したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

平成5年度商法第1問

1問題:2003/07/05(土) 04:58 ID:EhdRk.ss
 取締役会においては,株主総会の場合と比べ,その招集手続き及び議決権の行使につき,どのような違いがあるか。株主総会の場合との違いは,どのような理由に基づくか。

2そうちゃん@管理人:2003/07/05(土) 13:44 ID:imb4oIeg
いらっしゃいませ。。
前から思っていたのですが、問題や答案を載せた場合には、管理人が掲載したのと区別するために、できれば「問題・答案を提起した」旨のコメントを併せて書くようにお願いします。。。

3Law School's Door:2003/07/10(木) 10:03 ID:EhdRk.ss
今から答案を書き込みますのでよろしく。

41,取締役会と株主総会の意義:2003/07/10(木) 10:06 ID:EhdRk.ss
 取締役会とは,経営の受任者たる取締役により構成され,会社の業務執行に関する意思決定をするためになくてはならない合議体の機関である。一方株主総会とは,会社の所有者たる株主により構成され,会社の基本的事項に関する意思決定をするためになくてはならない合議体の機関である。
 すると両者は,会社に関する何らかの意思決定をするためになくてはならない合議体の機関であるという共通点を持つことになる。しかし,その招集手続や議決権行使については,異なる制度が設けられている。そこで以下,まず具体的にどのような違いがあるかを述べ,次にその違いはどのような理由に基づくかにつき述べる。

52,具体的差異:2003/07/10(木) 10:07 ID:EhdRk.ss
(1)招集手続の違い
 株主総会は,会議の2週間前に書面をもって会議の目的とともに通知することが必要である(232条)。一方,取締役会は,1週間前(定款で短縮も可,259条ノ2)に口頭でなされれば足り,会議の目的も特に通知する必要はないと解される。
 このように,株主総会の場合は所有と経営の分離した株式会社の意思決定に株主が参与できる貴重な機会であるため,厳格・周到に行われるのに対し,取締役会の場合は経営の専門家なのでむしろ機動性・柔軟性ある手続がとられている。

6氏名黙秘:2003/07/10(木) 10:11 ID:EhdRk.ss
(2)議決権行使の違い
ァ議決権行使の前提たる定足数について
 株主総会は,普通決議の場合は定款で排除できる(239条1項)のに対し,取締役会では,定款で逆に加重され得る(260条ノ2第1項)。株主は多数なので重要度の低い議題につき容易な決議の成立を図らしめる必要があるのに対し,取締役会はなるべく多くの取締役が一同に会し議論を交わすことが望ましいからである。
ィ議決権の個数について
 株主総会では1株につき一議決権である(241条1項)のに対し,取締役では1人につき一議決権(260条ノ2第1項)が与えられる。株主は出資の割合に応じた発言権が与えられるのが公平である一方で,取締役はそれぞれ個別に株主からの委任を受けているのだから,対等に扱うのがむしろ公平だからである。
ゥ議決権の代理行使について
 株主総会では認められる(239条2項)のに対し,取締役会では認められない。株主にとり議決権の行使は経営に参与できる貴重な機会なので厚く保障する必要があるのに対し,取締役は株主と違い個性を重視して委任を受けているため他人に意思決定させるわけにいかないのである。
ェ特別利害関係人の議決権行使について
 株主総会では認められ,著しく不当な議決となった場合に限り取消事由となった(247条1項3号)。株主は会社の所有者であるから,個人的に有利なように議決権を行使しても直ちに不当であるとはいえない一方で,取締役は受任者として会社にとり利益になるよう議決権を行使すべきであり,個人的な利益にとらわれて決議の構成を害するおそれを避けるため,議決権の行使事態を禁ずべきなのである。

73,違いの生じる理由について:2003/07/10(木) 10:12 ID:EhdRk.ss
(1)以上のような差異が生じる理由として,取締役会と株主総会との間には,構成員の地位,意思決定の対象,構成員の人数における根本的な差異があることが挙げられる。

8.:2003/07/10(木) 10:14 ID:EhdRk.ss
(2)まず,株主総会の構成員たる株主は,会社の所有者でありながら所有と経営の分離(254条2項)により普段会社の意思決定に参加できない者である。すると,株主総会は株主が意思を会社の経営に反映させる貴重な機会であるため,株主総会に出席し,議決権を行使するという権利を厚く保障すべきなのである。これに対し取締役会は,経営の専門家として会社経営を委任された者で,会社に対する善管注意義務(254条3項,民法644条)・忠実義務(254条ノ3)を負う以上,取締役会に出席し議決権を行使するのはむしろ義務と捉えられる。すると,前者は手続が周到になると同時に権利行使の機会確保が必要になるが,後者はむしろ株主の信頼を裏切らないよう行動させる方が重要になる。

9.:2003/07/10(木) 10:15 ID:EhdRk.ss
(3)また,意思決定の対象は,株主総会は本来万能の機関であるが経営に疎いため基本的事項に限られる(230条ノ10)一方,取締役は日々の業務執行に関する事項を扱う。必然的に,手続は前者が厳格に,後者が柔軟になる。

10.:2003/07/10(木) 10:16 ID:EhdRk.ss
(4)さらに,株主総会は多くの人数により構成されるため通知は周到になされるべきだが,一定の範囲で決議の容易な成立を必要も生じる。取締役会は少人数で構成されるため,機動性を重視してよいことになる。
                        以  上

11参考文献:2003/07/10(木) 10:17 ID:EhdRk.ss
「パラダイム商法」(早稲田経営出版)をほぼ丸写ししました・・・・・

12そうちゃん@管理人:2003/08/01(金) 19:12 ID:c95m245Y
パラダイムの答案は、コンパクトで読みやすいですね。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板