやでぃとなるからだ。

「シィニアさン、そろそロ勉強会でスヨ」

「あぁ、ごめんなさい、コールト、今行きます」

しどろもどろに半角と全角を交えて話している所見れば、
恐らく、全角試験を受ける者だろう。
シィニア・ハーニィを始めとし、全角の喋り方を教える者が少なくとも
この世界には数人いる、まれに生まれてくる生まれつきの全角で喋るしぃだ。
その全角で喋るしぃ達は、まともに意見のなせるしぃに、
この全角能力を伝授する、勉強会が各地方で行われている。
そして少しずつその全角で喋るしぃを増やし、虐殺を避けて通り、
でぃやびぃの救出にかかりたいと願っている。

だがその願いはあまりにも甘すぎた。

「チョット!!やメてくだサい!!めいわクですカラ!!!」

「イイジャナイ!!シィフードクライアルデショ!!!ワケテクレテモイイジャナイ!!!」

「私タちもギリぎリで生活しテるんデス!!分け前なんてありマセン!!!」

「アナタモギャクサツチューノミカタナノネ!!!」

「違イます!!冷静ニなっテくだサイ!!!」

たまにこうやって団体でアフォしぃ達が押し寄せてくる事もあるのだ。
もちろん、彼女達にはこの看護施設の意味など分かってはいない。
ただのオンボロの無駄な土地だと思っているだけだろう。
自分達が、この先、ここの世話になるかもしれないという事を知らずに。
アフォしぃ達は、棍棒を振りかざした。

ドカッ!!!

「つゥゥ・・・ッ!!!」

「ハヤククタバリナサイヨ!!!!」

ドカッ!!!!

「やメテくだ・・・さイ・・・」

その一言が、コールトの最後の言葉だった。
熱い地面に顔を押し付け、土のむせ返る匂いを鼻いっぱいに吸い込み、
彼女は自らの赤黒いその液体に飲まれ、息を引き取った。

            続く・・・かも。

460 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/10(水) 12:56 [ ZyV5HHgI ]
>>457続き

家に入ると、何やら叫び声がする。
どうやら2日前の「あれ」の効果が現れているようだ。
俺はすぐに叫び声のする寝室へと向かった。

「シィィィィィッ!! シィィィィィッ!! シギャァァァァァ!!」

寝室に入ってすぐに目に入ったものは、
血まみれでのたくっているしぃの姿だった。
どうやら全身を爪を立ててひっかきまわしているらしい。
特にマソコ付近は目も当てられぬほどひどくズタズタになっている。


すごいことになってるぞゴルァ・・・・。
早速モララーに電話をする。

ピピピピピピ・・・・・ ガチャ

「HAHAHAHA!!(以下略)」

「おいモララー、なんかすごいことになってるぞゴルァ!」

「おお!! 出たか出たか! 効果が! で、どんな風に?」

「なんか全身をひっかきまくってるんだ。もう血まみれになってて・・・
特にマソコ付近が一番ひでえな。あのコンドーム、いったい何なんだ?」

「HAHAHA!! じゃあ教えてやるYO!! 
実はあのコンドームには、うるしの液をたっぷりぬっておいたんだYO!!
それもかなり濃縮したやつをYO!」

「何い! うるしぃ!? そんなもんがぬってあったのか?
ああ、だから手が少しかゆいのか!」

「HAHAHA!! だから触るなって言ってたろ?」

「でもそれがかえって良かったかもしれねえんだ。
俺挿入後もしぃの体触ってたからな。それで症状が全身に広まったんだ。
そのおかげで俺の手も軽傷ですんだしな。

あと、先端には何が入ってたんだ? やっぱりうるしか?」

「HAHAHA!! それだけじゃないYO!!
先端には漏れ特製の「モララー・スペシャル」
(一番濃度の高いうるし+ロイコトリエン(かゆみ増長物質))
を入れといたんだYO!!」

「またなんでそんなもんを・・・?」

「HAHAHA!! 一番苦しめることができるからだYO!!
 この「モララー・スペシャル」は、普通の射精同様、
 しぃの体の奥の方 子宮まで入るように作っておいたんだYO!!

体の奥深くが、もっともかゆくなる・・・・。 これが何を意味するか分かるかYO?
一番かゆいところをかけず、しかもその強烈なかゆみをずっと味わわなければならない・・・・
これ以上の苦痛があるかYO!? そうそうないYO!?」


「モララー・・・・ やっぱおまえエグイな・・・・。」

「HAHAHA!! 甘いYO!! こいつはこれで終わりじゃないんだYO!!
 念のために聞くけど、これ使った後もしぃちゃんは同じ生活を・・・?」

「ああ・・・・・・・ !? ということは!?」
                続く

461 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/10(水) 13:01 [ ZyV5HHgI ]
>>460続き

「そうだYO!! 浮気相手にもうつってるんだYO!! うるしはうつるからYO!!
 もちろんコンドームつけてなければだけどYO!
 楽しいYOー♪ 今頃全員ティムポちぎれるまでかきむしっているだろうからYO!!
 これで一網打尽だYO? ギコが殺したいって言ってた奴ら♪」

「でもこんなんで死ぬのかゴルァ?」

「なめてもらっちゃ困るYO!! 
 この「モララー・スペシャル」 かなり強力なんだYO!!
 実験で試したら、しぃは半数はかゆみで悶死して、
 あと半数はかゆみによるショックでキチになっちゃったYO!!」
 もちろん、男の方も同じくらいの結果が期待できるYO!!」
 
「なるほど・・・・。 じゃあ、あと俺がやらなきゃいけないのは現場の工作だけかゴルァ。」

「どうせしぃ族が殺されたって警察は動かないYO?」

「いや、男の方だ、男の。こっちはさすがに捜査の手が入るだろ。ごまかしとかないとやばいぞ。」

「でも複数いるんじゃなかったのかYO?」

「大丈夫だぞゴルァ。こいつの手帳によると、
 昨日今日はみんなで集まって乱交パーティーをやっていたらしい。こいつ主催で。
 男どもは会場で泊まったらしいから、全員いるはずだ。問題ねえ。
 あ、ちなみに女はこいつ一人だけみてえだ。悲しいな。」

「なるほど、なら安心だYO!!
さーて、もうこれでしぃへの「お仕置き」は終わったかYO?」

「ああ、色々ありがとな モララー。
これからもこういうことが起こったら頼むぜゴルァ。」

「HAHAHA!! お安いご用だYO!!
 じゃあな! あしたの朝刊を楽しみにしてるYO!!」



・・・・ガチャ

じゃあ、現場工作に行くかゴルァ・・・・。




翌日、新聞にはこんな記事が載っていた。

「男女5名が謎の変死! 局部からうるしが検出? 遊びからの事故か?」

などといったものだ。

俺が現場にした工作は、

うるしの枝を山の中からパクってきて、
そいつをしぃのマソコにねじりこみ、また引っこ抜いて、
現場にほかっておいたこと。

これだけだ。

これが思惑通りうまくいき、警察は

「おそらく、まずしぃがどこからか見つけてきたうるしの枝を使って、
好奇心からふざけてオナーニをし、その後でセクースに及んだ。
その時男にうるしがうつり、全員そのかゆみに耐えきれず、悶死した。」

と発表した。




「ちょっと無茶な結論だが、まあこれならバレずにすみそうだなゴルァ。」
 
朝刊から目を離して、微笑みながらつぶやく。

やっぱり、虐殺は最高だなゴルァ!!
あの苦しみ悶えている時のしぃの顔、サイコーだったぜゴルァ!
やっぱり俺、根っからの虐殺派なんだなぁ。やめられねーよ 虐殺。


まあ、当分はこの事件で俺の周りもマスコミがうるせえから、当分はやれねえけど、
すぐにみんな忘れるさ。この手の事件はしょっちゅう起こるからな。 
さーて、ほとぼり冷めたらまたモララー誘って、今度はもっと本格的な奴始めるか
今度は快楽のみでやりたいもんだぜ ゴルァ!!               
                  
                 終わり

462 名前: soso 投稿日: 2004/03/10(水) 16:20 [ 2GOEwRhc ]
初投稿です          
              血池料理店


アフォしぃの異常な繁殖により「虐殺・虐待禁止」廃止されたころ
アフォしぃ一日何百匹と虐殺され殺されつづけられたが
数は減り続けいない。

「畑荒らし、強盗・・あいかわらずアフォしぃの事件が多発してるモナ・・」
モナーが新聞の記事を見てため息をついている。
「確かに良しぃはともかく漏れ達でいくら殺しても増えるばかりだからNA」
モララーは包丁をとぎながら笑っている。
「モララー、包丁とぐ暇あったら職でも探すモナ」
モナーは心配そうにモララーを見た。
モララーは五ヶ月前ある有名な料理店からクビにされてしまったのだ。
そして職につがないで現在にいたる。
「俺にはもう料理の道しかなかったからな、もういいYO」
モララーは平気で笑った。
「漏れはアフォしぃを殺す以外なにもできない基地がいになったのSA」
モナーがため息をついて新聞を読んだら
一枚のチラシを見た
「あっこれモララーにイイ(・∀・)かもしれないモナ」
モナーはチラシをモララーに渡した。
「ん・・どれどれ・・畑荒らしのアフォしぃ狩り募集か・・か・・イイネ!(・∀・)」
「さてと漏れはそろそろ仕事に行くモナ、がんばれモナ」
と行ってモナーは会社に行った。
モララーは包丁をとぐのをやめ依頼人のほうへ行った。

夜になってモララーは茂みに隠れていた。
「ここらへんの畑にアフォしぃがくるのKA・・」
畑にくるアフォしぃがくるのを待った。
そして5分後・・
「キョウモゲンキにシィ〜シィ♪」
「ベビチャンモウソロソロゴハンタベレマスチュヨ」
「チィ♪」
「ナッコナッコ」
「ココノノウカノヒトハバカダカラキズイテイタイ、ホントニバカネ」
「2chノアイドルニフカノウナンテナインダカラ」
モララーの気配に気づかずにアフォしぃ達が畑にやってきた。
アフォしぃが三匹、ヘビがなんと七匹ぐらいいる。
「こいつらが畑荒らしKA・・」
モララーはニヤニヤしながら包丁を構えた。
「血祭りの時間DA・・」

続く

463 名前: 虐待虐殺物語④ 投稿日: 2004/03/10(水) 17:13 [ YudDFeH. ]
>>458続き

モララーはフサしぃに蹴りを食らわすと、こう喋り始めた。
「実は俺、でぃ狩りのバイトしてんだよ・・」
そして、フサしぃの顔に平手を食らわしながら、また喋る。
「折角の金蔓を如何してくれるんだよ!!」
この問いかけにフサしぃはこう答える。
「シラナイヨゥ・・・ハヤク ハナシテヨゥ・・・ベビチャンガオナカスイテルノヨ!」
コレを聞いた瞬間、モララーはパッと明るくなって、フサしぃの間接を逆に捻るとこう言った。
「そうか〜じゃあ、お前の家に案内しろ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
モララーとフサしぃがベビフサの目の前に来た。
「アニャ?オヂチャンダーレ?」
ベビフサが尋ねる。
するとモララーはニヤニヤしながらこう答えた。
「キミたちを僕の家に招待したいんだよ。美味しいご飯もあるよ!」
コレを聞くとベビフサ達は大喜びしたが、もっと喜んだのは、フサしぃだった。
「ナンダ、フサシィ タチニ ゴハンタベテモライタイダケ ナンダ!」
なんと言う勘違い!なんと言う自己中心的な性格!ここまで勘違いするとは、さすがしぃ族である!
そして、命知らずな御一行は、モララーの家へと呑気に着いて行った
続く

464 名前: soso 投稿日: 2004/03/10(水) 17:26 [ 2GOEwRhc ]
>>462 続きです  


「ソロソロゴハンタベレルワ」
「チイチイ♪」
アフォしぃ達はベビを抱え、喜んでいた。
よく見るとアフォしぃ達は荷物車を持っていた。
作物を盗むために持っていたのだろう。
どうせどこかの店で盗んできただけだろう
荷物車に「チイチイ♪」と音がした。
多分その中に数匹入ってるのだろう。
「アフォしぃを先に殺して置くかNA」
モララは茂みから行きよいよくでてきて。
「先手必勝!まずは耳もぎDA!」
先頭にいたアフォしぃの左耳をちぎった。
「シィィィィ!?」
先頭にいたアフォしぃはなにがなんだかわからない
アフォしぃ抱かれていたベビしぃが「オカァタン!」と叫んだ。
「シィィィィィィシィノオミミシイノオミミーー!!」
「ギャ!ギャクサツチュウダヨ!」
「ア…ア…」
先頭にいるしぃは悲鳴をあげ
その後ろにいるしぃは何いってるかさっぱりわからず
もう一匹は腰をぬかしている。
「じっくりと殺すKA‥」
モララーはいったん包丁を腹ポケット(!?)の中に入れたあと。
「ほらベビちゃんダッコしてあげるよ」
叫んでいたベビしぃは目を輝かせて
「ナッコナッコ♪」と状況を知らずに喜んでいる。
「ダ…ダメヨベビチャンダマサレナイデ…!!」
「うざいYO」
モララーは強引にベビしぃを取り上げしぃの首を蹴り上げた。
「シィィィィィィィィィィィィ!!」
しぃの首はどっかにとんでいった。
首なしのしぃの体は血を噴出しながら倒れた。
「チイ♪」
ベビしぃは自分の親が殺されたのもしらずにモララーに抱かれている。
「ベビちゃんそろそろ親の元に逝こうNE」
「チィ?」
ベビしぃは首を傾けた。
「バイバi〜♪」
モララーは片手で抱いているベビしぃの頭をわしずかみにして

コキッ

「ヂッ」
ベビしぃは首を曲げられ即死した。
「イ、イヤァァァ!!」
「コ・コノギャクサツチュウ」
突然一匹のしぃは怒りくるって抱いていた二匹のベビしぃをほうり投げ
モララーに襲ってきた。
ほうり投げられた2匹のベビしぃは地面に叩きつかれ、つぶれて死んだ。
「ギチィィィ」「ヂイィィィ!」
「本当にアフォだな、怒り狂って自分の子供を見捨てるなんてNA」
モララーは笑った。
「クラエ!シィパーンチ!」
モララーは胸ポケット(!?)から包丁を取り出し
包丁でしぃの片腕を斬った。
「シィィィ!シィノオテテー!」
「あれあれさっきの殺気はどこに逝ったのかNA?」
モララーは笑いながら包丁をしぃの胸に突き刺した。
「シィィィィィィィィィィィィィ!」
しぃは悲鳴をあげ絶命した
「さてと腰抜かしたしぃを…n?」
モララーの足元にベビしぃがダッコポーズをしていた。
「ベビチャン!ソノヒトノトコロニイカナイデ!」
「ナッ…」
グシャ
時はすでに遅かった。
「わざわざ ナッコ♪ 聞いているとうるさいかNA!」
「シィィィィィィイ!ベビチャァァン!」
モララーはしぃのところに近づいた。
残りの一匹のしぃは腰を抜かして逃げれなかった。
「オ・オネガイ…コノコタチダケデモ…」
しぃの後ろにいる二匹のベビしぃは怯えている
よくみるとちびしぃもいた
「はいはいわかったYO」
と言った瞬間
包丁でしぃの首を斬った。
「これでよしと、後は楽だNA」
モララーは二匹のベビしぃを荷物車に投げ込んだ。
そしてちびしぃは復活してください 復活してくださいとうるさかった。
「こいつはいらないNA」
モララーはいきよいをつけてちびしぃの首を蹴り飛ばした。
ちびしぃの首はふっとび転がっていった。
「これで漏れの任務は終わりだNA」
と荷物車の中をのぞいたら
さっきほうり投げたベビしぃと元からいたベビしぃが怯えている。
「合計で…5匹かそんなにいらないYO」
荷物車から1匹のちびしぃをつまみあげ捨てた。
そしてモララーは荷物車を引きずりながら
依頼人の元に行った。
捨てられたベビしぃはハニャーンチィチィと鳴いていたが。
その音を聞いた数匹のカラスがベビしぃを襲った。
そしてカラスがいなくなったあと
ベビしぃの姿はなかった。


続く
長くて虐殺少なくてスマソ

465 名前: soso 投稿日: 2004/03/10(水) 19:05 [ 2GOEwRhc ]
>>465続き  まだ題名と離れていますがそろそろです         
                      
                         血池料理店
モララーは畑荒らしのアフォしぃを殺した後
なぜか4匹のベビしぃだけを残し、家に持ち帰った。

モララーは家についた後4匹のベビしぃを
荷物車から取り出した。
ちびしぃ達はモララーに怯えていた。
「なにを怯えているのかNA」
モララーはニヤニヤしている
「オカアサン…」
「チィィ…」
「コワイヨウ」
「今日の報酬で電話料払えるからたからNA」
モララーは電話をしていた。
モララーは電話をしおわった後
ベビしぃのお腹が鳴った。
「チィィ…」
「オナカチィタヨウ…」
「ゴハン…」
モララーはコンビニで買った食パンを食べている。
「あー食パンウマー(゚д゚)いNA」
わざとベビしぃの目の前で食べている。
「チィィ…チィタチニモクダチャイヨ…」
ベビしぃは物乞いをした。
モララーは素直に
「しょーがーないなーぁわかったYO」
と言って食パンを一枚一枚ベビしぃ達に渡した。
「チィ!アリガチョウ!」
「オイチィ」
4匹とも喜んでいる。
ベビしぃは食べ終わったあとお腹が膨れている。
「ほーらベビちゃん抱いてあげるyoー」
そしてモララーはベビしぃを抱いた。
「チィ♪」
「チィニモナッコー」
「ナッコナッコー」
ベヒ達はとても喜んでいる。
「せいぜい短い楽しい時間を楽しめNA」
モララーはなにか企んでいた。
「これぐらいの大きさなRA…」

466 名前: soso 投稿日: 2004/03/10(水) 19:44 [ 2GOEwRhc ]
>>465

ピンポーン
ピンポーンピンポーン

「おっきたきTA。」
「お邪魔しまーすモナ。」
モララーの家に、モナーがやってきた。
「いい加減呼び鈴三回鳴らすのやめろYO。」
「別にいいじゃんかぁ〜、ってなんでべビしぃがいるんだモナ!?」
「フフ…そろそろ調理の時間だyo」
「あ、そうゆうことかモナ」
そしてお腹が膨れたベビしぃ2匹を縄でしばった
「チィ?」
ベビしぃはまだ首をかしげた。
「縛られてないベビちゃんは、少しそのお兄さんと遊んでNA。」
「チィ♪」
「ナッコー♪」
モララーはニヤニヤしていて、モナーは笑いをこらえている。
「さぁさぁ、遊ぶモナー」
2匹のベビしぃはモナーと遊んだ。
モララーは縄に縛られた抱いて、台所に連れてっいった。
「チィ♪」
まったく恐怖心のないベビしぃ達だった。
自分に悲劇が起こるともしらずに。
モララーはベビしぃを調理台に置いて、縄を解いた。
「チィ?」
「少し綺麗にしましょうNA」
モララーは一匹ベビしぃを粉でまぶした。
「ケホッケホッ」
「いやいや綺麗に見えるよベビちゃn♪」
モララーはベビしぃを持ち上げ
「次はお風呂ですYO」
油の100℃が入った天ぷら鍋の中に入れられた。
「チィィィィィィイ!?」
ジュゥゥと音がしている。
「アチュイ!アチュィヨォォ!ダサセテギャクサツチュウ!」
ベビしぃは天ぷら鍋にでもがいている。
「食パンもあげて抱いてあげたのに虐殺厨ってひどくないKA?」
「アチュイ…アチュ…」
「そろそろあげれるNA…」
天ぷら鍋からベビしぃを取り出した。
「ヂヂィ…」
あげられたまだ生きているがもう身動きできないだろう。
「ベビシィフリャアー、一個目完成だからNA!(・∀・)」
それを見ていたもう一匹のベビしぃが
「チィ!ヒドウヨウ! 2chノカワイイチィチャンヲ イジメナイデ!」
「さてと次は君の君の番だYO」
モララーはベビしぃを、掴んで天ぷら鍋に入れようとした。
「イャァ! タチュケテ!」
「うるさいNA」
コキッ
「ギヂィィ!?」
モララーはチビしぃの首をひねり殺した。
「おとなしくするんだNAってああ逝ったKA。」
モララーは死んだベビしぃを天ぷら鍋に入れた。
「叫び声ないからつまらないNA」
モララーは、ため息をついた。
モララーは口笛を吹きながらあげるのを待った。
そして、ベビしぃを天ぷら鍋から取り出した。
「ベビシィフリャァー、二個目完成だYO!(゚∀゚)」
モララーは少しアヒャしたが正気を取り戻した。
「ヂヂィ…」
一個目のベビしぃは、まだ生きていた。
モララーはベビしぃフリャァーを皿に乗せた。
「コショウ少々塩少々ソースをかけて完成だからNA♪料理名は肉体の墓だからNA。」
モララーはわけのわからない料理名をつけたあと、残り二匹の料理を考えた。
モララーは胸のポケットから包丁を取り出した。
「そろそろお前の出番だからNA」
モララーの握っている包丁は、それを答えるように、キラリと光った。

続く
うまく書けなくてスイマセン

467 名前: がるく 投稿日: 2004/03/10(水) 21:10 [ 5006R2ng ]
連続投稿行きます

「で、あんたは『事件の内容を知りたい』と?」
「えぇ、そうです」
持っていたバッグに力を込める
「・・・そうだな、あれは確か一昨日の夕方の事で・・・・」




「――――――――え?見た?見たって何を」
「そっそうよ、見たのよ!何かね、悲鳴とかね聞こえて行ってみたら・・・・」
ゾッと全身に鳥肌が立つ 思い出すだけでも嫌だ
「ナイフで刺してたのよ!身体を」

俺はちょうどその時、外にいてな。話を聞いてすぐ行ってのさ
そしたらよ、身体が真っ赤のしぃがいたんだ
急いで電話で警察に電話したのさ・・・・

「おい!出ろ!モナーか?!まだ生きてるようだが、虐殺事件だ!!色々引き連れて、すぐに来い!」
『は?ってか本当?!今行く!』

で、とりあえず今色々調べてるって訳だ



「その虐待されたしぃは今は・・・・?」
顔が少し蒼ざめ、微かに震えている
「今、モナーが病院に行ったさ」




・・・・板・・8番地区警察署

肝心の文字は金箔が剥がれ、錆びて読めない

ここの警察署はかなり歴史が古く、なんて書いてあったか自分でも忘れた
自分はその警察署の係長。ギコもそうだ

468 名前: がるく 投稿日: 2004/03/10(水) 21:11 [ 5006R2ng ]
「ココか・・・・」
上を見上げる なんとも中途半端な大きさの 病 院 
窓硝子に光が反射して眩しい

「ここにいると聞いたんだが・・・・」
カウンターに聞き、3階に向かう

ガタンと音がして扉が開く
それに乗り込み、3階のボタンを押す

乾いた音が耳に響く


ガタン
扉が開いた

早歩きで場所に向かう
確か・・・・
「209号室だったな・・・・」


荒っぽくドアを開け、軽く息を切らしながら入る
すぐ目の前のベッドにだけ人がいた
『シィ・メロカーナ』
名前は合っていた

肝心の本人は  酸素マスクをはめ、左耳に分厚い包帯を巻いてある

「あのー・・・主治医ですか?」
とそのしぃを見ていた医務服を着ていた同じしぃに聞くと驚いたように話した

「えっえっと・・・そうなんです」
「この人の具合は・・・?」
おずおずと聞く

「なんとか一命は取り留めましたヒャ・・・」
最後の方が何か発音が可笑しかったが気にしなかった
「でぃにはならないですよね?」

「はい、それは免れました」
「それは良かった・・・・」
ほっと胸をなでおろす
「じゃ、私はもう」
静かにドアを開け、ふっと笑う

469 名前: がるく 投稿日: 2004/03/10(水) 21:12 [ 5006R2ng ]
ドアに耳を当て、足音が遠のいていくのを確かめる
確かめているのはあの、しぃの主治医だ

「・・・・ヨシ、モウイイカ・・・・・」
首の辺りに手をかける
ベリンという小気味良い音とともに、しぃの顔・・・・・の皮みたいな物が剥がれた

「マッタク イヤダネェ・・・・アヒャヒャヒャ・・・・マ、アイツノタノミダシ」
体はしっかりとした桃色
でも顔は、淡い赤 
しぃとは反対の頬に、アスタリスクがある

「カラダニ、コンナキモイチワルイロヲ ヌルハメニナリヤガッテ・・・・」

隅っこにあったロッカーを開ける
中には 血だらけの死体
ピンが壊れた名札
その死体に刺してあったナイフを乱暴に抜き取る
血が音を立てて噴出す

その音でしぃが目を覚ました

「ハニャ・・・・ダレ・・・?ココドコ・・・」
ちょうど目の前には幅広いナイフを持ったつーがいた
「ヤレヤレ・・・オキナキャヨカッタノニ・・・・・コノアフォシィガ・・・」
それに反応してしぃが起き上がり、反論する
「ナニ?コノカワィィシィチャンガアフォデスッテ?コノ・・・・・・」


 精神異常者!

470 名前: がるく 投稿日: 2004/03/10(水) 21:13 [ 5006R2ng ]
その言葉につーが口元を歪める
「アヒャヒャヒャヒャ・・・・ヒトニハイッチャイケナイ、コトモアルゼ? アフォシィチャン」 
黒い血がこびり付いたナイフを投げ捨てる
「ナイフデテットリバヤク、スマセヨウトオモッタガ・・・・タノシマナクチャナ・・・」

荒々しくしぃが寝ていた毛布をめくる
「ハニャーーン!ナニスルノヨ!!コノコウキナシィチャンノ・・・・・・」
お決まりのような台詞を言い終わる前に、縫って閉じてあった腹の傷口を無理矢理こじ開ける
「アヒィッ・・・・!!」
そのまま腕を突っ込む
ずぶりを糸も簡単に入った 
しぃの腹の中は暖かく、柔らかだ
「ア"ニャァァァァァァァン!!?」
そのまま、そっとかき回す
さっきよりしぃが悲鳴を張り上げる
「イイネェ、ソノヒメイ」
法悦感に浸った表情
突っ込まれた所は、血が静かに垂れている

「ウゥ・・・・ゴファッ」
血を吐いた 量は少量だが、しぃは辛そうだ
さっきより激しくかき回す
ぐちょぐちょと気味が悪い音がする
きっと中はヤヴァいだろうなぁと妄想しながら
「ハヒィッアギャァッハニ″ァァアァァアァン!!!」
痛みと悲嘆の声  それとなく喘ぎにも聞こえる

それを聞いて、つーがそれはそれはこの世の幸せを全て味わったような顔をする
「サァーテ、ソロソロイキマスカ」
ぐっと手に力を込める
しぃは何をするかは分からないが何となくヤヴァいと思った

ちょうど、小腸の後ろの辺りをぐっと掴む
そしてそこを、力一杯引きちぎる
そのまま傷口から引きずり出す

声にならない悲鳴 
しぃは口からどばっと血を吐き出す 茶色く濁っている

つーは、指にねっとりとついた血を、舌で絡め取る
そしてそれをゆっくりと飲み干す

しぃは激しく身体が痙攣し、傷口や、口から途切れ途切れに血が出ている

そして、一度激しく痙攣してから意識を失った

しぃには、その時間は一瞬だったのにとても長く感じられた


「サテ、オイトマスルカ・・・・・」

そうなのだ しぃの悲鳴で数人の医師や、野次馬が駆けつけてくる
急いで走る音が、下の階から聞こえてくる

窓の桟に足を掛け、窓の上に手を掛ける
そのままするすると登っていき、屋根伝いに走り渡ってあっという間に姿が見えなくなった


続く

471 名前: soso 投稿日: 2004/03/11(木) 14:59 [ V6Zm4b.c ]
>>466  続き 連続投稿します
      血池料理店

モナーは、ベビしぃと遊んでいた。
モララーが、台所からもどってきた。
「うまく遊んであげたか?」
「あぁ、悲鳴が聞こえないように遊んであげたモナ。」
ベビしぃは遊びに集中して、台所で仲間の悲鳴が聞こえなかった。
「もう料理一品できたモナ?」
「それはとてもウマー(゚д゚)くできたYO。」
「それは楽しみモナ。」
ベビしぃは、あいかわらず「チィチィ」とか「ナッコ♪」言ってうざかった。
「さぁてと、一匹だけベビちゃんを連れて行くかNA。」
モララーは、そう言ったボールで遊んでいたベビしぃを、抱いて台所に連れて行った。
「チィ♪」
モララーに、抱かれているベビしぃは、何も知らずに喜んでいる。
「もうすぐ君のお母さんの所にいけるよ。」
ベビしぃは、お母さんに会えると聞いてとても喜んでいる。
もうとっくに、あの世に逝ったとも知らずに。
モララーは台所に着いた後、ベビしぃを調理台に置いた。
ベビしぃは、何も知らずに、ダッコポーズをしている。
「ベビちゃん、まず毛を刈ろうね。」
ベビしぃは、少し首を傾けている。
モララーは、ハサミを手に持っていた。
「バリカン持っていないから、ハサミでいいかな。」
モララーは、ニヤニヤしている。
モララーはベビしぃの白い毛を切っていった。
「チィ…」
ベビしぃは、切られた自分の毛を、見ながら少し悲しんでいた。
その時
「おっと、手が滑ったYO。」
ヂョキン
「チィィィィ!?」
ベビしぃの片耳が切られた。
「おっとゴメソ、ゴメン。」
モララーは、わざとらしくベビしぃの耳を切ったのだ。
「チィノオミミー!」
ベビしぃは、切られた自分の耳を持って泣いている。
「うーん、片耳だけだとアンバランスだからもう片方の耳も切ってあげるYO!」
モララーは、ベビしぃの耳を切った。
「ヂィィ! チィノオミミー!」
「HAHAHAHA!漏れはなんて優しいんだろう。」
モララーは、すこし基地外になりかけた。
「チィノ オミミ…」
ベビしぃは、切られた耳を付けようとしているが取れてしまった。
モララーは正気と取り戻した後、ベビしぃの毛を集めて、まとめてゴミ箱に入れた。
「さってと、毛は刈り終わったとこだし、そろそろ料理行くか。」
モララーは、大きな鍋を用意して、水を沸かした。
「チビちゃん、今度は糸で縛ってあげるか。」
「チィ!」
モララーはタコ糸を用意した。
ベビしぃは喜んでいた。
切られた耳をタコ糸で結んでくれると勘違いをしていた。
モララーはさっとベビしぃの体をタコ糸で縛った。
「さてと、そろそろゆだってきたかNA?」
大きな鍋に入っている水が沸騰している。
モララーは、冷蔵庫から野菜を持ってきて包丁で切っていった。
その後に、切った野菜を鍋の中に入れた。
「タマネギ、スパイス少々、コショウ入れた後、鳥ガラの代わりに・・」
モララーは、ベビしぃを持ち上げた。
「ベビちゃんお風呂ですよ!」
モララーはベビしぃを鍋に入れた後すぐに鍋にフタをした。
「チィィ!アチュイ アチュイヨ!」
「んー、悲鳴と香りがとてもイイ!!(・∀・)」
「タチュケテー!」
ベビしぃは助けを求めたが、モララーは、無視した。

472 名前: soso 投稿日: 2004/03/11(木) 15:01 [ V6Zm4b.c ]
>>471

「おお、うまくできたいるモナ」
モナーがベビしぃを抱いて台所に来た。
「モナー、後少しでできるから、待ってくれYO」
「ごめんモナ、台所からいい匂いがしてきたからつい来ちゃったモナ」
「チィィ!?」
モナーに抱かれているベビしぃは仲間達の無残な光景を見て泣いている。
「とりあえず、そのベビしぃを渡してくれ。」
「わかったモナ」
モナーはベビしぃをモララーに渡した。
「それじゃあ、漏れはテレビ見てる来るモナ。」
モナーは台所から出ていった。
「さってといい子にしてたかNA?」
モララーはニヤニヤしている。
「ヒドイヨ!チィノ ナカマ カエチテ!コノ ギャクサツチュウ!」
突然モララーは無表情になり、調理台にまな板を用意してベビしぃをまな板に叩きつけた。
「チィィィィ!?」
「チィチィうざいんだよ、材料のくせに」
モララーは包丁を取り出した。
そしてベビしぃを片手で押えて、包丁でベビしぃの手を斬った。
「チィィィ!チィノオテテェェ!」
モララーはベビしぃの手・足・耳など次々と斬っていった。
ベビしぃはほとんどダルマ状態だった。
「チィィ…チィアンヨ‥オテテ‥オミミ」
「だいぶ弱ってきたな、そろそろフィナーレといくか。」
モララーは包丁でベビしぃの首を切り取った。
「ヂィィィィィィィ…」
ベビしぃは絶命した。
その後、モララーはベビしぃの切り取った足や手などの部分を、綺麗な包丁さばきでスライスしていった。
まな板は、血だらけになっていた。
さばき終わったあと、皿に綺麗に盛り付けした後
「これでベビ刺身の完成っと…調理名は海の怒りだからな!」
わけのわからない料理名を付けて、満足している。
「そっちの鍋は煮えてかなぁ。」
モララーは、大きな鍋のフタ開けた。
そして、おたまで少しすくって飲んだ。
「ウマー(゚д゚)これならいけるな。」
「ヂヂィ…」
大きな鍋に入っていたベビしぃは瀕死状態になっている。
「まだ生きていたのか、君はもういらないよ。」
モララーは、竹串でベビしぃの頭に突き刺した。
「ヂィィィィィィィィィ!」
竹串に刺さったベビしぃは即死した。
モララーは、ベビが刺さったままの竹串を、ゴミ箱に捨てた。
「よしこれで調理終了だYO!」
モララーは三品の料理を持ってモナーの所に行った。
「モナー、料理できたぞ。」
「フォォォ、待っていたモナ。」
モナーは、腹が減っていたのか喜んでいた。
「さぁ食べるか。」
「いただきますモナ。」
モナーは、シィフリャァーを持って頭からかじった。
「香ばしくて、脳がウマー(゚д゚)」
カリッとしたと同時に「ギチィ…」とベビしぃが鳴いた。
「あれ、これまだ生きているモナ。」
「わざと生きたままあげたのさ、もう一匹は逝ったけど。」
「さすが元有名料理店の店員モナ。」
モナーは食べながら笑った。
「ベビ刺身も食べてみろよ、うまいぞ。」
「モナー…すごく盛り付けがイイモナ。」

数十分後、モナーとモララーのは、すべての料理を食べ尽くした。
「ごちそう様でした。」
「フォォォ…、お腹イパーイモナ。」
モナーは、膨れた腹をさすっている。
「相変わらずモララーは、料理得意モナ」
「まぁ、料理の腕さび付いていないからな。」
「これで料理店とか出せばイイと思うモナ…」
「料理店か…」
その時、突然モララーは立ち上がった。
「そうか!」
「ん…そうかって?」
「漏れの料理店を作ればいいんだYO!」
「モナ!?」
モナーは驚いた。
「ベビしぃなど使った料理を作ればいいんだ!」
「フォォォ!?モララーとうとう基地外になってしまったモナ!?」
「いや、正気だYO!もう決めたからな!」
モララーがいきなり料理店を作ると言い出した。
モナーは、ただお腹をさすって、唖然としていた。
「さっそく資金調達して店と土地手に入れるからな!」
モララーは、真夜中に家から飛び出して行ってしまった。
モナーは、モララーに放置プレイされていた。

続く
長くてスイマセン

473 名前: 虐待虐殺物語④ 投稿日: 2004/03/11(木) 16:05 [ yCxBl9hI ]
>>463続き
モララーの家の前に着いた。
モララーは玄関のドアを開けるとこう言った。
「まあまあ、マターリと入ってよ」
フサしぃ達が入ってゆく・・・


中は小奇麗で、一人暮らしの割には、綺麗であった。
「コッチがキッチンだよ、着いてきて!」
モララーが手招きした。
フサしぃ達が入っていく。
中はとても広かった。
モララーがこう言った
「ちょっと其処のベビフサちゃんに手伝って貰いたいな」
一匹のベビフサを指名した
ベビフサは「ワカリマチュタ!」と言ってモララーの元へとちかずいた。
モララーは、ベビフサを抱くと、包丁でベビフサの首を切った。
ズバァッ!
「ギャアアアアアアアアアアア!!!!!!イヂャーヨーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」
ベビフサは恐ろしい叫び声で叫んだ。
フサしぃは焦って
「ナ、ナニスンノヨ!!!!!!ベビチャンヲハナシナサイ!!!」
等とほざくが、モララーは動きを休めることなく、ベビフサの首の傷を持つと、一気に皮を剥いだ。
ビリビリビリッ!!!!
「ギュヂュビュウウウウウウウウヂュジュジウギュヂャアア!!!???」
もう既に声にならない奇声を上げた
モララーは、まだ包丁で、ベビフサを解体した。
一回斬るごとに、悲鳴を上げるところが、爽快感を誘う。
そして・・・・

    「ベビフサの生け造り一丁!ヘイお待ち!!」

料理が出来た、生もの料理が・・・
ベビフサはまだ、生きている。
「ァ・・・ゥゥ・・・イ・・チャ・・イ・・・」
フサしぃは、その変わり果てた我が子の姿を見て絶叫した。
「シィィィィィィィイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!ベビチャンガアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」
モララーは絶叫するフサしぃを取り押さえて、死にかけのベビフサを口に詰めた。
「アゴ・・・ア・・ァァァッ」
こう喘ぐとフサしぃは、気絶した。
もう一匹のベビフサは
「ア・・・ァ・・ァァァ・・・」
等と言って失禁していた。
モララーはこう言ってベビフサに襲い掛かった。
「次はお前だ!小便漏らした罰としてなぁッ!!」
「ァ・・・ァ・・・・・アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」
フサベビの悲鳴が、家中に響いた。

            続く

474 名前: Silent Blue 1/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:31 [ O1fTiyEo ]
そのモララーは、一匹のしぃを飼っていた。

     『 Silent Blue 』

高級マンションの最上階の一室。
銀に光る檻のなかで、一匹のしぃ族の少女が寝ていた。
美しい毛並みが、窓にかかるカーテンの隙間から入る月の光を浴びて、淡く桃色に光る。
彼女が寝ている檻には繊細な細工が施されており、
まるでアンティークの鳥篭のようにも見えた。
しかし檻とは名ばかりで、実はその扉には鍵がかかっていない。
いや、鍵はかかっている。アンティークのブロンズ製南京錠。
ところが、肝心の鍵はしぃがもっているのだ。
全く檻の役を果たしていないが、別にこれでかまわないのだ。
「ペットは檻の中に入れねばならない」という、飼い主の単なるこだわりに過ぎない。
檻の中には、ホワイトリネンの柔らかな布団や、クッションが敷き詰められている。
その真ん中で、彼女は丸くなっていた。
『外』につながる扉の方から、カチリ、
とわずかな音がしたのにつられたように、彼女が目覚める。
その瞳は、月光を集めたような真珠蒼にきらめいていた。
きぃ、とほんのわずかな音を立てて、重厚なオークのドアが開くのに気付き、
しぃは嬉しそうに自ら檻を開けて出てきた。
入ってきたモララーに、しぃが心底嬉しそうに飛びつく。
モララーも、優しい笑みを見せながら、自分の胸に飛び込んできた彼女を優しく抱き返した。

475 名前: Silent Blue 2/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:31 [ O1fTiyEo ]
モララーが、この少女と出会ったのは、本当に偶然だった。
寒い冬の日、たまたま通りがかった道端で、虐殺されたのか、
肉隗に変わり果てたしぃの傍らで震えていた彼女を拾い上げた。
その頃はまだ、このしぃは言葉もしゃべれないような赤ん坊だった。
普段の彼なら、そのまま握りつぶしたかもしれない。
別に虐殺が趣味のわけではないのだが、こんな赤ん坊が、
母親の庇護もなしにこの冬を乗り切れるとは思えない。
例えもし、運良く乗り切ったとしても、被虐種であるしぃ族は、
遅かれ早かれ虐殺されてしまうだろう。
だったら、まだ、この世の何も分からぬ今の内に殺してしまって、
母親と一緒にあの世へ送ってしまったほうが、あらゆる意味で彼女の為だ。
しかし、このときのモララーは、全くどうかしていた。
そのまま己の手のひらでくるみ、彼女を自分の家につれて帰ったのだ。
冷え切った体を温め、ミルクを与えてやる。
一週間近くつきっきりで看病してやった結果、彼女はようやく元気を取り戻した。
静かに眠るしぃの寝息と、家の外のどこかから聞こえる、
例の甲高い声をあげながらうるさく鳴き喚くしぃたちの声を聞きながら、
モララーはある小さな思い付きをした。

476 名前: Silent Blue 3/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:32 [ O1fTiyEo ]
(全く、最初はこんなに上手く育つもんだとは思わなかったな)
モララーは、膝の上にしぃを乗せ、その背中を優しく撫ぜながらそう考えた。
窓にかかっていた厚いカーテンは開けられ、
部屋の中を蒼白い月光が明るく照らし出している。
(同じ育てるなら、五月蝿く鳴き喚くしぃよりは、
静かで、大人しく、賢いしぃに育てようとは思ったが)
モララーの視線に気付いたのか、しぃがこちらを見上げる。
その大きな蒼い瞳を見返し、モララーは無言で僅かに微笑んだ。
しぃも、安心したようにまたモララーに体をゆだねる。
その様子をみて、モララーはことさら満足げに微笑んだ。
彼は、拾ったしぃを育てることに決めた。
そして、そのとき、幾つか、自分で自分の約束事を決めた。
一つ。しぃのことは、誰にも秘密にする。友人や、家族にも内緒だ。
一つ。しぃに触れるのものは、全て綿や絹などの天然素材であること。
金属製品は、表面が化学塗料などで塗装加工されていないものであること。
一つ。しぃの部屋の中には、電化製品を置かない、持ち込まないこと。
一つ。しぃの食事は、新鮮で、無農薬の野菜、果物を使ったものに限る。
動物性食品は、卵とミルクに限ること。化学調味料等は一切使わない…等。
そして、一番大切な約束事。
『しぃには、言葉を一切聞かせないこと』
しぃと接するときは、常に無言。
しぃの部屋には、電化製品を持ち込まないことに決めたから、テレビやラジオも無い。
部屋も、今までのところから、閑静な住宅街の中の、
防音設備の整った高級マンションの最上階に移った。
道路や、町から聞こえてくる雑音を排除する為だ。
文字すらしぃの目に触れぬように、注意深く排除した。
最初は、しぃにうっかり言葉をかけそうになったりもしたが、
そのうち、無言でもしぃの考えていることが分かるようになった。
しぃも、もちろん言葉を話さないが、この空間には二人だけなのだから、
難しい言葉はそもそも要らないのだ。
モララーが、思いついたように立ち上がり、キッチンへ歩いていく。
しぃは、大人しく彼が今まで座っていたソファーの上で、長いしっぽを揺らしながら待つ。
モララーが戻ってきたとき、その手には食事の入ったトレーがあった。
繊細な、白い磁器に青い絵付けがされた皿の中には野菜スープに、
蜂蜜をつけた白いパン。
チーズを載せたサラダからは、摘み立ての香草が馨る。
金のゴブレットの中には、極上の赤ワイン。但し、これはモララーの。
しぃには、同じようなゴブレットの中に、新鮮なミルクが入っている。
透き通る藍色のガラスのコンポート皿の上には瑞々しい果物。
テーブルの上に置き、キャンドルに火をともすと、モララーはしぃを手招く。
しぃは、呼ばれるままに椅子に座った。
モララーは、スープを銀の匙ですくい、しぃの口元にもって行く。
口をあけるしぃ。スープは適度に冷まされ、熱さに火傷をする、ということなどない。
パンを一口大にちぎって渡せば、それもしぃはぱくりと、小鳥の雛のように食べる。
こうやって、モララーが手ずから食べさせてやるのも、最初に決めた約束事の一つだった。
ゆったりとした食事が終わり、一息ついたところで、
モララーは部屋の隅から、バイオリンを持ち出した。
弦の張り具合を確かめ、弾きだす。
流れるような旋律の曲にあわせるように、しぃはしっぽを優雅に揺らしながら、微笑んだ。

477 名前: Silent Blue 4/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:32 [ O1fTiyEo ]
「モラリーズ!」
「はい!?」
モララーが、己の本名を呼ばれたのにビックリして、
返事をしつつ振り替えると、友人のモナーだった。
「全く、何度呼んでも気付かないんだから。困るモナ」
「ゴメンゴメン。どうしたんだい?」
苦笑しつつ、友人に聞き返す。実は、気付いてはいた。
返事も、したつもりだった…
ところが夕べの名残か、どうやら無言で頷いただけだったようだ。
これでは気付いてないと思われても仕方ない。
しぃの暮らす部屋からでると、この地上が全く騒音に満ちあふれていることにうんざりする。
画一的な工業製品も味気ない。人工的な光に目がくらみそうになる。
モナーの話を聞きつつも、モララーの心を占めているのは、あの蒼い部屋だった。
モナーの話が一段落した所で、そういえば、と彼は話題を変えた。
「最近西地区の住宅街で、虐殺厨が出たそうだモナ」
彼の声のトーンが下がり、あたりを憚るように言う。
「虐殺厨?しぃが殺されるなんて、珍しくはないだろう?」
モナーの科白に、モララーが首を捻りながら答える。
それに、モナーは首を振った。
「しぃを殺すだけじゃ別に虐殺厨、何ていわれないモナ。
 しぃ以外の種族も、見境なしに殺してるらしいモナ…
 モララーは何処に住んでいたっけ?」
「…西地区」
モララーがうめくように答える。
しぃと暮らすマンションは、西地区の外れ、南地区に近いところにあるが、
彼女は、部屋から出さないから、大丈夫だろう、とモララーはほっとする。
「気を付けるモナよ」
モナーが言うのに、僅かにモララーが頷いた。

478 名前: Silent Blue 5/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:33 [ O1fTiyEo ]
しかし、その夜。
閑静な住宅街に、悲鳴が響いた。
虐殺厨に、このモララーが襲われたのだ。
後ろから、ナイフのようなもので一刺し。
救急車がきたときは、まだ息があったのだが、病院での手当てもむなしく、彼は死亡した。
死亡したモララーの身辺整理のため、モナーは、彼の兄弟、
友人と共に住所録にあった彼のマンションへ行った。
彼は、生前誰も自分の家に招待しなかったら、行くのはこれが皆初めてだ。
「全く。こんないいところに住んでいたとはねえ」
「誰も近寄らせなかったそうじゃないか。
 隠し子でもいるんじゃないか?」
口々に噂しあいながら、ぞろぞろと連れ立ってエレベーターから降りる。
かちり、とドアを開けたところで、先頭に立っていたモナーに何かがぶつかった。
「わ?!何だモナ?」
思わず大声をあげるモナー。
それにビックリしたように、その塊が離れた。
しぃだ。
三日近く、モララーがかえって来なかった。
その間、食時は果物や、ミルクなどで何とか繋いだが、そろそろ限界だった。
何より、モララーがいないことで、精神的に参ってきていた。
そこへ、見知らぬ人たち。
いや、しぃがモナー達を、一体どう認識していたのかは分からない。
何しろ、今までモララー以外の人物を見かけたことがなかったのだから。
しかも、一人、二人ではない。
今まで聞いたこともないような音を上げる『何か達』にしぃは完全にパニックになっていた。
「しぃだモナ」
「まさか隠し子説、本当だったのか…?」
怯えたしぃは、檻の中に入り、クッションの間にもぐりこむ。
安心させようと、モナーがしぃに近づいて、
檻の前にしゃがみこんで視線を合わせると、優しく語り掛けた。
「怯えなくて良いモナ。僕らは、モララーの友人だモナ
 モララーは、ちょっと帰ってこられなくなっちゃったんだモナよ」
しかし、全くの逆効果で、しぃは小さくなって怯えるばかり。
言葉を教わってないのだから、モナーの言っていることなど、
これっぽちっも分かるはずが無い。
そもそも、『声』というものを知らないのだから、しぃにとっては、
この目の前のモノはまるっきり恐怖の対象でしかなかった。
やれやれ、というようにモナーが立ち上がった。
「このしぃ、どうするモナ?」
「保護施設に預けるしかないんじゃないか」
「ああ、どうやらその辺のアフォしぃとは違っておとなしいみたいだから、
 頼み込めばどっかで預かってくれるかもしれない」
しぃは、クッションの間で目を瞑ってただひたすら怯えていた。
早く、目の前で醜悪な音を撒き散らすこの物体達が消えて、
モララーが戻ってきて、いつものあの優しい笑顔を見せてくれないかと願いながら。

479 名前: Silent Blue 6/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:33 [ O1fTiyEo ]
しぃは、児童保護施設に預けられることになった。
モナーが、しぃを出迎えた施設の職員の前に押し出す。
「このしぃですモナ。
 どうやら今までずっと一緒だったモララーがいなくなったのがショックらしくて、
 今まで一度も口を利いてくれないんですモナ」
「あら、じゃあ名前もわからないんですか?」
職員のレモナがビックリしたように聞き返す。
「そうなんです…どこかに名前が無いかとおもって探したんですが、
 何処にも書いて無くって」
それは当然である。モララーは名前をこのしぃに付けていなかったのだから。
二人しかいない空間。言葉のない世界。
名前など、必要なかった。
「じゃあ、まず名前を付けてあげなきゃね…」
「それじゃ、よろしくお願いします」
頭を下げ、モナーは立ち去った。
レモナがしぃの目線までしゃがみ、安心させるように軽く肩に手をかけて、話し掛ける。
「初めまして、しぃちゃん。あたしレモナっていうの。
 よろしくね。今日から貴方はここで暮らすのよ」
しかし、それに対するしぃの返事は、怯えたような表情だけだった。

480 名前: Silent Blue 7/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:34 [ O1fTiyEo ]
ところが、預けられて数日もしないうちにこのしぃは、
アフォしぃなどとは比較にならないくらいの問題児だということが分かった。
まず、つけられた名前に反応しない。
職員達が頭をひねって、「しぃれーね」という名をつけたのだが、
どうやらそれを己の名と認識していないようだった。
『名前』というものの存在自体、しぃの認識の中になかったのだから、
それも当然なのだが、そんなこと彼らに分かるはずもない。
さらに、時間という概念も、どうやら分からないらしい。
まず、朝起きない。正午のお昼の時間になっても、食堂に現れない。
寝るときも、己の寝たいところで、寝たい時間に寝てしまう。
モララーと一緒だった頃は、モララーが帰ってくる夕方以降に起きて、
朝方寝る、という昼夜逆転の生活だったし、そもそも時計などというものがなかったから
起きたい時に起きて、お腹がすいたら食事の時間。
眠たくなったら寝る…それは檻の中だったり、ソファーの上だったり、
あるいは部屋の片隅にクッションを積み上げたそこだったりした。
さらに、食事も問題だった。
しぃ族は、基本的に雑食性だが、特に肉や、甘いものを好む。
ところが、このしぃは肉を一切食べない。
甘いものでも、デザートとして出されたケーキには見向きもしない。
そもそも、スプーンをもてなかった。
「ほら、しぃちゃん、スプーンをこうもって、ね」
職員の一人が、しぃの手に赤いプラスティックのスプーンを握らせる。
しかし、しぃはそこで食事を前にして、スプーンを握り締めたまま固まっているだけだった。
スプーンの使い方、というものが分かっていないらしい。
食事とスプーンを交互に見て、首をかしげるしぃ。
スプーンですくって、口元に持っていってやれば食べるのだが、
それもすぐに吐き出してしまった。チキンスープだったからだ。
長いこと肉を食べない生活を送っていたしぃは、体が肉を受け付けなくなっていた。
一番の問題は、言葉だった。
職員は、医者を呼んでしぃの体を調べたのだが、医者の見立てでは、特に異常はなし。
のどに異常があるわけでも、脳に異常がある訳でもない。聴覚も正常。
それなのに、こちらの言葉を全く認識せず、何も喋らない。
もちろん、文字も読めないから、筆談すら出来ない。
言葉をしゃべるためには、のどから発声出来ること、
耳が聞こえるということのほかにもう一つ、当然といえば当然だが、
言葉という概念を認識できる脳内の部位の神経が発達しなければいけないのだ。
しぃは、言葉をモララーから教えられなかった。
そのせいで、感覚神経に異常がなくても、脳内の言葉に関する部位のシナプスが
発達せず、他の喉から発声する機能を司る部位や、
耳で聞いた音を理解する部位とつながっていなかった。
これには、医者も匙を投げた。
「全く、こんな患者ははじめてです。
 通常ならね、耳が聞こえない障害を持つ人でも、
 言葉、というものの存在を知り、その認識くらいはできるんですよ。
 ところが、このしぃは言葉自体の認識が無いようです。
 亡くなった人を悪く言う訳ではないですが、
 一体、 この少女を育てたというモララーは、どんな育て方をしたんでしょうね」

481 名前: Silent Blue 8/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:34 [ O1fTiyEo ]
結局。
このしぃは、『アフォしぃ以下』ということで、保護施設から追放されることになった。
最初のにこやかな笑顔は何処へやら、憎憎しげにレモナがしぃを裏口から突き飛ばした。
地面に無様に倒れこむしぃに、レモナが唾をはきかける。
「結局しぃは、何処までいってもしぃなのね。
 手間ばかりかかって、しょうがない。
 何処へなりとも消えて頂戴」
ばたん、と荒々しく閉められるドア。
しぃは、それを地面に倒れこんだままぼんやりと見送った。
己に起こったことが分かっていないらしい。
だが、とりあえず自分がこの息の詰まりそうな狭い場所から出されたことは分かった。
狭い、と言っても別にこの施設自体が狭いわけではない。
のびのびと、自由に育てられたしぃには、施設の分刻みのスケジュールや、
不恰好で、騒音を撒き散らす電化製品、ちくちくする化学繊維に、まずい食事など、
ここの全てがまさしく己を縛り付ける檻だったのだ。
第一、暗くなっても浩々とつけられる蛍光灯が、眩しくてしょうがない。
モララーといっしょだったときは、昼間は睡眠時間。
厚いカーテンに閉ざされ、日光はほとんど入ってこないから、
明かりといえば、夜の蒼い月や星の光。
せいぜい、キャンドルのゆらゆら揺れる小さな炎くらいだった。
とりあえず起き上がり、しぃは町に向かって歩き出した。
当てがあったわけではない。
ただ、自分の飼い主のモララーを探そうと、それだけだった。
モララーに会えば、きっと彼は自分を優しく抱きしめ、
そしていつものあの笑顔で微笑んでくれる。
野菜たっぷりの美味しい食事を、銀の匙ですくって食べさせてくれる。
大きな月を見ながら、青いタイル張りの広いジャグジーで一緒にゆったりと湯につかる。
星の光をスポットライトに、モララーのバイオリン演奏を聞きながら、
白い柔らかなクッションの上で眠る。
モララーに会えば、またあの蒼い部屋に戻れる。
しぃは、ひたすら歩きつづけた。

482 名前: Silent Blue 9_1/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:36 [ O1fTiyEo ]
細い月が空に青白い切れ込みを入れる夜。
一人のしぃが、人通りの少ない道をふらふらと歩いていたのを、
とあるモララーが見つけた。彼の手には、バイオリンケースが提げられていた。
しぃのほうも、こちらに気付いた様で、立ち止まった。
モララーは、こっそりほくそえんだ。
(こりゃあ、いい獲物を見つけたぞ)
このモララーが、実は最近町を騒がせている『虐殺厨』だった。
しぃの飼い主のモララーも殺したのも彼。
最近は、自分が殺しまくっていることが世間に知れ渡ってしまい、
夜は誰も外出し無いし、昼も決して一人で行動する人も少ない。
被虐種たちも、自衛の為か、いつにない大集団で行動する。
被虐種が何人集まろうが、このモララーにとっては何の問題もないが、
それでも10人20人と集団でこられては、やはり少し、困ってしまう。
だから、最近少し彼は鬱憤がたまっていた。
そんな折、このしぃを見かけたのだ。
彼女は一人。体はぼろぼろで、足元はふらふら。
しかし、虐殺するには余計な抵抗が少なくて、丁度いいかもしれない。
(さぁて、このしぃはどんな悲鳴を聞かせてくれるかな…?)
断末魔の悲鳴が聞きたくて、虐殺をしているようなものだ。
怯えた表情も、見るからにぞくぞくする。
わくわくしながら、彼はしぃに声をかけた。
「やあ、お嬢さん。
 何処へ行くんだい?是非、僕にお供させてくれYO」
ところが、このしぃは、どうしたことか、例の甲高い声で
「ダッコ !」とも、「カワイイ シィチャンニ ナンノヨウ ?」とも、ましてや
「ギャクサツチュウヨ ! ハニャーン !!」とも言わなかった。
ただ、こちらをその真珠蒼の瞳で戸惑ったように見つめ返す。
その瞳の、妙な静かさに気おされながら、モララーは言葉を継いだ。
「何だYO…黙っている気か?よおし、いい度胸だ!
 いつまで黙っていられるか、やってみな!」
声をかけて、黙っていたしぃ、と言うのは今までに何人かいた。
それでも、一つ刺せば、すぐ甲高い悲鳴をあげたものだ。
モララーは、バイオリンケースを地面に置くと、素早く近づき、しぃの顔を左手で捕まえた。
流石に少ししぃは暴れたが、それでもその口からは何も発声されなかった。
「ふん…こしゃくな」
右手で、しぃの片耳を掴む。
彼はそのまま、力任せに引きちぎり始めた。
みり、めち、という音がして、耳が取れていく。
しぃは、本格的に暴れ始めたものの、やはり何も言わなかった。
もともと体力を消耗しきった、フラフラのしぃが暴れたところで、
たいした抵抗になるわけではなく、モララーはあっさりと耳を引きちぎってしまった。

483 名前: Silent Blue 9_2/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:37 [ O1fTiyEo ]
「フーン、まだ黙っているのかYO」
しぃのちぎれた耳をポイ、と捨て、うつ伏せに地面に押さえ込む。
逃れようと、しぃは必死にもがいたが、モララーに上に乗りかかられ、
腰を彼の膝で押さえつけられてはどうにもならない。
しぃの頭を、地べたに擦りつけるように片手で押さえつけ、右腕を逆に固める。
「ほらほら、止めて欲しければ叫べYO、泣けYO、喚けYO!」
しかし、しぃはただ逃れようとするだけで、叫びも、泣きも、喚きもしなかった。
ムッとしたモララーは、固めた右腕をさらに捻りあげる。
ぱき、ぽき、と関節からいやな音がし始めた。
「早く言わないと、右腕折れちゃうYO〜?」
ついに、いやな音を立てて、しぃの肘の関節が砕けた。
大きく喘ぐようにしぃが口を開けたが、それだけだった。
いつまでたっても何も言わないしぃに、些かむっとしつつ
さらにモララーは右腕を捻り上げる。
今度は、限界まで捻り伸ばされた皮膚が裂け始めた。
「オラ、叫びやがれ!
 コノギャクサツチュウ! ってYO!」
しぃの上腕の皮膚が裂け、その下の筋肉が断裂する。
ひときわ大きなブチン、という音がした。骨と筋肉を繋いでいる腱が切れたらしい。
醜く裂けた皮膚から、血がどんどん流れ出す。
あふれる血に、パニックになったらしいしぃの抵抗が強くなったが、
モララーは気にせずさらに押さえつける手に力をこめ、一気に腕を引きちぎった。
肩口から皮膚が裂け、無残にぼろぼろになった赤い筋肉の間から白い骨が見える。
僅かな喘鳴が聞こえるだけで、しぃの声は、やはり聞こえなかった。
「はっ…たいした糞虫だYO
 ご褒美に、血を止めてやるYO」
右腕を放り投げると、モララーは、ポケットから取り出したライターで、
しぃの腕を引きちぎった断面に火をつけた。
肉のこげる臭い。
断面が十分に黒こげになったところで、モララーはライターをしまった。
やはり、このしぃは逃れようともがくだけで、全く声を出さなかった。
「チッ…面白くなくなってきたな」
些か拍子抜けしたモララーは、しぃの上から退く。
ついでに飛び散ったしぃの血で汚れた手を、背中になすりつけて拭いた。
しぃは、ようやく体から無くなった負荷に、必死で立ち上がり、逃げようとした。
しかし、立ち上がろうとしたとき、モララーがそれより早く、
腰の後ろに付けていた大型のジャックナイフでしぃの左足を地面に縫いとめた。
「おおっと…今更逃げんなYO」
しぃは、足に深く突き刺さったナイフを抜こうとしたが、
モララーが上から、ハンドルを足で押さえつけた。
さらに深く突き刺さるナイフ。
激痛に、しぃの顔が歪む。
「最後通告だ…
 てめぇは、糞虫にしてはよくやったから、
 『偉大なる神、AAの王、モララー様、どうかお許しください』って泣いて頼めば
 このまま見逃してやってもいいぜ」
モララーが、バイオリンケース…いや、バイオリンケースを模したマシンガンケースから
マシンガンを取り出し左手にもって、しぃの正面に回りながら言った。
しぃの正面に来たところで、一体どんな顔をしてるものか、とニヤニヤしながらしゃがみこむ。
ひたすら無言を貫いた己の失態を悔いているだろうか。
それとも、自分に対して、怨みをもって睨んでくるだろうか。
殺される恐怖に、怯えているだろうか。
いや、ただ激痛に耐えているだけかもしれない。
しかし、そのどれだとしても、モララーにとっては素晴らしく官能的だ。
「どうだ?ん?」
モララーは期待ににこにこしながら、俯いているしぃの顎を取り、自分の方を向かせた。

484 名前: Silent Blue 10/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:37 [ O1fTiyEo ]
しぃは、激痛に耐えながら、必死に己の飼い主であったモララーのことを考えていた。
自分を、常に優しく抱きしめてくれた温かい腕や、
いつでも穏やかに微笑む、彼の黒い瞳を思い描いていた。
最初、彼に出会ったときバイオリンケースを持っていた。
しぃは、それが自分の飼い主がたまに取り出して、
美しい音色を奏でてくれるモノが入っている箱と同じものだと気付いたから、
もしかしたら自分の飼い主のモララーかもしれない、と思ったのだ。
しかし、違った。
この目の前の人も、自分の探していたモララーでは無かった。
耳障りな、妙な音を立てながら、己に向かってきたあの『何か』と同じだった。
しかも、この『何か』は自分に対し、よく分からないが、とにかく恐ろしいことをしてきた。
彼女を育てたモララーが、しぃが痛みや苦しみといった負の感情を抱かない様、
注意深くそれらから遠ざけてきた所為で、しぃは、これが『痛い』ことだということも、
『苦しい』ことだとも分からず、相手に対して、恨みや、
憎しみといった感情が湧いていなかった。
ただ、彼は好ましい存在ではないということが分かっただけだった。
自分に起こっていることの何も分からないが、とにかくこの『何か』から逃れようと、
しかしそれも押さえつけられている所為で叶わず、
ひたすら目を開き、大きく喘ぐだけしかできなかった。
どれくらい耐えていただろうか。
急に、全身が軽くなった。
この好機を逃すまいと、しぃは立ち上がろうとしたが、
すぐに足が動かなくなり、地面にまた倒れこんだ。
上に乗っかっていた『何か』はいなくなったが、代わりに足に鋭いモノが刺さっていた。
それを抜こうとしたが、どうしても手が届かない。
あきらめて、正面を向いたところで、両頬が濡れていることに気付いた。
さっきは左頬しか濡れていなかったのに!
しかも、頭の上の、熱くなっているところから、
ぬるぬるする暖かい赤い水が流れてくるのは相変らずだが、
今はなんと自分の目から、こちらは透明な暖かい水がこぼれている。
つまりは泣いていていたわけだが、このしぃは泣いた事も無かったので、
何故目から水があふれてくるのか、不思議でしょうがなかった。
もしかしたら、どこか悪いのかもしれない。
目から出る水を止めようと、しぃがとりあえず目をぎゅっと閉じてみたとき、
顎に手がかかった。
しぃが目を開け、目の前に焦点が合ったとき、
そこに見えたものはにっこりと優しく微笑むモララーの顔だった。
自分の一番あいたかった顔が、そこにあった。

 やっと会えた!

しぃの胸が、喜びでいっぱいになった。

 もう、離れたくない!

彼女は、左腕を必死に延ばし、顎を掴むモララーの手を握った。

485 名前: Silent Blue 11/11 投稿日: 2004/03/11(木) 17:38 [ O1fTiyEo ]
モララーが顎に手をかけ、しぃを無理矢理上向かせる。
しぃは、流れる血と涙で、視界がぼやけているのか、必死に目を凝らしているようだった。
モララーは、楽しくてしょうがない、といわんばかりににっこりと笑った。
そのとき。
しぃは、何かに気付いたように、はっとした表情になり。
無事な左腕で、自分の顎を掴むモララーの手を掴んだ。
モララーは、もしや最後の命乞いか、それとも恨み言を言うかと、
わくわくしながらしぃの蒼い瞳を覗きこんだ。
しかし、しぃのした表情は、そのどれでもなかった。
モララーと視線を合わせたしぃは、この状況下ではまるきりそぐわない、
幸せそうな、まるで花のような笑顔で微笑んだ。
全く邪心のないその笑顔に、モララーの背中に何ともいえぬ戦慄が走った。
しぃの顎から手を外し、ついでに頬を一発殴る。
「何だYO…なんなんだ、貴様は!」
云いようの無い感情のままに、モララーはマシンガンの安全装置を外し、
数歩下がって距離を取ると、しぃに向かって弾をひたすら撃ち込んだ。
弾を体中に撃ち込まれても、変わらず無言のしぃに対し、
モララーは自分でも良く分からない叫び声を上げていた。
マシンガンの弾が切れるまで、ひたすらしぃに向かって打ち続けるモララー。
路地に、轟音が響く。


そして、静寂。


立ち込める砂煙がようやく収まったとき、そこに残されていたのは、
無数の銃痕と、地面にへばりつくように散らばる赤黒い肉隗だけだった。
          <Fin>

486 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/12(金) 00:04 [ SK4VDNMY ]
1/3


  思春期真っ只中の少年の中には、あまりに見境が無さすぎるヤツが結構、いる。
  モララーは、つまりそういう種類の少年だった。

 見るからにアフォしぃ、といった風情のしぃが、ひとりでぶらぶらと夜の公園を歩いていた。
お決まりの、「キョウモゲンキニハニャニャニャン♪」という歌を口ずさみながら。
「ね、ね、君可愛いねー! ちょっとそこのベンチで漏れと話しようYO!」
彼は、可愛い、の部分をわざとらしいほど強調して、そのアフォしぃに話しかける。
「ナニヨ、カワイイシィチャンハ ギャクサツチュウノサソイニナンカ ノラナインダカラネ!」
「そんなこと言わないでYO! そりゃあ漏れはモララーだけど、
 しぃちゃんのこと好きだよー。ほら、ダッコしてageるから! ね!」
ダッコ、という単語を聞くやいなや、アフォしぃは飛びついてきた。
「ハニャーン、ダッコ♪ダッコ♪」
「あははは、ほーらしぃちゃん、ダッコダッコ」
皮膚を這い回る蚤の感触は少しばかり気になったけれど、
それ以上にモララーは、しぃ種いや女独特の柔らかな皮下脂肪の感触にぞくりと震えた。
それは不快感からではなく、性的興奮からのもの。

彼は、一度でいいからセクースがしてみたかった。
人生で最もそういった性的な事柄に興味の湧く年頃なのだ。
拾ったエロ本や親の目を盗んでダウソしたエロ動画みたいな、
めくるめく官能の世界というものを是非体験してみたかった。
しかし虐殺仲間は汗の臭いにまみれた野郎共ばかり、
彼女なんてできるはずもなく、風俗なんて考えつきもせず、
ただ悶々と妄想の中で理想の美少女を犯してはハァハァしていた。
そしてとうとう、アフォしぃならほいほいヤらせてくれるだろうということに気付いてしまった。
もちろん仲間には絶対に秘密だ。
童貞卒業はいいとして、相手が糞虫と名高いアフォしぃだなんてバレたら
一生変態呼ばわりされるに決まっている。

しかしアフォしぃだろうがなんだろうが、女は女だ。
めくるめく官能の世界とやらを体験できるのならば、
相手がアフォしぃだろうがなんだろうが何ら問題ない。

487 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/12(金) 00:05 [ SK4VDNMY ]
2/3

「デ、カワイイシィチャンヲ タノシマセテクレルヨウナ ハナシ、アルンデショウネェ」
「そりゃあもう……」
言いながら、アフォしぃの太ももに手を伸ばす。
わずかな弾力と、それを上回る圧倒的な柔らかさ。
それが女だからなのか、それとも単にしぃという生き物が脆いからなのか、
モララーには判断できなかった。
「チョット! ナニスンノヨ!」
「んー? 何って……そりゃもちろん、ナニだYO!」
そう言うなり、モララーはがばりとアフォしぃを押し倒した。
「チョット! ヤメテヨ! ハナシテ! コノギャクサツチュウ!」
「何言ってるんだよ、交尾大好きアフォしぃちゃんがよぉ〜」
モララーの息づかいがハァハァと下卑たものになる。
めくるめく官能の世界まであと一歩。
ニヤニヤしながらアフォしぃの太ももを掴み、強引に開脚させた。
「ダァレガアンタナンカト! コウケツナ シィチャンハ ギコクン イガイノ オトコニナンカ キョウミナイノ!」
アフォしぃがキッとモララーを睨む。
しかしどれだけ暴れても女の、いや、しぃごときの力ではふりほどけるはずもなく、
モララーの手はついに彼女の股間へと伸びた。
「ヤメテ! サワンナイデヨヘンタイ!!」
「いいからいいから……気持ちよぉ〜くしてあげるからさ!」
「イヤッ! ハナシテ! ハナシテ! ギコクンタスケテーッ!!!!!」
なおもじたばたと暴れもがいて逃れようとするアフォしぃ。
腿や尻を蹴飛ばされたけれど、興奮しているモララーには痛くも痒くもなかった。
初めて触った女性器は、「エロい」としか形容できないような素晴らしい感触で、
ほれ見ろアフォしぃだって立派に女じゃないか、と誰にでもなく誇らしげな気持ちになった。
「ハァハァ……いいかげん諦めろよ……ハァハァハァ」
「イーヤー!」

と。

無駄でしかないはずだったアフォしぃの攻撃が、
その瞬間モララーの肉体に致命的なショックを与えた。

「………!!!!!」
全身がぎちぎちに固まって、異様な脂汗がじゅわじゅわと分泌される。
声すらも出せない、圧倒的な痛みとそれ以上の得体の知れない切なさ。
たまらず地面に倒れ込んだ途端、その衝撃が何十倍にもなって股間に凝縮され……

そう、アフォしぃの蹴りが偶然にも、モララーの急所――睾丸にヒットしていたのだ。

あまりのモララーの苦しみぶりにおそれをなしたのか、アフォしぃは逃げられないらしい。
ここで逃げていれば、あるいは助かったかもしれなかったというのに。

走馬燈にも似た過去の光景が一瞬のうちに脳内を駆けめぐり、
逃れられぬ死の予感すらも覚え、モララーの中で何かがぷつりと


ぶち切れた。

488 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/12(金) 00:05 [ SK4VDNMY ]
3/3

「っっっらあぁぁぁ!」
うずくまっていた体をバネのように起こす。
その勢いを利用して、へたり込んでいるアフォしぃに強烈な頭突きを食らわした。

「アギッ!!!」

額の皮をずるりと剥けさせながら、アフォしぃが地面にひっくり返る。
間髪入れずにその剥けかけの皮膚を掴み、引き毟った。

「シィギャアアアアァァァ!!!!!」

左顔面の皮膚が完全に剥け、赤黒い肉と黄色い脂肪を外気に晒しながら叫ぶアフォしぃ。
そこにモララーの右拳がうなりをあげてクリーンヒットした。

びしゃり。

グロテスクな音と共に、脆い顔面が弾け飛ぶ。

「ィギイィヒィイィィ!」

顎の骨が砕けたのか、アフォしぃはヒィヒィと情けない声を漏らしながら這いずって逃げようとする。
勢いよく踏みつけて腰骨をへし折ると、じたばたと叫びながらもがきだした。
そして火事場の糞力とでもいうのか、モララーはベンチを蹴り飛ばし、真っ二つに割って
脚の部分を持ち上げ、ギザギザの割れ目を這いずり回るアフォしぃに向けて振り下ろした。

肉の潰れる音、骨の砕ける音、内蔵が弾ける音。

それら全てが一緒くたになって辺りに響き、アフォしぃは絶命した。


そしてモララーは、今までの暴れっぷりが嘘のように、ぱたりと意識を失って倒れた。



 そんなモララーを、黙って見下ろすしぃがいた。
彼女は黙ったまま、意識のないモララーの両手を掴み、ずるずると引きずりながら夜の闇に消えた。



                                                    糸売。

489 名前: 虐待虐殺物語④ 投稿日: 2004/03/12(金) 17:16 [ 9ZZIODyY ]
>>473続き
モララーは乱暴に、ベビフサの皮を剥ぐと、其処に塩を塗りこんだ。
「ヂュアァァァァァァァァァ!!!!!」
ベビフサは、焼かれるような痛みに、悲鳴を上げた。
モララーは次に、練りからしをベビフサの尻にぶち込んだ。
「ギ・・ギ・・アピュパァァァァァァァァァァァ!!!!!?????」
ベビフサは、尻から茶色い排泄物をロケットのような勢いで出した。
そして、ベビフサは、白目をむいて、気絶した。
モララー次に袋を用意した。
気絶して痙攣しているベビフサを、袋に入れると、冷蔵庫に入れた。
「さてと・・後は二日待つだけだな・・・」
モララーはこう呟くと、フサしぃの口のベビフサを抜くと、別の部屋に入れた。

一時間後・・・

「ウ・・・アッ!!」
フサしぃは目を覚ました。
モララーはそれに気付いて、声を掛けた。
「グッドイブニング!気持ちの良い目覚めだね!!」
フサしぃはこう叫んだ。
「イイメザメジャナイワヨ!!ベビチャン ヲ ドコヘヤッタノ!?」
するとモララーは直ぐにこう答えた。
「冷蔵庫の中」
「レイゾウコォッ?!」
フサしぃはありえないと言うような顔をしてそう言った。
「ハヤクベビチャン ヲ カエシナサイ!!!コノ ギャクサツチュウ!!」
モララーは、ムッとした顔をすると、フサしぃを殴った。
「シィィィィィィィィ!!!!フサシィ ノ カワイイ オカオガアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
フサしぃが喚くと、モララーはこう叫びながら、蹴った
「シィシィ五月蝿いんだよッ!!!お前は俺に虐殺されれば良いんだ!!」
そしてモララーはフサしぃの毛を持つと、ブチブチと引き抜き始めた。
「シィィィィィィ!!!!!ヤメテーーッ!!ケ ヲ ヌカナイデエエエエエエエ!!!!」
そんな叫びも虚しく、フサしぃの毛は、粗方取られた。
「ウッ・・・ウェッ・・ヒドイヨ・・・フサシィノオケケカエシテ・・・」
フサしぃが泣き出すと、モララーは、何処からとも無く、包丁を持ってきてこう言った。
「毛も回収できたし、後はお前を殺すだけだね♪フサしぃなんて、毛が無くなったら利用価値ゼロだし」
モララーがフサしぃを思いっきり斬りつけた。
ズバッ!!
「ギャバアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!イタイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!」
フサしぃは、肩を斬られ、悲痛の叫びをあげた。
モララーはそれで、斬るのを止めるとこう言った。
「もう助からないし、ココからは放置プレイで楽しもう」
フサしぃは暫くすすり泣いていたが、肩の出血がひどく、五分ぐらいしたらアッサリと死んだ。

二日後・・・


モララーは冷蔵庫を開けた。
そしてベビフサの入っている袋を取り出し、ベビフサを取り出した。
「ァ・・・ウ・・・チャ・・・ム・・・・・・・ィ・・・」
ベビフサはまだ生きていた。
モララーはこう呟いた。
「うえ・・・まだ生きてるよ・・・」
取り合えず鍋にたっぷりのお湯を入れ沸かした。
其処にベビフサを入れる。
「ボイルボイル〜♪」
モララーが鼻歌を歌いながら、ベビフサを鍋に落とした。
「・・・ア・・・ツ・・・ィ・・・」
コレが最後の言葉だった・・・ベビフサは沸騰した鍋に入れた瞬間、死んだ。
「出来たー!!ボイルベビフサハム!!」
モララーが喜びの声を上げた。
そしてモララーはその肉塊にかぶり付いた。
「ウッマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイ!!!!!!!!」
モララーはあまりの美味さの余り声を出した。
「フサ毛も手に入って金儲けになるし、ヤッパこのバイトは止められないナーーッ!」
モララーがしていたバイトとは、「でぃ狩り&フサしぃ狩り」だった・・・・

              完

490 名前: 虐待虐殺物語⑤ 投稿日: 2004/03/13(土) 10:44 [ 5MAqsBxs ]
最近、被虐生物の生活が変わっている
チビギコとアフォしぃが一緒に大きい洞窟などに、定住している。
まあ、それはそれで、アッソと思うような事なのだが、コレが最近、社会問題になっている。

・・被虐生物が住んでいる洞窟付近で、大量のでぃの死体とオニーニの死体が見つかっており、異臭を放つので苦情が出て居る。
また、アフォしぃによるギコの誘拐や、チビギコによる集団窃盗などが多発している。
・・・本来アフォしぃやチビギコは、生ゴミを漁るだけだったのだが、今は堂々と強盗したりしている。


そして今日、警察によるアフォしぃとチビギコの大量駆除が始まる。
作戦は、四十人中、二十人程が洞窟を包囲して、残りの者達で洞窟に突入するというもの。
この大量駆除に市民も参加している。
「虐殺友の会」の皆さんだ、コレでさらに人員が増えた。
そして今、突撃が始まろうとしていた・・・


「よし!突撃ィィィッ!!!」
作戦指揮をしているモララーが声を上げた。
それを合図に、二十数名のAA達が洞窟に入っていった。
言い忘れたが、俺も参加している。
俺はまず、二つの道に分かれているところへ着いた。
俺は右に行った。
右に曲がって暫く走っていくと、なにやら扉が見えた。
扉には、半角カタカナで「訓練所」と書いている。
ドアをぶち破って入った。
其処には、一匹のアフォしぃが、虫の息のでぃを逆さ吊りにして殴っていた。
「ナ、ナニヨ・・アンタ!!」
アフォしぃが尋ねる。
「答える必要も無い、死ねッ!!」
俺は持っていた鉈で、アフォしぃの腹部を切り裂いた。
「ジィィィィィ!!??」
アフォしぃは、お決まりの台詞を言うと、膝を折って倒れた。
俺はアフォしぃの頭を踏み潰し止めを刺すと、瀕死の重傷のでぃを保護した。
暫くすると、仲間がやってきて、でぃを保護した。
それを見届けると、次は、左側の通路に行った。

左側の通路にも、扉があり、半角カタカナで「ベビちゃんの部屋」と書いてあった。
またドアをぶち破る。
中には、無数のベビしぃが動いていた。
俺はベビしぃを踏み潰したり、切り殺したりしながら、奥へと進んでいった。


奥には、教育係と思われるチビしぃが、生まれたばかりの幼いベビしぃを抱いて居た。
チビしぃは焦りながらこう言った。
「ギャ、ギャクサツチュウ!!ドウシテココニ!?」
俺は無言のまま、抱いて居たベビしぃを、腕ごと斬った。
「ギィィィッ!!!」
「シィィィイイイイイイイイ!!!!!!!!!オテテガアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
腕とともにベビしぃは、横一文字に斬られ、デコから上が飛んで絶命した
チビしぃは、絶叫しながら地面に崩れた。
両腕を切られたからそう長くは無いだろう、と思った矢先に。
「ゥゥ・・・オテテ・・・カワイイオテテガァ・・・ガリッ!!」
なんと舌を噛んで自殺してしまった。

俺は、ポケットから洗剤と塩酸の入った小瓶を取り出し。混ぜると、それを地面にぶちまけた。
そして俺は部屋から出た。
今ごろ有毒ガスでベビしぃはすべて死んでいるだろう・・・
そして俺は違う道を探しに、歩き出した。

        続く

491 名前: 虐殺党・666号 投稿日: 2004/03/13(土) 12:26 [ /P0d3SjA ]
あるモララーの話


俺は、どこにでもいるようなモララーだ。
生まれてから両親は事故で死に、俺は一匹の『でぃ』に拾われ、育てられた。
だが、ある日・・・。

あれは俺が3歳のとき、寝ている俺はでぃの叫ぶ声に目覚めた。
見てみれば、でぃが数匹のアフォしぃに囲まれ、暴行を受けていた。
しぃは、『カワイイシィチャンノマターリノタメ』とか『バッチイディナンカシンジャエ』とか言っていた。
俺は必死で『母』の名を叫んだ。するとしぃが、今度は俺に手を出した。
俺はその時片目を失ったが、それでも叫び続けた。
しぃが棍棒を持ち、俺にとどめをさそうとしたその時・・・。
聞こえたのはしぃの悲鳴だった。俺は驚いた。
そこにはモララーが1人、立っていた。
そして、数匹のしぃの死体が転がっていた。
俺は起き上がり、でぃに駆け寄った。しかし、もう遅かった。
俺は、でぃの死体に寄り添い、泣き叫び続けた。
モララーは泣いている俺を担ぎ上げ、歩き出しこう言った。
「今日から、俺がお前の父親だ・・・」


それから十数年後・・・俺はモララーと別れ、ひとり立ちを始めた。
俺が、道を歩いていると、ある光景が目に入った。
数匹のしぃが、一匹のでぃに対し暴行を加えている。
「あの時と・・・同じだ・・・」
俺はそう呟いた。そして、走り出していた。

俺は、手に持ったナイフで、しぃを次々と刺し殺した。
そして、最後の一匹の顔をナイフで何度も何度も刺して、殺した。
だが・・・もう遅い、でぃはすでに冷たくなっていた。
俺は無言で、また歩き出した。その顔には、涙が流れている。
「これでよかったんだよね・・・母さん・・・」
俺は心の中で、そう呟いた。

492 名前: 虐待虐殺物語⑤ 投稿日: 2004/03/13(土) 15:48 [ 5MAqsBxs ]
>>491続き。

暫く歩いていると、また別の道を見つけた。
其処にも扉があり、扉には半角カタカナで「家畜部屋」と書いてあった。
ドアを開けてみる・・・
中に入った瞬間、悪臭が鼻を突いた。


その匂いは、糞尿と死体が腐っていく匂いであった。
・・・中はとても広かった。
其処には無数のオニーニが居た、元はオニーニだった肉の塊も一緒に。
「ヒィィィィィ!!!!!!!!デタアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」
オニーニ達が叫んで逃げて行く。
俺は、すかさず鉈でオニーニの頭を切り裂いた。
「ワヂョオオオオオオオオオオォォォォォッ!!!????」
けたたましい悲鳴を上げてオニーニは、死んだ。
そして・・・一匹、また一匹と俺はオニーニを切り裂いていった。
そして最後の一匹になった・・・
「ヒドイワチョッ!!」
最後のオニーニは俺を非難した。
しかしそれを言った瞬間、鉈でオニーニの腹を裂いた。
「ワヂョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!???????」
最後の断末魔を上げながら、血を噴出してオニーニは死んだ。
俺は、オニーニの死体を掻き分けながら、奥に進んでいった。
奥には扉があり、やはりコレも半角カタカナで何か書いてあった。

     「ギコ君の部屋」

俺はコレを読んだ瞬間急いでドアを蹴り破った。
中には、四人のギコが縛られて、三匹のアフォしぃ達にコウビを迫られていた。
「た、助けてくれぇゴルァ!!」
ギコたちが一斉に俺に助けを求めた。
其処にアフォしぃが立ちふさがって。
「ナンナノヨ!アンタ!!ワタシ タチ ト ギコクンノ ジュンアイ ヲ ジャマスルキ!!?」
こう言うとアフォしぃ達は棍棒を持つと襲い掛かった
俺は、咄嗟に鉈を構えると、一匹のアフォしぃの右肩を斬った。
「シィィィィィィィィィィ!!!!!シィノオテテエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!」
アフォしぃは、棍棒を落として、斬られた右手を押さえて叫んだ。
俺は棍棒を拾い上げるともう一匹のアフォしぃに向かって投げつけた。
グチャ!
「シィfygヴdfヅgs!!!」
アフォしぃは棍棒が顔にクリーンヒットして、顔が吹っ飛んだ。
「ハ、ハニャ・・・」
後一匹のアフォしぃは、完全に戦意を喪失し失禁していた。
俺はアフォしぃの頭を真っ二つに裂いて殺すと、ギコ達の縄を解いた。
ギコ達を保護し、洞窟から出た。
外には、無数のチビギコの死体があった。
「おーーい!早く戻れーーー!!」
外で待機していた仲間がそう言った。
俺は仲間に迎えられ、直ぐ近くのキャンプで休憩を取った。
キャンプの中で弁当を食べていると、隣のモナーが話し掛けてきた。
「ねえ、其処の人、次の作戦知っているモナか?」
俺はこう答えた。
「いいや、知らん」
モナーはコーヒーを啜るとこう話した。
「何でも、このまま包囲して、相手が根を上げるまで待っているって言う作戦らしいモナ」
俺はこう返した。
「豊臣秀吉みたいな戦い方だな。」
「ハハハッ!!そうモナね。」
それから俺はモナーと他愛も無い話をして、別れた。
        
          続く

493 名前: 虐殺党・666号 投稿日: 2004/03/14(日) 21:49 [ VVtY2rQo ]
モララーの日記


4月1日
今日から俺は日記を書こうと思う。まあ急な思いつきなんだが・・・まあ3日
坊主にならないようにしよう。
とりあえず暇つぶしに散歩に出かけてみた。すると、向かいからアフォしぃが
歩いてきた。何か『アマクテヤワラカクテコウキュウナモノヲヨコシナサイ コノクソモララー』とか言ってきた。
半角でグダグダとウザかったので、両手両足をナイフで切り落としてやった。
『シィノオテテトアンヨガァ!!』とか言ってたがしばらくして死んだ。まったく・・・
人から恵んでもらうことしかできねぇのかよ・・・この糞蟲は・・・。


4月2日
何か花火が見たくなったので、大量の花火を抱えて浜辺に行った。すると、数匹
のベビしぃが浜辺で遊んでいた。目障りだったので、一匹の口に火の付いた花火
を突っ込んだ。『グjhgフィjキdッジュイ』とかなんとか訳分からん声を上げ、死んだ。
他のベビ共が逃げようとしたので、ロケット花火で狙撃してやった。
ロケット花火が命中するたび、ベビの体がはじけ飛ぶ。楽しくてたまらない。
ベビ共を皆殺しにした後、帰ろうとする俺に、一匹のしぃが立ちはだかった。
『ベビチャンタチニナンテコトシタノヨ!! コノギャクサツチュウ!!』とか言ってた。
俺は無言のまま、大量のねずみ花火に火をつけ、しぃの口の中に放り込んだ。
『シィィ!? アゲェjdスディイhdsgyジオイhhdthgジィィghyhジ!!!!』
口の中が火事のようだ。子供と同じく、訳分からん悲鳴を上げている。
しばらくして親しぃはくたばった。今日は最高の花火をみれた。


4月3日
今日は気分が悪い、昨日の夜遊びすぎたせいか・・・寝不足のようだ。
気分が悪いのに、今日も外のアフォしぃがダッコだのコウビだの騒いでる。
ああ・・・本当、ウゼェ・・・ぶっ殺そう。そう思いつつ、俺は出刃包丁を手に
家を出た。天気は悪く、どんより曇っていた。
『おい・・・ちょっと・・・近所迷惑なんだけどさあ・・・』
俺は一匹のアフォしぃに言ってみた。
『キンジョメイワク? ソンナノシラナイヨ シィハホウリツデマモラレテルンダヨ コノギャクサツチュウ!!』
ウゼェ・・・マジでウゼェ・・・
俺が出刃包丁を構えたその時、一番後ろにいたしぃの首が吹っ飛んだ。
見てみれば、そこにはご町内の皆様方がいた。俺はニヤリと笑った。
迷惑してるのは、俺だけじゃねぇってことだな。
俺はこの日、気分が悪いのも忘れ、皆で虐殺を楽しんだ。
やっぱ気分転換には、アフォしぃの虐殺に限るよ。


4月4日
飽きてきたしそろそろ日記を書くのをやめようと思う。・・・結局3日坊主
になっちまったが、まあいいや、暇なときにまた書こう。さて、明日もしぃを
虐殺して、よい一日をすごすとしよう。

494 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/15(月) 22:40 [ vKkz9jL. ]
俺はモララー。
仕事として、幼稚園を経営している。
「ベビしぃ幼稚園」という名前のものをな・・・・。
赤ん坊の頃からでも、特有のわがままぶりや自己中心ぶりを発揮する
ベビしぃのための幼稚園、だ。
日夜が悪戦苦闘の毎日だよ。まぁ、分かりきっていたことなのだが。
え? じゃあなんでそんな幼稚園をやっているのかって?
いくらでも「保育料」の名目で金をふんだくれるからだ。
しぃ族は、なんの保険、福祉にも加入できないから、
多少「保育料」が高くても文句を言えないのだ。
おまけに、ベビしぃのための幼稚園はここぐらいしかない。
他の幼稚園に入れた日には、虐めを通り越した虐待にあうのは目に見えているから、
母親しぃも、多少高くてもここに入れるしかない。
日に日に金がたまっていく。もう笑いが止まらないよ。
まあ、だから多少のわがままなんかには我慢しなきゃいけないんだがな・・・・。

しかし、今年入ってきたベビどもには、そんな我慢の思いもきれいに吹き飛ぶよ。
信じられないくらいの糞虫ぶりなんだ 今年のベビしぃ。
ガラスが割れなかったり、けんかの無かった日なんざ一日とてない。
もう、幼稚園が(物理的に)崩壊しそうになるくらい・・・・ひどい。

まぁ、そんな苦悩の日々もそろそろおしまいだ。
3日後に、「楽しい」イベントがあるからだ。
「スキー旅行」という、楽しい 楽しいイベントがな・・・・。

3日後、スキー旅行の当日だ。
母しぃに連れられて、ベビどもがバスに乗り込む。

「ベビチャン! ベビチャンハスキーガトーッテモジョウズナンダカラ ミンナニミセテアゲナサイ!
ミンナベビチャンニミトレテ ベビチャンアイドルニナレルヨ!」

「アニャア! アイドル! アイドル!」

「ベビチャン! ガンバッテラッシャイ! スキーッテホントウニタノシインダヨ!」

「チィ ガンガイマチュ!」

なにやらわいわいやっている。
せいぜい、今のうちにいっぱい会話をしておくことだ。
これが最後になるからな・・・・。
おっと、もう発車の時間か。

わいわいとした雰囲気の中、バスはゆっくりと発車しだした・・・・。


バスの中で、ベビどもに質問をする。

「ベビちゃんたちに、聞きたいことがあります。
 ベビちゃんたちは、スキーはできるのかな?」

「アニャア! トウゼンデチュヨ!」

「チィ トーッテモウマインダカラ!」

「チェンチェイナンカヨリモウマインダカラネ!」

「ははは。じゃあみんな経験者、と・・・・。」

「タダノケイケンシャジャナイヨ! チィハスキーヲマスターシタンダヨ!」

「イッタデショ!? チィタチトーッテモスキーガウマイッテ!」

「悪い悪い。じゃあ、みんな上手だ、と・・・・。」

私は苦笑しながら、メモ帳を書き直した・・・・。

495 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/15(月) 22:46 [ vKkz9jL. ]
>>494続き

スキー場 ロッジにて

「はーい 着きましたよー。
で、今からスキー場へ行くわけですが、
スキー場が開くまで、まだ少し時間があります。
そこで、その時間をつぶすため、みんなでかまくらを作ることにします。
ちゃんと作るんだよー。」

なにやら文句を言う奴もいたが、じきにただ待っているのも退屈だと分かったのか
全員参加している。
とはいえ、スキーが気がかりで仕方がないのだろう。かまくらの出来はすさまじいものである。
ところどころ穴があいて、まるでザルのよう。
今にも崩壊しそうだ。

「時間になったねー。それじゃあ、行きましょう!」


スキー場 ゲレンデ

「えー、それでは、そろそろ滑りたいと思います。
で、みんなはもう滑れるようですので、あえて聞く必要はないでしょう。
じゃあ、みんなついてきてね!」

「ハーイ!」

「ヨウヤク チィノカレイナスベリヲミセルコトガ デキルノネ!」

一同は、リフトに乗り込んだ。



ゲレンデ 超上級者コース

「アニャァァァ!!??」

ベビどもの第一声がそれだった。

まあ当然だ。こいつらの「マスター」したコースなど、初心者レベルのものにすぎないのだから。
しかし思いこみと自惚れの激しいしぃ族のこと、
初心者コースで滑れるようになっただけで、自分のスキーは完璧だと思いこんだのだ。
まだスキーの第一歩を通過したにすぎないのに。
そんな間抜けな奴らにはここは垂直な絶壁にも見えるのではないか?
実際、山の斜面そのまんまに近いから、絶壁ともいえるのだが。

「どうしたの? ベビちゃん? さっさと滑りなよ。」

「ア・・・アニャアア・・・ チィ コンナノスベッタコトナイ・・・」

「何いってんの。スキーをマスターしたんだろ? なら簡単だよ。」

「デ・・デキナイヨゥ・・・ チィ コワイヨゥ・・・・」

さっきまでの威勢の良さはどこへやら。
まあこれ以上この場でぐずらせとくのも見ていてイラついてくる。
私は次々とベビどもを突き飛ばした。

496 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/16(火) 00:06 [ oQOTc/2A ]
初投稿です。
      
         ベビしぃ虐待

俺の名はモララー
ごく普通のモララーだ。
仕事が終わって、アパートに帰る途中のことだった。
ゴミ捨て場に1匹のしぃが居た。
親しぃは俺の姿を見つけると、
いつものポーズをとり、こう言った。

「ダッコ♪」

その言葉を聞いた瞬間、
俺はそのしぃを力いっぱい蹴り上げた。

「シィィィィィィィッッ!!!」

蹴られたしぃはまだよく状況を飲み込めていない。
そして続けざまに今度はしぃの腹を、
思いっきり踏みつけた。

グチャッ

中の臓器がつぶれる音がして、
しぃは声も上げずに、絶命した。

「なんだもう死んだのか?
つまんねえの。」

そういって立ち去ろうとした時、
後ろから声が聞こえた。

「チィィィィィィ!ママァ!ママァ!」
「ママヲカエシナサイ!コノギャクサツチュウ!」

その声にイラついて、
蹴り飛ばそうかと思ったが、
やめた。
せっかく上等なオモチャが手に入ったんだ。
そう簡単に殺してはつまらない。
こいつらは家でかわいがってやるとするか。

           続く

497 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/16(火) 00:32 [ oQOTc/2A ]
>>496の続き。


「ベビちゃん達、漏れの家に来ないかい?
いっぱいダッコがあるよ。」

俺がそう言うと、

「アニャ?ナッコガイッパイ!?」
「ハヤク!ハヤク、ナッコガイッパイアルトコロニ、
ツレテイキナサイ!」

さっきまで母親が死んで泣いてたのに、
今度はもうダッコで頭がいっぱいという様子だ。
流石アフォしぃ、
子供までどうしようもないクズだ。
俺はウザイベビ達を抱え、
ゴミ捨て場を後にした

そしてアパートに着くと、
ベビ達が急にわめきだした。

「オナカスイタヨウ!マンマ!」
「ハヤクアマクテヤワラカイゴハンヲ
モッテキナサイ!」

今すぐ蹴り飛ばしたくなるのを抑えて、
こう答えた。

「ごめんねベビちゃん達!
ダッコの前にまずご飯だね!」

「ハヤクモッテキナサイ!」
「ソウヤッテモララーハ、
チィタチニツクスノデス!」

ケッこの糞虫共が、
てめえらなんて糞で十分と、
言いたいところだが、そこまではしない。
お望みどうり、最高のおいしい飯を、
甘くて柔らかい物を食わせてやるよ………。

         続く

虐殺シーンまったくなしでスイマセン。
次回から虐殺シーンが入りますので、

498 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/16(火) 01:09 [ n8ci0twA ]
初投稿、乱文スマソ

あるモララーがいた。
そのモララーはかつて事業に成功し莫大な富を蓄えていた。
”かつて”とあるのは今は解体しているからだ。
事業により蓄えた富をかれはあることに使っていた。
虐待をうけたしぃ達の病院である。
この病院ではアフォしぃの親に虐待されたチビしぃの治療とメンタルケア、でぃのリハビリが行われている。
ここで働く看護しぃの中にはこの病院で治療を受けた者のいる。
だがこのモララーにはもうひとつの顔があった。
            続

499 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/16(火) 13:08 [ TLUEoMKY ]
>>495続き

「チィィィィィィッ!!??」

ベビどもはものすごい勢いで滑り出す。
しかし所詮はド素人。すぐにこける。
しかも季節は冬の終わり。スキー場もコースに新雪をまかないものだから、
ゲレンデの雪にも氷が多くなる。

要するに、ゲレンデが固くなっているのだ。
ベビどもも、顔面から突っ込んでいったため
顔面を氷で傷つけられ、硬い氷に顔を打ち付け、
ようやく止まったころには、鼻血やその他で顔は真っ赤に染まり、体も半分雪に埋もれていた。

しかしほとんどのベビが脱落していく中、1匹だけまだ滑っているベビがいた。

「あれれー? 本当に上手い奴もおったんかなー?」

いや、そうではない。
このベビは、単に動けないだけなのだ。
板を揃える、もっともスピードの出る滑り方+急斜面
ド素人のベビが恐怖で硬直するのも無理はない。
その硬直が故、ベビはバランスを崩すこともなく滑っているのだ。


しかし所詮はド素人の滑り すぐにボロがでる。
コース場にできた、小さなふくらみ。
ベビがそれに足を取られれば、どうなるかは分かりきっている。

こ け る

しかもかなりのスピードの中でこけたのだ。
当然、他のベビよりも被害は大きい。
他のベビよりもガリガリと激しい音を出し、激しく流血して転がっていった。

「なーんだ。やっぱ下手だったか。」

ニヤニヤしながら安心したように言う。

「チ・・・チィィィ・・・・」

ようやく目が覚めたのか、他のベビどもも動き出す。
しかし、ベビどもの不幸はまだ終わっていなかった。

「アニャッ アニャ・・・・ッチィィィィィ!!??」

悲鳴と同時に何やら折れたようなバキバキッという鈍い音がした。
他の客が、ベビの上を滑り出したのだ。

前にも言ったように、ベビどもは真っ白なスキーウェアを着ている。
しかも頭も毛皮で真っ白。
なので、一旦コース場に半分でも埋もれてしまうと、ほとんど雪と見分けがつかない。
しかも他の客はかなりのベテランばかりだ。
当然でこぼこのコースだって滑り慣れている。
コース場に、ベビでできたでこぼこがあっても、何の疑問も抱かない。
またいつものようなコースだろう、としか考えていない。
なのでお構いなしにベビの上でも滑っていく。

車にひかれるなんて事はよくあることだけど、スキーにひかれるなんてことはめったにないよ?
貴重な体験をしているねえ、ベビちゃん♪

そうこうしているうちにも、どんどん他の客は滑っていく。
見ていると、コースの所々がじわじわと赤くなっている。

「やれやれ、そろそろ引っ張り出すか・・・・。」
一通り客が滑り降りたので、私はベビどもの様子を見に行った。

500 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/16(火) 13:10 [ TLUEoMKY ]
>>499続き

「ギヂィィィィ・・・・」

やっぱりだいぶまいっているようだ。まあ、無理もないか。
ベビどもの状態はひどいものばかりだった。

顔面流血は当たり前。手足があらぬ方向へ曲がっていたり、
他の客が曲がったときのエッジのためか、スキーウェアごと体に大きな切り傷ができていたり、
毛皮がめくれて中の肉が見えたり・・・・

すさまじいもんだ。 開始たった10分足らずでこのありさまだ。
こんなんで大丈夫なんかね、こいつら。
あ・・・・一匹忘れてた。

一番スピードを出し、一番激しく転がっていったベビのことだ。
他のベビどもを頂上に残して、様子を見に行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まあ、結果は言うまでもあるまい。
当然ながら死んでいた。当たり前か。
まあ見るも無惨だな。13日の金曜日か? これ。

そのベビは、折れた首の骨を首の後ろから突きだし
まるでここまでの道しるべのように、点々とはらわたを所々にブチ撒け
口の中にはシロップをかけたかき氷のような、真っ赤に血に染まったゲレンデの雪を口いっぱいに詰め
手足の関節を増やしたかのように、3,4カ所で手足を曲げ、しかも1本はもげていた。
チェーンソーで叩き切ったかのような ズタズタの切り口
その周辺には氷の破片が刺さっている。おそらくこれで切り裂かれたのだろう。
なんともいえぬ、絶望を絵に描いたような表情のまま、固まっている。
これだけでも雑誌に投稿すりゃ絶対入賞もんだな・・・・。

・・・・・・そろそろ他の客たちが戻ってくるころか。
ベビが死んでたって誰も文句なんか言いやしないが、さすがにここまでひどいと少しまずいか。
ゲレンデ汚すなって、文句を言われかねんな。

私はベビの死体とパーツをビニール袋に入れると、頂上行きのリフトに乗り込んだ。

頂上

「やれやれ、みんないるかなー?」

全員が全員、下を向いて早くもカタカタとふるえている。
まだこれからだというのに。

「あれれー? みんな寒いのかなー? まあいいや!
えーと、さっきはみんな途中でこけていたけれど、
どうしたのかな? みんなは上手いんじゃなかったの?」

全員話なんざ聞いちゃいない。まあ、そんな余裕もないんだろうが。

「滑れないってことは、みんなは先生にうそをついてたってことだ。
先生は悲しいです。うそをつくなってあれほど言ったのに。
そういうみんなには、お仕置きをしなければなりません。
それとも、今からここを上手に滑って、先生にうそをついてないって証明してくれますか?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「モウヤーヨゥ! イヤァ!」

「コンナノゼッタイデキナイヨウ!」

「モウイタイノ イヤァ!」

ベビどもは一目散に逃げ出した。
斜面を滑っていったわけではない。林の中に逃げ込んだのだ。

「やれやれ、全員うそつき・・・・と」

私はベビどもを捕獲すべく、林の中に入っていった。
しかしこの林、以外と広い。
私がすべてのベビを捕獲した頃には、もう夕方になっていた。
あれだけの怪我をしていながら、よくこんな体力が残っていたものだ。
まあこれくらいじゃないと、これからもたないけどな・・・・。

私はベビどもを両手に抱え、ロッジに向かっていった。

501 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/16(火) 13:20 [ TLUEoMKY ]
>>500続き

ロッジ

「みんなー。なんで逃げたの?
先生とっても探すの大変だったんだよ?
みんながそんなに悪い子なら、先生お仕置きしないとね。」

ベビどもがざわざわと騒ぎ始める。

「はいはい。これから晩ご飯の時間ですが、
ここで! お仕置きの時間にします。
あー、待て待て。別に飯ぬきってわけじゃないよ。
そのお仕置きっつーのは、みんなにリスさんごっこをしてもらうことです。」

「アニャア・・・・??」

ベビどもは最初、キョトンとしていたが、お仕置きらしい名前じゃないことにホッとしたのか、
ベビどもの顔に安心そうな表情が浮かぶ。

「えー、それじゃあルールを説明するからね!
まず、このロッジの周りに、みんなの食べ物が埋まっています
そいつを掘り出して見つけて下さい! 見つけられないと、晩ご飯はぬきです!」

「アニャアア!?」

ベビどもの顔に困惑の色が見える。
当然だ。今の気温は0度前後。
おまけに、地面はガチガチに凍り付いているのだ。

「チェンチェ! コレノドコガリスサンゴッコナノォ?」

「君たちは何も知らないんだね。
リスさんはね、冬になると食べ物がなくなるから、その前に食べ物を地面に隠しておくんだ。
でね、冬の間にそれを食べるんだけど、広い場所に隠すから、大概は埋めた場所を忘れちゃうんだ。
だから冬はお腹をすかせていることが多いんだよ。
これは今の君たちだって同じことだろ?
君たちだって、今はお腹がとても減っているし、しかも地面には食べ物が埋まっている。
これがリスさんと同じでなくて、なんだい?」

「アニャア・・・・」

ベビどもは急に黙りこくる。

「チェンチェ ドウヤッテホルノ?
ジメンサン トーッテモカタイヨ? スコップサントカアルノ?」

「何言ってるんだい、君は。んなもん、素手で掘るに決まってるでしょーが。
最初にも言ったけど、これはお仕置きなんだよ?
甘ったれたこと言ってんじゃないよ。
ここで甘やかすと、君たちのためにならないからね。
でもね、私だって辛いんだよ? やりたくないんだよ、こんなこと。
でも君たちにいい子になってほしいから、心を鬼にしてやっているんだよ。分かった?
ちなみに、ロッジの中には君たちのご飯はないからね。
食べたいなら本当に外で探すしかないんだよ。じゃあね♪」

扉を閉めて、中に入った。
何やらいい匂いがする。あっちか。

テーブルには、信じられないほど豪華な夕食が用意されていた。

んー、いいねえ。
こんな豪華な夕食とは夢にも思っていなかったよ。
あいつらの旅費を全部使い込んで頼んだだけの価値はあるね。
(このロッジもそうなんだけどね♪)

さーてと、じゃあいただきますか。
・・・・・おお! やっぱりうまいなあ・・・・。
やっぱり、最上級コースだけのことはあるなあ。みんなうまい!
うん、これも・・これも・・ああ、サイコーだYO!!

502 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/16(火) 13:23 [ TLUEoMKY ]
>>501続き

モララーがロッジの中で豪華な夕食を食っている一方、ベビどもは必死だった。
極寒の気温の中、地面を一心不乱になって掘っている。
しかしなかなか掘れない。それもそのはず。
土の上にも厚く、硬い氷が張っているからだ。
当然これらのお仕置きは天然のものではない。
ベビたちが林の中に逃げ込んでいる間、モララーがロッジに戻ってきて作ったものだ。
土の中にしぃフードを半分見えるように埋めた後、水をかけ、土を固める。
その上からまたしつこく水をかけて、ぶ厚い氷で土を覆う。
これらの作業を終えてから、ベビどもの捕獲に向かったのだ。

ガリガリガリガリ・・・・。

ベビは一心不乱に掘っている。
硬い氷に、ベビの柔らかい爪とオテテ。どうなるかは目に見えている。
しかし、爪がそげ、肉が剥がれ、骨が見えても、ベビは氷の下のしぃフードを目指して掘っている。
もう骨で氷を削っているようなものだ。
後3センチ・・2センチ・・1センチ・・・・・やった!
とうとう掘り当て、大喜びする。

愚か者め。

直後、その声を聞きつけたほかのベビどもがやってくる。
当然、奪い合いになる。
馬鹿な奴だ。黙っていれば気づかれずにすんだのに。

「サッサトソレヲチィニヨコチナチャイ!!」

「ヤーヨゥ! コレ チィガミツケタンダヨウ!」

「アンタナンカシンデモイイノ! チィガウエジニシチャウデショ!」

「アンタノブンマデ イキテアゲルカラ!」

モララーは、酒を飲みつつその光景を楽しそうに窓から眺めていた。

あいつらはまるで、と言うよりそのまま、餌にたかるピラニアだな。
本当に自己中心的、わがままを絵に描いたような動物だな。
自分が生き残るため、自分の欲望のためには、他の奴なんざ邪魔者でしかない。
いつもはあんなに仲良さそうにしているのにねえ。
そんな友情も今はどこへやら、だな・・・・。


ベビどものサバイバル・ゲーム(?)は時間とともに激しさを増している。
腕が根本まで削り取られてもまだ氷を掘っているもの・・・・
分厚い氷をなめて溶かそうとして舌が氷に張り付いて動けなくなったもの・・・・
泥だらけのしぃフードを奪い合っているもの・・・・
死者こそ出ていないものの、まさに戦場と呼ぶにふさわしい光景だった。


2時間くらいたつと、ベビどもの争いも沈静化してくる。
もう酒の肴もないし、テレビもろくな番組がやっていない。
じゃあ、寝るか・・・・。
2階へ上がろうとしたその時

ドン! ドン!

扉を叩く音がする。

ああ、そういやベビどもの後始末がまだだったな・・・・・。

私はゆっくりとドアを開けた・・・・。

503 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/16(火) 13:29 [ TLUEoMKY ]
>>502続き

ドアを開けると、ベビどもがいた。
全員、生傷だらけで、ぼろぼろだ。
何を言いに来たかは分かっているが、あえて聞いてやる。

「何しに来たんだい? ベビちゃん?」

「チェンチェ チィタチゴハンタベタヨ? モウ オシオキオワッタヨネ? ダカラ オウチニイレテクレルヨネ?」

まったく、笑いが止まらないよ。
私は絶望的な一言を言ってやった。

「何を言ってるんだい? お仕置きが終わったなんて誰も言ってないよ?」

ベビどもの表情が一変する。

「チョンナ! チェンチェ イッタジャナイ! ゴハンサガスノガオシオキダッテ!」

「だーかーらー。誰がそれで終わりだって言った?
まだ続きがあるんだよ。この、リスさんごっこにはね!」

絶望したためか、ベビどもは真ん丸な目に涙をいっぱいためている。
HAHAHAHA!! いいねいいねその表情!!

「いいかい? リスさんごっこにはね、まだ続きがあるんだよ。
リスさんは、冬の間どこで眠ると思う?
木のうろの中なんだよ。さむーい、さむーい、ね・・・・。
もう分かったろ?」

「デモ チェンチェ チィタチ キノウロナンカニ ハイレナイヨ・・・・?」

「誰も木のうろに入れなんて言ってないだろ?
まあ無理矢理詰め込んでやってもいいんだが、それだと死んじまうだろ。
だから君たちの体にピッタリのものがあるだろ?

そう・・・ ここに来たとき、みんなに作ってもらった・・・・かまくらがね!」

ベビたちは、おそるおそるかまくらの方を見る。
穴だらけで、今にも崩れそうな、なんとも頼りないシロモノだ。

ちょうどその時強い寒風が吹いた。
1匹のベビが我慢できなくなったのか、叫んだ。
「チェンチェ! コンナカマクラナンカジャ チィタチ サムクテシンジャウヨ! ハヤクナカニイレテ! 」

あざけるように返答。

「だから言ったでしょーが。ちゃんと作れって。
言いつけを守らんからこうなるんだぞ?
それに、今からでも修理ならできるじゃないか。
材料ならその辺にいくらでもあるんだから。」

先ほど、ベビたちが掘っていたあとの、氷の削りカスを指さす。

「早く直さないと、風さんが材料を持っていっちゃうよ?
さあさあ早く早く。さもないと、明日冷たくなっちゃうぞ!?」

それでも入ってこようとするベビどもを軽く蹴り飛ばし、私は扉を閉めた。
また明日、生きてたら会おうね ベビちゃん♪
              続く

504 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/16(火) 16:55 [ TLUEoMKY ]
>>503
深夜

深夜の山中は、わずかな風でもしびれるくらい身に応える。
当然ベビたちも、回避するべくかまくらに避難するが、
ザルのようなかまくらで寒さがしのげるわけがない。
むしろ、風が収束する分、すきま風と呼べぬくらいの強い風に襲われる。

「アギャァァァァァ!!! チャムイヨォォォォ!!!!」

「ギヂィィィィィ!!!!」

「ミンナアツマッテ!! ミンナデアツマレバ チャムクナイヨ!!」

「アニャァァ・・・ チュコシアッタカイ・・・」

「ホラ! ミンナノチカラヲアワセレバ マターリデキルンダヨ!!」

そんな言葉をあざ笑うかのように、風が強くなる。

「アギャアアアアアッ・・・・!!」

更にその後すぐ

ど ざ っ

かまくらが崩れた。
吹雪の何分の一程度の風で崩れてしまった。何という手抜き建築(?)。
当然中にいるベビどももただでは済まない。

破片の直撃こそ免れたものの,
半身が下敷きになっているもの
アンヨまでもげてとうとうダルマになったもの
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それに加え、寒風の直撃。
ベビどもの生命線はどんどん細くなっていく。

「タチュケテッ・・・! マァマ! チィタチヲ タチュケテッ!」

「オナガイ! マターリノカミチャマ! チィタチヲ タチュケテ!!」


明け方

あいつらはどうしているかな? 死んでいるかな?
様子を見に行ってみた。

何とか生きているようだ。
しかし、もはや全員凍死寸前だった。
スキーウェアを着ていなければ、凍死していたろうが、
不幸にも1匹、昨日のスキーの時にスキーウェアごと切り裂かれてた奴がいた。
そいつはかろうじて生きてはいたが、もう生きているだけだったのだ。

なぜならそいつの手足や腹は、凍傷を通り越してすでに凍り付いてガチガチだったのだ。
おそらく内部まで完全に。
生きているとすれば、かろうじて心臓が動いている点ぐらいか。
こいつはもう治療をしても長くはあるまい。

私はそのベビをまず、室内に入れた。

他のベビたちも、ここで死なれると非常に困るので、とりあえず風呂場へと連れて行った。
どいつもこいつも、よく生きてたもんだ。
体が半身埋まったり、ダルマになってもまだ生きている。凄い生命力だねえ。

505 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/16(火) 18:03 [ TLUEoMKY ]
>>504続き

「アニャァァ・・・・」

少しは暖かい風呂場に連れてこられて安心したのか、
ベビたちの顔に笑顔が戻る。

「アッタカアイ・・・・」

「さってと、それじゃあみんな暖まりたいだろうから、シャワーを浴びせてあげます。準備はいいね?」

シャワーをかけてやる。
別に熱湯でも冷水でもない、ぬるま湯のシャワーだ。
ベビたちも、気持ちよさそうな顔をしている。

ただし、本当にこいつらを治療する気など、さらさらないが。

その証拠に数分後・・・・。

「アニャッ!? アニャッ!? カユイヨォォ!!」

「アギャァァァァァ!?」
  
当たり前だ。
スキーウェアに守られてこそいたから凍傷は免れたものの、
全身にひどいしもやけができていたのだ。
そんなしもやけだらけの体に、暖かいシャワーが加わればどうなるか・・・・。

血行が良くなり、めちゃくちゃかゆくなるのだ。

ベビどもは、かゆみのため全身をひっかいている。
それで、せっかく寒さでふさがっていた昨日の傷も、掻きむしったせいでまた開く。

「アギャッ・・・!! イタイヨゥ!!」

しもやけのかゆみも同時進行で襲ってくる。

「アギャッ カユイ・・! イタイッ・・! カユイ・・! イタイ・・!
・・・・・・チィ モウイヤァァァ!! タチュケテェェェェ!!」

掻いても痛くて地獄、掻かなくてもかゆくて地獄
どっちがいいんだい? ベビちゃんは?

もっと楽しみたいと思ったが、このままじゃキチ○イになる可能性もある。
ちょっと残念だけど、私はベビどもを風呂から引き上げ、居間に連れてきた。
               続く

506 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/16(火) 21:22 [ oQOTc/2A ]
>>497の続き
              ベビしぃ虐待

「はーいベビちゃん達、
ご飯ができたYO!」
「アニャア!?マンマ?」
「ハヤクモッテキナサイ!」

チィチィと五月蝿い奴らだ。
俺はそう思いながらベビたちの目の前に、
飯が乗った皿を出してやった。
その瞬間ベビ達の表情が凍りついた。

「アニャ!ナニコレエ!」
「チィコンナノタベラレナイヨウ!」

そう俺が出した飯とは、
砂糖を振り掛けた、生きている芋虫だったのだ。

「どうして食べないの?
ベビちゃん達は甘くて柔らかいものが、
大好きだって言うから、
芋虫さん持ってきてあげたのに・・・・・・」
「ヤーヨウ!ヤーヨウ!コンナノヤーヨウ!」

そういって姉らしきベビは、
皿をひっくり返した。

プチッ

その時、俺の中で何かが切れた。

「この糞虫がァッ!!!
人がせっかくてめえらみてえな糞虫に、
飯を食わせてやろうと思ったのに、
何だその態度はよ!!!」

俺はベビが死なない程度に蹴り飛ばした。

「ヂィィィィィィィィィィッ!!!」
「チィィィィッ!オネエチャン!」
「てめえ……覚悟はできてんだろうなぁ!」

俺は姉の方のベビの手足を縛り、
落ちている芋虫を拾い、
ベビの口の中に入れ吐き出さないように、
ガムテープで口をふさいだ。

「モガァァァァッ!!!fygヴdfヅgs!!!」

ベビは口の中で暴れまわる芋虫の感触に、
首を振って声にならない叫びを上げている。
妹のベビの方は、姉の暴れる姿に恐怖したのか、
嫌々ながらもおとなしく食べ始めた。

「それ明日までに全部食わねえと、
お姉ちゃんみたいに縛り付けちゃうからね、
全部食べるんだよ?」

ベビは引きつった顔をして無言で、
食べ始めた、それを確認した俺は、
部屋を後にした。


         続く

507 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/16(火) 22:01 [ oQOTc/2A ]
>>506の続き

チュンチュン

「ふわぁぁぁぁぁぁ……
もう朝か会社に行かなくては、
そういえばベビ達はどうなっただろう。」

俺はベビ達を閉じ込めてある部屋に行った。
二人仲良く寝ていた。
寝言でマァマ・・・ナッコ・・・
などと、つぶやいている。
俺は寝ているベビを軽く蹴った。

「オラ!おきろ糞ベビ!」
「ネムイヨウ・・・オナカスイタヨウ」

俺は、姉のベビのガムテープを取ってやった。

「プハァ!クルシカッタヨウ!」
「ちゃんと芋虫さん食べたみたいだね!
おりこうさん!ダッコしてあげるよ!」

そういって、俺はベビたちを抱きかかえた。

「チィチィ♪ナッコデマターリタデスネ♪」
「ナァンダヤッパリナッコデマターリシタダケダッタンダネ♪」

ケッこっちは臭くてたまらないないぜ。
まぁ今のうちに楽しんでおくんだな。

「ご飯を用意して来るから、
ちょっと待っててね!」
「チィハモウイモムシサンハイヤデス・・・」
「チィモデス」
「大丈夫!今度はちゃんと、
美味しい物を持ってくるから!」
「アニャ?ホント!?」
「かわいいベビちゃん達に、
嘘なんかついたりするわけないだろう?」
「ナラ!ハヤクモテキナサイ!」

さっきまでの脅えた態度はどこへ行ったのやら、
そんなことを考えながら俺は、
バナナをすりつぶして柔らかくし、
ベビ達にあげた。

「アニャーン♪オイシイネ♪」
「マターリアジダネ♪」

さて俺は会社にでも行ってくるかな、
えっ?何でベビ達にまともな餌を、
やったのかだって?
困るなぁ勘違いしてもらっちゃぁ……。
あれは3年前くらいに買って、
ずっと食べなかったバナナだよ……。
帰ってきてからどうなってるかが、
楽しみだ。

              続く

508 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/17(水) 10:32 [ jm3MPLwM ]
>>505続き

「じゃあみんな、さすがにお外に出るのはもうキツいだろうから、
みんなにはこの中で、もう少しおねんねしてもらうことにしまーす!」
(ちなみに今は明け方である)

「アニャア! ヤッタァ!!」

「コレデチャムクナクナルノネ!」

「ヨカッタァー!」

「じゃあみんな、案内するからついてきて!」

ベビたちをぞろぞろと引き連れて、ある一室に連れてきた。

ドアを開けた途端

ムワァッ!

強烈な熱気を感じる。
暖房をフルパワーで動かしてあるからな。
当然、ベビどもも暑さをうったえる。

「チェンチェ! アチューヨゥ!」

「さっきまで寒いって言ってたから、ちょうどいいだろ?」

「デモチェンチェ チョットアツスギルヨゥ!」

「確かに少し暑いかな。
でもね、ちゃんとそのための準備はしてあるYO!!
部屋の隅にある黒いものにダッコしてごらん。きっとマターリできるはずだよ。
じゃ、おやすみ!」

バタン


ドアが閉じられてから、ベビたちは一目散に黒いもののところに飛んでいった。
この部屋の温度は真夏の日中の温度にも匹敵するからだ。

その黒いものに触った途端、ベビたちの表情がやわらぐ。

「アニャーン! スズシイ!」

「ホントニマターリダ! チェンチェ アイガトー!」

本当に、ベビたちはこのときモララー先生に感謝していた。
ひどいお仕置きをするけれど、その後こうやってちゃんとマターリさせてくれる。
やっぱり先生は優しいんだ。
いつもだって、ちぃたちが何やっても許してくれたし、
ギャクサツチュウからも守ってくれるし・・・・・・・・・・・。

みんながそんなことを考えていると、

「デモコレナンナンダロ?」

一匹のベビが、黒いもの-正確に言えば黒い袋がかかったもの-に手をかける。

「アギャァァァァァ!!?? ナァニィィーー!!?? コエェェェェーー!!」

ベビたちが驚くのも無理はない。
黒い袋に入っていたものとは、
つい数時間前、腹まで凍っていたベビの氷付けだったからだ。
(スキーウェアごと皮まで切り裂かれてた奴のこと)

「チェンチェ! チェンチェー!」

1匹のベビが泣き叫びながらドアに向かって突進する。
しかしドアには鍵がかかっている。 開かない。

「チェンチェ! チェンチェ!! チェンチェェェー!!!」

何度も何度も体当たりをかける。
しだいに、と言うよりもすぐに全員が加わり、体当たり。
しかしドアはかなり頑丈で、
何匹集まろうがベビたちの体当たり程度ではびくともしない。
しばらくして、みんなが体当たりに疲れた頃

ガチャ

モララーが入ってきた。
不気味な笑みを顔に宿らせて。
             続く

509 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/17(水) 13:50 [ jm3MPLwM ]
>>508続き

「どうしたの? みんな・・・・ 何かあったのかい?」

「チ・・・チェンチェ・・・ア・・アレ・・・・ナァニ?」

ベビがおそるおそる氷付けのベビの方を指さす。

「あれかい? やだなあ、お友達だろう? もう忘れちゃったのかい?
薄情者だねえ、君は。」

「チョウジャナイヨウ!! ナンデコオリヅケニナッテルノォー!?」

「次のお仕置きだよ。今度は精神的・・・じゃないじゃない!罪悪感を分かってもらうためにね。」

「コエ ドコガ オシオキナノォ!? コンナノギャクサツダヨゥ!!」

「じゃあ質問、君たちこのベビちゃんのスキーウェアがだめになってたこと知ってたでしょ?
なんでこのベビちゃんを助けてあげなかったの?」

「ダッテ チョンナコトチテタラ チィモシンジャウモン!! タチュカルノハ チィダケデイイノ!!」

「チィ コノコト チョンナニナカヨシジャ ナカッタモン!!」


「・・・・ほらね。そんな態度は 自己中心的な態度はだめだって言っただろ?
どうせかまくらの中でも同じ事考えてたんだろ? 
また君たちは言いつけを守らなかった。だからお仕置きが必要なんだ。」

「デモ コンナノデ ナンデ ザイアクカン テイウノガワカルノ?」

「じゃあ質問。もし君たちの欲望のために、
お友達が化け物みたいになったら、どう感じる?」

「アニャア・・・? マチャカ・・・!!」

510 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/17(水) 14:05 [ jm3MPLwM ]
>>510続き

「そうだよ。さっきの氷ダッコのことだよ。
君たちのダッコで氷付けベビちゃんの温度は確実に上がる。
でもね、そうやって暖かくすると、自然解凍されてグチャグチャになるんだよ。
まるでホラー映画のゾンビみたいに。
他でもない君たちの手によって、ゾンビになるんだよ ね。」

見ていると、氷ベビはどんどん溶けてグチャグチャになっている。
部屋の温度によって溶けているのだが、
完全にこいつらは自分のダッコによるものだと思いこんでいるようだ。
目に狼狽の色が浮かんでいる。

そこで追い打ちをかけるように
「罪悪感を感じないのか?
君たちの自己中な、醜い欲望のために、友達が化け物になっちゃったんだよ?」

「ア・・アニャアアア・・・ゾ・・ゾンビ・・・」

「チィタチ・・・ジコチュウナノ?」

「チィノ・・ナッコガ・・ナッコガ・・・」

これは・・・罪悪感を感じているのか?
いや、そんなものではあるまい。
どうせマターリを導くとかぬかしてやがった自分のダッコで、友達を破壊してしまった。
このことを受け止められなかったが故にうろたえているのだろう。
まあ、いい
この仕置き(虐待)はこいつらの精神にダメージを与えることが目的だったからな。
一応アフォベビしぃの自己中な脳味噌にも効いているようだから、
そっちのほうはうまくいったようだ。
次に移ろう。


「お友達がゾンビみたいになるのが嫌なら、このベビちゃんは外に出してあげよう。
でもそうすると、君たちはこの灼熱地獄をじっと我慢しなきゃいけないんだよ?
氷無しで我慢できるのかい?」

「ド・・ドウチヨウ・・・アチュイノ・・イヤァ・・」

「死者を汚さずに自分たちが苦しむか
それとも、死者なんかどうでもいいから自分たちさえよければいいか・・・・。
さて、どちらにする? 」


しばらく黙っていたものの、結局後者を選んだようだ。
所詮しぃ族。結局自分たちさえよければそれでいい、か・・・・。

今回の「お仕置き」は効果がなかったようだ。
ここで改心の余地ありなら、これからの虐待も多少手加減してやろうと思ったのに。

やっぱりこいつらには「アメとムチ」より「ムチ一本」の方が効果がありそうだ。
(ちなみに今回のお仕置きは一応 アメ)

まあそうでなくちゃあ、今日楽しめないからなあ。
これで終わると思うなよ、糞ベビどもが。
こんなものは所詮、前菜にすぎないんだからな。
メインは今日の・・スケートの時間にくれてやるYO!
HAHAHAHAHA!!!
                続く

511 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/18(木) 11:03 [ bh5PzM.Q ]
>>続き

「はーい。みんな、着いたよー♪」

モララー先生が優しく語りかける。
でもベビたちはうつむいて、黙ったままだ。
今朝のことがこたえているのだろう。

「どうしたのかなー? もう着いたんだよー? 早く出なよ♪」

それでもまだベビどもの反応は薄い。

「しゃあないなあ。」

全員をダッコする。

「アニャ! ナッコ! ナッコ!」

「チィ! ハヤク ツレテイッテクダサイヨゥ!」

「コンドコソ マターリダ! アイガト! チェンチェ!!」

こいつらのダッコに対するこの変化、誰か研究してくれんかなあ。
絶対面白いと思うんだけど・・・・。


「アニャア!!」

ベビたちの目に入ったものは、一面に広がる氷だった。
しかし、施設などのリンクではなく、天然の 池が凍ってできた氷だった。

「チェンチェ ナンデ コンナトコニ・・・・?」

「それはね、先生が君たちの旅費を使い・・・ゲフン!ゲフン!

さすがにベビたちの旅費を使い込んだから、予約すら入れられなかったとは言えない。

いやいや、あちらはね、今日は満員なんだ。
もし他のお客さんがたくさんいるところで滑ったらどうなると思う?
スキーの時みたいになっちゃうんだよ〜。」

「アニャアァァ・・・!!」

ベビたちは顔を曇らせた。
どうやらあのときのことを思い出したようだ。

「でも、ここは他のお客さんは、一切いません!
滑りたい放題です!
あと、アンヨを怪我して滑れないっつーベビちゃんには、
ワカサギ釣りをやってもらいます!」

「ワカチャギ・・・・?チェンチェ ナーニィ チョレ?」

「このクソ寒い中でも、この池の水の下に住んでいるすごいお魚さんのことです。
で、そのワカサギさんを釣るときには、この氷に穴を開けて、釣り竿を垂らします。」

「デモ チェンチェ・・・ コオリサンニアナナンカアケタラ コオリサン ワレチャウヨ?」

「心配イラネーヨ! この氷さんはとっても頑丈なんだ。そんなにヤワじゃないYO!!」

「アニャア!!」

ベビどもはすっかり安心したのか、準備を始める。
無論、昨日のリスさんごっこで手がイカれた奴もいるから、手伝わなければならないが・・・・。

準備が終わったベビどもは、今か今かとわくわくした表情で待っている。



その希望に満ちた表情も、いつまで続くかな
スケートが終わった頃には、
多分全員、昨日よりも絶望した表情を浮かべることになるだろうけどよ。

期待してるぜぇ ベビちゃん♪
君たちの悲痛な表情は、漏れにとって最高の酒の肴になるんだからYO!!

512 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/18(木) 11:55 [ bh5PzM.Q ]
>>511続き

氷の上ではベビどもが思い思いに滑っている。

「アニャニャニャニャニャ〜ン♪」

「チュゴイ チュゴーイ! チュルチュルチュベル〜♪」

「チャイコ〜♪ コレガ マァマノイッテタ ホントノマターリ ッテイウヤチュカナ?」

「タブンチョウダヨ!」

一方、ワカサギ釣りの方は

ちなみに、漏れはこちらの方を今面倒見ている。

「アニャッ!? ニャンカオモイヨ・・!? コレッテ カカッテルノカナ?」

「そうだよ! 一気に引き上げて!」

「アニャーン!! チュレタチュレター!!」

「おー! 良かったねえ、ベビちゃん!」

「チュケートモ タノチチョウダケド コッチモトッテモタノチイ!!」

「そうかい? そりゃあ良かった!」

「アレ・・・? チェンチェ! ツレナクナッチャッタヨゥ!」

「チィモ ゼンゼンカカラナイヨゥ!」

「そういう時は他の場所に移ると釣れるようになるよ! 
ほら! アイスドリルも忘れないで!」

「ワカリマチタ! イコウ!」 「ウン! イコウ!」


今、まさにベビどもは「マターリ」を味わっているのだろう。
マタ派の連中にとってはこの光景、桃源郷にでも見えるのではないか?
なんせベビどもは、今最高に幸せそうな顔をしているのだから。


しかし、漏れは断じてマタ派などではない。
れっきとした虐殺派だ。

今とて、この状況を地獄に変える方法を進めているのだ。
そう ベビどもの気づかぬところで 着々と・・・・!

>>511>>510の続きです。書き忘れてました。)

513 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/18(木) 13:39 [ bh5PzM.Q ]
>>512続き

スケート+釣りを始めてから2時間経過

相変わらずスケート組は滑りまくっているし、
ワカサギの釣れない2匹組もあちこちで釣っている。
まあ、あちこちと言っても、あまり離れないように言っておいたから
割合近くにいるのだが。

漏れたちも時々動きながら、それなりの釣果を上げていた。
一緒に釣っていたベビも、実にうれしそうだ。

「チェンチェ イッパイツレタネ!!」

「ああ、そうだね。」

幸せそうだねえ ベビちゃん

でもね もう、最後なんだよ・・・・。
君たちが笑うことができるのは ね。


・・・・・・・・・・
さて、そろそろ頃合いか

「おーい! ワカサギ釣りのみんなー! そろそろ後かたづけの時間だよー! 戻っておいでー!
えーっと スケート組は、おかたづけが終わるまで滑ってていいよー!」

数分後
釣り組のベビたちはみんな集まり、スケート組は相変わらず滑っている。

さてと、準備OK じゃあ、やりますか・・・と。

漏れはしばらく歩いて、足下の氷を思いっきり踏み込んだ。


直後

ものすごい音とともに、氷が割れ、水面下に沈む。
当然、スケート組も、水の中に落ちる。
釣り組も、何事かとみんな駆け寄ってくる。
しかし、釣り組の見たものは、水面下で必死にもがいているスケート組のベビの姿だった。

どうして?
先生が、最初に氷の上に降りたとき、
先生、思いっきりジャンプして飛び乗ったのに、何ともなかったのに
どうして?



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
言うまでもなく、からくりはワカサギ釣りの穴だ。
もともとここの氷はそれほど分厚くない。
といっても、漏れが上で暴れた程度じゃびくともしないが
穴が開けば、びくともする

そう 功労者はあの釣り組の2匹のベビだ。
あの2匹は、浮気性なのか、あちらこちら 50カ所以上に穴を開けていた。
漏れはそれをさりげなく誘導して、自分も時々移動して、下のように穴を開けまくったのだ。 

上面図(かなりおおざっぱ)  
   ∧_∧
 ( ・∀・) byモララ−先生
 
         入り口
林林林林林林林林林土林林林林林  
林林岩岩岩岩岩岩岩土岩岩林林林 内側の空白地帯=凍った池
林土土         土土林林 
林土     。。。   土林林    白丸=穴(もっと多いんだけど、スペースの関係上で書けない)
林土   。゚    ゚  土林林                                     
林土  。      ゚  土林林    岩=岩場          
林土  。スケート組 ゚ 土林林                  
林土   。     ゚  土林林    土=平地      
林林土   。  。゚   土林林             
林林土土   ゚ ゚   土林林林    林=そのまんま        
林林林林土土土土土土土林林林林
林林林林林林林林林林林林林林林                     
                                                                                         
ここまで穴だらけになれば、分厚い氷も一発踏み込めば終わりである。

もっとも、こいつで明け方のような精神虐待をするつもりはない。
「君たちが開けた穴のせいでベビちゃんたちは溺れているんだよ」
と言ってしまえば、それで精神虐待完成なのだが
さすがに2回続けてやると本当に精神に異常をきたすおそれがあるし、
なによりも虐待がマンネリ化する。 それじゃあ面白くない。


こいつは当然ながら次へのつなぎにすぎない。
さて、そいつの準備にかかりますか。
もうそろそろ、池に落ちた方も限界だろう
水面下の温度は、氷点下前後らしいし。
           
漏れは止めてあったバスの方に向かった。

(上面図とモララーがずれてたらスイマセン。
 なにぶんAAはド素人なもので・・・。)

514 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/18(木) 14:48 [ bh5PzM.Q ]
>>513続き

池のほとりで、釣り組のベビたちは呆然としている。
飛び込めば、自分の命だってどうなるか分からないから、飛び込めない。
かといって、他にどうすることもできない。 
そんな感じだろう。

しかしそこへ、モララー先生がやってきた。
両手に何やら袋のようなものを持って

「チェンチェ!! ハヤクタチュケテアゲテ!!」

「チジィワップ!! バヤグッ! バヤグ タチュゲデッ・・! ゴボッ!」

どこまで他力本願なやつらだ。
軽蔑を込めた、冷めた目で言ってやる。

「いかんねえ、いつまでも先生に頼っているようじゃあ。
もし先生が今いなくなったら、君たちどうするの? 
自分たちで何とかしなきゃだめじゃないか。
それに、自分たちでみんなを助けることができる方法がない訳じゃないだろ?
今から先生は別のお仕事をするから、自分たちで助けること。
ちなみに自分たちの手で助けられなかった場合、またお仕置きです。」

モララーはそう言うと、鍋やコンロの準備を始めた。ワカサギ料理の準備だ。


ベビたちも最初は先生を説得しようとしたのだが、お仕置きが怖いのか
自分たちだけで話し合っていた。

「ドウチュルノ? ハヤクチナイト・・・」

「コウナッタラ モウトビコムチカナイヨ!! イクヨ!!」

「マッテ! チィモイク!!」

ベビたちが次々と飛び込んでいる一方、モララーはそれを見物しながら料理をしていた。

おーおー。やればできるじゃないの。
最初から、飛び込むって手段をとれよ 糞虫どもが
お、そろそろ揚がるか・・・。

1匹、2匹と飛び込んで救出に行っているそばで、まだうろたえているベビがいた。

「どうしたの? なんで助けに行かないの・・・?」

「ダッテ チィアンヨヲケガチテルカラ・・・・」

「そんなの関係ないよ。何なら飛び込ませてあげようか? ベビちゃんを投げてやるよ。」

「チ・・・チィィ・・・」

ベビはそのスッカラカンの脳味噌で一生懸命考えていた。
そして・・・妙案を考えついた!
これなら足を怪我していても 関係ない! 行こう! みんなを助けに!!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うん やっぱりワカサギのテンプラはうまいなあ!
それも釣りたてとなると、もう言うことなしだね!
ベビどもの悲痛な表情もいいけど、こいつも酒の肴としては、最高だよ!!
さてと、じゃあ追加を釣りますか・・・・・・・・って、あいつ、何やってんだ?

さっきの妙案を考えついた(らしい)ベビのことだ。
見ると、そのベビは釣り竿を使って、落ちたベビを釣り上げようとしているのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
信じられんことをするやつだな。 できるわけないだろうが そんなこと・・・・
確かに、糸や釣り竿は比較的、お前らの体重に耐えるくらいは頑丈だ。
しかし、自分の腕力と相手の体重を考えてみろよ・・・・
お互いにダッコすらできやしない つまり
自分と同じ体重のベビすら持ち上げれないお前らの非力な腕力で、
水を吸って、いつもより重くなっているベビを持ち上げられるわけがねーだろーが!

しかもお前らしぃ族の単純な脳味噌じゃあ、火事場の馬鹿力を出す構造すらないのに・・・・・。
もう、結果は目に見えてるな。 漏れは知らんぞ・・・・
漏れは追加を釣りに出かけた。

515 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/18(木) 15:48 [ bh5PzM.Q ]
>>514続き

釣り竿ベビは悪戦苦闘していた。
針は引っかかるものの、引っ張り上げようとすると
鋭利な針と、ベビしぃの重さと脆さが手伝って、針の掛かった部分の肉がちぎれ、失敗。
それを延々10回以上繰り返している。
もう、我慢できなくなった水面下のベビの方が逃げている有様だ。

「モウヤーヨゥ!! オイカケテコナイデェ!!」

「セッカク コノテンサイノチィガ タチュケテアゲヨウトチテルンダカラ オトナチクチナチャイ!!」

「ダレカトビコンデ チィヲタチュケ・・・ガッ!?」

「ヤッタ! カカッタ!」

今回も前回同様肉をちぎって終わるかと思ったが、今度は違ったようだ。
今回はあごにかかった。
あごの下部から突き刺さった針の先端が、ベビの口からはみ出ている。
尻や脇腹にかかったときとは比較にならないほどガッチリかかっている。
すぐに抜けないから、痛みも数倍になるのだが。

「アギャガッ・・・ガバッ! イダ・・・イダイヨ・・・! ハズシテ・・・・」

そんなベビの悲鳴などどこふく風で、釣り竿ベビは

「コンナコトヲオモイツクナンテ ヤッパリ チィハテンサイネ♪
 コレナラ トビコムヨリモ アンゼンニ カクジツニ タスケレルンダカラ♪
 トビコンデルヤシラノキガシレナイワ ヴァカネ アイツラ♪」

・・・・・自分に酔いしれていた・・・・・。

「ソロソロヒッパリアゲルヨ!!」

ぐいぐいと引っ張る。
しかしなかなかたぐり寄せれない。重いからだ。

「コウナッタラ・・・・! エイッ!!」

なんと一本釣りの要領で、思いっきり、一気に引っ張り上げたのだ。
それと同時に、なま暖かいものが釣り竿ベビに降りかかってきた。

516 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/18(木) 16:28 [ bh5PzM.Q ]
>>515続き

「アッ!! ナーニィ コエェ!? キモチワルイヨゥ!」

釣り竿ベビは血まみれになっていた。無論、自分の血ではない。
とすると・・・・・・・?

おそるおそる釣り竿の方を見る。ベビの姿はない。
・・・・・ベビの下顎がひっかかっていることを除けば・・・・・。

「ア・・ナ ナアニィ コエ・・・?」

さっきの一本釣りの時のシロモノだ。
体の脆いしぃ族といえど、骨はそれなりに硬い。
しかし、関節はそうはいかない。
しぃ族の関節は、定番の腕もぎ足もぎで分かるように、非常に弱い。
モララー種やモナー種なら、子供でも用意に引きちぎることができるくらい、しぃ族の関節は弱い。
当然、顎関節とて例外ではない。
そして、釣り竿ベビの腕も同じだ。
さんざん自分の体重の2倍くらいはある、水を吸ったベビを釣り上げようと奮闘して、
最後には一本釣りまでやってのけたのだ。 ただですむはずがない。

そう。まるで枯れ枝が朽ち果てて落ちるように
釣り竿ベビの両手は、ゆっくりと その体から落ちていった・・・・。

「アニャア!? ナ・・ナンデ!? ナンデチィノリョウテガ!? ナンデ!?
ナンデエラバレシ イダイナルチィノリョウテガ ホカノゲセンナヤシラミタイニ・・・・!?
ナンデェェー!!?? チィィィィィィィ!!!!」

まるで大人アフォしぃみたいなことをぬかしている・・・・。

「アッ! チョウダ! ドコイッタノ!? セッカクタチュケテアゲタノニ・・・
ドコニイルノヨ! デテキナチャイ! チィニオレイトカンシャノシルシヲヨコチナチャイ!」

はいずり回りながらうめいている。 

これのどこが選ばれし偉大な者だ
さしずめゴキブリかウジ虫だろーが いまのおまえは。

ウップ ああ、もうだめだよ
見苦しいことこの上ないなあ これ以上こいつを見ていると
さっき喰ったワカサギが逆流してきちゃうよ。
もう、さっさと始末しよ!

「おーい」
そんな思いを胸に隠し、漏れはいずり回っている釣り竿ベビに近づいていった。

517 名前: 虐待虐殺物語⑤ 投稿日: 2004/03/18(木) 17:25 [ mlW3Yvic ]
>>492続き
全てのAAが洞窟から出てきたのを確認すると、洞窟を囲むような配置に移動した。
そして、じわじわと嬲って、出てきた所を捕獲、ダスキソに売り払ってしまおうと言う作戦なのだが・・・


洞窟内部・・・
「ベビチャン!!ベビチャン!!オナガイ、ヘンジシテェェェェェェェェ!!!!!!!」
一匹のアフォしぃが、既に肉塊となったベビしぃを抱いて、号泣している。
無理も無い、「虐殺友の会」の人々によって、兵糧であるオニーニを全滅させられたのだから。
おまけにベビしぃ専用部屋に居た、ベビしぃも毒殺されている。
まさに風前の灯、水も人員も底をつきかけている。
「ドウシヨウ・・・ソト ニハ ギャクサツチュウ ガイッパイ イルシ・・・」
一匹のアフォしぃが、呟く。
洞窟の周りを囲んでいるので、非常口も役に立たない。
アフォしぃ達が口にしているものは、近くの「でぃ診療所」から巻き上げてきたシィフードだ、しかし、それも底をつきかけている。
「モウドウシヨウモナイワ・・・・・」
アフォしぃ達は諦め掛けていたが、「一歩外に出れば殺される」と言う恐怖から、中に篭っていた。

二日経過・・・

「クソッ!!全然出てこない!!」
リーダーのモララーが舌打ちを打った。
元々モララー族には、のんびりとした者は殆ど居ない
「こうなったら、アレを使うか・・・」
モララーは不敵な笑みを浮かべると、携帯電話を取り出した・・・

続く

518 名前: massacre 投稿日: 2004/03/18(木) 18:08 [ CQi1JkC2 ]
乱筆乱文スマソ

“GENOCIDE TRIBS”

 深夜。
 それは一日の上で一番静かな時間。
 人々はこの時間を休息の時間として使う。
 しかし、ある郊外の町ではその静寂を破る者達がいた。
「キョウモアシタモ シィ〜シィ〜シィ〜 ミンナネムネム ハニャニャニャーン」
「マターリシタイノ シィチャンシィチャン ミンナナカヨシ ハニャハニャーン」
 しぃの集団だ、人数5人。
 近所の睡眠妨害になるにもかかわらず大声で歌って踊っている。
 当然のように文句を言いにきた者がいた。
「お前等静かにしろゴルァ!やかましくて寝れんぞ!」
 ギコだ。
 すると、たちまちしぃ達はギコに飛びついていく。
「な、何すんだゴルァ!」
「ハニャーン コウビコウビ」
「やめろ!俺には妻と子供が」
「ハニャーンカンケイナイヨー カワイイシイチャントコウビシヨ♪」
 ギコは次々と衣服を剥ぎ取られ、真っ裸にされてしまった。
「ハニャーン ジャアシィチャンカラネー」
 しぃがギコの○○○を掴んで自分の○○○に持っていこうとし、
「アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ」
 ただならぬリズムの笑い声が聞こえた。全員声の聞こえた方向―電柱の上を見た。
 月の光の逆光でその人物のシルエットが浮かび上がっていた。
「公衆道徳ドコイズコ万年発情猫達メ!コノ俺様、“ツァーガ=シュビィ”ガ天誅ヲ下ス!」
 トウッ!と叫んだ影は地面に音もなく着地、その姿を晒した。
「“ツー”ヨ!」
「アヒャヒャ、虐殺集団“GENOCIDE TRIBS”略シテGTノ第二隊隊長、ツー様トハ俺ノ事!」
 言葉と共に一振りの日本刀が手に握られた。
 それを見て恐怖に顔を歪ませ青ざめさせるしぃ達。
「アヒャヒャ、今ココデコノ刀ノ錆トシテクレルワ!」
 ツーは跳躍、一気に距離を詰める。
 無造作に横に一閃、ギコの一物を掴んでいたしぃの首が消えた。ギコは急いで家に戻る。
 ここでやっとしぃ達は逃げ始める。
 しかし、ツー族のスピードはしぃ族より遥かに上だ、しかも馬鹿なのかしぃ達は全員同じ方向に逃げ出した。
 ツーはまた跳躍、しぃ達の進行方向に着地。
 慌てて糞虫どもはUターン、しかし一人こける。
 そいつは腰が抜けたのか、近づいてくるツーに背を向け、必死で腕の力だけで這って行く。
 ツーが追いついた。しぃは振りむく。
「ハニャーン シ、シィチャンダケハタスケ……」
 最後まで聞かずに縦に一閃、見事に縦に割れる。
 残りは三匹、逃げていった方向に目を向けるとそこには、
「ギャクサツチュウ!ヨクココマデガンバッタワネ デモアンタハココデオシマイヨ」
 虐殺棍棒握ったしぃ達がいた。それを見てツーは笑う。
「ギャクサツチュウカクゴー!」
 一匹が真正面から突っ込んできた、馬鹿な
「奴ダ……」
 ツ―は日本刀を前に突き出した。ただそれだけ、
「ハニャ!?トマレナイヨウ!」

 ぐしゃ

 ツーにとっての快音が、しぃ達にとっての絶望の音が響いた。
 ツーの突き出した日本刀に自分から突っ込んで行ったしぃはその命を散らせていた。
「猪突猛進、アフォダナ」
 ツーは嘲笑した、そして日本刀を死体から抜き取った。
「ヨクモ!ギャクサツチュウ!」
 もう一匹が上から飛びかかってくる。ツーは日本刀を大上段に構え、

519 名前: massacre 投稿日: 2004/03/18(木) 18:10 [ CQi1JkC2 ]
「クリカエスノカ?」
 下から上へ振り上げた、ツバメ返しである。
「シギャアアア!」
 肛門から首まで一直線で切り裂かれたしぃはそのままツーの後ろまで飛んでいった。
 残るは一匹、その最後のしぃは滑稽な格好をしていた。
「ハ、ハニャ ハシレナイヨウ ニゲラレナイヨウ」
 そのしぃはまるで首で逆立ちをしているように下半身を上に上げて、足をばたつかせていた。
 しかもその状況が認識できていないのか、ハシレナイヨウ、ニゲラレナイヨウと繰り返しわめいていた。
 ツーはゆっくり近づく。
「今日モ元気ニツーツーツー、皆デ虐殺アヒャヒャヒャーン」
 日本刀をしまう。そしてばたばた動いている両足を掴んだ、そして両脇に挟む。
「ハニャ!?」
「ソウレイ!」
 掛け声をかけてツーはしぃを振りまわし始める。
 ツーを中心としてしぃに遠心力の力が働く、どうなるのかは目に見えている。
「ハニャー アンヨガチギレチャウヨウ! ヤメテハナシテ!」
「ワカッタ」
「エ?シィィィィィィ」
 ブチブチブチ
 言われた通りツーは手を離す。しかし時既に遅く、しぃの脆い足は本体から離れてしぃと一緒に塀に激突した。
「シ、ジィィィィ シ シィチャンノアンヨガー」
 しぃは潰れて平たくなった自分の足を抱えて泣き出した。
「シィチャンノアンヨー シィチャンハギコクント コウビシタカッタダケナノニー コンナノヒドスギルヨー ギャクサツチュウダヨー」
 ところ構わず泣き出すしぃにつーはまた日本刀を構え、疾風の速さを持って走りこむ。
 全ては一瞬。
「ハ、ハニャ?ナ、ナニガオキタノ?」
「ブシノナサケダ。命ダケハ(数分間だけ)見逃シテヤル」
 そう言い残し、ツーはしぃの元から去って行った。
 残されたのはしぃのみ。
「ハニャーン バカナギャクサツチュウダネー イノチドコロカ アンヨイガイゼンブ ピンピンシテルワヨーダ」
 耳を触る。
 ブチッ
 もげた。
「……ハニャ?」
 ブチッ
 ブチッ
 ブチブチッ
「ハニャー!ナンナノー」
 次々と手や耳がもげて行く。
 ポロポロ
「ハニャーンマックラニナッチャッタヨー」
 今度は目が落ちた。
「シィチャンダルマサンニ ナッチャッタヨーヒドイヨー ハニャ-ンバニャャァァァァァァァァァァ!!!!!」
 首がもげた。


 深夜。
 それは一日の上で一番静かな時間。
 人々はこの時間を休息の時間として使う。
 しかし、ある郊外の町では永遠の休息に入った者達がいた。
 朝になるまで、それが誰かはGTのツーしかいない。

                              <<続く>>

520 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/18(木) 20:01 [ ewPHAlgk ]
>>507の続き
「ハァ・・・・・・
今日も疲れたぜ。
ベビ達は生きてるかな?」

そう思い、俺はアパートのドアを開けた。

「ヂィィィィィィィィィッ!!!」
「オナカガイタイヨォォォォォ!!!
マァマァァァァ!!!ナッゴォォォォォォォォォォ!!!」

チッ五月蝿い奴らだ。
しかもこんなときまでダッコか。
こいつらの脳味噌はどうなってやがるんだ……。
そう思いながら俺はベビ達の居る部屋のドアを開けた。
その瞬間嫌な臭いが俺の鼻を刺激した。
ベビ達が我慢しきれなくなって、
出してしまった小便や糞の臭いだ。
まぁ3年前のバナナだから無理もないか。

「しかしここまで酷いとは、
予想もしなかったな。」

そう思っているとベビ達が、
俺の脚に触れてきた。

「イダイィィ!!タチュケテェェェェェェェッ!!」
「ナッゴォォォォォォォナッゴチテェェェェェ!!」
「汚え手で触るんじゃねえ!」

ドゴッ

俺はベビ達の腹を蹴り上げた。

「ヂィィィィィィィィッ!!!」

俺の蹴りが決め手となって、
ベビは糞を撒き散らしながら、
部屋中を飛び回って壁にぶつかって、
やっと止まった。

「アニャア・・・・・・。」
「アガガガ・・・・・・」

妹の方は何とか生きてるみたいだ。
姉の方は……駄目だな。
もう虫の息だ。
俺はアパートを出て、ゴミ箱をあさっているでぃに、
ベビをあげた。

バリボリムシャムシャ

「ヂィィィィィィ!!!」

何だまだ叫ぶ気力があったのか。
勿体無い事したな。
妹一匹だけじゃ楽しみも何にもないしな。
何かいい方法はないかな…………!!!
そうだいい事考え付いたぞ。
最初からこの方法にしておけば良かったんだ。
妹ベビにはまだまだやってもらう事がたくさんあるな……。

          
           続く

521 名前: 新人 投稿日: 2004/03/18(木) 23:44 [ eHalDo6c ]
桜の花びらが舞う季節。
ほんの少し前まで小さな村で交番勤務をしていたタカラギコは
人事異動の任を受けて、街にある警察署で刑事として働く事に
なった。
憧れていた刑事の役職につけた彼はその異動の通知を受け取っ
た際に嬉しさで舞い上がった。
だが、それが災いした。
興奮のあまり眠れなかった彼は無意識のうちに目覚まし時計を
止めており、気付いた時には出勤時刻の10分前。
その瞬間、彼のトレードマークとなっている笑顔が消えたのは
いうまでもない。
急いでスーツに着替え、配属先の捜査課へと全力で駈けこんだ。
「おはようございます!!今日からここに配属・・・」
そこには誰もいなかった。
狼狽する彼を横目で見ながら奥から湯飲みを持った中年のAA
が姿を現し、彼を一瞥した。
「なんだょぅ。」
「え、あ、ああ、その。きょ、今日からここに配属される事に
 なったタカラ田ギコ太です!よろしくおねがいします!」
「私はここで課長をしてる井ヨウだょぅ。」
「そ、そうなんですか!あ、あのところで他の人達は・・・?」
タカラギコは落ち着きを取り戻し、辺りを見回していた。
「もうとっくに現場にいってるょぅ。きみも早く行って来てくれ
 ょぅ。」
「わっ、わかりました!!」

522 名前: 新人 投稿日: 2004/03/18(木) 23:45 [ eHalDo6c ]
井ヨウ課長から聞いた現場は警察署から離れた繁華街の裏道にあ
った。
立ち入り禁止と書かれた板が下げられている縄の前に警官が見物
人の前に立ち塞がるようにして立っている。
奥は青色のビニールシートが視界を遮るように下げられていた。
制止しようとする警官に手帳を見せて縄をくぐり抜けて現場へ入
るといきなり肩を掴まれた。
「わっ。」
「おい、鑑識の邪魔をするな。」
「すいません・・・。あ、あの。」
「課長から話は携帯で聞いた。初日から社長出勤とはまた大層な
 ご身分だな。」
「え、それじゃあ・・・。」
「俺はフーン。お前と同じ課の刑事だ。」
「タカラ田ギコ太です。タカラギコと呼んでください。」
「ふーん。とりあえず見てみるか?」
そういうとフーンは救急車へと彼を連れて行った。
救急車の中には担架が中央に置かれていて、その上には寝袋が置
かれている。
タカラギコの背筋を冷たいものが走った。
「ま、何事も経験だ。」
そういうとたじろぐ様子も見せずフーンは寝袋のチャックを下ろ
す。
目玉を抉り取られたしぃの死体がタカラギコの視界に入った。首
は不自然に捻じ曲がり胸部から腹部にかけて激しく殴打したよう
な赤黒いアザがいくつもあった。
「ウッ・・・ウェェ・・。」
胃酸が喉を逆流し、タカラギコはその場に吐瀉物を撒き散らした。
「現場を荒らすなよ。まあ新人には少し刺激が強すぎたか。」
フーンはチャックを戻すと彼には構わずに鑑識の元へと歩み寄っ
た。
「どうだ?」
「詳しい事は検死報告を待ってからだね。犯人の遺留品らしき物
 品も見つかりそうにない。」
「被害者の持ち物とかは?」
「しぃ族は金目の物なんて持ち歩いちゃいない。認識票も持って
 なかったし。」
「持ってなかった・・・?」
フーンはそこで考えこんだ。
「す、すいません・・・。なにせ始めてだったから・・・。」
タカラギコは顔を蒼白にしてフーンへと近づいた。
「ん、とりあえず署へ戻ろう。ついて来い。」
「はぁ・・・。」
タカラギコは力の抜けた返事で応えた。

523 名前: 新人 投稿日: 2004/03/18(木) 23:45 [ eHalDo6c ]
署へ戻ると他の同僚達は皆忙しそうにしていた。
「よぉ、フーン。しぃ族絡みか。災難だな?」
「ほっとけ。」
「新人を虐めるなよ〜。」
「うるさい、だまれ。」
他愛の会話をしながら井ヨウ課長のいる机の前へと立ち止まる。
「しぃ族です。認識票はありませんでした。」
「そうかょぅ。じゃあ後は頼んだょぅ。」
「は?」
フーンは一瞬わが耳を疑ったようだった。
「野良しぃの事件を担当しろっていうんですか?」
「そうだょぅ。新人教育も兼ねてしっかり頼むょぅ。」
「・・・・・。」
30分後。
タカラギコはフーンと共に彼の車に乗っていた。ハンドルを握る
フーンの顔はどことなく苛立っているように見える。
「なんだ?」
「いや、その・・・。あっ、そうそう。さっき認識票って言って
 ましたけど、なんですかそれ?」
「ああ・・・この街にいるしぃ族が身につけているやつだ。」
「?なんでそんなものを?」
「必要だからそうしてるんだ。ほら、ついたぞ。」
車内から表へ出ると、そこは現場から離れた歓楽街だった。夜と
もなれば呼び込みの声やら日々の溜まった性欲を解放するための
人々でごったがえすのだろう。
「あの、ここで聞き込みするんですか?ちょっと現場から離れす
 ぎちゃいませんか?」
「いいからついて来い。おっとそうだ。後ろにある封筒取ってく
 れ。」
タカラギコはフーンに言われたとおりに車の後部ドアを開けてA
4大の封筒を手渡した。
「なんですかこれ?」
「さあ行くぞ。」
フーンはタカラギコの質問など意に介さないといった様子で歩き
だした。
歩き出して2、3分もすると辺りの様子は表の歓楽街とは全く異
なった姿を見せ始めた。
日が全く差し込まない薄暗い路地裏。
複雑に入り組んだ迷路のような細く、狭い道。
「ここはな、聖域っていう名前で呼ばれてる。」
フーンが一人話し始めた。
「聞こえはいいが実際は海外移民の不法居住地みたいなものだ。」
「治安は守られてるんですか?大丈夫ですよね?」
「この辺は問題ない。顔見知りもいる。安心しな。」
「顔見知りって・・・あなた一体・・・。」
「ついたぞ。ここだ。」
建物の前に立ち止まると扉を数回ノックし、開け放つ。
「・・・今日は休日ですよ。」
「別の店は連日開店中だろ。」
「おや、刑事さん。」
フーンに促され、タカラギコも建物の中へと足を踏み入れる。
建物の中はそんなに広くない。小さなショットバーといった感じ
である。カウンターと丸テーブルがいくつか置かれているだけだ。
「まだ昼間ですよ。お酒なんて飲んでる暇は・・・・?」
「今日は休日なんだよ。なぁ?」
「ええ、そうですよ。そうですとも。」
そこの店主らしきモララーがニヤニヤとうすら笑みを浮かべる。
「それじゃなんでこんなところに・・・。」
「仕事だよ。おい、これを見てくれ。」
そういうと先程の封筒の中身をカウンターへと広げる。
それを見たタカラギコの表情が一変した。
当然だ。外部への持ち出しが禁止とされている捜査資料だったの
だから。

524 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/19(金) 10:28 [ QkcEIhlQ ]
>>516続き

(元)釣り竿ベビに話しかける。

「なあベビちゃん。さっきは難しい言葉をいっぱいしゃべってたねえ。
どこで覚えたんだい?」

「マァマガ ビデオトカ ホンヲヨンダリシテ オシエテクレタノ!
ベビチャンハ イダイデ エラバレシベビナンダカラ ホカノゲセンナヤシラトハチガウノヨ ッテ」

「意味分かってる?」

「ヨクワカンナァイ
デモ チィハエラクテ ホカノヴァカナヤシラトハクラベモノニナラナイ ッテイウイミダッテ マァマガオシエテクレタノ
ソレデ ヴァカナヤシラニ コノコトバ(上のイダイデ〜のやつ)ヲイッテヤルト ミンナガベビチャンノイウコトヲ キイテクレルカラ
ゼッタイオボエナサイッテ マァマガチィニイッタノ!」


・・・・・・そういやこいつの母親は狂信的なマターリ教信者だったな。
母親は教団のビデオや本を使ってこいつを教え込んだという訳か。

「ところで、ベビちゃんが探しているものは、これかい?」

「アニャア!! チョレ!!」


私の片手にはあごがちぎられた、さっきのベビがぶら下がっている。
ただし あごに加えて、頭も4分の1ほどなくなっていたが。

先ほどの一本釣りの結果だ。
釣り上げられ、あごがちぎられた後、このベビが飛んでいった先は
ちょうど氷の割れた部分、氷が割れたガラスのように三角形にとがっていた場所だ。
そこの三角の頂点の部分に、ベビの頭が見事に当たったのだ。

片目が飛び、頭蓋骨が砕け、脳漿が飛び散る・・・・・
この光景、ビデオ撮影しておけばよかったなあ・・・・・・・


「チョ チョット!! ナニチンデルノヨ! マダアンタ チィニオレイヲチテナイデチョ!?
チィニオレイヲシナイナンテ シツレイダトオモワナイノォ!?」


あーあ 欲望丸出しだよ。みっともないなあ。
マターリ教ってのはこんなもんなんかね。
まぁ、しぃ族至上主義、徹底した自己中心
などが、マターリ教の基本理念らしいからなあ。
他者なんか、どうでもいいんだろうね。

あの様子じゃ引き下がりそうもないが、死体がお礼なんざできるわけがない。

仕方ない 
この頭のぶっ飛んだベビちゃんに代わって、私があいつにお礼をしてあげようか・・・・。
                  続く

525 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/19(金) 11:03 [ QkcEIhlQ ]
>>524続き

「ねえ(釣り竿)ベビちゃん。
 実は先生、この子から、伝言してくれって頼まれてたことがあるんだ。」

「アニャア? ナァニヲ?」

「死ぬ前にね、この子はこう言ってたんだ。
「あの釣り竿ベビちゃんに、お礼がしたい」ってね。」

「アニャア!! ホントニ? デ オレイニナニヲチテクレルノ?」

「なんでも、ダッコをしたいんだってさ。」

「アニャ!! ナッコ!!」

「死ぬ前の最後のお願いさ。聞いてあげるよね?」

「アニャア!! イイヨ!! ハヤク ナッコ♪ナッコ♪」

「まあ君はオテテがないから、少しお手伝いしないといけないけどね」

漏れは死体ベビを釣り竿ベビに抱きつかせた。
冷たくないように、使い捨てカイロで暖めておいた死体ベビで・・・・。


「アニャア・・・・アッタカァイ キモチイイヨゥ・・・・。」

まあおそらく、死体とダッコしている感じはしないだろう。
こう暖かい死体など、あまりないだろうから。

「もっと、もっとダッコしててあげなよ。最後のお願いなんだから、マターリさせてあげないと。」

「アニャア・・・・ チィモ マターリダヨゥ・・・・・」

感動的なマターリの空気が場を包み込む。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんなマターリとした空気がいつまでも続くと思うなよ。
マターリから地獄にたたき落とすのは漏れの常套手段。
こんなマターリでも地獄に変えてやるよ。

・・・・・そろそろ、この吐き気のするマターリ空間をブチ壊す時が来たな。
まだ続く

526 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/19(金) 12:15 [ QkcEIhlQ ]
>>525続き
「チョットアツクナッテキタカラ ダッコハモウイイワ 
 チャヨナラ アンタニシテハ イイオレイダッタワ・・・・・ッテ アレ?
 アレ・・・アレ・・・!? ハズレナイヨゥ!!」

死体ベビが釣り竿ベビをダッコして離さないのだ。
もちろん、ダッコしているベビは元から屍。自分の意志であるはずがない。
だとすれば、何か?・・・・・・・

死後硬直だ

生物は死ぬと、筋肉がガチガチに固まる。
今回も例外なく、発生したのだ。
死体ベビは釣り竿ベビをがっちり掴んで離さない。

それともう1つ  死体を暖めたことにもミソがある。
死後硬直の促進だ。
冬場 それも凍るように冷たい水に浸かっていた死体では、当然死後硬直が起こるのも格段に遅くなる。
なので、使い捨てカイロで死体を暖め、死後硬直が早く起こるように促したのだ。
もちろん、釣り竿ベビが死体ベビの冷たさを嫌って、ダッコを拒むことをさける意味もあったが。

「ネ ネエ!! モウナッコハイイカラ ハナチテヨゥ!!」

釣り竿ベビが必死でもがいている。
無駄だ。両手がない体でもがいたところで、何になろうか。
更にだめ押しで、死体ベビの両足を釣り竿ベビの両足にダッコ(ロック)させてある。
どうあがいても抜け出れるはずがない。

「ダメだよベビちゃーん。せっかくのお友達のダッコを嫌がっちゃあ。」

「イヤァァ!! モウイヤ! モウイヤ! コンナノマターリジャナイヨゥ!!」

「あ、そう? じゃあもうしばらくダッコしてなよ。マターリがまた来るかもしれないからさ。」

このマターリの意味=ベビの苦しみ なのだが。

「アギャギャガガゴギャギ・・・・・!!」

来た来た。第二段階突入だ。
               続く

527 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/19(金) 14:18 [ QkcEIhlQ ]
>>526続き
死後硬直による筋肉の収縮だ。

釣り竿ベビの体が、ぎりぎり ぎしぎしと悲鳴を上げている。

死後硬直によって鉄のように固まった筋肉で締め付けられるのだ。
さしずめ「ベア・ハッグ(熊の抱擁)」というプロレス技のようなものか。
釣り竿ベビは、今まさに、ベア・ハッグによる粉砕の抱擁を味わっている。

たかが死後硬直の筋肉収縮程度とあなどってはいけない。
モララーの頭の高さから落としただけでも、骨折 時にはつぶれるベビの体だ
この筋肉収縮のベア・ハッグは、
人間で言うところの、万力で締め付けるような強力な力がかかっている。

バギバギバギッ 

「チジィギャアァァアァァァアァァ!!!!!」

おそらくアバラや足が砕けた音だろう。
いい音がするじゃあないか 
さすが選ばれしベビちゃんだねえ♪ 骨折する音も格別だ。 

「ガバッ・・・!! ゲグ・・・ ゲバァッ!!」

今度は吐血し始めた。おそらく内臓が1つ2つ破裂したか。
もしくは砕けたアバラが肺かどこかに突き刺さったか。
どっちにしても、そろそろこいつの命は終わりだ。
そろそろとどめを刺すか・・・・・。

「うーん 君たち、そんなに長い時間ダッコしているなんて よっぽど仲良しなんだねえ。
 先生感動しちゃうYO!!」

「チガウヨゥ!! コッチガ ハナレテクレナインダヨゥ!!」

「はいはいはい。時間が来ました。

君たちをあの世に送り出す時間です!
っても片方はもう逝ってるけどね!!」

「ア アニャァァ・・・!!??」
              続く

528 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/19(金) 15:19 [ QkcEIhlQ ]
>>527続き
「いや、だってね、君たち片方はもう死んでいるし、君ももう瀕死だ。
それに君、ことあるごとに言ってたろ? 「チィハ ミンナノシンボルニナルノ!!」と。
だからその願いも叶えてやろうというんじゃないか。
ちょうど今の君たちのポーズはマターリのシンボル「ダッコ」の状態なんだ。
まさに「シンボルになって」いるじゃないか。

そうそう、この池に沈んだものはね、
毎年冬、氷付けになって池の表面に浮かぶっていう不思議な現象が起こるんだよ
そう。君たちは文字通りの「シンボル」になれるんだねえ。
ついでに、君たちは仲良しみたいだからちょうどいいだろ?

「チガァァウ! ナカヨシナンカジャ ナイヨウ!! チィ マダチニタクナイヨォウ!!
チェンチェ! ハヤクコエ ハナチテヨゥ!! コンナ 「ディ」ミタイナ バケモノトイッチョナンテ イヤァ!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「無駄無駄、絶対に離れないよ。たとえ何年たってもね」

「アニャア・・・・??」

「この池の水温は一年を通じて1〜2℃なんだ。
 故に、バクテリアも生息しない。だから腐敗もない。この意味が分かるね?」

「!!」(釣り竿ベビ)
               続く

529 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/19(金) 16:16 [ QkcEIhlQ ]
>>528続き
「たしかに君の魂はあの世へ逝くよ。でも、君の肉体、死体はどうなると思う?
これからもずっと、残るんだよ。永遠に「でぃ」のようなバケモノとダッコしたままね。
それも、毎年冬にその姿をさらすんだよ。みんなの前にね。

安心しなよ。手始めに君のお母さんに伝えてやるよ。
「●●池に、マターリのシンボルがある。」と。
多分信者全員に伝えるんじゃないかな? 君のお母さん、熱狂的な信者だから。

ハッ!! バケモノとダッコしているシンボルか!
君たちマターリ教の言葉で言うと「でぃをダッコするしぃ」と言うことになるのかな?
いったいどの信者がそんなものをシンボルとして扱ってくれるのかねえ?
シンボルどころか、君と君のお母さんは、一生信者の間で後ろ指さされるだろうな
      
      「でぃとダッコしている背教者とその母親」 とね!!

HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!!」

「イヤァァァッ!! チョンナノイヤァァァッ!! イヤァイヤァイヤァァァッッッ!!!!」

「さて、そろそろ時間だよ?
 君の、永遠に残る、背教者としてのシンボルができる時間が、ね。
 本当にさよならだ。また次の冬に、来てやるよ。」

「アニャニャニャ・・・・・マ マ マッテ」

「今まで散々待ってあげましたが、何か?」

ド ボ ン


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水中で、釣り竿ベビは必死にもがく。
しかし、死体ベビという重し+全身骨折+両手の損失
この状況でもがいたところで、無駄である。
ゆっくりと、沈んでいく・・・・。


なんで・・・・・・・?
ちぃは、えらばれたべびしぃじゃなかったの・・・・?
ほかのげせんなやつらとはちがう、いだいなるべびしぃじゃなかったの・・・・?
なんでいま、こんな「でぃ」みたいなばけものといっしょにしずんでるの・・・・?
なんでちぃはいま、こんなにくるしいの・・・・?
なんで・・・・・・・?

 
               まだ続きます
次は、飛び込み部隊のベビしぃたちの、その後です。

530 名前: godless --- C(1/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:42 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02
(関連 >>359-362


 しぃは神に祈る。

 神に愛されていなければ、
 この厳しい世界で生き残ることはできないから。

531 名前: godless --- C(2/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:43 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02


 どうしても食料は見つからなかった。

 だからしぃは、危険を承知で大通りのゴミ箱をあさりに行く事に
決めた。
「マターリノカミサマ、シィヲ オマモリ クダサイ」
「マタシャマ、チィノ オネタンヲ オマモー クダシャイ」
 しぃの加護を求める祈りを、妹がたどたどしく真似る。
 裏路地に隠れているように言い聞かせると、彼女は不安げにしぃを
見上げた。
「ダイジョウブ」
 しぃは精一杯笑ってみせた。
 きっと神様は自分を守ってくれる。だって、妹もお祈りしてくれた
のだから。
「オイシイモノ モッテカエル カラネ」
「・・・ウン」
 このちびしぃは、しぃの唯一の肉親だった。他にも沢山姉や妹は
いたけれど、もう死んだか行方知れずかのどちらかだった。彼女達は
きっと信仰が足りなかったのだ。

532 名前: godless --- C(3/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:43 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02


 大通りには誰もいなかった。
 大型連休二日目の早朝とくれば、人が多い方がおかしいのだが、
そんなことを知らないしぃは、神の加護に感謝した。
 しぃはゴミ箱に上半身をつっこんで、食べられそうな物を片っ端
から腕の中に抱え込んだ。
「おい」
「ハニャ!」
 全角の呼びかけに、彼女は慌ててゴミ箱から体を抜いた。
 道の向こうにいたのはモララーだった。半透明の買い物袋を下げ、
同じような袋を持ったでぃを連れている。
「……ゴミが落ちた。だからゴミ虫は嫌いなんだ」
 不快そうにそう言い捨て、彼は無人の車道を横切ってくる。
(逃げなきゃ)
 心の中で神に救いを求めながら、しぃは走り出した。荷物は邪魔
だが、捨てるわけにはいかない。これがなければ、自分と妹は確実
に飢えるのだ。
「誰が行っていいって言った?」
 彼の声は、予想以上に早く自分の隣にきた。無遠慮に尻尾を引かれ、
しぃは歩道に転ぶ。貴重な食料達が景気良く散らばった。
「イタ・・・」
 悠長に苦しんでいる暇はない。ぶちまけてしまった食料は諦めて、
手の中に残ったおにぎりだけでも持ち帰らなくては。
 起きあがって走ろうとする。バランスを崩して、また転んだ。
 モララーが、しぃの尻尾を足で踏みつけていたのだ。
(何てことするのよ!)
 彼は尻尾のことを、アクセサリーか何かのような血の通っていない
物とでも思っているのだろうか?

 しぃは手で尻尾を引っ張ったが、取り戻せそうにはなかった。
「ハナシテヨ!」
「やだね」
 モララーがしぃの腕を掴んだ。そのまま握り潰そうというかの
ような、ものすごい力だ。
「イタッ イタイ!」
 しぃが叫ぶと、彼は口の両端を吊り上げた。何の感情も浮かんで
いない目がアンバランスな、狂気めいた笑みだった。
 しぃは息を呑んで硬直した。
(恐い)
 自分が殺されるのかもしれないと本気で怯えたのは、その時が
初めてだった。彼を止められる物など何もない、そう直感する。

 しかし、彼は静止した。

「ダメ・・・アウ」
 車道の向こうからかかった、その、あろうことか半角の呼びかけに
彼は止まったのだ。
「……しかたないな」
 狂気は消え、モララーの表情は別人のように穏やかな物に変わる。
彼は微笑みすら浮かべてみせた。
「でぃがそうして欲しいんなら、いいよ」
 しぃは呆然とモララーを見上げた。彼はしぃの胸元の毛皮を掴んで
引きずり立たせた。
「このへん掃除しとけよ」
 それだけ言って、でぃの方に戻っていく。

 こちらに来ようと車道に出ていたでぃを叱り、彼は彼女から荷物を
奪って歩き始めた。でぃは自分が持つと言っているが、モララーは、
彼女が車道に出た罰だと言ってゆずらない。
 どうして荷物を奪い合っているのか、しぃには分からなかった。
もしかすると、荷物を持ち帰った方が中身を食べて良いことになって
いるのかもしれない。
 やけにゆっくり歩くモララーを追って、そのでぃは左足を引きずり
ながら角を曲がって行った。
(……食べ物、持って帰らなきゃ)
 しぃはちらばった残飯を集め始めた。
 他人の事情より、今は自分達の食料が大切だった。

533 名前: godless --- C(4/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:44 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02


 ここのところ、しぃ達は比較的食料に恵まれていた。
 大通りでの収穫が大きかったこともあるし、ちびギコのテリトリー
を一つ奪えたことも幸運だった。
「オネタン シル」
 ゴミ箱の中から、妹が嬉しそうに這い出してきた。
「ホントダ」
 コンビニおでんのパッケージに、こぼれきらなかった煮汁がいくら
か残っていたのだ。
「マターリノカミサマ、キョウモ ゴハンヲ アリガトウ ゴザイマス」
「マタシャマ キョーモ ゴハン アリガト ゴジャーマシュ」
 姉妹は食事への感謝をお祈りして、一口ずつ交互に汁をすすり始めた。

「……そんな物、美味いのか?」
 声は、随分高い所から振ってきた。
 廃屋の屋根を見上げると、モララーがあきれた様子でこちらを
見下ろしていた。
「オネタン」
 怯えたちびしぃが、しぃに抱きついてくる。
 妹を後ろに庇い、彼女は彼を睨み返した。
 モララーは恵まれた種族だ。多分、食料に苦労したことなどない
だろう。そんな彼に、自分たちの糧を馬鹿にして欲しくなどなかった。
「・・・ドウデモイイデショ」
(どうしよう? ちびがいるけど、逃げられる?)
 彼女は、妹を置いて即座に逃げるべきだった。
 実際、そのモララーの事を全く知らなければ、しぃはそうした
だろう。けれど彼女は、数日前に大通りで彼から見逃されていた。
 あれは自分をからかっただけで、もしかすると、彼は寛容なAA
なのかもしれない。そう、2chの良心たる原種のモララー。
「どうでもいいけど? ……それはともかく、こんにちは」
 彼はにこりと笑った。
 しぃは引きつった顔を無理に笑み崩した。
 声にありったけの媚びを含ませて応える。
「コ、コンニチハ」
「・・・コニーチワ」
 おどおどと両者を見比べながら、妹がしぃを真似た。
「そして死ね」
 彼は廃屋の屋根から飛び降りた。

534 名前: godless --- C(5/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:44 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02


 状況が飲み込めないでいる内に、ちびしぃが引き剥がされた。
「オネタン!」
 信用などしていなかった分、妹の方が理解が早かった。モララーが
敵だと気付き、彼の手から逃れようと激しく暴れる。
「お前のガキ?」
「チガウ イモウト。カエシテ、オナガイ」
 この期に及んで、しぃはまだ希望を捨てきっていなかった。
 だって、この間は見逃してくれたじゃないか。このモララーは、
でぃなんかの言葉を聞いていたじゃないか。誰からも愛されない
ように生まれついた、醜い種族の言うことを。
「どうして返さなきゃならない? 理由は? 納得できたら、返して
やってもいい」
 彼はまた、あの笑いを浮かべた。口元だけ吊り上げた、狂気を
含んだ笑いを。
「ダッテ・・・」
 しぃは一生懸命考えた。
 どんな答えなら、彼は納得するだろう。
(マターリの神様、しぃ達をお守り下さい)
「ソノコハ ダイジナノ」
 ちびしぃは自分にとって唯一の家族だと、しぃは訴えた。自分の
子供ではないけれど、それと同じくらい大切な存在なのだ。だから
返して欲しいと頼んだ。
「なるほど」
 相槌を打ちながら聞いてモララーは、最後に大きく一度頷いた。
彼は納得してくれたのだ、そう考えたしぃが安堵の微笑みを浮かべる。
「それは、俺とはまったく関係ない事情だな」
 けれど彼は、迷う様子すらなく、ちびしぃをアスファルトに叩き
つけた。幼い妹はカエルが鳴くような変な声を上げて、そのまま
ぐったりと脱力した。首が、おかしな方向に曲がっている。
「イヤァ!」
 しぃは叫び、妹の側に走り寄った。けれど、彼女に触れるよりも
先にモララーの足がしぃの腹を蹴る。
 蹴り飛ばされて、しぃはざらついた路地の上に転がった。
 腹を抱える。
 蹴られた場所が、沸き立つように熱い。
「イタ・・・」
 呼吸の振動が痛みを招き、しぃはじっと息を止めた。
(……音)
 ひゅうひゅうと、すきま風のような音が聞こえてくる。
(まさか……)
 痛みに耐えて、しぃは顔を上げた。

 妹はまだ生きていた。
 大きく見開かれた目が、混乱したようにきょろきょろと動いている。
もしかしたら、脊椎を損傷した事に気が付かず、どうして自分が動け
ないのか不思議に思っているのかもしれない。
 しぃが見ている事に気付き、妹の視線はまっすぐにこちらを向いた。
『オネタン』
 もう声を出せないらしい彼女は、口の動きだけで姉を呼んだ。
 しぃはふらふらと立ち上がった。不思議な事に、その時の彼女は
ほとんど痛みを感じていなかった。あるいは、怪我をした妹の目という
ものは、姉の体に麻酔をかけてくれるのかもしれない。
『マタシャマハ』
 彼女がなんと続けたかったのか、しぃには分からない。

535 名前: godless --- C(6/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:45 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02


 全身の力が抜けて、しぃはぺたんと座りこんだ。
 腹の痛みが戻ってきたが、彼女はもう気にならなかった。今感じて
いる心の痛みに比べれば、腹部の打撲なんて擦り傷ほどの深さもない。
 涙に揺らぐ視界の中で、モララーがちびしぃの体を踏んでいた。
 ……違う。
 彼は、靴底に付いた血と脳漿を、妹の毛皮で拭っているのだ。
 首が折れたらさっさと死ねよ。彼はそう吐き捨てて、こちらを
向いた。
「ゴミ虫って、本当にしぶといよな」
 同調を求めるような声音に、しぃの心が苛立つ。彼は、そうだね、
と返ってくるとでも思っているのだろうか?
「・・・ナンデ? ナンデ、コンナコト スルノヨ」
(神様。妹は何か罪を犯しましたか? あの子は毎日欠かさずお祈り
をしていました。あなたの事だけを信じて生きていました。神様、
どうしてあの子を救って下さらなかったのですか?)
「何で、って? お前らはゴミ虫だろ」
 それで理由は充分だと、彼はそう言いたげだ。
 しぃは、マターリの神から見捨てられた。

536 名前: godless --- M(7/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:45 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02

 モララーは神など認めない。

 本人の努力が結果をだすのであって、
 そこに神を持ち出すのは怠慢でしかないからだ。

537 名前: godless --- M(8/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:46 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02


「アアアアアアアアアアアア!!」
 しぃが全角で叫んだ。
 遠くまで届きやすい全角は、通常、被虐者達は使おうとしない。
悲鳴を聞いて助けにくる同胞がいるわけはないし、他の加虐者の
注意を引く事になりかねない。
 彼女は真実絶望したのだ。
 絶叫が終わると、しぃは唐突に笑い始めた。首を左右に振りながら、
けらけらと明るい声で笑っている。
 笑いながら、頭や耳に両手の爪を立てて、がりがり自傷を始めた。
「何やってんだ?」
 モララーがたずねたが、しぃは返事をしない。ただ笑いながら、
彼女自身の柔らかな耳朶を引き裂いている。
 モララーはしぃの前にしゃがみ込んだ。無防備なノドを爪で切り
裂く。暖かな血が、モララーの手を赤く染めた。
 刻まれた傷は命を奪うのに十分な深さだったが、彼女はちらとも
反応しない。
「……楽しそうだな」
 どくどくと鼓動に合わせて血を流しながら、それでも笑う彼女は
ひどく幸福そうに見えた。モララーは何だか腹が立ってくる。
「俺は、あんまり楽しくねぇ」
 抗議してみたが、黙殺された。
 彼を楽しませてくれるつもりは、彼女にはないらしい。
「笑うな」
 苛立ちを隠そうともせず、彼は言った。

 もはやしぃはここにはいなかった。その澄んだ目が見つめている
のは深淵であり、ぼろぼろの耳は何も聞いていない。
「笑うんじゃねぇ」
 モララーはしぃの二の腕を掴んで、肩で引きちぎった。弾ける
ように鮮血が吹き出す。
 けれど、その程度の刺激では、彼女をここに引きずり戻すのに
足りるはずがなかった。
 モララーは舌打ちして、しぃの首に手をかけた。仰向けに彼女を
押し倒す。アスファルトにぶつかった後頭部は、実に良い音を立てた。
 気管を圧迫すると、笑う声は止んだ。けれど彼女の口は、小刻み
に音無く笑い続けている。
 思ったように上手くいかなくて、彼はとても不愉快だった。
「……笑うな!」
 モララーは両手に体重をかけた。ノドが潰れても構わないとばかり
に力を加えると、さすがにしぃの様子が変わった。壊れた腹話術
人形のようにぱっくり口を開いて、眼球が飛び出すのではないかと
いうほど目を開く。つうっと、鼻から血が流れた。
 モララーの顔から苛立ちが消えた。小さく息をはき、口元に薄い
笑みが戻る。
 そのまま圧迫を続けると、酸素の足りなくなった彼女の体は大きく
痙攣した。びくりびくりと跳ねる体を押さえつけ、モララーは手を
緩めずに、彼女の状態を見守る。
 やがて、だらりと舌を出して、彼女は動かなくなった。
 モララーはゆっくり手を離した。しぃが息を吹き返しそうな気配
は感じられなかったが、念のため、頭部に足を乗せる。
 玉子の殻を握り潰すのに似た感触が、足の下に残った。

538 名前: godless --- M(9/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:46 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02


 モララーは空を見上げた。
 昼を少し過ぎたばかりの明るい青空に、雲がふわふわ流れている。

 彼は、自分の心に澱のように沈んでいた汚い物が溶け去ってしまう
ような気がした。それは攻撃性であり、誰かに理不尽を押しつけて
しまいたくなるようなイライラした気持ちだった。
 モララーは優しい目でしぃ達の死体を見下ろした。彼女達を哀れ
だと思う。もし生き返らせる事ができるなら、謝って、暖かな食事と
住居を恵んでやりたいと思う。
 彼は自分が綺麗なAAに戻ったと確信した。何かを傷つけたいとは
思わないし、むしろ全てのAAに優しくしてやりたい気分なのだ。
 週末の狩りはモララーを清めてくれる儀式だった。

 モララーはしぃ達の死体をゴミ箱に埋葬した。彼女たちの最後の
食事となったコンビニおでんの容器を拾い、それを副葬する。
「……たまごおでん、買って帰るか」
 それは、でぃの一番好きな具材だ。
 最初に急いで食べてしまうので、てっきり嫌いだと思っていたの
だが、どうやら彼女は、好きな物は一番に食べる主義らしい。最後に
とっておいたら、誰かに奪われてしまうかもしれない。そういう生活
で身に付いた習慣だと知ったときには、彼は彼女を可哀想だと思った。
 モララーは、でぃの笑顔を知らない。笑ってくれそうなタイミング
でも、彼女の顔は無表情に固まったままだ。それはきっと、厳しい
生活がでぃに笑う事を教えなかったせいだと、モララーは思う。
 それでも彼は、彼女はいつか笑ってくれると信じていた。だって
モララーは努力をしているのだ。彼女が悲しむ事はなるべくやらない
ようにしているし、喜んでくれそうな物を贈っている。

 初めて会ったとき、でぃはしぃに虐待されていた。それは、この世界
では珍しい光景ではない。
 昏倒したでぃから引き剥がし、モララーはしぃを虐待した。それも、
この世界にはありふれた光景だ。
 お前はでぃを虐待した、自分はその罪を罰しなければならない。それ
は心にもない叱責だったけれど、真に受けたしぃはひどく狼狽した。
そしてモララーが虐待を始めても、しぃは謝罪を繰り返した。鬼も、
悪魔も、虐殺厨も、モララーがいつも聞いている言葉は一つも出て
こなかった。向けられて当然の言葉でも、聞くのが嬉しいわけではない。
正義を背負って暴力を行使できるのは、最上の娯楽だった。
 しぃの謝罪には何の悔恨も含まれていなかった。彼女はただ、この場
を逃れるためだけに「ごめんなさい」を繰り返していた。その言葉は、
モララーの「やめてやれよ」とよく似た響きを持っていた。彼は少しも
でぃに同情していなかったのだから。
 その場で唯一正直だったのは、でぃの制止の声だ。それは、この世界
では希有な光景だった。
 自分を虐げた者の命を、彼女は本気で助けようとした。この世界に
似つかわしくないほど、でぃは優しかったのだ。

 そんな優しいAAは幸福でいるべきだと、モララーは思った。
 一度そう思ったら、でぃを置いていくわけにはいかない。自分が幸福
にしてやらなければならないのだ。
 彼女の幸せを神に任せて立ち去るなど、モララーにできるはずが
なかった。それは、神を信じない彼にとっては見捨てることと同義だ。

539 名前: godless --- M(10/10) 投稿日: 2004/03/19(金) 20:47 [ SU9alSp6 ]
NG博愛主義02


「たまご……十個もあれば、まあなんとか」
 カップ一つの中身が全部たまごなら、でぃも落ち着いて食べられる
かもしれない。好きな物をゆっくり味わって食べる幸せを、彼女に
教えなければならない。
 たまごで一杯のおでんカップを見せたら、でぃはきっと、おたおた
と視線をさまよわせるだろう。食べてもいいのかと、聞くことも
できずにうろたえるのだ。彼女は、奪われる事には慣れていても、
与えられる事にはなれていない。「でぃの物だよ」モララーがそう
言うまで、じっと大人しく待っているだろう。

 モララーは携帯電話の短縮で自宅に繋いだ。
 でぃはすぐには出てこなかったが、モララーは焦らなかった。時間が
かかるのはいつものことだ。彼女は動作の鈍い種族だったし、片足に
障害を負っているのだから。

 10回目のコールを過ぎても、でぃは出ない。

 20回目のコールを過ぎても、でぃは出ない。


(続く予定)

540 名前: 新人 投稿日: 2004/03/20(土) 17:20 [ uZ4iKko2 ]
>>523からの続きです。
           〜闇に潜むモノ〜

「なんじゃそりゃああ!!なんでそんなものを!!」
「ふーん。お前は驚いてもその顔なんだな。」
「ふーん。じゃないでしょう?どうしてこんなことするんですか?
 バレたら大変ですよ!!」
「バレなきゃいい。なぁ?」
「ええ、そうですよ。そうですとも。」
またもニヤニヤとモララーが笑みを浮かべる。
「な、なんで・・・?」
「ま、それはいいとして、この写真に見覚えは?」
そういうとフーンは先程のしぃの無残な死体が撮影されている写真
をモララーへ見せた。
「写真は始めて見ますね。」
「じゃあその被写体は?」
「見飽きるぐらい見てますよ。で、なんです?」
「お前の所の客が絡んでないか?」
「まさか・・・。こんな無駄なことしませんよ。」
タカラギコははっとなった。見飽きるぐらい見てる?被写体はしぃ
族の死体だ。それを見飽きてるなんて・・・つまりこいつは虐殺者
という事になる。
「ちょっと外の空気を吸って来ます。」
扉へ向けて動こうとした時に、フーンが彼の肩を掴んだ。
「座ってろ。」
「え、でも・・・。」
「いいから、座れって。」
「・・・・。」
「安心しろ、殺される事なんてない。それに俺の案内無しに車へと
 帰るのは難しいぞ。」
自分の心の底を見透かしたかのような対応にタカラギコはただ無言
のまま席につくしかなかった。

541 名前: 新人 投稿日: 2004/03/20(土) 17:22 [ uZ4iKko2 ]
〜闇に潜むモノ〜


「じゃあ本題だ。お前のところの客がこの事件に関係しているとい
 う可能性は?」
「無いとも限りませんが、先程も言ったとおりにこんな無駄な手口
 で死なせはしませんよ。」
「その根拠は?」
「傷めつけるだけの箇所はまだ多く残っています。腕や足も残った
 ままですし、目玉だけを抜き取るというのは勿体無いですよ。」
そう話してからモララーは溜息を一つつく。
そして、
「それにね、私のところでやってる事はどんな美辞麗句を並べたて
 たところで薄汚い事には変わりませんよ。他人に迷惑をかけるよ
 うな真似をしちゃあ失格です。」
「ふーん。」
そこまで聞いていたタカラギコは現場で見たしぃの死体を思い出し
て思わず手で口を塞いだ。
「ウッ・・・。」
「おや、大丈夫ですか?」
モララーが心配そうに見つめてくる。
「い、いや、平気です。ありがとうございます。」
そのやりとりを見ながらフーンは席を立った。
「そろそろ行くぞ。何かあったら連絡を頼む。」
「ええ。気をつけて。」
店を出て、元来た道を歩いて帰ると停めてある車にしぃ族の群れが
近づいていた。
「何してるんだ!糞虫共!!」
「ハニャ!ニゲルワヨ!!」
「え?糞虫?」
しぃ達はフーンの声を聞くと一目散に逃げ出していった。
車に近づいてみると鍵は壊されていたが、車内の物は盗られた形跡
は無かった。おそらく鍵は壊したが物色しようとした時にフーン達
に見つかって逃げ出したのだろう。
「全く・・・これだからモラルも知性もない糞虫は・・・。」
「糞虫ってしぃ族なんでしょう?」
「そうだがあいつらは糞虫だ。自分達さえよければそれでいいって
 いう連中なんだ。」
静かな男と言う印象のあるフーンが眉間にしわを寄せて怒りをあら
わにする姿を見てタカラギコは妙な違和感を感じていた。
 井ヨウ課長から今回の事件を担当しろと言われた時の表情にしろ、
ついさっきのしぃ族に対する発言といい、フーン刑事はしぃに対し
てかなり悪い印象があるらしい。
「さあ、帰るぞ。こんなところにいつまでもいたらダッコやコウビ
 を迫られる。」
「こ、交尾??」
タカラギコはその言葉を聞いて思わず顔を赤らめてしまう。
と、ズボンの裾を何かが引っ張っているのに気付いた。
「ナニカタベモノクダチャイ、ナニカ・・・ナンデモイイデチュ・・・」
しぃ族の子供が潤んだ瞳でタカラギコに物乞いをしてきたのだ。
「ナッコシマチュカラ・・・オナガイシマスデチュ…。」
頬は痩せこけ、体の毛は薄汚い灰色に染まっている。
「あ、え、え〜と・・・。」
その悲壮な姿に思わずタカラギコは自分の財布から紙幣を何枚か抜
き取るとその子に渡そうとした。
その時。
バシィッ!!

542 名前: 新人 投稿日: 2004/03/20(土) 17:23 [ uZ4iKko2 ]
〜闇に潜むモノ〜

「チィィッ!!」
どこから姿を現したのか、一匹のしぃがその子供を平手打ちで張り
飛ばした。
「な、なんだ!?」
「ウスギタナイ クソチビノブンザイデ カワイイシィチャンヲサシオイテ オカネヲカスメトロウナンテ ヒャクネン
 ハヤイノヨ!!」
子供は道端に倒れたままピクリとも動かない。
「なんでこんなことをするんだ!」
普段の顔のままだが、タカラギコの語調には強い怒りの態度で満ち
ていた。
「ソンナノ ドウダッテ イイジャナイ。 シィチャンニソノオカネ ヨコシナサイ!」
そういうとしぃは彼に飛びかかってきた。
「うわっ!」
バギャアッ!!
「シィィィッ!!」
フーンの飛び蹴りがしぃの腹部を直撃し、しぃはその場に倒れ込ん
だ。フーンの右手には暴徒鎮圧用のゴムスタンを打ち出す銃が握ら
れている。
「薄汚い糞虫め。」
「フ、フーン先輩!」
倒れ込んでいるしぃを足で何度も蹴り飛ばし、手にした銃の銃口を
もがき苦しむしぃのこめかみにあてがう。
「オナガイッ!! ヤメテェッ!! ダッコスルカラァァ!!」
「いらん。」
ドウッ!ドウッ!!ドウッ!
立て続けに3発、しぃの頭部にゴム弾が発射された。

                        〜続く〜

543 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/21(日) 06:04 [ w5Volbgg ]
他愛も無い話。

この季節にしては珍しい、暖かな日差しが降り注ぐ昼下がり。
ふたりのAAが、ファミレスでブランチを取っていた。
モナーとモララー。
どこにでもいそうな組み合わせだ。
二人は街中でばったり出会い、ちょうど昼だし、飯でも食いに行くかという話になったのだ。
大学を卒業し、しばらく疎遠になっていた事も手伝って、いつもよりも会話は弾んだ。
近況報告から始まり、新たな生活の中であった失敗談や、互いの懐かしい思い出など・・・。
そして今は、お互いに食事を済ませ、心地よい満腹感を味わいつつ一服している。
ふと会話が途切れ、とりとめて交わすような話も無くなり、どちらからとも無く窓の外に目を向けた。
二人が座ったのは、道路に面した窓側の席。
うららかな陽気の中、犬を散歩に連れる人、中睦まじく歩く老夫婦など、静かなその風景を、二人とも黙って眺めていた。

「そう言えばさぁ・・・」

そんな中、視線を窓の外に向けたまま、モララーが思い出したように口を開く。

「このまえ吉野家いったんだよ、吉野家」

モナーは少し笑いながら、顔をモララーの方に戻して言った。

「そーいえばモララーは吉野家好きだったモナね。
 三日連続で昼飯吉野家いった時は、ホントに参ったモナ」

モララーもつられて笑ってしまう。

「よく言うぜ。その三日目にお前が大盛ねぎだくギョクなんか頼むから、
 店員にマークされて二度と行けなくなったんじゃねぇか」

「そういうモララーなんか、既にマークされてた癖に」

二人して、かつての行いを思い出して笑っていた。

「まぁ、その話は良いんだよ。いいから続き聞いてくれ。この前の話」

「ああ、吉野家行って、それからどうしたモナ・・・?」

544 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/21(日) 06:05 [ w5Volbgg ]
「何だこの人だかり・・・」

会社も休みの日曜日。
モララーは一週間の疲れを取るべく、その日は朝から
部屋でゴロゴロして過ごしていた。
ここ最近は、目が回るような忙しさだったのだが、
仕事も一段落し、やっと落ち着ける時間を取り戻したのだ。
だからこそ今日は、炊事も洗濯も全てサボると決めていたモララーは、
昼ごろに近所の吉野家へ出かけていった。
何もしなくたって腹は減るものなんだなと、妙な関心をしながら。

しかし、普段は割と空いている吉野家が、何故かその日に限って座る余裕も無いほど混んでいたのだ。
それも、被虐者たるチビの一家4人までもがその列に並んでいる。
よくそんな金と勇気があったものだ、とは思ったが今は彼らに構う元気は持ち合わせていない。
モララーは席が空くのを、店内でボーっと立って待つ事にした。
だが、ただ立っているだけなのは暇でしょうがない。
何か無いものかと視線をあちこちに飛ばしていると、キャンペーンの垂れ幕が目に飛び込んできた。

           『 1 5 0 円 引 き 』

一瞬でモララーは全てを理解した。
この混み具合は、全てそれが原因なのだ。
どうりで被虐者一家までもが来ている訳だ。
彼らにしてみれば、安い金で動物性の食料が食べられる千載一遇のチャンスなのだろう。
思わず、心の中で客達を散々馬鹿にしてしまう。
(もうね、アホかと。バカかと。お前らな、150円引き如きで云々かんぬん・・・)
等と、夢中で己の吉野家に対するこだわりを心の中でぶちまけていたその時、
チビギコ一家の大黒柱、チビギコの姿が目に入った。

「よーし、パパ特盛頼んじゃうデチー」

この光景には、流石のモララーも一瞬目を伏せたほどだ。
そしてその直後、ふつふつと怒りがわいてくる。

(何故俺よりも、奴等の方が先に席についているんだ?
何故俺が我慢しなくてはいけないんだ?普通逆じゃないのか?
ん?いや、待て待て待て。待てよ?っていうか、あいつらどけたら俺座れるんじゃねぇの?
ちょうど今順番待ちしてるのは、俺を入れて四人だし。
ってことは・・・。
『あいつらどかす→俺座れる→おまけにその他三人にも感謝される→ウマー』
OK、ナイスプラン。思い立ったら即実行)

545 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/21(日) 06:05 [ w5Volbgg ]
こうなったモララーはもう止まらない。
つかつかとチビ一家のもとへ歩いて行き、片手に二匹ずつ掴み、席からぐいっと上に持ち上げた。

「ヒギャッ!なんデチかお前?いきなり何するデチ!」

「ギャクサツチュウ?! ハナシナサイヨゥ!」

一家は何事か騒いでいたが、モララーは一切耳を貸さずにそのまま表へと連れ出していく。
そして、先ずは手始めといわんばかりにベビを一匹地面に落とし、
右足のかかとで胴体を粉砕した。

ボキグシャベキッ!!

「チブァゲボオォ!!」

まるで、ポッキーを10本位束にして踏み潰したような感触がした。
ベビは口から血と内臓を大量に吐き出し、残ったのは頭と右手だけになっている。

「ヂ・・・ガ、ア・・・オア゙ア・・・ダ・・・」

しかし、それでもまだ息はあるようだ。流石にしぶとい。

「イヤァァァアァァァァ!! ベビチャンガアアァァァ!!」

「そんな!チビタン達が何したって言うんデチかぁ!!」

親である二匹は、突然の理不尽な暴力と子を失った悲しみで、モララーに掴まれながらも暴れている。
涙を流し、少しでも今だ命のある子の元へ近づかんとして。
手を離して三匹を地面に落とすと、すぐに彼らは瀕死のベビに駆け寄り、鬼のような形相でモララーを睨んできた。
睨むだけで人を殺せるなら、おそらくモララーは苦しまずにあの世行きだろう。それ程の表情だった。
しかし、向かって来る様子は無い。当然だ。勝ち目が無いのだから。
非力で町の暗がりに潜んでいるような彼らが、虐殺者の代名詞であるモララーに勝てるわけが無い。
それを十分に理解しているから、彼らはモララーに向かって行かない。いや、行けない。
だからこそ、せめて睨んでやろうというのだ。
そんな彼らが虐殺者を睨むという行為をすること自体、ある意味自殺行為に等しいのだが、
それほど憎悪の感情が溢れているんだろう。

546 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/21(日) 06:06 [ w5Volbgg ]
所が、そんな二匹を見つめるモララーの目は、実に冷静で冷ややかだった。
そんな彼らの視線を意にも解さず、モララーはポケットから150円を取り出し、
彼らのほうに放り投げてこう言った。

「何をしただと?教えてもらわなけりゃわからねぇのか?
 いいか。こんな事俺がするのはな、お前ら被虐者どもが、身分をわきまえずに飯食いに来たからだよ。
 てめぇらには牛丼なんて1000年早いぜ。
 わかったら、さっさとそこのゴミ連れて失せろ。まァ俺も鬼じゃあないからな。
 その150円は席を空けてもらった分の金だよ。
 それに、せっかく肉食いに来たんだ。手ぶらで帰るのもなんだろう。
 そう思って、食べやすいように小さくしてやったんだからな?
 なんならもう一人前作ってやろうか?」

チビしぃは咄嗟にベビを庇う様に抱き、後ずさりながらモララーと距離をとっていく。
チビギコはそんなチビしぃの様子を横目でチラッと見た後、「覚えてろ」と小さく言ってから、
もはや息絶えているベビと150円を掴んで、モララーに背を向けて走り出した。
それを見て、チビしぃも後に続いて走って行く。
彼らの走り去った後には、ベビの血痕が点々と続いていた。

「ふん・・・」

モララーは遠ざかっていく彼らを見送り、一度鼻を鳴らした後、再び吉野屋に入っていった。
いまモララーは、虐殺よりも牛丼が気になってしょうがないのだ。
店内はモララーが入った途端、なんと言うか、殺伐とした空気に変わっていた。
何人かの虐殺者が、客達に混じって食事を取っているのだろう。
先ほどのモララーの行動を見て、血がたぎっているようだ。
その空気のせいか、さっきまでいた女性客や子供は、全員勘定を済まして出ていてしまったようだ。
席が随分あいている。
それでいい。女や子供は、すっこんでろ。
モララーはこの空気が好きだった。
普段吉野家は、忙しい虐殺の合間を縫って、素早く食事を取る為に来るような虐殺者しか来店しない。
そのため、自然店内の空気は殺伐とした空気に包まれる。
モララーも虐殺者の端くれだ。彼らと同じ理由で吉野家を利用する機会が多い。
そしていつの間にか、この雰囲気を好むようになっていた。
Uの字テーブルの向かいに座った奴と、いつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気を。
心地よい気分で、モララーは空いている席に腰掛けた。
そしてその時、ちょうどはかったように、隣の席にも客が座る。
みると、なんとオニーニだった。
先ほどの凶行を見ていなかったのか、そ知らぬ顔でモララーの隣に座っている。
モララーがあっけに取られている間に、オニーニは店員に向かって得意げな顔で注文した。


          「大盛りつゆだくで」


プチン。
モララーの何かがぶち切れた瞬間だった。

547 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/21(日) 06:07 [ w5Volbgg ]
「で、それからどうしたモナ?」

二人のコーヒーは、もうすっかり冷めている。
お互い話に夢中になりすぎて、コーヒーの事なんか忘れてしまっていたのだ。

「もちろん、オシオキさ。もう牛丼なんてどうでも良くなってね、
 そのオニーニをまた外に連れ出して、子一時間問い詰めたよ」

「何を?」

「本当につゆだくが食いたいのかってね。
 お前、つゆだくって言いたいだけじゃないのかって」





「おらああぁぁぁぁぁ!!」

ドゴォッ!!

「ワジョォォォオオ!!!」

モララーの鋭い鉄拳が、またもオニーニの顔面にヒットした。
もはやオニーニは撲死一歩手前の状態だ。意識だって、あるのかどうかも分からない。
にもかわらず、モララーは相変わらず吉野家の駐車場で殴りながら説教を続けている。

「米が米食ってんじゃねーよ!共食いじゃねーか!
 つゆだくなん今日びはやんねーんだよボケが!って聞いてんのかコラァ!!
 てめぇみてーな素人は、牛鮭定食でも食ってろ!」

ドガッ!!

「ワジェェ!! モ、モウ ワカッタカラ、カンベンシテ ワショーイ・・・」

「いいやだめだね!そんな知ったかした罪は重いぜ!たっぷり償ってもらうからな!」

「ソンナワショ────イィィ!!」




夕暮れの繁華街に、オニーニの悲鳴がこだまする。
彼の願いがようやく聞き入れられた頃には、もはや手遅れだった。

548 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/21(日) 06:07 [ w5Volbgg ]
「なかなか面白かったモナー。
 けど、モララーも変なこだわり捨てた方がいいモナよ」

モナーはタバコを灰皿になすりつけながら、軽くモララー忠告した。
実際、彼のものすごい(しょうもない)こだわりのせいで、
迷惑をこうむった事も一度や二度ではないからだ。

「何言ってんだ。もしあの場にモナーがいたら、きっと一緒にぶちぎれてたと思うぜ」

モララーは残りのコーヒーを一気に飲み干し、モナーの忠告を笑いながら軽く流す。
さすがに長い付き合いだけあって、説教のかわし方は上手い。
モナーはなおも説教を続けようとしたが、ふと考え込む顔をした後、こういった。

「・・・そうかもしれないモナー」

楽しげに笑う二人の後ろの席に、一人の男が座っていた。
彼は名もない2ちゃんねらー。
こっそりモララーの話に聞き耳を立てていたのだ。
彼はいそいそと勘定を済まし、そそくさと帰っていった。
そしてモララーとモナーが別れた約二時間後、一つのレスが2ちゃんねるに投稿された。
まさにこの時こそが、かの有名な「吉野家コピペ」産声を上げた瞬間だった。
何も知らない2ちゃんねらー達は、彼が苦労してひねり出したネタだと思った事だろう。
しかし、それは間違いなのだ。
このコピペをみる度に、我々はモララーに尊敬と感謝の念を持つべきなのだ。
我々は忘れてはならない。
多くの2ちゃんねらーを笑わせたこのコピペの裏に、
一人の男の戦いがあったことを。

549 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/21(日) 06:08 [ w5Volbgg ]
さぁ、今こそ声を大にして叫ぼうではないか。





       大盛ねぎだくギョク、と。





                                完

550 名前: 虐待虐殺物語⑤ 投稿日: 2004/03/21(日) 08:55 [ /0Z7gxto ]
>>517続き
一台のトラックが砂塵を巻き上げてやってきた。
その中から、一人のモナーが顔を出してモララーにこう言った。
「隊長〜、高射砲と劣化ウラン弾もって来たモナー」
モララーは、有無を言わさずこう言った。
「分かった・・・発射準備しろ!!」

五分後・・・・


「ハニャ!ギャクサツチュウ ガ ナニカモッテキテルヨ!!」
一匹のアフォしぃが、洞窟から顔をのぞかせて仲間に向かってこう言った。
「ナンナノ?アレハ?」
「ハニャ?ナンカ イッテルヨ?」
モララーの声が聞こえてきた・・・
「下劣なるアフォしぃの諸君!!早く降伏しなさい!」
この問いかけにアフォしぃはこう叫んだ
「フザケンジャナイワヨ!!!!ギャクサツチュウ ニ マケル グライナラ シンダホウガ マシヨ!!!!!」
モララーはこの言葉を聞いた瞬間、鬼の如く怒り狂いこう叫んだ。
「ふざけんじゃねぇよぉぉっ!!ビチグソ共めぇぇっ!!おい!!劣化ウラン弾発射しろ!!」
高射砲が発射された。
ドゴンッ
砲身から出た閃光は、直ぐに洞窟内部へ入り、爆発した。
「シィウィィィィsyホイフyウェhピフォgフィlウェhygfウェオイゴ!!!!!!!???????」
「ギュギフィyfツヅtdsdyjysrッイfyグgfdsrrtフェtgyty!!!!!!!!」
「アヅウウウウウウウウウウウウkジログオヘrギオエシュオ:アショ:gf!!!!!!!!」
洞窟の入り口近くに立っていたアフォしぃは、謎の言葉を叫びながら、絶命した。
一方洞窟深部・・・

「アヂュイイイイイイイイイイ!!!!!!マ゙マ゙アアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
「ベビチャン!!!!ハニャ!!ウゲエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!????」
一組のアフォしぃ親子は、火達磨になりながら死んだ。
洞窟深部はまさに地獄絵図だった。
中には必死で逃げようとするアフォしぃに火達磨になったアフォしぃに抱きついて・・・
余りにグロテスクな光景。
動けるアフォしぃは、必死で消火作業を行っている。
二時間後・・・・・
火が消えた洞窟内部は煙の匂いがまだ充満していた。
「ニンプ ノ ヒトタチ ハ ゼンイン タスカッタンダ・・・」
洞窟のまだ深部にいた、妊娠しぃは全員助かったようだ。
しかし地獄はこれからだった。

三日後・・・
「・・・ハァ・・・ハァ・・・!!!!」
「モウチョット!!!ガンバッテ!!」
一匹の妊娠しぃが新たな命を生み出そうとしている。
そして・・・
「ハニャアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ウマレタァ!!!」
ついに待望の赤子が出来た。
妊娠しぃは、それを見ようと抱いたが・・・
「シィィィィィィィィ!!!!!!ナニコレエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!」
それは、まさに奇形だった・・耳は片ッポ無く、足はついてなかった。
しかも死んでいる。
「ハ、ハニャア・・・ア・・アハハハハハハハハハ!!シィノベビチャァァァン・・・」
妊娠しぃは余りのショックに狂った。

・・・その後洞窟内部に居たアフォしぃは、白血病などで全滅していた・・・



551 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/21(日) 14:07 [ 8eBqDhHA ]
>>520の続き

「アニャ・・・オチリガイタイヨウ
マァマ・・・ナッコチテ・・・」
「さあベビちゃん痛かっただろう。
おいでダッコしてあげるよ。
でもその前に体洗おうね。」
「アニャ!?ナッコ!?ナッコチテクレルノ!?」
「ああ!でもその代わり、
体をきれいきれいにしようね!」

さすが糞虫ダッコやコウビなどと言えば、
姉がいなくなった事も忘れてやがる。
胸糞悪いが、大切な商売道具だからな。
俺はべビしぃの体を洗った後、
俺は早速こんな看板を作った。

「ベビしぃのコウビ場
ちびタンフサタン大歓迎!
土日祝日AM10:00〜PM 9:00
  平日PM 7:00〜PM12:00
コウビしたい方は、下の住所までお越しください!
○○荘102号室モララー」

この看板をちびギコやちびフサが、
遊び場にしている空き地に立てて置いた。

そして次の休日・・・・・・

ピンポーン

「はーいどなたかな。」

俺はドアを開けた。

「アキチニサシテアッタカンバンヲミテキタノデチガ・・・・・・。」
「ベビシィタントコウビサセテクレルッテホントデチカ?」
「ああ!本当だよ!
お金はちょっとかかるけど…。
まあ詳しい事はこのチラシを見てくれ。」

料金
1時間    10エソ
延長料金   5エソ

「エエ!?コンナニヤスイデチカ!?」
「ちびタン達が安い料金で、
楽しくセクースできるようにしたんだ。」

ちびギコとちびフサは、
ベビしぃを閉じ込めてある部屋に、
入って行った。
数分後ベビしぃの悲鳴があがった。

「チィィィィィィィィィッ!!!イタイヨォォォォォォォォォォッ!!!
タスケテエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!」

五月蝿い奴だ。後で猿ぐつわしておこう。
とは言うものの、ちびギコ達がうわさを聞きつけて、
わんさかやって来るから、
ベビを調達して来ないとな。
大人しぃとちびしぃもついでに、
捕まえてくるか。
さーてこれから忙しくなるぞ。

            続く

552 名前: 虐待虐殺物語⑥ 投稿日: 2004/03/22(月) 11:00 [ UiZ9DwSI ]
夜の公園を一人のモララーが歩いていた。
季節は四月、夜桜が狂ったように咲き乱れている。
こんな季節は何故か隅に目が行ってしまう。
公園の隅に目をやると、薄汚れたダンボールが一個ポツンと其処にあった。
まるで、空間から切り離されたように、只其処にあった。
よく見ると微妙に動いている。
「何じゃコリャ?」
そう呟いて、ダンボールの中をのぞいてみる。
・・・中には薄汚れたチビシィとチビギコに、その子供と思われるベビシィが一匹。
ビックリするぐらい痩せている。
「ァ・・・ァアゥウ・・・ベビ・・・チ・・・ャ」
「ヂ・・・ィ・・ィ」
「オ・・・ナ・・カ・・ス・・デ・・・チ」
三匹とも生きているようだ。
流石に同情してしまう・・・
ダンボールを持つと自分の家に連れて行った・・・・。


家の中に入れると、取り合えず牛乳と、焼き魚を与えてみる。
三匹は、死体に漁りつくハイエナのように食べた。
そして一時間ぐらい眠ると、元気になった。
「アリガトウ デチ!!ソウヤッテ コレカラモ チビタン ニ ゴホウシ スルデチ!!」
「ヤッパリ カワイイチビシィチャン ハ タスカルノネ!!」
「チィ ヲ ダッコシテ アゲテモ イイデチュヨ!!!!」
勝手な事を言うが、モララーは見てみぬ振りをするとこう言った。
「今日は泊まったら?」
そう言うと三人は、さも当然のように泊まると言った。
取り合えず「風呂に入って来るね」と言った。
そうすると三人はモララーの誹謗中傷を言うと、こう叫んだ。
「トマッテル ヒト ヲ サキニ フロニイレルノガマナーッテモンデチ!!!!」
「ソウヨソウヨ!!!」
「ソウデチュヨー!!!」
この言葉に切れたが、流石にこのまま外に叩き出して、死なれたら近所付き合いが悪くなる。
モララーはこう言うとバスタオルをチビシィに渡した。
「!!・・・分かった分かった!じゃあ先に入って。」
三人は口を揃えて「トウゼンダ!!」と言うと風呂に入っていった。
怒りを押さえつつも、テレビを見て待った。
・・が、二時間待っても出てこない・・・
三十分後にやっと出てきた。
モララーはそそくさと、風呂に入っていった。

「・・・何、コレ・・・ふ、風呂?」
モララーがこう呟いた。
湯船は茶色に染まって、糞尿の匂いがプンプンする。
・・・おまけに茶色い固体物まで堂々と浮いている。
モララーはついにブチ切れた・・・
そして、三人の下へ行った・・・
そこで更に切れた。
「アアアアアアアアッ!!!!!!俺の大事な五輪書ガアアアアアアアッ!!!」
モララーがこう叫んだ。
何とベビシィがモララーの大事な五輪書(翻訳版)の上で糞をしていた。
その様子を見てチビシィがこう言った。
「ソレッテ、トイレットペーパーデショ?」
モララーはベビシィを掴み上げるとプロのボクサーでも十メートルぶっ飛ばすようなパンチを繰り出した。
グシャアッ!!
「ヂsdgflディァデェイオgヘイhyウィロシgsラオイhヴォセヂfz!!!!!????!!?!?」
ベビシィは謎の言葉を叫ぶと右足と左手が千切れながら壁にぶち当たった。
まだ元気に、
「ヂィィィィィィィィ!!!!!アンヨガアアアアアアアアアアア!!!!!!!オデデガアアアアアアアアアア!!!!!!」
等と叫んでいる。
モララーはこう呟いた。
「てんめぇぇぇっ!!!何が「ソレッテ、トイレットペーパーデショ?」だと!!」
そして、試合前の格闘家も裸足で逃げ出す闘志を放ちながらチビシィの元へ近づくと、蹴りを入れた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
チビシィはこう叫ぶと、壁までぶち当たってずり落ちた。

            続く

553 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/23(火) 00:23 [ HvqVRANI ]
>>529続き

漏れは飛び込み組の様子を見に行った。
全員ずぶぬれになりながらも、何とか生きているようだ。
しかしここでずぶぬれになっていることは、さっきの2匹のようになってしまうことを意味する。
急いで処置をしないと、ね・・・・・・。

「はーい、みんなご苦労さーん。みんな生きてるかなー?」

「アニャア・・・・チェンチェ ハヤクアッタメテ・・・・チャムクテ チニチョウ・・・・」

「はいはーい。んじゃあ、みんなを乾かしてあげるから、こっちに集まって! あ、服脱いでね。」

「ハーイ!!」

全員、全裸(?)になって、岩場に並んでいる。
どいつもこいつも、携帯のマナーモードに負けないくらい震えている。当たり前か。

「えーと。みんな集まりましたねー? じゃあ、始めるんですが
乾かすと言っても、先生はタオルも持ってないし、ドライヤーとかもありません!
ですので、これでみんなを乾かしたいと思います!」

漏れは大きめの袋を持ち上げ、そいつを逆さにした。
直後

「アギヤァァァァァァ!!??」

袋から出てきたものは、粒状のものと、粉状のものが混ざったものだった。

「どうだいみんな? よく乾くだろ?」

ベビどもはみんな、そこら中でのたうち回っている。
何やらシューシューという音が聞こえてくる。

「チェンチェ! ナァニヨゥコエェ!? アチュイヨゥ!!」

「何かって? それはね・・・・」
               続く

554 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/23(火) 13:22 [ lvFIvqXQ ]
>>553続き

「何かっつーとね、こいつは、もちろん硫酸じゃあないよ。
もしそんなものをベビちゃんにぶっかけたら、今頃骨だけになっているだろうからね!

答えは、石灰さ。
石灰って言うのは、昔乾燥剤に使われていたものでね、
水を含むとものすごい熱を出すから、今では使われなくなったんだけどね。
でも今のベビちゃんたちにはおあつらえ向きだろ?
氷水に浸かっていて、とても今寒いんだから、体の芯から暖めてあげてるんだよ?
後、一緒に入っていた粒状のものは、粗塩です!
より早く乾燥するように、特別に混ぜましたー!」

楽しそうなモララーとは対照的に、ベビたちは寒冷地獄が打って代わって、灼熱地獄を味わっていた。
いつぞやのフルパワー暖房とはわけが違う、本物の灼熱地獄だ。
たかが石灰と侮ってはいけない。
石灰に水を含ませると、時には400℃くらいにまで達することがある。
過去に何度もやけど事故を起こしてきた、危険な物質だ。

「アギャアギャギャギャギャー!!! アジュイ アジュイ アジュイヨーー!!」

「オメメガァー!! アンヨガァー!! アジュゥイヨォー!!」

熱湯シャワーなど比べものにならぬほどの高温にさらされているのだ。
そろそろ火がつくかな?

そして追い打ちをかけるように第2段

「ギィエァアアアァァアァアーーー!!!!」

一層、のたうち回る。
混ぜてあった粗塩の効果だ。
石灰の灼熱効果で散々暴れ回ったせいで、しつこくも、リスさんごっこの時の傷がまた開いたのだ。
そこに今度は粒状の、ヤスリのようにざらざらした粗塩が入り込む。
新しい傷口をヤスリで擦られたあげく、塩を刷り込まれて大丈夫な者など、まずいないだろう。

そしてとどめの第3段

粗塩で広がった傷口に石灰が入り込み、血(水分)と再反応。沸騰
文字通り、体内から沸騰している。
その苦しみに耐えきれず、ベビがますます暴れるもんだから、ますます傷口が広がる。
結果、ますます血(水分)と石灰が反応。体内沸騰の促進
救いようのない悪循環だ。

最終的にはまるでどこぞの全身包帯の剣豪のように、血の蒸気が噴き出す始末。
こりゃまるで宇宙服無しで宇宙に出た生き物と同じだな・・・・。
続く

555 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/23(火) 13:53 [ lvFIvqXQ ]
>>554続き
目、鼻の穴、口、耳、ケツの穴・・・・ ありとあらゆる穴から煙や血の蒸気がもうもうと上がっている。
目もとっくに真っ白に固くなっている。
毛皮はすべて焼け落ち、その下の皮膚も8割は真っ黒だ。
傷口の周辺の肉が、タンパク質が焦げたときの独特のにおいを発しているから、
おそらく内臓もほとんど焼けただれているだろう。
もう 助からない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、死んだ。
塩の脱水効果と石灰の沸騰によって、ベビの体はねずみと同じくらいに縮んでいた。
ここまでくると、もう原型が何かも分からない。

ベビしぃのミイラなんて、初めて見たよ
ねずみくらいの、半分以下の大きさになるんだなぁ
こいつは、新たなコレクションになりそうだな。

モララーがベビミイラに夢中になっている一方、
残りのベビどもは必死でのたうち回っている。
もっとも、地面が岩場では、それほど効果は見込めないが。

「あー、もう! いつまでぐたぐた騒いでんだ。
そんなに熱いんなら、とっとと体冷やしてこい!!」

モララーはベビどもをブン投げた  池の氷の上に。

氷の上で、のたうち回る
石灰の反応熱で、氷が少し溶ける=水ができる。
今度は石灰もほとんどが反応しきっているから、ベビどもはようやく灼熱地獄から解放された。


「アニャァァ・・・・ヤット アチュクナクナッタヨ・・・・」

「チュメタクテ キモチイイ・・・ モウ アツイノイヤァ・・」

熱でくぼんだ氷に、ベビどもは大の字になって寝ころんでいた。
しばしの安らぎと言ったところか。
もっとも、すぐにまた逆戻りするのだが 
続く

556 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/23(火) 14:04 [ lvFIvqXQ ]
>>555続き

「アニャッ!?? ナンカヘンダヨ?? オキアガレナイヨゥ!!」

「アニャッ!? ナンデ??」

全員パニック状態のようだ。
まあ、こうなった原因はお分かりだろうが、塩だ。
石灰の反応熱で、水ができる。 ベビたちはそこに寝ころんだのだ。
当然、ベビどもの背中(ほとんど毛皮が焼けて、皮膚)は、濡れる。
さらに、先ほどベビたちは石灰と一緒に塩も浴びている。
地面は氷+濡れた背中+背中についた塩 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

塩は、氷と混ざると氷点下以下まで温度が下がる。
氷点下以下まで温度が下がった氷に、ずぶぬれの背中
どうなるかは目に見えている

地面の氷に背中が凍り付いて、離れなくなったのだ。

「アニャッ!! オキレナイ! ウゴケナイヨゥ!!」

「ダメ!! ゼンゼンハナレナイ! ダレカ タチュケテェ!!」


あっはっはっはっはっは!! 笑わせてくれるねえ ベビちゃん!
君たちの今の姿なんて、ホイホイの中のゴキブリだよ!
みっともなくモゾモゾ動き回る事しかできない、ね!!
いっそ、ゴキブリにでもなっちまったらどうだい?

笑いながら、近づいていった。

「アニャ!! チェンチェ タチュケテッ!! チィタチ オキレナイノ!!」

「コノママチヌナンテイヤァ!! ハヤクタチュケテェ!!」

「はいはい、分かったよ。」

私はベビどもの胴体を掴むと、一気に引っ張り上げた。
続く

557 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/23(火) 14:29 [ lvFIvqXQ ]
>>556続き

べりべりっ

めちめちめち・・・・・

みきっ

ぶちぶちっ・・・・・


様々な、嫌な音がした・・・・・。
剥がれたのは、皮だけではなさそうだ。

どうもリスさんごっこで、皮膚を通り越して筋肉にまで達している傷がいくつかできたらしい。
どうやらその傷の奥まで、凍り付いたらしいのだ。

ベビしぃの柔らかい筋肉では、引き剥がしの力に太刀打ちできようはずもない。
剥がしたとき、皮膚と一緒に肉がついてきた。


ヴ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ ! ! ! !


今回は泣き叫ぶ。今までとは比較にならぬほど泣き叫ぶ。そりゃそうだ。
背筋が剥がれて、肩胛骨や背骨まで丸見えなのだから。
わずかに残った背筋で、背中を弓のようにのけぞらせて、悶える。
言うまでもなく、虫の息だ。

「やれやれ、君ももうダメか。
しゃあないから、君も送ってあげよう。あの2匹と同じようにね。」


漏れは残っていた石灰を、全部かけてやった。
血まみれだったせいか、これまでにないほど急速に反応が進む。
ついには、火がついた。

燃えていくベビを眺めながら、漏れは他のやつを剥がしに行った。
全員、失禁している。
苦笑しながら、こう言ってやった。

「ダメだなぁ 漏らしちゃあ。 今度は前の皮まで凍らせて、剥がされたいのかい?」
                続く

558 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/23(火) 20:37 [ YFyRfQos ]
>>551の続き

「さーて、どこかに糞虫親子はいないかな。」

俺がそう思って探していると、
向こうの方からお約束のセリフを言いながら、
1匹のアフォしぃがやって来る。

「キョウモゲンキニシィシィシィ〜♪
ミンナナカヨクハニャニャンニャ〜ン♪」

いつ聞いてもムカツク歌だ。
今すぐ蹴り飛ばして頭を踏み潰してやりたい。
しかしいい商売道具になるかもしれない。
俺はそのアフォしぃに声をかけた。

「そこのしぃちゃん、ちょっといいかな?」
「ハニャ?ダッコ?」
「いやいや、たまには漏れの家で美味しい物でも、
どうだい?もちろん食後のダッコもあるよ。」
「ハニャ!?イクイク!シィノベビチャント、チビチャンモツレテクルカラマッテテネ!」
「わかった、漏れはここで待ってるよ。」

俺がそういうとしぃは、
またあの馬鹿らしい歌を歌いながらいったん帰っていった。

1時間後………。

「ハニャーン♪オマタセ♪」
「それじゃ行こうか。」

俺はしぃを連れて、自分のアパートに向かった。
そして2、3分歩いて、アパートに着いた。

「オカァタンコレカラナニスルンデチュカ?」
「コレカラモララーノオウチデゴハンヲタベルノヨ♪」
「ヤッパリワタシタチヲマターリノカミサマハマモッテクレテイルンデスネ♪」
「はーいしぃちゃん達!
ここが漏れの部屋だよ。」
「キタナイヘヤデチュネ!」
「マァ、カワイイシィチャンハココロガヒロイカラココデガマンシテアゲルワ」
「ソレニシテモ、モララーニオニアイノボロイヘヤデスネ。」

何なんだこいつらの態度は。
予想はしていたが、やはり腹が立つ。
しかし大切な商売道具だからな。
我慢我慢。

「それじゃあしぃちゃん達!
高級しぃフードでも食べるかい?」
「アニャーン♪ハヤク!ハヤク!ハヤクモッテキテクダチャイヨウ!」
「モララーニシテハジョウデキジャナイ。
コレカラモカワイイシィチャンタチニマイニチコウキュウシィフードヲタベサセナサイ!」
「タノシミデスネオカアサン!」

この糞虫親子………。
今すぐにでも三人まとめてひねりつぶしてやりたい。
そう思いながら、俺はしぃフードを皿に盛り付けた。
持って行こうとした時、ベビしぃを犯っていた。
ちびギコとちびフサが出てきた。

「モララータン!サイコウダッタデチ!」
「マタクルデチヨ!ハイ!ヤクソクノ10エソデチ!」
「まいどありー!また来てね、
今度は友達を連れておいで!」

さて、早く糞虫親子に飯を持っていかなくちゃな。

「ごめんねしぃちゃん達遅くなっちゃって!」

糞虫親子は明らかに不満の表情を浮かべていたが、
すぐに飯にがっついた。
まぁ今のうちに楽しんでくれや。
ひと時のマターリをな・・・・・・。

「ハニャ?ナンダカネムクナッテキタヨ・・・・・・・・・。」

   続く

559 名前: 虐待虐殺物語⑥ 投稿日: 2004/03/23(火) 23:35 [ WoZHQ0GE ]
>>552続き
「ナニスルデチィィィッ!!!!トイレットペーパークライデチビタン ト ベビタン ニ テヲダスナアアア!!!!!」
また勝手な事をいう・・・
モララーはチビギコを足蹴にするとこう言った。
「何処の世界に厚さ2cmのトイレットペーパーがあるんだよ!!」
相変わらず、ベビシィとチビシィは「アンヨクッツイテ・・・」や「シィノカワイイヲカオガアアア!!!」等と叫んでいる。
チビギコは苦し紛れに、こう言った。
「ベビタン ガ ウンコ シタガッテタカラ ヤラセタデチ!!モララーノ イエ ダカラ ベツニイイケド チビタンノ リョウシン デ トクベツ ニ シタ ニ カミ ヲ ヒイタデチ!!」
モララーはコレを聞くと一層足の力を強めてこう言った。
「一宿してるくせに、何が良心だぁぁ!?それに何処の世界に本下に引いて糞する奴が居るんだよ!!」
モララーはチビギコを踏むのを止めたら、ベビシィとチビシィと一緒に外へ放り出した。
(もう近所の評判がの問題じゃない!!)そう思いながら最後の薄汚いダンボールを外に放り投げると扉を硬く閉じた。


「ナニスルデチカァァァッ!!!ナカニイレルデチィィィッ!!!」
「カワイイ シィチャン ノ カオ ニ キズヲツケテ タダデスムトオモッテンノ!!!」
「ヂィィィィィィィッ!!!!!アンヨトオテテカエチテエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!カエサナイト ブッコロシマスヨオオオオオ!!!」
・・・外では滅茶苦茶な中傷が飛んできている。(特にベビの口の悪さ)
余りにも五月蝿いので、やかんで水を沸かして、沸騰したら、やかんを持って扉を開ける。
扉が開いたので安心したのか、少し黙った・・・しかしまた無茶苦茶な事を言う・・・
「チビタン ヲ オコラセタ バツ トシテ マツザカギュウ ノ ステーキモッテクルデチィィィ!!!!」
「シィチャンニハ アマク テ コウキュウ ナ モノ ヲ モッテキナサイ!!!」
「アンヨォォォォオオオオオオオオ!!!!!!オテテカエシテエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」
(自分の欲望より、我が子のケガを心配しろよ・・・)そう思いながら、お湯を満遍なく三人に掛ける。

「ウギャウアhhフォエgホアウgホアゴエオgファエオゴsdゴアエ!!!!!!??????!??!!????」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!アヅイイイイイイイイイイ!!!!!」
「ヂィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!」
各自、物凄い叫び声を上げながら、モララーの家の庭を二、三週したのち、小便をちびった。
モララーは三人に尿を無理やり飲ませるとこう言った。
「土壌汚染になるだろがッ!!とっとと小便を処理しろ!!!」
全ての尿を飲ませると、モララーはベビシィを持った。
ベビシィは「ア・・・ググ・・・・ギュ・・・ギ」等と悶絶しながら何とか生きている。
モララーは何処からとも無くコールドスプレーを持ってくるとこう言った。
「大丈夫かッ!!酷い・・・誰がこんな事を!!待ってろ!今助けてやる。」
滅茶苦茶ニヤけながら、わざとらしく綺麗な言葉を言うと、コールドスプレーで直に皮膚を、おまけにゼロ距離で発射した。
「jlshyヂウオgハウオエgルオアhpgラgセオイgハイオhゴアエhゴアエhギオペアヒg!!!!??????!!????!!!!!!!」
ベビシィは、日本語ではない奇声を発すると、モララーの手から転げ落ち、恐ろしい速度で転げ回った。
次にモララーは万力の様な物を持ってくると、ベビシィの左足をつぶしていった。
万力の板の感覚が縮まる度に、ベビシィの左足から素晴らしい骨の砕ける音と叫び声が聞こえた。
ついにベビシィの両足が使えなくなった。
ベビシィは虫の息で必死に意識を繋いでいる。
何故か、モララーは一旦三人を部屋に連れ戻すと、チビシィとチビギコを縛り付けてこう言った。
「只今から、電子レンジにベビシィを入れてみまあ〜〜〜〜〜す☆」
そう言って虫の息のベビシィを掴むと電子レンジの中に放り込んだ・・・・・

            続く

560 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/24(水) 00:30 [ eYmh.SY. ]
モララー邸  (虐)殺AA事件

 1、車内にて

森のでこぼこ道の上を真新しい1BOXカーが走っている。
ハンドルを握っているのはモララー。この車の所有者でもある。

「まだつかないモナか?」
モララーに語りかける助手席のAA。モナーだ。
あくびをしながら退屈そうに貧乏揺すりをしている。
「うぅん。もうちょっとだと思うんだけどな。なんたって僕も
 初めていく所だからね。」

頼りない返事に苛立ったのか、後部座席のギコが煙草の煙を吐きながら言った。
「ゴルァ。大丈夫なのか?まさか道を間違えたなんて事はねぇだろうな!?」
気の弱そうなモララーは大丈夫だからな、と自分に言い聞かせているような
小さな声でギコに言った。

「アイゴー!!だったら何時着くニダ!もう街を離れて4時間ニダよ!
 本当にこんな山奥で大丈夫ニダ!?」
ギコの怒鳴り声に便乗して大声をだしたのは、ニダーだ。このAAが
ちょっと苦手なモララーは、返事をせずに運転に集中することにした。

そんなやりとりを意に介せず、窓の外を眺めているAAはフーン。




  ・

1ヶ月前・・・大学の同級生であるこの5人のAAは春休みの計画を立てていた。
しかし、5人が5人とも違う場所への旅行を提案したため、
目的地はなかなか決まらなかった。

そんな折、大富豪であるモララーの父が××県の山奥に別荘を購入したと聞かされた。
その別荘の近くには有名な温泉街があるため、宿代、移動費(モララーの1BOX)がただに
なるということで春休みはモララー邸でしばらく過ごそうということになったのだ。





春休みということもあるし、豪華な別荘で泊まれるということもあって車内のAA達は
心なし、はしゃいでいた。(無口なフーンは別として)

しかし、街から離れるにつれてその雰囲気は徐々に重くなっていった。

561 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/24(水) 00:36 [ eYmh.SY. ]
>>560続き
 2、ヒッチハイカー

いつしか山には雨が降っていた。モララーはハンドルをしっかりと握り、
慎重に運転をしていた。

と、唐突にモララーは叫んだ。
「ん?前方に・・・何かいるみたいだよモナー君!」
半分寝ていたモナーは目を擦りながら前方を見据えた。
「・・・・しぃモナね。なにか腕を振っているモナよ?」

雨の中佇んでいるAAはしぃであった。
しぃはその細い腕を振り上げて何か妙な行動をしている。
「あれは・・・ヒッチハイクの合図じゃねぇか?」
ギコはしぃの手を指差しながら言った。
なるほど、よく見るとしぃの指はヒッチハイカーが使うあの親指を立てた合図のようだった。

「あんな糞虫、乗せる必要ないニダ!大体あんなずぶ濡れを乗せたらシートが
びしょびしょになってしまうニダ!」
ニダーのしぃ嫌いは大学でも有名だ。
以前学内に侵入したアホしぃ数匹をものの数十秒で血祭りに上げたことがある。

「フーン。この大雨の中、助けを求めているAAをほっとくんだ。鬼だねニダーも。」
皮肉たっぷりにフーンはつぶやいた。
「そうだよニダー君!いくらしぃでもこの雨の中放っておけないよ。」
モララーはしぃの近くまでくると車を横付けした。
そして、窓を開けて外のしぃに尋ねた。

「どうしたんだい!?」
しぃは震えながら雨の音に消されないように叫んだ
「お、お願いです!車に入れてください!!」

車内のAA達は顔を見合わせた。
「アホしぃじゃないみたいモナ」
「おう!なんたって全角で喋ってたからなゴルァ!!」
「そ、そうみたいニダね・・」
「フ、フーン」
皆、思いがけない良しぃの出現にざわめきたった。

「と、とにかく入りなよ!そのままじゃ風邪を引くよ!!」
そう言ってしぃを車内に招きいれようとした時、

「・・・・スケテ・・・デチ・・」
モララーは辺りを見まわした。
「い、今の声は?」

「タスケテデチ!!」
しぃの後方に広がる森から、ちびギコとちびしぃが現れた・・・・・




    (虐殺かなり薄いのですが、どうかよろしくお願いします)

562 名前: 虐待虐殺物語⑥ 投稿日: 2004/03/24(水) 10:39 [ mahOXkRw ]
>>559続き。
「ベビタン ヲ ハナスデチイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!」
「シィノ ベビチャンヲカエシテエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!」
必死で泣き叫ぶが、時は既に遅し!電子レンジのスイッチは入れられていた。
「ア、アツ・・イ!!ダヅゲデエエエエエエエエエエエエ!!!!!!ダッコスルカラアアアアアアアアア!!!!!!!」
ベビシィは必死で助けを請うが、モララーは冷たくこう言い放った。
「嫌だね!そこでバラバラの肉塊になれッ!!」
「ヂィィィィィィィィィ!!!!イヤデチュヨオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!ダッコ!!ダッコオオオオオオ!!!」
何故ダッコなのか分からないが、必死で助けを求めていた。
そして暫くして・・・・
「ポンポン イダグナッデギダアアアアアアアアア!!!!!!!ダヅゲデエエエエエエエエエエエ!!!!!マダジニダグナイイイイイイイイイイ!!!」
ガラガラ声で必死に助けを求めているが、モララーはワクワクして見ているだけだった。
そして・・・
ボンッ!!
「ダッspfジョエpヲラhdフオdhxホxdhsフィフォシウギウフィgヘr!!!!!????????」
ベビシィは体の中の空気が膨張して破裂してしまった。
モララーは電子レンジから香ばしい匂いを放つ肉塊を投げ捨てると、二人の縄を解いた。


「ジィィィッ!!ウジイイイイ!!!ベビヂャアアアアアン!!!」
チビシィは、イッちゃってる目でベビシィを探している(つーか、イッちゃってる)
「シィタン・・・モウ ベビタン ハ モドッテコナイデチ・・・」
チビギコは冷静に運命を受け止めて居る。
モララーはチビシィを鷲掴みにするとこう言った。
「ガキを返して欲しいんだな!!この俺の優秀なDNAで元気なガキを産め!!」
そう言ってチビシィを犯していった。
「ギュウ・・・ジィィィィッ!!ギャアアッ!!!」
叫び声を上げながら、チビシィは苦しんでいる。
「ヤメルデチイイイイイイイイイ!!!!!シィタン ニ テヲダスナアアアアアアアア!!!!」
チビギコがそう言ってモララーに体当たりしたが、既に中に出されていた。
「おい!この俺の情事を邪魔するとは良い度胸だな!!」
そう言ってモララーは目潰しをチビギコに繰り出した。
ギュチュッ!
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!チビタンノオメメガアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
チビギコの両目は、見事に失明し、血がドクドクと流れていた。
モララーはチビギコの上に乗ると、マウントパンチをしながらこう言った。
「手前だってよぉッ!!ガキ産んでるってことはヤッたんだろが!!!」
チビギコは必死に手で顔を覆いながら痛みに耐えていた。
モララーはマウントパンチを止めると、チビシィの両目を潰し、チビギコの腕に繋がる様に手錠を掛けると、外へ放り出した。

「全く・・・不愉快な奴だったぜ・・・」
モララーはこう呟くとドアを閉めた。


「・・ゥウ・・・シ・・・ィハ・・・オフロ ニ ハイッタ・・・・ダケ・・ナノニ」
「シィタン、ダイジョウブデチカ?」
二人はフラフラしながら、線路に躓いてしまった。
「ウウ・・・・タテナイヨォ・・・・」
「ココ・・・デ・・ヤスムデチ」
だが線路から振動が聞こえてきた。
「ナ・・ニ?」
「コ、・・・コノオトハ!!!」
プァアアアアアアンッ!!!
電車が直ぐ目の前まで来ていた。
しかし余りの疲労に立てない、二人は最後の悲鳴を上げた。
「シィィィィィィィ!!!!!・・・」
「ヒギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
グチャドチャギュルギュルブチビチグシャア!!!

こうして、失礼な生ゴミどもはこの世を去ったとさ。

             完

563 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/25(木) 00:28 [ sbmWgSp2 ]
>>561続き

3、到着

 1BOXはあっという間に満杯になった。
 最も後方の座席でしぃ、ちびギコ、ちびしぃが体を拭いている。
 「ハァ・・・イチジハドウナルコトカト、オモッタデチィ」
 濡れた体を拭き、ヒーターで暖まったおかげでちびギコはすっかり元気を取り戻した
 ようだ。
 「ハニャア・・・ドウモアリガトウゴザイマス、ミナサン。」

 このちびギコ、ちびしぃ。これまた驚くべきことに通常のちび達と比べると
 格段にまともな性格をしていた。
 一同はまた顔を見合わせた。

 話を聞くとこの二匹、ふもとの街で虐殺者に狙われ仲間ともども森に逃げ込んだ。
 と、いうことらしい。

 「それじゃ、他の仲間はどうしたんだゴルァ?」
 大方の想像はついたがギコはあえて尋ねてみた
 「・・・・コロサレタデチ・・・ アイツ ニツカマッテ。」

 アイツ・・・・恐らく例の虐殺者のことであろう。
 普段ならちび共がいくら虐殺されても気にしないAA達だったが、このちび達には
 なぜか同情の表情を浮かべた。
 それも全てこのまともな性格のためだろう。

 「・・・・まぁ、もう大丈夫だからさ。僕の家でゆっくり休みなよ」
 そうモララーが声をかけたとき、ようやく森が開け大きな広場にでた。
 広場にはホラーゲームの舞台にでもなりそうな西洋式の館が佇んでいた。

 「で、でかいニダね・・・ちゃんと掃除してあるニダ?埃だらけで
  まともに歩けないなんてことは・・・・」
 ニダーの不安をモララーが笑って打ち消す。
 「いつもは管理人さんがいるからね。館は常にピカピカに掃除されているよ。」


 そして、車庫に車を置いて一同は館の中へ入っていった。

564 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/25(木) 00:29 [ sbmWgSp2 ]
>>563続き。

?、?????

 「ヒギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 降りしきる雨の中、悲鳴が上がった。
 悲鳴の主であるちびフサは数秒前まで右手がついていた部分を必死に押さえている。
 「オテテ・・・フサタンノオテテ カエシテデチィィィ!!」

 "虐殺者"は取り上げたちびフサの右手をぶらぶら振って遊んでいた。
 「そんなに返して欲しいなら・・返してやるYO!!」
 言い終わらないうちに足を強く踏み込んでちびフサの右手をその持ち主に
 叩きつけた。

 グチャッ っと鈍い音がしてちびフサの顔が縮んだ。
 どうも胴体に半分以上顔がめりこんだらしい。
 「おっと!ゴメンゴメン。元に戻してあげるから。」
 そう言って"虐殺者"はちびフサの両耳を掴み、引っ張り上げた。

 ブチッ、ブチッ。

 「アギャガ!!アアアア!・・・・」
 脆いチビギコの体では耳にかかる負荷に耐えられず、
 あっさりと両耳が分断されてしまった。
 「ボクノ、オミミ・・・トレチャッタ・・デチ。」

 予想通りのリアクションに"虐殺者"は不満なのか、
 どこからか棍棒を取り出し頭に向って殴りつけた。

 ドガッ、ゴッ。
 フサの頭は完全に胴体と一体化し、骨は砕けピンク色の中身が見え隠れしていた。
 「チビタン・・・・サヨナラ・・デチ」
 何事かつぶやくとそのちびフサは仰向けに倒れ息を引き取った。

 「2,3匹くらい逃がしちまったなぁ・・・・勿体無い」
 "虐殺者"は舌打ちをして踵を返した。
 「ま・・糞チビ程度の足じゃあそう遠くにはいけないだろ」

 彼はチビフサの右手を死体の上に放り投げると、森の闇の中へ消えていった。

565 名前: モナ実 投稿日: 2004/03/25(木) 14:18 [ 4R3U/le. ]
ゴミ捨て場のしぃ


そのちびしぃは昔からキャンディーにあこがれていた…

ちびしぃは、虐殺厨たちが、おいしそうなキャンディーを口にほおばりながら町を行くのを、
物陰から…
見つからないように…
いつも見ていた。
憧れの視線を持って。


「あんなにきれいな色をしたキャンディー、私も食べたいわ」
…こう言うたびに、母親は
「ゴメンネ チビチャン キャンディーヲ カウオカネガ ナイノヨ」
と、申し訳なさそうに言った。

そのことはちびしぃもよく分かっていた、
しかし分かっていても食べたいものは食べたかった…


…ゴミ捨て場に捨ててあるのでもいいから食べたかった。
…それがしぃ退治用の毒入りキャンディーだと知っていても食べたかもしれない。
…しかし彼女はそのことを知らなかった。

566 名前: モナ実 投稿日: 2004/03/25(木) 14:19 [ 4R3U/le. ]




見つけたのは母親だった


「チィチャン!! ゴランナサイ コンナトコロニ マダ タベテナイ キャンディーガ ステテアルワヨ!!」

母親は本当にうれしそうだった、
愛娘の願いをようやくかなえてやれるうれしさでいっぱいだった。

「本当ですか?お母さん」

ちびしぃはそういいながらも、顔を輝かせた。

はじめて手に持つキャンディーの感触、
いつも口にしている生ごみとは雲泥の差の、甘い香り
カラフルな彩り…


すべてがちびしぃの願っていたとおりのキャンディーだった。

夢にまで見たキャンディー

ゴミ捨て場にあることなど関係なかった、ただ自分の手にキャンディーの柄が握られている…それだけで幸せだった。


…それがしぃ退治用の毒入りキャンディーだと知っていても、もって帰ったかもしれない。
…しかし彼女はそのことを知らなかったのだから、真偽は分からない。

567 名前: テツテiホ? 投稿日: 2004/03/25(木) 14:20 [ 4R3U/le. ]



ちびしぃは隠れ家に帰る途中、そのキャンディーを決して落とさないように強く握り締めて帰った…

そして、隠れ家に帰るとちびしぃは、ためらわずにキャンディーを口に入れた。


甘い香り…今まで想像するだけだった味わい
甘い香り…今まで想像するだけだった味わい…
甘い香り…今まで想像するだけだった味わい……

何回夢に見たからないキャンディー…



ちびしぃが微笑みながらキャンディーをほおばるのを、母親はほほえましく見守った。


ちびしぃはキャンディーを食べていた…

…それがしぃ退治用の毒入りキャンディーだと知らずに食べていた。


最初の一舐め…
ちびしぃはそれを口の中で30秒以上楽しんだ…
そして溶かしたキャンディーを、唾液とともに飲み込んだ。

そのときのちびしぃはまさに天にも昇る心地であったろう。
むろんそれを見つめている母親も…

568 名前: モナ実(最後)↑文字化け 投稿日: 2004/03/25(木) 14:21 [ 4R3U/le. ]


飲み込んだ刹那、
ちびしぃは吐いた…
今飲み込んだキャンディーを…
胃液を…
胃袋を…
十二指腸を…
… …


「お母さん!苦しい!助けてください!」
「アギュバ、ゲババババババゴギュシャゲチョビャ」

すべての臓器を吐き出すのに30秒かかった、
ちびしぃはキャンディーをしたの上で味わった至福の時間…それと同じ30秒だけ悶絶して死んだ。


…母親は泣くしかなかった、
しぃ退治用のキャンディーだとは考えてしかるべきだったのに、
そのことを喜びのあまり見過ごした自分を悔やんだ。

母親はこうも考えた
「チビチャンハ アンナニ タベタガッテイタ キャンディーヲ タベテシンダノダカラ シアワセダッタダロウ…」
と、



しかし、口から一つながりの消化管を吐き出して死んでいるちびしぃの表情は、
明らかに苦しみの…地獄の苦しみを味わったそれであった。

…母親が残されたキャンディーに口をつけるのもそう遠くはない。

569 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/25(木) 23:25 [ cIkOotGo ]
>>557続き

目が覚めた。
3日目 最終日だ。

ようやく最終日か。
いや、昨日はかなりまずいことになった。
何かっつーと、ベビどもだ。
あの後、氷からひっぺがしてやったら、脅しどおりに前の方まで皮が剥がれやがった。
それも、全員。
氷の上も車ン中も血まみれで、よくある「精神ブラクラ」みたいになって大変なことに。
もう、深夜まで処置に追われていたよ。手間のかかる奴らだ。
あ、いや、ベビどもの治療のことじゃないよ、車の洗浄のことさ。
ビニール袋にぶち込んでやったのに、いつの間にか抜け出していたから、車ン中一面真っ赤。
血の汚れってのは落ちにくいんだぜ! ったく・・・・!
(あ、ベビどもも一応、応急処置はしといたがね。)

まあいいや。今日が最終日。
今日でこいつらとのつきあいも終わる。  ありがちだが、永遠にな。

ベビどものいる部屋へと向かう。

「はーい♪ みんな起きたかなー? よく眠れましたかー?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

誰も反応しない。というより、できない。
本来なら即刻入院クラスの怪我なのに、いい加減な応急処置しかされていないのだ。
そんな状況では眠れるはずもない。
全員、疲れ切っている。

「おや、無視するんですか。いけませんねえ、またお仕置きが・・・」

「ア・・アニャッ!! チェンチェ オハヨーゴザイマチュ!!」

「キョウモイイテンキデチュネ!!」

まだまだ余裕あり・・・・と。

「はいはい! 楽しかったスキー旅行も、今日が最終日です!
えー、今日は何やるかっつーと、また、スキーです!
初日はみんな全然滑れなかったので、今日はもっとなだらかなコースに行こうと思います!」

一同、怪我でスキーなどしたくもないが、反抗したら仕置きが来るため、一応賛成。 
                   続く

570 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/26(金) 00:08 [ O5A4onKk ]
>>569続き

「はい着いたよー♪」

そこは、山のすぐ麓にあり、今までのところより少し離れていた。
確かにかなりなだらかな斜面で、初心者クラスと同じくらいのものだった。

「ワア・・・ココナラチュベレチョォ・・・・」 「コンドコチョ チュベレルノネ!」

怯えた声で言っても、嘘っぽく聞こえるだけなのだが。


「デモチェンチェ ナンデココニハ ホカノヒトガイナイノ?」

「・・・・・・ベビちゃんたちの、貸し切りだから、だよ・・・・。」
微笑みながら言ってやった。すると

「ウチョオ・・・ウチョ! チョンナノ ウチョダヨゥ!!」

「チェンチェ!! ナンデ!? ナンデダレモイナイノォ!? ホントノコトヲオチエテヨゥ!!」

・・・・・・やっぱダメか。今まで散々この手でだましてきたからなぁ。
本当のこと言やぁ絶対逃げるし、このまんまにしとくのもウザイし・・・。
また、丸め込むか・・・。無駄だろうけど。

「なんで先生の言うことを信じてくれないのかなぁ? 先生は・・・」

「モウイヤァ!! チェンチェハイッツモソウイッテ チィタチニイタイコトシテキタモン!!」

「あれはお仕置きなんだよ。分かって無いなぁ。」

「マァマノ オチオキ ハモットヤサシイモン!! チェンチェノオチオキナンテ ギャクサツチュウダヨ!! コレイジョウイタイコトチタラ マァマニイイツケルヨ!!」

「・・・・・ご勝手にどうぞ。ただし、生きて帰れればの話だけどね。
 みんなをここまで怪我させておいて、
 漏れがすんなりみんなをママのところに帰すとでも思っているのかい?」


「・・・・・・デ デモ チィタチヲギャクサツシタラ マァマガゼッタイチェンチェヲタオチテクレルモン!!」

「チョウヨチョウヨ! チィノマァマハ オコルトトッテモコワインダカラネ!!」

「くくくく・・・・確かにそうさ。
「キチ糞虫虐殺厨を殴り殺す」のことわざがあるように
追いつめられてキチになったら、たとえ弱小なしぃ族といえども、他種族に勝つ場合もある。
それはさけねばならぬ事なのさ・・・・・・・・・・・・故に、
ちゃあんと準備はしてあるんだよ。ちゃあんとね。」

「ア・・アニャァ?? ナァニヲ・・・??」

その時

ピ シ ュ ー ー ー ッ

「! よし、「合図」だ!」

漏れは急いで準備を始めた。
                  続く

571 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/26(金) 00:32 [ O5A4onKk ]
>>570続き

漏れは「あるもの」を両手に抱えると、斜面から離れようとした。

当然

「アッ!! チェンチェ! ドコイクノォ!?」

「チィタチヲ オイテイカナイデエ!!」

ついてきやがる。予想通りか。

漏れは「あるもの」を斜面に投げ捨てた。
そして、一言。

「ベビちゃーん! 斜面を見てごらーん!! お友達がいるよー!!」

「アニャッ!? オトモダチ?」

「そーだよー! みんな途中でいなくなっちゃったけど、
ベビちゃんに会いたいって言ったから、特別に連れてきたんだよー!」

「アニャ・・マタウチョ・・? デモ・・アノオミミ アノオテテ・・・・・・ミンナダ!!!」

そう、この時のために、漏れはベビの死体(池に沈んだ2匹以外+ミイラ)を冷凍保存しておいたのだ。
自己中なベビといえど、極限状態でなければ、友達は大切なようだ。
ベビどもは一目散に斜面へと走る。

漏れはその間に姿をくらました。

1〜2分後

漏れは少し離れた林から双眼鏡でベビどもを観察していた。
ベビの死体を見つけたようだ。
必死に事切れたベビどもを起こそうとして、無駄な努力を続けている。

く く く く く・・・・・
もうそろそろ、か
さて、とりあえずベビどもの冥福を祈るとしますか。
たたられるのは、いやだからな・・・・・
            続く

572 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/26(金) 01:04 [ O5A4onKk ]
>>571続き

ズズズズズズズ・・・・・

突然の地鳴り。ベビどもも気づいたようで、不安げな顔をしている。
もっとも、その数秒後には恐怖で吹き飛ぶのだが。


ドドドドドドドドオッ!!!!

そう。これが漏れの狙い。冬の終わりの山の大災害

雪 崩


そもそも、こんなゲレンデまがいの斜面ができたのも、このためだ。
昔からあの周辺は「雪崩の巣」とか呼ばれるくらいの雪崩の多発地域で、
一冬に10回以上も雪崩の発生する場所らしい。
だからそこの周辺の木もすべてなぎ倒され、あの斜面が完成したのだ。
昔から、「自殺者のためのゲレンデ」と呼ばれていたそうな。

さきほどのあの「ピシューッ」という音は、
「鞭の音」と言って、雪崩の発生する前に鳴る音らしい。
要するに、天然の警報のようなものか。(?)

「さてさて、その警報を無視した連中は、今どうしているかな?」
漏れは双眼鏡を手に取った。

その傍らには


なだれちゅうい! ちかよるな! ここはコースではありません!


などと書かれた板が、無造作に置かれていた。

「おっ・・・・友達の死体放りだして、逃げてる逃げてる♪ でもね、無駄だよ。逃げられないよ と。」

雪崩の速度は時速250〜300キロくらいの速さだ。
対するベビは、時速1キロにも満たない遅さ。
ベビどもが飲み込まれるのに、10秒とかからなかった。
                続く(後もう少しです)

573 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/26(金) 01:46 [ O5A4onKk ]
>>572続き

様子を見に行ってみた。

雪が更に、厚く斜面を覆い隠している。ベビたちの姿は見あたらない
・・・・・・・・・・・まぁ、いい
雪崩の破壊力は爆弾に匹敵するくらい強烈なものだ。
まともにくらったら、ベビしぃが原形をとどめるはずもない。
礫死体のごとく、バラバラになっているだろう。

漏れはそんなことを考えながら、雪の中へと体を埋めていった。
そして、悲鳴を上げる。

「おーーーい! だれかああーー!! たすけてくれぇーー!!」

数分後

「悲鳴がしたけど、こっちかな?」

「昨日も雪崩が起こっていたけれど、今日は誰か巻き込まれたようだな・・・あそこだ!」

「肩まで埋まっているようだな。掘り出すぞ!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「いやぁ、助かりました。ありがとうございました。」

「あんた、ここが「雪崩の巣」だって、知らなかったのかい? 
 ここでスキーなんて、あんた一体何考えているんだい?」

「すいません。このあたりには一度も来たことがないので・・・・
 私幼稚園を経営していて、ここには、幼稚園のスキー旅行で、始めて来たんです。」

「幼稚園って・・・・ あんた、生徒さんはどこに? まさか、この下か?」

「はい・・・・おそらく・・・ ベビしぃたちが、みんなこの下に。」

「なんだ。ベビしぃか。それなら問題はないね。・・・・おっと、失礼。」

「いえいえ、今更かまいませんよ。」

「・・・・さて、少し聞きたいこともあるから、一緒に来てくれないか? 
 まあ行方不明者がベビしぃなら、そんなに手間取ることもないけど・・・・。」

「分かりました。」
               作戦成功(・∀・)ヤッタ!!
                   
                   続く

574 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/26(金) 02:54 [ W46GjCtc ]
>>564続き

4、館

 「すごいモナー!まるで貴族のお屋敷モナー!」

 最初、館は真っ暗だった。
 管理人は住み込みではなく週に1度掃除に来るだけなので当然といえば当然だった。
 モララーが手探りで電灯のスイッチをつけて初めて大広間の全貌が分ったのだった。
 
 館は2階だてで、大広間の右端に階段があった。
 1階の大広間の左の部屋は応接室、中央の部屋は何も置いてなかった。
 モララーが言うには、昔は使用人達の部屋だったらしい。
 右は食堂兼ロビーで厨房も食堂内にあった。軽く30人は入る大きさだ。

 「2階には何があるんだ?」
 ギコはすでに階段を上りながらモララーに尋ねた。
 モララーは父親から借りた家の見取り図を広げると
 「2階はどうやら個室、大浴場があるらしいね」
 と答えた。

 一同はまず荷物を置くことにし、2階に上がっていった。
 ヒッチハイカー達は部屋数が足りないので一緒の部屋でいいかと、
 モララーが尋ねたところ喜んで承諾した。
 「ただで泊めてもらえるんですからどんなところでも結構です。」
 しぃは謙虚にそう言った。

 階段を上りきると廊下が左右に続いていた。
 廊下の中央に大浴場があり、右の廊下に3つ、左の廊下に3つ個室があった。
 「ニダ?廊下の奥にもドアがあるニダよ?あれは何ニダ、モララー。」
 見取り図を見比べながらモララーは答えた。

 「んー。左の奥のドアは物置らしいね。右の奥のドアは階段らしいよ。
  食堂に続いてるみたいだね。」
 「そういや、厨房の横にドアがあったぞゴルァ!」
  納得した一同は荷物を置きにそれぞれの部屋に入っていった。

575 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/26(金) 02:56 [ W46GjCtc ]
>>574続き

5、館Ⅱ

 モナーはベッドの脇に荷物を置くと部屋を見渡した。
 「それにしても広いモナ。この部屋だけでモナーの部屋分の広さはあるモナね」
 感心しつつ、窓の外を眺めると先の大雨はまだ振り続いていた。
 「この雨・・・大丈夫モナ?土砂崩れでも起きたら怖いモナー」

 幸い館のまわりには急斜面はないが先ほど通ってきた道は舗装されていなかったので
 こんな雨の日に車で通るのはかなり危険だと言えた。
 「もし道が土砂崩れを起こしていたら・・・当分出られないんじゃないかモナー・・」
 だが、元来楽天的なモナーはモララーの食事を告げる内線によってすぐそんな心配は
 忘れてしまった。
 ・
 ・
 ・
 ・
 「オネェタンハ、ドウシテアンナアメノナカ タッテイタンデチカ?」
 左の最奥の部屋を与えられたチビギコは同室のしぃに質問していた。
 ちびしぃは疲れたのかベッドの隅でまるくなって眠っていた。
 「ボクタチト オナジヨウニ ギャクサツチュウニ オワレテイタンデチカ?」
 しぃは寂しげに微笑むと首を振った。
 「お姉ちゃんはね、捨てられちゃったの・・・恋人に。」
 「ステラレタ・・・デチ?」
 「うん。新しい恋人ができたからって・・・・・私、あの人の車を
  飛び出して・・・」
 そう言ってしぃは顔を伏せた。
 ちびギコには正直よく分らなかったが、しぃの拳が固く握り締められているの
 でしぃがとても怒っているということはよく分った。
 それから二人は食欲がないと言うちびしぃをおいて、食堂に向った。
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ギコとニダーとフーンは階段の所で一緒になった。
 「ギコ。マクソナルドのバイト、休むこと店長に言っといたニダ?」
 「いけね!まだしてなかったぞゴルァ!」
 慌てて携帯を取り出すが、フーンが言う。
 「無駄だよ。ここ電波届かないし。」
 さっき試したと言って携帯の待ち受けを見せる。

 待ち受けにははっきりと「圏外」の表示が出ていた。



   *追記 館2階の部屋割り*

       チビギコ達  モナー  ニダー  大浴場  ギコ  モララー  フーン   
                          階段

576 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/26(金) 02:57 [ W46GjCtc ]
>>575続き

?、?????

 ちびしぃは眠っていた。
 恐ろしい虐殺者から逃れ、緊張の糸が緩んだのか泥のように眠っていた。

 どれくらい眠ったのか分らない。ふと目を開けた。
 ひどくお腹がすいている事に気づく。
 「チビタン?・・・オネェチャン?ドコ?」
 部屋は真っ暗だった。
 ちびしぃは虐殺者に追われて逃げ込んだ森を思い出した。
 不意に恐怖を感じ、ベッドから飛び降り部屋を出ようとした。
 ドアの前まで来た時突然光が差し込んできた。
 廊下の光のようだった。
 まぶしさで目を細めたちびしぃは、そこに誰かが立っているのに気づいた。
 「・・・・ダレ?・・オネェチャン?」

 もっとよく見ようと近づいた瞬間、"影"が何かを振り下ろした。
 「・・・・エ?」
 気がつくと、ちびしぃの額から何か暖かいものが流れ出ていた。
 「ウソ・・・?ナニコレ・・・」
 額の液体に触れるまもなく"影"はさらに何かを突きおろしてきた。

 ドスドス 続けざまに二刺し。
 ここに来てようやくちびしぃは、自分が刺された事に気づいた。
 「ア、アギィ・・・イタイ・・・イタイ!!」
 悲鳴を上げようとしたちびしぃの喉に何かの刃が押しこまれる。
 「グボォ!ングアア!!」
 何を言っても声にならない。代わりにヒューヒューという風の音が喉から漏れていく。
 
 ちびしぃは自分を刺した相手を、最後の力を振り絞り見上げた。
 だが、廊下の光によりそれが誰なのかちびしぃには最後までわからなかった。

577 名前: がるく 投稿日: 2004/03/26(金) 10:49 [ GPBZC/Ig ]
短編。


狭い路地に、一人のAAが血まみれになっていた
ゴミ箱に背を掛けて、放心状態で眺めていた


眺めていたものは 死体 まるで咀嚼されたような粗引きの




ネオンで黒く変色した血が鈍く照らされている


虚ろな瞳でその死体を眺めていた

左腕に、『P O R O R O』と焼印が押されている


『お前は皆を守るために生まれてきたんだ』

この言葉が自分の中で何回も思い出される

この言葉を言った人・・・・・・

確か、ふさふさと毛の感触が心地よくて、頭には変な帽子を被っていた

そこまでしか憶えていなかった

578 名前: がるく 投稿日: 2004/03/26(金) 10:49 [ GPBZC/Ig ]
空腹により、思考が遮られる


おなかすいた おなかへった    なにかたべたい


喋り声と悲鳴が耳に入ってきた  
「やはり馬鹿ですね、と」
「何言ってるモナ 大馬鹿モナよ〜」

鈍器で殴られる音

気がついたらその場所にいた   

ありきたりにモナーとモララーがしぃを虐待していた
自分に二人は驚いた 少なくともしぃはそんな余裕は無かった

「なっなんだYO!俺らは今遊んでんだから邪魔するなよ!」
「それにしても見たことも無い奴モナね」
モナーがしぃの耳をゆっくりとちぎる
筋肉の繊維がブチブチと音を立てて切れる


おなかへった たべたいけどたべちゃだめ


「おい!お前もやりたいのか?」
「ほらー、こっちきてみなよ」
たとモナーが手招きをする

しぃは大きく声を上げようとしたが、口をモララーに塞がれた


言う通りにモナー達の所に向かう

意識はかすんでいた

579 名前: がるく 投稿日: 2004/03/26(金) 10:50 [ GPBZC/Ig ]
おなかへった たべたいけど たべちゃだめ  だめ?


モララーとモナーの声はだんだん聞こえなくなっていて



なんで たべちゃだめなんだろう



耐え切れ無かった


骨が肉体から飛び出し、裂け目ができ、そこから臓物が舞う

触手が二人を捕らえる
二人はあらん限りの悲鳴を出している


口がぱっくりと大きく裂けた

まずはモナーを口に入れる 
骨なんかもろともせずに噛み砕く

その惨状を見てモララーは真っ青に蒼ざめる


おいしい  



モララーも口の中に放り込まれた
モナーとは違ってすぐに食べない


口の中はぬめりとしていてモナーだった物が溢れていた
涙を流しながらなんとか逃げ出そうとする


そして噛み砕いた


そのまま喉へと流す

もう一方の触手でしぃを捕らえ、丸呑みにした





おなかいっぱい おいしかった


身体はあっという間に元に戻る

580 名前: がるく 投稿日: 2004/03/26(金) 10:51 [ GPBZC/Ig ]
私はその様子を急いでメモしていた
「こりゃあ特ダネだ!読者も食らいつくぞ!」

夢中になり過ぎて、手に汗をかいていた
汗でペンを落とす
「あ。落ちた」

急いで拾った

上に気配を感じ、見上げると

「あれ・・・・?」




飲み込まれた





はい、これで話は終わり。
え?じゃあなんでここにいるかって?
そりゃあ当たり前さ


だって








ここは奴の腹の中だろ?

終わり

581 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/26(金) 15:08 [ glLVuYDQ ]
>>558の続き

「お目覚めかい?糞虫さん。」
「ハニャ・・・・・・!ナ・・・ナニコレエ!
シィノオテテガ!アンヨガ!ナイヨオオオオオオオオッ!!!」
「ああ、君のアンヨとオテテは取っておいたよ。
もう必要ないからね。」
「シィィィィィィィィィィィィィッ!!!
フザケナイデヨ!シィノオテテトアンヨカエシテヨ!
コノクソモララー!」
「はいはい。ちょっと口ふさがせてもらいますよっと。」

そういいながら俺はアフォしぃの口に
猿ぐつわをした。

「チィィィィィィ・・・・・・ウルサイデチュヨ・・・・・・」
「ワタシタチノアンミンヲボウガイシナイデヨ。」

俺は寝ているちびとベビを
軽く蹴った。

「ナニスルンデチュカ!」
「サッサトアヤマリナサイ!」

俺はその言葉を無視して、
2匹の口に猿ぐつわをした。

ピンポーン

「おっ!客が来たのかな?」

ガチャ

「チビタントフサタンカラキイタノデチガ、
10エソデコウビサセテクレルッテホントデチカ?」
「ああ、本当だよ。
10エソ払えば、1時間やり放題さ!」
「ホントデチカ!?ジャサッソクヤルデチ!
ハイ!10エソデチ!」

俺に10エソを渡すと、
ちびギコは、ベビしぃのいる部屋に、
入って行った。

「ンンー!!ンガー!!」
「さっきのやりとりを見ていてわかっだろう。
君達は1生ここで欲求不満のギコやちびギコの、
相手をしてもらうよ……。」

それからも客が来て最初こそ、
大好きなギコクンとの交尾に喜んでいたが、
休みなくどんどんやり続けさせられるものだから、
終わったときには、もう顔がげっそりしていた。
まだまだ……こんなもんじゃ終わらないよ。
本当の虐待はこれから始まるのだから……。

            続く

582 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/27(土) 14:26 [ ph/Ck52w ]
>>576続き

6、前兆

 食事はモララーが作った。
 とは言っても、そのほとんどがファミレスなどで使用される簡単なインスタント食品
 であった。
 それでも下手な料理よりはずっとマシなため一同は残さず平らげた。

 沈んでいたしぃも腹が一杯になったせいか、少しは明るくなって皆と雑談に興じるよう
 になっていた。
 「それじゃ、僕は後片付けするから皆はテレビでも見ててよ。」
 皿を片付け始めたモララーを見てしぃも立ちあがった。
 「あ、私も手伝います。」
 「ボクモスルデチ!」

 後片付けをしている間、ギコ、フーン、ニダーは風呂でも入ってくると言い
 食堂を後にした。
 残ったモナーは冷蔵庫にあったプリンを食べながらテレビを見ていた。
 「モナモナ〜♪まるで王様気分モナァ。」
 酒も入っているモナーは顔を赤らめながらソファに体を埋めていた。

 「じゃ、ちょっと僕は外の食料庫に行って来るから」
 冷蔵庫を見ていたモララーがそう行って食堂を後にした。
 後片付けが終わったチビギコ、しぃもモナーの横でテレビを見ていた。
 チビギコに関してはテレビを見るのも初めてらしく興奮して画面を見つめていた。

 「モララー、遅いモナね・・」
 ふとモナーがつぶやいた。
 その声に反応してちびギコが立ちあがった。
 「ソウイエバ チビシィタンガ ネムッテルンデチタ。チョットヨウスヲ ミテクルデチ!」
 そう言って2階へ上がっていった。

583 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/27(土) 14:27 [ ph/Ck52w ]
>>582続き

7、惨劇の始まり

 その館中に響き渡るような恐ろしい悲鳴が上がったのは、丁度食堂へモララーが
 両手に食料を一杯抱えて入ってきたときだった。

 「ヒギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!]

 「モ、モナ!?」
 モナーは驚き、ソファから立ちあがった。
 モララーに至っては抱えていた食料を床に落としてしまった。
 「ち、ちびギコ君の声だ!」
 しぃはあまりの悲鳴の大きさに足がすくんで動けないでいた。
 「2階にいってみるモナ!!」

 震えているモララーの腕を掴んでモナーは2階に駆け上がった。
 悲鳴をあげた張本人は左側の廊下の最奥のドアの前で尻餅をついていた。
 「・・・アアアア、チビシィタン・・」

 「フーン、何かあったの?」
 「どうしたんだゴルァ?」
 反対側の廊下からフーン、大浴場の右隣の部屋からギコがやってきた。
 モナーとモララーは恐る恐るちびギコがひっくり返っているドアの前まで進んでいった。
 部屋からは妙な匂いがした。
 モナー達はこれとよく似た匂いを嗅いだことがあった。
 そう、虐殺されたちびギコ、しぃ達の死体から放たれる死臭である。
 モナー達は虐殺厨ではないが街を歩けば至る所に被虐生物の死体は転がっている。
 それは特別珍しいことではない。

 「だ、大丈夫かい!?ちびギコ君。」
 モララーが駆け寄る。
 ちびギコは呆けたように口を開けて震えている。
 そこでモナーはちびギコの後ろから部屋を覗きこんだ。

 「モ、モナ!!?ちびしぃちゃん!」
 モナーは部屋の入り口付近で血まみれで倒れているちびしぃを発見した。
 その目にすでに生気はなく、ちびしぃがその生を終えていることを教えていた。

584 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/27(土) 14:28 [ ph/Ck52w ]
>>583続き

8、来なかったAA

 さすがに見慣れているのかモララー達通常のAAはちびギコ(ちびギコも見慣れている
 と言えば見慣れているのだが)のように取り乱すことはなかったが、一つの疑問が
 浮かんだ

 「誰がやったんだゴルァ!?」
 まともな性格をしているとはいえ所詮ちびしぃはちびしぃ。被虐生物の一匹が
 死んだところで悲しむことはない。
 だが、誰が殺ったかは気になるところだった。

 「そうだね。ちびしぃちゃんが殺される理由なんてなかったと思うし。
  普通のアホちびしぃならともかくあんなにまともな性格だったのに・・」
 モララーはちびギコの背中を撫でて、慰めながら全員を見渡した。
 そこであることに気づいた
 「あれ?ニダー君はどうしたの?」

 「風呂場では一緒だったが、あとは知らねぇぞゴルァ!」
 ギコもフーンも食後すぐに風呂に一緒に入った。ギコとフーンは先にあがったが
 ニダーは最後まで残っていたと言う。
 「もしかして風呂場でのぼせてるんじゃないの?僕が読んでくるよ。」
 モララーはちびギコの介抱をモナーに任せて大浴場に向かっていった。

 「おいフーン。お前がやったんじゃないだろうなゴルァ。」
 モララーがニダーを呼びに行っている間、ギコ達は話し合っていた。
 「フーン。こんな山奥まで来て虐殺したりするほど酔狂なAAじゃないよ漏れは。」
 「それもそうモナね。」
 ドアが開く音がして浴場のほうを振り向くと、モララーが首を傾げながら
 出てくるところだった。
 こっちを見て首を振るところをみるとニダーは風呂にはいないらしい。
 「ニダー君の部屋に行ってみるよ。」
 モララーはそう言ってニダーの部屋の前に立った。

 モナーはそんな時、不意に後ろに気配を感じ振り向いた。
 だが、後ろには館の門が見下ろせる窓がついているだけで何もない。
 振りつける雨と激しくなってきた風でガタガタと窓は揺れている。
 (この音モナか・・?)
 モナーはほっとして廊下に視線を戻した。

 その時、本日二度目の悲鳴が上がった。

585 名前: 逝犬 投稿日: 2004/03/27(土) 20:52 [ FMjURXHE ]
黄色い私とピンク ナ ボクチャン


その姉弟は、あの街からこの町へ通じる唯一の橋のたもとに2人で暮らしていた。
親と暮らすのを諦めた、黄色の体色をしたしぃとピンク色の体色をしたモララー…。
いや、彼らの事は見る人が見れば、しぃの姿に似た女モララーと
モララーの姿に似たオスしぃと言うかもしれないAAだった。
まぁ、そんな事はどうでもよい。
彼ら姉弟は、関所跡地に幾つかのダンボールを重ねたダンボールハウスを造り、
2人身を寄せ合って、そこに住んでいた。
昔は、この橋を通って、街と町を行き来する者も多かったが、
最近はめっきり少なくなり、街と町の交流は途絶えがちである。
何故なら、此処に、彼ら姉弟が住み着いてしまったからだった。

586 名前: 逝犬 投稿日: 2004/03/27(土) 20:53 [ FMjURXHE ]
「あー、お腹空いたわね…ボクチャンも、そう思うでしょ??」

姉である黄色いしぃが、ジャガイモの土臭さの残る大きなダンボールと
爽やかな柑橘臭の残るミカン箱の継ぎ目で、隣で丸くなってウトウトしている
弟のピンクのモララーに、溜息まじりで話し掛けた。

「…ン? ネーチャン ダッコ??」

眠そうに目をこすった後、弟は半角カナ文字でニコニコと手を伸ばす。

「……アンタって本当に、人の話を聞かないアフォよね…。母さんソックリ…。
私は腹が減らないか…って聞いたのよ??」

伸ばされた手を面倒臭そうに弾き飛ばし、姉は弟の顔を覗き込んだ。

「ウワァーン ダッコ! ダッコーッ! ダッコ シナイト ギャクサツチュウ ナンダカラナ!」

弟は姉の言葉を欠片も理解してないようで、抱っこをせがみ、
転がりまわるには少々狭いミカン箱スペースの中でジタバタと暴れ出す。

「あー、もう、本当にアフォでどうしようもないわね…。
ったく、何で、こんな弟を可愛いと思っちゃうのかしら…
コレが俗に言う馬鹿な子ほど可愛いって香具師かしら??」

姉は溜息をついた後、仕方なさそうに苦笑いを浮かべて、騒ぐ弟を抱きしめた。

「ヘヘ ダッコw キモチイイ??」

弟は姉に抱きしめられると満足そうに微笑み、姉を抱き返して
更にニコニコと機嫌を上向きにさせていく。

「ああ、ハイハイ、気持ちイイわよ…
だけど、ダッコなんて腹の足しにもならないじゃない、
全く誰か通らないものかしらね…。お腹が空いてどうしようもないわ…」

姉は弟の問い掛けを適当に流しながら、最近の日照りですっかりやせ細った川と、
街へと繋がる橋をぼんやりと眺めていた。

「ネーチャン ダレカ クルヨ アシオトガ スル…」

姉の手に抱かれながら、寝息を立て始めていた弟が
急に耳をピクピクと動かしたかと思うと、橋の向こう側をさすように右耳を立てる。

「え?本当に??で、年はどんな感じ??何人いるの?」

AAの気配を感じ取った弟に、姉ははやる気持ちを懸命におさえ
なるべく声の大きさをひそめて尋ねた。

「ンートネ フタリトモ ダブン ボクラヨリ ウエダケド ケッコウ ワカイト オモウ…」

少し難しそうな顔で耳をピンと立て、しばらく黙り込んだ弟は
姉に尋ねられた情報を伝えようと彼なりに頑張っているらしい。

「そう、アリガト、ボクチャン。どうやら久々にご馳走にありつけそうね。
悪いけど、1人で丸まっててね…。姉ちゃんはゴハンの為にガンガるから…」

姉は弟の頭を撫で、ダンボールの床に寝かせるとハウスの中から1人抜け出した。

587 名前: 逝犬 投稿日: 2004/03/27(土) 20:55 [ FMjURXHE ]
強い風が吹き抜け、日照りで乾いている道に土ぼこりをもうもうと立ち込めさせる。

「ああ、私の耳にも足音が聞こえてきたわ…。どうしようドキドキしてきたかも…」

姉は橋の前で気配を殺してジッと立ち、街からの訪問者を待った。

「……んでモナは逝ってやったモナ、逝ってよしってw」
「何が逝ってよしだ…それじゃ俺はオマエモナーって言わなきゃ
いけなくなるんじゃないのか、ゴルァ??」

モナーとギコの2人組が下らない会話を交わしながら橋を渡ってくる。

「ちょっと、お兄さん達…私にゴハンを置いていって頂戴…。
もし、置いていってくれるなら、命だけは助けてあげてもイイわ!」

姉はニッコリと微笑んで橋を渡りきった青年達の前に立ちはだかった。

「え?また、随分と可愛い追い剥ぎモナねぇ…」

モナーが姉の笑みにつられたように微笑み返す。

「何だ、嬢ちゃん??捨て子かい?こんなチッコイ内から強盗なんざ世も末だな…
だけど、武器も持たないでどうやって命なんかとるんだよゴルァ!」

ギコは幾ら小さくとも、犯罪は許せない性質のようで姉の顔面に向かって
拳を思い切りよく突き出した。

「乙女の顔を狙うなんて酷いわねぇ…。せっかく命は助けてあげようと思ったのに…
そんなに死に急ぎたいの?」

姉はギコの拳をヒラリと交わしてから、その突き出された右手を掴み
ニヤニヤと笑いながら手首に歯を当てる。

「え!?………ウワァァァ!」

拳を掴まれる所か交わされる事すら予想していなかったギコは、
自分の腕に何が起こったのかを理解出来ずに長い沈黙を過ごした後、
地面にへたり込み、自分の腕と姉の口元を何度も見比べ、やっと叫びだした。

588 名前: 逝犬 投稿日: 2004/03/27(土) 20:56 [ FMjURXHE ]
「ふぅん、まぁ、オスにしてはソコソコの味かな…。
メスの方が美味しいんだけど食糧難じゃ文句も言ってらんないしね…。
あ、そうだ…ボクチャン!先、食べててイイよ!
お腹すいてるでしょ?私は狩りが終わったら落ち着いて食べるわ!」

ギコの手首を毟り取った姉は口の周りにべったりと飛び散った血を舐めとり、
味を評価する。
そして、毟り取った手首をダンボールハウスの方向に投げると、
突然の事に腰をぬかして動けないモナーと未だ状況を理解しきれないギコを
愉しそうに交互に見つめた。

「さぁ、今度は何処を食べて欲しい?何処でもイイわよ…
だけど、聞こえてる内に早く返事をしないと私の好きにしちゃうわよ?」

ギコの右耳を掴みブチブチと肉の千切れる音を響かせながら、
もいでいく耳に向かって姉は囁き続ける。

「ぁあ…ゃ…め……」
「何?もっと大きい声で言ってくれなきゃ分からないわ?」

何かをうめくように発したギコの、取れかけの耳に舌を這わせ、
血を舐めながら姉は優しい声で尋ねた。

「止めてくれ…頼む…助けてくれ……」

ギコは目の前の小さな虐殺者に懇願する。
無くなってしまった右手と、まだ存在する左手をあわせて、拝むように懇願した。

「死にたくなければ、ゴハンを置いていくように言ったのに、
無視したのはそっちでしょ?その上、殴りかかってくる乱暴者だし…
どこから死んでいきたいのか聞いてあげてるだけでも譲歩なのよ??」

千切りきった耳を口に咥え、蜜でも吸うかのように血を吸い上げながら
姉はギコの頼みを突っぱねる。

「ウワァァァァァ―――――っ!」

姉の冷たい言葉に、ギコは錯乱したかのように大きく叫ぶと立ち上がり
小さな虐殺者に精一杯の抵抗を試みた。

「そんなキレのないパンチもフラフラのキックも無駄なの分かってるでしょ?
あんまり動き回ると、せっかくの血液が流れちゃって
ジューシーさが欠けちゃうじゃない…悪いけど、寝てくれる?」

姉はギコの無駄なあがきにウンザリとした表情を見せた後、
オヤスミなさいとニッコリ笑ってギコに告げ、彼の首に歯を立てる。
喉笛を噛まれたギコは痙攣を繰り返し、やがて力なく肉体を地面に横たえた。

589 名前: 逝犬 投稿日: 2004/03/27(土) 20:57 [ FMjURXHE ]
「じゃ、次はアナタね…私にゴハンを置いていく?それとも死にたい?」

「し、死にたくないモナ…何でも置いていくから、助けて欲しいモナ…」

無残に倒れたギコのかたわらで、モナーはガタガタと歯を鳴らしながら首を横に振る。
そして、自分のカバンに入っている僅かばかりの食料をさしだし命乞いをした。

「じゃ、死なない程度に、食料を貰うわね…。ボクチャン!ライター持ってきて!」

姉の声に一心にギコの手首をしゃぶっていた弟が、
ダンボールハウスの中からゴソゴソとライターを探し出し届けにくる。

「ハイ ネーチャン ボクチャン エライ??」
「ハイハイ、偉いわねぇ…ああ、顔がギコの毛だらけじゃない…。
まぁ、どうせ、まだ食べるし拭わなくてイイか…そこのも食べててイイわよ」

ライターを届けて満面の笑みを浮かべる弟の頭を撫でまわした後、
姉は口の毛を掃い落とした。
そして、まだ微かにヒューヒューという息を繰返すギコを足で蹴り上げると
姉は再びモナーに視線を戻した。

「別に町まですぐだし、コレ位の食料、全部、取られたって…
いやぁぁぁ!な、何するモナ!こ、殺さないって言ったモナ!」

モナーのさしだしていた手を握手するように取った姉が、そのまま腕をねじりあげる。
その痛みにモナーが甲高い叫び声をあげた。

「殺さないわよ…。食料を貰うだけ…だから、ちゃんと、
血が零れ過ぎないように焼くための火を用意してるんじゃない」

ねじりあげた腕を肩の辺りからミシミシと音を立て引きちぎった姉は、
ライターの火を最大にしてモナーの肩を焼き始める。
辺りに生きた肉の焦げる嫌な臭気が立ち込めた。
草食動物と違って肉も食べて生きる雑食のAAゆえの独特の臭みと煙が立ち昇り、
モナーの脂ののった腕から炎が上がる。

「イヤモナァァァァ!燃えて…燃えて死んじゃうモナァ!」

燃えていく自分の肉体の火を消そうと、モナーが地面を転がりまわった。

「大丈夫、この程度の火で、燃え尽きたりしないわ…あら…アナタ、
メスだったの?ゴメンなさい、見た目で判断してたわ…
ボクチャン、コレはご馳走だわ…食べて御覧なさい」

慌てるモナーを冷ややかな目で見下ろしていた姉は、
引きちぎった腕の付け根を口に含んだ後、驚いたように彼女だったモナーを見つめる。
そして、腕を弟に投げると、表情を輝かせて、モナーの腹に足をかけ、
その右腕を思い切り引いた。

「ヒィァ…モナァァァァ!ァァァアアアアア!」

姉の足の力と腕の力によって、残りの腕ももがれたモナーが更に大きく叫ぶ。

「こっちもちゃんと焼くから、心配しなくてイイわよ?」

幸せそうに腕肉を齧りながら、モナーの右肩にも姉は火をともした。

「アヒャヒャヒャヒャヒャ……」

両腕をもがれたモナーは遂に正気を失い、笑い声を上げ始める。
そんな彼女を姉弟は愉しそうに見つめていた。

590 名前: 逝犬 投稿日: 2004/03/27(土) 20:59 [ FMjURXHE ]
「ネーチャン ポンポン イッパイニ ナッタシ ボクチャン コウビシタイ!」
「え?全く、アンタは本当に母さんと一緒で食う寝る犯るしか頭に無いのね…
まぁ、イイわ…それで良けりゃ好きにしなさい。もう、逃げる気もないみたいだしね…」

ひとしきり肉を味わい食欲を満たした弟の血まみれの顔を拭うと、
姉はダルマと成り果てケタケタと笑いつづけるモナーを指差す。

「ワーイ コウビ コウビ!……ア ネーチャン マタ ダレカ クルヨ……」

弟がニヤニヤと笑いながらモナーの腰を抱えた時だった。
橋の向こうを見つめて弟の動きが止まる。

「あら、今日は豊作ね…。お腹すいてて、考え無しに生で貪り食べちゃったし、
次のは保存食として調理とかしましょうか…。じゃ、ボクチャン。
悪いけど交尾はお家でして頂戴ね…」

まだ可食部分の残っている骨をダンボールに押し込み、
モナーもハウスの中に放りこんだ姉は、いらない骨を川へ捨てると、
橋の前に再び1人で立ちはだかった。

「ねぇ、オジサン達…私にゴハンを置いていって頂戴…。
もし、置いていってくれるなら、命だけは助けてあげてもイイわ!」

街から繋がる橋の前に立てられた『殺人鬼注意』の看板が乾いた風に揺さぶられ
AAの愚かさをたしなめるようにガタガタと鳴る。

「お嬢ちゃん、オジサン達はこれから町へ用事あるんだ…
イタズラしないで道を譲りなさい!」

黄色いしぃの笑顔を誰もがみくびる瞬間だった。


第一話 終

591 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/28(日) 01:00 [ SEFWSByk ]
>>584続き

9、惨劇の連鎖

 モララーが開いたドアの向こう、ニダーの部屋には部屋の主が頭から血を流し
 倒れていた。
 モララーは掠れた声で呼びかけてみた。
 「ニ、ニダー君・・・・嘘だろ?」
 しかし、それが嘘でないと分かった時モララーはさきほどのちびギコの声に勝るとも
 劣らない悲鳴をあげた。
 「う、うわああああぁぁぁぁぁ!!!!!」

 モララーの声で反対側の廊下に居たAA達が駆け寄ってきた。
 食堂で腰を抜かしていたしぃもようやく2階へ上がって来た。
 「どうしたんだゴルァ!!ニダーは・・・!?」
 モララーのところへ走り寄るなりすぐに部屋を覗きこんだギコもニダーの状態を見て
 青ざめた。

 ニダーは死んでいた。後頭部を割られ、ショックで眼球が半分飛び出していた。
 すぐそばに頑丈そうな灰皿が血に塗れて転がっていた。恐らく凶器はこれだろう。
 「ひ、ひどいモナ・・頭がめちゃくちゃモナー・・」
 ちびしぃの時とは打って変わってAA達は悲しみ、怒り、そして恐怖した。
 「ちびしぃを殺したヤツと同じAAだろうなゴルァ・・・ひでぇ。」

 「と、とにかく警察に電話しよう!みんな食堂へ!」
 モララーは走って階段を降りて行き、
 階段横の小さなテーブルに取りつけられた電話を手に取った。
 全員が階段を降りきった時、モララーは小さくため息をついて受話器を置いた。
 「どうしたモナ?早く電話するモナ!」
 モナーが催促する。
 モララーは怯えた顔を一同に向けた。
 「電話が・・通じないんだよ・・

592 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/28(日) 01:01 [ SEFWSByk ]
続き

 ・
 ・
 ・
 電話線が切れていることが分ったのはそれから数分後のことだった。
 「ニダーが入れば、それくらい直せたのになゴルァ。」
 ニダーは機械系に関しては右に出る者がないほど詳しかったため学内で修理のバイト
 を請け負っていた。
 だが、皮肉にもそのニダーは既に帰らぬAAとなっていた。

 「ち、それにしても誰がやったんだゴルァ!」
 ギコは全員の顔を眺め回す。
 「ちょ、ちょっと待ってよギコ君!君は僕達の中にニダー君を殺したヤツがいるって
  思ってるの?」
 モララーはショックを受けた顔をギコに向け尋ねた。
 「当たり前だろゴルァ!!こんな人っ子一人いない山奥で外部のヤツの犯行なんて
  考えられねぇじゃねぇか!」
 最もな根拠を叩きつけられモララーは黙った。

 「チョットマツデチ・・・モシカシタラ・・・・・・・・・"アイツ"カモシレナイデチ・・」
 静まり返ったAA達へちびギコがハッとした顔で話し掛ける。
 「あいつって誰モナ?」
 モナーの疑問に答えたのはちびギコではなくフーンだった。
 「フーン。ちびたちを追いかけていた虐殺厨が犯人ってこと?有り得るね。」
 ギコが手を打った。
 「そうか!確かにここからちび達を拾った場所までは歩きなら1,2時間も
  かからねぇぞゴルァ!」

 モララーはしばらく考えていたが、またもや怯えた目つきでこう言った。
 「じゃあ・・・無差別虐殺犯が館の中に入ってきたってことかい?」

593 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/28(日) 01:03 [ SEFWSByk ]
>>592続き

10、虐殺者の影

 「とにかく、この館から離れた方がいいと思います!」
 しぃは青ざめながらも最もな意見を主張した。
 「そ、そうだね。車を出してくるからみんな玄関へ!」
 モララーは車庫へ向った。  

 玄関で待っている間珍しくフーンが自分から口を開いた。
 「ギコ・・・ニダーの死体見た?」
 ギコは戸惑いながら答えた。
 「あ、ああ見たぞゴルァ。酷いモンだった、目ん玉とか舌とか全部飛び出してたぞ。」
 フーンは首を振った。
 「フーン。漏れは死体に触れてみたよ。」
 「よく触れたなゴルァ。」
 モナーはフーンが何を言いたいのか分らず目をキョロキョロ動かしている。

 「ニダーの死体はまだ暖かかったよ。殺されてそれほど時間がたってないね。」
 「・・・・・・マジか?」
 ギコが何かに気づいたのか、顔色が変わる。
 「どういうことモナ?死亡時刻がどんな意味があるっていうモナ?」
 モナーがもどかしそうに問い詰める。
 「フーン。まだ分らないの?鈍いねモナー。」
 フーンはこれ以上喋るつもりはないようだ。
 「ねぇギコ。どういう事モナ?」
 モナーはギコに質問の矛先を向けた。

 「・・・・・殺されて時間がたってないって事は、第一発見者が重要人物ってことだろ。」
 モナーはギコの言葉をゆっくりと頭の中で咀嚼した。
 「・・・・・・・・・モナ?ということは犯人は。」

 そこへモララーの慌てた声が聞こえてきた。
 「た、大変だ!車が!車のタイヤが全部パンクしてるんだ!!」
 「な、なんだと!冗談じゃねぇぞゴルァ!」
 ギコは叫びながら車庫へ向った。


 タイヤは4つともパンクしていた。
 「スペアはないモナ?」
 モナーは無駄とは分っていても聞かずにはいれなかった。
 「1つだけあるけど・・・・無意味だよ。車は使えない。」

 車が使えない。
 それはこの館から出ることはできないということを意味していた。
 虐殺者が徘徊するこの館を・・・・・・・

594 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/28(日) 01:04 [ SEFWSByk ]
>>593続き

11、怯え

 一通り館を見回り侵入者がいないことをとりあえず確認し、
 食堂に戻ったAA達はこれからの事を相談した。
 「仕方ないよ。この雨じゃあ徒歩で山を下るわけにもいかないし。
  雨がやむまでこの館にいるしかないよ。」
 モララーはあきらめたように言った。
 「鍵をしめて部屋に引きこもっていれば大丈夫だゴルァ・・」
 そう言ったギコの顔には自信がなかった。

 「ちびギコ君たちは悪いけど応接室で寝てもらえるかな?鍵もちゃんとあるし窓も
  格子がついているから大丈夫だと思うし。」
 モララーはすまなそうにちびギコ、しぃに応接室の鍵を渡した。
 「ダイジョウブデチ!ソレニボクモ チビシィタンノシンデイルヘヤデ ネタクハナイデチ・・・」
 「私も平気です。」

 フーンは一人ノートに何かを書きこんでいる。
 それを横目で見ながらギコは言った。
 「朝にはやむよな?この雨・・」
 「大丈夫モナ!天気予報では明日の朝にはカラッと晴れると言ってたモナ。」
 天気予報ほど当てにならないものはないとギコは思ったがこの場で言うことは
 ないと思い、何も言わずにうなずいた。

 「それじゃ、みんな部屋に行こうか?」
 モララーの一声で皆立ちあがり、彼を先頭に階段を上がり始めた。
 途中、応接室のドアを閉めるしぃの姿が見えた。続いて鍵の音。
 AA達はうなずいてまた上がり始めた。
 と、フーンがモナーとギコにさきほどのノートの切れ端と思われる紙くずを
 握らせた。
 「それじゃ、気をつけて。」
 青ざめた顔のモララーは皆にそう言ってドアを閉めた。


 ドアを閉め、鍵を掛けたモナーは紙くずを開いた。
 そこには走り書きでこう書かれていた。


 「モララー スペアキー持ってる 注意!」

595 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/28(日) 22:03 [ JR57XxB. ]
>>581の続き

「んー……。
肉奴隷はアフォしぃ一人で十分だな。
後は殺しちゃおうかな。」

俺はわざとらしく言った。

「チィィィィィ!?ソンナノイヤデチュヨウ!」
「コロスノナラアッチノキタナイヤツダケニシテクダチャイヨウ!」
「ワタシヲコロストテンバツガアタリマスヨ!」
「ソウヨソウヨ!ナンデウチノベビチャントチビチャンコロサレナクチャナラナイノヨ
コノキチガイモララー!」

ドゴッ

「シィィィィィィィィィィィィィッッ!!!!!!」
「口の利き方に気ぃつけろや……。
お前らは今いつ殺されてもおかしくない状況に、
いるんだぜ。
お前らの命を握っているのは俺だということを、
貴様のダッコやコウビしか考えられない、
MINIMUM脳味噌によーく叩き込んでおけ………。」
「ソ・・・ソンナコワイカオシナイデ、
ダッコデマターリシヨウヨ♪」

バキッ

俺は無言でしぃの顔面にパンチを入れると、
しぃは白目をむいて気絶した。
俺はいつものスマイルに戻って、
ベビ達のほうを向いて、話し始めた。

「はーいこれからべビちゃんとチビちゃん達には、
最強マターリ決定戦を開始します。」
「アニャ?ナニソレエ?」
「ルールは簡単。
自分以外の相手を、殺せばいいだけ!
簡単だろ?」
「チィ、ソンナノヤラナイ。」
「モララーヒトリデヤッテナサイ!」
「ワタシモヤリマセン。」

最初のうちは殺し合いと聞いて、
ぶつくさ言っていたが、
次の俺のせりふを聞いた瞬間、
目の色を変えて飛びついてきた。

「最後まで生き残った人には、
商品として、最高のマターリを差し上げます!」
「エ!?サイコウノマターリ!?チィヤル!」
「チィモ!チィモ!」
「サイコウノマターリッテドンナノカシラ、
デモコノカワイイチビシィチャンガカツコトハ、
タタカウマエカラワカッテマスネ!」
「それじゃ武器を渡すから、
一人ずつこっちへ来てくださーい!」

596 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/28(日) 22:05 [ daFDZoBI ]
>>573続き

母親しぃは、テレビをつけながら、夕飯の準備をしていた。

おそいなぁ。もうとっくに帰ってきている時間なのに・・・・。
もうちょっと待っても帰ってこなかったら、電話しようかな・・・・。

そんなことを考えながら、ベビたちの夕食を作っていると、ニュースが耳に飛び込んできた。

「今日の午後3時頃、○○スキー場付近の山の斜面で、大規模な雪崩が発生しました。
 この雪崩で、「ベビしぃ幼稚園」の保父のモララーさんと、生徒のベビしぃが巻き込まれました。
 モララー氏はすぐに発見されましたが、生徒のベビしぃは、依然行方不明です。
 警察では、ベビしぃたちがゲレンデから勝手に外に出たので、モララー氏が連れ出しに向かったところで
 雪崩が発生したものと見て、一応捜査を進めています。」


聞くや否や、母しぃは急いで家を飛び出した。

そんな! そんな! ベビちゃんが行方不明!?
3日前、あんなに元気そうに「イッテキマチュ!!」なんて言ってたのに!?
雪崩に巻き込まれて、行方不明!?
ウソでしょ!? 何かの間違いでしょ!?


一方、スキー場

「えーと、おおかた間違いないですね?
 ベビしぃたちが勝手にゲレンデを離れてたから、連れ戻しに向かったら、雪崩が発生した・・・・と。」

「はい、大体その通りです。・・・・・・しかし、私はどうなるんでしょう・・・?」

「心配しなくても大丈夫ですよ。
 しぃ族が何匹くたばろうが世間はまったく非難しませんからね。
 あいつらしぃ族だって、最初は騒ぐけど、すぐに忘れるし・・・・。
 それに、ベビしぃたちが事故に巻き込まれたのは、ベビしぃ自身の責任です。
 あなたは何も悪くありませんよ。」

「なるほど・・・・。」

「まぁ、あなたが助かって良かったですよ。
 じゃあ、聞きたいことも聞きましたので、気をつけてお帰り下さい。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いやー、ここまでうまくいくとはねえ。笑いが止まらんよ。
さーて、さっさと家に帰って、寝るか。

しかし、まだ家には帰れそうになかった。

母しぃどもが来やがったからだ。
                   続く

597 名前: (改題)モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/03/29(月) 01:24 [ U5hSwoDA ]
>>594続き

?、?????

 ものすごく馬鹿な間違いを犯したことに彼女は気づいた。
 考えてみればすぐ分ることなのだが、恐怖に囚われた彼女にそれに気づく
 余裕はなかったのだ。

 しぃはふと目を覚ましその過ちを知った。
 応接室にはトイレがないのだ。
 街に溢れるアホしぃならその場で用を足そうとするだろうが、
 彼女は近年稀に見る良しぃである。
 そんなことができるわけがなかった。

 (どうしよう。ちびギコ君を起こして付いていってもらおうかな・・)

 しかし、幸せそうに寝ているちびギコを見るとそれはためらわれた。
 それにもし虐殺者に出くわしても彼が頼りになるとは思わなかった。

 もう一つ、しぃは忘れていたことがあった。内線である。
 個室で寝ている誰かに内線を掛けるという方法があったのだが、しぃは
 気づかなかった。

 仕方なく彼女は一人で行くことにした。
 慎重に音を立てないようにドアを開け、ちびギコが襲われないように
 鍵を閉める。
 トイレは元・使用人室の隣にある。応接室から歩いて20歩ほどである。
 電灯が落ちて真っ暗になっているが、しぃにはスイッチの位置が分からなかった。 

 どうにかトイレにたどりつきほっとした時、階段を下る音が聞こえてきた。

 (だ、誰?モララーさん?ギコさん?モナーさん?)

 階段の音はまるでこちらに気づかれぬように歩いている、という感じだった。
 しぃはいざとなったら悲鳴を上げて助けを求めようと思っていたのだが、
 喉になにか詰まっているかのように声がでない。

 足音が止まった。階段を降り終えたようだ。
 そしてその足音は今度はトイレに向って近づいてきた。

 金縛りにあったかのように動けなかったしぃは、そこでようやく呪縛から解放され
 逃げようと思ったが、すでにトイレの入り口付近まで足音は近づいている。

 (個室に入るしかない!)

 そう思ったしぃは目の前の個室のドアを開けて、入りこんだ。
 しかし、鍵を掛けようとした瞬間、しぃは愕然とした。
 そのドアには鍵が無かった。いや、正確には有ったのだが交換する予定だったのか
 釘を挿す穴だけがあいていて金具は本来あるべき場所に存在していなかった。

 しぃは呆然と便器を背に立ち尽くした。
 やがてドアがゆっくりと開かれる。そして聞き覚えのある声。見覚えのあるシルエット
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・

598 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/03/29(月) 01:26 [ U5hSwoDA ]
続き

 喉を始めに貫かれた。
 「ガニャアァァァ!ウグォ・・!!・・」
 息ができない。吸おうとしても吐こうとしても息が喉元で出ていってしまう。
 「!!・・・・!!」
 声無き声でしぃは必死に訴えていた。
 (なぜ、こんなことを!?)
 自分が殺されるのは被虐生物のしぃだからという理由で納得できるが(悲しいことに)
 ニダーまでなぜこの黒い影は手に掛けたのか?

 影は笑いながらしぃの耳をもいだ。
 「ギィ!」
 (しぃの耳・・)
 影は声を殺して笑っている。これがやりたかったと言わんばかりの顔で。

 次に影はしぃの体を押し倒し便器に座らせた。
 そこで始めてしぃは自分が放尿していたことに気づいた。
 影は笑いながら暫くしぃの放尿を眺めていたが、やがて飽きたのか
 放尿を続けるしぃの性器に刃を突き立てた。
 と、同時にもいだ耳を口に押しこんできた。

 「ンモゴォォォ!!ぎじぃぃっぃ!!!skdぇ!」

 しぃは刃を刺しこまれたまま、胸の辺りまで切り上げられた。
 「ジィィィイ!モモイデ!!」
 自分ではもう殺してと言ったつもりだった。
 これほどの苦痛を味わうならいっその事・・・
 だが、声は声とならなかった。

 影は最後にしぃの両目をつぶし、両手をもいだ。さすがにしぃだけあってその体は
 非常に脆かった。
 両手は先ほど切り上げられた腹の穴に突っ込まれ、掻き回された。

 「ジィィ・・」
 しぃの意識はそこで闇へ消えた。

599 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/03/29(月) 01:28 [ U5hSwoDA ]
>>598続き

12、推理

 (始めは血気盛んなギコがちびしぃを犯そうとして抵抗されたから
  逆切れして刺し殺したのかと思ったが・・)

 フーンは自室の椅子に座り、テーブルを立てかけたドアを見つめながら考えていた。

 (いや、もしかしたら本当にギコが殺ったのかも。ちびしぃに関してだけは・・)

 フーンは時系列を追って見る事にした。

 1、館到着 全員一緒にいる。

 2、部屋に移動 ちびしぃ、ちびギコ、しぃ以外は皆違う部屋。

 3、食事 ちびしぃ以外は食堂 (1時間程)

 4、食後 漏れ、ギコ、ニダー一緒に風呂へ行く。他は食堂でTV

 (この間4,50分)

 5、死体発見 漏れ、ギコは自室。ニダーは自室?風呂?モララー食料庫。
   ちびギコは発見者。他は食堂。

 6、発見後 しぃ以外は皆殺人現場の部屋の前。モララー、ニダーを呼びに部屋へ。

 
 (ニダーは死後それほど時間が立っていなかった。モララーが部屋を開けたときには
  生きていた可能性があるのかも。)

 つまり、部屋に呼びに行ったモララーが眠っていたか何かしたニダーを灰皿でガツン。

 (しかし、それじゃ穴だらけだな。ニダーが起きてたらどうするつもりだったのか・・)

 それに食堂まで聞こえたちびギコの声がニダーの部屋に届かないはずが無い。
 なんといってもちびギコの部屋と正反対の位置にあるフーンの部屋にも届いたのだから。
 そこまで考えてフーンは立ちあがった。顔は心なし青ざめている。

 (じゃあニダーは何時殺されたんだ?)

 ちびしぃの死体はすでに冷たくなり始めていた。
 しぃとちびギコの証言が本当なら彼女が死んだのは食後だと言う事は
 間違い無い。
 しかし、まだ死体が暖かかったニダーはそれよりずっと後ということになる。

 と、言う事は食後すぐちびしぃが虐殺されたとするとニダーが死んだのは、
 その数十分後。
 死体発見の直前だ。

 (死体発見直前、廊下を歩いてニダーの部屋に行けたAAは・・・・・・)
 その時、ノックの音がフーンの部屋に響いた。

600 名前: 虐待虐殺物語⑦〜ギコ族殺し〜 投稿日: 2004/03/29(月) 14:25 [ ff.APjVM ]
一人のモララーが自転車で走っていた・・・
「(うう・・・ヤバイ、キャバレーで金使いすぎた・・・チ〇ルチョコも買えない)」
このモララーは、仕事こそあるが、風俗店などで金を使いすぎて、家賃が払えなくなり、昨日家を失った。


ふっと公園へ行ってみる。
今は午後六時、子供達は帰っていっているので、公園は静まり返っていた。
モララーはベンチに腰掛けた。
明日、如何しよう等と考えて辺りをなんとなく見ていると・・・
「あ!!ホームレスの掘っ立て小屋だ!」
モララーは歓喜の声をあげた。
もしかしたら、泊めてもらえるかもしれない・・・
そう思って、モララーは小屋へ向かっていった。


掘っ立て小屋は結構大きかった・・
確りと板で壁を打ち付けてあり、防寒対策も完璧だった。
モララーはドキドキしながら、ノックをした。

コンコン・・・

「何だゴルァ!」
「ドウシタノ?ギコクン」
「ミュー?」
出てきたのはギコとしぃ、その子供と思われるベビギコだった。
モララーは丁重な言葉づかいで泊めて欲しい事を頼んだ。
三人の反応は・・・
「狸を泊めるほど俺たちも馬鹿じゃないぞゴルァ!!」
「ドウシテ コンナ タヌキ ヲ トメナキャ ナンナイノヨ!!!」
「ミューーー!!!!!」

(このホームレス共が・・・)
・・・モララーは、そう思った。
しかし、ここで引いてしまったら、自分が凍死してしまう・・・
モララーは、何とか泊めて欲しいと頼んだ・・
しかし・・

「だから、嫌だって言ってんだろが!!!狸は死ね!!」
「ソウヨ ソウヨ!!! アンタ ミタイナ タヌキ ヲ トメタラ ベビチャン ニ アクエイキョウ デショ!!!!」
「ミーーーッ!!!」

その時、モララーの何かが切れた・・・
モララーは無言でギコの頭を殴り飛ばした。
「ウゲエエエエエエエ!!!・・」
ギコはクルクル回りながら倒れた。
次にモララーはしぃとベビギコを引っつかむと、ギコが倒れている方向へ投げ捨てた。

ドサッ!!
「ギュウウウ!!!」
「シィィィィィィィィィ!!!!シィ ノ カワイイ オシリガアアアアアアアア!!!!!」
三人とも傷はそんなに深くない。
モララーはこう叫んだ。
「人が下手にでりゃあいい気になりやがって!!!ふざけんじゃネエ!!今日からこの家は俺のものだ!!」
モララーは掘っ立て小屋の中に入っていった。

            続く

601 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/03/30(火) 00:08 [ nhssyP6I ]
>>599続き

3、誤り

 「フーンノオニイタン・・・アケテホシィデチ!」
 声は分厚いドア越しに聞こえてくる。チビギコの声のようにも聞こえるが
 別の誰かの声のような気もする。
 「フーン。なんで開けなくちゃならないの?理由は?」
 「シィオネイタンガ コロサレタンデチ!トイレニイッタラ オネイタンガ・・・・ウェップ・・」
 どうやらトイレで見たものを思い出したらしい。

 「オネイタンガモッテタカギガ ナクナッテタデチ。コノママジャボクモ コロサレルデチ!」
 どうも外の雨のせいで声が聞き取りづらい。
 (こいつはホントのチビギコなのか?)
 フーンの疑惑は全く収まる気配を見せない。

 大体しぃがトイレで殺されていたのなら、それを見たチビギコだけが生かされているのは
 おかしいのではないか?
 それにトイレに行ったしぃを殺せるのは考えるまでも無く、
 部屋に一緒に寝ていたチビギコしかいないではないか。

 (とすると扉の向こうにいるのが本物のチビギコなら、こいつが
  犯人ということか?)

 フーンは近くの灰皿を掴み扉に近づいていった。
 (チビギコが犯人なら、油断さえしなければ大丈夫。漏れが負けるはずない。)
 「よし、今開けてやる。」
 扉の前に立ったフーンはそう言って、扉を塞いでいたテーブルに手を掛けた。
 フーンは扉の前にいるチビギコが犯人であろうとなかろうと殺すつもりだった。
 犯人でなくてもチビギコなら別に良し、犯人であればなお良しという算段だ。

 テーブルを持ち上げて後に運ぼうとして、フーンは扉に背を向けた。


 カチリと音がした。フーンは後ろを振り向こうとしたがテーブルが邪魔になり
 手間取った。

 ドンッ

 「フ、フーン!?」
 フーンが振り向いたのと鈍い音に気がついたのはほとんど同時だった。
 見ると扉は何時の間にか開いていた。
 そしてそこからの侵入者がフーンの腹に刃を突き立てていた。

 「グ・・・・」
 侵入者はフーンの腹を貫いていた刃を抜くと、その刃で今度は灰皿を
 持った手に斬りつけた。
 たまらずフーンは灰皿を取り落としてしまった。
 影はこれまでの凶行と同じ様に次にフーンの喉を切り裂いた。

 鮮血が壊れた水道管のように飛び散る。
 (・・やはり、合鍵が!!)
 しかし、フーンがそれに気づいてももはや遅い。
 彼は既に自分が助からないことを悟っていた。

602 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/30(火) 08:17 [ zYWiYbEc ]
    SURVIBLE IN THE DARK


「・・・キョウハ モウ ダレカ ツレテ イカレタノ?」

「ウン。サッキ、 ツレテ イカレタ ミタイ」

「ソッカ・・・」

「・・・・・・ネェ」

「ン?」

「ワタシタチ、カエレル ノカナ?」

「・・・・・・ワカンナイ・・・」


暗くかび臭い地下の牢。
何匹ものしぃが中にいる。
彼女らは全員、何処からかさらわれてきた被害者。
日の光も届かない、何も無いその場所で、いつか来たる順番を待っていた。

生贄の、順番を。

「ア・・・」

「イマ、シタヨネ・・・」

「ウン・・・。マダキコエテル・・・コワイ・・・」

「ダイジョウブ・・・キョウハ モウ アンシン ダカラ・・・」

「・・・ウン・・・ソウダネ・・・」

一日に一度、彼女らの中から誰からか連れて行かれる。
唐突に牢屋の扉が開けられ、そして腕をつかまれて、階上へ消えていく。
ここがどこなのか。
いまはいつなのか。
今の天候さえも分からない彼女らの日課は、
日がな一日恐怖に怯え、自身の変わりに奪われる命を見届け、
そしてその断末魔を聞くことだった。
彼女らに安心は訪れない。
たとえ今日、命があったとしても、
もし明日、そこの扉が開けられたら?
そして私の腕が掴まれたら?
その恐怖に怯え、精神が崩壊するものも少なくなかった。
誰もが例外なく経験しているからだ。
同じ牢から連れて行かれる、その者を見届けることを。
失禁し、必死に腕をとこうとし、涙を流して助けてくれと手を伸ばしてくる彼女を、
なすすべも無く呆然と見つめる事を。
さらわれたばかりの頃、必ず誰もが経験させられる。
だからこそ、新人の入る牢は危ないという定説すら確立しているのだ。
明日にでも、あの不幸が自分にも降りかかるかもしれない・・・。
それを考えると、恐ろしくてたまらなくなる。
そしていつからか、神に祈りをささげる習慣が出来た。
この狂った世界から、いつか出られる事を願って。

そんな牢のひとつの中に、彼女らがいた。
しぃかとキャシィ。
生まれも育ちもまったく違う二人っきりの牢の中で、共に身を寄せ合って日々暮らしていた。
彼女らは、毎日欠かさず祈りをささげている。
定期的に出される粗末な食事の前と後に、今日を生き延びれた事を神に感謝して。
この日も、いつものモララーがぶっきらぼうに扉を開けて、食事をおいていった。
しぃかとキャシィも、このモララーが恐くてたまらなかった。
二人を、片方しかないその目で思いっきり睨みつけるから。
ようやくすべての牢に食事を配り終わったモララーは、
台車を押しながら階段とは逆方向の部屋にはいっていった。

ギィィィ・・・バタン!

ドアが閉まるまで隅にいた二人は、ようやく扉のほうへ近づいていく。

「ゴハン、タベヨッカ・・・」

「ウン、タベヨウ」

いつものように神に感謝の言葉を述べた後、共に食事に手をつけた。
無言の食事。ここへ来てから、いつもそうだ。
しぃかはいつも考えてしまう。
なぜこうなったんだろう?
私、悪い事何かしたかな?
あの日だって、お母さんに言われて買い物に出かけただけなのに。
何でこんな目にあうの?
誰か、探してくれてるの?
早く、助けて・・・。

603 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/30(火) 08:17 [ zYWiYbEc ]
「・・・ダイジョウブ?」

「エ?」

気がつけば、しぃかは涙を流していた。
こんな顔をしていては、キャシィに心配をかけてしまう。
そう思い、慌ててしぃかは笑顔を取り繕った。

「ウン、ダイジョウブ。モウ シンパイナイ、カラ・・・ウ・・・」

だめだ。いつもなら、耐えられるのに。
涙は後から後からあふれてくる。
今日に限って止まらない。
恐い。逃げだしたい。ここからでたい。死にたく、無い。
薄い膜で隠してきた感情が、一気に張り裂けてしまった。
涙をぬぐいながら、しぃかは嗚咽を漏らしつつもキャシィに不安をぶつけた。

「キャシィチャン。ワタシ、コワイヨ。アシタ ツレテイカレルノ、 ワタシ ナンジャ ナイカッテオモウト、トッテモ コワイヨ」

「・・・・・・シィカチャン・・・」

キャシィは何もいえなかった。
思いは皆同じだったからだ。
この手の話は、あの光景を誰もが思い出してしまう。
あの恐怖の光景が一瞬でも脳裏にフラッシュバックしてしまうと、
隠してきた感情に目を向けなければいけない為、彼女らの間ではある種タブーとされていた。
その不文律は、しぃかも重々承知のはずなのだ。
まして、優しい心のあるしぃかなら、尚更。
そんなしぃかがルールを破ってまで話をしだすなんて、よほど不安なのだろう。
泣きじゃくるしぃかを見ていると、キャシィは自分まで恐ろしくなってきた。

「シィカチャン。ワタシモ ソウダヨ。 イエニ カエリタイヨ。オカアサンニ アイタクテ、タマラナイヨ」

二人とも、声を押し殺して泣きながら肩を抱き合った。
不安な気持ちが、これまで溜めていた分一気に噴出していった。
帰りたい。帰りたい。帰りたい・・・・・・
二人とも、泣きながらそう呟きあった。

10分ほど大泣きした後、お互い気持ちが落ち着いて、ゆっくり離れていった。

「ゴメンネ、 キャシィチャン。 イキナリ ナキダシチャッテ」

「ウウン、イイノ。 ワタシモナイテ チョットスッキリ シタカラ。ホラ、ショッキモ ヒックリ カエシチャッタ。 カタズケヨウ」

「・・・ウン」

キャシィは赤くはれた目をしたまま、しぃかに優しく笑顔を投げかけた。
しぃかは、彼女の持っている強さと優しさに、心底感謝した。
もしも彼女と同室でなかったら、自分の心はとっくに折れていたかもしれない。
しぃかには、そうとさえも思えるのだった。
お互い立ち上がり、別方向に散らかった食器を片付けていく。
もう、泣き言を言うのはやめよう。
言った所でどうなるわけでもないし、何よりキャシィに心配をかけたくない。
少しでも、強くなろう。
しぃかがそう自分の心を奮い立たせていると、ふいにキャシィが声をかけてきた。

「ネェ、シィカチャン・・・」

「エ?」

「ヤッパリ、カミサマッテイルンダネ・・・」

突然の言葉に、しぃかは意味が分からずキャシィのほうを振り返った。
キャシィの足元には、まだたくさんの食器と、ご飯が散らかっている。
しかし、キャシィはそんなこと気にも留めていない様子で、呆然と扉を見つめていた。
しぃかも訝しげながらつられて扉を見る。
そして、キャシィと同じように絶句してしまった。

「ソンナ・・・」

「ウン・・・・・・」

604 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/03/30(火) 08:18 [ zYWiYbEc ]
転がったお椀型の食器の一つは、扉のほうへと転がっていた。
そして、その勢いで扉を少し、ほんの少しだけ、押し開けていたのだ。
しぃかは、手に持っていたパンを床に落としてしまうほどショックを受けた。

「カギ、ガ・・・」

鼓動がどんどん早くなっていく。手のひらも汗ばんでいた。
気がつくと、キャシィの足も小刻みに震えている。

「カカッテ ナインダヨ・・・アノモララー、カケワスレテ イッチャッタンダ」

ゴクッと唾を飲み込む音が、牢内に小さくこだました。
お互いの心は決まっている。
しかし、決行すれば大きな危険が付きまとう事になるだろう。
大きな危険、即ち、死が。
しかし、それはここに留まっていても同じ事。
(行くしかない・・・)
キャシィを見ると、迷いの無い目でしぃかをまっすぐ見つめ、小さく頷いてくれた。
ついに暗い牢獄に、かすかな光が差し込んだ瞬間だった。
覚悟は、決まっている。

                                 続

605 名前: 虐待虐殺物語⑦〜ギコ族殺し〜 投稿日: 2004/03/30(火) 09:13 [ 8dbinSW. ]
>>600続き。
掘っ立て小屋の中は結構広かった。
モララーはキッチンらしき所を見て、歓声をあげた。
「お!すき焼きだ!!」
ホカホカのすき焼きが其処においてあった。

窓から必死にしぃが叫んでいた
「ヤメテーーッ!!ソレ ハ シィガ イッショウケンメイ ハタライテ ヤットカッタノニーー!!」

ハッ!何が一生懸命働いただよ。
どうせ売春とかで稼いだんだろ?
モララーはそう思いながらすき焼きの肉をとって、かぶり付いた。
「ハフハフ、ウマー!」
醤油と砂糖の甘辛い味が、とても美味しい。

窓からは相変わらず三人の叫び声が聞こえる
「シィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!スキヤキ ガアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
「ミューーッ!!オニクーー!!!」
「うう・・・俺たちのすき焼きがぁ・・・・」
そんな声を聞きながら、モララーはすき焼きをぺろりと平らげてしまった

「ご馳走様!いやー、すき焼きなんて久し振りに食ったなーー!」
ドアを開けて三人の様子を見る。
三人は口々に中傷発言を言っている。
「この悪魔め!!俺たちの努力を返せええ!!!!」
「コノ オニ!!ギャクサツチュウ!!!」
「スキヤキ カエシテエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」

モララーは三人の頭を殴ると、ドアを硬く閉ざした。

寛ごうとして寝転んだら、幼児向けのワゴン車の玩具が置いてあった。
モララーは面白い事が出来ると思い、玩具を持ったままドアを開いた。

三人達はこう口々に言った。
「ソレハ・・!!オナガイ!ソレダケ ハ ベビチャン ニ カエシテアゲテ!!!」
「頼む!其れだけはこいつに返してくれ!それは、俺としぃが三ヶ月金をためてやっと買ってやった只一つの玩具だ!」
「ミーーーッ!!!クルマカエシテエエエエエエエ!!!!!」
モララーはニヤニヤしながら、こう言った。
「こんなワゴン車の玩具が?こんなの買ったら悪影響だろ?将来走り屋になるとか言ったらどうする?処分しなきゃね〜」

そう言いながら、ワゴン車の玩具を下に叩き付けると、足で踏み潰した。
モララーは様子を見てみた。
「ミュー・・・・オモチャ・・・ガ」
「シィイイイイイイイイ!!!!ベビチャンノオモチャガアアアアアアアア!!!!」
「ああ・・・俺たちの・・・努力が・・・」
三人ともボロボロのワゴン車の玩具を囲んで泣いている。

モララーはこう言った
「悪影響にならなくなって良かったじゃん☆」

その時、三人がこう叫んだ。
「ユルサナイ・・・!!!」
「絶対に許さんぞゴルァ!!!!」
「ミーーーッ!!!!」
三人は狂犬の様に襲い掛かってきた。

         続く

606 名前: がるく 投稿日: 2004/03/30(火) 09:51 [ sA2honbM ]
気狂い



頭の中が狂ったとある二人のお話です


精神科病棟 と書かれた看板は少し錆びていて、他の場所と違う雰囲気を醸し出していた

「ねぇ、あなたって気狂いなんでしょう?」
くりくりっとした瞳が僕のことを見つめる

「そうかもしれないね。でも君は気狂いなんだろ?」
目を静かに閉じる 頬に風を感じて心地よい

清潔なふたつのベッドの上でモララーとしぃが話す
しぃは、右目に汚れた眼帯をつけている

モララーは、両腕にひとつずつ・・・・合計ふたつの点滴をしている

「そうねぇ、分からないわ。気狂いの気持ちなんて・・・・でもあなたは分かるかもしれないわね」
にっこりと素直な笑顔で窓を見る

「知らないさ。君は僕が好きらしいね。そうだろ?」
視線をしぃから窓に移す

鴉が3匹ほど飛んでいる くちばしには生ゴミを懸命に咥えながら
と思うと隣の部屋から銃声が聞こえた
耳に響いて痛い

鴉が一匹、きりきりと舞いながら落ちて行く
血が噴き出し、鴉の羽を濡らす


あぁ、となりのモナーさんがまた殺ったんだな

607 名前: がるく 投稿日: 2004/03/30(火) 09:51 [ sA2honbM ]
ばたばたと多人数の足音と声
「駄目ですよモナーさん!病院でそんな物・・・・・」

また銃声

人が倒れる音 看護婦の悲鳴

「うるさいな。静かにしてくれないかな?」

モナーさん、今月 何人殺したんだろうか? 後で聞きに行こうかな


視線を窓からしぃに戻す
「ねぇ、聴いてるかい?好きだろ君は。僕のことを」

しぃが僕の事を見る 薄桃色の瞳が揺れる
「えぇ。そうかもしれないわ」

しぃが自分の包帯を器用に解いていく

「そりゃあ良かった。じゃあ、永遠の愛を誓ってくれるかい?僕は誓うよ」
モララーが、優しく笑みをこぼす

「いいわ、誓うわよ」
しぃも同じように笑う

しぃの耳は、壊死していて
常人が見たらすぐ眼を逸らす物を

モララーは魅入っていた


あぁ、君はなんて美しいんだろう

608 名前: がるく 投稿日: 2004/03/30(火) 09:52 [ sA2honbM ]
やぁ、しぃ」
ドアをノックし、ギコが入ってきた
「あら、こんにちはギコ」
どうやら、このギコは普通の一般人らしい

「なぁ、しぃ。もうこんな所から出て行かないか?」
真剣な顔つきでしぃを見る

「でも、私は退院できないわ。この人がいるし」
とモララーを見る
「どういう事だ?こいつは君の何だ?」
モララーをきつく鋭い視線で睨む

「永遠の愛を誓った人よ」
ギコが驚く 汗が一滴床に落ちる

「嘘をつくなよ!君は僕と結婚してくれると・・・・・」
眼には涙が浮かんでいた
「言ってくれたじゃないか!!」

走りながら出て行った
 

「ふぅ、あの人は一体なんだい?」
ため息をつきながらモララーが聞く

 さぁ、 もう忘れたわ――――――――――――









―――――――――先生。どうしたらしぃは元にもどるのでしょうか?

さっきのギコが涙声で話していた

眼鏡をかけたフサギコが沈んだ顔で聞いていた
「・・・・そうだな・・・・強い精神的ショックを与えるとか」
さっきより少しギコの顔が明るくなった

「例えば・・・・?」

「彼女の大事な物を壊すとかかな・・・・・?」
窓から入ってくる風でフサギコの毛がふんわりと柔らかく揺れる

609 名前: 虐待虐殺物語⑦〜ギコ族殺し〜 投稿日: 2004/03/30(火) 09:53 [ 8dbinSW. ]
>>605続き
モララーは身構えて、先ず足元のベビギコを蹴り飛ばした。
グシャッ!!
「ギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
ベビギコは一メートル位吹っ飛んで、地面に擦れながら落ちた。

次にモララーはしぃの攻撃を左に出て、避けるとわき腹に正拳を打ち込んだ
ゴッ!!
「ゥオォウブッ!!」
しぃは、くぐもった声をあげながら、腹を押さえて地面に倒れこんだ。


次にモララーがギコに狙いを定めると大地を蹴って、宙返りをしながら踵でギコの脳天を打った。
バコッ!
「ぐあああ!!!」
ギコは後ろに倒れこんだ。
モララーは上手く着地すると、再び大地を蹴って、倒れているギコの上に倒れこんだ。

ドンッ!
「ぐぉぉっふ!!!」
ギコは喚きながら気絶した。
モララーは掘っ立て小屋から包丁や、ライター等を持ってきた。
 
             続く

610 名前: がるく 投稿日: 2004/03/30(火) 09:53 [ sA2honbM ]
夜。それも深夜だ 
今日は新月


頬を叩かれる痛みでモララーが目覚める

「んぁー・・・・なんだい?」
目を擦りながら答える

「・・・・・起きたか?」
さっきのギコだ
震える手に出刃包丁を持っている

「うわぁ・・・・君何をしようとしてるんだい?」
いつもと変わらない、平然とした態度で答える

「・・・お前がいるから・・・しぃは駄目なんだ」
ぎゅっと包丁の柄をきつく握り締める
「ああ!そうか!」
手をポンと叩く

「君もここに来る事になったんだね。やっと本物の気狂いが来る!」

包丁がモララーの心臓目掛けて振り下ろされる

それは寸前でとめられる
モララーが刃の部分を握っていた

血が腕から垂れて、ベッドに滴り落ちる

赤い染みが幾つも出来る

「おっお、お前・・・・痛くないのか?」
恐怖と不安が入り交じる表情を見せる

611 名前: がるく 投稿日: 2004/03/30(火) 09:54 [ sA2honbM ]
「痛い痛い。そりゃあ痛いさ。でも君の心よりは痛くない」


そのまま包丁をギコの手から引き離し、自分の手に持ち変える

そして心臓へ向かって貫いた

ギコが静かに膝をつく

血が周りを真っ赤に染める
ギコも赤く染まる

激しく痙攣して、やがて動かなくなった











「そういえば、あそこの精神病棟のしぃって、しぃじゃないって知ってた?」
金属音を立てながら、血がこびついた包丁を丁寧に洗う

「うん、知ってるわ」
包丁を渡され、それの水気を布巾でふき取る

「親がしぃを望みすぎたために、子供の顔だけしぃに変えたんだってね」
光に当てて、綺麗になっているか確かめる

「そうそう、でね。そのしぃには兄がいたのよ」
カチャと金属音を立ててテーブルに置く


「えぇ?それは聞いたことが無いわ」
メスを拭いていた手を止めた

「うん、最近の血液検査で分かったらしいのよ・・・・・・」
周りをキョロキョロと見渡し、誰も居ない事を確かめる


「あの隣のベッドのモララーとあのしぃは、血が繋がって・・・・・・」

銃声

そこからの声は風音となって喉から逃げる
喉から血が噴出して、真っ白なナース服を血が赤く染める

「やれやれ・・・・またモナーさんか・・・」
そっと座り、まだ痙攣している元友達に話しかける
「あーぁ、あんたも殺されちゃったのね」
友達とは思えない口振りで話す


そして もう一度銃声が鳴り響く


これでこの話は終わりです

え?結局この精神病棟は何だったって?

ここの精神病棟にいた人は実は皆、気狂いだったんですよ





終わり

612 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/30(火) 11:47 [ xTQBP2qY ]
>>596続き

3匹の母しぃが来た。全員が、私の顔を見るや否や

「チョット! シィノベビチャンハドコニイルンデスカ!?」

「サッサトベビチャンヲダシナサイ!! サモナイトヒドイメニアワセルワヨ!!」

「シィノベビチャンヲカエシテ!! シィノベビチャンヲ!!・・ ベビチャンヲ!!・・」

説明の必要あり・・・・と

「・・・・やれやれ、どうやら少し誤解があるようだ。
真ん中のお母様。あなたのベビちゃんは雪崩になんか巻き込まれてませんよ。
あなたのベビちゃんは、●●池で、マターリのシンボルになってますよ。」

「ハニャッ!?? シンボル・・・・?」
例の、池に沈んだベビの母しぃだ。

「そう、シンボル。
 なんでも、お母様の影響でしょうか、マターリ教とやらに強く惹かれていたみたいで、
 いつもいつも、マターリのシンボルになるとか、言ってたんです。
 それで今回、ようやく願いが叶ったのです。
 ●●池で、見事マターリのシンボルとなったのです。
 冬にその姿を見ることができるから、見に行ってやってください。」

「ハニャーーン!! ベビチャン アナタハエライワ!! マターリキョウノシンボルニナルナンテ!!
 アナタハ ワタシノホコリヨー!!」

さてさて、いつ「誇り」から「恥」に変わるかな?

それにしても、このアフォは自分の娘の安否なんか、どうでもいいんかね?
まず第一に、マターリ教か。 ある意味、微笑ましいな。

ま、いいや。一匹は片づいたわけだ。
さて、次は残りの2匹の番か。
                続く

613 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/30(火) 12:05 [ xTQBP2qY ]
>>612続き

「ア アノ・・・シィノベビチャンハ イマドコニ・・?」

「あの雪の下です。私も助けに向かったのですが、残念ながら・・・・」

「シ シィノベビチャンヲ タスケニイッテクレタンデスカ・・・・?」

「はい。ですが、私共々雪崩に巻き込まれて・・・・・
 でも、希望を捨てないでください。
 まだ「行方不明」の段階です。もしかしたら、生きているかもしれません。」

「ハニャア・・!! ソウデスヨネ!! マダシンダト キマッタワケジャア・・・!!」

「じゃあ、吉報をお待ちしていますよ。」

漏れはスキー場を後にした。

最後はうまくいったな。
自然災害が相手では、誰にも責任を問うことはできない。
故に漏れに恨みの矛先が向かうことも、永遠にない。

ベビしぃが生存しているかって? んなわけないでしょ。
まず全員雪崩に巻き込まれているし。
運良くそれで生きていたとしても、あの極寒の冬山の中で生きていけるわけがない。
母しぃどもが捜索に向かう頃には、とっくに全員地獄に行っているだろうよ。
HAHAHAHAHAHA・・・・・・!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さてと、帰ったらまた園児を募集しないとな。
当分はこないだろうが、忘れの早いしぃ族のこと
すぐにまた殺到するさ。
そうしたら、また・・・・・

              終わり

614 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/03/30(火) 14:59 [ F9ElEEm2 ]
ある一匹のしぃがでぃを虐待していた。

「バカナディヲギャクサツシテマターリダネ♪」

「アウウ・・・ヤメテ・・」

「ハァ?ゴミムシノブンザイデウルサイワネ」

しぃはでぃを棍棒で叩いていた。
「アウ・・イノチゴイスルナライマノウチ・・・・」

「プッ、ゴミムシガカッコツケカッコワルーイ」
そう言った瞬間しぃの両腕が宙に飛んだ。

「シィィィィィィ!!!!!オテテガァ!!!!」
でぃの手には包丁が握られていた。

「オナガイ!!タスケテ!!」
しぃは命乞いをした。

「ダカライノチゴイスルナライマノウチトイッタノニネ」
でぃの言葉はもうアフォしぃの用になっていた。
そして、でぃは包丁をしぃの足に振り落とした。

「シィィィィィィィ!!!!!!!アンヨガァァァァァ!!!!!!!」

「ウルサイカラスコシダマッテネ」
と言ってしぃの首に包丁を突き立てた。
しぃは「アウウウ・・・・タ・・・フ・・・・・・ケ・・・・ガクッ」
助けてと言い切る前に絶命してしまった。
実はこのでぃはアフォしぃを虐殺する為に半角カナを喋る本物のしぃが化けていたものである。

「キョウデアフォシィ300ピキコロシタワ」

「コノヨニハコビルゴミムシドモヲギャクサツシナイト・・・・」
このしぃは生まれた時から言葉をよく喋る事ができず全角で喋る事ができない。
だが、喋る練習をしてなんとか半角カナで喋れるようになったのだ。
本物しぃの娘だった為アフォしぃを虐待するように教えられ、そしていろんな虐殺術を学んだ。
だから、でぃに変身したりできるのである。

その時ベビしぃとちびしぃが飛び出してきた。

「ハニャ!!!オカアサン!!!!」
「チィィィィィ!!オカァタン!!!」
ちびしぃとベビしぃが驚いていた。
「ヨクモオカアサンヲ!!!!!」
「ギャクサツチューハチニナサイ!!!」
しぃはむかついたが喋れるだけ今は喋らせてやろうと思った。
それで無視をしていたら
「コトバモワカラナイノ?バカデチュネw」
しぃは怒りを爆発させてベビしぃの足を思いっきり棍棒で叩いた!。

「チィィィィィィ!!!カワイイアンヨガァァァ!!」

しぃは無視して続けてもう片方の足を棍棒で潰した。
「チィィィィィィ!!!!!!ヤメテ!!!!!ヤメテ!!!!!」
「ワカッタ。ソノカワリチビシィヲコロシマス」

「ハニャッ!!ソンナ!!!!!」
ちびしぃは驚いて逃げ出していったが
「オソイ!!!」

しぃはちびしぃの両足を棍棒で潰した!。
「シィィィィ!!!イタイヨウ!!!」

「トットトクタバリナサイ」

そう言って包丁を心臓に突き立てた。
「グ・・・・ル・・・・・ジ・・・・・イ・・・」
ちびしぃはそう言って絶命した。
そしたらなんとベビしぃが
「オネエチャンチンダカラタシュケテクレルヨネ?」

しぃは完全にキレた。
そしてベビしぃの両手をもいだ。
「チィィィィィ!!!タシュケテ!」

「マダマダ」

「コンドハリョウミミツブジネ」
そして棍棒を持って耳に叩き付けた。

「チィィィィ!!!チィノカワイイオミミサンガァァァァァ!!!

「ヒドイヨウ・・・チィノオミミ・・・・ヒドイヨウ」

「フーン。オミミガヒドイナライラナイネ」
と言って耳を踏み潰した。
それで悲鳴を上げる前に首を絞めた。
「チ・・・・・ィ」

そしてベビしぃは絶命した。
「コレデ302ヒキメ・・・・」

そして今日も彼女はアフォしぃを虐殺している。

             終わり

小説初めて書くからいろいろ変かも・・・・

615 名前: 初心虐 投稿日: 2004/03/30(火) 15:37 [ diZ8DO/. ]
     モラ吉影は静かに暮らしたい

私の名前はモラ吉影
常に心の平穏を願って生きている、、、、

さて、帰宅途中。
電車内にて一人のしぃがわめいているのを見つけた。
「ハニャーッ!ナンテ ゙シィチャンニ セキヲ ユズッテクレナイノー!!」
どうやら席に座りそびれたらしい。
それで座っている学生に文句を言っているようだ。
「知りませんよそんなこと、、、あなたが勝手に座りそびれただけでしょう?」
「ハニャッ!イマノ ガクセイハ クチノ キキカタモ シラナイノ!!?」
「礼儀も糞もありませんよ、ぼくのほうが先に座ったんだから」
あのしぃ、どー見てもアフォしぃだ。
できればノーマルのほうがよかったが、、、まあいいとするか。
顔はまあまあきれいだし。



さてその後、そのしぃの後を追う。
そして、、、、
そのしぃが人目がつかないところに入ったのを確認して
背後に回りこみ、、、


「モナークイーン!『第一の爆弾』!!」

しぃの体は片手を残したまま木っ端微塵に吹き飛んだ。

これがこのモラ吉影の能力「モナークイーン」
触れたものを全て爆弾に変える能力。
さて、このしぃの手を拾い上げ、
私は家に帰った。家に帰ってから彼女とすごすのが楽しみだ。
何も言わない彼女は実に素敵だ、、、、。

616 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/30(火) 20:38 [ T5sf/d1Y ]
(キャラクターの一部にパクリあり。)

「最強の力を手に入れたしぃちゃん」

あるところに、しぃがいた。
見ると、全身が傷だらけ。
モララーやモナーに追いかけ回されて、虐待されたのだろう。
何とかでぃにならずにはすんでいるようだが。

いつもいつも虐められているから、しぃは常にこう思っていた。

「アイツラヲ タタキノメシタイ・・・ モウ ニドトタテナイクライ カンペキニ・・・・・」

しかししぃは所詮非力な被虐生物。いくらがんばろうが勝てるはずもない。
今日も命からがら逃げてきて、ようやく眠りにつくところだったのだ。
そうすると・・・・

「おやおや。ひどい傷ですな。・・・大丈夫ですか?」

「ハニャア・・・・??」

見上げると、心配そうな顔をしたモナーが、しぃの顔をのぞき込んでいた。

「イヤァッ!! アッチイッテ! ギャクサツチュウ!!」

しぃは一目散に逃げようとした。
しかし、そこは袋小路。逃げ道などない。あっというまに、壁にぶつかる。
逃げ切れない!! そう思ったしぃは、今度こそ死を覚悟した。
しかし・・・・

「ちょ、ちょっと待ちなさい。私はあなたを虐殺するつもりはありませんよ。
 むしろ、助けてあげたいと思っているのです。」

意外な言葉が飛び出してきた。
                  続く

617 名前: cmeptb 投稿日: 2004/03/30(火) 21:28 [ T5sf/d1Y ]
>>616続き

「申し遅れました。
 私、「モナーサン (・∀・)イイ!」という、研究所の所長で、モナー四郎と申します。
 どこかのマジシャンとは一切関係ございませんので、ご注意を。」

「ハニャア・・・・」

「見ればあなた。ひどい傷だらけではないですか。
 おそらく、モララー達に虐待されたのでしょう?」

「・・・・・・・・・・・・」

「そんな連中に復讐してやりたい。しかし力の差が大きすぎて、できない。
 なので恨みは募る一方 違いますか?」

「・・・・・・・・・」

「やっぱりね。そうだろうと思いましたよ。そうなれば、私の専門分野です。」

「??」

「私の研究所では、主に肉体の改造・変身を中心に、研究活動を行っているんですよ。
 もちろん、肉体改造で今のあなたの力関係を逆転させることだって、可能です。」

「ホ ホントデスカ・・・?」

「ええ、今私たちは、ゲームに出てくる「隠しボス」への肉体改造の研究をしているんです。
 ええ、最強クラスの、あの連中です。
 もしあなたにこの改造を施せば、モララーが最弱のザコキャラ、あなたが最強の隠しボス
 それくらいの力の差にすることだって、可能なんですよ。」

「ハニャア・・・・・!!」

「どうです?「隠しボス」になってみませんか?
 気持ちいいですよ? 今まで散々あなたをコケにしてきた連中が、あなたに命乞いをする・・・・。
 これ程の爽快感は、なかなか味わえませんよ?」

「・・・・・・・・・・ヤリマス! シィ ゼッタイニヤリマス!!」

「そうですか。それじゃあ、ついてきてください。
 あ、「肉体の改造」と言っても、あなたが死んだり、廃人(?)になることは絶対にありませんよ。
 安心してください。」

しぃはわくわくしながら、モナー四郎のあとをついていった。
                   続く

618 名前: 23・連絡帳 投稿日: 2004/03/30(火) 22:48 [ z9dvf3ng ]
>>2 >>9-11 >>19-22 >>32-35 >>49-50 >>172-180 >>293-306の続き

前日と同じ時間にちびは、目を覚ます。身支度をし、食堂へ向かい朝食をとった。
ゆっくり食休みをとると、いい時間になったため、会議室に向かった。
10分ほどすると、筆記用具を持ったモナーが現れた。
「やあ、ちびちゃんおはよう。よく眠れた?」 ちびはうなずいた。

「今日はね、昨日言ってた観察日記(連絡帳)のつけ方。とりあえず、鉛筆持ってきてみたんだ。
これに、ちびちゃんがベビを売っていた公園の名前、書いてみてくれる?」
モナーはレポート用紙一冊をちびに渡す。ちびはモナーから渡されたレポート用紙に
公園の名前を書いてみた。

( ○×公園 )

少々筆圧が強かったらしい。
「ありゃ、下敷きが必要かな? そんなに力を入れなくても書けるから大丈夫だよ。
ちょっと待っててね。」モナーは出て行ってしまった。
3分ぐらい後に、モナーが下敷きを持って戻ってきた。彼は、下敷きをちびに渡し、
「さっきのページの下に敷いて、もう一度、公園の名前を書いてみてごらん。」
ちびは、言われたとおりに下敷きを敷き、また書いてみた。

( ○×公園 ) ( ○×公園 )

「あ、滑らかな感じ。」
今度は大丈夫だったようだ。
「よし、これで大丈夫だな。」モナーは、微笑みながら言う。
次に、観察日記の書式についてをホワイトボードに書き始めた。


○月 ×日    (薬を渡した相手)  (薬を渡して何日目か)

(渡した相手の様子)  相手はどんなことを言っていたか
ちびちゃんはどう思ったか 質問など

(欲しい物があったら書いてください)


「?????」
怪訝そうな顔のちびにモナーは説明を始める。

「まず、ちびちゃんが言っていた(テスト)の話なんだけどね。まず、しぃに0・5gのヘロインを渡して欲しいんだ。ちびしぃと、ちびギコとかは、量を減らせばすむことだからさ。薬の量って、体重で決まる所があるから。しぃに渡す量が大体わかれば、ちびしぃとかの量もこっちが把握できるからさぁ。」

ちびがうなずくと、彼は続けて
「それで、金裏銀児のやり方ね。生阿片のタバコ作ったでしょ?たとえばこれをタバコとするじゃない?」
モナーはホワイトボードに書き込むのに使っていた細字のサインペンにふたをして、キャップの部分をタバコのフィルター部分に見立てて、説明を続ける。
「このふたの部分が、口で吸う部分。タバコでいうフィルターってやつだと思ってね。
で、底の部分が、火をつける部分だとするでしょ?
ここに、ヘロインをつけて、火をつけて吸うんだって説明するんだ。」
「なんか、縁日で売ってるパイプみたいですねぇ。なんだっけ?えーと…」
「ハッカパイプ?ちびちゃん。うまいたとえだね。」
モナーが笑うとちびも思わずつられて微笑んだ。

「続けて、日記の書き方の説明をしていいかな?
まずね、日にちは忘れずに書いてね。もう一度言うけど、薬を渡す相手はしぃだよ?
それから、(薬を渡してから何日目か)の欄は、薬を渡した日の次の日を1日目にしてね。」

日記の説明をしながら、モナーはホワイトボードの ( 薬を渡した相手 )の欄を
( しぃ )と書き替えた。
「じゃあ、薬を渡した日は、そこの欄は (薬を渡して0日目)でいいですか?
ちびの質問にモナーは、「それでもいいよ。」とうなずいた。

「つぎは、(しぃの様子)の所ね。ちびちゃんが見たしぃの様子とか、しぃが言ってたこととか、
細かく書いてね。しぃの言った言葉は全角でも半角でもいいや。後は、質問とかも書いてくれる?
答えられる限り答えるからね。
それから、(欲しい物があったら書いてください)は
鉛筆とか消しゴムが小さくなったら、ここに、鉛筆下さいとか消しゴム下さいとか
書いてくれれば、擬古矢に持たせるから。」
「わかりました。がんばります。」
「よろしくね。」
時計を見ると、AM10:00を指していた。
「食堂で10:00のおやつを食べておいで。擬古矢に研修費を持たせてそっちに行かせるからね。
彼が送っていってくれるから、車に乗って帰りなさい。」
モナーの言葉にちびはうなずいた。

食堂で、チョコパフェを食べていると、擬古矢が現れた。
慌てた表情のちびに、「ゆっくり食べなさい。」と擬古矢は話し掛ける。
12〜3分後、おやつを平らげたちびに、擬古矢は封筒を渡した。
「これ、研修費だよ。どうぞ。」
「ありがとう。」
ちびが礼を言うと、彼は、
「モナーがね、時間が足りなくて、言えなかったことがあったんだって。
車の中で話すね。」
ちびはうなずき、2人で車に向かって食堂の席を立った。

619 名前: 24・帰りの車中で 投稿日: 2004/03/30(火) 22:49 [ z9dvf3ng ]
二人は車に乗り込み、擬古矢が車のエンジンをかける。
車を運転しながら、擬古矢がちびに話を始めた。エンジンをかけて、15分ほど車を走らせた頃である。

「モナーが言えなかった事なんだけど…・・
麻薬の免許のことなんだ。タバコや筆記用具と一緒に渡すって。」

「免許?」

「そう。免許を持っている人しか麻薬は扱えないんだよ。
でね、モナーとギコが、ちびちゃんの免許の申請をしてたんだ。
それが、阿片のタバコが乾く頃に来るらしいんで、筆記用具やタバコ、ヘロインと一緒に渡すって。」

「どうやって使ったらいいんだろ…・・」
ちびが呟く。

「タイ━━━━||Φ|(|´|Д|`|)|Φ||━━━━ホ!! されないお守りだと思えばいいよ。
警察に見せれば、もしつかまっても、無罪放免ってこと。心配しなくていいよ。
じゃ、モナーの件は伝えたからね。」

「あのときに一緒に伝えてくれたらよかったのに、
何で、モナーさんは伝えてくれなかったの?」
ちびが少々非難めいたことを口にすると、擬古矢は弁解っぽい説明をした。

「ちびちゃん。研修の件で会議を持ったときに、具体的なスケジュールも
決めてたんだよ。で、10:00には予定をすべて消化しなければならなかったんだ。
日記について、結構細かい所まで指示をしてたんで、時間が足りなくなったのかもしれないよ。」

「そうですか…・・モナーさんには内緒にしてくれませんか?」
赤面しながら、ちびが擬古矢に頼むと、擬古矢は笑いながらうなずいた。

擬古矢は続けて日記や、(薬物中毒ではない)しぃやちびギコについての、説明を始めた。
ちびがこれから集めてくる、被験者についての話である。

「そうそう、日記の件だけどさ。交換日記形式を取ろうってことになったよ。
僕が日記を渡した日の次の日から、薬をしぃに渡してくれたらいいや。
それから、薬物中毒ではない、しぃとかちびギコとかだけど、
3日ごとに、収集担当の者が公園に行くから、彼らに引き渡してくれる?
彼らにお金の件も話してあるので、バイト代は彼らからもらってね。
収集担当の者が最初に行くのは、今回は、明日を1日目と数えて4日後、後は3日ごとだ。」

「はい。わかりました。」

しばらく、世間話をしながら30分ほど車を走らせると、公園に着いた。
「じゃあ、5日あとのお昼までに、収集担当の者がここの公園に来るからね。
それまでに、できるだけ被験者を集めておいてね。」

車を止めた擬古矢がちびに、念を押す。ちびがうなずくと、擬古矢は
「今度来るときは、麻薬や日記を持ってくるからね。それまで、さよなら。」
「擬古矢さん、送ってくれてどうもありがとうございました。また会いましょう。」
ちびは車から降り、擬古矢に挨拶をする。擬古矢の車が消えるまで、公園でちびは
見送っていた。

620 名前: 25・漁 投稿日: 2004/03/30(火) 22:51 [ z9dvf3ng ]
次の日の朝から、早速ちびは獲物を物色し始めた。
物色と言うよりは、向こうから勝手に近づいてくるという表現のほうが正しいのかもしれない。
何しろちびは、*が無いのである。 アフォしぃと言われる連中が放っておくわけがない。
昼近くにすれ違った妊娠しぃに、ちびはいきなりこんな言葉を投げかけられた。
「キケイガ マチナンカ アルイテルンジャナイワヨ ! ベビチャンノ タイキョウニワルイジャナイノ ! 」
ちびは、妊娠しぃの腹を蹴り上げたい衝動に駆られたが、お金を頭に思い浮かべて、ぐっと我慢した。
代わりにこんなセールストークで、妊娠しぃの心をつかもうとしていた。

「あ、お腹にベビちゃんがいらっしゃるんですか?ベビちゃんのためにも、ママのためにも
い〜い お話があるんだけどなぁ〜???そんなことを言われたんじゃ、教えるの止めようかなぁ。」
つかみはOK、という某3人組のギャグではないが、妊娠しぃは食いついてきた。
「エ? ハヤク オシエナサイヨ!!! ギコクンノイバショ? ナンナノ? ナンナノヨ? ハヤク イイナサイ!!!!」

「擬古田薬品で、サプリメントのモニターを探してるそうなんです。
妊娠中の栄養補給、そして出産後のダイエット補助のサプリらしいんですよ。
出産のための病院や、ベビちゃんの保育園なんかも完備されてるんです。それらが、
なんとタダなんですよ!!!!
タダで、赤ちゃんが産めて、それに後のダイエットまで、面倒見てもらえるって、
お得だと思いませんか?それと、退院前のしぃちゃんたちに会ってきたんですが、
みんな美しかったです。( コレデ ギコクンノ シセンハ シィチャンニ クギヅケ! )なんて言ってたんですよ。」

ちびの嘘話に妊娠しぃは目を輝かせた。「ドウスレバ モニターニ ナレルノ ?」
この母親はすっかりその気になってちびにたずねる。
その言葉にちびは待ってましたとばかりに説明を始めた。
「4日後の必ずお昼までの間に、○×公園に来てください。お迎えが来ることになっています。」

「オトモダチモ ツレテイッテモ イイノ ?」
「どうぞ、お友達にも教えてあげてくださいね。」
「4カゴノ オヒルマデニ ○×コウエンネ。 ワカッタワ。 オシエテクレテ アリガトウ バイバーイ」
「さようなら。」

妊娠しぃと別れ、彼女の背中を見ながらちびは1人、呟いた。
「生まれてくるベビの目玉、 二つあると いいわね。」

621 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/30(火) 22:51 [ z9dvf3ng ]
お昼過ぎ、彼女はコンビニに向かい、シュークリームとカフェ・オレを買った。
ピクニック気分を味わいたくて、少々歩くと、空き地を見つけた。土管が無造作に3本置いてある。
彼女は、1本の土管の上に座り、シュークリームの袋を破った。
「アレに寄生されるのかしら?」
ちびは、コンビニで買ったシュークリームを、空き地の土管の上でぱくつきながら1人で呟いた。
そういえば、少々母は、太ったような気がする……・・
(母親だけではなく、ベビにまで寄生されるのかしら?)
ちびの頭の中にふと、不吉な考えがよぎったが、頭の中に浮かんだレモナの笑顔が
彼女の不安を吹き飛ばした。
「アレが増やした寄生虫はレモナさんに駆除してもらえばいいか。」
ちびはカフェ・オレを飲みながら呟いた。

食休みを取ってから、ちびは、土管から飛び降り、シュークリームとカフェ・オレを買ったコンビニに向った。コンビニの前のゴミ箱にカフェ・オレの空きパックと、シュークリームの
空き袋を捨てると、またあてどなく歩き始めた。しばらく歩くと、今度はちびギコに罵声を浴びせられる。

「ちびしぃちゃんとは セクースはしたいデチが キケイの ちびしぃちゃんは 勘弁して欲しいデチネ。
お昼を食べ終えて マターリしてたときに 嫌な物を 見たデチ」

ちびはキレかかったが、またお金を頭に思い浮かべた。すかさず、このちびギコにも
勧誘を開始した。

「ひ・ど・い・なぁ せっかく*のあるちびしぃちゃんが あんなことやこんなことをしてくれる所を
教えてあげようと思ったのに。」

とたんにちびギコの様子が変わった。とたんにちびに対し、媚び始めたのである。
「もうキケイだなんて言わないデチよ。 ユルチテクダチャイ だから、ちびしぃちゃんが、アンナコトやコンナコトしてくれる場所を教えて欲しいデチ。」 なんと、揉み手まで始めているではないか。
これは、すぐにのりそうだと思ったちびは、セールストークを開始した。

「お迎えの車が連れていってくれる所はね、ちびしぃちゃんとしぃちゃんがたくさんいるのよ。
そこにいた、君みたいなちびギコ達はね、なぜかすっきりした表情の子がいたり、ほっぺがつやつやしていた子がいたり、あとねぇ、目の下にクマを作ってげっそりしてた子もいた。でも、みんな微笑んでたわよ。満足感って感じ?」

ちびギコの表情から、期待感を感じ取ったちびは、さらに嘘で固めたセールストークを続ける。

「でね、そこでは、薬やおもちゃが使い放題!!!薬をちびしぃちゃんに使って、あんなこともできるし、
おもちゃで、こんなことをちびしぃちゃんにして…・… むふふふふ。熟女好きのちびギコ君には、
しぃちゃんがリードしてくれて、あんなことやこんなことを教えてくれるって。」

ちびギコの鼻息は荒く、目はらんらんと輝いている。
「連れて行って欲しいデチ!!!お迎えはいつ、どこに来るデチか?」
「4日後に○×公園に車が来るの。もし、行く気なら、公園にお昼までに必ず来てね。」
「わかったデチ。バイバイ。」
ちびは愛想笑いを浮かべてちびギコを見送った。

2日目、3日目、4日目も彼女は、同じようにちびしぃ・しぃ、ちびギコに声をかけていった…・

622 名前: 26・引渡し前夜 投稿日: 2004/03/30(火) 22:52 [ z9dvf3ng ]
4日目の夕方………・・
この4日間で、ちびは、声をかけた連中の中で、5匹は確実に来そうな雰囲気を感じていた。
しかし、昼食時に感じていた母親に対する不安感が彼女を襲っていた。
不安と戦いつつ彼女は帰宅した。

「ただいまぁ。」
「オカエリ。 チビチャン ステキナ オハナシガ アルノ。」
「すてきなお話?何それ?」 愛想笑いを作りつつ、ちびは尋ねる。
「アノネ ママネ ベビチャン デキタノ。」

ちびの不安感は的中した。表情は、愛想笑いから憤怒の表情にがらりと変わり、
彼女は激しく母親をなじった。 
「ハァ?あんた、父親は誰なのよ?養育費ぐらい、貰う手はずぐらいは整えたんでしょうね?また、父親のわからない子供産むの?何考えてるのよ?」

「チチオヤ? シラナイワヨ。 ヨウイクヒ? ナニソレ?」

「ベビ育てんのにも金がかかるって言ってるのよ!それとも、あんたが働くんでしょうね?
私のバイトだけじゃベビなんか育てられないわよ!!!」

「ダイジョウブヨ。 ハタラカナクタッテ ナントカ ヤッテイケルワ。 キョウノ チビチャン ナンカヘンヨ? マターリシヨウヨ ネ?」

ちびはふと、周りを見渡していた。母親に渡したお金が無い。母親が所持していた財布も見当たらない。
ちびは、研修から帰ったとき、母親にバイトを始めたことを告げ、バイト代の半分を渡していた。
母親は、礼をちびに言いながら、金を財布にしまいこんだのをちびは見ていた。
普通に暮らしていれば、1人分で4日間はゆうに暮らせるであろうという金額である。

「母さん。私が渡したお金はどうしたの?」ちびは、母親に尋ねる。
「エート モナゾフノ プリンデショ ○○ドウノ ドラヤキデショ ・・・・・・… 」
数え切れない量の良く知られたお店の高級なお菓子の名前が母親から出て、
「ソレデ、 ゼンブ タベチャッタ」と彼女は満足そうな笑みを浮かべて答えたとき、
ちびは、思わず母親の顔をこぶしで殴った。

「ハニャァアア?? ナニスルノヨ!!!」

「何するのじゃないでしょうが!あんだけの金を稼ぐのにどんな苦労したと思ってんのよ?
生活費にと思って渡した金を一日で使い果たして!『ゼンブ タベチャッタ 』 って何?しかも笑顔で!
そんな金の感覚しかないあんたに、ベビなんて育てられるはず無い!」

「オネエチャンニ ナルノヨ? ウレシクナイノ ?」

「腹の中のベビは、将来あんたのこと絶対に恨むわよ。」

「ナンテコトヲ イウノヨ ! コノ ギャクサツチュウガァァアアアア」

母親はちびに殴りかかったが、彼女に逆襲され、首を締められた。
ちびは、母親の首を手で締め上げながら、ある選択を迫った。
「いい?腹のベビ中絶するか、それともあんたが働く所を探すか、どっちか選ぶのよ。
産んだもの勝ちなんて、馬鹿な考え起こさないことね?そしたら、わかってるわね?
おろすんだったら、ベビの遺体を見せること。働くんだったら、職場の人間紹介しなさい。」

母親にはうなずくしか道が残されていなかった。
ちびは母親の首を締めた手を彼女の首からはずし、とどめに一発彼女の顔を平手打ちし、
寝床に向った。

母親は、一旦ちびの言葉にうなずいたが、産むことを決心していた。
お昼のワイドショーの相談コーナーに良く出てくる言葉ではあるが、
『(暴力夫や、浮気性、金遣いの荒い夫)が私の出産をきっかけに変わってくれるだろう』
こんな甘い考えを起こしていたのである。もちろん、この場合は( )の部分が
( 娘 )に置き換えられるのだが。

一方ちびは、寝床で、あるシミュレーションを始めた。
おそらく母親は、ベビを産むだろう。そして、働きもしないだろう。
バイト代を生活費として渡せば、一日で使い果たす。すべて私が稼いだお金は
あの女に吸い取られてしまう……・・私のこれからの人生→マターリできない!!!

これらの考えを元に、彼女は寝床の中で、ある決意を固めた。
1・母親には、明日の朝から一日500円しか渡さない。
2・中絶を決意OR実行するまで、精神的に圧力を加える。
家庭内暴力もふるう。ただし、腹は殴らない。
3・もし出産したら、ベビを全員頃す。避妊手術(流産した場合、後始末も)の準備をレモナに頼む。

ちびは、観察日記・麻薬が届くのを期待しつつ、浅い眠りに就いた。
そして、初めての引渡しの日が訪れた……・・

623 名前: 27・引渡し当日 投稿日: 2004/03/30(火) 22:54 [ z9dvf3ng ]
引渡し当日の朝、ちびは母親とけんかをした。もちろん、食事代のことでである。
「アニャア! オカネガ タリナイジャナイノ! ベビチャンノブンモ イッパイ タベナキャ イケナイノニ!!!!!」

「あぁ????生活費の足しにと思って、渡した分の金を全部お菓子買って食い尽くしたくせに、何言ってんのぉ?腹のベビはおろすんでしょ?何で氏ぬはずのベビの分まで、ご飯、食べなきゃいけないの?2食分のお金、500円で足りないなら、あんたが働いて稼ぎなさいよ!私は、これだけ渡すのが精一杯なのよ!!!」

「ギャクサツチュウ!!! アンタナンカ シンジャエ!」

「二言目には 『ギャクサツチュウ』か。ハハハハ。ベビちゃんたちに胎教をしなくちゃねぇ」

ちびが、母親の顔をこぶしで数回殴り飛ばすと、母親は、頬に手を当ててうずくまってしまった。
うずくまった母親の両足をつかんで、開脚させ、彼女の動きをある程度封じると、
ちびは、 「さあて、これから胎教を始めるわよ。」 と、ぞっとした笑みを浮かべながら、
母親のお腹に話し掛ける。

「おはよう、ベビちゃん。私がおねえさんよぉ。ベビちゃんたちはねぇ、生まれてきても、
幸せな時間なんて何にも無いのよ。虐殺されるか、いじめられるかしかないの。
いじめられても、ママは守ってなんかくれないわよ。あなたのお母さんはね。ただ、コウビがしたかっただけなのよ。それであなた達ができちゃったの。もう、わかったわね?あなた達は邪魔者なのよ。
ギャクサツチュウとかいわれる人に、あなた達がいじめられても、ママはねぇ、黙ってみているだけよ。
こんな地獄のような所に生まれたいと思う? お腹の中で氏んだ方が幸せかもよぉ。」

ちびの、『生まれてきても、幸せな時間なんて何にも無い』という言葉を聞いたとたん、母親は
両足をつかんでいるちびの手を何とかしてふりほどこうとしたが、
お腹が邪魔したのと、ちびの力が強すぎたのもあって、解くことはできなかった。
母親は、両耳をおさえ、体をよじらせることだけしかできなかった。

「ハニャアアア ヒドスギル。 ヒドスギルヨォ コンナノ マターリジャナイヨ。 ナンテコトイウノ チビチャン。」
母親は、耳から離した手で、ぽかぽかとちびの頭を叩きながら抗議するが、
ちびはまったく動じず、母親にこう言い放った。
「じゃあ、早くおろしてね。そうすりゃ二度と言わないから。」

ちびは『いってきます』 の意味で、微笑を浮かべながら、
母親の顔に往復ビンタを食らわした。玄関ですすり泣いている母親を背に、ちびは公園へ向った。

624 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/30(火) 22:57 [ z9dvf3ng ]
10分ほどの距離に公園はある。既に、ちびが声をかけたしぃ、ちびギコ、ちびしぃがそこにいた。
ちびの予想を少々いい意味で裏切った数であった。 妊娠しぃの、『お友達』が2匹いたのである。
3匹の妊娠しぃ、姉妹と思われるちびしぃ2匹、ちびギコ1匹が、そこにいた。

(妊娠しぃの友達の、2匹のうち1匹は、アフォじゃないしぃちゃんだな。しょうがないか)
ちびは、3匹の妊娠しぃのうちの1匹を見て思った。後の2匹は嬉しそうに、
ギコ君がどうの、ベビを産んだら、ショタに手を出してみようだのと話しているのだが、
残りの一匹は疑わしそうな表情を終始しているのである。

「車、遅いデチねぇ。」
ちびギコの言葉に、ちびしぃ達もうなずいている。
「道がこんでるんじゃない?車が来るまでの間、向こうで見たことでも話そうか?」
ちびの申し出に、ちびしぃ・ちびギコ・妊娠しぃ3匹のうち2匹は目を輝かせた。
「向こうにはねぇ、ちびしぃ、しぃ、ちびギコたちで、集団生活するの。おたがいのお部屋は行き来ができるから、カプールもできてたし、ケコーンしてた子達もいたわよ…・ギコさんたちは、そこのボランティアとして働いてたわ。ボランティアさんは、しぃちゃんたちにアンナ事やコンナこともしてくれるのよ…・・って、まず、元気なベビちゃんを生むことが先決ですよね。」
ちびの、むふふふふと言う笑いにつられて、5匹が笑っていた。

10分くらい後だろうか。『擬古田薬品 被験者様』と書かれたステッカーが窓ガラスの右上の隅に貼られたトラックが場にいた全員の視界に入った。
トラックが、ちび達の前に停車すると、中からクックル、八頭身、モララーが出てきた。

モララーが、代表して挨拶を始めた。
「こんにちは。擬古田薬品の、モラ之本と申します。皆さんを連れて行く前に、ちょっとオーディションをさせてくださいね。まず、妊娠されているしぃちゃん。全員一歩前にお願いしますね。」
彼らは、モラ之本の指示に従い前に出る。そして、妊娠何ヶ月か、自宅に残している子供はいるのか、配偶者の有無等の簡単な質問に答えた。
最後にモラ之本は、妊娠しぃたちに質問をした。
「ここに、お腹のすいたでぃちゃんがいます。しぃちゃんたちは、あんパンを一個持っています。
しぃちゃんは、どうしますか?」
二匹のしぃは異口同音に、「キタナイ ディヲ シメタアト、 マターリト アンパンヲ タベマス 」 と答えた。
ちびが、(アフォじゃない)と形容したしぃは、「でぃちゃんにアンパンを半分あげます。」と、答えた。

「アンパンをあげるといったしぃちゃんは残念ながら落選です。こちらは交通費になっております。
剥き出しで、申し訳ありませんが、どうぞお受け取りください。」 モラ之本が、1500円をしぃに渡した。
その光景を見ながら (罰金の使い道ってこういうのだったのね)とちびは思った。
「でぃを〆ると答えたしぃちゃんは、こちらへどうぞ。」
八頭身が、アフォしぃたちをトラックの荷台に誘導すると、彼女達は不満を漏らした。
「ナンデ コンナ カタイトコロニ、 シィチャンタチヲ スワラセルノヨ!」 
八頭身もしぃの扱いには慣れているらしい。彼は、ニヤニヤしながら彼女らに言った。
「しぃちゃん。向こうのギコは、凄くシャイなんですよ。着いたら、色々教えてあげてくださいね。」
とたんに彼女らは機嫌を直した。

八頭身が、しぃをなだめている間に、モラ之本は、ちびしぃ達、ちびギコのオーディションを終えていた。
わくわくした表情で、『合格』した五匹は、荷台の中にいる。
お金を持って、当惑した表情の 『落選した』しぃに、モラ之本が、声をかける。
「しぃさん。お疲れ様でした。お金は少々ですが、どうぞお受け取りください。そして、申し訳ありませんが、この場をお引取りいただけませんか?私どもは、彼女にお話がありますので。」
『落選した』しぃは、モラ之本らに何度も頭を下げ、公園を去った。

625 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/30(火) 22:58 [ z9dvf3ng ]
しぃの姿が見えなくなった頃、モラ之本がちびに、お金を見せながら、封筒に入れる。
「じゃあ、ちびしぃ2匹で2000円。ちびギコ一匹で1000円。妊娠しぃが2匹で4000円だね。
7000円だけど、5000円札があったほうがいい?」モラ之本の問いにちびは首を横に振る。
「できれば、500円玉が欲しいんです。」
珍しそうな表情をしている3名に、ちびが赤面しながら昨夜の事を説明すると、
とたんに八頭身やモラ之本の顔がほころんだ。
「わかった。ちびちゃんも大変だねぇ。じゃあ、500円玉で2000円あるから、両替するね。」
ちびの前で、バイト代が入った封筒の中から1000円札2枚を抜き、ちびに見せる。1000円札2枚をモラ之本が取り、八頭身が500円玉4枚をバイト代の封筒の中に入れた。

「確かにいただきました。」
ちびの言葉に、モラ之本は頭を下げる。八頭身が「伝言」と呟きながら、モラ之本の背中をつついた。
モラ之本は、「おっ。」と反応し、ちびに伝言を告げた。
「実は、伝言を頼まれたんだ。擬古矢が、次の時に一緒に来ますって。
えーと、タバコが出来たって言えばわかるっていってた。」
「はい。わかりましたとお伝えください。」
ちびの返事に、モラ之本は、「じゃあ、伝えたよ。」といい、車にクックル、八頭身とともに向った。
「じゃあ3日後に。」 「ではまた。」モラ之本達と、ちびはその日、別れた。

626 名前: 28・日記の到着 投稿日: 2004/03/30(火) 22:59 [ z9dvf3ng ]
初めての引渡し日の3日後が訪れた。今日は擬古矢が日記とともに、タバコを持ってくる日である。
ちびが公園に着いて、10分後くらいにトラックと乗用車が公園に止まった。トラックからはモラ之本らが、
乗用車からは擬古矢が出てきた。

今回の獲物は7匹。全員モラ之本の『オーディション』に合格したアフォであった。
今回も7000円のバイト料を貰うと、モラ之本らは 「漏れたちの用は終わりだね。」
と言い、トラックで帰った。

モラ之本を見送った擬古矢は、「ちょっと待ってて。」とちびに言い、自分が乗ってきた乗用車に向った。
彼は、大きな巾着袋に背負う紐がついた感じのリュックサックを持って、ちびの所に歩いてきた。
「どこか座れる所は…・ あ、ベンチがあるね。ちびちゃん。あっちへ行こう。」
ちびをベンチのほうに行くように促す。
ベンチに座った擬古矢はちびに、早速袋の中をあけて見せた。

ノート、レポート用紙、鉛筆一ダース、消しゴム、タバコ、0.5gとかかれたヘロインの小袋
ライター……・

「アレ?」 ちびが首をかしげる。タバコの吸い口がわかるように配慮したらしく、禁煙パイ○の
吸い口に似た、キャップがつけられていた。
「モナーがね、こうしたら説明がしやすいだろうってつけさせたんだ。これが、時間がかかったらしいよ。
ちびちゃんに謝っといてって。」
ちびは、擬古矢に礼を言い、モナーにも礼を言ってくれと伝言を頼んだ。

続いて、日記についての話を擬古矢は始めた。
ノートの表紙には 『観察日記』と書かれ、レポート用紙の表紙には、『つなぎ』と書かれている。
「しぃに収集日に薬を渡して、次の収集日に、モラ之本に日記を渡してくれる?」
擬古矢の指示にちびはうなずいた。

続いて、彼は『つなぎ』と書かれたレポート用紙をちびに見せた。
「『つなぎ』の方の説明ね。日記をモナー達に渡すでしょ。
彼らが必ず、一筆書いてちびちゃんに渡すって言うんだよ。そうすると、次の日に、ちびちゃんに戻ってこないじゃない?その間日記が書けないでしょ?」 うなずくちびを見ながら、彼は説明を続ける。

「で、日記が向こうに行っている間、その『つなぎ』の方のレポート用紙に観察記録を書いて欲しいんだ。
日記をちびちゃんに戻したら、その『つなぎ』の方を破って、モナーたちに渡すからね。」

ちびが首をかしげている。擬古矢は例をあげ、ノートとレポート用紙を指差しながら、説明し始めた。
まず、ちびの膝の上に『観察日記』の方を置き、
「ちょっと、説明の言葉が足りなかったか。ごめんな。
例えば、0〜2日目まで『観察日記』を書いて…・・」

ここで、擬古矢がちびの膝の上にある『観察日記』を持つ。
「3日目の朝に、僕に渡すとするでしょ?日記はモナー達の所に行っている。」

ちびがうなずく。彼は、『つなぎ』と表紙にかかれたレポート用紙を指差し、
「日記があっちに行っている間、『つなぎ』の方に、記録をつけていて欲しいんだ。
3日目から、5日目まで『つなぎ』の方に、記録をつけたとするでしょ?」

ここで彼が、持っていた『観察日記』をちびの膝の上に置いた。
「6日目の朝に、『日記』をちびちゃんに返しに来たとするでしょ。それから僕は、
3〜5日までの『つなぎ』の方にかかれたレポートを、貰っていくからね。それで…・」

「6日目から記録を『日記』のほうにつければいいんですね。わかりました。」
ちびの納得した表情に擬古矢は安堵した。
「良かった。じゃあ頼んだよ。」

擬古矢は筆記用具をすべてリュックサックの中に入れ、
「今度は、『つなぎ』のレポート用紙を取りに来るときだね。」
「ありがとうございました。えーと、最初は『日記』の方をモラ之本さんに
渡せばいいんですね?」
ちびは擬古矢に念を押すと、擬古矢はうなずいた。

擬古矢とちびは挨拶を交わし、別れた。

627 名前: 29 観察日記 (実験編) 投稿日: 2004/03/30(火) 23:02 [ z9dvf3ng ]
ちびは、ちびしぃ しぃ ちびギコ フサギコらを公園に集め、モラ之本に引き渡すという作業と平行し、
しぃに麻薬を与え、観察を始めた。記録を少し読んでみることにしよう…・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○月×日 しぃ 薬をあげて0日目
今日は、モラ之本さんに被験者を引き渡した後、公園から歩いて10分ぐらいの空き地で食事を取りました。そこの空き地でのんびりしていると、通りがかったしぃに罵倒されたので、
彼女を麻薬漬けにする事にしました。
『ハニャ上天しぃ堂で作られている マターリできる薬だ』 と嘘をつき、ミングオイルのやり方を
教えました。モナーさん、どうもありがとう。吸い口のおかげで、説明がしやすかったです。
「マターリノカミサマは、私のような者に使命を与えてくださり、
しぃちゃんをマターリさせるために、この地域に遣わしてくださったのだ。」
ともっともな事を言って、お祈りの真似をしたら、すっかり信じ込みました。
しばらくシスターの真似でもしようかと思います。(藁)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○月×日 記入者 モララー
ちびちゃん。『ハニャ上天しぃ堂』には、思いっきり笑かしてもらいました。
シスターの真似、うまくいくと思う。がんがれ。

追伸
お家でのこと、皆興味を持って読んでたよ。
『関係ないこと書いてごめんなさい』 なんて謝らなくていいからね。
むしろ、どんどん教えてくれ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○月 ★日 しぃ 薬を渡して3日目

「ウンチサン デナイ 」 「メガ マワル」 「キモチワルイ」などなど、色々文句をつけてきました。
挙句の果てには、「コノクスリ ホントウニ マターリデキルノ??」 とか言うので、
「マターリノカミサマの試練なのです。この試練に打ち勝つ事が出来ない方は、
神様の恩寵を受けられません。神様は、あなたの事をお見捨てになり、ギャクサツチュウに
引き渡されるでしょう。」と、でたらめを言いました。
そうしたら、「シィ ガンバル。」 と、言うので助かりました。
まったく同族ながら調子がいいと思いました。

念のため、浣腸を用意していただけると助かります。便秘が深刻になったら、渡すつもりです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○月★日 記入者 モララー

いわゆる、『薬が体に慣れるまで』の、不快な症状が出ているときだね。
ちびちゃん、何が何でも、タバコを吸わせ続けてくれ。
浣腸の件はわかったよ。次の収集日にモラ之本に持たせるので、彼から受け取って。

(追伸)
お家での事、皆で(いろいろな意味で)興味深く読ませてもらってるよ。
どんどん書いて。次回の収集日にモラ之本に、ボールギャグを持たせるので
お家でお母さんに使ってみてください。使い方は、モラ之本に教えておきます。

628 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/30(火) 23:02 [ z9dvf3ng ]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

○月◇日 しぃ 薬を渡して10日目。
浣腸、モラ之本さんより確かにいただきました。モララーさんありがとうございます。
タバコを渡しに行く時に、浣腸も持って行って、一緒に渡してきました。
渡す前に、お腹に触ったら、硬い。大丈夫か?と思いましたが、杞憂に終わりました。
彼女は5mくらい離れて排便したのですが、猛烈な臭いと、こげ茶色の小山…・
う、うげぇ…・ その後、それを食、食べ…(自己規制してもいいですか?)

えーと、『気持ちの悪さ』とか『眩暈』は、程度が軽くなったようです。
それと、「トローントシタ カンジガシテ ジカンガ ワカラナク ナッテキタ」と 言ってました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○月◇日  記入者  モナー

モララーにお礼の事は伝言しといたよ。
もうそろそろ、こっちに来てもらってもいい頃かもね。
ちびちゃん。被験者について、
近所の人たちに聞き込みを始めてくれないかな?
彼女の言動を細かく聞いて欲しいんだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

○月 △日 しぃ 薬を渡して18日目

ここ2〜3日、モナーさんに言われたとおり、近所の人たちの噂話を聞いています。
どうも、あちこちでコウビをねだっているようです。
コンビニの食べ物を万引きしたという話も聞きました。とてもしぃが一匹で
食べる量ではない量だったらしいです。店員さんに話を聞きました。
店員さん曰く、「目からして逝っている」表情だったので、
相手にすると殺されそうだったとのことでした。

3日前にでぃちゃんを虐待していたので、おとといと昨日は実は薬を与えていません。
『マターリノ カミサマが 怒っておられます。罰として、あなたに薬を与えるなと
神様に言われました。』と言ったら、ひどく落胆した表情をしていました。
「クスリガ ナイト ゴハンガ オイシク アリマセン 」 「クスリガ キイテイルトキ コウビスルト マターリカンガ バイゾウスルノニ」
と文句ばかりいうので、
『でぃちゃんに謝らなければ、マターリノカミサマは
あなたに薬を与えてはならないと言っておられるのです。』と、言って聞かせると、
でぃちゃんに土下座していました。
勿体つけた後に薬を渡すと、私から薬を奪い取り、吸い始めました。
薬のとりこかな?(笑

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○月 △日 記入者 ギコ

>薬のとりこかな?(笑
うん。そのしぃは薬のとりこだぞ(w
ちびちゃん。この日記が君の所に戻った日から一番近い収集日、
公園にその被験者を連れて来てくれ。
それと、収集担当の人数がいつもより増えてると思うが気にしないでいいぞ。

あと、擬古矢も一緒に公園に来るからな。彼と一緒に警察に顔見せに行ってくれ。
将来的に、警察の協力も必要になってくるからな。

629 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/30(火) 23:03 [ z9dvf3ng ]
日記がちびの元に返った日の一番近い収集日は2日後であった。
ちびは、公園に向う前に薬を与えていたしぃに会いに行った。
彼女に、「あなたをマターリの聖地へ連れて行くようにと神様よりお告げがありました。
さあ、一緒に参りましょう。」と嘘をつき、一緒に公園へ向った。

公園には、事前に勧誘していたちびギコらが既にいた。
今回も7匹。うまくいけば7000円は確実に手に入る。それと、2000円の臨時ボーナスもだ。
ちびは、わくわくしながら待っていた。

いつものトラックと、擬古矢の乗用車に、なぜか救急車が公園に向ってくる。
救急車には 『阿武沢 精神病院』 と車体に書かれていた。
3台の車は公園に止まると、トラックからはモラ之本らが、救急車にはクックルと八頭身が降りてくる。
クックルと八頭身は手際よく、麻薬中毒のしぃに拘束衣を着せ、口にさるぐつわを噛ませて、
救急車の中に放り込んだ。
クックル達の作業と平行して、モラ之本が『オーディション』を行っていた。
一匹アフォでないしぃが混じっていたらしい。モラ之本が、彼女に1500円を渡し、
公園から帰ってもらうように頼んでいた。

「今回は、5500円に2000円のボーナスだね。7500円。
500円玉、5枚あるけど、五千円札に500円玉5枚にしとく?」
モラ之本の問いにちびはうなずく。彼は「わかった。」とちびに告げ、
ちびの前に五千円札と500円玉5枚を見せ、封筒に入れて彼女に渡した。
「じゃあ、後は擬古矢の出番だね。よろしく〜」
モラ之本達は、去っていった。

630 名前: 30・ 警察へ 投稿日: 2004/03/30(火) 23:05 [ z9dvf3ng ]
「警察に行くから乗ってね。ギコがさくっと書いてたと思うけど、中で説明するから。」
擬古矢に促され、ちびは乗用車に乗り込んだ。車を走らせると、擬古矢は説明を始めた。
「お、日記のセットを持ってるね。よしよし。免許もちゃんとあるかな?」
「ありますよ。だって、これはお守りだもの。」
ちびの答えに、擬古矢は笑顔で返す。
「もうすっかりプロだね。次に来る時は、『つなぎ』と『日記』の2冊目のノートを持ってくるからね。」
擬古矢の言葉にちびは照れ笑いを浮かべた。

「ところで擬古矢さん、警察って?」
ちびの質問に擬古矢が答える。
「顔見せ。ちびちゃんが麻薬を持ってても、逮捕されない様に顔を覚えてもらうんだ。
あとねぇ、いろんな事のもみ消しも頼みにいくの。あと、携帯の話も警察でするからね。」
「携帯電話?」
「うん。ちびちゃんがコンスタントに、こっちに被験者を送ってくれるでしょ?
今度は、こっちのオーダー通りに被験者を連れてこれるかなと思って。それと、警察との連絡用でもあるんだ。詳しくは、あっちでね。」
「はあい。」

25分ほど車を走らせると、『阿武沢警察署』と書かれた看板が目に入ってきた。
車を駐車場に止め、署内に入る。擬古矢が、名刺を受付に出し、署長室の場所を聞くと、
署員が階段のほうを指し示し、「署長室は3階です。皆さん、お待ちですよ。」と擬古矢に告げた。
擬古矢とちびは、応対した署員にお辞儀をし、受付から少し離れた階段へ向かった。

3階で、『署長室』と書かれた看板がある部屋の前に着いた。
擬古矢がドアをノックすると、中から「入りなさい」という声がする。
「失礼します。」 「失礼します。」 二人は声をかけ、中に入った。
ちびは署長室の雰囲気に緊張していたようだ。擬古矢の後ろに隠れるようにして中に入った。
中には署長以下、数人の私服刑事がいた
「免許の許可をしたちびしぃをつれて来たかい?」
署長に聞かれた擬古矢は、後ろのちびしいの背中を押し、「彼女です。」と紹介する。

「は、はじめまして…」
緊張しながら挨拶するちびに、署長は笑顔で挨拶を返す。
「阿武沢警察署の署長のモナ木です。そんなに緊張しなくてもいいよ。
ちょっと免許を見せてくれるかな?」
穏やかな口調のモナ木に少々安心したちびは、リュックの中から免許を出して、モナ木に見せた。
「ん。間違いない。それに、君は覚えやすい特徴をもっているので、署員も助かると思う。
ちょっと写真をとらせてくれるかな?」モナ木の頼みに、ちびはうなずく。
「では、モラ角君。たのむ。」 「はい。」
モラ角と呼ばれた刑事は、3枚ちびの写真を写した。

モラ角がちびに、申し出た。
「申し訳ないが、保険をかけさせて欲しいんだ。指紋と掌紋を取らせてもらえないか?」
「へ?」面食らった表情のちび。
「もし、君が免許をなくしたり、忘れた場合の確認材料が欲しいんだ。」
「は、はい。わかりました。えーと…」
モラ角は、用紙を用意し、ちびに指で指し示す。
「ここに、一つ目の肉球。ここに、二つ目…・」
モラ角の指示通りに、ちびは順番に指紋・掌紋を押していき、用紙が全部埋まった。
「よし、これで完了です。洗面所はあっちね。洗い終わったら戻ってきてね。」
手を洗い終え署長室に戻ってきたちびに、モナ木が、「空いている席に座って」と勧める。

631 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/30(火) 23:05 [ z9dvf3ng ]
ちびが席に着くと、モナ木は、携帯をテーブルの上に置き、説明を始めた。
「これを君に支給する。電話代は心配しないで。ただ、私用に使えないように、
ちょっと細工をさせてもらったからね。」
「ツカイカタ ワカラナインデスガ…」
ちびが恥ずかしそうに署長に話す。すると、モナ木が、
「えーと。君、ノートを2冊持っているよね?その表紙の裏に
使い方を書いておこうか。そうすれば、見ながらできるもんな。
君、ノートを両方とも出してくれ。それと、擬古矢君だっけ?このノートがいっぱいになったときに、
新しいノートの表紙の裏にも、携帯の使い方を書いてあげてくれないか?」
擬古矢はうなずいた。
「スイマセン・・・・」
恐縮しながらノートを出したちびから、モラ角がノートを受け取り、彼女の頭を撫でながら言う。
「そんなに恐縮しなくてもいいよ。じゃ、署長から続けて説明を受けてくれ。
署長?机をお借りしますよ。ここで書かせてもらうことにします。」
モナ木はモラ角のほうを向き、うなずいた。

「えーと、どんな時にこの電話を使うのか説明するね。まずは、擬古田さんの方からお願いしますよ。」
モナ木が擬古矢に話題を振ると、擬古矢はモナ木に「じゃあ、お先に。」と断りを入れ、
ちびに説明を始めた。

「ちびちゃん。こっちのほうの使い方は、車の中で少し話したんでちょっと補足するね。
健康体の被験者のオーダーは、モナー達が直接君にします。その電話でね。
また、麻薬漬けにした被験者がいるでしょ?レポートや日記で、今まで出してもらってたけど、
今度は、電話で報告って言う形になる。ノートのほうには君のおうちのことだけ書いて欲しいって。
日記と、『つなぎ』のレポート用紙の回収と、小物を届けに僕は君のところに来ることになるね。」

「クックルさん達は、収集日の日にしか来ないんですか?」ちびの問いにモナ木が口をはさんだ。
「いや、収集日以外にも来てもらう事があるよ。ところで、擬古矢君。そろそろ私の説明を始めるころかな?」 擬古矢がうなずくと、モナ木が擬古矢に代わって説明を始めた。
「クックル君達は、こっちが要請したときにも、きてもらうことになってる。
例えば、ある麻薬中毒のしぃが事件を起こした場合。そのしぃを一旦こっちに連行した上で、
我々は、君に電話をする。君には、身元確認のために、こっちに来てもらう事になる。
そのしぃが君が薬漬けにしている被験者だった場合、クックル君たちの出番だよ。」

ちびは、説明に納得した表情で、モナ木の言葉に大きくうなずいている。
携帯電話の使い方をノートと、レポート用紙に書き終えたモラ角が口をはさんだ。
「ちょっといいかい?使い方を書き終えたんで、目を通してくれるか?
わからない漢字とかないかな?」
ちびは、「大丈夫。読めます。」といった後、モラ角に礼を言い、ノートを受け取った。
モラ角は、「実はもう一つあるんだ。君の前で申し訳ないんだが…・」と口ごもる。
「いいですよ。」ちびはモラ角に発言を促した。
「実はあふぉしぃやちびギコらがよく事件を持ち込むんだよ…・」
モラ角がつぶやくとちびは察したのか、うなずきながら 「掃除ですね。」とモラ角に答えた。
「頭がいい子は大好きだ。」モラ角とモナ木はちびに微笑んだ。モラ角は続けて、説明した。
「そのときにも、クックル君たちに来てもらう事になる。もちろん、君にもお金は入るよ。」
モラ角の言葉にちびは微笑んだ。
「では、早速明日からだよ。ちびちゃん頼んだよ。」 「わかりました。」
ちびたちと、モラ角・モナ木は互いに握手を交わした。

ちびと擬古矢は、阿武沢警察署を出、車に乗り込んだ。
近くのコンビニで、ちびは擬古矢に、ソフトクリームをおごって貰い、
車の中で食した。走る車中で、擬古矢はモナー達のことを話し始めた。
「お母さんのこと、モナー達が興味を持って読んでいるって。あとは、レモナが
お母さんのことは任せてって。でも、ちびちゃん大変だね。」
擬古矢のねぎらいの言葉にちびは微笑み、そして、伝言を頼んだ。
「モナーさん達にお礼を言ってください。
レモナさんに、よろしくお願いしますとお伝えください。」
「うん。わかった。」擬古矢がうなずく。

公園に着くと、擬古矢はちびに、
「今度は、2冊目のノートと、レポート用紙を持ってくるよ。」と、予定を伝える。
ちびは、車を出て、「よろしくお願いします」と頭を下げた。
「じゃあね。」 「また。」二人は公園で別れた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜^
次回、「日記:家庭の事情編」 いきます。

632 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/03/30(火) 23:10 [ nhssyP6I ]
>>601続き

14、真犯人

 何処からか聞こえてきたかすかな物音で、モナーは目覚めた。
 すぐに扉を確認する。
 大丈夫、鍵はかかってるしバリケード代わりのテーブルもそのままだ。

 たとえ犯人が合鍵を持っていたとしてもこのテーブルのバリケードはくずせまい。
 テーブルは一人では動かすのが困難なほど大きい。
 その上に本やらサイドボードやらを乗っけているのだ。そう簡単にはどけられまい。

 そう思って眠りについたものの、1度目覚めてからモナーはよく考えてみた。
 (窓には格子が嵌ってるから出られないモナ。朝になってもこのままじゃ
  ご飯も食べられないモナ・・)

 モナーはそこで自分が酷く腹がすいている事に気づいた。
 時計を見るとすでに日の出まで数時間もない。
 (お腹すいたモナー。)
 どうにも我慢ができなくなったモナーは楽天的な性格も手伝って
 廊下に出てみる事にした。

 なるべく音をたてないようにバリケードを崩したモナーは、これまた慎重に
 扉を開けて、廊下に踊り出た。

 廊下には誰もいなかった。寝る前についていた電灯も消えていた。
 (ブレーカーが落ちたモナ?)
 慎重にニダーの部屋の前を通りすぎ、階段の前まできた。
 と、ちょっと右の廊下を見たモナーは驚いた。

 ギコの部屋の扉が開いていたのだ。
 (な、なんで開いているモナ??)
 モナーは震えながら、扉が開いているギコの部屋まで近づいていった。





 扉から覗きこむと血塗れで倒れているAAがいた。
 (ギコ!!!そ、そんな・・・!!)
 腹の辺りからぐちゃぐちゃになってハラワタが飛び出していた。
 いつも喧嘩っ早く誰かれ構わず毒舌を撒き散らす煙草好きの猫。
 その彼の口から暴言が吐かれることはもうないのだ。
 
 モナーは死体に背を向け階段を降り始めた。
 「仇は・・・とるモナ・・・」

633 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/03/30(火) 23:11 [ nhssyP6I ]
>>632続き

?、????

 フーンの喉を切り裂いた黒い影は、手際良く次の作業にかかった。
 目玉をくりぬき、耳をもぎ取るまでの作業を影は鼻歌混じりに
 行っていた。
 フーンの絞り上げるような悲鳴(声にはならなかったが)も、吹き出る
 大量の血も影の "楽しい作業" を彩る装飾品にすぎなかった。

 眼球が入っていた窪みに耳を突っ込み、胸に十字の傷をつけ、最後に
 かろうじて息があったフーンの首を力いっぱい踏みつけた。
 ゴギィと不気味な音をたててフーンは絶命した。

 影はまるで大仕事を終えた後の大工のような、満ち足りた顔をして息を吐き出した。


 と、廊下で誰かが歩く音がした。
 影は扉にはりついて様子を伺っていたが、音が階下に移動していくのを聞いて
 自らも扉を開き階段まで歩き始めた。


 ・
 ・
 ・
 ・
 どうやら階下に下りたAAは食堂へ入っていったようだ。
 影は慎重に階段を降り始めた。しぃの時には階段を降りる音を気づかれたようだったので
 靴を脱ぎ、裸足になって降りた。

 食堂の扉は開いていた。
 AAは厨房で何かを探しているようだった。
 影は素早く食堂に滑り込み、厨房のAAに気づかれぬように近づいていった。

 AAは調理器具の棚を漁っていた。
 影はAAの背後に近づくなり、間髪入れず包丁を構えた。

634 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/03/30(火) 23:17 [ nhssyP6I ]
>>633続き

15、二つの影

 モナーは包丁を探していた。犯人がわかった今、武器を持たない自分は不利だ。
 だが、生憎自分は武器の類をもってはいなかった。
 そこで目をつけたのが食堂の包丁だった。
 (なるべくでかいヤツを・・・リーチがあるのが良いモナ)

 モナーは涙を浮かべながら必死に包丁を探していた。
 ギコを虐殺したヤツを殺すために。

 だが、その願いはかなわなかった。


 「ぐっ!!?」
 首筋に激痛が走った。
 見ると自分の首から刃が生えている。
 違う。
 後ろから刺されたのだ。

 馬鹿な。何時のまに?
 しかし、そんな事を疑問に思うまもなくモナーの心は黒く塗りつぶされていった。


 影、いや犯人は満足気にうなずくと、それまで手に掛けたAA達のように楽しもうと
 刃をモナーの体に向けた。









 「もうやめろ・・・・」

635 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/31(水) 00:37 [ eHCe5BeA ]
>>595の続き

「それでは!開始!」

俺がそう叫んだ瞬間、
ちびしぃは、自分の妹の方のベビを渡されたナイフで、
切り裂いた。

「コノカワイイチビシィチャンオタメニ、
アンタミタイナヤクタタズノイモウトハシニナサイ!」
「チィィィィィィィィィィィッ!!!
イチャァヨォォォォォォォォォォォォォッ!!
ヤメテェェェェェェェェェェェェェェ!!!
オカァタァァァァァァァァァン!!!
ナッゴォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

ちびしぃの力が弱くても、
よく切れるナイフだ。
それに加えしぃ族は体のつくりが脆い。
簡単に致命傷を与えることができる。

「はーい!こっちのベビちゃんは、
戦闘不能です!ちびしぃちゃん引き続き、
がんばってくださーい!」

俺はそう叫び、死にそうな妹ベビを踏み潰した。
グチャッという音がして、
ベビは潰れた。

「ソコノコキタナイベビ!ツギハアンタノバンヨ!
カクゴシナサイ!」
「チィィィィィィィッ!!!
ナッコスルカラタチュケテェェェェェェェェェッ!!」

グチャッ

「優勝はちびしぃちゃんでーす!」
「サ、ハヤク!ハヤクマターリノカミサマニアワセナサイ!」
「んー、それはちょっと難しいな……。」
「ナンデ?アンタガマターリノカミサマニアワセテクレルッテイッタンジャナイノ!」
「わかった、わかった。
今あわせてあげるよ。目をつぶってて。」
「コウ?」

グチャッ

俺は無言でちびしぃを踏み潰した。
しかしまだ息があるのか、
ちびしぃは喋り始めた。

「ナンデ・・・・・・マターリノカミサマニアワセテクレルッテイッタジャナイ・・・・・・」
「さっきマターリの神様から伝言があってね。
お前みたいな虐殺厨は、殺してしまえだってさ!
HAHAHAHAHAHAHA!!!」
「ヒドイヨウ・・・ワタシハタダサイコウノマターリガ、
シタカッタダケノノニ・・・・・・」

そう言って、ちびしぃは死んだ……。

「あー面白かったな!今度はもっと大人数
連れて来てやってみよう!
バトルロワイヤル見たくてきっと面白くなるぞ……。」

おっと母しぃのことを忘れてた。
こいつにはまだまだ働いてもらわなくちゃな。
ククク……最高に面白いのはこれからだぜ……。

            続く

636 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/31(水) 01:08 [ eHCe5BeA ]
>>636の続き

あれから何日か過ぎ、
母しぃが妊娠した。
最初は腹を蹴り上げて流産させてしまおうかと思ったが、
もったいないのでやめた。
交尾させて金を稼ぐのもやめた。
新たな商売方法を考え付いたからだ。

そしてそれからさらに何日かたったある日……。

「ハニャ!?オ・・・・・・オナカガイタイ!」

ピィピィピィ・・・・・・

「ウマレタ!シィノベビチャンガウマレタヨ!」
「おめでとう!しぃちゃん!
かわいいベビちゃん達だね!」
「アタリマエジャナイ!ブサイクナモララートハ、
ヒカクニナラナイワネ!」

しぃの胸糞悪い態度に今すぐベビを奪い取って、
踏み潰してやろうかと思ったが、
ぐっとこらえて我慢した。

そして、3ヵ月後……。
ベビ達もずいぶん育ってきた。
今が売り時だな。
俺はそう思いあるところに電話をかけた。

そして数十分後……

ピンポーン

「おっ♪来た来た♪」

ガチャ

俺がさっき電話をかけた相手とは、
ビジネスで大成功し、
大金持ちで有名なモナーだった。

「早速ですが見せてもらえますかな?」
「はい。ささ、こちらへどうぞ。」

ガチャ

「ハニャ?ナニアンタタチ?ベビチャンガネテルンダカラ、
シズカニシテヨ!」
「確か2匹でしたよね?」
「ええ。そうです。」

俺は眠ってるベビを2匹
抱きかかえ、モナーさんにわたした。

「ほほう、よく育ってますな
このベビは。」
「ハニャ!?シィノベビチャンヲドウスルキ!
カエシナサイ!コノクソモナー!」
「てめえ!モナーさんになんて口の利き方するんだ!」
「いいんですよモララーさん。
それよりここで始めてもよろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ。」
「まずは基本の耳モギ!」

ブチッ

「チィィィィィィィィィィィィッ!!!チィノオミミィィィィィィィィィィッ!!!
「シィィィィィィィィィッ!!!
ヤメテェェェェェェェェェェェェェッ!!!」

続く

637 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/31(水) 01:32 [ eHCe5BeA ]
>>637の続き

「イチャーヨウ・・・・・・チィノ・・・・・・
チィノオミミカエシテェェェェェェェェ!!!」
「それじゃあモナーさんぼくは他の5匹のべビが怖がるといけないので、
違う部屋に連れて行きます。後はごゆっくりお楽しみを……。」
「コレイジョウベビチャンヲツレテイカナイデ!」

俺は無言でしぃの頭をつかみ、
縄で縛り付けた。

「てめえはここで自分の子供の死に様を、
よーく眺めておきな。」
「イヤァァァァァァァァッ!!!
ベビチャァァァァァァン!!!」

俺はしぃの叫び声を無視し、
部屋を出た。
隣の部屋では、ベビが泣き喚く声と、しぃの叫び声が聞こえる。
すると、いつの間にかベビ達が起きてしまっていた。

「アニャ?オカァタンハ?」
「隣の部屋にいるよ。」
「チィオナカスイタ!」
「チィモ!チィモ!」
「ごめんよ……。
生憎今はご飯がないんだ。」
「マッタクツカエナイモララーデシュネ!」
「ソウヨ!ソウヨ」
「ダッタラナッコシナサイ!」
「モララーハブサイクナダケジャナクッテ、
ツカエナインデシュネエ。」
「ヤーイ!ヤーイ!バカモララー!」

プツン

その時俺の何かが切れた。

「ッッッッ!!!
ふざけんじゃねーぞこの糞虫ども!」

ドカッ

「チィィィィィィィッ!!!
イチャーヨオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
「人が下手に出てりゃぁ……
調子に乗りやがって!
決めた。お前ら死刑決定。」

グチャ

俺は痛さでのたうちまわってるベビを
踏み潰しさらに、3匹を壁に投げつけた。

「チィィィィィィィィ!!!」

グチャッ

「オカアタアアアアアアアアアアアン!!!
イチャアアアアアアアアヨオオオオオオオオオオオ!!!」

残りは一匹か……。
こいつはどう料理してやるかな……。

            続く

次で多分ラストです。

638 名前: 沖縄市民 投稿日: 2004/03/31(水) 01:53 [ eHCe5BeA ]
>>638の続き

俺は残った一匹のベビの皮を剥いだ。

「チィィィィィィィィィィッ!!!ナッゴオオオオオオオオ!!!
ナッゴシュルカラアアアアアアアア!!!ヤメテエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!」
「おしおー♪おしおー♪人の名前で多いのはー♪
よしおー♪」

歌いながら俺は皮を剥いだ部分に、
塩をすりこんだ。

「アギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」

ベビは飛び上がり、絶叫している。

「HAHAHAHAHAHA!!!楽しそうだねベビちゃん!
そんなに飛び跳ねちゃって♪」
「オカアタアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!
ナッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
イチャアアアアアアアアアアアアアアヨウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」

グチャッ

「HAHAHAHAHA!!!面白かった!」

俺はベビしぃを踏み潰し、
高笑いした。

ガチャ

隣の部屋から、モナーさんが出てきた。

「いやー最高でしたよ。
はいこれ約束の報酬。」

モナーさんは金を渡すと、帰っていった。
俺は隣の部屋を見に行った。
するとしぃは放心状態だった。
俺が声を掛けると、われに帰り俺に怒鳴り始めた。

「シィノベビチャンカエシテヨ!ソレニ・・・・・・
ホカノベビチャンハドコイッタノヨ!コノギャクサツチュウ!」
「見せてあげるよ。」

俺は隣の部屋からベビの死体を持ってきた。

「ハニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
ナニコレエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!」
「あんまり五月蝿いモンでね。
殺しちゃった。」
「シィノアカチャン・・・・・・・・・カミサマオシエテクダサイ・・・・・・
ナンデシィノベビチャンガコロサレナクチャナラナカッタノデスカ?
ドウシテナンニモワルイコトシテナイノニ・・・・・・」

グチャッ

「お前らの存在自体が罪なんだよ。
この糞虫が。」

俺は無言でしぃの頭を踏み潰すと、
死体をゴミ袋にいれゴミ捨て場に捨てた。
その帰る途中。
偶然出会ったアフォしぃがまたこのセリフを言った。

「ダッコ♪」

  終わり

639 名前: 虐待虐殺物語⑦〜ギコ族殺し〜 投稿日: 2004/03/31(水) 09:03 [ jayR9OGw ]
>>609続き。

先ず、モララーはギコの虐殺に取り掛かった。
包丁で、バッサリと両耳を切る。
ブシュ!!ブヂュ!!

「ギャアアアアア!!!!お、お、お、オ・・オ、俺に耳ィィィィィ!!!!」
ギコは耳の有った所を押さえながら、叫んだ。

モララーはこう言った。
「おいおい!さっきまでの「絶対に許さんぞゴルァ」の元気は如何した?」
しかし、ギコは必死に耳の止血をしようとしていたので聞いてない。

モララーは次に両腕を切り落とした
骨が硬いので、何度も入れ直しをした。ギコにとってはかなりの苦痛だろう。
おまけに、結構刃毀れをした

グヂュウ!!ブシャ!グヂュグヂュ!!ズパン!
「イウイウイユxコウグオsgdグオsグオゴウ!!!???オレノウデyhdvyrdf!!!」
全く持って理解不能な悲鳴を上げると、ギコは転げまわった。

モララーは、ギコを足蹴にすると、こう言った。
「よ〜し「狸と言って申し訳ございませんモララー様」と言え!」

ギコはこう答えた。
「うう・・・い・・や・・・・だ」
モララーはニヤニヤしながらこう言った。
「あれ〜〜そんな事言っていいのかな〜〜折角、助けてやろうと思ったのに・・・」

そう言って包丁で、ギコの両目を抉り取った。
ジュプ・・・グジュヂュブヂャ!!
「パオポアオポピピピプイウッペペポピプパパパ!!!?????」
ギコは謎の宇宙語を上げながら転げまわった。

モララーは再びこう言った。
「じゃあ「狸と言って申し訳ございませんモララー様」と言え!言ったら助けてやる」
ギコは、さっきの態度から一変し、呪文のように言い始めた。

「た・・・ぬき・・と・・言って・・・もうし・・・わけ・・・ござ・・い・・ません・・・・モララ・・・様」
モララーはニコニコしながらこう言った。
「よく言った!三秒だけ生かしてやる!!」

ギコは顔が引き攣って、こう微かな声で言った。
「ぃう・・・そん・・な・・・・・・・ひ・・・ど・・い」

モララーはそんな事は聞かずにカウントを取った。
「三! 二! 一! 零オオオオオ!!!残ネエエエエン!!年貢の納め時だよ〜〜ん」

モララーは包丁を振り下ろした。
ドスッ!
包丁は、ギコの心臓部分を直撃し、一発で絶命した。

モララーは次にしぃを虐殺しようと、近づいていった。

                続く

640 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/31(水) 11:00 [ i23PPx4I ]
あの夏の日の悲劇

「・・・・・・・・」
ジリジリと暑い日が続く。しぃは買い出しの帰りだった。
元々、このしぃは無口なほうなので、独り言など喋る筈も無くずっと静かな時が
流れていた。ところが、この静けさを破る出来事がおこってしまった。
「スッ」
しぃの口に誰かが布をあてた。その瞬間物凄いめまいが起こった。
「うっ、誰・・・・・・」
バタッ
しぃはその場に倒れこんだ。

それからだいぶ時間がたった。
うっすら目を開けると、そこには二人の男がいた。
「・・・・貴方達は誰?ここは何処?」
しぃはうわごとのようにつぶやいた。
「目覚めたようだな。モラ」
「まったく、クロロホルムは起きるまでの時間が長くて嫌だ」
なにか男達は話している。しかしまだ頭がポーッとしていたので
状況判断などする気になれなかった。それから二人の男が近づいてきた。
モラと呼ばれていた男が言った
「モナ!バーナーと炭持って来い」
モナという男は部屋を出た。
そのあとモラが話しかけてきた
「お前には悪いがな。」
この一言でしぃは全てを理解した。
自分がこんな地下室にいるのも、ポールにくくりつけられているのも、全てを理解した。
「ぎゃ・・・・虐殺?」
しぃが涙目になって言った。
「よく解ったな」
モラが笑いながら言った。

しばらくするとモナがが炭とバーナーを持ってきた。そして炭にバーナーで
着火し、しぃの足元にばら撒いた。
「熱っ熱い・・・助けて・・・誰か助けて!」
しぃはもだえ苦しんだ。
「これで会場が出来あがったな、本番の始まりだ」
モラが言った。
モラは箱から鉄の棒を取り出した。それをバーナーで熱してしぃの体に押し付けた。
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
しぃはけたたましい悲鳴を上げた。


ツヅク。

641 名前: 虐待虐殺物語⑦〜ギコ族殺し〜 投稿日: 2004/03/31(水) 12:08 [ jayR9OGw ]
>>639続き
しぃはギコを虐殺している所を見ているので、自分もそうなると言う事が分かっているようだ。
しぃはモララーに必死に命乞いをしている。
「ハ、ハニャ・・・ベビチャン ヲ アゲルカラ シィダケ ハ タスケテ。ネ?ダッコデ マターリ シヨウヨ・・・」

モララーはこれを聞かない振りをして、しぃの四股をもぎ取った。
ブツビチヴォチ!!
「ハギャアアアアアアアアア!!!!!!!?????ジィ ノ オテテトアンヨオオオオオオオオオ!!!!!!」

次にモララーはライターで、しぃの両目を焼いた。
「クアシdッイェwイェフュオアy;オ;ウgフォウウェy0f8エy0gf0エryg8p0エグ!!!????!!?!??!?!??」
しぃは謎の悲鳴を上げながら、必死に転がりまわった。


モララーは包丁を突きつけて、こう言った。
「元気が良いな!「貴方の仰る通りですモララー様」と言ったら助かるかもしれないな〜」

しぃは必死に言った。
「シィィ・・・アナタノオッシャルトウリデスモララーサマ・・・コレデタスケテクレルノ?」

モララーはニヤニヤしながらこう答えた。
「よ〜く言った!じゃあ、気が変わったから助けてあげない。」
しぃは、「エッ?」と言うと、こう言った

「ナンデ・・・タスケテ クレナイノ?」
モララーはこう言った
「気が変わったからヤメタ!じゃあ、そろそろ死ぬ時間だよ。」

しぃは壊れたように、こう呟いた
「ギャクサツチュウ・・・ユルサナイ・・ユルサナイ・・ユルサナイ・・ユルサナイ」

モララーは自転車に乗って走った。
そして、しぃの上を通過した。



          「ギャアアアア!!!」


それが、しぃの最後の言葉だった。
しぃは胴体が真っ二つになって、死んだ。

モララーは、ベビギコにこの光景を見せた。
「ほ〜〜ら!お父さんとお母さんだよ!」

「マ・・・マ?パ・・・パ?ソンナ・・マタアソンデヨオオオオオオオ!!!!ママーー!!ゴハンツクッテヨオオオオオ!!!」
ベビギコは目を疑った。
自分の親の醜い死体。

ベビギコは突然笑い出した。
「ア、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」

モララーはこう呟いた。
「狂ったか・・・もう長くは無いだろう・・・」


・・・その後、このベビギコはカラスに食われて死んだ・・・


               完

642 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/03/31(水) 16:30 [ fBVDalNE ]
またヘタレ小説でも書きますw。漏れはでぃが逆襲するのが好きなのでこういうの書きますw
でぃが歩いていると偶然しぃ5匹に出くわした。

「オヤ?ゴミムシガアルイテイルヨ」
「ホントダ。ヨノナカノマターリノタメニブッコロシマショウ」

しぃはこういいながらでぃの心臓辺りを思いっきり殴った。

「キィィィィィ!!!ヤ・・メ・・・テ」
「ンー?ヨクキコエナイワ」
「バカナディナンカニハテナンテイラナイネ」

そう言ってしぃ2匹が両腕をもぎにかかった。

「コノテヨクモゲナイワ」
右の腕をもごうとしているしぃが言った。
「コッチモヨ」
左の腕を担当するしぃも言った。

手の空いていた残りのしぃ3匹が
「ジャアソノママオサエテテ」
と言いしぃが思い切りまた心臓辺りを殴った。
「ハニャーンパーンチ♪」
「キッ!!!キィィィィィ!!!!」
「キッ!!!ダッテ。ヤッパリバカナディネ♪」

続けて3匹でさらに攻撃を続けた。
「クラエ!!シィチャンキーーック♪」
「キィィィ!!!!」
「オバカナディハシィノビパンチデモクライナサイ!!!」
(しぃ伸びパンチとはヘッドスライディングの用に滑って体当たりする事である。)

「キィィィィ!!!??」
「ハニャッ!!?ヒダリアシモゲチャッタヨ♪」
「ワーイ♪ヤッタネ!!」

そうするとでぃが
「もう許さん!」
と全角で喋った後、両手をもごうとしていたしぃをぶっ飛ばした。
両方ともすっ飛んでいった。その時なんともがれた筈の左足が生えていた

「ハニャッ!!!!ディノクセニバカヂガラダヨ!!!」
「シィィィ!!!シィノカワイイオシリガ!!!!」
こう言いながら飛ばされた2匹のしぃが逃げて行ったが
「ちょっと足止めさせてもらうわ」

と言って2匹の片足を踏み潰した。
「ハニャァァァァァ!!!!カワイイアンヨガァァァ!!!」
「シィィィ!!!!アンヨサンガァァァ!!!」

そう言いながら2匹とも片足で這いながら逃げていく。
そうするとでぃが
「片足如きでピーピー言うなっ!!基地外がぁ!」
でぃはもう鬼の様な形相になり2匹のしぃの残った足を同時にもいだ。
「ハニャァッ!!!イタイヨウゥゥ!!」
「オナガイ!!!タスケテ!!!」

そんな声には目もくれず他の硬直していた3匹のしぃの足を全部潰した。
「シギャァァァァァ!!!アンヨガァァァ!!」

その時モナーが通りかかった。
「ハニャッ!?クソモナータスケテ!!!」
と助けを呼んだが
「お前はそう言って命乞いをしたでぃを助けたモナか?」
しぃは全員黙った。
そして一匹が「タスケテナイケドアンナソンザイカチゼロナンテタスケルヒツヨウナイヨ」
そうするとモナーが激怒し
「存在価値ゼロはお前だモナ!!」

そしてそう言ったしぃの手をもいだ。
「シィィ・・」
「今日は急いでるから快感の叫びを聞く暇なんてないモナ」
叫ぶ前に首に隠し持っていたナイフで刺してしまった。

「じゃあでぃちゃん後は勝手にやっとくモナ」
まるで友達の様な言い方で走り去っていった
「ハニャーン・・・オナガイ・・・タスケテ・・・・」
でぃは「うざい」
と言いながら3匹のしぃの両耳をもぎ、喋れなくするために舌を引っこ抜いた。
「ヒィィィ・・・ファ・・・フ・・・・フェ・・テ」

「言葉もうまく喋れないってでぃ以下だよね?(藁」
「フィィィィ・・・」
しぃ達は震えていた。

「そろそろあの2匹殺しますか。」
そう言いながら近くに有ったバイクに乗って両腕をもごうとしたしぃを轢き殺した。
「安心しなさい。すぐ楽になるわ・・・。」
そう言いながら残りの3匹のしぃを轢いた。
「アウウー?ナニヤッテタンダッケ?」
でぃはそう言ってまた道を歩いていた。

             終
やっぱり下手だなぁ(´Д⊂グスン

643 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/03/31(水) 20:49 [ CDXWX2T6 ]
   チビタン日記
      第1回思い出

春の光が差し込み、厳しかった寒さも消えようとしている。
木漏れ日が差し込み、公園の木の陰で寝ていたチビギコはゆっくり眼を開けた。
まだ眠たくて、眼をこすった。するともう昼だと気づき、チビギコは隣の兄弟を起こした。
「オキルデチ。モウオヒルデチ。ゴハンミツケニイカナキャイケナイデチヨ!ハヤクオキテ」
チビギコはベビギコの体をゆすった。しかし起きてきたのはちびしぃだった。
ちびしぃはその小柄で真っ白い体をゆすり、虚ろな眼でこっちを向いた。
「オハヨウゴザイマス。」
いつもの口調で挨拶をし、大きくあくびをしていた。眼にちょろっと浮かんだ涙が、反射してまぶしかった。
このチビギコたち兄弟には親が居ない。何故なら────
チビギコはめを瞑って思い出す。今でも夢に出てきているあの男を。
母親のしぃは少しわがままな所もあるが家事もちゃんとしていた。
そして父親のギコは気が強くて怖そうな面もあるが優しかった。俺はな実は飛行士になるのが夢だったんだ。
父親がよく言っていた言葉だ。そして二言目にはお前には夢を叶えてほしい。
と言った。そのときの父親の眼は、寂しくもあり、優しくもあった。
とにかくどこにでもあるような普通の一家。それなりに、いや、とても幸せだった。
でも悲劇は前触れも無く訪れた。ある天気のいい日、丁度今日のような日。家族で買い物に行った。
バーゲンらしく人でごったがいしていた。潰されちまうな父が苦笑いして言った。
やっと母親の買い物が終わって外へ出た。しかしその荷物は母親の手ではなく父親の手にあった。
「おい自分でもてやゴルァ」
父親は言うが母親はその声を打ち消すみたいに
「ダッテシィチャンソンナニチカラナイモン!」
と言った。父親が小さく
「よく言なぁあんな所でもの取り合ってたのによゴルァ」
と言っていた。チビギコにはそれがおかしくてつい笑ってしまった。
すると母親が振り返って
「ナニカイッタデショーギコクン!」
と言った。漫画風に言えば額あたりに怒りマークがついていた。
父ははぐらかす様に口笛を吹いた。するとモウ!といってため息をついた。
父は母に駆け寄り悪かったよ。といった。
何故かそれがチビギコにとってとても幸せに感じれた。
そのときだった。パン!という破裂音がして母の丁度こめかみ部分に赤黒い穴が開いて血が飛び出た。
今でも鮮明に思いだせる。グレーの脳漿に赤が混じった妙な物体。
父は荷物も放り出し、母に駆け寄った。
「おい!何寝てんだゴルァ!まだ怒っているのか?なぁじゃあ今度うまい店つれてってやるよ!
なぁ!なぁ。なぁなぁなぁああああああ!!!!」
父親の見たことも無い表情だった。すると自分の隣で歩いていたベビギコが泣き出した。
すると父の顔外ペンした。こっちに駆け寄りそっと口を開いた。いつものタバコのにおいがふっとした。
「誰かが来てる。いいか俺の構うなゴルァ。ベビを抱えて逃げろ。ちびしぃも任せた。守ってやれよ」
するとあの破裂音がして父親が苦しみだした。そしてチビギコは見てしまう。
あの男の顔を。モララー族だ。恐らく。そこからは覚えていない。今思い出せるのはあの悲鳴と銃声。
モララーのてに収まった黒い物体が火を噴いていること。舞い散った薬莢が美しいと不謹慎にも思ったこと。
そして赤色。それ以降チビギコは赤色が大嫌いになった。大嫌いな赤色。この世から無くなればいいのに。
そしてチビギコはもう会いたくないと思った。当たり前だ。あの腕っ節の強かった父を殺した相手だ。
きっと命乞いしてもあいつを喜ばせるだけだ。それだけは絶対に嫌だ。
しかし神は(まあいるとしたらの話だが)気まぐれである。このチビギコはまた会ってしまう。
あの男───モララーに。

644 名前: 投稿日: 2004/04/01(木) 02:44 [ zH0E3iK6 ]
「ハニャッ!ギコクンハドコ!?」
「コンナウスグライバショジャ ギコクンガドコニイルカワカラナイジャナイ!」
「しぃ美ちゃん、しぃ香ちゃん…。そんなに怒鳴ったら声が反響して…」

週末の楽しい楽しい晩餐会、今日のメニューはアフォ2匹に真1匹。
ギコやちびしぃ、柔らかいベッドにあま〜いお菓子 それをちょっと匂わせるだけで
獲物は何処でも確保できる。

「HAHAHA!ごめんよ、漏れ嘘をついたんだ」

後手で倉庫の鍵を閉めながら漏れは言う。
つーか、こんな人気の無い倉庫にギコが居ると思うか?普通。
真しぃは怪しんでたみたいだが、流石はアフォ。無理やり押し切って
来やがった。

「ナンテコトスルノヨギャクサツチュウ!バツトシテアマーイオカシヲシィチャンニモッテキナサイ!!」
「ソウヨソウヨ!バカナモララーハ カワイイシィチャンニホウシデキルダケアリガタイトオモイナサイ!」

アフォ二匹が喚いてやがる。

645 名前: 投稿日: 2004/04/01(木) 02:45 [ zH0E3iK6 ]
「あの…。お菓子も何もいらないので、取り合えず帰して頂けませんか?」
「HAHAHA!君は中々謙虚だNE!お詫びがしたいのでちょっと待って貰えるかNA?」
「ワタシニモヨコシナサイヨ!」
「勿論分かってるYO!」

漏れは奥に置いておいた一斗缶を持ってくると中身を見せる。

「ほぅら。この一斗缶一杯の砂糖をしぃちゃん達に差し上げるYO!」
「フン!ギャクサツチュウニシテハナカナカヤルジャナイ サッサトヨコシナサイヨ!」

漏れは手を一斗缶の中に突っ込むと、そっと引き出し…。
アフォしぃの顔にめり込ませてやった。

「プシィィィィィィィィィ!!!???」

軽々とふっとぶアフォしぃ。
そのまま後ろのドラム缶や一斗缶の山に突っ込む。ガッシャーン!と言う
心地良い効果音に加え「ァ… ァァ… ギャフッ!」と言う盛り上げる声。
あーぁ、落ちてきたドラム缶で骨でも折ったかな?ま、この程度じゃすまないけどね。

「さぁしぃちゃん!まだまだ砂糖は残ってるYO!」

腕が明後日の方を向いているしぃを、砂糖入りの缶の所まで引きずる。
そして、また砂糖をまぶしてパンチ!パンチ!パンチ!
勿論他の二匹の様子も随時気を配る。どうやら突然の出来事に反応が出来ないらしい。
これで安心して食前酒を楽しむ事が出来る。

646 名前: 投稿日: 2004/04/01(木) 02:46 [ zH0E3iK6 ]
パンチ、ドラム缶の山に激突。引きずってまたパンチ。
それを二十回程繰り返すと、しぃ香とか言うゴミ虫の手足は千切れかけ
頭からは脳漿がはみ出て文字通り雑巾虫になりやがった。

と、タイミング良くしぃ香とか言う残りのアフォしぃが鍵のかかった出口
、逃げ出そうともがいていやがる。

「フンッ!フンッ!ナンデアカナイノヨ!カワイイシィチャンガギャクサツサレチャウジャナイノ!」
「おっとっと、駄目だよ〜。友達を見捨て… ちゃ!」

言い終わると同時に、雑巾をブン投げる。勿論神AAである漏れが投げたのだから綺麗にHIT!

「えっと、しぃ美ちゃんだったっけ?君にもお詫びの品があるんだYO!
 ちゃんと受け取って貰わないと、漏れ悲しくなっちゃうYO!」

倒れこんだ糞虫にツカツカと歩み寄る。どうやら気絶してしまったらしいので、
軽く一発ブローをブチ込んでやる事にする。

「ギャフッ!ゲホッ!ゲホッ!グゲッ ゲー!」

うわ、こいつ戻しやがった…。

647 名前: 投稿日: 2004/04/01(木) 02:46 [ zH0E3iK6 ]
「おやおやしぃ美ちゃん。人の倉庫で戻すとはお行儀が悪いYO!」
「ゲ… グッ ワ、ワタシヨリアッチノコノホウガイイワヨ! アッチノコヲギャクサツシナサイヨ!」

前菜の分際で何をほざくのやら。珍しい真しぃだ、メインディッシュに取っておくのが基本だろ?

「しぃ美ちゃんも謙虚になったNE!感動した!しぃ美ちゃんには
 チャンスを差し上げるYO!」
「ハニャッ!? カエシテクレルノ!?」

漏れは問いに答えず、扉付近に用意しておいた刃物類を取り出し
床にブチ撒ける。

「ルールは簡単。今良く切れる刃物を沢山床にばら撒きました!
 かわいいしぃちゃんは、この刃物を使って漏れを倒せばOK!
 勿論このままだとしぃちゃんの分が悪いから、漏れはずっと
 後ろを向いてるYO!」

言いながら漏れは後ろを向き耳を澄ます。勿論ブチ撒ける際に
刃物は拾ってるけどね。
カチャ… カチャ…と言う音。多分刃物を選んでいるんだろう。
自由になる為。ここから逃げ出す為。憎い漏れを刺し殺す為。
暫しの沈黙の後、タッタッタと言う駆け出す音。流石アフォしぃ
予想通り盛大に足音を立てて来てくれた。

648 名前: 投稿日: 2004/04/01(木) 02:47 [ zH0E3iK6 ]
3メートル 2メートル 1メートル…
音で間隔を測る。そして距離が最大限に近づいた瞬間、漏れは横に
動き隠し持っていたナイフを振り上げる!

「シィィィィィ! シィノオテテガァァァァァァ!」

僅かな希望を打ち砕いて爽快感ゲット。更に、この後の爽快感ゲットの為の
布石が、予想外の成果をもたらしてくれた。
転がりながら倒れこむアフォしぃ、ワンテンポ遅れて床を跳ねる手。

「ざ〜んね〜ん。かわいいしぃちゃんは、チャンスを逃してしまったので
 罰ゲームです!」
「シィノ!シィノオテテガァァ!」
「人の話は聞けや、この低脳がぁ!」

激昂に任せ手を振り下ろす。糞虫の腹部にサクッと言う心地良い音と共に
吸い込まれるナイフ。

「シ ゲフッガッ!」
「罰ゲームは手足切り取り後に切り裂きゲームで〜す!しぃちゃんは、
 最後まで意識が持つかな!?」

649 名前: 投稿日: 2004/04/01(木) 02:47 [ zH0E3iK6 ]
サクッ サクッ脆いしぃ一族の体は、力を入れずとも心地良い音と共に、どんどん解体されて行く。
まずは、残った手。そして足、もう一方も。

「さ〜て、かわいいしぃちゃんは達磨さんになってしまいました!」

腹部、手足の付け根更には口から流れ出る血の量が多いのか、糞虫は
ヒューヒューと呼吸をするだけで、解体されている途中の叫び声は何処へいったのやら
反応が薄くなって来た。

「あれぇ?しぃちゃんは、そろそろ限界みたいだNE!じゃあ、最後だし甘い物を
一杯食べようか。」

漏れは手早く開腹すると、一斗缶の中に残っていた砂糖を一斗缶ごと内臓に叩きつける。

「グガガガガガガガァァァガァガァガガ」
「おやおや、最後に素敵な声を出してくれたね!お礼にとどめはささないでおくよ!」

漏れの声が聞こえたのかどうかは分からないが、血だらけの顔に絶望の色を宿した
瞳をボンヤリと浮き立たせる。
さぁメインディッシュの時間だ…。

650 名前: 投稿日: 2004/04/01(木) 02:48 [ zH0E3iK6 ]
「さ〜て、残りのしぃちゃんはどう料理された…」

サクッ

爽快感を与える音。ついさっきまで聞いていた音。
今は認識不可能、いや認めたくない音。

「お、おい… 神AAである漏れ」

言葉が何故かこれ以上でない。初めに熱さ、空白 そして激痛…。
後ろを振り返ると、包丁を両手で持ち座り込んでいる本物のしぃ。
カタカタと震える股間からは、自分のした行いに対する恐怖か
小便が流れ出ている。
命と言う炎を一気に燃焼させているからだろうか、神経が鋭敏になり
ありとあらゆる事を理解できる気がする。
あぁ、そうか。あれは恐怖じゃない、狂いやがったんだ。
目の前で(形上であれ)友達を虐殺されたんだ、まともな神経の奴
ならば狂って当然だろう。

そっか、メインディッシュに刺されたのか…。好物は後にと言う悪癖が
ここで裏目に出たらしいな…。

…刺された?
刺されたと言う事は、漏れは死ぬのか?だからこんなに痛いのか?
体が前のめりに倒れる
嫌だ痛いのは嫌だ死ぬのはもっと嫌だ死にたくない漏れはまだやりたい事が
無意識的にしぃの方に、這いずって行く
嫌だ嫌だ嫌だいやだいやだイヤダイヤダイヤダイヤダ!!

「…」

喉の奥から漏れる声にならない音。
シヌノカ?イヤダママンゴメンナサイシニタクナイモレハカミAA
立ち上がる狂ったしぃ
ナンダタスケテクレルノ?マッテゴメンナサイモウシマセンゴメンナサイゴメンナ

  終

651 名前: 1.序章・ある男の存在 投稿日: 2004/04/01(木) 19:59 [ S/DOy0DY ]
ここは、とある小学校の校舎。
子供が、大人への道を歩むための第一歩を踏み出す場所である。

教室から、明るい笑い声が漏れる。
そして教室の前には、一心に、その笑い声に耳を傾ける男の姿があった。

男はある組織に所属していた。世間はその組織を「愛護団体」と呼んだ。

男は争いが嫌いだった。そして逆に平和を何より望んだ。

それ故に、彼は子供が好きだった。
彼にとって、子供の無邪気な笑い声は、平和の象徴だった。

『…緊急!緊急!』

不意に、男の持つ無線機が叫んだ。

『侵入者が一人、正門から校舎内に侵入!
旧式のライフル銃を一挺所持!至急排除されたし…』

無線機はそう叫ぶと、ぶつりという音を最後に、再び沈黙した。

「(馬鹿なやつだ…たった一人で、この警備網を突破できるとでも思ったのか。)」

男はそう思うと、自分の持つアサルトライフルの銃把を、強く握りしめた。

男は、幼い頃からいじめに遭っていた。
それが、男の心に大きな爪痕を残した。

男には、昨今の「虐殺ブーム」に強く疑問の念を抱いていた。

『他人を傷つけて、どこが楽しいのだ。』

男には、ちびギコやしぃが目の前で、
もがき、苦しむのを見て笑う若者たちや、それを見て楽しむ大人たちの気持ちが、どうしても理解出来なかった。

だから、この組織に入った。
だから、この任務を選んだ。

「学校の護衛」という任務を───

652 名前: 2.序章・緊急事態発生 投稿日: 2004/04/01(木) 19:59 [ S/DOy0DY ]
それからしばらくの間、彼はそうして耳を傾けていた。
すると、再び無線機が叫びだした。しかし、今度は何か様子がおかしい。

「…き、緊急!緊急…!」

途切れ途切れに聞こえる男の声。

「し、至急…至急、応援を…屋上…要請…は…早く…」

声はだんだんと小さくなり、やがて聞こえなくなった。

「どういうことだ?」

男は慌てた。

「敵はたった一人のはずだ…それにたったライフル一挺で、俺たちと対等に戦えるわけが…」

考えれば考えるほど、男の頭の中には言いしれぬ不安と、困惑と焦りとがにじみ出てきた。

「何かあったのですか?」

ふとその時、男の耳に、聞き覚えのある若い女の声が届いた。
振り返ると、先ほどまで自分の後ろで授業をしていた女教師が、不安げな面持ちで立っている。

「いえ、何でもありません。」

これは男の気遣いだった。
いたずらに不安にさせても、仕方がないと思った。

「私はこれから少しの間、持ち場を離れますが、構わず授業を続けてください。」

「は、はい…」

女教師は男に丸め込まれ、心の片隅に拭い切れぬ不安を残したまま、再び教室へと消えていった。

男はそれを見届けると、足早に階段へと歩いていった。
男の背後では、まだ子供たちが無邪気な笑い声を上げていた。

男は知る由も無かった。
これが、男の聞く最後の笑い声になろうとは────

653 名前: 2.序章・約束 投稿日: 2004/04/01(木) 20:00 [ S/DOy0DY ]
俺は、階段を駆け上った。
ちょうど二階の踊り場に達した時だった。

「? 何の音だ?」

聞き慣れない音。
破裂音と爆音を足して二で割ったような、中途半端な音。

考えを巡らす。
すると俺の脳は、ある結論を導き出した。

「銃声?」

そう考えるのが自然だった。
俺たちは銃を持っているし、無線でも”侵入者はライフルを持っている”と言っていた。

しかし、銃声が聞こえるということは…

「もう、始まっているのか…」

俺は祈った。
少しでも多くの命を、救えるようにと。



三階の踊り場を抜け、屋上まであと僅かという時だった。

「こ、こっちだ…早く…早く来てくれ!」

突然、俺の目の前に、一人の男が現れた。
現れた男は、右肩の辺りを押さえ、苦痛に顔を歪めていた。

「どうした!一体、何があった!」

俺は、彼に尋ねた。

「う…撃たれた…」

現れた男の肩から、鮮血があふれ出る。

「! うぐっ…」

「だ、大丈夫か!しっかりしろ!」

俺は、必死で叫んだ。

「お、俺のことは…き、気にするな…早く…は、早く…行け…!」

現れた男も、必死で答えた。

「し、しかし…」

俺は戸惑った。

この男は、間違いなく死にかけている。
多分、俺がこのまま上に行ったら、この男は間違いなく死ぬだろう。

だが、俺が助けに行かなければ、上の奴らが危ない。

どちらを取っても、どちらかの命が危険にさらされる。

「俺は…大丈夫だ…とにかく…は、早く行くんだ…
上に…いる奴は…化け物…だ…俺たちが…倒せる…相手じゃ…ない…」

現れた男は、俺にこんなことを言ってきた。

恐らく、この人には判っているんだろう。

『自分の命は、もう助からない。』

きっと、そう判っているんだ。
だから、俺に行けと言っているんだ。
仲間の命を、少しでも多く救うために。

「急げ…いいか…奴を倒そうなんて…考えるな…
とにかく…に、逃げることだけを…考えるんだ…」

「…」

俺は一瞬、迷った。
だが次の瞬間、俺は心を決めていた。

「判った…行くよ。」

男の顔が、綻んだ。

「必ず戻ってくるから。だから…死ぬなよな。」

俺は、自分の目の前で死にかけている男の手を握りしめ、呼びかけた。

とても冷たい。氷みたいだ。それでも、必死に呼びかけた。

「…ああ。」

こうして、俺たちは約束を交わしたのだった。

永久に守られることのない、約束を。

654 名前: .序章・約束 投稿日: 2004/04/01(木) 20:02 [ S/DOy0DY ]
俺はさらに階段を上った。

何段もない階段。だが今の俺には永遠とも思える、長い道のりだった。

銃声がかなり近づいてきている。
しかし、叫び声が時々、風に混じって聞こえてくる。

それが気がかりだった。

「頼むから…」

生きていてくれ。

ギィ…

屋上へ続く扉は、とてつもなく重たかった。
長い年月のせいだろう。すっかり錆び付いているようだ。

俺は、扉に満身の力を込めた。
すると扉は鈍い、軋んだ音を響かせながら、ゆっくりと開いた。

「よし!開いた!……ん?」

ふと、俺は自分の足下に、何かが触れたのを感じた。

俺は自分の足下を見た。

「!?」

タチの悪い冗談みたいな光景が、そこにはあった。

俺の足に触れたのは、深紅の液体。

真新しい血液、だった。
屋上の扉が開いた、その僅かな隙間から入り込んできたのだ。

「まさか…」

俺は屋上に足を踏み入れた。
その途端、強烈な鉄の匂いが、俺の鼻を突いた。

「!!」

そこにあったのは、まさに地獄絵図と呼ぶに相応しい光景だった。

屋上の床は、血で赤く染まっていた。歩くと、ぱしゃりと水音がする。
辺りには、無造作に屍の山が築かれている。応戦したらしく、銃を握りしめたままの者が多い。

見ると、俺を睨みつけるかのように、胸にぽっかりと銃創が開いていた。

「うっ…」

俺は、強烈な吐き気を覚えた。

「…ひどい…」

一体、何が起きたんだ。

ドンッ!

「ぐあぁー!」

「!!」

銃声が轟く。
そして、悲鳴。

俺は驚き、辺りを見回した。
すると、自分の直ぐ前で、男が一人、ゆっくりと倒れていくのが見えた。

その光景がまるでスローモーションのように見えた。

「おい、大丈夫か!?」

俺は倒れた男の方に駆け寄った。

「しっかりしろ!」

「う、うあ、あぁ…」

俺は大声で呼びかけた。

だが、それも直ぐに無駄だと判った。
倒れた男は、肋骨の狭間を見事に撃ち抜かれていた。

即死、だった。

「くそっ!ダメか…」

俺は、自分の内側で湧き上がる何かに任せて、その握り拳で床を殴りつけた。

「畜生っ…!」

バシャッと水音がして、俺の顔に、なま暖かい血が降りかかってきた。

俺は人を救うために、この組織に入ったんだ。
それなのに今、俺の目の前で人が死んだ。

俺は、人を救えないのか?
俺なんかには無理だって言うのか?

655 名前: 題名狂いまくり…前のは4.序章・憎しみの銃弾ということで 投稿日: 2004/04/01(木) 20:05 [ S/DOy0DY ]
俺は泣いた。
無力な自分が腹立たしかった。

その時だった。

「うひゃー…すげーな、こりゃ。」

「!」

誰かの声。
それも、かなり近くで。

「地獄絵図っていうのは、こういうのを言うのかもな…」

俺は袖で涙を拭うと、声のした方を振り返った。

そこに、男が一人立っていた。

西部劇を連想させる、膝まで伸びた茶色の皮コートを羽織った男。
隙間からのぞくベルトには、無線機のようなものが括られている。

体格は、コートの上からではあまり判別できないが、
少なくとも俺たちのように、鍛え抜いたとかいう体つきではない。むしろ、貧弱そうな感じがする。

顔は横顔しか見えないが、それを見る限り歳はだいぶ若い。
二十代前半…いや、ひょっとしたら十代後半あたりかもしれない。

「!」

男がこっちを向いた。
一瞬ヒヤッとしたが、幸いなことに俺は死体の陰に隠れていたため、男は俺の存在には気が付かなかったようだ。

だが次の瞬間、俺は別の意味で驚嘆した。

男は、右手に銃を持っていたのだ。
さっきは男の体で隠れていたので、判らなかったが。

ライフル銃。
それも、俺たちが持っているような、オートマチックのものではない。
戦争映画でしか見たことがないような、とても古いタイプのライフルだ。


…ん?
待てよ…ライフル銃?

「そう言えば、確か無線で…」

”侵入者は旧式のライフル銃を所持”と言っていた…

ということは…

「あいつが…侵入者!」

俺の心臓は高鳴った。

「あいつが…みんなを…
…みんなを…殺した…!」

許せない!

俺はいつの間にか銃を構えていた。
照準を”侵入者”に合わせる。
自分でも驚くほど冷静に、そして的確な動作だ。少しの無駄もない。

”侵入者”は、先程から無線機で誰かと話している。
俺にとっては好都合だ。周りへの注意力が散漫になる。



何分経ったろうか。おそらく一分も経っていないだろう。
だが俺には、もう十分以上この姿勢のままでいたかのように感じられる。

俺は息を潜めて、ショットチャンスを狙っていた。
思えば、俺は訓練以外で銃を撃ったことがない。
ましてや、生きた人間など撃ったこともない。
俺が撃った事があるのは、同心円が描かれた薄っぺらい木の板だけだ。

それなのに、どういうわけか俺はいたって冷静だ。
銃を構えた腕は、震え一つ起こしていない。照準も”侵入者”の頭に釘付けだ。

そういえば昔、何かの本で読んだことがある。

プロの野球選手はバッターボックスに入り、神経を研ぎ澄ませると、なぜかボールの動きがゆっくりに見えるという…

その原理は、確か人間は極限まで集中すると、
何とかという脳内ホルモンがたくさん出て、それによって脳の動きが活性化されるため…

とか、そういうことだった。

なるほど。
ということは、今の俺は極限まで集中しているということだ。

「凄い…」

この力を使えば、奴の脳天に軽く風穴を開けることができる!



そう思った矢先だった。

ついに”侵入者”が、俺に背を向けた。今だ!チャンスは今しかない。

「思い知れっ!」

俺はありったけの憎しみを、弾丸に込めた。

そして、引き金を───

ドンッ!



俺が引き金に指をかけた、まさにその瞬間の出来事だった。

銃声が聞こえた。それが最後だった。
俺の視界は閉ざされた。声も出ない。指一本動かせない。

体が、宙に浮いているようだった。

だんだんと意識がブラックアウトしていくのが判る。

これは、俺が人殺しをしようとした報いなのだろうか。

それとも…

ああ…

…約束…守れそうもないな…

あいつ…生きてるかな…死んでるか…

…あんな傷じゃあ…到底…生きて…られな…

…会え…かな…あの世…で…

……………

………



656 名前: 5.序章・敬礼と別れ 投稿日: 2004/04/01(木) 20:06 [ S/DOy0DY ]
「ど…どうした!?」

無線機から、慌てふためくモナールの声が聞こえる。

まあ、いきなり大音量で銃声がしたら、普通慌てるよな…

「大丈夫か!?おい!応答しろ!」

「そんなにでかい声を出さなくても、聞こえてるよ。」

本気で慌ててやがる。
こいつの欠点は、何事にも、すぐ熱くなるってことだ。
だがそれは同時に、こいつの良いところでもある。

「あー、よかった…。死んだかと思ったぜ。」

「おいおい、俺がそう簡単に死ぬと思うか?」

「思わない。」

…即答しやがった。
たぶん、0.1秒以下で。

「まあいいや。ところで、そっちはもう片づいたんだな?」

いきなり真面目になりやがる。

「ああ。おそらく、警備員の連中は一掃したと考えていいだろうな。」

「OK。それじゃあ、次は三階のちびギコ共を一掃してくれ。」

「三階?」

俺は聞き直した。
もちろん聞こえなかったわけじゃない。
ただ、「三階」ということを確認したかったからだ。

「ああ。俺は一階の方をやるからさ。ギコードは三階を…」

「ちょっと待て。」

俺はモナールの声を遮った。

「え?」

「俺が三階で、モナールが一階だろ?じゃあ二階は誰がやるんだよ?」

「ああ、二階?二階はね、先輩がやるって。」

「えぇ!?」

俺は耳を疑った。

「ウソだろ?だって先輩、『今日は仕事があるから』とか言って…」

「いや、さっき無線で先輩から連絡があったんだけど…聞こえなかった?」

「え…」

そういえばさっき、無線機から何か聞こえてたような気がする。
あの時は銃声がうるさくて、よく聞こえなかったけど…

「全く、薄情な香具師だな。」

「げっ…」

こ、この声は…

「何だよ、ギコード。今の『げっ』っていうのは。そんなに私が嫌い?」

「い、いえいえいえいえ!そんな、滅相もない!」

…このケーハクな口調…

間違いない。先輩だ。

「ふーん。まあいいや。
というわけで、私二階の方やるから。あとはよろしく。」

「ちょ、ちょっと待って下さい!」

「何。」

”何。”じゃないだろう…

「なんで先輩がここにいるんですか?確か、今日は仕事が入ってるって…」

「ああ、それ?何かさー、仕事が意外に早く片づいちゃったんだよ。
で、今日お前等仕事で居ないから、俺一人でヒマなわけよ。」

「…それで?」

「それで、来ちゃったんだよ。暇つぶしにさー。どうよ?仕事、捗ってる?」

「え、ええ。まあ…」

何なんだよ、この人…

「まあ、そういうわけで。じゃあ、頑張ってねー。
私は二階に居るから。会いたくなったら、来てもいいよ?」

「…別に、会いたくないです。」

「ハハハ、何だよ、つれないなー。」

…急にこの人の先輩であることが嫌になってきた。

「じゃあ、俺はこれから仕事があるんで、また後で。」

「はーい、じゃあ頑張ってねー。」

その一言を最後に、無線機からはノイズだけしか聞こえなくなった。

「ふぅ…」

俺は無線機を、再びベルトに結びつけた。

「さて、と」

そして右手には、我が相棒を。



思えば、この相棒とはもう十年以上の付き合いになる。
何回改造したっけか。もう数え切れないな。

…こいつは俺の唯一の相棒だ。

体の一部と言ってもいい。

「行くぞ。」

俺は相棒に声を掛けた。
地獄絵図の中で銃に話しかける男…

考えてみると、かなりシュールな光景だ。

657 名前: M・T 投稿日: 2004/04/01(木) 20:07 [ S/DOy0DY ]
俺の名前はギコード。

ギコード=フュズィー。

職業は…”何でも屋”だ。

”何でも屋”とは、文字通り”何でも”こなすのが仕事。

殺しは日常茶飯事。虐殺なんてなんのその、だ。

最近は、”駆除”の依頼がかなり増えてきている。
やはりこの世の中、どこに行っても”害獣”は悩みの種のようだ。

さて。

今回の依頼も、ズバリ”駆除”。
この校舎に蔓延る”害獣”どもの駆除が主な依頼内容。

事前の調査で、判ったことは二つ。

一つ目に、この校舎が三階建ての屋上つきで、校舎から出るには正面玄関を使うしかないということ。
そして、二つ目。この校舎は愛護団体の連中が警備しているということ。

で、俺たちの作戦はこう。

まず、俺が警備の奴らを屋上に引きつける&一掃する。
武装した連中にウロチョロされたんじゃ、いくら何でも仕事にならないからな。

そして、俺が警備を引きつけている間に、モナールが正面玄関を塞ぐ。

その後は、二手に分かれてちびギコ狩り…といった感じだ。

「しかし、まさか先輩が来るとは…」

まあ、これはこれで人手が増えたのだから、嬉しい誤算か。

658 名前: M・T 投稿日: 2004/04/01(木) 20:08 [ S/DOy0DY ]
「…ん?」

そんなことを考えながら、
地獄絵図と化した屋上を歩いていると、一つの死体が、俺の目に留まった。

別に死体が気になった訳ではない。現に死体なら、そこら中に山積みになっている。

「こいつか…」

俺が気になったのは、この死体が生きていた頃の、射撃の腕。

さっきは、正直言ってかなりビビった。
何しろ、銃を構えた奴が、俺を睨みつけて、今にも俺を撃とうとしている。

そんな光景が、突然に俺の視界に入ってきたのだから。

「アレはやばかったな、結構…」

幸いにも、こいつが俺を撃つのより、
僅かに俺が気づくのが早かったお陰で、こいつが俺を撃つ前に、引き金を引くことが出来たが。

「いい腕してるぜ、お前。」

何しろ、こいつの銃口は間違いなく俺の脳天を狙っていた。

それに何よりこいつの、あの目つき。
あんな目つきは、並大抵の集中力ではできない。

明らかに、プロの目つきだった。

「お前が生きてたら、俺の後輩にしたかったよ。」

本気でそう思った。嘘は言っていない。

それから俺は、こいつの見開いたままの目を、瞼でそっと閉じてやった。

偶然というものは、かくも恐ろしいものだ。
人の命を、こんなにもあっさりと奪ってしまうのだから。

「あばよ。」

俺はこいつに敬礼した。
敬礼…もう何年もとったことの無いポーズだ。



その後、俺はゆっくりと校舎の中に入っていった。

一人の天才との、別れを惜しみながら。



第一話 序章 〜終〜

659 名前: でぃが・・・ 投稿日: 2004/04/02(金) 18:00 [ 97wkZoHQ ]
今日もまたマターリだのダッコだのUZEEEEEEEEEEEEEEEEE!しぃがそこら辺を
うろちょろしている。
私の姿を見つけたようだ

660 名前: 新人 投稿日: 2004/04/03(土) 01:20 [ Gn0yglxE ]
>>542の続きです。
             〜闇に潜むモノ〜
「シィィィィッ!!!」
ゴム弾の直撃を受けたしぃは断末魔の叫びをあげるとそのまま動き
を止めた。
傷口からは生々しい肉が露出し、そこからは血が流れ出ている。
「う・・・うわぁ・・・。」
タカラギコはその傷口を思わず直視してしまったため、胃酸が喉を
逆流してくる感覚に襲われた。
「オ・・・オカアタン・・・カアタン・・・・。」
微かに聞こえる声が彼の耳に入った。
先程、しぃに張り倒された子供が、自分の母親を呼んでいるのだ。
タカラギコはその子の側へと駆け寄った。
「し、しっかりするんだ!!いますぐ病院へ連れていくから!!」
「マンマ・・・マンマ・・・オイチィデチュ・・・・。オカア・・・・」
それが最後の言葉だった。
「う・・・。そ、そんな・・・。し、死んだ・・・?」
フーンが背後から話しかける。
「らしいな。」
「うわあああああああっ!!!ど、どうして!こんな事が・・・。
 こんな事・・・あって・・・あってはならないのにぃ!!」
タカラギコは目の前で死ぬという現実を始めて直視したのだ。
警官という職につきながら、助ける事ができなかったという現実。
それが彼の胸を突き刺していた。
「おい、いつまでそうしてる。薄汚い死体なんぞ抱いてたら雑菌が
 移るぞ。」
フーンの態度にタカラギコの怒りは頂点に達した。

661 名前: 新人 投稿日: 2004/04/03(土) 01:21 [ Gn0yglxE ]
「どうしてそんな風に冷静でいられるんだ!!アンタって奴は!!
 死んだんだぞ!!こんな小さな子供が・・・可哀想だとか思わな
 いのかよっ!!」
「・・・・・・しぃ族として生を受けたものは仕方が無い。」
「命ってのはそうじゃないだろう!!みんな平等なんだよッ!!」
タカラギコの表情からは笑顔は消え失せ、怒りで顔面が紅潮してい
た。
「じゃあ聞くがな。命ってのはこの俺達が住んでる星より重いって
 いうのか?」
「あ・・・あたりまえだろっ!!」
フーンはポケットから煙草を取り出すとそれに火をつけて吸い始め
た。そして、タカラギコを値踏みするような視線で語り始めた。
「それだとな、おかしいんだよ。それじゃあ命一つにつきこの星が
 一つずつ必要になっちまう。」
「あ・・・・。」
「それは現実では不可能だ。願いってやつかな・・・。」
あきらめにも似たフーンの表情は寂寥感漂う寂しげなものへと変わ
っていた。
と、車内から無線機の呼び出し音が鳴り響く。
フーンは煙草を道端へ捨てるとドアを開け放ち、無線機の受信機を
手にとった。
「どうした・・・?ああ・・・俺だ。・・・そうか。わかった!」
「何かあったんですか?」
「第2の被害者だ。現場に急行するぞ。」

662 名前: 新人 投稿日: 2004/04/03(土) 01:22 [ Gn0yglxE ]
車を飛ばし、現場へと到着した頃には街の様子は夜の顔を覗かせて
いた。
現場付近で交通整理をしている警官の指示に従い、車を停車させる
と二人は早足で現場へと向かった。
「状況は?モナー?」
フーンは刑事の一人に声をかけた。
「もうそろそろ日もくれるから、詳しい調べは明日の朝一番で鑑識
 が行う事になったモナ。」
「そうか・・・。被害者は?」
モナーが面倒臭そうに答える。
「また野良しぃモナ。」
「本当ですか?」
タカラギコが二人の会話に割って入ってくる。
「死体はあそこモナ。」
そういってモナーは死体のある位置を指で示す。
しぃの死体は最初に見た死体と同様に全身を打撲された形跡が見ら
れた。左腕は付け根から引き千切られ、白い体毛は鮮血で赤く染ま
っている。
「今度は腕か・・・。」
死体を見つめていたフーンは呟いた。
「いったい犯人は何を考えているんでしょうか。」
タカラギコが死体から目を背けながら話す。
「犯人に聞けばいいだけのことだ。モナー、周辺の聞き込みは?」
「終わってるモナ。でも、野良しぃなんかに関わりたくない連中ば
 かりでろくな証言が得られなかったモナ。」
「だろうな。」
二人の会話を聞きながらタカラギコはしぃの死体の方へとゆっくり
と視線を移した。
見開かれた瞳が、自分に対して何かを問い掛けてくるような、そん
な気がした。
すぐに背を向けたくなる気持ちを抑えながらも死体へと2、3歩近
づいていく。
「ん?」
タカラギコは、死体の口にあるなにかに気付いた。

663 名前: 新人 投稿日: 2004/04/03(土) 01:22 [ Gn0yglxE ]
「今日はもういいぞ。初日から大変だったろ。」
フーンが振り向き様に話しかけると、そこにはタカラギコが死体の
口に手を入れている姿が目に飛び込んできた。
周りの警官は白い目で見ている。
「なにやってるんだ。」
タカラギコはフーンの質問に背を向けたまま答えた。
「何か・・・口に何かが・・・あっ!」
血の入り混じった唾液が絡みついたその何かが死体の口から彼の手
によって取り出された。
「なんだそれは。」
「べとべとしてて・・・気持ち悪いです。うえっ。」
フーンがよく見るとそれは紙をぐしゃっと丸めた物体である事がわ
かった。
「広げてみろ。」
フーンの指示に従い、タカラギコはそれを広げはじめた。
「はい・・・うえっ。」
ぐしゃぐしゃに丸くなった紙を破れないようにゆっくりとシワを伸
ばしていくとそこには汚い文字で
『しぃちゃんマターリクラブ 会員募集中』
と書かれていた。
「マターリクラブ?バーみたいなところでしょうか?」
「糞虫のクラブなんざ反吐が出る。だが、よくやった。なにかの手
 がかりになることは間違い無い。」
また糞虫か・・・。
と、タカラギコは心の中で毒づいていた。
フーンさんだけじゃなく、街の住人全員がしぃという存在をまるで
害虫のように扱っている。
事件として扱いたくない・・・。
何故なんだろう。警官としての仕事を全うしようとする気が無いん
じゃないだろうか・・・。
家に帰りつくまでの間、ずっとその疑念が彼の頭の中にこびりつい
ていた。
〜続く〜

664 名前: でぃが・・・ 投稿日: 2004/04/03(土) 07:54 [ 8sWg2X3Y ]
>>559の続き

「ハニャーン、キタナイディダヨ!」

「アボーンシナクチャ!」

まったくアフォな害獣どもである

私はまず一人目のしぃの耳をもいだ

「ハニャーン、ディノクセニカワイイシィチャンニナニスルノヨォ!」

アフォだ・・・「はぁ?あんたのどこがかわいいと言えるの〜?小一時間(略

665 名前: でぃが・・・ 投稿日: 2004/04/03(土) 08:07 [ 8sWg2X3Y ]
「ディノクセニ!」

「しぃの分際で、でぃちゃんを虐殺しようとしたのは誰かなぁ〜?」

そう言うと私は虐殺棍棒HZ改でしぃの頭を強打した

「シィィィ!hfjヴンヂhvンヅグvヌイsyxセvgsンシイvネsンヴェイ7wrcyw」

これだから楽しい、残った二人も逃げようとしている

「逃がすかぁぁぁぁ!」

そう言って私はサイコガンをぶっ放した

「死ぃ〜チャソ、アボーンhttpレーザー、ダッコウビハニャハニャhニャ」

とてつもない発狂だ

「タ、タスケテ・・・」

「よし助けてやろう、ただしでぃという姿にしてなぁ!」

666 名前: でぃが・・・ 投稿日: 2004/04/03(土) 08:11 [ 8sWg2X3Y ]
「シィィィ、・・・アウアウ」

・・・・私はしぃを頃すことをためらわない、なぜなら産まれたときからでぃだったから

またヴァカが三人やってくる、・・・頃そう・・・・

糸冬

667 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/04/03(土) 08:37 [ UASGtQrU ]
>>634続き

16、狂気の問答

 食堂に二人の影が対峙している。
 犯人と名探偵。

 通常の推理小説ではそういう構図であろう。

 だが、現実はそう格好のいいものではない。
 「もう十分だろ?やめよう?」
 影の一つが語り掛ける。

 血塗れの刃を持った影は答える。
 「・・・全然・・・・・足りねえよ」
 表情は読み取れないがどうやら笑っているようだ。
 「ちびしぃを殺した時にやめておくつもりだったよ」
 血で濡れた刃を舐めながら犯人は笑った。
 「けどよ・・・やめらんねぇんだよ。この味を知っちまったらよ。」

 もう一つの影はため息をつく。
 「僕がバカだったよ。まさか本当に仲間内に犯人がいたなんて。
  扉を開ける時にもう少し疑ってかかるべきだったよ。」

 犯人と目される影は言う
 「・・・始めは下の糞虫共を片付けるだけの予定だった。
  ヤツらを虐殺して鍵をお前の部屋に返しておけば、
  明日の朝合鍵を持ってるお前が最初に疑われるに決まってたからな。」

 稲光が鳴り、対峙する二人の顔を照らし出した。
 影の一つ、モララーは悲しげに言った。
 「チビギコ君の声真似がうまかったのもうなずけるよ。多少の違いはあれど
  同じ種族だからね。」
 モララーはここで言葉を一旦切り、唾を呑みこみ切り出した。
 「君の部屋にあった死体。最初君かと思ったけどあれはしぃちゃんの死体だね?
  あれだけぐちゃぐちゃになって、しかも廊下にも部屋にも電気がついてなかったら
  君の死体かしぃちゃんの死体か、見分けなんてつかないよ。ギコ。」

 稲光が、瞳に狂気の色を宿した殺戮者の顔を照らし出した。
 「・・・・トイレは狭いからな、自分の部屋ならゆっくり楽しめる。と思ったんだゴルァ。」

668 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/04/03(土) 08:38 [ UASGtQrU ]
続き

 モララーは何時でも食堂の外へ逃げ出せるようなポジションをキープして
 ギコと話していた。
 「なぜ、チビしぃちゃんを殺した?君は虐殺なんて1度もした事無かったじゃないか!」
 ギコは薄ら笑いを浮かべながら答える。
 「あぁ。俺も虐殺なんて興味なかったよゴルァ。けどな、仕方なかったんだよ。
  殺人の罪から逃れるためになぁ。」

 モララーは理解できない表情で、尋ねた。
 「何を言ってるんだい?
  最初からちびしぃちゃんを虐殺しなければいいだけの話じゃないか!?」
 ヤレヤレと大げさに両手を振ってギコは答えた。
 「やっぱ分からねぇか。まぁ、偶然の事だからしょうがねぇよなぁ。」

 ギコの告白が続く。
 「順番だよゴルァ。順番。」
 モナーの死体を足で蹴ったり踏んだりしながらギコは喋りつづける。
 その行為には友だったAAへの思いやりは全く感じられない。
 「最初に俺が殺っちまったのは、ニダーだったんだよゴルァ。」

 モララーは目を見開いた、そしてようやくこの夜の出来事の全貌が
 呑みこめてきた。

669 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/04/03(土) 08:39 [ UASGtQrU ]
>>668続き

17、遅すぎた真相

 「昨夜、風呂をでた君はニダーの部屋に行きそこで口論となった。
  詳細は分からないがとにかくニダーは君に殺された。
  そして、君は罪を逃れるため僕をスケープゴートにしようと企んだんだ。
  そこでちびしぃちゃんを殺した。

  恐怖に駆られた僕達は鍵を閉めて部屋に閉じこもった。
  君はチビギコ君の声真似をして僕に扉を開けさせた。
  扉を開けた僕はその瞬間殴られ意識を失った。
  君は合鍵を手に入れ、その後の凶行に及んだ。」

 ギコは笑っている。
 すでにその顔はギコではなく死んだ魚のような濁った目つきをしてモララーを
 眺めていた。

 「ついカッとなって灰皿でガツンとやっちまったんだゴルァ。
  逮捕はされたくねぇから、お前に罪を着せることを思いついてよ。
  まず、ちびしぃを殺したんだゴルァ。
  それから2,30分ほどたって、ニダーを殴った灰皿に、
  俺の指紋が残ってたのを思い出してな。
  何たってあの時は動転してたからな。
  とにかく又アイツの部屋に忍びこんだんだよ。そしたら。」

 ニダーは生きていた。
 ギコが再びニダーの部屋に入った時、彼は丁度息を吹き返して起きあがりかけていた。
 モララーはそこでまた、解せない顔をして言った。

 「それならニダー君に謝ればよかったじゃないか?ちびしぃちゃんを殺しただけなら
  罪に問われないはずだよ!?」

 そう、被虐生物をいくら虐殺しても罪には問われない。
 だが、ギコはその疑問を一笑に付した。
 「分かってるよ、んな事は。だけどモララー、この俺を見て分かるだろ?」

 ギコはモナーの腹を荒々しく踏み潰しながら叫んでいた。
 「肉の裂ける感触、血の匂い、内臓をぶちまける快感!!
  俺はチビしぃを殺した時から、虐殺の虜になっちまったんだよ!」

 そこまで捲し立てるとギコはその体を動かしモララーに近づいていった。
 モララーは反射的に玄関へ向って走り出した。

 玄関まで来たモララーは扉を開き、土砂降りの雨の中に飛び出した。
 門の前まできたモララーは1度振りかえった。

 玄関先でギコがモララーを濁った瞳で見つめていたが、
 やがて扉を閉めて中へ入っていった。
 「忘れられねぇんだよゴルァ・・・」
 濁った目はそう語りかけていた

670 名前: モララー邸の怪事件 投稿日: 2004/04/03(土) 08:41 [ UASGtQrU ]
>>669続き

18、"虐殺者"

 この土砂降りにはさしもの"虐殺者"も参った。
 自分の車が置いてある場所もわからず森の中を懐中電灯と虐殺棍棒一本で
 さ迷っていた。

 加えて彼は苛立っていた。
 「しぃの野郎。漏れの話を最後まで聞けって言うんだYO!浮気してた女
  とは別かれるって言おうとしたのに、何も聞かずに飛び出しやがって。」
 苛立ちを紛らわすためにふもとの街からチビギコ達を追いこみ、
 一人で虐殺ショーを楽しんでいたのだが・・・・

 彼はやっとのことで道らしき場所へ出た。
 タイヤの後が水溜りになっている。
 「この後を辿っていけば、民家に着くだろ。多分。」

 その時、前方から一人のモララーが走ってきた。
 「!!!」
 しかし、呼びとめるまもなく"虐殺者"の横を走り去っていった。
 「ちっ!何だっつんだ!!でも、AAがいるってことは民家も近いって事だよな。」

 彼の予想は間違っていなかった。
 そこから数分ほど進むと道は巨大な館へと抜けた。

 風にのってチビギコの悲鳴が聞こえる。
 「おいおい。昼間ちょっと殺りすぎちゃったかNA?幻聴が聞こえるし。」


 呑気者の"虐殺者"はその悲鳴が、昼間自分が逃がしてしまったちびギコのものだとは
 思いも寄らずに、意気揚々と玄関へ向って走り出した。


    了

671 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/03(土) 16:31 [ FNuLHoIU ]
>>617続き

「着きましたよ」

モナー四郎(以下モナー)が言う。

モナーの研究所は、ひどく殺風景で、まるで半世紀前に作られたかのような古びた外見をしていた。
端から見たら廃墟とも思えるくらいだ。

こんなところで本当に研究をしているんだろうか? 
そんな気持ちでモナーに問いかける。

「ア アノ・・・・ココハホントウニ ナニカノケンキュウジョナンデスカ?」

「こっちですよ。早く来て下さい。」

しぃの言葉などまるで耳に入っていないという感じで、モナーは中に入っていく。
質問をはぐらかされてしまったが、引き返すわけにもいかない。
仕方がないのでしぃもついていった。

中に入り、螺旋階段を下りると、頑丈そうな鉄の扉が現れた。

「まず一つ・・・・」

モナーはカギを外し、扉を開ける。

そこからもまた螺旋階段。 延々と降りていく。
しばらく下りると、また扉があった。
しかし今度の扉は何かが書かれていた。
扉に書かれているのは、ガイコツ。しかも、目の部分などが怪しく、赤く光っている。

ほんとに大丈夫なの? しぃ、殺されちゃうんじゃ・・・・

「何を怯えているんです? 言ったでしょう?
「あなたが死んだりすることは絶対にない」・・・と。
 あなたは何も心配する必要はないんですよ。」

扉を開けながら、モナーがけだるそうに答えた。

がちゃん

・・・・・・・・・・・扉が開いた。

その部屋は、10メートル四方くらいの大きさで
大体高さ3メートルおきに3つ、橋のようなものが架かっていた。
そして、部屋の中には箱が大量に積まれていた。
                続く

672 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/03(土) 17:11 [ FNuLHoIU ]
>>671続き

「ナ ナニヲスルノ・・・・?」

「何回も言っているでしょう。あなたの体の、危険無しの強化改造ですよ。
 ・・・・・・もし私のことが信用できないなら、帰っていただいても結構ですが・・・?」

「ハ ハニャア!! トンデモナイ!! ハヤクハジメテクダサイ!!」

「分かりました。ではまず、これを飲んでください。」

モナーはそう言って、赤い液体の入った瓶を持ってきた。

「ナンデスカ? コレハ・・・?」

「これは、あなたの体を巨大化させる薬です。
 あなたの体を改造するに当たって、まず最初にやらなきゃいけないのは、体の巨大化です。
 その体ではあまりにも小さくて、私の思い描いているとおりになりませんからね。」
 
「ドレクライオオキクナルノ・・・?」

「例えてみれば、あなたが恐竜でモララーが人間 と同じくらいの差になります。」

「スゴイ!! ソンナニオオキクナッタラ モララーナンカ メジャナイワ!! ハヤクノマセテ!!」

「はいどうぞ。
 ・・・・・あと、その薬を飲んで体が巨大化するに連れて、ひどく空腹になると思います。
 そうなったら、そこに積んである箱の中にしぃフードが入っていますから、食べてください。」

「ゴクゴクゴク・・・・・ ハイ ワカリマシタ!!」

「その薬で巨大化が終わるには、3日くらいかかります。
 私は上にいますので、何かあったらそこのボタンを押して呼んで下さい。
 では、3日後をお楽しみに・・・・。」

モナーはそう言って、出ていった。

・・・・・・・・・やっぱり、このモナーについてきて正解だった。
本当に、しぃは強くなれるんだ。
もし改造が終わったら、今まで散々しぃを虐めてきたモララー達を叩きのめして
その後で虐殺厨をみーんな殺して、
それから・・・・きゅるるるるる

お腹が減ってきた。
そういえば、これを飲むとお腹が減るからしぃフードを食べなさい って言ってたな・・・・。

しぃは、箱を開けるとしぃフードにむしゃぶりついた。
いくら食べても空腹感はまったく無くならないから、次々に食べる。
それにつれ、体もどんどん大きくなっていった。


モニターを覗きながら、モナーは笑っていた。
「まずは成功だな。順調に巨大化はしているようだ。
 次は3日後か・・・・。」
                 続く

673 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/03(土) 18:53 [ FNuLHoIU ]
>>672続き

「ハニャーン!! スゴーイ!! シィ コンナニオオキクナッタンダ!!」

立てば天井に頭が着くほど、しぃの体は巨大化していた。

「モナーサーン!! ハヤクキテー!! シィ ハヤクモララーヲコロシタイヨー!!」

しぃが叫ぶと、その衝撃のためか。しぃフードの空箱が次々と吹き飛ぶ。

「ハヤクー!! ハヤクー!!」

「そんなに叫ばなくても、聞こえてますよ・・・・。」

見ると、モナーがしぃの足下に立っていた。
満足そうな笑みを浮かべて。

「巨大化は成功したようですね。いや、素晴らしい!」

「モウカイゾウオワッタンデショ? ハヤクココカラダシテヨー!!」

「何をおっしゃいます。 まだ第一段階が終わっただけです。
 まだまだこれからですよ。」

「エ」

「私はこう約束したはずです。
 あなたを「隠しボス」にすると ね。
 ですから、巨大化だけではまだ不十分なんですよ。」

「コレイジョウナニヲスルノ・・・・?」

「じゃあ、第二段階に移ります。まずは・・・・・」

モナーがリモコンを操作すると、巨大な鎖つきのフックが数本下りてきた。
それらは一旦しぃの腹の辺りまで下がると、一気に巻き上がって
しぃの肩や胸や腕に引っかかり、そして引っかかった部分を差し貫いた。

「ッシィィィィィィィ!!??」

空気がビリビリと震える。
続く

674 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/03(土) 19:07 [ FNuLHoIU ]
>>673続き

「やれやれ、体が大きくなっても痛みが少なくなるわけじゃないからなぁ
 しぃ族なら叫ぶのは仕方がないか。」

モナーが言った。
よく見ると、いつの間にか耳栓をしている。

「ド、ドウイウコトナノォ!? コレェ!!」

「改造の第二段階ですよ。
 そのフックは、あなたの体を支えるためのものです。
 それがないと、この後困るんですよ。」

「ナ、ナニヲスルノヨォォ!!??」

「おや、知りたいんですか。なら教えてあげますよ。
 まず、あなたの右腕を切り落とします。
 その次に、今度はあなたの下半身を切り落とすんです。」

「エェェッ!!?? ナ、ナンデ?
 シィ、コノママデジュウブンダヨゥ!!」

「何回言わせるんですか? 私はあなたを・・・・」

「ワカッテルヨゥ!! 
ナンデ、シィヲカイゾウスルノニ、オテテヤアンヨヲキルノォ!?」

「説明の必要がありますか? ・・・・まぁいいでしょう。
 そのボスの姿が、そうだからです。
 右手と下半身がないんですよ。これは本当です。
 そのかわり、力は本物ですが ね。
 私はあなたをそれにしてあげようとしているんです。」

「イヤァァァ!! アンヨヤ、オテテガナクナルナンテ、イヤァ!!
 モウカイゾウシナクテイイカラ、ハヤクココカラダシテ!!」

「そんなに嫌なら、なんでノコノコ着いてきたんですか?
 それに言ったでしょう? 信用できないなら帰れって。
 それでも着いてきたって事は、あなたは自分の肉体の改造を了解したということです。 
 約束は最後まで守るものですよ、しぃさん。
 私は確かに、あなたとの約束を守っています。
 だからあなたも、私との約束を守らなければならないんですよ。」

 モナーはその目に底知れぬ狂気を浮かべて、淡々としゃべった。
                続く

675 名前: soso 投稿日: 2004/04/03(土) 19:34 [ IhCvBb4. ]
>>472
        血池料理店

モララーが、家を出ていって数ヵ月後
モナーは、モララーから手紙と赤く印が付いている地図が届いた。
手紙の内容は、「記された所にこい」と書かれていた。
モナーは地図の赤く印が付いている場所に行った。
「ここかな?」
モナーは、一軒の店の前に立った。
まだ店はオープン前らしい。
「店の名前が血池料理店…店の名前がセンスないし、本当に客くるモナ…?」
モナーは、店の中に入って見た。
店の中は普通のレストランと同じだがまだ整備中だ。
「ぉぉモナーよくきたな。」
モララーがやってきた。
「モララー、よく資金集められたね。」
「しぃ狩りやマターリ過激派殺しなどで資金調達してきたYo!」
「よく数ヶ月で貯められたモナ。」
「漏れは天才だからすぐ貯められたのさ」
「基地外だから24時間も働けた…ゴホッ!なんでもないモナ」
モナーはあたりを見た後、なにかに気付いた。
「あれ…従業員は?」
「ぁぁいないぞ一人も。」
人材費が足りないのか、従業員がいなかった。
「一人で大丈夫モナ?」
「まぁ、何とかなるだろ。」
モナーは、腹が減ったのかお腹が鳴っている。
「モナー…、さっき食べてきたのにまだ腹が減ったモナ」
「しょうがないな、なんか作ってやるか。」
「ありがたいモナ。」
「少し食材にエサやってくるから少し時間かかるからな。」
モララーは店の裏側から出た。
店の裏側に二つの小屋がある。
モララーは、小屋の中に入った。
小屋の中はアフォしぃがさわいでいた。
「シィィィィ!ココカラダシテヨ!」
「ベビチャンヲカエシテェェェェ!」
「チィチィ♪」
小屋の中に数十匹のアフォしぃやベビしぃがいる。
しぃ達は首輪が付いていて、鎖につながれていて逃げれない。
「ギャクサツチュウ!シィヲダマシタラ タダジャスマサナイヨ!」
「あーうざいうざい。エサもらうだけありがたく思えYO」
「コンナノマターリジャナイヨォォォォ!」
モララーはしぃ達をシカトして餌をばら撒いた。
「えーっと、5番の糞虫の子供は順調に育ってるな。」
「ベビチャン ワタサナインダカラ!」
5番のしぃの後ろにベビが5匹が「オナカチュイタ」「ナッコナッコ」とな泣いている。
さすが低脳、状況がわかっていない。
「さてと受精の時間だ。」
「シィハ ギコクント コウビシタイノ! アンタトコウビ シタクナイヨ!」
「はいはい、ここに妄想した彼氏はいないし、漏れはレイープ好きじゃないし。」
モララーは、腹ポケットから注射器を出して無理やりしぃの性器の中に入れて注入した。
「シィィィィィィィ!ナニヨコレェェェ!」
「これは従兄弟が開発した量産型の受精器だよ、交尾しなくても妊娠してたくさん子作れるぞ。」
「シィィ!ギコクントコウビガイイヨォォォォォォ!」
モララーは、再びシカトして別のしぃの所に行った。
「おっ、14番のベビちゃん育ったね。」
「チィ♪」
「ナッコシテクダシャイ。」
「オ、オネガイシマス!コノベビチャンダケハ!」
しぃは4匹のベビしぃをかばっている。
「安心しなさい、この子達はココよりも楽な所に行かせてあげますよ。」
「ソコッテナッコガ タクサンデキルノ?」
「マターリスルナラ チィモイク!」
ベビしぃ達は自ら進んでモララーの所に行った。
「シィィィィ!イッチャ ダメェェェ!」
モララーはさっさとベビしぃ達を荷車に入れた。
モララーは荷車に数十匹のベビしぃを次々と乗せて小屋に出た。
「コレデ ワタシモアイドルニ ナレルンダネ」
なんか勘違いしてる糞虫がいた。
「ああ、そうだよ」
ベビしぃ達はあの世に行くことも知らずに楽しんでいる。
あ、天国行きじゃなくて地獄行きか。
モララーはベビしぃを乗せた荷車を運びながら、もう一つの小屋の中に入った。

676 名前: soso 投稿日: 2004/04/03(土) 19:36 [ IhCvBb4. ]
>>675 の続き

小屋の中にはベビしぃ達がたくさんいた。
モララーは荷車にいるベビしぃを降ろした。
「ベビちゃん、しばらくこの小屋で待っててね。」
「マターリ デキルナラ チィマチュヨ。」
「モウスグマターリ デキルンダネ」
ベビしぃ達は大喜びだ。
モララーはさっさとベビしぃ達に餌をあげた。
その時、1匹のベビしぃが叫んでいた。
「コンナモノジャ マンゾクデキナイヨ! ゴウカナ モノモッテキテクダチャイ!」
ベビしぃにあげている餌はしぃフードとか入っていて、別に粗末な物ではなかった。
さすがのモララーもカチンときた。
「しょうがないな。」
モララーはそのベビしぃを抱いて小屋にでた。
小屋に出た後ベビしぃは調子にのって
「アイドルノ チィチャンニ ステーキトカ オイチイモノヲクダチャイ」
モララーはブチきれた。
「なにがアイドルだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
モララーは、ベビしぃを地面に叩きつけた。
「チィィィィィィィィ!」
「なにがアイドルだ!自己中!基地外ってんじゃねぇぇぇ!!」
モララーは、ベビしぃに死なず程度にマウンドパンチをしまくった。
「チィィィィ!イチャイヨォォォォ!ナッゴォォォォ!」
「なにがナッコだ!ふざけんな!」
ベビしぃは、顔が脹れるぐらい殴られた。
モララーは、そこらへんの土を握り、ベビしぃに無理やり口の中にいれた。
「ゴブヒリィィィ!」
「変な声あげているし、ウザイな(・∀・)」
モララーポケットから包丁を取り出した。
そしてベビしぃの両足と片手を切り取った。
「チィィィィィィィ!チィノオテテェェェ!アンヨォォォ!」
「残りの片手は…」
モララーは包丁を構えた。
「秘儀!千切り!!」
包丁が目に見ぬ速さでベビしぃの手を細く切り刻んでいく。
「チィィィィィ!イチャイヨォォォ!」
ベビしぃの手が粉のように粉砕した。
「べビちゃんダルマになっちゃったね(笑)」
喋り方が少しおかしくなったが気を取りなおした。
モララーは、包丁をポケットにしまって小さな笛を取り出した。
「そのまま殺すのもつまらないから、助っ人でも呼びますか。」
モララーは、小さな笛を吹いた。
小さな笛は、あまり音がでなかった。
「ヘタクソ!チィデモ フケマチュヨ!」
ベビしぃは、少し楽になったら態度がでかくなった。
「まぁ、助っ人っていっても、人じゃないんだけどね(・∀・)」
突然空から黒い物体がやってきた。
カラスの集団だ。
笛の音でこちらにやってきたのだ。
カラス達はベビしぃの周りにやってきた。
「アイドルノ チィチャンヲ タスケナサイ」
「カラスに命乞いかよ、必死だNA。」
カラス達は、一斉にベビしぃを襲い掛かった。
「チィィィィィ!」
カラス達はベビしぃの腹をえぐり、腸を取り出したり、耳を引き千切っている。
「イチャイヨォォ!ナッコスルカラァァァァ!」
「ベビしぃって、ダッコできたっけ(笑)」
少しモララーは狂った。
「そろそろ終わりかな」
カラスは、くちばしで、ベビしぃの喉の根元を貫いた。
「ヂィィィィィィィィ…!」
ベビしぃは絶命した。
「あの世でダッコダッコ叫んでな、誰も抱いてくれないけどな。」
ベビしぃは、カラスによって跡形もなく消えた。
「時間かけ過ぎたな、早く調理初めないと、モナーが瀕死状態になるぞ。」

続く

677 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/03(土) 20:36 [ FNuLHoIU ]
>>674続き

「フ・・フザケナイデヨ・・・・・・・・・・・・ナニガ ヤクソク ヨ・・・・・
 コウナッタラ」

間髪入れずにモナーは切り返す。

「ちなみに、ここを破壊することは不可能ですよ。
 こんな研究をしている以上、部屋を頑丈にしとく必要があるんです。
 ですのであなたが暴れた程度では、蚊が刺したほどにもなりません。
 
 あと、私を殺そうなんて、考えないことです。
 ここにあなたがいることは、私しか知りません。
 故に、私がいなくなったら・・・・・? 
 どうなるか、あなたでもお分かりでしょう? さ、始めますよ。」
                       
「イ、イヤァァァァ・・・・・・」

モナーが操作盤を操作すると、ギロチン級の巨大な刃が現れた。
しぃの右腕に、刃が入る。
まずは手の部分からだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「イタイイタイイタイヨォォォォ!! ヤメテェェェ!!」

「やっぱり被験者が巨大だといいですねぇ。
 顕微鏡も、ルーペも必要ない。このままで解剖の勉強になりますよ。
 説明、聞いてますか?」

痛みに苛まれているしぃに、聞く余裕などあるわけがない。

「ほら、ここの筋肉に刺激を与えると、ここがこう動く・・・・。」

どこからかスタンガンを持ち出して、筋肉に押し当てる。
体は大きくても、かなり効いている模様。 右腕全体が痙攣している。

「でもって、ここの腱をこうやってひっぱると、こうなって・・・・
 次に、骨を外すと・・・・・」

少しずつ、確実に右手が解剖され、無くなっていく。
どうせやるなら一気にやってくれた方が、どんなに楽だろうか。
いつ終わるともしれない苦しみに、脳味噌の構造上気絶することもできないしぃは、ただ耐えていた。
                 続く

678 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/03(土) 21:08 [ FNuLHoIU ]
>>677続き

「お。やーっと見つかりましたよ。」

筋肉を次々と切り裂いていたモナーがうれしそうにはしゃぐ。

見ると、電信柱大の白いものがのぞいている。
そこをモナーが思いっきりチェーンソーで斬りつけた。


ハギャアアアアアアア!!!!!


今までにない、恐ろしい大きさの悲鳴だ。
モナーもその悲鳴には耐えきれず、新しい耳栓を探しに行ったほどだった。

モナーが傷つけた白いものとは、神経だったのだ。
体が巨大化した分、神経も巨大化したのだ。

「うわ・・・ やっぱり、神経への直接攻撃は効きますか・・・・。
 ま、当然でしょうけどね。」

そう言いながらモナーは足場にまた登り、次々と神経をチェーンソーで斬りつけていった。
神経を直接傷つけているものだから、1発1発が致命傷とも言えるくらいの激痛が襲う。
なのでしぃの苦しみもまた尋常ではない。
ガラスを何十枚重ねてもすべて割れてしまうくらい、大音量で叫びまくった。
もっとも、モナーの新型耳栓には勝てなかったわけだが。


数時間後、ようやく解剖の授業(?)は終わった。
あの後更に、肘のあたりまで解体していったのだ。

「どうですか? しぃさん。よく分かる講義だったでしょう?」

「ハァ・・ハァ・・ハァ・・ハァ・・」

「・・・・・・返事をしないということは、まだよく分かっていない、と言うことですか。
 分かりました。じゃあ次は下半身編といきましょうか。
 足の構造は腕とはまたひと味違っていますからね。楽しめますよ?」

「ヤ、ヤメテ・・・・オナガイ・・・・・」
                続く

679 名前: 新人 投稿日: 2004/04/04(日) 00:20 [ .tt/eGkk ]
>>660からの続きです。
           〜闇に潜むモノ〜  

翌日。
タカラギコは捜査課の置かれている部屋へと入るなり、井ヨウ課長
に呼び出された。
「ぃょぅ。おはようだょぅ。」
「おはようございます。」
「昨夜はあまりよく眠れなかったのかょぅ?」
心配そうに課長がタカラギコの顔を覗き込んでくる。
「そんなことはありません。心配してくれてありがとうございます。」
口ではそう言ってはいるものの、彼の目の下にはくっきりとクマが
形取られていた。
「フーンは鑑識の結果から判明した凶器の線から捜査してるょぅ。」
そう言われて、タカラギコはフーンの姿が部屋にいないことに気付
いた。
「それじゃあ僕も行きます。」
踵を返して部屋を出ようとすると、
「待ってくれょぅ。フーンから言付けがあるんだょぅ。」
「?なんですか?」
五分後。
フーンの言付けに従って、タカラギコは警察署の目の前にある喫茶
店にいた。
「タカラ田さん。こっちです。」
自分の名前を呼ぶ声に思わず振り向くとそこには、店内の奥にある
席から手を振っているモララーの姿があった。

680 名前: 新人 投稿日: 2004/04/04(日) 00:20 [ .tt/eGkk ]
「あの、どうしてここに?」
席につくなりタカラギコはモララーに質問を投げかけた。
「いや、刑事さんに頼まれましてね。マターリクラブの事、調べて
 くれって。」
タカラギコは絶句した。刑事さんとはフーンの事だろう。
民間人の、よりにもよって虐殺者に協力を頼むなんて・・・。
そんな彼の心情を知ってか知らずか、モララーはニコニコと愛想よ
く笑顔を振り撒きながら、注文を聞きに来たウェイトレスにコーヒ
ーを頼んでいた。
「あなたは?何も注文しないんですか?」
「え・・・?あ、じゃあコーヒーでいいです。」
モララーは入れ違いに渡されたおしぼりで手を拭きながら、語り出
した。
「とりあえず、それらしいクラブがあったのは確かです。」
「ほ、本当に調べたんですか?」
「ええ。」
モララーはおしぼりを丁寧にたたむと、入っていたビニール袋の上
へとそっと置いた。
それから一息ついた後にまた話し始めた。
「私たちが住んでるあそこにはね、ほとんど空家同然の建物が沢山
 あるんです。奴等はそこをクラブとして使ってるんですよ。」
タカラギコは昨日、フーンと共に歩いた聖域の景色を脳裏に描いて
いた。
「奴等にしては、無い知恵を絞ったというべきでしょうね。誰にも
 知られる事無く、邪魔されるような事も殆ど無い。」
「それで、そこはどこなんですか?」
タカラギコがモララーに尋ねた。
そこで、彼の表情は一瞬険しいものになった。

681 名前: 新人 投稿日: 2004/04/04(日) 00:21 [ .tt/eGkk ]
「な、なんですか・・・?」
タカラギコは彼の見せたその表情に背筋が凍りつくような感覚に襲
われた。
これが虐殺者の見せる気迫というものなのだろうかとさえ思えた。
だが、彼の表情は元の穏やかなそれに変わった。
「失礼します。コーヒーお二つお持ちいたしました。ご注文は以上
 でよろしいでしょうか?」
「はい。」
モララーがそう言うと、ウェイトレスはごゆっくりどうぞと言って
その場から離れた。
「あ・・・あの。」
「冷めると不味いですよ。ここのコーヒーは美味いんです。」
そういってモララーはコーヒーを飲み始めた。
二人はコーヒーを飲み終えるまでの間、終始無言のままだった。
時折、タカラギコはモララーの表情をチラッと見、視線を合わさな
いように目を背けたりしていた。
「さて・・・それじゃあ行きましょうか。」
どのくらい時間が経過したのか、モララーは席を立ち上がると伝票
を持ってレジへと向かった。
「あの、そういうの困ります。僕、払いますから。」
そう言いながらタカラギコも慌てて立ちあがる。
それを聞いたモララーはレジの前まで来るとタカラギコに伝票を手
渡した。
「え?」
「私はレジに持って行くだけですよ。払ってくれるなんてなかなか
 いい人ですねぇ。」
一杯くわされた・・・。
そう思ったときにはモララーは表で待ってますと言い残して店を出
て行った。

682 名前: 新人 投稿日: 2004/04/04(日) 00:22 [ .tt/eGkk ]
800円という彼の昼食に匹敵する金額が財布から無くなったの確
認すると同時にためいきをつくと、タカラギコは表で待っているモ
ララーの元へと近づいた。
「ごちそうさまでした。」
タカラギコの顔を見るなり笑顔を見せるモララーからは先程の冷徹
な一面は感じ取れなかった。
「それじゃあ行きましょうか。」
そういってモララーが胸ポケットからロウマッチを取り出すと、側
にあった電柱にマッチを擦り付け、火をつけた。
すると、それがまるで合図であるかのように一台の大きな高級車が
姿を現して彼とタカラギコの前にある道路際へと駐車した。
同時に後部座席のドアが開いてモララーが素早く乗り込む。
「はぁ〜?」
まるで昔見たスパイ映画のようなそれにおもわず声をあげてしまう
タカラギコ。
「さあ、早く。警察署のすぐ側で路上駐車してたら怒られますよ。」
モララーはもっともらしい事を言ってタカラギコを車の中へと招き
入れた。
「え、でも・・・。」
「この街の真実を知りたくはないですか?タカラ田さん?」
その言葉におもわずタカラギコはハッとなった。
そう。なぜしぃ族が昨日のように虐げられ、疎まれ、まるで玩具の
ように扱われなければならないのか。
その真実を今目の前にいる虐殺者・・・モララーという人物が教え
てくれようとしている。
信用できるのだろうか。
ええい、ままよ。
タカラギコは2回その場を足踏みすると、車の中へと足を踏み入れ
た。
〜続く〜

683 名前: ヨシキ (UZH7gF.E) 投稿日: 2004/04/04(日) 21:11 [ SW.PXuB. ]
1話「屋台ギコラーメン」

この季節に外へ出かけると、決まって世の中は不便だとおもってしまう。
革のジャケットを着ようがふかふかの手袋を付けて長い靴下を履こうが、
外にいるだけで冬の風は体の芯まで凍えさせる。
移動手段としてさっさと自転車で行きたいが、徒歩でこの寒さ。
夏場なら気持ちいい風あたりも、今の私にとってそれは凍死させかねない。
これから行きたい場所は、車を使おうとか言うほど遠くはないし、結局、原始的な徒歩となる。

いつまでも健康でありたいと願うのは、どの時代の人でも願う最も単純な願いだろう。
そんな些細な願いさえ儚いもので、年のせいか、無常にも私の視力は落ちていくのだった。
先日の就任式の直前になって、ついにメガネをかけるはめになった。
メガネをつけた私はまるで絵に描いたようなインテリで、
私もやっと最高位の身分だというのに、あまりいいうわさを聞かない。

あたりはもう真っ暗だ。点々と設置されている街灯に
照らされている所以外は、足元でさえ確認できない。
道の端に異常に離れすぎた位置にある街灯たちは、まるで嫌いあっているかのように
お互いの足元を照らすことなく、私はそのケンカに巻き込まれて闇に溶け込んでいる。
それでも自分の口から出る息に重量感を感じるから、
暗くてもそれがすぐに消える白い煙へとかわっているのがはっきりわかる。

684 名前: ヨシキ (UZH7gF.E) 投稿日: 2004/04/04(日) 21:12 [ SW.PXuB. ]
しばらくして目的地が見えてきた。
いつもと同じ場所でいつもと変わらず、腹の虫をくすぐるにおいが漂っている。
寒さのせいか身震いをしてしまった。年を感じ、人もいないのに恥ずかしくなる。
ただ、いつものような身震いの感覚ではなく、久しぶり、という妙に懐かしい感じがした。
何かを予感させたそれが的中したのか、目的地にかかった「ギコラーメン」と書かれたのれんの下のいす越しに足が見えた。
ここの常連である自分のほかに、客はあまり来ない店であったので少し気になった。
のれんをくぐると、いつもと違ってすでに上機嫌なオヤジの顔が見えた。

「どうしたのオヤジさん、もうできあがっちゃった(酔った)のかい?」
「おっ、モラさん、残念だったねえ。今日は久しぶりの2番乗りだよ。」

オヤジさんは笑顔のままで答えた
初めてだった。オヤジさんはいつも自分が最初の客だったので、のれんをくぐったオヤジの顔は必ず素面の顔だった。
まあ、隣の客は私より先にここに来ている。この男が先に親父と酒を交わしたのだろう。
直視はしていないが、隣の男はラーメンの残りのスープをレンゲですすっているようだ。

別に1番が必ずいいという分けではない。この数ヶ月、ほかの客と合い席をするのは初めてなのだ。
週2のペースで通っているが、一度もこのラーメン屋の客と合い席をすることはなかった。
その時、隣の客がうんしょと重々しく顔を上げた。

「残念だねえ、オヤジさんへの一番酌は私がやらせてもらったよ。
…モラ崎警視総監様」

685 名前: ヨシキ (UZH7gF.E) 投稿日: 2004/04/04(日) 21:13 [ SW.PXuB. ]
身震いが体を走った。
当たり前のことだ。私の名前はモラ崎なのだから。
その人物の顔を知っている人間がここにくるはずがなかったのだから。
そして、そばで聞けるわけがない声なのだから。

私の名を呼んだ男は、レンゲを器に入れ、ゆっくりと姿勢を正すと顔をこちらのほうへ向けた。
そこにいたのは世間に総理大臣と呼ばれる男、
ギコ泉であった。

あっ、と思い、とにかく気持ちを落ちつけることに努めた。
心臓の鼓動が早くなっている。不意だった。

「・・・な、何しにきたんですか、ギコ泉内閣総理大臣」
「ははは・・・決め付けることないじゃないか、偶然ってこともあるかもしれないだろう」
「偶然であなたとここで出会えるなら、世も末ですよ」

嫌悪感がする。彼が悪いわけではないのに。
私は彼とは話しをするようなことなどないのだ。
いや、してはいけないという方が正しい。
オヤジさんは理解ができず、何かぽかんとしている。
口を出していいのか、戸惑っているようだった。

「実際に世も末だろう。
君と杯を交わしたあの日以来、この国は日に日に悪くなるばかりさ」
「…あなたは総理大臣なんですよ。言葉には気をつけてくださいよ、
こんなところでも何があるかわからないんですから」

686 名前: ヨシキ (UZH7gF.E) 投稿日: 2004/04/04(日) 21:15 [ SW.PXuB. ]
自分で言ってはっとする。
確かに何もないようなところだが、逆になにがあってもおかしくない所なのだ、ここは。

スラム街。

この国の在りかたが作った結果の場所。
ここだけではなく、この国のいたるところで栄えては廃れるという、
なんとも発展の燃費が悪い政治力の産んだエリアなのだ。

「もういいだろう。なぜこんなところに住み続けるんだい。
 罪滅ぼしなんて無駄なことはわかっているはずだ」

ギコ泉がこちらを見て語り始めた。

「君がどんなことをしても、過去は君自身が認めないと許すことはないんだ」
「逃げていると…でも?」
「そうじゃないか、君は人を恐れている。
そんな身分でありながら君は人に触れることが怖いんだろう」
「そう…ですか…」

オヤジがきょろきょろし始めたようだが二人とも気にしない。
何も話を飲み込めないまま、ただ黙って二人を見ているばかりのようだ。

私を許す人は、もうこの世にいない。
それが私の「罪」なのだ。
いつかの過ち…ずっと隠してきた

「モナのやつが手伝っているんだろ」
「…何を…ですか?」
「戸籍さ。住所のない公務員がいるはずないだろう。
 手紙、電話、君のもとに送ることができないものがあるのに君は
 そのステータスを身につけた。君の素性を知る人がいないのに、
ここまで上りつめていたのはびっくりだよ。きみがどこにいたのか私はこの20年知らなかったんだ。
そしてモナ岡もね。」
「モナ岡…さんですか」
「君と…いたのか、彼は…」
「あの人には世話になりっぱなしですね。こんなぼくを助けてくれてホント申し訳ないです。
 でも…このことを聞きに来たのではないのでしょう。
背広姿のあなたがそのことを知りたいがために一人だけで動くとは思えませんからね」
「まあ…お前とはまた会うしな。わかるまで説得していたいが本題に移ろう。」

そうしてギコ泉は自分の横にあったバックから何か書類を取り出した。

因縁…運命…偶然…因果…もうこりごりだ。
私はまた引き込まれていく。

書類の表紙の文字を見た私は、頭の中で1つの物が形を成していき
1つの物が崩れていった。

「しぃ完全改革特例案」

わたしは・・・また・・・・・・・・・

687 名前: ヨシキ (UZH7gF.E) 投稿日: 2004/04/04(日) 21:21 [ SW.PXuB. ]
申し訳ございません、>>126->>128のつづきです。

688 名前: がるく 投稿日: 2004/04/05(月) 08:53 [ ke.gQlM. ]

おかしい。 なにかがおかしい


身体に違和感を感じるのだ

目を開けるのが怖い とても恐ろしい事が起きそうな


だが、自分の身体を見てみなくてはどこがおかしいか分からない


私はおそるおそる目を開けた





まず最初に、見えたのは白くなめまかしい壁だった
それから、ゆっくりと周りを見渡す


どうやら、私は小さな球体のようなドームの中に一人でいるらしい

そしてそのドームの上部には、分厚いガラスが張られていて、外からここを見渡せるようになっている
私はそのドームの真ん中に一人で椅子に座っている


肝心の身体はというと

身体中に、様々な色の管や線などが自分の身体に繋がっている
特に、頭の方に多く繋がっている

痛みは無いが、だるい 
意識も少し霞む


と、ガラスを叩く鈍い音
それに気付き、上を見上げる
「やぁ、しぃどうだい調子は?」
医務服を着たモララーが愛想良く笑った

「まぁまぁ、ね」

689 名前: がるく 投稿日: 2004/04/05(月) 08:53 [ ke.gQlM. ]
私達は、夫婦なのだ
自分で言うのもなんだが、私は全角が喋れて、普通のしぃより賢い

私は、ここの研究所で働いている
しかし、この研究所の所長はあのモララーである
そしてただ一人の所員が、この私だ
彼は、病気で妻と子供を亡くしたそうだが、私はそれを理解して接しているつもりである
そのおかげで、時々子供の事が話題に出る

きっと彼は子供が欲しくて仕方が無いのだ
しかし、私は子供が出来ない体なのだ


そして今日は
実験をする
しかし、実験をするという予告が無かったため、正直驚いている

実験動物で何回も実験した
きっと安全だと信じたい

私達がやっている実験は
非道人的な人体改造だ

技術を買われ、軍に頼まれた
しかし、軍は勿体ぶって実験動物を出して来ないので仕方なく自分達でやっている


「じゃあ、スイッチを入れるよ?」
私は深く深呼吸をしてから、答えた

「いいわ」


まず、多くある実験用機械の中で一番大きい機械のスイッチを入れる
スイッチに、オレンジ色の灯りが灯る

身体に電流が走る
それに耐えられず、小さく呻いてしまう

この機械は、身体の神経を麻痺させるための物だ

意識はあるのだが、身体が動かない

次々に機械のスイッチを入れていく
意識がふっと消える

690 名前: がるく 投稿日: 2004/04/05(月) 08:54 [ ke.gQlM. ]
それだけだと思ったのだ


次に目覚めた時、少々身体が変形しているだけだと








おかしい 何かが

何か嫌だ 嫌だ  助けて  



変だ おかしい
目の前が真っ暗

身体が激しく痙攣するのが分かる



消えていく 消えていく  助けて!助けてモララー



私 の 記 憶 が
 


私が私じゃ、無くなっていく様な

走馬灯のように駆け巡っては消えていく私の記憶
映像と記憶が流れていく


モララーと私が海で楽しそうに遊ぶ記憶
あぁ、モララーと一緒に海に行ったっけ


楽しかったなぁ・・・・・

秋にも一緒に落葉を見に行ったっけ

そして、結婚式を挙げて・・・・・
一緒に暮らしたりして


そんな記憶も消えていく 嫌、嫌だ 何で?おかしい 

助けて、助けてよモララー

691 名前: がるく 投稿日: 2004/04/05(月) 08:55 [ ke.gQlM. ]
あれ?何だろうこの記憶


私と同じ・・・・違う、幼いしぃがモララーと手を繋いでいて

そのしぃがモララーと一緒に遊園地に居て

共に夕食を食べていて


誰?一体誰なのよ


消えていく記憶と入れ替わりに入っていくる変な記憶



そして、唐突に理解した

これは、死んだはずのモララーの娘の記憶だと





私ハわタシデ イやダヨ タスケてヨ もララー

アァ、ワタシがワタしジャナクなッテクル


ワたシハ いッタイ   ダレ




ワたシハ


わタシハ








もララーノ       むすめ

692 名前: がるく 投稿日: 2004/04/05(月) 08:55 [ ke.gQlM. ]



ゆっくりと目を開ける

目の前には、あのモララーがいた

「やぁ、起きたかい?シィラーヌ」
私は、とりあえず頷いた
モララーはそれを見届けると

管やホースを丁寧に優しく身体から取っていく
時折、管を取り除くことで身体が痛むが気にしなかった

しばらくして、全部管を取り終わると、モララーはシィラーヌと呼ばれた自分の娘の手を取り、立ち上がらせた


「さぁ、お父さんと言ってごらん?」
とにこやかに微笑むと

私もそれに習って微笑みながら言った
「 お父さん 」

それを聞くとモララーは優しく頷いた


「さぁ、行こうか」

一体私は何を忘れていたのだろうか?

私はこの人の娘なのに





「はい、 私のお父さん」



終わり

693 名前: soso 投稿日: 2004/04/05(月) 15:50 [ JhgXBkq6 ]
>>676 の続き
             血池料理店


モララーは、ベビしぃ2匹を持って調理室に来た。
「さてと、何を作るかな。」
「コレデ アイドルニナレルンダネ」
「タクサン ダッコ シテモラエマチュ♪」
ベビしぃ達は、なんかものすごく勘違いしていた。
「さぁベビちゃん、綺麗になるためにがんばろうね」
綺麗とゆうより奇麗か。
モララーは、大きな鍋に水を入れ沸かし、冷蔵庫からキャベツを持ってきた。
「ベビちゃん少し待っててね、今お風呂たいているから。」
「ハヤク シテクダチャイヨ!」
モララーは、包丁で切り殺そうとしたが、気を抑えて、もう一つの鍋に塩水を入れた。
「そろそろ水が沸騰してきたかな。」
モララーはベビしぃ達を持ち上げ鍋の中に入れた。
「チィ!スコシ アチュイヨ!」
「ミズイレナサイヨ ギャクサツチュウ!」
温度は32℃とそんなに熱くない程度だ。
「あーうっざい、もう少し強火にするか。」
モララーは、90℃まで上げた。
「チィィィィィ!」
モララーは、お玉でお湯をかき回した。
「チィィィ!マゼナイデェェェ!」
「アチュイヨォォ!コンナノマターリジャナイヨォォォ!」
モララーは、笑いをこらえていた。
「さてと、キャベツ入れるか。」
モララーは、キヤベツを切らずに、ベビしぃが入っている鍋に入れた。
「ヂィィ!クルチイヨ!」
ベビしぃは、助けを求めたが、モララーはシカトした。
「煮えてこないかな。」
12分後、モララーはベビしぃとキャベツを取り出した。
ベビしぃはぐったりしていたが、少し元気を取り戻したら怒った。
「チィ!アチュカッタデチュヨ!」
「アイドル ナンダカラヤサシクシテクダチャイヨ!」
「ごめんごめん、悪かったよ許せ(棒読み)」
モララーは塩水が入った鍋にベビしぃを入れた。
「熱かっただろ?水風呂に入ってな。」
「チィ…スズチィ」
「コレガマターリダネ♪」
ベビしぃ達は、喜んでいた。
ベビしぃ達が喜んでいる間にモララーはゆでたキャベツを包丁で切り、2枚の皿に綺麗に飾った。
モララーはベビしぃ達を一枚一枚皿に乗せた。
「これで完成だからな!」
「コレデアイドルニナレル♪」
まだアイドルになれるとまだ勘違いしていた。

694 名前: soso 投稿日: 2004/04/05(月) 15:53 [ JhgXBkq6 ]
>>693

モララーは、料理を持ってモナーの所に行った。
モナーは、とてもぐったりしていた。
「は、腹がすいて死にそうモナ…」
モナーは空腹状態で死にそうだった。
「おいおい、まだ時間経ってないだろ」
「所でもう料理できたモナ?」
「ちゃんとできてるyo」
モララーはテーブルに、料理を置いた。
「チィハ アイドルダヨ♪」
「ナッコ シテクダチャイ♪」
皿の上で騒いでいる。
「こ…これ生で食うのかモナ?」
「大丈夫だ、ゆでたから食べれるぞ」
モナーは少し不安だったが、思い切って、ベビしぃをつかんで、腹を食った。
「チィィィィィィィィィィ!?」
「…結構塩加減していて肉が柔らかくて、ジュシーでウマー(゚д゚)」
「チィィィ!チィノポンポンガァァァ!!」
「だろ?脳味噌もうまいぞ。」
モナーは、ベビしぃの頭を思いっきりかじりついた。
「チィィィィィ!」
ベビしぃは、絶命をあげて死んだ。
「脳味噌は、滑らかでしっとりして結構いけてウメー(゚д゚)」
「それ骨とか全部食べられるからな。」
モナーは飢えたハイエナのように食べリつくした。
「かなりうまかったよ、ごちそうさまモナ(´∀`*)」
「少し手本見てるか。」
残っているベビしぃは、さっきの光景を見て
「チィィィィ!ナンデェェェ!?アイドル ナノニナンデタベラレテイルノォォ!?コンナノマターリ ジャナイヨォォ!!」
「あーうっさい、誰もアイドルになれるなんて一言も言ってないぞ。」
モララーは、フォークとナイフを用意した。
「まずは、手足を切り取り食べる。」
モララーは、フォークでベビしぃの腹を突き刺し抑えて、手足をナイフで切って食べた。
「チィィィィ!イチャイヨォォォ!アンヨォォォ!オテテェェェ!」
「あーうざいな」
モララーは、交互にナイフとフォークをベビしぃの腹に突き刺した。
「チィィィ!ヤメチェェェェェェ!ナッコスルカラァァァァ!」
「で、最後に心臓にフォークを刺して殺すと。」
モララーは、フォークをベビしぃの心臓に狙い、突き刺した。
「コウビィィィィィィィィィィィィ!」
ベビしぃは、悲鳴を上げ死んだ。
「今頃コウビと叫んでいるモナ。」
「そして最後は普通に食べると。」
モララーは、ベビしぃを切り分けて、さっと食べた。
「すごい食べ方モナ。」
「これ一つで110円」
「ブッ!安すぎるモナ!」
「まぁ、生産コスト結構安いからな。」
「売り上げられるようにがんばモナ」
「ありがとな!(・∀・)」
「んじゃそろそろ帰るモナ。」
モナーは、店に出て帰っていった。
モララーは、再びオープンの準備に取りかかった。
「オープンまであと一週間か…。」
モララーは、夜も寝ずに店の準備をした。

続く

696 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/06(火) 21:34 [ wFdQJ6OU ]
ある山奥でしぃとモナー考えていた。
「本当にあんな事して良かったのかな・・・。」
「ほんとだモナ・・・」

3年程前良しぃとモナーとでぃぐらいしか居なかった村に奴らは来た。

そう、アフォしぃ共である。この村からちょっと離れた所にアフォしぃしかいない都会から来たのであろう。

アフォしぃ共はいつもここから食料をぶん取りにきて逆らった奴は全員殺すと脅し、何年もそれを続けた為、金など一億は軽く越している。

そのアフォしぃ共は「モットヨコシナサイ。グミンハイキルカチナンテナイノヨ」などと言い、今度は全て奪う気である。

そのお陰で村の人達はほぼ殺されてしまった。

ある日村である一人の良しぃのしぃ美が「もうこんなぶん取られるぐらいなら反抗しましょうよ」
と言った。
それに村人は「アウウ・・コロサレチャウヨ・・」「あいつらは武器だって恐ろしいモナ。ショットガンを村で乱射されて死んだ人だってたくさんだモナ」

それにしぃ美が「いいの。私だけで戦うから・・」


それでモナ吉と言うモナーが「わかったモナ!モナーもやってやるモナ。このままじゃ餓死か殺されるかだモナ。」

「他のでぃちゃん達やモナーさん達は隠れてて。全員もし死んだらどうしようもないわ。」

そして時は来た。「アレッ!?フタリシカイナイヨ!?」
「ホントダナンカモッテルミタイダヨ!?」
「マァイイワ。ショクリョウヲブンドリマショウ」

アフォしぃがそう言った瞬間、モナ吉が持っていた物の先が光った。
そしてアフォしぃ達が倒れていく。

「シィィィィッィ!????イタイヨウアンヨガァ!!!!」

そこでリーダーらしきアフォしぃが
「アノヤシカワイイカワイイシィチャンニハンコウスルキネ!!」

「ソウダ!!アンタタチコノカワイーカワイーシィタイチョウノタテニナリナサイ!!」
酷い奴だ。自己中にも程がある。それでアフォしぃ共が

「ハニャンッ!!??ヒドイヨウ!!」

「ウルサイヨ!!!!!カワイイシィチャンヲマモッテシネルンダヨ!!アリガタクオモエ!!」

「ソウダ!!ダッコスキダッタンダヨネ?」

アフォしぃが「ウン・・・ソウダヨ」
そのリーダーがニヤニヤしながら

「ダンガントスキナダケダッコデキルヨ♪シィハヤサシクテカシコイネ♪」

「シィィィ!!ソンナァ!!」
そう言いながら盾にされたアフォしぃ達が撃たれ死んでいく。
そしてついに銃撃が止んだ時、生き残ったらしいアフォしぃが出てきた。
「ハニャァァァ・・・アンヨガァ・・・オテテガァ・・・」

リーダーアフォしぃが
「サッキカラウルサイヨ!!!!!!マターリノジャマスルヤツハイッテヨシ!!」
と言いながら釘付きバットで顔を叩いた。
「シィィィ!!!!イタイヨウ!!」

苦しんでるしぃをよそに
「ハニャン??ヨクミタラキモイジャナイ!?」

そりゃぁ当然だろう。バットで叩かれた拍子に顔に釘などが刺さり顔が滅茶苦茶なのである。
「ジャァカワイイカワイイシィチャンガソノカオヲセイケイシテアゲル♪」

「シィ・・・イタクナイヨネ・・・」

リーダーアフォしぃが
「コレグライノイタサニタエラレナイトアイドルジャナイヨ!!モットモアイドルハコノシィチャンダケダケドネ♪」

         続く

697 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/07(水) 12:19 [ 0KL.K.Yg ]
>>696の続き。
「シィ!!??マッテ・・・・・ハギャァァァ!!!!」
そう、釘付きバットで顔を叩きまくったのである。

「ヒギァfダlジャ」などと変な呻き声を上げていた。
「ハニャ!?ヨケイキタナクナッテルヨ!デモソレガオニアイダネ♪」
なんて酷い事まで言ってる。
「アンタハシィノカミニナリナサイ!シィノカワイイオシリヲフクカミニ!」
「ギェ・・・fハォfdジャkmfカ」
トイレットペーパーの容量でアフォしぃを持ち尻を拭いたのである。
そして変な声を上げたあと絶命してしまった。

「マッタク・・・・カミニモナレナイナンテ・・ココニイタウザイベビシィデモカミニナッタノニネ」
「ジャアショクリョウヲトリニイキマスカ」リーダーアフォしぃが立ち上がって先に行こうとした時。
撃たれていた。しぃ美にマシンガンで撃たれたのだ。

「仲間割れする様な奴なんてでぃ以下ね」
「ホントーだモナ」
しぃ美とモナ吉が言いながら都会に行っていた。

そして遂に都会に到着した。
入り口付近には何人かのアフォしぃとベビしぃがいた。
「チィ!キョウカテイカデゼンカクデシャベルウザイベビシィニテタベタヨ!」
「イイナァ・・チィハディヲブンナグリマチュタ!」
「ベビチャンモハヤクオオキクナッテディトカヲギャクサツシヨウネ!」
しぃ美は段々ムカツイてきた。
「落ち着くモナ」
「うん・・・落ち着いてられないよw」

その時ベビが言った言葉で完全に両者とも切れたらしい。
「モナーモディモウザイシィモチィニカカレバザコダヨ!チィニハマターリノカミサマガツイテルンデチュヨ!オトナデモカテマチェンヨ!」
しぃ美は飛び出して
「じゃあ私に勝てるでしょう?この「虐殺厨」が」
そう言った瞬間にマシンガンをしぃ美が乱射した。
          続

698 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/07(水) 19:17 [ 0KL.K.Yg ]
「チィィィ!!??ゴメンナチャイ!!!!ウチョデチュヨウ!!」
「あはははは!!!!嘘なんて付くもんじゃないでしょうが!」
マシンガンを乱射しながらしぃ美は狂ったような笑い方をした。

「マンマ・・・マターリノカミチャマ・・・タチュケテ・・・」

「マターリの神様はね、皆平等な考えだと思うからあんたには来ないと思うけどね。それにお母さんだって白状者だから助けてくれないよ!ハハハ!」
そう言ってベビしぃ頭をマシンガンで撃ち抜いた。
「モナも加勢するモナ!」
両者ともマシンガンや拳銃を乱射した為入り口付近に居たアフォしぃは全滅したが変わりに棍棒や短剣を持ったアフォしぃやベビしぃが居た。

「フフフ・・・バカナギャクサツチュウノヤシダネ。コノショケイタイニハモララーデサエカテナインダヨ」

「チィ♪トットトブッコロチテアゲマチュヨ!ラクニナルンダヨ!チィハヤサシィ♪」
そして処刑隊の隊長のアフォしぃが
「サァ!バカデマヌケナギャクサツシィトギャクサツモナーヲコロシナサイ!」
そう言ったと同時にアフォしぃ達が突撃した。
まず1体目のアフォしぃが
「クラエ!シィチャンマターリアターック!」
とか言って棍棒を振り上げてモナ吉に襲い掛かってきた。
「遅いモナ」
拳銃で片足を撃ったら、撃った左足がすっ飛んでいってしまった。
「ハニャ!!!!イタイヨウ!!カワイイカワイイアンヨサンガ!」
拍子に棍棒が落ちた為しぃ美がそれを拾った。

「サ、サァツギノヤツイキナサイ!エライタイチョウシィヲマモルノヨ!」
処刑隊の隊長が命令した時、勇敢にも(てか無謀にも)ベビしぃがミニサイズの棍棒を振り上げて襲い掛かってきた。
「コンナコンボウデモチィニハマターリノカミチャマトトッテモツヨイチカラガアルンダヨ!ギャクサツシィナンテラクチョウダヨ!」
それでしぃ美の足を叩いて来たが蚊に刺されたに等しい痛さであった。

「チィ?ゼンゼンクラッチェナイヨウ!マターリノカミチャ」
言い切る前にしぃ美が拾った棍棒で頭を潰してしまった。
        続

699 名前: 逝犬 投稿日: 2004/04/08(木) 00:14 [ zNYJLTeI ]
血狂いモラ王子 〜帰らずの城〜


 血狂いモラ王子。
 誰が呼び始めたのか定かでは無かったが、その国の王子は人々に、そう、評されていた。
 城に入った者は、誰一人として入ったままの状態で帰れる者はいない。
 それは命の問題であったり、見た目の問題であったり、そして心の問題でもあった。
 ある者は城で命を落し、ある者は姿を変えられ、ある者はモラ王子の虐殺に魅せられ城を離れられなくなる。
 血狂いモラ王子の棲まう城は、帰らずの城でもあった。
 これは、そんな血狂いモラ王子の何の変哲も無い日常のお話である。

「…王子、モラ王子!ちゃんと私の話を聞いておいでですか?」

 大臣であるモナーの問い掛けに、玉座でぼんやりと視線をさまよわせていたモラ王子が、
彼の方へと視線を動かす。

「何だ、大臣?お前の下らん話など聞いている訳がないだろう…」

 モラ王子は大臣を小馬鹿にしたように一瞥すると、再び視線をぼんやりと彷徨わせ始めた。

「…。私の話が下らないと、お聞きになられる前から仰られるのは結構ですが、
出来れば、評価はお聞きになられてから願いたいのですが…」

 大臣はモラ王子に発言の許可を願うように、怒りを必死に抑えるような、少し震えの混じる声で進言する。

「仕方ないなぁ…発言を許可するから、とっとと喋れよ…」

 モラ王子は大臣がいる方向とは逆の肘掛に体を預け、つまらなさそうに呟いた。

「発言の許可、有難うございます、モラ王子。実は兼ねてから気になっていたのですが、
モラ王子の虐殺好きには目に余るものがございます。死体の処理も大変ですし、何より、下々の者が、
モラ王子の事を何とお呼びか知っておいでですか??血狂いと評されておられるのですよ?」

 大臣はモラ王子に向かって、諭すように必死に語りかける。

「で、それがどうかしたの?死体の処理は、ぽろろが骨まで丸ごと何でも食べてくれるようになったから
墓場もいらないし、僕が例え血狂いって呼ばれていたからって何か、問題があるのかい?
姉上なんか、ずっと狂ってるって呼ばれてるじゃないか…」

 モラ王子は大臣の言葉をとりあえず最後まで聞いた後、下らない話に時間を割いたというように、
ウンザリとした顔で言い切った。

「確かに、城には死体処理係としてぽろろを雇い入れましたし、つー姫様がそうお呼ばれになられている
不名誉も存じております。けれど、それはそれでございます。モラ王子には王子として、
この城を継がれる方として、それ相応の振る舞いをお願いしたいのです。モナが言いたいのは
とにかくモラ王子は全然、自覚がないって事で、王になるものが楽しいからと言って、
本能のままに、国民を減らすような虐殺をするべきじゃないって分かれって…」

 モラ王子への意見で興奮してきた大臣は、本来するべき言葉使いも忘れ、
いつの間にか、1人の子供を叱るように喋り始める。

「……。大臣、君も偉くなったもんだね。僕によく、そんな口が聞ける。おい、タカラ、コイツ、
随分と腹に不満を溜め込んでいたみたいなんだ。どれだけ溜まっているのか、ちょっと割いてみてくれないか?」

 モラ王子は大臣を気の毒そうに眺めた後、近くに控えていた執事のタカラを呼びつけた。

「仰せのままに、モラ王子」

 モラ王子の声にタカラは一礼すると、懐のナプキンに包んでいたメスを取り出し、大臣の腹を深く、しかし、腸や内臓を傷つけない狙い済ました正確さで割く。

「モ゙ナ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙」

 大臣の叫び声が城中に響き渡った。

700 名前: 逝犬 投稿日: 2004/04/08(木) 00:17 [ zNYJLTeI ]
「アハハ、モナ大臣。そんなに叫ぶほどの事じゃないでしょ?綺麗に割いたから、そんなに出血してないし、
腸がはみ出ただけですよ?」

 タカラは手にしていた血に濡れたメスをナプキンで拭いながら、再び懐にしまう。

「僕への不満を溜め込んでいたわりには、随分、腹の中の色は綺麗みたいじゃないか?
大臣の事だから、もっと、腹黒くなっているかと思ったよ。しかし、叫び声は綺麗じゃないし、
痛がり方も凡庸で退屈だな…。エクスタシィ、大臣を黙らせる方法は何か無いか?」

 モラ王子に降りかかった血を拭いていたメイドのエクスタシィは問い掛けられて、
絨毯の上に膝をつき上半身をまるめ自分の内臓を見つめながら叫ぶ大臣を振り返った。

「私には、大臣の叫ぶ理由が分かりませんわ。私なら、お腹を割かれたりしたら、
余りの気持ち良さに声もあげずに快感にむせびますもの」

 エクスタシィは腹を割かれた大臣に、羨望の眼差しを向ける。

「ああ、そうだったな…エクスタシィは…。だが、残念ながら、君の腹は割けないよ?
それは一昨日したばかりで、傷口が治るまでは次の割きは出来ないからな…。
それじゃぁ、ノーペイン。お前なら、どうすればイイと思う?」

 玉座横に控えた、もう1人のメイドの、ノーペインは、しばらくの沈黙の後、口を開いた。

「私は、痛みという物を理解できませんので、分かりかねます。でも、殿方は、どんな時でも、
性欲が優先されるものだと聞き及んだ事がございます」

 名前の通り、痛みを知らない隻眼のメイドは、自分なりの回答をモラ王子に示す。

「性欲ね、試してみるか…。ノーペイン、エクスタシィ、少し耳を貸せ」

 モラ王子は2人を呼びつけ、何かを囁くと、それを了解したメイド達がモナ大臣の前に立った。

「失礼します大臣、お召し物が汚れておられます」

 エクスタシィが大臣の上着を剥ぎ、そのシャツで腕を後ろ手にくくる。

「大臣、血の染みは非常に落ちにくいそうですよ。でも、初期の内ならば落とせるかもしれませんわ」

 大臣のズボンを脱がせ、ノーペインは胸に巻いていた真っ白な包帯を解くと、その場で、
ズボンの血の染みを包帯で叩いていった。
 包帯から解放され、締め付けられていたノーペインの胸が、染みを取るためにリズミカルに動く
腕の動きに合わせてゆさゆさと揺れる。
 絨毯に膝をつき、まるで大臣に向かって跪くような姿勢で、ノーペインは胸を隠す事も無く、
作業を黙々とこなしていた。

701 名前: 逝犬 投稿日: 2004/04/08(木) 00:18 [ zNYJLTeI ]
「大臣、ゆっくり息を吐いて、吸って…そう、上手。私が、痛みがどれだけ気持ちイイのかを教えて差し上げます」

 エクスタシィは大臣の首に絡みつき、自分の肉体で彼を包み込みながら耳元に囁く。

「…モ゙ァ゙ァァ……ハァ…ハァ……ハァ…」

 顔中の穴という穴から液体をこぼし醜く苦痛に歪んでいた大臣の顔に、恍惚が混じり始めた。
 大臣はハァハァと荒い息を繰り返し、視線は何処までも、ノーペインの胸のまろみに注がれ、
体をエクスタシィに甘えるようにすり寄せている。
 痛みという現実から逃げようとしているのか、大臣の目は酷くギラつき、すでに正気を失っているようだった。

「僕の虐殺を非難していた大臣も、また随分と本能に忠実な振る舞いをするんだね…。人に意見するからには、
大臣には、もっと、立派な大人であって欲しかったなぁ…」

 大臣に歩み寄ったモラ王子が、軽蔑したというように彼を見下ろす。

「モラ…王子……だのむ…頼む゙…殺しで…くれ゙…」

 大臣は残った理性を必死にかき集め、目の前に立ったモラ王子に懇願した。

「殺してくれ??明日、城下の視察をすると大臣は言ってなかったかい…。大臣なら、大臣の自覚を持って、
仕事をしなきゃいけないよ?ちゃんと、明日、馬に引かせて城下をまわらせてあげるから、
それまではちゃんと生きてないと駄目だよ?」

 モラ王子は大臣に目線を合わせるように腰を落とすと、その申し出を嘲笑って拒否する。

「王子、昼食の用意が整ったとギコ料理長が申しておりますが…」

 執事のフーンが恭しくモラ王子の元にやってきた。

「あ、フーン。昼食かい?それじゃ、悪いんだが、こいつ、明日まで適当に繋いでおいてくれないか?」

 モラ王子はフーンの言葉に、あっという間に、目の前の惨劇よりも食事に興味を移す。

「畏まりました。王子、申し訳ありませんが、ぽろろが腹を空かせておりますので、大臣の腕を貰っても宜しいですか?」

 モラ王子から後を任されたフーンが、王子に向かって一つの願い出をした。

「ああ、いいよ。あ、いや、腕よりも足がイイな。フーン、膝から下を1本、ぽろろにあげてくれ」

 食堂に足を運び始めたモラ王子が、一旦、足を止めてフーンに指示を与える。

「ありがとうございます、王子。それでは足を頂いた後は、適当に生を明日まで繋げば宜しいのですね」

 フーンはモラ王子の言葉に一礼をして、大臣の前に立った。

「明日、城下の視察に馬に引かせて行かせるから、それに耐えられる程度に繋いでおいてね」

「御意」

 廊下から聞こえるモラ王子の声に短く答えたフーンは、メイド達と、同じく執事であるタカラを率い、
大臣を繋ぐ作業へ勤しむ。
 昼食時の城に、大臣の止む事の無い、悲痛な叫び声が響いた。

702 名前: 逝犬 投稿日: 2004/04/08(木) 00:20 [ zNYJLTeI ]
「姉上、本日、城下で評判の踊り子を呼んでいるのですが、舞を一緒に見ませんか?」

 昼食の席についたモラ王子が、向かいの席に座るつー姫に提案する。

「舞??俺はイイよ。そういうのはどうも背中が痒くなる」

 ほんの数時間前まで、城の料理場で下っ端調理人をしていた男の脳のフライを突付きながら、舞という言葉に
つー姫が顔をしかめた。

「流れの踊り子で綺麗な舞らしいんですけど…。姉上は芸術観賞はお気に召さないようですね。
じゃ、僕だけで見ますよ」

 昨日までは城の雑用をしていた女の足肉の煮込みを口に運びながら、モラ王子が決まりにとらわれるのが苦手な
姉に向かって微笑む。  

「俺は、芸術なんてよくワカラネェからな…。あ、でも、音楽なら多少、観賞出来るぞ?」

 つー姫が給仕に向かってワイングラスを掲げると、赤い液体が並々と注がれた。

「観賞?どちらかというと姉上は演奏側では?これ、姉上の楽器の成れの果てでしょう?」

 同じくワイングラスを掲げたモラ王子の元にも、メイドの1人だった女の首から血が注がれる。

「成れの果てじゃねぇ…現在進行形の音楽だろ?なぁ、モラ?」

 立ち上がったつー姫が、給仕の手に抱かれ支えられていた、すでにダルマと化している女に近付いた。
 
「あぁぁぁぁぁぁぁ―――――っ」

 穴の開いてしまった喉から漏れていた空気を塞ぐように、つー姫が手を当て、白い胸に包丁を突き立てる。
 ヒューヒューという息だけだった女の口から、甲高い叫び声が上がった。

「食事中に立ち歩くのは、どうかと思いますよ、姉上?」

 飛び散った血と、叫び声に愉しそうに笑いながら、モラ王子が隣に立ったつー姫を見上げる。

「アヒャヒャ、だって、食事に不似合いな不協和音が聞こえるから、つい、なぁ…」

 姫としては褒められない、しかし、彼女の美しさを逆に際立たせる狂ったような笑い声を混じらせ、
つー姫が非礼を詫びた。

「ああ、姉上、スイマセン。僕のせいです。大臣がチョットうるさかったんで、腹を割いたから…」

 モラ王子がすまなそうに眉をひそめる。

「大臣がうるさいのはいつもだろ?まぁ、最低の楽器でも、指揮のフーンと演奏者のタカラ達のお陰で、
まだ何とか許せるがな…あ、ぽろろが加わったか?」

 大臣の声の微妙な違いに、席に戻ってナイフとフォークを動かし始めたつー姫が皿から視線を持ち上げた。

「みたいですね…。フーンも横着だなぁ…どうやら、ぽろろにそのまま食べさせてるみたいだ…」

 フーンの事を笑いながら、モラ王子がワイングラスの液体を飲み干す。

「ああ、アイツはどうも、横着な所があるからな…じゃ、悪いが、俺はコレで失礼するぞ。造形の続きが待ってるんだ」

 つー姫は適当にナプキンで口を拭うと、モラ王子の食事に最後まで付き合わない事を謝って立ち上がった。

「造形?ああ、姉上は、観賞側よりも、やっぱり作る方が向いていっらっしゃるんですね。イイ作品が出来たら、
僕にも見せて下さいね」

 去ろうとするつー姫にモラ王子が手を振る。

「アヒャヒャ、次の作品は、もうちょいマシなのになるように頑張るさ」
 
 モラ王子に手を振り返すついでに、つー姫は手に持った包丁をなぎ払い、ダルマ女の首をゴロリと床へ落とした。

703 名前: 逝犬 投稿日: 2004/04/08(木) 00:21 [ zNYJLTeI ]
 薄手の衣を纏ったしぃの舞が、大広間に集まった者達を魅了する。
 モラ王子やそのそばに控えるメイド、執事や、大広間を守る兵士、その全てが、しぃの一挙一動を見つめいていた。
 流れであるとはいえ、モラ王子の評判を耳にしていたしぃの舞は、最初、緊張でかたさの残るものであったが、
踊るうちに段々と舞は柔らかになり、しぃは踊りへの陶酔を深めていく。

 それは城下で評判になっただけの事のある、上品にして繊細な舞だった。
 しかし、舞を見つめるモラ王子の表情が段々と精彩に欠けていく。

「中々綺麗な舞じゃないか」

 モラ王子が抑揚の無い声で呟いた。
 その声の調子に、舞を舞うしぃを遠巻きに眺めていた兵士達が、前へ進み出る。

「でも…つまんないなぁ」

 モラ王子の言葉を合図に、しぃの体に無数の槍が迫った。
 舞に集中していたしぃはその槍への反応が遅れ、気付いた瞬間、体を貫かれる。

「ほら、やっぱりだ。君は赤いドレスの方が似合う」

 槍を抜かれ、支えをなくしたしぃが広間の床に倒れこんだ。
 血が溢れ、白いドレスはドンドンと赤く染まっていく。

「失礼いたします」

 エクスタシィがモラ王子の顔に飛んだ血飛沫をハンカチで拭った。
 モラ王子はエクスタシィの手を軽くはらって立ちあがると、しぃに歩み寄る。

「あ…ハ…イ…痛…い……た…。…ィャ…たす…タすケ…助け…テ…イタ…」

 自分の血だまりに爪を立て、涙を流してモラ王子に命ばかりはとしぃが訴えた。
 涙を浮かべるしぃに、モラ王子の表情が曇る。

「泣いてるの?可哀想に…」

 モラ王子が涙と血に濡れるしぃの頭に手を置いた。
 手が置かれた事で、いつも通りの作業の開始に気付いた執事のフーンが、しぃの腕にベルトを食い込ませる。

「アゥ…あぁ、嫌!」

 しぃが頭を振り、叫ぶ声に構わず、フーンがベルトを巻き終わると兵士が斧を構えた。

「心配しなくても良いんだよ。僕がずっと、面倒を見てあげるからね」

 モラ王子がにっこり微笑んだ瞬間、斧が振り下ろされる。

「あ゙あ゙あ゙あ――あアァァぁあ゙!!!!!!」

 しぃは腕が切り落とされた瞬間、大きく叫び、残酷なまでに美しいモラ王子の笑みを見ながら意識を手放した。

「王子、踊り子の腕ですが、貰い受けても宜しいでしょうか?」

 フーンが床に落ちた腕を拾い上げ、モラ王子に尋ねる。

「構わないが、どうするんだ?」

 がっくりと頭を落としたしぃから手を離し、モラ王子がフーンに視線を移した。

「ぽろろが少しさっぱりしたものが食べたいと我が侭を申しておりまして…」

 フーンが少しだけ表情を困らせたようにしかめ、モラ王子に理由を説明する。

「ハハ、仕方ないな…大臣は確かに少し、くどかったかもしれないし…イイよ。良かったら、
もう1本持っていってもいいしね…」 

 モラ王子が、床に倒れるしぃの右腕を指差した。

「宜しいのですか?」

 フーンは左腕だけでも勿体無いのに…そんな恐縮した声をあげる。

「ああ、この子は踊り子だから、ステップさえ踏めればイイんだ…足と頭があれば、十分だろ?」

 モラ王子の言葉に、真意を掴んだ執事のタカラが進み出て、メスを懐から取り出すと目を抉り出す。

「そうそう、余計なものを見る必要も、この子は無いんだ…。ただ、ココで、舞だけ踊るんだ…」

 モラ王子は満足そうに微笑むと、再び玉座に戻り、舞以上の興奮に包まれる大広間を愉しそうに見つめた。

704 名前: 逝犬 投稿日: 2004/04/08(木) 00:23 [ zNYJLTeI ]
「なるほど、頚動脈をばっさりと…」

 今日一日の城での人の出入りを調べるメモラーが、人の寝静まった城で黙々と作業を続ける。

「ああ、本日は、大臣も用済みになられたんでしたっけ…。メイドが3人、料理人を2人、兵士を5人、大臣を1人…他には……はぁ…全く、新たに城に呼ばなければならない者が多すぎますね…。まぁ、人件費を払う相手が死んでしまうので構いませんけど…」

 屍や、まだ息の残る用済みの彼らの状態をチェックしてまわり、城の人事を担当するメモラーは独り言を続けた。

 こうして、帰らずの城の夜更けは深まり、いつもの朝日がのぼる。

 モラ王子の日常が何の問題もなく終わり、そしてまた新たに始まっていった。


血狂いモラ王子 〜帰らずの城〜  終

705 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/08(木) 12:14 [ pG2Ort/. ]
>>698の続き。
棍棒で頭を潰されて死んだベビしぃを見て
「ハニャッ!!チィチャン!!!!イマタスケルヨ!」
とかほざいていたので

「もう死んじゃったみたいだね。いやお気の毒だねぇw」
しぃ美がそれを言った後
「ユルサナイ!!イッショニオバカディヲギャクサツスルハズダッタンダヨ!チィチャ」
途中で言葉が途切れた。それもしぃ美が棍棒で口を叩いたからだ。
「バニャ!!イダィヨー!!ドウジデェェ!!」

「ああごめんね。ちょっと五月蝿かったからね」
そして処刑隊長が
「ハニャーン!!ミンナデイクヨ!!!」
そして、全員の処刑隊が来た。

「クラエ!!シィアタック!!」

「コンナノコノチィチャンニカカレバザコデスヨゥ!チィチャンパンチ!!」
とか言ってかかって来るが、
「チィィィィ!!カワイイチィチャンナンダヨゥ!!テカゲンシナサイヨゥ!!」

「シィ!!コイツツヨイヨ!!!アンタタテニナリナサイ!!」
なんて仲間割れをよくした為すぐ全滅した。
「次はあなたよ。虐殺厨さん」
続く

706 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/08(木) 18:41 [ pG2Ort/. ]
>>705続き
そうしてマシンガンを処刑隊長に向けた時、処刑隊長が命乞いをしてきた。
「オナガイ・・・・シィニハマダチィチャンガイルノ・・・・」
そして後ろの方にベビしぃ3匹とちびしぃ2匹が見えた。

「処刑隊長の名が泣くわよ。どうせでぃちゃんでも処刑してたんでしょ?。」

「まったくだモナ。そうだモナ。アフォしぃがイパーイいる所を教えたら助けてやるモナ」
モナ吉が言うと
「ハニャ・・・シィチャンマターリダッコガッコウダヨ・・・バショハキタノホウダヨ・・・」
処刑隊長が言った後
「よし!!よく言ったモナ。お前は用済みだモナ。」
そして、処刑隊長の頭を思い切り蹴飛ばした。
そして持っていたナイフが後ろのちびしぃに当たった。
「シィィィィ!!!ベビチャン!!!タスケテェェェェ!!!」
片腹に刺さった為結構痛かろう。
「チィ!マカチェナチャァイ!マズハコノナイフヌカナキャ!」

「エ、マッテオモイキリヌイチャダ・・ハギャァァァ!!!!」
刺さったナイフがなかなか抜けないので上下にスライドさせて抜こうとしているのだ。

「エイ!エイ!コノギャッチャッチューナイフメ!!アレッ?ケッコウタノチィヨ!。チィ♪チィ♪チィ♪タノチィヨ♪」
リズムに乗ってスライドさせた為刺さった片腹がめちゃくちゃで腸が出そうである。

「チィ?ナンデチュカ?コレハ」

「ハァ・・・ハァ・・・ソレヌイチャダメヨ・・」

「ヌクトタノチチョウ!エイ♪エイ♪」
ベビしぃが腸を抜こうと引っ張りまくっている。

「ナニコレ!?ナカナカヌケナイヨゥ!!キットギャクサツチュウダヨゥ!コノヤサチィチィチャンガツブシテアゲマチュ!」
ベビしぃが落ちていた棍棒を拾って腸に叩きつけた。
「オネェチャン!カラダノナカノギャクサツチュウヲトッテアゲマチュヨ!オレイハモチロンダッコヒャッカイデチュヨ!。エイ!!!!」
「アレ!!???チンジャイマシタヨゥ!デモチィハイイコトシタンダカラダッコシナチャイ!」
腸を潰したショックで死んでしまったらしい。
そしてちびしぃが
「ヨクモ・・・イツモイッショニチビディヲギャクタイシタイモウトナノニ・・・」

「オ・・オ・・オネエチャン・・オチチュイテ♪ダッコマターリデハニャニャニャンチマチョウヨゥ・・チィ!!!!???」
続く

707 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/09(金) 17:00 [ DePdXO2M ]
>>706の続き。
思い切り蹴飛ばされベビしぃが転がっていく。
「オナガイ!!ヤメテクダチャイ!」

「ウルサイ!!!コノギャクサツチュウメ!!!」
そう言ってしぃ美とモナ吉が来ると
「何仲間割れしてんだモナ。簡単に済ませられる方法があるモナ」
「チィ・・・ハヤクイッテクダチャイヨゥ・・・カワイイチィチャンガチンジャイマスヨゥ・・」

「ハニャ!!!??トットトオシエナサイ!ギャクサツチュウ!!」

「それはね」

「君ら2人共死ねばいいんだよ」

「チィ・・・?」

「ウ・・ウソデショ・・コノキタナイベビアゲルカラユルシテ・・・」
そしてモナ吉が二人の頭を踏み潰してしまった。

「アヒャヒャヒャ 快感だモナ。お前らはこうやってでぃとかを虐待したんだモナ。死で償えだモナ」
残ったベビ2匹は
「シヌノナンテイヤダヨゥ!!!チィハアイドルナンダヨゥ!シンダラアイドルガイナクナルンダヨゥ!」

「チィハチニタクナイ・・・コノベビチャンアゲルカラタスケテクダサイヨゥ・・・」

「あーもうお前ら全員死ねばいいモナ」
そしてベビは頭から踏み潰された。
しぃ美がアフォしぃやベビしぃの死体を蹴飛ばして
「じゃあしぃちゃんマターリダッコ学校とやらに行くわよ」

「(言いにくいし名ばかりの学校だと思うモナ・・・)」
そして北の方へ向かっていった。


708 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/10(土) 10:29 [ ham.HFeE ]
「ベビちゃんの運動会」

久しぶりですねー みなさん。
はい、前回>>494のスキー旅行で、ベビどもを地獄へ送った「ベビしぃ幼稚園」のモララーです。
あれ以来、客足が遠のくかと思ったら、なんのなんの 相変わらずの殺到ぶりですよ。
まあ、ベビしぃを安心して預けることができる施設なんて、この近辺では、ここしかありませんからね。
多少疑わしくても、やつらに選択の余地なんか無いんですよ。
おかげでまた、潤った生活ができるんですがね。
いくら搾り取っても、しぃ族は反抗できませんから。 ハハハハ・・・・・!


さて、それの代償と言うべきか
今回も、ま〜た前回に負けず劣らずのクソベビどもがたくさん新入生として入園してきやがりました。
どーいう躾をしてるんでしょうかね こいつらの親は。
春からこのアフォベビどもに我慢してきましたが、今回は前より少し早く、秋に限界が来たようです。
秋・・・・・そう、運動会の季節です。
この一大イベントを利用しない手はありません。
では早速、運動会の準備にかかるとしましょうか・・・・・。


所変わって、あるしぃの家

「ハニャーン!! ベビチャン! コンドノニチヨウビニ ウンドウカイガアルンダネ!!」

「アニャア!! ウンドウカイ!! ウンドウカイ!!」

「ベビチャンハ ハシルノガハヤイカラ カケッコヤリレーデモ イットウショウダヨ!! 」

「アニャア!! チィ ガンガイマチュ!! ミテテネ マァマ!」

「モチロンヨ!! オイシイオベントウタークサンツクッテ ベビチャンヲ オウエンシニイクヨ!!」

「マァマ アイガトー!」

相も変わらずのお気楽ぶり。
まあ、当然か・・・・。
何が運動会で起こるかなんて、まだこいつらには分からないんだから・・・・。
                続く

709 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/10(土) 13:21 [ d7riPepI ]
>>707の続き
そして学校にモナ吉達は到着した。
「すごくクセーモナ。アフォしぃばっかの学校なんて臭すぎるモナ」

「うげぇぁ・・・まったくだわ」

「で、どこからいくモナ?」

「右側にコウビ倉庫とか言うのが見えたわ。」
そうして右側を指差すと倉庫みたいなのが見えた。
「交尾・・・ここらへんにギコ猫はいないし遠い所から連れてこられたのかモナ」

「さぁ?とにかく覗いて見ましょう」
そして覗いて見ると
「ハニャーン!!コウビシナイトシケイダヨ!!!」
「やめろゴルァ!は善良なしぃと交尾すると決めたんだゴルァ!てめえ見たいな臭えマ○コに入れるぐらいなら死んだほうがマシだぞゴルァ!!!」

「ハニャッ!!!??セッカクカワイイシィチャンガコウビサセテアゲタノニ!!アンタハシケイヨ!!」
そして銃をギコ猫の頭に突きつけた時
「死になさい!!アフォ糞しぃめ!」
しぃ美が倉庫のドアを開けて棍棒でアフォしぃを思い切り叩き飛ばした。

「シィィィィィ!!!!シィハアカチャンヲウムンダヨ!!!アンタハシケイダヨ!!!」
そう言い銃を出すと

「死刑とはおめでてーモナ 貴様の様なクズに負ける訳がないモナ」
モナ吉が倉庫に入ってきてそう言った後、拳銃でアフォしぃの頭を撃った。
そしてアフォしぃは絶命した。

「ありがとうだゴルァ 俺はもう故郷に帰るぞゴルァ」
そしてギコ猫は礼を言って学校から出て行った。

「どこにあるのかしらねぇ ここらへんにはいないし」

「同じくだモナ まぁ、とりあえず学校のアフォしぃを潰しまくるモナ ていうかモナ達って虐殺厨とあんま変わってないかもしれないモナ」

「それもそうね」
そしてしぃ美達は下駄箱のある場所へと向かっていった。


710 名前: I need you(1/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:04 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02
(関連 >>530-539


 モニターの中で、でぃが掃除をしている。
 画質の粗さは仕方ない。彼女に気付かれないように録画しようと
考えれば、画素よりカメラの小ささが大切だ。
 彼女はとても醜い姿をしていた。けれど、容姿の醜さなど気に
ならないほど可愛いしぐさをする事がある。くしゃみをした後に、
恥ずかしそうに周囲を見回す姿。真剣な様子で鉢植えに水をやって
いる姿。料理を味見して、満足そうに頷く姿。撮られている事に
気付いていない無防備な映像の全てが、彼にとっては永久保存版の
宝物だ。
 彼女を見つめる一途な目は、恋に似ていた。

711 名前: I need you --- D(2/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:05 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 でぃは多分、幸福だ。
 保護されてから生活は、ひどく居心地悪い物だったけれど。
 充分な食事や柔らかい毛布は、失う不安をでぃに教えたけれど。
 彼に触れられる度に、自身の醜さに泣きたくなったけれど。

 それでも彼の隣にいたいと思うのだから。
 彼女は多分、幸福だった。

712 名前: I need you --- D(3/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:05 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 モララーが忘れ物をしたのだと思った。
 そう思うほど、彼の訪問はすぐだった。
「こんにちは」
 インターホン付属のテレビ画面の中で、彼は窮屈そうに身を縮め
ていた。このマンションは広々とした設計だったが、それでも三頭身
用の施設でしかなく、八頭身の彼にはあまりに小さすぎた。
「君を殺しに来たんだけど、入れてくれないかな?」
 宅配に押印を求めるような、気負いのない口調だった。
「入ろうと思えば入れるんだけど、そっちでオートロック解除して
もらえると余計な破壊活動しなくてもすむからね」
 玄関を壊すとでぃ以外の住民に迷惑だから、と、彼は育ちの良さ
そうな笑顔で言った。
「……もしもし? 聞いてる?」
 でぃは悪い夢を見ているような気がした。

 インターホンのコードを引き抜く。
 ノイズと共に八頭身の姿は消え、声も聞こえなくなった。一緒に
エントランスの彼が消えてしまったような、愚かな錯覚を覚える。
「アウ・・・」
(何で? 誰? どうして私を?)
 この分不相応な生活がいつまでも続くはずはないと、彼女は信じて
いた。けれど、こんな終末を迎えるつもりではなかった。でぃは
モララーの手で殺されるはずだったのに。
 階下から聞こえたガラスの割れる音に、でぃは身を震わせた。彼が
割ったであろう事は疑う余地もない。
 でぃの呼吸が速くなる。心拍数が上がり、嫌な汗がにじんでくる。
「・・・イヤ」
 彼女はとっさに電話を手にとった。けれど結局、番号を押すこと
なく受話器を戻した。
 誰に助けを求めるというのだ。
 被虐者を底辺にしたピラミッドの中で、モララー族の位置は決して
低くはなかったけれど、それでも、頂点の八頭身種にはかなわない。
(隠れよう)
 抵抗してどうにかなる相手ではなかった。
 たかがでぃを殺すのに、八頭身種が本気になるわけはない。その場
をやり過ごせば、彼はきっと飽きてどこかに行ってしまう。
 彼女は部屋を見回した。
 三頭身AAが隠れられるような場所は見つからない。
(……寝室)
 でぃはクローゼットの中に身を隠す事に決めた。

713 名前: I need you --- D(4/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:06 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 扉の内側に付いているネクタイかけを引っ張って、クローゼットを
ぴったり閉める事に成功した。内側から閉めた事は、八頭身にはきっと
分からない。
(落ち着きなさい、呼吸を乱さない)
 静かにしていれば、彼はきっと気付かず帰ってしまう。
 クローゼットの中はモララーの匂いでいっぱいだった。彼のスーツ
が毛皮に当たり、膝に抱き上げられた時の感触を思い出す。
(……モララーさんは、きっと大丈夫)
 週末になると決まって一人で出かけていく彼は、夜になるまで帰ら
ない事が多かった。それに、もし八頭身がいる間に帰ってきたとして
も、聡明な彼は異変に気付いて逃げるだろう。
 けれど、もしかしたら……。
 モララーが自分のために八頭身に無駄な戦いを仕掛けるかもしれ
ない。そんな自惚れた考えを、でぃはすぐに切り捨てた。だって、
自分はでぃなのだから。こんなに醜い種族を愛する物好きなんて、
いるはずがないのだから。
(あり得ない。私は、そんなに大事じゃない)
 彼に愛されたくなかったと言えば嘘になる。けれど、モララーが
彼女の為に無茶する理由の無いことが、今のでぃには嬉しかった。

 呼び鈴が鳴らされた。
 クローゼットの中で、でぃは膝を強く抱きしめて縮こまった。
そうやって小さくなっていれば、八頭身に見つからずにすむとでも
言うように。

714 名前: I need you --- D(5/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:06 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 もう一度呼び鈴が鳴った後、玄関のドアががちゃがちゃと音を
立てた。
 でぃはぎゅっと目を閉じて、一層小さくなる。願った分だけ小さく
なれるのなら、彼女はもうノミよりも小さくなっていただろう。

 玄関のドアが叩かれた。
 ノックなどという優しい物ではない。サンドバッグでも殴るように
リズム良く、彼は鉄製ドアに悲鳴を上げさせている。
 きっかり20回持ちこたえて、ドアは力尽きた。
 歪んだドアの開かれるぎちぎちした音が、でぃの心を軋ませる。
恐怖以外の感情は何も思い浮かんでこない。

 圧倒的なストレスを受けながら、それでも彼女は、いっそ死にたい
などとは思わなかった。
 モララーはでぃに沢山、分不相応な贈り物をくれた。紫のマグカップ
や、醜い彼女に触れる事を嫌がらない優しい手だ。
 だからでぃは返さなくてはならない。モララーが望むなら、彼女の
全ては彼の物だ。血も肉も臓物も心も骨も毛皮も目玉も魂も。
 だから、見知らぬ誰かに渡す訳にはいかない。

 玄関でごそごそと音がした。
 八頭身が靴を脱いでいるらしい。
「おじゃまします」
 玄関を壊して無断侵入しているわりには、彼は礼儀正しかった。
……そうだ、今この瞬間も、彼は何ら違法な行為はしていない。彼が
壊した物は全て三頭身種の所有で、この部屋だって、貸し主も借り主
も三頭身種だ。八頭身種の彼が咎められるはずが無かった。
「いるだろう? 出ておいで」
 でぃは無人を装う。
「……分かってるんだよ?」
 彼は溜息をついて、廊下を歩きはじめた。
(そんなはずない。そう言えば出てくると思っているだけ)
 でぃは自分にそう言い聞かせた。けれど、彼の足音が近付いてくる
につれて、鼓動がどんどん早くなる。
 彼の足音が、寝室の前にさしかかった。
(そのまま通り過ぎて。リビングに入って、私を見つけないまま、
帰ってしまって)
 足音は寝室の前で止まった。
 でぃの心拍数は上がり続ける。
(過ぎて。お願い)
 彼女は息を止めた。狭いクローゼットの中では、震える呼吸音は
ひどく大きく聞こえる。それが、八頭身にも聞こえてしまいそうに
思えたのだ。
(行ってしまって)
 でぃの願いは虚しく、寝室のドアは開かれた。

 隠しカメラがクローゼットに入るでぃを映していたから。
 八頭身がまっすぐに彼女の隠れ場所に向かった事は、そう説明
できるかもしれない。
 けれど、もっとふさわしい説明もできる。

 彼女はでぃ族だったから。
 幸運の女神は、醜く弱い彼らを愛さない。

715 名前: I need you --- D(6/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:06 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 クローゼットが開かれた。
 朝とも昼ともつかない明るい陽光が、でぃの足を照らす。
 彼女は顔を上げられなかった。恐怖に凍り付いたまま、腕で抱えた
ひざこぞうをじっと見つめている。
「クローゼットは良くない選択だ。生き残りたかったら、大時計に
隠れなくてはね」
 仔ヤギさん、と彼はでぃに呼びかけた。

 狼を母親だと信じてドアを開けてしまうヤギ達の寓話を、でぃは
知らない。寝物語を聞かせてもらえるような恵まれた子供時代は、
彼女には無かったから。
 もっとも、話を知っていたところで、彼女の恐怖が軽減されたわけ
ではない。救われる仔ヤギ達と比較して、己の惨めさが際立っただけ
の事だ。

 大きな手がでぃを抱き上げた。
 拒絶を伝えようと開いた口からは、結局、意味を成さない音の連続
しか出てこなかった。声に出せなかった言葉達は、でぃの頭の中で
反響し続ける。
(止めて。嫌。殺さないで。殺さないで。殺さないで)
 彼の手から逃れたくて、全力で腕を押し返す。けれど、彼の腕は
びくともしなかった。それはそうだ。その腕は、直径で彼女の三倍
近くあり、巨木の枝を連想させるほどの物だったのだから。
 でぃは精一杯抵抗したが、それは八頭身から見れば、抵抗と呼ぶに
値しないほど弱々しい動きだったに違いない。

 八頭身はでぃを抱いたまま、モララーのベッドに腰を下ろした。
 想定を大きく上回る重量に、ベッドの木枠が苦鳴を上げる。
「さて……」
 彼は大きな――三頭身から見ればもちろん、八頭身の彼と比較して
も大きな――荷物を足元に下ろした。
 彼はでぃを、向かい合わせになるように抱き直した。互いの腹を
合わせる体勢が、でぃにはひどく嫌だ。少しでも体を離そうと、両腕
を突っ張らせる。
「……ちょっとごめん、力抜いて。手、折れるよ」
 物騒な発言に、でぃは反射的に腕を引いた。その隙に合わせて、
彼の手がでぃの背中を押さえた。強制的に、彼の体に顔を埋める
事になる。ウールのジャケットは柔らかくて、かすかにコロンの香り
がした。
 誰が何と言おうと、モララーの物でない感触は彼女には不愉快だ。
「イヤ・・・ヤメ」
 やっと声が出た。
 けれど、もちろん、八頭身が彼女の言葉を聞いてくれるはずは
なかった。片手ででぃの背中を押さえたまま、空いている方の手で
荷物の中を探している。
 彼が何を探しているのかなんて、でぃは考えたくもない。
「ハナシ・・・」
 八頭身の腕の中でもがきながら、でぃは考える。どうすれば、自分
は彼に殺されずにすむだろうか? そもそも、彼はどうして自分なんか
を殺しに来たのだろうか?
 足首に得体の知れない液体を塗られて、でぃの思考は中断した。
毛皮越しにもはっきりと冷たい感触がある。怯えたでぃが身を震わせ
ると、八頭身が少し笑った。
「ただのアルコールだよ。次は、ちょっと痛いけどね」
 言葉の後に、足首に何かが刺さった。それだけでなく、刺さった
周辺に、肉を引き絞られるような痛みが生まれる。
「……はい、終わり。麻酔をかけておかないと、本当に保たない
から」
 君達はとても繊細だ、針を抜きながら彼はそう言った。

716 名前: I need you --- D(7/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:07 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 麻酔が効くまでしばらくかかるから、話でもしようか。
 八頭身の提案は馬鹿げていた。少なくともでぃは、彼と談笑する
気などない。けれど彼女の意志など、彼にとってはどうでもいいこと
なのだろう。
「自己紹介。……というほど大した物じゃないけど」
 彼はある映画の題名を挙げた。その題名には、でぃは聞き覚えが
あった。「包丁嫌いのつー」……題名の通り、刃物を嫌うつー族の
少年(?)のドキュメンタリーだったはずだ。
 テレビ放映されていたそれを、でぃは冒頭15分だけ見ている。
風呂から出てきたモララーが、慌ててチャンネルを変えたので、
どんなラストを迎えたのかは知らないが。
「君の保護者は、気に入らなかったみたいだけど」
 モララーは、その映画はくだらないから見てはいけないと言って
いた。奇をてらっただけの駄作だと。
 どうして八頭身がその事を知っているのか、でぃには分からない。
けれど、映画をけなされた監督がモララーに危害を加えるのではない
かと、彼女は不安に思った。
「そんな顔しなくても、大丈夫。三頭身が理解しなかったからって
怒るほど、短気じゃないよ」
 彼は正確にでぃの表情を読みとっていく。それはきっと、種族故の
先天的な観察力によるものだったのだろうけれど、まるでモララーより
彼女の事を理解していると言われているようで、でぃは悔しかった。
 八頭身の手がでぃの頭を撫でた。彼から優しく扱われるのは、乱暴
に扱われるよりも嫌な事だ。
 でぃが望んでいるのは、モララーの手だった。他の手は要らない。
他の手に優しくされるくらいなら、でぃは誰からも優しくされない
方がいい。
「君は、新作の主演女優だ」
 でぃを抱き込むように背を丸めて、彼は彼女の耳に囁いた。
 でぃは、映画のナレーションを思い出した。八頭身が囁く声は、
確かにナレーションの声と同じだった。

 刃物を嫌がったつーは死んだのだと、でぃは思った。
 テレビ画面の中で、何も傷つけずに生きていく方法を探していた
彼は、きっと八頭身に殺されたのだ。

「ナン・・・デ」
 元々どもりがちなのに麻酔まで加わり、でぃは上手く言葉が出せ
ない。
「君は、とても幸福そうに笑ってたから」
 稀少だと、彼はでぃをそう評した。それは、つー族の少年に向け
られたのと同じ言葉だ。
 故に殺されねばならないと言うなら、それはもう稀少ではなく
異端だと、でぃは思う。

 それきりでぃは、八頭身が何を言っても応えなかった。弾まない
会話に、彼の口数も少なくなる。

 部屋の中は静かになった。目覚まし時計の秒針の、ちくちくした
音だけが時間を進めて行く。
 でぃの背中を撫でていた手が、不意に離れた。
 もちろんでぃは、逃げようと思った。寝室を出るどころか、ベッド
から下りることもできずに八頭身につかまるだろうが、それでも行動
せずにはいられなかった。しかし。
「……効いてるみたいだね」
 八頭身にもたれかかったまま、でぃの体は動かない。
 意識は明確で、眠気も全く感じられないのに、投薬の効果は確実に
彼女から力を奪っていた。
「ア・・・ウア・・・」
 八頭身はでぃを片腕に抱きかかえて、もう片方の手で荷物を持ち
上げた。
 モララーの目覚まし時計を確認して、彼はでぃに微笑みかける。
「10時47分。今、君は死んだ」
 まだ生きている彼女に、八頭身は死亡を宣告した。

717 名前: I need you --- D(8/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:08 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 でぃはリビングのテーブルの上に、仰向けに寝かされた。
 ほんの一時間前には、モララーと朝食を摂っていたテーブルだ。

 八頭身は楽しげに、ビデオカメラを三脚に固定していた。
 ファインダーをのぞき、でぃにピントを合わせたらしい。
「じゃあ、始めようか」
「・・・ヤ・・・」
 でぃの声は小さな物だったけれど、彼女とは比較にならないほど
聴覚の優れた八頭身には聞こえたらしい。彼は笑顔で首を振った。
 八頭身がメスのカバーを外した。切れ味の良さそうな刃に陽光が
反射して、でぃは少しまぶしい。
「君を64個に分けて、ガラスの標本にする。映画館に、一つずつ
置いておくんだ」
 でぃはきっと沢山のAAから同情される、彼はそう言った。
「稀少な物が駄目になってしまうのは、とても悲しい事だからね」
 でぃは、見知らぬAAからの哀れみなど欲しくなどない。
 八頭身と視線が合った。
 彼はうっとりと目を細めた。
「いい表情だ。死ぬのを嫌がるでぃ族なんて、初めてだよ」
 見込んだ通りだと、彼は頷いた。

 彼の言葉に、でぃは以前の自分を思い出した。
 かつてのでぃは、死に恐怖など抱いてはいなかった。彼女の毎日は
苦しみの縦糸に悲しみの横糸で織られた物だったから、でぃはそんな
醜い世界に未練など無かった。彼女は、ただ惰性で生きていたに
過ぎない。
 けれど今、でぃの隣にはモララーがいる。
 彼はでぃの糸を真っ白に染め上げてくれた。彼のいるこの世界は
とても美しいと、彼女は思う。この美しい世界から切り離される事は
ひどい苦痛だった。それでも、でぃを終了させるのがモララーなら
彼女は耐えられたのに。

 八頭身のメスが下りてきた。
 痛みは無く、けれど確実に彼女は切り裂かれていく。
 でぃは八頭身の手元を目で追おうとした。けれど、頭が動かせない
彼女には、血のあふれる傷口は見えなかった。それは、むしろ彼女に
とっては幸せな事と言えただろう。
「感じないと思うけど、もう切れてるよ」
 八頭身がメスを持ち上げて見せた。赤い雫が、手術用手袋をした
彼の手に滴る。
「ヤ・・・メ」
 彼は、でぃの額を撫でてくる。
「今の君は、最高に綺麗だ。……やめてあげられない」
 作業は再開された。

 ビデオカメラは無機質にでぃを見つめている。
 じーっという撮影音が、記録されているという事実を彼女に思い
知らせる。
 レンズの向こうに、でぃは群衆を幻視した。ポップコーンを頬張り
ながら、稀少な物が駄目になってしまう悲劇とやらに酔いしれるAA達
の姿だ。

 視線を八頭身に戻したでぃは、信じたくない状況を見た。
 八頭身の手の中に、彼女の腕があった。体から切り離され、毛皮を
剥がれ、彼女の右腕は真っ赤な肉を見せていた。
 八頭身が、タオルで彼女の腕を拭く。自身の肉を布で擦られる光景
に、でぃは、存在するはずのない痛みを感じた。
「中指、なかったんだ。……困ったな、数が足りない」
 タオルで血を拭き取られた腕は、桜色の筋組織を晒している。
ごわごわしがちな毛皮の下にあったとは思えないほど、それは綺麗な
色だった。
 ぶつぶつと呟いていた八頭身は、肝臓を一つ多く切り分けて数を
合わせる事に決めたらしい。
「8に8を掛けて64。8は聖なる数字だからね」
 でぃを見下ろした彼は、彼女の涙に気付いて優しく笑った。血の
付いた指が目尻の雫をすくい、彼の口に運ぶ。
「雨の日の海の味がする」
 でぃは心底、彼を異質だと感じた。

 八頭身は、でぃの手にハサミを入れ始めた。ぷつりぷつりと、彼女
の指を切り離していく。小さく分けられた彼女の体を、彼は足元に
用意したバケツに落としていった。
 でぃ族は弱い。今すぐ世界一の外科医に持ち込んだとしても、彼女
の腕はもう元には戻らないだろう。
「ヤメ・・・」
「止めてって……。もう、手も足もないんだよ?」
 それでも助かりたいのかと、彼は首を傾げた。

718 名前: I need you --- D(9/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:08 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 でぃは神など信じていなかった。
 彼女の生きてきた世界は、神に作られたとは思えないほど、苦痛に
満ちた醜いものだったから。
 けれど今、救いを求める対象として、彼女はそれを必要とした。

 神様。私のことを気に留めては下さらなかった神様。
 あなたが叶えて下さらなかった、全ての願いを諦めます。
 美しくなれなくてもいい。強くなれなくてもいい。もう、あの
優しい人の側で生きられなくてもいい。
 だから、今ここでは、死なせないで下さい。
 あの優しい人のいる場所で。……許されるなら、あの綺麗な優しい
手にかかって死なせて下さい。

719 名前: I need you --- D(10/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:08 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 生きたいと答えたでぃに、八頭身は嬉しそうに息をはいた。
「君は本当に稀少だ」
 そして、彼のメスは胸元に下りてきた。
 八頭身の手は迷い無く、でぃを切り開いていく。
 血に濡れた、ひも状の内蔵が引きずり出されたのが見えた。多分、
小腸か大腸のどちらかだ。
 でぃのすり切れそうな精神を、モララーの存在が支える。
 彼女は、狂う事すら許されなかった。
「カ・・・サ、マ」
 でぃの言葉を聞き取った八頭身が、愛おしげに微笑む。
「君の悲劇に祝福を」

 腸をバケツに落として、八頭身は次の臓器を抜きにかかった。
「肝臓。綺麗な形だね」
「腎臓。感触がいい」
「膵臓。案外小さいんだよ」
 ご丁寧に、彼は一つずつ彼女の視界に入れて解説し始めた。
 でぃの中身はどんどん無くなっていく。
「肺や心臓は、また後で」
 彼は金属製のヘラを持ってきた。ヘラの先があまりに目の近くまで
下りてきたので、でぃは上手く焦点が合わせられない。
 左目のまぶたの際に、へらが触れた。
 視神経が切れた。
「ア・・・ウ? ・・・ア、ア、アア」
 でぃからえぐりだした左の目玉を、彼は手の平に置いてじっと
見つめている。
「眼球。宝石みたいだね」
 でぃの右目と、でぃの左目が合った。
 恐怖から解放された左の目玉は、まどろむように穏やかだった。
(神様、どうか)
 右の視神経も切れた。

 麻酔の効いている現在、彼女に残された感覚は聴覚だけだった。
「まだ、生きたい?」
 彼は期待のこもった声で、そう聞いてくる。
 死にたいと答えれば、あるいは彼をがっかりさせる事ができるかも
しれない。けれど、彼をがっかりさせたところで、でぃには何の利益
もない。彼女は、素直な気持ちを答えた。
「そう。……君の保護者に、何か言い残す事は?」
 伝言したい事など、彼女には無かった。
 でぃはただ、

720 名前: I need you(11/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:09 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02

 電話が鳴った。
 彼はちらりとそちらに目を向けたが、すぐに作業に戻った。
とってやっても良かったのだが、手が血塗れだったので洗うのが
手間なのだ。

 電話はいつまでも鳴り続ける。
 かけている相手は、絶対に誰かが出ると思っているらしい。

 彼は溜息をついて、流しに向かった。手を洗い始めた途端、
電話が鳴り止んだ。
 どうせ諦めるのなら、あと3コール早く諦めて欲しかった。
そう思いながら、彼はテーブルに戻ろうとする。

 また電話が鳴り始めた。
 彼は着信番号を確認して、相手を許す事にした。

721 名前: I need you --- M(12/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:09 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 モララーは自分の毛皮の匂いを確認した。
「……やっぱ、洗い立てって感じがするな」
 ボディソープは自宅と同じメーカーの物を用意していたが、
出ていく時より帰ってきた時の方が匂いが強いのは、どう考えても
おかしい。
 普段は、程良く匂いが抜けるまで帰らずにいるのだが、今日は
でぃと連絡がとれずに不安になったのだ。
「血の匂いは取れたし……最悪、風俗行った事にしとくか」
 そんな事を考えなくても、彼から話さなければ、彼女はきっと追求
したりはしないだろう。

 マンションに帰ると、エントランスのガラスが割られていた。

 自宅に引きこもるなり、逃げるなりしたのだろう。あたりにAAの
気配はなかった。
 モララーは足を止めた。でぃの所在確認をするべきなのか、すぐ
逃げるべきなのか、少しの間悩む。
 風がモララーのコンビニ袋を揺らした。まだ暖かいおでんの存在が
思い出される。
「……一緒に食わなきゃな」
 強化ガラスの破片を踏み越えて、彼は建物に入った。
 ありがたいことに、エレベーターは壊されてはいなかった。

 部屋のある階につくと、異変は一目で分かった。よりにもよって、
モララーの部屋のドアが壊されているのだ。
 閉じかけたエレベーターを「開」ボタンで止めて、彼はでぃの現状
を推測した。

 彼女は逃げ出している。あるいは死んでいる。
 未だに彼女が存命して部屋で助けを待っているなど、ありえない。

 モララーの手は「開」ボタンから離れた。
 そして、彼はエレベーターから下りた。
 ありそうにはなかったが、ゼロと言い切れない可能性がモララーを
突き動かした。歩調は早くなり、最後には小走りになって玄関に入る。
 そこには、巨大な靴が一足揃えてあった。
 紛れもない八頭身種の痕跡に、モララーは動けなくなった。

 玄関からまっすぐ突き当たったドアのガラスに、人影が映った。
「おじゃましてます」
 コンビニの袋が指から滑り落ちた。倒れたおでんカップから煮汁が
こぼれだして、コンクリートの通路を汚す。
「おでん? もしかして、たまごいっぱい買った?」
 天井に頭をぶつけそうになりながら、八頭身が中腰で歩いてきた。
 八頭身はコンビニ袋を拾い上げ、中身を確認した。
「ごめん。食べる人はもういないんだ」

 あの時のでぃは、どうして自分に向かってこれたのだろう?
 彼には理解できないほど、彼女の心は強かったのかもしれない。

722 名前: I need you --- M(13/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:10 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


「君の部屋だ。入るといい」
 八頭身の勧めは、三頭身にとっては命令にも等しかった。
絞首台に向かう囚人のような心境で、彼はリビングに向かう。

 恐れたような惨状はそこにはなかった。

 慣れ親しんだ血の――それが彼女の物だなんて信じたくはなかった
けれど――匂いこそしたが、でぃの残骸はそこにはなかった。
 八頭身が掃除したのか、血の跡さえない。
 彼女があまり苦しまなかったのならいいと、モララーは思った。

「玄関の修理費用は、僕が持つよ。大丈夫、撮影経費の一部だ」
 煮汁で濡れたコンビニ袋を流しに置いて、八頭身は浴室に入って
いった。
 瞬間、モララーの脳裏に、浴槽に浮かぶ彼女の遺体が想像された。
片腕を引きちぎられ頭蓋を潰された、哀れな遺体の妄想だ。

 八頭身が持ってきた物は、モララーの想像より数段ひどかった。
「形見に一つあげる。目、心臓、耳、尻尾……。骨や内臓が良ければ
そっちを持ってくるけど」
 ホルマリンの匂いがした。
 プラスチックのフタが付いた透明のビンの中で、でぃの破片が
液体に保存されている。
 モララーは反射的に首を振った。
「そう言わないで。後できっと後悔するから」
 彼はモララーの胸にビンを一つ押しつけてきた。たぷんと揺れる
保存液の中で、灰色の目がくるりと一回転した。この目にはもう
あの柔らかな光がともる事はないのだ。
「死にたくない」
 八頭身の唐突な言葉に、モララーは顔を上げた。
「彼女の遺言だよ」
 モララーは、でぃの為に武器をとらなければならない。

 テーブルの上には、見慣れないメスが置いてあった。
 これは多分、八頭身の所有物だ。
 そして多分、でぃの血を吸った凶器だ。
「触るな」
 八頭身の声は、決して威圧的な物ではなかった。表情も、どちら
かと言えば、穏やかな物だった。けれど、モララーは伸ばしかけた
手を止めた。ゆっくりと下におろす。
「それでいい。無謀を勇気と誇るのは、愚かな事だ」
 恥じることはない、彼はそう言って微笑んだ。

 でぃが自分を恨んだのならいいと、モララーは思う。
 肝心な時に居合わせず、今、彼女のために動こうとしないAAに、
彼女がひどく汚い感情を抱いたならいいと、彼はそう思う。
 でなければ、彼女があまりに哀れではないか。

723 名前: I need you --- M(14/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:10 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 モララーは神の存在を認めていなかった。
 彼にとって神という概念は、努力の代わりに祈る事しかしない
AA達が生み出した幻想に過ぎなかったからだ。
 けれど今、憎しみの対象として、彼はそれを必要とした。

 神よ。彼女の魂にふさわしい器を与えなかった、役立たずの神よ。
 彼女の心がどんなに善良だったのか、お前は知ろうともしない。
 全能を誇るなら、今すぐ彼女を生き返らせてみせろ。
 運命なんてふざけた言い訳を、俺はきいてやらない。
 代わりの魂が要るというなら、そこの八頭身を連れて行け。そいつ
は彼女を殺した、紛れもない罪人だ。お前がそれを罪として認める
なら、俺も、しぃを殺した罪で地獄に行ってやる。

724 名前: I need you --- M(15/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:11 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


「君はとても幸せなAAだ」
 八頭身は随分的外れな事を言った。
 モララーは、今の自分ほど不幸なAAはいないと思っているのに。
「彼女はすばらしかった。不覚にも、途中で殺すのが惜しくなった
くらいにね。その彼女が、君しか見てなかったんだから」
 モララーなんかにはもったいないと、彼は続ける。
「彼女の笑顔は、全部君に捧げられている」
(……でぃは、笑わねえよ)
 幸せそうに笑う彼女を、彼はついに見る事ができなかった。
 八頭身は嘘をついているのだと、モララーは思う。

 けれど、もしも彼女が本当に笑ったのなら。
 それが迫った死に狂った笑いだったとしても、それを見ることの
できた八頭身が、モララーには少し妬ましかった。

725 名前: I need ...(16/16) 投稿日: 2004/04/10(土) 18:11 [ ktQ2uZWs ]
NG博愛主義02


 モニターの中で、モララーが標本を眺めている。
 画質の粗さは仕方ない。彼に気付かれないように録画しようと
考えれば、画素よりカメラの小ささが大切だ。
 もう取り繕う必要の無くなった彼は、返り血に汚れた衣服のままで
彼女に接していた。彼の両手にすっぽりと包まれて、ガラスの中の
でぃはゆらゆらと彼を見つめている。
「……ほら、やっぱり必要だったろ?」
 彼の呟きが届くはずもなく、モニターの中のモララーは大事そうに
ガラスのビンを撫でていた。

 結局モララーは、稀少とは呼べないAAのままだった。
 虐待を止めるでもなく、精神に異常をきたすでもなく。虐殺から
帰ってきた夜に、こうやって一人で彼女の目を見ているだけだ。
 モララーは、ごくありふれた普通の三頭身モララーでしかない。

 彼はモニターの電源を落とし、失望に溜息をついた。
「君は要らない」


(終了)

<参考ページ>
www.sun-inet.or.jp/~nisimura/link30.html
ホルマリン標本(※注意・ある種の死体画像を含む)

726 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/10(土) 19:22 [ d7riPepI ]
>>709の続き
「ここが下駄箱なのかモナ・・・」
下駄箱には糞や小便が撒き散らしてあった。

「下駄箱も臭いモナー(´Д⊂」

「ひぃぃ 糞ベビとか糞チビが散乱させたんだろうね」

「とりあえず行くモナ」
そして一番手前の教室を目指した。
「シィチャンダッコイチクミ(゚ー゚*)♪だって・・」

「UZEEEEEEEE!とりあえず覗いて見るモナ」

「チィ♪サトウゴハントクリームパンオイチィネ♪」

「ホントニオイチィネ♪マターリナアジッテコノコトヲイウンダヨネ?」

「サトウジルモアマクテオイチィネ♪ディハコンナオイチィモノタベレナイヨネ!」

「チィィィ・・・キョウチビディトベビディイジメテタラチッポヌカレマチタヨゥ・・・」

「チィ?ディゴトキニシィノチャームポイントトモイエルトコロヲヌカレルナンテコンナショボイベビイラナイネ」
こんな事を仲間に言うと先生らしきアフォしぃが
「ソウネ ドウセダシクルシメテコロシテアゲルワ」

「チョンナ!!!!チィハチニタクナイヨゥ!!」

「ウルチャイヨ!チィチャンハカクトウガスゴクトクイナンダヨゥ!アンタナンカイチコロダネ♪」

「クライナチャイ!!!チィチャンノビ!」
そしてズサギコの様に滑ってベビの足を転ばせた。
「チィィィ!!!カワイイオカオガァァァァ!!!アンヨモオレチャッタヨゥゥゥ!!!イチャイヨゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!」

「ウルチャイ!!チビディニチッポトラレルベビナンテソンザイカチナイノヨ!!!クライナサイ!!チィチャンオウフクビンタ!」
ばしぃ!びしぃ!ばきぃ!
という音がビンタする事に出る
「チィィィ!!オカオガァ!オメメガァ!」

「ソロソロドトメダヨ♪ヒロッタノヨ♪」
そう言って棍棒を取り出した、それで叩きまくった。
「マジュオテテカラダヨゥ♪ツギニノコッタアチツブシテアゲマチュ!!!」
そうして棍棒を手に振り落とした。
「チィィィ!!オテテガァ!!!」

「ツギアンヨチャンツブチテアゲマチュ!」
そうすると先生アフォしぃが
「マッテ コノママジャチィミチャンガカワイソウダワ」
こう言ってベビの前に立った。
「(チィ・・・トウジェンダヨネ・・チィハカチコイシヤサチィシオバカディトオニーニヲクルシメテコロチテアゲタカラマターリノカミチャマガタチュケテクレタンダ♪」
そしてアフォしぃ先生が
「サッキシィモヒロッタノヨ♪ドウセナラソノキタナイマソコニイレテアゲルネ!♪」
そう言った後、結構大きく、そして堅そうな石を尻に押し込んだ。
「チィィガヤkjファl!!!・・・キモチィィィ♪」
狂ったベビを見て、
「ジャアモットオシコンデアゲルネ!!!ヤッパリシィハヤサシィネ!」
そして足でさらに押し込むと糞や小便を撒き散らした後絶命した。

そして死んだベビの方を見ている時にしぃ美達が教室に突入した。


727 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/04/10(土) 23:05 [ vvlfbNeU ]
気が付くと僕はそこにいた。
僕は何も分からなかった。
覚えているのは優しいお父さんとお母さんがいたことだけだ。
僕の手は真っ赤だ。
そこらじゅうに死体がある・・
「なぜ僕はここにいるんだ・・?」
僕自身何があったか分からない。
何故かそこに墓が二つある。
それよりとてもお腹がすいた。
僕はそこにいたちびギコを見た。
「坊や」
「な、何デチか?」
「ちょっとでいいからこっちへおいで。」
「嫌デチ!死体だらけで怖いデチ!お兄ちゃんが来て欲しいデチ!」
僕はそこの死体が握っていたデッキブラシを取った。
「坊や・・ちょっと我慢してね」
「何d」
グチャッ!!
僕はそのちびギコの頭から力を込めて殴った。
肉を粉砕し、頭蓋骨を砕き、脳を破壊した。辺りには血が飛び散った。
「驚いた・・まさかこの程度で穴が空くなんて」
僕はポケットにあったマッチとその辺から取ってきた木で火を焼いた。
そして僕はちびギコを焼いて食べた。
「なかなか味があるものだな」
僕は血まみれなので川で服を洗った。
町が見えるが遠いので今日は野宿だ。
「明日は何をしよう」
いろいろ考えているうちに僕は眠った。
「ここは・・どこ?」
「・・・。起きなさい・・・。」
誰だろう。誰かが僕を呼んでいる。
「・・・。ご飯よ。・・・。」
誰なんだろう・・もしや・・・
「お父さん!お母さん!」
僕は混乱した。記憶が無いのでよく分からない。
「お父さん!お母さん!どこにいるの!」
「私たちはもうそこにはいない。でも、見上げているよ。」
「いつまでもいてあげたいけど・・そうもいかないわ・・」
「もういかなくちゃならない・・さよならだ。かわいい息子。」
「・・お父さんお母さん!置いていかないで!」
!!
僕は起きた。・・夢か。
「何だったんだろう。もしかして・・」
僕はそこの墓に置いてあった封筒を見た。
「・・何だろう?写真と手紙だ・・・?」
美しいしぃとたくましい体のギコだ。
「誰だろう。・・?後ろに何か書いてある・・」
シュヴァルツへ。シュヴァルツがこれを読んでいるころは私たちは
もうこの世に居ないだろう。お前が起きたころ、死体が転がっていただろう?
その中に私たちがいたはずだ。お前はこれから危険な目にあうであろう。
お前は大きくなったとはいえ、立派なしぃだ。お前はこの世でも珍しい雄しぃ
らしい。しかしお前も虐殺対象になるはずだ。私はお前をそこから見えるであろう
町まで行こうとした。しかし、私の妻、写真に写っているしぃだ。そしてお前が
虐殺厨の標的にされた。私も妻もお前を守ろうとした。しかし先に妻は逝った。
今この遺書を書いている時・・お前が戦っている。その辺りにある死体はお前が
やった物だ。しかし  わ  し  み    が
「?この辺りは血で汚れている・・」
「最後に何か書いてある・・」
この封筒の中にナイフを二つ、それと50万円入っているはずだ。
生活費に使え。それと何かあったらこのナイフを使え。お父さんが若いころ使っていた。
きっと役立つはずだ。さよならだ。かわいい息子。
「お父さん・・・」
僕は町に向かってまっすぐ行った。父さんと母さんの墓を残して。
「これから何か色々あるだろう。まずはちびギコ達でナイフの練習だ。」
糸売く

728 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/10(土) 23:22 [ 2UuekttM ]
>>708続き

〜運動会当日〜

しぃ達にとっても、モララーにとっても、待ちに待った運動会がやってきた。
朝っぱらからみんな興奮している。

「ベビチャン! ガンバルノヨ! イットウショウトッタラ ゴホウビダカラネ!」

「チィ! タノチミ〜♪」

「ベビチャン! ゼッタイマケチャダメヨ!」

「モチロンデチュ!」

開園時刻前から門の前ではこの騒ぎだ。
ま、せいぜいがんばってくれよ。ベビちゃん
今日の出来次第で、今後の生活が変わってくるんだから・・・・。
・・・・・・さて、そろそろ時間か・・・・・。


門が開かれる。
待ちわびていたしぃ達が、一斉に入り込む。

「マァマ!! イッテキマーチュ!!」

「ガンバルノヨー!!」

「エート オウエンセキハ・・・・・ア! アッタ!」

ご丁寧にも、看板が立ててある。
母しぃ達は、プログラムを片手におしゃべりをしながら、「応援席」へと向かった。


〜運動会・開始〜

「チェンチェー! チィタチハ・・・・・」

お決まりの選手宣誓である。
・・
一応覚えさせておいた。・・・・・・・ダッコとお菓子で釣って。
まったく現金な糞虫どもだ。

母しぃ達は、その様子を応援席から眺めていた。
しかし、何かが違う。
普通の運動会の応援席とは、何かが違う。
それもそのはず。
応援席とグラウンドの間には、ガラスが張ってあったからだ。
それも、ビルの窓ガラスのような、かなり分厚いガラスだ。
おまけにまるで野球場のように、応援席の周りは壁で囲まれている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まぁ、いいか。
一応パンフにも
「騎馬戦などで、ベビちゃん達が突っ込んでくる可能性があります。
 そう言った事態のために、応援席は特別にもうけてあります。」

そう書いておいたし。

万一不審がったところで、もう遅い。
応援席の鍵は、もうかけてしまった。
これで何が起ころうと、母しぃどもは外に出られない。
そう、何が起ころうと、ね・・・・・。


ラジオ体操終了。
いよいよ、始まりだ。
                続く

729 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/11(日) 12:36 [ rKrOr5vM ]
>>726の続き
教室に入ったしぃ美達を見てベビしぃやアフォしぃ先生が
「チィ!?ギャクサツチュウダヨゥ!!」

「ダイジョウブダヨ♪コノシィセンセイガイレバタダノザコダヨ♪」
と、アフォしぃ先生が言うと
「チィ♪ヨカッタ♪」
ベビしぃ共が安心してると
「これでも大丈夫なのかなぁ?」
しぃ美が棍棒を振り上げた。
「チィィィ!!??マッテ♪・・・カワイイチィチャンダモン・・・コロチタラシィセンセイガオコルヨ・・・」

「分かったわ その代わりそこのアフォしぃ 誰かベビしぃ殺したら助けてあげても良いわよ」
そう言ったらアフォしぃ先生が
「ワカッタ・・・チィコチャンシニナサイ」

「チィィィ!!!!???オナガイヤメテェェェ!!!!!」

「チィ♪チィタチモヤッテイイ?」
ベビしぃ達が言うとしぃ美が

「良いわよ」
そう言った瞬間ベビしぃやアフォしぃ先生が棍棒等を叩きつけた。
「チィィィィ!!!!イチャーヨゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ベビしぃが絶叫するなり
「ナニコイツ チィゾクノハジサラチダネ」

「ワタシノビンダクライナサイ!!!エイ!」
アフォしぃ先生がビンダすると
「チィニモヤラセテ♪チィチャンロイヤルオウフクビンダーー!!!チィ♪チィ♪チィ♪」
ベビしぃと言えどもしぃ族は全般的に肉体・精神共にものすごく脆い。ベビしぃのビンタだろうが致命傷になるのである。
「チィィッィゥイイlldファk!!!!!イチャーーーーーヨゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!!」

「ウルサイヨ!!!シネ!!!シィゾクノハジサラシ!!!!」
アフォしぃ先生が棍棒で頭を潰してしまった。脳漿を地面にぶちまけていた。
「マッタク・・・チヌトキマデメイワクナヤツデチュネ」

「ホントダワ サ、ベビイッピキコロシタワヨ。タスケテクレルンダヨネ?」
アフォしぃ先生が尋ねると、
「ハァ?何言ってるんだモナ なんででぃよりクズな奴を生かさないといけない訳?オニーニとでぃぐらいしか殺せない奴が威張るなよ。生かす意味があるのかと小一時(ry」

「シィィィ!!??ヒドイヨゥ!!!」

「うるさいわね お前ら全員死刑」
そう言うなりマシンガンでアフォしぃ先生等を撃った。中には死体を盾にした奴がいたがそいつはモナ吉が持っていた貫通ライフルで全員撃ち抜かれていった。

「教室がこれだけなのかモナ・・・後は・・・」

「シィチャンノタイイクカンダヨ♪(゚ー゚*)だって・・・」

「UZEEE(ry他のは シィチャンカテイカシツダヨ♪オイシイオカシツクロウネ(゚ー゚*)だと・・UZE(ry」

「じゃあ家庭科室から行って見るかモナ」
そして家庭科室に向かっていった。


730 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/12(月) 14:13 [ S.zv1EiE ]
>>729の続き。
家庭科室に向かっていると、
「ヤッパリオバカベビハオイチィネ♪」
ベビが混ぜている鍋の中から
「アチューヨゥ!!!チィハオオキクナッタラディチャンタチヲタチュケルンダヨゥ!」

「チィ♪バカナディヲタチュケルナンテリッパナギャッチャッチューダネ♪コノカワイイチィチャンガタベテアゲルンダカラホンモウデチョウ?」

「ああ・・・もう許さんモナ!」
そして家庭科室に乱入した。
「チィ!!??コノオバカベビアゲルカラユルチテ♪」

「ギャクサツチュウダワ!!!コノカシコクテヤサシクテカワイイシィチャンヲタオソ」
言い切る前に
「倒そうなんて馬鹿な虐殺厨だね。だろ?じゃあ倒してやるモナ」
貫通ライフルでアフォしぃを撃ったのだ。
そしたらしぃ美が来て、

「鍋の中のベビしぃ出したら助けてあげようかしら」
と、言うと
「チィ・・・チョウガナイネ・・・」
全員のベビが出すと良ベビしぃが
「フゥ・・・チィハディチャンタチヲタスケナイトイケナインダワ・・・ヤサシィサンアリガトウ」
等と言いアフォベビとは大違いである。

「よし!みんな出した見たいね 後でぃと良しぃがいる所を言いなさい」
しぃ美がベビ達に言うと

「コノチカクノソウコダヨ・・オバカディトオバカシィガイルンダヨ」
一人のベビが言うと

「良く分かったわ 糞ベビ共、あんたらは良ベビ殺害した為死刑」

「チィ????ソンナァァァァァァァァ!!!!!」
そして棍棒でベビの頭を潰していった。

「次は倉庫に行ってでぃちゃんや良しぃちゃん達を助けたらダイナマイトでこの都会を破壊するモナ」
モナ吉がダイナマイトを出すと

「どっからそんな物を・・・・」
しぃ美が尋ねると、
「コウビ倉庫で見つけたモナ 威力は大体この都会全体程度モナ」

「そうか・・・まずでぃちゃん達と良しぃちゃん達を助けないとね」
今度は倉庫に向かっていった。


731 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/13(火) 19:08 [ sKCQWZN6 ]
>>730の続き。
倉庫の扉を開けると、良しぃやでぃ等が縄で縛られており親子しぃがまだ気づいて無くでぃとを虐待していた。
「サァベビチャントチビチャン♪バカデマヌケデクズデノロマデキチガイナディヲギャクタイシナサイ♪」

「チィ♪マズハチッポヌクネ♪」
でぃの尻尾を掴むとそれをひっぱり出した。
「キィィィ!!!ヤメテ!!!」

「チィ♪チィ♪エイ!!!!!」

「キィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!シッッッポ・・・・ガ・・・・ァ・・・・・・」
尻尾をひっぱった拍子にベビがすっ飛んで頭を打ったらしい

「イチャーヨゥ!!!モウオコッチャヨゥ!!!オメメイラナイネェ♪」
ベビがちびでぃの目を潰してしまった。
「ベビチャンハヤッパリワタシノコダネ♪ワタシモヤルワ♪」
親アフォしぃがでぃを虐待しに来た。

「ディチャンハカワイイカラアンヨダッテオテテサンダッテイラナイヨ♪アトハカミニシチャエ♪」
ちびでぃの手足をもいだ後尻を擦り付けるように頭に付けた。
「ヤメテ・・・ワタシハ・・・・」

「ウルサイネ クソバカディハコドモナンテイラナイノヨ ダカラマンコニアシイレテアゲル♪」
足を○○○に突っ込んだ。
「fカjゴアフjdljファklティアオjfァdjfkァjlkkjj;l」
ちびでぃはショック死してしまった。

「シィノキレイナマンコトハオオチガイダネ。クソトカハイッテルシ・・・ヤッパリクソムシダネ♪」
激怒したしぃ美とモナ吉がアフォしぃに近づいた、そして一体のベビを捕まえた。
「チィィィィ!!!カワイイオテテサンツカマナイデ!!!!」
ベビが叫ぶと掴んだしぃ美が
「わかった。そんなの簡単よ。手が無ければ掴めないからね♪」
ベビの両手持って思い切り振り上げた後叩きつけた。

「チィィィィィィイイッィィイィィィ!!!!!!カワイクテキレイナオテテガァァァァァ!!!!イチャァヨゥゥゥゥ!!!!!!イチャァァヨゥゥゥゥ!!!!!!」
両手がもげた後に
「おい・・・・・・手ごときでなぁ・・・・・」
しぃ美が激怒の表情で
「ガタガタ言うじゃねぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
その表情はまさに虐殺厨で有った。いや、それよりすごいかもしれない。

「チィィッィイl!!!!!コワイヨゥゥゥゥウゥゥゥウゥゥゥゥゥゥl!!!!!!!!!!!!!」

「シィイィッィイィィィ!!!!コ・・・コノノギャクサツチュウ!!!!!イ・・・・イ・・イノチガオシカッタラトットトデテイキナサイ!!」
「ハニャァァァァァァンン!!!!!モララーダマシテイバッテゴメンナサァイイ!!!!」
親の方は変な事まで言っている。

「その親アフォしぃ・・・どっかの新聞紙に書いてあったわ。「アフォしぃがモララーを騙して結婚。その後反吐が出るようなわがままを言ってでぃを虐殺。その後、ベビ2匹が生まれた後モララーを殺害。そして遺産を取った後どこかへ逃亡中」とね・・・」

「ほぅ・・・それは死んだモララーの仇討ちにもなって一石二鳥って物だモナ」

「オナガイ・・・チビチャントベビチャンダケハタスケテ・・・・・」

「(゚Д゚)ハァ?人殺し&でぃ虐殺&存在すらゼロなのに生きようとするゴミが何故生きなければいけないモナ?てめえのベビだって同じだモナ」

「さて・・・まずは両手がもげたクソベビからだわよ 随分威張って・・・しかもわがまま・でぃ虐待・しかも付き合った人まで殺して・・・そいつの子供なんて生かして置けない。」
そして両手がもげたベビに近づいた。
「チチチチチ・・・・・チィイイl・・・・・コヒガヌケテアルケナヒ・・・・チ・・チィハ・・・アイドルナンダヨ・・・・♪オドリダッテ・・・ウンコサンダッテ・・・デキチャウンダヨゥ♪」

「へぇ。両手がもげて・・・しかもでぃを虐待してアイドル!ふ〜ん・・・・・」

「やっぱりアフォしぃのアイドルは手が無くて!!!足も無く!!!!耳さえ無い!!!・・・これがね、すごくピッタリだよ。安心して。アイドルになれるんだから」

「チッ!!!!!マッテェェェェェェェェエl!!!・・・チイッィィィイィィィィ!!!!!!!!!」
しぃ美が両足を潰した。
「わぁ♪とっても素敵なアイドルだねぇー♪声だってきれいだしねぇ♪」
続いて両耳をもいだ。
「チイッィイィィィィ!!!モウディトオニーニトアフォチィギャクサツシナイカラユルチテ!!ユルチテ!!!」
そんな命乞いを狂ったしぃ美が聞こえる筈がない。

「おぉ〜!とってもとっても素敵なアイドルだねぇ〜♪」


732 名前: ぽぽる 投稿日: 2004/04/13(火) 19:18 [ sKCQWZN6 ]
続き。
そしたら今ごろになってアフォしぃ達が
「オナガイヤメテェェェェェェェ!!!!!!!シィチャンガイッカゲツモカケテソダテタノニンィィィィィィl!!!!!」

「カワイイシィチャンノイモウトカエシテェェェェェ!!!!!」

「うっさいわねぇ 今ダルマアイドルにしてあげてるんだから黙ってなさい」
そして次は両耳をもいだ。
「チィィィィィ!!!!!!タスケテェェェ・・・」
時間ないので中途半端で続

733 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/14(水) 19:00 [ 9BwAXKoE ]
モラ王子

時は(おそらく)中世
1つの、絶大な力を持った王国が存在した。
その王国の支配者は、モラ王子。
若いながらも戦術に長け、つい最近もまた1つ戦争に勝利し、隣国を支配下に置いたところだ。
もはや向かうところ敵なしであった。

一人の例外を除いて


「王子! 王子!」

どたばたと走りながら、何やら叫んでいる男がいる。

「まったく・・・・またあそこか?」

そう言いながら、またどたばたと走っていく。

一方 兵士長室

「王子。今度の予定地のしぃ王国ですが・・・・?」

「ああ。この前最終通告が来たよ。
 絶対に屈しない てさ。」

「・・・・・・ではまた、戦争ですな。」

「ああ。そうなるね。今からとても楽しみだよ。
 何でもしぃ王国は、住民、戦士が全員と言っていいほど若い女性ばっかりだろう?
 ああ・・・・ゾクゾクするよ・・・・・。
 今までの捕虜はほとんどが男ばっかりで、つまらなかったからね・・・・・。
 いたぶっても、悲鳴も苦しみ方も見苦しいったらありゃしない。
 やっぱりいたぶるなら、女性に限るよ・・・・・。」

「しかし、まずはしぃ王国を看破するのが先決ですぞ。」

「ああ。もう計画はある程度立ててあるんだ。まず・・・・・」

その言葉を遮って、一人の男が乱暴に扉を開けた。
先ほど、どたばたと城中を駆け回っていた男だ。
              続く

734 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/14(水) 19:12 [ 9BwAXKoE ]
>>733続き

「何だい大臣。今取り込み中なんだよ・・・・・」

「何だではありませぬぞ王子!
 また侵略戦争を始めるつもりですか!?
 この前の戦争の時にも、あれほどやめてくれとお願いしたのに・・・・・!」

「別にいいじゃないか。勝ったんだから問題ないだろ?」

「そういう問題ではございません! これ以上の戦は無用でございます!
 もう領土も十分に得たではありませぬか!
 これ以上戦争を起こして、何の得になると言うのです!?」

「うるさいなぁ。そんなこと、お前にはどうでもいいことだろう?」

「そうはいきませぬ! 〜〜〜!!」

「ああもう! 分かった分かった! 後で聞いてやるよ!」

そう、この大臣こそ唯一の例外 戦争に反対している モナ大臣だ。
先代から使えている長老的存在である。
平和的だった先代の王とは上手くやっていたようなのだが、
モラ王子とはまったく考え方が異なるためか、いつも争いが耐えないのだ。

しかしいつもいつも王子にいいようにはぐらかされているので、
実質反論できていないも同然。
よって大臣が悩まぬ日など、ない。

「ああ・・・・・ どうしたら王子は戦争をやめてくれるのだろうか・・・・・
 何故分かってくれない? これ以上の戦争が何も意味をなさないことに・・・・・」

などとブツブツ言いながら廊下を歩いていると、どこからか「大臣、大臣」と呼ぶ声がする。
振り向くと、一人の男 フーンが立っていた。

「大臣。少しお話があります。ここではマズイので、地下倉庫で・・・・。」

ヒソヒソと囁く。

「わ・・・分かった。」

大臣とフーンは、地下倉庫へと下りていった・・・・・・。
                 続く

735 名前: cmeptb 投稿日: 2004/04/14(水) 20:04 [ 9BwAXKoE ]
>>735続き

〜地下倉庫〜

「・・・・・・・で、話とは何だ? フーン。」

「最近の大臣は、とても疲れていらっしゃるようですが。」

「そんなことか? ・・・・・まあ、確かに疲れてはいるが・・・・」

「大臣の意に反した度重なる戦争。
 そしてその報復に怯える日々。 まあ、これは必要ないんですがね・・・・・
 さらに国内の統治、領土問題・・・・・・
 まあ、こんなところですか?」

「・・・・・・・・ああ、そうだな。もう毎日が戦々恐々の日々だよ。
 早く楽になりたいものだ・・・・・・」

「ならば、なぜ楽になるべく、行動しないのです?」

「・・・・・・・?  どういう意味だ?」

「そもそも、これらの問題の原因は分かっているんでしょう? 
 ならばその原因を、どうにかすべきではないのですか?」

「な・・・・・何を馬鹿なことを・・・・・!」

「いいんですか? 今、モラ王子は次の侵略戦争の計画を練っています。
 行動するなら始まる前になさらないと、間に合いませんよ。
 いや、この機会を逃すと、もう二度とチャンスはこないかもしれませんよ?」


「・・・・・・確かにそうだな。 備えあれば、憂いなし と言うからな・・・・・・
 ところで、何人ぐらい必要だ?」

「それはご自分でお考え下さい。」

「まあ、いい。・・・・・・・よし。ありがとう。フーン 
 今までこういうことを考えてはいたが、どうも後一歩が踏み出せなかったのだ。
 だがこれで、吹っ切れたよ。
 早速仲間を集めよう。
 革命の同士となる 仲間を・・・・・・・・!
 あのイカれた王子を亡き者にしてくれる・・・・・・!」

「プッ・・・・・! クックックックック・・・・・・!」

突然、フーンは不適に笑い始めた。

「な・・・何がおかしい? フーン?」

「全く、こんな原始的な手に引っかかるとはね。
 ほんとに無能な大臣だよ。あんたは。
 さて、もういいですよ? 王子。」

「な・・・何!」

突然、扉が騒々しく開いた。

見ると、モラ王子が立っていた。
後ろに兵士を10人ほど引き連れて。

「おやおや大臣? 一体何をたくらんでいるのかな?」

大臣は真っ青になって硬直していた。
             続く

736 名前: 31 日記 (家庭編) 投稿日: 2004/04/14(水) 21:37 [ Rr1HtN86 ]
>>2 >>9-11 >>19-22 >>32-35 >>49-50 >>173-180 >>293-306
>>618-631の続き

『観察日記』と同じノートに、ちびは家庭での事を書き始めた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○月×日
皆さん。関係のないことを書いてごめんなさい。うちでの事を愚痴らせてください。
初めてしぃやちびギコたちをそちらに引き渡す日の前夜のことです。
家の母親が、「ステキナ オハナシガ アルノ 」とか言うので、何のことか聞いたら、
妊娠してやがったんです。相手を聞いても「シラナイ」 って言ってるし、
養育費の事を聞いたら、「ナニソレ?」って言っていました。
「ハタラカナクタッテ ナントカ ヤッテイケル」 とも、言っていました。正直呆れました。

研修費の半分を母親に、生活費として渡したんですよ。4日間、普通に生活してれば
ゆうに生活できる額じゃないですか?でも、母は一日で使い果たしちゃったんです。
モナゾフのプリンとか、○○堂のどら焼きとか、数え切れないほどのお菓子の名前が
母の口から出てきて、「ソレデ ゼンブ タベチャッタノ」 って、満足した顔で言いやがったんで
もう完璧ぶち切れですよ。拳で母親の顔殴りつけてやりました。
お決まりの言葉(皆さん、ご存知ですよね?)を吐いて殴りかかってきたので、
首を締め上げてやりました。
『子供をおろすか、臨月まで働くか』の選択を母に迫っています。
母親は一旦、私が『子供をおろす』と言ったときにうなずいたんですが、
あのババア、おそらく働きもせず、子供だけ産むんだろうな。
避妊手術、レモナさんお願いしますね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
モララー
おやおや、大変だったね。もし産んだり流産・死産した場合こっちに知らせてくれ。
こっちはいつでも、お母さんのベッドを用意して待ってるからね。

レモナ
大変ねぇ。お母さんのことは、任せて!・・・・・ その前に、
医者として、インフォームドコンセントってやつをやらせてもらうわね。
術式として子宮のみ取ってしまう方法と、子宮も卵巣も両方とってしまう方法があるのね。
それをちびちゃんに、決めて欲しいの。子宮だけ取ってしまう方法だと、
卵子だけをお母さんから取り出して、いわゆる『代理母』に子供を産んでもらう事ができます。
卵巣も取ってしまうとそれもできないです。
時間は、まだあります。(死産しました)って事にして、今お腹にいるベビを頃す事も可能です。
ゆっくり決めてください。

737 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/04/14(水) 21:39 [ Rr1HtN86 ]
○月★日
母親について決めたこと。
1・母親には一日500円しか渡さない。
2・虐待を始める。暴力もふるうが、腹は殴らない。

レモナさんへ。
避妊手術の件、卵巣・子宮、両方とも取っちゃってください。
ベビをもし、出産した場合の処置もお願いします。

今日は、初めてちびギコ達をそちらに引き渡した日の朝のことを書きます。
母親と喧嘩したんです。食事代のことで。一日の食事代として、500円渡しています。
バイトの後に、私が食材を買って帰宅し、その中から母は、朝食と夕食を作ります。
問題は昼食なんです。昼食&おやつ代として500円渡しているんですが、
「アニャア! オカネガ タリナイジャナイノ! ベビチャンノブンモ イッパイ タベナキャ イケナイノニ!!!!!」
と言いやがったんで、「金が足りないなら、自分で稼げ」と言ったら、
「ギャクサツチュウ! アンタナンカ シンジャエ! 」と、いつもの言葉を吐かれたので、
顔を数発殴りつけました。母がうずくまってしまったので、
母の子宮が墓場になるかもしれないベビたちに胎教をすることにしました。
両足をつかんで広げ、お腹の中のベビに向かってこう話し掛けました。

「おはよう、ベビちゃん。私がおねえさんよぉ。ベビちゃんたちはねぇ、
生まれてきても、幸せな時間なんて何にも無いのよ。虐殺されるか、いじめられるかしかないの。
いじめられても、ママは守ってなんかくれないわよ。あなたのお母さんはね、ただ、コウビがしたかっただけなのよ。
それであなた達ができちゃったの。もう、わかったわね?あなた達は邪魔者なのよ。
ギャクサツチュウとかいわれる人に、あなた達がいじめられても、ママはねぇ、黙ってみているだけよ。
こんな地獄のような所に生まれたいと思う? お腹の中で氏んだ方が幸せかもよぉ。」

ギャアギャアわめいて、私の手を振りほどこうとしましたが、大丈夫でした。
両耳を塞いで、体をよじらせることしかできなかった。アヒャヒャ。
ベビ達おなかの中でショック氏かしら。 ちょっと楽しみ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
モララー
食事代で500円。十分なのにね。贅沢だね。

所で、話は変わるが、
面白いことを始めたね。もう一つの実験かな?漏れにも手伝わせてくれないか。
ボールギャグをモラ之本に持たせます。使い方も教えておきますので、彼から聞いてください。
わめき声が小さくなって、ベビ達にちびちゃんの言葉が聞こえやすくなると思います。

レモナ
別の意味で面白いことを始めたわね。ちびちゃん。私にも手伝わせてね。
それと、避妊手術の件、了解しました。ベッドはいつでも空いています。
それと、ベビの遺体の解剖をしてもいいですか?血液を採取したいので。

738 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/04/14(水) 21:40 [ Rr1HtN86 ]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○月◇日
レモナさんへ。了解しました。(遺体は)好きに使ってください。

モララーさん。ボールギャグをありがとうございます。
モラ之本さんにも、お礼を言っていたとお伝えください。
ボールギャグですが、早速使うことになってしまいました。
夕方、食材を買って帰宅すると、魚屋さんのご夫婦が怖い顔をして、玄関に立っていました。
母は、口をへの字にして涙を浮かべています。「コノフタリガ シィチャンニ オサカナ クレナイノ ギャクサツチュウナノ」
と、自己中心的なことを言っていました。
母のたわごとを無視して、魚屋さんのご主人に事情を聞くと、
母がなんと、マグロを盗んだんだそうです。取り返したら逆切れし、奥さんの顔を引っかいたそうです。
魚屋さんご夫妻に「母親には調教・ベビには胎教をしますので、どうぞ許してください。」
とお二人に謝罪したら、ご夫妻が(調教&胎教を)手伝ってくださるというので、
お言葉に甘えさせていただきました。

奥さんに母の両腕をつかんでもらい、私が母の両足をつかみ、
ご主人が母に、ボールギャグをかませました。
母のわめき声が小さくなり、いい感じです。
もともと半角しゃべりなので、声がさらに小さくなりました。
ご主人と私が入れ替わり、旦那さんに母の両足をつかんでいてもらいました。
私は母の左側に座り、母のお腹に手を当てながら、語り掛けました。

「ベビちゃん。おねえさんよぉ。今日はねぇあなた達のママが、ひどいことをしたのよ。
ママは悪い人なの。魚屋さんのお魚をお金を払わないで持ってきたのよ。取り返しにきた魚屋さんの
奥さんの顔を引っかいて怪我までさせたの。こんなママのところにうまれちゃだめなのよ。
とっとと氏んだ方が幸せよ。わかったぁ?」

母の体を押さえつけるのを交代しながら、
私の次に魚屋のご主人が、その後に奥さんがベビに胎教を始めました。
「ベビちゃん、魚屋さんだよ。今日はね、悲しいことをベビちゃんに教えにきたんだ。
ベビちゃんのママが、お魚をお金を払わずに、持って行っちゃったんだよ。
これはね、とっても悪いことなんだ。魚屋さんの奥さんが、お魚を取り返したら、
奥さんの顔を引っかいたんだよ。悪いママだね。こんなママの所にうまれちゃだめだよ。
マターリの神様とやらの所に逝って、もっと良いところにうまれてくるようにお願いしといで。」

「魚屋さんのおばちゃんよぉ。こんにちは。ベビちゃんのママに顔を引っかかれちゃったの。
それなのに君たちのママはねぇ、魚屋さんたちのことギャクサツチュウって言うのよ。
ママが悪い人なのにね。こんなママの所にうまれたくないでしょ?氏んだ方が幸せかもよぉ。」

魚屋さんのご夫妻に、「最後はおねえちゃんがしめなさい。」と言われたので、
お言葉に甘えさせていただくことにしました。
「ベビちゃんのお母さんは、自分が気持ちよかったり、自分がマターリできればいいの。
ベビちゃんたちは、うまれるだけ損なのよ。わかったぁ?」とお腹を触りながら聞いたら、
私の手に何か触れたような気がしました。手をあげて返事をしたのか、
それとも、私に向かって中指を立てたのかは、わかりませんが。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
レモナ
お魚屋さんは災難だったわね。
ところで、ちびちゃん。ちびちゃんが小さかったとき、お母さんがしてくれたことで、
うれしかったことや、楽しかったことがあったら教えてくれないかな?
覚えてる範囲でかまわないからね。

739 名前: 32・告白 投稿日: 2004/04/14(水) 21:41 [ Rr1HtN86 ]
ちびのレモナへの返信である。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△月 ○日

うれしかったこと、楽しかったことは、
悲しい出来事につぶされてしまいました。あまり覚えていません。
ちびがもっと小さかったときの事を書きます。

ちびのほっぺに*がないのを「キケイ」と同族にいじめられていたとき、
助けてくれたお友達がいました。
彼女はとてもやさしくて、でぃちゃんに給食の残りを持っていくような
女の子でした。ちびと、彼女とでぃちゃんとで遊んでると楽しかったです。
なんか、あったかかったです。

でも、あったかかった日々はすぐに終わっちゃいました。
お友達と、でぃちゃんがいつもいる土管に遊びに行ったら、でぃちゃんが氏んでたんです。
血がいっぱい出てて、腸もお腹から出てて、ぼろぼろでした。
お友達と、ちびとでいっぱいいっぱい泣きました。

次の日、学校から帰ったあとに、お友達のお家に行ったら、
(ちびのことを助けてくれた彼女です。)
お友達のお母さんと、彼女が「土手にお花をつみに行こう」と言うので、
一緒に行きました。「でぃちゃんに?」って二人に聞いたら、二人は静かにうなずきました。
土手で3人でお花をつみました。
土手でお花をつんだら、彼女のお母さんがちび達に持ちやすいように束ねて
花束を作ってくれました。私たちは、冠と首飾りをお花で作ったんです。
それからお菓子屋さんに行って、でぃちゃんにお供えする団子を買いました。

それからでぃちゃんがいる公園に行きました。
まだ、でぃちゃんがそのままの姿でいたんです。
土管の中にいたでぃちゃんを出して、私たちの作った首飾りと冠で
でぃちゃんを飾ってあげました。それから土に埋めて、お墓を作りました。
団子と花束をお供えして、その日は帰りました。

お家に帰ると母が、楽しそうな顔で、
「コウエンニイタ ウスギタナイ ディヲ ママノ オトモダチト イッショニ ナブリゴロシニシタンダヨ。
キタナイノガキエテ マターリダネ。」 っていきなり私に言ったんです。
ちびが、「土管のある公園?」って聞いたら、うれしそうな顔でうなずいてました。

このとき、ちびの中に何か黒いものが芽生えたような感じがしました・・・・

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

レモナが読むことができたのは、ここまでである。この文以降は、
ちびが書いては消し、書いては消しを繰り返したらしい。水分を含んだ状態で、
消しゴムをかけたとみられ、薄紙をはがしたような状態でぼろぼろであった。
流石にこれはまずいとちびが思ったのだろう。追伸は次のページに書かれている。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
追伸。
そろそろこの地域も、あふぉと言われるしぃ族やちびギコたちが少なくなってきました。
私の仕事もそろそろ、潮時かもしれません。それに、他の地域では私の面が割れている
恐れがあると思うんです。つきましては、私の仕事を受け継いでくれる人材を教育することを
検討していただけないでしょうか。(すぐではなくて結構です。)
人材の対象は、育児放棄されたベビしぃとか、でぃちゃんをリハビリして教育したりとか
ってどうでしょうか?

740 名前: 33・電話 投稿日: 2004/04/14(水) 21:43 [ Rr1HtN86 ]
ちびが『日記』に書いた提案を、擬古田薬品&阿武沢警察の面々が検討を始め、
大体2週間ほどがたった頃の話である。

ちびは、母親のことで考え込むことが多くなった。
出産の時期はとうに過ぎてるはずなのに・・・
母親のお腹は、素人のちびの目から見ても大きくなりすぎている。
母親は能天気に、「ベビチャンハ タクサン オネムスル イイコナノヨ! アンタト チガッテネ !!」
なんてことを言っていたが、ちびはそう思ってなかった。
(うまれるのを恐れているのかしら?)
ちびは、母親が見ていないところでぞっとする笑みを浮かべた。

引渡し先の公園にて、モラ之本に、しぃたちを引き渡し、
擬古田薬品にサンプル(麻薬漬けのちびギコ)の様子について報告を入れたところ、
「ちびちゃんの提案の件、通ったよ。後は細かいところを詰めているところだ。」
と、応対したモナーからうれしい報告を受けた。
モナーの報告に、少々気分がよくなったちびは昼食を少々奮発し、
いつも買い物をするコンビニで、エクレア2個ととカフェ・オレを買い、
昼食をいつもとることにしている空き地へ向かった。
昼食をとり終え休んでいると、携帯電話が鳴り響いた。
(また、ちびギコがレイープでもしたのかしら?)
ちびはちょっと鬱になった。

彼女は現在ちびギコに麻薬を投与し、観察しているのだが、
薬の回りがちびギコは速いらしく、ちびしぃ、しぃよりも早めに性的な逸脱行動が見られ、
レイプ事件を連発しているのである。警察に向かうのはかまわないのだが、
こうも回数が多いと、さすがの彼女も気が重くなる。
電話に出ると、申し訳なさそうなモラ角の声が聞こえてきた。

「モラ角です。えーと、今回はちびギコがメインじゃないんだ。
ちびギコ達相手に売春をしていた妊娠しぃを連行したんだが、君の母親だと言い張っているんで、
身元確認を頼みたいんだけど・・・・」


「母が売春ですか・・・すぐに伺います。徒歩なんで、時間が少々かかりますが
よろしくお願いします。お手数をかけまして申し訳ありません。」

ちびは電話を切り、「自分の母ながら、なんて女なのよ・・・・」とつぶやき、
呆れながら警察に向かった。

741 名前: 34・取調室 投稿日: 2004/04/14(水) 21:45 [ Rr1HtN86 ]
モラ角からの電話を切り、一時間ちょっとたった頃、ちびは警察に到着した。
警察署に入るとすでにモラ角が、入り口で待っていた。
「ちびちゃん。毎度、すまないね。」 「いいえ、こちらこそ母がお手数をかけまして」
二人は挨拶を交わし、2階の刑事課へ向かった。

取調室の隣室にまず通され、モラ角より説明を受ける。
「びっくりしないで聞いてね。『ちびギコ相手に売春しているしぃがいる』って通報があって、
○○公園へ行ったんだ。で、お母さんらしきしぃとちびギコ10匹を逮捕したんだよ。
『シィチャント コウビシナイヤシハ ギャクサツチュウ』なんだそうだ。」

「妊娠したときに、『働くか、ベビをおろすか』って選択を母に迫ったんですよ。
普通に働き口を見つける努力をすると思ったんだけど・・・まさか・・・」

「あんまり気を落とさないでね。」
モラ角の気遣いにちびは微笑みながら感謝の言葉を述べ、続けて言った。
「ちょうどいいタイミングです。擬古田薬品のレモナさんに、
母の避妊手術をお願いしていたところです。母に会った後で、電話を使わせてください。
取調室は、携帯の電波はどうでしょうか?」
モラ角は「3本。状態はいいよ。」とちびの質問に答えた。

モラ角が、取調室のドアをノックし、「お嬢さんを連れてきました。」と中に告げると、
「どうぞ」と応答があった。二人で、中に入ると、すすり泣く母親と、困り果てた表情の
ギコ族の刑事がいた。テーブルの上には一円玉10枚と5円玉一枚で15円。
どうも、母親の『稼ぎ』のようだ。

「ギコ崎です。」モラ角から紹介された、ギコ族の刑事は、ちびに頭を下げる。
ちびもギコ崎に頭を下げた。「えーと、どうもお母さんの金銭感覚が・・・」
「ないのはわかってますよ。」ちびはギコ崎の言葉に苦笑いを浮かべる。

「ちびギコ達の証言によると、
『オネエサンガ ギコクンノ レンシュウダイニ ナッテアゲル」と尻を出したそうです。
お金は1000000円と吹っかけられたらしいんですが、
猛烈に臭かったので、抗議したら、10000円に負けるって言ったらしいです。」

「一万円にしては、金額が少なすぎますが・・・・」
ちびが笑いをかみ殺しながらギコ崎に聞くと、ギコ崎も笑いをかみ殺しながら答える。
「うまくちびギコ達はお母さんを騙したんでしょうね。
よく、こういった事件での金銭交渉で前払いって言うのは聞くんですが、
彼らは後払いを要求したらしいです。それに応じたんですな・・・・・・・」
「それで?」ちびが聞くと、モラ角が続ける。
「我々が公園に着いたとき、お楽しみの最中でした。お母さんの視界から外れた所に、
ツナの缶詰の空き缶が置かれてましてね、そこに15円が入ってました。
大人のおもちゃを使ってる最中で、ちびギコはその様子をニヤニヤしながら眺めてましたね。」

「アノネ チビチャン アノネ ・・・・」 涙を浮かべながら、言い訳を始めようとする母に、
ちびは作り笑いを浮かべながら半ば棒読み口調で話し掛ける。
「お母さん。働こうと思ったのね。嬉しいわ。でもね、コウビでお金を取るのは準備がいるのよ。
病気を人に移したりすると、逮捕されちゃうし、ベビを妊娠したら困るでしょ?
コウビでお金が取れる準備をしに、病院に行きましょう。」

「ハニャッ? ジュンビ? ドンナコトヲ ジュンビスルノ?」 希望からか、欲望なのかはわからないが
とたんに表情を明るくした母親に、モラ角、ギコ崎、ちびはにやりと笑って言った。

「避妊手術だよ。もうベビは産めなくなるんだ。」

742 名前: 35・擬古田薬品へ 投稿日: 2004/04/14(水) 21:47 [ Rr1HtN86 ]
顔を青ざめさせ、言葉を失っている母親を傍目に、ちびは擬古田薬品へ電話を入れる。

「もしもし?モララーさんですか。またかって?今回は大丈夫です。
いま、警察からです。今回は、母の件をお願いします。詳細は
モラ角さんに報告してもらいます。」

モラ角は、電話を変わるとモララーにちびの母親のことを報告した。
売春をしていたこと、稼ぎが15円であったこと、客のちびギコ10匹も
拘束していること。

「え?ちびギコ達のチン拓ですか?亀頭部分?わかりました。すぐにとります。
それから、ちびギコ達の詳細な証言をまとめた物を持って来い?わかりました。
漏れが彼女と同行します。」

『ちびギコ達のチン拓』という言葉をモラ角が発したとき、彼はギコ崎の方を見て、
無言で、ドアを指差した。彼は意味を察したようで、外に出て行った。
鑑識課へちびギコ達のチン拓を、取ってもらいに行ったのだろう。

電話をモラ角が切り、ちびに渡した頃に母親は正気づき、とたんにわめきだした。
「シィハ ギコクンノ コドモ ウミタイノ ! シキュウ トッチャウナンテ イヤァアァ」
ちびは母親の言葉をさえぎり、モラ角に同意を求める。
「うるさいよ。ベビを腹の中に入れたままコウビしてたくせに、
子供産むなんて大間違いよ。そう思いませんか?モラ角さん。」
モラ角は大きさが20cm近くもある大人のおもちゃを指差しながら、
ニヤニヤして母親に問いただす。
「奥さん。ちびちゃんに聞いたら、いつ産まれてもおかしくない状態らしいじゃないですか。
それなのに、中にこれ、深くまでずっぽり入れてたじゃないの。ベビちゃん、動いてます?
ちびちゃんの言うこと、正しいのかもしれないなぁ。」

「ベビチャンハ タクサン オネムスル イイコタチナンデス。 キット ゲンキニ ウマレテ キマス!!」
母親はこう言い切ったが、顔色は青ざめていた。

743 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/04/14(水) 21:48 [ Rr1HtN86 ]
40分ほど経った頃、ギコ崎が紙を持って戻ってきた。
「チン拓、取り終わりました。」
「ごくろうさん。後は、クックル君たちを待つだけだね。」
モラ角が、彼をねぎらうとギコ崎は、愚痴り始めた。
「いやあ、取ってる最中のちびギコ達の話には参りました。
『あのババア、ハラボテにもかかわらずコウビなんてばかデチ』とか、
『ぜんぜん気持ちよくないのに100万なんてぼり過ぎデチ』とか、
不満ばかりでした。とどめは、どこのニダーに教わったのか、
『あのしぃに病気を移されたら、謝罪と賠償を要求するデチ』とも言ってましたよ。」

ちびはギコ崎の言葉に、爆笑している。それを見て、母親は羞恥のあまり顔を
今度は赤らめ始めた。ちびはとどめをさすように母親に笑いながら言い放つ。
「なに顔を赤らめてるのよ。恥ずかしさなんて残ってたの?
きょうび73のばあさんでも、一回に7000円は稼ぐわよ。それなのに、
あんたは15円。しかも10匹相手によ。あはははは。」
母親は、またも泣き始めた。

「すいませーん。擬古田薬品です。お母さんをお迎えにきました。」
モラ之本の声が取調室の中に聞こえてくる。
「どうぞ。」ギコ崎の応答に彼は、八頭身とともに挨拶しながら入ってきた。

「ちびギコ達はすでにトラックに詰め終えました。
モララーさんが、言ってたものは用意できました?」モラ之本の問いに
モラ角はうなずいた。
「その前に・・・」泣いている母親を、モラ之本・八頭身は、手首と
足を縛り上げ、上から拘束衣を着せた。袋から首だけ出ている状態の母親を
八頭身は、抱え上げ台車に乗せた。

「じゃあ、行きましょうか。」モラ之本が阿武沢署のモラ角とちびに声をかける。
二人はうなずき、取調室を出た。八頭身が押している台車の上の母親は、
最後の抵抗とばかりにもがいているが、拘束衣のせいか、
痒くて背中をもぞもぞさせているようにしか見えなかった。

外に出ると、いつものトラックの隣に、乗用車が止められている。
トラックにはすでにクックルと別の八頭身が運転席に乗っていた。
「出しちゃって。」モラ之本の指示に、クックルがエンジンをかけ、先に出る。
「じゃあ、我々も。」モラ之本が、乗用車のカギを開け、運転席に座る。
助手席にはちび、後部座席には母親・八頭身・モラ角が乗り込んだ。

「ベビちゃん。無事だといいですね。」モラ之本が母親に笑いかけ、
エンジンをかけた・・・・・・・・・・・・・・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「独白」のエピソードは、ヘンリー・リー・ルーカス
の幼少時のエピソードを元にしました。

擬古田薬品のちびの台詞「73のばあさんでも〜」のところは、
痛いニュース+板の現在ダット落ちしているネタがもとです。

後は吉野家が少々・・・・

次回、擬古田薬品での手術編いきます

744 名前: 1.Let's hunting !〜モナール・パート〜 投稿日: 2004/04/15(木) 20:24 [ p977QzWg ]
>>651>>658の続き。気になった方はどうぞ。



「ふぅ…」

俺は無線機から人の声が聞こえなくなったことを確認すると、そのまま無線機をズボンのポケットに突っ込んだ。



俺の名前はモナール。

本名は、モナール=フェーバー。
最も、俺のことをフルネームで呼ぶ奴などいないのだが。

「さて…」

俺は封印された正面玄関の扉を見ながら、これからすべきことを考えた。

正面玄関の扉は、この通り封鎖した。
バーナーで溶接したから、もう二度と開かないだろう。

ご丁寧な事に、この校舎のガラスは全て特殊な硬質ガラスであるらしい…まるで要塞だな。
俺が本気で殴れば割れそうな気もするが、少なくともちびギコや教師しぃが、これを割ることは不可能だろう。

さらにご丁寧なことに、この校舎の窓は全て嵌め殺しになっている。よって、窓から逃げることも出来ない。

え?じゃあ俺たちはどうやって脱出するのかって?

それは各自で考えてくれ。



話を元に戻そう。

考える、と言っても、もともとやるべきことは一つしかない。

狩り。

だが問題は、いかにして効率よく狩るかということだ。
あれだけ上でドンパチやられれば、いくら何でも事の重大さに気づくだろう。

と、なれば”害獣”どものとる行動はただ一つ。

「隠れた、か…」

その証拠に、今、この校舎内は不気味なほどに静まりかえっている。

問題はどこに、そしてどれだけ隠れたか、ということだ。



「うーん…」

…こればっかりはいくら考えても判らない。
というか、もともと俺は考えるのが苦手なタイプだ。

「…適当に当たるか。」

ったく、散々悩んだ挙げ句の結論がこれかよ。
…でもそれしかないよな。めんどくさいのは嫌いだけど…

745 名前: 2.かくれんぼの結末 投稿日: 2004/04/15(木) 20:27 [ p977QzWg ]
俺は適当に、一番手近の教室に入った。

ガラッ。

引き戸を開けると、懐かしい、独特の音が辺りに響き渡る。

「何も見えないな…」

教室は、暗闇に閉ざされている。
窓から外の光がある程度差し込んでくるが、それも十分に視界を確保する程のものではない。

まずは照明をつけねば。

カチッ。

壁を手探りで探していると、ある一点に指が触れた。
そして一瞬の間を空けて、教室が光で満たされる。

「これでよし、と。」

さあ、ゲームの始まりです。
…いかん、俺はA少年か?

「…ん?」

そんなことを思っていると、俺の視界に、あるものが飛び込んできた。

「(耳…?)」

間違いなく、耳だった。
それはせわしなく小刻みに動き、あたかもこちらの様子を伺っているかのようだった。

「…」

俺はその耳に近づき、

右手で、掴んでみた。

「ヒギャア! ナニスルデチカ!」

「チ、チビタン!」

案の定。
やはりこれはちびギコの耳だった。

「ナニスルデチカ! ハヤク チビタンヲハナスデチ! コノギャクサツチュウ!」

「ソウデチ! ソシテ コノカワイイ チビタンノオミミヲ ツカンダツミデ イッショウ ムショノナカデ クラスデチ!」

とりあえず、今回の獲物はちびギコとちびフサが、それぞれ一匹、と。

…しかし、相変わらず半角でデチデチと五月蠅い奴らだ。

「ナニ ボサットシテルデチカ! ハヤク チビタンヲ・・・」

ドカッ!

「デチッ!」

俺は耳を掴んだ方のちびギコを、そのまま床へと押し付けた。

「やかましいんだよ、お前。」

「ナ・・・」

「黙れよ、少し。」

メシャァッ!

俺は耳を掴んだ方のちびギコの口に、思いっきり握りこぶしを突っ込んでやった。

しかしやや狙いが外れ、こんな効果音がして、ちびギコの下顎が砕けてしまった。

床にはちょっとした血の池と、数本の歯。
そしてちびギコの、砕けた顎の骨と肉とが、バラバラに散らばっている。

そのちびギコは、数回ピクピクと、まるで浜に打ち上げられた魚のように、大きく痙攣していた。

だが、

やがて動かなくなった。

「チ・・・チビタァァァァアアアアアアン!!!」

残ったちびフサの絶叫が、教室にこだまする。

…さて、と。
次は、こいつの番だ。

「おい。」

「ヒィ! コ、コロサナイデデチ!」

自分の命が危ないと知ると、途端に命乞いを始める。



だから嫌いなんだ。

うんざりする。

なんで。

なんで此奴らみたいな”害獣”が、のうのうとこの世に生きていやがるんだ?

こんな奴らの所為で。

こんな奴らの所為で、母さんは―――

746 名前: M・T 投稿日: 2004/04/15(木) 20:28 [ p977QzWg ]
「…」

「オネガイデチ! ギャクサツチュウッテ イッタノハ ハンセイシテルデチ! ア、アヤマルデチ! ダカラ・・・」

「…うるせえ。」

「ユルシテデチ! タノムデチ! タスケテクレタラ フサタンノ ブロマイドヲ・・・」

「うるせぇぇぇぇえええええ!」



気がついたら、叫んでいた。
両手でちびフサの肩を掴んだ。

「ヤメテデチ! ユルシテデチ! ナンデモ、ナンデモスルカラ!」

ちびフサは泣き喚いた。

「黙らせてやるよ。」

だが、俺は構わず、ちびフサを床に押し付けた。
最初に殺したちびギコが作った、小さな血の池に、波紋が拡がる。

俺はちびフサの左肩を床に押し付け、
右肩を、反対側に引っ張った。

「ヒギャァァアアア! イタイデチ! ヤメルデチ! カラダガ、カラダガサケチャウデチィィィィィイイイイイイ!」



ベギビチィッ!



奇妙な擬音だった。

何というか、硬い物が砕けたような音と、布が裂けたような音が合わさったみたいな音。

無意識に、俺は自分の右手を見た。
俺の眼球が捉えた俺の右手には、さらに奇妙な物体が握られていた。

それは、ちびフサの右半身だった。

ほとんど骨以外の中身が無い、右半分の胴体。
右肩から右腕と、右肺と、胃と、大腸の切れ端が少しと、血管とその他の臓器が、顔を覗かせている。

俺は次に、ちびフサを見た。

ちびフサの体は、凄まじくグロテスクな物体に変貌を遂げていた。

左肩が、紫色になっている。
おそらく脱臼したのだろう。あれだけ強く床に押し付けたのだ。無理もない。

問題は、その下だった。
右半身だけが、ごっそりと抉り取られた、ちびフサの胴体のなれの果てが、そこにはあった。

夥しい血液に彩られ、カラフルな臓器と血管とを覗かせる、いびつな切断面。

俺は、ちびフサの首から上を見た。

既に青白く死化粧が施された、ちびフサの顔。
目は恐怖と激痛に見開かれ、口はパクパクと開き、時々、その口から血の混じった涎が溢れ出ている。



俺は右手に持ったちびフサの右半身を投げ捨て、

ちびフサの顔を踏みつぶした。

見ていられなかった。



自分が招いた結果なのに。

何故か、見ていられなかった。

現実を、直視出来なかった。



この感情。

この気持ち。

これは一体、何なのだろうか。

多分、それは誰にも判らないだろう。

たとえ、神であろうとも。



俺はちびフサの右半身を、残った左半身の切断面に合わせた。
せっかく右半身が戻っても、もうちびフサには首がない。
俺がさっき、踏みつぶしたからだ。
そのすぐ横に、最初に殺したちびギコの残骸が転がっていた。

俺は、二匹の亡骸を並べた。

そして、

手を握らせた。



俺は、教室の電気を消した。
教室に、再び暗闇と静寂がもたらされる。

仲良く手を結んだ亡骸が、黒く照らし出される。

俺は苦笑いを浮かべながら、ゆっくりと、教室の外に歩み出た。

747 名前: 3.Let's hunting !〜ギコード・パート〜 投稿日: 2004/04/15(木) 20:29 [ p977QzWg ]
俺が三階に戻る途中、死体が一つあった。
妙に満ち足りた顔をしていた。それが強く印象に残った。



三階の床を踏みしめた時、既に辺りは静寂の支配下に置かれていた。

すぐさま手近の教室に入る。

引き戸を開けた。

「!!」

そこに、銃を構えたしぃがいた。

ダダダダダッ!

と、俺に発砲してきた。

とりあえず、手頃な机の陰に身を隠す。

「ずいぶんと手厚い歓迎だな。」

「だ、黙りなさい!この虐殺厨!」

…嫌われてるな、俺(w

まぁ、しぃ族になんざに好かれはたくないが…

「さぁ、さっさと出てきなさい!さもないと、も、もう一発喰らわすわよ!」

おー、こわ。

このままだとマジに撃たれそうなので、俺は両手を上げて立ち上がった。

窓から差し込む陽光が、俺と教師しぃとを照らし出す。

「あんた、全角で喋るのか?」

「えっ…?」

拍子抜けを喰らったらしい。
奴にとっては、予想外の展開だったか。

「最近のアフォしぃどもは、半角カタカナだ。今時、全角は珍しい。」

「そ、そんなこと、あなたには関係ないでしょう!」

久しぶりに、しぃ族とまともな会話が交わせた。



「生徒たちの姿が無いな。」

「もう、ここには居ないわ。みんな、どこかに隠れているハズよ。」

厄介だな…この校舎は、結構広い。
正面玄関を塞いだとはいえ、探すとなると手間だぞ…

「何で教師になった?」

「!」

目の前の教師しぃの眼に、驚きが拡がる。
完全に、予想の範疇を越えていたらしい。

「…復讐よ。」

「復讐?」

「私は、家族を皆殺しにされたの。あんたみたいな虐殺厨にね。」

「…」

「だから、私は教師になったの。私みたいな孤児に、”希望”を与えてやること。
それが、私から全てを奪った虐殺厨への復讐だと信じて!」

「…でも、それももう失敗だな。」

「!?」

とんだ良いお話だ。

だが、くだらない。

「俺たちはこれから、この校舎に蔓延る”害獣”を、”駆除”しなくてはならない。」

「な…」

「あんたがお節介にも”害獣”共に与えた、
くだらない”希望”は、全て俺たちによって打ち砕かれる。欠片も残らない程にな。」

「!!」

教師しぃの目が、大きく見開かれる。

「お前らがどんなに粋がったところで、所詮”害獣”は”害獣”でしかない。」

「…やめて。」

教師しぃが呻く。
だが、俺は構わず続けた。

「”害獣”は”害獣”らしく、ただ静かに”駆除”の時を待っていればいい。」

「…やめて!」

はっきりと声に出してきた。

それでも続ける。

「余計なことをするから、余計な悲しみが増えるんだ…」

「もうやめてッ!」

教師しぃは叫んだ。

教室が、ビリビリと震えた。

教師しぃは、そのまま床に崩れ落ちた。

ガタッ。

教師しぃの持っていた銃が、重い金属の音を立てて、床に倒れ込んだ。

「…なぜ?」

「?」

今にも消え入りそうな声で、教師しぃが言った。

「なぜ、私たちは殺されなければならないの?」

「”害獣”だからだ。」

俺は、自分でも冷酷だと思えるぐらい、はっきりと答えた。

「違う…私たちは…”害獣”なんかじゃ…」

「いや、あんたたちは立派な”害獣”だよ。少なくとも、世間はそう思ってる。」

「…」

「他人の意見を聞こうともせず、自分たちの要求だけを押し通し、
その為なら平気で他人を裏切り、挙げ句の果てに浮浪者のようにゴミを漁り、糞尿を垂れ流す。」

「…」

「それが、お前たちだ。”害獣”と呼ばれても、文句はいえまい?」

「………」

教師しぃの眼から、透明の液体が流れ出る。

「自分は違う、って顔してるな。」

「…」

「でも、お前らが俺たちの意見を聞かなかったんだから、俺たちにお前らの意見を聞いてやる筋合いはない。」

「…」

教師しぃは無言だった。

自分でも、何と酷いことを言ったのだろう、と思う。

でも、これが現実だ。

現実は優しくない。

神にいくら祈りを捧げても、神はどこまでも気まぐれに振る舞う。

努力すれば、報われる。そんなのは嘘っぱちだ。

正義は勝つ、なんてのも嘘だ。強い方が勝つ。ただそれだけのことだ。悪か善かなんてものは、関係ない。

748 名前: M・T 投稿日: 2004/04/15(木) 20:30 [ p977QzWg ]

俺は銃口を教師しぃに突きつけた。

「最後に言うことは?」

「…」

教師しぃは、無言を貫いていた。

「無いんだな?」

「…」

沈黙。

俺はその沈黙を”YES”と受け取った。

「じゃあな。」

俺は引き金を引い―――



ドンッ!

749 名前: 4.”卑怯者”の代償 投稿日: 2004/04/15(木) 20:31 [ p977QzWg ]

俺の背後で音がした。

同時に、俺の背中に、なにか熱いものが食い込んだ。

「銃弾…」

そう判るのに、さして時間はかからなかった。



俺は、床に倒れ伏した。



「馬鹿な男…」

声がする。

女の声だ。

だが、先程の教師しぃとは、また別の声。

「自分の言葉に酔う余り、周りが見えなくなる…馬鹿の極みね。」

「でも、こんなにうまく行くとは思わなかったわ。」

「当然よ。虐殺厨なんか、みんな同じだもん。
自分の方が圧倒的に高等だと、そう思いこんでるのよ。全く、神でも気取ってるつもりなのかしら?」

「ふふっ…確かにその通りね。」

「さあ、後はこのゴミを片づけ…」



ドンッ!



俺は、先程まで泣き崩れていた教師しぃを、撃った。

たちまち、辺り一面に鮮血のシャワーが飛び散る。

銃弾をモロに受けた顔面は、二目と見られない顔になっているだろう。

「!!」

もう一方のしぃが、たちまち青ざめた。

「自分の言葉に酔う余り、周りが見えなくなる…誰のことだ?」

…我ながら良いセリフだ。

「!? あ、あんた…」

幽霊にでも出くわしたかのような顔をしている。

「さっき…確かに…死んだ…ハズ…」

…実に月並みな疑問だ。

俺は、床にへたり込んでいる教師しぃに向かって、コートを脱いで見せた。

バサッ…

音がして、コートが床にぱさりと落ちる。

「! 防弾…チョッキ…」

「次から人を撃つ時は、銃口は常に脳天を狙うべきだということを覚えておけ。」

そう言って、俺は床に落ちたコートを拾い上げた。

…見ると、背中の部分に穴が開いている。

「おい。」

「な、何よ!」

努めて冷静を保つ教師しぃに、俺は話しかけた。

「コートに穴が開いちまった。悪いが、弁償してくれ。」

「…」

「弁償してくれたら、見逃してやっても良い。」

「…」

穴の開いたコートを見ながら、教師しぃは黙りこくっている。

「…い…」

「あ?」

「…いくらなの?…そのコート…」

「…」

まさか…

こいつ、本当に弁償する気じゃないだろうな?

「…2980円(税込)」

「よ…良かった!
私、ちょうど今、それくらい持ってるから、べ、弁償するわ!」

「…」

…本気…かよ…

「ほ、ほら!ちゃ、ちゃんと、3000円あるわ!
だから、み、見逃してちょうだい!ね?ね?」

教師しぃは、震える手で俺に3000円を突き出してきた。

……………

………

…アフォだ。

「…いいだろう、商談成立だ。」

俺は、アフォしぃの突き出した3000円を、引ったくった。

「ただ、ちょっと足りないな…」

「え?
で、でも、私、それ以上お金は…」

「金じゃなくていい。」

「え…?」

俺は困惑するアフォしぃに、銃口を向けた。

「お前の命で、払ってもらおう。」

「ちょ、ちょっと待って!い、今、お金用意するから!だから、お願い!み、見逃し…」



ドンッ!



鈍い銃声が、教室に轟いた。

アフォしぃの顔面は、銃弾を受けて首ごと吹き飛んだ。

「確かに、頂戴した。」

その声が、アフォしぃに届くことは無かった。

750 名前: 5.Let's hunting !〜モラッド・パート〜 投稿日: 2004/04/15(木) 20:33 [ p977QzWg ]

俺は校舎の二階を、適当にぶらぶらと歩いていた。



学校。

恐らく、この世で一番、私に縁遠い施設だ。

私は学校という場所に通っていたという記憶が、ほとんど無い。

なぜなら―――



気がつくと、私は廊下の一番奥のところまで来ていた。
急に仕事を思い出し、その横っちょの教室の中に入ることにした。

ガラッ。

「ちわーす。」

私は教室の中に入っ…

ガッ!

「!!」

いきなり、後ろから殴られた。

ガッ!

振り向きざまに、もう一発。

「くっ…」

どうやら、当たり所が悪かったらしい。

私はふらっとして、

床に倒れた。



気がつくと、私の目の前には床があった。

私は起き上がろうとし…

「ヤッタデチ! タオシタデチ!」

「シンダデチ! ザマミロデチ!」

…たが止めた。

どうやら、ちびギコのようだ。

ちびギコにしてやられるとは…

フッ…私もヤキが回ったな。

「ドコマデモ オロカナヤツデチ! ギャクサツチュウノ クセニ イキガルカラデチ!」

「ホントデチ! チビデ バカデ テイノウデ ムノウデ ソノクセ ジコチュウナ ドウテイヤロウガ コンナニ カワイイチビタンニ カテルワケ ナイデチ!」

「…そりゃ、お前だろ。」

結局、私は起き上がることにした。

…悪口には慣れているつもりだ…

が…流石に今のはカチンと来た。

「ヒャア! イ、イキカエッタデチ!」

「ウソデチ! タシカニシンダハズ・・・」

「死なねーよ。お前らじゃないんだからさ(w」

っていうか、普通お前ら如きの腕力じゃ、人は殺せないって。

「マッタク オウジョウギワノ ワルイヤツデチ! シンデレバ クルシマズニ スンダデチ!」

「…誰が?」

「キマッテルデチ! オマエデチ! ホカニダレガイルデチカ? マッタク コレダカラ ドテイノウノ ギャクサツチュウハ コマルデチ。」

……………

………



「殺す。」

「ハァ? ナニ バカナコト イッテルデチカ。 ソンナノ ムリニキマッテルデチ!」

「やってみるか?」

「イイデチヨ? ホラ、スキナダケヤレバ イイデチ!」

そう言って、一方のちびギコが自分の持っていた例の棍棒を、私に差し出してきた。

私はそれを取った。

「…ホントにいいのか?」

「イイデチヨ! スキナダケ ジブンノ オロカサヲ タシカメルデチ!」

「じゃあ…」

お言葉に甘えて。

751 名前: M・T 投稿日: 2004/04/15(木) 20:34 [ p977QzWg ]

ベギィッ!



私は手に持った棍棒で、片方のちびギコの頭を、思いっきり縦方向に殴ってみた。

すると、不可思議な効果音を残し、

ちびギコは、

姿を消した。

「・・・」

もう一方のちびギコは、まさに( ゚Д゚)ポカーンと言った表情で、固まっている。

「・・・チビタン?」

やっと、言葉が返ってきた。

「ふぅ…」

「チビタァァァァァァァアアアアアアアアアン!!!」

私がついた一息は、ちびギコの絶叫に掻き消された。

「ナニスルデチカ! コノギャクサツチュウ!」

と、もう片方のちびギコが、泣きながら私に掴みかかってきた。

「何って…殺したんだよ。」

私がそう言うと、そのちびギコはさらに声を荒げた。

「ヒ・・・ヒドイデチ! チビタンヲ・・・チビタンヲカエスデチ!」

「酷い?」

私は、ちびギコに向かって嘲笑した。

「だから言ったじゃないか。ホントにいいのか、って。
そしたらお前ら、いいって言ったじゃないか。だから殺したんだよ。それのどこが酷い?」

「ウルサイデチ! ウルサイデチ! チビタンヲ、チビタンヲ カエスデチィィイイイ!」



ドカッ!



「デチッ!」

「うるさいのは…どっちだ?」

気がついたら、私はちびギコを蹴り上げていた。

「ナニスルデチカ! イタ・・・」



バキッ!



力一杯、ちびギコの頬を殴った。
血が出ている。歯も何本か折れただろうか。

「お前だろう?うるさいのは…」

「ヤメルデチ! ヤメ・・・」



ドガッ!バキッ!メシャッ!ブチッ!グシャッ…



この感覚。
自分の内側から、何かどす黒いものが吹き出てくるような、この感覚。

怒り?
憎しみ?
悪意?
蔑み?

違う。
どれも近いようで、どれも違う。

そう。

ちょうど、今言ったような負の感情を、全て組み合わせて出来上がったような、一つの集合体。

敢えて言うなら、



”闇”。

752 名前: 6.終わらない惨劇 投稿日: 2004/04/15(木) 20:35 [ p977QzWg ]

私が我に返った時、

そこにはすでに、ちびギコの姿は無かった。



代わりにあったのは、



紅い、

紅い、

血液。



そして、

黒い、

黒い、

臓器。



ちびギコは、もはや完全に、その原型を失っていた。

だが、大小の肉片と、骨の欠片。
そして大量の血液が、かつてそこに”害獣”の姿があったことを、物語っていた。



私は、自分の体を見つめた。
鮮烈な深紅が、私の視界に躍り出る。

私の全てが、紅く染め上げられていた。



「足りない…」

私は、無意識の内に呟いた。

「こんなんじゃ、全然物足りない…」



私の心が、真っ黒に染まっていく。



ガタッ!


その時、私の背後で物音がした。

振り返ると、幾つもの怯えた目線が、私に突き刺さった。



大量の”害獣”が、机の陰に隠れていたのだ。

「アワワ・・・」

「ミ・・・ミツカッタデチ・・・」

”害獣”は、まるで世界の終わりが来たかのように、皆、青ざめた顔をしている。

「まだいたのか…」

私の口元が、無意識の内に緩んでいく。

「ミ、ミンナ・・・ニ、ニゲルデチ!」

”害獣”は、一斉に教室の外に出ようとした。



ザクッ!



だが、最早後の祭りだった。

「イ・・・イヤアアアァァァァアアアアアアア!!!!!」

”害獣”の首が、落ちる。



私の左手に、いつの間にか剣が握られていた。言うまでもなく、私の剣だ。
だが、いつ鞘から抜いたのだろうか。その記憶がない。

しかし今の私には、それを気に留めるほどの脳のキャパシティが、残っていなかった。

私の脳は、紅い鮮血の色を認識するのが精一杯だった。



再び私の中で、黒い噴水が吹き上がる。



「クックック…まだ…」



まだ…終わらない…



〜続〜

くおおぉぉぉおおおおお…れ…レポートの提出日がぁぁぁあああああ…



cmeptbさん。感想スレでも書きましたが、感想有り難うございます。
今後とも、仕事(?)の合間を縫って、執筆(執キーボード?)を進めていきますので、どうかよろしくお願い致します。
どなたか、ご意見等がございましたら、感想スレに書き込んで下さい。今後の参考にさせて頂きます

753 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/04/17(土) 02:14 [ sgezu1sA ]
>>426よりの続きです。

翌日、モモラーとギンはドクの母親がいる場所を案内してもらった。

家はギンの妹、ボロにまかせている。
道中、ギンは自分の幼い頃を思い出していた。
母親は、このドクという子と同じく、アフォしぃと一般的に呼ばれる種族だった。
事あるごとに叩かれ、なじられ、煙たがれる。ボロに対しての対応はもっと酷かった。

「ディノ コドモナンテ ワタシノコドモジャナイワ! シンジャエバイイノヨ!」

そう言って、ボロに対しての虐待を繰り返していたのである。
元はと言えば、ボロがでぃ同然に傷ついてしまったのは、他でもない母親自身の不注意によるものだった。
ギコへの逆ナンパに夢中でボロを車に轢かせてしまったのである。
今ではボロの心の傷もいくらか治ってはいるものの、やはり幼い頃に受けた心と体の傷は自分以上に大きいものだ、と
ギンは思っていた。

モモラーは、過去にドクと同じような醜い顔に生まれた友を持っていた。
その友は顔に理由をつけられ、迫害を受けていた。
モモラーはその迫害のたびにその友を庇ったが、自分自身も非難の対象にされてしまった。
その友は、自分の顔を呪い、自殺してしまった。
その時の遺書には、モモラーへの謝罪と、この世への呪いが書かれていた。
モモラーは、この頃から心に決めたのである。

「僕が弱いからいけないのか? 僕が強くならなければ、人を守ってやる事は出来ないのか。」と。

そして現在に至っている。実はモモラーが都会がイヤになって田舎に来た理由は、その理由も込められていた。

ドクは、不安と葛藤で心が揺れ動いていた。
自分を迫害し、疎んじて暴力を振るってきた母。その人にいまさら会いに行ってどうするのだろう?
まさか殺してしまうのか?まさか再起不能にしてでぃにしてしまうのか。
自分に対してずっと蔑みの目を向けてきた母。いつも姉と比べて嘲っていた母。

でも、

自分の、母親。 この世に生まれさしてくれて、愛情が薄いながらも育ててくれた、母親。

憎んでいいのか、モモラー達を止めるべきなのか。
葛藤はいつまでも続いていた。道中をひたすら行く間中、ずっと。


場面は変わり、ドクの母親と姉の視点に移る。

「ハヤク ニゲナクチャ! アンナキモイチビ、ギャクサツチュウニ コロサレレバイイノヨ!」

母親はドクに対してこれっぽっちも心配をしていなかった。
姉は後悔の念と、母親に対しての恨みで、思わず涙を流していた。
足はいくらかアフォしぃの方が早く、モララーの足から逃げ去った。

754 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/04/17(土) 02:15 [ sgezu1sA ]
「フン! ギャクサツチュウナンテ ショセンカワイイカワイイシィチャンニハ カテナイノヨ!」

得意気になっているアフォしぃをよそに、姉のチビしぃは「・・・・・・」と何かをブツブツ言っている。

「アラ? ドウシタノ? オナカスイタ? ママトイッショニディカラ カネマキアゲニイコッカ♪」

「・・・・・ノ・・・・・・・ヤロウ・・・・・」

「エ? ナニ? ヨクキコエナイヨー」

「ママノ バカヤロウ!」

「ハァ? ナニイッテルノヨ!? アタマデモウッタノ?」

「もう半角で喋るのも嫌だ! なんで弟を見殺しにしたのよ!」

「ナニイッテルノ? アンナキモイベビ! シィノコジャナイモン!! カワイイシイチャンニゼンカクデシャベルナンテ ギャクサツチュウノテサキネ? アーア、ナンデシィノコバッカリ
 コンナ デキソコナイナノ?」

「なんですって・・・・。もう許さない!」

ちびしぃは、言い終わると同時に、母親の腹に頭突きを入れた。
しかし、いくら正常なしぃといっても、体の弱さはアフォしぃと同じ。しかも、チビしぃである。
当然、親の体格に叶うはずも無く、あっさりと勝負はついた。

チビしぃは母親にねじ伏せられると、下腹部の辺りに蹴りを入れられた。
もろいしぃの体では、これでも十分重傷になる。

「ゲホォッ!!」

チビしぃの口から胃の内容物が吐き出された。どうやら、内臓の一部に損傷を受けたようだ。

「アーラ キタナイワネ。 ナンダ、ヨクミタラキモチビジャナイ♪ コロスベキネ! シィチャンノイメージアップ ターイム!」

母親のアフォしぃは悪態をついた。
腹に杭を打ち込んだような痛みが遅い、身動きがとれなくなってしまった。
母親のしぃは、蔑みの視線をチビしぃに向かって浮かべると、そこにあった有刺鉄線の柵の壊れた部分から、
杭に使ってあった木の棒を取り出し、チビしぃに向かって振りかぶった。

「カワイイシイチャンニムカッテ ズツキヲクラワスナンテ ギャクサツチュウ! マターリホウニモトヅイテテンバツヲ クダスワ! シネ!ゴミクズ!」

ビシィッ! ベキッ!

木の棒が容赦なくチビしぃの背中に向かって振り下ろされる。
そのたびにチビしぃの背中の骨はミシミシと音を立て、背中の皮は破れて血が吹き出している。
あと数発叩けばチビは死んでしまう・・・その時だった。

755 名前: momo (Wtzjm/vk) 投稿日: 2004/04/17(土) 02:15 [ sgezu1sA ]
「おいおい、虐待は俺の仕事だろ? 糞虫ぃさんよw」

母親は木の棒で叩くのをやめ、振り向いた。そこに、モララーがいた。

「ドウシテ・・・ココガ・・・」

「御前も間抜けだな。そこのチビちゃんが爪跡を残しているのに気づかなかったのかい?」

「コ・・・コノキモベビ!!」

母親がチビしぃに向かって足を振り上げた瞬間、モララーの手がそれを停止していた。

「ナニスルノヨ! コノギャクサツチュウ! クソモララー!! ハナシナサイ!」

モララーは何も言わず、「グシャリ」とアフォしぃの足を握りつぶした。

「ハギャアアアアアアアア!! シィノカワイイアンヨガァァァアッァ!!」

母親のアフォしぃはもんどりうって倒れ・・・ようとしたが、またもモララーの手によって阻止された。
握りつぶされた足の部分が不気味に折れ曲がり、モララーの手によってブラブラと左右に揺れていた。
揺れるたびにアフォしぃの足の中の複雑骨折した骨が筋肉と血管、神経を傷つけ、
しぃは永遠に続く激痛を味わっていた。

「ハギャアアアア!! ヤメテ!ヤメテェエ!! イダイ!イダァイヨォォォォオオッオォ!!!」

アフォしぃの母親はその激痛から逃れようと身をよじったが、所詮モララーの力には叶うはずも無く、
かえって足に負担がかかり、激痛を増加させるだけだった。

「御前のような糞虫には、安易に死ぬことすら許されないんだよw」

モララーの握った足は、いつまでも離されることは無かった。

(続く)

756 名前: 喰男 投稿日: 2004/04/17(土) 12:41 [ .4pJOpZU ]
        血狂いモラ王子 
      〜「They're ゛Strange"」〜

         〜序章〜
        「生命の城」

 その城は、決して悪いものではない。  
 

外敵をものともせずそびえ立つ城壁。
蝶が舞い、華が踊る城壁の下の巨大なガーデン。
城内へ入ると、玄関を飾る花と、
命を尊ぶ赤いタッチの絵。

757 名前: 喰男 投稿日: 2004/04/17(土) 12:43 [ .4pJOpZU ]
「生命は美術そのものなんだ。だから僕はこの城を、様々な生命で飾っているのさ。」



城主自らがそう言うほど、この城は生命で飾られている。





  全ては主の為に、散りゆく生命だが。

758 名前: 喰男 投稿日: 2004/04/17(土) 12:43 [ .4pJOpZU ]
えっ?
貴方は、飾られた絵をよく見ていないのか?

ならばその目でしっかり見やがってください。
その美しい瞳を抉りぬかれ、光すら拝めぬ舞姫の代わりに。

無数の骸の上に立ち、満面の笑みを浮かべた男の絵を。


はっ?
貴方は地下から聞こえるこの声を知らない?


だったらその耳かっぽじってお聞きなさい。
青髪の料理長に、コトコトと煮込まれ、
「熱い熱い」と呻きをあげる、美女の奏でる断末魔を。

759 名前: 喰男 投稿日: 2004/04/17(土) 12:44 [ .4pJOpZU ]


毎日毎日、ここでは様々な生命が主に捧げられている。

そう、



  散る生命に魅せられ、「血狂い」と呼ばれる王子の為に。
       彼に魅せられ、深い忠誠を誓うしもべの為に。

760 名前: 喰男 投稿日: 2004/04/17(土) 12:45 [ .4pJOpZU ]







        帰らずの城に、また夜明けがくる。





                             糸売くといいな…。

761 名前: 新人 投稿日: 2004/04/17(土) 16:59 [ lV5TNu1o ]
>>682からの続きです
        〜闇に潜むモノ〜  
 
車は街の中央を走る片側四車線もある広さの道路を進んでいく。
道中モララーは無言のままだった。
「いったい何処へ行くんですか?」
タカラギコが車窓の外を流れる景色を見ながらモララーに話しかけ
た。
「しぃの事はしぃに聞いたほうが早いでしょう。あ、ぽろろ、車を
 停めてくれ。」
「ぃぇぁ。」
運転手は片言話すと車を道路際へと寄せた。
「5分で戻るから。いいね?」
「ぃぇぁ。」
ドアを開け、モララーが表へと出る。タカラギコも続いて出ようと
してドアノブに手を触れたが、押しても引いても動かない。
おそらく、運転席側に鍵があるのだろう。
「あの、開けてくれませんか?」
「ぃぇぁ。」
運転手はそう言うと、タカラギコに背を向けたまま首を左右に大き
く振った。おそらく目的地ではないのだろう。
タカラギコはあきらめて座席に深く腰掛けた。外の景色を眺めると
車からさほど離れていない場所にモララーの姿があった。
色とりどりの綺麗な花々が店先に並べられている小さな花屋だった。
恋人にでもプレゼントする気なのだろうか・・・。
やがて店員が花束を抱えて店の奥から出てきた。
「!?」
タカラギコは店員の姿を見て驚いていた。
しぃ族だ。
モララーに花束を渡すのと同時に代金を受け取ると、店員のしぃは
礼をして店の奥へと下がっていく。
花束を持ってモララーは車へと戻ってきた。
助手席のドアを開けて花束を置くと、後部座席へと戻ってきた。
「ぽろろ、出してくれ。」
「ぃぇぁ。」
車は何事も無かったかのように再び走り出した。

762 名前: 新人 投稿日: 2004/04/17(土) 17:00 [ lV5TNu1o ]
「なんですか?」
タカラギコは突然切り出した。
「なんでしょう?」
モララーがタカラギコの方を振り向いてきた。
「しぃ族が働いている事ですよ。」
それを聞いたモララーはくっくっと含み笑いをした後にタカラギコ
と向きあった。
「しぃ族の全てが、他人に迷惑をかけるような存在ではないんです。
 仕事に制限はありますが、きちんとした資格と就職証明があれば
 働けるんですよ。」
「そうなんですか・・・。」
「ぃぇぁ。」
二人の会話に間に運転手のぽろろが割り込んできた。
「あ。到着したようです。行きましょうか。」
モララーに言われて車から降りるとそこには『聖域』に似た風景が
あった。
ただひとつ違うのは腰に特殊警棒を下げている警備員がいるという
ことだった。
二人が降りるのを確認したぽろろは車を走らせてその場から去って
いってしまった。
「あ・・・。」
「いいんですよ。いつも終わるまでの間は好きに車を走らせていい
 といってあるので。」
モララーはそう言うと目の前にある外壁が白く塗られた雑居ビルの
中へと入っていった。
タカラギコもそれに続く。
廊下を進んでいくと腕組みをした屈強な男がモララーと彼を睨みつ
けるかのように待ち構えていた。
「やぁ。ご苦労様。」
モララーがそう言って男の前を通りすぎる。
モララーが無事なのをタカラギコが確認すると同じように前へ進も
うと一歩踏み出そうとした瞬間、丸太ほどの太さがある男の下腕部
が彼の行く手を遮った。
「うわっ。」
その声に気付いたモララーが振り向いて男に声をかける。
「クックル、その人は私の客人だ。」
クックルと呼ばれた男は腕を引き、深深とタカラギコに礼をした。

763 名前: 新人 投稿日: 2004/04/17(土) 17:00 [ lV5TNu1o ]
「彼は無口で強面だけど、決して悪い人じゃない。気を悪くされま
 したか?」
モララーが歩きながら話しかけてくる。
「いや、ちょっと驚きましたけど・・・。」
「そうですか。」
しばらく進むと、辺りの様子は少しずつ変わりつつあった。
先程までは薄汚れた感じだった内装も次第に剥がれ落ちていたり、
落書きが施されていたりと急に荒れて来たのだ。
「この先に何があるんですか?」
と、タカラギコ。
「行けば分かりますよ。」
モララーはそれだけしか答えなかった。
やがて、留置場のような場所へと辿りついた。
牢屋の中を見てみるとそこには何十匹ものしぃ族の姿があった。
二人の姿を見るなり、しぃ族は騒ぎ始めた。
「コノクソモララー!! イツマデコンナシンキクサイ トコロニトジコメテオクツモリナノ!!」
「トットトハヤクココカラ ダシナサイ!!」
「ワタシタチヲ 2チャンノアイドルダッテシッテルノ!!」
喚き散らすしぃ族の姿はタカラギコが先ほど見た働くしぃとは全く
違っていた。知性というものが一切感じられない。
「うるさいっ!」
ガシャンッ!!
モララーがそう言うと檻を足で蹴りつけ、彼等を威嚇する。
わめいていたしぃ達は一瞬その恫喝に怯えたが、
「ワタシタチハ ナニモワルイコトシテナイワヨ!!」
「ソウヨソウヨ!! イイカゲンニシナイト ワレラガマタガミサマノテンバツヲクラッテ ヂゴクイキヨ!!」
と、勝手な事ばかり話している。
「今日はお前達に話があって来た。」
モララーが話を切り出すとようやく静かになった。
「この中にマターリクラブというクラブを知っている奴はいるか?」
モララーの質問になど一切関せずといった感じで檻の中のしぃ達は
そっぽを向いたり、欠伸をしたりと相手にしない。
「知ってる奴は素直に答えろ。そうしたらここから出してやる。」
そう言うとモララーはポケットから鍵を束ねている鉄輪を差し出した。
その言葉を聞くなり、しぃ達の態度は一変した。

764 名前: 新人 投稿日: 2004/04/17(土) 17:01 [ lV5TNu1o ]
「ハイハイッ!!シッテルヨ!!」
「ウソヨッ!! コイツノイウコトナンテ アテニデキナイワ!!ワタシガシッテルノ!!」
「ゼンチゼンノウノカワイイシィチャンニ ワカラナイコトナンテナイノヨ!!」
我先にと一斉に挙手をして檻から出ようとしているのだ。
タカラギコは喧しい声と姿に頭が痛くなりそうになった。
「よしよし、わかった。じゃあそこのお前。表へ出ろ。」
指名されたしぃは両手を挙げて喜び、されなかった者達がモララーに
苦情を喚き散らす。
指名されたしぃが表へとでるとモララーの前に立った。
「マターリクラブ、知ってるんだな?」
「アタリマエジャナイ!!」
しぃは自信有りげに鼻息を荒くする。
「もし嘘を言ったら・・・。怖いぞ?」
「ウソハドロボウノ ハジマリダヨ? ソンナコトモシラナイナンテ ヤッパリクソモララーネ!」
モララーの睨みつける顔を目の前にしても全く動じない。
タカラギコはもしかしたら・・・と若干期待した。
「じゃあ話して下さい。」
タカラギコがしぃに質問を問い掛けた。
「マターリッテイウノハ ミンナガカワイイシィチャンヲ アガメタテマツルコトヨ!! アマクテヤワラカイコウキュウナ
 タベモノヲテイキョウシテ、カッコイイギコクント ダッコヤコウビヲスルコトデ、ソレカラ・・・」
「いや、そうじゃなくて・・・。」
あきれるタカラギコ。
当然だ。今話しているのはマターリクラブのことでは無く、しぃ自身
がしてほしい事をただ述べているだけに過ぎないのだから。
「ソレデネ、ソノマターリクラブッテイウノハ ソウイウコトガデキルクラブナンダヨ!!」
タカラギコは溜息をついた。
「どうですか?」
と、モララーが聞いてきた。
「違います。」
タカラギコの言葉にしぃは目を白黒させた。
「チョット マチナサイヨ!! ワタシノイウコトニマチガイナンテナイノヨ!! ナニデタラメナコトイッテンノヨ!!
 カッコイイギコクンニチョットバカリニテルカラッテ チョウシニノッテンジャナイワヨ!!!」
「糞虫ちゃん。嘘は泥棒の始まりだったよね?」
モララーが懐から伸縮式の警棒を取り出す。
「ナ、ナニスルツモリナノヨ・・・ソレイジョウチカヅイタラ マタガミサマガアンタニテンバツヲ・・・」
しぃは後ずさりしながらも強気の姿勢を崩さない。
「泥棒は死刑だ。」

765 名前: 新人 投稿日: 2004/04/17(土) 17:03 [ lV5TNu1o ]
モララーの冷淡な口調と共に警棒がしぃの頭上に振り下ろされるのと
同時に鮮血が勢いよく頭頂部から吹き出る。
「シィィィィッ!!!イタイヨ!!イタイヨォォォォ!!!」
頭を抱え込み、その場で足をばたつかせてもがき苦しむしぃ。
「モララーさん、それぐらいで充分でしょう?」
タカラギコがモララーの前に立つ。
「後ろ!」
モララーが叫ぶのと同時にタカラギコが後を振り向く。しぃの鋭い爪
がタカラギコを狙っていた。
「ギャクサツチュウハ シンジャエ!!シンジャエェェ!!」
「うわっ!!」
タカラギコの左頬に痛みが走る。
彼がその場に仰向けに倒れ込むとしぃは止めを刺そうと迫ってくる。
「シンジャエェェ!!シィフォッ!?」
モララーがタカラギコの前に踊り出ると警棒をしぃの口の中へと突き
刺した。
「じゃあね。可愛い糞虫ちゃん。」
そういうと警棒の柄にあるスイッチを押す。
バチィッ!!バチバチッ!!
「シギャアアアアアァァァ!!!」
青白い光が警棒に流れ、しぃの頭部が激しく前後に揺れ動く。
耳と目からどす黒い血が流れ出て、糸の切れた操り人形のように両手
両足をぶらりと垂れ下げていた。
「よっと。」
モララーが警棒を引き抜くと、しぃだったモノはその場に倒れ込んだ。
「大丈夫ですか?油断は禁物ですよ。こいつらにはみだりに背中を見
 せないほうがいい。」
「死んだんですか?」
タカラギコが立ちあがると同時に話しかける。
「ええ。自業自得ですよ。」
モララーは笑みを浮かべながら警棒の汚れを落とす。

                   〜続く〜

766 名前: 羨望 1/4 投稿日: 2004/04/17(土) 22:31 [ L4JoRzHQ ]

「ン…。」
眠りから覚めて、ゆっくりと目を開ける。
慣れた手つきでランプを付け、時計を見る。
13時25分。とっくに太陽は昇りきっているはずだが、この部屋は夜のように暗いままだった。
それもそのはず。この部屋には窓がない。外に通じるものは換気扇と、鉄のドアだけ。
ベットから降りると本棚からアルバムを取り出し、ページを開いた。
そのアルバムには、外で遊びまわるしぃを写した写真が、何枚も貼ってあった。
(”ビョウキ”になるまで、外がこんなに素晴らしいものだとは思わなかったな)
写真の中の幼い自分と今の自分を比べ、しぃは小さく笑った。
半年前。とある村で、奇妙な病が流行っていた。
ある日突然目の色が鮮やかな赤に染まり、太陽を見るとその目玉が焼けてしまう。
このままでは村の皆が感染してしまう、と感染源を探ったところ、あるしぃの家にたどり着いた。
近くの町の協力も得て調べたところ、一番最初に発病したのはこのしぃで、このしぃから村中に
感染していったことが判明した。しかし、何故このしぃは目玉が焼けなかったのか。
その疑問はしぃ自身の一言であっさり解決した。
「私、星を見るために昼間は寝て夜に起きてるの」

その日からしぃはこの部屋に隔離された。
これ以上感染するものが出ないように。
何も知らない人達が、光を失わなくて済むように。

767 名前: 羨望 2/4 投稿日: 2004/04/17(土) 22:31 [ L4JoRzHQ ]
いくつか、村長さんから教えてもらったことがある。

ひとつめは、この病気が空気感染するため私が隔離されたこと。
ふたつめは、太陽をみるとウイルスは死滅するが、道連れに目玉が焼かれてしまうこと。
みっつめは…自分が生かされている理由。
『君がなぜ生かされているかわかるかい?』
いままで病気の話をしていたのに、いきなり自分の話に変わり、しぃは少し驚いた。
『エ?』
『ワクチンを作るためさ。』
彼は嘲笑して言い続けた。
『まだ瞳が赤いままの人のためにワクチンを作らなきゃいけないんだ。』
『ワクチンを作るためにはウイルスが必要でね。』
しぃは目を輝かせた。ワクチンが出来れば、また外に出れる…!
すると村長のモララーはしぃをにらみつけた。
『糞虫にやるワクチンなんてないけどね。』
しぃは一瞬でも浮かれた自分を恥た。この人たちは、しぃを虫よりも低く見ているんだ。
ワクチンなんてくれるわけない。外に出れるわけないじゃないか。

768 名前: 羨望 3/4 投稿日: 2004/04/17(土) 22:32 [ L4JoRzHQ ]
冷たい壁に耳をあてると、かすかにチビギコの声が聞こえた。
とても楽しそうな笑い声。仲良しの子とあそんでいるのだろうか。
しぃは写真の中で笑っている自分をそっと指で撫でた。
(いいな…)
外に出たかった。もういちど太陽の光を浴びて、外で駆け回りたい。
鉄製のドアへ視線を移す。このドアさえなければ外に出れるのに。
この、ドアさえなければ。椅子をつかむと、ドアの前まで持っていく。
その椅子はしぃにとっては少々重いものだったが、力いっぱい振り上げる。
鼓動が早くなる。もしギャクサツチュウ…あの村長に見つかったら、いっぱい殴られるかもしれない。
手や足を、もがれてしまうかもしれない。でも。一目でいい。たった一目でいいから。
(もういちど空が見たい―――…!!)
椅子をドアに叩きつける。ガンッ!と予想以上に強い音がするが、ドアは少しへこんだ。
このままぶつけていれば壊れるかもしれない…しぃの顔が希望であふれる。
だけれどもう一度叩きつける前に、ドアが勢いよく開かれた。

769 名前: 羨望 3/4 投稿日: 2004/04/17(土) 22:33 [ L4JoRzHQ ]
「ア…」
先ほどとは反対に、しぃの顔が青ざめる。
「この糞虫がァァァ!!」
「シィィィィ!?」
感染しないように防護服を着た村長が、しぃに殴りかかった。
「てめえが外に出たらどういうことになるのかわかってるのかこの虫は!!」
しぃの顔や腹などを殴りながら、思い切り怒鳴りつける。
「今外で子供達が遊んでるんだぞ!感染したらどう責任取るつもりだ!?」
「ゴメンナサ…イ…」
「聞こえねーな!?え!?」
そう言って、ただひたすら殴り続けた。

「フン…」
一時間はたっただろうか。
ひとしきり暴行を加えた後、モララーは満足したのか部屋から立ち去っていった。
痛む身体を押さえ、ベットに潜り込む。壁に耳を当てると、まだチビギコたちの声が聞こえた。
「また明日遊ぼうデチ!」
外で自由に遊べる彼らが、羨ましい。
孤独になることもなく、友達と楽しそうに過ごす彼らが羨ましい。
(ああそうか)
しぃの目から涙があふれた。
(私はこれからずっと、孤独と羨望にまみれて生きていくんだ)
そして彼女はもう見ることのない空を夢見て、眠りに付く。
鳥籠のような、冷たい部屋の中で。

770 名前: 耳殺ぎの家 1/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:38 [ rANiTdlQ ]
>>335-343
>>363-369の続編

5年ほど前の事でした。
この村で大量虐殺が行われました。
今では、この村の生き残りは誰一人いません。
唯一、生き残っていた私も、2年前に殺されてしまったからです。
この村の慰霊碑に仲間と同じく弔われた私は、じっと、人を待っています。
一人生き残り怯えていた私を愛してくれた彼らを私は此処で待っているのです。

771 名前: 耳殺ぎの家 2/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:39 [ rANiTdlQ ]
春のうららかな昼下がり、桜満開の今は無き村に二人の親子が訪れました。
それは、私の死を受け入れない夫と、殺される私を見つめ続けた娘です。

「どうも、お久し振りです。ほらベイビー…お前も手を合わせなさい」

無表情で言葉を持たない娘に、夫が慰霊碑に向かって手を合わせる事を教えています。

「前も言ったけれど、ここには、ママの家族や友達が眠ってるんだよ…。もしかして
今度こそ、ママが帰ってるんじゃないかと思ったけど、やっぱり誰もいないし、
誰か居た跡もないねぇ…」

彼の言う通り、この村の跡地には何にもありはしないのです。
元々不便な土地で、人の出入りの少ない村でした。
だけど私はこの村が好きで、町や街に降りる事なく、この狭い世界で
一生を終えるのだと信じていました。
それが、たった一人のモララーの襲来で全てが一変したのです。
あれはそう、5年程前の事でした。

772 名前: 耳殺ぎの家 3/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:40 [ rANiTdlQ ]
一面に広がる死体の山。
それらは、ほんの数時間前まで、私の家族だったり友達だったりした。
だけど、皆、今は意味の無い塊。
私は一人ぼっち、虐殺者の影に怯えながら走った。
恐ろしい声が耳に響く。

「君の目が映した最期をいつまでも覚えるんだ…。僕の伝説の語り部に
君は選ばれたんだよ?コレはとても光栄な事なんだ」

一人のモララーが私の村を滅ぼした。
私達の何処に非があったのかは分からない。
きっと、理由はしぃに生まれついたから、そして奴がモララーだったから、
それだけで済まされてしまう至極簡単な事に違いなかった。

走って走って、遂につまずき、身体が土にまみれた時、モララーの足が視界の端に映る。

「お願い、殺さないで…助けて…」

起き上がった私は手を合わせ、ひざまずき、昨日まで存在すら知らなかった、
そのモララーに命乞いをした。

「…君、人の話をちゃんと聞いていたかい?語り部に選んだって、言っただろう?
まぁ、選んだっていうより、この村の生き残りが君だけになっちゃったって
だけなんだけどねw」

モララーはまるで、お菓子を食べ過ぎてしまったと反省するような気軽さで、
私に向かって笑いかけてくる。

「私だけ…嘘…そんなはず……」

さして大きくはない村だったけれど、それでも50を超える村人達が
此処で暮らしていたはずだ。
それが、もう、誰一人いないなんて、信じられるはずがない。

「僕が嘘をついて、何の得がある。見てみろ、揺らめく木々、飛び交う鳥、
動くのはそんなものだけだというのが分かるはずだ。此処で動くAAは、もう、僕達だけなんだ」

モララーは両手をひろげ、大空を仰いだ。
私はそんなモララーを震えながら見上げる事しか出来ない。

「もう一度言うよ…僕の伝説の語り部に君は選ばれたんだ。
とても光栄な事だと感謝しながら、君は目に最期を映さなきゃならない…」

モララーが愉しそうに笑いながら、私を見下ろした。

「最期??私はやっぱり死ぬの?」

身体の震えは、一向に止まらない。
心臓の音に合わせて、ドクドクと流れる血の音まで感じられるほど
私の緊張は高まっていた。

773 名前: 耳殺ぎの家 4/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:41 [ rANiTdlQ ]
「いいや、語り部と言っただろう?君には僕の勇姿と、この村の素晴らしい
虐殺風景を語って欲しいんだ…。そして、出来るだけ素晴らしい語り部に
なってもらいたい。
ただ…、そのためには今後、君の心を動かすような何かを見られたら困るから……」

モララーが私の右腕を痛いほど握り締め、目をグッと覗き込んでくる。
恐ろしさで逃げ出す事も出来ない私の目の前に、研ぎ澄まされた爪が迫った。

「シィィィィィィィィィィィィィィ―――――」

自分の声で自分の耳が壊れるかと思うほどの、甲高い半角の叫び声。
その声を聞きながら、なお、モララーは愉しそうに笑っていた。

「さぁコレでイイ…。君の目に最期に映ったのは僕と、この村。いつまでも
この最高の惨劇を語り継いでくれよ??一晩で滅んだ村の生き残りの語る、
素晴らしい、このモララー様の偉業をね…」

目からとめどなく、液体が溢れる。
ズキズキと痛む目と、掴まれたままミシミシと音を立てる腕に意識を失いそうに
なるけれど、今、気を失えば殺されてしまいそうで、私は必死にあがいた。

「ハナシテ… ハナシテ… タスケテ オネガイ タスケテ… コロサナイデ…」

口からこぼれ出るのは切れ切れの訴え。

「ったく、何回、言えば、分かるんだよ?頭悪い、女だな…。しぃだから
仕方ないのかもしれないけど、お前は殺さない、俺を称えるために生かしてやるって
言ってるだろ!イイ加減、分からないなら、面倒だし、マジで殺すぞ?」

モララーが頬をガンっと音が鳴る程に強く殴った。
そして、私の耳を掴み、再び『僕の伝説の語り部になるんだ』と囁く。

「……ハイ…」

私はモララー曰く偉業らしい、村の虐殺事件の生き残りとして、コイツの恐ろしさを
語り継がなければいけないのだ。

「もし、お前が、僕を語るのをやめて、幸せに暮らしてみろ…。もう一度、
新たな伝説を作りに逝ってやるからな…」

モララーが私の目の傷を指でなぞる。

「イタイ… オネガイ… ヤメテ… シィィィィィィ!」

目を抉られそうになり、私は必死で腕を振り払い後に飛びのいた。
振り払った腕に力が入らない。
もしかしたら折れたのかもしれないけど、そんな事は関係なかった。
私は動かない腕に構わず、血なのか涙なのか分からない、生温かい何かを
頬に感じながら、見えない世界を必死で駆ける。
山道を何時間も、もしかしたら何日もの間、必死で上り下りして、ようやく地面が
平らで滑らかになったのに気付いた時、私の全身の力が抜けた。

774 名前: 耳殺ぎの家 5/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:42 [ rANiTdlQ ]
どうやらアスファルトの道らしい所で動かない身体を横たえていると、
冷たい小雨が降ってきて、身体のいたる所に出来た擦り傷にジンジンと染みる。
モララーに握られた右腕は動かないし、あの鋭い爪を最後に視界は真っ暗になっていた。
動かない腕や見えない目から来る大きな痛みと、山道を這いずり回ったせいで出来た
擦り傷の小さな痛みが、冷たい雨にうたれている内に段々と麻痺してくる。

「このまま死ぬのかしら…」

何処なのかも分からない見知らぬ土地で、雨にうたれて朽ち果てる自分を想像すると、
いっそ、あの村で潔く、仲間や家族と共に死んでいた方が
幸せだったのかもしれないと思えてきた。

「こんな事になって…幸せになれるわけ無いじゃない…」

私が伝説の語り部になるのを忘れて幸せになったら、再び伝説を作りに来ると
モララーは言っていたけど、私は恐らく、このまま死ぬだろう。
幸せになる所か、伝説も語らずに死んでいくのだ。
伝説を誰にも語っていない事で少しだけあのモララーに一矢報いた気分になって、
私は静かに目を閉じる。
元々、見えない目を閉じるのは不思議な感じだったけれど、疲れていた私は、
冷たいアスファルトの上でも充分に眠る事が出来た。

775 名前: 耳殺ぎの家 6/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:43 [ rANiTdlQ ]
「ベイビー、オニギリ美味しいかい?そうか、良かった…。だけど、ママは
ここにもいないのだとすると、一体、何処に行ったんだろうね…」

私の死を一向に受け入れられない夫は、静かに頷く娘に向かって、
溜息混じりに呟きました。
彼には、本当に悪い事をしたと思っているのですが、今の私では何の償いも
する事が出来ません。

「こんなに桜が綺麗な土地で、5年前に起こった虐殺…。彼女の傷が
あんまり綺麗に消えたから、心の傷も……そう思った僕が悪かったのかな…
目を治そうなんて…僕が言い出さなければ…」

暗い顔で手に握ったオニギリを見つめる彼に、見えないのを承知で、
私は何度も頭を下げました。
確かに、最初、私は目を治す事を拒否していましたけど、最後は自分でソレを
望んだのです。
目を治した事も、彼に殺された事も、何一つ後悔していないし、それ所か
感謝していました。
だけど、私が取った行動が、こんなにも二人に深い傷跡を残すなんて…。
幸せになった罰は、私だけに下れば良かったのにと、それだけが悔やまれてなりません。

776 名前: 耳殺ぎの家 7/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:43 [ rANiTdlQ ]
あのまま朽ちるとばかり思っていた私だけれど、一人の男性に助けられ、
一命を取り留めた。
傷だらけの私を介抱してくれたのは、とてもとても優しい人。
介抱してくれた男性の声も手の感触も、あの伝説を作りたがった
虐殺モララーにそっくりで、私は最初、あのモララーが私を監視に来たのかと
怯えっぱなしだった。
けれど、彼は違う。
怯える私を包み込むような穏やかな雰囲気、見えない私を気遣った
ユックリとした動き、虐殺モララーと彼は似て非なるものだった。

私に怖がられると思っているのか、自分の種族を明かさない彼に
プロポーズをされて、恐らくモララーであろう彼と家庭を作り、娘にも恵まれた。
私はまさに幸せの絶頂。
そんな時、彼から一つの提案が持ち込まれた。

「ねぇ、ママ…。ベイビーの顔を見たいと思わないかい?」

すやすやと眠るベイビーの頭を撫でながら、彼の話をソファーで聞く。

「ええ、パパ…見たいとは思うけど、私の目では無理だわ…。でも見られたら
幸せでしょうね…夢のような話だけれど…。だけど、見えないのは別に
嫌な事じゃないの…。だって、見えなくたって、私はとても幸せですもの。
イイ旦那様と可愛いベイビーがいるからね…」

たわいも無い雑談の一つだと思って、私は彼への感謝をこめつつ気軽に答えた。

「それがね、夢で終わらないかもしれないんだ…。凄腕の眼医者が隣街の
大学病院に赴任してきたんだ!もちろん、無理って言われるかもしれないけど、
診察に行ってみよう?駄目元でも、もしかしたら…見える可能性があるんだ!」

彼の嬉しそうな声。
でも、私は、怖かった。
未だ、彼の口から、はっきりと種族がモララーだと聞いた訳じゃない。
もしかしたら、私は、彼の顔を見た途端、村の事を思い出して
取り乱してしまうかもしれなかった。

「そう、凄いわね…でも、私、手術は怖いから…診察はイイわ…」

そう言って彼の提案を軽く流した私だけれど、彼は挫けず何度も私を説得してきた。
そして、遂に根負けした私は、診察だけど断って病院へと連れ出される。

結果は、難しい手術だが、治る見込みがあるというものだった。

「せっかくだけど、やっぱり怖いの…。ゴメンネ…ベイビーやパパの顔を
見られないのは残念だけれど、このまま盲目でいさせて…」

私は泣いて彼に謝り、彼はそんな私を寂しそうに受け入れてくれた。

777 名前: 耳殺ぎの家 8/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:45 [ rANiTdlQ ]
そんな風に、家で眼の手術の話が、ほぼタブーとして触れられなくなったある日。
墓参りがわりに村の慰霊碑を訪れに来た時の事だった。
うららかな昼下がり、ベイビーとパパは二人で辺りを散策に出かけ、残った私は、
慰霊碑を前に一人静かに祈る。
そんな私の背後に、おぞましい殺気が駆け抜けた。

「やぁ、元気そうだね…。優しい旦那さんと可愛い娘に囲まれて、幸せの絶頂って
所みたいだけど、『伝説』はどうなったのかな?もしかして語るのに飽きて、
娘に語り部を伝承させる気かい?」

彼と村を滅ぼしたモララーが似ているなどと、何故、思ったりしたのだろう。
久し振りに会った、その虐殺モララーの一言、一言が私の全身の毛を
逆立てるほど恐ろしかった。

「娘は…関係、ないわ…語り部も…忘れた訳じゃない…。」

モララーに背を向けたまま、何処からか私達家族を見ていたらしい奴に弁解をする。

「そうかな?僕には、全てを捨てて、安穏と暮らそうとしているように
見えたけれどね…。それに、目を治そうとしていたって聞いたよ?せっかく最期が
焼きついた目を、治すだなんて、冗談だよね?まさか、家族や友達の顔を
忘れたいだなんて薄情な香具師なのかい、君は?」

モララーの足音で奴が私の背後から前へと近付いたのを感じた。

「違う…そんなんじゃ…」

前にやってきた奴に何をされるのかと怯えていると、奴の手が私の頬に触れ、
どうやら目を覗き込んでいるらしい。

「…ふーん…。ああ、そうだ、せっかくだ…目を治してもらえよ…。治った目を
僕がもう一度裂いてあげる。そうすれば、君はきっと、役目を思い出すはずだ。
コレは命令だ。目を治して、もう一度僕に裂かせるんだ。さもないと、
君の娘が新たな語り部になるよ?」

私が静かに頷くと、奴は満足そうに笑いながら去っていった。

その後、ベイビーを連れて帰ってきた夫に、様子がおかしいと問いただされたけれど、
私は、奴の指示に従うためだけに口を開く事しか出来ない。

「ねぇパパ…私、手術を受ける事に決めたわ…」

夫は、その決意を慰霊碑にしたために、私が疲れたのだと解釈してくれた。

778 名前: 耳殺ぎの家 9/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:45 [ rANiTdlQ ]
手術自体にはかなりの時間を要したけれど、包帯が外れるのは、案外早いものだった。
手術の翌日、先生と看護士と、そして彼とベイビーの立会いの元、
私の包帯が解かれていく。
くるくると解かれる包帯の感触にドキドキしながら、私は、彼やベイビーには
悪いと思いつつ、死ぬ覚悟を決めていた。
いずれ私は、あのモララーに殺される。
だけど、アイツが愉しい思いをするなんて冗談じゃなかった。
だから、私は、彼とベイビーの顔を見たら、奴の虐殺欲を満たせないように
自殺してやろう。
潔く死んで、アイツに歯痒さを感じさせてやろうって考えていた。

私が無責任に自殺してしまうと、残されたベイビーや彼に被害が及ぶ可能性もある。
でも、きっと、私の子供や夫として一緒に暮らすよりも、被害の確立は
少ないに違いなかった。

「ゆっくり目を開いて下さい。最初はぼんやりかもしれませんが、少しずつ
視力が戻ってきているはずです。どうですか?見えますか?」

先生が私に優しく問い掛けてくる。
目の前に広がるぼんやりと白い空間、私の目は再び視力を取り戻していた。

「ママ?私が見える?」

ベイビーが私を見上げている。
私によく似た、でも私なんかよりずっと愛らしい利発そうな子だ。

「しぃ、僕が見えるかい?」

聞き慣れた夫の声。
その声に上を向くとモララーが立っていた。

「まだ、よく、見えないわ…」

本当は見えている。
でも、見えたと言った瞬間、私はかねてからの計画を実行しなくちゃいけなかった。
私はまだ、彼を見つめていたい。
だから、嘘をついた。

「そうか、まだ、よくって事は、少しは見える感じなんだよね?」

あの虐殺者と同じモララー種のはずなのに、夫である彼は情けない位に心配そうな顔で
私を見つめている。
本当に穏やかで優しい中身と同じくイイ人そうな、この夫を、これから私は罵るのだ。

「そうね…きっと。…ああ、段々、光になれてきたみたい…ベイビー、もっと
近付いてもイイかしら?」

ベイビーの顔をしっかりと覚えておこうと、彼女を覗き込むと、
本当に楽しそうな笑顔で私を見つめてくる。

「ママと目があったよ!見えてるんだ!」

私と目があったのが嬉しいとベイビーがはしゃいだ。
コレを言われてはアウト。
私の目が見えた事に気付いた、夫の期待の視線を感じた。

779 名前: 耳殺ぎの家 10/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:46 [ rANiTdlQ ]
「パパもそこにいるの?」

ごめんね、アナタ。
元々あまり、イイ妻じゃなかったけど、最後の最後にとても酷い事を
アナタに言います。
私を恨んで構わないから、後を追ったり、ヤケを起こしたりしないでね。
アナタと暮らした3年間。
私は確かに幸せでした。

「あ、ァアァァァァァ!イヤァァ…イヤァァァァァ!」

あの時、虐殺モララーに責められ、殺されて逝った家族や友人の断末魔を
思い出しながら、必死に半角で叫ぶ。
頭を振って、ベッドから転げるように床にへたりこみ、逃げ出すためには
他者をも省みない取り乱した姿をさらすため、ベイビーを突き飛ばした。

「ママ??ママ!どうしたの?ママ―っ!パパ、どうしよう…ママが…ママが…」

ベイビーが叫ぶ。
酷いママでごめんね。
ママみたいな酷い人の事は忘れて、どうか幸せになってねベイビー。

「…モララー?? ヤメテ! コナイデ! モ、モウ…イタイノハ… イタイノハ イヤナノ! オネガイ! イヤァァァァ!」

彼が私に近寄ろうとしたのに気付いて、私は半角の金切り声を搾り出した。
ベイビーの泣き声と、床を這いずり回って自分から逃げようとする妻の姿に、
彼は何を思ったのだろう。
彼は困惑した顔で、頭を抱え、動きを止めていた。

「畜生…何で、そんな目で僕を見るんだ?何で、ベイビーを突き飛ばしたんだ?」

再び動き出した彼の挙動がおかしい。
まるで狂ったようにブツブツと、私に問い掛けるように何かを呟いていた。

「コナイデ ギャクサツチュウ!」

腰の抜けたふりで、彼が近付いてくるのをジッと待つ。

「そうか、お前、偽物だろう?」

彼の手が私の首にかかった。

「シィニ… シィニ ヒドイコト シナイデェ!」

どうやら私の最期は自殺でなく、愛しい人に殺されるらしい。

「偽物は必要ないよね??」

私を殺そうとしている夫の顔は、笑っているのに酷く悲しそうだった。

「シィィィィィィィ!」

私はこんなに辛そうに、人を殺す人を見た事が無い。

「パパ??ママ??二人ともどうしたの!お願い、やめてぇー!ヤメテェー!ヤメテェェェェェェ!」

ベイビーの悲痛な声が聞こえてきた。
半角で叫びだしたベイビーの声が遠い。
私はどうやら、もうすぐ死ぬようだ。
彼がまさか私を殺しにかかるとは思わなかったけど、彼の顔を見ながら
死ねるなんて幸せ。
ああ、こんな事を考えてしまう妻で、本当にごめんなさい。
だけど、私を殺せるなら、きっと、虐殺モララーが責めてきても、アナタが
ベイビーを守ってくれるわよね。

私を罵るアナタの声も、必死で叫ぶベイビーの声も聞こえない。
蘇るのは、あたたかな我が家での思い出ばかりだ。
語り部になれと囁いた奴の声から耳を殺いで、必死に幸せに浸ろうとしていたあの頃。
最近では、無くしたのは目じゃなくて耳だったのじゃないかと思うほど、
あの声を思い出さなくなっていた。

でも、思い出さなくても、やっぱり過去はなくせない。
ありがとう、アナタ。
幸せでした。
どうかアナタも幸せになってね。
私の目に最期にベイビーとアナタが映った幸せを噛みしめながら、私は息絶えた。

780 名前: 耳殺ぎの家 11/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:50 [ rANiTdlQ ]
「そろそろ逝こうか…。もう一度、手を合わせてから逝こうね」

オニギリを食べ終わった夫と娘が立ちあがり、慰霊碑に別れを告げています。

「やぁ、どうも…チビしぃとモララーとは珍しい組み合わせですね…。
何をされてるんですか?」

慰霊碑に手を合わせる二人の後ろに、奴がやってきました。

「ああ、どうも。実は、ここに妻の友人と家族が眠っているので
手を合わせているんです」

奴の不穏な気配をいち早く感じ取ったらしい娘が、夫の足の後に隠れます。

「ほー、奇遇ですね。僕も此処に用があったんです。会いたい香具師がいましてね…。
まぁ、もう、死んでいるんですが…あんた等も、よく知ってる香具師ですよ」

奴はニヤニヤとした笑みで、品定めでもするように、夫と娘を上から下まで
見回していました。

「知っている?もしかして、何処かでお会いしましたっけ?申し訳ありませんが、
どうも記憶にないのですが…」

震え始めた娘とは対象的に、夫はあくまで紳士的な態度で奴に尋ねています。

「直接、お会いした事はありませんでしたが、僕らは同じメスを共有した仲ですよ…。
もしかしたら、この子も僕の娘かもしれない位のね…」

クスクスとありもしない事を夫に吹き込みながら、娘の頭を撫でる奴を止めたくても、
私にはどうする事も出来ないので、ただジッと成り行きを見守っていました。

「…な!しぃを知ってるのか?」

娘に触れる手を振り払いながら、夫が気丈な声で奴を問い詰めます。

「知ってるも何も、あの目の傷をつけたのは僕ですよ?まぁ、最期のとどめは
あんたに取られちまったけど、こんな事なら、あの時、君を語り部にしておけば
良かったなぁ…。なぁ、喋れないんだって?死ぬ直前まで追い詰めたら
声も出るんじゃないのか?なぁ??」

夫が目の前にいるのが、この村を滅ぼした張本人と気付いて驚いた隙をついて、
娘が奴の手に連れ去られました。

「おい、ベイビーを離せ!」

愉しそうに娘を腕の中に抱いた奴に向かって、夫が強い口調で怒鳴ります。

「イヤだね…。アレを語り部にする事も出来なかった上に殺し損ねたんだ。
娘くらいは俺に寄越せよ…。アイツの死に際はイイ顔だっただろ?
目を裂いた時の表情もたまらなかったもんなぁ…」
「何を…言ってるんだ…?」

私を殺した事を認識してない夫は、不安そうに娘を気遣いながら、奴を睨みました。

781 名前: 耳殺ぎの家 12/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:51 [ rANiTdlQ ]
「ああ、そうか。覚えてないんだったっけ…。こうすれば思い出すんじゃないのか?
君の握った首はしなやかだったろう?」

奴は夫の手を、無理矢理に娘の首へと導きます。

「死に際…?首…?この感触…僕は…僕が……しぃを…ウワァァァァァ!」

夫が何かに気付いたように叫びました。

「ほら、どうやって殺したんだ?俺の獲物の最期を教えてくれよ?何なら、
実演でもイイんだぜ?」

娘を差し出し、奴が夫に虐殺を勧めます。

「僕が妻を殺した?そんな…そんな事、あってイイ訳ないだろ!ふざけるなぁっ!」

夫は腕を振り上げ、奴に飛び掛りました。

「自分がした事に逆ギレしてるせいか、攻撃がぬるいな…。まぁ
虐殺の年季も格も違うせいかもな…。しかし、残念だ。君とは友達に
なれるかもしれないと思ったんだけどね…」

奴は夫のコブシを軽くかわして、逆に夫を殴り、地面にへたりこんだ彼を蹴り上げます。

「うぐぅ…」
「イイ様だな…ああ、そうだ。娘の死に顔も、特等席で拝ませてやるよ」

うめき声をあげる夫を踏みつけ、奴が娘の顔を夫の前につきつけました。

「ベイ…ビー……」

「俺があんたの背骨を折るのと、このガキの首を絞めきるの、どっちが先かな…。
やっぱり、死に顔をお前に見せるの勿体無い気がしてきた。俺が最期を
見届けてやるよ、ベイビー??」

奴がニンマリと娘の名を呼んで、娘の顔を覗き込みます。

「…お前がママを傷つけたのね…。そして今、パパも殺そうとしてる…」

ベイビーは息苦しいのか、少し青褪めた顔で、それでも奴を睨みました。

「喋れたのか??だが、残念だが、叫んだ所で、助けなんか、こんな山奥じゃ来ないぜ?
どうする、ベイビー?」

喋れても無駄だと、奴が娘を嘲笑います。

「何も口は、喋るだけのモノじゃないわ…」

ベイビーは暴れながら奴の腹を蹴り、奴がひるんだ瞬間、耳に歯をたてました。

782 名前: 耳殺ぎの家 13/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:52 [ rANiTdlQ ]
「何すんだよ!アフォしぃの糞ガキが!」

耳を一部、千切られ奴が耳を手で押さえながら叫びます。

「あら、私、アナタの娘かもしれないんでしょ?なら、虐殺モララーらしい事を
したってイイんじゃない?」

娘の顔に、恐ろしいほど残酷な笑みが浮かびました。

「てめぇみてぇなヴァカが俺の娘な訳、ねーだろ!」

娘の笑みに奴が震えながら怒りをあらわにしています。

「そう、良かった。私も、アナタみたいなパパは願い下げだわ…。ねぇ…私のパパを
いつまで踏んでるの?こんな行儀の悪い足は、ちょっと、躾直すべきじゃない?」

娘は小さな身体を活かして奴の背後に回ると膝裏を責め、奴を地面に転がしました。

「テメェ!絶対に殺して……グアァァァ!」

娘が仰向けに倒れこんだ奴の首にまたがり、耳を容赦なく引き千切ります。

「ウルサイのって、耳がなくなって、音が聞こえないと少しは静かになるの?」

喉に座った娘は、奴の首を足で徐々に絞めながら、顔を覗き込んでいました。

「何しやがる…この…」

奴は苦しそうに喘ぎながら、なお悪態をつこうとしています。

「ああ、やっぱり耳を取っても騒ぐのね…。私がされたみたいに、口を閉じて
あげられたらイイけど、残念だけど、針も糸もないの。だから、黙れないなら、
死んでね?」

娘が、まるで可哀想なモノを見るような目で、奴を憐れむように笑いました。

「何で、この、伝説の虐殺モララー様が、チビしぃに殺されなくちゃいけないんだ!
冗談じゃねぇ!」

娘の笑顔に、必死に奴が叫びます。

「私は見た目はしぃだけど、ちゃんとモララーの血も通ってるわ。安心して、
別にしぃに殺される訳じゃないわ…じゃぁ、バイバイ…。向こうに逝ったら、
ちゃんとママに謝ってね…」

娘は何のためらいもなく、奴の眼球に指を刺しこみ、そのまま目を抉るのではなく、
その先まで指を埋め込んで、子供とは思えないほど愉しそうに笑いました。
その笑顔は、夫のような虐殺にためらいのある顔でなく、奴に似た幸せそうな笑顔です。

「ガァァァァア――ッッ!!!!」

大きく奴は叫び、激しく痙攣を繰返すと、娘に脳をかき回されながら、遂に
最期を迎えました。
娘はしばらく荒い息で、奴にまたがったまま放心してしまいました。

783 名前: 耳殺ぎの家 14/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:53 [ rANiTdlQ ]
「ベイビー…大丈夫かい…?」

夫の声に、娘がビクリと身体を震わせます。

「…大丈夫だけど…パパこそ大丈夫?……ゴメンネ、パパ。私、本当は…」

奴を嬲り殺した娘は、表情をふっと子供らしいものに戻すと、
倒れている夫を抱き起こし、謝り始めました。

「いや、謝るのは僕の方だ…。すまない、ベイビー…探していたママは僕が…」

起こされた夫は、娘の謝罪を止めると、自らの謝罪を始めます。

「イイの、全部知ってて私はパパについてきたの……ねぇ、次は何処へ逝くの?」

娘は少し困った表情で夫を見た後、楽しそうに笑って目的地を尋ねました。

「そうだな…今度は、僕らが幸せに暮らせる家を探しに逝こうか…」

夫と娘は、真実を白日にさらし、その上で、新たな旅路歩む事を選ぶようです。
帰る家を持たない二人が、あてもなく再び旅路を歩み始めました。

784 名前: 耳殺ぎの家 15/15 投稿日: 2004/04/18(日) 02:54 [ rANiTdlQ ]
五年ほど前の事でした。
沢山の仲間の亡骸を見捨て、私は一人、この村から逃げ出しました。
虐殺厨に滅ぼされ、誰もいなくなった村を訪れる人はいません。
唯一、生き残っていた私も、自ら死を選び、この村の人間はもう誰一人
いなくなりました。
死後、この村の慰霊碑に仲間と同じく弔われた私は、此処で、じっと、
人を見送っています。
自ら命を絶った私には、恐らく最期の訪問者となるであろう私の家族を、
此処で見送る事しか許されていないのですから。


耳殺ぎの家 〜終〜

785 名前: 緑茶 投稿日: 2004/04/21(水) 22:10 [ k8POdF9w ]
「森の中のレストラン」第一話

オレの名前はギコ。雑誌記者をしている。
今日は仕事で、町から結構離れたところにある、小さなレストランを取材に行った帰り、どうにも道に迷ってしまったようだ。
そのレストランはさほど有名ではないものの、訪れた客からの取材依頼が数多く寄せられ、オレは「美味しいレストラン」コーナーの担当として取材に赴いた、と言うわけだ。
しかも、そこは山を越えていかなければならないので、早いうちに帰らないといけないのだ。
しかし、取材を終えてほっと一息ついていると、見る見るうちに空は暗くなってきた。
ヤバイ、もう帰らなければ。思ったときにはもう遅く、外は闇と化していた。
オレは急いで荷物を車に詰め込むと、店長に挨拶をしてから急いでエンジンをかけた。
そして今、大変なことに道に迷ってしまった。
「おかしいな……地図じゃぁこの道で間違いないのに……」
一度車を止めて、地図を改めて確認する。
さっき二つに別れた道があり、地図に沿って右へ曲がったはずなのだが……オレは戻ってみようと考えたが、こう暗くては引き返すのも大変だ。
戻るのは諦めて、先に進むことに決めた。進んでいけば、いずれ何処かに出られるだろう。そうでなければ、車の中で朝でも待つことにしよう。
オレは車を急発進させると、か細いライトを頼りにでこぼことした道を走り続けた。
三十分ぐらいしただろうか。ライトの先の道が、でこぼこの荒れた道から、だんだん綺麗に整えられた道へと姿を変えてきた。
もしかすると、出口が近いのか?オレの中で希望が輝きを増した。
オレは車のアクセルを踏んだ。
しばらく行くと、道が開けた。オレの目に大きな建物が飛び込んできた。
オレは建物の前で車を止め、荷物を肩に担ぐと、その建物を見上げた。
それは城、と表現すべき物だった。
煉瓦造りの城は、オレの身長の三倍近くある鉄の門が目の前に構えていた。重さと威圧感を感じさせるそれは、多分戦で敵が攻めてきても壊れることはなさそうだ。
大きさは建物の周りを一周するのだけでも、十分はかかりそうだ。
オレはしばらく呆然と立ちつくして、それに見入っていた。パシャリ、という音で我に返った。気付けば、記者魂が疼くのか、オレの手にはカメラが握られていた。
自分に呆れつつも、オレはもっと調べてみたいと思った。この建物のことを。

「ようこそいらっしゃいませ」

声がした。ビックリして前を見たら、男がひとり、立っていた。
其奴は重いはずの鉄の扉、半分開けたところからするりと外へ出てきた。人ひとりラクに通れる幅は開いている。
何のキャラかは知らないが、多分オリジナルなのだろうか。まだ二十歳前の少年の様だ。
オレは半歩ほど後ずさった。しかしよくよく見てみると、少年の着ている服、右腕に掛けた白いナプキンで、レストランのウエイターを連想させられた。
レストラン。オレはカメラを構えて、少年に問うた。
「此処はレストランなのか?」
いきなりこんな挨拶はないだろう、思い直して、自分の名を名乗ろうとしたとき、少年の方から先に口を開いた。
「立ち話も何ですから、中にお入り下さい。まだ料理はつくれます。それに、今日は雨が降りそうです」
少年はオレを促した。確かに、小腹が空いてきたので丁度良い。
オレは鉄の扉を潜った。

787 名前: しぃを食う物語① 投稿日: 2004/04/23(金) 17:56 [ 5e0/Jam2 ]
はーい、モララーでーす

今回はでぃが「しぃちゃん(゚ー゚*)マターリハウス」を占領した

との情報が入ったのでその現場に来ております

ちょっと前までは「ダッコ〜、チィチィ、ハニャーン」などマジでUZAAAA!かったのが

今では物静かになっております

早速なかに入ってみたいと思いまーす

788 名前: しぃを食う物語② 投稿日: 2004/04/23(金) 18:03 [ 5e0/Jam2 ]
どこにもでぃやましてやしぃもみつからないのでおそらく

お食事中と思われます

「オショクジシツダヨ」などとUZAAAAAA!い名前ですがここもでぃに占領されたものと

思われます

きずかれないよーに、入ってみまーす

そこでは、おそらくここを占領したとみられるでぃとその子供二名と、

おそらく食われるしぃ、そしてその子供らしいちびしぃと、ちびフサが天井から吊るされていますた

789 名前: しぃを食う物語③ 投稿日: 2004/04/23(金) 18:13 [ 5e0/Jam2 ]
「ディノブンザイデ、カワイイシィチャンニナンテコトスルノ!」

「ソウヨ!サッサトオロシナサイ!」

「フサたんは可愛いんデチ!、そのフサたんにこんなことして許されるとでも思っているんデチか!」

「うっせーなー、いまGガソダムいいところなんだから静かにしろよ!」

♂のちびでぃが言う

「まあまあ、言わせるだけ言わせときなさいどうせ今日の昼食にするんだから」

♀のちびでぃが言う

「おーい昼食の準備ができたわよー」

親でぃが言う

「ガクガクブルブル」

私はいま猛烈に興奮しております

果たしてでぃはどんな料理をするのか?

さぁディナーショーのはじまりだぁ!

790 名前: しぃを食う物語④ 投稿日: 2004/04/23(金) 18:23 [ 5e0/Jam2 ]
「じゃ料理タイムと逝きますか!」

そう言うと♀ちびでぃは手を前に差し出してぇ〜・・・

あ、今、百列拳とも言うべきパンチをちびしぃに叩きつけています

「シィィィィ!イウdショcォcy9エcshh8!」

途中からもうしぃ族の声になっていませんね(w

「そうとう、柔らかくしたわ、ではここらで」

そう言ったとおもえばいま♀ちびでぃは部屋の片隅にあった虐殺棍棒に手を伸ばしています

もう結果は言わなくても分かるでしょう

「チビチャァァァン!」

ですがいまだに♀ちびでぃはちびしぃに虐殺棍棒をちびしぃに向けて振りかざしております

791 名前: しぃを食う物語⑤ 投稿日: 2004/04/23(金) 18:42 [ 5e0/Jam2 ]
どうやらまだ柔らかくするつもりなのでしょう

では♂ちびでぃに目をむけてみると

「アネキがちびしぃバーグなら俺はフサイドチビンと逝くか」

ビリビリッ!

「ヒッギャァァァ!フサタンのおけ毛ぇぇぇぇ!」

「じゃあ次はメインデッシュとなる部分だ」

「イッギャァァァァ!フサタンのアンヨがぁぁぁぁ」

「じゃソーセージも出して、あ、あとお母さん足揚げといて」

「フ・・フサ・・タ・・ンの・・お腹・・・」

792 名前: しぃを食う物語⑥ 投稿日: 2004/04/24(土) 06:20 [ 5/yrnNEY ]
「お母さーん、ちびしぃをミンチできたから焼いといて」

「チビフサチャン・・チビシィチャン・・(T0T*)」

親でぃもそろそろ腹が減ってきたようです

「じゃあ私はしぃの生き食いとしましょう」

「ヤダヨー、シ、シィチャンダケハ・・」

「図々しいわねー、ま、とりあえず要らないものはもいどいてと」

あ、今、親でぃが耳に手をかけています、そして・・

ボキッ!

「シィチャンノオミミー!」

ブシッ!バキッ!ブシュ!

「ダッコスルカラユルシテー!」

ベシッ!ダン!ブッシャー!

「シィィィィ!日cブイdsbcflclbvィエエ!」

「シィノオテテ・・シィノアンヨ・・シィノシッポ・・」

「じゃあいっただきまーす」

「シィィィ!ジギィィィイ!ウッギャァァァ!」

「肝臓(゚д゚)ウマー」

「ハニャギャァァァ!」

「筋肉もしぃにしては(゚д゚)ウマー」

793 名前: しぃを食う物語⑦ 投稿日: 2004/04/24(土) 06:32 [ 5/yrnNEY ]
「とどめに肝を」

ブシュッ!

「dンチョンvクb8349rン43ん58cb8音!」

「ごちそうさま」

「ちびしぃバーグも(゚д゚)ウマーかったよ」

「フサイドチビン(゚д゚)ウマー」

お食事も終わったようなので他の部屋にも逝ってみたいと思います

なになに「(゚ワ゚*)ダッコシツ」UZE・・

入ってみましょう「ダッコー!」「ヒギィィィ!」「ディノブンザイデ!」

UZA・・まあここは監禁室として使われているようです

じゃあここは・・「(>ワ<*)コウビシツ」UZA・・その前にKIMO・・

「ディニマタヘンナモノオシリにイレラレタヨー!」

どうやらここはベビ培養室として使用されているようです

じゃあここは・・「オバカしぃ(T0T*)ギャクサツシツ」

多分でぃを虐殺する部屋だったのでしょう

でもでぃによって書き換えられたのでしょう

大体予想はつきますが入ってみたいと思いまーす

794 名前: しぃを食う物語⑧ 投稿日: 2004/04/24(土) 06:39 [ 5/yrnNEY ]
「ヒギィ、怖いデチ・・」

「赤コーナー、チャレンジャー、TIBI・GIKO!」

「対する青コーナー、チャンピョン、♂TIBI・D!」

ここはバーチャルゲーム室として使われているようです

中々面白そうなので見て逝きたいと思います

「オチツイテ、チビタン!オバカディニチビタンガマケルハズナイワ!」

「そ・・そうデチ!でぃなんか怖くないデチ!」

「ファイ!」

「チビタンパーンチ!」

795 名前: しぃを食う物語⑨ 投稿日: 2004/04/24(土) 06:46 [ 5/yrnNEY ]
「と、所詮ちびギコの実力なんてこんなものなんだよね」

まさにそのとおりです

「↓\→ A!」

そう逝ったと思うと♂ちびでぃは♀ちびでぃの使ったものとおなじ百列拳をちびギコに叩き込んでおります

「ヒッギャァァ!」

「ダイジョウブヨ、オチツイテ!チビタン!オバカディニツカエルクライノワザダモノ、チビタンニツカエナイハズナイワ!」

「そ、そうでち↓\→ A!」

やはりちびギコの実力なんてそんな物なんでしょう、ただ単に長いだけのパソチです

796 名前: しぃを食う物語⑩ 投稿日: 2004/04/24(土) 06:57 [ 5/yrnNEY ]
「ほいっと、↓↓ C!」

すると地面からベビVの大群が現れたではありませんか!

「来るな・・来るなデチ!」

「オチツイテチビタン!オバカディニ(以下略)」

「そ、そうでち!↓↓ C」

ベビギコの大群が現れましたがベビVに敵うはずもなく次々と喰われていきます

「止めだ!/→\↓/←\↓ D!」

「オチツイテ!(以下略)」

「コマンドが難しくてできないデチィ・・」

そして♂ちびでぃは銃みたいなものをぶっ放しています

そこから放たれた青白い閃光はちびギコの体を貫ぬき奥の壁まで放たれています

797 名前: しぃを食う物語⑪ 投稿日: 2004/04/24(土) 07:05 [ 5/yrnNEY ]
「チビターァァァン!」

さて奥の部屋にも逝ってみたいと思います

なにやら親でぃとタカラギコが話しているようです

「で・・今回の収穫はどうだ?」

「ざっと40匹ってところね・・」

「すまんが20匹ほど買わせてくれんか?」

「はぁ〜、ま、いいわどうせそとに出ればアフォシィが沢山いるわけだし」

「毎度、毎度スマンな〜」

どうやらここのでぃはしぃ肉業者と繋がっていたようです

それではここらでさようなら〜

(´Д`)長文ですみません

糸冬了

798 名前: 気分転換1/4 投稿日: 2004/04/24(土) 20:31 [ 2rLxy1dI ]
「ふう。」
17歳のモララー、泉は机から顔を上げると、ため息をついた。
高校3年生の泉は、数ヶ月後に迫る受験に備え、勉強の最中だった。
時計を見る。午前4時。時間の割には勉強は全く進んでいなかった。
泉は何でも言いから気分転換になる物が欲しかった。だが、畳6畳の狭い部屋には、必要な生活用品以外何もない。
ふと窓をあけ、外の景色を見まわす。冷たい空気が顔を優しく撫でた。どこからかパトカーのサイレンの音がする。
散歩にでも行くか。泉はそう思い、外に出た。
外に出ると、窓を空けた時に感じた冷たい空気が、全身を覆った。
夜明け間際の住宅街は静まりかえっていた。冷たい空気と静けさが、何とも言えない安らぎをもたらした。
不意に、右手にアパートが見えた。そのまま歩いて行こうとしたが、妙そのアパートが気になる。
泉は立ち止まり、アパートを暫くの間見ていた。すると、2階の一番右のドアが、やけに気になる。
泉は、好奇心に身を任せ、部屋の前まで行った。すると、何か言いようの無い感覚が泉を包んだ。
心の中で何かが渦巻くような、そんなかんじがした。
心の中の渦は、部屋に入れと時分の体に命令する。
鍵がかかってるだろうしどうせ入れない。そう理性が告げるのを無視し、泉はドアノブに手をかけた。
ガチャリ…
静かな音を立てるとドアは何の抵抗も無く開いた。
泉は、心の中の好奇心とも悪意ともつかない気持ちを抱き、部屋の中に入っていった。

799 名前: 気分転換2/4 投稿日: 2004/04/24(土) 20:32 [ 2rLxy1dI ]
部屋には明かり一つ無かったが、不思議と中の状況がわかった。
部屋は自分のものと大して変わらない内装だった。泉は暫く部屋のなかを歩き回った。
何か柔らかい物が足の先に触れた。驚いて飛びのき、恐る恐る視線を下に向けて行く。
寝息も立てずに、足元ではしぃが眠っていた。年は自分と同じ位だろうか。
泉は数分間、足元のしぃに視線を釘づけにされていた。俺をひきつけていたのは、このしぃだったのか…?
そう思った次の瞬間、部屋の前で抱いた、渦のような感覚が再び泉を包んだ。
すると、泉は自分でも理解できない行動をした。
台所まで迷うことなく歩き、包丁を取り出したのだ。
俺は何をしている…?
泉はしばらく自分の行動を訝っていたが、突如、心の中の渦が衝動的な殺意に変貌した。
そのとき泉は、もう自分の心の中の感情に抵抗するのを止めていた。
しぃの腹を乱暴に蹴り、叩き起こす。
「誰!?」目覚めたしぃは、起きるや否や、泉に向かって当然の疑問を投げかけた。
しかし、泉は疑問に答えず、しぃにむかって飛び掛ると、包丁を腹に突き刺した。

800 名前: 気分転換3/4 投稿日: 2004/04/24(土) 20:33 [ 2rLxy1dI ]

「な…何を…」
しぃはそう言いつつ、心の中で疑問をさまざまな浮かべていた。
この男は何処から来たの?鍵はしっかりかけておいたはずなのに何故ドアが開いているの?何故この男はこんなことをするの?私は何故、こんな目に遭わされているの?
泉はしばらくしぃ野原から血が流れ入てるのを見ていると、突然しぃの腹を蹴った。
何度も、何度もしぃを蹴る。その目は、正気を保っているとは思えない。
「やめて!助けて!」しぃは必死に哀願するが、泉にはもはや声など聞こえない。
腹を蹴りつづけ、いつまでも顔を殴りつづけた。
しぃの恐怖に染まった目の光は次第にうつろになり、死にかけていた。
それを見た泉は、急に飽きたような表情をし、床に落ちていた包丁を拾った。
しぃにもう一度包丁を突き刺した。今度は腹ではなく、心臓に。
泉ははっと我に帰ると、目の前に転がっている肉の塊を凝視した。
これは俺がやったのか…?そう思うと泉はパニックに陥りそうになった。
渦のような感覚はもう微塵も無い。泉は包丁やドアノブについた指紋を落ちていた布きれでふき取ると、逃げるように部屋から立ち去った。

801 名前: 気分転換4/4 投稿日: 2004/04/24(土) 20:35 [ 2rLxy1dI ]

周囲が明かるくなり始め、太陽が顔を出した頃、泉は荒い息で部屋に入った。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
自分の部屋に帰りついた泉は、自分の犯した過ちが信じられなかった。
全身ががくがくと震え、目は血走っている。
俺は何をした?あのしぃを殺した。何故?わからない。おれは何故あのしぃを殺したんだ?
「フ…」
壁にへたり込んでいた泉は、突然笑い始めた。
なんだよ。簡単な事じゃないか。
「はっはっは!アーヒャヒャヒャヒャ!」
俺はあのしぃを殺したくなったから殺したんだ。それ以外の理由なんかない。
「アハハ!何だよ!それだけの話じゃねえか!それ以外のなんだってんだ!」
こいつは良い気分転換になりそうだ。
泉はそう思いながら、なおも笑いつづけた.

802 名前: 気分転換 投稿日: 2004/04/24(土) 20:59 [ 2rLxy1dI ]
訂正>>800
>この男は何処から来たの?鍵はしっかりかけておいたはずなのに何故ドアが開いているの?何故この男はこんなことをするの?私は何故、こんな目に遭わされているの?
この男は何処から来たの?鍵はしっかりかけておいたはずなのに何故ドアが開いているの?
何故この男はこんなことをするの?私は何故、こんな目に遭わされているの?
>渦のような感覚はもう微塵も無い。泉は包丁やドアノブについた指紋を落ちていた布きれでふき取ると、逃げるように部屋から立ち去った。
渦のような感覚はもう微塵も無い。
泉は包丁やドアノブについた指紋を落ちていた布きれでふき取ると、逃げるように部屋から立ち去った。

803 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/05/06(木) 04:38 [ H6Czuz3s ]
   SURVIBLE IN THE DARK


=2nd=


地下牢の中は、物音一つしなかった。
捕らえられている全てのしぃが、日に日にやつれていく体を休めるために、眠りについたからだ。
この辛辣な現実から、夢の中へ逃げるように。

しぃかとキャシィは、手を握り合って横たわっていた。
二人とも瞼は閉じてはいるが、意識は覚醒している。
今は、寝たふりをしなくてはならない。
ご飯を配っていたモララーが、今度は見回りに来るからだ。
脱走の決行は、その後。
あの時、しぃかとキャシィは話し合って、計画を煮詰めていった。
といっても、右も左も分からないこんな場所では、たいした事は決められない。
結局大半は、出たとこ勝負という事で決まった。

(心臓がドキドキしてる・・・)

しぃかはとても落ち着かなかった。
こんな年季の入った、立派な牢があるほどだ。
おそらくここは昔の城か何かだろう。
そんなところから、無事脱出できるだろうか。
正直、自信が無い。
チラッと薄目を開けて、キャシィのほうを見てみた。
気の強そうな、やや釣りあがっている目を閉じて、
呼吸の度に上下している胸を見ていると、本当に寝ているんじゃないかと疑ってくる。
女性は、すべからく女優の素質を持っている。そんな言葉を少しだけ思い出した。彼女はその中でもダントツだろう。
この脱走劇は、自分だけのためではないのだ。
彼女のためにも、下手な失敗は出来ない。
湿った空気が、苔の匂いと共にしぃかの鼻腔へ侵入していく。
普段は気にならないその湿度が、妙な使命感に興奮している今のしぃかには、とても冷たく感じられた。

         ギィィィ・・・・・・

その時、ふいに不気味なドアの閉会音と共に、通路に一本の光のスリットが現れた。
あの片目のモララーが見回りに来たのだ。
しぃかは素早く目を閉じて、キャシィを真似るように疑うような寝息を立て始めた。
彼女もまた例外ではなく、賞を取れる力を秘めているようだ。
何も問題なく過ぎてくれれば・・・。
しぃかは、胸の奥で神様にそう強く願った。
暗い廊下に、足音が響く。
さっきからずっと計画を頭の中で反芻していたキャシィが、一瞬だけ眉を寄せた。
違和感を感じたのだ。
そうか。足音が、多いんだ。

(二人いる・・・)

キャシィは、手を握る力を少し強くした。

「全員寝てるみたいだな」

「ああ、いつもこうさ。静かなもんだ。いくぞ」

       コツ、コツ、コツ、コツ、コツ・・・

静かな牢の中に、低い声と足音が響いた。
二人は話しながら通路を歩いてくる。
そして、ゆっくりしぃかとキャシィの牢の前を通り過ぎていった。
しぃかは気付かれない程度に、ふっ、と安堵の溜め息をつく。
まずは、なんとか大丈夫のようだ。次乗り切りさえすれば・・・。

「一番奥も問題ない、と」

「やれやれ、大体見回りなんか意味あんのかね。
 とっとと部屋に戻って飲みなおそうぜ」

「ああ、早いとこそうしよう」

804 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/05/06(木) 04:39 [ H6Czuz3s ]
       コツ、コツ、コツ、コツ、コツ・・・

再び、モララー達は奥のほうからこちら側に引き返してくる。
瞼の間から、ちらちら光が入ってしぃかは落ち着かない。

(お願いだから、早く通り過ぎて・・・)

牢の近くから足音が聞こえてきた。
今、通り過ぎようとしているのか?それとも、既に通り過ぎたのか?
混ざり合い、反響する足音ではそれは判断できない。
しぃかは薄目を開けたい衝動に駆られたが、理性で何とか我慢した。
今はただ、扉の閉じる音を待つしか出来ないのだ。
心臓の鼓動が下がる様子は無い。
むしろ、どんどん上がっていく。
しぃかは、心臓の音が聞こえやしないかと内心ヒヤヒヤした。

       コツ・・・

「おい・・・・・・」

その時、一人がしぃか達の牢の前で、足を止めた。
ギクッ!としぃかとキャシィの心臓が跳ね上がる。
もしかして、鍵が掛かってないんがばれたんじゃ・・・?!

「なんだ?どうかしたのか?」

もう一人も、牢の前へ戻ってきた。
何?なんなの?!一体何?
しぃかの体が小刻みに震えだす。
キャシィの息ずかいも激しくなっている。
ばれているかも知れない・・・。
その恐怖に耐え切れなくなり、しぃかはキャシィの手を強く握り、心の中で神に祈った。
神様、お願い。これ以上の試練を与えないで。私達を、ここから生きて返して。
神様。神様、お願い・・・・。

「・・・・・・見ろよ。こいつら、手ぇ握り合って寝てるぜ」

一瞬の間。
牢内が静寂に少しだけ満たさせる。
その後、もう一人が

「マジかよ。こいつら、自分の立場が分かってないんじゃねぇの?」

といって、二人して下品な笑いをたてながら、部屋へ帰っていった。
バタン、とドアが閉まる音がした後も、しぃかは動かない。
というより、動けなかった。
緊張の連続で、心臓がいまだに激しく脈を打っている。
助かった・・・・・・。
恐る恐る瞼を開くと、キャシィの顔が映った。
彼女もまた動けないのか、硬直した表情でしぃかを見つめている。

「・・・・・・プッ・・・」

気丈で、にこやかないつもの彼女からは想像もできない顔に、思わずしぃかは笑ってしまった。

「ククッ・・・シィカチャンモ コンナカオシテルヨ」

「ウソ」

「ホント」

さっきの危機の後なだけに、余計に安心感で笑ってしまった。
否、大変なのは、この後だ。
それを二人とも分かっていたから、今は余計に笑っておこうとしていたのかも知れない。

805 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/05/06(木) 04:39 [ H6Czuz3s ]
見回りがあってから、どれほどの時間がたっただろうか。
周りから聞こえる音も、しぃたちの寝息だけだ。
奥の扉から聞こえていた話し声も、随分前にやんでいた。
絶好のチャンスである。
しぃかが決行を今か今かと待っていると、突然キャシィがムクッと上半身を起こし、
小声でしぃかに語りかけた。

「シィカチャン、オキテル?」

無論、寝るわけが無い。
しぃかはすぐに目を開けて、返事を返した。

「ダイジョウブ。オキテルヨ」

「ソロソロ、イコウ」

「・・・ウン」

二人はゆっくり立ち上がり、二人の牢屋の扉のへ近づいていく。
出来るだけ足音を立てないよう、静かに。

「ジャア、アケテ・・・」

「・・・ワカッタ」

キャシィはゆっくり扉に手をかけ、少しだけ押してみた。
キィ、というか細い声を上げて、扉は外界へと口を開く。

「マズハ ワタシカラ イクカラ」

「ワカッタ。キヲツケテ・・・」

しぃかに向かって小さくうなずくと、キャシィは極力音を立てないように扉を押し開け、
恐る恐る通路に出て行った。
先に話し会った結果、先ずはキャシィが階段を上がり、
様子を見て安全だと確認し、しぃかを呼びに戻るという事に決めた。
階段を上がることが出来たなら、次に様子を見に行くのはしぃかの番だ。
そういう風に順番に安全を確認していき、待っているほうは2分時間を数え、
もし確認しに行った者が戻ってこないようなら、
別ルートで行くか、もしくは牢に戻る。そうルールを設けた。
なにしろ、脆弱なしぃ二人だけなのだ。失敗する危険は大きい。
だからこそ、もしもが起こった時は一人だけでも助かるようにしようと決めたのだ。

「1,2,3,4,5,6,7,8・・・」

しぃかは牢の中に腰を降ろし、心の中で時間を数え始めた。
無事キャシィが戻ってきてくれる事を願いつつ。

「45,46,47,48,49,50・・・」

一秒一秒が酷く長く感じられた。
もしかしたら、見つかっているのかもしれない。
全てばれて、恐いモララーがこっちに向かっているのかもしれない。
様々な不安が、心の中に渦巻いていく。
それでもしぃかにできることといったら、時間を数え、キャシィが無事帰ってくるよう祈る事しかなかった。
不安と恐怖に、押しつぶされそうになりながら。
そうこうしながら、しぃかが時間を数え始めてもうすぐ2分に達しようとしていた時、階段に人影が現れた。
咄嗟にしぃかは奥へと身を隠す。
誰だろう。キャシィだろうか。それとも、制裁を与えるべく現れたモララーだろうか。
あいかわらず、心臓はなりっぱなしだ。この様子じゃ、今宵は落ち着きそうもない。

806 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/05/06(木) 04:40 [ H6Czuz3s ]
「シィカチャン・・・」

小さな声が、しぃかの耳に届く。
キャシィの声だ。しぃかはまたも、ふっ、と安堵の溜め息が無意識に出してしまった。
だが、もしもという事もある。しぃかは用心して、少しだけ身を動かして階段のほうを覗いてみた。
間違いない。キャシィ一人だけだ。心細そうにこちらの方を見つめている。
早く安心させてあげたい。そう思い、しぃかも扉を用心深く開けて、キャシィのほうへ近づいていった。
暗がりの中で、二人はお互いの無事を確かめ合った。

「キャシィチャン、ブジデ ヨカッタ・・・」

「ソンナニ シンパイスルコト ナイノニ。 ウエハ ダイジョウブ ミタイダヨ。イコウ」

気丈を振る舞い、少しだけキャシィは笑って見せた。

「ウン・・・」

ひとまずは、危機は無いようだ。しかし、まだまだここから。
すんなり行ければベストだが、そうも上手くいけるだろうか・・・。
しぃかはそんな漠然とした不安を抱えつつも、キャシィに手を連れられて歩き始めた。
ふっ、と視界に他のしぃ達が移る。
幸せそうな寝顔をしていた。良い夢を見ているのだろうか。
きっと彼女達の寿命は、もう長くは無いだろう。
そんな彼女達を助ける事は、出来ないだろうか・・・。

(やめよう・・・)

この事については、散々キャシィと意見をぶつけて、決着をつけたのだ。
どんなに助けたいと願っても、私達にできる事は無い。
仮に鍵を奪うためにあの片目のモララーに向かっていったところで、二人とも返り討ちにあうのが落ちだろう。
よしんば上手くいったとしても、そんな大人数で脱出なんて、不可能に決まっている。
つまらない正義のために、命を捨てるのはよそう。
そう結論を出したのだ。
しぃかは、痛みで悲鳴を上げる良心とモラルを必死で見ない振りをして、キャシィの後に続いて歩き出した。

彼女らは、致命的なミスを犯していた。
『彼ら』の話し声が消えたのは、二人ともが眠りに付いたからではない。
片方だけが眠ってしまったからなのだ。
一番の致命的ミスは、彼女らがそこに気付けなかった事。
そして一番の不幸は、彼に脱走を気付かれてしまった事。

ついに、砂時計が動き出す。
彼女らの命のリミットは、一粒づつこぼれて闇に消えていった。

やたらと長い階段を上がって木製の扉を開くと、妙な匂いが鼻を突く。
しぃかは、まだ街にいた頃を思い出した。
そうだ。この匂いは、血と、腐肉の匂い。
ようやくしぃかは、キャシィの表情が堅いわけが分かった。
ここが暗くてよかった。もし照明があったりしていたら、
ここから先を歩く勇気は潰えていたかもしれない。
それにしても、なんと言う皮肉だろう。
彼女らと同じようにしてさらわれて来た、いわば仲間の死によって、
最も彼女らが渇望する下界を思い出すとは。

「シィカチャン、 コノヘヤノ オクニ、 トビラガ アルデショ?
ホラ、 ヒカリガ サシコンデル トコロ。 ソノサキニ、 チイサナ ヘヤガアルノ。
 ソコハ、 マダ アンゼン ミタイ」

真っ暗で分からなかったが、段々と目が慣れてくるにしたがって、
この部屋の在りようが分かってくる。
確かに、キャシィの指差すほうには、光で区切られた四角いドアが見えていた。

「ワカッタ。 ソコヲツギノ キョテンニ シヨウ」

807 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/05/06(木) 04:46 [ H6Czuz3s ]
しぃかには、キャシィの表情まではこの暗さのせいで読み取れなかったが、
上下に振れるのだけは確認できた。
先にキャシィが歩き出す。続いて、次にしぃかも。
瞬間、踏み出した足の裏にヌチャッとした感触があった。
驚きで声を上げそうになるのを、しぃかは必死で我慢した。
なんという事だろうか。
ここには、殺されたしぃの死体が、無造作にそのまま捨てられているのだ。
しぃかは全身を恐怖に振るわせた。
どんな殺され方をしたんだろうか。惨たらしく殺されたのだろうか。
あの日聞いた悲鳴の持ち主が、いまだにここの床に横たわっているのだろうか。
その死体を、踏みつけて通らねばならないのか。
とてもしぃかは次の一歩を踏み出せない。
まるで、足元から死が染み込んで来るような気がした。
ぐずぐずしてる間に、キャシィは扉に到達し、慎重な手つきで扉を開け、光を部屋へ差し込ませる。

「ウッ・・・・・・!!」

しぃかは思わず目をそらしてしまう。
床一面、いたる所に広がる血と肉の海。
そっけなく置かれているベッドに乗った、もう何処の部分かすら分からない塊。
それらがしぃかの視界いっぱいに広がっていたからだ。
吐き気がこみ上げてくるのが、はっきりと分かる。
思わず倒れてしまいそうになった。

「シィカチャン、ツライノハワカルヨ。デモ、コレデ ドコヲアルケバ イイカ ワカルデショ?
ガンバッテ、コッチマデ キテ」

キャシィの優しい声が聞こえる。
確かに、血で濡れたりするのは最小限で抑えたい。
しかし、その為には死体も一緒に見なくては・・・。
助けを訴えるように、しぃかは弱々しい視線をキャシィに飛ばした。
そして、絶句してしまう。
少し頭を捻れば分かる事だった。
キャシィは、しぃかが死体を踏むのを出来るだけ避けさせるため、最短ルートで扉に近づいていったのだ。
どれ程自分が汚れようと、構わずに。
キャシィの両足には、血と肉片がこびりついていた。

(にげるな、臆病者)

自分で自分を戒め、しぃかは勇気を持って再び歩き出す。
一歩、一歩、ゆっくりと。
その時、避けて通れない道にぶつかった。
跳んでも届かないような広さで、一匹の死体が潰れていた。
しぃかは一度大きく深呼吸し、意を決してその血の沼に踏み込んだ。
いやな音を立てて腐肉が足の裏で潰れていく。
歩くたびに彼女の血が跳ね上がる。
それでもしぃかは、吐き気が出そうな気持ちを抑えて歩き続けた。
そして長い時間をかけて、ようやくキャシィの元へたどり着いた。
近くで見ると、キャシィはうっすら涙目になっている。

「ゴメンネ、 キャシィチャン。 ワタシ・・・」

うつむき加減で謝るしぃかの頬に、キャシィはそっと手を添えて励ました。

「キニシナクテイイヨ。 ソレヨリ、 ハヤク ツギニ イコウ?」

「ウン。アリガトウ・・・」

キャシィの優しさに胸を打たれながら、しぃかは涙を拭って次の部屋へと足を踏み入れた。

808 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/05/06(木) 04:46 [ H6Czuz3s ]
「・・・ワァ・・・・・・・」

その時、眼前に広がる夜景を見て、しぃかは思わず言葉を失った。
うっそうと茂る森を、風が音を立てながら流れてゆき、
さらさらと流れる小川に波を立てて消えていった。
そしてそのはるか上空では、とても大きな雲間に浮かぶ、更に大きな満月が荘厳に光り浮かんでいる。
久しぶりに見た、外の景色。
こんなにも心を打つなんて。
当たり前だった風景画。無くして初めてその美しさを思い出すなんて。

必ず、ここから二人で出てみせる。
何があろうとも、必ず。
部屋中に満ちた月光の中で、しぃかは思いをよりいっそう強くした。

改めて確認してみると、この部屋は随分と小さな造りをしていた。
あるのは椅子と、中には何も入っていない少し大きな壷が一つだけ。
扉は、今入ってきたところと、もう一つ。
窓だけがやたら大きくとられていた。
そしてどうやら、窓から身を乗り出して見たところ、ここは3階らしい。
3階から地下に降りる階段を造るなんて、妙な建物だとしぃかは思った。
再びキャシィと話し合い、二階まで降りて、窓を探して飛び降りようと決めた。
正面扉はがどこにあるのかも分からないし、恐らく簡単には開かないだろうと推測したからだ。
尤も、それは建前に過ぎない。
できるだけ早くここから出たいという本音があるから、そう決まっただけだ。

「ジャア、 コンドハ ワタシガ イッテクルカラ。キャシィチャン、 ココデ マッテテネ」

「ウン、 キヲツケテネ」

しぃかは少しだけ扉を押してみる。
抵抗は少なく、意外とすんなりあいた。
開いた隙間から頭を出してみると、廊下が延々と続いている。
いや、本当のところは分からない。
本当はもっと短いかも知れないし、長いかもしれない。
廊下にあるのは、たとえどんなに色彩の鮮やかな物があろうと、
全てを黒く塗りつぶしてしまう、底なしの闇だけ。
それがあるために、距離が分からないのだ。
しぃかは、扉を閉めて廊下に出てみると、
大口を開けている怪物の前に立ったような錯覚に襲われた。
負けるものか。
自らの恐怖に打ち勝つように、力強く一歩を踏み出した。

キャシィの待つ部屋では、しぃかが扉を閉めるのと同時に、逆方向の扉が開いた。

しぃかは壁に手を当てて、少しづつ前へ進んでいく。
何も見えない。さっきの部屋と違って、廊下には窓が無い。
照明すらないものだから、突然階段でも現れたりしたら、間違いなく落ちてしまう。
気をつけて進まなければならない。
そのため、どうしてもゆっくりと歩かねばならなかった。
だが、それらはある一つの事実を示唆している。
ここに住むものは、夜には活動していないのだ。
だからこそ、照明は少ないのだろう。
さっき見た月は、ちょうど空の頂点に登っていた。
時間に余裕はある。これはチャンスだ。
焦らなくても、きっと大丈夫。
しぃかは、わずかながらも希望が見えてきたような気がした。

809 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/05/06(木) 04:47 [ H6Czuz3s ]


         「シィカチャン ニゲテ─────!!!」


突然、静かな廊下に、キャシィの絶叫がこだまする。
悲鳴がしぃかの心臓に突き刺さり、三度跳ね上がった。
背筋が一瞬で冷たくなったのがよく分かった。
今の声は、ただならぬ雰囲気ではない。
まして、『助けて』では無く、『逃げて』では尚更。
引き返すべきだろうか。それとも、このまま逃げるべきか。
無論、逃げるべきだ。
しぃかが行った所で、何も状況に変化は無いだろう。
それに、そういうルールも設けている。
どちらかが死に瀕しても、もう片方は迷わず逃げるようにと。
頭では十分すぎるほど理解している。既に、安全な場所はなくなったのだ。
一秒でも早く逃げ出すべきなのだ。
しかし。
体が動かない。
別に逃げるのが嫌というワケでも、キャシィを助けようと決めたからでもない。
ただ単純に、体が恐怖にすくんで動かないのだ。
後ろすら振り向けず、正面を向いたまま硬直している。
右手を壁について、前の闇を凝視したまま、汗をダラダラ流しながら。

     ギィィ・・・

どこかの扉が、開いた音がした。
まずい。見つかってしまう。
逃げなきゃ。今、今、今、今、今、

今すぐに!

しぃかは駆け出した。
後ろを振り返らず、ただ真っ直ぐに、全力で。
キャシィの無事を信じて。心のどこかで、分かっていても。

「ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! 」

何も見えない真っ暗な闇の中、しぃかはひたすら走り続ける。
不思議と涙があふれてきた。
戻ったところで何も出来ない。生きている望みは低い。
そうだ!私は逃げる事しか出来ないんだ!
自己弁護を繰り返し、しぃかはなおも走り続ける。



右足が、宙に放り出されるまで。

810 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/05/06(木) 04:48 [ H6Czuz3s ]
男はただ眺めていた。
中庭で世話をしている薔薇に水をあげながら、
温室の中から眺めていた。
『三階の構造は複雑だ。最初はよく怪我をしたものだ。
今だそれが癒えない者もある。命を落とした者も』
先代の言葉を思い出しながら、何気なく眺めていた3階にポッカリ開いた穴から、
一匹のしぃが勢いよく飛び出てきた。
最初はそれが何か、男には分からなかった。
漆黒の闇の中へ現れた、一筋の白い流星。
そういう印象を受けた。
それが落ちて行く様は、とても綺麗だった。
ふわふわの毛がゆらゆらなびいて、手足が空しく宙を泳ごうともがいていて、
そして、彼女の顔はとても驚いていた。
時間という概念を忘れ、男は一心にしぃかに見入っていた。
空から堕ちてくる、彼女の姿に。

しばらくして、しぃかは地面へその体を叩き付けた。
ゆっくりと、体がひしゃげていく。
男にはその映像すらスローモーションに見えていた。
まるでマッチ棒みたいに、頼りなく、あっけなく折れていく手足。
あちこちからこんなにも詰まっていたのかと驚くほど、突き出してくる物凄い量の骨。
鮮血のドレスをひらひらはためかせて、タンゴを踊っているようだった。
やがてその激しいダンスも終わり、彼女は静かに地面に伏せる。
もう動く気配は無かった。
男は如雨露を置き、薔薇を一本轢引き抜いて、ゆっくり温室のドアを開け外にでる。
少し湿った空気を男は感じた。
月の綺麗な夜だ。
こんな夜は、なんだか落ち着かない。
何か起きそうな予感で、心が高揚する。
男は見上げていた視線をしぃかに移し、一歩一歩近づいていく。
遠くまで飛んでいる肉片もあった。
血もまた然り。壁に随分かかっている。
後で掃除させなきゃな、と男は思った。

811 名前: 木人 (ENZ832xY) 投稿日: 2004/05/06(木) 04:54 [ H6Czuz3s ]
「ハァ・・・ハァ・・・ハ・・ァ・・・ハッ・・・」

しぃかはまだ息をしていた。といっても、文字通り虫の息だ。
男はそんなしぃかの傍らに立ち、無言で見下ろす。
その眼の中には、どこか冷淡なものがあった。
まるで、観察しているかのように。

「・・・今晩は」

しぃかは眼だけを動かして、男のほうを見る。
涙でにじんで、全てがぼやけて見えた。
今、自分がどうなってるのかもしぃかは理解していない。
何故立てないのか、何故息をするのがこんなにも苦しいのかすらも。

「アナダ、ダヴェ?」

吐血しながらもしぃかは、月を背負って立つ男に向かって疑問を口にする。
何か考えておかないと、脳が休んで、眠ってしまいそうな気がしたから。

「・・・君にステキなプレゼントを贈りにきたんだ」

男はかがみこみ、大きく見開かれたしぃかの眼を覗き込む。

「ほら、綺麗な色の薔薇だろう?僕が世話をしてるんだ。
 特別に、君に一つ差し上げてあげよう」

右手に構えた薔薇を、しぃかの目の前に持っていてやる。
しぃかの意識はそこにしか向いていない。
薔薇を右にやればしぃかの眼も右へ、
左にやれば左に動いている。
その様子を見て、男は昔飼っていた犬のことを思い出し、思わずフッと笑った。

「君は可愛いね」

しぃかは聞いていない。何もかもの意識がが薔薇に向いている。
しかし、男は構わず話続ける。

「きっとこれも似合うよ。さぁ、どうぞ・・・」

しぃかはギシギシ音を立てながら、右手を上げた。
そして男から、逆方向に曲がった手首を器用に動かし、
唯一まともな形をしている親指と薬指で薔薇を挟んで受け取った。

「アリア"オ"ウ」

男はにっこりと微笑を浮かべ、立ち上がって、また温室のほうへ戻っていく。
しぃかには、目が動く範囲でしか男の後姿を追う事は出来なかった。
首が、既に半回転していたから。
しぃかは右手に持った薔薇を持ち上げたまま、いつまでもいつまでも見続けていた。
綺麗な薔薇。キャシィちゃんにも、見せてあげたかった。
もって行ってあげよう。そして、二人で眺めよう。
きっとキャシィちゃんは欲しがるだろう。
そうしたら、何にも言わずにあげよう。きっとキャシィちゃん、喜ぶだろうな。
ああ、キャシィちゃん、キャシィちゃん・・・。
私、もう一度、キャシィちゃんに・・・・・・会い・・・た・・・・・・・・・・・・。



男は、温室のドアの所でしぃかの方を振り返り、暫くそのまま見つめていた。
やがて、静かにしぃかの右手が地面に倒れるのを見た後、少しの間目を瞑って考え事をして、
ゆっくりと瞼を開き、再び温室の中へと帰って行った。
もう、しぃかの方を見たりはしなかった。



蒼い月光が降り注ぐ、静かな夜の出来事だった。

812 名前: 戦犯(1/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:02 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


   この国が負けて、戦争は終わった。
   人々が恐れていたほど、それは悪い物ではなかった。
   そして戦勝への切り札は、不幸を象徴する化け物になった。

 その研究所は、もとは小学校として使われていた建物だった。
 木造の壁はペンキで白く塗ってあるし、大きなガラス窓からは光が
たくさん入ってくるしで、ぽろろはこの研究所が大好きだった。
 戦争が終わってから磨かれていない壁は少しくすんでいたし、
窓ガラスのいくらかは割れて鎧戸が下りたままになっていたけれど。
ともかくここは、ぽろろが生まれた大事な場所なのだ。

 ぽろろはまっすぐに廊下を歩いていく。
 その突き当たりにはフサギコの研究室があった。
 がらりと戸を引いて、ぽろろは彼に声をかけた。
「博士」
「ん? どうした?」
 見ていた写真から顔を上げて、フサギコは口元に笑みを作って
こちらを向いた。
「短い針、3になったよ」
 ぽろろが時計を示すと、フサギコは「ああ」と思い出したような声を
上げ、写真立てを机の上に戻した。
 彼がしょっちゅう眺めている物が何なのか、ぽろろはちゃんと知って
いる。フサギコが妻と子供と一緒に立っている写真だ。写真立ての中の
フサギコは、ぽろろが見たことのない幸せそうな顔をしていた。
「そうそう、買い物に行くんだった」
 フサギコは白衣を脱いで椅子の背もたれにかけた。机の引き出しから
財布を取りだして、ぽろろも一緒に来るんだろうと聞いてくる。
「僕は……」
 口ごもったぽろろに、フサギコは顔を曇らせた。
「……ぽろろが嫌なら、無理にとは言わないが」
 ぽろろは首を振る。
「僕は嫌じゃないよ。でも、博士が、僕と行くのは嫌かなって」
 俯いているぽろろの頭を、フサギコが優しく撫でた。
「嫌なわけないだろう。お前の支度がよければすぐ行こう」
「うん」
 ぽろろは顔を上げて、フサギコの手につかまった。

813 名前: 戦犯(2/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:03 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


 二人は、いつものように歩きで商店街を目指した。
 この町は田舎だったので、戦争中もほとんど敵機は飛んでこなかった。
首都は完全に焼け落ちてしまったと噂に聞いたが、ほとんど戦前と
変わらぬ町に暮らしていると、首都も未だに健在であるように錯覚
してしまう。
 住宅街を抜けると、次第に人通りが多くなってきた。
 ぽろろは上着のフードをしっかりと被っていた。だが、町の住人は皆、
フサギコが連れた小柄なAAの正体を知っていた。声をひそめて
――あるいは聞こえよがしに――住人達はぽろろの事を話し合う。

 良く出歩けるわね。
 迷惑になるとか考えないのか?
 しんじゃえばいいのに。

 戦争中は、ぽろろの事を悪く言う者などいなかった。彼が何のために
生まれたのかを分かった上で、人々は彼の事を祝福してくれた。
ぽろろは、望まれて生まれてきたのに。
 繋いでいたぽろろの手を、フサギコがぎゅっと握ってきた。この世に
存在する全てのAAがぽろろを呪ったとしても、フサギコだけは味方だと
いうように。
(大丈夫だよ)
 ぽろろは思いを伝えるために、フサギコの手を握り返した。

 野菜と、子供達が小遣い稼ぎに売っていた川魚を買って、二人は
雑貨屋に向かった。目当ての物は石鹸だ。
 ぽろろは、繋いだ手を後ろに引っ張られるような形で止められた。
「……博士?」
 見上げると、フサギコはじっと一点をみつめている。視線を追う。
その先には、ちょうどこちらに気付いたしぃがいた。
「しぃお姉ちゃん……」
 ぽろろが生まれたばかりの頃は、毎日のように研究所に来て遊んで
くれたAAだった。遊びに来てくれる回数はだんだん少なくなり、戦争が
終わってからはずっと会っていない。皆が化け物だと言うから、しぃも
ぽろろの事を嫌いになってしまったのかもしれない。
 しぃはこちらに向かって頭を下げると、寂しそうな微笑を浮かべた。
ぽろろが知っている限り、彼女はいつもそんな笑い方をする。
「アイスでも買いなさい」
 フサギコはぽろろに小銭を握らせて、しぃの方に歩いていった。

814 名前: 戦犯(3/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:03 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


 ぽろろは赤いアイスキャンディを買った。
 味など分からない。兵器として生まれた彼には、味覚など必要無かった
から。ただ、赤い色をした冷菓は、ぽろろには一番魅力的に思えたのだ。
 血を舐めているみたいだと、誰かがそんな事を言いながら
行きすぎていった。ぽろろは聞こえていないふりをした。

 大事な話があると言って、フサギコとしぃは少し離れた川原に行って
しまった。ぽろろのいる場所には声は聞こえてこなかったが、二人は
大事な話をしているというよりも、ケンカしているように見えた。

 ぽろろがアイスを食べ終わっても、二人はなかなか帰ってこない。
 一人で視線に晒されているのはとても居心地悪かった。
「赤いの二つ下さい」
 フサギコの分としぃの分。小銭の残りでアイスを2本買って、
ぽろろは二人の所に行くことにした。

 二人は話に夢中で、近付くぽろろには気付かなかったらしい。
「チガイマス」
 しぃは悲しそうに、フサギコに言葉を返していた。
 心変わりをしたわけではないと。だから研究所に行くのが辛いのだと。
「違う? ならどうして? ああ、変わるも何も、最初から心などなかったか?」
 フサギコは口早にまくしたてて、一度区切って息を吸った。
「……タカラに嫁ぐのに、ぽろろは邪魔か」
 裕福な玩具商の名を挙げて、フサギコは憎らしそうにしぃを睨んだ。
 しぃは一瞬泣き出しそうな表情を見せたが、ぐっと歯を噛んで、
フサギコを見据えた。うっすらと涙をにじませながら、それでも毅然とした
態度でフサギコの言葉を否定する。
 フサギコが考えているような事はない。しぃはタカラの元に輿入れ
する気などないのだと。
「それなら」
「……やめてよ」
 しぃとフサギコはぎくりとした様子で、同時にぽろろを見下ろした。
「ケンカ、しないで」
 気まずそうに口ごもって、二人は視線をさまよわせた。
 フサギコがしぃに詰め寄っている原因は、ぽろろに違いなかった。
周囲の目の変化に気付くまで、ぽろろは何度もフサギコに質問した
のだ。「どうしてしぃお姉ちゃんは来てくれないの?」と。その度に
フサギコは困った様子で、来てくれるように頼んでおく、と答えていた。

 会いたいなんて言うんじゃなかった。
「僕は、しぃお姉ちゃんの事が」
 大好き。
「嫌いになったんだ。だからもう」
 泣かないで。
「研究所には来ないといい」

 ぽろろの嘘は、二人を騙せてはいなかった。
 しぃは苦しげに顔を歪め、フサギコは肉球に爪が食い込むほど固く
拳を握った。けれど二人は、ぽろろの嘘を咎めなかった。
「……ぽろろがそう言ってる。二度と顔を見せるな」
「ハイ・・・」
 フサギコは柳の影に置いてあった野菜と魚を取りに向かった。
ぽろろも後を追う。
「オジサマ」
 しぃに呼ばれて、フサギコは振り向いた。
「なんだ?」
 しぃ族の女は強情だと、彼女は言った。彼女が終生思い続ける
のは一人だけだと。
「ギコサン。ホカニハ イマセン」
 彼女は二度とギコには会えない。その意味において、彼は
戦死したも同然だった。
 フサギコは、一瞬何を言われたのか理解できなかったようだったが、
じきに力無く肩を落とした。
「……そうか」
 しぃは深く頭を下げて、商店街の方に歩き始めた。

「博士、帰らないの?」
 ぽろろが遠慮がちに声をかけると、フサギコは泣くように笑った。
「ご……」
 フサギコは何か言いかけたが、結局そのまま言葉を飲み込んで、
しぃと良く似た、寂しそうな笑い方をした。
「……なに?」
「いいや、なんでもない。帰ろう」
 差し出された手につかまろうとして、ぽろろは両手に持っていた
アイスの存在を思い出した。溶けて滴った赤い液体に濡れて、
ぽろろの手は血に染まっているようだった。
「博士と……」
 しぃの名前が出せなくて、ぽろろは言い直す。
「博士に、あげようと思って」
「ありがとう」
 アイスを一つ取り上げて、フサギコはぽろろの手を布で拭き始めた。
ぽろろの手は血に濡れたりなんてしていない。一度も稼働する事無く
終戦を迎えた、この生物兵器の手は清らかだった。

815 名前: 戦犯(4/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:04 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


 橋の欄干に寄りかかって、ギコは釣り糸を垂らしている。初夏と
いっても昼の日射しは強くて、ギコの背はすっかり熱くなっていた。
 川で冷やされた涼しい空気が、風になってギコに届けられた。
 ギコは気持ちよさそうに目を細めた。

 麦わら帽子の耳穴から飛び出したギコの耳が、はたりと動く。
「アイス」
「お、悪いな」
 戻ってきた許嫁が差し出す冷菓を、ギコは感謝を示して受け取った。
 子供のような仕草でアイスを頬張るギコに、未来の妻は
くっすぐったそうな笑い声をあげる。
「……なんだよ」
「ギコサン ゼッタイ イチゴアジ ナンダモノ」
 そういう彼女だって、選ぶのはいつもミルク味なのだが。
 苺と表現するより、イチゴ味と呼んだ方がしっくりくるチープな冷菓を
口だけでくわえて、ギコは餌の状態を確認するために竿を引いた。
……とられている。
 餌をつけ直して川に投げ込み、ギコはアイスを口から離した。
棒つきの赤い冷菓を振ってみせる。
「これが一番美味いんだよ」
「ソウ?」
 笑みの残る顔で、しぃはギコを真似するように欄干にもたれかかった。
「ツレソウ?」
「……聞くな」
 ある種明確な返答を返すと、彼女はまたくすくすと笑った。

 風が強くなった。
 草の葉や木立の葉が揺れ、ざわざわと心地よい音を立てる。
 しぃは目を閉じて、木々の声を聞いているようだった。
「……しぃ」
「・・・ハイ?」
 呼ぶと、彼女は穏やかな表情で顔を上げた。
 そんな彼女を正視できなくて、ギコは、水面の浮きに目を向けた。
「軍に入ろうと思う」
 流れに、浮きはくるくるとダンスを踊っていた。上流から流れて来た
緑の葉が、誘うように浮きにまとわりついて流れ過ぎて行った。
しぃが今どんな顔をしているのか、下を向いているギコには分からない。
 沈黙の後、彼女は一言「そう」と呟いて、ギコの言葉を許諾した。
「止めないのか?」
 止めれば諦めるのかと質問で返され、ギコは返答に詰まる。
「ムカシカラ ソウ」
 ギコは強情だからと、彼女が苦笑する。
「……そうか?」
「ウン」
 一度決めた事は譲らない、そんなところがあると。
「……そうか」
「ソウヨ」
 風が止んだ。

 しぃが風上を向いた。どうして吹くのを止めてしまうのかと、風に
問うような目をしている。
「デモ ドウシテ、イマ?」
 海の向こうから聞こえてくる話は、どれも暗い物だった。この国は、
きっともうすぐ戦争を始める。
「今だから、だ」
 しぃは寂しそうに笑って、「そう」とギコに寄り添った。

816 名前: 戦犯(5/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:04 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


 ぽろろは概ね早起きだったし、夜更かしするフサギコは大抵昼まで
寝ていた。
 だから朝の世話は、ぽろろがする事になっていた。

 数枚重ねたカーテンと鎧戸に守られて、その部屋は完全に太陽から
遮断されていた。
「おはよう」
 薄暗い人工照明に、験体1号の粘膜はぬらぬらと光っている。
その姿は、ちょうど生の挽肉をこねて、とろみのあるソースをかけた
ようだった。二つきりの眼球が、ぼんやりと、どことも知れない虚空を
眺めている。
 験体1号は、ぽろろになり損ねた……言ってみれば失敗作だった。
ぽろろがぽろろとして存在していられるのは、その犠牲があっての事だ。
「今日も夢を見たよ」
 ぽろろはいつものように験体の体に水をかけて、昨日の夜に
張り付けた魚肉の残物をガーゼでぬぐい取った。こまめに世話して
清潔にしてやらないと、汚れた箇所から、これは生きたまま腐ってしまう。
 兵器どころか、この失敗作は普通のAAよりも弱かった。
「どんな夢だったのかは、思い出せないんだけど」
 おそよ知性など感じられない肉の塊に、ぽろろは親しげに話しかける。
「……ごめんね。覚えておいて教えてあげるって約束したのに」
 験体の体を拭き終えたぽろろは、最後にもう一度水をかけてから、
椅子に腰かけた。
「多分、楽しい夢だよ。朝起きると、いつもいい気分がするから」
 そう言って、ぽろろは笑顔を作った。

 験体とぽろろは、今この国が一番処分に困っている武器だった。
 これが戦闘機や爆弾なら、バラバラに分解して使えなくして
しまえばいい。けれど、ぽろろ達は生き物だ。記憶も姿も、もう
改造前の姿は留めていなかったけれど、それでも二人は未だ
人権を持つAAだった。
 平和を与えられたこの国の人々は、手の平を返すようにぽろろ達を
捨てた。戦争を肯定していた自分自身を憎しむように、彼らは、
戦争のためだけに存在するぽろろを嫌悪した。
 ぽろろやフサギコが現在も無事なのは、皮肉なことに、戦勝国の
軍隊が保護を主張したからだった。責任の所在は国にあり、
ぽろろ達は被害者だ、と宣言したのだ。そうでなければ、研究所の
ガラスを数枚割られただけで終わったはずはなかった。

817 名前: 戦犯(6/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:05 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


「君はどうして志願したのか、覚えてる?」
 ぽろろは肉塊に質問した。
 返事が返ってくることはありえない。フサギコを含めた研究員たち
――その頃は研究所には職員がたくさんいた――が調べた結果、
あらゆるデータが、自我と記憶が失われている事を裏付けているのだ。
「僕は、なんとなく覚えてるよ。はっきりとは思い出せないけど」
 ぽろろがぽろろになったとき、それまでの記憶のほとんど全てが
とんでしまった。フサギコや他の研究員に聞いても教えてもらえ
なかったので、ぽろろは、かつての自分の性別すら分からない。
「皆を守りたい、って思ったんだ。皆がだれだったのかは、
分からないけど。……君も、何か守りたい物があったの?」
 験体が「ぃぇぁ」と声をあげた。験体は時々そんな声を出す。
それはただ、気管の名残を空気が通る時の音にすぎず、意志がある
反応ではあり得なかった。けれど、あまりにタイミングが良かったので、
ぽろろは返事をしてもらったような気がした。
「そう。君が大事にしたかったものが、今、守られてるといいね」
 言ってしまってから、ぽろろはしばらく黙り込んだ。

「……僕が僕になる前に守りたかった物が、今どうなってるのかは
分からないけど、今、僕には守らなきゃいけない物がある」
 一瞬ためらって、結局ぽろろは言葉を続けた。
「君も博士は好きだよね。僕たちがいると、博士は皆から悪く言われるんだ」
 ぽろろは右手を験体に伸ばした。比喩ではなく、2メートル近く伸びた
触手のような腕が、験体に触れる。
「僕は、僕と君から博士を守らなくちゃならない」
 行為を許してくれとは言えなかった。許されてはいけないと、ぽろろは
思ったから。謝罪を口にする事すら罪に思えて、ぽろろは黙って
右腕を突き立てた。
 しっかりとした骨格のない験体に、ぽろろの腕はあっけなく貫通した。
験体の体液は、人の血液と同じ色をしていた。ぬめりのある赤い液体が
ぽろろの腕を濡らす。ぐにぐにとした、内蔵とも筋肉ともつかない肉の
感触が気持ち悪い。
 験体は普段は少しも動かなかったが、傷に怯えたのか、今は塩を
かけられたナメクジのように体をねじっていた。串刺しにしてくる
ぽろろの腕から逃れようともがいている。二つの眼球がばらばらに動き回り、
まるで攻撃者の姿を探しているようだった。
 見えているはずはない。その目は神経がついておらず、ただの
飾りに過ぎないのだ。……けれどあるいは、かつて見えていた頃の
記憶を、眼球だけは覚えていたのかもしれない。
 ぽろろは腕を験体の中に突っ込んだまま、その表面に、ウニの
ようにびっしりとトゲを生えさせた。生体兵器のなり損ねには、
その攻撃は充分過ぎる致命傷だった。

 挽肉をこねたような姿をしていた験体は、本物の肉塊になり果てた。
 ぽろろは腕を引いた。植物が根を張る様を逆回しで映したように、
彼の腕はきちんと元の姿に戻る。下ろした指先から験体の体液が滴った。
 験体の表面にはぽろろのトゲが貫通した跡が無数に残っていた。
毛穴のようなそれは、ぶつぶつと赤く液体を滲ませてていて、何か
悪い病気でも患っているようだった。
「……ごめんね」
 ぽろろは泣きじゃくって、届かなくなった謝罪の言葉を口にした。

 フサギコを起こさないように声を殺して泣いた後、
ぽろろは研究所を抜け出した。

818 名前: 戦犯(7/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:05 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


 モナーがその町に配置されていたのは、いってみれば左遷だった。
 彼の妹のガナーには恋人がいたのに、上官はそれを知った上で、
自分と結婚させろと迫って来たのだ。これが戦争中ならモナーは
前線に送られていた所だが、幸い、縁談話が出たのは戦争が
終わってからだった。
 たった一人の妹は、今はめでたく恋人の元に嫁ぎ、その腹には
モナーの甥だか姪だかがいるらしい。
 戦争が終わって本当に良かったと、モナーはそう思う。

 廊下を走る軍靴の音がする。
 敵襲でもあるまいに、と、モナーはわずかに眉を寄せる。
「失礼します!」
 しかし、入ってきた部下の顔はひどく険しい物だった。
「どうかしたモナ?」
「……ぽろろが、来ました」
 怯えを見せてはならない。モナーは軍人なのだから。

 部下達は軍舎の前に勢揃いしていた。
 町の規模から考えれば軍人の数は多すぎたが、怪物を相手にする
には、戦力は絶対的に不足していた。
「何の用モナ?」
 頼りなげに立っている生体兵器は、まるで幼く内気なAAのように
見えた。少なくともモナーは、さっきまでそう思っていた。共生できる
かもしれないと、軍人らしからぬ甘い考えを抱いていた。
 今、ぽろろの右腕は赤茶色に汚れていた。それは固まりかけた
血液に違いない。
(誰の血モナ?)
 ぽろろ自身の――あるいはぽろろの処分を拒んだフサギコの――
血ならいいと、モナーは思った。何の罪もない町の人を手にかけたの
なら、モナーは絶対にこの化け物を許さない。
「僕を、殺して下さい」
 化け物が口にしたのは、この場にいる軍人全てが望んでいる事だった。
 答えはもちろんイエス。そのために、モナー達はここにいる。

 ぽろろを連れて、モナー達は裏庭に移動した。穴の開いた的が
たくさんある、そこは射撃の練習場だった。
 ぽろろは大人しく縛られて、射撃場の真ん中にうずくまった。
銃撃班は照準をぽろろに合わせている。
「ガソリン、用意できました」
 ポリタンクを持ってきた部下達に、モナーは頷いた。ぽろろが
動かなくなったら火をかけるのだ。跡形も残らないように、しっかりと
焼き尽くさなければならない。
 噂には、ぽろろは肉の一片からでも再生するとの事だった。
 撃て。そう合図を出そうとしたとき、表の方から言い争う声が
聞こえてきた。

 見張りに残しておいた部下達に制止されながら、白衣のフサギコが
裏庭に侵入してきた。
「ぽろろ!」
 無事な姿に、彼は安堵したように笑った。
「博士……」
 ぽろろは、フサギコの視線を避けるように顔を伏せた。
「ぽろろがこんな所に来る必要はない、一緒に帰ろう」
 フサギコが、射撃班とぽろろとの間に立ち入ろうとする。
モナーの合図に、部下達がフサギコを地面に押さえつけた。
「離せ! あの子が何をした?」
 無様に引き倒されたフサギコが、モナーを睨み上げてくる。
「あの手は、何で汚れているモナ?」
 モナーの質問に、フサギコは腹立たしげに吠えた。
「あの血は、お前達が殺したがっていた者の血だ。お前ら皆が
追いつめて、あの子に殺させたんじゃないか」
「……ああ、あれはまだ死んでなかったモナ?」
 ぽろろを作る実験の過程で生み出された失敗作。赴任にあたって
説明は受けていたが、長く保たないはずだとも聞いていたのに。
「貴様ら、よくそんな事が……」
 モナーにとって、フサギコは罪人だった。その彼から
咎めるような目で見られて、モナーは少し気分が悪かった。

819 名前: 戦犯(8/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:06 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


 言い争う声に、ぽろろは恐る恐る顔を上げた。
 フサギコは地面にうつぶせになり、軍服を着たAAが数人がかりで
彼を押さえていた。
「止めてよ……」
 ぽろろは呟いたが、その声は誰にも届かなかった。
 フサギコが一生懸命に訴えているのは、ぽろろは悪くないという事だ。
だから連れて帰るのだと、そう言っている。
 けれど、ぽろろはもう研究所には帰れなかった。ぽろろの手は
汚れている。彼を連れて帰れば、フサギコはますます孤立するだろう。
「博士を、放してあげて」
 未だぽろろに狙いを定めていた射撃班の幾人かが、
ぽろろの様子が変わった事に気付いたらしかった。
 モナーとフサギコの会話を遮ってでも報告するべきなのか、
悩んでいる風に互いに顔を見合わせている。

 狂っていると、モナーはフサギコの事をそう評した。
(どうしてそんな事、言うの? 博士は立派な軍人じゃなかったの? 
妻と息子をお国に捧げた、博士は立派な研究者じゃなかったの?)
「博士をいじめないで」
 ぽろろの体が長く伸び上がった。拘束していた縄が千切れ、
こちらを見ていた軍服の一人が情けない悲鳴をあげた。
全ての目線が、ぽろろに向かう。
 ぽろろの脇腹から、対になった触手が幾本も生えてきた。
そんなぽろろの姿は、少しムカデと似ていたかもしれない。
「博士を……」
 銃声が響いた。ぽろろの右の7番目の触手が、付け根で
吹き飛ばされる。
 モナーは命令していなかったが、軍人の一人がぽろろの異形に
怯えたらしい。
(痛い。痛いよ)
 兵器として生まれたぽろろには、痛みは必要な感覚だった。
 肉体的な苦痛は、何より反撃の衝動を駆り立てる。
「いっ、た……」
 反射的に、攻撃者に向かって触手が伸びる。
 ぽろろを撃った軍服は、恐怖に叫びながら銃を連射した。
 弾丸を受けて触手の肉が飛び散る。
 他の軍服達も、慌てた様子でぽろろに銃を向けてきた。

 フサギコが止めろと叫んだ。どうしてこんなひどい事ができるのだと。
(痛い、痛い、痛い)
 ぽろろの体は、一斉射撃にぐちゃぐちゃに撃ち潰されていく。
 彼が地面に倒れ込んでもなお、鉛の雨は降り続いた。

820 名前: 戦犯(9/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:06 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


 銃声は止み、フサギコを押さえていた手が離れた。
 軍人達は、きっとぽろろが死んだと思ったのだ。そして、
手遅れになったフサギコは、抵抗を止めるものと考えたに違いない。

 フサギコはのろのろと立ち上がって、毛皮や白衣の土埃を
叩き払った。彼は確かに、もう軍人達を止めようとはしなかった。
全ては手送れだ。
「火を」
 モナーの命令で、ポリタンクを抱いた軍服達が動き始めた。
 フサギコは感情のない目で、彼らの背中を追った。警告する気など、
あるわけがなかった。
 もとはぽろろだった血だまりに、軍人達がガソリンを注ぐ。
 フサギコも含めたその場にいる全てのAAが、
その作業に注目していた。

 ぽろろの「死体」は、爆発するように膨れ上がった。

 犠牲者は、ぽろろの血だまりを足で踏んでいた男だった。
 アメーバのように流動する赤い体が、犠牲者の足を押し倒す。
「あ、ああ!」
 第三形態。
 こうなったぽろろに、もう理性はない。自己防衛の本能と食欲だけで、
周囲の動物に遅いかかる。
 消化液を兼ねた強酸性の保護粘液が、犠牲者の足を溶かしていく。
 犠牲者は頭を左右に振って、なんとか逃れようと、両手でぽろろの体を
押し返した。
「うあっ」
 彼はのけぞって両手を引いた。
 当然だ。
 酸に侵された両手の平から、蒸気とも煙ともつかない白い気体が
あがっている。
「撃て」
 モナーの号令に、ぽろろの近くにいた軍服達が退避した。
 射撃が始まった。取り込まれそうになっている被害者を避けて、弾丸が
飛んでいく。銃弾に傷ついても、ぽろろには怯む気配はなかった。
(無理だ)
 フサギコは冷静に判断を下した。そんな半端な攻撃ではぽろろは
殺せない。ぽろろは、この場にいる全てのAAを食らいつくすまで
暴走を続けるだろう。
「あ、あっ、あぁ……」
 両目をかっと見開いたまま、犠牲者は動かなくなった。
 死んだわけではない。彼はまだ膝上あたりまでしか溶かされて
いない。粘液に含まれる神経毒がまわったのだ。
 ぽろろはそのまま、全身で犠牲者を包み込んだ。もしもぽろろの体が
透明だったら、生きたまま表面から溶けていくAAの姿が見えていた所だ。
「……火を」
 モナーが決断を下した。
 判断自体は悪くなかった。ぽろろに取り込まれた彼は、もう助からない。
 ただ、火力はちっとも足りていなかったけれど。

 火炎瓶の火がガソリンに引火した。
 ぽろろの体は燈火と黒煙に包み込まれた。軍人達の間に、期待と
不安の気配が広がる。
 火の中から、血色の触手が突き出してきた。
 腹を貫かれたフサギコは、反射的にそれを掴んだ。

 もちろんフサギコは、自分が死なずにすむとは思っていなかった。
研究者として、今のぽろろがどんな状態なのかを熟知している。
 今のぽろろに理性はなく、ただ、傷ついた肉体を再生するための
餌を求めているだけなのだ。
 火の中から這い出してきたぽろろは、ゼリーのようなどろりとした体には
似つかわしくない速さで、フサギコの腰にのしかかってきた。ぽろろが
触れた箇所の全てが、火傷したようにズキズキと痛む。
 周囲の軍人達が、信じられないと言いたげな目で二人を見ていた。
あるいは彼らは、ぽろろは絶対にフサギコを襲わないとでも考えて
いたのだろう。
 完全にフサギコの下半身を捕らえたぽろろは、腹から触手を引き抜いた。
「ぐっ……」
 長い体毛が消化を阻んだのは、ほんの一瞬の事だった。消化液は
すぐに皮膚まで達し、フサギコの体を溶かしていく。彼の肉と血が
どろどろに溶けたそれは、ぽろろのための赤いスープだ。
 痛みを和らげるために脳内物質が分泌されたためか、もしくは
ぽろろの粘液の神経毒がまわりかけているのか、フサギコの意識は
紗がかかったようにぼんやりとしてきた。
 かすむ視界の中で、ぽろろの触手がゆらゆらと揺れていた。それは
フサギコの腹を貫いた物だ。粘液で吸収しきれなかったフサギコの血が
触手の先から滴った。
 フサギコは、触手の表面に小さなひっかき傷があるのに気付いた。
彼がさっき掴んだときに、うっかり爪を立ててしまったらしい。
再生能力の強いぽろろなら、ものの数分も経てば、跡も残さず消えて
しまうであろう小さな傷だった。しかし、傷を受けた瞬間、ぽろろは
痛かったはずだった。
「……ごめんな」
 フサギコは触手に手を触れた。肉球が溶かされて、白い煙を上げる。
 長らく口にできなかった言葉に、彼は笑うように泣いた。
「本当にごめんな、ギコ」
 フサギコは触手の傷を撫でた。
 謝罪の言葉を繰り返しながら、彼は神経毒に動けなくなるまで、
ぽろろの傷をさすり続けた。

821 名前: 戦犯(10/10) 投稿日: 2004/05/07(金) 21:07 [ tMx9C5r6 ]
NG博愛主義03


 軍舎の裏庭には真っ赤な水たまりができていた。まるでイチゴ味の
アイスを溶かしたようだと、ぽろろは思った。
「……博士」
 状況が把握できなくて、ぽろろはフサギコを呼んだ。
 理由の分からない不安感がこみ上げてくる。
「博士、どこ?」
 気付かなければ幸せでいられたのに。
「はか……せ?」
 ライフルの銃身に、白衣の切れ端がひっかかっていた。降伏を
象徴する白い旗のように、それは風にはためいていた。
 瞬間、ぽろろは何が起きたかを理解した。少しも記憶にはなかった
けれど、他に理由は考えられない。
 ぽろろは、フサギコを守れなかったのだ。

 ぽろろは口を開けて下を向いた。
「うえっ……あっ、えっ」
 取り込んでしまったであろう物を体外に出そうと、彼は必死に
嘔吐を試みる。けれど、それはもう完全にぽろろの体の再生に
消費されていて、吐き戻す事は叶わなかった。
 唾液しか出てこない口に指をつっこんで、ぽろろは吐けない
苦しさに泣いた。

   戦争に負けて、この国は平和になった。
   罪の記憶は癒えないまま、今年もまた夏は来る。


(終了)

ねた被りを許容して下さった、寛容ながるく氏に感謝を込めて。

822 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:22 [ ON5jxKpk ]
>>728続き

「それじゃあ、そろそろ競技を開始します。ベビちゃんたち、こっちに来て!」

ベビしぃたちが、ちょこまかと走ってやってくる。

その光景を、ベビたちの母親は微笑ましく眺めていた。
ビデオを回したり、声をかけている者もいた。

もちろん、ガラス越しだが
・・・・・・・・・・・・・・・

さて一方、ベビしぃたちはと言うと

白線の前に6匹ずつ、2列で並んでいた。
並び終わったと同時に、モララー先生がなにやらゼッケンのようなものを配っている。
ちょうど赤白が6着ずつで、1〜6までの番号の付いたゼッケンだ。

「はいはいみんな ゼッケンは行き渡ったかな?
 行き渡ったね ・・・・・・んじゃ、簡単に説明をします。
 そのゼッケンの色は、まあわかってるとは思いますが、チーム分けのためのものです。
 赤チーム5ひ・・・ゲフン! 5人、白チーム5人 とね。」
(さすがに保護者の前で、「匹」と数えるのはまずいよな・・・・・・)

「ま、番号も同じようなものです。
 これからベビちゃんたちを呼ぶときは、こう呼びます。
 例えば、赤チームで1番のゼッケンをつけている人は「赤1ちゃん」
 白チームで2番のゼッケンをつけている人は「白2ちゃん」と。
 わかりましたね?」

だいたいは飲み込めたようで、口々に「アニャア!!」と返答していた。

「それじゃあまず第1種目、かけっこです!
 これは3対3で、一番最初の競技なので番号順で行います!
 じゃあ、赤1〜3ちゃんと白1〜3ちゃん、準備して!」

スタートラインに赤1、白1、赤2、白2、赤3、白3と並んだ。  

「なお、走りきったらダッコのご褒美があります!
 ただし、制限時間がありますが。
 10秒以内にゴールにたどり着かないと、ダッコはできません!
 分かりましたね?」

モララーがリモコン操作をすると、ゴールのあたりから何かがせり上がってきた。
ダッコポーズを取っている格好のしぃ人形だ。

ダッコと聞いて、ベビたちの目の色は確実に変わったようだ。
完全に、火がついている。

「それじゃあ、位置について、よーい・・・・・・」

ド ン ! !

823 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:25 [ ON5jxKpk ]
>>822続き

ヨーイドンからすでに10秒がたった。

にもかかわらず、ベビしぃたちはまだスタート地点にいる。
全く走っていないのかというと、そうではない。
ベビたちは必死の形相をして走っている。 ダッコを求めて
しかしどれだけ進もうと一向に進めず、あげくのはてには転んでいる。
では、なぜ進んでいないのか?


・・・・・・これぞ虐待運動会 第1の仕掛けだ。
その正体はというと・・・・・・

太陽の光を受けて、なぜか地面がキラキラと光っている。
もうお分かりだろう。
この道には、ガラスの板が埋めてあるのだ。
それも母親しぃの応援席のものと同じ、硬質ガラスが


これではベビしぃの柔らかい爪など食い込むはずもない。
いくら爪を立てても、硬質ガラスに引っかかるはずもなく、爪が滑って、転ぶ。
結果、スタート地点からほとんど進めない。

・・・・・・でもね、しばらくたつと進んでくるやつもいる。
どうやってかって? 
簡単なこと
爪を使わずに、普通に歩いているのだ。
スピードはどうしても落ちるが、安全性は増す。
それがうまくいったのか、ベビしぃたちは確実に進んでいる。

というわけでそれを妨害すべく第2の仕掛け、作動開始!
モララー先生がリモコンを操作すると、地面からスプリンクラーのようなものが出現した。

               続く

824 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:27 [ ON5jxKpk ]
>>823続き

「ハニャッ!? ナニアレ!?」

進行方向前方に、水たまりのようなものができているのだ。
見る見るうちに大きくなり、最終的には6コースすべての中腹を覆い尽くすぐらいに大きくなった

「ナーンダ ミズタマリサンカ!
 チィ ミズタマリサンナンカ ヘッチャラダモンネ!!」

そう言って、白1、赤2、白2 と、次々とベビたちが前足を勢いよく踏み入れた。
次の瞬間

つ る っ

全員が大きく足を取られ、全員同じタイミングで見事に顔面から転倒。
鼻血ブーだ。

「!!??」

何が起こったのか理解できていないような顔をしていたが、
赤2はすぐに気を取り直し、立ち上がろうとする。
しかし、また転倒。今度は顎からだ。

「!!!???」

その後、他のベビたちも続いて立とうとするも、みな転倒。
誰一人として立て直せたベビはいない。
何で? 何で? 一体この水たまり、何なの?


・・・・・・・・・・・・
どうだい? 第2の仕掛けは
抜け出そうともがけばもがくほど抜け出せなくなる、蟻地獄のような性悪さは?

たーっぷりと味わえよ
特性の油地獄を な!!

                  続く

825 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:29 [ ON5jxKpk ]
>>824続き

つるっ
ごんっ
ムクッ・・・・・・
つるっ
ぐしゃっ
ムクッ・・・・・・

滑る 転倒する 起きあがる
ベビしぃたちは延々とこのサイクルを繰り返している。

もはや顔は血で真っ赤
床ガラスの上は血と油、それに転倒の際に折れた歯などが混ざってすごいことになっている。
じっとしていれば怪我もせずにすむのに
ベビしぃたちはなおゴールのダッコを目指し、油地帯からの脱出を試みる。
しかし、簡単には脱出できない。
早く脱出しようと焦ると、次の瞬間には油に足を取られて顔面から転倒。
そこから先は前述のサイクルと同じようなものになる。

無駄に何度も脱出を試みるから、何度もこける。
最終的にベビしぃたちは、それ故にものすごい顔に変貌していた。

まぶたがお岩さんよろしく青く腫れ上がっているのは当たり前
鼻のあたりを骨折したのか、鼻がいびつな形に歪んでいるものもいる。
しかし、ベビしぃたちは諦めない。
顔が腫れ上がろうが鼻が折れようが、ダッコの喜びに比べればどうということもないのだろう。

しかしそんな執念も、役に立たない いや、むしろ余計悪い方向に導くこともある。

白1ががまた立ち上がった。
立ち上がったはいいが、例によってまた転ぶ。
また例によって立ち上がってくるだろうと思っていたら、ゴロゴロ転がってもだえている。
どうやら今回は、倒れどころが悪かったようだ
    
もだえているベビしぃ白1の顔が、所々血にまみれながらも光っている。
何かな? と一瞬思ったが、すぐに分かった。
地面に落ちた、自分の折れた歯が顔に刺さっているのだ。

柔らかい、まだ乳歯とはいえ歯は歯。それなりに固い。
そんなものが散らばっているところに顔面から勢いよくつっこめば、どうなるかは目に見えている。
更にベビしぃなどしぃ族は、基本的に肉食なので犬歯 とがった歯が多い。
つまり、鋭利な歯が多いのだ。

実に滑稽なシーンだ。 残りのベビたちも次々と同じ状態に陥っていく。
目に折れた歯が深々と刺さり、目の内部の液体を血液と一緒に垂れ流している白2。
鼻の穴から侵入した歯の欠片が鼻を貫通し、どこかの蛮族のようになった赤2。
胸に長めの歯の破片が刺さり、血の泡を吹いて咳きこんでいる白3。

なんたることよ。
自分でまいた歯で、自身を傷つけるとは!
しかもやつらはその事実にまだ気づいていない。もはや救いようがない。
                続く

826 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:30 [ ON5jxKpk ]
>>825続き

しかし、皆が夢中でもがいているその傍ら
比較的軽傷のベビしぃ赤1が、我慢の限界に来たようだ。

「モウイヤァ!! コンナノ モウヤメル!!」

そう言うと、いきなり白線から外に転がり出た。
一番外側のコースだからできる芸当 逃亡だ。

ママ こんな運動会、もういや!! 一緒に帰ろう!!
そんな思いを胸に秘めてか 赤1は一直線に、母親のいる応援席へと走っていった。

・・・・・・・・・・・・・・・
赤1のベビは、ものすごい勢いで走っていた。
おそらくベビしぃのオリンピックなんてものがありゃ、
ぶっちぎりで優勝できるくらいのスピードだったよ。
それだけママに会いたかったんだろうな こいつは

・・・・・・でも、馬鹿だよ こいつは
走ってるこいつの前、10メートルくらい前だったかな に立ってみたんだよ。
まぁ応援席にはガラスが張ってあるから、絶対にママの元にはたどりつけなかった 
つまり妨害の必要は無かったんだが、一応 な。
で、フツー、誰かが前に立っていたなら避けるだろ? 方向変えるなりなんなりして。
でも、こいつはしなかった。
そのまま俺の足に激突しやがった。 止まろうともせず、な
まぁ、それでも気絶しただけだったが

前も見ずに走っていたのか
それともママのことで頭がいっぱいになって俺が目に入らなかったのか・・・・・・
まぁ、どっちでもいい。
どっちにしろこいつの運命は変わらん
試合放棄は俺が一番嫌いなことなんだぜ
覚悟しとけよ この糞ベビ

さてと、残りのベビどもはどうしてるかな と

                続く

827 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:34 [ ON5jxKpk ]
>>826続き

・・・・・・・・・・・・・・・
静かになっていた。
相変わらず口々にナッコナッコと言うものの、ほとんど動いていない。
執念は有り余っているのだが、体力が限界に来ているのだろう。
血と油の混じった液体の中で倒れている。
これ以上のレース続行は、無意味だな。
手元でリモコン操作をすると、ゴール地点のしぃダッコ人形が地中へと戻っていく。

「アアッ!! チィノナッコガー!!」

「イッチョウケンメイハチッタノニ ナンデ!?」

「一生懸命って言ったって、半分ぐらいしか走っていないじゃないか。」

泣き叫んでいるベビたちを見下ろしながら言ってやる。
しかし

「ナッコォー!! ナッコナッコナッコナッコォォーー!! ナッコォー!!」

「ナッコナッコォー!! ナッコヲクレナイヤシハ ギャクサツチュウダヨゥ!!」

「チェンチェーノオニ!! アクマ!! ギャクサツチュウー!!」

ろくに聞いちゃいない。
今すぐにでもブチ殺してやりたい衝動に駆られたが
匹数が少なくなると今後の進行にも支障を来すし、何より応援席の方が騒がしくなってきた。
まずはこちらを片付けねばならない。
漏れはタバコをくゆらせながら、応援席に近づいていった。
              続く

828 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:35 [ ON5jxKpk ]
>>827続き

「タ タイヘン!! ベビチャンガ!! シィノ ベビチャンガ!!」

ベビの流血レースを見てうろたえていた母しぃが
ようやく我を取り戻したようだ。

「ハヤクタスケニイカナイト!! イマナラ マダダイジョウブヨ!!」

すぐさま何匹かが扉へと走る。 しかし・・・・・・

「ダメ!! カギガカカッテル!!」

「ソレナラ コンナドア コワシチャエバイイノヨ!! エーイ!!」

そう言って数匹の母しぃが扉に体当たりを仕掛ける。
しかし、厚さ10センチはあろうかという重く頑丈な鉄の扉は
体重合わせて10キロにも満たない母しぃたちの体当たりなど、ものともしていない。


なおも諦めず母しぃたちが扉に体当たりをかましている一方

「トビラガダメナラ ガラスヲコワセバイイノヨ! イクヨ!!」

1匹の別の母しぃが、どこからか取り出した棍棒を握ってガラスに殴りかかった。

「ベビチャンマッテテ!! イマ オカアサンガタスケニイクカラネ!! エーイ!!」

ド ガ ァ ッ ! ! !


だが結果は言わずもがな

「シジィギャアァァアァ!!!! オデデェェガァァ!! イダイヨォォ!! ギャアァアアァアァアア!!??」

あわれ棍棒はひん曲がり、それを持ってた両手からも、「ブチィッ」 と鈍い音
両腕が逝ってしまった母しぃさん 死にかけの毛虫のように地面をのたくる。
モララーから見ればアホの見本 母しぃたちから見れば同情の的
いずれにしてもろくなもんじゃない。 あわれあわれ 

「無駄無駄
 そのガラスと扉は、あなた方が何をしようが絶対に壊れません。諦めなさい。」

「ウルサイ!! ハヤクココカラダシナサイヨ!!」

「ベビチャンニヒドイコトシタラ タダジャオカナイヨ!!」

「ハヤクダサナイト ケイサツニイクヨ!!」

「・・・・・・やれやれ、あなた方は自分たちの立場というものが分かっていない。」

「? ドウイウイミヨ!?」
               続く

829 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:36 [ ON5jxKpk ]
>>828続く

「私はねぇ、自分で言うのも何ですが、(しぃ族にとっては)少し変わった所があるんですよ。
 それはですねぇ 何かにイラついているとき、例えばしぃの金切り声を聞いたときなどですね
 私、そいつらの・・・しぃの悲鳴が聞きたくなるんですよ。それも断末魔クラスのやつを。
 
「・・・・・・?」

「まだお分かりになってないようですね。
 要するに、
 今あなた方がわめき散らす 私はイライラする
 イライラを解消すべく、私はしぃの大絶叫を求める
 さて、今この場でもっとも手っ取り早く、断末魔クラスの絶叫を聞くには・・・・・・?」

「マ・・・マサカ・・・・・・!?」

「ようやくお分かりになりましたか。
 もしあなた方がこれ以上わめき立てるのであれば、ベビちゃんの命は・・・・・・」

「! ヤメテ!! シィニハナニヲ」

「はいはいはい。皆まで言わない 何が言いたいかは分かってますから
 安心なさい。あなた方が騒がなければ、私もベビちゃんをブチ殺すつもりはありませんから。
 あなた方は最後まで、そこでベビちゃんたちの勇姿を大人しく見ていればいいんですよ。」

「ハ・・・」

「くれぐれも運動会の最後まで、忘れないでくださいよ。
 ベビちゃんたちの生殺与奪は、私にあると言うことを
 さて、そろそろ第2レースが始まります。
 せいぜい祈っておいてくださいね。私のベビちゃんはゴールできるって。」
                
                続く

830 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:38 [ ON5jxKpk ]
>>829続き
前半のレースを見てビビっていた
ベビしぃ白4〜6、赤4〜6を何とか説得(脅迫?)、スタート付近に並ばせて、

「さてさて、第2レースの始まりの前に・・・・・・
 みんなにちょっと、注意しておかなければならないことがあります。」

そう言って、ひっつかんでいるベビ赤1を高々とあげる。

「このベビちゃんはみんなの知っての通り、さっきのかけっこから途中で逃げ出しました。
 他のベビちゃんたちが必死に走っているにもかかわらず です。
 これはれっきとしたルール違反です。
 あ、他にも途中でサボったりしても同じだからね。
 さて、ルール違反者には、みんなにとっていいことをしてもらいます。」

「????」

「理解できていないようだね。
 じゃ、実際にやってみますか。」

漏れはまず赤1ののどの下あたりに、軽くナイフを突き立てた。
そしてそのまま一回転。首に紐が巻き付いているような赤い筋が残った。

「アニャア・・・・・・!?」

ベビしぃ赤白4〜6が口々に言う。
どうやらまだ、何が起こるか理解できていないようだ。
それもそのはず
まだまだこれは序の口、と言うか下準備にすぎない。
そしてこれから、メインが始まるのだ。
                 続く

831 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:40 [ ON5jxKpk ]
>>続き

まず、ベビしぃのその傷口にしっかりと指を4本とも入れる。
後はその指に力を入れて、思いっきり引っ張るだけ。
ベビしぃが「アギャガグガガァァアア・・・・・・」などと悲鳴を上げるけど、気にせず続行。
そうすれば見事に、片面(腹側なら腹側、背中側なら背中側)の皮がつるりと剥がれる。
そして片面を剥いたら、もう片方を剥ぐ。

このシーン ベビしぃたちは最初こそきょとんとしていたものの
これに対してはすぐに理解できたのだろう。
全員、青ざめて動けなくなっている。

しばらくたったところでモララーが何か話し始めた。
顔以外の全身が真っ赤になり、ぐったりとしている赤1を片手にして。

「さて、分かったね?
 ルール違反者はまず皮を剥がれるんだよ。問答無用で。
 ん・・・ どうした? 何か言いたいことでもあるのかい?」

「コ・・・コレノ・・・コレノ・・・
 コレノドコガ ミンナニトッテイイコトニナルノヨォ!!??」

ベビたち全員が叫んだ。必死の形相で。

「見てなかったのか? あれだよ、あれ。」

モララーが指さしたその先には、剥いだ毛皮があった。
しかしなぜか切り刻まれ、並べられ、まるで白線のようになっている。

「以前からやろうとしてたんだよねぇ。 ベビちゃんの毛皮で作る「ベビちゃん白線」
 なんせ粉で白線引いただけだと、雨が降ったり風が吹いたりすると簡単に消えちゃうんだよ。
 でもこのベビちゃん白線なら、雨が降っても、風が吹いても大丈夫。
 なんせ細く切ったベビちゃんの毛皮を釘で地面に打ち付けてあるんだから!
 ね? これならみんなにとっていいことになるだろう?
 雨の日でも、風の日でも、はては嵐の日でも、みんなの大好きなかけっこができるんだから!!」

これに対しベビたちは、何も答えることができなかった。
                  続く

832 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/09(日) 11:43 [ ON5jxKpk ]
>>831続き

ベビしぃたちは、動けずにいる。
大きな二つの選択肢で迷っているのだ。
レースで走れば顔や体にひどい怪我
レースをやめる、サボったりすれば大切な毛皮を剥がれて、白線にされる
口答えなんかりしても、剥がされるかもしれない。
どちらのほうが、よりダメージが少ないか・・・・・・?


・・・・・・・・・・・・・・・
全員、全力疾走を選んだようだ。
まぁ、結果は言うまでもないが。
後半も前半と同じく、折れた歯が刺さる結末になったのだが、
前半の連中の残した歯の欠片も残っていたため、よりすさまじいことに。
両目に刺さったり、
大量に、深く刺さってまるで蓮○像みたいになったり・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・
やれやれ。 第1種目からこのありさまじゃあ、生き残れんよ? この後・・・・・・
ま、せいぜい頑張りなさい。
今日のできがよければ、ちゃんとママと一緒に帰らせてあげるから・・・・・・。
    
             第1種目終了   で、続く

上の>>831>>830の続きです。 書き忘れてました・・・・・・

833 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/11(火) 05:41 [ VPr9leb6 ]
訂正
>>822
赤チーム5匹、白チーム5匹 ではなく
赤チーム6匹、白チーム6匹 です。

834 名前: HARD-BOILED 投稿日: 2004/05/13(木) 18:43 [ 86K/Et32 ]
ドアチャイムの軽やかな音と共に、喫茶店の扉が開いた。

入ってきたのは一人の男。
濃いサングラスで、表情は見えない。
「いらっしゃいまですょぅ」
マスターのいょぅがカウンターの中から声をかける。
男は、ドアをくぐったところで一旦立ち止まり、少し店内を見回すと、
空いた席に向かった。
メニューを受け取り、少し考えてから、ウェイトレスを呼んだ。
「いらっしゃいませ。
 ご注文はお決まりですか?」
ウェイトレスのガナーが、明るい笑顔で決り文句を言う。
男が口を開いた。
「そうだな…
単語一つ終わるか終わらぬかのうちに、再び店のドアが、
今度は、先ほどとは違い、乱暴に開いた。
ドアチャイムが悲鳴のような音を立てる。
「マスター!」
入ってきたのは、3人のしぃ。
それぞれ、手にパドルをもっている。
「今日コソ コノ店ヲ 可愛イ シィチャンタチノモノニ スルンダカラ!」
「いい加減にしてくださいょぅ。
 いくら店が気に入ったからって、そんな事を言われても困りますよぅ」
マスターが慌てたようにカウンターの中から飛び出し、しぃの前に立ちはだかる。
「ウルサイ!」
一番先頭に居たしぃが、マスターをパドルで殴った。
体の小さいいょぅ族のマスターは、簡単に吹き飛び、壁にぶつかる。
「マスター!」
ウェイトレスのガナーが、しぃに向かうが、これも両脇に居たしぃたちに、
両方から殴られ、その場にうずくまってしまった。
関りになりたくない、とばかりに店内の客は俯き、お互い肩を竦めあう。
しぃ達が出入口に居るせいで、外へ逃げることも出来ない。
先頭に居るしぃ、おそらく彼女がリーダーなのだろう、が口を開いた。
「可愛イ シィチャンガ コノ店ヲ モーット 可愛クシテアゲルッテ イッテルンダカラ
 アリガタク アタシタチニ 店ヲ 譲リナサイ!」
そういい、しぃが再びパドルを振り上げた、そのとき。

銃声が、一発。

しぃの額の真ん中に、黒い弾痕があく。
弾は、しぃの頭を突き抜け、背後のドアのガラスを破ると、そのまま外へ飛び出していった。
彼女は血を噴出しながら、床に倒れる。
とさり、と意外と軽い音が静まり返った店内に響いた。
「ナッ」
「ダレッ」
両脇に居たしぃが、科白を言い終わる前に、銃声がさらにもう二発。
続けて、軽い音が、二つ。
三つのしぃの死体を見ながら、ぽかん、とするマスターが、
銃弾の軌道をたどるように、首を回す。
彼の視線の先で、先ほど入ってきたばかりの男が、
己の拳銃の銃口の硝煙を軽く吹きとばした。
「…ウェイトレス」
「あっ…はい!」
男が拳銃をしまいながら、口を開く。
我に帰って、ウェイトレスが返事をし、即座に男のテーブルに近づく。
「注文を頼む。
 コーヒーを一杯、それから、ゆで卵ひとつ」
「湯で加減はいかがしましょう?」
メモを取りながら、ウェイトレスが男に聞く。

男は、少し考えてから、口を開いた。

「…固ゆで(ハードボイルド)で」

   end.

835 名前: 新人 投稿日: 2004/05/15(土) 21:33 [ 5uGD00wg ]
>>765からの続きです
        〜闇に潜むモノ〜 

その後も聞き込み調査は継続されたが、牢の中にいるしぃ達には本当
の事など一切知らない様子だった。
「これ以上は無駄だと思います。」
タカラギコがそう話しかけるとモララーは
「そうですね。糞虫ちゃん達!さようなら!」
と、別れの言葉を投げかけると牢の中のしぃ達は何か汚らしい言葉を
ギャアギャアと喚き散らしていたが、相手にする事無くタカラギコと
共にその場を後にした。
廊下の突き当たりに自動販売機が壁沿いに並べられている一角でタカ
ラギコは先程負った傷をクックルに消毒してもらっていた。
モララーは壁に設置された電話で誰かに連絡を取っている。
消毒を終えてから絆創膏を貼ってもらったところでモララーが彼に話
しかけてきた。
「どうでしたか?あれがこの街の犯罪を助長している存在であるアフ
 ォしぃです。」
「アフォ・・・・あほ?ですか?」
「ええ。それよりも準備が出来たそうですから、来て下さい。」
「準備?」
クックルが救急箱片手に下がっていく。
「連中の最後に立ち会ってもらいます。」
最後。かれの脳裏には最後=死という言葉が連想された。
「こ、殺すんですか?」
「処分です。害虫駆除と同じですよ。」
二人は準備の整っている場所へと話をしながら歩いていく。
「それでも、法の下でしっかりとした裁きを下すべきですよ。あなたは
 簡単に殺しすぎです。」
「法の整備を行うのは私の仕事じゃないですよ。命の重さをタカラさん
 は大事に思っている。それは確かに重要な事です。しかし、連中はね
 自分の意思で生きるという事を放棄したどうしようもない輩なんです。」
「放棄だなんて・・・・。そんな事をする生物がいるんですか?」
「タカラさん。あなたは生きるってなんだとおもいます?」
エレベーターの前に立つとモララーはタカラギコの目を見つめて真面目に
問い掛けてきた。

836 名前: 新人 投稿日: 2004/05/15(土) 21:33 [ 5uGD00wg ]
「生まれてきた生物が行う営み全てじゃないでしょうか。」
「そうでしょうね。しかし、現代社会においてはそれだけで生活はなりた
 たない。労働を行い社会に貢献することで報酬を得て生きるという事が
 実践できるんです。
 それなのに奴等アフォしぃ達は働かず、ただ周りの状況に流されていく
 だけの存在でしかない。」
モララーの頭の中では恐らく今までの間何度も何度も推敲や反芻を行って
きた言葉なのだろう。一切つかえる様子も無く話している。
エレベーターの扉が開くと二人はその中に入った。
「でも、しっかり働いているしぃもいるじゃないですか。そのしぃ達はど
 うなるんです?」
タカラギコの問いにモララーは
「あれはこの街にある職業訓練施設でしっかりと教育を受けたしぃですよ。
 この街にいるしぃ族は生後2年ほどで試験を受けるんです。その上で訓
 練施設に送り込まれるようになっているんです。」
「その試験は難しいんですか?」
「いや、そんなことはないでしょう。もっとも問題の漏洩を未然に防ぐた
 め私も詳しい事は知りません。」
「あ、でもそういった訓練施設があるならどうしてあそこまでアフォとい
 う種類のしぃがあれだけ大勢いるんですか?」
「厳しい教育の前に脱走するんですよ。あと、試験そのものを受けないの
 もいます。試験そのものは本人の自由意思ですし、脱走したものは生き
 るうえでの責任を放棄したとしてそのまま放置されます。」
モララーがそこまで話している間にエレベーターは目的地へと到着した。
扉が開き放たれたその場所は円形の闘技場のような場所で、観客席にあた
る場所は硬質ガラスで覆われていた。
席には多くの観客が腰を下ろし、何かが始まるのを期待した面持ちで待っ
ている。
「ここの観客は処分されるしぃの姿を見るのが楽しみなんですよ。」
モララーの言葉にタカラギコは思わず身を竦めた。

837 名前: 新人 投稿日: 2004/05/15(土) 21:34 [ 5uGD00wg ]
「処分・・・。虐殺ですか。」
タカラギコの額に脂汗が滲み出る。
「察しが良いですね。今日は満席だから、立ち見ですよ。我慢して下さい
 ね。」
「見たくないです。無残に殺されていく姿を見ろだなんて・・・間違って
 ますよ!」
「私はあなたにこの街の真実を教えると言いました。楽しんで見ろとはい
 いません。 あなたは警官だ。この世の中の汚い部分と正面から向き合
 って戦わなきゃならないという立派な仕事に就いている。私はフーンさ
 んに頼まれてあなたをここに連れてきたんです。真実を知らずにどうや
 って事実と向き合っていけるんですか?」
「・・・・・・。」
やがて、開始を告げるサイレンが闘技場全体に鳴り響き、舞台にあたる箇
所にしぃ達を荷台に満載したトラックが入ってくる。
観客が色めき沸き立つかと思いきや水を打ったように静まり返っている。
トラックの荷台部分が可動すると載せられているしぃ達は土砂のように乱
暴に降ろされていく。
トラックが出ていくとしぃ達は状況を掴み取ろうと辺りを見まわしている。
数は30匹から40匹程だろう。
「始まりますよ。」
「どうしても彼女達は死ななければならないんですか・・・?」
「そうです。止めようだなんて思わないほうが良いですよ。」
闘技場の真上に設置されたスピーカーからしぃ達に向かって大きな声が放
たれる。
『今日は可愛いしぃちゃん達に殺し合いをしてもらいまーす。』
その言葉を聞いたしぃ達は
「ナニイッテノンヨ バカジャナイノ!!」
「ワタシタチハマターリノシンボルナンダカラ ソンナムゴタラシイコトシナイワ!!」
「トットトココカラダシナサイ コノギャクサツチュウ!!!」
と、スピーカーに向かって喚き散らす。
『生き残った1匹のしぃちゃんには甘くて柔らか〜い高級な食べ物と格好い
 いギコ君とのダッコとコウビし放題が待ってますよ〜。』
それと同時に闘技場の壁からギコが一人彼女達の目の前に姿を現わしてくる。
「あーダッコしてぇな〜。最近コウビもしてねぇし、誰かいい相手いないか
 なぁ。ゴルァ。」
そういうとギコはさっさと闘技場を後にしていく。
ギコが姿を消した瞬間、
殺戮が始まった。

838 名前: 新人 投稿日: 2004/05/15(土) 21:35 [ 5uGD00wg ]
「ワタシガギコクントコウビスルノヨ!! サッサトシニナサイ!!」
「ナンデスッテコノアバズレ!! アンタミタイナトシマババア ナンザココデシンジマエェェェッ!!!」
「アマクテヤワラカイタベモノハ ワタシダケノモノヨ!!」
「ヌケガケシヨウダナンテ ソンナコトユルサナイワヨ!!」
至るところで喧嘩がはじまり、罵詈雑言が飛び交って体毛が宙を舞い、
耳や手足が鮮血と共に飛び散り、血煙が舞い散る。
ボロ雑巾の用に殴られ、蹴られて息絶えていく者もいれば欲を満たさんが為
に乱闘に興じる者、隅で恐怖に震えあがら泣き叫び、助けを乞う者もいる。
「あれがアフォの行く末です。自分では何もせず、生きる事を放棄した、哀
 れな存在の最後です。」
「こんな惨たらしいことが・・・。」
観客席にはご丁寧に闘技場での乱闘の音声を出力するスピーカーが座席に一
つずつ供えつけられており、そこから断末魔の叫び声が聞こえるたびに観客
達はエキサイトして座席から立ちあがって興奮している。
「いいぞ!!いいぞ!!」
「もっとやれー!!無様に殺しあえ!!」
しかし、しぃ達の体力などたかが知れている。半分も死なないうちにへとへ
とに疲れ切ってその場に倒れ込んでいく。
「なんだなんだぁ?その様はよぉ!!」
「どうせ死んじまうんだろうが!!最後まで楽しませろよー!!」
観客達はブーイングの嵐を浴びせ掛ける。とはいえ硬質ガラスで覆われてい
る観客席からどれだけ文句を言っても闘技場へは一切聞こえる事はない。
と、闘技場の中央の地面が真っ二つに割れるとそこから縦横3mサイズの鉄
製の箱がせり出してきた。
せり出してくると同時に箱の後面と正面左右の蓋が開くとそこには虐殺用棍
棒やマシンガン、ハンドガンにバズーカ砲にナイフに金属バットにレンガ片
といった、いわば凶器の類が大量に姿を現した。
『疲れてるみたいだから、これを使って頑張ってね〜。』
その声を合図にして、
殺戮劇の第2幕がきって落とされた。
〜続く〜

839 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/05/16(日) 11:09 [ lsr4pNyY ]
薄紅色の体毛に包まった壊れたラジカセが私の足元にある。
周波数が違うからというわけではなく、やはり壊れているのであろう、
足で突付いてみても、裏返してみても、上から軽く踏んでみても、その
物体は単一な声色で鳴き続けている。チィチィチィと。
アスファルトの地面に雨粒が降り注いでいる。物体が転がる付近に
水たまりがあり、次第にその範囲を広げている。水浴びでもしているかの
ように体をもぞつかせている物体は、絶えず鳴き、震えている。
――私は周囲を見渡す。
そこには路地裏に続く細い道があった。
影に隠れて 詳しくはわからないが、巣であるらしい汚れたダンボールが確認できる。
親は餌を採りに 行っているのか、姿がない。
――再び足元へ目線を落とす。
先程より、いくぶん弱々しく鳴く薄紅色の物体がある。首を擡げ、しかし次の
瞬間には自己の生存を主張するかのように頭をあげて小さな口を開き、体中から
搾り取るように鳴いている。
と、その時、私の後方でクラクションが鳴った。後ろを振り返ると、赤のスポーツカーが
水飛沫を上げながらこちらへ走りよってきていた。私はゆっくりと路肩へ移動する。
車は段々と近づき、やがて私の目の前を通り過ぎた。グチュリともプチュリともとれる
音を立てて。

840 名前: 839 投稿日: 2004/05/16(日) 11:23 [ lsr4pNyY ]
私はその場を離れ、歩き始めた。
しばらくして、なにやら甲高い悲鳴が聞こえてきたが
それもいくつかの鈍い音と引き換えに、静かになった。
多分、巡回していた自治体が害虫を駆除したのだろう。
──私は立ち止まってポケットから煙草の箱を取り出し、
そこからひとつ煙草を引き抜いた。
それはくの字に折れ曲がっており、折れ目からは
煙草の葉が飛び出していた。
丁度それは先ほどの物に良く似ていたので
私は少し口元を緩めると、再び歩き始めた。

おわり

841 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:29 [ /8V0ON/U ]
>>674 の続き    

    血池料理店

オープンまであと三日、朝の日モララーは公園で悩んでいた。

「店に出す料理は何品にするかな…」
モララーは、ベンチに座ってかなり悩んでいた。
「ベビしぃをベースの料理は…ベビフライ、ゆでベビ、ベビ焼き、ベビ刺し…」
モララーは、ベビしぃを使った料理を七十品ぐらい考えた。
「ベビしぃの血スープ、カツオ節、ベビダンゴ…ん?」
モララーは、見つめた視線に2匹のオニーニがいた。
オニーニ達は、袋から食べものを取り出して食べていた。
「…なんか少し小さいオニーニが赤色…って赤飯のオニーニ!?」
モララーは、思わぬ光景にアヒャ化していた。

それを見ていた2匹のオニーニは、驚いて逃げていった。
「あー…逃げちゃったYO、カメーラに取っておけばよかった…」
モララーは、激しく落ち込んだ。

昼になって、モララーはメニューをまとめたあと、コンビニに行った。
「店の準備に集中して4日間も食べてなかったYO…」
モララーはコンビニで食パンと栄養ドリンクを買って、再び公園に行って食べた。
「あー、リポタンドリンクがウマー(゚д゚)」
モララーは、ドリンクに癒されていた。

その時、何かの騒ぎが聞こえた。
「あ゛ー、癒されてる時に騒がしいとは、何があったんだ?」
モララーは騒いでる所に向かった。
「うわー、汚れた背景だYO」
アフォしぃが何かを囲むように群がっていた。
「ササーと殺すか…ん…?あれは?」
しぃ達に囲まれてるのは朝に見たオニーニ2匹だった。
普通のオニーニが食べ物が入っていた袋を持っていた。
「様子でも見るかな…」
モララーは、地べたに座り込んだ。
「お手並拝見(・∀・)」

842 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:30 [ /8V0ON/U ]
>>841


「カワイイシィチャンニ タベモノヲヨ コシナサイヨ!」
「ソウヨ!カチクノ クセニナマイキヨ!」
「うるさい!これは僕らががんばって働いて稼いだお金で買った食糧だ!お前達に渡すもんか!」
しぃ達はオニーニ達の食べ物を奪おうと囲んでいた。

「アフォしぃ達は、オニーニの食べ物強奪か、必死だな。」
モララーは、地べたに座って食パンを食べながら観ていた。

「兄さん、怖いよ…」
赤飯のオニーニが怯えている。
「大丈夫だ、安心しろ。」

「普通のオニーニは兄かNA?」
普通のオニーニは赤飯のオニーニを慰めた。
「ナニ ホザイテイルノヨ!ハヤク タベモノヲヨコシナサイヨ!」
「シィニハ マターリノカミサマガツイテイルンダカラ!」
「タベモノ ワタサナイノハ ギャクサツチュウダヨ!」

アフォしぃ達は虐殺棒を持っている。
「オナカチュイタヨー」
「ナッコー」
しぃ達の隣にベビしぃ達がゾロゾロいた。
「おいおい、ベビしぃもいるよ、キモイほどいるYO。」

「タベモノアゲナサイヨ!ワタシタチガマターリスルンダカラ」
「…マターリ?」
突然オニーニがぶち切れた。

「なにがマターリだ!俺達のように努力をして得たものがマターリじゃないのか!!
お前達のような努力のカケラもなく、人を傷つけ、物を盗み、ねだりったり!
自分のことしか考えられない自己中に、マターリ資格なんてあるわけない!!」

「…面白いな(・∀・ )」

「ウルサイワネ!コウナッタラ アボーンダヨ!」
しぃ達は、オニーニ達を襲いかかった。

しぃ達は赤飯のオニーニを集中して襲いかかった。
「弱いやつから襲うのか、さすが糞虫やることが違うNA」
オニーニは、赤飯オニーニをかばった。

オニーニはしぃ達の虐殺棒の攻撃を全部まともに食らってしまった。
「うっ…!!」
普通のオニーニは倒れた。
オニーニの頭が少し崩れた。
袋に入っていた果物などの、食べ物が地べたに転がった。

「兄さん!」
赤飯のオニーニが倒れている兄をゆすったが、気を失っているのか動かない。

「弟かばうとは、兄弟愛だNA」

「サァ ベビチャンオチテイルタベモノヲタベヨ♪」
「チィ♪マターリダネ♪」
「ハニャーン♪イタダキマーチュ♪」
ベビしぃは両手で食べ物を持った後、食べようとした。

「ウザいな(・∀・)そろそろ行くか。」
モララーが包丁を持って殺しに行こうとした時だった。

843 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:32 [ /8V0ON/U ]
>843

「やめろ!」
赤飯のオニーニが、食べ物を食べようとしたベビしぃ達を蹴り飛ばした。

「チィィィィ!?」
「シィィィィ!!ベビチャァァン!」
オニーニに蹴られたベビしぃは打ち上げられた後、地面に激突して1回バウントして即死した。

「ベビ変な方向で曲がって死んでるし、弱いNA」

「シィィィィ!!ベビチャァァン!」

赤飯のオニーニは急いで転がっている食べ物をすべて袋の中に入れた。
「お、お前達自己中なんかに一口も食べさせてやらないぞ!」

「ヨクモベビチャンヲォォォォォ!!」
「ギャクサツチュウ ユルサナイヨ!」
「アボーンスルンダカラ!」
「チィィィィィ!ブッコロチマチュヨォォォ!」

「そろそろ逝くかね。」
モララーは、オニーニ達の方へ行った。

アフォしぃ達は虐殺棒を持って、赤飯オニーニに襲いかかってきた。




ピ〜ヒュルッスッ…ピッゴホッゴホッスピーピー〜♪

その時、ヘタな口笛が聞こえてきた。
「ハニャ!?ナニコノオト!」
「ヘタナ クチブエガキコエルヨ!」

「ある人は有名料理店でクビになってリストラした社会人、ある時は再就職決められず基地外になった廃人
またある時は通行人D、しかし真の姿は…」
モララーは、しぃ達に立ちはだかった。

「基地外偽善者、モララーのことですが何か?」

「ハニャ!ギャクサツチュウダヨ!」
「アボーン シチャウヨ!」
「しぃが15匹、ベビが30匹かよ、ベビが多すぎてキモいな(・∀・)」

しぃ達は謎の構えをした。
「クラエ!httpビーム!」

「うざいな、虐殺三番奥義 耳もぎー(棒読み)」
モララーは、先頭にいたしぃの耳をちぎった。
「シィィィィ!シィノオミ…」

ズシャ

モララーは、包丁でしぃを縦一閃に切った。
「しぃのお耳ーって聞いてる暇ないのですが何か?」
「ヨクモォォォ!クラエシィパーンチ!」
もう一匹のしぃが襲いかかってきた。

「虐殺三番奥義応用、両耳もぎー(棒読み)」
モララーは両手で、しぃの両耳を千切った。
「シィィィィィ!」
両耳を千切られたしぃは、ショック死した。

「てゆうか、なぜみんなで襲わないのが謎だ。」
「コウナッタラ ミンナデコウゲキスルヨ!」
しぃ達が全員襲いかかってきた。

モララーは、包丁を持って構えた。

844 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:34 [ /8V0ON/U ]
>843

数秒後

モララーは、十匹のしぃ達を血祭りをあげた。
残った3匹しぃ達が震えながら怯えていた。

「オ オネガイ ベビチャンアゲルカラ シィダケニガシテ」
「コンナノマターリジャナイヨォォォ!」
「はいはい、さてと赤飯はどこにいるかな?」

モララーは当たりを見わたした。
赤飯オニーニは、ベビしぃ達は交戦していた。
「よくも兄さんをぉぉぉぉぉぉ!!」
赤飯オニーニは、小型ナイフでベビしぃ達に切りかかっていた。

「チィィィィィィィィィ!」
赤飯オニーニは、ベビしぃの耳・足・手を切りつけた。
「チィィィィ!コンナノマターリジャナイヨォォォ!」
「タベモノヲ タベルダケナノニィィィィィ!」
「チィタチガ ナニモワルイコト シテナイノニィィィ!」

既に14匹のベビしぃが赤飯オニーニに殺され肉の塊になっていた。

一匹のベビしぃが怒っていた。
「チィニ タベモノヲヨコシナチャイヨ!ソウシナイト アボーンシチャイマチュヨ!」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
赤飯オニーニは怒り狂ってベビしぃを顔面に左ストレートを与えた。
「チィィィィィィィィ!!」

「意外と赤飯、普通のオニーニより強いNA。」

ベビしぃが転んだ瞬間、赤飯オニーニはナイフでベビしぃの顔に連続でナイフを突き刺した。
「よくも兄さんを!よくも兄さんを!よくも兄さんを!よくも兄さんを!」
「ヂギャジィィィィ!?」

ベビしぃは、赤飯オニーニに顔がぐちゃぐちゃになるぐらい突き刺され死んだ。

赤飯のオニーニはさっきと違って狂ったように、ナイフでベビしぃを切り刻んでいった。
「この光景、グロいな(・∀・)」

モララーが赤飯オニーニを見ている時、アフォしぃが虐殺棒で後ろからモララーの頭を殴った。

「かはっ…!!」

「ハニァ!ギャクサツチュウヲ アボーンシタヨ!ヤッパリ シィチャンハ マターリノカミサマガ…シィィィィィィィィ!?」
突然モララーを殴ったしぃの両腕が無くなっていた。

845 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:35 [ /8V0ON/U ]
>844

「…なんてNA(・∀・)」

モララーは倒れかけたと見せかけて、後ろを見ないで包丁でしぃの両腕を切っていた。

「俺基地外だから痛くないですが何か?」
モララーは包丁を腹ポケットにしまった後、両手でしぃの頭を掴んだ。

「虐殺七番…だっけ?ま、いいや虐殺七番奥義 首ひねり!」
モララーはしぃの首を185度曲げた。

「シィッ…!」
しぃは変な方向に首が曲がって死んだ。

首の曲がったしぃは口から血が混ざった泡を吹いていた。

「シィィィィィィィ!ダッコスルカラァァァァ!コウビスルカラァァァァ!」
残りのしぃは命乞いしていた。
「残念、漏れはレイープ好きじゃないんだなこれが。」
「ダッコォォォォォ!ダッコォォォォォォォ!」
「地獄で抱っこと叫んでな糞虫。」

モララーは包丁で、しぃの首を切り落とした。
「シィィィィィィィィイ!」
「首斬っても生きてる、必死だNA。」

モララーは切り落としたアフォしぃの首を、足で踏み潰した。
しぃの首はグチャリと音がして脳味噌が出てきた。

「…シィダケデモ ニゲルモン!」
もう一匹のアフォしぃは、モララーから逃げ出した。
「もう一匹の糞虫は逃げてるしね。」
「ハニャーン♪サイゴハ シィチャンガカツンダカラネ!シィダケ タスカレバイインダモン!」
少し距離が離れただけで逃げたしぃは、はしゃいでいた。

「うざいな、あれ使うか」
モララーは腹ポケットから小さな笛を取り出した。

「再び助っ人呼ぶか、助っ人と言うより助っ鳥か。」


ピュ〜スカッピビッ…バフピー♪

モララーはその小さな笛を吹いた。
「ヘタダネ!テンサイ シイチャンハ フケルヨ!」

モララーはしぃをシカトして助っ人を待った。
「あれかNA…?」
笛の音を聞きつけ謎の物体が猛スピードでこちらにやってきた。

クックルだった。

クックルは、しぃの目の前に立ちはだかった。
「ハニャ!トリサン、アノギャクサツチュウアボーンシテ…ベブラ!」

クックルはスラィディングでしぃを転ばした後、しぃをマウンドパンチした。
「シィィィィィ!ダッコスルカラァァァァァァ!」
クックルは、しぃの命乞いを無視して無表情で殴り続けた。

「シィィィィィィ!!」

グチャ

クックルは力を入れすぎてしぃの顔を潰してしまった。
「再びグロ背景、グロいな(・∀・)」

クックルは、首なしのしぃを持ってどこかに行ってしまった。

その時、茂みから何かでてきた。

846 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:36 [ /8V0ON/U ]
>845

「チィィ!オカァサァァン!」
「チィィィィィ!」
「アボーンシテヤルゥゥゥゥゥ!」
「ナッコナッゴォォォ!!」
茂みから出てきたのは4匹のベヒしぃだった。

「残りの糞虫がいたか。」
モララーは腹ポケットから大きな袋を取り出して、ベビしぃ達を袋に入れた。
「チィィィィ!チィチャンニナンテコトォォォォ!」

ベビしぃ達は袋の中で暴れだした。
「そんなこと言っていいのかなぁ?せっかくマターリさせてageようとしたのにー(棒読み)」
「ハニャ!?ナッコ!?」

ベビしぃ達は突然おとなしくなって「ナッコ♪」や「マターリ」とか言ってた。

「…親の心配しねぇのか。」
モララーは、ベビしぃが入った袋を素手で殴った。

「チィィィィィ!!」
「おっとゴメンYO、落としちゃった。」
「イチャイヨォォォ!アンヨガ イチャイヨォォォォォ!」
袋に入ったベビしぃ達は泣き叫んでいた。

「これで食材はそろったNA」
モララーは、ニヤニヤして袋を見た。

「ところで赤飯オニーニはどうなったかな?」
モララーはオニーニの状況を見た。

赤飯オニーニの周りにベビしぃの肉の塊が散乱していた。
すべて切り殺したようだ。

「あのオニーニ、普通のオニーニより少し強いな。」

その時、赤飯オニーニは小型ナイフで喉元を近づけた。
赤飯オニーニは、自決しようとしていた。

「兄さん…僕も兄さんの所に逝くよ…」

赤飯オニーニは、ナイフで自分の喉元を切ろうとした時だった。

「死ぬのもった い な く な い?(・∀・)」

モララーが赤飯オニーニの目の前に立っていた。

赤飯オニーニはモララーを睨んでいた。
「お前なんかに殺されるより、自分で自殺して兄さんの所に行ったほうがまだ…」

モララーは倒れてるオニーニを見た。
「殺す気ないしね、てゆうかお前の兄貴生きてるぞ」

「えっ…」

「オニーニは結構生命力あるからな、でもこのままだと死ぬな」
モララーは、地面に落ちている食べ物入っている袋を赤飯オニーニに渡して、倒れているオニーニとヘビしぃが入った袋を持った。
「兄貴を助けてageるからついてきNA」

モララーは自宅の方向に向かった。
「…どうして僕らを殺さないの…?」
「基地外だからd(・∀・ )」

赤飯のオニーニは黙ってモララーについていった。

847 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:38 [ /8V0ON/U ]
>846

モララー達は自宅に着いた。
モララーは、救急箱から包帯を取り出した。
そして、オニーニの頭を少し形を整えて包帯で、頭を巻いた。

「これでよし、しばらくすれば起きるNA。」
モララーはオニーニを横にして寝かせた。

「さってと、君腹減っていないかい?」
「…少し」
「あの激戦(?)の中でがんばって戦ったから、おじさんご馳走するからな!(・∀・)」

モララーはベビしぃが入った袋を持って台所に行こうとしたその時。


ピンポーン
ピピンポーン
ピッブピカ゚ポーピン

「お邪魔しますモナー」
モナーがモララーの元にやってきた。

「おいモナー、呼び鈴が今壊れてるから連続で押すなYO。」
「すまないモナ…今お腹がすいて死にそうモナ…」
モナーの顔が青ざめていた。

「食べるために漏れの所にくるなYO!(・∀・#)」
「それにしてもお腹すいた…お!オニーニがいるモナ!しかも赤飯だモナ!」
モナーは、赤飯オニーニを掴んだ。

「た・食べないで…」
赤飯オニーニはナイフを下に置いたので、無防備だった。
逃げようとしても、捕まれてて動けなかった。

「頭から食べるモナー♪いただ…フォォォォォォ!?」
モナーはモララーに殴られた。

「食べんなYO」
「い・痛いモナー、顔が脹れたモナ…なんで殴ったんだモナ…」
モナーは片方の頬が脹れていた。

「実はこの赤飯オニーニの具は青酸カリ何だYO!あの横たわってるオニーニも入ってるぞ!」

モララーはモナーに、真っ赤な嘘をついた。

「違うよ…僕らの具は青酸じゃ…」
「フオォォ!?もし食べていたら逝ってたモナ!」

モナーは思いっきりモララーに、騙されていた。

「さてと料理するか、材料もぴったりだし」
モララーは、ベビしぃが入った袋を持って台所に向かった。



モララーは台所に立っていた。

「さてとまずは…」
モララーは袋からベビしぃ1匹を取り出した。

「チィ♪ナッコ♪」
「ウザいな(・∀・ )」
モララーはタコ糸でベビしぃを身動きできないように縛った。
「冷蔵庫と ダ ッ コ し て な。」
モララーはベビしぃを冷蔵庫に入れ、冷蔵庫のドアを閉めた。
「チィィィィィィ!!」

「よしこれでよしと」

冷蔵庫は少しガタガタしてうるさいが、モララーは放置した。
「料理できたら出してるから待ってNA。」

モララーはまた袋からベビしぃを取り出した。

848 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:39 [ /8V0ON/U ]
>847

「チィチャンノ トモダチドコニイッタノ?」
「マターリしてるよ。」

「ハニャ!チィヨリサキニ マターリスルナンテ ズルイヨウ!チィハエラバレタチィ ナンダカラ マターリハ チィノモノダヨ!」
「ギャーギャーウザいな。」

モララーはベビしぃをまな板に叩きつけた。

「チィィィィィ!?」
「ベビのたたきでも作るか」

モララーは、何回もベビしぃを叩きつけた。
「チィィィィィ!イチャイヨォォォ!コンナノマターリ ジャナイヨォォォォォ!」

「あー疲れた。」
モララーは叩きつけるのをやめた。

「ナンテコトスルンデチュカ!チィヲマターリ サセナサイ!ソシテ コウキュウノタベモノヲ チィニクダチャイヨ!ソウシナイト アボーン スルンダカラ!」

「再び再開〜」
モララーはひとまずため息を付いた後、再びベビしぃを叩きつけた。
「チィィィィィィィ!!シンジャウヨォォォォォォォォォ!」
「じゃあ死ね。」

モララーはベビしぃを、強く叩きつけた。
「ヂィィィィィ!!」

ベビしぃの体からパンッと音がした。心臓が破裂したのか、ベビしぃは動かなくなった。
ベビしぃの口からよだれと血が流れた。

「死んだか、つまんね」
モララーは死んだベビしぃを包丁でスライスに切った。

「…これベビ刺しと同じだNA。」

モララーは皿に盛り付けた後、冷蔵庫を開けた。
「こんな糞寒いところでまだ生きていたか。」
冷蔵庫の中にいたベビしぃは震えていた。

「大丈夫かい?マターリしてたかな?」
「チャムイヨォォォ…!」
ベビしぃの体がブルブルと震えていた。

もはやマターリどころではなかった。

「寒かっただろ?暖めてやる。」
モララーは、ベビしぃをフライパンに置いた。
そしてコンロに火をつけた。

「ハヤクシテクダチャイ!」
「口うるせーNA。」

フライパンの温度が段々上がっていった。
「ハニャ…アッタカイ…マターリダネ」

「そのマターリはいつまで 続 く か な。」

フライパンの温度が少しずつ上がっていった。
「スコシ アチュイヨー」
モララーは少し放置した。
フライパンの温度がさらに上がっていた。
「アチュイ!アチュイヨ!」
ベビしぃはフライパンの上でピョンピョンと跳んでいた。

「ん、何だって?もっと暖めろ?わがままなベビちゃんだなー」
モララーはオリーブオイルをフライパンに入れた。

フライパンの上が炎上した。
「チィィィィィィィィィィィィ!?」
ベビしぃは炎に包まれていた。

「この特殊のオリーブオイルは味と火力を上げてくれるアイテムなのだよ。」

ベビしぃはフライパンの上で火だるまになりながら踊るようにもがいていた。
「アチュイヨォォォォォ!!ダッコォォォォォォ!」

「ん?まだ冷たい?じゃあもっとかけて上げるYO」
モララーはさらにオリーブオイルをかけた。

炎はさらに増してベビしぃを苦しめた。
「チィィィィィィィィ…!!」
ベビしぃの体から香ばしい匂いがたちのぼった。

「そろそろイイかな?死んでは困るんだけど。」
モララーはベビしぃをフライパンから取り出してさらに盛り付けた。

「スパイスとコショウかけて、ベビのオリーブ焼き完成〜」
「ヂィィィ…」
オリーブ焼きにされたベビしぃは生きていた。

香ばしい匂いが台所を包んでいる。
「生命力高いな、でもこれで地獄に行けるよ。」
モララーは包丁でベビしぃの首を切った。

「ヂィィィナッゴォォ…」
「首切られも元気だな(・∀・)」
モララーはベビしぃの生首を、ゴミ箱に捨てた。

「さてと、残りの二匹は湯でベビを作るか。」

袋から残りのベビを取り出した。
「さぁベビちゃんお風呂だYOー」
「イャーヨ!チィチャンハ カワイイカラ オフロハ ハイラナイデチュヨー!」
「オフロヨリ ナッコナッコー!!」

ベビしぃ達は、状況もしらないで騒いでいる。

「…別の料理にするか」

モララーは形相を変えた。

849 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:42 [ /8V0ON/U ]
>848

「お腹空いたモナ…お花畑が見えてくるモナ…」

モナーは、ある意味餓死状態だった。

「大丈夫ですか…?」
赤飯オニーニは心配そうにモナーを見ている。

「実は僕の頭の具は…」
「わかってる、その中身は青酸カリじゃないモナ。」
「じゃあなんで僕を食べないんですか…?」
モナーはうつ伏せになった。

「漏れが食べたらモララーに縄プレイされるからモナ。」

モナーは立ち上がろうとしたが、空腹で立ち上がれなかった。

「そろそろ漏れは天国逝くモナ…。」
モナーは生命線が切れたように目を閉じかけた。

その時モララーが台所から料理を持ってやってきた。
「目を離せば死にかけてるし、必死だなモナーYO。」

「キタ━━(゚∀゚)━━━!!やっと食べれるモナー!」
モナーは、死者が生き返るように立ち上がった。

モララーは、料理をモナー達の目の前に置いた。
「チィィィィ!チィノ アンヨォォォ!オテテー!」
「この湯でベビ暴れてたからダルマにしちった(・∀・)」
ダルマ化になったベビしぃは、泣き叫びながら皿の上で暴れていた。

「…このグチャグチャした食べ物は…?」
もう一つの皿は、肉の塊が乗っていた。
「これはビーフだYO、血がついてるけど気にすんNA」

「漏れはこのオリーブ焼き食べるモナ(´∀`*)」
モナーは、オリーブ焼きを手に取ってそのまま食らいついた。

「…香ばしくなめらかな肉の触感、味と香りがマッチしてとてもウマー(゚д゚)」
モナーは幸せに満ちていた。

「兄さん!」
突然赤飯オニーニが叫んだ。

兄のオニーニが目を覚ました。

「…ここは?」
「モララーさんの家だよ。」

普通のオニーニは、びっくりして起き上がって戦闘態勢に構えた。
オニーニは、赤飯オニーニと同じ小型ナイフを持って構えていた。

「安心しろ、お前達殺す気ないから。」
「兄さん大丈夫だよ、この人僕ら助けてくれたんだ。」
「そうなのか…」
オニーニは警戒をするのをやめた。

「まぁ警戒するのもムリないモナ。」
モナーはため息をつきながら肉を食べている。

「なぜ僕らを助けたんだ…」

「モララーが基地外だからモナ」
モナーが満面の笑顔で答えた。

その瞬間モララーは、モナーの顔面を殴った。

「まぁなんだ、何かの縁だからなんか話してみNA。」
オニーニは重い口調で話そうとした時

「ギャクサツチュュゥゥゥ ギャクサツチュュゥゥゥ ギャクサツチュゥゥゥゥゥゥゥ!」
突然ダルマになったベビしぃが泣きめいた。

「今頃泣き叫んでも遅いっつーの。」
モララーは泣き叫んでいるベビしぃを見ながら、ニヤニヤしていた。

「そんなことより冷めるからベビ刺しでも食べな。」
「…なんか話それてないモナ?」

オニーニと赤飯オニーニは料理を手に持とうとした時だった。

「ハニャ!?オニギリサン!?」
突然ダルマに、なったベビしぃが根気で赤飯オニーニに飛びついた。

「うわぁぁ!?」
不意をつかれた赤飯オニーニはそのまま倒れこんだ。

ベビしぃは、四肢がないのに無理やり赤飯オニーニの体の上に乗った。
「ヤッパカワイイ チィチャンハ マターリノケンリガアルンダカラ オニギリサンハ チィノタメニ タベラレナシャイ♪」

「やっぱ殺すべきだったかNA。」
モララーが腹ポケットから包丁を取り出し、ベビしぃを切り殺そうとした時だった。

「イタダキマーシ…ヂィィィィィィィィィィィ!?」

850 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:49 [ /8V0ON/U ]
>489

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突然普通のオニーニが、赤飯オニーニに乗っているベビしぃを渾身の一撃で殴った。
ベビしぃは壁に思いっきり叩き付けられた。

壁に血がだらりと付いている。

オニーニはナイフを構えてそのまま突進した。

「イチャイヨォォォォォォォォォ!チィハ オニギリサンヲタベタカッタダケナ…ブヂィィィィィィィィィ!?」

オニーニのナイフはベビしぃの顔面に突き刺さった。

そしてベビしぃの顔から目玉がゴロリと地面に転がった。

「兄弟揃ってお揃いのナイフ持っててイイネ!(・∀・)」
モララーは拍手していた。

「あぁ…ゆでベビがビーフ化になってるモナ。」

オニーニはナイフの血痕を拭いた後、再び座り込んだ。
オニーニは落ち着いた後、話そうとした。


僕らは昔、母と父がいた
そして母は毎日父がいない間に弟を虐待していた
ただ赤いだけで弟をいじめていたんだ
そしてある日、その光景を見てしまった父はすぐに母と離婚しました
離婚した後、父は僕と弟を面倒を見てくれた
とてもやさしかった
たまには怒ることもあったけど、やさしかった
お金があまりないのに誕生日に僕らにお揃いのナイフをくれた
僕と弟はとても幸せだった
あの日まで…
父は急に病院に行った
買い物途中にしぃの集団に襲われた
僕らは急いで病院に行った
父はもう長くないと医者に言われた
僕らは泣き叫んだ
死なないでと
父は僕らの小さな手をやさしく大きな手で包みながら息を引き取った

僕らは決意したんだ
強くなると


「ウワァァァァァァァァン!!」
モナーは鼻水をたらしながらおお泣きしていた。

「まぁ…つらかったんだNA。」
「ウワァァァン!感動したモナー!!」

「で、その後二人で体鍛えたと言うわけか。」
オニーニ達はコクリとうなづいた。

「まぁ薬漬けしなくても、マターリしなくて体鍛えればスパルタンってか。」
「僕らはそれでなんとかアルバイトで、お金稼げるようになりました。」

モララーは赤飯オニーニの隣に食べ物が入ってる袋を見た。
「それで、しぃ達はその食べ物を奪おうとしたわけか。」

「ウワァァァァン!」
モナーはまだ泣いていた。
「かかか感動モナー!」

モララーは、モナーの顔面を殴って黙らせた
「今日はすこし騒がしいぞモナー、次騒いだら頭に豆腐で殴るよ?(・∀・)」

851 名前: soso 投稿日: 2004/05/16(日) 23:57 [ /8V0ON/U ]
>850

オニーニ達は立ち上がった。
「モナーさん、今日は命をお助けてありがとうございます。」

オニーニ達は、同時にお辞儀をした。

「この後なんかあるのKA?」
「僕らはこの後、職を探しに職場安定所に行くつもりです。」

オニーニ達は再びお辞儀をして出ようとした。

「ちょっとまったぁぁぁ!」
その時モララーは玄関の前でオニーニ達を止めた。

モララーは少しニヤニヤしている。
オニーニ達はビクっとした。

「やっぱり…僕らを」
オニーニ達はナイフを構えた。

「お前らやっぱイイ!!(・∀・)」
モララーはかなりニヤニヤしていた。

「お前達、俺の仕事場で働 か な い か?」
「え!?」

オニーニ達はびっくりした。


「どうせまだ店員募集してないし、お前らのその戦闘能力と技術、最高アルヨ(゚∀゚)!」
モララーはすこし口調がおかしくなったが気を取り直した。
「給料高値、一日三食、寝床は俺の余り部屋を提供してやるYO!」

オニーニ達は少し戸惑うを見せたが。
「僕らでいいんですか…?」
普通のオニーニは大粒の涙を流した。
そして力強くうなずいた。

「明日からバンバンこき使うからな!」
「はい!!」
「お前らのあだ名は白飯と赤飯だからな!」

オニーニ達とモララーはとてもにぎわっていた。

「じゃあ漏れは帰るモナ。」
モナーは、帰ろうとしたがモララーに止められた。
「食い逃げ許さないからNA!」
「フオォォォォォ!?」

モナーは、朝までモララーに頭に豆腐で殴られ続けた。
豆腐で殴られながらモナーは思った。

やっぱモララーは漏れに冷たいと

「お前何回も基地外と言ったから三角馬プラスだからな!」
「フォォォォォォォォォォ!?勘弁してくれモナー!!」
モナーは朝までモララーに遊ばれていた。。


続く

852 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/31(月) 23:34 [ nqJA8ojE ]
>>832続き

「じゃあ続いて第2種目 玉入れで〜す!!」

楽しそうな声のアナウンスとは裏腹に、ベビたちはビクビクしている。
特に先ほど制裁(?)を受けた赤1がひどく震えている。
先ほど制裁の後、更にこんなことがあったのだ。

「チェンチェ!! チィ カラダガイタイヨゥ!! ホータイシャン マイテヨゥ!!」

のたうちまわりながら、赤1のベビが叫ぶ。

「・・・・・・ん〜 でもさ、ベビちゃんは赤チームなんだから、
 体が真っ赤になったんだったら、ちょうどいいんじゃない?
 一目でベビちゃんが赤チームだって分かるし・・・・・・さ。」

「チョンナノイヤァ!! イタイイタイイタイヨォォォ!! ナゴ ナゴォォォォォ!!」

「騒いだってダ〜メ!
 そもそも、ベビちゃんが逃げ出すからこうなったんじゃなかったかな〜?」

「ウ・・・・・・」 

言葉に詰まったようだ が、

「!!」

何かを思いついたようだ。

「チェンチェ!! ジェッケン(ゼッケン)シャンハ!?
 チィ コノママジェッケンシャンチュケタラ ジェッケンシャンヨゴレチャウヨ? チョレデモイイノ? チェンチェ?」

これぞ名案 といった顔で、赤1のベビしぃが勝ち誇ったかのように話しかけてくる。

「(・・・・・・・・・・・・・・・・・・調子に乗るな・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
 分かったよ・・・・・・ 確かベビちゃんの番号は1番だったっけ ね・・・・・・?」

「チョウダヨ!! ハヤク ホータイシャント ジェッケンシャンー!!  ハヤクー!!」

「・・・・・・・・・包帯? ゼッケン? 何を言っているんだい?
 そんなもの ベビちゃんには必要ないんだよ。
 なぜかって?
 それはこれからベビちゃんに、特別なゼッケンをつけてあげるから だよ。」

漏れはネジ数本とドライバーを一本持って、キョトンとしている赤1ベビに近づいていった。
そしてまず、赤1のベビしぃの頭をガッチリとつかむ。
次に、うつ伏せになるように赤1ベビを地面に押さえつける。
そうして・・・・・・
                 続く

853 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/31(月) 23:38 [ nqJA8ojE ]
>>852続き

またまた大絶叫がとどろく。もちろん赤1ベビの絶叫だ。
う〜ん やっぱりしぃ族の悲鳴は、実にいいストレス解消手段になってくれる。

赤1のベビしぃは、漏れに頭を捕まれながらも泣き叫びながらバタバタ暴れている。
よく見ると、血で汚れてはいるものの、背中には「1」と言う数字が付いている。
たくさんの小さなネジの頭で形作られた、「1」の数字が

そう、あれから漏れはこいつに
背中にネジを「1」の形になるようにドライバーでねじ込んでやったのだ。
まあ、そのままネジを釘みたいに打ち込んでやってもよかったんだけど
ドライバーでねじ込んだ方が肉を巻き込む分、やっぱり抜けにくくなるからねぇ。

ま、ベビしぃの体でこれができるのは背中側だけなんだけどね。
なぜって、腹側でこれやるとベビしぃども、はらわた貫かれて死ぬんだよ(弱くて薄い腹筋だからなぁ) 
ま、背中だけでも十分だからいいけど。

一方のベビしぃ達
こんなことをされては
赤1ベビのその他のベビも、たまったものではない。
全員、股のあたりが黄色く濡れている。

「さてと、じゃ そろそろ玉入れを始めようか。
 ベビちゃんたち 用意はいいかな?」

                   続く

854 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/31(月) 23:42 [ nqJA8ojE ]
>>853続き

「ま、玉入れのルール説明を一応しようか。
 まず玉を入れるかごだけど、これだよ。」

モララー先生がどこからか、玉入れ用のかごを運んできた。
ロープでできた網の張られた、ベビしぃの背の高さに合わせてあるかごだ。

「後はこのかごに玉を投げ込むだけ。簡単だろ?」
 
全員がコクリとうなずく。

「さて、そいじゃあ今から、投げる玉を転がします。
 おっと、ヨーイドンを言うまでは、そこにいるんだよ。」

モララー先生が持ってきた、なぜか玉を入れるには似つかわしくない
頑丈そうな2つの箱から、赤白それぞれの玉が転がり出る。

「ベビちゃんたちにとっては、この玉はちょっと大きいかもしれないけど
 転がして持っていっちゃダメだよ。汚れちゃって、どっちの色の玉だか分からなくなるからね。
 
 ・・・・・・それと、水を差すようで悪いんだけど
 今回、もし玉が1個も入ってない
 ないしは玉を転がして移動させた なんてことになったら
 どうなるか・・・・・・分かるよね?」
 
 ベビしぃたちはその小さな体を大きく ビクゥ と震わせた。

「あ、もちろん頑張ったベビちゃんにはご褒美があるから安心してね!
 今回はお楽しみということで、ご褒美が何かは最後に発表しま〜す。

 ・・・・・・さてと、それじゃあ
 ヨーイ・・・・・・・ドン!!」
               続く

855 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/31(月) 23:48 [ nqJA8ojE ]
>>854続き
ベビしぃたちは一斉に走り出た。全員必死の形相で。
なんせ先程のかけっこと違い、今回は自分たち全員が制裁の対象となる可能性があるのだ。
自分だけは助かりたい!! 自分だけは!!
もはや頭の中はそれしかないようなものだ。

しかし同時に、なぜかベビしぃたちの頭の中には希望も生まれつつあった。

「カケッコシャンハ ヒドカッタケド コンドハナンニモナサソウダヨ!!」

「ヨーチ!! コンドコチョ タクチャンタマヲイレテ ゴホウビヲモラウノ!!」

傍目には仕掛けが何もなさそうなので、希望がわいてきたのだろう。
(つーか、かけっこもそうじゃなかったか? バカどもよ。)

今度の玉入れはちゃんとした競技なんだ
ちぇんちぇも鬼じゃなかったんだ  ちぃたちが楽しめる運動会にしてくれたんだ
ちぇんちぇ あいがとー!! ちぃ、とってもうれしいよ!!

ベビしぃたちの顔は、見違えるほど明るくなった。
そして、玉に手を伸ばした。

今度こそ、ちゃんとしたーー

しゅっ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ギ ィ ニ ャ ア ア ア ア ア ア ア ! ! ? ?


バカかおめえら? うれしそうな表情なんてしやがって。
漏れが優しくしてやるとでも思ったのか? ド低脳どもが
漏れは貴様らに対する慈愛の心なんざ、ハナクソほども持ち合わせちゃいないんだよ!

                 続く

856 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/05/31(月) 23:53 [ nqJA8ojE ]
>>855続き

まずは赤チームの叫び
「ナァニヨゥ コエエ!! アチュクテ オモイヨゥ!!」

続いて白チーム
「イヤァァァー!!  アチュクテ ナンカ クルチイヨォゥ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とりあえず効果はあったようだね。 ククッ・・・・・・!!

足下にある、余りの玉を眺めて笑う。

全く苦労したんだよ?
紅白の玉にちなんで、これだけの量の

丸 い 石 と ド ラ イ ア イ ス を集めるのは!


そう つまり

赤チームの方の赤玉はアツアツに熱された丸い石
白チームの方の白玉はドライアイスを丸く固めたものだったのだ。

ドライアイスはもとより真っ白だから、そのまま白玉になる
丸石とて、カンカンに、真っ赤になるまで熱すれば赤玉に見える。
しかも石なら保熱性が高い つまり比較的真っ赤になっている時間が長いから
赤玉に見せるにはおあつらえむきなのだ。

そう、今回の玉入れもまた当然、まともではなかったのだ。

                ・・・・・
「あ〜あ たかがあんなもん掴んだ程度であんなに暴れて・・・・・・。
 もしもーし。どうしたのベビちゃん?
 早く玉を運ばないと、時間が来ちゃうよ?」

その言葉に、ベビしぃたちははっとなる。
そうだった 早く玉を入れないと、酷い目にあわされる・・・・・・
フラフラと起き出して、ベビしぃたちは玉を掴みにかかる。

                  続く

857 名前: cmeptb (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/06/01(火) 00:07 [ Zc88bb4E ]
>>856続き

丸石はおろか、比較的軽いドライアイスの玉すら、担ぎ上げる力はないのだろう。
ベビしぃたちは、両チームとも玉を抱きかかえながらよちよちと歩いている。

ドライアイスによる凍傷 焼け石による火傷
いずれかによってオテテをじりじり蝕まれながらもベビたちは懸命に進む。
その足取りはおぼつかないが、一歩一歩進んではいる

しかし突然、まるで千鳥足のようにフラフラし始めた。
何やら起きたようだ。

「ハァッ ハァッ・・・・・・?
 アレ・・・ ナン・・・カ・・・・・・ヘ・・・ン」

まずは白チーム 
千鳥足の原因は、ドライアイスの玉を抱きかかえる姿勢が原因のようだ。
どういうことかというと、ドライアイスとは炭酸ガス(二酸化炭素)が凍って固体になったもの。
また常温中では、また気化して、ゆっくりと二酸化炭素に戻る。

そして抱きかかえる姿勢では、玉は顔面のすぐ近くに位置することとなる。
だから、いくら二酸化炭素が空気よりも重い気体だといっても、大量に吸い込む羽目になる。
もっとも、水などをかけたりしなければ、発生する炭酸ガスの量はそう多くはないが
それはモララーなど、体のある程度大きな者にとっての話。
すなわち

「ハ・・・ニャ・・・ニャ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」  

体の小さなベビしぃでは、酸欠になって意識を失う。
次々に皆フラフラと倒れていく。
ただし、そのすぐ後には

ジュウッ・・・・・・

「ヴィッギャァアアァアアアア!!??」

全員、元気に目覚めるのです。大合唱付きで。
酸欠で倒れた際に、抱えていたドライアイスの玉に顔をつっぷしてしまったのだろう。
マイナス80度近くの物体に、顔を押しつけたらどうなるかはいうまでもない。

そんなに暴れ回れる体力が残ってるなら、へばったふりなんかしてんじゃないよ。
・・・・・・まあいい。さて、赤チームの方は・・・・・・?
                 続く

858 名前: 36・擬古田薬品にて 投稿日: 2004/06/02(水) 18:14 [ YaZ5LRxs ]
>>2 >>9-11 >>19-22 >>32-35 >>49-50 >>173-180 >>293-306
>>618-631 >>736-743の続き

夕方に擬古田薬品に着き、母親は、ベッドに両手両足を拘束され、横になっていた。
ベビ達の胎動が感じられなくなったのが、母親は気がかりだったが、
すぐに気を取り直した。「ベビチャンタチハ ネテルダケ ネテルダケ・・・・」
彼女は呪文のように繰り返し、体を休めていた。

一方ちびは、モララーやモナーと会食していた。
ちびの『後輩育成』についての話をモナーが話し始めた。
「ちびちゃんが日記に書いていた、ちびちゃんの仕事の『後輩』の育成なんだけど。
△★山の奥のほうに施設を建設しようって事で、話がついたんだ。後輩の育成対象も
でぃちゃんをリハビリ後に再教育と、ベビを教育するっていう案で決定してるんだ。」

ちびはニコニコして話を聞いている。レモナが会食の輪に加わり、続けて話し始めた。
「ちびちゃんにもね、まだどっちか決定してないんだけど、ベビ達かでぃちゃん達の
先生として、仕事をしてもらおうって話があるのよ。どお?」

ちびは、「やらせてください。」と、力強く答えた。
モララーが「じゃあ、この件はちびちゃんがOKしたっていうのを上に話しておくよ。
それで話をすすめるからね。とりあえず、冷めない内に食べちゃおう。」
みんな笑いながらうなずき、食事をとり終えた。

食休みを取り終え、モララーとモナーは、先にちび達に挨拶をし、別れた。
レモナは明日の予定をちびに伝える。
「明日朝一番で、術前の検査になるから、
AM9:30にお母さんと一緒にレモナ棟に来て頂戴。
術前の検査の説明とかもあるからね。それと、お母さんには、何も食べさせないで。」

「わかりました。レモナさん、よろしくお願いします。」
ちびはレモナに頭を下げ挨拶し、レモナと別れた。

ちびは、母親がいる部屋に戻ると、母親が、拘束されているベッドの上で
「ベビチャント イッショニ マターリ シヨウヨ ネ ? ベビチャンヲ オロセナンテ モウ イワナイデ チョウダイ」
と、笑顔でちびに語りかけた。ちびは冷たい目で言い放つ。
「あのさあ、ベビと一緒になんていってるけど、
まだちゃんと生まれてくるって思ってるわけ?
ベビ、絶対氏んでるって。明日、それを調べてくれるってさ。朝一で。
9:30に女医さんのところに行って診察してもらおう。それから、決めても遅くないし。」

母親は(ベビチャンハ ゼッタイニ ブジニ ウマレルモン。 ヤット チビチャンモ オネエサンニナル ケッシンガ ツイタノカシラネ。)と、
どこまでも、甘い考えを抱きながらちびの申し出を受け入れた。
「ワカッタワ。 ジョイサンニ ママ ミテモラウ。 ソシタラ ベビチャント イッショニ クラシテ クレルワネ ?」
ちびはうざそうに、「ああ、はいはい。金をあんたが稼いでくれるならね。」と適当にあしらった。

もう日付が変わろうとする頃に、二人は眠りについた。

859 名前: 37・術前の検査 投稿日: 2004/06/02(水) 18:18 [ YaZ5LRxs ]
AM9:00・・・・・
ちびは、サンドイッチを食べながら、母親に怒鳴りつける。
「何、物欲しそうな顔してるのよ!今日は検査だから、
食べるなって言ってあるでしょうが!」
「ダッテ ベビチャン オナカ スイテルッテ オモッテ……」
母親の抗弁にちびはカチンときたらしい。額に血管を浮かべ、顔には作り笑いで、
「氏んだベビって、お腹はすかないわよ」皮肉たっぷりに言い放った。

ちびが、サンドイッチにぬるめのココアで朝食を済ませ
壁の時計を見ると、9:15を指している。
   『コンコン』
部屋のノックの音に応答するちび。「どうぞ。」
看護師のモナーとでぃ、顔の造作が少々不自由なボランティアの青年がドアをあけて入ってきた。
「よろしくお願いします。」ちびが礼をすると、でぃは静かに頷いた。
ところが、母親は、でぃの顔を見たとたんわめき出した。
「キタナイ ディガ カワイイ シィチャンニ ナニスルノヨ! ヨルンジャナイワヨ! オマケニ ナニ コノ キモイ オトコ!
シィチャンハ ギコクンジャナキャ シンサツニナンカ イカナイワヨ!!」
ちびは、三人に頭を下げ謝罪し、彼らに何か囁くと、
モナー達は苦笑いをして、ドアを閉めた。

ちびは、母親のほうに向き直る。
彼女は殺気を漂わせ、母親の腹を拳で触り、軽く微笑みながら脅した。
「今ここで、ベビちゃんを産ませてもいいのよ?私医者じゃないから
ベビとあんたの命の保障はできないけど。」
母親は、顔を青ざめさせながら「ゴメンナサイ。 カンゴシサンタチニ シタガウカラ イノチダケハ タスケテ」
と、ちびに惨めな命乞いをした。
「すいませんでした。よろしくお願いします。」部屋の入り口のドアを開け、
ちびは、3人に声をかける。入室した3人は、手際よく母親のベッドの拘束を解き、
拘束衣を着せ、台車に乗せた。ちびを含めた5人は、無言でレモナ棟に向かった。

860 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 18:19 [ YaZ5LRxs ]
レモナ棟に入ると、部屋の主であるレモナはすでに入室していた。
「いらっしゃい。早速検査を始めたいんだけど。」
母親は、「ドンナ ケンサ ナンデスカ? ベビチャン ブジニ ウマレテキマスヨネ??」 早口で質問を始める。
レモナは、拘束を解くように看護師のモナーに指示を出す。
拘束が解かれた母親とちびに椅子を勧めた後に、最初の検査内容を二人に説明した。
「まずはエコー検査です。お腹の中を見させてくださいね。子宮の大きさとか、
腫瘍の有無とかもわかります。ベビちゃんの様子もわかりますよ。生きてるかどうかもね。
ところで、お母さん。妊娠何ヶ月なんですか?」

レモナの質問に、元気良く「ハイ! 10 カゲツデス!!!」 と答える母親。
レモナは額に汗をかきながら作り笑いを浮かべ、
「いつ産まれてもおかしくないじゃないですか?検診には?」と続けて質問する。
「ケンシン? ナンデスカ ソレ?」 母親は怪訝そうな顔をしている。
レモナは呆れてしまった。これ以上何も聞かず、母親に指示する。
「そこのベッドに横になってもらえます?」母親が、レモナの指示に従い、横になる。
「じゃあ、ちょっとゼリーを塗りますね。」レモナは母親のお腹にジェルを塗り、
そして、機械をお腹にゆっくりと這わせた。

「ん?ん?おかしいわね・・・・」「ナニガ オカシインデスカ? センセイ。」
母親の問いにレモナが怪訝そうな顔で、説明する。
「胎動がないんですよ。」母親は気にも留めず、「オネムデスヨ。 」
と、ニコニコしながら答える。レモナは呆れながら、
「4体、ベビちゃんの姿を確認してるんですけどね。4体ともおねむっておかしいですよ。
次は、心臓の音を聞いて見ましょうか。」
ジェルがついた母親のお腹をティッシュで拭い、レモナは、聴診器をまず母親に渡し、
聴診器の採音部を母親の胸部に当て、イヤーピース部分を母親の両耳に差し込んだ。

ドクン ドクン ドクン ドクン …………
規則正しい母親の心臓の鼓動が聞こえてくる。母親の耳に差し込んであった
聴診器のイヤーピース部分を外し、レモナは、母親に問い掛けた。
「心音、聞こえました?」母親がうなずくと、次は、母親の胸部に当てていた聴診器の採音部を
ちびの胸部に当て、イヤーピース部分をまた母親の耳に差し込んだ。
ドッドッドッ・・・
ちびの心音も母親の耳に入ってくる。また、母親の耳に差し込んであったイヤーピースを外し、
レモナは尋ねた。「ちびちゃんの心音は?」 「キコエマシタ。」  
母親が答えると、「今度は採音部をママのお腹に当てますよ。ベビちゃんがおねむだったら、
ベビちゃんの心音は聞こえてくるはずです。ママやちびちゃんと同じようにね。」

「・・・・ハニャ? ハニャァアアア??????」
「どうなさいました?」奇声を上げた母親にレモナが尋ねると、
「ザアアア ッテ オトシカ キコエナインデス。 シィチャンノ シンゾウノ オトハ
ドクン ドクンッテ キコエルノニ 」
「ベビちゃんの心音もドクンドクン とか、ドッドッドっとか聞こえるんですがねぇ?
心臓の音まで止めておねむですか?お宅のベビちゃん達、お茶目ですね。」
レモナが皮肉混じりに母親に言うと、母親は黙り込んでしまった。

861 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 18:20 [ YaZ5LRxs ]
「えーと、沈静剤の注射!ストレッチャーの用意もね。」
レモナは矢継ぎ早に看護師達に指示を出していった。
「エ? エ?」 戸惑った表情の母親に、レモナは説明を始める。
「ベビちゃんを産みましょう。お腹の中のベビちゃん、大きくなりすぎですよ。
自力分娩が無理なくらいまで育ってます。お腹を切りますよ。
お母さん、痛いのいやでしょ?
眠っている間に、ベビちゃんを出しますんで安心してください。
注射はその前処置です。」

静脈注射の用意を終えたモナーが、レモナの前に現れる。
「ベビちゃんの手本にならないとね。お母さん。」
レモナは、(我慢しろよ。ゴルァ。)と言う意味を含んだ口調で言う。
母親はしぶしぶ腕をレモナに差し出した。
駆血帯を腕に巻き、そばにいるモナーに目配せをする。
「はい、ママさん手を握ってくださいね。」
母親が手を握ると、腕に静脈が浮き出てきた。レモナが針を静脈に刺すと、
タイミング良くモナーが駆血帯をほどいた。
「手を開いてね。」
母親に指示を出した後、静脈にゆっくりとレモナは注射液を入れていく。
10ml……9ml……
徐々に液が減っていくのを見ながら、母親は「ベビチャンノ テホン・・・・ ベビチャンノ テホン・・・・」と、
自らを元気づけるように繰り返していた。

「お母さん。そこ、しっかり押さえてくださいね。揉まないで良いからね。」
モナーはレモナに、「お母さんは、ストレッチャーに?」と質問すると、レモナはうなずく。
ストレッチャーに横になるように指示を出された母親は、
足元をふらつかせながらストレッチャーの方にたどりつき、横になる。
「こりゃ、部屋に戻った頃熟睡だな……」
モナーは呟き、助けにきたでぃや、ボランティアの青年と一緒にレモナ棟を出た。

「ちびちゃんは、もう少し残っててね。手術についての説明と、
ほかに助けてくれる先生達2人を紹介するから。もう少ししたら来るからね。
ちょっとコーヒーでも飲んで待ってようか。」

ちびはレモナの厚意に甘えることにした。

862 名前: 38・術前説明 投稿日: 2004/06/02(水) 18:21 [ YaZ5LRxs ]
30分ほど経った頃、レモナ棟のドアがノックされた。
「どうぞ。」
レモナが入室を促すと、兄弟か双子と思われる
白衣を着た青年が2人入ってきた。レモナが、名札を見ながら二人の紹介をする。
「えーと、こっちがサスガ(兄)さん。麻酔医です。あちらが、サスガ(弟)さん。
専門が法医学です。役割は、自分で紹介してね。」

ちびが二人にお辞儀をすると、レモナが3人にいすに座るように促す。
「お茶入れてくるわ。」といい、彼女が席を外している間、
二人は交代に役割紹介を始めることにした。

3人は着席するとまず、サスガ兄弟がなにやら、二人でささやきあった後、
弟の方が先に、ちびに役割の説明を始めた。
「漏れの方が、説明の時間が短いから先に役割を説明するわ。
漏れのメインの出番は手術後。ベビ達の死因を詳しく調べて君たちに報告します。
手術中は兄のサポート。じゃあ、兄者。」

弟に促された兄は、「うむ。」とうなずき、自分の役割の説明を始める。
「漏れは麻酔医。麻酔って言うと、痛みをとるだけのように思うだろ?」
ちびがきょとんとしていると、サスガ兄は続けて、
「それだけじゃないんだ。手術によるダメージを最小限に抑えて、体への負担を軽くする役割も
あるんだ。それと、眠っている状態と、麻酔の状態は別物なんだな。呼吸や、血圧の管理が必要に
なってくるんで手術中は管理を行う。手術後は、痛みの強さによって、鎮痛薬や、麻酔薬を投与する
量を増減する。痛みも管理するのが漏れのメインの役割だ。ほかにも麻酔医がいるんで、
今回は、痛みの管理はそいつに任せることになる。
それと、今回漏れは手術後、弟のサポートだ。」

ちびは二人の役割を理解した。なぜか二人の説明を聞いてほほえましく感じた。
「お茶できたわよ〜」
レモナがコーヒーとクッキーを持って、ちびたちのテーブルに現れ、
サスガ兄弟に「役割の説明終わった?」と聞くと、二人はうなずく。
「最後は私か・・・お茶飲みながら、説明しましょう。
まあ、3人とも飲んでよ。」 

コーヒーを飲みながら、レモナが説明を始めた。
「ちびちゃんの希望通り、子宮・卵巣とも取っちゃいます。
それと、ベビちゃん。全員氏んでるわ。安心して。サスガ(弟)君の管轄に
なっちゃうけど、死因を特定して、教えます。その際協力をお願いします。
お母さんの退路を断つ意味もあります。」

「退路?」ちびが首をかしげると、レモナが説明を続ける。
「お母さん、ちびちゃんや私がいくら『ベビが氏んでる』って言っても
『オネムダ』って言い張ってたじゃないの。おそらく、死産も認めず、
『ギャクサツチュウガ コロシタ』って言い出すと思うのね。
だから、サスガ(弟)君にちびちゃんや、私らがギャクサツチュウじゃないっていう
証明をしてもらうのよ。」
ちびはレモナの説明に納得した。

全員がお茶を飲み終わると、レモナがちびに手術の日を告げる。
「手術は明日の朝10:00です。執刀は私とモララーが行います。」
ちびは、「よろしくお願いします」とレモナたちにお辞儀をし、レモナ棟を出た。

863 名前: 39・手術 投稿日: 2004/06/02(水) 19:51 [ YaZ5LRxs ]
AM9:55−
ちびは、第3手術室の前にいた。もう少しで、母親の手術が始まる・・・
ちびは少々わくわくしている。あれだけベビが寝ていると言い張った母親が
ベビ達が氏んだことを知ったとき、死因を知ったとき、どんなリアクションを取るんだろうか?

ガラガラガラガラ・・・・・・・
ストレッチャーのキャスターの音が響く。ストレッチャーの右側にモララー・左側にレモナ・
モララーの後ろと、レモナの後ろにサスガ兄弟がいる。ちびの位置からは、名札が見えにくく、
どちらが兄かはわからない。
サスガ兄弟の後ろには、数名の看護師および、ボランティアが、走っている。
ちびを見かけたモララーがストレッチャーを止め、話し掛けた。
「これからベビを出すからな。それと、子宮・卵巣も取るからな。命は保障する。
ベビの死因を知ったときの母親の様子、漏れも見てみたいし。」
レモナが、「ごめん。モララーにも話しちゃった。」と目を細めながら謝罪した。
「いいですよ。レモナさん。」ちびは彼女に微笑みかける。

「よろしくお願いします。」ちびが、場にいた全員に頭を下げると、
うなずく者、サムズアップをする者、指でOKサインをする者、
それぞれが「まかせとけ!」という意思表示をちびにかえし、手術室に入室していった。

ストレッチャーから手術台にしぃを移し終え、
記録(ビデオ撮影)係の者以外の全員が消毒を済ませると、
サスガ(弟)の指示・レモナの号令、それに呼応しての全員の挨拶後、手術が始まった。

864 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 19:54 [ YaZ5LRxs ]
「ビデオ撮影を開始してください。」
サスガ(弟)がボランティアの青年に指示を出した。
彼は続けて、看護師達にも指示を出す。
「ベビの清拭後、番号のついたリストバンドをつけていって下さい。
母親の縫合後、ベビ達のMRIとレントゲンの指示を出します。」

「これより、帝王切開術、並びに、子宮と卵巣の摘出を始めます。」

「よろしくお願いします!」

開腹する部分に穴のあいた緑色の布地が母親の腹部にかけられている。
腹部は剃毛されており、ピンク色の皮膚が除いている。
レモナはその部分にメスを入れ、徐々に切り開いていった。
皮膚の後に、黄色い粒々がとうもろこしのように並んでいる脂肪層、
そして、ピンク色の筋肉繊維、ゴム風船のように膨らんだ子宮……
モララーが看護師に命じ、器具で、開腹部を固定してもらう。
レモナのメスが子宮に達し、ベビ達の様子が彼らに見えてくると、
レモナ、モララー、サスガ(弟)は、絶句した。

もう少しで、チィチィ と泣き始めるであろうと思われるほど大きく育ったベビ達が、
ゆがんだ丸底フラスコ状の子宮内で、
すし詰めになっている光景が彼等の前にお目見えしたのだ。
「ここも撮影頼む。」サスガ(弟)の指示で、子宮内のベビ達の撮影が始まる。
左右対称に、顔を互いにそむけ丸まっているベビ2体。
彼らの上方に、背中を子宮口側に向け丸まっているベビが1体。
そして腹部を子宮口側に向けそっくり返っているベビ1体。
(どれから行こうか……)レモナとモララーは迷っていた。

「よし、この左右対称に丸まっている2体からいこう。」
意を決したレモナが左側の子宮壁に頭をつけて丸まっているベビを取り出し、看護師に渡す。
「一番」サスガ(弟)が、看護師に指示を出す。
モララーが右側の子宮壁に頭をつけて丸まっているベビを取り出し、看護師に渡す。
「二番」サスガ(弟)が、モララーがベビを渡した看護師に指示を出した。
二人は、左右対称に顔をそむけて丸まっているベビを取り出したとき、何か違和感を指に感じていた。
サスガ(弟)に胸部のMRI撮影をしたほうが良いと助言をする。
彼は、二人の言葉にうなずいた。

「三番」は一番と二番の上方で丸まっていたベビ、
「四番」が腹部を子宮口に向け、そっくり返っているベビである。

電気コードを束ねるベルトに似ているおそろいのリストバンドを右腕に巻いた
四体のベビは、羊水をできるだけ拭き取られ、鼻や口に入ったと思われる羊水は、丁寧に吸引された。
生乾きのベビ達は心電図の電極をつけられて、仮の棺であるベッドに寝かせられた。
モニターが映し出す心臓の鼓動を示す線は直線だし、
もちろん、血圧、心拍数といった数字も、0としか表示されない。

「次に、子宮・卵巣の摘出ですね。」「うん。」
レモナとモララーがこんなやり取りをしている隙に、看護師のでぃが二人の額の汗を拭う。
二人は礼をでぃに言うと、まず子宮の摘出に取り掛かる。
切り裂いた子宮をモララーがメスで軽く突っつくと、レモナが切開した場所と別の場所が裂けてしまい、
子宮の原形をとどめていない状態になってしまった。

レモナとモララーのやり取りが続く。
「あら、使えなくなりましたね。」

「ちびちゃんが怒って腹でも殴ったら、お母さん自体が危なかっただろうね。
しかし、取り出し辛くなったなぁ(笑)」

「卵管から行きますか。」 「じゃあ、漏れは子宮をやっとく。レモナ、卵巣頼むわ。」

二人は、手際良く役割を分担し、子宮、卵巣の摘出を終え、縫合作業に取り掛かった。
二十分ほどで母親の縫合は終了した。

865 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 19:55 [ YaZ5LRxs ]
サスガ(兄)は母親の様子の観察や仕事の引継ぎがあるため、手術台に残り、作業をしている。
彼はモララーに、「少々遅れますが、引継ぎが終わり次第、そちらに向かいます。」という伝言を残していた。
レモナは、サスガ(弟)を連れて、ベビ達が横たえられているベッドへ向かった。
レモナは彼に、左右対称に丸まっていたベビ達の遺体について情報を入れる。
「多分、モララーも感じてたと思うんだけど、一番と二番、肋骨骨折してると思う。」

ベッドにつくと、サスガ(弟)は、困った表情になってしまった。
「解剖が必要になるかもしれない。それに、ちびちゃんの指紋や掌紋もだ。」
「ん?」
レモナが怪訝そうな表情をすると、彼は、めんどくさそうに
「簡単に済むかと思ったんだがね。あざが多すぎる。
それに、臓器の損傷具合も…… アレモ コレモ ブツブツ …………」

「お兄さんだけじゃ足りなさそう?」
「写真とビデオの記録係が欲しいな。それと、ちびちゃんの協力も。」
「わかった。手配する。」
レモナがサスガの頼みをを請け負った。

「17〜8時間だな。全員。」
死後硬直の具合から、大体の氏んだ時間をサスガ(弟)は見立てる。
彼は続けてベビ達を触りながら、MRIとレントゲンの箇所を看護師に指示していった。

「レントゲンとMRIは全員全身を縦に。大の字の形になるように撮ってもらって。
三番は頭のレントゲン・MRIも追加だ。頭部のMRI写真は輪切りになるように撮ってもらって。」

「わかりました。写真はいつ?」看護師の質問に、
「なるたけ早く。技師さんの手が空いてたら、すぐに撮ってもらって。
 あさって朝一に解剖を始めたいんだって伝言も頼む。」

「わかりました。」

看護師がサスガ(弟)の指示内容のメモを取っている時、モララーと
サスガ(兄)がベッドがあった場所にやってきた。
サスガ(兄)は走ってきたらしく、息が弾んでいる。
「弟者。なんか大変そうだな。」
「兄者。このあざを見てくれよ。骨折か、打撲かを見なくちゃいけないし、
 臓器の損傷具合とか……」

モララーが警察に頼んでおいた、ちびの指紋を取った用紙のコピーと、
ちびギコ達のチン拓をサスガ(弟)に見せながら聞く。
「これどうだろ。役に立つかい?」
サスガ(弟)は礼をモララーに言うが、少々不満そうだ。
「ありがたいが、少々指紋の量が足りないみたいだ。チン拓は感謝するよ。」
「そうか。役に立てなくてすまんね。」
「いや、これだけでも十分。あまりにベビ達の状態がおかしすぎるのが悪いんだ。
 君が恐縮する必要はないよ。だろ?弟者。」
モララーのすまなそうな口調に、サスガ(兄)が弟のフォローを入れた。。
サスガ(弟)がモララーにわびる。
「モララーのせいじゃない。ベビの状態があまりにおかしすぎるんだ。
念には念を入れたいんでね。言葉が足りなくて申し訳ない。」

「あさっての朝一までの準備の確認をしましょうか。」
レモナがまとめに入り、みながうなずいた。
「ちびちゃんの指紋の不足分。MRIの写真。後なんかある?」
モララーが補足する。
「ちびギコ達のチン拓、大人のおもちゃもあるぞ。そっちに持っていこうか?」
モララーの申し出にサスガ兄弟はうなずいた。

「今日は疲れたんで、明日はゆっくり休もう。あさっては、大忙しだな。」
モララーがサスガ兄弟の肩をたたくと、彼らは苦笑いを浮かべていた。

「今日は、これでおしまい。明日、ちびちゃんをそっちに行かせるから。」
「じゃあ、みんなお疲れ。」 「お疲れ様でした。」

モララー・レモナ・サスガ兄弟は互いの労をねぎらい、手術室を出た。

866 名前: 40・解剖(午前の部) 投稿日: 2004/06/02(水) 20:00 [ YaZ5LRxs ]
「しかし、弟者はこの小さな指紋をどうしようと言うのだ……」
サスガ(兄)は、弟が責任者を勤める法医学棟へ向かいながら呟いた。
弟は前日、法医学棟にてちびの指先の指紋だけを採取していた。
彼女に、朱肉のついた指で、用紙を指差すように指示したと言う表現が一番近いかもしれない。
(まあいい。解剖ですべて判明するだろう……)
彼は思い直し、法医学棟へ急いだ。

「弟者!遅れてすまなかった。後、指紋と写真持ってきたぞ。」
「兄者。早速始めたいんだが……」
法医学棟に着いた兄は弟にせかされ、着替えを始める。

「弟者。写真を先に見ないか。それから始めても遅くはないだろう。」
「うむ。それもそうだな。」
着替えを終えた兄は、ライトボックスにMRIとレントゲンの写真を貼り付け始める。
全部写真を貼り終えた兄は、弟に指示を仰いだ。
「弟者。どれから行く?」
「一番と二番から行くか。レモナの言ってたことの確認だ。血液サンプルも取っておこう。
細菌検査の要請もレモナに出しとかないと。」
「胸部の切開か?」 「うん。」

「ビデオの撮影頼むぞ。君たち。」
サスガ(弟)に頼まれたビデオ係の青年が彼に質問する。
「先生、何分ぐらいかかります?もし時間がかかるようなら、途中でビデオテープを買う時間をいただきたいんですが。」
「時間がかかるのは三番だ。一番・二番が終わった頃、ビデオを買う時間を取ろうか。
ちょうど半分で切りも良かろう。それに食事の時間もあるしな。」

「わかりました。」 「じゃ、始めてくれないか。」
青年たちがサスガ兄弟の解剖の様子をビデオに取り始める。
サスガ兄弟は、カメラにまず、ベビしぃの腕に巻かれたベルトの数字、
そしてベビ達の遺体を続けて撮影させた。
サスガ(弟)は続けて、一番と二番のMRIの説明を始めた。
彼は写真を指し棒で示しながら、
「一番は右の肋骨、二番は左の肋骨がすべて折れていますね。
普通肺は2つあるんですが、写真では1つしか見えません。
1つの肺はつぶれていると考えられます。血液検査が必要ですが、細菌感染も考えられます。
解剖をこれから始めて確かめてみましょう。」

「では解剖を始めます。」少し間を開けて、彼はビデオ係に、指示を出した。
ベビの全身。そして彼女の腕に巻かれた一番のリストバンドがカメラに収められていく。

サスガ(弟)が主に説明を、サスガ(兄)が、解剖の担当をする。
「では、胸部を切開します。」弟の言葉を合図に兄は、
一番のリストバンドが巻かれたベビの体にメスを入れる。*の形にメスを入れ、
胸部をピンセットで開いていき、待ち針で開いていった部分を固定し、
カメラの部分に胸部を露出していく。弟がまた説明を始めた。
「胸が見えてきましたね。写真のとおり、右の肋骨がすべて折れています。」
兄が、つぶれた肺から骨の欠片を取り出し、レンズに見せる。
一番の肋骨の中に、複雑骨折をしている骨があるようだ。
「肋骨の内の数本が、砕けているようですね。肺に刺さっていました。」

「手の甲の静脈から、血液を採取してください。」
兄が、看護師に指示を出し、看護師が手首に駆血帯を巻き、静脈に注射針を刺す。
駆血帯を解くと、根元に小さな試験管がセットしてある注射器に、血液が流れていく。
「1番のラベルを貼って、後でレモナに持っていってください。」
弟の指示に看護師はうなずいた。
「手順を誤ったな。次は切開前に血液採取だ……」
「兄者、急がせてすまんな。」
兄の呟きに弟は反応し、謝罪する。

「2mlの注射器。」
兄は看護師に指示を出し、看護師から2mlの注射器を受け取ると、
一番のベビの潰れていない方の肺に注射器を刺し、水分を吸い取る。
「これの成分を調べてもらってください。血液と一緒に、細菌の検査もよろしく。
後、ラベルも忘れずにお願いします。1番ですよ。」
弟は指示を看護師に出した。

867 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 20:02 [ YaZ5LRxs ]
一番について弟がまとめの説明を始めた。
「一番のベビちゃんは、右の肋骨が全部折れていました。砕けているものも見受けられます。
『あざ』の所見ですが、生活反応が認められます。生きているときについたものですね。
直接棒のようなもので突かれたか、ベビ同士が子宮内で暴れてモッシュ状態になったと思われます。
血液検査・肺の水分の検査結果を待つ必要がありますが、
このベビちゃんは、恐らく感染症も併発していたと思われます。
肺の水分の成分検査結果がもし、羊水だった場合、
肺が片方つぶれて酸素が大量に必要なのにもかかわらず、
このベビちゃんはママの羊水を飲んで
おぼれてしまった可能性がありますね。」

弟の説明中、兄はベビの小さな胸元を縫い合わせようとしていたが、難儀していた。
弟が一番の所見の説明後、兄に、(適当でかまわん)というニュアンスで問い掛けた。
「兄者。どうせ、これは母親に返すものだろう?」
兄は納得し、看護師にホチキスを持ってこさせる。
彼はベビの胸部周辺の皮膚を巾着状に縫い縮めると、先をホチキスで止めた。
「編集のこともあるんで、ちょっと休憩して、それから二番行きましょう。」
記録係の青年の呼び掛けに、サスガ兄弟、看護師らは同意した。

持参したミネラルウォーターを一口飲み、兄は、弟にぼやく。
「しかし、弟者。あのベビ達、結構凄絶な状況じゃないのか?」
「うん。一番初めに氏んだのは、恐らく三番だろうね。脳挫傷ってとこじゃないかな?
それに、術中………兄者見たろ?あの子宮の状況じゃ、ベビ達逃げ場所ないだろう。」
「うむ……」
「あの馬鹿母のリアクションが見ものかな……」
弟は、持参していた冷えた缶コーヒーを飲み、つぶやいた。

868 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 20:02 [ YaZ5LRxs ]
10数分たった後、ボランティアの青年の
「次の用意ができました。」という声に、
「じゃあ、二番行きますか。」とサスガ兄弟はそろって反応する。
「じゃあ、次二番行きますよ。記録お願いしますね。」
兄の声に記録係の青年がうなずいた。

ベビの腕に巻かれた二番のリストバンド。そして全身が撮影される。
「採血おねがいします。」弟の指示に、看護師は試験管がセットされた注射器と
駆血帯を持って現れ、手の甲の静脈から、苦労して血液を採取していった。
「ラベル間違えないでくださいね。これは二番ですよ。」
兄が念を押すと、看護師は、注射器にセットされている試験管の
2という数字が書かれたラベルを兄に見せた。

「二番のベビちゃんの胸部を切開しますよ。」
弟の説明を合図に兄は、ベビの胸部の切開を始めた。
先ほど一番のベビのときに*の形に切開したため、縫合に難儀した兄は、
今度は体の中心線に沿って胸部を切り開いた。
器具で開胸部を固定する。すると、左の肋骨がすべて折れているのが
彼らの視界に入ってくる。
兄は、弟と記録係に無言で、ベビの胸部のある部分をメスで指し示す。
記録係はすかさず、兄が指し示した部分を撮影した。

弟は説明を始める。
「今度は、肋骨が肺に刺さっていますね。早く医者に見せればこのベビちゃんは助かりました。」
そして彼は2mlの注射器を兄に手渡し、
「右肺に水がたまってますね。このベビちゃんも、
恐らく大量に羊水を飲んでいるんではないでしょうか。水分を取って調べてみましょう。」

弟から渡された注射器で、兄はちびの右肺から、水分を採取した。
看護師に渡し、「これは二番のラベルです。これも、成分を調べてもらってください。」と、
指示を出す。渡された看護師は無言でうなずいた。
一方、弟は、兄の解剖の様子と平行して、
終始、彼女らの全身のレントゲンとMRIの写真とベビの遺体を見比べている。
「一番と二番は骨折はしてないようだな。この皮下出血は打撲だな。」

兄が二番のベビの縫合の許可を弟に求める。弟はこれに応じ、縫合の指示を出した。
縫合といっても、ホチキスでとめるだけなのだが。
「その他の箇所は?」 「ありません。縫合を開始してください。」

カシャッカシャッカシャッ……
兄がホチキスでベビの胸部をとめている時、弟は二番のベビの所見をカメラに向かって説明する。
「このベビちゃんも、肋骨を骨折していました。数本の肋骨が肺に刺さっていましたね。
緊急の手術が必要だったのですが、手遅れでした。一番のベビちゃんと同じく、
血液検査と肺の水の成分の検査結果待ちになりますが、恐らく、感染症を併発しているでしょう。
肺の水分がママの羊水だった場合、羊水でおぼれている可能性もあります。
このベビちゃんの『あざ』も生活反応がありますね。生きているときについたものです。
恐らく棒のようなもので突かれたか、ベビ同士で子宮内でモッシュ状態になったと思われます。」

10秒以上の空白があっただろうか。記録係の青年が、
「はい。終了です」と声をかけたのは。彼の声の後に、どこからともなくため息が聞こえてくる。
全員少々疲れがみえているようだ。

「昼食・休憩の後、夕方・夜の部を始めます。午前の部の皆さん、ゆっくり休んでください。
その前に引継ぎの方は、しっかりお願いしますね。夕方5時に法医学棟です。
夕方・夜の部の皆さんにお伝えください。」
サスガ(弟)は看護師、記録係の全員にそう語りかけると、
うなずく者、返事をする者、手をあげる者、それぞれがそれぞれのリアクションを
サスガ(弟)に返す。何かほほえましい光景を感じさせるものであった。

「では、午前の部解散!!!」 
笑顔の記録係の号令で、午前の部に参加していた看護師、記録係は、
ばらばらに法医学棟から出て行った。

869 名前: 41・昼食 投稿日: 2004/06/02(水) 20:04 [ YaZ5LRxs ]
サスガ兄弟が食堂にて昼食を取っていると、レモナとちびに声をかけられた。
「サスガ君。どう?解剖の方は。」
「ん?」
レモナに声をかけられた二人が同時に彼らのほうを見ると、
ギコとモナー・モララーの姿もみえる。
「とりあえず座ったら?食事とりながらでも話せるだろ?」
サスガ(弟)がレモナ達に着席を促した。

レモナ達が着席し、食事を取り始めると、
サスガ(弟)は解剖の進行状況を話し始めた。
「とりあえず、四体のうち二体が終了したところだ。君のところに
血液のサンプルと水分の成分の検査を依頼したんだが、サンプルの方は?」
弟がレモナに尋ねると彼女は浮かない顔をして、
「来てるわよ。すでに結果は出てるわ。」
彼女は、ちびちゃんには悪いけど、と前置きし、結果を話し始めた。
「一番・二番両方とも、血液中から同じ細菌が検出されたわ。
破水してたんじゃないかしら。それと、水分は両方とも羊水でした。
念のため、三番・四番の血液サンプルもお願いできる?」
サスガ兄弟はレモナの言葉にうなずいた。

「羊水?」
ちびは首をかしげて、サスガ兄弟に尋ねる。
彼女の顔を見たサスガ兄弟は、困った表情をしている。
「どうした?」
ギコに尋ねられたサスガ(兄)は、困り果てた表情で、
「迷ってるんだよ。手術中のことから話すべきか、
それとも、写真から話すべきか……
結構壮絶なんだ。ちびちゃんの妹たち。それに全部終わってないから。」

「大丈夫だよ。この子は漏れらの棟の中もしっかり見て、
『同族食い』を見ても、あまり動じなかった子だから。」
モララーの言葉を聞いたサスガ(弟)は話す決心を固め、
レモナとモララーにフォローを頼んだ。
「じゃあ、術中の話から行くか。モララーにレモナ、フォロー頼んだぞ。」
彼らがうなずくと、サスガ(兄)が手術の状況を語り始める。

870 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 20:05 [ YaZ5LRxs ]
まず、彼はレモナと弟、ちびからコップを借り、さいころの4の目に似た形に
ちびの前に並べ始めた。ちびは「なんかひし形みたいですね。」と素直に
感想を呟く。
食堂で彼らは、テーブルをつなげて、それぞれの場所から持ち寄り
カタカナのコの字状に座っていた。
レモナの右隣にちび、ちびの右隣にモララー、モララーと対面してサスガ(兄)
が座っている。ちびと対面して座っているのが、サスガ(弟)、
レモナと対面して座っているのがギコだ。モナーはレモナとサスガ(弟)の間に、
ちょうど、コの字の縦棒にあたる位置に座っている。

「レモナの位置からの方がわかりやすいかな?頼むわ。」
「何番まで終わったの?」
「一番と二番だ。」
サスガ(弟)から解剖の進行具合を聞いたレモナは、ちびに説明を始めた。
「今ちびちゃんのところに置いたコップは、ベビ達の位置だと思って頂戴。
で、ちびちゃんの位置に一番近いこのコップのあたりが、子宮の入り口。」
ちびがうなずくと、彼女は4つのコップの周りを触りながら、説明を続けた。
四つのコップの縁を丸く囲ったという表現が正しいのかもしれない。
「お母さんの子宮にメスを入れるとこんな感じで、ベビ達はいたのね……」
ちびは驚き、レモナに質問した。
「動き回る隙間がないじゃないですか。」
ベビ達の位置を示すときに、ちびの前に並べたコップを指差しながらレモナは説明を続ける。
「ええ、なかったわよ。で、取り出すときに固体識別のために番号をつけたのね。
この位置の子が、一番。で、この位置の子が二番。で、解剖はここまで終わったのね?」
レモナに聞きなおされたサスガ(弟)はうなずいた。

「で、死因は……?」
ちびに質問されたサスガ(弟)は、困った表情をしながら、彼女に答える。
「これがいろいろありすぎてね……」
ここで、サスガ(兄)が口を開いた。
「弟者、話の腰を折ってすまんがいいか?」
弟がうなずくと、兄はちびに弟の言葉の説明を開始する。
「あまりに原因が多すぎてね。この2体のベビの死因の特定は困難になるかもしれない。
この2体は氏んだ可能性を並べるだけになるかもしれないけどいいかな?」
ちびはうなずくと、兄は説明を始めた。

「まず、一番から。肋骨が砕けていた。でね、片方の肺がつぶれていたんだ。
つぶれた方の肺から、砕けた肋骨の欠片がでてきたよ。
もう片方から、水分が検出されたんだ。」
サスガ(兄)の説明に、レモナが補足する。
「サスガ君達から、血液サンプルと一緒に、この水の鑑定依頼があったのね。
水は羊水。お母さんの中にいたときに羊水を飲んだのね。
さっきサスガ君が、肺がつぶれていたっていったでしょ?
ベビ達は早く、医者に見せるべきだった。ただでさえ狭いお家の中(子宮のことよ。)で、
酸欠状態だったのに。お母さんはそれをしなかったのよ。」
ちびの言葉は無かったが、表情がこわばっていた。
          『憤怒』
場にいた全員は、ちびの表情からこの2文字を頭に浮かべていたはずだ。

871 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 20:06 [ YaZ5LRxs ]
「ほんと、わが母親ながら、人をギャクサツチュウなんていっておきながら…」
「まあ、怒りはわかるが、もう少しの我慢だよ。」
「え?」
モララーの言葉にちびは面食らった。
「実は、ダッコさん。ちびちゃん覚えてる?あの人たちが、ちびちゃんにお礼をしたいって。
ビデオがいいのが取れたんだって。それで、ちびちゃんと、お母さんのことを話しておいたんだ。
手術と解剖の様子、それと、血液検査もか?」
レモナが補足する。
「そうよ。胸の水分の検査結果も、ビデオに残してあるわ。」
ギコが続ける。
「あ、あれか?ダッコさんからの依頼って、このビデオのことか。」

ちびが何のことかわからず、きょとんとしていると、
モナーが微笑みながら、「まとめないと。」
と、場にいたほかの面々につげる。彼はちびに、説明を始めた。
「ダッコ映像さん。覚えているよね?」
ちびがうなずくと、モナーが続けて、
「彼らの麻薬乱用防止キャンペーンのビデオのプロジェクトがうまくいったんで、
ちびちゃんにお礼をしたいんだって、モラ谷さんが言ってきたんだ。
でね、ちびちゃんのお母さんのことをモラ谷さんに話した。
なら、死産ビデオを撮ろうかって。それと、ベビ達の解剖の様子も撮って、
母親に見せようかっていう話になってて、今、その映像を撮ってるんだよ。」
ギコが続ける。
「そのビデオは、手術中の様子の音声、解剖の様子の音声のほかに、
解説と、ナレーションが入るらしいんだな。で、解説が俺だ。」

「馬鹿親の妄想をぶち破ってもらえませんかね?」
「????????」
突然のちびの言葉に、みなは面食らった表情をする。
「どうしたの?」
「あの馬鹿親、ベビは氏んだっていってるのに、認めようとしないんです。
それに『ベビチャンタチハ センセイガ トリアゲテクレテ ミテテ クレテルンダカラ。ソレニ * ダッテ コンドハ
チャント アル ベビチャンナンダカラネ。 キケイノ アンタト チガッテネ』って。悔しいったらありゃしない。
私を生んだのはあの女なのに……」
ちびはまだ何かいい足りなさそうな感じの表情を浮かべていたが、
一旦深呼吸し、デザートのイチゴのショートケーキを食べ始めた。

彼女がケーキを食べ終わったのを見計らい、
サスガ(兄)がちびに、丁寧な口調で話し掛ける。
「ご遺体と対面されますか?お姉さまが先に。」
「え?」
「お母さん結構、ベビ達がかわいいって思ってるんじゃないかな〜
と思って。それに、*。確か4体とも、なぁ弟者?」
話題を振られた弟は兄に答える。
「確か無かったぞ。ちびちゃんが興味があるなら、見にくればいい。
でも、夕方からだからな。しかも、脳出しと、生体の解剖もするからな。」

ちびは、「ぜひ!!!!」と弟に、答える。
弟は、ちびに時間と場所を伝え、兄は、ビニール袋を忘れるなとちびに伝えた。
「みんな食べ終わったし、そろそろ一旦お開きにしないか?
それと、漏れも一緒に見に行っていいかな?」
モララーがサスガ兄弟に尋ねると、彼らはうなずいた。
「PM5:00に法医学棟だな。ちびちゃんを連れて行くからな。」
モララーの言葉にサスガ(兄)は、モララーとちびを気遣う言葉をかける。
「4時ぐらいまで、昼寝でもしているといい。脳出しがあるから、長丁場になる。」

サスガ兄にちびは礼を言う。
「じゃ、そろそろ解散するか。漏れも昼寝するかな。」
モララーの言葉にレモナとギコ、モナーが突っ込んだ。
「お前は働け!」
食堂内に笑いが起こった。

それぞれが挨拶を交わし、昼食を終えた。

872 名前: 42・解剖 (夕方の部) 投稿日: 2004/06/02(水) 20:07 [ YaZ5LRxs ]
PM5:00−
息を弾ませたモララーとちびが法医学棟に到着すると、
すでに用意を済ませているサスガ兄弟、記録係、看護師が彼らを出迎える。
「お?きれいどころをそろえたのか?」
モララーがサスガ兄弟に尋ねると、弟は苦笑いし、兄は爆笑している。
笑いが止まらず、落ち着くのにやっとな兄の代わりに弟がモララーに答える。
「違うよ。もっと実務的なもんだ。脳出しをやるときって、野郎がサポートにつくと
仕事にならなくなっちゃうんだよ。嘔吐するのが多くて。
こういうのって、女性の方が強いみたいだ。」

サスガ兄弟が、ふとちびを見るとポラロイドカメラを持っているではないか。
どうしたのか彼女に聞くと、
「寝顔(実際は氏に顔ですね)を、親に見せようと思って。」
とニヤニヤして答える。
「実は、一番と二番のベビ、体をホチキスで止めてあるんだが。
お母さんは大丈夫か?」
心配した兄が、ちびに尋ねると、
「死産ビデオの件、すごく私も面白そうだって思ったんです。
顔しか撮りませんので、心配しないで。」
ちびはまたも、ニヤけながら答えた。

「まず、一番と二番と、お姉ちゃんの対面から行きますか。」
モララーに、サスガ兄弟、ちびが同調する。
「じゃあ、仮の棺へ。」
隣の部屋に案内されると、部屋の中に、大きなドアをちびが見つけた。
サスガ(兄)が、ドアを開けると冷気が漂ってくる。
どうも、部屋の中の大きなドアは、冷蔵庫であるらしい。
兄が、冷蔵庫の中から、発泡スチロールの箱を取り出し、机の上に置いた。
箱には、1・2と書かれている。
箱を開けると、ビニール袋にパックされている白い氷がちびの視界に入った。
この氷は乳白色の液体を凍らせたもののようだ。ちびは尋ねた。
「この氷は?」
「お母さんが毎日絞ってるでしょ?」
サスガ(弟)の言葉にちびは目を見開いた。
母乳を凍らせたものを保冷剤代わりに、箱に入れていたのだ。
弟は続けて、
「でね、定期的に解凍して……」
「ボランティアのお兄さんたちが?」
皆まで言う前にちびが答えたため、弟は微笑をちびに返した。

二体のベビが発泡スチロールから出され、ちびの前に置かれた。
「まず見させてくださいね。」
ちびの申し出に二人はうなずいた。
二体のベビは胸部に*型と、直線の傷跡を残している。
顔は、両方とも*が無かった。なぜかちびは気分が高揚していた。
自分と同じ『キケイ』だったことが、嬉しかったのだろうか
母親が言っていた言葉、母親の思いが崩れたのが、嬉しかったのだろうか。

「しゃ、写真とってもいいですか?」
サスガ(弟)に許可を取り、ちびはポラロイドのレンズを覗く。
「カワイイ ベビチャンノ シャシンヲ トッテ ハヤク ママニ ミセナサイ!」
法医学棟に来る前に、ちびは母親に、そう言い渡されていた。
レンズを覗き、胸部の傷が見えないように配慮し、彼女はシャッターを押した。

873 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 20:10 [ YaZ5LRxs ]
一番のベビ、二番のベビ、一番と二番の2ショット。
3枚ほど撮ったちびは、サスガ兄弟に礼を言い、写真ができるのを待っていた。
出来上がった写真を見たちびは、満足そうな顔をしている。
彼女は、続けて三番・四番のベビの遺体の写真を取らせて欲しいと頼んだ。
「脳出しするベビや、もう一体のベビも、解剖する前に写真を取らせてもらえませんか?」
「かまわないけど、脳出しは耳をもいじゃうから、早く撮ろう。」
サスガ(弟)に促された3人は隣の部屋へ戻った。
隣の部屋に戻ると、会話を聞いていたらしい看護師が、ベビの用意をして待っていた。
「ありがとうございます。」
ちびは礼を言い、カメラを取り出した。
また3枚、写真をとる。三番のベビ、四番のベビ、三番と四番のツーショット。
出来上がった写真を確認し、看護師に礼を言う。
ちびは6枚の写真を持ってきていたポシェットに入れ、それからビニール袋を取り出した。

「はは、用意がいいな。」「だってお兄さんが言ってたんだもの。」
弟にからかわれたちびは、ちょっとむくれた表情をした。
彼はちびにわび、記録係にそろそろ撮影の開始を促す。
「ごめんごめん。じゃ、記録係さん。そろそろお願いしますね。」
「用意ができました。」
記録係の声に続いてカウントダウンが始まる。
「5・4・3・2…」
記録係がサスガ(弟)に『どうぞ』というジェスチャーをすると、
彼は、全身・頭部のレントゲンとMRIの写真を棒でさし示しながら、説明を始めた。
「三番のベビちゃんは、頭に一撃を食らっています。
ほら、ここ。頭蓋骨が折れてますね。で、こちらがMRIの写真です。
脳のこちら側に血腫がありますね。確認しましょう。」

腕のリストバンドに書かれた三の文字。そしてベビの全身が撮影される。
「前処置がまだだったので、前処置から始めましょうか。
採血をお願いします。その後に前処置を始めます。」
看護師が3のラベルが貼ってある試験管がセットされた注射器で採血を終えると、
兄はメスで、三番のベビの両耳を切り落とした。
出血は当然あるはずも無い。続いて彼は、かみそりを持ち出し、剃毛の作業に入る。
数分で前処置が完了し、頭部が看護師たちの手によって固定された。
「皮膚を剥いで頭蓋骨を見て頂きましょう。」
まぶたの上あたりを起点にCの字型にメスが入り、皮膚がはがされていく。
看護師は、頭蓋骨にこびりついた血を精製水で洗い流したり、皮膚を止めるクリップを
兄に渡したりと大忙しだ。

しばらくすると、頭部の皮膚があらかた頭蓋骨からはがされ
灰白色の頭骸骨の骨折部分が露出した。
弟は棒でその箇所を指し示しながら説明を始める。
「ここの穴は、大泉門といってベビちゃん特有の隙間です。
大人になっていくと、この隙間はふさがっていきます。
で、こっちの凹んでいるところが骨折部分ですね。陥没骨折です。」

「ノギス」ノギスを渡された弟は、陥没部分の直径を計りだした。
「2cm。」弟が言った数値を看護師がメモする。
「こちらに、ベビちゃんたちのお姉さんのちびしぃちゃんの
指紋や掌紋などをとらせてもらったデータがあります。どこにも
2cmという数値はありませんねぇ……」
弟がデータを見ながら呟く。彼は続けて、
「ベビちゃんたちのママは、ベビちゃんたちがお腹にいるのに
ちびギコ達相手に売春していたそうなんです。
大人のオモチャも使っていたようですね。
ちびギコのチン拓の直径が、骨折の範囲と符合します。
次は、脳がどの程度損傷しているか、頭蓋骨を外して、脳を見てみましょうか。」

874 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 20:14 [ YaZ5LRxs ]
弟の説明の終了と同じくらいのタイミングで、
カメラは三番のベビしぃの頭蓋骨にいくつかの穴が開けられているのを映し出していた。
頭骸骨の穴を線でつなぐように頭蓋骨が切られ、黄色みを帯びた脳が露出した。
兄が、メスの先で血腫をしめす。
「ここが、ベビちゃんの骨折部分です。出血したようですね。」
弟の説明の後、兄はメスの先で、反対側のある範囲を丸く示した。
彼は、兄が示した範囲について説明を始めた。
「この範囲は脳挫傷です。しばしば、受傷部分と反対側に脳挫傷を作ります。
ちょっと範囲が広すぎますね……脳が出せると思っていたんですが、だめですね。」

弟は、三番のベビについての所見を話し始める。
「このベビちゃんは、ほかの姉妹より先に氏んだと考えられます。
一番・二番、そしてこれから解剖する四番のベビちゃんは体中にあざができていますが、
このベビちゃんはできていません。心臓が止まった後というのは血液の流れも、当然止まりますので、毛細血管が破れても、皮下出血にはなりません。そして、死因は脳挫傷です。
頭に強烈な一撃を食らって脳が直接傷ついてしまいました。凶器は、ちびギコのティンポと
考えるのが一番近いですね。」

「縫合はどうしましょう。?」
モララーが口をはさむ。
「とりあえず、母親との体面まで持たせることを考えよう。」
兄はうなずき、頭蓋骨を元の場所に置く。
皮膚をかぶせて、苦労して縫い合わせた。
「ベビの目がつり上がっちゃったよ。」
笑いながらの兄の言葉につられて、モララーたちも笑っていた。

「しばらく休憩して、四番いきましょう。」
記録係の声に、めいめいが法医学棟の部屋に散らばり休憩を取る。
ちびとモララーとサスガ兄弟も、休憩を取っていた。
「後一体だな。生体解剖ってどうすんだ?」
モララーの問いに、サスガ(弟)が答える。
「次は内臓破裂なんだ。で、どの内蔵が損傷しているか、比べようと。」
「で、生体はどこよ?」
「レモナがつれて来るそうだ。あふぉベビを1体処刑して、みせしめにするんだと。
で、レモナ待ちと。あと、あれだ。その見せしめの記録係待ちと。」
「ふーん……」

サスガ(弟)とモララーのやり取りから数分後―
バタバタバタバタ… ガラッ。
廊下を走る音の後、ドアが勢いよく開いた。見るとレモナが、ベビしぃを持って立っていた。もう少しでベビしぃからちびしぃになるだろうと思われるそのしぃは、
レモナに向かってダッコをねだってうるさい。

レモナはベビを無視して、サスガ(弟)に声をかけた。
「ごめんごめん。生体持ってきたわよ。」
「ん。あとで、三番と四番の血液サンプルを持って帰ってくれ。」
レモナとサスガ(弟)のやり取りから1〜2分ほどたった後、記録係の女性が
慌てて入ってきた。機材を持って走ってきたらしく、息があがっている。
サスガ(兄)が缶入りの飲み物が入っているクーラーを指差し、彼女に声をかける。
「ご苦労さん。とりあえず、君が落ち着くのを待とう。
ここに飲み物が入っているから、お茶でも飲んで少し休憩しなさい。」
大きく息をついている記録係の女性の傍らで、レモナもついでに紅茶を飲んでいた。
「ナンテコトヲ スルンデチュカ コノ ギャクサッチュー」
ベビに罵倒されたが、レモナは無視している。
「ナッコ ナッコ ナコシテクダチャイヨォ ナッコォォォォ」
とうとうベビは泣き出してしまった。

875 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 20:15 [ YaZ5LRxs ]
「レモナさん。三番の血液サンプルです。」「ありがとう。」
看護師は、三番のラベルがついた試験管をレモナに手渡す。
彼らのそんなやり取りが終わった後に、
レモナより少々遅れてきた記録係の女性がレモナに声をかける。
「レモナさん。準備できました。」
続けて、解剖担当の記録係がサスガ兄弟に声をかける。
「サスガさん。こっちもOKです。」

「生体の方は、漏れが担当したいんだがいいか?」
「助かるよ。同時進行だと、はやくすむ。」
モララーの申し出に、サスガ(弟)は感謝し、そしてみんなに声をかけた。
そして、処刑ビデオ担当の記録係の女性に頼む。
「じゃあ、そろそろ最後の四番始めましょうか。
それと、レモナのほうの記録係さん、テープをこっちにもダビングして欲しいんだけど。」
処刑ビデオ担当の記録係の女性は、サスガ(弟)に、編集についての段取りをつけてくれるように頼むと、サスガ(弟)は承諾した。
「その事を、解剖前の説明にでも織り込んでいただけると編集のときに助かります。」
「わかった。」

「じゃあ、始めます。」
記録係が、サスガ(弟)に片手を見せ、指を一本づつ折っていく。
5・4・3・2・1… 
記録係が『どうぞ』というジェスチャーをサスガ(弟)にすると、彼は看護師に
四番のベビの採血を命じた。看護師が採血を終え、血液サンプルをレモナに渡すと、
彼女は静かに法医学棟を去っていった。

まずベビの全身が、そして腕に巻かれている四と書かれたリストバンドが
カメラのレンズに映し出されていく。
そして、MRIとレントゲンの写真が並べてあるライトボックスが写された。
MRIの写真を示しながら、サスガ(弟)が説明していく。
「最後のベビちゃんは、内蔵が破裂したと思われます。レントゲンだと
骨折部分が見当たらないんですね。MRIの写真では、出血が多すぎて、
内臓の損傷部分がわかりません。対照標本として、健康体のベビちゃんを用意しました。
さあ、ベビちゃん。テレビの向こうのみんなにご挨拶しましょうね。」
彼に促されたベビは片手を挙げ、「チィ」と挨拶をしていた。
彼は続けて説明する。
「ええ、こちらのベビちゃんを解剖し、それぞれ内臓を比べていきたいと思います。
テレビの向こうの皆さんには、このベビちゃんの生体解剖の様子と、四番のベビちゃんの
解剖の様子が一緒に見られると思います。」

弟が記録係の方をチラッと見ると、記録係はサムズアップをしている。
(りょ・う・か・い・し・ま・し・た)
撮影中であるので、生体担当の記録係は唇だけ動かしていた。

876 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 20:16 [ YaZ5LRxs ]
黙々とサスガ(兄)は作業していた。彼は看護師に次々に切り取った臓器を渡していく。
臓器を渡された看護師は丁寧に各臓器を洗い、ホルマリン入りの小瓶に詰めていく…
色あせたピンク色がほとんどを占めている心臓、心臓と同系色の蝶の羽のような肺、
Jの字のようなフォルムの食道から胃……
「洗浄を先に。」
小腸と大腸は分けずに切り取られ、兄から看護師に手渡された。
看護師は、10mlの注射器に入れた精製水を小腸側から流し、
ホースで水を出す要領で洗浄作業を始めた。
黒褐色の胎便が腸から水に混じり排出されていく。看護師は、数度その作業を繰り返し、
精製水が透明になったのを確認すると、静かにホルマリン入りの小瓶に腸を詰めた。

「ん?これかな?」
兄の呟きに弟が反応し、視線を兄の手元に向けた。
弟の視線の先には、小さな暗赤色の肉塊が見える。肝臓だったもののようである。
「どうも、肝臓のようですね…」弟が続けて説明を始めた。
「腹部に打撃を受けて、肝臓が破裂しています。主な死因は肝臓破裂によるショックではないでしょうか。後は膵臓や胆のうの様子を見る必要がありますね。」

弟の説明が終わった頃と平行し、兄は肝臓の摘出を終え、次の作業を始めていた。
膵臓、脾臓、胆のう…
洗浄された臓器は、それぞれホルマリン入りの小瓶に詰められていった。
「終了。骨はどうしましょうか?」
「必要ないです。縫合を開始してください。」
弟に指示された兄は、解剖中に使ったガーゼをすべて集め、小さくたたんで四番のベビの体内に詰めていった。そして、ホチキスを持ってこさせると、数箇所ホチキスでとめて
四番のベビの縫合を完了した。

877 名前: 43・生体解剖 投稿日: 2004/06/02(水) 20:17 [ YaZ5LRxs ]
サスガ(兄)が黙々と作業する一方で、モララーはベビしぃとの会話を楽しんでいる。
両手両足の肉球を待ち針で固定されたベビしぃはモララーに必死に抗議していた。
「イチャイ イチャイ ナンテコトヲ スルンデチュカ コノ ギャクサッチュー!
ハヤク チィタンノ オテテト アンヨノ イチャイノヲ ハズシテ ナッコシナチャイ」
「いいのかなぁ?そんなわがまま言ってると、漏れの友達とのナッコも
なくなっちゃうよ?」
「ナコ? ナコイパイ? ナッコ ナッコ ナッコォォォォ!」
モララーはニヤニヤと笑いながら、メスをベビしぃに見せた。
「漏れの友達のメス君だよ。さあ、メス君とナッコしようね〜」

何かを察したらしいベビしぃは、突然謝り始めた。
「ゴメナチャイ ゴメナチャイ レモナタン。 モウ ナッコ イラナイデチュ。 マンマモ スキキライ シマチェン
ダカラ ココカラ ダチテェ。」
「いや、レモナは君を助けない。レモナは君をここに捨ててったんだよ。
ここで氏ねって。」
「ナッコスルカラ ユルチテ。 ナンナラ コウピモ シマチュヨ?」
「必死だな。母親から何を教わったの?そんな年でコウビなんて普通言わないよ?」
「マターリノ シカタデチュ。 ナッコシテ、 コウビシテ マターリスルンデチュヨ。」
「ふーん。漏れはお前が苦しんでる顔を見てマターリしたいんで、全く別だね。」
モララーは苦痛を長引かせようと両手両足を固定していた待ち針の量を増やした。
「ハ・ハズシテッテ イッタノニ グアアアアアアア」

「チィタン メスナンカト ナッコ チタク ナイデヂュ ダ・ダヂュゲデェ ギアガアアア」
メスを局部の方から上に向かって浅く入れるとベビしぃは悲鳴をあげた。
「メス君と、君とのコウビだね。でも、お前の臭いマソコになんか、ぶち込みたくないってさ。だからメス君、切り裂いちゃったんだね。」
微笑みながらのモララーの言葉に、ベビは、息をぜいぜいさせながらも、強気である。
「マ・マターリノ カミチャマガ チィタンヲ マモッテ クレルンデチュ… オマエナンカ アボーンデチュヨ。」 

「カ・カミチャマ…ハァハァ チィタ…ンヲ タタ・タ・タ・チュケ・テ クダチャアアアアアアアアアッガアアアアアア」
「祈らせてもくれないなんて、マターリの神様って、残酷だね」
モララーはメスを深く入れ、器具で中を開いた。もうベビには、モララーに
返す言葉も無いようで、荒い息だけをさせている。
「もうそろそろ〆ましょうか…」
そう言うとモララーは指を傷口に入れ、今度は小さなはさみで横に切れ目を入れた。
ちょうど、臍を中心に十字にベビの体に切り込みが入ったことになる。

「ギ・ギ・ギ… ヴァアアアアア ヴァアアアアア」
「まだ、こんな声を上げられるくらい元気なんだね。
それ、こてっちゃーん!!」
モララーは横に切れ目を入れた皮膚を器具で固定すると
中に指を入れて、腸をつまみ引きずり出した。
「ヂィダ…ンノ… オナガ… ヘンデヂュ…」
「逝ったか。図太かったな。」
ベビしぃの最期に、モララーははなむけの言葉を添えた。

『遊び』を終えたモララーの手際は神業という言葉がふさわしいほど早く、
次々にベビしぃの臓物を切り分けていった。
最初に先ほど引きずり出した腸を切り取り看護師に渡す。
「これ、洗浄。」
看護師は四番のベビと同様にこのベビの腸にも注射器で精製水を流し込み、
腸の洗浄を行った。あらかたきれいになった腸は、ホルマリン入りの小瓶に詰められる。
心臓、肺、腎臓… 手際良くモララーは臓器を看護師に渡していった。

878 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/02(水) 20:18 [ YaZ5LRxs ]
『氏にたて』という表現はふさわしくないかもしれないが、このベビの臓器は
四番のベビの臓器より、鮮やかだなとちびは思った。
生の鮮やかさが故意に止められ、あるいは自然に止まって、だんだん色あせていき
我々というのは氏んでしまうのだろうか。普段考えないような疑問がちびの頭に
浮かんでいた。

ちびがそんな疑問を頭にめぐらせている最中にも、モララーは作業を続けている。
膵臓、胃、肝臓、脾臓…
「売れば、金になったのにね。」
モララーは軽口をたたきながら、臓器を続けて切り分けている。
「いや、売らなくても研究材料にはなったから、これは一応役にはたったさ。
ところでモララー、あれだけ遊んで兄者とほぼ同時って………」
感心した口調のサスガ(弟)に、モララーは苦笑いを浮かべながら言う。
「こっちが幾分、兄ちゃんよりも楽だろうが。形が崩れてない分。
胆のう。これで終了っと。」
暗赤色の液体が絡んだ、小さなナスのような形の胆のうを看護師に渡すと、
彼は、中身を抜き取られたベビをどうするか弟に聞く。彼ははモララーに
看護師に、焼却炉へ持っていかせるので黒いビニール袋に入れておいてくれと頼んだ。

何かが入った黒いビニール袋を看護師がモララーに差し出す。
看護師が差し出したビニールの中は猛烈な大便の臭いがするため、
彼はすばやく遺体を放り込み、口を縛って看護師に渡すと、
看護師はダッシュして法医学棟から立ち去った。

「ふーっ。これで終わりだな。」
モララーは法医学棟の窓を開け、外の空気を吸っていた。兄は一足早く手袋を外し、
白衣を脱ぎ始めている。弟は兄とモララーに感謝の言葉を述べる。
「兄者、モララー、ありがとう。漏れは、最後の一仕事だ。」
「解剖所見か。書面に起こすにはもう少し後でも良かろう。
ビデオが出来上がってからでも。」
仕事が速すぎないかと怪訝な表情をしているモララーに、
兄は笑いながら言う。
「弟者は昔から、宿題は早めに終わらせるタイプだからな。」

「まあ、疲れない程度にやるさ……」
弟が呟いた頃、記録係と看護師たちは、機材の片づけを終えていた。
「お、そろそろ彼らも終わったようだ。モララーも、早く着替えろ。
でないと終われないからな。」
「ん〜。」モララーは返事をし、着替えに出かけた。

数分後、モララーが戻ってくると、みんな着替えを終え、集まっていた。
サスガ(弟)がみんなに声をかける。
「モララーに兄者。今日はどうもありがとう。ゆっくり休んでくれ。
それに、みんなもご苦労さんだったな。
ギコがダッコ映像さんのほうに行くと思うんで、彼と一緒にがんばってくれ。
今日はこれで終了だ。」
看護師、記録係達は口々にサスガ兄弟・モララーに挨拶をして去っていった。

「お前も少し休んでから、解剖所見をまとめるといい。」
「兄者。漏れは大丈夫だ。疲れない程度にやるさ。兄者も休んで、手術に取り組んでくれ。
モララーもありがとうな。休んで、次の日に備えてくれ。」
サスガ兄弟とモララーは、法医学棟の窓を閉めた後に、消臭剤をあちこちにおいて、
カギをかけ、法医学棟を出た。窓から外を見ると、漆黒の闇であった。

879 名前: 44・解剖所見 投稿日: 2004/06/02(水) 20:20 [ YaZ5LRxs ]
サスガ(弟)が4体のベビについての解剖所見をまとめたものである。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
解剖所見  擬古田薬品研究所 法医学担当サスガ 解剖担当 モララー・サスガ(兄)

出産時の様子
胎児が育ちすぎているというレモナの診断により、帝王切開術での分娩。
ベビ4体とも全員死産。死後硬直が見られた。
分娩した時点で、最低でも死後17〜8時間経過していると思われる。

位置関係
子宮口を時計の文字盤で言う6時とすると、12時の部分に三番、3時の部分に二番、
9時の部分に1番、6時の部分に四番のベビ。

死亡したと思われる順番
3→2→1→4 OR 3→1→2→4

解剖結果
一番
右の肋骨全て骨折。粉砕骨折もある。骨片が右肺に刺さり、右肺に穿孔部位が見られる。
チアノーゼ反応あり。左肺より、羊水が検出された。

二番
左肋骨単純骨折。数本の骨折部位が肺に刺さり、左肺に穿孔部位が見られる。
チアノーゼ反応あり。右肺より、羊水が検出された。

一番と二番共通
肺から羊水が検出されていることから、羊水を大量に飲んでいると思われる。

三番
頭蓋骨陥没骨折。脳挫傷。
○凶器として一番可能性が高いもの………ちびギコ達の陰茎
母親が、ちびギコ達を相手に売春していたということから、
ちびギコ達が陰茎を母親の局部に挿入した際、
三番のベビの頭に打撃を与えたことによる脳挫傷の可能性が一番高い。

四番
対照標本と比較した結果、肝臓・膵臓に重大な損傷が見られる。
腹部に打撃を受けたことによる内臓破裂。すでに一〜三番のベビが死亡していたため、
四番は逃げ場が無かったものとみられる。
○凶器として考えられるもの
ちびギコ達の陰茎並びに、大人のオモチャ(バイブレーター)

全員共通
○血液検査の結果、全員感染症にかかっていたことが判明。
レモナの診断によると、ちびギコ達とのコウビの際、
母親が破水していたものと見られる。

○血液中のアドレナリン濃度が極端に高かったことから、
死の直前に極端な恐怖を感じていたものと見られる。

生活反応
一番・二番・四番の体中の皮下出血は生活反応が見受けられた。
――――――――――――――――――――――――――――――――

「さて、後はダッコさんの映像待ちか……」
書類を作成した後、サスガ(弟)は一人、法医学棟の彼の机の上で、
コーヒーを飲みながら呟いた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今回は、日本麻酔科学会、OH・脳!のホームページ、
山口椿さんの著書から引用部分があります。

次回、ビデオ上映です。

880 名前: 無名神(始まり) 投稿日: 2004/06/10(木) 21:08 [ L6C09k0A ]
前スレ(虐待・虐殺小説スレッド)の>>231-235の続編です。
私なりに妄想補完致しました。

【 ベ ビ し ぃ モ デ ル 大 募 集 】
 
この忌まわしい広告にどれだけ大勢のベビが殺されたのだろうか。
母しぃはひたすら後悔していた。
もはや足取りはおぼつかなくなっていた。そして、あの映画が再びよみがえるのだ。
ただ街中を彷徨い歩くその姿を、人々は奇異に満ちた目で見つめる。

程なくして、母しぃの足が止まった。
遠くにいる二人の男、その一方には見覚えがあった。
我が子を死地へと追いやった、あの映画スタッフの男であった。
母しぃは走り出した。そして、その男の背中に蹴りを入れた。
「シィィィィィィィツ!!」
「モギャアッ!?」
男が倒れた。もう一人の男が身構える。
「私ノベビチャンヲ殺シタノハ・・・アナタネ・・・」

881 名前: 無名神(続き) 投稿日: 2004/06/10(木) 21:23 [ L6C09k0A ]
「う・・・く・・・」
倒れた男が立ち上がった。
「糞虫ぃが何しやがる!」
もう一人の男が叫んだ。
「許サナイ・・・アナタノセイデ、私ノベビチャンハ氏ンダノヨ・・・」
「あぁ、貴女はあの時の・・・全くもってあの時は申し訳なかった・・・」
「ボス、こいつは何モンです?」
「このしぃか?以前、仕事の話を持ちかけたんだ」
ボスと呼ばれた男を指差して、母しぃは言った。
「コノ男ハ・・・正真正銘ノ虐殺厨ヨ。映画、見セテモラッタワ」
「それで、何がお望みです?」
「私、決メタノ。貴方達ヲ告訴スルワ!」
次の瞬間、ボスと呼ばれた男の顔色が変わった。
「少々お待ち頂きたい」
ボスはもう一人の男に合図した。そして少し離れた所で小声で話す。
「やべぇ・・・あの映画を見られちまったか・・・」

882 名前: 無名神(続き) 投稿日: 2004/06/10(木) 21:43 [ L6C09k0A ]
「ボス、だとすりゃまずいっすよ。しぃ族でも、裁判起こせますから」
「あぁ、下手すりゃ実刑判決くらってムショ行きもありうる」
「あの映画、しぃは閲覧禁止にしちまえばよかったんすよ!
そーすりゃこんな事態は起こらなかった」
「もう遅ぇよ。だがな、俺にも考えは有るんだよ。まあ見ていろ」
ボスが満面の笑みを浮かべて、母しぃのもとに近寄っていく。
「確かに、虚偽の報告をしたのは、謝罪致します。
風邪をこじらせて死んだのではなく、虐待死でしたからなあ」
「ソレデ?」
「刑事告訴の話でしたら、おおいに結構。だが、今後について、話がしたいんです」
「逃ゲナイデヨ・・・ゴマカサナイデクレル!?」
「逃げる気は有りません。まあ我々について来て下さい」
「ソコマデ言ウノナラ・・・ワカッタワ」
「今後の事について、しっかり話はつけねばなりませんからね」
そう言うと、ボスは歩き出した。母しぃともう一人の男も彼について行く。

「ここで話し合いましょう」
「本当ニココデ?」
三人がたどりついたのは、スラム街の一角の、古びたビルである。
「ここが我々のオフィスなんすけど」
「ワカッタ。ケド、話ハミッチリツケサセテモラウカラネ!」
三人の姿は、そのビルの中に吸い込まれていった。

883 名前: 無名神(続き) 投稿日: 2004/06/10(木) 22:10 [ L6C09k0A ]
数時間が経過した。
スラム街の一角の、古びたそのビルから、一つの影が現れ・・・出る。
それは一匹のでぃであった。もはや足取りはおぼつかなくなっていた。
窓から、二人の男がそのでぃを見つめていた。
「うまくいった様っすね」
「あぁ、ここまででぃ化してくれるとは、思っても見なかった」
ボスが満面の笑みを浮かべて、部下の男のもとに近寄っていく。
「でぃ化させちまえば、こっちのモンさ。これで刑事告訴の話は消えたからな。
もうあいつにはかわいい我が子の記憶も無ぇだろう」
「サブリミナルってやつっすか?虐待しながら、デタラメも吹き込んでましたね。
てめえのガキは東の撮影所だって、言い続けてましたから」
「第一、東に撮影所は無ぇ。それでもあいつはもう、東の方角にしか向わねえ。
それ以前に、裁判所にも、検察局にも、警察署にすらも足は運ばんだろ」
「とはいえ、でぃほどあわれな存在はありませんね」
「でぃに同情は無用だ!しぃにもだぜ!」
「すみませんした」
「あんなアフォしぃがベビを作る事自体、間違いなんだよ!
それどころかアフォしぃがこの世にいる事自体、間違ってるよ」
「それもそうすね。ところでボス。あのでぃ・・・てゆーか母しぃ?
あいつの虐待シーンのビデオ、撮っとくように言いましたよね?」
「あぁ」
「言われたとおりに撮影しましたけど、このビデオテープはどうします?
いったい何に使うおつもりで?」
「まあ見ていろ。ちゃんと使い道は有るんだよ。そいつを劇場用に編集する」


*本当はもっと続くのですが、本日はここまでとします。

884 名前: 無名神(続き) 投稿日: 2004/06/11(金) 18:19 [ WmYtGff6 ]
*本日はここからとします。 >>880-883からの続きです。

「えっ!?そりゃまずくないすか!?」
部下の男が顔をしかめた。
「何がまずい」
「劇場用にってこた、映画館で公開されるって事っすよ?
そーなりゃ俺たちの悪事が白日のもとに・・・」
「何考えてやがる?あのアフォしぃ以外にも、俺たちにベビを預けた
しぃはたくさんいるんだぞ。つまり、証人は山ほどいる訳だ」
「だとすりゃ、いずれはバレますよ。もうここに長居は無用っす」
「あわてるんじゃねぇ!そいつを利用すんだよ。
俺達だけじゃあれだけの数はさばけねぇ。そこで、このテープの出番だ」
ボスはビデオテープを手にしながら、言う。
「こいつが映画化されると、当然見る奴は出てくる。しぃ族に反感持ってる奴も、いるはずだ。
今度はそいつらをスカウトするのさ。しぃを駆除してみませんか?ってな」
「かなりの数が見込まれますね」
「以前、あれだけ多くのベビしぃを殺っちまったからな。当然母しぃの数も多い。
原告団や被害者の会を結成して集団で訴訟を起こされたらおしまいだ」
「そこでもっと大勢の人間を雇って、しぃを駆除・・・」
「そうだ。といっても、殺すのはダメだな。死体は証拠になっちまうからな。
でぃ化させて、記憶を消した方がベターだ」
「しぃとでぃとが同一人物、なんてわかる奴、いませんしね。
それ以前に、しぃはみんな同じに見える、個体差に乏しい生き物なのがラッキーっすね」
「もちろん、映倫にも手ぇ回さねえとな。金と女を上層部に送りつけとくか」
「そしてこの映画、しぃは閲覧禁止、ということにしてもらうんすね」
「そのとおりよ。ここから出て行くのは、それからでも遅くはねぇ」
「そんじゃ早速、準備に取り掛かります」
二人の男の顔に、笑みがあふれた。

885 名前: 無名神(続き) 投稿日: 2004/06/11(金) 19:10 [ WmYtGff6 ]
母しぃは、歩いていた。
左目が潰れていた。右耳が捥げていた。
体毛は血で染まっていた。全身傷だらけだった。
そしてボソッとつぶやいた。
「ワタシノ・・・ベビチャンハ・・・ヒガシノサツ・・・エイショニイル・・・」
彼女にはもう、東の撮影所へ我が子を出迎える事しか思いつかなかった。
完全にでぃと化していたのである。
「ヒガシ・・・ヒガ・・・シ・・・」
彼女の脳裏には、可愛い我が子が東の撮影所で、皆に褒め称えられている姿が映った。

いつしか、でぃは河原に来ていた。かつて、ここに彼女はわが子の死体を埋葬した。
小さな墓標もその時、彼女は立てた。その墓標が視界に入った。
が、でぃと化した今となってはもはや見覚えの無い物でしかなかった。
何のためらいも無く彼女は、墓標を踏み倒した。土がえぐれ、死体の一部が現れた。
それでも彼女は、気にかけることなく歩き続ける。
有りもしない、いや、有るかも知れない東の撮影所へ・・・。

その後、この母しぃ、いや、このでぃの姿を見た者は・・・いない。

886 名前: 無名神(続き) 投稿日: 2004/06/11(金) 19:40 [ WmYtGff6 ]
それから数ヵ月後。
ある一本のドキュメンタリー映画が、大ヒットと言う名の賞賛を浴びていた。
大勢の観客の目は、スクリーンに釘付けだった。
スクリーンの中のしぃは、目を覆いたくもなるほどの醜態をさらしていた。
物品の強奪を平気でする。路上で糞尿をタレ流し、見知らぬ通行人にダッコをねだる。
そして、ダッコを拒んだ者には、悲劇が待っていた。
「コノ虐殺厨!!シィチャンヲダッコデキナイノナラ、今スグ氏ニナサイ!!」
鈍器が彼の頭上に振り下ろされた。鈍い音とともに、血と脳漿とが飛び散った。
それでも尚、スクリーンの中のしぃは、死体を殴り続ける。原形をとどめなくなるまで・・・。
さらに大勢のしぃがナイフで、ある男の体を切り刻んでいく。
男が命乞いしているにも拘らず、しぃは何無く心臓にナイフを突き刺した。
あるしぃは銃を乱射し、老若男女の区別無く、人々を射殺していく。
泣き叫ぶ子供の頭を、しぃは何のためらいも無く一発の弾丸で吹き飛ばした。
やがて殺戮が終わった。しぃたちが集まって、ハニャーンと鳴いた。
体毛は血で染まっていた。全身血だらけだった。そして言う。
「コレデ・・・虐殺厨ガイナクナッテマターリダネ・・・」
そしてテロップがスクリーンに現れた。ナレーションが館内に響く。
“このようにしぃは、自らが虐殺厨であるにも拘らず、他者を虐殺厨扱いする、
害獣なのです。彼らの絶滅は、もはや当然の報いと言わねばならないでしょう”

887 名前: 無名神(続き) 投稿日: 2004/06/12(土) 08:08 [ sGCPLOfs ]
さらに違うテロップがスクリーンに現れた。ナレーションが館内に響く。
“とは言え、しぃを殺す事は環境問題を考えると妥当とは言えません。
死体の処理を行わなければならないからです。この処理にかかる、時間と費用は莫大な物です。
最も適切な処理、それは有害なしぃを無害なでぃに変える事です。
それでは、そのでぃ化の一例を御覧下さい”
場面が変わった。ある古いビルの一室だった。
中では一人のしぃが縛り上げられている。二人の男がしぃをにらみつける。
「ねぇお母さん・・・考え直して頂けませんかねぇ」
「オ断リヨ!大体コレハ、何ノマネヨ?」
「そーっすか・・・、ならばこーするまでっす!」
一人がしぃの顔面に蹴りを入れた。分厚い靴底で蹴られたためか、
おびただしい量の血がしぃの顔から流出した。
もう一人がそばに有ったガラス製の灰皿を手にした。
その灰皿がしぃの首筋にめり込んだ。
「つけあがんのもたいがいにしろや・・・。てめぇのガキは死んで当然の糞なんだよ。
それを総て俺達の責任にするとは、いい度胸だぜ」
「何様のつもりっすか?アフォしぃの分際で・・・よっ!」
次の瞬間、シャープペンシルがしぃの左目を突き刺した。

888 名前: 無名神(続き) 投稿日: 2004/06/12(土) 09:35 [ sGCPLOfs ]
>>887の最後の文、訂正します。
 訂正文から続きます。

次の瞬間、シャープペンシルがしぃの左目に突き刺さった。
さらに右耳が捥ぎ取られる。噴水の如く、血が噴出した。
「シィィィィィィィッ!!ハギャウウウウウッ!!」
悶えるしぃを見て、男が追い討ちをかけるようなセリフを浴びせる。
「あのねー、こいつぁまだ序ノ口っすよ」
「もっと重要な事を教えてやるよ。てめぇのガキは東の撮影所にいるんだよ」
「嘘・・・ヨ・・・貴様等ガ・・・殺シタ・・・」
次の瞬間、拳がしぃの顔面にめり込んだ。
「嘘じゃねぇっすよ!本当にわからず屋っすねぇ。
第一糞虫ぃが訴訟を起こすなんざ、言語道断じゃないっすか!」
「東だ!東だ!!東だ!!!てめぇのガキの居場所は東の撮影所なんだよ!!」
東!東!!東!!!そうわめきながら、二人の男はしぃを殴り続けた。
みるみるうちに、しぃの姿は変貌していった。

「もーいいっすか?」
どれだけの時間が流れただろうか。二人の男はしぃを殴るのをやめた。
「そうだな・・・」
男がしぃに声をかける。
「お母さん、そんじゃ聞きますよ。あんた、何しにここに来たんす?」
「ワカ・・・ラナイ・・・キガツイタラ・・・ココニイタ・・・」
「へ?刑事告訴するって言いませんしたか?」
「ナンノコトヨ?」
「ほー・・・、それじゃ可愛いお子さんは?」
「ヒ・・・ガシ・・・ヒガ・・・シ・・・」
「東?東!?どういう事なんだよ?」
「ワタシノ・・・ベビチャンハ・・・ヒガシノサツ・・・エイショニイル・・・」
二人の男は顔を見合わせた。
「完全に記憶が消えてやがる」
「でぃ化に成功したようっすねぇ」
男がロープを解くとでぃは立ち上がり、部屋から出て行った。
そのおぼつかない足取りで・・・ただ何も見ず・・・。
やがてテロップがスクリーンに現れた。ナレーションが館内に響く。
“このようにでぃは、東に移動する以外の知能と能力しか持ち合わせていません。
と言って、全くの人畜無害と言うわけでもありません。
汚物、ゴミ、死体など、ありとあらゆる物を餌としています。
その意味では、でぃは環境にやさしい益獣と言えるでしょう”

889 名前: 無名神(終わり) 投稿日: 2004/06/12(土) 10:18 [ sGCPLOfs ]
そしてテロップとナレーションはこうしめくくった。
“皆様もしぃをでぃ化させてみませんか?只今、出入り口付近の特設ブースにて、
参加を承っております。これは皆様がしぃの根絶に貢献できるチャンスです。
皆様の御参加、お待ちしております”

「意外だったぜ。予想以上の大反響だ」
撮影現場となったビルの一室で、ボスが言った。
山積みされた応募用紙を前に、部下がそれに応える。
「例の映画、しぃは閲覧禁止、という事にしてもらって正解だったっすね。
おまけに志願者もこんなに大勢・・・」
「言い換えりゃ、アフォしぃは死んで当然の糞だったって事よ。
隠しカメラで撮った映像が、想像を絶するモンだったからな」
「自らが虐殺厨であるにも拘らず、他者を虐殺厨扱いする。
その挙句、他人を殺しまくっているようじゃ尚更っす。
そんだけ糞虫ぃは甚大な被害を与えていたって事っすかね」
「あんだけの殺しを平気なツラしてやれるんだ。虐殺厨以外の何モンでもねぇ。
それはそうとして・・・、これで集団訴訟は潰せるな」
「確かに、俺達にベビを預けた母しぃはたくさんいますからね。
原告団や被害者の会を結成して、訴訟を起こされる危険性はおおいにあったわけっす」
「だがその危険も無くなった。その上、この街から出て行かずにすんだぜ」
「ボス、いっそハナからこうしときゃーよかったんじゃないすか?
余計な手間を踏まずにすんだ訳っすから」
しばらくボスは黙っていた。そして言った。
「確かにそのとおりだぜ」

それからしばらくして、その街から、しぃの姿が消えた。
その一方で、東の方角に向かうでぃの大群が発見された。
そのでぃの大群の中には、ベビでぃやちびでぃの姿も多数、確認されたと言う。

FIN

890 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/13(日) 01:37 [ saJTjmWo ]
裸足の足が路地裏を駆け抜けていく。
風を切るように長い髪がなびいていた。
何人もの仲間が、一人の無垢な少年の手で惨殺されていく。
たった一人逃げ出す勇気を振り絞り、少女は走っていた。
彼女は家畜、名もない母から生まれ、気づけばその場にいたという。
夜の星を数えるたび、自分が生きていることを確認したという。
涙は幾度と流したが、枯れ果てた心の樹には届かなかった。
灰色の空気を身に感じながら、ひたすら走っていった。

「コ、ココマデコレバ…」
息を切らせて、唇の端を上げた。
それは嘲笑ととるべきなのだろうか、苦痛の笑みなのだろうか。
少女はその場に座り込むと、小さな笑いを、大きな笑いへと変えた。

「ハハハ…ナニヨ…ナニヨ!!!ミンナミンナ!!ワタシハ…ワタシハ シナナイノヨ!!!」
勝ち誇った笑みを、遠い夜空へ響かせた。
頬は紅潮し、腹を抱えて笑った。
そして聞き覚えのある声に、顔をこわばらせた。

「あれ、どうしてこんな所にいるのかな」
「…ッナ!?」
「ここは家の外だよね?」
「ェ…ァ、ア…」
完全に言葉を失っていた。少年は何とも思わず質問を続けていた。
息を呑む少女を、少年は面白そうに眺めていた。
それはまるで、おもちゃを見つめるような目で。

「どうして逃げ出したりしたの?」
「イヤァアアアアア!!!コナイデェ、エ!!イヤァ!!」
「僕、外に出ていいなんて、言った?」
「サワンナイデッ!!ヤ、ヤダッ!!ヤダアアッ!!」
「あーぁ…君のこと、大好きだったのに…」
細い首を捕らえた手は、見た目よりも強い握力で、
少女の首を締め上げた。掴んだ場所が赤くにじむほど、強く。
少年は、どこか悲しそうな顔つきで、表情とは裏腹に、
死を与えていた。

「グルジィィィ…!!…ハナジデェッ…グヒッ…グッ」
「何で、何で?何で僕の言うこと聞いてくれないの?」
ゴキリと首の骨が折れる音がした。
握りつぶされた首からは、はみ出た赤い肉や血が滴っていた。
少女の死を確認すると、やさしく抱きしめて、
かすかな声で、つぶやいた言葉は、
夜風にふかれて、どこか遠くへと流された。
少女の遺体を抱き上げて、木の下へ寝かせると、
すでに冷たくなった唇に、キスをおとした。

「本当に、大好きだったのに・……」

END

891 名前: 無名神 投稿日: 2004/06/15(火) 01:16 [ Xgva9FoY ]
<絶滅の瞬間>

この汚らわしい生命体にも、ついに最期の時が来た。
しぃ絶滅の瞬間である。

その日は、いつもと同じ日であった。
その最後のしぃは、精神に異常をきたしていたようだ。
片腕、片足で器用に立ち上がる。
もっとも、右の前足と左の後足がもげているので、
バランスは相当悪い。
しぃは「ベビ…シィノベビ…」などとブツブツ言いながら、排泄。
そのまま、その糞を食べる。が、のどをすぐに詰まらせた。
それから10分後、死亡が確認される。
死因は窒息死であった。
次の瞬間、皆が歓声を上げた。
「しぃ族の根本的撲滅の為の努力がついに実を結びましたなぁ」
「全くだ。中絶や強制死産にかかる費用は、途方も無く巨額でしたよ」
「おまけにベビもちびも片っ端から皆殺しで行ったんだ。
絶滅しない訳が無い」

ともあれその日は、特別な日となった。
大勢のしぃが亡くなって、いま2Chに平和が訪れた。
と同時に、虐殺は完全に消滅したのである。
今まで虐殺と言う名の努力が、どれだけ虚しく続けられてきた事か!
しぃの目を潰し、手足を切り落とし、耳をもぎ取り、
そして無意味に命まで消し去ってきた事か・・・。

この平和は永遠に続くだろう。しぃがいないというだけで。

 終

892 名前: 糞スレ 投稿日: 2004/06/21(月) 23:00 [ ywKbvS26 ]
ある日、しぃは2ちゃんでスレをたてていた。
「コレデミンナガシィヲダッコシニクル!ハニャニャニャーン!!」

  そのスレが悲劇の始まりだった。

スレがたって1日がすぎた。
朝起きると、段ボールの元には、置き手紙らしきものが大量においてあり、
すべてに共通して、「糞スレ立てんな糞蟲ぃ!死ね!」
なにかを悟ったしぃはスレを見に行った。
____________________________________________
|e【マターリシヨウヨ】ダッコ♪【シィハマターリノカミ】-Shicrosoft Internet (*゚ワ゚)lorer [_][□][X]|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【マターリシヨウヨ】ダッコ♪【シィハマターリノカミ】
1 名前:マターリノネ申 シィチャン◆Dakkodehanyan 04/06/20 15:51 ID:mataridayo

シィヲダッコシテマターリヲテニイレヨウ!シィハココニスンデマス!
 2ch市したらば区4-4-(*゚ワ゚)

2 名前:( ´∀`)さん 04/06/20 15:55 ID:satsubatsu

            o
            /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
           /   このスレは無事に  /
           /  終了いたしました    /
          / ありがとうございました  /
          /                /
         /    モナーより      /
         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
  ∧_∧  /                /∧_∧
 ( ´∀`) /                /(´∀` )
 (    )つ               ⊂(    )
 | | |                   | | |
 (__)_)                  (_(__)
(以下略)


「シィィィィィィィ!ナンデコノシンセイナシィチャンノマターリスレガアレテルノヨ!サテハモララーノシワザネ!コノギャクサツチュウ!IDガ『サツバツ』ニナッテイルノガショウコヨ!!」
そして、しぃは近くに住むモララーの家に抗議しに逝った。


初です。AA混じりスマソ。

893 名前: 糞スレ 投稿日: 2004/06/22(火) 12:59 [ pgene.qw ]
5分後。モララー家前
「ハニャ!ココガギャクサツチュウノイエネ!ギャクサツチュウガコンナイエニスンデイルノモオカシイ!キットコロシタワタシタチノナカマカラウバッタノネ!」

しぃはあのように言っていますが、ここはモララーの家。
なにを隠そう、モララーは政治団体虐殺新党の党首なのだ。
しぃは一通りのお決まりの台詞を言い終わると、モララー家のインターホンを押した。

しばらくして、モララーがでてきた。
「はいはい、どなたですか〜っと・・・なんだ糞蟲か・・・」
「ナニヨクソムシッテ!シィチャンハクソムシナンカジャナクテマターリノカミナンダヨ!セッカクシィチャンガキテアゲタノニ!シィチャンダトワカッタラダッコグライスギシナサイヨ!コノギャクサツチュウ!」
「で?何のようなわけ?用事がなければ殺すよ?」
「ヨウジモナシニコンナトコロニクルワケナイジャナイ!ソレニシィチャンヲコロソウトシラマターリノカミサマカラテンバツガオチルモン!」
「はいはいその通りですね。」
「シィチャンノシンセイナスレアラシテルンジャナイワヨ!コノギャクサツチュウ!コノサツバツガショウコヨ!」
といって、インターネット(*゚ヮ゚)ローラーを見せた。
「シィチャンノコノプラウザハ2chデシンノチカラヲハッキサセルンダカラ!IDヲミナサイヨ!!コノギャクサツチュウ!」
モララーは嫌々のぞくと、そこには↑の画面が写っていた。
2から先のIDはすべて、
「殺伐」「虐殺」などと、虐殺関係になっていた。
こんなIDは表示されないはず。まぁ、それはオイ説いて、モララーには心当たりのないスレッドだった。

「このようなスレは知らないな。まぁいいか。糞スレ立てんな氏ねと・・・」
「ナニヨ!ヘンナコトカキコンデンジャナイワヨ!コノギャクサツチュウ!イイモン!コイツコロスモン!ミンナ!」

そういうと、ばればれの変装をといてしぃが15匹ほど現れた・・・

894 名前: 3/6 投稿日: 2004/06/22(火) 17:12 [ pgene.qw ]
 現れたしぃたちは口々に文句をたれている。
「コンナマターリジャナイカキコヲアボーンシナサイヨ!コノギャクサツチュウ!」
「マターリノカミサマカラオツゲガアリマシタ。コノモララーヲカミニササゲ、ソノニクヲジュウブンニショリシテカラタベナサイ。ト。」
 (以下略)
 モララーは限界だった。
 虐殺新党の党首である上、虐殺については多くの技を持ち、
 そろそろその技を発揮してぇ。と思っていた頃の矢先のこの事件。
 モララーの怒りのボルテージの上がり方は通常の7倍近く早かった。

「調子ん乗ってんじゃねぇぞこの糞蟲がぁぁぁぁぁぁぁ!」
 モララーは、そう言い放つと同時に、一匹のしぃを捕まえて虐殺名物耳もぎを放った。
「シィィィィィィィィ!シィチャンノオミミィィィィィィィィィィ!」
 叫び声を聞いて、警備員が駆けつけた。
 そして、警備員もこの戦闘に参加した。もちろんモララー側で。こいつらは虐殺新党の党員だからである。
「俺の楽しみを減らすなよ!」
 党員にそういった後、モララーは手をもいだ。
「シィィィィィィィィ!シィチャンノオテテェェェェェェェェェェ!」
 そのまま足へと移項。順調である。
「シィィィィィィィィ!シィチャンノアン(以下略」
 7秒程度で、健全だったしぃは達磨と化していた。
 これがモララーの技の一つ「ハヤダルマ」である。
 首謀者のしぃは少しキョドったが。
「ナ!ナニスンノヨ!テンバツオトサレタイノ!」と言い放つ。
「このくらいで天罰が落ちてくるのならば、漏れはもう死んでますw」さらりとモララーが返す。
「ハニャーン!コノクソモララーグライシィチャンヒトリデジュウブンヨ!!」
 日本刀(のおもちゃw)を持って一匹のしぃがモララーに襲いかかる。
 モララーはかわして、足払いをかけてから捕まえ、縄で縛った。
 そして、ケツに何かの瓶を刺した状態で固定した。
 他のしぃは助けに向かったが、党員たちにじゃまされて助けることができなかった。
「さて、しぃちゃんにお口はいらない。ぬいぬいしましょう♪」
 そういって、モララーはしぃの口を縫い始めた。
「シィィィィィィィ!ナニスルノヨォォォォ!アンタニハマター・・・・モゴーーー!モゴモゴモゴーーーー!」
 縫い終わったときにはもう、もごもごとしか、しゃべることはできなかった。
 そして、さっきの瓶の中身がなくなった。
「モゴ?モゴーーーーーー!モゴモゴ!モゴモゴモゴモゴモゴモゴーーーーーー!モゴーモゴモゴ!」
 しぃはこう言いたかった。
「ハニャ?シィィィィィィィ!ポンポンガ!ポンポンガイタイヨゥゥゥゥゥ!コンナノマターリジャナイヨウ!」
「よし。そろそろだな。党員!もういいぞ!」
 そういって、モララーはしぃを持ち上げ、投げつけた。
「イマタスケテアゲルカラネ!」3体ぐらいのしぃは投げられたしぃを受け止める体制に入った。
 そのときだった。しぃがもごもご言った後、体が大爆発を起こし、中の内蔵やらが飛び出した。
 受け止めようとしたしぃにも骨が当たり、一瞬にして4匹のしぃが息絶えた。
 これが「糞爆弾」である。ちなみに、さっきの瓶の中身は、
 わさび40g からし50g タバスコ 45g キムチの素 75g 
 これを100gの水で溶いたものである。

895 名前: 復讐 投稿日: 2004/06/27(日) 19:36 [ 0lPJYROY ]
「悲しすぎる復讐」1話
ギコは、家で泣いていた
絶対に見せる事の無い涙を、今日はこぼしていた
なぜなら、恋人だったしぃが、親友であるニラ茶猫を殺したからだ
「なんで・・・なんでアイツが死ななきゃならないんだ・・なんで・・」
部屋の片隅におかれた自分にもう一人の親友のフサ、そしてニラ茶猫の三人で撮った写真を
フサはじっと眺めながら考えていた
「そろそろ葬式の時間だ」
ギコの肩を抱きながら、フサは言った
「うん・・・」
ギコには、いつもの男らしさが感じられなかった
『しぃに「ゴルァ」を奪われた』

葬式に、ニラ茶猫の遺体は無かった。
というか、遺体がまだ見つかってないのだ。ならなぜ死んだとわかるのか
それは、殺された場所と思われる所についてたおびただしい血は、間違いなくニラ茶猫の
血だと彼が検査を受けていた病院の医者のテナーが言ったから、それに、その血の量は間違いなく
死ぬ量を超えていたからである・・・

葬式には、モナーやモララー・流石兄弟・タカラギコ・ジサクジエンなど沢山の
AAたちが来ていた
「ギコ、葬式が終わったらちょっと来てくれ、フサも」
 モララーが涙を白いハンカチでぬぐいながら言った


そこにはもう、モナーにタカラ、流石兄弟がいた

「来たモナ・・・」

そして、モララーとタカラが中心となって話を始めた

「あのね・・・ギコ、もしかしたらニラは生きてるかもしれないモナ」
「え?!でも医者のヤローは・・・」
「その医者がしぃとつるんでいたら?」
とタカラが少し睨んだ(ギコを睨んではない)顔で言った、よほどしぃに恨みがあるらしい
「でも、なんでそんな事がわかるんだ?」
フサが言い返す
「兄者」
とモララーが言うと、兄者は何かを自前のFMVで検索していた
「これだ。」
と画面を皆に見せる、ニラが通ってた病院の裏ページだった
「ここを見ろ」
そこには、なんと病院の院長はテナーではなくしぃと書かれてあった
「あいつはいつも虐待されてたからな。その怒りを同じ種族の誰かにぶつけようとし、お前ら
2人に目をつけた。だがギコは恋人だったから手がだせずフサに手を出せばギコが
許さないと思ってあきらめた、しかしそこに通りかかったニラ、しぃはニラがギコの
友達としらなかったためアイツを襲った、おびただしいニラの血はあそこのような
超一流の医者の手にかかれば作り出すことなどいともたやすい」
「てことは、ニラはいまだにしぃたちに・・・」
「ああ、拷問されてるといっていいだろう。弟者」
弟者は説明しだした
「ニラ救出作戦は以下のとおりだ。
○まず奴らのアジトに侵入
○俺と兄者で軍を壊滅状態に追い込む
○モナーとモララーは城の周りにいる「森羅兵」2人を倒し、ギコたちの突破口を開く
○タカラは、城の中の敵を全滅させる。
○フサは、その隙にニラを救出
○最後にギコ・・・お前には酷だが・・・・しぃを殺せ
しぃがいる限り、またAAが捕らわれる・・・せめてお前の手で沈めてやれ」

悲しそうに弟者が言った
「・・・わかった、行くぞゴルァ」
ギコに、いつもの男らしさが戻った

続く

896 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/06/27(日) 20:40 [ 0lPJYROY ]
悲しすぎる復讐 2話「侵入」
しぃたちのアジトの地下牢に、ニラ茶猫は繋がれていた、意識ももうろうとする中、
しぃたちの足音が聞こえてきた
「今までとは完全に逆の立場だ」
とニラは思った。そこに
「フン!!カワイイシィチャンヲマターリサセナカッタカラコンナメニアウノヨ!コウカイシナサイ!」
「ハア・・・ハア・・・うるせんだよ・・・・マターリは・・モララーのシンボルじゃ・・ねーの?」
と吐血しながら挑発するように行った
「コノナマイキナ!!」
1匹のアフォしぃがリモコンのボタンを押すと、ニラの両腕両足と首についた鎖がしめ上がった
「がああああああ!!」
「コレニコリテ2ドトナマイキナクチヲシィサマニタタクンジャナイヨ!サア、キョウノゴウモンヲハジメルカラネ。キョウコソハモララータチノバショヲハカセサセテモロウカラネ」
「ぐ・・・」



一方、ギコたち
「全員、武器の最終確認をするモナ」

モナー
グングニル(槍)
モララー
マターリロッド(杖)
兄者
ビームサーベルとPC(え
弟者
46マグナム改
タカラ
妖刀・正宗
フサ
聖剣・ラグナロク
ギコ
TCM(RAVE)



「作戦決行だからな!!」
モララーを先頭に、ゆっくりと下りた

さっそく軍隊が襲い掛かってきた
「流石兄弟!たのんだモナ!!」
「おう!」
先制は兄者、そのビームソードで、20人近くのしぃ兵を無に還した
「ヒルムナ!!ススメー!!」
一斉に襲いかかってきた、しかし兄者は反撃どころかよけようともしない」
「ハ!!アシガスクンデウゴケマイ!!」

「やれ、弟者」
そう言った瞬間、軍隊の15分の一が肉塊と化していた
「・・・・・・・さあ〜て・・次の犠牲者は〜?(゚∀゚)」
もう弟者は弟者ではなく、ただの殺戮者と化していた



しかし、ボスのしぃも甘くはなかった・・・

897 名前: 虐待虐殺物語⑧ 投稿日: 2004/06/28(月) 09:58 [ UdwFylUA ]
ここはとあるAAが経営する農家。
荒れ果てた玉蜀黍(とうもろこし)畑で一人のモララーが叫んだ
「クソー!また盗まれた!!」

ここ、何ヶ月か畑が荒らされている事にモララーはホトホト困り果てていた。
綺麗な玉蜀黍だけをすべて盗まれているから、犯人は恐らくチビギコかしぃと思われる。

柵等を設置したりしたが効果は全く無かった。
「こうなったら何が何でもとっ捕まえて、ヌッ頃すからな!」
モララーはそう言うと家の中へ入っていった。

・・その様子を草むらから覗いていた「しぃ」が居た。
「ププッwヴァカ ナ モララー ガ ワメイテルハ」
そうしぃは言うと草むらから出てきて畑へと向かっていった。

しぃは、警戒しながら玉蜀黍を物色している。
綺麗な玉蜀黍を見つけると、すぐさま千切り腕に抱えた。

玉蜀黍を三本取ると、しぃは玉蜀黍畑から走って逃げた。

しぃは草むらの中に入って安心するとこう言った。
「デテキナサイ ベビチャン。」
その言葉の後に、草を掻き分け一匹のベビシィが這って来た。
「マーマー!オナカチュイタヨー!!」
ベビシィはそう言うと、しぃの所へ駆け寄った。
「マッテテネ ベビチャン イマスグ ゴハン ニ スルカラ」

そう言ってしぃは玉蜀黍の粒を取り始めた・・・
十分後。

「ベビチャン!ゴハンヨー!」
しかしベビシィは何処にもいなかった。

「アレ?ベビチャーーン!!」
すると草むらから、ガサガサと言う音が聞こえてきた。
しぃはベビシィが戻ってきたと安心して声を掛けた。
「ベビチャン、ゴハンヨ♪」

だが其処に現れたのはモララーだった。
モララーはこう言うと右手を伸ばした。
「探し物はコレですか?・・」

其処にはベビシィが足を掴まれて暴れていた。
「ハナチナチャイ!ギャクサツチュウ!」
ベビシィはこう言うがモララーは一向に放す気配が無い。

しぃは強気にこう言った。
「ベビチャン ヲ ハナシナサイ!!デナイト・・!!」

モララーはニヤつくとこう言った。
「出ないとどうなるんだ?え?」
そしてベビシィの左耳を握ると一気に引き抜いた。
ブチブチブチ!!

布の縫い目を破るような音がした後、ベビシィは火が付いた様にな泣き始めた。
「ヂィィィィィィィィィィィ!!!!チィノオミミイイイイイイイイイィィィィィ!!」
しぃはその様子を見てモララーに飛び掛った。
「ベビチャン ヲ ハナシナサイ!!」

・・・しかしモララーの蹴り一発でぶっ飛んだ後木にぶつかった。
「ジィィィイイイイイイイイ!!!」
しぃは意識が昏倒し、そのまま倒れた。

「気絶か・・・家にでも運ぶかな」
モララーはそう言った後、泣き叫ぶベビシィを張り倒して気絶させ、しぃを担ぎ家の中へ入っていった。

続く。

898 名前: 虐待虐殺物語⑧ 投稿日: 2004/07/02(金) 14:23 [ fmaL7KF2 ]
>>897続き

「ウン・・・ン・・・」
しぃは何とか目がさめた。

「ココハ・・・!?」
しぃはこう言った。
なぜならここは家の中だったからだ。

「(タシカ ギャクサツチュウ ニ ケラレタアト キゼツシタンダッケ)」
気絶する前のことを思い返してみる

そしてしぃは重大な事にきずいた
「ア、ベビチャン!!」

そう、しぃの子供ベビシィが居ないのである。

「ベビチャーーン!!ドコナノーー!!」
しぃはベビシィを呼んだが返事は無い。

そのとき、ドアが開く音がした。
しぃは音がした方向に目を向けた。

「目がさめたか・・・アンタが探してる糞虫はこれかな?」
なんと其処にはモララーがベビシィの足を引っつかんで立っていた。

「ベビチャン!!」
しぃはこう叫んだ
「マーマー!!タチケテエエエエエエェェェェェェェ!!!!

モララーは泣き叫ぶベビシィの下腹部に強烈な突きを放った。
バキ!
「ゲフゥアァ!!」

ベビシィはくぐもった声を上げた
モララーは走ってくるしぃに向かってこう叫んだ
「おい!動くな!!動くとこの糞虫の命は無いと思え!!!」

そう言ってモララーは涎を垂らして悶絶しているベビシィを見せた。
「ク!コノ ギャクサツチュウ!!シィ ノ ベビチャン ヲ カエシナサイ!!」

しぃは強い口調でこう叫んだ。
モララーは落ち着いた口調でこう言った。

「放してやっても良いぜ?その代わりお前の親友が死ぬかもなぁ!」
モララーはその後「入れ!」と叫んだ。

其処から出てきたのは一匹のしぃと生まれたてのベビシィニ匹。
モナーに拘束されている。

しぃはそれを見た瞬間青ざめてこう言った
「シィミ チャン!」

続く

899 名前: soso 投稿日: 2004/07/04(日) 23:53 [ Li9fJIYc ]
>851 の続き    

    血池料理店


オープンはついに明日に近づいてきた。

モララーと赤飯(赤飯オニーニ)と白飯(オニーニ)は、店の中で最終チェックをしていた。
「赤飯は料理運びと会計、赤飯は皿洗いと糞虫のエサやりと掃除で、俺は料理、他に質問は?」
白飯は、手を上げて質問した。
「しぃ達に1匹にエサどれくらい上げればいいですか?」
「適当でいいや、万が一襲ってきたりとかムカついたら殺していいぞ。」
「後…これからこの店には客の中に虐殺人が混じってくるんですけど、僕らは殺されないんですか?」
「あぁ、ドア前にちゃんとポスター見たいの貼ってるから大丈夫だと思うぞ。」
白飯達は少し安心してほっとため息を吐いた。
その瞬間、赤飯の腹の音が鳴った。
「あ…すいません。」
赤飯は頬赤めてさらに体が赤くなった。
「まぁ空いてしょうがないだろ、昨日寝ずに準備とかチラシの配布してたもんNA、それじゃあ夕飯作るか。」
その時、誰かが店の中に入ってきた。

二匹のしぃがやってきた

しかも子連れで

「あれあれ糞虫さん、まだこの店オープン前ですよ。」
「ハニャーン!コレドウユウコノナノヨ!」
かなり怒っている様子だ。
一匹のしぃがモララーが配ったチラシを、モララーの目の前に見せた。

「ナンデ カワイイベビチャンヲ オリョウリシテ タベルノヨ!」
「ソウヨ!ソウヨ!」
「そりゃあ、糞ベビの肉の質がうざいほど良く柔らくておいしいのですよ。」
「ソンナノ リユウニ ナッテナイヨ!」
「チョウヨ!チィノオトモダチ カエチテヨ!」
「俺の養殖であんたの友達一度も拉致してないですが何か?」
「ナンデチュトー!」
ベビしぃもアフォしぃの後ろでギャーギャー騒いでいる。

「…であんた達結局何したいわけ?」
「コンナ オミセ アボーンシテ シィヲナカマタチ ヲ カイホウシテ アゲンダカラ!」
「…へー友達思いだね、泣けちゃうよ(棒読み)」
「ウルサイ!トットト アボーンスルヨ!」
しぃは突然銃器を出してきた。
「(げっ銃かよ、やばいな)」
「コレデ ギャクサツチュウ ナンニンモアボーン シタンダヨ!」
「サカラウヤツナンテ アボーンダヨ!」
「(…ただのはったりだな、そんな殺された裏情報にも載ってなかったし)」

「(どうするんですかモララーさん)」
白飯達はモララーの後ろで隠れていた。
「(とりあえず赤飯はしぃ達の油断した時に奇襲してくれ、俺が時間稼ぐYO)」

「ナニ ゴチャゴチャ イッテルノヨ!」
「いやいやすいません、俺の部下に別れの言葉を告げたのですよ。」
「ヤッパリ アフォダネ!ヤッパリ マターリガイチバンダヨ!」
しぃは、歓声を上げながら銃の引き金を引こうとしたその時。

「あーぁせっかくダッコして上げようとしたのに」


「ハニャ!?ダッコ!?」


しぃは突然引き金を引くのをやめた。

「最後にダッコさせようと上げたのに殺されるなんて、漏れってなんて不幸な男だろう(激しく棒読み)」
「ハニャンーナッコ!」
「チィモ ナッコ サセテー!」
ベビしぃ達は喜んでダッコを求めてモララーに近づいてきた。
「シィィ!ベビチャン、ワナダヨ!」
「ソウヨ!ダマサレチャダメ!」
しぃはそれを食い止めようと必死になっている。

ほんとに必死だな

「よし!いまだ!逝け赤飯!」
テーブルに隠れていた赤飯は飛び出してナイフを銃器を持ってるしぃに投げつけた。
しかし、ナイフはしぃに当たらなかった。
「(あ…外したアイツ!万事休すじゃねぇか!)」
次の瞬間、店の中に悲鳴が轟いた。

赤飯はニヤリとしている。

900 名前: soso 投稿日: 2004/07/04(日) 23:54 [ Li9fJIYc ]
「ヂィィィィィィィィ!!」
ナイフは、しぃの足元にいたベビしぃの腹に当たっていた。
ベビしぃはかなりの血を吐いている。
「シィィィィィィィィ!ベビチャァァァァァン!」
「急所狙いました、早く血止めないと死にますよ。」
しぃは焦りながら銃器を落とし、ナイフが刺さっているベビしぃを抱いた。
「いまです!モララーさん!」
「赤飯、あんたサイコー!あとでうまい棒買ってageるぞ!」
モララーは電光石火でしぃに突進した。
そしてすぐに足元にあった銃器を拾ってしぃの頭につき付けた。
「ジ・エンドだNA。」

「ベビチャァァァンシッカリ シテェェェェェェェェェ!」
しぃはベビを必死に強く抱きながら泣いている。
「おい無視かよ。」
「マ゙マ゙ァイヂャィヨー!ヂィィィィ!」
ベビしぃの腹からかなり血が流れ出てくる。
「イマ ソノナイフ ヲトッテアゲルカラネ!」
「あぁ待て、それ取ったら…」
モララーは止めようとしたが、しぃは無視しベビしぃに刺さっているナイフを取った。

ブシュュュュュュュ!
「ヂィィィィィィィィ!?」
ナイフを抜いた瞬間、ベビしぃ腹から華麗なる(?)血しぶきが出た。
「ハニャ!?」
しぃは分けもわからずびっくりしている。
「あーあ、強く抱きしめてその瞬間に抜いたら、血しぶきでるだろ…」
「ヂィィ…マ゙マ゙ァ…マ゙マ゙ァ…」
ベビしぃは息を荒くしながら親を呼んだ。
「ベビチャン…シッカリシテェェェ!」
ベビしぃは何回もママ、ママと2回叫んだ後、首が垂れながら死んだ。
「ソンナ…ベビチャン…シッカリシテヨ…」

「オマエモナーってか。」
モララーは、銃器をしぃの頭に突き付けたまま撃った。
「親子揃ってやすらかーにな。」
しぃはそのまま亡骸のベビしぃを抱きながら死んでいった。
「さてと、残りの糞虫さんは…。」

残りのしぃとベビしぃは恐ろしい表情をしながら震えていた。
「えーっと…、ベビしぃが…一.二.三.四…六匹か…。」

「ベビチャンニゲルヨ!」
「お客さん、店内汚してとんずらとはそりゃないでしょう。」
しぃは物凄いスピードで出ようとしたが、出口の前に白飯が立ちはだかった。
「逃がしはしない!!」

続く


長い間投稿しないですいません…少し短いですがお許しください…。
まだ誤字、脱字あるかもしれませんのでこ了承ください

901 名前: 虐待虐殺物語⑧ 投稿日: 2004/07/05(月) 15:15 [ jcCBUwSw ]
>>898、続き
モナーはわざとらしくこう言った
「君のお友達のしぃ美ちゃんモナ♪」

しぃは暴れながらこう叫んだ
「シィミ チャン ダケニハ テ ヲ ダサナイデ!!オナガイ!!」

・・・しぃ美とはチビシィ時代からの親友である。
子宝に恵まれなかった彼女だが最近やっとベビが生まれたのである

コレを聞くとモララーはニヤつきながらこう言った。

「じゃあ、代わりにアイツのベビ殺すって事で」
そう言うとイソイソとモララーは段ボール箱とライターを持ってきた。

モララーはダンボールの封を破ったそして、中からロケット花火を取り出す。
「そろそろ夏だからまとめて買ったんだよん♪」

こう楽しげに言った後モナーに向かってこう言った
「モナー、麻紐の用意できてる?」

モナーはこう言い返し、腰につけていた白い紐をモララーに向かって投げた。
「準備OKモナ!」
モララーはすぐさま準備に取り掛かった。
しぃ美のベビシィ二匹に麻紐をまき、吊るし上げる。
そして、ロケット花火を二本ほど用意した

・・・途中しぃ美が「シィ ノ ベビチャンカエシテェ!!」と喚いていたのだが聞かなかったことにした。

十分後、モララーとモナーはベビシィから約一メートル離れた距離に立っていた。
「よし!行くぞモナー!!」
「分かったモナ!」
ロケット花火に火をつけ、すぐさま瓶にさす。
そして標準を定め二人はこう言った。
「発射ァァァァァァアアアアアア!!!」

プシューーープシューーーー!!
二本のロケット花火が華麗に宙を水平移動する。

二本とも一匹のベビシィに向かって一直線にとんでいった。
そして・・・
バンッバンッ!
「ウジィー!」
ベビシィに命中し、破裂。
バラバラになって火傷した体が地面に落ちる。

ボトボト!
ベビシィ完全に絶命、まだ紐についている肉が有ったものの気にせず二人は笑った。

「シィィィイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!ベビチャアアアアアアアアアアアアン!!!!」
しぃ美は絶叫し、その場に泣き崩れた。
しぃはその場でベビシィを抱いたまま絶句している。

「いやー夏の風物詩にピッタリだね♪」
「うんうん「ウジィー」って断末魔が心に染みるモナ。」

そして二人はもう一匹のベビシィもロケット花火で射殺?した。

続く

902 名前: 世界・・・1話「思い」 投稿日: 2004/07/07(水) 21:23 [ 1nMgOXTk ]
このころの世の中は、完全に呪われた世界だった
戦いあい、死ぬ
奪い合い、死ぬ
そんな世の中では「忍」という存在が戦いに入った

〜これは、恋をした忍のAAの物語だ〜


ここは、山の方の忍の隠れ里
「ギコ様―――!!お待ちくだされ――!!」
「へ―ん!つかまってたまるかゴルァ!」
彼の名はギコ・ハヤテ、里の主の息子で、外の世界を夢見ていた


「よし・・・ここまでこれば・・・・ってここ里じゃねー!!!」



「なに〜〜〜!!!?ギコを逃したぁ!!?」
「ハっ!!申し訳ございません・・・・・」
「いますぐ連れ戻すのだあ!!」


ギコはそのころ海辺で休んでいた
「これが外の世界か・・あのクソオヤジめ「腐った世界」なんて嘘じゃねーか」
そのままギコは、眠りについた



「ん・・・ってもう夜じゃねーか!!やっべ・・・ん?なんで毛布があるんだ?」
ギコはあたりをキョロキョロと見回した、そこには、一人の女がいた
「うわあ!!き・・君誰?」
「いや、・・おどかすつもりはなかったけど・・・」


「へー・・・きみ忍なの・・・」
「それで帰れなくなっちまった馬鹿だけどな」
「そういえば、君名前は?」
「ギコ、ギコ・ハヤテ」
「私はしぃ、よろしく。よかったら家にこない?」
「え・・いいのかゴルァ?」



しぃの家にて
「ただいま、お兄ちゃん、友達つれてきたよ」
「(お兄ちゃん?)」
「はじめまして。しぃの兄のフサ・シュメルドといいます。にしても少し遅いぞ、しぃ」
「ごめーん」
そのしぃの兄は、なんとなくギコに似てた為、ギコは少し不思議がった


プウウウウウ

「チ・・また空襲か・・・しぃ!電気を切れ!」
プチ
「・・・なんかあんのか?ゴルァ」
「この国は今ぶっそうでね、電気つけてると爆弾落として来るんだよ」
しかしヘリはなぜか電気が消えているこの家に近づいてきた
「な・・・しぃ!逃げるぞ!!」
「ギコ君!!・・っていない!」



ギコは、家の屋根に立っていた

「君!!危ねーから降りて来い!!死ぬぞ!」
フサが警告するが、降りない
爆弾が落ちて来た
「飯くれたり毛布かけたりしてくれた人の家を・・・」
「ギコ――――ッ!!!」
「壊そうとすんじゃねえ!!ゴルァ!!」

ズバッ!!

その音と共に、隊員の首と跳ね返した爆弾で壊れたヘリが降ってきた

903 名前: 王国の虐殺 投稿日: 2004/07/08(木) 20:35 [ s3DsKHc6 ]
ここはモナ蔵(クラ)王国。
近くに海しか無い絶海の孤島に存在する唯一の国である。
国王のモナ蔵は、住民を虐めるのが大の楽しみであり、毎月一人一回兵士達に虐待をさせ、その虐待の一部始終を記録し、自室でのんびり鑑賞するのが日課である。
虐待は二人一組で行われ、虐待係と記録、護衛係に別れている。
虐待係はその名の通り住民の虐待を行う係だが、ある程度の腕力が必要な為に高い階級の者しかなれない。
記録、護衛係は虐待係の虐待を記録し住民の反抗を押さえ付け、安全に記録、虐待が行えるようにする係である。
今日もこの国で国王の為に名誉ある死が、誰かの身に舞い降りる。


「チィチィ」
「ハニューン」
「ハイハイ、モウスコシマッテテネ。モウスグオイシイゴハンガデキルカラ。」
無邪気なちびしぃ姉妹が親しぃに夕飯をねだっている。
コンコン
「ハァーイ!」
今から30秒後の運命を知らないしぃは何の疑いも無しに玄関の扉を開く。
カチャ。
タァーン。
「ハニャ?」
相手の顔も見る前にいきなり腕を銃撃され、混乱するしぃ。
次第に射たれた部分が痛みを発し、同時に国王の虐待に自分達が選ばれたことに気付く。
「ハ…ハニ…イタァ…ウ…」
痛みとショックで頭が混乱している所に扉をこじ開けた兵士から強めの蹴りを食らう。
ドッダン!
「アッ!…チッ…チビチャン…タ…チ…」
中身の詰まった羽毛布団を蹴っ飛ばした様な音と共にしぃは吹っ飛び壁に頭を強打して、そのまましぃは気絶した。

904 名前: 王国の虐殺 投稿日: 2004/07/08(木) 20:35 [ s3DsKHc6 ]
ここはモナ蔵(クラ)王国。
近くに海しか無い絶海の孤島に存在する唯一の国である。
国王のモナ蔵は、住民を虐めるのが大の楽しみであり、毎月一人一回兵士達に虐待をさせ、その虐待の一部始終を記録し、自室でのんびり鑑賞するのが日課である。
虐待は二人一組で行われ、虐待係と記録、護衛係に別れている。
虐待係はその名の通り住民の虐待を行う係だが、ある程度の腕力が必要な為に高い階級の者しかなれない。
記録、護衛係は虐待係の虐待を記録し住民の反抗を押さえ付け、安全に記録、虐待が行えるようにする係である。
今日もこの国で国王の為に名誉ある死が、誰かの身に舞い降りる。


「チィチィ」
「ハニューン」
「ハイハイ、モウスコシマッテテネ。モウスグオイシイゴハンガデキルカラ。」
無邪気なちびしぃ姉妹が親しぃに夕飯をねだっている。
コンコン
「ハァーイ!」
今から30秒後の運命を知らないしぃは何の疑いも無しに玄関の扉を開く。
カチャ。
タァーン。
「ハニャ?」
相手の顔も見る前にいきなり腕を銃撃され、混乱するしぃ。
次第に射たれた部分が痛みを発し、同時に国王の虐待に自分達が選ばれたことに気付く。
「ハ…ハニ…イタァ…ウ…」
痛みとショックで頭が混乱している所に扉をこじ開けた兵士から強めの蹴りを食らう。
ドッダン!
「アッ!…チッ…チビチャン…タ…チ…」
中身の詰まった羽毛布団を蹴っ飛ばした様な音と共にしぃは吹っ飛び壁に頭を強打して、そのまましぃは気絶した。

905 名前: 王国の虐殺 投稿日: 2004/07/08(木) 20:36 [ s3DsKHc6 ]
「マダカナー。」
「マダカナー。」
玄関で何が起こっているか知らないちびしぃ姉妹は無邪気に母親の帰りと夕飯を待っていた。
カチャ
そこに二人の男がちびしぃの座っているテーブルの近くに縦一列で並んだ。
ちびしぃ姉妹はなんだろうという気持ちと好奇心が親のいない状態の恐怖に勝ってしまい、一人のちびしぃが男に近づき話しかけた。
「オカアタンハ?」
「君達のお母さんはねぇ。今とても忙しいんだ。だから出かけてしまったよ。どれぐらいで戻って来るかなあ。」
愛想笑いに優しい声でちびしぃに話す男。後ろにいる男がビデオカメラを取り出した。
「ドコニイッタノ?」
「それはねぇ………」
後ろの男がビデオカメラを回し始める。前の男が録画ボタンを押した音を聞くと急に顔色を変えて答えた。
「あの世とこの世の境をなあ!」
「ハ、ハン?ハニャア!」
バン!
いきなりちびしぃの胸元を掴むと野球ボールの様に投げ飛ばした。しかし、死なない程度に投げた為にちびしぃは壁に身体をぶつけただけだった。
びっくりしたもう一人のちびしぃが恐怖でオシッコをもらした。
それを見つけた男はさっきとは種類の違う笑みを浮かべて言った。
「あらあら。オシッコもらしちゃった。雑巾で拭かなきゃ。」
そう言って恐怖で動けなくなっているちびしぃを掴むとちびしぃの顔を唯一地面が濡れている部分に擦りつける。
「ハニャ…イ…イタィ…ア…ク…ウァァァ…」
「あはははは。拭けないなあ!?この雑巾じゃあ。」
そう言って擦りつけていた手を離すが、ちびしぃに立つ気力は残っておらず、濡れた地面にうつ伏せになったままだった。
「モラ先輩、そろそろモナ」
「わかってる。お前は喋るな。」
ビデオカメラを回している男はモラ先輩と呼んだ男にそう言って何かを促す。
そしてモラ先輩は壁に叩きつけられてそのまま放置されていたちびしぃに足払いをかけてちびしぃを転ばすと尻尾を踵で地面に擦りつける。
「ウアッ…イダァァ…イイダィッ!イイダィッ!イイダィッ!ファッ…ハニャーン!」
「オナガイ!ヤメテェ!シッポキレチャウヨォ…」
さっきまで濡れた地面に倒れていたちびしぃが気づいて叫ぶがその声はだんだん小さくなっていく。
それに追い打ちか救済かわからないがそのちびしぃにある提案を出した。
「わかった。じゃあお前の出したオシッコを全部飲んだら許してやる。」
「エエエ!ソンナキタナイ…」
ちびしぃがそう答えると怒った顔でちびしぃ尻尾に入れている力を強くする。
「イダイイダイイダイーーーー。ヤッ!ヤァァ…イイッタァァ!!!」
叫びが強くなる。
「オナガイ!ヤメテェ!ノムカラヤメテェ!」
ちびしぃの尻尾に入れていた力が弱くなる。そして濡れた地面を見ているちびしぃを見て言った。
「どうした。早く飲めよ。」
ちびしぃが濡れた地面に顔を近づけていく。

906 名前: 王国の虐殺 投稿日: 2004/07/08(木) 20:37 [ s3DsKHc6 ]
玄関で気絶していたしぃが気がついた時にはすでに奥で大きな物音がしていた。
しぃは思った。もう助からない。このまま死んで行きたいとも思っていた。
叫び声が聞こえる。

痛い、痛い。
ああ、痛い。右腕が痛い。
血が止まらない。紅い、紅い血が止まらない。
私は何の為に生まれたの?この国の国王と兵士の快感を得る為に生まれたっていうの?
嫌だ。そんなの嫌だ。
もう死にたい。この苦しみから開放されたい。


痛い、痛い。

叫び声が聞こえる。

私の子供達の声だ。
そうだ。私には子供がいた。
せめてこの子達を守らなきゃ。

血で真っ紅に染まった右腕を支えにして起き上がる。
身体全体に神経が痛みを発する。

この痛さは私の子供が受けた痛み。そう考えれば痛く無い。

しぃは必死に歩く。
子供達のいる部屋の前に着いた。
中は静かであった。
紅くなった右腕で扉のノブを回す。
カ…チャ…
部屋の中は自分の右腕より真っ紅だった。全てに紅が存在する部屋だった。
しぃはその後、後ろに強い衝撃を受けて、そのまましぃは二度としぃとして目を覚まさなかった。

907 名前: 王国の虐殺 投稿日: 2004/07/08(木) 20:38 [ s3DsKHc6 ]
ちびしぃは濡れた地面に顔を少しずつだが近付けていった。
「アア…ウッ…ン…」
ギリギリで躊躇(ためら)っていたちびしぃが意を決して濡れた地面を舐め始める。
音もせずにただ無心で舐めるちびしぃの心は、ただモララーの足元にいるちびしぃを助けたい一心だった。
モララーが笑っている。
「ご苦労だった。」
そう言ってちびしぃの尻尾を踏み潰した。
コジュッ
そんな音が聞こえた気がした。
尻尾の軟骨が折れる音と肉の千切れる音が合わさり、虐待を行う者を至高の快感へと導く音。
「ひ…」
ちびしぃは声を押し殺した。
いや、声が出なかったと言った方が正しいだろうか。
尻尾が千切れた痛みは未だ無く、ただ自分の尻尾が無くなった感触だけが残っていた。
「オネ…チャン」
やっと出た言葉は叫び声ではなく、地面を舐め続けるを呼ぶ小さな声だった。
が呼んでいる事に気付かず、無心で舐め続ける。
「イタ…」
徐々に痛みが姿を表す。痛みは永遠に強くなっていくのではないかと思う程、激痛となっていく。
とうとう我慢できずに
「イダァァァァァ!!!!!」
叫び声を出してしまう。
その声に地面を舐めているちびしぃも何事かとそちらの方に顔を向ける。
視界の先には尻尾から血を流して下半身が紅くなりかけているちびしぃの姿だった。
地面を舐めていたちびしぃはびちょ濡れの顔でモララーと、その足元のちびしぃを呆然と見ていた。
モララーは笑うのを必死に堪えて顔を手で隠している。
モララーの足元のちびしぃは尻尾から血を流し、うつ伏せに倒れたまま動かない。
既に叫ぶ気力も無くなり、ただ倒れていた。
一人呆然と立ち尽くしていたちびしぃが突然モララーに体当たりや台所にあるケチャップやらトマトソースやらを投げつける。
「ウソツキ!ナメタラユルスッテイッタジャナイ!」
「ハァウ!」
ちびしぃの投げたケチャップが振り向いてしゃべろうとしたモララーの顔面に当たった。
フタが開いて中身が飛び散る。
「おま…痛って!!!」
缶切りで開けたばかりのトマトソースの缶詰がモララーのひざあたりに深めのひっかき傷を与えた。
「この野郎!今すぐ殺してやる!」
怒ったモララーが足元のちびしぃに体重をかけていく。
「アア…ン…ギィ…ンア…ヒ…」
既に体力の限界だったちびしぃは叫ぶ力も無く、悶えていた。
物を投げていたちびしぃはモララーが何をやっているのか解ると手に持っていた唐辛子の瓶を手から離した。
ガシャン!!!
大きな音と共に瓶が割れた。

908 名前: 王国の虐殺 投稿日: 2004/07/08(木) 20:38 [ s3DsKHc6 ]
「チ…ビ」
ドッ!
モナーの後ろの扉から親のしぃが來たがモナーの攻撃で気絶してしまった。
「オカアサン!」
「おおっと!動くなよ。動いたらこいつを殺す。わかったな」
台所から飛び降りようとしたちびしぃがモララーの声によって止められる。
「今おまえらの親を起こしてやるよ」
尻尾の千切れたちびしぃを引きずりながら入口で気絶しているしぃの前に行くといきなりしぃの右耳を引き千切った。
ミヂュ…プッ
「アッ!」
千切った部分から血が出始める。
モララーは、その千切った場所にてを置き、千切った場所から頭の中へ手を突っ込もうとする。
しかし傷が広がるだけで手は中に入らず、ただ頭の中をかき回すだけだった。
「アア…ウゥ…ンア…イ……」
しぃが声を出した。
モララーが尻尾の千切れたちびしぃを抱き抱えてしぃから離れる。モナーもモララーとは反対側に離れる。
「ほら、大好きなお母さんの側に行きなよ。」
そうモララーが言うと台所にいたちびしぃはこれ以上と無い笑みを浮かべて親の元へ走って行く。
「オカアサン!」
泣き叫ぶちびしぃを抱きしめてしぃはちびしぃの肩を食い千切った。
「イダァァァァ!オカアサン!ナニスルノ?オカアサン?」
クチャクチャと音を立ててしぃがちびしぃの肩だった物を食べている。
それを飲み込むと、更にちびしぃの頭を食い千切る。
「ハァ…ハァ…オカアサ…ド…シテ…ウ…アア…イタ…イ…」
しぃはどんどん自分の子供の頭を食っていく。
グチュ
ビヂチッ
ちびしぃの皮膚が食い千切られる音や筋肉が剥がされ、血で紅く染まった骨が見えたりする度にちびしぃの声は小さくなり、遂にちびしぃの声が聞こえなくなり突然痙攣を起こしたと思うとピクリとも動かなくなった。
しぃはモララーに頭を強くかき回されたためにでぃと化していた。
「怖い怖い。君のお母さん自分の子供食べちゃった」
モララーに抱き抱えられているちびしぃは震えていた。
でぃに食われていたちびしぃがボロ雑巾のようになるとモララーの方を振り返り、モララーに向かってきた。
モララーの前に行くと、でぃはちびしぃを捕まえようとジャンプしたり背伸びしたりする。
自分が狙われているとわかると、ちびしぃがモララーにしがみつく。
「イヤァ…オカアサン…コワイヨォ…」
「いけないお母さんだ」
恐怖に震えているちびしぃを高く上げたまま、でぃを蹴飛ばす。
台所に突っ込んで、運悪く包丁が頭に刺さり、脳が飛散して絶命した。
「怖かったね。僕はもう帰るけど、君はどうする?」
モララーがちびしぃに問いかける。
「ココニイル。オニイチャンモ…コワイ」
「そう…」
その時、
ガタン!
という音がしてでぃだった物の体がちびしぃだった物の上に落ちてきた。
「でも一人だと食べ物はどうするの?寂しく無い?一緒に僕のおうちに行く?」
「……………」
ちびしぃは何も言わずに頷く。しかし、顔はモララーの方を向いていなかった。
「じゃあ行こうか」
そう言ってモララーは歩き出した。
モナーもビデオカメラの電源を切り、モララーの後を追い部屋を後にした。
部屋の中に唯一紅く染まっていない物があった。
それは写真立てであり、写真には微笑んでいるギコとしぃ、そして二人に抱き抱えられたべびしぃの写真が立てられてあった。

続く?

909 名前: 証明 投稿日: 2004/07/09(金) 14:31 [ C38qQgHY ]
俺は犠弧本尚志だ職業は警察だ、そして事件は始まった
ある日、モラール・ヘイドーズと言う黒人が死んだ
誰もかもが直に忘れるであろう、小さな事件のはずだった
ギコ「ここか事件がおきたのは」
フサ「そうだ、ここだ、酷い死に方だぞ、あと死ぬ間際にダイイングメッセージを残したと」
こいつは相棒の総木双徒だこいつとは餓鬼の頃からの付き合いだ
ギコ「酷い?どんな死に方だ?あとダイイングメッセージも聞かせてくれ」
フサ「首を絞めた後に動脈を切り銃で心臓を打ち抜かれてある」
ギコ「それは、酷いな」
フサ「ダイイングメッセージは「ストーハ」
ギコ「ストーハ?何の事だ?」
フサ「俺にもわからん」
ギコ「さらにココは密室じゃないか」
フサ「うむ、そうなんだよな〜」
その日にもう一つ事件が起こった
これは強盗殺人事件だった
犯人はしぃのようだ
しぃ「オカネヲクレナカッタシ、ダッコシナカッタバツヨ!」
ギコ「・・・・・・・・・・・・・・・」
しぃ「ア!ギオックンダァ!コノオカネデイッショニシアワセニクラソ!」
そして犯人のしぃはギコ本の下へ戻った
しぃ「サァ!ハヤク!ダッコ!」
ギコ「おらぁっ!」
しぃ「ハニャ!?」
その後ギコ本はしぃをボコボコにした
フサ「犯人逮捕ご苦労ってお前いつもやりすぎなんだよ!」
ギコ「こんな奴死んでも良い」
フサ「オイオイオイオイオイオイ!」
そして警視庁に戻った
ギコ「犯人逮捕しました」
ウラ「ご苦労、君は何人の犯人を逮捕したことかわからないよ」
と言い笑った
彼は俺の上司の裏高光汰だ上司であるゆえ俺の尊敬する人だ
そして、警視庁から家へ帰ってる途中
しぃ「キタナイディナンカシンジャエー!!」
丸耳「シネシネー!アンタガイルセイデマターリデキナイノヨ!!
フサシィ「シニナサイヨ!アンタトビィガナカイイセイデチビチャンタチモキタナイヤツラトナカヨクシテルノヨ!!」
ギコはそのしぃ達の下へ行った
しぃ「ア!ギコクブヘェ!」
しぃ&丸耳&フサ「ギコクンノニセモノネ!!シネー!」
三人で襲い掛かってきた
だが、ギコは容赦なくしぃ達を半殺しにした
アフォ三人「ギ・・コ・・ク・・ン・・ナ・・ン・・・デ」
そしてその事をフサは見ててこっちに来た
フサ「おいおい、お前だけ特別しぃを殺して良いからってな〜」
ギコ「おーい、大丈夫か?」
ディ「アンタタチモワタシヲイジメルノ?」
フサ「俺等は警察だ虐める気は無いよ」
ギコ「フサの言うとおり心配するな、んで家は?」
ディ「イエハアノシィタチニホウカサレマシタ・・・・・」
ギコ「あいつ等・・・・・・・」
フサ「もう勘弁だぞ!」
ギコ「じゃ、家は俺の家に開いてる部屋があるからそこに来い」
ディ「ウン・・・・・・・・・・・」
俺はディ族を見捨てられない
俺の父親がボロギコだったから、しぃ達にボコラレ殺された
そして母子家庭になった
母親に山に連れてってもらった時
俺は捨てられた、フサとは同じ施設だ
ギコ「ストーハ・・・・・わかったぞ!」
フサ「何の事だ?」
ギコ「あれを見ろ」
フサ「麦藁帽子がどうしたのってああああ!」
ギコ「ストローハットだ」
      続く

910 名前: 虐待虐殺物語⑧ 投稿日: 2004/07/10(土) 12:27 [ A.xy3R2c ]
>>901続き

モナー&モララーは最高に爽快感を感じていた
今まで類を見ない「夏の風物詩」の花火で虐殺をしたのだから。

・・・そしてベビを殺されて泣き叫ぶしぃ美と唖然と見るしぃ&ベビシィ
これだけの条件がそろっておいて、スッキリしない筈が無い。

モララー達は次の虐殺を楽しむべく下準備を始めた。

「モナー、それコッチに置いて。」
モララーがマッチ等の小道具を置きながら言った。

「分かったモナ。・・・でもこのデカイ筒は何モナ?」
モナーは自分が両手で持っている物を見てこう言った。

「ああ、それ尺玉花火。」
・・尺玉花火、花火大会の定番である空で大きい「花」を描いて空に消える奴である

モララーは尺玉にしぃ美を括り付け「空中散歩」をさせようと思っていたのである。

「でも、こんな物無断で打ち上げたら・・・」
モナーはこう言った。確かにその通りである、何処の世界に尺玉で殺人する馬鹿が要るものか。

モララーはこう言った
「気にするな!」

さていよいよ夜になろうとしている・・・

続く

911 名前: 虐待虐殺物語⑧ 投稿日: 2004/07/10(土) 14:03 [ A.xy3R2c ]
>>910、続き

夜になった・・・
モナーがしぃ美としぃを連れて来る。(ベビも同伴)

モララーはしぃ美にこう言った。
「残念だったね〜お前の「友達」のせいでお前は夜空のお星様になるんだぜ!」

しぃ美は黙り込んで居たがこう口を開いた。
「シィ・・・!」
普段なら「シィチャン」と言う筈だが呼び付けで呼んでいる。
怒りで体がワナワナ震えていた、しぃ美は叫んだ

「ユルセナイ!!!アンタ ノ セイデ!!アタシ ノ ベビチャン ハ コロサレタノヨ!!」
落ち着いて考えるならモララーが一方的に悪いのだが、そんな事を考える暇は無い
「ツギ ハ ワタシ ガ シヌゥッ!?フザケンジャナイワヨ!!」
そしてしぃに飛び掛った
「シニナサイ!!」

しかしモナーに取り押さえられ尺玉にくくりつけられた。
「ハナシナサイ!!ギャクサツチュウ!!!」
しかしモララーは無言でマッチに火をつけ、導火線に点火した。

「ハニャア!?ヤメナサイ!!ヤメテ!!オナガイィィ!!ヤメテエエエエェェェェェェ!!!」
しぃ美が叫ぶ、しかしそんな叫びも虚しくしぃ美の体が空に上がった。

ボンッ!!
「シイイイイイイイィィィィィィィィ!!!・・・・・・!!!!!」
そのまま上にあがっていく。
そして・・・!

ドドーーーーーーーーーーーンッ!!!!!
空中で綺麗な花を描き轟音を立てて暗闇へと消えていった。

「た〜〜まや〜〜」
モララーとモナーはニコニコしながら満面の笑みで祝いの言葉を言った。

そしてしぃとべびしぃに向かってこう言った。
「お前は自分で親友を殺しちゃったね♪」
しぃは必死で「ハニャア!?チガウ!!チガウヨォォ!!」などと訴えているが聞いて無い。

「こんな偽善者は御仕置きするモナ!」
そう言って何処からか日本刀を取り出してこう言った
「夏の定番!スイカ割りならぬ「しぃ割り」モナ!」

モナーは目隠しもせずにベビシィの頭を引っぱたいた。
ザシュ!「ヂギュァゥイェェェェエエエエエ!!???」
ベビシィは謎の悲鳴を上げながら絶命した。

「お〜〜い!面白い事してるな!俺もやらせろ!」
そう言ってモナーから日本刀を奪いしぃを滅多打ちにした
ザシュドシュザクブシュガシュ!!
「ジィギャァ!?ウジ!ギュヂュアジィイイイイイイイ!!?」
しぃは悶え苦しみながら命を落とした。

「いやースキーリしたね〜」
「かえってスイカでも食うか!」終

912 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/12(月) 17:18 [ 83zl1HeM ]
ある日しぃはベビとちびの為に餌を探しに行っている所だった。

「ハニャーン・・・ハヤクエサヲミツケナイトベビチャンタチガウエチャウヨ・・・・」
しぃは必死にゴミ箱も漁った。だが食料は見付らなかった。

しかし、近くにボロギコとでぃと普通のしぃがいた。

「今日はこれっばかりだゴルァ・・・」

「キィィ・・・オナカスイタ・・・」

「ディチャン・・・イマタベモノヲサガシテクルカラネ!」
しぃが立ち上がった瞬間に腹に圧迫を感じた。

「シッ・・ジィィ!!!?ダレ?」

「ハニャーン♪エサヲモッテルヤシハケーンダヨ♪」
しぃはそう言うとそのしぃを何回も殴った。
「シィィィィ!!!ヤメテヨシィチャン!!!」

「ナニガヤメヨヨ!!! ソンナキタナイディトボロボロノギコトイッショニタベモノナンカタベナイデヨ!!!シィニヨコシナサイ!!!」
そうするとギコが立ち上がり
「頼む・・・やめてくれ・・・食料はやるから・・・」
パン二切れを差し出すとしぃはそれを奪って、
「ハニャーン♪サイショッカラソウスレバヨカッタノヨ♪マアアボーンスルケドネ!!」
しぃはかなりの笑顔で言い放った。

「え・・・」
ボロギコが口を開きかけた瞬間に
「ボロクソギコヲアボーン♪アボーン♪アボーン♪」
そうしてナイフで腹、左腕、右腕を刺した。
「ぎゃあああ!!約束が違うぞ!!!」
そう言うと
「ボロギコガシィチャンニクチダシシナイデヨ!!!!シィハヤクソクナンテイッカイモマモッタコトナンテナイワ!!」

913 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/12(月) 17:39 [ 83zl1HeM ]
>>912の続き。
そのあとも他のでぃやしぃを惨殺した。

「サテト・・・カエリマスカ・・」
そして段ボールの家に行くと信じ難い事が起きていた。

「ベ・・ベビチャァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!」
ベビしぃとちびしぃがたった今虐待されていたのだ。

「お、やっと母のおでましかな?」

「オカァァァダン!!!コノボウヲヌイテェェェェェ!!!!!!」
ベビはそう言って尻をしぃに見せた。
尻の間に棒が差し込んであるのだ(辛子&わさび付き)

「イマヌイテアゲルネ!!!」
だがモララーは何気なく差し出した。

「あっ そうだ思いっきり抜くと・・」
モララーが言ったときには遅しぶしゅーっっ・・・かなりの刺激のせいで糞がおもいきり噴射、
それがしぃにかかったし、モララーは押されていった。

「さ・・・さすがカラシ&ワサビだ・・・すげぇ反動・・・」

「カ・・ハァ・・・」

「ベビチャァァン!!!」
しぃが叫ぶと近くの一緒に虐待していたモナーが
「ちびを気にしないとは鬼畜だモナ」

「エ・・チビチャァァァン!!!!!!!!」
もうちびしぃは半殺し、耳はもがれ足は潰され腕は根元から切られていた。そして腹に包丁が刺さっていた。
続く

914 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/12(月) 17:55 [ 83zl1HeM ]
>>913続き
「お母さんの虐殺厨・・・私よりベビが大事なんだ・・・」

「って言ってるモナよ?」
しぃは
「チ・・チガウヨ!!シンジテチビチャン!!!」
しぃはちびに近寄ったがモナーに蹴飛ばされた。

「嘘をつくな・・!この糞野朗!!!」
ちびはそう言った後舌を噛み切った。そして死んだ。

「実に勇敢なちびモナ」
モララーはモナーが涙目になっているのを感じた。

「さて、ベビチャンのショータイムかなっ!!!」
モララーはベビ目掛けて野球ボールを投げた。
「ヂィィィ!!!ヤメチェヨゥ!!!」
ベビはしぃの体から離れた。

「そうはいかんざき!!」
モララーがベビを捕まえると
「おいモナー!キャッチボールをやるぞ!」

「おkモナ」
モララーがベビを投げるとモナーがキャッチした。

「ヂッ!!!モウナゲナイデェェ!!・・・グヂィ!!!」
キャッチしたモナーが拳をかました
「これは口出ししたらこうなるモナ」
続く

915 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/12(月) 18:05 [ 83zl1HeM ]
>>914
「ベビチャァァン!!!ベビチャァァン!!!」
と、言ってる間にもベビは投げられていく。
「イチャーヨゥ!!!!モウヤメテェェェ!!!コウピモナッコモシマシュカラアァァァ!!!」
そう言った時投げるのをやめた。

「そのかわりほんとに交尾するモナよ?」
ベビはホッとした顔で
「ウンイイヨゥ♪」

「では・・うらぁ!!」
ティンポを入れた瞬間に
「ギチッ!!??イチャーヨウ!!!キモチワルイヨゥ!!!キツキツデイタイヨウゥ!!」
ベビが暴れると、

「何言ってるモナ良いって言ったのはそっちモナ」
モナーは言った。

「シィノベビチャン・・・アンナタヌキニオカサレチャッタヨ・・・」
そうしぃが言うと、

「(プチッ(・∀・#)モララー・・やれ・・」

「おう(ニヤリ)
続く

916 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/12(月) 18:40 [ 83zl1HeM ]
>>915の続き
「モナーを狸って言ったな・・それはモナーのNGワードの一つだYO!」
モララーはそう言って思い切り膝蹴りを浴びせた。
「シィィィィ!!!カワイイオカオシャンガァァ!!!」

「さらにこれだYO!」
腹に蹴りを入れた。
「ジィィ!!!ポンポンサンガァァ!!!」
腹を抑えて倒れこむしぃに
「腹がダメなら心臓でいってみるYO!!」
そして心臓がある辺りにストレートをかました。

「シィィィ!!!シィノカワ(ry」
そしてしぃを立たすと
「てめぇはベビの犯されるところをじっくり見とけ!」
そしてモララーはしぃを羽交い絞めした
「ベビチャァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!!!」
しぃが絶叫を上げただがそれより酷い声が上がりそうになっていた。

「そろそろナカダーシが行くモナ!」
ベビが涙を流しながら
「モウヤメチェヨウゥ!!!!」
と、言った時に耳をつんさぐような絶叫が上がった
「アニャァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!アショコガオカサレチャッタヨゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「いい気味モナ」

「ベ・・・ビ・・・チャァァン」

「おっと まだショーは終わってねえぞ?」
続く

917 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/12(月) 18:53 [ 83zl1HeM ]
>>916続き
「今度は「ベビ達磨」モナ!!!」
モナーがティンポを抜くと
「そうだなもうそろっとあいつらの仇討ち時だな」
モララーが拳を握るともう羽交い絞めから解放されたしぃまで逃げたベビが言った。
「アニャァ・・・ベビダルマッテナニ?・・・」
しぃにダッコされながらベビが言った」

「それは今教えて上げるモナ こっちへおいで・・モナ」
モナー達がニヤリとしたのをしぃは逃さなかった。

「ベビチャン!!イッチャダメヨ!アンナタヌキトキモイギャクサツチュウナンカノトコロニ!」
ベビを抱きながら言った。

「また狸って言ったな・・・なら実力行使モナ!」
そう言ってしぃを蹴っ飛ばしベビを掴んだ。
「イタイヨゥ!!!ベビチャンニナニヲスルノ!!」

「こうするんだモナ」
ぶちっ。
耳が千切られた。
「アニャァァァァ!!!チィノオミミガァァァ!!!!」

「すかさず手足モナ!」

「ヂィィィ!!!!アンヨシャンガァァァ!!!!!!!!!オテテガァァァ!!!!」
達磨になったベビを何度も殴り地面に叩きつけ、
「dァイエツlfダィsィシッィィィィヂィィイチィィfダlfdj!!!!」
意味不明な奇声を上げながらダッコポーズをとっていた。
「G・エンドモナ」
頭を足でかち割られベビは死亡した。
続く

918 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/12(月) 19:05 [ 83zl1HeM ]
>>917続き
「ベ・・・ビ・・・チャン・・・・?ウソデショ・・・・・ネ?ゲンキニオハヨウッテイッテオキテヨ?コウビポーズヤダッコポーズヲトッテエガオデハナシテヨ・・・オナガイダカラ・・・」

「何がベビチャンだYO!!」
どすっばきっぶちっ
しぃは達磨にされた
「シィィィィ!!!!!!!!!・・・・・カ・・・ハァッ!!!」
しぃは血を吐いてでぃとなった。
「ベビチャン・・・・ゴメンネ・・・チビチャン・・・・ゴメンネ・・・・アノホームレスヲコロサナカッタラコウハナラナカッタンダヨネ?」
我が子を抱きしめるしぃをモナー達は後にした。
当然ながらしぃに虐殺されたのだ。だがその力でそのしぃ達の腕・足・耳・腸・皮・すべてをもいで苦しめた後、殺ししぃは尽きた。
最後の力と言う奴だろうか。

「ギコ・・・仇をうったぞ・・・」
そうしてモナー達は闇へ消えていった。
                   fin

919 名前: Do You ecstaC?(1/8) 投稿日: 2004/07/13(火) 20:54 [ ETcyM23E ]
NG博愛主義04


 街路樹を囲う木柵に尻を預けて、しぃは彼を待っていた。
 太陽はとっくに沈んでいたが、繁華街を行くAA達は「夜はこれから」と
ばかりに生気あふれる表情で道を急いでいた。未だ捕まっていない
連続殺人犯がうろついているかもしれないというのに、彼らは「自分
だけは大丈夫」とでも思っているのだろう。
 2ch巡回に飽きたしぃは携帯から顔を上げ、周囲を見回し、溜息を
ついて俯いた。
(今日も、会えないのかな……)
 彼女はもう半月近く、毎晩ここで彼を待っていた。彼が現れる気配は
少しもなかったが、しぃは別段不満に思ってはいない。そもそも、彼女と
彼は待ち合わせなどしていないのだ。
 実際の所、しぃは彼の声も顔も職業も知らず――さらに付け加えれば
性別すら確実ではなく「彼女」かもしれない――、ここで待っていれば
会えるという保証はなかった。
 けれどしぃは、出会う事さえできれば一目で彼だと見抜けると確信
していた。彼の方でも同様に、しぃを見かければきっと気付いてくれる
はずだ。
 だから彼女は、この人通りの多い場所で、彼を待つ事に決めたのだ。
 携帯電話をいじって時刻を表示させると、21時を少しまわっていた。
そろそろ帰らなくては、明日の仕事に差し支える。
 しぃは弾みをつけて木柵から飛び降り、駅に向かって歩き始めた。

 それは、運命を感じさせる瞬間だった。
 コンビニエンス・ストアの前に自転車を止めていた青年と目があった。
容易に雑踏に紛れてしまいそうな特徴のないギコ族だったというのに、
しぃは、つまずきそうになりながら立ち止まった。
 彼も驚いた様子で、自転車の鍵を抜こうと手をかけたまま、こちらを
見ている。
 ごく短い時間ではあったが、二人は時が止まったように身動きせずに
見つめ合っていた。

 店内から出てきたAAが、邪魔そうな視線をこちらに寄越した。
 途端に魔法は溶けてしまい、二人の世界は動き始めた。ギコは
自転車から鍵を引き抜き、しぃは彼の方に歩み寄る。
 彼に会えたら最初に何て言おうか、待っている間中考えていたのに、
いざその時が来たらなかなか言葉が出てこない。
「こんばんは」
 結局、こんなありきたりの挨拶で始めてしまった。
「こんばんは」
 ギコは挨拶を返してから、不思議そうな顔をした。
「全角がしゃべれるのか?」
 大学で専攻したから、そう答えるのも無粋な気がして、しぃは
冗談めかして口を開く。
「半角よりも、燃えるでしょう?」
 その解答にギコはきょとんとした。が、すぐに理解の色が広がり、
ノドの奥でくっくっと笑った。
「違いねぇ」
 笑みの残る顔で、彼は店内を示す。
「ちょっと買う物があるんだが……」
 終わったら部屋に来ないか。
 彼の誘いに、しぃはもちろん種族特有の柔和な微笑で頷いた。

920 名前: Do You ecstaC?(2/8) 投稿日: 2004/07/13(火) 20:55 [ ETcyM23E ]
NG博愛主義04


 自転車の荷台に乗せてもらうのは、実に高校生以来の事だった。
ギコの腰に腕を回し、バランスを崩さないように密着する。高校生時代に
戻ったように、しぃの心は高揚していた。
 予想したよりいくらか高そうなマンションの前で、自転車は停止した。
 しぃがついていくとギコは地下の駐車場に入り、自転車を駐輪し、
コンビニで買った物を袋ごと近くの自動車に放り込んだ。わずかに
金属光沢の交じった、綺麗な赤い車体だ。
「車があるのに、どうして自転車で行ったの?」
「近場はチャリの方が楽なんだよ。とめるとことか」
「なるほど」
 まじまじと車体を見つめていると、ギコの手がしぃを引いた。
「車もいいけど……」
「あ、そうだね……」
 これから我が身に起こる事を想像して、しぃの胸は期待に高鳴った。

 ギコの部屋は三階にあり、しぃはすぐに浴室に通された。
 寝室で事に及ぶ変態もいるらしいが、行為の場所については、
ギコもしぃも至ってノーマルだった。第一ベッドの上で事に及べば、
事後の片付けが大変ではないか。
「湯、使う?」
「使った方が、いいのかな……?」
 初めてだから良く分からなくて、言い訳するように続けると、ギコは
笑って頷いた。
「どっちかって言うと、温まってるほうが好みだな」
「じゃあ、借りるね」
 熱めのシャワーを浴びていると、ギコが大きな樹脂製の工具箱を
持って浴室に入ってきた。フタが開くと、整然と並んだ調理道具と
大工用具が白熱灯にきらめいた。
 ギコがこちらを見て薄く笑った。どうやらしぃは、無意識に
物欲しげな目で道具を見ていたらしい。恥ずかしくなって、
しぃはシャワーの水流に顔を隠した。

 ギコが蛇口をひねり、湯が止まった。耳先や指先から滑り落ちた雫が、
タイルの床で小さな水音を立てる。
 沈黙が少々居心地悪くて、しぃは目を伏せる。彼の手がアゴを捕らえ、
しぃの顔を上げさせた。
 しぃはギコの目に、ギコはしぃの目に、誤解しようのない明確な欲望を
見た。しぃがされたい事とギコのしたい事は、完全に同じ物だ。幸福な
陶酔に、二人は目を細める。
「今更 嫌だっつっても、止めねぇからな」
 念押しする必要なんて無いと分かっているだろうに、ギコはそう言った。
 しぃは彼の手を取り、胸元に押し当てた。
「切って、砕いて、滅茶苦茶にして」

921 名前: Do You ecstaC?(3/8) 投稿日: 2004/07/13(火) 20:55 [ ETcyM23E ]
NG博愛主義04


 しぃは浴槽の縁に座らされた。抱き合うような形でギコが覆い被さり、
首筋に顔を埋めてくる。背中に手が回され、背骨のくぼみを指がゆっくり
上下する。
「んっ……」
 しぃはギコの体にすがりつき、その肩に額をすりつけた。
(もっと)
 毛皮越しの指の感触はいかにも不鮮明で、彼女の衝動めいた欲望を
満たしてはくれない。むしろそれは、乾きを増幅させているだけだった。
(もっと強いのが欲しいの)
「……ねえ」
「何だ?」
 しぃが目で訴えかけると、ギコはからかいを含んだ様子で口の端を
上げた。分かっていて、彼は彼女をじらしているのだ。
 しぃは精一杯 拗ねた表情を作って、上目遣いにギコを睨んだ。
「意地悪」
「かもな」
 一言二言 抗議しようと思ったしぃは、しかし、しゃっくりに似た悲鳴を
上げることしかできなかった。
 ギコの爪が背中にひっかき傷を作ったのだ。
 毛皮で隠れて見えないはずだが、しぃの皮膚に刻まれた線には
確実に血が滲んでいるだろう。
 そしてしぃがささやかな痛みに背をそらした瞬間、彼女が待ちわびていた
感覚が首筋に落ちてきた。すなわち、ギコが食いついたのだ。
「ああっ!」
 それだけの刺激で、しぃは体の力が抜けて崩れ落ちてしまった。
危うく浴槽に落ち込みそうになるところを、ギコの腕が背中を支える。
しぃの体内から、ギコの牙がずるりと抜け出ていった。
 いくら鋭くてもそれは結局 哺乳類の歯で、切れない刃物を無理に
突き立てたような鈍い痛みが残った。その特有の重さは、彼女に
とって決して嫌な感覚ではない。
 しぃは痛みに潤んだ目でギコを見上げた。彼の口元は血に染まり、
空気に鉄の匂いが混ざっている。自身の体を見下ろすと、傷口こそ
死角になっていたが、鮮やかな赤が毛皮の上を流れているのが見えた。
 目を伏せてうっとりと息を吐く。彼の指が下りてきて、血の流れを
なぞった。それが少しくすぐったくて、しぃはもう一度彼を見上げる。
「痛ぇか?」
 楽しげにそう聞く彼の目に、あるいは狂気を見いだす者もいるだろう。
ギコは確かに、しぃの血に酔っていた。
「痛いの」
 未だほとんど力の入らない両腕を、ギコの背に回す。
 噛み傷の痛みはじわじわと麻痺していき、しぃは、より鮮烈な感覚を切望した。

922 名前: Do You ecstaC?(4/8) 投稿日: 2004/07/13(火) 20:56 [ ETcyM23E ]
NG博愛主義04


 ギコが工具箱から選んだのはカミソリだった。
 どんな使い方をしたとしても、これなら痛くないはずがない。
「動くなよ……っつっても、無理だろうけど」
 彼はしぃの頭を左手で支え、刃を近づけてきた。
 痛みの予感に、しぃは期待に息苦しくなって目を閉じる。
「んっ」
 ギコのカミソリはしぃの耳の内側の、むき出しの皮膚に当てられた。
 薄く鋭利な刃は、ほんの数秒だけ痛みを与えて、じわりとした熱に
感覚を変える。しぃの頭のわずかな震えはギコの手に押さえ込まれた。
傷自体は浅く、彼女の薄い耳朶を突き抜けさえしない。
「ふっ、うんっ」
 ギコは何度もカミソリを滑らせ、しぃの耳の無数に傷を刻んでいった。
 ひとしきり作傷を終えると、ギコはカミソリを浴槽の縁に置き、
何かのボトルを手に取った。
(……シャンプー?)
 中身を指先に取り、ためらいなく しぃの耳に塗りつける。
「うああっ!」
 細かな傷に界面活性剤が染み込み、肉が溶けているのではないか
と思うほどの痛みが走った。
 そしてギコは、乱暴と形容しても差し支えない遠慮のなさで、しぃの
耳を擦り始めた。
 耳への虐待と言えば引きちぎる事くらいしか知らなかった彼女には、
それは良い意味で予想を裏切る行為だった。
 片耳の、手の平よりも小さな面積に加えられているというのに、その
痛みは全身を震わせ、しぃは気を抜くと意識を失ってしまいそうだった。
こんな鋭敏な箇所をただむしってしまうのは、随分もったいない事だ。
 初めて味わう種類の激痛は、しかし長くは続かなかった。
 遠い昔、まだ全てのAAが痛みを嫌っていた頃。敵に立ち向かうにも
逃走するにも、苦痛は邪魔になる感覚だった。AA達は生き延びるために、
痛みを麻痺させる術を身につけたのだ。
 かつての環境で身に付いた反射で、しぃの意志とは無関係に、
体は痛くないふりをする。今この瞬間 苦痛を和らげようと分泌される
脳内物質を、しぃは恨めしく思った。傷を受けた瞬間のあの鋭利な痛みが
永続したなら、どんなに素晴らしい事だろう。
 途切れ途切れの呼吸は次第に落ち着き、苦痛への叫びはくぐもった
呻きに変わった。ギコの指が通過する度、しぃの耳には未だ痛みは
あったが、それはもう厚いフィルターを通したような不鮮明な感覚に過ぎない。
 しぃはたまらなくなって、ギコの背を抱きしめた。

923 名前: Do You ecstaC?(5/8) 投稿日: 2004/07/13(火) 20:56 [ ETcyM23E ]
NG博愛主義04


 頭上で笑う気配がして、彼の手がなだめるようにしぃの背を叩いた。
「足りねぇか?」
「うん……」
「俺もだ」
 意外に思って、しぃは彼を見上げた。余裕のある虐待ぶりとは裏腹に、
その目には血への焦燥がある。
 追いつめられているのは自分だけではないのだ。しぃは内心安堵した。
「……あのね」
 彼との連帯感が理性を弱めた。普段なら決して言葉にできない
直接的な願望を口にする。
「内蔵に直接 触れて。爪を立てて。あなたの手で握り潰して」
 改めて口に出してみると、自分はなんて異常なんだと恥ずかしくなる。
けれど今は、それすら心を傷つける甘美な痛みに感じられた。
 ギコがしぃを抱き寄せて、工具箱に手を伸ばした。いかにも切れ味の
良さそうな細身の包丁が選ばれる。
 その切っ先を、彼は無造作にしぃの脇腹に突き立てた。
「ああっ!」
 彼女の体は一度びくりと跳ねてから、苦しげに息を吐きながら
背を丸めた。自らを守ろうとするようなその体勢に、ギコの嗜虐心が
煽られる。
「お前、イイ声出すな」
 ぽろぽろと綺麗な球になって落ちていく涙の粒の一つを
ギコは舌で舐め取った。
 しぃは誉め言葉に反応する事もできず、ぎゅっと固く目を閉じて
腹の痛みに耐えているだけだった。静かな浴室内には、ただ、しぃの
荒い呼吸の音だけが響いている。
 ギコはしぃの肩を撫でて、そろそろと包丁を抜きにかかった。
刃が抜けて行くのにつれて、傷口から鮮血があふれ出す。包丁の柄を
握るギコの手が、暖かな赤に染まっていった。
「……ほら、抜けたぞ」
 用済みの包丁は邪魔にならないよう押しやって、ギコはしぃの頭を
撫でてやった。痛みに張りつめていた顔が、わずかに緩む。
「力抜いてろ」
「ん」
 ギコの胸に額を擦り付けるようにして、しぃは小さく頷いた。
 べったりと濡れた毛皮の中に指を潜らせ、傷口をなぞる。彼女の悲鳴は
耳に心地よく、ギコは衝動のままに、一気に指を根本まで突き入れた。
 腹腔内は熱いとさえ感じられるほどで、しっかりと詰まった臓器の表面が
ぬるりとした感触を伝えてくる。
「……だから、力抜いてろって」
 指を締め付けてくる腹筋の強さに、ギコは苦笑した。
「だ、だって……」
 しぃは決して力を入れようとしているわけではない。むしろ脱力しようと
頑張っているのだが、体の方が言うことを聞かないのだ。
 そもそも、こんな場所に異物を挿入されて無反応でいられる者の方が
少数派だろうが。
「ま、構わねぇけど」
 そっちの方が余計に痛むし。ギコはしぃの耳元で囁いて、腹腔内を
指でかき回し始めた。ぬるぬると滑る感触と、ぐっとひっかかる感触。
包丁に切り裂かれた断面が、ギコの指に抵抗するのだろう。そちらの方が
反応が良くて、ギコは内蔵の断面を執拗に攻め続けた。
 最初の内は弾むような悲鳴を上げていたしぃも、やがて痛みに
衰弱してきたのか、ぐったりとギコに身を預けるようになった。くぐもった
うめき声と絶え絶えな呼吸が、ギコの耳をくすぐる。衰弱するにつれて
抵抗も弱くなり、ギコは指を二本に増やした。

924 名前: Do You ecstaC?(6/8) 投稿日: 2004/07/13(火) 20:57 [ ETcyM23E ]
NG博愛主義04


 さすがにこれは効いたのか、しぃの体に一瞬 抵抗が戻った。
「ふ、あ、だめ……」
「駄目? なんでだ?」
 拒絶されたところで、ギコはもうこの感触を手放す気などない。
「だって……いたい」
「知ってる。でも、それが良いんだろ?」
 さらに一本、傷口に指をあてがった。
「あ……」
 しぃの顔に、恐怖と期待が交錯する。
「ほんと、もう、むり」
 実際の所、彼女の言うとおり、最初に開いた傷の広さは指二本が限界だった。
けれどギコは、わずかにではあったが三本目の指を押し入れた。
「どうしても嫌だって言うなら、今すぐ止める」
 腹腔内の指の動きを止め、しぃの返事を待つ。
 突然行為を止められて、彼女は戸惑った。指を増やされるのは恐い。
けれど、こんな状態で放置されるのも嫌だ。
 自分の体が勝手に動いていることに、しぃは気付いた。動かない
ギコの指にじれたように、腹部を彼の方に押しつけるような動きをしている。
 朦朧としていたしぃの意識が覚醒した。自分の体は、なんて
浅ましいのだろう。失血に下がりつつあった体温が、一気に戻ったような
気がした。
 羞恥や欲望・恐れといった感情に翻弄されて、結局しぃは痛みに屈した。
「やめないで、最後まで続けて……」
 顔を伏せ、蚊の鳴くような小さな声で懇願する。
 ギコは言葉の代わりに加虐で答えた。
「あっ、あ、ああっ!」
 柔らかな腹内を二本の指がばらばらに動いて蹂躙する。そして
三本目の指は、ゆっくりと、しかし休むことなく内部への侵入を開始した。
 狭い傷口はすぐに限界を迎え、ギコの指で広げられた傷穴は
ほとんど円形に近かった。
「いくぜ」
 ギコはさらに指を進め、限界を超えた傷口がみちりと裂けた。しぃの
ノドから、悲鳴と呼ぶにはあまりにささやかな、かすれた息が漏れた。
「まだだ」
 筋肉の繊維に沿って、傷はじわじわと大きさを広げていく。
 ついに彼女の腹はギコの指を三本根本まで飲み込み、毛皮越しにも
異物で膨れ上がった箇所がはっきりと見て取れた。ギコが指を動かすと
膨らみもそれに合わせて動き、彼女の腹は何かに寄生されているように
見えた。
「まだ逝くなよ」
 ギコの意図に気付いていないらしい彼女にそう言い聞かせて、腹内を
探る。腸の断面はすぐに見つかり、ギコは三本の指でしっかりと爪を
立てて捕まえた。そして、彼は一気に引き抜いた。
 しぃは呆然と、抜け出ていく臓物を見ていた。巻き尺でも引き出すように、
それは勢い良く伸びていく。重力に引かれてたわんだ腸の下端が、
浴室のタイルにべちゃりとくっついた。
 臓器の量が減って、しぃの腹には変なくぼみができている。体液で
保護されているべき器官は、外気にさらされただけでもひどく痛んだ。
 遠のく意識の中で、しぃは、楽しげに笑うギコを見た。

925 名前: Do You ecstaC?(7/8) 投稿日: 2004/07/13(火) 20:57 [ ETcyM23E ]
NG博愛主義04


 朝が来た。
 天井はクリーム色で、シンプルなデザインのライトが下がっている。
(……あれ?)
 しぃは体を起こそうとして、全身が痛み、またベッドに沈んだ。
「いっ、た……」
 呼吸ができない。
 苦痛の硬直が解けるのを待って、しぃはゆっくり息を吐いた。
(そうだ、昨日は確か……)
 昨夜の出来事が、しぃの脳裏に鮮明に甦る。
(……最後は、どうなったんだっけ)
 自分の内臓を見たところまでは覚えていた。つやつやと血に濡れていて、
自分の体内に納まっていたとは信じられないほど長かった。
 しぃは傷のあたりを触った。肉とも毛皮とも違う、布の感触がある。
(何?)
 数度撫で回し、どうやら包帯らしいと見当をつける。……手当て
されているのだ。
 ゆっくりと起きあがり、確認すると、全ての傷がガーゼや包帯で
覆われていた。
「……何で?」
 しぃは自分の置かれた状況に戸惑っていた。治療どころか、そもそも
朝を迎える事など無いはずだったのだ。
「私、生きてるの?」
 それはとても意外な事だった。
 腹を撫でてみる。引き出された腸は戻されたのか、別段、中身が
少なくなっている感じはしなかった。
(で、ここは?)
 もちろん、しぃの自宅ではない。病室のような気配もないので、多分、
ギコの部屋の寝室なのだろう。
 しぃはベッドから下り、ギコを探して寝室を出た。

「お、起きたか」
 白い深皿の中身はドライフードと牛乳。どうやら彼は、朝は軽く
済ませる主義らしい。
「おはよう。えっと……」
 何から問おうかと悩んでいると、彼はパックの牛乳をマグカップについで、
電子レンジで温め始めた。
「ホットミルクは、砂糖入れるのか?」
 しぃが頷くと、彼は「そうか」と呟いて砂糖壺をテーブルに持ってきた。
「チンって言ったら、自分で持ってこいよ」
「え? あ、うん」
 ギコはドライフードをスプーンですくいながら、テレビのニュースに
目を戻した。画面の中では、アナウンサーが痛ましげな面持ちで、
県内のとある学校の生徒が池で溺死したと報じている。
 最近暑いから、水遊びでもしていたのだろうかと、しぃはぼんやり考えた。
「昨日、お前 内臓逝ってるから、今日は固形物はやめとけよ」
 綺麗に巻かれた包帯の事も相まって、食事指導するギコはまるで
医者のようだった。そう口に出すと、彼は「一応 外科医だぞ?」と
ためらう様子もなく答えた。
 そんな事を自分に教えてもいいのだろうか。しぃは不審に思った。
 命を奪わない限りは、合意の上での虐待行為は罪に問われない。
しかしそれは「法律上は合法」という話だ。医者・教師・警官……そういった
職種の人間には、失職に繋がりかねない趣味である。

926 名前: Do You ecstaC?(8/8) 投稿日: 2004/07/13(火) 20:58 [ ETcyM23E ]
NG博愛主義04

 電子レンジが調理完了の音を立てた。火傷しないように注意して
取り出し――別に火傷は嫌いではないが、反射で手を引っ込めて
床にぶちまけても困る――、彼の正面に腰かけた。角砂糖を一つもらう。
「何で、殺さなかったの?」
 一番の疑問をぶつけると、彼は質問の意味が理解できないと
いう風な顔をした。
「(゚Д゚)ハァ?」
「だから……」
 しぃが言葉を続けようとしたとき、ニュースの話題が切り替わった。
 連続殺人犯は、昨夜も獲物を殺したらしい。
(嘘。だって彼は、昨日は私と……)
 被害者の写真が映し出されているテレビ画面と、ギコを交互に見比べる。
 しぃが勘違いしていた事を理解するのと同時に、ギコの方でも彼女の
誤解に気付いたらしかった。彼はテレビを指さした。
「……あれだと、思ったのか?」
「違ったのね……」
 ギコは盛大に溜息をついた。
「死なせるようなヘマするかよ」
 しぃの疑問は氷解した。ギコは、しぃが待ち望んでいた殺人鬼では
なかったのだ。
 彼は席から立つと、浴室に行って戻ってきた。その手には鎖と
プラスチック製の手錠があり、彼はごく当然のような動きでしぃの両手首を
拘束した。
「……え?」
「自殺願望者を、そのまま帰すわけにはいかねぇだろ?」
 あつらえたように手頃な柱に鎖を回し、手錠に通して南京錠をかける。
「別に、自分で死ぬ気はないんだけど……」
 プラスチック製とは言え手錠は玩具ではなく、壊すのは難しそうだ。
「最初は皆そう言うらしいけどな。いきすぎた自傷も含めて、
えくすたしぃの死因の8割は自殺だ」
 ギコが乱暴に鎖を引いた。
「あうっ」
 全身が揺すぶられ、傷に痛みが走った。
「生きてれば、死ぬよりも、もっと痛ぇ事、教えてやるぞ」
 彼は囁いて、しぃの耳朶に噛みついた。
 背徳の欲望に、彼女の体が震えた。

 待ち人来たらず。
 ……けれど、なんら問題はありません。

                                  (終了)

927 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/07/20(火) 01:11 [ yIA0A0Is ]
練習スレ出身の初心者の駄作ですから脳内アボーン奨励です。
できれば、感想を感想スレでお願いします。


「スレッドトラベラー」 1/6

これはある糞虫たちの苦難の虐殺スレ脱出物語である。


ここは「(*゚ー゚)←こいつを殺せ!」スレにある、東ぃ村と呼ばれるしぃ達の集落。
今日は、重要会議のため、村民が全員公民館に集まっているのである。

「……ト イウワケデ ワレワレハ コノスレヲ ダッシュシテ ヤマオクノ シィセンセイ スレニ イジュウスル! イギノ アルヤシハ!?」
「…………………」
「ゼンイン イッチ! ケッコウハ ミョウニチ アサ 5:30! オクレタヤシハ オイテキボリ!」
「ハニャァ!」


そして、翌日の朝5:30。

「ハニャーン! ゼンイン ソロッタネ? ジャァ シュッパツスルヨ! シィノテーマヲ ウタイナガラ イキマショウ。」
「キョウモ ゲンキニ シィシィシィ! シィハ アイドル ハニャニャニャーン! ギコクンダッコ! ギコクンコウビ! ソシテ アシタモ ゲンキニ…」

928 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/07/20(火) 01:12 [ yIA0A0Is ]
そして小一時間後、
スレを脱出し、隣のスレ「【12スレも】1000まで数取団【夜露死苦】」についた。

村長らしきしぃが
「コノスレデ 30プン キュウケイシマス!」
と、宣言した。すると、一気に「ダッコダッコ!」「コウビコウビ!」の声や、ノビーするしぃが目立つようになった。
さっきまでの整列した状態の時とはえらい違いだ。

しかし、村長はスレ選択を間違えた。このスレは、非常に危険なスレである。
案の定、数取バイクがやってきたのである。
「………!ブンブン!西武ドーム!ブンブン!」
「21施設!ブンブン!阪神タイガース!………」

1匹のしぃが轢かれた。
「シィィィィィィィィ!? アホファfンフォスアオhン!!」
元気だった1匹のしぃは、無惨な姿となった。
村長は、やっと村民の危機に気が付いた。
「シィィィィ!? ミンナ! イソイデ タイヒ!!」
「シィィィ! モウオソイヨォ! ハニャ!? ハギャノアfhノアンフォアjンフォアノ!!」
「ハニャーン… マダ シニタクナイヨウ……… シィ!? シィィィィィィ!! ハギャァァァァァァ!ウ\アイファビfバ!!」

どんどん轢かれていく。そして、断末魔の叫びをあげる。
そして、心労で氏ぬしぃも出てきた。
「シィィィ!シィノ オトモダチガ シンジャッタヨゥ……… シィィィィィィ………………」
「シィィィ……… ナンデ シィノ オトモダチハ ヒカレテナイノニ シンジャッタノ?………」

とにかく、数取団AA連合は向こうへ行った。
「シィィィィ……… ギャクサツュウハ ムコウヘ イッタネ……… ミナサン! ギセイシャノカズハ?」

………………ただいま総計中です。しばらく(゚д゚)ウマーでお待ち下さい………………

総計で1万匹を越えるの犠牲者が出たそうな。

「トニカク! コンナ キケンナスレ ハヤク ダッシュツ スルヨ! 」
「ハニャ!」
駆け足で、スレを脱出。
隣のスレ 「Null Pointer Exceptionを「ぬるぽ」と呼ぶスレ 24 」に移動した。

929 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/07/20(火) 01:13 [ yIA0A0Is ]
「Null Pointer(略)」に着いたしぃ達は、再び、一カ所に集まっていた。
村長が、こう発表した。
「コノスレハ サッキミタイニ ギャクサツチュウガ イナイカラ マターリデキルヨ! 60フン キュウケイスルヨ!」
「チョット! サッキハ ギャクサツチュウガ イタジャナイ!! ホントウニ イナイ ショウメイ デキルノ!?」
「コレガ センケンタイノ チョウサショヨ!」

そこにはこう書いてあった。

スレッド名:Null Pointer Exceptionヲ「ヌルポ」トヨブスレ 24
過疎レベル:ハニャーン。ヒトガ イッパイ イルカラ カソ シテハ イナイヨ。
虐殺厨:ギャクサツチュウハ イナイヨ! ミンナデ オモウゾンブン マターリ デキルヨ!
注意事項:「ヌルポ」ッテイウト ヘンナハンマーデ タタカレルケド ソンナニ イタクハ ナイト オモウヨ。
総合評価:キュウケイチテントシテハ テキシテイルヨ! ミンナデ マターリシヨ♪ 
記入者:センケンタイチョウ ナカマターリ2チョウメ シィベ シィミ (*゚ワ゚)←シィノハンコ

「デハ アンシンシテ マターリシテネ!」
惨劇の起きる前の数取団スレで見せたあの自由な感じをまたしぃ達は感じている。
「マターリ………」
「キモチノ ヨサハ セカイイチネ………」
「ヌクヌクノ オヒサマ ダヨゥ!」
「ポカポカヨウキ………ア レンゲガオチテル………」


しばらくして、遠くの方で
「お〜い!いたぞ!あいつらだ!!」
と言う声が聞こえ、しぃ達は一斉に妄想を始めた。
(ハニャ!? シィハ アイドルダカラ スグ ミツカッチャッタ ダッコ サセテ ホシイノカナ?)
(シィ! キット アレハ ギコクンヲ ヨンデルンダ! シィニ ギコクント コウビサセテ アゲタイ カラダネ!)
(コレゾ マターリジテン(しぃ達の辞書の事らしい。)ニノッテタ 『ハナヨリ ダッコ!』ダネ!)
※:花よりダッコ:まぁ、花より団子と同じみたいな感じか?

さっきのメンツは人数を少し増やし、しぃの元にやってくる。
彼らはハンマーに力を込め、しぃを殴打した。
「fpシgジャspjgパkmガイジェロア!!」
強烈な一発がしぃの頭をバラバラにした。まぁ、即氏だな。
「チョット! ナンデ シィノ ナカマヲ ナグルノヨ! シャザイシテ ダッコシナサイ!」
「ぬる○って言ったら殴るのはココの礼儀。お前らの仲間は体が弱すぎて氏んだんだよ!」
「シィハ ヌル○ ナンテ イッテナイモン!」
「さっきの発言を思い出せ! ヌクヌクノ ポカポカ レンゲガ」
「ヤッパリ イッテナイジャン! シィノ ナカマヲ ナグッタ シャザイノ イヲコメテ ダッコ シナサイ!」
「まぁまて。 これを入れ替えると、こうなる。 ヌクヌクノ レンゲガ ポカポカ」
「デモ ヤッパリ 『ル』ガ ナイモン! ダッコ1000カイネ!」
「そして最後に、 必要以外のを削ると、 『ヌノレポ』となる。わかったか?」
「シィィィィ!? ソンナワケ ナイモン! ソンナノ ギャクサツチュウノ イイガカリト イッショ ダモン!
 マサカ アナタモ ギャクサツチュウナノ? ミンナ! ギャクサツチュウダヨ! テッシュウ! テッシュウ!」
「ハニャ!」
それ以外のしぃは逃げることに成功したのだった。が……

村長は必死になって逃げた。
後ろから、「シィィィィィィィ!?」や「ハギャァァァァァァァァァァ!!」
そして、「dfhナオgホアンゴアノウイ4ホth!!」などという断末魔の叫びが聞こえても後ろを振り返らなかった。
後ろを振り向くのが怖かった。こんなルートを選んだ自分のせいで氏んでいく仲間を見られなかった。


そんなこんなで、叩き屋から逃げ切った。
「シィ……シィ……シィ…… ミンナ! ブジデスカ!?」
「イッパイ ナカマガ シンジャッタヨゥ………」
「ギセイシャノカズハ?」
………………(只今集計中です。そのまま(+д+)マズーでお待ち下さい。………………

「シィィィィ………………シィノセイデ ナカマイパーイ シンジャッタ………………」
「チガウヨ! ソンチョウ! アイツラニハ マターリスルシカクガ ナカッタンダヨ!」
「………………ソウネ。 シィタチハ マターリスルシカクノアル カミサマニエラバレタ シィダモン!」
「ジャァ、タビヲツヅケルヨ!」
「シィ!」

930 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/07/20(火) 01:17 [ yIA0A0Is ]
ここからは作者がめんどくさがりなので、一部ダイジェストでお送りします。
(スイマセンコノトオリデスユルシテクダサイ)


そんなこんなで、彼女らは、旅を続けた。
次に立ち寄った、「モララーが夜食を作るスレ」では、夜食に入れられて、まずい夜食を食わされて、彼女らと一緒にショック氏するしぃが多かった。

その次のスレは「ジエン食堂」だった。ここに、食事しに来ていた、「(*゚ー゚)←こいつを殺せ」の虐殺者に多数の断末魔の叫びが聞こえた。
このスレでは一部始終をお伝えしよう。


(´∀`)
「おまいら被虐者が何逃げ出してるんだ、モナ!」
(゚Д゚,,)
「被虐者は被虐者らしく………………」
(・∀・)
「俺  達  に  頃  さ  れ  て  な  さ  い  っ  て  こ  っ  た  !」
その一言を最後にギコはしぃを斬りにかかった。
「シィィィィィ! ソンナ マターリ ジャナイノ シィハ イヤダヨゥ! ダッコシマスカラ ユルシテ クダサイ!! ………ハギャァァァァァァ!!hフォアウfホアfホアンソ!!」
一方、別の場所では。
「シィィィィィィ………シィノ ナカマヲ コロシタ ツミハ オモインダカラ!」
(・∀・ #)
「じゃぁ、どのくらい重いのか拳で教えてYO!」
(・∀・ )
「ドウセ クソムシノ モロイ コブシデハ オソワレナイ! ソレクライ カルイツミ ッテイウカ ムザ(・∀・)イイ!」
(#゚ー゚)
「ソウ シヌマエニ イウノ ハソレダケ? ジャァ エンリョナク シンデネ!」

そういうと、しぃちゃんパンチを放った。しかし、そのパンチは当たることがなかった。
なぜなら、机の足に小指をぶつけて痛いからだ。
しぃはじたばたしながら痛みを表現する。
モララーは、
「ほんとに無罪だったね。しぃちゃん。じゃ、遠慮なく氏んでね。」
といい、しぃに近づいていく。そのとき奇跡が起こった。
じたばたしていた足が、偶然にもモララーの股間をとらえたのだ。

「……モ………モギャァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
狂ったのか、半角で叫ぶモララー。ジエンは汗をかいている。
(モララー ユウザイ (・∀・;)イイ?)


とにかく、このスレでは7000人近い犠牲者が出た。

931 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/07/20(火) 01:25 [ yIA0A0Is ]
………………そして、このスレを越えれば、もう山奥スレ。
しかし、ここは「暴打フォン」のスレ。しかも土曜日。
ハッピーパ蹴ットスタート済みなので、クックルも容赦しない。
最後の最後で東ぃ村脱出勢は壊滅。残すところわずか9名となってしまった。


そして、その残った9名が山奥のしぃ先生スレにたどり着いた………………
しかし、そこには看板が立ってた。

「おかげさまでしぃは全滅しました。ありがとうございました。 −モララー−」




そこには、廃墟が残るのみだった。


「シィィィィィ!? ナンデ シィハ コンナトコロニイナキャイケナイノ!?」
「ソンチョウ!! コレハ ギャクニ リヨウスルベキ デス!」
「ソウデスヨ! カソスレナラ ミヲ カクストコロガ イッパイ!」
「ソレニ、モトスレガ シィセンセイノ スレダカラ ハタケトカモ アルカラ セイカツデキマス!」

とりあえず、しばらく自給自足の生活を送ることにした。

932 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/07/20(火) 01:26 [ yIA0A0Is ]
廃墟での村長の日記。

1日目
「キョウハ ギャクサツチュウガキテ ナカマガ ヒトリ シニマシタ」

2日目
「キョウハ チカクノカワガ ハンランシテ ナカマガ ヒトリ ナガサレマシタ」

3日目
「キョウハ レスアボーンノ トバッチリヲウケ ナカマガ ヒトリ ケサレテシマイマシタ」

4日目
「キョウハ ホケンジョノ ヒトガキテ ナカマガ ヒトリ ツレテカレマシタ」

5日目
「キョウハ ビィガキテ ナカマガ フタリ タベラレマシタ」

6日目
「キョウハ ナニモ アリマセン デシタ」

7日目
「キョウハ ジエンカラ ニクコプーンヲ モライマシタ タベタラ ナカマガ ヒトリ シニマシタ」

8日目
「キョウモ キノウノニ クコプーンノセイデ ナカマガ ヒトリ シニマシタ」

9日目
「ノコッタノハ シィダケ キット シィモ モウナガクナイ モウダ……メ………ポ…………………」


=完=

933 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/07/21(水) 15:56 [ .MbWDXSE ]
>>857続き
赤チームの方は・・・・・・と

赤チームの方も、様子は似たようなもの
一生懸命に石を抱えながら、よちよちと歩いている。
しかしこちらの方が、当たり前だがダメージは大きい。
ドライアイスに比べて、重さも熱さも上なのだ。
しかし
「ヤ・・・ヤット カゴシャンノトコロマデ・・・・・・コレタ・・・!
 アトハ・・・イレルダケ・・・・・・・・・エィッ!!・・・・・・・・・・
 ヤッタ!! ハイッタ!!」
まあ、その分かごを低くしてあるから、入りやすいようになっている。
玉の重さが重い分の、とりあえずのハンデだ。
糞虫といえど、「一応」公平に扱わんと、な・・・・・・。


時間がたつにつれて、両チームともかごに玉をどんどん入れていく。
白チームのほうも、かごはそれほど高く設置していない。
時間がたつにつれて、両チームのかごは満杯になっていった。
ボロボロになりながらも、玉を入れていく嬉しそうなベビ達を横目に
モララーはほくそ笑み、なぜかこうつぶやいた
「これでいい・・・・・・・・・」 と
             続く

934 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/07/21(水) 15:57 [ .MbWDXSE ]
>>933続き

10分近くたった。
ベビしぃどもは、すべての玉を「とりあえず」入れ終わったようだ。
足下に、にこやかな顔をして近寄ってくる。
達成感のあふれる、輝かんばかりの笑顔で。
「チェンチェ!! オワッタヨ!!」
「ミーンナイレタヨ!! チィタチ エライデショ?」
「コンドハ オチオキナチダネ!! ダッテ ミンナイレタンダモン!!」
「全部入れた・・・・・・? そうかい、そいつはえらかったねー。」
適当にベビしぃを褒め(もちろんフリ)、漏れは別の方を見ていた。
・・・・・・・・・・・・・・・
そろそろ頃合いだな。
「・・・・・・でもさ、ベビちゃん 悪いんだけど
 
どこが全部入っているのかなぁ?」

「エ・・・・・・?」
ベビしぃたちが振り向いたその瞬間

ぶちっ・・・・・・ぶちぶちっ・・・・・・
みちみち・・・・・・

ド サ ッ ! !

その時、ベビしぃたちにとって、泣くに泣けないことが起こった
かごの網がちぎれ、すべての玉が落ちてしまうということが
もっとも、漏れにとっては笑うに笑えることだが。
              続く

935 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/07/21(水) 15:58 [ .MbWDXSE ]
>>934続き

おーおー、みんなポッカーンとして!
ま、無理もないか。
今まで必死こいてやってきたことがみんな無駄になったんだから!

しっかしうまくいったなー! ロープとゴムひものかごで行う玉入れ!
赤チーム:焼け石の熱+その重さで、ロープのかごが焼き切れる
白チーム:極低温のドライアイスでゴムが劣化、
あとはドライアイスの重さで、弱ったゴムひもが切れる!
いやー! まさに絶望への急転直行!! 素晴らしい!

さて
「・・・・・・両チームとも、0点 と・・・・・・」
モララーの言葉に、ベビしぃたちは身を震わせる。
玉入れの最初の、モララーの言葉
「0点だったら、罰を下す。」の言葉
それを思い出したのであろう。歯をカチカチ言わせながら震えだした。
 
「ただまぁ、全員を対象にすると、この後の種目が出来なくなるおそれがあるので
 今回はとりあえず、白チームの中から一人を対象にしたいと思います!
さっきは赤1ちゃんだったから、今度は白1ちゃんにしましょうか。 さ、おいで。」

まあ、おいでと言っても出てくるはずがないので、掴み出すわけだが
これがまた、必死に暴れるんだ うざったいことこの上ないくらいに
「ヤメテヨゥ!! ヤーヨゥ!! ハナチテェ!!」
「往生際の悪いやつだな。すぐにすむから大人しく・・・イテッ!!」
モララーの腕を、ベビしぃがひっかいたのだ。
めちゃくちゃに暴れていたら、偶然当たったのだ。
これでモララーがひるんで、その手の中から逃げ出せれば
万事うまくいったのであろうが、そうはうまくいかない。
毎度のように、逆にモララーの手に力が加わった。

「こ・・・の・・・糞虫がぁっ・・・・・・!!
 せっかく白チームだから、ネジ埋め込みだけで勘弁してやろうと思ったが
 もう許さんぞ!! 地獄を見せてくれる!!」
そう言うなりモララーは、片手にベビしぃを掴んだまま、
もう一方でナイフとネジとドライバーと、ロウソクをかき集めて立ち上がった。

「覚悟しろよっ!! ゴミクズがっ!!」
               続く

936 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/07/21(水) 16:01 [ .MbWDXSE ]
>>935続き

まずはいつも通り、首のあたりを一回り、ナイフで軽く切る。
次に、そこに指をつっこんで皮をひっぺがす。ここまでは一緒なのだが
「ヤベデェェ!! ヂィィィィ!! オナガイ ダズゲデェェ!!」
「まあそう喜ぶな、糞ベビちゃんよ!! これからが本番なんだぜ!!」
普通ならここでネジを埋め込むのだが、モララーはロウソクを手に取り、火をつけた。
「ベビちゃんにSMは年齢的にはちっと早いが、特別に味あわせてやるよ! 食らえ!」
ロウソクの蝋が、むき出しの肉にポタポタと落ちる。

「ヂギャァァァッ!! ヂィィィィッ!! ヂゲッ!! ヂィッ!!」
ベビしぃはこれ以上ないくらい暴れるが、モララーに頭をガッチリ押さえ込まれて脱出できない。
「ほ〜らほ〜ら、蝋の雨はどうだい?」
ロウソクは異常なほど、ポタポタではなくダラダラという感じで、ベビしぃに降り注がれている。
まぁ、制作過程でロウソクに脂を混ぜて、燃えやすくしておいたからであろうが。
「モウヤベデェェ!! チンジャウヨォォ!!」
「あと少しだよっと♪ 今度はネジを電動で埋め込むから、早いと思うよ?」

数分後、すっかりベビしぃは「元通り」真っ白な体に戻っていた。
もっとも、もとのフワフワの毛皮によってではなく、ガチガチの蝋によってだが
もちろん、背中には「ネジ・ナンバー」を埋め込まれて。

「やれやれ・・・・・・ 大人しくしてれば、もっと軽く済んだものを・・・・・・」
白目をむいて倒れている白1ベビを見ながら、モララーが吐き捨てる。
「まぁ、いいや。 ベビちゃん白線も1つ加わったし。
 さ、次の種目に移るよ。 これが終わったらお昼ご飯だから、がんばってね!」
ベビしぃたちは、ちょっぴり嬉しそうな顔をした。
但し、決して持続しない笑顔ではあったが・・・・・・
                 続く

937 名前: あうとさいだぁ 投稿日: 2004/07/23(金) 16:45 [ AA/kvvHk ]
復讐者-



退屈な日々。
いつもが退屈だった。
何か劇的な変化があるわけでもないし、特に驚くこともなかった。
こんな生活は、自分の平凡すぎる人柄から来たのかもしれない。
いつものようにテレビを見る。
そこで何か、違和感を覚える。
「・・・通り魔?」
通り魔、か。
どうということはなかった。そんな事自分には関係ないと思っていた。
現場が放送されて、何と自分の家の近くである事がわかる。
「まさかとは思うけどねぇ・・・一応用心は必要かな」
気分を落ち着かせようと煙草を吸う。
「・・・・」

その時、耳を劈くような悲鳴が聞こえてきた。
「!」
どうしよう、と思いながら、なぜか外に出る準備をしてしまう。
俺は関係ないだろう、とか思ったのだが、どうも好奇心が勝ってしまう。
扉を開けて、外に飛び出す。

これが俺の運命を変えてしまうことになる。

外に出て、辺りを見回す。誰もいない・・・と思うと、数m先の道路に誰かがいる。
目を凝らすと、それは凶器を持つ者と、鮮血を纏い倒れている者だった。
あれは・・・通り魔!
途端に俺まで悲鳴を上げそうになる。
しかし、悲鳴を堪えてその場から逃げ出そうとする。

あっちは刃物を持っている、危険な状況である。
「(まだこっちに気づいてない・・・早く逃げないと)」
ガチャンッ
金属音、それは足元から聞こえてきた。
しかし、そんなことは問題じゃない。問題は・・・通り魔だ。
前を向くと、通り魔が物凄い形相で襲い掛かってくる。

俺は後ろを向いて、走り出す。
家は遠い距離ではないし、すぐに逃げられると思っていた。
けれど、俺の予想は裏切られてしまった。
足に力が入らない。声も震えて出せない。
そんなことをしているうちに、通り魔は近づいてくる。
「死」の恐怖がこれほどのものだとは、今まで俺は気がつかなかった。
そして――――
ザクッ
肉を貫通する音、飛び散る血。
「がはっ」
俺の腹は、刃物が突き出ていた。
腹に激痛が走り、俺の顔は歪む。
引き抜かれる刃物。俺は力なくその場に倒れる。

通り魔はもう一度刃物を振り上げる。
当然、避ける力などない。
と、そこに誰かの声がした。
通り魔は振り下ろす手を止め、走り去る。
複数人の声がする。ただし、何を言っているのかは分からないが。
俺はほっとしたような、逆に憤りを感じたような気分になった。

「(来るならもっと早く来いよ、畜生・・・)」
俺の意識は、飛んだ。


俺が目覚めたのは、あれから三日後の事だった。
看護婦に事細かに事情を聞かされた。
他の住人の通報により、病院に運び込まれたこと。
通り魔が捕まっていない事、等等・・・
しかし、俺は覚えている。
俺を刺し殺そうとした、忌々しい・・・しぃの顔を。

938 名前: あうとさいだぁ 投稿日: 2004/07/23(金) 16:45 [ AA/kvvHk ]

正直、信じたくない。今まで虐殺していた奴に殺されかけるなんて。
その時、俺の思考を遮るような声が聞こえる。
「今は絶対安静ですよ、意識が戻ってもその体ですからね」
看護婦の声。そう言うと、部屋を出て行った。

今まで眠ってきたにも関わらず、心労のためか、どっと疲れが出てきた。

そして、俺は眠った。ひたすら、時を待った。

あれから数日がたった。
俺は全治し、退院した。
そして、久しぶりに家に上がることができた。
一旦煙草を吸い、一息つく。

テレビをつける。通り魔について、何か手掛かりがあるかもしれない。

「・・・地区で通り魔が逮捕されました。通り魔の名前は・・・」

俺は画面に近づく。
もしかしたら・・・自分を刺した奴かもしれない。
名前と顔が映し出される。

何と言うか、違った。しぃ族ではあるが、何か違う。
俺はほっとしたような、変な気持ちになった。
「・・・どうやら、通り魔は複数犯による犯行、どこかの団体が関係している疑い・・・・」
俺はとっさに反応する。
「団体?もしかしたら、俺を刺した奴も、その団体の一員かもしれない。」
しぃ族というのは、大体、団体行動だろうしな。俺はニヤリと口を引きつらせて、外出の準備をした。
俺は支度の途中、色んな事を考えた。
これから、どうなるのか。
    奴を殺した先に、何がある?
        
何を考えようと、最終的な考えは一つ。復讐だ。

「虐殺用武器、買い揃えなきゃな。・・・あいつ、見つけたら、真っ先に血祭りに上げてやるよ・・・」



   俺の復讐劇は
        始まった――――― 


-END-

939 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/24(土) 17:19 [ 1tq94EEg ]
ある所にしぃがいた。
そのしぃはダッコ交尾少しはねだるもののでぃを虐待するようなしぃでは無かった。

そしてこの時代にはやっとダッコ革命党が無くなってきた。
しかし、今はアフォしぃ最後の砦ファイナルダッコ革命党とも言われた物がある。

そして、しぃは桜の木の下に段ボールを家にしていた。
するとしぃの足音がした。

しぃは体が震えた。何故かと言うと

革命党に入るのを拒絶したら間違い無く残虐に苦しめられる。
でも、入ったところででぃの虐殺やアフォすぎる話をされる事になる。

だがそれとは違った。しぃ見たいのが倒れてきた。だけど様子が違う。
そう、でぃだった。

「ドウシタノ?ディチャン?」
しぃはでぃに話し掛けてみた。だが反応は来ない。それとでぃはたった今でぃになったばかりの様だった。
「ヒドイオケガ・・・ドウシタノ?」
するとでぃは答えた。

「ダッコかクメイトうノひト」
とても聞き取りにくい声ででぃは言った。だけどダッコでもう分かった。
「ディチャンコノママジャシンジャウ・・・・ソウダ!ビョウインニイケバタスカルワ!」
そしてしぃはでぃを背負って歩いていった。
背後に影が潜んでるとも知らずに・・・・

「       ハニャーン♪ギャクサツチュウノヤシハケーンシタヨシィカ!      」
続くかも

940 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/24(土) 17:27 [ 1tq94EEg ]
>>939の続き
しぃはとても疲れていた。
自分と同じくらいの大きさのでぃを背負いしぃは歩いて行った。
たまに休んでまた行くの繰り返し。

しかしでぃが自力で歩くなど体から見て無理だった。
耳はすべてもがれており腕は片方が折れていて体中が化膿していた。

「キッ・・キィィィィィ!!!」
時折でぃが苦しんだ時には励まして病院を目指して行った。
しかし、いきなり後から銃声が聞こえてその弾丸は耳をかすめて行った。

「チッ・・・・アタラナカッタワ・・・・」

「ハニャッ!!?ダレ?」
しぃはでぃを背負いながら言った。

「ディヲダクヨウナギャクサツチュウノヤシニコタエタクナイケドオシエテアゲルワ ダッコカクメイトウノシィヨ」
続く

941 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/24(土) 17:58 [ 1tq94EEg ]
>>940の続き
しぃは笑顔で言った。
「ダカラオトナシクコノジュウノエジキニナリナサイ」
アフォしぃが構えた時に
「ハニャッ!?イターイ!」

石を頭に投げつけてやったのだ。
「イマヨ・・・・ニゲマショウ」
しぃはでぃを背負いながら逃げていった。
「プンプン!アンナキタナイグミンガシィチャンノカワイイオカオニイシヲナゲタワネ!」
このアフォしぃ・・・しぃ子が怒りながら言った。
「ヨーシシィボードデオイカケルワヨ!」
しぃ香がボードを出しながら言った。

「ハニャーン♪アノディトシィノナキガオガアタマニウカブワ(゚ー゚*)」
シィボードと言うジェット搭載のボードに乗ってしぃを追いかけていった。

一方しぃとでぃは病院のすぐそこまで差し掛かっていった。

「ディチャン!アトチョットダヨ!」
しぃは笑顔になった。しかし・・・

また銃声が響いた。今度は確実に耳を射抜いていた。
「シィィィ!!!ナ・・・・ナンデコンナコトヲスルノ!?」
耳を抑えながら言った。

「ナニッテマターリノジャマヲスルヤシニハアボーンガマッテルンダヨ♪ネェ、シィカ」

「ソウヨシィコ オバカサンガサイキンフエテコマルヨネ♪」
続く

942 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/24(土) 18:26 [ 1tq94EEg ]
>>941の続き
アフォしぃはしぃとでぃの近寄り言った。
「ジャァマズハコノバッチィディカラコロシマショウカ♪」

「ヤッヤメテェェェェ!!!!」
しぃは縄で縛られてでぃが虐殺される姿を見るばかりだった。
「シンゾウパーンチ♪ハニャーンキーック♪シィノビー♪」

「ギィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
でぃは悲鳴を上げた。

「ディニハアンヨモオテテモモッタイナーイ♪ツイデニハラワタモモッタイナーイ♪」
アフォしぃはでぃの四肢を刃物で切断した。

「アト・・・・アトチョットデオトモダチニナレタノニ・・・」
しぃはショックで意識を失った。

そしてしぃが意識を取り戻すといつもと違っていた。
モララーが居た。
どうやら意識が無くなったのは5分ほどらしい。
そしてモララーはアフォしぃ達にこう言った。

「糞が同族を平気で虐待とはおめでてーな」
でぃは達磨に成っていたが生きていた。

「ハニャ・・・モララー・・・ナニヨ!シィチャンノマターリナヒトトキヲジャブゲッ!?」
アフォしぃの顔にモララーの拳がめり込んでいた。

「なら俺のマターリな一時を邪魔すんじゃねえ」

「ハニャァァァン!!!コワイヨゥゥ!!!」
アフォしぃのしぃ香が尿を垂れながらはいずって逃げようとして居たが、
「おい。友達を見捨てるなんて酷いよなぁ?ええ?」
モララーはしぃ香の首筋を掴んでしぃの耳を引きちぎった。

「シィィィィ!!!!コノスペシャルカワイクテアタマモカシィコクテオマケニ(ryノオミミガァァァ!!!」
モララーは首を掴んでいる腕に力を入れながら言った。

「うるせぇよ糞が。今度しぃちゃんとか言ったら・・・」
モララーはニヤリとわずかに笑った後、
「腕・足・子宮・腸・胴・皮・腰・そしてきたねぇ目を切り刻んでそこのでぃの餌にしてやるよ」

「シィィ!!ソンナノヤダヨウ!!」
続く

943 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/07/24(土) 19:02 [ 1tq94EEg ]
>>942の続き
「じゃあもうそろそろ殺すか♪」
モララーはしぃを投げ飛ばした。
「シィィィ!!!イタィヨゥ!」
モララーは近寄った。
「ほら、立てよ。」

「ギャクサツシタラマターリノカミサマガダマッテナイワヨ!」
しぃは気丈に言うと
「てめえは虐殺と殺すの違いもわからねーのかYO!」
そういってしぃを蹴飛ばした。

そして素早くしぃに近寄り
「とっとと立て」

「ギャクサ(ry」

「立ねえのなら立たせてやるまでだ」
そう言ってしぃのお腹に拳を浴びせた。正に食込んでいた。

「グゲッゲェェェ!!ウグッオェェェェェ」
しぃは吐いてしまった。それがモララーの足にひかかってしまった。

「ハニャ♪キモチワルイケドモララーニヒッカケタヨ♪」
しぃ子は笑っていたがモララーは震えていた。あまりのキモさと怒りによって。

「もう許さんぞ」
モララーは縄を持ってしぃを木に吊るした。
「チョット!シィチャンニコンナコトヲシタラシンバツガクダルワヨ!」
モララーは鞭を握っていた。
続く

944 名前: あうとさいだぁ 投稿日: 2004/07/25(日) 22:53 [ JI6BliGo ]
潜入-
さて・・・俺の目的は復讐だ。
標的は俺を刺したしぃ。どうやら、どこかの団体の一人らしい。
俺はこれから組織の建物に侵入、奴を殺す。

本来、探して虐殺してしまえば済む話だが、組織が絡んでいるとなると容易ではない。
犯罪集団だろうし、俺だって無傷で帰れるわけではないだろう。
でも、やらなければならない。

なぜかって?・・・なんでだろうねぇ。自分でもよく分からないよ。

-自宅-
俺は組織の詳細を調べている。本拠地が分からなければどうにもならない。
「・・・ふぅ、調べれば案外早いものだな。」
なぜすぐ見つかったのか、という突っ込みは控えていただきたい。

拳銃、弾、突撃銃、ナイフ等等・・・
一通り支度を整え、心の準備をする。
「(OKだな・・・よし、いくぞ。)」
もう帰って来れないかもしれない家。
名残惜しそうに見上げた後、俺は組織の本拠地へ向かった。

-基地前-
大そうな物でもなさそうな塀。そこには通路があり、基地へと繋がっているらしい。
「(もう引き返せない。ここまできたら、徹底的に潰してやる!)」

狭い通路を通ると、部屋に繋がっている。
見張りが二匹。くだらない雑談で盛り上がっている。
「コノ前ネ、ギコ君がコウビ シテクレタノヨ、ソレモ、泣イテ 喜ンデクレタノ!」
・・・呆れた。それは喜んでるのかと・・・
拳銃を構え、頭部を狙う。
パシュッ
拳銃の弾は見張りしぃの頭を貫通した。血が噴出し、片方は放心気味。
「ハニャァ・・・ァァァン・・・マターリ・・・」
パシュッ
二度目の発砲。今度は右手を貫く。
ブシャァァァァ!
「ギャァァァァ!シィチャンノオテテガァァァ!!」
放心したと思ったらこれかよ。情けねえ・・・
俺は内心呆れながらも、しぃを無理やり立たせる。
「おい、この組織は一体・・・」
しぃは叫ぶ。
「マターリノ敵!クソ、ヒドウ!シンジャエェェエェ!!」
はぁ・・・まぁいいか、代わりはいくらでもいる。
ナイフを取り出し、顔面を切り裂く。
真一閃に顔に赤い筋が出来る。血が俺の顔にかかる。
しぃの目は切り裂かれ、片方は目が垂れて出ていた。
「シィギャァァァァ!!オメメガァァァ!!」
ったく、いつまで騒ぐんだ・・・
俺は拳銃で脳をぶち抜いた。脳漿がぶちまけられる。
「さぁ、さっさといこうじゃないか・・・」
俺はニヤリと笑い、奥へと進んだ。

数分後、しぃが大量にその部屋に入ってきた。
「ハニャァァァン!ギャクサツチュウガ・・・ギャクサツチュウガァァ!!」
しぃ達は騒ぎまくる。
「見張リヲ フヤシナサイ!警戒スルヨウニ!」
一人が叫び、他のしぃ達が散開し始める。

モララーの復讐劇は、まだ始まったばかりだ。


-END-

945 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/07/26(月) 16:57 [ sAy1YbLY ]
練習スレで出した奴ですが、あまりにも長すぎるので、こちらで、再投稿します。
では、よろしくおねがいします。

「BARオマエモカーの惨劇」 主なキャラ紹介

モラ谷 モララー種
 この物語の主人公。二流企業ぬるぽカンパニーのハンマー部に勤める若者。
モナ岩 モナー種
 一流企業モナー公社に勤める。……が、ヘマばっかりやる(´・ω・`)な青年。
ギコ丘 ギコ種
 吉野屋でバイトする夢追人。ついこの前バイトクビになったとか。
ジサクジエン ジエン種
 元荒らしという経歴を持つ異色の人物。農場で働いてた頃に手に入れた、ニクコプーンとナカーマが一番の友達。
アヒャ田部長 アヒャ種
 いつもモラ谷の提案をデストローイする部長。禿。しかし、それは後輩のためだという噂も。
モカ塚 モカー種 
 BARオマエモカーのマスター。この話はBARオマエモカーから始まる。元ちび。アヒャ田部長とは幼なじみらしい。

946 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/07/26(月) 16:58 [ sAy1YbLY ]
キャラ紹介失礼しました。では本編をお楽しみ下さい。

「BARオマエモカーの惨劇」 第一章 嗚呼無情
1/2

モララーはやけになっていた。
部長がウザかった。
「禿部長の奴……俺の出した企画書を……
 デストローイ!だけならともかく、その上に鼻かみやがって……マジ腹が立つ……」
モララーはこんな日はバーに逝くことを決めていた。
そして、行きつけの「BAR・オマエモカー」にたどり着いた。
「らっしゃい!って、モラ谷か。また会社で何かあったのか?」
「ああ。上司の奴がよぉ、(以下モララーの愚痴。省略」
「まぁ、そんな日は飲めや。何にする?」
「んじゃぁ、カッパキザクラ。」
「流石にそれはない。」
マスターと雑談を楽しみながら、いやなことを忘れようとしていたときだった。
一匹の糞虫が入ってきて、突然、
「コノミセハ ダッコカクメイトウガ センキョシタ! オトナシクシナサイ!!」
と言い放った。
「シニタクナケレバ シィヲ ダッコシテ ソノアト アルダケノ ショクリョウト コノミセヲ ワタシナサイ!」
「ハニャーン! オトナシク シィヲ ダッコシテ ショクリョウト コノミセヲ ワタシタホウガ イイヨ」
「アト ギコクンハ シィタチト イッショニ キテネ! コナイト ココニイル ヒトタチ ミンナ シンジャウカラ」
続いて2,3匹が入ってきて最初のしぃに続く。
(糞虫め……お前さえ来なければ俺は明日からも会社に出社した筈だ。
 こっちは金払ってでも立ち直りたいんだからな……ぶっ殺す!)
「お前ら!死にたくなければ今すぐ出てけ!ここはお前らみたいな糞虫が来る場所じゃない!」
モララーの言葉に、マスターも立ち上がった。
「少なくとも!俺はお前らにこの店を明け渡す気はないぞ!!さっさと(・∀・)カエレ!」
「シィタチノ コトバガ キコエナカッタノ!? ソレトモ シニタイノ!?」
「いや、お前らを殺す!」
「ププッ クソモララーガ ガンバッチャッテルヨ」
「モウ ミテランナイ! オカシクテ タッテランネーヨ」
「ジャァ エンリョナク クソモララーヲ コロスネ」
そういって、8mmマグナム口径の銃をモララーに向ける。
別のしぃはあぼーん砲を発射する気で居るらしい。
「マスター!そっちの一匹を任せた!!」
「わかった!でも無理するなよ!お前はうちの常連客だ!万一死なれたら儲けに響く!」
「安心しろ!俺は死なない!」 
そんな会話をしながら、しぃの後ろへ回り込み携帯用のものと思われる銃を奪った。
そして、それをしぃに向けて言い放った。
「今すぐ出てくか?それとも死ぬか?どちらか選ぶ時間をくれてやる!」
「フーン シィヲ オドスンダ マターリノ カミサマノ テンバツガ オチルヨ?」
「まぁ、糞虫を人質に取っていたら、お前らの『マターリノカミサマ』とやらも天罰を下せないな。
 なんてったって、愛するしぃちゃんが死んじゃうもんな!」
あざけ笑うモララー。しかし、モララーは後ろで構えていた革命党の狙撃班に気がつかなかった。
無情な乾いた音が空と店内に響く。
その時間だけ、時が止まったように見えた。

947 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/07/26(月) 17:01 [ sAy1YbLY ]
2/2
しかし、モララーに玉が当たることはなかった。
代わりに、肩から血を流すマスターが居ただけだった。
「マ、マスター!?」
「俺は時期に殺される。今ココにいる唯一の常連のお前にこの店を託す!立派に……してく……れよ……」
それだけ言い残すと、マスターから暖かみが消えた。
モララーは完全に切れた。一言で言い表すならアヒャ状態である。
「死ねやお前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
そういうと、奪った銃を乱射した。幸い他に客がいないため、客に被害が出ることはなかった。
もちろん。革命党軍の被害は莫大だ。
「シィィィィィィィ!?」や「ハギャァァァァァァァ!」といった、しぃ特有の断末魔の叫びが聞こえる。
「これ位で死なせるつもりは全くねぇぞ!お前ら一匹づつ殺してやるからこっち来い!逃げても銃殺だ!」
「シィィィィィィ……シィガ リーダー ダカラ シィハ イチバン エライ カラ シィダケハ ミノガシテョゥ……」
「お前が主犯格か……お前は一番後ろに並べ!逃げたらどうなるかわかるな?」
「シィィィィィ……コンナノ マターリ ジャ(略」
「まず一番来い!!」
「シィィィィ……ダッコ スルカラ シィダケハ(略」
「見逃してやってもいいから質問に答えろ!お前らの本拠地は?そして、そこには何匹の糞虫がいる?」
「ホンキョチハ トウキョウト コウトウク ユメノシマノ ゴミステバ ダヨウ……ナカマハイパーイイテカゾエキレナイヨウ……サァ ヤクソクヨ カイホウシテヨ?」
「本当に解放すると思ったのかと小一時間(略」
「シィヲ ダマシタノ? コノギャクサツチュ……ハギャァァァァァァァァァァhgドskjンソdン!!」
訳の分からない言葉を残して、一匹の糞虫は氏んだ。
その後は何も聞くことがないので、いたぶって頃してやった。
スタイルのいい糞虫はもったいないから犯してやったw
そして、主犯格の番である。
「お前は特別じっくりと頃してやるからな……」
「コンナノマ(略」
モララーは主犯糞虫の手と足をひもで縛り、糞爆弾の下準備をして、新木場夢の島へ向かうことにした。
目的はもちろん

 マ    ス    タ    ー    の    敵    討    ち


(そういえば、8mmマグナムの銃なんてあったか?以外と糞虫の科学力って……
 それとも、後ろに何か団体がついているのか…………どうでもいい。今は敵討ちだ。)

=第一章完 第二章に続く=

948 名前: samurai♀ 投稿日: 2004/07/27(火) 22:03 [ 8u9A0T62 ]
AA歴1603年―
「御殿様の御成〜り〜!」
拙者の掛け声と共に殿、モナ川モナ康様が馬に乗って行進する。
拙者は御殿様側近の侍、モラ本モ三郎。
モナ康様とは十年ほど前より仕えた。今や拙者は側近の侍となっている。
殿は本国を統一し新幕府を設立した。つまり本国の最高権力者である。
しかし―
百姓達が殿に頭を下げているその最中だった。殿と拙者、そして御家人達は殿の後ろについてミエ戸巡察をした。
殿と拙者たちの行き先には何も無い筈だった―
しかし突如殿の前に黒い影が現れた。
「ダッコシナサイヨ!シィハココノヒメナノヨ!シィハアンタヨリモエライノヨ!」
「何奴!こやつをひったてーい!」
観衆、御家人達がざわめき、「しぃ」とやらを引っ立てようとした瞬間だった。
「しぃ」とやらがこともあろうに殿の胸座に飛び掛ったのである。制止する暇もなかった・・・
殿は「しぃ」のせいで落馬をした。殿は頭を地に打ち付けた。「しぃ」は無礼にも殿の上に落ち無事だった。
ざわめきが一層大きくなる。その中で責任も感じず「しぃ」とやらは
「ダッコシナイカラバチガアタッタノヨ!イイキミダワ!シンデシマイナサイ!」
と殿に暴言を吐いた。その隙にしぃとやらを拙者は捕らえ縄で縛っておいた。
殿の方はどうなってしまったのだろう。まさか・・・ということはあるまいな・・・
「殿!殿!殿!」
「おお・・・モラ本・・・ワシはもう駄目じゃ・・・頭をやられておる・・・」
「殿!・・・そのようなこと言わないで下され・・・」
「モラ本・・・この先のミエ戸を・・・たのん・・・だぞ・・・」
殿はそのまま息を引き取った。
嘘であろう?嘘だと言って下さい・・・殿!殿!殿!
「殿ォォォォォォォォォォォ!!!!!」
周りの民衆からも御家人達からもあちこちに憤慨の声、啜り泣きの声が聞こえてきた。
「イイキミヨ!バチガアタッタンダワ!」
その瞬間、拙者は今までにない殺意を覚えた。
「来い!」
拙者は「しぃ」を連れて人気の少ない場に向かった―

949 名前: Ruin 投稿日: 2004/07/30(金) 20:37 [ ROYaBAP. ]
はじめまして。
いろいろと元ネタがある作品ですがよろしくお願いします。

ベビしぃ幼稚園―
近所の数多くのベビしぃが通う幼稚園である。
生徒は30名。
入園費はざっと15マソ。なぜなら、近所で唯一表面ではベビしぃが虐殺されない安全な幼稚園である。
だから少しくらい費用が高くても母親は文句を言えない。
しかし、裏では、行事で天災や、親子ともども皆殺しなどの証拠隠滅を図りながら虐殺を楽しむモナーとモララーが経営する幼稚園であった。
今回は、春の五月。
運動会のシーズンである。
モララーたちはまず、会場のギャラリーに親しぃをいれた。
外からは電子ロックをかけてあり、運動場との間には強度の高い釣り糸で張り巡らされた網があった。
そして、モララーがマイクを使い、こういった。
「ベビちゃんたちの入場です!」
そしてモナーがベビを引き連れてきた。
ベビたちが「オカアタンダ!」「ミテミテ!」などとほざいていてが、モナーはきちんと整列させた。
そしてモララーがこういう。
「プログラム1番、ベビちゃんたちの綱引きです!」
モナーがちゃんと並ばせた。
「それでは・・・スタート!」
これで絶望の運動会が始まった。
何回もベビや親の断末魔を聴くこととなるだろう。
ベビたちはお互い、互角の力で引っ張っていた。
だが、この綱引きにはとんでもない罠が仕掛けられていたのであった。
「モナー、準備OK」
「じゃあ早速やっちゃって」
「ベビちゃんたちにいっておきます!各競技で勝ったチーム、もしくは一番だった人は、ダッコしてあげます!」
「エ、ホント!」
「ナコホチイデチュ!」
「ナッコハチィノモノデスヨウ!」
「ホカノヤシラニナッコハイラナインデチュ!チィだけがマターリデキレバイインデシュヨ!」
「ナッコホチイ!」
うざったい声が聞こえてくる。
ゴミどもはやる気があがったようだ(ケダモノノゴトクナ
そこでモララーはあるスイッチをおした。
「ポチッとな」
ステージの中央、綱引きのつなの真ん中に棘つきの棒が2本でてきた。
「さらにポチッとな」
棘つきの棒が回転し始めた。(縄にあたらないように配置してある)
勿論、ゴミどもは気にしない。
とうとう赤のベビしぃが一匹、へばり始めた。
「チィツカレタヨウ!」
そんなたわごとをいいながらもダッコのために綱ははずさない。
それがそいつの不幸を呼んだ。
回転した棘つきの棒にクリーンヒットしたのだ。
「チィィ!イチャーヨウ!ナコスルカラタスケテ!」そこでモララーは停止スイッチを押した。
棒は勿論元通り、地面にもどった。
そのベビは右肩、右腕、右足、(左も同様)すっていた。モララーはわざと回転を弱くしたのだ。

950 名前: Ruin 投稿日: 2004/07/30(金) 20:55 [ ROYaBAP. ]
949の続き
間違え訂正
チィだけが→チィダケガ

ベビしぃ幼稚園第2話

「イチャーヨ・・・」
そいつの親はこういった。
「ベビチャァァン!クソモララーナンテコトスルノ!シィノハベビチャンガもっとヒドイコトニナッテタラドースルキナノ!」
勿論モララーは無視。
そのあと勿論赤が負けた。
白は全員こういった。
「ナッコ!」
「ナコシナチャイヨウ!」
「ウソツキハギャクサツチュウノハジマリダカラネ!」
と口々にいった。
モララーはいった。
「今、ポイントの小計しています!ポイントとは一位になった人に送られるポイントです。最後にまとめてポイントの分ダッコします。今がんばったほうが気持ちいでしょう」
「チョウダネ」
「チェンチェイモイイコトイウネ!」
といってきた。
「いまからゼッケンを配ります。綱引きで前にいた人順で配ります」
モナーがゼッケンを配り始めた。
勿論、怪我した奴が赤1だ。(CMEPTBサソ、ネタパクラセテモライマス
「これからゼッケン1の赤組の人は赤1ちゃんとよびます」
「プログラム2番マターリ音頭でダンスです!」
「・・・ポチッとな」
ベビたちが整列したあと、モララーはこういった。
「ベビちゃん達に言います!いまから運動場をピカピカのガラスにするので、びっくりしないで下さい。モナーお兄さんのようにすればいいですよ」

951 名前: M・T 投稿日: 2004/07/30(金) 23:32 [ wLwimXu6 ]
ttp://www.cafe-au-lait.info/tashiro/index.html

なんか気に入らなかったついでにPCが逝ったんで、これを機に書き直しますた。
感想は、メールか感想スレへおながいします。

952 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/01(日) 14:46 [ 6EAK15Mo ]
>>Ruin
お前は 最 低 だ。
CMEPTBに謝れ。
下手糞厨房夏休みなら外へでて遊んでろ!

953 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/02(月) 19:34 [ ZIpljFwA ]
監禁




「キョウモアホナモララータチノハタケカラクダモノヲモライマシタ。ベビチャン、デテキナサイ」
「ガサッ」
草が揺れる音がして、すぐに6匹のベビが出てきた。
「アニャーン」
「ゴハン?」
「ダッコ♪」
といっている。
「イタダキマス」
「イタダキマチュ!」
糞蟲ぃ親子はけだもののごとく貪り食っている。食べ終わった母しぃが眠たくなったらしい。他のベビも同様だ。
「オヤスミナチャイ・・・」
一匹のベビの声が静まったあと、モララーたちが出てきた。
「やっぱ睡眠薬仕込んで正解だな!」
「モナ研の睡眠薬はスゴイモナ」
「じゃあ寝ているうちに運ぼうぜ!」

モララー農場 倉庫

「ハニャ・・ココハドコナノ・・」
「オカータン!」
「ナコシテクダチャイヨウ!」
その声を聞いたモララーが入ってきた。
「こんにちは」
「ナニスルノヨギャクサツチュウ!ハヤクダシナサイヨ!ソレニシィチャンノベビチャンアトフタリドコナノ!」
「やれやれ・・・五月蝿い蟲モナ」
「それより・・こちらへどうぞ。この倉庫の地下です」
「ついてこないと皆殺しモナ」
「・・・ベビチャン、イラッシャイ」
「素直だな」

モララー農場 倉庫地下

「では、ここでおまちください」
モララーがいうと、上から檻が降ってきた。
「ガシャーン!」
「ナ・・ナンナノコノオリハ!」
「いやー苦労したモナ。仕掛け作るの」
「まあまっててくださいよ」
そうするとモララーが奥へ入った。1分後、モララーが出てきた。
「オカアタン!」
「チィチャン!クソモララーシィノベビチャンフタリヲハナシナサイ!」
「おっと、これ以上口出したらミナゴローシモナ」
「今からこいつ等を虐殺するんですよ」
「ナ・・・ナンデスッテ!チィチャn」
「ミナゴローシモナ」
「まあやめてやれ。じゃあ一匹任せたぞ。ほれ」
「じゃあ早速やるモナ」
「マッテ・・・オナガイ!」
そんなゴミの言葉をモララーたちは無視した。
「まずは基本の耳もぎモナ」
「イチャァァァ!」
「ベ・・・ベビチャン!」
「漏れは・・・必殺四肢切断!」
「イチャーヨウ!チィノオテテ・・・アンヨ・・・」
「モナは目潰し&両耳もぎモナ!」
「ジィィィィ!オメメ・・マックラ・・・」
「ベビチャーーーーン!」
「感動する親子愛だな」
「泣かせるモナ」
「さあここで抵抗できなくなったので・・・でぃちゃんに登場してもらいます!」
「アウ・・ゴハン・・・」
「マ・・・マサカ・・・ベビチャンヲ・・・」
「そのとおりモナ!ベビをでぃちゃんに食べさせるモナ」
「オ・・・オナガイ・・・ソレダケハヤメテ・・・」
「いやだモナ」
「ゴハン・・・ガブッ」
でぃは目潰しベビの腹を食いちぎった。
「イチャーーヨウ!オカアタン!ナコシマチュカラァァァ!ユルチテクダチャァイ!」
でぃは内臓をうまく解体し、肝臓をとって食べた。そして満足した後、ベビの断末魔を聞きながら、他の部分を堪能して味わった。
「さっすがでぃちゃん!しぃのフォアグラを知ってるね!(フォアグラはアヒルの肝臓)」
「珍味モナ」
もう一匹のベビは目も耳もあるのでそのベビの姿を見ていた。
「オ・・・オナガイ・・・ナコチャチェテアゲマチュカラ・・・」
「漏れらは得しないからしたくないな」
「ガブッ」
「イチャーヨ・・・コレチィノナイジョウ・・・?」
そういったのを最後に、心臓をでぃに食われて息絶えた。
「シィ・・・シィノベビチャン・・・」



               糸売

954 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/02(月) 20:24 [ SvOnR1H2 ]
>>943の続き
ばしぃいん。ばしぃぃん。
「シィィィ!!!ヤメテェェェ!!」
鞭でアフォしぃを叩いていた。
「おう。許してやるぞ」
モララーはその腕を止めた。

「ハニャッ!?タスケテクレルンダ!!」

「ただし条件がある」
モララーが冷たく言い放った。
「そこのアフォしぃを殺せ!」

「ハニャ♪ソレハシィノオトモダチデイッショニディニシィンゾォウパァーンチヲヤッタシィコチャンジャナイヨネ?」
アフォしぃは笑顔で言った。

「ちげえよ そのしぃ子だYO」
そう言うとしぃ香としぃ子が一緒に叫び声を上げた。

「ハニャァァッ!??ソンナノデキナイワヨ!!ソレヨリディノギャクサツノツヅキヲヤラセナサイ!」

「ハニャ??シンユウノシィカチャンガシィヲギャクサツデキルワケナイジャナイ!」
しぃ達がそう言うのをよそにモララーはしぃとでぃにこっそり言った。
「(おい・・・早くリハセン行かないとやばいぞ・・・)」

「ハイ・・・ディチャンハナントシテモニガシマス」
しぃはでぃを抱えながらリハビリーセンターへ向かっていった。
続く

955 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/02(月) 20:37 [ SvOnR1H2 ]
>>954の続き
モララーはしぃ達に言った。
「俺だって気の長い方じゃないぞ?なんなら二人共殺すぞ」
モララーが鞭を振りかざすと

「シィハシニタクナイヨゥ!!ソノシィコヲギャクサツスルカラユルシテ!!」
しぃ香が言った。

「ハニャァ!!シィハマダイキテカクメイトウヲササエルノヨ!」

「じゃあ戦うんだな」
モララーは二人に棍棒とナイフを渡した。

「ハニャニャニャン♪ワルイケドカツノハコノシィカダヨ」

「アラ・・ソックリソノコトバヲカエスワ マターリヲテニスルノハコノシィコチャンヨ」
そして二人は戦いあった。
それが酷いこと、酷いこと
殴り合うと言うより耳を引きちぎったりする戦いだった。

「マターリシィチャンパァァンチ♪」
しぃ子のパンチがしぃ香の胸に当たった。

「ウゲェェェェ!!!ユルシテェェ!!」
しぃ香がゲロをはきながら言った。

「ナーニゲロッテンノヨシィカ ホントウニムノウネ」
しぃ子は四肢をナイフで切断し棍棒で頭を殴りまくった。

「シィィィ!!!!ヤメテヨォォォォ!!!」
しぃ子は閃いたような顔でこう言った。

「アア!!ソウダ♪アレヲヤリマショウカ!」
続く

959 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/04(水) 23:21 [ qSJIOshc ]
>>936続き
「次の種目は、綱引きでーす!!」
いつのまにか運動場に、縄が用意されている。
長さはそれほどでもないが、太めの縄だ。

「ま、あえてルール説明をするのであれば
 互いに縄を引っ張り合って、お互い印のあるところまで引っ張ればそのチームの勝ち
 ・・・という、説明する必要もないようなルールです。
 さ、位置について、ベビちゃん。」
ベビしぃたちは、ビクビクと配置に付いて
縄の横に移動、縄を脇に挟む。
かなり太い縄ではあるが、何とか抱え込んだようだ。
「あ、1つ注意!!
 この縄は、ベビちゃん達が縄で怪我をしたりしないように、特別な紙を巻いてあります!
 だから、オテテだけで引っ張ってると、滑って引っ張れないと思います。
 だから、この縄を引っ張るときには、爪を立てて引っ張るようにしてね!!
 ベビちゃん達の爪では、縄は痛まないので安心してできるよ!」
確かに、縄の表面は
それを聞くなり、ベビ共は我先にと爪を縄に立てる。
なかにはもう全開で力を入れているベビもおり、爪を縄にかなり食い込ませている。
それが何を引き起こすかも知らずに・・・。

「それじゃ、みんな用意が出来たようなので、始めたいと思います。
 よ〜い・・・・・・ 
              ド ン ! !」
                続く

960 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/04(水) 23:23 [ qSJIOshc ]
>>959続き
「エーイ!! チョウヒンハ チィタチノモノデチュヨ!!」
おいおい、漏れは賞品やるなんて言ってねえぞ。
「チィタチ オチオキハモウイヤ!! ジェッタイ マケナイ!!」
おいおい、今回は仕置きするとも言ってねえぞ コラ。

・・・え? 前の種目まで欠かさず仕置きを与えていたのに、なんで今回は与えないのかって?
いやいや、ちゃんと用意はしてあるよ。 
・・・でも、今回のやつは、仕置きじゃねえんだ。
途中で発動するように、細工しておいたからな・・・・・・!

「ツメシャン イタイ!! デモガンバラナキャ!!」
「マケチャダメ!! マケタラマタ ネジジゴクガ・・・ ヒィィ!!」
ベビしぃどもは言いつけ通り、爪を立てて綱引きをしているようだ。
生えてそれほど間もない、柔らかな小さな爪を、一生懸命に突き立てて。
すぐに剥がれるかと思ったら、なかなかしぶとい。血すら吹き出していない。
まぁ、そうでもないとこちらとしても困るから、ちょうどいいのだが。

それから数分が過ぎた頃、綱引きはクライマックスにさしかかっていた。
一進一退。 なかなか決着が付かないのだ。
応援席(?)の母しぃたちも、今回は大丈夫だろうと、我が子を精一杯応援している。
しかし
「アレ? コレ ナンダロ・・・」
引っ張り合いをしているベビしぃの1匹が、何かに気づいたようだ。
足下に、何かが落ちている。
それは丸い形をしていて、薄くて、半透明の、ちょっと固いもの。
それも1つだけじゃなくて、いくつか落ちている。
「ナニカナァ・・・コレ・・・ ナンカ ドコカデミタヨウナキガスルンダケド・・・」
しかし、考えている暇など無い。
「チョット!! ナニヤッテンノヨ! ハヤクヒッパッテヨ!!」
「ア ゴメン!!」
そして、何事もなかったかのように、引っ張り合いは続く。
                続く

961 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/04(水) 23:24 [ qSJIOshc ]
>>960続き

・・・・・・・・・・・・・・・
あちゃー 気づいちまったか。
紙巻くときに、ちっと手間取ったからなー 
掃除もしてねえから、だいぶ残ってるだろうな アレ。
まぁ、いいか。
他に気づいているやつもいなそうだし、それに今頃気づいても、もう遅いからな・・・・・・

綱引きはますます白熱している。
双方、これ以上ないくらいの力を込めて、引っ張り合っている。
そして、引き合いがピークに達したとき、それは起こった。

「ウンチョ・・・ウンチョ・・・ヴァァァァァァァッ!?」
「ア゙ァッ!?」

ベビしぃのからだが 飛んだ。
高さにして、1メートルと数十センチほど。
そして、地面に叩き付けられる。

何が起こったのか、ベビしぃたちは最初気づいていなかったようだが、すぐに青ざめた。

縄がうねっているのだ。
そして縄がうねうねと動くたびに、縄に巻き付けてあった特殊紙が破けていく。
そして、とうとう紙がすべて破け、中身が姿を現した。

・・・・・・・・・・・・・・・
やっと、姿を現しましたか
さすが南米直送 二日程度の断食じゃあ、こたえませんか。
さて、あとは君の自由だ。
そこにいる糞虫どもを、どのように料理しても!!

縄の中身の正体は、アナコンダだったのだ。
                  続く

962 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/04(水) 23:25 [ qSJIOshc ]
>>961続き  

シ ャ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ ! !

「イヤァ!! コッチニ コナイデェ!!」
「アッチイッテヨゥ!! ヤーヨゥ!!」
「ママァ!! タチュケテェェ!!」
ベビしぃたちは必死でアナコンダから逃げようとしている。
しかし、子供のアナコンダといえど
ベビしぃたちとの体の大きさの差や移動速度の差は歴然だ。
どこへ逃げようと、すぐに追いつかれる。
「シィィィィィッ!! ベビチャン ニゲテェェェッ!!」
「チョットモララー!! ノンキニミテナイデ トメナサイヨ!!」
今までモララーに「反抗したら・・・」と脅されていた母しぃたちだったが
今回ばかりは黙っていなかった。
しかしそんな猛り狂う母しぃたちに、まるで人ごとといった感じで、モララーはこう返した。
「静かにしたらどうです? 滅多に見れるもんじゃないですよ。
 アナコンダとベビしぃの綱引きならぬ、お遊戯なんて ね・・・・・・!」
「ナ・・・ナニヲイッテンノヨ!! アンタ!」
「いやぁ、苦労しましたよ。
 わざわざ南米のジャングルまで行って、麻酔銃で捕まえてきたんですから。
 そのあともあの特殊紙巻き付けるときにも起きちゃって・・・大変でしたよ。」
あの地面に落ちていたものは、アナコンダの鱗だったのだ。

「それにベビちゃん達がお利口で助かりました。
 ちゃんと爪を立ててアナコンダ君を麻酔から起こしてくれたんですから。」
「オナガイ!! ソンナコトハイイカラ ハヤクベビチャンヲ タスケテェェ!!」
「いいじゃないですか、ベビしぃの1匹や2匹くらい。見物料としては格安でしょう?
 それにどうせここで死んでも、また性懲りもなく作るんでしょ? 「ギコクン コウビシテ!」とか言って。
 それなら、何の問題も無いじゃあないですか。
 それとも何か? 参加してベビちゃんを助けてきますか? 私は一向にかまいませんよ。
 ま、親子仲良く、エサんなるのがオチでしょうけどねぇ。」 

母しぃたちは、何も答えられない。 所詮こいつらの母性など、こんなものなのだ
                  続く

963 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/04(水) 23:26 [ qSJIOshc ]
>>続き
「さてさて、綱引きは続行できるかな・・・?」
もはや無理だと分かり切ったことを、あえて言う。

1匹のベビしぃが、逃げ損ねた。
番号は白の3。なぜ逃げ損ねたかというと、
原因は、第1種目のかけっこ。
あのときに歯の破片を足に深く突き刺してしまい、走れなくなってしまったのだ。
そんな満足に走れない白3ベビを、腹減りのアナコンダが見逃すはずもない。
らんらんと目を光らせ、鎌首を高々と持ち上げる。
もはやエサになるのは、時間の問題だ。

「ア・・・ア・・・ナ・・・ナコ・・・チュル・・・カラ・・・タチュケテ・・・・・・」
しかし当然ながら、アナコンダはベビしぃの戯言など聞いてはいない。
その高く上げた鎌首を、後ろに持っていく。
「ネ・・・ナコチタラ マターリチュルカ・・・」
ベビしぃが見苦しく騒ぐその瞬間、アナコンダが白3ベビに食らいついた。
モララーの顔は笑顔に歪み、母しぃたちは顔を手で覆う。
そして

ギ ヂ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ! ! !

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                  続く

964 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/04(水) 23:27 [ qSJIOshc ]
>>続き
ははは、ついに出たよ 犠牲者第1号が
ふふふ、アナコンダ君の口から血が滴ってる・・・
ゾクゾクするなぁ どんな顔して飲み込まれたんだろう・・・?
どれどれ・・・って、あれ? 何だありゃ・・・?

何と、白ベビ3は、飲み込まれていなかったのだ。
すんでの所で交わしたのだろう が、無傷とまでは行かなかったようだ
片足を、かみ切られていた。

・・・・・・おやおや、まさかアナコンダ君の一撃をかわすとはねぇ・・・。
でもさ、状況は決して、よい方向には向かってないんだよ・・・

そう、久々に味わう肉の味は、アナコンダをますます興奮させてしまっていた。
加えて片足を、それも怪我をしていない方の足を噛みちぎられてしまったのだ
誰がどう見ても、白3ベビの行き先は決まっていたように思えた が

「ヤ メ ナ チ ャ ー ー イ ! !」

この期に及んで、何とアナコンダに投石しながら走ってくるベビがいたのだ。
そいつは、赤3のベビだった。
                 続く
>>続き

965 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/04(水) 23:28 [ qSJIOshc ]
>>964続き

そういえば、あの2匹は前から仲がよかったっけな・・・・・・
モララーがそんなことをつぶやいている間に、赤3のベビは白3のベビの所
アナコンダの眼前にたどり着いていた。
「ア・・・アイガトー」
「ナニイッテルノ!! チィノオトーダチダモン!! オトーダチハ タスケナイト ダメダモン!!」
「・・・! アイ・・ガトォ・・・」

・・・・・・カカカ、泣かせるじゃあないか。麗しき友情か。
さてさて、臭い友情三文芝居を見せてもらって一言・・・

「ネェ!! コレカラ ドウチュルノ!?」
「マカチテ!! チャーント カンガエガ アルンダカラ!!」
そう言うなり赤ベビ3は、何やら玉のようなものをアナコンダに投げつけた。
アナコンダに当たった途端、一面にもうもうと煙が上がる。
どうやら、グラウンドにおいてあったものを使った、石灰の煙幕弾のようだ。

「チャア!! チィガオンブチュルカラ イクヨ!!」
「ウン!! イコウ!!」
赤3ベビは、白3ベビをおんぶして走り出す。
このまま走れば、みんなの所にいける
もうこんな怖い思いはしなくて済むーー
べちゃ

はずがなかった
どうやらここにおいては、アナコンダの方が上手だったようだ。
ベビしぃ2匹を取り囲むように、大きくとぐろを巻いていたのだ。
                 続く

966 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/04(水) 23:29 [ qSJIOshc ]
>>965続き
「ア・・・ア・・・」
ベビしぃ2匹は悲痛そうな表情で、周りを見る。
周辺360度すべて、アナコンダの体のとぐろの壁で囲われているのだ。
逃げ場はどこにも ない。

クカカカカ・・・!! 残念だったねぇ ククッ!
アンヨを怪我しなければ、もっと長生きできたろうに!
チンケな友情にかられなければ、もっと長生きできたろうに!
さあ、フィナーレだ!!

アナコンダはそのとぐろを、獲物にとどめを刺すべく一気に締め付ける。

ばきばきばき めきめき ぼぎゃっ

ベビ共の骨の折れる、鈍い音がする。

「ギヂャッ・・・!! ヤァ・・ヴェ・・・デェ・・・! ナ・・・ゴ・・・!」
「ダジ・・・ゲデェ・・・ ヴァヴァ・・・!」
そして次には、断末魔とも呼べる声が聞こえてくる。

そして最後。獲物を食するために、とぐろを緩める。
もう、中身は虫の息だ。
                続く

967 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/04(水) 23:29 [ qSJIOshc ]
>>966続き
アナコンダ君がとぐろに顔をつっこんでから、しばらくたった。
んで飲み込んだのか、顔を上げたとき、漏れ思わず驚いたね。
何とアナコンダ君。2匹の顔を口から出してたんだから!
まるで2匹の断末魔の、絶望に満ちた顔を漏れ達に見せてくれるように!
ま、すぐに飲み込んだんだけどね。
漏れ、感動のあまり(?)拍手しちゃったよ! 
周りの糞虫どもはみんな泣いてたみたいだけどね。 もったいない・・・・・・

「さて、楽しい楽しい綱引きも終わりました!」
どこが綱引きだったのかと、つっこむ気力もなさそうだ。
「今回も勝負は付かずじまいでしたが、まぁ2匹のベビしぃちゃんたちが
 お仕置きを受けてくれたので、これで良しとします!
 じゃ、お待ちかねのお昼タイムだ。
 みんなママと一緒にご飯食べてきていいよ。応援席の扉開けてあげるから。」
モララーがリモコンを操作すると、ガチャリと重い扉の開く音がした。
「あとちなみに、この機に乗じて逃げ出そうなんて考えないでね。
 そんなことしたら親子共々、・・・・・・が待っていますからね!
 ま、言わなくても分かると思いますが。
 さて、以上!!」

話が終わるやいなや、ベビ共は応援席の母親の元へと走り出す。
どいつもこいつも泣きながら、だ。ちったあ楽しそうに走れよ・・・・・・
せっかく漏れがつかの間とはいえ、休息をやるんだから・・・・・・。
                 続く

968 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/08/05(木) 01:10 [ rvCXqIM. ]
「BARオマエモカーの惨劇」第2編 「基地突入」  
 
 第1編嗚呼無情は>>946-947


1/4
マスターが死んでから3時間ぐらいになるであろうか。
モラ谷は革命党の部隊長だと思われる糞虫と
移動中に呼んでおいたモナ岩・ギコ丘 そしてジエンと新木場にいた。
海の向こうには、さいたま色の太陽が空に昇ってきた。「どこでもさいたまさいたま!」と、叫びながら。
糞虫はギコに向かって「コウビ! コウビ!」と五月蠅いので少し黙らせてある。
「みんな。済まない。忙しいところこんな用事のために呼んでしまって。」
モラ谷が陳謝する。
「謝ることはないモナ。
 ちょうどモナーも昨日ヘマやって給料カットされたところモナ。」
「俺も吉野屋のバイトクビになってムシャクシャしてたところだゴルァ。」
「コノマエ クソムシニ ショクリョウ ヌスマレタ! (・A・)イクナイ! ハンゲキスル! (・∀・)イイ!」
「そうか。皆理由は違っても、糞虫を頃したかったのか……。」
「それよりBARのマスターが頃されたって本当モナ!?
 あのBAR程いいBARはなかったモナ……」
「本当に惜しい人を亡くしたぞゴルァ!」
「BARノマスターノ カタキモトル! トッテモ(・∀・)イイ!」
「ところで皆準備はしてきたか?足りないものがあったら渡すが?」
「モナはとあるRPGから○空の剣を持ってきたモナ。」
(どこから持ってきたんだよ……)
モラ谷は呆れる……というか妙な脱力感という……なんとも言えない感覚に襲われた。
「俺は何もなかったからガッ!に使うハンマー持ってきたぞゴルァ!」
(お。あれはこの前俺が出した提案が5%入ってるガッハンマーじゃないか!!うれしいね〜。ユーザーがいるとw)
モラ谷はそれは俺の提案のハンマーだと言いたくなったが、所詮5%だから言うのをやめた。
「ニクコプーンデ ノウミソスポンジニシテ コロス! (・∀・)イイ!」
(アメリカ特産か?ジエンのことだ、いろいろ配合しただろうに…………)
「そしたら、ギコには槍を、ジエンは短刀を渡しておくよ。どちらも扱いやすい。
 ちなみに俺の分は別の装備があるから大丈夫だ。」
「会話のネタ切れもあるしそろそろ逝くモナ!」

969 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/08/05(木) 01:10 [ rvCXqIM. ]
2/4
「ココガアジトヨ……。」
糞虫に案内させてだいたい25分。夢の島の廃品処理場にアジトはあった。
普通アジトは隠れているのが一般的だが、
糞虫どものアジトは掘っ建て小屋のようで、廃品処理場の中では目立っている。
これでアジトといえるのか?砦にしては外見・大きさ・強度面、どれをとっても砦とは言えない。
まさに、糞虫の知恵の浅はかさを物語るアジトと言えよう。
「サァ! モウ シィチャンヲ カイホウシテヨ? シィハ ヤクソク マモッタヨ?」
「本当に解放すると思っていたのかを小(略」
モラ谷は用意していた糞爆弾セットを準備した。ギコとモナーは糞虫を押さえた。
「さてしぃちゃん。君にはご褒美をあげないとね?」
「ハニャ? ゴホウビ? ダッコシテクレルノ? ソレトモ ギコクント コウビ?」
(ご褒美=ダッコor交尾……か。どういう頭してるんだろうか?アジトで一匹捕まえて解剖するか……)
「違うよ。しぃちゃんがマターリできる場所へ送ってあげるんだよ。」
モララーは嫌な笑みを浮かべて話す。そして、タバスコ一瓶分をケツから流し込んだ。
「シィィィィィ!? オナカガ! オナカガ イタイヨウ!! コレガ マターリ!? ソンナワケナイ!」
「マターリのための儀式だから気にしない。さてと、全部流れたし、儀式の次の行程に移るか。」
そういうと、モララーはケツの穴に積み木の丸棒を一本詰めて穴を縫い、準備していたジエンも口を縫った。
「さぁ!儀式もフィナーレ!!マターリの神様!しぃちゃんをマターリの神様のもとに連れてって!」
吹き出しそうなのを押さえてそう言うと、モラ谷は糞虫を持ち上げ、アジトに投げつけた。

970 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/08/05(木) 01:10 [ rvCXqIM. ]
3/4
糞虫がアジトにぶつかるのと同時に糞爆弾が爆発した。
アジトはすでに半壊。掘っ建て小屋の脆さを露呈した形となった。
「糞爆弾は糞虫よせのつもりだったが、それ以上の効果が現れるとは…………流石は糞虫…………」
モラ谷はあっけにとられた。
見ると、アジトには人影はなく、降りる階段が見えるだけだった。
「なるほど。地下アジトか……」
「糞虫にそんな科学力ある訳ないぞゴルァ!」
「やはり後ろに何か団体がいるな…………」
「とにかく…………突入するモナ?」
「みんなにこれを渡しておく。トランシーバーだ。地下でも問題なく使えるタイプだ。」
そういって、トランシーバーを渡した。
「一応モナはRPGでベ○マの呪文が使えるようになったモナ!救援は必要ないモナ!」
(ワケワカラン………これはどうでもいい)
モラ谷はモララー族に伝わる伝統舞踊「ワケワ・カ・ラン」を踊りたくなった。
「俺たちの実力をなめ㌧のかゴルァ!」
「アマクミラレタ!カコワルイ!!」
「連絡用だ。アジト内では作戦時間短縮のため、役割分担をしてもらおうと思っている。
 それに、ないとは思うが、もしものためだ。一応持っていてくれ。」
皆は納得したようだ。
「じゃぁ!糞虫撃滅および基地破壊作戦開始!」

皆は階段を慎重に下り地下1階にたどり着いた。
ギコ丘が地図を見つけた。地図によると、どうやらこの基地は、
夢の島・新木場・台場の3地区の地下に及ぶ巨大基地らしい。
「やけにでかい基地だなゴルァ!」
「糞虫の科学力だけではないぞ…………これは……何かが後ろについている…………」
「今それを考えてもらちがあかないモナ。」
「とにもかくにも、まずは夢の島地区を制圧しよう。モナ岩はこの階を頼む!」
「わかったモナ!確実に頃しとくモナ。」
「ギコ丘は地下2階のAブロック『ハニャン室』『訓練室』『マタリック室』など15の部屋を頼む!」
「よっしゃ!頃し方はどうでもいいんだよな?」
「構わない!氏ねば問わない。そして、ジエンだがギコと同じ地下2階のBブロック 『食料庫』『ダッコ♪の間』『コウビルーム』14個の部屋を任せる!」
「ツイデニ ショクリョウ トリカエシテモ (・∀・)イイ?」
「糞虫を頃せば後は好きにやってくれて構わない。」
「モラ谷はどうするモナ?」
「俺は地下三階を叩く!では皆の武運を祈ろう。グッドラック!解散!」

971 名前: アヒャコプーン 投稿日: 2004/08/05(木) 01:11 [ rvCXqIM. ]
4/4
モラ谷は「シィチャンノ キチノ エネルギー シツ」とかかれた部屋を発見した。
「エネルギー室か……。まずはここを叩くか……。」
そういうと、ドアを開け、中に入った。
「動くな!!動くと氏ぬぞ!」
しかし、そこに糞虫の姿はなく、あるのは自転車発電台50台と、それをこぐでぃ達だった。
モラ谷は呆気にとられた。エネルギー装置までこんなにちゃちいものなのか……
「私は、この基地を壊滅させに来たものだ。君たちを救出する!
 それと、志願するものがいれば壊滅部隊に入っていただきたい!!」
でぃ達は一斉にこぐのをやめた。そして、一人のでぃが、
「ワタシ…シガンスル……」
「わかった。君をなんと呼べばいい?」
「……ヂィ」
「わかった。ぢぃ隊員!君はこの武器を使い、仲間達の脱出を先導してくれ!
 先導が終わったらモナー隊員に合流してくれ!」
「ワカッタ。」
「頼むぞ!!」

ぢぃ隊員が階段を上がったのを確認すると、モララーはトランシーバーを取り出し、
「モナ岩!!こちらモラ谷!応答願う!」
「どうしたモナ?」
「今、50人ほどのでぃ達を救出、
 一人が作戦に参加を志願したため武器を持たせ先導してもらっている!
 志願者の名はぢぃ!先導終了後モナ岩に合流してもらう事にしてある!よろしく頼む!」
「了解したモナ!!」

モラ谷は通信を終えて思った。
「このエネルギー室は釣りか?ちっとも電力が落ちてないようだが…………
 予備電源がすさまじいのか?そうだとすれば、後ろの組織は相当でかいな…………
 この戦い、ちょっとやっかいなことになるかもな……………………」

=第二章完 第三章各編につづく=

972 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/08(日) 13:02 [ hu4kEwnc ]
>>955の続き
「ハニャ・・・アレッテナァニ・・・・」
しぃ香が泣きながら言っている。
内心、モララーも知りたかった。

しかし、もうその答えは出ていた。

「ハニャーン♪ハラワタヲサラケダシナサイ♪」

「ジィィィィッ!!!!シィチャンノポンポンサンカラヘンナモノガデテルヨゥゥゥ!!」
モララーはいくら何でもここまでやる必要はないだろう。と思っていたのだった。

「ソウネ・・・モットクルシムスガタガミタイケドシィチャンハヤサシィカラコレデトドメヲサシテアゲル♪」
しぃ子は棍棒をしぃ香の頭に落とした。

「ジィィィ!!!イ・・・イ・・・イノ・・・チ・・・・・ダ・・・・ハ」
しぃ香は必死に命乞いをしている。しかし、そんなのもお構いなしに棍棒を落としたので遂にしぃ香の頭は潰れてしまった。

「サテ・・・アレ?アノヒコクミンシィトバッチィディガイナクナッテイルワ♪マァイイワサァダッコ♪」
しぃ子はモララーにダッコをねだった。

「てめぇみたいな自分の為に友を殺す奴なんかだれがダッコするか馬鹿が」
モララーがそう言うと同時に包丁をしぃ子の心臓に突き立てた。

即死だったようだ。

「・・・・・」

モララーはその場を去っていった。
そしてその背後で
「モララーサン!ディチャンハタスカルンダッテ!」
というしぃの声が聞こえた。しかし、モララーは振り向かなかった。気まぐれで助けたしぃ達なのだから・・・。

そして5年後、革命党は遂に滅んだ。
もうこんな事件は起こらないだろう・・・。
             Fin

973 名前: CMEPTB (dlFS2kHA) 投稿日: 2004/08/09(月) 22:57 [ Xabcpw2o ]
>>967続き

「お昼ご飯は終わったみたいだね。
 どうだい、運動会でママと一緒に食べるご飯はおいしいだろう?」
一人だけ元気な、モララーが訪ねる。
どんなおいしい飯だろうと、こんな地獄のような環境では
うまいはずも、第一食欲がわくはずもない。
ベビも母も、ほとんど飯を食っていない

「おやおや、みなさんお残しですか。いけませんねぇ。
 そんなことでは、午後の種目がどうなることや・・・・・・ おっと
 さて、そろそろ午後の種目を始めます。
 さ、ベビちゃん こっちに来て。」
モララーに促され、とぼとぼと力無くベビしぃ達は歩く。
まるで戦時中の、捕虜達の行進のように。
目の前で二人も大切なお友達がいなくなってしまったのだから、当然とも言えるが。

「午後の部、第1種目は・・・・・・ッ
 障害物競走ですッ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もはやベビしぃどもは、リアクションをする余裕もないようだ。
ただ黙って、うつむいたままだ。
「はい、湿りきったウザイ空気が立ちこめていますが、気にせずに進めます。
 ルールは簡単。
 様々な障害物を乗り越えて、走りきればOKです。
 直、このレースはリレー方式です。
 走りきったらちゃんと次の子にタッチしてね! 以上!!」
説明を終えても、ベビしぃどもの様子は相変わらず、お通夜状態だ。

「・・・・・・あ、そうそう。一ついい知らせです。」
ベビしぃどもの顔が少し明るくなる。
「今回の障害物ですが、ベビちゃん達が退屈しないように、
 特に珍しい(アブノーマルな)ものを用意してみました! 楽しみにしててね!」

・・・・・・ベビどもは先ほどのお通夜状態を通り越し、お別れの時間レベルにまで達していた・・・・・・

「じゃあ、障害物の説明をしますね っと。」
                  続く

974 名前: ある草原で 1/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:03 [ Wn2S35ck ]
ある荒れ果てた草原で
モララーと親子であろう1匹のしぃとベビしぃ3匹がたわむれていた。

「虐殺基本技第1番耳もぎ!」

ブチブチッと小気味いい音を立てて耳がもがれていく。
少量だが噴水のように噴き出る毒々しい血は、いっそう彼の興奮をかき立てた。
それだけでもまずは満足できるものだったが、さらにそれを引き立てる声が続く。

「シ!ジィィィィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙!オミミガァー!!ダッコスルカラ ヤメテヨォ!!」

キンキンと耳に突き刺さり、脳に多大なダメージを与えるしぃ特有の半角声。
物理的ダメージだけにとどまらず、その声を目の当たりにした者に
並ならぬストレス、精神的ダメージを与える。
本人は必死なのだろう。
しかし、それは血に飢えた虐殺者にエサを与えるようなものなのだ。

だが、彼にとってその叫びはストレスを与えるどころか快感として感じるようだ。
それに、しぃが何を言おうが関係のないことだった。

975 名前: ある草原で 2/14 ageた・・スマソ 投稿日: 2004/08/09(月) 23:05 [ Wn2S35ck ]
「へー、どうぞベビ共を殺して下さい・・・だって?うれしいなぁ。」

自分なりに解釈し
つくはずのない耳を必死にあてがっているしぃの腹を蹴り上げ
そのままベビ共の方へ歩み寄った。
ベビ共は吹っ飛んだしぃの方へ逃げ出したが、1匹だけすくんで逃げ出せずにいた。
ベビは自分の身に何が起こるか察知したのだろうか。
思わず一歩あとずさり、「タスケテ」と哀願するような目でこちらを見つめてきた。

知るか。  そう言いたげな顔をして、容赦無しにベビを鷲掴みにした。

「君のママはサイコーだね♪じゃ・・・お言葉に甘えて」

蹴られた痛みと逃げてきたベビ共をあやす事に気を取られていたしぃは
ようやく我が子がどんな目に合わされようとしているか気付いたようだ。
痛む腹を押さえながら、半身をおこしてまたノイズを発生させた。

「ソンナ!バビチャンニハ テヲ ダサナイデ!マダ チイサナコ ナノニ!!」

しぃは、お願いしたら助けてくれる、などと思っているのか助けを求めてきた。
握られているベビも、癇に障る声で助けを要求してくる。

「ママ!!タチュケテ クダザイヨォ!!チニタクナイヨォ!!モォ ヤーヨゥ!!!」

976 名前: ある草原で 3/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:09 [ Wn2S35ck ]
「残念だけどママは助けてくれないよ。
ほら、お前を助けようともせずあのガキ共だけを守ってやがる。
お前なんか虐殺されようがどうでもいいのさ。クックックッ・・・。」

彼にこれでもかというぐらい嫌悪感を見せていたベビの顔は
急に青ざめ恐怖の色でにじみ、生気を失っていた。
嫌悪の代わりに出てきたものは、高まる不安と死への恐怖だった。

「ソンナコトナイヨネ、タスケテクレルヨネ?キライジャナイヨネ?ネェ?・・・・・・・・・ママ?」

しぃは何かを言おうとしたが、その声はベビの叫び声によってかき消された。
もう既にベビを虐殺し始めていたのだ。

「ギィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィーーーーーーー゙!!イ゙ダイ゙!!イ゙ダイ゙!!!イ゙ダイ゙!!!!!イ゙ダイ゙!!!!!!
イダイ゙イ゙イ゙イ゙ィ゙ィィ!!!!!ッゲィイ゙ギ゙ヴグエグイ゙ア゙゙エヴビュヴア゙ァ゙ァ゙ーーーー!!!!!!」


見るに耐えない姿になってベビはしぃの前に現れた。
耳をもぎ取られ尻尾をちぎられ、それを口におしこまれ縫い付けられていた。
そしてちぎられた腕は、自らの目に力任せにねじこまれ
潰れてぐちゃぐちゃになった眼球がはみ出していた。
意外にもくっついている足は、切り開かれた腹に無理矢理曲げ入れられ
折りたたまれ肉を串刺しにして留められていた。
幸いか、それとも不幸か。まだかろうじて生きているようだった。

977 名前: ある草原で 4/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:10 [ Wn2S35ck ]
「イヤアアアアァァァァァーーーーーー!!イヤッ!イヤッ!ベビチャン!ナンデナンデナンデ!!
 ホラッ!マタ カワイイコエデ オカァサンッテ ハナシカケテヨォ!・・・・・・・・・・・!!
 ヒドイ!ヒドイヨォ!!シィィィィィィ・・・・・・ナンデ・・・コンナメニ・・・ウッウッウッ・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

彼は自分に何かを言い聞かせるように、
それでいてこの状況を目に焼き付けているかのように無言でいた。
その隙にしぃは残るわが子を自分の後ろに隠した。
その瞬間、彼はまた元のように 背筋に悪寒が走るような残酷な顔を浮かべた。

しぃは逃げても無駄だということを悟ったのだろう。

「ナ、ナンデモスルカラ!!!コノコタチ ダケハ!!!コノコタチダケハ タスケテ!!」

と、残された希望にすがり、一蹴されるのが目に見えている願いをしている。

・・・見間違いだろうか、彼の顔が一瞬苦しんでいるように見えた。
が、またあの戦慄の走る顔に戻っていた。

「ふーん。この子達だけ?じゃ、こいつはどうでもいいんだ。まだ生きているのにねぇ。
ママに助けてって、必死にお願いしたのに。見捨てちゃっていいんだ・・・・。
手をださないでなんていって。本当はすっきりしてんだろう・・・・?
その2人だって本当は死んでほしいんだろ?」

978 名前: ある草原で 5/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:11 [ Wn2S35ck ]
「ダ、ダレガソンナ…!」

必死に否定するが、もう聞いてはいないだろう。
彼は再びしぃの腹を勢いよく蹴り上げ、今度は宙に持ち上がった体を
固く握り締めた拳で何度も何度も殴打した。
見る見るうちに顔は腫れ、変形していくのがわかる。
腫れた頬は既に鼻と口を覆い隠すほどになり
トレードマークである米印は血でどこにあるか判らないほどになっていた。
残った片方の耳も根元から完全につぶれ、中身の肉が垂れていた。
あちこちから噴き出た血は鮮やかな色で宙を舞って
地に落ちて辺りをどす黒く染め、またベビ共に降りかかって絶叫を生んだ。
最後にしぃは地面に思い切り叩きつけられ、ようやく倒れることを許された。
しぃは痛みに身をよじらせ、転げまわり、必死で痛みを忘れようとした。
しかし、片足で踏みつけられ、痛みを忘れることすら許されなかった。

「ヴグ・・ゼェ・・エ゙ア゙ア゙グイ゙ア゙・・ア゙ア゙ア゙ア゙・・・・」

痛みを必死でこらえるその姿に満足すると
顔をにやつかせながら、おびえているベビ共に話しかけた。

「君たちもあの子みたいにママに見捨てられちゃうよ?ほら・・・こんな風に!!」

979 名前: ある草原で 6/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:13 [ Wn2S35ck ]
そういって震えているベビのうち一匹をしぃの口にねじ込み、一匹を鷲掴みにした。
小さな口に無理やりねじりこまれたベビは歯で肉を切り裂かれ、
痛みに身をよじらせているがますます傷を深くするだけだった。

「ハナシテヨォ!!マーマーー!!」
「イターイ!ヤーヨウ!イヤーヨウ!!」
「ベビファン・・・・ヒョッホ・・・ファヒフフホ!」

舌が回ってないしぃとベビ共が、やかましい雑音を立てる。

「だまれよ。じゃないとこいつがどうなっても知らんぞ?」

そういって、ベビを握る手に急に力を加え始めた。

「グルヂィィィ!!ヤベベェェ…!ヴエ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙!」

みるみるうちに顔は真っ青になり、体が酸素を求めているのか
何度も何度も口を宙でパクパクさせている。
が、ちょうど首の位置を締め付けられ、息が出来ないのだ。
想像を絶する痛みと息苦しさに直面しているにもかかわらず
ベビは金魚のように口を動かしてあがく事しか出来ない。

980 名前: ある草原で 7/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:14 [ Wn2S35ck ]
―セメテ ヒトコキュウ

―イッカイデモ イイカライキヲ!―

「マ・ママ…アガガァ゙ァ゙・・・・ダヂュ゙ゲ デ グダヂャ゙・・・・・!!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ーーーー!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

静まり返ったのを確認すると力を緩め、話を切り出した。

「いいか?いまからそいつを噛み殺せ。そうしたらこいつと一緒に帰してやるよ・・・。
ただし、やらんのならこいつを今すぐにでもぶっ殺して
お前もそいつもベビの後を追わせてやる!!」

「ヒョッッッ・・・!ヒョンナホヒョヒェヒヒャイヒョウ・・・・!」

981 名前: ある草原で 8/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:15 [ Wn2S35ck ]
単なる脅しとしてみているのか、起こるはずのない奇跡にすがっているのか
執拗に要求を断り続ける。
さらに、よほど生に執着心があるのか驚いた事にベビも抵抗し出した。

「ママ・・・・タスケテ・・・・タスケテ・・ク・ダチャ・・イ・・・・・チィ・・・・チニタクナイ・・・ヨォ・・・!!」

「ふーん・・・・。やらんのか?ほらほら・・・!!!」

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙!!モ゙ヴヤベベェ!!エャベブエ゙ウボエ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ!!」

助けを求める叫びはいつの間にか苦しみの叫びに変わっていた。
皮の上からでもわかるぐらいに、骨は弓の様に歪み今にもはじけて
体を八つ裂きにするぐらいに、悲鳴をあげていた。そして、2,3度震えたかと思うと
ベビは血の泡を吹き、うなだれて完全に白目をむいた。

「ヒャヘヘーーー!!!!ファハッッハ!!!ヒャルカラ!!!!」

ようやく、事の重大さに気付いたのか。
それを聞くと、満足そうに手をたたき狂ったように叫んだ。

「アッヒャヒャヒャヒャ!!さあ!早くやれよ!!
やるんだろう?!!このベビを助けるためにさ!!!」

982 名前: ある草原で 9/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:16 [ Wn2S35ck ]
口の中のベビは状況がよく理解できていないようだった。
ただ、怯えた目ですがるようにこっちを見ている。
彼はそのベビに向かって、妙にねっとりとした口調で話しかけた。

「おちびちゃーん。この子をねぇ、助けるために君、喰い殺されるんだよぉ?
痛いだろうねぇ。それに、とっても、とっっても悲しいだろうねぇ・・・
・・・えっ・・・何でかって?・・・・・
・・・・・だって君を喰い殺すのは・・・・君のママなんだからねえ!!」

「エッッ・・・・・?」

「ベビファン・・・・・・フョメン・・・!!!!」「おっと・・・・。」
「ジジジグヴヷア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙アーーーーーーーーー!!!!!!」

狂った叫び声。
壊れたスピーカーのように、そして地獄でもだえ苦しむような絶叫が辺りに轟き
大地や草、空気までもが震えているのがはっきりとわかる。
心臓までもがそれに答えるかのようにドクン、と大きく波打った。


一瞬の静寂。


「おう・・・・怖い怖い・・・・・
・・・本当にやっちまうなんて・・・・・・・・我が子を喰い殺すなんて・・・・
・・・・愛するものを喰っちまうなんて、どんな動物だってしないことなのに・・・・
・・・・・・・おぅ、怖い怖い。」

983 名前: ある草原で 10/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:17 [ Wn2S35ck ]
しぃはベビを      喰い殺した。










喰い殺した。   喰らった。









そのはずだった。

984 名前: ある草原で 11/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:18 [ Wn2S35ck ]
喰ったはずのベビは、彼のもう片方の手に握られていた。
しぃが信じられないといった顔でこちらを見、口の中を何度もまさぐった。
しぃの動きをとめている足をどかせると、ベビをつかもうと飛び掛ってきた。
が、血の泡をふいたベビを握っている拳で、腫れと傷と元から醜い顔面を
殴り飛ばした。しぃはそのまま2回転して再び地面に叩きつけられた。
その衝撃で両足があさっての方向に吹き飛んだようだ。

のた打ち回るしぃを無視して、彼はベビを地面に降ろすとそのまま話しかけた。

「ほーら・・・・。君のママは君を殺そうとしたんだよ?」

「・・・・・・・・・・・」

「この・・・・・・・・・とっくに死んじまった奴の為になぁ!!
あいつが恐ろしいだろう?!憎いだろう?!殺したいだろう?!!なぁ?!!!!」

985 名前: ある草原で 12/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:18 [ Wn2S35ck ]
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ベビは無言でじっと座り込んでいる。目は宙を泳ぎ、力なくうなだれている。
死んでいるかのように。
ただ身体から流れ続ける血が、ベビが生きていることを証明していた。




「・・・・僕はもう行かないといけない・・・・・。
君を殺そうとしたママ・・・・・・・ママとは思えない畜生・・・・・・・・。
君の好きにするが良いよ・・・
・・・ほら、これを使うといい。」


そういってナイフを血まみれのベビに手渡した。

986 名前: ある草原で 13/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:19 [ Wn2S35ck ]









ベビはまだ無表情のまま、無言でたたずんでいる。









ただ、見開かれた目は「ママのはずだった」しぃに向けられていた。

987 名前: ある草原で 14/14 投稿日: 2004/08/09(月) 23:21 [ Wn2S35ck ]
4匹のしぃの運命を変えた今日

はじめの1匹はあの責め苦を味わうため

つぎの1匹はあの無意味なおろかさにもう一度身を震わせるため

最後の1匹は僕の地獄を再び渡り歩くため

残りの1匹はもっと上手にこのゲームが演じられるようになるため




彼女達の



冥福を



祈りながら

988 名前: あうとさいだぁ 投稿日: 2004/08/10(火) 01:25 [ KOageDKo ]
 -戦慄-

見張り達の殺害後、数分がたった頃。
モララーは基地の奥深くまで突き進んでいた。
「さぁ、さっさと終わらせちまおうか」
意気揚揚と廊下を駆ける。
と、とっさにモララーは足を止める。
「・・・!」
そこで見たものとは、実におぞましい光景。
一人のギコの死体、そこに群がるしぃの大群。
しぃ達は、すでに死んでいるギコを何度も何度も犯し続けている。
ぬらぬらと光る死体の肉棒、結合部分からのぬちゃぬちゃとしたいやらしい音。
思わず吐き気を催す場面だが、見過ごすわけにはいかない。
「えーっと、これこれ・・・」
取り出した物は先端に刃の付いた、棒。つまり槍である。
ガチャガチャ、と動かし見る見るうちに槍は長くなっていく。
モララーはニヤリと笑い、こう言う。

「これで、よし。包丁持って、と・・・GO!」
部屋の中に突撃するや否や、包丁でしぃ達の首を切り落としていく。
「シギィィィッィイィ!!」
「ハニャァァァァァッ!」
「マタァァァァリィィィッッ!」
次々と血が舞う。しぃ達は仲間の死を目の当たりにし、恐怖感すら覚えるのであった。

「シ、シィニハ・・・マターリノ カミサマガ・・・」
―――繰り広げられる虐殺。
たちまちその部屋は生臭いが立ち込めた。まぁ、入る前から臭かったのだが・・・
モララーは満足げに鼻を鳴らし、次の作業に取り掛かる。

「お次は見せしめですよっと・・・」
槍を構え、落とした首を突き刺していく。
「ふふん、いい具合に刺さってくれるな・・・」
ズブズブと音を立てて、生首が槍に刺さっていく。
「よーしっと、後は火をつけて・・・」
チャッカマンを取り出し、首を次々に焼いていく。
ジリジリと表面が焦げ、物凄い臭いがする。脂と思われる液が垂れ、皮膚が焼け爛れる。
黒い煙が出てくる始末、ダイオキシンかとも思ってしまうほどだ。
まぁ、存在はダイオキシンより厄介な奴等なんだけど。

「うっぷ、臭いな・・・ま、しぃの兜焼きってわけだな。」
誰も臭くて食わないぜ、と言った感じに苦笑するモララー。
「兜焼き」を壁に立てかけその場を後にする。
廊下に出て、またモララーは走り出す。

「さて、そろそろ終わりにしようかね」
モララーはそう言うと、鉄の塊を数個取り出す。
「爆弾仕掛けて逃げますか・・・」
モララーは天井の隅に何個も何個も爆弾を設置する。
「よし、これくらいで充分だな・・・後は脱出・・・」

できれば良かったのだが・・・そうも行かなかった。
突然、見張りとの鉢合わせ。両者驚きつつも、各自、行動に移った。
「ギャクサツチュウ、発見!タダチニ、現場ニ 急行セヨ!」
「ちぃっ、蛆虫共がっ!」
モララーは踵を返し、走り出す。
「バクハツマデ、30秒」
モララーは舌打ちをしつつ、走る。
「時間がない、自分の爆弾で死んだら洒落になれねえよ!」
しぃ達が集団で走ってくる!遅いけど。
「マチナサイ、ギャクサツチュウ!」
しぃ達の必死の講義。足で追いつけないらしい。
「20秒」
すかさず罵倒。喧嘩勃発。
「誰が待つか、糞虫が!醤油飲んで死ね!」
頭にきているらしい、バカだな。
しかし、時間は刻一刻と迫る。
「15秒」
と、外に飛び出すモララー。しぃ達は足を止める。
「ハァハァ・・・ギャクサツチュウ、オソレヲ ナシタワネ!」
「10秒」
「マターリハ カツノヨ!ハニャァーン!」
「5秒」
言いたい放題だな、馬鹿が。
「フッフッフ、シィチャンサイキョ・・・」
「っぷ」
モララーの笑いに顔が引きつるしぃ達。
「ハニャッ」
「0」
ズドォォォォォォォォォン!!!!
「ブギャァァァッァッ!!」
「ギニャァァァァァ!!」
「ブベボォォッォ!!!」
爆音、炎上と共に、しぃ達の悲鳴、肉の焼ける臭い。臭い、臭すぎる。
「はっはっは!俺の勝ちだ、糞虫共!」
モララーは、苦痛にのた打ち回るしぃ達を見ながら、高笑いをする。

「復讐が楽しくなっちゃったよ・・・はっはっは・・・」
モララーは今叫びたかった。自分の勝利に酔っている今。
さぁ、皆もご一緒に。

「この爽快感は、一体?」


-END-

989 名前: 45・母親の夢 投稿日: 2004/08/10(火) 18:32 [ agrvKVOs ]
>>2 >>9-11 >>19-22 >>32-35 >>49-50 >>173-180 >>293-306
>>618-631 >>736-743 >>858-880の続き

レモナに鎮静剤を打たれてから、手術後まで母親が見ていた夢である。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
先生はベビちゃんが4人いるって言ってた
心臓が止まってるって先生が言ったけど、きっとしぃをビクーリさせるための冗談ね。
ベビちゃんたちがうまれて、退院したら、ちびちゃんのお金でみんなでマターリするの。

ベビちゃんにはお歌をたくさん歌ってあげるの。ダッコもたくさんしてあげるの。
*はね、今度はちゃんとあるベビちゃんなんだから。かわいさ倍増なの。
しぃだけじゃなくて、モナーさんにもモララーさんにもギコ君にもダッコさせてあげるの。
しぃの幸せと、ベビちゃんのかわいさの お・す・そ・わ・け!

ベビしぃちゃんの頃からモデルさんで華やかな世界で活躍してね、
ちびしぃちゃんになったら、アイドルグループになるの。
CDだってたくさん売れて、ベビちゃん達はモテモテなんだから。

ベビちゃん達がボーイフレンドを連れてきても、キモオタだったら絶対に
ボーイフレンドになんて認めない。
やっぱ、ボーイフレンドにはカコイイギコ君じゃなくちゃ。
ベビちゃん達のボーイフレンドのパパだって、絶対カコイイもん。
そしたら、しぃはね…しぃはね… キャー!!!!

ちびちゃんには、ベビちゃんのためにたくさん働いてもらうの。
あの子は『キケイ』なんだもの。それくらいしか働く口は無いのよ。
お金を稼がせてあげるだけでも、ありがたいと思ってもらわなくちゃね。

ベビちゃん達が稼いだお金で、レモナ先生にもお礼をしなくっちゃ。
たくさんダッコしてあげるんだから。たくさん寄付もするんだから。

ベビちゃんが生まれたら、しぃ達は勝ち組になれるのよ。
だからね、ベビちゃん… 無事に生まれてきてね…

990 名前: 46・母娘喧嘩 投稿日: 2004/08/10(火) 18:33 [ agrvKVOs ]
『ベビはすでに氏んでいる』と真実を伝えているちびと、信じたくない母親。
衝突が起こるのも当然である。
麻酔が覚めてからも、夢の世界から抜け出せていない母親は、
ちびの神経を逆なでする事ばかりを言い続けていた。
ちびが『死産ビデオ』の話をモナー達から聞くまでの間、
二人は同じような内容の親子喧嘩を繰り返している。ちょっと、その様子を見てみよう…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「だから、ベビ達は氏んだって言ってるのが、何度言ったらわかるのよ!
『生まれた』んじゃないんだって。単にあんたの腹から『出した』だけだって
言ってるでしょうが!!」

「ベビチャンハ チャント ウマレテルモン!」

「ふーん。生まれてずいぶん経つのに、ベビと会わせてもらえてないじゃないの。
ママに会わせて貰えないんじゃ、ベビ達さびしくて氏んでるかもね?」

「センセイタチガ チャント ベビチャンタチヲ ミテイテクレルモン。 ソレニ ベビチャンタチハ チョーカワイインダカラネ!
ショウライ ベビチャンタチハ アイドルニ ナルンダカラ。 ママト ベビチャンハ カチグミニ ナルンダカラ」

「ベビ達は、絶対にあんたの事恨んでると思うけどなぁ。絶対に棄てられるのがオチだと思うけど?もう少しで糞狭い腹の中から出れるって時なのに、ちびギコのティンポとか、大人のオモチャとかで突っつかれたわけじゃん。これって、一種の『ギャクタイ』じゃん?
もし氏んでたら、ベビ達たった15円のために頃されちゃったことになるわね。」

「ママハ ギャクタイナンテ シテナイモン。 ソレニ ベビチャンタチハ オナカノナカニイタトキカラ オヤコウコウナンダカラ。
ゼッタイニ ママヲ ステタリナンカシナイモン…… ソレニ ベビチャンハ ゼッタイニ シンデナイ!!!! 」

「ベビとあんたが勝ち組になんて絶対になれないわよ。
もし、また*が無いベビだったらどうするの? あんた、ベビに向かって
『キケイ』って言っていじめるつもりでしょ? 私にしたみたいにねぇ?」

「チャント *ダッテ アルモン!! イパーイダッコモシテアゲルノ! オウタモタクサン オシエテアゲルノ!
ベビチャント ママトデ マターリスルンダカラ。 アンタニハ ママタチノタメニ タクサンハタライテ モラウンダカラネ!!
ヘラズグチ タタクノモ イマノウチナンダカラ…」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この後に必ず、母親は勝ち誇った笑みをちびに向かって浮かべているのだ。
ちびは悔しさのあまり唇を噛み締める日々を送っていたが、
サスガ兄弟との会食、そして、法医学棟にて見学させてもらった妹たちの解剖の日以降、
母親のたわごとをニヤニヤして聞き流すことができるようになっていた。
そして、母親を期待させるこんな嘘までつけるようになっていたちびである………
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ベビちゃん達ね、今プロモーションビデオを撮ってもらっているんだって。
もう少ししたら会えるから、ママもがんばってくださいってさ。」

「ダカラ イッタジャナイノ。 ベビチャンタチハ ウマレタトキカラ センセイタチヲ トリコニ シチャッタノヨ。
ママモ オパーイ タクサン ダサナイトネ…」

「なんかね、モデルになって欲しいんだって。
それで、プロモーションビデオを撮って売り込みたいんだってさ。」

「モデルサンカァ。 トッカカリトシテハ イイワヨネ… ソレカラ アイドルカナ? ジョユウサンカナ? 」

「もう少ししたら、ビデオを見てもらうって。
映像製作会社の人がね、世の中に出すよりも、まずママに見て欲しいって言ってた。」

「トウゼンヨ!! ベビチャンノ ヘンナエヲ トッタラ ソノカイシャノヒトハ ギャクサツチュウダヨ!!」

(自分のやったこと棚に上げてよく言うなぁ…)
ちびは、そんなことを思いながら
母親の言葉に、作り笑いを浮かべているのだった。

そして、上映の日が近づいてきた…

991 名前: 47・ビデオ上映の日 投稿日: 2004/08/10(火) 18:34 [ agrvKVOs ]
「ハニャ? プロモーションビデオガ デキタンデスカ? チビチャンガ イッテタヤツ?」
母親に悟られないように表情を作りながら、モララーは説明する。
「ええ。ビデオをダッコ映像さんていう製作会社に依頼していたんですが、
ようやくできたそうなんです。大作なんで、時間がかかったそうですよ。
そのビデオをまず、お母さんに見てもらって、それから世の中に出したいらしいんですよ。
ベビちゃん達とも、そのときに会わせますんで。」
「ヤット ベビチャンタチニ アエルンデスネ… マッタ カイガ アリマシタ。
キット ベビチャンタチノ カワイサニ オオゼイノ ヒトタチガ ノックアウト サレルニ キマッテマスヨネ!」

(ベビ達の姿を見てノックアウトされるのはてめえだよ)と
モララーは思いながら、彼は上映日を母親に告げた。
「明日の午前10時に、上映を始めたいんです。9時50分までに、合同会議室まで来てください。場所はちびちゃんが知っています。彼女と一緒にくるといい。」

その日、母親はうきうきしていた。
いつもはちびや看護師にたたき起こされていたのが、今日は自分で起き、
いつもは食事の内容に不満をもらしながらとっているのだが、
今日はニコニコしている。まるで、遠足前の子供のようである。
「ベビチャンノ ビデオッテ ドンナ デキニ ナッテルノカシラネ? カワイク トレテルト イインダケド…」
「かわいく撮れているらしいよ。」
能天気な心配をしている母親に、機械的な答えを返すちび。
母親は勝ち誇った笑みを浮かべながら、ちびに言い放った。
「アンタハネ コレカラ ベビチャンタチノ ドレイニ ナッテモラウンダカラネ シッカリ ハタラクノヨ!!」

(奴隷になんかなるもんですか……)
どす黒い怒りがちびの中に生まれていたが、ちびは母親に悟られないように、
感情を押さえ込んだ。彼女は壁にかけられた時計をチラッと見て母親に退室を促した。
「そろそろ時間だから、合同会議室に行きましょう。遅れるのは良くないから。」
「ソウネ。 キョウハ ベビチャンニ チョクセツ オパーイヲ ノマセルコトガ デキルヒダモノ ハヤメニ イッタホウガ イイワネ」

上機嫌な母親と、そんな母親を冷静に見ている娘。全く違う表情の二人が合同会議室に着いたのは10時15分前であった。すでに、モララー・レモナ・サスガ(弟)は入室し、二人を出迎えた。
母親がモララーたちにダッコ映像の面々の行方を聞くと、モララーが引きつった笑顔を浮かべながら答えた。あまりに彼女の様子がハイテンションだったのだ。
「ダッコエイゾウノ ヒトタチハ ドコデスカ? アノヒトタチニ サイショニ ベビチャンタチヲ ダッコサセテ アゲルンデス!!!」
「ダッコ映像さん達は今眠っていますよ。数時間前まで編集作業をしてて、眠っていないそうです。ダッコは上映の後でもいいんじゃないですかね?」

モララーが母親にダッコ映像の面々のことを話し終えた頃、数名のボランティアの青年が
風変わりな安楽椅子を持ってきた。母親が横になってビデオが見ることができるようになっているように配慮されているのだが、両方の肘が置けるあたりと、足首あたりの場所に半円形の金具がついている。おそらく、手首と足首を固定するためであろう。

「こちらへどうぞ。」
ボランティアの青年に椅子を勧められると母親は怪訝そうな顔を一瞬したが、
すぐに安楽椅子に体をゆだねた。
「アラ ジョウトウナ イスジャナイ…… シィィィ?? ナンナノヨ コレ!
オテテト アンヨノ カナグヲ ハズシナサイ!! オマケニ ナニヨコレ! アナガ アイタジャナイノ!! 」
「ああ、昔の高級貴族みたいに過ごしていただきたいと思いまして…
リラックスして、ビデオをご覧になってください。
食事や下の世話は、彼らが行います。長丁場になりますんでね。」
ヒステリックな口調で尋ねる母親にレモナが笑顔で答えている。
母親は、レモナの言葉に微笑を返した。
(両手両足を固定されてるのに高級貴族って…… レモナさんもきついなぁ)
レモナの言葉を聞きながら、ちびは苦笑いを浮かべている。

「では、ちびちゃん達とママのプロモーションビデオ上映会、始まり始まり〜」
モナーのとぼけた口上を合図にビデオのスイッチが入れられた……

992 名前: 48・ビデオ上映(ママ編) 投稿日: 2004/08/10(火) 18:35 [ agrvKVOs ]
ビデオのスイッチが入ってしばらくすると、最初のタイトル画面が映し出される。
『しぃ族のみなさんへ おみせ以外の場所でのコウビでおかねをとってはいけません』
製作 阿武沢警察  撮影 ダッコ映像
協賛として、数店の性風俗店の名前が書かれていた。

テレビモニターには、奇妙な授業参観風の光景が映し出されている。
先生役に、阿武沢警察のモナ木、生徒達には、協賛の風俗店の女の子と見られるちびしぃやしぃ達がいるのだが、ただ父兄の代わりに、目つきのあまりよろしくない面々がいる。
おそらく、店側が雇った用心棒達であろう。

モナ木は、黒板にチョークで、『うそをついてもばれます』と書き、話し始めた。
「はい、皆さん。これから、やってはいけないことのお話をしますよ。
お店以外の場所でコウビをしてお金をとってはいけません。うそをついてもばれます。
これからビデオを見てもらいますが、このビデオに出てくるしぃちゃんは、
お店には勤めていませんが、コウビをしてお金をとっていました。
このヴァカなしぃちゃんがどんな目にあったのか、皆さんで見ていきましょうね。」
モナ木の語り掛けに、ちびしぃ・しぃ達は「ハーイ」と元気よく返事をしている。

画面が切り替わると、公園と思われる場所にいるちびギコ達の後姿が映し出された。
右下に日付、そして『通報者 ○× △の輔さん』と書かれたテロップが入っている。
小さめだが、「フサたんはどこデチ?ちびたんはお口でしてもらうデチよ。」とか、
「次はレコたんデチ」といった音声が入っていた。
水分を含んだクチュクチュといった音も一緒に聞こえている。

モナ木の音声が入る。
「警察に、ここの公園で、妊娠しぃがちびギコを相手に売春を行っているようだという通報が入りました。警察では、このヴァカしぃを確実に処罰するために、通報者と周辺の住民の皆さんにお願いして、証拠ビデオを取ってもらっていました。」

「ハーイ センセイ! コノ ヴァカシィチャンハ ケッキョク イクラ カセゲタンデスカ??」

ちびしぃの素朴な質問にモナ木は、
「はい、いい質問ですね。ビデオを続けてみて見ましょう…
ここの公園のあたりに住んでいる人たちは機転を利かせて、ちびギコに小銭を渡して
彼らにビデオをまわしてもらっていました。ツナ缶に入っているお金が、ヴァカしぃちゃんの稼いだお金ですよ。」

993 名前: 48・ビデオ上映(ママ編) 投稿日: 2004/08/10(火) 18:36 [ agrvKVOs ]
ちびギコが撮影したと思われるビデオには、母親が恍惚の表情で、ちびギコのティンポを
三本ほど操っている映像がアップで映し出されている。マムコに一本、両手にそれぞれ一本づつ。彼女は手コキに腰のグラインドと忙しく動いている。
「ハニャッ ハニャッ…」といった嬌声も聞こえてくる。
しばらくすると、ツナ缶が映し出され、中の小銭がモナ木や、風俗店のしぃ達にお目見えした。

ツナ缶の中の一円玉が数枚。同族の失笑、嘲笑の類の笑い声が
母親の嬌声にかぶさって聞こえている。彼女らは、容赦なく言い放った。
「センセイ! オミセデハ ナンニモシナクテモ イチニチ 1000エン モラエマス!」
「センセイ! シメイガ ツクト ヒトリアタリ 200エン モラエマス!」
「センセイ! ウチノ オミセデハ オニイサンタチガ シィチャンタチヲ ギャクサツチュウカラ マモッテクレマス!」
モナ木は、笑い声を上げながら、口々に自分がいるお店の居心地のよさを嬉しそうに語るしぃ達を落ち着かせ、説明を続けた。
「お店での皆さんのコウビを警察は見逃していますが、お外でのコウビは、見逃せません。もうわかりますね。皆さん。このしぃちゃんは、ちびギコ達に騙されて
お金にならないことをやっちゃった挙句に、警察に逮捕されてしまいました。
次の映像は、逮捕後のちびギコ達の供述とヴァカしぃちゃんの供述です。
警察はなぜ、取り調べの様子を撮影しているのかというのは、この映像を見た後に説明します。」

モナ木の説明の後、取調べの様子と思われる映像に切り替わった。
目は、黒い線で隠され、匿名にしてあるが、明らかにちびギコが映されている。
姿が映ってはいないが、ちびギコにいろいろ質問しているのは、
ギコ崎のようである。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「公園で遊んでいたら、妊娠しぃに声をかけられたんだね?何て言われたか覚えてる?」

「オネエサンガ アイテニ ナッテアゲルって言われたデチよ。それで尻を出したデチ」

「お金のことは言われた?」 

「最初100万円って言われたデチよ。でも、マムコがとんでもなく臭いってフサたんがいったデチ。それから、フサたんが1万円に負けろって言ったんデチ。レコたんが、金は終わった後に払うって言ったデチ。」

「そう。お金、結構少なかったけど(笑)?」

「誰が、あんなばばぁに1万円なんて払うんデチか?レコたんが終わった後に払うって言ったけど、本当は払うつもりなんて無かったんデチよ。」

「金を払わずに逃げるつもりだったの?」

「そうデチ。チビたん達で、妊娠しぃがいないときに、話し合ったんデチ。
フサたんが、『あの馬鹿しぃに、身分相応という言葉を教えてあげるんデチ』
って言ったんデチ。それはいい考えだとみんなで思って、
みんなで1円だけ払ってやろうって言うことになったんデチ。」

「でも5円あったねぇ?あの5円は何だったの?
10ぴ… 10人なら10円じゃない?」

「お腹のベビの葬式代デチよ。今すぐにも生まれそうな腹ボテだったじゃないデチか。
恐らく、ベビたちは氏んでると思うデチ。」

994 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/10(火) 18:38 [ agrvKVOs ]
画面が授業風の風景に切り替わった。モナ木が生徒役のしぃ達に問い掛けると、
即座ににしぃ達の答えが返ってきている。
「チビギコ達は、ヴァカしぃちゃんに、金を払うつもりは無かったらしいです。
お店で、こういうことをやっちゃったお客さんがいた場合、
このお客さんはどうなりますか?」
「ソンナ キャクハ ギャクサツチュウダヨ!」
「ミブンショウメイニ ナルモノヲ コピーサレテ オドサレマス!」
「ボコボコニサレタ オキャクサンモ イマシタ」

モナ木は、黒板にチョークで書き始める。

お店でのお仕事(コウビ)
1・何もしなくても日給1000円  
2・指名がつくと指名料一人あたり200円 
(1・2はお店により異なります)                 
3・違反行為をした客に対してお店が制裁をしてくれる
4・お店がしぃちゃん達をギャクサツチュウから守ってくれる

お店以外でのコウビ
1・お金を払ってもらえない可能性がある
2・変な趣味の客に下手をするとギャクサツされる可能性がある
3・誰もしぃちゃん達を守ってくれない
4・逮捕される

「お店でのコウビと、お店以外の場所でのコウビのいい面・悪い面を並べてみました。
皆さんはどちらがみなさんにとってお金を楽に稼げると思いますか?」
モナ木の問いに、生徒役のしぃ達は口をそろえて、
「オミセデノ コウビデ~ス!!!!」と答えた。

彼は、なぜ取り調べのビデオを録画しているかの説明を始めた。
「ここで、なぜ警察が取り調べの供述を録画しているのかの説明をします。
しぃ族や、ちびギコ達は悪知恵に長けており、突然警察での供述を
裁判所でひるがえす事をよくやって、自分のしたことの罰から逃れようとします。
そのときによく裁判所で使っていた言葉が『ギャクタイ』なんですね。
警察はこの取調べのビデオを、虐待はなかったという物的証拠として裁判所に送り、
裁判を円滑に進めているわけです……。 
続いて、ヴァカしぃちゃんの取調べのビデオをみんなに見てもらいます。
さっき、チビギコ達とセクースしていたしぃちゃんですよ。」

画面が切り替わり、今度はすすり泣いているちびの母親の映像が映し出された。
チビギコと違うところは、目隠しの黒線も無く、表情が丸分かりである点であろうか。
彼女に質問をいろいろしているのは、声から察するにモラ角のようである。

995 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/10(火) 18:39 [ agrvKVOs ]
「ほう、チビギコ達に取り囲まれてレイプされたと。 お相手のチビギコ達は、あなたがお金の交渉をしてきて、『シィチャンニ オカネヲハラッテ コウビシナイヤシハ ギャクサツチュウナンダヨ』と言って脅されたと言ってるんですがね。それに、お金が近くに見つかってるんですよ。これはレイプじゃなくて売春じゃないんですか?」

「レイプ サレタンデス… オカネノ ハナシナンテ シテイマセン!! ソレニ コンナカラダデ コウビナンテ デキマセン!」

「最初100万円で、チビギコ達の不満の声に負けて1万円に値下げしたって言ってますけど。あまりにチビギコ達の証言が細かいんでね。あなたがレイプされたって言っても
あまり信じられないなぁ…。この金額だと、やり逃げ同然じゃないですか。
金額があまりに少ないからレイプって言い張ってるんじゃないんですか?」

「オカネガ スクナイッテ ドウイウコト? チャント イチマンエン アルンデショ?」

「我々が見つけたお金は15円だけです。それに、『チャント イチマンエン』って…
やはり、チビギコ達とのお金の交渉があったんじゃないですか。嘘はいけませんよ。
それに、お店以外の場所でのお金を貰ってのコウビは禁じられています。どこかお店にお勤めですか?」

「オミセニナンカ ツトメテイマセン。 コウビハ オソトデ スルノガ イチバン キモチイインジャナイデスカ!
ソレニ オカネヲ カセガナイト キケイノ クソチビニ ベビチャンヲ コロサレチャウンデス。」

「キケイ?チビちゃんって?」

「オナカノ ベビチャンノ オネエサンニナル チビシィデス。 *ガ アリマセン。
ベビヲ オロスカ オカネヲ カセグカ ドチラカ エラベッテ ウルサクテ…
ダカラ ダイスキナ コウビデ オカネヲ カセギタカッタンデス。」

「コウビでお金を稼ぐには、お店に入らないといけないんですよ。奥さん。
それに『キケイノ クソチビ』って、あなたが生んだお嬢さんでしょ?
それに、あなたにベビを育てる権利なんてあるのかな?母親失格じゃないの。」

モラ角の『母親失格』という言葉に反応するように、
すすり泣きながら供述していた母親の顔が急に変わり、口をへの字に曲げ、わめき始めた。
モラ角は全く動じず、取調べが録画され、証拠として提出されることを
母親に告げる。

「キーッ ナンテコトイウノヨ! コノギャクサツチュウ!! サイバンショニ イッタラ ギャクタイサレタッテ イッテヤルンダカラ!!!!!
ソシタラ シィチャンハ ムザイニナッテ コンナトコカラ スグニ デテヤル!!!! 」

「えーと、この取調べの様子は全て録画されているからね。それを証拠として
裁判所に提出すれば、君がどんなにわめいても、君の言い分なんて聞く人は誰もいないから。それと、これから君に見てもらうビデオも、証拠として提出するから。」

996 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/10(火) 18:41 [ agrvKVOs ]
画面が切り替わり、チビギコがとったと思われる彼らと母親との金銭交渉内容のビデオが
映し出された。『署員が妊娠しぃに見せているビデオです』と画面の下方にテロップが載っている。撮影者のチビギコの音声までもが入り、なかなか生生しい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「…ブツブツ…あのババア、100万円なんてぼり過ぎデチ。お腹のベビを、肉便器として差し出してもせいぜい出せる金は100円デチよ……ブツブツ……」

「ン~? ソコノ カメラヲ モッテル チビクンハ ナニヲ イッテルノカナ? コンナ キレイナ オネエサンガ チビクンタチノ アイテヲ シテアゲルノニ。
シィチャンニ オカネヲハラッテ コウビ シナイ ヤシハ ギャクサツチュウナンダヨ。 ヨク オボエテ オクコトネ!」

「チビたんは最近カメラを買ったばかりなんで、手順を口で言いながら撮影してるデチ。
お金は全員がコウビを終えた後で払うデチ… フ、フサたん?しぃたんの後ろで何してるデチか?」

「レコたんはこのババアのマムコが物凄く臭いのがわからないんデチか?
このババア、病気をフサたん達に移して金を稼ごうとしてるデチ。それに、100万なんて高すぎデチ。1万円に負けるデチ。」

「ビョウキナンテ モッテナイモン! シィチャンノ マムコハ クサクナイモン! シマリダッテ イインダカラネ!」

「お前の鼻が詰まってるだけデチ。締りのよさはフサたん達が決めるデチ。
病気をもってないなら、医者の証明書を持ってくるデチ。フーゾクのしぃちゃん達は
定期的に医者に行ってるデチよ。医者の証明書を持ってこないつもりなら金をまけるデチ。
できないなら、とっととここから消えるデチ。」

「ワカッタワヨ。 イチマンエンニ マケタラ イインデショ? オカネハ コウビガ オワッタアトデ モラウカラネ……」

「……ヴァカデチネ……ヤリニゲ スルデチ……」

997 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/10(火) 18:42 [ agrvKVOs ]
画面が取調室の画面に切り替わり、母親がすすり泣いている映像に切り替わった。
「この映像と、あなたのことを通報した人や、あの公園の近くに住んでいる皆さんが
撮影した証拠の映像とがここにあるんだけど?これを裁判所に提出すれば奥さんは、確実に有罪じゃないかなぁ?」

「ソ、ソンナ… ベビチャンタチハ? アイドルノ ベビチャンタチハ? 」

「犯罪者の娘がアイドルに?(笑)とりあえず、上のお嬢さんに連絡しないと。あの公園付近にいるしぃ族で*が無いちびしぃか…。それと、彼女にあなたが妊娠何ヶ月か聞いて、
必要なら医者も手配しないと……。ギコ崎、漏れは娘さんに連絡してくる。後は頼んだよ。」

モラ角が退室すると、さっき鳴いてたからすが…という言葉ではないが、母親はころっと態度を替え、今度はギコ崎に対し媚び始めた。
「ネェ…ギコク~ン オ・ナ・ガ・イ! チビニハ ダマッテテ。 ダマッテテクレタラ、 タクサン ダッコサセテ アゲルカラ。
タクサン ゴホウシ シテアゲルカラ。」

「奥さん自分のした事わかっています?
私に対して、交渉を持ちかけるって何を考えてるんですか!
それに、そのお腹。そろそろ臨月くらいじゃないんですか?
ベビちゃん達、大丈夫ですかね。全員氏んでるんじゃないのかな?
ちゃんと動いてますか?(笑)」

「アノ クソチビヨリモ ベビチャンタチハ イイコダカラ ダイジョウブ。 ベビチャンタチハ チビクンタチトノ コウビノ トキモ
タクサン ウゴイテ シィチャンヲ キモチヨク シテクレタンダカラ。 オヤコウコウナ ベビチャンタチデショ。」

「それって、ベビちゃん達が逃げ場所求めてもがいてただけでしょ?
だって、一種の虐待だもんね。やっとお腹から出られるのに、チビギコ達のティンポや
大人のオモチャで逃げ道ふさがれた挙句、突っつかれまくったんだもの。
医者じゃなくたって、ベビが氏んでることくらいは想像つきますよ。
自分の都合のいいように解釈するのって、あなた方しぃ族の悪い癖ですよ。」

「ギコクンマデ クソチビト オナジコト イウノ? ギコクンモ ギャクサツチュウナノ? 」

「クソチビってあなたのお嬢さんでしょ?私には、あなたが上のお嬢さんや
お腹のベビちゃんに対して虐待しているようにしか見えないんですが……」

取調室の画面から、授業風景の画面に切り替わり、モナ木が語りだした。
「このしぃちゃんは、彼女のお嬢さんの証言によると、
いつベビが産まれてもおかしくない状態でした。
今は、ベビを産むために病院にいると思います。
出産後、彼女には罪を償ってもらう予定になっています。
売春の件以外にも、署員に対してうそをついたり、
また、妙な交渉をもちかけたりして、罪を逃れようとしていた彼女に対し、
裁判所は厳しい態度で臨むと思われます。
しぃ族の皆さん。お店以外の場所でのコウビは決してしてはいけません。
そして、もし逮捕されたときは、警察に嘘をついたり、妙な交渉をもちかけたりして
自分のしたことの罰から逃れようとしたりしない様にしましょう。」

エンドロールが流れ、ビデオが終わると、ちびは呆れた表情をしていた。
彼女はビデオについての感想と、取調べの様子を見た感想を力なく微笑みながら語った。
「確かに母が出ているプロモーションビデオでしたね。
お店の女の子のいい教育になるんじゃないでしょうか。
話は変わりますが、取調べの様子もよくわかる内容になっていました。
全く、我が母親ながらとんでもないことを警察でやってたんですね…」
レモナが、ちびの方に手をやりながら力づける。
「お母さんの、いい薬になったと思えばいいじゃない?」
モララーがちびにウィンクしながら、
「お母さんには、食事の後にもっと苦い薬を飲んでもらうことになるから。
それを見れば、ちびちゃんの怒りを静める薬にもなると思うよ。
少し早いけど、食事にしよう。」

「食事をお持ちしました。」
ボランティアの青年が合同会議室のドアをノックし、中の面々に声をかけたのは11時半であった。

998 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/08/14(土) 14:40 [ GnOtHKnk ]
道端にしぃの家族がいた。
しぃ一匹にベビ四匹、そして奇形扱いされてきた三毛。
そして今日も虐待が始まる。

三毛はベビ達に叩かれて起こされた。

「キケイノミケノホッペハドコマデノビルカチラ♪」
一匹のベビが三毛の頬を引っ張った。皮が裂ける音がしても容赦なく引っ張る。
もう慣れっこだった。前など包丁を腕に突き立てられたのだから。

「チィチャンパーンチ♪アニャニャキーック♪チィンゾォウパーンチ♪チィノビー♪」

「シィィ・・・・」
何度も殴られ蹴られる三毛。
すると通りかかったギコが話し掛けてきた。

「これはおたくの三毛ですか?」

「ハニャッ♪ギコクンダッコ♪ツイデニコウビ♪」
しぃは話も聞かずにギコに尻を向けると
「ン・・・・ジィ゛ィ゛ィィィ!!!!ハギャァァァァ!!!!」
しぃの尻にライターの炎が突っ込まれていた。

「もう一度言いますよこれはおたくの三毛ですか?」
ベビ達も虐める手を止めた。

「ハ・・・イ・・・・シィ・・・ノミケデス・・・」
しぃは激痛でしゃべるのもまま成らなかった。
そしてギコは続けた。

「じゃあいくらなんでもこれは酷すぎないですかねぇ」
だがしぃが答える前にベビが

「チョットォ!!チィチャンノマァマヲイジメルヤシハコノチィチャンガアボ」
ベビの声が止まった。ギコがベビの頭を踏み、ベビの頭が地面に食込んでいた。
「だからこのベビを調教しましょう まずは当然達磨の刑です」

そう言ってベビ二匹の手足と耳をもいだ。
叫べるのは一匹のベビのみ
「イチャーヨゥ!!!!」
そして食込んでるベビは
「ン゛ン゛ン゛ーーーー!!!!!ン゛!!!!!」

「うるさいから頭は要りませんよね」
ギコがベビの頭を足で潰した。
そしてもう一匹のベビの頭も潰した。

「ベビチャァァァァン!!!!!ベビ・・・・チャ・・・ン」
しぃが泣くのをよそに三毛にナイフを渡してどこかに行ってしまった。

そしてその後でしぃのあまりにも悲痛な叫び声があがった。

そして次にモナーが三毛の場所を通りかかるとあまりにも無残な姿のベビとしぃを見た。
後、血まみれの三毛を・・・
        END
>>997さん割り込んですいません。

999 名前: 線1/2 投稿日: 2004/08/16(月) 01:41 [ Uhi0fbbg ]
僕と彼女の間には線が存在していた。
僕には見えないし、彼女にも見えないらしいけど、彼女は線を感じる事が出来たんだって。

「線なんて関係ないよ。僕の所においでよ」

だけど、線が無いなんて僕の思い込みだったんだ。
僕らの線の内側に入ったらしい彼女は、とても無残な有り様にされたのである。
彼女の形の良い可愛いらしい耳が千切られ
綺麗だった手の指は不恰好でアンバランスな本数になってしまって
スラリとした素敵な足は片方義足になってしまった。

「ゴメンネ、ゴメンネ。僕が悪かったんだ……」
「気にしないでモララー、私が迂闊にアナタ達の領域に入ったのが悪かったのよ」

彼女は一つも僕を責めなかったけど
彼女を送るために逝った、彼女達の領域と言われるスラムの雰囲気が今も僕を責める。

1000 名前: 線2/2 投稿日: 2004/08/16(月) 01:42 [ Uhi0fbbg ]
久々に二人きりになれた時、僕は決心して彼女に考えを打ち明ける。

「ねぇ、しぃ、この世界は間違ってるよ。一緒に何処かへ行こう。世界は広いんだ。
きっと、僕らが幸せに暮らせる場所もあるよ」

彼女の手を握って、僕は見えない線の上で説得を試みた。

「無理よモララー、私とアナタが一緒に住めるような世界は何処にも無いわ。
好きでいてくれるのは嬉しいけど、私はこんな障害者になってしまったし
私の事は忘れて、もっと、アナタに相応しい人を探すべきだわ」

彼女が力なく笑って、僕から離れようとする。

「何言ってるんだ。しぃがそんな姿になったのも僕が君を呼んだせいだろう。
その事で君が僕を嫌いだと、顔も見たくないと突き放すなら分かるけど
君が引け目を感じる必要なんて無いんだ。もし、しぃが僕をまだ好きならお願いだから一緒に逝こう」
「まだ好きでなく、今も変わらずアナタが好きよ、モララー」

彼女は、指が足りないせいで弱い握力だったけど、それでも懸命に僕の手を握り返し
外へと歩き出してくれた。


だけど、現実は容赦なく、見えない線が今日も延々と僕らの前に立ちはだかる。
そして、いつしか彼女を守ろうとする僕にも同朋のはずの彼らの罵声や暴力が襲ってきた。

「ああ、しぃ…君が遠いよ…コレが僕らの間の境界線だったのかな…」

すでに肉の塊と化した彼女を胸に抱きながら、僕は最期の意識を失おうとしている。

『モララー、アナタの見ていた線の無い世界が、やっと見えた気がするわ』

彼女の最期の言葉を思い出しながら、僕は逆に限りなく線の存在を感じながら全てを手放した。

■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■