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おもらし千夜一夜4
553
:
名無しさんのおもらし
:2017/10/11(水) 00:54:18
PRPG マップ14-5『氷雪の森』
ひゅうひゅうと絶え間なく吹く冷たい風。時に舞い上がりながらもしんしん降り続く雪。
勇者たち一行は次の町を目指すべく、『氷雪の森』を訪れていた。
「うう、さむ………」
視界の悪い森の中、四人パーティーの一番後ろにいた戦士が呟く。彼女の身を包む赤い鎧は防御力こそ高いものの、防寒性には乏しい。雪に温度を奪われた体を少しでも暖めようと、盾を持たない手で腕をさすっていた。
「が、頑張りましょう。この森を抜ければ、すぐに町があるはずですから」
そう応じるのは、戦士のすぐ前を歩いていた僧侶。戦士よりはいくらか厚い法衣を纏ってはいるものの、こちらも寒そうに身を縮めていた。
「って言ってもさ、さっきから全然景色が変わらないんだけど……ほんとに合ってんの?」
ぼやくように言う戦士に、今度は魔法使いが答えた。
「サーチ魔法によれば、方角はこっちで合ってるはずよ。たぶん、そろそろ森も半分くらいじゃないかしら」
音楽の指揮でもするように、魔法使いは指先を動かす。そこに灯る淡い青色を帯びた光は、水の精霊とリンクして辺りを探っている証だ。
「えー、まだ半分なのかよ……?」
さくさくと雪を踏んでいくブーツの爪先を、戦士は少しだけ不規則に動かした。不満を訴えた口許は、何かに耐えるように下唇を噛む。
「その、さ、………アタシ、催してきちゃったんだけど………ダメ?」
へへ、と戦士は茶化すように笑う。誤魔化しきれない照れが、なめらかな頬を染めた。
「だっ、ダメに決まってるじゃない! ここは魔物も出るし、それに、お外で、なんて……」
戦士の羞恥混じりの訴えに、返す魔法使いの口調は鋭い。
理屈だけで言えば、魔法使いの台詞は至極真っ当なものだ。
魔物と戦うには水聖力と呼ばれる力が必要。
水聖力を体に溜めるには、水そのものを溜めておく必要がある。
魔物の出没する森で『それ』を解放するなんて、自殺行為とほとんど同義。
でも。
「っ、でも、………アタシ、そろそろ、やばいんだよっ」
切なげに眉を寄せ、自らのーーおんなのことしての危機を告げる戦士。
そわそわと腰を揺すり、落ち着かない『欲求』を散らす。
その姿に誘惑されたように、僧侶も口を開いた。
「ご、ごめんなさい、実は、私もです……」
白木の杖を持つ僧侶の手に、きゅっと力が籠る。瞼を伏せた彼女の頬もまた、寒さとは違う理由で赤く染まっていた。
「そんなこと言われても……」
二人の仲間から、控えめながらもストレートに『欲求』を告げられた魔法使いが、困ったように勇者の方を見る。彼女とて、下腹部に燻る欲求を抱えているのに。
「勇者さん、どうしましょう。……その、お二人は結構限界みたいよ?」
何が、とは、魔法使いも言わなかった。
水聖力を溜めることで同時に引き起こされる現象、つまりは、尿意。
パーティ結成以来、何度も何度も彼女たちを苦しめてきたものだ。
「うーん、つらいのは分かるけど、もうちょっと我慢して? ここ、結構魔物が強いしさ……」
申し訳なさそうに、それでも有無を言わさずに勇者は答える。
パーティのリーダーたる彼女だけに見える、仲間の状態を表す窓。それを開いて、仲間たちの状態を確認した。戦士、魔法使い、僧侶の枠は、揃って黄色く染まっている。
緑と青の下にある黄色い横棒には、まだ少しだけ余裕があった。
「勇者の鬼ぃ……」
戦士が、形の良いふとももを擦り合わせながら恨み言をいう。そのトーンが本気でないのは、彼女とてここで解放するわけにはいかないと分かっているからだろう。
「なるべく、急ぎましょう…?」
僧侶が、切実な色を滲ませた声音で乞う。
「早く、着けると良いわね……」
魔法使いは、そっと靴の先を地面に擦り付けた。
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