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最近読んだ本を晒すスレ

1シバッキー:2011/01/22(土) 00:40:55 ID:E80qZlHI
最近読んだ本を晒したいと思います。
ご自由に晒しても結構です

2シバッキー:2011/08/11(木) 22:31:22 ID:G/vQ.in6
「涼宮ハルヒの驚愕」前後編おまけ付きを読了。
前作「涼宮ハルヒの分裂」で分裂してしまった2つの話は、これでやっと1つになる。
そして謎の新入部員と、「涼宮ハルヒの陰謀」で出てきた謎の未来人その他云々がかんぬんして。。。。。
そして「やれやれ」な話(一緒かい!)
まあ、「分裂」で無理矢理話を2つに分けてしまった(と思われる)割りには、
ちゃんとまとまったかな(^-^; って感じのお話。

未来についてかんたんに書いているのは、もう書かないつもりの布石なのか。。。。

3シバッキー:2011/08/11(木) 22:37:36 ID:G/vQ.in6
塩野七生著「ローマ人の物語」は文庫本第5巻である「ハンニバル戦記」まで読了。

ハンニバルがローマを、イタリア中をかき回したことが、その後のローマを強くするきっかけになった、
という意味で、大変意味のあるポイントに差し掛かってきた。
今まではローマやイタリア近辺だけを色々してきたローマが、
ついに「地中海世界の盟主」として動かないといけない時代がやってきました。

とにかく、ハンニバル軍との闘争もすばらしくて、ほんとうに目が離せなかった!!

4シバッキー:2011/09/10(土) 20:22:26 ID:G/vQ.in6
筒井康隆著「家族八景」と読了。
今まで何回か読みかけて、この「エログロさ」に耐えかねて読みきれなかったもの。
最終話はどういうオチになるかと思ったら、思いっきりなところで落としてきたので、
やっぱ筒井は違うなぁ~、と感心しきり。

5シバッキー:2011/09/26(月) 21:25:13 ID:G/vQ.in6
「青い空」海老沢泰久著、サブタイトルは「幕末キリシタン類族伝」

舞台は日本人が大好きな坂本龍馬とかがいる幕末から明治維新、主人公は今の山形県庄内地方の農民。
この「キリシタン類族」とは、先祖がキリシタンであったのだけれども宗旨換え(転ぶという言い方をしている)をしたものの、5代はキリシタンと同じ弾圧を受ける身分にあったもののことを言う。
当時はお寺が実質住民たちを監視する役目をおっており、徴税も、今で言う住民票のようなこともすべてお寺が管理していた。
ということは、お寺の僧侶の言うことが全てであり、特に「類族」は普通の人よりも重い使役が課せられていた。
その彼がひょんな事から江戸に出ることとなり、幕末の勝海舟や赤報隊など、色々と関わっていく。

中でもその後の「廃仏棄却」を導く神道が、宗教い(信仰)としてでなく、なし崩し的に当時の仏教の代替え品として勃興して行く様は、日本人の中で「宗教」というものが根付かなかった理由のひとつである、
ということを主人公を通して伝えている。

キリシタン弾圧にも頁を割いていて、当時欧州諸国が駐留しているなかで、幕府も明治政府も弾圧を繰り返していく。そして、それに黙って従うキリシタンたち。。。。

日本人に「宗教感」といものを喪失させた時代を検証するには、とても良い本だとおもいます

6シバッキー:2012/07/24(火) 22:07:54 ID:G/vQ.in6
「ねこタクシー」永森裕二著

うだつの上がらない元教員のタクシードライバーが、
ある時出会ったデブ猫「御子神さん」によって成長する、
まあ、ありがちと言えばありがちなお話だし、
タクシーの内情に関しては他の物語よりは詳しいけど、やっぱりちょっと足りないし、
まあ、色々あるけど、
カンニング竹山氏主演で映画化されたので、主人公をカンニング竹山氏で「脳内再生」すると
かなり簡単に読み終わることが出来た。
それなりにいい人情話だと思うなぁ〜

7シバッキー:2012/08/02(木) 21:36:09 ID:G/vQ.in6
「フィンランドの歴史」デヴィット・カービー著 百瀬宏、石野裕子監訳 東真理子、小林洋子、西川美樹訳

スウェーデンの東側の地方として、なんとなくあった「僻地」として、北欧の、特にスウェーデンに支配され、「スウェーデン語こそ至高!」とされていた時代から、フィンランド語復権運動、自主独立運動から、帝政ロシアによる占領期に入り、ロシアの首都サンクト・ペテルブルグに近いことから対ドイツの拠点的扱いを受け、帝政ロシアの「フィンランド大公国」となる。
ソビエトになってからはソ連の思惑で完全独立を果たすが、「巨大な隣人」に翻弄され、領土を取られ、関税同盟などの加盟にもクレムリンを伺わないといけなくなる。
そしてソ連崩壊で、それまで「なんとなく西側」だったのが、名実ともに西側に参加できるようになった!

ということが事細かに、何人かの主要人物のピックアップとともに書かれていて、いい本でした。

8シバッキー:2013/01/06(日) 16:38:47 ID:ax/NHeDY
「妻をめとらば 韓国人!?」篠原令 著

高嶋ナントカさんの「ストーカー」とまで騒ぐ離婚裁判や、その前からの嫌韓論など、韓国をDisる発言が多かったりする今日この頃、じゃあそれは何故かというと、
相手のことをよく理解しようとする気がないからなのでは?というのが、
この本を読んでのわたくしめの第一感想なのです。
違う国なんだから考え方が違うのは当たり前で、じゃあなんで違うのかってのを、この本はよく解説してくれていて、すごくためになる。

著者はもちろんそういった、違う国の違う考え方を理解した上で結婚したのだけれども、それでも考えたの違いに一々驚いているわけで、そう考えると高嶋ナントカさんは、相手を理解する努力をどれだけしたのかしらん、と言う感じではあるのよね。。

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10シバッキー:2016/02/08(月) 16:20:30 ID:/dIDUAaU
『君よ憤怒の河を渉れ』西村寿行1974年発行

読み進めると、高倉健さんの映画バージョンを見たことがあるぞ!っていう、
断片的な記憶がよみがえってきた!!

確かに導入はショッキングだし、筆致もすばらしいんだけど、
いまさら読むとアラが多いよなあ〜
・今時のラノベでもやらないような、行く先々で女性がなぜか助けてくれる
・名探偵コナンでもやらないような、強引な種明かし。しかも、結局解決していない!!!

wiki見ると、映画版はちゃんと解決し、悪者を罰するENDらしいのだけど、
原作ではそこいら辺がチョー適当で、主人公が被疑者のまま公然と雲隠れするENDになっている。
しかも、肝心の「蜘蛛の糸」に関する種明かしも、コナン君の方がもっとうまく種明かしするだろう!
っていう感じの、作者も書いていてよく分からなくなって、
枚数稼ぎの為か最後は精神病院に対する個人的攻撃になっているし。。。。

まあ、でも、読ませる筆致なのは、さすがでした

11シバッキー:2016/06/25(土) 18:18:10 ID:Anu59tyA
教会で読む様に言われた本

1.『若者と生きる教会』大嶋重徳著
現在のKGKの総主事で、教会員であり大学生伝道を長年している著者の、
「若者はどうやったら教会に行くのか?」という質問に答える講演会の内容。
青年たちに向き合うことの大切さを書いている。

2.『もっと教会を行きやすくする本』八木谷涼子著
教会の「掲示板」「新来会者カード」「図書」「映像配信」などを
分かりやすい絵とともに、色々な教会の「こんなところやあんなところ」を
取り上げてみた。とても読みやすい一冊!

3.『高校生の居場所のつくり方』中尾祐子著
高校生伝道をしている団体Hibaを取材したキリスト新聞社の方による、
Hibaスタッフが高校生との接してみた体験を書いている。
う〜ん、でもなんか、スタッフの考え方がなんか古いタイプで少し幻滅した。
これがHibaなのか。。。。?

12シバッキー:2016/08/01(月) 21:24:46 ID:Zid3nk92
『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』柴那典著2014年太田出版

初音ミクの誕生は様々な「偶然」というか「必然」が生み出したモノとして、
60年代のヒッピームーブメント、70年代のロックブーム、
80年代のYMOに代表されるエレクトリックミュージック、
そしてシンセサイザーに代表される電気音楽、
「宅録」からDTMへの以降、
ネットの普及により、フラッシュアニメの「空耳」からyoutubeニコ動の転載
楽曲の無断使用からの「掲載あぼん」、からの自作曲

という、すべての流れが初音ミクに集約されたのでは?
という著者による論評。したがって
「バーチャルアイドル」という点よりも、楽器としての初音ミクの方を
分かりやすく取り上げている。

一部「初音ミクが来ないのでスネています」とか、そんなに話題にならなかった作品を取り上げたり、
かなり商売っ気がありすぎて敬遠していた「桜の雨プロジェクト」とかを持ち上げたりして
ボカロ以前に「アイマス」が流行っていたことからボカロPの「○○P」という名前が付いたと言う点とか
そうなのか?と思う点もあり、
まあ、そこいら辺は「諸説有り」だからしょうがないのかなとも思うんだけど、

端的に分かりやすく纏められていた、良い本だと思います

13シバッキー:2017/04/10(月) 20:56:21 ID:Anu59tyA
『八日目の蝉』角田光代著2007年中央公論新社(文庫本2011年刊)

NHKでドラマ化され、永作博美、井上真央で映画化されたらしいんだけど、
そうとは知らずに、ブックオフで100円で購入。
突然の乳児誘拐から始まるストーリーは、第1部と第2部に分かれ、「あの時」と「今」が錯綜する。
そして第1部の主人公である希和子、第2部の主人公恵理菜の「なぜ」と
あの時の愛情はいったい何だったのかという感情の吐露が素晴らしい物語。

エンジェルホームってのが途中出てくるんだけど、これって「ヤマギシズム」だよねぇ〜、なんとなく(--;
女性ばっかりじゃないけどさあ、あそこは。

まあ、それはともかく、逃げ延びた小豆島の情景、ささやかな幸せ、そこから一転凶器の日常と
「幸せ」ということの定義を考えさせられる作品

14シバッキー:2017/06/20(火) 22:05:32 ID:Anu59tyA
『走れ病院』福田和代著2011年実業之日本社刊(文庫本2014年刊)
原題「ヒポクラテスのため息」

当然総合病院の経営を任された青年が駆けずり回るお話!といえば
それまでなんだけど、
タイトル通り疾走感があって、読むのには楽しいお話。

門外漢の青年が医療分野に踏み込むわけで、
当然門外漢である読者にも結構わかりやすく、病院の「経営の仕方」が書かれていて
勉強になる!かどうかは分からないけど、
知ったつもりになって、それも面白い。

ラストは、アレしかしょうが無いのかなぁ〜。
もっとハッピーエンドであっても良かったと思うんだけど。。。。
そこまでのお話が結構現実に即していたので、ラストだけファンタジーにするわけにはいかないのだろうけど
でも、なぁ〜

あたしの好きなAKBの名曲「走れペンギン」のようなタイトルとともに、
全体的には楽しいお話でした

15シバッキー:2017/06/20(火) 22:19:52 ID:Anu59tyA
『人類は衰退しました』田中ロミオ著2007年小学館GAGAGA文庫

アニメ化され、特徴的なOPが印象的だったのだけど、
つまり、あれです。
話としては、あれがああするわけです。まさにそれなのです。

というわけで、大変面白かったんだけど、
次巻を読むかと言われると、まあ、
読まないですね

16シバッキー:2019/02/21(木) 23:13:25 ID:SdGkpnxI
『ユナイテッド93』(元題「墜落まで34分」)
(原題:Among the Heroes「訳:ヒーローについて」 
副題:United Flight93 & the Passengers & Crew Who Fought Back)
ジェレ・ロングマン著 原口まつ子訳 2003年光文社(文庫2006年)

映画『ユナイテッド93』(United 93)の公開に合わせて改題。

映画を見てから本を読んだ。
映画はハイジャックされた機内の様子が、有名な言葉である「Let's Roll」の言葉とともに勇敢に戦う姿勢が描かれているが、
当然ながらその時の機内の様子は実際は誰も分からない。映画はあくまでも想像の産物である。
でも、映画は映画で、あの貿易センタービルに突っ込む実映像を使用したり、
機内から携帯や機内の電話で家族にやりとりした様子も描かれていたりで、
それなりにわかりやすかった。

この本は、その「実際の機内では何が起きたか」は、
分からないので当然書かれていない。こうしたであろうという推測は書かれているが。
それよりも、その「Hero」と呼ばれていた機内に乗り合わせていた人一人一人の半生をたどりながら
その人ならどうするのだろう、どういう人なのだろうか、ということに焦点を合わせた書き方をしている。
そのため「その時」が来るまで、ダラダラと書き連ねている印象を与える。
しかし「その時」が来ると、その「ダラダラと書き連ねていた」意味が分かってくると言う、
Among the Heroesの原題通り、ヒーロー列伝となっていく。

その「ヒーロー列伝」を読んでの感想なんだけど、
ハイジャック犯が失敗した理由は、平日の朝の飛行機を選んだこと何じゃ無いかと思った。
平日の朝の飛行機に乗る人なんて、ビジネスマンか時間の余裕のある人で、しかも富裕層になるから。
つまり、「社会的地位があって、自分の意思をはっきり持ち、行動力がある人」が多数乗っていた飛行機だったため
コックピットを奪うことが出来ても目標建築物(ホワイトハウスとも国会とも言われているが、確実には分かっていない)に
たどり着けなかったのではないかと。
これがグライハウンドのようなバスだったら、所得が低い層なので、もっと違う結果だったかも。

っていうと、じゃあ貿易センタービルに突っ込んだ2機とペンタゴンに突っ込んだ1機はどうだったのか?と言われそうだけど、
このユナイテッド93便は朝の離陸ラッシュのため離陸が遅れ、乗った乗客がその突っ込んだ3機の情報を電話で得ることが出来、
ふつうのハイジャックのように、どこか遠い国で解放されることなど絶対あり得ない、どこかに突っ込んで一緒に死ぬしか無いと
分かっていたから行動せずには居られない状態に置かれたからというのが本書の理解するところである。
だから乗客たちは意図して「ヒーロー的行動」を取ったわけでは無く、そうせざるを得ない状態に置かれたからそうした、
ということかと。

しかし、アメリカは、その乗客たちを「アメリカを救った英雄」に仕立て上げる流れに。

夫がユナイテッド93便に乗っていた女性の言葉
「私にとっては、夫が誰かの英雄になるより、ここに一緒にいてくれるほうがずっといいんですから。
身勝手かもしれませんが、それが本音です。私の夫じゃなくて、トーマス・ジェファーソンを自分の英雄にすればいいんじゃないですか」

17シバッキー:2019/04/17(水) 23:23:44 ID:SdGkpnxI
『巌窟王』作:デュマ 訳:矢野徹 1989年講談社青い鳥文庫

青い鳥文庫、つまり「青少年向け」に書かれた「概略本」なのに
350頁あって、
しかも文体が古くさい!
これは今時の子どもたちは読めないだろうなぁ〜と
思いながらも、
実はわたくしめ、この物語は初見。
なので、子ども向け書籍であるこの本で知識を得たのは本当に良かった

近年ディーン藤岡主演で「まさかのドラマ化」され話題になったけど、
この本を読むと、あのドラマはほぼ忠実だと言うことが分かる。

18シバッキー:2019/11/02(土) 23:55:35 ID:xtUq4TY.
『ソロモンの偽証(第一部、事件)』(上下)作:宮部みゆき 2012年9月新潮文庫

文庫で各500頁ってことはハートカバーで1000頁って事よね。しかも、これでまだ「序章」

全く悠長なもので、
物語が動き出すのは上巻の担任森内の隣家の垣内が「やりはじめた」からという、
380頁過ぎた辺りから、という「超スロースタート」!!!
でも、文章力の素晴らしさから読むのに飽きることは無く、朴訥と登場人物の紹介と事件の進行が続く。

肝心の「作者のやりたかったこと」は、この下巻の最後の方にチラッと出てくるが、
それでも続く『決意』『法廷』篇に突入しないとちゃんと分からないという。

とにかく、面白いけど、ボリューム大杉だわ!!っていう小説

19シバッキー:2020/01/05(日) 18:06:52 ID:SdGkpnxI
『マルドゥックスクランブルThe First Compression-圧縮』作:冲方丁(うぶかたとう)2003年早川文庫

最近は「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズに関わっていることで有名な冲方氏の代表作。
近頃はSFよりもファンタジー物語の方が幅を効かす中、
かなり結構「ちゃんSFしている」作品。
エアーカーなどの「いかにもSF」なアイテムも登場するし、主人公?も超常的な力を発揮するし、そういう意味でそれこそ
「ちゃんとSFしている」作品なんだけど、
基本はハードボイルド探偵ものなのよね。

まあ、「ハードボイルド探偵もの」ってのも、今となっては絶滅危惧種だけど。

2作目へのつなぎを意識しているのか、EDは「To Be Continued⇒」っていう終わり方になっているのがなんとも

20シバッキー:2020/01/07(火) 13:53:50 ID:Aa5a2xmg
>>19 の『マルドゥックスクランブル』の漫画版を読んだ。
「聾の形」で有名な、大今良時による作品。

基本的に小説通りなんだけど、
バロットが覚醒したり、物語の神髄に触れたりする場面は
物語がかなり大今流にアレンジされている。

でも、その大今流の方が、話が頭に入って来安かった!

21シバッキー:2020/08/09(日) 16:32:51 ID:SdGkpnxI
『鷲は舞い降りた』(完全版) ジャック・ヒギンズ:作 菊池光:訳
1997年4月15日発行 早川文庫

第2次大戦中のヒットラーによる、英国チャーチル首相誘拐作戦を描いた作品。
まあ、創作なんですけど、
途中の「謎な恋愛要素」さえ無ければ、あと十数年すれば「本当にあった事件なの?」と言われるかもしれない
事件に至るまでの関係者各人のエピソードの肉付けは素晴らしい!と思った。
その事件に至るまでの色々は、読んでいて楽しかったんだけど、

上で述べた、ハリウッド映画バリの「謎な恋愛要素」が蛇足だよなあ、としか。
まあ、書かれたのが75年とからしいので、007バリの「ラブ&サスペンス」が流行っていた時代だからしょうが無いのかもしれないんだけど。

最終的な場面もアレだったし、
この話に真実みを持たせる為の大オチも「はあ?」って感じだったし、
映画化するには良いだろうけど、まあ、そういうお話よね!って感じだった。

ちなみに映画はまだ見たことがない。

(完全版)にしか付いていないという後日談も、
え〜?そんなんある??と思ってしまった。

22シバッキー:2020/10/10(土) 18:42:47 ID:SdGkpnxI
『革命前夜』須賀しのぶ:作
2015年3月文藝春秋刊 2018年3月文春文庫刊

昭和が平成に代わったとき、日本を離れて東ドイツ(本書の中ではDDRという言い方をしている)に単身で音楽留学に行った日本人青年を通して
まだ「東」だったドイツの内情を描いた作品。
基本創作なのによく出来ているとは思うんだけど、
「汎ヨーロッパ・ピクニック」あたりから、「ああ、やっぱりそういう展開かぁ」と先に読めてしまうので
(その前に、「DDRの人はハンガリーにピクニックに行くのが好き」あたりから、汎ヨーロッパ・ピクニックにつなげるつもりなんだろうなあ、とは思ってしまったが)
そこが残念だった。
アソコは汎ヨーロッパ・ピクニックには参加せず、傍観するという演出方法は無かったのかしら?と思って残念だった。

全体としてはそれだけ楽しめた小説だったと言うこと。
昭和が平成に代わった時というのは、世界が大きく動いた、東西冷戦が終結した時でもあったので、
その瞬間にDDRにいた(ことにした)青年の大きく動く心模様が
ドイツの生んだ偉大なる作曲家バッハや、音楽院を取り巻く仲間などを軸に進んでいく。

サクサク読みやすい作品だった。

Twitterで話題になったので、中古で購入

23シバッキー:2020/11/20(金) 22:37:38 ID:SdGkpnxI
『折りたたみ北京 -現代中国SFアンソロジー』ケン・リュウ編 中原尚哉 訳
2018年2月早川書房
単行本でも文庫本サイズでもない、どちらかというと新書に近い、「ポケットブック」サイズ。

いろいろな現代中国の作家の作品の、分野に偏らないSFアンソロ。
ある人は初期筒井康隆のような風刺の効いた作品で、ある人は星新一のようなほのぼの系作品、
ある人は内田百閒のような幽玄的な、中国四千年の歴史を感じさせる、SFでありながら幽霊的な作品もあり、
また表題作「折りたたみ北京」のように、現代の中国社会の格差問題を鋭く作品もあり、

ファンタジー小説が幅を効かせ、SFがほぼ衰退してしまった日本としては、
荒削りではある物の、まだまだこれから発展するであろう「中国SF」をうらやましく思う作品。

で、むかし日本でSFが流行し、中国でこれだけSFが発展しそうな勢いというのは、
・社会が混沌としていること
・社会が発展しそうになっていること
・発展したとしても社会が発展するのであって、個人が発展するのでは無いこと

その社会全体として未来志向でありながら、個人は何ら変わらないという点が
SFの題材として向いて居た(そういう時代であった)ということだったのかと。
で、ある意味成熟して、「未来志向」が無くなった日本ではSFはブームになり得ず
これからさらに発展して行くであろう中国がSFの題材として向いて居るのかも
というのが気になった。

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25シバッキー:2023/10/18(水) 17:46:06 ID:viUZAtXc
『塩狩峠』三浦綾子:著 1968年9月新潮社刊
初出は「信徒の友」1966年4月号から2年半の連載
文庫本は1973年5月刊

映画も何万回も見たし、ストーリーはわかりきっているつもりだったけど、原作小説は始めて。なので映画が屋台のシーンから始まる不自然さが、やっと理解出来た。
よく人が死ぬ小説だなぁ、というのが第一印象。母、祖母、父、劇中劇の牧師。
「自己犠牲」がメインテーマなんだろうなぁ、と思わせるのが文庫本344頁の「あんた、その娘さんのつまりは犠牲になるっていうことかい」の台詞。
ラストはみなさんご存じのアレ。あとがきには、永野(長野)青年の自殺説が当時結構語られていたとあり、はじめて知った。

26シバッキー:2023/12/08(金) 00:05:46 ID:NGpS6Hfc
『おバカさん』遠藤周作 2015年5月小学館
注意書きとして「1962年に角川書店より発刊された文庫を底本」と書かれているが、wiki見ると(1959年、中央公論社)となっている。それぞれ違うのだろうか。

「海と毒薬」よりは後、「沈黙」よりは先の作品。
巴絵の仕草が阿川弘之の「カレーライスの唄」に似ているけど、作品としてはこちらの方が先の様子。

かつての皇帝ナポレオンの子孫という割りにはパッとしない風貌の男、ガストン(主人公)は、客船の4等(そんなものは無い。最下層3等より下の意味)に乗って来日し、戦後のガヤガヤしていた東京でフラフラとして暮す。そのうち殺し屋遠藤と出会う。そんな話。

以下ネタバレ






・皇帝ナポレオンの子孫 ⇒ダビデ王の子孫
・客船の4等(そんなものは無い)で来日 ⇒馬小屋で生まれたことのメタファー
・殺し屋遠藤 ⇒作者遠藤周作
・売春宿に泊る ⇒人の子は枕する所も無い
・ガストンが遠藤の殺人を邪魔する ⇒殺意とは言わないまでも、他者を平気で傷つけることの出来る自分に、それを抑制するキリストの存在
・ガストンは死んだ?? ⇒遠藤の代わりに犠牲になった?
・飛ぶしらさぎ ⇒キリストの昇天
・「おばかさん」 ⇒人からはそう見える

そこまでは、分かる。しかし、狂言回しを演じている隆盛と巴絵兄弟の存在はなんなんだ?
「いぬさん」はなんだ?占い師は?
売春宿や「パンパン」などの必要性は?キリストは確かに姦淫の現場で捉えられた女性に優しかったが、ガストンはそこまで優しくはしていない。

それよりなにより、罪はどうした?罪を赦さないキリストなんているのか??

必要に迫られて読んだけど、本来は読まない本だわ。


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