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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1204とはずがたり:2014/06/27(金) 00:01:47
>>1203-1204
 さらに林地残材を一定価格以下で大量に調達するのが難しい。林地残材は重くてかさばるので、山林からの輸送距離が長くなるにつれてコストが増加するだけでなく、輸送用燃料の排出も増加するので、CO2削減効果が減り、再生エネとしての意味がなくなってしまうからだ。
 無理にバイオマス発電の資源需要に応えようとすると、山林をまるごと皆伐して帳尻を合わせようとする動きが広がる恐れがある。林地残材搬出用の作業道を整備すると採算が取れないからだ。

全国各地にハゲ山続出?

 その兆候がすでに出ている。
 近年、九州で100ha以上の山林を皆伐した後、植林を行わないで放置するケースが増加しているといわれている。FITにより大量の木材需要が発生すると、全国各地にハゲ山が広がる恐れが現実化しているのだ。

 このため自然エネルギー財団は、「FIT制度による木質バイオマスの需要拡大は、持続可能な森林資源の活用を妨害する恐れがある」と警告を発しているほどだ。
 つまり、林地残材はバイオマス発電に適さない資源なのだ。
 では、次善の策として農作物非食用部はどうかと言うと、これも林地残材同様、バイオマス発電の拡大に耐えられるだけの量を、安価に安定的に供給できる仕組みが、現時点では存在しない。
熱利用が主、発電はオマケ
 そもそも、バイオマスエネルギーは「熱利用が主、発電はオマケ」が基本の再生エネだ。なぜなら、バイオマスエネルギーの発電効率(10〜30%)は、熱利用効率(60〜90%)より著しく低いからだ。したがって、熱利用のほうが経済性が高く、資源を発電用より高値で販売できる。その分、林地残材の利用可能性も高い。
 特に、冬の寒さが厳しい東北地方の場合は、熱需要も多いので、発電用より熱利用のほうが適している。こちらなら、持続可能な再生エネとしての木質バイオマスを生かせるのではないか。
 それが、FITの見せ掛けの事業性に踊らされ、東北の森林組合は豊かな山林をハゲ山にしかねない動きにのみ込まれようとしている。それを、影響力の強い地元マスメディアが煽っているから始末が悪い。

 資源エネルギー庁の『エネルギー白書2011』によれば、家庭部門の場合、エネルギー消費の割合は給湯28.7%、暖房25.1%などとなっており、全体の63.8%が熱利用である。電力を必要とする動力・照明・その他は36.3%にすぎない。
 それを「オール電化」などの宣伝で、本来は電力が不必要な熱利用分野まで電力利用に導かれているのが、電力消費の実態だ。
 木質バイオマスは冷暖房、給湯など熱エネルギー用途に利用してこそ、真価を発揮できる再生エネ。それをエネルギー変換効率の悪い発電に利用するのは不経済だ。
 森林組合関係者の冷静な判断が期待される。
(文=福井 晋/フリーライター)


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