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製紙産業スレッド

808とはずがたり:2017/02/08(水) 02:00:27
製紙産業の現状と今後の方向性
http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/GB/02.pdf
2015年6月
経済産業省 製造産業局 紙業服飾品課

製紙産業の特徴
1. 技術開発の要素が乏しく、他社との商品の差別化が難しい。
2. 典型的な装置産業であり、投資済資本の有効活用は至上命題。(供給過剰に陥りやすい)
3. 単位量あたりの価格が低いため、輸送コスト、エネルギーコストを下げるため、世界全体において地産地消が主流。
4. 資源循環型産業。他の産業と比較して、ライフサイクルが短く、行政の古紙回収システムの確立が各国の競争力に繋がる。

世界の紙・板紙の生産及び消費(地域別推移)
? 市場は、大きく北米、欧州、アジアの3極に分けられる。洋紙、板紙ともに、生産拠点は、欧米からアジアへ。
? 洋紙の生産能力は、欧米では減少、アジアでは増加。アジア地域での需要は今後も増加が予想される一方で、北米、欧州では書籍の電子化や新聞需要の減少などの影響もあって長期的には需要の減少が予想される。
? 板紙については、欧米ではやや増加、アジア地域では大幅増加。パッケージングに対するニーズは今後も増加する見込みであり、堅調な伸びが予想される。

世界の紙・板紙の生産及び消費(国別)(2013年)
? 生産・消費とも、中国、欧州、米国が三大拠点、次いで日本。地産地消の傾向。
? 欧州を各国別とすれば、日本は中国、米国に次ぐ第3位に浮上(生産・消費とも)。
? 欧州域内では、生産は北欧にやや集中。

(参考)一人あたり消費量とGDPの時系列推移
洋紙(印刷・筆記用紙)
? 先進国では、一人あたり消費量の減少が続く。
? 新興国では、一人あたり消費量は増加も飽和傾向。
板紙(段原紙)
? 先進国では、一人あたり消費量は横ばいもしくは微減。
? 新興国では、一人あたり消費量は増加。一部は、既に先進国並に。

世界の紙の貿易の流れ(2013年)
主な輸出拠点は、EUとカナダ。
? カナダは約7割をアメリカに輸出、EUは総輸出量の3/4が域内で取引されているなど、基本的に近隣地域での消費が主。

世界の板紙の貿易の流れ(2013年)
主な輸出拠点は、EUと米国。
? 米国は約5割を近隣国(北米、南米)に輸出、EUは総輸出量の3/4が域内で取引されているなど、基本的に近隣地域での消費が主。

1-3 世界の製紙原料の動向
? 中国の台頭により、世界的に原料の取り合いになっている。
? 中国国内にパルプ工場が建設され、チップ
→パルプ
→紙の一貫生産が増加したことから、日本のチッ
プ供給に影響。
? 世界的に原料はパルプから古紙の流れへ。長期的には古紙価格の上昇へ繋がる見込み。

(チップ)-生産・貿易動向
生産は、カナダに集中しているが、近年は中国も台頭。ただ、大半を自国内でパルプに加工しているため、チップとしての輸出量は少ない。(カナダはパルプの輸出最大国)
? 一方、輸出は、オーストラリアを抜き、ベトナムが首位。輸出先は、チップ→パルプ→紙の一貫生産を行っている日本及び中国がメイン。

(パルプ)-生産・貿易動向
・以前は、カナダ(北米)や欧州が盛んであったが、現状は、急速に南米(ブラジル・チリ)、インドネシアへ中心が移っている。ブラジルは国として2020年までに2200万t/年の生産体制を目指す。
? 北欧やカナダの場合、針葉樹は成長に20〜30年かかるが、南米、豪州、インドネシアでは広葉樹のため、長くても10〜12年で済む。人件費は半分以下で、エネルギーが安いというのも理由。
? 中国のパルプ需要の高まりを受け、アジアでも、パルプ生産能力が急拡大。王子HDは中国南通にてパルプ生産・外販を開始、APPもスマトラ島で200万t/年のパルプ工場を建設予定。(世界最大規模)
? 伊藤忠はMETSA FIBRE(フィンランド、230万t/年→310万t/年に増強予定)に約25%出資、丸紅はTeL(尼、49万t/年)
に約85%出資・大昭和丸紅(カナダ、67万t/年)に約50%出資(残りは日本製紙出資)。
? チップとパルプの価格差が縮小した場合、日本の一貫生産によるコスト競争力の相対的低下が懸念。




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