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【破ァッ!!】寺生まれのTさんスレ

735ふすまの目:2018/09/10(月) 22:27:22 ID:M4dmXLjo
俺が学食でカレーを食っていると、友達のA君が、突然言った。
「なあ、幽霊が出るって噂の旅館を見つけたんだけど、一緒に行ってみないか?」
怖い話が大好きな俺は、すぐに賛成したのだが、
A君は、
「そこ、ガチでヤバい所らしいから、合コンで会ったお前の先輩も誘ってくれない?ほら、不思議な力が使えるっていう」
「ああ、Tさんね。分かった」

そして、当日、俺とA君、二つ返事でOKしてくれたTさんと、Tさんの後輩だという神社生まれのJさんの4人で、問題の旅館に泊まった。
予算の都合で俺とA君は同じ部屋になった。
とても変わった部屋で、ふすまが5つ壁に取り付けられていた。中には、普通に布団が入っていた。反対側は、窓だったが、そのすぐ外は川だった。
「知ってるか?幽霊は流れる水を越えられないらしいぜ」
「そうか。じゃあ、窓からは幽霊は来ないな」
A君のオカルトうんちくに俺は適当に返事をした。
夜になるまで何も起こらず、俺達は布団を敷いて寝た。

「大丈夫か!?」
深夜、俺達はTさんの声で起こされた。
「なんなんですか?」
俺が聞くと、Jさんがおろおろしながら、
「わからないんです。T様が急に目を覚ますと、いきなりあなた達が危ないっていい出して、」
「そこか!」
いきなりTさんが入り口から2枚目のふすまを指さした。すると、
ふすまに大きな人間の目が、ギョロリと開いた。
途端に部屋が暗くなった。俺とA君は、恐怖のあまり一言も喋れなくなってしまった。
「悪霊め覚悟しろ!」
Tさんが目に向けて手を突き出した。
その時、目がTさんを睨んだ。
「う、ぐ、」
Tさんが腹を押さえてうずくまった。
Tさんの腹部の内側から、何か鋭いモノが出てきた。針か!?いや、あれは、虫の足だ!
「T様!?」
「近寄るな!それよりJ、あの目を潰せ!」
「は、はい!矢ァーーーー!」
「重イ、重イイイ」
Jさんが光線を放ったが、謎の声がすると消えてしまった。
「どうして!?なんで効かないの!?」
「う、うう。効かないのか。ならばどうしようもない。どうやら、もう駄目みたいだ」
「そんな、T様!?」
Tさんの腹からは、虫の顔が半分出かかっていた。
「J、孵化する前にこの体を破壊して欲しい」
「で、できません!」
「早くするんだ!さもなくば、新たな化け物が!うぐ、うがっ」
「破ァーーーーーーーーーーーーーーーー!」
突然窓ガラスを割って坊主頭の男が飛び込んで来た。同時に、大量の青白い光弾が部屋中を乱舞する。
「重イイイ」
声がまたして、光弾はいくつか消えたが、それでも大半が残り、その内の半分ぐらいが目に直撃した。

気付くと、部屋の中の物がほとんど木端微塵になっていた。ふすまも5枚全てが砕け散っていた。目はどこにもなかった。
Tさんの腹も元に戻っていた。
「誰ですあなたは!?」
金縛りが解けたようになったA君が聞くと、
「俺は寺生まれのTってもんだ。Jちゃん、それにそこの女子大生ちゃん、自分の実力以上の化け物と戦うのはおすすめしないぜ」
寺生まれのTさんの言葉を、俺の先輩で女子大生のTさんは、噛みしめるようにうなずいた。Jさんは、
「すみませんT様、まだまだわたしも修業が足りません。ですが、T様も部屋の中の物を全部破壊するのはやり過ぎじゃないですか?」
「ふっ、すまん。ふすまだけに」
寺生まれのTさんは、それだけ言うと、割れた窓から出て行ってしまった。川だけど大丈夫ななのだろうか。
ともかく、ここまで雰囲気を凍りつかせるなんて、やっぱり寺生まれはすごいと思った。


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