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怖い話Part2

560『入学式と卒業式(中・冒頭部補遺)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/22(火) 21:24:14 ID:amcWH5wI0
 「そう、あなたは私のことをこれ以上無いほどに尊重してくれる。
私たちの一族では、女性がかなり尊重されてるから、表立っての男尊女卑は存在しない。
でも、それに慣れてる私でも、あなたの心の動きには時々本当に驚かされる。
あなたは私を自分のものだと思ってはいない。だから嫉妬もしない。Lについても同じ。
最大限に尊重してるから年下なのに『Lさん』って呼ぶし、自分のものだとも思っていない。
「...Sさんも、Lさんも、僕を自分のものだとは思っていないということですか?」
「独立した魂を持つ誰かが、別の誰かのものだなんて、そんなこと絶対に有るはずがない。」
Sさんは目を伏せて自分の指先を見詰めた。呟くような声。
「どんな人にも天命がある。特に術者は、その天命に忠実でなければ。」
天命を果たすことが魂の旅路の目的なら、夫婦や家族の意味とは何だろう。
いや、長い旅路の途中で出会い、真に結ばれる魂。それこそが『良き縁』ではないか。
「それぞれの旅路の中で出会い、互いの魂が引かれ合うからこそ...」
「ご名答。まあ正直、私だって『呼び捨てにして欲しい』『あなたのものになりたい』って、
思うこともあるけれど。」 Sさんは顔を上げた。悪戯っぽい笑顔。
「それにね、私、嫉妬したことも有るわよ。あなたのことで。」 「誰に、ですか?」
「名前は知らないけど、女優さん。きっと、あなたの部屋に有ったDVDに出てる人ね。」
顔から音を立てて血の気が引いた。
俺は何故、PCの脇、あのDVD(R18指定)の山を忘れていたんだ?


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