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怖い話Part2

776『玉の緒(下)』 ◆iF1EyBLnoU:2014/01/17(金) 18:22:27 ID:tG/ByxVg0
 翌朝、朝食も食べずに4人は出掛けていった。
少女と2人の朝食。『悔いの残らないように』と姫は言ったが、やはり気まずい。
俺の事を好いてくれる少女に、気のあるような素振りをするのは正直気が引ける。
少女を嫌いな訳ではない。家事を手伝っている姿や翠と遊んでくれる姿を見てきて、
むしろ今は素直な良い娘だと思っている。でも、それはSさんや姫に対する感情とは違う。
それなのに、お嫁さんや恋人だと思って接するなんて...心の隅に蟠る罪悪感。
朝食を済ませ、ぐだぐだ考えながらリビングで本を読んでいると、
窓から明るい日差しが差し込んできた。何だか久し振りに見る太陽の光。
その時、ふと俺の心も晴れたような気がした。
俺の適性が『言の葉』なら、まずは話をしてみるべきだろう。
後の対応をどうするか、会話の中で答えが見つかるかも知れない。
「瑞紀ちゃん。」 思い切って、キッチンで昼食の準備をする少女に声をかける。
「はい、何ですか?」 少女はタオルで手を拭きながら駆け寄ってくる。嬉しそうな笑顔。
「空が、急に明るくなってね。だから、一緒に庭の梅を見に行こうと思って。どう?」
「行きます、一緒に。火を消して、すぐに戻りますから。」


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