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芸能裏ねたジャーナル
1750
:
とはずがたり
:2018/04/05(木) 15:51:18
しかも、たけしが知らないはずはない決定的な理由がもうひとつある。それは、森社長に株を売った最大株主が「東通」だったという事実だ。「東通」というのは、かつて存在していたテレビ制作会社だが、この会社をオフィス北野の最大株主にしたのは、ほかでもないたけしだった。
周知のように、オフィス北野は「フライデー」襲撃事件後、テレビに復帰したたけしが右翼団体から街宣車などで大々的な抗議行動を受けたことをきっかけに、1988年に設立された。そして事務所設立をめぐっては当初からバーニング関係者や暴力団関係者の影がつきまとっていた。
オフィス北野の設立経緯、そして暴力団との関係については、2004年に休刊したスキャンダル雑誌「噂の真相」1994年10月号がその詳細を報じている。当時、たけしへの抗議行動を行っていたのは大手右翼団体だったが、「噂の真相」にはこんなコメントが掲載されている。
「当時、街宣車が局や所属の太田プロ、撮影現場にまでつめかけ、たけしは復帰どころではなくなってしまっていたんですね。ところが、肝心の太田プロは警察頼みでまったく動こうとはせず、一方で右翼や暴力団に人脈を持つ様々な人間が仲介に乗り出したんです」(テレビ関係者)
そして最終的に手打ちをまとめたのが、暴力団や右翼団体と極めて太いパイプがあると言われたライジングプロダクションの平哲夫社長と、テレビ制作会社・東通の舘幸雄社長だった。そうした関係から設立時のオフィス北野の代表取締役には舘氏が、そして取締役として平氏が就任した。前掲「噂の真相」には続いて、こんなコメントが出てくる。
「ようするに、たけしは右翼問題を仲介した連中へのお礼奉公のために無理やり、独立させられたんですよ。そしてオフィス北野は、連中に利権を配分するために作られた会社なんです。実際、株も当初は、舘と平で5分の3以上を所有していたようですしね」(芸能プロオーナー)
倒産状態に陥った東通の株を取得したのも“たけしの尻拭い”だった
今回、明らかになった株の比率をみると、この指摘は概ね正しく、舘社長率いる東通がオフィス北野の55%の大株主となっていた。一方、森氏はオフィス北野設立と同時にたけしからスタッフとしてスカウトされ、取締役制作部長に抜擢されただけで、このスキームとはまったく関係がなかった。ようするに、最大株主の東通は完全にたけしの人脈であり、たけし独立とセットで経営に入り込んできた会社なのだ。その株式譲渡をたけしが知らないはずはないだろう。
しかも、株の売買は軍団の声明文にあったように、東通がいまから26年前の1992年、会社更生法を申し立て事実上の倒産状態に陥ったためだった。この倒産直前、舘氏は資金調達のために森氏に株買い取りをもちかけ、オフィス北野はそのかわりに、舘氏が経営陣から外れることで手打ちをしたのだ。前掲「噂の真相」は「舘がオフィス北野の代表を降りることと引き換えに、たけしがその尻拭いをやらされた」と書いていたが、この尻拭いというのが、舘氏らの株を森氏が取得するということだったのではないのか。
実際、そのまま舘氏が社長を務めていれば、債権者がオフィス北野に押し寄せてきただろう。それを回避するために、森氏は株を買い、代表を降りた舘氏に代わり自分が社長を引き受けた。こうした経緯をみれば、当時、森氏がたけしに内緒で55%もの株を東通・舘氏から“勝手に”譲渡されることなどありえない(万が一、森社長がたけしに知らせずに処理をしていたとしても、この事実は前述したようにその後「噂の真相」などが書いているため、たけしがずっと知らないままだったというのはやはりありえない)。
それどころか、森社長の株取得の行為はすべて、たけしを矢面に立たせないためだったのではないか。それを「裏切り」などといって26年前のことをもち出し、糾弾するのは、ためにする言いがかりとしかいいようがない。
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