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【破ァッ!!】寺生まれのTさんスレ

751寺生まれの名無しさん:2020/07/20(月) 18:26:58 ID:cFXNt9P6
昔々、ある山寺に和尚さんと小坊主が住んでいました。ある時小坊主はクリ拾いに行きたくなり、和尚さんに頼みました。

「山には山姥というおそろしい化け物が出るんじゃ。もし山姥が出たらこの三枚のお札に助けてもらいなさい」
そう言って、和尚さんは三枚のお札をわたし、小坊主を送り出しました。
お寺で修行しているといっても小さな子供ですから、外に出て遊びたいものです。鳥の声をきいたり、小川で水遊びをしながらむちゅうでクリを集めます。気がつくとあたりがすっかり暗くなっていました。
しかも道を間違えたのか、どんどん山奥に入っていきます。

「困ったなぁ。これじゃ夜までにもどれない。和尚さんに怒られちゃうよ」

見ると、山小屋がぽつんと建っています。小坊主は助けを求めて、扉を叩きます。
中には一人のおばあさんが糸車を回していました。

「そうかい、こんな山奥を夜中に歩くなんてあぶないよ。今夜はゆっくり寝て、明日の朝でかけるといい」

と言って小坊主を囲炉裏端に座らせます。昼間の疲れが出たのか、小坊主はうつらうつらと眠ってしまいます。
夜中、目がさめると、しゅっしゅっと鋭い音がします。おばあさんが、炉辺で刃物を研いでいるようです。
月明かりに照らされたその横顔を見て、小坊主はビックリしました。
口は耳のあたりまで裂け、鋭いキバが突き出しています。目は人間とはかけはなれており、するどい光を放っています。
その姿が月明かりに照らされて、部屋いっぱいに恐ろしい影を落としています。
小坊主はこれが和尚さんの言っていた山姥だと思い当たります。これは大変だ、逃げようと焦るところに、

ガタッ!
足を戸だなにひっかけて音を立ててしまいました。

「なんじゃっ!?」

小坊主はうろたえますが、和尚さんがくれた三枚のお札のことを思い出しました。
小坊主はそのお札を懐から取り出し、呪文を唱え

「破ぁ!」

と叫び、山姥に投げつけます。するとその三枚は眩い閃光を放って弾け飛び、山姥の半身を吹き飛ばしました。
半身でのたうつ山姥を尻目に、小坊主は全速力で逃げ出します。
山寺に帰った小坊主がそのことを和尚さんに話すと、和尚さんは

「半身を吹き飛ばした? やれやれ、威力は父の作ったものの半分か」
と呟きました。

寺生まれって凄い、小坊主は改めてそう思ったそうです。


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