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竹内

33同人α編集部:2018/10/18(木) 08:59:47
オーニソプター
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              オーニソプター 






 所沢市に居を定めて二十年ちかくになる。ここ所沢は日本航空発祥の地と称している。
日本で最初に飛行機なるものが飛行したのはどこであるか正確にはわからないが、少なく
とも所沢で日本陸軍の航空が始まったのは間違いない。所沢には陸軍所管の飛行場(日本
最初の飛行場)及び陸単航空学校が設置され、日本陸軍の航空分野での指導的役割をにな
った。敗戦後米国に接収されたが昭和五十三年に七割が返還され、一部が所沢航空記念公
園として開園された。そこは五〇〇メートル四方ほどのかなり広い公園で、私の散歩道と
して毎日とまではいかないがよく利用している。航空記念公園(通称航空公園)のことを
書いたのは所沢市の観光課の提灯持ちのためではなく、これから書くことに航空という文
字が関係あるためである。

 公園の中の広場で模型飛行機を飛ばして遊んでいる人も多い。模型飛行機といっても、
エンジン付きのラジコン機やいわゆるドローンは禁止されているので、ゴム動力のライト
プレーンや手投げのグライダーである。その中に羽ばたき飛行をするものが含まれている。
この羽ばたき飛行機、その飛ぶ姿が実に優雅で、近くにハトが多数いるかその飛ぶ姿と見
まごうこともある。この羽ばたきの機構、一体どうなっているのだろうかという疑問が出
てきたこと、さらにその優雅な飛行姿に魅せられたことがあり、私も一つ作ってみたくな
った。
 これは航空公園の売店で販売しており五百円くらいであった。作り方は簡単で、ものの
一時問もあれば完成である。この十年以上ライトプレーンなど製作したことがなかったが、
基本は往時のライトプレーンの製作と同じである。ただ昔のものに比ベプラスチック部品
を多用し組み立ても簡単になっている。羽ばたきするための機構は、ライトプレーンでは
プロペラを取り付けるところがクランクになっており、そこに二本のリンケージのプラス
チックの棒を取り付けその先端を羽ばたく翼の中間部に結合しており、クランクの回転に
伴い翼が上ドすることにより羽げたきをするようになっている。ここの説明がうまくない
が写真を挿入すのでみていただきたい。

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 ここでやっと「オーニソプター」の登場である。オーニソプターとは、ギリシヤ語を語
源とするオルニソス(鳥)とプテロン(翼)より来た言葉とのこと。要するに鳥のように
翼をもち羽ばたいて飛行するもの、という意味である。十九世紀までは殆ど鳥と同じ意味
であったろうと思う。参考までに英文表記は『ornithopter』である。
 人は二十世紀となり現在の飛行機が発明されるまで、飛行機械を製作しようと思ったと
き、全て羽ばたき機を想定し試み、挑戦した。まだ当時は烏の飛行についてよくわからな
かったことや他の原因もあり、ことごとく失敗した。他の原因というのは、いわゆる原動
機というものがなかったこともあり動力は人力を想定したが、人力だけで羽ばたいて飛ぶ
ということは不可能ということ、さらに材料的に羽ばたきに堪えるだけの軽くて強度のあ
る材料がなかったことによる。
 人類の飛行はまず熱気球により実現した。ところはフランス、時は十八世紀、フランス
革命前であった。現代ではこの熱気球、皆さんご存知のようにスポーツとして存在してい
る。もっともこの熱気球と気球または飛行船は、飛行原理が羽ばたき機や現代の主流をな
す固定翼機とは全く違うものである。熱気球は空気を熱すると常温の空気よりより軽くな
ることを利用するのであり、気球または飛行船は、空気より軽い気体(水素、ヘリウム等)
を利用し揚力を得るものである。
 これら飛行船等、飛行機が出現した当初は飛行機より有用に見えたが、その使用する気
体に問題があり結局飛行機にまさることはなかった。特に入手が容易であり多用された水
素は、酸素の存在下で爆発的に燃焼する危険性と隣り合わせであった。現実にツェッペリ
ン型飛行船ヒンデンブルク号が爆発火災事故を起こし、信頼性に問題あるとしてその歴史
が終焉した。現在でも宣伝用などとしてヘリウムガスを使用したものが細々と運用をされ
ているようである。
 十九世紀になるとリリエンタールによりグライダーの飛行が成功し、ここに人類は空気
より重い物体による飛行に初めて成功することとなった。このグライダーは現在のハング
グライダーに近い形状である。彼は飛行のための数多くの実験を行い、科学的なデータを
あつめた。この姿勢はライト兄弟の実験においても踏襲され、そのデータ取得に貢献した。
このライト兄弟により人類最初の動力飛行が成功した。この成功は単なる動力飛行ではな
く制御可能な動力飛行であった。これは二十世紀初頭一九〇三年のことであった。
 それから百年ちょっとで今日の状況である。考えると、同じ乗り物である船と比較する
とその進歩の速さがわかる。しかしここで考えなければと思うことは、船の歴史は二千年
以上あると思うが、現代の鉄でできている船は実は十九世紀に登場するのである。鋼鉄船
と限定すれば、十九世紀も半ば過ぎ一八五八年まで待たねばならなかった。飛行機の百十
年の歴史とあまり違わないように思われる。それでも飛行機は急速に発展したといえるで
あろう。その飛行機であるが、少なくともオーニソプターではない。固定翼式といわれ揚
力を得る翼の部分と、推力を得る部分がはっきりと分かれている。今のところ人が乗るに
堪える羽ばたき機は存在しないし、将来的にも実用的な羽ばたき機は出てこないと思う。
ただヘリコプターとして知られている回転翼機というものがある。これは揚力を得る部分
と推力を得る部分が共有されているものである。これとてその発想は固定翼に由来するも
ので、空中を高速で翼を回転させることにより揚力を得ており、また推力は回転面を傾け
ることにより揚力の一部を利用している。その回転翼機をもってしても、現代の固定翼機
のように数百人も乗ることができるもの、あるいは音速を超える飛行速度を得ることはで
きない。また運用の経済性においても固定翼機と比べ非常に悪い。ただ固定翼機では不可
能である垂直に離着陸が可能であること、空中の一点に停止すること(ホバリング)が可
能であることなど固定翼機にない特徴があり、すみ分けをしている。このようななかで羽
ばたき機が活躍するニッチがあるか。おそらくそのような空間はないであろう。
 それではなぜ今更オーニソプターかということ。これは単に知的好奇心の問題である。
たとえば人力飛行機というものがある(毎年TVで烏人間コンテストの一部として放映さ
れるからご覧になった方も多いと思うが)。たとえ10キロ以上飛んだとしても、決して
実用的ではないと分かっていて、それでもなお作り続ける彼等と同じことであろう。

 さてオーニソプターである。これを製作しラジコンで飛ばしてみたくなった。インター
ネットでオーニソプターを検索すると、静止画・動画とも多数ヒットする。世の中には多
くの人がこれで楽しんでいることが分かる。最初は組み立てキットがないか調べるも全く
見当たらなかった。ということで、一から始めないといけないということだと分かった。
ただ一から始めるといっても、何らかのヒントあるいは手掛かりを得られないか、今いろ
いろネットを検索している。
 問題はまず羽ばたく機構をどうするかということ。基本的な動力源としては電気モータ
を考えている。最近は模型飛に機にも電気モータが多用されており、これ自体には問題は
ないと思っている。ただモータというもの、その出力は回転であり、羽ばたきはどちらか
というと上下往復運動である。この回転から上下の往復運動にいかに効率よく変換するか
を考える必要がある。この問題を解決したら具体的に設計することになると思うが、これ
が難物である。
 まず機械設計などやったことがないし、具体的な設計図を描くためのCADもない。さ
らに部品の問題がある。いかに良い設計ができたとしても使用する部品が独自であれば個
別に製作しなくてはならないが、工作機械等を所有していない私にとっては大問題である。
部品を外部に発注するとしたら、ちょっとしたものでもウン十万という価格になると思わ
れる。そこでカタログにある既製品を使用しなければならないが、そのカタログがない。
そのような事情でありねまともに設計できるわけがない。手間はかかるが、おおざっぱの
構想からカットアンドトライのすり合わせ(いわゆる現物合わせである)による方法しか
道はないようである。それでも基本的な羽ばたきの機構はモデルを作って確認を行う必要
がある。こんなことを考えると物が完成するのはいつになるやらおぼつかない。
 そのようなことを考えながらの今日この頃である。技術者として物造りに関与してきた
が思うことは一つ、この物という無機的なもの、いくらやっても生き物という有機的なも
のに及びもつかないということである。ここに書いたオーニソプターについてもそうであ
る。確かに羽ばたいて飛ぶものはできるがとても鳥にはおよびもつかない。鳥のように木
々が立ち並ぶ森の中を自力で判断しながら衝突を避けて飛ぶようなことは、自動車の自動
運転すらまだできていない現在、三次元の情報を処理する必要のあるこのようなことを小
鳥のサイズ一○立方センチくらいの容積の中にそのような機能を持たせることは当分むり
であろう。
 その他、離着陸機能、地上歩行あるいは水上遊泳機能等は当分射程外といわざるを得な
い。現在やっと無人の飛行物体や潜水物体が何とかものになりかけてきている。それらと
て大方、直接か間接に無線操縦などの人の関与していることが多い。完全に自律で動作で
きるものはおそらく研究段階であり実用化しているものはわずかと思う。現在の機械、特
に乗り物はその中に人という情報処理機能を有する生き物がいることが前提となってい
る。情報を素早く収集し分別する手段もかなり機械で行うようになってきているが、最終
的判断処理は人が行うという構造となっている。これとて間違いはあるが、その被害の及
ぶ範囲は少ないと思われる。

 さていろいろ書いたが、鳥とか飛行機、なんとなく船のイメージがあるが、よくよく考
えてみるとこのアナロジーは潜水艦ではなかろうか。空気とか水の“流体中”を移動する
ものである。それに対し船というもの、水と空気の“界面”を移動しているが空気は水に
比べその密度が極端に小さく、通常の工学的考察からは無視してよいものである。そんな
ことはどうでもよい。オーニソプター、大気の海を思う存分に三次元運動で泳ぎまわる。
 考えると夢がある。あと何年かかるか分からないが、RCのオーニソプター、何として
も実現しなくては。




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