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藍物語(投稿・感想・雑談専用=隔離)スレ

695『遠雷』 ◆iF1EyBLnoU:2015/06/15(月) 18:50:17 ID:7Sc44gmA0
 それから5・6日、経った日だったと思う。
釣り場から歩いて帰る途中、港の出入り口近くにある東屋の前に差し掛かった時の事。
歩道に4台のママチャリが停まっていて、東屋の中から突然声を掛けられた。
「よう、アキ。今日も男と一緒か?母親の真似して妾になるなら、島の男の相手しろよ。」
アキちゃんは唇を噛んで俯いた。しかし、オレはその言葉の意味を知らなかった。妾?
「この馬鹿野郎ども!許さんぞ!!」 雷のような怒鳴り声。
振り向くと、大きな男が立っていた。
「おい、●太。お前いつからそんなに偉くなった?
両親を亡くしても、アキは○△の家の姫さんじゃ。まさかお前の親も、そんな了見か?」
ソイツらは、自転車に飛び乗って逃げた。皆オレより背が高い。高校生?
アキちゃんの頬を伝う涙。オレはどうしたら良いか分からずに立ち尽くしていた。
「坊ちゃん、あんたがナオさんか?◎野のサチさんとこの?」
オレが黙って頷くと、大男は深く頭を下げた。
「頼む。アキがこれ以上肩身の狭い思いをしなくて済むように。守ってやってくれ。
あんたが◎野の家の人間なら」 「ナオさんには関係ない!」
叫ぶような声を残して、アキちゃんは駆け去った。


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