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平成15年民事訴訟法第2問

1くれは@筋肉医者:2003/08/19(火) 18:27 ID:afDL/TX.
甲は、乙に対し、乙所有の絵画を代金額500万円で買い受けたとして、売買契約に基づき、その引渡しを求める訴えを提起した。
次の各場合について答えよ。
1 甲の乙に対する訴訟の係属中に、乙は、甲に対し、この絵画の売買代金額は1000万円であるとして、その支払いを求める訴えを提起した。
(1) 甲は、乙の訴えについて、反訴として提起できるのだから別訴は許されないと主張した。この主張は、正当か。
(2) 裁判所は、この二つの訴訟を併合し、その審理の結果、この絵画の売買代金額は700万円であると認定した。裁判所は、甲の請求について「乙は甲に対し、700万円の支払を受けるのとの引換えに、絵画を引き渡せ。」との判決をすることができるか。一方、乙の請求について「甲は乙に対し、絵画の引渡しを受けるのと引換えに、700万円を支払え。」との判決をすることができるか。
2 甲の乙に対する訴訟において、「乙は甲に対し、500万円の支払を受けるのと引換えに、絵画を引き渡せ。」との判決が確定した。その後、乙が、甲に対し、この絵画の売買代金額は1000万円であると主張して、その支払を求める訴えを提起することはできるか。

2氏名黙秘:2003/08/19(火) 18:30 ID:afDL/TX.
さっぱり分からなかったので、とりあえず考えをまとめてみました。
コメントよろしくお願いします。

3一 小問1(1)について:2003/08/19(火) 18:31 ID:afDL/TX.
1 甲は、乙の訴えは反訴として提起できるから、別訴提起できないと主張している。この主張は正当か。
 2 まず、反訴提起が可能だからといって、常に別訴提起が許されないわけではないと解する。なぜなら、反訴は、原告に請求の原始的併合が認められる(136条)こととの均衡上、被告の便宜のために認められるにすぎないからである。
 3(一)もっとも、乙の訴えが反訴として提起できるのは、甲の乙に対する請求と同一の法律関係に基づくため、関連性を有するからである。そこで、別訴と同一の法律関係に基づく事件がすでに係属済みの場合、二重起訴(142条)にあたり、別訴提起できないのではないか。
  (二)思うに、142条の趣旨は、判決効の矛盾抵触の防止にある。そして、判決効は訴訟物に対して及ぶ(114条1項)。とすれば、別訴と係属中の訴訟の訴訟物が同一である場合に、二重起訴にあたると解する。
  (三)本問では、乙の甲に対する売買代金支払請求権と甲の乙に対する絵画引渡請求権は、訴訟物が異なる。よって、二重起訴にあたらず、別訴提起は可能である。
 4 したがって、甲の主張は不当である。

4二 小問1(2)について:2003/08/19(火) 18:32 ID:afDL/TX.
1 本問甲の訴えは、乙に対する売買契約に基づく絵画引渡請求である。これに対し、判決は、代金との引換給付判決である。また、乙の訴えは、甲に対する売買契約に基づく1000万円の代金支払請求である。これに対し、判決は、700万円の一部認容判決である。これらの判決は、厳密には当事者の申立に合致しない。そこで、両判決は処分権主義(246条)に反し、許されないのではないか。
 2 思うに、処分権主義の趣旨は、当事者意思を訴訟上に反映させる点にある。また、処分権主義には、相手方に不意打ち的に不利益を課すことを防止する機能がある。とすれば、①原告の合理的意思の範囲内にあり、②被告不意打ち的に不利益を課すことにならない場合には、処分権主義に反しないものと考える。
 3(一)本問甲への判決は、甲が請求棄却判決よりも引換給付判決を望むであろうから、①原告の合理的意思の範囲内である。また、引換給付判決は無条件の給付判決に比べ、②被告に不利益を課すことにはならない。したがって、甲に対する判決は、処分権主義に反せず、許される。
  (二)本問乙への判決は、乙が請求棄却判決よりも一部認容判決を望むであろうから、①原告の合理的意思の範囲内である。また、甲も代金額1000万円以内で争っているから、②被告に対する不意打ちにもあたらない。したがって、乙に対する判決も、処分権主義に反せず、許される。

5三 小問2について:2003/08/19(火) 18:32 ID:afDL/TX.
 1(一)乙は甲に対し、絵画の売買代金1000万円の支払を求める後訴を提起している。ところが、前訴の甲に対する判決の主文には「乙が500万円の支払を受ける」ことが含まれている。そこで、後訴は既判力(114条1項)に触れ、訴え提起できないのではないか。引換給付判決が前訴被告からの給付請求についても既判力を及ぼすかが問題となる。
  (二)思うに、既判力は、前訴の訴訟物に対する判断につき生じる。とすれば、引換給付判決が前訴被告からの給付請求についても既判力を及ぼすかは、前訴被告からの給付請求権が前訴訴訟物に含まれるのかどうかに帰着する。そして、被告からの訴えによらず、これを訴訟物に含めることは、処分権主義に反する。よって、引換給付判決は単なる条件付判決にすぎず、前訴被告からの給付請求について、既判力を及ぼさないと解する。
  (三)したがって、本問乙の訴えにも前訴の既判力は及ばず、乙は原則として訴え提起できる。
 2 もっとも、本問の後訴では、売買代金額の違いが大きな争点である。そこで、前訴において、当事者の一方が代金額につき十分に主張立証し、甲にすでに紛争解決済みとの信頼が生じていた場合には、信義則(2条)上、後訴の提起は許されない。
                           以上

6管理人:2003/08/21(木) 07:48 ID:l8AtUqbs
一読したところ、問いに答えており、問題提起、趣旨からの論証、規範定立、あてはめができていて、理想的な答案だと思います。
また、とても読みやすいです。

7くれは@筋肉医者:2003/08/23(土) 11:43 ID:afDL/TX.
コメントありがとうございます。
小問1(1)が難しかったです。

8管理人:2003/08/24(日) 15:06 ID:ravD9bD2
あまりお役に立てなくてすいません。
この答案、リンクにある「司法試験の自習室」で転載してもよろしいでしょうか?
私の部屋「きゃおり☆2004さんの自習室」で、くれはさんが投稿していただいても。。
有益なコメントをしてくれる人がいるかもしれません。

9くれは@筋肉医者:2003/08/24(日) 23:44 ID:afDL/TX.
よりたくさんの方に見ていただく方がよさそうですね。
あちらには投稿上の特別なルールがあるようですね。
転載お願いできますか?

10管理人:2003/08/25(月) 04:48 ID:HDpPyyIk
ありがとうございます。

12管理人:2003/08/25(月) 19:51 ID:.5wE9SaM
すいません。注意書きに本試験発表前の検討を控えるように書いてるみたいなので、このスレにリンクはらせてもらいます。

13くれは@筋肉医者:2003/08/26(火) 23:23 ID:afDL/TX.
ありがとうございます。お手数おかけします。

14くれは@筋肉医者:2003/09/02(火) 23:13 ID:afDL/TX.
今読み直してみると、小問1(1)で、処分権主義を書き忘れてます。
考えるときは、ちゃんと処分権主義から考えたんですけれど…。
まだまだ修行が足りません。

15氏名黙秘:2003/09/04(木) 20:37 ID:gnymupFk
http://jbbs.shitaraba.com/school/14/

16管理人:2003/09/05(金) 03:41 ID:kfKNuqz.
>14
処分権主義や弁論主義から書いていくと、基礎をわかっているような印象を与えられますね。
今思ったのですが、最初の別訴提起が許されるかについて、なぜ問題になるのか、146条をあげて書いておいた方がいいと思いました。

17くれは@筋肉医者:2003/09/05(金) 23:41 ID:afDL/TX.
>16
146条では明文上、別訴提起禁止が定められていないということですか?

19管理人:2003/09/06(土) 10:19 ID:X8oYpvow
「146条で反訴が規定されているのは別訴を許さない趣旨ではないか。そこで、別訴提起が許されるか問題となる。」という問題提起をすべきではないかというつもりで書いたのですが、よく考えると、本問では、甲が「反訴として提起できるから、別訴提起できない」と、問題を提起していることに対する是非が問われているので、書かなくてもいいかもしれません。
甲の主張の根拠として、このことを書いてもいいかとも思いましたが。。

20くれは@筋肉医者:2003/09/06(土) 11:50 ID:afDL/TX.
反訴として提起できるから、別訴提起できない→146条の要件を充たせば、別訴提起禁止の効果が出る
というのが、甲の主張ではないか?ということですね。
こういう解釈がありえるならば、反対説かどこかで書くと丁寧ですね。

21くれは@筋肉医者:2003/09/06(土) 12:03 ID:afDL/TX.
ふ〜む。
146条の趣旨として、紛争の一回的解決や判断の矛盾回避を重視すると考えると…。
…「反訴提起すること「のみ」ができる」と読むことができるかもしれないですね。

22くれは@筋肉医者:2003/09/06(土) 12:14 ID:afDL/TX.
こう読むと、甲の主張は正当となりえますね。
反対説たたきとしては、
別訴提起禁止の範囲が広くなりすぎる、
一審が終われば相手の同意がなければ被告は訴え提起ができなくなる(300条)、
あたりでしょうね。

23くれは@筋肉医者:2003/09/06(土) 12:22 ID:afDL/TX.
解釈としては、こんな感じになるんでしょうか?
こういう考えがあるのかどうか、ちょっと調べてみますね。

24管理人:2003/09/06(土) 14:15 ID:yrNE35D6
デバイス、Cブックを調べたところ、「反訴提起すること「のみ」ができるか」ということは、論点としては載っていませんでした。
私の勉強不足から、甲がこのような主張をしているのだから、きっとそういう論点があるのだろうと考えてしまいました。
しかし、甲はどういった根拠でこのような主張をしてるんでしょうか。。

25くれは@筋肉医者:2003/09/06(土) 23:15 ID:afDL/TX.
基本書を調べてみましたが、やはり146条に別訴禁止を読み込む解釈は見あたりませんでした。
全く成り立ち得ない解釈とは思えませんが…。

26くれは@筋肉医者:2003/09/06(土) 23:32 ID:afDL/TX.
う〜ん…。
前述のような解釈をすると、146条は別訴において、訴訟要件としての機能を果たすことになりますね…。
…とすると、その趣旨と効果が、142条と重複することになりますか…。
…そうだとすれば、146条の解釈として展開する必要はなくて、142条の要件解釈に解消すればよいというようなところでしょうか…。

27くれは@筋肉医者:2003/09/06(土) 23:43 ID:afDL/TX.
甲の主張があいまいで、少し根拠がつかみにくいですよね。
私は、初めに見たとき、甲は訴訟要件を欠いてると主張しているのだと思い、まず142条のみだと思いました。
甲の主張が裁判所に認められれば、別訴は併合されるか、訴えが却下されるからです。

28くれは@筋肉医者:2003/09/06(土) 23:55 ID:afDL/TX.
ところが、小問1の(2)で処分権主義が出てますよね。
問題番号の形式が形式だけに、処分権主義から考えてみるべきではないかと思いました。
考えた結果、よく分からなかったので、処分権主義→146条の趣旨→142条と書いて、お茶を濁しました。

29くれは@筋肉医者:2003/09/06(土) 23:57 ID:afDL/TX.
お茶を濁しました→お茶を濁すつもりでした
ですね。処分権主義書いてないですし。

30くれは@筋肉医者:2003/09/07(日) 00:13 ID:afDL/TX.
甲の主張の根拠が分からない本問で、146条に別訴禁止を読み込むという視点は、参考になります。

31管理人:2003/09/07(日) 05:23 ID:qtDbvvxI
考えて見れば、甲の主張の根拠が明示されてない以上、主張の根拠を変に決め付けずに、上の答案のように書くのがベストだと思いました。。

32くれは@筋肉医者:2003/09/07(日) 12:31 ID:afDL/TX.
どうやら、本問の難しさは、甲の主張からは根拠が読みとりにくいという点に尽きそうですね。
法務省の発表を待つことにします。

33氏名黙秘:2006/07/11(火) 18:48:12 ID:BJBD3AvY



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