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怖い話Part2

170『道標(中)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/06/11(火) 18:36:38 ID:LBhz3as60
 電話を切り、Sさんが持ってきてくれたポロシャツとジーンズに着替える。
「お酒、飲まなかったのはこのためね。分かってたの?」
「仕事の帰り、榊さんと一緒に占いハウスの前を通ったら
あの子の予約をキャンセルされた男が入り口で騒いでたんです。
受付の人が昨日から無断で休んでると言ってたので、ずっと嫌な予感がしてました。
もしかして今夜あたり、何かあるかもって。」
「相変わらず冴えてる。でも、今後の対応が一番大事。急いで。」 「はい。」
迷惑しているとはいえ、占いハウス側が少女の住所を簡単に教えるはずはない。
榊さんがあの男と◇山組の動きを抑えているのだから、このタイミングでの電話は
トラブルの相手が人間ではないという証拠。だからこそ姫が同行の準備をしている。
玄関へ早足で歩きながら集中力を高めていく。
「準備、完了です。」
Tシャツとジーンズに着替えた姫が、既に玄関で待っていた
プリントアウトした地図を右手に持っている。
靴を履き終わるとSさんが車のキーを渡してくれた。
マセラティのキー? そうか、本当に優しい人だ。
まだムッとする熱気の残る夜の道、俺と姫は少女の部屋を目指した。


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