Eファンド・マネジメントの債券ファンド投資ゼネラルマネジャー、張清華氏は「流動性逼迫(ひっぱく)に改善が見られないことからすると、クレジットスプレッドは来年拡大する可能性が高い」と指摘した。ブルームバーグが継続調査する資産30億元(約507億円)以上の中国の債券ファンドの中で、同氏が運用する「Eファンド・ステーブル・バリュー・ボンドA」のリターンはプラス15%でトップだ。
政策当局には微妙なバランスが要求される。債券相場の下げは既に株式相場に波及している。借り入れコスト上昇が企業のバランスシートの重しとなるためだ。レバレッジ縮小でデフォルト(債務不履行)が相次ぐ事態となれば、経済成長にも影響が及ぶ恐れがある。ただ、今のところ状況はコントロールされているように見える。最近も2社が社債の元利払いを期日通りに履行できなかったが、こうしたケースは今年これまで約21件にとどまっている。16年は通年で29件だった。
中国の「AAA」格付け3年物社債の国債に対する平均上乗せ利回りは今月31ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大し、148bp。拡大幅は15年3月以来の大きさだ。上海銀行間取引金利(SHIBOR)は今月28bp上昇と、2月以来の大幅な上げとなった。
こうした市場の動きにもかかわらず、中国はさらなるレバレッジ縮小措置を打ち出している。金融監督当局は15兆ドル(約1670兆円)に上る同国資産運用商品のリスク抑制に向けた抜本的な規則案を今月示した。
張氏は、当局が引き続き金融リスク阻止とレバレッジ抑制に重点を置いている理由として、経済成長の鈍化が限られているようにみえることを挙げた。
原題:China Top Bond Fund Says Rout May Worsen Amid Leverage Curbs (1)(抜粋)