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竹内

36つる:2022/04/10(日) 11:31:16
階段スイッチの怪談
????????????????   階段スイッチの怪談



 怪談というより快談といったほうが良いのかな。大方のお宅にあると思いますが階段を照明する
電灯、最近は白熱あるいは蛍光灯よりLEDタイプが多いようですが、今回はこの電灯でなくそれ
を点滅させるスイッチについてのちょっと不思議な面白いお話です。 さて電灯といわずあらゆる
電気製品には、それを入り切りするスイッチが一対一でついています。ところが、この階段照明の
電灯一個に対応するスイッチは階段の上と下二ヵ所にあるのが普通である。その機能は、現在の状
態(例えば電灯が点灯)よりどちらかのスイッチを操作すると状態は反転(消灯)します。その状
態からまたどちらかのスイッチを操作すると、状態は反転(点灯)します。通常ごく当たり前とし
て不思議に思わないようですが、よく考えてみると不思議なことです。通常のスイッチはONかO
FFの状態しかなく、その状態は一義的にきまっています。例えば部屋の照明などに使用する壁に
あるスイッチ、色々な種類があると思いますが、普及しているものはシーソースイッチといわれて
いるもので、中央に支点があり一方を押すと反対側が跳ね上がるようになっているものが多いと思
います。
 いうなればシーソーのような動きをする。このスイッチは操作部の片側に何らかのマークがつい
ていて、そちらが押されているときONときまっています。この機能は一義的であり、ON側は必
ずONであり逆になることは絶対にない。ところが階段スイッチは先に述べたように上下二個のス
イッチで機能的には一個のスイッチのような動きをし、ON/OFFを示すマークもついていない。
これはいったいどのようになっているのだろうと考えてみた。電気工学を学び電子機器の設計を仕
事としてきた人間から見ると、電子回路を使用する方法、これならば簡単にその機能を実現するこ
とができる。しかしどう考えても、実際の階段スイッチは電子回路が組み込まれている様子はない。
ON/OFFのみのスイッチは記号で示すとである。このタイプのスイッチでは、どのよう
に組み合わせても階段スイッチの機能は実現できない。電気工学を学んだ身ではあるが恥ずかしな
がら降参である。
 そこでインターネットに教えを乞うことにする。調べてみると実に簡単である。思いつかなかっ
た私がバカなのかと思ってしまう。要はスイッチとして図1にあるSI、S2のタイプのものを使
用し、結線は図2のようにする。このタイプのスイッチは電気工事用語で三路スイッチといわれて
いる。
????????????????????図1                表1
   ??

 さてこの方法、実に簡単巧妙な方法であり、価梧、信頼性、工事の容易さ等から見て素晴らしい
方法であると思う。では誰がいつ頃これを発明したかと調べてみたが、わからない。建築配線を行
う職人の技として完成されたものだろう。それもおそらく日本ではなくて米国、あるいはヨーロッ
パであろう。一方工学的なアプローチを考える。これは現在の階段スイッチとはあまり関係ないが、
ディジタルの考え方の基礎が含まれており面白いので披露する。まず各々のスイッチの状態は二つ
あり、それぞれ0と1に対応させる。スイッチは二個であるので状態は四個である。
 表1においてA、Bは各々のスイッチでありLは電灯とする。Lで0は消灯、1は点灯である。
まず初期点灯で00として考える。次にどちらかのスイッチ(例えばA)を操作する。すると10
となり消灯する。次にどちらか(例えばB)の操作を行う。この状態は11となり点灯する。また
どちらかのスイッチ(例えばB)のスイッチを操作する。この状態は10で消灯となる。この様子
を表1は表している。

????????????????????図2                表2
   ??

 さて二個のスイッチでできたことが、三個以上のスイッチでも同じようなことができるのか。こ
れは三個以上、理論上は無限個のスイッチで可能である。その場合、使用するスイッチは先に述べ
た三路スイッチが両端に配置され中間のスイッチは四路というものが必要になります。三個のスイ
ッチの場合を図2に示します。この図2のS7、S8のスイッチは一体で四路スイッチを表します。
この四路スイッチというものは、機能的には二本の線を並行にしたり交差させたりするものです。
下に示すように、ON/OFFのたびに二本の線を並行にしたり交差させたりします。
??????????????
 これを表1のような論理表で示したものが表2である。

 このように階段スイッチは配線されていることが分かったが、最近私は退屈しています。年寄り
の慰みに昔取った杵柄というわけではないがこれを電子回路で実現するとしたらどうなるか遊んで
みることとした。表1と表2にその論理を示しているので、電子回路で実現することは簡単にでき
る。図3は二個の場合、図4はスイッチ三個のときである。両中図U1などUの記号のものは、あ
る機能素子です。いずれも図中左側が入り□で右が出口です。入力でドンとすればカンと出るよう
なものです。
 また両図中、Q1から右側は電灯を点滅するための部分で、いうなれば力仕事を行うところ。左
側の部分がスイッチの指示によりその論理を実行する頭脳部です。ここではスイッチは三路、ある
いは四路などは必要でなく、単純なON/OFFスイッチのみで済みます。これらの論理部分シミ
ュレーションにて表1・表2の論理通りに動作することを確認済みです。
 さてこれらの電子回路をどのように実現するかということになると、時代を考えさせます。私の
自分史に重ねて考えると、三十、四十代では、これらは個別のICを使用して実現したと思う。お
そらく三センチ平方あれば充分であったろう。
 ところが二十一世紀になってくると、個別の部品で制作することはほとんどなく、マイクロプロ
セッサーやFPGAなどといわれるものを使用してソフト的に実現するようになってきた。実際、
最近は個別のICは秋葉原の電気街に行っても見かけなくなってきた。
 それでも、実際の仕事をする部分はパワー半導体として一つの分野があり、発展をしている。電
力制御であり、最近話題になっているEVなどではきわめて重要な分野である。 時間の流れは急
速です。もはや老兵は死にゆくのみ。

(斜光26号 2021)




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