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聖テレジア
16
:
カトリックの名無しさん
:2017/02/01(水) 06:01:23
『おさないイエズスの聖テレジア』企画:デルコル神父 文:江藤きみえ 13
司教さまと家族はみんなお聖堂に行って、着衣の式を待っていました。そのあいだ、父と別れたテレジアは、右の手にローソクを、左の手を院長にとられて廊下を歩きます。ふと目に入った幼ないイエズスの小さなご像!まるで自分にほほえみかけるかのようです。喜びにあふれて見るひだりての中庭に、テレジアは、あっと驚きました。
庭を埋めつくした銀世界!思いもよらぬ純白の雪がつもっています。《着衣式の日に、白い雪を望んだわたしの密かな望みさえ、イエズスさまは聞き届けてくださった。だれがこれほどのおくりものを、愛する花よめに与えられましょう》とテレジアは思いました。
その前日は、小春日和だったのに、ミサのあいだに急にふりだしたこの雪を、みんなも不思議に思いました。
修道院に入ると個室で白い服を修練女の服にきがえ、美しい髪を切られて、白いベールをかぶらせられます。お聖堂にまつ人々には、格子の向こうに、大きなじゅうたんが藪かれ、ま'わりをゆりの花で飾っているのを見ました。
ついにシスターの行列が現われ、テレジアはみんなに向かって格子の前にいます。うしろから修道服の白いマントを着せられると、かの女は、じゅうたんの上にひれ伏して、両手を十字架の形にひろげて待ちました。そのあいだシスターたちは、ローソクを手に、ミゼレレ(「主よ、あわれんでください」)の詩編を歌って、テレジアが世間に死んで、これからは、イエズスのためにだけ生きる使命をうけたことを告げるのでした。格子の向こうの深い沈黙!世間を放棄し、天使的な熱心さで自分を永久にイエズスにささげようとしているテレジアです。みんなは、感激のあまりに涙をおさえることができません。
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