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怖い話Part2

141『道標(上)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/06/09(日) 18:16:54 ID:BEI3CUXA0
 姫と2人、翠の相手をして遊んでいるとSさんがリビングに入ってきた。
「R君。今日の打ち合わせ、あの男の子の件でしょ?交通事故の。」
「はい。病院に行く日と、それから依頼の内容を詳しく確認してきました。」
「それだけ?」 「そうです。」
「じゃ、これは何かしらね?」 Sさんは小さなカードをテーブルに置いた。
「これ、誰ですか?何だか派手な感じの女の人ですね。」 姫がカードを手に取る。
顔から音を立てて血の気が引いた。しまった、あのまま胸ポケットに。
いや、待て。2人は俺の心が読める。あったことをそのまま話せば大丈夫だ。
ホッとして思わず笑みが浮かぶ。
「ちょっと、R君。何笑ってるの?」
「僕、ナンパされたんですよ。それも女子高生に。笑えますよね。」
「ナンパ?」 「はい、カラオケ行こうって。びっくりしました。」
「大人っぽいけど、本当に高校生なんですか?。」 姫からカードを受けとる。
カードには少女の写真。電話番号とメールアドレス。何かのロゴみたいな筆記体の文字。
思わず溜息をつく。
「制服着てたし、実際に見た感じは確かに高校生だったんですが、これじゃあ全然。」
「制服って、セーラー服?」 Sさんは悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「セーラー服です。でも、スカートは短すぎるし化粧してるし、邪道ですね。」
「あの、セーラー服の邪道って何ですか?」 姫が不思議そうな顔で俺を見る。
「いや、邪道っていうか、校則違反って意味で。多分化粧も違反だし。」
いくらSさんに乗せられたとは言え、危うくセーラー服嗜好を姫の前で。馬鹿か俺は。
まあ取り敢えずセーフ、それとなく掌で額の汗を拭う。


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