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政治思想総合スレ
533
:
名無しさん
:2015/10/11(日) 14:58:02
>>532
ただ、そうした場合、問われるべきは日本の右傾化は安倍政権や自民党政権云々の話ではなく、もっと長いトレンドの中で捉えなおすべき事象であり、北朝鮮をめぐる危機、中国の台頭、3.11によるセキュリティ重視志向など、複数の要因が絡んでいると考えなければなりません。
もうひとついえば、右(傾化)という概念は、左(傾化)という概念と対になっていることを前提にしないとなりません。右も左も、相対的な概念だからで、絶対的に論じることはできません。
歴史的には、右派的価値は「個人」や「伝統」を重視すること、左派的価値は「平等」や「理性」を重視することと考えられてきました。それに最近では「秩序」や「権威」を重んじる「保守」、「自決定権」や「自律」を重んじる「リベラル」の軸が交差するようになりました。
言い換えれば、価値をめぐる問いがあってはじめて「右傾化」しているかどうかを論じることが可能になるのです。一言に「右傾化」といっても、政治と経済、社会で「右傾化」が何を意味するかは矛盾することがあります。例えば政治での「権威」と「経済」での自由競争は対立することがあり、さらに「保守」と「右派」、「リベラル」と「左翼」も同義ではありません。
何れにしても、「右傾化」の是非云々以前に、まずはそのセットとなる「左派的価値」がどう再定義され得るのか、そこから対立線上に「右」や「保守」を位置づけるということも考えるべきではないでしょうか(それゆえ、「9条改正」と「改正反対」が最もわかりやすい右と左の事例だったりするのです)。その様々なマトリックスを完成させて、はじめて右傾化についての議論が可能になるように思います。
ちなみに、その際に大事にしなければならないのはイギリスの心理学者アイゼンクの指摘でしょう。アイゼンクは戦後イギリスの保守党、自由党の支持者が「柔らかい心」を持っていて、共産主義者やファシストが「堅固な心」を持っているという調査をしています。この「堅固な心」に対していかに戦うか――それが今の時代の「左派的価値」の再定義につながる筈です。
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