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利水・治水スレ

1437とはずがたり:2018/11/15(木) 16:59:19

3か月過ぎても復興進まず。平成30年豪雨被災地、肱川水系の現在
2018.10.26
https://hbol.jp/177277
牧田寛

 去る2018年7月7日、未曾有の豪雨によって西日本広域で歴史的な大水害が発生しました。

 当日、高知県でも高知自動車道の流失と通信線切断による全県における電子決済(電子マネー、クレジットカード)の停止、一部河川の危険地域における氾濫が生じましたが、1998年の高知大水害(以下、98高知大水害)のような社会機能を破綻させる大きな水害は発生しませんでした。これは、98高知大水害を契機に中小河川での堤防かさ上げと補強、橋梁のかさ上げ、河道浚渫、排水ポンプの整備、水門の整備など、運用面を含めた過去20年間の地道な高知市・県による治水対策の結果と言えます。
 これらの治水対策は、華々しさに欠け、目立つものではありませんが、高知市大津、高須、葛島地区と言った、98高知大水害で2?3m浸水した人口密集地区で聞き取りをしても、かつては毎年何処かが浸水していたのに、最近は浸水しなくなったという証言が得られることからも妥当な治水事業であったと考えられます。

 そういった中、隣県の愛媛県で大水害が生じた、しかも伊方取材でいつも通過する肱川(ひじかわ)水系で死者の出る大水害が発生したと報じられました。最終的に野村町で5名、大洲市で4名の計9名の人命が失われたとの報です。

 私は、水郷延岡で育ち、治水ダムの存在しない五ケ瀬川・大瀬川の治水を基準に物事を考えますが、肱川水系には鹿野川ダムと言うデラックスな治水主体で県営水力発電も行う多目的ダムと、野村ダムと言う利水主体で限定的治水を行う多目的ダムがあり、大洲市街地の堤防はかなり立派なもの、菅田地区にも一部未完成ながらかなり立派な堤防を建設中です…

野村ダムから3km下流で一変した風景
1)野村ダム

 10月1日、台風一過の晴天の中、肱川の源流がある宇和から、肱川沿いに野村ダム、野村町、鹿野川ダム、大洲市菅田、大洲市街を取材に出発しました。

 道路などの破損は多くない野村ダム上流を快適にドライブし、第一の目的地は野村ダムです。野村ダムは、佐田岬半島先端から八幡浜市、宇和島市へ分水する国営南予用水土地改良事業の水源としての利水ダムで、無くてはならないものです。八幡浜市や伊方町での取材では、野村ダムが出来て以来、水で苦しむことがなくなり、特に農業(みかん栽培)への貢献は絶大であるとの意見が全てでした。

 野村ダムは利水ダムなのです。多目的ダムとして治水機能も持たされていますが、治水と利水は相反する機能であって、治水は限定的なものとなります。


2)野村町市街地

 野村ダムまでは、大きな災害跡は見られず、所々で道路の修復工事やがけ崩れの復旧工事を行っている程度でした。野村ダムから3km下流の野村町市街地に入ると様相が一変します。

 乙亥会館より250m上流まで歩くと、野村保育所と野村農村勤労福祉センター(体育館)、野村町児童館がありますが、全て被災により現在も機能を失っています。この一帯も平屋は全没、二階建てならば屋根の上に避難できたと言ったところです。

 肱川右岸の野村町三島地区に入ると被災状況は左岸より深刻です。これは、野村町市街地の手前で肱川が左に曲がっている為で、水は右岸へより強く押し寄せます。三嶋神社は社務所が流失し、付近の民家も激しく損壊しており、復旧は進んでいません。三島地区では、お年寄りが逃げ遅れ、水没した屋内で亡くなるなど、人命も失われています。

 野村町市街地では、野村ダムのただし書き操作(異常洪水時防災操作:緊急放流)開始後30分を待たずに肱川が氾濫し、逃げる間は殆ど無かったとのことです。緊急放流を告げる防災行政無線も豪雨の為に聞き取れず、消防団員が一世帯ごとに避難を呼びかけてまわりましたが、急激な肱川の増水によって呼びかけは間に合わず、消防団員も水に押し流され死を覚悟する有り様であったとのことです。

 野村ダムは、野村町市街地から上流僅か3kmに位置しますので、ただし書き操作をはじめればきわめて短時間で大水が押し寄せますので、ダムによる時間稼ぎ効果が失われるともはや時間稼ぎの術がないと言うのが現状です。




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