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国際経済学
1267
:
とはずがたり
:2017/09/27(水) 14:43:04
中国の国境都市に見る「一帯一路」構想のアキレス腱
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/post-7585.php
2017年5月13日(土)10時22分
中国吉林省にある琿春(こんしゅん)市の政策当局者らは2014年8月、その前年に発表されたアジアと欧州を結ぶ新シルクロード経済圏構想「一帯一路」に同市が含まれるべきだと国営メディア上で主張した。
国営新華社は2015年、琿春市が「一帯一路」構想をいかに加速させているかについて複数の記事を掲載。2016年初めに中国政府が発表した同構想に含まれる都市リストには琿春市も入っていた。
同リストの発表が遅かったこと、そしてリストに含まれるよう一部の都市がロビー活動の必要性を感じたという事実は、習近平国家主席の一大プロジェクトである同構想が野心的というだけでなく、計画が曖昧だという点も浮き彫りにしている。
「一帯一路」が正確に何を意味するかについて定義することの難しさは、今月14─15日に北京で開催される同プロジェクトの国際首脳会議で表面化するだろう。
「率直に言って、一帯一路が何なのか私には全く分からない。中国政府も分かっていないからだと思う」と語るのは、同構想について近著のあるガベカル・ドラゴノミクスのトム・ミラー氏。
企業や都市、国にとって、理論的には同構想に関わる動機は強い。スリランカからアフリカのジブチに至るまで、道路、鉄道、パイプライン、港、工業地帯の建設に巨額の投資が見込まれるからだ。
しかし琿春市の例が示すように、「一帯一路」構想の実情は複雑な可能性もあり、他国からの支援も必要とする。
琿春市がロシアと北朝鮮に接していることは、幸運でもあり災いでもある。ロシアが貿易に一段と門戸を開く一方、北朝鮮とは停滞している。
海に近くても、1860年の北京条約によるロシアの併合後は港を持たず、琿春市の企業は、中国や日本や韓国などの国々に向けた輸出拠点となっている北朝鮮の羅先(ラソン)特別市の港経由でもっと輸送したいと考えている。
そうなれば中国南部への航路が開かれることになるが、北朝鮮に対する制裁が実施され、同国の武器開発を巡り国際的緊張が高まり、羅先の開発も遅れるなか、その進展への期待は低い。
「中国南部へは現在、鉄道で輸送している。羅先の港から出荷したいが、今のところ実現していない」と、中国人とロシア人従業員12人を抱える琿春市の貿易会社でゼネラルマネジャーを務めるWang Hai氏は話す。
「琿春市は北東アジアの中心拠点だ。本来なら『一帯一路』で大きな役割を担うべきだが、まだその準備が間に合っていない」
ロシアが有望か
北朝鮮が世界的に孤立するなか、主な経済的・外交的支援国である中国は、同国に対する国連の制裁強化に署名した。
だが中国は9日、「一帯一路」の国際首脳会議に北朝鮮が代表団を派遣すると明らかにした。
ロシアのプーチン大統領も同会議に出席するが、このことは中国の「一帯一路」戦略におけるロシアの重要性を物語っている。一方、琿春市の一部企業は、すでに対ロシア貿易の恩恵を享受している。
例えば、同市のXingyang Seafoodはロシアから9割、北朝鮮から1割を輸入していると同社の責任者Zhao Yang氏は述べた。
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