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ちょっと専門的なQ&Aスレ

10ミケ:2006/08/24(木) 01:03:34 ID:KO.P9.dA
第一掲示板、8月21日(月)01時02分37秒
確率のお話に関する質問が出ました。
「アミノ酸は無数にあるので、世代数と個体数の両方を勘案しても特定のアミノ酸ができる確率は低すぎるのでは?」
というもの。

その疑問にはこちらでお答えします。
というか、コレ以降、こちらに移りませんか?

まず、そもそも発生学的に重大な誤解をなさっているようです。
生物の進化とは、
特定の組織に特定のタンパクが対応していく過程、
『 で は あ り ま せ ん 。』
特定のタンパクの発現量であったり、そのタイミングが形態に影響し、
その形態に自然選択がかかって、生物の体は変わっていくのです。
『その遺伝子(タンパク)が発現する場所がその組織になる』わけですから、
ある組織にあるタンパクが特定化する、というのは、まるっきり逆な言い方です。


さて、次に。
大体の生物において、あるタンパクは、昔使っていたタンパクの使い回しです。
となると確率計算にも重大な欠陥があることが分かっていただけると思います。
ある遺伝子(タンパク)は、別のタンパクから突然変異によってできる、
だとすれば、突然変異によって生まれる新しいタンパクは、
どんな種類のものも等しい確率生まれてくる、などということはありませんね。


もう一つ、生化学的にも少々勉強していただきたい部分があるようです。
7月25日(火)20時21分27秒の投稿で触れましたが、
巨大分子(タンパク)における触媒活性、すなわち、タンパクが持つ機能の正体、
それは、
『その分子の形や電荷の偏りが他の分子を引き寄せたり捕まえたり変形させたりする』
という能力。
でね、タンパクは確かにアミノ酸が多数連なった巨大な分子なんですが、
その“能力”を担うのは、その中の一部のアミノ酸だけなんですね。
他は結構テキトウなアミノ酸配列でいいんです。
したがって、ある特定の機能を持つタンパクというのは、結構たくさんあるし、簡単に作り出せるんですよ。
そのような機能を決めるのは、タンパクの中の、“能力”を担う部分のアミノ酸配列だ
ってことは理解してもらえると思いますが、
20種類のアミノ酸にも性質の似通ったものがけっこうありまして、
性質の似通ったものどおしならある程度代替もきくのです。


そういう観点からしますと、
あなたの8月21日(月)01時02分37秒 の投稿における確率計算は机上の空論です。

生物の体を作るうえで遺伝子やタンパクがどのように働いているかを理解しないと、
きちんとした確率計算をすることは不可能であると思われます。
単に進化論否定が目的なのではなく、純粋に学問的興味から学びたいとお考えでしたら、
まずは発生生物学の教科書を紐解くことをオススメします。
評価の高い教科書は値段も高いのが悩みどころですが。
(ギルバートの発生生物学などは1万の大台を超えてますし。)


補足。
>遺伝的アルゴリズムというのは、進化の過程をより明確に解明していこうとする思考モデルですから

上記については、直後のゆん(♂) さんの投稿でご理解いただけるかと思います。


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