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23α編集部:2017/10/18(水) 17:21:16
2016年エイプリルフール 
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          2016年エイプリルフール 




オキシモーラン社による新商品のご案内その1

◆ニャン眠剤発売 
 さるNPO法人がまじめに統計をとったデータによると、先進国では97%の人が不眠
に悩んでいるという。その原因が配偶者・恋人、病気、リストラ、職場の人間関係、近
隣関係、社会体制にたいする不平・不満、憤りなどのルサンチマン的憎悪などがあげら
れる。途上国においては明日のコメにも事欠くあり様の生活を強いられている序民は、
一日中重労働にあるため横になれば即ち爆睡し、不眠の悩みどころではない。

 我が家の猫、ミラノ公ドヴィーコ・マリーア・スフォルツァ(通称イル・モーロ)は
私がソファに寝そべっていると、どこに寝ていても私の所へやってきて、体の上でぐう
ぐう眠るのがいつものパターンである。猫がよく眠るという事実は昔から知られていの
だが、それにしてもモロの睡眠時間は並ではない。

 Yahoo(ヤッホー)の『知屁袋』によれば、経典などをネズミから守る為に奈良時
代頃に中国から輸入され、古くは「禰古末(ネコマ)」と呼ばれていたことから、江戸時
代の学者達はこの語源について、いろいろ考証をしていたようである。
 ●「鼠子(ねこ=ネズミ)待ち」の略
 ●睡獣(ねむりけもの)=よく寝る動物の意
 ●ネエネエと鳴くけもの=鳴き声に由来する説。昔の人は、猫の鳴き声を「ネエネエ」
  と表現していたらしい。「こ」は小さいもの、身近なものという意味の解釈。
 ●「ねけもの」が転じて「ねこま」=これは、あの有名な滝沢馬琴が主張した語源ら
 しい。
 ●寝小魔(ねこま)=よく寝る小さな動物の意。魔は神でも人でもない有情生物を意
 味する原語で、動物の総称にも使われていた。

 ところで猫の睡眠時間はだいたい12〜16時間らしい。しかし我が家の猫は測定したと
ころ23時間17分13秒11の睡眠時間で、覚醒している時間はなんと一日わずか47分46秒49
なのであった。そこでオキシモーラン社の富士五湖駐在員の私としてはその特性を世の
ため人のためになる商品開発を思いたった。
 猫の縄張りを示すためのマーキングは尿スプレーと言われ、通常の排尿と違い少量の尿
を垂直な物に立ったまま後方に向かって噴射する行為で、強烈で独特な臭いがする。その
スプレー液を集め、神聖な富士山の湧き水、キツネノカミソリから抽出したアルカロイド
を少々、72時間煮沸攪拌凝縮常温冷却抽出形成方によって純度の高いエキスを睡眠剤と
して販売することである。ヒルティの『眠られぬ夜のために』に書かれている人生、人間、
神、死、愛などの深い思想による安心立命を得ての安眠ではないけれど、アーラヤ識のな
かに潜在的に蓄積された「眠りたい」という己のプラティカルな欲望を誘発させて眠りに
いたらしめる薬である。まずは「睡眠障害で一ヶ月の療養が必要」との医師の診断書をも
らい、表から姿を消した辛利氏にさし上げたい。
 人体への薬の治験はどうなされたかと問われれば、富士五湖駐在員の家族が半年間の実
験の知見のうえ、スマホ、パチンコ、アルコール・ニコチンなどの依存症、腎臓、肝臓、
骨髄などの器官の機能を障害するような副作用も全くない新薬であることをここに証明す
るものである。
 「深川いなせ大学」の滝沢馬券教授(滝沢馬琴より十五代目)によると、使用後の目覚
めは大穴を当てたときの至福感と、野に自由に遊ぶ仔猫のほどよい疲労感を覚えたすばら
しい睡眠薬だというコメントを残している。
 関係者からのお詫び、このたび滝沢馬券教授はニャン眠剤を少し多めに使用したため、
それ以来一度も目覚めることなく、笑気ガスを吸引した時のような、幸せそうなアルカイ
ックスマイルを口元にたたえて安眠中であります。この後のコメントについては滝沢馬券
氏の長男であり、現在「中山競馬大学」の滝沢馬糞准教授に依頼しています。
  ●価格:小瓶  2,980円(ニャンキュッパ)
      大瓶 11,131.719円(いいおとこ いさみ いなせ いき)まるで
         九鬼周造の『「粋」の構造』の神髄のような値段と評判である。
  ●電話:0120-373-2374(おおいにわだい みなさん ふみんなし)まで、いまから
      30分以内に電話を、テレフォンオペレーターを増員してお待ちしています。



オキシモーラン社による新商品のご案内その2

◆『明解宇宙語大辞典』の出版
 ところで皆さんは『亞書』というタイトルの本を知っているだろうか。それはギリシャ
文字がただランダムに並べられているだけで何の意味も持たない文章が書かれている本の
ことを指していて、著者はアレクサンドル・ミャスコフスキーという人物になっている。
 そこで少しwikipediaで調べてみると、「亞書刊行會」という会社から出されていて、
Amazonでしか販売されておらず、64,800円という高額で売りだされている。96巻まで売
りだされているが、全て1点ずつしか売り出されていないという。そして国会図書館に登録
されているという。正式名称は『Книга "?"』なのだそうだ。Книга は書物とい
う意味で、?はヘブライ語で「アレフ」だ。『アレフの書』と訳すことが出来る。
この本は2つの出版社が登録されている。出版社はユダ書院。ユダ書院からは各言語に翻訳
された聖書が出ている。もうひとつの出版社は、りすの書房である。
 さてこの『亞書』には2・3の疑問が生じている。
 ●一つは、書物と言えるかどうかという疑問である。全く意味をなさない表音文字を
  ランダムに並べることに意味があるのか、むしろ構図や記号や模様や装丁など、絵と
  しての芸術としての価値があると考えるのか。
 ●二つ目は、国会図書館法第十一章その他の者による出版物の納入の第二十五条に規定
  してあるからその義務をはたしたのか。
 ●三つ目は、一冊64,800円という価格が妥当かと言うことである。
  ギリシャ文字の一字をランダムに単純に並べているだけで、誤字・脱字等の校正作業
  である初校・再校・三校・著者校などの手間がまったく必要ない。また世の中には好
  事家が百人くらいはいるから一巻発行すると64,800×100=648,000円となり十分ペイ
  出来るのである。ましてや96巻まであるから62億2千80万円にもなるから驚きである。

 しかし国立国会図書館は、発売元から聴取を行い検討した結果、郵送された『亞書』各
巻1冊は、頒布部数が少なく、また、国立国会図書館法に列挙された出版物に該当せず、
国立国会図書館への納入義務の対象には当たらないものと判断したため、『亞書』を発売
元に返却するとともに、発売元に支払い済の納入出版物代償金の返金を求めることとした。
 国会図書館法の「納本制度」とは、図書等の出版物をその国の責任ある公的機関に納入
することを発行者等に義務づける制度のことで、わが国では、国立国会図書館法(昭和23
年法律第5号)により、国内で発行されたすべての出版物を、国立国会図書館に納入する
ことが義務づけられている。
 納本された出版物は、現在と未来の読者のために、国民共有の文化的資産として永く保
存され、日本国民の知的活動の記録として後世に継承されるのである。
 そして今回の『亞書』の問題は、「国会図書館に納品して"代償金" (通常、小売価格の
5割に相当する金額 ndl.go.jp/jp/aboutus/dep… )ゲットする詐欺的行為では?」という
憶測がなされた結果であるという噂もある。


転居30回の放浪人生のブロンズ像 Coppers早川作

いままでの記述は落語における枕にあたる。さてこれから『明解宇宙語大辞典』編纂の
歴史を紐解くとしよう。
三年前に、生まれた三ヶ月ばかりの仔猫が山の下の里村からはるばる登ってきて我が山荘
に居着いた。名をミラノ公ドヴィーコ・マリーア・スフォルツァ(通称イル・モーロ)に
ちなんでその諱を「モロ」とした。 山の奥にひっそりとたたずむ湖水の色のような、わ
ずかに鈍色の含まれるアクアマリンの色の瞳を向けながら、朝な夕なに話しかけてきた宇
宙語を私は手を抜かず全て収録した。そして母星から送られてくる指令の暗号を解読する
ことの役目をになったチーフのサカエ・ル・カミノをはじめ「物集班」の力でそしてその
データを基に、宇宙語を解読し辞書として編纂に至ったわけである。
  下記は母星から送られてくる「ミッション」の暗号文の一例
  5405401791 9477587214 6324863264 4983412604 8640409293
  1481967000 8996483727 2621990112 1910706012 6312782576
  0210369991 8366476103 5213752153 3872301503 7539398181

 私たちの『明解宇宙語大辞典』は『亞書』の場合と全く違い、無償で下記の図書館に寄
贈することにした。
  国名      名称        (現在の蔵書数+新しく加わる1冊)
日本    :国会図書館             (24,988,176+1冊)
バチカン  :バチカン図書館            (1,100,000+1冊)
アイルランド:トリニティ・カレッジ図書館   (5,000,000+1冊)
フランス  :ビブリオテーク・ナショナル   (10,000,000+1冊)

 この『明解宇宙語大辞典』を目にした「中山競馬大学」の滝沢馬糞准教授は、宇宙語は
皆目分からないが「今世紀の大穴を当てたようで、とてもすばらしい」と、意味不明の評
を書いて絶賛していたと聞く。

参照:「物集班」のメンバーは下記の小説『無限回廊』のなかの第一回の登場人物のな
  かでで紹介されている。
   http://2style.in/alpha/0-0.html


               

斜光21号 2017年10年10月




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