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怖い話Part2

173『道標(中)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/06/11(火) 18:45:21 ID:LBhz3as60
 翌日、朝食を食べ終えてから俺と姫はリビングに移動した。
少女はソファに寝かされている。規則正しい寝息、眼の下の隈はかなり薄くなっていた。
姫が左手をかざすと、やがて少女が目を開けた。
「目が覚めた?此処は私たちの家、だからもう大丈夫。」
少女の目から涙が溢れた。両手で顔を覆う。
「怖かった、ホントに怖かった。私...」
姫が少女の髪を撫でた。 「もう、大丈夫だから。ね。」
少女が落ち着くのを待つ間にコーヒーを淹れた。Sさんがトーストを焼いてくれる。
2人でリビングに戻ると少女はソファの上で体を起こしていた。
しかしその顔は蒼白く、生気が感じられない。2・3日、まともな食事をしていないのだろう。
これでは話どころか、いつ意識を失ってもおかしくない。
テーブルにトーストをのせた皿とコーヒーを並べる。白い湯気、良い香りが部屋を満たした。
「まずは軽い朝食、話はそれからにしよう。」 少女は頷いて、トーストに手を伸ばした。
その手が途中で止まり、ぴくりと震えた。 「あの、頂きます。」 「どうぞ。」
俺は少女の向かいに座って新聞を読んだ。Sさんと姫は翠の相手をしている。
普通の、ごく平穏な朝の風景だ。少女の首に残る大きなアザ以外は。
やはり空腹だったのだろう。少女はトースト2枚を残さず食べ、コーヒーを飲み干した。
「美味しかったです。ありがとう。」
少女の顔にかなり生気が戻っていた。これなら話をしても大丈夫だ。
姫が少女の向かいに座る。俺は姫の左隣り。Sさんはまだ翠の相手をしている。


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