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台車は虚空の死体を運ぶ

35以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:29:10

 私は、離れた。彼に言われたとおり。

 彼は私を逃がしてくれた。あんな、つたない嘘をつきながら。

 私は頭を抱えて待った。
すべてが終わる時を。
もしも目が覚めたとき、世界が終わっていたら、これほどうれしいことはない。

 数分が過ぎ、数時間がすぎ、とてつもない爆発音とかけ声が聞こえ、叫び声と銃声が乱打され、硝煙のにおいをかいだとき、私はようやく目を開いた。

 そこはトイレの個室だった。
代わり映えがない。遠くから人の呼び声がする。
ドアが開いて、防護服を着た男を目にした。懐中電灯にさらされて、目がとても痛い。とてつもなく痛い。

 私はいつしか泣いていた。

 気づかないうちに泣いている私を、残念なことに、悔しいことに、私の心はすでに納得し始めている。


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