スーフィズムに関するHP
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はじめまして。
日本に在住のトルコ人です。この度、イスラームとスーフィズム、そしてトルコの紹介に関するHPを開設することになりました。このHPを通じて皆様と交流し、世界平和に少しでも貢献させて頂ければと思います。お時間のあるとき是非訪問して下さい。お待ちしております。
宜しくお願い致します。
http://www.yoyogi-uehara.net
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こんにちは。
どういう経緯でこの掲示板に宣伝を出そうかと思ったか興味がありますが,確かにイスラム教は世界の主要な宗教の割に良く知られてない感じがしますねぇ。
世界宗教は二つしかなくて,一つはインドで生まれてアフガンをへて中国,さらには東アジアや東南アジアに広まった宗教,詰まりは仏教と,ヘブライ人が作った宗教がアラブ世界やローマ帝国に広まった一神教(詰まり,ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)である気がしてます。
つまりは後3者は多様な仏教と同じぐらいの差しかないのに激烈な宗教対立や宗教紛争を生み出す点が非常に深刻に思えます。
特にキリスト教が世界史上で奪った人命は数知れず,人類の救済に役立って居るんでしょうか?
ところでスーフィズムってなんでしょうかな?
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http://www2.dokidoki.ne.jp/racket/sufi-kig.html
イスラムの神秘階梯
ラレ・バフティヤルー(Laleh Bakhtiar)著、竹下政孝訳
スーフィーは創造的表現を通して、あらゆる形体の中に隠された状態で存在する神的 秩序を想起し、かつ喚起する。この意味においては、想起と喚起は同じである。すな わち、ある形体に働きかけてその内部にある神的秩序が知られるようにすることであ る。スーフィーは、このようにして、神が神自身を知るに至った創造の過程を再演す る。創造が再演される場面となる受容物は、工芸品などの外的な形体の場合もあるし 、変容されるのはスーフィー自身の生命の形体である場合もある。後者の場合、まさ にスーフィーとなるべきものの魂が、神秘的探求を通して神的中心に到達しようとす るのである。
スーフィズムの起源
スーフィーの道にしたがう人々によれば、スーフィズムは、その本質において超時間 的である。とはいえ、その歴史的あらわれは、コーランの下降にはじまる。ある史料 は、預言者ムハンマドに起こったひとつの出来事にその起源をたどっている。ある日 、ムハンマドが「神は七天を創造したまわれた」(コーラン六五章一二節、章節はカ イロ版によった)という部分を教えていたとき、この句の特別な意味が啓示された。 彼のハディースの偉大な伝承者であるイブン・アッバースは、その場に居合わせてお り、のちにムハンマドの語った意味について問われたとき、次のように答えた。「も しも私がそれを教えるならば、汝は私を(異教徒とみなし)石によって死に至らしめ るであろう」。この、事物の深奥にある意味への言及、つまり万人には理解できない 隠れた意味を通して、神に至る内的な道が開かれたのである。ムハンマドの教友(サ ハーバ)は敬虔な人々であり、つねに瞑想にふけり、また神の唱名(ジクル)とコー ランの朗読によって神を想起した。ムハンマドの死後、このグループは広がり、弟子 を訓育した。当時、「スーフィー」という名称はまだ知られていなかった。
西暦八世紀(ヒジュラ暦二世紀)のはじめ、これらの禁欲修行者は「スーフィー」と いう名で呼ばれるようになった。この名称の語源は明かではない。この語は、修行者 が着用し粗野な羊毛の衣類にちなんで、「羊毛」(スーフ)という言葉に起源をもつ のかもしれない。また「清浄」(サフアー)という言葉に由来するのかもしれない。 あるいは、ムハンマドの背後に一列に並んで祈った人々にちなんで「一列」(サッフ )という言葉から派生したのではないかという者もいる。また、スーフィーのなかの ある人々は、何か他の言葉から派生したというには、この語はあまりに崇高であると いう。
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イスラーム世界スレにしましょかねぇ。
イランも改革派と保守派の対立が激しいねぇ。宗教指導者=保守層に一定の権限を認め続ける限り権力闘争は続くか。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040121k0000m030124000c.html
イラン総選挙:
「失格」の改革派候補者200人の立候補認める
【カイロ小倉孝保】来月20日のイラン総選挙で、立候補予定者の審査を行う保守派の護憲評議会が大量の改革派候補者を「失格」にした問題で、同評議会は20日、失格にした候補者のうち200人の立候補を認める決定をしたことを明らかにした。
同評議会がインターネットのホームページで明らかにした。評議会のアッバス・カドコダイエ氏は「(最高指導者の)ハメネイ師の(失格処分再考)指示以降、評議会は決定の見直し作業を精力的に進めている」と述べた。今後、さらに多数の候補者の立候補が認められるものとみられる。
同評議会は立候補の資格審査で現職の国会議員82人を含む約3500人を失格にした。これに対し、国会の改革派議員らが反発、座り込みの抗議を続け、最大政党は選挙のボイコットも示唆し混乱が続いている。
[毎日新聞1月20日] ( 2004-01-20-23:02 )
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枢密院や国軍が実権を握っていた戦前の日本もこんな感じ?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040221-00000412-yom-int
イラン国会選挙、保守派が6割獲得で勝利確実に
イラン国会(定数290)選挙は開票が行われ、21日昼(日本時間同夜)現在で定数の半分近い134議席の当落が判明した。
内務省当局者によると、保守派が議席の6割を獲得、改革派は2割にとどまっており、保守派が勝利し4年ぶりに国会の主導権を奪還することが確実な情勢となった。
投票率は2000年の前回選挙を下回り、全国平均で約40%、テヘランでは約25%にとどまる見通しだ。
イラン学生通信によると、開票は北東部ホラサン州や北部ギラン州、中部マルカジ州など農村部で順調に進んだが、テヘランなど都市部では選挙結果は判明していない。
選挙の実務を担当する内務省は中間発表を行っていないが、同省当局者は本紙に対し「当落判明した議席の63%は保守派、20%は改革派だ」と述べ、事前の予想通り保守派が優勢であることを明らかにした。
改革派候補が多数排除された今回の選挙では、保守派の勝利は確実視されており、国会開会の定足数である「全議員の3分の2」(194議席)まで保守派が議席を伸ばせるか注目されている。
一方、投票率は前回(全国平均で約68%)を大きく下回る見通しで、内外から選挙の「正当性」に対する疑問が高まる可能性がある。
当選には投票総数の4分の1以上の得票と護憲評議会の承認が必要。全議席が確定しなければ、非確定議席数の2倍の人数の上位得票者による第2回投票が行われる。地方では定数1―2の選挙区が多く1回目の投票で決まる議席も多いが、定数が多いテヘランなどの都市部では第2回投票が行われる見通しだ。(読売新聞)
[2月21日20時50分更新]
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http://park8.wakwak.com/~kasa/index.html
新興宗教を考察するページ
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イスラム世界は早く中世を抜け出さねば。
サウジ人ウエートレス誕生 イスラム社会のタブー破る (共同通信)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/religion.html?d=04kyodo2005050401000192&cat=38&typ=t
[カイロ4日共同] 厳格なイスラム教宗派の影響で、女性の職場が極端に限定されているサウジアラビアでこのほど、同国初のサウジ人ウエートレスが誕生した。
「女性が男性に給仕すれば“問題”が起こる」と宗教勢力や保守派は反発するが、女性の就業要求の高まりや、人口の3割に達する外国人労働者をサウジ人に置き換える政策が、長年のタブーを破った。先駆者となった女性3人は「イスラムの価値観は守っている」と胸を張っている。
サウジ紙によると、3人は民間職業訓練施設で研修した後、2カ月前に西部ジッダの高級ホテルでウエートレスを始めた。このうち1人は「初めは親類に批判されて腹が立ったけど、今はよく働くサウジ女性として尊敬されている」と話す。
[ 2005年5月4日8時48分 ]
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軍閥、マフィア便乗か アフガン反米デモの死者16人に
2005年05月14日21時22分
http://www.asahi.com/international/update/0514/011.html
米軍によるコーラン冒涜(ぼうとく)事件をきっかけにしたアフガニスタンの反米デモは、発生から5日間で約20都市に広がり、死者は16人に上った。政府は「反政府勢力が組織的に扇動している」との見方を示しているが、宗教心の強い学生や市民に加え、軍閥や麻薬組織など幅広い勢力が、同時多発的に騒ぎに乗じている可能性が強い。9月に予定されている議会選挙の立候補受け付け作業が各地で中断している。
騒ぎが始まったのは今月10日。東部ジャララバードで地元の大学生らが始めた小規模な反米デモが翌日、同市全体を巻き込んだ争乱に発展した。国連や国際援助機関の建物が次々襲われ、外国人援助関係者が臨時便で空路隣国パキスタンへ脱出した。デモは反米感情が強い東部や南部の各都市から、比較的平穏だった北部や西部の都市にも飛び火した。
米国のカリルザード前駐アフガン大使は13日夜、地元ラジオのインタビューで「民衆のイスラム感情を利用した敵による犯行」と述べ、反政府勢力が背後で扇動している可能性を示唆。政府当局者も「陰謀説」を繰り返し、騒ぎに惑わされないよう呼びかけている。
デモ隊と警官隊の双方で計4人が死亡した中部ガズニでは「群衆は自動小銃で武装し、デモというより攻撃だった」(内務省報道官)といい、外部からきた武装勢力も複数拘束された。ガズニはタリバーンによる襲撃事件が多発する地域の一つだ。
しかし、同日、3人が死亡した北東部バダクシャン州は反タリバーンの旧北部同盟の根拠地。現地の治安当局者は、麻薬撲滅政策に反発する麻薬密売団や武装解除に反対する軍閥がデモに参加していたと証言する。
アフガン事情に詳しいパキスタンのラヒムラ・ユスフザイ記者は「全土でデモを組織できる勢力は存在しない。タリバーン後3年たっても政権と米軍に不満を持つ雑多な勢力が、いかに多いかの表れだろう」と分析している。
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ウズベク東部で武装勢力騒乱 治安部隊と衝突、9人死亡
2005年05月14日00時24分
http://www.asahi.com/international/update/0513/013.html
中央アジア・ウズベキスタン東部のアンディジャンで13日、武装勢力が刑務所を襲い、数千人の囚人を解放、地元の行政庁舎などを占拠した。政府側の発表によると、治安部隊との衝突で9人が死亡、34人が負傷した。アンディジャンではイスラム過激派とされた人々の裁判に市民の抗議集会が続いており、武装勢力が情勢の不安定化に乗じて決起した可能性が高い。
中央アジアでは、今年3月に民主化を求める民衆の抗議行動でキルギスのアカエフ前大統領の政権が倒れた。ウズベクのカリモフ大統領もイスラム勢力への締め付けなど、強権統治で知られるだけに、事件の進展によっては政権が苦境に追い込まれる可能性もある。
武装勢力は、ウズベク政府に非合法化されたイスラム過激組織「ヒズブトタフリル」傘下の「アルカミヤ」という集団という情報もある。アンディジャンでは「アルカミヤ」のメンバーとされた23人に対する裁判が市民の怒りを呼び、連日裁判所前で数千人が抗議集会を開いていた。
インタファクス通信などによると、この日未明に100人余りの武装勢力が警察や軍部隊の駐屯所を襲って武器を奪い、刑務所を襲撃した。さらに、行政庁舎や学校の占拠を図り、治安部隊と銃撃戦が展開された。
その後、武装勢力は行政庁舎など2カ所で治安部隊に包囲され、治安部隊員のほか、女性や子どもを人質に取って立てこもった。当局との間で交渉が続いている。武装勢力は、カリモフ大統領ら指導部の退陣のほか、ロシアのプーチン大統領に交渉で仲介役になるよう求めているという。
市内では数万人の市民が朝から行政庁舎前の広場などに集まり、「民主主義と仕事を」などと叫んで気勢を上げた。この広場で武装勢力と治安部隊の間で続いた銃撃で、住民1人が死亡したとの報道もある。
カリモフ大統領は、事件後ただちにアンディジャンに向かったとされる。事件を受けて隣国のキルギスはウズベクとの国境を閉鎖、タジキスタンも警備態勢を強化した。
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〈キーワード・ウズベキスタン〉 旧ソ連の構成国の一つで91年に独立。トルコ系のウズベク人が8割を占め、旧共産党指導者で強権的なカリモフ大統領が長期政権を維持している。カリモフ政権は、ソ連崩壊後のイスラム復興運動を弾圧。01年のアフガン攻撃をきっかけに親米路線に転じた。イスラム武装勢力は昨年春以降、タシケントなど各地でテロ事件を起こしている。人口約2600万。世界有数の綿花産地で、金などの鉱物資源も豊富。
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ウズベキスタン:カリモフ政権、さらに硬化か 米露は困惑
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20050515k0000m030096000c.html
[モスクワ町田幸彦] ウズベキスタンのカリモフ大統領は大規模な反政府運動に直面し、武力弾圧を強化する姿勢を示している。これに対し、米国とロシアはどう影響力を行使すべきか、考えあぐねているというのが実情だ。カリモフ政権は米国の「対テロ戦争」に国内基地を提供するなど協力し、ロシアが警戒するイスラム過激派の弾圧にも大きな役割を担い、米露にとっては“優等生”だったからだ。
治安部隊は13日に暴動が起きた東部アンディジャンを一時平定した。だが、14日にも市内で抗議集会が開かれるなど反政府行動の波は治まっておらず、流血の惨事が繰り返される懸念がある。
ウズベク南部の古都ブハラは16〜19世紀、イスラム文化の学術都市として知られ、帝政ロシア・ソ連時代には東部フェルガナ渓谷地域で熱心な宗徒たちが信仰を守った。
91年末のソ連崩壊後、元共産党幹部のカリモフ大統領は強権体制を整える過程で、イスラム教勢力の伸長を抑えることを最優先課題にした。同時にイスラム復興運動は急進化した。反体制派ウズベキスタン・イスラム運動(IMU)のようにアフガニスタンの旧タリバン政権と関係強化するなど、過激化をたどった。
カリモフ政権は01年の米同時多発テロ以後、米軍への基地提供に応じ、米国との関係を緊密化した。ウズベク国内では不当逮捕や拷問が日常化していると国際人権団体は指摘するが、ブッシュ米大統領は公式にウズベクの人権侵害を批判したことがない。これは中央アジアの要衝でイスラム過激派を封じていることへの見返りとも言える。
一方、カリモフ政権は、民主化を求める政変が起きたグルジアやウクライナがロシア軍に対し国内基地からの撤退を求めたのに対し、ロシア軍駐留を容認。旧ソ連諸国でつくる独立国家共同体(CIS)集団安全保障条約を脱退し、露骨なロシア離れの動きには一線を画している。旧宗主国ロシアの顔を立てることで「イスラム過激派のテロ拡大」を警戒するプーチン大統領の支持も確保する狙いとみられる。
カリモフ大統領は米露の後ろ盾を確認しつつ、「イスラム過激派掃討」を名目に現地住民を弾圧してきた経緯があり、野党勢力のサリフ民主党党首は「今回のアンディジャンの抗議はイスラム過激派でなく、反大統領派国民の蜂起だ」と反論している。
米露はカリモフ政権と微妙な共存関係にあるが、今後、ウズベク国内で治安部隊による殺傷が広がれば、同政権への立場の再検討を余儀なくされるだろう。
毎日新聞 2005年5月14日 21時54分
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シリアが去ってシリアの果たした役割の大きさが解ったと云った感じではないか?
そもそもモザイク国家レバノンのアイデンティティってのが疑問である。シリアのミスはハリリを暗殺してしまったことだなぁ。。経済運営に成功してたハリリが脅威だったのか,しかし全くの逆効果だし決めつけることは出来ないと思うが。。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1043205301/877-885?KEYWORD=%A5%EC%A5%D0%A5%CE%A5%F3
レバノン総選挙、反シリア派野党同士の競争に
2005年05月27日20時13分
http://www.asahi.com/international/update/0527/016.html
米欧などの圧力を受けてシリア軍が4月に撤退したレバノンで、29日から国民議会(128議席)の選挙が始まる。同国を間接支配したシリアの後ろ盾を失ったカラミ前首相ら親シリア派は、立候補を辞退。選挙は反シリア派野党同士の競争の様相を見せるが、内戦時代の宗派抗争の再燃を懸念する声も出ている。
「シリアが去り、我々は自由を取り戻した。これは信任投票だ」。26日、首都ベイルート市内の集会で、反シリアの故ハリリ元首相派の候補者が叫んだ。29日に投票されるベイルート地域では、2月に暗殺されたハリリ氏の次男サード氏(35)が率いる同派が圧勝の勢いだ。
AFP通信などによると、同派はすでに9人が無投票当選。無所属候補らと争う残り10議席も独占する可能性が高い。全国で計35〜40議席前後の獲得が見込まれる。
選挙ではカラミ前首相や、ラフード大統領の息子ら親シリア派有力者がこの1週間、相次いで不出馬を宣言。地元紙デーリー・スターのムロウエ編集長は「カラミ氏らは、シリアなしでは勝ち目はない、と名誉ある撤退を望んだ」とみる。
だが、シリアという対立軸が消えたことで、結束していた野党各派が分裂を始めた。
キリスト教右派「自由愛国運動」が東部でハリリ派などとの選挙協力を中止。北部ではイスラム教スンニ派団体がイスラム教徒への議席割り当て増加を求めて選挙ボイコットを宣言した。
ムロウエ編集長は「反シリアデモは初めて、宗派の枠を超えた『レバノン人』というアイデンティティーを広め、新しい時代に入るという期待が高まった。だが、その高揚感は消えた」という。
大学生ナビハ・ラマダンさん(21)は「私たちは新しいレバノンをつくるために集まったのに、政治家は公約も出さず、再び自分の利害だけを争い始めた」と話した。
18の宗派が共存するレバノンでは、内戦となった70年代からシリアが軍を駐留させて介入。約15年前の内戦終結後は親シリア派を政権に据えてきた。
だが昨年9月、シリア軍撤退を求める国連安保理決議が採択され、ハリリ元首相が今年2月に暗殺されると、シリアの関与を疑う声が高まり数十万人規模の連続デモに発展。シリア軍の撤退につながった。
<レバノン総選挙>128議席を19選挙区で争う。全国を4地域に分け、29日から6月19日にかけて順番に投票される。議席はキリスト教とイスラム教で半分ずつに分け、さらにキリスト教マロン派やイスラム教スンニ派など宗派ごとに配分されている。大統領はマロン派、首相はスンニ派、議長はシーア派から選ばれる。各選挙区で宗派別の議席割当数が決まっており、宗派対立の原因の一つになっている。有権者は21歳以上の男女。
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インドネシアの爆弾テロ、死者は21人に 負傷者60人
2005年05月28日21時50分
http://www.asahi.com/international/update/0528/008.html
インドネシア東部スラウェシ島中部テンテナの市場で28日起きた爆発で、国営アンタラ通信は同日、死者が21人、負傷者が約60人にのぼると伝えた。死者には3歳の男児などが含まれているという。警察当局は、爆弾テロ事件と見て捜査を始めた。
地元からの報道などによると、最初の爆発は午前8時すぎに市場で発生。その15分後に近くにある警察署の外で2度目の爆発が起きた。最初の爆発による負傷者らを助けていた警察官や市民らが多く巻き込まれたという。
テンテナのある中スラウェシ州には、東南アジアで活動するイスラム過激派ジェマー・イスラミア(JI)から分派した組織が拠点を置いているとの情報がある。テンテナは住民の大半がキリスト教徒で、過激派が宗教対立をあおるために標的にした可能性もある。
インドネシアでは02年にJIの犯行による爆弾テロがバリ島で起き、200人以上が死亡している。今回の事件はそれ以来、最大の犠牲者となった。ジャカルタでは03、04年にも爆弾テロが起きているほか、最近は米国大使館がテロの標的にされているとの情報から、大使館や総領事館など国内にある米政府系機関が26日から閉鎖されている。
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ハリリ派がベイルートの全議席独占 レバノン総選挙
2005年05月30日10時02分
http://www.asahi.com/international/update/0530/005.html
29日に実施されたレバノン総選挙の首都ベイルートでの投票で、地元メディアの独自集計などによると、2月に暗殺されたハリリ元首相の次男サード氏(35)率いるハリリ派が全19議席を独占した。サード氏は同日夜、「(故)ハリリ首相、そして民主主義の勝利だ」と勝利宣言した。
情報省の推計では投票率は28%。ハリリ派の圧勝が見込まれ、同派の「信任投票」に近かったため有権者の関心は低かったとみられる。
レバノン総選挙は国土を4地域に分けて順次行われる。次は6月5日、南部地域(23議席)で投票される。イスラム教シーア派住民が多い南部では、シリアの支援を受けてきたシーア派政党ヒズボラがアマルなどと選挙協力。そこにハリリ派も加わり、統一候補者リストをつくっている。
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もしシリアにちょっとでも頭があったならこんな事してもシリアが余計に反発食らうだけと解ってる筈だ。犯人は誰だ?
<レバノン>反シリアの著名ジャーナリスト爆殺される
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050602-00000111-mai-int
ベイルートで2日、シリアに批判的だったレバノン紙の著名ジャーナリスト、サミール・カシール氏の車が爆発、同氏が即死した。暗殺事件とみられ、ミカティ・レバノン首相は「治安と自由を標的にした痛々しい出来事だ」と非難した。カシール氏が自宅を出ようと車のエンジンをかけたところ、突然、車が爆発したという。
(毎日新聞) - 6月2日20時38分更新
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何処でも似たような問題が起きますねぇ。
【アラビア湾かペルシャ湾か 中東でも海の呼称論争】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050602-00000043-kyodo-int
[カイロ2日共同] イラン外務省のアセフィ報道官はこのほど、アラブ諸国の記者に対し、中東のイランとアラビア半島に囲まれた海を、アラブ側の呼称「アラビア湾」ではなく、「ペルシャ湾」と“正式名”で呼ぶよう訴えた。1日付のアラブ紙アッシャルク・アルアウサトが報じた。
湾の呼称については、イランの旧称「ペルシャ」を使いたがらない湾岸アラブ諸国とイランとの間で長年論争になっており、サウジアラビア資本の同紙も、記事の中ではこの海域を「アラビア湾の名で知られている」と報じている。
報道官は記者団に対し、ペルシャ湾の名は国際的に認知された世界地図に記載されており、「この海域を本当の名称で」呼ぶよう求めた。
(共同通信) - 6月2日9時0分更新
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Iraq's 55 Most Wanted
イラク最高指名手配55人
http://www.geocities.com/inazuma_jp/iraqwanted.html
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なんか状況説明が中途半端に説明的に過ぎやしないか?
>看守が独房の外で小便をした際、尿が風に吹かれて通気口から独房内に入り、収容者とコーランにかかった
踏みつけ、小便など5件 コーラン冒涜で米軍最終報告書
2005年06月04日19時31分
http://www.asahi.com/international/update/0604/013.html?t5
キューバにある米グアンタナモ基地でイスラム教の聖典コーランが冒涜(ぼうとく)されたとされる問題で、米国防総省は3日夜、最終報告書を公表した。け飛ばしたり、踏みつけたり、看守の小便がかかったりするなど計5件の不適切な取り扱い例があったことを認めた。イスラム諸国で反米感情が改めて強まる可能性がある。
報告書によると、確認されたのは、看守がコーランをけ飛ばした(02年2月)▽尋問官がコーランを踏みつけた(03年7月)▽看守が水入りの風船を独房棟に投げたため、コーランがぬれた(03年8月)▽英語版のコーランにひわいな英語の落書きが見つかった(同)▽看守が独房の外で小便をした際、尿が風に吹かれて通気口から独房内に入り、収容者とコーランにかかった(今年3月)――の5件。
落書きについて報告書は「収容者本人が書いた可能性もある」としている。尿がかかった件では、看守は配置換えされ、収容者には新しい服とコーランが支給されたという。
米誌ニューズウィークが5月9日号で「米兵がコーランをトイレに流した」と報道したのをきっかけに、イスラム諸国で怒りを呼び、アフガニスタンでは反米デモ隊への発砲で少なくとも16人が死亡した。
パキスタンやインドネシアなどの政府は米政府に調査と関係者の処罰を求めていた。同誌は5月中旬、取材に問題があったとして記事を撤回したが、米軍は約3万1000件の内部文書を調べていた。
米軍は03年1月にコーランの取り扱い方法を指示したが、5件のうち4件はその後に起きている。このため、部分的な修正を検討しているという。
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イラン大統領選、改革派がラフサンジャニ氏支持へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050620-00000316-yom-int
[テヘラン=緒方賢一] イランのハタミ政権を支えた改革派の中心勢力「イスラム・イラン参加戦線」は20日、大統領選挙の決選投票(24日に実施予定)で穏健路線のラフサンジャニ最高評議会議長(70)を支持することを決めた。
保守最強硬派のアフマディネジャド・テヘラン市長(48)が決選投票に残ったことに危機感を強める改革派の間で、「次善の候補」としてラフサンジャニ議長を推す動きが出てきた。
イスラム・イラン戦線は、アフマディネジャド市長が精鋭部隊の革命防衛隊出身であることを念頭に「軍事組織が政治分野で権力を握ろうとしている」と危機感を表明し、「民主主義と人権を守る人々に決選投票を棄権しないよう求める」との声明を出した。第1回投票で同戦線はハタミ大統領の後継者と自任するモイン元科学技術相を支持したが、同戦線の地方支部は20日、ラフサンジャニ陣営の選挙運動への協力を始めたという。
別の改革派政党「イスラム革命ムジャヒディン機構」もラフサンジャニ議長への支持を表明した。一方、保守系紙「ケイハン」は同日、決選投票に進出できなかったラリジャニ前国営放送会長ら保守派候補の陣営はアフマディネジャド市長を支持するとの見通しを伝えた。また国営放送によると、護憲評議会は20日、異議申し立てを受け、テヘランなど4都市の票の一部について再集計を行った。
(読売新聞) - 6月20日22時38分更新
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イランは枢密院だの軍部だのがあって民主主義が根付かないまま,大衆をも含めて軍国主義に傾倒していった戦前の日本の姿と被る。
右派の政治家はしばしば貧困の根絶を強権的なイメージで実現してくれそうな幻想をばらまくが,安部なんかが人気な所見ると,今の日本,こんなに豊かになったのに貧乏人が増えてきてるのかね?自民党の愚かな経済政策の失敗で貧困層増やして,その貧困層に強権的な事云って支持得るんだから詐欺もいいとこ。
イラン大統領にアフマディネジャド氏が当選
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050625-00000003-yom-int
[テヘラン=岡本道郎] 24日行われたイラン大統領選挙決選投票は25日朝(日本時間午前)までの開票の結果、保守強硬派のアフマディネジャド・テヘラン市長(48)が得票率約62%を獲得、穏健派のラフサンジャニ最高評議会議長(70)を破り当選を決めた。
革命理念への回帰を訴えたアフマディネジャド氏の地滑り的な大勝で、1997年以来、ハタミ大統領の下で進められてきた改革路線は終焉、ラフサンジャニ師に改革継続を託そうとした改革派は致命的な敗北を喫した。核開発問題や対米関係などイラン外交政策がより強硬となることも予想され、イランは重大な転機を迎えた。
アフマディネジャド氏の勝利により、最高指導者ハメネイ師を頂点とする保守派は、大統領職を奪還し、国会、司法府と合わせて三権を独占する。革命イランで、イスラム法学者ではない世俗の政治家が大統領に選ばれたのは、81年のラジャイ氏以来。
アフマディネジャド氏は8月に就任する。
AP通信が内務省発表として報じたところによると、開票率54%の段階で、アフマディネジャド候補が得票率61・8%、ラフサンジャニ候補が35・7%を獲得。投票率は約49%で、第一回投票の63%を下回った。
アフマディネジャド氏は当初注目を集めなかったが、貧富の差解消など社会的不公正の是正を訴えたのが奏功。質素、清廉イメージも浸透し、低所得者層を中心に広範な支持を集めた。これに対し、ラフサンジャニ候補は、大統領2期(89―97年)を務めた経験と実績を前面に出し、改革路線の継続を訴えたが、過去の政治家というイメージを払拭できず、惨敗した。
改革派諸政党・組織、知識人らは、アフマディネジャド氏の当選を衝撃を持って受け止めており、イラン社会で再び保革の対立が先鋭化する可能性も指摘されている。最高指導者ハメネイ師は24日深夜の投票終了後、両候補の陣営に対し、街頭での祝勝行動を慎むよう呼びかける異例の声明を出した。
(読売新聞) - 6月25日12時23分更新
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イラク遺跡:多国籍軍駐留で被害 ユネスコで報告
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20050627k0000m030037000c.html
[パリ福島良典] 考古学上、貴重なイラクの遺跡が多国籍軍の駐留で被害を受けていることが分かった。国連教育科学文化機関(ユネスコ、本部・パリ)で22〜24日に開かれた「イラク文化遺産保護国際調整委員会」の第2回会合に出席したイラク国立博物館のドニー・ジョージ館長らが明らかにした。一方、遺跡から盗み出された文化財は海外に高額で売却され、武装勢力の資金源になっているという。メソポタミア文明発祥の地で、文化遺産が多国籍軍と武装勢力の衝突の「もう一つの犠牲者」になっている。
ジョージ館長によると、多国籍軍の駐留による被害が最も深刻なのは新バビロニア王国(紀元前7〜6世紀)の遺跡があるイラク南部のバビロン。同館長は「米軍よりも、戦車を多用しているポーランド軍の影響が大きい。遺跡の土壌はもろく、戦車の通行で地下2〜3メートルが破壊される」と指摘した。
バビロンについては今年初め、「多国籍軍が石畳を戦車で破壊し、遺跡の破片が混じった土砂で土のうを作った」と告発する報告書を大英博物館が発表。これに対し、バビロンを含む一帯を管轄するポーランド軍は遺跡内では戦車などを使っていないと反論している。
ユネスコの松浦晃一郎事務局長は22日、国際調整委員会開幕にあたり、「遺跡の上や周囲への駐屯地設営で取り返しのつかない被害が出る恐れがある」と指摘した。同委ではイラク側の要請を受けてバビロンの現況について集中討議した。
一方、イラク移行政府のラウィ文化相によると、遺跡盗掘・密輸は主に(1)イラク戦争前から存在していたギャング(2)旧フセイン政権によって戦争中に刑務所から釈放された犯罪者−−などの仕業で、近隣諸国のグループから指示を受けて動いている場合があるという。
ジョージ館長は「売却資金が武装勢力に流れ、イラク警察や米軍を攻撃する武器・弾薬費用に充てられている」と明らかにした。同館長によると、遺跡から発掘された古代の粘土板1枚の取引価格はイラク国内では20〜50ドルだが、米国に渡れば5万〜10万ドルに跳ね上がるという。
毎日新聞 2005年6月26日 19時29分
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【エジプト現代略史】
http://www.eastedge.com/egypt/history.html
■16〜18世紀
エジプトは、16世紀からオスマン・トルコの支配下にあった。
1805年、ムハマド・アリがオスマン・トルコの宗主権のもとで、国王となった。
第一次世界大戦まではオスマン・トルコの支配は名目上残っていたが、実質的には異なる状況下にあった。 ムハマド・アリと彼の後継者たちは、経済的にエジプトを独立させようとした。巨大な綿工業が育成された。幅広い国営産業計画が始まった。その中で最も壮大な物がスエズ運河である。しかし管理不備のため、エジプトは破産寸前になった。1882年、イギリスとフランスが財政管理を引き受けた。それに乗じてイギリスは政治においても支配力を強めた。
■20世紀
1914年、第一次世界戦争が起こったとき、エジプトはイギリスの保護国となった。
1922年、エジプトは名目上の独立を果たした。そしてファウド国王のもとでの立憲君主国としての選挙が行われた。しかしこの状況の背後には相変わらずイギリスがいた。
エジプトは第二次世界大戦後も、混乱の中にあった。1948年のイスラエル独立戦争では、エジプトは敗れた。 1952年1月、大規模な反英闘争が起こり、カイロ市内の西欧資本の建物が襲撃された。
■独立
―●ファルーク国王―(無血クーデター)→ナセル―
7月26日、ガマル・アブデル・ナセル中佐によって指導された軍部若手将校の「自由将校団」は無血革命でファルーク国王を打ち倒した。1953年、ムハマド・ナギブを大統領としてエジプトアラブ共和国が樹立された。 これはエジプト人による約2300年振りの国家だった。
ナセルはムスリム同胞団を弾圧したが、ナギブ大統領はムスリム同胞団を支持していた。政権内での二人の対立は深まっていった。
1956年11月、ムスリム同胞団によるナセル暗殺未遂事件が起こった。ナセルは、ナギブがこの暗殺未遂事件に関与しているとの理由で追放し、大統領となった。
ナセルは東西どちらの陣営にも与しない開発途上国による非同盟運動を組織した。
1956年、ナセルはスエズ運河の国有化を宣言した。
1958年、シリアとともに国家として、アラブ連合を結成した。
1961年、シリアが脱退し、国家としてのアラブ連合は崩壊し、元のエジプトに戻った。 1967年、第3次中東戦争でイスラエルに敗れ、シナイ半島を占領された。
―●ナセル(病死)→サダト―
1970年、ナセルは病で亡くなった。その後継者には アンワル・サダトが選ばれた。
サダトは、開放政策、民主化を進め、西側、アメリカに接近した。
1973年、エジプト軍は、シナイ半島奪還のため、イスラエルを奇襲攻撃した。第四次中東戦争である。この戦争で、シナイ半島を一部奪回するなど、序盤エジプトは善戦し、サダトの人気は上がった。
1977年11月、サダト大統領はイスラエルを訪問した。
1978年、サダト大統領はアメリカのキャンプデービッド合意に調印した。
1979年、サダト大統領はイスラエルとの平和条約に調印した。
サダトの経済政策により、外資が導入され国内に高級品があふれるようになった。しかし富は一部の金持ち、高級官僚をより富ませ、逆に貧富の差は拡大した。
イスラム原理主義者は、サダトの政策に反対し、イスラム法にのっとった政策を要求した。そして暴動や政府の建物への襲撃事件が頻発するようになった。
体制維持のため、サダトはイスラム原理主義者への弾圧を強めた。
1981年10月6日、サダト大統領は、第四次中東戦争開戦8周年軍事パレード中、ムスリム同胞団イスラム原理主義グループ「アル・ジハード」によって暗殺された。
―●サダト(暗殺)→ムバラク―
副大統領のムバラクが大統領に就任した。
1982年、平和条約にのっとり、シナイ半島はエジプトに返還された。
ムバラクはサダトの開放政策を踏襲し、アメリカとの関係を維持した。経済危機は相変わらず続き、貧富の差は解消されなかった。
ムバラクは、サダトと同様イスラム原理主義者を弾圧し、彼らは地下に潜った。
イスラム原理主義者グループは外国人襲撃を宣言している。 1992年から現在まで、ムバラク政権に敵対するイスラム原理主義者グループによる、外国人襲撃が起こっている。
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大体2000年も前に追い出された土地に帰ってきてここは俺等が神から貰った土地だと言い張るこの傲慢。ユダヤ人はヨーロッパへ帰れ!とアラブ人でなくとも云いたく成る。ユダヤ差別して追い出したヨーロッパ人どもはパレスチナ人民の苦しみが解っているのか?責任取れ。
イスラエル:ガザ地区撤退反対派が全土で一斉抗議
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050630k0000e030018000c.html
[エルサレム樋口直樹] イスラエルの占領地・ガザ地区からの撤退に反対するユダヤ人の右派活動家らは29日夕、イスラエル全土の主要道で一斉に座り込みを行うなど抗議活動を展開、エルサレムとその周辺部だけで約60人が警察に逮捕された。極右活動家の一部は道路に油や鋲(びょう)をまいて交通を遮断するなど過激化しており、撤退反対派の国会議員からも非難の声が上がった。
デモ参加者の大半は、イスラエルだけでなく占領地もまた神から与えられた土地だと信じる宗教的右派の若者たち。エルサレム北部では午後5時過ぎ、警官隊の厳重な警戒のすきを突いて参加者らが次々と道路に身を投げ出し、帰宅ラッシュで込み合う道路は瞬く間に渋滞した。命令を無視するデモ参加者に対し警官隊は放水車を投入。テルアビブ・エルサレム間の大動脈は約2時間にわたって混乱した。
これに先立ち、29日朝には同区間の高速道路に極右活動家の手で大量の油や鋲がまかれ、約20台の車がパンクした。大惨事を招く恐れのあるこうした抗議行動には、撤退に反対する右派国会議員らからも「反対派の道徳的な闘争をおとしめる卑劣な行為だ」「政治闘争へのダメージだ」との非難が相次いだ。
8月中旬に迫ったガザ撤退に向け、反対派の抗議はますます激化するとみられており、シャロン首相は警察・治安当局に対し、社会の不安定化を防ぐためあらゆる手段を講じるように指示したと伝えられている。
毎日新聞 2005年6月30日 10時06分
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レバノン新首相、反シリアのシニオラ氏就任へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050630-00000213-yom-int
[カイロ=柳沢亨之] レバノンからの報道によると、同国国民議会(定数128)各会派は30日、新首相の人選についてラフード大統領と相次いで会談、議員の大半が反シリア指導者サアド・ハリリ氏派のフアド・シニオラ元財務相(62)(イスラム教スンニ派)を推薦した。
大統領は同日中にシニオラ氏を首相に任命する見通しで、4月のシリア軍撤退後のレバノン政治は、反シリア派が主導権を握ることが確実になった。
同氏は、ハリリ、ワリド・ジュンブラット(イスラム教ドルーズ派)両氏率いる反シリア主流派(計72議席)のほか、ミシェル・アウン元将軍(キリスト教マロン派)率いる反シリア非主流派(計21議席)、親シリアのイスラム教シーア派政党「ヒズボラ」と「アマル」(計35議席)のほとんどの支持を受けた模様。同国の不文律で首相はスンニ派から選ばれることになっている。
ただ、全会派が内閣入りを目指しているため、組閣作業の難航が予想される。また、ハリリ派は先の議会選でヒズボラと共闘したため、ヒズボラ民兵組織の武装解除を求める米国への対応に苦慮しそうだ。事実、ヒズボラが29日、南部の国境地帯でイスラエルと衝突したのは「シニオラ氏に対米融和を戒める警告」(観測筋)と見る向きが多い。
(読売新聞) - 6月30日20時34分更新
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筑波大助教授殺害:「悪魔の詩」翻訳者刺殺、時効まで1年
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050709k0000e040067000c.html
小説「悪魔の詩」の翻訳者で筑波大助教授の五十嵐一(ひとし)さん(当時44歳)が91年7月12日、茨城県つくば市天王台の同大で他殺体で発見された事件は、間もなく時効(15年)まで1年となる。妻で帝京平成大(千葉県市原市)助教授の雅子さん(57)らが20日、夫の回想会を開く。雅子さんは14年間を振り返り「事件を風化させたくない」と訴えている。
回想会は毎年7月に開いており、今年は東京都千代田区の日本プレスセンターで午後6時半から。
「悲しむ、なんて生やさしいものではなかった。ショックから台所で食事を作っている最中に、気を失ったことが度々ありました」。雅子さんは事件発生時を振り返る。当時は専業主婦だったが、五十嵐さんの知人のつてで大学の非常勤講師を始め、中学生の長女と小学生の長男を育てた。
「つらい日々が続いたが、子供を育てなければなりませんでした。同時に、人とのかかわりを大切にしながら社会に貢献する主人の志を、どう受け継いでいったらいいのか、と考えました。毎日悲しんだり思い出に浸っていてはいけない、と自分を励ます日々でした」。仮に犯人が国外に逃亡していれば、その期間は時効が延びる。雅子さんは「解決のためにも、1年に一度くらい事件や主人のことを思い出してほしい」と話している。
県警の調べでは、犯行は発見前日の11日夜とされ、現場から五十嵐さんとは異なるO型の血痕や、犯人が残したとみられるカンフーシューズタイプの足跡が見つかった。学内関係者ら延べ2800人から事情聴取を行ったが有力な目撃情報はなく、犯人像、犯行目的を絞れないまま捜査は難航。「アラブ系の男が海外に逃げた」との情報もあったが、現在は「専従体制は取っておらず、市民からの情報もない」(捜査幹部)という状態だ。【土屋渓】
【筑波大助教授殺人事件】91年7月12日朝、筑波大構内で同大比較文化学類の五十嵐一助教授が他殺体で見つかった。研究室のある校舎7階エレベーターホールで鋭利な刃物で首などを切られていた。五十嵐助教授が翻訳した英国人作家、サルマン・ラシュディ氏の小説「悪魔の詩」は当時、イランの故ホメイニ師が「マホメットの私生活をスキャンダラスに描くなど、マホメットとイスラム教を冒とくする内容だ」として著者を死刑宣告していた。
英文を読む
毎日新聞 2005年7月9日 15時00分 (最終更新時間 7月9日 15時00分)
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テロってのはやりきれないね・・。
中核派とか全員予防拘禁してその間に匿名で土地収容委員会作って羽田空港全部強制収容しちまえ。
エジプト爆発:爆弾テロの死者83人 3カ所で自爆テロ
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050724k0000m030088000c.html
[シャルムエルシェイク(エジプト・シナイ半島)高橋宗男] エジプト・シナイ半島の紅海沿いの高級リゾート地、シャルムエルシェイクで23日起きた爆弾テロで、死亡者は少なくとも83人、負傷者は約200人に上った。AP通信などが伝えた。死者数は97年のルクソールでの銃乱射事件の犠牲者62人を越え、同国で過去最悪のテロ事件となった。爆発はホテルなど3カ所で起き、警察当局はいずれも自爆テロと見ている。
国際テロ組織アルカイダ系「アブドラ・アザム旅団」を名乗る組織が同日、ウェブ上に犯行声明を出し、治安当局が真偽を確認している。同旅団は昨年10月にリゾート地タバなどで外国人ら34人が死亡した連続爆弾テロでも犯行声明を出している。
連続テロはいずれも午前1時15分(日本時間同7時15分)ごろ発生。ナアマ湾地区にあるガゼラ・ガーデン・ホテルでは爆弾を積んだ自動車が突っ込み建物が大破、死傷者多数が出た模様だ。また同地区から4キロ離れた市場で車を使った自爆テロがあり、海沿いの歩道では爆弾入りのかばんが爆発した。
死者は大半がエジプト人とみられ、AP通信によると、外国人犠牲者はイタリア人やオランダ人など数人にとどまっている。外務省によると23日午後9時現在、日本人被害は確認されていない。
毎日新聞 2005年7月23日 21時43分 (最終更新時間 7月24日 0時33分)
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王族がいっぱいいてその中から人望があって仕事のできる人が衆目の一致を見て国王になるというのは巧く行けば良いけど(奈良朝とか),結局暗闘とか起きて結局能力度外視の長子単独相続になって官僚制へ移行か。まだサウジは新しい国だし此処迄来てないんだな。
サウジのファハド国王が死去、後継にアブドラ皇太子
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050801-00000011-yom-int
[カイロ支局] サウジアラビア国営テレビなどによると、同国のファハド国王(1923年生まれ)が1日、リヤド市内の病院で死去した。
サウジ王室は同日の声明で、後継国王にアブドラ皇太子が即位すると発表した。アブドラ皇太子の後継にはスルタン国防航空相が決まった。
ファハド国王は、サウド家で最大勢力を作る7兄弟の長。82年に国王に即位し、親米・穏健路線の外交を進めた。95年に脳卒中で倒れ、最近は異母兄弟のアブドラ皇太子が内政・外交の実務を取り仕切っていた。
(読売新聞) - 8月1日16時46分更新
ファハド・サウジ国王死去=後継にアブドラ皇太子
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050801-00000088-jij-int
[カイロ1日時事] 世界最大の産油国サウジアラビアのファハド・イブン・アブドル・アジズ第5代国王が1日、首都リヤドのファイサル国王専門病院で死去した。正確な年齢は不明だが84歳前後だったとみられる。死去を受けて、異母弟のアブドラ皇太子が第6代国王に選ばれた。
ファハド国王は今年5月、発熱して肺に水がたまるなどの症状で同病院に入院。その後は回復が伝えられていた。
(時事通信) - 8月1日17時1分更新
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こんなのもこのスレ向けのネタになるのかな?
2chでは二億円の出所が脱税によるものでは?と噂されていましたが・・・・・聞くところによると信者の子弟向けに学習塾を手広くやっていて、その収益(一応税金はかかる)を布施(非課税)として扱っているんだとか・・・・・・・・
■ 万博の「ネパール寺院」、宇都宮市に移築
http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/050927/news_7.html
宗教法人の幸福の科学は二十六日、愛知万博のネパール館に展示されていた「ネパール寺院」を買い取り、宇都宮市に移築すると発表した。
この寺院は、ネパール最古の寺院として文化遺産となっている「ハラティ・マタ寺院」を復元した建物。
幸福の科学によると、買い取り額は移築費を含めて約二億円。ネパール政府の委託を受けたパビリオン出展者との間で、二十二日に契約した。
移築先は宇都宮市弥生二丁目にある幸福の科学の「総本山・正心館」の隣。寺院を覆う建物を造り、中に収容する。来年七月ごろに完成し、一般市民に公開するとともに宗教儀式に使用するという。幸福の科学の広報担当者は「仏教芸術として価値のある建物なので、広く市民に見ていただきたい」と話している。
[My HP] http://politics.mtcedar.com/
http://mtcedar.txt-nifty.com/
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当人が死んだ後も延々と払い続けるなんて・・・・・まるで大岡裁きの世界やね。
離婚した妻に1万年間月金貨1枚を イランで判決
http://www.asahi.com/international/update/1205/005.html
2005年12月05日12時55分
「離婚した妻に毎月金貨1枚を今後1万年間払え」。テヘランの女性が起こした離婚訴訟で、イランの民事法廷がイスラム法に基づき、元夫に対してこんな判決を出した。イランでは結婚の際、離婚となった場合に男性側が払う慰謝料を定めることになっているが、この金額の高騰が社会問題と化している。
政府系紙「イラン」によると、離婚を通告された妻が1500万ドル相当の金貨を要求。判決はこれを認める一方、支払い方法として120万リアル(約1万6000円)相当の金貨を毎月1枚払うよう求めた。男性の収入を勘案して分割払いにしたとみられる。支払いは1万年前後続くことになる。
イランの婚姻法では、結婚する男女があらかじめ、離婚時に男性側から女性側に支払う金額を決め、双方の合意のもとに署名する。このお金はメフリエと呼ばれ、通常は儀礼用に流通する金貨の数で決められる。
離婚が少なかった年配の夫婦の間では形式的に決められていたが、79年のイスラム革命やその後のイラン・イラク戦争、最近の激しいインフレなど不安定な世相の影響で若い世代の意識が激しく変化。女性側から高額のメフリエを求める事例が多くなり、「年頃」の子供を持つ親たちの悩みの種となっている。
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>>40
その画像と言うのがこれ↓ですね。
http://men.style.com/gq/features/landing?id=content_4071
http://men.style.com/images/gq/features/010106/GQfeature2v.jpg
もっともビンラディン家は欧米でも名の通った商家だから、かのオサマの姪がN.Y.でセクシィな姿をご披露しても何の不思議もありませんけどね。
[My HP] http://politics.mtcedar.com/
http://mtcedar.txt-nifty.com/
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http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1116784031/99-100
↑最近の和平はイメージとは裏腹に、過去に独断専行でレバノン侵攻を行い虐殺行為はやらかすは、単身イスラム教の聖地に乗り込んで今日の抗争状態の火蓋を切るマネをするは・・・・・そういう経緯を知っていればこんな発言が飛び出てくるのも当然の理なのかも。
重体のシャロン首相の「死を望む」 イラン大統領が発言
http://www.asahi.com/international/update/0106/011.html
2006年01月06日20時08分
イランのアフマディネジャド大統領は5日、イスラエルのシャロン首相が危篤状態との報を受け、同首相の死を望むと語った。イラン学生通信が伝えた。首相の過去のパレスチナ人殺害への関与を指摘した発言だが、国際社会の批判が強まりそうだ。
大統領は、82年のイスラエルによるレバノン侵攻時に発生した難民キャンプでのパレスチナ人大量殺害に関連し、「願うならば、犯罪者が祖先の列に加わりますように」と述べた。
イスラム教徒の土地を奪ったとしてイスラエルの建国と存在を認めないのが、79年のイスラム革命以降のイランの国是。革命原理への回帰を掲げる大統領は、国際社会からの反発を承知のうえで反イスラエル発言を続け、国内の支持強化を狙っているとみられる。
[My HP] http://politics.mtcedar.com/
http://mtcedar.txt-nifty.com/
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>>44
サアド首長、わずか10日で退位 クウェート議会が決定
http://www.asahi.com/international/update/0125/007.html
2006年01月25日11時32分
首長の座を巡る王族同士の内紛が続いていた産油国クウェートの国民議会は24日、臨時議会を開き、サアド首長を「健康面で懸念があり、職務が遂行できない」として退位させることを全会一致で決めた。サアド首長の在位はわずか10日だった。内閣は、次期首長にサバハ首相を指名。議会でサバハ氏の首長就任を巡る投票が近く実施される見通しだ。
サアド氏は、ジャビル前首長の死去に伴い15日に新首長となった。だが、数年前から体調を崩しており、前首長の葬儀にも車いすで参列。これに対し、ジャビル前首長の弟で長年政務を実質的に取り仕切ってきたサバハ首相らが反対の声を上げ、権限移譲を求める臨時議会を開いた。
サアド氏は23日、側近の王族との話し合いに基づき、議会での投票を避けて自ら退位を表明すると決めていた。しかし、退位を表明する書面がサアド氏から議会に届いたのは、結局投票のあとだったという。AFP通信は「首長の家族の反対で書面が遅れた」と伝えた。
クウェートの法律では、「首長が職務を遂行できない」と判断された場合、議会の議決で権限を移譲できる。
クウェート国内では、今回の退位が権力闘争をうかがわせる強引な手法ではなく、議会内の合法的な手続きで実現されたことに対し、評価が高い。政治アナリストのモハンマド・ジャシム氏はロイター通信に「クウェートが部族や社会の束縛から離れ、法治国家であることを示した」と述べた。
>>45
ハマス、過半数の勢い パレスチナ選挙
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1043205301/1178
ハマス、過半数76議席を獲得 パレスチナ選挙
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1043205301/1179
[My HP] http://politics.mtcedar.com/
http://professorgiko.fc2web.com/
http://mtcedar.txt-nifty.com/
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アフガンでキリスト教改宗者を逮捕・起訴=欧米が非難の大合唱
http://news.goo.ne.jp/news/jiji/kokusai/20060322/060322054341.r20iug8v.html?C=S
2006年 3月22日 (水) 17:11(時事通信)
[カブール22日] アフガニスタンでキリスト教に改宗した男性(41)が逮捕・起訴され、欧米各国が非難の大合唱を繰り広げている。2001年にイスラム原理主義勢力のタリバン政権が崩壊して以降、民主社会の建設を進める同国にとって、今回の事件は自由化の度合いを計る試金石と受け止められている。(写真はアブドラ・アフガン外相)
司法当局者によれば、男性は16年前にパキスタン西部ペシャワルでキリスト教系援助団体で働いていた当時に改宗。ドイツに9年間居住した後、アフガンに帰国したが、改宗したことを家族が当局に密告、約2週間前に逮捕された。
初公判で男性は改宗の事実を認めた上で、「後悔はしていない」と述べ、イスラム教への再改宗を拒否した。次回公判は2カ月以内に開かれる。裁判で有罪になれば、死刑判決が下される可能性がある。
米国務省のマコーマック報道官は21日、「寛容と宗教的自由は民主主義の重要な要素だ」と述べ、アフガン当局に裁判の透明性確保を要請。ドイツ外交当局者も、男性の起訴は不寛容の典型例だと非難、カルザイ大統領に男性を助けるために介入するよう求めた。〔AFP=時事〕
イスラム教から改宗、死刑の恐れの男性釈放 アフガン
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/kokusai/20060329/K2006032804280.html
2006年 3月29日 (水) 00:27
イスラム教からキリスト教に改宗したことが罪に問われ、死刑となる恐れのあったアフガニスタン人男性アブドゥル・ラフマン氏(41)が27日夜、釈放された。アフガン司法当局が28日明らかにした。ラフマン氏は外国への亡命を希望しているという。
3月末の予審で、ラフマン氏の家族が「精神的に問題がある」と証言。同氏は病院で検査を受けていた。AP通信によると、検察官は「裁判に耐えられない状態」として起訴を見送った。
イスラム教国のアフガンでは、他宗教への改宗はイスラム法(シャリア)によって死刑となる恐れがあり、欧米各国が懸念を強めていた。アフガン復興に協力する各国との関係悪化を避けたいカルザイ大統領の意向が働いたとみられる。
アフガンの改宗男性釈放 保守派の反発必至
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20060328/20060328a3970.html?C=S
2006年 3月28日 (火) 17:48
[カブール28日共同] イスラム教からキリスト教への改宗を罪に問われていたアフガニスタンのアブドルラフマン氏(41)が27日、精神状態が審理に適さないとして、釈放された。司法当局が28日明らかにした。同氏は、アフガンから出国、亡命する見通し。
シャリア(イスラム法)では、改宗は極刑に相当する。釈放に対するイスラム保守派などの反発は必至とみられ、カルザイ政権は難しいかじ取りを迫られそうだ。
ローマ法王ベネディクト16世やブッシュ米大統領ら欧米各国首脳らが善処を求め、圧力をかけていた。
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アフガン タリバン攻撃激化 1週間で300人死亡、学校も標的に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060523-00000011-san-int
[バンコク=岩田智雄] アフガニスタンで旧支配勢力タリバンによる攻撃が激化している。フランス通信(AFP)によると、最近一週間の戦闘などの死者は約三百人にのぼり、イラクでの同時期の死者数を上回っている。タリバンはまた、近代教育を進めようとしている学校への襲撃も繰り返している。
アフガン駐留米軍などは二十一日夜から二十二日朝にかけて、南部カンダハル州でタリバン残存勢力の拠点を空爆、約八十人を殺害した。付近では最近、米軍などの駐留軍とタリバンとの戦闘が続いており、十九日には双方に約百人の死者が出た。死者の大半はタリバンの武装勢力だが、米国、カナダ、フランス、アフガン政府軍の兵士も犠牲となっている。
タリバンはまた、女子教育や近代教育を実施する学校も標的にしている。今月十五日、バルフ州で学校の女子教室に爆弾が投げ込まれ、教師一人と女子生徒五人が負傷。翌日には同じ地域の別の学校が放火された。学校への襲撃事件は昨秋以降、数十件にのぼるとみられている。
タリバンは二〇〇一年の政権崩壊前、極端なイスラム原理主義に基づき、女性から教育の機会を奪うなどの社会政策を実施していた。
このため、タリバン残存勢力は米国主導で進むアフガン再建に激しく反発しており、タリバンのダドゥラー司令官はアフガン・イスラム通信に、カンダハル州など南部四州には一万二千人のタリバン兵がおり、千二百人の自爆テロ要員がいると豪語している。
こうした状況に、アフガンのカルザイ政権は、タリバンを生んだ隣国パキスタンへの反発を強めている。
カルザイ大統領は最近、「パキスタンのマドラサ(宗教学校)ではいまも、ジハード(聖戦)のためにアフガニスタンへ行き、学校や病院を焼き払えという教育が行われている」と非難。スパンタ外相も、国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者について「パキスタンに住んでいることは確かだ」としたうえで、「パキスタンは拘束できるのにやる気がない」と述べパキスタン政府の対応に強い不満を表明している。
(産経新聞) - 5月23日3時10分更新
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「ソマリア首都制圧」 イスラム勢力指導者が宣言
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060606-00000008-san-int
[ロンドン=蔭山実] アフリカ東部のソマリアで5日、イスラム原理主義勢力「イスラム法廷」の指導者が、首都モガディシオを制圧したと宣言した。
BBCテレビによると、イスラム法廷の指導者は地元ラジオで、首都を支配していた武装勢力の指導者4人が4日に逃走したとして、「武装勢力による首都の支配は終わった。イスラム法廷は戦闘を望まず、平和を達成させる」と主張し、国民に、新たな指導体制を受け入れるよう呼びかけた。
ソマリアの暫定政府は全土を支配できず、現在、地方都市バイドアに拠点を置いているが、首都入りを目指してイスラム法廷との話し合いを始めたいとしている。
ソマリアでは1991年以降、武装勢力による全土の分割支配の状態が続き、イスラム法廷と対立してきた。
(産経新聞) - 6月6日4時8分更新
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イラン、日本の油田開発権取り消しを警告
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060606-00000013-yom-int&kz=int
[テヘラン=工藤武人] イランのバジリハマネ石油相は、日本の国際石油開発が開発権益を持つイラン南西部アザデガン油田開発について、「我々は日本側の遅れを許容できない」と述べ、9月までに国際石油開発が開発に着手しなかった場合、同油田の開発権を取り消す可能性を警告した。
イラン国営テレビが6日伝えた。
この発言には、イラン核問題をめぐり、日本が「有志国」による対イラン制裁を模索する米欧と共同歩調を取らないようけん制する狙いがあるとみられる。
石油相はさらに、「日本側が期限を守れなかった場合には、我々の技術者に開発を行わせることになる」と述べ、イラン国内の業者に開発権を移す可能性を示唆した。
(読売新聞) - 6月6日21時45分更新
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筑波大助教授殺害が時効 「悪魔の詩」事件から15年
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060710-00000192-kyodo-soci
小説「悪魔の詩」の日本語版翻訳者で筑波大助教授五十嵐一(いがらし・ひとし)さん=当時(44)=が1991年7月に殺害された事件は11日午前零時、15年の時効が成立する。
事件は91年7月12日朝、茨城県つくば市の筑波大校舎7階のエレベーター前踊り場で、五十嵐さんが首や顔などを切られ殺害されているのが見つかった。犯行は11日夜以降とされている。
「悪魔の詩」をめぐって、イランの最高指導者だった故ホメイニ師が「イスラム教を冒?(ぼうとく)している」と批判して著者の英作家サルマン・ラシュディ氏に「死刑宣告」を出したり、イタリア語版訳者が襲撃されたりした。
こうした背景から、つくば中央署の捜査本部はイスラム教が絡んだ国際テロの疑いが強いとみて捜査。延べ約3万4000人の捜査員を投じたが有力な手掛かりは得られず、近年は同署の捜査員3人が兼務で事件を担当していた。
(共同通信) - 7月10日20時29分更新
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利子を禁止してたのは中世のキリスト教も同じ。数百年イスラームは遅れてるとも云えるね。
キリスト教下でもかなりややこしい手続きを経て利子を取ってたけど,現代のイスラムではどういう仕組みで利子を取ってるのかね?
日本初のイスラム債発行へ 国際協力銀、最大6百億円
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/keizai/20060821/20060821a2860.html
2006年 8月21日 (月) 18:43
国際協力銀行(JBIC)は21日、酒やギャンブル関連企業への投資を避けるなどイスラム教の教義に沿う形で資金運用する債券「イスラムボンド」を、国内金融機関として初めて発行する検討に入った。発行額は最大5億ドル(約600億円)で、販売先はイスラム圏の産油国などを想定。来年早々にも、イスラム金融が盛んなマレーシア市場で発行する見通しだ。
原油高で急拡大するオイルマネーの規模は2兆ドル(約230兆円)以上との試算があり、政府は、民間金融機関と協力して国内市場への取り込み策を推進。政府系金融機関のJBICが市場開拓の先陣を切る。
イスラム教には預金利子を「不労所得」として禁じるなど独自の規定があり、こうしたノウハウに乏しい日本の金融機関は、オイルマネー獲得競争で欧米勢と比べ大きく出遅れていた。
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>>59
オイルマネー獲得狙い、国際協力銀がイスラム金融研究 (読売新聞)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/islam/story/28yomiuri20060828i501/
国際協力銀行は今年度、イスラム圏を中心に拡大しているオイルマネーの取り込みを念頭に、イスラム法に則した独特の金融慣行を持つ、「イスラム金融」の本格的な研究に乗り出す。
邦銀としては初めてパキスタン、サウジアラビア、マレーシアのイスラム法学者4人と助言契約を結び、イスラム金融に関するノウハウの蓄積を始めた。
原油価格の高騰を背景とするオイルマネーの拡大により、イスラム金融の資産規模は現在4500億ドル(約50兆円)に達し、年率10〜15%で拡大していると見られている。
日本企業がイスラム圏で事業を行う際などに、現地銀行と協調融資を行うケースも増えているが、こうした場合にイスラム金融の方が取引が円滑に成立するという。
[ 2006年8月28日3時13分 ]
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どうもベネディクト16世は内向き(=キリスト教世界内だけ見てる)気がする・・。
まぁアルカイダに批判されたからと云って法王を批判するのはあれかもしれないけど・・
「法王はペテン師」ザワヒリ容疑者がビデオ声明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060930-00000503-yom-int
[カイロ=長谷川由紀] 国際テロ組織アル・カーイダのナンバー2、アイマン・ザワヒリ容疑者は29日、ウェブサイトに新たなビデオ声明を出した。
容疑者はこの中で、ローマ法王ベネディクト16世について、「このペテン師は、イスラム教が理性と矛盾すると非難した。キリスト教こそ、分別ある精神には受け入れ難いことを忘れている」と激しく批判した。法王がドイツで行った講義で、イスラム教を侮辱する発言をしたとされる問題に言及したものとみられる。
ザワヒリ容疑者はまた、「我々はいっそう強力になり、殉教を続ける」とアル・カーイダの組織力を誇示し、テロ継続を予告。同時に、ブッシュ米大統領に対し、「失敗者よ、うそつきよ。勇気をもって米国民に、イラクとアフガニスタンでの敗北について真実を語ったらどうだ」と述べ、ブッシュ政権が推進する反テロ戦争が成果をあげていないと強調した。
(読売新聞) - 9月30日14時58分更新
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2000年前に追い出されたからと云う神話を元に住んでた連中を追い払って軍事国家作って居座るイスラエル・ユダヤ人を殲滅しないと平和は訪れないのではないか?ユダヤ人を差別して追い出したヨーロッパ人が第一義的な責任を,イスラエルに不当に肩入れするアメリカが第二義的な責任を負うと思う。
ヒズボラ「戦力回復」宣言…ロケット弾3万3千発に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061101-00000115-yom-int
[カイロ=柳沢亨之] レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ最高指導者、ナスララ師は31日夜、自派のテレビ、アル・マナールとの会見で、ヒズボラがロケット弾3万3000発を保有し、7月の対イスラエル紛争開戦前の「戦力を回復した」と宣言した。
国連安保理停戦決議が目指す武装解除を断固拒む姿勢を改めて示したものだ。
同師は9月の演説では、保有するロケット弾を「2万発以上」としていた。ヒズボラの武器密輸を警戒するイスラエル軍は最近、ヒズボラ拠点上空への領空侵犯を繰り返し、圧力を再び強めている。
一方、同師は会見で、対イスラエル紛争の端緒となったイスラエル兵2人の拉致について、イスラエルで収監中のレバノン人との「交換」に向け、国連事務総長特使を仲介役とした対イスラエル間接交渉が「進ちょくしている」と語った。
(読売新聞) - 11月1日22時43分更新
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イラクは「内戦」=主要テレビで初めて断定−米NBC
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061128-00000029-jij-int
[ワシントン27日時事] 米NBCテレビは27日、イスラム教の宗派間抗争が激化しているイラクの現状を「内戦」と表現することを決めたと発表した。ブッシュ政権はイラクが内戦化しているとの見方を一貫して否定しているが、NBCが主要テレビとして初めて断定したことは、イラク政策をめぐる今後の議論に影響を与えそうだ。
(時事通信) - 11月28日11時1分更新
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そりゃそうだ。キリスト教原理主義が大手を振っている国でイスラム教を認めんのは信教の自由に反するからな。
米国初のイスラム教徒下院議員、コーラン使って宣誓
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070105id01.htm
【ワシントン=五十嵐文】米国初のイスラム教徒の下院議員キース・エリソン氏が4日、第3代大統領トマス・ジェファーソンが所有していた年代物のイスラム教典コーランを使用して宣誓した。
多くの議員が使用するキリスト教の聖書ではないことに加え、議会図書館所蔵の貴重な本という話題性もあり、報道陣が殺到。ペロシ新議長と向き合ったエリソン氏は、緊張した面持ちで2冊組みのコーランに左手を添え、宣誓した。
エリソン氏が借用したコーランは1764年、ロンドンで出版され、翌65年ごろ本の収集家として知られたジェファーソン氏が入手したとされる。1815年に議会図書館に売却された。
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なるほど〜。
仏教徒が当選したら大日経でも使うんですかねぇ?無神論者が当選したらどうなるんだろ?元素表でも使うのかね?
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最近、阿刀田高の『旧約聖書を知っていますか』という本を読み返したんですが、問答無用に他宗教より優位に立ってるんですよね。
信教の自由というのも、弾圧はしないというだけで、指導層に”邪教”が入り込むのには厳しく思ってる人も多いのかもしれない。
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イスラエル人の中のイスラム教徒が閣僚になったらしいが,そういえばパレスチナ人の国籍ってどうなってんの?
アラブ系イスラム教徒が入閣へ=建国以来初めて−イスラエル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070128-00000075-jij-int
1月28日22時0分配信 時事通信
【エルサレム28日時事】イスラエル政府は28日の閣議で、労働党のガレブ・マジャドレ議員の入閣を賛成多数で承認した。同議員はアラブ系のイスラム教徒。ユダヤ人国家イスラエルで同教徒が入閣するのは1948年の建国以来初めて。
イスラエルでは全人口の約2割がアラブ人だが、同国政府は建国以降、ユダヤ人社会に対して重点的に予算を配分する政策を続けてきた。アラブ系国民の間には「2級市民扱いされている」との不満が根強く、同議員が今後、アラブ系の地位向上でどのような役割を果たすか注目される。
最終更新:1月29日0時0分
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治安が不安定なとこへ来て思ったほど成果挙げられなかった自衛隊に比して、安定しているクルドに駐屯した韓国は現地住民からも歓迎されてると聞きますね。
クルド3州の危険度引き下げ、イラク開戦後初 外務省
http://www.asahi.com/politics/update/0205/009.html
2007年02月05日17時14分
外務省は5日、イラク全土に出している「退避勧告」に関し、比較的治安が安定している北部クルド3州の危険度を1ランク低い「渡航延期」に緩和した。2005年10月以降大規模なテロが発生していないためで、危険情報の引き下げは、イラク戦争開戦直前の03年2月に「退避勧告」を全土に出して以来初めて。
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パキスタンもアフガンも潜在的にはイランの様な回教革命が起きる素地が常にうねっていて危ういね。
パキスタンろう城:治安部隊が制圧 神学生ら40人死亡
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20070710k0000e030035000c.html
【ニューデリー栗田慎一】パキスタンの首都イスラマバードのモスク(イスラム礼拝所)「ラルマスジッド・モスク」ろう城事件で、陸軍の治安特殊部隊は10日午前4時(日本時間同日午前8時)過ぎ、武装勢力排除作戦に着手し、モスク敷地内のイスラム神学校(マドラサ)に突入した。AP通信によると、少なくとも武装神学生ら40人が死亡、治安部隊側も3人が死亡した。双方に多数の負傷者も出た模様だ。軍報道官は突入から約4時間後、「モスクを制圧し、戦闘は終結した」と述べた。
在パキスタン日本大使館によると、モスク周辺に住む日本人7人全員の無事を確認した。
モスク内で「人間の盾」となっている女性や子供の安否が懸念される中、ムシャラフ大統領が銃撃戦開始から8日目に突入を決断した。モスク内には学生ら数百人以上が立てこもっていたとみられる。
軍当局によると、特殊部隊はモスクの壁に開けた3、4カ所の穴から突入。神学生らはモスク屋上などから銃を発砲した。その後、施設の地下にこもり、銃や手投げ弾などで応戦した。また、隣接の女子マドラサが炎上した。
ろう城を指揮する指導者ラシッド・ガジ師(43)は突入直後、地元テレビの電話取材に対し「政府が我々の身の安全を保証し、法廷で裁くのならば投降する。しかし、我々を殺害すれば、大統領に大きな復讐(ふくしゅう)がもたらされるだろう」と語った。
政府当局者によると、モスク内の水や食料が底をつき、9日にはフサイン元首相や宗教関係者らからなる交渉チームが女性や子供たちの解放を求め、武装した神学生らに投降を呼びかけた。ガジ師への「最後の説得」を試みたが、不調に終わった。
イスラマバード中心部にある同モスクでは、周辺を警戒していた治安部隊とモスク内の神学生らが銃撃戦となった3日以降、ろう城が始まった。軍は4日、同モスク最高指導者でガジ師の兄アジズ師を拘束。5日早朝から警告弾を発射し、電気や水などを止めて兵糧攻めを続けた。
ムシャラフ大統領は過激派対策の一環として、同モスク傘下の国内七つのモスクを「違法建築」とみなして取り壊すなど対立を激化。3日以降、9日までの銃撃戦でも24人が死亡している。
【ことば】ラルマスジッド・モスク イスラマバード中心部のモスク(イスラム教の礼拝所)の一つで、「赤いモスク」を意味する。60年代に創設され、イスラム法(シャリア)の厳格順守を掲げる。アフガニスタンの旧タリバン政権やパキスタン軍情報機関と密接な関係があるとの指摘もある。
毎日新聞 2007年7月10日 11時18分 (最終更新時間 7月10日 13時41分)
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イラン、東西の隣国と握手 米影響力排除をねらう
http://www.asahi.com/international/update/0814/TKY200708140363.html
2007年08月14日20時28分
イランのアフマディネジャド大統領は、イラクのマリキ首相が8日にテヘランを訪問し、治安協力で協議したのに続き、東隣のアフガニスタンとの間で首脳会談を持った。米軍が展開する東西隣国の首脳との相次ぐ会談は、核問題で国連安全保障理事会の経済制裁が続くなか、地域での米国の影響力排除をねらう戦略の一環といえる。
カブールで14日、アフガニスタンのカルザイ大統領(左)と握手をかわすイランのアフマディネジャド大統領(右)=AP
イラクの武装勢力への支援と同様、タリバーンに武器も含めた支援をして治安を悪化させているとして、米国はイラン批判を強める。イランはタリバーン支援を全面否定するが、この時期の大統領同士の握手自体が米国の批判への回答となる。
アフマディネジャド大統領はアフガン出発前、「両国は隣国ではなく兄弟国。両国は、ある超大国(米国)の地域での支配と影響力を制限すべきだ」と述べていた。
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「女性よ、殴り返すべし」…シーア派権威が宗教見解
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_11/t2007112909_all.html
レバノンのイスラム教シーア派最高権威ファドララ師は27日、女性に対する家庭内暴力は罪だと明言し、正当防衛のためなら「女性も夫を殴り返すことが許される」とするファトワ(宗教見解)を出した。AP通信が伝えた。
ファドララ師はヒズボラを含め、レバノンの保守的なシーア派住民に強い影響力を有する。男性上位と欧米に非難されがちなイスラム教の宗教権威が、女性の権利を訴えて一肌脱いだ格好だ。
イスラム教では相続など家庭内の問題で男性に優位性が与えられているが、ファドララ師は「だからといって男性が女性に暴力を振るったり侮辱的な言葉を投げつけることは認められない」と指摘し、女性に対する暴力は「罪であり、イスラム法で罰せられる」と明言。「男性から暴力を受け、ほかに身を守る術がない場合は女性も暴力で応じて良い」と述べた。
ファトワは「女性に対する暴力撤廃の国際デー」(25日)に合わせて出された。(共同)
ZAKZAK 2007/11/29
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呪い恐れ盗品次々返却 店主の「祈るぞ」に動揺 ケニア
http://www.asahi.com/international/update/0109/TKY200801090253.html?ref=goo
2008年01月09日18時55分
大統領選をきっかけにした混乱が続くケニア東部の町モンバサで、商品を略奪された店主が特別なイスラム教の祈りを唱えると公言したところ、呪いを恐れた暴徒が次々と盗品を返しに来る「事件」が起きている。
略奪されたのはイスラム教徒が経営する店。タンザニアから輸入した板材やベッド、ソファなど4200万ケニアシリング(約7000万円)相当が、年末年始にかけて奪われた。
店主は4日、「伝家の宝刀」を使うことに。スワヒリ語で「ハルバディリ」と呼ばれる特別な祈りだ。イスラム教徒の多いモンバサ周辺では、悪者に神の正義が下される祈りと信じられている。
店主の決断はあっという間に周囲に広まり、6日深夜から次々と、暴徒が盗品を返しに来始めた。中にはリヤカーをレンタルしてまで運び込む者もいるという。
目撃者の男性によると、暴徒らは「テレビを盗んだ男は逃げる途中に死んだ」「盗んだベッドで寝ていたら、見知らぬ男が隣で寝ていた」などと呪いを恐れていたという。警察はその様子をやじ馬と一緒に眺めていたといい、逮捕する動きはない様子だという。
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>>76は俺っす
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サドル師「掃討やめねば全面戦争」 イラク政府に警告
http://www.asahi.com/international/update/0421/TKY200804200216.html
2008年04月21日01時47分
【カイロ=井上道夫】イラクのイスラム教シーア派の反米強硬指導者サドル師は19日、自派の民兵組織マフディ軍に対する掃討作戦の停止をマリキ政権に要求、応じない場合は全面戦争に突入するとの声明を発表した。AP通信などが伝えた。
サドル師は「昨年8月以降、マフディ軍は活動を自粛してきた。だが、イラク政府は我々に対する弾圧を続けてきた」とマリキ政権を批判。「政府が自国民に対する攻撃を続けるようであれば、全面戦争を布告する。これが最後通告だ」と警告した。
また、サドル派と対立するシーア派政党イスラム最高評議会系の民兵組織バドル軍が政府内に浸透していると訴え、全面戦争回避の条件として、イラク治安部隊の中枢を握るバドル軍を政府から排除することを挙げた。
イラク治安部隊は3月25日にマフディ軍の掃討作戦を開始。南部バスラで始まった戦闘は首都バグダッドにも拡大した。4月上旬までに双方は停戦を発表したが、その後も戦闘は続いている。
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軽率だねぇ。。
日本アニメ、中東で非難 「コーラン読み殺害指示」
2008.5.22 08:15
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080522/mds0805220813001-n1.htm
日本の人気アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」の中に、悪役がイスラム教の聖典コーランを読みながら主人公らの殺害を命じる場面があり、アラビア語圏のウェブサイトで批判が高まっていることが21日分かった。原作コミックスの出版元でアニメ製作も主導した集英社(東京)は同日までに、問題のアニメのDVDや原作コミックスの一部を出荷停止とする方針を固めた。
中東では「コーランを読めば悪者になるという趣旨か。イスラムへの攻撃だ」などとの書き込みが300以上のサイトに広がっており、イスラム教スンニ派教学の最高権威機関アズハルの宗教勧告委員長アトラシュ師は「イスラム教に対する侮辱で受け入れられない」と非難した。
集英社広報室は「作品の舞台であるエジプトの雰囲気を演出するため(アラビア語の)本を登場させることを考え付き、見つけた資料をコーランと知らず、使ってしまった。イスラム教徒の方に不快な思いをさせ心よりおわびする」としている。(共同)
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我が故郷掛川のしかも同じ旧掛川市内ですな。学区外であんま近くないから良く知らないけど市民病院の近く,掛工もあの辺なんか。
とは総研も無条件解放を要求したい。
「とにかく無事で」 祈る掛川の両親 アフガン拉致
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20080827000000000018.htm
08/27 08:53
「とにかく無事でいてくれれば」。アフガニスタン東部で26日、掛川市出身の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」ボランティア伊藤和也さん(31)が拉致された事件は、県内関係者に衝撃をもたらした。現地では「解放」の連絡が誤報とされるなど情報が錯綜(さくそう)。家族らは遠く離れた日本から、伊藤さんの無事を祈り続けた。
「本人の顔を見て声を聞くまでは喜べない」。伊藤和也さん(31)の両親は26日夜、掛川市杉谷の自宅で、長男の無事を祈るように待ち続けた。
伊藤さんは掛川市内の小中学校から磐田農高、県立農林短大(現県立農林大学校)を卒業。その後、ペシャワール会の中村哲代表の著作を読んでアフガニスタンに関心を持ち、2003年12月から現地で主に農業のボランティア活動をしているという。日本には年に1、2回帰国し、直近の帰国は昨年7月だった。
誘拐の一報から7時間半経過した午後9時ごろ。外務省から「現地大使館から解放されたという連絡があった」という父正之さん(60)は「本人確認を待ちたい」と複雑な表情を浮かべた。母順子さん(55)も「けがなどをしていないか心配」と表情を曇らせた。
伊藤さんについて順子さんは「アフガニスタンのために生きてきた子。どうか助けてください。とにかくやさしい子。『ぼくに何かあったらアフガンの地に埋めて』と言っていたが、親に心配をかけまいと『大丈夫だよ』とも笑って話していた。代われるものなら代わってあげたい」とも話した。
アフガンについて伊藤さんは「いい人が多く、子供がかわいい」と語り、アフガンに戻る時は日本の土産を買っていたほど、現地の人に溶け込み、子供をかわいがる農業青年でもある。
アフガンの農業振興という高い志を抱いて活動を続けてきた長男。両親は深夜の安否確認をじっと待ち続けた。
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>>80-81
最悪の事態。非常に腹立たしいし悲しいですね。。やりきれん。
発見の遺体、伊藤さんと確認 所属NGOの現地関係者
http://www.asahi.com/international/update/0827/SEB200808270007.html
2008年8月27日20時48分
アフガニスタン東部で日本のNGO「ペシャワール会」(本部・福岡市)の伊藤和也さん(31)=静岡県掛川市出身=が武装グループに拉致された事件で、ペシャワール会は27日夕、現地からの情報として、日本人男性とみられる遺体を発見、現地スタッフが伊藤さんであることを確認したと発表した。
遺体は日本時間同日夜、ナンガルハル州の州都ジャララバードに到着した。カブールの日本大使館職員がペシャワール会の現地職員らとともに、遺体の身元確認を進めている。
ペシャワール会の現地代表、中村哲医師は27日、バンコクで記者会見し、「遺体は伊藤さんに間違いない。現地スタッフが確認した」と語った。中村氏によると、遺体が見つかったのはジャララバードの北北東約40キロのダラエヌール渓谷。伊藤さんが働いていた試験農場のあるブディアライ村から歩いて1時間ほど離れた場所とされる。
遺体を確認したのは同会の現地組織ペシャワール・メディカル・サービスの副院長。頭と足を撃たれているという。犯行グループが地元警察らの捜索から逃れる際に射殺したか、銃撃戦に巻き込まれた可能性がある。
外務省の山本一太副大臣は27日午後に記者会見し、カブールの日本大使館も、地元警察が日本人らしき男性の遺体を発見したとの連絡を受けたことを発表した。同日午後2時すぎ、地元警察から遺体発見の連絡を受けた国連アフガニスタン支援団(UNAMA)が日本大使館に通報したという。遺体の発見場所や死因など詳細は不明としているが、政府関係者によると、遺体には銃で撃たれた傷があるという。
伊藤さんは26日午前6時半(日本時間同11時)から同7時(同11時半)ごろにかけて、ダラエヌール近くで、自動小銃で武装した4人組に襲われ、運転手とともに拉致された。運転手は間もなく救出。警察や、会が支援してきた地元住民らが伊藤さんの行方を捜していた。
地元警察などによると、警察部隊は26日、山中で犯行グループを発見して銃撃戦となり、1人を逮捕。この容疑者は伊藤さんの殺害を認めているといい、27日は供述を元に残る犯行グループの潜伏場所を特定して捜索していたところ、日本人らしき遺体を発見した。
アフガン東部で活動する反政府武装勢力タリバーンの一派を名乗るムニーブ司令官は27日、朝日新聞に対し日本人を拉致したことを認めたが、「我々は政府側へ何らかの要求をするための人質にするつもりだったが、日本人は政府側との銃撃戦に巻き込まれて死亡した」と述べ、意図的な殺害との見方を否定した。
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「何でこんなことに」 殺害された伊藤さんの父親
http://www.asahi.com/national/update/0827/TKY200808270286.html
2008年8月27日21時36分
伊藤さんの父親、正之さん(60)は27日午後、テレビで遺体発見のニュースが流れて間もなく、外務省から「残念だがテレビの報道の通り遺体が見つかった。本人かどうか確認がとれていないので、職員を現地に向かわせる」という電話を受けた。静岡県掛川市内の自宅近くで同日夕に記者会見し、「悔しい。何でこんなことになるのか」と、やりきれない思いをのぞかせた。
正之さんは「息子はいい国をつくろうと、村人に信頼されながら頑張ってきたのに、何でこんな結果になるのか。まだまだやりたいことがあったはずだ」と話した。
外務省は午後10時半に遺体確認を発表。正之さんには午後10時10分ごろに同省から連絡があったという。地元報道各社の代表取材に、正之さんは「正直、家族はまだ受け入れられない、会っているわけではないし。顔を見たい。ただ、本人には家族みんなで『頑張ったね』と言ってあげたい」と話した。
母親の順子さん(55)は26日夜、いったんもたらされた「解放」の情報が誤報とわかった後、心労で体調を崩した。横になったり起きたりを繰り返し、外には出られない状態。両親は現地へは赴かず、遺体を国内で迎えたい意向だという。
タリバーン系が関与認める 伊藤さん拉致
http://www.asahi.com/national/update/0827/TKY200808270172.html?ref=recc
2008年8月27日15時19分
アフガニスタン東部で26日、日本のNGO「ペシャワール会」(本部・福岡市)の伊藤和也さん(31)が武装勢力に拉致された事件で、カブールの日本大使館は27日も救出に向け情報収集を続行。地元警察も夜明けを待ち、捜索を再開した。一方、アフガンの反政府武装勢力タリバーンの関係者が事件への関与を認めたが、日本外務省は未確認だとしている。
地元警察や住民は27日早朝から、犯人グループが逃げ込んだと見られる山岳地帯などの捜索を再開した。日本政府も27日、カブールの日本大使館職員を現地に派遣する。町村官房長官は27日午前の会見で伊藤さんの安否について「不明だ」と述べた。
一方、アフガニスタン東部で活動するタリバーンの一派のザビブラ・ムジャヒド報道官は26日、朝日新聞の取材に対し、ナンガルハル州クズクナル地区ヘワ村で日本人を拉致したことを認めた。その後、政府側と銃撃戦になり、死傷者が出ているという。
また、地元警察当局者はヘワ村で警察部隊300人が犯人グループを包囲し、銃撃戦が26日夜まで続いたことを明らかにし、「犯人の1人を逮捕し、1遺体を収容、また身元不明の男性を発見した。男性と遺体の身元を確認中だ」と述べた。ただ、日本外務省は27日午前の段階で、これらの情報を確認していない。(四倉幹木=イスラマバード、駒木明義)
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伊藤さん遺体、頭部と足に銃弾…ペシャワール会の中村医師
2008年8月27日(水)20:53
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/world/20080827-567-OYT1T00646.html
(読売新聞)
【バンコク=田原徳容】ペシャワール会現地代表の中村哲医師(61)は27日午後、タイの首都バンコクの空港で記者会見し、現地スタッフが伊藤さんの遺体を確認したことを明らかにした。
中村医師によると、遺体は、ジャララバードの北北東約40キロの山岳地帯で発見された。頭部と足を銃で撃たれており、「村人に追いつめられた犯人グループが、一緒に走って逃げるには邪魔だと判断し、乱射に近い状態で殺害したのでは」との見方を示した。
犯人グループについては、「現地での活動で恨みをかうようなことはなく、トラブルもなかった。政治的なものでもなく、単なる強盗目的ではないか」と述べた。また、手口などから旧支配勢力タリバンなど武装勢力ではない者による短絡的な犯行の可能性を示唆した。
現地の治安情勢について中村医師は、雪が解けた4月以降に悪化し、対日感情もこれまでになく悪くなったと感じていたとし、「そのような状況下で、邦人スタッフの一時撤収を進めていたが、情勢に対する認識が甘かった点はある」と厳しい表情で語った。
中村医師は、28日中に専用機でパキスタンのペシャワール経由でジャララバードに入り、伊藤さんの検視に立ち会い、30日までに遺体とともに帰国する予定。
「治安悪化を見通せず」 ペシャワール会現地代表が会見
http://www.asahi.com/national/update/0827/TKY200808270301.html?ref=goo
2008年8月27日21時16分
【バンコク=柴田直治】「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)が拉致され、遺体で発見された事件で、同会の現地代表、中村哲医師が27日、アフガニスタンに向かう途中のバンコクで記者会見した。「政治的背景はないと思う」としたうえで「治安の悪化に対する認識が甘かった」と話した。日本人は早急に撤退させ、現地スタッフで事業を続けるという。
中村氏は、伊藤さんが活動していたダラエヌールに28日にも入る予定。同日、伊藤さんの葬儀に参加するという。
アフガンで長年活動を続けてきた同会も、治安悪化を受けて、約20人いたジャララバードの日本人スタッフの半数を4月に帰国させ、残りも年内に出国させることになっていた。「用水路の事業があり、何とか突貫工事でやり遂げようとしていた」という。「以前は日本人なら大丈夫だったが、4月ごろから対日感情も急速に悪化していた。伊藤くんをとどめた私が悪い」と中村氏は悔やんだ。
伊藤さんについて、中村氏は「砂漠化する農地をなんとかしようと最前線で働いていた。他の人が狙われても彼だけは大丈夫というほど現地になじみ、人々に好かれていた。大勢の村人が捜索に加わり、みんな悲しんでいる」と話した。
伊藤さんの遺志を継ぐためにも、現地の人たちで事業は継続するという。「ソ連が来た時も、米軍の空爆時も活動を続けた。治安の悪化は武力では解決しない。空腹を満たす環境をつくることが大切だ」と持論を述べ、「アフガンのために働いたのにアフガン人に殺されたと断罪しないで欲しい。ほとんどの人は我々の事業に感謝している」と訴えた。
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反米指向が更に強まりそうだなぁ。。
ミサイル攻撃21人死亡 パキスタン、米軍が空爆か
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008100402000256.html
2008年10月4日 夕刊
【イスラマバード=共同】パキスタン北西部の部族地域、北ワジリスタン地区で三日夜、隣国アフガニスタンに駐留する米軍の無人機によるとみられるミサイル攻撃があり、国際テロ組織アルカイダに関係する可能性がある外国人十六人を含む二十一人が死亡した。民放ドーンニュースなどが伝えた。
パキスタン政府はアフガン駐留米軍による越境攻撃に反発。先月二十五日には越境した米軍ヘリに対してパキスタン軍が発砲、地上部隊同士の銃撃戦となっており、今回の空爆が米軍によるものであれば、共に対テロ戦を進める両国間の緊張が高まる可能性もある。
治安当局者によると、空爆でアフガンからの難民の女性や子どもも死亡。北ワジリスタン地区はアラブ人やウズベク人などアルカイダ関係者の潜伏場所の一つとされる。米軍による空爆では、これまでも複数のアルカイダ幹部が死亡している。一方、パキスタン軍は米軍による越境攻撃を否定する見方を示している。
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弱者を、自爆テロの兵器として使う。それにテロ現場には義足が遺されるとは、なんとも言葉にできない。守る対象とするのが第一義的なものではないのか・・・タリバンにジハードを掲げる資格なし。
タリバン:自爆「6割が身体障害者」 カブール大准教授
http://mainichi.jp/select/today/news/20081020k0000m030105000c.html
【ニューデリー栗田慎一】アフガニスタンで増加し続けている自爆テロ事件で、実行犯の6割以上が身体障害者だったことが、カブール大学医学部のルサフ・ラドガリ准教授(32)の調査でわかった。障害者の多くが地雷や不発弾の爆発で手足を失った住民とみられ、武装勢力タリバンが、社会的弱者の障害者を自爆犯として利用している実態が明らかになった。
准教授は2年前から、カブールを中心に自爆テロの実行犯の遺体80体を独自に検分。うち65%に当たる52体が、手や足、指などが自爆前から欠損している身体障害者だった。
准教授は現場に残された義足や歩行補助具の流通ルートを調べ、うち1件は06年、カブールの援助団体が中部ロガール州で地雷被害に遭った男性に贈ったものであったことも突き止めた。
タリバンは「米軍の空爆による犠牲者の遺族が、(志願して)自爆している」と主張している。准教授は「手足などを失い失業して貧困に陥った障害者が、家族の生活を保障するなどと口約束されて、自爆している可能性がある」と指摘する。
准教授は近く、タイ・バンコクの研究機関の支援を得て、自爆犯のDNA鑑定を開始する。「民族、出身国などを割り出し、自爆の背景を科学的に解明したい」という。
【ことば】アフガニスタンでの自爆テロ
90年代の内戦時代まではアフガニスタンには自爆テロはなく、国際テロ組織アルカイダ系の外国人が持ち込んだとみられる。03年のイラク開戦後、イラクで自爆テロが頻発するのに合わせてアフガンでも外国軍や政府組織などを狙った自爆が急増。国連の調査では、05年に17件だったのが、06年123件、07年は約150件、08年も増加傾向にある。
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>>86
なんか,やりきれませんねぇ。。
ちゃんと政府が障碍者も通常の暮らしが出来るように対策打てば自爆テロも減らせる可能性がありますね。。
第二次大戦の日本と云い,人命を粗末にする方に勝利はない,と思いたいですけど。。
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いやぁ,良いこと云いますねぇw>金融危機は資本主義の終焉
まぁ終焉とは思わないし自由競争が経済を活性化させると云う個人的な主張は全く代わりはないし,寧ろ徹底した自由競争のもとで労働者の権利や企業の遵法性等を厳格に守る事の重要性を主張してきた俺の主張を補強すらしているように思えるのだが。
金融危機は「資本主義の終焉」=イラン最高指導者
2008年10月16日06時14分 / 提供:時事通信社
http://news.livedoor.com/article/detail/3860643/
【テヘラン15日AFP=時事】イランの最高指導者ハメネイ師は15日までに、米国が発信源の金融危機について、危機は資本主義の終焉や自由民主主義の失敗、神の懲罰を意味するものであり、イランの政治モデルの優位性を示していると述べた。
同師は13日、マルクス主義は崩壊し、現在では西側の自由民主主義に亀裂が入る音が聞こえていると語った。アハマディネジャド大統領も14日、ハメネイ師に同調し、金融危機は資本主義の終焉を意味していると断言した。
同大統領は、これまでも西側の価値観を批判してきたが、現在の金融危機に乗じて自説の展開を活発化させている。というのも、親米アラブ諸国の株式市場では金融危機に伴って株価が大きく下落したが、西側経済とは切り離されたイランの株式市場は危機の影響を受けていないからだ。
イランの新聞も、現在の金融危機は過度な自由主義に原因があるとの論調を展開している。〔AFP=時事〕
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>>80-83
事件を風化させてはならない。掛川市はなんかしたのか?何もしてないではないのか?ヽ(`Д´)ノ
「殺すのか」伊藤さん何度も質問 アフガンで容疑者語る
http://www.asahi.com/national/update/0910/TKY200809100142.html?ref=goo
2008年9月10日15時7分
インタビューに応じるアディル・シャー容疑者=9日、ジャララバード、四倉写す
【ジャララバード(アフガニスタン東部)=四倉幹木】アフガニスタン東部で日本のNGO「ペシャワール会」(本部・福岡市)の伊藤和也さん(当時31)が先月末、拉致、殺害された事件でアフガン当局に逮捕、拘束されているアディル・シャー容疑者が9日、朝日新聞の単独取材に応じた。動機について「金目当てだった」と政治的な意図を否定し、拉致から殺害までの状況を明らかにした。
同容疑者は先月26日、伊藤さんを拉致した4人組のうち唯一、逮捕された。拘束されているジャララバードでメディアの取材に初めて応じた。
同容疑者によると、自身は隣国パキスタンの首都イスラマバード近郊で生まれ、地元のマドラサ(イスラム神学校)に通っていた。年齢は「21歳ぐらい」。タクシー運転手の父親は、拉致現場に近い地域出身のアフガン難民だという。
先月初めから学校の休暇で父親の出身地を1人で訪れ、事件前日の夕方、アフガン出身で同じマドラサに通うアフマドという男に偶然会い、犯行を持ちかけられた。「この近くに日本人の技師がいる。誘拐すれば金になる」
その夜のうちにアフマドを含む仲間3人と拉致現場近くの廃屋に潜み、翌朝、すぐ脇の道を車で通りかかった伊藤さんらを襲ったという。
伊藤さんは自分のスカーフで両手を縛られ、野原や山道を3時間以上、歩かされた。
伊藤さんはおびえた様子で「殺すつもりか」と現地語で何度も聞いた。4人組の1人が「殺すつもりはない」と答えると、落ち着きを取り戻したという。
アフマドが伊藤さんらの隠し場所に選んだ岩山に登り始めて1時間ほどたった午前10時ごろ、付近の村人たちと警官隊がふもとを取り囲んでいるのに気づいた。1、2発、下から撃たれたような銃声を聞いた。アフマドが「日本人を殺そう」と叫びざまにカラシニコフ銃で伊藤さんを撃った。少し離れていた同容疑者は、伊藤さんがその場で倒れるのを見た。伊藤さんは銃創のほかに打撲らしい傷を負っていたが、同容疑者は伊藤さんが転げ落ちるのは見なかったという。
同容疑者は「金目当てだったのでアフマドが撃ったのには驚いた」。その後、仲間を見失い、自分だけ捕まった。
同容疑者は「日本人を見たのは事件の日が初めて。日本がどこにあるかもよく知らない。金が欲しかっただけだ。自分は単なる学生で(反政府勢力)タリバーンと関係はないが、アフマドがどこかの組織に関係しているかは知らない」と話した。
2008年9月10日15時7分 朝日新聞
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サウジとカタールの間で国境画定
2008.12.17 22:24
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/081217/mds0812172226003-n1.htm
国営サウジアラビア通信によると、サウジのナエフ内相は16日、首都リヤドを訪問したカタールのタミム皇太子と共同記者会見し、両国間の国境画定で合意したことを明らかにした。両国国境をめぐっては1992年に小競り合いが発生、カタール側の国境警備員2人が死亡したこともある。
両国関係は国境問題のほか、カタールのハマド首長が出資する衛星テレビ、アルジャジーラがサウジ王室に批判的な報道を繰り返したことなどから、サウジが2002年に大使を召還するなど冷え込んでいた。サウジのスルタン皇太子が今年3月、カタールを訪問してハマド首長と関係修復、安全保障分野での関係拡大で合意していた。(共同)
父親の借金清算で8歳女児結婚 サウジ、無効確認申し立て退ける
2008.12.26 22:50
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/081226/mds0812262250007-n1.htm
サウジアラビア司法当局は26日、父親の借金を清算するため債権者の男性(47)と結婚させられた8歳の女児について、結婚の無効確認を求めた女児の母親の申し立てを退けた。人権団体関係者は「サウジでは少女らが男たちの取引材料にされている」と非難している。米CNNテレビが伝えた。
母親の弁護士によると、司法当局は母親が「法的な保護者に当たらない」ことを理由に申し立てを退けた。CNNは少女の両親が「別居中」と伝えているが、法的に離婚しているかどうかは明らかでない。
イスラム教の中でも最も厳格なワッハーブ派を国教とするサウジは極めて保守的な社会で、女性の権利が大幅に制限されている。(共同)
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パキスタンのタリバン系3組織が合併へ…対米共闘図る
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090221-OYT1T00861.htm
【イスラマバード=酒井圭吾】パキスタン地元各紙は21日、同国北西部の政府直轄部族地域の「パキスタン・タリバン運動(TTP)」など、アフガニスタンの旧支配勢力タリバンと関係を持つイスラム過激派3組織が合併することで合意したと報じた。
オバマ米政権が、テロ組織掃討でパキスタンとの協力強化を進める中、対米抗戦のための共闘で、TTP以外の2組織と和解交渉を進めていたパキスタン政府は戦略の見直しを余儀なくされる。
地元紙によると、3組織は北ワジリスタン、南ワジリスタン両地区が拠点。TTPは、アフガンから流入するウズベキスタン人戦闘員を重用し、外国人に不信感を抱くパキスタン人主体のほかの2組織と反目していた。政府は昨年から、この2組織と停戦協定を締結するなど分断工作を進めていた。地元紙ニューズは「米軍の無人偵察機による空爆が部族を刺激した」と分析している。
(2009年2月21日21時47分 読売新聞)
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伊藤さん両親、基金から寄付 アフガン神学校を支援
03/10 14:49
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20090310000000000052.htm
アフガニスタンで昨年8月に殺害された非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(福岡市)の農業支援スタッフ伊藤和也さんの両親が10日、アフガン復興に役立てるため設立した基金の中から、同国東部に建設中のマドラサ(イスラム神学校)の備品購入費約200万円を同会に寄付する。
掛川市に住む伊藤さんの父正之さんと母順子さんは福岡市を訪れ、伊藤さんの活動を紹介する写真展の開幕式典に出席後、寄付金を贈呈。ペシャワール会は黒板や机などの購入に充てるという。
同会は約600人の学童が教育を受けるマドラサを3月末に完成予定。福元満治事務局長は「マドラサはイスラム過激派の養成所という誤解もあるが、通常の初等教育や孤児の養護施設の役割を担い、現地に欠かせない施設だ」と話している。
両親は昨年秋、伊藤さんの遺志を継ぐため「伊藤和也アフガン菜の花基金」を設立した。
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故伊藤さんのアフガンへの思い本に 今月末販売
03/14 08:14
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20090314000000000017.htm
アフガニスタンで昨年8月、農業支援活動中に殺害された非政府組織(NGO)ペシャワール会(福岡)の伊藤和也さん(掛川市出身)の活動や生い立ちをつづった書籍「アフガニスタンの大地とともに 伊藤和也遺稿・追悼文集」(ペシャワール会編集、A5判、261ページ)がこのほど完成した。今月末に静岡、福岡両県、東京都内の書店で発売となる。
本は、伊藤さんが農業支援スタッフを志した動機を記した文章や、現地から同会に報告された活動記録などの遺稿のほか、現地スタッフや関係者約40人が思い出などをしたためた寄稿文を収録。母の順子さんが「我が子 伊藤和也へ」と題して書いた手紙も掲載している。
現地で撮影した伊藤さんや子どもらの写真も47ページにわたって紹介し、日常の様子を伝えている。
県ボランティア協会の小野田全宏常務理事は「伊藤さんに代わってアフガンの現状を伝える生きた教材。ぜひ読んでほしい」と話している。
問い合わせは県ボランティア協会〈電054(255)7357〉へ。
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妻は夫の求めを拒めない アフガン新法に国内外から批判
2009.4.17 11:48
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090417/asi0904171148002-n1.htm
女性は夫との性交渉を拒めない。アフガニスタンの新たな法律が国内外で波紋を広げている=15日、カブール(AP)
ブルカをまとった女性たちが立ち上がった。
アフガニスタンで、イスラム教シーア派の女性は、4日に1度の夫との性交渉を拒否できないとする法が議会を通過し、国内外で批判が高まっている。いったんは法案に署名したハミド・カルザイ大統領(51)も見直しを命じた。
「権利を守れ」「正義を」。首都カブールで15日、法律に反対する女性ら約50人がデモを行ったところ、3倍以上の人数の男たちが後を追いかけ、石を投げるなどして対立。逮捕者やけが人も出たもようだ。フランス通信(AFP)やAP通信などが伝えた。
法律はシーア派の結婚について定めており、今年3月、議会を通過。妻の身体に不調がないかぎり、夫は少なくとも4日に1度の性交渉を行うことや、妻の外出には夫の許可が必要とする条項があった。
この法律に対して欧米諸国は女性の人権を侵害するとして強く批判。今月、フランスで開かれた北大西洋条約機構(NATO)の会議でも、各国首脳がカルザイ大統領を非難した。
バラク・オバマ米大統領(47)も法律を「忌まわしい」と表現したという。
一方、法案の草案づくりにかかわったシーア派の法学者は「国会を通っており、どんな見直しも認められない。司法当局に見直す権利もない。外国からの指図は受けない」と反発を強めている。
多数派のスン二派には結婚できる年齢を女性16歳、男性18歳と規定しているが、シーア派にはなかった。法律はスンニ派と同じ結婚年齢を規定しており、批判されてきた児童の結婚を制限したという側面もあったという。
欧米の批判をかわすため、カルザイ大統領は「見直す」としたが、国内的には法案を支持する声が強い。
8月の大統領選を控え、カルザイ大統領が実際に議会に法律を差し戻すかどうかは不透明だ。
日本エネルギー経済研究所・中東研究センターの田中浩一郎センター長の話
「アフガニスタンの憲法(2004年成立)には、シーア派の見解を尊重すると規定しており、同派が独自の法を作ることが可能になっている。一方で、アフガンは援助を受けるにあたり、国際社会と人権を尊重することを約束しており、西欧社会の価値と相いれないことになってしまった。カルザイ大統領は政治力のなさから不人気で、国際社会からの支持で政治生命をつなげてきた。しかし、この騒動で一層国内の反発が強まり、8月の大統領選で再選される可能性はなくなってきたといえる」
「最低4日に1度は妻とセックスせよ」 アフガニスタンの新結婚法で論議に
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1148427444/266
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イエメン北部でドイツ人医師ら9人誘拐
2009.6.14 20:29
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090614/mds0906142029005-n1.htm
イエメン内務省は14日、イエメン北部サーダ州でドイツ人医師ら外国人9人が誘拐されたと明らかにした。AP通信などが伝えた。犯行声明は出ていないが、内務省は反政府活動を続けるイスラム教シーア派の一派、ザイド派の民兵組織の犯行とみている。
誘拐されたのは医師を含むドイツ人7人と英国人1人、韓国人1人の計9人。医師らはサーダ州の病院関係者という。
イエメンでは地元部族勢力などによる誘拐事件が多発。サーダ州付近では11日、地元部族がサウジアラビアの病院関係者ら24人を一時誘拐する事件が発生していた。(共同)
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バグダッド郊外でテロ、62人死亡 米軍の撤退戦略に影
http://www.asahi.com/international/update/0625/TKY200906250088.html?ref=rss
2009年6月25日10時44分
【バグダッド=田井中雅人】イラク・バグダッド北東部サドルシティーの市場で24日夜、仕掛け爆弾が爆発し、治安当局によるとイスラム教シーア派住民ら62人が死亡、150人が負傷した。イラク米軍駐留協定で決められた日程に従い、今月末までに米軍戦闘部隊が都市部から引き揚げるのを目前に、先週末からテロが激化、犠牲者は計150人以上に達した。治安のもろさは、オバマ米政権の撤退戦略に影を投げかけている。
シーア派地区のサドルシティーでは、米軍とイラク治安部隊が07年から合同で治安維持にあたってきたが、今月20日に米軍撤収の式典があったばかり。タラバニ大統領は「都市部で我々の部隊が治安権限を引き継ぐのを前に、安定をおびやかそうとする者の企てだ」とテロを非難した。
イラクでは、北部キルクーク近郊で20日に起きた爆弾テロで70人以上が死亡。バグダッド周辺では22日にも爆弾テロが相次ぎ、計20人以上が死亡した。米軍の都市部撤収を前に、国際テロ組織アルカイダ系などスンニ派武装勢力が攻勢を強めている模様だ。
オバマ米大統領は、現在約13万人のイラク駐留米軍のうち(1)6月末までに都市部から戦闘部隊を撤収、郊外の基地に再配置(2)9月末までに1万2千人の戦闘部隊をイラクから撤収(3)来年8月末までにイラクでの戦闘任務を終了(4)イラク治安部隊の訓練などにあたる残存部隊も含めて11年末までにイラクから完全撤退――との日程を掲げている。
米軍のイラク都市部撤収は、オバマ政権がアルカイダとの戦いの「主戦場」と位置づけるアフガニスタンへの兵力シフトを進める上での試金石とみられている。
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サウジアラビア:「精霊に携帯盗まれた」一家が裁判に訴え
http://mainichi.jp/select/today/news/20090715k0000e030038000c.html
2009年7月15日 11時15分
【カイロ和田浩明】サウジアラビアの一家が「ジン(精霊)が携帯電話を盗んだり、石を投げてきたりする」などとしてシャリア(イスラム法)裁判所に訴えを起こした。地元紙が報じた。裁判官は「判断が難しいが、家族全員が被害を主張しており、事実関係を調査したい」と話しているという。
一家はイスラムの聖地メディナ近くの家に約15年前から在住。訴えによると、最近になって、携帯電話がなくなったり、奇妙な物音がするようになり、家を出ていくよう脅すメッセージが留守番電話に残されるようにもなった。夜間に外出しようとすると、何者かが石を投げつけてくるという。家長の男性は「子供たちがおびえている」と話している。
一家は地元の慈善団体の助けで、別の家に移っているという。
ジンはアラブ圏の民間伝承に古くから登場する超自然的な存在で、アラビア語の説話集「千夜一夜物語」でも描かれている。
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とは総研は伊藤さんお遺業を顕彰し続けるぞっ!
アフガン復興に生涯 伊藤さん写真展、静岡で始まる
2009/08/06
http://www.shizushin.com/news/local/central/20090806000000000051.htm
アフガニスタン・ジャララバードで昨年8月末、誘拐、殺害された掛川市出身の農業支援ボランティア伊藤和也さん=当時(31)=をしのぶ写真展「大地に緑を!」(県ボランティア協会主催、静岡新聞社・静岡放送共催)が6日、静岡市葵区七間町のギャラリーえざきで始まった。18日まで(12日休館)。
たわわに実ったブドウの房を誇らしげに掲げる子どもや小麦の収穫作業に汗を流す女性の姿などを写した約50点を展示している。いずれの作品にも、「現地の人たちと一緒に成長していきたい」と願い、アフガニスタン復興に生涯をささげた伊藤さんの意思がにじんでいる。
同日午前の開会式には写真展関係者のほか、伊藤さんの父正之さん(61)と母順子さん(56)も出席した。順子さんは「日本人もアフガニスタン人も、命の重さは同じ。写真展を通じて命の大切さを感じてほしい」と話した。
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今度喰いに行きたい。。
京大の学食にイスラム食メニュー
2009.10.5 20:26
http://sankei.jp.msn.com/life/education/091005/edc0910052026007-n1.htm
京都大生協(京都市左京区)は5日、イスラム教徒が戒律にのっとり食べることが許されている「ハラール食」のメニュー数種類を、学生食堂に常設すると発表した。6日から提供を始める。
京大生協によると、学生食堂としては、画期的な試み。学生食堂「カフェテリアルネ」で、新コーナーを開設。「ハラールチキン」を使った料理や、ソラマメのコロッケを提供する。
京都市内には千人を超えるイスラム教徒が居住し、多くは京大の留学生やその家族。京大は今後、留学生を増やす方針を明らかにしており「生活面から支援する態勢を整えることが大切」と検討を進めていた。
調理の過程で豚肉や豚由来の調味料と混在しないよう、調理環境を整えることが課題だったが、仕込みの時間をずらすことでクリアできたという。
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現代のイスラムの若者にとってのイスラム原理主義は安保闘争世代のマルキシズム,現代の若者のネトウヨみたいなものかもしれない。。
【国際】
仏当局が素粒子の研究者を逮捕 テロ組織関与か
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2009101102000141.html?ref=rank
2009年10月11日 朝刊
【パリ=清水俊郎】フランス、スイス国境にある世界最大の素粒子実験施設、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で働く学者がテロ組織にかかわる人物とひそかに連絡を取り合っていたとして、フランスの捜査当局は8日、アルジェリア系フランス人の物理学者(32)と弟(25)を逮捕した。
仏フィガロ紙などによると、物理学者はテロ行為に加担するため、国際テロ組織アルカイダに近いアルジェリアの組織の構成員とメールのやりとりを重ねていた。計画は決めていなかったが、テロの標的リストも独自に作成していた。
LHCを運営する欧州合同原子核研究所(CERN)は9日、「この学者はテロに有用な情報は持っていなかった」との声明を発表した。
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ビンラディン容疑者捕そくのチャンス、兵力不足で逃すと
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200911300006.html
ワシントン(CNN) アフガニスタン駐留米軍がブッシュ前政権下の2001年、国際テロ組織アルカイダの最高指導者オサマ・ビンラディン容疑者を捕らえる直前まで追い詰めながら、兵力不足が原因で取り逃がしたとする調査報告書を、米上院外交委員会の民主党スタッフがまとめた。今週アフガン増派の方針を発表するとみられるオバマ米政権にとって、追い風となる内容だ。
報告書は、外交委員長を務めるジョン・ケリー議員が29日発表した。それによると、米軍は01年12月、ビンラディン容疑者をパキスタン国境に近い山岳地帯トラボラに追い詰めた。同容疑者はいったん死を覚悟し、12月14日付で遺書を書いている。遺書は、妻に再婚しないよう求め、子どもたちに「聖戦に没頭」してきたことをわびる内容だったとされる。
だが、国境越えの逃げ道を断つために必要な兵力が送り込まれなかったため、同容疑者は12月16日ごろ、護衛団とともにパキスタン側の部族地域に姿を消したという。同容疑者は現在も同じ地域に潜伏しているとの見方が強い。
ビンラディン容疑者を捕そくできなかったことへの批判に対し、チェイニー前副大統領らは、同容疑者の居場所が把握できなかったと説明していた。一方報告書は、当時のラムズフェルド国防長官とフランクス中央軍司令官が、山岳地帯での激しい戦闘で多数の死傷者が出ることを嫌い、地上軍の増派要請を却下したとしている。新たに公開された機密文書や関係者らの聞き取り調査で確認されたという。
ケリー議員は報告書の提出に当たり、「アフガンでは今も、米軍や国際部隊を危険にさらし、地域の安定性を揺るがす戦いが続く。01年末に任務を果たせなかったことが、現在の問題を深刻化させている」と主張した。
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>>80-83 >>89 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1187487997/37 >>92-93 >>98
伊藤和也さん(掛川)アフガン写真展 全国巡る
12/11 08:47
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20091211000000000023.htm
アフガニスタンで昨年8月に拉致、殺害された掛川市出身の農業支援ボランティア伊藤和也さん=当時(31)、顔写真=の最後の写真展(静岡新聞社・静岡放送企画協力)が10日、東京都渋谷区のモンベルギャラリーで始まった。事件から1年余がたっても遺族の心の傷は癒えないが、父正之さん(62)は「家族としても区切りを付けないといけない」と、会場に母順子さん(57)と足を運び、写真展をやり遂げるという「和也との約束」を果たそうとしている。
日本のアフガン民生支援や米国駐留軍の増派、2011年の撤退戦略が決まった中での写真展。来場者の主婦小川美枝さん(64)=東京都江東区=は「アフガンが自立するために農業支援は大切」と和也さんが撮影した写真を見た感想を語った。会社員平松達仁さん(32)=大田区=も「ただ(日本から)お金を出すだけではなく、『本物の心』を持って現地での支援活動を続けてほしい」と政府支援の在り方を問い直した。
昨年11月に掛川で始まった写真展は、北海道から沖縄まで全国34カ所を巡回した。両親は全会場に出向き、来場者との対話にも心掛けた。「日本人だけでなくいろいろな国の人たちがたくさんいる東京でぜひ見てほしかった」。順子さんは最後の会場に都内を選んだ。
写真展巡りは2人にとって長い道のりだった。「1カ所1カ所がとても重く、行く前に眠れない日もあった」と順子さん。それでも正之さんが順子さんの手を引き、各会場の和也さんの写真に「お疲れさん、今日も来たよ」と語りかけ続けた。
写真展は16日で終わるが、両親の思いは変わらない。順子さんは「(写真を通して)命の大切さをまず第一に考え、アフガンを平和にするというメッセージをつなげていってほしい」と強く訴え続けている。
問い合わせはモンベル渋谷ビル<電03(5784)4005>へ。
岡田外相両親に手紙 「遺志尊重したい」
伊藤和也さんの両親は新政権発足後、岡田克也外相に、和也さんが撮影したアフガニスタン写真集を送った。岡田外相からは「和也さんの遺志を尊重していきたいと思います」という内容のメッセージが書かれた手紙が届いたという。
政府は先月、アフガンへの農業指導などを盛り込んだ民生支援策を決めたばかり。母順子さんは支援策について「人を撃つ銃の弾になる支援ではなく、和也が愛した現地の子どもたちのためにも、治安が良くなる支援をしていただきたい」と強く求めている。
また、米国の新戦略に対して父正之さんは「(現地の武装勢力は)米軍の引き揚げを待って行動を起こすという見方をする人もいる。(いつかは行きたいと思っている)アフガンにいつ行けるか分からない」とさらなる治安悪化を懸念する。
伊藤さんが所属したNGO「ペシャワール会」(福岡市)の福元満治事務局長(61)は「これまでの軍事支援から民生支援に切り替えたのはいい」と評価する一方、「米国の顔色をうかがうのではなく、日本が独自にアフガン民衆の立場に立って支援しなければならない」と日本の支援の在り方を指摘している。
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CIA関係者ら外国人13人死亡 アフガン、自爆攻撃などで
12/31 22:48
http://www.shizushin.com/news/pol_eco/international/2009123101000025.htm
【カブール共同】アフガニスタン東部ホスト州の米中央情報局(CIA)が使用する基地内部で30日、自爆攻撃があり、米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、CIA関係者とみられる米国人8人とアフガン人1人が死亡した。また南部カンダハル州で同日、カナダ軍の車両がパトロール中、路上に仕掛けられた爆弾が爆発、兵士4人と従軍中のカナダ人女性記者1人が死亡、兵士ら5人が負傷した。
1日に外国人計13人が死亡するのは過去最悪の規模。
アフガン・イスラム通信などによると、反政府武装勢力タリバンがいずれも犯行を認めた。ホスト州の自爆では、タリバン一派で国際テロ組織アルカイダとつながりが深いとされるハッカニ幹部の組織が「アフガン国軍兵士が志願して自爆した」とする犯行声明を出した。
ワシントン・ポストによると、基地はCIAが作戦・偵察センターとして使用。犯人はフィットネスジムとして使われていた部屋で自爆した。死者のほかに8人が負傷、うち数人は重傷という。
AP通信などによると、カンダハル州で死亡したのはカルガリー・ヘラルド紙のミシェル・ラング記者(34)。
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イエメンへの軍事協力強化=爆破未遂にアルカイダ系関与−米大統領
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010010300003&j1
【ワシントン時事】オバマ米大統領は2日、今年初めてとなる週末恒例のラジオ・インターネット演説で、クリスマスの米機爆破テロ未遂事件を受け、イエメン政府に対する軍事協力を強化し、同国内にある国際テロ組織アルカイダの拠点に対する攻撃を進めていく方針を示した。
大統領は、事件の予備調査の結果として、アブドルムタラブ容疑者がイエメン滞在中、アルカイダ系組織「アラビア半島のアルカイダ」から訓練を受け、米国行きの航空機を攻撃するよう指示を受けていたとの公式見解を初めて明らかにした。その上で、同組織がこれまでにも米大使館や欧米ホテルなどを攻撃してきたとして、イエメン治安部隊の訓練や装備の提供、情報共有、アルカイダ拠点攻撃を優先的に行うと述べた。(2010/01/03-00:15)
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イランもどうも安定しないねぇ。。
イラン反政府抗議行動、関与の2人初の死刑執行
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100128-OYT1T00981.htm?from=nwla
【テヘラン=久保健一】イラン司法当局は28日、昨年6月の大統領選後の反政府抗議行動に関与した11人に死刑判決が下され、このうち男性2人について同日、絞首刑による死刑が執行されたと発表した。
イラン学生通信が報じた。
事実とすれば、反政府抗議行動による逮捕者に死刑が執行されるのは初めて。改革派は、2月11日のイラン革命記念日に合わせて反政府デモを計画しており、死刑執行によって抗議行動が激化する可能性がある。
司法当局は、11人全員が、イスラム革命体制打倒を掲げる反体制組織のメンバーで、「体制転覆罪」などに問われたとしている。
しかし、絞首刑となった被告の弁護人は28日、AFP通信に対し、被告の一人は王政復古派の反体制活動の容疑で大統領選挙前に逮捕されており、抗議行動への関与を否認していたと述べた。
(2010年1月28日20時02分 読売新聞)
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冒頭のみだけど。
イスラエル友好国トルコとの関係悪化
2010年06月06日
http://astand.asahi.com/magazine/middleeast/comment/2010060600001.html
イスラエル軍によるガザ支援船拿捕(だほ)事件を機に、トルコとイスラエルの関係に亀裂が生じている。トルコのエルドアン首相は今回の事件を「国家テロ」と断じ、関係の見直しを示唆、イスラエルが中東でさらに孤立化するのは必至だ。
アルンチ副首相は4日、「イスラエルとの軍事・経済関係は縮小する方針だ」と述べた。イスラエルとの合同軍事演習の中止や、ロシアの天然ガスをトルコ経由でイスラエルなどに供給するパイプライン敷設計画の一時中断などが検討されているという。
(2010年6月5日 asahi.com)
イスラエルにとって軍事協定まで結んでいるトルコとの関係が悪化することは外交的にも安全保障上も大きな痛手だ。
イスラム政党の流れをくむ公正発展党の支持者は反イスラエル的な感情が強い。さらに右派のトルコ民族主義勢力からも強い反発を受けている。世俗主義の問題では軍や右派勢力と軋轢をかかえるエルドアン首相だが、今回の問題でイスラエルを非難を強めることは、国民的な支持に支えられている。
トルコの反発をみるにつけ、今回のイスラエル軍によるガザ支援船拿捕作戦に対するイスラエルの認識の甘さを感じざるを得ない。このような軍事作戦は軍の独断で行われるものではなく、・・・・
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世界の雑記帳:イスラム圏の株式、ラマダン中がハイリターン=米研究
http://mainichi.jp/select/world/newsinbrief/news/20100804reu00m030003000c.html
8月3日、米ニューハンプシャー大学の研究チームによると、イスラム圏の国々では、ラマダンの期間中に株式相場が堅調に推移する傾向が明らかに。写真はドバイの証券取引所で3月撮影(2010年 ロイター/Mohammed Salem)
[ボストン 3日 ロイター] 米ニューハンプシャー大学の研究チームによると、イスラム圏の国々では、ラマダン(断食月)の期間中に株式相場が堅調に推移する傾向があるという。
同大学でファイナンスを教えるAhmad Etebariらのチームは、オマーン、トルコ、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、パキスタン、ヨルダン、エジプト、モロッコ、チュニジア、マレーシア、バーレーン、インドネシア、サウジアラビアを対象に、1989─2007年のラマダン月の株式相場の推移を比較。ラマダン以外の月の平均リターンが4.3%であったのに対し、ラマダン中は38%と高いことを突き止めた。
自身もイラン生まれという同教授は「中東では長い夏に行う断食は厳しい試練であり、逆の結果を予想していた」と驚きを表明。ラマダン期間中は人々の楽観的な姿勢が強まり、そうした心理状態が株価上昇につながっているのではないかとの見方を示した。
2010年8月4日 12時09分
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スーダンで女装した男にむち打ち刑、「道徳乱した」
2010年 08月 5日 12:20 JST
ttp://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-16654720100805
[ハルツーム 4日 ロイター] スーダン当局は4日、女性用の服をまとい化粧をしていたイスラム教徒の男19人に対し、道徳規範を破ったとしてむち打ち30回と罰金の刑を言い渡した。むち打ち刑は判決直後に約200人の目前で執行された。
判事によると、警察はパーティー会場の強制捜査で、19人が「女性的なスタイル」で踊っているのを発見。公衆道徳規律を乱した罪に問われた。
複数の地元紙によると、パーティーは同性同士の結婚を祝うために開かれたものだったという。
被告人に弁護士は付いておらず、法廷では弁論も行われなかった。ある法律関係者は、匿名を条件に「世論とメディアが先入観を持った判断を下しており、(裁判で)勝てる見込みがない」とコメント。弁護士は怖がってこうしたケースを引き受けないと述べた。
スーダンでズボン着用した女性2人にむち打ち刑
2009年 10月 23日 18:17 JST
ttp://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-12094920091023
[ハルツーム 22日 ロイター] ズボン着用は「わいせつ」だとして元女性記者が9月に有罪判決を受けたスーダンで22日、女性2人が同様の罪で、むち打ち20回と250スーダンポンド(約1万円)の罰金刑判決を言い渡された。
女性らは、先に有罪となったルブナ・フセインさんと同じパーティーに出席し、逮捕されていた。
支援者らによると、刑は通常すぐに執行されるが、女性らが上訴したため延期されたという。
この日裁判所に来ていたフセインさんは、今回の判決で自身の運動にまだ長い道のりがあることが分かったとコメント。「女性を不当に扱うスーダンの法律を世界中に知らしめることに成功したが、闘い続ける」と語った。
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パーレビ元国王の44歳息子が自殺 祖国の悲運嘆く 妹も01年に自殺
http://sankei.jp.msn.com/world/america/110105/amr1101051231006-n1.htm
2011.1.5 12:31
イラン革命で国外追放された故パーレビ元国王の息子アリレザ氏(44)が4日未明、米マサチューセッツ州ボストンの自宅で自殺しているのが発見された。親族がウェブサイトで明らかにした。
親族は同氏が「愛する祖国の悲運に深く悩まされていた」と指摘。AP通信は警察当局者の話として、銃による自殺とみられると報じた。
1966年、テヘラン生まれ。イラン革命があった79年に米国に渡り、92年にコロンビア大で修士号を取得。ハーバード大博士課程でも古代イランを研究した。
CNNテレビなどによると、妹のレイラさんも2001年にロンドンのホテルで自殺している。(共同)
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タリバン「5月攻勢」を宣言…テロ攻撃相次ぐ
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110501-OYT1T00521.htm
【イスラマバード=横堀裕也】アフガニスタンの旧支配勢力タリバンは4月30日、「5月1日をもって軍事作戦を強化する」との声明を発表した。
1日には早速、各地でテロ攻撃が相次ぎ報じられており、7月に予定される米軍の撤収開始を控え、米軍やアフガン政府施設などに対する攻勢が急速に強まる可能性との懸念も高まっている。
AP通信によると、1日には東部パクティカ州の市場で男が自爆テロを敢行し、市民ら少なくとも4人が死亡、12人が負傷した。南東部ガズニ州では警察の検問所が襲われ、警官2人が死亡した。
タリバンは例年、戦闘員の多くが厳冬期には戦場を離れ、春先には資金源である麻薬の原料となるケシの収穫などを行った後、5月ごろから再び攻勢を強める傾向が指摘されている。
(2011年5月1日19時29分 読売新聞)
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ハマス・ファタハ和解合意「統一政府」樹立へ
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081229-507405/news/20110428-OYT1T00108.htm
【カイロ=長谷川由紀】パレスチナ自治政府のアッバス議長率いるファタハと、自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは27日、「統一政府」の樹立と評議会議員選挙実施などで合意した。
ロイター通信などが伝えた。近くエジプトで正式に合意内容に署名するという。
2007年にハマスがガザを制圧して以来、パレスチナはガザと、ファタハが支配するヨルダン川西岸とに分断。エジプトの仲介で行われていた和解協議は難航していた。
しかし、アラブの民主化デモに触発されてパレスチナ人の間に和解を求める動きが強まったことが合意につながったとみられる。ただ、治安組織再編などを巡る対立は根深く、完全な和解には曲折も予想される。
(2011年4月28日01時52分 読売新聞)
イスラエルがガザ攻撃停止、「休戦」状態に
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081229-507405/news/20110411-OYT1T00896.htm?from=nwla
【エルサレム=加藤賢治】イスラエル軍は10日、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を停止した。
7日から、イスラム原理主義組織ハマスによるスクールバスへの対戦車ミサイル攻撃を受け、緊迫していたガザ情勢は、事実上の「休戦」状態に入った。
ハマス側も10日、衝突拡大回避のため、イスラエルの攻撃停止を条件に停戦に応じる方針を表明した。
イスラエルのネタニヤフ首相は10日、今回のガザ攻撃でハマスに「深刻な打撃を与えた」と成果を強調していた。国防省報道官は11日、本紙に「ハマスと他の武装勢力の行動を見極める」と述べ、当面は相手の出方を注視する方針を示した。
7日のスクールバス砲撃を受け、イスラエルは即座に報復攻撃で応戦。AP通信によると、9日夜までに民間人6人を含む計19人が死亡した。
(2011年4月11日20時00分 読売新聞)
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むぅ。。
インドネシア:「奴隷だった」オマーンから帰国の元家政婦
http://mainichi.jp/select/world/news/20110704k0000e030042000c.html
サウジアラビアで雇用主を殺害したインドネシア人家政婦が6月中旬、死刑となったのをきっかけに、出稼ぎ労働者に対する虐待への批判が高まるインドネシア。「まさに奴隷だった」。2カ月前に中東オマーンから帰国した元家政婦ルスナニさん(47)は毎日新聞の取材に、その実態を証言した。【ジャカルタ佐藤賢二郎】
サウジ、クウェート、オマーン。ルスナニさんはこれまでに計3回、中東諸国に出稼ぎに行った。「雇用主や家族の暴力は当たり前。サウジで斬首刑になった女性と私の境遇はとてもよく似ている」と打ち明けた。
3人の子供の教育費を稼ぐためだった。夫とは離婚。いずれの国でも、雇用主から虐待を受けたり、給与の不払いを経験した。「何度も復讐(ふくしゅう)したいと思ったが、私は殺さなかった。お金のため、と自分に言い聞かせ、子供のことを考えて耐えた」
09年5月、アラブ首長国連邦のアブダビへ。他の家政婦と一緒に「マネキンのように並べられ、8000サウジリヤル(約17万円)でオマーンの政府高官に買われた」。仕事は炊事、洗濯、掃除に庭の手入れ。睡眠時間は、平均すると約3時間程度。10年4月に雇用主が失業してからは、特にその妻からの虐待が激しくなり「仕事が遅い」と木の棒や素手で殴られ、賃金の支払いも滞った。
「大金を払ったのだから、あんたは私のモノ。何をしてもいいの。政府や法律なんて関係ない」。妻は何度もそう言ったという。手紙を出すことも電話をかけることも許されず、外出もできない。「インドネシアに帰らせて」。そう頼むたびに、暴力を受けた。
4月中旬、キッチンで妻が「新しいナイフはどこ」と尋ねた。思い出せずに探していると、自分で見つけた妻がルスナニさんの首にナイフを突きつけ、「帰ることばかり考えているから忘れるんだ。だったら先に首だけ帰してやる」と叫んで力を込めた。あごが切れ、血が流れた。
翌朝、雇用主から不払い給与13カ月分のうち4カ月分の約520万ルピア(約4万9000円)だけ渡され、そのまま放り出された。
今も棒で殴られた右腕がしびれ、力が入らない。虐待された記憶がよみがえり、恐怖と怒り、悔しさで涙が止まらなくなる。末っ子の長男はまだ高校生。大学生の長女と約束したパソコンは今も買えていない。
◇アジア人への偏見も
インドネシア大のスリスティオワティ・イリアント教授(女性・ジェンダー学)の話
中東諸国は一般に、渡航手続きの規制が緩い。出稼ぎ労働者の多くは地方の貧困層で、年齢などで規定に満たない場合も少なくない。書類を偽造し、渡航をあっせんするアラブ系移民の業者もあり「行きやすい」ことが背景にある。
一方、インドネシア人の大半はイスラム教徒で「アラブ」は預言者ムハンマドを生んだ聖地であり、雇用主はその末裔(まつえい)と考えることが多い。富裕層への憧れもあり、「アラブ人は豊かで善良」とのイメージも根強い。
だがアラブ社会には、アジア人に対する偏見がある。アラブ人と非アラブ人、富者と貧者を区別し、男尊女卑の文化も色濃く残る。最上位はアラブ人男性で、アジア人女性は最下位に置かれる。同じアジア人でも、フィリピン人の多くは看護師など医療部門で働くが、インドネシア人の女性は家政婦中心で最下層と見なされ、差別意識が虐待などを助長している。
毎日新聞 2011年7月4日 11時40分(最終更新 7月4日 13時37分)
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「米国産テロリスト」増加 母国に聖戦仕掛ける
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/527884/
配信元:産経新聞
2011/09/14 10:56更新
米中枢同時テロから10年、米国は新たな形態を伴うテロの危機にさらされている。過激なイスラム思想の洗脳を受け、米国人として母国にジハード(聖戦)を仕掛ける「国産テロリスト」の増加である。
その背後では米国籍を持つ国際テロ組織「アラビア半島のアルカーイダ」の幹部アンワル・アウラキ容疑者が暗躍し、「米国VS米国」の新たなテロの構図をあおり立てる。
「生来のカリスマ性に加え、完璧な英語でジョーク交じりに説法ができた。瞬く間に若者が引き込まれていった」
米国の首都ワシントンから西に約11キロ、バージニア州フォールズ・チャーチのモスク「ダール・アルヒジュラ」でイマーム(指導者)を務めるジョハリ・アブドゥルマリク師がアウラキ容疑者を回想する。
同時テロ発生当時、このモスクの指導者を務めていたのがアウラキ容疑者だ。事件前にはテロ実行犯の一部が、モスクに出入りしていたとされる。
米国生まれで流暢(りゆうちょう)な英語を話し、文化や風俗にも精通。ポップス界のスター、マイケル・ジャクソンの言葉を引用しながらイスラム教の死生観を説く。若者に受け入れやすい言葉を使った説法は、CDやインターネットを通じて瞬く間に世界に伝染した。
2009年のテキサス州フォートウッド陸軍基地の銃乱射事件、デルタ航空機爆破未遂事件、10年のニューヨーク・タイムズスクエア爆破未遂事件…。米国がこの数年、身柄を拘束した主要テロ容疑者で、アウラキ容疑者の名を口にしなかった者はほとんどいない。
彼らはいずれも個別のテロ組織に属さず、単独でテロを敢行する「ローン・ウルフ(一匹おおかみ)」。事前に行動を予測することが最も困難で、オバマ大統領が動向を「もっとも懸念している」と不安視する一群だ。
「一匹おおかみの勧誘はアルカーイダの戦略の一つだ。組織的な作戦から独立したテロだとしても、目標を共有している。彼らはアルカーイダの一部なのだ」
米下院情報委員会のマイク・ロジャーズ委員長(共和)は単独犯の犯行をアルカーイダと切り離すべきではないと強調する。
オバマ政権も決して事態を静観しているわけではない。米メディアは昨年4月、オバマ大統領がアウラキ容疑者を米国人としては初めて、中央情報局(CIA)などが無人機を使って実施する「殺害対象」として許可することを認めたと報じた。
アウラキ容疑者を米国民に危害を加える「敵性戦闘員」と規定し、米国民の生命が危険にさらされる現状では殺害もやむを得ないとの判断からだが、法治国家が法の裁きに委ねることなく、自国民を殺害することを、法律家出身のオバマ大統領が許可した意味合いは大きい。
普段はオバマ政権に批判的な米シンクタンク、ヘリテージ財団のジェームズ・キャラファノ博士も、米国民の生命を守るためには、アウラキ容疑者の「拘束よりも行動の阻止が優先される」と指摘する。
ただ、米国ではここ数年、社会全体に不況と高失業率が襲いかかり、将来像を描ききれない若者世代に不満が広がっている。「国産テロリスト」を生み出す土壌は改善されていない。
約30年前、キリスト教徒からイスラム教徒に改宗したという米国人のアブドル・アジズ・ブリングさん(57)は「閉塞感が若者を極端な思想へと傾倒させかねない状況にある。過激な思想の流入を阻止しなければ、より大きな混乱が社会を支配しかねない」と警鐘を鳴らす。(ワシントン 犬塚陽介)
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無人機、遠隔操作でテロリスト殺害
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/530389/
配信元:産経新聞
2011/10/01 21:03更新
【ワシントン=犬塚陽介】イエメンを拠点とするイスラム武装勢力「アラビア半島のアルカーイダ」(AQAP)幹部、アンワル・アウラキ容疑者が殺害されたことで、ベールに包まれた無人機による米国のテロリスト掃討作戦の一端が浮かび上がってきた。米軍と情報当局が連携し、偵察衛星を駆使して標的を追尾。土煙の中を逃走する車両に遠隔操縦の無人機からミサイルが撃ち込まれ、作戦はあっけなく終了した。地上に一人の兵士も投入されないゲームさながらの「ハイテク戦」が展開された。
AP通信などによると、アウラキ容疑者の動向を最初に探知したのはイエメン当局。情報はすぐさま米軍特殊部隊を管轄する統合特殊作戦軍と中央情報局(CIA)に伝達された。
両組織は約3週間にわたってスパイ衛星や偵察機を駆使してアウラキ容疑者を追跡。本人と確認した上でホワイトハウスの許可を得て攻撃を実行した。
両組織が所有する無人機は、ジブチなど周辺国から離陸。どこから操縦されていたかは不明だが、最新の機体は米国本土からの操縦も可能だ。上空には有人の米軍機も待機し、必要なら攻撃に加わる態勢が整えられていた。
無人機による1度目のミサイル攻撃は標的を外して失敗。上空を旋回していた無人機は、猛烈な砂ぼこりの中を逃走する車両を再び発見し、2度目の攻撃で標的を破壊。車両は粉々で、アウラキ容疑者ら4人の遺体確認は不可能という。
オバマ大統領は就任直後から、米兵を危機にさらすことなく、敵を追い込める無人機の使用を増やしてきた。米シンクタンク「新アメリカ財団」の集計では、2008年に33回だった無人機攻撃は10年には118回だった。
また、テロリスト掃討作戦で統合特殊作戦軍とCIAが密接に連携するのも最近の特色で、5月には国際テロ組織「アルカーイダ」のウサマ・ビンラーディン容疑者、8月にはアルカーイダのナンバー2、アブドルラフマン容疑者が殺害された。
オバマ米大統領は9月30日の演説で「アルカーイダや関連組織は、世界のどこにも安全な聖域は見つけることはない」と今後も追跡の手を緩めることはないと警告した。
一方、他国に深く侵入してテロリストを殺害する無人機使用には主権侵害や国際法違反といった批判も絶えない。また、アウラキ師が米国籍を持っていたことから「適法な法手続きを経ずに殺害された」との批判も出ている。
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警察、教会襲撃、63人死亡=イスラム過激派が犯行認める―ナイジェリア
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111106-00000003-jij-int
時事通信 11月6日(日)0時51分配信
【カノ(ナイジェリア)AFP=時事】ナイジェリア北東部ダマトゥルで4日夜、警察署やキリスト教会が相次いで襲撃され、63人が死亡した。負傷者も数百人に上る。赤十字当局者が5日、明らかにした。自爆テロや爆弾による攻撃のほか、激しい銃撃戦が起きたという。
ナイジェリア北部ではイスラム過激派による同様の襲撃が相次いでいる。4日の襲撃も複数の警察施設に対し自動車を使った自爆テロや攻撃があり、教会も6カ所が次々襲われた。
隣接州のマイドゥグリに拠点を構えるイスラム過激派「ボコ・ハラム(西欧式教育は罪)」は5日、犯行を認めるとともに「治安部隊がボコ・ハラムや無実の市民への迫害をやめない限り、攻撃を続ける」と宣言した。マイドゥグリでも同日午後、軍施設を狙った自爆テロが起きた。
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イスラム過激派はどうしよーもねえなあ・・。
アルカイダ系が聖墓破壊=世界遺産のトンブクトゥ―マリ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120506-00000009-jij-int
時事通信 5月6日(日)8時36分配信
【バマコAFP=時事】アフリカ西部のマリ北部を制圧した国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に指定されている砂漠の町トンブクトゥの聖墓を破壊した。当局者が5日、明らかにした。イスラム過激思想を背景にした犯行とみられる。
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E6%B4%BE
アラウィー派
アラウィー派は、イスラム教(イスラーム)の一派。主にシリアの山岳地帯に分布する。アラウィーはアラビア語で「アリーに従う者」に意味し、9世紀のシーア派の活動家イブン・ヌサイルの名からヌサイリー派とも言う。
一般にシーア派の系統に属すとされるが、シーア派のどこから分派したかは正確には明らかではなく、また他の宗派と大きく異なった教義を持ち、イスラムの枠内にあるかは微妙とする意見もある[要出典]。トルコにはトルコ語でアレヴィー派と呼ばれる同一系統の名称をもったグループがいるが、シリアのアラウィー派との関連については不明な点が多い。
シリアではアラウィー派は人口の1割強ほどであるが、バアス党政権下では、大統領のハーフィズ・アル=アサド、バッシャール・アル=アサド父子を始めとして党や軍部の有力者を数多く輩出しており、シリアは実質的にアラウィー派コミュニティに支配されていると言われる。
教義
イスマーイール派やキリスト教にシリア地方の土着宗教の要素があわさったと考えられる独特の教義を持つ。女性に魂はないとされるため、教義は男性のみのサークル内の秘伝とされ、神秘主義の色彩が強い。
「正統派」イスラムとは異なり、神(アッラーフ)は人間の姿をとって現れることがあるとする。アリーは神が地上に現した最後の姿であると考え、神格化される。また、アリーは「本質」を意味し、「名」(宣教者)であるムハンマドと「門」(解釈者)であるサルマーンという不可分の要素である2名の人物とともに地上に現れたのだとする一種の三位一体思想を持ち、それぞれを月・太陽・天空になぞらえて信仰する。
また、生前に善行を積めば死後ほかの人間に、悪行を重ねれば動物に生まれ変わるというインドの輪廻に似た転生思想や、キリスト教から取り入れたと考えられる聖霊の祝祭なども他のイスラム教宗派との大きな相違点である。
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日本にもおりましたねえ尊攘浪士とやらが、自分たちに反対する連中を「天誅」と称して斬殺。
状況が変わるや、かっこよく転向、元勲なんて言われた方もいらっしゃる。
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労組ストでデモ拡大も=収拾困難、一部暴徒化―トルコ
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-130605X283.html
2013年6月5日(水)00:38
【イスタンブール時事】トルコ各地に広がった反エルドアン政権デモで、24万人が加入する左派系の主要労働組合が4日から2日間のストライキを開始した。組合員の参加でデモがさらに拡大しそうだ。衝突が激化してから5日目となる4日未明も、イスタンブールではデモ隊と警官隊が対峙(たいじ)。これまでデモに関連して死者が2人出たことでデモ隊の反発は強まっており、事態は長期化する可能性が出てきた。
人権団体などによると、イスタンブールで1000人以上、首都アンカラでは700人が負傷した。デモは全国67都市に波及している。西部イズミルでは、イスラム系与党、公正発展党(AKP)の事務所に火炎瓶が投げ込まれるなどデモ隊の一部が過激化している。
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トルコのデモ拡大 イスラム化、反発根強く
2013年6月5日(水)08:14
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20130605112.html
【カイロ=大内清】反政府デモが広がるトルコでは、イスラム系の公正発展党(AKP)を率いるエルドアン首相が2003年に就任して以降、徐々にイスラム色の濃い政策を実施してきた。世俗主義の牙城である軍や司法機関との対立を深め、「独裁的」「強権的」といった批判も出ていた。デモの拡大は、強権姿勢を強める首相への反発に加え、AKPによる社会の「イスラム化」に対する反動のあらわれでもある。
トルコ政府は今年3月、約30年にわたって政府に対する武力闘争を続けてきたクルド労働者党(PKK)との和解にも歩を進めた。しかし、今回のデモにより、首相は一連の実績を上回るマイナス要因を抱え込みかねないのが実情だ。
トルコでは1923年の共和国移行後、初代大統領ムスタファ・ケマル(アタチュルク)が厳格な政教分離政策を推進。以来、世俗主義は“国是”とされてきた。ところが90年代以降、イスラムの価値観を重視する政党が台頭、世俗主義勢力とのせめぎ合いが表面化するようになった。
地方での支持を背景に政権を獲得したAKPは、禁止されていたスカーフの大学内での着用の容認や、一部でのアルコール販売の制限など、イスラム色の濃い政策を推進してきた。半面、経済自由化で急速な経済成長を実現して高い支持率を誇り、現在は国会で3分の2近い議席を握る。
今回の反政府デモ拡大についてエルドアン氏は3日、世俗主義野党、共和人民党(CHP)が「背後で操っている」との見方を示した。世俗主義勢力の側から見れば、街頭デモに活路を見いだそうとしていると考えることもできる。
主要紙ミリエトのコラムニスト、ギュルセル氏は、今回のデモは「エルドアン政権下での政治の二極化」の帰結だと指摘した。
エルドアン氏は来年予定される大統領選への出馬が取り沙汰され、当選も有力視されている。大統領権限の大幅強化を盛り込んだ憲法改正にも意欲を示しており、デモが収束したとしてもAKPと世俗主義勢力との対立自体は激しさを増す可能性がある。
【用語解説】公正発展党(AKP)
トルコのイスラム系政党。2001年6月に憲法裁判所から解党命令を受けた美徳党の一部議員を中心に同年8月に結成された。02年11月の総選挙で圧勝し、単独与党に。親米欧路線を掲げるとともに、イスラム的価値観を尊重した民主主義を標榜(ひょうぼう)する。
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首相、国民に「冷静」訴える=デモ、現政権後最大規模に―トルコ
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-130603X120.html
2013年6月3日(月)23:47
【エルサレム時事】トルコ西部イスタンブールに端を発し、各地に広がった反政権デモで、エルドアン首相は3日、「冷静になるべきだ」と述べ、国民にデモの中止を呼び掛けた。3日もイスタンブールや首都アンカラなどでデモ隊と警官隊の衝突が発生。5月31日に衝突が激化して以降、デモは4日連続となった。
AFP通信によると、医療団体は3日、イスタンブールでデモに参加していた男性が2日、車にはねられ死亡したことを明らかにした。デモに関連して死者が出るのは初めて。事故だったのか、デモ隊を狙ったものかは不明だが、デモ隊が反発を強める可能性もある。
今回のデモは、イスラム系与党、公正発展党(AKP)が2002年に政権を獲得して以来、最大規模となり、政権側の危機感は高まっているもようだ。ギュル大統領も3日、「デモ隊のメッセージは受け取った」と述べ、政権への反発に一定の理解を示した上で事態収拾を訴えた。
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全国で1700人超拘束=反政権デモ続く―トルコ
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-130603X961.html
2013年6月3日(月)01:34
【エルサレム時事】トルコ西部イスタンブールの中心部タクシム広場で5月下旬に始まった反エルドアン政権のデモは2日も続いた。デモは首都アンカラなど各地に拡大し、AFP通信によると、ギュレル内相は、2日までに全国で235件のデモがあり、1700人以上を拘束したことを明らかにした。デモ隊と警官隊の衝突による負傷者は173人としている。
エルドアン首相は1日、「警察の取り締まりに行き過ぎたケースがあった」と認め、タクシム広場から警官隊を撤収させた。ただ、デモの発端となった公園の取り壊し計画は推進すると言明しており、デモが収まるかどうか不透明だ。
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根強いトルコ首相支持=デモ不参加の「声なき声」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013060800335&rel=m&g=int
イスタンブールのカスムパシャ地区に掲げられているエルドアン・トルコ首相(左)の垂れ幕=8日
【イスタンブール時事】トルコの最大都市イスタンブール中心部のタクシム広場では8日も、反政権デモが続いた。一方、デモ隊の声とは対照的にエルドアン首相には根強い支持が集まる。デモには参加しない「声なき声」の支持を背景に、首相は強硬姿勢を堅持しており、デモの長期化は避けられない状況だ。
エルドアン首相が育ったイスタンブール・カスムパシャ地区。タクシム広場から徒歩で20分強の距離だが、住民の多くは首相の支持者とされる。市内では比較的貧しい地区で、スカーフをかぶった女性も多く、イスラム色も強い。
「7500万人の国民のうち、90%がエルドアンを支持しているよ」。台所用品店を営むオルハンさん(40)は興奮気味に語った。「10年で経済は飛躍的に向上した。エルドアンが首相になったおかげだ」
首相の指導力を評価するムスタファさん(53)は「反政権デモは支持しない」と主張。スレイマンさん(29)も「エルドアン政権になって給料が良くなった」と支持する一人。多くの若者が集まるデモにも参加していないという。
エルドアン首相が「国民の過半数以上の支持を得ている」と強調し、強硬路線を取り続けるのは、それなりに理由がある。トルコの急速な経済発展を実現し、生活が豊かになったという実感を多くの国民が抱いているほか、貧しい地区から立身出世を遂げたカリスマ性で今も根強い人気を誇っているからだ。(2013/06/08-21:16)
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ジョイフルで仕事中♪向かいにイスラム教徒らしき四人が坐るが、店員さんに食材尋ねてる。例え確認したとしてもジョイフルみたいな緩〜いファミレスで食べるとはチャレンジャーな気がするが…それなりに世俗主義で確認すればOKなんかな?
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エジプト:大統領の権限はく奪 軍が事実上のクーデター
http://mainichi.jp/select/news/20130704k0000e030167000c.html
毎日新聞 2013年07月04日 06時12分(最終更新 07月04日 07時39分)
反政府デモでカイロのタハリール広場を埋め尽くした群衆=2013年7月3日、ロイター共同
エジプト国営テレビが放映した演説するシシ国防相(中央)のテレビ映像=2013年7月3日、AP共同
エジプト軍司令官を兼務するシシ国防相は3日夜(日本時間4日早朝)、国民向けにテレビ演説し、反政府デモ拡大による混乱を収拾するため憲法停止を宣言、モルシ大統領の権限をはく奪し、最高憲法裁判所長官が職務を引き継いだと発表した。国政に大きな影響力を持つ軍による事実上のクーデター。
国防相は、モルシ政権下で制定されたイスラム色の強い憲法を見直し、早期に大統領選を実施する方針を示した。(カイロ共同)
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エジプト:大統領「暫定内閣」提案 「軍が軟禁」報道も
毎日新聞 2013年07月04日 01時13分(最終更新 07月04日 01時28分)
http://mainichi.jp/select/news/20130704k0000m030150000c.html
【カイロ秋山信一】モルシ大統領の退陣を求める抗議活動に揺れるエジプトは3日、国軍による政治介入の期限である午後5時(日本時間4日午前0時)を迎え、大統領府は各政治勢力が参加する暫定内閣を設置し次期総選挙を実施する妥協案を提示した。反政権派が受け入れる可能性は低いうえ、軍が辞任を迫れば反発した支持派との衝突を生じかねず、緊張は高まったままだ。
大統領府は声明で、対話を拒んでいると反政権派を批判。モルシ氏は「すべてのエジプト人の大統領だ」と述べ、退陣を拒否する姿勢を固持した。
シシ国防相は3日、軍幹部らと緊急協議を実施。軍は「諸勢力と会談中で、終了後に声明を出す」と発表した。地元メディアによると、軍は最高憲法裁判所長官がトップの暫定統治評議会による政権運営を構想。実行されれば実質的に「クーデター」と言えるが、情勢は流動的だ。
中東の衛星放送や一部エジプトテレビは3日、軍がモルシ氏を軟禁下に置いたと報じた。渡航禁止措置が取られたとの報道もある。ロイター通信によると、大統領顧問はクーデターが進行中だと発言。一方、側近は、執務中と語った。
モルシ氏の姿勢に対し、3日には支持派のイスラム政党連合からも、早期の大統領選実施を求める声が出た。反政権派は軍主導の暫定統治に協力する意向で、主要野党勢力「国民救済戦線」は2日、エルバラダイ国際原子力機関前事務局長を軍との折衝役に決めた。デモを呼びかけた市民団体「反乱」も新統治機構への参加を表明した。
一連の騒乱での死者は39人に達している。3日はカイロや他の主要都市で各政治勢力が数万人規模のデモを継続。ロイター通信によると、首都の国営放送ビル周辺には国軍の装甲車が警備についた。
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エジプト軍がクーデター=モルシ大統領を解任・拘束―憲法裁長官に権力移譲
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-130704X451.html
2013年7月4日(木)13:10
【カイロ時事】エジプト軍トップのシシ軍最高評議会議長兼国防相は3日夜(日本時間4日未明)、声明を出し、イスラム組織ムスリム同胞団出身のモルシ大統領を解任し、最高憲法裁判所のマンスール長官に大統領権力を移譲すると発表した。中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、当局はモルシ大統領の身柄を拘束、同胞団幹部多数の逮捕状を取った。事実上の軍のクーデターに反発する同胞団支持者は各地で反大統領デモ隊などと衝突、少なくとも14人が死亡、約100人が負傷した。
軍は声明で、憲法を一時停止すると表明。マンスール長官は4日に暫定大統領として就任宣誓を行う見通し。
軍は自ら権力こそ継承しなかったものの、超法規的措置により、ほぼ1年前の選挙で民主的に選ばれた大統領の権限を強制的に剥奪した。声明で、大統領選を速やかに実施し、先送りされている人民議会(国会)選の準備を行うと述べたが、時期には言及しなかった。
エジプト治安当局は3日、ムスリム同胞団を母体とする最大与党「自由公正党」のカタトニ党首も拘束した。失脚したモルシ大統領のみならず、ほかの同胞団の幹部や関係者も相次いで拘束下に置くことで、組織全体の無力化を図る動きとみられる。
地元メディアによると、治安当局は「民衆を扇動し、暴力に駆り立てた」との容疑で同胞団メンバー300人の逮捕状を取り、捜索を続けている。同胞団の幹部については、海外渡航を禁止する措置が取られたという。
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イスラム帝国は欧州によって葬り去られた国家の最大のもの。復活の試みはこれからも出てこよう。
アラブ復興社会党(バアス党)の次はイスラム同胞団か?
>ムスリム同胞団は1928年にエジプトで発足し、アラブ各国に組織がある。同胞団は国ごとに指揮系統が異なると主張しているが、連携しているとの見方がアラブ政界では強い。社会活動や政治参加を通じ、徐々にイスラム化を進めるという思想は共通している。
同胞団:抗議運動広がる チュニジアとリビア
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1116784031/6696
毎日新聞 2013年07月29日 15時00分(最終更新 07月29日 15時11分)
【カイロ秋山信一】北アフリカのチュニジアとリビアで、イスラム組織ムスリム同胞団に批判的な政治活動家が相次いで暗殺され、同胞団に対する抗議運動が広がっている。エジプトでも世俗色の強い軍によるクーデターで同胞団政権が倒れた。3カ国とも中東の民主化要求運動「アラブの春」で独裁政権が崩壊した後、イスラム主義が台頭したが、世俗主義の巻き返しの動きが強まっている。
ムスリム同胞団は1928年にエジプトで発足し、アラブ各国に組織がある。同胞団は国ごとに指揮系統が異なると主張しているが、連携しているとの見方がアラブ政界では強い。社会活動や政治参加を通じ、徐々にイスラム化を進めるという思想は共通している。
ロイター通信によると、リビアでは26日、同胞団に批判的な政治活動家が東部ベンガジで暗殺された。27日には首都トリポリやベンガジで、制憲議会の第2党でもある同胞団系の正義開発党の事務所が反同胞団のデモ隊に襲撃された。チュニジアでも25日に野党指導者が暗殺され、首都チュニスなどで連日、同胞団系の与党アンナハダに対する数千人規模の抗議デモが起きた。
いずれの事件も犯人は逃走しているが、チュニジアの事件では、イスラム教の厳格な適用を求めるサラフ主義者(サラフィスト)が関与したと治安当局はみている。
エジプトを含めた3カ国では、国民の大半はイスラム教徒だが、2011年の革命前は政治と宗教を分離する世俗主義政権が長く続き、イスラム教を社会に適用する動きは抑えられてきた。だが革命後の選挙では、イスラム礼拝所(モスク)などを通じて社会に根を張る同胞団が躍進。サラフ主義者の活動も活発化し、世俗派との対立が生まれた。
同じイスラム勢力でも、急進的なサラフ主義者と、段階的にイスラム化を進めようという同胞団は、思想が異なる。だが世俗派には、同胞団がサラフ主義者の過激な活動を容認しているとの見方が強い。こうした不満が、暗殺事件を契機に噴出した格好だ。
一方、エジプトのクーデターを契機に、これまで穏健とされてきた同胞団が過激化することも懸念されている。エジプトでは既に一部が武装し、治安当局と衝突している。武力によって政権を追われたことで、武装闘争路線に転じる可能性も出てきている。
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エジプト:同胞団最高指導者ら 襲撃デモ隊殺害扇動で訴追
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/20130805k0000e030114000c.html
毎日新聞2013年8月5日(月)10:26
【カイロ秋山信一】エジプトの刑事裁判所は4日、軍事クーデターで大統領を解任されたモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団の最高指導者バディア氏らが、同胞団本部を襲撃したデモ隊の殺害をそそのかした罪で訴追されたことを明らかにした。政府系紙アルアハラム(電子版)が伝えた。初公判は今月25日に開かれる。国内のイスラム組織や欧米による和解の仲介が続いているが、同胞団が訴追に反発するのは必至だ。
アルアハラムによると、訴追されたのは、バディア氏やナンバー2のシャーテル氏ら同胞団幹部6人。カイロ郊外にある同胞団本部が6月30日に暴徒化した反モルシ派のデモ隊に襲撃された際、デモ隊の殺害を扇動した罪に問われた。同胞団本部では当時、デモ隊と同胞団の銃撃戦が起き、少なくとも8人が死亡した。クーデター後に同胞団幹部が訴追されるのは初めて。シャーテル氏は拘束されているが、バディア氏は逃走を続けているとみられる。
軍主導の暫定政権と同胞団の和解交渉を仲介しているイスラム指導者のモハメド・ハッサン師によると、同胞団側は交渉の前提条件として幹部の釈放や訴追免除を求めている。今回の訴追で同胞団側が態度を硬化させる可能性が高い。同胞団は4日夜もクーデターへの抗議行動を続けた。
一方、暫定政権は強硬策を示唆しながらも、和解工作を並行して続けている模様だ。国営テレビは、内務省の治安部隊が4日までにカイロ近辺にある同胞団の2カ所の集会場を包囲し、入場を禁止すると報じていた。だが集会場では4日夜になっても道路の封鎖などは行われていない。
仲介役のハッサン師は3日、シシ国防相や同胞団関係者と相次いで会談し、「国防相は集会を強制的に解散させないと約束した」と語った。バーンズ米国務副長官や欧州連合(EU)のレオン特使もカイロに滞在し、和解の仲介を続けている。当初は米国との接触を拒んでいた同胞団側も面会に応じた。
軍・治安部隊と同胞団の2度にわたる衝突で120人以上の死者が出たことで、国際社会からは非難が噴出している。軍を支持してきた国内の世俗派からも疑問の声が上がっており、暫定政権は強硬策を棚上げしているとみられる。
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エジプト軍:シナイ巡り前政権に反感…報道官インタビュー
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/20130805k0000m030083000c.html
毎日新聞2013年8月5日(月)00:43
【カイロ秋山信一】エジプト軍報道官のアフマド・アリ大佐が3日、毎日新聞の単独インタビューに応じ、東部シナイ半島の治安対策などを巡り、軍とモルシ前大統領が対立し、軍内部にモルシ氏への反感が高まっていたことを明らかにした。軍は反モルシ派の大規模デモを受け、7月に軍事クーデターを起こし、モルシ氏を解任した。報道官は軍の政治介入について「モルシ氏の退陣を求める民意に応えた」と説明したが、背景には根深い確執があったことが浮き彫りになった。
シナイ半島にあるパレスチナ自治区ガザ地区との境界付近では昨年8月、イスラム武装勢力の襲撃で兵士らが殺害され、軍は掃討作戦を展開した。ところが、報道官によると、モルシ氏が作戦中止を命じたため、軍・警察施設への襲撃などは続いた。軍は3回にわたり政策課題を分析した報告書をモルシ氏に提出して治安対策を訴えたが、政策に反映されず、軍に不満が広がったという。
モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団は、国境を挟むパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスと密接な関係にある。軍の影響力拡大で、ハマスへの支援や物資の密輸に支障が出るのを恐れたとの見方もある。報道官は「同胞団が(クーデター後)カイロで集会を始めてから、シナイ半島で武装勢力の攻撃が増えたのは偶然ではない」とも述べ、同胞団と武装勢力の連携を示唆した。
また、モルシ氏が6月に「シリア内戦で軍も反体制派を支援する」と演説したことに軍が猛反発。報道官は「軍が他国の内政に干渉することはない。シリアとは(イスラエルとの戦争を)ともに戦い、連合国家を組んだ歴史もある」と述べた。昨年8月に当時のタンタウィ国防相が解任されたことについても軍で反感が広がったとした。
軍が1950年代に同胞団を弾圧するなど、歴史的に両者は対立関係にあるが、昨年6月のモルシ前政権発足後は、表向きは協力姿勢を強調していた。
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サンケイだからどんだけ公平な記事か解らないけど実際はどうなんかな?
割とクーデター支持の世俗派の俺だったけど人死に過ぎやろと,同胞団に同情的というか軍に批判的になってたところだったけえが。
エジプト 同胞団に市民は嫌悪感 「テロリスト、徹底排除を」 断続的に銃声、焼けた車放置、異臭漂う現場周辺
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20130817081.html
産経新聞2013年8月17日(土)07:56
【カイロ=大内清】モルシー前大統領派の強制排除が行われたエジプトで16日、前大統領の出身母体であるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団メンバーらが各地で治安部隊と再び衝突した。双方の争いは広がるばかりで着地点もみえず、エジプト情勢は混迷の一途をたどっている。
首都カイロを南北に貫くナイル川の橋の上で16日午後、市中心部のラムセス広場に向けて行進する同胞団のメンバーらモルシー前大統領派と近隣住民らの口論は、瞬く間に衝突に発展した。ほどなくして銃声が響き、記者(大内)の足元近くで着弾音が響いた。
モルシー派は「自由とシャリーア(イスラム法)を」などと叫びながら行進を続けた。散弾銃らしきものを持つ人の姿もあり、その後も橋の付近では断続的に銃声が聞こえた。
治安当局による座り込みの強制排除から2日。双方が暴力に走る“沸点”は大きく下がった。市民の間では同胞団への嫌悪感が渦巻く。同胞団が約6週間にわたり座り込みを行っていたカイロ・ナセルシティ地区では16日、同胞団の再集結を警戒する軍は一般車両の通行を制限。ところどころに焼け焦げた車が放置され、銃弾の痕が残る現場周辺にはガソリンや生ゴミなどの異臭が漂う。
「もっと早く強制排除すべきだったんだ」
同胞団を「テロリスト」と呼ぶ同地区の住人、ダウードさん(70)は、座り込みを長期間放置した末に強制排除したことが現在の暴力的な行動につながったと指摘し、「こうなった以上、徹底的に排除するしかない」と語る。
強制排除の際に治安部隊に発砲する同胞団メンバーを多数目撃したというアハマドさん(72)は「同胞団のせいでこの国はめちゃくちゃになった。もう少し若ければ自分が同胞団との戦いに行くところだ」と怒りをぶちまけた。
同地区とカイロ大学前の2カ所で続いた座り込みの間、暫定政権側は調停に動いた米欧の外交団などに、拘束中の同胞団幹部との面会を許可。暫定政権高官らからは、同胞団に政権移行プロセスへの参加を促す発言も相次いだ。
だが、一度は手にした権力をクーデターで覆された同胞団指導部が、モルシー氏復権の主張を変えることはなかった。同胞団は、選挙での勝利という正統性を欧米にアピールすることで事態を好転させようとしたが、エジプトの安定を優先する米欧各国はクーデターを半ば黙認した。
しかし、なおも現実を受け入れようとしない同胞団に、市民の目は冷たい。大学生のムスタファさん(18)は「多数の死者が出たのは残念だが、だからといって同胞団の暴力は正当化できない」と語る。
同胞団が臨時本部としていたナセルシティ地区のモスク(イスラム教礼拝所)は、強制排除の際に全焼した。ここを日常的に利用する周辺住民らからは、「同胞団がいつまでも妥協しないからこんなことになるんだ」との声も聞かれた。
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【第188回】 2013年6月20日 著者・コラム紹介バックナンバー
田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
イラン大統領選で民主主義が機能した!
http://diamond.jp/articles/-/37673
?全世界が注目した今回のイラン大統領選挙で、イラン国民は実に賢明な選択をした。予想外の大きな政治転換を実現した。国民自らの手によって困難な状況を打開する窓を開けたのである。
?選挙は保守穏健派のロハニ師が得票率50.71%で決戦投票を待たずに圧勝。本命と言われたアフマディネジャド現大統領の強硬路線を引き継ぐジャリリ候補が得票率11.36%と惨敗。穏健派の鮮やかな「過激主義に対する勝利」(ロハニ師)に終わった。
?しかも、当初30%台と低調が予想された投票率も72.7%に達し、民主主義が死んだと言われたイランで、民主主義が機能して一大成果を収めたのである。
?なぜそうなったのか。その原因を検討してみよう。
ロハニ新大統領が誕生した
4つの理由
(1)経済制裁によるイラン経済の停滞と国民生活の困窮が原動力となった。
?イランは核開発問題で経済制裁を受けてきたが、とりわけ原油の輸出制限が経済を疲弊させた。外貨収入の8割を占めてきた原油輸出を止められて外貨価値が3倍を超えて急上昇。輸入品がインフレを招いて低所得者の生活を直撃した。それでも現大統領は「制裁の影響はない」と強がって民衆の怒りと反発を強めた。
(2)アメリカ、イスラエルからの武力攻撃が現実味を増し、「戦争の恐怖」が多くの民衆に行動を促した。
?イラン国民は、アメリカ、イスラエルが有言実行の国であることを知っている。それどころか、ときには不言実行の挙に出る国であると信じている。
?イスラエルは既にイランの核兵器保有を阻止するために核施設を空爆することを予告している。核保有まで1年とすれば、1年以内に戦争が始まることになる。「イスラエルは世界地図から消される」と広言してきた現大統領の強硬路線では戦争は避けられない。
?アメリカのアフガン、イラク戦争での容赦ない軍事行動。それにイランではかつての電撃的な人質救出作戦も忘れられない。
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(3)今回の選挙では、女性有権者が積極的に投票所に足を運んだと言われる。
?戦争を防ぎ、生活苦を逃れ、子どもたちに明るい将来をと願って、ついに女性パワーが全開したのだろう。
?メディアのインタビューでも「戦争になると思った」と話す女性の切実な声が聞かれた。
?また、ロハニ師が、女性の社会進出に理解を示し、地位の向上にも前向きであったことも大きかった。
(4)最高指導者ハメネイ師も強硬路線の軌道修正に舵を切ったのではないか?
?ハメネイ師はロハニ師当選後「選ばれた大統領は全国民の大統領だ。すべての人々は新大統領が偉大な大義を達成できるよう助け、誠実に協力しなければならない」と声明を発した。ロハニ師も「選挙は最高指導者が求めたものとなった」と語り、過激主義への2人の協調した対決も印象づけている。
?この選挙結果に、アメリカも含め世界はこぞって歓迎している。
?選挙中にロハニ師は「すべての政治犯の釈放に努力する」と約束した。かつて強硬路線に反対した政治家に自由を与えられるかが当面彼の試金石となる。
?また、彼は「核問題を解決するため、まずこちらが信頼関係を強める」と述べ、ボールをイラン側から欧米諸国に投げることを言明した。
イランの政治転換が
北朝鮮に与える影響とは?
?イランは変わるか。未だ悲観的で慎重な意見も強い。しかし、映像で伝わるロハニ師の人柄や発言で私はかなり大きな期待を抱いている。不穏なトルコやシリア情勢を見るにつけ、イランの動向はイスラム圏全体の今後に明るい希望をもたらしている。
?さて、北朝鮮はどうするのか。イランという強力な同志、中国という唯一の後見人と距離を置いて一段と孤立感を深めている。
?焦る北朝鮮はアメリカに米朝会談を提案し、中国に特使を派遣して打開策を探っている。
?北朝鮮にとって不幸なのはイランと違って「民主主義による転換」の道を持たないところだ。
?イランの政治転換は、北朝鮮に最も大きな影響を与えるだろう。これは北朝鮮のピンチではなく、大きな変身のチャンスである。
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http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1116784031/6950
米・イラン、関係改善へ手探り=核問題での譲歩が試金石
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-130925X486.html
時事通信2013年9月25日(水)16:41
国連総会:イランと欧米が急接近 シリア・核巡り思惑一致
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/20130926k0000m030114000c.html
毎日新聞2013年9月25日(水)23:46
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トルコ:首相「民主化政策」発表 クルド語教育も
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/20131002k0000m030049000c.html?fr=rk
毎日新聞2013年10月1日(火)20:08
【エルサレム大治朋子】トルコのエルドアン首相が、少数民族クルドの使うクルド語の私立校での教育や、イスラム教徒の一部女性公務員にスカーフ着用などを認める「民主化政策」を発表した。9月30日に記者会見したエルドアン首相は「過去最大の民主化パッケージだ」とアピール。クルド民族の人権拡大は右派の反発を招くと見られるが、スカーフ着用などを認め、支持基盤のイスラム保守派に配慮した格好だ。
トルコでは来年3月に統一地方選が予定されるが、シリア内戦の影響で南部国境付近の治安が悪化する中でクルドとの衝突を回避すると同時に、イスラム保守派の支持を固める狙いもありそうだ。
クルド人(推計2000万〜3000万人)はトルコのほかイラン、イラク、シリアなど広範囲に居住。「国家を持たない最大の民族」とも呼ばれる。少数派として各地で弾圧を受け、トルコでは公共の場でのクルド語使用などが禁じられていた。
今回、私立校でのクルド語教育を認可するほか、クルド系の小規模政党が、より議席を確保しやすい方向で選挙制度を見直す方針を盛り込んだ。
トルコからの分離・独立を訴え武装闘争を続けてきたクルドの非合法組織「クルド労働者党(PKK)」は5月以降、トルコ南東部から最大拠点のイラク北部クルド自治区へ段階的に撤収中。
しかし、AP通信などによると、エルドアン政権による人権拡大政策が不十分だとして先月、撤収を一時中断し、武装闘争の再開もありうると警告した。シリア情勢が混迷を深めるなか、首相としてはこれ以上の摩擦を回避したい思惑が働いた可能性もある。
また、憲法に政教分離を掲げ、国是とするトルコは、女性職員に公共の場でのスカーフ着用を禁止してきたが、今回、女性公務員の着用を認める。ただ、裁判官や検察官、軍人や治安当局員は除外した。
トルコ:統一地方選にらみ、首相「民主化政策」 クルド語教育を一部容認、公務員スカーフ着用許容
毎日新聞 2013年10月02日 東京朝刊
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1116784031/6954
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アサド憎しで親クルド派の俺としては迂闊にも気付かなかったけどイラク戦争がイラク国内クルド人の自治権獲得が大きな成果だったように,今回の内乱はクルド人の自治権確立が最大の目標とならねばならんかったね。。
イラクとシリアの自治権拡大が成れば,次はトルコの自治権拡大だが,あっちは近代国家だし冷静にいって欲しい所。
2013年8月30日(金)
緊迫シリア 反政府勢力のクルド人たちは今
http://www.nhk.or.jp/worldwave/marugoto/2013/08/0830.html
鎌倉
「シリア国内の状況に目を向けますと、アメリカ主導の軍事行動が検討される中で、『反政府勢力』の内部対立が深刻さを増しています。」
黒木
「アサド政権と対峙する、シリアの反政府勢力。
決して一枚岩ではなく、大きく3つに分かれています。
まずアサド政権に反発し、軍から離反した兵士が主体の『自由シリア軍』。
シリア国外から流入し、国際テロ組織アルカイダにもつながると言われる『イスラム過激派の武装勢力』。
そして、シリア国内の少数民族である『クルド人』です。
これまでは反アサド政権ということで一致していた、この三者なんですけれども、ここにきまして、『イスラム過激派の武装勢力』が『クルド人』を激しく攻撃しているんです。
その『クルド人』、隣国トルコやイラク、そして、イランなどにおよそ3,000万人が暮らしていまして、独自の国家を持たない世界最大の民族集団と言われています。
このうち、シリア国内には300万人、これはシリアの人口の10%以上にあたります。
シリアから続々と避難するクルド人の現状を、シリアとイラクの国境の街で取材しました。」
複雑化するシリア 反政府勢力に異変あり
荒野の中、続く長蛇の列。
気温40度を超える中、シリア国内の戦闘から逃れてきた人たちです。
シリアとの国境近く、イラク北部にある難民キャンプ。
ほとんどが、シリアから来たクルド人です。
国連によると、難民の数はすでに4万人以上。
このままでは10万人を突破するとみられています。
これは、クルド人たちが多く暮らしていたシリア北部の町の映像です。
銃で応戦しているのは、クルド人。
激しい銃撃を加えているのは、イスラム過激派の武装勢力です。
この1年ほどは、イスラム過激派の武装勢力、「ヌスラ戦線」が特に激しい攻撃を仕掛け、犠牲者を増やしています。
背景には、世俗的なクルド人をイスラムの敵と見なすなど、宗教をめぐる対立があると指摘されています。
シリアのクルド人組織 サレハ・ムスリム氏
「アサド政権からの攻撃後、今度は過激派から攻撃してきたのです。」
イラク北部の難民キャンプに逃れてきた、アフメドさんとシンダーさんの夫妻です。
2週間前に待望の長男が生まれたばかりですが、突然、イスラム過激派の武装勢力の襲撃を受け、2日間かけて、難民キャンプにたどり着きました。
アフメドさん
「クルド人と分かればすぐ殺されます。
逃げるしかありませんでした。」
シンダーさん
「なんとかここまで来られて、少し安心しています。」
この日、難民キャンプを訪れたのは、イラク北部のクルド人自治政府のトップです。
シリアから来た同胞を全面的に支援することを表明しています。
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イラク北部の街アルビル。
クルド人自治区の中心都市です。
イラクでは、旧フセイン政権のもと、クルド人はさまざまな弾圧を受けてきましたが、イラク戦争開戦後、国際社会の支援を得て自治区は大きく発展しました。
豊富な石油資源をバックに「第2のドバイ」と称されるまでになりました。
イラクのクルド人自治政府は、隣国シリアのクルド人を守るためなら、あらゆる手段をとると警告しています。
クルド人自治区アルビル ハーディー知事
「もしシリアでクルド人大量殺りくが起きれば、彼らには身を守る手段がない。
我々は必ずシリアのクルド人を支援し、テロリストに応戦する。」
かつてフセイン政権の部隊との戦闘も経験した、イラクのクルド人武装組織は精鋭です。
すでに少数の工作員がシリア側に送り込まれ、偵察活動などを行っていると指摘されています。
今後、本格的な派兵となれば、外国の武装組織による、シリア内戦への新たな介入という事態になり、シリア情勢の行方はますます混迷を深めることも予想されます。
シリアのクルド人は今
鎌倉
「ここからは、中東のクルド問題に詳しいジャーナリストの勝又郁子(かつまた・いくこ)さんに加わっていただきます。
よろしくお願いします。」
ジャーナリスト 勝又郁子さん
「よろしくお願いします。」
�鮞�
「まず、この地域のクルド人の置かれている状況についてお聞きしたいんですが、10年前のイラク戦争、そして『アラブの春』を通じて、だいぶ大きく変化してきているということなんでしょうか?」
ジャーナリスト 勝又郁子さん
「こちらを見ると、このだいだい色の部分がクルド人が集中的に住んでいるところなんですが、4つの国に分断されていると。
そして今、リポートされたのが、この辺りですね。
ここだけが自治区、正式な憲法で保障された政治的な基盤を持った自治区として、今、非常に経済的にも発展をしている。」
�鮞�
「イラク北部ということですね?」
ジャーナリスト 勝又郁子さん
「イラクの北部ですね。
そして、こちらのクルド人たち、あるいはクルド地域に逃げてきたアラブ人とか、それからクリスチャンといった人たちが、ここを越えて入ってきているというわけなんですね。
今、シリアからイラクに逃れている難民というのは、全部で20万人前後に達しているはずなんですが、そのうちの9割が、実はクルド地域に、クルド自治区のほうに入っているという状況です。」
鎌倉
「その北イラクの街の復興、発展というのは、クルド人全体の状況にどのような影響を与えてるんでしょうか?」
ジャーナリスト 勝又郁子さん
「これまではクルドの地域が分断されていたということもあって、それぞれの国の状況が違う、政体が違うので、民族闘争というのも、ばらばらに行われていたんですね。
ところが、イラクのクルド人の地域が政治的にも安定して、経済的にも発展している。
しかも、お隣のシリアで大変なことが起きているということで、いろんな国に分かれていたクルド人たちがイラクに集まって、なんとかシリアのクルド人を助けようじゃないかというような連携した動きというのが、今年(2013年)の春ごろから急速に強まっているという状況です。」
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>>138-140
なぜ対立激化 シリア反政府勢力
鎌倉
「それでシリア国内ですけれども、反アサドの勢力の中で、イスラム武装勢力がクルド人を攻撃している状況なんですけど、このタイミングで反政府側の内部対立、激しさを増しているのはなぜなんでしょうか?」
ジャーナリスト 勝又郁子さん
「1つは内戦が長引いた。
長引いている中で、戦闘能力の極めて高いイスラム過激派、アルカイダとつながっていると言われる過激派が中心的な役割を果たすようになってきたと。
そしてクルド人というのは、実はアサド政権を打倒することに、そのためにアラブ人の反政府勢力と力を合わせることに、それほどの積極的な動きを見せていない、距離を置いていたんですね。
なぜかと言うと、新しくできたアラブ人中心の新政権が、ではクルド人の権利を保障してくれるのかと言ったら、それはまだ保障すると誰もギャランティーを与えてくれていないわけです。
それに対して今度、アラブ人のほうから見ると、アサド政権に対する、これだけ血を流して、みんなが戦っている時にクルド人は戦いに参加しないと。
おそらく、アサド政権とクルド人は裏でつながっていると。
こういう疑心暗鬼がずっと続いていた。
そして、バクダットやアレッポといった大都市、大都会で戦闘が激しくなっていったのが長引くにつれて拡散していく。
地方に拡散していくという状況の中で、クルドとイスラム過激派が衝突をするという事態になっているんだと思います。」
シリア反政府勢力 軍事行動の影響は
�鮞�
「こうして反政府勢力側の内部にも対立があるという中で今、アメリカ主導の軍事攻撃が行われた場合、反政府勢力側には、どんな影響を与えることになりそうですか?」
ジャーナリスト 勝又郁子さん
「先ほどの話にも出ていましたけれど、政権転覆を目的としたものではないと、執拗に言っているけれども、2つを切り離すことは当然できないわけで、反政府勢力にとりましては、これは政権打倒の最大のチャンス到来ということになります。
その中で当然、イスラム過激派も中心勢力として、活動を活発化させることになる。
もう1つの問題は、アサド政権がこの軍事攻撃によって転覆する事態が、時期が早まったとしたら、では次はどうなるか、全くの白紙なんですね。
その白紙の状態で、対立を深めている反政府勢力がさらに内戦を続ける。
つまり、内戦は、さらに混とんとした状況になるんではないかという気がします。」
シリア軍事行動 “出口”戦略は
�鮞�
「秋元さんにお聞きます。
軍事行動によって、シリア情勢、好転するシナリオをなかなか見つけにくいんですけれども、それでもなおアメリカは攻撃に踏み切る。
なぜなんでしょう?」
英国王立防衛安全保障研究所 秋元千明さん
「軍事行動というのは基本的には、外交の一部でなくてはいけないんですね。
つまり、必ず出口戦略というんでしょうかね、最後はこういう形で終わらせるという、1つの戦略を作ってから進める必要があるんですね。
今回は、そのような本格的な軍事作戦ではなくて、むしろ国際社会にメッセージを送る作戦ということで設計されていますね。
つまり、この紛争をなんとかしようという気持ちは、はなからなくて、ただ懲罰を与えるんだというようなことばを使ってる。
つまり、この作戦は大量破壊兵器を保有して使った国は、こういう結果になるんだということを、シリアの政権だけではなくて、国際社会全体に、そういったメッセージを送ると、メッセージを発信するということを目的とした非常に変則的な軍事作戦だろうと思うんですね。
ただ、こういった考え方に非常に落とし穴というのがありまして、軍事作戦というのは必ず相手があることですから、相手の出方によっては、自分が考えていたとおりの展開にならずに、さらに深みにはまっていくという可能性がありますので、非常に先の見えない不透明な軍事作戦であると言っていいと思います。」
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「アサドは愚かでない」、シリアのクルド人組織が毒ガス使用に疑義
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97R02320130828
2013年 08月 28日 11:19 JST
[ベルリン 26日 ロイター] - シリアで化学兵器が使用された問題をめぐって西側諸国がアサド政権の関与を疑う中、同国最大のクルド人組織「民主統一党」(PYD)のサレハ・ムスリム代表は、「アサド大統領はそれほど愚かではない」と述べ、政権の関与に懐疑的な見方を示した。
同代表は、政権側が内戦で優位な立場を築いており、アサド大統領が化学兵器に頼る必要はないと説明。その上で、今回の化学兵器使用はアサド大統領を陥れ、国際的な批判の声を引き出すために行われたものだと述べた。
化学兵器が使用された当時はすでに国連の専門家らが、シリア国内で前回の使用疑惑の調査を行っており、同代表は「そのさなかで化学兵器を使うようなまねはしないだろう。政権側はそれほど愚かではない」と語った。
また、ムスリム氏は「もし国連の調査団で反体制派が化学兵器を使用した証拠が出てきたとしても、水に流されてしまうのだろう」と皮肉った。
PYDはこれまで、アサド政権側と反体制派側の両者と衝突してきたが、別のクルド人組織からはPYDが政権に近い立場にあるとの批判の声も上がっている。
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クルド人難民が急増 衝突激化のシリア北部からイラクへ
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130820/mds13082009060003-n1.htm
2013.8.20 09:02 [中東・アフリカ]
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は19日、内戦が続くシリア北部からイラク北部のクルド人自治区への難民が急増、今月15日以降で約3万人に達したと明らかにした。大半がシリア系クルド人という。AP通信などが報じた。
シリア北部では最近、共にアサド大統領に敵対するシリア系クルド人と、イスラム過激派「ヌスラ戦線」の衝突が激化。シリアに自治区樹立を目指すクルド人と、イスラム国家樹立を目指すヌスラ戦線との間で対立が深まっている。
シリア系クルド人をめぐっては隣国トルコが勢力拡大を警戒。イラクのクルド自治政府のバルザニ議長が8月上旬、「シリアのクルド人を守る」と述べ、軍事介入の可能性を示唆するなど緊張が高まっている。
クルド人はトルコ、イラク、イラン、シリアにまたがる山岳地帯などに住む民族。総人口は2千万〜3千万人とされるが、各国では少数派となっている。(共同)
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国境警備隊、戦闘で14人死亡=当局、「反体制派」絞首刑に−イラン
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2013102600198
【テヘランAFP=時事】イラン南東部のパキスタンとの国境に近いシスタン・バルチスタン州サラバンで25日夜から26日未明にかけ、国境警備隊と武装集団の間で戦闘が起き、同隊の14人が死亡、5人が負傷した。国営イラン通信が26日、関係筋の話として報じた。
ファルス通信によると、同州の司法長官は「警備隊員殺害に関し、反体制派とつながりのある16人を刑務所で26日朝に絞首刑に処した」と明らかにした。情報筋は、警備隊と交戦した武装集団は盗賊か反政府勢力だと指摘していた。(2013/10/26-18:21)
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サウジアラビア、スーダン大統領機通過拒否=イランへ行けず式典欠席
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013080600039&g=int&relid2=1_4
スーダンのバシル大統領=7月15日、アブジャ(AFP=時事)
【ハルツームAFP=時事】イラン大統領就任式に向かっていたスーダンのバシル大統領搭乗機が4日、サウジアラビアから領空通過を拒否されて引き返し、出席を断念していたことが分かった。バシル大統領の報道官が明らかにした。
経済危機下のスーダンは、サウジの援助が頼り。2012年11月にはバシル大統領自身、サウジで手術を受けている。こうした関係からサウジに対する強い批判は控えつつ、報道官は今回、大統領専用機ではなくサウジからのチャーター機を使ったのに「パイロットは通過を拒否された」と不満をにじませた。(2013/08/06-05:15)
暴動で7人死亡=政権打倒呼び掛けも−スーダン
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013092600072&rel=m&g=int
25日、スーダンのオムドゥルマンで、ガソリンスタンドに投石する暴徒(AFP=時事)
【カイロ時事】スーダンの首都ハルツームや首都近郊のオムドゥルマンで25日、燃料価格の高騰に抗議するデモ隊が暴徒化して治安部隊と衝突し、AFP通信によると少なくとも7人が死亡した。
現地からの報道によれば、デモ隊は各地で車に火を付けるなどして暴れ回り、公共交通機関の一部は運行停止を余儀なくされた。バシル政権打倒を掲げるスローガンも叫ばれ、首都圏各地に騒乱が広がっているという。
バシル大統領が1989年にクーデターで権力を掌握して以降、スーダンでこうした暴動の発生は初めてとみられる。(2013/09/26-06:15)
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アルカイダ組織が異例の謝罪 イエメンの病院テロ
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131222/mds13122221130003-n1.htm
2013.12.22 21:12
イエメンを拠点とする国際テロ組織アルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」は22日までに、首都サヌアの国防省施設で52人が死亡した今月5日のテロで、病院医師らを殺害したのは誤りだったと異例の謝罪をするビデオ声明をインターネット上で発表した。
遺族に弔意を示し、イスラム法で「血の代償」と定められた賠償金を払うとしている。
AQAPは事件直後の犯行声明で、武装勢力掃討のため無人機空爆を行っている米軍の作戦司令室を狙ったと主張。しかし、施設内の病院で武装した男が無抵抗の医師や患者を殺害している防犯カメラ映像が国営テレビで放映され、犯行への怒りが広がっていた。(共同)
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アルカイダ系が犯行声明 マリの仏人2記者殺害
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131107/mds13110718500003-n1.htm
2013.11.7 18:49
西アフリカ・マリ北部キダルでフランス人記者2人が武装集団に拉致されて殺害された事件で、国際テロ組織アルカイダ系の「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織」(AQMI)が、モーリタニアのメディアを通じて犯行声明を出した。複数の外国メディアが伝えた。
声明でAQMIは、記者の殺害は、マリへのフランスの軍事介入に対する報復だと主張した。
声明によると、殺害を実行したのは遊牧民トゥアレグ人のタルギ司令官の部隊。同司令官は、2月末にフランス軍との戦闘で死亡したAQMI最高幹部の一人、アブゼイド司令官の側近だった。(共同)
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トルコ軍、迫撃砲で反撃 シリアのアルカイダ系
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131017/mds13101709520002-n1.htm
2013.10.17 09:51
トルコ軍は16日、シリアと国境を接する南部キリスにシリア側から国際テロ組織アルカイダ系武装組織「イラク・レバントのイスラム国」の砲弾1発が着弾したため、同組織の陣営に向けて迫撃砲で反撃したと発表した。ロイター通信が報じた。
トルコ軍はこれまでも同様の反撃を繰り返しているが、同組織への反撃は初めてとみられる。トルコ軍によると、16日午後、流れ弾とみられる砲弾が着弾。爆発せず被害はなかった。シリア側の被害は不明。
シリア北部や東部の大部分は反体制武装勢力が支配を続けているが、米欧などが支持する自由シリア軍やクルド系勢力と、アルカイダ系勢力による反体制派間の戦闘が増えている。(共同)
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シリア南部で爆発、21人死亡 アサド政権側仕掛けた地雷か
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131016/mds13101623320002-n1.htm
2013.10.16 23:30
シリア人権監視団(英国)によると、シリア南部ダルアー県で15日深夜か16日未明、マイクロバスとみられる車両が爆発し、女性6人と子供4人を含む21人が死亡した。地元の反体制派は監視団に、アサド政権側が仕掛けた地雷が爆発したと批判した。
ヨルダンに隣接するダルアー県は主に政権側の支配下にあるが、一部で反体制派との戦闘が続いている。爆発が起きた現場近くには、シリア軍の基地があるという。
また、北東部ハサカ県では15日、いずれも反体制派のイスラム過激派系とクルド人系の組織が衝突し、少なくとも41人が死亡した。 シリアでは各地の戦闘で一般市民が巻き込まれている。監視団によると、15日には今回の爆発を含めて全土で150人以上が死亡した。このうち少なくとも75人は一般市民だったという。(共同)
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自動車爆弾で27人死亡 シリア北部
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131015/mds13101508280002-n1.htm
2013.10.15 08:27
内戦中のシリア北部イドリブ県で14日、自動車爆弾が爆発し、少なくとも27人が死亡した。フランス公共ラジオが、シリア人権監視団(英国)の情報として伝えた。
イドリブ県の大部分は反体制武装勢力が支配、アサド政権側部隊との激しい戦闘が続いている。爆発現場はトルコ国境に近い町の市場で、27人の死者のうち少なくとも3人が子どもだった。負傷者も多数出たという。
シリアでは各地で市民を巻き込んだ戦闘が継続。人権監視団によると、12日には全土で180人以上が死亡した。(共同)
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サンケイ新聞と日経新聞の合いの子みたいな名前だが多分日系新聞。
綴りもNikkeiではなくNikkeyのようだ。
ニッケイ新聞 2013年12月21日
南スーダンの騒乱悪化?=伯国政府も伯人の安否懸念
http://www.nikkeyshimbun.com.br/2013/131221-01topic.html
アフリカ大陸で最も新しい独立国家である南スーダンで、クーデター騒ぎに関連すると見られる軍事衝突が15日夕から深刻化しており、伯国政府が、国連の平和維持活動ために現地に派遣されている軍警らを含む伯人の安否を案じている。
現地での軍事衝突は、7月に解任されたマシャル元副大統領を支持するニエル族の軍隊と、キール大統領の指揮下にあるディンカ族主体の政府軍の衝突といえる。15〜19日の衝突による死者は約500人との情報もあり、19日には反政府勢力が首都ジュバに近いジョングレイ州ボルを制圧した。同市では戦闘が続き、激しい砲撃にもさらされているとされ、死者や負傷者と共に、軍事衝突開始以来10万とも伝えられる自宅を捨てて避難する住民の数が更に増えそうだ。
南スーダンには国連の平和維持活動(UNMISS)に参加している外国人兵士や警官も約8千人おり、その中には国連から表彰された伯人軍警らも含まれている。また、首都にあるUNMISSの基地には女、子供を中心とする住民約1万人が避難している。
また、19日には、ジョングレイ州アコボの国連軍基地にニエル族の若者の集団が侵入し、インドからの兵士3人を殺害する事件も発生。同基地内にはディンカ族住民約30人が逃げ込んでおり、ライバル部族を脅かそうとした若者達が兵士達に銃を向けたと思われる。同事件後、インド兵は別の基地に移された。
同国の首都ジュバにはUNMISS関係者以外にも、人道団体関係者やボランティアなど多数の外国人がいるが、16日以降、同国内の状況は内戦直前との見方は国際社会に広まっており、18日までに米国が外交官ら120人を国外退去させ、英国も外交官や一般市民の一部を国外に脱出させた。伯国政府も、伯国からの派遣兵や警官らとの連絡が取り辛くなっており、現地の状況に記を揉んでいる。国外退去の場合、ジュバからは航空機が発着できない状況のため、退去時にはウガンダまで移動してから伯国に向かう必要がある。
伯国から派遣されている軍警のレオナルド・サンチアーナ中佐によると、連邦直轄区から派遣された軍警のメリッサ・ロッシャ大尉から17日、国連軍の傍のホテルに武装した賊が押し入って宿泊客の所持品を強奪する事件が起きており、現地の兵士らが命の危険にさらされている部族の人々の保護に当たっているとの連絡が入った。20日現在、同国内の戦闘のために国連関連施設に非難した住民は約3万4千人に上っているとの情報も入っている。
同国にはアフリカ連合の派遣団が入って調停を試みているほか、国連安全保障理事会が同国に関する緊急会合を開始。同国大統領からの要請を受け、ウガンダ軍が派兵されたとの情報もあり、伯国外務省やニューヨークの国連本部に詰めている伯人の平和維持活動従事者らも、同国の動向から目を離せない状況だ。
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南スーダンの騒乱悪化、反政府勢力が首都近郊のボル町制圧
http://www.cnn.co.jp/world/35041676.html
2013.12.19 Thu posted at 18:48 JST
(CNN) アフリカ南部の南スーダンで深刻化しているクーデタ疑惑に伴う軍部隊同士の武力衝突で、同国陸軍の報道担当者は19日、首都ジュバ近くのボル町が反政府武装勢力に制圧されたと発表した。
同町では戦闘が続き、激しい砲撃にさらされているという。ボル町の町長は、反政府武装勢力が町を陥落させたことを認めた。
南スーダンは2011年7月、長期の内戦をへた住民投票の決定でスーダンから分離、独立した。アフリカ大陸では最も新しい独立国家となったが、15日夕からジュバなどでクーデター騒ぎに関連するとみられる軍事衝突が深刻化。戦闘による死者は約500人との情報もある。
同国のキール大統領は戦闘発生後、クーデター未遂は鎮圧したとも発表。今回の騒乱は、今年7月のマシャル元副大統領解任を含む内閣刷新に反発する元副大統領支持の兵士らによる武装蜂起が原因と主張していた。
南スーダン外務省は18日、政府軍部隊の作戦で治安は回復したとし、ジュバ国際空港の運航業務も回復したと強調。しかし、国連は国内の政治危機は終息していないと疑問視している。武装衝突後、住民1万5000人から2万人が国連の施設敷地に避難したと主張している。
南スーダンのジョン・コング・ニュオン国防相は、これまでの軍事衝突で最大で10万人の住民らが自宅を捨て避難したと述べた。
南スーダン内の政情悪化を受け、各国は自国民救出のため航空機派遣の動きを加速している。英国外務省報道官はジュバからの退去を19日に望む英国民を退避させるため航空機1機が同国に向かっていると発表していた。
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南スーダン:反乱軍、北部油田制圧か 戦闘長期化の恐れ
http://mainichi.jp/shimen/news/m20131223ddm007030067000c.html
【ヨハネスブルク服部正法】政府軍と反乱軍の戦闘が続くアフリカ東部・南スーダンで、反乱軍を指揮しているとみられるマシャール前副大統領が英BBCに対し、北部ユニティ州を管理下に置いたと明らかにした。事実かどうかは不明だが、同州の政府軍司令官の一人が寝返った模様で、同州で反乱軍が勢力を拡大している可能性は否定できない。
ユニティ州は、南スーダンが財政のほとんどを..
南スーダン前副大統領「反乱軍は自分の指揮下」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131222/mds13122218580002-n1.htm
2013.12.22 18:57
戦闘で多くの死傷者が出ている南スーダンのマシャール前副大統領は英BBC放送に対し、政府軍と交戦している反乱軍は自分の指揮下にあると明言し、反政府姿勢を鮮明にした。BBC(電子版)が21日報じた。
キール大統領は今年7月、権力争いから副大統領だったマシャール氏を解任。大統領は今月16日、マシャール氏支持派によるクーデターの企てを鎮圧したと述べたが、同氏は否定していた。
BBCによると、マシャール氏は、反乱軍が主要な石油施設があるユニティ州など国土の多くを掌握したと述べた。一方、キール大統領からの停戦交渉の呼び掛けに対し、条件付きで応じる構えも見せた。
ユニティ州掌握の主張について、政府側は、同州の政府軍司令官が寝返っただけで、部隊は反乱軍側についていないとしている。(共同)
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>有力民族ディンカ人中心のキール大統領派と、対立するヌエル人のマシャール前副大統領派による戦闘は国内各地に飛び火
>新政府を担った独立運動組織「スーダン人民解放運動(SPLM)」は、言語の異なる数十の民族の連合体で、最高指導者のキール氏も自らの出身であるディンカ人以外は掌握できていないとされてきた。当初はSPLM古参幹部でヌエル人のマシャール氏が副大統領に就くなどして、一定の安定性が保たれたが、キール氏が今年7月、マシャール氏を解任して均衡が崩れた。
解任の時の記事がないなぁ。。
民族紛争飛び火、内戦危機 南スーダン首都衝突1週間 対話メド立たず
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131222/mds13122222250004-n1.htm
2013.12.22 22:24
【カイロ=大内清】南スーダンの首都ジュバで武力衝突が起きてから、22日で1週間となった。有力民族ディンカ人中心のキール大統領派と、対立するヌエル人のマシャール前副大統領派による戦闘は国内各地に飛び火し、油田が集中する北部ユニティ州や東部ジョングレイ州はマシャール派が掌握したとの情報もある。事態収拾の見通しが立たない中、大量の国内避難民も発生しており、2011年7月に独立した「世界で最も新しい国」は、民族紛争激化による内戦と人道危機に陥る懸念が強まっている。
15日夜の武力衝突以降、ジュバでは少なくとも500人が死亡した。アフリカ連合(AU)は両派にクリスマス期間中の停戦を働きかけているが、マシャール氏側は、キール氏が退陣しない限り対話には応じない姿勢を示している。
ディンカ人とヌエル人の住民同士の暴力も激化しており、日本の陸上自衛隊も国連平和維持活動(PKO)で派遣されているジュバの国連施設などには、住民約4万人が避難した。
ジョングレイ州では21日、米国民避難のために派遣された米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが銃撃され、米兵4人が負傷。多くの油田労働者が働く中国や英国なども、自国民の退避を進めている状況だ。
黒人系キリスト教徒が多い南スーダンは11年、アラブ系イスラム教徒が中心のスーダンからの独立を果たした。スーダンのバシル政権と敵対する米欧の強い後押しが背景にあった。
しかし、新政府を担った独立運動組織「スーダン人民解放運動(SPLM)」は、言語の異なる数十の民族の連合体で、最高指導者のキール氏も自らの出身であるディンカ人以外は掌握できていないとされてきた。当初はSPLM古参幹部でヌエル人のマシャール氏が副大統領に就くなどして、一定の安定性が保たれたが、キール氏が今年7月、マシャール氏を解任して均衡が崩れた。
SPLMはもともと、独立前から内部分裂を繰り返してきた。原油輸出が国家収入の95%を占めながら、スーダン経由のパイプラインに頼らざるを得ないなど、基盤が脆弱(ぜいじゃく)なまま独立を果たした事情もある。
スーダンのバシル大統領は22日、南スーダン情勢への懸念と関心を表明。他の周辺国でも、紛争長期化が地域の不安定化につながる懸念が強まっている。
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ユダヤ教に関しても此処で。なかなか解り易い♪
イスラエルの宗教
http://www.zion-jpn.or.jp/israel_religious.html
宗教の基本的構成を理解する
この円グラフは、イスラエル政府統計局発表によるイスラエルの人口と宗教分布です。全人口の4分の3を占めるユダヤ人は全員がユダヤ教で 、残りのアラブ人などはイスラム教、ドルーズ教、キリスト教徒などに分かれます。
まず、ユダヤ教徒が4つに分かれていることから、説明を始めなければなりません。 超正統派は独特の黒くて長い服を着た人々、宗教派は普通の服装ですが律法を守りユダヤ教を信じる人々、 伝統派は宗教ではなく民族の伝統として律法を守る人々、世俗派は宗教にも律法にも興味の無い人々です。 ここで「律法」というのは、「ハラハー」と呼ばれる宗教律法のこと。 たとえば、豚肉を食べないなど、ユダヤ教の食事規定を守り、安息日には車に乗ったりテレビを見たりしない等の事柄です。
超正統派、宗教派、伝統派、世俗派という4区分は必ずしも明確なものではありません。 伝統派を世俗派に含める場合もあり、また宗教派を「正統派」と言う人もいます。一般には、超正統派、正統派、世俗派という3区分で考える場合が多いでしょう。
宗教は信じないが神は信じる?
いずれにしても、ユダヤ人の大多数は「宗教を信じない」のです。 ところが、別の意識調査によると、神を信じる人はユダヤ人の71%もいます。 イスラエルの人々が世俗的な人でも神の存在を意識していることは、実際に話をしてみるとわかります。
しかし、神がいると感じていても、ユダヤ教という「宗教」を信じない人々が多いのです。
さらに不思議なのは「ユダヤ人は全員がユダヤ教徒」という驚くべき統計数字です。 何と、宗教を信じない世俗的な人々も、立派に「ユダヤ教徒」に分類されているのです。
社会制度としての宗教
江戸時代、日本では「宗門人別帳」が作られ、仏教は社会管理制度となっていました。 イスラエルのユダヤ教も、それと同じようなものだと考えると理解しやすいでしょう。 結婚一つをとってみても、ユダヤ教徒はユダヤ教徒、イスラム教徒はイスラム教徒、キリスト教徒はキリスト教徒との結婚しか認められません。 異教徒との結婚は制度上「ありえない」のです。そこで、国内では結婚できないカップルが数多く出来てしまいます。 このような制度には、多くの人が反発を感じています。
政治と宗教
民主国家であるイスラエルで、なぜ宗教が絶大な力を持つのでしょうか。それには、理由があります。
イスラエルは日本のように、単独で政権を担える政党がありません。 そこで、右派と左派が拮抗する中で宗教政党と連立政権を組まないと政治が出来ないという事情が生まれたのです。
宗教政党は、政権参加の条件として、安息日などの律法遵守と手厚い福祉を要求します。 超正統派は子供を数多く産むため貧しい人々が多く、福祉は暮らしに直結するのです。 その結果、世俗派の人々の間では、宗教政党に対する不満がたまるようになっていきました。
また、宗教権力が様々な形で腐敗していることも、人々が宗教に反発する原因の一つです。 宗教権威の最高峰であるチーフラビが汚職疑惑で警察の捜査を受けることもあるほどで、宗教のイメージはあまり良くありません。
世俗派の人々が「宗教を信じる」と言いたがらないのは、神を信じないのではなく、腐敗した宗教に反発しているからだと理解した方が良いでしょう。
以下略
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エジプト:同胞団529人に死刑判決…弁護側、控訴へ
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/20140325k0000m030059000c.html
毎日新聞2014年3月24日(月)19:59
【カイロ秋山信一】エジプト中部ミニヤの裁判所は24日、モルシ前大統領の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団の支持者529人に対して、警察署を襲撃して幹部を殺害したなどの罪で、死刑判決を言い渡した。弁護側は、初公判から2日後の「即決裁判」に抗議し、控訴する方針。昨年7月の軍事クーデター以降、軍主導の暫定政権は同胞団を弾圧しているが、これだけ多人数に死刑判決が出るのは極めて異例で、同胞団の反発は必至だ。
弁護人によると、被告らは13年8月14日、ミニヤの警察署や行政庁舎を襲撃して武器などを略奪、警察幹部1人を殺害し、市民にも発砲したとされる。
22日に初公判が開かれ、弁護側は「裁判官の構成が偏向している」として交代を要求したが、裁判所は拒否。実質的な審理を行わないまま、判決が言い渡された。
被告のうち拘束されているのは約150人で、残りは逃走中だという。この事件では、今回判決を受けた以外にも約500人が訴追されており、死刑判決を受ける可能性がある。弁護人は取材に「不当な裁判に衝撃を受けている」と話した。
エジプトでは昨年7月のクーデターでモルシ氏が大統領を解任された。治安部隊は8月14日、首都カイロで同胞団の座り込みの抗議集会を強制排除し、各地で少なくとも600人が死亡。同胞団の支持者らは反発し、各地で警察署などを襲撃した。
エジプト政府は昨年12月、同胞団を「テロ組織」に指定、非合法化した。
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珍しいですね。カタールってサウジの覇権に異を唱え得るほどの大国でしたっけ??
湾岸対立:サウジアラビアとカタール 大使召還など激化
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1116784031/7815
毎日新聞 2014年04月09日 12時05分(最終更新 04月09日 14時57分)
【カイロ秋山信一】世界最大の産油地域のペルシャ湾岸のアラブ諸国で、サウジアラビアとカタールの対立が表面化している。長年、親米アラブとして協調し、日本にも石油や天然ガスを供給する両国だが、エジプト情勢やイランへの対応を巡って意見の相違が顕在化し、サウジ、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの3カ国は3月に駐カタール大使を召還するまで関係が悪化。クウェートが仲介にあたっているが、対立解消のめどは立っていない。
「兄弟国の判断に失望と驚きを禁じ得ない」。大使召還が発表された直後、カタールは声明でサウジなど3カ国を非難した。サウジは「治安と安定を守るためだ」と説明し、「王制への脅威」とみなすエジプト発祥のイスラム組織ムスリム同胞団を、カタールが擁護していることへの不満を示唆した。サウジは大使召還後、同胞団を「テロ組織」に指定した。
サウジやカタールなど湾岸6カ国は1981年に湾岸協力会議(GCC)を設立し、内外の政策で連携してきた。2011年には、反王制デモが起きたバーレーンにGCCが治安部隊を派遣し、デモを抑圧。王制を脅かす民主化要求運動「アラブの春」の湾岸への波及を妨げた。
ところが昨年7月に起きたエジプトの軍事クーデターで対立が表面化した。サウジはUAE、クウェートとともに、軍主導の暫定政権に対して総額120億ドル(約1兆2000億円)の支援を表明した。一方、クーデターで追放されたムスリム同胞団主体のモルシ前政権を支援していたカタールは孤立。同国の衛星テレビ局「アルジャジーラ」を通じて、同胞団の抗議活動を積極的に報じる姿勢を取った。
米欧との対話路線を進めるイランのロウハニ政権への態度にも温度差がある。カタールは昨秋以降、相互に外相が訪問し、経済連携にも意欲的だ。一方、イスラム教スンニ派を国教とするサウジは、シーア派国家のイランの影響力が湾岸諸国に伸びるのを警戒している。
一連の対立について、天然ガスの輸出で急速に国力を伸ばすカタールが、GCC最大の国土・人口を擁するサウジの覇権に挑戦しているとの見方もある。クウェートが対立の解消に努めているが、サウジは「カタールが政策を変更しない限り、問題は解決しない」(サウド外相)との姿勢だ。
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ナイジェリアで爆発、71人死亡 首都近郊、過激派か
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20140414/Kyodo_BR_MN2014041401002082.html
共同通信 2014年4月14日 22時00分 (2014年4月14日 22時36分 更新)
【ナイロビ共同】ナイジェリアの首都アブジャ近郊のバス停で14日、爆発があり、警察当局によると、71人が死亡し、124人が負傷した。ロイター通信が伝えた。爆発が起きたのは早朝の通勤時間帯で、現場には多くの通勤客がいたという。同国のイスラム過激派ボコ・ハラムによる犯行とみられる。
同国北東部ではボコ・ハラムによる住民らへの襲撃が相次いでいるが、アブジャ周辺では最近は被害がほとんど出ていなかった。
アブジャでは2011年8月、国連施設での自爆テロで20人以上が死亡し、ボコ・ハラムが犯行を認める声明を出している。
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ナイジェリアで爆発、71人死亡 首都近郊、過激派か
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20140414/Kyodo_BR_MN2014041401002082.html
共同通信 2014年4月14日 22時00分 (2014年4月14日 22時36分 更新)
【ナイロビ共同】ナイジェリアの首都アブジャ近郊のバス停で14日、爆発があり、警察当局によると、71人が死亡し、124人が負傷した。ロイター通信が伝えた。爆発が起きたのは早朝の通勤時間帯で、現場には多くの通勤客がいたという。同国のイスラム過激派ボコ・ハラムによる犯行とみられる。
同国北東部ではボコ・ハラムによる住民らへの襲撃が相次いでいるが、アブジャ周辺では最近は被害がほとんど出ていなかった。
アブジャでは2011年8月、国連施設での自爆テロで20人以上が死亡し、ボコ・ハラムが犯行を認める声明を出している。
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酷い宗教だねぇ。。
キリスト教から改宗拒んだ女性に死刑判決 スーダン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140516-35047994-cnn-int
CNN.co.jp 5月16日(金)11時26分配信
(CNN) スーダンでキリスト教の信仰を捨てることを拒んだ女性が、イスラム教の教えに背いたとして背教の罪に問われ、首都ハルツームの裁判所で死刑判決を言い渡された。女性側は判決を不服として控訴する方針。
死刑判決を受けたのはメリアン・イェイヤ・イブラヒムさん(27)。夫によると、イブラヒムさんはキリスト教徒だが、裁判ではイスラム教徒として裁かれたという。
人権団体アムネスティ・インターナショナルによれば、イブラヒムさんは妊娠8カ月目で、1歳8カ月の息子とともに拘置されている。判決ではさらにイスラム教のシャリア法に基づいて、イブラヒムさんがキリスト教徒の男性と結婚したことを姦通罪とみなし、むち打ち100回の刑も言い渡したという。
キリスト教人権団体によると、イブラヒムさんはイスラム教徒のスーダン人の父と、キリスト教徒でエチオピア人の母の間に生まれ、6歳の時に父がいなくなったため母にキリスト教徒として育てられた。
しかし裁判所は、父がイスラム教徒だったことを理由にイブラヒムさんもイスラム教徒とみなし、ほかの宗教の男性との結婚は無効と判断した。
アフリカの人権団体は今回の判決について、「スーダン自らが定めた憲法や国際法に違反する。メリアンさんは宗教的信念のみを理由として有罪を宣告された」と非難した。
米国と英国、カナダ、オランダの在スーダン大使館は、スーダン政府に対して信教の自由や改宗の権利を認めるよう求める声明を発表。「スーダンの司法当局に対しても、国民の価値観に沿った公正かつ温情ある姿勢でメリアムさんの裁判に臨むよう求める」と要請した。
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8010 名前:チバQ 投稿日: 2014/05/25(日) 19:34:08
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140525/mds14052518000001-n1.htm
海外事件簿】
サウジでリベラル系ブロガーにムチ打ち千回の刑
2014.5.25 18:00 (1/2ページ)[海外事件簿]
保守的なイスラム教ワッハーブ派を国教とするサウジアラビアの裁判所で今月7日、イスラムを侮辱するウェブサイトを運営したとして同国のリベラル系ブロガーに禁固10年、ムチ打ち千回などの刑が言い渡された。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルなどは同判決を、思想・言論を理由とした「不当な拘束」だと批判。いったい何が、司法の逆鱗に触れたのか。(カイロ 大内清)
実刑判決を受けたのは、ウェブサイト「自由サウジ・リベラル」の創設者で2012年に逮捕されたラーイフ・バダウィ氏。ロイター通信などによると、このときの逮捕容疑は、サイバー犯罪と「父親への虐待」だったという。
産経新聞が電話取材したバダウィ氏の妻、インサーフさんによれば、バダウィ氏は08年、家族内のトラブルが原因で父親から告発を受けて一時、当局の取り調べを受けたことがあるといい、12年の逮捕はそのときの騒動が“適用”されたためだった可能性もある。
しかし、容疑はその後、イスラムへの侮辱と、イスラム教に背いた「背教罪」に切り替えられた。サウジの人権情報団体「ゴホド」などによると、サイトの掲示板上で、同国で宗教警察的な役割を持つ「勧善懲悪委員会」や、イスラム法学の権威者である大ムフティを批判したことなどが「イスラムへの侮辱」にあたると判断されたという。そこには、保守的な宗教界からの働きかけがあったとの見方もある。
同サイトはすでに閉鎖されているため詳細な内容を確認することはできないが、バダウィ氏は逮捕前の12年、現地紙アルジャジーラへの寄稿で、「西洋の完全な輸入ではなく、サウジ式のリベラリズム」を確立するべきだとした上で、「特定の宗教に特権的な地位を与えるのではなく、すべての宗教に権利を認める」べきだ−などと述べている。インサーフさんは「夫にサウジ政府や法律をないがしろにする気持ちはなかった」と語る。
ただ、イスラム教は教義上、他宗教よりも優れたものとされ、イスラムの拡大に力を尽くすことは信徒の重要な義務だとされる。サウジで強い影響力を持つ宗教界の目には、イスラムの絶対的優位性を否定しかねないバダウィ氏の言動は、イスラムを脅かす「危険思想」と映るのは間違いない。
裁判所は昨年7月、同国では死刑もあり得る背教罪については検察側の訴えを退けたものの、バダウィ氏に対して禁固7年、ムチ打ち600回の判決を下した。だが、その後、裁判のやり直しが決まり、今回の判決では、より重い刑となる禁固10年、ムチ打ち千回に加え、罰金100万サウジ・リヤル(約2700万円)の支払いを命じた。裁判は上訴が可能。
現在はサウジを離れ、カナダで暮らすインサーフさんは「裁判では(バダウィ氏側の)弁護人や支援者が法廷から閉め出される場面もあった」と説明。今後は国際人権団体などを通じ、サウジ側にバダウィ氏釈放に向けた働きかけを続けていく考えだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014052502000130.html
あすからエジプト大統領選 イスラム勢力とシシ氏対立激化
2014年5月25日 朝刊
シシ氏の顔とライオンが並んだカードを見せるシシ氏の支持者ら=11日、カイロ市内で(中村禎一郎撮影)
【カイロ=中村禎一郎】エジプト大統領選の投票が26、27両日、実施される。前軍最高評議会議長のシシ氏(59)の当選が確実視され、左派系の元国会議員サバヒ氏(59)が追う。軍出身のシシ氏は強い指導者を演出し、イスラム過激派によるとみられるテロへの強硬姿勢を見せる。一方、モルシ前大統領を支えたイスラム主義組織ムスリム同胞団は選挙の棄権を呼び掛ける。選挙戦を通じ、シシ氏とイスラム主義勢力の対立が先鋭化している。
カイロで11日に開かれたシシ陣営の選挙集会には1000人以上の支持者が集まった。「シシ候補はこの国をムスリム同胞団から救い、テロからわれわれを守ってくれる。勇敢な男だ」。公務員マハムード・サブリさん(28)は首から下げたカードを誇らしげに見せた。カードにはシシ氏の顔とライオンが並んでいた。
シシ氏の立候補後、イスラム過激派とみられる勢力が、治安当局を狙ったテロを繰り返している。19日夜には武装グループがカイロのイスラム教スンニ派の最高権威機関アズハルを襲撃し、警察官3人が死亡。21日にはシナイ半島で治安当局の車が爆弾で攻撃され、1人が犠牲となった。
シシ氏はテレビのインタビューで「イスラム過激派によるテロと同胞団はつながっている」と糾弾。当選後は同胞団が国内に存在することを認めないとの考えを示している。
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「軍人政権」復活へ=秩序回復に期待−大統領選始まる・エジプト
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014052600561
26日、カイロ市内に設けられたエジプト大統領選の投票所で、投票を待つ女性たち
【カイロ時事】エジプトで26日、大統領選の投票が始まった。昨年7月の事実上のクーデターを主導したシシ前国防相の勝利が確実視されており、ムバラク元大統領以来の軍出身者が再び大統領に就くことになる。国民は、軍の力を背景とした強い指導力による秩序回復に期待している。
シシ氏は26日、カイロで投票を済ませた。記者団に「エジプト人は自ら歴史をつむぎ、将来を築こうとしている」と語った。
有権者は約5400万人。投票は27日まで2日間行われ、その後開票作業に入る。選管は6月5日までに結果を発表する方針だ。(2014/05/26-20:27)
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http://mainichi.jp/select/news/20140528k0000e030153000c.html
エジプト:大統領選 異例の投票1日延長 低投票率危惧か
毎日新聞 2014年05月28日 10時48分(最終更新 05月28日 11時08分)
【カイロ秋山信一】エジプト大統領選挙委員会は27日、2日間の予定だった投票を1日延長し、28日も実施すると発表した。シシ前国防相(59)の当選が確実視されているが、投票率が低調に終われば、シシ氏への信任度に疑問符が付きかねない。投票延長という異例の措置をとった背景には、シシ氏の得票数を伸ばしたい軍主導の暫定政権の配慮があるとみられる。
投票は26日に始まったが、初日の投票が低調だったことを踏まえ、暫定政権は急きょ27日を休日にした。さらに「選挙法の規定により、正当な理由がなく棄権した場合、500エジプトポンド(約7000円)の罰金を科す」として投票を促したが、有権者の出足は鈍かった。選挙委は「投票延長はしない」と再三説明していたが、最終的に延長に踏み切った。
政府系紙アルアハラム(電子版)によると、シシ氏と左派政治家のサバヒ氏の両陣営は選挙委に不服を申し立てたが、選挙委は「多くの国民の要望だ」として却下した。ただ実際にはシシ陣営の意をくんだとの見方が強い。暫定政権や選挙委の幹部は「中立」を標ぼうしているが、シシ氏の息がかかったメンバーが大半を占めている。
シシ氏は選挙戦中、「少なくとも(有権者の約75%にあたる)4000万人に投票してほしい」と述べていた。昨年7月の軍事クーデターでイスラム組織ムスリム同胞団のモルシ前大統領を追放した直後、「政治には関わらない」と宣言しながら、今年3月に「国民の要望に応えるためだ」と一転して出馬に踏み切った経緯がある。今回の選挙で投票率や得票数を伸ばせなければ、自身の翻意を正当化できないという事情がある。
モルシ氏とムバラク政権時代の首相経験者が競り合った2012年の前回選挙(決選投票)でも投票率は約52%にとどまった。今回はシシ氏の圧勝が確実視されており、選挙戦への関心は高くない。政治学者のサイード・サデク氏は「前回は、同胞団と国民民主党(ムバラク政権時代の与党)の残党という2大集票マシンが、有権者に金銭や食料品を配って投票を促進した。だが同胞団は弾圧され、国民民主党も組織が崩壊した。シシ氏やサバヒ氏には手駒になる政治組織がなく、投票率が低くなるのは仕方がない」と分析している。
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http://mainichi.jp/select/news/20140529k0000e030236000c.html
エジプト:大統領選 シシ前国防相が得票率96%超で当確
毎日新聞 2014年05月29日 11時51分(最終更新 05月29日 12時07分)
シシ前国防相=AP
拡大写真 【カイロ秋山信一】エジプト大統領選挙は28日夜(日本時間29日未明)、即日開票が始まり、政府系紙アルアハラム(電子版)によると、シシ前国防相(59)の当選が確実となった。2011年の民主化要求運動「アラブの春」まで約60年間続いた「軍人大統領」による統治が復活する。シシ氏の得票率は9割を超え、軍を率いた指導力への期待の大きさを裏付けた。ただ反シシ派が選挙をボイコットするなどしたため、投票率は低く強権支配復活への懸念が強いこともにじんだ。
アルアハラムによると、開票率約9割の時点で、シシ氏の得票率は96%を超え、全27県で対抗馬の左派政治家、サバヒ氏(59)を圧倒。得票数は2200万票を超え、12年の前回選挙の決選投票でモルシ前大統領(62)が獲得した約1323万票を大きく上回った。
投票率は当初予定の2日間を終えた時点で約37%だった。選挙委は急きょ投票を1日延長し、地元メディアによると、暫定投票率は約44%に達した。しかし、前回の第1回投票(約46%)や決選投票(約52%)を下回る見通しだ。
シシ氏の圧勝は選挙前から確実視され、事実上の信任投票の色合いが濃かった。シシ氏は選挙戦中「4000万人以上に投票してほしい」と語っていた。だがシシ氏が主導した昨年7月の軍事クーデターで失脚したモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団や、11年の革命を主導し、軍出身者による強権支配復活を懸念する若者グループなど、反シシ派の多くが投票をボイコットし、シシ氏の思惑は外れた。
大統領の任期は4年。シシ氏は治安や経済の改善に意欲を見せ、幅広い政治勢力を結集した政府の樹立を目指す考えも示している。ただ政権公約は明らかにせず、政策の詳細は不明だ。「同胞団に居場所はない」と述べるなど反対勢力には抑圧を強めるとみられる。
シシ氏は軍情報局長などを経て、12年8月に当時のモルシ大統領から軍トップの国防相に任命された。昨年7月、大規模な反モルシ政権デモを受けて、クーデターを決行。当初は大統領選への出馬を否定していたが、「国民と軍の要望に応えるためだ」として立候補した。モルシ氏はデモ隊殺害を教唆した罪などで起訴され、公判を受けている。
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http://mainichi.jp/select/news/20140529k0000e030244000c.html
エジプト:大統領選で「強い指導者」待望 多くの若者棄権
毎日新聞 2014年05月29日 12時10分
【カイロ秋山信一】エジプトの大統領選でシシ前国防相(59)の当選が確実となり、シシ氏に投票した有権者からは「強い指導者」の待望論が聞かれた。ただ、軍出身のムバラク大統領を倒した2011年の民主化要求運動「アラブの春」の主役だった若者の多くが棄権し、ムバラク時代のような強権支配復活への懸念も強まっている。
投票が行われた26〜28日、夏を迎えた首都カイロの最高気温は40度に迫った。投票所は「軍一色」に染められていた。反シシ派によるテロを警戒するため、小銃を持つ軍兵士が常駐し、上空を軍のヘリコプターが旋回した。近くの路上で軍を称賛するロック調の曲が大音量でかけられ、対抗馬のサバヒ氏(59)陣営が「選挙違反だ」と抗議する一幕もあった。シシ氏に投票した無職のラミ・ロジディさん(66)は「治安と経済を立て直してほしい」と語った。
ただシシ氏が「白紙委任」されたわけではない。「アラブの春」で倒れたムバラク独裁政権時代へ逆戻りするのを懸念する声もある。不用品回収業のムスタファ・サイードさん(37)は「ムバラク政権のように金持ちを優遇すれば、再び反政権デモが起きる」と警告した。
投票所では中高年の姿が目立ち、若者の多くが投票を棄権した。大学生の女性(20)は「シシ氏の勝利は確実で投票しても意味がない。革命前のように自由がなくならないか心配だ」と話した。
サバヒ氏に投票したカイロ大学3年の男性(21)は「シシ氏は『政治的野心はない』と言っていたのに立候補した。約束を破る人間を信用できない」と断じた。カイロ大では、シシ氏に追放されたモルシ前大統領の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団系のデモ隊と治安部隊の衝突が頻発している。男性は「催涙ガスが校舎内に入ってくる中で講義を受ける。そんな状況で、将来への希望は持てない」と首を振った。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140529/mds14052913290002-n1.htm
経済再建、同胞団問題など課題山積 シーシー氏、強権発動も
2014.5.29 13:29
28日、エジプトの首都カイロで、シーシー前国防相のポスターを掲げる支持者(ロイター)
【カイロ=大内清】エジプト大統領選で当選を決めたシーシー前国防相には今後、低迷する経済や、昨年7月のクーデターで排除されたモルシー前大統領の復権を唱えるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団への対応といった問題がのしかかる。その中では、2011年に民衆デモで崩壊するまでのムバラク政権期を思わせる強権も発動されそうだ。
エジプトでは11年の政変以降のデモや衝突による混乱で主要産業である観光が大打撃を受け、回復の見通しは立っていない。そんな中、シーシー氏は今回の選挙戦で、観光を回復させるには、言論や集会などの自由を一定程度、制限してでもデモを抑制する必要があるとの考えを示してきた。
シーシー氏を実質的な最高実力者とする暫定政権は、昨年11月にデモ規制法を制定し、同胞団などのモルシー派だけでなく、若者中心の民主化グループのメンバーらを多数摘発。新政権のもとでは、この流れがさらに加速するとも予想される。
同胞団を今後どう扱うかも大きな課題だ。
同胞団はクーデター後、同胞団を「テロ組織」とみる治安当局の大量摘発や主流メディアによる批判キャンペーンで求心力が大きく低下した。ただ、正規メンバーだけで数十万人とされる同胞団はなお、潜在的にはエジプト最大の政治・社会組織であり、同国の中長期的な安定には政治プロセスへの取り込みが不可欠となる。
同胞団は暫定政権の正統性を認めておらず、今回の選挙もボイコットした。次期政権としては、こうした態度をとり続ける限り和解は難しいのが実情であり、当面は同胞団を屈服させるために圧力を強めながら、同胞団内の変化を促していく可能性が高い。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140529-00000041-jij_afp-int
妊婦殴殺の名誉殺人、「警察は見物していた」と夫 パキスタン
AFP=時事 5月29日(木)20時25分配信
パキスタン東部ラホールで、家族の意思に反した結婚をしたとして親族らに殴殺されたファルザナ・パルビーンさんの遺体と共に車に乗る夫のムハンマド・イクバルさんとその親族ら(2014年5月27日撮影)。
【AFP=時事】パキスタン東部ラホール(Lahore)で、自分で選んだ相手と結婚した妊娠3か月の女性が裁判所前で親族らにれんがなどで殴られ殺された事件で、AFPの取材に応じた夫が28日、正義のため闘うと誓った。現場には警察や司法関係者が大勢いたにもかかわらず、誰も助けてくれなかったと語っている。
この事件は、ラホールの高等裁判所の建物の外で27日、ファルザナ・パルビーン(Farzana Parveen)さん(25)が父親や兄弟、いとこら20人以上の集団に襲われ、れんがを投げ付けられるなどして殺害されたもの。当初の警察発表では氏名が「ファルザナ・イクバル(Farzana Iqbal)」さんとされていた。
警察は父親の身柄を拘束したが、兄弟といとこの5人が現在も逃亡中だという。
ファルザナさんは、家族の意思に反して自ら選んだ男性、ムハンマド・イクバル(Muhammad Iqbal)さん(45)と結婚し、妊娠3か月だった。ファルザナさんの親族は、ムハンマドさんがファルザナさんを誘拐し結婚を強要したと訴えており、事件当日ファルザナさんは夫の弁護側証人として出廷するため裁判所に向かう途中だった。
■警察も司法関係者も見ていただけ
パンジャブ(Punjab)州ジャランワラ(Jaranwala)でファルザナさんを埋葬した後、自宅でAFPの電話取材に応じたムハンマドさんは、「結婚したときから脅されていた。私たちは正義を要求する」と語った。
ムハンマドさんによると、夫妻は今月12日に行われた公判の際にも襲撃を受けたが、その時は無事だったという。
しかし27日は、「弁護士事務所から裁判所に向かっていたところ、30人ほどの集団が襲い掛かってきた。妻の父親や兄弟たち、いとこたちもいた」。ムハンマドさんたちには10人余りの関係者が同行していたが、突然の襲撃に驚いた人たちは散り散りに逃げて行ってしまったという。
「兄弟の1人が彼女(ファルザナさん)に向けて発砲したが、当たらなかった。続いて、襲撃してきた集団の中の女たちが彼女を押し倒し、それから兄弟たちと父親が彼女を殺してしまった」
「最もつらいのは、誰も妻を助けてくれなかったことだ。その場には警察官も、たくさんの法曹関係者も、一般市民たちもいた。でも、皆ただ見物人のように眺めているだけだった」
■とばっちり恐れ放置される「名誉殺人」、1年で869人被害
「裁判所には警官隊が常駐している。だが、なぜか事件発生時には現場におらず、被害者を保護したり襲撃者を阻止したりして事件を未然に防ぐことができなかった」と、著名な女性人権活動家のタヒラ・アブドラ(Tahira Abdullah)氏は指摘する。「警察が予期できた名誉殺人を放置した例は枚挙にいとまがない」
一方、男女同権運動家のサミナ・ラフマン(Samina Rehman)氏は次のように話す。「事件は大勢の人たちの目の前で起きたのに、誰1人介入しなかった。自分が村落裁判による公開処刑の対象になる可能性を恐れたためだ」
「人々が(名誉殺人について)はっきりと意見を主張しないのは、神を冒涜(ぼうとく)する行為だと言いがかりを付けられたり、反イスラム的との烙印(らくいん)を押されたりしたくないからだ」
人権団体「パキスタン人権委員会(Human Rights Commission of Pakistan)」によると、パキスタンでは2013年の1年間だけで、一族の名誉を汚したとして親族に殺害されるいわゆる「名誉殺人」で869人の女性が命を落としている。【翻訳編集】 AFPBB News
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140529/mds14052913290002-n1.htm
経済再建、同胞団問題など課題山積 シーシー氏、強権発動も
2014.5.29 13:29
28日、エジプトの首都カイロで、シーシー前国防相のポスターを掲げる支持者(ロイター)
28日、エジプトの首都カイロで、シーシー前国防相のポスターを掲げる支持者(ロイター)
【カイロ=大内清】エジプト大統領選で当選を決めたシーシー前国防相には今後、低迷する経済や、昨年7月のクーデターで排除されたモルシー前大統領の復権を唱えるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団への対応といった問題がのしかかる。その中では、2011年に民衆デモで崩壊するまでのムバラク政権期を思わせる強権も発動されそうだ。
エジプトでは11年の政変以降のデモや衝突による混乱で主要産業である観光が大打撃を受け、回復の見通しは立っていない。そんな中、シーシー氏は今回の選挙戦で、観光を回復させるには、言論や集会などの自由を一定程度、制限してでもデモを抑制する必要があるとの考えを示してきた。
シーシー氏を実質的な最高実力者とする暫定政権は、昨年11月にデモ規制法を制定し、同胞団などのモルシー派だけでなく、若者中心の民主化グループのメンバーらを多数摘発。新政権のもとでは、この流れがさらに加速するとも予想される。
同胞団を今後どう扱うかも大きな課題だ。
同胞団はクーデター後、同胞団を「テロ組織」とみる治安当局の大量摘発や主流メディアによる批判キャンペーンで求心力が大きく低下した。ただ、正規メンバーだけで数十万人とされる同胞団はなお、潜在的にはエジプト最大の政治・社会組織であり、同国の中長期的な安定には政治プロセスへの取り込みが不可欠となる。
同胞団は暫定政権の正統性を認めておらず、今回の選挙もボイコットした。次期政権としては、こうした態度をとり続ける限り和解は難しいのが実情であり、当面は同胞団を屈服させるために圧力を強めながら、同胞団内の変化を促していく可能性が高い。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014060100081
アサド氏の3選確実=「茶番」批判強く−3日にシリア大統領選
シリアのアサド大統領=1月、ダマスカス(AFP=時事) 【カイロ時事】激しい内戦が続くシリアで3日、大統領選の投票が行われる。反体制派への弾圧を続けてきたアサド大統領の3選が確実視され、アサド氏は勝利を通じて自身による国家統治の正統性を内外にアピールする考えだ。一方、欧米や反体制派は選挙を「茶番」と批判し、反体制派組織「国民連合」などは選挙をボイコットすると表明した。
シリアでは従来、大統領選は現職候補への賛否を問う国民投票だった。しかし、今回の選挙は2012年2月の新憲法成立を受け、初めて複数の候補者が争う形で行われている。
選挙にはアサド氏のほか、人民議会(国会)のハジャル議員と市民団体代表のヌリ氏が出馬。しかし、両者とも知名度が低く、選挙戦はアサド氏の独走状態で推移した。
投票が許されるのは、内戦でシリア国内でアサド政権が支配している地域と、一部の在外公館でのみ。反体制派は候補者擁立や投票で事実上締め出された形となり、公平性が疑問視される状況だ。(2014/06/01-14:55)
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http://mainichi.jp/select/news/20140602k0000e030227000c.html
レバノン:大統領の早期選出を 空位懸念で安保理議長声明
毎日新聞 2014年06月02日 14時31分(最終更新 06月02日 15時16分)
レバノンのベイルート、ダマスカスの位置
拡大写真 【カイロ秋山信一】レバノンの大統領の座が5月25日以降、空位になっていることを受けて、国連安全保障理事会は、大統領選任を急ぐよう求める議長声明を出した。大統領を選出する国民議会では、隣国シリア内戦の影響で、親シリア体制派と反体制派の対立が深刻化。過去5回の投票ではどの候補者も法定数(3分の2)を獲得できず、国家元首不在という異例の事態に陥っている。
安保理の議長声明は5月29日に出され、憲法が定める期日までに新大統領が選出されなかったことに「失望と懸念」を表明した。大統領には首相の指名権や国民議会の解散権があり、政治空白が長引けば、国政が混乱する恐れもある。
国民議会では、親シリア体制派と反体制派の勢力が拮抗(きっこう)している。大統領を選出するには双方の妥協が必要だが、候補者を一本化する調整が進まず、スレイマン前大統領の任期中に後任が決まらなかった。スレイマン氏は退任演説で「レバノンは過去にも困難な時期を切り抜けてきた。継続した対話こそが、この窮地を脱する唯一の方法だ」と訴えた。
レバノンでは近年、シリアのアサド政権を支持するイスラム教シーア派と、シリア反体制派を支援するスンニ派との衝突が頻発している。昨春以降、シーア派武装組織ヒズボラがシリア内戦に本格参戦したことで、混乱に拍車がかかった。
政治の停滞も著しく、サラーム現内閣は組閣に1年を要した。国民議会も本来の任期は既に終わったが、選挙法を巡る協議が不調に終わったために特例で任期を延長し、選挙を先延ばしにしている。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140602/mds14060209110002-n1.htm
トルコ首相、大統領選視野 反政府デモから1年、汚職疑惑かわし
2014.6.2 09:11 (1/2ページ)
エルドアン首相(AP)
【カイロ=大内清】トルコで大規模な反政府デモが起きてから1年となった5月31日、最大都市イスタンブールなどで数百人がデモを行い、一部が治安部隊と衝突した。エルドアン政権はこの間、相次ぐデモや汚職疑惑に直面しながらも、統一地方選で勝利するなど政権基盤の強さを示してきた。エルドアン首相は8月の大統領選出馬を視野に、さらなる長期政権を虎視眈々(たんたん)と狙っている。
トルコのメディアによると、治安当局は31日、昨年のデモの舞台となったイスタンブール中心部のゲジ公園周辺を封鎖して警戒。デモ隊に催涙弾や放水車を使用したほか、米CNNテレビの中継を妨害する一幕もあった。エルドアン氏は同日、「あらゆる必要な措置をとる」と警告した。
野党など反政権派は、2003年から政権を握るエルドアン氏が近年、強権的な態度を強めていると非難。かつて同氏と密接な関係にあったトルコ最大のイスラム団体「ギュレン運動」も昨年のデモを強制排除したことなどを批判、対決姿勢を鮮明にしている。
昨年末に発覚し、エルドアン氏自身の関与も取り沙汰された汚職疑惑では、検察・捜査機関に信奉者を多く送り込んでいるとされるギュレン運動が同氏に不利な情報をネット上にリークしたともいわれる。政権側は短文投稿サイト、ツイッターを遮断するなどの強硬手段で対抗した。
エルドアン氏の強気な態度の背景には、国民全体でみれば、イスラム系与党・公正発展党(AKP)の支持は盤石だとの自信がある。特に、保守的で伝統的な価値観を重んじる傾向がある地方部では、イスラム色が強いAKPへの支持率が高く、今年3月の統一地方選ではAKPが圧勝。政権が推進する公共事業中心の開発政策の恩恵を受けているのも地方部だ。
エルドアン氏は、初めて直接投票で行われる8月の大統領選に出馬し、当選すれば憲法改正で大統領権限を強化し、実権を握る狙いとみられている。現時点で有力な対立候補はおらず、反政権派はデモでしか存在感を示せない状況だ。
◇
【用語解説】ギュレン運動
トルコ東部出身のイスラム指導者、フェトフッラー・ギュレン師が率いる社会・教育団体。イスラムの価値観に基づく学校を多く運営。その出身者らが、官界や経済界に浸透しているとされる。ギュレン師は、トルコのイスラム国家化を志向しているなどと危険視され、1999年、米国に事実上、亡命した。トルコ当局は2000年、同師を被告不在で訴追したが、08年に無罪となった。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014060200771
パレスチナ統一暫定政権が発足=7年ぶりに分裂解消へ−イスラエルの反発必至
2日、パレスチナ自治区ラマラで、統一暫定政権の閣僚就任式に臨むアッバス自治政府議長(左から2人目)(EPA=時事) 【ラマラ(ヨルダン川西岸)時事】パレスチナ自治政府の主流派ファタハと、イスラム原理主義組織ハマスは2日、統一暫定政権を発足させた。閣僚はヨルダン川西岸の自治区ラマラで、アッバス自治政府議長の前で就任宣誓をした。しかし、ハマスを「テロ組織」とみなすイスラエルは新政権を受け入れない姿勢を示しており、4月末に中断された和平交渉の再開の見通しはより不透明になった。
統一政権発足により、パレスチナの内部分裂が7年ぶりに解消されることになる。しかし、イスラエルは、経済制裁などの措置に踏み切る可能性がある。アッバス議長は「イスラエルが(制裁の)行動を取れば応じる」と警告しており、対抗措置の応酬に発展する恐れがある。(2014/06/02-21:24)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140603/mds14060318490006-n1.htm
シリア大統領選、投票開始 アサド氏3選確実…全土の60%で実施されず、米は「茶番」と非難
2014.6.3 18:49
3日、シリアの首都ダマスカスで妻(右)とともに投票するアサド氏。シリア大統領府の公式フェイスブックに掲載された(AP=共同)
【カイロ=大内清】内戦下でのシリア大統領選の投票が3日始まった。現職のアサド大統領(48)の3選は確実。政権側には、国民の支持を得たとして正統性を誇示する狙いがあるが、これに反発する反体制派との対話機運は低下する可能性が高い。
米国務省のサキ報道官は2日、反体制派指導者らの出馬が認められていない同選挙は「茶番」だと非難し、結果は受け入れないとの立場を強調。反体制派の政治組織「シリア国民連合」は投票のボイコットを呼びかけている。
投票は政権側が掌握する地域を中心に行われ、反体制派やイスラム過激派が支配する北部や戦闘が激しい地域など全土の約60%では実施されなかった。
シリア国営テレビの映像によると、政権側は選挙妨害テロを警戒し各地に軍・治安部隊を展開。首都ダマスカスの投票所では午前7時の投票開始前から有権者が列を作った。今回の選挙には、アサド政権の後ろ盾であるロシアやイラン、北朝鮮が監視団を派遣した。
アサド氏は2000年、父ハーフェズ・アサド前大統領の死去に伴い大統領に就任し現在2期目。開票結果は4日にも発表される。
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http://www.asahi.com/articles/ASG625GC5G62UHBI013.html
パレスチナ統一政府が発足 ハマスと分裂解消
カイロ=川上泰徳
2014年6月2日22時07分
2日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラで開かれた暫定統一政府の発足式で、手を振るアッバス議長=ロイター
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パレスチナ自治政府のアッバス議長は2日午後、自治区ガザを実効支配していたハマスとの合意に基づいて暫定の統一政府を発足させた。2007年以来、アッバス議長が率いるファタハ主体の自治政府がヨルダン川西岸を支配し、ハマスがガザを支配する分裂状態は解消されることになった。
中東和平など政治的決定権を持つアッバス議長は、ハマスとの分裂を解消したことで、パレスチナ全域を代表することになる。
統一政府では、ハマスとの合意後に辞表を提出していた自治政府のハムダラ前首相が首相に再任された。マルキ外相やビシャラ財務相らアッバス議長に近い主要閣僚も再任され、ハマスに近い人物が教育相や運輸・通信相などに入った。自治政府筋によると、合意に基づいて、6カ月以内をめどに実施される自治政府議長・評議会選挙までの暫定的な任期という。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014060502000250.html
アサド氏得票率88% 3選 シリア大統領選
2014年6月5日 夕刊
【カイロ=中村禎一郎】3日に実施されたシリア大統領選で、シリアの人民議会は4日、3期目を目指して立候補していたアサド現大統領(48)が当選したと発表した。AFP通信が伝えた。
アサド氏の得票率は88.7%。選挙には3人が立候補していたが、アサド氏以外の2人は知名度が低く、現職の当選が確実視されていた。投票率は73.4%。アサド氏は今後、選挙で圧勝した自らの正統性を訴えていくとみられている。
シリアでは内戦が続いており、大統領選は反体制派が棄権する中、政権が掌握する地域のみで実施された。さらに、内戦で国内外に避難する多数の有権者は投票が難しい状況で、選挙の正当性を疑問視する声が上がっていた。
アサド政権と反体制派は内戦終結を目指す和平協議を続けていたが、今回の選挙の実施でその前提となる移行政府の樹立構想は事実上崩壊。和平協議による内戦終結は絶望的となった。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3017013
カブールで2件の爆発、大統領候補狙った暗殺未遂か
2014年06月06日 22:10 発信地:カブール/アフガニスタン
【6月6日 AFP】アフガニスタンの首都カブール(Kabul)で6日、大統領選挙の決選投票候補者の1人、アブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相の選挙運動車列を狙ったとみられる爆発が2件あり、少なくとも4人が死亡した。アブドラ外相は無事だった。
カブール警察の捜査関係者は、1回目の爆発は自動車を使った自爆攻撃で、2回目は地雷攻撃だったとAFPに語った。
モハマド・アユーブ・サランギ(Mohammad Ayoub Salangi)内務次官がアブドラ氏自身の話として伝えたところによると、同氏は無事だという。また同内務次官はツイッターで、4人が死亡し、17人が負傷したと伝えた。死亡した4人はアブドラ氏選挙陣営の警護員、交通整理に当たっていた警察官1人と市民2人だという。
2件の爆発について、これまでのところ犯行声明は出ていない。
アフガニスタンでは、タリバン(Taliban)政権崩壊後の2001年から大統領を務めてきたハミド・カルザイ(Hamid Karzai)氏の後任を選ぶ大統領選の決選投票が14日に行われる。決選投票はアブドラ元外相とアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)元財務相の間で争われるが、タリバンは決選投票になる前から選挙を阻止すると宣言してきた。(c)AFP
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http://mainichi.jp/select/news/20140609k0000e030122000c.html
エジプト:シシ大統領が就任 課題山積、困難な船出
毎日新聞 2014年06月09日 11時00分(最終更新 06月09日 18時54分)
【カイロ秋山信一】5月下旬に行われたエジプト大統領選挙で当選したシシ前国防相(59)が8日、首都カイロの最高憲法裁判所で開かれた就任宣誓式に臨み、正式に大統領に就任した。任期は4年。シシ氏は就任後の演説で「テロと戦い、治安を回復することが最優先課題だ」と述べた。ただ、シシ氏が主導した軍事クーデターへの反発は根強く、経済関係の課題も山積しており、新政権の船出は困難が予想される。
シシ氏は演説で、モルシ前大統領を追放した昨年7月のクーデターを2011年の革命に続く「第二の革命」と位置づけ、「国民が二つの革命の果実を収穫する時が来た」と強調。治安の改善、経済の活性化、貧困者支援、女性の地位向上などに取り組む考えを示した。
大統領選でシシ氏は約97%の得票率で圧勝したが、投票率は50%に及ばなかった。モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団は、シシ政権の正統性を否定し、抗議デモを継続する構えだ。また、東部シナイ半島を拠点とするイスラム過激派組織「アンサール・バイト・マクディス(エルサレムの支持者)」は、シシ氏の暗殺を予告する声明を発表している。
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http://mainichi.jp/select/news/20140609k0000e030115000c.html
パキスタン:国際空港襲撃13人死亡 交戦で武装集団殺害
毎日新聞 2014年06月09日 10時42分(最終更新 06月09日 13時04分)
国際空港に駆け付けた治安要員=パキスタン・カラチで2014年6月8日、AP
拡大写真 【ニューデリー金子淳】パキスタン南部の最大都市カラチで8日夜(日本時間9日未明)、武装集団が国際空港を襲撃した。地元メディアによると、空港警備隊員ら少なくとも13人が死亡し、18人が負傷した。パキスタン軍や治安部隊は約5時間にわたる交戦の末、空港施設内に立てこもった武装集団10人を殺害した。
現地からの報道によると、武装集団は機関銃や手投げ弾、自爆ベストなどを所持していた。複数のグループに分かれ、偽造した空港警備隊の身分証を使って旧ターミナルに侵入。治安要員に発砲しながら駐機場や滑走路を目指したという。駐機中の航空機をハイジャックする狙いがあった可能性もある。地元テレビでは駐機場付近から大きな煙や炎が上がっている様子が映し出されたが、軍当局者は航空機には影響はなかったとしている。
AP通信によると、旧ターミナルは一般の旅客用ではなく貨物便などに使われており、警備が手薄だったとみられる。空港は軍部隊に封鎖され、同空港の発着便は全て取りやめとなった。犯行声明は出ていないが、国内最大の武装勢力パキスタン・タリバン運動(TTP)などが関与している可能性がある。ただ、押収された武器はインド製だったとの報道もある。
カラチでは2011年5月、郊外の海軍航空部隊基地がTTPに襲撃され、10人が死亡した。その後も爆弾テロや銃撃事件などが相次いでおり、治安が悪化している。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140609-00000030-jij_afp-int
パキスタン空港で再び銃撃戦、「タリバン運動」が犯行声明
AFP=時事 6月9日(月)14時37分配信
武装勢力による襲撃が再燃したとみられるパキスタン・カラチのジンナー国際空港から立ち上る煙(2014年6月9日撮影)。
【AFP=時事】8日夜に武装勢力に襲撃されたパキスタン南部カラチ(Karachi)のジンナー国際空港(Jinnah International Airport)で9日、治安当局の鎮圧宣言から数時間後に再び銃撃が始まり、治安部隊が軍事作戦の再開を発表した。また、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban Pakistan、TTP)」が犯行声明を出した。
パキスタン空港襲撃で24人死亡、ハイジャック試みる?
パキスタンの準軍組織「レンジャー(Rangers)」の発表によると「作戦を再開し、部隊の増派を要請した」という。新たな銃撃戦により警官1人が負傷した。現場のAFP特派員は、空港の中から銃声が聞こえ、レンジャーや特殊部隊が空港内に急行したと伝えている。
一方、TTPの報道官は9日、ジンナー国際空港襲撃についてAFPの取材に、昨年11月に米軍の無人機攻撃でハキムラ・メスード(Hakimullah Mehsud)司令官が殺害されたことに対する報復だと主張した。
ジンナー国際空港に対する最初の攻撃は8日夜から9日明け方まで続き、軍は武装勢力10人を全員殺害したと発表していた。自爆攻撃用のベストや手投げ弾、ロケットランチャーで武装した集団による攻撃は、パキスタンの大都市で過去数年に起きた襲撃の中で最も大胆で、警備員や空港職員など14人が犠牲となっている。【翻訳編集】 AFPBB News
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014060900802
分裂するタリバン−パキスタン=統率失い、混乱も
【ニューデリー時事】パキスタンで最も利用客が多いとされる南部カラチの国際空港が武装集団の侵入を許したことは、同国の治安に暗い影を落とした。襲撃した「パキスタン・タリバン運動」(TTP)は徹底抗戦を主張する強硬派と、政府との和平交渉を進めたい穏健派が分裂。司令部が統率を失いつつあることで、治安のさらなる混乱を招くとの懸念もある。
TTPは約30の武装組織の連合体で、主要派閥の代表者が司令部を構成する。昨年11月、絶対的指導者だった最高司令官ハキムラ・メスード容疑者が米国の無人機攻撃で死亡。後任には強硬派ファズルラ師が就いたが、強盗などの犯罪行為をいとわない姿勢に反発が強まった。
そうした中、シャリフ首相がTTPとの和平を推進する意向を表明したことで、組織内の亀裂が顕在化した。穏健派は政治参加を通じてイスラム思想を国政に反映させることを目指したが、強硬派はテロを継続して和平交渉を妨害。両派の対立は武力衝突に発展していった。(2014/06/09-19:57)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140610/asi14061000270001-n1.htm
シャリフ政権発足1年 外交でポイント稼ぐも治安悪化で帳消し
2014.6.10 00:27 (1/2ページ)
【ニューデリー=岩田智雄】パキスタンのシャリフ政権は、発足から1年が過ぎた。外交、経済では対米関係の改善や国際通貨基金(IMF)からの融資取り付けで成果を挙げているものの、治安対策は一向に進んでいない。目玉政策のイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動」(TTP)との和平は頓挫の危機にひんしており、8日深夜に起きたカラチ空港でのテロは大きな打撃となった。
シャリフ氏は昨年、パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML−N)を率いて総選挙で圧勝し、6月5日に首相に就任、7日に新政権が発足した。
選挙前から米無人機によるタリバン運動などへの空爆を批判してきたシャリフ氏は、米側に空爆の停止を求めてきた。米国はアフガニスタン駐留軍の規模を縮小、空爆も減らしており、両国関係は改善の兆しを見せている。ザルダリ前政権当時から途絶えていた閣僚級戦略対話も復活した。
また、経済と財政の立て直しが喫緊の課題となる中、米国が大きな発言力を持つIMFから昨年9月、3年間で66億4千万ドル(約6800億円)の融資の承認を得た。かつての亡命先だったサウジアラビアからは3月、同じイスラム教スンニ派の体制を維持するための治安協力拡大と引き換えに15億ドル(約1540億円)の支援を取り付けた。
一方、タリバン運動との和平は、今年2月に交渉開始にこぎつけたが、その後もタリバン運動のテロが相次いだ。米国に代わってパキスタン軍がタリバン運動の拠点を再三にわたって空爆する事態となり、約2カ月でタリバン運動が停戦を破棄。強硬策を取る軍とシャリフ氏との間でも、方針の違いが浮き彫りになっている。
イスラム法の厳格な適用を求めるタリバン運動との妥協はそもそも難しく、和平交渉は弱体化した勢力に組織再編の時間を与えるだけとの指摘は根強い。人とモノの流れの拠点である空港襲撃は、企業にも衝撃を与えており、これ以上の治安悪化は、上向くきっかけをつかみ始めた経済にも影響しかねない状況だ。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014061000878
議会に非常事態宣言要請=イラク首相
【カイロ時事】イラクのマリキ首相は10日、第2の都市モスルが武装勢力に掌握されたことを受けて、議会に対し、非常事態宣言の発令を要請した。(2014/06/10-20:48)
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http://mainichi.jp/select/news/20140611k0000m030094000c.html
イラク:過激派が第2の都市掌握
毎日新聞 2014年06月10日 20時52分
フランス公共ラジオによると、イラク内務省当局者は10日、同国第2の都市である北部モスルをイスラム過激派の武装勢力が掌握したと述べた。政府軍や警察は市域の大半から撤退し、武装勢力が行政庁舎、軍司令部、空港、放送局などを制圧した。
武装勢力は、国際テロ組織アルカイダを母体とするイスラム教スンニ派の「イラク・シリアのイスラム国」が主体。今年初めから中西部アンバル県の一部を掌握、マリキ政権は奪回に失敗しており、モスルの陥落は政権に新たな打撃となった。
2011年末の米軍撤退完了後、イラクでは宗派対立が強まり、深刻な治安悪化が続いている。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20140611k0000m030081000c.html
パキスタン:また空港近くで銃撃戦 TTPが犯行声明
毎日新聞 2014年06月10日 20時24分
【ニューデリー金子淳】8日夜に国際空港が襲撃されたパキスタン南部の最大都市カラチで10日、空港近くにある空港警備隊の訓練施設が武装勢力の攻撃を受け、治安部隊と約1時間にわたり銃撃戦になった。武装勢力は近くの住宅街に逃走した。空港襲撃事件を起こした国内最大の武装勢力パキスタン・タリバン運動(TTP)が犯行声明を出した。
現地からの報道によると、武装勢力は4人前後とみられ、バイクで逃走した。少なくとも1人が死亡したとの情報がある。空港は9日夜に再開したが、再び一時閉鎖された。
シャリフ政権はTTPとの和平を模索しているが、パキスタン軍は10日朝、アフガニスタンとの国境付近にある武装勢力の拠点9カ所を空爆し、少なくとも15人を殺害。TTP報道官は空港襲撃後「10日からパキスタン政府と全面戦争に入る」と宣言しており、和平実現は遠のいている。
一方、空港襲撃事件では10日、冷蔵貨物室で新たに7人の遺体が見つかり、死者は武装勢力10人を含む36人となった。7人は銃撃戦を受けて避難したところ、火災に巻き込まれたとみられる。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3017308
イラク第2の都市モスルを武装勢力が掌握
2014年06月10日 19:07 発信地:モスル/イラク
【6月10日 AFP】イラク第2の都市で、ニナワ(Nineveh)州の州都であるモスル(Mosul)に対し9日夜、数百人の武装勢力が攻撃を仕掛け、州本庁舎や刑務所、テレビ局などを占拠した末、街全体を掌握した。イラク当局が10日発表した。イラクのウサマ・ナジャフィ(Osama al-Nujaifi)連邦議会議長も同日「ニナワ州全体が武装勢力の手に落ちた」と発表した。
モスルはイラクの首都バグダッド(Baghdad)の北方350キロに位置する。イラク内務省高官はAFPに対し「モスルの街は政府の支配が及ばず、武装勢力のなすがままになっている」と答えた。
イラクで今年、武装勢力が掌握した都市は1月のファルージャ(Fallujah)に続き、これで二つ目。武装勢力は最近、ニナワ州など5州で大規模な作戦を展開し、多数の人が殺害されている。今回のモスル掌握は、武装勢力の進攻を止めることができずにいるイラク政府にとって新たな打撃といえる。
モスルから避難したAFP特派員によると、市内の店舗は閉まり、治安部隊の車両は乗り捨てられ、警察署は放火されて炎上していたという。(c)AFP
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http://mainichi.jp/select/news/20140611k0000m030133000c.html
イスラエル:新大統領にリブリン前国会議長選出
毎日新聞 2014年06月10日 23時24分
【エルサレム大治朋子】イスラエル国会は10日、任期満了に伴う大統領選挙を行い、与党右派のリクード所属議員で前国会議長のレウベン・リブリン氏(74)を選出した。任期は7年で、地元メディアによると、7月24日に就任の予定。
イスラエルの大統領は国家の象徴的存在で政治的な権限はない。
リブリン氏は1988年に国会議員に初当選し、現在7期目。リクード党首のネタニヤフ首相以上に保守強硬派とされる。パレスチナとの和平に関しては、パレスチナ国家の樹立を目指す2国家共存案に反対の立場。イスラエルが占領するヨルダン川西岸パレスチナ自治区などもイスラエルの正式な領土とすべきだと主張している。
ノーベル平和賞受賞者のペレス現大統領は国際的な知名度も高く、2国家共存案を支持するなど国家の象徴でありながらも一定の影響力を保持した。リブリン氏が今後、和平交渉にどのような見解を示すのか注目される。
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http://mainichi.jp/select/news/20140612k0000m030113000c.html
イラク:最大石油施設も掌握…イスラム過激派
毎日新聞 2014年06月11日 22時13分(最終更新 06月11日 23時54分)
【カイロ秋山信一】イラク北部では11日もイスラム過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」が侵攻を続け、AFP通信によると、首都バグダッドの北約150キロにある要衝ティクリートを制圧し、バグダッドでも緊張が高まっている。また北部バイジにある同国最大規模の石油精製施設も掌握した。
イラクからの報道によると、ISILはニナワ、キルクーク、サラハディンの3県で攻勢を続けた。軍や治安部隊の多くが無抵抗で逃亡したとみられる。バグダッドの西約50キロにあるファルージャは既にISILの支配下にあり、ティクリートが陥落したことで、バグダッドは西と北からISILの脅威にさらされることになった。
マリキ首相は11日、緊急にテレビ演説し、国民に共闘を求めたが、打開策は見つかっていない。バグダッドの男性住民(40)は電話取材に「もう内戦になるのではないか。家族と国外に逃げることも考える」と話した。
一方、ISILは11日、モスルのトルコ領事館を襲撃し、総領事や子供を含む48人のトルコ人を拉致した。前日にも燃料を輸送していたトルコ人運転手28人を拉致していた。さらにモスルの北西約100キロにあるシリアとの国境検問所を制圧したとの情報もあり、今後、内戦下のシリアとの間で戦闘員や武器の往来が活発化する恐れがある。
国際移住機関(IOM)によると、ISILに制圧されたイラク第2の都市モスルから約50万人が避難。多くは比較的治安が安定しているクルド自治区に向かっており、クルド自治政府トップのバルザニ議長は11日、避難民を制限なく受け入れる意向を表明した。
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http://mainichi.jp/select/news/20140611k0000e030196000c.html
イラク:過激派、北部へ侵攻拡大 キルクーク県も一部制圧
毎日新聞 2014年06月11日 11時22分
【カイロ秋山信一】イラク連邦議会のナジャフィ議長は10日、北部の主要都市モスルを制圧したイスラム過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」がモスルを含むニナワ県全域を掌握したことを明らかにした。AFP通信によると、ISILは油田地帯の北部キルクーク県にも侵攻。隣国シリア東部も含めた一帯に勢力を伸ばす勢いだ。 AFPなどによると、ISILは今月上旬、他のイスラム教スンニ派武装勢力と連携し、ニナワ県で政府側への攻撃を始めた。10日までにモスルなど同県の主要都市をほぼ制圧し、油田があるキルクーク県の一部も制圧した。モスルでは政府軍兵士らが軍服を脱いで逃走し、米国製の戦闘車両などがISIL側の手に落ちたとの情報もある。英BBC放送によると、約15万人の住民が隣接するクルド自治区や首都バグダッドに向けて避難しているとみられる。
ISILは今年1月以降、バグダッドに近い西部ファルージャの占拠を続けるなど、シリア国境付近で影響力を拡大している。
シーア派のマリキ首相は10日、連邦議会に対して、超法規的な治安措置をとるために非常事態令の承認を要請した。ところがマリキ首相に反発するスンニ派やクルド人の政党から政府への批判が噴出。政敵であるスンニ派のナジャフィ議長は「政府の責任は重い」と指摘した。背景には、マリキ首相が自身の支持基盤であるシーア派が多い南部や首都バグダッドの治安対策を優先し、スンニ派が多い北部や西部を軽視してきたとの不満がある。
またイラク政界では4月の連邦議会選挙後、次期政権樹立に向けた各党派の連立交渉が続いている。マリキ首相の党派が第1勢力だが、過半数の議席は得ておらず、政権を維持できるかは不透明だ。スンニ派など反対勢力には、混乱の責任をマリキ氏に押しつけ政権交代を迫りたい思惑もある。ISILはこうした政局の混乱につけ込んで勢力を拡大している。
在英NGO「イラク・ボディー・カウント」によると、昨年のテロや武力衝突による死者は約9500人。今年も既に5500人を超え、2006〜07年の内戦時の水準に近づきつつある。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140612/mds14061220130007-n1.htm
クルド部隊が油田都市掌握 イラク、政府軍が放棄
2014.6.12 20:13
ロイター通信によると、イラク北部のクルド自治政府の治安部隊が12日、北部の油田都市キルクークを掌握した。イスラム過激派の北部進攻を受け、連邦政府の軍部隊がキルクークの基地を放棄して撤退したため、空白を埋める形でクルド部隊が展開した。
キルクークには同国有数の油田がある。中央政府が管轄するが、歴史的にクルド人が多く、クルド自治政府は自治区への編入を主張してきた。
クルド部隊の展開により、油田はイスラム過激派の攻勢から守られる態勢ができたが、キルクークの帰属争いに影響を与える可能性がある。(共同)
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http://www.asahi.com/articles/ASG6B7G3RG6BUHBI02S.html
イラク、第2の都市も武装組織が掌握 治安、急速に悪化
渡辺淳基
2014年6月10日23時42分
イラク北部の同国第2の都市モスルが10日、武装組織に掌握された。イラクでは西部の要衝都市ファルージャも1月から武装組織に支配され、治安が急速に悪化している。政府は国民議会に全土での非常事態宣言の発令を要請した。AFP通信などが伝えた。
モスルを攻撃したのは、ファルージャを支配するイスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)を中心とした武装勢力とみられる。数百人規模で政府軍や警察と交戦し、地元の政府庁舎などを占拠した。モスルのあるニネベ州全体が掌握されたとの情報もある。
イラクでは4月の総選挙で、シーア派のマリキ首相率いる与党が第1党を確保。組閣に向けた協議を進めている。ただ、ISISなどスンニ派系勢力の反発は激しい。バグダッド近郊でも爆発事件が相次ぎ、国連のまとめでは、5月は死者が計799人に上った。(渡辺淳基)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140612/mds14061221300008-n1.htm
ISIL、イラク首都に迫る勢い 米国、空爆要請拒否の情報も
2014.6.12 21:30 (1/2ページ)
12日、ISILを支援するイラクのグループがインターネットに掲載した、同国ティクリート北部で軍施設を襲撃する武装集団の映像(AP)
【カイロ=大内清、ワシントン=加納宏幸】イラクで勢力を拡大しているイスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」が同国北部の都市を次々と掌握し、首都バグダッドに迫る勢いをみせている。イラクから内戦下の隣国シリアにまたがる広い地域で活動するISILは、域内外から戦闘員や物資を調達。2011年末の米軍撤退完了後、治安部隊育成が進まないイラクのマリキ政権は大きな脅威に直面している。
AP通信などによると、ISILは12日、ネット上の声明で、首都やシーア派聖地の中部カルバラやナジャフへ進撃すると表明。シーア派主導のマリキ政権との戦いを「ジハード(聖戦)」とみなしており、攻撃やテロが勢いを増せば宗派対立の再燃や報復の連鎖につながる恐れがある。
アーネスト米大統領副報道官は11日、「情勢は深刻だ」と強い懸念を表明し、イラク政府に追加支援を行う方針を示した。
ただ、人道支援やオバマ米大統領が表明した対テロ能力向上のための基金活用に言及しただけで、軍事行動については明言を避けた。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は11日、イラク側が武装勢力拠点への空爆を要請したが、米国は拒否したと伝えている。
ISILは10日、イラク第2の都市である北部モスルを制圧したのに続き、11日にはサダム・フセイン元大統領の出身地ティクリートを掌握した。バグダッドの北約120キロの中部サマラでは治安部隊に阻止されたが、12日にはサマラを迂回(うかい)し、バグダッドから北へ約90キロの村などを制圧、首都に迫ったもようだ。
バグダッドのシーア派地区サドルシティーでは、ISILなどとの戦闘に備えて住民が武器の集積を開始。マリキ首相もISILと対立する部族などに武器を与えるとしており、今回のISILの攻勢を機に住民の武装が進みそうだ。
ISILは今年初めに中部ファルージャを掌握。隣国シリアでも活発に活動し、アサド政権側や他の反体制派武装組織と戦闘を繰り返している。
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【用語解説】イラク・レバントのイスラム国
イラク、シリアで厳格なイスラム国家建設を目指すイスラム教スンニ派武装組織。ヨルダン出身のザルカウィ容疑者が率いた勢力を母体とする。2003年のイラク戦争後に国際テロ組織アルカーイダに忠誠を誓い、同国でテロを展開。13年にシリア内戦に本格参戦し現在の名前となった。他のアルカーイダ系組織と対立し今年、アルカーイダに“破門”された。
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イラク:息を潜める住民 イスラム過激派が2都市制圧
毎日新聞2014年6月13日(金)10:42
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/20140613k0000e030153000c.html
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/int_poli/20140613k0000e030158000p_size5.jpg
【カイロ秋山信一】イラクで侵攻を続けるイスラム過激派「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」は11日、首都バグダッド北方のディヤラ県に入り、ジャルラ、サディヤの2都市を制圧した。AFP通信が伝えた。ISILに支配された国内第2の都市モスルには政府軍の反撃も予想され、住民らは息を潜めて推移を見守っている。侵攻地域には石油産地など重要インフラ施設も多く、首都バグダッドなどに影響が及ぶ恐れもある。
「街は異様に静かだ。大半の住民が自宅にこもり、商店も閉まっている」。モスルの貿易商、アフマドさん(52)は12日、毎日新聞の電話取材にこう語った。政府軍は9日までに目立った抵抗もせずにモスルから撤退し、軍や警察の検問所は全て撤去されたという。
ISILの戦闘員にはイラク人が多く、住民には普段通り生活するよう呼びかけている。外出を促そうと、ガソリンを無料にする措置もとった。12日に政府軍がモスルを空爆したと報じられたが、アフマドさんは「攻撃には気づかなかった」と語る。
ユニセフ(国連児童基金)によると、モスルからは人口の約4分の1にあたる約50万人が市外に避難した。うち約半数が子供だとみられ、モスル郊外の親類宅や病院、学校、モスク(イスラム礼拝所)に身を寄せているという。治安が安定しているクルド自治区に向かった避難民も多く、境界の検問所では審査のために3000人以上が足止めになった。
自治区には既にシリアから20万人以上の難民が流入している。混乱が拡大すれば、自治政府が新たな避難民を受け入れきれない事態も出てくる。
インフラへの懸念も強まっている。イラクのメディアによると、ISILは油田地帯があるキルクーク県の一部にも侵攻。北部バイジにある同国最大規模の石油精製施設では、ISILと政権側の攻防が続いている。モスル近辺にはイラクで最大規模のダムが二つあり、下流の発電や治水を担う。こうした施設が戦闘で破壊されれば、バグダッドなどへの影響は必至だ。
ISILは今月5日以降、大規模な軍事作戦を展開。モスルなどを制圧し、バグダッドに迫る勢いを見せている。
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http://mainichi.jp/select/news/20140614k0000m030031000c.html
イラク:過激派の中の過激派…着々北部制圧 周辺にも脅威
毎日新聞 2014年06月13日 19時13分(最終更新 06月13日 20時11分)
シリア北部ラッカの街中を、顔を目出し帽で隠し、全身黒の統一された服装で行進するISILの兵士。今年1月、武装勢力のホームページに掲載された=AP
シリア北部ラッカの街中を、顔を目出し帽で隠し、全身黒の統一された服装で行進するISILの兵士。今年1月、武装勢力のホームページに掲載された=AP
拡大写真
【カイロ秋山信一】イスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」はイラク北部で制圧地域を拡大させている。アフガニスタンやイラクでの実戦経験が豊富な戦闘員が多く、強硬姿勢から「過激派の中の過激派」とも評される。イスラム教スンニ派の教義を厳格に適用した新国家建設を目指しており、イラクだけでなく、中東全体の波乱要因となっている。
ISILが一気に動き出したのは今月5日。中部サマラの襲撃に続き、翌6日にはイラク第2の都市モスル(ニナワ県)を攻撃。モスルを掌握すると、中部の要衝ティクリートを制圧した。一連の攻撃は組織だって行われ、油田地帯のあるキルクーク県やサラハディン県にも侵攻。首都バグダッドへの侵攻を示唆している。
ISILはイラクだけでなく、シリアでも反政府側でアサド政権と戦闘を繰り広げ東部デリゾール県、北部ラッカ県で支配を拡大している。AFP通信によると、ISILのメンバーは数千人と比較的小規模だが、戦闘経験の豊富さから優位に立っている。シーア派主導のマリキ政権に反発するスンニ派や、地元の部族を取り込んで支配を拡大させているとみられる。
「我々の目的は抑圧された人々を救い、神の支配を実現することだ」。ISILのメンバーと名乗るシリア人男性(30)は11日、毎日新聞の電話取材にこう答えた。男性によると、ISILは中東・北アフリカや欧州、アジアなど幅広い地域の出身者で構成される。支配地域では、女性にニカブ(目以外の全身を覆う黒布)の着用を義務づけ、窃盗犯には手を切る罰を下すなどイスラム法(シャリア)を適用する。男性は「最終的には世界中をイスラム国家にする」と豪語する。
シリア・ラッカ県の住民によると、ISILは敵対勢力のメンバーや家族らを誘拐し、身代金を要求することもある。誘拐や密輸が主な資金源とみられ、戦闘後の略奪も報告されている。非政府組織(NGO)の人道支援物資を、ISILの名義で配布することもあるという。こうした荒っぽい手法から、シリア人の間では「アサド政権の方がマシ」という意見も多い。
■アルカイダから絶縁
ISILの前身は、2004年10月に設立された国際テロ組織アルカイダ系の「イラクの聖戦アルカイダ組織」。アフガンで米軍と戦ったアラブ人義勇兵らが設立し、イラク駐留米軍と戦った。現在のトップであるイラク人のアブ・バクル・バグダディ指導者も初期の参加メンバーだとみられる。
04年にはイラクを訪れた日本人男性(当時24歳)を拉致、殺害した。06年に「イラク・イスラム国」と改称。命令に従わない者は、同じスンニ派でも容赦なく攻撃する独善的姿勢が市民に嫌悪され、米軍の掃討作戦で弱体化した。
だが11年末までに米軍がイラクから撤退し、12年夏以降に隣国シリアで内戦が本格化すると、勢いを取り戻した。アサド政権が国土西半分の主要都市の防衛に注力する間、イラクからシリア東部や北部に侵攻。当初は「反アサド」で同調していた反体制派とも対立し、抗争を始めた。
13年4月には組織名にシリアやレバノンなど地中海東岸地方を意味する「レバント」を加えた。これに対して、アルカイダの指導者ザワヒリ容疑者は、シリアからの撤退を命じた。シリアでは「ヌスラ戦線」というアルカイダの別組織が活動していたからだ。ISILは命令を無視し、ザワヒリ容疑者から絶縁されたが、組織の活動に大きな影響は出ていない。
ヨルダン大学戦略研究所のムーサ・シュテイウィー所長は「放置すれば周辺国にも脅威が及ぶ恐れが大きく、中東諸国や国際社会が、ISILに対する軍事作戦に踏み切る事態もあり得る」と指摘している。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014061500022
大統領選、テロで47人死亡=投票率は5割超−アフガン
【ニューデリー時事】14日行われたアフガニスタン大統領選挙の決選投票で、内務省は同日、反政府勢力タリバンによるとみられるテロや攻撃が各地で約150件発生し、市民ら47人が死亡したと明らかにした。
タリバンが投票所を狙ったテロを宣言する中、治安部隊は厳重な警備態勢を敷いたが、4月の1次投票時の倍以上の犠牲者が出た。
内務省などによると、首都カブールでは投票日の朝に爆発が4件発生。東部ラグマン州などでもロケット弾や簡易爆弾によるテロが相次ぎ、市民20人、陸軍兵士15人、警察官11人、選挙管理委員会関係者1人が死亡した。
一方、決選投票では前回と同じく有権者700万人以上が投票し、投票率は5割を超えたとみられる。(2014/06/15-05:54)
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http://mainichi.jp/select/news/20140615k0000m030076000c.html
イラク:宗派・民族間の分断加速 国家分裂の恐れも
毎日新聞 2014年06月14日 21時49分(最終更新 06月15日 00時44分)
【カイロ秋山信一】イスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」の侵攻が続くイラクで、宗派・民族間の分断が加速している。シーア派主導のマリキ政権は連邦議会に非常事態令の承認を求めたが、スンニ派や少数民族クルド人議員が議会をボイコットして発令のめどが立たない。シーア派はスンニ派のISILに対抗して民兵を動員。クルド自治政府は治安部隊を自治区外に送る動きもあり、国家分裂の恐れも高まってきた。
「治安対策を怠った政府の責任だ」。ISILが10日に第2の都市モスルを制圧した直後、スンニ派のナジャフィ連邦議会議長とクルド自治政府のバルザニ議長はそろって政権を批判した。スンニ派やクルド人の議員は首相の権限強化に難色を示し、非常事態発令の行方も不透明だ。
政治が機能不全に陥る中、宗派・民族間の分断は深刻化している。13日にはシーア派の最有力指導者シスタニ師が市民に武器を取って戦うよう呼びかけた。バグダッド以南のシーア派地域では、民兵組織の動員に応じる若者が急増し、首都バグダッドの防衛に向かっている。
こうした流れは、シーア派聖地への攻撃を示唆するなど宗派間対立をあおってきたISILの思惑通りだ。ISILは、厳格なイスラム教義の適用や敵対勢力への非道さで知られ、大半のスンニ派住民に嫌悪されている。だが、宗派対立が深刻化すれば、仕方なくISIL支持に回るスンニ派住民が増える可能性がある。
一方、クルド自治政府はISILの侵攻後、「治安の空白を埋めるため」として、油田地帯のキルクークなどから逃亡した政府軍に代わり治安部隊を派遣した。自治政府はキルクークなどクルド人が多い地域を自治区に含めるよう要求してきた経緯があり、新たな火種となる恐れもある。
「脅威に対処するため、まずはイラクの指導者たちが対立を克服すべきだ」。オバマ米大統領は13日、マリキ政権への軍事支援強化の前提として、政争をやめるよう政権や野党に要求。宗派・民族間の対立に強い懸念を示し、挙国一致体制でなければISILを抑え込むのは難しいとの認識を示した。
宗派・民族間の対立は根深い。2003年の米軍侵攻まで24年間続いたフセイン政権では、フセイン氏と同じスンニ派(国民の約20%)が優遇され、シーア派(同60%)やクルド人(同15%)は弾圧の対象になった。米軍侵攻後、今度は米国との関係が深いマリキ氏らシーア派が権力を握った。
マリキ氏は06年の首相就任直後はスンニ派との融和を目指し、ISILの前身組織の弱体化にも成功した。だが11年の米軍撤退後、軍や主要官庁の高官をシーア派で独占するなど独善的な政権運営が目立った。政権は12年末以降に起きたスンニ派住民の抗議デモを強制排除するなど強硬に対応。不満を抱いた一部スンニ派は過激化し、ISILに協力する部族勢力も出てきた。一方、政権はキルクークなど油田地帯の石油利権を巡る配分でクルド人とも対立し、緊張関係が続いている。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140614/mds14061421180009-n1.htm
対スンニ派共闘…イラン、マリキ政権に「あらゆる支援」 米連携視野
2014.6.14 21:18 (1/2ページ)
記者会見するイランのハッサン・ロウハニ大統領=14日、テヘラン(ロイター)
記者会見するイランのハッサン・ロウハニ大統領=14日、テヘラン(ロイター)
【カイロ=大内清】イスラム教シーア派大国のイランが、スンニ派過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」の攻勢にさらされるイラクのマリキ政権への支援姿勢を強めている。ISILは、シーア派「勢力圏」であるシリアのアサド政権にも武装闘争を展開しているだけに、イランのISIL台頭への危機感は強い。
イランにとり、同じシーア派主導のマリキ政権を支えることは、域内での影響力保持や対米関係改善にもつながる重要政策だ。
イランのロウハニ大統領は13日、イラクのマリキ首相への電話で「テロと戦うためにあらゆる支援を行う」と明言。14日の記者会見でも、イラクから要請があれば支援する用意があると述べたが、まだ要請は受けていないという。
イラン指導部の親衛隊的性格を持つ革命防衛隊がイラクに派遣され、ティクリート周辺などでイラク政府軍と合同作戦を展開しているとの報道もある。ただ、ロウハニ師はこの日の会見で部隊派遣を否定した。
イラクでは2003年のイラク戦争でフセイン政権が崩壊した後、多数派を占めるシーア派が政治の主導権を握ったことで、同じシーア派のイランが影響力を増した。イランにとり、ISILの攻勢でマリキ政権が揺らぐのは何としても避けたい事態だといえる。
イランはマリキ政権のほか、シリアのアサド政権やレバノンのシーア派組織ヒズボラと同盟関係にあり、その影響範囲は「シーア派三日月地帯」と呼ばれる。
イランにとり、シーア派を「信仰上の敵」とみなしてイラク、シリアで「ジハード(聖戦)」を展開するISILは、勢力圏を脅かす存在だ。
またロイター通信は13日、イラン政府高官が、ISIL掃討やマリキ政権支援で「(国交のない)米国と協力することも可能だ」と述べたと伝えた。ロウハニ師も14日の会見で、オバマ米政権との協力を検討する可能性があると認めた。
昨夏に発足したロウハニ政権は、敵対関係にあった米国などとの「建設的な関係」を標榜(ひょうぼう)。イラクを舞台に、マリキ政権支援でイランと米国が“共闘”する構図ができ上がりつつある。
しかしイランの関与増大には、同国と対立するサウジアラビアなどスンニ派湾岸諸国が強く反発するのは必至。事態をさらに複雑化させる可能性が高く、米国も対応に苦慮しそうだ。
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米国防総省の空母派遣命令 「大統領の軍事行動要求に備えるため」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140615/amr14061515290005-n1.htm
2014.6.15 15:29
【ワシントン=加納宏幸】米国のヘーゲル国防長官は14日、イスラム教スンニ派過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」の攻勢で緊迫するイラク情勢に対応するため、アラビア海北部に展開中の空母ジョージ・ブッシュをペルシャ湾に派遣するよう命じた。国防総省のカービー報道官は「最高司令官であるオバマ大統領が軍事行動を求める場合に備えて柔軟性を強化する」ためだとしている。
ジョージ・ブッシュにはミサイル巡洋艦フィリピン・シーとミサイル駆逐艦トラクスタンが伴い、14日中にペルシャ湾への配備を完了。カービー氏は「米海軍のプレゼンスは地域の安全と安定に対する米国の長期間にわたる関与を示すものだ」と強調した。
一方、米国のケリー国務長官は14日、イラクのジバリ外相と電話で協議し、米政府として、イラク治安部隊がISILの攻勢を押し返すための支援策を検討中であると伝えた。
ケリー氏はまた、「米国の支援が成功するのはイラクの指導者が違いを乗り越えて国家として団結するときだけだ」と強調。ジバリ氏に対し、イラクのマリキ政権を主導するイスラム教シーア派だけでなくスンニ派、クルド人の市民の権利を尊重することが重要であると述べた。
オバマ米大統領は13日、米政府として地上部隊の派遣を除くイラク支援策を検討し、数日中に結論を出すと発表していた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140616/mds14061608290002-n1.htm
【イラク情勢】
クルド人勢力、キルクーク制圧し勢力拡大へ虎視眈々 政権側と共闘姿勢も火種
2014.6.16 08:29 (1/2ページ)
15日、イラクの首都バグダッドで、ISILと戦うため同国軍に加わり気勢ををあげる義勇兵ら(ロイター)
【エルサレム=大内清】イスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」の攻勢が続くイラクで、北部で自治権を握るクルド人勢力が虎視眈々(たんたん)と利権拡大を狙っている。シーア派主導のマリキ政権と同様にISILとは敵対関係にあるが、混乱の中で掌握した北部の石油都市キルクークを簡単に手放すとは考えにくく、今後も大きな火種として残りそうだ。
大規模な油田があるキルクークにはアラブ人やクルド人が混在しており、マリキ首相の中央政府とクルド自治政府は互いに支配権を主張して、小規模な衝突がしばしば発生してきた。
ところが今月12日、ISILがイラク第2の都市の北部モスルを電撃的に制圧し、南下を始めたのを受けてクルド人部隊がキルクークに展開。政府軍は武器庫などを明け渡し撤退した。
クルド側は「要衝のキルクークをテロリストから守る」ためだと説明する。実際、シーア派民兵を動員するなどしてISILへの反攻に乗り出したばかりのマリキ政権には、キルクーク防衛の余裕はない状態だ。
ISILにはスンニ派主導だった旧フセイン政権関係者も多数協力しているとされ、旧政権時代に虐殺や差別の対象だったクルドとシーア派にとっては「共通の敵」でもある。
その一方で現政権側には、クルドがキルクークの自治区編入を狙っているのではないかとの強い警戒感がある。AP通信によると、マリキ首相に近い国会議員は「キルクークを足がかりに、他の地域ものみ込むつもりだ」と非難した。
クルド自治政府は今年初め、トルコとの間に新設したパイプラインで石油の輸送を開始。すべての石油収入は中央政府が管理すべきだとするマリキ政権と、対立が深まっていた。
クルドは現在、政権側が反攻を進めるイラク中部でISILが放棄した町を掌握するなど、事態収束後をにらんで地歩固めともいえる動きもみせている。政権側が巻き返してISILが後退した場合、政権側との緊張が高まる可能性もある。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140616/mds14061613310006-n1.htm
過激派が北部都市制圧 政府軍、一進一退の攻防
2014.6.16 13:31
15日、バグダッド東部で、イラク軍に参加し武器を手にする志願兵ら(ロイター)
イラクからの報道によると、同国北部から首都バグダッドに向けて進撃するイスラム教スンニ派の過激派「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)は15日、イラク軍との激しい戦闘の末、北部タルアファルを制圧した。同市は第2の都市モスル西方にあり、双方に多数の死傷者が出たもようだ。
イラクでは、反転攻勢を狙う軍が北部の主要都市ティクリートなどで空爆を実施、過激派との一進一退の攻防が激しさを増している。ISILは10日にモスルを制圧、シーア派とスンニ派が混在するタルアファルに15日未明に侵攻し、戦闘が始まった。
一方、首都バグダッドでは15日、自動車爆弾の爆発や自爆テロが相次ぎ、少なくとも15人が死亡、30人以上が負傷した。イスラム教シーア派などが標的になったとみられる。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20140616k0000e030141000c.html
イラク:過激派、勢力を維持 バグダッドでテロも
毎日新聞 2014年06月16日 11時49分(最終更新 06月16日 12時54分)
イラク北中部の要衝ティクリートを制圧後、イラク兵士を連行する模様としてイスラム教スンニ派の過激派組織「ISIL」が14日、ウェブサイトに掲載した画像=AP
拡大写真 【カイロ秋山信一、ワシントン和田浩明】イラクで侵攻を続けるイスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」は15日、北部タルアファルを制圧した。ロイター通信が報じた。首都バグダッド近郊では進軍のペースが鈍っているが、北部や西部では依然として勢力を維持している。また、シリアのアサド政権は15日、同国北部ラッカなどのISILの拠点を空爆した。イラクのマリキ政権と協調し、ISILの勢力をそぐ狙いがあるとみられる。
タルアファルは、北部の主要都市モスルの西約65キロで、モスルとシリア東部をつなぐ幹線道路沿いにある。15日に政権側とISILの激しい戦闘があり、夜までにISILが中心部に侵攻した模様だ。郊外の空港もISILが占拠した。
バグダッドでは15日、シーア派居住地域などで3件の爆発があり、AP通信によると少なくとも15人が死亡。ISILによる連続テロの可能性がある。バグダッドに隣接するディヤラ県では15日、政府軍やシーア派民兵、クルド人治安部隊などが数カ所の拠点をISILから奪還した。
ISILは15日、北中部ティクリートで捕らえた空軍志願者のうち「1700人を殺害した」とインターネットで主張、殺害の様子を撮影したとする動画も発信している。米国務省報道官は声明で「確認できない」としつつ、「ISILの目的の一つは恐怖で宗派間対立をあおることであり、そうした戦術は最も強く批判する」と指摘した。
一方、シリア側のISILの支配地域では14日以降、アサド政権の攻撃が強化された。在英のシリア反体制派組織・シリア人権観測所によると、政府軍によるラッカや北東部ハサカ県などへの空爆で、ISILの戦闘員少なくとも2人が死亡した。イラク、シリア両政府はともにシーア派国家イランの支援を受けており、対ISILで連携を深めているとみられる。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014061600876
野党、OIC前事務局長を擁立=トルコ大統領選
【エルサレム時事】トルコからの報道によると、最大野党の共和人民党(CHP)と野党第2党の民族主義者行動党(MHP)は16日、8月10日に実施される大統領選の統一候補として、イスラム諸国会議機構(OIC)の前事務局長であるエクメレディン・イフサンオウル氏を擁立すると発表した。
大統領選をめぐっては、エルドアン首相の出馬も確実視されているが、まだ立候補宣言していない。(2014/06/16-21:47)
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>最大野党の共和人民党(CHP)と野党第2党の民族主義者行動党(MHP)
すげー野合くさい
CHP:世俗派 中道左派
MHP:民族極右
wikiによると
>アタテュルクにより設立された共和国の一体性を強調し、クルド人の文化を認めない点で、共和人民党などの中道左派勢力との共通点を有する一方、アレヴィー派をはじめとする国内少数派の排除や、国外のテュルク系諸民族との連携を図る汎トルコ主義的傾向が、中道左派勢力と異なる点であるとされる。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140617/mds14061709460010-n1.htm
残る血だまり、焼け焦げた車…過激派襲撃に募る恐怖 ケニア、49人殺害の現場
2014.6.17 09:46
16日、ケニア・ムペケトニで武装集団に放火された宿泊施設と焼け焦げた車両(共同)
ソマリアのイスラム過激派アッシャバーブの武装集団が15日夜、ケニア東部ラム郊外ムペケトニを襲撃して49人を殺害し、市民は犯行の激化に恐怖を募らせている。現場では半日以上たった16日も焼け焦げた車から煙がくすぶり、通りには血だまりの跡がいくつも残っていた。
「怖くて外に出られなかった」。父が経営する宿泊施設にいたガブリエル・ムワウラさん(18)が振り返った。近くで隠れていた父(64)は外から銃弾を受け、死亡した。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に指定され、外国人観光客も多いラム島の南西約20キロ。武装集団は男性だけを狙い、名前を尋ねた上でキリスト教にゆかりのある名前だと射殺したという。遺体は大通りに並べた。犯行声明では、イスラム教徒を抑圧するケニア政府への報復だと主張した。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140617/asi14061711320004-n1.htm
【日々是世界】
カラチ空港襲撃がパキスタン政府に示した〝自ら作り上げたテロリストを打倒すべき時〟
2014.6.17 11:32 (1/2ページ)
9日、パキスタン・カラチ国際空港を襲撃した武装集団が所持していた機関銃やロケット発射装置などを並べる地元警察(AP)
パキスタンの最大都市カラチで8日深夜、イスラム過激派「パキスタンのタリバン運動(TTP)」の武装集団がカラチ国際空港内に侵入し、治安部隊との間で5時間以上にわたる銃撃戦を続けた。TTP側の10人を含む30人以上が死亡した。
警備態勢が厳重なはずの国際空港が襲撃されたことについて、11日付のパキスタンの主要英字紙ドーンは社説で、「カラチ空港で起こった出来事は国家の甚大な失態である」と、いらだちをみせる。
2009年以降、首都イスラマバード近郊の陸軍司令部、カラチのメヘラン海軍基地、北西部ペシャワルのペシャワル国際空港などの主要施設が襲撃を受けてきただけに、治安部隊は世界で最も訓練され、かつ即応体制ができているべきである。にもかかわらず、今回も攻撃を受けたことに、同紙は「治安部隊は執念深い敵の前では無力だった」と落胆する。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT、電子版)は9日、TTPの攻勢は、中央銀行や証券取引所を抱えるパキスタンの“心臓部”カラチを狙ったことにより、「新たな段階」に入ったと社説で指摘する。その上で、今回の事態が「政府と強力な軍に、タリバンの脅威を認識させ、包括的な方法で対峙(たいじ)させる機会になるのか?」と問いかけ、「そうであるべきだ」と主張する。同紙はその理由を「襲撃が示すのは治安の悪化と、最強機関の軍が統制を失う危機に直面していることだ」と指摘し、パキスタン側に早急な対応を迫る。
パキスタンは、インドに対抗するためTTPなどのイスラム過激派を育て、アフガニスタンに対しても武装勢力を利用してきた。こうした経緯から、過激派を「脅威」ととらえることができずにいる。NYT紙は、「その結果、武装勢力に対する持続的で一貫した軍事力での対応が欠如した」と批判する。
就任2年目に入ったナワズ・シャリフ首相率いる政権がこれまで、TTPとの「対峙」と「和平交渉」で、どっちつかずの態度をとり続けたことも問題だった。この点について、11日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、シャリフ氏がTTPとの交渉を通じて和平を模索したことへの「(TTPの)回答がカラチだった」と指摘。「過激派は国家を転覆させ、核兵器を入手したがっている」として和平交渉に否定的な見方を示す。
それでも閣僚や軍幹部からは相変わらず、「カラチ空港襲撃の背後にインドの存在がある」との発言が出ている。これに対し、パキスタン国内では「治安態勢と人員の総取り換えが喫緊の課題であることをわからせるために、もっと証拠が必要なのか?」(ドーン紙)との声も上がっている。
WSJ紙は、「もしパキスタンが過激派に国家を奪われたくなければ、自己欺瞞(ぎまん)をやめ、自分たちが作り上げたテロリストを打倒する新しい戦略を打ち立てる必要がある」と訴えている。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140617/mds14061720400013-n1.htm
情報入手、深入り牽制… イラク情勢でイランと協議の米政府
2014.6.17 20:40
【ワシントン=加納宏幸】米国が1979年の米大使館占拠事件以来、国交を断絶しているイランとの間でイラク情勢をめぐる協議を始めたのは、米軍がスンニ派過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」への空爆に踏み切る場合に備え、イラク国内の実情を把握する必要があるからだ。同時にイラクへの過度の介入を牽(けん)制(せい)する思惑もある。
国務省ナンバー2のバーンズ副長官は16日、イラン核協議のためジュネーブに滞在。協議にはイランのザリフ外相が出席しており、ロイター通信によると、オバマ米大統領が協議を命じた場合に備えてバーンズ氏が派遣されたという。
2011年の米軍のイラク撤退後、米国は過激派組織の動きなど地上の動向に関する情報が得にくくなっており、協議ではイラクのマリキ政権と関係が深いイランに情報提供を求めた可能性がある。イランに対し、シーア派主導のマリキ政権に宗派的な事情から肩入れすることのないよう自制を促す狙いもあった。
ただ、米政府はイランとの接触は認めたが、バーンズ、ザリフ両氏によるものかは明らかにしていない。ケリー国務長官がイランとの軍事協力を「排除しない」と述べたことも、米政府はただちに否定した。
「イランがイラク情勢でパートナーになりうると信じるなら愚の骨頂だ」(共和党のマケイン上院議員)といった米議会の批判に配慮したとみられる。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140617/mds14061720420014-n1.htm
イラン、米国の“お墨付き”狙う イラクへの関与増大 精鋭部隊幹部もバグダッド入り
2014.6.17 20:42 (1/2ページ)
イラク南部バスラでシーア派最高権威シスターニ師のポスターを掲げISILへの抵抗を訴えるシーア派民兵ら=16日(AP)
【エルサレム=大内清】イスラム教スンニ派過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」の攻勢が続くイラクに対し、隣接するシーア派大国イランが関与を深めている。米国とイランの当局者がウィーンでイラク情勢をめぐって協議した16日にはイランの精鋭部隊幹部が首都バグダッドに入ったとの報道も出た。イランは今回の危機を、イラクでの影響力保持に向け米国から“お墨付き”を引き出す好機ととらえているようだ。
AP通信は16日、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官がバグダッド入りし、作戦司令室を設置したと伝えた。司令官は、ISILが攻撃対象に宣言しているシーア派の聖地カルバラやナジャフも訪問。作戦司令室では、反攻作戦の洗い直しや、イラク政府軍やシーア派民兵との連携が検討されているという。
コッズ部隊は主にイラン国外での工作を担っており、内戦下のシリアでは同盟関係にあるアサド政権を支援しているとされる。
シーア派大国のイランは2003年のフセイン政権崩壊後、イラク政治の主導権を握ったシーア派勢力を後押しし、同国への影響力を強めてきた。盟主を自任するシーア派勢力圏にイラクを組み込む狙いがある。11年末の米軍のイラク撤退後はマリキ政権がスンニ派排除を進め、シーア派の優位がさらに強まった。
こうした中、軍事協力は否定しつつも、長く対立関係にあった米国がイラク情勢をめぐりイラン側と協議したことは、イランにとって自国抜きではイラク安定が達成できないと米国が認知したことを意味する。
ただ、ISILが急速に勢力を伸ばした背景には、シーア派を優遇するマリキ政権に対するスンニ派の不満の高まりがある。ISILに制圧されたスンニ派地域では、政府軍が早々に撤退したのは、政権にスンニ派を守る意思がないからだ−との反発も強いという。
こうした状況でイランが介入を強めればスンニ派のさらなる反政府感情を呼び、宗派対立を激化させる要因ともなりかねない。
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http://mainichi.jp/select/news/20140618k0000m030028000c.html
イラク情勢:政府側巻き返しなるか、過激派支配固定化も
毎日新聞 2014年06月17日 19時28分
【カイロ秋山信一】イラク第2の都市である北部モスルがイスラム教スンニ派過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」に制圧されてから17日で1週間を迎えた。ISILはモスルとティクリートの二つの県都などを掌握。首都バグダッド近郊で政府側との攻防が続いている。マリキ政権は反撃に本腰を入れるが、短期間での巻き返しは難しく、ISILが北部や西部の支配を固定化する懸念が強まっている。
政府側は当初、ISILの勢いに押され、持ち場を放棄する兵士、警察官が続出した。北部にはマリキ政権への忠誠心が高いイスラム教シーア派の精鋭部隊がほとんど配置されず、スンニ派部隊が多かったことが一因とみられる。
ISILは北部のスンニ派居住地域を席巻し、13日までにバグダッドの北東約60キロのディヤラ県バクバ周辺まで迫った。しかし、シーア派住民が多い地域に入ったことで、政府側も反撃を本格化。シーア派民兵の支援を受け、ディヤラ県やサラハディン県で一部拠点を奪還した。
政府側はバグダッド−モスル間の幹線道路沿いに、補給路を確保しながら北上する戦略とみられる。米国やイランも政権へのてこ入れを検討している。
ただ、政府側が短期間でモスルを奪還するのは難しいとの見方もある。ISILは今年1月にバグダッドの西約50キロにあるファルージャを占拠した後、マリキ首相直轄の特殊部隊などが投入されても、スンニ派部族と協力して支配を続けている。モスルでも複数のスンニ派部族・組織がISILに協力しているとみられ、政府側にとってはこうした勢力の切り崩しが巻き返しの鍵になるとみられる。
しかし、シーア派に政府・軍のポストや利権を優先配分するマリキ政権の手法に、スンニ派住民の不満は根強い。イラクの安定化に向けては、ISILなど過激派の掃討だけでなく、スンニ派の穏健派との融和が必要との声が国内外から出ている。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014061700888
首都北方で攻防=クルド首相「スンニ派に自治権を」−イラク
イスラム過激派と戦おうと気勢を上げるイラク政府側の民兵=14日、バグダッド北方のバクバ(EPA=時事) 【エルサレム時事】イラクの首都バグダッドに向けて南下を続けるイスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国」は17日、首都北方約60キロのバクバ中心部でイラク軍と衝突した。AFP通信によると、過激派はバクバの一部を一時制圧したが、軍部隊が撃退したという。
今回の戦闘は、「イスラム国」がイラクで攻勢を強め始めた9日以降で最も首都に近く、マリキ政権は過激派の首都接近を食い止めるのに必死だ。
過激派は、マリキ政権下で冷遇されてきたスンニ派住民の感情につけ込む形で北部で支配を拡大。米国などは事態打開に向け、スンニ派や、同様に政府と緊張関係にあるクルド人と和解するようマリキ首相に迫っているが、首相は過激派掃討作戦を優先させている。
北部3県を統治しているクルド自治政府のバルザニ首相は17日、英BBC放送のインタビューで、イラクが以前の状態に戻ることは「ほぼ不可能だ」と語った。スンニ派にクルド人と同様の自治権を付与するなど政治的解決が必要だと強調。また、マリキ氏が首相の座にとどまったままでは現状打開は難しいと主張した。(2014/06/17-20:07)
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http://mainichi.jp/select/news/20140619k0000m030096000c.html
イラク:シーア派、スンニ派トップTVで声明 団結訴える
毎日新聞 2014年06月18日 21時51分
【カイロ秋山信一】ISILの侵攻が続くイラクで17日、シーア、スンニ両派の政治指導者らが国営テレビを通じて共同声明を発表し、国民に宗派対立の解消を呼びかけた。ただ、声明発表後には宗派ごとに別々に固まる様子も放映され、宗派間のわだかまりが垣間見えた。
声明発表の場には、シーア派のマリキ首相、スンニ派のナジャフィ連邦議会議長らが顔をそろえた。シーア派のジャファリ前首相が声明文を読み上げ、「テロリスト(ISIL)はいかなる党派や宗教も代表していない。宗派対立を避け、国家の主権と威厳を守らなければならない」と国民に団結を求めた。ただジャファリ氏の両側にいたマリキ氏とナジャフィ氏は、声明発表後も目を合わさず、自派のメンバーと言葉を交わすだけだった。
オバマ米大統領は、対イラク支援強化に際して、政治・宗派対立の解消を求めており、共同声明には米国の要請に応える狙いがあるとみられる。しかし、クルド自治政府のバルザニ議長は英BBCとのインタビューで、マリキ氏の退陣を要求。一方、マリキ氏の側近が「一連の混乱は北部の石油利権を狙ったスンニ派やクルド人の陰謀だ」と主張するなど、対立解消のめどは立っていない。
イラク政界では、4月の連邦議会選挙を受けて、新政権の連立交渉が行われている。スンニ派やクルド人ら反マリキ派は、約8年間続いたマリキ政権がシーア派偏重の姿勢を強めたことに反発。混乱の責任をマリキ氏に負わせ、政権交代を画策している。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140618/mds14061823180006-n1.htm
96歳のトルコ元大統領に終身刑 80年のクーデター首謀
2014.6.18 23:18
トルコの裁判所は18日、同国で軍部が全権を掌握した1980年の無血クーデターを指揮したとして、国家に対する犯罪の罪に問われた当時の参謀総長で、その後大統領を務めたエブレン被告(96)に終身刑を言い渡した。アナトリア通信が報じた。
83年に民政復帰するまでの軍事政権下では、約50人の市民らが処刑されたほか、数千人が拷問を受け、百数十人が獄中で死亡、約50万人が拘束されたとされる。エブレン被告が大統領に就任した82年からの7年間の強権的政治手法も批判された。
トルコ軍は国是である政教分離の守護者を自任し、60年や80年にクーデターを起こしてきたが、2003年にイスラム色の強いエルドアン政権が発足すると、軍とエルドアン首相は対立。10年には軍の権限を制限する憲法改正が行われ、軍の影響力は低下した。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140618/asi14061821100004-n1.htm
アフガン大統領選に新たな火種? アブドラ氏が開票停止を要求
2014.6.18 21:10
18日、カブールで、開票作業の即時中断を求める声明を発表するアフガニスタンのアブドラ元外相(共同)
【ニューデリー=岩田智雄】アフガニスタンの大統領選で、決選投票に進んでいたアブドラ元外相は18日、選挙で不正が行われたとして、選挙管理委員会に対し開票作業をただちに停止するよう求めた。新大統領選出に遅れが生じれば、米軍のアフガン撤収計画に影響が出る恐れがある。
選管によれば、14日の決選投票について、これまで約2600件の不服申し立てが行われている。初回投票で1位のアブドラ氏(得票率45%)と2位のガニ元財務相(同31.6%)の陣営同士では衝突も発生し、死者も出ている。
ロイター通信によれば、アブドラ氏は「開票作業は直ちに停止すべきだ。継続しても合法性はない」と述べ、開票監視作業からもスタッフを引き上げさせるとしている。陣営が得ている情報では、アブドラ氏はガニ氏に100万票近リードを許しているという。
今年末までの国際治安支援部隊(ISAF)撤収後の駐留米兵の地位を定めるアフガンと米国の「安全保障協定」については、アブドラ、ガニ両氏とも当選すれば署名すると明言しているものの、カルザイ大統領は署名を拒否している。
アブドラ氏は5年前の前回選挙に出馬した際も不正があったと訴え、選挙が混乱した経緯がある。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014061802000106.html
クルド、油田都市掌握 過激派攻防そのすきに
2014年6月18日 朝刊
【カイロ=中村禎一郎】イスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国」がイラクの首都バグダッドへ向け進撃を続ける中、北部のクルド勢力が石油利権の獲得を狙っているとの見方が広がっている。クルド自治政府の治安部隊は12日にイラク有数の油田地帯があるキルクークを制圧したまま実効支配の構えを示しているからだ。イラク政府がイスラム国の掃討に成功した場合にもクルド側が撤退しなければ新たな火種となる可能性がある。
クルド人は、スンニ派中心の政権運営を続けた旧サダム・フセイン政権時代、シーア派とともに弾圧されたことから、スンニ派はマリキ政権の中枢を占めるシーア派とクルド人にとり「共通の敵」だった。フセイン政権の崩壊後、クルド人は北部の自治区で自立を強めているが、「イスラム国」の進撃に当たっては、マリキ政権に協力する姿勢だ。
一方で、クルド自治政府は、油田のあるキルクークの帰属権をめぐって政権と対立してきた。「イスラム国」の進撃で政権側の治安部隊がキルクークから撤退すると、街の防衛を理由にクルド自治区の治安部隊がキルクークに入った。
キルクークの石油埋蔵量はイラク全体の一割近いともされる。イラクのテレビ局アルスマリア(電子版)によると、十六日には自治区議会の統一会派「クルド同盟」のメンバーは「キルクークから撤退しないだろう」と発言。自治政府のバルザニ議長の姿勢を代弁したとの臆測を呼んでいる。
キルクークで不動産業を営むクルド人ラエドさん(37)は電話取材に「石油で潤っているために、皆がこの街に関心を持っている。今われわれを守ってくれているのはマリキ政権じゃない。クルド自治政府だ」と話す。クルド人が多い住民の間にも、撤退したイラク軍よりもクルド自治政府を歓迎する雰囲気が広がっているようだ。
クルド自治区は独立を悲願としている。キルクークを含めて石油の輸出による潤沢な資金が確保できれば、独立に向けた動きを本格化する可能性もある。
イラク政府にとっては「イスラム国」の進撃で、激化する戦闘のみならず、クルド人問題も深刻化している。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140619/mds14061922180009-n1.htm
イラク、三つどもえ状態 国家統一の回復へ出口みえず
2014.6.19 22:18 (1/2ページ)
イラクで攻勢を強めるイスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」の勢力は衰える兆しがない。北部のクルド自治政府も混乱に乗じて自らの権益拡大に動くなか、イスラム教シーア派主体のマリキ政権は国家の統一性回復に向けた有効な手立てを打ち出せず、イラクは分裂含みの三つどもえの様相を呈している。
イラクで2006〜07年に激化した宗派対立では、ISILの前身となる国際テロ組織アルカーイダ系勢力によるテロが頻発。しかし駐留米軍は、武装勢力の掃討と同時にスンニ派の地元部族と協力関係を結び、テロ押さえ込みに成功した。
ところが、11年末に米軍が完全撤退した前後から、マリキ政権は対立するスンニ派の有力政治家らの排除を進め、政権に対するスンニ派の不満が高まった。西部などのスンニ派地域では住民による政府への抗議行動が頻発し、ISILが住民の間で支持を広げた。
さらに、内戦下の隣国シリアでの戦闘を通じて戦闘能力を大幅に強化させたことも、ISILの進撃を支えている。
対する政権側の軍・治安部隊の弱体ぶりは日に日に鮮明となっている。イラク空軍はほぼ連日にわたり北部地域を空爆しているが、ISILを撃退するには至っていない。
バグダッド陥落におびえるマリキ政権は米国やイランに軍事支援を求めるが、国内のスンニ派からは「自らの宗派や民族を守ることだけに熱心だ」との不信感も高まっている。
また、イラク北部の油田都市キルクークを掌握したクルド自治政府は今後、一帯の油田の利権を要求してくる可能性が高い。イラクは国家の統一性を保つのがますます難しくなってきている。(西見由章)
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140619-00000106-mai-int
<イラク>過激派組織ISIL 製油所攻撃が続く
毎日新聞 6月19日(木)21時16分配信
イラク北中部の要衝ティクリートを制圧後、イラク兵士を連行する模様としてイスラム教スンニ派の過激派組織「ISIL」が14日、ウェブサイトに掲載した画像=AP
【カイロ秋山信一】イラク北部バイジで、イスラム教スンニ派の過激派組織イラク・レバント・イスラム国(ISIL)が同国最大規模の製油所への攻撃を続けている。ISIL側が大部分を制圧したとの報道もあるが、政府側は否定し情報は錯綜(さくそう)している。ISILには施設を制圧し、ガソリンなどの燃料を確保するとともに、石油製品の密輸を新たな資金源にしたい思惑があるようだ。
英石油大手BPなどによると、バイジの製油所は国内処理量の3割近い日量30万バレルを精製し、北部地域や首都バグダッドなど主に国内向けにガソリンや発電用燃料を供給。
イラクからの報道によると、製油所は今月10日ごろからISILの攻撃を受けた。17日までに操業は止まっており、今夏の燃料不足が懸念されている。
地元部族の仲介で従業員らは19日までに退去したが、政府軍や治安部隊が施設にとどまり、ISILとの戦闘が続いている模様だ。
ロイター通信は18日、施設当局者の話として「ISILは施設の75%を制圧している」と報道。中東のテレビ局アルジャジーラは施設の一部が炎上する映像を報じた。ISILが政府軍の攻撃を防ぐため、施設内に地雷を敷設しているとの情報もある。
しかし、政府軍報道官は「ISILを撃退し、50人以上を殺害した」と反論。また、カーニー米大統領報道官は18日、施設への攻撃について「現時点でイラクの石油供給に大きな影響は出ていない」と語った。
ロイター通信によると、ISILは隣国シリアでも内戦の混乱に乗じて東部デリゾール近辺の油田を占拠し、石油の密売によって数億円の収入を得たとの情報がある。バイジを狙うのも戦闘車両の燃料を確保し、余剰分を密売する狙いがあるとみられる。
一方、イラク最大の油田地帯である南部バスラ周辺には戦火は及んでおらず、輸出が続けられている。ただ、米英や中国資本の開発企業が従業員をイラクから退避させる動きも出ており、影響が広がる可能性もある。
また、北部の油田地帯キルクークを抱えるクルド自治政府は今年5月、中央政府を経由せずに自治区産の石油をトルコに輸送するパイプラインを完成させ、中央政府との対立が深まった。キルクークからトルコへの輸送も可能で、独自の石油輸出を増やそうとする可能性がある。
イラクは世界10位(2012年、国際エネルギー機関・IEA調べ)の石油輸出国。原油埋蔵量は世界5位で、増産が期待されていたが、ISILの侵攻を受けて、IEAは増産見通しを引き下げた。混乱が拡大すれば、既に高止まりしている原油価格がさらに高騰する恐れがある。
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>>199-200>>209-210
<イラク情勢>米はイラン関与様子見
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140617k0000m030054000c.html
毎日新聞2014年6月16日(月)19:39
【ワシントン和田浩明】イスラム過激派による深刻な治安悪化に直面するイラクの防衛に、隣国イランが関与の意向を示しているが、米国は表立った批判や支持を控えており今のところ様子見の姿勢だ。一方、これまで米国と敵対してきたイランだが「武装勢力に対抗する点で許容できる」との見方も米国で出ている。
ロイター通信によると、イランの精鋭部隊「革命防衛隊」のエリート部隊「コッズ部隊」幹部が、イラクのマリキ首相と定期的に協議をしている。また、同部隊員が既にイラクで戦闘に参加しているとの情報もある。
ハーフ米国務省副報道官は13日の定例会見で、イラン軍部隊のイラク介入について「確認できない」と述べた上で「イラクは主権国家だ」と語り、受け入れ判断はイラク側によるとの考えを示唆した。
一方、ハーフ副報道官は「全てのイラクの隣人に宗派間対立を激化させないよう訴える」とも発言した。これは、イスラム教スンニ派主体の過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」が、イラクで対立するシーア派を攻撃していることを踏まえ、同じシーア派国のイランや、スンニ派国のペルシャ湾岸諸国に、間接的にクギを刺した発言とも受け取れる。
オバマ政権は空爆も含めイラクの軍事支援も検討中だが、効果的な選択肢は少ないとされる。このため「状況の悪化を座視するより、たとえ敵視するイランでもISILに対抗する点においては許容できる」(元米情報機関分析官)との見方も出ている。
イランがイラク関与深める 米の“お墨付き”得るチャンス
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20140618086.html
産経新聞2014年6月18日(水)07:56
■ISIL対策、精鋭部隊幹部を派遣
【エルサレム=大内清】ISILの攻勢が続くイラクに対し、隣接するシーア派大国イランが関与を深めている。イランは今回の危機を、イラクでの影響力保持に向けて米国から“お墨付き”を引き出す好機ととらえているようだ。
AP通信は16日、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官がバグダッド入りし、作戦司令室を設置したと伝えた。司令官は、ISILが攻撃対象に宣言しているシーア派の聖地カルバラやナジャフも訪問。作戦司令室では、反攻作戦の洗い直しや、イラク政府軍やシーア派民兵との連携が検討されているという。コッズ部隊は主にイラン国外での工作を担っており、内戦下のシリアでは同盟関係にあるアサド政権を支援しているとされる。
イランは2003年のフセイン政権崩壊後、イラク政治の主導権を握ったシーア派勢力を後押しし、影響力を強めてきた。盟主を自任するシーア派勢力圏にイラクを組み込む狙いがある。11年末の米軍のイラク撤退後はマリキ政権がスンニ派排除を進め、シーア派優位が強まった。こうした中、米国がイラク情勢でイラン側と協議したことは、イランにとって自国抜きではイラク安定が達成できないと米国が認知したことを意味する。
ただ、ISILが急速に勢力を伸ばした背景には、シーア派を優遇するマリキ政権に対するスンニ派の不満の高まりがある。ISILに制圧されたスンニ派地域では、政府軍が早々に撤退したのは、政権にスンニ派を守る意思がないからだ−との反発も強いという。イランが今後も介入を強めれば、スンニ派のさらなる反政府感情を招いて宗派対立が激化しかねない。
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<イラク>「サウジは過激派組織ISILを支援」と非難声明
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140618k0000e030165000c.html
毎日新聞2014年6月18日(水)12:22
【カイロ秋山信一】イラク首相府は17日、首都バグダッドへの侵攻を図るイスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」をスンニ派の盟主サウジアラビアが支援していると非難する声明を発表した。サウジ政府は否定している。シーア派主導のイラク・マリキ政権は、米国などからスンニ派勢力との融和を求められているが、今回の声明が国内のスンニ派の不信感を増幅させるのは必至だ。
ロイター通信によると、イラク中部や北部では17日も激しい戦闘が続き、ISILがバグダッド北東約60キロのバクバまで迫り、事態は緊迫している。マリキ首相はこの日、同国第2の都市モスルが制圧されたことを理由に軍将校4人を解任するなど、焦りを深めている模様だ。
首相府は声明で「サウジには(ISILを)財政的に支援し、大量虐殺を引き起こした責任がある」と非難。サウジ政府は16日、マリキ政権のシーア派偏重の姿勢がISILの勢力拡大を招いたと批判する声明を発表していたが、マリキ政権は「サウジの声明の内容は、テロリストの側に立っていることを示唆している」と反論した。
マリキ首相は今年3月にもサウジとカタールがイラク国内のテロリストを支援していると名指しで非難していた。サウジなどがISILを直接支援しているかは不明だが、スンニ派の宗教指導者の中にはISILを中心としたスンニ派武装勢力による侵攻を「スンニ派による革命」と評価する声もある。
イラクは、シーア派国家イランと、スンニ派国家サウジに挟まれている。両国ともイラクで影響力を保持するために自派勢力を支援し、イラクで宗派対立が深まる一因となってきた。マリキ政権はイランなどシーア派の支援に頼って事態収拾を図ろうとしている。
一方、17日はモスルに近い北部の要衝タルアファルの奪還を目指す政府側とISILが激しく衝突、多数の死傷者が出た模様だ。バクバでも激しい戦闘になった。
ISILはバグダッド北西近郊にまで迫っており、市内では17日、相次ぐテロで18人が死亡、52人が負傷した。北部バイジの同国最大の石油精製施設は既に操業を停止し、外国人労働者も避難。施設は政府が掌握しているが、夏の電力供給に影響が出る可能性もある。
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<イラク>国連事務総長「空爆は逆効果」
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140621k0000m030145000c.html
毎日新聞2014年6月21日(土)01:23
【ニューヨーク草野和彦】国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は20日、ニューヨーク市内で講演した。イラクのマリキ政権が米国に求めているイスラム教スンニ派過激派組織ISILへの空爆について、あらゆる勢力を含む新政府樹立への動きがなければ「持続的な効果はなく、逆効果となる恐れもある」と警告した。
事務総長はISILの狙いについて、シーア派主導のマリキ政権、米国、シーア派国家イランがスンニ派への残虐行為で協力していると強調し、スンニ派を扇動することだと指摘。「ISILは、イラク国内の全ての共同体にとっての脅威だ」と訴えた。また、イランと、スンニ派に影響力を持つサウジアラビアに対し、宗派間の融和の橋渡しを求めた。
講演は内戦下のシリア情勢に関するもので、事務総長は「武器と戦闘員の流入を伴い、シリアの紛争がイラクに拡大した」と内戦終結の必要性を訴えた。
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<イラク>マリキ首相退陣論、内外で強まる
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140620k0000e030251000c.html
毎日新聞2014年6月20日(金)13:02
【ワシントン和田浩明、カイロ秋山信一】イスラム教スンニ派の過激派組織イラク・レバント・イスラム国(ISIL)の侵攻に関連し、オバマ米大統領は19日、治安悪化の背景にある宗派・民族対立を乗り越えるようシーア派、スンニ派、クルド人の政治勢力に一致団結を求めた。対立をあおるシーア派のマリキ首相に対しては、国内外から退陣論が強まっており、国民融和を名目に「マリキ降ろし」が加速する可能性が出てきた。
マリキ首相に対しては米議会で「宗派間対立を助長している」として辞任論が強まっている。オバマ氏は「イラク指導者の選択は我々の仕事ではない」と述べ、4月30日の総選挙を受けた新政府樹立を加速するよう呼びかける一方で、宗派間対立が深刻である限り、中央政府が対ISIL作戦を執行することが困難になるとも明言。出身母体のイスラム教シーア派を優遇するとされるマリキ首相の統治手法に不満をにじませた。
またケリー米国務長官は米NBCテレビとのインタビューで、「米国はイラクのために行動しているのであって、マリキ首相のためではない」と述べ、マリキ政権の存続にこだわらない考えを示した。
サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、カタールなどスンニ派王家が支配する湾岸諸国からも、マリキ政権への非難が続出している。サウジのサウド外相は19日、マリキ首相から「(ISILを)財政的に支援した責任がある」と一方的に非難されたことに対して、「ばかげている」と不快感を表した。サウジなどは、マリキ首相のシーア派偏重の政権運営がスンニ派の反発を招き、ISILの侵攻を許す土壌ができたと主張している。
イラク国内からもマリキ首相への風当たりは厳しくなっている。クルド自治政府のバルザニ議長は英BBCに「マリキ首相は退陣すべきだ」と明言。シーア派のアラウィ元首相も、国連の仲介で国民和解の会議を開くべきだと主張した。
ただマリキ首相はこれまでの声明で、ISILの侵攻を「何者かの陰謀だ」と主張し、首相の追い落としを図るスンニ派やクルド人への不信感をにじませている。スンニ派の有力者ナジャフィ連邦議会議長らと会談するなど表向きは宗派対立解消に動いているが、他方でシーア派民兵の動員を進めるなど自派に頼って危機を乗り越えようとしている。
鍵を握るのはマリキ政権を支えるシーア派国家イランの動向だ。イランは、自国との国境近くまでISILが侵攻したことに危機感を強めている。一方で、スンニ派政治家らの影響力が強まることも望んでいない。イランがマリキ首相にスンニ派との融和を働きかければ、宗派対立が緩和され、「対過激派」で各党派が一致する可能性も出てくる。
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<イラク>米大統領「軍事顧問を最大300人派遣」
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140620k0000m030195000c.html
毎日新聞2014年6月20日(金)12:34
【ワシントン和田浩明】オバマ米大統領は19日、ホワイトハウスで記者会見し、イスラム過激派「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」の侵攻で危機的状況に直面するイラクに、軍事顧問を最大約300人派遣すると発表した。また戦況に応じ「限定的で精密な軍事行動」を実施する準備があるとも述べ、空爆などの計画を用意していることを示唆した。一方で、戦闘への関与は重ねて明確に否定した。
会見での発表によると、米国はイラクに特殊部隊で構成される米軍顧問を追加派遣し、治安部隊の訓練や支援の方法を評価させる。また、首都バグダッドや北部地域に、イラク軍と「共同作戦センター」を開設し、情報の共有や作戦計画の調整を行う。装備の追加供与も計画している。
米軍戦闘部隊のイラク再派遣については「戻らない」と明確に否定。一方で、ISILはイラクだけでなく周辺国や米国にとっても脅威だと認定し、内戦の回避やISILが対米欧テロを準備する「聖域」排除のため、軍事支援などの強化が必要だと説明した。
オバマ氏は今週末にもケリー国務長官を中東と欧州に派遣し、関係国とイラク危機の打開を目指す協議に当たらせると述べた。
<米国>イラク過激派への空爆見送りか 近く対応策決定
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140619k0000m030013000c.html
毎日新聞2014年6月18日(水)23:52
【ワシントン西田進一郎】イスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」が侵攻するイラクについてオバマ米大統領は近く、軍事面での対応策を決める。大統領は本格的な軍事介入は避け、選択肢の一つとする空爆にも当面踏み切らないとの見方が強まっている。大統領は18日に議会幹部らと対応策について意見交換する予定だ。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は17日夜、大統領が空爆を当面見送ることを決めたと報じた。ISILはバグダッド近郊に迫っており13日に「数日内に支援策を決める」と発表したオバマ大統領は決断を迫られている。大統領は地上部隊は派遣しないと明言しており、焦点はイラク政府軍を支援するためISILに対する空爆に踏み切るかどうかだ。
米軍は既に戦闘攻撃機や電子攻撃機などを搭載した原子力空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」をイラクに近いペルシャ湾に派遣。巡航ミサイル「トマホーク」を装備したミサイル巡洋艦とミサイル駆逐艦や、垂直離着陸輸送機オスプレイなどを搭載した輸送用揚陸艦も派遣。イラク周辺国の基地に戦闘機や無人攻撃機なども配備している。
ただ、空爆は容易ではない。移動する武装集団を標的にするのは難しく、人口密度の高い場所では誤爆などで市民を巻き込む危険性が高まる。民間人の犠牲を避け、正確で効率的な空爆をするには偵察機のほか、地上での情報収集が欠かせない。2011年にイラク駐留米軍を完全撤退させて以降、イラクでの情報収集活動を大幅に縮小させており、ISILの侵攻を止めるような効果的な空爆ができるとは判断できていないとみられる。
米軍はパキスタンでアルカイダ系武装勢力を掃討するため無人攻撃機を使用していたが、民間人が巻き込まれるケースが多発しパキスタン国内で反発が強まり、昨年12月から使用を中断。誤爆で米国が批判の矢面に立つのを避けたい思惑があるとみられる。また、イラク周辺のカタールやクウェートなどの基地に配備している戦闘機や無人攻撃機をイラクに投入するためには、それらの国々の同意を得るという別のハードルもある。スンニ派が主導するこれらの国々から、スンニ派を冷遇してきたイラクのマリキ政権への支援に協力が得られるかどうかも不透明だ。
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http://mainichi.jp/select/news/20140621k0000e010185000c.html
都議会ヤジ:女性蔑視、海外に波紋 五輪イメージダウンも
毎日新聞 2014年06月21日 10時58分
東京都議会本会議でみんなの党の塩村文夏(あやか)議員(35)に女性蔑視のヤジが浴びせられた問題が海外で広く報じられている。2020年東京五輪・パラリンピックで世界に東京の魅力をアピールする絶好の機会となるはずが、イメージダウンにつながりかねない状況だ。
米CNN(電子版)は「性差別は日本企業では一般的」と報道。女性の社会進出を経済成長へつなげようとする安倍政権の「ウィメノミクス」政策に言及しながら、「依然として男性が社会的地位の大半を占め、高所得を得ている」と日本社会の現状を批判的に伝えた。
ロイター通信も「女性議員が独身で子供がいないことにヤジ。批判が噴出」と速報。日本企業の慣例として「女性は結婚・出産後に退職を勧められることも多く、働く女性はお茶くみなど、さまつな仕事をさせられる」と労働環境を批判。「ヤジで20年にオリンピックを開催する東京都にクレームが殺到した」と伝え、五輪開催地としての自覚も疑問視した。
また、共同通信によると、フランス公共ラジオは「日本は職場への女性の進出が先進国で最も低い国の一つ」と指摘。政府の子育て支援が乏しく、性差別も根強いため、女性が働きにくいとの見方を示した。
こうした中、東京五輪の準備作業を監督する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会のメンバーが来日し、25日から3日間の日程で都内の五輪施設の視察などに臨む。「欧州の貴族のサロン」とも評されるIOCの委員の来日に対し、舛添要一知事は「東京の魅力を世界に発信する」と強い意欲を示しており、東京産の食材をふんだんに使った知事主催の昼食会が企画されていた。
その直前に降って湧いたヤジ問題に、舛添知事は20日の定例記者会見で「一生懸命、東京の食材を使っておいしいものを食べさせたって、『何だ、片一方でこんなことをやってるじゃないか』って言われるのは非常に心外だ」と悔しさをにじませ、「報道の皆さんにもしっかり、そういう監視役を続けていただきたい」と訴えた。【竹内良和、中西啓介】
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http://mainichi.jp/select/news/20140620k0000e030251000c.html
イラク:マリキ首相退陣論、内外で強まる
毎日新聞 2014年06月20日 11時16分(最終更新 06月20日 13時02分)
イラクのマリキ首相=首相官邸で2011年11月、藤井太郎撮影
イラクのマリキ首相=首相官邸で2011年11月、藤井太郎撮影
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【ワシントン和田浩明、カイロ秋山信一】イスラム教スンニ派の過激派組織イラク・レバント・イスラム国(ISIL)の侵攻に関連し、オバマ米大統領は19日、治安悪化の背景にある宗派・民族対立を乗り越えるようシーア派、スンニ派、クルド人の政治勢力に一致団結を求めた。対立をあおるシーア派のマリキ首相に対しては、国内外から退陣論が強まっており、国民融和を名目に「マリキ降ろし」が加速する可能性が出てきた。
マリキ首相に対しては米議会で「宗派間対立を助長している」として辞任論が強まっている。オバマ氏は「イラク指導者の選択は我々の仕事ではない」と述べ、4月30日の総選挙を受けた新政府樹立を加速するよう呼びかける一方で、宗派間対立が深刻である限り、中央政府が対ISIL作戦を執行することが困難になるとも明言。出身母体のイスラム教シーア派を優遇するとされるマリキ首相の統治手法に不満をにじませた。
またケリー米国務長官は米NBCテレビとのインタビューで、「米国はイラクのために行動しているのであって、マリキ首相のためではない」と述べ、マリキ政権の存続にこだわらない考えを示した。
サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、カタールなどスンニ派王家が支配する湾岸諸国からも、マリキ政権への非難が続出している。サウジのサウド外相は19日、マリキ首相から「(ISILを)財政的に支援した責任がある」と一方的に非難されたことに対して、「ばかげている」と不快感を表した。サウジなどは、マリキ首相のシーア派偏重の政権運営がスンニ派の反発を招き、ISILの侵攻を許す土壌ができたと主張している。
イラク国内からもマリキ首相への風当たりは厳しくなっている。クルド自治政府のバルザニ議長は英BBCに「マリキ首相は退陣すべきだ」と明言。シーア派のアラウィ元首相も、国連の仲介で国民和解の会議を開くべきだと主張した。
ただマリキ首相はこれまでの声明で、ISILの侵攻を「何者かの陰謀だ」と主張し、首相の追い落としを図るスンニ派やクルド人への不信感をにじませている。スンニ派の有力者ナジャフィ連邦議会議長らと会談するなど表向きは宗派対立解消に動いているが、他方でシーア派民兵の動員を進めるなど自派に頼って危機を乗り越えようとしている。
鍵を握るのはマリキ政権を支えるシーア派国家イランの動向だ。イランは、自国との国境近くまでISILが侵攻したことに危機感を強めている。一方で、スンニ派政治家らの影響力が強まることも望んでいない。イランがマリキ首相にスンニ派との融和を働きかければ、宗派対立が緩和され、「対過激派」で各党派が一致する可能性も出てくる。
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http://mainichi.jp/select/news/20140621k0000m030085000c.html
イラク:政府軍、防戦一方…紛争長期化、避けられず
毎日新聞 2014年06月20日 21時24分(最終更新 06月20日 22時19分)
イスラム教スンニ派の過激派「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」と交戦するイラク軍特殊部隊=イラク中部ラマディで2014年6月19日、ロイター
イスラム教スンニ派の過激派「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」と交戦するイラク軍特殊部隊=イラク中部ラマディで2014年6月19日、ロイター
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【カイロ秋山信一】イラク政府軍は、ISILの大規模侵攻に対して、防戦一方となっている。ISILが支配する北部は同じ宗派のスンニ派住民が大半を占め、シーア派中心の政府軍に対する不信感が根強い。地元部族や住民の協力がなければ、戦況を好転させるのは難しく、紛争が長期化するのは避けられない見通しだ。
報道によると、首都バグダッドの北約60キロのバクバ周辺や同国最大の製油所があるバイジ、北部タルアファル郊外の空港などでは20日も戦闘が続いた。バイジの製油所は政府側が押さえているが、ISILは市街地を掌握している。
米シンクタンク戦略国際問題研究所によると、政府軍の兵力は約27万人で大半は陸軍。武装警察なども含めると政府側は約90万人規模。数千〜1万数千人とされるISILを規模では圧倒している。
しかし、政府軍は2003年のフセイン政権崩壊時に解体されたため、イラン・イラク戦争(1980〜88年)や湾岸戦争(91年)を経験した軍幹部はほとんど残っておらず、戦闘経験が乏しい。ロイター通信によると、米国は2011年以降だけで150億ドル(約1兆5300億円)規模の軍事支援を約束したが、F16戦闘機や戦闘ヘリコプターなど主要部分はまだ供与されていない。
さらにマリキ首相は10年以降、国防相や内相を兼任。シーア派民兵を軍や警察に取り込み、上層部や精鋭部隊も同じシーア派で固めた。政府軍はシーア派で占められているため、ISILが侵攻したスンニ派居住地域を防衛する意欲が乏しかったとする指摘もある。
一方、ISILには、アフガニスタンやイラクで戦ってきた経験豊富な戦闘員が多い。新規のメンバーはシリア内戦で戦闘経験を積んでいる。ISILの侵攻を前に制服や武器を捨てて逃げ出す将兵まで出た政府軍とは大違いだ。政治アナリストのマフムード・モヒ氏は「政府軍は『シーア派のための軍』と見なされており、北部のスンニ派地域では住民の協力を得にくい。米軍の限定的な空爆があっても、ISILの占領地を奪還するのは困難だ」と指摘する。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140620/amr14062021170008-n1.htm
マリキ退陣論強まる オバマ大統領、内戦懸念強調
2014.6.20 21:17 (1/2ページ)
【ワシントン=加納宏幸】オバマ米大統領は記者会見で、宗派対立の原因となっているイラクのマリキ首相の退陣が望ましいとの考えをにじませた。米政府は「マリキ後」を視野に入れているとみられるが、根本的な解決策となる保証はない。
「イラクの指導者を決めるのは、われわれの仕事ではない。イラクの人々が自らの運命と指導者を決める権利を得るため、米国は長年ここで戦ったのだ」。マリキ氏を信頼しているかと問われ、オバマ氏はこう突き放した。
また、オバマ氏はイラク政府と「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」による「内戦」に発展することへの懸念を何度も口にし、マリキ政権への強い不満をあらわにした。
ケリー国務長官も19日、「新政府の樹立が速やかになされることが極めて重要だ。イラク人は、首相と政府を選ぶ議会制度を持っている」と記者団に述べた。
イラクでは、マリキ氏が率いる「法治国家連合」が第1勢力となった今年4月の総選挙を受け、連立政権協議が進められている。
オバマ氏は記者会見で、マリキ政権の主体、シーア派だけでなく、スンニ派、クルド人の利益も代表する政権ができることへの期待感を表明した。ただ、マリキ氏はシーア派偏重の姿勢を崩さず、他勢力からの反発で融和は困難な状況だ。
そのため、米政府は水面下で新政権の枠組みに関してイラクの指導者と協議を始めているとされる。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは19日、米政府高官が「マリキ氏抜き」の連立政権を模索し、イラクの政治家や宗教指導者と調整していると報じた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140621/asi14062120130003-n1.htm
アフガン大統領選の混乱拡大 アブドラ元外相、不正訴えデモ
2014.6.21 20:13
アフガニスタンのアブドラ元外相、ガニ元財務相(ロイター)
アフガニスタンのアブドラ元外相、ガニ元財務相(ロイター)
【ニューデリー=岩田智雄】アフガニスタンの大統領選挙の決選投票で混乱が拡大している。不正が行われたとして開票作業の停止を求めていた候補者のアブドラ元外相が、このままでは選挙結果を受け入れないと表明。アブドラ氏の支持者ら数百人は21日、首都カブールで選挙管理委員会に対する抗議デモを行った。
「不正を許すな」−アブドラ氏の支持者らはカブール市内で連呼し、ある男性(24)は産経新聞通信員に「私たちはテロの危険にさらされながら投票した。投票の権利は侵されるべきではない」と訴えた。
決選投票に進んだアブドラ元外相は18日、選挙で不正があったとして、選管に開票作業をただちに停止するよう求めた。その後、何の対応も取られなければ結果を受け入れられないとして、国連による仲介を求めている。新大統領選出に遅れが生じれば、米軍のアフガン撤収計画に影響が出る恐れがある。
選管によれば、14日の決選投票について、これまで2600件以上の不服申し立てが行われている。初回投票で1位のアブドラ氏(得票率45%)と2位のガニ元財務相(同31・6%)の陣営同士では衝突も発生し、死者も出ている。
ロイター通信によると、アブドラ氏の陣営が得ている情報では、アブドラ氏はガニ氏に100万票近いリードを許しているという。
アブドラ氏は5年前の前回選挙に出馬した際も、不正を訴えて決選投票から撤退した経緯がある。
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http://mainichi.jp/select/news/20140622k0000m030028000c.html
イラク:宗教指導者「新政府を」 首相、続投に痛手
毎日新聞 2014年06月21日 20時18分(最終更新 06月21日 20時42分)
【カイロ秋山信一】イスラム教スンニ派過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」による侵攻が続くイラクで、シーア派の最有力指導者シスタニ師は20日、代理人を通じて「幅広い支持を得られる機能的な新政府を早期に樹立する必要がある」との見解を発表した。スンニ派や少数民族クルド人から強い反発を受けるマリキ首相(シーア派)に批判的な内容で、シーア派の支持を基盤に続投を狙う首相にとっては痛手となった。
シスタニ師は、4月の連邦議会選挙を受けて、今月中に新議会が招集されなければならないとする憲法上の規定を踏まえ、「期限内に議会を開き、議長や大統領、首相を選任することが重要だ」と述べた。選挙で最多議席を獲得したマリキ首相の党派を中心に新政権の連立協議を進めるべきだとしつつも「過去の過ちを避け、全イラク国民のより良い将来につながるような新たな展望を開かなければならない」と指摘した。
シスタニ師は今月13日、首都バグダッドに迫るISILに対して、「戦うことができる市民は武器を取れ」と呼びかけ、多数のシーア派民兵が政府軍に加わるきっかけを作った。
連邦議会選(定数328)で、マリキ首相の党派・法治国家連合は90議席以上を獲得したが、政権存続には他党派との連立が必要。しかしISILの侵攻を許したマリキ氏の責任を問う声がシーア派指導者からも強まっており、連立交渉は難航している。
ただ反マリキ派も一枚岩ではなく、連立協議がまとまる見通しは立っていない。そのため、幅広い党派が参加する暫定政府を作り、当面の危機に対処する案も浮上している。
一方、マリキ首相は20日、ロシアのプーチン大統領と電話協議し、イラク情勢について説明。プーチン氏はマリキ政権のISIL掃討への支援を約束した。
AP通信などによると、ISILは21日までにイラク西部カイムやシリア東部ムハサンなど両国国境付近の拠点を制圧。いずれもシリアからバグダッドに至る主要道路沿いにあり、補給路を確保して、西方からもバグダッドへの侵攻を狙うとみられる。バグダッドの北約60キロの中部バクバ近郊などで、政府軍との一進一退の攻防を続けている。
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http://mainichi.jp/select/news/20140623k0000m030039000c.html
サウジ国王:エジプト大統領と会談 際立つ蜜月ぶり
毎日新聞 2014年06月22日 18時58分
【カイロ秋山信一】サウジアラビアのアブドラ国王は20日、エジプトの首都カイロを訪問し、シシ大統領と会談した。国営中東通信が報じた。90歳近い高齢のアブドラ国王が、国外で首脳会談に臨むのは極めて異例で、両者の蜜月ぶりが際立った。アブドラ国王には、シリアやイラク、リビアなどアラブ諸国の政情が不安定化する中、発足したばかりのシシ政権への支持を明確にし、地域大国エジプトの安定を図りたい思惑があるとみられる。
AP通信によると、アブドラ国王は療養先のモロッコからの帰路、カイロ空港に立ち寄り、機内でシシ氏と会談した。サウジ政府は、5月の大統領選挙でシシ氏が当選した直後、エジプト支援国会合を開くと発表。今回の会談は、支援国会合に関する協議が主目的だとみられる。
サウジは、中東各国に根を張るイスラム組織ムスリム同胞団の反王制的な思想を警戒し、同胞団中心のモルシ前政権とは距離を置いていた。シシ氏が昨年7月の軍事クーデターでモルシ氏を追放すると、いち早く支持を表明し、数十億ドル規模の巨額の財政支援も行った。シシ氏も選挙戦中から「当選後、最初に訪れる国はサウジだ」と明言していた。
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http://mainichi.jp/select/news/20140623k0000m030039000c.html
サウジ国王:エジプト大統領と会談 際立つ蜜月ぶり
毎日新聞 2014年06月22日 18時58分
【カイロ秋山信一】サウジアラビアのアブドラ国王は20日、エジプトの首都カイロを訪問し、シシ大統領と会談した。国営中東通信が報じた。90歳近い高齢のアブドラ国王が、国外で首脳会談に臨むのは極めて異例で、両者の蜜月ぶりが際立った。アブドラ国王には、シリアやイラク、リビアなどアラブ諸国の政情が不安定化する中、発足したばかりのシシ政権への支持を明確にし、地域大国エジプトの安定を図りたい思惑があるとみられる。
AP通信によると、アブドラ国王は療養先のモロッコからの帰路、カイロ空港に立ち寄り、機内でシシ氏と会談した。サウジ政府は、5月の大統領選挙でシシ氏が当選した直後、エジプト支援国会合を開くと発表。今回の会談は、支援国会合に関する協議が主目的だとみられる。
サウジは、中東各国に根を張るイスラム組織ムスリム同胞団の反王制的な思想を警戒し、同胞団中心のモルシ前政権とは距離を置いていた。シシ氏が昨年7月の軍事クーデターでモルシ氏を追放すると、いち早く支持を表明し、数十億ドル規模の巨額の財政支援も行った。シシ氏も選挙戦中から「当選後、最初に訪れる国はサウジだ」と明言していた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140621/mds14062123450010-n1.htm
司法体制を公の場で批判 イラン大統領
2014.6.21 23:45
イランのロウハニ大統領は21日、テレビ中継された演説で「司法は政治勢力から独立し、法の支配を徹底させなければいけない」と述べ、司法の在り方の改善を訴えた。保守強硬派が支配的な同国の司法体制に公の場で批判が出るのは珍しい。
保守穏健派のロウハニ師は裁判官らを前に演説。具体例は挙げなかったが「推定無罪の原則が守られないのはなぜなのか」と強い不満を表明した。イランでは、保守強硬派の政治姿勢などを批判した人物が有罪とされるケースが後を絶たない。
ロウハニ師は政治勢力がさまざまな問題への見解を表明することは自由だとした上で「彼らが判決を決めたり、裁判所に影響力を行使したりしてはいけない」と強調した。(共同)
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対日批判に急転換したイラン 中韓接近も
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140623/mds14062311250007-n1.htm
2014.6.23 11:25
イランの対日観が変化しつつある。6月18日、イラン国営「イランラジオ」が、安倍晋三政権を非難する「東アジアの軍拡に対する懸念」と題する奇妙なホセイニー解説員による論評を報じた。「イランラジオ」は、政府の完全な統制下にあるので、これはイランから日本へのシグナルだ。(SANKEI EXPRESS)
<韓国が新たに日本の軍拡に懸念を示しました。韓国・ヨンハプ通信が北東アジア歴史財団のソク・トンヨン事務総長の記事として伝えたところによりますと、日本の安倍総理大臣の軍拡とアジアにおける大きな軍事力の創出に向けた動きは、懸念を引き起こすものであるとしています。ソク事務総長はまた、ダブルスタンダード的な措置と軍拡に向けた時間稼ぎに関して、安倍首相を非難しています。
日本で安倍首相率いる右派が勝利したことで、日本の軍事政策に対する懸念が近隣諸国の間で高まっています。とりわけ安倍首相が当選後すぐに、防衛政策の変更と憲法9条の改正を目指すようになりました。憲法を変更することで、日本は戦争を行う為に国境を越えることも禁止されなくなります>
韓国からの一方的情報に基づいた日本批判だ。安倍政権を「右派」と位置づけ、安倍政権が力を持っていることが、「日本の軍事政策に対する懸念が近隣諸国の間で高まっている」原因と決めつける。
さらに日本の憲法改正に対する中国、韓国の立場への共感を隠さない。
<確かに安倍首相は、改憲しても、日本は戦争放棄を守ると表明しています。しかし、中国や韓国は依然として日本の改憲とそれによる結果について懸念しています。これ以前にも中国は安倍首相の防衛力増強、最新鋭の兵器の製造、西側からのより多くの軍事物資の購入にむけた努力を批判し、「日本はアジアの支配を目的とした軍事勢力に変化しようとしており、地域の平和を危機に陥れる」としています>
その上で、日本の武器輸出の緩和に対して懸念を表明する。
<実際、日本の防衛政策変更や武器輸出に関する法律の改正に向けた急速な歩みは、4月から急速に懸念を高めています。ある日本のニュースチャンネルは17日火曜、日本政府は武器の輸出が緩和されてからはじめて、防衛産業の国際見本市ユーロサトリ2014で軍事技術を展示したと報道しました。この報道によりますと、日本企業10社以上が装甲車、ヘリコプター、パラシュートなどの防衛装備品をこの見本市で展示しています。ユーロサトリ2014はフランス・パリで16日月曜から開幕し、20日金曜までの日程で行われます。この世界最大の防衛産業の見本市は、ロシアなど57カ国1500社の企業が参加し、開催されています>
これまで「ラジオイラン」は、日本に対しては、好意的な報道を基調にしていた。イランの親日感情を強調することで、米国の同盟国である日本に、米国とは一線を画した親イラン政策を取らせるための世論誘導を行うことが「イランラジオ」の役割だったからだ。しかし、イランは、安倍政権に対して、急に批判的になった。それは、5月12日に東京で安倍晋三首相とネタニヤフ・イスラエル首相が「日本・イスラエル間の新たな包括的パートナーシップの構築に関する共同声明」に署名したからだと筆者は見ている。
この共同声明に基づき、日本は、安全保障面でのイスラエルとの提携を急速に進めている。「敵の敵は味方だ」というマキャベリ流の外交をイランは行う。日本とイスラエルが接近することに対抗して、日本との関係が良くない韓国、中国にイランは擦り寄ろうとしているのである。今後、韓国、中国がイランを巧みに用いた反日策動を強化する危険を過小評価してはならない。(作家、外務省主任分析官 佐藤優)
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http://www.afpbb.com/articles/-/3018434?ctm_campaign=txt_topics
スンニ派武装勢力、イラク西部で攻勢 複数の町を占拠
2014年06月23日 07:24 発信地:バグダッド/イラク
【6月23日 AFP】イラクでは、イスラム教スンニ(Sunni)派武装勢力の戦闘員らがシリアとの国境検問所を制圧した後、西部地域に進攻を続け、22日までに複数の町を制圧した。一方、エジプトのカイロ(Cairo)に到着した米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官は22日、宗派間抗争を克服するようイラク指導者たちに呼びかけた。
地元住民らの話によると、スンニ派の武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant、ISIL)」率いる武装勢力は、21日にカイム(Al-Qaim)の国境検問所を掌握した後、ラワ(Rawa)とアナ(Ana)の町を制圧した。
イラク政府は、政府軍が2つの町から「戦術的後退」を行ったとしているが、これら複数の町の支配は、隣国シリアのユーフラテス(Euphrates)川沿いの広大な渓谷地域を支配している武装勢力にとって、戦略的ルートを開くものとなる。
イラク情勢をめぐっては、4月の総選挙以来ほとんど進んでいない新政府の樹立を急がせるよう、米国がアラブ諸国がイラクの指導者らに圧力をかけている。
バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は20日の米CNNの番組で、「包括的な民主主義を実現する機会をイラクに与えている。宗派間の違いを乗り越え、子どもたちにより良い未来をつくる機会だ」と述べ、「残念なことに、われわれが目にしているのは、信頼の崩壊だ」 と続けた。
ISILがカイムの国境検問所を掌握したことで、シリアとの公的な国境検問所3か所のうち、連邦政府が掌握する検問所は1か所だけとなった。残り1つはクルド軍の制圧下にある。
他方、イラク政府軍はスンニ派武装勢力の掌握する都市ティクリート(Tikrit)に空爆を開始、地元住民によると、少なくとも7人が死亡したという。また国防省も北部の都市モスル(Mosul)への空爆を発表している。(c)AFP/Prashant RAO
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http://www.afpbb.com/articles/-/3018561
アルジャジーラ記者に禁錮10年、エジプト裁判所
2014年06月23日 19:21 発信地:カイロ/エジプト
【6月23日 AFP】エジプトの裁判所は23日、暫定政権による弾圧を取材中に拘束された、カタールを拠点とする中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)の記者3人に対し、エジプト当局が非合法化したイスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」を支援したとして禁錮7年〜10年の刑を言い渡した。
3人のうち、オーストラリア人記者のピーター・グレステ(Peter Greste)被告とカナダ系エジプト人記者のモハメド・ファデル・ファフミ(Mohamed Fadel Fahmy)には、禁錮7年が言い渡された。一方、カイロ(Cairo)支局長のバハ・モハメド(Baher Mohamed)被告は2件の罪で有罪となり、計10年の禁固刑が言い渡された。
この裁判では、計20人のジャーナリストがムスリム同胞団と関係があるとして起訴され、国際的な批判を招くとともにエジプト当局による報道規制の強化に懸念が広がっている。
起訴された残りのジャーナリストのうち外国人記者3人を含む9人は不在のまま公判が行われ、それぞれ禁錮10年の判決が下された。また2人は無罪となった。
2013年7月に軍がムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領を解任して実権を握って以降、モルシ氏の支持基盤であるムスリム同胞団に対する弾圧をめぐるアルジャジーラの取材はエジプト当局を激怒させてきた。エジプト当局は、アルジャジーラがモルシ氏を支援するカタール政府の主張を代弁していると主張している。(c)AFP
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140623/amr14062319140004-n1.htm
ケリー米国務長官、イラク電撃訪問 挙国一致の早期樹立要請か
2014.6.23 19:14
【カイロ=大内清】ケリー米国務長官は23日、イスラム教スンニ派過激組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」の攻勢が続くイラクの首都バグダッドを電撃訪問し、マリキ首相らと会談した。同国の一体性を保つため、現在のシーア派主導の政権運営を見直し、スンニ派や少数民族クルド人を含む挙国一致政権を早期に樹立するよう求めたものとみられる。
米政府関係者のイラク訪問としては、ISILが今月10日に第2の都市の北部モスルを制圧して以降では最高レベル。
ISILの勢力伸長の背景には、シーア派を優遇するマリキ政権へのスンニ派の不満や、宗派間の対立感情の高まりが指摘され、米国ではマリキ氏退陣論も強まっている。マリキ氏率いるシーア派会派は4月の総選挙で第1勢力となったものの連立交渉は停滞しており、米国としては、各政治勢力に新政権の早期発足を促すことでイラク安定に道筋をつけたい考えだ。
一方、AP通信などによると、ISILは22日、西部アンバル県にあるヨルダン国境のトゥライビルと、シリア国境のワリードの両検問所を新たに掌握。すでに支配下に置いたシリアとの別の国境の町カイムに続きヨルダン方面にも勢力を拡大した。
ISILは北西部の要衝タルアファルでも空港を制圧した。
また、中部ラマディでは同日、治安当局者の葬儀を狙った自爆攻撃やテロが相次ぎ、参列者ら少なくとも8人が死亡した。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140623/mds14062309000004-n1.htm
北部モスルにISIL支配浸透 厳格戒律と過激思想は警戒
2014.6.23 09:00
「守ってくれるなら誰が支配者でもかまわない」
イスラム過激派「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」に掌握されたイラク北部モスルの複数の住民が22日までに電話取材に応じ、過激派支配の実態を語った。ソフト路線で住民の間に浸透を図り、厳格な戒律に基づくイスラム国家樹立への布石を着実に打つ戦略が浮かんだ。
「住民はこれまでの軍や警察の態度にうんざりしていた。私たちを守ってくれるなら、誰が支配者でもかまわないんだ」。会社員のスフークさん(44)はこう明かした。
ISILは今月10日にモスルを掌握し、政府庁舎にシンボルの黒い旗を掲げた。戦闘員はパトロールや交通整理を担って治安の悪化を警戒する。
食料は手に入り、水道も使えるが、中央政府からの送電がほぼ止まった。ISILが調達した燃料を使ったディーゼル発電も限界に近づき、停電が続く。
ただ、住民はいずれもISILによる略奪や残虐行為を否定した。治安の改善を歓迎し、避難民の多くが戻り始めた。心配なのはむしろ、反撃に出たマリキ首相が無差別空爆に踏み切ることだと口をそろえる。
政府職員は軍や警察を除き、これまで通りの仕事を続けるように指示された。中央銀行が保管していた多額の現金を奪取したISILが、近く給与を払うのではないかとうわさされる。
しかしスフークさんは「問題は彼らの過激な思想だ」と警戒する。ISILは真のイスラム国家樹立を目指すスンニ派の武装組織だ。隣国シリアの内戦では無差別殺戮(さつりく)を繰り返し、支配地域ではシャリーア(イスラム法)の厳格な実践を住民に強要してきた。
教師のアブオマルさん(38)は「あと1カ月もすればシャリーアが導入されるだろう」と懸念する。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140623/mds14062301100001-n1.htm
スンニ派過激組織、ヨルダン国境地域も掌握 イランは「支援しないよう忠告」アラブ諸国を牽制
2014.6.23 01:10
【カイロ=大内清】AP通信によると、イラク軍当局者は22日、同国で攻勢を続けるイスラム教スンニ派過激組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」が同日、西部アンバール県にあるヨルダン国境のトゥライビルと、シリア国境のワリードの両検問所を新たに掌握したと明らかにした。ISILは、既に支配下に置くシリアとの別の国境の町カイムに続き、ヨルダン方面にも勢力を拡大した形だ。
政府軍は両検問所の防衛を放棄。ISILは22日までに、カイムに近いラワやアナ、ルトバの3つの町も相次いで掌握した。
一方、イランのロウハ大統領は22日、「石油で得た金でテロリストを支援しないよう忠告する」と述べ、特定の国への名指しは避けつつも、ISILに資金が流れているとされる湾岸アラブ諸国を牽制(けんせい)した。
また、イランの最高指導者ハメネイ師は同日、国営メディアを通じて、米国やその他の外国によるイラク介入には反対する考えを強調した。
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http://mainichi.jp/select/news/20140624k0000m030058000c.html
アフガニスタン:大統領選「選管幹部の不正指示証拠」公表
毎日新聞 2014年06月23日 20時26分
【ニューデリー金子淳】アフガニスタン大統領選で、決選投票の不正疑惑に対する抗議が広がっている。不正を主張している候補者、アブドラ・アブドラ元外相(53)は22日、独立選挙委員会(中央選管)の幹部が電話で不正を指示したとする通話記録を公表。首都カブールなどではアブドラ氏の支持者が抗議デモを行った。決選投票はタジク系のアブドラ氏と最大民族パシュトゥン人のアシュラフ・ガニ元財務相(65)が争っており、混乱が長引けば民族対立につながる可能性もある。
ロイター通信などによると、アブドラ氏の陣営は22日の記者会見で、選管幹部のアマルキール氏が地方の選管関係者らに電話し、「羊にきちんと詰め物をするように」などと指示したとする通話記録を明らかにした。陣営は「羊」が投票箱を意味し、ガニ氏の得票を増やすよう伝えたと主張している。選管スタッフにガニ氏の支持層であるパシュトゥン人とウズベク人を増やすよう求める通話も残されていたという。ただ記録が本物かどうかは不明で、アマルキール氏は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に「こうした話はしていない」と関与を否定している。
アブドラ氏はアマルキール氏の罷免を求めており、適切な調査がされない限り選挙結果の受け入れを拒否する方針だ。国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)は「政治的難局の解決に向け支援の用意がある」としており、選管や両陣営の仲裁に乗り出したとみられる。だが、アブドラ氏の支持者らによるデモはカブールのほか西部ヘラートなどにも広がっており、事態の早期収拾に失敗すれば対立が深刻化する恐れがある。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014062300872
選管幹部が辞任=大統領選の不正批判で−アフガン
【カブールAFP=時事】アフガニスタン独立選挙管理委員会の幹部アマルヒル氏は23日、辞任した。14日の大統領選決選投票で大規模な不正があったとの批判を受け、同氏は「国益のために辞める。圧力を受けて辞めるのではない」と述べた。
4月の大統領選第1回投票で首位だったアブドラ元外相はカブールで記者団に対し「これで選管と話し合える。開票を進める条件と環境を協議したい」と表明した。アブドラ氏は、選管の不正を激しく批判し、選挙戦からの撤退も辞さないと主張していた。(2014/06/23-22:18)
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http://www.asahi.com/articles/ASG6N263CG6NUHBI004.html
選挙運動? トルコ首相の欧州行脚 地元政府から批判
ウィーン=喜田尚
2014年6月24日21時37分
ウィーンの集会で19日、エルドアン・トルコ首相の登壇を歓呼で迎える在オーストリアのトルコ系住民ら=喜田尚撮影
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大統領への「転身」が取りざたされるトルコのエルドアン首相の欧州行脚が波紋を呼んでいる。8月の大統領選から在外トルコ人も投票できるようになるが、欧州のトルコ系住民向けに選挙運動と見まがう集会を相次いで開催。訪問国の政府から批判も出ている。
エルドアン氏は19日、ウィーンを訪問。在欧トルコ系団体の設立10周年の集会に出席した。会場のスケート場はトルコ系住民約7千人でぎっしり。入りきれなかった約1万人は、野外の巨大モニター前で首相の言葉に大歓声を上げた。
大統領選への立候補の意思を明らかにしていないが、会場では与党公正発展党のテーマ曲が鳴り響き、首相に就任以来の成果を強調。自らが在外者の投票を可能にしたとして、大統領選に投票を呼びかけた。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140624-00000029-jij-m_est
韓国首相候補 また就任辞退写真
韓国、慰安婦白書を発刊へ
スペイン 江沢民氏の訴追断念NEW
中国 国家分裂容疑で学者送致写真NEW
米長官がイラクを電撃訪問写真
イラクで独立機運 クルドとは写真
独ユーロファイター 衝突事故写真
テディベアの中に頭蓋骨 北米NEW 海外トピックス V 海外トピックス V .韓国首相候補 また就任辞退写真 米長官がイラクを電撃訪問写真 韓国、慰安婦白書を発刊へ イラクで独立機運 クルドとは写真 スペイン 江沢民氏の訴追断念NEW 独ユーロファイター 衝突事故写真 中国 国家分裂容疑で学者送致写真NEW テディベアの中に頭蓋骨 北米NEW .もっと見る.
..国際
国際総合中国・台湾韓国・北朝鮮アジア・オセアニア北米中南米ヨーロッパ中東・アフリカ..クルド独立「唯一の選択肢」=国家建設の動き加速―イラク
時事通信 6月24日(火)7時23分配信
【アルビル(イラク)時事】イラク北部クルド自治政府のハミド・アハメド大統領府広報担当次官は23日、時事通信の単独取材に「イラクの現状を見る限り、クルド人の権利と安全を守るには独立以外の選択肢は残されていない」と述べ、独立国家建設に向けた動きが加速していると明らかにした。
クルド人はイラク全人口の2割を占め、北部で自治権を獲得している。隣国トルコやシリアにもクルド住民は多く、イラクで独立が現実味を帯びてくれば、地域全体に影響が及ぶのは必至だ。
アハメド氏は、マリキ政権が多数派のイスラム教シーア派を露骨に優遇したことがスンニ派住民の反発を招き、過激派勢力の浸透を許すことにつながったと分析。その上で「イラクがシーア、スンニ両派とクルド人の三つの勢力に分裂したことは紛れもない事実で、既に後戻りのできない段階に達した」と述べた。
対立解消には、マリキ首相が退陣し、宗派を超えた支持を受ける新首相が全勢力に平等な権限を与えることが必要だと指摘した。その一方で「3勢力の不信感は極限まで高まっており、和解は極めて難しい」との見方を示した。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140624-00000091-mai-int
<イラク>ケリー長官がクルドにも中央政府への協力要請
毎日新聞 6月24日(火)20時15分配信
◇イスラム教スンニ派の過激派組織ISIL侵攻に
【カイロ秋山信一】ケリー米国務長官は24日、イラク北部のクルド自治区アルビルを訪問し、自治政府トップのバルザニ議長と会談した。イスラム教スンニ派の過激派組織イラク・レバント・イスラム国(ISIL)の侵攻に対応するため、中央政府への協力を求めた。ただ、クルド人は混乱に乗じて支配地域を拡大するなど中央政府と一線を画す動きに出ており、ケリー氏の要請に応じるかは不透明だ。
冒頭、ケリー氏は「イラクは危機的状況にあり、新政府発足が急務だ」と述べ、4月の連邦議会選挙を受けた次期政権の連立交渉に前向きに臨むよう求めた。また、自治政府の治安部隊ペシュメルガがISILの侵攻を食い止めるのに「重要な役割を果たした」と評価した。バルザニ氏は「クルド人も危機への対処法を模索している」と述べた。
クルド人は全人口(約3376万人)の約20%を占める。連邦議会選でも約2割の議席を確保し、連立交渉の鍵を握るとみられる。バルザニ氏は、シーア派を偏重するマリキ首相の退陣を主張している。
ただ「イラクの統一維持」を前提とするケリー氏に対して、クルド人側には分離独立を模索する動きもある。ISILの侵攻後、以前から権益を主張していた油田地帯の北部キルクークに治安部隊を進駐させた。バルザニ氏は23日放映の米CNNとのインタビューで「イラクは分裂状態にある。クルド人はこの好機を生かし、自分たちの将来を決めなければならない」と語り、独立への意欲を示した。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140625/amr14062500000001-n1.htm
米露、イラク情勢めぐり駆け引き 米はマリキ退陣工作を本格化 影響力拡大へ隙をうかがうプーチン
2014.6.25 00:00 (1/2ページ)
【ワシントン=加納宏幸】オバマ米政権は23日、イスラム教スンニ派過激組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」によるイラクでの攻勢に関し、シーア派主体のマリキ政権には宗派対立を収拾する力がないとみて「退陣工作」を本格化させた。だが、オバマ大統領がイラクで「包括的な民主体制」の確立を追求している隙に、ロシアのプーチン大統領は影響力拡大の機会を虎視眈(たん)々(たん)とうかがっている。
「イラクには新しい政府を形作る機会がある」。オバマ氏は23日、米MSNBCテレビの番組でマリキ首相の退陣を暗に促した。
イラクを電撃訪問したケリー国務長官も同日、バグダッドの米国大使館で記者団に「オバマ大統領がISILに対処するための決定を下したとしても、現首相や特定の宗派を支援するためではない」と述べた。
また、マリキ氏との会談で7月1日までに議会を開く確約を得たとし、「速やかに議長、大統領、首相を選ぶのがイラク指導者の義務だ」と踏み込んだ。
イラク滞在中、ケリー氏はスンニ派のヌジャイフィ国会議長ら、新政権作りのキーマンたちと会った。24日にはイラク北部アルビルでクルド自治政府のバルザニ議長と会談する。
しかし、ロシアは一連の米国主導の政権移行プランに横やりを入れた。露大統領府はプーチン氏がオバマ氏との電話協議で「マリキ氏支持」を明言したと発表したが、ホワイトハウスは発表文でも記者会見でもこのことに触れなかった。
ロシアはシーア派大国のイランと関係が深く、同派「勢力圏」のシリア・アサド政権に強い影響力を持っている。最近は、マリキ政権とも連携を強めており、米国がロシアにイラクへの働きかけを求めても不思議ではない状況にある。
だが、ケリー氏が一時、米国とイランの軍事協力を「排除しない」と述べながら即座に否定するなど、中東でのロシアの影響力拡大を警戒する米国の戦略は定まっていない。マリキ氏退陣に向けた働きかけは、オバマ氏が大規模な軍事介入を否定する中で編み出した苦肉の策といえる。
米外交評議会のレスリー・ゲルブ名誉会長は米ニュースサイト「デイリー・ビースト」で、「退陣工作」を「最悪は避けられるが、聖戦主義者を止める戦略にはならない」と論評。イラン、ロシア、シリアと一時的に軍事的・政治的に手を組んででもISILを押さえ込むよう求めた。
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http://mainichi.jp/select/news/20140626k0000m030074000c.html
イスラエル:各地で衝突、市民に犠牲 ユダヤ3少年不明で
毎日新聞 2014年06月25日 21時16分(最終更新 06月25日 21時40分)
ヨルダン川西岸パレスチナ自治区へブロン近郊でユダヤ人の少年3人が行方不明となってから、26日で2週間になる。イスラエルはイスラム原理主義組織ハマスの犯行だとして大規模な摘発作戦を展開し、これまでに2000カ所近くを捜索したが、3人の安否は不明のままだ。パレスチナ市民は各地で軍と衝突。捜査に協力するパレスチナ当局にも怒りの矛先を向けている。【へブロン(パレスチナ自治区)で大治朋子】
3人はユダヤ教の宗教学校に通う16〜19歳で、12日夜以降、行方不明に。ハマスは関与を否定している。イスラエル軍は捜索範囲をヨルダン川西岸ナブルスやジェニンにも拡大し、これまでに371人を逮捕した。うち、282人はハマス関係者という。
一方、イスラエル軍とパレスチナ市民との衝突で、少なくともパレスチナ人の少年ら5人が死亡。ハマスが拠点とするパレスチナ自治区ガザからは事件後、ロケット弾26発が発射され、イスラエルは空爆で対抗している。
ハマスは今月2日、穏健派ファタハとともに暫定統一政府を樹立したばかり。米欧が統一政府を歓迎したのに対し、ハマスを「テロ組織」とみなすイスラエルは統一政府との和平交渉を拒み、孤立感を深めてきた。このため、パレスチナ・メディアは「イスラエルは事件をハマス弾圧に利用している」と批判している。
一方、ファタハを率いるアッバス議長が18日に捜査協力を約束すると、パレスチナ市民はこれに反発。各地でイスラエルやパレスチナの治安当局と衝突した。イスラエルは治安の悪化を懸念し、23日にはハマスの摘発作戦を縮小し、3人の捜索に集中する方針を決定した。
記者は18日、行方不明のエヤル・イフラーさん(19)が通っていたへブロンの宗教学校を訪ねた。寮で同室のオルト・ジャマンさん(19)は「週末に父親が誕生日を迎えるので自宅に帰ると楽しみにしていた。無事を祈るだけ」と言葉少なに語った。
一方、パレスチナ人の建築業、アクラム・カワスミさん(50)はイスラエル軍の「手荒な捜査」に怒りをあらわにした。15日午後9時過ぎ、イスラエル兵数百人が自宅を包囲し、長男(28)を「理由も告げずに」逮捕。突入時に玄関に仕掛けられた爆弾で、8歳の次男は重傷を負ったという。「私も息子もハマスとは関係がない。次男は血だらけのまま1時間半も放置された」。次男はその後イスラエルの病院に搬送され、腹部を12針も縫い、入院中という。
22日午前、西岸ラマラの中心部では、市民数百人がパレスチナの警官隊を相手に「(イスラエルの)協力者は去れ」とシュプレヒコールを上げた。同日未明、イスラエル軍はパレスチナ警察が見守るなか、一帯を捜索。これに怒った若者らがパレスチナ警察の交番を襲撃すると、イスラエル軍に1人が射殺された。大学生のマジト・アタミミさん(23)は「パレスチナ警察が市民を守れないことに悲しみといら立ちを覚える」と話した。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140625/amr14062500000001-n1.htm
米露、イラク情勢めぐり駆け引き 米はマリキ退陣工作を本格化 影響力拡大へ隙をうかがうプーチン
2014.6.25 00:00 (1/2ページ)[米国]
【ワシントン=加納宏幸】オバマ米政権は23日、イスラム教スンニ派過激組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」によるイラクでの攻勢に関し、シーア派主体のマリキ政権には宗派対立を収拾する力がないとみて「退陣工作」を本格化させた。だが、オバマ大統領がイラクで「包括的な民主体制」の確立を追求している隙に、ロシアのプーチン大統領は影響力拡大の機会を虎視眈々(たんたん)とうかがっている。
「イラクには新しい政府を形作る機会がある」。オバマ氏は23日、米MSNBCテレビの番組でマリキ首相の退陣を暗に促した。
イラクを電撃訪問したケリー国務長官も同日、バグダッドの米国大使館で記者団に「オバマ大統領がISILに対処するための決定を下したとしても、現首相や特定の宗派を支援するためではない」と述べた。
また、マリキ氏との会談で7月1日までに議会を開く確約を得たとし、「速やかに議長、大統領、首相を選ぶのがイラク指導者の義務だ」と踏み込んだ。
イラク滞在中、ケリー氏はスンニ派のヌジャイフィ国会議長ら、新政権作りのキーマンたちと会った。24日にはイラク北部アルビルでクルド自治政府のバルザニ議長と会談する。
しかし、ロシアは一連の米国主導の政権移行プランに横やりを入れた。露大統領府はプーチン氏がオバマ氏との電話協議で「マリキ氏支持」を明言したと発表したが、ホワイトハウスは発表文でも記者会見でもこのことに触れなかった。
ロシアはシーア派大国のイランと関係が深く、同派「勢力圏」のシリア・アサド政権に強い影響力を持っている。最近は、マリキ政権とも連携を強めており、米国がロシアにイラクへの働きかけを求めても不思議ではない状況にある。
だが、ケリー氏が一時、米国とイランの軍事協力を「排除しない」と述べながら即座に否定するなど、中東でのロシアの影響力拡大を警戒する米国の戦略は定まっていない。マリキ氏退陣に向けた働きかけは、オバマ氏が大規模な軍事介入を否定する中で編み出した苦肉の策といえる。
米外交評議会のレスリー・ゲルブ名誉会長は米ニュースサイト「デイリー・ビースト」で、「退陣工作」を「最悪は避けられるが、聖戦主義者を止める戦略にはならない」と論評。イラン、ロシア、シリアと一時的に軍事的・政治的に手を組んででもISILを押さえ込むよう求めた。
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http://mainichi.jp/select/news/20140626k0000e030222000c.html
リビア暫定議会選:世俗派とイスラム勢力、議席争い焦点
毎日新聞 2014年06月26日 11時44分
【カイロ秋山信一】リビアで25日、暫定議会選挙(定数200)が行われた。世俗派とイスラム勢力の議席争いが焦点。東部ベンガジを中心に世俗派武装組織とイスラム過激派組織との武力衝突が激化しており、選挙後に発足する暫定政府が治安改善を実現できる見通しはない。
選挙は新憲法策定を担う制憲議会が世俗派武装組織の圧力を受けて解散したことに伴うもので、新憲法成立までの間、暫定的に国会の役割を果たすとみられる。
東部では元軍将校のハフタル氏率いる世俗派武装組織と政府軍の一部が、イスラム過激派との衝突を続けており、投票が円滑に行われるかは不透明だ。また西部の少数民族ベルベル人は、民族の権利が保障されていないとして、選挙をボイコットした。
リビアでは2011年に内戦を経てカダフィ独裁政権が崩壊したが、反カダフィ派の武装解除が進まず、混乱が続いている。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140626/mds14062601210004-n1.htm
イラクのマリキ首相、退陣を拒否 連立交渉長期化も
2014.6.26 01:21 (1/2ページ)
イラクのマリキ首相(ゲッティ=共同)
【カイロ=大内清、ワシントン=青木伸行】イラクのマリキ首相は25日の演説で、イスラム教スンニ派過激組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」の攻勢に対抗するため「全政治勢力の和解」を訴えた。一方で、スンニ派勢力を中心に強まっているマリキ氏退陣論については、自身を排除した政権構想は「憲法へのクーデター」だとして明確に拒否。これにはスンニ派の反発も予想され、米国などが求める挙国一致政府に向けた連立交渉は長期化する恐れもある。
シーア派のマリキ氏をめぐっては、スンニ派を冷遇していることがISIL伸長の背景になっていると指摘され、同派のみならず、シーア派の一部や米政府内でも退陣論が取り沙汰されていると伝えられる。
ただ、マリキ氏の会派「法治国家連合」は4月の総選挙で最大勢力となっており、民主主義尊重を原則とする米国は、首相選びに直接は干渉しない姿勢だ。マリキ氏は、選挙での勝利という大義を盾に連立交渉を主導し、政権の維持を狙っているものとみられる。
一方、米国防総省は24日、イラクの首都バグダッドに同日、イラク政府軍を支援する米軍事顧問団の一部が到着し、政府軍との統合作戦センター設立などに着手したと発表した。
また、イラクを訪問したケリー米国務長官は24日、北部クルド人自治区アルビルで自治政府のバルザニ議長と会談し、挙国一致体制構築への協力を求めた。バルザニ氏は、ISILの攻勢ですでに「新たな現実と新たなイラク」が生まれていると指摘した。
クルドは今月、中央政府と支配権を争っていた北部の石油都市キルクークなどを掌握。バルザニ氏の発言の裏には、ISIL撃退後も見据え、自治政府の権益拡大の思惑がありそうだ。
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http://www.asahi.com/articles/ASG6T52W0G6TUHBI01L.html
着陸寸前の旅客機に銃撃、乗客1人死亡 パキスタン
イスラマバード=武石英史郎
2014年6月25日19時38分
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パキスタン北西部ペシャワルで24日夜、パキスタン航空の旅客機が国際空港に着陸寸前、地上から銃撃を受け、乗客1人が死亡、乗員2人が負傷した。旅客機はそのまま着陸した。同航空会社が明らかにした。
旅客機はサウジアラビア・リヤド発ペシャワル行きのエアバスA310型機で乗客・乗員178人が乗っていた。地上約90メートルの地点で銃撃を受け、うち1発が死亡した乗客の女性の頭に当たった。銃弾は自動小銃によるものとみられ、エンジン部分を含む機体全体に10発以上が命中した。
治安当局は銃撃があったとみられる空港近くの農村地帯を捜索したが、犯人は捕まっていない。犯行声明も出ていない。空港は数時間にわたり閉鎖された。
パキスタン軍は、アフガニスタン国境に近い部族地域で、武装勢力の拠点に対する空爆を続けている。ペシャワル空港は軍民共用で、空爆機の出撃拠点になっている。パキスタンでは今月8日、南部カラチの国際空港に武装勢力が侵入し、空港職員ら26人が死亡。空港の安全管理の不備が問題になっている。(イスラマバード=武石英史郎)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140626/amr14062621250011-n1.htm
【イラク情勢】
共通の敵に対抗 米、シリア、イラン「ねじれ現象」
2014.6.26 21:25 (1/2ページ)
【ワシントン=加納宏幸】イラクでのISILの攻勢を受け、米国、シリア、イランが共通の敵であるISILに対抗する「ねじれ現象」が生じている。米政府はシリアのアサド政権が化学兵器を使用したと非難。イランの核開発も安全保障上の脅威ととらえてきただけに、両国のイラク介入を強く牽制(けんせい)している。
ケリー米国務長官は25日、訪問先のブリュッセルで記者会見し、「真空を埋めようとする外部の力なしでイラクを守るには、新政府の樹立が急務だ」と語った。両国の過度のイラク介入にクギを刺すと同時に、同国のマリキ首相に対して暗に退陣を促した形だ。
イスラム教シーア派主体のマリキ政権に代え、スンニ派やクルド人との挙国一致政府を発足させれば、宗派対立に加担することなく支援を行うことができるというのが米政府の発想だ。
ただ、マリキ氏はこれに先立つ25日、退陣を明確に拒否。米国が新政権への移行を視野に入れているのに対し、マリキ氏はイランやロシアの支持で意を強くしているとみられる。
ケリー氏は26日、パリでサウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダンの外相と会談。27日にはサウジアラビアを訪れ、アブドラ国王と「共通の脅威であるISILへの対抗策や、シリアの穏健な反体制派への支援を話し合う」(ケリー氏)としている。
3カ国はいずれもスンニ派が中心で、オバマ氏が掲げる「国際協調主義」に基づき、イラク政府に外交圧力をかける狙いがあるとみられる。
一方、米議会からは「シリアのISILを空爆して指導者に損害を与えれば、イラク情勢も変わる」(共和党のグラハム上院議員)との強硬論も出てきた。
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http://mainichi.jp/select/news/20140629k0000m030073000c.html
イラク:ISILが戦線拡大 国境検問所や油田を制圧
毎日新聞 2014年06月28日 22時14分
【カイロ秋山信一】イラクで大規模侵攻を続けるイスラム過激派組織イラク・レバント・イスラム国(ISIL)主導のスンニ派武装勢力は28日までに、北部や西部全域に戦線を拡大した。首都バグダッドをけん制しながら、シリアとの国境検問所や油田を次々と制圧するISILに対し、政府側は主要都市を奪還できず、防戦に追われている。
イラクからの報道によると、ISILがバグダッドの北約60キロのバクバ近郊まで迫る中、政府側はシーア派民兵の支援を受けて態勢を立て直し、バクバの攻防は足踏み状態となった。バグダッドの住民によると、一時は首都攻防戦も間近との緊迫感が高まったが、現在は落ち着きを取り戻しつつあるという。
だが、ISIL側はその間も西部カイムのシリア国境検問所や北部アジールの油田などを制圧し、幹線道路や重要インフラを押さえた。政権転覆は後回しにして、イラク北部からシリア東部にかけての支配確立を当面の目標とする戦略がうかがえる。
政府側は27日もティクリートを空爆するなど抗戦を強め、北部バイジにあるイラク最大規模の製油所も死守している模様だ。だがどの地域でもISIL側を後退させるには至っておらず、大きな戦果は上がっていない。
イラクでは来月1日、4月の連邦議会選挙を受けた新議会が招集され、次期政権の連立交渉が本格化する。政治指導者らが宗派・民族の枠を超えて、「対ISIL」で結束できるかが反転攻勢の鍵になりそうだ。
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http://mainichi.jp/select/news/20140629k0000m030087000c.html
イラク:政府軍、北部で反撃 ISIL激しく抵抗
毎日新聞 2014年06月28日 23時19分
【カイロ秋山信一】イラク軍は28日、イスラム過激派組織イラク・レバント・イスラム国(ISIL)主導のスンニ派武装勢力が制圧する北部ティクリートに地上軍を進攻させた。国営テレビなどが報じた。防戦一方だった政府軍が巻き返しに出た格好だが、ISIL側も激しく抵抗している模様だ。
イラクからの報道によると、ティクリートは11日にISIL側が掌握した。政府軍は空爆で反撃していたが、28日に中部サマラから戦車部隊を含む地上軍を進攻させた。政府側は「武装勢力120人を殺害し、ティクリートを奪還した」と主張しているが、戦闘は続いている模様だ。ISIL側が占拠する北部モスルでも政府側の空爆が続いている。
一方、バグダッドの北約60キロのバクバ近郊での攻防は、政府軍がシーア派民兵の支援を受けて態勢を立て直し、足踏み状態となっている。バグダッドの住民によると、一時は首都攻防戦も間近との緊迫感が高まったが、現在は落ち着きを取り戻しつつあるという。
だが、ISIL側はその間も西部カイムのシリア国境検問所や北部アジールの油田など重要インフラを制圧。政権転覆は後回しにしてイラク北部からシリア東部にかけての支配確立を当面の目標とする戦略がうかがえる。
イラクでは来月1日、4月の連邦議会選挙を受けた新議会が招集されるのを前に、次期政権の連立交渉が本格化。宗派・民族の枠を超えて「対ISIL」で結束できるかが反転攻勢の鍵になりそうだ。
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http://www.cnn.co.jp/world/35050096.html
パキスタンでまた「名誉殺人」、新婦の家族が自首
2014.06.29 Sun posted at 15:32 JST
(CNN) パキスタン北東部パンジャブ州の警察は28日、18歳の娘の結婚に反対する父と複数のおじが娘と新郎(26)をおびき出し、首を切断するなどして殺害する事件が起きたと報告した。2人は今月18日に反対を押し切って結婚したばかりだった。
パキスタン内で多発する、結婚問題などで家族の意向に応じない女性が殺害される「名誉殺人」の新たな事件となっている。
犯行の現場は同州サトラ村で、新婚カップルは縛られて、殺害されていた。犯行の目撃者などはいなかったが、女性の家族が警察に自首し、投獄された。
国連によると、名誉殺人の犠牲者は毎年約5000人に達する。しかし、女性の権利擁護団体などは実際の数字はより多数と見ている。パキスタンでは地方部での発生が多く、昨年の犠牲者数は869人とされる。同国では名誉殺人は家族の内輪の問題と受け止められ、警官を含め干渉しない事例も再三あるという。
パキスタン北部ハフィザバード市では今月初旬、18歳女性が望む結婚に反対する家族が女性を銃撃した上、袋詰めにして運河に投げ捨てる事件が発生。一命を取り留めた女性は、撃ったのは父と兄弟と証言していた。
また、ラホールでは先月、家族の意に添わない男性と結婚、妊娠していた25歳女性が、約20人に襲われ、レンガなどを投げ付けられて殺される事件も起きていた。20人には女性の家族も含まれていた。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014062800274
首都北方奪還で地上戦=首相選出に向け協議始まる−イラク
【アルビル(イラク)時事】イラクでイスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国」が勢力を拡大する中、政府軍は28日、首都バグダッド北方の要衝ティクリートの奪還に向け大規模な地上戦に突入した。中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(電子版)が伝えた。「イスラム国」が拠点化を狙うティクリート大学の周辺などで激しい戦闘が繰り広げられたもようだ。
フセイン元大統領(スンニ派)の故郷としても知られるティクリートは、「イスラム国」が11日に掌握。政府軍は26日、ヘリコプターで空挺(くうてい)部隊を投入するなどして、巻き返しに出た。軍側は大学を奪還したと発表する一方、過激派側も撃退に成功したと主張している。アルジャジーラによると、軍部隊はティクリート南のサマラから進攻しているという。
軍事行動に加え、政治解決に向けた話し合いも始まった。イラクのシーア派の最高権威シスタニ師が27日、7月1日の議会招集前に各政治勢力が次期大統領、首相、議長について合意するよう呼び掛け、挙国一致政権の早期発足を促した。
ロイター通信によると、週末にマリキ首相が率いるシーア派会派「法治国家連合」を含む与党連合でも候補者の協議が行われる予定という。国内外から退陣圧力が強まっているマリキ首相以外の人物を求める声が強いが、シーア派議員の一人は「首相については、デッドヒートが展開されるだろう」と予想。早期の選出は困難を極めるとみられる。(2014/06/28-21:28)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014061802000240.html
W杯より信仰? 「イスラム国」ラマダン中は停電
2014年6月18日 夕刊
【カイロ=中村禎一郎】シリアの反体制派活動家によると、イラクで政府軍と戦闘を続けるイスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国」は、二十九日から始まるラマダン(断食月)の期間中、シリアの掌握地ラッカで電気を完全に止めることを決めた。エジプトのアルマスリ・アルヨウム紙が十七日に報じた。
ラマダンはイスラム教徒が夜明けから日没まで食事と水を取らず、イスラム教への信仰心を深める神聖な期間。ブラジルで開催中のサッカー・ワールドカップ(W杯)は二十九日から決勝トーナメントに入る。W杯とラマダンが重なることも問題となったようだ。
アルヨウム紙によると、「イスラム国」は「ラマダンは神のことを考え、祈る期間なのに、夜に娯楽番組を楽しむ期間になってしまっており、意義を台無しにしている」とテレビを問題視している。
「イスラム国」は期間中、自家発電が使われていないかパトロールする。病院とパン店は例外という。「イスラム国」は支配地でイスラム法(シャリア)を厳格に適用し、過激派の中でも最強硬派とされている。
http://www.afpbb.com/articles/-/3019126
アジア各国でラマダン入り、W杯熱への影響は?
2014年06月29日 18:40 発信地:ジャカルタ/インドネシア
【6月29日 AFP】アジアに住む大半のイスラム教徒は29日、ラマダン(断食月)に入った。インドネシアではイスラム強硬派が、アルコール飲料を提供する「罪深い」バーなどを襲撃すると脅したが、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)を観戦しようとナイトスポットに向かうサッカーファンの足を止めることはできなかった。
世界中の敬虔(けいけん)なムスリム(イスラム教徒)はラマダンの期間中、夜明けから日没まで飲食を絶ち、信仰心をさらに高めようと努める。アジアでは約2億2500万人の世界最多のムスリム人口を擁するインドネシアや紛争が続くアフガニスタンのほか、マレーシア、スリランカ、フィリピンなどでラマダンが始まった。ラマダンが終わると、断食明けを祝う「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」が待っている。
インドネシアのイスラム強硬派は、イスラム法によってムスリムは飲んではならないとされているアルコール飲料を販売したり、深夜まで営業を続けたりしているバーなどを襲撃すると宣言。当局は夜間営業する飲食店などに対し、ラマダン中は通常より早く閉店するよう指示した。
しかし、国民の大半が穏健なイスラム教徒で熱狂的なサッカーファンが多いインドネシアでは、多くの人が最新の試合を見ようとナイトスポットに足を運んだ。28日深夜から29日未明まで営業を続けたジャカルタ(Jakarta)のバーは地元の住民や外国人駐在員であふれていた。
先の読めない展開が続いたブラジル対チリ戦を南米料理のレストランバーで観戦した22歳の学生は、「断食しても、W杯の試合を見ようという僕の情熱は変わらないよ」と話した。(c)AFP/Stefanus Ian
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http://mainichi.jp/sports/news/20140628k0000e050180000c.html
ブラジルW杯:28日から断食月 選手「する」「しない」
毎日新聞 2014年06月28日 11時15分(最終更新 06月28日 12時31分)
【ベルリン篠田航一】28日から約1カ月間のイスラム教のラマダン(断食月)に際し、サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会で決勝トーナメント進出を決めたドイツのMFで、トルコ系のイスラム教徒メスト・エジル選手(25)が「今年は断食しない。私には仕事がある」と宣言した。DPA通信などが伝えた。ドイツはラマダン入りした30日(日本時間7月1日)にアルジェリアと対戦するが、日の出から日没までの飲食を控える断食は体力的ダメージが大きいと判断したとみられる。
一方、対戦相手のアルジェリアはイスラム教国で、主将マジド・ブゲラ選手(31)は「体調を考慮して決めるが、私はおそらく断食する」と話しており、選手によって対応は分かれる見通しだ。チーム内にイスラム教徒がいるスイスのヒッツフェルト監督は「わがチームは誰も断食しない」と明言している。
2012年のロンドン五輪の際も、競技期間がラマダンと重なり、断食しながら競技に臨む選手や、五輪後まで断食を「延期」する選手など対応が分かれた。旅行中の人や乳幼児、高齢者、病人、妊婦らは断食を免除されており、W杯は「旅行中」に該当するとの考え方もあるという。国際サッカー連盟(FIFA)のドホーヘ主任医師はDPA通信に「選手の宗教的信念には敬意を表するが、医療的見地からいえば、定期的な栄養補給が望ましい」と述べている。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140630-00000012-jij-m_est
過激派、イスラム国家樹立を宣言=シリア北部からイラク中部
時事通信 6月30日(月)6時15分配信
【アルビル(イラク)時事】イラクとシリアの国境をまたいで活動するイスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国」は29日、声明を出し、「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」を頂点とするイスラム国家を樹立すると宣言した。
声明では、指導者アブバクル・バグダディ容疑者を「カリフ」に指名し、シリア北部のアレッポからイラク中部のディヤラ州までを国家の範囲にすると指摘。今後は正式名称を「イスラム国」にすると述べた。また、世界の全イスラム教徒がバグダディ容疑者に忠誠を誓わねばならないと主張した。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140630/mds14063021110002-n1.htm
ISIL、国家樹立を宣言 「カリフ」を自称、イスラム反発へ
2014.6.30 21:11 (1/2ページ)
6月29日、イラク北部ラッカで、銃とISILの旗を掲げるメンバー(ロイター)
【カイロ=大内清】イラクで攻勢を続けるイスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」は6月29日、ネット上に声明を出し、指導者のアブバクル・バグダディ容疑者を、イスラム共同体の指導者「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」として奉じるイスラム国家の樹立を宣言した。シリア北部アレッポ周辺からイラク中部ディヤラ県までの一帯を現時点の「領土」と位置づけており、地域情勢の混迷に拍車がかかるのは必至だ。
声明は、「カリフに忠誠を誓うのはイスラム教徒の義務だ」として、全イスラム教徒にイスラム国家拡大のためのジハード(聖戦)への参加を要求。また、組織名から「イラク・レバント」を外して「イスラム国」と名乗ると発表した。イラク、シリア地方のみならず、最終的にすべてのイスラム世界の支配を目指す野心のあらわれといえる。
スンニ派世界でカリフの称号は、オスマン帝国解体後の1924年にカリフ制が廃止されて以降、「空位」の状態とされてきた。
声明が出された29日はイスラム教のラマダン(断食月)初日であることから、イスラム国には、信仰心が高揚するこの時期にカリフ復活を宣言することでイスラム教徒の心に訴えかける狙いがあるとみられる。
ただ、カリフはイスラム教徒にとり、精神面でも政治・軍事面でも最高の指導者と位置づけられる存在だ。宗教的権威とみなされていないバグダディ容疑者がカリフを自称することに対し、イスラム世界からの反発が予想される。
また、カリフを名乗ることは、聖戦主義勢力の代表格である国際テロ組織アルカーイダへの挑戦ともいえ、アルカーイダ系組織との抗争が激化する可能性もある。イスラム国は今年2月、アルカーイダ本体から絶縁されている。
一方、ロイター通信などによると、マリキ政権は30日、イスラム国が掌握する北部の主要都市ティクリートでの軍事作戦を続けており、政府軍がティクリート奪還に失敗すれば、国内外の聖戦主義勢力の間でイスラム国の名声が高まり、さらに多くの戦闘員の徴募が可能となる恐れがある。
イスラエルのネタニヤフ首相は29日、「イスラム国によって引き起こされた波は、短期間でヨルダンに届く恐れがある」と述べ、国際社会は対ヨルダン支援を強化すべきだと指摘した。
ネタニヤフ氏はまた、イラク北部の油田地帯キルクークの実効支配を強めるクルド自治政府の「独立」を支援すべきだとも主張した。同氏の主張は、クルドを含む挙国一致体制の構築を目指す米国の立場と対立する可能性がある。
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http://mainichi.jp/select/news/20140701k0000m030129000c.html
「イスラム国」:人権抑圧の懸念 ISILが建国宣言
毎日新聞 2014年06月30日 22時49分(最終更新 06月30日 23時23分)
ISILの活動が活発な地域
拡大写真 【カイロ秋山信一】イラクとシリアで勢力を拡大するイスラム過激派組織イラク・レバント・イスラム国(ISIL)が6月29日、イスラム法(シャリア)に基づく新国家「イスラム国」の建国を一方的に宣言した。国際的に認知される可能性はないが、過激派の共通目標である「イスラム国家樹立」を掲げることで、求心力を高める狙いがあるとみられる。支配地域の住民からは、イスラム法の厳格な適用を理由にした人権抑圧を恐れる声が広がっている。
「法廷を設置し、知事も任命した。今こそ(最高指導者の)『カリフ』を選び、イスラム共同体の義務を果たす時だ」。29日にインターネット上で発表されたISILの「建国宣言文」は、支配地域で独自の司法や行政が機能していることを根拠に「建国」を正当化した。「カリフ」にはISILの指導者バグダディ容疑者が就任。「すべてのイスラム教徒はカリフに忠誠を誓う義務がある」と主張し、組織名から地名を外した。
「従わない人間には厳罰で臨む。それが彼らのやり方だ」。昨年春にISILの支配が始まったシリア北部ラッカの大学生、ハサン・ラカウィさん(19)はそう証言する。ハサンさんによると、ISILは当初、女性にニカブ(目以外を覆う黒布)の着用を義務づけ、喫煙を禁止するなどの布告を出した。だがシリア反体制派との戦闘に追われ、刑罰までは科さず、市民の生活にも大きな影響はなかった。
だが昨年秋までに反体制派をほぼ撃退すると様相が変わった。市内のサッカー場が「イスラム法廷」に改変され、裁判や刑罰の執行だけでなく、結婚や出産の届け出など行政手続きもここで行われるようになった。独自の警察も組織され、飲酒や喫煙はむち打ち刑などの対象となった。敵対勢力のメンバーが公開処刑されることもある。女性は男性親族の付き添いなしで外出するだけで事情聴取される。ISILの支持者は「ラッカは以前より平穏になった」と自賛するが、ハサンさんは「活気がなくなっただけだ」と話す。
学校や病院も男女別となり、女性の就労先は女子校や女性用病院以外になくなった。個人への課税はないが、商店からは「売上税」が徴収される。ある商店主は「利益よりも徴収額が多いが、従うしかない」と証言する。市郊外の検問所では通行税や関税も課しているという。
. 実はハサンさん自身も「死刑判決」を宣告され、今年4月に家を離れた。ボランティアとして働いていたシリア赤新月社(赤十字社に相当)がISILに非協力的だとの理由だ。今はトルコ国境付近を転々としているハサンさんは「(ISILは)敵対するだけで背教者呼ばわりする。イスラム国などと名乗ってほしくない」と話した。
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>>246
http://www.afpbb.com/articles/-/3019288
不明のイスラエル3少年遺体で発見、首相は報復を宣言
2014年07月01日 07:16 発信地:ハルフル/イスラエル
【7月1日 AFP】イスラエルは6月30日、行方不明になっていた10代のイスラエル人3人を遺体で発見したと発表した。その上で、犯行に及んだのはイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)だと断じ、必ず代償を支払わせると宣言した。
ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は緊急閣議の冒頭で閣僚らに対し、「今夜3遺体を発見した。あらゆる証拠が3人の若い拉致被害者の遺体であることを示していた」と述べ、「責任はハマスにあり、ハマスは代償を支払うことになる」と断言した。これに対しハマス幹部は、イスラエルが報復行為に出れば「地獄の門」が開くことになると警告した。
17日前から行方が分からなくなっていた3人の遺体は、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のヘブロン(Hebron)近郊で見つかった。ヒッチハイクをしている姿が目撃された場所から10分ほど離れた場所だったという。
3人についてはこれまで大規模な捜索活動が行われ、その中でパレスチナ人5人が死亡、逮捕者は400人以上に上った。一方、ガザ地区(Gaza Strip)の武装勢力はイスラエル南部へのロケット攻撃を激化させ、イスラエル側もその報復としてほぼ毎晩空爆を行ってきた。
イスラエル側は3人を拉致したのはハマスだと主張し、ヨルダン川西岸におけるハマスの活動の摘発を強化していた。しかし今までのところ、ガザ地区にあるハマス拠点への攻撃には踏み切っていない。(c)AFP/Hazem Bader
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014070100991
エルドアン首相、大統領選出馬=来月に初の直接選挙−トルコ
トルコ与党、公正発展党(AKP)の会合で笑顔を見せるエルドアン首相=6月3日、アンカラ(AFP=時事) 【エルサレム時事】トルコのイスラム系与党、公正発展党(AKP)は1日、ギュル大統領の任期満了に伴い8月10日に行われる大統領選の候補としてエルドアン首相(60)を擁立すると発表した。初めて国民の直接選挙による大統領選となるが、最新の世論調査の結果によると、首相の優位は揺るがないとみられている。
エルドアン氏が率いるAKPは党規で、議員の連続4選を認めておらず、3期目の首相は2015年予定の次期総選挙には立候補できない。このため、「権力維持」を目指し、議員と兼務できない大統領へのくら替えは既定路線とされてきた。(2014/07/01-19:38)
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http://mainichi.jp/select/news/20140702k0000m030069000c.html
トルコ大統領選:与党AKP、エルドアン首相を擁立
毎日新聞 2014年07月01日 20時01分(最終更新 07月01日 20時04分)
トルコのエルドアン首相=ロイター
拡大写真 【エルサレム大治朋子】トルコの与党・公正発展党(AKP)は1日、任期満了に伴うトルコ大統領選(8月10日投票)の候補者にエルドアン首相を擁立すると発表した。野党有力2党は既にイスラム協力機構(OIC)の前事務局長、イフサンオウル氏を統一候補に決めている。地元メディアは、早くもエルドアン氏の優勢を伝えている。
トルコの大統領は前回まで国会(定数550)議員の投票で選出されたが、今回から初めて直接選挙になる。いずれの候補も過半数を獲得しなかった場合、8月24日に決選投票が行われる予定。
エルドアン氏は2003年に首相に就任し、3期連続の単独政権を達成した。党内規則でこれ以上続投できないため、大統領へくら替えするとみられている。儀礼的な大統領権限の大幅な強化を検討しているとも伝えられている。
エルドアン氏は「イスラム的価値観と民主主義を両立する中東唯一の政権」とアピールしているが、昨年5月に起きた最大都市イスタンブールでの反政権デモを強権的に鎮圧するなど「民主主義を軽視しイスラム化を強めている」との批判が根強い。
一方、イフサンオウル氏は、野党第1党の共和人民党(CHP)と第2党の民族主義者行動党(MHP)の統一候補。地元メディアによると、カイロ生まれでエジプトのアイン・シャムス大学理学部卒。学術研究を続け、05年から昨年までOIC事務局長を務めた。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014070200512
「クーデター」正当化=混乱収拾なお不透明−エジプト政変から1年
エジプトのモルシ前大統領=2013年1月、カイロ(AFP=時事) 【カイロ時事】エジプトで事実上の軍事クーデターが発生し、イスラム組織ムスリム同胞団出身のモルシ元大統領が失脚してから3日で1年。政変は、軍トップの国防相として主導したシシ氏が選挙を経て大統領に就任したことで、正当化される形となった。
しかし、シシ政権は、国内に多数の支持者を抱えたまま排除された同胞団との和解の糸口をつかめない状況が続き、政治混乱を収拾できるかどうかはなお不透明だ。
シシ大統領は6月26日、アフリカ連合(AU)首脳会議で「アフリカは国境の枠組みを超え、テロの脅威にさらされている」と強調し、各国の連携強化を訴えた。
実際、エジプトでは6月30日に大統領宮殿を狙った爆弾事件が起き、警官2人が死亡するなど不安定な情勢が続く。主に治安部隊を標的とした攻撃は政変後に急増し、この1年で警官や兵士約500人が殺害された。同胞団排除に反発する勢力が、国際テロ組織アルカイダなどの過激思想の影響を受けて犯行を繰り返しているとみられる。
このため、エジプトの長期的な安定には同胞団との和解が不可欠だ。しかし、シシ大統領は国民の「反同胞団」感情を高めて求心力を発揮してきただけに、和解の動きに出られないのが現状だ。
弾圧下にある同胞団側は、政変直後に比べて規模を縮小させながらも抗議行動を継続。政変1年となる3日も街頭デモを呼び掛けている。(2014/07/02-14:23)
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014070200670
暫定結果の公表延期=不正懸念で数え直し−アフガン大統領選
【ニューデリー時事】先月実施されたアフガニスタン大統領選挙の決選投票で、選挙管理委員会は2日に予定していた暫定結果の公表を延期すると発表した。大規模な不正が行われた疑いが浮上し、「透明性を確保するために票の数え直しが必要になった」と説明している。
アフガンでは今年末、国際部隊の任務完了を迎えるが、選挙をめぐる混乱で新大統領選出が遅れるのは必至。米軍の駐留継続を定める安全保障協定の調印も新政権誕生まで宙に浮いた状態で、国際社会から厳しい目が向けられている。(2014/07/02-16:30)
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http://www.afpbb.com/articles/-/3019410
イラク議会初招集、混乱し議長選出に至らず
2014年07月02日 07:07 発信地:バグダッド/イラク
【7月2日 AFP】イスラム教スンニ(Sunni)派武装勢力「イスラム国(Islamic State)」の猛攻が続くイラクで1日、今年4月の議会選挙後初めて議会が招集された。過激派の鎮圧のため新政権の早期樹立を求める声が高まっているにもかかわらず、議員らは審議半ばで議場を後にしたり、脅迫的発言をしたりして、議会初日は混乱のまま幕引きを余儀なくされた。
審議の緊張を緩和するためいったん休憩時間を設けたところ、スンニ派とクルド人の議員の多くが議場に戻らず、残った議員だけでは定足数に届かなくなった。このため議長選出には至らず、この日の議会は混乱のうちに閉会となった。
イスラム武装勢力が5州の広い範囲を掌握する中、ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相が目指す3選は実現するどころか、宗派間対立をあおり権力を独占しているという以前からの批判が膨らむ一方となっている。
世界各国の首脳陣が警戒を強めるこの危機で、数十万人が家を追われ、シーア(Shiite)派、スンニ派、クルド人に3極化する傾向はますます強まり、その分裂はこの日の議会初日にも表れていた。
現行の取り決めで、首相にはシーア派アラブ人、議長にはスンニ派アラブ人、大統領にはクルド人がそれぞれ選ばれることになっており、この3職は相前後して選出されるのが通例。暫定議長を務めるマフディー・ハーフェズ(Mahdi Hafez)議員によると、もし各派の指導者らが人選で合意できれば、議会は8日に再招集される見通しだという。(c)AFP/Prashant RAO
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140703/mds14070309060002-n1.htm
マリキ降ろし「本命」不在 議会初日は大混乱、国家分裂の危機
2014.7.3 09:06 (1/2ページ)
1日、バグダッドで初招集された国民議会に出席し、議論を交わす議員ら(AP)
【カイロ=大内清】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の攻勢にさらされるイラクで、次期政権を担う首相選びが不透明感を増している。北部クルド自治政府のバルザニ議長が1日、自治区の独立の是非を問う住民投票を数カ月以内に行うと表明するなど国家分裂の危機が高まる中、スンニ派や一部シーア派勢力は「マリキ首相降ろし」の動きを強めているが、マリキ氏に代わる“本命”は浮上していない。
首相などの主要ポストを選ぶ国民議会が初招集された1日、議場にはシーア派、スンニ派、クルド各勢力の怒号が飛び交った。多数の議員が退席し、議長さえ決まらぬまま散会した。
イラクでは、多数派のシーア派が国政の実権を持つ首相に、クルドが名目的元首の大統領に、スンニ派が国会議長に就くのが慣例。イスラム国の台頭で各勢力の利害関係が複雑化する中、合意形成の難しさが改めて浮き彫りとなった。
「(政権作りは)憲法に従って行われるべきだ」。マリキ氏は先月25日の演説などでこう強調してきた。4月の総選挙で勝利したシーア派会派「法治国家連合」を率いる自身にこそ、正統性があるとの主張だ。
これに対し、マリキ氏の過度なシーア派優遇がイスラム国の台頭を招いたとするスンニ派は同氏の退陣を要求。シーア派内でもマリキ氏と対立するサドル師派などは批判を強めている。イラクに軍事顧問団を派遣した米国や、イラクに強い影響力を持つイランでも首相交代論が高まっているとされ、マリキ氏は孤立を深めている状況だ。
ただ、有力な首相候補はなおも不在だ。イランに近いハキム師の会派に属するアブドルマハディ元副大統領やジャビル元財務相、チャラビ元副首相らの名前が挙がっているが、ハキム師派の議席は法治国家連合の約3分の1にとどまり、政権運営は難航が予想される。
2003年のイラク戦争後に移行政府首相を務めたジャアファリ氏のほか、マリキ氏の側近とされるナジム氏やファイヤード首相補佐官、マリキ政権の重鎮であるシャハリスタニ副首相らを推す声もある。ただ、マリキ氏に近い人物が政権を握った場合、同氏の影響力が残るとの見方もあり、反マリキ派の異論は強い。
10年12月に発足した第2次マリキ政権は総選挙から組閣まで9カ月半を要しており、今回の政権協議も長期化する可能性は高い。
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http://mainichi.jp/select/news/20140703k0000e030195000c.html
イラク首相:「スンニ派部族、恩赦も」武装勢力分断狙い
毎日新聞 2014年07月03日 12時06分
【カイロ秋山信一】イスラム過激派組織「イスラム国」主導のスンニ派武装勢力による侵攻が続くイラクで、シーア派を支持基盤とするマリキ首相は2日、国営テレビを通じて演説し、スンニ派部族に対して「殺害行為に関与していない場合には恩赦を与える」と述べ、武装勢力からの離脱を求めた。武装勢力は「反マリキ政権」では一致しているが、スンニ派部族やフセイン政権の残党はイスラム国家建設には賛同していない。首相の発言は武装勢力側の分断を狙ったものとみられる。
政府軍とイスラム国側の戦闘は2日も各地で続き、ロイター通信によると、北部シルカトでは政府軍の空爆によって女性や子供を含む11人が死亡した。政府軍が、円筒形の容器に爆薬や金属片を詰めた「たる爆弾」を使用しているとの情報もある。たる爆弾は命中率が低く、無差別に被害を拡大させる恐れが大きい。シリアのアサド政権が反体制派への攻撃で多用し、国際社会から非難を浴びている。
マリキ首相は2日の演説で「(スンニ派部族は)正気に戻るべきだ。武器を取って(イスラム国に対して)共に立ち上がるなら歓迎する」と呼びかけた。マリキ政権は、2006〜07年に宗派間対立が激化した際も、スンニ派部族を取り込んで、イスラム国の前身組織の弱体化に成功した経緯がある。ただ、その後のシーア派偏重の政権運営が、再びスンニ派の離反を招いただけに、部族側が政権と妥協する見通しは立っていない。
首相は、混乱に乗じて実効支配を拡大し、独立を目指す少数民族クルド人の動きにも言及し、「断じて容認できない」とけん制した。また反転攻勢に向けて、4月の連邦議会選挙に基づく次期政権の連立交渉を早期に妥結させたい考えも示したが、支持が低下している自身の進退については言及しなかった。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140703-00000089-mai-m_est
<エジプト>クーデターから1年 止まらぬテロ
毎日新聞 7月3日(木)20時53分配信
エジプトのシシ大統領=AP
【カイロ秋山信一】エジプトでモルシ前大統領が追放された軍事クーデターから3日で1年を迎えた。クーデターを主導したシシ氏が6月に大統領に就任したが、モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団との対立は今も続く。同胞団は3日、首都カイロや第2の都市アレクサンドリアでシシ政権に抗議するデモを展開。政府系メディアによると、治安部隊との衝突で、1人が死亡した。
同胞団は3日、クーデター後に座り込みの集会を行ったカイロ北東部のモスク周辺などでデモを行った。デモ隊の進路と予想されるタハリール広場や大統領宮殿の周辺には、戦車や装甲車が配備され、治安部隊は無許可デモを禁止するデモ規制法に基づき、デモ隊を強制排除する構えだ。
カイロでは、同胞団に同情的なイスラム過激派によるとみられるテロも頻発している。6月25日には通勤時間帯の地下鉄駅構内などで5件の爆発があり、市民が標的にされたことに動揺が広がった。30日には大統領宮殿近くで3件の爆発があり、保健省によると、警察官2人が死亡した。「絶対に報復する」。シシ氏は同日夕に緊急の声明を発表し、内務省に治安対策の強化を指示したが、3日もカイロで3件の爆発があった。
過去1年間で、治安部隊による攻撃などで同胞団支持者ら1000人以上が死亡、1万6000人以上が逮捕された。イスラム過激派に殺害された兵士や警察官も500人を超えた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140704/mds14070419130005-n1.htm
【イラク情勢】
シーア派同士が争い 統治揺らぎに拍車
2014.7.4 19:13 (1/2ページ)
3日、イラク中部カルバラで、シーア派聖職者サルヒ師を支持する民兵との衝突後、警戒にあたる治安部隊員ら(ロイター)
3日、イラク中部カルバラで、シーア派聖職者サルヒ師を支持する民兵との衝突後、警戒にあたる治安部隊員ら(ロイター)
【カイロ=大内清】イスラム教スンニ派過激組織とシーア派主導の政府側との戦闘が続くイラクで、シーア派同士の争いが顕在化し始めている。ロイター通信などによると、1日から2日にかけ、中部のシーア派聖地カルバラで、シーア派聖職者サルヒ師を支持する民兵と、政府の治安部隊が衝突し45人が死亡した。シーア派内の分裂は、イラク統治の揺らぎに拍車をかけている。
イラクでは、6月にスンニ派過激組織「イスラム国」が国内で攻勢を拡大させて以降、シーア派最高権威のシスタニ師が国民から志願兵を募ったり、スンニ派やクルドを含む各政治勢力に団結を呼びかける声明を相次いで発表。これに対しサルヒ師は最近、ネット上で反対を表明した。
シスタニ師派との関係が緊張する中、サルヒ師派民兵は1日、カルバラ市内の道路を封鎖、治安部隊がサルヒ師逮捕に乗り出して戦闘となった。同師は戦闘中に自宅から逃れたという。
サルヒ師は、シーア派の隣国イランでとられている政治体制「ベラーヤテ・ファギーフ(イスラム法学者の統治)」をイラクで実現することを目指しているとされる一方、イランからの政治的影響力の排除を主張。イラン生まれで同国と近い関係にあるシスタニ師には以前から批判的で、過去にも双方の民兵が衝突する事件などが起きていた。
イラクでは先月、イスラム国が「カリフ制国家」樹立を宣言したほか、北部クルド自治政府も独立に向けた住民投票を実施すると表明し、国の枠組みが大きく揺らいだ状態にある。
こうした時期にサルヒ師が、多くのシーア派信徒から尊敬を集めるシスタニ師の権威に公然と挑戦する行動に出たのは、混乱の中で自身の影響力を拡大させる狙いがあるためだ。
一方でシーア派内では、過度な自宗派優先と強権的な政権運営がイスラム国台頭を招いたと批判されるマリキ首相に退陣を迫る動きが広がっている。ただ、後任選びはシーア派勢力同士の主導権争いなどから難航も予想されており、早期に足並みをそろえられるかは不透明だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014070402000115.html
エジプト軍クーデター1年 道険しい治安回復
2014年7月4日 朝刊
「軍政下では民主的な決定はできない」と話すハドルディーン氏
写真
【カイロ=中村禎一郎】エジプト軍による事実上のクーデターから三日で一年が経過した。主導者のシシ前軍最高評議会議長は六月に大統領に就任。治安と経済の回復を最優先課題に掲げるが、道のりは険しそうだ。
シシ氏は前モルシ政権を支えたイスラム主義組織ムスリム同胞団をテロと結びつけ、抑圧する方針を示す。しかし、同胞団メンバーや支持者は人口八千百万人のうち千五百万〜二千万人に上るとみられている。
シシ氏が実績を残すには、強固な政権基盤が不可欠だが、同胞団との融和を図らなければその実現は難しい。同胞団側も対抗姿勢を崩しておらず、三日のデモを呼び掛けた。
軍政の旧ムバラク政権は二〇一一年、若者らが民主化を求めたいわゆる「アラブの春」により退陣。翌年六月、選挙でモルシ政権が誕生した。しかし、イスラム化を強く進める政策に反発が強まり、反政府デモが拡大。モルシ政権は最終的にクーデターで崩壊した。
◆軍政に反発「革命続ける」
「権力を欲して軍がクーデターを起こした」と話すファハガ氏
写真
エジプト軍主導による事実上のクーデターから一年が経過するのにあたり、政府の弾圧を逃れてカタールのドーハに滞在するムスリム同胞団の幹部二人が本紙のインタビューに応じた。エジプトの元国会議員アシュラフ・ハドルディーン氏は「われわれはエジプトで本当の革命を続ける」と、シシ政権に反発。同胞団の青年代表アリ・ファハガ氏も「クーデターは軍が権力を欲した結果」と批判した。 (中村禎一郎、写真も)
ハドルディーン氏は「シシ氏自身が問題なのではない。問題はシシ氏を操る軍だ。軍政が続く中では、決して民主的な決定はできない」と指摘。シシ氏がモルシ政権で防衛相に就いたことには、「エジプトでは軍が多くの工場を持ち、経済さえも牛耳っている。『従業員に給与を払わない』と言われたらどうするのか。そんな中で、軍が指名してきたシシ氏を外すわけにいかなかった」と解説した。
テロとの関係については、「同胞団は基本的に暴力を否定している」と説明。「テロの不安をあおることによって誰が利益を得るのか考えてほしい」として、テロが同胞団への批判を高めるための道具に使われたとの考えを示した。
一方、ファハガ氏は「クーデターの時を含め、これまでに五千人以上が殺され、二万五千人以上が投獄された。シシ政権と相いれることはない」と強調。「エジプト国内の若者らと協力し、さらに抗議活動を進める」と述べた。
ただ、モルシ前大統領時代の政権運営については、意見が分かれた。ハドルディーン氏が「軍がメディアを使って同胞団の印象を悪化させる作戦を取った。運営に間違いがあったわけではない」と説明したのに対し、ファハガ氏は「われわれには経験がなかった。それなのに大統領選に候補を立てた。経験を積むために次の選挙まで待つべきだった」と振り返った。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140705/mds14070521330006-n1.htm
少年殺害「憎悪の連鎖」 イスラエルとパレスチナ、武力の応酬に発展
2014.7.5 21:33 (1/2ページ)
4日、パレスチナ人少年の葬儀でイスラエル治安部隊と衝突し、投石するパレスチナ人=東エルサレム近郊(ロイター=共同)
4日、パレスチナ人少年の葬儀でイスラエル治安部隊と衝突し、投石するパレスチナ人=東エルサレム近郊(ロイター=共同)
【カイロ=大内清】イスラエルとパレスチナの間で「憎悪の連鎖」が続いている。イスラエル人少年3人がパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のヘブロン近郊で殺害されたのに続き、報復とみられる形でパレスチナ人少年が殺害された。これを発端にイスラエル治安部隊とパレスチナ住民の衝突が各地で相次ぎ、イスラム原理主義組織ハマスが支配するガザ地区ではイスラエル軍が空爆で、武装勢力がロケット弾攻撃で応酬する事態となっている。
パレスチナ人少年の葬儀が行われた東エルサレムでは4日、参列者らが「インティファーダ(対イスラエル抵抗運動)」を叫んでイスラエルの警官隊と衝突、双方に計70人超の負傷者が出た。
ロイター通信などによると、少年は1日夜から2日にかけてイスラエルの極右勢力に拉致され、火をつけられ殺害されたとみられる。イスラエル政府は捜査を約束、パレスチナ自治政府は暴力回避を呼びかけているが、事態沈静化の見通しは立っていない。
これに先立ち、1日に行われたイスラエル人少年3人の葬儀にはイスラエル人数万人が参列し、一部が「アラブ人に死を」などと叫ぶ場面もあった。
ガザではここ1週間、散発的ながら空爆とロケット弾攻撃による衝突が続いている。イスラエルとハマス側の双方とも、大規模戦闘に発展するのは避けたいものとみられ、ガザに隣接しイスラエルとも国交があるエジプトによる仲介を模索しているとされる。
ただ、発端となった少年3人の殺害をめぐり、イスラエルのネタニヤフ首相がハマスの犯行と断定したのに対し、ハマスは関与を認めていない。双方とも相手の攻撃停止が先だと主張しており、安易に譲歩できない状態だ。
イスラエルとパレスチナの和平交渉は4月、期限切れを迎えて頓挫。6月には分裂状態にあったパレスチナ主流派ファタハとハマスの双方が認める暫定統一政府が発足し、ネタニヤフ氏は交渉拒否を決定した。一連の事件はこうした中で起きただけに、相互不信を増幅させている。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140705/mds14070519430005-n1.htm
【イラク情勢】
過激派組織「イスラム国」指導者重傷か 軍空爆受けシリア側へ
2014.7.5 23:14
イラク中部ディヤラ州で、過激派「イスラム国」との戦闘のため武器を持つイラク軍兵士ら=3日(ロイター=共同)
イラク中部ディヤラ州で、過激派「イスラム国」との戦闘のため武器を持つイラク軍兵士ら=3日(ロイター=共同)
イラクの一部メディアは5日、イラク中西部アンバル州カイムのシリア国境近くで同日までにイラク軍による空爆があり、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」指導者のバグダディ容疑者が負傷したと報じた。イスラム国はこの報道を確認しておらず真偽は不明。
報道では、空爆があったのは4日で、他のイスラム国メンバーにも死傷者が出たという。バグダディ容疑者は重傷を負い、シリア側に逃れたとしている。イスラム国は6月下旬、カイムの国境検問所を制圧した。
一方、イスラム国は5日、短文投稿サイトのツイッターで、シリア東部デリゾール県の「全ての油田を制圧した」と表明した。
フランス公共ラジオによると、イスラム教スンニ派の宗教権威カラダウィ師は5日、イスラム国による政教一致国家の樹立宣言を「無効だ」と非難した。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20140706k0000m030054000c.html
イラク:マリキ首相続投に意欲、連立交渉さらに難航
毎日新聞 2014年07月05日 20時05分
【カイロ秋山信一】イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」の侵攻が続くイラクで、シーア派のマリキ首相が4日、続投に改めて意欲を示した。「シーア派偏重」と首相を批判するスンニ派や少数民族クルド人の反発は必至で、次期政権の連立交渉はさらに難航しそうだ。挙国一致体制の樹立が遠のき、米国が早期に本格的な軍事支援に踏み切る可能性も低下。イラク情勢は混迷の一途をたどっている。
「退陣はテロリストに弱みを見せるだけだ」。マリキ首相は4日の声明でこう主張し、留任に強い意欲を見せた。国内外で高まる退陣論に対しても「混乱に乗じて権力を握ろうとする勢力の陰謀だ」と反発した。3日には政敵であるスンニ派のナジャフィ連邦議会前議長が、次期議長に立候補しないと表明。引き換えに首相の退陣を促したが、マリキ氏は改めて首相の座に固執する姿勢を示した。
首相が強気なのは、自身の党派が4月の連邦議会選挙(定数328)で最多の92議席を獲得したからだ。憲法の規定では、首相は原則として最大会派から選ばれる。イラクメディアによると、次期政権の連立協議ではマリキ氏の側近を首相に擁立する妥協案も出ているが、調整は難航している。マリキ氏は強硬姿勢を貫くことで、混乱収拾を急ぎたい反マリキ派を揺さぶり、首相留任につなげたい思惑があるとみられる。
ただ連立交渉が長引き、マリキ体制が続いた場合、戦況を好転させるのは難しいとみられる。ロイター通信によると、米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は3日、「イラク軍単独で占領地域を奪還するのは困難」との見通しを示した。「イスラム国」に協力するスンニ派部族などは、マリキ氏に強く反発しており、政府側に取り込むのは困難だ。米国も「挙国一致体制の確立」を強く求めており、マリキ首相が居座るうちは本格的な軍事支援には乗り出さない可能性が高い。
混乱収拾の見通しがつかない中、マリキ氏の命運の鍵を握りそうなのが、後ろ盾であるシーア派国家イランだ。イランは、シーア派を敵視するイスラム国の勢力拡大を警戒しており、政治指導者間の仲裁に乗り出す可能性がある。またイランが別のシーア派指導者の首相擁立を模索しているとの報道もある。
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http://mainichi.jp/select/news/20140706k0000m030088000c.html
第一次大戦100年:国境線の矛盾噴出
毎日新聞 2014年07月05日 22時48分(最終更新 07月06日 02時45分)
第一次世界大戦後の英仏による中東分割
第一次世界大戦後の英仏による中東分割
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【カイロ秋山信一】紛争が続くシリアやイラクで、第一次世界大戦後に英仏露が、民族や宗派の分布を無視して人工的に引いた国境線の矛盾が1世紀の時を超えて噴出している。イラクで侵攻を続けるイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」は国境線を無視し、両国をまたいだ形で新国家を建設することを一方的に宣言。少数民族クルド人も独立に向けた動きを強めている。
第一次世界大戦中に英仏露がオスマン・トルコ帝国の領土の分割方法を決めた「サイクス・ピコ協定」に基づき、現在の国境線の原形が生まれた。「イスラム国」が一方的に建国宣言した6月29日、インターネットの動画投稿サイト・ユーチューブに、約15分間のビデオが公開された。「サイクス・ピコの終えん」と題された映像で、「イスラム国」の戦闘員を名乗る男がシリア・イラク国境線をまたぐように立って「サイクス・ピコを破壊した」と宣言。男は「ヨルダンでもレバノンでも境界を破壊する」と述べ、侵攻拡大を警告した。
「イスラム国」が、英仏から押しつけられた国境線を否定するのは、自らを「欧米列強支配からの解放者」と位置付け、イスラム教徒の歓心を買う狙いがある。また、イラク北部からシリア東部に至るイスラム国の実効支配地域は、同じスンニ派部族が国境をまたいで生活しており、住民にも一体化することへの抵抗感は少ないとみられる。
もう一つ、新たな国境をつくろうとしている勢力がクルド人だ。オスマン帝国の支配から解放された後も独自の国家を持てず、英仏の都合で、トルコ、シリア、イラク、イランなどに分断された。どの国でも少数民族として扱われ、政権側による弾圧を何度も経験した。
だが2012年夏にシリアで内戦が本格化すると、クルド人武装勢力が北東部で実効支配を拡大した。さらに今年6月にはイラクのクルド自治政府が「イスラム国」の大規模侵攻に乗じて、自治区外の油田地帯キルクークなどに進出。「クルド独立」に向けた住民投票を行う計画もある。
イラクでは南部に多いシーア派と北部に多いスンニ派の宗派間対立も激化。国家が三分裂する可能性も浮上している。
【ことば】サイクス・ピコ協定
第一次世界大戦中の1916年5月、英国、フランス、ロシアが、オスマン・トルコ帝国の領土の分割方法を決めた秘密協定。大戦後はフランスが現在のシリアとレバノン、英国がイラクやヨルダン、パレスチナなどを領有し、ほぼ協定通りとなった。名称は協定の原案を作成した英仏の外交官の名前に由来する。
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誰がカリフをするの?
武装勢力「イスラム国」、シリアの全主要油田を制圧
2014年07月05日 17:57 発信地:ベイルート/レバノン
http://www.afpbb.com/articles/-/3019766?ctm_campaign=must_read
武装勢力「イスラム国」、シリアの全主要油田を制圧 ×イスラム武装勢力系のal-Itisam Mediaが公開した、イラク・ニナワ(Nineveh)州とシリア・ハサカ(Hasakah)県の間に位置する非公開の場所で会談したグルジア出身の「イスラム国(Islamic State)」のアブ・オマル・シシャニ(Abu Omar al-Shishani)司令官(中央左)と、身の安全のため顔がぼかされたISIL(当時)の幹部アブ・ムハンマド・アドナニ(Abu Mohammed al-Adnani)氏(中央右)とされる人物(撮影日不明、2014年6月29日公開、資料写真)。(c)AFP/HO/Al-Itisam Media 写真写真拡大をみる 写真購入のお問合せはこちら
【7月5日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)武装勢力「イスラム国(Islamic State、IS)」が、イラクと国境を接するシリア・デリゾール(Deir Ezzor)県で、シリアの主要な油田とガス田を全て制圧した。英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が4日、明らかにした。
ISは3日夜、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)やその他シリアの反政府武装勢力が撤退したことを受け、同県東部の砂漠地域にあるタナク(Tanak)油田を制圧した。
ISはこれに先立つ同日、デリゾール県にあるシリア最大のオマル(Al-Omar)油田も同様の形で制圧していた。
戦闘を放棄したイラク軍部隊が残した重火器を奪って兵力を増したISは、シリアの石油資源の相当部分を占めるデリゾール県で、都市部を除くほぼ全域を支配下に置いたことになる。ISは先月末、シリアとイラクで制圧した地域に、カリフ統治領を樹立すると宣言した。(c)AFP
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140706/asi14070611590001-n1.htm
燃料輸送車数百台が炎上 アフガンでタリバンが襲撃、大統領選後も妨害激化
2014.7.6 11:59
炎上する燃料輸送トラック=5日、カブール郊外(ロイター)
ロイター通信などによると、アフガニスタンの首都カブール近郊で4日夜から5日にかけ、駐車していた燃料輸送トラック数百台が放火され、炎上した。死傷者数などは不明。
イスラム原理主義勢力タリバンは、北大西洋条約機構(NATO)部隊への燃料を補給するトラックを狙って襲撃したと犯行を認める声明を出した。アフガンでは7日に大統領選の決選投票の暫定結果が発表される予定で、選挙妨害を宣言しているタリバンが攻勢を強めている。
攻撃にはロケット砲が使われ、200〜400台が被害に遭ったとの報道もある。現地からのテレビ映像には、激しい炎が広がる様子や、黒焦げになったタンクローリーなどが映っていた。AP通信によると、運転手の1人(35)は「武装勢力が発砲し、トラックに火を付けた。車に戻ろうとした運転手が攻撃された」と話した。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20140708k0000m030061000c.html
イスラム国:バグダディ指導者 謎多き第2のビンラディン
毎日新聞 2014年07月07日 20時46分
【カイロ秋山信一】イラクとシリアで活動するイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」のアブバクル・バグダディ指導者を巡る情報戦が活発化している。欧米メディアでは「第2のビンラディン」とも評されるが、経歴や容姿は謎。イスラム国側はバグダディ指導者とされる映像や音声を相次いで公開しており、その「カリスマ性」を勢力拡大に利用しようという思惑がうかがえる。
バグダディ指導者とされる男性の映像は5日にインターネット上で公開された。黒布と黒いターバンを着用し、イスラム礼拝所(モスク)で「神はムジャヒディン(イスラム聖戦士)の戦いと忍耐に勝利を与えた」と語りかけた。勝利とはシリアとイラクにまたがる地域を実効支配し、「イスラム国」の建国を一方的に宣言したことを指すとみられる。
米政府によると、バグダディ指導者は1971年、イラク中部サマラで生まれた。イスラム過激派サイトによると、首都バグダッドの大学でイスラム学の博士号を取得し、2003年のイラク戦争時はモスクの説教師だった。04年2〜10月に駐留米軍に拘束され、その前後に過激派組織に参加したとされる。
所属組織の指導者が相次いで米軍に殺害されたのを受け、10年5月にトップに就任。12年夏に本格化したシリア内戦に乗じて戦闘員や武器を確保し、組織を立て直した。これまでにシリア東部からイラク北部に至る広域を実効支配し、イスラム法に基づく統治を実施。6月にはイスラム教の最高指導者「カリフ」を自称し、新国家建設を宣言した。
ただ、公開されている情報は米国とイラク政府の手配写真ぐらいしかない。米国は1000万ドル(約10億円)の懸賞金をかけてバグダディ指導者の行方を追っている。
イスラム過激派の動向に詳しいジャーナリストによると、過激派の若者の間でバグダディ指導者の人気はアルカイダの現指導者ザワヒリ容疑者をしのぐほどという。ネットで公開された映像が本物だとすれば、カリスマ性を強調し、戦闘員の勧誘や資金集めに利用する狙いがあるとみられる。イラク政府はバグダディ指導者が軍の攻撃で負傷しており、映像は偽物だと主張している。
http://mainichi.jp/select/news/20140708k0000m030063000c.html
イスラム国:旅券まで製造か ネットに画像出回る
毎日新聞 2014年07月07日 20時52分
【カイロ秋山信一】イスラム教過激派組織「イスラム国」が支配地向けに製作したとされる旅券の画像がインターネット上に出回っている。真偽は不明で、「建国」を正当化する宣伝工作の一環である可能性がある。中東の衛星テレビ局アルアラビーヤによると、イラク北部モスルの印刷工場で作られた可能性があるという。
画像によると、旅券の表紙には「カリフ制イスラム国」と印字され、所持者に危害を加えた場合はイスラム国の戦闘部隊が派遣されるとのただし書きがある。イスラム国のバグダディ指導者は、イスラム教の指導者「カリフ」を自称している。
イスラム国は6月にイラク北部に侵攻し、同国第2の都市であるモスルなどを制圧した。印刷工場は2011年にイラク政府によって建設され、今月から新しい身分証明書の印刷を始める予定だったという。
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http://mainichi.jp/select/news/20140708k0000m030087000c.html
アフガニスタン:大統領選 元外相「元財務相側が不正」
毎日新聞 2014年07月07日 21時51分
【ニューデリー金子淳】アフガニスタンの独立選挙委員会(中央選管)は7日夕(日本時間夜)、大統領選決選投票の暫定結果を発表する。事前の報道ではアシュラフ・ガニ元財務相(65)の優勢が伝えられているが、対抗馬のアブドラ・アブドラ元外相(53)は「組織的な不正があった」として結果の受け入れ拒否を宣言。選管やガニ陣営との対立を深めており、結果に関わらず混乱が広がる可能性が高まっている。
選管は当初、2日に暫定結果を発表する予定だったが、約2000カ所の投票所で再集計を行うとして7日に延期。両陣営はぎりぎりまで合意の可能性を探っているとの報道もあり、今回も延期の可能性が残されている。
4月の1回目投票では、アブドラ氏の得票率45%に対し、ガニ氏は31.6%だった。11.4%で3位だったザルマイ・ラスール前外相が決選投票でアブドラ氏支持を表明したため、決選投票でもアブドラ氏が優勢とみられていた。
アブドラ氏が指摘するのは、ガニ氏の得票水増し疑惑だ。選管は有権者約1200万人の約6割が投票したとしているが、アブドラ氏はうち約100万票分が「水増し」され、ガニ氏の得票数に上乗せされたと指摘。6月下旬には支持者が首都カブールの大統領宮殿などで抗議デモを行う事態に発展した。
カルザイ大統領などは、「ガニ政権」の中枢にアブドラ氏が加わることで両者の妥協を図ろうとしたとみられている。だが、ガニ氏は5日、「連立」の可能性を拒否。暫定結果の発表についても「これ以上の延期は受け入れられない」と述べた。
一連の混乱は、民族対立に飛び火する可能性がある。ガニ氏は最大民族パシュトゥン人やウズベク人の支持を集めているのに対し、アブドラ氏は2番目に多いタジク人が支持基盤のためだ。アフガンでは年内に駐留外国軍の撤退期限を迎えるが、国家が二分されれば再び内戦状態に陥り、「テロリストの聖域」となる可能性も否定できない。
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http://news.livedoor.com/article/detail/9016586/
産経新聞
2014年07月07日13時16分 キルギスの「誘拐結婚」に衝撃 中露が駆け引き、中央アジアの実情
花嫁の象徴である純白のスカーフを無理やりかぶせられ、唇を曲げて嫌がるディナラさん。
両手を取られ連行される、ピンクの上着にジーンズ姿のファリーダさん。いずれも20歳代の女性だ。
6月に発売されたフォトジャーナリスト、林典子さんの写真集「キルギスの誘拐結婚」には、衝撃的な写真が収められていた。
「誘拐結婚」とは、男性が見初めた女性を自宅などに連れ去り、説得できれば結婚できるというキルギスの風習だ。記者も数年前、同国南部のオシで出会った男性が、「自分もそうやって結婚した」と悪びれることもなく話すのを聞き、驚いた経験がある。
めったに見られない現場を切り取った写真が評価され、林さんは全米報道写真家協会やフランス世界報道写真祭などで賞を授けられた。「ありえない人権侵害だと思うが、男性側だけの責任ではない。連れ去り後は男性の親類の女性や女友達も説得に加担している。男尊女卑などという単純な構図ではなく、社会の問題だと思う」。2年前から2度、合計で半年間にわたり現地で暮らして誘拐結婚について考え続けた林さんは、こんな結論に達したという。
キルギスは中央アジアと呼ばれる5カ国の一つだ。いずれもソ連崩壊で独立した国々で、日本で広く知られた地域とはいえないが、国際情勢を考える上で実情を知っておくことは有益だ。
たとえば、中国と中央アジアをめぐるウイグル人の問題だ。習近平政権下の中国でしばしばテロを起こしているとされるウイグル人は、中国に次いでカザフスタン、ウズベキスタン、キルギスに多く住んでいるとされ、その数は3カ国で計30万〜40万人といわれる。
「権力の周辺は中国からの賄賂に首まで漬かっている」。カザフの古都アルマトイでかつて、野党幹部からこんな声を聞いた。中国はナザルバエフ大統領(73)を頂点とする政権をたぶらかし、莫大(ばくだい)なエネルギーをカザフから輸入しているというのだ。
取材で知り合った中国人記者は、中国が中央アジア各国と経済協力を進める目的の一つは「治安の安定だ」と断言した。中国は国内西部とその周辺国のウイグル人の「反中連携」を恐れているとされ、先に指摘された賄賂には“分断工作協力費”の意味合いもあるのかもしれない。
また、ウズベキスタンではカリモフ大統領(76)の長女が今年に入り自宅で軟禁状態に置かれ、6月下旬には通信も制限されたとの報道が出た。外交官などを務めた長女は大統領の後継候補と目されており、権力闘争が起きている可能性をうかがわせる。
カザフスタンやウズベキスタンは中央アジアの大国で、ソ連崩壊以降の20年以上もの間、同じ人物が大統領を務める独裁体制が続いていることでも共通している。有力な後継者がいない中で不測の事態が起きれば、民族の対立が起きかねないとの見方も聞いた。
中露が駆け引きを展開する中央アジアはイランやアフガニスタンとも隣接しており、その動向に欧米の思惑がにじみ出ることもある。地政学上も重要な地域なのだ。(佐藤貴生)
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http://mainichi.jp/select/news/20140707k0000e020047000c.html
カシオ:中東で人気 聖地メッカの方角指し示す腕時計
毎日新聞 2014年07月07日 09時36分(最終更新 07月07日 11時44分)
拡大写真 ◇「祈りの時間」通知機能も
カシオ計算機が販売しているイスラム教の聖地メッカの方角を指し示す時計が、中東地域で人気を集めている。ボタンを押せば秒針がメッカを示すという仕組みだが、日本の技術なくしてはできなかった製品だ。
イスラム教徒にとって、1日5回のメッカへ向けたお祈りは欠かせない。中東地域では正しい方角を指し示すポスターがあちこちに掲示され、時間になると街頭のスピーカーが知らせてくれる。だが世界を駆け回るビジネスマンや旅行者は、自分で時間と方角を調べないといけない。
カシオは1993年、方位計機能付きのアウトドア用腕時計を世界で初めて発売。応用先を模索する中で出てきたアイデアが、この時計だった。
メッカの方向を指し示す機能をつけたデジタル時計を97年に発売すると好評を博し、2012年には現在のアナログ時計にリニューアルした。価格は日本円で5000〜7000円。お祈りの時間を知らせたり、イスラム暦で日付表示したりする機能もある。同様の機能を持つ時計は、今もカシオ以外からは販売されていない。
苦労したのはお祈りする時間の算出だ。毎日同じ時間ではなく、太陽の位置によって決まる。「影が自分の身長の2倍になってから日没までの時間」というように、場所や季節で変わってくる。モジュール開発部の三宅毅さんは国内のイスラム寺院を訪れたり、サウジアラビアの販売代理店に問い合わせたりして調べた。「お祈りの時間が間違っていたら大問題。検証には時間をかけた」と話す。計算方法は複数あるため、10通りに対応。世界70都市をプリセットした。
バンドも高級感のあるメタルなど6パターンを用意した。腕時計は年数万個売れれば「ヒット」とされるが、新モデルは30カ国で40万個も売れた「大ヒット」となっている。【高橋直純】
◇65%は海外での売り上げ
「G−SHOCK」など高機能なデジタル時計で人気を集めているカシオ計算機は、東南アジアなど海外での売り上げが65%を占めている。2012年には、若者向けにDJやスケートボーダーらが登場する「G−SHOCK」関連イベントをアラブ首長国連邦で開催。13年には同国に販売会社「カシオミドルイースト」を開設するなど、中東地域での販促活動にも力を入れている。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3019781
「イスラム国」指導者の動画公開、支持と助言を求める
2014年07月06日 08:50 発信地:バグダッド/イラク
【7月6日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派「イスラム国(Islamic State、IS)」が6月に制圧したイラク北部の都市モスル(Mosul)で、自らをカリフ(預言者ムハンマドの後継者)と主張する同勢力のアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)指導者が初めて公の場に姿を現し、自らに従うようイスラム教徒に求める様子を捉えた動画が5日、公開された。
イラク北部の5県にまたがる一帯と首都バグダッド(Baghdad)の西を制圧したイスラム国を率いるバグダディ指導者の正体は、これまで謎に包まれていた。
動画には、黒い長衣とターバンを身に着け、白髪交じりのあご髭を生やしたかっぷくの良い男性が、モスル中心にあるヌール(Al-Nur)モスクでの金曜礼拝で演説を行う様子が写っている。
バグダディ指導者とされるこの男性は、「私は、あなた方の中で最良の人物ではないが、あなた方を統括する指導者だ。だからもし私が正しいと思うなら私を支えてほしい」と述べた上で、「もし私が間違っていると思うなら、私に助言し、正しい方向に向かわせてほしい。そして私が神に従う限り、私に従ってほしい」と呼びかけた。(c)AFP/Prashant RAO
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http://www.afpbb.com/articles/-/3019766
武装勢力「イスラム国」、シリアの全主要油田を制圧
2014年07月05日 17:57 発信地:ベイルート/レバノン
【7月5日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)武装勢力「イスラム国(Islamic State、IS)」が、イラクと国境を接するシリア・デリゾール(Deir Ezzor)県で、シリアの主要な油田とガス田を全て制圧した。英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が4日、明らかにした。
ISは3日夜、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)やその他シリアの反政府武装勢力が撤退したことを受け、同県東部の砂漠地域にあるタナク(Tanak)油田を制圧した。
ISはこれに先立つ同日、デリゾール県にあるシリア最大のオマル(Al-Omar)油田も同様の形で制圧していた。
戦闘を放棄したイラク軍部隊が残した重火器を奪って兵力を増したISは、シリアの石油資源の相当部分を占めるデリゾール県で、都市部を除くほぼ全域を支配下に置いたことになる。ISは先月末、シリアとイラクで制圧した地域に、カリフ統治領を樹立すると宣言した。(c)AFP
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>>276
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%95
カリフの条件
スンナ派イスラーム法学者によれば、一般にカリフの資格として求められるのは次のような条件である。
男性であること
自由人であること
成年者であること
心身両面で健全であること
公正であること
法的知識を持つこと
賢明であること
イスラームの領土の防衛に勇敢かつ精力的であること
クライシュ族の男系の子孫であること
ただし現実には、これらの条件のいくつか(成年者であることなど)はしばしば無視された。例えばオスマン帝国はテュルク系の部族によって設立された王朝であるためムハンマドの部族であるクライシュ族の男系であることはありえない。またハワーリジュ派やムータジラ派は「たとえ奴隷や黒人であっても」全てのイスラーム教徒がカリフたりうると主張した。
クライシュ族
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A5%E6%97%8F
クライシュ族は4世紀頃からメッカ近郊を勢力圏として遊牧および交易を行っていたアラブ人の部族であり、イスラム教の創始者である預言者ムハンマドの出身部族として知られている。その一方でクライシュ族はムハンマドの布教活動を迫害し続けたイスラームの敵対者でもあり、クルアーンの中にもクライシュ族はしばしば登場する。その系譜は紀元前よりアラブ世界をカフターン族と二分していたアドナーン族にまで遡ることができ、アドナーン族はアラム人がアラブ化した民族であるとされている[1]。クライシュとはサメを意味するキルシュという語が元であり、他者を捕食するが自身が捕食されることはないサメの圧倒的な強さを指し示している[2]。現代においても、ヨルダン王国[3]やモロッコ王国[4]などではクライシュ族の末裔を国王としている。
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>>283
アフガンやパキスタンのタリバンもそうだったけどイスラム過激派って強いよねぇ。。
あちらはアフガン内戦の影響で,今回同様武器出回ってたってことだろうし厳格なイスラム法支配は近代の人権社会に対立するものだけど,近代列強が勝手に引いた国境を無効化する動きは興味深い。。
デリゾール県の地図はこちら。
イスラム国:シリア最大「オマル油田」も制圧
毎日新聞 2014年07月04日 11時18分(最終更新 07月04日 11時41分)
http://mainichi.jp/select/news/20140704k0000e030168000c.html
シリア・デリゾール県の位置
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/int_poli/001.jpg
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B6%E3%82%A6%E3%83%AB/@35.238331,40.2830549,8z/data=!3m1!4b1!4m2!3m1!1s0x1548153314d3dbad:0x9d5a68804221c27f
【カイロ秋山信一】在英のシリア反体制派組織シリア人権観測所によると、イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」は3日、シリア東部デリゾール県にある同国最大の油田などを制圧した。「イスラム国」はイラクでも油田地帯を攻撃しており、燃料確保や資金源の拡大に向けて、着々と支配地域を拡大している。
人権観測所によると、「イスラム国」は、国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」の支配下にあったオマル油田を新たに制圧した。ロイター通信によると、オマル油田は日量7万5000バレルの生産能力があり、昨年11月からヌスラ戦線が占拠していたという。
デリゾール県では今春以降、イスラム国とヌスラ戦線の激しい抗争が続いていた。だがヌスラ戦線は3日までに、県都デリゾールに近い拠点マヤディンからも撤退。これで「イスラム国」は、アサド政権の支配下にあるデリゾールを除く県全域をほぼ掌握した。
反体制派活動家によると、「イスラム国」は既に北部ラッカ県や隣国イラク北部でも油田やパイプラインを制圧し、密輸や業者への横流しによって利益を得ており、オマル油田が新たな有力な資金源になる可能性もある。
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http://mainichi.jp/select/news/20140708k0000m030125000c.html
アフガン大統領選:ガニ元財務相が過半数 暫定結果
毎日新聞 2014年07月08日 00時49分(最終更新 07月08日 01時14分)
【ニューデリー金子淳】アフガニスタンの独立選挙委員会(中央選管)は7日、大統領選決選投票の暫定結果を発表した。アシュラフ・ガニ元財務相(65)が過半数の56.4%を得票。アブドラ・アブドラ元外相(53)は43.6%だった。選管は不服申し立ての審査を経て結果を確定させる。ガニ氏が当選する可能性が高まったが、アブドラ氏は「組織的な不正」があったとして結果の受け入れを拒否しており、混乱が広がる可能性が高まっている。
選管によると、有権者約1200万人のうち約820万人が投票。ガニ氏はこのうち約448万票を得票し、アブドラ氏に100万票以上の差を付けた。ただ、選管は「これは最終結果ではない。結果は変わる可能性がある」と強調。両陣営に平静を保つように訴えた。
選管はまた、一部の治安部隊や投票所スタッフらによる不正を認めた。アブドラ陣営の関係者は暫定結果の発表後、地元テレビで「適正な調査が行われない限り結果を受け入れない」と述べた。
4月の1回目投票では、アブドラ氏の得票率45%に対し、ガニ氏は31.6%。11.4%で3位だったザルマイ・ラスール前外相が決選投票でアブドラ氏の支持を表明したため、決選投票でも同氏が優勢とみられていた。
しかし、投票後に報道で「ガニ氏有利」が伝えられると、アブドラ氏は選管幹部らによる「組織的な不正」を糾弾。約100万票が「水増し」され、ガニ氏の得票数に上乗せされたと主張し、6月下旬には支持者が首都カブールの大統領宮殿などで抗議デモを行う事態に発展した。
一連の混乱は、民族対立に飛び火する可能性もある。ガニ氏が最大民族パシュトゥン人やウズベク人の支持を集めているのに対し、アブドラ氏は2番目に多いタジク人が支持基盤。年内に駐留外国軍の撤退期限を迎えるのを前に国家が二分されれば、アフガンが再び「テロリストの聖域」となる可能性もある。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3019918?ctm_campaign=topstory
不正疑惑のアフガン大統領選、暫定勝利はガニ氏
2014年07月08日 07:05 発信地:カブール/アフガニスタン
【7月8日 AFP】アフガニスタン大統領選の決選投票の暫定結果が7日発表され、世界銀行(World Bank)のエコノミストを務めた経験を持つアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)元財務相の得票数が対立候補を上回った。しかしこの開票結果をめぐり、不正の疑いが論争に発展する恐れがあり、情勢の不安定化を懸念する声が高まっている。
先月14日に行われた決選投票の得票率は、ガニ氏が56.4%だったのに対し、対抗馬のアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相は43.5%だった。ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の後任を決めるため、8人が立候補して今年4月に行われた1回目の投票時とは逆転する結果となった。
選管当局は、1350万人と推定される有権者のうち予想を大きく上回る800万人以上が投票したとしており、この投票率の不自然なまでの高さを根拠に両陣営が相手側の不正行為を激しく非難し合うのは必至とみられる。
独立選挙委員会(Independent Election Commission、IEC)の委員長は記者団に対し、「選挙過程に不正や違反がなかったとは言い切れない」として、治安部隊の他、知事ら自治体トップを含む政府関係者の関与を否定できないことを明かした。
同委員長はさらに、この暫定結果の監査と不正があったとする申し立ての裁定を経て今月24日ごろに正式結果が出される見通しだとして、「暫定結果は選挙勝利者を確約するものでは決してない。結果が覆ることもあり得る」としている。
アフガニスタンの次期大統領は、旧支配勢力タリバン(Taliban)と13年間戦ってきた米軍主導部隊が完全撤退し、国際援助の減少に伴って経済が低迷する難しい時期に同国のかじ取りを担うことになる。(c)AFP/Mushtaq MOJADDIDI
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140708/amr14070809520003-n1.htm
アフガン大統領選に「深刻な不正の疑い」 米政府報道官が表明
2014.7.8 09:52
【ワシントン=加納宏幸】米国務省のサキ報道官は7日、アフガニスタン大統領選の決選投票で選挙管理委員会が発表した暫定結果について「深刻な不正の疑いが持ち上がっており、まだ適切な調査が行われていない」とする声明を発表した。同国選管のヌーリスタニ委員長も7日の記者会見で不正があったことを明らかにしていた。
声明は、米政府として特定の候補者を支持していないことを重ねて強調。暫定結果を「最終的で信頼性のある数字ではなく、選管によって変更される可能性がある」と指摘した。
また、首位となったガニ元財務相とアブドラ元外相の双方の陣営や支持者に対しては、挑発的な言動を行わず、不服申し立て委員会の審査に協力するよう求めた。その上で「米国による支援の継続は、アフガニスタンの団結と選挙結果の信頼性にかかっている」と強調した。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140708/mds14070813050006-n1.htm
イスラム国「カリフ制宣言」 反発浴びつつアラブの春の幻に代わる恐れも
2014.7.8 13:05 (1/3ページ)
5日、インターネット上で公開された「イスラム国」指導者のバグダーディ容疑者とされる人物の映像(AP)
イラクとシリアにまたがる制圧地域でイスラム国家樹立を宣言した過激派組織「イスラム国」は、カリフ(預言者ムハンマドの後継者)となったアブバクル・バグダーディ容疑者が自らへの忠誠(バイア)を信徒に求めた説教の映像を初めて公表した。スンニ派内から反発はあるものの、カリフ制を宣言した「イスラム国」の伸長は、イラクのみならず「アラブの春」の果実が不確かになりつつある地域全体にも長期的に影響を残しかねない。
バグダーディ容疑者は映像の中で「(カリフという)重責は私には荷が重い。私が誤った道を進んだら助言したまえ。そして私が神に服従する限り、あなた方は私に従いなさい」と述べ、長年、聖戦を戦ってきた報償として神がカリフ制の再興という目標を達成させてくれた、との考えを示した。
説教は4日、「イスラム国」が陥落させたイラク北部モスルでの金曜礼拝で行われたとされ、翌5日にネット上で公表された。バグダーディ容疑者は「カリフ・イブラヒム」と呼ばれている。
過激派である「イスラム国」による唐突な宣言に対しては、予想通り、スンニ派からも拒絶反応が出た。
エジプトのムバラク政権時代からカタールに事実上の亡命状態にあった有力イスラム法学者、ユーセフ・カラダーウィー師は5日、声明を出し、「カリフ制の再興はわれわれが皆、待ち望んでいることだ」としつつも、「残虐非道な行為と過激な思想で知られるグループによるカリフ任命は厳密なイスラム法の解釈によれば、まったく無効である」と切り捨てた。
また、スンニ派の最高学府とされるエジプトのアズハル機構の法学者は「カリフ制は暴力で再興できない。国を占領し、住民を殺戮(さつりく)するのは、イスラム国家ではなくテロリストの行為だ」と非難した。シリア内戦で「イスラム国」の前身、「イラク・レバントのイスラム国」と勢力争いを続けてきた過激派組織や、ヨルダンの国際テロ組織アルカーイダ系宗教指導者もそろってカリフ宣言を拒否している。
一方、英BBC放送などによると、「イスラム国」はイラク北部や西部の主要都市を影響下におさめ、スンニ派住民の支援を受けた補給線を確保しつつあるようだ。シーア派の聖廟(せいびょう)などを次々と破壊しているという。また、シリアでは4日までに東部デリゾール県の油田地帯を制圧したと伝えられた。
イラク中央政府はシーア派のマリキ首相の続投をめぐり混乱を続け、米政府はスンニ派有力政治家や北部のクルド人勢力も含めた「挙国一致体制」構築を説いているものの、一向に成果はみえてこない。
現状において「イスラム国」の勢力伸長は続いているようにみえるが、戦闘の行方は予断を許さず、カリフ・イブラヒムをいただく「イスラム国」が中長期的に存続し得るのか不透明ではある。
しかし、今回の事態が突きつけた課題は、第一次世界大戦後、オスマン帝国領分割のために列強によりアラブ世界に押し付けられた人為的な国境と「領域国家」の打破を唱える運動が、宗派対立を続けるイラクや熾烈(しれつ)な内戦が続くシリアという舞台で、曲がりなりにも、その主張を実現してしまったという点だ。
「カリフ制の再興なくしてイスラム世界の復興なし」という考え方は、先のカラダーウィー師の声明にもみられるように、方法論はともかく、イスラム世界に通底している。アラブの一般大衆の多くはまだ、そうした意識に目覚めているわけではない。だが、「アラブの春」による民主化への期待が裏切られ続ける現状に民衆が不満を募らせ、本格的なカリフ制再興の夢を次のよりどころとするようになれば、現存のアラブ為政者や現在の国際秩序に立つ米欧に対する未曽有の挑戦となろう。
(村上大介)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140708/mds14070823450008-n1.htm
がれきの家、流血、黒煙…イスラエル軍の空爆に恐怖募らす市民
2014.7.8 23:45
8日、パレスチナ自治区ガザでは、イスラエル軍による空爆で炎と黒煙が上がった(ロイター)
がれきと化した住宅、血だらけで運ばれる女性。「どうすればいいのか」−。イスラエル軍が8日、イスラム原理主義組織ハマスのロケット弾攻撃への報復としてパレスチナ自治区ガザへの空爆を本格化させた。子どもや女性にもけが人が続出し、ガザに住む市民は恐怖を募らせた。
中東の衛星テレビは各地でもうもうと立ち上る黒煙を映し出し、空爆の被害がハマスとは無関係の一般市民の住宅や車、農地にまで広がったと報じた。ガザの当局者は「けが人のほとんどは市民だ」とイスラエルを非難した。
8日未明には暗闇の中、消防車や救急車がサイレンを鳴らして行き交い、血を流し担架に乗せられた人々が次々と運ばれた。空爆で全壊したとみられる民家を後片付けする人の姿も見られた。(共同)
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014070800856
元外相「独自政権」樹立も=大統領選の混乱に拍車−アフガン
8日、アフガニスタンの首都カブールで開かれた集会で演説する大統領選候補のアブドラ元外相(EPA=時事) 【ニューデリー時事】6月に実施されたアフガニスタン大統領選挙の決選投票で、暫定結果で劣勢が伝えられたアブドラ元外相は8日、首都カブールの支援者集会で「われわれが真の勝者だ」と述べ、独自の政権を樹立する可能性を示唆した。
この発言が選挙をめぐる混乱に拍車をかけるのは必至。国家分裂を恐れる米国などが、対アフガン支援を停止する可能性もある。
7日公表された決選投票の暫定結果によると、アブドラ氏はガニ元財務相に約100万票の大差をつけられた。これに対しアブドラ氏は、選管幹部らが票の水増しを指示している映像などを公開し、大規模な不正が行われたと主張。徹底的な調査の上で再集計するよう要求し、選挙の正当性を主張するガニ氏との協議は平行線をたどっている。(2014/07/08-20:32)
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>>288
西ローマ帝国はEUが東ローマ帝国はロシアが,大清帝国は中国が曲がりなりにも存在しているのにイスラーム帝国はオスマントルコの解体以降再興されてないからなぁ。。
アメリカ帝国は石油覇権もあって許さないだろうけど巨大な帝国があれば域内的には安定するわな。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3020114
アフガニスタン大統領選、アブドラ氏の勝利宣言で混乱拡大
2014年07月09日 16:08 発信地:カブール/アフガニスタン
【7月9日 AFP】アフガニスタン大統領選挙の決選投票をめぐり、アブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相が8日、暫定結果の集計で自分の得票を低くする不正があったとした上で、勝利宣言をした。大統領選の混乱を受けてアフガニスタンでは治安悪化や民族対立の高まりが懸念されている。
アブドラ氏は8日に首都カブール(Kabul)で行われた集会で、支持者数千人を前に演説。大統領職を勝ち取るために争うことを宣言した上で、「並行政府」の樹立を求める熱心な支持者らに自制を促した。
演説の前には、舞台上に掲げられたハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の巨大な写真が破られる一幕があり、対立候補のアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)元財務相を優勢とした7日発表の暫定結果に対するアブドラ氏支持者らの激しい怒りがあらわになった。
米軍主導の5万人規模の北大西洋条約機構(NATO)軍が旧支配勢力タリバン(Taliban)との戦いから撤退を進め、国際社会からの援助資金が減少する中、アフガニスタンは権力移行の困難な時期に直面しており、アブドラ、ガニ両氏は国の団結を呼び掛けている。(c)AFP/Usman SHARIFI
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http://mainichi.jp/select/news/20140709k0000e030231000c.html
中東情勢:突然空爆された ガザ地区、市民被害拡大
毎日新聞 2014年07月09日 12時16分(最終更新 07月09日 14時18分)
パレスチナ自治区ガザ地区を拠点とするイスラム原理主義組織ハマスはイスラエルとの戦闘が本格化した8日未明以降、120発近くのロケット弾を発射した。イスラエル最大の商業都市テルアビブや、イスラム教やユダヤ教の聖地エルサレムにも着弾し、2人が負傷した。これに対しイスラエル軍はガザ地区約200カ所を空爆。「民間人被害の回避」を強調しているが、子供2人を含む23人が死亡、100人近くが負傷し、市民の犠牲拡大が懸念されている。【ジャバリア(パレスチナ自治区ガザ地区北部)で大治朋子】
8日午前、ガザ北部のカマル・アドワン病院を訪ねると、救急車が次々と負傷者を運び込んでいた。病院周辺ではイスラエル軍の空爆で「ドーン」という爆発音が断続的に響き、そのたびに市民が「今度はどこだ」と黒煙の上がる方向を確かめていた。
腰や足の手術を受けたばかりのムハンマド・ユーセフ・ガベンさん(16)は母親のイタフさん(41)と叔父のアラ・アデルさん(36)に付き添われ、ベッドの上で痛みに顔をゆがめていた。ガベンさんは最近学校が夏休みに入り、叔父の農作業を手伝っていた。「野菜を収穫していたら突然爆発が起きて、その後はよく覚えていません」。小さな声でそうささやき、あとは痛みで押し黙った。
イスラエル軍は民間人被害を最小限にするため、空爆の直前には電話やパンフレットで避難を促していると強調している。
だが叔父のアラ・アデルさんらによると、8日午前11時前ごろ、家族ら12人で収穫中に、突然、畑を空爆された。ガベンさんの近くにいた兄(24)は爆発で吹き飛ばされ、集中治療室で手術中だという。「私はハマスの戦闘員ではないし、ましてやこの子はただの学生です」。アラ・アデルさんはそう言って怒りをあらわにした。
ガザ地区は2007年にハマスが制圧。イスラエルは以来、物と人の往来を規制する封鎖政策を続けている。このためガザ側は隣国エジプトとをつなぐ密輸トンネルを作り、安価な食品などを搬入してきた。しかし昨年夏のエジプト政変で誕生した軍事政権にトンネルを破壊され、困窮の度を深めている。
地元の保健省担当者は、「病院では必要な医療品や医薬品の25%が欠如し、救急車はガソリン不足で半数しか稼働できていない状況」と話す。イスラエルはハマスがさらにロケット弾攻撃を続けた場合、地上戦突入の可能性も否定していない。保健省担当者は「地上戦になれば、被害は恐ろしく甚大になる」と強い懸念を示した。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140708-00000132-mai-m_est
<アフガン大統領選>ガニ元財務相が56.4% 暫定結果
毎日新聞 7月8日(火)23時23分配信
【ニューデリー金子淳】アフガニスタンの独立選挙委員会(中央選管)は7日、アシュラフ・ガニ元財務相(65)が過半数の56.4%を得票したとする大統領選決選投票の暫定結果を発表した。43.6%だったアブドラ・アブドラ元外相(53)は8日、数千人の支持者を前に、選挙の不正を主張。「我々の側が勝利した」と述べ、独自政権の樹立を求める声について「無視することはできない」と話し、数日以内に自身の考えを明らかにする方針を示した。
一方、米国のケリー国務長官は7日、カブールの米国大使館を通じて出した声明で「重大な懸念」を表明。「違法な手段で権力を掌握しようとすれば国際社会は支援を見直す可能性がある」と独自政権を樹立する動きをけん制した。
選管によると、有権者約1200万人のうち約820万人が投票。アブドラ氏が「勝利」を宣言したことで、混乱が広がる可能性がある。
選管は22日に最終結果を確定させる予定だが、ずれ込む可能性もある。
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http://mainichi.jp/select/news/20140711k0000m030066000c.html
イエメン:シーア派武装組織が州都制圧 宗派間抗争激化
毎日新聞 2014年07月10日 19時54分
【カイロ秋山信一】イエメン北部に拠点を置くイスラム教シーア派武装組織「フシ」が8日、首都サヌアの北西約50キロにあるアムラン州の州都アムランを制圧した。中東の衛星テレビ局アルジャジーラが報じた。政府軍は空爆などで反撃している。イエメンでは5月以降、フシとスンニ派主体の軍や民兵組織との戦闘が激化し、少なくとも300人が死亡。シリアやイラクに続きイエメンでも宗派間抗争が激化している。
イエメンメディアによると、アムラン州では5月中旬から、フシと政府側との戦闘が激化した。一時は停戦が成立したが、6月下旬に戦闘が再開。政府はアムランからの退去をフシに要求している。フシは「過激派と戦っているだけだ。政府と争うつもりはなく、サヌアも攻撃しない」と主張している。フシには地元部族の一部も加勢しており、背景には部族間の勢力争いも絡んでいる模様だ。
イエメンでは今年2月、将来的に連邦制を導入することが決まった。フシは北部の山岳地帯を拠点にしているが、連邦化した際の区割りを有利にするため、実効支配地域の拡大を図っているとみられる。イエメン政府は、シーア派国家イランがフシを支援していると非難しているが、イランは関与を否定する。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014071102000118.html
「イスラム国」攻勢1カ月 掃討足踏み イラク新政権樹立進まず
2014年7月11日 朝刊
【カイロ=中村禎一郎】イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」がイラク第二の都市モスルを制圧し、攻勢を本格化させてから十日で一カ月が経過した。スンニ派勢力の多いイラク北西部を掌握する「イスラム国」に対し、政府側は新政権樹立のめども立っておらず、掃討は難しい状況だ。
「イスラム国」はモスル掌握後、首都バグダッドの北方六十キロ付近まで南進したが、現在は動きが止まっている。バグダッドの評論家ラウィ氏は「イラク軍がロシアから購入したスホイ25攻撃機を投入し、首都の守りも固めている今、首都攻撃が難しいことは『イスラム国』も知っている」と分析し、首都攻撃はしばらくないとの見方を示す。
「イスラム国」は先月二十九日にアブバクル・バグダディ指導者を「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」とするイスラム教国家の建国を宣言。「イスラム国」の軍事作戦には、シーア派を重用するマリキ政権に反発する旧サダム・フセイン時代の軍人やバース党員、スンニ派の地元部族などが参加しているとされる。
ラウィ氏は「各勢力がまとまっているただ一つの動機は反マリキだから」と指摘。イスラム教国家の建国を目標としない勢力は多いとみられ、「いずれ『イスラム国』側の勢力同士が互いに戦うことになるのは間違いない」と推測する。
一方、四月の選挙を受け、連邦議会が一日に開会したが、マリキ政権が目指す新政権樹立も難航している。首相三選を目指すマリキ氏に対し、退陣を求める反マリキ勢力が反発。議会は初日から休会となり、十三日に予定される議会再開も、調整の難航で変更される可能性がある。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140711/mds14071120540008-n1.htm
エジプト、仲介の動き鈍く ガザ衝突 クーデターでハマスとの関係悪化
2014.7.11 20:54 (1/2ページ)
ガザ地区南部で11日、イスラエル軍の空爆で破壊された家屋のがれきを取り除き、生存者を捜す人々(ロイター)
【カイロ=大内清】8日に始まったイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘は、仲介役に期待されるエジプトが目立った動きを見せず、停戦交渉の兆しが見えない状況にある。今年6月に発足したシーシー政権が、ハマスやその源流のムスリム同胞団と敵対関係にあるためだ。
エジプト外務省のアブデルアティ報道官は9日、同国がイスラエルとハマス双方と接触しているとはしつつも、現時点では「(停戦に向けた)仲介は行っていない」と明らかにした。
ガザに隣接しイスラエルとも平和条約を結ぶエジプトは、2012年11月の大規模戦闘で停戦を仲介。同胞団を出身母体とする当時のモルシー大統領が、ガザに首相を派遣するなどしてハマス寄りの立場を取り、交渉はハマス有利に進んだ。結局、このときはイスラエルが国際的な圧力により停戦を受け入れた。
エジプトでは昨年7月、クーデターでモルシー政権が崩壊。その後の暫定政権や現在のシーシー政権は同胞団メンバーらの大量摘発を行った。ハマスに対しても、東部シナイ半島とガザを結ぶ密輸トンネルを破壊することで軍事物資の補給を遮断するなど、経済的な締め付けを強めてきた。
以前に比べ弱体化が著しいハマスとしては戦闘長期化は避けたいのが本音。一方のイスラエルは、ハマスのロケット弾攻撃停止が停戦の前提と主張している。
ハマス軍事部門の報道官はこれに対し、(1)ガザへの攻撃停止(2)イスラエルが11年に釈放し最近、再拘束したパレスチナ人の解放(3)ハマスとパレスチナ主流派ファタハが進める和解への妨害禁止−などを要求。ムバラク政権期から緊密な関係にあるエジプト情報機関を通じ、交渉を模索しているともいわれる。
ただ、クーデター後のエジプトは「情報機関レベルでも対ハマス関係が希薄化している」(外交筋)とされる。シーシー政権は、今回の戦闘でハマスがさらに弱体化するのを望んでいるとの見方もあるだけに、仲介に乗り出した場合でも早期の合意に結びつけられるかは不透明だ。
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http://mainichi.jp/select/news/20140712k0000m030034000c.html
エジプト:大統領、財政改革を連発…不満の声も
毎日新聞 2014年07月11日 19時24分
【カイロ秋山信一】エジプトのシシ大統領(59)が8日、就任1カ月を迎えた。財政難解消に向けて、懸案だった補助金削減に着手し、富裕層に対する課税も強化した。一方で貧困層支援のために低価格で生活必需品を提供する制度を拡充するなど、矢継ぎ早に改革を打ち出した。ただ事前の周知がないままガソリンや電気が大幅に値上がりし、バス業者などからは不満の声も上がっている。
「なぜ突然、値上げするのか。対応しきれない」。7日、首都カイロのガソリンスタンドで給油していたバス運転手のサイード・ムバラクさん(53)が嘆いた。燃料補助金の削減は今月4日、予告なしに実施された。軽油は1リットル1.1エジプトポンド(約16円)から1.8ポンド(約26円)と約6割上昇。カイロ−アレクサンドリア間で運行するバスの片道運賃を30ポンドから32ポンドに上げたが、軽油の値上がり分をまかなえないという。「これ以上、運賃を上げれば逆に客が離れる」と途方に暮れる。
シシ大統領は就任後、財政改革を次々と打ち出した。燃料補助金の削減で、ガソリンは5〜6割値上がり。ガスや電気代も最大8割程度上がる見込みだ。政府補助が適用される低価格のパンの購入にも1人月150枚の上限を設けた。自身の支持基盤の富裕層にも負担を求め、株式売却益やアルコール類、たばこなどに対する課税を強化。また、貧困層対策として、政府が市価の6〜7割で食品などを提供する配給制度を拡充。対象を米、油、砂糖の3品目から、小麦粉、茶、肉類など20品目に広げた。
不満の声も上がるが、シシ大統領は「人気取りなど考えている余裕はない。補助金削減は国の債務削減のために絶対に必要だ」と強調した。
エジプトは2011年の革命後、治安の混乱が続き、主要産業の観光業や海外からの投資が低迷。外貨準備高が減少して、燃料を十分に輸入できなくなり、停電や軽油不足が頻発。モルシ前政権の人気が低迷し、軍事クーデターで政権が転覆する一因となった。
昨年7月の軍事クーデター後、サウジアラビアなどから120億ドル(約1兆2000億円)の援助を受けて急場をしのいできたが、歳出の約25%を占める補助金の削減は必須との見方が強かった。
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http://mainichi.jp/select/news/20140712k0000m030092000c.html
ガザ:「被害、女性と子供ばかり」…ハマス幹部は地下潜伏
毎日新聞 2014年07月11日 21時17分
【ガザ市(パレスチナ自治区ガザ地区)大治朋子】イスラエルの空爆にさらされるパレスチナ自治区ガザ地区の病院を訪ねた。医師らは「搬送されてくるのは女性や子供ばかりだ」と口をそろえた。
◇ガザ空爆、死者100人超
イスラエルとガザ地区を拠点とするイスラム原理主義組織ハマスの戦闘は11日で4日目を迎えたが、双方とも攻撃の手を緩めていない。ハマスやイスラム過激派の幹部はイスラエルが軍事作戦を開始した8日ごろから一斉に姿をくらまし、それほど多くの犠牲者は出ていない。代わりに今後、女性や子供の犠牲者はさらに増えるとみられる。
8日以降、ガザから発射されたロケット弾は計約600発、イスラエル軍の空爆は100回に達した。ガザの保健省によると、100人以上が死亡、670人以上が負傷。イスラエル側の死者はなく13人が負傷している。
ガザを拠点とする武装組織は、規模が最も大きいハマスの軍事部門(約2万人)のほか、イランの支援を受ける「イスラム聖戦」の軍事部門アルクッズ旅団(約1000人)などがある。こうした組織がハマスと共闘してロケット弾を撃ち込み、イスラエルが反撃している。
アルクッズ旅団のアブ・アナス・アベド幹部(40)が住んでいたガザ市南部のアルゼイトーン地区の自宅は9日、イスラエル軍に空爆された。アベド幹部の父ムハンマドさん(60)ら家族13人は事前予告を受け、脱出して無事だった。
アベド幹部は、すでに1週間以上前から姿を消しているという。「どこにいるかは言えない。イスラエルからパレスチナを解放するために戦っている」。ムハンマドさんは、20年前に同旅団に入り幹部となった次男について誇らしげに語った。
イスラエル軍南部総司令官は10日、記者会見し「テロ関連機関を破壊している。戦闘員らが(隠れ家の)トンネルから出て来たら、破壊を目にすることだろう」と指摘。幹部が雲隠れして攻撃し切れずにいる現状を言外に認めた。幹部らは地下壕(ごう)のような施設に隠れ、実働部隊に指示を出しているとされる。
10日夕、ガザ北部の病院を訪ねると、ナエル・ジョマさん(14)が顔面血だらけで搬送されてきた。ジョマさんは隣家への空爆による衝撃で自宅が大きく揺れて転倒した。顔面や頭を強くを打ち、ショックで涙ぐんでいた。近くのベッドには空爆の衝撃で飛び散ったコンクリート片が当たり左腕を骨折した男児が横たわっていた。
イスラエル軍は空爆の予告をしているとして民間人への配慮を強調する。しかし、爆弾の威力は着弾地点だけでなく周辺にも大きな衝撃を与え、ガザの簡素な民家は崩れてしまうことが少なくない。病院幹部(47)は「(着弾地点の周辺に住んでいた)女性や子供の被害が圧倒的に多い」と話した。ロイター通信はパレスチナ保健省のデータとして、10日現在の死者は77人としており、うち60人が市民だったと報じた。
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http://www.cnn.co.jp/world/35050762.html
イラク首相、クルド人の外相解任 内政混乱さらに悪化の恐れ
2014.07.12 Sat posted at 16:07 JST
バグダッド(CNN) 複数のイラク政府高官は11日、マリキ首相が少数派クルド人のジバリ外相を同日解任したことを明らかにした。暫定的な後任者には、同首相と同じイスラム教シーア派に属するフセイン・シャハリスタニ副首相(エネルギー問題担当)を任命した。
ジバリ氏は過去10年以上、外相を務めてきた。マリキ首相は現在、スンニ派系の過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の軍事攻勢に直面する他、同国北部のクルド自治政府が独立の構えを強めるなど政権存続の危機にあり、退陣圧力も強まっている。ジバリ氏の解任は、宗派抗争や民族対立をさらに煽る可能性がある。
マリキ首相は10日、クルド自治政府と、ISISや旧フセイン政権時代の与党であるバース党関係者のつながりをほのめかす発言を行い、クルド人勢力の反発を買っていた。政権に参加するクルド人閣僚は閣議をボイコットするなどしていた。首相はこの後、ジバリ氏解任の措置に踏み切っていた。
クルド人勢力は首相の言動について、内政危機の原因をシーア、スンニ両派間の宗派抗争からアラブ人対クルド人の民族対立にすり替えようとしていると批判している。
一方、クルド自治政府は12日までに、北部にある中小規模の油田2カ所を新たに制圧したと発表した。イラク石油省との間で最近締結していた新たなパイプライン敷設計画が意図的に妨害されたことを制圧の原因としている。自治政府とバグダッドの中央政府は北部の一部地域の帰属権の問題で長年争っている。
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http://www.cnn.co.jp/world/35050759.html
厳しいガザの医療現場 イスラエルは攻撃の正当性主張
2014.07.12 Sat posted at 12:18 JST
エルサレム(CNN) イスラエルからの攻撃が続くガザの医療現場が厳しい局面を迎えている。病院では、緊急治療室が満員のため、患者は床の上で治療を受けており、また医薬品も不足している。ガザの保健省によると、ガソリン不足で救急車は半数しか走れず、病院内の照明に電力を供給している発電機もあと数日しか使えないという。
医療関係者によると、これが現在のガザの状況だという。そして、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエル政府は、ともに一歩も引く気配はなく、悲惨な状況はこのまま続くか、さらに悪化する恐れもある。
ガザからイスラエルに向けて発射されるロケット弾は脅威であり、危険だ。イスラエル軍によると、11日にもイスラエル南部ベエルシェバで民家にロケット弾が着弾し、女性1人が負傷したという。また同日、イスラエル国防軍(IDF)が対戦車ミサイルによる攻撃を受け、兵士2人が軽傷を負ったという。
ハマス、イスラエルの対立は、先月末にイスラエル人の少年3人が殺された事件をきっかけに激化した。しかし、両者の犠牲者数にはかなりの差がある。
これまでハマスはイスラエル南部に向け数百発のロケット弾を発射したが、今のところイスラエル人の死亡者はおらず、数人が負傷しただけだ。
一方、ガザの保健省によると、ガザではイスラエルの攻撃により、少なくとも子ども23人、女性24人を含む100人以上が死亡、800人近くが負傷したという。犠牲者の数は12日も増え続けている。ハマスの治安当局筋によると、同日、イスラエルがガザ北部ジャバリヤを攻撃し、ハマスの複数のメンバーが死亡したという。
また負傷者が治療を受けている病院も例外ではなく、少なくともガザの病院1カ所が攻撃を受けたという。ガザの満員の緊急治療室や医薬品不足について伝えた医療関係者は、現在のガザの状況はシリアの内戦中に現地の病院で目撃した混乱と大差ないと語った。
またガザにいるCNNのスタッフによると、現地では頻繁に停電が発生し、さらに空爆でポンプ場が被害を受け、一部の地域が水不足に陥っているという。
一方、イスラエルも攻撃の正当性を主張する。平和は望んでいるが、自分たちの領土を守るために反撃している、というのがイスラエル当局の主張だ。
この点について、イスラエルのネタニヤフ首相も11日に、ガザからの攻撃が止まない限り、停戦は実現しないとの考えを改めて示した。今後、イスラエルがガザに派兵し、攻撃的姿勢をさらに強めるのでは、との懸念が高まっているが、ネタニヤフ首相はあらゆる可能性を排除しないと語った。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140713/asi14071311550001-n1.htm
アフガン大統領選、全投票を再調査 両候補が合意
2014.7.13 11:55
12日、カブールで、アフガニスタン大統領選決選投票の票の数え直しで合意し、握手する候補者のガニ元財務相(左)とアブドラ元外相(ロイター)
12日、カブールで、アフガニスタン大統領選決選投票の票の数え直しで合意し、握手する候補者のガニ元財務相(左)とアブドラ元外相(ロイター)
アフガニスタンを訪問中のケリー米国務長官は12日、首都カブールでアフガン大統領選候補者のガニ元財務相、アブドラ元外相と共に記者会見し、6月に行われた決選投票の全投票、約800万票を国際社会の監視の下で再調査することで両候補が合意したと明らかにした。
両候補は再調査の結果を受け入れることを約束。結果確定後、新大統領が挙国一致政権を組織することでも同意した。不正疑惑により選挙プロセスの破綻が危ぶまれていたが、米国の仲裁で決定的な対立は回避された。
再調査は数週間かかり、8月2日に予定されている新大統領の就任式は延期される見通し。
ケリー氏は会見で「(合意は)選挙プロセスの正当性の回復を求める両候補の強い願いのあらわれだ」と述べ、両候補の決断をたたえた。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140713/mds14071322350005-n1.htm
ガザの死者160人超す イスラエル特殊部隊とハマス交戦 地上侵攻の観測も
2014.7.13 22:35
13日、パレスチナ自治区ガザ南部に着弾したミサイル。イスラエル軍機が発射したとみられる(ロイター)
【カイロ=大内清、ニューヨーク=黒沢潤】イスラエル軍の空爆が続くパレスチナ自治区ガザ地区北部の海岸線に13日未明、同軍特殊部隊が上陸し、ガザを支配するイスラム原理主義組織ハマスの長距離ロケット弾発射施設を攻撃、ハマス側と交戦した。AP通信によるとこの戦闘で特殊部隊員4人が負傷した。8日の軍事作戦開始以降、ガザでの地上戦は初めて。ガザの死者は160人を超した。
またイスラエル軍は13日、ガザ北部の住民に退避するよう警告するビラを散布、同日にも地上侵攻に関する決定が下されるとの観測も出ている。
ただ、同国のネタニヤフ政権内では、地上侵攻を主張するリーベルマン外相ら強硬派とネタニヤフ首相との対立も取り沙汰されており、イスラエル兵の犠牲も予想される本格的な地上戦に踏み切るかは不透明だ。
同軍はこれまでに1300回以上の空爆を実施、ガザからはロケット弾800発以上が発射された。
一方、国連安全保障理事会は12日、イスラエルとハマスの双方に2012年11月の停戦合意への復帰を求める報道声明を発表。同国とパレスチナ自治政府の対話再開支援も表明した。
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アルカイダはなんでカリフの擁立に動かなかったんだ?やはり周辺部と昔からイスラム帝国の中原の勢力地の違いか?
ISIS、イスラム国家の樹立宣言―アルカイダなどに従属要求
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303844704580000151170593066
By MATT BRADLEY
2014 年 6 月 30 日 13:31 JST
【バグダッド】イラク北部を制圧するイスラム教スンニ派武装組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」は29日、「カリフ(予言者ムハンマドの後継者)」を最高指導者とするイスラム国家の樹立を宣言し、アルカイダなど他のイスラム組織に従属を求めた。
ISISはイスラム教で聖なる月とされるラマダン(断食月)の初日に音声ファイルをソーシャルメディアで流し、一連の宣言を行った。ISISの名称は「イスラム国」に改められ、イスラム国家のカリフはISISの指導者アブバクル・バグダディ容疑者であるとされた。
カリフを最高指導者とするイスラム国家は、90年前にトルコのアタチュルク初代大統領によって廃止されて以来、広く認められた政治組織としては存在してこなかった。今回の宣言は、こうした政教一致国家の復活を目指したものだ。
ただ、この宣言がどこまで大きな意味を持つのかはまだ不透明。この宣言の重要性は、国際テロ組織アルカイダの指導者アイマン・ザワヒリ容疑者の反応に大きく左右される。かつては大きな勢力を持っていたアルカイダだが、この1年の間にISISがシリアの武装勢力として台頭するのに伴い影響力が薄れている。
アルカイダとは異なり、ISISは統一されたイスラム国家を実現する首長になることを目指すという点において、他の武装勢力とは一線を画している。ザワヒリ容疑者はこれまで、ISISが制圧する地元住民に凶悪な攻撃を加えていることを理由にバグダディ容疑者を批判してきた。ザワヒリ容疑者は今年、バグダディ容疑者のISISをアルカイダ系組織から追放した。
今回の宣言は、アルカイダと他の敵対勢力に対する警告の意味合いが強い。これがイラク政府やそれを支援するイランや西側に対するISISの早々の勝利宣言だからだ。
米ワシントン近東政策研究所のイスラム集団専門家アーロン・ゼリン氏は「これはイスラム内部の問題だ。西側には影響がない」とし、「これまで以上に内紛が起こる可能性がある。またそれはシリアに限られたことではない」と述べた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140715/mds14071513110005-n1.htm
リビア首都空港、武装勢力の衝突続く 駐機中の航空機9割損傷
2014.7.15 13:11
国際空港付近から上がる黒煙=13日、トリポリ(ロイター)
リビアの首都トリポリの国際空港で13日から続く武装勢力同士の激しい衝突をめぐり、同国政府報道官は15日、駐機場の航空機の9割が損傷し、管制塔もロケット弾による攻撃を受けたと述べた。フランス公共ラジオが報じた。
空港は13日に閉鎖されたが、イスラム系武装勢力と、敵対する民兵勢力との衝突が続いているもようだ。これまでに少なくとも7人が死亡し、報道官は治安回復のため国際社会に軍部隊の派遣要請を検討中だと述べた。
リビアでは、イスラム勢力放逐を掲げる元軍将官派の民兵とイスラム武装勢力などとの衝突が各地で頻発し、治安が極度に悪化している。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20140715k0000e030231000c.html
イラク:スンニ派、内紛激化…イスラム国と旧政権残党
毎日新聞 2014年07月15日 13時12分(最終更新 07月15日 15時47分)
駐車した車に仕掛けられた爆弾が爆発した現場=バグダッド市内の商業地域で14日、AP
拡大写真 【カイロ秋山信一】イラクで侵攻を続けるイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」と、これまで協力関係にあった同じスンニ派のフセイン政権の残党との間の対立が表面化している。一方、政府軍は空爆などで反撃しているが、失地回復にはつながっていない。シーア派、スンニ派、クルド人の政治対立も収束の見通しが立たない。
◇政府側、失地回復遠く
イスラム国に協力するフセイン政権時代の独裁与党・バース党元幹部によると、イスラム国は6月下旬に新国家建設を一方的に宣言した後、モスルでバース党の元党員や旧政府軍幹部を次々と拉致しているという。元幹部は取材に「狙いが分からない。身代金目的の可能性もある」と話した。ロイター通信によると、25〜60人が拉致された可能性があるという。
イスラム国とバース党は同じスンニ派だが、国家観が異なる。バース党の残党らは政教分離主義で、イスラム国はイスラム法に基づく統治を目指している。当初は「反マリキ政権」で一致していた両者が、内部対立を始めたとの見方が強まっている。
政府側にとってイスラム国側の内紛は反転攻勢の好機だが、進撃は鈍い。モスルやフセイン元大統領の出身地ティクリートなどイスラム国側の支配地域に断続的に空爆を行っているが、地上作戦に必要な補給路の確保がままならない。バグダッドへの侵攻は食い止めたが、約50キロ北のバクバ近郊では戦闘が続いている。米国は6月に軍事顧問団を派遣し、ロシアも中古戦闘機を供与したが、戦況を大きく好転させるには至っていない。
米国が軍事支援強化の条件とする「挙国一致体制の確立」も程遠い。スンニ派やクルド人は、シーア派との協調の条件として首相退陣を要求しているが、マリキ氏は強硬に拒んでいる。
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>イラクでは、多数派のシーア派が国政の実権を持つ首相に、クルドが名目的元首の大統領に、スンニ派が国会議長に就くのが慣例。
そんな慣例が出来てたんか。
>10年12月に発足した第2次マリキ政権は総選挙から組閣まで9カ月半を要しており、今回の政権協議も長期化する可能性は高い。
揉めるのは毎度のことなのか・・。
マリキ降ろし「本命」不在 議会初日は大混乱、国家分裂の危機
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140703/mds14070309060002-n1.htm
2014.7.3 09:06
【カイロ=大内清】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の攻勢にさらされるイラクで、次期政権を担う首相選びが不透明感を増している。北部クルド自治政府のバルザニ議長が1日、自治区の独立の是非を問う住民投票を数カ月以内に行うと表明するなど国家分裂の危機が高まる中、スンニ派や一部シーア派勢力は「マリキ首相降ろし」の動きを強めているが、マリキ氏に代わる“本命”は浮上していない。
首相などの主要ポストを選ぶ国民議会が初招集された1日、議場にはシーア派、スンニ派、クルド各勢力の怒号が飛び交った。多数の議員が退席し、議長さえ決まらぬまま散会した。
イラクでは、多数派のシーア派が国政の実権を持つ首相に、クルドが名目的元首の大統領に、スンニ派が国会議長に就くのが慣例。イスラム国の台頭で各勢力の利害関係が複雑化する中、合意形成の難しさが改めて浮き彫りとなった。
「(政権作りは)憲法に従って行われるべきだ」。マリキ氏は先月25日の演説などでこう強調してきた。4月の総選挙で勝利したシーア派会派「法治国家連合」を率いる自身にこそ、正統性があるとの主張だ。
これに対し、マリキ氏の過度なシーア派優遇がイスラム国の台頭を招いたとするスンニ派は同氏の退陣を要求。シーア派内でもマリキ氏と対立するサドル師派などは批判を強めている。イラクに軍事顧問団を派遣した米国や、イラクに強い影響力を持つイランでも首相交代論が高まっているとされ、マリキ氏は孤立を深めている状況だ。
ただ、有力な首相候補はなおも不在だ。イランに近いハキム師の会派に属するアブドルマハディ元副大統領やジャビル元財務相、チャラビ元副首相らの名前が挙がっているが、ハキム師派の議席は法治国家連合の約3分の1にとどまり、政権運営は難航が予想される。
2003年のイラク戦争後に移行政府首相を務めたジャアファリ氏のほか、マリキ氏の側近とされるナジム氏やファイヤード首相補佐官、マリキ政権の重鎮であるシャハリスタニ副首相らを推す声もある。ただ、マリキ氏に近い人物が政権を握った場合、同氏の影響力が残るとの見方もあり、反マリキ派の異論は強い。
10年12月に発足した第2次マリキ政権は総選挙から組閣まで9カ月半を要しており、今回の政権協議も長期化する可能性は高い。
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過激派組織「イスラム国」指導者重傷か 軍空爆受けシリア側へ
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140705/mds14070519430005-n1.htm
2014.7.5 23:14
イラクの一部メディアは5日、イラク中西部アンバル州カイムのシリア国境近くで同日までにイラク軍による空爆があり、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」指導者のバグダディ容疑者が負傷したと報じた。イスラム国はこの報道を確認しておらず真偽は不明。
報道では、空爆があったのは4日で、他のイスラム国メンバーにも死傷者が出たという。バグダディ容疑者は重傷を負い、シリア側に逃れたとしている。イスラム国は6月下旬、カイムの国境検問所を制圧した。
一方、イスラム国は5日、短文投稿サイトのツイッターで、シリア東部デリゾール県の「全ての油田を制圧した」と表明した。
フランス公共ラジオによると、イスラム教スンニ派の宗教権威カラダウィ師は5日、イスラム国による政教一致国家の樹立宣言を「無効だ」と非難した。(共同)
国境にサウジ兵3万 過激派「イスラム国」の勢力拡大を警戒
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140704/mds14070411170004-n1.htm
2014.7.4 11:17
中東の衛星テレビ、アルアラビーヤは3日、サウジアラビア軍がイラクとの国境地帯に兵士3万人の部隊を配置したと報じた。イスラム過激派「イスラム国」の勢力拡大を警戒した対応とみられる。詳細は不明だが、イラク軍が国境地帯の警備から撤退したとの情報がある。サウジは、イラクと約800キロの国境を砂漠地帯で共有している。国営サウジ通信によると、アブドラ国王は「サウジの治安と安定のために必要なあらゆる手段を講じる」との方針を示していた。
ロイター通信によると、イラク北部クルド自治政府のバルザニ議長は3日、自治議会に対し、クルド人自治区独立の是非を問う住民投票の管理委員会を組織するよう要請した。中央政府との対立激化は避けられない情勢だ。シリア人権監視団(英国)によると、イスラム国は3日、シリア東部デリゾール県にあるシリア最大のオマル油田を制圧した。油田を制圧していた国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」が撤退したという。(共同)
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>>309
シーア派同士が争い 統治揺らぎに拍車
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140704/mds14070419130005-n1.htm
2014.7.4 19:13
【カイロ=大内清】イスラム教スンニ派過激組織とシーア派主導の政府側との戦闘が続くイラクで、シーア派同士の争いが顕在化し始めている。ロイター通信などによると、1日から2日にかけ、中部のシーア派聖地カルバラで、シーア派聖職者サルヒ師を支持する民兵と、政府の治安部隊が衝突し45人が死亡した。シーア派内の分裂は、イラク統治の揺らぎに拍車をかけている。
イラクでは、6月にスンニ派過激組織「イスラム国」が国内で攻勢を拡大させて以降、シーア派最高権威のシスタニ師が国民から志願兵を募ったり、スンニ派やクルドを含む各政治勢力に団結を呼びかける声明を相次いで発表。これに対しサルヒ師は最近、ネット上で反対を表明した。
シスタニ師派との関係が緊張する中、サルヒ師派民兵は1日、カルバラ市内の道路を封鎖、治安部隊がサルヒ師逮捕に乗り出して戦闘となった。同師は戦闘中に自宅から逃れたという。
サルヒ師は、シーア派の隣国イランでとられている政治体制「ベラーヤテ・ファギーフ(イスラム法学者の統治)」をイラクで実現することを目指しているとされる一方、イランからの政治的影響力の排除を主張。イラン生まれで同国と近い関係にあるシスタニ師には以前から批判的で、過去にも双方の民兵が衝突する事件などが起きていた。
イラクでは先月、イスラム国が「カリフ制国家」樹立を宣言したほか、北部クルド自治政府も独立に向けた住民投票を実施すると表明し、国の枠組みが大きく揺らいだ状態にある。
こうした時期にサルヒ師が、多くのシーア派信徒から尊敬を集めるシスタニ師の権威に公然と挑戦する行動に出たのは、混乱の中で自身の影響力を拡大させる狙いがあるためだ。
一方でシーア派内では、過度な自宗派優先と強権的な政権運営がイスラム国台頭を招いたと批判されるマリキ首相に退陣を迫る動きが広がっている。ただ、後任選びはシーア派勢力同士の主導権争いなどから難航も予想されており、早期に足並みをそろえられるかは不透明だ。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140715/mds14071522570008-n1.htm
イラク新議長にジュブリ氏 首相人選は難航か
2014.7.15 22:57
イラク連邦議会(国会)は15日、4月の総選挙を受けた新議会の議長にイスラム教スンニ派のサリム・ジュブリ議員を選出した。今後45日以内に首相候補が選ばれる規定になっているが、マリキ首相は強まる退陣要求を拒否しており、人選には難航が予想される。
新議会は今月1日に初招集され、直ちに新議長を選出する予定だったが、人選をめぐる各派の合意に手間取った。憲法によると、議会は議長選出後30日以内に大統領を選出し、大統領は15日以内に首相候補を指名する。
マリキ氏が率いるシーア派中心の政党連合は総選挙で第1勢力となったが、マリキ氏はシーア派偏重のこれまでの政権運営がスンニ派の過激派「イスラム国」の台頭を招いたと批判され、スンニ派やクルド人勢力のほか一部シーア派政党からも退陣要求が出ている。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20140717k0000m030045000c.html
イラク:連邦議会、新議長を選出…次期政権樹立へ一歩
毎日新聞 2014年07月16日 19時23分(最終更新 07月16日 22時35分)
【カイロ秋山信一】イスラム過激派「イスラム国」が主導するスンニ派武装勢力の侵攻が続くイラクで15日、連邦議会が開かれ、スンニ派のサリム・ジュブリ氏を新議長に選出した。
憲法の規定では、議会は今後30日以内に大統領を選出し、大統領が首相候補に組閣を命じる。4月の連邦議会選挙に基づく次期政権樹立に向けて一歩踏み出した格好だが、首相の座を巡って、続投に意欲を見せるマリキ首相と反マリキ派の政争が続いている。
15日の本会議には、反マリキ派も含めた大半の議員が出席し、スンニ派の最大会派が推すジュブリ氏が議長選で勝利した。2003年のフセイン政権崩壊後、イラクでは首相をシーア派、大統領をクルド人、議長をスンニ派から選ぶことが慣例化している。
次の焦点は大統領の選任となる。クルド人はシーア派に対して首相候補を一本化するよう求めている。マリキ首相の党派は最多議席を占めており、続投の道を模索している。だが、シーア派内でも混乱を招いたマリキ氏に反発する声は強い。
スンニ派武装勢力は北部や西部の広域を支配し、バグダッド近郊でも戦闘が続いている。
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イラク軍、ティクリート近郊で進撃阻止される―武装組織の地雷に
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303844704579655323113393910?mod=WSJJP_article_outbrain&obref=obinsite
By MATT BRADLEY AND LAITH AL HAYDAR
2014 年 6 月 30 日 11:18 JST
【バグダッド】28日午後にイスラム・スンニ派武装組織への反撃を開始したイラク政府軍は29日午前、北部ティクリート近郊で進撃を阻まれている。現地政府軍当局者が同日明らかにした。
軍の臨時司令部があるバクダッド北方サマラの治安部隊司令部によれば、武装組織はサマラ・ティクリート間の幹線道路に広範囲にわたって地雷を埋設した。一方、イラク国営テレビは政府の声明として、政府軍はティクリートを制圧したとし、数時間以内にサマラを州都とするサラーハッディン州全域の奪還に向け準備に入ると伝えており、現場からの報告と矛盾する。ティクリートの複数の住民によれば、29日午前現在イラク軍はティクリートを制圧できていない。同地は故サダム・フセイン大統領の出身地でスンニ派による占領米軍への抵抗運動の発火点となった。
政府軍がスンニ派武装組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」からティクリートを奪還できれば、政府にとっては心理的に大きな勝利となる。また、4月の議会選を受けて7月1日に招集される新議会でマリキ首相の3期目の続投を阻止する動きが強まっているが、同首相にとっても大きな勝利となる。
サラーハッディン州の検問所のクルド自治政府治安部隊の兵士(28日) Reuters
イラクは、2003年の米軍進攻以来最大の国家安全保障上の危機から脱却するため、国内外から挙国一致内閣を早急に組織するよう強い圧力を受けている。議会選ではマリキ首相率いる与党会派が勝利したが、与党内から同氏が国家の団結を弱め、軍事的な敗退をもたらしたと批判する声が強まっている。
政府軍のティクリートに向けた進攻が、派遣された米軍顧問団の支援を受けたものかどうかははっきりしない。オバマ米大統領が先週派遣を発表した300人の軍事顧問団のうち、少なくとも180人がすでにイラク入りしている。
イラク議会安全保障・国防委員会のメンバーであるアンマー・トーマ氏は、イラク軍の攻勢はタイミングや質の高さからみて、おそらく米軍顧問団が計画に関与していたと推測する。同氏はまた、オバマ大統領はイラク政府からの武装組織への空爆要請を拒否したものの、米軍の「F18ホーネッツ」戦闘機が連日バクダッドの上空を30回以上偵察飛行していると指摘する。
イラク国防省は28日、ロシア製「スホイ25」戦闘機5機がこのほどバクダッドに到着したと発表した。イラク空軍には装備がほとんどなく戦闘機はこの5機だけだ。しかし、イラク軍パイロットがこのスホイ25の操縦訓練を十分に受けているかどうかははっきりしない。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3020849
シリア難民少女、幼すぎる結婚が倍増 ヨルダン
2014年07月17日 17:10 発信地:アンマン/ヨルダン
【7月17日 AFP】ヨルダンへ国外避難しているシリア難民の中で、貧困や性的暴力から身を守るために幼くして結婚する少女たちの数が倍増している。
子ども支援の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」が発表した「Too Young to Wed(若すぎる結婚)」と題する報告書によると、シリアで2011年に武力衝突が勃発する以前は、子どもの結婚は同国の結婚全体の13%だった。しかし「内戦が始まって以降、ヨルダンにいるシリア難民の少女の間では、幼くして強制され結婚する例が倍増している」という。そうした少女たちの48%は、自分よりも10歳以上年上の男性との結婚を強いられている。
国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が16日に発表した統計によると、ヨルダンにいるシリア難民の間で子どもの結婚率は、2012年には18%、13年には25%に上昇し、今年1〜3月の調査では32%に跳ね上がっていた。
報告書は「18歳以前に結婚する少女たちは、他の少女よりも家庭内暴力を経験する傾向が高く、また性と生殖に関する健康のケアを受ける機会が限られており、妊娠した場合には身体的に若すぎ危険にさらされる可能性が極めて高い」と警告している。
ヨルダンには60万人を超えるシリア難民が退避している。シリア難民の少女たちは、裁判所の承認があれば18歳未満でも結婚できる。ヨルダン政府の統計によると、シリア難民の少女の結婚が届けられた件数は、11年には42件だったが、13年には735件だった。(c)AFP
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http://www.afpbb.com/articles/-/3021014
ガザ地区の戦闘激化、双方の犠牲者347人に
2014年07月20日 10:15 発信地:ガザ市/パレスチナ自治区
【7月20日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で19日、イスラエルの軍事作戦によってパレスチナ人46人が死亡し、1日の死者数としては本格的な戦闘が始まった今月8日以降で最悪の水準となった。同日はイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)からの攻撃でイスラエル側にも兵士2人と民間人1人の犠牲者が出た。
イスラエル軍がガザ地区で「プロテクティブ・エッジ作戦(Operation Protective Edge)」を開始してから12日目の同日までにパレスチナ側の死者は342人に達した。複数の人権擁護団体は、子供の犠牲者が増えていると警鐘を鳴らしている。
一方のイスラエルは、境界線を越える地下トンネルの破壊を目指して地上作戦を強化する用意があると警告した。
こうした激しい攻撃にもかかわらず、ガザ地区中心部のパレスチナ部隊がトンネルを通ってイスラエル南部への侵入に成功した事例が3件あり、そのうちの1件ではイスラエル兵士2人が死亡した。パレスチナ側は一連の攻撃で4人が死亡した。
また警察によると同日、イスラエル南部のベドウィン(アラブ系遊牧民)の野営地にロケット弾が着弾し、ベドウィンの男性1人が死亡。幼児2人を含む家族4人が負傷した。
今回の戦闘が始まった今月8日以降、イスラエル側の死者数は、兵士3人と民間人2人の計5人となり、2009年以降のイスラエルとハマスの戦闘で最も多くなっている。
イスラエル軍の記録によると、19日はロケット弾と迫撃砲76発がイスラエル国内に着弾し、この他に14発が迎撃された。これにより、この12日間におけるイスラエルへの発射数合計は1321発で、うち356発が迎撃された。(c)AFP/Adel ZAANOUN
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http://www.afpbb.com/articles/-/3021020
キリスト教徒ら大脱出、イラク北部 「イスラム国」改宗など強制
2014年07月20日 11:45 発信地:モスル/イラク
【7月20日 AFP】イラク北部のモスル(Mosul)を支配するイスラム教スンニ派(Sunni)の武装勢力「イスラム国(Islamic State、IS)」が、モスルに住むキリスト教徒にイスラム教への改宗、特別税の納付、モスルからの退去のいずれかを求め、19日正午(日本時間同日午後6時)の期限を前に多くのキリスト教徒がモスルから脱出した。
数千人のキリスト教徒が住むモスルを約1か月半前に制圧したイスラム国は、キリスト教徒がこの要求に従わない場合、「彼らに残されるのは剣しかない」としていた。
モスルで取材している AFP記者によると、キリスト教徒らは期限に間に合わせようと、自家用車やタクシーにすし詰めになっていたという。
家族を車に乗せてモスルから脱出してきたというあるキリスト教徒は、「町を離れる時、武装勢力の検問所でお金や宝石類をすべて取り上げられた家庭もいくつかある」と語った。(c)AFP
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140718/mds14071822180008-n1.htm
石打ちで女性を処刑 シリア、イスラム国
2014.7.18 22:18 [中東・アフリカ]
シリア北部ラッカ県で18日までに、同県の大半を実効支配するイスラム過激派「イスラム国」が、不貞行為に及んだとして、石を投げ付ける「石打ちの刑」により女性を「処刑」、殺害した。フランス公共ラジオが報じた。
処刑は17日夕、ラッカ県の町の広場で行われた。シリア人権監視団(英国)によると、イスラム国がシリアで、こうした処刑を行ったのは初めてという。
イスラム国は、イスラム教の戒律を厳格に適用する国家の樹立を目指し、掌握地域のラッカなどで、女性に全身を隠す衣装「ニカブ」の着用を強要するなどしてきた。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140718/mds14071811170004-n1.htm
【イスラエル・ガザ進攻】
作戦と同時に停電、闇夜に迫る攻撃音 「恐ろしい夜だ」
2014.7.18 11:17
17日、ガザ地区北部に撃ち込まれたイスラエル軍のロケット弾(ロイター)
17日、ガザ地区北部に撃ち込まれたイスラエル軍のロケット弾(ロイター)
闇夜に突然、激しい空爆と砲撃音が迫ってきた−。イスラエル軍は17日夜、イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザへの地上作戦に踏み切った。家族で身を寄せ合っているというガザ住民は「恐ろしい夜だ」と声を震わせた。
この住民によると、作戦と同時にガザのほぼ全域が停電。家族は同じ部屋に集まり、ろうそくに灯をともし、ラジオでニュースに聞き入った。街中に人影はないという。
現場からの映像によると、照明弾が撃ち込まれるたびに、ガザの住宅街が照らし出され、一部では白煙が上った。
ロイター通信によると、イスラエル軍はガザとの境界に沿って海と陸から砲撃を加え、ヘリコプターが空爆を展開した。部隊がガザを包囲する形で侵攻を進めている可能性もある。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140718/amr14071812550002-n1.htm
米が「強い支持」 秘密トンネル「差し迫った脅威」とネタニヤフ氏
2014.7.18 12:55 [米国]
17日、ガザ地区近くを走行するイスラエル軍の戦車部隊(ロイター)
17日、ガザ地区近くを走行するイスラエル軍の戦車部隊(ロイター)
【ワシントン=加納宏幸】米国のケリー国務長官は17日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で協議し、同国軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への地上進攻を自衛権に基づく措置として「強い支持」を表明した。一方で、事態の拡大を回避し、一般市民の犠牲を招かないようイスラエル、イスラム原理主義ハマスの双方に自制を求めた。
ネタニヤフ氏は協議で、ガザからイスラエルにつながる秘密トンネルが同国民にとり「差し迫った脅威」になっていると主張。ケリー氏は、作戦はトンネルに限定されるべきだとする米政府の考えを伝え、2012年の停戦合意に戻るよう重ねて求めた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140718/mds14071819170005-n1.htm
停戦調停難しく、戦闘長期化の可能性
2014.7.18 19:17 (1/2ページ)
17日、パレスチナ自治区ガザとの境界付近を進むイスラエル軍戦車(ロイター)
17日、パレスチナ自治区ガザとの境界付近を進むイスラエル軍戦車(ロイター)
【カイロ=大内清】今回のイスラエルによるガザ地上侵攻に至った展開は、8日間で停戦合意に至った2012年11月の大規模戦闘よりも、3週間の長期作戦となった08〜09年に近い。ハマスは、仲介役であるエジプトに強い不信感を抱いていることからも停戦調停は難航が予想され、戦闘がいたずらに長期化する可能性もある。
「軍事作戦は、必要な限り継続する」。イスラエル軍報道官は地上侵攻決定後の17日、こう述べ、地上部隊撤退までの期限は設けていないことを強調した。
イスラエルとハマスの間では、08〜09年と12年に大規模な軍事衝突が発生している。
このうち12年の場合は、ハマスの源流であるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団が主導するエジプトのモルシー政権が早くから仲介に乗り出し、イスラエルが地上侵攻に乗り出す前に停戦合意が成立。ハマスは、ガザ封鎖の緩和や、エジプトがそれを保証することなどの「外交的成果」を挙げた。
しかし今回、エジプトのシーシー政権が提示した停戦案は、無条件での戦闘停止後に停戦合意の詳細を協議するとするもので、ガザ経済の改善に向けて封鎖解除を強く求めているハマスにとっては不十分な内容だ。同政権がハマスに不利といえる提案をしている背景には、敵対する同胞団と緊密な関係にあるハマスを弱体化させたいという、イスラエルと共通した思惑がある。
こうした構図は、08〜09年に発生した軍事衝突と似通った点が多い。
この衝突の際もイスラエルは大規模な空爆作戦後にガザへ地上部隊を派遣。イスラエルと良好な関係にあった当時のエジプトのムバラク政権などが停戦案を提示したがハマスはこれを拒否し、地上作戦はイスラエルが一方的に停戦を宣言するまで2週間にわたって続いた。この衝突によるガザの死者は1400人超に上った。
今回のハマスとの戦闘についてネタニヤフ政権内では、連立与党の極右「イスラエルわが家」を率いるリーベルマン外相がハマスの完全武装解除に向けてガザを再占領するべきだと主張するなど強硬な意見も出ている。国際社会の関心がウクライナでのマレーシア航空機撃墜事件に集まっていることで停戦圧力が弱まるとの見方もあり、停戦機運が高まるかは不透明だ。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140721/mds14072118000001-n1.htm
【海外事件簿】
イラン変わらぬ「言論封殺」 FBユーザーの若者に長期禁錮刑
2014.7.19 12:00 (1/2ページ)[海外事件簿]
イランの裁判所はこのほど、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブックで自国を批判するプロパガンダ(政治宣伝)を流布したなどとして、ユーザーの若者8人に禁錮21〜8年の判決を言い渡した。同国では昨年夏、「より開かれた社会」を標榜(ひょうぼう)するロウハニ政権が発足したが、約1年がたった今も、体制批判につながりかねない言論を封殺する体質は変化していないようだ。(カイロ 大内清)
イラン反体制派系のウェブサイトなどによると、8人は昨年12月、ネットを監視するサイバー警察によって検挙された。8人の身元や容疑とされる「プロパガンダ」の詳しい内容は明らかにされていないが、イランでは過去にも、最高指導者であるハメネイ師や、イスラム法学者が国家の統治を担う政治システム「ベラーヤティ・ファギーフ」を批判したなどとして長期の禁錮刑が言い渡されたケースがあり、8人も同様の罪に問われたものとみられる。
同国ではフェイスブックなど多くのSNSは禁止されているが、多くの国民は政府の規制を迂回(うかい)できるソフトを使ってそれらを利用しているのが実情だ。アフマディネジャド前政権時代の反政府デモの呼びかけなどにSNSが利用されることも多かった。
このため政府は、ネット上で特定の単語を検索するフィルターなどを使ってSNSを監視。同国の人権専門家は「厳しい刑を言い渡すことでネットユーザー全体に警告を発している」と指摘する。その意味では今回の事件も、一罰百戒を狙った“みせしめ”といえる。
イランでは今年5月にも、米人気歌手ファレル・ウィリアムスさんのヒット曲「ハッピー」に合わせて踊る動画をネット上に投稿した男女7人が、「反イスラム的だ」「公共道徳に反している」などとして逮捕され、国際的な批判を浴びた。女性の出演者が、同国では屋外で隠すことが義務づけられている髪の毛を露出させていたことなどが逮捕の根拠となった。
ロウハニ大統領はこの際、短文投稿サイトのツイッターで「ハッピーになるのは国民の権利だ。喜びから引き起こされたこのような振る舞いにあまり厳しくするべきではない」などと述べ、ネット上の「表現の自由」に一定の理解を示した。
ただ、同国の司法界は宗教的に厳格で反欧米的な保守派に支配されているほか、指導部の親衛隊的性格を持つ革命防衛隊が社会のあらゆる面に影響力を持っているのが実情。約1年前、国民からの高い人気と期待を背負って政権の座に就いたロウハニ師だが、改革は容易ではない。
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http://mainichi.jp/select/news/20140721k0000m030056000c.html
ガザ:死者400人超える…戦闘激化、医療態勢は崩壊寸前
毎日新聞 2014年07月20日 21時02分(最終更新 07月21日 04時49分)
【ガザ市(パレスチナ自治区)大治朋子】パレスチナ自治区ガザ地区北東部で20日、イスラエル軍の猛爆撃で少なくとも50人のパレスチナ人が死亡し、イスラム原理主義組織ハマスとの戦闘が本格化した今月8日以降の死者数は400人を超えた。ロイター通信などが伝えた。激しい攻撃が続く現場には救急隊も近づけず、数千人の住民が逃げ惑った。
赤十字国際委員会の仲介で、イスラエルは20日午後1時半から2時間、ガザ北東部で停戦すると発表。同地から死傷者を搬出するためで、ハマス側も合意したが停戦はわずか1時間で破られた。
17日深夜の地上戦開始後もイスラエルに対するハマスのロケット弾攻撃はやまず、イスラエル軍の攻撃も激しさを増している。市民の死傷者は急増。医師らが不眠不休で治療にあたっているが、輸血用の血液や麻酔が欠乏するなど、ガザの医療態勢は崩壊寸前だ。
ガザ保健省によると、同地では8日以降の死者が400人を突破したほか、負傷者は2600人に上る。イスラエル側ではハマスのロケット弾攻撃で民間人2人、ガザでの交戦などで兵士5人が死亡している。
「重傷者が続々と運び込まれているのに医師が足りない。輸血も麻酔もなくなりつつある」。ガザ市中心部のシファ病院で19日、オバイド医師(44)が疲れ切った様子で語った。ガザ最大の病院だが、輸血用の血液が大幅に不足。点滴器具や注射器など最低限必要な医療器具すら欠乏している。集中治療室は1室しかなく、「救える命を救えない」。
保健省のケドラ氏は「今回の紛争前から(ヨルダン川西岸の)パレスチナ自治政府に医療品の支援を求めてきたが、何もしてくれなかった」と指摘。パレスチナ内部の問題も大きいと強調した。
激しい戦闘が続くガザ北部ジャバリアのカマル・アドワン病院でエブラヒム副院長(47)が言った。「市民の大半は戦闘は無関係なのに、犠牲を払うのはいつも市民だ」
イスラエル軍は「ハマスが民家や病院、学校を兵器の保管場所に使っているため、やむを得ず民間施設を攻撃している」と訴える。17日には、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)運営の学校でロケット弾20発が発見された。ハマスなど武装組織が民間施設を「人間の盾」に使っているのは事実だ。
エブラヒム氏は「負傷者の多くは近隣の空爆に巻き込まれた人々だ」と話す。イスラエル軍の爆撃の威力は極めて大きく、標的だけでなく周辺住宅の損害も大きい。
UNRWA運営の学校など55施設で避難生活を送る市民は6万3000人。国連世界食糧計画(WFP)は避難所で食料配布を開始したが、20日現在、2万人分にとどまっている。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140725/mds14072513340009-n1.htm
イラク大統領にマスーム氏 クルド人、首相候補指名へ
2014.7.25 13:34
イラク新大統領に選出され、会見するフアド・マスーム氏=24日、バグダッド(AP)
イラク新大統領に選出され、会見するフアド・マスーム氏=24日、バグダッド(AP)
イラク連邦議会(国会)は24日、4月の総選挙を受けた新大統領にクルド人政治家フアド・マスーム氏(76)を選出した。国家元首の大統領は政争と一線を画した象徴的な存在とみなされており、宗派、民族対立が深まる国内各勢力の融和が課題となる。
マスーム氏は15日以内に首相候補を指名する。マリキ首相は強まる退陣要求を拒否しており、指名は難航が必至だ。マリキ氏率いるイスラム教シーア派中心の政党連合は4月の総選挙で第1勢力となったが、過半数には届かず、続投には他勢力の協力が必要。
マスーム氏は、退任するタラバニ大統領が創設したクルド人政党、クルド愛国同盟(PUK)の創設メンバー。イラク戦争後、諮問評議会の議長など要職を歴任してきた。今回、クルド人各勢力により大統領の統一候補に選ばれていた。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140726/mds14072600160001-n1.htm
500キロ余りを結ぶ、トルコで高速鉄道開業 イスタンブールと首都
2014.7.26 00:16
トルコの首都アンカラと最大都市イスタンブール間の500キロ余りを結ぶ高速鉄道が25日、開業した。経済成長を背景に巨大プロジェクトを推進してきたエルドアン首相が一番列車に乗り「数々の障害を乗り越え、開業にこぎつけた」と自賛した。
フランス公共ラジオによると、車両はスペイン製、線路などは主に欧州企業が建設した。最高時速250キロで、所要時間は従来の6時間余から3時間半に短縮される。ただ、イスタンブールのターミナル駅はアジアと欧州を隔てるボスポラス海峡のアジア側の郊外にあり、欧州側の中心部への延伸が今後の課題だ。
トルコの鉄道はオスマン帝国時代の19世紀に整備された後、近代化が遅れ、国内交通はバスと飛行機が中心。政府は鉄道網の改修を進めており、昨年10月にはボスポラス海峡に日本の支援で海底鉄道トンネルが完成した。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140725/mds14072510070003-n1.htm
イスラエル新大統領にリブリン氏就任 ペレス氏の後任
2014.7.25 10:07
議会で宣誓するイスラエルのリブリン新大統領=24日、エルサレム(AP)
議会で宣誓するイスラエルのリブリン新大統領=24日、エルサレム(AP)
イスラエルのリブリン新大統領(74)の就任式が24日、同国国会で行われた。任期を満了したペレス氏の後任。イスラエル大統領は政治的実権を持たない象徴的存在で、任期は7年。
イスラエル国会は6月、大統領選挙を行い、リブリン氏が当選した。リブリン氏は国会議長などを務めた右派の重鎮。
ノーベル平和賞受賞者のペレス氏は国際的に知名度が高く、中東和平などに関して積極的に発言してきたが、リブリン氏はペレス氏ほどの発信力は持たないとみられる。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140728/amr14072810060003-n1.htm
アフガン大統領選、決選2候補に不協和音 再集計が停滞
2014.7.28 10:06 (1/2ページ)
【ニューデリー=岩田智雄】大統領選の決選投票の再集計が進むアフガニスタンで、新大統領就任後に発足させる挙国一致内閣のあり方について、ガニ元財務相、アブドラ元外相の両候補の間で不協和音が表面化している。双方は票の再集計の手法でも対立、26日には作業が3度目の停止に追い込まれるなど、来年以降の駐留継続を目指す米国をやきもきさせている。
決選投票では、暫定結果2位のアブドラ氏が不正を訴え、ケリー米国務長官の調停により全ての票を再集計し、最終結果発表後に両候補が挙国一致内閣を樹立することで合意していた。
外交筋によれば、挙国一致内閣案は敗者が行政長官となり、約2年後のロヤ・ジルガ(国民大会議)での憲法改正を経て新ポストの首相に就任するという内容。取材に対し、アブドラ氏陣営の関係者は合意案を認めたが、暫定結果1位のガニ氏の陣営幹部は「制度変更については合意していない」と明らかにした。
米国など北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、国際治安支援部隊(ISAF)撤退後の駐留枠組みを9月上旬の首脳会議で協議する。それに先立ち、8月最終週に就任予定の新大統領と駐留兵の地位を定める協定に署名する意向だ。
しかし、17日に始まった票の再集計は無効票の判定法をめぐり対立し、27日からの週の後半まで停止された。対象の約2万3千個の投票箱のうち1300箱余りしか検査が終わっておらず、波乱含みの様相だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014072802000120.html
一時停戦にらみ合い ハマスとイスラエル ガザ
2014年7月28日 朝刊
【カイロ=中村禎一郎】ロイター通信によると、イスラム原理主義組織ハマスは二十七日、国連の求めに応じ、人道支援を目的に午後二時(日本時間午後八時)から二十四時間の一時停戦に合意したと発表した。しかし、イスラエルのネタニヤフ首相は米CNNテレビとのインタビューで「ハマスは自ら言った停戦を守っていない」と非難した。
午後二時の停戦開始時刻を過ぎても、パレスチナ自治区ガザ地区ではイスラエル軍の砲撃の音が聞こえ、イスラエル側ではハマスによるロケット弾を警戒するサイレンが鳴った。だが、イスラエルは午後六時半(日本時間二十八日午前零時三十分)現在、戦闘を控えているもようだ。
ガザを実効支配するハマスとイスラエルは、二十六日、一時停戦に同意。戦闘は午前八時(日本時間午後二時)から十二時間、停止された。さらに、イスラエルは国連の要請を受け、停戦の四時間延長を決定した。イスラエルはその後の治安閣議で停戦をさらに二十四時間延長し、二十八日午前零時(日本時間午前六時)までとすることも決めていた。
ところが、ハマスは最初の十二時間の停戦が終わった時点で延長を拒否。「イスラエルの装甲車がガザから撤退しない限り、人道的停戦は無効だ」として、イスラエルへのロケット弾攻撃を開始し、イスラエルの最大都市テルアビブなどにロケット弾を発射した。
イスラエル軍も、ガザからロケット弾が発射されたとして軍事行動を再開。イスラエルは一時停戦にあたり、ハマスが攻撃を再開すれば反撃する姿勢を示していた。
AFP通信によると、イスラエル軍は停戦時間中もガザで、地下トンネルの破壊活動を継続。これまでに三十以上のトンネルを発見している。ガザでは一時停戦時間中、がれきに埋まっていたパレスチナ人の遺体が百四十七体見つかり、犠牲者は千六十二人に上っている。イスラエル側では、民間人三人を含む四十六人が死亡している。
一方、たとえ一時停戦が実現しても本格停戦は難しいとの見方は強い。ガザに隣接するエジプトでは昨年、ハマスの母体でもあるイスラム主義組織ムスリム同胞団出身のモルシ政権が崩壊。現シシ政権は同胞団を抑圧する政策を取っており、支援を期待できないハマスは、存続の危機に立たされている。
同胞団に詳しい専門家ハムディ・レスク氏は「ハマスは、何らかの成果がなければ決して本格停戦には応じない」と分析。戦闘を続ける背景に、パレスチナ自治政府のアッバス議長がトップを務めるパレスチナ解放機構(PLO)との統一暫定政権樹立があると指摘する。「戦闘でハマスの求心力が高まっている。近く予定されている評議会と議長選挙でアッバス氏に勝利することを目指しているのではないか」と話した。
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http://mainichi.jp/select/news/20140730k0000m030043000c.html
アフガニスタン:大統領選 決選投票の再集計が難航
毎日新聞 2014年07月29日 19時39分
【ニューデリー金子淳】アフガニスタン大統領選で決選投票の再集計が難航している。独立選挙委員会(中央選管)は約810万のすべての投票について不正を調査しているが、不正票の選別基準などを巡り両候補者がたびたび対立。26日には再集計の作業が3度目の中断に入った。最終結果が出るまで当初は「3週間程度」と言われていたが、発表のめどは立っていない。
決選投票はアシュラフ・ガニ元財務相(65)が暫定結果で過半数を獲得したが、対立候補のアブドラ・アブドラ元外相(53)が「不正があった」として結果を拒否。12日にケリー米国務長官の仲介で再集計することなどが決まった。
選管などによると、再集計は17日に始まったが、両陣営で不正票の判断基準が食い違うなどして作業が停滞。再集計が終わったのは、投票箱約2万3000個のうち1300個あまり。オバマ米大統領は25日、両候補に電話で結束を保つよう求めたが、選管は26日、再集計を一時中断した。関係者の協議を経て、ラマダン(イスラム教の断食月)明けの祝祭「イード」が終わる31日にも再開する方針だ。
新大統領は8月末にも就任する予定だが、再集計作業が停滞すれば遅れる可能性もある。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140729/asi14072908220002-n1.htm
タリバン、カブール周辺で攻勢 国際支援部隊撤収前に治安維持に不安
2014.7.29 08:22 (1/2ページ)
【ニューデリー=岩田智雄】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンが首都カブール周辺で攻勢を強めている。隣接州の一部地域では幹線道路近くを支配下に置き、最近はカブールの国際空港を繰り返し襲撃。年末までの国際治安支援部隊(ISAF)撤収を控え、アフガン政府の治安維持能力を改めて不安視する声が上がっている。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、タリバンの攻撃が強まっているのは、カブール北方のカピサ州と東方のナンガルハル州。欧米の当局者は、タリバンが試験的な攻撃を繰り返し、いかに迅速に進撃できるかを推し量っていると明らかにした。
地元当局者や住民は、この2カ月でタリバンは大胆に攻撃してくると証言。カピサ州では複数の地域でアフガン治安部隊を追い出し、タガブ郡では、中心部を除く地域がタリバンの手に落ちた。アラサイ郡は1週間にわたって支配され、隣の郡の警察の中には、助かるためにタリバンと協定を結ぶケースもあった。
ナンガルハル州では、州都ジャララバード近郊の郡が最近1カ月間、タリバンに占領されており、付近の主要幹線道路の治安が脅かされている。タリバンは従来の支配地域である南部ヘルマンド州などから、首都近郊の戦略的に重要な地域へと影響力を拡大しようとしているもようだ。
現地の日本大使館によると、6月に全土で起きたテロ関連事件は2827件で、前月比約4割増となった。大統領選挙の初回投票と決選投票が行われた4月5日と6月14日には、ナンガルハル州で、全34州のうち最多の計117件の襲撃などの事件が発生した。
国連の報告では、アフガンでは今年上半期、戦闘による死者が仕掛け爆弾による死者を初めて上回った。戦闘は、ISAF部隊が基地を閉鎖した地域で増えているという。
カブール空港への攻撃では7月3日、カルザイ大統領専用ヘリコプターを含むヘリ4機が破壊された。17日にはロケット砲などによる攻撃があり、インドの航空会社スパイス・ジェットはこの日以降、運航を停止している。
米軍はISAF撤収後も駐留し、2016年末までに完全撤退する予定だが、タリバンの指導者オマル師は、28日からのラマダン(断食月)明けの連休を前に、外国兵が1人でも残っているかぎり攻撃を続けるとの声明を発表した。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140729/mds14072908160001-n1.htm
ガザ情勢、住民被害増大の裏にハマスの「人間の盾」戦術 病院・学校に軍事拠点
2014.7.29 08:16 (1/2ページ)
28日、パレスチナ自治区ガザ地区の墓地で、イスラエル軍の攻撃でできた巨大な穴を見つめる少年(AP)
【カイロ=大内清】パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘は死者が千人を超え、イスラエルの大規模作戦で1400人超が死亡した2008〜09年の軍事衝突の際に迫る被害規模となっている。ガザ地区で民間人の犠牲が増大しているのは、イスラム原理主義組織ハマスが軍事拠点を住宅密集地に置くなど、一種の「人間の盾」戦術を駆使していることも要因となっている。
「われわれは民間人に退避を促しているのに、ハマスが(攻撃対象地域に)とどまらせている」。イスラエルのネタニヤフ首相は27日、米テレビ局のインタビューでこう述べ、ハマスはガザ住民の犠牲をあえて増やして国際的な宣伝戦に利用していると非難した。
ハマスが、病院や学校などの民生施設を隠れみのに利用していることを示す情報もある。国連の潘基文事務総長は23日、ガザ住民の避難先となっている国連管理下の学校の一つで大量の武器類が見つかり、その後所在が分からなくなっていると指摘した。ハマスなどの武装勢力が武器隠匿に関与している可能性は高い。
ハマス軍事部門は、司令部をハマス系の病院の地下やその付近に設置しているなどとも指摘される。
軍事力で圧倒的に劣勢なハマスは従来、拠点を分散させて攻撃を受けにくくする戦術をとっており、そのことが軍事目標と民間施設との区別を難しくしている。また、イスラエルから退避警告があったとしても、狭いガザ地区で逃げ場が少ないのも事実だ。国際社会による停戦調停が難航する中、ハマスには、停戦の前提条件としているガザ封鎖解除の保証を得るため、ガザの惨状をアピールする思惑もありそうだ。
一方、イスラエルとしては、どの時点で停戦に踏み出すかが大きな問題だ。
イスラエル軍は、地上作戦の目的はガザからの秘密トンネル網破壊と、ハマスのロケット弾攻撃を阻止することにあるとしている。
しかし、ネタニヤフ政権内では、極右「わが家イスラエル」を率いるリーベルマン外相らがガザ再占領とハマスの完全武装解除を主張。シャロン政権期の05年に一方的に撤退したガザやヨルダン川西岸を含めた領域が本来のイスラエルの版図だと唱える「大イスラエル主義」勢力なども「再占領」を支持している。
再占領には軍事的・経済的に多大なコストがかかると予想され、現実味は薄いとの指摘もあるものの、一連の強硬意見が軍事作戦のさらなる拡大につながる可能性もなお排除できない。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140729/asi14072917440006-n1.htm
カルザイ大統領のいとこ、自爆テロで死亡
2014.7.29 17:44
アフガニスタンのメディアによると、アフガン南部カンダハル州で29日、大統領選候補のガニ元財務相の陣営幹部で、カルザイ大統領のいとこであるハシュマト・カルザイ氏が自爆テロに遭い、殺害された。
犯人は、ラマダン(断食月)明けの祝日の訪問客にまぎれてハシュマト氏の自宅に侵入し、隠し持っていた爆弾を破裂させたという。(ニューデリー 岩田智雄)
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http://www.afpbb.com/articles/-/3021710
過激派「イスラム国」が結婚相談所を開設、戦闘員の花嫁募集
2014年07月29日 11:16 発信地:ベイルート/レバノン
【7月29日 AFP】シリアとイラクの一部を支配下に置いたイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が、「結婚相談所」を開設し、戦闘員らの花嫁となる女性たちの募集を始めた。英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が地元住民らの話として伝えた。
「イスラム国」のシリア北部アレッポ(Aleppo)県バーブ(Al-Bab)事務所が、ISの戦闘員との結婚を望む「独身女性と夫を亡くした女性」を募集しているという。シリア人権監視団が地元住民の話として伝えたところによると、興味を持った女性が氏名と住所を知らせれば、「IS戦闘員が女性宅のドアをノックし、正式に結婚を申し込む」そうだ。
他にも「イスラム国」は、戦闘員のハネムーン支援や、支配地域の一部への民間人訪問客の誘致など、観光業にも手を広げた。週2回催行するツアーでは「イスラム国」の黒い旗を掲げた専用バスでシリア北部ラッカ(Raqa)からイラクのアンバル(Anbar)までを旅する。移動中の車内ではBGMに「イスラム聖戦士」の歌が流れ続けるという。
「イスラム国」は先月末、シリアとイラクにまたがる地域を掌握し「カリフ制国家」の樹立を宣言した。同組織が実効支配する地域はシリア北部と東部の広域、イラクとシリアの国境地域、イラクの北部と西部の一部だ。これらの地域では住民の大量拉致や殺害、石うちやはりつけによる処刑など「イスラム国」による残虐行為が報告されている。(c)AFP
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014073100951
首相の辞任認めず=ウクライナ議会
【モスクワ時事】ウクライナ最高会議(議会)は31日、臨時本会議を開き、辞意を表明していたヤツェニュク首相の退任を認めなかった。これを受け、首相は続投することになった。
最高会議では24日、親欧州連合(EU)派のウダル、自由の2党が連立与党から離脱。重要法案可決前の連立崩壊に抗議し、政党・祖国のヤツェニュク氏が辞意を示していた。
憲法によると、連立崩壊から30日後に大統領は議会を解散でき、さらに60日後に総選挙が実施される段取り。解散総選挙は10月26日にも行われる見通しとなっている。(2014/07/31-20:44)2014/07/31-20:44
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014080400020
副大統領が不正指示か=元外相、極秘会議の録音暴露−アフガン大統領選
アフガニスタン大統領選候補のガニ元財務相(左)とアブドラ元外相=7月12日、カブール(EPA=時事) 【ニューデリー時事】アフガニスタン大統領選挙で、候補のアブドラ元外相は3日、カルザイ政権のハリリ第2副大統領が選挙管理委員会関係者らとの極秘会議で発言した内容の録音テープを公表した。現政権が票の水増しなどの不正に関与した証拠だと主張している。
6月実施の大統領選決選投票では、選管が組織的不正があったと認めている。今回新たな証拠が提示されたことで、アブドラ氏の対立候補であるガニ元財務相に、現政権が不正に勝利をもたらそうとした疑いが強まってきた。
極秘会議が開かれたのは決選投票前で、選管やガニ陣営関係者が出席していたとみられる。ハリリ副大統領はこの中で「カルザイ大統領と政府、国際社会は(ガニ氏の)勝利を望んでいる」と発言し、「どのような手段を使っても(ガニ氏に)勝利をもたらせ」と指示していた。
アブドラ陣営幹部は記者会見で「この国では選挙結果はあらかじめ決められ、有権者の投票が全く無意味だったことが証明された」と批判した。(2014/08/04-05:54)2014/08/04-05:54
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http://mainichi.jp/select/news/20140804k0000m030079000c.html
イラン大統領:「自由な社会」道半ば 国際的孤立は脱却
毎日新聞 2014年08月03日 23時54分(最終更新 08月04日 01時34分)
イランの首都テヘランで、大統領当選1年の記者会見後に記者に手を振るロウハニ大統領=2014年6月14日、田中龍士撮影
【テヘラン田中龍士】イランの穏健派ロウハニ師が3日、大統領就任1年を迎えた。基本路線の「対話外交」を推進し、アフマディネジャド前大統領の強硬路線が招いた国際社会での孤立から脱却しつつあり、国内の平穏も保たれている。公約とした経済再生、自由な社会の実現は前政権に比べ前進しているが、容易にはいかない現実も浮き彫りになっている。
「ハピネス(幸福)は人々の権利だ。我々は、喜びが引き起こす振る舞いに厳し過ぎてはいけない」。昨年6月、ロウハニ師は大統領選挙で保守強硬派の候補を破った後、こう短文投稿サイト、ツイッターに投稿した。これを揺るがす事件が5月に起きた。
米国人歌手の大ヒット曲「ハッピー」に合わせて踊る動画をインターネットサイト「ユーチューブ」に投稿したイランの若者6人が逮捕された。「社会の道徳を傷付けた」とするテヘラン警察署長に対し、表現の自由を巡り国内外から批判が相次いだ。ロウハニ師は事件後、当選時にツイッターに投稿した「ハピネス」で始まるメッセージを再投稿し、警察当局の対応を暗に非難した。
イランでは、フェイスブックやツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)への接続規制が前政権から続く。中東民主化運動「アラブの春」のようにSNSを通じて体制批判が拡散するのを防ぐ狙いがあるとみられる。ロウハニ政権下で、映画や出版の検閲緩和を進める文化・イスラム指導相のジャンナティ氏は「文化の活性化には、開かれた空間が必要」などと繰り返し、SNS解禁を訴える。だが、国内強硬派を中心とした反対に阻まれている。
イスラム教シーア派最高権威の宗教指導者、マカレム・シラジ師にSNS解禁反対の理由を聞いた。シラジ師は「道徳、社会、政治的な堕落を招き、イスラム法の考えに反するため許されない」と携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)で回答した。
◇強硬派との対話がカギ
「イランは、米国とイスラエルの結束や、アラブ諸国の団結をある程度崩し、自国に対する暗く、悲観的な雰囲気を軽減した」。元国会議員のファラハピシェ・アラメタバタバイ大教授は取材に対し、イラン核協議の進展が対外関係の改善を後押ししたと指摘する。
ロウハニ師は対話外交を重視し、イラン革命(1979年)後の在イラン米大使館占拠事件以降、断交していた米国のオバマ大統領との電話協議を実現。昨年11月には、米欧など6カ国との核交渉で暫定合意にこぎ着け、一部制裁緩和も引き出した。
その結果、経済制裁の全面解除後のイラン市場を狙う各国の動きが活発化し、イランへの対応が軟化した。シリア内戦で対立していたトルコは、経済協力を積極的に働きかけ、敵対していたイスラム教スンニ派国家サウジアラビアも5月末、「中東地域の安定に協力したい」とイランのザリフ外相の招待を表明した。ファラハピシェ教授は「オマーン、クウェート、カタールも緊張緩和に向き始めた。サウジとイランの接近はイスラム世界の平和に貢献する」と期待する。
核開発をはじめとした重要政策は、最高指導者ハメネイ師の専権事項だ。ハメネイ師に近い強硬派とうまく渡り合いながら、国内外の課題に対処できるか、ロウハニ師の手腕が試される。
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http://mainichi.jp/select/news/20140804k0000e030137000c.html
イスラム国:イラク最大のダムや油田掌握
毎日新聞 2014年08月04日 11時32分(最終更新 08月04日 13時42分)
モスル・ダムの位置
拡大写真 【カイロ秋山信一】イラクで侵攻を続けるイスラム教過激派組織「イスラム国」主導のスンニ派武装勢力は3日、クルド人治安部隊ペシュメルガとの戦闘の末、イラク北部ニナワ県にある同国最大のモスル・ダムやアインザラ油田を掌握した。国営テレビが報じた。ペシュメルガは6月以降、撤退した政府軍などに代わって重要インフラを守ってきたが、イスラム国側の攻勢に屈した。イスラム国側は、大規模油田がある北部キルクーク県への攻撃も強めており、支配をさらに拡大しそうだ。
国営テレビなどによると、イスラム国側は2日、アインザラ油田に近いズマルなどでペシュメルガへの攻撃を始め、少なくとも14人を殺害。ペシュメルガは3日までにズマルやモスル・ダムなどの拠点を放棄し、イスラム国側が掌握した。イスラム国側が支配下に置いた油田は5カ所目となる。
モスル・ダムは発電や治水などの多目的ダムで、下流のチグリス川は首都バグダッドやモスルなど主要都市を流れている。イスラム国側がダムを狙った背景は不明だが、ロイター通信は「(イスラム国が)下流で洪水を起こしたり、農業用水を制限したりすることも可能になった」と指摘した。
イスラム国側は6月に大規模侵攻を開始し、ニナワ県やアンバル県などで実効支配を拡大している。さらに首都バグダッド侵攻に向けて、バグダッド北方のサマラやバクバで、政府軍やシーア派民兵との激しい戦闘を続けている。
支配地域では、イスラム法(シャリア)に基づく統治を開始。キリスト教徒に人頭税の支払いを義務づけたり「偶像崇拝につながる」として詩人や音楽家の銅像を破壊したりするなど、シャリアの極端な解釈・適用に住民から不満の声も上がっている。
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プラハの春から伯林の壁迄随分掛かったが,アラブの春も失敗した春として次のアラブ解放の時迄随分と時間が掛かりそうだね。。
<リビア>首都で燃料タンク炎上 高まる内戦突入への懸念
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140730k0000m030078000c.html
毎日新聞2014年7月29日(火)20:55
◇戦闘激化で米欧諸国や日本が大使館を一時閉鎖
【カイロ秋山信一】民兵組織同士の衝突が続くリビアの首都トリポリで27〜28日、国際空港近くにある燃料タンク2基が相次いでロケット弾で攻撃され、火災が起きた。周辺では戦闘が続いているため、消火活動も難航。国営石油会社は「制御不能な状態」と警告した。各国が大使館を一時閉鎖する動きも加速し、カダフィ独裁政権崩壊から3年になるのを前に、内戦突入への懸念が高まっている。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、600万リットルのガソリン入りタンクが27日に攻撃を受け、大量の黒煙を上げて炎上した。28日には別の燃料タンクも被弾した。国営石油会社は同日、消防隊が戦闘の影響で退避を余儀なくされたことを明らかにした。
空港近くでは7月中旬以降、世俗派民兵とイスラム系民兵との戦闘が続き、燃料タンクをどちらが攻撃したかは不明。29日までに市民を含む97人が死亡している。
戦闘激化に伴い、米欧諸国や日本は大使館の一時閉鎖に踏み切った。27日には陸路で隣国チュニジアに向かった英国の大使館スタッフらの車列が、トリポリ郊外で武装集団に襲撃される事件も起きた。武装集団は護衛に撃退され、けが人はいなかった。
リビアでは2011年8月に内戦を経てカダフィ政権が崩壊した。だが反カダフィ派の民兵らは武装解除を拒否。世俗派とイスラム勢力の政治対立が続き、たびたび武力衝突が起きている。7月中旬以降はトリポリと東部ベンガジで戦闘が激化しており、約150人が死亡した。軍や警察が弱体で治安維持能力がないため、リビア政府は国際治安部隊の受け入れも検討している。
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http://mainichi.jp/select/news/20140806k0000m030051000c.html
リビア:暫定議会を初招集 イスラム政党がボイコット
毎日新聞 2014年08月05日 19時46分
【カイロ秋山信一】6月の選挙によるリビア暫定議会(定数200)が4日、東部トブルクで初招集された。首都トリポリや東部ベンガジで世俗派民兵とイスラム武装勢力の武力衝突が続き、エジプト国境に近いトブルクで本会議を開く異例の事態となった。さらに、イスラム政党が議会をボイコットし、国内分裂の根深さも浮き彫りとなった。
選挙では治安悪化のために一部選挙区で投票が行われず、12議席が欠員となった。AP通信によると、4日の本会議には当選者188人のうち、世俗派を中心に少なくとも144人が出席。イスラム組織ムスリム同胞団系などのイスラム政党は「トリポリで国会を開くべきだ」と主張しボイコットした。
暫定議会は、憲法制定後に正式な国会が発足するまで立法機能を担う。当初は中央政府に不満を抱く東部の部族勢力に配慮し、東部の主要都市ベンガジで開かれる予定だった。
しかし、7月中旬以降に世俗派民兵とイスラム武装勢力の衝突が激化したため、トブルクに変更になった。
双方の衝突は4日もトリポリやベンガジで続き、7月以降の死者は230人に上った。世俗派には政府軍の一部も加勢している。トリポリでは国際空港が破壊され、大型燃料タンクへの砲撃も相次いでいる。
ベンガジではイスラム武装勢力が優勢で、特殊部隊の基地などを占拠している。内戦状態になったことから、日本や欧米諸国は大使館を一時的に閉鎖。外国人労働者も陸路で次々と出国している。
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http://mainichi.jp/select/news/20140806k0000m030130000c.html
ガザ:激戦地の住宅密集地は根こそぎ崩壊 立ち尽くす人々
毎日新聞 2014年08月06日 00時17分(最終更新 08月06日 07時15分)
がれきと化した自宅から「娘のお気に入りの洋服」を見つけ出した父親ら=ガザ北東部シュジャイヤで8月5日午後、大治朋子撮影
【シュジャイヤ(パレスチナ自治区ガザ地区北東部)大治朋子】イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスなどが72時間の一時停戦入りした5日の昼過ぎ(日本時間同夜)、最大の激戦地だったガザ地区北東部シュジャイヤに入った。イスラエル軍の猛爆を受けた住宅密集地は、まるで凶暴な大型台風にのみ込まれたように根こそぎ崩壊していた。数週間ぶりに自宅に戻った人々は変わり果てた我が家に言葉を失い、ぼうぜんと立ち尽くしていた。
イスラエルの検問所を抜け、ガザ市に向かう幹線道路を左へ曲がるとシュジャイヤの住宅街に入る。ハマスの「シュジャイヤ大隊」と呼ばれる精鋭部隊が拠点にしていた地区だ。イスラエルはここに市街戦の特殊訓練を積んだ「ゴラニ大隊」を投入。激しい戦闘で住民数百人とイスラエル兵13人が死亡した。
「すべてを失ってしまった」。3児の母ナビール・アルアガラビさん(30)は、ぺしゃんこに潰れた自宅から布団を取り出していた。脇には、がれきの間からお気に入りの赤いまくらや皿を見つけた息子のユーセフ君(7)が無表情に立っている。アルアガラビさんは「当面は避難所で暮らすしかない。布団が無かったけれど、今日から硬い床の上で眠らずにすむ」と疲れた表情。ユーセフ君は空爆を恐れてあまり眠らず、笑わなくなったという。
がれきの間を縫うように歩いていくと、イスラエル兵が残したとみられる血のついたガーゼや医療用の手袋、ヘブライ語の書かれた点滴の袋などが散乱していた。生々しい交戦の様子が浮かび上がる。
わずかに塔の部分だけが残るモスク(イスラム礼拝所)が見えてきた。壁から飛び出た鋼が無残に折れ曲がっている。隣の巨大ながれきの山はナセル・ファラジさん(29)の自宅だという。ファラジさんはわずかな隙間(すきま)に身をかがめて入り、少しずつ家財を取り出して袋に入れていた。4児の父。「娘のお気に入りの洋服が見つかった」。汗まみれの額をぬぐい、うれしそうにそう叫んだ。
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http://mainichi.jp/select/news/20140806k0000e030226000c.html
アフガニスタン:外国人へ攻撃相次ぐ…軍人・警官が狙う
毎日新聞 2014年08月06日 12時26分
【ニューデリー金子淳、ワシントン和田浩明】アフガニスタンで駐留外国軍の兵士などが軍人や警官に攻撃される事件が相次いでいる。5日には首都カブールでアフガン軍兵士とみられる男が米軍幹部らを殺傷したほか、東部パクティア州でも警官が外国軍に発砲し負傷者が出た。こうした内部からの「インサイダー攻撃」は外国軍や治安当局の脅威になっている。
アフガン国防省などによると、カブールの事件は英軍が運営する軍士官学校で起きた。アフガン軍の制服を着た男が米軍将校を射殺。北大西洋条約機構(NATO)軍幹部ら15人も負傷した。死亡したのはハロルド・グリーン少将。米メディアによると、1970年代のベトナム戦争以降、海外の前線任務で殺害された将官としては最も高位だという。
事件を受け、アーネスト米大統領報道官は、オバマ大統領が5月に発表した「2016年末までの米軍撤退」の予定に変更はないことを確認した。
AP通信によると、アフガン軍兵士などによるインサイダー攻撃では、12年に53人、13年には16人が殺害された。今年も4月に外国人記者2人が警官に撃たれ死傷したほか、カブールの病院で米国人医師3人が警備員に射殺された。7月にもカブールの国際空港近くで警備員の制服を着た男が自爆し、外国人4人が死亡している。
インサイダー攻撃は旧支配勢力タリバンがひんぱんに実行してきたが、外国人の存在に恨みを抱き個人的に攻撃するケースもあるとされる。駐留外国軍の誤爆などで市民の犠牲が相次いでいることなどが背景にあるとみられる。タリバン報道官は5日の「インサイダー攻撃」で実行犯を称賛したが、犯行声明は出していない。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140806/mds14080621120006-n1.htm
リビア 民兵の覇権争い先鋭化、各地で戦闘 “内戦”さながら
2014.8.6 21:12 (1/2ページ)
トリポリで、燃料タンクから立ち上る黒煙を見るゼンタン民兵部隊の兵士=2日(ロイター
【カイロ=大内清】カダフィ政権崩壊後の混乱が続くリビアで、イスラム主義勢力と世俗派の対立を軸とする権力闘争が先鋭化している。首都トリポリや第2の都市の東部ベンガジでは民兵同士が交戦。政治面では4日、新たな暫定議会が始動したが、各地で軍閥化した民兵を統率する力はない。独裁が消滅して3年、リビアが再び内戦に陥る懸念が強まっている。
トリポリの国際空港周辺では7月中旬以降、一帯を「縄張り」とする西部ゼンタンの民兵部隊と、それに対抗する西部ミスラタを中心とするイスラム系民兵部隊の戦闘が続き、これまでに百数十人が死亡した。
ゼンタンとミスラタの両民兵は、2011年のカダフィ政権崩壊につながった内戦で反カダフィ派の中核を担った部隊。当時からライバル関係にあり、内戦終結前からトリポリ各地にそれぞれが部隊を駐屯させ首都の支配権を争ってきた。
両者の衝突激化の背景には、イスラム主義勢力と世俗派の対立構図がある。
リビアでは今年に入り、ベンガジなどで元軍司令官のハフタル氏が、当時の制憲議会で優勢だったイスラム勢力が過激派組織「アンサール・シャリーア」などを支援して同国のイスラム国家化を図っていると主張し、支持を拡大。ハフタル氏自身の民兵部隊が過激派と戦闘を繰り返しているほか、ゼンタン部隊なども呼応してイスラム勢力への対決姿勢を強めていた。
民兵同士の覇権争いに、国の方向性をめぐるイデオロギー闘争が絡んだことで事態がいっそう複雑化した格好だ。
こうした中、同国では6月、制憲議会に代わる暫定議会を選ぶ選挙が行われ世俗派が圧勝した。ただ、イスラム勢力は新議会に正統性はないとしてボイコットしており、議会主導での混乱収拾は難しい状況だ。今月4日に行われた新議会の初会合は、治安状況悪化などを理由に、首都ではなく東部トブルクで行われた。
リビアでは11年の内戦で英仏を中心とする北大西洋条約機構(NATO)軍が軍事介入し、カダフィ政権が崩壊。しかし、その後も民兵の武装解除は停滞し、憲法制定などの政治プロセスは一向に進んでいない。
米欧各国や日本は7月下旬以降の治安悪化を受けて相次ぎ在リビア大使館の館員らを退避させているが、リビア政界では「国際社会はリビアに責任がある」と、秩序回復への寄与を求める声も出ている。
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米将軍、アフガニスタンで殺害−ベトナム戦争以来で初
By NATHAN HODGE, DION NISSENBAUM AND MARGHERITA STANCATI
2014 年 8 月 6 日 10:52 JST 更新
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303513604580074354145514006?mod=WSJ_article_EditorsPicks
【カブール】アフガニスタンの首都カブール近郊の陸軍士官学校で5日、同国軍の軍服を着た1人の男が米陸軍の少将を射殺した。アフガニスタンでの10年以上にわたる戦争の犠牲者で最高位の米軍人だ。他の国際治安支援部隊(ISAF)将校ら17人も負傷した。
死亡したのは、ハロルド・J・グリーン陸軍少将。最近ISAFの副司令官として同地に赴任してきたばかりだった。
米国防総省のジョン・カービー報道官によると、男はアフガニスタン人兵士と見られ、その場で射殺された。軍の軍服を着た外部の反政府勢力兵士とは考えられないという。
アフガニスタンの警官や兵士が多国籍軍兵士に発砲する事件は繰り返し起きており同盟諸国間の信頼は揺らいでいる。しかし、5日の事件は、高位の軍人が犠牲者になったという意味でかつてない出来事だ。国防総省当局者は、ベトナム戦争以来、海外の戦闘地域で米軍将官が殺害されたのは初めてとみられると述べた。
カービー報道官は、米軍と北大西洋条約機構(NATO)の将校は、訓練センターへの定期的な巡回に参加しており、そこで発砲事件に遭遇したと述べた。
多国籍軍へのこの種の攻撃件数は2012年にピークに達し、少なくとも多国籍軍兵士61人がアフガニスタン警察や軍の制服を着た人物によって殺害された。このようなgreen-on-blue incidents(味方ないし身内からの攻撃。blueは味方、greenは味方の協力軍、さらにredが敵を意味する)」の事件は、多国籍軍がそのプレゼンスを縮小したため、最近数カ月間は減少していた。
カービー報道官は、このような攻撃は、完全に排除するのは不可能だと述べた。しかし同報道官は、最近ではまれになってきており状況が進展しているあかしだと述べた。
米当局者は、今回の攻撃による、アフガニスタンにおける米国の戦略全体、あるいはアフガニスタン治安部隊に対する米軍の信頼に影響は全くないだろうと述べた。多国籍部隊の現在の軍事ミッションは12月に終了するが、米政府は期限後も限定的な兵力をアフガニスタンに駐留させる。これは次期アフガニスタン大統領が米国との安全保障協定に署名することが条件となっている。
アフガニスタンは6月14日に大統領選挙を実施したが、2人の候補者がいずれも勝利を主張しており、票の数え直しを余儀なくされている。両者とも大統領に就任したら安全保障協定に署名すると誓約している。
5日の襲撃は、アフガニスタン兵士たちが国際的な監視の下で訓練を受けている安全とみられる施設で発生した。多国籍部隊当局者によれば、犯人は自動小銃で武装し、現地時間の正午ごろ、多国籍軍将校とアフガニスタン将校が会見している最中に、発砲した。
多国籍軍将校のほか、施設の司令官を含むアフガニスタン高級将校3人も負傷した。負傷者の中にはドイツ軍の准将も含まれているが、ドイツ軍によれば、生命に危険はないという。
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両陣営がどんな支持構造かは知らないけど北部(旧北部同盟)と南部(パシュトゥン人)の連邦国家にした方が安定するんちゃうか。
アフガン新大統領決まらず、再集計後れで 両陣営の対立続く
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303513604580070434204472878
By NATHAN HODGE
2014 年 8 月 4 日 12:06 JST
【カブール】アフガニスタンの新大統領の就任式は2日に行われる予定だったが、6月14日実施の大統領選挙決選投票の再集計がまだ終わっていない。決選投票で争ったアシュラフ・ガニ元財務相とアブドラ・アブドラ元外相の対立が続いている。
アフガン選挙管理委員会は3日、ケリー米国務長官の仲介で再集計作業を再開した。カルザイ大統領は2日に退任し新大統領と交代することになっていたが、アブドラ氏はガニ氏勝利とされた決選投票の暫定結果を大量の不正があったとして受け入れなかった。そのためケリー長官が仲立ちして、両陣営が国連監視の下に800万票以上について再集計を行い、その結果に従って挙国一致内閣を形成することで合意していた。
しかし再集計は何度も中断され、国際監視団のいら立ちは募っている。不正が行われているとの主張もぶり返されている。アブドラ陣営は3日記者会見し、ガニ氏を支持するカルザイ政権のハリリ副大統領が支援者に対し、政府も国際社会もガニ氏の勝利を後押ししていると述べたとする録音テープを公表し、「再集計は茶番である」と訴えた。ハリリ副大統領側は、録音テープは「完全なねつ造」と反論した。
アフガン選挙管理委は3日、アブドラ陣営が立ち会いをボイコットしたため1週間にわたって中断していた再集計作業を、再開したことを明らかにした。アブドラ陣営は、監視の基準をめぐって国連と話し合いを続けていると述べ、4日に立ち会いに復帰する見通しを示した。アブドラ、ガニの両陣営は、不正投票で無効とする基準をめぐって対立してきた。
カニンガム駐アフガン米大使は、再集計のスピードを大幅に加速すれば、8月末までに新大統領は就任できるだろうとの見通しを示した。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140807-00000140-jij-m_est
過激組織、キリスト教徒の町制圧=クルド拠点都市に接近―イラク
時事通信 8月7日(木)20時32分配信
【カイロ時事】イラクとシリアで勢力を拡大するイスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」は、新たにイラク北部モスル東方のキリスト教徒の町カラコシュなどを制圧した。町から逃げ出した人々が7日、AFP通信に対して明らかにした。
住民の証言では、イスラム国の武装集団は制圧後、教会から十字架を外し、保管されていた写本を燃やすなどしている。これに伴い、多数の住民が家を追われた。
カラコシュは、クルド人自治区の中心都市アルビルの西方約60キロに位置する。イスラム国の自治区侵入を阻止するため、クルド人治安部隊「ペシュメルガ」が治安維持を担っていたが、7日までに撤収。イスラム国のアルビル接近を許した形だ。
カラコシュは、イラク最大級のキリスト教徒の町として知られる。6月下旬から激しい戦闘が起き、大量の住民がアルビルなどクルド人自治区への避難を開始していた。
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米大統領、イラクへの限定的な空爆を承認
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0G806W20140808
2014年 08月 8日 11:39 JST
[7日 ロイター] - オバマ米大統領は7日、イラク北部に展開しているイスラム過激派組織「イスラム国」に対する限定的な空爆の実施を承認したと表明した。
「イスラム国」がイラク北部のクルド人自治区の中心都市アルビルに向けて進軍した場合、現地の米国人を保護することが狙い。
大統領は、過激派に包囲されている少数派の住民が「虐殺される恐れがある」とも指摘、人道支援物資の投下を認めたことも明らかにした。
米軍によるイラク空爆は2011年末のイラク駐留米軍撤退後初となる。大統領は、地上部隊を投入することはないと強調。米国がイラクの戦争に深く関与することはないと述べた。
大統領は「我々は虐殺行為を防ぐため、慎重かつ責任を持って行動できる」と発言。「このため、必要な場合、限定的な空爆を認めることを決めた」と述べた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140810/mds14081016200005-n1.htm
トルコで初の大統領選 首相のくら替え当選確実
2014.8.10 16:20
トルコで初の直接選挙による大統領選が10日、行われた。首相からくら替え出馬したエルドアン氏(60)の当選が確実視されている。当選には過半数の票が必要で、早ければ同日夜(日本時間11日未明)に当選が判明。過半数に届かなければ24日に決選投票が行われる。
2003年に首相に就任し空前の経済成長を果たしたエルドアン氏は高い支持率を誇り、最近の世論調査では国民の過半数の支持を得ている。イスラム色の強い与党、公正発展党(AKP)の規則で首相続投が不可能なため、大統領選への出馬を決めた。
エルドアン氏は、首相に実権がある現在の議院内閣制から、憲法を改正して大統領が実権を持つ体制への移行を目指すと公言。今後、最大2期10年の大統領任期を務める「超長期政権」を狙っている。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140809/mds14080921200012-n1.htm
【米軍イラク空爆】
米が追加空爆、イスラム国側に死者 大統領「顧問団を保護」
2014.8.9 21:20 (1/2ページ)[イラク]
8日、米ホワイトハウスで、ヨルダンのアブドラ国王と電話協議するオバマ大統領(ロイター)
【ワシントン=加納宏幸】米国防総省は8日、イラク北部クルド人自治区の中心都市アルビル郊外で現地時間同日夕、追加空爆を行い、無人機とFA18戦闘攻撃機4機がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の迫撃砲陣地などを攻撃したと発表した。米メディアはイスラム国側に複数の死者が出たと報じている。
国防総省によると、最初の空爆は現地時間8日午後1時45分、ペルシャ湾上の米空母から出撃した2機のFA18が、レーザー誘導弾で移動式火砲などを攻撃。さらに同日午後5時から同6時半ごろにかけても、無人機と4機のFA18がそれぞれ追加空爆を行った。
オバマ米大統領は9日、週末恒例の国民向けビデオ演説を行い、空爆は、アルビルにある米領事館の外交官や米・イラク両軍の統合作戦センターに駐留する米軍事顧問団の保護が目的であると強調した。
米政府は米国人保護に加え、北部シンジャールの山頂で孤立しているクルド人の少数民族ヤジド派約4万人の解放を支援することなどを目的に、空爆を継続する構えだ。オバマ氏はビデオ演説で「必要ならば引き続き実施する」と述べた。アーネスト米大統領報道官も8日の記者会見で「大統領は作戦終了日を決めていない」と指摘した。
国防総省によると、8日の空爆のうち、無人機はイスラム国の迫撃砲陣地を攻撃し部隊を掃討。その約1時間20分後に4機のFA18が8発の爆弾を投下し、イスラム国側の7両の車列と迫撃砲陣地の攻撃に成功したという。
米軍は8日、前日に続いてシンジャールの少数民族に対し、大型輸送機から人道支援物資を投下した。今回は約2万8千食と飲料水などを提供し、2日間で投下した食料の総計は約3万6千食となった。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140809/amr14080921290013-n1.htm
【米軍イラク空爆】
「女性奴隷」判明で急転…協議2時間、オバマ氏の決断
2014.8.9 21:29 (1/3ページ)[イラク]
【ワシントン=青木伸行】オバマ米政権のイラクでの限定的な空爆は、急転直下決断されたものだった。その軌跡の一端を関係者の話などを基に追った。
6日、オバマ大統領は、ワシントンで開かれた米・アフリカ首脳会議に忙殺されていた。その頃、約9600キロ離れたイラク北部シンジャールでは、約4万人のクルド人が、イスラム過激派「イスラム国」に山頂へと追いつめられていた。
ホワイトハウスでは、安全保障担当の高官らが情報を分析していた。クルド自治区の中心都市アルビル近郊で、クルド人部隊がイスラム国の攻勢の前に、後退を余儀なくされているとの情報ももたらされた。
こうした情報は大統領にも伝えられた。首脳会議の会場を後にし、ホワイトハウスへ戻るリムジンの中で大統領は、同乗していたデンプシー統合参謀本部議長につぶやいた。
「クルド人の人道危機を、何とかしなければならないのは分かっている」
翌7日朝、ホワイトハウス西棟の地下にあるシチュエーションルーム(状況分析室)。大統領、ライス大統領補佐官らが顔をそろえ、外遊中のケリー国務長官などの顔もスクリーンに映し出されていた。
情勢は悪化するばかりで、クルド人の女性はイスラム国の戦闘員にとらえられ、奴隷になっている…。室内には切迫した空気が漂い、「潜在的な大量虐殺か」と口にする者もいた。
約2時間にわたる協議の間、出席者の一人は大統領が限定的な空爆を決断するだろうと思ったが、確信はできずにいた。ようやく最後に大統領は言った。
「限定的な空爆と、クルド人への支援物資投下を承認する」
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8日午後、ホワイトハウスの記者会見室。アーネスト大統領報道官は、次の点を繰り返し力説した。
「イラクが直面している問題は、イラクのみが解決し得る。米国はイラク軍を支援するのであって、長引く紛争に引き込まれない」
つまり、空爆に踏み切ったのは、あくまでイラク軍を支援している米軍などの要員の保護と、クルド人に対する人道上の観点からであり、“深入り”するつもりはないということだ。
このため、有識者や共和党議員らの間には「空爆はオバマ政権のわずかな戦術変更にすぎず、場当たり的で長期的な戦略を欠いたままだ。空爆は戦略の代用にはならない」(アメリカン・エンタープライズ研究所のマイケル・ルービン氏)など、厳しい評価もある。
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一方、米紙ワシントン・ポストなどの世論調査では、空爆に45%が賛成、46が反対と拮抗(きっこう)しており、11月の中間選挙にも微妙な影響を与えるとみられる。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140809/mds14080922380013-n1.htm
イスラム過激派、対米テロ活発化か 周辺国は飛び火警戒
2014.8.9 22:38 (1/2ページ)[イラク]
イラク北部シンジャールで崖に座り込むヤジド派住民=2005年9月(AP=共同)
【カイロ=大内清】イラク北部での米軍によるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」への空爆を受け、同組織をはじめとするイスラム過激派は、報復として米国や米国を支持する国々へのテロ戦術を活発化させる可能性が高い。
これまでのところ、米軍の空爆についてのイスラム国の声明は確認されていない。ただ、イスラム国はもともと、2003年のイラク戦争後に対米闘争を展開した武装勢力を母体としており、6月のイラク北部モスル制圧後も各地で自爆テロなどをくり返してきた。
今年初めに袂(たもと)を分かったとはいえ、国際テロ組織アルカーイダが唱える全世界的な「ジハード(聖戦)」には今も強く共鳴。全イスラム教徒を導く「カリフ制国家」を自称する現在は、アルカーイダに代わるジハード主義勢力の“元締め”の地位を狙っているとみられるだけに、対米テロを強めようとするのはむしろ自然の流れだといえる。
米軍の空爆については、フランスのオランド大統領が8日、「参加の用意がある」と表明したほか、ドイツのシュタインマイヤー外相もロイター通信に「短期的には空爆が唯一の道だ」と支持を言明。こうした国々がテロの標的となることも十分に考えられる。
一方、9日現在、イラク周辺のイランやトルコ、アラブ諸国は空爆に明確な反応を示していない。各国は6月以降、イスラム国の急速な勢力拡大に強い危機感を示してきたが、その半面、米国の軍事介入を嫌う国内世論への配慮やイスラム国との戦いの矢面に立つことへのためらいがあるとみられる。
イスラム国はここ数年、その活動範囲であるイラクや内戦下のシリアで、欧米を含む外国出身の戦闘員を吸収し勢力を拡大。戦闘技術を磨いた戦闘員の一部はすでに母国に帰還を始めているとされ、汎アラブ紙アッシャルクルアウサトなどによると内戦状態に陥りつつあるリビアでは現地のイスラム系民兵組織に参加している者も多いという。
各国政府には、潜在的脅威であるこれら「帰還兵」が、米軍の空爆をきっかけにテロ活動に向かう事態は避けたいとの思惑がある。
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http://mainichi.jp/select/news/20140810k0000m030038000c.html
イラク空爆:経済利権死守も狙い…米大手、油田開発
毎日新聞 2014年08月09日 20時00分(最終更新 08月09日 22時31分)
「イスラム国」に対抗して展開するクルド人部隊「ペシュメルガ」の兵士たち=イラク北部アルビル近郊で2014年8月8日、ロイター
【カイロ秋山信一】米軍がイラク北部のクルド人自治区周辺で、イスラム過激派組織「イスラム国」への空爆を始めた。自治区は治安が保たれ、多くの外国企業が進出する。新規の油田開発も進んでおり、自治区へのイスラム国の侵攻を許せば混乱拡大は必至だ。米国が軍事介入に踏み切った背景には、人道的見地や自国民保護だけでなく、経済利権を守りたい思惑も透けて見える。
「テロリストと戦うには、もっと武器が必要だが、イラク政府は助けてくれない。だから我々は米国に支援を求めたのだ」。クルド自治政府のファラハ・ムスタファ外相は8日、地元メディアにこう語り、米軍への期待感を表した。
オバマ米大統領はクルド人自治区にいる米国人の安全確保と、宗教的少数派の保護を軍事介入の目的に挙げた。米軍が8日に実施した空爆はいずれも自治区の中心都市アルビル付近で、自治区防衛に重点が置かれていることが鮮明になった。アルビルには米軍の軍事顧問団が拠点を置き、クルド人部隊ペシュメルガとの連携を図っている。米軍の空爆後、ペシュメルガも地上からイスラム国を攻撃している模様だ。
2003年のフセイン政権崩壊後、イスラム教シーア派とスンニ派の宗派対立などで、イラクの治安情勢は一貫して不安定だ。しかし、クルド人が大半を占める自治区は治安や政情が安定している。治安の安定は欧州やトルコからの投資も呼び込み、アルビルには高層ビルが建ち並び「第2のドバイ」とも称される。自治政府によると、13年の経済成長率は12%に上る。
自治区の魅力の一つが未開発の油田だ。現在の原油生産量は日量約40万バレルで、イラク全体の1割程度。だが原油埋蔵量はリビアと同等の450億バレル以上(国別の世界9位に相当)とも推定される。既に米国の石油メジャーなどが開発に乗り出しており、軍事介入には石油利権を守る意味合いもあるとみられる。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3022795?ctm_campaign=next
イラク首相、大統領の「憲法違反」で法的措置へ 首都に部隊展開
2014年08月11日 12:00 発信地:バグダッド/イラク
【8月11日 AFP】イラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相(64)は11日未明、国営テレビ放送で演説し、フアード・マスーム(Fuad Masum)新大統領が憲法に違反したと批判、法的措置を取る意向を表明した。また首相はこれに合わせ、首都バグダッド(Baghdad)各地に大規模な治安部隊を展開させた。
マリキ首相は、7月末に新大統領に選出されたクルド人有力政治家のマスーム大統領について、自身を次期首相候補に指名しないことなどによって2度にわたり憲法に違反したと非難した。
4月末に行われた議会選挙では、マリキ首相が率いるイスラム教シーア派の「法治国家連合」が圧勝。だがイスラム教スンニ派の過激派武装組織が6月9日にイラク攻撃を開始しイラク北部の広域を掌握したことから、マリキ首相は高まる退陣圧力に直面している。
さらに、首相候補を指名できる議会の最大会派に関する憲法解釈をめぐり各派閥が対立するなど、議会政治も混乱に陥っている。
一方、治安当局筋がAFPに語ったところによると、首都各地にはテレビ演説の約1時間半前に当たる10日午後10時半ごろから、非常事態に相当するほどの大規模な治安部隊が展開された。憲法に関するマリキ首相の主張が妥当なものかは定かではないが、首都への対テロ特殊部隊を含む治安部隊の展開は、自身の権力を誇示する狙いがあるのは明らかだ。(c)AFP/Abdelhamid Zebari
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http://www.afpbb.com/articles/-/3022684
「イスラム国」が勢力拡大を続ける5つの理由
2014年08月11日 14:02 発信地:バグダッド/イラク
【8月11日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が過去数週間にイラク北部の町などを相次いで武力制圧しているのを見ると、ISは数的に相手を圧倒しているように感じられる。
6月9日の襲撃でイラク政府軍を敗走させ、イラク第2の都市モスル(Mosul)を制圧したISは、先週から再び攻勢をかけ、各地の戦線でクルド人自治区の民兵組織部隊を度々撃退している。
だがISの部隊の規模は比較的小さく、その力は数ではない。軍事専門家が見た、ISが武力により勢力拡大を続ける理由5つを以下に挙げる。
■兵器の接収
ISは、制圧した相手部隊から接収した戦車や高機動多目的装輪車両、ミサイル、その他の重火器などを活用している。
2か月前のISの攻勢でイラク政府軍が置き去りにした兵器は、ISの能力を大きく変化させた。これらの兵器は米国製が多い。
■シリアでの経験
ISは以前からイラクに足場を持っていた。だが現在の姿に変わったのは、隣国シリアでの戦闘を通じてだった。
「シリアでの3年間の戦闘はISにとって、訓練と学習のまたとない機会となった」と、米国を拠点とする情報コンサルティング会社のソウファン・グループ(Soufan Group)は最近の声明で述べている。
■戦闘の選択
ISは鋭い洞察力で戦闘を選択してきた。ISが力を注ぐのは、支持の得られるスンニ派地域での戦闘や、重要なインフラ拠点、防衛能力の低い施設などの標的だ。またISは不必要な犠牲者を出さないことで勢いと内部の結束を保っている。
■効果的なプロパガンダ
ISは抵抗を受けずに都市などを制圧するため、「恐怖」を用いてきた。ISは切断された頭部やバラバラの遺体などの画像をインターネットなどに投稿し、急進的な若者にアピールする一方で敵側に恐怖を植え付けてきた。
「(ISは)人を超えた悪というような幻想を与えている」とソウファン・グループのパトリック・スキナー(Patrick Skinner)氏は語る。先週、ISがあと数時間でイラク北部の都市シンジャル(Sinjar)に到着すると警告すると、恐慌状態となった住民はシンジャルから避難した。
「PRと脅迫はISの重要な戦術だ」と、危機管理会社AKEグループ(AKE Group)のジョン・ドレーク(John Drake)氏は語る。「接収した兵器を全て使うかどうかにかかわらず、ISはそれらを撮影し、プロパガンダに利用する」
■弱い敵
ISが強力に見える最大の理由は、相手側勢力の弱さだろう。
「クルド人自治区の民兵組織部隊はイラク国内の基準では比較的優れているとされているが、彼らは軽装備の歩兵部隊だ。サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領と戦った経験のある人員はいなくなり、若者たちに置き換わっている」と、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies、CSIS)」のアンソニー・コーズマン(Anthony Cordesman)氏は指摘した。(c)AFP/Jean Marc MOJON
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http://www.asahi.com/articles/ASG8C0GL8G8BUHBI237.html
トルコ大統領、エルドアン氏が当選確実 超長期政権狙う
アンカラ=吉武祐
2014年8月11日10時13分
大統領選で勝利したエルドアン首相は10日、アンカラで支持者に手を振って感謝した=AP
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トルコで10日、国民が初めて直接選ぶ大統領選があり、即日開票の結果、親イスラムの与党・公正発展党(AKP)のエルドアン首相(60)が過半数の票を得て当選することが確実になった。地元の報道によると、得票率は52%前後の見込み。強権色を強めるエルドアン氏は、超長期政権を築く第一歩にする意向だ。
国家元首の大統領職は国会議員による投票で選ばれてきたが、2007年に国民の直接投票に変更され、今回が初の選挙。現在は、政党に属さず政治には口を出さない儀礼的な役割だが、エルドアン氏は大統領権限を強める方針で、そのための憲法改正も視野に入れている。
エルドアン氏は03年から首相として安定政権を率い、1人あたりGDPを約3倍にするなどの経済発展の実績を誇る。イスラムの価値観を重視し、信心深い人たちや低所得者層の間で熱狂的な支持がある。
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http://mainichi.jp/select/news/20140811k0000e030095000c.html
トルコ大統領選:エルドアン氏圧勝得票率52%権限強化へ
毎日新聞 2014年08月11日 11時11分
【エルサレム大治朋子】トルコで10日、大統領選挙の投票が行われ、即日開票された。大統領はこれまで議会が選出してきたが、初めて国民の直接選挙で選ばれた。地元メディアによると、与党・公正発展党(AKP)を率いるエルドアン首相(60)が過半数を得て当選確実となった。28日に就任する。
地元メディアの開票速報(98%)によると、エルドアン氏は過半数の得票率51.95%を獲得した。野党有力2党の統一候補として出馬したイスラム協力機構(OIC)の前事務局長、イフサンオウル氏(70)は38.34%だった。正式な得票結果は11日に発表される予定。
エルドアン氏は首都アンカラのAKP本部で、支持者ら数千人に「今日は画期的な日だ。トルコは生まれ変わるのだ」と、勝利を宣言した。直接選挙を機に、象徴的だった大統領の権限が強化される見通し。任期はこれまでの7年から5年に短縮された。
エルドアン氏は2003年から首相を務めてきた。「緩やかなイスラム主義」を掲げながら大胆な経済改革を断行。過去10年で国内総生産(GDP)を約3倍に押し上げるなど大幅な経済成長を成し遂げた。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140811-00000087-jij-m_est
アバディ副議長を首相指名=マリキ氏反発、政局一層混迷へ―イラク
時事通信 8月11日(月)21時48分配信
【カイロ時事】イラクのマスーム大統領(クルド人)は11日、アバディ連邦議会副議長を首相候補に指名し、組閣を要請した。続投を目指すマリキ首相の反発は必至。イスラム過激派に対する米軍の限定的な空爆作戦が続く中、イラク政局は一層混迷を深める事態になりそうだ。
アバディ副議長は、マリキ氏に反発するイスラム教シーア派議員の勢力が主導して候補に立てた。マリキ氏は、自身が率いるシーア派「法治国家連合」が4月末の議会選で第1会派になったことを理由に続投が妥当と訴えていたが、マスーム大統領は国内外でマリキ氏続投への反対が強まっている状況を踏まえ、アバディ氏を選んだ。
一方、マリキ氏はマスーム大統領を憲法違反で裁判所に訴えた。マスーム氏が憲法規定に従い、7月24日の就任から15日以内に新たな首相を指名しなかったことを理由としている。裁判所はマリキ氏が指名されるべきだと判断しているとされ、首相の座をめぐり激しい正当性争いが繰り広げられそうな状況だ。
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>政府の主要機関が入っている建物の周辺などに、マリキ首相に忠誠を誓う軍の戦車や治安部隊が展開している
更なる内戦の危機ですな。マリキはどうしようもないなぁ。。
イラク戦争当時から俺が主張してる様にイラクは連邦制を導入して事実上解体するしかないんちゃうか。将来的にはクルド人・シーア派・スンニ派の3国家鼎立になってもやむを得ない。
イラク マリキ首相「続投」強調
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140811/k10013721551000.html
8月11日 13時09分
イラクでイスラム過激派組織に対するアメリカ軍による空爆が続くなか、事態打開のための挙国一致の政権づくりに向けて去就が注目されるマリキ首相は、改めて首相を続投する考えを示すとともに大統領を批判し、政治的な対立が浮き彫りとなっています。
イラクでは、アメリカ軍が攻勢を強めるイスラム教スンニ派の過激派組織に対して空爆を続けていて、事態の鎮静化に向けて挙国一致の政権づくりが求められています。
こうしたなかマリキ首相は10日、国営テレビを通じて緊急に演説し、改めて首相を続投する意向を示したうえで、「大統領は憲法に違反している」と述べ、首相を指名する手続きを巡って、新たに選出されたばかりのクルド人勢力出身のマスーム大統領を批判しました。
イラクでは、イスラム教の宗派間の対立を激化させたことが過激派の勢力拡大につながったとして、マリキ首相の退陣を求める声が高まっています。
現地からの報道によりますと、首都バグダッドでは、政府の主要機関が入っている建物の周辺などに、マリキ首相に忠誠を誓う軍の戦車や治安部隊が展開しているということで、首相への退陣圧力が強まっていることに反発した動きと見られています。
マリキ首相が退陣を拒否し大統領を批判したことで、政治的な対立が改めて浮き彫りとなり、事態の打開に向けた見通しが立たない状況です。
米「マスーム大統領を全面的に支持」
アメリカ国務省のハーフ副報道官は10日、声明を発表し、「イラクで起きている状況を注視するとともに、イラク側の指導者たちと連絡を取り合っている」としたうえで、「イラクの憲法を守る担い手として、アメリカ政府はマスーム大統領を全面的に支持する」と述べ、マスーム大統領への支持を強く打ち出しました。
さらにハーフ副報道官は、新しいイラクの首相は国民の意見が集約されて選ばれた代表者であるべきだと強調したうえで、「強制的なやり方によって成し遂げられる試み、それに憲法上の手続きや司法のプロセスを不正に操作する試みをアメリカ政府は拒絶する」と述べて、退陣の圧力に反発して首都バグダッドに軍を展開しているとされるマリキ首相を強くけん制しました。
そして、イスラム教スンニ派の過激派組織と対抗するために、アメリカ政府としてイラクの挙国一致の新たな政権作りを支援していく意向を示しました。
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イスラム帝国伝統の政策ですな〜。
1世帯55万イラクディナール(約4万8000円)の納付ってどの位の負担なんやろ。
「イスラム国」:キリスト教徒人頭税 拒否すれば処刑も
http://mainichi.jp/select/news/20140722k0000m030046000c.html
毎日新聞 2014年07月21日 20時51分(最終更新 07月24日 12時16分)
【カイロ秋山信一】イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」が7月中旬、支配下に置くイラク北部モスルのキリスト教徒に対して人頭税(ジズヤ)の支払いを命じたことに、国内外から非難が高まっている。モスルには7世紀のイスラム教創始以前からキリスト教徒が暮らしてきたが、数万人が迫害を恐れてクルド自治区などに逃れた。
「宗教や民族の違いを理由に組織的な迫害を加えることは人道に対する罪だ」。国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は20日に声明を出し、イスラム国による異教徒迫害を非難した。マリキ首相も「テロリストの極端な犯罪志向が明らかになった」と批判した。
イラクからの報道によると、イスラム国は今月18日、キリスト教徒に人頭税を課すとの布告を出し、19日までにイスラム教への改宗、納税、モスルからの退去のいずれかを選ぶように迫った。米CNNテレビによると、1世帯55万イラクディナール(約4万8000円)の納付を要求し、拒否した場合は処刑することも示唆した。
イスラム国家は、人頭税の支払いと引き換えに、同じ一神教のユダヤ教徒やキリスト教徒らの信仰を容認してきた歴史がある。イスラム国家復活を目指す「イスラム国」も、これに倣ったとみられ、シリア北部でも同様の統治を行っている。
モスルではイスラム国が侵攻した6月上旬以降、迫害を恐れるキリスト教徒やシーア派住民ら数十万人がクルド自治区などに避難した。
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一度過激派に政権取らせてみれば穏健化するんでないの?今は異教徒の圧迫で何を云ってもやっても逆効果なような。。そもそも貧困対策とかで政府が無策・無能なのがいけない。。政府はその他にも色々やらなあかんことあるんやろうけど・・。
中東:7月の死者9000人 「アラブの春」以降最悪
http://mainichi.jp/select/news/20140807k0000m030063000c.html
毎日新聞 2014年08月06日 20時10分(最終更新 08月07日 00時40分)
【カイロ秋山信一】紛争やテロ事件が相次ぐ中東諸国で、今年7月だけで死者が計約9000人に上ったことが分かった。2011年の民主化要求運動「アラブの春」以降、1カ月の死者としては最悪となった。
シリア内戦やパレスチナ自治区ガザ地区の紛争に加えて、イラク、リビア、イエメンで紛争が拡大。エジプトやチュニジアでもイスラム過激派によるテロや軍との衝突が頻発した。8月に入っても各地で武力衝突が継続しており、中東の混迷は深まっている。
国連や各地の保健当局・人権団体によると、7月の紛争に関連した死者は▽シリア5342人▽イラク1737人▽ガザ地区約1400人▽イエメン約300人▽リビア約120人。
シリアとイラクではイスラム過激派組織「イスラム国」が勢力を広げ、政府軍やシリア反体制派、少数民族クルド人との衝突が激化した。ガザ地区では7月上旬からイスラエル軍の攻撃が強まり、死者が急増。イエメンではイスラム教シーア派武装組織と政府軍、リビアでは世俗派民兵とイスラム武装勢力の対立が激化した。
こうした紛争地は、「アラブの春」で独裁体制が崩壊し、混乱が続いている国が多く、イスラム過激派の勢力拡大が混乱に拍車をかけている。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140811/mds14081123280010-n1.htm
イラク次期首相にアバディ氏指名 マリキ氏は抵抗、部隊展開し恫喝
2014.8.11 23:28 (1/2ページ)
イラクの次期首相候補に指名されたアバディ氏=2009年12月5日、バグダッド(AP)
【イスタンブール=大内清】イスラム過激派との戦闘が続くイラクのマアスーム大統領は11日、マリキ首相に代わり、イスラム教シーア派連合が推すアバディ第1副議長を新首相候補に指名した。ロイター通信が伝えた。ただ、首相続投を主張するマリキ氏は今後も抵抗を続けると予想され、国際社会が求める「挙国一致政府」樹立が順調に進むかはなおも不透明だ。
マリキ氏は10日、マアスーム氏が議会最大勢力を率いる自分を首相候補に指名しないのは「憲法違反だ」と非難した。これに前後してマリキ氏は、首都バグダッドに指揮下の特殊部隊を展開。自身を排除しようとする各政治勢力への“恫喝(どうかつ)”とみられる。
これに対しケリー米国務長官は11日、「マアスーム氏を支持する」と述べてマリキ氏側を牽制(けんせい)するとともに、各政治勢力が政治的駆け引きに武力を使用しないよう自制を促した。
イラクでは、少数民族クルド人が名目的な国家元首の大統領に、多数派のイスラム教シーア派アラブ人が行政権限を持つ首相に、スンニ派アラブ人が国会議長に就くのが慣例で、大統領の指名を受けた首相候補が組閣にあたる。アバディ政権が実際に発足するには閣僚名簿の議会承認が必要となることから、当面は各勢力の綱引きが続きそうだ。
マリキ氏が率いるシーア派会派「法治国家連合」は今年4月の議会選で第1勢力となった。
しかし、スンニ派過激組織「イスラム国」が急速に勢力を拡大した6月以降、マリキ政権の過度なシーア派優遇が国内分裂を招いたとしてスンニ派や一部のシーア派勢力がマリキ氏退陣を要求。イラクを支援する米国も、危機克服には全勢力の合意が重要だとして、実質的にマリキ氏への退陣圧力を強めていた。
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http://mainichi.jp/select/news/20140812k0000e030180000c.html
イラク:首相指名で政界混迷 マリキ氏認めず
毎日新聞 2014年08月12日 11時01分(最終更新 08月12日 11時22分)
【カイロ服部正法、ワシントン及川正也】イラクのマスム大統領は11日、シーア派のハイダル・アバディ連邦議会副議長を次期首相に指名した。挙国一致体制を優先するため、スンニ派やクルド人などから「シーア派偏重」と批判されるマリキ首相を退陣に追い込む構えだ。オバマ米政権も支持を表明した。これに対しマリキ氏は同夜、指名を認めない意向を表明。同氏の反発でイラク政界は一層混迷を深めそうだ。
イラク北部などでスンニ派中心のイスラム過激派組織「イスラム国」が勢力を拡大、米軍の軍事介入を招く中、イラク内政の混乱は対イスラム国戦線にも影響を与える可能性がある。
ロイター通信によると、アバディ氏は指名を受け「テロリストに対抗するため我々は協力しなければならない」と国営テレビで述べ、宗派・民族間の対立解消を訴えた。イラクでは4月の総選挙でマリキ派の党派が最多議席を獲得したが、反マリキ派から異論が出て首相を決められない状態が続いていた。
イラク憲法は議会最大会派からの首相選出を規定している。国営テレビは11日、最高裁がマリキ派の党派を最大会派として認めたと伝えていた。
一方、オバマ米大統領は11日、アバディ氏の新首相指名について、宗派を超えた挙国一致内閣樹立に向けた「重要な一歩」と歓迎し、支持を約束するとともに早期の組閣に着手するよう求めた。
オバマ政権は「シーア派偏重」とされるマリキ氏の続投には消極的だった。マリキ首相側は反発を強めているが、ケリー米国務長官は「マリキ氏が状況を混乱させないよう望む」と強調した。
オバマ氏は声明でアバディ氏を「支持する」と明言。「(電話で)アバディ氏にすべてのイラク人を包括し、代表する新たな内閣をすみやかに発足させるよう促した」と明かした。そのうえで「すべての政治的指導者が政治プロセスを通じ、平和的に協力するよう求める」と述べ、反発を強めるマリキ氏の動きをけん制した。
オバマ政権は、イスラム国に対抗するためにも、挙国一致政権の樹立が必要だと認識している。マリキ氏の「続投阻止」は米国にとって思惑通りの展開だが、マリキ氏側の抵抗を食い止められるかは見通せていない。
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http://mainichi.jp/select/news/20140812k0000e030198000c.html
イラク:「明日どこに行けば…」イスラム国に追われ
毎日新聞 2014年08月12日 11時40分(最終更新 08月12日 13時19分)
イラク北部アルビルの路上で避難生活を送るラヒアさんの一家。地べたに座る母親に抱かれて、2歳のフセイン君が眠っていた=2014年8月11日午後、秋山信一撮影
【アルビル(イラク北部)秋山信一】気温40度を超える炎天下、イラクの少数民族シャバクの一家5人が、幹線道路沿いの建物の陰で一息ついていた。北部クルド人自治区の中心都市アルビル。モスル郊外の故郷は6月にイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」の手に落ちた。2カ月を超える流転の生活で、所持金は底を突いた。「明日はどこに行けばいいのか」。ラヒア・マフムードさん(40)は途方に暮れた。長男フセイン君(2)が母親の腕の中で泣き出した。
シャバクは16世紀からイラク北部モスルに定着。多くはイスラム教にキリスト教の要素が加わったとされる宗教の信者だ。
記者がアルビル入りした10日、約40キロ西では米軍がイスラム国の部隊を空爆し、地上ではクルド人部隊が戦っていた。住民によると、イスラム国が自治区に近いカラコシュに進攻した7日には緊張が高まったが、空爆が始まった8日以降は平静を取り戻した。
しかし幹線道路から一本入ると、イスラム国の支配地域から逃れ、建設途中のビルに身を寄せる人々が散見される。牧畜を営んでいたラヒアさんも避難民の一人だ。6月中旬、イスラム国の戦闘員2人が自宅に来た。ラヒアさんはイスラム国が敵視するシーア派系。「イスラム教徒はこんなことはしない」。口をついた言葉が男たちを逆上させ、銃を突きつけられた。
自宅には2〜9歳の4人の子供もいた。「こんな幼子も殺すのか」と言うと、男たちは銃を下ろした。着の身着のまま逃げ出し、自宅や80匹の羊を失った。近くの村々を転々とし、8月上旬にアルビルに来たが、身寄りもなく、路上生活を送るしかなかった。
イスラム国は「抑圧された人々を救い、神の支配を実現する」として、支配地域でのスンニ派の厳格な教義の適用を強制。住民に飲酒や喫煙を禁じ、女性にはニカブ(目以外の全身を覆う黒布)の着用を義務付ける。一方でスンニ派以外のイスラム教徒や異教徒を迫害。支配地域でキリスト教教会が破壊されたり、女性が暴行を受けたりする事案などが起きているほか、クルド人系の宗教少数派ヤジディー教徒が800人規模で殺害・拉致されたとも伝えられている。
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仮住まいを見つけた避難民も不安定だ。中学3年生のトーマ・アムルさん(14)は、アルビル北部の中学校の一室で、生後10カ月の双子を含む親戚20人と暮らす。約7000人のキリスト教徒が住むカラコシュ出身だ。6日夜にクルド人部隊が突然撤収し、住民の大半が自治区に逃げた。
キリスト教系の政党がクルド自治政府に依頼し、学校での避難生活が認められた。約15畳の部屋にカーペットを敷いて暮らす。食事は近所の人が差し入れた野菜やパンでまかなう。だが、3週間後に学校が再開されれば、退去を迫られる運命だ。
トーマさんは、カラコシュの教会で宗教儀式を手伝っており、将来は聖職者になりたいと思っている。「イスラム国のことはよく分からない。だけど宗教が説くのは、愛と平和のはずだ」
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014081302000112.html
イラン、アバディ氏支持 イラク首相候補 マリキ氏見限りか
2014年8月13日 朝刊
【カイロ=中村禎一郎】イラン国営のアラビア語衛星テレビ・アルアラム(電子版)によると、イランのザリフ外相は十二日、イタリアのモゲリーニ外相とイラク情勢について電話会談し、イラクのマスーム大統領が新首相候補に指名したアバディ氏に、「挙国一致政権」を早期に樹立するよう求めることで一致した。イランが事実上、アバディ新首相の誕生を支持した形。マリキ首相からの政権交代が進む可能性が高まった。
イスラム教シーア派国家のイランは、イラクのシーア派の後ろ盾とされ、マリキ政権もシーア派主体のメンバーとなっている。イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」の脅威が強まる中、後ろ盾のイランがマリキ氏を見限ったとの見方が出ている。
一方、AFP通信によると、米国やフランス、トルコなど各国も相次いでアバディ氏の新政権樹立を歓迎する姿勢を表明。マリキ氏は三選を目指す構えを崩していないが、国際社会の退陣圧力が強まる中、権力の維持は難しいとの見方が支配的となっている。
イラクでは、四月の連邦議会選挙でマリキ氏が率いる政党グループ「法治国家連合」が勝利したものの、過半数には届かなかった。法治国家連合はマリキ氏の三選に向けて連立交渉を続けてきた。
だが、シーア派を偏重してきたマリキ氏に対するスンニ派勢力の反発は強い。さらに、シーア派からはスンニ派の過激派組織「イスラム国」の進攻を招いた責任を問う声も上がり、新政権が樹立できない状態が続いていた。
バグダッド在住の政治評論家ハダド氏は本紙の取材に、イラクのスンニ派勢力もアバディ氏を容認する意向を示していると指摘。「イランは、隣国のイラクを不安定化させるマリキ氏よりは、アバディ氏を支持する方が得策だと判断したのだろう」と話している。
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http://mainichi.jp/select/news/20140816k0000m030079000c.html
米政権:新たな「重荷」負う 外交工作でマリキ氏辞任
毎日新聞 2014年08月15日 20時46分(最終更新 08月15日 20時49分)
【ワシントン及川正也】イラクの挙国一致体制構築には「マリキ首相交代」が不可欠とみていたオバマ米政権は、イラク国内外を巻き込んで「包囲網」を固めてマリキ氏を辞任へ追い込んだとして、外交工作の成果をアピールしている。しかし、勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国」への対処や、脆弱(ぜいじゃく)なイラク軍の立て直しなど新たな課題を解決する道筋は描けていない。
マリキ首相の辞意が公表される前、オバマ大統領は休暇中の北東部マサチューセッツ州で声明を発表。「最も重要なのは、イスラム国に対して形勢を逆転するためイラク国民が一致結束するよう求めることだ」と語った。
オバマ政権はマリキ首相が自派のイスラム教シーア派を偏重したことが国内の混乱やイスラム国の増勢を招いたと判断。マリキ首相に見切りを付け、退陣に追い込むための外交工作を展開してきた。
ケリー米国務長官は辞任を拒絶するマリキ首相に「状況を混乱させるべきではない」とけん制。オバマ大統領が欧州やカナダなど主要国首脳と連絡を取る一方、バイデン米副大統領はイラク国内の政治指導者らと協議し、首相指名されたアバディ連邦議会副議長を中心とする「挙国一致政権」樹立への支持拡大に動いた。
14日、マリキ首相退陣表明を受けライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)がイラク国内外からアバディ氏への「幅広い支持」が集まったと強調したのは、米国の外交工作が奏功したとアピールする狙いがある。
オバマ政権はイラク北部で8日から、イスラム国の拠点などに対し空爆を続けている。地上軍派遣など大規模な軍事作戦を回避するオバマ政権にとって、イラクの治安回復には課題が多い。クルド人治安部隊やイラク軍への軍事支援を強化し、イスラム国への抗戦能力の向上を側面支援する方針だが、イラク軍の脆弱さはオバマ大統領も認める「誤算」だった。米軍によるイラク軍への訓練強化の必要性も指摘されるが、軍事顧問団などの派遣が長期化すれば安全確保なども新たな課題になる。イラク問題はオバマ政権の新たな「重荷」になりつつある。
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http://mainichi.jp/select/news/20140816k0000m030078000c.html
イラク:北部で国外クルド勢力「共闘」 イスラム国攻撃に
毎日新聞 2014年08月15日 20時43分(最終更新 08月15日 23時24分)
【アルビル(イラク北部)秋山信一】イスラム過激派組織「イスラム国」の侵攻が迫るイラク北部のクルド人自治区周辺で、シリア、トルコ、イランの周辺3カ国を本拠とするそれぞれのクルド人武装組織が、クルド自治政府の治安部隊に加勢していることが15日、自治政府関係者への取材で分かった。クルド人は国ごとに分断されてきたが、イスラム国の脅威を前に「共闘」が実現した形だ。
自治政府関係者や有力政党クルド愛国同盟の幹部によると、3カ国のクルド人組織は8月上旬、イスラム国が北西部シンジャルなど自治政府の実効支配地域に侵攻したのを受けて参戦。それぞれ数百人以上の戦闘員が、自治政府の治安部隊ペシュメルガに加勢している。
シリアのクルド人武装組織は国境を越えて、少数派ヤジディー教徒への迫害が懸念されるシンジャル付近に展開し、イスラム国と交戦。山岳地で行き場を失っていたヤジディー教徒のために、シリア側への避難路を確保した。
トルコのクルド労働者党(PKK)や、イラン・クルド民主党の系列武装組織は、それぞれクルド人自治区内に以前から置いている拠点で活動するメンバーを動員。トルコ系クルド人の難民キャンプがあるアルビル郊外のマフムールなどで戦っている。トルコ、イランからの参戦に関してクルド自治政府は、両政府に配慮して、戦闘員が越境して参戦することは認めていないという。
クルド人はトルコやイラクなどに推定2000万〜3000万人いるとされ、独自の国家を持たない最大の民族と言われる。クルド独立を警戒する各国政府の思惑もあり、連携はこれまで難しかった。イスラム国の侵攻を受けて、イラクの自治政府は独立への動きを強めており、他国のクルド人組織からも期待の声が高まっている。
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http://mainichi.jp/select/news/20140815k0000m030082000c.html
クルド・ヤジディー教徒:「虐殺を止めて」…夫は撃たれた
毎日新聞 2014年08月14日 20時48分(最終更新 08月14日 21時51分)
【ドホーク(イラク北部)秋山信一】歴史上74度目にして最悪の迫害だ−−。イラク北部でイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」の侵攻を受け、クルド人自治区ドホークに逃れた少数派ヤジディー教徒が口々に訴えた。1000人以上が殺害され、女性ら500人以上が拉致されたとの情報もある。「誰でもいい。この虐殺を止めてほしい」。1000年以上にわたる歴史の中で受けた迫害を伝承しつつ、信仰を守り続ける「不屈の民」から悲痛な叫びが上がった。
13日昼、ドホーク郊外。建設中の10階建てビルに無数の人影が見えた。近づくと、約300人のヤジディー教徒が、コンクリートに薄い布を敷いて生活していた。「故郷を取り戻して」。マヘバイ・アフマドさん(35)が強い口調で訴えた。
イラク北部の街シンジャル。住民の証言によると、8月3日朝に惨劇は始まった。前日からイスラム国と戦っていたクルド自治政府の治安部隊が住民に何も告げずに撤収し、混乱が広がった。スンニ派の教義を絶対視するイスラム国が、ヤジディー教徒を「悪魔崇拝者」とみなし、殺害を予告していたのを知っていたからだ。
「早く逃げましょう」。郊外の農村に住むマヘバイさんは、夫ハラフさん(40)や4人の子供に声をかけ、野菜畑の一本道を農業用トラクターが引っ張る荷車に乗って逃げた。しばらくするとイスラム国の戦闘員が乗ったトラックが追いついてきた。パン、パン−−。発砲に気づいた瞬間、荷車が横転。しばらくして起き上がると、戦闘員らが去っていくのが見えた。
「お父さん……」。長男(16)の声がした方向に視線を移すと、ハラフさんが頭から血を流して倒れていた。応答はなかった。マヘバイさんは子供らをせかし、徒歩で再び逃げた。南から来るイスラム国を避け、北のシンジャル山を目指す。夫の遺体を置いてきた自責の念から、後ろは振り返れなかった。
標高約1300メートルの岩がちな山には当時、数万人が避難していた。イスラム国の攻撃に加え、別の恐怖も始まった。渇きと飢えだ。強烈な日差しが照りつけ、気温は45度を超える。湧き水は山に2カ所しかない。食料もほとんどなく、岩陰で過ごす時間が1週間続いた。マヘバイさんと一緒にいた友人のイリヤス・モラーディさん(64)は「人生で一番つらい時間だった」と語った。
クルド人民兵が10日ごろに山の西側に位置する避難路を確保し、避難民の多くは隣国シリアやトルコ、イラク領内のクルド人自治区に逃れた。だがシンジャル山に数千人が取り残され、付近で数万人がイスラム国の支配下にある模様だ。
ヤジディー教徒の記者ナリーン・シャモーさん(27)によると、拉致された女性約50人が人身売買されたとの未確認情報もある。さらにイスラム国は、シンジャルに残るヤジディー教徒に対して「協力しなければ殺害する」と脅している。
「多くの人が死を選ぶかもしれない」。同胞の信心深さを知るナリーンさんが、そっと目を伏せた。
シンジャルのヤジディー教徒を救出するため、米軍は13日も、6日連続となる空爆を行ったが、地上部隊の派遣は見送った。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140815/mds14081521250003-n1.htm
「挙国一致内閣」加速へ マリキ首相退陣表明 アバディ氏を支持
2014.8.15 21:25 (1/2ページ)
14日、退陣表明したイラクのマリキ首相のテレビ映像(AP)
14日、退陣表明したイラクのマリキ首相のテレビ映像(AP)
【カイロ=大内清】イラクのマリキ首相は14日夜、国民向けのテレビ演説で、マアスーム大統領から指名を受けた国民議会のアバディ第1副議長を次期首相候補として認めると述べ、退陣を表明した。アバディ氏指名に強く反発していたマリキ氏の退陣表明で、国際社会が求める「挙国一致内閣」の編成作業が加速する見通しだ。
マリキ氏は「国の利益のためにアバディ氏支持を決めた」と発言。イラク北部で戦闘を続けるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対抗するため、「今後も一兵卒であり続ける」とも語った。演説にはアバディ氏も同席した。
マリキ氏はこれまで、4月の議会選で最大勢力となったシーア派会派「法治国家連合」を率いる自分に首相続投の資格があると主張してきた。しかし、「イスラム国」が北部の主要都市モスルを制圧した6月以降、同氏の過度なシーア派優遇が宗派対立を激化させたとして、国内外で「マリキ退陣論」が高まった。
マアスーム大統領は今月11日、マリキ氏と同じ会派の所属ながら、他のシーア派連合が推すアバディ氏を次期首相候補に指名して組閣を要請。これに対しマリキ氏は「大統領の判断は憲法違反だ」として徹底抗戦の構えを見せていた。
マリキ氏の姿勢転換の裏側で、政治混乱の長期化を懸念する米国や隣国イランの圧力が働いた可能性もある。
憲法上、約1カ月以内に閣僚名簿を議会に提出しなくてはならないアバディ氏は、組閣に向けた各政治勢力との調整を開始。ポストや財源の配分を通じ、マリキ政権下で冷遇されてきたと感じているスンニ派やクルド勢力の不満をどこまで解消できるかが政権運営の成否を握る。
ただ、シーア派に対するスンニ派の不信感は根強く、イスラム国がイラク国内で一定の支持を得た一因にもなっただけに、対立の克服は容易ではない。首相の座を失ったとはいえ、軍やシーア派民兵の一部に影響力を持つとされるマリキ氏をどのように処遇するかにも注目が集まっている。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140818/mds14081807560005-n1.htm
【日本人拘束】
激戦地アレッポ、入り乱れる武装勢力 対立の構図、判別しにくく
2014.8.18 07:56 (1/2ページ)
動画サイト「ユーチューブ」に投稿された、イスラム国に拘束された日本人男性とみられる人物(顔を画像加工しています)
【カイロ=大内清】日本人が拘束されたとの情報があるシリア北部アレッポの周辺は、シリア内戦の最激戦地の一つとして知られ、アサド政権側の軍部隊や反体制派武装勢力「自由シリア軍」、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」などが入り乱れる状況にある。
同国商業の中心地だったアレッポでは2012年ごろから戦闘が激化。反体制派やイスラム過激派勢力は一部郊外を支配下に置いているものの、昨年末以降は政府軍が「たる爆弾」と呼ばれる焼夷弾による空爆作戦を強化して東部の空港周辺地域を奪還するなど反攻を進めている。
シリアの在外人権団体などによると、これまでの政府軍の空爆や砲撃により、市内の約30%の建物が破壊されているという。
また、ここのところは、支配地域内に厳格なシャリーア(イスラム法)による統治を敷くイスラム国など過激派勢力と、それに反発する反体制派部隊との戦闘も激しさを増しており、勢力間の対立構図が判別しにくい状況も生まれている。
そうした中で、存在感を強めているのが、イラクとシリアにまたがって活動するイスラム国だ。
イスラム国はもともと、ヨルダン出身のザルカウィ容疑者がイラクで率いていた武装勢力を母体とする。2003年のイラク戦争後に国際テロ組織アルカーイダに忠誠を誓い、同国でテロを展開し、13年にはシリア内戦に本格参戦した。
現在の指導者はアブバクル・バグダーディ容疑者で、第1次大戦後に米欧列強によって引かれた現在の国境線の打破を唱える。他のアルカーイダ系組織と対立し、今年、アルカーイダ本体から“破門”されたが、今年6月にはイラク第2の都市の北部モスルを制圧し、全イスラム教徒を導く「カリフ」を自称した。
イスラム国は、シリア内戦で調達した国内外の戦闘員や武器などの物資をイラクでの戦闘に活用しているほか、モスルなどの戦闘で強奪した多額の現金をイラク・シリア両国でのさらなる戦闘員の徴募に利用しているとされる。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140818/mds14081811370007-n1.htm
シリア反体制組織「イスラム戦線」に同行か 戦闘取材中に拘束 地区幹部が証言
2014.8.18 11:37 [中東・アフリカ]
内戦中のシリア北部アレッポで日本人男性が拘束されたとされる事件で、男性がシリアの反体制派武装組織「イスラム戦線」に同行していたとみられることが18日分かった。組織の地区幹部が共同通信の電話取材に応じた。男性は残したパスポートから湯川遥菜さん(42)とみられる。地区幹部は男性が過激派「イスラム国」との戦闘を15日に取材に行き、拘束されたと証言した。
湯川さんは、自身のブログなどによると千葉市在住で民間軍事会社とする東京都江東区の「ピーエムシー(PMC)」の最高経営責任者。地区幹部は湯川さんの解放を求めイスラム国と接触を試みているが反応はなく「日本を脅して身代金を取るのでは」と語った。
この幹部によると、湯川さんは7月28日、トルコ南部キリスの国境からシリアに入国し、「現場リポートを書きたい」としてイスラム戦線に同行していた。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20140818k0000e030184000c.html
シリア:「イスラム国」、敵対部族700人を処刑
毎日新聞 2014年08月18日 12時03分(最終更新 08月18日 13時26分)
【アルビル(イラク北部)秋山信一】在英のシリア反体制派組織「シリア人権観測所」は16日、イスラム過激派組織「イスラム国」がシリア東部デリゾール県で、敵対する部族のメンバーら700人を処刑したと発表した。反体制派主要組織シリア国民連合は16日、米国に対して、イラクだけでなく、シリアでも「イスラム国」への空爆を始めるよう要請した。
人権観測所によると、イスラム国は7月、敵対する国際テロ組織アルカイダ系の反体制派組織「ヌスラ戦線」などを駆逐し、東部デリゾール県のほぼ全域を掌握した。だが一部の地元部族はイスラム国に反発し、戦闘に発展。イスラム国は今月に入って、服従しないシェイタト部族のメンバーら少なくとも700人を処刑した。大半は戦闘員ではなく、市民だという。
シリア国民連合のバハラ議長は16日、トルコで記者会見し、「国際社会の沈黙は信じがたい。イスラム国による非人道的な犯罪は毎日のように起きている」と主張し、米軍などによる空爆を求めた。
ただシリア内戦では、アサド政権、反体制派、イスラム国、クルド人の4勢力が互いに抗争している。反体制派を支援する米国にとって、イスラム国への空爆はアサド政権を利することにつながる。さらにイラクでは政府間協定に基づいて空爆しているが、シリアの場合はこうした法的根拠も乏しく、単独での攻撃は難しいのが現状だ。
ews/20140818k0000e030184000c.html
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http://mainichi.jp/select/news/20140818k0000e030177000c.html
シリア邦人拘束:アレッポ 政権と反体制派争う激戦地
毎日新聞 2014年08月18日 11時37分(最終更新 08月18日 13時16分)
シリア政府軍の爆撃により炎上したと見られる市街地に立つ男性=シリア北部アレッポで13日、ロイター
【カイロ秋山信一】イスラム過激派組織「イスラム国」に拘束されたとみられる湯川さんは、内戦下のシリア北部アレッポで反体制派武装組織と行動を共にしていたとみられる。アレッポはシリア第2の都市で、アサド政権と反体制派が争う最大の激戦地だ。最近ではイスラム国も勢力を伸ばし、三つどもえの戦いになりつつある。
アレッポは交通の要衝で、古代から商業地として栄えた。2011年に内戦が始まると、アサド政権の支配が及んでいないトルコ国境から反体制派が進出、政権側と街を二分する戦いを続けてきた。アサド政権は13年冬ごろから反体制派支配地域に対して空爆を強化。命中率が低く、標的以外にも被害を及ぼす「たる爆弾」が多用され、連日のように市民の犠牲者が出ている。
さらに東部で勢力を伸ばすイスラム国もアレッポ方面への進攻を開始し、アサド政権、反体制派と三すくみの構図となっている。
戦闘員やジャーナリストとして外国人が入国するケースも多いが、アサド政権は反体制派の手引きで入国した場合には「テロリスト」とみなしており、攻撃対象となる恐れが大きい。イスラム国などの武装組織が身代金目的で外国人を拉致するケースもある。12年には日本人女性ジャーナリストの山本美香さんも、同市で銃撃に巻き込まれて死亡した。
外務省は「戦闘に巻き込まれる恐れが高く、安全を確保することが非常に困難」として、同省が出す危険情報の中で最も強い「退避勧告」を出していた。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140818-00000032-jij_afp-int
仏パリでサウジ王子の車列襲撃、現金25万ユーロ奪われる
AFP=時事 8月18日(月)16時25分配信
仏パリ郊外のルブルジェ空港近くの高速道路(2013年6月18日撮影、資料写真)。
【AFP=時事】(一部更新)仏警察によると18日夜、パリ(Paris)北部でサウジアラビアの王子の車列が武装集団に襲われ、現金25万ユーロ(約3400万円)と「機密」を含む文書が強奪された。
サウジ王子が仏ディズニーランドで豪遊、19億円の出費
車列は市内のサウジアラビア大使館からパリ郊外のルブルジェ(Le Bourget)空港に向かっていたが、パリ北部ポルト・ドゥ・ラ・シャペル(Porte de la Chapelle)付近でカラシニコフ自動小銃を持った集団に襲われた。けが人はなかった。襲撃に使われた車は盗難車で、後に燃やされた状態で見つかった。これまでのところ逮捕された容疑者はいない。
仏日刊紙パリジャン(Le Parisien)は「機密」に相当する文書も盗まれたと報じている。警察筋はAFPに対し「異例の襲撃事件。一味は明らかに情報をよくつかんでいた。非常にまれな手段を使った」と語った。【翻訳編集】 AFPBB News
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http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140820/frn1408201538005-n1.htm
凶悪「イスラム国」の恐ろしすぎる実態 一般市民や捕虜も惨殺 シリア日本人拘束 (1/2ページ)2014.08.20
民間軍事会社を経営する湯川遥菜(はるな)さん(42)とみられる日本人男性を拘束したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」。イラク北部とシリア東部にかけて幅広い範囲で活動を活発化させており、アルカーイダをしのぐ世界最大規模の国際テロ集団だ。捕虜や方針に従わない一般市民を容赦なく惨殺するという、他の過激派組織とは比しない残忍さで知られている。
湯川さんは、シリア北部アレッポ郊外バーブで拘束されているという情報がある。直前まで同行し、イスラム国とも戦闘を続ける反体制派武装組織「イスラム戦線」の地区幹部は共同通信の取材に対し、「命を賭けてでも助ける」と明言。自分たちが拘束しているイスラム国の戦闘員との「捕虜交換」を提示しているが、イスラム国から明確な返答はないという。
ロイター通信によると、イスラム国は19日、シリア内戦の取材中に武装グループに拉致され、行方不明になっていた米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー氏とみられる人物を処刑する映像を公開した。
中東だけでなく世界全体の脅威となっているイスラム国。もともとは2003年のイラク戦争後、国際テロ集団アルカーイダに忠誠を誓い、イラクでテロを展開していたが、13年に隣国のシリア内戦で台頭した。昨年末から再びイラクでの攻勢を強め、今年6月、国境を越えた「イスラム国」の樹立を宣言し、組織名もイスラム国を名乗ると発表した。
指導者のバグダディ容疑者は、イスラム教にとって最高権威である「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」を名乗り、世界のイスラム教徒に結束を呼びかけている。
「米軍がイラクから引き上げた後、シーア派のマリキ政権下で弾圧されたスンニ派の部族指導者らを取り込み、急速に支配地域を広げた。決定的な出来事は、今年6月に、イラク第2の都市モスルを制圧したこと。十何倍もいるイラク政府軍を破り、政府軍は武器や戦車を残して逃げてしまった。そこで大量の武器が手に入り、市内の銀行からカネを奪って、戦闘レベルが一気に上がった」
『イスラムのテロリスト』(講談社+α新書)などの著書がある軍事アナリストの黒井文太郎氏は、急拡大の背景をこう分析する。
規模は一万数千人ともいわれる。黒井氏は「コアなメンバーはそれほどいない。メンバーは流動的で、これ以上増えることはないだろう」と指摘するが、インターネットなどで若者を勧誘し、ヨーロッパやロシアのチェチェンなど海外の志願兵も多いという。
最も狂信的な組織とされ、容赦なく殺害する残忍さは類をみない。他の過激派組織との衝突も多く、路線の違いや残虐性から、今年2月にはアルカーイダ本体から断絶された。
「自分たちに従わない者は見せしめに殺すというもので、捕虜は片っ端から首を切り、支配地域にある民間人やほかの宗派への暴力行為、処刑も頻繁に行われている。イラク北部の少数派のヤジディ教徒の住民は改宗を迫られ、殺害された。7世紀のイスラム社会に戻すことを目指していて、窃盗した人は手足を切断するなど、当時のイスラムの法律を厳格に適用しようとしている。彼らにしてみれば、正しいイスラム国家のあり方であり、悪いことをしている意識はない」(黒井氏)
人、武器だけでなく、シリア東部の油田も獲得し、資金力も豊富にあるとされるイスラム国。黒井氏は「アルカーイダは弱体化しており、テロワールドから退場している。過去にもイスラム国ほど領土を広げた過激派組織はなく、圧倒的な存在感で、しばらくは台風の目になるだろう」とみている
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アルカイダ上回る残虐さ=女性を性奴隷、身代金誘拐―弱体化は当面困難・イスラム国
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-140818X135.html
時事通信2014年8月18日(月)06:53
日本人男性を拘束した可能性があるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」は、異教徒を敵視して殺害するなど、その残虐さは源流の国際テロ組織アルカイダも上回る。シリアとイラクをまたぐ地域で6月にイスラム国家樹立を宣言し、イラク軍から奪った兵器で戦闘力を高めており、米軍による空爆でも弱体化させるのは困難との見方もある。
イスラム国はシリア内戦に介入後、「イラク・シリアのイスラム国」と名乗り、自爆攻撃を多用するほか、シリア軍兵士を処刑したり、首を切り落としたりして、過激な活動で存在感を誇示してきた。シリアで別のアルカイダ系組織で反体制派の「ヌスラ戦線」と交戦を始めたため、アルカイダ指導部は破門扱いとした。
イラク北部で6月以降、支配地域を急激に広げており、少数派のキリスト教徒やクルド人少数派ヤジディ教徒を迫害。特にヤジディ教徒に対しては「悪魔崇拝」と汚名を着せて改宗を迫り、拒否すれば殺害しているとの情報もある。また、ヤジディ教の女性を性奴隷にしていると伝えられる。
最近も、イスラム国に加わったオーストラリア人の男の息子とみられる少年(7)が切断されたシリア兵の頭部を持つ写真が豪紙に掲載され、同国のアボット首相は「この組織がどれほど残虐かを示す証拠が次々出てくる」とコメントした。
国際テロに詳しい外交筋は、「イスラム国はインターネットを使った巧みな宣伝活動で実態以上の存在感を示しており、欧米からも若者が相次いで加わっている」と指摘する。支持者からの献金や武器の転売、文化財や麻薬の密売、銀行強盗のほか、身代金目的の誘拐も資金源になっている。
米軍のイラク空爆は、米国民保護とヤジディ教徒迫害を念頭に置いた人道目的に限定しており、イスラム国の弱体化を意図したものではない。イスラム国はシリアに一大拠点を築いており、弱体化させるなら、シリア領内にも攻撃を加える必要がある。だが、オバマ米政権はシリア内戦に介入しない方針で、シリアはイスラム国にとって比較的安全な活動拠点になっているのが実情だ。
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後輩に千葉県出身の湯川君がいるけど親戚でも何でも無いそうな。因みに彼は博士号取った後これで僕も湯川博士ですね,と云っていた。
戦闘現場に取り残され拘束か シリア反体制派が証言
共同通信 2014年8月19日 17時56分 (2014年8月19日 18時27分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20140819/Kyodo_BR_MN2014081901001554.html
【ダマスカス共同】シリア北部アレッポ郊外で拘束されたとみられる湯川遥菜さん(42)=千葉市=は、同行していた反体制派武装勢力の混成部隊と過激派「イスラム国」が戦闘になった際、現場に取り残され、イスラム国に捕らえられた可能性があることが19日までに分かった。反体制武装組織「自由シリア軍」幹部が明らかにした。
親欧米の自由シリア軍は、反体制派有力武装組織「イスラム戦線」とイスラム国に対して共闘。アレッポ郊外で14日、イスラム国と衝突した際、劣勢に追い込まれた混成部隊が退却。湯川さんが逃げ遅れ、誤ってイスラム国の戦闘員がいる方に向かったとみられるという。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140820/mds14082021350009-n1.htm
汚職反対の閣僚失職 イラン、国会が弾劾
2014.8.20 21:35
イラン国会は20日、ファラジダナ科学技術相の弾劾決議を賛成多数で可決し、同相は即日失職した。アフマディネジャド前政権時代に拡大された大学奨学金制度が汚職の温床となっているなどとして、合理化に乗り出していたが、保守強硬派の反発を招いた。イランメディアが伝えた。
ロウハニ大統領が3カ月以内に後任を任命する。穏健路線を掲げて国際社会との対話を進めるロウハニ政権だが、昨年8月の発足以来、強硬派との対立は解消されておらず、初めて閣僚が失職する事態となった。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140822/mds14082207290007-n1.htm
トルコ首相、後継にダウトオール外相指名 近く与党党首に任命
2014.8.22 07:29
ロイター通信によると、トルコ次期大統領のエルドアン首相は21日、政権与党、公正発展党(AKP)の党首と首相の後継者に、ダウトオール外相を指名した。ダウトオール氏は27日の党大会で党首に就任し、近く首相に任命される見通し。
10日の大統領選を制したエルドアン氏は、28日に大統領に就任する。エルドアン氏は政治的中立を求める憲法の規定に基づき、大統領就任とともに離党する必要があり、次期党首に注目が集まっていた。
ダウトオール氏はエルドアン氏の側近で、事実上、今後もエルドアン政権が続くとみられる。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20140826k0000m030067000c.html
シリア:イスラム国が台頭 親欧米の自由シリア軍劣勢に
毎日新聞 2014年08月25日 20時04分
【カイロ秋山信一】内戦中のシリアで、イラクにも侵攻するイスラム過激派組織「イスラム国」が台頭する一方、親欧米の反体制派武装組織「自由シリア軍」の劣勢が顕著になっている。自由シリア軍はアサド政権とイスラム国という「2強」との二正面作戦を強いられ、実効支配地域は縮小の一途で、正念場を迎えている。
「自由シリア軍に高性能な兵器を供与することがイスラム国と対決する最も有効な方法だ」。親欧米の反体制派で構成する主要組織「シリア国民連合」は今月15日に声明を発表し、国際社会に向けて傘下の自由シリア軍に対する支援強化を訴えた。さらに16日には米国に対して、イラクだけでなくシリアでもイスラム国への空爆を実施するよう求めた。
国民連合によると、イスラム国は8月中旬以降、自由シリア軍の重要拠点アレッポ郊外で攻勢を強め、次々と拠点を制圧。反体制派に同行していた日本人男性がイスラム国に拘束されたとみられるのも、こうした戦闘地域だった。24日にはシリア北部ラッカ県で、シリア政府軍がこの地域で確保していた最後の軍事拠点だった空軍基地を制圧した。
アレッポは2012年に本格化した内戦初期から自由シリア軍が拠点としており、トルコ国境からの補給路を確保しながら、アサド政権と市街地を二分する戦闘を続けてきた。「反アサド」で一致する国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」などイスラム勢力とも連携し、局面の打開を図ってきた。しかし、イスラム国ばかりでなく、アサド政権も5月に中部ホムスを制圧した勢いで、アレッポでも攻勢を強め、反体制派支配地域を連日空爆している。
一方、イスラム国は既に東部デリゾール県と北部ラッカ県など国土の3割以上を実効支配。反体制派によると、7月以降、新たに6000人以上の戦闘員が加わった。
イスラム国の「強さ」の理由は複合的だ。米専門家などによると、イスラム国のバグダディ指導者の下にはイラクの正規軍や情報機関で勤務した経験者が多数おり、軍事戦略を立てている可能性があるという。また、支配地域で取れた石油や小麦などの販売収入で潤沢な資金を得ている。支配地域でイスラム法の厳格な適用を進めていることも、思想背景が似た反体制イスラム勢力から、共感した戦闘員がイスラム国に流入する一因となっているようだ。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3024044
「イスラム国」内部捉えたドキュメンタリー公開
2014年08月25日 16:46 発信地:ニューヨーク/米国
写真購入のお問合せはこちら 【8月25日 AFP】「将来は何になりたい? イスラム聖戦士、それとも殉死作戦を遂行する人物?」──。
イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派グループ「イスラム国(Islamic State、IS)」が掌握しているシリア北部ラッカ(Raqqa)の様子が先週、ドキュメンタリー作品の中でおぼろげながら初めて明らかになった。
英国系パレスチナ人ジャーナリストのMedyan Dairieh氏が撮影した全5話から構成されたドキュメンタリー「The Islamic State」シリーズは、米ニューヨーク(New York)に本社を置くVice Newsが公開したものだ。
同作品によると、ここでは子どもたちも教義を学び、そしてシャリア(イスラム法)は銃で守られるとされる。作品は、Dairieh氏が同組織を3週間にわたって撮影したもの。ISの戦闘員が「シャリアは武器によってのみ成り立つ」と早々に述べ、ドキュメンタリーのトーンがセットされる。
Dairieh氏によると、ラッカではイラク進攻中に奪った米軍の装甲車に乗る重武装のイスラム過激派戦闘員らの様子や、またシャリアに基づく警察がライフル銃を肩にかけて通りや市場を巡回している様子が見られたという。
取材に同行したISの広報担当者アブ・モサ(Abu Mosa)氏は、「イスラムのカリフ統治領は確立されている。われわれはそれをやめるつもりはない」と作品中で述べている。
■子ども対象の訓練キャンプ
訓練キャンプでは、カメラを見つめる幼い少年たちが「異教徒殺害」の教義を支持することに誓いを立てている。
ある成人男性は、6歳の息子に向かって「将来は何になりたいのか」と尋ねる。すると息子は促されるように「イスラム聖戦士。異教徒はイスラム教徒を殺すから」と答える。
15歳未満の少年たちがシャリアのキャンプに参加する一方で、年上の少年たちは軍事作戦について学ぶという。
ある男性は「この世代の子供たちは、カリフの世代だとわれわれは考えている。この子たちは正しい教義を学んでいる」と語り、「彼らは全員、イスラム国建設のため、そして神のために戦っている」と続けた。
ドキュメンタリーには、女性の姿も若干写っていた。女性らは全員、ヒジャブ(頭髪を覆うスカーフ)を着用している。
Dairieh氏は、裁判所も撮影。作品中、手続きは国際法に準拠しているのかと質問された裁判所のある関係者は、「われわれの目的は、神を満足させることだ。だから国際法など気にしていない」と回答している。
メディアによるISへの取材は、安全保障上の理由により極めて異例だ。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は先月、この組織についての取材報道を行ったが、ドキュメンタリーの著者やインタビューを受けた人物らの特定は行っていない。
報道によると、モサ氏ともう一人のIS関係者は、ドキュメンタリーに出演したことを理由に殺害されたという。こうした残忍さを鑑みると、Dairieh氏がベールに隠されたIS内部に潜入できたことは、極めて異例といえる。(c)AFP/Brigitte DUSSEAU
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http://www.afpbb.com/articles/-/3023978
ボコ・ハラム、ナイジェリアの町を「イスラム国家の支配下に」
2014年08月25日 12:56 発信地:カノ/ナイジェリア
【8月25日 AFP】ナイジェリアのイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の指導者アブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)容疑者は、AFPが24日に入手した動画の中で、同組織が今月掌握した同国北東部の町グウォザ(Gwoza)について、カリフ(預言者ムハンマドの後継者)が統治するイスラム国家の支配下に置かれたと宣言した。
一方のナイジェリア政府軍はシェカウ容疑者の声明を否定。「ナイジェリア国家の主権と領土の一体性は現在も無傷だ」との声明を発表した。
シェカウ容疑者は7月に公開した動画の中で、イラクとシリアの領土の一部を掌握したイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」の指導者で、自身をカリフかつ「全イスラム教徒の指導者」と主張するアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者への支持を表明していた。
しかし、シェカウ容疑者は最新動画の中でバグダディ容疑者に対する自身の立場を明確にしておらず、グウォザについての言及がバグダディ容疑者の呼びかけに応じたものなのか、それともナイジェリア国内での新たなカリフ制国家樹立を意味しているのかも不明だ。
■民間人処刑や惨殺映像も
動画では、シェカウ容疑者の25分間におよぶ演説に続き、携行式ロケット弾などの武器を搭載した車列や、重武装して路上を行進するボコ・ハラム戦闘員らが写っている。映像からボコ・ハラムはナイジェリア軍基地を掌握し、武器や多数の弾薬、燃料などを奪ったものとみられる。
さらに動画の後半になると、民間人とみられる男性約20人が後ろ手に縛られた状態で道端にうつぶせに寝かされ、至近距離から銃で撃たれる映像や、女装して町を脱出しようとしたとされる男性2人がシャベルで撲殺される映像、既に多数の遺体で埋まった塹壕らしき溝の脇で2人が銃殺される映像など、処刑とみられる残忍な場面が続いている。(c)AFP/Aminu ABUBAKAR
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http://www.asahi.com/articles/ASG8S53QKG8SUHBI00C.html
大使館は退去、空港は閉鎖 リビアで内戦再発の危機
カイロ=川上泰徳
2014年8月25日03時04分
リビアの首都トリポリで23日、ロケット弾が着弾し炎上する建物=ロイター
3年前にカダフィ政権が崩壊したリビアで、民兵組織間の戦闘が激化している。ほとんどの外国大使館は退去し、首都の国際空港も閉鎖。政府や議会が民族派とイスラム派に分裂して統治機能を失っている。弱体な国軍は民兵を抑えられず、ほとんど内戦再発の状況になっている。
アラビア語衛星放送アルジャジーラの報道によると、首都トリポリの国際空港が23日、首都の東方のミスラタを拠点とするイスラム系民兵組織によって制圧された。首都では、今年7月初めから、ミスラタ民兵組織と首都の南西のジンタンを拠点とする民兵組織が、戦闘を続けていた。ジンタンの民兵組織は、部族有力者や旧カダフィ政権から離反した旧政権幹部などからなる民族派と連携しているとされる。
空港を巡る戦闘は、今月17日から18日にかけて、ミスラタ民兵の拠点に正体不明の爆撃機による攻撃があったことをきっかけに激化していた。空港では、エジプトとチュニジアからの航空便が飛んでいたが、空爆以来、運航は止まった。
トリポリでは停電が続き、市中心部で民兵同士の銃撃戦が起きてほとんどの外国人が退去している。在リビア日本大使館は7月下旬にカイロに退避した。
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間違えてた
147 名前:チバQ 投稿日: 2014/08/25(月) 21:38:49
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140824/mds14082422590006-n1.htm
トルコ エルドアン氏、大統領就任前に党内権力固め 後継に側近指名、古参のギュル氏排除
2014.8.24 22:59 (1/2ページ)
【カイロ=大内清】トルコ大統領選に勝利したエルドアン首相(60)が、28日の大統領就任前に党内権力の強化を進めている。イスラム系与党・公正発展党(AKP)の後継党首に最側近のダウトオール外相(55)を指名。かつての盟友で、党重職への復帰に意欲をみせていたギュル大統領(63)=憲法規定で党籍離脱中=を実質的に締め出し、次世代にも影響力を拡大することで、党内基盤をいっそう強めそうだ。
ギュル大統領はエルドアン首相の勝利から一夜明けた今月11日、退任後は「(自身が)創設に深く関わったAKPに戻るのが自然だ」と述べ、再び党内で指導的役割を担うことに意欲を示していた。
トルコ憲法は大統領が在職中、特定の党に所属することを禁じており、ギュル大統領の発言は、エルドアン首相の党首退任後を見越した発言とも受け止められた。
ところが、エルドアン首相側は、後継党首を正式に決める臨時大会を大統領就任式の前日となる27日に開催すると決定。ギュル大統領の復党が不可能な時期に開催することで、影響力の排除を狙ったと受け止められている。
エルドアン首相とギュル大統領は、2001年のAKP創設から結束を維持してきた。02年に政権を奪取すると、イスラム教徒を扇動した罪で被選挙権を剥奪されていたエルドアン首相に代わり、ギュル大統領が首相に就任。翌年、エルドアン首相が国会議員に当選すると、すぐにギュル大統領は首相職を譲り渡した。
しかし、最近ではエルドアン政権が反対派による汚職追及キャンペーンを封殺するため、インターネットを規制したことにギュル大統領が公然と異議を唱えるなど、2人の対立が表面化していた。
一方、後継党首に指名されたダウトオール外相は、エルドアン首相の最側近として知られる。指名の背景について、トルコ有力英字紙ヒュリエト・デーリー・ニューズ(電子版)は、エルドアン首相が「簡単に操れる人物を後継に求めた」ことがあると指摘する。
エルドアン首相が権力を固めるため、AKPの世代間闘争を利用しているとの見方も強い。結党時からの「第1世代」を代表するギュル大統領を排除し、比較的若い世代のダウトオール外相らを重用することで、影響力を次世代にも拡大させたいとの思惑だ。
来年6月には総選挙が予定されており、AKPが大勝すれば、エルドアン首相が目指す大統領権限の大幅強化に向けた憲法改正が現実味を増す。行き場を失ったギュル大統領が新党結成に動くとの観測もあり、今後の去就にも注目が集まっている。
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http://mainichi.jp/select/news/20140827k0000m030087000c.html
クルド武器供与:独の決断 欧米歓迎…背景に高まる緊張
毎日新聞 2014年08月26日 20時52分
【ブリュッセル斎藤義彦】欧米は、ドイツのイラク北部クルド自治政府への武器供与方針を歓迎している。ロシアのウクライナへの介入で欧州大陸の軍事的緊張が高まったうえシリア、イラク、リビアなどが大きく不安定化し、欧米が軍事的に関与する可能性が高まっているからだ。北大西洋条約機構(NATO)の外交筋は「武器供与だけでなく、派兵や財政面での貢献も期待したい」と話す。
NATOは来週の首脳会議で、72時間以内に域内外に展開する「速攻部隊」の設立で合意する見通しだが、十分に訓練された兵員、輸送機などの装備、高額な維持費用が必要で、ドイツはじめ大国の貢献が期待されている。
ドイツの国防費は国内総生産(GDP)の1.3%(2013年)とNATOの目標の2%には届かず、負担増は義務との見方もある。
ドイツは、戦争責任も常に明確にしており、ガウク大統領は3月にギリシャ、5月にチェコを訪れナチへの反省と欧州での平和構築の重要性を強調した。
欧州内でドイツへの警戒感は皆無なのが実情だ。在ブリュッセルのドイツ外交筋は「ドイツは常にNATOと欧州連合(EU)の枠組みの中で慎重に外交を進めてきた。その信頼が、期待に変わった」と話す。
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http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20140826-00000365-fnn-int
「氷水バケツ」パレスチナ版 ガザの現状訴え、がれきを浴びる
フジテレビ系(FNN) 8月26日(火)13時14分配信
世界的なブームになっている難病支援の運動が、形を変えて広がっている。
破壊された建物の前に立つ男性が、バケツに入った粉々のがれきを頭から浴びる。
この男性は、パレスチナ自治区ガザのジャーナリストで、氷水を浴びて支援の輪を広げるチャリティー活動の「パレスチナ版」として、動画を公開した。
イスラエルとパレスチナ・ハマスの停戦協議は、決裂したままで、動画の中で男性は、「ここでは水も手に入らない」と、イスラエル軍の空爆が続くガザの現状を訴えている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014082702000116.html
UAEがリビア空爆 イスラム勢力の伸長警戒
2014年8月27日 朝刊
【カイロ=中村禎一郎】AFP通信によると、米当局者は二十五日、アラブ首長国連邦(UAE)がエジプトの基地を使用し、リビアを空爆したことを明らかにした。リビアでは乱立する武装勢力の戦闘により内戦状態に陥っている。各首長国が絶対君主制をとるUAEは、近隣諸国でのイスラム主義勢力の伸長が自国の体制を脅かすと警戒しており、空爆はイスラム勢力に打撃を与えるのが目的とみられている。
空爆は最近一週間で二回実施された。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、まず首都トリポリの兵器庫を標的に攻撃が行われ、六人が死亡。二回目は二十三日早朝、トリポリ南部でロケット弾発射装置を狙った。米国は知らされていなかったという。
中東の衛星放送アルジャジーラは二十四日、トリポリを所属不明の戦闘機が爆撃したと報じていた。隣国エジプトが介入したとの見方が出ていたが、エジプトは空爆の実施を否定した。
リビアでは二〇一一年に中東の民主化運動「アラブの春」の影響で民衆の抗議運動が広がり、カダフィ体制が崩壊。現在、リビア軍の力は弱く、多くの武装勢力がカダフィ時代に拡散した武器を手に互いに戦闘を繰り返しており、背景には世俗派勢力とイスラム主義勢力の対立がある。
一方、エジプトでは、イスラム主義組織ムスリム同胞団に支えられた前モルシ政権が昨年七月に崩壊。軍出身の現シシ大統領は国内でイスラム主義勢力を抑え込む政策をとっている。リビア空爆への協力も、この一環とみられる。
AFPによると、今年七月中旬にはトリポリの国際空港の支配権をめぐって武装勢力が戦闘を繰り広げ、約九割の航空機が破壊されて空港は閉鎖。八月に入っても攻防は続き、二十三日にはイスラム主義勢力が空港を掌握した。
六月には、暫定議会の選挙が実施され、世俗派勢力が勝利。しかし、イスラム主義勢力は正統性がないと主張して反発しており、議会は事実上機能していないもようだ。リビアの混乱を受け、米国や英国、日本など多くの国が大使館員をリビアから避難させている。
<アラブ首長国連邦(UAE)> アブダビやドバイなど7首長国による連邦制で、各首長国は絶対君主制。石油資源が豊富なアブダビが力を持ち、1971年の独立以来、2代続けて大統領はアブダビ首長が務めている。中東の民主化運動「アラブの春」後のイスラム主義勢力の伸長を警戒。イスラム主義組織「ムスリム同胞団」主導のエジプト・モルシ政権が倒された昨年7月のクーデターを支持し、30億ドル(約3000億円)の支援を表明した。
<リビアの政治体制> 1951年に英仏から連合王国として独立。69年、当時27歳のカダフィ大佐ら青年将校団による無血クーデターで共和制に。77年に政党や議会がない直接民主制国家(ジャマヒリヤ)への移行が宣言されたが、事実上、公式の肩書がないカダフィ氏による軍事独裁体制が続いた。カダフィ体制崩壊後も政情不安が続き、今年6月に暫定議会選が実施されたものの、新憲法制定や本格政権樹立に向けた民主化プロセスは停滞している。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140827/mds14082708490005-n1.htm
イスラエル、ハマスと無期限停戦で合意 ガザへ人道支援物資搬入
2014.8.27 08:49 (1/2ページ)
26日、ヨルダン川西岸ラマラで、イスラエルとの停戦合意を勝利と祝うパレスチナ住民(ロイター=共同)
【カイロ=大内清】パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘で、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスは26日、仲介役のエジプトが提案した無期限での停戦を受け入れた。停戦は26日午後7時(日本時間27日午前1時)に発効した。エジプト外務省は26日、イスラエルが同国からガザへの人道支援物資や建設資材の搬入などに合意したと発表、ハマスが要求していた港湾や空港の建設などについての間接協議を1カ月以内に再開することも明らかにした。
7月8日の軍事作戦開始から約7週間でようやく本格停戦にこぎ着けたことを受け、ガザでは26日夜、避難生活を強いられていた多くの市民が街へ繰り出し、終夜、祝砲の音が響いた。
ハマス政治部門のナンバー2、アブーマルズーク氏は26日、ネット上で、停戦合意は「(ハマスによる)抵抗の勝利だ」と宣言。
しかし、今回の停戦でイスラエルが明確に合意したのは、ガザへの物資搬入量増加のほかは、ガザ住民が漁業に利用できる海域を拡大したことなどに限定されており、ハマス側にとっては成果の乏しいものとなった。
イスラエル政府当局者は26日、ロイター通信に、今回の合意はハマスが7月中旬に拒否した、無条件での戦闘停止を柱とする停戦案と基本的には同様のものだとの認識を示し、ハマスに大きな譲歩はしていないことを強調した。
イスラエルとハマスは今月11日に一時停戦で合意後、本格停戦に向けた間接協議を行った。だが、ガザ封鎖解除を主張するハマスに対し、イスラエルは強硬な態度を崩さず協議は19日にいったん破綻。その後、仲介役のエジプトが双方との調整を進めていた。
一連の戦闘でガザでは800人超の子供や女性を含む2140人以上が死亡し1万人以上が負傷、イスラエル側は69人が死亡している。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140827/mds14082722160010-n1.htm
【ガザ停戦】
乏しいハマスの「成果」 経済、住民生活…イスラエルが主導権握る
2014.8.27 22:16 (1/2ページ)
26日、ガザ地区北部で、空に小銃を発射して停戦合意を喜ぶパレスチナ人(AP)
【カイロ=大内清】イスラエルとハマスが合意した無期限停戦は、ハマスにとっては成果が乏しい内容となった。イスラエルは一連の軍事作戦で目標としていたハマスの秘密トンネル網破壊を達成したのに対し、ハマスが求めたガザ封鎖解除に関する実質的な交渉は1カ月以内に再開される間接協議に先送りされた。ガザ経済の根幹は相変わらずイスラエルが握る状況が続くとみられる。
ロイター通信によると、イスラエル政府当局者は26日、「われわれは7月15日の時点で停戦案を受け入れていた」と述べ、今回の合意は、仲介役エジプトが7月に提示した停戦案と基本的には同じ内容で、ハマスがようやくその受け入れを受諾したにすぎないとの認識を示した。
停戦案は、無条件で戦闘を停止した後にガザ封鎖問題などを協議するとしていた。封鎖解除の保証がないことなどから、ハマス側が「降伏勧告に等しい」と拒否した経緯がある。
今回の合意でも、ハマスが求める港湾や空港の建設などは今後の協議に委ねられる見通しで、協議再開後もイスラエルが応じる可能性は低い。またイスラエルは今回、沖合3カイリに制限しているガザの漁業海域を6カイリとし、将来的に12カイリまで拡大することを容認はしたものの、ハマスとの緊張が高まれば海上封鎖などの手段も容易に取りうる。
こうした状況からみて、イスラエルが基本的にガザ住民の運命を握る構図に大きな変化はない。
さらに、ハマスはイスラエルの作戦で秘密トンネル網だけでなく多数の軍事部門幹部を失い、軍事力の要であるロケット弾の保有数も大きく減らした。
にもかかわらず、ハマスがイスラエルへの「勝利」を宣言しているのは、体面を失って弱体化すれば求心力を失う恐れがあるためだ。
今後の協議では、エジプトとガザを結ぶラファハ検問所の通行を緩和する条件として、ハマスとライバル関係にあるパレスチナ自治政府主流派ファタハの治安部隊が同検問所を監視下に置くことなども検討されるとみられている。
その場合、2007年の軍事制圧以降、ハマスが保ってきたガザ支配が揺らぐ可能性もあり、和解協議が進むファタハとの力関係への影響も避けられない。ハマスにとっては、むしろこれからがガザの「統治者」としての正念場となる。
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http://mainichi.jp/select/news/20140829k0000m030042000c.html
アフガン大統領選:混乱深まる アブドラ氏側「結果拒否」
毎日新聞 2014年08月28日 19時54分
【ニューデリー金子淳】再集計が続くアフガニスタン大統領選で、再び混乱が深まっている。AFP通信によると、候補者のアブドラ・アブドラ元外相の陣営は27日、再集計作業の立ち合いを取りやめたうえ、結果の受け入れ拒否を表明した。独立選挙委員会(中央選管)は当事者不在で再集計を続けているが、このまま結果が確定すれば選挙の正当性が揺らぐ事態になりかねない。アブドラ氏とアシュラフ・ガニ元財務相の候補者同士が合意した「挙国一致政府」の見通しも立たなくなり、米欧など諸外国の懸念も膨らんでいる。
地元メディアなどによると、アフガニスタン・パキスタンを担当する米国のフェルドマン特別代表は27日、首都カブールで両候補者と会談し、8月末までに再集計を終わらせる必要性を強調。キャメロン英首相も28日、両候補に電話で挙国一致政府の早期発足を求めた。
アブドラ陣営は不正票の判断基準について「政治の影響下にある」と批判しており、最終結果を拒否する意向だ。対立が解消されないまま新政権が発足すれば、政情不安は避けられず、治安や復興へ悪影響を及ぼすことになりそうだ。
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米、スンニ派諸国の連合構築急ぐ シリア空爆決断には時間
http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014082901001144.html
【ワシントン共同】オバマ米大統領は28日、ホワイトハウスで記者会見し、シリアからイラクにかけて勢力を拡大するイスラム教スンニ派の過激派「イスラム国」の脅威に対処するため、ケリー国務長官を近く中東に派遣し、スンニ派諸国による連合構築を急ぐ考えを表明した。
その一方でオバマ氏はイスラム国に対抗するための米国の全体的な戦略は「まだない」と述べ、イラクでの空爆をシリア側に拡大することをすぐに決断できる状況にはないとの考えを示した。
さらに、国防総省に軍事的選択肢の策定を指示したと述べ、空爆などの具体的対応策の提示は受けていないことも示唆した。
2014/08/29 08:25 【共同通信】
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http://www.47news.jp/47topics/e/256511.php
【リビア分裂】二つの政府が対立 空港黒こげ、国内は無法状態
イスラム勢力とリベラル派など反イスラム勢力の対立から、リビアが再び内戦の危機に直面している。イスラム勢力の民兵が首都トリポリをほぼ掌握し、これを支持する旧制憲議会が25日、6月の選挙で誕生した反イスラム勢力中心の暫定議会を無視して「首相」指名を強行。リビアは事実上、二つの政府ができる分裂状態に陥った。
民主化運動「アラブの春」で、40年以上続いたカダフィ独裁政権が崩壊して3年。イスラム、リベラル両勢力、各地域の民兵や部族間の対立が噴出して混乱が拡大。北アフリカの不安定化が加速する懸念がある。
▽無法地帯
砲撃で尾翼がもがれた航空機。黒こげのターミナル。リビアの「玄関口」トリポリ郊外の国際空港は24日、民兵同士の攻防戦で荒れ果てていた。
旧制憲議会は憲法起草などをめぐる両勢力の主導権争いから機能不全に。事態打開を目指して今年6月に新たに議会選が行われ、リベラル派が勝利、暫定議会ができた。
イスラム勢力を西部ミスラタの民兵が支持、西部ゼンタンの民兵はリベラル勢力を支援。トリポリや第2の都市東部ベンガジで7月中旬以降、戦闘が拡大した。
欧米や日本の外交官は国外に退避。暫定議会は北東部トブルクに避難、各地は無法地帯と化した。今月23日、トリポリの国際空港に駐留していたゼンタン派をミスラタ派が追い出して空港を制圧。ゼンタン派はトリポリ撤退に追い込まれた。
外交筋は「トリポリを追われた中央政府は、実質的な権限を失いつつある」と指摘した。
▽ちらつく影
リビア国内の対立には、ムバラク独裁政権の崩壊後に一時政権を握ったイスラム組織、ムスリム同胞団が軍事クーデターで追放された隣国エジプトの影がちらつく。
トリポリから追われた暫定議会はエジプトの「協力」に強く期待。クーデターにより実権を握ったエジプトのシシ大統領は、再びイスラム勢力の台頭が自国にも及ぶことを警戒しており、利害は一致する。
米紙ニューヨーク・タイムズは過去1週間に2度、アラブ首長国連邦(UAE)の戦闘機がエジプトの基地を使い、トリポリのイスラム勢力の民兵を空爆したと報じた。両国はともに反イスラム勢力の立場。エジプトは空爆を否定、UAEはコメントしていない。
欧米5カ国は25日、「外部からの干渉は現在の分裂を深刻化させる」との共同声明を発表した。
新生国家を目指していたはずのリビア。「われわれはトンネルに入り、出口を見つけられないでいる」。ゼンタンの指導者の一人は同紙にこう嘆いた。(カイロ共同=橋本新治)
(共同通信)
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140829-00000030-jij_afp-int
イスラム国、拘束の欧米人を「水責め」で拷問 米紙報道
AFP=時事 8月29日(金)13時22分配信
イスラム国、拘束の欧米人を「水責め」で拷問 米紙報道
米ニューヨークのタイムズスクエアで開かれたデモで、米当局による「水責め」の尋問手法をまねる参加者(2008年1月11日撮影、資料写真)。
【AFP=時事】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は28日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が、シリアで拘束した少なくとも4人の欧米人に対し、拘束期間の早期の時点で水責めによる拷問を加えていたと報じた。これら欧米人の中には、今月殺害された米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー(James Foley)氏も含まれていたとされる。
同紙がイスラム国の手法に詳しい筋の情報として伝えたところによると、人質となったフォーリー氏ら欧米人は「数回」にわたって水責めに遭っていた。人質解放作戦に関与している情報筋もAFPの取材に対し、少なくとも1人の人質が水責めに遭ったのは確実だと語った。
水責めは2001年の米同時多発テロ事件後に拘束されたテロリスト容疑者たちに対する尋問の最中に米中央情報局(CIA)が使用し、拷問的手法だとして各方面から糾弾された。
ポスト紙が引用している情報源は、イスラム国に拘束されている人質の扱われ方について直接知っており、この人物によると、イスラム国はCIAが行った水責めのやり方を「正確に知っていた」という。また同氏が拘束されていた状況に詳しい別の情報筋も、同氏が水責めをはじめとする拷問を受けていたと話しているという。
2012年11月に拉致されたフォーリー氏を含む人質たちが水責めが行われた時点で拘束されていたのは、「イスラム国」がカリフ(預言者ムハンマドの後継者)を指導者とするイスラム国家の樹立を宣言した地域の中心地であるシリア北部ラッカ(Raqa)県だったと同紙は報じている。
フォーリー氏の処刑シーンを写したビデオに登場する黒い覆面の戦闘員は、同氏を殺害することはイラクのイスラム国に対する米軍の空爆への報復だと述べている。【翻訳編集】 AFPBB News
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http://mainichi.jp/select/news/20140902k0000m030084000c.html
パキスタン:デモ隊が国営TVを一時占拠
毎日新聞 2014年09月01日 21時05分
【ニューデリー金子淳】反政府デモと治安部隊の衝突が続いているパキスタンの首都イスラマバードで1日、デモ隊が政府庁舎の敷地内に侵入、国営パキスタンテレビ(PTV)の本社を一時占拠した。治安部隊の一部は職務を放棄してデモ隊の侵入を許したとみられる。シャリフ政権がコントロールを失いつつある証拠との見方も出ている。
地元メディアなどによると、デモ隊は1日朝、一部が政府庁舎の門を破壊し敷地内で座り込みを始めた。さらに国営テレビの本社にも侵入し、建物を占拠。約1時間後に軍の退去命令に従い国営テレビを出たが、放送は一時中断した。
デモを主催する野党・正義のための運動(PTI)のイムラン・カーン党首は、昨年の総選挙で不正があったとしてシャリフ首相の退陣を要求している。カーン党首は1日も「国中からシャリフ退陣の声が上がっている」と訴えた。
デモは8月30日夜から過激化し、治安部隊と衝突。31日も断続的に衝突が続いた。軍は31日夜に幹部会議を開いた後「さらなる武力行使は事態を悪化させるだけだ」とする声明を発表しており、介入には慎重な姿勢を見せている。シャリフ政権は事態収拾の糸口を見いだせておらず、専門家からは「シャリフ首相はデモが勢いを失うのを待つしかない」との指摘も出ている。
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米国との共闘模索か=対過激組織でアサド政権―シリア
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-140825X131.html
時事通信2014年8月25日(月)21:03
【カイロ時事】シリアのムアレム外相は25日、イスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」に対処するため、敵対関係にある米国との協力を「歓迎する」と表明した。AFP通信が伝えた。アサド政権はイスラム国の脅威が拡大する中、米国との共闘を模索しているもようだ。
ムアレム外相は「テロとの戦いで地域、国際社会と協力、調整を行う用意がある」と強調し、相手には米国も含まれると明言した。一方「われわれとの調整がなければ、侵略行為だ」と語り、シリア政府を無視した過激派攻撃は容認しない姿勢を示した。
米国は、市民弾圧を理由にアサド政権の退陣を要求してきた。しかし、流血が拡大の一途をたどるシリア情勢をめぐっては、国際社会の中で過激派への対処が優先との認識が広がっている。
米国は既にシリアの隣国イラクでイスラム国に対する限定的な空爆作戦を実施。イスラム国による米国人殺害事件を受け、空爆をシリアでも実施すべきだとする声が勢いを増している。
米、イスラム国封じに躍起 シリア領内の空爆念頭に周辺スンニ派諸国懐柔
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20140830109.html
産経新聞2014年8月30日(土)07:56
【ワシントン=加納宏幸】オバマ米大統領は28日、ホワイトハウスで記者会見し、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対するシリア領内での空爆を念頭に、中東諸国や欧州などとの「有志連合」の構築を急ぐ考えを示した。米政府は敵対するシリアのアサド大統領と共闘する考えはなく、基地使用や情報などで周辺のスンニ派諸国の協力を得てイスラム国を封じ込めるのが狙いだ。
オバマ氏は記者会見で、イスラム国がイラクだけでなく湾岸諸国全体にとっての差し迫った脅威になっていると指摘し周辺のスンニ派諸国などと「長期的にイスラム国を弱体化させるための地域戦略」を立てる必要性を強調した。
空爆を含む軍事行動に関し、オバマ氏はヘーゲル国防長官とデンプシー統合参謀本部議長に「幅広い選択肢」の検討を指示したことを明かした。ただ、イスラム国にどのように対応するかの「戦略はまだ持っていない」と述べ、空爆の条件は今のところ整っていないことを示唆。軍事行動に踏み切る場合には、米議会と協議する考えも示した。
オバマ政権はアサド政権が自国民に対し化学兵器を使用したとして、正統性がないと主張。そのためシーア派の一派とされるアラウィ派が中枢を握る同政権を頼らず、イスラム国を「地域の全スンニ派諸国が関係する課題」(オバマ氏)と定義付けることで米国の軍事行動やシリア国内の穏健な反体制派勢力への支援で協力を得ようとしている。
米紙ニューヨーク・タイムズが当局者の話として伝えたところによると、オバマ政権はすでに英国、オーストラリア、サウジアラビア、トルコ、ヨルダン、カタールからなる協力国リストを作成。トルコから基地、ヨルダンから情報、サウジアラビアから資金の提供をそれぞれ期待しているという。オバマ氏は9月4、5両日に英国で開かれるNATO首脳会議でイスラム国との戦いに対する協力を要請した上で、ケリー米国務長官を中東に派遣し、スンニ派諸国との調整に当たらせる。
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<エジプト>「イスラム国」使わないで…宗教イメージ損なう
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140904k0000e030190000c.html
毎日新聞2014年9月4日(木)10:00
【カイロ秋山信一】イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国(IS)」の脅威が増す中で、この名称がイスラム教のイメージを損なっているとして、スンニ派住民の多いエジプトが8月から、外国メディアに「イスラム国」を使わないように求める運動を始めた。イスラム国が国際テロ組織アルカイダから分離した経緯から「アルカイダ分離主義者(QS)」という代案を挙げている。
◇呼称変更の運動始める
この運動は、エジプトでイスラム教に関する公的な見解を示す役割を担うファトワ(宗教令)庁が中心になり、8月24日から始まった。インターネットなどを通じて賛同する署名を集め、ロイター通信や英BBC放送など36の主要外国メディアに呼称の変更を働きかけるとしている。
ファトワ庁の広報担当者は「(イスラム国との名称が報道されることで)国家だと誤解されてしまう。イスラム教を悪用しているに過ぎず、メディアは彼らの主張に沿った呼称を使わないでほしい」と説明している。
イスラム国を巡っては、エジプトやサウジアラビアなどスンニ派の主要国の宗教権威が「過激思想はイスラム教とは認められない」「イスラム教の一番の敵だ」などと非難する声明を発表している。
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<英首相>米大統領と会談、イラクのイスラム国拠点空爆も
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140905k0000e030190000c.html
毎日新聞2014年9月5日(金)11:01
【ニューポート(英ウェールズ)小倉孝保】キャメロン英首相とオバマ米大統領は4日、英ウェールズで会談した。複数の英メディアは、イラクやシリアで勢力を拡大するイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」の脅威に対抗するため、英国が数週間以内にイラクのイスラム国拠点への空爆を実施する可能性が出てきたと伝えている。
地元メディアなどによると、両首脳は約40分間、会談した。イスラム国は米英両国の人質をとり、これまでに米国人2人を殺害したうえ、英国人の殺害を予告している。両首脳の会談はイスラム国への対応が中心になったとみられている。
両首脳はイスラム国に対し身代金を支払わないことを確認。キャメロン首相は英メディアで、「人質の家族にはつらいことだが、身代金を払うと新たなテロを誘発する」と述べ、欧州諸国の一部がイスラム国に身代金を支払っていると批判した。首相は名指しは避けたが、英メディアはドイツ、イタリア、フランスがイスラム過激派に身代金を支払っていると報じている。
また、米英両首脳はイスラム国への対応として、イラク政府軍やクルド人自治区の治安部隊ペシュメルガへの軍事訓練を強力に実施するため、米英両国軍に新たな任務を課すことで合意した。さらに、英紙テレグラフ(電子版)などは、英軍が米軍に協力する形でイスラム国の拠点への空爆を数週間以内に実施する可能性が出てきたと報じた。イラクに安定した政権が樹立されるのを待ち、最終決断するという。
このほかオバマ大統領は4日、ヨルダンのアブドラ国王と会談してイスラム国への対応を協議したほか、5日にはトルコのエルドアン大統領ともこの問題について話し合う予定で、イラク、シリアの周辺国を巻き込んだイスラム国の包囲網作りを急いでいる。
イラク軍、北部都市奪還 米英仏豪が支援 クルド・民兵も参戦
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20140902107.html
産経新聞2014年9月2日(火)07:56
【カイロ=大内清】イラク軍は8月31日から1日にかけ、米軍などの支援で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が2カ月以上にわたり包囲していた北部アミルリやスレイマンベクを相次いで奪還した。イラク軍報道官は、中心都市ティクリートの奪還に向けた戦略上の「重要な勝利だ」と強調した。米軍が空爆を加え、米英仏とオーストラリアが共同で人道物資を住民に投下。クルド兵(ペシュメルガ)やシーア派民兵も参戦するなど、多角的な共同歩調が大きな成果をあげた形だ。
アミルリはシーア派の少数民族トルクメン人が多く住む町で、イスラム国がイラク第2の都市の北部モスルを制圧し、南下を始めた6月、イスラム国部隊に包囲された。取り残された住民1万数千人は水や食料の補給を絶たれ、シーア派を異端視するイスラム国が虐殺を始めかねないとの懸念も強まっていた。
ロイター通信などによると、米軍は8月30〜31日、アミルリ付近に展開していたイスラム国の戦車などを空爆し、英仏豪と共同で人道支援物資を投下。地上ではシーア派民兵も参加したイラク政府側の部隊やペシュメルガが包囲網を突破してアミルリに入り、イスラム国側の主力部隊を東方へ敗走させたという。アミルリでは政府軍などが治安維持にあたっているが、付近の村では散発的な戦闘が続いているもようだ。
共同作戦の成功を受け、イラク軍報道官は「われわれの部隊はアミルリに集結してティクリートへ進む」と述べ、今後はアミルリを出撃拠点に周辺地域の奪還を進める考えを示した。
報道によると、クルド兵らは1日、北部スレイマンベクも奪還した。
一方、米軍は今回の作戦で、作戦範囲をモスル周辺から、より南方に拡大させた。米国防総省のカービー報道官は、アミルリ付近の空爆について、包囲下にあった住民に支援物資を届けるための例外的なものだと説明しているが、イラク政府やクルド自治政府は今後も米国にさらなる関与を求めていくとみられる。
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ハマスと云い,イスラム国と云い,過激派が人心掌握出来るのに何故,既存の政府は出来ないんだ!?┐('〜`;)┌
焦点:次世代見据えるイスラム国、シリア北東部で「国家モデル」構築
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H007W20140905?sp=true
2014年 09月 5日 13:08 JST
[ベイルート 4日 ロイター] - シリア北東部の砂の平原にある町々では、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」が、市民生活に深く入り込んでいる。頭部切断などの残虐行為で恐れられる同組織だが、こうした場所では電気や水の供給のほか、銀行や学校、裁判所、礼拝所、パン屋に至るまでが彼らの手によって動いている。
過去数カ月、シリアとイラクで支配地域を急速に広げてきたイスラム国。メディアでは、戦地での情け容赦ない行動や、厳格なイスラム法を強制する姿勢などが大きく扱われている。一方、現地住民らは、勢力拡大の大きな要因は、効率的で時として極めて現実的でもある統治能力にこそあると語る。
そうしたイスラム国のやり方は、シリア北東部の都市ラッカで顕著に見ることができる。イスラム国は、いずれ「カリフ国家(預言者ムハンマドの後継者が指導する国家)」が中国から欧州にまで広がることを望んでいるが、ラッカでは、カリフ国家での生活がどんなものか、その実例を示そうとしているようだ。
現在はトルコに住むラッカ出身の活動家の1人は、ロイターの取材に「正直に言うなら、彼らは大規模な組織的仕事をやっている。すごいことだ」と語った。
ロイターの記者は、安全上の理由から現地に入ることはできないため、遠隔地から複数のインタビューを行ったが、イスラム国に批判的な活動家でさえ、彼らがいかにして1年足らずで近代国家のような構造を作り上げて来たかを口にした。
イスラム国の勢力拡大には、中東地域のみならず西側の大国も警戒感を募らせている。オバマ米大統領は先月、イラクでの空爆を実施するに当たり、イスラム国は中東から取り除かれなければならない「がん」だと表現した。
しかし、ラッカなどの場所では、イスラム国は日常生活に完全に入り込んでいるため、イラク軍やシリア軍やクルド人民兵組織は言うに及ばず、米空爆によっても掃討することは事実上不可能だ。
<公共機関の設置>
ラッカは、昨年にアサド政権の打倒を目指す反政府勢力が初めて占拠した都市。
イスラム急進派から穏健派までさまざまな反政府勢力が割拠していたが、1年も経たないうちに、敵対する武装組織を容赦なく排除したイスラム国が支配するに至った。
イスラム国に批判的な活動家は殺されたり行方不明になったりするか、もしくはトルコに脱出した。飲酒は禁じられ、店舗も午後には閉められ、夕方には人通りがなくなった。外の世界との情報のやり取りは、近隣地域との間でさえ、イスラム国のメディアセンターを通じてのみに厳しく制限された。
しかし、最初にそうした締め付けを行った後、組織は公共サービスや公共機関の設置を開始し、同地を「イスラム国家」の建設に向けた拠点とする姿勢を明確にした。
イスラム国には反対の立場だというラッカの住民の1人はロイターに対し「政党に一切関わりを持たない人たちはイスラム国の存在に順応した。なぜなら、彼らは疲弊していたし、率直に言えば、ここで行政の仕事をしているからだ」と語った。組織は公共サービスに関係する機関をすべて回復・再建し、そのなかには、消費者保護を管轄する事務所も含まれるという。
<残虐性と現実主義>
過去1カ月だけでも、イスラム国は、米国人ジャーナリスト2人の頭部を切断して殺害する様子や、クルド人やレバノン人の兵士を処刑する様子を収めた動画を相次いで公開した。
しかし、組織は無差別に暴力を行使しているだけではない。例えば、自分たちの利益に合致すれば、アサド政権に忠誠的な実業家と取引することもある。
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>>400-401
ある戦闘員によると、現在ラッカでパン屋向け小麦粉の製粉と流通を担っているのは元アサド派であり、電気と水を供給している現地ダムでも、以前からの従業員たちが今も職務を遂行している。
元アサド派を積極的に使う姿勢は、イスラム国の現実主義を映し出している。住民や活動家は、そうした現実主義こそ、制圧した地域の支配継続に不可欠な要素だと指摘する。
また、イスラム国は、北アフリカや欧州から来た専門家の手も借りている。一例を挙げれば、同組織を率いるバグダディ指導者は、ラッカの通信網の運営をチュニジア出身の専門家に任せている。
イスラム国は自らを単なる武装組織ではなく、1つの政府だと主張しているが、それを反映するようにバグダディ指導者は、軍事行動と行政活動を分けている。
戦闘員や組織のメンバーには、財務省と銀行を合わせたような部門から給与が支払われている。また戦闘員には、非スンニ派や政府関係者から押収した住居のほか、1カ月当たり約400─600ドルの手当ても与えられる。シリア北東部で日常生活を送るには十分な額だ。
貧困家庭への支援もあり、母子家庭には1人につき100ドルが支払われることもあるという。
物価も低く抑えられている。価格操作を行う業者は罰せられ、警告に従わない場合は店舗を閉鎖させられる。
一方で、組織は裕福な人には「イスラム税」を課している。また専門家らは、イスラム国は、誘拐で集めた身代金のほか、シリアやイラクで支配する油田からの石油をトルコなどの業者に売ることで数千万ドルの資金を得ていると試算している。
<バグダディ指導者>
イスラム国の組織運営の中心にいるのは、紛れもなくバグダディ指導者だ。住民や戦闘員らは、バグダディ指導者がラッカの統治に深く関わっており、あらゆる問題に最終決定を下すと口をそろえる。商品の値段をいくらに設定するかということまで、バグダディ指導者の支持を仰ぐという。
一方、同指導者は、頭部切断などの処刑や、組織が有罪と判断した犯罪者に対する処罰の判断も下す。戦場では、気性が荒い経験豊富な司令官として知られている。
ある戦闘員によると、同指導者は、7月にイスラム国がシリア軍の主要基地を制圧した大規模な戦闘などを直接率いてきたという。
同戦闘員は「彼は同胞を置いて行かない。基地制圧では軽傷を負ったが、今は元気だ」とし、「彼は1カ所にはとどまらない。ラッカやデリゾール、モスルを移動し、戦闘を率いている」と語った。
<次世代の聖戦>
イスラム国の躍進の鍵は現実主義にあるにせよ、イデオロギーも統治には重要な役割を果たしている。
バグダディ指導者は、自らを預言者ムハンマドの後継者だとし、「カリフ国家」を樹立すると宣言した。これには、聖戦主義者や専門家を海外から呼び寄せる狙いもあった。
支持者らによれば、この宣言には多くの人が反応し、世界中の裕福なイスラム教徒からはラッカに支援金が寄せられた。
複数の情報筋の話では、ラッカにはミサイル開発を主目的とした兵器工場が3カ所あるが、中国人イスラム教徒を含む複数の外国人科学者が、護衛付きの秘密の場所で研究などに従事しているという。
またイスラム国は、次世代を担う子供や女性の受け入れにも積極的だ。新しく組織に加わった戦闘員向けには、礼拝所でイスラム教に関する勉強会が行われている。バグダディ指導者が「カリフ国家」樹立を宣言して以降、その数は大幅に増えたという。
戦闘員の1人は「3日おきに少なくとも1000人は迎えている。宿泊施設は聖戦戦士であふれており、彼らを受け入れる場所が足りなくなっている」と語った。 (原文執筆:Mariam Karouny 翻訳:宮井伸明 編集:伊藤典子)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140905/mds14090517330003-n1.htm
ホメイニ師風刺の冗談流行 イラン、時代の変化?
2014.9.5 17:33
ホメイニ師(UPI=共同)
ホメイニ師(UPI=共同)
イランのイスラム革命の指導者故ホメイニ師を題材にしたジョークが、ソーシャルメディアなどを通じて同国市民の間に拡散している。誰が始めたのかは不明だが、ホメイニ師をからかうような発言はタブーとされてきた。時代の変化との見方がある一方、インターネットの利用制限を正当化したい保守強硬派による自作自演を疑う声も出ている。
ジョークはホメイニ師の性格や容貌などを風刺して笑いを誘う内容。8月末ごろからスマートフォンの無料通話アプリケーションやツイッターなどで飛び交い始めた。携帯電話に毎日何十通ものメッセージを受け取る人もいる。
イランでは屋内外を問わず至るところに同師の肖像画などが掲げられているが、もはや「若い世代にとってタブーには当たらない」(テヘラン市民)との声もでている。(共同)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140905/mds14090523400004-n1.htm
【イラク情勢】
対イスラム国で米軍と連携、イラン最高指導者が許可
2014.9.5 23:40
英BBC放送は5日、複数の情報筋の話として、イランの最高指導者ハメネイ師が、イラクとシリアで勢力を拡大する過激派「イスラム国」に対抗するため米軍との連携を許可したと伝えた。
反米路線を掲げるハメネイ師はこれまでイラク情勢への欧米の介入に反対していたが、イスラム国の脅威が拡大する中で、米軍との連携は不可避と判断したとみられる。
BBCによると、ハメネイ師は革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官に、イスラム国との戦いでイラク軍やクルド人部隊のほか、米軍とも連携することを許可した。
イランはイラクへの軍の派遣を否定しているが、同司令官はこれまでも頻繁にイラクに出入りし、イラク軍やイスラム教シーア派の民兵を支援してきたとみられている。(共同)
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<イスラム国>旧ユーゴ各国が警戒 若者が戦闘参加、摘発も
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140908k0000e030209000c.html
毎日新聞2014年9月8日(月)10:58
【ウィーン坂口裕彦】イスラム教徒を抱える旧ユーゴスラビアの国々が、イラクとシリアで勢力を広げる「イスラム国」など過激派組織への警戒感を強めている。共感した若者が現地に渡り、戦闘に参加するケースが相次いでいるからだ。イスラム原理主義に偏った過激な思想の広がりは、1990年代のユーゴ紛争のような民族間対立をあおる原因にもなりかねない。歯止めをかけるための摘発も相次いでいる。
ロイター通信によると、ボスニア・ヘルツェゴビナの警察は3日、イスラム国などに協力してシリアやイラクで戦闘に参加したり、資金調達を行ったりした疑いで16人を拘束した。警察官約200人が関連する17施設を一斉捜索し、武器や弾薬などを押収した。
ボスニアは今年4月、他国の紛争に参加するなどした者に最長10年の禁錮刑を科す制度を導入。今回の摘発はその延長線にある。
人口約380万人のボスニアでは近年、特に農村部のボスニア人(イスラム教徒)の若者の一部に、イスラムの教えに厳格なワッハーブ派(スンニ派)への支持が拡大している。低迷が続く経済への不満も一因とみられる。専門家は既に数百人がシリアへ渡航したと推定している。
セルビア人とクロアチア人、ボスニア人が三つどもえで争ったボスニア内戦(92〜95年)では、イランやアラブ諸国の義勇兵がボスニア人を支援。こうした過去の経験も、ボスニア人の若者らの動きを後押ししているとの指摘もある。
イスラム教徒のアルバニア系住民が多数派を占めるコソボの警察も先月、イラクやシリアでの戦闘に参加した疑いでアルバニア系住民40人を逮捕した。AP通信によると、コソボ警察は今月4日も「他宗教への憎しみをあおった」としてイスラム教の聖職者から事情聴取。イスラム過激派に資金を提供した疑いで関連する10施設を一斉捜索している。
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http://mainichi.jp/select/news/20140909k0000m030086000c.html
リビア:「新たな内戦突入」懸念高まる
毎日新聞 2014年09月08日 20時53分(最終更新 09月08日 21時09分)
【カイロ秋山信一】カダフィ独裁政権が内戦の末に崩壊してから3年が経過したリビアで、反カダフィ派の内紛が深刻化し、新たな内戦突入への懸念が高まっている。7月以降、首都トリポリや東部ベンガジで、世俗派民兵とイスラム武装勢力との戦闘が激化し、300人以上が死亡。世俗派は「暫定議会」、イスラム勢力は「制憲議会」を後押しし、互いに正統性を主張する異常事態となっており、市民生活にも深刻な影響が出ている。
「9月から学校の新学期が始まったが、衝突を恐れて、登校する子供はほとんどいない」。トリポリで妻や0〜8歳の子供4人と暮らすジャーナリストの男性(40)は1日、匿名を条件に、毎日新聞の電話取材に応じた。男性によると、トリポリでは7月以降に衝突が激化し、郊外の燃料貯蔵庫が炎上するなどインフラも打撃を受けた。1日8時間程度は停電し、燃料不足のためガソリンスタンドには連日2キロほどの車列ができるという。
政府庁舎は複数のイスラム武装勢力が制圧し、行政機能はマヒしている。メディアも武装勢力の標的になっており、男性は外出を控えている。治安悪化で半数以上の市民は仕事にも行けない状態だという。
リビアでは2011年8月、北大西洋条約機構(NATO)の軍事支援を受けた反カダフィ派が、約42年間続いた政権を打倒した。だが反カダフィ派の民兵や部族勢力は内戦後も武装解除に応じず、軍や警察の弱体化に乗じて省庁を占拠し、政府に政治的な要求を突きつける事件も頻発。昨年10月には当時の首相が武装勢力に一時拉致される事件も起きた。憲法を制定するために選挙で選ばれた制憲議会でも、イスラム政党と世俗派が対立し、議事は停滞した。
今年5月、世俗派民兵がベンガジでイスラム武装勢力への大規模な攻撃を始めたのを契機に、両者の対立は深刻化した。民意で決着をつけるため、6月に暫定議会の選挙が行われた。制憲議会に代わる最高機関との位置づけだったが、世俗派が多数派を占めたのを受けて、イスラム政党は暫定議会をボイコット。首都でも戦闘が激化した。
イスラム武装勢力は8月までに政府庁舎や国際空港など首都中枢を制圧。イスラム政党はトリポリを拠点に独自の首相を指名した。一方、世俗派はトリポリから追われたため、東部トブルクを拠点にし、今月1日には元国防相のサニ氏に首相就任を要請した。国際社会では世俗派が支持する暫定議会が正統だとする見方が支配的だが、トルコなどはイスラム政党を擁護する姿勢を見せている。
リビア情勢の悪化は、中東地域全体の不安定要因にもなっている。11年の内戦で使用された大量の武器が、中東や北アフリカのイスラム過激派に流出し、シリアやマリなど紛争地で使用されているとされる。エジプトのシシ大統領は「国境の警備を強化している。リビア側は無法地帯だ」と訴え、国際社会に対応を求めた。
ただ11年の内戦時に「反カダフィ」で積極介入した欧米は、「外国の介入は分断を助長し、事態の悪化を招くだけ」と今回は慎重姿勢を崩さない。
欧米の消極姿勢に対し、サウジアラビアやエジプトなど世俗派の親米国家も不信感を強めている。8月下旬には親米国のアラブ首長国連邦(UAE)がトリポリでイスラム勢力を空爆したとの情報も流れた。UAEは関与の有無を公にしていない。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140908/mds14090814490002-n1.htm
イラン最高指導者が前立腺手術 公表で後継問題絡む混乱回避か
2014.9.8 14:49
ハメネイ師=2014年6月(AP)
【カイロ=大内清】イラン国営通信は8日、イランの最高指導者ハメネイ師(75)が同日朝、首都テヘランの政府系病院で前立腺の手術を受け、「成功した」と伝えた。詳しい病名などは明らかにされていないが、同国で最高指導者の健康状態について報じられるのは極めてまれ。
国営通信によると、ハメネイ師は手術前、「これは通常の手術であり、何も心配はいらない」と述べた。
高齢のハメネイ師をめぐっては過去にがんの噂が流れたこともあるだけに、今回の報道は、手術を受けたことを明らかにすることで健康不安を否定し、後継問題などに絡む混乱を回避する狙いがあるとみられる。
ハメネイ師は、1979年のイラン革命を指導したホメイニ師の死去を受けて89年に最高指導者に就任。外交や安全保障などの重要政策での最終決定権を持っている。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140908/mds14090810060001-n1.htm
【イラク情勢】
「あらゆる措置をとる」 対イスラム国でアラブ連盟が合意 米国に言及なし
2014.9.8 19:59
7日、カイロでアラブ連盟会合に参加するアラビ事務局長(ロイター)
【カイロ=大内清】アラブ連盟(22カ国・機構)の外相級会合が7日、エジプトの首都カイロで開かれ、イラクやシリアで台頭したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を含む過激派勢力に対抗するために「必要なあらゆる措置を取る」ことで合意した。
同連盟のアラビ事務局長が会合後、声明を読み上げた。具体策への言及は避けつつ「政治、安全保障、イデオロギー面でテロ対策を行う」としている。
一方、声明にはイラクで米国がイスラム国に対して進めている空爆作戦を明確に支持する文言は盛り込まれなかった。これは、アラブ諸国として米国の軍事行動を支援した場合、イスラム国に同調するジハード(聖戦)主義勢力が各国でテロ活動を活発化させることなどへの懸念があるためだ。
また声明は、シリア反体制派に対し、アサド政権側との対話も促した。イスラム国に対抗するためにはシリア内戦の沈静化が必要との認識があるとみられる。
会合ではこのほか、国連安全保障理事会が8月に採択した、イスラム国への資金や武器、構成員の供給を断つことを求める決議への支持を表明した。
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http://www.47news.jp/47topics/e/256775.php
【イスラム国空爆1カ月】 容易でない過激派一掃 米軍、長期化の様相も
米軍が過激派「イスラム国」に対してイラクで空爆を開始してから8日で1カ月。オバマ政権は、凶悪行為を重ねる過激派の一掃を目指すが、不可欠とされるシリア側拠点への空爆拡大は容易でない。空爆作戦の出口は見えず、長期化の様相も呈している。
▽裁き
「地獄の門まで追い詰める」。バイデン米副大統領は3日の演説で、米国人記者2人を殺害したイスラム国に「裁き」を受けさせる決意を表明した。ただ、言葉の力強さとは裏腹に、展開中の空爆は散発的、限定的だ。
8月8日、ペルシャ湾の空母「ジョージ・ブッシュ」を飛び立ったFA18戦闘攻撃機2機がイラクのアルビル付近でイスラム国を攻撃した。米中央軍によると、これまでに有人機、無人機による空爆を130回以上実施し、過激派の検問所や迫撃砲陣地、武装車両などを破壊した。 今月7日には、イラク中西部アンバル州のハディーサダム周辺に空爆範囲を拡大したことも明らかにした。
イラク北部でイラク軍やクルド治安部隊が反転攻勢する転機を作り出したことは事実だ。だが、イスラム国の勢力を著しくそぐことができたとは言い難い。
イスラム国側には、空爆をやり過ごそうとする抜け目のなさも見受けられる。ロイター通信は「標的になりやすい武装車両を捨て、住民の中に紛れ込んでいる」という現地の証言を伝えた。
▽地上戦
イスラム国の支配地域はイラクとシリアにまたがり、いまや英国に匹敵する広さに及ぶとの見方もある。「解体し、破壊する」というオバマ氏の言葉を実現するには、多くの難題を克服する必要がありそうだ。
空爆をイラクからシリアに拡大し、さらに地上戦も覚悟せざるを得ないというのが専門家の共通した見方だ。
オバマ政権には、敵対するシリアのアサド政権と手を組むつもりがない以上、シリアで空爆対象を絞り込むために必要な情報を得る手段が極めて限られている。欧州や中東の同盟国、友好国との有志国連合の構築も課題だ。
▽国内世論
イスラム国には、外国人多数が戦闘員として合流しているとされる。特に欧州では、過激派の「聖戦」で戦闘技術を身につけた自国民が帰国して「テロリスト予備軍」になることへの恐れが膨らんでいる。
英国は国際テロに対する警戒レベルを引き上げただけでなく、不審人物のパスポートを押収する方針も打ち出した。
今のところ、米政府はイスラム国が米国で大規模テロを引き起こす能力は低いと見て静観しているが、英国との対応の違いに米国内では不安や批判の声が目立ち始めている。
共和党のルビオ上院議員は5日、イスラム国打倒に向けた戦略の説明を求める書簡をオバマ氏に送り付けた。11月に中間選挙を控え、オバマ政権は国内世論にも耳を澄ませながら次の手を探っている。(ワシントン共同=吉浦寛仁)
2014/09/08 10:59
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http://mainichi.jp/select/news/20140910k0000m030080000c.html
イラク:新政権発足 各派参加も国防、内相は空席
毎日新聞 2014年09月09日 20時18分
【カイロ秋山信一】イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」の侵攻が続くイラクで、シーア派のアバディ首相率いる新内閣が8日に発足した。スンニ派やクルド人の有力指導者を重要ポストで処遇し、挙国一致政権の体裁は整えたが、イスラム国対策の鍵となる国防相や内相は空席のままだ。イスラム国と同宗派のスンニ派勢力の懐柔や、クルド自治政府との対立解消など新政権の針路には困難が山積している。
「政府軍を立て直し、武装テロ勢力に勝利するまで戦い抜く」。8日に連邦議会で演説したアバディ首相は、イスラム国との対決姿勢を強調した。
対イスラム国で結束するため、新政権の人事は宗派・民族間のバランスが重視された。副首相にはシーア派、スンニ派、クルド人から1人ずつ起用。続投に固執し、挙国一致体制確立の障壁となっていたマリキ前首相も、名誉職の意味合いが強い副大統領として政府内に取り込んだ。マリキ氏の長年の政敵であるナジャフィ前議長やアラウィ元首相も同じ副大統領とした。
一方、一時は首相候補と目されたシーア派のジャファリ元首相は外相、アブドルマハディ元副大統領は石油相に配置。地元政治記者のアンジャド・タリア氏は「実力者をそろえた強固な内閣だ」と評価した。
だが、スンニ派(人口の約20%)やクルド人(同15%)の間には、シーア派(同約60%)への警戒感が根強い。8日夜の連邦議会(定数328)本会議でも、新内閣の承認に賛成したのは定数の半数をわずかに超える177人にとどまった。
スンニ派が注視するのは、治安権限を担う国防相や内相のポストだ。マリキ前政権では軍や警察の要職がシーア派で固められ、警察が法的手続きを経ずにスンニ派住民らを拘束する事件が頻発。スンニ派の一部がイスラム国に協力する土壌を作った。さらにイスラム国の侵攻を前に、政府軍が無抵抗で逃亡したこともスンニ派の不信感を高めた。
スンニ派居住地域に根を張るイスラム国を撃退するには、政府の信頼感を取り戻すことが鍵になる。議会関係者によると、アバディ首相は国防相か内相にスンニ派を起用する意向だが、人選は難航。10日の組閣期限までに調整できなかった。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140909/k10014452491000.html
アフガニスタン 新政権在り方巡りこう着状態
9月9日 7時41分混乱が続くアフガニスタンの大統領選挙で、2人の候補者の間で続けられてきた新しい政権の在り方を巡る協議は、権限の配分についての対立が解消されず、こう着状態に陥っていて、新たな大統領を選出できないまま、民族対立に発展するのではないかとの懸念が高まっています。
ことし6月にアブドラ元外相とガニ元財務相の間で行われたアフガニスタンの大統領選挙の決選投票は、不正疑惑が持ち上がったことからアメリカが仲介に入り、選挙で敗れた側も政権に加わるいわゆる「挙国一致政権」を樹立することで両候補が合意しています。
しかし、この「挙国一致政権」の在り方を巡る協議について8日、選挙の暫定結果で次点だったアブドラ元外相が首都カブールで会見し、「話し合いはこう着状態に陥った」と述べ、協議が暗礁に乗り上げたことを明らかにしました。
両候補は、新大統領と選挙の敗者が就任する「行政長官」のポストの権限の配分を巡って対立していて、このままでは選挙結果が公表できない状態が続くおそれもあります。
アフガニスタンの大統領選挙を巡っては、不正疑惑からすべての票の点検作業が行われ、最初の投票からすでに5か月以上が経過しました。
こうした状況が続けば、新たな大統領を選出できないまま、支持基盤が異なる2人の候補者の対立が民族対立に発展するのではないかとの懸念が高まっています。
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http://mainichi.jp/select/news/20140909k0000m030124000c.html
アフガニスタン:候補のアブドラ元外相 選挙結果を拒否
毎日新聞 2014年09月08日 23時05分
【ニューデリー金子淳】混乱が続くアフガニスタン大統領選の決選投票で、候補者のアブドラ・アブドラ元外相(54)は8日、選挙結果を拒否すると発表した。対抗馬のアシュラフ・ガニ元財務相(65)とは勝敗に関わらず「挙国一致政府」を樹立することで合意していたが、新政権の構想を巡る交渉が「行き詰まった」としている。アブドラ氏が結果拒否を宣言したことで、混乱はさらに深まりそうだ。
決選投票は暫定結果でガニ氏が勝利したが、アブドラ氏が不正を主張したため再集計が行われていた。アブドラ氏は「再集計作業は最初から公平ではなかった」と指摘し、決選投票での自身の勝利を宣言。今後の対応については「近いうちに支持者らと相談して決める」とした。ガニ氏は最大民族パシュトゥン人、アブドラ氏は2番目に多いタジク系のため、支持者同士の対立が民族対立に波及する恐れもある。
両候補は新政権では敗者が「最高行政官」となることで合意したが、このポストにどの程度の権限を持たせるかで対立が決定的になったとみられる。6日にはオバマ米大統領が両候補に電話し、早期に合意するよう求めたばかりだった。再集計は4日に終了し、数日以内にも最終結果が発表される見通しだった。
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アフガニスタン
パシュトン人:45%
タジク人:32%
ハザラ人:12%
ウズベク人:9%
by wiki 2003年データー
>>294 暫定結果
アシュラフ・ガニ元財務相(65)56.4%
・パシュトン人 (有力部族ギルザイ族)
・副大統領は軍閥指導者ドスタム将軍(ウズベク人)
アブドラ・アブドラ元外相(53)43.6%
・パシュトゥン人の父とタジク人の母を持つ
・1回目投票で1位
・1回目投票で3位だったザルマイ・ラスール前外相がアブドラ氏支持>>197
・副大統領はハザラ人の元下院議員
ザルマイ・ラスール前外相
・カルザイ氏の側近
・1回目投票で3位
・パシュトン人(南部を地盤とするドゥラニ族)
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2014.9.11 11:08
「情け容赦なく行う」米、シリアにも空爆拡大表明
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/140911/wor14091111080006-n1.html
【ワシントン=加納宏幸】オバマ米大統領は10日夜(日本時間11日午前)、イラク、シリアで活動するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を壊滅させるための包括的な戦略を発表し、シリアでの空爆を承認する考えを表明した。目的の達成に向け、米国が「幅広い有志国連合を率いる」と強調した。ホワイトハウスで米国民に向けて演説した。
オバマ氏は「米国の空軍力、協力関係にある地上部隊への支援により、イスラム国がどこにいても取り除くため情け容赦のない取り組みを行う」と述べ、「イラクはもとより、シリアでの行動もためらわない」と断言。米軍は8月からイラク北部を中心に空爆を続行しているが、シリアに空爆を拡大する意向を強調したものだ。
シリアのアサド政権と対峙(たいじ)する穏健な反体制派勢力を強化するため、訓練の提供や装備品の供与など軍事支援を強化する考えも表明。シリア空爆には反体制派勢力を後押しする狙いがあることを明確にした。
オバマ氏はまた、イラク軍などへの助言や情報収集のため米軍の要員475人を追加派遣すると発表。米国防総省によると、イラク国内では1043人の米軍要員が活動しており、うち754人が首都バグダッドの米大使館の安全確保に、289人がバグダッドや北部アルビルでイラク軍への支援に当たっている。
その一方で、オバマ氏はイスラム国との戦いを「対テロ作戦」であると明確化した。「今回の取り組みはイラク、アフガニスタン両戦争と異なる」とし、ブッシュ前政権が始めた両戦争と違い地上戦闘部隊は送らないと米国民に約束した。
オバマ氏はこれに先立ち、スンニ派大国サウジアラビアのアブドラ国王と電話協議し、有志連合形成への支援に謝意を伝えた。ホワイトハウスによると、両者はアサド政権に正統性はないとの認識で一致し、反体制派勢力への軍事支援を増やす必要性を確認した。
米国内では米国人ジャーナリスト2人がイスラム国に斬首殺害されたのを受け、オバマ氏に強い行動を求める声が高まっていた。
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2014.9.11 11:29
米大統領、対イスラム国で戦略転換 “対処療法”から大規模軍事介入へ
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/140911/wor14091111290007-n1.html
【ワシントン=青木伸行】オバマ米大統領が10日、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の壊滅を目標に、シリア国内の拠点を空爆する方針を明確にしたことは、「世界の警察官」としての役割を避けてきた大統領にとり、戦略転換だといえる。
オバマ政権は、イラク北部アルビルなどにおける限定的な空爆により、イスラム国の勢力を部分的に削(そ)ぐという、いわば「対症療法」を基本としてきた。これに対し、空爆をシリアに拡大し、米国が「有志連合」を率いる形での包括的戦略は、イスラム国全体を壊滅させる「根治治療」への転換であり、軍事介入が大規模な掃討作戦へと変容することを意味する。
8月8日に始まったイラクでの空爆は150回以上にのぼり、イスラム国の勢力を局地的に後退させる成果を上げている。だが、こうした「対症療法」では、イスラム国が再び態勢を立て直すことは目に見えている。このためオバマ大統領も、イラクとシリアを股に掛け猛威を振うイスラム国に対し、全面的な対テロ戦で臨む決断を下した。
住民を虐殺し外国人を拘束するイスラム国が、「国際社会の脅威」であるという自明の理が、オバマ政権を「根治治療」へと突き動かしもした。当然の帰結だといえるだろう。
2001年の米中枢同時テロから11日で13年。「同時テロ以降、テロの脅威は最も深刻な状況にある」(フランスのオランド大統領)という情勢下にあって、真に問われているのは国際社会の対応である。
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2014.9.1 10:31
イスラム国の包囲破る イラク軍、米が空爆支援
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/140901/wor14090110310009-n1.html
米メディアによると、イラク軍は8月31日、北部アミルリを6月から包囲していたイスラム過激派「イスラム国」に攻撃を仕掛け、包囲網を破ることに成功した。イラク軍報道官は「われわれはアミルリに進軍し、イスラム国は退却した」と宣言、人道危機を回避したとの認識を示した。
米軍は8月30〜31日にアミルリ付近に展開していたイスラム国の戦車などを空爆し、イラク軍を空から支援した。周辺では散発的な戦闘が続いているが、住民は街頭に出て解放を喜んでいるという。
アミルリの住民はイスラム教シーア派のトルクメン人。食料や水の補給が断たれていたほか、イスラム国による住民の虐殺も懸念されていた。
地上ではイラク政府軍にシーア派の民兵やクルド人部隊が加わり、イスラム国を攻撃。米軍は空爆とともに、英国、フランス、オーストラリアとの共同作戦で人道支援物資を投下した。
(共同)
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http://www.47news.jp/47topics/e/256883.php
【増殖する「イスラム国」】アルカイダしのぐ怪物 過激派吸い寄せる磁場に
13年前の9月11日に 米中枢同時テロを起こし、世界のイスラム過激派を代表する存在だったアルカイダをしのぐ組織がモンスターのように増殖している。シリアとイラクで国境を越えて拡大し、日本人も拘束しているとみられる「イスラム国」。オバマ米大統領は主要国と連携して本格的な対策に乗り出したが、世界各地から「義勇兵」が磁場に吸い寄せられるように集結し、勢いは止まらない。
「3日間でイスラム戦士少なくとも千人が訪れた。志願者の受付場所も不足気味だ」。ロイター通信は9月上旬、イスラム国の拠点、シリア北部ラッカの様子を伝えた。
イスラム国は武力による支配だけでなく、行政、司法、電気や水などの公共サービス、教育を手掛け、厳格なイスラム統治を固めている。メンバーは数万人規模。米政府によると、推定約1万2千人が外国人とされる。
▽民主化挫折
アルカイダは、アフガニスタンに侵攻したソ連への「聖戦」に参加したビンラディン容疑者が1980年代に創設した。タリバン政権下で訓練基地を置き、テロを相次いで実行。米軍がタリバン政権を倒した後も共鳴する組織がネットワークをつくり、欧米や中東の親米の独裁政権をテロの標的にした。
2011年の民主化運動「アラブの春」は独裁政権を相次いで崩壊させ、テロでなく平和的なデモにより独裁を倒せることを示した。同年5月には米軍の作戦でビンラディン容疑者が殺害され「アルカイダの時代は終わった」との見方も出た。
ところが、シリアでは平和的デモが武装闘争に変質し内戦に突入。エジプトでは選挙で選ばれたイスラム系政権がクーデターで倒され、軍人出身の大統領が復活した。民主化の挫折と地域の混乱に乗じて急成長したのがイスラム国だった。
▽共同体再興
イスラム過激派に詳しい日本エネルギー経済研究所の 保坂修司 (ほさか・しゅうじ) ・中東研究センター副センター長によると、アルカイダはタリバン政権の軍事部門にすぎなかったが、イスラム国はカリフ(預言者ムハンマドの後継者)が率いる「国」を名乗り、領域を支配している。
ソーシャルメディアを積極的に活用、ムハンマドがサウジ西部メッカからメディナに移住してイスラム共同体を創設した故事にならい、イスラム国への移住を世界の信徒に呼び掛けている。
約100年前に欧州列強がオスマン帝国を分割し、シリアやイラクなどの国境線を引いたサイクス・ピコ協定は無効だと主張。保坂氏は、義勇兵をひきつける理由について「現実社会に不満を持つイスラム教徒の若者にとって、破壊、現状打破というメッセージは魅力的。アルカイダより目立っている」と言う。
▽受け皿
スンニ派のイスラム国はシーア派を最も敵視し、米欧を主要な攻撃目標に掲げたアルカイダとは一線を画す。ただ戦闘能力と過激思想を身に付けた外国人が帰国後に自国でテロを行う懸念は根強い。5月に起きたベルギーのユダヤ博物館での4人殺害事件で逮捕された容疑者はイスラム国メンバーだった疑いがある。
保坂氏は「壊滅は不可能だが、拡大阻止はできる。不満の受け皿がイスラム国でないことを若者たちに分からせることが必要だ」と指摘した。(バグダッド共同=長谷川健司)
(共同通信
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140912/mds14091221250008-n1.htm
イスラム国包囲網 有志連合協力にズレ 地域会議、トルコが署名見送り
2014.9.12 21:25 (1/3ページ)
11日、サウジアラビア・ジッダでの会議に出席したケリー米国務長官(中央)(AP)
11日、サウジアラビア・ジッダでの会議に出席したケリー米国務長官(中央)(AP)
【カイロ=大内清】サウジアラビア西部ジッダで11日、イラクやシリアで台頭するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」への対抗策を協議する地域会議が開かれ、周辺アラブ諸国やトルコ、米国が参加した。主催国のサウジなどアラブ10カ国はイスラム国の戦闘員や資金の根絶をうたった共同声明を発表したが、トルコは声明に署名せず、各国間の温度差も浮き彫りとなった。スンニ派諸国中心となった会議には、イラクやシリア問題に関与を強めるシーア派大国イランを牽制(けんせい)する狙いもある。
会議に出席したケリー米国務長官は、アラブ諸国がイスラム国に対する有志連合で「主導的な役割」を果たすと期待を示した。
声明にはサウジなど湾岸協力会議(GCC)6カ国とイラク、ヨルダン、エジプト、レバノンが署名。イスラム国に対する軍事作戦への参加の可能性にも言及したほか、イラクで発足したばかりのアバディ政権への支援拡大でも合意した。
ただ、イスラム国を追い詰めるには、シリアに隣接し、イスラム国の移動や石油密売ルートにあたるトルコの協力が不可欠となる。
トルコは声明不参加の理由として、イスラム国がイラク北部モスルを制圧した6月以降、在モスル領事館の職員ら49人がイスラム国側に拘束されたままになっていることを挙げた。ケリー氏は理解を示したが、トルコが「包囲網」の“穴”となる懸念も残る。
一方、サウジやカタールなど湾岸諸国からは、イスラム系慈善団体を隠れみのとしてイスラム国へ資金が流れているとされるだけに、各国がイスラム国対策の強化を約束したことは、国際社会にとっては一定の前進といえる。
サウジなどは、2011年の反アサド政権デモが内戦に発展した当初からシリア国内の武装勢力を支援してきた。「義勇兵」として同国に渡り、イスラム国に参加する湾岸出身のジハード(聖戦)主義者も多い。
サウジは、戦闘技術を身につけた自国民が帰国してテロ活動を行う事態を懸念。全イスラム教徒を導く「カリフ国家」を名乗るイスラム国は君主制否定の思想も持つことから、イスラム国の伸長が続けば、王制である自らの国にもいずれは大きな脅威になると判断しているものとみられる。
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http://mainichi.jp/select/news/20140913k0000m030077000c.html
アラブ諸国:対イスラム国結束 サウジとカタール連携が鍵
毎日新聞 2014年09月12日 19時55分(最終更新 09月13日 00時01分)
【カイロ秋山信一】サウジアラビアなど主要アラブ諸国が11日、イラクとシリアで活動するイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」への米国主導の軍事攻撃に協力する方針で一致した。アラブ10カ国と米国、トルコが11日、サウジ西部ジッダで開いた外相会議で、イスラム国への対策を協議し、足並みをそろえた。
シリアのイスラム国への対処では、特にシリア反体制派に資金援助をしてきたサウジとカタールの協力が重要だ。だが、両国は2011年の民主化要求運動「アラブの春」以降、イスラム政治勢力やシリア内戦への対応を巡って、不和が目立った。今後、シリアで米国主導のイスラム国排除作戦が進むかはサウジ、カタール両国の連携が鍵となりそうだ。
米ワシントン・ポスト紙は11日、イスラム国のバグダディ指導者を含む幹部を標的とする殺害作戦が承認されたと報じた。同指導者はイラクからシリアに逃れたとの情報もあり、CNNによると、米軍はシリアで空爆目標の情報収集を始めた。
11日のジッダでの外相会議で、サウジのサウド外相はアラブ諸国間の連携を訴えた。カタールのアティーヤ外相も出席し、イスラム国への資金・戦闘員の流入阻止などを強化することで合意した。
中東では「アラブの春」でエジプトやチュニジアの独裁政権が倒れ、従来抑圧されてきたムスリム同胞団などイスラム政党が台頭した。カタールやトルコは地域での影響力を拡大するため、各国のイスラム政党を積極的に支援した。
しかしイスラム政党の多くは、究極的には宗教指導者による統治を目指す傾向があり、ペルシャ湾岸諸国が採用する王制や首長制とは思想的に矛盾する。サウジやアラブ首長国連邦(UAE)はイスラム政党が王制への脅威だとみなし、同胞団と距離を置いた。
こうした姿勢の違いは、シリア内戦にも影を落とした。サウジとカタールは共に反体制派の主要支援国だが、サウジは世俗リベラル系、カタールは同胞団などイスラム系の勢力を支援。主要組織「シリア国民連合」の中でも、親サウジ派と親カタール派の派閥争いが深刻化し、過激派であるイスラム国の台頭を招く一因となった。
米国は、イスラム国対策の一環として、シリア反体制派の強化を掲げている。そのためには反体制派の内紛を解消し、結束を強める必要がある。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140915-00000005-mai-int
<イスラム国>国家的統治 フセイン政権残党が組織
毎日新聞 9月15日(月)9時0分配信
<イスラム国>国家的統治 フセイン政権残党が組織
フセイン政権残党が担うイスラム国
【カイロ秋山信一】イラクとシリアで勢力を拡大するイスラム教過激派組織「イスラム国」が、イラクの旧フセイン政権の残党を取り込み、単なる過激派集団の枠を超え国家同様の統治を行っていることが14日、複数の対立組織のメンバーや研究者の証言で分かった。イスラム国のバグダディ指導者をトップに集団指導体制を敷き、評議会や支配地区を区分けして知事も任命し、イラク・シリアで次々と支配地域を拡大している。
複数の対立組織のメンバーや研究者によると、バグダディ指導者は2003年のイラク戦争前後までイスラム礼拝所(モスク)の説教師だったとされ、イスラム国の前身組織に加わる前は政治や軍事の経験はなかった。その経験不足をフセイン政権時代の政府軍の元将校らが補っているという。
イスラム国の最高指導部はバグダディ指導者と2人の元将校で構成され、イラクとシリアに分けて戦闘や支配地域の統治などを総括。最高指導部の下には10人前後からなる評議会を設置し、集団指導体制を敷く。
評議会メンバーは戦闘や戦闘員の勧誘、広報など部門別の責任者を兼ね「内閣」のような役割を持つ。全てイラク人で、元将校のほか政治・行政の経験を持つフセイン政権与党バース党の元党員もいる。さらに支配地域を区分けして十数人の「知事」を置く。
フセイン政権の残党がイスラム国と結びついたのは、イラク戦争後に政府軍が解体され、バース党幹部が公職から追放されたためだ。フセイン元大統領は自身と同じイスラム教スンニ派を重用していたが、新政権への移行は人口の約6割を占めるシーア派が主導。不満を募らせた元政権幹部が、スンニ派のイスラム国に流れる土壌ができた。
その一人が、バグダディ指導者の「右腕」だった元将校のハッジ・バクル氏だ。バグダディ指導者は10年に前指導者が米軍に殺害された後、イスラム国の前身組織を率いた。この時、バグダディ氏を推挙したのが、軍事・情報部門を率いていたバクル氏で、組織内のライバルを暗殺し、バグダディ指導者が権力基盤を固めるのに貢献した。
「ナンバー2」の地位を獲得すると、12年に本格化したシリア内戦への介入や、新国家建設計画を主導した。対立組織にスパイを送り、戦闘員の取り込みを図るなど組織拡大のキーパーソンだった。バクル氏は今年1月の戦闘で死亡し、現在は側近で同じ元将校のアブ・アリ・アンバリ氏が後を継いでいる。さらにシリアとイラクの管轄を分担するため、別の元将校が指導部に加わった。
イスラム国は一連の侵攻で、油田や交通の要衝、ダムなど重要インフラを集中的に狙うなど戦略性の高さが際立っている。政治経験を持つ人物がいるためインフラの重要性を熟知しており、米国などとの戦闘経験が豊富な元将校が指揮しているため、「洗練されたこれまで見たことがない組織」(ヘーゲル米国防長官)となっている。
過激派に詳しいイラク人の安全保障専門家のヒシャム・ハシミ氏は「フセイン政権は政教分離の世俗主義で、宗教色が薄かった。だがシーア派中心の政府に排除され、スンニ派の元幹部らがイスラム原理主義に染まった」と指摘する。
【ことば】イスラム国
イラクとシリアにまたがる地域で勢力を拡大するイスラム教スンニ派の過激派組織。国際テロ組織アルカイダ系組織などから派生し、2013年にシリア内戦に本格参戦した「イラク・レバント・イスラム国」(ISIL)が14年6月に「イスラム国」に改称、イスラム教教義に厳格に従った国家樹立を宣言した。アルカイダは2月に関係を断絶する声明を発表している。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140913/mds14091305000001-n1.htm
「イスラム国」戦闘員3万人超、広がる過激思想
2014.9.13 05:00 (1/4ページ)
シリア北部ラッカでパレードするイスラム国の戦闘員ら。イスラム国側のラッカ・メディアセンターが6月30日に配信した(AP)
英BBC放送などは12日までに、米中央情報局(CIA)報道官の話として、シリアとイラクで勢力を広げるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」について、戦闘員の数が約3万1千人に上るとの見方を伝えた。CIAは以前は約1万人と推計しており、組織が急拡大している可能性がある。欧州や東南アジアなどでは、イスラム過激思想の浸透でさまざまな影響が広がっている。
英、参戦阻止へ旅券抹消も
英政府は、イスラム過激思想がイスラム教国からの移民2世や3世など社会に不満を持つ若者たちの間に広がり、彼らがイラクやシリアで「義勇兵」として参戦するのを阻止するため、ようやく動き出した。
米国の記者が「イスラム国」の英国人に殺害されるビデオが先月公表されたことを受け、英政府は、イラクなどに渡った若者らのパスポートを抹消、帰国できないようにする措置を講じた。テロリストになる危険が高い過激派の移動を制限する狙いだ。
東ロンドンでは昨年春、過激思想に染まった若者たちが「イスラム・パトロール」と呼ばれる街頭宣伝活動を展開。飲酒している人から酒を取り上げたり、男女が手をつなぐのを禁じたりして、地域に緊張をもたらした。当局はこうした街頭宣伝に加え、イスラム教徒が通う学校の教育でも過激思想が浸透しないよう警戒を強めている。
英国の主導的なイスラム14団体は今月3日、「正義の名の下に不正義を行うのは誤りだ」とし、米記者を殺害したイスラム国の行為を糾弾、人質の解放を求める声明を発表。若者たちに過激派に加わらないよう呼びかけた。(ロンドン 内藤泰朗)
欧州、博物館襲撃犯も一員
「彼が来るのを隣の房のシリア人らは恐れていた。夜になると拷問が始まり、明け方まで続いた」
「彼」とは5月、ブリュッセルのユダヤ博物館で4人を射殺したアルジェリア系仏人のメディ・ネムシュ容疑者(29)をさす。シリアで拘束されていた仏人記者が最近、同容疑者は「イスラム国」の一員として人質や捕虜を監視していたと証言し、フランスで衝撃が広がった。
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記者は今年4月の解放まで1年以上、シリアで拘束されており、写真などをみて容疑者が看守だったと確認した。イスラム国に殺害された米国人記者2人と一時、一緒だったともいい、「歌っている以外は拷問をしていた」と容疑者の残虐さを仏誌に語った。
ネムシュ容疑者はユダヤ博物館襲撃前にも強盗などで7回訴追され、服役中にイスラム教に入信したとされる。襲撃事件はシリアから帰国して起こしていた。
男性ばかりではない。フランスでは8月末、イスラム過激派に加わるためにシリアに向かおうとした16歳の少女が拘束された。スペインでも8月初め、イスラム国に参加するため、渡航しようとした14歳と19歳の女性が拘束されている。(ベルリン 宮下日出男)
東南アジア・豪、中東留学生の合流に危機感
インドネシアは約2億2千万人という世界最多のイスラム教徒を抱える。国家テロ対策庁のアンシャド・ムバイ長官は産経新聞に、シリアやイラクに渡ったと確認された過激派は少なくとも34人いると語った。中東に留学中の数千人の一部が「イスラム国」に合流している可能性もあり、危機感は強い。
同国では、バリ島の爆発テロに関与したテロ組織「ジェマ・イスラミア(JI)」の構成員など、テロリストと認定された272人が収監されているが、そのほとんどがイスラム国に忠誠を誓い、「出所後に中東へ渡りかねない」という。ユドヨノ大統領は8月、イスラム国への参加や支持表明を禁じた。
イスラム教を国教とするマレーシアからは、すでに40人がイスラム国に参加したとみられ、当局はシリア行きをもくろんだ19人を拘束。隣国シンガポールは、周辺国の締め付けで、中東を目指す若者の「中継地」になりつつあると懸念している。
オーストラリアは12日、テロの警戒レベルを「中」から「高」に引き上げた。中東からの移民が多い同国から渡航した過激派は150人以上いるとされる。(ジャカルタ 吉村英輝)
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http://mainichi.jp/select/news/20140917k0000e030231000c.html
イラク:閣僚人事案を否決 アバディ政権、難局
毎日新聞 2014年09月17日 12時05分(最終更新 09月17日 12時23分)
インタビューに応じるアバディ首相=イラクで2014年9月14日、ロイター
インタビューに応じるアバディ首相=イラクで2014年9月14日、ロイター
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【カイロ秋山信一】イラク連邦議会は16日、アバディ首相が提示した国防相と内相の人事案を反対多数で否決した。イスラム教シーア派のアバディ首相と同じ法治国家連合から内相候補が選ばれたことに、同じシーア派の他政党が反発した。スンニ派の過激派組織「イスラム国」対策で重要な両ポストを埋められず、アバディ政権は出だしから難局を迎えている。
イラクメディアによると、アバディ首相は国防相にスンニ派、内相にシーア派を起用し、宗派間対立の緩和を図るつもりだった。内相にはシーア派の民兵組織バドル旅団の関係者を据える予定だったという。
しかし、過去の宗派間抗争でスンニ派と激しく対立したバドル旅団関係者の起用に、スンニ派が反発。これを受け、首相は出身母体の法治国家連合から別の候補者を選んだ。
ところが今度は、バドル旅団に近いイラク・イスラム最高評議会などのシーア派政党が首相に反発。国防相の人事案も含めて拒絶した。
マリキ前政権時代には、警察など治安機関幹部がシーア派で占められ、法的手続きを経ずにスンニ派住民が警察に拘束される事件が頻発した。このため、治安機関を統括する内相ポストは重要視されているが、今月8日の組閣までに人選が固まらず、空席のままになっている。
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http://mainichi.jp/select/news/20140919k0000m030038000c.html
フランス:若い女性や中流・富裕層出身者がイスラム国参加
毎日新聞 2014年09月18日 19時30分
【パリ宮川裕章】イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」への欧米最大の戦闘員供給源となっているフランスでは、従来多かった家庭環境に恵まれない若者だけでなく、若い女性を含めた生活水準の比較的高い家庭出身者が戦闘地域に流入するケースも目立つ。
「私はシリアで革命を起こす。社会を変えなければならない」。16歳の娘の言動を不審に思った両親の連絡から捜査機関が動き、娘と友人の何気ないメールのやり取りの中に、シリアでの過激派への参加計画が書かれているのが発見されたケースが、仏メディアで報道されている。
仏政府は14日、外国人も含めた仏在住者約930人がシリアとイラクの過激派の戦闘に関与したと公表。4月時点の500人からほぼ倍増し、今も約350人が現地に滞在し、女性約60人が含まれているという。
5月にベルギーのユダヤ博物館襲撃事件で逮捕されたアルジェリア系フランス人の男(29)が事件前、イスラム国で人質や捕虜の監視役だったことが判明し、不遇な家庭環境がイスラム過激派への参加につながったとみられている。
だが一方で、2月に「イスラム過激派参加防止センター」を創設し、フランス人の若者のイスラム過激派入りを防ぐ運動をするドゥニア・ブザル氏は、「父親なし、人生の羅針盤なし」という定着しつつある、イスラム過激派に転化する若者のイメージに疑問を投げかける。「以前は社会的、家庭的に恵まれない若者だった。今は、中流・富裕層の出身者が参加している。過激化する時間は以前より短くなり、信仰心の薄い若者を数週間で変えてしまう」と指摘する。同センターが2月以降に連絡を取った40家庭のうち、中流層以上の家庭が8割以上、祖父母の世代までに移民がいる家庭も2割未満だった。また相談の対象の4割が女性だった。
ネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を介した勧誘の他、過激派への参加を目指す男女を引き合わせる仲介者もいるという。
仏テレビ「フランス24」は、イスラム国をアルカイダと比較し、(1)領土的地盤があること(2)インターネットによる広報戦略が巧妙(3)資金が豊富−−などの理由から、参加希望者には、アルカイダより魅力的に映っていると指摘する。
仏紙「20ミニュット」は過激派の中でもイスラム国へ向かう欧州出身者の特徴として、「アルカイダ参加者よりも若く、教育水準が高く、より決意が固い」と分析している。
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http://mainichi.jp/select/news/20140921k0000m030057000c.html
アフガン大統領選:挙国一致政府、合意 21日結果発表
毎日新聞 2014年09月20日 21時56分
【ニューデリー金子淳】混乱が続くアフガニスタン大統領選の決選投票で、独立選挙委員会(中央選管)の関係者は20日、毎日新聞の取材に対し、最終結果を21日に発表すると明らかにした。候補者のアシュラフ・ガニ元財務相(65)とアブドラ・アブドラ元外相(54)は「挙国一致政府」構築について交渉を続けていたが、ガニ氏を大統領、アブドラ氏を行政長官とすることで一定の合意に達したとみられる。最初の投票から5カ月余りを経て、ようやく次期政権成立の見通しが出てきた。
決選投票は暫定結果でガニ氏が約100万票差を付けて勝利したが、不正疑惑が浮上したため再集計が行われていた。両候補は7月、いずれが勝利しても敗者が行政長官に就き「挙国一致政府」を発足させることで合意していたが、行政長官にどの程度の権限を持たせるかで対立していたとされる。8月末には交渉が決裂し、アブドラ氏が選挙結果の受け入れ拒否を言明したが、その後も両陣営で交渉が続いていた。
地元メディアによると、19日夜には両陣営が「ほぼ合意に達した」という。またカルザイ大統領は20日、「国民は間もなく良いニュースを聞けるだろう」と述べた。両陣営が決裂したまま結果が発表されれば、国家が二分される恐れもあったことから、選管は交渉が合意に達するまで最終結果の公表を控えていたとみられる。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140921/mds14092120110003-n1.htm
シリア・クルド地域での戦闘激化 「イスラム国」、少数民族標的に勢力拡大狙う
2014.9.21 20:11 (1/2ページ)
【カイロ=大内清】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」がシリア北部のクルド人地域への攻勢を強め、同地域の主要都市アイン・アラブ周辺で戦闘が激化している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は21日、隣国トルコへ逃れたクルド難民が7万人を超したと発表した。
イスラム国はこれまでもイラクのクルド人ヤジド派など少数民族・宗派を標的として戦闘員の士気向上などに利用。シリアでも、多数派のスンニ派アラブ人と対立するクルド人に当面の狙いを定めることで、勢力拡大を図っているものとみられる。
ロイター通信などによると、クルド地域に侵攻したイスラム国部隊はチェチェンや湾岸アラブ諸国の戦闘員が中心で、これまでに60以上の村を制圧。住民の首を切るなどの残虐行為を繰り返しているという。
こうした事態に、シリアのクルド勢力と密接な関係にあるトルコの武装組織クルド労働者党(PKK)はメンバーにイスラム国との戦いを呼びかけた。クルド勢力からは、「民族浄化」に発展する懸念があるとして国際社会の介入を求める声が上がっている。
イスラム国は8月、イラク北部でクルド人の少数派ヤジド派を攻撃し、それが米国がイスラム国への空爆に踏み切る契機となった。ただ、シリアに関しては、空爆を実施する場合、アサド政権と協力はしないとの立場にこだわる米国と、政権の承認が必要だとするロシアの間で意見が対立するなど国際社会の足並みがそろっていない。
トルコや、スンニ派アラブ中心のシリア反体制派には、対立するクルド勢力が軍事支援を受けることへの警戒もある。
イスラム国はこうした事情を見透かしているとみられ、対処の遅れがさらなる被害を招く恐れがある。
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http://mainichi.jp/select/news/20140921k0000e030125000c.html
リビア:カダフィ政権崩壊3年 再び内戦危機
毎日新聞 2014年09月21日 14時00分
世俗派による東部トブルクの「暫定議会」排除を訴えるイスラム武装勢力の支持者ら=トリポリで19日、ロイター
世俗派による東部トブルクの「暫定議会」排除を訴えるイスラム武装勢力の支持者ら=トリポリで19日、ロイター
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【カイロ秋山信一】カダフィ独裁政権が内戦の末に崩壊してから3年が経過したリビアで、新たな内戦突入への懸念が高まっている。7月以降、首都トリポリや東部ベンガジでは、かつて「反カダフィ派」として共闘した複数の民兵組織同士の戦闘が激化し、400人以上が死亡した。こうした民兵組織は主に世俗派勢力と、イスラム教勢力の二つに分かれる。それぞれが互いに統治の正統性を主張するなど政府が二つできたかのような異常事態となっている。
「9月から学校の新学期が始まったが、衝突を恐れて、登校する子供はほとんどいない」。トリポリで妻や0〜8歳の子供4人と暮らすジャーナリストの男性(40)が匿名を条件に毎日新聞の電話取材に応じた。
男性によると、トリポリでは7月以降に衝突が激化し、燃料貯蔵施設が炎上するなどインフラも打撃を受けた。1日8時間程度は停電し、燃料不足のためガソリンスタンドには連日2キロほどの車列ができるという。政府庁舎はイスラム武装勢力が制圧し、行政機能はマヒしている。メディアも武装勢力の標的になり、男性は外出を控えている。治安悪化で半数以上の市民は仕事にも行けないという。
リビアでは2011年8月、北大西洋条約機構(NATO)の軍事支援を受けた反カダフィ派が、約42年間続いた政権を打倒した。だが反カダフィ派として戦闘に参加した民兵や部族グループは内戦後も武装解除に応じず、互いに反目し合うようになった。この中で、イスラム主義を訴える武装勢力が台頭し、世俗派グループを攻撃するようになった。憲法を制定するために選挙で選ばれた制憲議会でも、イスラム政党と世俗派が対立し、その確執が武装集団間での対立と連動した。
今年5月、世俗派民兵組織がベンガジでイスラム武装勢力への大規模な攻撃を始めたのを契機に、両者の対立は深刻化した。民意で決着をつけるため、6月に暫定議会の選挙が行われた。制憲議会に代わる最高機関との位置づけだったが、世俗派が多数派を占めたのを受けて、イスラム政党は暫定議会をボイコット。首都でも戦闘が激化した。
イスラム武装勢力は8月までに政府庁舎など首都中枢を制圧。イスラム政党はトリポリを拠点に独自の首相を指名した。世俗派はトリポリから追われ、東部トブルクを拠点にし、今月1日には元国防相のサニ氏に首相就任を要請した。国際社会では世俗派が支持する暫定議会が正統だとする見方が支配的だが、トルコなどはイスラム政党を擁護する姿勢を見せている。
◇消極的な欧米「介入は分断助長」
リビア情勢の悪化は、中東全体の不安定要因にもなっている。大量の武器がシリアやマリなど紛争地に流出しているとされ、エジプトのシシ大統領は「リビアは無法地帯だ」と危機感を強める。
だが11年の内戦時に「反カダフィ」で積極介入した欧米は「介入は分断を助長し、事態の悪化を招くだけだ」と今回は慎重姿勢を崩さない。17日には欧州や中東の15カ国がマドリードでリビア情勢に関する国際会議を開いたが、肝心のリビアの紛争当事者は参加せず、具体策を打ち出せなかった。中東の親欧米国は、欧米の消極姿勢に不信感を強めている。8月下旬には親米国のアラブ首長国連邦(UAE)がトリポリのイスラム勢力を独断で空爆したとの情報も流れた。UAEは関与の有無を公にしていない。
◇リビアを巡る主な動き
2011年 2月 反カダフィ派のデモ開始。カダフィ政権は空爆などで弾圧。反カダフィ派が国民評議会を結成
8月 反カダフィ派が首都トリポリを制圧。約42年間続いたカダフィ政権が崩壊
10月 カダフィ大佐=写真<上>・AP共同=が殺害される
11月 国民評議会主導の暫定政府が発足
12年 7月 制憲議会選挙実施
9月 イスラム教の預言者ムハンマドを冒とくする映画が米国で作られたとして、東部ベンガジの米領事館が襲撃され、米大使ら4人死亡=同<下>・ロイター共同
13年10月 トリポリで首相が武装集団に拉致されたが、数時間後に解放
14年 5月 民兵組織が制憲議会議事堂を襲撃、数十人死傷
7月 民兵組織とイスラム武装勢力の衝突が激化、米欧
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>>425
http://mainichi.jp/select/news/20140921k0000m030057000c.html
アフガン:「ガニ新大統領」合意 挙国一致政府発足へ
毎日新聞 2014年09月20日 21時56分(最終更新 09月20日 23時30分)
【ニューデリー金子淳】混乱が続くアフガニスタン大統領選の決選投票で、独立選挙委員会(中央選管)の関係者は20日、毎日新聞の取材に対し、最終結果を21日に発表すると明らかにした。候補者のアシュラフ・ガニ元財務相(65)とアブドラ・アブドラ元外相(54)は「挙国一致政府」構築について交渉を続けていたが、ガニ氏を大統領、アブドラ氏を行政長官とすることで一定の合意に達したとみられる。最初の投票から5カ月余りを経て、ようやく次期政権成立の見通しが出てきた。
決選投票は暫定結果でガニ氏が約100万票差を付けて勝利したが、不正疑惑が浮上したため再集計が行われていた。両候補は7月、いずれが勝利しても敗者が行政長官に就き「挙国一致政府」を発足させることで合意していたが、行政長官にどの程度の権限を持たせるかで対立していたとされる。8月末には交渉が決裂し、アブドラ氏が選挙結果の受け入れ拒否を言明したが、その後も両陣営で交渉が続いていた。
地元メディアによると、19日夜には両陣営が「ほぼ合意に達した」という。またカルザイ大統領は20日、「国民は間もなく良いニュースを聞けるだろう」と述べた。両陣営が決裂したまま結果が発表されれば、国家が二分される恐れもあったことから、選管は交渉が合意に達するまで最終結果の公表を控えていたとみられる。
◆アフガン大統領選を巡る経緯
4月5日 大統領選1回目の投票
6月14日 決選投票
7月7日 ガニ氏が過半数との暫定結果発表
12日 アブドラ氏の反発受け、再集計で合意
8月8日 ケリー米国務長官の仲介で「挙国一致政府」を作ることで合意
9月20日 ガニ氏が大統領、アブドラ氏が行政長官で大筋合意
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>>425
http://mainichi.jp/select/news/20140921k0000m030057000c.html
アフガン:「ガニ新大統領」合意 挙国一致政府発足へ
毎日新聞 2014年09月20日 21時56分(最終更新 09月20日 23時30分)
【ニューデリー金子淳】混乱が続くアフガニスタン大統領選の決選投票で、独立選挙委員会(中央選管)の関係者は20日、毎日新聞の取材に対し、最終結果を21日に発表すると明らかにした。候補者のアシュラフ・ガニ元財務相(65)とアブドラ・アブドラ元外相(54)は「挙国一致政府」構築について交渉を続けていたが、ガニ氏を大統領、アブドラ氏を行政長官とすることで一定の合意に達したとみられる。最初の投票から5カ月余りを経て、ようやく次期政権成立の見通しが出てきた。
決選投票は暫定結果でガニ氏が約100万票差を付けて勝利したが、不正疑惑が浮上したため再集計が行われていた。両候補は7月、いずれが勝利しても敗者が行政長官に就き「挙国一致政府」を発足させることで合意していたが、行政長官にどの程度の権限を持たせるかで対立していたとされる。8月末には交渉が決裂し、アブドラ氏が選挙結果の受け入れ拒否を言明したが、その後も両陣営で交渉が続いていた。
地元メディアによると、19日夜には両陣営が「ほぼ合意に達した」という。またカルザイ大統領は20日、「国民は間もなく良いニュースを聞けるだろう」と述べた。両陣営が決裂したまま結果が発表されれば、国家が二分される恐れもあったことから、選管は交渉が合意に達するまで最終結果の公表を控えていたとみられる。
◆アフガン大統領選を巡る経緯
4月5日 大統領選1回目の投票
6月14日 決選投票
7月7日 ガニ氏が過半数との暫定結果発表
12日 アブドラ氏の反発受け、再集計で合意
8月8日 ケリー米国務長官の仲介で「挙国一致政府」を作ることで合意
9月20日 ガニ氏が大統領、アブドラ氏が行政長官で大筋合意
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http://mainichi.jp/select/news/20140923k0000m030022000c.html
イエメン:新内閣組織へ 武装組織フシと和解成立
毎日新聞 2014年09月22日 19時13分(最終更新 09月22日 19時42分)
【カイロ秋山信一】イスラム教シーア派の武装組織フシによる反政府運動が激化するイエメンで21日、1カ月以内に新内閣を組織することなどを条件に政府とフシの和解が成立した。フシは和解直前に首相府や国防省など首都中枢を占拠し、武力によって政府側に譲歩させた。イエメンでは2011年、民主化要求運動「アラブの春」で、サレハ独裁政権が崩壊。ハディ大統領は民主化を進めてきたが、フシの圧力に屈したことで求心力低下は避けられず、混乱が続きそうだ。
イエメンからの報道によると、政府とフシは国連の仲介で和解交渉を開始。即時停戦と暴力停止▽実務者を中心にした新内閣の組織▽デモ隊の首都からの撤収−−などを条件に和解が成立した。新内閣は10月にも発足する見通し。それまでは現内閣が暫定的に統治する。
フシは21日、政府庁舎や中央銀行、国営ラジオ局などを新たに占拠。国営通信によると、内務省は21日、傘下の治安部隊に対して、フシと敵対しないよう命令した。軍や警察の一部がフシと協力していたとの情報もあり、事実上のクーデターとの見方もある。首都サヌアの一部には20日から夜間外出禁止令が出され、数千人の住民が市外に避難した。
イエメンでは北部にシーア派、南部にスンニ派が多い。フシは2004年、シーア派が多い北部の自治権などを求めて、反政府武装闘争を開始。今年8月中旬、サヌアで大規模デモを開始。今月中旬以降は戦闘部隊が首都に入り、政府軍との戦闘で140人以上が死亡した。政府は、シーア派国家イランがフシを支援しているとみているが、イランは関与を否定している。
フシの他にも、国際テロ組織アルカイダや南部の独立主義者の活動が活発で、国家は分裂傾向を強めている。
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http://mainichi.jp/select/news/20140923k0000m030051000c.html
アフガニスタン:大統領選 不正票は82万票か
毎日新聞 2014年09月22日 20時15分
【ニューデリー金子淳】アフガニスタンのパジュワク通信は21日、大統領選の両候補の得票差が約75万票だったと伝えた。2人の合計得票数は、7月に発表された暫定結果より約82万票減少しており、不正票と判断されたとみられる。
独立選挙委員会(中央選管)は同日夕、アシュラフ・ガニ元財務相(65)が勝利したと発表したが、得票数など内訳は公表しなかった。同通信によると、得票数はガニ氏が約393万票(55.27%)、アブドラ・アブドラ元外相(54)が約318万票(44.73%)。暫定結果と比べガニ氏が約55万票、アブドラ氏が約27万票減らした。
両候補が21日に署名した合意書によると、「挙国一致政府」では大統領の下に行政長官ポストが新設され、内閣で政策の履行に責任を負う立場となる。閣僚評議会で議長を務めるほか、治安や経済に関わる機関のトップについては大統領と同等の人事権を持つという。行政長官は2年以内に最高意思決定機関であるロヤ・ジルガ(国民大会議)による憲法改正を経て首相となることも明記された。
印シンクタンク・ORFのアーリヤマン・バトナガル氏は「権力を分け合う合意はアフガンの民主主義に疑問を投げかけた。長期的には二つの権力の衝突が起きる可能性もある」と指摘している。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140922/asi14092213430002-n1.htm
アフガニスタン大統領就任へ アシュラフ・ガニ氏 「怒りに火が付くととまらない」の評も
2014.9.22 13:43
21日、ライバルのアブドゥラ氏(左)と握手するアシュラフ・ガニ次期大統領(ロイター)
21日、ライバルのアブドゥラ氏(左)と握手するアシュラフ・ガニ次期大統領(ロイター)
アフガニスタンの多数派民族パシュトゥン人を構成する2大有力部族の一つである、ギルザイ族出身の知識人だ。
1949年、東部ロガール州生まれ(誕生日は不詳)。77年から米コロンビア大学に留学していたが、旧ソ連軍のアフガン侵攻と、その後の内戦の激化により米国にとどまった。
米ジョンズ・ホプキンス大学などで教職に就いた後、91年から世界銀行で勤務。2001年の米英軍によるアフガン攻撃でタリバン政権が崩壊したのを受け、多くの亡命アフガン知識人とともに24年ぶりに帰国した。
アフガンでは国連特使顧問を経て、カルザイ政権下の02〜04年に財務相として経済復興に尽力するとともに、汚職撲滅を訴えた。
国際舞台での活躍や学者としての経歴から、若年層の間で人気が高い。選挙では、内戦中に虐殺を行ったと非難されるウズベク人軍閥指導者、ドスタム将軍を副大統領候補に据え、少数派民族票の取り込みを図るしたたかさを見せた。
「一度怒りに火が付くととまらない」「誰とも親密にならない」との評も。
財務相として04年に訪日した際の記者会見では、「アフガンに支援を与えることは慈善事業ではなく、将来への貯金である」と訴えた。その後も2度、日本を訪れている。ルラ夫人との間に1男1女。(カブール 岩田智雄)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014092202000124.html
アフガン決選投票混乱 空白5カ月 新大統領にガニ氏
2014年9月22日 朝刊
写真
【バンコク=伊東誠】AP通信などによると、不正疑惑に揺れたアフガニスタン大統領選で、選挙管理委員会は二十一日、ガニ元財務相(65)が勝利したとの最終結果を発表した。これに先立ちガニ氏と、決選投票を争ったアブドラ元外相(54)は首都カブールで、挙国一致政権を樹立する合意文書に署名。ガニ氏が新大統領に、アブドラ氏は新設の「行政長官」に就任する。
今後、最高意思決定機関のロヤ・ジルガ(国民大会議)での審議を経て、行政長官を首相に格上げするとみられる。十二年以上にわたって国を率いたカルザイ大統領に代わり、挙国一致で山積する難題に取り組むが、大統領選で激しく対立した両氏が協調できるかがカギとなる。
選管は大統領選の不正投票疑惑を受け、八百万に及ぶ全票の再集計を進めていた。暫定結果では、ガニ氏がアブドラ氏に12ポイント余りの差をつけていた。選管は二十一日の最終結果で両氏の得票数を発表しなかった。
新政権にとって治安対策が急務となる。四月の第一回投票から半年近くたっても新大統領が決まらない政治空白のすきを突いて、反政府武装勢力タリバンが自爆テロなどで攻勢を強めている。
米軍主導の国際治安支援部隊は年内に戦闘任務を終える予定だが、アフガン治安部隊だけではタリバンを抑えられない。その後も一万人規模の米兵が駐留できるよう「安全保障協定」を早期に結ぶ必要がある。
ガニ氏はアフガニスタン多数派のパシュトゥン人。世界銀行のエコノミストを経て二〇〇二年から二年間、財務相を務めた。海外での経験が長く、米国などに広い人脈を持つ。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140922-00000016-jij_afp-int
黒く染まるシリア ─ 活動家が語る「イスラム国」支配地の実態
AFP=時事 9月22日(月)11時1分配信
黒く染まるシリア ─ 活動家が語る「イスラム国」支配地の実態
イラク・モスルのモスクでイスラム教徒を前に演説するイスラム教スンニ派の過激派「イスラム国(IS)」の指導者、アブバクル・バグダディ容疑者。al-Furqan Mediaが2014年7月5日に公開した映像から。
【AFP=時事】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が支配するシリア国内の地域では、何もかもが黒い──男性のターバンや、女性のベール、そしてパスポートでさえも。
【図解】過激派組織「イスラム国」の勢力図
「そこら中にイスラム国の黒い旗があふれている。女性たちは頭からつま先まで全身を黒いブルカで覆い、父親か兄弟、夫の付き添いがなければ家から出られない」。インターネットを通じてAFPの取材に応じたシリア北部ラッカ(Raqa)県の活動家、アブ・ユセフ(Abu Yusef)氏はこう語った。イスラム国のパスポートの色を尋ねると、ユセフ氏は笑って「黒だ」と答えた。
イスラム国の支配は生活の全てにおよび、男性と女性はそれぞれ別の治安部隊の管轄下に置かれている。
ユセフ氏によると、女性戦闘員部隊「ハンサ(Khansaa)」は、路上で女性を制止し、尋問や検査を行う権限を持つ。同氏は「男性に対してはヘスベ(Hesbeh)と呼ばれる部隊が、ダーイシュ(Daesh、イスラム国のアラビア語名称の頭字語)版のイスラム法(シャリア)を執行している」と述べた。
さらに、イスラム国には教育、保健、水道、電気、宗教、防衛など「思いつく限りのあらゆるものを管轄する省庁」が存在するという。これらの省庁はイスラム国が占拠した政府庁舎を拠点としている。
教育は厳格なイスラム法に基づき、ラッカには若者向けの軍事訓練キャンプが設置された。「消費者保護当局までも存在する」という。
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■コーヒーは戦闘員が独占
ラッカの活動家たちはこれまで、嗜好(しこう)品や娯楽はイスラム国の戦闘員専用とされ、一般市民の利用は禁じられていると頻繁に訴えてきた。活動家らはネットに戦闘員で満員のラッカのコーヒーショップの写真を投稿し、非戦闘員は憩の場の利用が禁じられていると苦言を呈している。
アラブ諸国では街の風景としておなじみのコーヒーショップだが、地元住民らによるイスラム国侵攻阻止の努力も失敗に終わったデリゾール(Deir Ezzor)で現在も営業しているコーヒーショップは一つもない。
「ここでは楽しみや面白いことは、何一つ認められていない」と、活動家のラヤン・フラティ(Rayan al-Furati)氏(仮名)はネットを通じたAFPの取材に語った。「喫煙はおろか、たばこを売ることさえ想像できない。全身をベールで覆っていない女性を目にすることもあり得ない」
毎日、イスラム教の礼拝で祈祷を主導するムアッジンが祈りの時刻を告げると、みな店を閉めてモスクへ向かう。さもなければ身柄を拘束されるからだ。
しかし、イスラム国の戦闘員たちにとっては、シリアのイスラム国支配地域での生活は心地よいものだ。その理由は彼らが受け取る報酬などの恩恵だけではない。
ラッカを拠点とする活動家で、身元の特定を防ぐため仮名でインターネット取材に応じたフラート・ワファ(Furat al-Wafaa)氏によれば、イスラム国の最下級幹部の報酬は月300ドル(約3万3000円)。「現状からすれば、かなりの額だ」という。
だが、イスラム国の寛大さは支配下に置かれた人々までには及ばないとワファ氏は言う。「ダーイシュは本物の国家ではない。仲間には望むものは全て与えるが、ほかの市民たちは、その対象とならない」
ワファ氏はイスラム国を「恐怖を通じて人々を支配するマフィア」に例える。「市民は空腹から、イスラム国の構成員にならねばならない状況に追い込まれる。まともな給料を得るには、それしか手段がないからだ」
さらにイスラム国は市民から税の徴収も行っている。「貧しすぎて支払いができない市民でさえも逃れられない。だからみなイスラム国に加わる。人々には飢えて死ぬか、脅しの中でイスラム国の構成員となるかの選択肢しかない」(ワファ氏)。4年近く続く内戦により困窮した店主らは、月約60ドル(約6500円)の税金をイスラム国に納めているという。
■まるで「入植者による占領」
一方、デリゾールのフラティ氏はイスラム国を、元々住んでいた人々を立ち退かせて移り住む入植運動に例える。「入植者によるイスラエルのパレスチナ占領と同じことが、ここでも起きている」
イスラム国の戦闘員には外国人もいるという。「米国人の戦闘員もいる。彼らは、かつて私たちが住んでいた場所に家族とともに住んでいる」
フラティ氏は、イスラム国による迫害を恐れてデリゾールを脱出した数万人の市民の一人。現在もデリゾールに残る家族の身を案じ、取材には仮名を使い応じた。【翻訳編集】 AFPBB News
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<米国>地上戦関与排除せず 統合参謀本部議長、公聴会で
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140917k0000e030226000c.html
毎日新聞2014年9月17日(水)11:49
【ワシントン西田進一郎】米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は16日、イスラム教過激派組織「イスラム国」への対応を巡る上院軍事委員会公聴会で、将来的に米地上部隊を戦闘行為に関与させるようオバマ大統領に提言する可能性に言及した。ホワイトハウスは地上部隊派遣の可能性を即座に否定したが、元軍幹部らからは空爆だけでは不十分との指摘が出ており、大統領と軍当局との「温度差」が浮き彫りになった形だ。
米軍の空爆でイラク軍やシリアの反体制派などを支援し、イスラム国を打倒する戦略について、デンプシー議長は「適切な方法だ」としながらも、うまくいかない場合は「大統領に地上軍の使用を含む提言を行うだろう」と語った。
議長はまた既にイラクに派遣している特殊部隊が主体の米軍事顧問団について、「特定の標的に対する攻撃で、顧問団がイラク軍に同行すべきだと判断すれば、大統領に提言する」とも語った。空爆を的確に行うためにイラク軍と顧問団が行動を共にする可能性を示唆したものだ。これは「統合末端攻撃統制官(JTAC)」と呼ばれ、攻撃目標に的確に空爆ができるよう陸上から航空機を誘導する役割などを担う。
これに対し、アーネスト大統領報道官は「議長の発言は仮定のシナリオだ」と述べ、イラクやシリアに地上部隊を派遣しない「大統領の方針は変わっていない」と強調した。デンプシー議長の報道官も公聴会後に声明を出し、「議長は、我々の顧問団がイラク軍と共に戦闘行為に同行する必要があるとは考えていない」と発言のトーンを弱めた。
ただ、軍事専門家などの間には、空爆だけでは不十分との見方がある。カートライト元統合参謀本部副議長は14日のテレビ番組で「空爆だけではイスラム国を破壊できないだろう」と語り、イラクやシリアへの地上部隊投入の必要性を強調。野党・共和党内でも「米軍の地上部隊派遣なしにイスラム国を破壊することはできない」(上院軍事委員会のリンゼイ・グラム議員)との意見が出ている。
オバマ大統領は17日、中東地域を担当する米中東軍司令部(南部フロリダ州)で空爆計画の説明を受ける予定。議長は公聴会でシリア空爆について、圧倒的な攻撃力で波状攻撃をするのではなく、中長期的な攻撃になるとの見方を示した。
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<米軍>シリア国内でもイスラム国に空爆開始
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20140923k0000e030162000c.html
毎日新聞2014年9月23日(火)11:02
【ワシントン西田進一郎】米国防総省は22日、米軍が複数の有志国軍とともにシリア国内のイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」を標的にした空爆を始めたと発表した。カービー報道官によると、戦闘機や爆撃機、さらに巡航ミサイル「トマホーク」を使った攻撃で、作戦は実行中という。米軍は8月からイラク国内のイスラム国に対して空爆を行ってきたが、シリア国内で空爆を行うのは初めて。
米CNNテレビは、米軍高官の話として、空爆にはバーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダンが参加していると伝えた。また、複数の米メディアは攻撃対象にイスラム国の司令部や武器などを集積する拠点となっているシリア北部のラッカが含まれていると報じている。
オバマ米大統領は今月10日、中東で勢力を広げるイスラム国について「弱体化させ、最終的に破壊する」と宣言。「シリア国内でのイスラム国に対する行動をためらわない」と語り、イラク国内で8月8日に始めたイスラム国に対する空爆をシリアにも拡大する考えを表明していた。
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シリア空爆開始=米軍など、イスラム国標的―アラブ圏各国も参加か
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-140923X244.html
時事通信2014年9月23日(火)11:15
【ワシントン時事】米政府は22日、米軍と複数の協力国がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を標的に、シリア領内で空爆を開始したと発表した。戦闘機や爆撃機による攻撃だけでなく、洋上に展開した艦艇から巡航ミサイル「トマホーク」を発射。イスラム国が本拠を置くシリア北部ラッカなどに攻撃を加えたもようだ。空爆には複数のアラブ圏の国が参加しているとみられる。
国防総省のカービー報道官は「米軍と協力国の各軍が戦闘機や爆撃機、トマホークを用いて軍事行動を取っている」と述べた。NBCテレビによると、米軍などは最大20の標的に攻撃を加える計画だという。攻撃対象には、武器弾薬・燃料の集積施設や訓練施設、兵舎、司令部などが含まれているもようだ。
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http://www.47news.jp/47topics/e/257331.php
オバマ米政権、宿敵イランに秋波 対イスラム国で協調模索
オバマ米政権がイスラム教スンニ派の過激派「イスラム国」への対処をめぐり、長年の宿敵イランに秋波を送り始めた。イスラム国が拠点とするシリアのアサド政権の後ろ盾であるイランから一定の協力を引き出せなければ、イスラム国の「壊滅」は困難だとの判断がある。シリア領内への空爆拡大が秘めるリスクの裏返しとも言えそうだ。
▽黙認を期待
「イランを含めて、どの国にも果たせる役割がある」。ケリー米国務長官は19日、自らが議長を務めた国連安全保障理事会の討論会合で、あえてイランに言及、米主導の有志国連合への協調を促した。21日のザリフ外相との直接会談でもイスラム国への対応を取り上げた。
米国とイランはイスラム国という共通の敵と戦うイラク政府を支援する一方、隣国シリアの内戦では米国が穏健な反体制派を、イランがアサド政権をそれぞれ支援する「ねじれた関係」(ケリー氏)にある。
オバマ政権は、シリア領内への空爆拡大は「アサド政権ではなく、イスラム国との戦いだ」と強調する。しかし、イランの革命防衛隊の支援を受けるシリア政府軍が空爆に乗じて、イスラム国や反体制派の支配地域を取り戻そうとすれば、内戦の激化を招き、制御不能の状態に陥りかねない。
オバマ政権はイランと軍事面で調整を図る可能性は明確に否定しているものの、せめてシリア領内への空爆を黙認し、アサド政権がおかしな動きを見せないようにらみを利かせてもらいたいというのが本音とみられる。
▽拒否の事情
しかし、イランは簡単になびきそうにはない。アラグチ外務次官は討論会合で米国を名指しするのは避けながらも、アサド政権の同意を得ない空爆に反対を表明した。
「核協議と過激派対策を通じ、イランが地域の積極的なキープレーヤーに変貌する可能性もある」(外交筋)との期待もあるが、最高指導者ハメネイ師は米国の真の狙いは中東での軍事的プレゼンスを維持することだと述べ、連携を拒否した。
シーア派のイランは、米欧やスンニ派諸国主体の有志国連合がシリアで存在感を高めることを懸念。ロウハニ政権が核問題をめぐり米欧とぎりぎりの交渉を続ける中、米国との協調路線を打ち出せば保守強硬派の攻撃材料とされかねない。
▽譲歩に警戒
一方、イランがイスラム国への対応を核交渉でのカードに使おうとする可能性もある。米国は「明確に切り離している」(米国務省高官)と否定するが、イスラエルやスンニ派諸国からはオバマ政権がイスラム国への対処を優先し、核問題で譲歩するのではないかとの警戒感が出ている。
訪米したイスラエルのシュタイニッツ国際関係相兼戦略担当相は「イスラム国が5年の問題だとすれば、イランの核武装は50年の問題だ。脅威は格段に大きい」とけん制した。(ニューヨーク共同=井上智太郎、竹本篤史)
2014/09/23 15:29
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140923/mds14092318320009-n1.htm
イスラム国「最も裕福なテロ組織」 高水準の装備や宣伝動画
2014.9.23 18:32 (1/2ページ)[テロ]
【ワシントン=小雲規生】シリアやイラクで支配地域を広げているイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」は豊富な資金力から「世界で最も裕福なテロ組織」とも言われる。高水準の装備やハリウッド映画さながらのプロパガンダ動画など、欧米メディアでは米中枢同時テロを引き起こした国際テロ組織アルカーイダなどとは次元の違う組織だとの分析も出ている。
米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、イスラム国は支配地域で産出される原油の売却や銀行からの略奪なども資金源としている。人質の解放と引き換えに身代金を要求するほか、企業や個人から営業許可料や通行料金を徴収したりもしているという。
米国務省高官は「イスラム国は毎月数百万ドル(数億円)の収入を得ている」と分析している。
豊富な資金力は装備の充実につながる。米国式の防弾チョッキを身に着け、暗視ゴーグル装着可能なヘルメットをかぶった兵士の姿も確認されている。運搬可能な防空システムや対戦車ミサイルなどの高度な兵器も保有しているとみられ、戦闘の際の組織的攻撃態勢など兵士はよく訓練されているという。
プロパガンダも際立つ。動画には空撮やスローモーションなどの演出も盛り込まれ、仏メディアは「ハリウッドの新作映画の広告と間違えるような映像だ」と伝えた。米軍によるアルカーイダのビンラーディン容疑者殺害をテーマにしたハリウッド映画「ゼロ・ダーク・サーティ」と類似したシーンがあるとの指摘もある。
インターネットを通じた宣伝工作は、欧米などの若者を引きつける効果を生んでいるようだ。米メディアは、イスラム国には1万人超の外国人兵士が参加していると伝えている。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014092300468
空爆下の市民、危険迫る=「人間の盾」に懸念−シリア北部
23日、シリアとトルコの国境付近で、有刺鉄線を前にたたずむシリア難民(EPA=時事)
【カイロ時事】米軍などによる空爆の標的となったシリア北部ラッカ県で暮らす男性は23日、電話取材に応じ、空爆時の状況を明らかにした。一般市民にも危険が迫る中、「イスラム国」戦闘員が民家に潜伏して人々を「人間の盾」に取っているといい、犠牲の拡大が懸念される状況となっている。
男性によると、23日午前3時から3時半ごろにかけて5回にわたり、空爆とみられる爆音が一帯にとどろいた。その際、男性宅は大きな振動に見舞われ「大変な恐怖を感じた」という。
市民の間で、隣国トルコなど対象地域外に逃げようとの動きが加速しているが、男性は「空爆再開の恐れがあり、外に自由に出られる状況ではない」と話した。(2014/09/23-19:38)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140924/mds14092417200007-n1.htm
米「弱腰」払拭も泥沼化必至 「イスラム国」壊滅は困難
2014.9.24 17:20 (1/3ページ)
ペルシャ湾上の米空母ジョージ・ブッシュで、出撃を待つFA18戦闘攻撃機=23日(米海軍提供・共同)
ペルシャ湾上の米空母ジョージ・ブッシュで、出撃を待つFA18戦闘攻撃機=23日(米海軍提供・共同)
米軍は22日、シリア領内のイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の拠点に対する空爆をアラブの友好国と共同で実施した。8月に開始したイラク北部への空爆に続く武力行使で、シリアでは初めて。バラク・オバマ米大統領(53)は、イスラム国を「最大の脅威」と位置付け、新たな「テロとの戦い」に臨む強い決意を世界に示した。11月の中間選挙を前に内外で高まっている「弱腰」との批判を払拭したい思惑ものぞく。だが、イスラム国壊滅までの明確な戦略は見えず、軍事作戦の長期化で泥沼に引きずり込まれる懸念が拭えない。(SANKEI EXPRESS)
国防総省のカービー報道官は22日に発表した声明で、攻撃には戦闘機、爆撃機が参加し、巡航ミサイル「トマホーク」も使用したと明らかにした。トマホークはペルシャ湾北部と紅海の米艦から発射された。米ABCテレビはF22ステルス戦闘機も投入されたと報じた。
中東諸国と共同
攻撃にはヨルダン、バーレーン、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)の中東諸国が参加。イスラム国が「首都」と称するシリア北東部のラッカなど複数の都市で指揮統制や補給、訓練に関連する施設などを対象に計14回の空爆を行い、損害を与えたとしている。ロイター通信は、イスラム国戦闘員数十人が死傷したと伝えた。米政府は、シリアの国連代表部に空爆を事前通告していた。
オバマ氏は10日の演説で、イスラム国壊滅のため、米軍による空爆をシリア領内に拡大する方針を表明していた。23日にニューヨーク入りし、国連でイスラム国と戦う有志国連合への協力を呼び掛ける方針。その直前に空爆に踏み切ることで、米政府の強い決意を示した。
組織壊滅は困難
これまでオバマ氏は、アフガニスタンとイラクの「2つの戦争」に終止符を打つことを最優先とし、中東への関与を弱めてきた。だが、その結果、イスラム国の勢力拡大を許し、「大統領の無策が招いた危機」との批判が高まっていた。オバマ外交の支持率は急降下し、中間選挙で民主党は大苦戦を強いられている。
米国人ジャーナリスト2人が相次ぎ殺害されたことへの米国民の怒りや、イスラム国に加わった米欧人が自国に戻り、テロを起こす懸念に背中を押される形で戦線拡大を決断した。
オバマ政権の中東戦略は誤算続きだ。2011年末にブッシュ前政権が始めたイラク戦争の終結を宣言。だが、イスラム国の勢力拡大を受け、イラクでの戦いを再開せざるを得なくなった。アフガンでも今月21日に、ガニ氏が次期大統領に就任することが決まり、「終戦」に向けた動きが加速し始めた矢先にシリアでの軍事作戦を迫られた。
しかもイスラム国壊滅は容易ではない。8月に開始したイラクでの空爆はこれまでに190回以上に達した。しかし、イスラム国の勢いが弱まる気配はない。「アラビア半島のアルカーイダなどにしても空爆で壊滅させるには至っていない。イスラム国についても同じだ」(テロ専門家)との声は多い。空爆範囲をシリアに拡大しても、地上戦なしで組織を壊滅するのは難しい。
オバマ氏も空爆の限界は十分承知している。米国は底の見えない戦いの深みに歩を進めた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140924/mds14092421130010-n1.htm
米政府、「イスラム国」空爆をイランに事前伝達 包囲網維持へ「配慮」
2014.9.24 21:13 (1/2ページ)
【カイロ=大内清、ニューヨーク=黒沢潤】イラン政府高官は23日、シリアでのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」への空爆に先立ち、米国から、空爆はアサド政権を標的としたものではないと伝えられていたことを明らかにした。ロイター通信が報じた。米国が長年対立するイランに軍事作戦の情報を伝達するのはまれ。アサド政権と同盟関係にあり、対イスラム国でも重要な位置を占めるイランに「配慮」を示した形だ。
一方、国連総会出席のためニューヨークを訪問中のイランのロウハニ大統領は23日、「他国への攻撃は国連の枠組みで行われるべきだ」と牽制(けんせい)しつつ、空爆そのものの非難には踏み込まなかった。そこには、今後、正念場を迎える核開発問題をめぐる協議などを念頭に、イスラム国という「共通の敵」との戦いを通じて米国との接近を図る意図も見え隠れしている。
イランは、有志連合の枠外ながら、イラク政府や同国のクルド勢力を支援し、実質的に「イスラム国包囲網」の一角を占めている。
同時にイランは、シリアでのイスラム国空爆が、アサド政権の弱体化につながる形で行われることを強く警戒してきた。米国が、空爆が「国際的なテロとの戦い」であることを示すため、イランやアサド政権とは対立関係にあるスンニ派湾岸諸国にも軍事作戦への参加を求めてきたことも懸念材料となっていた。
米国が今回、イランへ事前に情報を伝えたのは、同国の警戒心を和らげ、微妙なバランスの上に成り立つイスラム国包囲網を維持するためだとみられる。ロイターによると米国務省当局者は、伝達されたのは「(攻撃の)意図」のみで、具体的な時期や攻撃対象は伏せられたとしている。
他方、昨年の政権発足以来、米欧との関係改善を目指すロウハニ師にとり、核協議の期限である11月を前に米国との意思疎通のレベルが高まったことは一定の成果だ。今後は、米国を敵視する国内の強硬派をにらみつつ、イスラム国対策を核協議での譲歩を勝ち取るための材料としていくことも考えられる。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140924/mds14092420580008-n1.htm
新たに台頭のイスラム武装組織「ホラサン」 アルカーイダを踏襲
2014.9.24 20:58 (1/2ページ)[テロ]
米軍が空爆したシリア北西部イドリブ近郊で23日、破壊された建物の捜索を見守る人々(ゲッティ=共同)
米軍が空爆したシリア北西部イドリブ近郊で23日、破壊された建物の捜索を見守る人々(ゲッティ=共同)
【カイロ=大内清、ニューヨーク=青木伸行】米国などによるシリアでのイスラム過激派への空爆では、「ホラサン」と呼ばれる国際テロ組織アルカーイダ系武装組織も攻撃対象となった。米政府高官は、ホラサンを攻撃したのは、この組織による「欧州や米国の標的に対する差し迫った攻撃計画があったため」だと説明、強力なテロ組織の台頭に危機感を示している。
ホラサンはもともと、現在のイラン北東部やアフガニスタン西部、トルクメニスタン南部などを含む地域を指す地名だ。イスラム教の預言者ムハンマドが、黒旗を掲げた救世主がホラサン地方から進軍すると予言したとされる伝承にちなんだものとみられる。
ホラサンは、アルカーイダの創始者、ウサマ・ビンラーディン容疑者(2011年に殺害)と近い関係にあったクウェート出身のムフセン・ファドリ容疑者が率いるとされる。かつてはアフガンやパキスタンなどを拠点としてきたが、内戦の混乱に乗じ、シリアで最大千人程度の組織に成長。米国はファドリ容疑者の所在に関する情報に700万ドル(約7億6千万円)の懸賞金をかけている。
「イスラム国」のジハード(聖戦)がシリアやイラクという「近い敵」を当面の攻撃対象としているのに対し、ホラサンの標的は主に米欧などの「遠い敵」にある。米中枢同時テロなどを引き起こしたアルカーイダを踏襲した戦術だ。詳細は不明ながら、米CNNは情報当局筋の話として、歯磨き粉の容器を利用した爆発物や、爆発性の物質に浸した衣服を使うテロを計画していたと伝えた。
イスラム国との関係は分かっていないが、ホラサンの台頭は、シリアがジハード勢力の苗床となっている現実を改めて突きつけた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140924/mds14092408000003-n1.htm
「イスラム国は教義逸脱している」 サウジ、過激思想警戒
2014.9.24 08:00
【カイロ=大内清】「イスラム国」への空爆にサウジアラビアなどイスラム教スンニ派の湾岸アラブ諸国が参加した背景には、シリアやイラクで過激思想と戦闘力を身につけた湾岸出身者が、母国でテロ活動を行うことへの危機感がある。
「イスラム国の教義は逸脱している」。サウジで影響力を持つ高位聖職者評議会は今月、国民にイスラム国への参加を禁じる声明を出した。指導者のバグダーディ容疑者を「カリフ」とあがめ、全イスラム教徒に忠誠を求めるイスラム国の思想は、君主制の否定につながる。君主制の湾岸諸国にとっては危険な存在だ。
イスラム国や、シリアで活動する国際テロ組織アルカーイダ系のヌスラ戦線には数千人の湾岸出身者がいるとされ、イスラム国が急拡大した6月以降は戦闘員の流入が急増した。
特にサウジでは1990年代、アフガニスタンでの対ソ連戦から帰国したジハード(聖戦)主義者らのテロが相次いだ過去もあり、イスラム国の思想的影響への警戒は強い。
反アサド政権の急先鋒(きゅうせんぽう)であるサウジやカタールには、発言力を高めて有志連合を政権打倒に招き寄せる狙いもありそうだ。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140926/asi14092617280003-n1.htm
【国際情勢分析 岩田智雄の目】
アフガニスタン 高まる経済浮揚への期待
2014.9.27 12:00
22日、アフガニスタンの首都カブールで、税務当局によって閉鎖させられた飲食店。町の道路は整備され、タリバン政権時代には禁止された女性の写真を使ったポスターは普通の風景になった。女子の就学率が上がり、多くの女子生徒が町を歩く
22日、アフガニスタンの首都カブールで、税務当局によって閉鎖させられた飲食店。町の道路は整備され、タリバン政権時代には禁止された女性の写真を使ったポスターは普通の風景になった。女子の就学率が上がり、多くの女子生徒が町を歩く
アフガニスタンで不正投票をめぐり混乱していた大統領選が決着し、来年以降の米軍などの駐留に道筋がついたことで経済浮揚への期待が高まっている。駐留継続に対する不安から、アフガンでは昨年以降、外国からの支援頼みの経済が停滞していたため、首都カブールでは、胸をなで下ろす市民の声が聞かれた。
米軍駐留継続に道筋
市内で建設業などを営んできたザビフラ・バデルさん(30)は、「私たち実業家は、混乱の犠牲者だ」と不満をあらわにした。
バデルさんは4年前に建設会社を立ち上げ、地元住民や国際部隊から注文を受けてきた。警備用の大型コンクリートブロックは1個で600ドル(約6万5000円)の利益を生み、100個ほど売りさばいた。
しかし、アフガンの治安維持を担ってきた国際治安支援部隊(ISAF)は、年内に撤収する。これに追い打ちをかけるように、来年以降、アフガン軍の支援のために規模を縮小させて兵士駐留を継続させる予定だった米、北大西洋条約機構(NATO)とアフガン政府の交渉が行き詰まった。
理由は、駐留兵の地位を定める安全保障協定への署名をハミド・カルザイ大統領(56)が昨年以来、拒否してきたことだ。イスラム原理主義勢力タリバンとの和平などを署名の条件にしてきたが、「米兵の駐留を許した大統領」として、タリバンや反米感情を持つ一部アフガン人の恨みを買うことを避けたとの見方が根強い。
今年に入っても、大統領選に立候補し、不正投票をめぐって対立したアシュラフ・ガニ元財務相(65)とアブドラ・アブドラ元外相(54)の政争が続いた。不安定な政治や国際部隊の完全撤退による治安悪化への懸念から、アフガンからの資金流出や投資減少が加速した。
昨年は歳入が初の減少
世界銀行が発表した昨年の経済指標をみると、新規会社登録数は約3100件と前年比で38%減となった。国際支援を除く歳入は約19億ドル(約2100億円)で、統計のある2003年以降で初めて減少に転じた。実質経済成長率は3・6%の見通しで、前年の14・4%から大きく落ち込んだ。01年のタリバン政権崩壊後、国際支援を受けて右肩上がりだった経済は、成長が頭打ちになっている。
バデルさんは昨年9月に会社をたたみ、小さな連絡事務所を開いて市場復活を待つ毎日を送っている。
今月21日、ガニ、アブドラ両氏が数カ月に及ぶ政争を経て挙国一致政権を作る文書に署名し、ガニ新大統領の就任が決まった。ガニ氏は安全保障協定の署名を明言している。世銀は、15年に実質経済成長率を4・9%に戻すことは可能だとしている。バデルさんは「ISAFが撤収しても、外国の支援は続くから景気は回復する」と話す。
国際支援を待つ市民
不動産業を営むモハマド・ミール・ハムラーズさん(45)によると、カブールの賃貸物件の相場は4年前に比べて4割以下に下落した。
カブールは国際支援で道路整備などが進み、ここ数年で見違えるほど環境は良くなっている。しかし、ハムラーズさんの事務所の隣の飲食店は、所有者が税金を納められず、1週間前に税務当局に閉鎖させられたという。ホテルや高級飲食店の入り口はテロ防止の金属製の二重扉などで守られ、住民がタリバンの脅威と背中合わせで生きている状況は以前と変わらない。
ハムラーズさんは「カルザイ大統領は自分のことしか考えなかった。この国は指導者によって、かつての内戦状態に戻ることもありうる。協定署名で国際社会の支援をつなぎとめることが必要だ」と訴えた。
◇
アフガニスタン大統領選 4月の初回投票で首位となったアブドラ・アブドラ元外相と2位のアシュラフ・ガニ元財務相が6月の決選投票に進んだ。暫定結果でガニ氏が首位となったが、アブドラ氏が投票で大規模な不正があったとして、このままでは最終結果を受け入れられないと表明。全投票の監査と再集計が行われるとともに、両者による挙国一致政権を樹立することが合意され、9月21日にガニ氏の大統領就任が決まった。
(カブール いわたともお、写真も)
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140927/asi14092710180004-n1.htm
アフガン大統領選決着 駐留継続に市民安堵 経済浮揚に期待
2014.9.27 10:18 (1/3ページ)
8月、アフガニスタンの首都カブール郊外で、売り物のトヨタ車を洗う自動車販売店員(AP)
8月、アフガニスタンの首都カブール郊外で、売り物のトヨタ車を洗う自動車販売店員(AP)
アフガニスタンで不正投票をめぐり混乱していた大統領選が決着し、来年以降の米軍などの駐留に道筋がついたことで経済浮揚への期待が高まっている。駐留が継続しなければ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が増長したイラクの二の舞いとなり治安が悪化する可能性があったため、アフガンでは昨年以降、外国からの支援頼みの経済が停滞していた。首都カブールでは胸をなで下ろす市民の声が聞かれた。(カブール 岩田智雄)
◇
■「混乱の犠牲者」
市内で建設業などを営んできたザビフラ・バデルさん(30)は、「私たち実業家は混乱の犠牲者だ」と不満をあらわにした。
4年前に建設会社を立ち上げ、住民や国際部隊から注文を受けてきた。警備用の大型コンクリートブロックは1個600ドル(約6万5千円)の利益を生み、これまでに100個ほど売りさばいた。
しかし、国際治安支援部隊(ISAF)は年内に撤収する。来年以降、軍支援のため規模を縮小して駐留を継続する予定だった米国や北大西洋条約機構(NATO)と、アフガン政府との交渉も行き詰まった。カルザイ大統領が昨年以来、駐留兵の地位を定める安全保障協定への署名を拒否してきたからだ。
テロを続けるイスラム原理主義勢力タリバンとの和平などを署名の条件にしたが、「米兵の駐留を許した大統領」として、タリバンなどの恨みを買うことを避けたとの見方が根強い。
今年に入っても、大統領選に立候補し、不正投票をめぐって対立したガニ元財務相とアブドラ元外相の政争が続いた。不安定な政治や国際部隊の完全撤退でタリバンが勢力を拡大し、アフガンが“イラク化”する懸念から、資金流出や投資減少が加速した。
世界銀行が発表した昨年の経済指標をみると、新規会社登録数は約3100件と前年比で38%減となった。国際支援を除く歳入は約19億ドル(約2千億円)で、統計がある2003年以降で初めて減少に転じた。実質経済成長率は3・6%の見通しで、前年の14・4%から大きく落ち込んだ。タリバン政権崩壊後、国際支援を受けて右肩上がりだった経済は、成長が頭打ちになっている。
バデルさんは昨年9月に会社をたたんだ。小さな連絡事務所を開いて市場の復活を待つ毎日を送る。
■支援つなぎとめ
今月21日、ガニ、アブドラ両氏が数カ月に及ぶ政争を経て挙国一致政権を作る文書に署名し、ガニ新大統領の就任が決まった。選挙管理委員会は26日、ガニ氏の得票率を55・27%だったと公表した。
ガニ氏は安全保障協定の署名を明言しており、世銀は15年に実質経済成長率を4・9%に戻すことは可能だとしている。バデルさんは「ISAFが撤収しても、外国の支援は続くから景気は回復する」と話す。
不動産業を営むモハマド・ミール・ハムラーズさん(45)によると、カブールの賃貸物件の相場は4年前に比べ4割以下に下落した。
首都カブールは国際支援で道路整備などが進み、ここ数年で見違えるほど風景が変わった。しかし、ハムラーズさんの事務所の隣の飲食店は、所有者が税金を納められず、1週間前に税務当局に閉鎖させられたという。ホテルや高級飲食店の入り口はテロ防止の金属製の二重扉などで守られ、タリバンの脅威と背中合わせの状況には変わりない。
ハムラーズさんは「カルザイ大統領は自分のことしか考えなかった。指導者しだいで以前の内戦状態に戻ることもありうる。国際社会の支援をつなぎとめることが必要だ」と訴えた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140926/asi14092608470001-n1.htm
「権力は折半で」アブドラ氏の地盤が要求 アフガンの挙国一致先行き不安
2014.9.26 08:47 (1/2ページ)
【パンジシール州(アフガニスタン北部)=岩田智雄】アフガニスタン大統領選を受け、当選したガニ元財務相が大統領、次点のアブドラ元外相が首相格の行政長官になる挙国一致政権の発足が決まったことについて、アブドラ氏の支持基盤である少数派民族タジク人の住む北部パンジシール州では、アブドラ氏にも実権を半分渡すよう求める声が上がっている。両陣営は選挙戦で鋭く対立した経緯があり、政権の先行きは早くも不安視されつつある。
首都カブールから車で北へ約3時間。パンジシール渓谷を擁するパンジシール州では、8人が立候補した大統領選の初回投票で、タジク人を母に持つアブドラ氏が87%の票を獲得した。
アブドラ氏を支持するマウラナ・アブドゥルラフマン・カビリー州知事は、選挙結果について、「大統領はガニ氏となったが、選挙管理委員会は勝敗に言及しなかった。冷え込んだ経済を再生させるには、国際社会が歓迎する挙国一致政権を受け入れるしかないが、折半の権力分掌でなければならない」と述べた。
ただ、「政権は多くの問題を抱えると思う。双方が平等の立場で協力してほしい」とガニ氏主導の政治に警戒感をあらわにした。挙国一致政権では、両陣営に均等の閣僚配分が実施できるかどうかが焦点となる。
タジク人は、旧ソ連軍やイスラム原理主義勢力タリバンとの戦いで、アフマド・シャー・マスード司令官らを中心に、パンジシール渓谷を拠点にして戦った。マスード氏は13年前に暗殺され、英雄視されている。州内ではアブドラ氏の呼びかけで基金が設立され、マスード氏の墓を中心とする文化観光施設が建設中だ。
選挙では、不正をめぐる対立で、一時は両陣営の衝突が懸念された。マスード氏の元無線交換手で基金の現地事務所所長、ルーフラー・ユーセフィ氏(38)は、「挙国一致政権は、指導者のアブドラ氏が認めたのだから受け入れる。もう戦いの時代には戻りたくない」と話した。
アブドラ氏は25日、カブール市内で演説し、「ガニ氏を大統領として祝福する」「私たちはチームとしてやっていく」と強調した。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/140929/mds14092909080003-n1.htm
リビアで新政権発足 対立打開が急務
2014.9.29 09:08
リビアからの報道によると、暫定首相を務めてきたサニ氏を首相とする内閣の就任式が28日、北東部トブルクの暫定議会の会場で行われ、新内閣が発足した。首都トリポリを掌握した旧制憲議会派との対立が続いたままで、事態打開が急務となる。
リビアは、6月の選挙でリベラル勢力が勝利して誕生した暫定議会と、イスラム主義勢力が主導する旧議会の支持者に分裂。国際社会が支持する暫定議会は劣勢に追い込まれ、内戦の再来が懸念されている。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20140930k0000m030054000c.html
アフガン:ガニ氏、大統領就任 「挙国一致政府」発足
毎日新聞 2014年09月29日 20時25分(最終更新 09月29日 20時55分)
【ニューデリー金子淳】アフガニスタン大統領の就任式が29日、首都カブールの大統領府で開かれ、今年6月の大統領選決選投票に勝利したアシュラフ・ガニ元財務相(65)が就任した。ガニ氏は決選で敗れたアブドラ・アブドラ元外相(54)を首相職に相当する新設の「行政長官」に任命し、「挙国一致政府」が発足した。2001年12月以降、国政のトップにいた初代大統領のカルザイ氏は任期満了で退任した。同年10月のアフガン戦争開戦以来、選挙による政権交代は初めて。
大統領の任期は5年。今年末までに米軍など駐留外国軍が任務を終了させるが、旧支配勢力タリバンが各地で攻勢を強めている。汚職対策や米国との関係修復など課題が山積している。就任演説でガニ氏は「挙国一致政府は権力の分割ではなく、責任の共有だ」と述べ、アブドラ氏も「我々は一つのチームだ」と強調した。決選の開票結果を巡って対立した両氏がどこまで協力できるかは未知数だ。
ガニ氏は最大民族パシュトゥン人なのに対し、アブドラ氏は2番目に多いタジク人が支持基盤。「挙国一致」体制は米政府が仲介し、民族間衝突を避ける苦肉の策だ。カルザイ氏は「今後、(両氏に)協力する用意がある」と述べ、退任後の影響力保持を示唆した。
カルザイ政権下では、汚職がまん延したほか、タリバンの資金源となるケシの栽培が拡大した。さらにカルザイ氏は09年の再選後に反米姿勢を強め、後ろ盾だったはずの米国との関係も悪化させた。
ガニ大統領は、カルザイ氏が署名を拒否した米国との安全保障協定に30日にも署名する見通し。来年以降もアフガン軍の訓練目的で一部の米軍が駐留を継続できることになる。だが、タリバンは今夏、各地で数百人規模による攻撃を仕掛けるなど勢いづいており、治安回復に不可欠な和平交渉の見通しも立たない。政治経験に乏しいガニ氏は指導力不足が指摘される一方、旧「北部同盟」指導者としてタリバンと激しく戦ったアブドラ氏は対タリバンで強硬路線を取る可能性もある。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014092900685
幹線道路3本を遮断=民主派の占拠続く−香港
29日、香港島・銅鑼湾の幹線道路に座り込む民主派デモ隊。香港行政長官の選挙制度民主化を要求するデモ隊は同日も香港島中心部にある政府本部付近などの道路占拠を続け、幹線道路3本が1日中遮断される異常事態になった。
【香港時事】香港行政長官の選挙制度民主化を要求する民主派のデモ隊は29日も香港島中心部にある政府本部付近などの幹線道路占拠を続けた。香港島と九竜地区の幹線道路3本が1日中遮断される異常事態になった。
政府報道官は29日午前、出動した警官隊は既に撤収したと声明を出し、デモ隊に解散を促した。しかし、デモ隊は声明を無視、政府本部のある金鐘で数千人、繁華街の銅鑼湾(香港島)と旺角(九竜)ではそれぞれ約1000人が座り込みを続けた。香港島で2本、九竜で1本の幹線道路が遮断された。
このため、200以上の路線バスが運行を停止するか、ルートを変更。金鐘などで銀行23行の営業拠点44カ所が休業した。29日の香港株価は2%近く下落した。
政府ナンバー3の曽俊華財政官(閣僚)は「株式市場、外為市場、金融システムは全体として正常に運営され、秩序を保っている」と強調した。香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)も「市場では十分な資金が確保されている」と声明を発表した。
29日、香港島中心部の政府本部付近の道路を埋める民主派のデモ隊(AFP=時事)
ただ、香港政府は29日、道路交通の混乱を理由に中国国慶節(建国記念日、10月1日)の花火大会を中止すると発表した。政治的混乱により、政府主催の大型行事が取りやめになるのは異例。
一方、警官隊がデモ規制で催涙弾を多用したことに批判が高まっている。弁護士協会は29日、声明を出し「過剰で不要な実力行使だ」と非難した。梁振英行政長官の側近として知られる行政会議(長官の諮問機関)メンバーの羅范椒芬氏はラジオ番組で催涙弾使用の是非について論評を避けながらも「警察は行政会議に対し(催涙弾を使った理由を)説明しなければならない」と不快感を示した。(2014/09/29-19:26)
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014092900589
ガニ新大統領が就任=平和・汚職撲滅が課題−「権力二重構造」の懸念も・アフガン
29日、カブールで就任宣誓を行うガニ新アフガニスタン大統領(中央)ら(AFP=時事)
【ニューデリー時事】アフガニスタンで29日、アシュラフ・ガニ元財務相(65)が新大統領に就任した。今年末に駐アフガン国際部隊の任務完了を迎える中、タリバン政権崩壊から13年続くテロとの戦いを終わらせる方策を探りつつ、疲弊した経済を再建し、国家の自立に道筋をつける難題に取り組む。任期は5年。
ガニ氏は米国滞在歴が長く、国連事務総長の候補にも名前が挙がった国際派。一方、「米国寄りの人物」というイメージは払拭(ふっしょく)できず、米国を敵視する反政府勢力タリバンとの和平交渉では難しい立場に立たされる。
ガニ氏は就任宣誓後「われわれは未来に希望を持つべきだ。社会正義は平和の礎であり、政治は平和をもたらすためにある」と演説。反政府勢力タリバンに対し、和平対話に応じ、政治プロセスに参加するよう呼び掛ける一方、行政改革と腐敗撲滅を新政府の優先課題に挙げた。
大統領選の不正問題で失った国民の信頼を取り戻すことも重要だ。決選投票では選挙管理委員会による再調査の結果、全約800万票のうち数十万票が不正と判断された。しかし、両候補の得票率や正確な不正票数は公表されていない。国民の間では「国民の意思とは関係なく、政治的決着が図られた」と不満が強い。
ガニ氏の対抗馬だったアブドラ元外相は、新設された「行政長官」に就き、大統領と事実上権力を二分する。地元メディアによると、ガニ氏が内務、財務両省などを管轄する一方、アブドラ氏は外務、国防省の人事権限を持つとみられる。このため、今後の政策決定や人事において「権力の二重構造」に陥る可能性を懸念する声もある。(2014/09/29-19:18)
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http://www.sankei.com/world/news/140930/wor1409300035-n1.html
「対イスラム国」姿勢転換? 対策に及び腰だったトルコ 議会に軍事行動承認求める提案
【カイロ=大内清】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」対策に及び腰だったトルコが、米国が主導する有志連合との共闘に積極姿勢を見せ始めている。同国のダウトオール内閣は30日、イラク、シリア両国での軍事行動の承認を求める提案を議会に行うほか、9月29日にはシリア国境沿いに戦車や砲兵部隊を配備。「対テロ戦」参加を求める国際圧力の高まりを受けての動きとみられる。
トルコは、イスラム国が勢力を急拡大した6月以降、自国の外交官ら49人がイスラム国に拘束されていたことを理由に、イスラム国との対立は避ける姿勢をとってきた。外交官らは9月20日に解放されたが、その際には交換条件としてシリア反体制派に拘束されているイスラム国戦闘員を解放させたとも報じられ、米国などではトルコへのいらだちが強まっていた。
トルコの積極的役割を求める声が高まる中、同国のエルドアン大統領は28日、「(テロとの戦いの)外にいることはできない」と姿勢を転換させる考えを示唆。週内にも始まる議会審議でイラク、シリアでの軍事行動が承認されれば、イスラム国包囲網の実効性が高まることが期待される。
ただエルドアン氏は、軍事作戦への参加にはシリア上空での飛行禁止区域の設定や、シリア北部を緩衝地帯にすることが不可欠だとしている。これらは軍事作戦の大規模化にもつながるだけに国際社会の一致した賛同を得るのは難しく、トルコとの足並みがそろうかはなお不透明だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014100302000127.html
行き場失うシリア難民 「イスラム国」進攻 トルコへ急増
2014年10月3日 朝刊
1日、イスタンブールのタクシム広場で、施しを受けるザイナさん(右)とシェキーラさん姉妹=中村禎一郎撮影
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【イスタンブール=中村禎一郎】シリア内戦でトルコに避難し、物乞いをして生活する難民が、最大都市イスタンブールの中心部にあるタクシム広場にあふれている。学校にも通えない子どもも少なくなく、裕福そうなトルコ人や外国人観光客に「助けてください」と声をかけ続けている。
ザイナさん(13)とシェキーラさん(6つ)の姉妹の家族十一人はシリア北部の激戦地アレッポから逃げてきた。密入国を手引きするブローカーの車でイスタンブールにたどり着いたという。家賃を支払うために毎日、タクシム広場周辺を歩き回る。ザイナさんは「家賃を払わなければ、追い出されてしまうの。赤ん坊もいるからミルク代も必要」と話す。
借りている部屋のシャワーからは水しか出ない。洗濯のために服を着替えるのは週に二回だけだ。この生活をもう、四カ月続けている。ザイナさんは「学校に通うことが私たちの夢」と言う。夢が実現する日は、まだ来そうにない。
ムハンマド君(14)は通行人にしつこく付きまといすぎて、よく怒鳴られたり、たたかれたりする。アレッポを離れたのは一年以上前のこと。タクシム広場での一日の稼ぎは一日五リラ(約二百四十円)〜二十五リラ(約千二百円)ほどという。「快適な家と食べ物を手に入れたい。今はそれだけ」
シリアではアサド政権とイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」を含む反体制派が内戦を繰り広げている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は八月末、シリアから国外への難民が三百万人を超えたと発表している。
周辺国の受け入れの能力は限界に近く、トルコへのシリア難民は八十一万五千人とされている。これに加え、「イスラム国」が現在、トルコ国境近くのシリア北部に進攻していることで、難民はさらに急増している。
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http://www.sankei.com/world/news/141004/wor1410040006-n1.html
2014.10.4 01:09
トルコ飛び地、一触即発 シリア派兵の引き金にも
シリア北部にあるトルコ領の飛び地の周辺に、過激派「イスラム国」が急速に迫り、トルコ軍のシリア派兵の「引き金」になりかねない一触即発の状態が続いている。強硬姿勢のトルコ政府だが、自制を求める意見も出ている。
飛び地は、オスマン帝国建国者の祖父、スレイマン・シャーの廟で、トルコ国境から約35キロのユーフラテス川沿いに位置する。1921年にシリアの旧宗主国フランスと結んだ条約で、トルコ領と定められた。
「廟を守ることは政府の責務だ。任務遂行のためにためらうことはない」。ユルマズ国防相は2日、軍のイラク、シリアでの越境作戦への国会承認を求めた審議の中で、あらためて強調した。
イスラム国は9月中旬から、廟の北方に位置するクルド人の町アインアルアラブ進撃を本格化した。廟の周辺を制圧下に置いたもようで、トルコ軍が警戒を強めている。(共同)
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http://www.sankei.com/world/news/141007/wor1410070051-n1.html
2014.10.7 22:09
シリアに不法入国計画か 「イスラム国」参加へ渡航企ての北大生 警視庁、直前に出国阻止
秋葉原の古書店内に張られていたシリアへの渡航を求める求人広告。北大生の男はこの求人広告を見てイスラム国への参加を企てたとみられている=4月、東京都千代田区外神田(ツイッターから)
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の戦闘員に加わるために北海道大学の男子学生(26)が渡航を企てた事件で、北大生がシリアの周辺国を経由して陸路で不法入国を計画していたとみられることが7日、捜査関係者への取材で分かった。北大生は同日、トルコに出国する予定だったが、警視庁公安部が6日、私戦予備・陰謀容疑で強制捜査に乗り出し出国を阻止した。
イスラム国の勢力拡大を支えているとされる外国人戦闘員らは周辺国を経て陸路でシリアに不法入国するケースが主流といい、公安部は現地の事情に通じた人物が計画を支援した疑いがあるとみている。
捜査関係者によると、北大生はシリアの隣国のトルコへの航空券を準備。公安部が捜査に着手した翌日の7日に成田空港から出国する予定だった。両国の国境地域では、戦闘員希望者を不法入国させ、イスラム国に手引きする動きがあるという。北大生の渡航をめぐっては、イスラム世界に詳しい元大学教授の男性が手引きしていたとみられることも新たに判明。公安部は7日、同容疑で、元教授の自宅など東京都内の関係先を家宅捜索した。
北大生は、東京都千代田区の古書店に張り出された「求人 勤務地シリア」などと記載された広告を見て書店関係者を通じ元教授と接触。張り紙には、シリア渡航のほか、中国国内への渡航を呼びかけるような趣旨の記載があり公安部は今後、詳しく調べる方針。
北大生は、今年8月にも航空券を準備し、ジャーナリストの男性ら数人とシリアへ渡航する計画を立てたが、直前に中止していた。元教授は過去にイスラム国の支配地域を訪れたことがあり、渡航計画を手助けした可能性がある。
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http://mainichi.jp/select/news/20141008k0000m030052000c.html
空爆2週間:続くイスラム国の攻勢 統治これまで通り
毎日新聞 2014年10月07日 20時02分(最終更新 10月07日 21時32分)
【カイロ秋山信一】米国と中東5カ国がシリアでイスラム過激派組織「イスラム国」への空爆を始めてから7日で2週間となる。イスラム国の勢いは衰えず、北部アレッポ郊外で攻勢を強めている。実効支配地域の住民によると、空爆で簡易製油施設が破壊されたため、燃料価格が上昇したが、従前通りの統治が続いているという。空爆回避の対策も強化しており、イラクでも新たに西部アンバル県の町を制圧するなど勢力に陰りは見えない。
ロイター通信によると、イスラム国は6日、米軍空爆前から攻撃を続けていたトルコ国境近くのシリア北部の要衝アイン・アル・アラブに侵攻し、クルド人民兵組織との市街戦に突入した。米軍などは付近のイスラム国の拠点を再三空爆したが、イスラム国の攻勢は続いている。
米軍は油田収入を断つため簡易製油施設も空爆の標的にしている。シリア北東部ハサカでは、ガソリン価格が空爆前から50%上昇したという。またラッカ郊外では水道が停止するなどインフラにも影響が出ている模様だ。
イスラム国はイラクでも今月上旬、アンバル県ヒートとクバイサを相次いで制圧。政府軍との攻防が続く首都バグダッド西方の要衝ラマディへの圧力を強めている。
イスラム国の実効支配地域で暮らす住民によると、空爆による大きな混乱は起きていない。3日に公開された英国人人道支援活動家の処刑映像では、戦闘員とみられる男がオバマ米大統領に向けて「お前はシリアでも空爆を始め、我々の人民を殺害している。我々もお前たちの国民の首を切るだけだ」と挑発。別の米国人を処刑すると警告し、空爆への反発を強めている。
イスラム国は空爆の影響を最小限にする対策も強化。空爆が多い夜間に地域本部や司令部から要員を退避させ、昼間でも、こうした拠点を守る戦闘員や治安要員を減らし、兵力や武器を分散させている模様だ。また、米軍が8月にイラクでの空爆を始めた後、イスラム国関係者によるツイッターやフェイスブックによる情報発信が減少。英BBCによると、戦闘員に対して戦闘や移動時の写真撮影を禁止し、携帯電話の利用を控えるよう命じている。位置情報を隠し、空爆を回避するのが狙いだとみられる。
また無関係の建物にイスラム国の旗を掲げ、誤爆を誘発しているとの情報もある。市民や建物の巻き添えが増えれば、反米感情が高まり、イスラム国への支持が増すことを狙っている可能性もある。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014100702000115.html
クルド難民、先見えぬ避難生活 トルコ政府の援助届かず?
2014年10月7日 朝刊
トルコ南部スルチで4日、シリア北部から逃げてきたザイムさん。傍らでは息子が眠っている=中村禎一郎撮影
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【ガジアンテプ(トルコ南部)=中村禎一郎】トルコ南部のスルチに、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」によるシリア北部への進攻から逃げてきたクルド人があふれている。旅券(パスポート)も所持していない密入国の難民たちは、トルコ政府が設けた難民キャンプには入れない。衛生的とは言えないトルコのクルド人組織の避難所で寝泊まりする。
サーレ君(7つ)はクルド人が多く住むシリア北部の村に住んでいた。「首を切る人たちが村に来たから、二十日ほど前に家族で逃げてきたんだ」。途中で靴をなくしてしまい、今はクルド人組織が用意した結婚式用のホールで、はだしで避難生活を送る。眠るのはコンクリートの床の上。トイレには汚物があふれ、とても衛生的とは言えない。
ザイムさん(65)もシリア北部の村からトルコに避難してきた。逃げる途中、妻(40)は「イスラム国」の砲撃を受けて死んだ。ザイムさんは「金がない。ここからどこにも行けない」と嘆く。ザイムさんの傍らには三歳になったばかりの息子が寝ていた。「私はもう高齢。妻がいなくなり、息子とこれからどう暮らしていったら良いのか分からない」。戦禍は貧しい人々に最も重くのしかかる。
スルチにある避難所の運営責任者アイシャさん(37)は、「BDP」が避難所を運営していると説明。BDPはトルコで独立国家樹立を目指す非合法組織「クルド労働者党(PKK)」がボランティア活動などの際に使う名称だ。
PKKは非合法組織のため、トルコ政府が関係する援助物資は避難所に届いていないとみられている。アイシャさんは「世界中から援助が届いている」と説明するが、今後、難民の生活状況が悪化する恐れがある。
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http://www.sankei.com/world/news/141009/wor1410090036-n1.html
イスラム教スンニ派過激派「イスラム国」は9日までに、トルコとの国境に近い少数民族クルド人の町シリア北部アインアルアラブ(クルド名コバニ)の3分の1以上を制圧した。シリア人権監視団(英国)の情報としてロイター通信が同日報じた。
町周辺でのイスラム国を標的とする米軍主導の空爆が続いているが、イスラム国は砲撃などにより、クルド人民兵と激しく衝突。町が陥落すれば、イスラム国がシリア北部の要衝を押さえるとともに、近接するトルコにとっては直接の脅威となる恐れがある。
人権監視団によると、イスラム国は町の東部一帯のほか、北西部の一部などを掌握した。
イスラム国は8日、米軍主導の空爆を受け、町から部分的に撤退したが、再び攻勢に出たもようだ。町の東、南、西の三方から攻めるイスラム国と、防衛を図るクルド人民兵との間で市街戦になっているとみられる。(共同)
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http://www.sankei.com/world/news/141009/wor1410090047-n1.html
2014.10.9 21:13
パレスチナ統一政府首相がガザ訪問 初の閣議
パレスチナ暫定統一政府のハムダラ首相らは9日、初の閣議を開くため自治区ガザを訪問した。AP通信などが報じた。
パレスチナは2007年以降、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するガザと、自治政府のアッバス議長が統治するヨルダン川西岸に事実上分裂していたが、ことし6月に暫定統一政府が発足した。
首相らのガザ訪問には、暫定統一政府によるガザの統治を国際社会にアピールし、今夏のイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘で破壊されたガザ復興への支援確保につなげる狙いがあるとみられる。
復興支援を話し合う国際会議が12日にカイロで開催される予定。ガザ再建には国際社会の支援が不可欠だが、ハマスがイスラエルを攻撃するために支援物資を流用することを懸念する声がある。(共同)
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なかなか面白い。野蛮なテロと決めつけて思考停止するのは良くないねー。
北大生支援の元教授インタビュー
公安の事情聴取を受けた
中田考氏が語る「イスラム国」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4290
2014年10月09日(Thu) Wedge編集部
「イスラム国」に戦闘員として渡航計画を企てていたとして、10月6日に北海道大学の男子学生が警視庁公安部から事情聴取を受け、東京都杉並区の宿泊先などの家宅捜索を受けた。小誌は、この学生の渡航支援を行ったとして、同じく事情聴取と家宅捜索を受けた中田考氏に9月24日の段階で接触していた。9月に現地を訪れたばかりの中田氏が語る「イスラム国」とは――。
Wedge編集部(以下、――)なぜ「イスラム国」へ行ったのか。
中田 考(なかた・こう)氏
カリフメディアミクス代表取締役社長、同志社大学高等研究教育機構客員教授、イスラム学者(c)Takashi Suga
中田考氏(以下、中田)9月上旬に「イスラム国」に招かれ、シリア国内の彼らが支配する地域へ行ってきた。「(編集部注:8月にシリアでイスラム国に拘束されたとみられる)湯川遥菜氏の裁判をしたい。公正に裁きたいと思うのだが、英語も通じず、話にならないので、通訳にきてくれ」という幹部の依頼を受けてのものだ。アラビア語と日本語の通訳ができ、かつイスラム学の知識がある人間として私に白羽の矢が立った。この時点でほとんど人は限られる。結局、折悪しく空爆が激しくなり、幹部たちが散り散りに身を隠してしまったため、湯川さんとは会えず、虚しく帰ってきた。
――渡航費は出してもらったのか。
中田 全額自分で支払った。大変だった。
――危険な目には遭わなかったのか。
中田 私は招かれて行っている立場なので、捕まることはない。
――印象に残ったことは。
中田 彼らは金銭的な余裕がなく武装面では非常に弱い組織、という印象を受けた。中東各国の富裕層などが彼らを資金面で支えている、という報道もあるが、基本的には彼らは自分たちのお金で組織を回しており、貧しい。「政府軍を追いやるぐらいなので、お金があり強いはずだ」という意見もあるが、政府軍が極端に弱いだけの話。弱い組織ともっと弱い組織の戦い。現地にいってそれを目の当たりにしてきた。そもそも停電が常態で電気もろくに通じていないような世界。
――であればアメリカが地上軍を投入すれば簡単に倒せるのか。
中田 それは無理だ。アメリカ軍は強いイメージがあるが、本当に弱い。その理由の1つとして法の縛りが挙げられる。彼らは随分ひどいことをしているが、それでもシリアのアサドやイラクのフセインの軍隊に比べれば、一応軍規がある。軍規があるとやはり弱い。
――実際の戦闘を目にしたか。
中田 「今からシリア政府が管轄する軍用空港を攻撃しに行くから来い」と言われてついて行った。上から明確な命令があったわけではなく、「ちょっと行くか」という感じだった。指揮命令系統はしっかりしていない。彼らは死ぬことをまったく恐れていない。喜んで死ぬ。一方の政府軍は死を嫌がって逃げる。だから弱い。
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――「イスラム国」へはどんな人が集まっているのか。
中田 世界各地から「イスラム国」へ集まっている人の多くは中東出身者のイスラム教徒。稀に白人を見掛けたが。
――彼らが「イスラム国」の活動に参加する理由は。
中田 実際に話したわけではないが、普通にイスラム圏でイスラムの世界なので、「イスラム国」にいたほうが気持ちよいのだと思う。そこへ集まる人たちはムスリムなので。
――給料は出ているのか。
中田 月50ドル出ている。もちろんムジャヒディン(ジハードを行う人)になると、たとえばガソリンをいくらもらえるとかあるらしいが。現地で50ドル札を見せてもらったが「大変なんだよ、これを一枚もらうのが」と話していた。
――現地に日本人はいたか。
中田 いなかった。これから増えると思うが。
――なぜ。
中田 増えるに違いない。日本にいて何かいいことがあるだろうか。毎年3万人も死んでいくような国。自殺するよりまし。「イスラム国」へ行けば、本当に貧しいが食べてはいける。
――「イスラム国」指導者のバグダディ氏がカリフ(預言者ムハンマドの後継者の意で、イスラム国家最高権威者の称)を名乗った。
中田 彼らは建国宣言で、「イスラム国は『イスラムのカリフ制』であり、アブー・バクル・バグダディ氏は全ムスリムのカリフである」と宣言した。ただ、カリフについては「恐るおそる言ってみた」という感じであった。やはりあれは「イスラム国」であり、カリフではないと言ってもいい。
――彼ら自身もカリフであるということを強く主張はしていないということか。
中田 大して強く主張していない。一応カリフと言ってみたというところ。イスラム法上の正当性があったとしても、認められるかどうかは別なので。彼らは「多分これは認められないだろうな」と思っている。ただし、私は一応カリフの依頼を受けたということで、今回の渡航費も全額自分で支払った。空爆の関係で現地到着後、3日間放置されて、やっと伝令が来るという状況だった。携帯電話を使うとGPSで把握されて爆撃されるので、伝令が来るのだが、「今から(湯川氏のところへ)連れていくけど、1週間いてくれ」と言われた。事前に帰国する日が決まっており、「カリフ制を名乗っているなら約束を守れ!」と言って断って帰ってきた。本当にカリフだったらカリフにそんなことは言えない。「1週間いろ」と言われたら、1週間いないといけない。
――カリフはどう決めたのか。
中田 彼ら自身が決めた。ボードメンバーが「よし、そろそろカリフ制にしよう」と言ってカリフ制にした。それはそれで合法性はあるが、合法性があることと、他の人間が認めることは別の話。じゃあそれだけしかないのかといったらそうとも言い切れない。他にいない、というのは非常に強く、基本的にはバクダディ氏がカリフであろうという話。
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>>462-464
――彼らは何がしたいのか。
中田 非常に大雑把にいうと、「コーランの教えをしっかり守る国をつくる」ということ。礼拝を行い、酒は飲まず、泥棒など法に背く行いをした人間には罰を与えると。そのため、コーランの教えに公然と反対し背教したイスラム教徒には非常に厳しい対応をし、見せしめのために公開処刑も行う。ちなみに公開処刑を行っているのは「イスラム国」だけではない。シリアは首切りでなく、首吊りを公開で行っている。基本的には見せることによって、刑罰に対する恐怖心を掻き立てて犯罪を防止するということ。これに効果があるかというのは学説で分かれるところだが。先日現地へ行ったときも、アサド側のスパイが見付かったらしく、司令官が銃殺をしたが、市民から「なぜちゃんと首を切らないのだ」という抗議を受けて、結局司令官が謝罪させられたという一幕があった。
――スパイは多いのか。
中田 イラクもシリアもスパイ国家のため、「イスラム国」には多くのスパイが入り込んでいる。殺害されたジャーナリストの一部はどうも本当にスパイだったようだ。イスラム法では成人男子の戦闘員の捕虜の処刑は合法なので、ある意味では殺されて当然ともいえる。ただ、私は個人的にはジャーナリストを殺害するのは反対だ。彼らには国に戻って「イスラム国」の実態を伝えさせるべきだと考えるからだ。
――支配地域で暮らす一般の民衆は、彼らを支持しているのか。
中田 一般の民衆は何を考えているかというと、日本と同じように、政治やイデオロギーに興味をもっている人は非常に少ない。99%の人は何の興味もない。たとえばアサドが戻ってくるなら「アサド万歳」と言うはず。
――なぜこのタイミングでこうしたことが起こったのか。
中田 非常に簡単に言ってしまえば、世界がおかしいから。イスラムの世界もおかしいし、世界全体がおかしい。イラクとシリアはイスラムの世界においても、世界レベルでみても、ほぼ最悪の残虐な政権。イラクは単に野蛮で、シリアはもっと計算された冷酷な野蛮さ。人を殺すことも、嘘をつくことも平気な人たち。そういうところを倒すには、それに対抗できるような、ある意味での強さみたいなものがなければならない。
――今後の展開は。
中田 ともかくアメリカが空爆を始めてしまったので、さっき言った99%のあまり意識のない民衆がかわいそう。意識のある人間は死んでも平気なのでよいが、一般の民衆がかわいそう。アメリカが彼らを根絶やしにすることは非常に困難であるし、「イスラム国」の活動には、今後日本人を含めて多くの人が参加するものと考えている。彼らの勢いはまだまだ衰えることはないだろう。
(聞き手・構成/Wedge編集部)
【中田考氏 プロフィール】
1960年岡山県生まれ。灘高等学校卒業後、84年東京大学文学部イスラム学科卒業。86年同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。92年カイロ大学大学院文学部哲学科博士課程修了。在サウジアラビア日本国大使館専門調査員、山口大学教育学部助教授、同志社大学神学部教授などを歴任
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http://www.afpbb.com/articles/-/3028701
イスラム国、クルド人部隊に進撃を阻止され後退 コバニ攻防戦
2014年10月12日 08:01 発信地:MURSITPINAR/トルコ
【10月12日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」は11日未明、トルコと国境を接するシリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)中心部に向けて攻勢をかけたが、防衛に当たっているクルド人部隊に進撃を阻止されて後退した。
イスラム国側は前日の10日、アインアルアラブにあるクルド人部隊の司令部を制圧していた。非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、アインアルアラブでは11日に約1時間半にわたる激しい戦闘があり、米軍をはじめとする有志国連合は町の南と東で2度の空爆を実施した。
砂嵐のためそれ以上の空爆はなかったが、アインアルアラブ南部と、制圧された司令部の近くで激しい戦闘が繰り広げられた。シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)氏はAFPに、クルド人部隊は少人数のグループに分かれて、町を包囲しているイスラム国側を戦線のあちこちで襲撃していると語った。
シリア内戦の和平を仲介する国連(UN)のスタファン・デミストゥラ(Staffan de Mistura)特使は、アインアルアラブはトルコ国境に抜ける狭い1か所を除き「文字通り包囲されている」と指摘し、アインアルアラブ防衛のため、義勇兵と装備が送り届けられるようにしてほしいとトルコ政府に要請した。(c)AFP/Burak Akinci with Mohamad Ali Harissi in Beirut
http://www.afpbb.com/articles/-/3028750
イスラム国からのコバニ防衛、率いるのはクルド人女性
2014年10月13日 11:55 発信地:ベイルート/レバノン
【10月13日 AFP】シリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)への攻撃を続けるイスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」と戦うクルド人部隊は、ある女性戦闘員によって率いられている──。非政府組織(NGO)・シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)と現地の活動家らが12日、AFPに明らかにした。
同監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表によると「ナリン・アフリン(Narin Afrin)」のコードネームで知られる女性戦闘員マイッサ・アブド(Mayssa Abdo)氏(40)が、男性戦闘員のマハムード・バルホーダン(Mahmud Barkhodan)氏と共に、クルド人民防衛部隊(Kurdish People's Protection Units、YPG)を率いているという。
左派寄り世俗主義のYPGは、イスラム国が先月16日にトルコと国境を接するコバニへの攻勢を始めて以来、コバニ防衛の戦いを続けている。シリア北部および北東部のクルド人自治区における事実上の軍隊組織である同部隊は、反体制派の民主連合党(PYD)の軍事部門でもある。
クルド兵士にはコードネームを使用する慣習があり、マイッサ氏の「ナリン・アフリン」は、コバニと同じくアレッポ(Aleppo)県内にある自身の誕生地アフリン(Afrin)からとったもの。
コバニのクルド人活動家、ムステファ・エブディ(Mustefa Ebdi)氏はマイッサ氏について「彼女を知る人は、教養があり聡明で冷静な女性だと言っている」と話す。「兵士たちの精神状態に気をかけ、彼らが抱える問題にも気を配っている」
クルドでは女性部隊が戦闘に参加する伝統があり、隣国のトルコやイラクのクルド人部隊でも女性が大きな役割を担っている。(c)AFP
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141014-00000074-jij-m_est
少数派の女性を戦利品に=イスラム国「奴隷復活」宣言
時事通信 10月14日(火)14時30分配信
【バグダッドAFP=時事】イラクとシリアで勢力を拡大する過激組織「イスラム国」は12日発行のプロパガンダ誌の中で、イラクで拘束したクルド人少数派ヤジディ教徒の女性や子供を「戦利品」として、戦闘員に分け与えていると明らかにした。
イスラム国側がヤジディ教徒を「奴隷」として扱っていることを明確に認めたのは初めて。
イラク北部シンジャル山周辺では8月、イスラム国に追われたヤジディ教徒が孤立。米軍がイラクでの空爆に踏み切る理由の一つとなった。現在も数百人の女性や子供の行方が分かっていない。
プロパガンダ誌は「奴隷復活」と題した記事で、「捕らえたヤジディの女や子供は、シャリア(イスラム法)に基づいて、シンジャルの作戦に参加した戦闘員に分け与えた」と強調。キリスト教徒やユダヤ教徒には「税金」支払いや改宗という選択肢も与えるが、多神教のヤジディ教徒には適用されないと明言した。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141014-35055129-cnn-int
ISIS、イラク首都の空港に迫る シリアでも攻勢
CNN.co.jp 10月14日(火)19時41分配信
(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」はイラク中西部アンバル州でさらに攻勢を強め、イラク首都バグダッドの空港からわずか25キロの地点まで迫った。
米軍のデンプシー統合参謀本部議長が、米ABCテレビとのインタビューで語った。米軍はISISの進撃を阻止するためにヘリコプターを導入し、低空からの攻撃を実施したという。
ISISはすでに同州の約8割を占拠している。州全体が掌握されれば、ISISの支配はシリア北部の本拠ラッカからバグダッドの入り口まで及ぶことになる。
アンバル州治安部隊の情報筋が13日、CNNに語ったところによると、州内でイラク軍の支配下に残っていた数少ない拠点のうち、戦略的に重要な州西部ヒートの基地で激しい戦闘があり、軍部隊が逃走した。
また当局によると、州警察トップが12日までに、車列を狙った爆弾攻撃で死亡した。
前線のイラク軍兵士と部族民兵らは訓練や装備の不足を訴え、米軍が地上部隊を派遣しなければ武器を捨てる構えとされるが、米軍は派遣の可能性を否定している。
ISISはシリアでも、トルコ国境に面したクルド人地域の要衝、アインアルアラブ(クルド名コバニ)の掌握を進めている。国境地帯のCNN取材班によると、13日はこれまでで最も激しい戦闘が展開され、銃声や爆発音が響いた。国境の検問所3カ所がすべてISISに占拠される事態が懸念されている。
一方、ISISに拘束されている英国人ジャーナリスト、ジョン・キャントリー氏の家族は、ISISが自ら設けていた通信ルートを絶ち、直接連絡が取れなくなっているとして、ルートの再開を求める声明を出した。
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http://www.cnn.co.jp/world/35053738.html?ref=yj
「イスラム国」「ISIS」「ISIL」 その違いは?
2014.09.12 Fri posted at 14:58 JST
(CNN) オバマ米大統領は10日、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(ISIS)」に対して空爆を行う方針を明らかにした。
この組織はもともと、2004年に故アブムサブ・ザルカウィ容疑者がイラクで立ち上げた国際テロ組織アルカイダの分派だった。
ザルカウィ容疑者は06年6月、米軍の攻撃で死亡。後継者となったアブアイユーブ・マスリ指導者はその数カ月後、「イラクのイスラム国(ISI)」の創設を発表する。
ISIは13年4月、シリアのアルカイダ系武装組織である「ヌスラ戦線」を統合した。ヌスラ戦線の指導者アブバクル・バグダディ容疑者は、組織は今後「イラクとレバント(またはシャム)のイスラム国」と呼ばれるようになるだろうと発言。これが現在の、同組織の呼称を巡る混乱のもとになっている。
ISIL
オバマ米大統領や国連、一部の報道機関がこの組織を指すのに使っているのが「ISIL」だ。アラビア語名を訳した「イラクとレバントのイスラム国(英語:Islamic State in Iraq and the Levant)」の頭文字をつなげたものだ。
CNNのエリーゼ・ラボット特派員の分析では、米政府がこの呼び方を使う理由は2つある。まず、組織がイラクやシリア以外の国への拡大を視野に入れているとみられること。また、米政府はカリフ制イスラム国家を設立するという組織の計画を認めない立場を取っている。
ただし、この訳が正確かどうかには議論がある。レバント(地中海の東部沿岸地方)と訳されているのは「シャム」というアラビア語の言葉だが、コロンビア大学のラシッド・カリディ教授(シリア史)によれば、シャムはトルコからシリア、エジプト、パレスチナやヨルダン、レバノンを含むもっと広い地域を指すという。
ISIS
こちらは「イラクとシャムのイスラム国(英語:the Islamic State in Iraq and al−Sham。アラビア語:Al−Dawla Al−Islamiya fi al−Iraq wa al−Sham)」の頭文字をつなげたもの。「イシス」と読めるから英語として語呂がいいと考える人もいるし、また偶然ではあるが、古代エジプトの女神の名前とも同じだ。
CNNでは「イラク・シリア・イスラム国」の略としてISISを採用している。
アラビア語でシャムは、レバント、シリア、大シリア、場合によってはダマスカスのいずれの意味にも取れるとされる。
イスラム国
組織側は自らのことを短く「イスラム国(英語:Islamic State。アラビア語:al−Dawla al−Islamiya)」と表現することが多い。国境を越えたカリフ制国家を作りたいという彼らの意思を正確に表した言葉といえるだろう。
彼らがインターネットで公開した動画では、単に「国家(ダウラ)」と表現している。
DAIISH
欧米ではあまり知られていないが「DAIISH」という略称もある。これはアラビア語の組織名(アラビア語でal−Dawla al−Islamiya fi Iraq wa al−Sham)をアルファベットで音写した際の頭文字をつなげたもの。アラブ世界の報道機関や政治家はよく使う。
ただし、DAIISHには否定的なニュアンスがあるとカリディ教授は言う。「反対派の人々が使う呼び名だ」
組織側はこの呼称に異議を唱えているという。
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<イスラム国>ウェブ英字機関誌で人身売買認める記事
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20141015k0000e030204000c.html
毎日新聞2014年10月15日(水)11:24
【カイロ秋山信一】イスラム過激派組織「イスラム国」は、今月発刊したウェブの英字機関誌「DABIQ」最新号の中で、イラクで拘束した少数派ヤジディー教徒の女性や子供を奴隷として売買していることを認めた。女性の一部が結婚や性行為を強要されていることも事実上認め、「(イスラム国が統治の基本とする)イスラム法では合法だ」と主張した。
イスラム国は8月、イラク北西部シンジャルを攻撃し、集住していたヤジディー教徒ら数千人が行方不明となっている。イスラム国は「奴隷制復活」と題された記事で、ヤジディー教徒の女性や子供の奴隷化が容認されると主張。シンジャルで戦った戦闘員に「戦利品」として分配したことを明らかにした。
避難民の証言によると、拘束された男性の多くが処刑され、女性や子供はイラク北部モスルやシリア北部ラッカなどに連行され、奴隷として売買されている。サウジアラビアなど外国も売却先になっているという。また女性らが「奴隷市場」で10ドル(約1000円)前後で売られ、性交渉を強要されているとの報道もある。
イスラム国は7世紀のイスラム教草創期の社会を理想としており、実効支配地域では極端な慣習を住民に強制している。奴隷制の復活を含む教義の極端な解釈と強要に対して、イスラム社会からも非難の声が上がっている。
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「イスラム国」勢力衰えず=空爆2カ月も首都圧迫―イラク
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-141015X729.html
時事通信2014年10月15日(水)14:37
【カイロ時事】イスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」が、イラクで2カ月前に始まった米軍などの空爆作戦にもかかわらず、勢力の維持、拡大を続けている。首都バグダッドではイスラム国が実行したか、関与が疑われるイスラム教シーア派を標的とした自爆テロが相次ぎ、シーア派が主軸のアバディ政権は権力基盤を脅かされつつある。
現地からの報道によると、イスラム国は10月に入ってからイラク西部アンバル州でさらに攻勢を強め、ヒートなどで政府軍を相次いで撃破。15日までに州全域をほぼ完全に掌握した。
アンバル州はシリア国境からバグダッドの西側に至るイラク最大の州で、イスラム国はバグダッド方面に勢力を拡大しつつある。バグダッドやその周辺での自爆攻撃が激化し、14日には連邦議会議員を含む少なくとも25人が死亡するなど連日多くの犠牲者が出ている。
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フランス革命やプラハの春や天安門事件と同じく開明的な政府が漸進的改革を進めようとすると急進派が急浮上してきちゃうってことかねぇ。
「報道されない中東の真実」とは何か
国枝昌樹氏、「日本の読者は誘導されるがまま」
中村 陽子 :東洋経済 編集局記者 2014年10月15日
http://toyokeizai.net/articles/-/49687
くにえだ・まさき●1946年生まれ。一橋大学経済学部卒業後、外務省入省。在エジプト大使館一等書記官を振り出しに、在イラク大使館、在ヨルダン大使館の参事官、在カメ ルーン特命全権大使などを経て、2006年在シリア特命全権大使に着任。10年退官。『シリア――アサド政権の40年史』ほか著作活動を重ねる。(撮影:今井康一)
2011年3月の民衆蜂起に端を発したシリア内紛は、混迷が続く中、さらにスンニ派過激組織イスラム国への外国軍侵攻で戦火が広がっている。『報道されない中東の真実』の著者、国枝昌樹氏(元在シリア特命全権大使)は、ここに中東アラブ世界の地殻変動の予兆を見る。
──米CIAによればシリアの人口は2010年末2200万から2014年には1800万にまで減少したとか。
2010年まで4年間駐在した当時は、シリアの社会全体は非常に明るかった。父の跡を継ぎ2000年に発足した現バシャール・アサド政権は紛れもない独裁政権です。が、彼自身は、反アサドの欧米や周辺国が作り上げた悪のイメージとは違い、体制内改革を推進していました。閣僚たちには、傲慢を捨て国民とともにあれと折を見て訓示し、治安当局には国民との関係改善を進めさせていました。一部の不満分子には厳しく対処しても、一般市民への態度は先代とは劇的に変化していたんです。
そういう意味でアサド大統領はかなり努力しました。ところが2011年3月に最初の民衆蜂起が発生し、政権転覆をおそれた治安当局は再び牙をむきだした。アサド現政権の10年間の改革は水泡に帰してしまった。
一連の反体制派による内紛を、アサドは外国から押し付けられた戦争だと思っています。国内の反体制派組織は約3000で、大半はいわゆる強盗団ですが、いくつかの勢力は外国から支援を受けている。アサド政権としては、外国が資金・武器・兵站支援を止めさえすれば、1カ月で事態は収まると考えていました。
過激な原理主義勢力がイラクに戻った
──そしてイスラム国の勃興が。
ソ連のアフガニスタン侵攻で、米国から支援を受けたアルカイダなど過激な原理主義勢力がイラクに戻った。シーア派マリキ政権下でスンニ派市民の間に不満が高まると、それに乗じてイスラム国が活動を始めます。彼らは一部をシリア国内に潜伏させ、2011年の民衆蜂起を機についに動きだし、支部のような形で反体制派ヌスラ戦線を発足させました。
ヌスラ戦線は戦闘行動の勇猛さと規律で名を上げ、シリア国内で影響力を拡大させました。イスラム国はそのヌスラ戦線を吸収しようとしましたが、ヌスラ戦線側が拒否。アルカイダはイスラム国にイラクを、シリアはヌスラ戦線に任せると指示します。それを今度はイスラム国が拒否、アルカイダと絶縁します。
2014年1月、反体制派の著名な医者をイスラム国が殺害すると、ヌスラ戦線と他の反体制派が連携しイスラム国との武力衝突が勃発しました。
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>>471-472
──反体制派同士の潰し合いを当時アサド政権は高みの見物だった?
ええ。ところがイスラム国がイラクのモスルを攻略し、戦闘放棄したイラク軍から戦車・武器・弾薬・軍用車すべて収奪して、またシリアに侵入してきた。破竹の勢いにイスラム国へ外国人がどんどん参入します。今年初め1万5000〜2万5000人くらいとみられていた兵力は、2万〜3万1500人に拡大したと先日CIAが報告しています。
イスラム国はある意味宗教に対し非常に純粋です。彼らは7世紀、預言者ムハンマドの死後の4代カリフ時代をイスラム国家の理想と考えている。イスラム国はそれを現代に再現するため敵や異教徒を容赦なく殺す。欧米から加わった若者たちは社会に居場所がなく不満を持つ人々なので、イスラム国の青臭い純粋性と強い仲間意識に引き付けられる。
ユーチューブの斬首映像も、7世紀のイスラム法を独自解釈して厳格に実践しているんです。戦国時代なら日本でもあったことですが、彼らは21世紀の現代でそれを実行している。理想のイスラム国家樹立となると、これはもう信念の問題。一般的に戦争とは敵の戦闘能力をそぎ無力化するのが目的ですが、信念の戦いでは敵を殺すことが至上命題。殺して初めて安泰を得るわけです。
しょせんは烏合の衆
──イスラム国の脅威が中東全域に広がる可能性はあるのですか?
私は彼らにそこまでの力はないと思っています。彼らは混乱した現代の鬼子、あだ花です。財力も武器弾薬も豊富、戦闘員には多額の報酬などといわれていますね。サダム・フセイン時代の旧バース党生き残りが合流しているから行政、軍事、装備力も強力とかいうけれど、しょせん彼らは烏合の衆です。モスルの銀行から奪ったカネがある、原油の密売でも資金を得ているといっても、パイプラインで輸出するわけじゃなし、ドラム缶で売りさばくだけのこと。そもそも彼らにとってカネなど意味はない。食糧確保こそが彼らの生命線なのです。
米国は空爆で彼らの前進を今のところ止めている。イスラム国にいる米国人約100人が帰国後テロを起こす危険性を想定すると、イスラム国殲滅は米国の治安維持に直接関係があるのです。一方、シリアの本音はイスラム国を米国が潰してくれるなら好都合なわけですね。アサド政権はヌスラ戦線とその他反体制派への攻撃に集中できるわけですから。
──シリア情勢が中東アラブ世界の地殻変動を招くと見る理由は。
絶対王政を敷く中東湾岸諸国がシリア攻撃に参加している。たとえばカタールは資金や軍を出してきたけれど、国民はそれを絶大な国富を握る国王の火遊びと見ていやしないか。シリアの反体制派支援を民主主義のため、自由のためと唱えれば唱えるほど、自分たちカタール国民には自由もなければ民主主義もないじゃないか、と疑問が出てくるわけです。
アラブの春は、湾岸諸国には飛び火しなかったかのように見えましたが、実は湾岸諸国でも蜂起はあり、激しく弾圧されました。バーレーンはサウジアラビアから兵士1000人を借りて鎮圧した。シリアでは反体制派を支援しながら自国ではそれを許さない。そんな政権が本当に正当な国民の代表なのかと疑問を持ち始める。王政にとってたいへん危険です。シリア動乱が触媒となって湾岸地域の国民が奮起し、第2のアラブの春が起こりうる。
──日本の中東報道のあり方にも疑問がおありのようですね。
はい、とても疑問を持っています。イスラム国みたいなセンセーショナルな存在が現れると集中報道されるけれど、一段落すると再び何も報じられなくなる。中東の社会、文化、思想、人々の生活感を根底で理解した、継続的な報道には到底ならないのです。
丸腰の民衆が平和に行進してるところを政府軍が襲い市民が逃げ惑うという、一連の経過に見える映像が、実は継ぎはぎ編集されていたこともありました。なぜそういう図式に固定化するのか。非常に違和感を覚えます。それに国際報道の場合、よほどのことがないと訂正は出ませんし。私は変だと思ったら裏を取って確認できるけど、日本の読者・視聴者は誘導されるがままですよね。
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http://www.sankei.com/world/news/141015/wor1410150002-n1.html
【世界の焦点】
「イスラム国」の“力”の源泉とは……本家アルカーイダから破門された組織がなぜ台頭しているのか
(1/4ページ)【過激組織「イスラム国」】
米国を中心とする有志連合が壊滅に向けて動き出したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」。国籍や宗教を問わず対立する者を断首などの方法で処刑する残虐性もさることながら、領域支配を確立した上で米欧へのジハード(聖戦)を遂行しようとする点で、テロ組織同士の緩やかなネットワークを特徴とするアルカーイダとは違った形で脅威をまき散らしている。(カイロ 大内清)
高級腕時計
今年7月初め、ネット上にある動画が出回った。イスラム国の指導者、アブーバクル・バグダーディ容疑者が、“カリフ即位”宣言後初めてイラク北部モスルで行ったとされる説法の映像。黒衣に黒いターバンといういでたちのバグダーディ容疑者の右手首には、ひときわ目立つ銀色の腕時計が巻かれていた。
アラブのメディアでは「超高級品のロレ.ックス」などと報じられた。その後、「ロレ.ックスではなくオ.メガ」だとする分析や、イスラム教で採用されている太陰暦に対応した「イスラム時計」の高級ブランドだとする説も登場したが、いずれにしてもスイス製の高級品であるとの見方が一般的だ。
口さがないネットユーザーらは「新しい“カリフ”殿は、即位のタイミングを知るためにスイス(時計)の正確さが必要だったらしい」などと皮肉る。
国境の否定
イスラム国は、名前からも分かる通り、シャリーア(イスラム法)による領域的な統治を目指している組織だ。イラク第3の都市である北部モスルを制圧後の今年6月に「国家」の樹立を宣言。モスルなどにはイスラム国の基準で非イスラム的と判断された者やイスラム国の支配を認めない者を拘束する機関や、それらを不信仰者と断罪するシャリーア法廷などが設置されているとされる。その点では90年代後半にアフガニスタンのほぼ全土を制圧し厳格なシャリーア支配を敷いたタリバンなどに近いともいえる。
ただ、タリバンは国境の枠内での統治にとどまったのに対し、イスラム国は、他宗派やキリスト教世界へのジハード(聖戦)と同時に、国境の打破を図ろうとしている点に特徴がある。
現在、イスラム国はイラクからシリアにまたがる地域を実効支配下にある「領土」だとしているが、根底にあるのは、第1次大戦後に西洋列強の主導で引かれた国境で成り立つ国民国家の否定と、「カリフ」を自称するバグダーディ容疑者の下で究極的にはイスラム世界全体を統合するという、誇大妄想的ともいえる野心だ。
カリフ
「カリフ」は、イスラム教の預言者ムハンマドの後継者を意味し、かつてはイスラム世界の宗教・政治両面での最高指導者を指した称号だ。歴史上、さまざまな王朝の支配者がカリフを名乗り、オスマン帝国解体後の1924年に廃止されて以降は「空位」の状態にあるとされてきた。
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スンニ派では理論上、カリフは、イスラム教に関する深い知識を持つことや、預言者と同じクライシュ族出身であることが必須条件とされる。
バグダーディ容疑者の素性については不明な点が多いが、イラクの首都バグダッドの大学でイスラム法学を学んだ経験があるとされるほか、通称名である「アブーバクル・バグダーディ」の最後にクライシュ族出身をあらわす「アルクライシー」と名乗っていることからも、自身でもカリフに推戴される資格があると強く認識しているものとみられる。
ちなみに、バグダーディ容疑者の本名とされる名前は「イブラヒム・ビン・アッワード・ビン・イブラヒム・アルバドリ・アルラダウィ・アルフセイニ・アッサマラーウィ」と非常に長い。
イスラム諸国では、バグダーディ容疑者をカリフとは認めないとの声が圧倒的だ。ただカリフという言葉には、イスラム教で理想とされる預言者ムハンマドとその教友らの時代を思い起こさせる響きがあり、特に信仰の原点回帰を唱えて他宗教をジハードの対象とみなすことが多いサラフ主義者らにはその傾向が強い。
「カリフ宣言」後、イスラム国に参加する外国人戦闘員が急増した理由の背景には、豊富な資金力や武器などのほかに、カリフを名乗ったことによるアナウンス効果もあるとみられる。カリフ制国家を名乗るまでに組織が成長したことは、シリアやイラクで活動する武装組織よりも軍事的に優勢であることの証左でもあるだけに、戦闘員らには「勝ち馬」に乗る心理も働いている。
ジハード思想
イスラム国が台頭する以前、イスラム過激派組織の総元締めと認識されてきたのは、2001年の米中枢同時テロを引き起こしたアルカーイダだった。
アルカーイダは、イエメンや北アフリカ、ソマリア、内戦下のシリアなど各地の過激派組織をネットワークとしてゆるやかに束ねてきたところに最大の特徴がある。各組織はアルカーイダの思想に共鳴し忠誠を誓いつつも、自律的に活動しているとされる。
そしてイスラム国も元々は、アルカーイダ・ネットワークの一角だった。
しかし今年初め、アルカーイダの現在の指導者であるアイマン・ザワヒリ容疑者と対立し決別。“破門”となったのは、イスラム国はイラクでの活動に専念し、シリアでの活動はもう一つのアルカーイダ系組織ヌスラ戦線に任せよとの勧告を無視したのが理由だとされる。国境を前提とした活動を求めるザワヒリ容疑者と、国境を否定するバグダーディ容疑者の路線対立との見方もできる。
ただイスラム国は、アルカーイダが主唱してきた世界規模でのジハード思想は保持し続けている。バグダーディ容疑者が「カリフ宣言」後に行った説法でも、他宗教・宗派の敵と戦うことの重要性が繰り返し強調された。現在はシリア、イラク両政府や対立するシリア反体制派などの「近い敵」を主なジハードの対象としているが、地盤が固まれば米欧などの「遠い敵」を標的とする可能性は極めて高い。
こうした点からイスラム国は、アルカーイダと完全に別種の組織というよりも、アルカーイダの下で育った苗が独自の成長を遂げた姿だといえる。拘束した人間を処刑するたびに映像をネット上で公開する残虐性は、組織の“強さ”を宣伝する効果を上げており、各地のアルカーイダ系組織にも影響を及ぼす懸念がある。
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トルコは領内のクルド人の自治を拡大すべきだヽ(`Д´)ノ
シリア情勢 トルコ、穏健反体制派を軍事支援 米と合意
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20141011513.html
産経新聞2014年10月11日(土)10:56
【ワシントン=加納宏幸】米国務省のハーフ副報道官は10日の記者会見で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を打倒するための有志連合による軍事行動の一環として、トルコ政府が訓練提供や武器供与の形でシリアの穏健な反体制派武装勢力を軍事支援することで米政府と合意したと明らかにした。
有志連合の調整に当たるアレン米大統領特使は9日にトルコの首都アンカラを訪問し、ダウトオール首相らと会談。トルコによる軍事協力のあり方を協議していた。米国防総省は来週、軍の計画チームをアンカラに派遣し、人道支援を含めた軍事作戦計画を話し合うことにしている。
トルコのエルドアン大統領はシリアのアサド政権の打倒を目指し、軍事作戦参加の条件にシリア上空での飛行禁止区域や緩衝地帯の設定を米側に求めている。
これに対し、ハーフ氏は飛行禁止区域に関し、「現時点では考えていない」と述べるとともに、トルコ政府による反体制派への軍事支援はアサド政権の打倒ではなく、「イスラム国やアサド政権などと戦う反体制派の支援」が目的であるとの認識を強調。また、シリアやイラクに米軍の地上戦闘部隊を派遣しない方針を重ねて強調した。
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何というか,キてるなぁ。
「イスラム国」が「奴隷制復活」を宣言
http://www.yomiuri.co.jp/world/20141016-OYT1T50128.html?from=ytop_main1
【カイロ=溝田拓士】イスラム過激派組織「イスラム国」が、組織の電子機関誌「ダービク」最新号で、イラクやシリアで少数派ヤジーディ教の女性を「戦利品」として扱っている実態を明らかにし、「奴隷制の復活」を宣言した。
AFP通信によると同誌は12日に発行された。奴隷制を「イスラム法に基づく」と正当化した上で、「イスラム法が(世界で)放棄されて以来かつてない規模」の「戦果」を誇っている。
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」によると、イスラム国戦闘員が結婚相手として少女(15)を1000ドル(約11万円)で買った例があるという。
イスラム国は8月にイラク北部センジャールのヤジーディ教徒居住地を襲撃。国連は誘拐された女性や子供への性暴力の危険性を警告していた。
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http://mainichi.jp/select/news/20141016k0000m030087000c.html
イスラム国:空爆参加に13カ国 広がらぬ有志国連合
毎日新聞 2014年10月15日 21時57分(最終更新 10月15日 23時49分)
攻撃に参加する有志国と米軍などを側面支援する主な国
◇「国際法違反の疑い」シリア空爆に、二の足
【ブリュッセル斎藤義彦、ワシントン和田浩明】米国主導のイスラム過激派組織「イスラム国」への空爆に参加する有志国連合が13カ国に拡大した。しかし、参加意思のある国への米国の要請が遅れるなど拡大作業はもたついている。イラク空爆には踏み切っても国際法違反の疑いのあるシリア空爆に加わる国は増えず、2011年のリビア攻撃より見劣りするのが実態だ。
オランダ政府関係者は「米国から打診がなかったのは衝撃だった」と話す。オランダはアフガニスタン派兵、リビア攻撃など軍事作戦に実績がある。しかし、9月5日に英ウェールズで開かれた「有志国連合」の初会合には招かれなかった。結局、自主的に参加を表明し、イラク政府の要請も取り付け、7日にイラク空爆を行った。
手続きももたついている。ベルギー、デンマークは9月5日に攻撃を了承したが、米国の正式な要請はそれぞれ9月23日、25日と2週間以上遅れた。デンマーク政府関係者は「素早く議会で承認する用意があったのに、要請がなかなか来なかった」と打ち明ける。
欧州の国はイラク空爆には参加しても、国際法違反の疑いがあるシリア空爆には二の足を踏む。英国は、国際法違反の疑いもあったイラク戦争(03年)を米国と共に戦ったが、結局は攻撃の大義だった生物化学兵器も発見されなかった。この経験が「重くのしかかる」(キャメロン英首相)英政府は野党の賛成がない限り、シリア空爆を行わない方針だ。
11年のリビア攻撃は英仏が先行し、北大西洋条約機構(NATO)と友好国が飛行禁止空域設定などを引き受け、軍事作戦に参加した国は18カ国に上った。リビア攻撃と比較して、イスラム国攻撃が広がりを欠く面は否めない。
欧米にはイスラム国の問題は自分たちが招いたという「後ろめたさ」もある。アサド政権の市民弾圧に対する無策を批判された欧州連合(EU)は昨年5月、反体制派への武器供与を容認した。この武器が「戦利品」を含めてイスラム国側に流れた可能性もある。オランド仏大統領は8月、「もし2年前にアサド政権を倒していればイスラム国もなかった」と後悔の念を述べた。
有志国連合参加への打診の遅れに関し、米国務省の報道担当者は毎日新聞の取材に対し「当初から、いつ、どんな貢献をするかは各国次第、という方針だ」と説明する。
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http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%9B%BD%E3%80%81%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%8B%E4%B8%AD%E5%BF%83%E9%83%A8%E3%81%B8%E9%80%B2%E6%94%BB-%E7%94%BA%E3%81%AE%E5%8D%8A%E5%88%86%E3%82%92%E5%88%B6%E5%9C%A7/ar-BB9dnF5
イスラム国、コバニ中心部へ進攻 町の半分を制圧
【AFP=時事】イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」は13日、トルコ国境沿いにあるシリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)中心部に進攻し、防衛するクルド人部隊と激しく衝突した。
この突破により、イスラム国はコバニへの攻撃を開始してから1か月足らずで同市の半分を制圧。3週間以上にわたり行われてきた米軍主導の空爆もイスラム国を阻止することはできていない。
トルコに逃れたコバニの地元政治家によると、イスラム国の戦闘部隊はコバニの東西南の3面を包囲しており、現在はトルコと国境を接している北面を制圧しようとしている。この北面が掌握されれば、コバニは外部から隔絶され、イスラム国による「虐殺」が始まる恐れがあるという。
英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によれば、コバニの戦闘は有刺鉄線を張ったトルコ国境の柵から1キロに満たない範囲にまで拡大。国境周辺では自動車を使ったイスラム国による自爆攻撃3件が発生している。
同監視団によると、イスラム国はコバニ中心部まで進軍し、主要な建物を占拠、コバニの防衛に就くクルド人部隊をトルコ国境に接する町の北側へ押し込んでいるという。
【翻訳編集】AFPBB News
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141015/k10015430911000.html
イスラム国 奴隷制復活のねらい
10月15日 21時58分
イスラム国 奴隷制復活のねらい
イスラム過激派組織「イスラム国」が奴隷制の復活を宣言したことについて、イスラム過激派に詳しい専門家は「イスラム世界で過去にあった奴隷制度を復活させることでコアの支持層にアピールしている」と指摘し、アメリカが主導する空爆が続くなか、支持者らの引き締めを図るねらいがあるという見方を示しました。
イラクやシリアで勢力を拡大しているイスラム過激派組織「イスラム国」は、英語の機関紙の最新号で奴隷制の復活を宣言し、誘拐した少数派のヤジディ教徒の女性や子どもを奴隷として売買の対象にしていることを明らかにしています。
これについて、イスラム過激派に詳しい日本エネルギー経済研究所の保坂修司研究理事は「イスラム世界では過去に奴隷制が存在し、コーランの中でも奴隷という単語が出てくる。奴隷制度をもう1度復活させることは、コアの支持層に対するアピールになる」と指摘しました。
そのうえで「『イスラム国』に対する軍事的な包囲網が出来上がるなかで、支持者やメンバーが動揺している可能性があり、その引き締めにかかっていると考えられる。英語の機関紙は外国人向けでもあるで、欧米のイスラム教徒の支持を得る目的もあるのではないか」と述べ、「イスラム国」がイスラム法で認められているものだとする奴隷制度をアピールすることで、支持の拡大を図っていると分析しています。
また、少数派のヤジディ教徒が奴隷の対象となっていることについては、「ヤジディ教徒は多神教徒でクルド人なので、キリスト教徒やアラブ人を奴隷にしてはいけないというルールに合うため、標的にしやすかったのではないか」と説明しました。
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http://www.sankei.com/world/news/141018/wor1410180042-n1.html
2014.10.18 23:24更新
シーア派攻勢、40人死亡 イエメンで宗派対立拡大
イエメンのイスラム教シーア派系ザイド派の反政府勢力の民兵が17、18両日、スンニ派が多い南部イッブ州などでスンニ派部族と衝突し、フランス公共ラジオによると、計40人が死亡した。9月下旬に首都サヌアの軍司令部などの中枢施設を制圧したザイド派が南部地域に攻勢を掛け、宗派対立が拡大している。
ザイド派が進撃する南部地域には、スンニ派の国際テロ組織アルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の拠点が多く、衝突の激化が懸念される。
ロイター通信によると、サヌアで少なくとも47人が死亡したザイド派を狙ったとみられる今月9日の自爆テロでは、AQAPが犯行声明を出した。(共同)
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ナイジェリア
「少女誘拐」ボコ・ハラムは既に1万人を殺害
Boko Haram in Nigeria Has Killed More Than 11,000 People
西欧の教育を否定し、ナイジェリアでイスラム国家の建設を目指すボコ・ハラムの残虐
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/10/post-3428.php
2014年10月17日(金)12時18分
スネハ・シャンカル
4月にナイジェリアの学校から270人以上の女子生徒を連れ去ったイスラム武装勢力ボコ・ハラムは、これまでに少なくとも1万1000人を殺戮した──米ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院のOBグループが明らかにした。
ボコ・ハラムは西欧の教育を否定し、ナイジェリア北東部に預言者ムハンマドの後継者(カリフ)を頂くカリフ制イスラム国家を建設することを目指している。
同グループがまとめたデータによると、ナイジェリアでは98年以来、民族や宗教、政治などに起因する紛争が2300件を超え、少なくとも2万9600人が死亡した。うちボコ・ハラムの犠牲者は、その暴力がエスカレートした09年以降だけで全体の40%に当たる。昨年7月〜今年6月の1年間では、少なくとも7000人が殺害されたという。昨年のアフガニスタン内戦の犠牲者の2倍以上だ。
調査を行ったグループのメンバーは「ナイジェリアが直面する過去数十年で最も死者数の多い紛争。世界各地の深刻な内戦に匹敵する規模だ」と、ワシントン・ポスト紙に語った。
一方、地元メディアの報道によると、ナイジェリア軍は先週、北東部の町ミチカでボコ・ハラムに反撃した。「軍はミチカを掌握。この攻撃でボコ・ハラムの兵士約100人が死亡した」と情報筋は語っている。
住民はいち早く町を脱出したというが、戦いで命を落とすナイジェリア人の数が減る気配はまだ見えない。
[2014年10月21日号掲載]
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http://mainichi.jp/select/news/20141023k0000m030038000c.html
トルコ:続く板挟み クルド人勢力と連携迫られ
毎日新聞 2014年10月22日 19時57分(最終更新 10月23日 00時53分)
【エルサレム大治朋子】イスラム過激派組織「イスラム国」への対応をめぐり、トルコが米欧との連携強化や軍事介入を求める内外からの圧力にさらされている。国内各地では今月初めからクルド人住民がシリアのクルド人救援を求めるデモを繰り返し、治安部隊との衝突で30人以上が死亡した。トルコが抑え込んできたクルド人民族問題に火を付けかねず、トルコ政府は対応に腐心している。
トルコ国営通信によると、エルドアン大統領は18日、一部記者団に、イスラム国と戦うシリア最大のクルド人勢力「民主統一党」(PYD)について、「トルコで反政府活動を続けるクルド労働者党(PKK)と同じテロ組織だ」と批判し、統一党との連携を図る米欧を強くけん制した。統一党はその武装組織、人民防衛隊(YPG)への武器供与を米欧に求め、米国は搬入ルートとなるトルコに協力を要請しているが、エルドアン大統領は「我々に支援を期待すべきではない」と、拒否する姿勢を明確にした。
トルコ側は、イスラム国の問題が一定程度収拾すれば米欧は関心を失う可能性があり、戦闘に伴う地域の混乱や摩擦に長期的に対応する用意はないとみている。このためイスラム国の報復や、トルコと敵対するクルド人勢力の利益につながる関与は避けたいとの思惑がある。
米軍によるシリア北部への武器投下については、トルコ領空を通過しないルートで実施したとの情報もあり、米国は統一党と敵対的なトルコが黙認しやすい形を取ったようだ。
だがAFP通信などによると、エルドアン大統領は22日、「米軍による武器投下が誤りだったのは明らかだ。その一部が(トルコが敵視する)統一党とイスラム国に渡ったからだ」と米国を批判した。
一方でトルコ政府は20日、石油資源の売買などで経済的な協力関係にあるイラクのクルド人勢力に対しては、トルコ領内を通過しコバニでの戦闘に参加するのを認めると表明した。
クルド人支持を訴えるデモの混乱に乗じてPKKは東部のトルコ軍基地をロケット砲などで繰り返し攻撃した。軍は13日、PKKの軍事拠点を戦闘機で空爆した。
政府とPKKが和平交渉を開始した昨年春以降、最大規模の攻撃となったが、トルコ政府は和解交渉継続の方針は崩していない。政府幹部はPKKの創設者で国家反逆罪で収監中のオジャラン党首と面会し、事態収拾を呼びかけるよう求めるなど沈静化を図ろうとしている模様だ。
◇クルド民族問題
クルド人はトルコやイラク、シリアなどにまたがる国境地帯に暮らし、推定人口は2000万〜3000万人。トルコには最多の1200万〜1500万人が居住する。「国を持たない最大の民族」と呼ばれ各地で弾圧を受けてきた。トルコでは、1978年に独立を求めるクルド労働者党(PKK)が創設され、84年に武装闘争を開始した。同党の指導者オジャラン氏は昨年3月、停戦とトルコ領からの戦闘員撤退を呼びかける声明を発表。政府側もクルド民族の人権拡大を含む改革案を発表している。
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http://mainichi.jp/select/news/20141022k0000e030216000c.html
シリア:クルド居住地を防衛…対イスラム国、米空爆が効果
毎日新聞 2014年10月22日 11時46分(最終更新 10月22日 12時34分)
【ワシントン和田浩明、カイロ秋山信一】米国防総省のカービー報道官は21日、イスラム過激派組織「イスラム国」が猛攻を続けるシリア北部のクルド人居住地域アインアルアラブ(クルド名コバニ)について、市街の半分以上は防衛側のクルド人部隊が確保しているとの評価を示した。米軍などの空爆で攻勢が弱まったためと説明した。だが、戦況は厳しく、陥落の懸念も残るという。
米軍は20〜21日にかけても有志国とともにコバニ周辺で4回の空爆を続け、イスラム国の大部隊や施設を破壊したと発表。イラクでも北部バイジの製油施設やイスラム国が制圧したモスルに近いダム、中部ファルージャなどで、イスラム国と戦うイラク軍を支援して空爆を行った。
一方、米軍が20日にコバニで行ったクルド人勢力向けの補給作戦を巡り、在英の民間組織「シリア人権観測所」は21日、支援物資の一部がイスラム国の手に渡ったと発表した。支援を急ぐため、物資は空中からパラシュートで投下されていた。約30のパラシュートのうち、少なくとも一つがイスラム国の戦闘員に奪われたという。
支援物資は手投げ弾や弾薬、携行式ロケット弾の発射装置など。イラクメディアによると、イラク北部のクルド人自治政府が提供し、米軍が運搬したものだという。
ただ、カービー報道官はこうした情報について「調査中」と述べるにとどめた。米軍は20日の時点で「28個の支援物資を投下し、27個は防衛部隊に届いたが、1個は目標を外れたため破壊した」と説明していた。
イスラム国は9月以降、三方からコバニを包囲。クルド人勢力にとって北側のトルコ国境が唯一の補給路だが、これまでトルコが人や物資の往来を規制していたため、陸上からの補給が困難だった。ただ、トルコ政府が20日、クルド自治政府の部隊の領内通過を容認したため、今後は陸上からの補給が可能になるとみられる。
米軍主導で行われている対イスラム国空爆は、8月8日の開始以降約500回に達し、国防総省によると総費用は4億2400万ドル(約453億円)に達している。
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http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2014_1023.html
「イスラム国」の“首都”は今
10月23日 19時15分
別府正一郎支局長
イラクとシリアにまたがる地域を支配し、「国」を名乗る強大なイスラム過激派組織「イスラム国」。
アメリカなどが、イラクに加えてシリアにも空爆を拡大してから23日で1か月になりました。
その「イスラム国」が“首都”と呼んでいるシリア北部の都市ラッカ。
そこでは、今、何が起きているのか。
脱出してきた住民の証言や撮影した映像からは、過激派の勢いが依然衰えず、むしろ支配を強めている実態が浮かび上がってきました。
ドバイ支局の別府正一郎支局長が報告します。
命懸けの証言
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謎に包まれた「イスラム国」の支配の実態を知ろうと、私たちはトルコ南部でラッカから脱出してきたばかりの住民たちに話を聞きました。
メディアの取材を受けていることが分かれば、自分だけでなく、ラッカに残る家族に危害が及ぶ危険があるとして、どの人も顔は撮影しないことになりました。
インタビューのあと、放送の際には声を変えてほしいと繰り返し頼む人もいました。
人々の恐怖がいかに大きいかを感じました。
ある女性の証言です。
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「『イスラム国』は私に黒いベールの着用を強要した。男性と出歩くとすぐ拘束された。女性の生活を取り巻く状況は一変してしまった」。
宗教に基づく統治
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街の様子を映した映像で目につくのは、ほぼすべての商店のシャッターに付けられた「イスラム国・公共サービス局」という丸い印です。
商店主たちは、税金や電気代と称して、毎月、日本円で3000円ほどを納めさせられていて、この丸い印は「イスラム国」に「納税」したことを示すものだということです。
「イスラム国」が独自に行政を進めていることがうかがえます。
しかし、その実態は近代的な国家とはかけ離れたものです。
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この組織が町に掲げた看板には、「世俗国家は神に反する」と記されています。
世俗的な法律を否定し、極端な宗教の解釈に基づく支配を行っています。
“恐怖”と“洗脳”が支配する街
しかも、その支配に抵抗する者には過酷な弾圧が行われています。
街の広場の映像には、「イスラム国」の黒い旗がいくつも立っているのが見えます。
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広場は公開の処刑場になり、意に沿わない人たちが殺害されているといいます。
その様子を何度も目撃したという24歳の男性の証言です。
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「処刑に加えて、生きたまま3日間、はりつけにされ、さらされた人もいる。そうした光景は恐ろしく、次は自分の番になるのではないかと思うと恐ろしくなった」。
さらに、「イスラム国」が住民たちの心も巧妙にコントロールしようとしていることもうかがえます。
「イスラム国」が街に設置した巨大なモニターでは、毎晩、戦闘の様子や殺害した政府軍の兵士の映像などを流し、組織の力を誇示しています。
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集まった人たちの中には、子どもたちの姿も目立ちます。
「イスラム国」は、子どもの心をつかむため、食べ物だけでなく金も与えているということで、成長した子どもを新たに戦闘員にしようともくろんでいるようです。
シリア空爆の効果は・・
アメリカのオバマ大統領が、「イスラム国」の壊滅を目指すとして、アメリカ軍を主体に中東のいくつかの国も加わってシリアで空爆を続けています。
しかし、住民が先週、ひそかに撮影したラッカの街の映像では、車から降りる戦闘員の姿や、バイクの後ろに乗る戦闘員の姿が映っています。
このうちの1人は自動小銃を持っています。
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戦闘員たちは、依然、わがもの顔で行き交っているのです。
21歳の男性の証言です。
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「空爆が始まってから、戦闘員たちは人々が暮らすアパートに紛れ込むようになっただけだ。『イスラム国』は、依然、街を完全に支配している」。
組織を弱体化できるのか?
取材を進めるうちに「イスラム国」の27歳の元戦闘員から話を聞くことができました。
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ことし7月に、上官と仲たがいして組織を離れ、トルコに逃れてきたということです。
ラッカで行われている残虐な処刑についての証言です。
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「戦闘員には、軍事訓練を通じて過激な思想が刷り込まれている。『処刑をすれば神に近づける』と教え込まれた。ときには、上官から『神に近づくための褒美だ』として、10人の処刑を任されることもあった」。
私が、「空爆によって組織は弱体化されると思うか」と尋ねると、「戦闘員が住民に紛れ込むなか、軍事拠点だけを狙った空爆で組織を壊滅することはできない」と、この元戦闘員は断言しました。
そして、この元戦闘員は次のように話しました。
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「戦闘員たちのただ1つの夢は戦場で殉教することだ.『イスラム国』の結成当初なら空爆で潰せたかもしれないが、今は地上戦しかない。それでも2、3年はかかる」。
「命を落とすことが本望だ」という過激な思想に染まった「イスラム国」の戦闘員たち。
空爆の効果も依然見えないなか、その支配を着実に広げているのが現状です。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141024/k10015658991000.html
イラン 初の豪華列車観光振興図る
10月24日 10時01分
イラン 初の豪華列車観光振興図る
欧米との対話など開放政策にかじを切ったイランで、豪華列車に乗って世界遺産などを巡る初めての観光ツアーが企画され、イランは手軽さや安全性をアピールすることで外国人観光客の誘致をさらに進めることにしています。
このツアーは、イギリスの旅行会社が初めて企画したもので、23日、イラン北西部のザンジャンに、シベリア鉄道などで運行され世界屈指の豪華列車として知られる「ゴールデン・イーグル」が到着しました。
ツアーには欧米をはじめ9つの国から60人余りが参加し、駅で出迎えた地元の人たちから赤いバラを受け取ったあと、近郊にある世界遺産で14世紀のイスラム建築の高い技術水準を今に伝える「ソルタニエ・ドーム」を見学しました。
ツアーでは5日をかけて、2500年前のアケメネス朝ペルシャの遺跡「ペルセポリス」をはじめ6つの世界遺産を巡る予定です。
参加したクウェート出身の女性は、「不安もあったので、グループで行動する鉄道旅行にしましたが印象が変わりました。友人たちにも勧めたいです」と話していました。
不安定な情勢が続く中東では、観光産業が大きな打撃を受けていますが、イランは欧米との対話を掲げるロウハニ政権のもとで観光ビザの発給も迅速化していて、手軽さや安全性をアピールすることで外国人観光客の誘致をさらに進めることにしています。
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http://mainichi.jp/select/news/20141030k0000m030095000c.html
イラン:閣僚国会承認で混乱 ロウハニ大統領と強硬派対立
毎日新聞 2014年10月29日 21時13分(最終更新 10月29日 22時15分)
【テヘラン田中龍士】イランで閣僚の国会承認をめぐり、穏健派ロウハニ政権と保守強硬派の対立が先鋭化している。保守強硬派は8月に科学研究技術相を罷免。ロウハニ大統領から後任指名されたテヘラン大教授に対する29日の国会信任投票でも反対多数で否決された。大統領の指名した人物が不適切だったとの批判もあり、ロウハニ政権の求心力低下が徐々に進んでいる。
前科学技術相のファラジダナ氏は、アフマディネジャド前政権時代に拡大された大学奨学金制度が汚職の温床になっているとして、不正の一掃を推進。
一方、強硬派議員は「(同氏が)前政権時代、政権批判の暴動を起こした人々を科学技術省の要職に登用した」などと弾劾を求め、国会で罷免された。
改革派の元国会議員、ダリュシュ・ガンバリ氏は「強硬派議員の利益が危険にさらされたため罷免された。強硬派は核協議での成果も含め政権運営に何かと反対し、衝突してきた」と言う。
国会で強硬派が穏健派に近い他会派の切り崩しを図っているとみられ、29日の投票でも政権の方針に否定的な票は前回より15票増えた。国営通信記者は「これは戦争だ。後任大臣を巡り、ロウハニ師と強硬派の溝は深まっている」と、対立の先鋭化を指摘した。
一方、今回指名されたマフマデ・ニーリーアフマダバディ氏は、材料工学の専門家。政治家としての経歴はないとみられ、地元メディアの間でも無名の人物。応援した議員は「もう少し世の中で知られている人を選出してほしかった」と、人選ミスを示唆。別の議員も「人々に紹介する期間が数日と短く、政権側の戦略ミスだった」と語った。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014102902000130.html
「イスラム国」多言語戦略 ネットで戦闘員勧誘 PRも
2014年10月29日 朝刊
【カイロ=中村禎一郎】イラクやシリアで攻勢を強めているイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」の宣言や声明が、多言語に翻訳されてインターネット上で広がっている。「イスラム国」には現在、八十カ国以上から戦闘員が加わっているとされ、翻訳された情報が欧米やアジアなどからの戦闘員参加を促していると指摘されている。
「イスラム国」は六月、イスラム教国家の樹立を一方的に宣言。ネット上で「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」を頂点とする国家の樹立は「すべてのイスラム教徒の夢」と訴える。宣言内容は本紙が確認しただけでフランス語、ドイツ語、インドネシア語など少なくとも九カ国語に翻訳され、ネット上で閲覧できる状態となっている。
日本語は見当たらないものの、ほかにウルドゥ語やアルバニア語などに翻訳された情報も。アラビア語圏以外から「イスラム国」に加わっている戦闘員が母国語に翻訳しているとみられている。また、奴隷制復活を宣言したことで知られるネット上の機関紙「ダービク」は英語。「イスラム国」は主にアラビア語圏を活動範囲としているが、英語を使用することで世界に情報を発信しようとの姿勢が読み取れる。
シリア人権監視団(ロンドン)によると、各国語の情報で過激思想に傾倒し、アラビア語も英語も話せないイスラム教徒が「イスラム国」に参加する例も少なくない。監視団のラミ・アブドルラフマン所長は「同じ母国語を話す先輩の戦闘員の指導を受ける仕組みになっている」と説明する。
多言語での情報発信は戦闘員勧誘だけでなく、別の目的もあるようだ。イスラム過激派に詳しいエジプトのジャーナリスト、サルマン・ロトフィ氏は「世界中に『イスラム国』の協力者がいるとのメッセージを送る意味がある」と分析する。
欧米や中東諸国などの有志国連合の攻撃に対し、「イスラム国」は九月二十二日、有志国連合に参加する国々の市民を「可能であれば、殺害せよ」と支持者に呼び掛ける声明をネット上で公開。米ニューヨーク市で今月二十三日、おので警官二人を切りつけた後に射殺された男は、イスラム教改宗者で「イスラム国」など過激派のサイトを閲覧していたことが判明している。
ロトフィ氏は「『イスラム国』は中東だけを対象とする組織でなく、全世界への広がりを目指す組織だとの意識もうかがえる」と指摘。「世界中どこでも標的になる可能性がある」と警告している。
◆有志国連合 対抗を確認
【カイロ=中村禎一郎】「イスラム国」の掃討を目指す有志国連合は二十七日、クウェートで会合を開き、「イスラム国」がインターネット上で展開する情報戦に結束して対抗していくことを確認した。米国務省が発表した。
会合にはアレン米大統領特使らが出席。各国は「イスラム国」への新たな戦闘員参加を防いでいくことで一致した。AFP通信によると、アレン氏は「イスラム国」がネットで発信する過激な思想を否定する必要性を強調した。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3030669
イスラム国、イラク部族民200人超を殺害
2014年11月03日 10:02 発信地:バグダッド/イラク
【11月3日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunn)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)が、イラク西部アンバル(Anbar)州で最近、同組織に敵対するスンニ派のアルブ・ニムル(Albu Nimr)部族民200人以上を「処刑」したことが分かった。当局者らが2日、明らかにした。ここ10日間ほどで殺害された部族民の中には、女性と子どもも含まれている。
イスラム国はアンバル州の大部分を制圧しており、一連の「処刑」は、アルブ・ニムル部族がイスラム国に対する武装蜂起を開始した後に起きた。アンバル州内の強力な部族の抵抗を抑える狙いがあるとみられている。
殺害された人数とその時期については情報源によって食違いがあるが、いずれの情報源も死者数は200人以上としている。AFPの取材に対し、地元警察幹部は200人以上が殺害されたと表明。一方、アンバル州の議会幹部は死者数を258人としている。(c)AFP/Salam Faraj and Ammar Karim
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_date2&k=2014110200012
実務型内閣設置で合意=武装勢力と政治各派−イエメン
10月31日、イエメンのサヌアで開かれたイスラム教シーア派系ザイド派の会合(AA=時事)
【サヌアAFP=時事】イエメンの首都サヌアを制圧したイスラム教シーア派系のザイド派武装勢力と政治各派は1日、危機打開に向け、実務型内閣を設置することで合意した。
合意文書への署名式がサヌアで開かれ、ザイド派代表のほか、スンニ派系政党のイエメン改革党(イスラーハ)など対立関係にある政治各派も出席。ハディ大統領やバハーハ首相に組閣を求め、新内閣を支持することで一致した。閣僚ポストをめぐる妥協が図られた可能性がある。(2014/11/02-06:41)
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http://mainichi.jp/select/news/20141105k0000m030110000c.html
パキスタン:タリバン イスラム国支持めぐり進む分裂
毎日新聞 2014年11月04日 21時46分
【ニューデリー金子淳】ノーベル平和賞に決まったマララ・ユスフザイさん(17)を銃撃したことで知られるパキスタンの武装組織「パキスタン・タリバン運動(TTP)」が分裂の度合いを強めている。中東で勢力を広げる過激派組織「イスラム国」支持に傾くメンバーが出ているためだ。専門家からは「TTPは今後も分裂を重ねて弱体化していく」との見方も出ている。
「カリフ(イスラム国指導者のバクダディ容疑者)への忠誠を宣言する」。地元メディアなどによると、TTPの報道官ら幹部6人は先月14日、声明でイスラム国に加わることを表明した。TTPはその後、この報道官を解任したという。
パキスタンでは8月ごろからイスラム国支持を訴えるパンフレットが拡散するなど影響が広がっていた。TTPは先月上旬、イスラム国に「可能な限りあらゆる支援を行う」との声明を発表したが、数日後には支持を撤回。直後に幹部6人のイスラム国への参加表明があり、イスラム国への対応を巡って内部で意見が割れている状況をうかがわせた。
TTPは、ファズルラ師が昨年に最高指導者に選ばれてから、分裂傾向が加速したとされる。パキスタンの軍事アナリスト、ハッサン・アスカリ・リズビ氏は「ファズルラ師に不満を持つ集団がイスラム国支持に向かっている。イスラム国の過激思想はTTPと似ており、共感しやすいのだろう」と分析する。
TTPはアフガニスタンの旧支配勢力タリバンの最高指導者で、パキスタン西部クエッタ近辺に潜伏しているとされるオマル師に忠誠を誓ってきた。オマル師は世界のイスラム教徒の頂点に立つと主張している。
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http://mainichi.jp/select/news/20141106k0000e030165000c.html
ヨルダン:イスラエル大使を召還 聖地対立激化で抗議示す
毎日新聞 2014年11月06日 11時30分
【エルサレム大治朋子】ヨルダン政府は5日、駐イスラエル大使の召還を決めた。エルサレム旧市街のイスラム教聖地「ハラム・アッシャリーフ(高貴なる聖域)」(ユダヤ教の呼称は「神殿の丘」)での礼拝などを巡るユダヤ教右派とパレスチナ人の対立が激化し、同聖地を管理するヨルダンがイスラエルの対応に抗議した形だ。大使召還は1994年の両国の平和条約締結以来初めてで、関係悪化が懸念されている。
旧市街はかつてヨルダン領で、現在もヨルダンはこの聖地の管理権などを持つ。召還理由については「聖域でのイスラエルによるかつてない(対応の)エスカレートに対する抗議」としている。
この聖地でのユダヤ教徒の礼拝は禁じられているが、権利を主張する一部ユダヤ教右派らが強行し、パレスチナ側が反発を強めている。10月29日には右派の集会がエルサレムで開催され、出席した幹部が銃撃された。イスラエル治安当局は「容疑者」のパレスチナ人男性を射殺した。5日にもパレスチナ人の男が運転する車が東エルサレムで通行人に突っ込むなどして警官1人が死亡し、混乱が拡大している。
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http://mainichi.jp/select/news/20141108k0000m030030000c.html
米大統領:イランに秘密書簡「イスラム国対抗は共通利益」
毎日新聞 2014年11月07日 19時19分
【ワシントン和田浩明】米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは6日、オバマ米大統領が10月中旬にイランの最高指導者ハメネイ師に秘密書簡を送り、イラクとシリアで活動する過激派組織「イスラム国」に対抗することは米国とイランの共通の利益だと指摘したと報じた。また、米CNNによると、米国は対イスラム国軍事作戦に関し、イランとの情報共有ルートを開設しつつあるという。
これらは交渉期限が今月24日に迫ったイラン核問題の包括的解決を目指す国際交渉をにらみ、イラン側から妥協を引き出す狙いがあるとみられる。だが、4日の中間選挙で上下両院を掌握した共和党や、与党・民主党の議員の中にも、イランとの核交渉や連携に懐疑的な意見が根強く、経済制裁を強化する法案なども提出されている。イランへの「歩み寄り」は、オバマ政権と議会の対立激化を招く懸念もはらんでいる。
同紙によると、オバマ氏は書簡で、イスラム国に対処するうえでの米国とイランの協力は、イランが核協議で米国など6カ国が提示した包括合意を受け入れるかどうかにかかっていると指摘した。シリアのアサド大統領についてイランは支援し、米国は退陣を要求しているが、書簡では米軍のシリア空爆の標的にしていないことも説明したとされる。
CNNによると、軍事関連情報の共有は、必要に応じてイラク軍経由で実施。共同作戦などは提案しないが、米国とイランの作戦が相互に悪影響を及ぼさないよう空域の管理に関する情報共有などを行っているという。
米国はこれまでもイスラム国問題についてイラン側と協議したことはあるが、「軍事上の協力や機密情報の共有は行わない」(アーネスト大統領報道官)のが公式の立場だ。
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http://mainichi.jp/select/news/20141107k0000e030175000c.html
レバノン:国民議会 任期さらに延長 法定2倍の8年間に
毎日新聞 2014年11月07日 10時48分
【カイロ秋山信一】レバノン国民議会(1院制)は5日、隣国シリアの内戦の影響による治安情勢などを理由に、議員の任期を2年7カ月間延長する案を賛成多数で可決した。現役議員が当選したのは2009年。任期延長は昨年に続いて2度目で、任期は法定の2倍の8年間に延びる異常事態となった。国民議会ではイスラム教スンニ派とシーア派の政争が絶えない。国家元首の大統領も議会での選出ができず、5月から空位が続く。市民からは「民主主義の否定だ」と不満の声が上がっている。
国営通信によると、任期延長案は出席した97議員中95議員の賛成で可決された。議員らは「テロや銃撃戦が頻発する治安情勢や、大統領選任を巡る政治対立を克服するための猶予期間が必要だ」などと任期延長を正当化した。
大統領は議員の投票で選ばれるが、スンニ派とシーア派が異なる候補者に固執。10月までに14回の投票が行われたが、当選に必要な定数128の3分の2以上を得票する候補者は出ていない。
レバノン・聖ジョセフ大学のアントン・サフィル教授(41)は「スンニ派はサウジアラビア、シーア派はイランの強い影響を受けており、単純な国内対立ではない」と指摘した。会社員のラビア・ヤシンさん(30)は「自分たちが混乱を招いておいて、勝手に任期を延ばすなど許せない」と話した。
レバノンは18以上の宗教・宗派が混在し、各派の意見調整を重視する伝統がある。だが05年にスンニ派のハリリ元首相が暗殺された事件を契機に、宗派対立が深刻化。さらにシリア内戦でシーア派はアサド政権、スンニ派は反体制派を支持する傾向が強く、国内でも衝突が頻発している。
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http://www.sankei.com/world/news/141108/wor1411080034-n1.html
2014.11.8 11:35
世界で唯一女性の運転禁じたサウジで“解禁”初提案「地味な服装、スッピン」が条件
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運転解禁を目指す運動の一環として、サウジアラビアのリヤドでハンドルを握る女性=3月29日(AP)
世界で唯一、女性の自動車運転が禁じられているサウジアラビアで、国政助言機関の諮問評議会が政府に対し、条件付きながら初めて運転解禁を提案したことが分かった。AP通信が7日、評議会議員の話として報じた。
イスラム教の戒律を厳格に守り、男性優位の価値観が根強いサウジで、運転禁止は女性の社会進出を妨げる象徴とされる。評議会に立法権はなく宗教界の抵抗も予想されるが、解禁に向けた機運が高まりそうだ。
提案では、解禁されるのは30歳を超える女性で、父親や夫の許可を得た上で、昼間や夜の一部時間帯に限定することを条件とした。
運転時には、地味な服装や化粧なしの素顔であることを求め、市街地では1人での運転を認める一方、郊外では父親や夫の同乗が必要とした。(共同)
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http://mainichi.jp/select/news/20141108k0000e030141000c.html
イスラエル侵攻:ガザの子癒えぬ心 37万人家族や家失う
毎日新聞 2014年11月08日 09時33分(最終更新 11月08日 09時49分)
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を拠点とするイスラム原理主義組織ハマスの停戦合意から2カ月。50日間の戦闘で2200人以上の死者を出したガザ地区では、約10万人が家を失った。うち半数は18歳以下の子供だった。現地で復興に携わる国連やNPOは「ガザの将来を担う子供たちが心に深い傷を負った。子供に希望を持たせる努力が不可欠だ」と訴える。
停戦から数週間を経た9月中旬、ガザ地区南部ハンユニスにある児童館に、40代の母親が12歳と7歳の姉妹を連れて現れた。「家を失ったショックで子供が親から離れることができなくなり、学校に行けなくなった。ここで遊ばせてほしい」
児童館を運営する日本のNPO法人「パレスチナ子どものキャンペーン」によると、施設には紛争後、1日当たりの収容定員の2倍に当たる約400人が訪れている。空爆による精神的ショックで学校へ行けなくなった子供たちだけでなく、多くの学校が破壊されたり、今も一部が避難所として使われたりしているため、学校で十分な時間を過ごすことができない子供たちも大勢いるからだ。
子供たちの中には、連日の猛爆撃で植え付けられた恐怖が消えず、不眠になったり、夜に突然叫び出したりという症状が出ている。感情が抑制できずに暴力を振るうケースも多いという。児童館ではスタッフが子供と一緒に絵を描いたり、スポーツをしたりしながら気持ちを発散させ、「安心していいんだよ」と声をかけ続ける。田中好子事務局長は「8割の子供は徐々に回復するが、2割は医師の診察が必要だ」と厳しい表情をみせる。
国連児童基金(ユニセフ)によると、家族や家を失った子供は約37万人。学校でも子供の心理サポートに力を注ぐ。学校運営を支援するユニセフ・パレスチナ事務所の功刀(くぬぎ)純子・特別代表は「紛争の影響でガザでは暴力が横行し、親による家庭内暴力の割合も7割を超える。対話で問題を解決することを、子供たちに教える必要がある」と話す。
戦闘中、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校はイスラエル軍に位置を伝えていたにもかかわらず、7校が爆撃され、学校内にいた30人が死傷した。ガザ全域で約7000発と言われる不発弾の一部は、学校周辺に埋まったままだ。UNRWAのピエール・クレヘンビュール事務局長は「市民を攻撃しないというルールが全く守られずにガザ全域が攻撃され、安全な場所はどこにもなかった。爆撃は国際法違反の可能性があり、国連などによる調査に期待したい」と語った。【三木幸治】
◇ハマスと戦闘「日常化」
イスラエルと鋭く対立するハマスがガザ地区を武力制圧した2007年以降、両者の大規模な戦闘は08〜09年と12年に続いて、今回で3回目。戦闘期間は今回が最も長く、死者数も最大となった。ガザで暮らす6歳以上の子供にとって戦闘は「日常化」しており、心身に与える影響は想像を絶する。
今回の戦闘の発端は、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区でユダヤ人少年3人が拉致、殺害された事件にさかのぼる。イスラエルはパレスチナ人の大規模な摘発を行い、これに反発したハマスがガザからイスラエル南部へロケット弾を撃ち込み、イスラエル軍の空爆を招いた。
イスラエル側の死者は70人。ロケット弾による死者はわずかで、ほとんどはガザへ投入された地上部隊の兵士だった。一方、ガザ側の死者は2200人以上。イスラエル軍が狙ったハマスの戦闘員だけでなく、18歳以下の子供たち500人余りも命を落とした。約2万戸の家屋が壊され、住民には絶望感が漂う。家を再建しても、また数年後には壊されるのではないか、という不安がぬぐえないからだ。
ガザ在住の人権活動家ラジ・スラーニ氏はこう語る。「(イスラエルとパレスチナの2国家共存を目指した)1993年のオスロ合意はもう死んだ、と言ってもいい。イスラエルが何を望んでいるのか分からないし、彼ら自身も分かっていないのではないか」
一方、イスラエル政府関係者はガザへの攻撃についてこう答えた。「北朝鮮のミサイルが日本に着弾したことを想像してほしい。日本も(イスラエルと同じように)国民を守ろうとするはずだ」
繰り返される破壊と殺りくから、罪のない子供たちをどう守ればいいのか。国際社会はいまだ答えを見つけられずにいる。【三木幸治】
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>>490
http://www.sankei.com/world/news/141018/wor1410180042-n1.html
2014.10.18 23:24
シーア派攻勢、40人死亡 イエメンで宗派対立拡大
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イエメンのイスラム教シーア派系ザイド派の反政府勢力の民兵が17、18両日、スンニ派が多い南部イッブ州などでスンニ派部族と衝突し、フランス公共ラジオによると、計40人が死亡した。9月下旬に首都サヌアの軍司令部などの中枢施設を制圧したザイド派が南部地域に攻勢を掛け、宗派対立が拡大している。
ザイド派が進撃する南部地域には、スンニ派の国際テロ組織アルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の拠点が多く、衝突の激化が懸念される。
ロイター通信によると、サヌアで少なくとも47人が死亡したザイド派を狙ったとみられる今月9日の自爆テロでは、AQAPが犯行声明を出した。(共同)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014110800149
新政権の閣僚発表=イエメン
【エルサレム時事】イエメンのハディ大統領は7日、首都サヌアを制圧したイスラム教シーア派系のザイド派武装勢力を含む新政権の閣僚を発表した。AFP通信などが伝えた。
新政権はバハーハ首相を含め37人。政府と武装勢力は9月、停戦とともに新政権発足で合意したが、閣僚の構成をめぐる武装勢力とスンニ派系政党の対立などで作業が遅れていた。武装勢力と政治各派は11月1日、実務型内閣を設置することで合意した。(2014/11/08-10:29)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014110800150
イエメン前大統領ら制裁対象に=平和と安定脅かす−国連安保理
【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会のイエメン制裁委員会は7日、同国のサレハ前大統領とイスラム教シーア派系のザイド派武装勢力指導者2人の計3人を制裁対象に指定した。イエメンの平和と安定を脅かし、政治プロセスを妨害していると判断されたためで、国連加盟国は3人の資産凍結と渡航禁止措置を取る。
米国が3人に対する制裁を提案し、安保理の他の理事国全14カ国が賛同した。制裁委は2月の安保理決議で設置された。
イエメンは2011年の反政府デモをきっかけに混迷に陥り、サレハ氏は12年2月に大統領を辞任。その後、ハディ大統領の下で新憲法制定などに向けた政治プロセスが続くが、最近はザイド派勢力が武力で首都サヌアを制圧するなど混乱が続いている。(2014/11/08-10:30)
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http://www.sankei.com/world/news/141109/wor1411090002-n1.html
2014.11.9 18:00
【鼓動2014】
クルド人自治区の「孤立」の夢と現実、脆弱な経済、イスラム国の脅威…
(1/4ページ)
建設作業がとまったビルが目立つクルド人自治区の中心都市アルビル(大内清撮影)
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の台頭による混乱の中で、イラク北部クルド自治政府のマスード・バルザニ議長が、クルド人の悲願である「独立」に向けた住民投票を行う考えを表明して3カ月以上がたった。ただ、自治政府は財政基盤を欠くのが現実。現在は、将来の独立を達成するため、中央政府との神経戦を繰り広げている。(アルビル 大内清)
自治政府があるアルビルから南西に車で約1時間半。首都バグダッドの中央政府と自治政府が帰属をめぐって争う町マフムールに、イスラム国が侵攻したのは8月7日のことだった。
マフムールにはクルド人とスンニ派アラブ人が共存していたが、ほとんどのクルド住民は親類などを頼って町を逃げ出した。「クルド人は出て行け」。あるクルド男性は、それまで親しくしていた近所のアラブ人にこう罵(ののし)られたことに強いショックを受けたという。
イスラム国がアルビルをもうかがう姿勢をみせたことに危機感を強めた米国などの有志連合は8日、マフムール近辺のイスラム国部隊を空爆。11日には自治政府のペシュメルガ(クルド兵)部隊がマフムールを奪還した。
避難していたクルド住民が町へ戻ると、今度はアラブ住民が姿を消していた。男性は「ここはもう完全にクルディスタン(クルドの国)だ」と胸を張り、将来の「独立クルド」に編入されることに期待を込める。
× × ×
6月、イラク北部の主要都市モスルがイスラム国に制圧された。7月、中央政府の統治が大きく揺らぐ中、自治政府トップのバルザニ議長は、数カ月以内に自治区の「独立」の是非を問う住民投票を行う考えを示した。
自治政府はマフムールのほかにも、イスラム国から防衛するとの名目で北部最大の油田地帯キルクークなどの係争地を実効支配。自治政府内では独立や係争地の帰属をめぐる住民投票実施のための法整備も進む。
しかし、その一方で自治区は現在、深刻な経済危機に見舞われている。
今年春、自治政府から受注した建設工事を完成させたアルビルの開発会社役員、ライス・タウフィークさん(40)は、担当者から代金の手形を受け取る際、「経済状況が好転するまで現金化はしない」との一筆を入れさせられた。従業員らの給与は、預金を崩すことでまかなった。その手形は「7カ月以上も机の中で眠ってるよ」という。
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アルビルはここ数年、好景気に沸き、開発スピードの早さはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイになぞらえられた。石油資源の存在に加え、イラクの他の地域に比べて治安が格段に良いことなどが投資を呼び込む要因ともなった。
だが今年に入ってからはタウフィークさんのように、企業が自治政府から代金の支払いを受けられないケースが相次ぎ開発が急速に鈍化、民間投資も冷え込んだ。市内には建設が止まったビルが目立つ。
直接的な原因は、政局の混乱で中央政府での予算承認が大幅に遅れていることにある。現在の財政難は、中央政府からの予算配分なしでは経済を維持できないという、自治区の脆(ぜい)弱(じゃく)性も浮き彫りにしているのだ。
× × ×
自治政府は今年初め以降、中央政府を通さずにトルコへの石油輸出を開始するなど独自の財源確保も進めている。だがこうした動きは、一方的な独立に向けた布石との警戒を呼び、当時のマリキ政権との政治的緊張にもつながった。
実際に独立が現実味を増せば、自国のクルド人の独立運動などへの影響を懸念するトルコやイランから干渉を受ける可能性もある。
自治政府は、中央政府のアバディ政権に対し、予算問題などが早期に解決されなければ独立への準備を加速させる構えをみせる。現時点では非現実的な「独立」というブラフで、中央政府から利益を引き出そうとするしたたかな戦術だ。
「クルド人は自立するために少しずつ進んできた。これからもそうだ」。バルザニ氏率いるクルド民主党(KDP)に所属するクルド議会のセルファト・ソフィ議員(36)はこう語り、“悲願”達成に向け、当面は経済基盤を固めていく考えを強調した。
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■クルド人自治区 イラク北部のアルビル、ドホーク、スレイマニヤの3県からなる地域で、人口は約830万人。1970年に当時のバース党政権と、自治権闘争を展開していたクルド民主党(KDP)との間で結ばれた協定に基づいて設置された。91年の湾岸戦争後、中央政府に反乱を起こしたクルド勢力を保護するため、米英が飛行禁止区域に設定したことで自治が確立。行政機関のほか、軍事組織や独自の議会も持つ。周辺のニナワ県やキルクーク県のクルド人地域の帰属をめぐって中央政府とは対立関係にある。
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http://mainichi.jp/select/news/20141110k0000e030068000c.html
イスラム国:指導者が負傷か イラク治安部隊攻撃で
毎日新聞 2014年11月10日 11時05分(最終更新 11月10日 11時19分)
【カイロ秋山信一】AP通信は9日、複数のイラク国防・治安当局者の話として、イスラム過激派組織「イスラム国」のアブバクル・バグダディ指導者がイラク治安部隊の攻撃で負傷したとの情報を伝えた。負傷程度など詳細は不明。バグダディ指導者が米軍主導の有志国連合による空爆で負傷した可能性も報じられており、負傷の真偽も含めて情報が錯綜(さくそう)している。
APによると、シリア国境に近い西部カイムで8日、イスラム国の会合が開かれていたところを治安部隊が攻撃し、バグダディ指導者を負傷させたとの情報がある。イラク国営テレビも9日に負傷情報を報じた。また、サウジ系の衛星テレビ局は8日、有志国連合による空爆でバグダディ指導者が負傷した可能性があると伝えた。
一方、米中央軍は8日、有志国連合が北部モスル付近でイスラム国の指導者らの車列を空爆したが、バグダディ指導者が標的に含まれていたかは不明だと発表している。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014111400974
要衝バイジを奪還=「イスラム国」に打撃−イラク軍
【カイロ時事】イラク軍部隊は14日、イスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」が6月以降支配下に置いていた北部バイジを奪還した。AFP通信が当局者の話として伝えた。バイジは近郊にイラク最大の製油所を擁する戦略上の要衝で、奪還作戦を進めるイラク軍にとっては最大の戦果となる。
バイジは、イスラム国が拠点とする北部モスルとティクリートを結ぶ幹線道路上に位置する。ティクリートは依然イスラム国の管理下にあるが、バイジを失ったことで孤立化は避けられず、大きな打撃となる。
イラク軍はバイジ一帯の支配権をめぐり、イスラム国と2週間以上にわたって交戦を続けていた。今後、製油所も完全に掌握し、生産再開に踏み切れるかが焦点だ。(2014/11/14-21:53)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014111400993
さらし首、町のあちこちに=「イスラム国」恐怖で住民支配−国連調査委
【ジュネーブ時事】国連人権理事会が設置したシリア情勢に関する国際調査委員会は14日、過激組織「イスラム国」の支配地域で、思想や宗教が異なる市民、戦闘で捕らえた兵士の処刑が横行しているとの最新報告書を発表した。犠牲者の首が広場で「見せしめ」にされるなど、イスラム国が恐怖による支配を強めていると非難した。
報告書によると、北部アレッポなどでは、集まるように命じられた住民の目前で処刑を実施。遺体ははりつけにされ、住民の目に付きやすい場所にさらされたり、切断された頭部は公園の柵に並べられたりするという。
報告書は少女がイスラム国の兵士と結婚を強要されたり、性的暴行の対象になったりしていると指摘。さらに「学校が18歳未満の少年の徴兵や軍事訓練の施設として使われている」とし、イスラム国が「大規模な戦争犯罪」を行っていると断定した。
その上で、「組織的に基本的人権と自由を否定している」と、イスラム国による人道に対する罪を改めて批判。イスラム国指導者らを処罰するため国際刑事裁判所(ICC)への付託などを訴えた。(2014/11/14-22:15)
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http://mainichi.jp/select/news/20141115k0000m030101000c.html
イラク:クルドと対立解消…イスラム国対応に弾み
毎日新聞 2014年11月14日 21時48分(最終更新 11月14日 23時10分)
【カイロ秋山信一】イラク連邦政府とクルド自治政府は13日、自治区産の石油利権を連邦政府に一部譲渡する見返りに、自治政府への連邦予算の分配を再開することで合意した。イラクメディアが報じた。クルド自治政府が今年春に独自に石油輸出を図り、連邦政府から予算配分凍結の制裁を受けていた。両政府が対立解消で前進したことで、イラクで勢力を拡大する過激派組織「イスラム国」への対応における連携にも弾みがつきそうだ。
◇石油利権と予算分配
イラクメディアによると、連邦政府のアブドルマハディ石油相と自治政府のバルザニ首相が13日、自治区の主要都市アルビルで会談。自治区からトルコ経由で輸出される石油の約半分に当たる日量15万バレル分の収入を連邦政府に譲渡するのと引き換えに、10月分の公務員給与に充てる5億ドル(約578億円)が自治政府に支払われる。さらに11月分の予算として10億ドルが追加で支払われることも決まった。
ただ連邦政府は従来、自治区産のすべての石油収入を管理することを求めてきた。残りの石油収入が自治政府の独自財源として認められるかは不透明だ。
マリキ前政権下では、新たに採掘される石油の利権配分などを巡って自治政府との関係が悪化。連邦政府が憲法で義務づけられている予算の分配を凍結したため、自治政府では公務員の給料未払いなどが起きていた。イスラム国が6月にイラク北部への大規模侵攻を始めた直後には、自治政府が連邦からの分離独立の動きも見せた。しかし9月に発足したアバディ政権で関係修復が進んでいる。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3031369
シリアのクルド人地域、男女平等法を可決 イスラム国に対抗
2014年11月10日 21:38 発信地:ベイルート/レバノン
【11月10日 AFP】住民の多数をクルド人が占めるシリアのハサカ(Hasakeh)の自治体で、女性に男性と同等の権利を付与する法令が可決された。英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によれば、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が成立させた女性に差別的な法律に対抗する動きだという。
クルド人が多数派を占めるシリアの周辺3地域は昨年、ジャジーラ(Al-Jazira)地区として自治政府の樹立を宣言した。同政府は前週5日、交流サイトのフェイスブック(Facebook)上の公式ページで、男女が「公的・私的生活のすべての場面で」平等を享受することを定めた法令を発表した。また法令は女性に対するいわゆる「名誉殺人」や「暴力や差別」を禁じている。
労働の場でも給与を含め男女同権が打ち出された。また女性の結婚は18歳以上とされ、本人の同意なく嫁がせることを禁じている。この他、一夫多妻制の禁止、裁判の際の証言者としての権利の男女平等、全面的な相続権の付与などが含まれている。自治政府内にはアラブ系住民もいるが、男女平等は同自治内のすべての民族に適用されるとしている。
イスラム教では、男性に扶養能力がある場合には妻を4人まで持つことができるとされている他、相続権や裁判の際の権利について女性には制限が課されている。シリア人権監視団によれば、シリアのクルド人女性にはこれまで一切相続権がなかった。(c)AFP
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<イラク>政府軍攻勢 イスラム国から北部バイジ市街地奪還
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20141115k0000e030186000c.html
毎日新聞2014年11月15日(土)11:02
【カイロ秋山信一】イラク政府軍は14日、北部バイジの市街地を過激派組織「イスラム国」から奪還し、郊外にある国内最大規模のバイジ製油所に向けて進攻した。AP通信が報じた。製油所は今年6月からイスラム国に包囲されて操業停止に陥っており、政府軍は包囲解除を狙っている。政府軍がイスラム国の実効支配下にあるモスルとティクリートの中間にあるバイジ周辺を制圧できれば、北部奪還に向けた大きな足がかりとなる。
APなどによると、政府軍は10月下旬からバイジで攻撃を開始し、14日までにイスラム国の部隊を市街地から放逐した。中心部から約5キロ北にある製油所は、イスラム国に包囲された状態が約5カ月間続いており、今後は製油所の攻防が焦点になる。バイジ製油所は6月まで国内処理量の3割近い日量30万バレルを精製し、主に国内向けにガソリンや発電用燃料を供給していた。
アバディ首相は政府軍の立て直しを進めており、今月に入って政府軍幹部36人が「不適格だ」などとして更迭・引退させられた。マリキ前首相は軍・治安機関の幹部をイスラム教シーア派の側近らで固めたが、イスラム国が6月に北部で大規模侵攻を始めた際にほぼ無抵抗で敗走を重ねた。アバディ首相はスンニ派も取り込む形で組織再編を進める意向で、北・西部のスンニ派部族を治安組織に取り込む計画も進めているが、スンニ派の不信感は根強く調整は難航している。
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http://mainichi.jp/select/news/20141116k0000m030117000c.html
パレスチナ:民衆蜂起の胎動 不満、不信高まる若者
毎日新聞 2014年11月16日 10時30分
【エルサレム大治朋子】イスラエルやヨルダン川西岸パレスチナ自治区でパレスチナ人とイスラエル治安当局との衝突が相次いでいる。パレスチナの若者の衝動的な攻撃が波状的に続いており、先月以降、双方の死者は少なくとも計14人に達した。組織的ではない「暴力の波」(地元紙)への対応に治安当局は苦慮しており、新たな「インティファーダ(民衆蜂起)」の始まりとの指摘も出ている。
イスラエル治安当局によると、10月初旬からエルサレムや自治区各地でパレスチナ人の若者と治安部隊との衝突が増加した。10月末以降は若者がイスラエル人の通行人に車で突っ込むなどの攻撃が続発し、10月以降、イスラエル人計6人、パレスチナ人の少なくとも8人が死亡した。
今月12日にはパレスチナ自治区ラマラ近郊でモスク(イスラム礼拝所)が放火され、イスラエル北部でもシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)に火炎瓶が投げつけられた。背景には、イスラエルによる占領の長期化や、事態を打開できないパレスチナ自治政府に対する不満や不信、閉塞(へいそく)感の高まりがある。
米国仲介の和平交渉は今年4月に頓挫し、イスラエル政府はユダヤ人入植(住宅)地の拡大を再開。10月末に東エルサレム近郊に1000戸余り、今月12日にはエルサレム北方に200戸を建設する計画などを発表した。
さらに政府は10月末、イスラエル側への通勤許可を持つパレスチナ自治区の労働者らに対し、ユダヤ人入植地を通る公共バスに乗車するのを禁止すると発表。パレスチナ人は大幅な迂回(うかい)を強いられ、「アパルトヘイト(人種隔離)だ」と反発を強めている。
エルサレム旧市街のイスラム教聖地「ハラム・アッシャリーフ(高貴なる聖域)」(ユダヤ教の呼称は「神殿の丘」)をめぐる問題も対立に拍車をかけている。ユダヤ教聖職者はユダヤ教徒の礼拝を禁じているが、権利拡大を求める右派らが繰り返し礼拝を強行。10月15日には、イスラエル政府がパレスチナ人の立ち入りを禁じてユダヤ教徒約100人の入域を許可したため、衝突に発展した。
また、ユダヤ教活動家が29日、パレスチナ人に銃撃され重傷を負い、イスラエルの与党右派幹部がこれに抗議して聖地を訪れ礼拝し、さらに対立が激化した。パレスチナ自治区ガザを拠点とするイスラム原理主義組織ハマスなどは「ユダヤ人が聖地を奪おうとしている」と徹底抗戦を呼びかけている。
イスラエルのネタニヤフ首相は今月13日、ハラム・アッシャリーフを維持管理するヨルダンのアブドラ国王、ケリー米国務長官と会談。ユダヤ教徒の礼拝を禁じる「現状」維持の方針を明確にした。だが、投石などには強硬姿勢で臨む構えだ。
テルアビブ郊外のバルイラン大学のメナケム・クレイン教授(政治学)は「組織に頼らない若者の抵抗は権威の否定であり、新たな形のインティファーダだ。イスラエルが過剰な力で抑圧しなければ収まるかもしれないが、致命的な過ちを犯せば事態は急激に悪化する」と指摘している。
【ことば】インティファーダ
1987年、イスラエルの占領に反発するパレスチナ人が開始した投石などによる抵抗運動。93年の「オスロ合意」(パレスチナ暫定自治合意)前後に沈静化したが、その後の和平交渉が2000年に決裂。失望感が広がるなか、同年9月に右派リクード党のシャロン党首(当時。後の首相)がイスラム教聖地ハラム・アッシャリーフへの訪問を強行し、第2次インティファーダが始まった。パレスチナ側はロケット弾など、イスラエルは爆撃機まで投入する大規模な戦闘となり05年ごろまで続いた。
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http://mainichi.jp/select/news/20141118k0000m030150000c.html
アラブ3カ国:カタールから召還中の大使 復帰で合意
毎日新聞 2014年11月18日 00時21分(最終更新 11月18日 00時46分)
サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの3カ国は16日、今年3月に召還していた駐カタール大使を復帰させることで合意した。昨年7月のエジプトの軍事クーデターを巡り、カタールがクーデターで弾圧されたイスラム組織ムスリム同胞団を擁護したことに反発し、サウジなど3カ国が大使を召還していた。カタールが同胞団幹部の一部を国外追放するなど譲歩したため和解した。【秋山信一】
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http://mainichi.jp/select/news/20141120k0000e030190000c.html
対イスラム国:最大製油所の包囲破る イラク政府側に弾み
毎日新聞 2014年11月20日 10時25分
【カイロ秋山信一】イラク治安部隊は18日、北部バイジにある国内最大規模の製油所で過激派組織「イスラム国」の包囲網を破り、製油所内に進入した。国営テレビが報じた。約5カ月間続いた包囲網の突破は、北部でイスラム国の支配地域奪還を図る政府側の動きに弾みをつけそうだ。
国営テレビなどによると、治安部隊はイスラム国が敷設した地雷を除去し、製油所への進入ルートを確保した。イスラム国の部隊の多くは撤退したが、一部は周辺で抵抗を続けており、国内供給の3割近くを担う製油所の稼働再開には時間を要する見込みだ。
バイジはイスラム国が実効支配するモスルとティクリートの中間にあり、イスラム国の攻撃が続く油田地帯のキルクークにも近い要衝。政府側は14日に市街地を奪還していた。
一方、イラク農業省は18日、イスラム国が6月以降に北部の穀倉地帯から100万トン以上の小麦・大麦を奪い、シリアのラッカやデリゾールに運び去ったとの推計を明らかにした。イスラム国は食糧確保に加え、石油精製やインフラ復旧も自前で行うなど、実効支配の強化を図っている。
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http://www.afpbb.com/articles/-/3032554
イスラエルは「ユダヤ人の祖国」、閣議で基本法案を承認
2014年11月24日 16:23 発信地:エルサレム/その他
【11月24日 AFP】イスラエル政府は23日の閣議で、同国を「ユダヤ人の祖国(ナショナルホームランド)」と定義し直す基本法案を承認した。基本法は独立宣言と並んでイスラエルの憲法として機能しているもので、民主主義を弱体化させると非難する声が上がっている。
ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相率いる右派政党リクード(Likud)は、同党の国会議員の一人が起草者に名を連ねた同法案について、「内閣は本日、『ユダヤ人国家イスラエル』の基本法案を承認した」との声明を発表した。
閣議は荒れ、14閣僚は賛成したが、ツィピ・リブニ(Tzipi Livni)法相が党首を務めるハトヌア(HaTnuah 運動)と、ヤイル・ラピド(Yair Lapid)財務相が党首を務めるイェシュアティド(Yesh Atid 未来がある)の中道2政党の6閣僚は反対した。
この法案が可決されれば、基本法の中でイスラエルは「ユダヤ的かつ民主的国家」ではなく、「ユダヤ人の祖国(ナショナルホームランド)」と定義されることになる。
イスラエル政府の最高法律顧問を含む反対派は、承認された法案はアラブ系イスラエル国民170万人に対する差別を制度化する恐れがある上、イスラエルの民主主義国家としての性格よりもユダヤ人国家としての面を強調しており反民主主義的だとしている。
シンクタンク「イスラエル民主主義研究所(Israel Democracy Institute、IDI)」は、1948年の独立宣言はイスラエルをユダヤ人の国と規定するとともに全国民の平等を強調しているが、閣議で承認された法案からは後者が抜け落ちていると指摘した。
これとは別にネタニヤフ首相は、アラブ人を対象に、本人や親族が暴動に加われば居住権や福祉受給権を剥奪する方針も発表した。(c)AFP/Steve Weizman
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http://www.afpbb.com/articles/-/3032647
「女性は男性と平等ではない」、トルコ大統領の発言に非難殺到
2014年11月25日 19:58 発信地:イスタンブール/トルコ
【11月25日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は24日、イスタンブール(Istanbul)で開催された女性の権利に関する会議の席上で、女性と男性は平等ではないと主張し、同国のフェミニストたちは母親という概念を拒んでいると発言した。これに対し、あからさまな性差別だとして激しい非難の声が上がっている。
敬虔(けいけん)なイスラム教徒である同大統領は、女性と男性の生物学的な違いは、同じ役割を果たすことができないことを意味していると述べ、女性の「繊細な気質」に肉体労働は向かないとも語った。
このエルドアン大統領の発言は、ツイッター(Twitter)上で大論争を巻き起こした。ある有名な女性ニュースキャスターは、ニュース速報の間に発言を非難する異例の対応をとった。
エルドアン大統領は会議で、娘のスメイエ(Sumeyye Erdogan)さんを含む出席者らに向かって「私たちの宗教(イスラム教)は、(社会における)女性の地位を母親と定義している」と述べた。
同大統領はさらに「自然の法則に背くことになるため」、女性と男性を平等に扱うことはできないと続け、「男女の性格や習慣、体格は異なる。赤ん坊にお乳をあげている母親を、男性と平等の立場に置くことはできない」、「共産主義体制のように、男性と同じ仕事を女性にやらせることはできない。女性たちにシャベルを与え、仕事をしろとは言えない。それは女性の繊細な気質に反する」と語った。(c)AFP/Dilay GUNDOGAN
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http://mainichi.jp/select/news/20141127k0000m030037000c.html
イラク:「搾取財産で…」フセイン元大統領孫の結婚式波紋
毎日新聞 2014年11月26日 19時27分(最終更新 11月26日 20時36分)
◇長女ラガドさんの娘バナンさん、ヨルダンの高級ホテルで
【カイロ秋山信一】イラクの故サダム・フセイン元大統領の孫娘が24日、隣国ヨルダンの高級ホテルで豪華結婚式を挙げ、「フセイン政権時代に国民から搾取した財産を使っている」との批判を浴びている。調度品にフセイン政権時代のイラクの国章があしらわれていたことも反感を買ったようだ。
結婚したのは、フセイン元大統領の長女ラガドさんの娘バナンさん。2003年のイラク戦争後に母と共にヨルダンに亡命した。結婚相手はイラク人男性との情報もあるが、詳細は明らかにされていない。
ラガドさんが写真共有アプリ「インスタグラム」に結婚式の準備や祝賀パーティーの写真を投稿したところ、交流サイトを通じて拡散。イラクでは過激派組織「イスラム国」の侵攻で多数の死傷者や避難民が出ていることもあり、「イラク国民への当てつけだ」、「お金の使い道が他にあるはずだ」との批判の声が上がっている。
ラガドさんは亡命時に巨額の資産を国外に持ち出したとされ、イラクの反政府運動を支援しているとの疑惑も持たれている。
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http://www.sankei.com/world/news/141128/wor1411280037-n1.html
2014.11.28 20:28
アフガン大統領就任2カ月 首都の治安ますます悪化 閣僚いまも決まらず
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【ニューデリー=岩田智雄】アフガニスタンの首都カブールで今月、要人や治安部隊を狙ったテロが相次ぎ、今年末の国際治安支援部隊(ISAF)撤収を控えて、治安悪化への不安が増している。ガニ大統領は、さきの大統領選で対立したアブドラ行政長官と挙国一致政権を発足させ、29日で2カ月になるが、内閣配分でアブドラ氏との合意が得られていない。閣僚は一人も任命されておらず、悪影響が懸念される。
イスラム原理主義勢力タリバンは27日、英大使館車を自爆攻撃し、英国人大使館員1人を含む5人が死亡した。複数の大使館が集まる地域にある宿泊施設も自爆や銃撃で襲った。
24、25日には道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、ISAFを主導する北大西洋条約機構(NATO)の兵士2人が死亡、アフガン兵6人が負傷した。9日と16日には、警察署長や閣僚有力候補の女性人権運動家が自爆テロ犯に襲われた。
米メディアによれば、米軍はアフガン部隊の支援が主要任務となる来年も、空爆などタリバンとの対テロ戦を一部継続するとされる。ロイター通信は、9800人にまで減らすとしていた米兵の数について、数百人規模の増員が検討されていると伝えた。
アフガン議会の上院は27日、米兵の駐留を可能にする安全保障協定を下院に続いて承認した。アフガン治安部隊は能力に不安を抱え、米軍が支援だけの役割に回ることは難しい状況にあるといえそうだ。
閣僚任命では、挙国一致政権合意に基づき「権力の折半」を求めるアブドラ氏と、これを押し返そうとするガニ氏との間で調整が難航している。12月4日には、ロンドンで支援国による国際会議が開かれるが、主要閣僚が出席できるかどうかは不透明な情勢だ。一方で、ガニ氏は顧問や特使に元閣僚などを起用し、内閣発足以前に大統領主導の体制を固めつつある。
アフガンの政治評論家、モハンマド・ユーナス・ファコル氏は、内閣が発足できないことに「ガニ氏とアブドラ氏に配分について明確な合意がなく、それぞれ挙国一致政権について独自の解釈をしていることが原因だ」と指摘し、「地方でNATO軍が撤収するなか、タリバンが首都への攻勢を強めている」として政治、経済、治安に影響を与えることを懸念している。
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http://www.sankei.com/world/news/141129/wor1411290039-n1.html
2014.11.29 19:57
殺人罪などに問われたムバラク元大統領に「無罪」 旧体制への回帰鮮明
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テレビ放送されたムバラク元大統領の公判=29日、カイロ(AP)
【カイロ=大内清】2011年の民衆デモで参加者の殺害を命じたとして、殺人罪などに問われたエジプト元大統領、ムバラク被告(86)の判決公判が29日、カイロの特別法廷で開かれ、特別法廷は殺人罪の起訴手続きに不備があったとして、公判を無効とする判断を下した。
ムバラク氏が殺人罪では事実上の無罪となったことで、軍出身のシーシー現大統領の下で進む旧体制への回帰がいっそう鮮明となった。
11年の政変を主導した若者中心の民主化グループやシーシー氏による昨年のクーデターで政権を追われたイスラム原理主義組織ムスリム同胞団が反発を強め、抗議デモなどの混乱につながる可能性もある。
判決では、ムバラク氏とともに殺人罪に問われていたアドリ元内相らには、無罪判決が言い渡された。ムバラク氏や息子2人らの汚職事件では、すでに時効が成立しているなどとして、無罪となった。
高齢のムバラク氏が今後、政治の表舞台復帰を目指すかは不明だが、エジプトでは最近、旧ムバラク政権関係者が相次いで無罪判決を受けており、来年前半にも行われる議会選に向け、旧体制出身者の復権が進むとみられる。
エジプトでは政変後の混乱が長期化していたが、今年6月に強権的な手法も辞さずに安定回復を訴えるシーシー政権が誕生。国民の間でも治安が安定していたムバラク旧政権期を再評価する声も高まっていた。
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http://www.sankei.com/world/news/141130/wor1411300017-n1.html
2014.11.30 19:30
アフガンで相次ぐテロ カブール警察本部長辞任
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【ニューデリー=岩田智雄】アフガニスタンの首都カブールで11月29日、宿泊施設が襲撃され、警察当局によると、国際援助団体を率いる南アフリカ人とその子供2人、アフガン人1人の計4人が死亡した。イスラム原理主義勢力タリバンが犯行を認めた。カブールでは今月、要人や治安部隊を狙ったテロが相次いでおり、ザヒル・カブール警察本部長は30日、治安悪化の責任を取って辞任した。
ザヒル氏自身も9日にタリバンの自爆テロの標的になり、部下の首席補佐官1人が死亡していた。
一方、ガニ大統領の報道官によると、ガニ氏とアブドラ行政長官は新閣僚について、すべて新任とすることや、女性を4人以上任命し、一部で専門家を起用することで合意した。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014120100848
王家支持のスンニ派勝利=バーレーン総選挙
【カイロ時事】ペルシャ湾の島国バーレーンで行われた総選挙(下院、定数40)で、イスラム教スンニ派のハリファ王家を支持するスンニ派勢力が過半数の21議席以上を獲得し、勝利を収めた。アラブ・メディアが1日報じた。(2014/12/01-21:04)
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http://www.sankei.com/world/news/141209/wor1412090039-n1.html
2014.12.9 20:56
イスラエル国会解散 3月に前倒し総選挙 右派優勢、和平交渉再開はさらに困難に
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【シャンリウルファ(トルコ南部)=大内清】イスラエル国会(定数120、任期4年)は8日夜、ネタニヤフ首相が求めていた国会解散と前倒し総選挙の実施に向けた法案を可決した。選挙は来年3月17日に行われる。選挙ではネタニヤフ氏が率いるリクードを中心とした右派勢力が優勢とみられており、今年4月に頓挫したパレスチナとの和平交渉の再開はさらに困難となりそうだ。
昨年3月に発足した現在の連立政権には、リクードや入植推進派の極右政党のほかに、パレスチナとの和平に積極的なハトヌアなど中道政党も参加。政権は当初から、和平交渉再開の障害となっている占領地・東エルサレムやヨルダン川西岸での入植政策などをめぐる対立を抱えていた。
そうした中、ネタニヤフ氏は今月、予算編成や住宅関連の税制、イスラエルを「ユダヤ人国家」と規定する法案などをめぐり、ハトヌアのリブニ法相ら2閣僚を更迭。これによって連立政権内の亀裂が決定的となり、ネタニヤフ氏は2017年の任期満了まで2年以上を残した段階で異例の国会解散を決めた。
現地メディアが伝えた情勢によると、現時点ではリクードや極右「わが家イスラエル」で作る会派が優勢で、リクード党首のネタニヤフ氏が通算4期目の首相に再任される可能性が高い。
また、パレスチナとの「2国家共存」を目指す現行の枠組みを否定する極右「ユダヤの家」が議席数を伸ばして第2党になるとの予想もある。選挙後、これらの政党が中道勢力を排除した右派連合政権を形成すれば、パレスチナ側が反発を強めるのは必至で、和平交渉再開に向けた機運そのものが低下する恐れもある。
一方、野党側は、経済や福祉政策などの面でどれだけ支持を拡大できるかが焦点となりそうだ。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141210-00000035-jij_afp-int
イスラム国、「同性愛者」を屋上から落とし投石で殺害
AFP=時事 12月10日(水)16時28分配信
イスラム国、「同性愛者」を屋上から落とし投石で殺害
イラク・ラシャドに立てられたイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の旗(2014年9月11日撮影、資料写真)。
【AFP=時事】イラクとシリアで活動するイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」は9日、同性愛者とされる男性を建物の屋上から落とした上で、投石により殺害する場面を写したとみられる写真を、インターネット上で公開した。
先月にも同性愛者とされる2人を殺害
イスラム国は、写真に添えられた声明で「ウィラヤット・フラー(Wilayet al-Furat)のイスラム法廷は、同性愛行為におよんだ男について、街の最も高い場所から投げ落とし、さらに投石によって死刑に処すべきと決定した」と述べている。
「ウィラヤット・フラー」が指すのは、シリア・イラクの国境にまたがる地域で、シリア側からユーフラテス川(Euphrates)がイラクに流れ込んでいるアブカマル(Albu Kamal)─カイム(Al-Qaim)間の国境検問所付近が含まれる。
写真の1枚は、同性愛者とされる男性1人が、イスラム国の戦闘員2人に建物から投げ落とされている場面で、場所はシリアとイラクのどちらとも特定されていない。次の写真には地面に倒れた男性が写っている。
イスラム国は11月にもシリアで、同性愛者だとの理由で男性2人を投石により殺害している。【翻訳編集】 AFPBB News
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http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014121100066
中道2党、統一名簿作成へ=来年3月のイスラエル総選挙
【エルサレム時事】イスラエルの中道左派・労働党(現有15議席)のヘルツォグ党首と、中道政党「ハトヌア」(同6議席)のリブニ党首は10日夜、2015年3月17日に予定されている国会選挙(定数120)に、候補者名簿を統一して臨むことを発表した。
リブニ氏は共同記者会見で、「ヘルツォグ氏はイスラエルの次期首相になるべきだ」と強調。今度の選挙は「中道対極右」の戦いになるとの考えを示した。
イスラエル紙イディオト・アハロノト(電子版)が8日に報じた世論調査では、両者が協力することにより、ネタニヤフ首相が率いる右派リクード(同18議席)を上回る議席獲得も期待できる。
首相は2日、連立を組んでいた中道政党との対立が深化したことを受け、法相だったリブニ氏らを更迭し、前倒し総選挙を実施する方針を表明。イスラエル国会は8日夜、解散した。(2014/12/11-06:26)
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さよなら安倍政権 自民党議員100人落選キャンペーン
URL:http://ouen100.net/
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http://mainichi.jp/select/news/20141213k0000m030060000c.html
イスラム国:モスル恐怖政治半年 新知事スパイ容疑処刑か
毎日新聞 2014年12月12日 20時11分(最終更新 12月12日 20時27分)
【カイロ秋山信一】イラク北部の主要都市モスルがイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」に電撃制圧されてから半年が経過した。米軍主導の有志国連合の空爆支援を受けて、イラク軍やクルド人治安部隊が周辺で軍事作戦を続けており、住民らはイスラム国の恐怖支配の下で、再び戦火におびえる日々を過ごしている。一方、現地では携帯電話が遮断されるなど、イスラム国指導部は情報統制に神経をとがらせている。
今月8日、住民の間を衝撃的な情報が駆け巡った。「知事が処刑された」。イスラム国はイラクとシリアの実効支配地域に独自の行政区画を設置。モスル一帯は「ニナワ州」と名付けられ、バグダディ指導者が任命した知事が統治していた。
だが、11月中旬に前知事が有志国連合の空爆で死亡。12月上旬に新知事が任命されたばかりだったが、スパイ容疑をかけられて処刑されたという。真偽は不明だが、イスラム国指導層の内紛情報が流れるのは異例だ。
複数の住民によると、前知事への空爆について、所在情報が内部から漏えいした疑惑が浮上していた。また、携帯電話の位置情報を有志国連合や政府軍につかませないため、イスラム国は11月27日に主要携帯電話会社のネットワークを切断すると住民に告知。インターネットもつながりにくくなっている。
イスラム国は6月以降、シャリア(イスラム法)に基づく統治を標ぼうし裁判、行政、教育などの制度を変え判事、弁護士、公務員らは失職した。
偶像崇拝につながりかねない芸術や、イスラム国の解釈と相いれない歴史・地理の授業もなくなった。子供たちはイスラム国が管理する学校に通うしかないが、中央政府はイスラム国支配地域での履修実績を無効にする姿勢だ。
一方、医師や建設業者、技師など住民サービスに必要な人材には「逃亡すれば財産を没収する」と脅し、つなぎ留めを図っている。実際にイスラム国が敵視するシーア派住民の財産は没収された。イスラム国侵攻時に多くは避難したが、脅迫を受け、モスルに戻った人もいる。
シリアやトルコからの輸送路が確保されており、食料は侵攻以前と同様に手に入る。中央政府の公務員は失職状態だが、送金業者を介した給料の受け取りは認められているという。ただ、水道の不通、麻酔薬の在庫切れなど問題は続出。耐乏生活が住民をじわじわと追い詰めている。
政府軍やシーア派民兵、クルド人部隊はモスル・ダムや北部バイジなどを奪還。モスル進攻を計画している。住民にはイスラム国からの解放を望む気持ちと、シーア派民兵やクルド人部隊から「イスラム国の協力者」というレッテルを貼られ、弾圧されるのを恐れる気持ちが交錯している。
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「イスラム国」副官死亡=米軍主導のイラク空爆で
http://news.nifty.com/cs/world/worldalldetail/jiji-2014121900109/1.htm
2014年12月19日(金)7時30分配信 時事通信
【ワシントン時事】米国防総省のカービー報道官は18日、米軍主導のイラクでの空爆により、過激組織「イスラム国」の複数の幹部が死亡したと発表した。氏名は明らかにしていないが、米メディアによれば、指導者のバグダディ容疑者の副官で組織ナンバー2とされるハジ・ムタズ(別名アブムスリム・トルクマニ)氏ら3人という。
イスラム国は死亡した幹部の後任に適した人材を多く抱え、致命的打撃にはならないとみられるが、来年からイスラム国に対し、本格的攻勢に出る構えのイラク政府軍には追い風になりそうだ。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)によれば、イラク北部モスルの「知事」を自称する幹部が11月下旬、空爆により死亡。さらに今月3〜9日の間に、ムタズ氏とイラクでの軍事作戦を統括するアブド・バシト氏の2人を殺害した。
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ボコ・ハラム襲撃で32人死亡…軍は士気低下?
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/world/20141218-567-OYT1T50130.html
読売新聞2014年12月19日(金)00:52
【ヨハネスブルク=上杉洋司】AFP通信は18日、ナイジェリア東北部ボルノ州の村グムシリがイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」に襲われ、少なくとも32人が死亡したと伝えた。
襲撃があったのは14日で、複数の地元政府関係者によると、多数が行方不明となっており、185人以上の女性と子供が拉致された可能性があるという。
ボコ・ハラムによって携帯電話の基地局や主要な道路の多くが破壊されているため、情報が伝わるまで時間がかかったようだ。村から約70キロ・メートル北にある州都マイドゥグリなどに村人が多数逃げてきたことから、攻撃が明らかになった。
ボルノ州では今年4月、学校がボコ・ハラムに襲撃され、女子生徒200人以上が拉致された。同州などナイジェリア東北部では、ボコ・ハラムが食料や家畜を略奪し、女性を拉致する事件が頻発。ナイジェリア軍は、ボコ・ハラムの掃討作戦を展開しているが、地元住民らからは、「軍は住民を守ってくれない」と不満が高まっている。
一方、同通信などによると、ナイジェリアの軍事裁判所は17日、ボコ・ハラム掃討作戦への参加を拒むなど命令に違反したとして、兵士54人に死刑判決を下した。ナイジェリア軍は、軍需物資の不足や給与の未払いなどで、兵士の士気の低下が著しいとの指摘が出ている。
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野党大統領候補にブハリ氏=元軍政トップ、現職と一騎打ち―ナイジェリア
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-141212X321.html
時事通信2014年12月12日(金)05:44
【ロンドン時事】ナイジェリアからの報道によると、最大野党・全進歩会議(APC)は11日の党大会で、ブハリ元最高軍事評議会議長を大統領候補に選出した。来年2月の大統領選挙は、与党・国民民主党(PDP)のジョナサン大統領との事実上の一騎打ちとなる見通し。
ブハリ氏は1983年のクーデターで軍政トップの座に就いたが、2年後に失脚。99年の民政移管後、3度の大統領選すべてに出馬し、いずれも落選した。
ナイジェリアはアフリカ最大の産油国で、国家歳入の大半を原油収入に頼るが、折からの原油価格下落への対応は待ったなしの状況だ。北東部ではイスラム過激組織「ボコ・ハラム」がテロを繰り返し、汚職もまん延する。
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http://www.sankei.com/world/news/141221/wor1412210001-n1.html
2014.12.21 18:00
【国際情勢分析】
危険度増すアフガン 首都でテロが激化
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11月27日、カブールで自爆テロを受けた英国大使館の車両の残骸。5人が死亡、30人余りが負傷した(ロイター)
アフガニスタンの首都カブールで外国人や要人、治安部隊を標的にしたテロが11月以降、相次いでいる。米支援組織の所長家族3人や、英国人の大使館員らがイスラム武装勢力タリバンの襲撃で殺害され、カブールの警察本部長が更迭される事態に発展した。9月に発足したガニ新政権は、国際治安支援部隊(ISAF)撤収を控え、治安対策で、難しいかじ取りを迫られている。
米支援組織などが標的に
米カリフォルニア州を拠点とする支援組織「教育開発協力(PAD)」の施設がタリバンのメンバー3人に襲われたのは11月29日のことだった。1人は警官の制服を着ていた。自爆や銃撃で攻撃され、事務所長の南アフリカ人男性(46)のほか事務所長の息子(17)と娘(15)、アフガン人2人が犠牲になった。
AP通信などによると、親子は医師の母親とともにカブールに居住し、母親は別の職場にいて無事だった。PADは2002年以来、アフガンで活動しており、男性は3年前から事務所長を務めていた。学校へトイレを供給し、英語教育を提供するなどの活動をしてきたが、事件を受け、PADは事務所をいったん閉鎖した。母親は事件後も、医師としての活動を継続しているという。タリバンは、PADがキリスト教の布教の拠点になっていたため、標的にしたと説明している。
カブールでは11月、タリバンによるテロが続発している。27日には、英大使館車が自動車爆弾を使った自爆テロに遭い、英国人館員1人とアフガン人通訳1人、別のアフガン人3人の計5人が死亡、30人余りが負傷した。大使館の多目的車は爆発で40メートルほど吹き飛ばされ、屋根や扉がなくなるほどの衝撃を受けた。当時、現場付近にいた商店主のハビブラさん(34)は、産経新聞通信員の取材に「爆発はまるで地震のようだった。一帯が衝撃で揺れた」と当時の様子を証言した。
警察本部長は更迭
このほか、24、25日には道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、ISAFを主導する北大西洋条約機構(NATO)の兵士2人が死亡、アフガン兵6人が負傷した。9日と16日には、カブールのザヒル警察本部長や閣僚有力候補の女性人権運動家が自爆テロ犯に襲われた。2人は無事だったが、本部長の部下の首席補佐官が死亡している。
ザヒル氏は一連のテロの責任を取り、「これ以上は続けられない」(カブール警察報道官)として30日に本部長の辞任を申し出て、その後、更迭された。
タリバンは一連のテロについて、12月4日のロンドン支援国会合を前にした攻勢だとしている。比較的警備が厳重な首都でテロが可能になっていることについて、アフガンの政治評論家、モハンマド・ユーナス・ファコル氏は産経新聞の取材に、「地方で0001NATO0001軍が撤収するなか、タリバンが首都への攻勢を強めている」と分析する。
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ロイター通信によれば、南部ヘルマンド州では最近、I0001SAFの縮小に伴い英米軍が撤収し、アフガン治安部隊が使用している基地がタリバンに襲撃され、奪われそうになる事件も発生した。
イラクの二の舞いを警戒
AP通信によると、アシュラフ・ガニ大統領(65)は治安悪化の事態を重く見て、タリバンの勢力が強い南部ヘルマンド州、東部ガズニ州、ナンガルハル州に加え、北部クンドゥズ州などで文民や軍幹部の更迭に着手した。フランツ=ミカエル・メルビン駐アフガン欧州連合(EU)特使(56)は、「ガニ大統領は、軍内部の改革の必要性を感じている」としている。
I0001SAF撤収後の来年以降、米国は9800人に規模を縮小し、NATO全体で外国部隊の駐留規模は約1万2000人程度になる見通しだが、米国はアフガンが部隊撤退後にイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の増長を許したイラクの二の舞いになることを強く警戒している。
このため、米メディアによれば、来年以降、当初予定していたアフガン治安部隊の支援中心の任務に加え、空爆などタリバン掃討作戦を継続する方針だ。ロイター通信は、駐留規模が予定されていた9800人よりも数百人増えると報じている。
バラク・オバマ米大統領(53)は2016年末までの米軍完全撤退を表明しているが、それまでには、紆余(うよ)曲折があるかもしれない。(ニューデリー支局 岩田智雄)
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http://www.sankei.com/world/news/141223/wor1412230015-n1.html
2014.12.23 05:15
EU、トルコ政権対立のイスラム系言論機関摘発を批判 強権発動 エルドアン大統領「余計なお世話だ」
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【カイロ=大内清】トルコ警察が国内最大のイスラム団体、「ギュレン運動」系のメディア幹部ら20人以上を逮捕したことをめぐり、同国のエルドアン政権と人権尊重を求める欧州連合(EU)が批判合戦を展開している。エルドアン大統領が強権色を強めていることで、トルコが将来的に加盟を目指すEUとの溝が深まった形だが、政権側は22日、ギュレン運動指導者の逮捕状を取り、さらに圧迫を強める構えだ。
警察当局は14日、ギュレン系有力紙ザマンのドゥマンリ編集長らジャーナリストや、ギュレンの信奉者とされる警官らを一斉逮捕。編集長は釈放されたが、当局側は「非合法グループを組織し国家主権奪取を図った」などとしている。
EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表は同日の声明で、捜査手法が「欧州の価値観に反している」と、言論機関を標的とするエルドアン政権の対応を批判。これに対しエルドアン氏は、「国家の安全に関わる問題にEUは介入するべきではない。余計なお世話だ」と反撃した。
ギュレン運動は、米国で事実上の亡命生活を送るイスラム教指導者、フェトフッラー・ギュレン師を奉じる人々のネットワークで、トルコ内外で教育や慈善活動を展開。地方の優秀な学生に奨学金を出し、政府や司法機関、メディアに送り込んでいるとされる。
エルドアン氏が創設したイスラム系与党、公正発展党(AKP)とは協力関係にあったものの、昨年には対立が表面化し、現在は激しく敵対している。
逮捕状が発行されたとはいえ、米国がギュレン師を引き渡すとは考えにくい。
ただ、今年夏の選挙で首相から大統領に就任したエルドアン氏は、AKPが議会の多数派を握っていることもあって政治基盤は安定しており、来年予定される総選挙ではさらなる権力基盤強化を狙っている。
このため、たとえ強権手法が批判を招いても、選挙戦で障害となりかねないギュレン側への締め付けを強めるものとみられており、逮捕状取得はその意思の表れといえそうだ。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141223-00000017-jij_afp-int
性奴隷の運命恐れ自殺… イスラム国被害者の惨状、人権団体が報告
AFP=時事 12月23日(火)11時55分配信
性奴隷の運命恐れ自殺… イスラム国被害者の惨状、人権団体が報告
イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の侵攻を逃れるため、イラク北部から隣国シリアへ向かう少数派ヤジディー教徒の人々(2014年8月13日撮影)。
【AFP=時事】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は23日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」により性奴隷にされたイラクの少数派ヤジディー(Yazidi)教徒の女性や少女たちが自殺したり、自殺未遂したりする事例が発生していると発表した。
イスラム国、ヤジディー教徒の女性たちを奴隷化と自賛
今年6月からイラクの広範囲の領土を掌握しているイスラム国は、隣国シリアとの国境をまたぐ地域でのカリフ制国家の樹立を宣言し、両国で残虐行為を繰り返している。
アムネスティによると、イスラム国によってイラク北部のヤジディー教徒やその他の少数民族が標的にされた結果、民族浄化や一般市民の殺害、奴隷化が行われた。捕らわれた人の一部は、奴隷となることを死よりも過酷な運命とみなしている。
アムネスティの危機対応上級アドバイザー、ドナテラ・ロベラ(Donatella Rovera)氏は声明で、「性奴隷として捕えられている人の多くは子どもで、14〜15歳か、さらに若い少女たちだ」としている。
アムネスティによると、加害者の多くはイスラム国の戦闘員だが、同組織の支持者らも含まれている可能性があるという。
アムネスティは、被害者の一人であるジランさん(19)の事例を挙げている。兄弟によると、ジランさんは性的暴行を加えられることを恐れて自殺したという。
ジランさんと共に拘束された後に脱出したある少女も、これを裏付ける証言をしている。「ある日、私たちはダンスの衣装のような服を与えられ、入浴してからそれを着るように言われた。ジランは浴室で自殺した」「彼女は両手首を切り、首をつった。彼女はとても美しかった。男に連れていかれることがわかっていたから、自ら命を絶ったんだと思う」
別の元人質の女性、ワファさん(27)はアムネスティに対し、強制的な結婚から逃れるために姉妹と共に自殺を図ったが、止められたと語っている。「私たちは、お互いの首の周りにスカーフを巻き付け、思い切り強く引っ張った。私は気を失った。その後、数日間は話すことができなかった」
アムネスティはまた、家族と共に拉致され、自分の倍の年齢の男から性的暴行を受けたランダさん(16)の話も取り上げている。ランダさんは、「彼らが私や家族にした