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鉄道貨物輸送研究スレッド
607
:
荷主研究者
:2008/04/30(水) 01:59:20
http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20080308az
2008/03/08 10:59 更新 秋田魁新報
秋田のニュース:社説
社説:貨物鉄道 新たな役割を見いだせ
約100年の歴史を持つ小坂鉄道(小坂〜大館、22・3キロ)が鉄道事業の休止を決めた。
小坂製錬(小坂町)と秋田製錬(秋田市)の間を1日2往復していたが、鉄道を運営する小坂製錬が4月から新型炉を本格稼働させるのに伴い、積み荷だった濃硫酸の製造を取りやめるためだ。同製錬がリサイクル製錬という21世紀型の業態へと踏みだした結果としての休止であり、その判断は致し方ないところである。
ただ、小坂町を起点に、大館からJR奥羽線、秋田臨海鉄道に乗り入れて一気に秋田港にまで至るルートは、北部県境付近と県庁所在地を一本で結ぶ貴重なインフラであることに変わりない。地元を中心に沿線自治体で利活用の方策がないのか、知恵を絞る必要があろう。
原油価格の高騰と、CO2排出削減。この2つの世界レベルの課題に直面し、国内の企業の間には物流過程で環境に優しい鉄道輸送にシフトする動きが出ている。鉄道輸送はCO2の排出量がトラック輸送の8分の1とされ、企業にとっては社会的責任(SR)を果たす有効な手段でもある。再び脚光を浴びつつある貨物鉄道の存続、整備にはそうした視点がもはや不可欠となっている。
休止を決めた小坂鉄道の影響で、本県にあるもう1つの貨物鉄道専用線である秋田臨海鉄道は、貨物収入の減少から人員削減など経営合理化を余儀なくされることになった。ただ、唯一の商用貨車だった小坂製錬からの濃硫酸運搬がなくなった後も、線路の保守点検を行うため1日1往復、機関車を走行させる予定だという。
北線は環日本海シーアンドレール構想を推進する上での大前提となる線路だけに、関係者は秋田臨海鉄道の方針に安堵(あんど)しているのではないか。
秋田臨海鉄道は、旧国鉄や県、港周辺企業の出資で設立された第3セクターである。県は2005年に打ち出した第3セクター整理合理化方針によって、経営が安定した時点で県の関与を段階的に縮小する対象に同社を位置づけている。
だが、北線は極東ロシアの港湾に日本で最も近い秋田港の大浜コンテナヤードに近接する貴重な鉄道である。対岸の極東ロシアとの定期航路開設、さらにシベリア鉄道を使ったロシア、中央アジア、欧州との交易が実現した場合は、鉄路と航路の結節点として存在感は高まる。沈滞する本県経済を大きくけん引する可能性を秘めた路線として、県は同社とともにシーアンドレール構想を展望しながら、保守点検、整備には万全を期すべきであろう。
また、同構想が具体的に動きだした場合、大浜コンテナヤードの狭さがあらためて問題となる。県は整備中の外港地区のヤードを拡張し、コンテナの荷役機能を集約する計画だが、その際には北線の延長やルート変更も視野に入ってこよう。
商用貨車の走らない線路は魅力に欠けるが、自由度が増す点では将来的なルート変更の青写真も描きやすいのではないか。本県が全国に誇れる価値を持ち合わせた路線として、大切に見守っていきたい。
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