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マンガ・小説とコイン
8
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紋章官
:2013/06/29(土) 01:45:51
早いもので6月お終わり。原稿が停滞、あせり始めているなか、明日は六本木へタペストリーを見物へ。
さてルネサンス3巨匠の展示会も残るところ秋のミケランジェロ展のみ。ボッティチェリやフラ・アンジェリコ、フィリッポ・リッピも来てくれないかと願いつつ、「チェーザレ」を含めルネサンス期のフィレンツェはいろいろなマンガや小説の舞台になります。
そのフィレンツェで流通していたのがフィオリーノ金貨と銀貨。トスカナ大公国の金貨に比べて一回り小さいですが、信用、流通において中世欧州で抜群の力を誇った金貨。
表にユリ、裏に守護聖人、それで守護聖人像に添えられた器物などのシンボルで発行年代がわかります。ちなみに10年ほど前のフィレンツェ展で、その造幣記録台帳が展示されました。(手にとつてページをめくりたかった!絵画、彫刻の資料は山ほどあっても、これは出てこないので!)このフィオリーノ金貨と肩を並べる有名どころがヴェネチアのドッアーレ金貨、この2金貨で中世欧州の金融、為替は支配されます。
そのため、この2つの金貨を模倣したラインフローリン、東地中海でのドッカーレ模倣貨幣が発行されます。ちなみにこの2枚、ほとんどサイズや重さは案外同じです。
フィレンツェは有名人が多いのに対し、ヴェネチアではマルコ・ポーロが日本人には一番なじみがありますが、そのマルコ・ポーロをとらえたのがジェノバ。このジェノバはフランスやミラノの支配が相次ぎましたが、それでも独立国家である時は独自貨幣を発行しましました。それがジェノニーノ金貨。日本では知名度が低いですが、発行開始はフィオリーノやドッカーレに次ぐくらい早い。しかし上記のような事情であまり継続しない。
手元にありますが、年代の古さもあるのか、サイズはほかの2枚よりやや大きめながら、厚みさは薄い。この貨幣の特徴は、都市の名前にちなみ城門を表にあしらっていること。
なかなか珍しい金貨です。あとは南イタリアの金貨がほしいのですが、難しそうです。
それではまた
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