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怖い話Part2
477
:
『遺産(下)』
◆iF1EyBLnoU
:2013/09/16(月) 10:59:16 ID:Xr/MafuY0
「それにしても。Rさん、あなたは本当に不思議な人ですね。
いや、あなたたち、と言うべきでしょうか。
御影が最初の一言で呼び掛けたのは、Lさまだったのですから。」
俺と姫が? どういう意味だ。今回、俺は釣りをしただけで、『力』を使ってはいない。
姫が使おうとした術は未発動、しかもその術を『上』は既に知っている。一体、何の不思議が?
「当主様に直属の式は、余程の事がなければ姿を見せません。
一族の中でも、自分の目で『御影』を見た者は、ほとんどいないでしょう。
先刻も、義務を果たすためだけならば、ただ水妖たちを遠ざければ済んだ筈。
それなのに『御影』は彼処に現れ、しかもあなたたちに話しかけた。
『水妖たちの無礼を許してやってくれ』と、そして、『今後の心配は不要』と。
一体何故なのか、見当も付かない。本当に不思議という他ありません。」
遍さんは眼鏡を外し、ハンカチでレンズを拭いた。
「それはさておき、『水妖』についての説明は、私よりLさまの方が余程適任です。
Lさま、お願いできますか?」
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