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怖い話Part2

217『道標(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/06/14(金) 21:03:37 ID:Ugm8l/Kw0
 俺は思いきり拍手をした。 「すごく上手でした。とても美しかったです。」
「ありがとう御座います。踊ったのは4年振りですけど、三つ子の魂百まで、ですね。」
姫の頬は少し紅潮していたが息づかいに乱れはない。すごい身体能力だ。
「降りるっていうのは、神様が降りるってことですよね?どんな感じなんですか?」
「踊っているうちに、自分が自分でなくなるような気がするんです。
視界が白っぽく霞んで、自分の心が周りの空気に溶けていくような。
そんな感じが強かった時ほど上手だって褒められました。でも、本当は、とても怖かった。
このまま自分が自分じゃなくなるんじゃないか、Sさんの所に帰れなくなるんじゃないか、
いつもそう思って。だから私、舞を奉納するのは、あまり好きじゃなかったです。」
俺の手から翠を抱き上げた姫の横顔は、どこか儚げで美しかった。


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