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怖い話Part2

497『遺産(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 21:28:00 ID:94SVkDkM0
 「当初作られたのは4個と言われているけれど、現存しているのは3個。
呪いが掛けられた後は、代々、桃花の方様とその娘が相続してきた宝玉、璧。
この璧の号は『真紅』。」
Sさんは左手で宝玉を取り、右手の中指に嵌めた。大きめの指輪に見えないこともない。
そして、中指から外した宝玉を掌に載せて姫に差し出した。
「Lも実際に見るのは初めてでしょ。触ってみる?」
姫は頷いて宝玉を受けとった。それを右の手首に...え?
まるで当たり前のように、深紅の宝玉が姫の手首で輝いている。
「何故、指輪が腕輪に?」
「『大きさ』は決まっていないんです。きっと、足に嵌めることも出来ますよ。」
「実際、男の子が生まれたら足首に嵌めることが多いみたいね。」
Sさんは姫から受けとった宝玉を白い布の上に戻した。
「R君も触ってみたい?」 悪戯っぽい笑顔。
しかしそれは、俺が触ってはいけないもの。何故かそんな気がした。
「いいえ、遠慮しておきます。触ってはいけないような気がするので。」
Sさんは悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「そう、残念ね。どうなるのか、ちょっと見てみたいけれど。」
「試して貰うなら、『力』をちゃんと説明してからでないと。」 姫も笑いを堪えている。
そうだ、未だこの宝玉の『力』を聞いていない。
「その宝玉で、どうやって呪いを逸らすんですか?」
「生まれた子が女の子なら、呪いは発動しない。それなら、
生まれた子が女の子だということに出来れば、呪いの発動を止められる。
そのためにこれを使うの。これを身に付けている間、その子は誰が見ても女の子。
元々これは、ある種の祭祀で神官が女装する時に使われていたもの。
本当に女になるのだから、女装というのは変だけれど。」


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