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トンデモネタに対する突っ込み用情報ソース備忘録

1ミケ:2006/02/03(金) 20:48:10 ID:zcGeqzE6
表の議論を見てて立てたくなりました。
探すのに苦労したソースや頻出するネタに対する突っ込みソース(著書、論文、ウェブページ)
を簡単な解説と引用をつけて列挙するスレ。

表は、メインとミラーの入れ替えで、過去ログを探しにくくなりましたし、
Yahoo!とか再評価掲示板とかで示したことがあるソースをまた探すのはきつい。

これを引用するようにすれば既出ネタで血圧を上げる心配もありません。
また、同じネタに対して異なる複数の論点での反論がある場合も、
ここのNo.○○と××と△△を見よ。
見たいな感じで『フクロ状態』を軽減できるかもしれません。

2ミケ:2006/02/03(金) 21:56:02 ID:zcGeqzE6
一発目はbombardier beetleことミイデラゴミムシ類。いわばヘコキムシ。
ある創造論者はおおむね以下のように主張した。

このムシの放屁行動が突然変異で偶然生じたなんてありえない。
なぜなら、
・化学反応用の100℃の高温にも耐える器官
・化学反応の基質(ハイドロキノンと過酸化水素)
・基質が反応しないようにしておくための抑制物質
・反応のための酵素
・噴射の調節装置
の全てが同時に生じなければならないからだ。


これに対する最も適切な反論は「同時に生じる必要などない」でしょう。

・そもそも『基質が反応しないようにしておくための抑制物質』など存在しない
・化学反応の基質が体内で別の目的で使われていた
ソース
リチャード・ドーキンス「盲目の時計職人」(p.151〜p.152)

・反応に必要な酵素、カタラーゼとペルオキシダーゼは放屁用化学反応のためだけの酵素ではない
ソース
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC
http://en.wikipedia.org/wiki/Peroxidase

・祖先においては、化学反応用の器官が100℃の高温に耐える必要などなかったかもしれない。なぜならCrepidogaster属の甲虫の“屁”は、せいぜい43℃から64℃くらいまでしか上がらない。
ソース
Eisner T, Aneshansley DJ, Yack J, Attygalle AB, Eisner M. 2001. Spray mechanism of crepidogastrine bombardier beetles (Carabidae; Crepidograstrini).
Chemoecology 11: 209-219

とまあこんな感じで。
投稿中にキーワードを散りばめとくとあとで検索しやすいかな。

3ミケ:2006/05/17(水) 23:46:13 ID:KO.P9.dA
たんぽぽ さんのリクエストにお答えして。
まずは経緯説明。
2006年5月13日(土)21時57分31秒
よう と名乗る人物が、第一掲示板に以下の書き込みをしました。

>決定的な証拠が見つかったのなら、「埋まりつつある」なんてものじゃないんだよ。
>進化論者はもろ手を挙げて苦節1世紀半を耐えて来た反動で大喜びだろうな。
>ネイチャーには創造論もちゃんと載ってるぞ。バランス良くさ。

なかなか珍しいケースですのでせっかくなのでこのスレに残しておきます。

確かに、ネイチャーには創造論について言及した記事がいくつかあります。
たとえば
Nature (2005) vol.436, p.761
Scientists attack Bush over intelligent design(※)

ミケによるわりとテキトーな意訳付けておきます

・US scientists are again on the offensive against intelligent design, an idea that many see as thinly veiled creationism.
合衆国の科学者たちは見え透いた皮をかぶった『創造論』とみなされているインテリジェントデザインに対して再び攻撃的になってきた。

・Intelligent design ― the notion that certain features of living organisms are so complex that they must have been shaped by an external intelligence ― has enjoyed increasing prominence among the US public, although not among scientists (see Nature 434, 2005). This is despite Bush's science adviser John Marburger stating on the record that intelligent design is not a scientific theory.
インテリジェントデザインは―(IDの説明なので中略)―科学者達には相手にされなかったが、合衆国民衆の間に熱狂的に受け入れられた。ブッシュのサイエンスアドバイザーである John Marburger が公的に「インテリジェントデザイン論は科学的仮説ではない」と表明したにもかかわらずこのような状況になった。


IDは科学ではなく、科学の皮をかぶった創造論である、というお話。
なるほど確かにネイチャーに創造論は載っていますね。
科学で「ない」ものの代表として。


(※)ArticleではなくてNewsの記事

4あき:2006/07/24(月) 11:30:24 ID:c8Ergsls
ミケさんへ

ブログを作ってみました。
Yahooの生物進化トピでミケさんが書き込んだ「始祖鳥は恐竜だった(笑)」を引用していいですか?

5あき:2006/07/24(月) 11:31:43 ID:c8Ergsls
リンク先のURLを書くのを忘れていました。ここです。

http://akisince2006.blog.shinobi.jp/

6ミケ:2006/07/24(月) 15:08:55 ID:zcGeqzE6
あき さんへ

どうぞどうぞ。
しかし、狙ってやったことではありますが
あらためて見るといかにも創造科学支持者が書きそうなタイトル。

7あき:2006/07/24(月) 16:03:50 ID:c8Ergsls
>>6
ありがとうございます。

8<削除>:<削除>
<削除>

9diamonds8888x:2006/08/20(日) 12:57:25 ID:cix7jPKY
 反ダーウィニズムを標榜する人達には何がダーウィニズムなのかが曖昧な人も多いようです。元々のダーウィンの理論は複数の理論からなるのですが、ここでまとめておきましょう。

 出典は雑誌「科学」の河田雅圭による記事(1)です。河田が参考にしたのはフツイマの教科書(2)です。
1)科学(1998/12)「小特集:今を生きるダーウィン」岩波出版
 河田雅圭「ダーウィンの進化理論と現代の進化生物学」
2)Futuyma,D.J."Evolutionary Biology(3rd)"(1998)
 フツイマ,D.J.:訳;岸由二「進化生物学(2版)」

 ダーウィンの理論はMayr,E.が挙げた5つの理論から成ります。従って反ダーウィニズムと言っても、どの理論を認めないかで色々な形があり得ます。これらの区別もできずに反対のための反対では論外です。
1)進化すること
2)共通祖先と分岐
3)漸進性
4)集団内の個体変異による進化と種分化
5)自然淘汰説

 1と2については以下の区分ができます。
 ラマルク以前: 生物には単純なものから複雑なものまでの序列がある。この"存在の序列"は神が定めたもので変化しない。
 ラマルク説: 現在複雑な生物はより昔に単純な生物として生じて時間と共に複雑化したもので、現在単純な生物は最近発生したためにまだ複雑化する途中である。
 ダーウィン説: 生物は共通祖先から枝分かれして進化した。人も他の下等生物も同じ祖先という点が当時ではラジカルで反発も買った。ラマルク説では祖先は異なる(ので一般からの反発は少なかった?)。

 3の漸進性については断続平衡説が異を唱えた。

 4を河田は「変異型進化」と呼んでいる。対してラマルク説での進化を「変形型進化」と呼んでいる。これは集団内の全個体が一斉に同じように進化するという形である。今西錦二説の「変わるべくして変わる」という説もこの「変形型進化」に該当するだろう。

 5は詳細な解説も世の中に多いので略します。もちろん4の集団内の個体変異が前提であり、個体変異の発生機構解明については、突然変異説の登場や遺伝機構の解明を待たねばなりませんでした。

10ミケ:2006/08/23(水) 23:47:29 ID:KO.P9.dA
はやし さんという人物が、
中立説によれば、生物は変化し続けていなければおかしい。
生きた化石が変化しないことに対する説明はないのか、
というような内容を第一掲示板で主張しました。

彼は種の起原を読んだと自称していたので、
「種の起原」下巻のp.49からp.50にかけて生きた化石についての説明があるので読めば分かる、
分からないなら解説してあげようか、
と言ってみたら、(第一掲示板、8月20日(日)21時17分51秒 )

自分の解釈を全く示すこともなく、「あっさりじゃあお願いします」と言われてしまいました。
(8月20日(日)21時37分53秒 )

種の起原を読んだことがあるのなら、あるいは手元にあるのなら、
自分なりに該当箇所の解釈を示してくれるかもとか思っていたのですが、
まあ、それはちょっと期待しすぎだったようですね。

もしかして実は読んでなくて、しかも手元にすらなくて、
解説を聞いてからおかしいところを探そうという魂胆なんじゃないか
などと邪推してしまうのは、ミケのココロが黒いせいでしょうか。
愚痴はここまでにしておいて、とりあえず該当箇所の引用から。

**********以下引用**********
(前段までが、異なる属や綱の生き物同士で変化の速度が異なるという実例、生きた化石とかも含む)
これらのいろいろな事実は、私の学説とよく一致する。
私は一つの地方に住むすべての生物を突然に、あるいは同時的に、あるいはひとしい程度に、
変化させるような一つのきまった発達の法則があるとは信じていない。
変化の過程は、極度に緩徐でなければならない。
おのおのの種の変異性は、ほかのあらゆる種の変異性とまったくかかわりをもたない。
かかる変異性が自然選択によって利用されるかどうかということ、
また変異は多かれ少なかれ蓄積されて、変異しつつある種を多少とも変化させるようになるかどうかということは、
多数の錯雑した偶然的要因――変異性が役に立つような性質のものであること、交雑の能力、
繁殖の速さ、その地方の緩徐に変化する物理的条件、
そしてことに、変異しつつある種が競争せねばならない他の生物の性質――に依存する。
それゆえ、ある一つの種が他のものよりずっと長く同一の形態を保持し続けていたり、
あるいは、かりに変化するとしてもわずかな変化であったりしても、おどろくにはあたらない。
**********以上引用**********
(岩波文庫 「種の起原(下)」 p. 49-p.50)


とりあえず、ダーウィン以降に得られた知見もついでに加えた上で上記を解説しましょう。

生物の形は、
突然変異によりバリエーションが与えられ、
物理的環境および生物観相互作用に起因する自然選択によってそれらがふるいにかけられることで決定します。
突然変異はランダムですので、どんなバリエーションが与えられるかは分かりません。
で、どう変化していくかということは、自然選択を引き起こす種々の要因によって決定します。
突然変異はランダムであり、遺伝子一つ一つが形態に及ぼす効果は軽微であることが多いので、
基本的に変化の過程はきわめて緩やかになります。
環境や他の生物が同じであれば、その姿が長く変化しないこともまたありうるだろう、
とダーウィンは言ってるわけですね。

まあこれだけで十分とは思いますが、
一応補足しておきたいことがいくつかあります。
長くなったので投稿を分けます。続きは>>11

11ミケ:2006/08/23(水) 23:54:33 ID:KO.P9.dA
・中立説がどういうものか
分子レベルの変化では、中立的な変化がほとんどであることを主張したもの。
中立説は、もともと、
『あるタンパク(ヘモグロビンなど)におけるアミノ酸の置換頻度が、
いろいろな生き物でどうやらある程度一定らしい』
という観察事実から得られたもの。
形態を著しく変化させてきた生き物も、あまり変わってない生き物も
分子でみたらどっちも同じくらいの速度で変化していた、ということ。
つまり、中立説は、形態の変化速度とは無関係!
したがって、生きた化石がダーウィニズムに矛盾すると言いたい場合、
中立説を後ろ盾にすることはできません。残念でした。


・三葉虫やアンモナイトについて。
生きた化石と呼ばれる連中(オウムガイやカブトガニ)は
環境の安定した深海や干潟に生息している。ゆえに姿を変えず生き残ってきた。
この説明に対して、
はやし さんは、それじゃあ三葉虫やアンモナイトが絶滅したことを説明できない、
反論になっていない反論を行いました。
なぜ反論になっていないかといいますと、
三葉虫やアンモナイトは、深海でも干潟でもなく、浅い暖かい海に生息していたからです。
地球規模の環境変動で、浅い海の環境は激変しました。
しかし深海の環境変化は比較的穏やかでした。
かくして深海のオウムガイは生き残り、浅い海のアンモナイトは絶滅しました。
と、まあこんなところでしょうね。(またも大雑把すぎ。まあいいや。)


・中立な変化とは
形態が変化すれば、そのほとんどが自然選択にかかってしまいます。
バランス・異性へのアピール・捕食者への影響・被食者への影響etc.
ニンゲンで言うなら、赤血球の変化でさえ甚大な選択圧を受けてしまいます。(鎌形赤血球)


・シーラカンスは変化していないか?
シャミセンガイは調べてないので分かりませんが、
シーラカンスは少なくともしています。
過去に生息していたシーラカンスと、現在のシーラカンスは別属に分類されています。
現在のLatimeriaは、地質時代にはいなかった、と言い換えても良いでしょう。

12NATROM:2006/08/24(木) 00:37:27 ID:Z2veARY2
反証可能性を持つことを科学の必要条件であるとしたポパーの基準を自然淘汰説に適用し、「自然淘汰説は反証不可能であり、科学ではない」と主張されることがしばしばあります。ポパー自身が自然選択説は検証不可能であるとしたと主張されることもあります。この問題についてきちんと書こうと思いつつほったらかしにしています。本当は原著にあたって書くべきですが、幸いなことに複数の日本語の文献でこの問題に触れたものがありますので、それを紹介することにします。「進化をめぐる科学と信仰」大谷順彦著P65より。ちなみに、この著者はクリスチャンです。[ ]内は引用者による。

−−−−−−−−−−−−
[ダーウィニズムは検証可能な科学理論ではなく、形而上学的な研究プログラムでしかないとした1976年のポパーの論文を大谷が紹介したのち]

ここでポパーが「ダーウィニズム」とよぶのは、全体の文意から「進化論」ではなく、「自然選択」を指していることがわかります。これだけ読むと、「創造科学」者たちの指摘は正しいかのようです。しかし、重要なのは、その翌年ポパーが上記の自説を次のように撤回していることです。

「これらの著者に影響されて、過去に私はこの(自然選択の)理論をほとんどトートロジーとし、そして、自然選択の理論が(トートロジーなので)検証できないにもかかわらず、どうして科学的にひじょうに重要であるかを説明しようとした。これについてのわたしの解決法は、自然選択論が一つのもっとも成功した啓示上学的な研究プログラムであるというものであった。自然選択論は、多くの分野で詳細な問題を提起し、こうした問題の受容しうる解答はいかなるものかを教えてくれる。わたしは、現在でも、自然選択はこのような研究プログラムとして機能していると考えている。しかしながら、自然選択という理論の検証可能性と論理的な立場について、私は見解を変えた。そして、これまでの自説を撤回する機会がもてたことを喜んでいる。わたしの撤回が、自然選択の立場を理解することに少しでも貢献できることを望んでいる。」
−−−−−−−−−−−−

また、ポパーは過去の自分の主張が「創造科学者」たちに利用されていることを聞いて、

−−−−−−−−−−−−
「ある人々はわたしが古生物学や地球上の生命進化史のような歴史的科学の科学性を否定していると考えているようである。これは誤りであって、これらや、また他の歴史的科学も、わたしの見解では科学的な性質をもっていること、また、これらの科学の仮説が多くのばあい検証が可能であることをここで確認しておきたい。」
−−−−−−−−−−−−

と述べたそうです。「ポパーは『自然選択はトートロジーで検証不可能』と述べたけど、後に『いや間違い。検証可能で科学である』と意見を撤回した」という話は、他、複数の文献で出てくる有名な話であるようです。ネット上では、上記引用した部分を含め、原文・和訳つきで、

http://transact.seesaa.net/article/20950421.html

で詳しく論じられています(こんなページがあるなら私がやる必要ないじゃん)。少なくともポパーを援用して、「進化論こそポパーの意味での科学とはいえない」とは言えません。

13ミケ:2006/08/24(木) 22:30:29 ID:KO.P9.dA
はやしさんとの議論専用スレにおいて、ウォディントンという名前が出ましたが、
この名前に聞き覚えのないヒトもいるかもしれないので解説しておきましょう。

といっても岩波生物学辞典からの引用ですが。

**********(以下引用)**********
遺伝的同化
[英genetic assimilation]
遺伝的背景の変更によって,それ自体はもともと遺伝的基礎をもたなかった
特異な表現型の発生が遺伝的に決定されはじめる現象.
C.H.ウォディントン(1953)の命名.
ショウジョウバエには翅の横脈を欠失させる突然変異遺伝子が数種あるが,
同じ状態は蛹に熱ショックを与えるだけでも出現することがある.
これは熱ショックという環境の変化によって発生経路が変更されるために
生じるが(→表型模写),変更を受ける程度は遺伝子型によって異なる.
ウォディントンは熱ショックで生じる横脈欠失個体を選択し続けることで,
ついには熱ショックなしでも常に横脈欠失となる系統を確立した.
この現象は一見,獲得形質の遺伝のようにみえるが,
発生経路の変更に関係する多数の遺伝子座において,
特定の表現型への発生に有利な対立遺伝子の頻度が
選択により増加することによる.
遺伝的同化は進化の過程に関与する場合があると考えられている.
**********(以上引用)**********

ウォディントンは実験の過程で“選択”を行っていますので、
これは上記の通り、獲得形質の遺伝ではありません。

14えめ:2006/08/25(金) 23:16:06 ID:GbaTZbsw
 コノハムシなんぞは普通に突然変異と淘汰の累積の代表選手だと思うんだが
コノハムシは個体差が大きいんだから、不完全な擬態は淘汰される確立が高まるし、運よく生き延びて子孫を残した所で親に似た子供が生き延びる確立は相当少ないだろう。
擬態が生き残る確立を高めるのは実験によって検証済みだし。
翅脈が葉脈に似てしまうのはコノハムシに限った話じゃないしな。
 個人的に言えばコノハムシに限らず擬態は何かの拍子で少しでも似てしまえば(例えば、ほんの僅かでも葉に似ることで生き延びる確立が高くなれば)、さほど世代を経ずに完成の域に達してしまうんじゃないかと考えています。

訳解らんと言うならむしろツノゼミの形態のほうが人間にとって理解に苦しむんでないかい。
http://www.nature-pro.co.jp/ctlg/insect/01IN061.htm

15Kosuke:2006/08/26(土) 07:57:08 ID:bfL1FEYU
> 木の葉蟷螂などの擬態はどのようにして進化しえたのでしょうか?
> 偶然にしてはあまりにもよくできすぎていると思いませんか?

本当にそうですね、「偶然」では無理でしょうねぇ。
やはり、進化論の本を何百冊も読み込むと、こういう素敵な誤解ができるようになるんでしょうか?

16ET:2006/08/26(土) 18:26:46 ID:Qys2MBh.
「数百冊の進化論関係の本」をどうやって探したんだろう(・・?

はじめまして。ETです。

時間をかければ、数百冊の本を読むのは可能だけど、
時間をかけても、同じ専門分野の本を何百冊も探すのは
難しいでしょう。
(絶対不可能とは言わんけど、図書館に行ってもそんなに無いよ)

17えめ:2006/08/26(土) 22:03:29 ID:BvwNomOk
あれは延べ数百だと思われ

18はやし:2006/08/26(土) 22:07:46 ID:Ca8xD1cE
>「数百冊の進化論関係の本」をどうやって探したんだろう(・・?

そういぶからなくてもよいでしょう。わたしはもう60に近いおっさんです。元々は文系で哲学が好きでベルグソンなどを読んでおりました。20代後半にベルグソンの「創造的進化論」を読んで感銘を受けたのが進化論に興味をもったきっかけです。最初は主にブルーバックスなどの新書の入門書を読み漁りました。その数だけでも百冊ぐらいにはなるでしょう。但し、もちろんですがすべて進化論関係の本ばかりではありません。進化論を理解するためにはあらゆる分野の自然科学の知識を知らなければならないので、当然物理学やその他の分野も含めてのことです。20代の後半から40代の前半ぐらいまで図書館通いをつづけながらいろいろと勉強をしました。もちろん独学ですので、皆さん方のようにアカデミックな勉強法ではありませんが。年に20冊でも20年で400冊になるわけですから、そのぐらいは読んだかなという程度です。但し、もちろんすべて完読したわけではありません。とばし読みや途中で放棄したものも数多くあります。但し、ダーウィンの「種の起源」だけは読んでおかなければならないと思い、完読しました。原書にも挑戦しましたが、生半可な語学力のためにそこまではできませんでしたけどね。皆さんはおそらくアカデミックな環境の中で正規の勉強をされているのでしょう。それはよいことですが、そういう環境の中で注意しなければならないこともあると思います。アカデミーの世界では初めからパラダイムが前提とされていて、その中での研究成果を常に求められ、その成果をださなければその世界から結果的に排除されるということです。特に生物学の世界ではダーウィニズムの考え方が支配的なパラダイムとしてありますから、研究で成果をあげて認められるということは、あくまでもそのパラダイムの枠組みの中の研究でなければならないということがあります。つまりそこではパラダイム自体を疑うような研究は初めから禁じられていますし、またそのような研究をするとすれば必ず自殺行為(つまりアカデミーから排除される)になるでしょう。
デカルトの「方法序説」を読むと、当時のアカデミーの世界が現代となんら変わらないということがよく分かります。時代を画する偉大な発見というものがしばしば素人の研究からでてくる理由はそのあたりにもあると思います。えらそうなことを言ってすみませんが。

19ミケ:2006/08/27(日) 00:52:09 ID:zcGeqzE6
>>18
アカデミックな世界で、
ダーウィニズム(ランダムな突然変異+自然選択による進化)を疑うような
研究が禁じられていないという実例

ジョン・ケアンズによる適応変異の実験
http://meme.biology.tohoku.ac.jp/INTROEVOL/adaptivemutation.htm
>実験的に、乳糖を分解してエネルギーにすることのできない大腸菌を、
乳糖ばかりの環境で培養してやる。
そうすると、エネルギー源の乳糖が存在しないために、その大腸菌は増えることができない。
しばらく、そのような飢餓状態においておくと、まわりが乳糖という環境が引き金となって、
通常の環境よりも 10 から 100 倍もの高い確率で、
乳糖と分解できるようになるという突然変異が生じたというのである。
つまり、環境が、その環境でより生存や繁殖が向上するような
突然変異を誘発する、というわけである。
(以上引用)

まあよくよく調べたら違ってたんですけど、
少なくとも論争を引き起こすことはできたわけです。排除されずにね。

っていうか、そもそもダーウィンとかラマルクだって
当時の『種は不変である』というパラダイムに反する研究を行っていながら、
排除されなかったんですけどね。
ちなみに彼らは素人ではないです。
ところで、自然科学で素人が大きな業績上げたのってどんなのがあったっけ?
大陸移動説のWegenerくらいしか知らない。

20ET:2006/08/27(日) 01:13:45 ID:Qys2MBh.
はやしさん、初めまして。

最初に、はやしさんの発言内容を疑うような投稿をした事をお詫びします。

ただ、今回のレスを読んで、はやしさんの一連の投稿を読んだ時の疑問がますます強くなりました。

私は、管理人のNATROMさんが推薦するダーウィン著の「種の起源」、木村資生著の「生物進化を考える」、
リチャード・ドーキンスの「盲目の時計職人」等は読んでいません。
「進化論」と名の付く本はほとんど読んでいません。

しかし、林さんが疑問を提示した「グランドキャニオンの地層」や「大陸移動説」には疑問を持ってません。
また、一連の議論の中に出てくる「断続平衡説」・「洪水地質学」・「斉一説」・「セントラルドグマ」
といった言葉は知りませんでしたが、Googleで調べたら内容は理解できました。
ここで1年以上ROMしていますが、第1掲示板の常連の方の説明される進化論の説明は、ほぼ納得できます。

私も、はやしさんと同様に色々な本を読みます。
子供の頃から科学に好奇心を持っており、科学本を読むのが好きですが、物理関係の興味が強いので読む本はそちらに偏ります。
それでも遺伝子・生物・地質関係もある程度は読みます。(ただし、上にあげた本は読んでいない)
私の場合、そうやって得た知識に矛盾しないから納得・理解できている、と思っています。

進化論の本をほとんど読まない私が納得できて、何故たくさん本を読まれたはやしさんが納得できないか不思議ですね。
もっとも、これは私がそう思うのであって、はやしさんは不思議とは思ってないのでしょうね。

21はやし:2006/08/27(日) 12:10:26 ID:v7tr19tg
>ちなみに彼らは素人ではないです。
ところで、自然科学で素人が大きな業績上げたのってどんなのがあったっけ?
大陸移動説のWegenerくらいしか知らない。

アインシュタインがそうですし、メンデルもそうです。ほかに思いつくのではファラデーも確かそうだったと思います。ダーウィンと自然選択説を共同発表したウォレスもそうですね。他にも調べれば幾人かいるのではないでしょうか?

22はやし:2006/08/27(日) 12:24:50 ID:v7tr19tg
>しかし、林さんが疑問を提示した「グランドキャニオンの地層」や「大陸移動説」には疑問を持ってません

なんどもいっておりますがダーウィニズムはその基本前提(唯物一元論)が間違っているので、進化のメカニズムを説明する理論としては間違っていると確信しています。
斉一説の間違いや洪水地質学云々については、いまのところ自分でも100%の確信をもって言っているのではありません。ただ誰もが「そんな馬鹿な、トンデモナイ!」というほど馬鹿げた話ではなく、ありうる話であると思っていますし、今のところはそちらのほうに説得力を感じております。大陸移動説にしてもはじめは誰も信じなかったわけですからね。
ま、とにかくそれはこれからいろいろ調べたいと思っているところです。もし、本当にそれを確信できればいずれ本を出版するつもりです。

23Seagul-X:2006/08/27(日) 12:56:49 ID:oqAXjfo2
はやしさんの主張って、要約すると「自分の思想に合わないからダーウィンは間違ってる」ってことですよね。別スレッドで展開されてる議論はそこから進んでない。
なんか、おなじようなことを云うひとが数十年前にいたのを思い出します。そのひとが権力持っちゃったのが国を傾ける遠因になっちゃったわけですけど。

http://www.genpaku.org/skepticj/lysenko.html

まぁ、現実がはやしさんの思想に左右されるわけではないので、ダーウィンが間違ってるかどうかははやしさんの思想に合うかどうかではなく事実を説明できるかどうかで決まるわけです。
逆に言えば、いくらはやしさんの思想に合うものであっても現実と乖離していたら間違ってるとしかいいようがない。
つまり冒頭の「自分の思想に合わないからダーウィンは間違ってる」ってのは無意味ですよね。

# こんなこと書くと大文字ナンさんみたいに「誹謗だ」って云われるかな?なんか「脳内はやしさんモデル」がそう警告します…

24はやし:2006/08/27(日) 13:47:49 ID:v7tr19tg
>こんなこと書くと大文字ナンさんみたいに「誹謗だ」って云われるかな?

大丈夫ですよ;^^。その程度の批判はご自由にどうぞお願いします。遠慮されると逆にここに来る意味がありませんしね。

25ミケ:2006/08/27(日) 15:07:19 ID:KO.P9.dA
アインシュタインは物理学者であり、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3
そしてメンデルは植物学者、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB

彼らは大学(アカデミックな場)で専門的な教育を受けており、
業績を残した分野も畑違いではないようにみえますが、どのへんが素人?
アカデミックポストに就いていなかったから?

ファラデーとウォレスは大学での専門教育を受けていないようですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%A9%E3%83%87%E3%83%BC
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AC%E3%82%B9

でも、彼らを素人と呼ぶのは失礼ですよ。
特にファラデーの方は、当時の大化学者の実験助手として十分な経験を積んでいるのですから。
立派な専門家とみなしてよいと思います。

とはいえ、ウォレスの方は
見ようによっては非専門家と言えなくもないかな、という印象は受けました。
感覚的にですけど。
参考になりました。

26NATROM:2006/08/27(日) 15:43:15 ID:Z2veARY2
>大陸移動説にしてもはじめは誰も信じなかったわけですからね

大陸移動説については、きちんとした地質学会で発表され、証拠不十分で棄却されたわけですので、「ダーウィンは間違っている」系のトンデモ学説とは違います。アインシュタインもメンデルも、ちゃんとした学会で発表したわけです。一方、トンデモさんは、素人相手の一般書で自説を発表します。何百冊本を読もうと、トンデモさんの書いた本を区別できないとまったく意味がないんですね。

27Seagul-X:2006/08/27(日) 16:18:57 ID:oqAXjfo2
もっとも、学会発表したからといってトンデモではない、ということにはならないのが頭痛いところではあります。
とくに日本の物理学会は怪しい発表でも排除しないことで有名で、UFO 研究家の清家新一氏も発表したことがあるそうです。(しかも名誉会員になるとかなったとか)
「学会から除名された」ので云々、とかいう話がありますが、実際には会費さえ払っていれば除名されることはないらしいですし。
まぁ、日本物理学会以外ではどうだか知りませんが。

物理学会でどんなトンデモが発表されているかというと、たとえば以下のようなものが。

http://www.asahi-net.or.jp/~ft1t-ocai/jgk/Jgk/Public/Color/color-01.html

28はやし:2006/08/27(日) 23:19:21 ID:X3dQUZEc
>日本の物理学会は怪しい発表でも排除しない

物理学会がトンデモ学説を受け入れやすいのはある意味うなづけますね。というのは量子力学は「物質とは幽霊のようなものだ」ということを認めたことと同じですからね。
その点は生物学者は古典力学の素朴実在論の一元的世界観をいまだに持ち続けているので物理学よりも1世紀ほど遅れているといえます。

29Seagul-X:2006/08/28(月) 00:32:17 ID:oqAXjfo2
>「物質とは幽霊のようなものだ」

あっちゃ〜、はやしさん、その不用意なひとことではやしさんが進化論だけでなく量子力学もまったく理解していないということが露呈しちゃいましたよ。

ともあれ、誤読されたので(はやしさんが悪いというのではなく、たぶん私の説明が足りないから)補足しておきますと、物理学会としてトンデモ学説を受け入れているというわけではありません。単に発表の場を学会員に提供するにあたって内容によって排除することがない、というだけです。
発表できたから認められた、ということではまったくありません。誤解なきよう。


上記のことと一見反しているようですが、今年の物理学会では「ニセ科学シンポジウム」が開かれたそうです。

http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/events/JPSsympo0306.html

リンク先をよんでいただければすぐわかるのですが、これは学会で発表するようなことを問題にしているのではなく、ニセ科学が科学だと偽って世間に浸透していることに対してどう向き合っていくか、ということを議論するものです。これも一部の会員がおこなったもので、物理学会として公式にこういう活動をしているわけではありません(現在は、ですが)。
こういうニセ科学のなかには「学会で発表した」ことを権威付けに利用しているものもあるそうです。実際には上記のように発表したからといって認められたということではないんですけれどね。

30名無しさん:2006/08/28(月) 08:42:01 ID:neuBD2X.
>UFO 研究家の清家新一氏も発表したことがあるそうです。(しかも名誉会員になるとかなったとか)
清家氏 は”終身会員” になったような。何年間か会費を納め続けていて、申請すればなれるそうです。

31NATROM:2006/08/28(月) 09:03:07 ID:tWsiDJ.w
生物学の学会でもトンデモさんを排除することはできません。学会発表は、信頼できるかどうかに関する、十分条件ではなく、必要条件とでも考えてもらえばよいと思います。学会発表すらされていない時点で、トンデモであると判断してよいわけです。

32PDX.:2006/08/28(月) 11:24:26 ID:NtVg0xZw
 物理学の方だと「第5の力」の研究なんてのは真面目なのかトンデモなのかにわかにはわかりにくいジャンルですよね。
 革新的な研究の芽を摘まないためにも、学会での発表が排他的というのはよくないでしょう。
 一方で自然科学としての手続きを踏む義務も存在するわけで、学会誌に論文が掲載されるには査読がされてあたりまえですし、これを「権威による検閲」だなんて誰も言わないでしょう。

 生物学の分野でも新しいアイディアは常に求められていますし、その発表は阻害されてはいません。
 ただ、厳しい審査に耐えて生き残れない学説は修正を余儀なくされるか、破棄されるかというだけの話で。これは生物学、物理学、あるいは他のジャンルの自然科学でも違いはないでしょう。

33ミケ:2006/08/28(月) 16:15:07 ID:zcGeqzE6
世の中にはこんなことを言う人がいるようです。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/5329/1156122498/31

ジャック・モノーは何を行い、何を考えていたヒトか。
ちょっと調べてみたので資料を紹介します。
http://en.wikipedia.org/wiki/Jacques_Monod

フランスの生物学者。ノーベル賞受賞者。
Lacオペロンによる転写調節(遺伝子発現調節)システムを研究した人。


邦訳されてる著書には「偶然と必然」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4622004283/250-6286043-0739454?v=glance&n=465392

レビューをいくつか読んでいくと、
モノーが「ほとんど可能性ゼロに近い偶然で起こった」
などという見解を持っていないことが読み取れると思います。
読んでみてはいかが。(たぶん、はやし さんは読んでないだろな。)

にしてもトンデモのヒトは、
どうして量子力学が唯物論を崩壊させたなどと思うのだろう?
そんなおばかさんを二人も見るなんて、どこかに元ネタでもあるのでしょうか。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/5329/1156122498/30
決定論と唯物論の違いが分からないのか、単に量子論を理解していないだけなのか、
あるいはその両方なのだろうか。

34地下に眠るM:2006/08/28(月) 17:49:33 ID:cizMQ0FI
自然科学とは唯物論なんだけど、そのことをわかってにゃーで「ダーウィニズムは唯物論でダメだ」とか抜かす馬鹿が定期的に出現しますにゃ。
以下は日本大百科における「自然科学」の項
************************************
生物をも含む物質的自然を対象とする人間の認識活動であり、その成果のまとまりでもある。非常に幅広い対象および多様な手法に応じて、さまざまな分科をもつ。
 自然科学は、また非常に複雑な社会的存在でもある。かつてJ・D・バナールは自然科学を次の五つの側面、すなわち、(1)一つの制度(社会的機関)として、(2)方法として、(3)累積的に伝承された知識として、(4)生産の維持と発展の主要な一要因として、(5)宇宙と人間に対する信条と態度を形成させる強力な影響力の一つとして、の総体であると述べた。
 もともと生産活動や技術を源泉として人間の自然認識は生まれたが、19世紀以降、生産技術とより密接にかかわることによって自然科学が自立し、重要な社会的制度として成長してきた。すなわち19世紀に、力学や天文学以外の物理学、化学、生物学、地学といった分野が、記述や分類を主目的とした博物学(自然誌)や、自然についての哲学的認識体系を求める自然哲学から独立し、自然科学natural science(英語)、Naturwissenschaft(ドイツ語)としてのまとまりを認められるようになった。
 さまざまな意味で自然科学の社会的影響力の大きさが論じられている現在、単なる認識や思想の側面だけではなく、社会的存在として全面的な理解が求められている。なお、「科学」という表現で自然科学を意味することも多いが、人文科学、社会科学、技術科学(農学、工学など)と区別する際に、とくに「自然科学」の表現を用いる。
[山 進]
*****************************************

ご覧のとおり
「生物をも含む物質的自然を対象とする人間の認識活動」と冒頭で断言しているにゃ。「物質的自然が対象」ね。
つまり、「唯物論だからダメ」というのは、自然科学そのものに対するダメだしといっていいわけですにゃ。もちろん、カガクにダメだししてもかまわにゃーのだけどね。自分が何を否定しているのかの自覚は必要だにゃ。

35Kosuke:2006/08/28(月) 18:04:51 ID:wAK4s5KQ
恐らく、「物質的な価値観しか認めない、偏狭な世界観」を指して「唯物論」と言って非難しているものと思われ。

36はやし:2006/08/28(月) 18:23:56 ID:KpWBAdEc
>レビューをいくつか読んでいくと、モノーが「ほとんど可能性ゼロに近い偶然で起こった」
などという見解を持っていないことが読み取れると思います。読んでみてはいかが。(たぶん、はやし さんは読んでないだろな

ミケさん、あなた読んでないんでしょう。読んでない人が他人の無責任なレビューだけで読み取れるなどというのはそれこそ無責任ですやろ。ちがいまっか?
ましてやモノーはあなたがたのお師匠さんのそのまたお師匠さんのような人ですよ。一応、「偶然と必然」はかって世の中に大反響を巻き起こした名著といわれておりますよ。あまりすすめたくはないけど、これを読めばあなた方の頭の中ももっとすっきりする(但し、悪い意味でね)ことは請け合いです。

37ミケ:2006/08/28(月) 18:58:22 ID:zcGeqzE6
>>36
はいはい、すみませんでした。
ということは、無責任でないはやし さんならば
モノーが下記のように考えていたことが読み取れる部分を
文献を示すとともに引用できるということですね。

「生物の進化が、ほとんど可能性ゼロに近い偶然で起こった」
「生命の発生が、ほとんど可能性ゼロに近い偶然で起こった」
と、ジャック・モノーが言っていた部分を、
前後の文脈とともに引用してくださいませんか?
(前後の文脈は要約でもいいです。また、出典は明記してくださいね)
読んでないのに
『モノーは「生物の進化が、ほとんど可能性ゼロに近い偶然で起こった」といった』
なんて無責任なことをおっしゃっていたのではないのですよね?

38はやし:2006/08/28(月) 19:18:36 ID:KpWBAdEc
ここの皆さん方はなぜか木村の中立説などの特定の専門分野にはお詳しい方が多いようで、それはよいですが、お見受けしたところ他の分野(特に量子論)には伝聞程度の知識しかないのではと思われますので、この場を借りて不肖はやしの講義をさせていただきたいとぞんじます。

以下はやしの講義:
量子力学とはなんぞやというのはあのアインシュタインでさえはじめは理解できなかったほどですから非常に難しく、おそらく今日の物理学者の間でもいろいろな見解に分かれるでしょう。しかしそれは少なくとも古典力学の素朴実在論的な物質観を根本から変えてしまったことは確かです。それまでの物質観というのはビリヤードの玉のような硬い粒子のイメージであり、そのイメージはラザフォードの原子核発見ぐらいまでは確かに正しくみえたのですが、電子や素粒子のふるまいをもっと深く調べようとしたときにひとつの根本的な矛盾に出会ってしまったわけです。それがハイゼンベルグによって定式化された不確定性原理というものです。それはどういうことかといえば素粒子のふるまいは観測者(すなわち人間)の主観から離れて客観的に測定できるものではないというものです。つまりこれはどういうことを意味しているかというと、それまでの物質観では、人間の主観とはまったく関係なく物質(すなわち自然)が存在しているものと信じられてきました(これを素朴実在論といいます)が、不確定性原理により物質の存在は人間の主観と切り離してああだこうだとういうことはできないということを意味しております。これはまたある意味で世界観の革命が起こったということを同時に意味します。
この革命の意味をもっと分かりやすく(はやし流に)かみくだいてご説明しましょう。ご承知のように近代以前のヨーロッパ中世哲学における世界観はアニミズム的な世界観(それは主にアリストテレスの自然学でした)でありましたが、ガリレオ、デカルト、ニュートンによって完成された慣性の法則により、物質の中にはなんらアニマ的な要素は無いということが確認されるにいたり、物質というのは本質的に受動的で無機質な客観的実在であるという認識が一般化しました。この認識の下に分子や原子が発見されていったわけですが、科学者がそのもっと奥深くにある物質の根源にまで立ち入ったとき、そこで出合った物質粒子はまるで幽霊のような存在であったというものです。つまり物質というのは決してビリヤードの玉のような分かりやすい存在ではなく、それを突き詰めようとすればするほど正体の定まらない存在だというこになってきたわけです。それはもはや人間の意識というものと切り離して考えることさえも許されない存在でさえあるということを意味しております。(以上第一講終わり)

39AH1:2006/08/28(月) 20:32:43 ID:b4lKR3h.
共益な関係にある属性を同時に測定できないということと、
それが「主観と関係する」こととの関係がよくわかりません。
(コペンハーゲン解釈まで行くのであれば、「知り得ないものは考えなくていい」
という意味で主観的かもしれませんが)

後段における、粒子の存在確率と意識の関係もわかりません。
たとえばある電子が今どこにあるか、一意に定めることができないとして、
それが何故意識と切り離せないのですか。

そして、観測者効果なり量子効果なりは重要な発見ですが、
それが生化学の分野に全く反映されていないと考える理由はなんですか?
(物理学と化学は密接に関係しており、化学と分子生物学もまた、
密接に関係した学問分野ですが)

40PDX.:2006/08/28(月) 20:37:46 ID:NtVg0xZw
 量子力学が霊魂の存在を明らかにしたわけじゃないけどね。
 素粒子の位置と運動量を同時には観測できない(一方が確定したら一方が不確定になる)というだけのこと。
 不確定というのも「まるでわからない」のではなく確率的に表記されるというだけのこと。
 どこからアニミズムの話がでてくるのかがさっぱり判りません。

41ハッター:2006/08/28(月) 20:59:04 ID:gzs2a1SY
>素粒子のふるまいは観測者(すなわち人間)の主観から離れて客観的に測定できるものではないというものです。

観察者によって実際に観察されるまでは確率論的にしか結果を記述できないでは味気ないですか?

42はやし:2006/08/28(月) 22:02:01 ID:xa9XiOiY
>「生命の発生が、ほとんど可能性ゼロに近い偶然で起こった」
と、ジャック・モノーが言っていた部分を、前後の文脈とともに引用してくださいませんか?

みすず書房「偶然と必然」P168

「謎はそのまま残っており、その背後には深遠な興味ある問題に対する答えが隠されている。生命は地上に出現したが、この出来事が実際起こる以前には生命の出現する確率はそれ位あったのだろうか。このような決定的な出来事は一度しか生じなかったという仮説の可能性は現在の生物圏の構造からみてとうてい排除することはできない。そのことは生命の出現する先験的な確率はほとんどゼロであったということを意味している。(中略)宇宙の中で起こりうる出来事の中で、ある特定の出来事が生ずる先験的な確率はゼロに近い。ところが宇宙は実在しており、その中で確率が(それが起こる以前には)ほとんどゼロであったある出来事もたしかに起こるのである。現在のところ、生命が地球上にただ一度だけ出現しということ、したがって生命が生まれる以前にはその出現する確率はほとんどゼロであったということを、肯定する権利も否定する権利もわれわれはもっていない・・・」

43なまけもの:2006/08/28(月) 22:09:28 ID:xeyqwfmM
直前のはやしさんの投稿とかぶりますが...

J.モノー『偶然と必然』(渡辺格・村上光彦訳、みすず書房、1972年)137-138ページより
***ここから引用***
今日なお、すぐれた精神の持ち主のなかにも、雑音という源のなかから生物圏のあらゆる音楽が淘汰ということだけで引き出されてきたのだということを、認めることも、理解することもできない、といったような人たちが大勢いる。ところがじっさい、淘汰は偶然の産物に<たいして>
作用するのであって、ほかからは栄養をとることはできない。しかも、それが作用する場は、厳格な要求が支配している領域であって、そこではいっさいの偶然は追放されている。
***引用終わり***
<>で挟んだ部分は原文では傍点で強調されています。「いっさいの偶然は追放されている」とありますが、ここでは進化を論じており、生命の起源にはふれていません。
同書168ページより
***ここから引用***
(遺伝暗号の起源に関する)謎はそのまま残っており、その背後には、深遠な興味ある問いにたいする答えが隠されている。生命は地上に出現したが、<この出来事が実際起こる以前には>生命の出現の確率はどれ位あったのであろうか。このような決定的な出来事は<一度しか>生じなかったという仮説の可能性は現在の生物圏の構造から見てとうてい排除することはできない。そのことは、生命の出現する先験的な確率はほとんどゼロであったということを意味している。
***引用終わり***
<>で挟んだ部分は原文では傍点で強調されています。冒頭の()内は引用者による補充です。これは「未開拓の領域」と題された章の一部です。
ここから「生物の進化どころか生命の起源さえも「ほとんど可能性ゼロに近い偶然で起こった」と認めて」いると読みとるというのは、内容をきちんと理解しているとはいえませんね。

44ET:2006/08/28(月) 23:11:50 ID:Qys2MBh.
>量子力学とはなんぞやというのはあのアインシュタインでさえはじめは理解できなかったほどですから非常に難しく、
>素粒子のふるまいは観測者(すなわち人間)の主観から離れて客観的に測定できるものではないというものです。

NANさんが別スレッドで指摘していますが、アインシュタインの事は明らかに誤解していますね。
それと、素粒子のふるまいは「客観的に測定できる」ものですけどね(^^)。

量子力学(不確定性原理)の事は、下のURLを参考にされると良いですよ。
下手な解説書を読むよりわかり易いです。
http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/doc/fukakutei.html
http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/saiFrame.html
「コペンハーゲン解釈」、「多世界解釈」、「パイロット解釈」も解説されてます。

>お見受けしたところ他の分野(特に量子論)には伝聞程度の知識しかないのではと思われますので、

私がお見受けしたところでは(笑)、ここの常連さんは他の分野でも伝聞以上の知識を持っていると感じてます。
ここは、所謂、科学大好き少年が大人になったような人達が集まっているので、上の指摘は、はやしさんの認識不足ですね。

45はやし:2006/08/29(火) 00:35:54 ID:xa9XiOiY
ジャック・モノーは一貫して「偶然」という言葉を否定的な意味ではなく、肯定的な意味で使っています。その意味で彼の論理には確かに破綻がありません。わたしは彼ほどダーヴィニズムの真髄を明確に言い表しえた語り手は他にいないのではないかと思っています。したがって彼の成功はダーヴィニズムの勝利を意味しており、逆に彼の失敗はダーヴィニズムの敗北を意味しているといっても過言ではないでしょう。
ところで彼は自らをカルテジアン(=デカルト主義者)であると表明しております。確かに彼の論理は完全にデカルトが描いた宇宙論の論理そのものなのです。デカルトは「宇宙論」という書物において、一切の物質的世界を「延長」としての物質の幾何学に還元できると考えました。宇宙空間はその物質のエーテルにより満たされ、そのエーテルの衝突によって渦動を起こし、様々な星が生じたというようなことまで述べております。これは後にカントにも影響を与え、いわゆる星雲説の元になり、それは又後にアインシュタインの一般相対性原理にも生かされています。しかしデカルトのその論理が徹底しているのは宇宙論だけでなく、「情念論」という本の中で独自の生物機械論を展開したことです。彼は人間以外の生物をすべて延長としての物質に還元できると考えたました。この発想はまさしく現代の分子生物学に生かされているわけです。
J.モノーの「偶然と必然」の中でおそらくもっとも瞠目すべき箇所は、次の表現にあると思います。
「したがってタンパク質こそは、化学機械の活動を一定の方向に導き、首尾一貫した機能を果たさせ、そしてその機械自身を組み立てるものなのである。これらの合目的的性能は、突き詰めればすべてタンパク質の《立体的特異性》にもとづくのである」同書P53
この表明の中に彼の思いがすべてこめられているとみてよいでしょう。つまり彼はこの箇所でデカルトと同様徹底した幾何学の論理にしたがって生物機械の仕組みを証明しようとしているわけです。
確かに彼はその論理性において破綻がなく徹底しているわけでありますが、実はその論理性こそが彼の最大の弱点なのだということに気づきます。ダーヴィニズムに対して反対する世の学者たちはいわゆる反還元論者と言われる人たちが多いのをご存知でしょうか?わたしは彼等の本を何冊も読みました。代表的な学者で言うとベルタランフィーやケストラー、最近ではカウフマンらの自己組織理論名等もその系統にはいります。反還元論というのはつまり、生物を個々バラバラにした物質の原理に置き換えることはできないという主張です。わたしはこの主張には大きな意味があると思っているものですが、残念ながら必ずしも彼等の反還元主義の主張が真に説得力のあるものとなったとはいえません。では一体、J.モノーの論理には何が不足しているのかということをいろいろ考えてみますと、結局一つの重大な欠陥をみつけるにいたりました。それは「時間」という概念です。モノーの論理は確かに幾何学的な論理で一貫しているわけですが、そこに欠落しているのは「時間」の概念なのです。
ところで「時間」とはいったい何でしょうか?ここでわたし自身の考えを言う前にみなさんに先に聞きたいと思います。一体「時間」とは何でしょうか?

46tema:2006/08/29(火) 01:11:46 ID:YnKcAJXo
>>33
>そんなおばかさんを二人も見るなんて、どこかに元ネタでもあるのでしょうか。

それはもう、「ブラッ(ネタばれにつき以下略)

元ネタ候補としては、読んだこと無いので信頼性が低いのですが、このへん↓が怪しいと想像してます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA

47ミケ:2006/08/29(火) 07:24:08 ID:KO.P9.dA
あーあ、
せっかく図書館から借りてきたのに、みんな反応が早すぎるよ(w。

さて、皮肉にもはやし さん自身の引用が一番端的に
モノーが
「生命の発生が、ほとんど可能性ゼロに近い偶然で起こった」
という立場を『とっていない』ことを示していると思います。

>現在のところ、生命が地球上にただ一度だけ出現しということ、したがって生命が生まれる以前にはその出現する確率はほとんどゼロであったということを、肯定する権利も否定する権利もわれわれはもっていない。

皆さん、引用ありがとうございました。

48ミケ:2006/08/29(火) 07:26:53 ID:KO.P9.dA
>>47
みなさん、っていうか
はやし さんとなまけもの さん、引用ありがとうございました。

49ミケ:2006/08/29(火) 07:59:03 ID:KO.P9.dA
上記のような書き込みをしておいて何ですが、
書き込んだあとに第一掲示板を見ましたら、
このスレの話題が本来の趣旨から離れているとの指摘がありました。

確かに、
NATROM さんの指示においても

>単なるツッコミや感想ではなく、指名された人が議論に使用しやすいような発言は

とありますし、
このスレも本来議論用として立てたものではありませんので、
単なるツッコミをしたい方は
「勝利と擬似勝利」スレあたりが適当かと思いますので、
そのあたりに移動しませんか?
というか、単なるツッコミや感想であればガマンするほうが良いかもしれません>常連。
(1対多数を回避するための措置だから)

これ以降ここに投稿する場合は、あとで同じネタが出てきたときに
参照資料として有効に活用できるような形式でお願いします。
あくまでもソース主体で。
ミケもこれ以降は単なるツッコミは控え、
あくまでも参考資料を掲示するに留めようと思います。

勝手なお願いとは思いますが、はやし さん、皆さん、よろしくお願いします。

To はやし さん
ミケの>>47>>48に対するレスがあれば、
ここで行って構いませんが、それに対してのレスは場所を変えると思いますのでよろしく。


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