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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1とはずがたり:2008/11/20(木) 23:44:28
関連スレ

農業スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165378/l40
エネルギー綜合スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1042778728/l40
環境スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1053827266/l40
電力スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1081280165/l40
メモ
http://members.at.infoseek.co.jp/tohazugatali/energy/index.html

836とはずがたり:2014/04/05(土) 13:57:50
>>834-836
 そもそもバイオマス発電によるエコ社会への取り組みは、平成23年3月の福島第1原発事故を機に脚光を浴びた太陽光発電などよりもずっと古い。

 14年12月、首相の小泉純一郎は循環型社会の確立を目指し、「バイオマス・ニッポン総合戦略」を打ち出した。翌15年には再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の前身となる「新エネルギー法」が施行され、バイオマス発電を後押しした。

 さらに経産、農水両省が中心となり、発電プラントの建設費用の一部補助なども実施。15〜17年にかけて企業や自治体は相次いでバイオマス発電に参入した。
×  ×  ×
 バイオマス発電は「究極のリサイクル」ともいえるが、実は克服しなければならないデメリットもある。

 一番困るのは、家畜伝染病だろう。

 23年1月、九州各地で鳥インフルエンザが確認され、もっとも被害が大きかった宮崎県では鶏101万羽が殺処分となった。

 この影響により、MBRは16日間にわたり発電停止に追い込まれた。この時期に鶏糞を移動すれば、ウイルスを広めることになりかねないため、一切の鶏糞の搬入が家畜伝染病予防法に基づき禁じられたからだ。

 仮に病気の流行が数カ月間に及べば、MBRは深刻な経営悪化に見舞われる。もしバイオマス発電のシェアが上がり、夏場や厳冬期などの電力需給が逼迫(ひっぱく)した時期にこうした事態が起きれば、停電も懸念される。

 その逆もありえる。バイオマス発電施設が故障などにより稼働を停止すれば、畜産農家は家畜糞の処分に困ることになる。
×  ×  ×
 こうしたデメリットもあり、国内のバイオマス発電はいまだに試験的な段階から抜け切れていない。木質チップを燃料とした国内最大級の「川崎バイオマス発電」(川崎市)でも発電力は3万3千キロワットにすぎない。

 だが、小規模ながら恒常的に安定した出力を発生させるバイオマス発電は、「お天気まかせ」の太陽光や「風まかせ」の風力よりもずっと優良な代替電源だといえる。資源リサイクルの観点からも極めて有用だ。CO2は排出するが、畜糞や廃材は放っておいても発酵や微生物分解により、CO2を発生するのでトータルで見れば何の問題もない。

 ドイツでは1980年代からバイオマスの有効活用が本格化している。発電施設は現在3千カ所以上にのぼり、総発電量の7・9%を占める。

 大半は、家畜糞尿によるメタン発酵ガス発電で、畜産農家が自前の発酵槽やガスタンクを導入し、トラクターや発電機の燃料にも活用している。

 畜産農家を含む周辺100世帯ほどが共同で小規模なメタン発酵ガスプラントを導入するケースも少なくない。元々は養豚が盛んな隣国のデンマークで確立された。500キロワットほどの発電能力があれば100世帯分の電力は十分にまかなえる。電力を自給自足することにより、光熱費を大幅に削減した村もある。

 プラントを小規模化し、村落単位で発電施設を作れば、家畜伝染病が発生しても十分対応できる。畜産が盛んな九州南部などで十分応用できるモデルケースといえるのではないか。

 長年バイオマス研究に携わってきた佐賀大学農学部教授の林信行は言う。「バイオマス発電の大規模化はハードルが多く成果が上がっていませんが、農畜産業振興と循環型社会づくりにバイオマス活用は不可欠です。地産地消の範囲で小規模なバイオマス発電を普及させていくことが重要だといえるでしょう」(敬称略)

837とはずがたり:2014/04/05(土) 21:47:29

>しかし2012年7月に固定価格買取制度が始まったことで契約の継続が困難になり、新たな調達先を開拓することにした。

>木質バイオマス発電の電力は岩手県の製材加工会社「ウッティかわい」の発電所からの電力である。このバイオマス発電所は政府の復興関連事業の一環で建設したもので、2014年3月に運転を開始した。岩手県内で被災した製材工場から木質チップを購入して発電に利用している。

2014年04月02日 09時00分 更新
スマートオフィス:
ピーク時の電力の50%を再エネに、地上38階建ての都心のビル
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1404/02/news017.html

東京駅の正面にそびえる地上38階建ての「新丸ビル」で、4月1日から使用する電力のうちピーク時の50%を再生可能エネルギーで調達する。岩手県の木質バイオマス発電所のほか、食品廃棄物によるバイオガス発電とメガソーラーの太陽光発電を組み合わせて利用する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 「新丸ビル(新丸の内ビルディング)」を所有・運営する三菱地所が、電力代理購入事業者のエナリスを通じて3種類の再生可能エネルギーを調達する。エナリスは再生可能エネルギーによる電力の供給を専門にする岩手ウッドパワーからの電力と東京電力からの電力を組み合わせて新丸ビルに供給する契約だ。

 3種類の再生可能エネルギーのうち、木質バイオマス発電の電力は岩手県の製材加工会社「ウッティかわい」の発電所からの電力である。このバイオマス発電所は政府の復興関連事業の一環で建設したもので、2014年3月に運転を開始した。岩手県内で被災した製材工場から木質チップを購入して発電に利用している。

 このほかに新丸ビルが立地する丸の内地区の食品廃棄物を使ったバイオガス発電の供給を受ける。さらに三菱地所が千葉県の所有地に建設したメガソーラーの太陽光発電を加えて、電力需要のピーク時に50%を再生可能エネルギーでカバーできるようにする計画だ。

 三菱地所は東京都が2015年度から開始する「温室効果ガス総量削減義務と排出量取引制度」の第二計画期間に備えてCO2排出量の削減に取り組む。都内のオフィスビルはCO2排出量を2000年比で17%削減することが義務づけられることになるが、再生可能エネルギーによるCO2排出係数の小さい電源を利用すると排出量の削減分として認められる。

 新丸ビルは2007年に開業した地上38階・地下4階の大規模なテナントビルで、数多くの企業のオフィスや店舗が入居している。2010年からは青森県の風力発電所の電力を調達して、使用量の100%を再生可能エネルギーでまかなってきた。しかし2012年7月に固定価格買取制度が始まったことで契約の継続が困難になり、新たな調達先を開拓することにした。

 再生可能エネルギーの導入によってテナントビルのCO2排出量を削減できると、入居者にも同様に削減効果のメリットがある。

839とはずがたり:2014/04/05(土) 21:51:55
パーム椰子ネタは>>723(昭シェル・川崎)>>820(大ガス+近大・マレーシア)などにあり。
ここは省電舎+WOI・インドネシアである。

省電舎、パームヤシ殻をバイオマス燃料に利用
http://www.zaikei.co.jp/article/20140329/185771.html
2014年3月29日 13:23

 省電舎<1711>はインドネシアのPT.ワールド・ワン・インドネシア社と(以下WOI)パームヤシ殻の炭化事業について基本合意契約を締結したと発表した。

 省電舎グループは再生可能エネルギーとして、食品系廃棄物などをメタン発酵する事によりメタンガスを発生させ発電を行う、バイオガス発電のプラントの設置や施工、販売、維持保全の事業を展開してきた。ゴミの減容と廃棄物処理費のコスト削減、CO2削減の可能な発電方法である。このバイオガス発電以外にも将来的にバイオマス発電事業を計画しており、燃料の安定した供給先として、インドネシアのパームヤシ殻に着目した。インドネシアはマレーシアと合わせ世界のパーム油の85%を生産しており、パーム油搾取後に残るパームヤシ殻をバイオマス発電の燃料にする計画である。

 WOIはインドネシアの国営農園からの協力でヤシ殻を安定供給する体制になっており、さらに各農園からのヤシ殻の収集をシステム化すると共に、提供価格を安価で抑えることに成功している。品質に関しては、日本人のクオリティコントロールを行う。インドネシアのパームヤシ殻を炭化することによって、高カロリー化と高燃焼率を実現するうえ、資源を多目的で有効に利用できるように加工するプロジェクトであるため、省電舎とWOIの本計画はインドネシアの国策にも合致する。

 ヤシ殻を加工することでミルでの破砕性が向上し、同時に石炭やコークスに並ぶか、凌駕する高カロリーのバイオマス燃料になる。微粉炭PCボイラー向けなどの燃料としてだけでなく、今後、原料炭や活性炭など新たなバイオマス製品として活用が可能であるとし、今回、契約の締結に至った。

 まずはWOIより調達する未加工のヤシ殻を取引先に販売し、既に実証が成功している炭化PKS(パームヤシ殻)の再現と大量生産化の確認を半年程で行っていく。その後炭化PKSを、バイオマス発電所や石炭火力発電所向けに、高品質の「バイオマス・コークス」として提供するとのことである。(編集担当:高井ゆう子)

840とはずがたり:2014/04/05(土) 21:59:44

中之条町が小水力発電所の建設に着手
「群馬建設新聞」2014年4月5日付
http://www.nikoukei.co.jp/gunma/201404/20140405/kj140405_01.htm

 中之条町は本年度、花の駅美野原内を流れる美野原用水へ小水力発電所を建設する。現在、設置する発電機と水車の詳細な形式を選定している段階で、早期の形式決定と工事発注を目指す。当初予算には、工事費2億5318万5000円を計上している。設置する発電所は最大出力約140kW、最大使用水量毎秒0・3立方mを予定しており、本年度から2カ年で工事を進めて2015年度中の稼働を目指す。
 
 建設する発電所は四万川を源流とする美野原用水から水を引き込み、地中に埋設する管から水車や発電機などを設置するS造の発電所へと通し、同用水に戻す。
 取水口から発電所までの有効落差は64・5mで、L361・5m区間でφ500mmのPRPM管を敷設する。取水口には自動除塵機と一定の水圧を確保するため、コンクリート製の水槽を、発電所にはクロスフロー式の水車と発電機、制御設備などを整備する。発電所の設置にあたっては2012年度に可能性調査と基本設計を、13年度に詳細設計をそれぞれNPO法人環境技術研究所(高崎市)に随意契約で委託した。美野原用水が流れる花の駅美野原は、JAあがつまが所有していた薬王園を町に譲渡した施設で、園内には薬草加工工場などがある。
 町では災害時にも安定的な電力供給ができる体制の確立を目的に、再生可能エネルギーの積極的な利活用を進めており、同施設の設置もその一環として計画。
 13年度には町が中心となって一般財団法人中之条電力を設立しており、バイテック中之条太陽光発電所からの電力を公共施設などに利用している。
 今後は小水力発電所で計300kW、木質バイオマス発電施設で計2000kWの発電を計画している。本年度は当初予算に小水力発電実行可能性調査等業務委託料324万円を計上し、六合地区を対象として調査を進めていく。
 一方、木質バイオマス発電施設では設置場所や想定する発電所の熱量などを検討する。

843とはずがたり:2014/04/05(土) 22:12:48

汚泥ガスで発電開始 大阪ガスと神戸市
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/science/article/73735
2014年03月05日(最終更新 2014年03月05日 18時43分)

 大阪ガスは5日、下水の汚泥から発生するメタンガスを利用したバイオマス発電設備の運転を開始した。神戸市の垂水処理場に設置し、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を併設した。昼夜ともに発電し、関西電力に電力を供給する。
 大ガスの子会社エナジーバンクジャパン(大阪市)と神戸市の共同事業。メタンガスを燃料としたコージェネレーション(熱電併給)を採用。神戸市が開発した精製機でメタンガスの純度を上げ、発電効率を向上させた。
 発電で出た廃熱は汚泥からメタンガスを取り出す装置に再利用する。

844とはずがたり:2014/04/05(土) 22:14:38
なかなか良さそうだ♪

福岡・糸島市が貯木場開設 間伐材買い取り 流通促進 価格に商品券上乗せ 木質バイオマス発電 視野
http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/49385
2013年10月30日(最終更新 2013年10月30日 14時41分)

 人手不足や木材価格の下落に伴って森林に放置される「切り捨て間伐材」が全国各地で問題となる中、福岡県糸島市が1日、貯木場「木の駅 伊都山燦(いとさんさん)」を開設した。市内のスギやヒノキの間伐材を買い取って効果的に流通させ、人工林所有者の所得向上や森林保全の担い手を育成するのが狙いだ。自治体では全国初の試みという。林業活性化に向けて間伐材を「地産地消」する取り組みが注目される。

 糸島市内の人工林約6千ヘクタールのうち、林業従事者らが間伐や枝打ちなどの手入れをしているのは4割。間伐しても木材価格低迷で採算が合わないため、2009〜11年度は山林780ヘクタールのうち、間伐材が放置されず搬出されたのは26ヘクタール(3・3%)にとどまった。

 そこで市は、同市高来寺に伊都山燦を設置。近くに間伐材を買い取る貯木場があれば、間伐に携わる人が増えると考えたのだ。運営は木材卸売加工販売業「伊万里木材市場」(佐賀県伊万里市)に委託した。

 伊都山燦では建築材になる丸太のほか、砕いて木材チップに加工する端材・根元材(C材)も買い取る。糸島市内で伐採したC材を持ち込むと、買い取り価格(現在は1〜2メートルで1トン千円)に加え、1トンにつき3千円分の商品券を市が上乗せする。市内370店舗で使える商品券を付けることで持ち込みを促す。
 市農林土木課の井上義浩課長は「林業をしたことがなかった人が山の手入れをしてくれれば」と話す。

 ☆ ☆

 どんな人が間伐を担う可能性があるのだろうか。
 林業技術を学ぶ糸島市林業研究クラブという民間団体がある。現会長は、15年前に関東での会社員生活から故郷に戻った吉村正春さん(58)。本業は稲作で林業は副業だ。

 クラブはこれまで森林組合の委託を受けて間伐してきたが、搬出コストが見合わず放置することが多かった。吉村さんは「これからは木の駅が近くにできたので気軽に運べる」と話す。

 福岡市に近く海と山の自然に恵まれた糸島市には、農業やサーフィンをするために都会から移住した人や山林を持っていても林業をしたことのない人がいる。

 クラブは今年、彼らを対象に林業塾を開き、チェーンソーの使い方などを指導した。その中から間伐作業に参加するサーファーも。吉村さんは「農業や自営業の副業として山仕事を楽しむ人が増えれば生活基盤が強まるし、山もきれいになる」と期待する。

 ☆ ☆

 昨年7月に始まった再生可能エネルギーによる電力の固定価格買い取り制度に伴い、製材や製紙の大手企業が、九州で間伐材などを材料とした木質バイオマス発電に相次いで参入。2015年に続々と稼働する見込みだが、長期的に安定供給できるかが鍵となる。
 糸島市で間伐材の地産地消が根付けば、木質バイオマス発電燃料の安定供給基地となる可能性も秘める。その意味でも九州大学農学研究院の佐藤宣子教授(森林政策学)は「多くの住民が関わる仕組みづくりが欠かせない」と指摘する。

 例えば、市内には木材チップボイラーを既に備えた入浴施設がある。新たに病院や介護施設などにも導入してはどうか。まきストーブを持つ家庭も多い。陶芸の窯の燃料や工芸の材料にもなる。佐藤教授は「少量ずつでもいいので、多くの人が地元の木材を利用する動きを広げては」と提案する。
=2013/10/30付 西日本新聞朝刊=

846とはずがたり:2014/04/05(土) 22:19:32
>>841
20倍で50万kWとすると現在2万5千kWで響灘が11万2千kWで計画が50万kWとすると残りはまだ36万kWもある様である。
その2.5万kWの内の1.36万kWが>>845の吾妻という訳か。

北九州でバイオマス発電 オリックス、11万キロワット計画 
http://www.47news.jp/localnews/hukuoka/2014/01/post_20140129041020.html

 リース大手のオリックス(東京)が、北九州市若松区響灘地区で、廃材や間伐材を砕き燃料として使う火力発電所の建設を計画していることが分かった。木質(もくしつ)バイオマスと呼ばれ、経済産業省は再生可能エネルギーの一つと位置づける。出力は11万2千キロワットで、現地で環境影響評価(アセスメント)に昨年9月着手した。東日本大震災後、電力不足が懸念される中、同地区で火力発電所の誘致構想を進める市は「構想に弾みがつく」と期待している。 同社の計画では、若松区響町2丁目の市有地6ヘクタールを買い取る。地…

847とはずがたり:2014/04/05(土) 22:21:50
良いことだらけやん
>従来の灯油ボイラーから切り替えることで、CO2の排出量を約30%抑制できる。また、灯油ボイラーの年間燃料費は約300万円だったが、ペレットボイラーは約240万円。維持費を含めてもペレットボイラーの方が割安になる。
>事業費は約4350万円で、木質ペレットは同町を含む北信地域9市町村の森林を管理する長野森林組合が供給する。ただ、バックアップ用熱供給源として従来の灯油ボイラーもそのまま残すという。
>同課は「木質ペレットの需要が増えれば、町内の豊富な森林資源の間伐も進み、林業振興につながる」と期待している。

坂城町 ペレットボイラー導入 庁舎の暖房、バイオマス化 長野
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140405/ngn14040502110000-n1.htm
2014.4.5 02:11

 坂城町は、木質ペレットを燃料とするバイオマスボイラーを今春、町役場庁舎の暖房設備に導入した。地元の森林から搬出される間伐材を使うことで、二酸化炭素(CO2)の増減を相殺する「カーボンニュートラル」を実現。公共施設にペレットストーブを導入する市町村はあるが、役場の暖房全体をバイオマス化するのは県内でも初めての試みとなる。
                   ◇
 同町は、地域全体の電力有効利用や再生可能エネルギーの活用などを複合的に組み合わせて地域全体でエネルギーをコントロールする「坂城スマートタウン構想」を推進。再生可能エネルギーでは、晴天率の高さから太陽光発電、さらに豊富な森林資源を活用したバイオマス利用の熱源供給を柱に据えている。

 ペレットボイラーの導入について、町企画政策課は「町が率先して温暖化抑制に取り組む象徴として、多くの住民が集まり共有の財産である町役場で導入することにした」と説明。さらに、「熱供給源を多様化することで災害時の拠点、避難施設となる役場庁舎の防災力アップを図る狙いもある」という。

 ペレットボイラーは、熱量ベースで毎時15万5千〜18万9千キロカロリーの定格能力があり、4階建ての庁舎を十分に暖める能力を持つ。従来の灯油ボイラーから切り替えることで、CO2の排出量を約30%抑制できる。また、灯油ボイラーの年間燃料費は約300万円だったが、ペレットボイラーは約240万円。維持費を含めてもペレットボイラーの方が割安になる。

 事業費は約4350万円で、木質ペレットは同町を含む北信地域9市町村の森林を管理する長野森林組合が供給する。ただ、バックアップ用熱供給源として従来の灯油ボイラーもそのまま残すという。

 同課は「木質ペレットの需要が増えれば、町内の豊富な森林資源の間伐も進み、林業振興につながる」と期待している。

848とはずがたり:2014/04/05(土) 22:22:12

木質バイオマス燃料導入へ設備工事に着手 東北電が原町火発で
http://www.minpo.jp/news/detail/2014040314904

 東北電力は2日、原町火力発電所(南相馬市、200万キロワット)での木質バイオマス燃料導入に向けた設備工事に着手した。平成27年4月からの試験運用開始を目指す。
 同発電所での木質バイオマス燃料導入計画は22年11月に公表し、23年12月の運用開始を予定していた。しかし、23年3月に発生した東日本大震災の影響で計画が中断していた。
 計画では石炭に約1%の木材チップを混ぜて燃焼させる。燃料となる木材チップは、建築用材の未利用材や間伐材などを使う。本県と宮城県の製材加工業者が両県の林業関係者から原料を確保し、チップに加工する。年間約6万トンを使用する計画で、東京電力福島第一原発事故に伴う森林除染で出た伐採木や、震災がれきは使用しない。
 同発電所は27年3月までに敷地内に専用の建屋を建設し、木材チップの受け入れヤードやサイロ、ベルトコンベヤーなどを整備する。県と南相馬市から4億円の補助を受けている。
 東北電力によると、木質バイオマス燃料の導入で、石炭消費抑制量は約2万トン、二酸化炭素排出量は一般家庭約10000世帯の年間排出量に当たる約5万トンが抑えられるとしている。2日に県庁で記者会見した鎌田邦一原町火力発電所長は「県内の林業活性化と二酸化炭素削減につながる」と説明した。

( 2014/04/03 11:10 カテゴリー:主要 )

849とはずがたり:2014/04/05(土) 22:23:53
素敵な名前の新聞だ。
>鶏鳴新聞

>発電規模は6250キロワット、所内使用電力を差し引いた送電能力は4800キロワット。1日当たり400トンの鶏糞を自社・提携農場から供給する。今年5月に着工し、来年9月に完成、同12月の営業運転開始を目指す。

成る程,サンケイの記事(>>834-836)に出てきたのが日本の全部で全然進んでないのだな・・。
>ブロイラー鶏糞を燃料とした発電所は現在、宮崎県の南国興産(株)(都城市)、みやざきバイオマスリサイクル(株)(川南町)、鹿児島県の(有)南九州バイオマス(さつま町)の3か所で稼働しているが、東北では今回が初めてとなる。

アベノミクスの金融緩和でじゃぶじゃぶに市場に供給された資金は殆ど市中(=貸し出し)に回らず銀行(の日銀口座?)に滞留しているようだが,こんな所に資金が回るように農水省も立地の可能性のある地域把握して後押しすべきであるヽ(`Д´)ノ

鶏糞バイオマス発電事業に参入 来年12月の運転目指す 十文字チキンカンパニー
http://www.keimei.ne.jp/article/20140405n1.html
鶏鳴新聞 2014.04.05発行

 (株)十文字チキンカンパニー(十文字保雄社長―本社・岩手県二戸市石切所字火行塚25)は3月26日、ブロイラー鶏糞を燃料とするバイオマス発電所を岩手県軽米町に建設し、発電事業に参入すると発表した。
 『人・動物・環境の健康を考える』を企業メッセージとしている同社は、再生可能エネルギー固定価格買取制度を利用して参入する発電事業を通じ、地元のバイオマス資源であるブロイラー鶏糞をクリーンエネルギー源として、焼却後の灰を肥料原料として活用し、資源の循環を維持していくことを目指しており、「地元地域社会の活性化や振興に役立ちたいと願っている。地球温暖化対策としてのCO2削減や、国のバイオマス発電目標にも貢献できると考えている」としている。
 発電所の建設資金は、農林中央金庫が取りまとめた既存取引銀行によるシンジケートローン(参加金融機関=農林中央金庫、商工組合中央金庫、みずほ銀行、岩手銀行、東北銀行)を利用して調達する予定。
 発電所のプラントメーカーは倉敷紡績(株)で、発電規模は6250キロワット、所内使用電力を差し引いた送電能力は4800キロワット。1日当たり400トンの鶏糞を自社・提携農場から供給する。今年5月に着工し、来年9月に完成、同12月の営業運転開始を目指す。
 ブロイラー鶏糞を燃料とした発電所は現在、宮崎県の南国興産(株)(都城市)、みやざきバイオマスリサイクル(株)(川南町)、鹿児島県の(有)南九州バイオマス(さつま町)の3か所で稼働しているが、東北では今回が初めてとなる。
 鶏糞発電事業の概要は次の通り。
 ▽事業所名=十文字チキンカンパニーバイオマス発電所
 ▽所在地=岩手県九戸郡軽米町大字晴山第2地割40−1
 ▽設備概要=鶏糞を燃料とした流動床式燃焼水管ボイラーおよびタービン発電機など。プランとメーカーは倉敷紡績(株)
 ▽発電規模=6250キロワット(発電端出力)
 ▽送電規模=4800キロワット(送電端出力)
 ▽使用燃料=鶏糞400トン/日(主に自社・提携農場から供給)
 ▽敷地面積=約2万3700平方メートル
 ▽完成予定=平成27年9月
 ▽営業運転開始予定=平成27年12月

850とはずがたり:2014/04/05(土) 22:24:25

【日本の鶏糞発電所一覧】

全国の2割を占める宮崎県で出る鶏糞が1年間23万トンであるとすると日本全国では115万トン程。
13万2千トンで1万3500kWだとすると115万トンだと11万5000kWの発電が行けるね。
まあ規模的には小さい(LNGの九電新大分発電所は229万kW,玄海原発は347.8kW→発電規模あげられないのかな?)けど,鶏糞の水分含有率は平均43%と、牛糞(83%)や豚糞(72%)に比べ低い。乾燥させる手間が不要で、燃焼時の平均発熱量も、1キロ当たり1900キロカロリーと石炭の3分の1強もあり,残った焼却灰に悪臭はなく、植物の生育に必要なリンやカリウムを多く含むため、肥料として販売されていると非常に優れている>>834そうな。また家畜糞は収集・運送コストを加味しても発電量1キロワット時当たり1〜5円。政府のコスト等検証委員会の資料によると、石炭火力が4・3〜4・5円、天然ガス火力が8・2〜8・6円、石油火力が16・6〜18・2円もかかる。抜群に安い上、純国産>>835なのだと良いこと尽くめ♪
サンケイが挙げる鶏糞発電のデメリット(>>836 ①伝染病時に発電停止 ②発電所停止時鶏糞処理が困難 )が利用が拡がらない理由にしては些末すぎる気がするんだけど。。

■鹿児島県の(有)南九州バイオマス(さつま町)
「南九州バイオマス」(鹿児島県さつま町)でも、●年4万2千トンの鶏糞を買い入れ、一部を発電(●1950キロワット)に回している。

■みやざきバイオマスリサイクル(株)(川南町)

日本初の大型鶏糞発電所「みやざきバイオマスリサイクル」(MBR)だ。
 バイオマス(生物由来資源)発電の一種で、養鶏場から回収した鶏糞を燃やしてボイラーを沸かし、蒸気タービンを回す。●出力1万1350キロワット。1万7千世帯分に相当する電力を発電する。しかも工場内は清潔で、煙はほとんど出ず、悪臭もない。

 ●1日に運び込まれる鶏糞は約400トン、●年間13万2千トンにのぼる。ブロイラーの全国飼養羽数の2割を占める宮崎県で1年に排出される鶏糞は23万トン。つまりその半分以上がここで電気エネルギーに変えられている計算となる。

■宮崎県の南国興産(株)(都城市)

MBRだけでなく、飼料製造などを手がける「南国興産」(都城市)が、●年間10万トンの鶏糞を堆肥処理し、一部を発電(●1960キロワット)に利用している

■(株)十文字チキンカンパニー

 ▽事業所名=十文字チキンカンパニーバイオマス発電所
 ▽発電規模=●6250キロワット(発電端出力)
 ▽送電規模=4800キロワット(送電端出力)
 ▽使用燃料=●鶏糞400トン/日(主に自社・提携農場から供給)→年間13万トンクラスかな?

851とはずがたり:2014/04/05(土) 22:30:35
>環境省の調査によれば、長野県内で3万kW 未満の水力発電が可能な場所は1600か所以上ある。現在の発電所数の10倍以上もあるが、実際には大きな発電量を見込める効率的な場所は多くない。今後の大幅な増加を見込みにくいのが実情だ。

>太陽光発電を拡大するうえでユニークな試みが「おひさまファンド」である。県南部の飯田市が全国に先駆けて2004年に開始したプロジェクトで、市民から広く出資を募り、その資金で市内の各所に太陽光発電システムを設置して、得られた収益を出資者に還元する

日本列島エネルギー改造計画(16)長野:
小水力発電で全国トップ、市民参加型の太陽光発電所も拡大中
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1211/22/news017.html

日本最長の信濃川が流れる長野県では水力発電が盛んで、中でも「小水力発電」の導入量は全国で第1位である。県内の電力需要の2割以上を満たし、大規模な水力発電と合わせると6割近くに達する。2020年までには太陽光発電も大幅に増やして自給率をほぼ100%に高める計画だ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 信濃川は長野県に入ると、名前が千曲川に変わる。その名の通り曲がりくねって流れる川だが、水の流量が非常に多く、水力発電に適した川である。ダムによる大規模な水力発電所のほかに、環境負荷の小さい「小水力発電」の設備が県内の各地域にあって、発電量は全国で最大の規模を誇っている。

 すでに小水力発電で県内の電力需要の23%(3万kW未満の中水力発電を含む)をカバーできるというから驚きだ。大規模な水力発電所と合わせると比率は58%になり、さらに太陽光発電などを加えると電力需要の6割を超える。

 小水力発電は大規模なダムを造る従来の水力発電と違って、自然の水の流れを生かして発電するため、再生可能エネルギーのひとつとして注目を集めている。長野県内には固定価格買取制度の対象になる3万kW未満の水力発電設備が143か所もあり、合計で67万kWの電力を作り出すことができる。これだけで中型の原子力発電所1基分に相当する規模になる。

 小水力発電所の典型例は2010年に稼働した「町川発電所」に見ることができる。県の北西部を流れる高瀬川からの農業用水路の中で、16メートルの落差がある場所に水車を設置して最大140kWの発電を可能にした。稼働後の2年目からほぼ100%の能力を発揮しており、昼間は近くの公共施設に電力を供給する一方、夜間の余剰分は電力会社に販売している。

 環境省の調査によれば、長野県内で3万kW 未満の水力発電が可能な場所は1600か所以上ある。現在の発電所数の10倍以上もあるが、実際には大きな発電量を見込める効率的な場所は多くない。今後の大幅な増加を見込みにくいのが実情だ。

 そこで長野県は全国で4番目に広い面積を生かして、太陽光発電を拡大する計画を開始した。2010年と比べて2020年には約3倍、2030年には約5倍の規模に増やす。水力発電やバイオマス発電と合わせて、県内のエネルギー自給率を2020年にほぼ100%にする目標を掲げている。

 太陽光発電を拡大するうえでユニークな試みが「おひさまファンド」である。県南部の飯田市が全国に先駆けて2004年に開始したプロジェクトで、市民から広く出資を募り、その資金で市内の各所に太陽光発電システムを設置して、得られた収益を出資者に還元する。

 現在までに導入設備は250か所以上に広がり、合計の発電能力はメガソーラーに匹敵する1.6MW(1600kW)に達している。売電による収益の分配も予定通り実施しており、その後も同様のファンドを3種類スタートさせて規模を拡大中だ。

 2012年度も総額4億円の新しいファンドによる太陽光発電事業を開始する計画がある。7月から固定価格買取制度が始まり、太陽光発電の採算性が長期的に見込みやすくなったことも追い風である。飯田市を拠点にした市民参加型のメガソーラープロジェクトが全国各地に拡大する勢いになってきた。

852とはずがたり:2014/04/05(土) 22:34:12

エネルギー列島2013年版(16)長野:
止まらない小水力発電の勢い、2020年にエネルギー自給率77%へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1307/16/news014.html

小水力発電の導入量で全国トップの長野県はエネルギー自給率が極めて高い。2010年度で50%を超えていて、さらに2020年度には77%へ引き上げる計画だ。小水力発電を着実に増やすのと並行して、太陽光発電を大幅に伸ばしていく。大規模なメガソーラーの建設も始まろうとしている。
[石田雅也,スマートジャパン]

 このところ全国の自治体がエネルギー自給率を引き上げる計画を相次いで発表している。自給率を高くしておけば、災害時でも地域内に十分な電力を供給できるからだ。そうした中で長野県は自給率100%を最も早く達成する可能性が大きい県のひとつである。

 すでに水力発電を中心に2010年度の時点で59%に達している。このまま太陽光・小水力・バイオマスを拡大していくと、2020年度に77%まで、さらに2030年度までに100%を実現できる見込みだ。しかも全量を再生可能エネルギーで供給することが可能になる。

 長野県のエネルギー供給を支えている水力発電所は全部で186カ所もある。発電能力を合計すると163万kWになり、大規模な原子力発電所の1.5倍に相当する。しかもダムを使った一般の水力よりも小水力のほうがはるかに発電量は大きい。まさに分散型のエネルギー供給体制ができあがっている。

 小水力発電で最近の代表的な導入事例が2つある。1つは2011年6月に運転を開始した「大桑野尻(おおくわのじり)発電所」だ。ダムから下流の河川の環境を保護するために放流する「河川維持流量」を活用した設備で、小水力では規模が大きい490kWの発電能力を発揮する(図3)。運営するのは地域外の関西電力である。

 発電に使う河川維持流量はダムの脇にある取水口から、川につながる放水口へ常に流れている。この水路の途中に発電機を設置して、落差22.5メートルの水流で発電する仕組みだ。年間の発電量は375万kWhになり、一般家庭で1000世帯分の電力を供給することができる。

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図3 「大桑野尻発電所」の発電設備。出典:関西電力
 もう1つの事例は避暑地で有名な茅野市の蓼科(たてしな)高原にある「蓼科発電所」である。長野県内で5つの水力発電所を運営する丸紅グループの「三峰川(みぶがわ)電力」が2011年6月に運転を開始した。高原を流れる川の水を農業用水に利用していて、その水流で発電する(図4)。

 発電能力は260kW、年間の発電量は211万kWhになる。さらに同じ農業用水路の別の場所に「蓼科第二発電所」を建設する計画が始まっている。141kWの発電能力で2013年12月に運転を開始する予定だ。

 長野県が2030年に自給率100%を達成する段階では、水力発電が全体の4分の3を占める一方、太陽光発電も大幅に増えて2割を超える見込みである。すでに太陽光発電の導入量は全国で10番目に多く、しかも急速に増えている。

 ただし現在のところ、県内で稼働中のメガソーラーは中部電力の「メガソーラーいいだ」の1カ所しかない。発電規模は1MW(メガワット)である。長野県は面積が全国で4番目に広いことから、大規模なメガソーラーの候補地は数多くある。ようやく最近になってメガソーラーの建設プロジェクトが決まり始めた。

 具体的になっているもので最も規模が大きいのは、シャープが「県営富士見高原産業団地」に建設する8MWのメガソーラーである。広さが20万平方メートルを超える産業団地だが、実際に建物があるのは一部だけで、ほとんどは未利用の状態のままになっている。その大部分の用地を使ってメガソーラーを建設する計画だ。
 このほかにも県内にある未利用の広い土地に事業者を誘致する一方で、建物の屋根を活用する「おひさまBUN・SUNメガソーラープロジェクト」が2012年10月から始まっている。長野県が仲介して、建物の所有者と発電事業者、さらに金融機関を結びつける。

 早くも第1号の案件が決定した。諏訪湖の水質を改善する「豊田終末処理場」の屋根が対象で、1万9000平方メートルの広さがある。ここに地元の岡谷酸素が事業者になって1MWのメガソーラーを建設する。2013年度中に工事を開始する予定だ。

 長野県は日本の寒冷地の中では日射量が多く、全国平均を上回っている。特に山梨県に近い南部は全国でもトップクラスの日射量がある。太陽光発電には気温が低くて日射量の多い地域が適している。住宅を含めて太陽光発電を導入できる余地は大きい。

854荷主研究者:2014/04/06(日) 11:23:48

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820140311aaap.html
2014年03月11日 日刊工業新聞
弘前大、流動的な岩石を利用する地熱発電技術を考案−適地以外でも発電が可能

 弘前大学北日本新エネルギー研究所の村岡洋文所長らは、地下深くにある流動的な岩石を利用する新しい地熱発電技術を考案した。深度3キロメートル程度まで掘削して注水。蒸気として熱エネルギーを回収する仕組みで、従来の地熱発電の適地以外でも発電が可能となる。試算では500度Cの熱源へ井戸を掘った場合、5000キロワット以上の電力を15年間調達できる。日本でのポテンシャルは大型発電所77基分に相当する7700万キロワット程度あるという。

地熱発電は再生可能エネルギーの中でも安定的に電力を供給できる(写真はイメージ)

 研究グループでは地層の中でも温度が高くなると岩石が水あめのように流動的になる「延性帯」という領域に着目。流動しているため、注水しても亀裂による破壊が起きず、熱水が流出しない。このため蒸気の高い回収効率が見込まれる。

 火山地帯以外では延性帯にたどり着くまで10キロメートル程度の掘削が必要と見られるが、火山地帯の多い日本なら3キロ―4キロメートル程度の掘削で可能と見られる。自然公園や温泉を避け、日本での地熱発電の事業可能性を広げると期待される。

855とはずがたり:2014/04/06(日) 16:07:47

日本列島エネルギー改造計画(45)宮崎:
電力の自給率を10年後に5倍へ、小水力・太陽光・バイオマスの3本柱
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1303/19/news017.html

南国・宮崎は太陽のイメージが強いが、電力の世界では水力が盛んだ。九州の水力発電所の半分が集中している。その水量を生かした小水力発電に加えて、豊富な日射量と森林資源による太陽光とバイオマスを拡大中だ。2022年までに電力の自給率を5倍以上に引き上げる計画が始まる。
[石田雅也,スマートジャパン]

 宮崎県に水力発電所が多くあることは、九州以外の人には想像しにくいだろう。晴れのイメージが強いが、実際には雨も多く降る。日照時間は全国で第3位、降水量は全国で第2位である。九州電力の水力発電所で規模の大きいものはほとんどが宮崎県にあり、発電量の約半分を担っている。

 その中で最大の能力を発揮しているのが「小丸川発電所」だ。発電規模は120万kWにのぼり、国内の水力発電所の中でも最大級の発電能力を誇る。ただし通常の水力発電のようにダムから放出する水は外からは見えない。地下の水路を通って発電機に送られる。いわゆる「揚水発電」の大規模な実例である。

 揚水発電は夜間の余剰電力を使って下のダムから上のダムへ水を引き上げ、それを昼間に放水して発電機を回す。特に夏の電力の供給力を高めるのに有効な方法である。

 小丸川発電所の上下のダムの落差は650メートルもあり、その間を2.8キロメートルの地下水路でつないでいる。中間には16階建てのビルに相当する高さ48メートルの地下発電所が造られていて、上のダムから流れてくる水力を使って4台の発電機を回し、合計120万kWの電力を作り出す。

 一方では通常の水力発電所も県内で数多く稼働している。ダムに貯えた大量の水を放出して発電する方法だが、河川の自然環境を守るために、発電時でなくても一定量の水を流し続ける必要がある。

 この少量の水流を使った小水力発電の取り組みも進んできた。「維持流量発電」と呼ばれているもので、小丸川発電所から北西にある「上椎葉ダム」で3月1日から始まったところだ。発電能力は330kWで、通常の水力発電所に比べるとケタ違いに小さいが、自然環境に影響を与えない再生可能エネルギーとして全国でも注目を集めている。

 宮崎県は大規模な水力発電では圧倒的な規模を誇るものの、小水力発電の導入量はまだ少ない。今後は豊富な水資源を活用して、県内の各地に小水力発電の設備を広げていく計画だ。

 2013年2月に素案ができた「宮崎県新エネルギービジョン」では、小水力のほかに太陽光・太陽熱とバイオマスを加えた3つの領域に焦点を当てて、再生可能エネルギーの拡大戦略をまとめた。

 県内の電力使用量に占める再生可能エネルギーの比率は2010年度の時点では2.8%。これを2022年度までに5倍以上の14.8%へ引き上げることを目標にしている。特に大きく伸ばすのが太陽光発電で、規模を10倍の70万kWに拡大する計画だ。年間の発電量は8.6億kWhになり、これだけで県全体の電力使用量の10%近くをまかなうことができる。

 すでに2009年から「みやざきソーラーフロンティア構想」を打ち出して、メガソーラーの建設を推進してきた。その中でもユニークな取り組みは、日向灘に面した都農町(つのちょう)で見ることができる。1996年までリニアモーターカーの実験に使われていた線路をメガソーラーに転用するプロジェクトである。

 線路の高架上に約3.6キロメートルにわたって、1万3000枚の太陽光パネルを設置した。合計で1MW(=1000kW)の電力を供給することが可能だ。航空測量大手の国際航業グループが2011年3月に「都農第2発電所」として運転を開始した。一度は使命を終えた鉄道の線路が最先端のエネルギー供給基地に生まれ変わった。

 さらにバイオマス発電では、王子製紙グループが県南部の日南市にある工場に木質バイオマスを活用した大規模な発電設備を導入する計画がある。同グループは製紙のために社有林を保有するなど大量の木材を扱っている。県内の森林から出る間伐材を含めて、未利用の木質資源をバイオマス発電の燃料として利用する。

 稼働開始は2015年3月を予定している。発電能力は25MWと国内最大級の木質バイオマス発電所になる。3本柱を中心に宮崎県の再生可能エネルギー拡大計画は着々と進み始めた。

856とはずがたり:2014/04/06(日) 16:08:10

2013年10月31日 09時00分 更新
自然エネルギー:
九州最大の発電用ダムに小水力を追加、未利用の水流で600世帯分の電力
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1310/31/news023.html

大規模なダムから下流の自然環境を保護するために放流する「河川維持流量」。これまで未利用だった水流が新たな再生可能エネルギーとして広がりを見せている。九州電力は管内で最大の発電用ダムから放流する河川維持流量を生かして、新しい小水力発電所を宮崎県内で運転開始した。
[石田雅也,スマートジャパン]

 一ツ瀬川(ひとつせがわ)は宮崎県の中部を流れる川で、上流にはダム水路式の水力発電所としては九州で最大の「一ツ瀬発電所」(18万kW)がある。新たに一ツ瀬ダムの直下に小水力発電設備を導入して、10月25日から「一ツ瀬維持流量発電所」が営業運転を開始した。

 ダムから放流する「河川維持流量」を利用したもので、50メートルの落差を生かして最大330kWの電力を生み出すことができる。年間の発電量は220万kWhを見込んでいて、一般家庭で600世帯分の使用量に相当する。従来からある水力発電所と比べると発電規模は小さいものの、未利用の水流を活用する点で再生可能エネルギーに位置づけることができる。

 宮崎県内には主要な河川に沿って大規模なダムや発電所が数多く点在している。九州電力は河川維持流量を生かした小水力発電所の建設に力を入れていて、3月には「上椎葉(かみしいば)発電所」(9万kW)の上流に「上椎葉維持流量発電所」を稼働させたばかりだ。この小水力発電所も一ツ瀬の場合と同様に330kWの発電能力があって、600世帯分の電力を供給することができる。

857とはずがたり:2014/04/06(日) 16:13:27
>>855

最大出力は25MW、大規模なバイオマス発電計画が明らかに
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1302/13/news023.html

王子製紙の関連会社である王子グリーンリソースは、王子製紙が宮崎県に保有する工場内の未利用地に木質バイオマス発電設備を建設すると発表した。その最大出力は25MW。売電収入は年間およそ40億円になる見込み。
[笹田仁,スマートジャパン]

 建設予定地は宮崎県日南市にある王子製紙の日南工場(図1)。周囲には森林が多く、紙の原料として周囲の木材を利用している。

 現在のところ、最大出力が25MW。年間発電量は約1億5000万kWh、発電した電力は全量売電する。年間売電収入はおよそ40億円になると見込んでいる。稼働開始は2015年3月の予定。

 発電設備が完成したら、宮崎県日南市が位置している九州中南部の山林未利用材を主な燃料とする予定。この地域で長年製紙原料を収集してきた経験を活用して、燃料となる山林未利用材を集めるとしている。

 山林未利用材の一種である間伐材を積極的に集めることで、森林の整備を促進し、木の成長を促し、土壌が十分な水分を吸収できる環境を作る。こうすることで、大雨による土砂崩れの可能性がかなり低くなる。

 計画を見るとバイオマス発電によって、林業の活性化、森林の整備と安全確保と良い循環が生まれそうだ。完成が待ち遠しい。

858とはずがたり:2014/04/06(日) 16:19:00

2014年02月12日 09時00分 更新
エネルギー列島2013年版(45)宮崎:
降水量が日本一の県で水力を再生、古い発電所とダムの増改築に着手
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1402/12/news025.html

太陽がさんさんと降り注ぐイメージの強い宮崎県だが、実は年間の降水量が日本で最も多い。県内を流れる川には古くからダムと水力発電所が数多く造られてきた。老朽化が進む設備の改造や小水力発電の導入により、恵まれた水力エネルギーを最大限に電力へ転換していく。
[石田雅也,スマートジャパン]

 南国・宮崎は日照時間が長くて太陽光発電に向いているように思えるが、実際の導入量はさほど多くない。県内には森林が広がり、平坦な広い土地が少ないことが影響している。その一方で年間の降水量が全国で1、2を争うほど多く、川を流れる水量は豊富で、時には洪水も発生する。

 治水と発電を兼ねて、1950年代から主要な河川には大規模なダムと水力発電所が設けられてきた。すでに稼働から50年以上を経過する設備が増えてきたこともあり、リニューアルによって発電能力を増強する動きが活発になっている。

 その中でも最大のプロジェクトが「塚原発電所」の設備更新計画である。1938年に運転を開始して70年以上を経過したが、今なお4基の発電機を使って62.6MW(メガワット)の電力を供給している。落差が100メートルもあるダムからの水流を発電機に取り込む水路方式の設備である。

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図1 「塚原発電所」の設備。出典:九州電力

 この大規模な水力発電所を5年間かけてリニューアルする。2014年5月に着工して、2019年4月から5月にかけて運転を開始する計画だ。新しい設備は2基の発電機を使って66.6MWの発電能力を発揮する。現在よりも4MW増えて、小水力発電を導入する以上の効果がある。

 老朽化した設備の更新を進める一方で、既存のダムの水流を生かした小水力発電の取り組みも続々と始まっている。大規模なダムに水をためて河川の水流を少なくしてしまうと、下流の自然環境に影響を与えてしまう。この弊害を解消する目的で、ダムから一定の水量を流し続ける「河川維持流量」を実施するのが一般的だ。ただし通常の水力発電設備とは別の経路で水を流すために、発電には利用していなかった。

 このような未利用の水流を生かした「維持流量発電」が最近になって全国各地で活発になり、特に宮崎県内で導入事例が急速に増えている。塚原発電所と同じ流域にある「上椎葉(かみしいば)ダム」では2013年5月に維持流量発電を開始した(図2)。

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図2 「上椎葉維持流量発電所」の所在地。出典:九州電力

 発電能力は330kW(0.33MW)と小さいものの、従来の水力発電所と違って常に水流を受けて発電を続けられる点がメリットだ。年間の発電量は240万kWhを見込んでいて、一般家庭で約700世帯分に相当する。発電設備の利用率(発電能力に対する実際の発電量)は83%にもなり、他の再生可能エネルギーを大きく上回る効率の良さを発揮する(太陽光発電では12%が標準)。

859とはずがたり:2014/04/06(日) 16:19:42
>>858-859
 九州電力は宮崎県内で別の流域のダムにも維持流量発電を展開している。上椎葉に続いて2013年10月に「一ツ瀬(ひとつせ)維持流量発電所」の運転を開始した(図3)。仕組みは上椎葉と同様で、従来からある水力発電所とは別に、ダムの近くに小規模の発電設備を設置する方式だ。発電能力は上椎葉と同じ330kWながら、年間の発電量はやや少ない220万kWhを想定している。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/hitotsuse.jpg
図3 「一ツ瀬維持流量発電所」の概要。出典:九州電力
 電力会社だけではなく、自治体が運営するダムでも維持流量発電の取り組みは始まっている。宮崎県の企業局が県の北部を流れる祝子川(ほうりがわ)に、従来からある発電所とは別に「祝子第二発電所」を2012年4月に稼働させた(図4)。発電能力は35kWと小さいが、県が実施した初めての維持流量発電で、今後は他のダムに展開することも期待できる。

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図4 「祝子第二発電所」の設置状況。出典:宮崎県企業局

 宮崎県では小水力発電の導入量を増やしながら、今後は太陽光や風力をどこまで伸ばせるかが課題になる。これまでのところ小水力のほかに太陽熱やバイオマス発電の導入量が相対的に多いものの、全体の導入量は全国で31位にとどまっている(図5)。

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図5 宮崎県の再生可能エネルギー供給量。出典:千葉大学倉阪研究室、環境エネルギー政策研究所

 ようやくメガソーラーの開発プロジェクトも進み始めた。温暖な日向灘に面した都農町(つのちょう)に、8.3MWのメガソーラーを建設する計画が動き出している。2015年の初めに運転を開始する予定で、年間の発電量は1000万kWhを見込む。一般家庭で2800世帯分の使用量に相当する。このプロジェクトをきっかけにして、沿岸部を中心にメガソーラーが拡大していく期待は大きい。

 風力発電では大規模な開発プロジェクトが県の南部で始まっている。九州電力グループが串間市に60MW級の風力発電所を建設する予定だ。2019年の運転開始を目指していて、現在は建設を前にした環境影響評価の段階にある。

 宮崎県は2013年3月に「新エネルギービジョン」を策定して、再生可能エネルギーを推進する姿勢を明確にした。太陽光から地熱まで5種類の発電設備を合わせて、2022年度に800MWを超える規模に拡大させる計画だ(図6)。この目標を達成できると、県全体で使用する電力のうち約15%を再生可能エネルギー(水力発電を除く)でカバーできるようになる。

 従来の水力発電で25%程度の電力を供給できることから、両方を合わせれば自然のエネルギーを利用した電力の自給率は40%まで高まる。火力や原子力に依存しない電力供給体制を構築できる点では、全国でもトップクラスに入る。

860とはずがたり:2014/04/06(日) 16:29:48

2012年10月04日 13時15分 更新
自然エネルギー:
木質バイオマスで、発電時の熱を塩の製造に利用
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1210/04/news014.html

兵庫県赤穂市の製塩工場が自家発電設備の入れ替えに合わせて、木質バイオマス発電設備を導入する。発電した電力を全量電力会社に売電して収入を得る一方で、発電時に発生する熱を塩の製造に活用する。
[笹田仁,スマートジャパン]

 塩の製造を手掛ける日本海水は、兵庫県赤穂市にある自社工場に木質バイオマス発電設備を建設する(図1)。出力は16.53MW(1万6530kW)。元々保有している自家発電設備が老朽化したため、代わりに導入するもので、同時に天然ガスを燃料とする発電設備(出力は7.7MW)も設置する。2012年12月に着工し、2015年1月に運転を始める予定だ。

 木質バイオマス発電設備で発電した電力は全量電力会社に売電するが、日本海水の狙いは売電収入だけではない。発電のために木質バイオマスを燃焼させたときに発生する熱を利用して蒸気を作り、本業である塩の製造に活用する計画だ。木質バイオマス発電設備をコージェネレーションシステムのように利用しようというわけだ。

 塩の製造にはかなりの電力と熱が必要だ。イオン交換膜を使って海水を濃縮するときに大量の電力を消費し、濃縮した海水を熱して水分を蒸発させるには、高温の蒸気を使用する。日本海水は木質バイオマス発電設備が放つ熱を利用して、売電収入を得るだけでなく、塩の製造コストを抑えることを狙っている。

 木質バイオマス発電設備と同時に導入する天然ガス発電設備でも、発電時の熱を利用して蒸気を作り製塩に利用する。発電した電力は海水の濃縮に利用する。

 木質バイオマス発電設備の燃料には3種類の木材チップを混合したものを使う。間伐材などの未利用木材と、材木の端材などの一般木材、家具などから得たリサイクル木材の3種類だ。

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度では、燃料となる木材の種類によって、電力の買取価格が異なる。そのため日本海水は、木材チップを仕入れたときに原料の比率を細かく調べる。比率によって電力に付く価格が変わるからだ。ちなみに木質バイオマス発電の場合は買取価格は未利用木材なら1kW当たり33.6円、一般木材は1kW当たり25.2円、リサイクル木材は1kW当たり13.65円だ。

 日本海水は木質バイオマス発電設備を導入した理由として、まず製塩に利用できる蒸気が得られるという点を挙げた。さらに、赤穂市周辺は林業が盛んで、間伐材が豊富に得られるという点も大きいという。木質バイオマス発電を始めるに当たって、木材供給会社と木材チップの長期供給契約を結べることになったことも決断を後押ししたという。

 稼働開始後は年間8000時間運転する計画。年数回のメンテナンス時のみ停止させる。年間発電量は約128万MWh(12億8000万kwh)に上る見込みだという。これは、一般的な世帯が年間に消費する電力の2万6000件分に当たるという。ちなみに、赤穂市の全世帯数は2万94世帯。日本海水が設置する木質バイオマス発電設備による電力だけで、赤穂市の一般家庭が必要とする電力をまかなえるわけだ。

 再生可能エネルギーによる発電設備を導入した例の中でも、日本海水の例は、林業が盛んな土地柄と、本業に必要な熱を得られるという利点をうまく利用した例と言えるだろう。

 日本海水は香川県坂出市の讃岐工場と、福島県いわき市の小名浜工場でも固定価格買取制度を利用した売電事業を計画しているが、発電方法は周辺の環境をよく考えて決めるという。

861とはずがたり:2014/04/06(日) 16:37:53
木材加工で発生した木くずで発電、燃料は運搬せずその場で消費
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1301/18/news027.html

広島県に本社を置く木材加工業者である中国木材は、木材加工時に発生する木くずなどを燃焼させて発電するバイオマス発電設備を建設する。発電した電力は電力会社に売電し、発電時に発生する熱で蒸気を作り、木材の乾燥に利用する計画だ。
[笹田仁,スマートジャパン]

木材産業界では日本一の発電能力

 中国木材はもともと、国内の生産拠点4カ所中の3カ所に木質バイオマス発電設備を保有している。木質バイオマスで発電するだけでなく、発電時に発生する熱で水蒸気を作り、木材の乾燥に利用するなど、木質バイオマスをフル活用する体制を敷いている。材木の原木は副産物も合わせて残さず活用すべきという中国木材の考えを反映している。

 木材加工工場内に木質バイオマス発電設備を設置する理由はもう1つある。木質バイオマス原料は燃焼時の熱量が少ない割にはかさばり、輸送に手間がかかるからだ。トラックに載せて石油を消費しながら運搬することはエネルギーの無駄遣いになる。その結果、木材加工の副産物は発生した場所で処理すべきという考えに至った。現在、中国木材は日本の木材産業界で最大の発電能力を持っている。

木質バイオマスは形も性質もさまざま

 今回の建設計画は、本社工場の発電能力拡大などを狙ったものだ。現在、本社工場にある木質バイオマス発電設備の発電能力は最大で5.3MW。新設する設備の発電能力は18MWと従来の設備の3倍以上の発電能力を備えたものになる予定だ。

 木質バイオマス発電設備の新設を請け負ったタクマによると、工場から発生する木くずは形状がさまざまであり、原木の種類が異なれば、廃材の性質も異なる。さらに、新設する木質バイオマス発電設備では山林に放置状態になっている未利用材も燃料とする予定だ。ひと口に木質バイオマスと言っても、形も性質もさまざまであり、燃えやすいものもあれば、燃えにくいものもあるということだ。

 木質バイオマス燃料の形や性質が一定でないということが問題になっている例もあるという。国内ですでに稼働している木質バイオマス発電設備では、燃料を確保するために建設時には想定していなかった種類の木を燃料として使わざるを得なくなっていることが多い。その結果想定通りに燃焼できず、発電能力が低下しているのだ。

階段状の炉で時間をかけてすべてを燃やす

 タクマは、多種多様な木質バイオマスを問題なく燃焼させるために「ストーカ炉」を利用した設備を建設することを明らかにしている。タクマが製造しているストーカ炉は、図2のように階段のような形をしている。階段状になっている部分の下から加熱した空気を送り込み、図2左側にある始動用バーナーで添加すると燃焼が始まる。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/Chugoku_Wood_Biomass_2.jpg
図2 タクマが製造しているストーカ炉。出典:タクマ

 燃料となる木材が階段を少しずつ降りていく過程で加熱して時間をかけてすべてを燃焼させる。階段のように見える部分は、前後に動作する段と固定状態の段を交互に重ねてあり、前後に動作する段の動きによって燃料が移動していく。段の動きによって燃料を撹拌し、燃焼を促進させる効果もある。

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まり、木質バイオマスを燃料とした発電設備の建設が本格的に動きつつあるが、燃料である木質バイオマスが発生した場所ですぐに処理してしまおうという計画は珍しい。確かに燃料となる端材や木くず、間伐材はかさばり、運搬には手間もエネルギーも必要だ。運搬しやすいようにチップ加工する例もあるが、チップ加工するだけでもエネルギーを消費する。今後、同じような計画を立てる業者が現れてもおかしくないだろう。

862とはずがたり:2014/04/06(日) 16:38:14

>木質バイオマスで発電するだけでなく、発電時に発生する熱で水蒸気を作り、木材の乾燥に利用するなど、木質バイオマスをフル活用する体制を敷いている。
>>861-862

>木材加工工場内に木質バイオマス発電設備を設置する理由は…木質バイオマス原料は燃焼時の熱量が少ない割にはかさばり、輸送に手間がかかるからだ。

>現在、中国木材は日本の木材産業界で最大の発電能力を持っている。

>新設する設備の発電能力は18MWと従来の設備の3倍以上の発電能力を備えたものになる予定だ。

>木質バイオマス燃料の形や性質が一定でないということが問題になっている例もあるという。国内ですでに稼働している木質バイオマス発電設備では、燃料を確保するために建設時には想定していなかった種類の木を燃料として使わざるを得なくなっていることが多い。その結果想定通りに燃焼できず、発電能力が低下しているのだ。

>木質バイオマス発電設備の新設を請け負った…タクマは、多種多様な木質バイオマスを問題なく燃焼させるために「ストーカ炉」を利用した設備を建設することを明らかにしている。

863とはずがたり:2014/04/06(日) 16:41:00
パーム椰子ネタは>>723>>820>>839にも

2013年01月24日 07時00分 更新
自然エネルギー:
日本初、ヤシ殻を燃料にしたバイオマス発電計画
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1301/24/news020.html

新電力のイーレックスがヤシ殻を燃料としてバイオマス発電を始めることが明らかになった。石炭を燃料としている発電設備をヤシ殻を効率よく燃焼させるために改造し、2013年6月から発電を始める予定。
[笹田仁,スマートジャパン]

 今回の計画では、イーレックスが太平洋セメントから譲渡を受けた火力発電設備(高知県高知市)を利用する。この設備は石炭を燃料としたもので、1997年にJFEエンジニアリングが太平洋セメントに納入したもの。最近は休眠状態になっていた。燃料を石炭からヤシ殻に変えるための工事は6月には終了し、発電を始める予定。最大出力はおよそ20MW。

 燃料はアブラヤシの実の中にある種子から油を搾り取った後に残る殻だ(図2)。この殻は「パーム・カーネル・シェル」と呼ぶ。パーム・カーネル・シェルはアブラヤシの栽培が盛んなマレーシアやインドネシアなど東南アジアから輸入でき、日本でもすでに燃料として流通している。

 この設備を製造し、太平洋セメントに納入したJFEエンジニアリングが今回の改造工事を受注した。JFEエンジニアリングによると、この発電設備は「循環流動層ボイラー」というボイラーで燃料を燃焼させるという。

 循環流動層ボイラーとは、簡単に言えばボイラーの下方から高圧の空気を注入して燃料を上方に吹き上げながら燃焼させる方式。燃料が吹き上がって浮遊しながら燃焼するのでムラなく熱が伝わり、効率よく燃焼するという。

 さまざまな燃料が使えるという利点もある。石炭、石油、ガス、木くず、汚泥、廃プラスチック、廃タイヤなど多様な燃料を利用できる。JFEエンジニアリングによると、今回の工事では燃料を投入する部分の形状の変更と、燃料を運ぶコンベアの改造が大きな改造ポイントだとしている。燃料を燃焼させるボイラーはメンテナンスをするだけで、改造せずに流用する。

864とはずがたり:2014/04/06(日) 16:46:32
2014年03月31日 09時00分 更新
自然エネルギー:
地熱発電に45億円、政府系の債務保証で資金調達が進む
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1403/31/news019.html

福島県と大分県の地熱発電事業に対して、総額45億円を超える長期借入金の80%をJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が債務保証することになった。民間の金融機関が評価しにくい地熱発電の事業リスクをJOGMECがカバーする。2カ所の地熱発電所は2015年に運転を開始する予定だ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 経済産業省は地熱資源の開発を促進するための財政投融資の予算として、2013年度に90億円、2014年度には150億円を充当する。いずれもJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)を通じて実行するもので、このほど2件の開発プロジェクトに対する長期融資の債務保証を決定した。

 地熱発電は再生可能エネルギーの中で事業リスクが最も高く、投資評価のためのIRR(内部収益率)は13%に設定されている(太陽光発電は6%)。建設前の掘削調査などに多額のコストがかかることから、事業者にとっては資金調達が大きな課題になっている。

 JOGMECによる支援プログラムでは、発電事業者が民間の金融機関から融資を受ける際に80%までの債務を保証する(図1)。事業者は年率0.4%の保証料をJOGMECに支払うだけで融資を受けることができる。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/jogmec0_sj.jpg
図1 「地熱資源開発債務保証」の事業スキーム。出典:資源エネルギー庁

 債務保証の対象に選ばれた2つのプロジェクトは、福島県で計画中の「土湯温泉バイナリー地熱発電事業」と、大分県で建設中の「菅原バイナリー地熱発電事業」である。土湯温泉のプロジェクトでは建設費の一部にあたる5億5700万円を福島信用金庫から長期で借入して、その80%をJOGMECが債務保証する。

 土湯温泉の発電設備は水冷のバイナリー方式で、発電能力は400kWになる(図2)。2014年7月に着工して、2015年7月に運転を開始する予定だ。地元の温泉協同組合が中心になって設立した「つちゆ温泉エナジー」が事業を運営する。発電した電力は固定価格買取制度で東北電力に売電することが決まっている。

 一方の大分県のプロジェクトは地熱発電所が集積する九重町で実施するもので、すでに地熱の噴気試験を終えて建設が始まっている(図3)。空冷のバイナリー方式で発電能力は5000kWに達する。2015年3月に運転を開始して、固定価格買取制度により全量を九州電力に供給する計画だ。

 事業者は九州電力グループの「西日本環境エネルギー」で、みずほ銀行と日本生命保険から40億円を借り入れた。そのうち80%の32億円をJOGMECが債務保証する。土湯温泉のプロジェクトと合わせて総額45億円を超える借入金に対して、JOGMECの債務保証額は36億円以上になる。

 今回の2件はJOGMECによる地熱資源開発の債務保証案件では初めてのものである。2014年度の財政投融資の予算は2013年度を上回るため、今後さらに対象プロジェクトが拡大していく見込みだ。

865とはずがたり:2014/04/06(日) 16:52:10

>地熱発電は大規模になると、開発期間に10年以上を要する。事前の掘削調査に加えて、法律で義務づけられた環境影響評価に膨大な時間とコストがかかるためである。ただし発電能力が10MW未満の設備であれば規制の対象にならず、2〜3年程度で建設することが可能になる。

2013年11月20日 07時00分 更新
自然エネルギー:
奥飛騨温泉郷で2MWの地熱発電、2015年の運転に向けて調査開始
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1311/20/news043.html

新たな地熱発電の開発プロジェクトが岐阜県北部の温泉地域で始まった。場所は中部山岳国立公園に隣接する奥飛騨温泉郷で、2015年の運転開始を目指して地熱発電所を建設する計画だ。発電能力が2MW(メガワット)の小規模な設備を導入して、短い工期で事業化を早める。
[石田雅也,スマートジャパン]

 奥飛騨温泉郷は岐阜県と長野県の県境にあって、3000メートル級の北アルプスの山々に囲まれた秘湯である。この温泉郷の一角を占める「中尾温泉」(図1)で、地熱発電の開発プロジェクトが11月19日にスタートした。

 全国各地に地熱発電所の展開を目指す東芝とオリックスが共同で取り組むもので、新たに設立した合弁会社を通じて地熱発電事業を早期に立ち上げる計画だ。

 中尾温泉は高温の蒸気が大量に噴出することで知られていて、地熱発電に適した場所であることがわかっている。新会社は源泉の調査から始めて、噴気試験や周辺環境調査を経て、事業性を評価してから発電設備の建設に入る。運転開始は2015年内を予定している。

 発電設備には東芝が地熱向けに開発した「Geoportable(ジオポータブル)」を導入する(図2)。Geoportableは発電機や蒸気タービンをパッケージ化した小型の発電設備で、出力は1〜2MW(メガワット)と地熱発電としては小規模だが、設置工事を短期間に完了できる利点がある。中尾温泉では2MWの発電規模で運転する見込みだ。

 地熱発電は大規模になると、開発期間に10年以上を要する。事前の掘削調査に加えて、法律で義務づけられた環境影響評価に膨大な時間とコストがかかるためである。ただし発電能力が10MW未満の設備であれば規制の対象にならず、2〜3年程度で建設することが可能になる。

 さらに地熱発電に適した地域は自然公園法の規制対象に含まれるケースが多いという難問もある。中尾温泉がある奥飛騨温泉郷は中部山岳国立公園に隣接するものの、指定区域には含まれていないために、建設にあたって国の認可を受ける必要がない。この点も事業化を後押しする要因になる。

 東芝とオリックスは中尾温泉のプロジェクトで事業性を確認したうえで、同様の条件を満たす他の温泉地域にも小規模の地熱発電所を展開していく考えだ。

866とはずがたり:2014/04/10(木) 16:15:13
>>508
この後。
小国というと米坂線を思い出すが宮原線を思い出さねば行けなかったのか。
出力1MWだから>>865と比べても小さいけど年間1億も売り上げ見込めるのだそうな♪

地熱発電所、住民出資で 小国町に来月着工
2013年10月28日
https://kumanichi.com/news/local/main/20131028002.shtml

 小国町西里の岳の湯・はげの湯地区で、住民出資の合同会社「わいた会」が、11月1日に最大出力2000キロワット(一般家庭600世帯分)の地熱発電所に着工することが27日分かった。2014年4月の運転開始を目指す。

 わいた会は、地区住民26人が出資して11年1月に設立。出資者の親族の所有地を借り、昨年8〜10月に深さ445メートルの蒸気井戸を掘削。噴気試験で出力1000キロワットの発電可能な蒸気を確認し、さらにもう一本の井戸を掘る計画という。建設費や稼働後の管理運営などは、関東や関西でマンションを対象にした一括受電サービスを提供する中央電力(東京)に業務委託している。発電した電力は、九州電力に売る。

 わいた会と中央電力によると、総事業費は約15億円で、約200平方メートルの敷地に発電プラントを建設する。このほか経済産業省の補助を受け、発電で生じた熱水を周辺の温泉施設に供給するための配管も整備する計画。

 わいた会は、売電収入から中央電力に払う業務委託料などを差し引いた年間約1億円の収入を見込む。江藤義民代表(66)は「地域住民による発電事業がうまくいくか不安もあったが、発電プラント着工まで進めることができた。地熱資源を地区の活性化に役立てたい」と話している。(宮崎達也)

867とはずがたり:2014/04/10(木) 16:15:34
俺が注目するのは小水力と地熱であるヽ(´ー`)/

>発電能力が10MW未満の設備であれば規制の対象にならず、2〜3年程度で建設することが可能になる。

規制を10MW位迄引き上げ(緩和だから下げ?)られないのかな?
2MWでも沢山造れば良い♪

出力の安定した地熱は有力なベース電源であるヽ(´ー`)/

2MWは>>857の大規模バイオマスが25MW。>>856の上椎葉維持流量発電所が330kW=0.33MW,上椎葉発電所が9万kW=90MWだからそんなに滅茶苦茶小さい訳でもないね〜。流石に小水力は小さいなぁ。。

リニア実験線の跡地の都濃が1MW>>856だけど太陽光の設備利用率は低いみたいだから全然こちらの方が有利っぽい。

868とはずがたり:2014/04/10(木) 19:24:33
>>146
12.5MW→15MWか。大して大きくは無いのか。。

鬼首地熱発電所 増出力 営業運転開始について
http://www.jpower.co.jp/news_release/news100208.html
平成22年02月08日
電源開発株式会社

 鬼首地熱発電所 J-POWER(電源開発株式会社、社長:北村雅良)が平成21年4月から進めていました、鬼首地熱発電所(出力:12,500kW/宮城県大崎市)の15,000kWへの増出力工事は、本年2月5日(金)に、使用前自主検査を完了し営業運転を開始しました。

 同発電所は、昭和50年から30年以上にわたり、我が国のエネルギー多様化の一翼を担う地熱発電所として、電力の安定供給に努めてまいりましたが、この度の増出力により、CO2フリー電源という環境に優しい純国産電源としての価値を更に高めた発電所として、引き続き電力の安定供給に貢献してまいります。

 なお、今回の増出力は、平成17年から実施した調査により、発電所東側エリアに十分な蒸気量が確認されたことから、工事を行ったものです。

 鬼首地熱発電所の増出力営業運転開始により、当社の発電設備出力は以下のとおりとなりました。

水力59ヵ所 8,560,500kW
火力 8ヵ所(石炭火力7ヵ所、地熱1ヶ所) 8,427,000kW
合計 16,987,500kW

869とはずがたり:2014/04/10(木) 19:26:34

>>146の転載許にあるJパワーと三菱マテリアルの共同事業は>>176

>>696にもちょっとだけ言及だがこちらは42MWと流石にでかい♪

湯沢地熱(株)
山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/safety_security/kankyo_chinetsu/pdf/24fy/240315/240315-2-5.pdf

「湯沢地熱株式会社 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画環境影響評価準備書」の届出・送付および縦覧・説明会について
http://www.jpower.co.jp/news_release/2014/03/news140331_2.html
平成26年3月31日
電源開発株式会社

電源開発株式会社、三菱マテリアル株式会社及び三菱ガス化学株式会社の共同出資により平成22年4月に設立しました湯沢地熱株式会社(平成22年4月12日お知らせ済)は,本日,環境影響評価法及び電気事業法に基づき,「山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書」(以下、「準備書」という)を経済産業大臣に届出るとともに,秋田県知事,湯沢市長へ送付致しました。

また,明日4月1日(火)から自治体庁舎等において,準備書の縦覧を行うとともに、4月16日(水)湯沢市湯沢文化会館において、準備書の説明会を実施致します。


<山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画の概要>

 ○ 所在地
秋田県湯沢市高松字高松沢及び秋ノ宮字役内山国有林野内
湯沢地熱株式会社 山葵沢地熱発電所(仮称)

 ○ 発電出力
42,000kW

 ○ 工事開始時期
平成27年4月(予定)

 ○ 運転開始時期
平成31年5月(予定)

湯沢地熱(株)
http://yuzawa-geothermal.com/

870とはずがたり:2014/04/11(金) 11:22:22
>バイナリー発電設備とは、沸点の低い媒体を熱交換器で加熱・蒸発させ、その媒体蒸気により発電を行うもので、従来の地熱発電方式では利用できなかった比較的温度の低い蒸気・熱水での発電が可能

>規模バイナリー発電設備の地熱への適用が可能になれば、地熱資源が賦存する島への適用が期待できること、温泉水等の熱の有効活用が図れること

>小規模バイナリー発電設備(定格出力:250kW)
0.25MWか。

>八丁原バイナリー発電所(定格出力:2000kW)
八丁原では2MW。

熱発電の適用拡大に向けた取組み
小規模地熱バイナリー発電設備実証試験の実施について
http://www.kyuden.co.jp/effort_renewable-energy_geothermal_business.html

 九州電力は川崎重工業株式会社と共同で、山川発電所(定格出力:3万kW、鹿児島県指宿市)構内に小規模バイナリー発電設備を設置し、平成25年2月より実証試験を開始しました。

 バイナリー発電設備とは、沸点の低い媒体を熱交換器で加熱・蒸発させ、その媒体蒸気により発電を行うもので、従来の地熱発電方式では利用できなかった比較的温度の低い蒸気・熱水での発電が可能になります。

 九州電力の地熱バイナリー発電設備としては、八丁原バイナリー発電所(定格出力:2000kW)が実用化され、運転をおこなっています。

 今回、設置する小規模バイナリー発電設備(定格出力:250kW)は、川崎重工業株式会社が工場の排熱等の有効活用を目的に開発したグリーンバイナリータービンを採用しており、小規模バイナリー発電設備の地熱への適用が可能になれば、地熱資源が賦存する島への適用が期待できること、温泉水等の熱の有効活用が図れることから実証試験を行うものです。

設備概要

定格出力 250kW
媒体 代替フロン
熱源 地熱熱水

871とはずがたり:2014/04/11(金) 11:27:49

九州電力 インドネシア地熱発電で融資契約 国営会社に売電
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140401/fkk14040102260001-n1.htm
2014.4.1 02:26

 九州電力は31日、インドネシア・スマトラ島での地熱発電プロジェクトについて、国際協力銀行などと協調融資(シンジケートローン)契約を締結したと発表した。合計出力32万キロワットの地熱発電所を建設し、インドネシアの国営電力会社PLNに30年間売電する。日本の電力会社が海外で直接、地熱発電事業をするのは初めて。

 プロジェクトは、スマトラ島北部のサルーラ地区に発電所3基を建設する。単一の地熱発電所としてはインドネシア最大規模となる。4月中に着工し、平成28〜30年に順次運転を始める。

 九電、伊藤忠商事とインドネシア、米国の企業計4社の共同出資で、特別目的会社(SPC)を設立する。このSPCに国際協力銀行、アジア開発銀行、三菱東京UFJ銀行などで構成するシンジケート団が融資する。融資額は1千億円規模となる見通し。

 資源エネルギー庁によると、インドネシアは出力に換算して2779万キロワットの地熱資源が眠り、米国に次ぐ世界第2位の地熱資源保有国という。既存の地熱発電所の定格出力は計120万キロワットで、日本(53万キロワット)を大幅に上回る。ユドヨノ大統領は2025(平成37)年に950万キロワットにまで増やす目標を掲げている。

 一方、九電は、国内最大の八丁原発電所(大分県九重町、出力11・2万キロワット)など5カ所の地熱発電所を運営しており、地熱発電のノウハウを持つ。

 九電の広報担当者は「海外での地熱発電事業は、九電の技術が生かせる。特にインドネシアは成長が見込め、長期にわたり安定した収益源になる」としている。

872とはずがたり:2014/04/11(金) 12:10:13
日本の地熱発電所
日本地熱学会
http://grsj.gr.jp/guest/panf/grsj201205p2.pdf

森(北海道) 50.00
澄川(秋田県) 50.00
大沼(秋田県) 9.50
松川(岩手県) 23.50
葛根田I(岩手県) 50.00
葛根田II(岩手県) 30.00
上の岱(秋田県) 28.80
鬼首(宮城県) 15.00
柳津西山(福島県) 65.00
八丈島(東京都) 3.30
杉之井(大分県) 1.90
滝上(大分県) 27.50
大岳(大分県) 12.50
八丁原I(大分県) 55.00
八丁原II(大分県) 55.00
八丁原B(大分県) 2.00
九重(大分県) 0.99
大霧(鹿児島県) 30.00
霧島国際(鹿児島県) 0.10
山川(鹿児島県) 30.00
合計 540.09

数字は定格出力(MW)
2010.11現在

873とはずがたり:2014/04/11(金) 14:36:10
2013年の記事

第4部 新産業を創れ(5)
2013年05月05日Tweet
売電事業 掘り起こす…地熱利用 「自然との共生」課題
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/feature/CO003962/20130507-OYT8T00209.html

上川町の白水沢地区で噴出している蒸気。同地区では地熱発電の地表調査が6月から始まる予定だ(上川町提供、2012年夏撮影)

道内にあると推計される再生可能エネルギーの最大量

太陽光・太陽熱 149.41
風力 74.27
バイオマス 55.23
廃棄物 12.80
水力 17.67
地熱 38.63
雪氷熱 781.00

単位はペタジュール

 王子グループの資源環境ビジネス会社「王子グリーンリソース」は昨秋、美瑛町の王子製紙社有林で大手ゼネコンの大林組と、地熱エネルギーの調査を始めた。地面の上から重力波を発射して地下構造を調べ、熱水がたまっている場所を探す。適地がみつかれば地熱発電計画を具体化させ、北海道電力への売電を目指す。

 国は新エネルギーの導入促進を狙って2012年7月、「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度」をスタートさせた。地熱発電(出力1・5万キロ・ワット以上)の場合、電力会社は事業者から、1キロ・ワット時当たり27・3円で電気を買い取る仕組みだ。仮に、既存の北海道電力森地熱発電所(出力2・5万キロ・ワット)級の地熱発電の適地が社有地内で発見され、70%の稼働率が確保できれば、王子などは毎年40億円規模の収入を見込める計算になる。

 さらに、地熱発電所周辺の農家は高温の熱排水を野菜栽培のビニールハウス用暖房に転用することもできる。発電施設の運営や補修で町には新たな雇用の場が1年を通じて生まれる。

 独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の「地熱開発促進調査」によると、地熱エネルギーが眠る可能性があるとして調査した地域は全国で67。このうち道内には、都道府県別では最多となる18地域がある。

 道内には地熱に加え、太陽光や風力、バイオマスと、多様な新エネルギーが存在する。そのボリュームは、地熱だけでも38・63ペタジュール。合計では約1129ペタジュールと見積もられる。これは10年度の道内エネルギー消費量の約1・8倍に当たる。

 だが、宮城県の電源開発「鬼首(おにこうべ)地熱発電所」で10年10月に水蒸気爆発事故が発生するなど、地熱発電には安定稼働への懸念が残されている。また「自然との共生」という課題を避けては通れない。地熱発電はこれまで、潜在力を認識されながら、多くが国立公園内にあるために手を付けることができなかったという経緯がある。

 王子と同様に、上川町で大手商社の丸紅が進めようとしている地熱発電計画は、まさに今、「自然との共生」に直面している。

 上川町や地元経済団体の了承を受け、丸紅は6月から開発に向けた地表調査に入る考えだが、調査地の白水沢地区を含む大雪山国立公園はナキウサギや高山植物など動植物の宝庫で、町は大雪山を世界自然遺産にする運動を展開しつつある。

 山中に新たに人工構造物を建て、地下から蒸気をくみ上げる地熱発電について、道内を代表する自然保護団体「大雪と石狩の自然を守る会」の寺島一男代表は「メリット・デメリットをもっと吟味してから判断すべきだ」と主張する。

 丸紅国内電力プロジェクト部の上垣雅裕部長代理は「無理やり開発することは考えていない。地熱発電所は町の振興につながるはずだ」と語る。

 「自然との共生」をどう具体化させていくのか。行方が注目される。

(東直人、平田舞)

874とはずがたり:2014/04/11(金) 19:58:50
地熱発電まとめ♪
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/chinetsu00.html

876とはずがたり:2014/04/11(金) 22:41:55
>第2が農地転用手続きだ。用地は震災前、全て農地として使われており、震災が原因となって農耕ができなくなった場合でも手続きには時間がかかった。

2014年04月11日 14時00分 更新
自然エネルギー:
津波と地盤沈下を被った宮城、28MWの太陽光で再生へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1404/11/news087.html

丸紅は仙台空港近隣の岩沼市で出力28.4MWのメガソーラーを着工したと発表した。東北地方に立地する太陽光発電所としては最大級となる。総事業費は70億円だ。着工に至るまでの準備段階に2年弱を要した。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 丸紅は2014年4月10日、東北地方では最大級となる「いわぬま臨空メガソーラー」(出力28.4MW、図1、図2)の建設を開始したと発表した。

 総事業費は70億円。1MW当たりの事業費は約2億5000万円である。全額を自己資金でまかなう。日立製作所が設計・調達・建設(EPC)を請負い、海外企業の太陽電池モジュールを設置、2015年4月の送電開始を予定する。丸紅が全額を出資したいわぬま臨空メガソーラーが運営会社となる。

 想定年間発電量は約2900万kWh。これは一般世帯の年間消費電力量に換算すると、約8000世帯分だ。岩沼市の全世帯の5割以上に相当する。固定価格買取制度(FIT)を利用して東北電力に20年間、全量を売電。2012年の買取価格(40円、税別)が適用されるため、売電収入は年間11億6000万円となる見込みだ。

事業開始に手間取る

 太平洋に面した岩沼市は2011年3月11日に発生した東日本大震災で大きな津波の被害を受けた。宮城県によれば市域の約48%が浸水被害を受けている。市の中央やや東よりには常磐自動車道が南北に走り、この道路よりも海側はほぼ全て浸水した。岩沼市と宮城県名取市にまたがる仙台空港もこの地域に立地する。

 いわぬま臨空メガソーラーは仙台空港から南に1.5kmしか離れていない。もともとは農地だったが海水をかぶり、震災後には地盤も沈下した。2011年11月に国土地理院が発表したデジタル標高地形図によれば、建設予定地の大半が標高1m未満。0m未満の部分も点在する。

 農地としての利用が難しいと判断した岩沼市は、今回の予定地を含む同市相野釜西地区の約57.5haをメガソーラーとして活用することを決定、2012年5月に発電事業者を公募型プロポーザル方式で募集、同6月には丸紅が選ばれた。市の計画では同11月には事業に着手する計画だった。今回の買取価格が2012年の金額になっているのもこのためだ。

 ところが、2つの理由により着工に至らなかった。第1の理由は地権者との土地賃貸借契約の締結だ。最終的に賃貸借契約に至った43.6haの土地のうち、40haが公有地ではなく一般の地権者の所有地だった。第2が農地転用手続きだ。用地は震災前、全て農地として使われており、震災が原因となって農耕ができなくなった場合でも手続きには時間がかかった。

877荷主研究者:2014/04/13(日) 10:45:41

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20140322/201403220932_22197.shtml
2014年03月22日09:32 岐阜新聞
奥飛騨で10万キロワット地熱発電 温泉事業者ら計画

 北アルプス・焼岳の麓、高山市奥飛騨温泉郷一重ケ根地区で、奥飛騨ガーデンホテル焼岳など地元の温泉事業者5団体とミサワ・インターナショナル(東京都)が、温泉熱を活用した地熱発電事業を計画していることが21日、分かった。最大で出力10万キロワット規模の大型施設を建設する予定で、実現すれば中部圏で最大規模の地熱発電所となる。

 建設予定地は焼岳山頂から西へ約4キロ離れた一帯で、広さ約661ヘクタール。今夏に開かれる県自然環境保全審議会温泉部会に温泉の掘削許可を申請する。認められれば温泉井戸の試掘を開始する。ミサワが建設を担い、温泉事業者は温泉源の情報や掘削などの専門的な技術を提供する。

 計画は、水より沸点が低い液体を温泉熱で温め、できた蒸気でタービンを回す「バイナリー発電」による出力300〜1500キロワット規模の小型施設を建設する。その後、温泉の余剰蒸気を利用して発電する別の方式で7500キロワット、10万キロワットと規模を拡大する。約8年かけて整備し、完成した施設から稼働していく。

 全量を売電する方針で、試掘後に年間発電量や売電額の試算に入る。ミサワと5事業者は4月4日、推進協議会を設立し、事業方針を話し合う。

 地熱発電は全国の温泉地などで建設が進んでいる。県内では高山市奥飛騨温泉郷の中尾地区で出力2千キロワット規模の地熱発電所を建設する計画が進んでおり、3月上旬に掘削調査を終えた。

878とはずがたり:2014/04/13(日) 11:19:03

エコの名の森林伐採 自然開発
千年の森も破壊は一瞬
http://www.kirisima.org/%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E5%9C%B0%E7%86%B1%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80/%E5%9C%B0%E7%86%B1%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80/

1本の生産井戸から噴出する蒸気および熱水は250t/h〜350t/hでホテル旅館の温泉井戸とは桁違いの大きさです。
上記のように温泉井戸の掘削は独立行政法人NEDOが行い、その後生産井に転用され、地熱発電所に使用されます。

 NEDOは次々に井戸を掘削する前に、なぜえびの高原が枯渇したか、すべての人が納得できる説明の必要があります。

 また掘削された井戸は、調査終了後も埋め戻すことはなく噴気試験が続けられていました。(現在は噴気試験はありません)

 大霧地熱発電所が計画された頃も開発促進か反対か大きな議論があったそうです。牧園町郷土史によれば「熱水は地域暖房や温泉給湯、農業用温室、養魚など幅広く使われ産業振興はもとより生活の向上に役立ち・・・・」とバラ色の将来を期待しています。地熱発電所が建設されて15年以上が経過した今現在、そのような恩恵はどこにもありません。

879荷主研究者:2014/04/13(日) 11:25:29

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820140324aaad.html
2014年03月24日 日刊工業新聞
三菱化と大成建設、ビル外壁で太陽光発電−2ミリメートル厚、意匠性保つ

 三菱化学と大成建設はオフィスビルの外壁で太陽光発電ができる有機薄膜太陽電池外壁ユニットを開発した。大成建設の技術センター(横浜市戸塚区)に建設中の実証棟で5月から実証試験を始める。厚さ約2ミリメートルと薄く軽量で、従来の太陽電池パネルでは困難だったビルの外壁に意匠性を損なうことなく設置可能。省エネに加え災害時の機能を維持する都市型ゼロエネルギービル(ZEB)向けに2015年度の事業化を目指す。

 「ZEB実証棟」は3階建てで延べ床面積約1000平方メートル。ガラス製の外壁の内側にユニットを最大356枚取り付ける。光を電気に変えるエネルギー変換効率は約5%。発電能力は10キロワットとノートパソコン約300台分を動かすエネルギーに相当する。事業化までに変換効率を10%超にまで引き上げるほか、生産コストの削減も進める。

881とはずがたり:2014/04/13(日) 12:19:34
014年04月11日 10時40分 更新
自然エネルギー:
15年で壁を超えた、効率25.6%のHIT太陽電池
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1404/11/news062.html

パナソニックはシリコンを利用するHIT太陽電池セルにおいて、変換効率が初めて25%を超えたと発表した。25%を突破したシリコン系太陽電池の記録は15年ぶりである。従来のセル構造を一新することで実現した。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

882とはずがたり:2014/04/13(日) 12:21:05

湯沢地熱が42MW級で建設が進んでいるのに勿体なさ過ぎるヽ(`Д´)ノ
こっちもそれくらいは狙えるんちゃうの。元稼働してた原発に系統連結する余力有る筈だからこっちにまわせえヽ(`Д´)ノ

本文中岩手地熱に出資は三井石油化学(三井油化←懐かしい(;´Д`))ではなく三井石油開発(略すと三井油開?)と思われる。調べてないけど。

2013年05月23日 13時00分 更新
自然エネルギー:
東北岩手で新規の地熱発電へ、7MWの発電が可能
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1305/23/news055.html

東北地方は地熱エネルギーが多い。岩手地熱は、岩手県八幡平市で既に見つかっている地熱資源へ向かって井戸を掘り、水蒸気を仮に得る調査を開始。2013年中に調査を終える。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 地熱発電所はさまざまな制約により、これまで新規の開発がほとんど進んでいなかった。日本は世界第3位の地熱資源国であるため、これは大きな損失だといえるだろう。

 日本の地熱発電所は東北地方と九州地方に集中している。なぜなら地熱エネルギー量が多いからだ。東北地方の中央部を青森、岩手*1)、山形、福島にまたがって地熱資源が分布している。

*1) 岩手県内では東北電力の松川発電所(岩手県八幡平市、出力2万3500kW)、葛根田発電所(岩手県雫石町、出力8万kW)が運転中である。

 岩手地熱*2)は、2013年5月、岩手県八幡平市で、地熱発電掘削調査を開始したと発表した(図1)。現場は国有林であるため制約が少ない。

*2) 日本重化学工業と地熱エンジニアリング、JFEエンジニアリングが出資して2011年に設立された企業。2013年5月には三井石油化学が新たに出資した。

 これまで、日本重化学工業と地熱エンジニアリング、JFEエンジニアリングの3社が八幡平市と協力して、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託により地熱開発促進調査を実施している。その結果、マグマ起源の貫入岩体による、250℃以上の地熱貯留層の存在を確認している。250℃は地熱発電に適する温度だ。

 そこで、次の段階として岩手地熱が調査を進める。同社は2013年度中に坑井調査と仮噴気試験を行う計画だ。4月から1坑の坑井(図2)の掘削を開始しており、8月半ばに完了を予定する。その後、10月まで水蒸気についても調べる。

系統の課題が立ちふさがる

 地熱発電所の建設には時間がかかる。まずは地表調査、地質調査を重ね、地下の地熱資源を探査する。次に坑井(試験井戸)を堀る。それが終われば噴気調査だ。実際に水蒸気などが得られるかどうかを調べる。ここまでに5年程度を要し、岩手地熱はこの段階にいる。その後、発電計画や環境調査を終え、発電所の建設が終わるまで調査開始から10年を要する。

 通常は、発電計画の段階に至らなければ地熱発電所の出力は決まらない。ところが、今回の岩手地熱の計画は出力が7MW(7000kW)と明らかになっている。なぜだろうか。「現地の地熱エネルギーは7MW分を大きく上回る。しかし系統連系の制約から出力を7MW以上にできない」(JFEエンジニアリング)。再生可能エネルギーの利用拡大には、発電側だけではなく、送電側にも十分な計画と資本投入が必要だということが分かる。

883とはずがたり:2014/04/13(日) 12:22:09

2013年06月19日 07時00分 更新
自然エネルギー:
動き始めた地熱発電、全国14か所で大規模な開発計画
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1306/19/news015.html

国内に豊富な資源がありながら開発が進んでいなかった地熱発電に動きが出てきた。政府が規制緩和に乗り出す一方、固定価格買取制度によって事業性が明確になったことが大きい。資源エネルギー庁によると、出力3万kW以上の大規模な開発案件が全国14か所で進行中だ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 資源エネルギー庁がまとめた「エネルギー白書2013」の中で、今後の導入拡大が期待できる再生可能エネルギーとして地熱発電にスポットを当てている。注目すべきは地熱発電開発の流れに沿って、現在進行中の14件にのぼる大規模な開発案件をリストアップした(図1)。

 地熱発電は「地表調査・掘削調査」から始めて「発電設備設置」まで、5つのプロセスで開発を進める必要がある。このうち第3段階の「環境アセスメント」まで進んでいるのが秋田県湯沢市の「山葵沢(わさびざわ)」のプロジェクトで、今後5年程度で発電を開始できる状況にあることがわかる。

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図1 地熱発電開発の流れと進行中の主な案件。出典:資源エネルギー庁

 このほか岩手県八幡平市の「安比(あっぴ)」の開発計画が第2段階の「探査」の状態まで進んでいる。山葵沢と安比の開発地域は地熱発電の規制対象になる国立・国定公園に含まれていないため、早くから開発に着手することができた。

 さらに8件のプロジェクトが第1段階にあり、うち2件は国立・国定公園の中で進んでいる。環境省は2012年3月に地熱発電の規制対象を緩和して、国立・国定公園の中でも風致維持の必要性が相対的に低い「第2種特別地域」と「第3種特別地域」に関しては条件付きで開発を認める方針を打ち出した。これを受けて地熱が豊富な地域で事業化の検討が進み始めた。

 地熱発電は他の再生可能エネルギーと比べて設備利用率(出力に対する発電量)が約70%と高く、風力の約20%、太陽光の約12%と比べて、安定した電力供給源になる。2012年7月に始まった固定価格買取制度で出力1.5万kW以上の場合に26円/kWhの買取価格が設定されたことにより、高い設備利用率と合わせて収益を確保しやすくなった。

 日本は地熱の資源量が大きいにもかかわらず、実際に稼働している発電設備は他国と比べて少なく、全体の容量(出力)を合計しても52万kW程度にとどまっている(図2)。進行中の14件が最低3万kWの出力であれば、すべてが稼働すると42万kW以上になり、これだけで地熱発電の規模は現在の2倍になる。

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図2 世界の主要国における地熱資源量と発電設備容量。出典:資源エネルギー庁

 政府は国立・国定公園の規制緩和に続いて、現状で3〜4年かかっている環境影響評価の期間を半分に短縮する方針を打ち出すなど、地熱発電を促進する施策を拡大している。発電量の大きい地熱の開発は将来のエネルギー政策において重要な課題であり、国・自治体・民間事業者の連携による長期的な取り組みが欠かせない。

884とはずがたり:2014/04/13(日) 12:31:26
地熱版の小水力発電である温泉発電。技術的にはバイナリー発電というシステムを使う。

2013年01月29日 15時00分 更新
自然エネルギー:
全国7カ所の温泉地で地熱発電の調査が始まる
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1301/29/news038.html

温泉地には豊富な地熱資源が眠っている可能性が高い。地中深くまで穴を掘る本格的な地熱発電に踏み切らずとも、湧き出している温泉水を使った「バイナリー発電」という手法も使える。このたび、日本全国7カ所の温泉地で地熱発電に向けた調査が始まることになった。
[笹田仁,スマートジャパン]

 今回調査を始めるのは、足寄町地域(北海道足寄郡足寄町)、東伊豆町熱川温泉地域(静岡県賀茂郡東伊豆町)、宇奈月温泉地域(富山県黒部市)、田辺市本宮地域(和歌山県田辺市)、有福温泉町地域(島根県江津市)、豊礼の湯地域(熊本県阿蘇郡小国町)、石松農園(熊本県阿蘇郡小国町)の7カ所。どの場所も近隣に温泉が湧き出している土地だ(図1)。

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図1 補助対象地域と担当業者の一覧。出典:独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)

 この調査は経済産業省の平成24年度「地熱資源開発調査事業費助成金交付事業」の助成金を受けて実施する。ただし、この事業のうち「地元の地熱関係法人等が行う事業に限る」という条件で募集した地域と業者に限る。

 経済産業省としては、エネルギーの地産地消に加えて、地域活性化につながる事業を実施する事業者を選んだという。さらに、地元の業者であるという条件も付けた。以上の条件を満たした業者の応募を受け付け、審査の結果7カ所が補助対象となった。

 経済産業省は地熱発電の可能性を探る調査にかかる費用を全額補助する。事業化の可能性が十分と分かったら、事業者の手で発電設備を建設してもらうということだ。

 大分県の別府温泉で温泉水を利用したバイナリー発電施設の建設が始まり、ほかにもいくつかの温泉地がバイナリー発電の導入を検討している。一方で温泉に悪影響を及ぼすなどの理由で、反対する声が多い地域もある。しかし、反対する前に一度調査してみるべきではないだろうか? 調査の結果、悪影響が及ぶと分かれば止めれば良いし、悪影響なしに効率よく発電ができると分かったらどんどん発電設備を導入すべきだろう。

 温泉を利用したバイナリー発電は、事業化のめどさえ立っていれば、発電設備の建設はほかの発電方法に比べて安価に済む。工期もそれほど長くない。今回のように経済産業省が可能性を確かめる調査費用をすべて補助するという取り組みは、全国に温泉発電を普及させる起爆剤になるかもしれない。

885とはずがたり:2014/04/13(日) 12:59:05
>>878

地熱発電の環境への影響
小波盛佳
http://www.geocities.jp/morikonamia/tinetu.html
2002年08月25日

含有する成分には問題が多い。 一般に深い地層から得られる熱水には,一般の温泉に用いられる水と異なり,毒性を持つ砒素,水銀が含まれている場合が多い。 また主に水蒸気中に硫化水素などが含まれていることも多く,これは大気に放出されやすいものである。

現在,日本の火力発電による発電量約1億kWの0.5%にあたる50万kW超が地熱発電でまかなわれているが, 温泉の数にして3,000箇所の温泉に相当する地下水が移動させられていることになる。 1973年には当時の通産省がサンシャイン地熱発電計画として,1997年までに地熱発電を700万kWにするという目標を掲げ頓挫しているが, これは40,000箇所程度の温泉の汲み上げ量に相当するものと概算される。 地熱発電のために汲み上げられ,不用水として他の地層に再注入される水の量が如何に膨大であるかが分かる。

通常の場合,地熱発電に利用された後の不用水の大半は,毒性のある物質を分離できないために,熱交換後に地下に還元される。 これは同じ場所に戻されるわけではなく,汲み上げ箇所より高い地層に戻されるのが一般的である。 そこで,その戻された部分で影響を生じうる。

 毒性のある温水が,前より地表に近い所に貯められるというだけでも,問題を生じる危険性がある。 さらに,大量の不用熱水を岩の割れ目に注入することから,地層の構造の変化を引き起こす危険性があり, 最悪の場合は,毒性のある地下水の噴出・流出および地層の崩壊とそれに伴う崖崩れ・地震が生じることも考慮しなければならない。

886とはずがたり:2014/04/13(日) 13:00:29

2013年03月04日 09時00分 更新
自然エネルギー:
地熱発電を広げる九州電力、鹿児島でバイナリー発電を開始
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1303/04/news023.html

国内で最大の地熱発電所を運営する九州電力が新たな設備の増強を進めている。鹿児島県の指宿市にある山川発電所では、小規模なバイナリー発電設備を使った実証実験を開始した。2年間かけて検証を進め、九州に数多くある離島などへの展開を目指す。
[石田雅也,スマートジャパン]

888とはずがたり:2014/04/13(日) 13:14:56
北海道(風290MW)・青森(風305MW)→首都圏の計画はなんかあるのかね?
>今後ますます風力による発電量が増えていくことは確実で、その電力を東京に送る実証実験も始まろうとしている

2012年10月02日 09時00分 更新
日本列島エネルギー改造計画(1)北海道:
風力発電で全国トップに、広大な土地や海岸を生かす
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1210/02/news006.html

いま全国の自治体で、地域のエネルギー供給体制を再構築するプロジェクトが進んでいる。再生可能エネルギーを最大限に活用した日本再生に向けて、47の都道府県ごとに最新の状況を紹介する新企画。すでに冬の節電対策が始まっている北海道を皮切りに、来春にかけて沖縄まで南下していく。
[石田雅也,スマートジャパン]

 北海道電力が今年の冬の電力不足を回避するために、緊急設置電源を増強中だ。冬の暖房や給湯に多くの電力を必要とする北海道では、昼間はオフィスや工場で、夜間は家庭や店舗で大量の電力が使われるため、ほぼ24時間にわたって安定した電力量を確保しなくてはならない。

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図1 北海道の再生可能エネルギー供給量(2010年3月時点)。出典:千葉大学倉阪研究室と環境エネルギー政策研究所による「永続地帯2011年版報告書」

 最も安定的に電力を供給できるのは原子力だが、可能な限り再稼働は避けたいところだ。代替手段として再生エネルギーがあるが、北海道では太陽光発電はさほど普及していない(図1)。むしろ広大な土地や海岸を生かした風力発電の取り組みが進んでいる。

 都道府県別に風力発電設備の導入量を見てみると、全国でも青森県と1位、2位を争う状況にある(図2)。特に海岸地域で風の強い場所が数多くあり、今後の拡大余地も非常に大きい。7月から固定価格買取制度が始まったことにより、遊休地を活用した風力発電プロジェクトが道内で相次いで動き出している。

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図2 都道府県別の風力発電設備の導入量(2012年3月)。出典:日本風力発電協会

 現在のところ北海道で最大の風力発電所は、最北端の稚内市にある「宗谷岬ウインドファーム」である(図3)。大型の風車が57基も建てられていて、合計で57MW(メガワット)の発電が可能だ。福島県にある「郡山布引高原風力発電所」の66MWに次ぐ国内第2位の規模を誇る。

 すでに北海道には1MW以上の風力発電所が38か所もあり、さらに増え続けている。固定価格買取制度が始まってからの2か月間で、北海道にある風力発電設備が100MWも対象として認定された。これは全国で認定された風力発電設備の約4割を占める。

 今後ますます風力による発電量が増えていくことは確実で、その電力を東京に送る実証実験も始まろうとしている。“風力発電王国”の北海道が道内のエネルギー供給のみならず、他の地域の電力供給源になる日も近い。

889とはずがたり:2014/04/13(日) 13:17:27
>>888-890

2013年04月02日 11時00分 更新
エネルギー列島2013年版(1)北海道:
再生可能エネルギー200%へ、風力を筆頭に太陽光や地熱も
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/02/news024.html

「日本列島エネルギー改造計画」の2013年版を再び北海道から開始する。冬の電力需給が厳しい北海道だが、広大な土地が秘める自然エネルギーの開発が着々と進んでいる。西側の海岸線を中心に風力発電所が広がる一方、太陽光や地熱の導入プロジェクトが急速に増えてきた。
[石田雅也,スマートジャパン]

 北海道では12年前の2001年1月に「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」が施行されて、風力発電を中心に再生可能エネルギーの導入が大規模に進んできた。この流れをさらに加速させる動きが道内の有志によって始まっている。「北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト」で、2050年までに北海道の電力をすべて再生可能エネルギーに転換することを目標に掲げる。

 原子力を想定に入れず、節電によって電力使用量を減らしていくことがプロジェクトの基本的な考え方だ。それを前提に2020年に向けて風力と太陽光を増やしたうえで、2030年までに風力を一気に拡大して道内の電力使用量の8割を再生可能エネルギーでカバーできるようにする(図1)。

 さらに2050年には地熱や小水力も伸ばす一方、電力使用量を現在の半分以下に減らすことで、再生可能エネルギーによる電力の自給率を200%に高める。生み出した電力の半分は他の地域にも提供できるようにする。原子力にも化石燃料にも依存しない未来の「電力供給基地」になることを目指す壮大な構想である。

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図1 再生可能エネルギーによる電力自給率の拡大構想。出典:北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト

 当然ながら実現には数多くのハードルが予想されるものの、潜在する自然エネルギーの豊富さで他県を圧倒する北海道ならば可能性は大いにあるだろう。実際に北海道の風力発電所で作った電力を東北や東京に送る実験が電力会社間で始まっている。

 北海道で導入できる再生可能エネルギーのポテンシャルを見ると、何と言っても風力発電が大きい(図2)。将来の実用化が期待される洋上風力が最大で、周囲を海に囲まれた北海道ならではの巨大なエネルギー資源になる。陸上風力と合わせると5億kWを超えるポテンシャルがある。風力発電の設備利用率を20%として、2050年の風力発電の目標値に到達するためには5億kWのうちの1%程度を転換すれば済む。

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図2 再生可能エネルギーの導入ポテンシャル。出典:北海道再生可能エネルギー振興機構

 すでに陸上の風力発電は数多くの市町村に広がっている。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)によると、北海道で10kW以上の風力発電設備がある市町村は25か所にのぼる(図3)。今のところ電力需要の多い地域に集中しているが、今後は送配電網を増強することで未開拓の地域にも広げることが可能だ。

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図3 10kW以上の風力発電設備がある市町村(2012年3月31日現在、赤丸は2011年度に新設)。出典:NEDO
 これまでも北海道の再生可能エネルギーで導入量が最も多いのは風力だった(図4)。ただし青森県に次ぐ第2位で、大きなポテンシャルを十分には生かし切れていない。ここ数年は大規模な風力発電所の新設が少なかったが、固定価格買取制度の開始もあって再び活発になってきた。現在までに買取制度で認定された風力発電設備の規模は北海道が10万kWを突破して第1位である。

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図4 北海道の再生可能エネルギー供給量。出典:千葉大学倉阪研究室、環境エネルギー政策研究所

890とはずがたり:2014/04/13(日) 13:17:45
>>889-890
 同様に買取制度の追い風を受けて急速に拡大しているのが太陽光発電だ。2012年7月〜12月の6か月間で65万kWの設備が北海道だけで認定を受けていて、第2位の鹿児島県の2倍近い規模になっている。メガソーラーだけで50万kWを超える。

 北海道に太陽光発電は適していない印象を受けるが、実際の日射量は決して少なくない。中でも東部の日射量が多いことがわかっている。東部には未開拓の土地が広がっていて、大規模なメガソーラーを建設する余地は極めて大きい。現時点でメガソーラーの誘致を進めている市町村が20近くあるが、大半は中央から西側の地域に集中している(図5)。今後は東部の開発が大きな課題になる。

 もう1つの課題は離島における再生可能エネルギーの導入である。北海道には500以上の島があって、その数は長崎県と鹿児島県に次いで3番目に多い。離島では島内に発電所を建設するか、近くの島から海底ケーブルで送電するしか電力供給の方法がない。現在は小規模な火力発電所が中心だが、燃料確保の問題もあり、再生可能エネルギーによる自立型の電力供給体制の構築が急務になっている。

 規模が大きい利尻島、礼文島、奥尻島などを対象に、再生可能エネルギーを導入する検討プロジェクトが始まった。例えば奥尻島では5種類の再生可能エネルギーすべてに見込みがあって、特に温泉が湧き出る北西部では地熱発電のポテンシャルが大きい(図6)。まだ検討の初期段階の状態で、早急な具体化が待たれるところだ。

図6
風力発電 340kW 太陽光発電 520kW 中小水力発電 1,701kW 地熱発電 1,773kW バイオマス発電 176kW(笹が全島から収集可能)

891とはずがたり:2014/04/13(日) 14:23:56

2013年04月09日 09時00分 更新
エネルギー列島2013年版(2)青森:
風力発電で先頭を走り続ける、六ヶ所村に並ぶ大型の風車と蓄電池
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/09/news007.html

青森県は長年にわたって風力発電の導入量で全国トップにある。大規模な風力発電所が10か所以上も稼働中で、特に多く集まるのは六ヶ所村だ。大型の蓄電池を活用した先進的な電力供給にも取り組んでいる。恵まれた自然環境の中で、原子力を含むエネルギー産業との協調に挑み続ける。
[石田雅也,スマートジャパン]

 六ヶ所村(ろっかしょむら)の名前は、原子力発電用の核燃料を再処理する場所として全国に知られている。日本のエネルギー供給基地としての役割を40年以上にわたって担ってきた。原子力関連のほかに、国の石油備蓄基地の第1号が1983年に操業を開始した場所も六ヶ所村である。

 下北半島の付け根の部分にある人口1万人強の村は、本来は自然に恵まれ、農業や畜産、漁業も盛んなところだ。自然とエネルギーの協調を目指して、風力発電でも先進的な取り組みを続けている。

 六ヶ所村には大規模な風力発電所が3か所にあり、合計77基の風車が稼働している。発電能力は115MW(メガワット)に達し、日本で最大の風力発電設備をもつ自治体でもある。その中で最も規模が大きいのは「六ヶ所村二又風力発電所」で、34基の風車から最大51MWの電力を供給することができる(図1)。

 この風力発電所は2009年に運転を開始した時点で、世界で初めて大型の蓄電池を併設した。大量の電力を貯蔵できるNAS(ナトリウム硫黄)電池を17セット設置して、合計で34MWの蓄電能力がある(図2)。最大電力の3分の2まで対応できる。風速などによって大きく変動する電力を充電したり放電したりすることで、供給量を安定させる狙いだ。

図2 「六ヶ所村二又風力発電所」の大型蓄電池。出典:日本ガイシ
http://www.ngk.co.jp/
NAS電池
http://www.ngk.co.jp/product/nas/introduction/index.html

 風力に限らず太陽光発電でも、天候による発電量の変動が問題になる。最近は大規模なメガソーラーの建設が続々と始まっているが、発電量が安定しないために電力会社から接続を拒否される場合がある。

 六ヶ所村では新たに風力発電と太陽光発電も組み合わせて、同様に大型の蓄電池を使った電力安定化の実証実験を開始する。六ヶ所村で先行して始まった蓄電池併設型の発電設備は全国各地の大規模なメガソーラーにも採用されていくことだろう。

892とはずがたり:2014/04/13(日) 14:24:24
>>891-892
 風力発電と蓄電池による取り組みはIT(情報技術)の分野にも広がり始めている。青森県が六ヶ所村に建設する「むつ小川原グリーンITパーク」が約2年間の検討を経て、2013年度から本格的に企業の誘致を開始する。特に電力の安定確保が重要なデータセンターの誘致に力を入れる方針だ。

 データセンターでは非常用の無停電電源装置の設置が不可欠だが、この機能を大容量の蓄電池が果たす(図3)。電力会社からの系統電力と風力発電、さらに非常用の発電機を組み合わせて、3通りの供給源から電力を蓄電池に送り込むことができる。万全に近い電力供給体制になる。

図3 「むつ小川原データセンター」の設置モデル。出典:新むつ小川原
http://www.shinmutsu.co.jp/

 日本でも今後ますますデータセンターが拡大していくことは確実で、大量のIT機器が消費する電力の確保は長期的に大きな課題になる。その電力の多くを風力発電や太陽光発電で供給できれば理想的である。

 青森県内には六ヶ所村のほかにも大規模な風力発電所が稼働している自治体が数多くある(図4)。六ヶ所村と同様に100MWを超えるのが下北半島の東端にある東通村(ひがしどおりむら)で、この村には東北電力の原子力発電所もある。自然とエネルギーの協調は青森県全体が抱える大きな課題であり、未来に向けた挑戦になる。

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図4 10kW以上の風力発電設備がある市町村(2012年3月31日現在、赤丸は2011年度に新設)。出典:NEDO

 風力発電の導入量で全国第1位の青森県だが、このところ風力を含めて再生可能エネルギーが拡大していない(図5)。北海道で増えている太陽光発電も伸び悩んでいる。そのひとつの要因に環境問題がある。

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図5 青森県の再生可能エネルギー供給量。出典:千葉大学倉阪研究室、環境エネルギー政策研究所

 つい最近の例では、津軽半島の西側にある十三湖(じゅうさんこ)で計画中の風力発電プロジェクトで問題が発生した。風力発電に対しても2012年10月から環境影響評価が義務づけられるようになり、政府や地元の自治体に計画書を提出することになっている。

 問題になっているのは「津軽十三湖風力発電事業(仮称)」で、つがる市と中泊町(ながどまりまち)にまたがる湖の近くに15基の大型風車を建設する計画だ(図6)。この十三湖はハクチョウの渡来地として有名なところで、県の天然記念物にも指定されている。

 風力発電の大型風車には鳥類が衝突してしまう危険がある。このため環境大臣から意見書が出て、発電事業の実施区域を見直すように求められている。事業者の「くろしお風力発電」は2015年3月から運転を開始する計画だったが、大幅に遅れることは必至で、場合によっては計画の中止を余儀なくされることも考えられる。

 再生可能エネルギーが自然環境を破壊してしまっては、本来の目的を果たすことができない。環境に対する影響を軽減する取り組みは風力に限らず重要で、その先頭を青森県が走り続けていく。

893とはずがたり:2014/04/13(日) 14:32:53

2012年10月09日 09時00分 更新
日本列島エネルギー改造計画(3)岩手:
風力と地熱の発電可能量は全国2位、再生可能エネルギーを35%に
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1210/09/news007.html

岩手も青森と同様に風力発電と地熱発電の潜在量が非常に大きく、いずれも全国で2番目の規模が推定されている。2020年に県内の電力需要の35%を再生可能エネルギーでカバーする計画を推進中だ。地熱発電は実績が上がっており、今後は発電量の大きい風力の拡大に力を入れる。
[石田雅也,スマートジャパン]

 政府が先ごろ発表した「革新的エネルギー・環境戦略」では2030年に再生可能エネルギーの比率を35%に拡大する目標だが、岩手県は10年早く2020年に達成する計画を進めている。すでに2010年の時点で県内の電力使用量の18%を再生可能エネルギーでカバーしており、さらに10年間で比率を倍増させる。

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図1 岩手県の再生可能エネルギー供給量(2010年3月時点)。出典:千葉大学倉阪研究室と環境エネルギー政策研究所による「永続地帯2011年版報告書」

 これまでは小水力発電と地熱発電による電力が多く、特に地熱発電は大分と秋田に次いで全国でも3番目の発電量を誇る(図1)。

 潜在的に利用可能な再生可能エネルギーも豊富で、地熱発電は全国で発電可能な電力量の6分の1を占めるほどである。同様に風力発電も全国の1割近い潜在量が見込まれている(図2)。

 このうち発電量の大きさという点では、風力発電が地熱発電よりも20倍の可能性を秘めている。風力発電に必要な平均風速5.5m/s以上の地域を対象に推定したもので、洋上風力を含まない陸上だけの潜在量である。

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図2 岩手県の再生可能エネルギー推定利用可能量。出典:岩手県環境生活部

 現在のところ岩手県内には大規模な風力発電所が2か所しかない。2004年に「釜石広域ウインドファーム」(43MW)が運転を開始して以降、建設計画が進んでいないのが実情だ。風力発電は地熱発電とともに、初期の建設費が大きく、しかも周辺の環境に影響を及ぼすため調整に時間がかかるという問題があった。

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度によって、長期間にわたる電力の買取が保証され、建設費を回収しやすくなったことで状況が好転した。環境面の問題についても、経済産業省と環境省がアセスメント(影響評価)の簡素化を進めており、建設までの調整期間を大幅に短縮できる見込みだ。

 岩手県は2012年3月に「岩手県温暖化対策実行計画」を策定して、省エネと創エネを推進する施策をとりまとめた。その中で2020年に再生可能エネルギーの比率を35%に高める目標を設定した。太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスの5種類の発電方式ごとに導入量の目標を具体的に決めている(図3)。

 2020年には再生可能エネルギーによる電力のうち半分は風力発電が占める見込みだ。今後10年以内に、大規模な風力発電所が数か所に建設されることになるだろう。東日本大震災の被災地でもある岩手県では、再生可能エネルギーの拡大が復興を推進していく期待は大きい。

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図3 岩手県の再生可能エネルギー導入目標。出典:岩手県環境生活部

894とはずがたり:2014/04/13(日) 14:40:18
>>893-894

2013年04月16日 09時00分 更新
エネルギー列島2013年版(3)岩手:
風力やバイオマスで自給率35%へ、復興を加速するエネルギー拡大戦略
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/16/news012.html

岩手県は2020年までに電力需要の35%を再生可能エネルギーで供給する計画を推進中だ。特に拡大が期待できるのは風力発電で、洋上における事業化の検証も始まった。釜石市をはじめ各市町村が復興を目指して意欲的に取り組む。豊富にある木質バイオマスを活用する動きも広がってきた。
[石田雅也,スマートジャパン]

 東日本大震災の被災地では再生可能エネルギーの重要性を強く感じとった地域が多くあった。震災後に発生した長期におよぶ停電と燃料不足の中で、貴重なエネルギー源になったのが太陽光発電や薪ストーブだったからだ。

 そこで岩手県は震災後に策定した「地球温暖化対策実行計画」の中で、省エネと創エネによって2020年度までに県内の電力需要の35%を再生可能エネルギーで自給できるようにすることを目標に掲げた。

 特に意欲的に拡大計画を進めているのが釜石市である。「環境未来都市」をテーマにした復興計画を推進する。再生可能エネルギーを活用したスマートコミュニティである(図1)。

 風力とバイオマスを中心に、小水力や太陽光、ガスコージェネレーションを含めて自家発電設備の導入を拡大する。と同時に蓄電池や蓄熱槽を市内の各地に配備して、安定した電力と熱の自給体制を構築する計画だ。すでに稼働している大規模な風力発電所に加えて、沖合では浮体式による洋上風力発電の事業化調査も始まろうとしている。

 バイオマスでは新日鉄住金の釜石製鉄所が先進的な取り組みを見せる。国内でもまだ実施例が少ない木質バイオマスを石炭に混ぜて燃料に使う混焼発電を実施中だ(図2)。この発電所は石炭火力で15万kWの発電能力があり、製造業の自家発電設備としては最大級の規模になる。現在のところ石炭に対して2%の割合で木質バイオマスを混ぜ合わせている。

 岩手県は森林の面積が全国で2番目に広く、間伐などによる未利用の木材が大量にある。これを粉砕して燃料用の木質チップや木質ペレット(粉やくずを圧縮した固形燃料)を製造する工場が県内の至るところで稼働している(図3)。

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図3 岩手県内の木質チップ/ペレット工場。出典:岩手県盛岡広域振興局

 木質のチップやペレットを燃料に使った暖房・給湯設備が学校や公共施設に広く普及し始めていて、今後は民間企業にも導入を促進する計画だ。岩手県の再生可能エネルギーの導入状況を見ると、バイオマスの熱を利用する量が急速に伸びて、全国で第4位の規模に拡大している(図4)。

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図4 岩手県の再生可能エネルギー供給量。出典:千葉大学倉阪研究室、環境エネルギー政策研究所

 岩手県には風力やバイオマスの導入に早くから取り組んでいる町がある。県の中部にある葛巻町(くずまきまち)で、1999年に「新エネルギーの町・くずまき」を宣言してエネルギーの自給率向上を進めてきた。

 人口7600人、世帯数2900の小さな町に、合計で22MW(メガワット)を超える2つの風力発電所が稼働中だ(図5)。年間の発電量は5600万kWhにのぼり、一般家庭で1万6000世帯に相当する電力を供給できる規模になっている。

 町の86%が森林であることから、木質バイオマスにも先進的に取り組んできた。広い高原牧場の中に木質バイオマスをガス化して発電する設備を導入して、120kWの電力と266kW相当の熱を作り出すことができる(図6)。

 葛巻町は酪農が盛んで、乳牛が1万頭もいる東北最大の酪農の町でもある。その大量のフンからメタンガスを生成するプラントも導入済みで、37kWの電力と温水を牧場内に供給することが可能だ。自然環境と再生可能エネルギーを融合させて町を活性化した、全国でも類を見ないモデルケースと言える。

 県内の各地でバイオマスを利用した設備が広がる一方で、将来に向けては洋上の風力発電に大きな期待がかかる。浮体式による釜石市のプロジェクトに先行して、青森県との県境にある洋野町(ひろのちょう)で着床式による洋上風力発電の事業化調査が実施された(図7)。その結果、年間の平均風速は6メートル/秒を超え、海底の地盤にも問題がなく、事業化の可能性が十分にあることを確認できた。

 洋上の風力発電は全国で実証実験が始まっていて、2020年代から急速に拡大していく見通しだ。岩手県の沖合にも洋上風力発電に適した海域が広がっている。再生可能エネルギーによる復興から地域の発展へ、2020年以降に続く長期的な方向性も見えてきた。

895とはずがたり:2014/04/13(日) 14:42:43
>>893-895
岩手県は八幡平辺りの地熱のイメージ>>317>>390>>872>>882があるが風力やバイオマスなんだな。。

896とはずがたり:2014/04/13(日) 16:06:23

2012年10月16日 09時00分 更新
日本列島エネルギー改造計画(5)秋田:
バイオマスで全国1位、風力と地熱も増やして自給率100%へ
米どころの秋田は稲わらや木材を使ったバイオマス燃料の開発に積極的で、バイオマス熱の供給量は全国でナンバーワンだ。さらに風力と地熱の大規模な発電所が複数あり、新たな建設計画も着々と進んでいる。2030年には県内のエネルギー自給率を100%にする目標を掲げる。
[石田雅也,スマートジャパン]

 東北の各県は地の利を生かした再生可能エネルギーの導入で先行している。その中でも秋田県は太陽光を除く主要な再生可能エネルギーすべての取り組みで全国のトップレベルにある(図1)。

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図1 秋田県の再生可能エネルギー供給量(2010年3月時点)。出典:千葉大学倉阪研究室と環境エネルギー政策研究所による「永続地帯2011年版報告書」

 バイオマス熱の供給量は1位、地熱発電は2位、風力発電は4位、といった状況だ。再生可能エネルギー全体の供給量でも、地熱発電が多い大分県に次いで2番目の規模を誇る。

 秋田でバイオマスの利用が盛んな理由は、県の特産物によるところが大きい。秋田スギで有名な林業では間伐した木材や製材後の端材が数多く出る。ブランド米の「あきたこまち」を刈り取った後には大量の稲わらが残る。いずれもバイオマスの材料として効率のよい資源になる。

 特に秋田では稲わらや木材を繊維質のセルロースにしてから燃料を生成する「バイオエタノール」の実証実験に力を入れて取り組んでいる(図2)。2015年には通常のガソリンに10%までバイオエタノールを混合した燃料「E10」を実用化し、さらに2030年にはバイオエタノール100%の「E100」を実現する計画だ。今後もバイオマスの分野では秋田県が日本をリードしていくことになる。

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図2 バイオマスによるバイオエタノールの製造工程。出典:秋田県生活環境部
 バイオマスの拡大と並行して、地熱発電所と風力発電所の誘致も積極的に進めている。すでに秋田県内では大規模な地熱発電所と風力発電所が稼働しており、地熱と風力ともに適した地域であることが証明されている。

 地熱では大分県の八丁原発電所(112MW)に次いで2番目に大きい澄川地熱発電所(50MW)と上の岱地熱発電所(29MW)があり、いずれも東北電力が運営している。風力では10MW以上の大規模な発電所が4か所ある。つい最近でも住友商事グループが2014年末の完成を目指して29MWの風力発電所を男鹿市に建設する計画を発表している。

 秋田県の中長期の目標として、風力発電を2013年度までに200MWへ、さらに2020年度までに624MWへ拡大して、2009年度の約5倍の規模にする(図3)。同時に地熱発電も2倍以上に増やす計画だ。再生可能エネルギーによる経済効果は売電による収入だけで2013年度に40億円、2020年度に370億円を見込んでいる。

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図3 再生可能エネルギーの目標値(バイオマスは含まず)。出典:秋田県産業労働部
 そして2030年には県内のエネルギーを100%自給できる「地産地消エネルギーシステム」の実現を目指す。この構想に向けて日本最大の干拓地である大潟村で、2010年から2011年にかけて大規模な実証実験が経済産業省のモデル事業として行われた。

 風力発電をはじめとする再生可能エネルギーや燃料電池などを電力源にして、送配電ロスの少ない直流を使って住宅や学校などに電力を供給する取り組みである(図4)。気象条件の点で大潟村が実験対象地に選ばれた。秋田県がエネルギーの地産地消を推進するのに適していることを示している。

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図4 「地産地消エネルギーシステム」のイメージ。出典:経済産業省東北経済産業局

897とはずがたり:2014/04/13(日) 16:26:04
>>896-898
秋田は男鹿半島の寒風山という地名からして風力には向いてそうだがこの辺には無く,一方で県南の由利本荘>>188や仁賀保>>353>>719等で設置が進んでいた。男鹿半島のある県央でも計画が始動したようだ。
一方,日射量は日本最小だそうで無理に進めなくても良さそうなもんである。


2013年04月30日 09時00分 更新
エネルギー列島2013年版(5)秋田:
巨大な干拓地で風力から太陽光まで、潜在するバイオマスと地熱も豊富
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/30/news011.html

秋田県は再生可能エネルギーの宝庫で、太陽光以外は全国でも有数の供給量を誇る。風力を中心に新しい発電所の建設計画が続々と始まっていて、特に活発な場所が八郎潟の干拓地だ。周辺地域では稲わらや秋田スギを活用したバイオマス、さらには地熱発電の可能性も広がっている。
[石田雅也,スマートジャパン]

 かつて秋田県の日本海側に、日本で2番目に大きい湖の「八郎潟」があった。45年前に湖の大半を干拓地にして、農業が盛んな「大潟村」に生まれ変わった。そして2010年度から始めた8か年計画で新しい村づくりを進めているところだ。目標のひとつに自然エネルギーの供給基地を掲げている。

 計画中のプロジェクトで最も規模が大きいのは「大潟村風力発電所」である。広大な干拓地を縦断する形で40基の大型風車を建設して、日本で最大の100MW(メガワット)の風力発電所を建設する計画だ(図1)。5年後の2018年の運転開始を目指して、現在は環境影響評価の段階にある。

 この地域一帯には日本海からの強い風が吹き、風力発電に適しているが、これまで大規模な風力発電所はなかった。大潟村の風力発電所を建設するのは住友商事グループのサミットエナジーで、大潟村から日本海側に突き出た男鹿半島でも29MWの風力発電所を建設中だ。2つのプロジェクトが実現すると、秋田県の風力発電の規模は一気に拡大する。

 同じ大潟村にはメガソーラーの建設候補地もある。村が所有している56万平方メートルの広大な空き地があり、秋田県がメガソーラーの用地として誘致を進めている(図2)。この空き地を全面的に利用できれば、50MWクラスの大規模なメガソーラーを建設することも可能になる。

 ただし秋田県の日射量は全国で最も少なく、その分だけ発電量が少なめになることを想定しなくてはならない。秋田県の太陽光発電の導入量は47都道府県の中で最下位にある(図3)。そこで広い土地を効率的なメガソーラーに転用するための方策が必要になる。

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図3 秋田県の再生可能エネルギー供給量。
出典:千葉大学倉阪研究室、環境エネルギー政策研究所

898とはずがたり:2014/04/13(日) 16:26:29
>>897-898
 ひとつの解決策として注目したいのは市民の共同出資による草の根のプロジェクトだ。秋田市内にある農地で1.6MWのメガソーラーを建設する計画が進んでいる。地元の企業が中心になって市民からの出資を募る一方、メガソーラーの運営に欠かせない除草や除雪の作業を地元の農業法人に委託する。できるだけ多くの発電量を得られるように、地域全体で事業の推進体制を作る。

 同様の市民参加型の発電事業は、すでに風力では県内の3か所で始まっている(図4)。秋田市で2か所、大潟村の隣の潟上市で1か所、いずれも1.5MWの大型風車を使って電力を供給中だ。市民の出資をもとに風力発電事業を展開する「市民風力発電」という会社が建設から保守・運営までを請け負っている。現在までに北海道と東北を中心に12か所の風力発電所を稼働させた実績がある。

 特に秋田の場合は条件が不利な太陽光発電には民間企業が投資しにくいことから、(もし増やしたいとするならば)自治体や金融機関がサポートする形で市民の共同出資による発電プロジェクトを増やしていく必要がある。

 秋田県には潜在的な再生可能エネルギーが豊富に眠っている。バイオマスと地熱も未開拓の部分が多い。

 バイオマスに関しては2008年度からの5か年計画で、国や自治体が支援して2つの実証事業が行われた。1つは県内で大量に出る稲わらを再利用して、燃料になるバイオエタノールを製造するもの。もう1つは名産の秋田スギの間伐材や加工後の残材から、同様にバイオエタノールを製造する事業である(図5)。

 製造したバイオエタノールは自動車を使って走行実験も実施した。実験場所は大潟村にある次世代自動車の専用道路「大潟村ソーラースポーツライン」である。実は冒頭に紹介した大潟村の風力発電所は、このソーラースポーツラインに沿って建設する計画になっている。

 バイオエタノールの実証事業は2012年度に終了して、今後の展開については明らかになっていない。県内に豊富にあるバイオマスを活用できる有効な方法のひとつであるだけに、実用化に向けた新たな取り組みの開始が待たれるところだ。

 地熱に関しても温泉で有名な湯沢市で2010年度に実証実験が行われている。地熱発電の可能性を調査するために井戸を掘削して、地下から蒸気と熱水を噴出させ、その量や温泉への影響などを調査した(図6)。分析の結果、地熱発電の対象として有望な場所であるとの評価を得ることができた。

 湯沢市には東北電力が運営する29MWの大規模な地熱発電所が稼働中で、潜在力は十分に証明されている。新たに地熱発電所を建設するプロジェクトの検討はいくつか進んでいるが、具体的な計画の発表はまだである(山葵沢>>883>>869,小安>>680>>714>>587)。地熱は天候に左右されずに安定した発電量を得られるため、原子力に代わる電源として期待は大きい。

899とはずがたり:2014/04/13(日) 16:46:53

小水力が進んでいるのはとても良いことだヽ(´ー`)/

2012年10月30日 09時00分 更新
日本列島エネルギー改造計画(9)栃木:
小水力発電と太陽光で、農村が「スマートビレッジ」に変わる
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1210/30/news007.html

海に面していない栃木県は山と川が多く、イチゴの「とちおとめ」に代表されるように農業が盛んだ。農業用水路が整備されていて、水路を使った小水力発電は全国でも先進的である。さらに太陽光発電も取り入れて、農村を「スマートビレッジ」に変革するプロジェクトが始まっている。
[石田雅也,スマートジャパン]

 栃木県の取り組みでは何と言っても小水力発電が目を引く。発電量は全国で12番目の規模だが(図1)、小さな水路を使った発電方法の実用化では最も進んでいる。有名な導入事例が県北部の那須塩原市にある「百村第一発電所」だ。

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図1 栃木県の再生可能エネルギー供給量(2010年3月時点)。出典:千葉大学倉阪研究室と環境エネルギー政策研究所による「永続地帯2011年版報告書」

 この発電所は電気事業者のJ-POWERが中心になって8年前の2004年に設置したもので、水路に水車と発電機を取り付けて発電する「落差工(らくさこう)発電システム」(図2)の先駆けになった。最大の特徴は落差がわずか2メートルの水力を使って30kWも発電できる点にある。

 水力による発電量は、水の流量と落差に比例する。2メートル程度の落差でも流量が多ければ発電量も大きくなる。百村第一発電所の水路は最大で毎秒2.4立方メートルの農業用水が流れており、この自然エネルギーが常に電力に変換されるわけである。

 それでいて既存の水路に機器を取り付けるだけで済むため、工期が短く、運用の手間もかからない。実際には発電所という言葉とは程遠い小さな設備だ(図3)。農村に設置する発電設備としては手軽で適している。

 こうした用水路を使った小水力発電を中心に、再生可能エネルギーで農村を「スマートビレッジ」に変えるプロジェクトが2010年から始まった。「とちぎ中山間地域スマートビレッジ特区」と呼ばれるもので、農林水産省など4つの省庁が支援して、山間にある農村を活性化する狙いだ。

 国から特区の指定を受けると、小水力発電や太陽光発電の設備を導入する際の規制が通常の場合よりも緩和される。県内には耕作を放棄してしまった土地も多くあり、設置条件が緩和されることによって太陽光発電システムを導入しやすくなる。発電した電力は農作物の栽培に利用するほか、固定価格買取制度によって農家の新たな収入源としても期待できるようになった。

 栃木県は温暖化対策として2020年までにCO2排出量を1990年比で25%削減する目標を掲げており、そのためには再生可能エネルギーの増加が不可欠である。ただし現状の見通しでは目標の達成は難しい状況にあるため、今後の開発余地が最も大きい太陽光発電の普及にも力を入れていく(図4)。

 2020年には太陽光発電を2009年時点の15倍に増やして、小水力発電を大きく上回る規模に拡大させる方針だ。先行する小水力発電に加えて太陽光発電やバイオマスの導入規模が肩を並べた時に、栃木のスマートビレッジ構想は大きく進展する。

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図4 再生可能エネルギーの導入量の見通しと目標(単位:GJ/年)。出典:栃木県環境森林部

900とはずがたり:2014/04/13(日) 16:47:19
>>899-900
小水力に加えて栃木はメガソーラーのイメージも強いがバイオマスも行ける様だ。

2013年05月28日 09時00分 更新
エネルギー列島2013年版(9)栃木:
日本の真ん中で急増するメガソーラー、木質から汚泥までバイオマスも多彩
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1305/28/news007.html

栃木県でメガソーラーの建設が続々と始まっている。豊富な日射量を活用する「とちぎサンシャイン」プロジェクトが進行中で、60か所以上の候補地に発電事業者を誘致する。農林業や自治体を中心にバイオマスの導入にも取り組み、木質から糞尿・下水汚泥まで資源が広がってきた。
[石田雅也,スマートジャパン]

 那須や日光などの高原リゾートで知られる栃木県は地図で見ると日本のほぼ真ん中にある。山間部を流れる川を利用して、古くから水力発電が行われてきた。これから2020年に向けて、自然の力を最大限に生かした再生可能エネルギーの導入計画が進んでいく。その1つが「とちぎサンシャイン」プロジェクトである。

 県を挙げて取り組むプロジェクトを中核に、2020年度には太陽光発電を580MW(メガワット)まで拡大することを目指す。従来の計画では2020年度の導入量を183MWと見込んでいたが、これを3倍以上に増やす意欲的な目標だ。再生可能エネルギーの中でも太陽光発電の可能性が圧倒的に大きいことは県の調査で明らかになっている(図1)…

 太陽光発電が拡大する一方で、バイオマスを使った発電設備も着実に増えてきた。「サンシャイン」に続くのが「とちぎの水・バイオマス」プロジェクトである。栃木県は面積の約55%を森林が占めていて、特に西側の一帯に豊富な森林資源が存在する。宇都宮・鹿沼・佐野の3市を中心に木質バイオマスの可能性が広がっている(図4)。

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図4 栃木県の木質バイオマス利用可能量の分布。出典:栃木県環境森林部

 佐野市にある住友大阪セメントの栃木工場は木質バイオマスの先進的な事例だ。木質バイオマスだけを使った発電設備では国内でも最大級の25MWを発揮する。周辺地域から大量に出る建築用の廃材や森林の間伐材などを木質チップにして燃料に使う(図5)。

 このほかに酪農との連携による糞尿を利用したバイオマス発電も有望だ。酪農が盛んな那須高原では、乳牛の糞尿からバイオガスを発生させる実証実験に取り組んでいる(図6)。実験設備の発電規模は25kWと小さいものの、栃木県内で飼育する牛の数は全国でもトップクラスで、本格的に展開すれば相当な規模の発電量を期待できる。

 最近では栃木県が運営する下水処理場にもバイオガスによる発電設備が広がりつつある。県内には下水道の浄化センターが7か所ある。そのうちの1か所で下水の汚泥からメタンガスを発生させる設備の導入計画が進んでいる。

 2014年度中に運転を開始する予定で、発電能力は315kW、年間の発電量は250万kWhを見込む。一般家庭700世帯分の電力使用量に相当する。下水の汚泥を使った発電設備としては全国で初めて固定価格買取制度の対象に認定された。この発電事業が成功すれば、残る6か所の浄化センターにも同様の設備を導入していくことになるだろう。

 現在のところ栃木県の再生可能エネルギーは小水力発電が最も多い(図7)。今後は太陽光を中心にバイオマス、さらに地熱の可能性もある。北部の那須や日光には温泉が豊富にあり、開発する余地が大きく残っている。温泉を使った地熱発電が本格的に始まれば、栃木県の再生可能エネルギーは2020年以降も拡大が続く。

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図7 栃木県の再生可能エネルギー供給量。出典:千葉大学倉阪研究室、環境エネルギー政策研究所

901とはずがたり:2014/04/13(日) 17:18:01
バイオマスはただ放り込めばいいちう訳には行かず加工が必要で高いのか?

2014年04月10日 13時00分 更新
再生可能エネルギーの未来予測(6):
バイオマス発電: 使わずに捨てる資源から、800万世帯分の電力
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1404/10/news016.html

生物が日々作り出す資源の大半は、使われないまま廃棄されている。森林に残る木材から食品廃棄物まで、燃料に転換すれば800万世帯分の電力に生まれ変わる。生物由来の資源を活用するバイオマス発電は大都市と地方の両方で拡大を続け、火力発電を補完する安定した電力源の役割を担っていく。
[石田雅也,スマートジャパン]

第5回:「地熱発電:世界3位の資源量は4000万世帯分、6割が開発可能」

 電力や熱に転換できるバイオマス資源は多種多様だ。利用可能な量が多い代表的なバイオマス資源には、木材、農作物、家畜の排せつ物、食品廃棄物、下水処理で生じる汚泥、の5種類がある(図1)。

 どの物質も燃料に変えることができて、発電のほかに暖房や自動車などにも利用できる。石油や石炭といった化石燃料と違い、生物によって再生が可能なエネルギーだ。CO2(二酸化炭素)を吸収する植物が元になっていることから、地球温暖化対策の1つとして世界各国で導入量が拡大している。

 日本国内に限定しても、バイオマス資源は膨大な量がある。環境省の試算によると、未利用のバイオマス資源をすべて電力に転換できると、年間の発電量は281億kWhになる(図2)。これは一般家庭の電力使用量に換算して800万世帯分に相当する。従来は捨てられていた資源から、大量のエネルギーを作り出すことができるわけだ。

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図2 バイオマス資源のエネルギー利用可能量。出典:環境省

発電コストは地熱や火力の2〜3倍

 バイオマス発電の導入量は過去10年間に着実に伸びてきた(図3)。特に2012年7月に固定価格買取制度が始まってからは、太陽光に次いで導入量が増えている。買取制度の開始から1年半のあいだに運転を開始した設備の規模は12万kWに達した。これだけでも年間の発電量は20万世帯分を超える。このペースで増えていけば、800万世帯分の電力まで60年後に到達する。

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図3 再生可能エネルギーによる発電量(水力を含まず)。出典:NEDO(資源エネルギー庁の資料をもとに作成)

 バイオマス発電は再生可能エネルギーの中では設備利用率(発電能力に対する年間の発電量)が80%と最も高い。火力や地熱発電と同様に、年間を通して安定した電力を供給できるためだ。一方で大きな課題は燃料費にある。

 1kWhの電力を作るコストは太陽光の次に高くて20〜30円程度かかる(図4)。火力や地熱発電と比べると2〜3倍の水準だ。現在は買取価格が高く設定されていて、発電事業者にとっては不利にならない。ただし高い買取価格が将来も続くことは考えにくく、長期的に導入量を拡大するためには燃料費の削減が不可欠になる。

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図4 再生可能エネルギーとLNG火力の発電コスト比較。出典:NEDO(コスト等検証委員会の資料をもとに作成

902とはずがたり:2014/04/13(日) 17:18:38
>>901-902
石炭と混焼して発電コストを下げる

 バイオマス発電ではコストの半分以上を燃料費が占めるケースは珍しくない。林地の残材などを活用する木質バイオマスを例にとると、発電コストに占める燃料費の割合は63〜75%にも達する(図5)。発電設備の建設費が中心になる他の再生可能エネルギーとはコスト構造が大きく違う。

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図5 バイオマス発電のコスト。出典:NEDO(資源エネルギー庁の資料をもとに作成)

 木質バイオマスは流通量の拡大に伴って、調達や加工のコストは徐々に下がっていく見込みだ。とはいえ森林から供給できる木材の量にも限界があり、現在のコストから大幅に引き下げることは難しい。

 そこで1つの解決策として注目を集めているのが、価格の安い石炭と混焼する方法である。石炭火力発電では1kWhの電力を作るために必要な燃料費は4〜5円と安く、他のコストを含めても10円以下に収まる。石炭に木質バイオマスを加えて発電すれば、低いコストのままバイオマス資源を活用することが可能になる。

 現在のところ石炭に対して1〜3%程度の木質バイオマスを混合する方法が実用化されている。わずかな混合率でも木質バイオマスの使用量としてはかなり大きくなる。例えば中国電力が島根県の「三隅発電所」(出力100万kW)で実施している混焼発電では、林地の残材を加工したチップを燃料の石炭に2%だけ混合している。

 それでも年間に利用するチップは3万トンに及び、3200万kWhの電力を木質バイオマスから作り出している計算になる。一般家庭で9000世帯分の電力使用量に相当する規模だ。すでに全国の電力会社がバイオマス混焼発電に取り組んでいて、今後さらに導入する発電所の数は増えていく(図6)。

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図6 バイオマス混焼発電の実施状況。出典:電気事業連合会

「ごみ発電」で200万世帯分の電力

 木質以外のバイオマス資源も大量に残っている。特に発電に使いやすいのは食品廃棄物を主体にした生ごみだ。全国の自治体が焼却施設で生ごみを処理する時に、膨大な熱を発生する。その熱を発電に利用することができる。

 環境省の調査によると、2011年度には全国で1211カ所のごみ焼却施設が稼働していて、そのうち26%にあたる314カ所で発電設備を導入している。年間の発電量を合計すると75億kWhに達して、200万世帯分の電力使用量に相当する。今後さらに発電設備を導入する焼却施設が増えていくのは確実で、ごみの処理量に対する発電効率も上がっていく見通しだ。

 海外の状況を見ても、バイオマスエネルギーの大半は、生ごみを中心とする一般廃棄物から作られている(図7)。日本でも「ごみ発電」を拡大できる余地は大きい。かりに全国の焼却施設すべてに発電設備を導入できれば、それだけで現在の4倍にあたる800万世帯分の電力を供給できる可能性がある。

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図7 主要国のバイオマスエネルギー導入量。出典:NEDO(IEAの資料をもとに作成)

 バイオマス発電の資源は大都市にも地方にも豊富に存在する。都市部では廃棄物発電のほかに、下水処理の工程で発生する汚泥からガスを生成して発電する試みが全国に広がってきた。地方では家畜の糞尿からガスを発生させて、発電や熱源として利用するプロジェクトが各地で始まっている。

 資源をガス化してから燃料に利用するバイオマス発電の場合には、建設費と運転維持費の高さが課題だが、今のところ買取価格が39円と太陽光発電よりも高く設定されているために導入メリットは十分にある。その利点を生かして発電設備が拡大していけば、長期的に大幅なコストダウンも可能だろう。

 火力発電を補完する安定した電力の供給源として、さまざまな資源を活用できるバイオマス発電の有用性は大きい。新たな循環型のエコシステム(生態系)がバイオマス発電で全国に広がっていく。

903とはずがたり:2014/04/13(日) 20:49:52
>社名:川崎バイオマス発電
>出資者:住友共同電力・住友林業・フルハシEPO
>定格出力:33MW
>化石燃料を使わなくても、建築廃材由来の燃料が安定的に入手できる理由について…「近年の新築住宅の多くは建て替えのため、1棟を新築すると1棟分の廃材が出ることになります。セメント系の建物を除けば、川崎市は最も多くの建築廃材が排出される都市の1つです。よって、バイマオスの観点から見れば、川崎市はバイオマス発電の燃料が豊富に集積する魅力的な都市になります」

第17回 化石燃料を使わないバイオマス発電 [川崎バイオマス発電]
http://j-net21.smrj.go.jp/develop/energy/company/2012100401.html

川崎バイオマス発電(川崎市川崎区扇町)は、木質バイオマス燃料を利用してCO2フリー(地球上のCO2を増加させない)の発電をおこない、もっかフル稼働状態にある。

川崎バイオマス発電は、住友共同電力、住友林業、フルハシEPOの3社合弁で2008年4月に設立された発電会社だ。建築廃材などを細かくチップ状に破砕したバイオマス燃料を使って発電するバイオマス専焼発電所を川崎市扇町に建設し、2011年2月から電力を供給している。

川崎市は廃棄物系のバイマス燃料が豊富
同発電プラントの定格出力は3万3000kWで、バイオマス専焼発電では国内最大だ。一般家庭なら3万8000世帯分の電力消費を賄える。

発電された電力は、経産省認可の特定規模電気事業者(新電力)であるJX日鉱日石エネルギーおよび東京電力向けに販売している。

発電方式は、水を沸騰させて得た蒸気でタービンを回して電気を得るもので、基本的に石油、石炭、LNG(液化天然ガス)など化石燃料による火力発電や原子力発電とまったく同じ。相違点は燃料にあり、発電のための熱源を得る燃料が建築廃材などを細かくチップ状に破砕した木質バイオマス燃料であることだ。通常なら廃棄物として焼却処分される建築廃材を発電用の熱源として活かしている。

しかも燃料の全量がバイオマス由来のもので、通常運転中は化石燃料は使用していない。化石燃料を使わなくても、建築廃材由来の燃料が安定的に入手できる理由について、同社取締役総務経理部長の中井芳弘さんは説明する。

「近年の新築住宅の多くは建て替えのため、1棟を新築すると1棟分の廃材が出ることになります。セメント系の建物を除けば、川崎市は最も多くの建築廃材が排出される都市の1つです。よって、バイマオスの観点から見れば、川崎市はバイオマス発電の燃料が豊富に集積する魅力的な都市になります」

この発電プラントが使用する木材チップは年間18万トン。隣接立地するジャパンバイオエナジーがその3分の1に相当する6万トンを供給する。

川崎市近隣で発生する住宅解体時の柱や梁、使用済みパレット、不要になった木製家具などの木質系廃材がジャパンバイオエナジーの工場に持ち込まれる。それを同工場で分別、破砕し、長さ5cmほどのサイズにチップ化する。チップ化するのは燃焼効率を最適化するためだ。

ジャパンバイオエナジーでつくられたチップ燃料は、ベルトコンベアを介して川崎バイオマス発電所へと搬送される。

904とはずがたり:2014/04/13(日) 20:50:21
>>903-904
CO2フリーで環境にやさしい
前述のようにチップ燃料の3分の1はジャパンバイオエナジーから供給され、残りの3分の2は近隣のチップ製造会社から供給される。また、チップ燃料だけでなく、近隣の食品工場から受け入れる食品残渣物系のバイオマス燃料も一部使用している。

この川崎バイオマス発電所は、通常運転中は化石燃料をいっさい使わず燃料の全量をバイオマスとしていることでCO2フリー(ここでのCO2フリーは「カーボンニュートラル*」の概念に依る)を実現しているところが最大の特徴だが、さらに排煙脱硫装置(SOx排出量を3ppm以下まで低減する)、排煙脱硝装置(NOx排出量を30ppm以下まで低減する)、あるいは排ガス中の煤塵を除去するバグフィルターといった設備も導入して環境対策に万全を期している。

「地方のバイオマス発電所だと、ここまでハイスペックな環境設備は不要なところもあります。ご存じのように川崎市はかつて公害に苦しんだ歴史を持っています。現在でも多くの工場が操業し、車両の通行量も多いため、厳格な環境条例を設けています。それに対応するため、当然ながらそのコスト負担はありますが、燃料の安定確保という優位性に加え、従来は廃棄処分されていた廃材から電力を得るという社会的な使命も大きいのです。」(総務経理課・眞鍋義知さん)

建築廃材由来のものや食品残渣系などバイオマスを燃料として発電する川崎バイオマス発電は、発電後の燃焼灰についてもセメントの材料や土木用資材などに有効利用している。発電工程における燃料から燃焼灰まで有効に活用し、環境にやさしい発電を実践している。

*川崎バイオマス発電で利用する木質バイオマス燃料は、周辺地域で発生する建設廃材による木質チップ、樹木の間伐材、剪定枝等を利用する。これらの樹木は、成長過程で光合成により大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収して酸素(O2)を生産しながら、炭素(C)を体内に貯え、幹、枝などの樹体をつくっている。

植物由来の木質バイオマス燃料を発電所で燃焼させるとCO2が排出されるが、このCO2はもともと大気中から樹木が吸収していた炭素(C)が大気中に戻るだけなので、大気中のCO2濃度には影響を与えない(CO2は増加しない)という概念がカーボンニュートラル。

掲載日:2012年10月 4日

905とはずがたり:2014/04/13(日) 21:05:03

日本列島エネルギー改造計画(44)大分:
地熱発電で圧倒的な規模、再生可能エネルギーで日本の先頭を走る
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1303/14/news013.html

全国47都道府県の中で、大分県が再生可能エネルギーの導入量では堂々の第1位である。大規模な地熱発電所が3か所にあって、温泉水を利用した小規模な地熱発電も活発になってきた。九州の温暖な気候のもとメガソーラーの建設計画が続々と始まり、木質バイオマスの取り組みも進む。
[石田雅也,スマートジャパン]

 別府や由布院をはじめ、日本を代表する温泉が大分県に集まっている。県内に50以上ある市町村のうち、ほとんどの場所で温泉が出る。源泉数と湯量ともに日本一の「温泉県」だ。地下から湧き出てくる蒸気と熱水を使った地熱発電の本場でもある。

 これまで日本では環境保護の観点から地熱発電に対する規制が厳しく、特定の地域にしか建設が認められていなかった。そのうちのひとつが阿蘇山の東側一帯である。

 西の熊本県にまたがる「阿蘇くじゅう国立公園」の一角に、日本で最大の地熱発電所「八丁原(はっちょうばる)発電所」がある(図1)。大量の湯気を上げながら、11万kWという火力発電所に匹敵する電力を九州全域に供給している。

 この八丁原発電所では地熱発電の進化を見ることもできる。最近になって「温泉発電」にも使われるようになったバイナリー発電設備が2006年に日本で初めて営業運転を開始した。新たに地下に井戸を掘ることなく、特殊な装置を追加することで2000kWの発電能力を増やすことができる。

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図2 大分県の再生可能エネルギー供給量(2010年3月時点)。出典:千葉大学倉阪研究室と環境エネルギー政策研究所による「永続地帯2011年版報告書」

 従来の地熱発電では、地下からの蒸気と熱水のうち高温の蒸気だけを使って発電していた。これに対してバイナリー発電では、蒸気よりも低温の熱水を利用することができる。

 八丁原のバイナリー発電は地熱を2段階で活用した先進的な事例だ。同様のバイナリー発電設備は温泉水でも利用できるため、このところ旅館などで導入するケースが増えている。

 八丁原発電所の周辺には、九州電力が運営する地熱発電所がほかに2つある。3か所の発電能力を合わせると15万kWに達する。地熱発電の分野では圧倒的な規模で、他県の追随を許さない(図2)。

 地熱発電は民間にも広がっている。最も早くから取り組んだのが別府温泉の「杉乃井ホテル」で、1981年に発電設備を導入した(図3)。温泉の地熱を使って1900kWの発電能力がある。客室数が592もある大型のホテルで使用する電力を、真夏のピーク時でも3分の1まで供給することができる。

 県内には新しい温泉発電の技術を生み出したベンチャー企業もある。大分市のターボブレードという会社が考案した「湯けむり発電」だ。温泉井戸から汲み上げられる100〜140度の熱水で発電できる新型のタービンを開発した。発電した後の熱水は60〜80度になって温泉で再利用することができる(図4)。

 この湯けむり発電は大分県が主催するビジネスグランプリで2012年度の最優秀賞を獲得した。事業化の費用として900万円の補助金が支給される。湯けむり発電が県内はもとより全国各地の温泉に普及する日が待ち遠しい。

 大分県が再生可能エネルギーの導入量で全国ナンバーワンになったのは、自然環境に恵まれていることに加えて、官民の連携が成果を上げている。これまで導入事例が少なかったメガソーラーの建設も相次いで始まった。大分市の臨海工業地帯では、日本で最大級の81.5MW(メガワット)の太陽光発電所を建設するプロジェクトが進んでいる。

 さらに木質バイオマスの分野でも大規模な発電所が稼働中だ。12MWの発電能力がある「日田ウッドパワー」である(図5)。木質バイオマスだけを使った発電設備としては、神奈川県にある「川崎バイオマス発電」の33MWや、福島県にある「吾妻木質バイオマス発電所」の13.6MWに次ぐ規模になる。

 大分県が推進する「次世代エネルギーパーク構想」の地図を見ると、県内のほぼ全域に再生可能エネルギーの取り組みが広がっていることがわかる(図6)。

 風力発電でも11MWの発電能力がある「JEN玖珠ウインドファーム」が八丁原発電所から20キロメートルほど離れた山頂で動いている。

 あらゆる再生可能エネルギーの導入が今後も進んでいけば、大分県が国内ナンバーワンの地位をキープし続けることは難しくない。最大のライバルは同様に地熱発電の導入量が多い第2位の秋田県である。

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図6 大分県内の主な再生可能エネルギー施設。出典:大分県商工労働部

906とはずがたり:2014/04/13(日) 21:09:26

2014年02月04日 09時00分 更新
エネルギー列島2013年版(44)大分:
火山地帯で増え続ける地熱発電、別府湾岸には巨大メガソーラー群
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1402/04/news012.html

国内で最も多くの再生可能エネルギーを導入している大分県では、地熱発電を中心に小水力からバイオマスまで現在でも数多くのプロジェクトが進んでいる。新たな地熱発電の開発が温泉地で始まるのと並行して、沿岸部の工業地帯には巨大なメガソーラーが続々と誕生する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 自然環境を利用する再生可能エネルギーを発展させるためには、地域の特性に合わせた取り組みが何よりも重要だ。その点で大分県ほど成功している例はほかにない。阿蘇山に近い中西部の火山地帯で地熱発電所が数多く稼働する一方、周辺の森林地帯には小水力と木質バイオマスの発電設備が広がる(図1)。さらに東部の沿岸地域では太陽光発電設備の建設が活発に進んでいる。

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図1 大分県内の主な再生可能エネルギー発電設備(上)と地熱発電所(下)
出典:大分県商工労働部

 地熱発電所が集まる九重町(ここのえまち)には、大規模から小規模まで6つの発電所がある。発電能力を合計すると150MW(メガワット)を超える。年間の発電量は10億kWhに達して、一般家庭で30万世帯分の電力を供給できる規模になる。大分県全体の世帯数は48万であり、約3分の2の家庭をカバーできる電力量に匹敵する。

 今後も地熱発電の拡大は続いていく。九州電力グループが2015年3月の運転開始を目指して、5MWの地熱発電所の建設計画を推進中だ。年間の発電量は3000万kWhを見込んでいて、これだけで9000世帯分の電力を供給することができる。建設予定地は九重町の「菅原地区」で、一帯には豊富な温泉が湧き出る。

 この計画と並行して、近隣の地域でも開発プロジェクトが始まる。九重町の東側にある「平治岳(ひいじだけ)」の北部が実施対象である。一帯は国の調査によって地熱資源の存在が知られていたが、国立公園の特別地域に入っているために開発が規制されていた。2012年に環境省が規制を緩和したことで掘削調査が可能になった。

907とはずがたり:2014/04/13(日) 21:09:52
>>906-907
 九州電力が国の助成金を受けて2013年度中に地表調査を実施して、その後に本格的な掘削調査に入る。運転を開始できるまでの期間は発電規模にもよるが、通常は7〜10年程度を要する。2020年代の初めには、新しい地熱発電所が完成して大量の電力を供給できる見込みである。

 その一方では身近にある温泉水から電力を作り出す試みも進んできた。温泉地として有名な別府市を中心に、大分県内には温泉井戸が数多く分布している。井戸から噴出する温泉水を取り込んで、50kW程度の小規模な地熱発電を可能にするプロジェクトがある。「湯けむり発電」とも呼ばれ、別府市内で実証機が稼働中だ。

 温泉水を利用した発電設備としては、100度以下の熱水に適用できるバイナリー発電方式を採用するのが一般的である。これに対して湯けむり発電は100〜150度の高温の熱水を利用して、より簡便な仕組みで低コストに発電することができる。発電設備を導入してから3年程度で投資回収が可能になり、大分県も支援して地元の温泉旅館などに広める計画を推進する。

 湯けむり発電では既存の温泉井戸から湧き出る熱水で発電して、その後に温泉設備に給湯する方式をとる。このため貴重な温泉資源を枯渇させてしまう心配がなく、温泉事業者の理解を得やすい。現在のところ別府市内だけで50カ所程度に導入できる見通しが立っている。

 地熱発電で日本一の発電量を拡大しながら、太陽光発電の導入量も急速に増えていく。別府湾岸に広がる「大分臨海工業地帯」は国内有数の石油化学コンビナートだが、産業の構造転換によって遊休地が数多く残ってしまった。湾岸で平坦な埋立地の利点を生かして、新たに太陽光発電の集積地に生まれ変わろうとしている(図5)。

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図5 「大分臨海工業地帯」のメガソーラー計画(画像をクリックすると拡大)。出典:大分県商工労働部
 すでに巨大なメガソーラーの建設プロジェクトが3カ所で進んでいて、そのうち2カ所は運転を開始した。最初に稼働したのは「日産グリーンエナジーファームイン大分」で、プラントメーカーの日揮が日産自動車の所有地を借りて建設・運営する。

 別府湾に面した35万平方メートルの広大な敷地に、11万枚の太陽光パネルを設置した。2013年5月に運転を開始して、発電能力は26.5MWに達する。年間に9000世帯分の電力を供給できる見込みだ。

 続いて三井造船と三井不動産が同じ工業地帯の一角に17MWのメガソーラーを2013年12月に稼働させたほか、丸紅が国内で最大規模の81.5MWの設備を2014年4月に完成させる予定である。3カ所を合計すると125MWの発電能力になり、4万世帯以上に電力を供給できる太陽光発電の一大拠点になる。

 大分県の再生可能エネルギーの導入量は地熱発電が圧倒的に多く、地熱利用の設備と合わせれば全体の7割を占めている(図7)。太陽光発電の規模は10分の1にも満たないが、これから一気に増えていくことは確実だ。

 県内には森林資源も豊富にあり、木質バイオマスを利用した発電プロジェクトが各地に広がり始めた。再生可能エネルギーで国内ナンバー1の地位は、当分のあいだ揺らぐことはないだろう。

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図7 大分県の再生可能エネルギー供給量。出典:千葉大学倉阪研究室、環境エネルギー政策研究所

908とはずがたり:2014/04/13(日) 21:44:58
>>864>>906
規模小さい印象のバイナリ発電を使って,僅か1年後には安定出力の地熱で出力5MWが出来るのはなかなか凄いじゃあないか♪

2013年11月25日 09時00分 更新
自然エネルギー:
大分と熊本の県境に地熱発電所、5MWで2015年に運転開始
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1311/25/news018.html

日本最大の地熱発電所の近くに、新しい地熱発電所を建設することが決まった。九州電力グループが「阿蘇くじゅう国立公園」に隣接する地域で計画しているもので、事前調査を終えて地元の自治体と基本協定を締結した。2014年3月に着工して、2015年3月に運転を開始する予定だ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 九州電力は大規模な地熱発電所を5カ所で運営していて、そのうち3つは大分県の九重町に集中している。同じ町内に中規模の地熱発電所を新設するために、11月22日に九重町とのあいだで基本協定を締結した。建設場所は「玖珠富士(くすふじ)」の別名で知られる「湧蓋山(わいたさん)」のふもとの菅原地区である。

 菅原地区には九重町が所有する3本の地熱井があり、その設備を活用する。3本のうち2本は地下から蒸気をくみ上げるための蒸気井で、残りの1本は地下に水を戻すための還元井になる。

 発電方法は温度が低い地熱にも適用できる「バイナリー発電」である。バイナリー発電は沸点の低い媒体を使って低温の熱でも蒸気を発生させて、発電用のタービンを回すことができる。媒体にはペンタン(沸点36度)を使う。

 九州電力の100%子会社である「西日本環境エネルギー」が2014年3月に工事を開始して、1年後の2015年3月に発電を開始する予定だ。発電能力は5MW(メガワット)を計画している。地熱発電の設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は70%程度と高く、年間の発電量は約3000万kWhになると想定される。一般家庭で9000世帯分の使用量に相当する。

 菅原地区は熊本県との県境にあって、「阿蘇くじゅう国立公園」に隣接する。南に10キロメートルの場所には、日本最大の地熱発電所「八丁原(はっちょうばる)発電所」(110MW)が稼働中だ。一帯には温泉が多く湧き出ていて、長期にわたって地熱発電が可能なことを事前調査でも確認した。

 九州電力は八丁原発電所の構内でバイナリー発電を実施しているほか、鹿児島県の「山川発電所」でもバイナリー発電設備の導入計画を進めている。さらに他の地域にも展開する方針で、九州に数多く点在する離島に導入することも検討中である。

909とはずがたり:2014/04/13(日) 21:46:25
やはり国内最大なんだな。

九電が大分に地熱発電所新設 国内最大の「バイナリー発電所」に
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131122/biz13112212530006-n1.htm
2013.11.22 12:51

 九州電力は22日、大分県九重町菅原に出力約5千キロワットの地熱発電所を新設すると発表した。2014年3月に着工し、15年3月に稼働する。九電が地熱発電を新たな場所で始めるのは1996年以来。

 九州電力の瓜生道明社長は、九重町との協定書調印のため大分県庁を訪れ「自治体と民間が協力して地熱発電事業をするのは全国で初めて。全面的に技術サポートをしていきたい」と話した。

 九重町によると、水より沸点が低い液体を地熱で加熱、蒸気としてタービンを回す「バイナリー発電」方式を採用。80年代に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が掘削し、03年に町に無償で譲渡した地熱井3本を使用する。発電所設備は新たに造る。最大出力は約5千キロワットを想定しており、バイナリー方式の発電所としては国内で最大規模になる。

910とはずがたり:2014/04/13(日) 21:48:59
>>908-910

九電プレスリリース
大分県九重町における地熱発電事業の実施について
http://www.kyuden.co.jp/press_h131122-1.html
平成25年11月22日
九重町
西日本環境エネルギー株式会社
九州電力株式会社

 九重町(町長:坂本和昭)と九州電力株式会社(本社:福岡市中央区、社長:瓜生道明)は、町が菅原地区に所有する地熱井の有効活用策を検討するため、噴出試験等の調査、及び周辺温泉等への影響調査を実施してきました。
 その結果、長期にわたって安定した発電が可能な地熱資源が確認できたこと、噴出による周辺温泉等への影響も認められなかったことから、地熱発電事業を実施することになりました。

 これに伴い、本日、九重町、九州電力株式会社及び西日本環境エネルギー株式会社(本社:福岡市中央区、社長:松尾 武)は、広瀬勝貞大分県知事立会のもと、「菅原地区における地熱発電事業に関する基本協定」を締結しましたのでお知らせします。

 本事業の実施にあたっては、九重町が地熱資源(蒸気・熱水)を提供し、西日本環境エネルギー株式会社が発電所の建設、運営と地熱資源の管理等を行い、九州電力株式会社がこれまでの調査実績を踏まえ、技術支援するものです。

 九重町は、町の特徴でもある恵まれた自然環境を大切にし、今後も地域活性につながる施策を進めてまいります。
 九州電力グループとしては、国産エネルギー有効活用、並びに地球温暖化対策として優れた電源となる地熱資源について、積極的な開発、導入を推進してまいります。

以上

別紙
http://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0042/0935/2l7hw04n.pdf

911とはずがたり:2014/04/13(日) 21:54:04
>>129
>小浜温泉は1日に1万5000トンの豊富な温泉水が湧き出す恵まれた場所だが、このうち70%の温泉水は利用されないまま海に流されていると

小浜温泉・0.18MW

2012年10月15日 09時00分 更新
自然エネルギー:
未利用の温泉水で発電、地元の反対を乗り越えて開始へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1210/15/news010.html

地熱を利用した「温泉発電」に注目が集まっているが、源泉が枯渇してしまうのではないかとの不安から実現に至らないケースが多くある。長崎県の小浜温泉では利用しないまま海に流している温泉水を生かす方法により、地元の温泉事業者が主体になって発電事業を開始する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 長崎県の島原半島にある小浜温泉(雲仙市)は海に面した古くからの湯治場で、100度を超える高温の温泉水が出るのが特徴だ。この温泉水を使った発電事業が紆余曲折を経て実現する。温泉事業者が中心になって設立した社団法人が発電システムを3台導入することが決まり、合計180kWの出力規模で2013年2月から事業を開始する予定である。

 小浜温泉は1日に1万5000トンの豊富な温泉水が湧き出す恵まれた場所だが、このうち70%の温泉水は利用されないまま海に流されているという。この未利用の温泉水を使って、100度前後の低い熱でも発電が可能なバイナリー発電システムを稼働させる。バイナリー発電は沸点の低い媒体を蒸発させてタービンを回転させる発電方式で、地熱の中でも温度が低い温泉水による発電に向いている。

 導入するバイナリー発電システムは1台あたり60kWの発電能力がある(図1)。同じシステムは大分県の由布院温泉の旅館にも設置中で、今年末に稼働を開始する予定になっている。価格は1台で2500万円である。

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度では、小規模な地熱発電(1万5000kW未満)は1kWhあたり42円と太陽光発電と同じレベルに高く設定されている。小浜温泉が導入したシステムは1台あたり年間に25万kWh程度の発電が可能で、約1000万円の売電収入が見込める。工事費を含めても短期間に採算がとれる可能性は大きい。

 かつて小浜温泉は2004年〜2005年にかけて、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による地熱開発促進プロジェクトが進められたものの、地元の反対で中止した経緯がある。発電用に新たに温泉を掘り出すことで、源泉の枯渇が懸念されたためだ。

 その後、長崎大学が中心になって未利用の温泉水を活用した発電プロジェクトの検討が始まり、2011年5月に地元の温泉事業者が自治体などのバックアップによって一般社団法人「小浜温泉エネルギー」を設立して、ようやく実現にこぎつけた。

 環境省の実証実験の1つにも位置づけられており、温泉への影響や事業化の可能性などを2013年度まで検証する。全国の温泉発電のモデルケースになる期待がかけられている。

912とはずがたり:2014/04/13(日) 21:56:11

九重町菅原地区>>908-910の5MWには敵わないけど小浜の0.18は遙かに凌駕する1.5MW

指宿温泉・新日本科学・1.5MW・900万kWh

2013年02月21日 13時00分 更新
自然エネルギー:
鹿児島県指宿市でMW級の温泉発電施設の建設開始
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1302/21/news026.html

温泉発電といえば、設備利用率が高く発電効率は良いが、出力が100kW程度の小規模なものが多い。鹿児島県指宿市で医療関連施設を運営する新日本科学は、この施設の敷地内で出力1.5MWの温泉発電設備の建設を始めた。
[笹田仁,スマートジャパン]

 温泉発電設備の建設予定地は、新日本科学が指宿市で運営している医療関連施設「メディポリス指宿」の敷地内。

 建設を受注したJFEエンジニアリングによると、建設は間もなく始まる。稼働開始は2014年の秋を予定している。世界各地で採用実績がある米オーマット・テクノロジーズ社の設備を導入する(図1)。

 建設する設備の最大出力は1.5MWで、年間発電量はおよそ900万kWhと見込んでいる。設備利用率を計算すると約68.5%に達する。この設備は出力1万5000kW未満の地熱発電設備という扱いになり、1kWh当たり42円という高い価格で売電できる。今回建設する設備でも固定価格買取制度を利用する予定だ。

 設備利用率も売電価格も高い温泉発電は、建設で多少多めに費用がかかっても、稼働を始めれば大量の電力を安定して作ってくれる。すべて売電すれば、初期コストも短期間で取り戻せるだろう。

913とはずがたり:2014/04/14(月) 16:35:30
小水力を中心に治水・利水スレに移行したいと思ってるんだけど温泉発電系は温泉スレかなぁとなると石炭火力は石炭・亜炭スレが良いかもとなると収拾つかなくなるなぁ。。(;´Д`)

別府温泉・コスモテック・0.5MW・277万kWh・5〜6億円・8年

2014年02月05日 09時00分 更新
自然エネルギー:
宇宙産業の会社が温泉発電、未利用の放出蒸気で500kW
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1402/05/news019.html

大型ロケットの打ち上げに使われる宇宙関連設備の維持管理を主力事業にする会社が、新たに大分県の別府市で温泉発電を開始する。未利用のまま大気に放出される温泉の蒸気を活用して電力を作る。年間に1億円強の売電収入によって初期投資を8年程度で回収できる見通しだ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 宇宙関連設備会社のコスモテックは1975年に創業して、主に大型ロケットの打ち上げ場がある鹿児島県の種子島を拠点に事業を展開している。打ち上げに必要な高圧ガスの技術や電気・空調設備の運用ノウハウなどを生かして、地熱発電を中心に再生可能エネルギー事業にも取り組む。

 温泉が豊富に湧き出る大分県の別府市内に、4基の発電機で構成する設備を建設する計画だ(図1)。導入する発電設備は米国アクセスエナジー社の小型バイナリー発電システムで、1基あたり125kWの発電能力がある。4基の合計で500kWになり、このうち400kWを九州電力に売電する。すでに九州電力の送配電ネットワークに接続するための連系協議を済ませた。

 年間の発電量は277万kWhを見込んでいて、一般家庭で約800世帯分の使用量に相当する。現在の固定価格買取制度では小規模の地熱発電(出力1.5万kW未満)の買取価格は1kWhあたり40円(税抜き)に設定されていることから、年間の売電収入は1億1000万円程度になる。コスモテックは初期投資額を5〜6億円と想定して、8年程度で回収する見通しを立てている。

 発電設備の工事は2014年6月までに開始して、約1年後の2015年7月から運転を開始する予定だ。別府市で住宅などに温泉水を供給する「瀬戸内自然エナジー」から蒸気の供給を受ける。蒸気の温度は130度弱になる。

 温泉の地熱を利用した発電設備では、低温の熱を使って電力を作り出すバイナリー発電方式が一般的だ。コスモテックが導入するバイナリー発電システムは121度以上の熱で発電できる仕組みになっている(図2)。

914とはずがたり:2014/04/14(月) 16:56:42
>>741 >>833-835 >>905

株式会社日田ウッドパワー 日田発電所
高い発電効率を実現
地域に根ざした木質燃焼発電所
http://www.kyushu.meti.go.jp/report/0903_cool/16.pdf
Cool Q No.16 クール九州プロジェクト

木から電気へ

 株式会社日田ウッドパワーは、建築廃材や森林系の土木残材など、地元の木質バイオマスを活用した電力供給事業を平成 18 年から実施している。
 同社は、木質バイオマスの持つエネルギーを最大限に引き出すため、循環流動床ボイラーを用いた「汽力発電」を採用している。その結果、木質バイオマス専焼発電所としては高い水準の発電効率約 27% を達成し、RPS
法に基づく設備に認定されている。なお、電力は所内で使用する分を除き、全量が売電されている。
 また、発電の際に生じる焼却灰は、セメント原料等のリサイクルマテリアルとして、循環型社会の形成や地球温暖化防止について、多方面から取り組みを進めている。

樹皮の利活用で地元貢献を

 国内有数の木材産地ということもあり、日田の原木市場や製材所からは、スギ等の“樹皮”が多量に発生するため、処理や有効活用が課題となっている。
 樹皮を発電施設で利用するには、燃料搬送設備における詰まり・絡まりの解決が必須であったが、同社は地元への貢献として、この樹皮の利活用にも積極的に取り組んでおり、木質チップを供給する株式会社九州ウッドマテリアルと共に、樹皮の切断サイズや搬送方法の検討を重ねてきた。本取り組みは、既に実用段階に至っており、同社は近く受け入れを開始できる体制を整えている。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/0903_cool_16.jpg

915とはずがたり:2014/04/14(月) 17:09:42
>>741

2013年09月10日 13時00分 更新
自然エネルギー:
7年間の実績をもとに建設、木質100%のバイオマス発電所
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1309/10/news022.html

大分県で地域の森林資源を活用した大規模なバイオマス発電所の建設計画が決まった。出力は18MW(メガワット)を発揮して、一般家庭で3万世帯以上の電力を供給する能力がある。7年前から稼働している木質バイオマス発電所の実績をもとに、設備に改良を加えて発電効率を高める。
[石田雅也,スマートジャパン]

 新たにバイオマス発電所を建設する場所は大分県の南部にある豊後大野市(ぶんごおおのし)である。山間部の多い「豊肥(ほうひ)地域」にあって、農業と林業が盛んなところだ(図1)。周辺地域を含めて豊富にある森林資源をバイオマス発電に生かす。

 発電所を建設・運営するのは東京に本社がある「ファーストエスコ」で、7年前の2006年から福島県の白河市と大分県の日田市で木質バイオマス発電所>>914を稼働させている(図2)。いずれも林業や製材業で発生する未利用材を木質チップにして燃料に使う発電設備である。

 豊後大野市に建設するバイオマス発電所も同様に木質チップだけを利用するが、2つの発電所の実績をもとに設備に大幅な改良を加えて発電効率を高める方針だ。出力は18MW(メガワット)を予定していて、白河の11.5MW、日田の12MWと比べて約1.5倍の規模になる。

 1年のうち330日間にわたって24時間稼働させることによって、年間の発電量は1億2000万kWhに達する見込みだ。一般家庭で3万4000世帯分の電力使用量に相当する。年間に使用する木質バイオマスの量は21万トンにのぼる。

 2013年10月から建設を開始して、2015年に発電を開始する計画である。総事業費は65億円を想定している。発電した電力をすべて電力会社に売電すると、1kWhあたり32円の買取価格で年間に約38億円の収入になる。未利用材の購入費と土地の使用料、さらに発電設備の運転維持費を差し引いた分が利益になる。

ファーストエスコ、大分県で木質バイオマス発電開発へ 国内林業に貢献
http://www.kankyo-business.jp/news/005690.php
2013年9月 9日掲載ツイート
ファーストエスコ(東京都)は、大分県豊後大野市に100%木質バイオマスを燃料とする発電所「大分第2木質バイオマス発電所(仮)」を開発すると発表した。同発電所の出力は1万8,000kW、年間発電量は12万MWh、年間燃料使用量は21万トン。現在、同市の協力のもとに用地の取得を進めており、今年10月を目処に開発を開始。竣工、事業開始は2015年を予定している。

大分県は日本でも有数の森林県で、同事業では県中南部を中心とした豊富な森林資源の利活用を見込んでいる。また、大分県は森林利用の促進や林業の振興を推進しており、将来的に森林、製材系のバイオマス燃料の生産が増加していくことが期待される。同社グループでは、こうした資源を有効活用することを目的とした事業計画を大分県に提出し、今回、同事業への支援決定の通知を受け、事業を推進することを決定した。

バイオマス発電は、再生可能エネルギーの中で唯一燃料を使用し、これを外部から購入しなければならないため、木質バイオマス発電所は「電気の供給者」と「木質燃料の購入者」という2つの役割を持っている。同社は、今回の事業決定にあたり、県中南部を中心とした周辺地域の森林系、製材系木質燃料生産者と将来に渡る材の生産や供給について検討した結果、バイオマス発電所の新設は、地域の林業、製材業の振興に資するものとの確信に至った。

同社グループは、大分県日田市、福島県白河市で約7年にわたり木質バイオマス発電所を継続稼働させている。日田市の「日田ウッドパワー」発電所(出力1万2,000kW)は、今年3月に固定価格買取制度の設備認定を受け、大分県を中心とする周辺地域の未利用林地残材などの森林由来燃料や製材端材などの一般木燃料を積極的に購入し事業を進めている。

同社は、これまで培った経験と技術をいかし、既存の設備に対して大幅な修正を行い、日本の森林系燃料により適した発電設備を設計、建設する予定。県中南部の森林、製材系資源を主たる燃料として、同社グループの木質バイオマス発電技術をいかし、地域に根ざした自然エネルギー循環型モデルの構築を目指す。

916とはずがたり:2014/04/14(月) 17:14:06
>>915-916

豊後大野市 木質バイオマス発電所事業について
http://www.fesco.co.jp/news/ir/pdf/35688.pdf
平成25年9月5日
(株)ファーストエコ

917とはずがたり:2014/04/14(月) 17:19:31
13年11月発電開始
5.7MW発電・5.0MW売電

西日本シティ銀行など3行、九州地区第1号の木質バイオマス発電所に融資
http://www.kankyo-business.jp/news/006218.php
2013年11月12日掲載ツイート

西日本シティ銀行と日本政策金融公庫、豊和銀行は、グリーン発電大分(大分県日田市)が行う木質バイオマス発電事業に必要な設備資金および運転資金に対して、協調して支援を行う。

グリーン発電大分は、間伐材など未利用材を活用した木質バイオマス発電所を大分県日田市天瀬町に建設し、11月より稼動する予定。本発電所は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)制定後に新たに建設される未利用木材中心のバイオマス発電設備としては九州地区第1号で、全国でも2例目。

グリーン発電大分、木質チップ利用のバイオマス発電所稼働
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520131119hhaj.html
掲載日 2013年11月19日

 【大分】グリーン発電大分(大分県日田市、森山政美社長、0973・28・5112)は、同市に木質バイオマス発電所「天瀬発電所=写真」を完成、操業を始めた。発電出力は5700キロワット。発電所内で使う電気を除いた5000キロワットを特定規模電気事業者(PPS)のエネット(東京都港区)に売電する。総投資額は約21億円。年間売電収入は約10億円を見込む。

大分バイオマス発電所
 天瀬発電所の敷地面積は約2万7000平方メートル。燃料は同市周辺の山林に放置されている間伐材などの森林未利用材を木質チップに加工して燃焼、蒸気タービンを回して発電する。燃料は木質燃料を生産する日本フォレスト(大分県日田市)から調達する。
 グリーン発電大分は日本フォレストの関連会社。天瀬発電所は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)制定後、新設の未利用材を使った木質バイオマス発電所としては九州で初めて。

918とはずがたり:2014/04/14(月) 17:26:26

青森県津軽で森林間伐材を原料とする木質バイオマス発電事業
http://www.kankyo-business.jp/news/004419.php
2013年3月15日

タケエイ(東京都)は、青森県津軽地方において、森林の間伐材等を原料とする木質バイオマス発電事業に参入すると発表した。これにより雇用創出による地元の活性化、エネルギーの補完、林業の活性化など地域への波及効果も見込まれる。

同事業の発電量は6,250kW(一般家庭約1万4,000世帯の年間消費電力量に相当)。平成27年度に売電を開始し、開業2年目には年間13億円程度の売上を目指す。

同社グループは、廃棄物処理・リサイクル事業、再生資源エネルギー事業を積極的に推進している。再生可能エネルギーの固定価格買取制度の開始を受け、これまでの原料供給サイドとしての経験を活かし、発電事業についてもさまざまな視点から事業化の検討を重ねきた。

919とはずがたり:2014/04/14(月) 17:36:45
>>918

バイオマス発電事業参入に関するお知らせ
http://ir.takeei.co.jp/html/pdf/prs20130313a.pdf
平成 25 年 3 月 13 日
会社名 株式会社タケエイ

当社は、平成 25 年3月 13 日開催の取締役会において、青森県津軽地方における森林の間伐
材等を原料とする木質バイオマス発電事業に参入することについて決議いたしましたので、以
下のとおりお知らせいたします。



1. 事業参入の背景・理由

当社グループは、環境事業に関する様々な分野の中で、廃棄物処理・リサイクル事業とともに、これからの日本において重要な役割を担うであろう再生資源エネルギー事業分野についても、積極的に推進していくことを経営の柱として検討してまいりました。平成16年には、建設廃棄物の処理過程で大量に発生する廃木材をチップ化し、バイオマス発電の原料として供給する事業に取り組む等、再生エネルギー事業については、昨年7月の固定価格買取制度スタート以前から深く関与してまいりました。

そうした中、昨年、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まったことを受け、これまでの原料供給サイドとしての経験を活かし、発電事業についても多様な視点から事業化についての検討を重ねてまいりました。また、当社では、青森県平川市に本社を置く環境保全株式会社の子会社化や、東北地区での災害廃棄物処理事業に関わる中で、これから本格的になる復興事業も含めて、東北の地域に根を下ろした事業展開を考えるに至りました。

一方で、青森県津軽地方を中心とする自治体及び農林業に携わる多くの民間事業者は、津軽地方の豊かな森林から発生する大量の間伐材や、日本一の生産量を誇る県内でのりんごの栽培過程において大量発生する剪定枝を有効活用し、かつ地域の活性化につながるような新規事業について以前から検討を続けており、「津軽新エネルギー事業研究会」を立ち上げ、その一環としてバイオマス発電事業化の可能性についても多方面から調査してまいりました。

こうした背景から、本事業の直接の地元である青森県平川市並びに周辺自治体さらには青森県などの地元自治体と、加えて原料供給を一手に担う地元農林業団体などのバックアップの下、当社は「株式会社津軽バイオマスエナジー」を設立し、青森県津軽地方において木質バイオマス発電事業に参入することといたしました。

本事業は、当社にとりまして、これまでの中心事業である廃棄物処理・リサイクル事業から、さらにその領域を拡げ資源エネルギー分野に向けた戦略的事業への端緒となります。地域の活性化、雇用の創出、地域エネルギーの補完(地産地消型エネルギー)、そして新エネルギー分野への進出さらにはCO2削減など、地域・自然環境全般に貢献してまいりたいと存じます。

920とはずがたり:2014/04/14(月) 17:37:12
>>919-920
2. バイオマス発電事業スキームについて

木質バイオマス発電において原料となる間伐材等の木材供給については、「津軽新エネルギー事業研究会」会員の森林事業者が担当します。森林事業者により切り出された木材は、新設する木材加工事業者「津軽バイオチップ株式会社(仮称)」が加工し、これを原料として「株式会社津軽バイオマスエナジー」が発電し、売電を行ないます。
原料については、20年に渡り、間伐材等の未利用木材の供給を受けます。これにより材料供給の大半を確保しますが、別途生育過程で大量に発生するりんごの剪定枝も利用します。
事業化にあたっては、地域の活性化及び雇用創出に関わる助成金等の申請も検討してまいります。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/prs20130313a.jpg

3. 売電開始時期 及び 事業規模について

(1) 運転時間 24時間/日
(2) 年間運転日数 340日/年
(3) 発電量 6,250kW(一般家庭 約14,000世帯の年間消費電力量に相当)
※一般家庭 300kWh/月 として試算した場合
※参考:青森県平川市の世帯数 11,478世帯(2013年2月末現在、平川市HPより)
(4) 売電方法 固定価格買取制度(FIT)による電力会社との直接契約、もしくは特定規模電気事業者(PPS)との買取契約を予定しています。
(5) 売電開始 2年後(平成27年度)を予定しています。
(6) 総事業費 20〜30億円
(7) その他 ・本事業スタートにより、雇用の創出による地元の活性化・エネルギーの補完、林業の活性化等、地域への波及効果が見込まれます。
・年間1.7万トンのCO2削減効果が見込まれ、地球温暖化の一因とされるCO2削減にも寄与します。

4. 株式会社津軽バイオマスエナジーの概要

(1) 名称 株式会社津軽バイオマスエナジー
(2) 所在地 青森県平川市松崎西田41-10
(3) 代表者 大山清悦(環境保全株式会社 代表取締役社長)
※本社:青森県平川市、事業内容:環境分析事業(当社100%子会社)
(4) 事業内容 木質バイオマス発電事業
(5) 資本金 100万円
(今後、当社及び子会社の環境保全株式会社 両社で80%、平川市・津軽バイオチップ株式会社(仮称)を含むパートナー企業等が出資し、3億円とする予定)
(6) 設立 平成25年4月1日(予定)

5. 今後の見通し

本事業は平成27年度の稼働を予定しており、開業2年目には年間13億円程度の売上を見込んでおります。

以上

921とはずがたり:2014/04/14(月) 17:43:18
>>640に特に追加情報はないけど。。

>未利用木材等の木質バイオマス燃料を使用。発電能力は約25MW、年間売電量は約154GWh、2015年11月に発電開始予定。

中越パルプ工業、鹿児島県でバイオマス燃料・太陽光発電事業を開始
http://www.kankyo-business.jp/news/004632.php
2013年4月15日掲載

中越パルプ工業は、鹿児島県薩摩川内市の同社川内工場内にバイオマス燃料発電設備、同市内に唐浜メガソーラー発電所を設置し、発電事業を開始すると発表した。

バイオマス燃料発電設備では、未利用木材等の木質バイオマス燃料を使用。発電能力は約25MW、年間売電量は約154GWh、2015年11月に発電開始予定。メガソーラーは遊休社有地に太陽光発電設備を設置。発電能力は1,810kW、年間想定発電量は1,900MWh。2013年8月に発電開始予定。

922とはずがたり:2014/04/14(月) 17:51:37
>>838と比べて追加情報はBPSの社名ぐらいか

大阪市の下水処理場、下水汚泥を固形燃料に 西日本最大規模
2014年4月 2日
http://www.kankyo-business.jp/news/007405.php

月島機械、電源開発(Jパワー)およびバイオコールプラントサービス(BPS)は、大阪市平野下水処理場構内において、共同で進めてきた西日本最大となる「汚泥固形燃料化事業」の施設が完成し、4月1日より運営を開始したと発表した。

本事業は、下水汚泥から燃料化物を製造し、石炭の代替燃料として全量有効利用することで、下水汚泥の資源化促進と温室効果ガスの削減による地球温暖化防止に貢献することを目的としている。

923とはずがたり:2014/04/14(月) 17:57:35
ナカバヤシ
http://www.nakabayashi.co.jp/company/network/index.html
http://www.nakabayashi.co.jp/company/profile/history.html

>間伐材や未利用木材など島根県内産を中心とした国産木材チップを使用。出力は約6,250kW、年間発電量は約4,342万kWh
>2014年春に着工し、2015年4月に稼働予定。

ナカバヤシ、島根県の間伐材を活用した木質バイオマス発電事業を開始
http://www.kankyo-business.jp/news/004628.php
2013年4月15日

ナカバヤシ(大阪市)は、製造事業所を有する島根県に新会社 松江バイオマス発電を設立し、木質バイオマス発電事業へ参入すると発表した。

発電材料には、間伐材や未利用木材など島根県内産を中心とした国産木材チップを使用。出力は約6,250kW、年間発電量は約4,342万kWh(一般家庭約12,000世帯分の年間使用電力に相当)。固定価格買取制度を利用して、全量電力会社へ売電する予定。2014年春に着工し、2015年4月に稼働予定。

924とはずがたり:2014/04/14(月) 18:55:52

白河ウッドパワーの株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ
http://www.fesco.co.jp/news/ir/pdf/35420.pdf
平成25年7月18日
(株)ファーストエコ

このたび,日本テクノ株式会社の了解を得て,当社が(日本テクノより同社の保有する)白河ウッドパワーの株式50%を譲り受けることとなりました。これにより,日本テクノ株式会社と当社グループの役割分担としては,当社が木質バイオマスによる発電事業およびその関連事業を行い,日本テクノ株式会社は従来型の高効率電源の運営と,これらの電気を基にした電力供給を担う形となります。

925とはずがたり:2014/04/14(月) 19:56:36
>>723

定格出力:49MW
稼働開始:2015.12予定
燃料:パーム椰子殻(PKS)・木質ペレット

川崎で国内最大級バイオマス発電プラントを受注
〜昭和シェル石油製油所跡地に循環流動層ボイラを建設
http://www.jfe-eng.co.jp/news/2013/20131007113555.html
2013年10月7日
JFEエンジニアリング株式会社
 
 JFEエンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岸本純幸)は、昭和シェル石油株式会社(本社:東京都港区、代表取締役グループCEO:香藤繁常)より、国内最大級のバイオマス発電プラントのEPC(設計・調達・建設)業務を受注しましたので、お知らせします。

 当社が受注したのは、昭和シェル石油が川崎市川崎区扇町の製油所跡地で新たに計画しているバイオマス発電プラントです。このプラントは木質ペレット※1やパームヤシ殻(Palm Kernel Shell, PKS)※2を燃料として発電を行うもので、発電規模は49MW、年間発電量は約300,000MWh(一般家庭の約83,000世帯の年間消費量に相当)で国内最大級のバイオマス発電となります。発電した電力は再生可能エネルギー買取制度により全量売電される予定です。
 昭和シェル石油では、当地における新たな発電事業を計画し、これに対し当社は、循環流動層(Circulating Fluidized Bed:CFB)ボイラ発電システムによるバイオマス発電を提案してまいりました。今回、昭和シェル石油のバイオマス発電の事業化決定にあたり、当社プラントが、同規模の発電システムの中で最も高効率で経済的であることや川崎市の厳しい環境規制に対応できる点などが評価され、今回の受注に至りました。

 循環流動層ボイラは、燃料と流動媒体を高速の燃焼空気によって混合、流動化させながら燃焼を行なうシステムです。当社はこれまでに、国内で初めて木質チップやPKS専焼のCFBボイラを建設しており、また建設廃材、廃プラスチック、タイヤチップなど多様な燃料を混焼するCFBボイラの建設実績も数多く有しています。当社はこうした実績に基づく技術・ノウハウを活かし、2015年12月の稼動開始を目指して建設を進めてまいります。
 
 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の施行から1年が経過し、全国各地でバイオマス発電プラントのニーズが高まりをみせております。当社はこれらのニーズに応えるべく、今後も最先端の技術を提案してまいります。

※1 木質ペレット:丸太、樹皮、枝葉など木質バイオマスを顆粒状に砕き、それを圧縮して棒状に固めて整形したもの

※2 パームヤシ殻(PKS):マレーシアやインドネシアなど東南アジアで栽培される油やしの搾油時に発生する種殻

926とはずがたり:2014/04/14(月) 21:02:51

2013年08月16日 09時00分 更新
再生可能エネルギーの現実(5):
バイオマス発電の3つの課題−燃料調達、分別、CO2−
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1308/16/news012.html


再生可能エネルギーの中でバイオマス発電だけは特殊だ。発電方式は火力と同じで、燃料を必要とする。木材や廃棄物などを使うが、長期に安定した量を調達することは簡単ではない。燃料の種類によって買取価格が違うために、複数のバイオマスを混在して使う場合には厳密な分別が必要になる。
[石田雅也,スマートジャパン]

 バイオマス発電は「生物に由来した燃料を使う」ことが原則で、該当する燃料の種類は多岐にわたる。固定価格買取制度では7種類にまとめて、それぞれで買取価格を決めている(図1)。燃料をガス化してから発電する方式が最も高く、それ以外は燃料になる木材などの調達コストをもとに価格が分かれる。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/kaitorikakaku_enecho.jpg
図1 燃料で分かれるバイオマス発電の買取価格。出典:資源エネルギー庁

 再生可能エネルギーの中で燃料を必要とするのはバイオマスだけである。当然ながら燃料費がかかる。しかも買取期間の20年間にわたって、安定して燃料を調達できなくてはならない。いつでも無料で手に入る太陽光、風速、水流、地熱とは大きく違う点だ。

 バイオマス発電では燃料を分別することも求められる。同じ木材であっても、未利用の木材とリサイクルの木材では買取価格に2倍以上の差がつくからである。燃料の種類ごとに発電に利用した分量を計算式に従って厳密に算出して報告することが義務づけられている。

燃料の調達は地域の生産業者と連携で

 バイオマス発電に利用する燃料のうち、調達が最も難しいのは木材(木質バイオマス)だろう。未利用の状態で残っている木材の大半は、森林を健全な状態に保つために樹木の一部を伐採した「間伐材」である。

 ただし間伐材でも合板や製紙に利用することができるため、流通量は決して多くない。国全体で森林が減っていることもあって、将来は値上がりする可能性もある。こうした課題を克服する最善の方法は、地域の森林業や製材業と連携して、共同でバイオマス発電に取り組むことだ。いかに経済的なメリットを生み出せるかが重要になってくる。

927とはずがたり:2014/04/14(月) 21:03:13
>>925-926
 同様の試みは家畜の糞尿を使ったバイオマス発電でも始まっている。畜産業と自治体が共同で発電事業に取り組み、売電収入の一部を畜産業に還元する。この方法によって糞尿を継続的に調達しながら、畜産業の収入増につなげることが可能になる。

出所を証明できないと最低の買取価格に

 バイオマス発電の事業者にとって、燃料の確保と同様に厄介な問題が分別だ。自治体などが家庭や企業から収集した廃棄物の焼却施設を利用して、バイオマス発電を導入する事例が増えている。これまで利用していなかった焼却の際の熱を使って発電する方法であり、典型的な再生可能エネルギーと言える。

 ただし固定価格買取制度では、生物由来の燃料で発電した電力だけが買取の対象になる。生ごみは「一般廃棄物」として対象に含めることができるが、プラスチックなどは除外する必要がある。両者を混焼する場合には、買取の対象になる廃棄物の比率を正確に算定しなくてはならない。

 さらに面倒なことに、使用する燃料の出所を示す証明書が必要になる。その点で最も手間がかかるのは、買取価格の差が大きい木質バイオマスの場合だ。木材の出所を証明する書類のほかに、その木材をチップに加工した時点でも証明書を用意しなくてはならない(図3)。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/enecho_biomas_trade.jpg
図3 バイオマス発電の買取に必要な燃料の出所証明。出典:資源エネルギー庁

 木材の出所から発電所までの流通経路が複雑になっていると、各段階の証明書をすべて整えておく必要がある。適切な証明書を用意できなければ、買取価格が最も低いリサイクル木材による電力と判断されてしまう。高い価格で調達した未利用材を燃料に使っていても、安い価格で売電することになるわけだ。

燃料の配送や加工の時にもCO2を排出

 本来は火力発電の一種であるバイオマス発電を再生可能エネルギーとみなす理由は、「カーボンニュートラル」の概念に基づいている(図4)。木や草などの植物が光合成によって二酸化炭素を吸収する効果をもとに、火力発電で発生する二酸化炭素を相殺する考え方である。

 とはいっても実際の発電設備からは燃焼時に大量のCO2を排出している。地球温暖化を防止する観点からは、バイオマス発電でもCO2排出量の削減に取り組むことが望ましい。すでに石炭火力などで実用化が始まっている「CO2分離・回収」の設備を実装する方法が主な対策になる。

 もうひとつ注意すべき点は、燃料の運搬・加工・貯蔵などの工程で排出するCO2である。例えばトラックで長距離に燃料を運ぶと、ガソリンの燃焼によってCO2を多く排出してしまう。できるだけ狭い地域の中で燃料の調達から発電まで完結する体制を作ることも、バイオマス発電の重要な課題と言える。

928とはずがたり:2014/04/14(月) 21:04:17
>>926-928
アンカー間違えた・・

929とはずがたり:2014/04/14(月) 21:26:29
ちゃんと海外産に切り替えられるくらいの算段は余裕でしているんだな♪
後は発電のランニングコストがどのくらいのもんかと云う事なんだけど。
地域の循環を買い取り価格制度が機能している間に確立できるのか出来ないのか辺りが焦点か。

田中淳夫2013年12月02日 10:26
木質バイオマス発電は林業を救う?それとも破壊する?
http://blogos.com/article/74960/

昨年7月からFIT(再生可能エネルギー固定買取制度)がスタートした。再生可能な自然エネルキーで起こした電力は、定められた金額で買い取ることが義務づけられたわけだが、おかげで続々とソーラー発電や風力発電へ参入する事業体が登場していることが報じられている。

だが、深く静かに進行しているのが、木質バイオマス発電である。

事実、全国各地にバイオマス発電所設立計画が林立している。設備建設に時間がかかるので、まだ稼働したところは少ないが、2015年に本格化すると言われている。

なぜなら買取価格が、未利用木材(山に残されている木材など)で33,6円/kwhとかなり高めの金額を設定したからだ。また一般木材(製材端材や輸入木材に加えて、パーム椰子殻、稲わら・もみ殻も含む)は25,2円。この価格は、ドイツのFIT価格よりも高い設定だ。これなら採算が合うと参入計画が相次ぐわけだ。

また不況にあえぐ林業現場では、バイオマス用に木材を使われて需要が拡大することに活路を見出そうと期待する声が強まっている。

だが、この動きは一歩間違えると非常に危険な側面がある。本格的に稼働すれば、日本の森に与える影響は非常に大きい。

まず大きな問題は、本当に常時発電を続けるほどの木材を集めることができるのか、という点だ。

資源量としては、「国内の山には、未利用木材が年間2000万立方メートル以上も眠っている」という言い方をされるが、問題は、搬出だ。

なぜなら、未利用木材とは、山から搬出するのに手間とコストがかかりすぎるから放置していたものが大半である。それを、いくら発電利用に使えるからと言って、簡単に搬出できるわけではない。仮にコストはFIT価格のおかげでなんとかなるにしても、林道・作業道が入っていない山も多く、技術的にも難しいところが少なくない。運び出しやすい場所の木材を出した後は、量を集めるのに難儀することは間違いない。

たとえば九州では、木質バイオマス発電事業が15件も立ち上がっている。そこで必要とされる木材の量は年間300万立方メートルにもなる。これだけの未利用材を毎年安定して供給できるだろうか。木材生産量日本一(北海道を除く)の宮崎県でも、年間搬出量は150万立方メートル程度である。その上に300万立方メートルを上乗せが可能なのか。

930とはずがたり:2014/04/14(月) 21:26:45
>>929-930
今でも大面積皆伐が続き、禿山が増えている南九州なのに、これ以上の伐採を要求することは森林の持続性からも心配だ。また全国には50近い事業計画・構想があると言われるが、全国に禿山が広がるかもしれない。

そこで、第2の問題が姿を見せる。

33,6円/kwhという価格は、木材価格に置き直すと、1立方メートル当たり7000円から9000円になると計算されている(木材の含水率などで発電量は変化するため、正確な価格は計算しづらい)。この価格は、製紙用チップの価格よりも高い。いや、合板用や製材用の木材でも、市場の動きによっては9000円を切ることはよくある。

つまり、本来なら製紙用チップや合板など建材に回すはずの木材が、燃料用に回されるかもしれないのだ。実際、わずかな価格差で木材を仕分けしての出荷先を変えるよりも、一括してチップ用に加工し運ぶ方が手間も増えずに済むから、伐採業者にとってもメリットがある。

また廃材や端材ならわかりやすいが、未利用という括りは明確な基準があるわけではない。森林所有者、もしくは伐採業者が「これは建材には無理、燃料用に回す」と主張したら、異議は出にくい。そのまま通るだろう。ましてやチップにして納入すれば、誰にも区別がつかない。本当は立派な柱や板にできる丸太をチップにするケースも出てくるだろう。

しかし、長年育てた木を一瞬で燃やしてしまうような使い方が、本当によいことなのか。それで林業家は刹那的な利益は得られても、満足できるように思えない。それにFITの固定価格は20年までである。森づくりには50年以上の期間を要する。伐採跡地に再び植林して、次の世代を育てる意欲は、確実に削がれるに違いない。林業家の誇りを奪いかねないのである。

一方で、木質バイオマスの安定供給に不安を抱く業者の中には、いっそのこと、輸入材で賄うと割り切る業者も出てくるかもしれない。すでに昭和シェル石油は、川崎市に木質バイオマス発電所を建設する計画を発表しているが、そこで使う燃料は、北米や東南アジアから輸入する木質ペレットや油ヤシの殻を想定しているそうだ。最初から国内の木質バイオマスは当てにしていないわけだ。

そういえば、国内の未利用材を使って行うといいつつ、木質バイオマス発電所の多くが港周辺など臨海部に立地している。これは、国産の燃料用木材が手に入りにくくなれば、さっさと輸入バイオマスに切り替える心づもりがあるからか、と勘繰ってしまうのである。

931とはずがたり:2014/04/14(月) 22:13:09
>総エネルギー消費の40%前後が暖房や給湯などの熱供給に向けられていることを考えれば、片手落ちと言うべきだろう。バイオマスの得意分野は熱供給であり、実績でもそうなっている。

>未利用バイオマス資源の多いアメリカでは熱電併給の評判はあまり良くない。発電に熱利用を義務づけると、発電できる場所が限られて資源の有効利用がかえって妨げられると見られている。

太陽光はまさに冷房用のピーク電源として優れていてその意味で稼働率12%でも意味があるのかも知れないけど,バイオマスは電気が苦手というか使うのが勿体ない熱供給としてもっと有効活用されて然るべきかも知れぬ。
これからの木質エネルギービジネス
木質バイオマスのコスト比較:熱併給と発電
http://www.kankyo-business.jp/column/005688.php
熊崎 実
2013年9月16日号掲載

熱軽視のエネルギー政策
最初の講義で触れたように、2010年の時点で広い意味でのバイオマス(IEA統計でいう「生物燃料および廃棄物」)は、先進国(OECD加盟国)においても、一次エネルギー総供給の4.9%を賄っている。再生可能なエネルギーの中でこれに次ぐのは水力発電だが、大規模水力を含めてそのシェアは2.1%ほど。風力、太陽光、地熱などその他の自然エネルギーは全部合わせても1.2%くらいにしかならない。

にもかかわらず再生可能なエネルギーと言えば、風力や太陽光、地熱などが前面に出てきて、バイオマスの影が薄い。こうなった理由の一つは、電力を重視し、熱を軽視する各国のエネルギー政策にあると思う。総エネルギー消費の40%前後が暖房や給湯などの熱供給に向けられていることを考えれば、片手落ちと言うべきだろう。バイオマスの得意分野は熱供給であり、実績でもそうなっている。

ところが発電が政策的に優遇されるとなれば、多少無理をしてでもバイオマスで発電しようという動きが出てくる。わが国でもFITの制度が発足して、バイオマスでつくった電気がかなり有利な固定価格で販売できるようになった。5〜10MWないしそれ以上の本格的なバイオマス発電所を建設する計画が全国のあちこちで持ち上がっている。欧州ではこうした「発電先行」の考えに疑問を呈する向きが少なくない。その根拠となっているのは次の三点である。

発電ではバイオマスに含まれるエネルギーのごく一部しか電気に変えられない
一定量のバイオマスで化石燃料を代替する場合、節約されるCO2の量は発電より熱供給のほうがずっと大きい
石油価格の高騰でバイオマスによる熱供給の市場競争力は確実に強まっている
今回はまずこの三つの論点を一瞥した後、バイオマスによる熱供給と発電が化石燃料との対比でどれほどの市場競争力を持っているか、国際エネルギー機関(IEA)が最近公表したデータをもとに検証することにしたい。

バイオマス資源の効率的利用を重視するオーストリア
バイオマスのエネルギー利用で電気と熱のどちらに軸足を置くべきか。これはなかなか微妙な問題で一律には論じられない。欧州ではどちらかと言うと熱重視の傾向が強いように思う。たとえば以前オーストリアのバイオマス協会で会長を務めていたH.コペッツ氏などは、公の席で熱重視の考えを繰返し強調していた。その根拠となったのはエネルギー変換効率の違いである。

932とはずがたり:2014/04/14(月) 22:13:26
>>931-932
表1は、2007年にユトレヒトで開かれた会議に提出された資料の一部だが、彼が言いたいのは、バイオマスを直接燃やして熱を生産すれば、バイオマスが内包するエネルギーの85〜90%が有効な熱に換えられる。ところが、バイオマスから電気だけをとろうとするとせいぜい25〜30%しか電気に換えられない。残りが無駄になってしまう。それゆえ発電するなら排熱も利用する熱電併給でなければならぬ、という主張である。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/20130909km001.jpg
表1 バイオマスのエネルギー変換技術と効率
(出所)H.Kopetz(2007) Bioenergy:challenges and opportunities,Utrecht, May 2007.

この表のエタノール発酵には若干の注釈が必要だ。40〜50%という効率は、穀類などを原料とする「第一世代」のバイオ燃料の話である。木質系の「第二世代」ではとてもこのレベルの効率は得られない。ところがEU当局はバイオ燃料についても2020年までに達成すべき目標を各国に提示していた。こうしたEU指令に反発する声も聞かれる。オーストリアは既存のバイオマス資源をほぼ目一杯に使っており、発電や液体燃料についてのEU指令を達成しようとすると、熱供給に使われていた木質燃料を不本意でもそちらに振り向けるしかない。これは最適利用からの逸脱だと言うのである。

いずれにせよバイオマス資源の需給がひっ迫してくると、資源のより効率的な利用が強く求められるということだろう。早い話が、未利用バイオマス資源の多いアメリカでは熱電併給の評判はあまり良くない。発電に熱利用を義務づけると、発電できる場所が限られて資源の有効利用がかえって妨げられると見られている。

熱軽視のエネルギー政策
最初の講義で触れたように、2010年の時点で広い意味でのバイオマス(IEA統計でいう「生物燃料および廃棄物」)は、先進国(OECD加盟国)においても、一次エネルギー総供給の4.9%を賄っている。再生可能なエネルギーの中でこれに次ぐのは水力発電だが、大規模水力を含めてそのシェアは2.1%ほど。風力、太陽光、地熱などその他の自然エネルギーは全部合わせても1.2%くらいにしかならない。

にもかかわらず再生可能なエネルギーと言えば、風力や太陽光、地熱などが前面に出てきて、バイオマスの影が薄い。こうなった理由の一つは、電力を重視し、熱を軽視する各国のエネルギー政策にあると思う。総エネルギー消費の40%前後が暖房や給湯などの熱供給に向けられていることを考えれば、片手落ちと言うべきだろう。バイオマスの得意分野は熱供給であり、実績でもそうなっている。

ところが発電が政策的に優遇されるとなれば、多少無理をしてでもバイオマスで発電しようという動きが出てくる。わが国でもFITの制度が発足して、バイオマスでつくった電気がかなり有利な固定価格で販売できるようになった。5〜10MWないしそれ以上の本格的なバイオマス発電所を建設する計画が全国のあちこちで持ち上がっている。欧州ではこうした「発電先行」の考えに疑問を呈する向きが少なくない。その根拠となっているのは次の三点である。…以下未公開

熊崎 実(くまざき・みのる)
 1935年岐阜県生れ。農林省林業試験場(現・森林総合研究所)林業経営部長、筑波大学農林学系教授、岐阜県立森林文化アカデミー学長を歴任。現在は、筑波大学名誉教授、日本木質ペレット協会会長、木質バイオマスエネルギー利用推進協議会会長。専門は国際森林資源論、農学博士。
 著書に『林業経営読本』(日本林業調査会)、『木質バイオマス発電への期待』(全国林業改良普及協会)『木質エネルギービジネスの展望』(同左)、『木質資源とことん活用読本』(編著、農文協)ほか。訳書に『日本人はどのように森をつくってきたのか』(C.タットマン、築地書館)、『樹木学』(P.トーマス、築地書館)ほか多数。

934とはずがたり:2014/04/14(月) 22:51:27
>ボイラー側の性能がよいのだ。日本は、できそこないのボイラーに合わせてチップづくりをしようとしている
日本側のボイラーがクソで欧州のやつがいいと云うより熱供給の方が大雑把で良くて発電用だと精緻に作らないとダメって事は無いのか?筆者>>929-930はバイオマス発電に批判的な様だからわざと誤解を招く様な書き方をしてるのかも知れないしどうなんやろ?

森林ジャーナリストの「思いつき」ブログ
2012/07/19
木質バイオマスで発電なんて
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2012/07/post-7ddf.html

昨日のセミナー、主催団体の意図は脱原発だったのだろうが、実は
「100%再生可能へ! 欧州のエネルギー自立地域」
という本の出版記念だった。

で、セミナーでも触れられた木質バイオマスだが、スイスで視察したのは、こんなところ。

これは、宿泊したホーム・レミスミューレの地下にある木質バイオマスシステムの視察風景。

すでに触れたが、視察期間中の大半を泊まったのがレミスミューレ村の老人ホーム。ここでは、積極的に自然エネルギーを使用している。

これが、投入された木質チップ。よく見ると、大きさはバラバラ。樹皮も混じっている。なかには、長さ10センチくらいの木片もあった。

よほど大きなものは、自動投入口に引っかかるので排除する仕組みになっているが、たいていの大きさのものはOKである。

実は、これが私には驚異だった。なぜなら日本のバイオマス・プラントを訪ねると、よくチップの大きさが不揃いだからプラントが止まった……なんて苦労話を聞くからだ。チップ工場によってつくるチップの大きさにばらつきがあり、それを一緒にして投入すると詰まるという。

実際、それが元で稼働しなくなった木質ボイラーも少なくない。そこで日本では、チップの規格づくりを進めている。つまり、チップの大きさを厳密に決めようというわけだ。乾燥具合も問題になったりする。

が、スイスの各所の木質チップボイラーでは、どこも大きさとか乾燥度なんて気にしていなかった。どんどん投入できるのである。ようは、ボイラー側の性能がよいのだ。日本は、できそこないのボイラーに合わせてチップづくりをしようとしている。

しかも、重要なのは、スイスでは(欧米では)、木質バイオマスの目的は、温熱供給が主流。暖房用と温水供給だ。一部は冷房もあるらしい。が、発電なんかしない。

それはソーラーも一緒。太陽光発電ではなく、太陽熱温水器である。

これはホーム・レミスミューレ施設の屋根。ここで得た温水は、チップボイラーの温水と連動している。


こちらは、チューリッヒ郊外アウブルックのバイオマス発電所。木質チップで発電もしている珍しい?施設。スイスで一番大きいらしい。

だが、実は温熱も供給している、いや、温熱の方が大きいコジェネレーション(熱電併給)である。電気は4分の1ほどにすぎない。

そして、、さらに言えば、このボイラーで燃やすのは、木質バイオマスばかりではなく、むしろゴミの方が多い。つまり本来はゴミ発電なのだ。木質チップはゴミの量の安定補助材みたいなものか。

まあ、こういうのを見れば、一目瞭然。木質バイオマスで発電(だけ)しようという計画が、いかにガラパゴスなのかわかる。そもそも日本のバイオマスエネルギー・ブームは、欧米の影響で始まっているのだが、何を学んだのやら。

最後に、もう一つ。

フォレスターの言葉として、「一生懸命に林地残材をバイオマスとして出しているが、その売上は、全体の2%。その間に20%も材価が下がってしまった」

木質バイオマス、林地残材を宝の山に! なんて言葉に林業家も騙されないでね。


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