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ロゴス(論理思考)の有機空間に生じるズレ
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:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/04/18(土) 00:29:19 ID:???0
「禁止について語ることを困難にするものは、単に対象の多種多様
さばかりでなく、また非論理的な性格である。同じ対象について、
反対の命題を出すことも決して不可能ではない。」(バタイユ)
ユングを読むことは私にとって再びバタイユの論理をも蘇生させる。
最近の新劇をめぐっての異常な熱狂振りに私はついていけない。む
しろ萎える一方である。というのも、危険思想の集大成でありなが
ら、それが取り上げられることもなく、気づかれることも無く、不
用意に動物的な感情の熱狂(庵野曰く原始的な感情)を絶賛する退
行的な風潮ばかりが目立つからである。
「閉じて停滞した現代の打破」という昔から念仏のようにこれを唱
えるのが好きな庵野のこの発言とはあまりにも命題がかけ離れすぎ
ている「戦闘狂マニア」的要素とネクロフィラスな「血塗れの殺戮
ショー」。メディア系の講義では教授ですら、エヴァを取り上げつ
つも的が外れていることを言っていたりする(ただし芸術文化の講
義ではきちんとあれは退行ドラマだと危険視している方はいた)。
このような命題の立ち上げ方を簡単に示せば、「明るさを」といい
つつ、「暗かりしむる要素」で満載にするということである。新劇
においても話題となるのが子どもの名前に関してであるが、この名
前の拘り方からして暗い。戦闘狂マニアな名前に異常なまでに拘っ
ているようにしか、私には見えないのである(子どもに限ったこと
ではないが)。
この落差は、極東博士の言葉をお借りするならば、かつてのエヴァ
が当初、「エディプスコンプレックスをその物語の中核として設定
し、ビルディング・ロマン、魂の成長記録を目指していた」という
ようなところと関連しているであろう。
「閉じて停滞した現代の打破」などという言葉は、形式的には理性
的な発言であるが、そこに描き出される描写はといえば、遠慮のま
ったく見られない血塗れの殺戮ショーであり、戦争と暴力に沸き立
つ殺人の共犯であることは言うまでもない。
ネルフという組織は、指導者ゲンドウの規律と計画に従って、戦争
(攻撃衝動の集団的行動)が労働であるかのように集団的に組織化
されたものであり、そこにおいて行われる暴力は、時として動物的
であるが(初号機の暴走のことを言っている)、たいていの場合、
暴力は、その暴力のためだけに智慧だの理性だのを行使して行われ
ているのである。そして旧作にあっては最初から最後までこのよう
な暴力のための智慧もてに終始した殺戮ショーでしかなかった。最
初の命題とこの非論理的な性格の落差は最終的に「沈黙」という形
で劇場において露になったが、これは私からすれば、沈黙した方た
ちの論理思考(=ロゴス)の有機空間にズレが生じ、主体がもはや
まともなロゴスの通用しない瞬間である「非−知」の戦慄に遭遇し
たためであるといえると思う。
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