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ノート

82千手:2009/09/03(木) 00:27:23
板垣の「殉死」についての見解も紹介しておこう。これも一つの死の形を明確にさせている。

> かの主君の病んで死せる後を追ひ、自殺して以て死に従ふ所の所謂殉死なるものは、我
>邦の歴史に於て往々其事績ありと雖も、こは宗教上の迷信より来れるものにして、則ち其
>平生恩顧を受けし所の主君に別るゝに忍びず、冥途黄泉までも之に伴はんと欲する所の
>未来観よりして茲に至れるもの、今にして之を論ずれば愚といふの外なし、是故に古来
>殉死は法律の禁ずる所たる也。
(同、pp.911-912)

執筆年からして明らかなように、板垣はここで乃木将軍の自殺を問題にしようとしているのだが、乃木の自殺は殉死ではないというのが彼の主張だ。
問題は、板垣の描くような「殉死」が、いわゆる殉死のどれほどに妥当するかということだろう。

自由の行為が存在する、それこそ武士道だ、という板垣の議論は、カント主義と一致するが、やはり非常な的確さと射程がある。「明治武士道」(菅野覚明)の枠に収まるものかどうか、点検すべきだろう。


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