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製紙産業スレッド

1 荷主研究者 :2003/12/03(水) 00:45
業界の再編が進み、世界市場への進出と世界の上位を伺う日本の製紙産業。国内2強の王子製紙と日本ユニパックホールディングを筆頭に個性的な製紙メーカーも多い。また原料から製品まで鉄道貨物輸送との関連も深く興味深い産業である。

日本製紙連合会
http://www.jpa.gr.jp/

印刷関連リンク集(製紙メーカー、商社、インクメーカー等ある)
http://www.idek.jp/print/link.asp

820 荷主研究者 :2017/03/26(日) 12:11:13

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO14076460U7A310C1QM8000/
2017/3/14 23:01 日本経済新聞 電子版
相次ぐ紙の値上げ 需要縮小に懸念の声も

 製紙会社の値上げが相次いでいる。大王製紙は14日、ティッシュ紙やトイレ紙といった家庭紙を5月から10%以上値上げすると正式に発表した。チラシや雑誌に使う印刷用紙も大手が4月からの値上げで足並みをそろえた。焦点は小売価格の動向に移るが、値上げが需要を冷やしかねないと懸念する声もある。

 「家庭紙メーカーの採算は厳しい。安定調達のためにも値上げは受けざるを得ないだろう」。都内にある紙商社の社長は胸の内を明かす。

 家庭紙各社は2015年夏にも商社に値上げを打ち出した。結果は一部の低価格品の上昇にとどまっていた。「当時よりも物流費や人件費は高い」と、商社社長は値上げに理解を示す。

 大王製紙が本格的に値上げの検討を始めたのは16年末ごろ。17年1月上旬には方針を固めていたとみられる。電力料金や燃料費、物流費の上昇は製紙会社の収益を圧迫している。あるメーカーの担当者は「低価格のティッシュ紙やトイレ紙の値下がりが目立ってきた。採算が厳しくなっている」とこぼす。

 印刷・情報用紙は家庭紙に先行して値上げの動きが広がる。2月21日の日本製紙と大王製紙の値上げ表明を皮切りに、王子製紙、北越紀州製紙などが一斉に値上げに動いた。大手製紙会社の幹部は「自分のところだけ安値で売り続けるのはできない」と言い切る。

 家庭紙や印刷・情報用紙は身近な商品だ。特に家庭紙はホテルや商業施設の需要増で市場が伸びている。メーカーは採算悪化を避けるために値上げを目指す。とはいえ、理解を示す商社ばかりではない。別の商社の担当者は「ドラッグストアなどでは、同じブランドでも、より安い商品の調達を増やす可能性がある」とみる。

 印刷・情報用紙の値上げ環境は家庭紙より厳しい。日本製紙連合会(東京・中央)によると、文書や広告のデジタル化で、17年の国内需要は11年連続で前年を下回る見通しだ。印刷用紙の卸価格は約3年9カ月ぶりの安値水準にある。

 首都圏の印刷会社社長は「需要が伸びない中での値上げでは、顧客への説明も苦しい」と漏らす。値上げで需要が一段と縮小しかねないと警戒する声が目立つ。

 節約意識が強い消費者と日々向き合う小売店の受け止めは、さらに厳しい。ドラッグストアの仕入れ担当者は「前回の価格引き上げの時と状況はあまり変わっていない。少なくとも値上げの全額受け入れは到底できない」と語気を強める。値上げが製紙会社の狙い通りに進むかは不透明だ。

821 荷主研究者 :2017/03/26(日) 12:42:26
>>693 >>778
http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/342326.html
2017/3/25 09:11 静岡新聞
特種東海製紙、横井工場を閉鎖 経営資源を集中

 特種東海製紙は24日の取締役会で、島田市の横井工場の閉鎖を決めた。事業構造改善費用として、同工場の解体撤去や更地化などを含めた特別損失約40億円を計上する。

 紙タオル原紙を主要生産品目としていた同工場は5月までに稼働を完全に停止する。2014〜16年度に同社島田工場(現新東海製紙)内の連結子会社トライフへ生産移管し、ごく一部の製品の仕上げや加工を行うにとどまっていた。10人前後の従業員は閉鎖後、トライフなどグループ各社に移る見込み。

 総資産をスリム化して固定費圧縮を図るとともに、経営資源を新東海製紙に集中させて競争力向上を目指す。17年3月期通期の連結業績予想は変更しない。

 横井工場は1952年に東海パルプ(現特種東海製紙)の傘下に入った。島田工場への移管前の年間生産量は2万トン強だった。JR島田駅の南約400メートルの住宅地に位置し、敷地面積は4万6104平方メートル。跡地の使途について特種東海製紙の担当者は「島田市の意向も踏まえて考えていく」と話している。

822 とはずがたり :2017/04/06(木) 08:22:37
「加熱式たばこ」で出遅れ、喫煙者減少でJTの牙城は崩れるか?
国内販売で苦戦。受動喫煙対策法案が追い打ちも
http://www.toushin-1.jp/articles/-/2724?utm_source=excite&utm_medium=referral&utm_campaign=relatedlink
2017.02.19 08:05下原 一晃

受動喫煙対策法案でも注目される「加熱式たばこ」

塩崎恭久厚生労働相は2017年2月14日に開かれた閣議後の記者会見で、厚労省が今国会への提出を目指している受動喫煙対策法案に関連し、新型の加熱式たばこについては、「施行の時点までに規制の対象とするかどうか判断したい」と述べました。

厚労省が昨年10月に発表した「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」では、飲食店などの建物内を原則禁煙(喫煙室設置可)とし、学校や病院では敷地内全面禁煙を提案しています。これに対して、飲食店業界などからは強い反発がありました。特に小規模店は「死活問題になる」と、一律の規制に反対しています。

厚労省では、反発を受けて、バーなどの小規模店や小規模の居酒屋、焼き鳥店などを条件付きで禁煙の例外とする案を検討しています。ただし、9日に開かれた自民党厚生労働部会では反対意見も多く、まとまるまでにはまだ時間がかかりそうです。

日本市場では先発のPMI「アイコス」の1強状態

ところで、冒頭に塩崎厚生労働相がコメントした「加熱式たばこ」とは何か知っていますか。

加熱式たばこは、普通の紙巻きたばこのように、葉たばこを使います。ただし、火は付けません。葉たばこの入ったスティックなどを電気で熱し、発生する蒸気を吸います。火を付けないため、煙や灰が出ません。従来の紙巻きたばこに比べ、においも少ないそうです。

加熱式たばこが日本に登場したのは2014年11月。米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が「アイコス」を名古屋市で先行販売しました。PMIは2016年春からは全国で販売を行うようになりました。

加熱式たばこ二番手は日本たばこ産業(JT)で、2016年3月に福岡市の一部の店舗とオンラインショップで、「ブルーム・テック」の販売を開始しました。2016年12月には英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)が仙台市内で「グロー」の販売を開始しました。

現在手に入る加熱式たばこは「アイコス」、「ブルーム・テック」、「グロー」の3種類ですが、全国展開しているのは「アイコス(PMI)」だけです。JT、BATはまだテスト販売といった位置付けです。

JTは2017年6月に「ブルーム・テック」を東京都内で販売し、2018年上半期には全国展開すると発表しています。BATも早期の全国展開を目指すとしていますが、JT、BATともにPMIに出遅れた感は否めません。

ちなみに、「加熱式たばこ」と似ている商品に「電子たばこ」があります。両者を合わせて「新型たばこ」と呼ぶ場合もあります。電子たばこはニコチンを含む溶液を加熱して蒸気を吸います。

海外では、新型たばこと言えば電子たばこのほうが主流ですが、日本では電子たばこは医薬品医療機器等法(旧薬事法)の承認が必要で、現在、国内で承認された商品はありません。

圧倒的なシェアを誇るJTの牙城が崩されることもあり得る

JTは2月6日、2016年12月期連結決算(国際会計基準)を発表しました。純利益は前期比13%減の4,216億円で、今期も減益を見込んでいます。

JTでは本業とも言えるたばこの国内販売で苦戦が続いています。2017年12月期の国内販売数量見通しは前期比9.6%減の960億本となっています。1,000億本を割り込むのは民営化以降初めてです。

知らない人もいるかもしれませんが、実は、JTはたばこの販売数量では、首位のPMI、2位のBATに次いで、世界3位のポジションに位置しています。積極的なM&A(合併・買収)で海外の事業基盤を獲得・拡充し、成長を続けてきました。さらに、国内では6割以上という圧倒的なシェアを誇ってきました。

しかし、加熱式たばこでは先発のPMIの1強状態となっています。大げさでなく、日本市場というJTの牙城が崩されることもあり得ます。今後、JTがどこまで巻き返すことができるのか、注目したいところです。

下原 一晃

823 とはずがたり :2017/04/18(火) 08:57:05
>木材の安いアジアではこれまで木箱が工業製品の梱包の中心だった

東南アで段ボール市場争奪 王子HD、マレーシアに新工場
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX17H08_X10C17A4FFE000/
2017/4/18 1:25日本経済新聞 電子版

 東南アジアの段ボール市場の成長をにらんだ製紙大手の投資が活発になっている。王子ホールディングス(HD)がマレーシアで段ボール原紙の新工場を計画し、タイのサイアム・セメント・グループ(SCG)や中国勢も設備増強に動く。部品や通信販売の輸送向けの需要が拡大。印刷用紙が伸び悩む中で、新たな有望市場の争奪戦が激しくなってきた。

 マレーシア北部のペナン州。米ハネウェルなどの航空機器メーカーが進出する地で段ボール産業も活況を呈しつつある。現地企業のアイレテックス社は、航空機部品などを運ぶのに使う大型段ボール箱を1日に500〜600個つくる。

 ただの段ボールではない。王子HD系の段ボール会社から調達した強度のあるシートを複数重ねたものだ。100キログラムを超える自動車エンジンのような重量物にも耐える。クリス・パーセル最高執行責任者(COO)は「マレーシアの産業変化で強化段ボールは今後も増える」と言い切る。

http://tohazugatali.web.fc2.com/paper/1542408017042017FFE001-PB1-7.jpg

 木材の安いアジアではこれまで木箱が工業製品の梱包の中心だった。木箱は木に潜む虫の駆除が必要で、解体にも手間がかかるが、段ボールなら扱いやすい。人件費の抑制に役立ち、輸送費は「全体で2割減らせる」(王子HD)。タイではスズキは3月から二輪部品の梱包を木箱から段ボールに切り替えた。

 情報機器やインターネットを使った情報のやり取りが増え、印刷用紙は厳しさを増す。一方、米調査会社のRISIによると、アジアの段ボール原紙の需要は2021年に8704万トンとなり、16年から14%増える見通しだ。東南アジアは22.1%増のインドネシアをはじめ有望な国が多い。

 王子HDは10年にマレーシアの段ボール箱加工最大手のGSPP社を買収。段ボール関連で東南アジアとインドに21拠点を持つ。マレーシアではさらに段ボール原紙の新工場を建設する方針だ。投資額は200億円前後とみられ、21年の稼働を目指す。原紙の生産能力は現在の2倍の年50万トン以上となり、東南アジア各地に供給する。

 段ボールにはネット通販拡大の追い風も吹く。東南アジア各国の小売市場全体に占めるネット通販の比率はまだ1%前後で、伸びしろは大きい。米調査会社のフロスト&サリバンによると、東南アジアのネット通販市場は2020年には252億ドル(2兆7720億円)と15年比で約2.3倍に拡大する見通しだ。

 東南アジアの段ボール市場では日本企業や地元勢、中国勢が並び立つ。各社の投資は活発で、タイ最大手SCGと日本のレンゴーの合弁会社は16年秋に150億円を投じてベトナムの原紙工場の生産能力を倍増させた。中国最大手の玖龍紙業(ナインドラゴンズ・ペーパー)と同2位の理文造紙(リー・アンド・マン・ペーパー)もベトナム工場の増強に動く。

 M&A(合併・買収)も相次ぐ。中国大手の合興包装印刷は16年6月、製紙世界最大手の米インターナショナル・ペーパーから中国と東南アジアの段ボール事業を1億5千万ドルで買収。レンゴーは16年10月に重量物用の強化段ボールで世界最大手のトライウォール(ケイマン諸島)を約240億円で傘下に収めた。

 トライウォールは欧州とアジアに工場を90カ所近く持ち、東南アジアでも生産する。同社も「木箱からの切り替え需要を取り込む」(宮崎英二社長)と、王子HDと同じ工業製品需要を狙う。

 王子傘下のGSPPのシア・ブーン・スーン社長は「今動かなければ、競合がどんどん入ってくる」と警戒感をあらわにする。アジアの段ボール市場は厳しい戦いの場にもなりつつある。

東京=古川慶一

824 荷主研究者 :2017/04/29(土) 22:17:19

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ12HQL_S7A410C1TJC000/
2017/4/12 19:53 日本経済新聞
大王製紙、北越紀州との技術提携打ち切りへ

 大王製紙は12日、北越紀州製紙との技術提携を11月14日付で打ち切ると発表した。同社からの社外取締役の受け入れも6月末の株主総会後に終了するとしたが、北越紀州は「了解していない」と反発している。北越紀州は2012年から大王へ約2割を出資する同社の筆頭株主だが、15年に大王が発行した新株予約権付社債(転換社債=CB)などを巡り対立が続いていた。

 提携の打ち切りについて大王は「(提携契約時に結んだ5年間の)有効期間が満了するため提携を終了する旨の通知をした」とのコメントを発表。一方の北越紀州は「大王が一方的に通告し公表したものだ」としている。

 大王製紙と北越紀州製紙は2006年から技術提携関係にある。11年に発覚した大王創業家の会長による特別背任事件後、北越紀州が筆頭株主となった後には全社的な生産や開発、物流面での提携を目指していた。

 両社の協業は王子ホールディングス(HD)と日本製紙に次ぐ「第三極」の形成と期待されたがほどなく関係が悪化。北越紀州は三菱製紙と販売会社の統合を検討したが15年に破談。大王が三菱への提携を持ちかけたとされる。

 15年秋に大王が発行したCBを巡り、北越紀州は「株価が急落した」として大王の経営陣を相手に損害賠償請求訴訟を起こした。両社の係争は今も続いている。

825 荷主研究者 :2017/05/06(土) 22:12:57

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00424566
2017/4/14 05:00 日刊工業新聞
セルロースナノファイバー最前線(2)供給拡大へ動く

相次ぎ量産設備稼働

CNF配合ゴム(奥)は高硬度で、耐候・耐熱性が大幅に向上する(日本製紙)

【体制整備】
 製紙原料の木材パルプを処理して、ナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)まで細かく解きほぐすセルロースナノファイバー(CNF)。増粘・消臭といった機能性を高める添加剤用途が先行して実用化され、サンプル供給ベースの研究・開発フェーズから一歩進み、供給拡大をにらんだ体制整備も活発になってきた。

 王子ホールディングス(HD)は2016年12月、王子製紙富岡工場(徳島県阿南市)で年産能力40トンのCNF実証生産設備を稼働した。化粧品にも使う安全な薬品であるリン酸を使った独自の化学処理「リン酸エステル化法」でCNFを製造する。日用雑貨品メーカー向けの納入が決まったCNF増粘剤「アウロ・ヴィスコ」を生産するほか、サンプル供給も大幅に拡大。従来は研究施設でCNFを製造していたため用途や供給量を制限せざるを得なかった。

 また、薄膜ガラスの代替や電子デバイス向けなどにサンプル供給するCNF透明連続シートについても、今秋までに同25万平方メートルの生産設備を導入。将来的に同100万平方メートルまで規模を拡大する計画だ。

【余力なくなる】
 日本製紙は業界に先駆けて13年秋、岩国工場(山口県岩国市)に東京大学の磯貝明教授らが開発した触媒「TEMPO」を使って化学処理する同30トンの実証生産設備を導入。だが、自社で抗菌・消臭効果を高める尿漏れ・吸水ケア製品への適用を進めたこともあってサンプル供給余力がなくなり、石巻工場(宮城県石巻市)に世界最大級となる同500トンのCNF量産設備建設を決定した。4月下旬の完成が間近に迫る。さらに用途開発を進めるため、富士工場(静岡県富士市)で6月に同十数トンのCNF強化樹脂の実証プラント、ケミカル事業本部江津事業所(島根県江津市)で9月に食品添加物の製造技術を応用した同30トンの食品・化粧品向けCNF増粘・保湿剤の量産設備を稼働する。

【複合材料化】
 樹脂やゴムの補強材用途では中越パルプ工業も6月稼働を目指し、川内工場(鹿児島県薩摩川内市)に同100トンの量産設備を建設中。CNFの製法には九州大学の近藤哲男教授が開発した水中対向衝突法(ACC法)を採用している。ACC法は水の衝突圧でパルプを解きほぐすシンプルな手法で、繊維素が多少絡み合った直径10ナノメートル程度までの解繊になるが、処理過程で油にもなじむ両親媒性を備える。その特徴が、複合材料化に生かされる。

(金曜日に掲載)

(2017/4/14 05:00)

826 荷主研究者 :2017/05/06(土) 22:35:16

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170419/bsc1704190500004-n1.htm
2017.4.19 06:02 Fuji Sankei Business i.
日本製紙、クリネックス刷新 各社が成長分野の家庭向け強化

クリネックス新商品をPRする女優の新垣結衣さん(右)と日本製紙クレシアの南里泰徳社長=18日、東京都千代田区【拡大】

 製紙各社が、ティッシュやトイレットペーパーなどの家庭紙事業を強化している。日本製紙は18日、「クリネックス」ブランドを刷新し、新商品を投入すると発表。大王製紙が日清紡ホールディングスの事業を買収するなど、生産能力の増強も目立つ。紙需要の減少が続くなか、数少ない成長分野である家庭紙で収益を確保したい考えだ。

 日本製紙子会社の日本製紙クレシアが21日に発売するクリネックスのティッシュは、原料の配合を見直すなどし、よりふんわりと柔らかく仕上げたほか、パッケージやロゴも刷新した。同社は米キンバリー・クラークと提携してクリネックスブランドの使用権を獲得し、1964年に国内で初めてティッシュを発売した。今回の刷新は33年ぶりとなる。

 クリネックスは50〜70代がメーンユーザーだが、今後は30〜40代の女性への売り込みを強化し、客層を広げたい考えだ。

 日本製紙は、トイレットペーパーでも中堅製紙会社の春日製紙工業(静岡県富士市)と共同出資会社を設立し、富士工場(同)の敷地内に約60億円をかけて新工場を建設する計画だ。

 一方、「エリエール」ブランドを展開する家庭紙首位の大王製紙は、日清紡HDの製紙事業を4月3日に買収し、3工場と社員を引き継いだ。買収額は250億円で、事業の大半を家庭紙が占める。また、計240億円を投じ、休止中の川之江工場(愛媛県四国中央市)を再稼働させるほか、埼玉県行田市に加工工場を設ける計画。相次ぐ生産増強で、2位の日本製紙を引き離したい考えだ。

 日本製紙連合会によると、2017年の紙需要は11年連続で減少する見通し。一方、家庭紙は逆に0.7%増の202万トンと10年連続で増え、過去最高を更新するとみている。単身世帯の増加に加えて、インバウンド(訪日外国人)の増加で宿泊施設の需要も伸びている。

 ただ、原油価格や物流費が上昇するなか、各社は5月から値上げする方針。消費者が値上げを受け入れなければ、販売が減り、収益が落ち込むリスクもはらむ。

827 荷主研究者 :2017/05/14(日) 10:53:11

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ25HPG_V20C17A4TJC000/
2017/4/25 23:33 日本経済新聞 電子版
日本製紙「車に紙の部品」 石巻に量産工場

 日本製紙は25日、新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」の国内最大の量産プラントを石巻工場(宮城県石巻市)で稼働させた。紙と同じ原料からつくるCNFは軽く強度があり、「ポスト炭素繊維」の本命。国内製紙2強の日本製紙だが、電子媒体の普及などで主力の洋紙は需要減が深刻だ。業界自体が消えかねないとの危機感を背に新分野に挑む。

 「CNFを新たな事業の柱に育てる。今年は極めて重要な1年となる」。日本製紙の馬城文雄社長は25日、石巻工場で開いた式典で宣言した。プラントは16億円を投じ、印刷用紙などを手がける工場の一角に置いた。

 紙の原料でもある木材パルプを化学的に解きほぐし、高品質なCNFを年間500トンつくる。年内に静岡県と島根県の工場でもプラントの稼働を予定しており、CNF量産で先行する構えだ。

 CNFは幅4〜100ナノ(ナノは10億分の1)メートル、長さ5マイクロメートル以上の極細素材。通常は水に溶かした液状で、ボールペンのインクの粘りを増す添加剤などとして実用化されている。繊維自体の重さは鉄の5分の1だが、強度は5倍あるとされる。

 「最終的には自動車用のプラスチックやゴムの補強材が目標だ」(馬城社長)。化粧品や塗料の添加剤などを手始めに、軽さと強さを生かして自動車の内外装部品に用途を広げる。「紙のクルマ」の実現が目指す姿だ。

 背景には、スマートフォン(スマホ)など電子機器の普及で増す「紙離れ」の深刻さがある。日本製紙連合会によると、2016年度の紙の国内出荷量は前年度比1.0%減の1371万トン。07年度のピーク時から約3割も減った。

 「10年後には製紙業界そのものがなくなりかねない」(同業他社の首脳)。王子ホールディングスに次ぐ国内2位の日本製紙は国内洋紙事業の比率が66%(15年度、販売量ベース)と高い。構造改革は待ったなしだ。

 お手本は炭素繊維で復活した繊維メーカー。代表例は東レだ。1960年代から研究を重ね、釣りざおやゴルフシャフトを経て、自動車・航空機部品に用途を広げた。炭素繊維事業は16年3月期の連結営業利益が361億円と全社の23%を稼ぐ屋台骨の一つとなった。

 とはいえ課題も多い。まずはコスト。現在は1キロ当たり数千〜1万円だ。支援する経済産業省は「炭素繊維のように50年もかけられない」と30年ごろの普及を見込むが、その時点の想定価格は1キロ500円。かなりのコスト削減を迫られる。

 もう一つは早くも競争が激化していることだ。中越パルプ工業は25日、CNFの用途開発と販売で丸紅と提携すると発表。6月には鹿児島県で年産100トンのプラントを稼働させる。加藤明美社長は「3〜5年で柱にしたい」と繰り返す。

 「本気でCNFを事業化するなら製紙会社の枠を越えるべきだ」。みずほ銀行産業調査部の加古惇也調査役は化学など異業種のM&A(合併・買収)が欠かせないと指摘する。30年に1兆円に育つとされる市場で日本製紙は勝てるのか。すでに時間との闘いとなっている。(古川慶一)

828 荷主研究者 :2017/05/14(日) 11:04:33

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201704/20170426_12006.html
2017年04月26日水曜日 河北新報
<日本製紙>新素材CNF 石巻工場で量産へ

CNF量産設備の完成を祝ってテープカットをする関係者

 木材パルプから取り出す新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」の生産設備が宮城県石巻市の日本製紙石巻工場に完成し、25日に稼働を始めた。CNFは素材の強度や高い耐熱性などから多様な産業での活用が期待される。国内最大の年500トンの生産能力があり、本年度は年100トンを目標に生産ラインを軌道に乗せ、2019年度をめどにフル稼働させる計画。

 新聞古紙パルプを製造していた4階の建屋(延べ床面積4700平方メートル)の既存施設を再利用し、CNFを製造するタンクや電気設備などを配置した。整備費は約16億円。

 CNFは木材パルプに特殊な化学処理を施して製造する繊維。髪の毛の1万分の1の細さで、軽量ながら鉄のような強度があり、熱による変形が少ないのが特長とされる。

 石巻工場生産のCNFは当面、銀イオンを付着させて消臭効果を高めた紙おむつなどの日用品に利用される。将来は大量生産につながる自動車部材やゴム製品、家電、包装材料などへの用途拡大を目指す。

 石巻工場で25日、竣工(しゅんこう)式があり、約80人が出席。日本製紙の馬城文雄社長は「世界最大規模のCNFの量産設備を稼働させることができた。一日も早くフル稼働させ、さらなる増設へとつなげたい」と述べた。

829 荷主研究者 :2017/05/14(日) 14:43:38

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16043620T00C17A5TJC000/
2017/5/3 23:35 日本経済新聞 電子版
三菱製紙、京都に導電性フィルムの新工場 多角化急ぐ

 三菱製紙は電子材料に使う高機能フィルムの新工場をつくる。インクジェット用紙などをつくる京都工場(京都府長岡京市)の敷地内に約15億円を投じて新棟を建て、2019年1月から稼働させる。タッチパネルに使う導電性フィルムなどを生産し、年20億円規模の売り上げに育てる。主力の紙の需要が減る中で収益の多角化を急ぐ。

 三菱製紙はイン…

830 荷主研究者 :2017/05/21(日) 21:47:30

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ11HWF_R10C17A5000000/
2017/5/11 16:23 日本経済新聞 電子版
王子・三菱、家庭紙を共同生産 大王へふんわり一矢

 王子ホールディングス(HD)と三菱製紙は11日、三菱の八戸工場(青森県八戸市)でティッシュやトイレット紙の共同生産を始めると発表した。東北地方での家庭紙強化が課題の王子HDと、八戸工場の稼働率を高めたい三菱製紙。双方にメリットがある提携は家庭紙で積極攻勢を続ける大王製紙への対抗策でもあった。

 王子HD子会社の王子ネピア(東京・中央)が30%、三菱製紙が70%を出資する新会社が三菱製紙の八戸工場(青森県八戸市)内に家庭紙の新工場棟を建てる。2019年4月に稼働する。

 「この提携が大王を下手に刺激しなければいいのだが」。詰めの交渉中だった今月初旬、ある三菱製紙の幹部はそうこぼした。

 15年の家庭紙生産シェアで大王製紙は14.6%と首位。3位の王子HD(10.1%)と5位の三菱製紙(0.4%)を上回る。大王は王子HDとの争奪戦を制して日清紡の家庭紙事業を4月に買収。18年は愛媛県に年5万4000トンの新工場もつくり、家庭紙トップの立場を鮮明にしていた。

 なんとか反攻したい王子・三菱連合だが、大王との「全面対決」を望まなかった。その証左が新工場の規模だ。いくらインバウンド(訪日観光客)の増加で家庭紙市場が成長しているとはいえ、過剰生産による低価格競争は避けたい。

 その判断から王子ネピアの遊休設備を活用する形で年産1万8000トンという生産能力に落ち着いた。大王の新工場と比べて3分の1のいささか「控えめ」な一矢となった。

 大王の勢いは止まらない。11日発表した2018年3月期の連結決算見通しは売上高が前期比15%増の5500億円、純利益も15%増の140億円。阿達敏洋専務は「今後も家庭紙と海外事業を伸ばす」と強調した。

 だが、その周囲は穏やかではない。2割を出資する筆頭株主の北越紀州製紙とは大王が発行した新株予約権付社債(転換社債=CB)を巡って係争関係にある。4月に大王は北越との技術提携終了を発表。対する北越も6月下旬の大王の株主総会で佐光正義社長ら取締役候補9人の再任に反対する方針だ。花王も5月に大王製品のデザインが似ていると東京地裁に販売差し止めの仮処分を申し立てている。

 王子・三菱だけでなく多方面からの風当たりが強まる大王製紙。それは成長市場で快進撃を続ける大王への焦りの裏返しなのかもしれない。

 (古川慶一)

831 荷主研究者 :2017/05/21(日) 21:48:19

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16206470Q7A510C1TJ1000/
2017/5/11 2:00 日本経済新聞 電子版
王子・三菱、家庭紙の新工場 製紙2強体制、鮮明に

 製紙最大手の王子ホールディングス(HD)と同6位の三菱製紙がティッシュやトイレットペーパーなどの家庭紙で業務提携する。共同の出資会社を立ち上げ、青森県内に50億円を投じて家庭紙の新工場を建設する。インバウンド(訪日外国人)の増加などによる家庭紙の需要増に対応する。三菱はかつて北越紀州製紙などと「第三極」づくりを模索したが一昨年に破談。製紙業界は王子・三菱連合と日本製紙の2強体制が鮮明になった。

 王子HD子会社の王子ネピア(東京・中央)が30%、三菱製紙が70%を出資する新会社が三菱製紙の八戸工場(青森県八戸市)の敷地内に家庭紙の新工場棟を建てる。2019年4月の稼働を目指す。ティッシュやトイレット紙を年1万8千トン生産し、王子HDは「ネピア」、三菱製紙は「ナクレ」のブランド名で主に東北地方へ出荷する。

 日本製紙連合会による15年の家庭紙の生産シェアで王子HDは10.1%と3位で大王製紙(14.6%)と日本製紙(12.9%)に続く。一方の三菱製紙は0.4%の5位だった。

 王子HDの家庭紙工場は北海道や愛知県、徳島県にあり東北地方への輸送が課題だった。三菱製紙と新設する工場から出荷することで物流を効率化する。三菱製紙は印刷・情報用紙が主体の八戸工場の生産品目を広げて稼働率を安定させる。

 三菱製紙は北越紀州製紙と販売会社の統合を模索したが15年4月に破談。両社に大王製紙を加えて「第三極」をつくり、王子HD、日本製紙に対抗する構想は破綻した。

 三菱はその後、約2.3%の出資を受ける王子HDとの協業を進めており、19年には八戸工場内で王子HDと共同運営するバイオマス発電所を稼働させる予定だ。

 人口減や電子媒体の普及で紙の需要は減るなか、インバウンドやインターネット通販の増加などで家庭紙や段ボールの市場は例外的に成長している。日本製紙連合会と全国ダンボール工業組合連合会によれば17年の国内需要は共に2年連続で過去最高となる見込みだ。

 成長市場を巡って合従連衡や投資競争が加速している。日本製紙は16年に段ボール原紙の製造販売で特殊東海製紙と提携。家庭紙は古紙トイレット紙大手の春日製紙工業(静岡県富士市)と共同で18年に静岡県内で新工場をつくる。大王製紙も4月に日清紡の家庭紙事業を250億円で買収し、さらに18年には愛媛県で家庭紙の新工場も稼働させる計画だ。

832 荷主研究者 :2017/05/21(日) 21:48:47

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170512/bsc1705120500001-n1.htm
2017.5.12 05:00 Fuji Sankei Business i.
王子と三菱が合弁事業 青森に家庭紙生産新工場

 王子ホールディングス(HD)と三菱製紙は11日、家庭紙で合弁事業を行うと発表した。三菱の八戸工場(青森県八戸市)内に、約50億円をかけてティッシュやトイレットペーパーを生産する新工場棟を建設する。東北地方における生産・供給体制強化が主な狙い。

 6月中旬をめどに、合弁会社「エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ」を設立する。資本金は8000万円で、三菱が70%、王子HD子会社の王子ネピアが30%を出資する。新工場棟の生産能力は年間約1万8000トンで、王子ネピアの工場から設備を移して2019年4月に稼働させる。30人以上の新規雇用を見込んでいる。

 製紙業界は人口減やデジタル化に苦しんでいるが、家庭紙はインバウンド(訪日外国人)の増加もあり堅調な需要が続く。三菱では、家庭紙生産で八戸工場の収益力を高める考え。

833 荷主研究者 :2017/06/01(木) 00:48:47

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170522/bsc1705220500004-n1.htm
2017.5.22 05:51 Fuji Sankei Business i.
日本製紙、王子HDが“夢の素材”を相次ぎ量産化 自動車への採用目指す

王子HDが量産するCNFシート【拡大】

■低コスト化で自動車市場開拓へ

 製紙各社が、夢の素材といわれるセルロースナノファイバー(CNF)の量産に相次ぎ乗り出している。日本製紙は石巻工場(宮城県石巻市)で4月下旬に世界最大級の量産設備を立ち上げ、王子ホールディングス(HD)なども近く量産に乗り出す。紙と同じく木材パルプから作るCNFは、軽いにもかかわらず強度があり、2030年には市場が1兆円規模に育つとの予測もある。各社では量産化で製造コストを引き下げ、ゆくゆくは巨大な需要が見込める自動車への採用を目指す考えだ。

■新設備は年産500トン規模

 「新設備が相次ぎ稼働する17年は、当社にとってエポックメーキングな年になる」

 日本製紙の馬城文雄社長は、4月25日に石巻工場で行われた量産開始の式典で、CNFの普及に向けた意気込みをそう語った。

 同社はこれまで岩国工場(山口県岩国市)で試験生産してきたが、石巻に16億円をかけて新設備を導入した。岩国の生産能力が年30トンなのに対し、石巻は500トンとはるかに上回る。

 CNFは、木材パルプをナノ(10億分の1)レベルに解きほぐした極細繊維だ。重さが5分の1の重さしかないが、強度は5倍と普及で先行する炭素繊維に匹敵する。ほかにも水に混ぜると粘り気が出たり、熱を加えても変形しにくいといった特徴を備える。植物由来で生産廃棄時の環境負荷が少なく、木材資源が豊富な日本なら原料を輸入に頼る必要もない。

 実用化はすでにスタートしている。日本製紙子会社の日本製紙クレシアは、大人用紙おむつに抗菌・消臭用途で採用。三菱鉛筆は、粘り気を増やしたボールペンのインクを開発済みだ。

 日本製紙の石巻工場では、研究の第一人者である東京大学の磯貝明教授らが開発した「TEMPO触媒酸化法」を採用。紙おむつの抗菌・消臭や塗料の添加剤、ゴムの強化剤を想定し、直径3〜4ナノメートルと超極細のCNFを生産する。また、同社は江津事業所(島根県江津市)でも11億円をかけて30トンの能力を持つ新工場棟を建設し、9月から別の製法で食品や化粧品向けに量産する計画。生産拡大でコストを引き下げるとともに、いち早く市場を押さえる考えだ。

■背景には深刻な紙離れ

 量産に乗り出す製紙会社は同社だけではない。王子HDは昨年12月、徳島県阿南市の富岡工場で、40トン規模の実証設備を導入。今年後半には25万平方メートルの透明シートを量産できる設備を導入する。中越パルプ工業も鹿児島県薩摩川内市の工場で6月から年100トンを量産。同社は4月に丸紅と提携し、販売先確保や用途開拓にも力を注ぐ。

 ほかにも大王製紙は、昨年4月に三島工場(愛媛県四国中央市)で100トン規模の試験設備を稼働。さらに乾燥させて粉末にし、樹脂などに混ぜやすくする設備を今年度中に追加する。

 将来的には自動車への採用を目指している。軽くて強いCNFを樹脂に混ぜ、車体の素材に使えば、安全性と燃費性能を高レベルで両立でき、環境負荷も減らせる。このため官民挙げて研究が進められており、日本製紙は6月に富士工場(静岡県富士市)でCNF樹脂の実証設備を立ち上げる方針だ。

 製紙各社が相次いで量産に乗り出す背景には、深刻な紙離れがある。日本製紙連合会によると、今年の国内需要は11年連続でマイナスとなる見通しだ。経済成長が続く新興国ならまだしも、人口減や電子媒体の普及に直面する国内では、増加は望めそうにない。原料調達や製造のノウハウを生かせて、ビジネスを拡大できるCNFへの期待は大きい。

 課題はコストだ。現状では1キロ当たりで数千〜1万円とされるが、自動車に採用されるには500円にまで引き下げる必要がある。日本製紙の馬城社長は「パルプから紙を作る技術に加えて、木材成分を活用するバイオケミカルでも高度な技術を蓄積してきた」と語り、課題克服に意欲をみせる。(井田通人)

834 荷主研究者 :2017/06/11(日) 13:15:02

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO17034150Z20C17A5LC0000/
2017/5/30 6:32 日本経済新聞
中国木材、呉に乾燥場と製材工場 端材でバイオマス発電

 製材加工の中国木材(広島県呉市)は29日、呉市内の工業用地に木材の乾燥場と国産材の製材工場を新設すると発表した。同日、呉市と立地協定を締結した。約27億円で9万平方メートルを取得する。6月以降は本社工場でバイオマス発電設備を増設することも合わせて公表した。コスト削減や発電事業による収益増を図る狙いだ。

 同社は木造住宅の骨格をなす梁(はり)や柱など構造材をつくる大手。12月に呉市内の工業用地「阿賀マリノポリス」内に天日で木材を乾燥する場を設ける。住宅木材に適した針葉樹「ベイマツ」を北米から輸入し、本社工場(同)ではりや柱に加工して、日光で3〜4カ月かけて乾かす。水分を抜くことで、割れやひびの発生を防ぐ。

 これまでは木を乾燥するのに木材加工の端材を燃やしてできる蒸気を使ってきた。乾燥場の新設により、木を自然乾燥に切り替えるため、年1億5千万円のコスト削減につながるという。

 6月以降は木材の乾燥に使ってきた端材の用途をバイオマス発電の燃料に切り替える。本社工場に増設した出力約1万キロワットのバイオマス発電設備を稼働する。発生した電気は電力会社に1キロワット時あたり24円(税抜き)で売る。年20億円の売電収入を見込む。

 2019年12月には乾燥場の隣に国産材の製材工場を設ける計画だ。四国や九州北部にある森林から木を伐採して製材にする。今後、円安により輸入木材の調達価格が上昇する可能性を見据える。

 同日開いた立地協定の締結式で中国木材の堀川保幸会長は「国産木材の需要はさらに増える」と見通して進出を決めたと強調した。呉市の小村和年市長は「地元の企業が工業用地に進出を決めてもらい、大変うれしく思う」と話した。

835 荷主研究者 :2017/06/11(日) 13:29:49

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170530/201705300917_29756.shtml
2017年05月30日09:17 岐阜新聞
大王製紙 可児工場に物流拠点

起工式に臨む大王製紙や大和ハウス工業の関係者=可児市土田、大王製紙可児工場

 大王製紙は、可児市土田の可児工場の敷地に倉庫を集約し、中部地方の物流拠点とする。工場の生産品の一部を保管するため借りていた倉庫を集約し、物流コストの削減を図るのが狙いで、来年5月の稼働を目指す。

 原料の資材置き場として使用している2万3900平方メートルの敷地に、鉄骨2階建て延べ2万7千平方メートルの倉庫を設ける。主に県内で借りていた倉庫9棟のうち7棟を集約する。

 倉庫は、大和ハウス工業が敷地を賃借して建設。大王製紙子会社のダイオーロジスティクス中部支店が大和ハウス工業の特定目的会社から倉庫を賃借して使用する。

 可児工場は家庭用紙製品の基幹工場としてティッシュやトイレットペーパー、印刷用紙などを製造し、生産能力は1日1010トン。主に東京、大阪、名古屋方面に出荷している。

 26日に起工式を行い、関係者が工事の安全を祈った。

836 荷主研究者 :2017/07/09(日) 11:13:03

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00433973?isReadConfirmed=true
2017/6/30 05:00 日刊工業新聞
セルロースナノファイバー最前線・企業編(10)北越紀州製紙

特殊紙事業に付加価値

耐湿・耐水性が求められる用途を想定したCNF撥水エアロゲル

【捕集性能向上】
 北越紀州製紙は2016年末、セルロースナノファイバー(CNF)をガラス繊維シート(不織布)との複合体およびエアロゲル(多孔体)の2形態でサンプル供給する体制を整えた。エアフィルター濾材に使われるガラス繊維シートは、特殊紙事業の主力製品。ガラス繊維の隙間にCNFをクモの巣状に張り巡らし、ナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)まで捕集性能を高めている。

 一方、比表面積が極めて大きくなるCNFエアロゲルは超高性能の断熱材や触媒の担持体、吸着材への利用を想定。CNFの分散媒として水に親水性のアルコールを加え、乾燥時の凝集を防いでスポンジ状のエアロゲルを作製することに成功した。

【CNFの弱点】
 同社のガラス繊維シートは、半導体・液晶製造などのクリーンルーム用高性能エアフィルターにも使われている。これまでにCNFガラス繊維シート複合体を空調設備工事大手を含め、十数社にサンプル供給した。性能評価試験の結果が出始め、「CNFの弱点ともいえる耐湿性を補う撥水処理などの改善要望が寄せられている」(中俣恵一技術開発本部研究所長兼新機能材料開発室長兼環境統括部長)という。

 すでにエアロゲルでは耐湿・耐水性が求められる用途を想定し、シーズとして撥水タイプも開発済み。需要創出の可能性を広げている。

 北越紀州は12年に買収したフランスの特殊紙メーカー、デュマとともに車載用バッテリーセパレーターの世界展開を進めるなど、特殊紙事業を成長分野に位置付ける。軽量・超高強度というCNFの特性を生かした構造材用途の実用化が遅れている実態もあり、当面は「CNFによって特殊紙や板紙などの既存事業で付加価値を高める」(同)ことに重点を置く。

【CNCも供給】
 また、CNFに続いて17年初め、カナダのパルプ製造・販売子会社からパルプを硫酸で化学処理してセルロースの結晶部分だけにしたセルロースナノクリスタル(CNC)の日本向けサンプル供給を始めた。国内で研究開発が進む繊維状のCNFに比べアスペクト比(長さ/幅比)が小さく、取り扱いが容易なのが特長。製造コストはCNFに比べ現状で3分の1程度とされ、結晶体なので乾燥・粉末加工しやすい。主に流動性向上や摩擦抵抗を低減する添加剤としての用途が期待されている。

 「CNFとCNCのどちらが先行するか分からないが、両にらみで用途開発を進める」(岸本晢夫社長)としている。

(金曜日に掲載)

(2017/6/30 05:00)

837 荷主研究者 :2017/07/26(水) 22:26:45

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170713/CK2017071302000101.html
2017年7月13日 中日新聞
《経済》 軽くて丈夫 CNFの量産化目指す

◆日本製紙・富士工場

樹脂にセルロースナノファイバー(CNF)を混ぜて強度を高めた「CNF強化樹脂」=富士市の日本製紙富士工場で

 軽くて高強度な木質由来の新素材・セルロースナノファイバー(CNF)の研究開発に取り組む製紙大手の日本製紙(東京)は、富士市の富士工場で建設を進めてきた「CNF強化樹脂」の実証生産設備を稼働し、十二日に報道陣に公開した。「次世代新素材」といわれるCNFを混ぜて強度を高めた樹脂は自動車部品や家電などで活用が期待されており、日本製紙は技術やコスト面の課題を検証しながら、将来の量産化を目指す。

 工場敷地内にある建屋の中に、原料の木材パルプが水となじまないようにする「疎水化処理設備」と、CNFと樹脂を混ぜる「強化樹脂混練設備」を設けた。工程は、疎水化したパルプの主成分のセルロースを繊維にほぐしてCNFをつくりながら、樹脂と混ぜ合わせる。年間約十トンの生産量を見込む。自動車や家電、建材などの関連メーカー向けにサンプルを提供しながら活用法を広げる計画だ。

疎水化したパルプと樹脂を混ぜ合わせ、CNF強化樹脂を製造する混練設備=富士市の日本製紙富士工場で

 自動車ではバンパーやドアパネルなどでの活用を想定する。現行のガラス繊維を混ぜた強化樹脂より軽く、少ない配合量で同じ強度を確保できることから、CNF強化樹脂への代替が進めば車の軽量化や燃費向上につながると期待される。

 会見した山崎和文副社長は「自動車に求められる厳しいコストや品質基準を満たすことができれば、各分野への応用が進む。自動車分野での実用化にチャレンジしたい」と強調した。

 木質由来でリサイクルも容易なCNFは次世代素材として注目度が高い。経済産業省は自動車用CNF強化樹脂の市場に関し、二〇三〇年に年間五百億〜二千五百億円の規模に成長すると試算。家電や化粧品などを含めた全産業用で一兆円規模になると予想する。

 一方で、実用化にはコスト低減が欠かせず、自動車に多く使うポリプロピレンなどの樹脂の種類によっては、現状では十分な強度を確保できないという課題もある。山崎副社長は「自動車産業が集積する静岡県はCNFの研究開発の場所として望ましい。課題に取り組み、できるだけ早く量産化を実現したい」と述べた。

 日本製紙は〇七年、京都大を拠点とする新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参加してCNFの研究開発を始めた。衛生用品や化粧品などに使うCNFは既に量産に乗り出し、宮城県の石巻工場などで今年から生産している。

(西山輝一)

 <セルロースナノファイバー(CNF)> 木材チップから取り出したパルプの繊維をナノレベル(10億分の1メートル)までほぐし、微細化したバイオマス素材。鉄と比べて5分の1の軽さで、5倍の丈夫さを持つとされる。繊維が細くて表面積が大きい特質から、消臭や抗菌の機能を高めた紙おむつなどの衛生用品として既に実用化されている。水中に分散すると粘りが出てゲル化する性質もあり、食品や化粧品の添加剤としても使われている。

838 とはずがたり :2017/08/03(木) 12:49:53
製紙工場ってアンモニア何につかうんだっけ??

アンモニア水浴び重体の男性死亡 愛知の製紙工場事故
10:35朝日新聞
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASK832R42K83OIPE001.html

 愛知県春日井市王子町の王子製紙春日井工場で、配管からアンモニア水が漏れた事故で、愛知県警春日井署は3日、意識不明の重体だった男性社員が2日夜に全身やけどで死亡したと発表した。

 署によると、死亡したのは春日井市柏井町3丁目の会社員村本秀樹さん(41)。村本さんは7月28日午前、アンモニア水が入ったステンレスタンクのメンテナンス中に、タンクの配管から漏れたアンモニア水を全身に浴びたという。

839 荷主研究者 :2017/08/14(月) 16:36:15

http://www.nipponpapergroup.com/news/year/2017/news170803003882.html
塗工紙の生産体制見直しについて
〜秋田工場の1号塗工機・石巻工場の2号塗工機を停機〜

2017年08月03日 日本製紙株式会社

 日本製紙株式会社(社長:馬城 文雄)は、塗工紙の国内需要の減少を踏まえ、2018年5月末に、秋田工場(秋田県秋田市)の1号塗工機と石巻工場(宮城県石巻市)の2号塗工機を停機いたします。

 印刷用紙の国内需要は少子化や電子媒体の伸長により構造的な減少傾向にあり、その中でも塗工紙は年率約4パーセントのマイナス成長が続いています。今後もその傾向は継続すると見込まれるため、当社は、両塗工機で生産する塗工紙を他工場に集約し、より効率的な生産体制を実現することで、塗工紙事業の競争力強化を図ってまいります。

 現在、秋田工場(秋田県秋田市)の1号塗工機と石巻工場(宮城県石巻市)の2号塗工機は、主に上質系塗工紙を生産しております。

    生産能力(千トン/年)品種 停機時期
秋田工場 1号塗工機 150 上質コート紙 軽量コート紙 2018年5月末
石巻工場 2号塗工機 90 上質コート紙 2018年5月末

以上

840 荷主研究者 :2017/09/09(土) 19:11:48

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170810/201708100844_30236.shtml
2017年08月10日08:44 岐阜新聞
丸山木材工業が海外輸出 県産材をアジアや北米に供給

伐期を迎えた東濃桧など。国有林から切り出し、アジアや北米に輸出する=中津川市付知町

 木材製品の販売などを手掛ける丸山木材工業(岐阜県中津川市、丸山輝城社長)は、東濃桧(ひのき)の原木や製品など県産材の輸出に乗り出す。戦後に植林された木は伐期を迎えており、海外で住宅の内装材として高まる需要が追い風になった。第1弾として同市内の国有林で伐採した木材を韓国や台湾、米国やカナダに輸出する。丸山大知専務国産材事業部長は「良質でブランド力のある県産材を幅広く海外に供給し、世界的な産地に育てたい」と意気込む。

 輸出するのは、同市内の付知裏木曽国有林(4.75ヘクタール)と加子母裏木曽国有林(4.85ヘクタール)から切り出した樹齢約60年の東濃桧とスギ。いずれも国の「緑のオーナー制度」で植林された分収育林で、森林備蓄量は計4千立方メートル。同社が一般競争入札で落札した。

 第1便は約200立方メートルの丸太をコンテナに積み、9月末に名古屋港から船で韓国に送る。木材製品は台湾に送り、米国やカナダ向けは年内にも輸出したい考え。今後も定期的に輸出する。

 輸出の背景にあるのが、国産材の資源価値の高まりだ。戦後に植林された木は50〜70年たち、切り頃を迎えている。だが、安価な輸入材が主流になったことで木材産業は臨海部に移転し、山林を手入れする林業者も減少。伐期を迎えた国内の木のほとんどが手付かずのままで、切り倒して山に放置する未利用木材も多いのが現状だ。

 50年ほど前まで国産材を手掛けていた同社も輸入材にシフトしたが、昨秋、国産材需要の高まりを見込み、国産材事業部を立ち上げて国内の山林開発に再参入した。国内の都市部や海外市場をターゲットとして、手付かずになっている国有林や民有林の木材を売り込みたい考え。

 丸山専務は「日本の山林では毎年、使用量以上に木が成長し、樹齢の高齢化が進んでいる。東濃桧をはじめ、国産材は香りも見た目も良く、海外からの引き合いが多い。日本の山林は、内装材や柱などの構造材、紙の原料やバイオマス発電の燃料として活用される再生可能な資源。伐期を迎えた高品質な国産材を世界に広めたい」と話す。

841 荷主研究者 :2017/09/15(金) 00:04:36

https://www.nikkei.com/article/DGXLZO20571460Q7A830C1DTA000/
2017/8/30 22:22 日本経済新聞
印刷大手の時価総額争い過熱、大日印が凸版抜く

 印刷大手2社の時価総額首位争いで、大日本印刷が凸版印刷よりも優勢になりつつある。10日に逆転してから差は開き、30日時点の時価総額は大日印が8410億円で、凸版は7700億円と、その差は710億円に拡大した。

 大日本印刷は有機ELディスプレーの製造に使う部材を扱っている。スマートフォン(スマホ)への採用など成長が見込まれる分野で、野村証券の河野孝臣アナリストは「数少ない有機EL銘柄として株式市場で高い期待がある」と話す。2018年3月期の営業利益は前期比11%増の350億円になりそうだ。

 一方、凸版は18年3月期の営業利益が36%増の700億円を見込む。スマホのディスプレー関連部材は手がけているが有機ELは取り扱っていない。4〜6月期の営業利益は通期への進捗率が8%と低かったこともあり、8月の決算発表後は、株式市場で物色の圏外になっている。

 大日印は1980年ごろから長年、時価総額で印刷業界の首位だったが、2016年2月に凸版が上回り、その後は首位の入れ替わりが激しくなっている。17年5月から8月までは凸版が首位だった。18年3月期の営業利益見通しが大日印の2倍に開いたため、凸版が買われた。

842 荷主研究者 :2017/10/01(日) 10:36:01

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/130615?rct=n_economy
2017年09/07 05:00 北海道新聞
増える道産材の大型建築 公共、商業施設など 加工技術進歩

オホーツクウッドピアの工場。道産カラマツの集成材をフル稼働で製造している

 道内で道産木材を公共施設や商業施設など大型建築物に活用する事例が増えている。道産材の強度を生かしたり、欠点を補ったりして、大型建築に向く加工技術が進歩したほか、内装でも木のぬくもりの集客効果が再評価されているためだ。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉の大枠合意により、EU産木材の関税が削減、撤廃されることで競争激化は必至だが、道内業者は高層建築などで市場を開拓し、生き残りを図る考えだ。

 北見市留辺蘂町の木材加工業者らでつくる協同組合「オホーツクウッドピア」の加工場。道内各地の自治体などから相次ぐ建材の注文に応じ、木材を切断、接着する機械音が休みなく響いていた。塚谷重之業務部長は「技術革新で木材の活用の幅が広がり、ここ10年ほどは大型建築の注文が伸びている」と話す。

 同組合は道産カラマツを原料に、大規模建築の柱や梁(はり)に使われる「集成材」を手がける。

 カラマツは強度はあるが、ねじれやすい欠点があり、かつては建材に向かないとされていた。同組合では、異なる性質の板を貼り合わせることで、カラマツのねじれを抑える集成材の技術で克服。スギやヒノキより高い強度を売りに、十勝管内足寄町役場や道内各地の保育所や幼稚園などに建材を供給してきた。同組合による集成材の生産実績(非住宅)は2016年度に2800立方メートルと、この10年で4倍以上に増えた。

■木のぬくもり魅力

 道産材の利用が伸びたのは、国や自治体の後押しによるところも大きい。国は10年、自治体施設に国産木材の活用を促す公共建築物木材利用促進法を施行。林野庁の交付金もあり、コストが下がった公共施設での活用が一気に広まった。

 道によると、09年度に始まった林野庁の交付金で道産材を使って建てた公共施設の累計は同年度の18施設から、17年度は8月末時点で161施設と9倍になっている。

 木材を使った内装の良さも見直されている。「木のぬくもりなどの魅力が広く認識され、商業施設での利用も進んでいる」と話すのは、渡島管内森町の製材業ハルキの春木芳則社長。同社は道南スギを病院の内装に活用。函館市内で4月に開業した無印良品の店舗内装にも使った。「地場の木材により、建物に愛着を持ってもらうことができる」

 道内では戦後、カラマツやトドマツが炭鉱の坑木の需要を見込んで各地で植えられた。だが、その後炭鉱の閉山が相次いだことなどで、道内の木材産業は低迷した。一方、近年は多くのカラマツやトドマツが伐採の適齢期を迎え、利活用の好機となっている。林業関係者は木材の利用が広がれば、伐採後の植林により、森林の適切な維持、更新にもつながるとみている。

 今後、建築物での道産材需要を大きく広げる切り札として注目されるのが、一般的な集成材より多方向から加えられる力に対する強度が高く高層ビルなどにも使える大型木製パネル「クロス・ラミネイティド・ティンバー(CLT)」だ。

843 荷主研究者 :2017/10/01(日) 10:37:50
>>842 続き

■CLTで需要開拓

 柱を使わなくても壁や床など「面」で建物を支えられる強度があり、施工が簡単なため、鉄筋コンクリート造りの建物と比べ、工期を約3分の2に短縮できる利点がある。耐震性や断熱性、遮音性、耐火性にも優れ、欧州で普及が先行。道外では集合住宅やホテルで活用が進んでいる。

 オホーツクウッドピアは2月、道内で初めてCLTの生産に必要な日本農林規格(JAS)認定を取得した。渡島管内知内町で今月着工する移住希望者向けの研修・宿泊施設(3階建て、延べ350平方メートル)に、ウッドピアで製造した知内産スギのCLTを使う。来年3月の完成を目指しており、道内3例目のCLT建築となる予定で、ウッドピアとして製造は初めて。今回の事業を足がかりに、さらなる需要開拓を目指す。

 道立総合研究機構林産試験場(旭川)の松本和茂研究主幹は「従来は木材を使いにくかった高層ビルなどにも利用でき、公共施設だけでなく民間建築物にも普及する可能性を秘めている。都市部の木材需要が増えれば、地方の林業発展にもつながる」と期待する。

 課題は価格面だ。現時点でCLTによる建物の建設費は、鉄筋コンクリート造りの1・5〜9倍ほどかかる。道は「量産によって価格を下げ、普及につなげたい」(林業木材課)とし、26年度に木造住宅2500軒相当の5万立方メートルのCLTを道内で生産する体制づくりを目標に掲げている。(経済部 五十地隆造)

<ことば>CLT 木材の繊維の向きが交差するように厚さ3センチほどの薄い板を重ねて接着した大型パネル。軽量で強度に優れ、1990年代から林業を国の基幹産業として位置づけるオーストリアを中心に欧州各国で普及した。欧州では一般住宅のほか、10階建てを超えるビルなどの建築にコンクリート代わりに利用されている。日本国内でも最近になってパネル製造に必要な大型プレス機の導入とともに、普及が進みつつある。

■EPA大枠合意 道内懸念 中韓への輸出拡大に活路

 日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉の大枠合意を受け、木材は集成材やCLTなど10品目の関税(2・2〜6%)が発効から段階的に削減され、8年目に撤廃される。EU産は安価で質も良く、道内の林業関係者には「やっと勢いづいてきた道産材の活用に水を差される」と懸念が広がっている。

 林野庁によると、集成材など丸太を加工した「製材」の国内供給量(2015年)は国産が1200万立方メートルに対し、輸入は950万立方メートル。EUなど欧州産は370万立方メートルと輸入ものの約4割を占める。道産は170万立方メートルで欧州産の半分に満たないが、貿易自由化の影響で供給減が続いた状況から00年代以降は回復基調。5年前と比べても1割増えている。

 北海道森林組合連合会(札幌)の浜田修弘担当部長は「道内業者によるコスト削減の努力により、道産材はEU産との価格差がほぼなくなり、質も同程度であるため利用が進んできた」と指摘。関税が撤廃されれば、EU産のさらなる流入は避けられないとみる。

 道産材の価格競争力の強化に向け、浜田部長は「効率良く伐採できる林道の整備や最新機械の導入の費用補助を国に求めたい」。木材需要が伸びている中国や韓国への輸出拡大にも活路を見いだしたい考えだ。

 一方、CLTに限っては関税撤廃の影響は少ないとの見方もある。

 道立総合研究機構林産試験場(旭川)によると、CLTの価格自体は国産が1立方メートル当たり12万円で、およそ6万5千円のEU産の2倍近い。だが、壁や床など大きな「面」で使うCLTに一般的な寸法の規格はなく、EU産だと受注後にサイズを調整してから船で運ぶことになり、時間のロスが大きい。このため、「現在CLTは海外から輸入されておらず、施工業者の要望に素早く応えられる国内の加工場に競争力がある」(同試験場)という。

844 荷主研究者 :2017/10/01(日) 10:38:41
>>842-844 続き

■北海学園大工学部 植松武是教授 木造の専門家 育成が課題

 北海学園大工学部の植松武是教授(建築構造)に、道産木材の将来性や課題を聞いた。
 ――道内で道産材を建材に使う例が増えています。

 「技術革新によって断熱性や気密性の高い木造施設を造れるようになり、活用が進みました。地場産木材を使うことの魅力や、地元の加工業、運送業など幅広い業種の活性化につながるとの理解が自治体関係者や工務店の中で広まったことも要因です。木の内装だと気持ちが落ち着くということで、産婦人科などの病院での需要も増えそうです」
 ――今後さらに道産材を普及させる上での課題は。

 「日本全体の問題ですが、公営住宅など多くの建築物が鉄筋コンクリートで建てられてきたこともあり、木造建築の専門家の育成が急務となっています。最近は、子供のころから木に親しんでもらう『木育』の取り組みが進み、木の魅力を生かした木造建築を学びたい学生が増えており、希望は持てます。一方、日本は林道の整備の遅れなどで、豊富な森林資源を生かし切れていない面もあります」
 ――道内の豊富な森林資源の活用先として、CLTに期待が集まっています。

 「CLTは鉄筋コンクリートと比べて軽量なため、林業先進国のオーストリアでは、地盤が軟弱な地区でも使われています。地震の多い日本でもさまざまな規模の建物に使用できるよう、実験データがそろってきており、新築だけでなく、既存の建物の耐震改修工事への活用も期待できます。また、鉄筋コンクリートより施工が簡単なため、職人不足に悩む建設業者からも注目を集めています」

845 荷主研究者 :2017/10/01(日) 11:46:22

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/133234?rct=n_hokkaido
2017年09/20 05:00 北海道新聞
丸玉産業→丸玉木材に 津別 43年前の社名を復活

 【津別】合板製造道内最大手の丸玉産業(オホーツク管内津別町)は10月1日、社名を43年前まで使っていた「丸玉木材」に変更する。少子高齢化や人口減で住宅産業の構造変化が避けられない中、原点に戻り難局を乗り越える狙い。

 同社は1902年(明治35年)、野付牛村(現北見市)で創業したマッチ軸木を製造する丸玉製軸工場がルーツ。その後、津別町に移転し、49年に丸玉木材を設立。道外にも工場を構え、事業規模が拡大したことなどで、74年に現社名に変更した。

 住宅の床下や天井裏に張る構造用合板が主力で、その国内シェアは約1割。2016年9月期の売上高は511億円で、民間信用調査会社による同管内の企業売上高ランキングで49年連続首位。

846 荷主研究者 :2017/10/01(日) 12:05:59

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H31_W7A920C1EE8000/
2017/9/26 20:00 日本経済新聞
木材自給率、30年ぶり高水準、16年は34.8%

 林野庁は26日、2016年の木材自給率が前年比1.6ポイント増の34.8%だったと発表した。1986年と並ぶ30年ぶりの高水準。バイオマス発電所の増加に加え、住宅用合板で国産材を使う動きが活発になったためだ。

 16年に稼働を始めたバイオマス発電所は全国で17カ所に達し、木材チップなど「燃料材」の国内生産量は前年比59%伸びた。木造住宅の新設着工戸数が8%増だったことも追い風となった。

 55年の木材自給率は96%だったが、輸入自由化で70年には50%を切り、02年に18.8%まで落ち込んだ。その後は合板原料にスギの利用などが進み、上昇基調にある。

 高度経済成長期に集中して植林した人工林が伐採の「適齢期」を迎えており、国産材の利用は今後も拡大する可能性が高い。

847 荷主研究者 :2017/10/01(日) 12:16:52

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/135456?rct=n_hokkaido
2017年09/30 05:00 北海道新聞
日本製紙北海道工場 紙器原紙の生産ホット 10年で1・6倍

日本製紙北海道工場勇払事業所で生産されるロール状の紙器原紙

 【苫小牧】デジタル化で印刷用紙の需要が低迷する中、日本製紙(東京)の北海道工場(苫小牧市勇払、胆振管内白老町、旭川市の3事業所)では、コンビニエンスストアの店頭販売のコーヒー用カップなど紙器原紙生産が最近10年間で1・6倍に増えている。日本製紙の紙器原紙生産の約9割を占めるほか、業界での全国シェアも約6割に及び、同社は「さらに成長する分野」と製品開発に力を入れる。

 同工場の2016年度の紙生産量は約80万トン。その1割の8万トンが紙器原紙だ。生産が増えたのは2000年代に入ってから。環境に配慮してカップ麺容器をプラスチック製から紙製に切り替える動きが相次ぎ、コンビニ各社では入れたてコーヒーが定番となった。

 日本製紙の原紙をベースにしたコーヒー用カップなどを使うセブン―イレブン・ジャパン(東京)は、「プラスチックより紙のほうが熱が伝わりにくく持ちやすい」(広報)と利点を強調。ホット用のカップはすべて紙製にしている。

 11年度には旭川事業所の印刷用紙を製造する抄紙(しょうし)機1台を紙器原紙用に改造し、北海道工場計12台のうち4台体制に。紙コップやカップ麺容器はメーカーごとで形状が異なり、原紙の種類は100以上に及ぶ。薬品を塗工して水をはじく処理を施したり、熱が伝わりにくいよう新聞紙の5倍厚い0・3ミリの紙を加工したりと技術と工夫を凝らし、多様な注文に対応する。

 北海道工場の橋本重信事務部長代理は「食品や飲料向けなので、特に異物混入を防ぐための品質管理を徹底してきた」と話す。同社は昨年4月に技術開発を担う研究所を設け、新たな製品開発を進める。

848 荷主研究者 :2017/10/14(土) 22:15:44

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21854190T01C17A0LB0000/
2017/10/4 2:00 日本経済新聞
光洋グループ、紙おむつ工場増強 福井で11億円投資

 介護用品の製造や病院内の売店・レストランの運営を手掛ける光洋(横浜市)は3日、グループ会社を通じて福井県若狭町にある大人用紙おむつの工場を増強すると発表した。新しい工場棟を建設し、2018年10月の稼働を目指す。足元の受注増に加え、高齢化に伴って需要拡大が期待できると判断し、生産能力を約15%高める。

 排せつケア事業のグループ会社、光洋―ディスパース(同)の唯一の生産拠点「若さ工場」に新工場棟を設ける。一部2階建てで延べ床面積は約1300平方メートル、月1000万枚の生産能力を持たせる計画だ。投資額は約11億円。10人以上の新規雇用を見込む。

 同社は大人用紙おむつの中堅メーカーで、病院や介護施設向けに強みを持つ。17年2月期の売上高は約130億円。尿が漏れにくい独自商品を中心に受注が伸びている。新工場の稼働で約20億円の上乗せができるという。

849 荷主研究者 :2017/10/27(金) 23:09:22

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/139618?rct=n_hokkaido
2017年10/20 05:00 北海道新聞
【昭和木材株式会社=旭川市】 創業104年木の総合企業

ほぼ自動化された工場で住宅用部材が生産される札幌プレカット工場=石狩市

 丸太から板や角材を作る製材を中心に輸入木材の販売や住宅建築なども手掛ける「総合木材企業」。今年で創業104年の老舗で、北海道から四国まで営業拠点を置いて全国に製品を送り出している。

 会社の出発点は、後に初代社長となる高橋喜七が1913年(大正2年)に設立した「高橋造材部」。山林造材などを手始めに、43年(昭和18年)に昭和木材有限会社、73年に昭和木材株式会社へと発展した。

 同社の特徴は高度な生産体制と多彩な木材を卸売りする商社的機能。工場は3カ所あり、石狩市と秋田県大館市では自動工作機械により針葉樹の角材に穴や溝を作り、住宅用の柱や梁(はり)などとして出荷するプレカット加工を展開。旭川工場(上川管内東川町)では広葉樹から家具向けの部材や住宅内装材を生産している。

 針葉樹はヨーロッパ、広葉樹は米国、ロシア、中国から主に輸入。その業務の多くは自前で手掛けている。旭川工場のある東川製材流通センターには1年分の原木を備蓄するなどして、全国の木材の引き合いに応え、商社的な役割を果たしている。

 今後の方向について高橋秀樹社長(67)は「道外では人手不足を背景に完成品に近い商品の需要が高い」とし、住宅用と家具用の部材の製造販売を加速する方針。雇用面では、大卒は営業職で毎年5人前後を採用。18年卒採用は終了したが、高橋社長は「明るく、自分で考えて行動できる学生」を求めており、次年度以降も応募に期待する。

<先輩登場> 札幌支店 営業部 後藤祐希さん(26)=札幌学院大学経済学部卒 14年入社

 入社4年目の後藤さん。「お客さまの思いを形にできるのが楽しい」と毎日、取引先の建築現場を車で走り回っています。

850 荷主研究者 :2017/11/12(日) 11:56:50
荷主企業事例研究「中越パルプ工業株式会社」を2016年8月に作成した際に、二塚製造部の専用線が休止となったことについて、「そもそも昨今の〝新聞離れ〟の流れからすると、生産量そのものが減少しているものと思われる。今後はむしろ、中越パルプとして二塚製造部の位置付けの検討を迫られる可能性がありそうである」と私見を述べたが、その通りの状況になってきたようだ。
http://butsuryu.web.fc2.com/chuetsupulp.html#k_futatsuka

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23321160Z01C17A1LB0000/
2017/11/9 22:00 日本経済新聞 北陸
生産設備1台停止 中越パルプ工業 高岡で18年3月末 用紙の需要減

 中越パルプ工業は9日、二塚製造部(富山県高岡市)の生産設備を2018年3月末に1台停止すると発表した。新聞用紙と、チラシやざら紙に使う印刷用紙を生産しており、削減する能力は年6万トン程度。同社の紙・板紙の生産能力の約7%弱に相当する。同社が大規模な能力削減をするのは10年ぶり。新聞の発行部数の減少や広告の電子化の流れが背景にある。

 紙を製造する2号抄紙機を停止する。新聞用紙と印刷用紙は二塚製造部にあるもう1台の3号抄紙機に集約し、稼働率向上を目指す。常時稼働しているのは3号抄紙機のみで、2号抄紙機は月に1週間程度しか動いていない。2号抄紙機の活用方法は今後「他品種への切り替えを含めて検討する」(同社)という。

 日本製紙連合会(東京・中央)によると9月の新聞用紙の国内出荷量は前年同月比6%減の22万3000トン。13カ月連続で前年実績を下回った。印刷用紙も減少傾向が続く。

 需要の減少に加え、原料となる新聞古紙価格の高止まりも能力削減の判断を後押しした。同社の担当者は「損益環境は非常に厳しくなっていた」と明かす。同社が同日発表した17年4〜9月期の連結最終損益は7000万円の赤字(前年同期は12億4000万円の黒字)だった。

851 荷主研究者 :2017/11/19(日) 11:29:43

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20171111/CK2017111102000089.html?ref=rank
2017年11月11日 中日新聞
特種東海製紙がEV参入
◆19年めど蓄電池の部材量産

 製紙大手の特種東海製紙(島田市)は、電気自動車(EV)の関連事業に参入し、二〇一九年初めをめどに蓄電池の主要部材の量産を始める。紙原料のパルプの加工技術を応用し、電池寿命や出力の向上につながる新素材を使ったセパレーター(絶縁体)を開発した。自動車各社がEV開発を強化する中、特種東海製紙も関連市場の拡大を見込み、電池メーカーへの販路を広げる考えだ。

 EV搭載のリチウムイオン電池は、電池内を満たす電解液を通り道に、電子を帯びたリチウムイオンが正極と負極を行き来することで充電と放電を繰り返す。エネルギーを蓄えるには正極と負極の間にセパレーターを挟んで空間を確保する必要があり、空間がなければショートしてしまう。セパレーターは重要な素材といえる。

 旭化成や東レなど大手化学メーカーは既に、樹脂製フィルムを使ったセパレーターを生産。表面に細かな無数の穴があり、そこをリチウムイオンが行き来して充電と放電を繰り返す。特種東海製紙はパルプを細かくほぐした新素材セルロースナノファイバー(CNF)を使い、高付加価値のセパレーター「フィブリック」として商品化を目指す。

 フィブリックは表面に樹脂製フィルムと同等の細かな穴がある。長所としてリチウムイオンが通る際の抵抗を樹脂製フィルムより低く設計でき、電池寿命や出力の向上につながる。薄い加工にも適し、電池の大容量化に貢献できるという。

 市場調査会社の富士経済(東京)によると、大型リチウムイオン電池用セパレーターの一六年の世界市場は約千五百億円で、二五年には四・五倍の六千九百億円余に成長すると予測される。現在は樹脂製フィルムの占める割合が圧倒的に高いが、CNFの長所をPRして電池メーカーへの販路開拓を図る。

(西山輝一)

 <セルロースナノファイバー(CNF)> 木材チップから取り出したパルプを微細化した素材。軽くて強度が高く、樹脂やゴムにCNFを配合した複合材料は自動車部品などへの応用が期待される。繊維が細く、表面積が大きいため、CNFを塗って消臭や抗菌機能を高めた紙おむつや包装容器が実用化されている。食品や化粧品の添加剤としても使われる。

 <特種東海製紙> 2007年、特種製紙(長泉町)と東海パルプ(島田市)が経営統合。10年、特種東海ホールディングスが両社を吸収合併し、現社名に変更。本の装丁や菓子の包装などで使うファンシーペーパーや段ボール原紙、資材を包むクラフト用紙などを手掛ける。東証1部上場。17年3月期連結売上高777億円、純利益38億円。松田裕司社長、従業員1430人(3月末現在)。

852 荷主研究者 :2017/11/19(日) 11:40:15

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23422080T11C17A1X13000/
2017/11/14 6:30 日本経済新聞
北越紀州と大王 泥沼の対立 空費5年

http://tohazugatali.web.fc2.com/industry/20171114X13001-PB1-2.jpg

 製紙第5位の北越紀州製紙は14日、同社が筆頭株主である4位の大王製紙と5年前に結んだ技術提携の契約が切れる。最大手の王子ホールディングスなどに対抗する第三極作りを目指したが、すでに過去の話。実りは小さいばかりか、大王による株式希薄化を巡り法廷で争っている。デジタル経済の波を受けて内需が縮小するなか、これ以上空費する時間はない。

 北越紀州製紙が13日発表した2018年3月期見通しの連結売上高は4.8%増の2750億円、営業利益は7.0%減の120億円となった。近藤保之取締役は東京都内で決算会見を開き、減益の理由を「製紙設備や輸送の燃料になる重油など原燃料が値上がりした」と話した。

 北越紀州の経営で決算以上に重要なことは、大王と12年11月にスタートさせた技術提携が14日付で期限を迎える点だ。5年間の総決算になるはずの節目にある。

 北越紀州の岸本晢夫社長が主導した提携では当初、北越紀州の新潟工場(新潟市)、大王の三島工場(愛媛県四国中央市)という屈指の生産性を持つ拠点に互いの技術者を送り、幅広い製品の製造方法を開示したり、チラシや本に使う印刷用紙を相互供給したりする計画があがっていた。

 相乗効果について両社の言葉は少ない。近藤氏は「技術交流は実質2年間しかなかった」と話しつつ、「5年間続けていたら効果があったはず。我々としてはやるべきだったと思う」と語った。まず当初3年間で両社を合わせコスト削減など50億円程度の相乗効果を出すといっていた金額には言及していない。「お互いもう少し協調的であれば」とこぼすのみだ。

 大王の阿達敏洋専務は10日の決算会見で「3年間は効果があったはず」と認識の食い違いを見せたが、いずれにせよ同社も提携を詳しく振り返るつもりはないようで具体的な数字は示さない。

 両社は原料となるパルプの生産性を高める知恵を出し合ったようだ。古紙の配合率を高める大王の技術を北越が手に入れ、発色やつや出しをよくする北越の塗工技術は大王のプラスになったとみられる。だが、5年という期間を評価できる材料はあまりに乏しい。

 大王の佐光正義社長は17年4月、提携の明確な成果が見いだせないまま11月の満了を待たず提携を打ち切ると発表していた。北越紀州は大王が一方的に通告、公表したと反発した。だが、たとえ延長したくてもできる状態にない。

 北越紀州が12年、2割を出資する筆頭株主になるときから互いの関係はこじれていた。北越紀州は大王創業家の株式を買い取ったのだが、佐光社長をはじめとする大王経営陣は歓迎していなかった。大王経営陣は北越紀州にのまれまいと、逆に相手にTOBを仕掛けるパックマン・ディフェンスの事例を調べるようなことをやっていた。

 北越紀州が第三極作りを目指した背景には、06年に王子による敵対的TOB(株式公開買い付け)をしかけられた経緯があった。TOBは失敗したが、トラウマを抱えた当時の北越製紙は紀州製紙と合併し、次に大王に出資した。三菱製紙とも、同社販売子会社との統合を探った。これらの経緯のなかで大王との争いが続いた。

 北越紀州は15年、三菱製紙と探っていた販売統合が破談となり「背後に大王の介入があった」と主張した。大王が新株予約権付き社債を同年に発行したときは「株価が急落した」として、佐光社長ら経営陣を相手取る損害賠償請求を起こした。これは今も係争中だ。

 対立が泥沼化し、第三極は形をなさないまま時間が過ぎた。今後それぞれの生き残り策に特化しなければならない。岸本社長は17年5月、19年度までの中期経営計画を発表して売上高3000億円、営業利益150億円と目標を掲げている。

853 荷主研究者 :2017/11/19(日) 11:40:46
>>852-853 続き

白板紙の値上げが進んだ中国での事業は安定収益の基盤(中国広東省の工場)

 紙の内需は16年に約1500万トンで、5年で1割減った。北越紀州は他社がうらやむ新潟工場をフル稼働させてもこのままでは縮小均衡だ。

 紙の製品は安いため、輸送費がかさむ輸出では利益を稼ぎにくく、世界的にローカル産業の側面が強い。海外部門を成長の源にするなら原料調達、生産、販売面で国々に根付く必要がある。

 17年3月期の連結売上高のうち海外部門は28%まで高まった。約200億円かけた中国広東省の白板紙工場が15年に稼働。菓子箱などの需要が高まり、原料高を反映させた製品値上げが進んでいる。中国のこの事業は海外でのモデルになる。

 15年に約60億円で買収したカナダ・アルバータ州のパルプ製造会社は、重要な北米市場の足がかり。17年1月に底だったパルプの国際価格が上昇したため、通期では増益要因になる。

 業界再編の流れは後退したまま、王子が力をつけていく。三菱商事出身の岸本社長が世界を見渡して打つ手一つ一つが、今まで以上に重みを持ってくる。

(小柳優太)

854 荷主研究者 :2017/11/19(日) 11:47:16

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23474590U7A111C1LB0000/
2017/11/14 22:00 日本経済新聞 北陸
レンゴー、あわら市の工場増強 生産再構築の一環 75億円投資

 レンゴーは段ボール原紙を製造する福井県あわら市の金津工場を増強し、稼働を始めた。同工場では原紙の芯となる「中しん」を作っていたが、芯を挟み込む表面部材の「ライナー」も新たに作ることができる。投資額は75億円。グループ会社を含めた原紙の6工場を5工場に集約し、各工場の稼働率を高める生産再構築の一環となる。

設備増強により、段ボールの表面部材なら1日平均930トン生産できるようになった(福井県あわら市)

 金津工場では、1層構造の設備を3層構造に改造し、ライナーもできるようにした。乾燥や巻き取りの工程も工夫した。1分あたり最高1000メートルの生産が可能となる。同工場での原紙の生産能力は3割高まる。

 ライナーの自社生産比率が高まるため、大坪清会長兼社長は「効率化に非常に役立つ」としている。同工場は中しん、ライナーの両方を生産できるようになり、福井県内などにある同社の段ボール工場は原紙が1カ所から調達できる利点もあるという。

 同社はライナーの生産拠点である大阪市の淀川工場を来年3月をメドに閉鎖する代わりに、金津工場などを増強する生産体制の再構築を進めている。


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