したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

怖い話Part2

682『一期一会(下)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/26(火) 21:04:38 ID:Q8bPF5Z.0
 Sさんは白い紙から先程の鋏と良く似た形を切り出した。相変わらず見事な技だ。
大きく開いていた和箪笥の引き出しの中にそれを貼り付ける。
閉じた引き出しの中に感じる気配。1年か、2年か、剛君に本当の友達が出来るまで続く術。
「これで良し。剛君は自然に眼を覚ますまで寝かせてあげて下さい。
その間に新しい繋がりができます。そして今後は、小さな子供に良くあるひとり遊び、
そう考えて見守ってあげて下さい。何の心配も要りませんから。」
「はい。本当にありがとう御座いました。」
「それではこれで失礼します。R君、荷物をお願い。」 
「はい。」 『お出掛けセット』は既に片付けてあるし、すぐに出発できる。
「Yさん。最後に1つだけ。」 「はい、何でしょう?」
「この家を含め、おそらくお祖母様の遺品はどれも私たちに取って貴重な資料です。
その管理はあなたには負担だとは思いますが、散逸すれば取り返しがつきませんし、
思わぬ事態を引き起こすかも知れません。もしも今後、この家を手放す事をお考えなら、
その前に是非ご相談下さい。出来るだけのことをさせて頂きます。」
「はい、有り難う御座います。」 Yさんの表情は見違えるように明るかった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板